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1951/06/26 第13回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第013回国会 電気通信委員会 第44号
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1951/06/26 第13回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第013回国会 電気通信委員会 第44号

#1
第013回国会 電気通信委員会 第44号
昭和二十七年六月二十六日(木曜日)
    午前十時五十一分開議
 出席委員
   委員長代理理事 高塩 三郎君
  理事 橋本登美三郎君 理事 福永 一臣君
   理事 長谷川四郎君 理事 松井 政吉君
      石原  登君    井手 光治君
      加藤隆太郎君    小峯 柳多君
      關内 正一君    辻  寛一君
      椎熊 三郎君    石川金次郎君
 出席政府委員
        電気通信事務官
        (業務局長)  田邊  正君
        電気通信事務官
        (業務局周知調
        査部長)    吉澤 武雄君
 委員外の出席者
        電気通信事務官
        (業務局営業企
        画課長)    吉田 修三君
        専  門  員 吉田 弘苗君
        専  門  員 中村 寅市君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 有線電気通信法案(内閣提出第二四五号)
 公衆電気通信法案(内閣提出第二四六号)
    ―――――――――――――
#2
○高塩委員長代理 それではこれより開会いたします。
 有線電気通信法案及び公衆電気通信法案を一括議題となし、質疑を続けます。石川君。
#3
○石川委員 この公衆電気通信法案も有線電気通信法案も、ともに必要な法案でありまして、ことに公社ができました以上は、この両法案ができなければならぬと思つております。私が質問いたしますことは、決してこの法案のあげ足をとりまして、一人で快哉を叫ぼうというのではありません。できるだけよい法案を通したいという趣旨からお伺いいたします。但しわからない点がございますので、この点はできるだけ究明しておきたいし、また質問を通して御意見を伺つた上で、修正すべき箇所があれば意見を申し上げたいという趣旨から質問するのであります。従つて私が質問いたしますことは、非常に幼稚と思われるかもしれませんが、幼稚と思われるところからひとつ質問したいと存じます。それでは橋本委員が昨日質問になりました電話の加入の法律的な手続からお聞きしたいと存じます。
 まず電話の必要な人は、加入の申込みをしなければならぬようであります。それは二十四條の規定で明らかでありますが、加入希望者が電話の加入を申し込みますのは、どこに申し込むか。公社と言つていますが、公社法によりますと、公社の事務所は、本店が東京にあるとのみ規定しております。どこに申し込むのか。申込みの形式はどうするのか。書面の形式か、あるいはそれが公社の営業の規則できまつて来るのか、申込みの資格はどういうものか、これは二十四條であるようでありますが、どういう人が申込みの資格を持つておるのか、申込みの内容がどういうことになるのか、内容としてはどういう申込みになるのか、たとえば設置箇所における設置の條件であります。これには普通区域、特別区域、区域外、こういうものがあるようでありますが、これらの申込みはどういうかつごうで申込みされて行くのか、ごく簡單に御答弁願いたいと思います。
#4
○吉澤政府委員 ただいまの石川委員の御質問にお答えを申し上げます。この法律で加入の申込みその他の規定が規定してありますが、細目にわたりましては営業規則に規定する予定でおるのでございます。その内容といたしまして、ただいまやつておるところを一応御説明申し上げたいと思います。それはサービスの公平あるいは取扱いの差別を設けないという意味におきまして、だれでも加入者として申し込めることになつております。しからばどこに申し込むかと申しますと、加入者希望者は設置する場所の所属する電話局に申し込む。東京で申しますれば三十八の電話局がございまして、それぞれ区域がきまつておりますので、その区域の所属する電話局に加入申込みをいたすことになります。どういう方法で申し込むかと申しますと、電話でも手紙でも、その点は問うていません。どこそこの設置場所にだれが何個希望するということを一応申し込みますと、電話局におきましてはそれを書取つて受付票というものをこしらえるわけであります。これが通常の申込みの場合でございますが、ただ実際に申込みを受理して、つけるという場合には、正式な加入申込書というものがいるのでございます。これに加入者の名前並びに印鑑、設置の場所、通話の使用見込数、職業というようなことを書くわけでございます。受付けました電話局におきまして、架設ができるかどうか審議いたす一応の資料が受付票でございますが、大体架設ができそうだという場合に、正式の加入申込書を提出していただくという段取りになるわけであります。
 そこで設置場所の点につきまして、ただいまのところ普通加入区域でありましても、予算の制約がございますために、全部つけるわけに行かないのであります。遺憾ながらただいまでは施設ができる可能地域、施設ができない、すなわち局の交換設備がないとか、線路がないとかいう意味におきまして、設備上の点からできないという不可能地域とあるわけでございます。また不可能地域かどうか調べなくてははつきりわからぬというので、その中間の場合におきまして照会地域という三段の地域があるわけでございます。それと現実の御希望の場所と照し合しまして、線路の状態あるいは局の設備の状態を考えて設置可能ということになりましたら、正式の加入申込書を受理することになります。そして所定の時期に装置料、申込料及びただいまは負担金制度がございますために、三万円または二万円の負担金を納めていただく。その期日に納めていただきましたら、ただちに工事を開始するということになつております。それを最近は非常に能率的に流れ作業的にいたしまして、現場の長に二つの系統がございますが、営業方面の長と施設をやります長とがただちにその受付票もしくは申込票をこの流れ作業で決定いたしまして、できるものは工事を急速にやるというような制度をただいまいたしておるわけでございます。その場合におきまして加入の種類というものも、やはり申込みにつきまして、單独加入であるかあるいは共同加入であるか、共同加入についてはどういうような――二共同であるか、あるいは三共同であるかというようなことをやはりまかせることになつております。一応加入申込みの書類はそういうようなことによつてやつております。條件と申しましては、やはり加入区域外であるとか、あるいは特別加入区域であるとかいう場合には、これは線路の新設というものにつきましてなかなか困難でございます。この法律で御審議願つております特別負担というものは、この法律施行後においては便利なものと思いますか、ただいまは特別負担制度はございません。従いましてやはりこちらといたしましては設備費をいただいてやるごとになりますが、それも予算の限度かございまして、すぐ応じ得るのと、あるいは応じ得られないというものとありまして、応じ得ない場合におきましては、これは普通加入区域でも同じでございますが、ただいまは工事ができない場所だから、しばらくお待ちを願いたいということで、申込みの受付はこちらの方に登録いたしまして、やがて工事ができる期間になりましたときに、あらためて先般の申込みにつきましては工事ができそうですから、依然として御希望があるかどうかということを照会いたしまして、確実に御希望を確めた上で工事にかかる、こういうふうなことになつておる次第であります。
#5
○石川委員 今までの手続はわかりましたが、そういたしますと電話局に申し込むというのですか。電話局が公社の事務所として手続をとるということになりますか。
#6
○吉澤政府委員 これは公社法におきましては、お話のごとく主たる事務所と従たる事務所、たとえば従たる事務所でございましたら、全国の通信局が予定されておりますが、その方の事務所と違いまして、これは事業所という名称を実は部内で使いまして、現業で一切このような処理をすることになつております。従つて公社法で登録をしますところの営業所と違いまして、公社の現業事務を取扱う営業所というのが、このような役務の提供をしましたり、役務についての申込み請求を受付ける場所になるわけでございます。
#7
○石川委員 そういたしますと、公社法第四條の第二項による従たる事務所というものは、各区域にでき上るのだ、こういうことになりますか。
#8
○吉澤政府委員 公社法でいいます従たる事務所は、全国で予想されますのは通信局がそういうことになる予定でおりますが、それ以外のこういう仕事を扱いますのは、現業の内部組織といたしまして、公社の内部規定といたしまして、そういう事業所を設けることになつております。これはなるべく公衆の利便のいいように、地域をなるべく遠隔でないところにそういうような営業所を設けたい、こういうように考えております。
#9
○石川委員 そういたしますと、そこに申し込めば公社に申し込んだということになるのでありますか。
#10
○吉澤政府委員 その通りでございます。それはこういうサービスの契約の当事者が当然公社ということにはなつておりますが、内部の規定をもちまして、こういうような契約は現業段階の営業所にまかせる、こういう段階はどういうことにするということで考えておりますが、現在におきまして電話局、東京で申しますれば三十八ある電話局が、一々決定権を持つておる次第でございます。そういうふうにする方が、サービスの点あるいは公衆の利便になる、こう考えましてこのような日常の事務は、すべて現業段階において解決できるように考えておる次第でございます。
#11
○石川委員 もう少し法律関係から深くつつ込んで聞きたいのですが、この現業事務所で申込みを受付けて、それが公社で受付けたということになる法律関係はどういうことになりますか。公社の事務を委任をした、権限を持つた人が、そこに公社の代理としておるということになるのでありますか。事務所ではないのでありますから、何かそこに公社を代表する法律関係を持つたへがいなければならぬということになりましようが、そうなつて来ましようか。
#12
○吉澤政府委員 法律関係につきましては、明快な御答弁ができないかもしれませんので、お許しを願いたいと思いますが、現実の問題といたしましては、こういう仕事については公社の意思を決定できることを、各現業の性質に従いまして委任をするというように考えております。
#13
○石川委員 そこで申込みがあつた。それに対して今までのような取扱いでありますと、口頭で電話を申し込み、設備ができそうだというときに、あらためて書面で提出させるというのでありますが、申込みを受領したときはいつになりますか。書類が到達しましたときに正式申込みを公社が受けたということになるわけですか。
#14
○吉澤政府委員 それは受付をいたしましたときを申込みの時期と考えております。従つて先ほど申しました受付票は、申込書に当然かわるべきもので簡易な仮申込書というような形のことを考えております。初めから申込書を正式にお出しになることも、これまたけつこうでございます。
#15
○石川委員 そこでこの契約は私法上の契約になりましようから、その申込みの内容は多分こうなりはしませんか。電話の設備を利用したいからその設備をやつてくれ、こういう申込みだろうと思います。そうして法に規定するところの條件、たとえば特別加入区域においては一定の負担をする、加入区域以外においては法の定めるところによる負担をするから設備をしてくれと申し込む。それに対して公社の承諾の通知がなければならないでしようが、承諾の意思表示はいつまでにどういう形式でやらなければならないのかをお聞きしたい。
#16
○吉澤政府委員 おつしやる通り、これは私法上の契約と考えております。従いまして申込みの意思表示がございまして、これに対しまして承諾の意思表示がなければ成立しない、こう考えております。承諾の方法につきましては、電話局でこういう條件ならできるということを調査し、決定いたしますれば、その意思を加入申込者に伝えるわけです。そのときの承諾の意思表示は條件付でございまして、こういう金をいつ幾日までに納めてもらえば工事をいたします、こういう意味の通知をいたすことになります。
#17
○石川委員 さてその承諾の意思表示はいつまでやれということでありますか。これは公社が任意なときにやれるという、この法には制限がございませんから、公社がすきなとき、かつてなときにやれるというふうになるのでありますか。
#18
○田邊(正)政府委員 法律上は公社が任意でもよいというふうに書いてございますが、実際のわれわれの仕事をいたします場合のやり方は、一日でも早く承諾をして電話をつけて参りたいというふうに考えておるわけであります。ただ毎年予算が十分ではございませんし、従つて局内の設備あるいは線路の設備が不十分な部分が相当多うございますので、そういうところは一年とかあるいは半年とか、そういうふうな設備ができます間、やはり待つてもらわなければならないということで、従つてそういう点におきましては、場合によ。ますと一年もつかないということがございますが、われわれといたしましてはそういう地域はできるだけ早く設備をふやして行きたい。そして設備ができ上りましたならば、すぐに承諾できるものは承諾して、電話をつけて行くというふうに現在も取運んでおりますし、また将来もそのように取運んで参りたいと考えているわけであります。
#19
○石川委員 そこでこの承諾の條件が二十七條に書いてありますが、これによりますと、予算の範囲内においては全部を承諾しなければならないといつている。申込みは全部承諾をしなければならぬが、それは予算の範囲内においてであるという規定のように見えます。ところで予算の範囲内において全部を承諾しなければならないという趣旨は、どういう意味でありましようか。これは申込み全部を承諾するということが原則であるが、予算がない場合にはいたし方ないという御趣旨だろうと思います。そうするとこの書き方は、公社は全部を承諾しなければならないが、但し予算がない場合においては承諾しないことができる、こういう御趣旨ですか。
#20
○吉澤政府委員 ただいまの御趣旨の通りでございます。
#21
○石川委員 するとこの條文の書き方が、一般から見て非常に理解しがたくでき上つているようでありますが、それはそれとして、承諾については二十七條の二項の予算の範囲内であるとか、あるいは、二十八條、二十九條というような條件があるので、公社ではこれらに照して承諾を與えるのでありましようが、承諾いたしますと、ここに契約が成立する。そうすると公社はその契約によつて権利を取得し、義務を負担する。加入申込者の方もやはり権利を取得し、義務を負担するということになりましよう。この申込者の取得した権利、義務は、営業とともに讓渡ができるのか。相続、合併の場合、やはりこの契約に基いて取得した権利、義務は移転ができるのか、これをお聞きしておきたい。
 その他三十五條では加入権ということがありますが、今お聞きしました債権契約から発生した権利についてここには明らかになつておりません。私法上の契約であるならば、債権契約の成立と同時に権利、義務が発生して参ることは申し上げるまでもございません。この権利は一体どうなつて行くのかということをお聞きしておきたい。
#22
○田邊(正)政府委員 お尋ねの点は第三十五條以下、三十六條、三十七條に規定してございます。しかしこれはいわゆる新電話、昭和二十四年の二月十五日以降に架設された電話についてでございまして、それ以前の旧電話と申しております電話については、いわゆる加入権の譲渡は自由であるというふうにいたしております。
#23
○石川委員 そういたしますとこの三十五條の規定は、まだ電話は設定しないけれども、電話加入の申込みに対する承諾があつて、契約が成立した場合の権利をもこれによつて処置解決して行くのだという御趣旨なのでありますね。
#24
○吉澤政府委員 加入申込みを受けて承諾した場合は契約が成立する、それが加入権であると考えております。従つて加入申込みそのものの譲渡ということは考えておりません。
#25
○石川委員 しかしこの場合三十五條は適用になるわけですね。承諾した場合、電話がついてもつかなくても加入権なのでありますから、三十五條は適用されて来るということになるのですね。
#26
○吉澤政府委員 その通りでございます。
#27
○石川委員 それから公社であつても、あるいは加入申込者であつても、契約不履行の場合に、私法関係によつて解決することになるのですか。それからこの場合解約は認めるかどうか。それから契約解除については何も規定しておく必要はないか、一般の民法に従うのか、これを明らかにしていただきたい。これはつまらないこととお思いでしようが、電話の加入権は一個の財産みたいになりまして、一般取引されております。これについて皆さんから御意見を伺つておくことが、法律紛争の解決の一つの資料になるのでお聞きしておきたい。
#28
○吉澤政府委員 加入者が自由に契約を解除することは、当然できるものと考えております。これは民法の原則からいいまして別にそれを制限しておりませんが、この法律の規定に違反したとき「あるいは業務に署しい支障を與えるような行為が加入者にあつたときには、公社の方から解約ができるということは法律で書いておく必要がありますために、第四十條において加入契約の解除という條項で、そのような規定を設けている次第であります。
#29
○石川委員 この四十條はすでに通話が開始せられた場合ではありませんか。そういうことがあるかどうかわかりませんが、通話が開始してはいないで法律関係ができ上つた場合を聞いているのです。
#30
○吉澤政府委員 観念といたしましては、承諾すれば加入契約が成立した、こう考えております。それは加入者たる地位を取得したということであります。但しその場合に義務を履行すべき事態が、開通前におきましても起る場合が考えられます。そういう場合において履行をしなかつたならば、やはりこの四十條の規定を適用する限り、解除されることになるわけであります。こう思つておりますが、大半は開通後における問題が多いと思うのでありまして、それが主体と考えております。
#31
○石川委員 それでよくわかりました。あとは橋本委員の御質問に続いてお聞きしたいと思います。
#32
○高塩委員長代理 橋本君。
#33
○橋本(登)委員 三十五條の加入権の問題を少しお聞きします。
 その前に、加入権の譲渡については、きのうの質疑に対して、これが譲渡を自由にするということは、公共的見地から必要な需要を優先的に受理しようとする、いわゆる優先受理制が、経済力のある非公共的な電話需要によつて有名無実になるということが一つと、加入権の売買に基く電話の移転工事が多くなつて、これがために新設工事に向けらるべき資金や労力がむだに消耗される、その他の理由からして、この加入権は原則として認めないという建前をこの法律でとつているという御説明でありましたが、これはもちろん加入契約に基くものでありますから、昭和二十四年二月十五日以前の加入申込みに対しては適用せられないと考えるのですが、それでよろしいかどうか。
#34
○田邊(正)政府委員 お話の通りでございます。
#35
○橋本(登)委員 それで二十四年以降の、今申しましたような実情からして加入権の移動を原則的に認めないということは、必要の上からいえば、ある意味においては当然ではありますけれども、加入者がある程度の資金を出して加入するのであるから、その財産権はやはり加入者に実際的にはあると見ていいと思うのであります。従つて公社の一方的な都合ばかりで、このような加入電話の移動が禁止されるということは、憲法上でいうところの財産権というものに対してある種の制限が、公共の利益のためでなくて、公社の一方的な利益のために制限されるということになり得ると思いますが、その点についてのお考えを承りたいと思います。
#36
○田邊(正)政府委員 加入者が現在電話の設備負担金を支拂つて加入するわけでありますが、そういう見地から加入権の移転を制限することは不当ではないかというお尋ねでございます。その点につきましてはごもつともな点もあると考えるのでございます。ただ現在の状況におきましては、擴張の予算を補いますために、どうしてもやむを得ないことといたしまして、電話の設備負担金をもらつているのでありますが、これにつきましては五年の間にもし加入契約をやめたという場合におきましては、その金はお返しすることにいたしてあるのでありまして、それでもなおおつしやいましたような財産権に対する侵害ということも全然なくなるわけではありませんが、そういうふうにいたしてございますので、その辺はひとつ一般的に考えまして許してもらえる範囲ではないかというふうに考えているのであります。それから次に、そういうふうに財産権を制限するのは、これは公社の一方的な立場からやるので、不当ではないかというお尋ねでございますが、これは公社の立場からではありませんで、むしろ電話全体を最も有効に、一番必要なところに充足して参りたいという考えから、こういうふうに制限をいたすのでありまして、これをもしいたしませんと、今の優先受理制度というものが非常にくずれて参りまして、いろいろの弊害も出て参ります。その弊害はやはり日本の電話全体にとつての弊害でありまして、これは決して公社がこれによつて利益ばかりを得るのだというようには考えていないのであります。
#37
○橋本(登)委員 臨時措置法で五箇年間に加入者が加入をやめる場合においては、設備負担金は返すという規定になつているのでありますが、五年で切るということも実際上からいうとおかしな問題で、五年後には返さない、こういう建前ですが、五年間以内であればその設備負担金は返すから、そこで財産権に対してはあまり侵害にならないように思うという考え方は、どうも非論理的な考え方と思うのです。のみならず実情から考えても、移動のできる電話が非常に売買されている。たとえば茅場町付近の電話であれば、二十万とか三十万という植段がしておる。しかも実際上の架設費というものは、平均して十二、三万から十五、六万のように聞いております。そうするとこういうものが、稀少財産という形でもつて非常に高値を呼んでおる。こういうような結果を多くの方面に招来しておるということは、実際上営業しておりまして、あるいは必要度合いというものが、その個人にとつては永久不変のものではありませんから、ある場合においては不必要になつて来る。ある場合においては一本が二本、三本でなければならない、こういう結果にもなるでしようが、そういうぐあいに需要度合いや需給関係が、必ずしもバランスをとつて行くというわけには行かないのでありますから、ある程度移動を認めるということになれば、その間のバランスもとれるような結果になつて、かえつて電話が不足であるというような声を是正する一つの方法にもなろうと思うのです。そういう意味で必ずしも二十四年以後の電話に対して讓渡禁止の規定が、電信電話復興の上かな見て有利な條件だ、必要な條件であるというふうには考えられないわけですが、町において電話がべらぼうな値段をしておるという実情に対してはどうお考えになりますか、その点の御意見を伺いたい。
#38
○田邊(正)政府委員 現在旧電話が相当の値段で取引されておるわけです。この事実は私どもは決して好ましい事態とは考えておらないわけであります。しかしいわゆる旧電話につきましては、これは判例の上におきましても財産権であるということがはつきりきまつておるような次第でございまして、従つてそれが取引されます場合に、需要供給の関係から相当高い値段になるということも、これはやむを得ないことだと考えておるわけであります。ただ今申し上げましたように、もちろん好ましいことではございません。しからばこれをどうするかということになりますと、なかなかこれに対しまして適当な考え方も見つからないわけであります。それからお話のありました五年の間に電話をやめた場合には負担金を返すが、そのあとは返さない、そういうやり方は非常におかしいというお話でございますが、これはまことに御意見の通りでございまして、非論理的と申しますか、そういう点は確かにそうでございます。ただ現在におきましては電話の擴張の予算の関係から、一つでも多く電話をつけて参るという趣旨から考えますと、あの程度の負担は願つてつけて参つた方がよろしいのではないかという考えでございまして、まことに窮余の一策と申しましようか、やむを得ない道であるというふうに考えておるわけでございます。
#39
○橋本(登)委員 その問題ですが、占領下において、いろいろな事情からして設備費負担法をつくらざるを得なかつたということについては、われわれもそのときの事情はうすうす承知しておる。しかし今日は占領下ではないのでありますから、資金を獲得する必要から出ておるならば、以前に行われたような電話公債の方法をとることの方が合理的である。しかも占領下ではなく、そういうことについては可能な状態になつておるのでありますから、こういう不合理な方法は一刻も早く是正して、合理的な資金集めの方法として、電話公債なりそれに類似の方法で、こういう問題を解決すべきであろうと思うのですが、当局としてはこれらについてどういうお考えを持つておられるか、御意見を伺いたい。
#40
○田邊(正)政府委員 これらの設備負担金の問題は、今お話の加入電話の問題と、PBXの問題と二つあるわけでございます。PBXにつきましては、これは施行規則に規定される内容でございますけれども、相当額が高いので、電信電話債券に切りかえて参る方が適当ではないかというので、今考究をいたしておるわけでございます。しかし加入電話につきましては、今のところもうしばらく現在のままで行きたいと考えております。
#41
○石川委員 三十五條によると、営業とともに譲渡する場合は、加入権の移転、譲渡を認めるということになつておりますが、営業とともに譲渡する場合にのみお認めになつた事情をお聞きしておきたいのであります。
#42
○吉澤政府委員 もともとこの譲渡を制限するというのは、今日の電話の需給の点、社会の実情ということから出発した点が多大にあるのであります。しかしながらその観点から出発いたしましても、はなはだしく社会の通念に反することがあつてはならぬだろう。かつまたそういうのを許すことによりましても弊害は生じない。こういう場合は、やはり適当な救済の道を講ずべきであろうと考えた次第であります。その辺におきましては、この移転の際におきましても相続、合併を許すことにもなりますし、また営業とともに讓渡する場合も、これは実情から見てもただいま申し上げた観念によく適応するということで、許すことにいたした次第でございます。
#43
○石川委員 営業とともに許すということになりますと、加入者のある特定の人、あるいは多数になるかもしれませんが、その人にのみこの讓渡権を認めたことになりはしないでしようか。だからこの場合は、公共の福祉のために必要があるのだから認めたという理論になつて来なければならぬと思う。営業とともに譲渡を認めるということになりますと、公共の福祉とどう関係があるかをお聞きしたいのであります。
#44
○吉澤政府委員 この「営業とともに譲渡する場合」ということにつきましては、他の法律をもちまして、はつきり営業の譲渡というような点を明定してあるものがございます。たとえば商法による場合は、御存じの通りと思いますが、その他個人の場合におきまして、実際に営業しておるが、登記もなければ何もないというような場合でありましても、その事業を他人にそつくり譲るというような場合、これを営業とともに譲渡したものとして許して行きたいと考えております。従つて社会の実情に沿うということは、即公共の利益にも合致する観念から出発しましても、それに相反するものではない。しかも公共の利益に合致するような意味におきまして譲渡を禁止するという点につきまして、この程度のことを救済として許しましても、決して弊害を生ずることはないだろう、こう考えまして、この点は営業の譲渡を認めた次第でございます。
#45
○石川委員 おそらくこの御趣旨は今おつしやつたことく、営業そのものに電話は欠くべからざるもの、営業と電話は一体であるという御趣旨から出て来たと思うのでありまして、この意味におきまして、私も決して三十五條のきめ方が悪いとは思いません。そこで疑問を持つて参りますのは、営業を讓渡したという事実が、どういうことによつて証明されるか。ただ譲渡人と譲受人との間に営業譲渡があつたから電話を移転してくれ、こういう場合でもお認めになりますか。
#46
○吉澤政府委員 商法のような登記制度のあるものにつきましては、おのずからその証明がはつきりいたすと思いますが、こういう範疇に属しない個人の場合の問題は、おそらく今後具体的にこのはつきりした精神をいかにして現わして間違いなくやれるかということの問題になると思いますが、私ども今後こういうようにこの法律の施行を考えて行きたいと思います。と申しますのは、單に営業とともに譲渡したというような申請書なり、資料だけでは十分でない場合におきまして、現実に実査をいたしまして、その事実を確かめて行きたい、こういうように公社といたしましても、間違いなく、かつまたこれが不正な意味に利用されないということを考えて行きたいと思うのであります。
#47
○石川委員 これを不正に利用される憂いが非常にあるのであります。不正に利用されますと、他の加入者の不平が起つて参りますから、そういうことの起らないように、これはできるだけ御趣旨のように健全にやられたらいいではないかと思われます。
 ただここにもう一つ、この点はお考えになりましたでしようか。設置せられてある建物を譲渡して行くときは、建物の譲渡と一体として電話の加入権の譲渡を認めた方が、公社も買い受ける人も両方便利ではないかと思いますが、この点はお考えになりませんでしたか。
#48
○吉澤政府委員 実はその点も十分研究いたしました結果、そういう場合におきましても認めていいというような場合もまれにあるだろうと思いますが、それを全面的に許しますと、おそらく讓渡を制限した意味がほとんど無意味にないまして、その方にみな籍口し、あるいは不正な意味をもつて利用しまして、よく俗に申します居抜き讓渡ということが、結局譲渡制限の大きな穴になつてしまうために、それを認めてないということにいたしました。
#49
○石川委員 三十六條に公社の承諾を得なければならないとあるのですが、この承諾はどういうケースでなされるのでありますか。営業讓渡があつて電話を移転する、この承諾は通知があるのでありますか、どういうことになるのですか。
#50
○吉澤政府委員 承諾の意思は本人に通知することになつております。かつあとの三十八條に、電話加入原簿という規定がございます。そこには登録することに内部規定といたしまして、手続をきめて行きたいと思つております。
#51
○石川委員 そうするとこれは譲渡ができないのですから、対抗要件はいらないでありましようけはども、電話加入原簿に移転が記入されたときに権利関係が移転した、こういうことになるのですか。
#52
○田邊(正)政府委員 そうではございませんでして、公社におきまして承認いたしました場合に権利関係は移転いたします。
#53
○石川委員 それから相続の場合、一人の相続でなく、何人もが相続しました場合には代表者を定めなければならない、こういつておるのですが、この代表者一人で譲渡の場合は売ることができるという申請、判をついたならば、代表者一人の行為によつて譲渡というものを認めて行きますか。
#54
○吉澤政府委員 実はこの代表者の意味につきまして鉱業法四十四條にこのような措置として適当な方法がありましたために、やはりこれを引例いたしまして、このような條文を設けた次第であります。実際の私どもの扱い方といたしましては、代表者がほとんどすべての権利義務の主体である、こう扱つて行きたいと思います。しかし基本的な権利になりますと、共有関係ですから、その点はやはり権利の得喪、変更の際には連帶の判をとるなり、あるいは代表者ということを内部的に代表権のとりきめをしておる内容をよくはつきりして、間違いのないような方法をとつて行きたいと考えております。
#55
○石川委員 三十七條の五項に参ります。これによりますと、「代表者は、公社に対して加入者を代表する。」とありますから、公社の取扱いといたしましては、やはり代表者のやつた行為を、全部全員がやつたと認める方がめんどうじやないのではないか。内容まで公社が調べて行きますと、非常に複雑になつて、たいへんなことになりしないかと思いますが、かような御処置をとると、どういう弊害があるのですか。今のように内部まで調べて、権利関係を見定めるということになると、どうなりましよう。
#56
○吉澤政府委員 実はそういうようにやつて行きたい、こう考えております。
#57
○橋本(登)委員 次いで第四十八條に関連してお尋ねいたします。四十八條の規定は構内交換設備による交換取扱いに関する規定ですが、この條文によると、公社が構内交換取扱者を認定するということになつておりますが、これは当然監督官庁である郵政大臣の委託のもとにおける認定と考えるのですが、その点についての規定はどこかに明らかにされておるかどうかをお尋ねいたします。
#58
○吉澤政府委員 これは公社の認定ということに考えております。ただその認定をする條項につきましては、この法律で定めるもの以外におきましては、郵政大臣の認可を受けてやるという場合でも、この四十九條その他において規定しておる場合がございます。
#59
○橋本(登)委員 そうしますと、この場合は公社の認定ですから、公社が認定権を持つておるという建前のようですが、どうも自分のところの、これはまあ構内交換設備は必ずしも私設的なものばかりではなくして、公社が委託せられたような構内交換設備もあろうと思うのですが、そうなりますと、自分の従業員を自分で認定するという結果になろうと思いますが、その点の関係はどうなつておりますか。
#60
○吉澤政府委員 この点はこの交換が円滑に、他の交換に妨害を與えないようにしたいという意味から、このような交換取扱者の資格をきめて行こうという精神でございます。その意味におきましては、やはり公社の認定でもさしつかえないと考えている次第であります。但し公社の従業員は、この條項の適用は受けないということに考えられますために、主として民間におけるPBXの交換取扱者が対象となるわけであります。
#61
○橋本(登)委員 そうしますと、公社の所有もしくは公社の委託になつている交換設備の取扱者に対しては、この認定の必要がないという見解ですか。
#62
○吉澤政府委員 このPBXは御存じのごとく現在でも、交換取扱者はPBX所有者の従事員としてやつている次第で彫りまして、公社の方の従業員でもなければ、その間の監督の点につきましても、PBXの加入者が公社の――現在におきましては電気通信省の監督を受ける、こういうような形になりますから、これでいいように存じております。
#63
○橋本(登)委員 続いて第五十七條の費用の分担の問題ですが、公社は専用契約の申込があつた場合において、物件の提供が専用契約の方に規定されているのですが、この場合加入電話については同様な規定がないわけですけれども、これは加入電話について物件提供の規定が特別の場合を除くほかはないことについては、大体了承できるのですが、その建前からいつても専用契約の場合においてのみ寄付行為を認める。こういうことはどうも合理的ではないのではなかろうか。いやしくも主たる電信電話設備は一応公社が持つという建前でつくられているようでありますから、そういうような根幹のものについては公社の専有ということが規定されている以上は、当然公社が金を出してつくるべきものと考えるのですが、その事情については費用の点その他についても財政の問題からして、こういうような特別規定を置いたのでありましようが、こういう場合も寄付行為ではなくして、それだけの必要が起きた場合にはそれだけの公債を買つてもらうなり、あくまで原則としては公社の資本で行うという量前で貫かるべきが当然のように思うのでありますが、こういう寄付制度をつくつた理論的根拠について御説明を願いたい。
#64
○吉澤政府委員 この費用負担制度については、加入電話につきましては、特別負担という意味におきまして第二十九條による場合の負担制度を認めております。また電話設備費負担臨時措置法によりまして、特に加入電話につきましては二万円または三万円の負担をしていただくということで、この加入電話につきまして一応負担をしていただくごとになつております。かつまた普通加入区域内におきまして、現在は全部装置料だけでつき得ないという状態でありまして、一定の制限距離以上にわたる場合でありまして、線を新設する必要のある場合におきましては、これは物件もしくは寄付によりまして負担をしていただいているような事情でございます。加入電話ですら、そういうような実情でありますが、専用電話につきましては、ただいまお話のごとくもともと基礎的な設備であります。本来ならば、公社みずからが自己の資本をもつて借り入れるなり、あるいはその他の資金の調達をもつてやるべきことを考えております。しかし遺憾ながら今日の実情では、専用の希望者全部に応じるわけには行かない状態でございます。しかも特にこの希望が強く、また公益的にも程度の高いような希望者が、自分で寄付しても、あるいは費用の必要な部分を負担しても専用したいという場合におきましては、実情として断わるに忍び得ないという意味におきまして、このような救済規定を設けたわけでありまして、本来からいえば、このようなことがないことを期したいと思う次第であります。従まして今後におきまして、あるいはのような制度にかわるべきものとしまして、債券をもつてまかなうとかいうようなことも、今後の実情が、あるいは今日のごとく予算の点が困難であれば、また考える時期があろうかと存じます。
#65
○橋本(登)委員 今のお話ですが、要するに寄付制度の問題とか、あるいは臨時措置法のことは例外的規定であつて、これを認めておるからこれを他に認めてもよろしいというような意味合いではないと思います。それは好ましくない制度である。好ましくない制度であるが、他に財源的措置がないためにこういう措置を行つておるのだ、こういうことにあると思います。しかもみずから経済的な負担をして、第五十九條では、その専用契約に基く権利を譲渡することを禁止しておる。こうなわますと、莫大な費用をかけてそれをつくつたが、事業不振のためにこれをやめるような、利用度が少くなりた場合においては、これを切りかえることができるような規定になつておつて、そうなるとまつたく私有財産の収奪的な傾向を持つておる、こういうように考えられるのです。従つて公社が自分の財政でできないがために、一時借入金もしくは債券の特別負担というような形式で、あくまで公社の財政的な責任において行うという建前である方が、なお合理的と思うのですが、第五十九條の禁止規定と関連しての御意見を承りたい。
#66
○田邊(正)政府委員 専用の設備は、これは当然公社において設備するのが建前であると考えるわけであります。しかしどうしても公社の設備がなくして、専用の希望が相当強い場合、そういう場合において物件を寄付してまでもぜひ専用したいというような、そういう希望を認めるということが、この際としては妥当であるというふう考えまして、この規定を設けたわけであります。なお五十九條の権利移転との関係でありますが、五十九條を設けました趣旨は、専用契約というものの性質上、移転することはできないというのがむしろ建前であろうと考えたわけでありますが、五十七條の場合は、これはいわば例外的な場合でありまして、そういうふうな場合におきましては、五十九條の移転については制限があるということをやはり了解した上でもつて、必要な物件の寄付をするということになるのでありますから、五十九條があるから五十七條は不当であるというふうにも考えないわけであります。
#67
○石川委員 三十五條でちよつと承りたいことがありますから、お開きしたいのです。例をとつて言いますと、今小間物屋をやつておる人が電話を持つておつた。それを居抜きのままで売る、営業譲渡をした、そういう場合には三十五條によつて電話の譲渡も当然公社が認めるということになるのでありますか、それをひとつお聞きしたい。
#68
○吉澤政府委員 今の御引例の場合でございましたら、営業譲渡として認めることになつております。
#69
○石川委員 そこで医者が電話を持つておつた。その医者が郷里に帰るために、自分の医院を他の医者に渡して去る。それからまた弁護士があつて、事務所に電話を引いておる。他の人が来てそこで法律事務所をやる、もしくは弟子がそこでやる、こういうことになりました場合には、これはどうなつて行きますか。
#70
○吉澤政府委員 たまたまそのあとに来た人との間に譲渡的な意思の合致がないものは、私ども営業譲渡というように考えておりません。
#71
○石川委員 では前例の医者の場合、医者がそこで、あなたは医者の業務をやつてよいという契約があつた。また弁護士の場合も、その弟子に対して、お前がここで弁護士事務所、法律事務所をやつてもさしつかえない、今までの一切の私の事務をやつてさしつかえないのだ、こういう事務の引継ぎ等があつた場合には、これはどうなりますか。
#72
○吉澤政府委員 いかなる範囲を営業讓渡と見るかということになりますと、非常に事例がたくさんございます。明白に抽象的に言うことは非常に困難かと存じますが、私ども考えますのは、やはり営業譲渡という、法的にもあるいは社会の通念にも合つたものを認めて行きたい。但し今お聞きのような例におきまして、全然その営業讓渡ではないけれども、同じような医者がそこへ電話付のままで引越しをして来たという場合には、私どもの救済方法といたしましては、そこに現に電話の設備があるということでありますために、新しく申し込まれるよりは有利な條件で加入契約をすることができる、こういうことにおきまして、そういうような実情の点を救つて行くようなことも考えておるわけであります。
#73
○石川委員 医師とか弁護士は、嚴正な意味では営業譲渡ということはあり得ないのです。譲渡しようにも譲渡できない。しかし実際の場合には、医者の場合も弁護士の場合もこういうことがあり得る。実情に即して何とかいい方法を考えるということをおつしやつたのでありますが、そうなるとどうなるのでありますか。加入申込みをした弁護士なり医者なりが新しく申し込んで、その電話をその人が設置したということになるのでありますか。
#74
○吉澤政府委員 それは前の医者が電話を他に売らないという意味でございまして、本人がもう使わないということになりますと廃止の届出、すなわち契約の解除はできるわけであります。ところが現実に電話がありますために、あとの医者がすぐ新規の申込みをするという場合におきましては、新規の申込みの優先順位も医者と同格に扱います。優先順位といたしましては、医師の方は高い順位にあるわけであります。従いまして他の設備のないところに申し込むよりも、設備があり、すぐにその設備を使い得る方が受理される。手続上なるべく実情に沿うように考えて行くつもりであります。
#75
○石川委員 順位によると、医者が何人も先に申込みがあつたとすれば、その電話のある家に入つた医者の方があとであつた場合は、順位が遅れることになると思います。そうすると先に申し込んだ医者の方にやらなければならぬことになりますが、その場合にも、医院に入つて讓渡を受けたその人に電話を使わせるような置をとる、こういうお考えでありますか。
#76
○吉澤政府委員 その場合における優先受理の適用につきさしては、やはり優先受理基準というものにおいて、そのような場合を特に優先するという意思はございません。従つて今おつしやいますように、同じ医者であつて、先の申込みがあるという場合におきましては、順位は先の申込みの医者の方が先でありまして、あるいは遅れるかもしれません。けれども全然設備がないところに申込むよりもはるかに有利な條件である、こう考えます。
#77
○石川委員 今お聞きいたしましたようなことは、社会的に営業譲渡とほとんど同じような状態になつておるのでありますが、これが救済の方法がないのでありますが、何か考えられませんか。
#78
○田邊(正)政府委員 ただいまの医者と弁護士の場合でありますが、医者の場合を考えてみますと、いろいろあると思います。たとえば内科の医者がどこかに転宅いたしまして、あと外科の医者が来たというような場合には、もうそこに営業譲渡という観念が入れられる余地がほとんどなかろうと思います。しかし内科の医者のおとに内科の医者が来た。そうしてあとから来た医者が、前のお医者さんのとつた患者を引受けて行く。また前にいる医者も患者をみなあとから来た医者に引継いでやつて行くというふうな場合は、非常に営業譲渡に近いというふうに観念されると思います。また弁護士の場合も同様でありまして、今までの弁護士が、自分の関係しておる会社を全部あとの弁護士に引継いで行くという場合、そういうふうな場合はやはりこれは営業譲渡と同じような取扱いをする方が適当ではないかと考えられます。ただ医者の例について申し上げましたように、医者のあとにまた医者が来たという事実だけによつて、営業譲渡と観念することは不当の場合もあろうと思いますが、今申し上げたような場合においては、営業譲渡と観念してやつて参つた方が適当ではないかというふうに考えております。
#79
○石川委員 営業譲渡と同一なものと考えて、特別な取扱いをやるには何か法的な根拠を必要としませんか。この三十五條だけでは足りないのではありませんか。
#80
○田邊(正)政府委員 今の三十五條の営業譲渡という言葉は、嚴格に解釈いたしますと、おつしやいますようなことになろうと考えます。しかし営業譲渡というのは、医者あるいは弁護士については全然ないかと申しますと、これはなお研究いたしたいと思いますけれども、弁護士があとの弁護士に自分の関係する会社を全部引継いで行く。そうしてその間に必ずしも金銭的な対価ではなくとも、何かそこにただ家屋の移転のほかに、やはり営業を讓つて行くという客観的な事実があるという場合におきましては、やはり営業譲渡と観念して参つても、この法律に違反することはないだろうと私は思つております。ただ一つ一つの具体的な場合に営業讓渡になるかならぬかという判断は、非常にむずかしいのでありまして、むろんこれは私の方で今度この法律に伴いますところのいろいろな手続、規則をきめます場合に、営業譲渡とはこういうものであるということをはつきり定めまして、そうしてそれをよく取扱いの場合に徹底させて、営業譲渡について不公平な取扱いがあつてはならないので、そういうことがないようにいたしたいと考えております。
#81
○石川委員 営業とともに譲渡するという営業譲渡を持つて来ましたが、営業譲渡はすでに法律上その要件がきめられている。そこで事業を引受ける者には電話の加入権の移転も認めるということに、この法文を直すわけには行かぬのですか。その方があなたのおつしやる社会的実情に合して来ると思う。たとえば大工さんがありまして、その大工さんが弟子に今までやつていた建具をやるというときには、営業譲渡という方式で行けるのであります。ところが何か特別の技能者の場合、たとえば踊りのお師匠があつた。その弟子に自分の踊りのことを一切道具も何もみな引継がして、あとを立てさせて行く。こういう場合には、技術そのものに着眼するのでありますから、営業譲渡という観念は入つて来ないと思う。その人自身の技術が仕事をやつて行くのであります。そうなりますと、どうも不公平となつて来る。だからここで事業を継承する者には電話の移転も認める、こうやりましたら、今までお伺いしておりました立法の御趣旨に非常に合つて来はしないか。その点は、そのように改めたといたしますならば、あなた方の立案の趣旨から遠くなりますでしようか。
#82
○吉澤政府委員 実はこの営業譲渡をこの際入れましたのも、ずいぶん慎重に考えまして、あるいはこれを人れなくともいいじやないかという説も相当あります。また全部譲渡というものを認めるべきだという観念から行きますれば、このようなことだけでは不十分だ、いろいろ意見がございました。私ども今日の実情、また今後の電話事情を見まして、やはりこの程度以上には譲渡の救済はむずかしかろう、また不適当であろうという観点に立ちまして、営業譲渡というものを入れた次第でございます。この観念は、おつしやるように、法律上一定しているのであります。従つてただいまお示しのようなああいう例につきましては、遺憾ながらこの営業譲渡の観念は適用できない。そこでどうしたら実情やむを得ずとして救済し得べきかということは、今後研究してみたい、こう考えております。従いましてこの條項におきましては、営業譲渡というので救つて行きたい。また今のような例をかりに認めますと、ほとんど事業譲渡あるいは居抜き譲渡で、大半が抜けて行くという心配がございまして、そのけじめはかえつて弊害の方が多くなるのではないかということも心配の一つでございます。
#83
○石川委員 将来の三十五條を活用して参りますときに、今のようなお話では、ずいぶん取扱いに困難せざるを得ないと思います。各地にこの法案が行くのであります。もちろんこう解釈すべきだということは、あなた方から、さらに公社から取扱者に指令になるでしよう。例をもつて知らして行くに違いないと思います。何しろ営業譲渡とあるものですから、結局営業譲渡とお認めになつたのも、電話はその事業と一体となつて活動して行くんだ、その事業そのものを救つて行くんだ。それがあなた方の言う公共の福祉にも合致するし、社会的需要にも応ずるんだというので、この三十五條が立てられた。ところがそれだけでは非常に狭くて、事業の継承、結局常業譲渡は事業の継承になりますから、事業継承というものを持つて来ると、今のような医者の場合、一切の設備を買い受けるのです。そこで電話もまたその治療の仕事の一体となつて活動しておるのでありますから、一緒に移してやつた方がよい。弁護士の場合でも、その事務所を代価を拂つて譲渡を受ける。そうして書物でも、戸だなでも、得意先でも、事件でも、全部引受けてやる、そうなると営業譲渡とちつともかわりがない。それを法律上は営業譲渡とはいわない、そういう困つたことが出て来るのであります。そういう矛盾したことが出て来るのでありますから、事業を継承した者に対しては権利譲渡ができるという規定の方が、どうも実情に合致するのではないか。そうでないと同じ大工さんであつても、建具屋をやつておる人はその弟子たちに営業譲渡ということで一切をやる、電話もやる、そうでない人はやれないということになつて来る。ただ特別に取扱うから安心してくれといつても安心はできないのです。こういうことは遠く岩手県の果てから、一々局長さんや部長さんに聞くわけには行きません。その点どうですか。
#84
○田邊(正)政府委員 ただいまのお話は事業の継承ということになりますか、いかがでございますか、たとえば弁護士が自分の事務所あるいは机とかいうものを全部讓つて引越す、その場合には事業の継承ということでございますか、事業はもう前の人とあとの人と切れてしまうのではございませんか。
#85
○高塩委員長代理 ちよつと速記をとめてください。
    〔速記中止〕
#86
○高塩委員長代理 速記を始めてください。
 それでは暫時休憩いたします。午後は一時三十分より再開いたします。
    午後零時十八分休憩
     ――――◇―――――
    午後三時三十一分開議
#87
○高塩委員長代理 それではこれから再開いたします。
 休憩前に引続き質疑を続けます。橋本登美三郎君。
#88
○橋本(登)委員 六十四條は国警と自警または消防機関と他の専用設備の利用についての問題でありますが、これは五十四條の規定にかかわらず、特別規定を設けて共同専用を認めておることになるわけでありますが、その大体の理由をお尋ねいたします。
#89
○吉澤政府委員 加入電話の方につきましては他人使用を禁止いたしておりますが、専用電話の方につきましては、同じく認められた以外の事項に該当するもの、禁止しておるものは六十一條で明定いたしておる次第であります。しかしながらビル等におきまして、最近は非常に電話の需要が増しておるのでございます。ことにビル内におきましてはPBXの設置というようなこともございまして、その使用等をよく考えますと、なるべくPBXのみならず、共同専用の施設も使用させた方が実情に適するものと思うのであります。しかしながらこれを無制限に許すということになりますと、この専用契約の本旨にもとり、かつまた専用につきましては公共上の利益に関するものを優先的に専用契約を結ぶのでありますが、その意味からも一定の制限を設けたいということでございます。そこで共同専用の條件というものは六十四條で規定しておる通りでございまして、公社が定める料金を支拂うことを條件としまして、国の機関相互間あるいは地方公共団体相互間、または国と地方公共団体の相互間、または共同いたしまして一つの事業を営んでおるところの二人以上の会社なりあるいは個人なりが、その同一業務のために双方に通話したいというような関係も、この共同専用で救済するのが適当と思います。かつまた事業は別々に営んでおりますが、その間事業の上で綿密な関係があるもの同志におきましても、相互に通話したいということも考えられますので、そのような二人以上の綿密な関係にあります業務につきましては、この共同専用契約を許したい、こういう趣旨でございます。そこで実例を申し上げますれば、地方鉄道あるいは国鉄というような場合は、これは連帶運用しておる上でこれを共同専用することも当然考えられます。また製造しておる会社とか、それを直接販売するところの会社というようなものが密接に関係があるという場合は、この共同専用で行けるというように考えておる次第であります。料金につきましてはただいまのところこの共同する利用価値というものを考えまして、共同する場合においては二人の場合は一人よりも三割増しというように、現行法で料金をきめております。そのようにしまして、専用の効果を実情に適するよう御要望に沿つて行きたいというのが、共同専用契約を規定した理由でございます。
#90
○橋本(登)委員 続いて第五章の料金の問題に移ります。この料金のうちには法定料金と認可料金の二種があるようでありますが、この基準は何によつておきめになつたのか、かつまた次の六十七條で、外国通貨との関係がきめられておるようでありますが、この場合にこれは国際電気通信役務の料金を郵政大臣の認可できめる、こういう規定になつておるようですが、これは特に法定の必要を認めておらないようでありますけれども、これらの関係についての御説明を願いたい。
#91
○田邊(正)政府委員 第一の法定料金としからざる料金との区別は、どういう基準できめたかというお尋ねでございますが、法定料金といたしましたのは、主要なサービスでございまして、従つて取扱いが非常に多い。その料金の変更は相当国民経済の上に大きい影響を持つておる。また事業の財政上から見ましても、事業財政の相当主要な部分を占めるというものを法定料金といたしたわけであります。それ以外のものにつきましては、認可料金というふうにきめてあるわけであります。
 それから次に第六十七條の金フランの換算の割合でございますが、国際電気通信の料金は、外国の事業者との協定によつて定まるのでございます。その定め方は金フランまたは外国通貨、現在はほとんど大部分金フランをもつて納めておるようでございますが、それを国内の料金に換算いたしまして料金を徴収しておるわけであります。それで外国の業者と金フラン、あるいはドルをもつて料金をきめますことは、これは郵政大臣の認可を受けることにいたしてありますが、それを認可いたしますのも、これは現在の料金法もそうでございますが、これは外国業者との協定によつて定まるものでございまして、これを一々法律で定めるということになりますと、実際の取扱いが非常に不便になつて参ります。そういう意味からそうしておるのでありまして、金フランを国内の通貨に換算する割合につきましても、大体一定の基準によつて換算されるわけでございまして、これは法律をもつてせずに、郵政大臣の認可でやつて参つてもよろしいのであります。ただ現在金フランの換算の割合が二色ばかりありまして、一フラン七十円というのと、百二十円でありましたか、そういうふうに二つございます。これは外国の業者との関係もございまして、そういうふうになつておるわけでございますが、そういう関係から、法律でもつてきめるということも、いろいろな取扱いの上から申しまして困る場合が出て来るわけであります。そういうので郵政大臣の認可ということにいたしたわけであります。
#92
○橋本(登)委員 郵政大臣の認可になつておるわけですが、この換算の割合に、国際通貨が非常に変動の多いときには、相当変化があると思うのでありますが、この場合は、たとえば市場価格から二割相違が起きたとか、あるいは一割の相違が起きたとかいうような、何かの基準があつてこれをきめるお考えなのか。あるいはそうでなくして、大体期間的に、時期を見てこれをきめるというお考えなのか、その点の考え方ですが、郵政大臣の換算の割合をきめる場合の考え方、その点についての御意向をお聞きいたしたい。
#93
○田邊(正)政府委員 現在は金フランを日本の通貨に換算いたします場合には、アメリカのドルとの関係におきまして、ドルを基準としてきめておるわけでございます。従いましてドル、日本円、あるいはドルに対するポンド、そういうふうな通貨の価値に変動がございませんければ、その場合においてはかえないで行く。もし通貨に相当の変動がございましたならば、かえて参るというのが普通の行き方であると考えております。もう一つ考えられますことは、日本の料金をできるだけ国内から徴収するのを少くしようというふうな、たとえば貿易上その他の関係から、そういうことも考えられるわけでございまして、そういう場合にもこの換算割合をきめることもあろうかと思いますが、ただ国際料金につきましては、そういうふうに一方的に、たとえば日本とアメリカとの料金の場合に、日本だけ安くするということは、国際條約になるべくそういうことはするなという規定もございますので、その條約との関係も考慮しなければならないわけであります。従つてそういう場合も、今日におきましてはそう多く考えられないというように考えておるわけでございます。
#94
○橋本(登)委員 たとえば日本貨幣がドルに対して非常な暴落を見たというような場合、もしくは上つた場合、どつちでもいいですが、どの程度の差額が出た場合に、いわゆる接算率を改めるか、そういう基準なしに、やはり時期を見て必要な場合に行うのか、大体の基準として一割以上の上下があつた場合には換算率をかえる、こういう考え方をしておるかどうか、こういう点をお聞きしておるのです。
#95
○田邊(正)政府委員 現在は一ドル対三百六十円という公定の割合がございますので、これによつてやつておるわけでございますが、この公定の割合が変更いたしました場合には、やはり換算の割合も変更しなければならないと考えておるわけであります。ただその割合があまり多くない。たとえば一%あるいは二%というふうな場合におきましては、しいて割合をかえる必要はないと思いますが、しかし公定相場のかわります場合は、おそらくそういうふうな幅の狭い変化ではございませんで、相当の幅の場合が多いわけでございます。従いまして公定の換算の割合が変更する場合には、大体において換算の割合もかえることになるのではないか、そういうふうに考えております。
#96
○橋本(登)委員 次に第七十一條の軽微な料金の変更というのは、どういう内容を持つておるか、御説明を願います。
#97
○吉澤政府委員 これは臨時的な催しものとか、そういう場合に、特にサービスを提供して料金を幾らか安くする、そういうことをすることによつても、その総収入に著しい影響がないという場合において、そういう考えをもちましてやることを七十一條で予定しておるわけであります。
#98
○石川委員 先ほど橋本委員が質問されましたときに、答弁の中に條約のことが出て参りましたが、第九條の説明を承りたいと思います。「国際電気通信業務に関し條約に別段の定があるときは、その規定による。」こうなつておりますが、現在国際電気通信業務に関して條約が幾つくらいあるのでしようか。
#99
○田邊(正)政府委員 国際電気通信條約は文字通り條約でございまして、国と国との約束でございます。この国際電気通信條約の内容は、国際電気通信連合と申しまして、国際電気通信條約に加盟した国でもつて国際電気通信連合というものを構成する、そうしてその機関はどうするというようなこと、それからまたその他ごく大ざつぱなことをきめてあります。それでその條約に付属する規則がございまして、国際電気通信條約付属の電信規則、電話規則、無線通信規則、追加無線通信規則、そういうものがございます。そうしてその規則が国際電気通信の取扱いにつきましてこまかいことを規定しておるわけであります。なおもう一つ條約といたしましては海底電信線保護万国連合條約というものがございまして、これは海底ケーブルの方につきましての條約でございます。
#100
○石川委員 それらの條約と今提案になつております公衆電気通信法案、有線電気通信法案というものが牴触しないようにでき上つておりますでしようか。
#101
○田邊(正)政府委員 公衆電気通信法の各條に国際電気通信を適用する條文と、それから適用しない條文がございます。それは各章のしまいの方に第何條と第何條は国際通信條約は適用しないと書いてございます。それでそれ以外の事項は規則の方が優先的に適用されるということになるわけでございます。
#102
○石川委員 そこで国際電気通信に関する條約、そしてそれに付属する規則が将来変更されたというような場合に、ただちにこの法案の公衆電気通信法の中の規定、いわゆる法となつて入つて来るのでありますか、それとも日本が新しく制定した後に法としての効力が発生するのでありますか、どういうことになりますか。
#103
○田邊(正)政府委員 その場合には條約の方が優先するものと考えております。
#104
○石川委員 そういたしますと、将来この法案に異なつた国際通信條約に基いた規則が出たといたしますれば、それがこの法案の内容をなすというふうになりますね。そうしてそれに反する限りの部分は無効になつて行くのだ、こういうふうに解釈してよろしいわけですか。
#105
○田邊(正)政府委員 その場合におきましては、條約が優先いたしまして、その範囲においてこの法律が変更されるものというふうに考えております。
#106
○石川委員 それでわかりました。そうあるだろうと思いますが、その場合にただちにその法律を改正しますか、それとも改正しないでほうりつぱなしておきますか、どういうぐあいになりますか。
#107
○吉澤政府委員 その場合におきましては、條約が優先するという考えはただいま田邊政府委員の言つた通りでございますが、別にこの公衆電気通信法をかえなくてもよろしいというふうに考えております。それは国際通信業務に関する限りのものでございますが、その場合は條約できめれば條約の方が優先して来るので、わざわざこの法律をかえる必要はないと考えております。
#108
○石川委員 ところが一般から見て参りますと、国際條約の規則がどうかわつたかということは、なかなか一般的にならぬものですからかわりました場合は、やはりこれをかえる。かえた條文は條約のかえられたときにさかのぼらせて効力を発生するような措置をおとりにはならないのですか。そういう御処置をおとりになる必要はございませんか。
#109
○吉澤政府委員 大体條約が締結されまして効力を発生します場合には、一般に公布されると思います。一般に條約が公布されれば、従つてそれに伴う法令というものは、必然的に必要なものは出るだろうと思います。なおまたそういう措置をとる以外に、できるだけよく一般の利用者にわかるような措置をとりたいと考えております。
#110
○石川委員 電報の方で聞いておきたいのですが、橋本委員にひとつお許し願つておきます。これは十六條でありますが、電報の配達先という規定があります。「電報は、あて名に記載された場所に配達をするものとする。」とありますが、あて名人がだれであつても、その場所に配達すればよい、こういう御趣旨でありますか。
#111
○吉澤政府委員 この十六條の解釈といたしましては、一応あて先に記載されました場所に配達すれば足りる、こういうようなことになつております。実際問題は、あて先に参りまして、各あて人が実際そこにおりますかどうかというようなことは、調べまして配達をしておる実情でございます。
#112
○石川委員 それで電報の制度において、あて名人に必ず渡すような制度はありませんか。
#113
○吉澤政府委員 現在においてはそういう制度を実施しておりません。と申しますのは、かえつてあて名人を探したり、あるいは不在であるという場合を考えますと、せつかくの電報をそこへ置いて行くわけにも行かぬというために、むしろ現行のあて先にだけ配達すれば足りるという方がいいのではないかと考えております。
#114
○石川委員 十六條の趣旨はよくわかりましたし、あて先に配達することによつて配達義務が完成するという立法には私反対ではありませんが、特にそのあて各人に渡してくれという電報は、料金が今より高くなつても、そういう電報は需要がありませんか。
#115
○田邊(正)政府委員 今まで私どもはそういうふうな要望をあまり聞いたことがございません。
#116
○石川委員 それから電報を配達したという事実を証明してくれという利用者側からの求めば、今まであつたことはありませんでしようか。
#117
○吉澤政府委員 配達をしたという通知を受ける制度はございます。証明の制度はただいまのところございません。なおそういうような要望もあまり聞かない次第でございます。
#118
○石川委員 それから郵便にありますまうな内容証明需要竜ありませんか。
#119
○田邊(正)政府委員 そういう要望もあまり聞いておりません。
#120
○石川委員 ところが電報は重要な意思伝達の一つの機関になるのでありますから、各個人が他人に自分の意思を伝達いたしますことが、日常生活において法律上重要な問題になつて来るのであります。これは御承知の通り郵便の内容証明のようなものでありますが、これらの制度を考えてみる必要はありませんか。
#121
○吉澤政府委員 今おつしやられましたお説に近い制度といたしまして、正写を請求する、電報をこういうように打つたという写しを請求することができまして、その料金をただいまは和文百字、欧文二十五字までごとに十円ということで要求に応じております。それによりましてただいまのような目的が大体達すると考えております。
#122
○石川委員 写しを交付するというのでありますが、それは何年間保存してくれますか。電報の保存事務は法に規定してありますか。電報は権利とか、義務とかの人間生活における意思表示の重要な機関を勤めているのでありますから、その電報が今のような正写を出してやるというようなこと、また何年間保存の責任を持つてやるかというようなことについてお聞きしたいと思います。
#123
○田邊(正)政府委員 現在は電報を三箇月間保存してございます。これは実は電報の通数が非常に多うございます。また電報の場合に、利用者が書いた、いわゆる電報を差出した人が書いたものと、それから配達する電報と、そのほかに中継がございますから、中継する場合にはやはり写しが残るわけでございます。そういうふうな関係で電報の発信の通数の大体四倍以上の電報関係の文書になるわけであります。従つてそれを保存します場合に相当格納する場所がいるわけでございまして、そういう点からも考えまして、現在は三箇月というふうにいたしてございます。ただこの法案におきましては、料金の返還あるいは損害賠償の場合におきまして、損害賠償は六箇月ということにいたしましたから、この法案施行後は六箇月保存をいたしたい、かように考えております。
#124
○長谷川委員 関連して……。それとは少し違うのですが、託送を依頼していないところに電話を利用して通信を行つておるんだが、それは特にそういうことをやつていいということが、この中に案がありますか。電話託送を頼んでおかないところに電報通信を電話でするということについて……。
#125
○吉澤政府委員 表面からはつきり規定はいたしておりませんが、第七條で電話による送達もこの電気通信業務の中に含んでおるのであります。こういうことになりまして、ただいまやつております電話による電報の送達、あるいは電話による電報の頼信というようなのは、実際にやることに考えております。またそれの細部の点につきましては、営業規則におきまして、その制策を明白に規定しておく、こういうように考えております。
#126
○長谷川委員 それは今明白に規定をしてあるのですか。
#127
○吉澤政府委員 現在におきましても電報規則の方にそういうことを規定しておるわけでございまして、この法律を実行しますと、当然この法律の中には、今の電話による送達というものも特に配達の中に含んでおりますから、その託送制度というものは、この法律から実施の際の営業規則をこしらえたい、こういうように考えております。
#128
○長谷川委員 託送を委託してない人に対して、局からたとえばここの家に電話があるからというので、その電話を利用して発信局はどこ、字数は何字、そうしてイロハのイからアサヒのアまで打つて来て、非常に受けにくいところがたくさんあるのです。そういうことはこれから言つて違法ではないのですか、それを承りたいのです。
#129
○吉澤政府委員 制度といたしましては、別に強制的に電報局からその電報の内容を電話で送ることを、義務として受けるということではございません。希望がある場合にということになつておりますがゆえに、その場合におきまして一応早く送りたい、電報の内容を早く知らせたいというような意味におきまして、電話を利用してサービスの意味でやつておるのでありますが、その場合に実際の電報をほしいかどうかということを一応聞くごとになつておりまして、もしも電報そのものをほしいという御希望があれば、ただちに翌日におきまして、その電報そのものを配達する、こういうことになつております。御希望によつて、それは選択の自由がございます。
#130
○長谷川委員 全然希望をしていないところにそういうことが常に行われておる。ですからそれを聞くのです。私のところは電話でけつこうですと言つてお願いをする、それで託送を受けておるところがある。そうでなくて、一般の普通の住宅地に向つて、そういうことが非常に多く行われておる。これはすなわちあなたの方で人間を少く使つて利益を上げたいのだという気持からやつているところと、怠慢でそうやつているところと、二つにわかれるだろうと思う。全然希望していないところに常にそういうのが送られて来るので、非常に困つているらしい。あなたのおつしやるサービスの気持だということは一つの逃げ口上であつて、受信者はそんなものはサービスだと思つておりません。まことに困つたやつらだという考え方です。それはそうでしよう。しろうとのところにアサヒのアから始まつてイロハのイを打つたつて、全然わかるものじやない。そんなことは、そういうことにやつてもよろしいのだ、電話のあるところは全部そうするのだという規定がない限りは、なるべくその希望をはつきり聞いてやつてもらいたい。あなたは今、御希望があればあした本文を送ります。――そんなことを丁寧に言つているところはどこにもありませんよ。あなたのところはえらい人だから一応言うかもしれませんが、ほかのところへはそういうことは絶対に言いません。ですからそういう点についてもう少し局員に周知をしなければならぬ。押しつけてはいけないのではないか。そういう点についてさらに注意をしてもらわなければならぬが、もしそうするのだつたならば、法文にはつきり表わして行かなければならぬ、こういうことを考えます。ですから今度の法案の中のどこかにそういうのがあるのかということを聞いているわけです
#131
○田邊(正)政府委員 現在やつております電話による送達は、一つには希望がございました場合になるべく早く電報をお知せするというサービスの意味と、もう一つは、実は御承知のように電報の事業は毎年相当な赤字になつておりますので、やはり配達する人の数を幾分でも節約しようという二つの意味があるのでございます。もちろんやります場合に、お話のように本人が希望しないのに黙つてやるというのは、これは間違つたことでございまして、今後そういうことはないように、十分電話を持つている人の了解を得て、本人が希望する場合に限つて、電話でもつて送達をするということにいたすように、十分その点は注意して参りたいと存じます。
#132
○長谷川委員 この委員会は決してあなた方を責めようとか、こんなことをつつ込んでどうこうしようというのではない。ぼくらの聞くところもざつくばらんに聞くのだから、あなた方の方もざつくばらんに話してもらつて、そうしてぼくらがそうしたことを問われた場合には、ちやんとお客様にはお話ができるように、ほんとうのことを言つてもらわないと困る。ただサービスのためだとか言つてごまかしては困る。こまかすということになるならば、こつちも真劍に討論して行かなければならぬから、そうでなく今後進めて行こうじやありませんか。
#133
○石川委員 さつきの内容を証明する電報ですが、配達があつたということを証明するという制度は、まだお考えになる必要はありませんか。
#134
○田邊(正)政府委員 今まで私どもはそういう要望はあまり聞いておりませんでした。しかし電報のサービスも、やはりこれはいろいろ考えまして、サービスもふやして参らなければならないと思うわけでございまして、先般諾否報知電報とかあるいは配達日時指定電報とか、新しい制度を設けたのでありますが、今後お話のございますような、そういう方面におきましてもなお研究いたしまして必要な制度はやはり取入れて参りたい、そういうふうに考えております。
#135
○石川委員 第七條において「公社は電報の受付、伝送若しくは配達、電話に関する申込の受付、電話の通話の取扱若しくは交換又は公衆電気通信役務の料金の収納に関する事務を郵便局において行うことが適当であるときは、これを郵政大臣に委託することができる。」とありますが、この第七條によつて郵便局に委託した場合、これは郵政省に委託料金というものはとられますか、支拂わなければならないのですか。
#136
○田邊(正)政府委員 現在は特定局と申しまして、地方のあまり大きくない局でございますが、その局におきましては、電報と電話をすべて郵政省の委託しておるわけであります。それでその場合の金でございますが、大体一年間に、本年度は約八十億程度の金を郵政省に繰入れることになつております。その八十億の金でもつて郵政省は特定局において引受けた電報、電話の仕事をするということになつておるわけであります。
#137
○石川委員 支拂うところの八十億の金でもつて、特定局はどういうことをするのですか。
#138
○田邊(正)政府委員 特定局におきましては、電報、電話をやります場合に、まず人がいります。それからいろいろな品物もいります。そういう経費があります。なおそういう電報、電話を取扱つて参ります直接の経費、特定局にありまして実際そういう仕事をする人の経費のほかに、管理的な経費があります。たとえば本省の経費もそうでありますが、そういうふうな管理的な経費も加わるわけであります。そういうものを計算いたしますと、大体本年度におきましては八十億程度郵政省に繰入れまして、郵政省はその金によつて特定局における電報、電話の仕事をやつて行くという関係になつておるわけであります。
#139
○橋本(登)委員 今の石川委員の質問に関連してちよつとお聞きしたいのですが、先ほど来お話のあつたような内容証明式の特別なものとか、その他追尾電報といいますか、追いかけまわして行く電報とか、こういうものはあえて法律で定めなくとも、もし必要な場合には営業規則なり省令程度で行えると思いますが、その点はどうなつておりますか。
#140
○吉澤政府委員 たとえば電報に例をとりますれば、そのような特殊な取扱いは、第十五條に考えておりますような「照合その他の特殊の取扱であつて、公社が定めるものを請求することができる。」というので、現在も相当種類の多い特殊取扱いをしております。この照校電報――この法律では照合電報の名称でやりますが、それ以外にも数多くの特殊取扱いのサービスをしております。従つて今後利用者の便利で、しかも非常に要望の強いような制度は、できるだけ創意、くふうをもちまして、公社が定めて行きたいと考えております。
#141
○橋本(登)委員 今の御答弁は要するに、あらためて法律をつくらなくとも、この法律の十五條によつて、営業規則として行うことができる、こういう意味ですか。
#142
○吉澤政府委員 そういう意味であります。
#143
○橋本(登)委員 第七十七條の延滞金の問題ですが、これは何日までに納めるべしという通知の日までに納めなかつたならば、その翌日から延滞利子を一日四銭の割合でとるということになるのか、それともそれからなお一週間ないし二週間の余裕期間があるのか、この点の御説明を承りたい。
#144
○吉澤政府委員 督促状に支拂い期日を指定いたします。その期日に支拂わなかつた場合に、その指定した期日の翌日から支拂つた日の前日までの間の延滞金をとることになつておりまして、その督促状に指定する期日につきましては、あまりにひどい実行不可能というようなことは避けまして、十分実情に合うように期日を指定するつもりでおります。
#145
○石川委員 関連して今の七十七條でお聞きいたします。この七十七條によりますと、「支拂の日の前日までの日数により計算した延滞金を支拂わせることができる。」ということになつておりますから、結局公社ではとつてもとらなくてもいい、こういうことになるのではありませんか。
#146
○吉澤政府委員 これは原則を規定しておりまとて、細部の点につきましては営業規則をもつて実情に合うようにしたいと思いますが、その場合におきましても、いろいろの事情で不可抗力のためにこの支拂いができなかつたというようなこともあり得るかと思います。従つてそういうような場合に、絶対支拂わせるのだということも苛酷でありますがゆえに、「支拂わせることができる。」こういう表現を用いておる次第であります。
#147
○石川委員 この法の性格を聞きたいのですが、公社となつたのでありますから、公社の営業に関することは公社自体にきめさせて、それを監督官庁であるところの大臣が認可するかしないかということにしておいて、この法には営業に関する法規は除くという方向をとればいかがでありますか。今審議しております公衆電気通信法案によると、営業に関することもずいぶん入つておりますが、この点は立法技術としてはいささか疑問がありはしないかと思いますが、いかがですか。
#148
○田邊(正)政府委員 この公衆電気通信法案を立案いたしました場合の考え方といたしまして、大きな事項につきましては、この通信法案で定めまして、それ以外の事項につきましては、公社が自由に定めて行くようにいたしたい。ただこの中にも相当ございますが、重要な事項につきましては郵政大臣の認可を受けることにいたしてございます。それは拾い出しますと、たしか二十八ございますが、その二十八の事項については郵便大臣の認可を受ける。それ以外の事項につきましては公社において定めて行くというふうに考えたわけであります。
#149
○石川委員 七十六條の一項四号でありますが、この四号の、電話を二日以上通話することができなかつたときは料金は返還するという規定でありますが、二日以上通話することができなかつたときは、加入者よりその旨を電話取扱局に通知した日後の通話をすることができなかつた日数に対応する料金を返還するということをうたつております。ところがこの電話が不通になりましたのは、加入者の方からその通知を受けなくとも、電話局ではわかるのではありませんか。もしわかるといたしましたならば、通知があつたそのときから料金を返すということでなくて、不通になつたそのときから返すのだ、こういう規定の仕方はだれが見ても公平なのでありますが、なぜ加入者の申込みがなければ返還しないのか、申込みがなかつたら拂わないぞ、返還しないぞということになると、公社中心にのみ考えた一つの法規のように見えますが、こういう点は、どうしてわかつたときから返還するのだということにしないのですか。
#150
○吉田説明員 御質問にお答えいたします。原則といたしまして御趣旨は法案には入つております。と申しますのは第四号に、「その旨を電話取扱局に通知した日(その前に電話取扱局がその旨を知つたときは、その知つた日。以下この号及び第百七條第一項第三号において同じ。)」という規定がありまして、たとい加入者からの通知がなくとも、電話取扱局がその事実を知つた場合には、その日から起算するわけであります。しかしながら電話取扱局は必ず知るはずだから、その事実そのものできめたらよいじやないかという御指摘と思いますが電話取扱局は、常に故障があつたことを知ることは、技術的にも業務上からも実際不可能なことるあります。そのために、たとえば加入者の電話機そのものが故障しておるような場合に、たまたま電話取扱局で抜打ち検査をしたときに、ぶつかつたときにはわかりますが、そうでない場合には、加入者からの通知がない限りわからないということがございますので、まことにやむを得ませんが、その旨を知つた日か、もしくは通知があつた日ということに規定いたした次第であります。
#151
○石川委員 よくわかりました。次に六十八條の料金の減免についてお伺いいたしたいのでありますが、たとえば何人もどの電話機からでも火災のあることを通知いたした場合には免除になるということになりましようが、これはやはり火災のために通知するのだ、そのように記録してくれ、こう断らなければならないのでありますか。
#152
○吉澤政府委員 ただいま自動式でありましたら三数字で特殊の番号を規定しておりまして、その番号でかけますればただちに消防署に連絡ができる、こういうふうになつております。たとえば東京でしたら一一九番、こういう場合には電話は無料になりまして、度数の計算に入つておりません。機械的にもそれが入らないような設備になつております。その他自動式でない場合は消防署という名称を使うか、あるいは番号を言うか、それぞれの適当なる呼称をきめておりまして、決してそれによつて料金をいただくというようなことはないようにはつきり取扱いができております。
#153
○長谷川委員 参考のために一点お聞きしておきますが、二日以上というときに、二日たつてまたもう一日たつてもまだ開通しない。三日目に局へ行つてまだ開通しないのですがどうでしようというと、局の返事はどうも故障が方々にあるので、あなたのところはまだ番が来ませんといつて断る。それで五日目か六日目になつてやつと番が来て直してもらつたときに、その本人から、私の方は幾日から、通話ができていないから、料金をそれから差引いてくださいといず要求がなければだめなのですか。
#154
○吉澤政府委員 料金の返還につきましては、処理上請求ということになつております。これは公社が知つたときだけは拂う、知らないときは拂わないという事態が起りますから、やはり承人の請求によつて拂うことにしたいということで請求になつております。そのような場合におきましては、事実上わかる問題だと思います。従いまして形は請求でございますが、書類だけの手続でございますので、しごく簡單に取扱うようにいたしたいと思います。
#155
○長谷川委員 私の例ですが、今年の六月ごろ六日間ほど通話ができなかつたので、困つて再三電話局へ交渉したのですが、やつてもらえない。それでこちらへ来て頼んでやつてもらつた例があります。そういう場合幾日々々から通話ができなかつたのだといつて、新しく請求をしなければだめですか。向うでそういう事実を認められても、局の方へ請求がなかつた場合には返還しない、こういうことになるのでしようか。
#156
○吉澤政府委員 この障害を直してくれという請求の意味ではないのでありまして、不通の期間がこれだけあつたから料金を返還してくれという申出、請求を必要とすると申したわけであります。やはり一応は申出、請求がなければならないという形になつておりま伊。それは何もしかつめらしく考えなくても、いつから不通だということが認定できれば、必ずしも形式にとらわれずにやつて行きたいと思つております。
#157
○石川委員 七十六條による料金の返還についてでありますが、「加入者の責に帰することができないというほか「発信人又は受取人の責に帰することができない事由」というのでありますが、天災、事変の場合、非常事態が発生した場合、その他特にやむを得ない事情のある場合の通話停止に対しては、もちろん料金を返還するということになりますか。
#158
○吉澤政府委員 不可抗力は返還するごとになつております。その意味でございます。
#159
○石川委員 「天災、事変その他の非常事態が発生した場合その他特にやむを得ない事由がある場合において、」と六十二條の表現に使つておりますが、小学校の一年生のような質問でありますが、天災、事変、非常事変その他やむを得ない事由ということについて、ひとつ御説明願いたいと思います。
#160
○田邊(正)政府委員 天災、事変は、社会通念と申しますか、あるいは常識的な判断と申しますか、そういうふうに考えて行くものと思つているわけでございます。たとえば事変ということになりますと、非常に規模が小さいという場合、はたして事変というかどうかというようなこともございましよう。どういう場合が一体事変であるかということになりますと、当時のその事件の大小ばかりでなしに、それを取巻くいろいろな情勢と申しましようか、そういうようなこともあわせて考えなければならないと思います。従つてただいま御返事できますのは、今申し上げましたように一般の常識あるいは社会通念というふうなものによつて、これは解釈して行くべきものと思つております。
#161
○石川委員 「天災、事変その他の非常事態」ということからいたしまして、こういうやむを得ない事態はどういう場合をお考えになつたかわかりませんけれども、結局は通信事業が完全にやれないような状態に立至り、公社の方で人為をもつてしても通信はやれないような事態になつた、このときをやむを得ない事態というのだ、こういうふうに解してよろしゆうございますか。大体そういう意味ででき上つているのだろうと思うのであります。通信事業をやれないということ自体が、社会の常識から考えてそれがやむを得ないこととみんなが認めるような場合は、専用を停止することができる、こういうふうに解釈すべきでしようか。
#162
○吉澤政府委員 おつしやるような意味に解しております。
#163
○石原(登)委員 勉強不十分ですから、忘れない点だけ今のうちに質問しておきたいと思います。前に返信料前納の制度があつたと思いますが、今度もその制度が残つておりますか。
#164
○吉澤政府委員 この法律では十五條にそのような特殊な取扱いを公社が定めてできるということになつておりまして公社において営業規則なりでそのような制度を存続して行きたい、こう考えております。
#165
○石原(登)委員 従来返信料前納という制度は、電報の場合しか当てることができなかつたが、今度そういうふうになつた場合には、切りかえという制度は考えられていないのですか。
#166
○吉澤政府委員 はなはだ申訳ありませんが、ただいま規則を調べまして御返事をいたしたいと思います。
#167
○石原(登)委員 それから今度の料金の返還の問題ですが、そういうような制度をつくることに対して、私は非常に敬意を表します。ただちよつと今一瞥しただけですが、たとえば電報の場合、料金を返還する場合は、速達郵便よりも遅れた場合を考えていらつしやるのでしようが、速達郵便と電報と同じように考えておるのでしようが、この基準の制定というものについて、私はいささか遺憾に思う。たとえば鉄道の場合なんかは、鉄道に要する時間から非常に遅れ、しかも郵便よりも遅れたそのときにおいてのみ返す、こういうような考えでは、電報の観念からいつて非常に遺憾に考えるのですが、当局は時間で切らないで、速達を基準にされたのか。その点をひとつお尋ねしたいと思います。
#168
○田邊(正)政府委員 現在の規則では、電報が普通の郵便よりかも遅れた場合に返納することになつておるわけであります。それで今度その法律を立案いたします場合に、時間で切ることも一応考えてみたのでありますが、これは場所によつてやはり相当違いがあります。たとえば東京、大阪という場合と、東京から北海道の山の中という場合に、非常に時間に違いがあります。またこれは夜でありますと、あまりおそくなつた場合には配達しないところもあります。従つてそういうことをいろいろと考えて参りますと、時間で切るのは相当切り方がむずかしいことになります。それで速達より遅れた場合といたしたわけであります。また一方速達も非常に早くなつて参ります。場所によつて違いましようが、将来航空郵便の速達がふえて参りますと、ぼやぼやしておりますと速達よりかも遅れてしまう、そういうことを考えても、時間で切らずに速達より遅れた場合ということにいたしたわけであります。
#169
○石原(登)委員 速達郵便を基準にして考えるのは非常に遺憾でありますので、もう一ぺんあとで伺いたいと思います。
 それから電話の場合の料金ですが、電話は今普通、至急、特別至急というのがある。ある程度回線がフルになると、これは特別にしてもどういうふうにしても、料金はふえるが送達方法はない。たとえば政策的に料金をつり上げるために、電話回線をつくることをサボタージユして、わざわざ普通で行ける至急のものを特別至急にする。それに対して確実に何時間の間には至急は通話ができる、特別至急は何分間の間に通話ができるというようなことで、そうして五時間かかろうが六時間かかろうが至急料金をとり、七時間かかろうが八時間かかろうが特別至急料金をとるのが現状です。わざわざ二倍も三倍もの料金をとる以上は、何かそこに時間的なあなた方の保証するものがなければならぬということを考えますが、当局としてはそういうことは何らお考えになつていないかどうか。みなどんどん特別にしてくれ、あるいは至急にしてくれといつたところで、同じ回線で運べるものはきまつておるから、料金をつり上げても何にもならない。ですから少くとも至急でやつた場合には何分以内に着くとか、特別至急でやつた場合には何分以内に着くとかいうことを約束できないならば、まつたく利用者は迷惑する形になります。利用者に金をよけい出しただけの価値があつたということを思わせるような方法をひとつ考えてもらいたいと思いますが、それについて何か御確信がございますか。
#170
○田邊(正)政府委員 お話は非常にごもつともでございます。現在の状況におきましてはまつたくお話の通りで、特急でやれば二時間かかる場合もございますが、十分の場合もあるという状況であります。しかしこれはたとえば申込みを受けてから何時間以上通話ができない場合には、普通の通話に直すというようなことは、回線によつてその状況が非常に違うわけでございます。大体大ざつぱに申しまして市内回線が不足でございます。特別通話、至急通話が相当多いわけでありますが、回線によりましては至急通話、特別通話よりも普通通話が多いことも全国的にはあるわけであります。また特別通話あるいは至急通話が多いところにおきましても、これは区間によりまして、たとえば東京、仙台、東京、広島というようなのを比べてみますと、やはりそこに平均の特急の待合せ時間を調べてみましても、やはり違いがあるわけであります。こういうような関係で、御意見はまことにごもつともでありますが、現在としてはなおきめかねている次第であります。なお市外線につきましては全国的に非常に不足でございまして、市外線の増加ということも昨年度は約十万キロ越しましたけれども、本年度も少くとも昨年度と同じくらい、十万キロ以上市外線をふやしたいと思つております。しかし年に十万キロふやしましても、今の通話のこういう状況はなかなか解消できないわけであります。従つてただ料金収入を維持するために市外線の増設ということをはばんでおるのではございませんで、実はその点も考えまして、昨年の十一月から実施いたしました料金法の改正におきましては、特定区間の料金というものを考えたわけであります。たとえば特別至急通話、至急通話あるいは普通通話というふうな区別をすることがおかしい区間、回線がふえて参りまして、申込めばすぐつなぐような区間におきましては、特定料金区間として特別の料金をいただくことにいたしたわけであります。たとえば普通通話が百円でありますと、至急通話が二百円、特急が三百円でございますが、特定区間の場合には百五十円にする。そして一切の区別を廃してしまう。そうしますと収入の点は同じでございますから、事業の財政上にも大きな影響は来さない。これは理想を申しますと、現在の市外回線の全部がそういう即時あるいは準即時になることが理想でございます。アメリカなどでは通話も非常に早くして、ほとんど待合せがないという状況であります。私どもも理想としてはそういうふうにいたしたいと思つておりますけれども。現状ではなかなかそういうふうに行かないという状態であります。
#171
○橋本(登)委員 先ほどの石川さんの発言について、ちよつと私の意見も違うし、また政府のこれに対する意見が明らかでなかつたようですから、その点をただしておきたいのですが、先ほど石川委員から、この法案は営業規定を含めておるけれども、これは営業規則でもつて扱つていいのではなかろうかというような御質問があつたようであります。私はこれに対してはこう考えておるのです。この公衆電気通信法は公社の営業規則をその中に持つておるものだということについては、普通の民間会社であれば別でありますが、これは国の保護と権利はある意味において認められておる独占事業であり、一方においては大多数の人がこれを利用しておるのであるから、国民に相当大きな影響を持つておる事業である。従つて公衆電気通信法の中で公社の権利規定を認めると同時に、電話加入者の保護を一面において與えておるのだ。そういうものがこの法律の中の重要なる規定だと思うのです。それでこの営業に類似する行為が、法律によらずして郵政大臣の認可のみでできるということになりますと、一般国民に大きな利害のあるものが、国民の議決機関であい他の機関によつて行われ、かえつて国民の多くの者に対して不利益を来す結果になる。従つて原則としては法律によつてこの規定をきめておくことの方の妥当ではないか。そういう意味でこの法案ができておるという建前で、私は今まで質問をして来ておる。はたして政府は私のような見解のもとに、この法案をつくられておるのかどうか。またそうでないということになりますと、質問の要点が違つて来るので、その点を特別に関連して質問をいたしたわけであります。
#172
○田邊(正)政府委員 この法案をつくるにあたりまして、営業関係というか、公社の提供するサービスのうちの主要なサービス、それから加入者の権利、義務の関係、利用者と公社との間の権利、義務の関係、そういう重要なものにつきましては、ここに網羅して盛つたつもりでございます。それ以外の事項については公社において定める。ただ公社において定める事項の中におきましても、重要な事項につきましては郵政大臣の認可を得るという考え方でやつたわけでございまして、そのためにこれをもつとこまかにいたしまして、すべてのサービスについて規定をするという考え方もむろんあろうと思うわけであります。それは現在におきましては御案内のように、電信法はほとんど大綱だけをきめて、サービス関係の規定はほとんどないと申しても過言ではないと思うわけでございます。サービスの関係はすべて電報規則あるいは電話規則によつておるわけであります。今度われわれが立案いたしましたものは、電報規則あるいは電話規則の中に規定せられておりますサービス関係の事項の中で主要なもの、それからたとえば加入者の権利、義務の関係とか、あるいはまた利用者と公社との間に起りますところのいろいろの権利、義務の関係、そういつたものをここに拾つて参つたのでありまして、私どもといたしましては、この程度でよろしいのではないかと考えておる次第でございます。なおこの法律に書かれない事項におきましては、公社におきまして定めることになつておるのでございますが、公社が何でもかつてにきめるということはいかがかと思う事項もあるわけでございます。従つて先ほど申し上げましたような約二十八の事項については、郵政大臣の認可を受けて公社が実施するごこにいたしたい。なおこれと関連いたしまして考えられますことは、料金の問題でございます。料金のうち主要なもの、国民の方からいつて非常に大きい影響がある、あるいは国民経済から非常に大きい関係を持つておる、それを裏から申しますと、公社の財政上におきましても相当大きい意味を持つものでありまして、そういう主要な料金については、法律でもつてきちんと定めるべきものであると思います。またそれ以外の料金につきましては、公社が定めますけれども、料金の点につきましてはやはりすべて郵政大臣の認可を得なければいけないと考えます。従つて料金につきましても、サービス関係の規定以上に制限をきつくしたわけであります。そういうふうに考えてこの法律をつくつた次第でございまして、大体この條文に盛られております事項をもつて、先ほど私が申し上げましたような意味においての主要事項は、網羅してあると考えておる次第であります。
#173
○橋本(登)委員 大体私の考えておることと、当局が立案した趣旨とは一致しておるようであります。そこで公社の運営という点から行けば、自由な運営をさしたいという点については、われわれも政府と同様であります。しかし国民の大多数が利害関係を持つておる事業でありますから、この法案の擴張解釈によつて相当の影響を與えるようなことは好ましくない。従つて相当影響を與える條項については、あくまで法律によつてこれを行う、こういう方針を堅持してもらいたい。そうしませんと、たとえば将来電話公債というものが考えられたときに、個人の加入者にこれを割当てる場合のごときは、これをもし割当という考え方で行けば割当てることができると思うのですけれども、実際上は独占事業でありますから、法律と同じような強制権を持つことになります。そういうふうな問題は法律上からいえば可能な範囲ではあると思うのですが、そういう法律の擴張解釈によつて、加入者に対する影響力のあるような行為は嚴に慎んでもらいたい。これは独占事業として当然なことだろうと思う。従つてこういうような公衆電気通信法というものが必要であるゆえんのものを十分に考えてもらいたい。こういうことが先ほどの石川委員の考えと少し違うので、あらためてその点を明らかにして今後の質問継続のベースを一緒にしたい、こういうことですから御了承を願いたいと思います。
#174
○石原(登)委員 先ほどに引続いてちよつとお尋ねしますが、至急通話、特別至急通話をやる回線は、この間に特別な線を用意してあるのですか。どうですか。
#175
○田邊(正)政府委員 ただいまのお尋ねは、特別至急通話あるいは至急通話を、先ほど私が申し上げました特定区間にするという場合に、回線を用意してあるかということでございますか。
#176
○石原(登)委員 そうです。
#177
○田邊(正)政府委員 これは回線を用意すると申しますよりは、実は現在の回線を非常にふやしませんと、特別至急と至急という区別を廃止することはできないわけであります。たとえば甲乙の両地間に現在三回線しかない。従つて通話が混んでおるという場合には、現在の回線を相当ふやしませんと、即時あるいは準即時の方式はとれません。
#178
○石原(登)委員 そうしますと、別に至急のため、あるいは特別至急のために、公社は何ら費用がかかるわけではなく、むしろそういうような制度があるために、当然普通通話で一時間あるいは二時間で通話ができるものが、金を持つておる人が二倍、三倍の料金を拂うことによつて、三時間も五時間もかかる。あるいは十時間もかかることがある。そうすると一般の普通通話を利用する人の犠牲によつて、至急通話、特別至急通話ができる。そうしてその利益を公社がとるということになりますと、料金を高くとつてこういうような制度をつくるということは、公社は利益を得るが、一般大衆は非常な迷惑をする。あなたの方で相当金をかけて、至急通話、特別至急通話のためにそういうような設備をして遊ばせておくのであれば、そういうような高い料金をとつてもいいが、むしろ高い料金をとるために一般の人は損をする。むしろ一般の人は料金を低減してやるということを考えてもらわなければならない。一方倍をとつたら、普通の通話は半分にする。特別至急通話三倍となつたら、三倍とつただけ普通通話はひどく安くしてやる。こういう人の迷惑をすることは考えないで、利益を受けることばかりあなた方は考える。この点はどうなんですか。私は社会党ではないけれども、自由党でも、こういうことを考えてやらなければならぬ問題だと思うのですが、どうなんですか。
#179
○田邊(正)政府委員 現在御案内のように、普通通話料が一といたしますと、至急がその二倍、それから特急が三倍になつておるわけであります。これを今のお話では、特別至急通話料あるいは至急通話料に対する普通通話料の割合をもつと下げろ。現在は特別至急通話に対して三分の一……。
#180
○石原(登)委員 いや、そうじやないのです。通信の能力には限度がある。その限度の範囲内でそういうような制度をつくりますと、至急通話あるいは特別通話を利用しようという者が多くなるわけです。従つて今度は普通の通話を利用する人はどんどんあとまわしになつてしまう。そうすると、あなたの方は料金がどんどんもうかるが、今度は普通通話を申し込んでおる人が非常に損をしてしまう。そこのところを何か調整する必要はないか。たとえばあなたの方は、普通通話は今混んでおるから至急にしなさい、あるいは今至急でも混んでおるから、それなら特別至急にしなさい、こういうことになると、作為的にやるならば、どんどん料金をつり上げることができる。そうして実際は、全体が普通で行つたのと同じで、みんな普通で申し込んで黙つておればちよつともかわりはない、そういう意味なんです。そのために別に特殊な方法を講じて通信の疏通をはかるというのであれば別だけれども、そうではなくして、一つの限界がある回線を使つてやるわけだから、普通にしろ、至急にしろ、その通信能力は同じでしよう。普通で待つておる人はだいへんな損になる。そのことを聞いておるのです。
#181
○吉澤政府委員 御質問に沿うかどうか、これでお許しを願いたいのでありますが、実は今市外通話の料金は、御存じのごとく普通、至急、特別至急とあり、この全体の料金を見まして、市外線の経営をやつておるわけであります。全体の料金というものの額において、やはりそれぞれの料金がきまるということが第一点で、そういう料金の原価計算で行つておるわけであります。しからば皆普通にてしまつたらどうかということですが、実は私どもの理想といたしましては、電話はアメリカのごとく、市内、市外ともほとんど待時間はない、こういうことに行きたいのでありますが、残念ながら今日の事情といたしましては、建設費の関係その他の事情かございまして、市外回線の増設要望に沿えないという場合において、それを同じように受付順でやつていいか、あるいは特に利用価値のある、便宜のある制度を設けまして、その方には相当の料金を拂つていただいて早く扱うということから、勢い三段制の市外通話をやつておる次第でありまして、これは決して理想と考えておりません。将来はなるべく普通通話でもつて全部行きたいと考えておりますが、過渡期としてこのような制度をやつております。先ほど田邊政府委員も御説明のごとく、近距離でありまして、あるいは近く予定をしておりますが、東京、大阪の長距離のメーン・ルートにいたしましても、即時にひとしい通話をしたいというのでありまして、そういう場合には、ほとんど三段の料金でなく、一本の特別な料金で行きたい。これは先ほど申した維持費というものを考えました限度においての料金にする、こういうふうに考えております。その意味で現在の立て方については御了承を願いたい。今後増設しまして、普通通話というものが早くかかるというようにという意図のほどは御了承を願いたいと思います。
#182
○石原(登)委員 その制度を設ける趣旨は異論はない、これはいいことです。ただそのために料金を幾らかけてもいいという人もある半面、そのために非常に損を受けておる人があるということを十分に考えていただきたい。
 それからもう一点は、忘れないうちに聞いておきますが、郵政省に委託した用紙などは、あなたの方で交付されておりますか、それとも郵政省でああいうものをつくるというようになつておりますか。どうなんですか。
#183
○田邊(正)政府委員 電報、電話に使います用紙とかその他の器具のうち、一定のものをはつきりきめまして、これこれは電通省の方でつくつて配るというふうにいたしてございます。
#184
○石原(登)委員 わかりました。
#185
○井手委員 だんだん本委員会も終結に近づいておりますので、一言当局にお尋ねをいたしたい。公社法案が衆議院の本会議を通過いたしまして、参議院に送付になつております。従つて政府の考え方では、公社法案が通過をすると同時に、それの実体法である公衆電気通信法も有線電気通信法も、当然伴つて来ているわけです。そこへ持つて来て、さらに施行法が同時に提出をされなければ、公社法案から一貫したわが国の電気通信事業の運営というものが、蹉跌を来すと思われるのであります。そこでおそらく技術的な関係であつたと思いますが、通信法が遅れたために、臨時的に従来の電信法の一部改正によつて、この業務を行い得るようなことになつておることは、私どもも承知しております。しかしその一部の変更により得ない重大な営業の実体法が必要とされておつたわけで、この法案が遅れて来ておるのでありますが、本来から言うと、施行法案がないと、実体法の運営ができないわけでありますから、われわれは首を長くして施行の提出を待つておる。今日会期がまさに終ろうとしておるのでありまして、施行法が出ておらなければ、本法案をかりに通過させましても、法の実行ということが伴つて来ない、かように度えられます。そこで私は質問をしておきたいのでありますが、この法案の取扱いは非常に重大なんです。もしかりに、これが衆議院の本会議を通過しておりますと、御承知のように参議院におきまして継続審議の議決を要するのであります。ところが参議院の委員会は、御承知のように公社法案その他の重要な法案がただいまかかつておりますために、はだして参議院の委員会がこれを審議して、本会議において継続審議の議決をしてくれるかどうかわからない。そのために、これは施行法案が律わないことも一つの理由でありますが、本法案を本委員会が通しても、反対は反対として、通過せしむることができない段階に達している。御承知のように政治は生きものでありますから、国会の情勢がどのように変化するかということはわからない。われわれはお先まつ暗で、あるいは死んでしまうかもわからぬ法律案を、連日各党の代表委員が出て来て熱心に討議しておるのでありますが、結論的にいうとこれは無にひとしい法律案であるかもしれない。今日の情勢はそういう結果になりかねないのです。この取扱いをどのようにお考えなのか。最後でありますから申し上げておきますが、でき得れば施行法案を提出してもらつて、会期延長でもあればわれわれは最終的な電気通信委員会としての責任を果しておきたいと思います。ところがそれを果すことによつて、結果的にこの法案が生きて来ないということになれば、電気通信委員会が連日勉強してこういうむだな時間をとつて、生きるか死ぬかわからない法律案を通す必要はないと思うのであります。それは政府の立場もよくわかります。政令その他によつて相当準備期間が必要でありましようけれども、もう少し法律案に対する政治的、行政的な取扱いを慎重に考えてくれないと、この電気通信委員会が一体何をくつているかわからない結果になるのです。これは重大な岐路に立つておりますが、本委員会において継続審議をした方がいいのか。政府も法律案を出したのでありますから、できるだけ早く上げたい。ところが衆議院が上げることによつて参議院でつぶれるというような結果になつては、何のためかわからないのでありますから、その辺は十分お考えになつておると思うのでありますけれども、会期の延長等も若干考えられているやさきでありますので、施行法案ができればどういうことになりますか、その点をひとつこの際はつきりしておきたい。有線電気通信法案が通過いたしますと、国会法の改正等によつて本委員会も将来どうなるかわからないということになつておるのでありまして、最後でありますから、一体それをどのようにお扱いになるか、その辺のお考え方をひとつ率直に伺つておきたいと思うのであります。
#186
○田邊(正)政府委員 その問題について私から御答弁申し上げることは、実はいかがかと思うわけであります。従いまして以下お答え申し上げることも、実は大臣あるいは次官等と御相談をしたことではございませんので、そういうお答えをいたすことを御了解願いたいと思います。この電気通信委員会は非常に熱心に御審議いただきまして、公社法案あるいは会社法案等々お世話になつているのであります。それで実は公衆電気通信法案、それから有線電気通信法案をもつと早く出しまして、同時に施行法案をつけて御審議をお願いするわけであつたのでありますが、なかなか予定通りに事が運びませんで、今日のような状態になつたわけであります。ただいまお話の施行法案に対してどうするかということでありますが、かりに会期がある期間延長された場合におきましては、施行法案ができましたならば御審議をお願いするように大体考えておるわけであります。それで実は施行法案につきましては、今度の国会にかかつております各種の法案の施行に必要な府令、それの審議もございまして、施行法案の審議が遅れておるわけでありますが、施行法案の審議は今日におきましても、私どもは一日も早く仕上げまして、もしかりに国会の会期の延長ということがございましたならば、この通信法案と一緒に御審議を願いたいと考えておるわけであります。なお施行法案に規定する事項並びにそれについての大体の考え方は、実は準備してお配りいたしたわけでありますが、もちろんこれはまだ法務府の最終の審議を終つたわけではございません。従つて政府として責任をもつてこれはこうなるという申し上げ方はできないわけでございますが、しかし大体規定する事項、それからその内容はこういうふうに考えておるという程度におきましては、御説明する用意もいたしておるわけであります。ただお話がございましたように、施行法案というものがついて参りませんと、これは通信法案だけではどうかという考え方もございます。その辺は私たちとしても非常に残念であり、また皆様の御審議に対してまことに申訳なく考えておるわけでございます。大体私から申し上げることは以上であります。
#187
○井手委員 いずれもこの問題の取扱いについては、ひとつこの次の委員会に大臣なり次官をお呼び出しいただきたい。それから会期も切迫していることでありますし、この取扱いについては、次の委員会に理事会等を招集されまして、終局的な取扱いの基本方針をおきめくださることを委員長に希望しておきます。
#188
○高塩委員長代理 承知いたしました。
#189
○松井(政)委員 ただいまこの審議の問題について田邊局長から答弁のようなものがあつたのですけれども、会期延長とかどうとかいうことは、これは何もあなた方にとやかく言われるべき性質のものではない。一体常会の会期は百五十日、これは憲法できまつている日にちです。それから三十日延長され、さらに二週間延長され、また今度十日延長されております。問題は、この国会できめた会期延長の間に十分に審議をしていつ上るかというプランの上に立つて、あなた方の必要とする法律案を提出すればよろしいのです。ところが今度の場合は、ただいま井手君が指摘したように、とにかく先月来公社法案が出ると同時に、従来当委員会で問題にしておつたただいまの通信法案の施行法案を出せという督促は、あなた方に耳が痛くなるほど幾たびかわれわれ言つているはずです。ところが公社法案が上るまで出て来ない。公社法案が衆議院において上つてからこれが出て来た。出て来たときには、もし会期の延長がされなかつたらこれの審議はできなかつたはずなんです。会期が延長されたので、出て来て今審議されてている。今度は施行法案も会期が延長されれば上げてもらいたいとは、これは行政府の一役人であるあなた方の言うべき筋合いではない。われわれが與党、野党を問わず、今連日委員会でこの法律案の取扱い方を心配している点は、参議院は公社法案を審議しておりますが、衆議院においては共産党を除く與党、野党ほといど全員一致の修正をして送り込んでおります。ところが参議院においては、電通委員会じやなくて他の委員会の方から修正意見が飛び出して来て、衆議院の修正した公社法案すら危ぶまれる状態が続けられているのです。そこへ会期が三十日までと現在きまつておるのですから、われわれがこれを上げて参議院に送り込んでも、参議院で審議未了に終つてしまえば、この法律案は次の国会に再提出をしなければならない。もしそういう見通しがあるならば、衆議院においてこれを継続審査にしておけば、閉会中でもわれわれは委員会を開いてこの審査を続けられる。さらに実態については電話局あるいは特定局等の調査も行うことが可能である。こういう建前に立つて與党、野党の委員諸君が、この法律案の行方と結果がどういうふうになるかということの心配の上に立つて聞いておるのですから、あなた方の方は施行法案はいつごろ出せるか。従つて政府の希望だけを申し上げておけばよろしい。あとはその希望をわれわれは聞いて、さらにやはり会期の問題と、当委員会と、参議院に送つた場合どうかという見通しはわれわれ理事会等で考慮して、この法律に対する態度をきめるというわけですから、これはりくつではございません。その点はよく大臣等とも御相談願つて、どのような希望をなされるかということだけを聞かせてほしい、こういうことです。
#190
○高塩委員長代理 本日はこの程度にとどめ、次回は明後二十八日午前十時より開会いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
    午後五時十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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