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1947/08/25 第2回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第002回国会 不当財産取引調査特別委員会 第50号
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1947/08/25 第2回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第002回国会 不当財産取引調査特別委員会 第50号

#1
第002回国会 不当財産取引調査特別委員会 第50号
昭和二十三年八月二十五日(水曜日)
    午後二時十九分開議
 出席委員
   委員長 武藤運十郎君
   理事 鍛冶 良作君 理事 田中 角榮君
   理事 辻  寛一君 理事 河井 榮藏君
   理事 小松 勇次君 理事 石田 一松君
   理事 中野 四郎君
      明禮輝三郎君    渡邊 良夫君
      佐竹 新市君    前田 種男君
      小野  孝君    橋本 金一君
      野本 品吉君    田中 健吉君
      中村元治郎君    宇都宮則綱君
      徳田 球一君
 委員外の出席者
        兵器処理委員会
        に関する問題に
        ついて出頭した
        証人      小松  隆君
                上田 裕康君
                大津寄 茂君
                藤澤 勇次君
                三島 宗治君
                鈴木  宏君
                丸谷諄太郎君
                山縣 義夫君
                阿部三五郎君
                都築 伊七君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 資料提出要求に関する件
 証人出頭要求に関する件
 兵器処理委員会に関する問題
    ―――――――――――――
#2
○武藤委員長 これより会議を開きます。
 理事会において決定いたしました事項を御報告して、皆さんにお諮りをいたしたいと存じます。
 第一、石炭國管問題につきまして、次の通り書類の提出を求めたいと存じます。
 一、石炭鉱業会に対し
  イ定款または規約。
  ロ会員名簿(昭和二十二年度分)
  ハ昭和二十二年度の元帳、金銭出納簿及び傳票全部。
  ニ寄附金授受に関する帳簿書類、領收書控。
 二、関係炭鉱業者に対し
  イ昭和二十二年度の元帳、金銭出納に関する帳簿及び傳票。
  ロ重役及び社員の同年度の出張に関する帳簿及び傳票。
  ハ株主総会に対する昭和二十二年度の事業報告書及び貸借対照表
 但し右は必要の限度に限ることとし、その要否並びに限度については調査員においてこれを示し、委員長の責任においてなすべきものとするということにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○武藤委員長 ではさよう決します。
 第二、來る三十日午後一時より大堀弘君、細井鉄鋼課長の後任であります大原久之君、山地八郎君の後任であります佐久洋君、菅波総務局長の後任である吉田悌二郎君、右四君を証人として喚問をいたしたいと存じます。三十一日午後一時より門屋盛一君、杉山宗次郎君、梅村忠一郎君、小野徳一君、山領濱夫君、藤井友市君、辻一三君右七君を証人として喚問いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○武藤委員長 ではさよう決します。
 第三、田中健吉君提案にかかる三木武夫氏をめぐる政治資金問題の提案はこれを取上げることとし、証拠調等はおつて決定いたしたいと存じます。御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○武藤委員長 ではさよう決します。
 なお第四、本日の証人調の日程は一括してこれを明日に延期いたし、昨日証言の済まなかつた小松君、上田君、大津寄君、藤澤君は本日その証言を求め、かねて本日の喚問を予定せられておりました三島君、鈴木君、丸谷君、山縣君、阿部君、都築君については明日午後一時に変更をいたしたいと思います。御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○武藤委員長 ではさよう決します。
 お聽きの通りの状態でありまして、まことに御出頭になりました証人諸君には恐縮でありますけれども、昨日の証人がたくさん残つておりまして、どうしてもきようお話を承る時間がないのでありましてまことに恐縮ですが、明日に延ばしたいと思います。明日午後一時もう一度ただいま申し上げました六君は当委員会へ御出頭を願いたいと思います。本日はお帰りを願つて結構であります。
 それでは一番お氣の毒なのは小松さんでありますけれども、きようは一番最初にお話を承りたいと存じます。きようは小松さん、上田さん、大津寄さん、藤澤さんという順序で伺います。小松さん以外はしばらく別室でお待ちを願いたいと思います。宣誓につきましてはこの前していただいておりますから、どうかさよう御承知を願います。
 それでは小松さんに伺いますが、二十年八月十五日敗戰後あなたが第八軍またはG・H・Qと何らかの接触をもたれましたのはいつごろからであり、どういうことからでありますか。
#7
○小松證人 私は敗戰後におきましてちようど八軍あるいはG・H・Qから日本のいろいろな会社工場の方面に問合せ連絡等がありまして、それに関して会社工場あたりでは英語のわかる人たちがいなかつたものでありますから、非常に困つておつたということを聽きましたのでございます。その関係であるいは経済連盟、商工経済会、工業中央会と申しましたか、それから重要産業協議会というような團体が、何とかして渉外機関をつくる必要があるのではないかという御相談をされた。そのときにたまたま私がアメリカで育つて英語も比較的わかるものでありますから。小松お前出てきて、ひとつこういうときに皆の手傳いをしなければいかぬとこう言われて出てまいり、そのときにできました会は経済團体連合委員会とたしか申したと思います。そこでこの四團体が初め中心になりまして委員会をつくりまして、工業クラブの四階に私のために部屋をとつていただきまして、私にも数人の助手を與えて、何かそういうような方面のお手傳いがあつたらせよという打合せになりました。それで司令部の方にもそのことを御通知しなければいけない。そういう事情になつておることでも御報告すべきであるということから、書面を認めましてE・Sのコロネル・クレーマーのところにこれをお届けいたすことになりました。私その書面を持つて参りましたが、コロネル・クレーマーにはすぐにお目にかかることができず、コロネル・クレーマー氏の助手をしておられたコンマンダー・リデー、その後インダストリアル・セクシヨンの部長になられた方でありますが、リデー氏にその書類をお目にかけ、リデー氏も非常に結構なことであるから、それではクレーマー氏に会うようにしよう、こういうことで別に日をきめていただいてクレーマー氏のところに伺いました。日どりは私覚えておりませんが、九月の十日前後であつたのではないかと思います。なお九月十二日の水曜日に第八軍の將校の方々が数名商工経済会を訪ねられまして、いろいろ当時の産業状態、経済状態について質問をされ、資料を求められたように伺いました。ところが不幸にしてそのときに商工経済会には英語のわかる人がいなくて非常に困つた。どういうふうにしたらいいかという相談をもちかけられました。しかもそのときに來られた方々は毎週水曜日の午後二時から來るからそのつもりでいるように、こう言いおいて行かれたそうであります。それで私どもにお手傳いにくるようにということでありましたから、その次の水曜日、九月十九日の午後二時に私は自分の手傳いをしてくれるようにきめられました太田忠行、それからあと二、三名のやはりアメリカで教育を受けた人たちを連れて参りました。そのときに初めて八軍の方々にお目にかかつたのでございます。そのときに來られたのはコロネル・バラード、これは八軍の経済部長であられました。そのほかに中佐でワイズナーという人が來られましたが、少佐でベイヤーという人も來られました。それから八軍の東京出張所の長官をしておりましたこれも少佐だと思いますがゴーザーという人も來られました。あと数名來られたのでありますが、その方々にその席で初めてお目にかかりまして、お話を伺いますと、進駐軍は日本の軍部の撃減は当然するのであるが、國民にはなるべく早く平和状態を回復させるようにしたいのだ。それがわれわれ経済部の仕事であると言われました。そうして防空壕に住んでおる多くの人たちが一日も早く小屋でもいいから、もう少し何とかしたところへ住めるようにさしてやりたい。あるいはボロを着ておるみんなに何とか着物のことも考えてやらなければならぬし、食糧のことも考えてやらなければならぬ。これはわれわれがいろいろ援助をしてやりたいが、君たち日本人がやらなければできないのじやないかという言葉をもつて、商工経済会の人だちが、非常に激励されたのでございます。私はその話を聽いたり、通訳をしたりいたしまして非常に感激したのであります。進駐軍が日本國民のためにこれほど心配してくれておる。われわれは微力ながらもできるだけお手傳いをしなければならぬという心持にさせられたのでございます。それでそのときに求められた数字はどういうものかと申しますと、あの防空壕に住んでおる人を小屋に住まわせるとか、それらのことをするには何が足りないか。何をお前たちはぐずぐずしておるのだというようなことを言うわれました。そうすると商工経済会の方々はくぎがなくて困るとか、材木がなくて困るとか、いろいろなことを言われました。それじやくぎの工場は東京にはどういうふうにあるのだと聽かれました。そのときすぐにどこの工場が動けるとか、動けないとかいうことが言えないものでありますから、後ほど調査をして、次のときまでに御報告をするというようなことで、いろいろな問題を與えられて、次の週間に報告をすることにきめられたのであります。申し遅れましたが、そのときに出席しておつた日本側は、その当時の藤山商工経済会、会長、理事長の船田中君等がおられまして、その後の会議にも必ずその方々はおいでになつておられました。それが私が司令部と第八軍の方々と始めて接触したときでございます。
#8
○武藤委員長 きようお伺いしたいのは、家を建ててどうとかいう問題もありましようけれども、主として終戰後の廃兵器の処理を中心としてお話を伺いたいと思うのであります。この処理について、バラード大佐とどういうふうな話合いがありましたか。
#9
○小松證人 たしか十月五日の夕方だと思いますが、バラード大佐のお使、たしかキヤプテン・デーという方だと思いますが、お使が言ずけをもとのアメリカン・クラブでありましたが、八軍の出張所の隣の中央亭に商工経済会がございましたが、商工経済会に言ずけを届けられまして、翌六日の朝十時に鉄鋼のことについて話をしたいから、鉄鋼業者を連れてくるようにということでございました。私はその際、これは経済團体連合委員会の太田君から聞きまして、鉄鋼業者の代表者といいましても、どういう人を連れて行つていいかわかりませんし、五日の夕方から六日の朝の十時までのことでありますから、これはどうしても鉄鋼統制会の会長渡邊義介氏に御相談することが当然であると考えまして、渡邊義介氏の所に伺いまして御相談いたしました。とりあえず自分が行つてみようじやないか、それから日本鋼管の渡邊政人氏この人は、統制会の役員でもございましたし、二人で行つてみよう、なおどんな用件かわからないから、事務の方からも連れていこうというので、森田という日鉄の業務部長、それから日本鋼管の方は山口という営業部長が一緒に行つたと思います。私は自分がお供をすると同時に、太田忠行を連れて参りました。そのときに、復興には鉄が大事である、なぜお前たちは早く生産に着手しないのか、なぜできないのだというようなことで、いろいろ一般的の問題で、こういう資材が足りないとか、こういうものがこういう状態になつておるとか、それからスクラツプなども非常に足りなくて困るとかいうことのお話がございました。そのお話のしまいの方に、廃兵器のようなものを日本政府の方へ返すようなことになるから、そういうものを集めて、平和生活に向けるように、いろいろな必要物資をつくるように努力しなければならないじやないか、そういうことをやるのがお前たちの職務じやないかという話がございました。廃兵器をどうすると言われても、どういうものがどれだけあるのかもわからないので、両渡邊氏ともすぐには御返事ができなかつたのでありますが、鉄鋼業者としてこういう際に大いにお國のために働かなくちやならないのじやないかと言われまして、なるほどと、二人ともこの点については感激をもつて私は聽いたと思うのであります。しかしこれをどうしようという命令ではなくて、こういう大事な仕事があるが、お前たちは機会が與えられたならば大いにやるかというふうなお話がございました。それでわれわれはできるだけのことをいたしましようということを申し上げて、その席は引下つてまいつたのでございます。
#10
○武藤委員長 ただいまの場所はどこですか。
#11
○小松證人 これはやはりアメリカン・クラブで、第八軍の東京出張所の二階でございました。
#12
○武藤委員長 いつですか。
#13
○小松證人 十月六日の朝十時からお畫ごろまでかかつたと思います。
#14
○武藤委員長 電話でバラード大佐から話があつて、アメリカン・クラブで会つたというのとは違うのですか。
#15
○小松證人 それはあとの会でございます。
#16
○武藤委員長 その後ですね。
#17
○小松證人 その後です。これはバラード大佐からじかの電話ではなしに、やはりデー大尉か、あるいはほかの方からのお電話で出てこいという言ずてを受けて、伺いましたのはたしか十月の十八日ごろだつたと思います。
#18
○武藤委員長 そのときの話はどういうのですか。
#19
○小松證人 そのときは電話の言ずてによりますと、内務大臣が見えるから私に出てこい、こういうお言ずてでございました。何の用件であるかということは全然指示がなかつたのでありますが行つてみましたら、青木調査部長が森野という通訳の方を連れてこられまして、私は相変らず太田忠行を連れてまいりまして、そのときに青木さんに対してはバラード氏から鉄鋼のこういう廃兵器の処理はなかなかたいへんな仕事である、これは経驗のある者にやらせなければいけないのではないかというお話がございました。そのやり方としては日本の政府からその方面の仕事に経驗のあるしつかりした者にやらせることがいいのではないかというお話がいたされたのでございます。しかしこれも御命令というより、そういうサゼツシヨンと申しましようか、お話がございました。
#20
○武藤委員長 そのときに力のある者にやらせなければならないというだけであつて、五社にやらせるという話は出ないのですか。
#21
○小松證人 五社というふうな話はまだ全然出ておりません。なおアメリカの経済部あたりは、非常に日本のそのときの状態を研究しておられまして、どういうところが鉄をどのくらいつくる設備を持つているか、生産能力についても非常によく知つておられますし、なお工場なんかの当時の状態についても私どもの及ばないような知識をもつておられたのであります。どういう会社がいいかというようなことは御存じだつたと思うのでありますが、その点には何もそのときはお触れにならなかつたのでございます。
#22
○武藤委員長 五社を選定してやらせるというようなことになりました話はいつごろですか。
#23
○小松證人 私は初め兵器処理ということにつきましては、一体どういうものがあるのかも知らなかつたのでありますが、大体ごく大ざつぱな考え方で鉄鋼兵器だとばかり考えておりました。それは自分が当時鉄の会社におつたものですから、そういうふうに考えたのかもしれませんが、非鉄の方はよく氣がつかなかつたのでございます。その後十月の二十日以後だつたと思いますが、横浜に出てくるようにというお電話のお言ずてがございました。私は横浜の山下町にその当時ありました軍政部の経済部へバラード大佐を訪ねましたところが、外務省、商工省その他の関係の方々及び非鉄の関係の方々がお見えになつておりまして、私はその非鉄の方々とは初めてそこでお目にかかつたのであります。どなたがいらつしやつたかはつきり覚えませんが、上田さんは確かに來ておられました。そのときに非鉄の処理についてはどういうふうにするかというふうな御相談がありました。バラード大佐の御意見は、鉄鋼兵器の委員会を非鉄と別々につくつてもよろしいし、一緒にしてもよろしい。しかしなるべく取扱いのいいように、能率的にしろというふうなお話がございました。それからこれを取扱う人間はなるべく業者の中から出て、言葉のよくわかる人にやらせてもらいたい。これだけのお話がございました。そのときに初めて私は非鉄の三社のことは聞いたのでございます。それで五社を任命するというふうなことはまだ全然私は聞いておりませんでございます。
#24
○武藤委員長 五社にやらせるということになつたのはいつごろからですか。
#25
○小松證人 私はそれからあまり兵器の処理の問題には触れずにおりましたのでありますが、二十八日ごろであつたか、九日ごろであつたかと思いますが、菅波局長に朝呼ばれまして、やはり兵器処理は五社でやるのがいいと思う。それから御苦労だがひとつ委員長に――もつともこれは委員長を自分が命ずるわけでないけれども、自分にやつてもらうのが一番いいじやないかというお話を伺いました。いつ五社がやるべくきめられたかは、私はよく存じておりませんが、そういうはつきりしたお話はそのときに初めて伺いました。
#26
○武藤委員長 それでは五社にやらせるということの話をお聞きになつたのは、あなたはそのときが初めてですか。
#27
○小松證人 五社の名前は前から出ておりましたけれども、やらせるとはつきり決定されたことは、その前にはたしか聞いておらなかつたと思うのであります。五社の名前は前からそういうふうないきさつで、鉄の二社も出ておりましたし、非鉄の三社も出ておりました。決定したということは私はその前には伺つておるという記憶がございません。
#28
○武藤委員長 それでは決定的なお話をあなたが告げられたのは、十月二十八日ごろに菅波局長に呼ばれて、初めて聞されたわけですか。
#29
○小松證人 菅波局長のお話によつて、具体的にきまつたということを私は了解したと思います。
#30
○武藤委員長 私の方で一番お聽きしたいのは、いつだれがこの五社をきめたかということです。
#31
○小松證人 私どもにはだれをやらせるということをきめることもできませんし、どなたがおきめになつたか存じません。いつおきめになつたかも存じません。
#32
○武藤委員長 そうすると、やはりあなたが五社でやることにきまつた話をお聞きになつたのは、今の菅波局長さんに話を受けたときが初めてですか。
#33
○小松證人 その前にそういういきさつになつていたことは承知しておりましたけれども、具体的にこうきまつたと言われたのは、私はそのときが初めてだと思います。
#34
○武藤委員長 五社というのは民間のいわば組合のようなものらしくて、商工省なり、内務省なりで任命するものではないのでありますから、菅波氏が五社ときめて、あなたにその委員長になつてもらいたいと言うはずはないと思いますが、その前にあなた方で五社で委員会をつくろうということになつておつたのではないのですか。
#35
○小松證人 十月の初めにバラード大佐からそういう話があつたときには、渡邊義介氏、渡邊政人氏が商工省に出て、こういう話があつたということを御相談申し上げたと思うのであります。なお鉄鋼統制会でもその話が出まして御相談があつたと思います。経済團体の方でもこういう話があつたということは、経済團体の鉄鋼委員会というものができましたので報告もいたしもした。しかし五社が決定的にやるということは、菅波氏のお話を伺いまして、十一月の一日かにみんなが集まりまして、その席には商工省の代表の方々、内務省の方々も集まられて、初めてみんなでこういうふうにして進もうじやないかということをきめたのでございます。決定をどこでされたかということは、どうも私今自分では申し上げることができないのでございます。わからないのでございます。
#36
○武藤委員長 これは今までこの委員会でいろいろ証人を調べたり、長い間その他の調査をした結果、あなたが一番よく知つておるはずだということになつて、特にあなたから間違いのないところを伺いたいというわけなのです。
#37
○小松證人 私が今申し上げたようにバラード大佐から、民間の会社がこういうことをやらなければ、能率的にはいかない。早くやらなければならないから、お前たちはいろいろな自分の利益だとか、都合を考えずに、御奉公をしろというふうなことは言われました。その機会を考えたならばやるかどうかということまでも言われたと思いますが、お前たちにやらせるぞということを、バラード氏から言われたことはないと思います。それから今仰せのように、これは民間の組合だから、政府が任命するのではない。法律上どうなりますか。しかし政府が讓り受けと申すのでございましようか、伺うから受取つた品物をどこへ渡すかということにつきましては、政府でおきめになる問題ではないか。私はこういうふうに思われるのでございます。
#38
○武藤委員長 政府すなわち商工省と五社の組合と、全然別個にこの問題に当つておつたのではないのでありまして、有機的な関連をもちながらこの委員会ができ、そうして政府がこれに託した、拂下げたということになるようでありますから、やはり政府がそれを言うまでには、民間で大体の形ができておつたのではないのですか。
#39
○小松證人 今の鉄の二社はそういうふうな関係で相談を受けまして、政府に報告を申し上げてお打合せをしておりました。それから非鉄の三社はバラード大佐に言われて、初めてお目にかかつたのでありますが、おそらくこれも政府とお打合せの上で話が進んでおつたのではないかと思われます。それが一緒になつてやるということは、政府が大体そういうふうにやらせようとおきめになつてやらせたものでないかと思います。
#40
○武藤委員長 バラード大佐はさつきあなたのお話によりますと、日本の製鉄、非鉄等の実情をよく知つておられて、鉄の方ではどこが一番大きい能力をもつておる。非鉄の方ではどこだということがわかつておつたので、バラード大佐から五社にやらした方がいいという話が、あなたにあつたのではないのですか。
#41
○小松證人 そういう話はございませんでした。
#42
○武藤委員長 それではあなたの方からバラード氏に、鉄の方はこれだけ、非鉄の方はこれだけがいいという、逆にサゼツシヨンのようなものをしたこともないのですか。
#43
○小松證人 ございません。ただ鉄鋼業者に会いたいというときに、たまたま連れて來ましたのが、日本製鉄の社長と日本鋼管の常務でございました。それから非鉄の方の関係は、私はバラード大佐の部屋で初めて会いましたので、私の方から何ら申し上げたことはありません。
#44
○武藤委員長 それではこの五社が選ばれることになつたのは、商工省とバラード氏との間の話合いで、主としてその方からきまつたと思われますか。
#45
○小松證人 私は最後はそういうふうだと思います。
#46
○武藤委員長 民間ではそう詳しくタツチした者はないのですか。
#47
○小松證人 今申しました人たちがバラード大佐と、今のようないきさつで接近はしておりました。しかしこれをもつて委員会をつくれというふうなことをお勧めしたことは、私はないと思います。
#48
○武藤委員長 当時鉄についても非鉄についても、この五社以外にまだ相当能力をもつておる会社もあつたのではないかと思うのですが、そういうものを入れるか入れないかということについては、話合いは出ないのですか。
#49
○小松證人 それは鉄鋼統制会におきましてはあつたかもしれません。私は鉄鋼統制会におりませんので存じませんが、鉄鋼統制会の会長に御相談を初めからしておるのでございます。非鉄につきましては私は何も存じません。ほかにどんな会社があるかよく存じておりません。
#50
○武藤委員長 先方では知つておつたのですか。五社以外のこともバラード大佐は知つておりましたか。
#51
○小松證人 それはバラード大佐がどの程度に知つておられたか、私は申し上げかねますが、ずいぶん詳しくいろいろなことを日本に來られる前から調査しておられ、日本に來られたときからもずいぶん方々へ行つて、調査をしておられたようであります。しかしどの程度に知つておられたか、私はそこまで申し上げかねます。
#52
○武藤委員長 ずいぶん詳しく知つておいたということなれば、これは理屈になるかもしれませんけれども、どの程度に知つておつたということを、当時あなたは知つておられると思うが、その五社以外についてはそういう話は出ないのですか。
#53
○小松證人 私はどの会社ということについての話は伺つておりません。ただ私はなぜ向うが詳しく知つておつたかというふうな印象を受けておるかと申しますと、たとえば川崎の日本鋼管の工場を向うの人たちが見に來たときに、どこに熔鉱炉があり、どの辺が爆撃されたというようなことを非常によく知つておられる。私どもよりよく知つておられて、そこへ連れていつて見せろというようなことを言われましたものですから、ずいぶん詳しく調べてよく知つておられるなという印象を受けたわけであります。そうして経済部門の方々は特にその研究をして來られたように話を伺つておりました。
#54
○武藤委員長 いや、その爆撃云々の問題は、それは軍事的に知つておつたかもしれませんけれども、日本の全体の製鉄関係、あるいは非鉄金属の工場等について、あなたが非常によく知つておつたという印象を受けられた理由は、どこにあるのですか。
#55
○小松證人 今申し上げたような点でございます。
#56
○武藤委員長 それだけでは納得がいかないようですけれどもね。
#57
○小松證人 私が印象を受けたのはそういう点で受けております。
#58
○武藤委員長 そういたしますと、このほかの、鉄についてはどことどことか、大きいのはこのくらい、小さいのはこれくらい、非鉄については大きいのはどこ、小さいのはどこというような話合いは出ないのですか。
#59
○小松證人 それはあまり詳しい話合いは出ませんです。
#60
○武藤委員長 向うからも質問がない。
#61
○小松證人 はい。
#62
○武藤委員長 あなたからも話はない。
#63
○小松證人 はい。
#64
○武藤委員長 それでは五社はどうしてきまりましたか。
#65
○小松證人 今申し上げましたように、非鉄三社のことは全然私は存じません。どうしてきまりましたか存じません。鉄の二社のことは、鉄鋼統制会の会長のおともをして、日本鋼管の常務と、二人連れていつた関係で、それが一番先にきたかもしれませんが、これらの会社はともかく非常な鉄鋼界で有力な会社であつたということを認められただろうと思います。但しこれらの二つの会社だけにしようということをバラード大佐が考えられたかどうか、それは私は存じません。
#66
○武藤委員長 青木という人の前の証言によりますと、五社についてはバラード大佐の方でこれがよかろうというほとんど命令に等しい話があつて、それに從つたのだというような趣旨の証言をしておるのですけれども、あなたはそういうことは聽いておりませんか。
#67
○小松證人 あのときに五社の名前を言われましたかどうか、私はたしか言われなかつたような氣がいたします。いや、五社のことは言われておりません。非鉄のことは全然そのあとまでは知らなかつたのでありますから、言われておらなかつたと思うのであります。鉄の方は言われたかも知れませんが、私どうも記憶がはつきりしておりません。
#68
○武藤委員長 それではバラード氏の方から五社にやらした方がよいというこれを言つた事実は全然ないですね。あなたに関する限りは。
#69
○小松證人 はい。私にはございません。
#70
○武藤委員長 ほかにそう言つたということを聽いたこともない。たとえば青木氏なり、あるいは商工省の方から、菅波氏なりですね。
#71
○小松證人 はい。ないです。
#72
○武藤委員長 この五社による委員会ができましたのはいつごろですか。
#73
○小松證人 十一月の一日でございます。
#74
○武藤委員長 一日が発会式というか、結成をやつたわけですか。
#75
○小松證人 はい。そのときに商工省、内務省の方々がおいでになつて、やることになりました。
#76
○武藤委員長 そうしてあなたが委員長ということに互選せられたわけですか。
#77
○小松證人 さようでございます。
#78
○武藤委員長 互選せられた事情は。
#79
○小松證人 その事情は、前の非鉄のときに、バラード氏が、実業界の人間で、よく英語ができて、自分たちと連絡がとれる人間を選んでもらいたい。私のことなんどは全然におつしやられはしませんでした。しかしそう言われるので、私はその場で非常に氣まずい思いがいたしまして、もうこれに関係はしない方がよいということを皆さんに申し上げたことはございます。非鉄関係の会社は私を全然御存じなかつたことでございますし、それから非鉄の方をひつくるめた委員長を私にもつてくるということは、私に賛成でなかつたかもしれません。私は皆さんがどう感じておられるか知りませんけれども、そういうふうな氣がいたしましたものですから、私は全然これに関係はしないことにしようと自分では考えたのでありますが、その後菅波総務局長からも、いろいろな周囲の事情から、お前がやるのが一番よいのだ、委員会がそういうふうに選挙すれば、やるのがよいのだというふうなことを言われましたので、この大事な仕事を、自分の力は不十分ではあるけれども、何とかしてやらなければならぬという氣持から、お引受けしたのであります。私は委員の一人ではなかつたのであります。つまりどの会社の代表者でもなかつたのであります。但しそのときには、経済團体の渉外部長とか何とかいうふうな名前で、そういうように選ばれたのでございます。
#80
○武藤委員長 あなたのお話を今まで伺つておりますと、先方との接触の始まつたことにつきましても、委員会をつくることについても、五社の選定についても、あるいはまた委員長に就任せられることについても、非常に消極的な、受身の立場でおられたような印象を受けるのですが、この委員会であなたにかけておる疑いというのは、終戰後むしろあなたが非常に運動せられて、この五社を選び、五社を推薦し、この委員会をつくり、あなたが委員長に就任せられたというようなことではないかと、まあ考えておるわけです。
#81
○小松證人 私は、そういうことは絶対にないと、今ここではつきり申し上げたいと思います。
#82
○武藤委員長 兵器処理委員会ができまして、仕事を始めたようでございますけれども、どういう政府との約束で仕事を始めたのですか。
#83
○小松證人 政府からのその約束につきましては、この仕事が、どれだけの量があるか、どこに何があるかというようなことが、全然わからなかつたものでございますから、取極めとか、いろいろなこまかい点はなかなかなし得なかつたのであります。各社ともいろいろな損ができはしないか、損を背負いこむことはすでに痛手を負うておる会社はみな困るというので、非常に控え目であつたと思います。しかしバラード大佐及びアメリカの方は、これを早く処理しなければ、だんだんと物はなくなつてしまう、あるいはあとで役に立つものが立たないように処理されてします。それではいけないから、一日も早くこの仕事にかかれ、こう激励されましたので、こまかい取極めがはつきりしないうちから、仕事をやる準備をいたしましたのでございます。しかしその間には、どこまでも政府の監督のもとにやり、委員会の席上などでは、必ず商工省の代表者の方々か、あるいは内務省の方々もおいでになつたこともございますし、ほかの関係のお役所の方々もおいでになつて、一緒に御相談をしながら進めたのでございます。そのために契約書のようなものが遅れましたけれども、それがしつかりできるまで仕事を待つておることができなかつてのでございます。
#84
○武藤委員長 何にもそれじや、費用がどうなるとか、拂下げの値段をどうするとかいう話合いというものはなくつて、ただ漫然と始めたわけですか。
#85
○小松證人 いや漫然とではございません。費用がどれだけかかるかわからないものでございますから、どんな損害が起るかもしれない。そこで委員会社のうちには、政府に補償をしていただきたいという風な希望も出まして、政府でもそれを考えてやる必要があるではないか。それから全体の仕事はプール計算でやろう、一つの会社が損をしてもまたほかのところで有利なものもあるかもしれないということで、プール計算でやつていこうではないか。しかし各自が自分の担当をした地域については全責任をもつてやるというふうな打合せで始めたのでございます。
#86
○武藤委員長 それではとにかく仕事は急いでやるが、損が起つて場合には政府から補償をしてもらおうという話で始めたわけですか。
#87
○小松證人 そういうふうな話が起りまして、政府も、政府と申しましても商工省あるいは内務省の方々がそれを御承知の上で御協力をくだすつてと私は思つております。しかしながらこれも損を出すということは私どもの考えとしてはもう絶対になすべきことではない。何とかしてこれを有利にもつていかなければならぬという決心をもつたのでございますが、各社の責任者としてはこの仕事を引受けたために会社に対して損害が起つては自分たちの責任上困るというふうな考えが非常にあつたと思います。それで計算は全然別にしてやるということにも一番初めからきめられまして、各社の計算とは全然別な会計でこの仕事をやろうというふうにきめられたのでございます。
#88
○武藤委員長 何がどのくらいあるかもわからないし、どのくらい費用がかからかわからないという御説でありましたけれども、全然素人ならば別ですが、五社は日本におきましても有力な業界のその道の者でありますし、何があるというふうなことも大体見当はつくと思うのであつて、スクラツプもまたどのくらいするということも見当がつくのでありますからして、損がいくか得がいくか、どうなるか、てんで見当がつかないというようなことはないはずだと思うのですが、そうではなくて五社が政府にそういうふうな話をもちかけて、事情のわからない役人とそういうふうな話をしたわけではないですか。
#89
○小松證人 その当時のことを考えていただかなければならないと思いますが、混沌たる状態で何もはつきりしたことがわからない時代でありまして、それが倉庫にしまつておる品物、資材とかあるいは被服でも食糧でも、軍需品であるといたしますけばわかつたかもしれませんが、どこかの山の陰に落ちている飛行機がどれだけあるか、あるいは各航空機の基地にどれだけのものがあるか、それから方々に疎開されて、あるいは山の穴の中に入れてあつたようなもの、どこにあるのかわけがわからないのであります。そういう状態でありますから、私どもには全然見当もつかなかつたのでございます。私は再三八軍の方にも一体どういうものがどれだけあるのでございましようかということをお尋ねいたしました。これはまだこの仕事を始めるとか始めないとかいうことのきまらないうちで、六日のそういう話があつたすぐ直後でございますが、そのときに八軍の方々から示された向うの内部の書類だと思いますが、横須賀の工廠にはこういうものがあるというふうな表は出ておるけれども、その通りではないのだということが向うの内部で言われておつたのでございます。これは結局方々の山の穴だとか、いろいろなところを見て調べなければわからないというふうなことを八軍の方々からも伺いました。なおその当時八軍に伺いましたことは、東の方、東部をイーストと言つております。ノース・イーストに何があるというようなタイプライターの一枚か二枚の表に、拳銃がどのくらいどこにあるとか、ノース・イーストにあるとか、鉄砲がどれだけあるというふうなごく大ざつぱな数字しかなくて、これもしかし非常に一部的なものでございます。それであの山の大砲はどうするとか、こちらの方にあるタンクはどうするかというふうなことがだんだんとわかつていつて見当をつけてまいつたのでございます。バラード大佐からも再三――仕事をしておりますと毎月一回ずつ御報告申し上げたのでありますが、どのくらいあるのだということを聽かれましたけれども、そのあつた数量を申し上げることもできず、向うからも教えていただくことはできなかつたのでございます。そういうふうな状態でございました。
#90
○武藤委員長 わかりました。そうするとあなた方の考えではこれを引受けるというと得をする見込よりも、損をする見込の方が多かつたわけですか。
#91
○小松證人 その当時はスクラツプなど使い手がなかつたのでございます。製鉄工場はどこも動いておりませんし、燒跡には方々にスクラツプがちらばつておりまして、金属の回收工場なども回收することができなかつた。しかも一方にはトラツクがなかつた。いろいろなことがございまして、今後スクラツプがどうなつていくかということは全然見当がつかなかつたのであります。私個人といたしましてはこれは非常に貴重の資材だと思いまして、いかなることがあつてもこれはすべての力を注いで集めていかなければいけない。それで私委員会の方々にこれを非常に念を入れて集めて、大事に守らなければならぬ、貯藏についても、取扱いについてもやらなければならぬ、これは將來必ず日本のために最も大事な資材になるのであるという意味のことを申し上げておつたのでありますが、それがどうなるのかということはその当時全然わからなかつたのでございます。
#92
○武藤委員長 それでは損がいくか、得がいくかわからないということですか。
#93
○小松證人 その当時のそろばんの上では得がいくようには出て來なかつたと思います。しかし私の信念としては、非常に大事な材料であるから、必ず貯藏して將來のために備えなければならぬと確信しておりました。
#94
○武藤委員長 損がいくか、得がいくかわからないけれども、損がいつたら補償してもらおうということでありましたか。
#95
○小松證人 個人的には私は損がいくとは思つておりませんでした。しかし各社の会計を担当する人は会計の上からどうしても自分の職務上得がいくようなそろばんが出ないのにかかわらず、どんどんやるということはできなかつただろうと思います。それで万一損がいつたときには補償していただきたい。しかしその場合にプール計算でやつてこうじやないかというのは、損がいつたときには利益を出し得るところから埋めてもらうということで始めたのでございます。
#96
○武藤委員長 どうもあなたの話を伺つておると、あなた個人としては損がいくとは思わないかもしれないが、五社の諸君とすれば損がいくかもしれないという心配の方が多かつたような……。
#97
○小松證人 相当に私は心配をしておつた方があつたのではないかと思います。なぜかと申しますと、どのくらいの処理費用がかかるかということが全然わからないのでございまして、届くことのできないような山の中、僻地にあるものもございますし、大きなもので運搬することのできないものもあると聞いておりました。それから当時トラツクなどはなかなか手に入れることもできなかつた。どういうふうにして運搬してよいかということも見当もつかなかつた場合でございます。
#98
○武藤委員長 それでは損がいくかもしれないという仕事ならばあえてこれは五社で引受けないで、十社なり十五社なり、他の中小業者も加えて損失を分担するようなことにすればよかつたのではないですか。五社だけでやつたということは、相当利益があがるという見込みがあつてやつた仕事ではないのですか。
#99
○小松證人 私はその当時のお話から推察いたしますると、こういうはつきりしない仕事は、しかも相当大きな量になり、すぐにもしなければならない仕事は、相当技術的にも人力的にも、力をもつた所でやらさなければだめだ。あまり多くの人たちがはいると、かえつて仕事がまとまらなくなるからして、最も信頼できると思われる五社にやらせた方がよいということからきめられたのだと私は考えます。それからほかの会社がこれをやりたかつたかどうか。おそらくその当時で言えば、あまり希望されなかつたところがあるのではないかと思います。しかしこれは私が今自分で思うだけでありまして、それ以上のことは申し上げられません。
#100
○武藤委員長 私が伺つておるのは五社を入れたことをふしぎに思うのではないのであつて、五社以外のものが全然はいつていなかつたことを不思議に思うわけです。
#101
○小松證人 さつき申し上げたように、五社の選定について私がこれだけやるということは、自分がやつたのではございませんからわかりませんが、こういう仕事はどうしてもしつかりした、組織的に仕事をなし得るところに託すのが一番いいという考えから五社にきめられたことと思います。それから仕事の部分によつては、希望されるほかの会社にもそれを担当してもらうことも考えられた。そういうふうに担当していただいたところも数箇所あると思います。
#102
○武藤委員長 逆に考えてみますと、この委員会でこういうふうな問題を取上げて調査をしなければならないということは、御承知の通りたいへんしつかりしておるべき五社が、一向しつかりしたことをやつてくれなかつたということにもなるわけなのでありまして、私どもから考えると、どうも五社だけが独占をしてうまい仕事をやつたのではないかというような疑問があるわけなのです。利益があがつた場合にはどうしようというのですか。今損の方を聽きましたが……。
#103
○小松證人 政府に全部お納めすることになつております。
#104
○武藤委員長 それは実際の費用その他をかけて、もし利益があつたら納める。どのくらいになる見込みでありましたか。
#105
○小松證人 これは各自のものの見方によつて違うだろうと思いますが、私は相当大きなお金を納めることができるのではないかと思つておりました。それでいろんな時期におきましてそういう計算をしたこともございます。しかしこれはスクラツプの値段のきめ方によつてきめられるのでありまして、一体いくらぐらい納め得るかということ、そういう机上の基礎のもとにしかできないのでございます。私は一億とか何とかいうお金は当然納められる。あるいはもつとできるのじやないかと思つておりました。今日でも処理のしかたによつて相当な大きな金額を納付できると自分は考えております。ただこれは私の考えだけでございますから……。
#106
○武藤委員長 結果は反対のようでありますけれども、そうするともう一度伺いますが……。
#107
○小松證人 結果の反対ということは、今申し上げたスクラツプの値段のきめ方でございます。たとえばスクラツプの工場渡し千円に賣るという値段のときに、しかも汽車の運賃が非常に上げられまして、千数百円運賃にかけなければならないという場合には、損が出ます。なぜかと申しますと、値段はきめられておるのに費用の方はどんどん上げられてまいつております。しかしこれは世界的の事情から見ますと、今最も有利に――もつと將來有利になるかもしれませんが、相当有利に処理ができると私は判断します。
#108
○武藤委員長 当時あなたは相当利益があがるのではないかと考えられておつたようでありますが、それは委員長のあなたのお考えであつて、五社の代表者は、先ほど会計はあまり得ではないかもしれないというようなお話がありましたが、どこのものは利益があがると思つており、どこのものは損がいくと思つておつたというように、各社についてお話が願えますか。
#109
○小松證人 みんな心配はしておりました。私自身は、こんな貴重な材料だから、どうしても國のために保存しなければならぬと思つておりましたが、そろばん上は、私どもにすぐその場で利益が出るとは言えなかつたのであります。もつとも、一般的には非鉄の方がいいのじやないかというような初めの印象もあつたように思います。
#110
○武藤委員長 数量はどのくらいある見込みでありましたか。
#111
○小松證人 その数量については全然初めは見当がつきませんでした。これはバラード大佐からもしばしば聽かれましたが、初めの数箇月はなかなか仕事が進まなかつた。それで一月三万トンとか五万トンくらいしか報告が出てこない。こんなことでどうするのかといつて、非常に激励を受け、お叱りを受けました。各社から出ております数字を総合いたしますと、初めは六十万トン、七十万トンであろうかというような見当でございましたが、だんだんその見当が殖えてまいりまして、結局今日の数字になつているのでございます。しかしこれは廃兵器だけでございまして、ほかの資材は含まれていないのでございますから、その点申し上げたいと思います。ずいぶんほかにたくさんの資材もあつただろうと思いますが、それについては兵器処理委員会の関係のものではないのであります。
#112
○武藤委員長 連合軍が日本政府から武器を接收しまして、さらにそれを日本政府に返還をして、それをあなた方の方に拂下げたという順序になると思いますが、その間に正確なリストはないのですか。
#113
○小松證人 つまり日本政府からこちらにいただくときには受取を出しております。しかし連合軍から、これだけのものをどうするかというようなことは、連合軍とこちらとは品物の受渡しについては直接関係はない。縣廳なり、中央連絡事務局なりの御当局に対して受取を出しております。それに関連しまして、各社がストツク、リストをつくりまして、どこに何があるというこまかい表を出させましたのでございます。
#114
○武藤委員長 委員会の業務について、あなたは委員長でありますが、経理、作業等についてどの程度の監督をしておられましたか。
#115
○小松證人 こういう仕事でありますから、初め委員会を毎日のように開きまして、仕事の行き方について相談をいたしましたが、どうしても事務局を完備しなければいけないというので、事務局長を選びました。これは鉄鋼統制会の会長の推薦で藤澤君を選びました。藤澤君は鉄鋼統制会の原料の方の班長をしておつたと私は思います。それから、むろん事務局長の下でだんだん職員の整備ができたのでありますが、方々の会社から出していただきました。ただ非常にむづかしい問題は結局仕事が日本中に拡がつてまいりましたのと、それから各社ともいくらかずつ違つたやり方で仕事をする習慣がついておりますから、一定の方法をとることがなかなか困難でございまして、委員会といたしましては、なるべくこれを一定の方法に会計の報告などをしていただきたい。こういうことから、会計に関する方々の特別委員会をつくりまして、始終相談をしながら仕事を進めてまいりました。しかし私自分の考えでは、こういう仕事は各自が十分な責任をもつてやつてくれなければ、一年か二年続く仕事でそう完備した監督はできない、これをやるには各自に熱意をもつて正直にやつていただくよりほか仕方がない、こう私は思いまして、それで各社の責任者が、その社の社長なりあるいは常務なり、責任ある重役に先頭に立つていただき、その方々が全部私の考えておるようなことを感じられて、この仕事はお國のためにやろうという熱意をもつて当られたのでございます。その方々に監督を十分にお願いするほかには、私は結局途がないと考えたのでございます。しかしながらなおこれをチエツクするために報告を始終とらなければいけないと思いまして、ストツク・リストなり、そういう報告はなかなか出しにくいのでございますけれども、ずいぶん苦労させて集めてまいりました。これには八軍に報告をしなければならぬとか、私はいろいろな口実を使いまして、みんなにむりやりに出させるように、みんなはいやがつて出さなかつたのではないですが、これが非常にめんどうな仕事なのでつい遅れがちになる、それを一生懸命出させました。そのほかに各社から一人ずつ人を出して監査にまわるチームのようなものをつくらせたのでありますが、なかなか人のところに行つてそう突つつきまわすことは非常に困難なものでありまして、それが私の思うようには参りませんでした。なぜかというと、非常に短かい期間でございます。それから会計檢査院のお調べもいただいておりまするし、兵器処理班とか、政府の方々も常に監督を受けておりましたので、これらのことでやるよりほか途はない、私はこう考えておりました。
#116
○武藤委員長 私の質問はきわめて概括的でありますが、諸君から適当に御質問を願います。
#117
○明禮委員 証人は日本鋼管の重役をなすつていらつしやいましたが、いつからいつまでやつておられましたか。
#118
○小松證人 一九四〇年十月から一九四六年、終戰の次の年の四月まで日本鋼管に関係しておりました。
#119
○明禮委員 そうしますと、あなたは兵器処理の事務にお携わりになりましたのは昭和二十年の十一月一日ですか、十月の三十日ごろからですな。
#120
○小松證人 さようでございます。
#121
○明禮委員 そうすると、その当時日本鋼管の役員でもあり、かつ兵器処理委員会の委員長でもあつたわけでございますね。
#122
○小松證人 さようでございます。しかし日本鋼管の役員として兵器処理委員会の委員長になつたのではなく、日本鋼管からは渡邊政人が委員として兵器処理委員会に出ております。私は日本鋼管でなしに、今の渉外関係のお世話をしておつたことから選ばれたと思つております。
#123
○明禮委員 そこを私はお尋ねするつもりはなかつたのでありますが、あなたがそうおつしやるから申し上げますると、こういう大事なものをお扱いになるときには、日本鋼管の方の役員はおやめになるのがほんとうでなかつたでしようか。日本鋼管が五社の中にはいつていなければよろしいのですが、はいつている場合には、日本鋼管としての責任はあなたはおありになる。そうすれば、たいてい普通の人ならばそういう場合にはきわめて公的な立場におつきになる公明な立場からいたしましても、さらりと鋼管の方の責任はお解きになつておつきになるか、しからざれば鋼管の役員であるならば委員長は辞退なさるか、どちらかではなかつたかと思うのでありますがいかがでございますか。
#124
○小松證人 私の感覚が鈍かつたかもしれませんが、私は日本鋼管の役員であるにもかかわらずやらされたのでございますし、自分は日本鋼管の役員であつたから日本鋼管のために仕事をするというふうな考えでなしに、御奉公するつもりで進んでまいりましたので、そのときにすぐに日本鋼管をやめるということは考えませんでした。しかもこの仕事は献身的にやらなければならぬということで、收入にも何にもならない仕事でございましたので、何とかして食うことも考えなければならなかつたので、こう思うのでございます。
#125
○明禮委員 收入にならないのだからというお話だからそれでお尋ねしますが、こういうことをおやりになるのには、一体委員長としてもある程度報酬をおとりになり、五大会社といたしましてもある程度の利潤を與えるようにしなければならなかつたのではないでしようか。その点はどういうふうにお考えになつたのですか。
#126
○小松證人 その当時は私どもはそういうようなことを考えずに、とにもかくにもこの貴重なるものを早く処理して貯藏しなければならぬということばかり考えておりましたから、後日これがために非常に疑いを受けるとか何とかいうことは、私としては想像もしておらなかつたのであります。
#127
○明禮委員 それではまたもとに戻りまして、この兵器拂下の問題につきましては、先ほど証人が言われました通り、あなたは経済團体連合委員会の渉外部長というお役になつておられて、こういう経済團体の委員会等において廃兵器等の処理方法のいろいろな具体策を練られまして、そうして進駐軍あるいは官廳方面にこの拂下の運動をなさつたのではありませんか。
#128
○小松證人 そういうことはいたしたことはございません。
#129
○明禮委員 ありませんか。
#130
○小松證人 ございません。
#131
○明禮委員 これは言葉をどう使つたらよいかわかりませんが、とにもかくにもあなたが関係方面にこの拂下の運動をなさつたということをはつきり言うている者があるのですが、あなたはそれは違つておりますか。
#132
○小松證人 私は自分がはこの仕事を請け負おうとして運動したなどということは絶対にございませんということを皆さまに申し上げたいと思います。
#133
○明禮委員 この経済團体連合会の中には、日鉄とか日本鋼管とか、あるいは扶桑金属、古河電氣あるいは神戸製鋼は、そのメンバーではありませんか。
#134
○小松證人 経済團体のメンバーの中には神戸製鋼の淺田氏あたりははいつておられたと思います。古河の方はどなたがはいつておられたか、私はあまり個々の会員については存じておりません。
#135
○明禮委員 日鉄の方はいかがですか。どなたかはいつておるのじやありませんか。
#136
○小松證人 おられたと思います。
#137
○明禮委員 だれか一人くらいずつはいつておりますか。
#138
○小松證人 おられたかと思います。
#139
○明禮委員 五大会社の人はこの連合委員会の中のメンバーとして一人ぐらいずつははいつておる。
#140
○小松證人 と思いますが、私名簿もよく見ておりません。
#141
○明禮委員 この方々とあなた方は相談をなすつてこの兵器の拂下の実情に即するようにお考えになつたのではありませんでしようね。
#142
○小松證人 私はその方々と相談をしておりません。
#143
○明禮委員 この当時内閣に特殊物件処理委員会というものが設けられたようであります。これは御承知でありましようか。
#144
○小松證人 あとで伺いましたけれども、その当時はあまりよく存じておりませんでした。
#145
○明禮委員 あまり深く関係しておられませんでしたか。
#146
○小松證人 全然関係はいたしておりません。
#147
○明禮委員 そこでこの契約と申しますか、あなたは青木さんと契約をしておられるようでありますが、これは二十一年の五月十六日に契約ができておりますね。普通ならばこの定款ができましたときに、二十年の十月三十日ごろ、この契約書をつくるべきではないかと思うのでありますが、何がゆえにかくのごとく遅れたのでありますか。またこの契約は普通から言えば内務大臣が相手方になるべきものではないかと思うのでありますが、何がゆえに調査部長青木という人になつたか、その事情をお述べ願います。
#148
○小松證人 その契約につきましては、お話は初めからあつたのでございます。始終打合せをしてどういうふうにやるかという相談を進めてまいつたのでありますが、混沌たる時代でありましたので、なかなかいろいろな條項がまとまらなくて遅れたのであります。しかし契約がないからといつて仕事をやらないわけにはいかないので、仕事の方は進めたのであります。一方内務大臣となぜ契約しなかつたかという御質問でございますが、これは私どなたとするべきものであるかは御当局の指示によつていたしたのでわかりません。
#149
○明禮委員 青木さんとは大分御懇意でございますか。
#150
○小松證人 全然懇意ではありません、私は先ほど申しましたように、十月十八日にバラードの所で会つたのが初めてであります。
#151
○明禮委員 この契約書を拜見し、またあなた方がおつくりになつた定款を拜見いたしまして、私どもは十分にわからないところがたくさんあるのでありますが、第一先ほどからも大分述べられておるのでありますが、根本的に廃兵器の拂下というものは一体有償でやるのか無償でやるのか、どういうことになるのでありますか。
#152
○小松證人 これはかかりました費用を收入から引きまして、あとを政府にお納めすることになつておるのであります。
#153
○明禮委員 そういたしますと、拂い出した費用と申しますると、作業費とか、これには運送費もはいりましようしあるいは委員会の費用とか、その他会社の方でいろいろ使つておるようでありますね。そういう費用をおつしやるのでございますか。
#154
○小松證人 さようでございます。この処理に要しました費用でございます。
#155
○明禮委員 そうすると、一体どのくらい費用をかければよろしいかということについてのお考えは、あなた方はなかつたのですか。飛行機一台についてどう、あなた方の鉄鋼の方ならば戰車一台についてどう、およその基準というものができ得るのじやないでしようか。なぜ費用についての基準をおつくりにならなかつたのでありますか。
#156
○小松證人 それは委員会で再三研究いたしまして、たとえば日本製鉄が一トンのものを処理するにどのくらいかかり、日本鋼管ではどのくらいかかるということを両方でもち寄つて研究をいたしたのでございます。しかしながらそれらが各自非常に違つたものでございますのと、轉活用できるものがたくさんございまして、たとえばタンクのようなものは毀してしまつてスクラツプにしても、ああいうものを毀すのには相当費用もかかります。ところがこれを改造してブルトーザーのようなものにして使つたらまた有利に使えるんじやないだろうかというような話もありまして、各縣とか都ではそういう方面に使いたいという希望がたくさん出ております。それにつきましても技術的に方々で研究をしてもらいまして、何百台かそういう方面に使つたのもございますが、そういうふうに非常に複雜しておりますのでお前のところで幾らかかる、お前のところで幾らかかるというふうにはつきりきめることはできなかつたのでございます。お互いいろいろな知識をもち寄つて研究し合いながらまいりましたのでございますが、何しろどこにどれだけの数量のものがあるかということがわからないものでございますから、全体的に幾らかかるというようなことは計算ができません。たとえて申しますと、山のてつぺんあるいはどつかの島の上かなんかに砲台がございます。そこに大きな大砲がございます。その大砲は動かすことはできない。切れば動かせますが、切るにはいろんな設備が要つたり材料が要つてできません。それでやむを得ず、そんなものは進駐軍の許可を得て向うの監督のもとにそこに埋めてきたのもございます。全部向うの軍部の許可を得て監督のもとにやつた。それなどは一銭にもならない。回收できない費用でございます。そういうふうにして一括的にどうするということは言えなかつたと私は考えております。
#157
○明禮委員 それはきわめて稀なものをあなたは出しておられますけれども、一体航空機のようなものはどうですか、そうむつかしいことはありますまい。それじや航空機のようなものは一台なんぼくらいの費用しかかけないという基準をなぜつくらなかつたか。
#158
○小松證人 それは各非鉄金属の方の人たちが集まつて、そういうものを研究して仕事を進めてきたと私は思つております。
#159
○明禮委員 今日私どもはこの委員会であなた方を喚問しておるのは、あなたは委員長としてすべてに携つておる大責任者である。その責任者が各社の寄りもちとか、あるいは勘定がどうとかいうことによつてあなた方が逃げておることは許されない。
#160
○小松證人 私は自分の責任を決して逃げるというふうな考えはもつておりません。
#161
○明禮委員 しからばそういう場合にあなたが委員長として全部そういつたような組立をなさつたときに、しかもあなたは業界の玄人です。その人がこういつたようなことについて何らの考慮も拂わないで、どれだけかかつてもかかりほうだいというような実情におかれたということはあなたの責任じやありませんか。
#162
○小松證人 かかりほうだいにいたしたというのじやありません。それは各社がもち寄りまして研究して、お互研究の結果こういうふうなものとなつておるのであります。それでなお非鉄金属部には小委員会の委員長もおります。私どもは非鉄金属のことなどあまりよく知りませんから、それでその人たちにも十分研究してもらつて進めてきたのであります。しかも政府の担当者がそこにおつてずつと指導をしてくださつたのでございます。
#163
○明禮委員 しかし結果において、今日一番問題となることはいわゆる作業費とか、運送費とか、あるいは交際費というようなものが、ある会社においては千四百万円も交際費を使つておるところがある。運賃にいたしましても自分の都合のいいところまで全部運ばして、そこへ運ばしたものを自分の会社で安く――よそのところへは六千円に賣つているものは自分のところは二千二百円くらいに買取つておるというようなものばかりではありませんか、そういう会社はみなあなたの統率のもとにあつたのではありませんか。
#164
○小松證人 私はそういう監督統率はしておりません。
#165
○明禮委員 会社を統率しておらぬかもしれませんが、五大会社を統率しておつたのはあなたではありませんか。
#166
○小松證人 私はデイクテイターではありませんでした。みんなで仕事をまとめていくものだと思つておりました。
#167
○明禮委員 しからばこの委員会においては何をしておつたか。何をやるのですか。構成並びに権能を言つてください。
#168
○小松證人 構成は、各会社が自分の担当地域においては全責任をもつて仕事をするという仕組でスタートしたのであります。なぜかと申しますと、仕事をしなければならぬのに委員会でもつてやつておつたのでは間に合わない。それは現場におる人に案を立ててやつてもらわなければ仕事ができなかつた。それでありますから日本製鉄なら日本製鉄に全責任をもつてその仕事を進めてもらうことに委員会の打合せができ上つたのでございます。しかも委員会で私がこうしろああしろと言つたところで、できない注文をしたところで仕方がないのでありますから、一番担当者がいいと思つたやり方でやつてもらうよりほかには途がなかつたのでございます。
#169
○明禮委員 委員会では、配分あるいは價格の点においても、あすこで統一をしておつたのではありませんか。
#170
○小松證人 配給につきましては特別委員会というものをつくりまして、その特別委員会には政府の代表者が見えておられました。そうして政府の代表者と委員会の者とで結成しておりました。
#171
○明禮委員 その委員長はあなたでしよう。
#172
○小松證人 私も委員長でございました。しかし私が勝手に値段をきめるのではなく、どこに賣るということをきめるのではなく、委員会の決議によつてきめられたのでございます。
#173
○明禮委員 それはそうですが、好結果にいつておれば文句はないが、今日かくのごとき兵器処理において費用が十三億も十四億もかかつて、今日たくさんな費用を國民に負担させなければならないような事態を招來した。こういうことはあなた方の初めの氣持は國家的な氣持でおやりになつたのかもしれません。けれどもこの結果を招來したことは一にそういう初めからの費用を出資するについての大原則をあなた方がきめなかつたことに起因すると思います。
#174
○小松證人 いや、たとえば一トンの鉄を処理するにはどの見当でやるということはきめておる。六百円とか六百五十円とか……。しかしだんだんと費用が高くなつてまいりますので、いくらときめてもその通りにはいかないのでございます。しかしながら今日処理しました鉄がいくらになつておるか、私は最近の数字は存じておりませんけれども、ここに残つておる鉄がいくらについておるかということを考えますと、國家にそんな損害を來したとは今のところでは考えられないのでございます。どういう数字が出ておりますか私は存じませんけれども、ここに貴重な資材がございまして、それに対する費用を研究してみていただけば、そんなに損が出ておるとは私は想像もしておらないのでございます。
#175
○明禮委員 けれども各社が、日本鋼管を初めとし扶桑金属、古河、ほかの会社もあります。みんなすべてそういう取極めがないためにあらゆる部面に交際費にもつていつたり雜費にもつていつたり、すべての費用がよけいかけておる。たとえばやや極端な例を言いますと、再生塊の費用のごときものは、実際に仕事をしたのは約七割か六割でできておるにもかかわらず、公定があるから公定でみなとるというようなことは、あなた方の監督の不行届きもある。どうです、あなたは責任はないですか。
#176
○小松證人 私は各取引につきまして一々價格をきめるというところまではとうてい私の力ではできないのでございます。それでその会社に責任をもつてやつてもらう。しかもそのきめたことは委員会で決議をしてきめて承認をして、しかもそこに政府の当局者がきて見ておられる。そういうふうにするよりほかに私には途がなかつたように考えておつたのでございます。私は力が足りなくて拔けておるところはたくさんございましようけれども、私はそれが一番いい方法だと思つてそういうような仕組みでやらしたのです。
#177
○明禮委員 それは初めはそうでありましたでしよう。こういう問題を取扱うときに一体あなたはこれは國家のものとしてお取扱いになつたのですか。会社に拂下げたのだから会社の事業としてお考えになつたのですか。
#178
○小松證人 私が先ほどから申し上げようと思つておりましたことは、私はお國のために大責任だと思つて私どもは始めたのでございます。
#179
○明禮委員 それでしたら國家のものとしてお取扱いになるならば、会社みずからが、あなたの日本鋼管がかようなものをほかの人にならせる場合に、費用はどれだけかかつても構わないで、無制限でこういう仕事を日本鋼管はほかの人におやらせになりますか。またあなた自身の事業としてやらせるときに、こういうような場合において費用がどれだけかかるかということについての基準を一つもきめないでそういう仕事をやらせますか。見積書やすべてのものをとつてすべてやるじやありませんか。
#180
○小松證人 見積書をとつてやらせるというふうなことは許されなかつた場合が多いのでございます。たとえば私は一々の仕事を自分で日本鋼管の人間としてやつておつたのではないのでございますから、日本鋼管とか日本製鉄とかやつておる会社が一つ一つの担当はいたしませんでしたが、それらの会社が仕事が遲れるということで進駐軍の方から私どもの方へ、なぜ早く片づけないのかというお小言がございました。そこで行つて見ますと、三日のうちに片づけろというふうなことがありました。こういう見積りをとつてやらすことができない仕事がたくさんございました。
#181
○明禮委員 よくわかりました。あなたに前にここでお尋ねしましたときにも、バラード大佐が立会つたというようなことを述べられたのでございますが、あなたはそういう特別な例外のことを指摘しておられる。一体初めからあなた方がやられておる契約書を見ましても、あるいは解体兵器等の処理機構に関する件というのに出ておる規定からいたしましても、初めから赤字を予定しておつたではありませんか。すべて損失の補償についての予算的措置を講ずるというところまで初めからかかつておるじやありませんか。
#182
○小松證人 それは会社の担当者の心配の上にできたのでございまして、こういうふうに損失などということは絶対ないように皆努力をさせるように私は努めてまいつたのでございます。
#183
○明禮委員 損失がないように努力なさいましたならば、今日各社が自分のところだけ安く拂下げるというような行動はとつていないはずです。費用もむちやに一千四百万円の交際費を使うなどということはしておらぬはずです。また第二会社を作りまして、その会社に拂下をして、第二会社であらゆるやみ賣りをしておるというような事実がある。こういう問題についてあなたは委員長としてやはり責任を負わなければならぬ。
#184
○小松證人 私が委員長をしておりましたのは去年の八月の末まででございますから、その後に起つたことは私は存じません。
#185
○明禮委員 それまでのことの責任を追究します。
#186
○小松證人 しかし第二会社をつくつてやるということは、私は第二会社についてはあまりよく知りませんが、失業者を救済する意味で各社がやられたことと思うのであります。それにそういうふうにむちやな値段で拂下げるなどということは――拂下げたかどうか私は存じませんが、しかしそんなことは相当な説明を聽く必要があると思います。それは私の存在中ではなかつたと思います。第二会社につきましては交際費がどうとかこうとかいう問題は、その仕事の量によつてもございましようから、そういうことを考慮に入れて、これは正しいのじやないかということが言われる場合には各社の説明を求めたいと思います。しかし私が一々それをチエツクすることができないのは、報告をとることすらもなかなか困難であるような急場の仕事でございます。
#187
○明禮委員 この特別委員会においてあなた方がやつておられるとか、あるいは先ほども出ておりましたが、兵器処理委員会において各会社をあなた方が監督されたのは、いかなる方法で監督されましたか。
#188
○小松證人 兵器処理委員会においての監督が非常にこういう仕事には困難だと思うので、その会社の首脳者に責任を負わせる方が、その会社の首脳者がその氣持でこの仕事に当ることが一番いい方法だと私は考えて、第一にそれに力を注ぎました。その次には各社からやつた仕事の報告を始終出させる。報告を出すということは、きちんと仕事をやらなければできないのでありますから、きちんと仕事をさせるために報告を始終出させるように努力いたしました。
#189
○明禮委員 その責任者にしてもし犯罪にひつかかつておる者があつたとすれば、その責任はやはりあなたが負われるのですね。
#190
○小松證人 その責任者と申しますと……。
#191
○明禮委員 あなたの就任当時そういう人が犯罪を犯して、早く言えば檢察廳で起訴になつておるようなものは、やはりあなたが責任をお負いになりますか。
#192
○小松證人 私の監督の不行届があつた点は非常に遺憾に思いますが、今日委員長が全部の、何万人という人間の行為について全責任を負わなければならないかどうかは、ちよつと私今判断ができないのでございます。しかしできるだけまつすぐな道に正しく導こうと努力してきたことだけは申し上げることができます。
#193
○明禮委員 特別委員会の構成はどういつたような人を構成員にしておられたのですか。
#194
○小松證人 委員会社のほかに、内務省、商工省、それから運輸省、農林省もございましたかしら、そういうふうにお役所の方々がはいつておられました。お手もとに表が出ておると思いますが、それは初めの時代でありまして、その後は商工省でそれについては全部おきめになつたのでございます。
#195
○明禮委員 その兵器処理班長については……。
#196
○小松證人 商工省のたしか鉱山局長でございますが、こういうものを拂下げたいという願書を出しまして、それによつて許可を與える。少額のものは地方商工局の許可によつてやられたと思います。それらの手続については、お手もとに書類が行つておるのではないかと思いますが、いかがでございますか。
#197
○明禮委員 この解体物資についての價格は現場渡しとして要綱にはできておりますがね。
#198
○小松證人 そうかもしれません。各資材によりまして、その資材に適するような処理要綱をつくつてそれによつてやらせたのでございます。それが一番いい方法じやなかつたかと考えております。
#199
○明禮委員 現場渡しというのは、そのまま励行されておりますか。
#200
○小松證人 場合によりましてそうはいかないのは、政府できめました公定が現場渡しというのならば、その通りにいかないと思います。
#201
○明禮委員 それはどういうわけですか。
#202
○小松證人 たとえばスクラツプは工場渡しいくらで賣れという公定價格がございますれば、公定價格で賣らなければならないのでございます。
#203
○明禮委員 そこであなたにお尋ねしたい。あなたはこの前の委員会でも、たとえば鉄千百円に一トンを賣れ、そうすると工場渡しで運賃が大変かかりますから、普通ならば原素材の鉄は一万数千円するものなら、その半分の六、七千円するのがスクラツプでもあたりまえであると思うのに、千百円で賣らなければならない。公定ができておるから非常に損をしたと、述べておられます。
#204
○小松證人 損はしておりません。品物はあるのですから、それを賣れば損をする。
#205
○明禮委員 いや、今まで賣つたもののことを言つておるのです。それは知らぬと言うのですか。
#206
○小松證人 賣つたものの損はないと思います。
#207
○明禮委員 安く賣つたものはたくさんあると思いますが……。
#208
○小松證人 値段はだんだん変つてきております。
#209
○明禮委員 値段は変つても、一樣に申し上げる。現場渡しになつているにかかわらず、あなたは工場渡しで一千百円に賣つているのはどういうわけですか。
#210
○小松證人 値段は勝手にきめられないのでございます。
#211
○明禮委員 あなたは公定がついたというので、それに藉口してそういうふうなやり方をするから、私はそれをお尋ねする。そういう場合には委員長たるものは、こういうものは運んでおつたらこれだけ國家は損をするじやないか、だからこの公定は現場渡しにしなければならぬとか、あるいは工場渡しにするならばあなたが言われる六千円とか七千円とかに公定を上げなければならぬとか、それをなぜ注意しないか。
#212
○小松證人 それは私が例を引いただけでありまして、実際一千百円という値段は、私が委員長をやめてからずつとあとでございます。私がやつておつた当時はその問題は起らなかつたのであります。損害があるとおつしやいましたから、損害はこういうところからきているということを申し上げたに過ぎません。
#213
○明禮委員 あなたは逃げてはいけない。そうおつしやつても、事例があるから、あなたはおつしやつたのでしよう。事例がないのに言うのではないでしよう。そういうやり方をしている者が兵器処理委員会の中にあるから、あなたはおつしやつたのではありませんか。
#214
○小松證人 いやそうじやなしに、あのときに、こういうふうな損が起るというのは、その損害は今後起る損害の計算だつたと思います。つまり今持つているものを処理するとこういう損害が起る。現在はまだ損害が起つていない。私は今後処理するときには利益が出るだろうと思います。
#215
○明禮委員 あなたの時分にこういつた例によつてたいへん國家が損害をしているようなものはないとあなたはおつしやるのですが、そうするとあなたの就任している時分に、鉄とは言いませんが、ほかのものでも、かくのごとき実情においてマル公がむちやくちやに安いために、非常に損害をこうむつているというようなものはないと、あなたは断言できますか。
#216
○小松證人 私は今から飜つて、あのときの値段がこうだつたからこうだというようなことについては、責任をもてないと思います。
#217
○明禮委員 あなたは公定の問題とか將來の問題だという話をなさるが、現実にそれまでにそういうものがあつたら、あなたは責任をもちますか。
#218
○小松證人 特別委員会で物の値段はきめましたので、その方々が集まつて、このものはこれだけでここへ賣ろうということをきめられたのでありまして、決してあとでそれをそれだけ賣つたらこういう損が起るのじやないかというようなことは言うことはできないと思います。そのときにすでにその値段で賣るということを委員会がきめられたのであります。それは政府の方方の監督のもとにきめられたのであります。たとえばタンクを賣るのにいくらで賣つたらいいかということでございます。これなどもそれを今壞したならばもつと高いものになるかも知れない。しかしそのときは、私は忘れましたが、三万円とか三万五千円とかでこのタンクを拂下げて、これをブルトーザに直す費用が二万円とか三万円とかかかる。それで東京都なら東京都がこれを有利に使えるかどうかということを研究されて、その値段をきめられたのでございます。決して誰かこれを儲けさせてやろうということできめたのではございません。初めの時代にはスクラップを欲しい人は誰もなかつたと思うのでございます。
#219
○明禮委員 なかつたかどうか知りませんが、あなたの放送しておられる記録の中には、これくらい貴重なものはないから、十分に保存しなければならぬ。これから非常に有利なものである、ということを盛んに放送しておりますが……。
#220
○小松證人 さようでございます。私は今もそう思つております。しかも一番初めの時代は仕事をする金もないのでございます。
#221
○明禮委員 それはわかつております。そういうことを聽いておるのではありません。
#222
○小松證人 各社は処理をして仕事の資金に充てなければならない。なるべく早く処理をしろと言うのであります。指示は、なるべく早くこれを使うところに持つて行けという指示を受けておるので、そういうふうに運びました。
#223
○明禮委員 それでやれやれと言われるから、委員長としてやれるだけのことはやつたのだ、その監督は各官廳も來てやつたのだから――そういう連中はまたよく監督したのだと思うが、自分の方はそう言われてもそうは背負い切れないということですね。
#224
○小松證人 背負い切れないというよりも、自分は一生懸命やつておつたので、私の微力は遺憾でありますが、自分としては一生懸命やつてきたと思います。
#225
○明禮委員 あなたは一九四五年九月二十四日の帝國政府に対する覚書は御承知ですね。
#226
○小松證人 そう言われても、実は私……。
#227
○明禮委員 あなたは放送しておられる。放送の記事を読んでみましよう。
「帝國陸海軍に対し、その数量、種類及び保有の場合等一切を明示したリストを佐成して提出することを命ぜられました。すなわち連合軍最高司令部は、日本國陸海軍の徹底的武裝解除を行うため、武器彈藥等一切の軍事的戰爭用器具を破壊または廃棄することになつたのでありますが、日本の戰災復興と國民生活の必需物資欠乏の現状に鑑み、これら武器等を武器として再び役立ち得ぬ程度に破壊した上は、これを日本政府に返還し、國民生活向上のために活用することとなりまして、昨年九月二十四日連合軍最高司令部より帝國政府に対し覚書の交付を見たのであります。」こう書いてあります。これです。これは民生安定とか、経済復興のために返してもらつた。それにつきましてあなた方はその趣旨に從つてどういうことをなさつたでありましようか。
#228
○小松證人 私がその放送をいたしました理由は、なるべく廣くこういう資材が手にはいるものだということを知つていただきたいために、その放送をしたのでございます。それでどなたでもこれを活用できると思う人は申し込んでいただきたい、こういう趣意でございます。それともう一つは、連合軍が日本の國民のために、これほど考えてくれているということを國民にも知つていただきたい。それからその放送以外に、各都市でもつて展示会などをいたしました。兵器処理から出てくる品物を見本にして並べまして、それを三越でもいたしましたし、大阪でも、九州でも方々でこれをやりまして、各地方の人たちにこういうものがある、これを何か利用する方法はないだろうかということをお尋ねするためにやつたものでございます。それからいろいろなものに相当活用されるようになつたと思われるものもございます。なべ、かまなどもずいぶんそれからできておるのではないかと思うのでございます。そういう方面の方々はこういうものが欲しい。こういうものに使うのだと言われて申し込まれれば、拂下げが受けられるように仕組んでございます。
#229
○明禮委員 それはわかりました。そのことを聽いておるのではありません。この指令に基いてあなた方は、この指令の中にある、この物資というものは國民の消費者の末端に至るまで明らかにしておけという指示があります。
#230
○小松證人 この物資の行先でありますね。できるだけそれをやるべくどこへ行つたかということまでやつております。
#231
○明禮委員 最後の消費者まで明らかにしろと書いてあります。
#232
○小松證人 私どもとしては、できるだけそれをやるべく務めてきたのであります。
#233
○明禮委員 どの程度に。
#234
○小松證人 しかし一箇々々たとえばスクラツプができまして、そのスクラツプをどの会社にやつたということはわかつても、これが鉄に熔けてどこに行つたということまではわかりません。
#235
○明禮委員 やみに熔けたり、水に熔けたり、どうなつたのかわからぬのが多いのでしようね。
#236
○小松證人 たとえば日本製鉄に、ある鉄屑を渡すことになつた。それは政府の当事者も賛成してそうなつた。それが平爐にはいつて、ほかの鉄屑と一緒に熔けていくことになりますと、最後の消費者がどこにあるかということは、なかなかわかるまいと思います。
#237
○明禮委員 これは最後の消費者まで明らかにしろと書いてあるのでありますから、あなた方はその点について御留意になつたはずだと私は思いますが、この点について何らの――たとえば委員会としてこれに対するいろいろな協議とか、あるいはその精神を徹底させるために、五大会社に対してこれをどういうふうに処分しろとか、この点についてどういうふうに留意しろというような通牒を発するとか、その他の手配はいかようになつておるのでしようか。
#238
○小松證人 これらの会社は、自分の方に受取つたものの処理とか、こういうようにしたとかいう報告をいたさせます。それから、このものはこういうふうなところに賣つたという報告も受けております。それで賣つたのは政府の許可を得て賣つております。
    〔委員長退席、鍛冶委員長代理着席〕
#239
○明禮委員 政府の許可は得ておりますが、こういう意味においてこの指令があるのだから、この指令に基いて処理をしろということを徹底していなけけばならぬはずだと思います。
#240
○小松證人 鉄屑を賣りますときに……。
#241
○明禮委員 いや例でなく、一体そういうようなことをやつたのですか、何もやらぬのですか。
#242
○小松證人 どこへどういうふうに賣つたという報告を受けて、それをまとめて政府の方に提出しております。
#243
○明禮委員 要するに、こういう精神はあなたの方から徹底してあるというわけですね。
#244
○小松證人 私はできるだけそれをやつたと思います。
#245
○明禮委員 ちよつとお伺いしておきたいのですが、兵器処理委員長を辞められたのはいつでありますか。
#246
○小松證人 去年の八月末でございます。
#247
○明禮委員 それから、あなたが委員長をなすつた時分に、商工省の関係官廳と特に御交渉なすつた方、あるいは内務省の関係官廳と御交渉なすつた方をおつしやつていただきたい。
#248
○小松證人 私はどなたでも特に親しく交渉をしたのでありまして……。
#249
○明禮委員 親しくじやないのです。あなたは兵器処理委員長として委員会の仕事をなすつた場合に、あなたのところへ來られたり行かれたりして、いろいろこういう問題で折衝された関係の官廳の調査部長はだれですか。
#250
○小松證人 調査部長は青木さん、最後は西村さんだと思います。
#251
○明禮委員 初めは青木さん、その次は西村さん……。
#252
○小松證人 ええ、その間にどなたかあつたと思いますが……。
#253
○明禮委員 その時分に、内務省はその人らが主としてやつたわけですか。
#254
○小松證人 内務省としては調査部ですべてのことを担当しておられました。
#255
○明禮委員 商工省は……。
#256
○小松證人 商工省は鉱山局にございまして……。
#257
○明禮委員 だれでしようか。
#258
○小松證人 鉱山局長は、最後には……。
#259
○明禮委員 その初めは……。
#260
○小松證人 初めは、実はあまり政府の方々にお会いしませんから、一番初めの鉱山局長はどなたでございましたか、よく覚えておりませんが、鉱山局の中に兵器処理班というのができたのであります。兵器処理班は鉱山局の一部でありました。
#261
○鍛冶委員長代理 それは総務局じやないですか。
#262
○小松證人 鉱山局でございました。
#263
○明禮委員 鉱山局長はだれかわかりませんか。大堀という人は……。
#264
○小松證人 大堀氏は、一番初めの兵器処理班長でございます。
#265
○明禮委員 大堀という人も関係があつたのですね。総務局長の菅波さんとその時分やはり折衝がありましたか。
#266
○小松證人 一度お目にかかつただけであります。
#267
○明禮委員 それからその下の方の人は……。
#268
○小松證人 総務局ではあまりお目にかかりません。
#269
○明禮委員 小地という人は……。
#270
○小松證人 小地さんは、鉱山局の鉱政課長だつたと思います。
#271
○明禮委員 細川という人は……。
#272
○小松證人 あとの方は、今度ここでお喚びになる方の中に一人はいつておられますが、その次の鉱政課長山地さんなどはごくわずかしかしておられなかつたので、よく覚えがないくらいであります。その次の方が今の大堀さん、これは兵器処理班長、それから現在の中村さんという方。
#273
○明禮委員 内務省の大島という人は……。
#274
○小松證人 大島という人は、一番初めのときに各縣からいろいろな関係者を呼ばれて、これについて協力するようにお話のあつたときに、一度公の席でお目にかかりました。なお内務省では上田さんという方がG・H・Qの方に特殊物件については始終連絡をとつておられました。
#275
○鍛冶委員長代理 ほかに質問ありませんか。野本君。
#276
○野本委員 ちよつとお伺いいたしまします。私いろいろな用事で各地を旅行いたしておりますと、当然兵器として処理さるべきものの残骸と申しますか、残されたものが多数にあります。つい最近埼玉縣の某所を通りましたところが、松林の中に戰車の古いのがそこにもここにも点々としてある。この事実は疑つてみますと、兵器処理をする場合に、もうかる仕事はして、もうからない仕事は残したというふうにも疑えないこともない。この残つておるものの処理に対する責任はどこにあるとお考えになりますか。
#277
○小松證人 それは今度は公團に移されたのでございます。それで兵器処理の最後には一体何パーセントまで未処理のものがございましたか。私今数字を存じませんが、七十何パーセント――八〇%はできたのではないかと思います。これは私数字をもつておりませんので、また自分がやめたのが前でございましたからよく存じませんが、いくらか残つたものがまだあるのでございます。これは全部公團に引移しまして、公團で完成してもらうことになつておると私は思うのでございます。その取極めも、私がやめました後にできましたので、あとから参ります事務局長あたりにお聽きになつていただく方が正確な御返事ができるかと思います。
#278
○鍛冶委員長代理 ちよつと私からお伺いしたいことは、先ほどバラード大佐から電話があつて、内務大臣が見えるから來いと言われて行つた。そのときに行つたら青木さんが來た。こういうのですが、内務大臣と青木氏というものはたいへんな違いがあるのですが、これはどういうわけですか。
#279
○小松證人 これは私がじかに聞いた電話ではない。たれかが取次いでくれた電話でございまして、片方はアメリカ人が英語で言つておるので、よくわからない、日本人は電話が満足に聞ける人は少うございますから、これは取次の間違いであつた、私はそのときに思いました。
#280
○鍛冶委員長代理 そこでその当時青木氏は何でありましたか。
#281
○小松證人 私はそのとき青木さんに初めてお目にかかりましたので存じませんが、その際はまだ調査部長ではなかつたと思います。調査部長の下におられた方じやないかと思いますが、どういう役をしておられましたか存じません。
#282
○鍛冶委員長代理 少くとも内務省から責任者を呼ぶというなら、大臣でなければその係の者といえば調査部長だと思います。その調査部長は大島であつたと思います。しかるに青木がどうして出たか、それをお聞きしたいのです。
#283
○小松證人 それは私存じません。私そこへ呼ばれて行つて、そこで初めてお目にかかつただけでありまして、その方がどういう方だかも存じなかつたのであります。ただ非常に印象に残つておりますのは、その人が連れてきた森野という通訳が実にりつぱな通訳であつたということであります。
#284
○鍛冶委員長代理 ほかにありませんか――それでは済みました。あとの証人との関連でお聽きしなければならぬことがあるかもしれませんから、うしろでちよつとお待ち願います。
    ―――――――――――――
#285
○鍛冶委員長代理 上田祐康さんですか。
#286
○上田證人 はい。
#287
○鍛冶委員長代理 古河電氣に勤めておいでになつたのですね。
#288
○上田證人 はい。
#289
○鍛冶委員長代理 現在も古河電氣にお勤めですか。
#290
○上田證人 はい。
#291
○鍛冶委員長代理 いつからお勤めになつて、どういう仕事をしておいでになつたか。
#292
○上田證人 大正七年大阪電氣分銅に入社いたしました。昭和九年に大阪電氣分銅が古河に合併されまして、合併入社で古河へ入りまして、以後古河で勤務しておりました。最近は兵器処理ができると同時にその方の副部長という職責を拜しまして、去年の十一月に支部が大体仕事が済んだものですから、それで現在では十一月以降は兵器処理部の勤務ということになつております。
#293
○鍛冶委員長代理 古河電氣工業では何をやつておられますか。
#294
○上田證人 その前は金属部におりまして、庶務課長、販賣課長を轉任して、兵器処理課に参りました。
#295
○鍛冶委員長代理 兵器処理委員会におはいりになつたのは何年何月ですか。
#296
○上田證人 二十年の十一月だと思います。
#297
○鍛冶委員長代理 始まつたときからですね。
#298
○上田證人 そうです。
#299
○鍛冶委員長代理 それから引続いて、今日もやはり兵器処理委員会の処理副部長をしておられるのですか。
#300
○上田證人 去年の十一月までは処理副部長でした。十一月以降は仕事が大半片付いたものですから、その後は処理課の勤務ということになつております。
#301
○鍛冶委員長代理 それでは兵器処理委員会ができて古河で引受ける仕事だけをやつていたのですね。
#302
○上田證人 古河の仕事と、委員会に委員代理として出席しておりました。
#303
○鍛冶委員長代理 委員代理というのは社長の代理でしたか。
#304
○上田證人 社長はほかの仕事が忙しいものですから、代理として私がほかの二人ほどと一緒に委員会へ出席する仕事を担当しておりました。
#305
○鍛冶委員長代理 それでは部長はだれですか。
#306
○上田證人 中谷庄谷さん。
#307
○鍛冶委員長代理 それはやはり古河に……。
#308
○上田證人 古河におります。
#309
○鍛冶委員長代理 それじや最初からあなたは兵器処理に当られてからどういう仕事をやつておいでになりましたか。
#310
○上田證人 古河内部では各地の廃兵器を処理回收いたしまして、それをそれぞれ民生に寄與すべく轉活用する仕事をしておりました。それと同時に、委員会へは委員代理として委員会の協議に携つておりました。
#311
○鍛冶委員長代理 その処理にあたつて、大体軍から接收を受けたもの、内務省が保管したことになつておつて、それを古河なら古河が受取ることになる、そういう実際の仕事はどういうことにしてやつておつたのですか。
#312
○上田證人 軍じやなくて、内務省の府縣の方から、われわれは府縣廳の相談を受けまして、それによつて実際の品物を受領、受領した後に受領書を出す、こういう順序になつております。
#313
○上田證人 実際の数量をそのまま品種別にいたしまして……。
#314
○鍛冶委員長代理 それはどこかへ運ぶのですか。
#315
○上田證人 現地で轉活用できるものはなるべく現地の民生に寄與させたらいいという商工省方面の御指示があつたものですから、できる限りは現地で処分することを心掛けておつたわけです。それでないものは、殊に飛行機のようなものは処分しにくいものでありますから、それを再生塊にするために、私の方の蕨の工場及び小山の工場へ輸送して、再生塊としてその品物を商工省の切符によつてそれぞれ販賣していく、そういう仕事をやつておりました。
#316
○鍛冶委員長代理 それを受取つて処理するについては、こういう方法で処理した方がいい、こうすべきものだということをだれかしら何か指図でもするのですか。それともあなた方の專権に任されておつたのですか。
#317
○上田證人 われわれは單にそれを仲介するだけの仕事しかやつておりませんから、需要者の方から希望があつた場合には、その希望によつて申請書をつくつて、それをその数量によつて、少い場合には地方商工局、多い場合には商工省の方に申請いたしまして、その許可を得たものをわれわれが輸送する、そうして金をもらう、この仕事を担当しておりました。
#318
○鍛冶委員長代理 そこで分解して、処理することもやるし、どこかへ持つて行つてそれを鑄つぶすということもあるのでしよう。
#319
○上田證人 あります。
#320
○鍛冶委員長代理 そういうことはまつたくあなたの裁量に任されておつたのか、それとも商工省なりその他の方から、これはこうすべきだ、ああすべきだという指図があつてやるのですか。
#321
○上田證人 大体の相談はしておりました。それでたとえば飛行機のようなものは現地で処分ができないから蕨及び小山へ送ります。それはよかろうということで、一々書面じやなくて、口頭で御了解を得て、それぞれの目的地へ輸送いたしました。
#322
○鍛冶委員長代理 その了解を得たり、指図を受けるのはだれから受けておりましたか。
#323
○上田證人 商工省の兵器処理班。
#324
○鍛冶委員長代理 それは本省内にあつたのですか。
#325
○上田證人 そうです。
#326
○鍛冶委員長代理 そうすると縣なら縣から、あなたがもらつて、本省の処理班へ行つて、こういうものをもらいましたがこれはどうしますかといつて聽くのですか。
#327
○上田證人 いいえ、それは聽かずに、大体飛行機のようなものは元來が現場で処分しにくいものですから、一番最初めに蕨及び小山へ送るという大体的な御了解を得て、縣から受領したものを、その都度御了解を経ずに、そのまま送る。それから現地の民生に寄與できるような種類のものは一時現地の方へ置いて、現地の模樣を見て、これは現地で賣れないと見たときは、あらためて商工省の兵器処理班の御了解を得て処分する。
#328
○鍛冶委員長代理 そうすると初めに抽象的に大綱をきめておいて、その範囲内ならばあなたの方でやつて、それと変つたことがあればまたあらためて行く、こういうことになるのですか。
#329
○上田證人 そうです。
#330
○鍛冶委員長代理 そうするとその現場でだれか來て監督しているということはなかつたのですか。
#331
○上田證人 現場監督はあまりなかつたようであります。ただ縣から受領するときに、縣の方々がその現場へ二、三度、監視かたがたおいでになつたことはもちろんあります。
#332
○鍛冶委員長代理 そうしますとこれだけのものを拂下げを受けたということできまりますと、それについてどういうふうにそのものが変つていつたとか、それからどれだけのものができるか、こういう予算というか、目輪見を立ててやるということはなかつたのですか。
#333
○上田證人 それは大体の回收の予定はつくつてあります。これをどういうふうに処分するというところまでは、回收の初めから終りまでの間、彼これ二年間もあるわけでありますから、その回收ごとに、大体きまつた範囲内において、われわれ自身で処理できるものはその都度処理する。別の新しいものが出た場合には、またその都度委員会などに相談して処理する。だからただいまお尋ねのような配分に対する一つの計画書というものは、なかなか回收の方がはかどらないものですから、そういう現状なのであります。
#334
○鍛冶委員長代理 そうするとどれだけのものができて、どういう價格のものになるというようなことは、初めから予想しないでやりかかる、こういうことですね。
#335
○上田證人 結果においてはわかりますが、初めからちよつと予想できにくい点が多かつたのです。
#336
○鍛冶委員長代理 そうすると処理してしまつてから、渡されたものに対して一々これだけのものが出まして、ここへ配分しましたということを報告するのですか。それとも何年分か何月分か、まとめて報告しておつたのですか。
#337
○上田證人 配分の方も回收の方も月月、月末ごとに報告しておりました。
#338
○鍛冶委員長代理 そこで前に言つたように具体的に指図がある場合ならば、その指図に從つてこれだけのものができまして、これをどこへやりましたということ、こういうことは指図がないから、ただどれだけのものを受けてどれだけのものをやつた。毎月の報告はこれだけのものですね。
#339
○上田證人 そうです。
#340
○鍛冶委員長代理 そこで受取つた受領書と申しますか、リストのようなものは商工省へ出しておつたのですか。内務省の方へ出しておつたのですか。
#341
○上田證人 それぞれの地区の都道府縣の担当官の方に出しておりました。
#342
○鍛冶委員長代理 それから損得ということになりますと、そういうふうにかためて費用がいくらかかつて、金がいくらはいつたから損がいつたとか、得がいつたとかいつたことは出てこないわけですね。
#343
○上田證人 損得というものは中途ではわからない。予想がちよつとつきかねるのであります。
#344
○鍛冶委員長代理 実際は終つてしまわなければわからないのですね。
#345
○上田證人 中間の仮決算はやつて、およその損得はこれぐらいだというような大ざつぱな損得はわかりますが、実際の損得はやはり仕事が全部完了しないとはつきりしないのではないかと思います。
#346
○鍛冶委員長代理 何かほかに聽くことがありますか。
#347
○明禮委員 古河電氣のあなたの方で、兵器処理の事務を開始されたのはいつごろでしようか。
#348
○上田證人 委員会ができまして、大体準備時代で、一番最初現地の処理を開始したのが、二十年前の十二月にわずかばかりやりました。実際の仕事がはかどつていつたのは二十一年の五、六月ごろから、全國的に仕事がはかどつていつた。こう申し上げていいのじやないかと思います。
#349
○明禮委員 この拂下のリストと、実際あなた方が回收された量とは、大分開きがあるようですが、そういう点はどうでしようか。
#350
○上田證人 われわれは実際受領したものだけしか取らないのですから、その開きがあるかないかということについては、ちよつと本部の方ではわかりかねるのであります。
#351
○明禮委員 ただ持つてくるとき縣廳の方へ受取を出して、それで拂下げを受けたということになるのですね。そのときにはどういうふうにして量を調べるのですか。
#352
○上田證人 量は実際受領した量を調べるのです。
#353
○明禮委員 実際受領した量というのですが、飛行機のようなものはどういうふうにしてやるのですか。
#354
○上田證人 飛行機の方は大体過去の経驗によりまして、一機当りたとえば一トン半なら一トン半と、こう仮定いたしまして、それをかりに飛行機の数量といたしまして、今度は今申し上げました通り、小山とか蕨あたりに送りまして、蕨及び小山の実看貫によりまして、それをチエツクして、実看貫をまつて縣の方へ受領書を出します。
#355
○明禮委員 実看貫というと、自分のところに持つてきてからかけるのですか。
#356
○上田證人 工場が受取るときにちやんとかけます。
#357
○明禮委員 どこで受取るのですか。
#358
○上田證人 小山及び蕨です。
#359
○明禮委員 受取は現地で受取つて出しておるのじやないですか。
#360
○上田證人 そのときは受領書を出さないのです。
#361
○明禮委員 そうすると飛行機を実看貫するには、どうやつてかけるのですか。そんな大きなはかりがありますか。
#362
○上田證人 自動車をかける大看貫というのがあります。
#363
○明禮委員 それでわかるのです。そうすると回收したものが余計あつたというようなことを言われておるのですが、実際は実看貫ができないものもあるのじやありませんか。
#364
○上田證人 みな実看貫しております。
#365
○明禮委員 実看貫してやるのだから違わない。こういうことですな。
#366
○上田證人 そうです。
#367
○明禮委員 再製塊の問題が出たから伺つておくのですが、会社によりますと現物のある近所で再製塊を、多少費用が要つたり、人件費はかかりますけれども、そこでやつて、再製塊にして持つてくる所と、とにもかくにもある工場まで運んでしまつた所とあるようですが、一体あなたの方は今まである既設の工場で再製塊をつくつたのですか。
#368
○上田證人 そうであります。
#369
○明禮委員 そうするとみな運んだというわけですね。
#370
○上田證人 そうです。
#371
○明禮委員 そうするとたいへん運賃がかかるまで、その現場で相当まとまつておる所は、そこで再製塊をつくつた方が、たいへん経済的だということですが、その点はどういうことですか。
#372
○上田證人 その点については私の方はずつと戰爭中に台湾で現地処理したことがあるのです。その場合に、もつともその派遣した技術員が、多少大ざつぱな操業をした点もあつたかもしれませんが、われわれが最も必要とする天津向けのいい再製塊ができなかつた。やはり既設のいい工場でもつて、技術家もそろい、工員の方も熟練しておる。そこで操業した方が、わずかばかりの運賃を防ぐより、できた品物が悪いと値段も安くなります。またせつかく再製塊にしても、悪い品物をつくつたのでは一般向きがしない。だからどうしてもこれは一定のいい設備をもつておる、技術家のそろつておる工場へもつてこなければいかぬというわれわれの結論によりまして、全部古河の小山及び蕨両工場へ運搬して再製塊にしたのであります。
#373
○明禮委員 台湾の実例を話されたのですが、現在のような日本の状態であると、わずかばかりの運賃とおつしやつたが、なかなかそうでない。運賃がたいへんにかかりそうだが、どうですか。
#374
○上田證人 最近は運賃が非常に高くなつておりますが、あの当時の運賃は大体トン当り四、五百円くらいの程度ではなかろうかと思います。そうしますと再製塊にして、いい品物だつたら前の値段で三百万円以上で賣れるのに、悪い再製塊だつたらわずか一万円か一円五千円、ないしは二万円、二万五千円というような安い値段にしか賣れない。そうして見ると結局運賃よりもいい製品をつくつた方がいいのじやないか、こうわれわれは思つておるわけであります。
#375
○明禮委員 あなたの会社の方は再製塊を讓り受けておられますか。
#376
○上田證人 讓り受けました。
#377
○明禮委員 どのくらいの値段で讓り受けられましたか。
#378
○上田證人 その当時のマル公で……
#379
○明禮委員 マル公で讓り受けたのですね、
#380
○上田證人 はあ。
#381
○明禮委員 再製塊の費用はどんなものですか。
#382
○上田證人 再製塊の費用は原料費が今のところはつきり計算が出てないものですから、はつきりいたしかねるのですが……。
#383
○明禮委員 作業費はこういうことになるのじやないですか。非常に再製塊の――これは商工省との関係があるのですが、再製塊の費用は公定價格というものができておるようですが、たいへんあの値段がよくできておつて、実際はその七割とか六割しかかからぬそうですが、あなた方はどうでしようか。
#384
○上田證人 ちよつとお伺いしますが、御質問をもう一度……。
#385
○明禮委員 再製塊の費用は一トン、二十一年の一月から十月までが五千六十九円で、二十一年の十一月から二十二年の六月までが七千百三十円、二十二年の七月から十二月までが一万四千円となつております。これは実際は商工省へあなたの方で請求いたしましたのは、たとえば最後の一万四千円というのは、二十三年の八月から九月までが一万二千百六十二円とあなたの方は申し出ておりますね。それを一万四千円なんぼに商工省がわざと、わざとかどうかわかりませんが、高くしたのはどういうわけですか。
#386
○上田證人 この点はわれわれ値段の交渉は委員会社直接はやらないので、事務局の方でお願いいたしましたからわかりませんが、聞くところによりますと、物價廳が今度の新マル公を発表するについての基準があつて、その基準價格をいくらか下まわつた値段で査定した、その査定した價格が一万四千円だ、こういうふうに伺つております。
#387
○明禮委員 一万二千円で請求したのを、一万四千円にしてくれるというのは、ずいぶん親切な役所ですね。普通一万二千円で請求したら、一万円でやれというのが普通である。それを一万二千円で請求したのを一万四千円にしてくれるというのは、何かここに事情がありはしませんか。
#388
○上田證人 その事情はわかりません。
#389
○明禮委員 そこであなた方の状態から言うと、こういう状態で生産したのだから、実際は六割から七割しかかからぬそうだが、あなたの方でかからぬことがわかつておるが、みんなこの程度にとつたというのですか。
#390
○上田證人 私の方も一應はそれでいけるものと思つて計算はしましたが、まだ金はいただいておりません。
#391
○明禮委員 大体これはこういうことじやありませんか。マル公と言つても、この限度で、この程度でやれということになつておる。これが標準になつておる。それが最高であつて、それより下でできるものを上でとれということではないと思いますが、いかがですか。
#392
○上田證人 それは、なるほど一万四千円なら一万四千円を見ますと、不当のように思われますが、七千百三十円という相場がわれわれの希望といたしましては、二十一年の十一月から十二月までが七千百三十円、それから二十三年の一月から三月までが八千円、四月から六月までが一万いくら、七月以降が一万二千いくら、こういうふうにわれわれは見積りをしたわけなのであります。それで商工省の方の査定によりますと、七千円は認める、一万四千円も認める。けれども中間の一万円とか八千円とかいうことは認められない。だからこの方で損をした代りに、一万四千円の方で埋合せをすれば、それで大体よいのではないか、こういうようなお話のように承つております。
#393
○明禮委員 いや、それはまた別に商工省かどつかに聽くとして、あなたの方では実際の費用が安くできておるにかかわらず、高く見積つて、金はとつたか、とらぬか知らぬけれども、そういう計算を出しておりますね。
#394
○上田證人 はあ。
#395
○明禮委員 要するにその点は間違いがない。それからバイヤー工場である日本金属とか、昭和電工とかへ、軽合金の拂下げをしておりますか。
#396
○上田證人 拂下げをしております。
#397
○明禮委員 どのくらいで拂下げをしましたか。
#398
○上田證人 飛行機の解体品だけのやつは、大体二千五百トンです。それから昭和電工から解体品をこちらの方がもらつて、こちらの古河にある旋盤屑を出した。交換した分がございまして、それを合計しますと、大体四千六百トンぐらいになります。
#399
○明禮委員 これはどうしてマル公を安くして出したのですか。
#400
○上田證人 これは商工省の方の御指示か、そういうふうなことで商工省が指示した。
#401
○明禮委員 マル公を安くして出すことを商工省が指示するのですか。
#402
○上田證人 これはマル公じやありません。全然マル公じやございません。
#403
○明禮委員 とにかく、よその方から四千五百円から五千円で賣つておる。これをどうしてこういう値段で賣つておるのか。小松さん、あなたはいろいろなことがないように言われたが、よく聽いておつてください。こういう事実ですから。これはいつ賣つたかという月日を書き入れていない。
#404
○上田證人 いや、月日はみな書いております。
#405
○明禮委員 來てごらんなさい。見せてあげる。何も書いてない。
#406
○上田證人 それは合計だけですから……。
#407
○明禮委員 処分の月日は、ほかのものはみな日が書いてある。どうしてこれに書かないのですか。忘れたのですか。
#408
○上田證人 いや、忘れたんじやない。
#409
○明禮委員 あなたが責任者じやありませんか。副部長でしよう。事実を指摘せんならぬようじや副部長いかぬですね。これはどうしてこんなに安く賣らなければならなかつたか、説明してください。
#410
○上田證人 あれは、一番初めきまるときには一万二千円で賣つても損はない。これはひとり古河だけでなくて、神戸、扶桑、三社で相談した結果、損はない。それについてアルミニユームの方の原價が非常に高くなつている。だから損がなければそのなりの値段で仕切つてもらいたいという商工省方面の御希望があつて……。
#411
○明禮委員 商工省の御希望によつて……。
#412
○上田證人 はあ。
#413
○明禮委員 それは間違いございませんか。商工省のだれがそういうことを言つた。
#414
○上田證人 鉱政課です。
#415
○明禮委員 鉱政課のだれですか。
#416
○上田證人 だれですか、二年半も前のことですから、記憶がありません。
#417
○明禮委員 名前がわかりませんければ、鉱政課の課長ですか、だれですか。
#418
○上田證人 課長じやありません。
#419
○明禮委員 じやあ、だれです。
#420
○上田證人 それはわかりません。
#421
○明禮委員 しかもこれらはトン数がとても大きいのです。
#422
○上田證人 それは処理要領によりまして、バイヤー級は回收量の三分の一、鑄物の一割、展伸向は六割ということになつておりますから、その三分の一の範囲内でお送りしましたから、数量は相当多くなつていると思います。
#423
○明禮委員 これは皆金はとりましたか。
#424
○上田證人 金は皆もらつております。
#425
○明禮委員 あなたの会社が廃兵器の処理を始める前に、廃兵器以外のものから公然と兵器を処理することを頼まれた事実、そういうものはありませんか。
#426
○上田證人 ありません。
#427
○明禮委員 あなたの方で下請をさせる作業、委託の方法、代金支拂の方法はどういうようなことをやつておりますか。
#428
○上田證人 下請に対しては、大体檢收量によりまして、初めは値段がきまらなかつたものですから、概算拂として約八割見当の金を拂うことにしておいたわけでありますが、金融が非常につまりまして、それもできなくてだんだん遅れ勝になつて、下請の方に支拂の方でたいへん御迷惑をかけたという実情であつたのであります。
#429
○明禮委員 やはり見積書か何かとるでしようね。
#430
○上田證人 とりました。
#431
○明禮委員 回收等の作業は軍人を主体とする請負人に請負わしているところがありはしませんか。
#432
○上田證人 あります。
#433
○明禮委員 それはどういうわけでしようか。
#434
○上田證人 それは私の方が兵器処理委員会のメンバーとなつて後、日ははつきりいたしませんが、十一月ごろだつたと思います。陸軍の復員軍人で組織しておる更新会というのがたしか中野にあると思います。その方の幹部の人がやつて來まして、この廃兵器を古河でおやりになるについてできるだけ利用してもらいたい、こういう御希望があつたのであります。その当時われわれの方といたしましては、廃兵器が一定の場所にある場合には別に軍人を利用しなくても完全に回收はできるのでありますが、終戰前空襲が非常に激化された場合に轉々と各所に物資を疎開しておつた。あるいは山の上、谷の底、野中の塹壕の中、そういう場所を知るためにはどうしてもその道に明るい軍人を利用しなければいけないではないか、こう考えまして、これは確かだと思われる軍人を三、四箇所下請として利用いたしました。
#435
○明禮委員 第二会社をつくつておりますか。
#436
○上田證人 つくつておりません。
#437
○明禮委員 檢察廳から取調べを受けた者がありましようか。
#438
○上田證人 あります。
#439
○明禮委員 どういう人ですか。
#440
○上田證人 霧ケ浦の支部長の祐乗坊、北海道支部長の牧浦、それから私と部長の中之庄谷であります。業務課長の鹽田、経理課長の大津寄、それから横浜支部の貴志、それだけが取調べを受けました。結局そのうちで現在までに起訴された者は霧ケ浦の祐乗坊支部長、北海道の牧浦支部長の二人だけであります。
#441
○明禮委員 他の人はどうなつておるのですか、搜査中ですね。
#442
○上田證人 そうです。
#443
○明禮委員 古河電氣工業会社兵器部というものの收支は全体的に見てどういうふうになつておりますか。
#444
○上田證人 それは今ちよつと決算が中途で……。
#445
○明禮委員 大体において赤字ですか、黒字ですか。
#446
○上田證人 赤字にはなつておらないのではないかと思いますが、はつきりしたことは決算が済んでおりませんから……。
#447
○明禮委員 おおよそわかつておつてよいはずだと思いますが、おおよその数字もわかりませんか。第三期決算というのには古河電氣が七百万円の赤になつておりますね。他のところが黒字があるのに、あなたのところだけ赤字というのがちよつと問題なんです。
#448
○上田證人 それはあとで経理課長の大津寄が今日喚問されておりますから、決算関係の点は大津寄氏から御説明申し上げることにお許しを願いたいと思います。
#449
○明禮委員 それからあなたの方では交際費、会議費、旅費、雜費というものはどういうふうにしておりますか、費用のうちどれだけの割合かかつておるかということはあなたはわかりませんか。経理の方は……。
#450
○上田證人 恐れ入りますが、経理課長の方から……。
#451
○明禮委員 大体古河電氣の実情は、あなたの方で一体こういうものを処理されて、拂下をされましたね。拂下先は明瞭でありましようね。
#452
○上田證人 あります。
#453
○明禮委員 拂下に使う使途はどういうふうになつておりますか、どういうふうに使う目的で拂下げたかということ……。
#454
○上田證人 それは申請書に皆書いてあります。
#455
○明禮委員 拂下を受けたものでやみ賣をしたものが中にありませんか。
#456
○上田證人 ないと思いますが、多い中ですから先々までわれわれは調査しておりませんから、それはわかりません。
#457
○明禮委員 あなたの会社で拂下を受けたものは相当ありますね。拂下を受けたものはどういうふうに使つたのですか。
#458
○上田證人 それは全部工場で使つております。
#459
○明禮委員 何をですか。
#460
○上田證人 大体軽合金の再生塊がほとんど全部、九十何パーセントまではそうです。
#461
○明禮委員 あなたは、副部長でもそうだろうと思うが、一九四五年九月二十四日に、連合軍から帝國政府にこの物件を返還するということについての覚書が出ておるわけですが、その覚書は、民生安定のために使え、しかし最後の消費者を明らかにしておけということになつておるが、あなたはこれを御承知ですか。
#462
○上田證人 最後の消費者は明らかになつております。申請書をわれわれ取次ぐだけなんですから、その申請書から得たものを許可通り取出して、それがわれわれとしては、一應最後の消費者として認定せざるを得ないと思います。
#463
○明禮委員 あなたの方に讓り受けたものも最後の消費者ですか。
#464
○上田證人 私どもの方で頂戴しておりましたものは、私の方で全部処理しましたから、私の方が最後の消費者です。
#465
○明禮委員 何を受けるのですか。
#466
○上田證人 板とか棒とか……。
#467
○明禮委員 あなたのところでなべとか、かまにするのですか。
#468
○上田證人 いや、しません。なべとかかまとか、製品の原料として、それぞれわれわれとしては向け先へ送つております。
#469
○明禮委員 あなたのところでつくらないとすれば、その先ですね。
#470
○上田證人 そうです。
#471
○明禮委員 あなたの方では資材として、延べ板を賣るというわけですね。
#472
○上田證人 そうです。
#473
○鍛冶委員長代理 先ほどのことで聽きたいのは、特に安く賣つたのは、損がいかぬから賣つていいという商工省からのことだつたのじやないのですか。
#474
○上田證人 安くということじやないのです。結果から見れば非常に安かつたのでありますが、あの値段を最初きめたときの相場としては、あれが大体合理的な値段だつたのであります。
#475
○鍛冶委員長代理 相場で賣つたのですか。それなら商工省が損がいかぬからいいというのは、どういうわけですか、さつきそう聞えたが……。
#476
○上田證人 と申しますのは、バイヤーの方にいくので、バイヤーの方の原料費、製作費が非常に高くかかるから、兵器処理としてはバイヤー向きに対してはあまり利益をとらないでもらいたい。損をしない程度にバイヤーへ賣りたい。そうしないと日本軽合金、昭和電工というものに補給金を別に出さなければならない。だからその意味で損をしない程度で仕切つて欲しいということであつた。
#477
○鍛冶委員長代理 じや相場で賣るのじやないですね。
#478
○上田證人 相場で賣るのじやありません。相場というものはあつてないようなもので、マル公も協定價格も何もないのですから……。
#479
○鍛冶委員長代理 そうすると、どうも聞くところじや損がいかなければ、処分したらよかろうと聞えますが、そうじやないのですか。
#480
○上田證人 バイヤー向けは結局そうです。
#481
○鍛冶委員長代理 利益のあがるということはないわけだ。何をやつてもそういう考えでやれば……。
#482
○上田證人 軽合金に関する限り、利益は兵器処理委員会としては期待できない。こういうふうに結果的に見てなつておるわけであります。
#483
○鍛冶委員長代理 それから先ほど聽き忘れたが、古河電氣が五社の委員のうちにはいつたについては、どういうことではいつたか、あなたは聽いておりませんか。
#484
○上田證人 それは大分前の話で、日とか人とか、記憶漏れの点もあつて、不確かな点を御報告しなければならぬことになりますが、二十年の十月半ばごろだつたと思います。商工省の鉱山局鉱政課の方から電話であつたか、おいでになつたかそれも記憶しないのですが、今度米軍の方から、廃兵器を返還することになつた。そのうち非鉄関係は今までの関係上どうしても非鉄の会社でやつてもらわなければならない。古河の方も甲信越、関東、東北、北海道、この地区は今までの古河の勢力範囲だから、その地区の廃兵器の処理、特に飛行機の処理を主としてぜひやつてもらいたいという希望があつたのです。それで、その当時の社長、今は追放されておりますが、中川社長に相談いたしますと、社長は、これはたいへんな問題だ。金融的にも相当大きな金融をしなければならぬが、その金融のつけ方も大きな問題だ。また人の問題も技術の問題も、すべての点においてなかなか簡單にいくものじやない。今申しそこないましたが、古河としては、関東地区は古河の勢力範囲で何とか処理できるが、東北とか、北海道、こういう大きな地区まで全部やるということは、なかなかたいへんな問題で、知らない所でどういう機関を利用できるかというような点について、これは簡單に引受くべきものじやないというので、中川社長は反対したのであります。しかし商工省の方からの話もあり、古河がここで辞退するようになると、たとえば金融の面とか人の面とかで、古河以外に関東地区でやるような同業者がない。どうしてもこの國家的事業は古河がやらなければならない。こういうようにわれわれ一同から社長の方に申し上げました。それではやろうかというので、この話は社長が反対したので大分延び延びになつて、一週間か十日ほど後になつて商工省の鉱政課に対して、とにかくお引受けいたしましようと御返事したのであります。そうすると鉱政課の方でも、鉱政課長、これは当時山地さんでありましたが、それでは一度第八軍の経済課長のバラード大佐に会つてもらえないかという話があつた。それではお供いたしましようというので、そのとき鉱政課の課長代理をやつておられた波多野事務官、それと中山技師と、この二人のお供をして第八軍に行つたのであります。そのときバラード大佐が古河に対して、大体この廃兵器を処理するについては非常に早くやつてもらわなければならない、古河としては大体何箇月間くらいでこの処理ができる見込みであるかという御質問があつたのであります。われわれも、その当時の予想としては、大体商工省の御意見も伺つて、一万六千トンくらいあるのじやないかというようなお話を承つたものですから、一万六千トンくらいだつたら、ちよつと馬力をかければ一年間くらいで何とか処理できるのじやないかと思いますというように返事をした。それに対してバラード大佐は、一年間くらいでやつてもらえれば非常に結構だ。それからこの廃兵器をできるだけ民生に寄與するようにしてもらいたいのだが、それについての古河の考えはどうかという御質問があつたのであります。それに対して私の方から、先刻申し上げましたような、この飛行機を解体して有用な軽合金の再生塊をつくつて民生に寄與したいという御返事を申し上げますと、バラード大佐も、それはすこぶる結構だ、そういう話なら古河の方に頼むことにしよう、それについては第八軍から日本政府に返還するから、内務省の方とよく相談をして、急速にこの処理をやるようにしてもらいたい、こういう話があつた。それで私の方は大体引受けることになつたわけであります。
#485
○鍛冶委員長代理 それから、先ほどお話がありましたが、下請にはそれぞれやられましたね。
#486
○上田證人 はい。
#487
○鍛冶委員長代理 下請をやるのには、たいへん運動があつたのじやないですか。
#488
○上田證人 それは今申し上げました通り、陸軍の方は更新会、海軍の方はちよつと申し落しましたが第二復員省で、たしか久保田少將だと思いますが、その方が主催になつて軍人の方々が寄つて、それで海軍関係のものはひとつできるだけ失業した軍人を救済する意味においてやつてもらいたいというような御希望があり、陸軍同様処理場所をよく知つておる軍人を使つた方が完全な回收ができるのじやないかという考えから、二、三海軍の方にお願いしたのであります。
#489
○鍛冶委員長代理 それからあなたは社長代理として処理委員会に出た、こう言つておりますが、処理委員会が各責任会社に対して監督というか、指図というようなことはなかつたですか。
#490
○上田證人 委員会できめたことを、責任会社に、こういうふうにきめたから、こういうふうにしろということはもちろんあつたのです。
#491
○鍛冶委員長代理 間違いのないようにやつてもらうとか、経理は確かにやつてもらうとか……。
#492
○上田證人 はい。
#493
○鍛冶委員長代理 そうすると、あなたは両方かねておると、監督にならぬじやないですか。
#494
○上田證人 これは組合の何ですから、各社がみなそうなつております。
#495
○鍛冶委員長代理 それから実際の処理に当る監督ですが、先ほどほとんど監督のないように言つておられたが、物量に対しても、またかかつた経費に対しても監督はないのですか。
#496
○上田證人 かかつた経費は、下請の方から見積りが出ますから、その見積りを技術的に査定いたしまして、それで決定するわけなんですから、かかつた経費については下請の値段できまるわけです。
#497
○鍛冶委員長代理 そこであなたの方でこれだけかかつたということで決算するわけですね。はいつた金と経費とで。……それに対する監督はどうなつておりましたか。全然ありませんか。
#498
○上田證人 とおつしやいますと、うちの費用ですか、下請の金ですか。
#499
○鍛冶委員長代理 いずれにしても、あなたのところからこれだけの收入があつた、これだけの費用がかかつた、その差引したもので金を拂うでしよう。そこで收入がはたして正当であるかどうか、そのかかつた金がはたして正当であるかどうかをだれか監督しなかつたのか、こういうことです。どうも先ほどの言葉ではないように聞えるのだが……。
#500
○上田證人 これは今申し上げました通り、下請の値段を査定いたしまして、それできめる。この査定が一つの監督ではなかろうかと思います。
#501
○鍛冶委員長代理 その査定はあなたのところでするのでしよう。
#502
○上田證人 はい。
#503
○鍛冶委員長代理 あなたのところで査定したことが正当であるかどうかということをだれかが見極めたことはなかつたのですか。
#504
○上田證人 ありません。
#505
○鍛冶委員長代理 それから物量に対しても、これだけのものができた。そうしてこれをこういうふうに処分したというが、はたしてそれだけのものができて、処分の数量が正確なものであるかどうか、これもないんですね。
#506
○上田證人 これは会計でみな傳票でやりますから、傳票で間違えない限りは、傳票が流れていくのですから間違いない。
#507
○鍛冶委員長代理 あなたの方は間違いないと言われるが、私らから見れば、それを確かに間違いないものと見きわめるものがあつたか、なかつたか、それだけを聽くのです。
#508
○上田證人 それはたしか二回ばかり会計檢査院の檢査は受けました。
#509
○鍛冶委員長代理 そのほか商工省とか、内務省とか、そういうところの……。
#510
○上田證人 檢査はありません。檢査はすべて会計檢査院でやります。
#511
○明禮委員 今ちよつと話された中に、あなたの方からバラード大佐のところに行かれたときに、ほかの会社も行つたのですか。
#512
○上田證人 たしかその席上に、こちらにおられる小松さんと、今の事務局長をしておる藤澤氏と、ほかに内務省の方もお見えになつておつたように思いますが、今では小松さん、藤澤さんと御懇意願つておりますが、その当時は初めてお目にかかつたものですからあとでわかつたのですが、その他のものはその後お目にかかつてないものですから、名前も聽きませんし、あとまだ二三人おられたようには記憶しておりますが、どなたであるか記憶はありません。
#513
○明禮委員 あなたの方の会社のほかに、五大会社の今の代行会社の人もほかに見えていはしなかつたですか。
#514
○上田證人 それはお見えになつていないように思つています。
#515
○明禮委員 だれか話をしたのであなたの方は行くようになつたのですか。
#516
○上田證人 今の商工省の鉱政課長から……。
#517
○鍛冶委員長代理 それじや済みました。大してなかろうと思うが、またお聽きすることがあろうと思いますから、大津寄さんの済むまでそちらでお待ちください。
    〔鍛冶委員長代理退席、委員長着席〕
    ―――――――――――――
#518
○武藤委員長 大津寄さん、古河電氣の経理課長をしておられますか。
#519
○大津寄證人 さようでございます。古河電氣の兵器処理部の経理課長です。
#520
○武藤委員長 明禮君、簡單に御質問願います。
#521
○明禮委員 古河電氣工業株式会社が兵器処理部の仕事をするようになつたのはどういうわけですか。
#522
○大津寄證人 その点につきましては、われわれ経理の仕事を担当している面におきましては私は昭和二十一年の四月から関係いたしております関係上、その以前のことに属しますので、よく存じておりません。
#523
○明禮委員 古河電氣の兵器処理部の收支はどういうふうになつておりますか、今大体総括的に言いますと……。
#524
○大津寄證人 ただいまのところ第一期、第二期、第三期の決算を終了しております。第三期の決算は二十二年の九月をもつて締めております。爾後の決算はただいま檢察廳に書類が押收されております関係上まだいたしておりません。從つて三期のところで締めて御通知いたします。三期までの総賣上高は約六千三百万になつております。これに対する総原價が約六千九百万であります。從つてこの差額がマイナス約二百万くらいになりますが、ほかに原價外の收入が約九百八十万あります。從つて二十二年の九月末のところでは約七百八十万の剩余金を出しておることになります。以上であります。
#525
○明禮委員 作業費というのは一体どのくらいかかつておりますか。それを説明していただきます。
#526
○大津寄證人 これもやはり二十二年の九月までの決算のところでお報告申し上げたいと思つております。作業農勘定が材料費、労務費、経費、営業費、こういうようにわけておりますが、その総体は約一億三千万円くらいであります。
#527
○明禮委員 その中に交際費のようなものもはいつておるのでありますか。
#528
○大津寄證人 さようであります。
#529
○明禮委員 交際費はどのくらい。
#530
○大津寄證人 約二百五十万円。
#531
○明禮委員 どういうところに使いますか。
#532
○大津寄證人 これは多く打合せ会合費等に支出しております。
#533
○明禮委員 それに費用がかかるのはどういうことですが。葉書代ですか。
#534
○大津寄證人 いや、たとえば午後一時から始まるといつても少々時間が遅れてまいります。そうするとだんだん時間の経過に從いまして時分時になつてくる。そうすると食事をともにしてやる。こういうようなものが多いようになつております。
#535
○明禮委員 どういう打合せですか。
#536
○大津寄證人 いろいろ業務上の打合せ。
#537
○明禮委員 どういう人が集まりますか。
#538
○大津寄證人 同業者ほかいろいろのものが集まつてやるのであります。
#539
○明禮委員 ほかいろいろというのはどういうのですか。ざつくばらんに言おうじやありませんか。
#540
○大津寄證人 官廳関係もありますし……。
#541
○明禮委員 官廳はどういうところから來ますか。
#542
○大津寄證人 いろいろな方面がありますが、どうととり上げて申し上げていいわけのものじやないのですが……。
#543
○明禮委員 こちらではそこを聽きたい。そういうところに二百五十万円も使われているのは非常に――どういうつもりであなた方は兵器処理をやつておられるか。自分に拂下げられたものをやつておるのですか、國家の仕事をやつておるのですか。
#544
○大津寄證人 國家の仕事をやらしていただいておるわけです。
#545
○明禮委員 とすればいいじやありませんか、國家の仕事をやつておるんならどういう人が來て一緒に飲み食いしたか。
#546
○大津寄證人 私のところは御承知の通り位置が東京にあります。それでちよつと非鉄の代表みたようなかつこうになつております。官廳の方あたりが現地視察ということになりますと、すぐ私のところの作業隊をごらんになる。こういうふうなこともあります。
#547
○明禮委員 官廳はどういうところですか。私はなるだけ簡單に質問したいのですが、どうもまわりくどく言われるので時間がかかりますから單刀直入にどういう人が來たということを……。
#548
○大津寄證人 たとえば商工省の課長さんがおかわりになつた。こういうときには直ぐ私の工場をごらんになる。
#549
○明禮委員 私は工場を見に行つたときのことを聽いておるのじやありません。二百五十万円の交際費を兵器処理についてどういうふうに使つたを聽いておるので、そこへもつてきて工場を見に來た話をされたんじやちよつと話が違う。よそに話をもつていかないで聽いておるところに……。
#550
○大津寄證人 それから非鉄三社の打合せ会。
#551
○明禮委員 商工省の役人が來ただけですか。
#552
○大津寄證人 そのほかいろいろの官廳がありますが……。
#553
○明禮委員 そのほかの官廳はどうですか。言つてもいいじやないですか。言えないですか。
#554
○大津寄證人 覚えておりません。書類が行きましてから四、五箇月にもなりますから……。
#555
○明禮委員 四、五箇月前のことでわかりませんか。ずいぶんたびたびでしよう。一回じやないでしよう。
#556
○大津寄證人 ずいぶんあると思います。
#557
○明禮委員 ですからそこを概括して……。内務省、大藏省はないですか。
#558
○大津寄證人 内務省、大藏省というのはあまりないと思います。
#559
○明禮委員 会議費というのはなんぼ要つておりますか。
#560
○大津寄證人 会議費はこの交際費に含んでおるわけであります。そういう科目はありません。
#561
○明禮委員 一緒ですか。
#562
○大津寄證人 大体一緒になつております。
#563
○明禮委員 特別会計になつておるわけですね。
#564
○大津寄證人 さようでございます。
#565
○明禮委員 それで古河電氣工業株式会社が金を出しておるのですか。
#566
○大津寄證人 この兵器処理部は資金面は当初から非常に苦しんでおるものですから、われわれの営業費の大部分は古河電工に立替拂いを依頼しておるようなわけであります。その他作業費についても二十一年の終りごろまではほとんど古河電工の力になつておりまして、現に二十一年の八月までには約九百三十三万円というものを帝國銀行から借りたのでありますが、この帝國銀行から借りるにあたりましても兵器処理部には貸してくれないのでありまして、古河電工の名において借りて、それから兵器処理部に古河電工から貸す。こういうかつこうをとつております。非常に苦しんでまいりました。
#567
○明禮委員 古河電工とか日本軽金属というようなところへあなたのところでは二千二百円でほとんど軽合金属を賣つておりますね。これはいつなんですか。何回もあるのですが、一つも日が書いてない。いつ金がはいつたのですか。
#568
○大津寄證人 その入金につきましてはただいま調べておりませんから、はつきりわかりません。
#569
○明禮委員 これはどこで許可してもらつたのですか、二千二百円に……。
#570
○大津寄證人 二千二百円は商工省から指示されたように聞いております。
#571
○明禮委員 商工省のだれが指示いたしましたか。
#572
○大津寄證人 それはただいま存じておりません。
#573
○明禮委員 ただいまどこへ行つたらわかりますか。
#574
○大津寄證人 そういう値段の問題につきましては私のところにもと業務課というのがありまして、それからいつも通知をもらつて、われわれ経理の方で計算しておつたわけであります。業務の方に聽けばわかると思います。
#575
○明禮委員 あとから業務の人に聽いてそういう報告をしていただきましよう。
#576
○大津寄證人 承知いたしました。
#577
○明禮委員 古河電氣が自分みずから拂下を受けたものがありますね。これはあなたの方で取扱つておる総数量の何パーセントかということはわかりませんか。
#578
○大津寄證人 それがどうも最近までの決算をまだいたしておりません関係上、はつきりわかりかねるのであります。
#579
○明禮委員 先ほどのあなたの方の説明では收支計算表があなたの方から出ております。マイナスが七百三十三万円というのが出ておりますが、あなたは何だか黒字のような説明をされたが、あなたの方の兵器処理委員会から國会に出した報告書、第三回決算表というものを見ますと、七百三十三万円というのはマイナスというのがついておる。
#580
○大津寄證人 これは第三期分だけの決算でございます。
#581
○明禮委員 あとは第三期分じやなかつたのですか。
#582
○大津寄證人 私の方は一期二期三期の合計でございます。
#583
○明禮委員 大体総括して処理した成績はどうなんですか。そうすると黒字になつておりますか。
#584
○大津寄證人 予想決算の面におきましてはまだ十分檢討いたしておりません。
#585
○明禮委員 赤字ですか。結局は黒字になつているのですか、今のところ。
#586
○大津寄證人 赤字か黒字か実にあぶないところでございまして、はつきりいたしませんです。
#587
○武藤委員長 ほかにございませんか。済みました。
#588
○武藤委員長 藤澤勇次さんですか。
#589
○藤澤證人 はい。
#590
○武藤委員長 日本鋼管兵器処理委員で兵器処理委員会の事務局長をしておられましたか。
#591
○藤澤證人 日本鋼管ではありません。全体の、兵器処理委員会の事務局長です。
#592
○武藤委員長 それでは証人が兵器処理委員会の事務局長に就任されたのはいつでありますか。なお、いきさつを述べてください。
#593
○藤澤證人 私は終戰当時鉄鋼統制会の生産局の原料部長をやつておりまして、終戰後引続いて統制会の原料関係の整理をやつておりまして、十一月一日に兵器処理委員会の第一回委員会が開催されました節に小松委員長から事務局長に指名を受けまして爾來今日に至つておるのでございます。その当時は鉄鋼統制会と兼務のままでありまして、翌年の一月か二月ごろに鉄鋼統制会の方を辞任いたしまして、それから後には兵器処理委員会の事務局長を專任にいたしておりました。そして今日に至つております。
#594
○明禮委員 そうするとおやめになつたのはいつでしたか。終りまでずつと……。
#595
○藤澤證人 はあ、ずつとやつておりまして、今日清算をやつております。清算人の一人になつております。
#596
○明禮委員 あなたはこの五社を兵器処理委員会に選任した事情はお知りになりませんですか。
#597
○藤澤證人 一番最初、まだ事務局長に就任いたす前でありますので、詳しい話は存じませんが、二十年の十月半ばごろと思います。委員会が成立いたします半月くらい前と記憶いたしておりますが、鉄鋼統制会の渡邊会長の室に呼ばれまして、その節ここにお出でになる小松さん、鉄鋼統制会長及び鋼管の渡邊常務もいらつしやつたと思いますが、その席上で今回日鉄及び鋼管が返還せられます武器の解体の任に当ることになつた。両社でやられますので、その間に連絡するような組織が必要であろうから、ひとつ委員会みたいな方式でやりたいと思つておる。從つてそれらのことについてあるいは定款であるとか、内部的の申合せ等の規約も必要であろうから、そういうようなものをひとつ考えておいてくれんかと言われましたのが、一番最初であります。それから具体化してくるのを待ちまして、十一月から実際の機構に取掛つたようなわけであります。
#598
○明禮委員 あなたが事務をおとりになる初めに、マツカーサー司令部から帝國政府に対する返還物資についての覚書が來ておりますね。
#599
○藤澤證人 來ております。
#600
○明禮委員 こういうものについての取扱いについてはあなたは関與されておりますか。どういうふうにこういういわゆる覚書の趣旨を五大会社に徹底させておるかどうか、そういう点について述べてください。
#601
○藤澤證人 当時私ただいま申しました通り、鉄鋼統制会の仕事をやつておりましたので、どちらかと言うと、ただ手傳いさえすればいいという氣持であつたのでありますが、ほかの返還物資のこともよく存じておりませんでしたし、ただ日鉄と鋼管でやる委員会組織にするというようなお話がありましたので、そのつもりになつて定款等を考えておつたのでありますけれども、全貌がはつきりいたしませんので、どういう形をつくつていいか自分でもわからないでおつたのであります。そのうちに小松さんがお見えになりまして、横浜にきよう行くから一緒に行つてくれんかということで、お供をいたしまして横浜に参りました。期日をはつきり覚えておりませんが十月の半ばごろではないかと記憶しております。渡邊会長から言われたすぐあとだつたと思います。それで参りまして、そのときに初めて小松さんの御紹介でバラード大佐に会いました。そのときに非鉄側の方も見えておられました。商工省の方が一緒だつたと思います。私は默つて話を聽いておつたのでありますが、非鉄側も同樣な形で航空兵器の方もやることになつて、三社でやることに大体なつている。それについて鉄側と非鉄側と別々の委員会にするのか、あるいは窓口を一つにした方がいいのかということが、その席上で論ぜられておつたと記憶いたしております。そうして帰つてきて間もなく、これは一緒になるのだというようなお話で、それではそういうつもりで定款等も考えてみましようということになりまして、内側同士でもつてそういう案を練つておつたのであります。それからまたしばらくいたしまして小松さんから、これは内務省に返還することになつたのだというお話を承りまして、私寡聞でありましたために、こういつたことは商工省関係だけだと思つておつたのであります。ところが内務省に全部返還されるのだというようなお話でありますので、そうすると機構から何から相当変えなければいかんというような氣持がいたしましたので、小松さんにお供をいたしまして、内務省へ参りまして、青木さんに初めてお目にかかり、いろいろ伺いますと、もうすでに商工省にも内務省にも相当機構ができておつて、いろいろのお膳立をされている。また内閣にも特殊物件委員会があつて、そこで一般の返還物資の一環として取扱うことになつている。そういつた機構として進むつもりだ。組織は大体五社でやるのであるけれども、一般の特殊物件と同樣の考え方で、その一環としてゆくのだから、そのつもりでひとつやつてもらいたい、こういうようなお話がありまして、それにこれは内務省、商工省方面と連絡をとらなければいかんということと、われわれ自身が非常によくそこらの事情をわかりませんので、それから先は両省の間をいろいろ事情を聽いてまわつて歩いておつた。そのうちにたしか十月の終りじやないかと思いますが、商工省から大体解体兵器に対する処理機構の案ができたし、近く特殊物件委員会にかけていずれ可決するつもりだ、その内容を見てくれぬか、そういう話がございましたので、その要綱をいただいてまいりまして、第一回の委員会にかけた。そうして今度はそれを憲法と申しますか、全体としての構想の中心にいたしまして、それに基いての組織、考え方等をしようというつもりにしておりまして、十一月一日に第一回の委員会が開催されました。その席で大体その草案を皆さんにごらん願つて、相当議論もしていただいたと思います。そうしてそれを可決すると同時に、それに副うような形でゆこうということで、大綱をきめたと思います。そのときに委員会の機構それから職分の関係、やり方等についての大綱を大体きめて、その前日の十月三十一日附をもつて委員会が発足する。こういう形をとろうということになつたのであります。その後大堀事務官からたしか十一月五日だつたと思いますが、特殊物件委員会を通過した、あの通りでよろしいから、早速スタートを切るように手配してもらいたいというお話がありまして、それから後は連日会議を開いてだんだん具体化をはかつたような次第であります。たしか十一月十二日に機構に関する件が商工省と内務省との両者から地方長官宛に通牒があつて、委員長宛には十一月十九日でありますか、こういう機構によつて、こういうふうにやれ、それに対して万全を期せ、こういう通牒をいただきまして、その機構に則つてすべてを処理していくことになつたのであります。
#602
○明禮委員 今述べられたところによると、バラード大佐のところに行かれたのは十月の中旬ですね。
#603
○藤澤證人 たしかそのころだと思います。
#604
○明禮委員 大体そのとき行かれたのは、あなたと小松さんと、鉄鋼会社の渡邊さんのお二人ですか。
#605
○藤澤證人 いやそのときには、私は小松さんのお供をして行つたのでありまして、そのほか來ておられたのは非鉄三社の方が……。
#606
○明禮委員 非鉄三社の方、それはだれですか。
#607
○藤澤證人 今覚えておりますのは、古河さんの上田さんが見えておられたと思います。それから商工省からは若い事務官でありましたが、たしか中山とかいう技師の方がおられたと思います。その他二、三の商工省の方。内務省の方もおられたかどうかはつきりいたしませんが……。
#608
○明禮委員 そのほか神戸製鋼とか……。
#609
○藤澤證人 神戸製鋼の方もいらつしやつたかはつきりしておりませんが、頭に残つておるのは上田さんだけであります。
#610
○明禮委員 三社ありますね。
#611
○藤澤證人 三社の人とすれば、神戸さんは國廣さんか、扶桑さんは中山さんくらいじやないかと思いますが、これははつきり覚えておりません。
#612
○明禮委員 要するに三社來ておつたことは間違いないですね。
#613
○藤澤證人 そうであります。そのとき上田さん一人にしても、三社を代表して來られたと見てもよいと思います。
#614
○明禮委員 そこでどういう話が出ました。
#615
○藤澤證人 そこへ三社が來ておりまして、三社が大体きまつておるようなお話でありました。それで航空兵器と鉄鋼兵器と別々の委員会にするか、それとも一本にするかというような相談と申しますか、協議のようであつたと思います。なるべくならば窓口を一本にする方でいいというような結論に達したように覚えております。
#616
○明禮委員 そうですか。大体そのきまつておつたというようなお話は――あとから五社をきめたのはバラード大佐がきめたのですか、それとも商工省の人がきめたのですか、それとも小松さんあたりがきめたのですか。
#617
○藤澤證人 そこのいきさつはよく存じませんが、私が鉄鋼統制会長の部屋に呼ばれましたときに、すでに鉄鋼二社がきまつておつて、バラード大佐のところに行つたとき三社が來ておりましたので、ははあこういうふうにきまつたなと察したのであります。
#618
○明禮委員 兵器処理委員会というのは、配分とか價格について特別委員会をつくつておりましたね。それで兵器処理委員会は五代行会社を監督もしておるわけですね。
#619
○藤澤證人 機構は、先ほども申しました機構に関する件を、憲法のように考えてやりました。これには、最初の行き方からしますと、五社がそれぞれの技術とそれぞれの力とをもちまして、單独に責任をもつてやれ、こういうことが趣旨のようになつておりました。言葉は、委員会自体は計画統制という言葉が使つてあるようであります。大体五社を信用すると申しますか、五社の力によつてやる、ただ窓口を一本にするためにはレーゾン・オフイス式のものがなくてはいかぬ。政府にしても米軍側にしても、五社を別々に呼ぶのはめんどうだ、そこでなるべく窓口を一つにしてもらいたいというような意味合いがありましたので、レーゾン・オフイス式にするというような意味で、普通の委員会の形をとろうということが、その当時の皆さんの御意見であつたように思うのであります。ただ実際問題といたしまして、その機構に関する件の中に、五社がそれぞれの立場においてやりますけれども、一番しまいにプールしてやるという條項がございます。ある一社が非常にもうけた、ある一社が損をしたという場合がありましても、全体の帳尻をプールして、そして一本で、そこへ利益が出ればと――言うか、余剩金が出れば、政府に納入する、こういう形になつておりますので、それらの取扱い方をどうするかということと、当時政府の方にお願いしましても、金融の面まではめんどうを見てもらえない、これも五社の方からずいぶんお頼みしたようでありますが、とてもそれはいかぬ、どうしても五社の力なり、また委員会の力なりで金融面をつけなければならない。殊に委員会の発足の当時の氣持からみますと、配分のことはともかくといたしまして、まず米軍の命ぜられる通りの解体をするという作業が先でありました。從つて作業をやつてしまつた後に初めて、配分の問題が起つてくるので、作業を何としても向うの命ぜられた通りやらなくちやいかぬ。從つて先に金が要る。その金を一体どうするかということで、委員会自体として共同融資を仰ぐ以外に手はない、こういうような観点から、皆さんの御意見が、これは普通の委員会だけでは商工為ができぬからだめだというので、これを民法上の組合化しようというような話になつて、組合の形をとることになつたのであります。從いまして初めから組合という観念でいつたのとちよつと行き方が違つているように仕組まれておるのであります。実際の仕事は、各社がそれぞれの責任において自分の分担地区をやつていく、こういうふうになつておるのであります。從いまして事務局のごときも、普通の委員会における事務局といつたような形でありますので委員の中にも加わつておりません。從つて議決権ももつておらぬ、單なる事務局としての運営に過ぎない、こういう形をとつておつたのであります。
#620
○明禮委員 この兵器処理委員会というものは、單なる事務局ですか。これは事務局だけでなく、すべての監督その他のことも、やはり代行会社に仕事をやらせるのでありますから、代行会社の上にこれが立つて監督するという責任が、ここにあるのではないでしようか。
#621
○藤澤證人 これは今申しましたような形から申しますと、各社が單独でいくのでありますが、組合の形をとつておりますので、その意味から申しますと、法律的には委員会そのものが議決機関という形になつておりまして、組合としての総会であるとか決算であるとか、そういうことをやることになつておりますが、前の機構等の実際の運用上から申しますと、機構に関する件にあります通り各社がやることになつておりますので、実行契約書というものをつくりまして、実務は五社においてやるという委任契約と申しますか、実行契約を結びまして委任いたしたような形をとつております。
#622
○明禮委員 兵器処理委員会の定款の第三條にちやんとうたつてあるようですね。本組合は物件の受領、解体、保管、運送等の作業より賣買受渡処分に至るまで一切の実務を組合員たる担当会社に代行せしむるものとすと書いてある、この組合の精神からいくと、拂下の品物は一應兵器処理委員会が受けるのじやないでしようか。
#623
○藤澤證人 内務省との拂下契約は委員長の名義によつて結んでおります。そして五社がこれに連帯保証の形をとつたような拂下になつております。法律上はおそらくそうじやないかと思いますが、実際上において五社に実行契約書によつてその権限を移した、こういうような形をとつております。
#624
○明禮委員 拂下契約書から言えば兵器処理委員会が讓り受けている、そうすると責任は兵器処理委員会にあるわけですね。
#625
○藤澤證人 方法はそれは代行契約によつて五社に轉嫁しようという……。
#626
○明禮委員 五大会社に対しては兵器処理委員会が責任を負い、兵器処理委員会は内務省あるいは商工省その他の責任を負う、こういうことになるでしようか。
#627
○藤澤證人 法律上はそうなると思います。
#628
○明禮委員 五大会社以外の者でも、第一に書いてあるように、解体兵器処理の日本鋼管、日本製鉄、古河電氣、住友金属、神戸製鋼その他関係民間業者並びに業者以外の者も参加せしめたる委員会を設置するとあるが、業者以外の者はどういう人がはいつたのですか。
#629
○藤澤證人 五社以外の人は申込がありましたら審議して入れようじやないかという意味合でそれをつくつておつたと思います。
#630
○明禮委員 実際に入れていないじやないですか。
#631
○藤澤證人 実際においてあまりそういう話はなかつたように思います。
#632
○明禮委員 なるたけこの五社だけでやろうということだつたのでしよう。
#633
○藤澤證人 五社でやろうということよりは、一應スタートがそうなつておつたのでありまして、五社に地区と仕事の分担とを協定いたしまして、地区別の分担を定めまして、全國的にそれを定めることに委員会できまりまして、その後そういう申入があれば、申込があつた社から申込れるような形になつておるのであります。そうして私の聽きます範囲ではロカル的にはいろいろあつたようでありますが、それは担当地区の社が折衝されてきめておる、こういうように考えております。
#634
○明禮委員 金属統制株式会社、金属回收株式会社というようなところからも大分運動があつたのでしようか、あつたけれども入れなかつたのじやないか。
#635
○藤澤證人 表面的には委員会までは出ておらぬと思います。全回とか日鉄、鋼管とかを使つてやつておる仕事も相当あつたじやないかと思いますが、あまり委員会自体には議に上らなかつたようであります。
#636
○明禮委員 先ほど言いましたのがあなたに徹底しなかつたようだが、昭和二十年九月二十四日に帝國政府に対する覚え書、指令五十三号となつているのは民生安定のため、あるいは日本國民経済復興のためにこの物資を拂下げるのであるから、最後の消費者まで明かにしろということになつている。この点について一体あなたは五大会社を監督し、そういう問題については取扱いをどういうふうにされたか、その点を聽きます。
#637
○藤澤證人 これはすでに御承知と思いますが、特別委員会というものがございまして、中央配分と地方配分との二つに区分してございます。中央配分と称しますのは特別委員会にかけてあるのであります。地方配分は五社の場、所長の権限に任してある分と、地方の商工局長の許可事項にわたります分と二つあります。特別委員会がなくなりました後は商工省一本になりました。それまではそういう取扱いをしておりましたが、そのときの考え方と皆さんの議論しておりました点を総合して考えておつたのでありますが、その考え方によりますと、すでに需給調整規則がなくなつてしまつた、しかし戰爭中ずつと統制を商工省でやつてきており、どうしても中央で統制する必要があることは、あの機構の中にもあつたと思いますが、中央において計画に乘せるということが重大問題だ、殊に品物の少い際であるので、地方だけで勝手にやつてはいけぬ、こういうお話があります。またわれわれも長いこと統制に携つておつたものでありますから、これはどうしても政府のわくに乘つてやることが必要である。殊にわれわれの仕事は解体するということが主たる仕事である。それから先の、出てきた品物を配分することについては政府のお指図通りにすべきである。五社がやつても五社が勝手にとるというようなことではいかん、全部政府の計画に乘せたものでなくてはいかん、こういう趣旨から特別委員会というものが、今の機構に関する件の中にもうたわれているわけであります。それに基いて特別委員会を結成したのでありますが、当時鉄鋼統制会、あるいは軽金属統制会とかいろいろ統制團体がありまして、そういうものもくるめてやつた方がいいじやないかという議論もありましたけれども、むしろそれよりも需要官廳を皆入れまして、官廳側できめていただいた方がよかろうというような議論が先に立ちまして、大部分の需要官廳のそれぞれの担当官がメンバーとして加わる。そうして全体としての中央配分をきめよう、需要官廳と五社はむろんはいつております。五社はどちらかというと材料を提供する、どこにこういうものがどれだけある、どこからこういうふうに申込んできておるというような点で、材料を提供するという意味であつて、実際におきましては、需要官廳を中心といたしましての配分のわくをきめておつたのであります。主として商工省が指導の役に当られた。そうしてポツダム宣言と申しますか、覚書にあります通り、当時の考えで需要家になるべく廣く配給しようじやないか。大きな企業のみでなくて、小さい需要者にも廣くわかとうじやないか、そしてできるだけ早く、またできるだけ細分して需要者にやろうじやないか。それと同時に中間商人を排除いたしまして、なるべく実際の需要家に渡るようにしようじやないか。こういうような御意向が非常に濃厚でありまして、特別委員会においてもそういう議論が勝を制したと申しますか。そういう方針のもとに需要家に対しては実際問題としてその生産の工場の状態等にも参考資料として調べて、たとえば二箇月分であるとか、三箇月分であるとか、このくらいの材料なら二箇月くらいであろう。このくらいならあそこの生産能力の三箇月分くらいであろうというような参考資料等も申請書につけまして委員会にかけたのであります。また地方に処理を一任しておりました分につきましても、それと同じような線に沿うように、殊に配給の順位等も処理要綱をつくり、その要綱に從いましてやつておつた。配分についてはたしか十二月から一、二、三月くらいまでかかりまして特別委員会でいろいろ案を練りまして、別に処理要綱をつくりまして、その要綱に從つてやつていく。こういう形をとつておつたのであります。
#638
○明禮委員 その点はわかるのですが、しかし結局の跡始末として、あなたがあとまで整理しておられるのでありますが、結局今までにどれだけ金がはいつて、どれだけ金がかかつたということになりますか。
#639
○藤澤證人 これは半年ごとに整理することになつておりますので、第一期の決算は二十一年の八月十日をもつて締切りまして第一期の決算を出しております。第二期の決算は翌年の二十二年三月末日をもつて第二期の決算を出しております。第三期の決算は二十二年の九月末日をもつて決算を出しております。そうして第四期によりましていよいよ兵器処理委員会が最後の決算をすることになつておりまして、大体本年の二月で終るつもりにしておりましたところ、引継ぎ等の関係で大分遅れまして、実際上は五月末をもつて、今第四期の決算を作成中であります。第四期の決算は大体でき上りまして、これから細目について仕上げにかかろうという間ぎわに書類等を檢察当局に押收いたされましたので、最後の決算がそこで停頓して、同時に期日が延びましたので、その延びた間のものも精算しなくてはいかぬということで第四期の決算はできておりませんが、第三期までの決算はできておるわけであります。これによりますと、数字は私今手もとに持つておりますが、多少違うかもしれないと思いますけれども、ひとつお許し願いたいと思いますが、第三期まで一年半の間に、実際問題として約三億五千万くらいの利益が出ておるだけであります。そうして品物としては約四十二、三万トンの在庫が昨年の九月末にあるわけであります。これに対して約四億七千万くらいの金がかかつておると思います。大体そういう状態でまいつておるのであります。從いまして在庫品にかかりました金をトン当りで割つてごらんになると、一トンどのくらいという見当が出ると思います。そのくらいの費用をかけているわけであります。四十二、三万トンに対して約四億七千万円ぐらいの金がかかる。それから今度の公團への引継に対しまして、大体の予想を立てたのであります。これはまだ予想数字でありますので、決算してありませんが、第一期、第二期、第三期までで約百二十五万トンでありましたが、四期も加えまして、全体の回收量が大体百三十二万トンになるのではないかと推定されます。これに対して大体において十五億ぐらいの金がかかつている。トン当りにして千百円か千二百円程度になるのではないかと思います。それに対して販賣いたしました数量が大体八十二、三万トン、これに対する賣上が約十二億四千万円程度になつております、これは品物によりまして違いますが、平均いたしますと、千五百円平均ぐらいになつているわけであります。それと棚卸しの増減がありますので、それが約五万トンぐらいを見こんでおります。從つて四十四万トンぐらいが残つている。これを今度公團に引継ぎますのに、原價で引継ぎますので、今までの利益を全部吐き出してやりますので、大体資産と負債とを相殺いたしますと、約二億六千万ぐらいのことで事が済みはせぬか、引継費まで加えてそのくらいの見当に考えているわけであります。そこで今度は政府の方に在庫品をこれだけ引継ぎます。それに対する作業費と申しますか、これが今までのプラス、マイナスを差引いた残りでいいわけであります。コストはもつとよけいかかつておりますが、一方において利益が出ておりますから、それを相殺いたします。それに引継ぎに要する費用を加えまして約二億六千万円、これは推定でありますので、もつと精細にやりますと、もう少し有利になるかと思います。從いまして、トン当りにしますと、約六百円ぐらいで現物が引渡せる、こういう結果になるのではあるまいか、こういうように推定されております。現在これらの精算を急いでおるわけであります。
#640
○明禮委員 今の二億六千万円というのが、今度の予算に追加したものでございますか。
#641
○藤澤證人 そうでございます。
#642
○明禮委員 そこで今までのこういう問題について私どもはなはだ遺憾の意を表するのは、何かというと、支出の面について、一つの制限も何もなかつたようですね。作業費にしても、運送費にしても、あるいは交際費、いろいろな部門でみな出ております。この点については何らかの措置をとるということは事務長さんはやらなかつたのですか。
#643
○藤澤證人 この点につきましては、一番最初から内務省との拂下契約と申しますか骨組は、賣上高から総経費を差引いたものをもつて拂下代金とする。その経費とは何ぞや、こういうことが当時問題になりまして、いろいろ小松さんとも内務省へ行つて伺つたのでありますが、これは純然たる民営である。從つて政府の通りにするのじやない。たとえば実際の五社がそれぞれのしきたりもあろうし、それぞれの給料もあろうし、五社それぞれの立場において最善を盡して、実際にかかつたものはしかたがない。そういうことでやつてもらいたいということが骨子になつておりますので、從いましてたとえば日鉄と鋼管とは給料も違うところがあるでしよう。レベルも違う。しかしその各社の全責任においてやろうじやないかということになつたのであります。そして実際におきましては、各社が全責任をもつてそういうふうにやつているということで、事務局といたしましてはこれをチエツクすることが実際上はできないと申しますか、初めは監査制度なんかをつくりまして、自己査察をやつてみようじやないかということも一時考えてみまして、二、三人の経理担任者を選んで監査したこともあるのでありますが、結局人がやつていることをただ見にいくというようなことで、会計檢査院から來られたときに立会する程度にしか監査の実をあげておりません。これはどうしても全体としての数字をつかむ必要がある。殊に成立の当時からこの委員会は赤字になるかもしれぬというようなことで、非常に各社とも懸念をもつておつたのでありまして、いろいろな機会に必ずそういう議論が出るのでありますが、全体としてはたして赤字になつているのか、黒字になつているのか、よくわからぬ。殊に中央においてそれらの数字がつかめないというので私自身も非常に悩みまして、商工省の御趣旨もあり、二十一年の十月と二十二年の三月の二回を期し大規模な業務監査をやつたのであります。約三ケ月くらいかかりましたが、この業務監査によりまして、大体の全貎が初めてわかつたような次第であります。そのやり方は現在持つているストツク品に対してどれだけの経費がかかつたか、販賣された販賣数量と販賣されたものに対する経費がどれだけかかつたか、この二つを合わせますと、その調査いたしましたときの回收済数量に対する全支拂が出てくるわけであります。それで將來のものといたしましては、継続作業と申しまして現に継続しつつある作業にどれだけの一体金がかかるのだという明細をつけてもらいたい。それから見込作業、未着手作業というカテゴリーをつくりまして、未着手の作業は内務省からいただくことになつているが、まだ手をつけておらんものがどのくらいあるだろう。それに対してどのくらいの作業費がかかるだろうという見込み方であります。それと増加見込という項目を設けまして、これがまだ連合軍から内務省も受領しておらん。しかし受領する見込であるという数量であります。この五段階にわけまして、それぞれのコストのエステイメーシヨンを依頼しまして、それによつて五社から提出いたしました数字を事務局で集計いたしまして初めて全貎がわかつた。それで大体それほど赤字にならないで済むんじやないかという見込みがつきましたのが、第一回の業務監査のときであります。それから全國からもその担任者に來ていただきまして、それぞれ説明していただき、官廳の方にも列席願いまして、その席上で説明した。これが大体の全貎であります。しかし個々の作業そのものについてどの請負師とどういう契約をやつているとか、またそれに対してどういう條件でやつているかというような、個々のことはわかりません。
#644
○明禮委員 それはいろいろありましようが、私どもは收支の面においてある制度を加えるという一つの基準ができなかつたことを遺憾とするのであります。殊に今日現われておりますのは、事務局長さん御承知であろうが、各会社が自分のプロバーに拂下げをしている。しかもそれは非常に安い値段で各社が自分でとつている。こういう点について兵器処理委員会はこれを監督すべき責任の地位にあつたのではないか。それは商工省の役人が悪いかもしれぬ、内務省の役人が悪いかもしれぬ。いずにしてもそういつたことをやつている。殊に交際費にしても、とにかく國家の仕事と考えてやつたか、自分らの内輪のことだからどれだけかかつてもいいという頭でやつたかという点について疑をもつていることがたくさんある。あなた方は会計事務をお取扱いになつているから知らぬはずはないでしよう。自分の会社に勝手に安く拂い下げてやつたり、古河なんかがやつているのでも、自分の方の軽合金属をバイヤーである三、四の会社に、ほかのところへは四千円から五千円に賣るものを二千二百円で賣つている。しかもトン数がうんと多い。ほとんど大部分がそういうところへ流しているということである。これらについては事務局としても十分責任がある。あなたとしても、事務局長として、委員長とともにこの責任があると思う。この点についてあなたの御答弁があれば幸であります。
#645
○藤澤證人 事務局の怠慢のようで、またはなはだ釈明のようになつて恐縮でありますが、申しましたような機構になつておりますので、事務局といたしましては、これは各社の集計をしている、そういう作業の面につきましては、集計をしているというので、全体としての大ざつぱな数字だけしか手にはいつておらぬのであります。殊に先ほど申しました第一回、第二回の業務査察、そのほかにおいては決算ごとに出てくる決算の数字であります。それと毎月のマンスリー・レポート、どれだけ回收したかを、商工省なり連合軍に出します資料にとつている。そういつた数字だけしかわかつておらぬのであります。こまかい経費の細目とか、費目ごとの内容につきまして、遺憾ながら集計できなかつたのであります。また五社が独自の立場に立つて仕事をしておる。それに対して横やりといいますか、横から行つてこれを牽制するというまでには、組織の上から言つてどうしてもできない点がございまして、そこまで監督できなかつたのであります。これは事務局でなくて委員会自体がしなくちやならぬ仕事だと思います。それからただいまお話がありましたバイヤー向けの値段につきましては、これは委員会にも特別委員会にも議案が出まして、その当時の空氣は聞いております。そのほかの小さい値段等につきましては、委員会に出たのは少いのでありますけれども、今のバイヤー向けについては委員会に話がございました。相当案を練つたのであります。そのときの委員会の模様を御参考までにちよつと申し上げたいと思いますが、そのときは商工省の大堀事務官がお見えになりまして、日用品課の方方、その他鉱政課、非鉄金属課の方々も委員会に列席されまして、そうして純アルミの生産は、工場が全部止まつておる。しかもこれが全部賠償に持つて行かれそうである。日本政府としては何としてもこれを動かしたい。殊に日本として將來ともアルミ工業は非常に必要なのだ。何とかしてジユラルミンの屑で操業をやつていくよりほかに手はない。唯一の資源であるからそれに向けてもらいたい。こういうお話でありまして、そのときに値段は二千二百円以上になつたのでは、バイヤーの工場は立つていかぬ。殊にアルミの製品の値段を上げるにあらずんば採算がつぐなわないから、ぜひ二千二百円でやつてもらいたいと、こういうようなお話でありまして、当時の非鉄三社の連中の主張しております点を申しますと、粗塊体におきまして二千六百円から二千八百円くらいかかるから、運賃その他を多少差引きましても、二千二百円の値段では赤字が出るおそれが多分にある。それではどうしてもやり切れぬから、というようなお話がありまして、大分もめまして、そして委員会を数回開いたように記憶いたしております、なかなからちが明かないのでありますが、最後にせつかく政府が、どうしても採算が償わぬというならば、日本の軽金属界のためであるのだから、應ずる以外に手はないのじやないかというようなことに話がなつて、そうしてお受けすることになつたと思います。この問題については委員会に出たことを覚えております。
#646
○明禮委員 非常に詳しいことを聽きまして事情がわかつたのでありますが、そのときに大堀事務官とだれですか。
#647
○藤澤證人 あとは名前を覚えておりませんが、鉱政課の非鉄金属を取扱つておる担当官と、日用品課の方々が見えておつたと思います。私の記憶があるいは違うかもしれませんが、たとえば日用品なんかも、弁当箱にしても何にしても非常に高くなる。それじや今日の時勢に合わぬ。どうしてもこれだけの値段に抑えなければいかぬから、アルミの製品の値段もこういうふうに抑えてあるのだ。それに対する原料もこれぐらいの値段でなければ買えない。どうしても辛抱してもらいたい。こういうようなお話を強く主張されたと覚えております。
#648
○明禮委員 そういうような特別の場合は、品物をやるということはなるほどそれはいいですが、價格を今言つたように原價を割るというようなことはもつてのほかで、そういうことをやる場合には特別の許可を得るとか何とか方法をとれば別だけれども、二、三の事務官や、それからこれは兵器処理委員会としてのあなた方が責任をもたれたらいいが、遺憾ながら今日はこれが大きな非難の的となつておる。特別に例外價格もあるようだから、例外價格の許可を得るとか何とかすればよかつた。とにもかくにもただ一、二の下つぱの事務官とあなた方がやられた以上は、あなた方がその責任を負わなければならぬ。それから一つは再製塊の費用についても、一万四千円という費用が見てある。これは一つの基準であろうと思うのです。商工省で一万二千円にあなた方が請求したのを一万四千円にしておる。それで再製塊をつくりまして、実際の費用というものはそれほどかかつていないそうである。みんな七割とか半分くらいよりかかつていないところもあるということだが、この三社とも再製塊をつくつたところは、それだけの費用は全部やはり最高点に達したところまでみな取つておる。あとはみな飲んだということである。國家の損失ということを一つも考えていないことがはつきりするので、ここでこういうことについて皆さんに指摘をしなければならぬ。再製塊についての費用を全部取つておるという点について、あなたの御意見がありましたら承りたい。
#649
○藤澤證人 インゴツトの再製塊については、大分あとの問題と思います。いろいろいきさつもあつたのだと思いますが、非鉄三社の側の方が、インゴツトの値段が非常に安過ぎる。從つて再製塊をつくつても赤が出るのじやないかというようなことで、値上をしてもらいたいということを非鉄三社の方々が政府当局に迫られて、非常に運動されたのであります。一方それと同時に熔解費等についても日を追うて非常に高くなつてきた。日を追うて上つてくる。限りないというようなことから、これに対して何らかの手を打たなければいかぬというようなことが、非鉄三社の熾烈な申入れであつたと思います。それからの関係がありまして、昨年八月の物價改訂のときまでは、やはり物價政策のことだろうと思います。政府の御方針として上げるわけにいかないというようなことから、インゴツトの値上げということについての話が進捗しないでおりまして、從つて熔解費等についても決定を見るに至らなかつた。昨年の……。
#650
○明禮委員 ちよつと証人、私が聽いているのはその値上げのことを言うのじやない。要するに上つたものについて、費用がそれほどかからぬのに、費用を最高点に達したところまでとつて、実際は七割か六割しかかからぬものを全部とつて、それだけのもうけをふところに入れておるじやありませんかということです。
#651
○藤澤證人 それらの点については、事務局がよく内容を知つておらぬのです。実際のコストがどれだけかかつておるかということがわからない。
#652
○明禮委員 それはよろしゆうございます。それは事実を申し上げる。
 そこでもう一つお尋ねすることは、会計檢査院の方から何回檢査がありましたか。それについて会計檢査院はどんなことを言つておりましたか。何も言わなかつたですか。あなたの方の会計檢査について、その点お伺いしておきます。
#653
○藤澤證人 会計檢査院が昨年の夏から秋にかけて相当綿密に各社をまわられたいと思います。東京の方を済ませて地方を相当見られたのでありますが、その結果について私が私が聽きましたのは、大きな問題といたしましてはスクラツプの値段が安過ぎるのではあるまいかということを言われておつたように思います。その他の点についてはあまり聽いておらぬのであります。
#654
○明禮委員 まあ、聽くことはたくさんあるのですが、このくらいにしておきましよう。
#655
○鍛冶委員 先ほど五社の選定についてのお話がありましたが、委員長の選定についてのことで御承知のことを簡潔でよろしゆうございますから……。
#656
○藤澤證人 委員長の選定のことについては、話がすでにできておつたのだと思いますが、十一月一日の第一回委員会の席で満場一致で内部的にはきめたような形をとつております。
#657
○鍛冶委員 それはわかつております。その前にどうしてきまつたかということを、あなた御承知でないですか。
#658
○藤澤證人 その前には、あまり詳しいことを聽いておりませんが、鉄だけのときは、むろん鉄の面から出そうじやないかという話もあつたように思いますけれども、そこらははつきりいたしません。非鉄と一緒になりましたものですから、殊に問題は、非鉄と鉄側と両方あるのだ、そこで渉外関係として、経済團体連合会ですべての経済的の渉外関係をやつていらつしやる、その小松さんが委員長である。從つて鉄の面にも偏しないし、非鉄の面にも傾かない、中立的な意味からいつて、経済團体連合会から出すべきである。またこの委員会を経済團体連合会の外郭團体としてやつた方がいいじやないかということが皆さんの御意見のようであつたと記憶しております。
#659
○鍛冶委員 そうすると経済團体連合会の推薦がよほど力があつたと、こう解してよろしゆうございますね。
#660
○藤澤證人 推薦と申しますか、皆さんの御意見がそういう形をとつた方がいいじやないか、こういう御意見だつたと思います。それでそれらの御意見を出された方が経済團体連合会と交渉されたのかどうか、そこらは存じません。
#661
○鍛冶委員 主として、経済團体連合会で、どういうような方面からそういうような意見が出ておりましたか。
#662
○藤澤證人 経済團体連合会から御意見が出たのではなくて、第一回の総会のときに、そこへ集まつた人の中からそういう意見が有力に出て……。
#663
○鍛冶委員 それは十一月一日ですか。
#664
○藤澤證人 はあ。
#665
○鍛冶委員 それはその前に大体きまつておつた……。
#666
○藤澤證人 皆さんの御意見はそうでありました。その前にどういう話があつたか、それは存じ上げません。
#667
○鍛冶委員 十一月一日には経済團体連合会の委員長でもあるから、やられたがよい、こういうことであつたというのですか。
#668
○藤澤證人 はあ。皆さんの御意見がそうだつた。
#669
○鍛冶委員 それから、先ほどから監督についての話、経費の話が主として出ましたが、私が一つ聽きたいのは、あなたが先ほどのお話しでは、各社に任せて最善をやつてもらうという話でしたが、はたして最善をやつておるか、またやらぬかということを監査せなんで、やるものとして実際監督しなかつたのですか。その点どうです、実際は。
#670
○藤澤證人 信頼もいたしておりましたし、事実この委員会の組織ではちよつとむずかしいのでありまして、実際においては各社が全責任を負うてやつておる。そしてそれの連合式に委員会ができておつて、法律から言いますと委員会が全体をコントロールするような形になつておりますけれども、各社を信頼して、委員会ができた、こういう形になつております。いわんや事務局におきましては、ただこの委員会の運営におきまして、それを招集したり、決議録をつくつたりするだけのことしか権限をもつておりません。それで監督すると言つても実際はむりなのでありまして、今から考えますと、あるいは委員長直属の一つの自己監査の機関でもつくるか、あるいは委員会以外に別個に監査機関でもつくつておる以外に方法がなつたんじかやないかというふうに今考えておるわけであります。
#671
○明禮委員 最善を盡してくれればよろしいのですが、はなはだ失礼なことを申すようでありますが、相手方は商人ですから、最善を盡しておらなんだとすると、委員会に責任があるわけですね。それはどうお思いになります。
#672
○藤澤證人 その点になりますと私意見の立てようがないのでありますが、形といたしまして今申し上げましたような組織になつておるものでありますから各社の人が責任を負う。もし各社のやつたことについて、非常にぐあいが悪い点があるとか、非難すべき点があるとかいうことになれば、その会社の首脳部がこれの責任を負うのではないかこういうふうに考えております。
#673
○明禮委員 そこで物量の点ですが、これだけのものを預かつて処理して以上は、これだけの製品が出るのだ、こういうことがはつきりしておればよろしいがそれでなくて、出たものだけあつたのだ、もつと言へば、報告したものだけであつたことになつておる。実際報告せられておるものと、できたものと一致しておるかどうかということに対しては、何か監査をやられたことがありますか。
#674
○藤澤證人 これは数回地方委員会を開きまして、たとえば古河さんの工場に、ほかの四社の人も一緒に見にいくというようなことも数回やりました。そうしてその仕事をひとつ見ようじやないかというようなことで、かなり大掛りのことをやりましたが、結局それをやりましても、その社を皆んなしてほかの人が見学にいくというような形に事実上なつてしまつた。そうしてたとえば日鉄さんが鋼管の悪口を言うわけにもいかぬし、鋼管では日鉄の悪口を言うわけにもいかぬ。ただ見に行つた人は、そこに行つて見学してくるというような形で、実効がどうもあがらなかつたように思うのであります。
#675
○明禮委員 そこで大体どうですか。向うから渡された数量と、でき上つた数量と、相当つり合つているという見当がつきますか。それから、何とも全然わからぬものですか。
#676
○藤澤證人 これはものにもよります。一箇々々数のわかつておるものは、これは間違いないと思います。ただスクラツプとか、ジユラルミンこういつたものは看貫するのに非常に費用がかかります。そこで実際におきましては貨車のトン数であるとか、あるいは原形から逆算いたしました数量であるとか、いろいろなデーターをとり合わせまして、その現場の人が査定をしてやつておる、こういうふうに聞いております。賣る場合には大部分看貫しておると思います。受け入れる場合が実際において看貫ができない。また看貫すると非常に金がかかる。これは普通のスクラツプの場合でありましても大体そうじやないかと思いますが、それがためにエキスパートを置いて、その才能を理用して、大体見当をつけておる、こう申し上げたいのでありますが、実際においては場所が非常に廣かつたために、素人も多勢使つておつたというような関係もありますので、あるいは間違つた点等もあつたかもしれません。しかしそれは期末ごとにその現場の方で一應また査定をし直していただいておりまして、各社それぞれの立場から自己査察をやりましてやつておると思います。
#677
○鍛冶委員 私の聽きたいのは、たとえて言うならば、飛行機一台であるならば、ジユラルミンがいくら出て悪鉛がどれだけというふうに大体きまつておればよいのですが、きめないで、出て來たものだけはこれだけと、こうやつておられるではないかと思います。
#678
○藤澤證人 そういう点につきましては、大体飛行機一台というような受領証を出したのがありますが、その中に燒けた飛行機もあれば、また型によつても違う、何式の型のものであればジユラルミンがどれだけ、発動機がどれだけあるという計算重量は出てまいります。現場でもつて破壞作業をやつてジユラルミンはジユラルミン、砲金は砲金と分類いたしまして、初めて品物別の数量が出てまいります。計り得ないものはその現場の人が目分量でやつたり、いろいろな方法を講じて計算していると思いますが、そこらの実際については私見ておりませんので、五社の方に詳しい点を聽いていただきたいと思います。
#679
○鍛冶委員 委員会に対してのことですが、その預かつたものと出てきておるものとの間にたいへんな差額が出ているとすれば問題です。今日問題になつている焦点はそこにあると思いますが、それらに対してはあなた方は何か考えはありませんか。
#680
○藤澤證人 そう大した差が出ておらぬように聞いておりますが、委員会あたりに報告された点から見ますと、そう大して出ておらぬようであります。
#681
○鍛冶委員 委員会はただどれだけできましたという報告を受けて、どれだけ持つて行つた。これだけのものが出てどこそこへ配分になつたということはわかつているでしよう。はたしてこれらの配分になつたものが均合つているかどうかを調べておりますか。
#682
○藤澤證人 それは実際問題から申しますれば、たとえばジユラルミンであるとか、スクラツプであるとかいう大量のものは、大体その道の人ならば見当がつくのではあるまいか、そう大した狂いはないのではあるまいかと思います。たとえばジユラルミンでありますれば、十トン車に対して一トン半くらいしか積めないというような、物によつても違いますが……。そうすると大体十トン車について一トン半、それが狂いましてもほんの僅かの狂いしか出てこない。たとえばスクラツプで一級品であるならば、一級品というものはどのくらいの重量がある、四トンのトラツクにどのくらいしか乘れぬということは大体現場の人は心得ているではないか、そうしますと、そう大した狂いがないと思います。
#683
○鍛冶委員 狂いがなければ結構ですが、大造のごときは皆横流れしている。
#684
○藤澤證人 これはわれわれのよほど前の話でありますか。それは兵器処理が受取る前の話ではございませんか。
#685
○鍛冶委員 それは前であつたかどうか知らんが、預つたものを処理すれば、その預つたものとできたものとの間の数量について、どのような監査をしておられるかということをわれわれは聽きたい。監査がなかつたというならやむを得ないが、先ほどから聽けば、各社を信用して最善をやつたという。最善をやつてくれればよいが、最悪をやつておるかもしれない。あなたの方でやらぬでも、商工省でも、内務省でもそういう監督はやられなかつたのですか。
#686
○藤澤證人 業務査察とか、地方監査とか、そういうときに一緒に加わつてやつたことがありますが、それ以外にはなかつたと思います。
#687
○明禮委員 ちよつと小松さんに最後に聽いておきたい。今までの証人調べをやつてまいりまして、いろいろ関係の方に聽いてみましたところによると、大体この五社の選択あるいはそういうような兵器、拂下に関する問題は、小松さんが相当骨折つておやりになつた。しかもバラード大佐のところへ非鉄金属の連中も行つておるということになりますれば、その橋渡しは全部あなたがおやりになつたのではないかと私は想像するのでありますが、この点について、別にあなたがおやりになつたからといつて、よいとか悪いとかいう問題ではございませんけれども、問題としては小松さんがそういうような下こさえをしたものではないと思いますので、一應最後にそれだけのことについて、あなたのお考えを伺つておきたい。
#688
○小松證人 バラード大佐に鉄鋼兵器に処理について伺いましたのは、先ほど申し上げたように、渡邊義介氏及び渡邊政人氏を通じていつたときに初めて伺いました。私がこういうものをこういう会社に拂下げてくれろということをお願いをしたたけに呼ばれたのではなくて、何も知らないでまいりましたのでございます。それから先ほど申し上げましたように、非鉄三社にはバラード大佐に呼ばれて初めて私はお目にかかつた。藤澤君のお話では、いかにも非鉄三社がそのときにきまつておつたように聞えますが、私はきまつておつたかどうか全然存じません。初めてそのときに参りました。これらのことについては、私を呼びにきたデー大佐はまだ日本におられまして、E・S・Sにおられますから、こういうことをお聽きになつてもおわかりになるだろうと思います。それから横浜の第八軍のペンズウオスという人、ワツツ大佐はその当時はおらなかつたのでありますが、バラード大佐から引継いでおられます。ペイピン中佐などもずつと前からおられる方でございますから、私がそういう運動をしておるかどうかということについてはお聽きを願いたいと思います。しかしながら私はこういうものを日本の國民のために下渡してやるのだ、お前たちは一生懸命やつてこの処理に当れという激励を受けて、自分は非常に感激して、できるだけお手傳いいたしましようと申し上げたのは事実でございます。しかしながら自分のために何とかしようという考えから運動したことは毛頭ありません。どうぞその点はよく御了解を願いたいと私は思うのであります。しかしこれは向うから言われてこういうふうにやれ、日本國民のためにこれくらい考えておるのだぞということを言われて、御奉公するつもりでやりました。これは單に鉄鋼兵器のことだけでなしに、食糧問題などでもずいぶんそういうことを言われました。たとえばさつま芋を粉にして食糧の足りないときに渡すというようなことについてはどういうことをするのだと、農林省の方々にも御案内していただいてバラード氏のところに行つたこともございます。石炭についても石炭廳の方々とお伴して行つたこともございます。そういうことについては御奉公を一生懸命でやりましたが、決して自分の利益のために鉄鋼兵器の処理を自分に任さしてもろうというようなことは全然に考えておりませんでした。なおいかにも私が兵器処理委員会の委員長になることが前からきまつておつたかのように先ほどからの話で聞えるかもしれませんが、私は五社ということすらもはつきりと聽いておりませんでした。バラード大佐も進駐軍の方々も、決してこれの会社にやらせろ、あれの会社にやらせろという命令はなさらなかつた。ただ意見をおつしやつて、それを日本の政府にやらせるようにおつしやつたように思います。今でもそうだと思いますけれども、その当時は非常に氣をつけていらつしやいましたから、バラード大佐がこれにやらせろとはおつしやらなかつたと思います。これは日本の政府がきめさせたと私は了解しております。ほかの方はどういうふうに解しておられるかわかりませんが、私はそう解しておりました。私は自分がこれをやろうということのために、運動などは絶対にいたしません。ただお手傳いした方がお國のためになるという心持でお手傳いしました。いろいろ疑問の点もあつたようでありますが、私の力の足りませんために、監督の不行届であるとか、いろんなことが今言われるようであります。その終戰当時、十月、十一月には仕事をすることがほとんど不可能でありました。労務者も燒け出されておつて、工場のそばにはいない。会社の幹部の人たちもずいぶんいない。トラツクなどもなかなか手にはいらない。そういう時代に毎日呼びつけられたり、いろんな命令をせられておりまして、自分の氣持では、自分の力が足りないために仕事がうまくいかなかつたかもしれませんが、全力を注いでやつたのでございます。その点は私どもの心持をできることならよくおわかりになつていただきたいとお願いする次第であります。
#689
○明禮委員 去年の八月におやめになつたのはどういう理由でありますか。
#690
○小松證人 私は一昨年の暮に追放ときまりました。日本鋼管の常務をしておつたということから、追放者にきめられました。その当時それでは兵器処理委員会もやめるべきであるかと伺つたのであります。それは非公式に八軍の方々にも御意見を伺いました。商工省にも御意見を伺いましたが、君がやめれば連絡に困るからやめない方がいい。これは別に差支えないというお話で続けてまいりましたが、八月になりまして、やめた方がよろしいというお話が審査委員会でございましたが、それを取扱うところでお話がございましたので、私はすぐに辞表を出したのでございます。別にやめなければならないという命令を受けたのではありませんが、やめた方がよろしいだろうというお話を承りましたので、私は早速やめたのであります。
#691
○鍛冶委員 今あなたの氣持はよくわかりましたが、あなたが委員長になられた上において、あなたの背景に経済團体連盟というものがあつたことが一種の力になつておつたということはお認めになりませんか。あなたはそういう氣持ではなかつたかもしれませんが……。
#692
○小松證人 経済團体なんというものは、もうそのときにはあるかないかわからないようなものでありました。ただいろんな会社の方々、進駐軍の人が來て、いろんなことの連絡に困るから、何かつくつたらいいじやないかということで連合委員会というものができました。それで私通訳に方々へひつぱり出されたのでございます。商工経済会にお聽きになつてもよくおわかりくださるだろうと思います。その当時の会長は藤山愛一郎、理事長は船田中、ほかの役員の方が多数來られましたが、私を通訳のためにお使いになりました。私はそういう仕事もお國のためと思つたから甘んじてやりました。その後バラード大佐が終戰の翌年五月にお帰りになつたのですが、帰られるときには、バラード大佐が非常に日本の産業復興について努力をぜられたので、せわになつた会社があそこにも、ここにもというので、数百あつたと思いますが、バラード大佐が帰られるについて、私のところに來て、何とかしてわれわれは感謝の意を表したい。こういうことでそれならひとつここで感謝会を開いてみようじやないかというようなことを私は提案しました。各会社が五百円ずつの会費をもちまして、工業クラブに寄つて感謝の会を開きました。そのときには食い物はどうせこういう時代だから、ほんの一皿の食い物で、しかし会社の感謝の氣持は十分に表わそうじやないかということで、正式の会を開くことになりました。進駐軍の方も司令部からも、横浜の軍政部からも代表の方が來てくださいまして、そういう会がございました。そのときに私は座長といたしまして、バラード大佐に対して集まつた会社を代表して感謝の意を表しました。向うからも御挨拶があり、八軍の代表者からも御挨拶がございました。バラード大佐はずいぶんその当時から骨を折つてやつてくれました。東京商工経済会の今の水曜日の例会のごときは、もう九月の十二日――十二日には私はおりませんでしたが、十二日からお帰りになるまで、ほとんど一、二回しか欠席されずに御出席になりました。御自分の出られないときには代理をお出しになりました。兵器処理については、大いに自分が督励をしていきたいのだということを言われました。そこでひとつ各方面をまわろうじやないか。お前も一緒に行こうということで、出発前になつて一週間ばかりまわられた。それに私がお伴したことも覚えております。バラード大佐は兵器処理の問題以外に、石炭の問題とかいろいろの問題に骨を折られました。進駐した年の十二月ごろには、石炭が出なくなつて困るというので、大きな石炭を使用する会社の社長さんたちを集めてくれないかという話がありまして、二十数名の会社の方々に集まつていただきまして、その方々がバラード大佐の話を聽かれた結果、北海道に行つて輸送のお手傳いをする工員を自分たちで募集しようじやないか。その結果二千人くらいの人が北海道に行つて何十万トンの石炭を掘つたこともあります。そのように骨を折つてくださいまして、私感激をもつてお手傳いしただけでございます。さよう御承知を願いたいと思います。
#693
○武藤委員長 明日は理事会がございませんから、定刻午後一時より委員会を開会いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
    午後七時二十分散会
ソース: 国立国会図書館
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