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1947/06/24 第2回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第002回国会 不当財産取引調査特別委員会 第36号
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1947/06/24 第2回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第002回国会 不当財産取引調査特別委員会 第36号

#1
第002回国会 不当財産取引調査特別委員会 第36号
昭和二十三年六月二十四日(木曜日)
    午後二時四十七分開議
 出席委員
   委員長 武藤運十郎君
   理事 鍛冶 良作君 理事 田中 角榮君
   理事 辻  寛一君 理事 梶川 靜雄君
   理事 河井 榮藏君 理事 荊木 一久君
   理事 小松 勇次君 理事 石田 一松君
   理事 中野 四郎君
      石田 博英君    尾崎 末吉君
      明禮輝三郎君    渡邊 良夫君
      足立 梅市君    佐竹 新市君
      前田 種男君    山中日露史君
      椎熊 三郎君    安田 幹太君
      田中 健吉君    本田 英作君
      徳田 球一君
 委員外の出席者
   佐世保地区における隠退藏物資等に関する
   事件に関して出頭した証人
         鹽津 英薫君(会社取締役)
         北川  政君(会社取締役)
六月二十四日委員吉田安君及び櫻内義雄君辞任に
つき、その補欠として荊木一久君及び小松勇次君
が議長の指名で委員に選任された。
同月同日理事酒井榮藏君、荊木一久君及び小松勇
次君の補欠として酒井榮藏君、荊木一久君及び小
松勇次君が理事に当選した。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 本委員会における委員変更の取扱いに関する件
 理事補欠選任に関する件
    ―――――――――――――
#2
○武藤委員長 これより会議を開きます。
 先日議長発議をもつて不当財産取引調査特別委員会の性格に関する決議が本会議においてなされましたが、決議案の成案決定にあたり、運営委員会において
 一、事件ごとに委員を差かえてはいけない。
 一、各党は各派割当委員数の二分の一の予備員をおく。一人の委員には一人の予備員をおく。
 という二つの條件の了承のもとに決定されたのでありますが本委員会におきましても、この点に関し確認する意味におきまして先刻の理事会において詳細を決定いたしました。
 一、委員の補欠のため予備員を設ける。予備員は二十五日までに委員長まで名前を届け出ること。
 一、委員の補欠は予備員をもつてこれに充てるものとする。
   予備員の定数は各派割当数の半数とする。奇数の場合は一名繰上げる。一名の場合は一名とする。
 一、予備員以外の補欠の際は理事会の承認を得る。
 右御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○武藤委員長 ではさよう決定します。
 それでは証人のお話を伺います。本日御出頭になりました証人は塩津英薫さん、北川政さんの御両名です。佐世保を中心とする隠退藏物資の不当処分という事件を当委員会におきまして調査中でありますが、主としてこれに関連してお伺いすることにいたします。
 証言を求める前に各証人に一言申し上げます。
 昨年十二月二十三日公布になりました昭和二十三年法律第二百二十号議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律によりまして、証人に証言を求める場合には、その前に宣誓をさせなければならぬことになつております。宣誓または証言を拒むことのできるのは、一般の人については、証言が証人または証人の配偶者、四親等内の血族もしくは三親等内の姻族及び証人の後見人または証人の後見を受ける者の刑事上の訴追または処罰を招くおそれのある事項、あるいはこれらの者の恥辱に帰すべき事項に関するときに限られ、医師、歯科医師、藥剤師、藥種商、産婆、弁護士、弁理士、弁護人、公証人、宗教または祷祀の職にある者またはこれらの職にあつた者についてはその職務上知つた事実であつて默秘すべきものについて尋問を受けたときに限られております。右以外には何人も宣誓または証言を拒むことができないことになつておるのであります。なお証人が正当の理由なくして宣誓または証言を拒んだときは、一年以下の禁錮または一万円以下の罰金に処せられ、かつ宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは、三月以上十年以下の懲役に処せられることになつておるのであります。一應このことを御承知になつていただきたいと思います。では法律の定めるところによりまして証人に宣誓を求めます。お手もとに差上げてある宣誓書を塩津さん代表してお読みください。そうして署名捺印を願います。
    〔証人塩津英薫君各証人を代表して宣誓〕
    〔各証人宣誓書に署名捺印〕
#4
○武藤委員長 それでは塩津さんから先にお伺いいたしますから、北川さんは御迷惑ながらしばらく別室でお待ちを願います。
 塩津さんは今佐世保船舶工業株式会社の專務取締役でありますか。
#5
○鹽津證人 さようでございます。
#6
○武藤委員長 あなたが專務取締役に就任されるまでの略歴を簡單に伺いましよう。
#7
○鹽津證人 私は大正五年神戸市三栄海運株式会社代表取締役就任以來昭和二十一年十月に至ります間、占部造船株式会社、南鮮炭鉱株式会社、福崎船渠株式会社、愛知造船株式会社等、海運、造船、炭鉱、化学、鉱業等二十七社役員歴任並びに兼任をいたしておりました。昭和十二年海運組合、近海汽船協会理事長に就任いたしまして、昭和十四年内閣より臨時船舶管理委員会專門委員拜命等、昭和二十一年に至る間内閣、逓信省、農林省、厚生省より海運、造船、海運統制、船舶管理、輸送、保險等に関する政府並びに公共團体の專門委員、審議委員、協議員、理事長、理事、協議員等を拜命委嘱十数件であります。昭和二十一年十月佐世保船舶工業株式会社常務取締役に就任いたしまして、昭和二十二年十一月專務取締役就任今日に至つたのであります。
#8
○武藤委員長 佐世保船舶工業株式会社というのはS・S・Kというのですか。
#9
○鹽津證人 S・S・Kであります。
#10
○武藤委員長 それでは略してS・S・Kというように使いますから、そのつもりでお聽きください。
 S・S・K創立の動機、経緯等を述べてください。
#11
○鹽津證人 S・S・K創立の動機と経緯でありますが、元佐世保海軍工廠は昭和二十年九月米國占領軍の進駐するところとなりましたが、その後同年十二月佐世保地方復員局管業部は工場の一部を整備いたしまして、翌二十一年三月まで復員艦船、掃海艦船の修理並びに占領軍工事にあたりました。これに先だちまして、二十一年二月十六日附日本政府あて連合軍最高司令官よりの覚書によりまして、同工廠施設の民業轉換が許されましたので運輸、大藏、復員、商工、内務等関係各省の御斡旋のもとに昭和二十一年十月一日佐世保船舶工業株式会社の設立を見たのであります。当会社設立の経緯につきましていま少しく申し上げますると、最高司令部覚書の趣旨に基きまして、日本政府は本事業の経営を任すべき民間業者の推薦を造船連合会に依頼されましたので、占部造船株式会社並びに三井造船株式会社とが相協力しまして、新会社を設立発起いたしたのであります。
#12
○武藤委員長 塩津さんにちよつと御注意を申し上げたいのですが、大体原稿によらないでお答えを願うことになつておりますので、万やむを得ない場合はメモをごらんになることは結構ですが……。
#13
○鹽津證人 発起人の代表であります三井造船の取締役でありました三枝貞藏君が、二十一年三月の二十一日に廃止せられました佐世保地方復員局官業部の事業を継承いたしまして、傍ら米第八軍の司令官並びに日本政府に対しまして、佐世保海軍工廠施設の轉換並びに新会社の設立に関する手続を進めたのであります。
#14
○徳田委員 議事進行について――今の証人の発言はずつと原稿を読んでおられるようでありますが、それではあらかじめこつちが質問の要旨を與えて、これに應じて原稿を書いてくるというのでは、証人の性質上信憑力がないと思います。だから原稿なしにこちらの質問要項でずつとやつてもらわなければならぬと思います。
#15
○石田(博)委員 念のためにこの際事実を確かめておかなければならぬ問題があります。それはその原稿をおつくりになつたのはいかなるものに基いておるか。委員長の手もとに準備されておる質問の要旨がもし事前に証人に漏れておるという事態があるならば、本委員会の権威のために由々しい事実なので、質問應答は原稿によらずに続行することは当然差支えございませんけれども、あとでその原稿を一應証拠物件として委員長の手もとに取寄せられて、委員長の質問要旨に基いて答弁が準備してあると判定すべきものであるかどうかということをこの際調べておかなければならぬと思います。
#16
○荊木委員 今石田君から発言がありましたが、ほんとうを言えば証人の発言中に議事進行だからといつて言うべき筋じやない。裁判所でもやはり証人の尋問に際しては尋問事項を渡すのですから、そんなことは一向問題にならぬと思います。
#17
○武藤委員長 諸君の申出は了承いたしました。それでは塩津さん伏せておいてください。そうしてさつき伺いましたS・S・K創立の動機、いきさつなどにつきまして、なお続けてお話をしていただきましよう。先ほど來少しお話が長いようですが、もう少し簡單でよいと思います。
#18
○鹽津證人 発起人代表であります三枝貞藏氏が、復員局艦船部から事業を引継いだのでありまして、その後昭和二十一年十月一日に当会社が成立をせられたのであります。その間占部造船所関係並びに三井造船会社の関係者、現在の佐世保船舶工業の從業員の多数の意思をもちまして、設立をみたのであります。
#19
○武藤委員長 北村徳太郎氏とS・S・Kとの関係は、どういう事情なんですか。
#20
○鹽津證人 北村徳太郎さんは当社設立以前に、佐世保におきまする親和銀行の頭取並びに商工会議所の会頭をしておられましたので、地元の有力者の一人といたしまして、発起人はこの会社に御関係をもつことをお願いしたのであります。そうして会社を設立いたしましてからは、平取締役として御就任をなさつたのでありまするが、昨年昭和二十二年の七月ごろ、独占禁止法によりまして前社長でありました占部五郎氏が退任いたしましたので、後任社長をきめます関係上、選考委員をもちまして、いろいろ選考した結果、北村さんを社長に御推薦いたしたのでありまするが、御本人は非常に御多忙なのと、こうした会社に常務的な社長として就任することができないというので、一應お断りがあつたのであります。ところが当時の役員におきましては、適当な社長を見つけるのになかなか困難をいたしましたので、いわゆる名義上の社長でありまするが、実務には携わらなくてもよろしいという條件のもとに社長に御就任を願つたのであります。ところが昭和二十二年の十二月であつたと思いますが、運輸大臣に就任なさいました関係上、代表取締役社長辞任の辞表が出たのであります。これはやむを得ないことと存じまして、会社は早速辞表を受理いたしまして、役員会で決議の上登記をしたのであります。当時独占禁止法による区役所の登記事項が相当輻湊しておりました関係上、一時受付停止になつておりましたので、事実は二月ごろに登記完了せられたものと存じます。
#21
○武藤委員長 北村氏が忙しくてなかなかぐあいが惡いというのに、強いて社長に迎えようという理由はどこにあつたのですか。
#22
○鹽津證人 実はその際自薦社長もあつたわけでありますが、その自薦社長に対して、他の資本系続からも反対があり、また從業員関係からは、財界のパージになるような人は困る。また國家的事業である当会社に対して、相当各方面に連絡のつく、名の知れた方でないと困ると、いろいろな條件が出てまいりましたので、結局そうした社長を求めることができなかつたということと、もう一つの点は工場の所在地である佐世保に少くも常置してもらいたい。こういう要望がありました関係から、適任者が見つからなかつた。さような事情で一應社長の選考が困難になりましたので、北村さんであればどうかという案でお話を進めたところが、御本人は時間に余裕がない。また常に佐世保におるわけにいかないというので、お断りになつたのであります。しかし適任者がすぐ見つかりません関係上、やむを得ず、それでは名義上の社長としてならまあよかろう。定款に会長制度があれば会長にお願いするのでありましたが、さような事情で実務を見ないという名義社長になられたのであります。
#23
○武藤委員長 それじや会社の実務を見るというよりも、むしろ実務は見ない。外部との折衝なり、了解なり、連絡なりというような、主として政治的な立場から会社のためにやつてもらうというような趣旨が多いのですか。
#24
○鹽津證人 いや、そういう意味じやありません。会社はこうした新会社でありますから、御承知の通り役員もあまり名の知れていないものが相当ありますので、だれか名の知れたものがなければいかぬであろう、北村さんなら地元であり、親和銀行の頭取でありまた商工会議所の会長であられる関係上お願いしたらいいだろう、ここいう関係からなつたのであります。
#25
○武藤委員長 それではこの会社の仕事は全然北村さんはなさらないのですか。
#26
○鹽津證人 まず関係がないと言つてもいい。ただ名義だけでありますから、内容は御存じないと思います。報告もあまりしておりません。
#27
○武藤委員長 名誉社長というようなものですか。
#28
○鹽津證人 そうです、名誉社長です。名誉社長という言葉は惡いかも知れませんが、一應上置きになつてもらうというので、名義上の社長にお願いしたわけであります。
#29
○武藤委員長 S・S・Kは創立以來大体どんな仕事をしておるのですか。
#30
○鹽津證人 S・S・Kの事業はいわゆる占領軍の指令行為であります。または占領軍の指示いたしました事業をやつております。一番大きな事業といたしましては、旧日本艦艇の解体、また復員艦船の修理であります。それから連合軍の艦船の修理。その他一般民船の修理及びこれに附属いたしております事業を主体としてやつてきたのであります。
#31
○武藤委員長 艦船の解体事業が多いのですね。
#32
○鹽津證人 そうです。艦船の解体事業と、艦船及び一般船舶の修理事業であります。
#33
○武藤委員長 暫時休憩いたします。
    午後三時十七分休憩
     ━━━━◇━━━━━
    午後四時五十七分開議
#34
○武藤委員長 休憩前に引続き会議を開きます。
 この際お諮りいたします。先日河井君、小林君、荊木君が委員を辞任されましたので、理事の補欠を互選いたさねばなりませんが、委員長において指名するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#35
○武藤委員長 では河井君、小松君、荊木君を御指名いたします。
 次に、本日証人として出頭を求めました北川氏に対しては、委員安田幹太君より委員部を通じあらかじめ尋問事項が送られ、また塩津氏はあらかじめ委員安田幹太君と面会して尋問事項を知らされ、これにより回答の原稿を作成持参してこれを朗読されました。よつて委員会は暫時休憩の上理事会を開き協議しましたところ、右両人に対して本日証言を求めることは適当でないとの結論に達したので、両証人の喚問はこれを一應取消すことにいたします。御異議ございませんか。
    「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#36
○武藤委員長 ではさよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
    午後四時五十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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