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1951/02/19 第13回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第013回国会 電気通信委員会 第5号
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1951/02/19 第13回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第013回国会 電気通信委員会 第5号

#1
第013回国会 電気通信委員会 第5号
昭和二十七年二月十九日(火曜日)
    午後一時三十八分開議
 出席委員
   委員長 田中 重彌君
  理事 高塩 三郎君 理事 橋本登美三郎君
   理事 長谷川四郎君 理事 松井 政吉君
      井手 光治君    庄司 一郎君
      辻  寛一君    中村  清君
      福永 一臣君    椎熊 三郎君
      畠山 重勇君    石川金次郎君
      田島 ひで君
 出席政府委員
        電波監理委員会
        委員長     網島  毅君
        電波監理委員会 
        副 委 員 長 岡咲 恕一君
        電波監理長官  長谷 愼一君
        総理府事務官
        (電波監理総局 
        法規経済部長) 野村 義男君
 委員外の出席者
        参  考  人
        (日本放送協会
        理事)     岡部 重信君
        專  門  員 吉田 弘苗君
        專  門  員 中村 寅市君
    ―――――――――――――
二月十八日
 テレビジヨンの公共企業に関する請願(佐々木
 秀世君紹介)(第七九三号)
の審査を本委員会に付託された。
同日
 公共放送によるテレビジヨンの実施に関する陳
 情書外十九件(北海道知事田中敏文外四十七
 名)(第五二二号)
 同外十件(山形県知事村山道雄外百十八名)(
 第五二三号)
 同外五十六件(放送教育研究会東海北陸連盟会
 長沢木鉱之亮外七十二名)(第五二四号)
 同外四十五件(愛知県議会議長田辺秀世外五十
 二名)(等五二五号)
 同外五件(浜松市立中学校PTA連絡会長山下
 義次外五名)(第五二六号)
 同外二十三件(岐阜市長東前豊外二十五名)(
 第五二七号)
 同外五件(石川県議会議長太田孝三外七名)(
 第五二八号)
 同外一件(福井県知事小幡治和外一名)(第五
 二九号)
 同外三十件(兵庫県知事岸田幸雄外四十七名)
 (第五三〇号)
 同外十四件(津市長志田勝外十四名)(第五三
 一号)
 同外十九件(広島県知事大原博夫外三十二名)
 (第五三二号)
 テレビジヨン放送の実施促進に関する陳情書外
 三件(広島県商工会議所連合会会頭藤田定市外
 三名)(第五三三号)
 教育的テレビジヨンの実施に関する陳情書外四
 十七件(京都府教育長天野利武外百六十五名)
 (第五三四号)
 テレビジヨン放送の北海道誘致に関する陳情書
 外二件(札幌市長高田富與外三名)(第五三五
 号)
 テレビジヨン放送の釧路誘致に関する陳情書外
 一件(釧路学校放送研究会代表者後藤鉄四郎外
 一名)(第五三六号)
 テレビジヨン放送の函館市誘致に関する陳情書
 外一件(函館市長宗藤大陸外三名)(第五三七
 号)
 テレビジヨン放送の郡山誘致に関する陳情書(
 郡山市長円治盛重外四名)(第五三八号)
 テレビジヨン放送の東海地区実験放送促進に関
 する陳情書(一宮市宮町二丁目三十九番地神戸
 幸生外二百八名)(第五三九号)
 名古屋市におけるテレビジヨン放送実現に関す
 る陳情書外二十六件(愛知県知事桑原幹根外二
 十六名)(第五四〇号)
 テレビジヨン放送の富山県誘致に関する陳情書
 外十七件(富山市長富川保太郎外十七名)(第
 五四一号)
 テレビジヨン放送の関西誘致に関する陳情書外
 二件(大阪大学工学部通信工学教室青柳健次外
 九名)(第五四二号)
 テレビジヨン放送の大阪誘致に関する陳情書外
 十五件(岸和田市野田町三十四番地塚本昇外百
 八十六名)(第五四三号)
 テレビジヨン放送の尾道市誘致に関する陳情書
 (尾道市長天野彦三外十四名)(第五四四号)
 テレビジヨン放送の三原市誘致に関する陳情書
 (三原市長戸田勝巳外七名)(第五四五号)
 テレビジヨン放送の山口県誘致に関する陳情書
 外五件(山口県知事田中龍夫外六名)(第五四
 六号)
 香川県にテレビジヨン放送施設実施に関する陳
 情書(香川県視聽覚教育研究会会長朝田秋次)
 (第五四七号)
 テレビジヨン放送の佐賀県誘致に関する陳情書
 (佐賀県学校放送研究会長納富善六外十二名)
 (第五四八号)
 宮崎県にテレビジヨン放送局設置に関する陳情
 書外一件(宮崎県議会議長日高彌一外一名)(
 第五四九号)
 テレビジヨン放送の鹿児島県誘致に関する陳情
 書外五件(鹿児島県教育委員会委員長中村安昭
 外二十名)(第五五〇号)
 証券業者の電話料金遞減に関する陳情書(東京
 証券取引所長小林光次)(第五五一号)
を本委員会に送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 小委員の補欠選任
 参考人招致に関する件
 放送法第三十七條第二項の規定に基き、国会の
 承認を求めるの件(内閣提出、承認第一号)
 日本放送協会昭和二十五年度財産目録、貸借対
 照表及び損益計算書
    ―――――――――――――
#2
○田中委員長 これより電気通信委員会を開会いたします。
 お諮りいたします。電気通信事業の経営方式改善に関する小委員辻寛一君より、小委員を辞任いたしたいとの申出がございます。これを許可するに御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○田中委員長 御異議なければさように決定をいたします。
 さらにお諮りをいたします。辻寛一君小委員辞任に伴い、小委員の補欠選任を行わなければなりませんが、先例により委員長より指名いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○田中委員長 御異議なければ福永一臣君を小委員に指名をいたします。
    ―――――――――――――
#5
○田中委員長 日本放送協会昭和二十五年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書を議題とし、審議を進めます。前回の委員会において決定いたしました日本放送協会理事岡部重信君が参考人として出席されております。
 これより質疑に入りまするが、質疑は便宜上電波監理委員会と参考人に対し、並行して行いたいと存じます。質疑の通告がございます。これを許します。高塩三郎君。
#6
○高塩委員 過日内閣より本委員会に付託と相なりました日本放逸協会昭和二十五年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書は、申し上げるまでもなく日本放送協会の昭和二十五年度会計の決算書類であります。従つてこれが審査につきましては、当然これの由来する予定計画に比べましてその是非を検討し、一方また放送法及びこれに基く諸命令並びにその他の関係法令に照しまして、その当否を判定し、将来における予算の編成ないし執行の適正をはかり、もつて協会の業務を公共の福祉に適合せしめ、健全なる発達を遂げしむるために必要な国会の意思を反映させなければならないものと存ずるのであります。さきに政府の説明にもありましたように、この決算書類は放送法施行後初めての提出にかかるものでありまして、なおこれに比較すべき協会最初の収支予算、事業計画及び資金計画は、当時所管行政庁の認可をもつて、特に国会の承認にかえられたものであります。すなわち本委員会の審査におきましては、これらの点につきましても相当の考慮を払う必要があるものと考えられるのであります。私は以上の見地によりまして、会計検査院の検査結果及びこれについて、さきに聴取いたしました会計検査院の説明をも参酌いたしまして、以下少しく政府に対し、また必要に応じては日本放逸協会に対しまして、質疑を試みたいと思うのであります。
 まず日本放送協会の財務会計に関する監督につきまして、電波監理委員会にお尋ねいたします。この協会の会計については、会計検査院が検査することになつておりますが、言うまでもなくこれは既成事実の会計結果に対して行われるものでありまして、協会の財務、会計の日常進行過程に浸透するものではないと思われるのであります。もちろんその日常処理の指導、統制の権限と責任とは、経営委員会に属するものと存ずるのでありますが、なお日本放送協会に関することを所掌事務の範囲及び権限に持たれる電波監理委員会といたしまして、あるいは放送設備の譲渡、貸與等についての認可、放送債券発行の認可申請書類提出についての経由処理など、具体的に規定されたものは別といたしましても、あるいは概括的に、たとえば所掌事務にかかわる公益法人その他の団体につき與える許可もしくは認可、または所掌事務に関し徴する報告についての規定があるのであります。すなわち少くともこれらの規定によつて、電波監理委員会は協会の財務、会計関係の処理につきまして、どの程度の監督、接触を保たれたのであるか、それをまずお伺いしたいのであります。
#7
○網島政府委員 ただいまの高塩委員からの電波監理委員会は、協会の財務会計に対してどのような監督をしておるか、あるいは監督権限を持つておるかという問題に対しまして、私どもの見解を申し上げます。
 御承知のように電波監理委員会設置法第三条に、電波監理委員会の所掌事務として「日本放逸協会に関すること。」という項目が掲げてございます。但しこの権限は、法律に基き電波監理委員会に属された権限ということに相なつておりまして、設置法からだけでは日本放送協会に関する全面的な監督権限は出て来ないのでございます。ところで法律によりまして電波監理委員会の権限とされた事項といたしまして電波法及び放送法にいろいろございます。ただいまお話にあつた日本放送協会の設備の譲渡という問題もその一つでございまするが、そのほかに定款の変更、受信契約条項の認可、修理業務場所の指定等いろいろございます。また電波法に基きまして放送局を設置する場合の免許並びに監督についても権限がございます。ところがこれらはいずれもただいま御質問にありました財務監督とは別個のものでございます。そこで財務監督に関連したものとして考えられますのは、放送法第三十七条によりまして、協会から毎事業年度の収支予算、事業計画、資金計画等の提出を受けまして、これを検討いたしまして、電波監理委員会としての意見をこれに付し、内閣を経由して国会に提出することに相なつておるのであります。また第三十八条におきましては、毎年度協会より電波監理委員会は業務報告書を受理いたしまして、これにまた意見を付しまして内閣を経て国会に報告することに相なつておる次第であります。ところでこれらのものは間接的には財務監督という面に関連は持つておりますが、ただいま御質問の直接の財務監督という面には関係は持つておらないのでございます。
 決算につきましては第四十条に、財産目録、貸借対照表、損益計算書及び説明書を受理いたしまして、これを内閣総理大臣を経て内閣に提出することになつておりますし、この書類を内閣は会計検査院の検査を経て国会に提出することになつております。協会の会計につきましては、第四十一条におきまして、会計検査院が検査する規定に相なつております。従いまして電波監理委員会といたしましては、直接協会の帳簿その他を実地検査するという権限、あるいはまたこれらに関して強制的に報告を聴取するという権限はないものと私どもは考えておるのであります。しかしながらこの決算書類を電波監理委員会が協会から受理いたしまして、内閣を経由して会計検査院の検査に付する場合におきまして、法律上意見を付するというような規定はございませんけれども、その決算書を見まして明らかに事実上非違の点がある場合には、行政機関としての責任上、提出書類によりまして協会から説明を受ける、あるいはまたこれに電波監理委員会としての意見を付けまして、内閣なり国会の御参考に供することは当然すべきことであり、またしてさしつかえないことであろうと存じている次第であります。会計検査院の検査の結果、これにつきましていろいろな意見が付せられた場合におきまして、それが国会において審議され、国会におきましても当然改善すべきものとお考えになられます条項につきましては、電波監理委員会としてその趣旨を協会に伝え今後の業務遂行上遺漏なきよう注意をいたすことは、職責上当然なすべきことかと存じておる次第でございます。
#8
○高塩委員 次にこの決算書類に対しまして、電波監理委員会におきましてはどのような処置がとられたか、その処理経過をお尋ねするのであります。すなわちこの決算書類がまず電波監理委員会に提出されること、またこれが放送法施行規則をもつて、電波監理委員会制定の様式に従つて作成されたことにかんがみまして、さらにまた次年度分からは、電波監理委員会が直接に検討し、意見を付して国会に提出された収支予算、事業計画及び資金計画と緊密な関係を持ち、しかもこれらの書類は、いずれも放送法施行規則によつて電波監理委員会の規律するところに従つて作成せられたものであることに照しまして、この決算書類に対する電波監理委員会の処理がおのずから重視せられるものと考えまして、その点をお伺いいたします。
#9
○網島政府委員 ただいま高塩委員の申されたことはまことにごもつともでございまして、この協会の決算は次年度の予算にも関係がございまするし、また協会の事業の業務にも密接な関係を持つものでございます。従いまして電波監理委員会といたしましても、この決算書類に対しましては、相当慎重な態度をとつておるのでございまして放送法第四十条の規定によりまして、今回提出されました決算書類に対しましても、電波監理委員会といたしましては、これを内閣総理大臣を経て内閣に提出する前におきまして、これが一定の定められた書式に合つておるかどうかということ、並びにその決算書類の計数を基礎といたしまして、放送法の趣旨に照し、予算と対比いたしまして、大体妥当であるかどうかというような検討をしたのでございます。その結果、委員会といたしましては妥当であるという考えのもとに、これを内閣に提出した次第でございます。
#10
○高塩委員 さらにこまかい点、二、三についてお伺いいたします。日本放送協会の財務、会計に関連する放送法施行規則中の規定の趣旨について、電波監理委員会に念のために二、三お尋ねいしたいと思います。
 その一つは、施行規則第八条によりますれば、協会の収支予算記載事項といたしまして、そのうちに「予算の目的外使用に関すること。」というのが掲げてあります。その別表第一号の事業收入の雑收入に株式配当金を予定し、資本支出に有価証券、長期貸付金等の投資を予定する予算項目がありまするが、これは放送法第三十九条で、協会の收入は、放送法中に掲げる協会の業務遂行以外の目的に支出してはならないとするところと、どういう関係に立つものであるかということであります。
 その第二は、第十二条による別表第二号の貸借対照表の書式中の資産の部特定資産の減債用放資勘定と、資本の部、剰余金の減債積立金との関係であります。
 その第三は、施行規則第五条の「受信設備には、放送を受信する受信機に連接する受話機及び拡声機を含む」とする規定は、放送法第三十二条第一項の受信についての契約の対象となる一個の受信設備に包容できるものの範囲を定めるものであるかどうかということであります。お答えを願います。
#11
○野村(義)政府委員 お答え申し上げます。第一問の有価証券投資等につきましてのことでございますが、放送法の制定に伴いまして、旧社団法人日本放送協会の財産は、昭和二十五年六月一日付で新しい現在の放送法上の法人に引継がれて来たわけであります。新しい協会は、この承継資産を基本財産としまして、業務を運営して今日に至つたものでありますが、この承継資産の中には、過度的に若干の株式、長期貸付金等が残つていたわけであります。これはできればその当時処分ができたらよいかと思いますが、当時引継ぎの際にはできないので、事業收入の中においてその投資してあつた株式の中から配当金がある時期に来るだろうということを予定し、また資本收入の中でも、ある若子の会社に長期貸付金等を貸しておつて、早晩整理さるべきものであつたが、放送法施行当時においてはまだ整理ができなかつたというようなことがあるので、ああいう科目を残して参つた一わけであります。なお支出科目におきまして、協会の事業遂行のために必要な投資ということを一応考慮して、予算科目の一項を設けた次第であります。その後資産の整理を行いました結果、旧社団法人時代の長期貸付金の返済も逐次済みまして、若干の株式を残すだけになりましたので本年の一月電波監理委員会規則を改正いたしまして、予算科目の改正をやつて、貸付金に関する事項を予算科目から除きまして、協会本来の業務に直接必要な科目表に残したわけであります。ただこの場合、資本支出の投資有価証券の項は、放送法第九条の目的を遂行するために、場合によつてはある投資をしなければならないと考えられますのでこれを設けたのでありますが、今後ほとんどそういう事態がないということであれば、さらにこれを考慮したいというふうに考えております。
 それから第二問の減債用放資勘定と減債積立金の関係でありますが、協会は、放送法第四十二条の規定によりまして、放送設備の建設あるいは改修の資金に充てるために、大蔵大臣の認可を得て放送債券を発行した場合には、同条第三項の規定によりまして、毎事業年度末現在の発行債券未償却額の十分の一に相当する額を償却積立金として積み立てなければならないことになつております。決算におきましては、資産の部におきまして、特定資産として減債用放資勘定を設定して積立金の所在を明らかにすると同時に、資本の部の方に減債積立金という科目を設けまして、剰余金から積立相当額を繰入れることとしたのであります。この積立金は、放送法の趣旨並びに事業の健全性を確保するという点から見て、社外に別途積み立てるべきものであると考えられますので、二十五年度決算におきましては、本年度の積立金を特定資産として計上して社外に積み立て、また減債積立金は剰余金処分の結果、資本の部に計上されるものであります。
 第三問の放送法第三十二条第一項の協会の標準放送を受信することのできる受信設備の範囲の問題でありますがこの受信設備を設置した者は、協会とその放送受信についての契約をしなければならない旨を放送法では規定しておるのであります。放送法施行規則第五条の規定は、放送法第三十二条の受信設備についての一種の解釈規定でありまして、放送を受信する受信機に連接する受話機及び拡声機は、放送法第三十二条の一項の受信設備であるという旨を規定いたしまして、受信設備の観念を明確にした次第であります。
#12
○高塩委員 次に日本放送協会の方にお伺いいたします。具体的の計算関係などに及ぶのでありますが、まずお伺いいたしたい点は、収支予算と損益計算との関係であります。提出の説明書の中で、年度の損益計算については、おおむね収支の均衡を保つことができたとせられ、収支の各料目について、それぞれ予算に対する増減状況を説かれておりますが、この損益計算書計上の金額は、予算に対する関係においてどのような過不足状況を示すものであるかという点をまずお伺いいたします。
#13
○岡部参考人 損益計算書に計上されておる金額が、予算に比較してどのような過不足状態にあるかという点についてでございますが、ただいま印刷したものをお手元に差上げて、それによつて補足説明いたしたいと存じます。
 この決算には、下に注とあるように工事特別雑損五千八百六十万九千円が含んでございます。この工事特別雑損というのは、建設費に附帯して生ずる諸経費、たとえば土地建物登記料、買収手数料、機械取付費並びに運搬費その他の雑費を経費に落したものでございます。従つて雑損決算額の六千六百七十三万七千円には、この工事特別雑損が含まれております。それで事業支出からこれを控除いたしますならば三十一億三千六十三万円余になります。その他の業務経費から控除いたしますれば二億三千八百五十万円余となるのでございます。従つて当期剰余金は九千九百六十万円余となるわけでございます。ただいま申し上げた工事特別雑損というものを落しますと、事業支出におきまして三百九十二万二千円の黒字となるわけでございます。
#14
○高塩委員 次に貸借対照表についてお尋ねしますが、その資本の部の科目にありまする固定資産充当金というものの実体は、財務諸表準則など一般の場合におきまする繰越剰余金ではないかと思います。はたしてしからば、これを率直明瞭に表示しないことは、何らかの特別の事由があるのであるかどうか。なお実質上の繰越剰余金としてそれに一億三千万円余りが現存するにかかわらず、別に繰越欠損金として二千万円余りを特に存置されておるというのは、どういう事由に基くものであるか、お伺いいたします。
#15
○岡部参考人 貸借対照表中の固定資産充当金についてのお尋ねでございますが、この固定資産充当金は、広い意味で申しますれば、繰越剰余金でありますが、御承知のように日本放送協会には資本金がございませんので、これを普通の繰越剰余金の例によりまして経理することは、協会の財政の健全性上から好ましくありませんので、固定資産の方に充当された剰余金は、財務諸表準則の資本剰余金の例に準じまして、事業収支より生ずる利益剰余金と区別して表示しているのでございます。さらにただいま申し上げましたような理由から、固定資産充当金と、前期より当期に繰越して、当期において使用することができまたは補填しなければならない繰越剰余金、または繰越決損金と、当期の収支から生ずる利益剰余金とを、区別して計上しているのであります。
 なお固定資産充当金の計算方法を申し上げますれば、前期末から繰越された固定資産充当金に、本年度における固定費産の偶発性増加額と、同じく除却並びに売却損による減少額を加減して算出するものであります。さらにこれを翌年度に繰越すときには、今年度資本收入から本年度建設費を控除しますが、資本收入が多い場合は控除して繰越剰余金に戻入し、建設費の方が多い場合はそれだけ増加算出するのでございます。
#16
○高塩委員 次に会計検査院の検査結果につきましては、すでに了承されているものと思いますが、そのうちすでに改善されたものは別といたしまして、将来改善を要するものとして指摘されている事項について伺いたいと思います。
 まず予算の目的外支出の禁止に関する放送法の規定に照して、是正を要するものとせられた投資の回収であります。申すまでもなくこれは旧法人の目的内であつた支出の結果が承継されまして、この財産目録及び貸借対照表の上に不当化した形体をもつて残存するものでありますから、もとより二十五年度の合計処置にその責を帰すべきものではないのでありまするが、これをすみやかに回収することによつて、この種資産の存在を解消させることは、きわめて望ましいものと考えられるのであります。この点につきまして、どういう見通しをお持ちになつておるか、お伺いしたいと思います。
#17
○岡部参考人 いだいま高塩委員からの御意見、まことにごもつともと存じておる次第でございます。日本放送出版協会の株式と、電気興業株式会社の株式に対する投資は、旧法人から承継されたものでありまして、放送法の趣旨からいいますならば、望ましくない形で残つているのであります。従いまして協会としては、この種の資産をできるだけ早く処分したいと努力しているのであります。しかしこれらの株式が株式市場に上場されていない関係から、この処置については、いついかなる方法で処分するかの具体的見通しを申し上げることが困難でございますが、できるだけ早くこれを処分いたしまして、御趣旨に沿いたいと存じております。
#18
○高塩委員 次に改善を要するものとして指摘されました地下構造物の再評価でありますが、これに関連いたしまして伺つてみたいのは、協会の資産一般の再評価の方法であります。昭和二十五年度末現在の協会資産総額は、旧法人からの継承資産総額に比べまして、二十三億円余りの増加となつているようでありますが、そのうち二十億円余りは、実に再評価による評価益であります。協会資産の再評価が資産再評価法に準拠するものといたしますれば、昭和二十五年一月一日を基準日といたしまして、同年四月一日現在をもつて、本来旧法人が実施すべかりしものであり、従つたこの評価益金額は、継承資産額に含まるべかりしものであるとも見られるのでありまするが、それはともかくといたしまして、この再評価処理については、資産台帳面の個個の資産物件について、新設または購入の時期によつて、それぞれの倍率を適用して算定されたものであるかどうか。また陳腐化資産について、除外例による別評価の処置をとつたかどうか。さらにまた会計検査院指摘の隠蔽放送所の再評価は、いかなる算出によるものであつたか。なおこれが再評価額修正措置はいかように予定されているか、この四点をお尋ねいたします。
#19
○岡部参考人 お尋ねのまず再評価の方法でございますが、協会の再評価につきましては、再評化法に準拠いたしまして再評価いたしたものでありまして、資産台帳面の個々の物件につきまして、所定の倍率を適用して算出したものでありますが、取得年度が同一で種類及び耐用年数のまつたく同一のものにつきましては、一括して算出してあります。
 次に陳腐化資産の措置につきましてのお尋ねでございますが、協会は毎年度陳腐化による減耗資産の償却、または評価替をして整理をしており、特に二十四年度においては資産の再評価を見越しまして、その準備のため二十五年の三月三十一日現在をもつて、全国各放送局にわたりまして財産調査をいたしまして、現物の対照を行い、陳腐化資産等の全面的整理を行いました。このために再評価日である二十五年六月一日においては、陳腐化資産は一応存在しないことになりました。従いまして特にこのための特例規定を設けて、評価減を行う必要がなかつたのでございます。
 次に会計検査院指摘の隠蔽放送所の再評価につきまして申し上げます。これにつきましては次のように算出したのであります。すなわちこの放送所は戦時中地下放送所として建設しまして、二十年の八月に竣工いたしました鉄筋コンクリートづくりでありますので、この耐用年数を六十年といたし、資産再評価法に規定する再評価倍数三八・九一倍を取得額の百六十七万一千円に乗じまして再評価を算出したものでありますが、この建物はいわゆる陳腐化資産ではなく、再評価日におきましては物品倉庫として使用しておりましたが、その後使用をとりやめ、遊休資産となりましたので、二十六年度の決算において評価減をいたすつもりでございます。なお評価減によります損失額は、資産再評価法に準拠いたしまして、再評価積立金を取りくずして整理する予定にいたしております。
#20
○高塩委員 次に昭和二十五年度負担と認められ、当然この財産目録及び貸借対照表の負債の部に計上すべき放送債券利息、及び一般経費の未拂分合計二千六百万余円の不計上が指摘されております。しかもそれは支拂い予算を超過するおそれがあつたためとはいわれるのでありますが、かように処理するにあたつて、その跡始末としていかなる処置を予定したものでありましようか。また未拂金の支拂いと、支拂い予算の年度区分との関係はいかようにせられておるのでありますか。なおこの指摘事項の是正については、どんな方法をとるお見込みであるか。この三点についてお答えを願います。
#21
○岡部参考人 放送債券の利息及び一般経費の未拂分合計二千六百万円余を、未拂金として計上しなかつたのに対する措置といたしましては、放送債券利息の未拂分八百五十万円は、二十六年度中に支拂期が到来する関係から、これを二十六年度予算中に計上し、また、一般経費の未拂分一千七百万円余は、二十六年度の予算を極力差繰り、これに充当することにいたした次第でございます。
 次に未拂金の支拂いと、予算の年度区分の関係につきまして申し上げますれば、未拂金に計上いたしました支出は、当該年度の支出として予算計上を終ることになつておりますから、翌年度に持ち越された未拂金は、翌年度の予算と関係ないものとなつております。本件につきましては、予算の合理的運用をはかつて、今後かかることのないように十分留意いたします所存でございます。
#22
○高塩委員 最後にもう一点お伺いいたしますが、損益計算書の雑損として計理されたものの中で、固定資産に計上すべきものがあり、また売却固定資産代金について差益、差損の計理方法改善の要ありと指摘されているのでありますが、これらについていかなる対処をせられているか、そのお見込みを御説明願いたいと思います。
#23
○岡部参考人 ただいまお尋ねの固定資産売却の差損、差益の計理方法についてでございますが、従来固定資産の売却差益、差損の計理方法は、差益を生じました場合は雑收入として事業収入予算に計上し、差損を生じた場合には固定資産充当金より控除したのでございますが、会計検査院の指摘通り、その計理方法に同意するのが当を得ておりますので、二十六年度から差益、差損とも、会計検査院の指摘通りの方法によることに改善をいたしました。
#24
○高塩委員 これで終ります。
#25
○田中委員長 石川君。
#26
○石川委員 電波監理委員会にお伺いしますが、この説明書、会計検査院から意見を付せられております「改善させたもの」、「改善を必要と認められるもの」という欄がございますが、改善を必要と会計検査院で認めたものは、やはり電波監理委員会でも御研究なさつて、当然必要があると認められたのでしようか、お伺いします。
#27
○網島政府委員 ただいまの御質問の点、よくのみ込めなかつたのですが、もし答えが間違つておりましたならば、もう一度おつしやつていただきたいと思いますが、改善を必要とすると会計検査院において認られたものにつきまして、国会におきましても当然そうであるというふうにお考えのものにつきましては、電波監理委員会といたしましてその旨を放送協会に伝えまして、今後万遺漏ないようにして行きたいと考えております。
#28
○石川委員 電波監理委員会で当初この書類が出て参りましたときに、このような会計検査院で指摘した事項は、やはり注意しなければならぬというお考えはなかつたのですか、ただ単に書類を取次ぐだけでありますか。
#29
○網島政府委員 その点に関しましては、先ほど御説明申し上げましたように、現在の放送法あるいは電波監理委員会設置法に基きましては、この協会の決算につきまして、電波監理委員会から職員を派遣して調べるとか、あるいは帳簿を出させて調べるという権限はないのでございます。従いまして私どもといたしましては、出て来た書類を見まして、それの記載方法がきめられた形になつておるかどうか、及びその数字を見ましてそれが予算と照し合せてあまりに不当であるかないかという点等を調べる程度しか、現在のところできないのでありまして、もしもそういう点につきまして電波監理委員会として改善を要するものを認めた場合には、その意見を内閣なり会計検査院に参考としてお送りする。従つてここであげられましたようなこの内容のこまかい区分にわたつての検査は私どもとしてはいたしませんので、そういう意見は申し上げられないのであります。
#30
○石川委員 放送協会にお伺いいたしますが、この会計検査院から指摘されました「改善を必要と認められるもの」という事項は、やはりこのまま放送協会においても是認せられる方がよろしいのであるか。たとえばひとつ聞いておきますが、この「改善を必要と認められるもの」という事項の第三項の中に、土地建物の登記料がございます。これを放送協会におきましては損金に入れておる。ところがこの注意によりますと、これを固定資産に計上すべきだといつておる。固定資産に計上する方がほんとうか、損金に入れる方がほんとうかということについては、ずいぶん疑問があると思う。放送協会が損金に入れるについては、それぞれの理由があると思う。その点についてひとつ見解を聞いておきたい。
#31
○岡部参考人 会計検査院の指摘されました第三項のただいまのお尋ねでございますが、従来協会といたしましては、固定資産の計上にあたつて、先ほどもちよつと触れました工事特別雑損といたしまして、間接費を損金に計上いたしまして、裸値段をもつて資産に計上したのでございますが、会計検査院の指摘の通り、土地建物登記料及びその買収手数料、機械取付費、機械運搬費は資産に計上する方が、固定資産計理上一層妥当性があるのではないかと考えまして、二十六年度からこの方法に改めることにいたしました。
#32
○石川委員 この方法に改めるというのは、勧告があつたからですか、注意があつたからですか、何か別に理由があるからでしようか。たとえば土地建物の登記料、土地建物の買収手数料でありますから、これは本来固定資産の価格に含むべきかどうか、これは当然資産を再評価いたします場合には、値上りがあれば値上りをする。すなわち現実に買いました価額にこれをくつつけて参りますことの方が妥当でなくて、これも価額の上に載せておくことが妥当か、こうなりますと、会計検査院の意見があつたとしても、あなたの方ではただちに意見があつたからこれを聞かなければならないという理由がありましようか、お伺いいたしたい。
#33
○岡部参考人 ただいまのお尋ねにお答えいたします。長い間協会といたしましては、これをどういうふうに処置すかということにつきましては研究いたしておつたのでございますが、従来固定資産の計上にあたりまして間接費を損費に計上し、裸値段をもつて資産に計上して来た。その点については資産の堅実性という点から利点があるのでございます。他方、建設資金の回収、耐用年数に応じた損費の均分という点から見ますれば、欠点がありますことは御承知の通りでございます。それで従来これらをどう処置するかということについて研究中でございましたが、その結果たまたま会計検査院の指摘もございましたので、先ほど申し上げたように機械の取付費その他を資産に計上することにいたした次第でございます。
#34
○石川委員 それでは「改善を必要と認められるもの」、第二項に電気興業株式会社に対しての投資分、それから日本放送出版協会に対する投資分がありますが、ここに計上された価額は株式価額でありますか、出資価額でありますか。
#35
○岡部参考人 出版協会並びに電気興業株式会社は、いずれも出資額でございます。
#36
○石川委員 貸借対照表によれば、今度は投資が増加しておるのでありますが、株式の市場における市価にのつとつたのでありますか。
#37
○岡部参考人 投資の百十三万七千円についてのお尋ねでございますが、財産日録の方でごらんいただきますと、これは電気興業株式会社と出版協会の分と、それから会計検査院の指摘事項に改善させたものという中の、大阪電子工業に対する貸付金六十二万円を加えまして、その額に相なる次第でございます。
#38
○石川委員 この価額は今株式市場において幾らになつておるのですか。
#39
○岡部参考人 実はこの両方とも市場に上場はされておりませんものですから、従つて処分もできかねている次第なのでございます。
#40
○石川委員 この処分することを会計検査院から注意せられておりますが、これはいつやるか。先ほどもお話があつたように思いますが、まだおわかりにならぬのですか。予定がありませんですか。
#41
○岡部参考人 私どももできるだけ早く処分したいと存じまして、数年来この処分方を進めておりますが、先ほども申し上げましたように株式市場に上場されませんものですから、ただちに今処分をするということはできかねているような次第なのでございます。
#42
○石川委員 株式市場に上場されないとしても、売却不能ということはないだろうと思いますが、何か調査しておりますか。ほかに希望者を募るとか、あるいは聞いてみるとか、そういう調査は全然しなかつたのでありますか。ただ単に投資した株価のみを計上したのですか。
#43
○岡部参考人 電気興業株式会社につきましては、山一証券にかねがねこの売却方を依頼しておるのでございます。それから出版協会につきましては、縁故者関係でこれを買い求めるように話し合つておるのでございまして、できるだけ御趣旨に沿うよう、早く処分いたすつもりでおるわけであります。
#44
○石川委員 山一に問い合せましたときに、価額の話合いは出ておらないのですが、この株券は損しない程度で売れるのですか、出資金よりも高く売れるのですか。
#45
○岡部参考人 ただいまのところの話では、同額で売れれば上々でございますが、これが今ただちに売却というわけに至つておらぬわけでございまして、できるだけ早くこれを処分することに、今後とも鋭意努力いたすつもりでございます。
#46
○石川委員 そうするとこの価額は現在ですと払込みの価額に売れないのですか。
#47
○岡部参考人 簡単に申し上げますと買手が見つかりませんので、出資価額で処分できないような状態なのでございます。
#48
○石川委員 そういう場合に資産再評価の規定は受けませんか。
#49
○岡部参考人 ただいまお尋ねの再評価でございますが、再評価につきましては、有形の固定資産に対する分だけでございますので、再評価というわけにも参らない次第なのでございます。
#50
○石川委員 今度は第四項であります。これはこのまま会計検査院の勧告を認めることができますか。結局あとにありますように、差益、差損ともいずれも同様の取扱いにより計理をする方がいいという勧告なのですが、放送協会においては別々に取扱つておる。それにはやはり理由があると思うが、会計検査院の勧告通りやつた方が合理的で帳簿の記載等において不合理が生じないのか、これをお聞きしたい。
#51
○岡部参考人 やつておりましたことにつきまして、同一の処理方法でないという点に問題があつたのでありまして、先ほど申し上げましたように、この差益、差損分ともに利益剰余金で加減するというふうにする一本のやり方でいたした方が、やはり論理的に一貫するのではないか、かように考えております。
#52
○石川委員 きようはこれだけにしておきますが、次会によく調べましてお尋ねしたいと思います。
#53
○田中委員長 田島ひで君。
#54
○田島(ひ)委員 私は昨年、二十六年度の協会の予算を審議いたしますときに、旧法人から新法人に切りかえられましたときに、いろいろ世間に疑惑を生んでおりましたので、古垣会長をお呼びいただきまして質問いたしましたが、あのとき、二十六年度の予算外のことは質問を許さないというので、質問を打切られてしまいまして、緊急動議でそれはそのまま承認されてしまつりたのです。私は旧財産と新財産の切りかえについて、まだ納得がいたしかねる点が相当ございます。これだけでは私よく納得できないのです。そういう詳しい点は検討させていただいて、なお疑惑のあるところはいずれ質問いたしたいと思います。きようは一、二点だけ質問させていただきたいと思います。
 それは一昨年の第八国会で私は、朝鮮事変が始まりましてから韓国向けの放送がなされるようになりましたが、その韓国向け放送の費用とか、その他の点いろいろと御質問いたしました。非常に小さい問題のようでございますけれども、この点はつきりいたさないので質問いたしましたら、長谷政府委員から、それは目下検討中だからというお答えをいただきました。その韓国向けの費用は、どこの費用においてなされておるのか、どのくらいなのか、御検討なされて御発表になつておるのか、なつていないのか。これは私一昨年質問をしたのですが、もう一度御質問いたしたいと思います。
 もう一点は、それと関連いたしまして、この説明書の終りの方の、第四の流動負債のところで、流動負債二億五千百二十二万三千円中、短期借入金一億七千二百万円、これは連合軍放送役務料金等の未収による資金の一時的不足を補うために借り入れた短期借入金であると書いてあります。これは大体どこからお借りになり、もうすでに返済されておるのか。返済されているといたしますれば、その利子はどのくらいになつているのか。その利子の負担は聴取者の上にかかつて来ているのかどうか。この二点をお伺いいたしたいと思います。
#55
○長谷政府委員 ただいまの御質問の最初の問題について御報告申し上げます。本日御審議をいただいておりますのは、二十五年度の財産目録、貸借対照表及び損益計算書等に関することでございますが、御質問の韓国向けの放送を、命令によりまして実施を始めましたのは昨年でございまして、一年のすれがございます。何かお考え違いではないかと思います。
 それから第二点につきましては、放逸協会の方の方から御回答していただきたいと思います。
#56
○岡部参考人 第二点につきましてはこちらで要します経費の関係において、それに見合うものを要求しておりますから、国内の受信者の迷惑になるようなことはいたしておりません。
#57
○田島(ひ)委員 第一点の質問は、私第八国会のときに質問いたしておりまするので、それは速記録に出ておりますから、もう一度お調べをいただきたいと思います。第八国会ですから一昨年で、昨年じやないと思います。
 第二点は、迷惑をかける、かけないということでなくて、どこから借りて利子がどういうふうになつておるのか、これが聴取者の負担になつているかどうかということをお尋ねしているのです。
#58
○岡部参考人 借入れ先は第一銀行でございます。
#59
○田島(ひ)委員 私はそれに対する利子とか、条件とか、返済されているかどうかということをお聞きしているわけなんです。その点おわかりになつていらしたら伺いたいのです。おわかりになつていなければ、またこの次にでも……。
#60
○岡部参考人 短期の借入金でございますから、利子は二銭五厘でございまして、全部返済してございます。
#61
○田島(ひ)委員 それはやはり聴取者の負担になるのでございますか。
#62
○岡部参考人 先ほど申し上げましたが、この利子は聴取者の負担にはなつておりません。
#63
○田島(ひ)委員 どの費用から支払うのですか。
#64
○岡部参考人 その利子は、役務契約による收入の中から支払つているわけでございます。
#65
○田島(ひ)委員 第一の点は、私は第八国会で聞いておるのです。これは調べて参つたから間違つておりません。あなたの方で御記憶がないとすれば、お調べになればよろしいのですけれども、問題は韓国向け放送の費用、これは検討中とあなたが言われましたが、それはなされているかどうか。もちろん私はこのときにいろいろな質問をいたしまして、占領下だからやむを得ないと言われましたが、韓国向けの放送は、占領下の占領軍に対する放送ではなくて、韓国民に対する放送になつております。おまけにこれは国際放送ではなくて、国際放送が許可される前から始まつておりますし、しかも日本の第一放送、第二放送なんかの時間を相当さいて放送しております。私はそういう点などと関連してお聞きいたしました。これは現在もなされておりまするが、ことに最近これが短波でなくして、中波でやられておるという点もございます。こういう点のお答えはあとでもよろしゆうございますから、最初の費用の点、これは検討中だという御返答を聞いておりますので、それの結果の御返事をいただきたいと思います。
#66
○長谷政府委員 韓国向けの放送につきましては、ほかの進駐軍向けの放送について、放送協会が役務の提供をやるとまつたく同様な方法におきましてそれに必要とされた経費を関係方面から支払いを受けております。この点は私が間違つておらなければ、昨年の国会におきまして、椎熊委員から非常に詳細な御質疑がございまして、私どもから詳細な資料を提出して御説明申し上げたと記憶いたしております。
#67
○田島(ひ)委員 私は椎熊さんが請求された調書をここに持つております。私は韓国民向けのを聞いておりますがその中にはそういう詳しい点は出ていないと思います。あなたは一昨年を昨年とおつしやられて、こちらが忘れているかのように言つておられますけれども、私の質問は古い質問でありまして、今これを要求するのではなくて、前に要求しておりましたのですから、もう少しまじめなお返答を伺いたいと思います。
#68
○椎熊委員 関連して……。韓国向けの放送というものは、進駐軍の放送という項目の中に入つておるのかどうか。日本放送協会が韓国人に放送しているのではなくして、関係方面の命令でいろいろな放送やつている、それに包含されておるのだというものなのでしよう。そうすれば明確になるのです。
#69
○長谷政府委員 ただいまお話の通りであります。包含されております。
#70
○田中委員長 質疑の通告者の質疑は一応終了いたしましたが、他に御質疑はございませんか。――ないようですから本件に対する質疑は終了いたしたものと認めます。本件に関する討論採決は次会に行いたいと存じます。
    ―――――――――――――
#71
○田中委員長 次に去る十四日本委員会付託になりました放送法第三十七条第二項の規定に基き、国会の承認を求めるの件を議題とし、審査に入りたいと存じます。まずその説明を求めます。網島政府委員。
#72
○網島政府委員 ただいま委員長からお話のございました日本放逸協会の昭和二十七年度収支予算、事業計画及び資金計画の提案理由と、これらに対する電波監理委員会の意見書の提出について、大略御説明申し上げます。
 この収支予算、事業計画及び資金計画は放送法第三十七条の規定によりまして、国会の御承認を受けるために提出されたのであります。協会の収支予算、事業計画等は、協会の業務運営を指導統制する経営委員会が、公衆の要望と社会の諸情勢を愼重に検討の上決定したものと考えられますが、電波監理委員会といたしましては、放送法の趣旨、放送事業の現状、聴取者の要望等の各方面から、これに愼重な検討を加えて、委員会の意見書を付し、国会の御審議をお願いすることになつた次第でございます。
 第一として昭和二十七年度における事業計画につきましては、その主眼を放送番組の充実、放送施設の拡充整備においております。すなわち放送番組の充実につきましては、番組審議の諸機関の充実、報道網の拡充整備、録音及び中継放送の強化、放送資料の整備等により、放送番組の質的向上に努め、放送施設の拡充整備につきましては、中継放送局の新設、第二放送施設の整備、演奏設備の充実等が計画されております。
 なお人員につきましては、昨年度に比較いたしますと放送施設の増及び受信契約者の増加に伴う百二十六名の増員を予定し、また給與べースは昨年度のベースを一八%引上げておりますが電波監理委員会といたしましては、現在の社会経済情勢と協会の財政状況から見て、この程度の引上げは妥当であると考えております。
 第二に収支予算におきましては、收入支出の総額をおのおの七十三億九千万円と予定しておりますが、これを前年度に比べますと、それぞれ十億一千万円の増加となつております。
 收入のうち、資本收入は十二億円でございまして、この中には放送債券、長期借入金、減価償却引当金等が見込まれております。事業收入は総額六十一億八千万円でございまして、そのほとんどが受信料收入でございますが、他に国際放送等の交付金收入、連合軍放送の役務提供に対する役務收入等が予定されております。なお、受信料收入は、本年度内の受信契約者の増四十五万を見込み、受信料月額五十円で算出したものでございます。次に支出について申上げますと、支出のうち資本支出は総額十四億円で、このうち建設費九億九千六百万円は放送施設の拡充整備の費用であり、他に放送債券積立金一億七千万円、放送債券、長期借入金等の償還のための返還金二億三千六百万円が見込まれております。事業支出におきましては、総額五十九億三千万円で、前年度に比較して九億円の増加となつております。この中には連合軍放送関係、国際放送関係の経費も含まれております。事業支出のうち人件費につきましては、さきに申し上げましたように若干の定員増を予定し、前年度のベースを一八%引上げております。その他、通信施設費、厚生保健費、共通費、減価償却費に若干の増額が見られます。なお予備金として五千万円が予算に計上されております。
 第三に資金計画は、事業計画に基いて年度中における資金の出入に関する計画を記載してございますが、協会の受信料の収納状況、事業の運営状況、建設工事の連捗状況等から見て、妥当であると考えられます。
 以上協会の収支予算等を概観いたしますと、放送番組の充実をはかるとともに、全国において容易に放送が受信できるように放送設備の建設改修計画を進め、また事業の合理的、能率的経営に努める方針をとつているものと認められます。電波監理委員会といたしましては、慎重な検討を加えました結果、この収支予算等は、放送法の趣旨に照しても、放送事業の運営上妥当であろうと考えております。
 何とぞ御審議の上、すみやかに御承認あらんことをお願いいたしまして説明を終ります。
#73
○田中委員長 本件に対する質疑は次会より行うことといたします。
    ―――――――――――――
#74
○田中委員長 放送法第三十七条第二項の規定に基き、国会の承認を求めるの件につきまして、参考人として日本放送協会岡部理事の説明を聴取することに御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#75
○田中委員長 それではさように決定いたします。
 次会は明二十一日午後一時より開会いたす予定でございます。いずれ詳細は公報をもつて御通知申し上げます。
 本日はこれにて散会いたします。
    午後三時二分散会
ソース: 国立国会図書館
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