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1951/06/19 第13回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第013回国会 電気通信委員会 第40号
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1951/06/19 第13回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第013回国会 電気通信委員会 第40号

#1
第013回国会 電気通信委員会 第40号
昭和二十七年六月十九日(木曜日)
    午前十時四十六分開議
 出席委員
   委員長 田中 重彌君
  理事 高塩 三郎君 理事 橋本登美三郎君
   理事 福永 一臣君 理事 長谷川四郎君
   理事 松井 政吉君
      井手 光治君    加藤隆太郎君
      關内 正一君    辻  寛一君
      椎熊 三郎君    石川金次郎君
      田島 ひで君
 委員外の出席者
        参  考  人
        (共同通信社連
        絡局長)    瀧口 義敏君
        参  考  人 藤川  靖君
        参  考  人
        (富士通信機製
        造株式会社社
        長)      高  純一君
        参  考  人
        (株式会社徳田
        電気工務所社
        長)      徳田榮太郎君
        参  考  人
        (東京大学教
        授)      杉村章三郎君
        参  考  人
        (全国電気通信
        従業員組合中央
        執行委員長)  久保  等君
        専  門  員 吉田 弘苗君
        専  門  員 中村 寅市君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 有線電気通信法案(内閣提出第二四五号)
 公衆電気通信法案(内閣提出第二四六号)
    ―――――――――――――
#2
○田中委員長 これより開会いたします。
 本日は有線電気通信法案、公衆電気通信法案について、さきに決定いたしました六名の参考人の方々の御意見を伺います。
 参考人の方々に一言ごあいさつ申し上げます。本日は御多用中にかかわりませず、御出席くださいまして厚くお礼を申し上げます。御意見を伺うことになつております両法案は、わが国有線電気通信設備並びに公衆電気通信業務の基本法であり、一般的関心も大きい法案であると存じます。本委員会は両法案の重要性にかんがみ、慎重に審査を進めている次第でありますが、この際広く国民の世論を反映せしめるため、皆様方の御出席をお願ひいたしたわけであります。参考人各位におかれましては、あらゆる角度から忌憚のない御意見を御発表くださるようお願い申し上げます。なお本日午後にまわられる参考人に対し、早朝からおいでをいただきましたのは、他の参考人の御発言をお聞き取りいただきたいと思いましたからなのであります。どうかその点御了承をお願いいたします。
 御発言の時間はお一人二十分程度として、御発言の順序はかつてながら委員長におまかせ願いたいと存じます。それではまず瀧口義敏さんよりお願いいたします。
#3
○瀧口参考人 この二つの法案とも、大体骨子については賛成であります。両法案の成立を機会として、わが国の電気通信業務の復興を期待する次第でありますが、同時に公衆電気通信法案の第一條の目的が、文面通り実現しなければ意味をなさない点を特に強調してやみません。安い料金で迅速かつ確実な公衆電気通信役務をこの法律が約束するものとして、法案に賛成する次第であります。
    〔委員長退席、高塩委員長代理着席〕
しかし法案を通覧してみますと、不満と思われる修正してもらいたい点が若干あります。あわせて報道関係者としてこの際希望したい点が若干ありますので、以下これらの諸点を具体的に申し述べます。
 第一にまず不満と思われる点をあげますと、日本電信電話公社が電気通信業の末端の分野において、なお監督行政処理の地位をとどめている根拠がうかがわれる点であります。申すまでもなく日本電信電話公社の設立を機会に、わが国の電気通信業務を官営の手から離れるわけで、監督規制の面はあげて郵政省に帰するはずであります。ところがこの公衆電気通信法案には、公社は郵政大臣の認可を受けて定める基準に従つて数々の監督行政処理を行い、また公社の定める方法で民営設備を規制指示している箇所が若干見受けられます。たとえば第二十七條第二項、第二十九條第一項、第四十八條第一項、同第二項、第五十一條、第五十六條、第六十六條第二項、第百三條第三項、同第七項などがこれであります。この場合における公社の監督的行為は、むしろ郵政省の指示に基く代行の性質を明らかにしておく必要がありはしないか。従つて公社がこの種行為を行うことを許されるとしても、その行為の基準を定める方法はあくまで郵政省が決定すべきで、しかもその決定にあたつては、公社の意見のみによつて左右されず、広く民間各界の意見をいれて、民主的、公正に行われることを希望する次第であります。この点よろしく修正の配慮を拂うよう期待いたします。
 第二に、有線電気通信法案そのものには出て来ませんが、この法案の提案理由の説明によりますと、せつかく電気通信の利便を享受する道を開くためとうたわれておりながら、他面公社の行う電気通信業務の独占擁護の立場が強調されておりまして、いささかすつきりしない点が発見されます。かんじんなことは、公社の業務の独占を擁護する点でなく、公社の業務のなお足りないところを私設の有線電気通信設備で補い、かくしてわが国の遅れた電気通信業界の復興を促進する点に昂ると思われます。かように考えますと、法の運用施行にあたつては、また違つた方法がおのずから生れるものと思われる次第であります。たとえば第十一條、有線電気通信設備を規制する技術水準は政令によつて決定されることになつておりますが、それはあくまで最小限度のものとし、またその決定にあたつては、設備者、民間側の意見をも十分にいれてしかるべきだと思われます。さらに設備の検査もあくまで必要な限度において行われることを期待し、不必要な検査を繰返さないようにしてもらいたいと思います。もちろん公社はわが国電気通信業務の中枢であり、その中枢業務が阻害されることには反対であります。その意味では、有線電気通信設備の許容條件並びにその業務制限を規定した点について、細心の考慮が拂われたことには敬意を表するものであります。
 第三に、なお電気通信の利用に最も深い関係を持つ報道業として、その業務の公共的性格にかんがみ、次の諸点をこの際考慮してもらえれば幸いであります。これは希望であります。まず市内、市外、国際電話の通話料金の受信人拂い制度を認められたい。市内、市外電報についても、料金の後納制度とともに、受信人拂い制度を追加されるようくふうされたい。それから市外、国際電話の通話並びに国際写真電送について、プレス優先扱いの制度を開かれたい。そしてできれば、その料金を一般利用者より低い料金とされたい。あわせて加入電話の市内通話度数料金及び均一制採用地における均一料金を、できれば一般利用者より低くするよう配慮されたい、以上であります。
#4
○高塩委員長代理 次に元逓信省電務局長の藤川靖さんにお願いいたします。
#5
○藤川参考人 私はもと逓信省において電務局長を勤めておりました藤川靖であります。すでに電気通信事業を離れまして久しくなりますので、最近の事情にははなはだうといのでございますが、電務局で規画誤長及び局長として約六年間勤めておりました当時の経験や、その後国際電気通信株式会社の役員をいたしておりました当時の経験などに基きまして、両法案に対して気づいたことを少しく申し上げたいと存じます。私は大体において両法案に賛成するものであります。よつて私が賛成いたします理由を申し上げ、さらに法案の内容について二、三気づいた点を申し述べたいと存じます。
 現行の電信法につきましては、終戰以来の情勢の変化、ことに新憲法の制定に伴いまして、当然改正せられなければならないものと考えておつたのであります。また電信線電話線建設條例は、制定以来すでに六十余年を経過しておりまして、もうすでに久しい以前から、その内容はその後の社会情勢の変化に伴わないものとなつておりましたので、これもなるべくすみやかに改正すべきものと考えておつたのであります。従つてこの際これらの法律を廃止して、これにかえるのに今回御提出の両法案をもつてせられて、一つには新憲法の精神に合致するようにいたされ、一つには公衆電気通信及び私設電気通信について、従来定められておりました数多くの禁止事項、制限事項等を解除されまして、実際社会の要請に適応するようにせられ、これによつて電気通信全般の発達に寄與されんといたされますことは、まことに時宜にかなつたことと存じます。また従来の電信法が一般の取締り規定と業務規定とをあわせて規定しておりましたのを、今回の両法案によつて一般の取締り法規と業務規定とに截然区別して規定せられておることも、たいへんけつこうなことだと考えます。
 次に有線電気通信法について申し上げます。御承知の通り従来の電信法は、その第一條において国家専掌の規定を置いて、元の無線電信法第一條と一体をなして、電気通信事業は国家の専掌であるということを原則として、従つて国家以外のものが施設することは特に例外として認めるという建前をとつて、非常に嚴重な制限の範囲内において許可を與えることとなつておりました。しかし新憲法下におきましては、国民をしてできるだけ広くかつ自由に電気通信の利便を享受せしめることが、憲法の精神にも合致するものと思われますのみならず、これによつて電気通信全般の進歩発達をも促進するところが多大であろうと思われますので、今回の改正は十分この精神に沿い得るものと考える次第であります。なお私の一個の経験から申しますと、私は約六年間電務局にあつて、主として電信事業の整備改良と電信事業の擴張とを担任しておつたのでありますが、その間電信はとにかく、電話の擴張を要望する声は年とともに熾烈の度を加えますのに、一方電話擴張計画自体は常に国家財政の制肘を受けまして、需要の激増に対応することができず、国民の非難はいよいよ高まるという状況でありました。電信事業はそれほどではありませんが、わが国の電話事業は、わが国におけるあらゆる事業のうちで、最も発達の遅れている事業であると申してもさしつかえないと思います。この点私今でも責任を感じておるような次第であります。現に最近の電信電話の統計を見ますと、わが国の電話の普及率は、世界各国中で第四十二番目という下位にあり、戰争前の比較的わが国の状態のよろしかつた時代においてさえ、各国中二十番目から上に上つたことはない状態でありますが、今後は電信電話公社の発足によつて、この点も相当改善されるものと期待はいたしておるのでありますが、以上の私の経験からいたしまして、今後も公社は、電信については国内公衆通信施設の整備また電話につきましては加入者及び市外線の新増設、これらのことに全力を注ぐことといたしまして、一日も早く国民の需要にはただちに供給し得るだけの態勢を整えることに重点を置いて経営していただいて、ほかの個人が設備してもできるものとか、附帯的な施設、末端的な装置等、必ずしも公社自体が行わないでもやれることは民間にまかせて、民間の資力や技術を使つて需要を満たさせるようにする方が、電気通信事業全般の進歩発達のためにも適当であると考えておつたのであります。この観点からも今回の改正は、まことにけつこうな御提案と考えます。しかしさりとて私はこれをもつて、電信電話事業の民間への移行の前提なりと考えるものではありません。将来電信電話事業の本体が十分整備せられたような時期が来ましたならば、そのときには、附帯的な施設や末端の装置も本体の経営に統合するのがよろしいと考えるのであります。とにかく現在のごとく根幹の事業が極度に不完全なる状態にありますときにおいては、附帯的な施設はできるだけ民間にまかせて、その普及発達をはかつて、これらのものが根幹事業と相携えて電気通信の発達、普及に寄與せら出れるようにするのがよろしかろうと考えている次第であります。
 ただ本法案の実施に伴いましていささか懸念されますことは、今後資力の豊富な会社銀行等の大きな事業者が、その欲するままに本法を利用して自家用施設を行い、その結果弱小事業者が営業上多大の圧迫を受けるに至るおそれがなきにしもあらずということであります。それから本法による有線施設が各所に濫設されまして、そのため施設の重複、資材の濫用、ひいては混線、感電その他の事故の発生するおそれもなきにしもあらずと考えますので、これらに関しては郵政省も公社もともに、かかる弊害の防止に努力を願いたいのであります。
 次に公衆電気通信法案について申し上げます。本法案も有線電気通信法案と同じく、新憲法の精神に合致することを目的として、従来加えられていた数多くの制限を解除するとともに、公社の営業をできるだけ民主的に運用せしめんとするものであります。同時に基本的なサービスについても規定したことになつておりまして、たいへんけつこうなものと賛成する次第であります。今回のこの改正によつて、通信事業の性格が一変したような感じさえいたすのであります。
 なお少しくその内容に立ち入つて條文の順を追つて申し上げますと、電報の種類を改め、官報、局報、私報の別を廃止されますことは、最近外国でもその趨勢にあるとのことでけつこうでありますが、今後は従来の局報はどういう形で取扱われるか存じませんが、局報的なものは相当な数量に上ると思いますので、適当な方法を講じてその濫用を防止していただきたいと思います。
 次に電話の種類については、構内交換電話を加入電話の一種類として明瞭に示したことは、PBXの急激に普及しつつある実情にかんがみましてけつこうだと思います。
 次に電話の加入区域については、従来は電話規則の中に單に加入区域の種類を規定しただけで、いかにして加入区域を決定するかの基準を全然規定しておらなかつたのでありますが、本法案では、第二十六條ではなはだ抽象的ではありますが、加入区域決定の基準を明かにしておられることはいいことだと思いますが、これは加入者の負担に大きな影響のあることですから、将来できるだけ明確に具体的に規定するように考えていただきたいと思います。
 次に加入電話設備の修理または復旧については、第三十四條に「公社は、加入電話の設備に障害を生じ、又はその設備が滅失したときは、公社の予算の範囲内において、すみやかに、これを修理し、又は復旧しなければならない。」と規定してありますが、これはむしろ「公社の予算の範囲内において、」という字句を削除していただいた方がよくはないかと思います。「予算の範囲内において、」ということは、公社内部のやり方でどうにでもできることでありまして、きわめて恣意的な不明確な言葉でありますし、一面この言葉は従来もとかく国民に対して濫用されて来た言葉であり、国民に対する責任感を稀薄にするきらいがあるように考えますから、この言葉を削除して、はつきり、すみやかに修理または復旧するという原則を掲げていただいた方がよいように考えます。
 次に料金につきましては、従来の電信電話料金法には、ほとんどすべての料金が掲げてありますが、本法案では一般公衆に対する基本的な料金のみを掲げて、その他は郵政大臣の認可を受けて、公社が別に定めることになつております。しかし料金のうちにはしばしば変更されることの予想されるものもありましようし、利用者が特に限定せられるというような場合もありましようから、そういうのは公社が別におきめになることもけつこうかと考えまするが、なるべく一般公衆に関係のある料金は、法律で規定いたしていただいた方がよくはないかと考えます。
 なお第七十一條に、公社の收入に著しき影響を加えない軽微な変更は、やつてさしつかえないという條文がありますが、非常に大きなことを書いてあるのか、小さなことを書いてあるのか、少し漠然とし過ぎた規定のように考えますから、これはもう少し明確に規定される方がよくはないかと考えます。
 なお料金に関連して申し上げたいことは、従来通信に関する料金が突然改正されまして、そのため公衆を狼狽させたり、迷惑をかけたりする場合がしばしばありました。昨年行われた料金改正などもその一例であります。これは経営者側から言えば、予算その他の都合もあることでありましようけれども、公布されて翌日から実施されるというようなことでは、公衆は少からず迷惑いたしますから。実施前に相当の公示期間を置いて、周知をはかつた上で実施するのが当然だと思います。ことに公社及び会社となることでもありますから、必ず相当の公示期間を置くべきことを、本法のうちにはつきり規定して置くのがよろしいと思います。
 次に電信電話事業の有する特権及び公用負担は、電信法及び建設條例の中に規定してありますが、これらの特権及び公用負担のうちには、今日すでに時代遅れのものや、実際上ほとんどその用のないものもありますので、これらを必要の最小限度にとどめられたことはけつこうだと思います。ことに新しい土地收用法とも十分歩調を合され、かつ電気通信事業の特殊性をも加味しておられるようでありますから、この改廃はまことに適切だと思います。
    〔高塩委員長代理退席、田中委員長着席〕
 次に利用者による設置について申し上げます。従来電話規則によつて、PBX等は原則として電通省が設置するものとなつておりまして、加入者自身の設置することをきゆうくつに制限しておりましたのを、本法案によつて加入者の自由にまかせたことは、前に述べました理由により大賛成であります。ただ私設交換の装置及び運用が不良である場合には、一般の交換作業にも大きな悪影響を及ぼして、交換能率を著しく低下させるおそれがありますから、技術基準の励行、使用機材の検査、工事担当人及び交換取扱者の資格試験等を嚴重に行い、かつよく指導していただいて、局の交換と私設の交換とが一体となつて、交換能率の向上をはかり得るように十分の御配慮を必要とするものと考えます。なおこの点は有線電気通信法による施設についても、大体同様な注意を必要とするように考えます。
 次に補償金制度及び損害賠償の制度は、いずれも適当であると考えます。ただ利用者に與えた損害の賠償の制度も、せつかくのよい制度でも、それに伴う手続が煩雑なる場合には、結局よい制度も死物となつてしまいますから、制度を設けた以上、できるだけその制度を利用するよう手続を簡易化していただきたいと思います。
 なお本法案中には直接規定してはありませんが、両法案の成立に伴い両法案の施行法が制定せられるとのことでありまして、その中で明治三十九年制定の日電話規則によつて加入申込みを受理せられながら、いまだに開通されていない加入者の問題を、この際加入料の返還によつて一掃してしまう御計画があるということでありますが、この問題は多年電話事業のがんをなしておつたのでありますので、この際根本的にぜひ解決していただきたいと考えております。
 次に両法案に共通した事項について少しく申し上げます。一つは両法案とも罰則がいろいろ改正されておりますが、いかなる理由によつて改正されたものかわからないような点もありますので、この点については意見を保留いたします。
 次に郵政大臣の許可、認可事項についてであります。まず有線電気通信法案を見ますと、郵政大臣の許可を受けねばならぬことを規定しているのが十項目ほどあるようであります。また公衆電気通信法案を見ますと、郵政大臣の認可を受くべき事項が二十九項目ほどあるようであります。もとよりこれらは取締り及び監督上必要であると認あられる最小限度のものをお掲げになつておられるのではありませうが、私の一応気づいたところでは、公衆電気通信法の第三十八條二項の加入原簿記載事項証明手数料とか、第四十一條一項の級局別基準増減の決定とか、第四十九條の構内交換取扱者資格試験手数料とか、第百三條八項の工事担当者の資格試験手数料とか、第百五條の補償金の対象となる構内設備の種類とかを御決定になる際に、はたして郵政大臣の認可を必要とするかどうかという点に私は疑問を抱くのであります。一般公衆とか多数の加入者とかに適用される料金であるならば、やよい金額が少くとも公益的見地から郵政大臣の認可を必要とすると思いますが、少数特定の人への手数料的なものまで、認可を受ける必要はないと思います。元来政府の認可を必要とするのは、政府の公正なる判断を受ける必要のある事項とか、または役所側に十分権威のある判断の資料が備わつている場合とかに限定すべきものでありまして、これに反して役所側に事の軽重、適否を十分検討するための資料を備えてもいない場合に、これに向つて認可を求めるということはいわゆる繁文褥礼でありまして、いたずらに処理を遷延せしめるのみならず、責任の所在を不明確にするおそれがあると考えます。以上のようなわけで、公衆電気通信法案中の認可を要する事項のうちには、なお相当整理する余地があるように思われるのであります。
 以上をもつて私の陳述を終りますが、実務の経験に基いて申し上げましたために、たいへんこまかいことをいろいろ申上げまして、恐縮に存じます。
#6
○田中委員長 高純一さん。
#7
○高参考人 私富士通信機の高でございます。電気通信事業というものがあらゆる政治、経済、文化の活動の神経の役目をいたしている非常に重要な仕事であるということは、いまさら申し上げるまでもないのであります。しかるにこの重要な神経である通信事業の日本の現状はどうであるかと申しますと、はなはだ寒心にたえない状況であるのであります。戰災という大きい痛手をこうむりまして、これは逓信御当局の絶大な御努力により非常に復興して戰前以上の水準になつて、ただいまは百四十万以上にもなつているというふうに承つておりますが、世界水準からいいますとはるかに低いのでありまして、なおかつ電話をかけても話中である、長距離電話をかけるとなかなか時間がかかるという状態であります。これは何といつても施設の十分な整備がされておらないということによるのでありまして、従来予算に縛られたということが、この建設の十分行われてないという大きい原因であろうと思われるのであります。ところが先般、公社法の第一條にありますように、「公衆電気通信事業の合理的且つ能率的な経営の体制を確立し、公衆電気通信設備の整備及び擴充を促進し、並びに電気通信による国民の利便を確保することによつて、公共の福祉を増進することを目的として、ここに日本電信電話公社を設立する。」こういう体制を擴立して、もつと擴充しなければならないところを大いに推し進めようという、まことにけつこうな案が通りました。この業務に関して、公衆電気通信法案が今度提出され、今審議中であるのであります。ずつと拝見しますとこの精神が盛られております。なお特に私どもが関心を持ちましたPBXの開放が盛られておるのでありまして、これは従来われわれも要望いたしておりました民間資本の導入、レーバーの導入によつてごの擴充を促進するものであると考えるのであります。大体において今の精神が盛られておりますので、両法案とも私は賛成の意見でございます。
 ただこれの運用にあたつて、この條項中に少し明瞭を欠いた点もありますし、なおそうであろうと思いますが、要望いたしたい事項を申し上げたいと思います。ただいまのような実情で、大いに合理的、能率的な経営にする、これはここに書いてあるばかりでなしに、ぜひ実施していただきたい、事務能率、サービスの向上を大いにはかつていただきたいということが一つであります。もう一つは先ほど申しましたことと関連するのですが、話中である、時間がかかるということは、要するに局設備なり線路が不足しているのでありまして、これがもつと設備されるならば、今の状態においてももつと通話が円滑に行くと思うのであります。PBXの開放によつて、今後どんどんPBXが擴張される場合におきましては、局設備なり線路の擴充を今までよりも一層進めていただきたい。もちろんそのつもりでありましようが、なお重ねて要望いたしたいのであります。少くとも五百億くらいのそういう方面の建設資金もぜひ考えていただきたい。また今後のPBXの開放によりまして、施設が公社並びに業者の両建になつております。もちろん設立の御趣旨から申しますれば心配ないと思いますが、この取扱いの公正、迅速、円滑化を希望いたしたいのでございます。さらに第七章の雑則第百三條の第三、四に関連するのでありますが、第三は、設備の設置は、公社が郵政大臣の認可を受けて定める技術に適合するものでなければならない。第四は「加入者又は専用者は、第一項の規定により公衆電気通信設備を設置したときは、公社の検査を受け、その設置が前項の技術基準に適合していると認められた後でなければ、これを使用してはならない。これを変更したときも、同様とする。」通信機というものが非常な高度の技術を要するものであるということ、及びこれが故障した場合は非常に一般の公衆の迷惑になることであるから、これは当然なことと思うのでありますが、この運営についてどういうところまでお考えかわかりませんが、こういうお考えもしていただきたいという点を申し上げます。まず第四のごとく、使う前には設備の検査を受けるということは性質上けつこうだと思いますが、検査の程度については、たとえばだれがつくつてもいいというので惡い機械ができる、せつかく設備して検査してみるとだめだというようなことでも、たいへん大きい国家的ロスにもなる。なおこの機械の性質上ライフというか、デユアラビリテイというか、耐久力がなくては通信の確保ができないのでありまして、このためにはわれわれメーカーその他、真劍に耐久力のあるいい機械をつくるということに精進しているわけであります。すえ置き後一ぺんの検査でどこまで目が届きますか、これが結局第三の技術基準に適合するということから申しまして、そういう点も十分御考慮願つて、一応これは使えるのだというのではなしに、耐久力に信頼があるという立場で検査も願い、技術基準をおきめになるときもそういうことで、いい通信の確保をはかつていただきたい、こういうふうに考えるのであります。
 いろいろこまかいことを申し上げますとありましようが、先ほど申しましたけつこうな趣旨に基いて大体案ができておりますので、そういつたことを運用上希望いたしまして、本案に賛成いたします。どうか至急御審議願いまして、一日も早く実現されることを希望いたします。私の意見を終ります。
#8
○田中委員長 次は徳田榮太郎君。
#9
○徳田参考人 今回の有線電気通信法案と公衆電気通信法案の意見を聞かしてほしいというお話で、今日出席いたしました。それに先だちまして私ごとを時間がないのに申し上げてまことに申訳ございませんが、元逓信局に明治四十五年から大正七年までおりました。その後沖電気に約五年間おりまして、震災直後沖電気を辞職いたしまして、ただいまの徳田電気工務所を設立いたしまして今日に至つております。その間増私設電話の設備工事並びにそれに附帶した工事を専任にやつておりまして、三十余年、約四十年の間弱電設備に邁進しているものであります。この増私設電話の経過につきまして、はなはだ冗長にわたるかも存じませんが、一応お聞き取りを願いたいと存じます。
 増私設電話関係の法令が出ましたのは、明治二十三年四月の逓信省令第七号でありまして、それには漠然としたものしか載つておりません。明治三十九年六月の省令第二十九号をもつて、私設電話が加入電話回線への接続の條文が初めて入れられました。なおその間約十四年を経ました大正八年の四月に逓信省令第九号をもちまして、初めて増私設電話工事担当者の條文がここに確立したのであります。それで大正十二年の関東大震災前は、電話局の設備は大都市であつても磁石式の局が多く、共電式の局は全般的なものではありませんでした。従つて増私設電話の交換施設の大部分は磁石式のものでありまして、共電式のものは非常に少かつたのであります。ただ自動式としてやりましたのは、元の木挽町の逓信省が構内交換設備として、大正十一年に英国のジーメンス・ブラザーのプランジャー式の自動電話交換機をすえつけました。これには私も少しばかりでありますが、お手伝いをさせていただきました。民間では築地明石町にございましたところのジーメンス・シユケルト電気会社に、ジーメンス・ハルスケの自動交換機とセミオートのPBXが試験的につけられました。これがわが国の局線へつなぐ自動交換機のそもそもの初めであります。大正十二年の関東大震災によりまして、東京、横浜を初め多くの電話局が焼失、破壊されまして、電話の復旧が容易にはかどらなかつたのであります。そのとき加入者の強い要求と、われわれ電話関係業者の計画によりまして、臨時特設電話の制度が、時の犬養逓信大臣の決断によりまして許可となりました。われわれ電話工事業者は商売気を離れまして、晝夜兼行工事の促進に努力いたしまして、一、二箇月ならずしてほとんど落成し、通話を開始し、都市復興に役立ちをしたことは偉大なものであります。関東大震災は地方的な災害であつたのと、逓信当局の熱意ある復旧工事によつて、大正十三年中にこれはほとんど廃止されました。しかしこの間加入者の受けた利益は幾ばくでしたか、数え切れないものと存じます。震災後局設備が自動化されるに至りまして、東京、横浜のみならず、京阪地区にも漸次自動化されて行つたのであります。従つて民間の増私設交換機も自動化が促進されました。しかし対自動局加入回路は、逓信省によつて示されなかつたのであります。ただ逓信省はこの省令第二千六号をもつて基準を示したにす夢ないのでございます。電話回路はすべて電話工事担当者によつて発明考案され、実用に供されたのでございます。一方増設電話、つまり旧乙種増設電話は、本来これは電話局で設置するのでございますが、加入者は好んで電話工事業者に設備と保守を依頼しました。逓信省は何十年も前からの形のものを使つておりまして、一向進歩的なところがない。そこヘジーメンス・ハルスヶ製電話機、マイクロホン型の卓上電話機を輸入いたしまして、これを加入者に乙増としてつけました。これは芝のあるところにつけたのが、おそらく日本中でマイクロホンをつけた自動乙種増設の嚆矢かと存じます。それで加入者の設備がかようにして非常に便利なものですから、どうしても局の方の設備よりも、むしろ業者によつてこのマイクロホン型の卓上電話機をつけるということで、非常に増加したのでございます。それから十数年たちまして、ようやく逓信省は三号卓上をつくり、最近に至りまして四号の卓上電話機をこしらえたような次第でございます。
 かくしまして昭和十八年には増私設電話機が約二十六万、これのためのPBXが一万五千台、乙種増設電話は、これは局維持も含まれておりますが約十六万ありました。昭和十八年四月、逓信省は戰争の進展に伴いまして、資材と人員の洞渇のため、全国業者の統合をはかりまして、一部これは軍関係の業者は参加いたしませんでしたが、それがつまり一昨年までありましたところの日本電話設備会社でございます。これは昭和二十年終戰の結果、戰争目的のために設立されたものでありますから、当然独占を許されなくなつたのでございます。われわれはそれにつきまして、電設設立当時の工務局長松前先生に意向を伺いましたところが、当然独占されるものでなく、解放すべきであるという御意見でありまして、その後いろいろとご意見を伺うはずでありましたが、同先生が間もなく追放となりましたので、その話は中止いたされたのでございます。
 昭和二十一年十一月になりまして、どうしてもこのPBXの解放ということは必要なことであるというので、ここにわれわれ同士が集まりまして、電話施設工業会なるものを東京、大阪、名古屋、九州、信越の有志によつてつくられました。次いで衆議院に一松逓信大臣を、大野伴睦先生の御紹介で訪問いたしまして、陳情書を提出いたしましたが、大臣の言われるには、占領下であるからどうも逓信省としての自主的の意見は言われない。すべてはGHQの意向にあるのだというお話でありました。そこで前アルゼンチン公使で当時終戰連絡事務局次長山形清先生と協議いたしまして、鈴木前逓信次官の御了解のもとに、マツカーサー司令部にバンカー少将をお尋ねいたしまして、日本の民間電話のあり方について質問書を提出いたしました。そういたしましてバンカー少将の言われるのには、アメリカの政策であるとか、日本のためであるとかいうことは言うことはできない。電話に関してはCCSのオーデル中佐に協議してくれというお話でありました。そこでGHQの方は一応中止しましたところが、昭和二十二年二月十二月に時の電務局長渡辺さんから電話がありまして、増私設電話の解放がいよいよ逓信省の方でも意向がきまつたというお話で、非常にわれわれも喜んだのでございますが、突然昭和二十二年三月二十五日付の連合国最高司令官の覚書によりまして、日本政府に渡されましたものは、逓信省は通信の一元化の企画を立て、増私設電話を含めまして、一切を逓信省に吸収する計画を立てたのでございます。この一元化ということは、ただ一方的の考えでありまして、その後の話になりますが、米国の電話のあり方はどうであるかということに対しまして、オーデル中佐の通訳であるところの西山氏に聞きましたところが、アメリカには三千ないし四千くらいの電話会社がある。その電話会社が濫立しておるので、それを統一するために非常に苦しんである。これは縦の一元化で、横の一元化ではないのであります。日本ではもうすでに何十年前から横の連絡の一元化は成り立つております。この際何も増私設まで含めた縦の一元化をつくることはなかつたと思います。それから二十二年の七月十二日に司令部のCCSにオーデル中佐及びマツカーデー氏を訪問いたしまして、PBXの解放につきまして懇談いたしましたところが、一つのヒントを得たのであります。それは加入者による私設電話、今回の有線通信に相当するものでありますが、それをつくりまして局線につなぐ。これは営業法百四條及び有線通信法の第十條八号に相当するものと考えます。八月十八日再びCCSを訪れまして、書類によつてPBXの解放の陳情書を提出しました。それについてオーデル中佐におかれまして、加入者によつて設備された私設電話の局線への接続が確認されたのであります。それになおつけ加えまして、GHQは不公平なことはしないから、逓信省の鈴木氏とよく相談して話をきめて明日来い。鈴木氏とは前次官並びにエンジニアの鈴木市内課長をさしたものと思いましたので、翌十九日逓信省に鈴木次官を訪れ、なお鈴木市内課長を訪れたのでございます。鈴木次官におかれましては、非常に喜ばしいことである。お祝いをしようじやないか。鈴木市内課長も同様のことを言われました。そこでその翌日GHQに行くお約束をしましたところが、鈴木氏は先まわりしまして、オーデルによつてきめられましたところの私設電話の局線への接続をくつがえして来たのであります。われわれの憤慨は極点に達したのであります。二十三年四月になりまして、日本電話設備会社が過度経済力集中排除の指定を受けましたにつきまして、われわれは電話設備会社の株主としまして、株主同志会をもあわせ結成いたしまして、GHQ及び持株整理委員会に陳情書を出しまして、電話の独占の排除にまた同じく邁進いたしました。しかるに電設は、三月二十五日のメモランダムによりまして、主たる業務の電話事業が逓信省に吸収される指令を受けておりますので、集中排除は間もなく指定を解除されました。二十四年五月多田先生と中村純一先生の御紹介によりまして、PBX解放の請願書を出しましたが、あまり効果がないようでありました。二十四年九月再びCCSにオーデル氏を尋ねまして、PBXの解放について強く要望いたしまして、二時間余にわたる会談の後、日本には国会があるじやないか、国会へなぜ請願しないかという話になりましたので、全国の商工会議所書に檄を飛ばしまして、その同意書を得まして、そのPBXの解放の同意書をつけまして、衆議院幣原議長、参議院松平議長、電信電話復興審議会石川会長、電気通信省小澤大臣あて、それぞれ提出いたしました。それは幸い十一月二十二日電信電話審議会の採択するところとなり、二十六日には参議院の電気通信委員会の採択、二十八日には衆議院電気通信委員会で採択になり、三十日には本会議を通過することになつたのでございます。それに次ぎまして、十二月八日電気通信省主宰のもとにGHQのCCSの係官、衆議院、参議院の議員の方々、電気通信省鈴木次官以下の方々、電話工事会社側は徳田ほか五、場六名が列席いたしまして、PBXに関する討議を始めたのでありますが、その半ばにして日が暮れましたので散会しまして、これによつて得ましたものは、ただいままで実施をいたしております直営工事の労務供給にすぎなかつたのでございます。
 次いで昨二十六年の五月、一般国民が電話の復旧をいかに要求しているかということに関しまして、参議院の黒川武雄先生を会長とします全国電話民主化期成連合会を結成いたしまして、PBX解放の運動を展開いたしました。昨年十月には衆参両院に請願書を提出いたしまして、なお佐藤電気通信大臣、水田自由党政務調査会長へそれぞれ陳情書を提出いたしました。幸い電気通信委員諸先生の強力な御支持と、電気通信省御当局の熱意あるとりはからいと、また法制意見局の御理解によつてわれわれの多年にわたる希望の光明を見る段階に至りまして、一日もすみやかに御審議が済み、多数国民の渇望している電話行政を期待し、念願する次第でございます。ここにおきまして電気通信委員長田中先生を初め諸先生方並びに電気通信省の諸官に対しまして、全国の加入者にかわりまして厚くお礼を申し上げます。
 それではあまり長くなりますから、本論に入りまして、有線電気通信法について私の意見を申し上げたいと思います。
 第一條に、旧電信法には「政府之ヲ管掌ス」とありましたが、非常にやわらかくなりまして、そういう字句がないのはあまりにさびしいのではないか。このどこかの箇所に、政府が管理するというような、公社案の暫定施行案にあるような字句を入れていただきたいと思います。
 第二條の二行目に「電磁的方式により、符号、音響又は影像」となつておりますが、一般的の通念としましては、音響は音声とは違うと思いますから、これは音声という字にお直し願うか、音声をお入れ願う方が一般的ではないかと存じます。
 第三條の三項の二に行きまして、「設備の一の部分の設置の場所が他の部分の設置の場所と同一の構内又は同一の建物内であるもの」というようになつておりますが、これは準構内、つまり一定の構内、建物から現在ですと三十メートル以内という制限がございますから、それに準じたものも含むように御配慮願いたいと思います。
 第十條に飛びまして、第十條の八号に「その設備が公衆電気通信法第百四條の規定により接続したものであるとき。」これは後に公衆電気通信法の方で申し上げたいと思いますが、これは局線の接続しない電話、つまり在来言いますところの一部接続と拝承してよろしいかと思います。それからこの中に電気、すべての軌道その他の設備がございますが、その設備の一つ、早く言いますと、東京電力あたりでは保安用の電話を方々へ持つて行つておりますが、それは在来言います私設交換機に、局線とつなぐ電話機と同じ交換機にその電話を入れておりましたが、その項目が見当りません。ぜひそれは在来通り入れられますように御配慮願いたいと思います。
 それから第十一條の技術標準ですが、ここには標準はございますが、担当者、つまり工事上の責任者の事項が入つておりませんが、これも第百三條の七項、八項に相当する工事担任者を準用するということをお入れ願いたいと思います。
 それからずつと飛びまして、罰則のところの第二十一條「有線電気通信設備を損壊し、これに物品を接触し」とございますが、この「接触」ということはどういうことをさしているのか存じませんが、この字句通り行きますと、いなかなどで電柱へちよつと馬の綱を縛りつけたとか、張り板を立てかけたというような場合、これが接触かどうかという問題になりますから、この接触という字句は、妨害の目的をもつて物品を接触しとか、損壊の目的をもつて物品を接触しと直していただくのがよろしいんじやないかと存じます。
 一応有線電気通信法案の方はこのくらいにしまして、次に公衆電気通信法案について申し上げたいと思います。
 第二條の第一項の「電磁的方式により、符号、音響又は影像を送り、」というところに音声という字句を入れていただきたいのは、これは前同様でございます。
 それから第六條の二行目の「重要な通信を確保するために必要があるときは、」とありますが、この「重要」とは何をさすかということになりますから、これは「重要」というのは、国すなわち政府が使うというような場合と存じますので、むしろ「重要」というような抽象的な文字でなく、政府とか国とかいう文字をはつきりお入れになつておいた方がよろしいんじやないかと存じます。
 それからずつと飛びまして、われわれの一番関係ございますところの百三條でございますが、この百三條の第二項の「公社は、加入者又は専用者が前項の規定により設置する公衆電気通信設備の保存を公社において行うべきことの申込を受けたときは、業務の遂行上支障がある場合を除き、これを拒んではならない。」とこうございますが、これはもちろん設備したものはこれは保存を含むものと私たちは解釈したいと存じます。それから第三項に行きまして、第二行目の「必要な限度」とございますのは、これもあまり抽象的な文字だと存じます。これは施行細則で非常にむずかしいものをつくるのか、非常にやさしいものをつくるのか、これの限度がわかりませんから、これは前回のようにもう少し明確にお示しを願いたいと私たちは希望いたします。また第四項におきまして使用するときには、これは検査がありますが、その事前検査がございませんことは、先ほどの高さんがお話をいたしましたが、これは第五次案にありましたように、事前検査ということは、ぜひともこれは必要かと存じます。それから第八項に行きまして、工事担任者の項目の「第四十九條及び第五十條の規定は、」とございますが、五十一條の規定がなければこれは試験とか、そういうものは何によつてやるか、そのきめ方がわからないと思います。これは五十一條を入れるべきであると存じます。なお工事担任者につきまして一言お話申し上げたいと存じますが、これはこの電話担当従事者という言葉は古くから言いならされておりますが、現在におきましては、従事者というような名前は非常に軽々しく思われますので、重要な電話設備の主任者とか、電話担任者とか、従事者とかいう名前でなく、もう少し自分のプライドを持つために、これは電話主任技術者、その従事者に相当するものは電話技術補というような名前に改め、またただいまでは在来一級、二級、三級とございましたが、これは大都市におきましてはすべての局が自動化されております今日、自動の局設備を知らないものが三級の免状を持つて交換機をつくるということは、サービスを非常に惡くしまして、電話装置も非常に悪くしますから、どうしてもこれは大都市におきましては現在までの一級程度のものをもつて電話主任技術者とし、地方の青森県の山奥とか、山梨の山奥のようなところは、自動のところは少いのでございますから、特殊の場合を除きましては乙種というような名前の担当者でよろしくはないかと思います。そういうふうにおきめを願いたいと思います。また電話の技術者の認定につきましては、ただいままでは経歴と電通省の一方的な、――と言つてははなはだ失礼でございますが、私なども試験をされましたが、試験によつてやつておりました。これはいろいろ現在までにみておりますと、弊害がございますようですから、PBX関係の権威者をもつて組織しましたところの機関に諮りまして、郵政大臣が指示いたしまして、公社がきめるというふうにおきめ願いたいと思います。そうしませんと、この法案が通りましてPBXが解放になりましたあかつき、不良な担当者がおりまして不心得者が出ました場合に、私たち多年の希望を失うばかりでなく、諸先生にも顔向けができないようなことになりますし、また電通省のあたたかい親心に対しまして相反することになりますから、とくとその点は御考慮願いたいと思います。それから業者に今まで電話工事請負業者という名前がございまして、自営加入者のやる場合に技術者を雇つてやる場合と、設備が小さいために、それを一定の業として、つまり電話主任技術者を雇い入れました業者にやらせる場合と二色ございましたが、その業者に対しまして用請負業者としての一定の認定を逓信省は與えておりましたが、これは業者としての級別をつけるとかいうことは、現段階においては許されないのではないかと存じますので、これは電通省の下請をする場合に、初めて一級なり、三級なりをしてその状態に応じて請負をさせることは当然と思います。電通省みずからが工事担当の業者に段階をつけることは望ましくないと思います。これは弁護士、会計士、医者などもその例でありまして、何もそういうものに段階はございません。
 なお第百四條の点でありますが、これは先ほど私設有線設備のところで申し上げましたが、「内線電話機のみと通話することができるように、構内交換設備にその構内交換電話の加入者が設置する私設有線設備の電話回線を接続するとき。」とございますが、これはいわゆる在来の一部接続と解釈したいと存じます。
 はなだどうも突然で恐れ入りましたが、私の意見はこの辺で終ります。
#10
○田中委員長 ありがとうございました。ただいままで御公述をお願いいたしました瀧口さん、藤川さん、高さん、徳田さんに対しまして質疑を許します。長谷川君。
#11
○長谷川委員 徳田さんにお尋ねしますが、ただいまの両法案にはあなたのお考えでは賛成ですか、反対ですか。
#12
○徳田参考人 この全体に対しては賛成いたします。
#13
○田中委員長 他に御質疑はございませんか。――御質疑がないようでございますので、本日の午前中はこの程度にとどめまして、午後一時三十分より続開をいたしたいと存じます。
 これにて休憩をいたします。
    午後零時二分休憩
     ――――◇―――――
    午後二時二十五分開議
#14
○田中委員長 午前に引続き再開いたします。
 参考人の皆様に申し上げます。いろいろの都合にて、たいへんお待たせいたしましたことをおわび申し上げます。
 なお徳田参考人より、先ほどの公述に若干補足したいとの申出がありましたので、これを許します。徳田参考人。
#15
○徳田参考人 先ほどは時間をあまりいただけなかつたので、十分なことも申し上げられませんでしたが、委員長のお許しを得まして、再び私の意見を述べさしていただきます。
 この公衆電気通信法の第三十三條にありますところの付属機器の設置でございますが、これは電気通信省御当局の御説明並びにこの法案の中には、利用者の設置ということが含まれておりません。なお去る十二日の委員会の節、委員の方から政府委員の方にお尋ねしたところが、これはあくまで公社で直営するという御方針のように伺つておりますが、これは交換機のようなむずかしい装置と違いまして、今までで言いますと工事担当者の最下級と言つては何ですが、下級の資格認定者であつてもできることでありまして、しいて言えば、しろうとでもできないことはないという程度のものを、しいて電通省がやらなければならないということは、少しおかしいのではないかと思います。
 なお電通省は、加入電話の本電話機の検査とか、取替巡回などまでを民間の業者に――われわれもその一部に入つていると思われますが、その一番大事な本電話機の修理、取替さえもやらしておるのに、この乙種増設が利用者並びに加入者の責任においてやらせることができないということは、われわれの合点の行かないことでございますから、ぜひこれは民間においても自由に設備する――それはもちろん資格者によつて初めてできるのであります。またこの乙種増設が今日の隆盛を来したことは、先ほど申し上げました電話発達の歴史から見ましても、これは電通省または公社でやるのが原則というのは少し考え過ぎじやないかと存じますので、この点御留意願いまして、われわれ国民の意思を御尊重願いたいと思います。
 なお先ほど有線法第二十一條の罰則のところで、少し字句の問題になりますが、有線電気通信設備を損壊し、「妨害の目的をもつて」と入れました。これは妨害の目的をもつて有線電気通信設備を損壊し、またはこれに物品を接触し、というふうにお直しした方が適当でないかと存じます。
 なお在来警察の電話というものは、保安通信上單独のものでありましたが、これはただいまでは電通省でおやりになつております。この線路の共用ということは許さるべきであると思いますが、公社に電気通信事業の移管された後は、警察は警察電話として公安通信の建前上、これは独自のものにならなければならないかと存じます。その文章がこの中にございませんので、これもそういう希望を申し上げます。
 また、もどりまして有線電気通信法案の第九條の第七号ですが、これはつまりもとの特設電話と解釈いたしたいと存じます。
 なお聞くところによりますと、この有線電気通信法及び公衆電気通信法の施行案としてのことを伺いますと、従来の甲種増設電話の交換取扱者及び工事担任者の資格は、公衆電気通信法により資格を有する者とするということは、ぜひ御確認を願いたいということと、それから第二には、現在電気通信省において保守委託をしておる増設電話については、加入者が希望すれば、公社は現在通りその委託を継続する。これは言いかえますと、加入者が自分で保守をしたいというときは、加入者自体ができる。これはむろん担任者のいることでございますが、これは公社の発足と同時に切りかえることは、工事担任者の選定資格の問題などで、ただちに即日切りかえるということは困難でございまするから、相当日数を置きましても、切りかえ可能のようにおとりはからい願いたいと思います。
 なお補足いたしますが、将来の加入電話のあり方については、特別の場合を除きましては、加入者の引込口までを公社で設備工事を行いまして、保安器すなわち安全器を通じまして度数計を設ける。これは電燈にしろ、電力にしろ、ワット・メーターというものは需用者の家についております。それから内部の設備というものは、つまり加入者が有効に利用するために自由にすること、しかし基準とか責任とかいうものは、先ほどの公衆通信法なり有線法によつておのずからきまるものと思います。およそすべての計量器というものは、客または使用者の面前にあります。電燈、電力、水道、ガス、または砂糖を買いに行きましても、野菜を買いに行きましても、あらゆる取引をする場合に、その面前において相互承諾の上で料金の受渡しが行われるのであります。それが一番公平で、社会通念であるのに、この電話の度数計に限りまして、加入者宅に設けることがなく、これを電話局に設置しまして、一方的に押しつける。そのために加入者との間に相当のトラブルが起きておることはすでに御承知のことと思います。この度数計を加入者宅につけることは、技術上困難であるというお考えがあるかと思いまするが、それは不可能なことは決してないのでありますから、これは将来において御考慮を願いたいと思います。
 なおPBXの方の発展に伴いまして、公社におきましてもますます計画の実行に疎漏のないように、PBXと均衡のとれる電話機の増加計画をお立てになつていただきたいと思います。これはドイツでは第一次大戰の約十年後に百人に対して五でありましたが、日本の実情は、ただいま多く見ても百人に対して一・七か一・八ぐらいと推測いたします。このドイツの今から約二十年前のものに直すのに、百人に対して五でありますから、これは今後十年の間におやりになるように、公社はひとつ看板の切りかえだけでなく、進んでそこまでやつていただきたい。そうしてその電話機の数は十年間に納三百万の増加、これはアメリカの百人に対する三十には遠く及びませんが、せめてドイツの今から二十年前のところにようやくたどりつくと思います。この費用の点ですが、大体年間二十五万ないし三十万の電話機をつけるとしますと、約五百億ないし六百億の資金が入用かと思いますが、現在市内電話、これは全国的ではないにしましても、二十万、三十万の市価を呼んでいるのであります。そこから見ますならば、その半額の十万円の公債によつてまかなうようにしましたならばよろしいが、今の三万円などは、ほとんど焼け石に水であつて、増設には何ら寄與をすることはないだろうと思いますから、ぜひ十万円の公債によつてでも加入電話をできるだけ早く普及さしてやる。それについてはわれわれもPBXに対してもそれに遅れずに発展をさせる。それによつて初めて文化国家の一員になる。先ほどどなたかが申し上げましたところの世界で四十番目とか、戦前の二十番目というふうな恥辱な位置に置かれないで済むのではないかと思います。その点をつけ加えて申し上げておきます。これをもつて終ります。
#16
○田中委員長 次に杉村章三郎君にお願いいたします。
#17
○杉村参考人 電気通信事業に関する法案ができましたので、意見を申し述べるようにということでございましたが、何分にもおとといそういうお頼みがあつたにすぎませんので、一向準備も何もできませんが、ただ感じたことだけを申し述べたいと思います。
 数年来懸案でありました政府の電気通信事業の公共企業体化を機会としまして、今般電信法その他電気通信関係法規の全面的な改正、整備がなされることになつたわけでありますが、私は非常に疎漏でありますが、法案を通読しまして、大体の趣旨には賛成をいたすものであります。
 今回の電気通信諸法案の特色の第一は、通信関係の法規の体系化ということが一つうたわれております。従来は電信法という明治三十三年のきわめて古い法律が適用せられており、そのほかに省令以下の規定ででき上つておつたのでありますが、この電信法が、電通省がなす公衆電気通信業務に関する基本法であるとともに、有線電気通信設備に対する監督法でもある。両者は一応性格を異にするわけであるが、今回の法律案では両者を別個の法律としているわけであります。すなわち公衆電気通信の営業面に対する規律が公衆電気通信法で、有線電気通信設備の設置及び使用の規律が有線電気通信法で定められたわけであります。従来省令等で定められておりましたことが、法律の形になつて来ているわけであります。そういう点が一つの特色であります。
 それから第二は、今般の両法案を通じて見られます一つの民主化の意図でありまして、政府の提案理由に示されております基本方針の中に、現在企業保護のために設けられておる各種の政府の特権的な規定あるいは罰則は極力これを廃止して、事業の特殊性に基いて、真に必要のあるものだけを存続させるということが一つうたわれておるようであります。このいわゆる政府特権と申しますものの中の最も基有的なものとしましては、現行通信法に、「電信及電話ハ政府之ヲ管掌ス」と規定しております。政府はこの事業に対してほとんど完全な独占権を認めておるのでありますが、この新しい法案では、有線電気通信設備の設置は、ニ人以上共同して設置する場合のほかは自由にする、そうしてこれに事前届出制をしく、こういうことであります。また共同施設も、全然認められないわけではなく、共同事業に必要な通信を行うためとか、あるいは相互に緊密な関係を有する業務に必要な通信を行うためというような場合におきましては、郵政大臣の許可を受けるならば、これを施設することができる、またさらに都市からの距離が遠く、公社が公衆電気通信設備を提供することが困難であると認められる地域、これを特定地域と言つておるようでありますが、この特定地域には、郵政大臣の許可を受けて共同の設備をするという便宜も與えられておるわけです。しかし企業独占権はあくまで保持するという建前から、設備の接続とか、あるいは設備を他へが使用するということにつきまして制限を加えるというような、いろいろな措置がとられています。ただこういうように個人の自由施設の原則というものに対しては、まあいわばその濫設とか、あるいは設備は個人で専用使用するということによる不経済というようなことが予想せられるわけでありますが、この点につきましてはその濫設によつて、いろいろな有線電気設備相互間に妨害がないようにする。また人体、物件に損害を與えるようなことがないようにするため、設備の設置その他保存上必要な技術的條件として最小限度の基準を定めるとか、あるいはその基準に適合しなかつたたに妨害があつたというような場合に、郵政大臣に対して設備の使用の停止というような処分権を認めておるのであります。しかしその設備の不経済ということについては別に規定がない、自由施設ということを原則として立つておる、そういうふうな状況でございます。この新しい法案が、一方において公社による企業独占権を堅持しながら、他方におきまして、それを害しない範囲においてなるべく電気通信設備の自由施設を許そうとする政府の努力に対しては、私は敬意を表するものでありますが、またそれによつで、共同施設が許される場合も、従来許されておりました私設電信電話の範囲よりは署しく広くなることでありまして、離れ島とか農山漁村のような特定地域における施設の新設というようなことが期待せられるわけであります。しかし考えてみますに、はたして大衆にどれだけの利益を與えるであろうかということでありまして、この場合の大衆にも、およそ二つに区別できるでありましよう。電話に例をとつてみれば、個人電話を引ける経済能力のある個人と、それからその能力のない一般大衆とにわけることができると思いますが、この前者の電話を引けるという人間にとりましては、今日のような電話飢饉というものが一日も早く緩和されることを希望するわけでありましようし、その後者一般の公衆にとりましては、電話の架設などというようなことは、これはいわば縁なき衆生でありまして、なるべく安く便利に公衆電話の利用がなされればいいということになります。従つてこの両種の一般大衆にとりましては、政府が言ういわゆる自由施設の原則というものが、政府の主張するほどそれほどありがたいものでないのではないかというように考えます。結局電気通信事業というものがいかに合理的に、また容易に普及するかということに問題は帰するわけありまして、そこで公衆電気通信事業というものの主体をどこに置くかというふうなことが問題になるわけであります。この新しい法案におきましては――これは別に公社法案というものが出ているようでありますが、それはすでに既定の方針に基きまして、公共企業体たる日本電信電話公社をしてこの主体たらしめるということにしておるわけであります。この公共企業体という考え方は、アメリカにおける政府企業体といいますか、ガヴアメント・コーポレーシヨンという第一次世界大戦以降特に発達した企業体でありまして、看客なTVAを初めとして、現在においては九十くらいあるということでありますが、政府企業のうち私企業的な性格を持つものを、予算とか会計、経理などにつきまして政府から受ける多くの制約を免れ、私企業的な経営によつて合理的な経営をなさしめる方式であります。従つて事業の目的は収益的なものではなければならなのであります わが国におきましても、国有鉄道及び専売事業につきましては、すでに昭和二十四年に司令部の書簡によりまして公共企業体となつたわけであります。今般電気通信関係の政府事業が、政府の経営から脱しまして公共企業体となることは、そういう企業の発展という面から見まして一つの進歩と言うべきであります。実は昭和二十四年に、行政機構の改革のために内閣に行政制度審議会が設けられましたときに、すでに電通省の事業というものは公共企業体にすべきものであるということが答申せられたのであります。その後また政令諮問委員会でも答申されたようでありますが、それが今日実現したわけであります。電通事業というものを公共企業体とする利益は、先ほども申し上げましたように官業に比しまして自由な企業活動が行えること、またその相当莫大な資産に基きまして金融が行われやすいということ、従つて事業を擴張しやすい、また時の政府の政治勢力というものから独立した活動ができるというようなことがあげられると思うのであります。それでは一歩進みまして民営とすることが望ましいかという点でありますが、アメリカではすでに御承知のように、電通事業は民営に移されております。また私設会社といたしましては最も大きなものの一つになつているということでありますが、おそらくわが国におきましては時期尚早であろうかと思いますので、第一段階といたしまして、公共企業体の形式で一応やつてみるということが、今日における理想であろうかと思われます。それはとにかくとしまして、電通事業が公共企業体として従来の政府事業と異なりまして、合理的な経営がなし得るということと重点があるとするならば、公社による事業経営というものはなるべく自由でなければならないのであります。これはあまり詳しは聞いておりませんが、許認可事項というものが現在相当多いのでありますが、それにもかからず郵政省に置かれる監督機関というものは弱体でありまして、わずかに二人の監理官と、それに十数人のスタッフがおるにすぎないといわれております。これくらいの監督機構では、おそらく許認可という仕事が非常に手間取りまして、事業の円滑な運営は期待できないでありましようし、また許可事項がいろいろあるようでありますが、たとえて申しますと、使用料金というものが非常に多種にわたつておるにかかわらず、その改正あるいは設定の権限というものは、法律に掲げてありますか、あるいはそのもとにおいて大臣の認可というものが必要となつておるのであります。これはもちろんその大綱は法律で規定しまして、そのもとにおいて大臣の認可を要する程度のものを設けることが必要だろうと思いますが、零細なものに至るまで一々大臣の認可を要するということは必要ないのではないか。公社の決定にまかせるということが、その程度のものが能率的なものができはしないか、それによつて別に害はないのではないかというふうに考えられます。
 なお終りにこの新法案におきましては、憲法で定めまする検閲の禁止ということの規定を設けました。また旧法と同様に通信の祕密の確保に関する規定を設けております。これはもちろん憲法の規定をそのまま踏襲しなければならないわけでありますが、ただこの検閲の禁止というものにつきましては、別に罰則の定めがないということを伺いまして、これはやはり多少不備ではないかというように考えております。通信の祕密の確保につきましての罰則はありますが、検閲の禁止に対応する罰則がないということが、やはり一つの不備ではなかろうかと考えられます。
 またもう一つの一般的な問題としましては、役務の不履行について、従来は一切損害賠償の責めに任じないということになつておりました。これは私の考えとしましてはその規定が現在生きておるかどうか。憲法の十七條の規定によりまして廃止されたのでないかというふうに考えますが、その今までのずれというものがどういうふうになつておりましたか、実際のことは存じないのでありますが、これがとにかく今度の改正法案によりましては、役務の不履行によつて利用者に與えた損害は、不可抗力もしくは利用者の故意などによらない場合には、料金の五倍以上の損害賠償を規定しています。これは国家賠償法の規定によつて、おそらくそういうような規定が設けらたと思うのでありますが、まあいわばおそきにすぎるような規定と思われます。またそれは決してそれによつて非常にこの法律がその点について行き届いた法律であるということは必ずしも言えないわけでありまして、これはむしろ国家賠償法によつて全般的な賠償額、全額の賠償額を請求されてはたいへんだというので、むしろ賠償額の限度を定めたという意味を持つものと私は考えておるのであります。
 なおおそらく土地の使用とか、いろいろな問題につきまして、われわれの意見を述ぶべきところがあることと思いますけれども、準備不足のためにこのくらいな程度で私の陳述を終りたいと思います。
#18
○田中委員長 ありがとうございました。次に久保等さん、お願いいたします。
#19
○久保参考人 私は全国電気通信従業員組合の中央執行委員長の久保でございます。今回国会に提案せられております有線電気通信、公衆電気通信両法案に対しまして意見を申上げたいと存じますが、実はこの法案ときわめて緊密な関係のあります国際会社法案並びに日本電信電話公社法案が、現在国会に上程せられているわけでありまして、この両法案につきましてはすでに衆議院を通過いたしておりますし、別の機会におきましてすでに私ども従業員の立場から、公社並びに会社両法案に対しましての意見を十分に申し上げたわけでありますが、そういう点と、実は以下申し上げる公衆並びに有線電気通信法案の両法案は密接な関係がありますし、特に電気通信事業を今回国内通信については公社に、国際通信については民営という問題について、通信事業が御承知のような形で分断せられることにつきましては、私どもきわめて強く反対をいたしておりますし、同時にそのうち国際部門をさらに民営形態にするということについても、強力に反対をいたしているわけであります。従つてこの有線通信法並びに公衆通信法も、その関連性におきまする部分においては反対であるわけでありますが、一応今回出ました両法案が、従来の法律、あるいはまたいろいろの古い規則、規定等を整理統合せられた形で、二つの法体系に整理せられて上程されたという趣旨そのものには、私どもは異存がないわけでありますが、その両法案の内容につきまして二、三意見を申し上げたいと存じます。
 最初に公衆電気通信法でございますが、この内容について新しい点といたしましては、特に役務の不履行について、これが損害賠償の責めに任ずるという規定ができているわけでありますが、この点について特に従業員の立場から考えられますことは、このことによつて当然勤務の質的な面において、あるいは量的な面において、労度の増大することは当然でありますし、この労度の増大する面についてはたしていかなる具体的な裏づけを考えて、今回のこうした改正案が出されたのか、その点については私ども十分につまびらかにいたさないわけでありますし、従業員といたしましては、特にこの点について重大なる関心を持つているものであります。さらに午前の参考人の方も申しておられましたが、公衆電気通信法、有線電気通信法の両法案において、郵政大臣の監督といいますか、制限といいますか、そういう点が非常に強過ぎるのではないかということを考えるわけでありまして、少くとも今回電気通信事業を公社あるいは会社という形で提案せられた政府の意図にいたしましても、電気通信事業というものを十分にその企業性と、さらに公共性というものをよく調整させ、さらにその運営については一にこの電気通信事業を運営する当局に責任を十分持たせて運営するという考え方から参りますならば、いたずらに枝葉末節につきましても監督庁の監督のひもをつけるということは、少くともこの衝に当るものの責任という点と、さらにこれに対する積極性というものを減殺する結果になるわけでありまして、いたずらにこまかい問題については、特にこの認可、許可、あるいはまた省令等による制限を削除すべきであるというふうに考えるわけでありまして、具体的に申し上げまするならば、国際電話と国内電話との間において、あるいはまた国内電話相互間における接続の順序等につきましても、これを省令によつて実はあらかじめ決定をしておかなければならないとか、あるいはまた私設交換手の試験課目あるいはまたこれの資格等につきましても、郵政大臣のあらかじめ承認を得た基準をもつて、その基準が設定せられておらなければならないというような問題につきましても、一々監督庁の認可、許可をあらかじめ得ておくというような問題につきましては、いささか繁文褥礼のそしりを免れないのではないかというふうに考えておるわけであります。
 ただいまあげました点はきわめて具体的な一、二の気のついた点を申し上げたわけでありますが、なおこの点は両法案につきましてもいろいろ同じような趣旨の規定があるわけでありますが、この点についても十分に御考慮を願いたいというふうに考えたわけであります。
 さらに公衆電気通信法でございますが、公衆電気通信法案の中で重大な問題は、私設電話と称しておりまするところの接続電話、すなわち一般にPBXといわれておりますが、この問題につきましては、過去において非常にいきさつがありますだけに、私どもこの通信事業に携わる者の立場では、非常に重大な関心を持つておりますし、同時に今度出されました公衆電気通信法案の中における、たとえば百三條の規定でありますが、この点については強く反対の立場をとつておるわけであります。それは決してこれを特別な立場からということではなくて、電気通信事業がいかになければならないかという大局的な立場に立つて、私ども強く反対の意向を持つておるわけであります。この私設電話は年々加速度的に累増をいたす状況になつておりますが、昭和十八年以前、すなわち日本電話設備会社というものが設置せられる前においては、もちろんそれぞれ各業者の方々が、濫立状態において私設電話の工事並びに保守等当つておつたわけでありますが、戰時中昭和十八年の十二月から、特に統一的な工事並びに保守をやつて行くという観点から、電話会社が全国統一的な一本の形でつくられたわけであります。その後実は終戰後において、この日本電話設備株式会社が解体せられ、電通省に統一せられたのでありますが、その当時、実は終戰後における例の国際電話の接収と同時にこの問題が起きまして、いろいろ事業の内部におきましても相当な混乱を招いたわけでありますし、また従業員内部においてもいろいろ問題を残したわけでありますが、とにかく昭和二十二年のGHQの覚書によりまして、その後まる三年余を費しまして、昭和二十五年五月一日に至つてようやく完全に、この私設電話の電通省内部への抱括を完了いたしたわけで、その後約二年を経過しておるわけでありますが、わずか二年を経過しただけで、しかもその後の状況はどうかということを申し上げますと、人員の面におきましては、接收当時以上に、保守人員等は特に少くなつて来ております。具体的な数字を申し上げますならば、接収当時におきましては約二千八百名ばかりの人員を擁しておつたわけでありますが、その後昭和二十六年十二月、昨年の末には二千二百二十七名、約六百名ばかりの減員になつております。一方それならば私設電話の保守状況がいかになつて来たかということを申し上げますと、昨年、昭和二十六年の保守状況を見ましても、逐次保守状況は良好になつて来ております。たとえば昨年四月現在におきまして、電話百回線当りの障害状況を見てみますと、トータルの平均でありますが、約四十件ありましたものが、本年の一月には三十件程度に減つて来ております。もちろんごの内容は交換機、あるいはまた配線関係、電話機関係、蓄電池関係、あるいは充電機関係というような内訳があるわけでありますが、これらのすべてを見ました場合に、保守状況は逐次良好になつて来ております。こういつた実情と同時に、昭和二十五年五月一日に、当時の私設電話の工事会社におりましたところの従業員約一千数百名が電通省に移管をされたわけでありますが、工事関係だけの人員をとつてみましても、一千二百名に上る従業員が、実はそつくり電通省に移管をされたわけであります。しかも当時電通省に移管されるごとについて希望する人員については、実は全員電通省に移管がされまして、特別本人の希望によつて工事関係の仕事を、なお民間にあつてやりたいという特殊な例を除きまして、実は全員電通省に抱括して今日に及んでおるわけでありますし、最近の従業員内部における実情を申し上げますならば、完全に電通省の一般従業員の中に融合して、今日におきましては少くとも電気通信従業員としては、今回出されましたこの法案による再分離という問題に対しては、強く反対の意向を示しておるわけであります。
 なぜ私設電話が分離されて、また一般の民営という形になつて行くことがいけないのか。すなわちこれに対する反対理由は何かと申し上げますと、もちろんごの電気道信事業というものをあくまでも考え合せて参りました場合には、最近出ました例の国際民営の問題と同じような性格が、やはり今回のこの私設電話の中にあると私ども遺憾ながら理解せざるを得ないのでありまして、この私設電話の年間における収支状況を一例にとつて考えてみましても、一箇年間、昭和二十六年の一箇年間でございますが、十五億程度の収入がございますのに対しまして、支出は約八億円でありまして、七億円の黒字を生じておるわけであります。このことは国際部門と国内の電信電話を分離いたしました場合の経過とまつたく軌を一にする事情があるわけでありまして、こうした七億に上る黒字を一応出すところの私設電話関係が分離せられることが、一体事質的にいかなる理由に基くかにつつては、私どもまつたく理解に苦しむわけであります。電気通信事業が全国にきわめて有機的な関連性を持ち、しかもまた技術的な統一性を持つておることは御承知の通りでありまして、そういう観点から考えてみました場合に、加入者の構内に施設せられておりますところの私設電話といえども、これはまつたく交換届の交換機と一体の間連性において運営せられない限りにおいては、決してある一部の末端施設が付属設備だという考え方は成り立たないわけであります。加入者の宅内における交換設備も、また取扱局における交換設備も、一元的な運営が必要であり、その間においては若干の技術的アンバランスあるいは意思の統一性を欠くということがありましても、電気通信の使命に重大なる支障を来すわけでありまして、そういう意味におきましては、局内の交換施設も、さらにまた加入者の構内におけるところの私設設備も、基本的な電気通信設備であることには間違いないわけでありますし、末端の加入者の宅内における私設電話だけは、建設工事並びに保守の面においては全然これを民間に解放するという形が、はたして電気通信事業としての一元的な運営に支障があるかないかは、十分に理解していただけると考えるわけであります。しかもまた保守状況等を見ましても、民間におけるいわゆる自営という形における保守状況と、さらに直営で電気通信省がやつております場合の障害状況を申し上げてみますと一昭和二十六年の四月現在における障害状況をちよつと比較してみましても、百回線当りについて、自営でやつた場合におきましては三十四・四回、それが直営でやりましたときには十二回という形でありまして、すなわち約三倍に当る障害率が自営の場合においてはあるという欠陷がある、こういう関東管内についての調査による具体的な資料が出ておるわけでありまして、こういつた点から考えましても、通信の生命たる健全な技術的な統一性と、さらにまた敏速、確実という面からいつて、こういつたデータの上から、はだしていかなる方途が適当であり、いかなる方法が適当でないかということも、具体的な数字によつて明確に出て来るというふうに考えるわけであります。建設工事の面において若干敏速に工事がなされる面はあるにいたしましても、少くとも通信というものは、ただ單にでき上りだけが若干早いおそいという問題よりも、実際の運用面において、通信が永久に同じような良好な状態において運営せられるかせられないかが、通信の回線としては致命的な條件でありまして、そういつた点で建設工事が簡易にできないかというような問題は、むしろ末梢的な問題だというふうに考えるわけでありまして、私ども少くともこの電気通信の私設電話につきましては、一元的な電気通信の運営という点から、やはり統一的な形における直営の建前をとるべきであるというふうに考えておるわけであります。
 すでに電気通信につきましては、昨年以来建設部門につきましては、これが民間経営にゆだねられるという形において、規模の比較的大きい工事はすべて民間経営という形になつて参つております。さらにまた最近におきまして、国際部門は完全にこれを切り離しまして民営形態をとり、さらにまた国内通信につきましても、年々累増の過程をたどつております私設電話の点につきましては、これまた民営的な形にするという形になつて参りますると、しかもそれがすべて同じ電流を通じて同じ意思を交換する一本の回線ということになつて切り離して、一つ一つさえうまく行つておるならば、総合的にうまく行くという結果に決してならないわけであります。たとえばこれは同じ電力関係でありまするけれども、強電流の電燈線なんかの場合と比較して申し上げますと、電燈の場合においては、なるほど外線につきましてはすべて配電会社がやる。ところが屋内における内線その他の工事については、一般の民間にやらせておる。従つて電気通信の場合においても大同小異ではないかというお考えがもしあるならば、非常な誤解であるというふうに考えるわけでありまして電気通信の場合におきましては、少くとも私設宅内の電話の良好あるいは不良というのに、ただちに他の加入者にも影響を及ぼすわけでありまして、ただ單にその一加入者だけの問題としてこれを考えることはできないわけであります。しかしながら強電流の電燈線の場合におきましては、ある一私設の宅内におけるところの電燈線の内線状態がもし惡いといたしましても、これが他の加入者に惡影響を及ぼすとはないわけであります。電気通信の特殊性というものは、特に強電流と弱電流の関係におきましても全然違つた本質を持つておるわけでありますので、この点も特に私ども、一般の電燈線と通信回線とを混同して理解せられることについては、非常に遺憾に存ずるわけであります。そういつたような点から、このPBXの問題につきましては、私ども特にこれを分断して、今回の第百三條にいわれておりますような形の自営を認めるという建前には、絶対に反対をいたしたい、かように考えるわけでありますし、さらにまた従業員の立場から考えてみました場合には、先ほどもちよつと申し上げましたように、約一千数百名、おそらくは二千名に近いと思われますが、かつて電話工事会社で働いておつた諸君が、現在は電通従業員といたしまして私どもとともに働いておるわけであります。もし百三條がこのままで通過いたしますならば、おそらくはこの一千数百名の中から何人かあるいは何百人か知りませんが、優秀な技術者はまた引抜かれて、再びこのPBX関係の工事の会社に勤めるという形になつて来ると思いますが、このことが大局的に見て電気通信事業の健全性を確保して行く結果になるかどうかということについては、もちろんはつきりとしたことが言えると思いますし、過般実は建設会社の設立を見ました際にも、その後各職場からそれぞれ優秀なエンジニアを引抜きまして建設会社に送つておりますし、また現在送りつつある実情にもあるわけでありますが、さらにかてて加えて、こういう形において電通従業員の安定した事業愛という考え方を破壊し、ないしはこれを減殺して行くということ自体についても、重大な問題があるのではないかというふうに考えておるわけであります。
 あくまでも電気通信事業というものを、総括的な立場に立つて十分に考えて行かない限り、一部門は現在のごとく会社経営なり、あるいはまた一部門はこれがまた切り離され、しかもその尺度になつているものは、その収支状況におけるところのものが根本的な原因をなしているというに至つては、電気通信事業の公共性並びに電気通信事業の技術的な統一性というものは、完全に破壊せられてしまうのではないかということを、私ども特に内部の事情に通じている者といたしまして深くこれを憂えるものであります。こういう点につきましては、十分にこの国会におきまして御審議をお願いいたしたい、かように考えるわけであります。かつて私設電話会社におられた従業員の人たちが、現在私どもの組合員といたしまして日夜働いておられるわけでありますが、そういう方々すらが、電気通信事業という立場を真にまじめに考えた場合には、われわれとしては絶対に賛成するわけには参らぬというようなことを申しておるわけでありますし、こういう点からも、この点については現在の実情を十分に御調査願いまして、これに対して今後電気通信事業というものが若干でも混乱をし、あるいはまた若干でも電気通信事業の本質というものがそこなわれるということのないように、特別の御配慮をお願いいたしたい、かように考えているわけであります。
 以上でもつて公衆電気通信法案の点につきましては、こまかい点を省きまして、特に重大な問題のある点を申し上げたわけでありますが、有線電気通信法案の内容に至りましては、特別に私ども強く申し上げる意見を持ち合せておりませんが、先ほど冒頭にも申し上げましたように、やはり電気通信事業の公共性という立場、さらにこの企業性という立場をでき得る限りスムースに運行できるように、特別にこまかい点につきまして郵政大臣等の監督官庁の権限自体については、先ほど申し上げたように、でき得る限りこれを軽減するという方向に御配慮願えればけつこうではないかというふうに考えているわけであります。以上をもちまして両法案に対する私の意見を終りたいと思います。
#20
○田中委員長 ありがとうございました。ただいままで公述を願いました徳田参考人、杉村参考人、久保参考人に対しまして質疑を許します。松井君。
#21
○松井(政)委員 杉村参考人にちようと伺います。杉村参考人は、冒頭において大体においてこの両法案は賛成だということをおつしやられたのですが、これは先般本委員会を通過いたしました公社法案と国際電信電話株式会社法案とのうらはらの関係であります。従来ならばこの中で有線電気通信法案は別といたしましても、公衆電気通信法案というものは、公社法案の営業部門に基く規制の法律でなければならぬのであります。従つてこれはうらはらの関係だとわれわれは承知をいたしておるのであります。そういたしますと、日本の電信電話事業は公社が行うが、この規制を目的とした公衆電気通信法案がよろしいというのか、日本の電気通信事業は現在の国営の官僚経営よりも公社法案がよろしい、従つてその営業部門を規制するこの公衆電気通信法案がよろしいという御解釈であるか、それとも民営を前提としてその一段階として公社法案がよろしい、そのために公社の営業を規制するこの法律案がよいという御解釈であるか、その基本的な電気通信事業に対する経営形態の根本的なお考えについて御説明いただきたいと思います。
#22
○杉村参考人 私は電気通信事業の経営は、なるべく従来の政府のやり方から離れまして、合理的な経営にすることの方が必要だと思いますので、それには一応最極端な場合には民営であるというふうには考えておりますけれども、現在のところにおきましては、民営には民営の欠点もあろうと思いますし、また元来が今まで官憲でくつておりましたのを引継いでの、なるべく合理的な経営という意味でありますから、やはりこの段階におきましては公社の形がよいのではないかというふうに思つております。
#23
○松井(政)委員 現段階においては公社法案がよいという考え方ですが、われわれも公社法案には賛成をいたしております。さらに修正をいたして当委員会を通過しております。そこで現段階はという解釈に二つあると思います。われわれ学者ではありませんので、学問的に見てそれはどうかということをお伺いしててるのです。われわれの考え方は、要するに民営はいかなる場合でもいけないのだ、公共性を保持するためには民営はいけないのだ、国営が理想的だけれども、しかも現在の国営のまま、現在の官僚機構で経営をしておつたのでは、日本の通信事業は成績を上げることはできないという立場をとつております。当面の理由として公社案に賛成するもう一つの意見は、われわれと考えを異にする人たちの意見でありますが、民営でなければいかぬ、民営に移管するための段階として公社がいいのだという考え方であります。公社案に賛成する中に二つの意見があるわけであります。アメリカは御承知のように民営が重点であります。イギリスは国営が中心であります。しかし日本の産業構造と日本の通信事業の持つておるところの社会的意義から考えて、外国がそうだからということでただちにまねばかりするわけには行かない。日本の現状に照して、教授のおつしやる、とりあえず公社がいいのだという考え方は、どの意味における公社がいいのだというお考えであるか、お伺いしたい。
#24
○杉村参考人 ごもつともな御意見に存じます。私もそれほど強く民営がいいのだということを申しておるのではないので、一方の民営をやつておる国際電信電話株式会社、私もはつきりその法案を見たわけではありませんので、どういうふうになつておるか、はつきりわかりませんが、つまり日本の段階におきまして公共性を維持するのに、民営では全然できないということでありますれば、公共企業体にするのがいいだろう、そういう意味においてもいいだろうと思いますが、私はその点、公共性が民営では保持できないということについては、はつきりした見通しは持つておりません。ただそういう意味において現段階ということを申し上げたわけであります。
#25
○田中委員長 他に御質疑はございませんか。――御質疑がないようでございますので、この程度にとどめたいと存じます。
 参考人の方々に対しまして一言お礼を申し上げます。本日は御多忙中にもかかわりませず、長時間にわたり、それぞれ多年の御経験と御研鑚に基く御意見を拝聴いたしまして、法案審査の上に多大の参考となりましたことにつきまして、厚くつつしんでお礼を申し上げます。
 本日はこの程度にとどめまして、次会は明日午後一時より開会することにいたします。これにて散会をいたします。
    午後三時二十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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