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1951/03/19 第13回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第013回国会 文部委員会 第11号
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1951/03/19 第13回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第013回国会 文部委員会 第11号

#1
第013回国会 文部委員会 第11号
昭和二十七年三月十九日(水曜日)
    午前十一時四分開議
 出席委員
   委員長 竹尾  弌君
   理事 岡延右エ門君 理事 若林 義孝君
   理事 松本 七郎君 理事 小林 信一君
      鹿野 彦吉君    甲木  保君
      坂田 道太君    高木  章君
      圓谷 光衞君    水谷  昇君
      井出一太郎君    渡部 義通君
      浦口 鉄男君
 出席国務大臣
        文 部 大 臣 天野 貞祐君
 出席政府委員
        文部事務官
        (初等中等教育
        局長)     田中 義男君
        文部事務官
        (大学学術局
        長)      稻田 清助君
        文部事務官
        (社会教育局
        長)      寺中 作雄君
 委員外の出席者
        文部事務官
        (大臣官房渉外
        ユネスコ課長) 釘本 久春君
        専  門  員 石井  勗君
       専  門  員 横田重左衞門君
    ―――――――――――――
三月十七日
 図書館法の一部を改正する法律案(内閣提出第
 七九号)(予)
三月十八日
 公立学校事務職員に教育公務員特例法適用の請
 願外二件(坂本泰良君外二名紹介)(第一五二
 六号)
 公立学校諸施設の防災及び災害復旧に関する法
 律制定の請願(江崎真澄紹介)(第一五五九
 号)
 義務教育費国庫負担法制定に関する請願(江埼
 眞澄君紹介)(第一五六〇号)
 学校給食継続実施等に関する請願(前田正男君
 紹介)(第一五六一号)
 同外一件(増田甲子七君外二名紹介)(第一五
 九九号)
 学校給食法制定に関する請願(田嶋好文君紹
 介)(第一五六二号)
 公民館に対する国庫補助金増額に関する請願(
 若林義孝君外二名紹介)(第一五九七号)
 筑紫丘高等学校校舎存置に関する請願(守島伍
 郎君紹介)(第一五九八号)
 寒冷地帯の学校に屋内運動場建設促進に関する
 請願(佐々木盛雄君紹介)(第一六〇〇号)
 義務教育費国庫負担法制定等に関する請願(川
 野芳満君紹介)(第一六〇一号)
 同(川野芳滿君紹介)(一六〇二号)
の審査を本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 国立学校設置法の一部を改正する法律案(内閣
 提出第四八号)
 新たに入学する児童に対する教科用図書の給與
 に関する法律案(内閣提出第五〇号)
 ユネスコ活動に関する法律案(内閣提出第六二
 号)
 図書館法の一部を改正する法律案(内閣提出第
 七九号)(予)
    ―――――――――――――
#2
○竹尾委員長 これより会議を開きます。
 日程の順序を変更いたしまして、新たに入学する兒童に対する教科用図書の給與に関する法律案を議題とし、提案理由の説明を求めます。天野文部大臣。
#3
○天野国務大臣 今回政府より提出いたしました新たに入学する兒童に対する教科用図書の給與に関する法律案の大綱について御説明いたします。
 昨年、第十国会において成立いたしました昭和二十六年度に入学する兒童に対する教科用図書の給與に関する法律によりまして、本年度から、特に兒童の国家公共心の涵養をはかるために、新入学兒童に対して国語及び算数の教科用図書を給與する制度が確立されたのであります。ところが、この制度につきましては、趣旨においては異論がなかつたのでありますが、実施の方法につきましていろいろ問題もありましたので、これを一年限りの臨時の制度とし、さらに一年間この制度について研究いたすことになつていたのであります。そこで、政府といたしましては、各方面の意見を聞いて、愼重に研究を進めました結果、兒童の国民としての自覚を深めることに資するとともに、その前途を祝うという見地から、現行制度に必要な改善を加え、これを恒久的制度として存続することとし、ここに新たにこの法律案を提出することになつたのであります。
 次に、この法律案の骨子について申し述べます。
 第一に、教科用図書の給與を、国が行うことを明らかにしております。現行制度におきましては、市町村または都道府県が、教科用図書の給與について直接責任を持ち、国が費用の面で半額を援助するという形をとつていたわけでありますが、今回は、国が特に費用の面におきましては全責任を持つことにしたのであります。
 第二に、国語及び算数の教科用図書を、新たに入学する兒童のすべてに対して給與することを明らかにしており
 ます。現在の制度は、予算の関係で、その対象を公立学校に入学する兒童に限つており、国立及び私立の学校に入学する兒童を除外しているのでありますが、今回は、この点を改めて、すべての新入学児童に対して国語及び算数の教科用図書を給與することにしたのであります。
 第三に、国が教科用図書を兒童に給與いたします場合に、国立学校につきましては、これを附置する大学の学長、公立学校につきましては教育委員会、教育委員会が設置されておりませんときは市町村長、私立学校につきましては学校法人の理事長または私人の協力を得ることにいたしております。
 その内容といたしましては、校長を通じて実際に教科用図書を兒童に給與すること、文部大臣に必要な報告をし、調査に協力すること、発行者に対して必要な証明書を交付すること等があります。従つて、国の仕事といたしましては、発行者と必要な契約を締結し、また、管理機関が交付いたしました証明書をよく調べまして、これに基いて発行者に代金を支払うことになるのであります。なお、代金の支払いにつきましては、数多くの支払いが正確に行われ、また発行者に不当な損害を與えないようにするために必要な措置を講じております。
 以上、この法律案の提案理由及びその骨子について、概要を御説明いたしました。何とぞこの法律案の必要性を認められ、十分御審議の上、すみやかに御可決くださるようお願いいたします。
#4
○竹尾委員長 本法案につきまして、文部当局より補足的説明を求められております。これを許します。田中政府委員。
#5
○田中政府委員 新たに入学する兒童に対する教科用図書の給與に関する法律案につきまして、大臣の説明を補足して御説明申し上げます。
 昨年の四月から新たに公立学校に入学する兒童に対しまして、国語及び算数の教科用図書を給與する制度が確立されたのでございますが、この制度につきましては、もちろん、その趣旨について異論はなかつたのであります。しかし、市町村が直接教科用図書の給與に対する責任を負う建前になつておりましたため、市町村の財政に負担を加えるという点と、代金の支払いが円滑に行かないために、発行者に対して特別の金融措置を講じなければならないという点に問題があつたのでございます。そこで、これらの問題を解決いたしますためには、この法律案に規定いたしておりますように、国が特にその費用について全責任を負う新しい制度の確立が必要になつたわけであります。
 以下この法律案につきまして、逐條御説明申し上げます。
 まず第一條には、この法律の目的を規定してございますが、国が新たに入学する兒童に教科用図書を給與いたしますことは、児童が国民の一員として国の援助のもとに教育を受けているという国民的自覚を深めることに資するとともに、兒童の前途を祝うためのものであることを明らかにいたしております。
 第二條第一項は、国が、国立、公立、私立を問わず、すべての小学校並びに盲学校、ろう学校及び養護学校の小学部の第一学年に入学する兒童に対して国語及び算数の教科用図書を給與する責任を負つていることを明らかにしております。この場合におきまして、本年度と同様に、転学した兒童については、転学後において使用する教科用図書を給與しないことにしておりますが、これは、一つにはすでに他の学校において教科用図書の給與を受けている場合が多いためでありますが、同時に転学兒童の実態が明らかでない現在におきましては、国の財政上の見通しもつかないからでございます。なお、政令におきましては、国語及び算数の教科用図書が検定または国定の教科用図書で、教育委員会または学校がその学校の第一学年の課程において使用する教科用図書として採択したものであることを明らかにいたしたいと考えております。
 第二條第二項におきましては、この教科用図書の給與は、国立の小学校等についてはその小学校を附置する大学の学長、都道府県立の盲学校、ろう学校等については都道府県の教育委員会、市町村あるいは市町村の学校組合が設置する小学校等については市町村の教育委員会、教育委員会が設置されていない場合には市町村長、私立の小学校等についてはその小学校を設置する学校法人の理事長等の管理機関が、それぞれ国に協力して、小学校の校長を通じて行うことを規定いたしております。
 第三條は、このほか、国に対する管理機関の協力方法を明らかにしております。まず、実際に教科用図書を兒童に給與するのは、第二條第二項の規定によりまして校長になつておりますが、管理機関は、教科用図書の給與が的確に行われるようにこれを指導監督し、教科用図者を兒童に給與いたしました場合には、どういう教科用図書をどれだけの兒童に給與したかというようなことを文部大臣に報告いたしますとともに、国の支払いを迅速且つ正確にいたしますために、給與した教科用図書の価額の総額が幾らになつたかというようなことを明らかにする証明書を、発行者に交付いたすことにしております。なお、政令によりまして、いつまでにどういう手続で、これらの報告や証明書の交付をしなければならないかというような手続を定めたいと考えております。
 第四條は、文部大臣が報告を求めたり調査をしたりすることができるような規定を設けております。この場合におきましては、市町村の教育委員会または市町村長の行う事務につきましては、都道府県の教育委員会の協力を得て、また学校法人の理事長の行う事務につきましては、私立学校を所管いたしております道府県都知事の協力を得て調査報告をとることにいたしております。
 第五條は、国と発行者との契約について規定してございます。学年の初めに兒童に給與する教科用図書は、すでに教科書の発行に関する臨時措置法の規定によりまして、発行の指示を受け、他の教科用図書とともに二月ごろから発送し、三月中には学校に届いているはずでありますが、その学校に届いている教科用図書のうちで、この法律によりまして兒童に給與するものの代金を、国が次に御説明いたしますような方法で発行者に支払うことを主たる内容とする契約を結ぶわけでございます。
  第六條第一項は、兒童に給與いたしました教科用図書の代金の正常な場合の支払い方法を定めておりますが、おおむね一般の支払い條件と異なるところはございません。
 第二項には、証明書に誤りがある場合の支払いの特例を規定してございます。管理機関の交付いたします証明書は、一万を越えるものになりますので、一つの証明書にわずかの誤りがありましても、全体では非常に大きな誤差が生ずることになりますので、このような特例を設け、支払いの正確を期したわけでございます。
 なお、この場合におきましては、発行者になるべく迷惑をかけないように、事務処理の迅速化をはかりますとともに、学年の初めに給與する教科用図書につきましては、その代金の九割程度を四月中に概算払いするようにいたしたいと考えております。
 第三項は、追加予算を含めまして、国の予算が成立しないために、以上のような支払い方法がとれません場合に、政令で適宜の処置をとることを定めたものでございます。
 第七條は、管理機関が不当に国に損害を與えた場合における学校の設置者の損害の賠償について規定してございます。管理機関の方で教師用図書くらいはという気持で、わずか一、二冊余分に見積りましても、全国では三万、四万の多数になるわけでありますから、そのようなことのないようにこの規定を設けたわけでございます。しかし、こういう措置は愼重にいたすべきでありますから、異議の申立て等の是正措置を同時に考慮した次第でございます。
 最後に附則におきましては、第二項におきまして、昭和二十六年度に入学する兒童に対する教科用図書の給與に関する法律を廃止しておりますが、これはこの法律案が成立いたします場合には、当然のことでございます。次に第三項におきましては、私立学校法によりまして私立学校は原則として学校法人が設置すべきことを定めてございますが、私立の盲学校、ろう学校及び養護学校につきましては、なお当分の間、私人が設置することができることになつておりますので、この法律案におきまして学校法人または学校法人の理事長の行う事務につきましては、私人が行うことを定めたものであります。
 以上がこの法律案の要旨でございます。
#6
○竹尾委員長 本法案に対しまする質疑は次会に譲ることといたします。
    ―――――――――――――
#7
○竹尾委員長 次に、ユネスコ活動に関する法律案を議題とし、文部当局より提案理由の説明を求めます。天野文部大臣。
#8
○天野国務大臣 ただいま上程になりましたユネスコ活動に関する法律案について、その提案の理由及びその内容の大要を御説明申し上げます。
 国際連合教育科学文化機関、すなわちユネスコは、第二次世界大戰が終りを告げ、平和を希望する人類の気持が最高潮に達したとき、一九四六年十一月、人の心の中に平和のとりでを築き、人類の知的、精神的連帯の上に、教育、科学及び文化を通じて恒久平和を確立しようとする崇高な理想のもとに創設された国際機関であります。このユネスコの理想に共鳴し、それを普及しようとするユネスコ運動は、いち早くわが国民の間にも芽ばえ、年とともに次第に根を張り、ユネスコに加盟する以前、すでに力強く展開されたのでありました。そしてわが国民の年来の宿望でありましたユネスコ加盟は遂に達せられ、国会の承認を得、昨年七月、わが国は正式にユネスコの加盟国になつたのであります。平和條約の締結前に、しかも、国際連合に加盟していない日本が、ユネスコの加盟国となりましたことは、わが国にとりまして特に深い意義のあることと信ずるのであります。
 わが国のユネスコ加盟を機といたしまして、国内におけるユネスコ活動も一段と活発となつて参りました。
 さて、ユネスコ活動の進展をはかるため、ユネスコ憲章第七條によりますと、各加盟国が広く政府及び教育、科学及び文化の事項に携わつている主要な団体を代表する国内委員会を設立することが望ましいとされております。そして現在ユネスコ加盟国六十四箇国中、国内委員会を設けている国は五十八箇国に上つております。わが国におきましても、この国内委員会の問題はもとより、その他ユネスコ活動の進展方策につきましては、つとに各方面から深い関心が寄せられておりましたことは周知の通りであります。政府といたしましても、この問題は広く国民各層の意向を十分取入れて処置すべきものと考え、昨年秋各界の有識者よりなるユネスコ国内委員会設置準備会を設置し、その審議を煩わした次第であります。同準備会では愼重審議の結果、本年一月きわめて有益な答申を寄せられました。政府は、この準備会の答申を骨子として、この法律案を作成したわけであります。
 次に、本法律案の内容の大要を申し上げます。まずユネスコ活動の有する国際的意義にかんがみ、また、ユネスコ活動が全国民的な基盤の上に官民一体となつて、強力に展開されるものである点を重視しまして、本法律案に異例の前文を付していることに御留意願います。前文においては、ユネスコが世界平和の確立と人類の福祉の増進に貢献しつつあることの意義を高く評価し、政府及び国民の活動により、その事業に積極的に協力するかたい決意を宣明しているのであります。
 次に、本法律案は二章から成り、第一章はユネスコ活動に関するもの、第二章は日本ユネスコ国内委員会に関するものとなつております。
 まず、第一章におきましては、ユネスコ活動の目標その他ユネスコ活動の基本的なあり方を規定し、政府も国民も、ともどもに力を合せ、国の内外にわたり、ユネスコ活動の健全な発展に努力することを期しているのであります。そしてまた、ユネスコが国際連合の専門機関であり、ユネスコ活動も当然に国際連合の精神に基くべきものであることにかんがみまして、第一條は、わが国におけるユネスコ活動が、国際連合の精神にのつとつて行われるべきことを特に規定しているのであります。また、ユネスコの精神や活動は、国際連盟当時の知的協力国際委員会とは異なり、少数の知識階級に限られることなく、国民大衆の間に広く根を張り成長してこそ、初めてその目的とする世界平和に対する力強い支柱ともなり得るのであります。その意味において第一條に「わが国民の間に広く国際的理解を深める」云々という規定を置いたのであります。
 次いで第二章は、日本ユネスコ国内委員会に関する規定であります。ユネスコとわが国民とを結びつけ、国民の間にユネスコ精神を普及し、ユネスコ活動を刺戟する原動力ともなるべきものは、ユネスコ国内委員会であります。このユネスコ国内委員会は、国際條約であるユネスコ憲章第七條の規定の趣旨に従つて設けられる点におきまして、国内の諸機関と異なる特徴を持つております。それは、各ユネスコ加盟国の国内委員会に共通した性格や機能を持ちますとともに、日本の特殊事情に即応するものでなければならないのであります。この法律案におきましては、この両方の要求が満たされるように留意してあるのであります。
 国内委員会の性格、わが国におけるユネスコ活動に関する助言、企画、連絡及び調査のために設けられる文部省の機関であり、国家行政組織法上は、同法第八條の機関であります。しかし、單なる審議ないしは諮問機関たるにとどまらず、広く企画、連絡、調査、普及等の機能をも持つことにいたしました。これは国内委員会に対する内外の期待に沿うため、国内委員会の所掌事務をできるだけ広くしようとするためであります。
 国内委員会の構成につきましては、ユネスコ憲章第七條の趣旨にのつとり、広く教育、科学及び文化の領域を代表する人物の参加を得るとともに、また国会の代表者、政府職員等の参加を得、真に民主的な基盤の上に、しかもわが国情に即して組織されますよう留意いたしました。すなわち同委員会は六十名以内の委員をもつて構成することとし、選出分野とその人員とは法律をもつて明記いたしました。またユネスコ活動の特殊性にかんがみ、委員二人については国会議員の中から出ていただくことにいたしてあります。さらにまた委員の地位の重要性にかんがみ、両院から指名される国会議員以外の委員については、国内委員会から推薦された者について内閣の承認を経て任命するものとしたのであります。これは、委員の選考についても、あくまで民主的であることを期するためであります。
 国内委員会は文部大臣が所轄するのでありますが、ユネスコ関係の事務は、国の対外施策の遂行と緊密な関係を保つ必要がありますので、これにつきましては外務大臣と緊密に連絡して行う旨規定し、外務省の対外的機能との調整に留意いたしました。
 なお、国内委員会の広汎な所掌事務を遂行し、所期の成果を收めるには、充実した事務機構が必要でありますので、国内委員会に事務局を置き、事務総長およびその他の職員を置くことといたしました。
 最後に一言申し添えますが、近くわが国に設けらるべき国内委員会の組織や活動に対しましては、国内はいうまでもなく、ユネスコ本部その他の加盟国におきましても、多大の関心と期待を寄せているのであります。この内外の期待に沿うためにも、ぜひとも、わが国にりつぱな国内委員会を設けたいものであります。そして、わが国の教育、科学、文化の向上に努めるとともに、その成果を広く世界各国に伝え、国際交流を盛んにし、諸外国との理解と協力の関係を進めることにより、世界平和と人類の福祉に対し、積極的な貢献をなし得るようになりますことを、私は衷心より切望するものであります。そこにこそ日本民族の明日の名誉と光栄も期し得られると思うのであります。この法律案は、以上の目標の達成にとり大きな原動力となることを、私は確信するものであります。
 以上、本法律案提出の理由及びその大要を述べました。何とぞ愼重御審議の上、すみやかに御可決下さるようお願いいたします。
#9
○竹尾委員長 ただいまの文部大臣の提案理由の説明に対しまして、文部当局より補足的説明を求められております。これを許します。説明員文部省渉外ユネスコ課長釘本久春君。
#10
○釘本説明員 ただいま上程になりましたユネスコ活動に関する法律案について大臣の提案理由を補足して御説明申し上げたいと存じます。
 本案は、文部省に設置されたユネスコ国内委員会準備会の答申に基いて作成してあります。同準備会を設置するに至つた経緯について若干御説明申し上げます。ユネスコについては、昨年七月の正式加盟前から、各方面でいろいろと活発な運動が展開されており、加盟後もこれらの活動を有機的に盛り上げて行く必要があります。またユネスコが国際連盟時代のいわゆる知的協力委員会たるにとどまらず、真に国民一般の上に根を張つたものとする必要も痛感されます。これらの必要を満たすためには、この問題についての法律案を考える場合にあたり、広く社会各方面の意見を取入れる方途をぜひとらなければならないものと考えた次第であります。そしてユネスコ国内委員会の問題については、以前から教育刷新審議会、日本学術会議、また民間のユネスコ協力会等各方面でいろいろな構想が立てられていたのであります。こういう情勢にかんがみまして、政府は昭和二十六年十一月二日の閣議決定による審議会として、衆参両院議員各一名の方々にもオヴザーバーとして御参加を願い、文部省に二十三人からなるユネスコ国内委員会設置準備会を設けたわけであります。同準備会は熱心にかつ愼重に審議の結果、本年一月正式の答申と建議とを寄せられましたので、政府はこの答申と建議とをあくまで尊重しつつ必要な考慮を加え、本案を作成したのであります。
 この法律案はユネスコ国内委員会に関する事項のみでなく、わが国におけるユネスコ活動の目標、その他ユネスコ活動の基本的なあり方を規定した点におきまして、他国のユネスコに関する法制と異なる著しい特色を持つているのであります。また大臣から説明申し上げた通りの理由で前文を付した点においても、この法案の特殊な性格をお読取りいただけるものと思います。
 この前文においては、日本国民が世界平和の確立と人類の福祉の増進に対するユネスコの貢献を高く評価し、政府及び国民の活動によりユネスコの事業に積極的に協力することを決意した旨宣明いたしております。そして、教育科学文化を通じて国連憲章、ユネスコ憲章及び世界人権宣言の精神の実現をはかるため、この法律を制定すると述べております。
 ユネスコは国際連合の専門機関であり、国際連合と緊密に協力して活動いたしているのであります。従いまして、ユネスコ活動も国際連合憲章に示された精神にのつとるべきものであることは論をまたないのであります。また、国際連合総会が採択いたしました世界人権宣言の精神の普及は、ユネスコの最も重要な活動の一つとされております。なぜならば、世界人権宣言は十八世紀以来の基本的人権の保障を国境を越え、人種の差別を超越して人類全体に押し及ぼすとともに、すべての人の尊嚴と権利を保障しようとする意味において世界平和の礎となり、実質的な裏づけどもなるからであります。国連憲章、ユネスコ憲章及び世界人権宣言は人類に共通の理想を象徴した画期的しかも古典的な文献でありますが、前文においては、これらの崇高な精神をわが国民の間に実現して行くことを、この法律案の制定の目的としてうたつているわけであります。
 第一章におきましては、ユネスコ活動の基本的なあり方を掲げております。第一條はわが国におけるユネスコ活動の目標がユネスコ憲章に従い、国際連合の精神にのつとつて、教育科学及び文化を通じ、国民の間に広く国際的理解を深めるとともに、わが国民と世界諸国民との間に、理解と協力の関係を進め、もつて、世界の平和と人類の福祉に貢献するにあることを宣明いたしております。ユネスコ活動が平和のための力強い礎石となり得るためには、その精神や活動は、国際連盟当時の知的協力国際委員会と異なり、選ばれた少数の知識階級に独占せらるべきではなく、広く一般国民の間に生かされ、育てられなければならないのであります。その意味におきまして、本條は特に国民の間に広く国際的理解を深めることを規定いたしたのであります。国際的理解とは、他国民を理解するとともに、他国民によつて理解されようと努力することであり、また物事を国際的、世界的視野から考えることでもあります。そしてこれにより互いに視野を広め、理解と寛容と友好の精神を養い、人類共通の福祉と平和な世界を建設するための国際的協力を促進しようとするものであります。わが国におけるユネスコ活動は、国際連合の精神にのつとつて行わるべきことを規定した点も、特に注意を要するところであります。国際連合の精神とは、言語に絶する悲哀を人類に與えた戰争の惨害から将来の世代を救うため設立された国際連合を貫く基本精神であり、国際連合憲章に示されている精神であります。このように国際連合との関係を重視しているところに、この法律の著しい一特色があるのであります。
 次いで第三條は、ユネスコ活動が、ユネスコ、国際連合、諸国のユネスコ国内委員会、その他の関係団体等と協力しつつ展開されなければならない旨を明らかにし、国際協力の重要性を規定いたしました。
 第四條においては、国や地方公共団体がみずからユネスコ活動を行うとともに、民間のユネスコ活動に助言や援助を與えることを規定しております。このように、政府も国民もともどもに力を合せ、その健全な発展に努むべきところに、ユネスコ活動の一特色が見られるのであります。
 第二章におきましては、日本ユネスコ国内委員会について規定しております。このことにつきましては、国内におきましてはもちろんのこと、ユネスコ本部におきましても、日本に設けられる国内委員会に対し多大の関心と期待を寄せております。申すまでもなく、ユネスコの目的とするところは、パリにあるユネスコ本部の活動のみによつてはとうてい達成を期し得ないのであります。ユネスコの運動が実を結び得るかいなかは、各国におけるユネスコ活動に対する熱意と協力のいかんにかかつているのであります。ユネスコと各加盟国とを結びつけ、各国において健やかなユネスコ活動を促し刺激する原動力ともなるべきものは、国内委員会であります。この意味においてユネスコは各国の国内委員会に多大の希望をかけているのであります。特に平和国家、民主国家として再生し、今年ようやく独立しようとする日本に設けられる国内委員会に対し、期待するところ特に大なるものがあるやに聞いておりますので、日本の実情に即して効果的な活動をなし得る国内委員会が設置されますよう、法制上も愼重配慮した次第であります。
 第五條は、国内委員会はユネスコ活動に関する助言、企画、連絡および調査のための機関である旨を定めております。国家行政組織法第八條に基き、文部省の機関として設けられますが、第六條でも明らかでありますように、單なる審議ないし諮問機関ではなく、企画、連絡、調査、普及等の機能をも有します意味におきまして、ある程度行政機関的な機能を持つ点は、特に注意を要するところであります。国内委員会は、国際條約であるユネスコ憲章第七條の趣旨に従つて設けられる点で、国内の他の諸機関と異なる性格を持つているわけであり、国内委員会が自由に活動して所期の目的を果し得るよう、できるだけその所掌事務及び権限を広く規定した次第であります。その所掌事務は、一、ユネスコ総会における政府代表の選考その他の重要事項につき審議し建議すること、二、わが国におけるユネスコ活動の基本方針を策定すること、三、国の内外にわたり連絡を行うこと、四、調査を行うこと、五、普及を行うこと等であります。
 また、国内委員会の事務は国の内外にわたりますので、外務省の事務といかに調整すべきかを愼重に協議研究いたしました結果、第七條にありますように、国内委員会は、その対外事務を処理するにあたり、国の対外施策に関連する場合には外務大臣と緊密に連絡して行うものとし、また外務省においても、国内委員会の対外事務の処理について、積極的にこれに協力するように規定することといたしました。
 国内委員会の構成については、最も苦心したところであります。従来からいろいろと意見もありましたが、ユネスコ国内委員会設置準備会における愼重研究の結果を取入れて本法案のようにしたのであります。元来国内委員会の目的及び構成を規定する根本規定であるユネスコ憲章第七條第一項は次のように述べております。「1、各加盟国は、教育、科学及び文化の事項にたずさわつている自国の主要な団体をこの機関の事業に参加させるために、その特殊事情に即する措置を執らなければならない。その措置としては、広く政府及びこれらの団体を代表する国内委員会の設立よることが望ましい。」この趣旨を生かすため第九條各号に規定する通りの種々の領域から各員数を選出することといたしたわけであります。文部大臣は、右各号に掲げる員数以内を委員として任命するわけでありますが、両院議員以外のものについては、国内委員会から推薦されたものにつき、内閣の承認を経て任命することと規定し、構成そのものはもとより、任命の手続についても民主的であることを期した次第であります。
 とにかく国内委員会の委員の選任については、このユネスコ憲章及びこの法律案の趣旨が十分生かされ実現されるよう愼重にとりはからいたいと思つております。そして、わが国におけるユネスコ活動の健全な発達を促進するような国内委員会が、民主的な基盤の上に、わが国情に即して、設置されるよう希望いたしております。
 委員の任期は三年といたしました。また委員の任務は、ユネスコ憲章やユネスコ総会の決議に基く国際的責務の遂行と密接な関連を持ち、特殊なものがありますので、特別職といたしました。
 国内委員会は、原則として年二回会長が招集するわけでありますが、それのみではとうていその任務を遂行できませんので、第十三條は、運営小委員会、選考小委員会及び専門小委員会を置くことを規定いたしております。会務の運営、各分野の専門事項の調査等につきましては、これら小委員会の活動にまつところ大なるものがありますので、小委員会を活用することが、国内委員会の重要な関心となるわけであります。なお、第十七條は、国内委員会が運営小委員会等に議決権を委任できる旨規定しております。
 さきに述べたように、国内委員会は広汎かつ相当強力な機能を持つわけであり、国内の教育、科学、文化、大衆通報その他の領域の協力を得て、海外との交流を促進し、世界平和と人類の福祉のための具体的、建設的かつ積極的な寄與をなすことが期待かつ要望されているのであります。従いまして、国内委員会が、その所期の成果を収めますためには、充実した専門的な事務機構が設けられることがぜひ必要であります。このことは各加盟国における経験にかんがみてユネスコ本部においても特に強調しているところであります。そこで第十八條は、イ、国内委員会の事務を処理させるため、国内委員会に事務局を置くこと、ロ、事務局に事務総長、次長その他所要の職員を置くごと、ハ、事務総長は。会長の一般的監督のもとに、事務局の事務を総理すること、ニ、事務総長は国内委員会の会務に関し助言をすることができることなどを規定し、事務局の充実を期しているのであります。
 なお附則におきまして所要の経過規定を設け、その他の法律の規定の整備を行つております。特に最初の委員の推薦は、第九條の規定にかかわらず、文部大臣が任命する国内委員会第一回推薦委員が会議して行う旨規定いたしました。
 さらに関係法律を整備するため、文部省設置法、国家公務員法、特別職の職員の給與に関する法律及び教育委員会法の一部改正を規定いたしております。
 以上、本法案の大綱を御説明いたしました。何とぞ愼重御審議の上、すみやかに御可決くださるよう御願いいたします。
#11
○竹尾委員長 本法案に対しまする質疑は次会に譲ることといたします。
    ―――――――――――――
#12
○竹尾委員長 次に、図書館法の一部を改正する法律案を議題といたし、文部当局の提案理由の説明を求めます。天野文部大臣。
    ―――――――――――――
#13
○天野国務大臣 今回政府より提出しました図書館法の一部を改正する法律案について御説明申し上げます。
 図書館法は、あらためて申し上げるまでもなく、わが国の図書館の健全な発達をはかり、国民の教育及び文化の発展に寄與することを目的として、昭和二十五年四月、第七国会において制定され、関係者の多年の要望が実現されたものであります。爾来この法の目的に沿つて図書館は、新しい図書館奉仕の機能を確立し、地域社会の文化的中心機関として活発な社会教育活動が
 展開され、年々著しい進歩を示しております事実は、まことに御同慶にたえません。特に図書館の専門職員の資質の向上については、法の規定に基く講習を契機として、公共図書館及び学校図書館とを問わず、その職責の重要性の自覚を促し、自主的な専門的識見と技術の研究が活発となりましたが、昭和二十六年度においてはすでに約一千二百人の専門職員の資格付與の講習が行われたのであります。政府は専門職員の充実をはかることが、図書館の本質的機能の確立の基礎となり、法の目的を達する原動力となるものと考えますので、この講習の実施について積極的な努力をしているのであります。つきましては、法の規定に基く講習実施の実績にかんがみまして、この講習をより効果的に、計画的に行い得るようにするために、次の通り、現行法の一部を改正する必要が生じたのであります。
 改正の第一点は、図書館の司書及び司書補の資格付與の講習を、教育学部または学芸学部を有しない大学も行い得るように改めようとするものであります。すなわち現行法によれば、この講習の委嘱は、教育学部または学芸学部を有する大学に限られているのでありますが、現在教育学部または学芸学部を有しない大学の文学部等において図書館に関する科目が置かれているところが多く、かつ自主的な講習も行われている実情なのであります。従つてこれらの大学は当然現行法に基く文部大臣の委嘱講習を行い得る要件を備えているわけでありますから、この点を時宜に適するよう改めたいと思うのであります。
 なおこの点については、すでに私立大学図書館協議会から請願がなされ採択されているのであります。
 改正の第二点は、図書館の司書及び司書補の暫定資格を、大学以外の学校に附属する図書館に勤務する、教諭免許状を有する者にも與えることに改めようとするものであります。すなわち、現行法においては、法施行の際、大学附属図書館の司書または司書補に相当する職員にそれぞれ暫定資格を與えていますが、大学のみならず、小中高等学校等の附属図書館の職員も活発な活動を行つており、かつ暫定資格を得て、受講の機会を持ち、専門職員の資格の取得を望んでいる者が多いので、これらの職員のうち、教諭免許状を有する者に対し、暫定資格を付與し、講習受講の機会を與えるよう改めたいと思うのであります。
 以上が、この法律案の骨子でありますが、現実に処理を迫られている問題でありますので、よろしく御審議の上、すみやかに御賛成くださるようお願いします。
 なお、図書館法の改正点については、他に若干存していものの、他の法令との関係もあり、目下研究中であることを付言する次第であります。
#14
○竹尾委員長 ただいまの文部大臣の提案理由の説明に対しまして、文部当局より補足的説明を求められております。これを許します。寺中政府委員。
#15
○寺中政府委員 このたび政府より提出しました図書館法の一部を改正する法律案についてその大要を御説明申しあげます。
 図書館法は、社会教育の精神に基き、図書館の設置及び運営に関し必要な事項を定めてその健全な発達をはかり、国民の教育と文化の発展に寄與することを目的として、去る第七国会において制定され、昭和二十五年法律第百十八号として同年四月三十日公布、同年七月三十日から施行になつたものであります。法施行後現在まで約二年を経過しましたが、この法が関係者の十年余の要望でもありましたので、わが国の図書館関係者に非常な喜びをもたらすと同時に、職務の重要性を自覚せしめ、新しい図書館奉仕の機能確立のために大きな抱負と勇気とを醸成し、着々その実績を示しておりますことは、まことに御同慶にたえないところであります。
 法が施行されて以来、短時日の間に、わが国の図書館がどのような発展の過程を示したかを、具体的にその事例をあげれば、およそ、次の通りであります。
 第一は、図書館の新設及び復旧の増加であります。すなわち、図書館制度の確立と相まつて、図書館の重要性並びに必要性が痛感されて、新設及び戰災等により復旧計画が促進され、新設のもの約四千館、復旧のもの約十館が数えられるのであります。特に国庫補助金交付の最低基準は、新設及び復旧の標準となり、これらの計画が助長されている事実は、この法の特徴とも申すことができるのであります。
 第二は、図書館奉仕機能の整備であります。すなわち、新しい図書館の機能は、地域社会の各種の事情を反映して、動く図書館としての奉仕活動を基調とするわけで、常に地域住民の実生活に即応して、容易に利用し得る体制を整えることが肝要なのであります。従つて各地の図書館は、この精神にのつとつて、閲覧方法も旧来の出納式を接架式に改め、出納手を経ずして自由に図書の利用ができるような設備を施し、かつ直接図書館を利用できぬ人々のために、移動図書館、即なわち自動車文庫を設け、すでに全国で約十五台の移動図書館が活動している等各種の新しい図書館奉仕が進展しつつあるのであります。
 第三は、図書館専門職員の充実であります。すなわち、専門職員である司書及び司書補の資格規定に基いて、これらの職員の資格付與の講習が行われるようになつたのでありますが、この講習を契機として、専門職員の識見技術の向上がはかられるとともに図書館学に関する諸種の研究が旺盛となりまして、おのづから専門職員の資質が向上されて来たのであります。
 文部省としましても、この専門職員の養成充実が、わが国図書館発展の原動力となるものと考え、大いに努力いたしており、このたびの改正もこれに関連するわけでありますが、昭和二十六年度においては、すでに約一千二百人の講習を終り、引続き二十七年度も約二千人の養成講習を予定し、所要の準備を進めているのであります。
 以上申し述べた過去二箇年の法実施の経験から考え、特に重要と思われる専門職員の充実について、現実に、しかも早急に解決を要する問題が生じて参りましたので、次の通り現行法の一部を改正し、法の実施をさらに円滑にし、法の目的を実現したいと思うのであります。
 改正の第一は、法第六條第一項の規定に基く文部大臣の大学委嘱講習を、教育学部または学芸学部を有する大学のみに限定せず、広く大学に委嘱できるように改めようとするものであります。すなわち現在図書館に関する科目が設されている大学は、東京大学を初め京都大学、早稻田大学及び慶応大学等、国公私立大学を含めて、全国で約十六の大学に及んでおり、それぞれ有能な教授陣容を備えて開議し、自主的な図書館講習を計画実施しているところが多いのであります。しかし図書館に関する科目は、ほとんど文学部に属し、しかも大部分教育学部または学芸学部を有しない大学が設置している実情なのであります。従つて、これらの大学は、教育学部または学芸学部を有しなくとも、十分文部大臣の委嘱講習を実施し得る大学でありますので、講習総合計画との関係からも、時宜に適するよう改めたいと思うのであります。この点の改正については、すでに全国私立大学図書館協議会から請願がなされ、二十六年五月参議院において、同年七月衆議院においてそれぞれ採択されているものであります。
 改正の第二は、法附則第四項の規定によつて、司書及び司書補の暫定資格が、公私立図書館、国立国会図書館並びに大学附属図書館職員に與えられているのでありますが、これらの職員のみならず、大学以外の学校図書館職員で教諭免許状を有する者及び経論免許状を有するものとみなされる者についても、同様に暫定資格を附與することに改めようとするものであります。
  すなわち、法制定の際には、この法が公私立図書館を対象として規定していること、また、国立国会図書館支部上野図書館が国立国会図書館法第二十二條の規定により、できる限りすみやかに東京都に移管され公立図書館として再発足すること、並びに専門職員の講習を大学に委嘱することにより、大学図書館の果す役割が大きいこと等の事情を勘案して、これらの図書館職員にそれぞれ暫定資格を付與したものであります。従つて、その当時においては、大学以外の学校図書館職員については、この法の資格規定との直接具体的な関連を生ぜず、しかも、学校教育におけるこの種の規定を予想して暫定資格を付與しなかつたものであります。しかしながら、これらの当初の事情は、その後再検討すべき余地も生れて参り、さらに、講習の実態から申すと、大学以外の学校図書館職員が暫定資格を得ていないために、せつかく有能な職員でありながら受講の機会を失する者もあり、なお、暫定資格を獲得して受講を望む者が多いので、図書館相互間の円滑な人事交流の点からも考慮して、他の図書館職員と同様、法施行の日にさかのぼつて、暫定資格を付與するように改めたいと思うのであります。しかし、学校図書館が、学校教育の学習活動の拠点となる本質的機能の面から考え、これら職員のうち、正式教員、つまり教育職員免許法に規定する教諭免許状を有する者及び教育職員免許法施行法に規定する教諭免許状を有するものとみなされる者のみに、暫定資格を付與することとし、臨時免許状を有する者は除いたのであります。
 以上の二点が、改正の要点でありまして、早急に解決を要する問題なのであります。図書館法の他の点についても、若干改正を必要とする問題もありますが、社会教育法を初め他の法令との関係もあり、なお、十分研究すべき点が多いので、目下検討中であります。右の事情を御了察の上、十分御審議くだされ、一日も早く御賛成くださるように特にお願いする次第であります。
#16
○竹尾委員長 本法案に対しまする質疑は、次会に譲ることといたします。
    ―――――――――――――
#17
○竹尾委員長 次に、国立学校設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。前会の文部大臣の提案理由の説明に対しまして、質疑の通告がございます。これを許します。小林信一君。
#18
○小林(信)委員 提案理由の説明の中からお尋ねするのでありますが、改正の第三点としてあげております小樽商科大学短期大学部、福島大学経済短期大学部、千葉大学工業短期大学部、この三つの国立短期大学の設置の問題であります。これはいずれも夜間の授業を行うものであつて、勤労青年の進学希望にこたえたものであるという御説明なんですが、おそらくこういう要望は、全国至るところにあると思うのであります。これに対して、文部省としては、どういうふうに見ておられるか。全国でこういう勤労青年として希望しておる状況を、少しお聞きいたしたいと思います。
#19
○稻田政府委員 お話のごとく、全国の国立大学に関しまして、地元において短期大学部の設置を要望せられる向きは、昨年設置しました地方及びここに設置しようと考えております地方以外にも、相当あるわけでございます。われわれといたしましては、せつかく国立で晝間の施設がありますれば、できる限りこれを夜間に活用いたしまして、勤労青年の就学に資したいと考えておりまするが、なお国立大学の設備あるいは教員の定員等も十分でないのでありまするので、そうした各国立大学の実力等をも考えまして、今後において、なるべく広く、こうした夜間短期大学の設置を考えて参りたいと存じておる次第でございます。
#20
○小林(信)委員 希望する者が非常に多いということは、私は文部省としても認められておるように伺つたわけでありますが、それならば、それを選ぶ場合に、どういう條件が備わつていなければならぬかというようなことについても、今多少触れられたようでありますが、特に今回三つの大学部が選定された点につきまして、具体的にお伺いしたいのであります。地方におきましては、どういう條件が備わつたら短期大学というものか設置してもらえるかというような点で、非常に要望する人たちが多いのでありますが、その点少し御説明を願いたいと思います。
#21
○稻田政府委員 先ほど申し上げましたように、大学の設備を一つ考えるわけでありますが、地方で要望がありまする地域におきましても、不幸にしてその学校が戰災にかかつたとか、設備が不十分であるような場合におきましては、多少これを先に考えなければならぬ。また教授定員であります。これは大体各大学同じような状況であるわけでありますけれども、なおいろいろ実験、実習等を必要とする学科等につきましては、多少不十分だというような考慮も用いたような次第でございます。本年度及び明年度に設置いたします各短期大学の基礎となります学部は、従来のいわゆる高専等でありまして、戰災等も受けていないので、たいへん短期大学部を置きやすい大学であつたわけであります。ことにわれわれといたしましては、地方の要望が特に工業あるいは経済というような、産業関係の学科の要望が第一でありまするので、そうした点を将来十分考えて参りたいと思います。
#22
○小林(信)委員 それから改正の第六点でありますが、定員が千六百三十九名の減少というふうになつておるのですが、この内容をもう少しこまかくお伺いしたいと思うのです。まず国立大学附属医学専門部の廃止による減員というのと、それから行政機関職員定員法の改正による減員ということがあげてあるのでありますが、これの減員は何名であるか。それから当然増員されなければならぬものとして、ここにも書いてあるのですが、その増員は何名であるか。実質差引いて千六百三十九名の減少ということになつておるのですが、その点一つ一つについてもう少し詳しくお伺いしたいと思います。
#23
○稻田政府委員 二十六年度の国立学校の総定員が、六万二千六百人でありました。それに対しまして、昨年の行政整理による定員減少が、千九百六十九人でありました。二十七年度予算編成における増員が、三百三十人であります。従つて差引の減が千六百三十九人となりまして、その結果二十七年度の新定員が六万九百六十一人と相なつたわけであります。そうしてただいま予算編成による増と申し上げた三百三十人についてでありますが、さらに申し上げれば、これには学年進行による増員とか、あるいは県立学校合併、その他新しい理由による増員の分が、合せて五百四十二名あるわけであります。それに対しまして、医専の減少等による減が二百十二名でありますので、差引三百三十人の増ということになつております。
#24
○小林(信)委員 そこで附則の第二項ですが、千六百三十九名がこの二項に該当して、いわゆる職員の身分を失うものになるのですか、その点をお伺いしたい。
#25
○稻田政府委員 千六百三十九名全体が二項に該当するのではないのであります。そのうち行政整理に該当する分が千九百六十九人ございます。この附則二項に該当いたしますのは、先ほどお話にありました医専の減少、その他専門学校等の廃止によりまする減少でありまして、その減少の数は差引百九十二名になります。しかしながらそれぞれの機関、たとえば高等師範が廃止になりまして、東京教育大学の方が定員が増になつておるという関係におきましては、高等師範の廃止による減員というものは、この附則二項に該当するわけであります。
#26
○小林(信)委員 そうすると、これに該当するのが多少あるにはあるわけですね。
#27
○稻田政府委員 それに該当いたしますものも、高等師範学校あるいは専門学校等は、すでに別に定員の増に振りかえておりますので、そのためによる定員の処置はほとんどついております。ただこれはまだ学年途中でございますけれども、東京芸術大学とか、あるいは工業大学とか、一、二名あるいは二、三名ぐらいの定員がまだ処置がつかないでおりますけれども、おおよそこれらにつきましては、当該学校において、他の機関に移すとか、あるいは円満退職せしめるとかいうような措置が進行中であるように聞いております。
#28
○小林(信)委員 この前、やはり国立学校設置法の一部改正の法律が出た場合にも、こういう附則が載せられてあつたのですが、そのときも、局長が御説明になつた場合に、こういうものを載せますけれども、実際においては、これに該当する者はないように処置いたします、こういう御説明があつたのです。今回も同じような御説明で、法律ではこういうものがつくられるけれども、実際においては、これに該当する者はないようにするのだということになつておりますが、しかしこの前も多少やはりそういうようなものが出たように伺つております。そういう内容であればあるほど、われわれこの問題を考えてみますときに、こういうものを規定して、その者の持つておる権利を剥奪するとか、あるいは保障さるべき身分を保障されない形に、こういう法律によつて規定されるということは、何か立法上矛盾するような感があるのですが、そういう点は、文部省としては、どういうふうにお考えになつておりますか。
#29
○稻田政府委員 実際問題といたしましては、お話のように、この規定を適用することなきように、各大学としても御考慮になつてはおりますけれども、ただ法律の制度といたしましては、ある機関が消滅いたしまして、それと質の異なる機関が他にできますような場合におきましては、消滅する機関の職員が、その消滅と同時に当然その職を失うと規定するのが、従来の例でもあり、昨年の改正の場合にもそういたしたわけで、本年もそれを踏襲したにすぎないわけであります。
#30
○小林(信)委員 今の説明を承りましても、やはりこういう措置はやむを得ないのではないかというふうに言われるのですが、しかしまた、こういう形式を踏襲されるということは、これを出しさえすれば、首を切ろうという場合には、ほかのいろいろな問題を考えずに、この法律一本でもつて首を切ることができるのだという前例になるんじやないかと、非常に働く人たちには脅威を感じさせ、そうしてまた無慈悲を感ずるような形になるのです。局長の説明は、そういう学校がなくなるのですから、これはやむを得ないんじやないか、こういうのですが、そこに働く者の立場からすれば、そういうことでもつて、簡単に自分たちの身分というものが失われるようなことは、非常に困るんじやないかという、二つの矛盾したものがそこにあるんじやないかと思う。
#31
○稻田政府委員 身分保障という点に立脚してのお話でございますけれども、かりにこれがなかつた場合に、一体どういう保障ができ得るかということを考えてみるわけでありますけれども、大学の教官について言いますれば、こういう場合には大学の事前審査があるわけであります。事前審査で一体何を争うかという事実は、要するに機関が法律によつてなくなつたかどうとかいうことで、これは自明の理でありますから、そこで争つてみたところで、別にどうにもできない。かりに百歩を讓つて、それでは復職せしむべしという判決が出ても、機関がなくなつたら復職させることはできない。事後審査においても同じことだと思います。従いまして、これがあろうとなかろうと、身分保障にプラス、マイナスという問題は起つて来ない。ただ、こうした機関がなくなつた場合に、職員がどうなるかという帰趨につきまましは、やはり法規といたしましては、締めくくりをつけなければならぬ。締めくくりをつけるのが、従来の例でありますので、ここに掲げたわけであります。
#32
○小林(信)委員 そうすると、やはり一つの形式的なものであつて、どこまでもそういう者のの身分というものは、保障できるという確信が、文部省としてはおありというわけですか。
#33
○稻田政府委員 実際問題といたしましては、先ほど申し上げたように、円満に処置する方針を大学は持つております。ただ法規の問題といたしましては、こういう締めくくりをつけまして、万一の場合における法規解釈のあいまいさというものを、ここでなくしておくという配慮に出たわけであります。
#34
○竹尾委員長 松本七郎君。
#35
○松本(七)委員 ただいまの附則二項の問題もお尋ねしたいのですが、せつかく大臣がおられますから、ちよつと関連したものから、先に質問したいと思います。それは大学の自治に関連することですが、昨年の九月でしたか、熊本大学の工学部の学部長の任命の際に、文部省が教授会に対して、候補者を二名以上か何か出せと言われて、そのうちから選択任命したということが、これは学長の言葉から、そういうことが言われているのです。さらに最近では、そういう熊本大学工学部の前例があるということで、佐賀大学の文理学部の学部長選出に対しても、やはり同様な学部長候補二名を提出してくれというようなことを言われた。これもやはり学長の言葉から、そういうことが明らかになつておりますが、そういう事実があるかどうか。
#36
○天野国務大臣 そういう事実はあります。これは文部省内に、大学の学長を審査する大学設置審議会というものがあることは、松本さん御承知だろうと思うのですが、そこで審議するのに、ゆとりを持たせておく方がいいという趣旨でやつておるのだというふうに私は聞いております。
#37
○松本(七)委員 そうすると、それを大学設置審議会から学長あてに要望されたのですか。
#38
○天野国務大臣 文部省ですが、それを別に命令したわけでもなんでもないのであつて、そうすることが便宜だから、そうしたらいいじやないかということと思います。
#39
○松本(七)委員 もしもそういう便宜上かちならば、そういう趣旨がよく徹底するような方法でやつていただかないと、あたかも自治を侵すような印象を與えておるのじやないかと思いますが、そういう点について伺いたい。
#40
○天野国務大臣 大学が完成してしまいますと、そういうことがもつとはつきりするのですが、今つくりつつある大学は、完成した大学とは取扱い上いろいろ違うようなことが起るのも、自然やむを得ないかと思うのであります。大学学術局長から、もつと詳しく説明いたさせます。
#41
○稻田政府委員 例で申しますと、大学完成途上でありますと、最初は一般教育の教授ばかりです。そうして次に専門課程の教授を充足して来るわけですから、その学部が完成途上におきまして、教授会が未完成の場合において、教授会が教授会として働く場合には、そこにおもしろくない点も出る。そこで大学設置審議会におきましては、設置の際に審査いたしまして、教授の充足に條件をつけておるわけでございますから、その條件が充足せられる過渡期におきましては、設置審議会がそれに関與いたしまして審査するとう状況でございます。明年度に入りますと、国立大学の大体が完成するという年度に入るわけでございます。
#42
○松本(七)委員 それから先ほどの附則第二項ですが、この規定は、実際には該当者がないようになるという見込みのもとに、締めくくりでやると言われるのですが、しかし、こういうことが運用されるおそれがないかということが一つ。
  それから旧高等学校の場合には、一年間俸給を支給して、就職の機会を與えたというふうに聞いておりますが、そういう考慮はどうなんですか。
#43
○稻田政府委員 これを運用するおそれがないかという御懸念に対しましては、昨年の例がございますが、いずれも円満に行つております。
 それから旧高等学校の場合におきましては、異質のものでありますけれども、同程度の専門学校というものが包括学校としてかたわらに残つておりましたから、専門学校の方に一時つけておいて、その間において他に転職せしむるというような便宜もあつたわけでございます。昨年以来の廃止の場合におきましては、そうした同程度のものがかたわらにないので、この点処置がほかに考えられませんので、誤りなきを期する意味において、法規をはつきりさせておく必要を感じたわけでございます。
#44
○松本(七)委員 それからこの定員の問題ですが、昨年の臨時国会で、定員整理が先ほどの御説明で千九百六十九名ですか、これの各学校への配分状態というものがはつきりしないのですが、新制と旧制との間にバランスがとれてないとか、いろいろな意見があるようです。その配分状態を明らかにしてもらいたい。
#45
○稻田政府委員 配分は国会で御修正になりましたときの一定率、二割とか十割という数を大体各学校の定員に按分いたしたわけでございますが、その際に、学校の規模の大小とか、あるいは教育機関の特殊の性質というような点につきまして、多少権衡をとるというような配慮は用いたわけでございます。
#46
○松本(七)委員 そうすると本年のこの三百三十人ですか、増員分の配分計画はどうなつておるのですか。
#47
○稻田政府委員 この増員につきましては、それぞれの予算的の理由がございまして、あるいは学年人口によりますものとか、あるいは県立学校の合併でありますとか、あるいは夜間短期大学の創設であるとか、そうした理由によつて、この増員が積算せられておりますから、その理由のありますところに配分するのみでございます。
#48
○竹尾委員長 他に御質疑はございませんか。
#49
○圓谷委員 附属小学校の問題ですが、附属小学校は、もともとこれは教授の練習機関でできておるのですが、現在附属小学校は、俸給のわくがきまつておるために、地方の教員よりも非常に待遇が低いということです。こういう状況で、教授の機関としてはたして存続しておいた方がいいか悪いかということです。文部省では今年は存続させないということを私は聞いたのですが、そういう意思がありますか。
#50
○稻田政府委員 私どもといたしましては、附属学校職員の待遇を改善したいという念願を持つておるわけであります。地方の教職員は、国立学校職員の例によるはずでありますけれども、だんだん地方の方がよくなつて来て、お話のように附属の方が遅れておる。附属の方は、ことに教育実習とか、あるいは観察とか、あるいは実験学校としての職能とか、講習会の指導とか、いろいろそこにつけ加えられる職務がありますので、これは文部省といたしましても、人事課を中心といたしまして、そうした職階、職級、俸給、号俸の改正の際には、こうした点を実現したいと思つて、今いろいろ協議いたしておる次第であります。
#51
○圓谷委員 今附属小学校の児童募集方法ですが、あれがやはり選抜法によつてとつておるのです。附属においては、大体そうだと思うのですが、地域的にとつた方がいいじやないか。昔は、もちろんそれでよかつたかもしれませんが、現在のように民主化された時代に、附属小学校がみな一年から試験制度をしいておるのは、非常に合理的でないではないかという輿論が地方にある。そういうふうにして優秀で家庭のいいような者だけをとつては、むしろ実際の教授の練習には当てはまらないじやないかという声があるのですが、現在文部省としては、それは自由にしておりますか、どんなふうですか。
#52
○稻田政府委員 その点ごもつともでございまして、先般文部次官から通牒を出しておるのであります。もちろん附属学校に非常に優秀な兒童、生徒を集めるということは、その必要もございませんし、また種々弊害があるわけです。ただ実験学校でありますので、ある程度のレベル以下の者が入りますと、実験、観察等についての支障があります。また教育実習としてもそこに困難があるので、ある程度の試験はいたしますけれども、別に優秀な者を集めるという心がけでやつてはいけない。その意味においてなるべく試験をして数を多くとつて、その中から抽籤で落すとか、あるいは抽籤を先にするとか、種々の方法をもちまして、特別に優秀兒ばかりを集めないようにという注意は、いたしておるわけであります。
#53
○圓谷委員 もう一つ、地方の国立大学等を視察してみますと、非常に事務官の数が多い。たとえば、昔の師範学校の学芸大学というようなところへ行つてみますと、事務官が部屋に一ぱいになつておるというようなことを見るのですが、実際ああいうふうにたくさん必要であるかどうか、私わからないのです。どうしても必要だといわれれば、それでけつこうですが、ひとつその点を承りたいのです。
#54
○稻田政府委員 ここに数字的の資料を持つておりませんけれども、旧高等学校、専門学校当時の事務官と、学生、生徒一人当りとの比率と、今日の事務官と学生、生徒一人当りの比率を比べますと、これは非常に減つているのでございます。終戰後二回、三回の行政整理がありました場合に、学校の教官の方に手をつけませんで、自然事務官の方にその整理がかぶつて参りまして、年々減少して参つているのが現状でございます。もちろん三年制の専門学校が四年制の大学になりまして生徒がふえるに従い、また研究という面がふえるに従いまして、純粋の事務官あるいは教務職員というような者は、従来の機構よりも増さなければならぬ状態にあるにもかかわらず、全体の定員が減つているというのが現状でございます。
#55
○若林委員 関連して一言お伺いしておきたいと思います。専門学校令によりますとすでに廃止せられたはずだと思つているのでありますが、今年も公然と専門学校として生徒を募集している学校が東京、大阪等に現存しているように見受けるのであります。文部省はこれは承認しておられますかということが第一。
 第二に、その存在の根拠を御説明願いたいと思うのであります。申すまでもなく、専門学校として教育を続行する結果は、教員免許状、それから電気事業技術者資格等に特典を持つこととなりまして、他の新制度の学校との間に不公平を生ずることだと思うのであります。この点をひとつお伺いしたい。
#56
○稻田政府委員 学校教育法の九十八條に「現に存する従前の規定による学校は、従前の規定による学校として存続することができる」と、こういう規定があるわけでございます。もとより、文部省といたしましては、新しい学校制度ができました以上、こういう旧制の課程の学校を存置するよりは、新しい学校に移行していただきたいのであります。現在お話になつておりますのは、私立学校であろうと思うのでございますが、短期大学の制度もございますので、年々その新しい短期大学を創設せられる向きが多いと思いますけれども、これに対して無理に時を限つて廃止するのも、学校経営者のためにお気の毒と存じておりますので、多
 少その点ゆとりを持つて私どもは考えておりますが、決してこれを奨励する意味ではないのであります。それから、さらに各種の法律によります資格規定につきましては、何と申しましても新しい制度の学校の卒業生がまだ出ないか、あるいは少い状況でございますので、旧学制によります学校の卒業生に不利でないように、それぞれ例外的に旧専門学校卒業者に対しまして特典を與えております。これはおそらく進行とともにまた適切に改正せられることだと考えております。
#57
○若林委員 これは新学制確立という意味におきまして、これに重点を置いているとするならば、その方向に進められるよう希望いたしておきます。
#58
○竹尾委員長 これにて質疑を終了いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#59
○竹尾委員長 御異議なしと認めます。質疑はこれにて終了いたしました。
 これより討論に入ります。
#60
○岡(延)委員 本法案に対する討論はこれを省略し、ただちに採決を行わんことを望みます。
#61
○竹尾委員長 同君の動議に御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#62
○竹尾委員長 御異議なしと認めます。よつて討論は省略せられました。
 これより採決いたします。賛成の諸君の御起立を願います。
    〔総員起立〕
#63
○竹尾委員長 起立総員。よつて本法案は原案通り可決いたしました。
 本法案の報告及び報告書の提出につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#64
○竹尾委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
    午後零時二十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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