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1947/06/22 第2回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第002回国会 不当財産取引調査特別委員会 第34号
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1947/06/22 第2回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第002回国会 不当財産取引調査特別委員会 第34号

#1
第002回国会 不当財産取引調査特別委員会 第34号
昭和二十三年六月二十二日(火曜日)
    午後七時四十分開議
 出席委員
   委員長 武藤運十郎君
   理事 鍛冶 良作君 理事 田中 角榮君
   理事 辻  寛一君 理事 梶川 靜雄君
   理事 石田 一松君 理事 中野 四郎君
      石田 博英君    尾崎 末吉君
      千賀 康治君    平澤 長吉君
      角田 幸吉君    明禮輝三郎君
      渡邊 良夫君    足立 梅市君
      河井 榮藏君    佐竹 新市君
      前田 種男君    山中日露史君
      櫻内 義雄君    椎熊 三郎君
      中村 俊夫君    安田 幹太君
      八並 達雄君    吉田  安君
      野本 品吉君    田中 健吉君
      田中 久雄君    本田 英作君
      徳田 球一君
    ―――――――――――――
六月二十二日委員小松勇次君、橋本金一君、小野
孝君、中村元治郎君、古島義英君及び高橋英吉君
辞任につき、その補欠として八並達雄君、櫻内義
雄君、中村俊夫君、田中久雄君、角田幸吉君及び
千賀康治君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 西尾末廣君に関する政治資金の問題
 資料提出要求に関する件
 証人出頭要求に関する件
    ―――――――――――――
#2
○武藤委員長 これより会議を開きます。
 きのうの委員会におきまして決定せられました通り、六月の委員長報告に盛るべき西尾末廣君の問題につきましては、本日一應の結論を出すことにいたしたいと存じます。この問題の結論については、先ほど來理事会において多数の意見の一致しましたものを私から提議いたしたいと存じます。西尾君の問題については本委員会としては西尾君の主観のいかんにかかわらず、土建業者から受取つた金を正式なる届出なくして選挙に際しこれを政界の一部に撤布した事実は政界を腐敗せしめる因となるということを本委員会は認める、かようにいたしたいと思います。
#3
○石田(一)委員 議事進行に関して緊急動議を提出いたします。ただいまの委員長の発議につきましてはすでに論議を盡したのでありますから、この際本件に関してはあらゆる討論を省畧して、ただちに採決に入られんことを望みます。
    〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
#4
○武藤委員長 それではさよう決します。よつて石田君の動議のごとく決しました。
 採決いたします。ただいま読上げました案に賛成の方は御起立を願います。
    〔賛成者起立〕
#5
○武藤委員長 起立多数。(拍手)よつて本委員会といたしましては先ほど私より提議いたしました通り、西尾問題に対する結論を出すことに決定いたしました。これを六月の報告に挿入することといたします。(拍手)
#6
○中野(四)委員 本日はこの程度をもつて散会せられんことを望みます。
    〔「賛成」「反対」その他発言する者多し〕
#7
○武藤委員長 中野君の散会動議に賛成の方は御起立を願います。
    〔賛成者起立〕
#8
○武藤委員長 起立少数。中野君の動議は否決せられました。(拍手)
    〔発言する者多く議場騒然〕
#9
○武藤委員長 御靜粛に願います。
    〔「退場を命じろ」「中野四郎君に退場を命じろ」その他発言する者多し〕
#10
○武藤委員長 御靜粛に願います。
    〔「委員外は退場を命じろ」その他発言する者多し〕
#11
○武藤委員長 御靜粛に願います。
    〔「委員外の発言を禁止しろ」その他発言する者多し〕
#12
○武藤委員長 御靜粛に願います。それでは先ほど理事会においてきまりました問題を御報告して皆さんにお諮りをいたしたいと存じます。第一、書類取寄せにつきまして明禮輝三郎君より一、佐世保船舶重工業株式会社の創立(昭和二十一年九月二十日)趣意書、創立総会の関係書類、その後の重役会、定時総会、緊急総会の関係書類。二、昭和二十一年九月以來の財産目録、貸借対照表。三、佐世保船舶重工業株式会社の昭和二十二年九月二十二日附九州軍政本部へ届出たる非鉄金属在車調べの写し。
 右書類の提出を求めることに御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#13
○武藤委員長 ではさよう決します。
 第二、梶川靜雄君より申し出がありました目下公判中の原侑君の件に関し、調査のため記録を取寄せることに御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶあり〕
#14
○武藤委員長 ではさよう決します。
 第三、同じく梶川靜雄君より求められております隱退藏物資事件に関し、すでに神奈川地檢において起訴せられた參議院議員大隅憲二氏の事件につき、記録の提出を求めることに御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#15
○武藤委員長 ではさよう決定いたします。
 第四、中野四郎君より要求せられました中村勝眞君に関する記録の提出を求めることに御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#16
○武藤委員長 ではさよう決します。
 佐世保事件に関しまして、塩津英薫、北川政、右両君を來る二十四日午後一時当委員会に喚問することに御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#17
○武藤委員長 ではさよう決します。
 北村徳太郎氏を來る二十六日午後一時に、当委員会に喚問することに御異議ございませんか。
    〔「異議なし」「異議あり」「反対」〔賛成々々」と呼ぶ者あり〕
#18
○武藤委員長 では賛成の諸君の御起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#19
○武藤委員長 起立多数、
 なお西村榮一君に関する偽証の嫌疑について告発するか否かに関し、ただちに調査に着手することに御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#20
○武藤委員長 ではさよう決します。
#21
○梶川委員 本日の理事会においてすでに議題に供せられ、先般私より書面をもつて提出済の吉田茂氏の政党資金寄付問題に関し、ただちに調査せられるように要求いたします。すなわち理由は吉田茂氏は昭和二十二年四月二日に五十万円、同年三月五日に十万円、同じく十二月二十九日に十万円、合計七十万円を日本自由党に寄付しておるのであります。
 第二、昭和十二三年六月十八日、衆議院予算委員会の公聽会において、風早公述人は区役所における責任ある調査によれば、民主自由党総裁吉田茂氏が所得なしということになつており、すなわち年收三万円以下で、都民税、区民税がわずかに百二十円になつておる旨の公述をなしておるのであります。
 第三、右によれば吉田氏の第一項の七十万円寄附金は吉田氏の所得中よりなされたものとは思われない。從つて吉田氏の寄附金の入手経路につきましては、非常な疑惑に包まれ、かつ脱税の嫌疑が濃厚なのであります。從いまして以上の次第何とぞ御了承の上、事実を明瞭ならしむるため……
    〔発言する者多く議場騒然〕
#22
○武藤委員長 御靜粛に願います。
#23
○梶川委員 左記証人を喚問の上、至急に調査せられるように御希望申し上げる次第であります。すなわち証人といたしまして、衆議院議員吉田茂同じく証人といたしまして、杉並区役所税務課長、右速やかに喚問の上、調査を進められんことを要求いたします。なお召喚の日取は來る二十五日に要求いたします。これをお願いいたします。
#24
○中野(四)委員 ただいまの梶川君の御提案は、先刻來理事会において十二分に拝聽いたしました。從つて將來吉田茂君を実際上の疑惑ありといたしまする場合において召喚することに異議はありません。しかしながら從來の慣例からまいりますれば、本日決定いたしました北村徳太郎君の件に関しましても、少くとも最高檢察廳の檢事である岡本君の一應証言を求め、その証言の結果によつて、新たに北村君を召喚するという從來の慣來より見ましても、また議事運営の本質より考えても、それが正しいと考えているのであります。(「ヒヤヒヤ」)從つてこれが採決などという暴挙に出でずして、少くとも杉並区役所の税務係である者を一應召喚し、それらの証言に基いて、しかる後疑義ありといたしますならば、吉田茂君の喚問を決定されるよう、私はこの際動議を提出いたします。
#25
○梶川委員 ただいま中野君の御意見はもつとものようでありますけれども、一應私はこれに関連いたしまして弁明いたしたいと思います。すなわち普通の場合におきましては、たくさんの証人があるのでありますけれども、本問題に関しましては、受取つた吉田氏自身しかこの七十万円の入手経路はわからないのでありまして、しかも杉並区役所の税務課長によつて知り得ることは、ただ一片の脱税問題に関する証言のみしか得られないと思うのであります。われわれが要求いたしますのはただ單なる脱税問題のみにあらずして、かかる尨大なる政治資金が、時の内閣総理大臣の手によつてしかも所得三万以下という事実の上に白晝公然となされたということを要求いたしたいのであります。しかもこの七十万円という金が一体どこから出たか、われわれは時の権力者というものがいかに横暴なものであつたかということについて從來泣かされてきたのでありますが、しかしながらこの問題を調べずしてわれわれは政党資金の正常なる糾明をなすことはできないと思うのであります。われわれは政党を浄化し政党の信用を高め、日本に民主主義政治を確立するためにどうしてもこの入手経路を糾明しなければならない。從つて吉田茂君は直接のこれの関係者であり、まず第一に喚問すべきものであると私は確信いたしております。
#26
○鍛冶委員 梶川君の提案並びに中野君の御説は一應受け取れるのでありますが、本委員会においては新しい提案があつたら理事会でこれを調べるということを決定して、しかる上でなかつたら委員会にかけないということは、さきの理事会において決定しておることであります。それを無視してかようなことを言われるのは、まことに本委員会の秩序を乱すものであつて、かようなことはただちにやめてもらわなければならない。理事会で決定したものでなかつたらただちに撤回をせられんことを望みます。
#27
○椎熊委員 ただいまの動議に対しまして、私は中野君の提案に賛成したいと思います。理由を申し上げます。今梶川君の説によると、新たな者を喚問する場合は理事会の決定に從わなければならぬということは、それも一應申合せをいたしましたのですけれども、今日北村藏相の問題のごときは理事会においては意見が一致しておらぬと私は見ておるのであります。從いましてそういう場合は本委員会によつて決定してよろしい。從つて梶川君の御主張ももつともだと思いますが、証人を喚問するの順序においては、少しく愼重にしなければならぬ。まずとりあえず杉並区役所の税務課長なる者を喚び出して、その上で吉田茂氏を喚ぶ必要ありや否や判断の上決定したいと思います。從つてこれは中野君の動議と同一だと私は思いますので、それに賛成します。
#28
○鍛冶委員 私の言うのはそういう問題ではない。理事会ではそういうことに委員長の発議によつてきまつておるのです。それを乱してはいかぬ。だからただちにこれを撤回しなければなりません。さようなことをやつたら委員会の決議というものはつぶれてしまうことになります。
#29
○石田(一)委員 ただいまの梶川君の動議に対しまして、本委員も中野君の動議に賛成いたします。本委員会において新たなる事件を取上げてはならぬという鍛冶委員の御意見も一應ごもつともであるが、今日西尾問題をここに採決して決定しましたその裏には、理事会の決定なくして全員一致の決定なくして採決をしたという事実があります。すなわち鍛冶君のただいま申された今までの理事会の申合せは、あの事実によつてほぼ半分は覆えされたという事実を私は認めております。でありますので梶川君の動議をお取上げになり、しかもその後の動議である中野君の動議にわれわれは賛成したいと思います。
#30
○鍛冶委員 ただいま石田君は、本日の理事会において北村君の問題に対して決定がなかつたと言われるが、さようなことはありません。決定しておる。西尾問題にしても決定しております。ただあとから來られた人が疑義があると言われただけで、さようなことを一々取上げてやられたのではきりがない。今の問題は採決もしておらなければ多数に諮つたこともない全然未知の問題で、問題にならないことは委員長にもよくわかると思いますから、その点を主張いたします。
#31
○尾崎(末)委員 せつかく本委員会は超党派的に最も嚴粛にやろうということになつておりますが、ただいま梶川君がこの委員会において出された動議は、先ほどから述べられましたように從來理事会で協議をしてみて、その大多数の結論か一致の結論が出た場合にここに委員会に移されるというのが今までとつてきたやり方であります。この從來のやり方を覆えしてここに違つたやり方を採用するということになりますならば、その後の理事会並びに委員会の運営ははなはだしく歪曲されてくるのであります。從つて本委員会の権威のために、この問題は先刻の理事会にもどして明日理事会で重ねて審議せられるよう強く希望いたします。
#32
○中野(四)委員 先ほど私が提出いたしました動議の採決にあたつて、一言私からも申し上げておかなければならぬことは、なるほど今鍛冶君のお説もごもつともではありますけれども、理事会においてもこの問題を決定せしめるということはなかなか難儀であります。從つて委員会においてこうして決定するという前例ができれば、今後においてもこういう過程においてやり得るという一つの途が開けたことでありますから、この点についての論議はお互い後日に讓つて、少くとも先ほど私の提案いたしましたように、杉並区役所の税務課長を喚んで一應の証言を求め、しかる後に吉田君を喚問したらいかがかという判定を下すために、この喚問の日時は明日の理事会において決定されることを附議いたしまして、この動議を提出いたします。
#33
○石田(博)委員 原則的には中野君の動議に賛成でありますが、この際特に念を押してこの委員会の発言をしておきたいことは、もしこの種類の方法をもつてただいま梶川君が提出せられた程度の材料をもつて本委員会の議題とただちになし得ることができるといたしますならば、おそらくはほとんど政界その他各界の諸君にわたつてわれわれは新たな提議をなし得る権利をここに留保することを明らかに申し述べて、中野君の動議に賛成いたします。
#34
○椎熊委員 ただいまの石田君の発言は私ははなはだ了解に苦しむのであります。なぜこの問題が取上げられたかというと、公聽会において公々然とこの言辞がなされた。議会の品位のためにこれを質しておかなければわれわれははなはだ遺憾だと思う。普通一般の單なる疑惑とかうわさとかいうことではない。権威ある議会の公廳会において公々然となされた言論であるから、これが眞実であるかどうかということを洗つておく必要がある。
#35
○田中(角)委員 私は中野君の動議に賛成いたします。
#36
○石田(博)委員 公聽会における発言に権威があり、そこに明らかに述べられたことについて疑惑が生じたならば調べるということについては一應の理由がある。同時にその筆法をもつていたしますならば、権威ある新聞雜誌あるいは世の中におよそ公刊されておるもの、あるいは世間に流布されておる一切のうわさ、あるいは内閣調査部などで調査されたもの、あらゆる証拠力、証憑力をもつて社会に対して影響をもつておるものについてはわれわれはいつでもこの種の提議をなし得る権利を留保する。この意味において中野君の動議に賛意を表します。
#37
○徳田委員 本日はもうすでに八時を過ぎておりますから、ただちに採決をして散会していただきたい。
#38
○武藤委員長 それでは諸君に一言申し上げます。新たなる提案をいたします場合には、まず文書によつてその事実関係及び証拠を記載し、これを委員長の手もとに提出する、委員長はこれを理事会に付議して、本委員会においてこれを取上ぐべきかどうかをきめ、しかる後にこれを委員会に諮るという原則は、すでに確立されておるのであります。しかしながら、理事会におきまして、十分討議をしました結果、その一致の結論を見出し得ない場合におきましては、これを委員会において決定するということは、差支えないと思います。それでは中野君の動議に御賛成の方は御起立を願います。
    〔賛成者起立〕
#39
○武藤委員長 起立多数、よつて動議のごとく決しました。
 それでは証人を調べる期日は、明日の本委員会において決定いたします。
本日はこれにて散会いたします。
    午後八時八分散会
ソース: 国立国会図書館
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