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1951/05/20 第13回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第013回国会 文部委員会 第24号
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1951/05/20 第13回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第013回国会 文部委員会 第24号

#1
第013回国会 文部委員会 第24号
昭和三十七年五月二十日(火曜日)
    午後零時二十分開議
 出席委員
   委員長 竹尾  弌君
   理事 甲木  保君 理事 若林 義孝君
   理事 小林 信一君 理事 松本 七郎君
      高木  章君    圓谷 光衞君
      東井三代次君    長野 長廣君
      平島 良一君    水谷  昇君
      井出一太郎君    笹森 順造君
      渡部 義通君    浦口 鉄男君
      小林  進君
 出席政府委員
        文部事務官
        (初等中等教育
        局長)     田中 義男君
 委員外の出席者
        文部事務官
        (初等中等教育
        局庶務課長)  内藤譽三郎君
        専  門  員 石井  勗君
       専  門  員 横田重左衞門君
    ―――――――――――――
五月二十日
 委員前尾繁三郎君及び稻葉修君辞任につき、そ
 の補欠として鹿野彦吉君及び井出一太郎君が議
 長の指名で委員に選任された。
五月十九日
 連合国及び連合国民の著作権の特例に関する法
 律案(内閣提出第一四五号)(参議院送付)
同日
 国旗の祝日設定に関する請願(天野公義君紹
 介)(第二八二五号)
 寒冷地帯の学校に屋内運動場建設促進に関する
 請願外一件(大橋武夫君紹介)(第二八八九
 号)
の審査を本委員会に付託された。
同月十七日
 高等学校職員の俸給表制定に関する陳情書(青
 森県立八戸高等学校教諭高橋源治外三十名)(
 第一八四二号)
 学校給食継続に関する陳情書(群馬県議会議長
 金子金八)(第一八四三号)
 義務教育費全額国庫負担に関する陳情書(群馬
 県議会議長金子金八)(第一八四四号)
 義務教育費国庫負担法案反対に関する陳情書(
 今治市議会議長矢野米一)(第一八四五号)
 義務教育基礎確立による補助起債の増額に関す
 る陳情書(今治市議会議長矢野米一)(第一八
 四六号)
 教育委員会委員の選任方法改正に関する陳情書
 (今治市議会議長矢野米一)(第一八四七号)
 同(三重県議会議長濱田正平)(第一八四八
 号)
を本委員会に送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 義務教育費国庫負担法案(竹尾弌君外十四名提
 出、衆法第四〇号)
#2
○竹尾委員長 ただいまより会議を開きます。
 まず義務教育費国庫負担法案を議題とし、前会に引続き質疑を続行いたします。質疑のある方はこれを許します。
#3
○渡部委員 前回の委員会の質問の中で述べたように、今日地方財政の非常な危機のみならず、さらにまた各家庭の貧富の差が非常に大きいばかりでなくて、ますます多くの国民が生活が困難である。この生活の一助とするために、学童を義務教育につけ得ない状態にある者が、ますますふえて来るというような状態のもとでは、義務教育に関する憲法の精神を貫くためには、どうしても国庫負担によらなければならぬ。その場合に、この法案は、国庫負担の方向へ一歩前進させるものであると言われるけれども、実際において、義務教育費のうち給与とか、維持運営費、あるいは教材費のわずかに一部分だけを国庫によつて負担するということを規定するだけであつて、こういう形では、今日の義務教育における困難な状態を切り抜けるということは、まつたくできない。これは国家が当然責任を負わなければならない義務教育費というものを、父兄に負わせることになる。PTAが負担するような状態が、依然として残されておる。従つて、国家はその義務を果さないで、PTA等に教育費の一部を、しかも大きい一部を負担せしめることによつて、義務教育を受ける学童を持つておる家庭の生活を困難にするだけではなくて、義務教育を事実上受け得ない状態に依然として置かなければならぬ状態が現われておる。この点について、立案者はどういうふうにこの問題を解決されようとしておるのか、この点をまずお伺いいたします。
#4
○若林委員 たびたびお答えいたしておりますように、われわれの本法案を提出いたしました最終高度の目標は、今渡部委員が言われます方向をねらつておるわけでございます。根本の理念においては違つてはおりますけれども、表面に現われますねらいどころというものは同じなのであります。しかし現状の国家財政と、また地方税制というものを参酌いたしましたこの基礎の上に立つて、これが最大のねらいどころであるという意味で、この法案を立案いたしたのでありますが、この法案が制定せられまして、将来は、もう事あるときをとらえまして、地方税制の改革あるいは平衡交付金の根本的変更というような機会をねらいまして、一歩々々ずつ前進をして行きたい。こういうように考えておるのでありまして、ねらう方向は、今、渡部委員が御指摘になりました意味において、地方財政を安定さす、PTAその他の負担を軽減し、国家が最終の補償の立場に立つて教育費の確立をはかる、あるいは社会情勢の変転に伴いまして給与ペースの向上、あるいは物価の上昇というようなことがありましても、この法律の規定によりまして、自然に教育費が確保せられるようにという気持で立案をいたしたのであります。
#5
○渡部委員 今の説明により、また前回の趣旨の説明によりますと、つまり財政の状態が、現状ではこのような法案を成立させることが、大体ベターであつても、今日の状態においてはべストであるという立場から、あなたの方では提案されておるようでありますが、しかしながら問題は、財政の配分がどうかということにあり、従つて財政の配分ということの裏にある今日の最も重要な政策を、どういうふうに規定して行くかということが、根本になつて来ていると思うのです。要するに、国家財政が今日の困難な状態であり、しかも地方財政も非常に不均衡であるということを是認した上でこの法案をつくられたとしか、われわれは考えられないのであります。もし国庫全額負担といつたような憲法の精神によるならば、そうして教育が非常に今日重大な新しい日本の創造力として重大な位置を占めるものだという認識の上に立つならば、むしろ財政の変革こそが、この趣旨を徹底させる上での重大な問題になつて来るのではないか。つまり警察予備隊とか、そういうものはどんどん厖大な経費を使うけれども、学校の方には経費を使い得ないという状態に今日追い込まれている。それを打開することなしには、憲法による義務教育保障ということが実現され得ないのじやないか。その点は、どういうふうにお考えになりますか。
#6
○若林委員 この法案通過によりまして、教育を守ろうとする熱意に燃えておられます各位の御協力を得まして、今渡部委員がお話になつておりました財政、税制、その他に根本的改革を実施して、義務教育費ばかりじやない、教育費の確保というようなことに私たち渾身の努力を注、きたいと思つておるのでありますが、この法案自体をつくりましたときの気持も、そういう気持で立案いたしておるのであります。あまり大きなことを最初からねらいますと、可能なことであるにもかかわらず、可能でない、失敗に終るおそれがありますので、これでも相当皆様方の強力な御協賛を得なければ、はなはだむずかしい状態にあるわけであります。まず一歩ずつ前進をして行くという意味の気持であります。将来警察予備隊などの事柄もあるわけでありますし、あるいはそれ以上のことを国家として考えなければならぬときがあると思うのでありますが、そういうときにも、われわれ教育にと重点を置いて御奉公いたしております者といたしましては、格段の熱意を持つてこの教育を守る。教育を守つて初めて完全な治安ということが維持せられると、私たち心得ておりますので、立案者もただいま御質疑をなさつたお心持と、何らその点はかわりないものと言明をいたしておきたいと思うのであります。将来そういうことが根本的に改革せられますときにも、格段の御協力を願つてやまない次第であります。
#7
○渡部委員 若林君は、気持とか心持とかいうことを盛んにおつしやいますが、そういう気持や心持はわかります。しかしながら、現在日本の教育が崩壊状態にある、あるいは教育費の面が非常に削減されておるということの根本はどこにあるかというと、これは再軍備にあることは明らかであります。再軍備的な財政の措置、ここに根本の問題があることは、だれしもこれは疑うことのできない事実であるわけであります。しかし、もし教育を向上させる、従つてその基礎としての義務教育に対する責任を完全に国家が持つ、持たなければならぬという強い信念と主張と、また政策とを立案者が持つておられるならば、当然この教育の危機を来し、あるいは教育財政の崩壊を来しているところの再軍備に対する態度が、はつきりせられなければならないけれども、立案者あるいは自由党の諸君からは、われわれはただの一度も、再軍備に反対して教育を充実させる、あるいは弾圧費、警察予備隊費等等の増額に反対して、義務教育費を確保せよという強い要求とか、主張とかがなされたということを、一度も聞いたことがないわけであります。なせこの点を強調されないのか。一体、再軍備とか弾圧費等々によつて、義務教育費というものが、あるいは教育費全体というものが非常に削られているという事実を認められないのかどうか。認められたとするならば、なせその問題について、教育費を確保するという意味から、その点を主張されないのか、この点をお聞きします。
#8
○若林委員 表向きから考えますと、まことに堂々たる御質疑のように伺うのでありますけれども、自由党の代議士であるという立場から今お話が出ましたら、そのまま受入れられるのでありますか、私も新しい憲法をつくりましたときの一人といたしまして、戰争は絶対に起らぬのだという気持が多分にあつて、あの憲法九條を協賛したのであります。悲しいかな、世界の現状は、今御指摘になつたように、日本の国は、まだ再軍備は決定をいたしておりませんけれども、世界をあげて軍備軍備ということになつておるのを、はなはだ残念に思うのであります。また今わが国は、警察予備隊というもので、国内の治安にのみ重点を置いておるのでありますが、これも不必要なものをやつておるのではないことだけは、過般の種々なるでき事を御想像なさると、国民一般やむを得ないという気持があるのであります、して、われわれとしましては、そういう警察予備隊のごときものをつくらなくてもいいように、今渡部委員が御質疑になつたようなお気持があるならば、その方面に万全の力を尽していただきたいと思うのであります。われわれといたしましては、国内治安に対する費用もとつてよろしい、必要ならばその方にも注がなければならぬのでありますが、それと同時に、決して教育を軽んずべきでない。また警察予備隊などに大いに国家として力を入れるならば、それと劣らぬ力で教育というものを完全にし、あるいは社会教育も完璧を期して行くということによつて、治安費を少額に押えることができる。この教育と治安との兼ね合いがきわめて問題なのでありまして、決してここに軽重をつけるべきものでないという態度で進んでおるのであります。教育は、文部大臣の答えを引用してみますと、治安あつての教育だといわれるのでありますが、私たちは治安と教育とは相並んで力を注ぐべきだ、こういう気持でおるのでありまして、教育さえ完全にしておけば、治安は軽んじてよろしいということを言いたいのでありますが、現状は、その線を太く出すことのできないのを残念に思うのであります。
#9
○渡部委員 しかし問題は、現在行われているような財政の措置、あるいは基本政策という線が改められない限り、教育財政に関する圧迫というものは、ますます加わつて行くという情勢にあることは、判断せなければならぬと思う。これは党派のいかんにかかわらず、見通して行かなければならない事実だと思う。歴史的な明らかな方向だと思う。そうだとするならば、やはりその点にわれわれ文部委員会としては、ことにはつきりした態度を示して、そうして教育の発展のためには、あらゆる努力を政策の変化というものに向けて進めて行くという態度をとらなければ、この方針というものを貫いて行くことは、とうてい不可能だと見なければならぬ。これは私の政治的な立場をどうこう言われる諸君にしても、この事実だけは認められなければならぬと私は考えるわけです。こういう事実の上に立つて、われわれは教育の発展を考慮しなければならないわけなんで、従つて、この点特に私は強調しておく必要がある。ただ、どのようにするかということの議論は、今この席上で立案者とかわす余裕もないと思いますけれども、その点だけは、私は特に強調しておかなければならぬと思う。この法案の中を見ても、そういう点はいろいろ現われておるわけでありますが、まだ技術的にいろいろ不備な点も、あるいは疑問の点も非常に多いわけです。たとえば、教育予算の地方への配分とか、支出上の單価の基準とかを一体どこで決定するのか、こういう点はどうなつておりますか。
#10
○若林委員 算定の基準は、現状をそのまま明確にこれを法律できめたのであります。今までは漠然とこういう基準であつたというのを、明確化したというにすぎません。それから配分の方法は、今年の予算におきましての配分は、平衡交付金を交付いたしましたその精神に基く配分方法になると思うのでありますが、来年の事柄につきましては、法律に別に定めるわけでありまして、これはおそらく地方財政、地方税制、あるいは国家の税制を根本的に検討するという機運が今見えておりますから、ここで決定するということはできないのでありまして、ただ総額において二分の一を下らざるということできめてあるわけであります。将来別に法律をもつて定める。そのときには、これは地方々々によりましてその財政的の配分方法というものは慎重に考えなければならぬものだと心得ておるのであります。
#11
○渡部委員 この二分の一を地方に配分する場合に、地方の状況に応じて地方ごとに配分するのが、自由党の方針だということに、この前聞いたように思いますが、そうですか。
#12
○若林委員 決してそうではないのでありまして、現在においては、今年度は平衡交付金の精神に従つてやる、それから来年度以降におきましては、あらゆるものを勘案いたしまして、おそらくその配分については、本委員会にその法律案がかけられてきめられると思うのでありまして、それについては、地方税制なんかの改正に伴いまして考慮すべき問題だと思いますので、ここではどういう線が出ておるかということを申し上げることはできない状態にあるのであります。
#13
○渡部委員 教育財政の配分等に関して、すべてが文部省に握られるということになれば、全額国庫負担という條件のもとでは、明らかに教育の中央集権化を来すということが、地方財政委員会の方も述べられ、ことに岡野国務大臣は、その点を強調されたと思うのですが、この教育の中央集権化ということについては、委員の中でも反対が多いのであり、教育界、ことに日教組等はそれをおそれている。この中央集権化というものをどういうふうに防がれるか。言いかえれば、教育に対守る従来のような、つまり戰争中及び戰前のような、文部省による完全な教育の支配というような結果を来さないために、どういうふうなことを考えられておるか。
#14
○若林委員 教育の中央集権化を防ぐためには、予算面においてのことを御指摘になつておるのだと思うのでありますが、予算面においては、中央で集権化ができないように、法律でもつて配分を定めるのでありまして、文部省独自の立場から、もしこれを配分するということになれば、今御指摘のような御懸念が起ると思うのでありますが、それができないように、集権化にならないように法律でもつてこれを定めて行く。文部省に頭を下げて来なくとも、法律の條文に照してそのまま費用が流れて行くというふうに考慮すべきだと思つております。
 それからもう一つ、財政を離れての中央集権化を防止すべきだという御説に対しましては、県には県の教育委員会がございます。また市町村においてもつくるようになつておるのであります。ある時期が来ますと、強制的につくらなければならぬというような法律にもなつておるわけでありますから、これは先日も申し上げましたように、文部省といたしましては、何らこれを制約し得るところの権限はないのでありまして、独自の立場から、教育委員会が正々堂々と、その地方々々独自の動き方ができるようになつておりますから、両々相まちまして中央集権は防げると確信をいたしておる次第であります。
#15
○渡部委員 文部省による、つまり政府による教育の支配ということを防ぐためには、教育委員会制度の、しかも民主的な教育委員会制度の確立ということが非常に重要であり、今日においては一つの基本的な方向だと思うのですが、中央には、これに即応するものがない。すなわち、県及びおもなる都市にはあつても、中央にはこれに応ずるような制度が今日ないわけですが、こういうように国家による義務教育費の補償その他教育上の重要な問題の措置ということになつた場合に、政府による教育支配に陥らしめないためには、どうしても民主的な中央教育委員会といつたようなものが設けられる必要がある。それを設ければ、私が今申し上げたような点が相当解決されるのではないか、この点をどういうふうに思いますか。
#16
○若林委員 今、中央教育委員会というものの構想が出ましたが、これがいわゆる国会における文部委員会ではないかと私は思つております。それがまた、こちらだけで独自にやつてはいかぬから、参議院にもある。中央における教育委員会を別にこしらえることを予想しておられるようでありますが、これは選挙の方法はどういうふうにお考えになつておりますか。全国的に選ばれる参議院議員を選ぶようにお選びになりますか、文部大臣の任命によるものを御構想になつておりますか。そんなものをつくればつくるほど、集権化が行わられるのである。各地方から選ばれて来ております国会議員として、国権の最高の上に立つて文部委員会というものがいろいろなことを世話する以外に、私はそんなものは必要はないと心得ておるのでありまして、またすべての民主化を御主張になる渡部委員としても、私らの考えに同調せられるのではないかと考えるのであります。いずれこしらえましても、おそらく国会のもとにつくらなければならぬ。どこの意志かといえば、やはり文部委員会の意志によつて一応動いて行く。これこそ中央集権化のおそれが多分にある。地方々々の教育委員会が独自にお動きになる現在の状態が理想ではないか。中央的に世話をするのが必要だといえば、国会で委員会が設けられておるわけであります。今の教育委員会は文部大臣についているのじやありません。ついているところを探るならば、国会に直結していると私は心得ております。国会自体は、これ以上民主的な選び方のない選び方を衆参両院はやつておられるのでありますから、私はその御質問のお心持は、現在あるそのままの姿を是認せられるお言葉であつて、別に中央委員会のごときものをつくる必要はなかろうと思つておるのであります。
#17
○渡部委員 今、御議論によると、それならば、県会があるから、同時に地方の教育委員会も必要ないじやないか。県会において県会から形成される教育部門の会があれば、そんなものはいらないじやないかというような結論になるわけでありますが、しかし現在地方の議会と別個な形で選ばれた教育委員会が、地方独自の活動をやつているというような状況か、中央においてもあることによつて、ほんとうに民主的なそういうもうがつくられることによつて、この義務教育費国庫負担という面における財政的な支配、財政的な管理、このことも民主的に決定される方向が出て来ると私は思うので、義務教育費国庫負担法といつたものがつくられる場合には、当然こうした機構的な面も考えられないと、これは政府による教育支配の結果に陥るおそれが十分あると私は考えているわけです。
 それで、今度の法案によつて、二分の一が、教材費あるいは教職員の給料、この二つの面だけに限られておるわけですが、そのほかの面、つまり生徒、学童自身が教育を受ける上での非常な負担は、他の面にやはりあると思う。この法案は、学校の設備とか教員の給料とかだけの点を、今までよりは国家が負担しようというだけである。そうではなく、学童が今日のように多くの長期欠席者を出さないようにしておくためにはどうしたらよいのか、この面については、この法案は何ら解決の道を示していないように思うが、これはどうですか。
#18
○若林委員 これは、ねらうところは渡部委員と同感でございまして、教材費その他の名目でこの費用を拡大することによつて、いわゆる教科書の無償ということもこれで実現されるだろうと思います。あるいはまたこの法案を中心といたしまして考慮することによつて、学校給食その他で、現在のところでは、生活保護法その他で考慮せられておりますものも、この法案の中に包含をして行つて、今御質問になりました趣旨が、この法案によつて満たされて行くというようなこともねらつてはおるわけですすが、これは提案理由の説明のときに申しましたように、ほんの橋頭堡を押し出すという意味の、立案者から考えましても、少し遠慮し過ぎておるのじやないかと思われるほどの、最低の線をねらつて行つておるのでございます。将来、今御発言になりましたような趣旨は、この法案通過によりまして、これをもととして、目的に向つて進みたい、こう考えております。
#19
○渡部委員 文部当局に聞きますか、現在貧困によつて教育扶助費を受けている者は、どのくらいあるのか、その人員や金額といつたようなものをお聞きしたいと思います。
 第二には、PTAの寄付というものは、文部省の発表によれば、小学校について四〇・六%、それから中学校について三三・一%になつておるわけですが、この法案が実施されることによつて、こういう点はどんなパーセンテージに現われて来るか伺いたい。
#20
○内藤説明員 現在生活保護法の適用を受けて、教育扶助費から扶助を受けておる兒童の数は、大体六十万程度と私どもは考えております。もちろん現在の不就学兒童全部に生活保護法の適用を受けさせるには、まだ若干の余裕がございますので、この点について努力すると同時に、就学奨励法等の構想も考えて、その実現に努力したい、かように考えております。
 それから後段の、第二の御質問の趣旨が、はつきりしなかつたのですが、恐れ入りますが、もう一度おつしやつていただきたい。
#21
○渡部委員 この資料によりますと、PTAの寄付が小学校については四〇・六%、中学校については三三・一%に当つている。こういうふうに国家が当然負うべきものを多額にPTAに負わせているという結果になつて、ここに義務教育が無視されている本質が現われているわけなんです。この法案が通過することによつて、今日の状態から予想されるPTA負担の小学校及び中学校についてのパーセンテージはどのくらいになるかというのです。
#22
○内藤説明員 大体私どもの考えでは、PTAの負担は半減されると考えております。教材に関するPTAの負担だけがなくなりますので、大体の見当では半減される。現在百億ほどのPTAの寄付金がございまして、教材に相当する部分が四十七億でございますから、半分程度は軽減されると思います。
#23
○渡部委員 それでは保留しておきます。
#24
○竹尾委員長 午後二時まで休憩いたします。
    午後一時五分休憩
     ――――◇―――――
    〔休憩後は開会に至らなかつた〕
ソース: 国立国会図書館
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