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1951/06/12 第13回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第013回国会 文部委員会 第31号
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1951/06/12 第13回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第013回国会 文部委員会 第31号

#1
第013回国会 文部委員会 第31号
昭和二十七年六月十二日(木曜日)
    午前十時四十六分開議
 出席委員
   委員長 竹尾  弌君
   理事 岡延右エ門君 理事 甲木  保君
   理事 若林 義孝君 理事 小林 信一君
   理事 松本 七郎君
      柏原 義則君    鹿野 彦吉君
      小西 英雄君    坂田 道太君
      首藤 新八君    高木  章君
      圓谷 光衞君    東井三代次君
      長野 長廣君    平島 良一君
      水谷  昇君    井出一太郎君
      渡部 義通君    坂本 泰良君
      浦口 鉄男君    小林  進君
 出席政府委員
        文部事務官
        (社会教育局
        長)      寺中 作雄君
        委員外の出席者
        議員      松本 瀧藏君
        参  考  人
        (日本体育協会
        国際総務主事) 田畑 政治君
        参  考  人
        (朝日新聞社運
        動部長)    富永 正信君
        参  考  人
        (毎日新聞社運
        動部副部長)  大島 鎌吉君
        参  考  人
        (日本体育協会
        理事)     八田 一郎君
        専  門  員 石井  勗君
       専  門  員 横田重左衞門君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 社会教育に関する件
 参考人より意見聴取の件
    ―――――――――――――
#2
○竹尾委員長 これより会会議を開きます。
 まず参考人の指名をいたしたいと存じます。日本体育協会専務理事田畑政治君、朝日新聞社運動部部長冨永正信君、短日新聞社煙動部副部長大島鎌吉君、日本体育協会理事八田一朗君、今申し上げました四名の方を、当委員会のオリンピック選手派遣問題に関する参考人に指名いたしたいと存じますが、以上の四名を参考人に指名することに決するに御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○竹尾委員長 御異議なしと認め、右の四名の方を参考人に指名するに決しました。
 この際委員長より一言ごあいさつを申し上げたいと存じます。当委員会は、すでに今第十三国会の冒頭におきまして、文部行政中、特に重要なる事件につきまして、国政に関する調査の承認を得ております。従いまして、承認を得ました国政調査権に基きまして、本日は特に国民の重要なる関心事でありますオリンピック選手派遣問題及びこれに関連いたしまする諸問題に対する今後のあり方等々につきまして、国会が国権の最高機関といたしまして、憲法六十二條、衆議院規則九十四條によりまして、当委員会に與えられました国政調査権に基きまして、法律案以外の事件につきましても審査及び調査をするため、本日参考人の方々の御出席を煩わしました次第でございます。
 参考人の方々には、御多忙中にもかかわらず、当委員会に課せられました使命を果すため御出席を賜わりましたことを、委員長から厚くお礼を申し上げる次第でございます。十分なる御意見の御開陳を御依頼申し上げる次第でございます。
    ―――――――――――――
#4
○竹尾委員長 これより日程第一、社会教育に関する件を議題とし、本件に関連するオリンピック選手派遣問題に関し、参考人の方々より御意見を聴恥いたしたいと存じます。
 参考人の方々の発言の時間は、大体十五分から二十分程度にお願い申します。
 まず田畑政治右。
#5
○田畑参考人 どういう問題……。
    〔「何を聞こうとするか、はつきりしなければだめだ」と呼ぶ者あり〕
#6
○竹尾委員長 そういう御意見も出ましたが、それでは問題はオリンピック選手派遣の問題及びこれに関連いたしまする諸問題に対する今後のあり方等々……。
#7
○松本(七)委員 議事進行について……。法案でも出ている場合に参考人の意見を徴するというのであれば、参考人としての意見もすぐ述べられるわけですが、漠然とオリンピック選手派遣に関する意見といつても、参考人の方で困られます。今回のオリンピック選手派遣について、どういう方針で臨まれるかというような具体的な点に、ある程度触れて、それについての概略を簡單に意見を吐いていただき、それから質問に入つていろいろ意見を述べていただくというような親切な扱いを、委員長として、してくたさらなければ、参考人としても困られます。
#8
○竹尾委員長 この問題につきましては、この間理事会も開きまして、御相談申し上げたのでございますが、なお御意見のある方もあるようですから、速記をやめまして、ちよつと理事の方、お集りください。
    〔速記中止〕
#9
○竹尾委員長 それでは速記を始めて。――若林義孝君。
#10
○若林委員 本文部委員会といたしまして、御出事前に、いろいろな事柄に御奔走で御多忙中の、また社会的にも重要な地位を占めておられます参考人各位の御出席を得まして、オリンピック選手派遣に関するいろいろな御意見を本委員会が承ろうとしますのは、先ほど総括的な趣旨は委員長からお話になつたのでありますが、具体的にどういう気持からであるかということを、一通り申し上げてみたいと思います。
 御存じの通り、オリンピツク大会に選手を派遣いたしますことは、国家といたしましても、外交的にながめましても、独立第一歩を踏み出しました日本といたしましては、重要な、各国に大公使を送る以上に、私たちは世界が関心を持つておるところだと思うのであります。一昨年、古橋選手その他をアメリカに送りましたときにおきましても、国会といたしましても激励をいたしたのでありまして、そのときには幣原議長が中心になつて、この選別の激励会を議長応接室におきまして、やつたのでありますが、これはもう百人の大公使を送るよりも、この選手を送ることが、国家として非常に意義があるという激励の言葉があつたのであります。同様に、今度のオリンピック大会に選手を送りますことは、非常な意義があるのであります。従つて、国家は、相当外交関係に国費を費すのでありますが、それと同じように、今回の今年行われますオリンピック大会にも、できるだけ大勢派遣をいたしまして、勝敗は別問題として、日本がいわゆる民主化された文化国家として、こういうような陣容で行くのだという、少くともこの気持をこの派遣に対して織り込んで行きたい、こういうことを私たちは念願しておつたのであります。同時に、これに対する政府の補助といいますか、助成と申しますか、どちらを公的に使つているか知りませんが、そのオリンピツク派遣費というものを、文部省予算において相当大幅にとつてみたいという気持で、昨年の予算編成にあたりましては、われわれ議員といたしましても極力重点を置きまして、――ここに列席になつておられますが、社会教育局長の寺中氏が文部省の会計課長でございまして、力を合せて文部省に当つたのでありますが、われわれの力及ばずして、千五百万自というようなきわめてわずかな額で、衣へ出すのにもはずかしい思いがするのであります。この寺中社会教育局長から、すでに協会の方へ、これが手渡されたようでありますけれども、おそらく持つて行く方でも、はずかしい気持で持つて行かれたと思うのでありまして、今年はこれはやむを得ませんが、次回この種のことに関しましては、われわれといたしましても、少しでも多くこの財源を振り当ててみたい、こういうように念願いたしておるのであります。われわれその念願を持つておるけれども、何らその点に知識がないのであります。きよう有力な御参考人においでを願つたのでありますけれども、初めて今日われわれが物を言うというくらい連絡に欠けておる。去年この予算をとりますときに、いま少しく密接な関係でともどもに大蔵省に当ることができましたならば、おそらくこの数つ字ももう少し増額できておつたと、いまさらながら非常に残念に考えるのであります。朝日新聞の論説だつたと思いますが、九千万円近くいるのであるが、国費の補助は千五百万円よりない。かつては八割まで補助があつたにかかわらず、今度はあまりに少いという議論があつたのでありますが、これはわれわれとしては、できるだけ増して行きたいという気持があるのであります。もしも相当の理由が立ちますならば、事情を承りまして、今年度においても、補正予算等におきましてもう少し増すことができるならば、ひとつ増してみたいという念願を持つておるのであります。しかし、一方すでにお耳に入つておると思うのでありますが、新聞紙上その他におきましても、選手派遣の費用を中心とした全国的な募金が伸びにくい点について、いろいろな事情があるように流布されておるのでありまして、この点国会におきましても、前回の委員会におきまして中心となりましたのは、いわゆる選手数と役員数とのバランスの点で、他の国と比較して役員数の方が非常に多いのじやないかということが中心になりまして、この派遣費の問題が議題となつたわけなのでありますが、実はそれに重点を置いておるのじやない、この国会としても、筋道を立てて、より多く予算がとれるよう、また募金をいたします上におきましても、国民一人一人が、ほんとうに心から進んでこの募金に応じ得る態勢に行くように協力をしたい、こういう気持でありまして、委員長から與えられた時間は多いか少いか、御参考人のお気持ではどちらかわかりませんけれども、與えられた時間内におきまして、国会がこの派遣費を増額し、また募金をいたしますのにも協力できるような知識を、ひとつ與えていただきたい。世の中からいろいろな目をもつて見られますはなはだ御迷惑な見解について――かつてな誤解であると言われるかもしれませんけれども、国会でこの予算に協賛を與えておりますわれわれといたしましては、非常に関心を寄せておるものでございますので、われわれ委員会が参考人各位に協力ができるよう、また将来この予算について増額の妨げとなるもの、あるいはこれをより以上増額し得る根拠、こういうことについての御意見の御開陳を願うならば幸いかと存ずるのでありまして、委員長の御趣旨も、十分あれで足りておるのでありますけれども、総括的な御開陳でありましたから、御参考人もおわかりにくかつたと思うのでありますが、とやかく、これこれというのじやございません、予算を増額し得るような、あるいは募金その他が十分目的を達成し得るような、われわれがまた協力し得るような知識を與えていただく御発言、御説明、御意見をお伺いいたしたい、こう考えるのであります。
#11
○小西(英)委員 関連して……。
#12
○竹尾委員長 小西君はこの次の順番になつておりますが、関連で一問だけお許しします。
#13
○小西(英)委員 ただいま若林委員から、私の言わんとするところを言い盡されましたが、一、二私として本委員会で発言した前の関係もありますので一言申し上げたいことは、私といたしましては、この問題をこういうふうに討議することについては、すでに矢が弓から離れておるという段階もよく認めておるのでありますが、昨年の講和前に開かれたアジア競技大会すら、国会の決議が全会一致で衆議院において可決され、その当時すら政府が一千万円の補助を出したにかかわらず、今回は国会内、あるいはスポーツ議員連盟の中に燃ゆるがごとき後援の熱がないことが全国に反映し、予選記録等も国際水準に近いにかかわりませず、現在募金の集まりが非常に悪いというような新聞を見まして、私もスポーツに関係し、昨年も参つた関係上、行く選手団に対して、何らの憂いのなからんようにという考えから、本日、出発を前にして非常にお忙しい団長、あるいはこれに関係する各位に、貴重な時間をさいて来ていただいていることは重々承知いたしますが、質問をしたいのであります。今回の政府の千五百万円の補助金というものは、十何年目に参加するこの大きなデリゲーシヨンに対する援助としては、あまりに少な過ぎるという感も深いので、選手団が出発のまぎわになつてなお募金が集まらぬ場合には、特に補正予算等においてカバーをしていただきたいという内心の要君を持つているのでありますが、ここに見えておられます今回の田畑団長は、日本は敗戰国であり、遠いところであるからというので、昨年末私たちが相まみえてオリンピック選手派遣についての相談の際には、むしろ精鋭少数主義を堅持されたにかかわりませず、今日非常に数を増して来た。この精鋭主義から、今日十数団体から――かつてベルリンに行つた際にも全種目は参加しなかつたにかかわらず、今日は非常に民生的に、弱小団体といえども一人あるいは二人の参加を見るに至つたところの経過と、今日決定いたしておりますところの百余名の選手団に対して、十分な資金的な見通しがついておられるかどうか。また今日決定しておりますものについて、役員の数を比較いたしますれば、これは非常に多いという感を持つのでありますが、なぜ日本の選手団の役員、監督がふえているかについての具体的な御説明と、もう一つは、全国的に集まりつつある募金の模様、これらの点を明らかにしていただきますならば、非常に幸いと存ずる次第であります。関連質問といたしまして、この点を特に田畑団長より御説明を願いたいと思うのであります。
#14
○田畑参考人 それではお答えいたしますけれども、まず最初に、オリンピツクは今度十六年ぶりで参加いたすのでありますけれども、それにつきまして、議会の皆様方に、非常に御熱意ある御後援をいただいたことについて、代表団一同を代表して、ありがたく御礼申し上げます。まあとにかく、今の派遣費と申しますか、補助金の問題でございますが、一番初めに私たちはアジア大会に千万円ということなれば、少くとも三千万円ぐらいは出していただけるのだろうというふうに思つていましたし、まあ私が個人的に大蔵大臣にお会いしたときにも、そのくらいのことはやむ得ないだろうという気持を、大蔵大臣は持つていたと私ははつきり解釈したのであります。しかし、独立に伴い、独立前後のいろいろな事情でそれができなくなつたということ、これは私はやむを得ないことであると思いまして、今の日本の現状で、この程度に政府が出してくださるということも、皆様方の熱意のしからしむるところであつたと思つて、この点についても、私はありがたく思つております。補助金とすれば、今の千五百万円でございますけれども、これは所管の文部省が非常に一生懸命になつてくださつたことは、もちろんでありますが、大蔵当局も、別の面において、たとえば外貨のわくというような点におきましては、政府当初の千五百万言というものよりも、はるかに上まわる外貨のわくをいただいたので、従つて私たちが一生懸命で寄付金を集めれば、とにかく今の日本とすれば、決して少くない代表団を送れるということになつたについては、文部当局はもちろん、大蔵当局に対しても、非常に感謝している次第であります。
 もともとは、これは陸上の指導部の方もそうだつたと思いますが、一番專門家の織田君とか、西田君とか、理事長の東君とかいう方と私と――これは陸上関係でありますが、今度は団の中心が陸上と水泳ですから、ベルリンとロスアンゼルスの水泳のヘッド・コーチで非常な赫々たる成績をあげた松沢一鶴君と、水連の専務理事の藤田君と六人で話し合つたときには、これは前の話なんですけれども、とにかくまだ公使館さえもできていないときに、たくさんのものを持つて行くということは、なかなかむずかしいだろう、昔みたいな代表団を持つて行くことは、次のメルボルンにしまして、今度の場合は、とにかくオリンピックにおいて優勝した歴史を持つているものが行くということならば、それでとにかく日本が、今度のヘルシンキのオリンピックにおいて、りつばなオリンピックをやろうという熱意だけは認められるのじやないか、そういうことに持つて行こうということであつたのです。具体的に申し上げますと、オリンピツクでは、三等まではメイン・マストに旗があがるのです。それから一等が金、二等が銀、三等が銅というメタルと同時に、国旗が三本あがるのです。六等以下に対しては、賞状が出るわけなんです。しかもメインマストに一等の旗が上つた場合には、国歌が奏されるわけであります。日本の歴史は、一九二八年アムステルダムのオリンピックのときに、壁上の織田君が三段跳びで優勝して、日本がオリンピックに参加して初めて国歌が奏されたのであります。その一週間あとで行われた水上競技――大体、オリンピツクは一週間あつて、今度の場合は十九日が開会会式で閉会式が三日、前半が大体陸上で、後半が水泳なんです。その間にいろいろなスポーツが入つて来てオリンピツクになるのですが――まず、初めて織田君が三段跳びで優勝し、水泳の部門では鶴田君が平泳で優勝したのです。メイン・マストに日本の旗が二回あがつて、二回国歌が奏されたわけであります。それからロスアンゼルスにおきましては、男の水泳が、四百メートルを除いて全部優勝いたしました。それで、あのときは、陸上では南部君が三段跳で優勝をしたのです。ベルリン大会では、水泳の成績は案外よくありませんで、百メートルと四百メートルを失いましたが、それでも、とにかく六種目のうち四種目を勝つて優勝したわけであります。ロスアンゼルスのときに一番問題になりましたのは、今は、なくなりましたけれども当時の西中尉が、最後の閉会式――この日は馬の大障害だけがあつて、これはオリンピックでも非常にはなやかな競技でありましたけれども、これに有名なユーリスという馬に乘りまして優勝いたしました。それからベルリン大会では、今は国籍が違つておりますけれども、日本を代表した孫君がマラソンで優勝し、三段跳びでは田諸君が優勝しておるのです。それからベルリンでは、女子の二百メートル平泳ぎで、前畑さんが日本の女で初めて優勝したのです。これだけが日本の優勝の歴史なんです。従つて、これだけは何とかして連れて行きたい。しかし、今のいろいろな事情なかなかむずかしいので、女子でまだ三等に入る程度のものならば、今度はブレストなどはやめて、マラソンとジャンプと競泳のチームをつくつて、選手と役員を入れて三十名になるチームだつたら一番いいんじやないかというふうな意見だつたのです。これは、陸上の主君もそれでよかろうという話だつたのですけれども、その後になりまして、外部から――内部においては、もちろんオリンピックには十六年間参加しておらず、また今度参加しないと、あと四年ブランクができて、参加しない種目は実際に非常なギャップができるから、陸上も全部参加したいという気持はありましたけれども、それ以上に、外部から、なるたけ多くやれということが一般の輿論になつて来て、三十人というのは非公式の話だつたのですが、その線がくずれて、だんだん選手団が多くなつて来たのです。
 ただ、そのことを申し上げる前に、前提として申し上げたいのは、オリンピックの代表団というものをつくることは、これはあくまで日本のオリンピツク委員会たる体育協会の責任においてやるものでありまして、これは政府その他の干渉というものは一切排除されなければならないと思うのです。ということは、オリンピックそのものは、政治的な介入を非常に神経質に拒否しておるのであります。その近い、一番新しい例は、日本で、紀元、二千六百年にオリンピックを日本に持つて来ようという話があつた。そのときの最も有力な対立候補はローマだつたのです。ところが、当時のイタリアはムソリー二時代でして、当時は日本とイタリアは政治的に非常にいい関係にあつたので、そのときの大使の杉村陽太郎さん――これは柔道と水泳の人で、有名な運動家でありまして、私どもの大先輩でありますけれども、この方が、ローマさえひつ込めば必ず日本に来るのだというふうに追い詰められた結果、ムソリーニに会つて、イタリヤの立候補をひつ込めさしたのです。それが、日本のオリンピック委員が政治的に動いて、ローマを押えつけたということで、非常に問題になりまして、形式的には、杉村陽太郎さんは辞表を出してやめたのですけれども、実際は国際委員会からやめさせられたという結果になつたわけであります。そういうような事情がありまして、オリンピックの代表団というものを編成するのは、あくまで日本のオリンピック委員会である体育協会が編成すべきであり、その責任においてやるべきでありまして、ほかからの干渉というものはあくまで排さないと、今度は国際オリンピック委員会に対して、日本のオリンピック委員会の資格云々の問題が起るかと思います。その点で、私たちは、あくまでこれは体協の責任においてやつて行かなければならないと思つております。それゆえにこそ、私たちは慎重には愼重を重ねまして、代表団を決定しておるわけであります。その点を前提として申し上げておきたいと思いますけれども、今申し上げたような事情によりまして、だんだんふえたのです。
 今申し上げたように、陸上のジャンプ、マラソン、水泳は、はつきりレコードがついておりますし、マラソンも二時間三十分で走るのですから、これはほんとうにくじに入るものだと思います。それでは、これはほんとうのくじかと言うと、そうじやないのです。くじを引き得る者というのは、世界から何百人と出て来る申から、おそらく十何名という者がくじを引き得る資格を持つた人間なんです。いろいろな現在までの歴史からいいましても、実力からいいましても、マラソンははつきり日本がくじを引き得るだけの力を持つていることは、だれも認めているところだと思います。そういう意味で、マラソンは勝つ勝つと言つて、負けて何だということを言うことは、非常にかわいそうでありまして、とにかく二時間半の間を走るのですから、そのときの調子なりに非常に左右されると思うのです。これはコースにおいても、ちつとも制限ありません、ただ長さの問題だけです。日本から行つても、十八日に一番初めに行くのですけれども、行つても、おそらく一ぺんだけしかフルコースは引けないだろうと思います。そういうような事情でありますから、マラソンは非常に有望でありますし、マラソンというものはオリンピックの発祥でありますだけに、マラソンに勝てば、オリンピック全部に勝つたという気はしますけれども、あまりに選手に負担を負わせるということは、かえつていい調子を出さぬことになるから、この点は、激励の方法も、なるたけ選手たちの気持をゆるやかにして、とにかく力一ぱいやらせるのだという点に持つて行かないと、ぐあいが悪いのではないかと思いまして、あまりに期待されるということが、選手自身の負担になることは非常に困るという気持を、私は持つておるのですけれども、マラソンは世界的にだれが見ても問題ない。ジヤンブも三段跳びも、一等はとれぬにしても、とにかく旗はあがるだろう。これは、だれも認めているところだろうと思います。
 しかし、その線から一歩出れば、実際問題としてどこで切るかということは、非常にむずかしくなつて来るわけです。陸上とか水泳というものは記録が出ますから、この程度まで行くならば、行つてみてはずかしくない。日本の陸上、水泳では、なぜああいうものを打つて来たのだというようなことのないような線が比較的はつきり出ますけれども、ほかの競技というものはレコードではかれぬものがあるわけです。行つても強いと思いますし、陸上、水泳かあそこでやるならば、これも行つてしかるべきではないかということになつて来て、実際の問題で、今の陸上のマラソン、ジヤンブ、競泳という線を越せば、どこで切るかということは、なかなかむずかしいのです。結局は、今まで行つたような種目をやるということ、ないしは一番大きな人数を要するサッカーとか、バスケットとか、ホッケーとか、水球というものは除外せざるを得なくなつて、結局大きなチーム・ゲームを除外するという意味、もう一つは、今すぐということをせぬで、一応の線が出て来たわけなんです。しかし、これも全然行かないということになりますと、どういうことをやつているのか現状が何もわからぬというようなこともありますので、参加しない樋口から見学をふやす、連れて行くということが、今度の代表団の一つの異例なことであります。そうして、実はレスリンク、シューティング、ヨツテイング、フェンシング、こういうものは、初めはやはり見学を連れて行くというつもりでいたのですけれども、サッカーなどチーム・ゲームは、一人行つたのでは競技ができないけれども、個人競技ならば一人行つても競技ができるから、役員をやるよりは選手をやつた力がためになるということの意見の一致を見まして、そういう種目からは一人ずつ選手を連れて行くということになつたのが、今度の代表団の編成の大体の経過であります。
 そうして日本の今度の役員が多いというお話、これは私たちが会う人にもよく言われる話で、これは内容がわからなければ、そういう御非難があることはもつともかと思います。これは御説明しなくてはなりませんけれども、役員が多いという印象を與えるまず一つの理由は、今言つた見学員が役員という範疇に入つて来ているので、発表の仕方がまずかつたので、選手代表であつて違つたものであるということを、頭に置いていたたきたいということが一つです。実際問題で言つてみますと、そういうものをひつくるめても今度の代表場団の役員というものは、前から比べるとはるかに少いのです。一九三二年、これが代表団らしい代表団をオリンピツクに送つた初めであります。このときには選手が百三十一人に対して役員が六十九名、ベルリン大会におきましては、選手百九十七人に対して役員が六十八名、今度は選手三十名です。今の見学員を入れて三十名です。三十名という中には、医者はどうしても行かなければならぬので、医者が入りますし、文部省のあれも入れての三十名ですから、実際は二十七名という勘定でありますけれども、今申し上げたように、選手は少くても、役員の中に選手がいるわけです。
 役員として問題になるのは、本部の役員だと思うのです。これは競技そのものに参加するものではありませんから、これが一番問題だろうと思うのです。これはロスアンゼルスのときに十八名、ベルリンのときに十五名、今度は西田君もお医者も入れて八名なんです。本部の仕事というものは、向うの組織委員会との折衝その他で、ある程度の数はいりますけれども、この西田君を入れて、チーム・ドクター入れての八名ということは、これは実際においては、少な過ぎるという批評は受けても、多いという批評は受けないだろうと思います。あそらくこの次のオリンピツクには、この程度のものでは当然まかない切れないと思いますし、今度は今いつたような日本のいろいろな事情がありまして、政府の補助金さえも千五百万日くらいしかいただけないという現状ですから、とにかくすべてのことを切り詰め、ことに本部役員というようなものは、なるべく少くしなければならないということで、ぎりぎり結着の八名ということにしたのですが、この点は私は多いとは思つておりません。少な過ぎるという批評は受けても、多いという批評は受けないと思つております。多いという批評があるとすれば、水泳と陸上の役員だろうと思います。ほかは選手だけで、役員を連れて行かない団体もあるのですから、水泳と陸上以外は皆一人なんです。競技も、自転車でもレスリングでもボートでもボクシングでも、みな一人です。一人ということが多いといえば、絶対必要なんですから……。しかし実際問題としては、レスリングとかいうものは、レコードに出るものではありませんから、審査員が必要なんですけれども、その審判員をさえ今度は連れて行つてないわけです。これはぎりぎりの少いものだと思います。問題は、今の陸上が、選手十九名に対して五名というのが多いという印象はあるかもわかりませんけれども、これも私は、むしろ少い、これだけをもつて行くのでは、陸上は非常に手不足ではないかと思う。ほんとうに競技の勝ち負けを争うというものは、水泳と陸上だと思います。これも織田君のヘッド・コーチで、アシスタントとして佐々木君――、これはランニングです。そういう監督やマネージャーがつく。マラソンの監督がつく。少な過ぎても多過ぎるということはないだろうと思います。一番の問題は水泳の問題だろうと思います。これは選手二十七名に対して役員が七名。この選手の内訳は、男の競泳が十七名です。ダイビングが男女一人ずつなんです。これもロスアンゼルスないしべルリンのときには、五名ずつ行きまして、全部が四等から六等まで入つております。これも、今のほかを少くするという意味で、一人しか連れて行きません。女子のリレーに予定されているものはブレストなんです。バツクやバタフライもだめなんです。それだけということで……。けれども、女子に対する女のコーチというものはありますけれども、これも今度は連れて行かなくて、種目ごとのコーチを連れて行く。ブレストとバツクと短距離と長距離、これにはかつてのオリンピツク・チャンピオン、ないしは二等になつた、だれが見ても世界的に最高の権威のあるコーチを連れて行くわけです。これが女子も男子も一人残らず指導する。それに総督監が一人とマネージャー一人なんです。いつもは、体操をやる專門家を連れて行つたわけです。今度はダイビングのコーチがこれも兼ねてやるということになつておりますので、この程度のものは、ほんとうにオリンピツクに行つて選手になるためには、やむを得ないものだと考えております。
 大体選手団の構成はそういうことで、私たちとしては、やむを得ぬ数字だというふうに思つておりますし、なるたけ皆様方の御協力を得るように、役員が多過ぎるという印象を與えるというので、自粛し自粛した上に、こういう選手が参加する以上はやむを得ぬというところに切り詰めたものがこの数字です。
 それでは、各国はどうかということを申し上げると、一番最近の例ですが、ロンドン大会のときに、アメリカでは選手が三百四十二名に対して、役員が百三十四名です。イギリスが、役員百十七名に対して選手が三百六十八名、フインライドが割合に少くて、選手が百三十名に対して役員が五十六名、インドが選手八十六名に対して役員が五十二名、朝鮮が選手五十二名に対して役員二十三名、フィリピンが選手二十四字に対して役員十四名ということが、ロンドン大会のデータであります。英米を除いて一番大きな代表団は、スイスだつたのですが、これが選手二百名に対して役員百七名です。各国の実情を見ても、日本の役員団が多いということはいえないだろう。ことに、いわゆる本部役員というものがぎりぎり結着のものだというふうに、私は確信を持つておりますから、その点御了解を願いたいと思います。陸上のことについて御質問があれは、一番権威の大島君がおりますから……。
#15
○小西(英)委員 募金の状況について……。
#16
○田畑参考人 募金は、今の政府の補助が千五百万円と、二十万ドルのこれはこちらつが初めからお願いしたそのままのわくを、もらつておるわけなんです。これだけあれば大体これだけの代表団をまかない得るというつもりなんです。従つて、向うに行つての費用というものが七千二百万円というふうに御了解いただければいいと思うのです。それと、したく費とかその他をひつくるめまて、ぎりぎり結着のネットが八千万円です。しかしそれを得るためには、今バッジなど売つておりますが、それを入れますと、約九千万円というものを集めないと八千万円というものは出て来ないわけなんです。そういうことから、今の計画はどうかと申しますと、政府の補助金が千五百万円、これは最も確実なもので、いただきました。それから東京銀行のオリンピツク定期というものが、五百万円の寄付がありますと二千万円、もう一つは、通産省が非常に熱心に応援してくれまして、綿糸の関係の差額といいますか、これが一千万円あります。これももらつております。それと藤山さんを会長とするオリンピック後援会、これは主として財界から募金しておるものですが、これが今の不況で、思つたほどではありませんけれども、千五百万円は確実に入る見通しがついております。従つて中央と申しますか、四千五百万円というものと、あとの四千万円というものを、各地方の募金の寄付に依頼しておるわけなんです。たとえば東京都が六百万円とか、大阪から五百万円とかいうようなことになつておりますけれども、東京都の六百万円というものは、おそらくきようあすの間に入ると思うのです。それで飛行機代が約四千万円足らずなんです。これは初め二十五日に参りますあれが、陸上チームの飛行機の金は、十五日に払わなければならぬのです。水泳は二十八円に行く、飛行機の代は二十一日までという契約になつておりますけれども、現在金が三千万円以上集まつておりますから、今でも、さしあたつて十五日までのは払えますし、今予定された金が二、三日に入つて参りますれば、飛行機代は払えますし、大体九千万円は地方地――地が割合今まで低調だつたというのは、陸上、水泳の選手がきまつていませんで、自分の郷土から出るという選手がきまつていなかつたので、最近までは非常に低調でありましたけれども、陸上がきまつて以来、また水泳の選手もオリンピックの選手が出まして、最近は非常に活発に動いておりますから、この二、三日で予定額が集まるだろうということ、昨日も大阪、兵庫、岡山、名古屋、静岡をまわつて来た者からも、そういう報告がありますし、九州と四国に東会長が行つておりますし、大体どこからの報告も、出るまでに間に合うか合わぬかということの心配は残つておりますけれども、とにかく集まることは間違いあるまいという見通しをつけておりますが、ひよつとした場合に、当面の問題として、一千万円ぐらいのものが行くまでに間に合わぬじやないかという心配につきましては、これは何とか一時的にも融通してもらいたいということのあれも考えておりますから、まあ大体、チームが非常に悪いとかなんとかいう非難がこの際起きて、オリンピックに対する協力の熱意を国民が失つて来るという変則なものが起つて来れば別ですけれども、今のところ、このままで行くならば、まあ大丈夫だという確信を持ち得るというのが、今の現状でございます。
#17
○若林委員 これは四人の方から妥当な知識をわれわれに與えていただくように御発言を願つたらいいと思いますが、きようの毎日だつたと思います。新聞をはつきり覚えておりませんが、選挙のときには自然に金が相当集まるのに、オリンピツクには集まらぬということが占いてある。それは何ゆえに集まらぬかということをわれわれは非常に懸念しておるのでありますが、いわゆるギヴ・アンド・テークで、政治の方は出したらまた與えられるものがあるが、運動の方には與えられるものがないからだろうというような事柄も含まれておつたように思うのであります。そういうようなことで、今田畑さんのお話では、大体予定通りは集まる、自信があるというようにお答えになつておつたのでございますが、この新聞論調その他からの御意見をも、ひとつ伺つてみたいと思います。
#18
○竹尾委員長 富永参考人。
#19
○富永参考人 私は朝日新聞の運動部の記者として、ここに参考人に呼ばれたと思うのです。私別に体育協会に直接の関係もありませんし、運動の記事を担当しておる記者として、何か参考人としての意見を述べてみたいと思います。まず第一に、体協の田畑さんかつらお話がありましたけれども、体育協会は今度のオリンピックについて、昨年の初めごろからあるいはもつと前からかもしれませんけれども、日本の国民生活、それから国情、いろんなことから、非常に切り詰めた、なるべく少い、あまり大事な外貨を使わないような程度のデリゲーシヨンを送ろうということで努力されていたということは、われわれ記事を扱う者からいたしましてまつたく努力されておつたということが言えると思うのです。われわれもやはり何かにつけてあまりぎようぎようしい代表団を送るべきでないという意見は持つておつたのでありまして現在も持つておりますが、一面また、われわれは運動の仕事をしておりますし、また運動を愛好する者でありますから、オリンピツクに参加する意義というようなものについては、また人一倍に――專門ですからあたりまえでありますけれども、考えるわけであります。また個人的にも、スポーツに趣味を持つておりますから、できるだけオリンピツクに参加すべきだという方の意見を持つておるわけであります。それで、今田畑さんがお話になつたことは、私ども新聞記者の仕事を通じて見たり聞いたりしておつたことと、まつたく同じであつて――同じであることはあたりまえでありますが、やはり体協といたしましても、これは一つの連合体といいますか、二十幾つの競技団体の連合体でありますから、各競技団体は、やはりオリンピックになるべく参加したい、なるべく多くの者を送りたいという熱意に燃えることはあたりまえだと思うのであります。これは連合体ですから、その責任者はなかなかむずかしい。これはベルリンとかロスアンゼルスの当時も、私運動部におりまえたけれども、なかなか連合体の会議というものはむずかしいのであります。初めの線をきめても、幾らかはどうしてもそれを切れて来る。何も独断的に押えるという力は、幹部にもないだろうし、またないのがあたりまえだろうと思うのです。ですから、一名ふえたり二名ふえたりするということは、ああいう組織ではしかたがないところがあるだろうと私は考えております。そういう意味で、私個人的に新聞記者としてみましても、先ほどの本部役員の御説明の中にありましたけれども、日本の今までの代表団の中では、最も切り詰めた、最も手ぎわのよいきめ方だということを、私は二週間ぐらい前に書いたことがあるのです。けれども、別に新聞記者の立場から、われわれは体協におべつかを使う必要もありませんし、あくまで自分の長い間の経験と新聞記者的な良心から言うのですが、今度の役員の数が多いとは私思つておりません。ことに先ほど出まして――私は発表のときからあれは間違いだろうと思つて、この間もある役員に聞いてみたのですけれども、サツカーとホッケーとバスケット、こういう、参加するとすれば必ず二十名くらいになるチームは、この際、非常に気の毒だけれども、参加をやめてもらおう。それを参加させると、どうしても二百名近くになつてしまうから、やめてもらおう、というときに、われわれが、もしバスケツトの関係者であるならば、無理もないと思うのですけれども、今までずつと出て来たものを、戰争後十六年のフランクがあつて、今度出なければまた二十年のブランクがあつて、世界のバスケツトならバスケットの模様がわからなくなつてしまう、どうしてもだれか一人、研究員といいますか、視察員をやつてくれということは無理もないと思うので。それで三人出て行くのじやないかと思うのですが、その三人は、発表が選手と役員となつておりますから、選手でない者は全部役員の方に入つておるのかと調べてみましたら、案の定バスケツト、ホツケー、サッカーの研究員は、役員の方に人づて入つておるようであります。私は、やはりさつき田畑さんが言つておられましたけれども、役員は二十七名かなんかで、三人はバスケツト、サッカー、ホッケーの選手代表というふうなものではないかというふうに思つておるのですが、ノンプレーイング・キャプテンと申しますか、プレーはしないけれども、選手を代表して参加するといつたものではないかと私は考えておるのです。
 何かはかに御質問があればお答えいたします。大体私の考えを申し上げました。
#20
○田畑参考人 ちよつと補足して……。私はこれだけでけつこうだと思つておるのですが、今度のデリゲーシヨンというものは、非常に変則なんです。ということは、主として個人競技に中心がありまして、今、全部で十名以上のチームゲームは、一つも行つておらないのです。たとえば、バスケット、サッカー、ウオーターポロにしろ、ホツケーにしろ、そういうものは入つておらないわけです。この次のメルボルン大会には、これもなるたけ切り詰めますけれども、どうしてもこれは連れて行かなければならないということになると思うのです。その際は、四年先の話ですけれども、政府の方の補助金ももう少しふやしていただくように、今のうちから皆さん方にお願いしておきたいということが一つ。
 もう一つは、今の飛行機の関係ですけれども、馬の遊佐さんが監督で、選手を連れて四月二十日に出たのが初めてなんです。だから、これは普通の飛行機で行つたわけです。それから、そのあとが今度十八日に出ますマラソン、これに向うの設営をする者と、それにサッカーとバスケットが、どうしてもその前に会議がありますので、それに先発するのです。そうしますと、あとのチームというものは、これは本隊なんですけれども、できるだけ飛行賃の安いということをねらうために、二台チャーターしたのです。一台は今申し上げたスカンジナヴイア・エア・ラインズ・システム――これはストックホルムに本拠を置く飛行機で、二十五日に出るのは、四十八人乘のダグラスのシックスで、これは非常にいい飛行機です。二十八日に出ますのは、オランダの、アムステルダムに本拠があるKLMの飛行機で、これはこの間リツジウェーが乘つて行きましたコンステレーシヨンの四十四人乘りなんです。それで、すべて申し上げた方がいいと思いますから、ここで申し上げますと、実は今一つか二つ程度のあきがあるわけなんです。これは二十一日、二十三日に陸上の最後の東西対抗が一つと、水泳は最後の予選会をやるわけなんです。そのうちから非常に強い選手が出た場合には、これを入れなくちやならぬだろうということで、予定されているわけです。と申しますのは、水泳では八百メートル・リレーというものは、今ほんとうに優勝を争うものは日本とアメリカだけで、あとはハンガリーが非常に強いですけれども、その一等を争う中には入つていない。日本とアメリカとが優勝を争う競技なんですが、この八百メートル・リレー專門の者は、今二人しか計上していない、百の者を流用して何とかやつて行こうという考えですけれども、ここに非常にレコードがいい、たとえば八百メートル・リレー專門の者で、二十二日の競技会で二分十秒くらいで泳ぐ者が三人くらいあるということならば、これは考えなくてはならぬというふうに思つておるのです。と申しますのは、水泳のトツプ・フォームは、日本においては八月です。八月のものを六月にきめるということにおいて非常に無理がある。今までのやり方では、水泳はその期間において、百メートルで約二秒くらいの違いがある。これは六月の初めにやる早慶戰、インターカレッジのものと、八月十五日にやる全国選手権大会のものの例年の例を比較してみれば明らかでありますけれども、それにプラス、オリンピツクということがありますので、一番ひどい例は、前畑さんが日本を出るときと優勝した日の記録の違いは、六秒あるのです。清川が行つたときには、これが一番大きくて、七秒も違いがある。ロスアンゼルスで百メートルに優勝した宮崎が、日本を出るときには五十九秒八で向うへ行つて五十八秒〇で泳いでいる例がありますので、われわれは、どうしてもシーズントップの六月に三人を確定するのは非常に無理だから、従つて従来は三人出場するのに対し、各種目ごと四名ずのつ選手を選んでいましたが、今回は選手人員を非常に制限しましたので、水泳も三名ずつとして、八百リレー專門は二人しか選んでおりません。従つて、今月二十二日の最終予選会で非常に優秀な選手が出れば、選手を増すことはあるかもしれませんが、役員は決して連れて行きません。二十一日に開かれる陸上の東西対抗でよい記録が出れば、水泳同様に考えております。そういう事情から、陸上、水泳は、その場合を考えて手続を準備しておりますが、水陸から予定以外に優秀な選手が出ない場合は、他の競技選手を連れて行くことは、手続上間に合わぬことになると思いますので、その場合には飛行機の空席がむだにならぬように、新聞記者に乘つてもらうとかなんとかしなければならぬということが起るのではないかと思つていますけれども、少くとも役員はこれ以上ふえないということだけは、はつきりここで申し上げておきます。
#21
○若林委員 いま一点伺つておきたいことは、各国の政府の援助と、日本の比率ですね。日本の分は、敗戰国ということと、賠償とからんでおりますから、あるいはこの理想より半減しておるというギヤツプはあると思うのでありますけれども、将来これをどのくらいの程度まで考えるべきかということと、それから輿論が前ほど起つていないという議論が相当あるのでありますが、――これに対する関心が強ければ、募金も非常にたやすいだろうと思うのでありますが、その程度は一体どういうように御観察になつておるか。国会のわれわれとして直接これに協力することは、これの政府の補助金をたくさんとるということに重点があると思うのでありますが、それに役立つ資料になるような話をひとつ……。これは新聞関係の方から伺うのが一番いいのじやないかと思います。
#22
○竹尾委員長 大畠参考人。
#23
○大島参考人 日本のオリンピック派遣代表団が当面しておりますところの問題につきましては、ただいま両参考人からるる御説明があつた通りでございます。ただいまの御質問につきまして、ほかの国々ではどうであるかということについては、私も十分資料を集めてはいないのでありますが、大体のことを申し上げますならば、イギリスとアメリカでは、まつたく民間の募金において選手が送られるということでございます。イギリスの置かれておりますところの地位、あるいはアメリカの置かれておりますところの地位におきまして、それぞれ募金が非常に困難であるというようなことが伝えられております。特にイギリスなどでは、体育協会が政府の補助金を――これは別の観点に立つのではありますが――拒否して、もつぱら民間の募金だけで行くというような態度を維持しておるところもあるのであります。これは、先ほどもちよつと言われましたが、スポーツが政治に支配されない、スポーツが政治に支配されるとうことは、スポーツの堕落であるという考えから行つておるのであります。アメリカのごときは、トルーマン大統領が一番最初に募金の何がしかの額に署名をいたしまして、それによりまして募金運動が全国的に広がつておる。もちろんアメリカの体育協会といたしましても、いろいろな催しものを行いまして、それによつて零細な金を集めて、非常に苦労をしておるということでございます。これとはまつたく反対の形をとつておるのが、ソ連でございます。ソ連は、今回四十年ぶりで参加して参るのであります。御承知のように、ソ連の体育あるいはスポーツというものは、国家建設計画の中にも入つておりまして、われわれの俘虜が帰つて来ない、われわれの同胞が帰つて来ないということも、やはり労働力の問題とからみまして、すべてソ連の建設計画の中に入つておるのでありますが、同時に、体育、スポーツも、完全にこれが利用された形におきまして、国家の厖大なる予算で選手をつくり、かつ体育の振興をはかつておるのであります。つい昨年の暮れにも、体育五箇年計画というものが新たに立ちまして、強力なる行政機構と圧力をもつて、スポーツ、体育の推進が行われておるのであります。その他の大部分の国は、わが国と同じようなコースを踏みまして、その額の大小はそれぞれあるだろうと思いますが、政府において何かしかの補助金を出し、かつ民間の協力によつて選手を送るというような方法をとつております。韓国では、多少様子がかわつておりまして、占領上のいろいろな利害関係等も結びつきまして、もつぱらアメリカの兵隊が自発的にドルを集めまして、選手派遣の大部分の経費になつておるということであります。それからスイスだとかオーストリアなどを見ますならば、富くじをやつております。この富くじの中心機関は、体育協会の外郭団体でありまして、これが政府の許可を得まして富くじを発売し、その収益を選手派遣の費用に充てておるということであります。従いまして、各国の状況は、それぞれの国の置かれておるところの立場によりまして、異なるわけでありますが、しかし、少くともオリンピック大会に選手を送ろうという気持は、すべて同じであろうと思うのでございます。
 新聞にも出ておりますが、二、三日前にヘルシンキのオリンピック準備委員会で、選手の申込みを最終的に締め切りましたところ、一番多いのがアメリカの四百何名、その次がソ連の三百何名、その他スエーデン、フインランドというような順になつておるようでありまして、日本もかなり上位のところにあるのであります。これを過去のオリンピック大会に比較いたしますならば、近代のオリンピック大会が始まりましてから六十年間で、一番大きな大会といわれます四年前のロンドンの大会では、選手、役員が約六千人、参加国が六十箇国というのでありましたが、今回は参加国が七十一箇国、選手、役員は八千五百から九千人というような、非常な厖大な数になつたのであります。各国それぞれその数字から見ますならば、各国とも、それぞれ従来より以上の財政的な困難を考えながら選手を派遣しておるということが、明らかであります。日本の場合をとりますならば、先ほど田畑参考人からお話のありました通り、この前の大会でありますところの一九三二年のロスアンゼルスの大会並びに一九三六年のベルリンの大会よりも、はるかに参加人員が少いわけでございます。これは敗戰というような特殊な事情がありまして、わが国が財政的にも非常に困難であるということで、そういうことになりましたし、同時に、この戰争を通じますところの十六年間の空白の時代において、選手の実力もかなり低下いたしました。体育協会におかれましては、各方面の人材を集めて、これが盛り返しについて、非常な努力をされておるのではありますが、一度低下いたしました力というものは、そう簡単にはとりもどすことができないというような悩みがあるようであります。このことは、單にスポーツばかりじやなくて、わが国の文化全般にいわれることでありまして、今日社会に起つておりますところのあまり好ましからざるいろいろな事象というものが、やはり戰争の不安から、また社会の不安から起つて来たということは、明らかな事実であります。従いまして、今回のオリンピック大会で、日本が過去に示しましたようないい成績が上るかどうかにつきましては、私たちは決して上るとは考えておりません。体育協会の一部の役員だとか何かで、大きなことを言つておる方もあるようでありますが、私は決して、りつぱなといいますか、過去に示したような成績が上るとは考えられないのであります。しかしながら、今回日本がオリンピックに参加する意義は何であるかと考えますならば、それは戰後の新しい日本の青年が何であるかということを、各国に見せることであろうかと思うのであります。スポーツをやつております選手の諸君は、非常に純真でありまして、無垢であります。スポーツというような性質のものに携わつております関係から、常に向上の意欲に満ちておるわけでありまして、これらの現在われわれが持つておりますところの、将来の日本を背負い立つ素材を外国の連中に見せるということに、大きな意義を感ずるのであります。そういう意味で、できるだけ多数の選手を送らなければいかぬとは考えておりますが、しかしながら、同時に、あまり比較にならないような選手を送つても、しようがないじやないかというふうにも考えるのであります。従いまして、今回つくられました選手団というものは、約百名と承つておりますが、一応妥当な線ではなかろうかと思うのであります。今後非常にいい記録が出る、いい成績が出た者については、これをなお加えるというようなことも必要かと思うのでありますが、一応百名内外の線が妥当であろうかと思うのであります。私たちは、この百名内外の選手が、日本の代表として、世界各国の青年たちとヘルシンキでは十分に親好を交えて来てほしいと思うのであります。
 私は、これに関連いたしまして、オリンピックの目標とするところのものを考えますときには、これは平和運動であろうと思うのであります。現に私も、過去において選手の端くれをやつておりましたが、もし私が戰争に行きまして、敵の捕虜が来る、その捕虜の中に、私がかつて神宮の競技場、あるいは甲子園の運動場などで一緒に競争した選手がいたとしますならば、その捕虜に銃殺の命令が下りましても、私は引金が引けないだろうと考えるのであります。戰争というのは、時の政府が支配階級と結びつきましてやるものでありますが、しかし、スポーツというものは、人間と人間とが結びつくものであると、われわれ考えるのであります。そういう意味におきまして、今回送られますところの百名内外の代表者の諸君は、全然未知の向うの青年諸君と――これは黒いのもおるでありましようし、白いのもおるでありましようし、思想の上では赤いのも、また黒いのも、いろいろあると思うのでありますが、しかし、人間と人間とのつながりをここで結んで行くのであろうと思うのであります。そういう意味におきまして、今回のオリンピック参加というものが、過去におけるものとは全然性質を異にしておるものである、かように考える次第でございます。しかしオリンピックは、御承知のように六十年前にでき上つたものであり、六十年前の考え方と六十年前の機構が、そのまま踏襲されておる関係から、今日の事態にそぐわないというような事態が起つて参つておりまして、これがいろいろ問題を持つておるのであります。私は、まずく行けば、オリンピックは今回をもつて瓦解するのではなかろうかとさえ思うのであります。しかしながら、世界でこんな大きな運動はないと思うのでありまして、非常に大きなこのような運動が、でき得べくんば瓦解しないように、日本が考えておりますところの平和の思想をもつてこれをうまく貫いて行かなければならないと考えておるのであります。そういう意味におきまして、今回の代表団の皆様には、参加して勝つとか負けるとかいうようなことばかりではなくて、オリンピツクを世界の平和運動のためによくして行くというような努力を要請したいと思うのであります。このことは、今回送られますところのオリンピツクの選手諸君ばかりではなくて、われわれ国民も、ともにこのように考えておるような次第であります。
 なお、この次の次、一九六〇年のオリンピック大会を東京に招致したい、すなわち世界の平和運動を東京に持つて来たいというきわめて大きな希望を持つておりますときに、これらの問題につきましては、やはり国民の大きな支持を必要とすると思うのでありますが、国会におかれましても、その辺の空気はよく御了解願いまして、今後とも御努力願うようにお願いしたいと考えるのであります。これは監督官庁でありますところの文部省においても、もちろん十分お考えおき願わなければならぬのでありますが、しかし、国会においても、やはり十分御研究願いまして、かかる運動の大きくなるように、また日本がその中におきまして果すべき役割というものについて、十分なる御支持あるいは御協力がいただけるように、切にお願いしたいと思うのであります。
#24
○渡部委員 議事進行について発言があります。私は国民体育及びオリンピックの問題自体については、いろいろ意見を打つております。さしあたつてまた今度のオリンピック選手団派遣問題について、今御説明されたことも、いろいろ問題はあります。しかしながら、より大きな問題は、委員会が今この問題を取扱うに至つている点に関する私の疑問であります。国会は、今非常に重大な問題を控えておる。委員会としては、義務教育費の問題、それから昨日問題になつた教育委員会の問題等、緊急に処理しなければならない重大な問題を控えておるときに、なぜ今こういう問題が問題になるのか。国会はすでに千五百万円の支出を認めておる。そしてオリンピック選手団は、それをも含む他の経費によつて、今派遣されようとしておるときに、われわれが今委員会として、選手をどれだけ、役員をどれだけというようなことを、ここで問題にしなければならぬほど問題があるのかどうか。われわれはオリンピックに選手団を派遣するときに、どれだけの予算を支出するかという問題については、すでに決定しておるのであつて、今選手、役員をどうするかという事柄について、委員会として介入するところの権利さえ、一体あるのかどうか。もし、われわれが国民体育とか、オリンピックとかいうような問題を考えなければならぬとすれば、これは常住不断に考えておかなければならぬ問題であつて、国会として最も重要な、かつ緊急な問題を控えながらこういうことが今提出されて、他の議案か不問に付されておるという状況にあることは、私たちとしてはまつたく理解できない。これについて、委員長の見解を伺いたいと思う。
#25
○竹尾委員長 私は最初に申し上げました通り、オリピックの問題は、国民の重大なる関心を集めておる問題でございまして、渡部君も、その点については御異存がないと私は思います。なるほど、義務教育費国庫負担法を初め重要法案が、今かかつております。そういうことで、その方面にさく時間をできるだけ多くしたいということは、私自身も考えておりますので、ほかの審議にさしつかえるといけないと思いまして、きようは定例外の日にこの委員会を開いたようなわけであります。渡部君の御趣旨も十分尊重して、審議を進めたいと思いますが、御了承願います。
#26
○松本(七)委員 議事進行について……。渡部議員の議事進行についての御意見も、いろいろあると思うのですが、そういう問題が提起されたので、私も一言申し上げなければならぬ。これはやはり、体育協会が万事を決定していただく、その自主性を尊重してやつて行く建前を、あくまでも守つて行かなければならぬのでありますが、この役員の派遣については、多過ぎるとか、いろいろな声が世間においてある。そういう声が世間にある以上は、国会が参考人の意見を聞いて、国会を通じてその理由が明らかにされることは、当然必要なことである。ましてやオリンピツクのような国民的な支持と基盤の上に立つてなされなければならぬものは、そういう点を明らかにして、できるだけ国民の支持を得たいというような気持から、これがなされたわけであります。そこには、何らの疑義はないと思います。
 ただ委員会の運営の仕方、それから今取上げるかどうかということについては、それは委員としていろいろな意見があろうと思いますけれども、現在すでにこうやつて進行しており、お忙しいところを、参考人もわざわざ来てくださつているのですから、そういう論議は後刻することとして、議事をどんどん進行させていただきたい。
    〔「進行々々」と呼ぶ者あり〕
#27
○竹尾委員長 もうありませんか――。次に小西英雄君。
#28
○小西(英)委員 私たちは、この委員会を通じて、国民的行事であるところのオリンピック大会の寄付等の問題で、毎日、新聞に伝えられる範囲においては、非常に不安を感じておりましたが、ただいま田畑団長より、この寄付の問題あるいは派遣費についての問題が、まつたく明るいという結論を得ました。また役員の問題については、これはちようど農林省の林野庁の各局の幹部が多いといつて、林野庁長官を呼んで参りまして聞いても、結局多くないという答弁で、これは至当な話でありまして、この役員の数の内容等についても、先ほど来いろいろ專門的な立場にある参考人から聞きまして、今日となつては、もはや行つて大いにやつてもらいたいという以外に何ものもないのであります。悪い口をもつていう某閣僚は、五秒が八十万円かというふうなことさえあつたのでありますが、われわれはそういうふうな、選手の数が多いとかなんとかいうことは、決して考えておりません。選手諸兄が日章旗を掲げた感激のみは、非常に関心を持つが、その前にしてやるべき国民的援助をせずして、その感激のみを感ずるがごときは、まことにいけない。現在の千五百万円の補助は、たとえば自動車に換算すると、現在三百万円する自動車のたつた五台分だ。その五台分を、十何年目に参加するオリンピックに、政府が補助として出されるのでありますが、もしこの八千万円あるいは九千万円の寄付金が集まらぬ場合には、何か節約してでも、政府において一考慮するというくらいの気持をもつて、まず来ていただきました。きようの会合について、重要議案が山積しておる際にという意見もございますが、本日三参考人から明らかにされましたごとく、今回の行事というものは、十数年目でありまして、国民も非常に関心を持つておることであります。私たちがこの関心事において、体育も教育の一環をなすことは事実でありまして、こういうふうな見地から来ていただきました。非常に長い時間をとつたのでありますが、なおわれわれが望んでおきたいことは、準備の期間におけるいろいろな――先ほど資金の面についても、不安の点が時間的に多々あるという程度で、今日のはつきりした答弁を承つたので、私自身としては、この委員会は非常に意義があつたものと考える次第であります。そこで八田本部役員にひとつ御質問いたしたいことは、小さな団体は、大きな団体と違いまして、役員の数において非常に少いので、いろいろと不便が多いと思われる。あるいは行つて参りましても、ただ欧州の遠い所に若い青年諸子が行つて非常に不行届であるという場合には、これはそういうふうな本部役員において特に考慮されて、ひとつ日の丸を立て、またわれわれの感激のもとに故国へ帰られるよう、私たちは待ちまして、本日の委員会の重点は役員の数でありますが、役員を削つて、一人でも優秀な選手が多く行けるようにとりはからいあらんことを切にお願いいたしまして、私の質問を終る次第であります。
#29
○八田参考人 私は小さな団体の代弁者のようになつておるのでありますが、なるほど田畑団長の言われたように、優勝した経験のあるもの、その種目しか行かれぬということがあると、これはたいへんなんで、大いにわれわれもその線は破つてもらつて、満足ではありませんが、一応成功したものと思つております。今後選手をふやしたいと思つておるのでありますが、これはお約束できるかどうかわからぬですが、いつまでも努力はいたします。それから向うに参りまして、役員の行つていない競技団体のお世話は、私ができるだけのことをいたしますし、今後も小さな競技団体の育成あるいは協力というようなことには、努めたいと思います。いろいろ御心配のあるようなこともあると思いますが、われわれはベストを養してやつて参りますから、どうぞ特段の御後援をお願いいたしたいと思います。
#30
○松本(七)委員 私はごく簡単にお伺いしておきたいと思いますが、大体四人の参考人の方の御意見は、役員は決して多くないという結論になつておるよりであります。私、先ほど議事進行のときに申し上げましたように、世間では、非常に日本のオリンピック派遣団というものの役員が多過ぎるというようなことをしきりに聞くものですから、その点、なるべく国民の希望に応じて、その支持を得てやらなければならぬものには、そういう疑惑とまでは行かなくとも、そういうことを払拭してもらいたいという意味で、私御質問するわけであります。それは先ほど田畑さんから、外国の例も引用されたのですが、ここに参考資料として出ておりますところによりますと、ヘルシンキ大会における昨年度の選手の予定数――これは予定ですから確定のものじやなしでしようが、これによりますと、大体日本が選手二に対して役員が一、アメリカが七対一、それからイタリアが三・五対一くらいになります。役員の少い方では、エジプトで十四対一、一番役員が少いのがイギリス。やはり日本が一番役員が多いことになつております。これは何か役員に入れるのに違つた計算をしてあるのか、それともこの資料がはつきりしないものかどうか。また日本の特殊事情として、見学員を出さなければならぬということも、よくわかるのですが、これは三名しかない。それにしても、生活の習慣だとか、いろいろ違いますから、そういう点からも、特に役員をよけい出さなければならぬという事情もあり得ることと思いますが、もしもこの外国の数字がある程度正しいとすれば、日本のそういう特殊事情というものがあるかどうか、そういう点を少し伺いたいのです。
 それから大局さんから、さつき、オリンピックは今回限りでなくなる、瓦壊するような危機があるのじやないかというような御発言がございましたが、どういうことを意味するのか、御説明を願えたら、お願いたします。
#31
○田畑参考人 今の松本さんの役員についての御質問は、こういう事情だと思います。いずれ今度帰つて来ればはつきりしますが、オリンピックというのは、非常に予定と違うのです。オリンピック村で非常に制限するわけです。オリンピック村にどういう者が入れるかというと、正選手優先です。だから、予定では正選手ということで出すのがあると思います。おそらく結果は、ロンドン大会と同じことになるものと確信いたします。おかしいようですが、たとえば別当、医者、コックというような者は、これは必ず入れるわけです。ところが人数が多くなつて、デリゲーシヨンが多くなればなるほど、はみ出されるおそれがある。それで向うに予約して部屋をとるために、選手だ選手だといつて申し込む。役員は、陸上なら陸上で一人二人に限つて、あとは全部競技者の方に予定して出しておるのだと思います。そういうような結果はあるはずがないと思います。帰つて来れば、これははつきりすると思います。非常に技術的なんです。
#32
○松本(七)委員 そのほかに、何か日本の特殊事情というものはございませんか。
#33
○田畑参考人 それは今度の場合は、見学者じやないですか。――コックをお連れしたらどうかという話もありましたが、これは連れて行きません。そういうことは、ストックホルムあたりに適当な若い婦人もおられますから、その人に手伝つてもらおうと思つております。そのほかは特殊的なことはないと思います。
#34
○大島参考人 それは参加して来る国が、選手を許可するというか、つくるにあたりまして、それぞれ形態が違つておるわけです。大部分の国が、みなアマチュアの選手でありまして、スポーツを本業の余暇にやつておるというのが、みな集まつて来るわけであります。学生は学業を本業とし、余暇にスポーツをやる、そのような者が集まつて来る。それぞれ本業を持つているわけであります。ところがソ連の場合は、これと異なりまして、スポーツが本業であります。スポーツに非常にすぐれた者は、みんな国家に登用されまして、特別の訓練所へ入れられて、特別の訓練をする。すなわちその人の生計が、スポーツをやることによつて立つておるという選手なんであります。結局プロの選手でありまして、今回の大会は、プロの選千とアマチュアの選手がやるということになるわけであります。野球で申しますならば、六大学とプロの野球選手がやるということで、これはまつたく勝負にならないだろうと思うのであります。そういう関係から申しますならば、結局オリンピツクに勝つということが大きな目標でありますならば、金があつて人間がたくさんいるところが必ず勝つということで、その国のオリンピツク支配ということが成り立つわけであります。そうするならば、お金がなくて人間もないというところは、だんだん参加する意欲を失つて行くことになり、結局オリンピック存立の意味を失つて来るのではなかろうかと思うのであります。そういう問題を非常に危惧いたしまして、今回もオリンピック委員会ではこの問題が出るわけでありますが、同時に、オリンピック委員会委員長をやつておりましたところのエドストローム氏は辞任を申し出ております。その理由は、自分は老齢であるということが一つ、もう一つは、今日の社会会情勢に、ついては行けなくなつたというようなことを申しておるのであります。過去につくられましたところのオリンピックの組織というものが、今回の大会で一応改組されるというようなことになつておりますが、しかし本質的にもつと切り下げて問題が研究され、討議されるときには、オリンピツクが二つの世界にわかれるというような危険性も、ここにあろうかと思うのであります。そういう意味で、私は先ほど、オリンピックは従来の意味では瓦解するのではないかというようなことを申し上げたわけであります。ただ、人間の希望というものは、平和についての非常にはげしい希望を持つておりますので、一時衰微した形をとりましても、再び盛り上つて来るという確信を持つておりますが、今回では、そういう形をとることもあり得るということを申し上げたのであります。
#35
○竹尾委員長 欠に浦口鉄男君。
#36
○浦口委員 本日の委員会の議事については、いろいろ御議論があつたようでありますが、とにかく日本の運動界における権威者に、われわれがお話を聞くことは、めつたにないわけですから、一つだけ御質問したい。それは、先ほど大島さんからもお話がありましたが、一九六〇年のオリンピックを日本に誘致しようという運動について、御意見を承つておきたいと思うわけであります。もちろん、これが決定するかどうかは、未知数でございましようが、かりに決定したと予想いたしますと、国家においても国民においても、進んで相当の負担をして、盛大なものにしなければならぬ、こう思うわけであります。そこで、本日おいでの方は、世界各国の運動界とも密接な関係がおありでございますので、こうした日本の主張に対して、世界はどういうふうな感情をもつて迎えてくれているか、そうしたことから関連して、一九六〇年に招致し得る見込みかどの程度あるか、またそれについて国会あるいは国民に対する御希望、あるいはこれが決定するのは、一体いつごろの総会、なりその他で決定することになるのかそうした点について、われわれの参考になるところをお聞かせ願いたいと思います。
#37
○田畑参考人 それは、今までのオリンピツクというものは、スクールがあまり大きくはなかつたのですが、だんだんこうして大きくなりますので、前は大体三、四年前にきまつたのですけれども、今後は、おそらく七年ぐらい前にきまるだろうと思います。今度は、はつきりわかりませんけれども、ただ日本からそういう申入れがあつたということで、次のオリンピックのメルホルンのあとのオリンピツクをきめるのはいつかということは、何か通信によりますれば、一九六〇年のオリンピック、すなわちメルボルンのあとですけれども、これは来年の総会の議題にするということになつているようです。
 しからば、これは来るかどうかというお話ですが、私はもう日本が戰争をやつたので、オリンピックというものは、少くともぼくの生きているうちにはないものだと思つておりましたけれども、その後のあれでは、むしろ戰争をやつたということによつて、日本というものに非常に興味を持つた、関心が集まつたということもありますし、今までの例ですと、一ぺんきまつたものがその後やらないということは――今度のヘルシンキも、日本でやることになりまして、戰争で日本が放棄して、ヘルシンキでやるということになつたのです。ところが、戰争でできなかつたので、これを今度やつているわけなんです。一ぺんきまつたところでやらないというのは、今度ヘルシンキがやりますから、日本以外にはないわけです。従つて、日本がやるということは、非常に有望だろうと思う。ただ、いつやるかという問題は、今度一応出しておいて、来年議題にされましても六〇年に来るということは、実際として無理だと思う。来ても六四年ということになるだろうと思う。六四年ということになれば、割合確実――とは申せませんけれども、非常に有望だろうと思う。というのは、何といつてもオリンピックというものは、ヨーロツパ中心なんです。従つて今度のヘルシンキ大会の次のメルボルンが、東半球であるわけなんです。もう一ぺん日本でやるということになりますと、これはもう東半球で続けてやるとことになるから、六〇年は無理だという気持が非常に強いらしいのです。もう一つは、この前杉村陽太郎さんの努力で、日本のために讓つたローマが残つているわけです。ですから、ヨーロツパでやるということが案外有力で、六〇年に日本でやるということは、結局無理ではないだろうか。しかし六四年にやるということは、今出しておけば間に合わないことはない。米州も、三箇所ばかり有力に申し込んでいるわけです。それからメキシコが今非常にやつていますが、今度はおそらくヨーロツパで開かれるでしよう。
#38
○竹尾委員長 次に井出一太郎君。
#39
○井出委員 大体参考人各位の御発言によつて、この委員会を開催した目的は達成された、こう考えます。特に自由党の小西委員が、先ほど納得の意を表されたゆえをもつてしても、明らかだと思います。そこで、私どもの気持は、この来るべきオリンピックに、願わくはフェア・プレーの精神を貫いて、先ほど参考人各位の言われた崇高な目的を十分に果されて、お帰りを願いたい、こういう壯行の会たらしめたい、むしろこういう気持さえ持つておるのであります。
 そこで、もう一点、私は先ほど委員長に質問という関係から申し入れておきましたのは、本筋とは少し違いますが、せんだつて、尾形愛子さんが候補に選考されておりながら、結果としては心臓肥大症というような鑑定で、行けなくなつた、こういうことが相当社会的にセンセーシヨナルに扱われた事件がございました。これは、今、皆さんがその壯遂に向われる際に、これを追究することはどうかという懸念もございますけれども、こういう機会でございますし、また世間に若干の疑惑でもあるといけませんので、すつきりさせる意味において、体協の幹部でいらつしやるのですから、この際この委員会の席を通じて、ひとつ御見解を明らかにされておかれたならばどうか、こいうことで、この点を御質問いたしたいのであります。
#40
○田畑参考人 これは確かに手落ちと申しますか、あれがあつたということは、非常に気の毒だと思います。これは非常に特殊的なケースでありまして、水泳、陸上というのは、ずつとオリンピックごとにやつて来ておりますから、四年前から候補をきめることをやつておりまして、候補でなければオリンピックに出さないということになつておる。候補に関しては、二、三年前から全部身体検査をやつておるのであります。ところが、尾形さんというのは、偶然というか、突発的に今年の春から強くなつた。オリンピツク候補にはなつていなかつたが、ところが、やるたびに非常に強くなつたので、これをオリンピック候補に加えるというか、最終に出る資格を與えようじやないかというので、プログラムに載つていないのに、急に呼び寄せて走らせたわけです。そこで陸連としては、その身体検査をあとまわしにして、やるだけやらせてみたわけです。ところが、その結果が非常にいいので、選手候補になつたのですけれども、これの発表の仕方が、オリンピック選手の候補だ、確定はあした発表するという注文をつけておいたのです。ところが新聞としましては、実際上、陸上にしても水泳にしても、翌日きめるのは形式的なものですから、それを選手だといつて発表してしまつたので、非常にまずい結果になつたということです。こういうことに対しましては、世間に対して相済まぬと思います。水泳の競技は、この二十二日できますわけですが、これは今男子四十名、女子十二、三省というのを候補にしまして、これはずつと十二回――一年間に合宿練習をさせておりますから、何べんも身体検査をしているわけです。その中で、医者のいいという証明がない者は、最終には受付けません。十四日、十五日に、候補の資格のない者で全日本予選会をやりまして、このうちから候補を選ぶ。その人には競技会に出る前に身体検査をして、医者がいいという証明がなければ最終予選に出さないで、ああいうふうなことのないように、今後万全を期したいと思います。やはり、何といつても、からだのことが第一ですが、運動をする連中には、自覚症状がないらしい。国民体育大会では、体育証明書がない限り、出してはいないけれども、今後はそういうことをすべての競技に――今後少くとも陸上連盟なり、水泳連盟なりが直接やる競技会には、高等学校の選手権大会でも、身体検査証を出すようにしたいと思つております。
 もう一つ、松本さんの質問にお答えしますが、本質的には、役員が多いということは、日本だから多いという理由はないのです。ただ問題は、先ほど申し上げましたように、今度は非常に変則的なんです。大きなチームが一つもない。従つて今後それが入つて来ることになれば、たとえば、サツカーは十七人で、最大限度役員は二人なんです。そうなると、役員は八分の一になるのです。ホッケーでも同じだと思います。そういうものは、選手の人数が多くて役員の数が少い。今度のは、それが削られているということ。もう一つは、申込みの技術もあるだろうと思います。日本の特性は、大きなチームがなくなつたということで、七分の一ないし八分の一という、そういうものがなくなつた。しかし、必要なものだけは少くともやつておりますから、割合に役員の率が多くなつているということは、認めざるを得ないと思います。
#41
○竹尾委員長 岡延右エ門君。
#42
○岡(延)委員 実は、私は東京においてスポーツ・ライターをやつたこともあり、現在もスポーツ議員連盟の役員もしておりますので、先ほどからしきりに教えを請うというような言葉が出ておりましたが、私はあえて教えを購うというような気持で質問しようとは思わないのであります。実は一昨日ですか、私ちよつと席におらなかつたのでありますが、突如として、不用意の間にああいう話が出たのではないかと思いますが、たとえば役員の数が多いとか、あるいは有力なるある役員の名前をあげて、何かスキャンダルでもあるかのような話が出た。これがために、新聞によりましては、非常に文部委員会がけちをつけたのじやないかという印象を與えるような記事の取扱いをしておつた新聞もございました。私はそれを非常に遺憾に思います。実は、これはほんとうの気持は、募金等がよくなるようにというような気持で発言したことが、かえつて逆になつたのではないかということを、非常に憂えるものであります。それで、きようこの委員会を開催するにあたりましても、すでに委員長が開会の趣旨を宣せられて、田畑参考人の発言を促したその直後において、この委員会のあるべき姿を、特に私は委員の一人として注文いたしまして、どうかこの会が不用意の間に運営されないように、でき得れば選手、役員団を激励する会にしたいということの申入れをいたしまして、実は同僚小林君からそういつた意味の発言を総合的にしていただいたような次第であります。われわれこの委員の趣旨というものは、ただひとえにスポーツの振興を思い、そしてヘルシンキにおける選手団あるいは役員団の健闘を祝する。先ほど幸いに改進党の井出君から、壯行の意味の会にしたいというお話がございましたが、私もまつたく同感でありまして、ここには団長もおられますが、われわれの意図はまつたくここにあるのであつて、決してこれにけちをつけたりなんかするものでないということを、よく御理解願いたいのであります。またきようは、非常にスポーツ・ライターの方もおられるようでありますが、どうかその辺誤解がないように、われわれの委員会は、でき得る限りこれを激励するというような意味の会であつたという印象を與えるように、ひとつそういう意味において記事の取扱いを実はお願いしたいと思う次第であります。
 さて、補助金の問題でございますが、実は文部省の係官が、のつぴきならぬ用件で退席されたそうでありますが、私はこの少額に過ぎることを非常に遺憾に思つておるのであります。何となれば、ここにおられる方々は御承知でありますけれども、これは最初政府のいわゆる算定の基礎といたしましては、五十名ということにして算定したのであります。その一名六十万円、すなわち三千万円の所要経費のうち、その半分千五百万円を補助するという算定をしたのであります。ところが、いろいろないきさつ上、その倍を上まわる役員あるいは選手団が派遣されるのでありますから、当然その倍額補助しなければならぬにかかわらず、依然として千五百万円であるということは、これはまことにわれわれ文部委員として、その額の足らなかつたことを、実に慚愧にたえないと思つておるような次第であります。実は、これらの点につきましては、今後におきましても、当局を大いに叱咤鞭撻するつもりでおるのであります。実は、先ほど田畑参考人からお話がございましたけれども、スポーツに関係のない通産省においてすら、これは綿糸というものを払い下げの形式でこそあつたけれども、一千万円の事実上の補助をしておる。これはちようど当時これに参画された首藤政務次官が、ここに委員としておられるのでありますが、そういう理解を持つておるにかかわらず――実は話が非常にしにくい。ここにそのころの文部政務次官の水谷君もおられるので、文部省が非常に熱心が足りなかつたというのは、はなはだ申しにくいけれども、要するに、通産省ですらも一千万円出しているのに、スポーツを監督するとかなんとか、おこがましいことを言つている文部省が、千五百万円しかとれなかつたということは、これは非常に困つたものであります。それで、今回は、これはいたし方ないといたしましても、今田畑さんが、次の大会においてはできるだけ心配してくれということでありますから、われわれも、せめてもの罪滅ぼしのために、また文部省としても罪滅ぼしをすべく誘導するつもりでおりますから、どうか今回のこの委員会は、ほんとうにわれわれがあなた方を鞭撻する壯行の辞を述べる会であつたということを深く肝に銘じて、ほんとうにいい成果をあげていただきたい、それをわれわれ望んでおるのであります。またもし国会の会期が、あなた方が向うで奮闘しておられる時期にマッチすることがありとすれば、文部委員として、あるいはスポーツ議員連盟の代議士の一人として、国会全体の名において激励等の院議決定等もいたしたいという心の用意もあることを申し上げまして、あえてこれに対する御答弁はいらないと思いますけれども、壯行の辞とする次第であります。
#43
○田畑参考人 今、岡さんからお話がありましたから、ここではつきり申し上げておかなければならぬと思います。これは、今申し上げましたように、選手、役員に関する全責任を負うのは、体育協会であります。それだけに、愼重に十分検討した上で、役員、選手を決定しておりますから、その間にそういう破廉恥とかいうような意味のものは絶対にないということを、ここではつきり申し上げたいのであります。何か今度のアジア大会で、あつたというようなお話がありましたが、これも醉つぱらつて金を使つたというようなことは絶対にありません。これは、ここに松本君もおりますから、わかりますが、むし返すようですが、そういうことは絶対にないということを、ここではつきり申し上げておきたいと思います。
#44
○竹尾委員長 次に小林進君。
#45
○小林(進)委員 私が言わんとすることを、実は井出君、岡君がるるお話になりましたので、もうつけ加える必要はないと思うのでありますが、ともかく選手諸君が晴れの舞台に出るというその門出に、国会へこうしておいで願つたことが、何か選手の気持に微妙な心理的な悪影響を及ぼすようなことがあつてはいけないのでありますし、また盛り上る国民の輿論にいささかでも悪い影響を及ぼすようなことがあつてはいかぬということをおそれておつたのでありますが、幸いに同僚諸君の説明で、十分この点は払拭されたと思いますので、私は余分なことはつけ加えませんが、一言岡君の言葉に続いて、われわれ国会がいかに皆さん方のこの晴れの門出を心から所つているかということの一つの例をつけ加えておきたいと思うのであります。それは、今も言うように、国会の一千五百万が、あるいは少額であるというような岡君の謙遜なお話もありました。もちろんこれは、もめたのであります。もめたのですが、與党が出さない。われわれは、もつと一億でも二億でも出したかつたのですが、與党が出さない。そういうわけでありますから、それとこれとは別にいたしまして、この前も議院運営委員会でこのスポーツの門出を激励する意味において、われわれの零細な――零細というと、語弊があるかもしれませんが、この俸給の中から、各人醵金をしようじやないかというので、五百円ずつわれわれの月給の中からお上げをいたしておる。私はこれを特に申し上げたいのであります。もちろんそのときには、共産党の方だけは、この五百円は出せないということでお断りになりましたが、共産党を除く各政党は、一致してこの五百円を喜んでお出ししておる。これは田畑会長その他からお考えになりますならば、何だ、高給をはんで、五百円は少いじやないかとおつしやるかもしれません一が、国会におきましては慣例がありまして、同僚議員がなくなつた、あるいはいろいろな冠婚葬祭、幸、不幸がございますが、そのときに各議員が出し合う普通の金は大てい百円であります。その百円の慣例を破りまして、このたび、まずこれは終戰後初めてじやないかと思うが、大枚金五百円を、このスポーツの祭典に醵出したことは、まことに前例のない事実でありまして、これほどの熱意を傾けて皆様方の御成功を祈つておる。もちろんわれわれは、勝負を争うのではありません。国民外交、民間外交として、平和の使徒としてこれほど有意義なものはないという気持で、心から激励あるいは御協力申し上げておるお気持を御賢察くだされたい、これはほんの一例でございます。
 これでは質問になりませんので、畠後に御質問としては、なおこれから御出発に至るまでに、何か国会としてかくありたい、私どもは国民代表としての国会に、もう少しこのような御協力を願いたいというような御希望でもあつたら、この際承つておきたいと思います。
#46
○田畑参考人 けつこうであります。
#47
○竹尾委員長 次に小林信一君。
#48
○小林(信)委員 私は質問をするのであります。この委員会を開くにあたつて用意した質問でなくて、その後に起きた問題なんですが、この委員会が開かれることが一応発表された後に影響されたような形で、体協の方で役員があらためて、淺野団長ですか、団長であることを再確認したとい記事が新聞に出たんですが、これは事実かどうか、伺います。
#49
○田畑参考人 団長は私なんです。少くもアジア大会と今度を通じて、君にそういういかがわしいことは絶対にないのだということだけなんです。従つて国会は、日本で一番偉いでしようが、国会がどうおつしやつても、オリンピツクのことは私たちがやりますということを、ここで申し上げたいと思います。ですから、私たちが一番の責任を持つわけで、愼重にやつていますし、今大岳君が言つたように、今の日本の一番代表的な青年を連れて行くわけであります。役員も、そういうふうないかがわしい者は、当然行くべきでありませんから、私たちが決定している者は、すべてそういう者は絶対にないのだということだけ、ここではつきり申し上げていいと思います。
#50
○小林(信)委員 案は私たちも、常時スポーツに関係する人たちは、非常に明朗な気持をもつて、すべて事に当つているというような点から、スポーツ界に対して、そういう疑惑というものを全然持つておらなかつたわけですが、しかし、あのことが一応発表されますと、文部委員会で何かそういう計画をしたのか。ことに、ここにはスポーツ議員連盟もありまして、スポーツには重大な内心を持つているのですが、その議員連盟の諸君から、私たちは非常に糾弾を受けているわけです。私もその一員としまして、やはり私たちの仲間から、いろいろな質問を受けたわけですが、私たちにはそういうような意図は全然ないのだ。私たちの考えているところは、このオリンピックの問題、またスポーツ全体の問題に対しまして、私たちも一応は責任はあるわけです。この門出にあたりまして、私たちがすべきこともたくさんあるわけなんだから、そういうことを参考人の方たちに聞いていただくのだ、というふうな説明をしたわけです。しかし、体協の方では、淺野さんのことにつきまして、そういうことの再確認というようなことがなされたとするならば、これはまことに私たちの意に反するものであります。これは先ほど来各委員が、ぜひそういう誤解を持たないように、また皆さんばかりでなく、一般国民が、国会はそんなけち臭い考えで皆さんに来ていたたいているのでないということを、体協の方たちにも、今度は私たちの態度を再確認していただきたいとお願いをするわけです。私の県から飯室、吉野というような人たち――私の県は山梨県でありますが、小さな県から二人出ているのであります。スポーツ的に進展しておらない県なんですが、実力が認められて、これが堂々と今度の大会へ行くということで、県民あげて喜んでおるわけです。選手の選択につきましても、私たちはいささかも不明朗を感じておらない。実にりつぱに選手を選択していただいておるという考えで、私の県あたりはおるのでありまして、それが国会の行動が多少とも疑惑を持たれるというようなことは、先ほど来の再確認の問題につきましても、今後まだ一般国民の協力を得なければならぬというお話もあるやさきでありますので、私たちは、ぜひともそういう誤解を解いていただきたい。さらに成員連盟も、今まで十分な働きをして来られておるわけでありますから、なお議員連盟の方たちにも、さらに努力をしていた、たいて皆さんの壯途を祝するとともに、りつぱな活躍ができるように期待しておるわけであります。
 あらためて申しますが、どうか私たちの繊度に対しましても、体協に再確認をしていただくことをお願いしまして、私のごあいさつにかえます。
#51
○田畑参考人 よくわかりました。
#52
○竹尾委員長 ほかにございませんか。
#53
○小西(英)委員 私は、きようはまつたく円満裏に、この委員会で壯行会のような、みんなの激励があつたので、非常に満足いたしておつたのでありますが、今同僚議員から、淺野君の問題に触れまして、何もなかつたということでは、私たちも了承しかねる。私を対象に、相当新聞が計いておつた。それを見て、まつたく何もなかつたということで済まされるとすると、私も黙つておられないので申し上げるのでありますが、日本の法律が悪いかどうかわかりませんが、とにかく裁判所の判定は、第一審は八箇月、第二審は四箇月――今回は、四箇月の分については無罪であつたが、事件が二つあつて、一つは原審さしもどしということがはつきりしておるのでありまして、何もなかつたということで、私たちを対象に――私たちはそういうふうな諸般の情勢から、もしや寄付でも集まらない原因になつていないかということを私たちが申し上げたことを、新聞社あたりは、非常にいろいろなうわさとりどりで、私たちが対象に上つて、あるいは個人的のなんとかいうことを言つておりましたが、私たちはそんな考えでなしに、フェアな考えで、もし内蔵されたものによつて、役員が多いとか、そういう問題があるために寄付金等の集まりが悪いのではなかろうかということを心配いたしたのでありまして、決してそういうふうな問題がない、募金の方についても促進ができ、そして具体的、專門的に役員の数においても了承する内容であるということを、きようは確認いたしておりますが、まずそういう点について、私はその内容は申し上げませんが、そういうことが過去にあつたということ――私たちは過去を責めませんが、その点だけを、私はここで明らかに申し上げておきます。
#54
○竹尾委員長 委員長として、参考人の方々にお礼を申し上げます。本日は、まことにお忙しいところをありがとうございました。
 本日はこれにて散会いたします。
    午後一時三分散会
ソース: 国立国会図書館
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