くにさくロゴ
1951/06/07 第13回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第013回国会 電気通信委員会 第34号
姉妹サイト
 
1951/06/07 第13回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第013回国会 電気通信委員会 第34号

#1
第013回国会 電気通信委員会 第34号
昭和二十七年六月七日(土曜日)
    午前十一時一分開議
 出席委員
   委員長 田中 重彌君
   理事 關内 正一君 理事 高塩 三郎君
  理事 橋本登美三郎君 理事 長谷川四郎君
   理事 松井 政吉君    井手 光治君
      加藤隆太郎君    中村  清君
      福永 一臣君    畠山 重勇君
      石川金次郎君    田島 ひで君
 出席政府委員
        電波監理委員会
        委員長     綱島  毅君
        電波監理長官  長谷 愼一君
        総理府事務官
        (電波監理総局
        法規経済部長) 野村 義男君
 委員外の出席者
        専  門  員 吉田 弘苗君
        専  門  員 中村 寅市君
    ―――――――――――――
六月三日
 委員高橋權六君及び平井義一君辞任につき、そ
 の補欠として小峯柳多君及び庄司一郎君が議長
 の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
五月三十一日
 新川局、清洲局及び西春局間の電話回線増設の
 請願(多武良哲三君紹介)(第三二九一号)
六月二日
 テレビジヨンの民間放送許可に関する請願(五
 島秀次君外二名紹介)(第三三九〇号)
 同(西村直己君外二名紹介)(第三三九一号)
 武雄電報電話局、高橋及び橘電話交換局の併合
 に関する請願(中村又一君紹介)(第三四四二
 号)
 武雄電報電話局舎新築並びに電話施設の改善に
 関する請願(中村又一君紹介)(第三四四三
 号)
の審査を本委員会に付託された。
同月三日
 私設電話の民間開放に関する陳情書(東京商工
 会議所会頭藤山愛一郎外一名)(第二一八三
 号)
を本委員会に送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 参考人招致に関する件
 電波法の一部を改正する法律案(内閣提出第二
 二三号)
    ―――――――――――――
#2
○田中委員長 これより開会をいたします。
 電波法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。去る五月十五日本案について提案理由の説明を聴取いたしましたのでありまするが、本日はその補足の説明を聴取いたしたいと思います。長谷政府委員。
#3
○長谷政府委員 電波法の一部を改正する法律案の内容の大要につきまして、逐條的に御説明申し上げたいと思います。
 まず第一に第五條の関係でございますが、第五條は御案内のように無線局の免許の欠格事由の規定でございますが、ここにあげてございます各号に該当するものには、無線局の免許が与えられないばかりでなしに、その後においてこれに該当するごとになつた場合にも、第七十五條によつて必ず免許を取消されるとホうことになるわけでございまして、たとえば第五号の電波法または放送法に違反して罰金以上の刑に処せられた者とか、あるいは第六号の無線局の免許の取消しを受けた者について二年間無線局の免許が絶対に与えられませんことと、また第七十五條によつて必ず免許が取消されますというようなことは、たとえば一人の者が多数の無線局の免許を受けている場合につきましては、やや行き過ぎではないかと考えられますので、第一項の絶対的欠格事由から削りまして、第三項に移し、相対的なものに改めたのでございます。
 次に第二項は欠格事由の規定を適用しないものについての規定でございますが、航空法案第百二十七條によりますと、外国の航空機は原則として日本国内で航空の用に供してはならないことになつておりまして、航空庁長官の許可を受けて例外として日本国内で航空の用に供してもよいということになつておりますが、このような航空機の無線局を船舶安全法第十四條の船舶と同様に考えまして、欠格事由を適用しないことにする必要が生れて参りましたので、そういうふうに改正をした、い、こういうことでございます。
 その次に第六條の関係でございますが、これは無線局の免許の申請に関する規定でございます。その第三項の船舶に設けられておるいわゆる船舶局の定義は、現在無線電信局と無線電話局のみに限つておりますことは、実情に沿わないところがございますので、これを是正いたしますとともに、航空機局の場合と表現を一致させて、簡単に船舶の無線局という言葉に改めたい、こういうことでございます。また第四項を追加いたしまして、航空機局の免許の申請書に添付する事項書には、船舶局の免許の中毒胡の場合口に準じまして、一般の記載事項のほかに、その航空機の所有者、定置場、それから登録記号など航空機局の免許の審査に必要な事項をあわせて記載してもらおう、こういうような改正でございます。
 その次に改正を要すると考えられます條項は第十三條でございますが、第十三條は船舶局の免許の有効期間に関して特に無期限と定めてございますが、船舶安全法第四條の船舶及び漁船の操業区域の制限に関する政令第五條の漁船の船舶無線電信局に限られておつたのでございますが、今回の船舶安全法一部改正案によりまして、無線電話が強制される場合もあることとなりましたので、その免許の有効期限を無制限とする範囲を広げまして、船舶無線電話局にも及ぶことといたしまして、先ほど申しました政令がすでに廃止されておりますので、それを同時に削除して改正したいということでございます。
 その次に第二十七條でございますが、外国において取得いたしました航空機を日本へ回航するような場合においては、正式の免許手続をすることは困難でございますので、その航空機局について船舶局の場合と同様に、簡易な手続をもつて免許ができるように特例を定めようとするものでございます。
 その次は第三十三條でございます。新しい條約の規定に応じまして、無線設備を義務づけられております船舶無線電信局におきましては、通信量と航海船橋との間には同時に送受話のできる直通の連絡設備を備えなければならないものとされておりますが、これに伴う改正でございます。しかし同じく義務的となつております船舶無線電話局の連絡設備は一般の船舶局と同様なものでも十分なわけでございます。
 なお附則第一項によりまして第三十三條から第三十六條まで、第三十七條、第六十三條、第六十五條及び第九十九條の十一第一号の船舶安全法関係の改正規定は、昭和二十七年十一月十九日から施行されますが、その前に別に国会に提案されておりますところの別途御審議いたされました郵政省設置法の一部改正に伴う関係法令の整理に関する法律によりまして電波法が改正せられまして、七月一日から施行されることになりますので、そのときから電波法中の「電波監理委員会」という字句が「郵政大臣」、また「電波監理委員会の規則」という字句が「郵政省令」にかわります。それで前に申しました船舶安全法関係の改正規定中の電波監理委員会を郵政大臣に、電波監理委員会の委員会規則を郵政省令と改めておきまして、関係法令の整理に遺憾のないようにいたしたい、そういう趣旨であります。
 次に第三十三條の二でありますが、これは義務船舶局の無線電信は、受信に際しまして、外部の機械的な雑音その他の雑音による妨害を受けない場所で、しかもできるだけ安全性を確保することができる高い場所に設けなければならないものとする改正であります。無線電信の機能を発揮するためには、御案内のように受信妨害のないことが大切でありまして、船体の安全を脅かさない限り、なるべく高い場所に設置されることが望ましいからであります。船舶安全法第四條第一項第三号の船舶とここでうたつておりますのは、百トン以上の漁船のことでございますが、これらの船舶の全部に対してこの要求をいたしますことは、その構造上から無理がございますので、規則で定める一定のものにはこの要求をしないということにする趣旨であります。なお義務船舶局の無線電話でございますが、船舶安全法第四條第二項の規定によりまして、無線電信にかえましたものは、船舶の上部に備えなければならないものとしたわけであります。
 次に第三十四條の関係であります。義務船舶局の無線電信の主送信設備の有効通達距離は、現行法におきましては五百キロサイクルの周波数において何キロメートルと具体的に規定しておりますが、これは今回の條約において詳細に規定されておりまして、これを動かすことのできない比較的単純なというか、技術的な條文がありますので、有効通達距離のほかに空中線、電力、電界強度等の選定及び受信設備の性能なども、あわせて電波監理委員会規則で定めることとする改正の趣旨であります。
 次の第三十五條の改正は、義務船舶局の無線電信の補助設備の要件につきしましては、現行法におきまして独立の電源を持つことと具体的に規定しておるのでありますが、三十四條の主設備の有効通達距離の場合と同じように、電波監理委員会規則で定めることとする改正であります。なお百トン以上の漁船のうち、電波監理委員会規則で定めるものについては、補助設備を備える必要がないものとしてあります。なお現行法の第三項においては、主設備が補助設備の條件を具備するときには、その補助設備の備えつけは必要としないと規定されておりますが、新しい條約によりますと、設備の新旧、貨物船、漁船の区別、トン数の大小等に従つて、補助送信機及補助電源の備えつけを免除することがございます。しかし補助受信機はすべて漏れなく備えつけることを要するということになつておりますので、それらを規則に規定することにいたしたいと考えておるものでございます。
 次の三十五條の二についてでございますが、これは義務船舶局の無線電話の送信設備の有効通達距離は、現行法ではまつたく規定されておりませんけれども、新しい條約に従いまして、その有効通達距離及びその他の技術的條件を、電波監理委員会規則で規定することにいたしたいという趣旨から出た改正案でございます。
 その次の三十六條でございますが、これは船舶安全法第二條の規定に基く命令によりまして、船舶に備える発動機附救命艇に装置しなければならない無線電信の送信設備の條件は、現行法において具体的に規定されてあるのでございますが、前にも申し上げましたように、條約で定められた通りに規定する技術條件でございますから、この通りの事項を規則で定めたい。先ほど申し上げましたそのほかの考え方と同様な考え方から、規則に譲りたいという改正案でございます。
 次の三十六條の二についてでございますが、これは義務航空機局の無線設備の條件につきましては、今回初めて電波法に規定されることになるのでございますが、その機器あるいは設備はきわめて複雑多岐にわたりまして、これを法文に一々規定することは法制技術的に考えましてもきわめて困難でございますし、航空機関係の無線設備は御案内のごとくきわめて日進月歩でもございますので、先ほど来申し上げました船舶局関係の無線設備の技術的條件と同様にそれを規則に委任して規定して行きたい、こういう考えに基く改正案でございます。
 その次の第三十七條でございますが、船舶安全法第二條に基きます命令の規定によりまして、船舶に備えなければならない救命艇用の携帯無線電信及び航空機に備えつける無線設備のうちで、特定のものはその型式について電波監理委員会の行う型式検定に合格したものでなければ、設置してはならないものとする改正でございます。前者の技術條件は、新しい條約の規定に従つて規則において規定いたします。また後者につきましては、その性能が航空機の航行の安全に至大の影響を持つことにかんがみまして規定いたしたものでございます。
 次に三十九條の関係でございますが、これは航空機が航行中にあるために無線従事者の得られませんときには、船舶の場合と同様に無線従事者の免許を受けた者でなくても、無線設備の操作が行えるようにする改正案でございます。
 次に第四十條でございますが、これは無線従事者の資格とその従事範囲との関係を律した條項でございます。これにつきまして次のような改正を行いたいと思うのでございます。すなわち第一番目には、第一級の無線通信士及び第二級の無線通信士は航空機の無線設備の操作もできるものといたし、また航空級の無線通信士の資格を新たに設けまして、聴守員級の無線通信土の資格を廃止することにいたしたのでございます。またその他の無線従事者の従事範囲につきましても、実情に応ずるように若干の改正を行いたい、こういう趣旨のものでございます。
 次に第五十條の第二項でございますが、国際航空の用に供する航空機の無線局には、航空機通信長の制度を設けることといたしまして、その資格要件として、通信長となる以前に航空機の無線通信士としてある一定時間乗務した経験を有する者であることといたす考えのものでございます。なおこの條文の中に五十時間という数字が出ておりますが、御参考に申し上げますと、この五十時間というのは南方、日米航空路の往復の時間に相当いたしております。
 その次に第五十二條の関係でございますが、遭難通信あるいは緊急通信あるいはまた安全通信の定義といたしましては、船舶に関して定められておりますけれども、航空機に関する場合にはまだはつきりいたしておりませんでしたので、航空機の場合にも含めて、万遺漏のないようにしようという改正でございます。
 その次の六十三條でございますが、これは総トン数千六百トン未満、五百トン以上の貨物船でありまして、国際航海に従事するものの船舶無線電信局のうちで、公衆通信業勢を取扱わないものを第三種局甲といたし、第三種局の甲と、義務船舶局であつて、船舶安全法第四條第二項の規定により、無線電話をもつて無線電信にかえましたものは、その船舶の航行中は一日四時間運用する義務があるものといたしまして、この時間割は、電波監理委員会親則で定めるごとといたす改正でございます。
 次の第六十五條の改正でございますが、これは五百キロサイクルの周波数の指定を受けておりますところの第一種局及び第二種局は常時、または五百キロサイクルの周波数の指定を受けておる海岸局及び第三種局甲は、その運用義務時間中五百キロサイクルの周波数で聴守しなければならないものといたします。この聴守は第二種局中は一日十六時間、第二種局乙にあつては一日八時間以外の時間は、別途電波監理委員会の型式検定に合格した警急自動受信機によつて行うことをできるものといたしました改正でございます。またこの運用義務時間中の第二沈黙時間を除くほか、現に通信を行つている場合は聴守を中絶してもよろしいのでございますが、その場合、警急自動受信機を備えているときは、それを操作させて行かなければならないものとしてございます。
 次に第七十五條及び第七十六條について一括御説明申し上げます。先ほど御説明申し上げました第五條の改正によりまして、絶対的な欠格事由が相対的な欠格事由に改められましたので、これに応じまして免許を受けてから後に欠格事由に該当する者になりました場合の取扱い方につきまして、必要な改正を加えたものでございます。
 その次に、御説明が前後いたしましたが、七十條の二について御説明申と上げます。第七十條の二は、海岸局が航空機局から自局の運用につき妨害を受けたときは、船舶局の場合と同様に、妨害をしている航空機局に対してその妨害を取除くために必要な措置をとるように求めることができるものとした改正でございます。航空機局は、海上移動業務用に割当てられておるところの周波数を使い、海岸局あるいは船舶局と通信できることとなつておりますので、海岸局の通信に妨害を及ぼす場合が現実に起り得るからでございます。
 その次に七十條の三から六までにつきまして一括御説明申し上げてみたいと思います。航空局及び航空機局の運用手続につきまして、海岸局及び船舶局の場合に準じて所要の事項を規定する必要が生じて参りましたので、それに関する條項でございます。航空局の航空機局に対する通信指揮権の規定、航空局及び航峯機局の運用義務時間の規定、あるいは航空局及び航空機局の聴守義務の規定、航空機局の通信連絡の規定その他海岸局及び船舶局の運用規定等を準用しようという規定でございます。
 次に八十三條でございます。御案内のように電波監理委員会規則を制定する場合には聴聞を行わなければならないが、その必要聴聞事項が八十三條に列挙してございます。その事項に航空無線に関する重要なものを追加規定するという改正でございます。
 次に第九十九條の十一について御説明申し上げます。電波監理委員会規則を制定するに際して聴聞を行わなければならない事項に、船舶関係の改正を追加されたものを加えるという改正でございます。前にも申しましたように、郵政省設置法の一部改正に伴う関係法令の整理に関する法律によりまして、電波監理審議会が電波法中に規定せられることになるので、同法律の施行期日である七月一日から以降は、第八十三條の規定は第九十九條の十一に移されることと相なるのでございます。船舶関係の改正規定は、この法律の附則によりまして十一月十九日から施行されますので、このようにあらかじめ第九十九條の十一にわけて規定いたした次第でございます。
 次に第百三條の二についてでございます。平和條約の発効により、わが国は独立の主権国として国際社会に復帰することとなつたのでございますが、外国の船舶あるいは航空機に開設されておる無線局を日本の無線局同様に取扱うという関係の改正でございます。
 次に第百五條、第百六條並びに第百十二條の関係でございますが、それらは御案内のように罰則に関係の條項でございますが、航空無線関係のものにも適用するように追加規定する改正でございます。
 最後に附則でございますが、附則の第一といたしまして、施行期日は公布の日から施行されるもの、それから船舶関係の改正規定のように昭和二十七年十一月十九日から施行されるものと二つにわけて規定することにいたしてございますが、これは先ほど来御説明申し上げたような理由からでございます。
 最後に今回の法律の改正によりまして、削除されることになります聴守員級の無線通信士につきまして、その免許の有効期間内はなお従事範囲に適応した仕事に従事できるようにいたした経過規定でございます。
#4
○田中委員長 次に質疑に入ります。質疑の通告があります。高塩三郎君。
#5
○高塩委員 ただいま議題となりました電波法の一部を改正する法律案につきまして、政府に対し若干の質疑を試みたいと存じます。まず無線局の免許申請者の欠格條項について三点ほどお伺いいたします。
 第一点は第五條第一項のうちの電波法、放送法に規定する罪を犯し、罰金以上の刑に処せられ、その執行を終り、またはその執行を受けることがなくなつた日から二年を経過しない者、及び無線局の免許を取消され、その取消しの日から二年を経過しない者には、無線局の免許を与えないとする規定を消り、同條に第三項を新たに設けて、これらの者には無線局の免許を与えないことができるというようにこれを改めようとするのでありますが、かようにいたしますと、免許官庁では同様の場合に、ある者には免許を与え、ある者には免許を与えないということにもなり、ときにべんぱを来しやすいようにも思われるのであります。注文の上ではいかにも制限が緩和されたように見えますけれども、結果は処分の不公平に隠りはせぬかということが気づかわれるのでありまして、すなわちこの改正を必要とする具体的な事情をお伺いいたします。
 次に第二点は、第五條第二項の欠格條項の適用除外の範囲に、新たに航空法第百二十七條但書による航空庁長官の許可を受けて、外国の公共団体、外国人、外国法人等が本邦内各地間の航空の用に供する航空機の無線局を加えようとすることでありますが、この規定の必要については実際上いかようなものを予想しておるかということをお伺いいたします。
 第三点は、この改正による欠格條項の適用除外の航空機の無線局の範囲は、第五條第一項第四号のもの、すなわち日本の法人であつて、その役員の三分の一以上もしくは議決権の三分の一以上を占める者が使用する航空機の無線局は含まれていないのでありますが、すでに外国法人の使用する航空機の無線局を入れようとするのに、この種の日本法人を入れないのは、はたしてどういう理由によるものでありましようか、以上三点をお伺いいたします。
#6
○長谷政府委員 ただいまの御質問に対しましてお答え申し上げます。まずお尋ねの第一点でございますが、第五條に定めてございます絶対的な欠格事由を相対的なものと改めましたことにつきまして、ある者には免許を与え、ある者には免許を与えないことになつて、べんばな取扱いを来すのじやないかという御趣旨御質問でございますが、この改正の動機は、多数の無線局の免許を同一人が受けております。たとえば船舶会社のような場合、あるいはまた個人にしても、その一つの無線局について放送法とか電波法の法令違反の行為かあつて、裁判の結果罰金以上の刑に処せられた場合には、現行の第五條によりますと新たな免許が与えられませんし、また第七十五條の規定によつてその免許人に属する全部の無線局の免許の取消しが行われるごとにもなりますので、これは少し行き過ぎではなかろうかという感がいたすのでございます。そこで電波法令の違反行為がございましても、情状によつては新たな無線局の免許を与えることができ、また法令違反行為をした当該無線局だけの、取消しにとどめることができるようにいたしまして、同一免許人に属する他の無線局にまで影響が及ばないように規定を改めたい、こういう趣旨のものでございます。なお第七十五除、第七十六條、第八十三條の一連の規定につきましても、改正案を提出いたしておりまして、このような免許の取消し処分をいたします場合におきましては、すべて聴聞を経なければならばいものといたしまして、処分の公平を期しておる次第でございます。従つL、以上の改正動機にかんがみまと、本法の運用につきましてはお示しのようなへんぱな処分にならないようは運用ができるのではないかと考えておる次第でございます。
 次に第二点でございますが、航空法案第百二十七條の但書の規定によつて、航空庁長官の許可を受けて本邦内の各地間の航行を行うことのできる航空機と申しますのは、船舶安全法第十四條の船舶と同様に、外国の航空機でありますけれども、本邦内の各地間のみの航空の用に供するものでございます。言葉をかえますと、航空法案に荒いては、チャーターの場合とか、あるいは特殊な目的において使用される航空機などを予想しておりまして、実際にはきわめてまれな場合だろうと思います。これらの航空機は原則として本邦内における使用を禁止されており、航空庁長官の特別の許可を得て初めて使用できるのでございますが、本邦内において常時使用するものでございますから、その無線局についても日本の無線局として免許されることが必要となつて参りますので、航空法案の第百二十七條但書の規定を受けまして、これを船舶安全法第十四條の場合と同様に取扱つて行きたい、こういう考えなのでございます。
 最後の第三点でございますが、これについてはまず第五條の第一項におきまして、免許を与えないという点では外国人もまた第四号の日本法人も平等に取扱われておるのでございます。これは国際的に割当てられた限りある周波数は本来自国使用を建前とし、外国性のものの使用を排除するという考えに基くのでございます。従いまして第四号のような場合も日本法人ではありますけれども、この程度以上に外国勢力の支配を受けるものは欠格ということになつておるのでございます。航空機についても同様でございまして、御質問のような外国性の強いものには、日本の航空機としての登録を許さないことにしているのてございます。
 以上、一応御質問の三点についてお答え申し上げました。
#7
○高塩委員 次に船舶局の設備條件等に関し二、三点お伺いいたします。
 第一点は、義務船舶局の連絡設備、雑音防止、有効通達距離、補助通信設備、救命艇の無線電信等について、第三十三條、第三十三條の二、第三十四條、第三十五條、第三十五條の二、第三十六條等において加えられようとする改正でありますが、これらの改正によつて改装ないしは新規の設備を必聴とする船舶が相当数に上るものと思われます。現在においてそれらの船舶はおよそ何隻くらいと見込まれるのでありましようか、またそのために必要とする費用は最小限度どのくらいに上るのでありましようか、なおそのうち通達距離に関する改正は、周波数または空中線電力の指定の変更を要することにもなろうと思われるのでありますが、これについはて第七十一條第二項による補償が行われることになりましようか、これをお伺いいたします。
 次に第二点は、現在法律をもつて規定されておりまする有効通達距離、補助通信設備、救命艇無線電信の條件等は、この改正によつてすべて電波監理委員会規則にまかさるることになりますが、かように改めなければならない理由をお伺いいたします。
 次に第三点は、かようにして電波監理委員会規則にまかされました上は、電波監理委員会としてはこれらの條件を、海上人命安全條約の規定に照らして適当に定めらるることとは思いますが、これは條約の定める最小限度に比べてどの程度に規定されるお見込みでありましようか、ごく概略のところをお伺いいたします。
 以上三点つていて御答弁願ます。
#8
○長谷政府委員 ただいまお尋ねの事項につきましてお答え申し上げます。
 電波法第三十三條第三項の送話管などの備えつけにつきましては、船舶局はすべて現行電波法の第三十三條第二項の規定に従いまして、通信量とブリツジの間が離れております場合は、その間にいわゆるヴオイス・チューブあるいは電話による連絡設備をやつておるのでありますが、これらの現実の装備はすべて直通専用のものでありまして、しかも同時送受話が可能になつておりますから、このままの状態で今回の改正案第三項の要求する條件に合致すると考えております。従つて今回の改正によつて、連絡設備に関しましては、既設の義務船舶局で新たに改造あるいは施設を必要とするものはないと存じております。しかし本項の條件は、新しい安全條約において特に規定されておりますので、国内法におきましてもその義務を明らかにするために、條約とあわせてこれを改正したい、こういう考えから出たものでございます。
 第三十三條の二の義務船舶局の設置される場所につきましては、第一項の無線電信局は実際上従来からこのような場所に設置するように指導されて来ておりますので、この点につきましても新たに場所を移転したり、特別の措置をするための負担がかかるようなことはないと存じております。伺條第二項の無線電話局の位置につきましても、現在この範囲の船舶で無線電話を施設しているものはございませんので、今後新しく設置する場合の問題でございます。
 次に第三十四條において、船舶局の無線電信の有効通達距離につきましては、現行法の有効通達距離は百九十キロメートルでございますが、現在の義務船舶局の主設備は、全部が百二十五ワット以上の装置を持つておりますので、この電力を換算してみますと、新しい條約に規定している、また今回の改正法律案で規則に委任して行こうとしているところの二百八十キロメートル以上の有効通達距離を十分満たすことになりますので、既設のままで十分であると存じております。なお現在の義務船舶局の送信設備が百二十五ワット以下のものにつきましては、現在のところ一隻もそのようなものはありません。従いましてこの改正によつて送信機の改造等が実際の問題となつて来る場合はないものと存じております。
 次に三十五條の補助設備の條件につきましては、その有効通達距離につきましては現行法において晝間九十五キロメートル、第一種局は百五十キロメートル以上になつでおりますが、本條の改正によりまして規則に委任されることになるのでございますが、條約の線の通り晝間百九十メートル、千六百トン未満の貨物船では百四十キロメートル以上と定めることといたしております。このような有効通達距離は、現在の船舶局に関しましてはその主設備の送信機において現実に満たされておりますので、あとは主電源の時間的な容量が補助設備の條件を満たすことができれば、さしあたつてそのままでもいいことに補助設備の條件を規則において定めることにしてございます。従つてこの場合も空中線電力や、あるいは周波数に関する改造の問題は起らない見通しでございます。
 次に三十五條の二の無線電話局の有効通達距離のことは、前にも申し上げました通りこのような無線局は現在ございませんので、今後新しく設置されるときだけの問題だと存じております。
 三十六條の救命艇の無線電信の條件につきましては、その有効通達距離は現行法で規定している通り、五十キロメートル以上と規則に定める考えでございますので、この点は変化がないのでございます。義務舳舶局に対する改正案によるおもなる実際の影響の見通しは、以上のような次第でございますので、現在の船舶局に対しましては、空中線電力とか、あるいは周波数の指定変更を命ずるような必要は、これらの法律の改正案からは出て来ないと存じます。従いまして第七十一條第二項による補償の問題も起つて来ないというふうに考えております。
 次に第三十七條の無線設備の機器の検定関係で規定しております救命艇用の携帯無線装置は、新しい安全條約が新たにこれを備えることを要求しておりますので、船舶安全法に基く命令において、一定の船舶に備えつけなければならないものと定められる予定でございますが、この無線装置のとりつけを要するものと予想されております現在の船舶数は約四百八十隻これは国際航海に従事いたしますほとんどすべての船舶局に該当するものでございます。この無線装置の価格は一台七十万円くらいになるのではないかと思います。なおとりつけに要する費用等を含めますと、総額三億円見当の金額になるのではないかと存じております。かような救命艇用の携帶無線装置というものを備えつけなければならないのは、船舶安全法から来る問題でございまして、その負担関係は電波法そのものによるものではないと存じております。
 第二点の御質問についてでございます。無線設備の有効通達距離あるいは補助設備、救命艇用無線電信の條件等は、すべて規則に委任することにいたしてございますが、これらの條件は、條約においてすでに具体的にきめられておるいわゆる技術條件でございます。また航空関係の無線設備の條件は、ICAO、国際民間航空連盟の標準方式に沿うて定めることになつておりますが、航空無線の進歩発達は、御案内のように文字通り日進月歩の状態でありまして、ICAOの規定も改正される機会がきわめて多いと考えられますので、これらの航空機の無線設備の條件も、これに即応して行かなければなりませんし、定めるべき技術條件の内容におきましても、たとえば有効通達距離のごときは、航空路ごとに異なる使用周波数に対して各別個のものを定めなければならないのでありまして、このようにきわめて複雑して参りますので、法律に規定することは、先ほども申しましたように適当でないと考えまして、規則に委任するようにいたした次第でございます。なお以上の船舶及び航空機の無線局の有効通達距離や、その他無線設備の條件につきまして、その規則を定める場合は、いずれも聴聞を経まして定めることになつておりますので、十分関係者の意見もしんしやくしてきめたいと存じております。
 最後の点でございますが、御指摘の規則に委任せられた事項は、経済的な負担を伴いますので、なるべく海上人命安全條約の規定の最小限度を規定するにとどめたい方針でございます。そのごくあらましを申し上げますと、無線設備の有効通達距離は、義務船舶局の無線電信の主設備につきましては、五百キロサイクルの周波数において、晝間二百八十キロメートル以上、これは千六百トン未満の貨物船においては百九十キロメートル以上ということになるのでございます。また補助設備につきましては、五百キロサイクルの周波数において、晝間百九十キロメートル以上、また無線電話につきましては、二千百八十二キロサイクルの周波数において、査問二百八十キロメートル以上と條約通りに、また補助設備や救命艇用無線電信の技術的條件につきましては、現行法律に規定しております條件を、新條約の要求に合致するように改めて規定する考えでございます。
 新しい條約におきましては、電源、空中線及び受信設備についても詳細に規定しておりますので、これらにつきましてもほぼ條約通りに、規則に規定する考えでおるのでございます。
 なおこれらの詳細につきましては、お手元に差上げてございます資料の、電波法の一部を改正する法律案の規定の委任に基き電波監理委員会規則に規定すべき事項というのを御参照いただきますならば幸いだと思います。
#9
○高塩委員 なおお伺いしたい点は相当あるのでありますが、本日は時間の関係上この程度にとどめまして、次会に御質問申し上げることとし、私の質問は一時打切ります。
    ―――――――――――――
#10
○田中委員長 お諮りいたします。本案について参考人より意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#11
○田中委員長 御異議なければさよう決します。
 なお参考人の選定につきましては、委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#12
○田中委員長 それではさよう決定をいたします。
 本日はこの程度にとどめ、次会は六月十一日午前十時より開会いたすことにいたしました。これにて散会いたします。
    午前十一時五十九分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト