くにさくロゴ
1951/06/28 第13回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第013回国会 電気通信委員会 第45号
姉妹サイト
 
1951/06/28 第13回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第013回国会 電気通信委員会 第45号

#1
第013回国会 電気通信委員会 第45号
昭和二十七年六月二十八日(土曜日)
    午前十時五十七分開議
 出席委員
   委員長代理 理事 高塩 三郎君
  理事 橋本登美三郎君 理事 福永 一臣君
   理事 長谷川四郎君 理事 松井 政吉君
      石原  登君    井手 光治君
      加藤隆太郎君    庄司 一郎君
      關内 正一君    辻  寛一君
      椎熊 三郎君    石川金次郎君
 出席国務大臣
        電気通信大臣  佐藤 榮作君
 出席政府委員
        電気通信事務官
        (業務局長)  田邊  正君
        電気通信事務官
        (業務局周知調
        査部長)    吉澤 武雄君
 委員外の出席者
        電気通信事務次
        官       靱   勉君
        電気通信技官
        (施設局施設部
        長)      米澤  滋君
        專  門  員 吉田 弘苗君
        專  門  員 中村 寅市君
六月二十七日
 委員石原登君及び椎熊三郎君辞任につき、その
 補欠として犬養健君及び三木武夫君が議長の指
 名で委員に選任された、
同月二十八日
 委員犬養健君及び三木武夫君辞任につき、その
 補欠として石原登君及び椎熊三郎君が議長の指
 名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
六月二十六日
 山口県下に公共テレビジヨン放送設置に関する
 請願(青柳一郎君紹介)(第三九八〇号)
 テレビジヨンの民間放送許可に関する請願外一
 件(飯塚定輔君紹介)(第三九八一号)
 同(本間俊一君紹介)(第四〇四二号)
 上波佐見町電話交換局の統合設置に関する請願
 (岡西明貞君紹介)(第三九八二号)
の審査を本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 有線電気通信法案(内閣提出第二四五号)
 公衆電気通信法案(内閣提出第二四六号)
  請願
 一 山口県下に公共テレビジヨン放送設置に関
   する請願(青柳一郎君紹介)(第三九八〇
   号)
 二 テレビジヨンの民間放送許可に関する請願
   外一件(飯塚定輔君紹介)(第三九八一
   号)
 三 同(本間俊一君紹介)(第四〇四二号)
 四 上波佐見町電話交換局の統合設置に関する
   請願(岡西明貞君紹介)(第三九八二号)
    ―――――――――――――
#2
○高塩委員長代理 これより開会いたします。
 本日公報に掲載いたしました山口県下に公共テレビジヨン放送設置に関する請願、青柳一郎君紹介、文書表第三九八〇号外三件を一括議題といたします。
 以上四件の各請願はさきに審査いたしました請願と同一の趣旨のものでありますので、紹介説明並びに政府の意見聽取を省略し、さきの請願と同様に取扱いたいと存じます。
    ―――――――――――――
#3
○高塩委員長代理 次に有線電気通信法案及び公衆電気通信法案を一括議題とし、質疑を続けます。石川金次郎君。
#4
○石川委員 公衆電気通信法案の第六章土地の使用、第七十九條以下についてお尋ねいたします。第七十九條第二項に使用権という用語を使用しておりますが、この使用権という用語は他の法規にございますでしようか。どういう法規があつてそれをおとりになつたのか、それをお聞きしておきたいと思います。
#5
○田邊(正)政府委員 土地收用法におきましては、土地の收用と使用というのを使つているのであります。この七十九條の土地の使用と土地收用法における使用の観念とは同じことと考えているわけであります。
#6
○石川委員 しかし使用権という観念をこの法で定めてありますから、たとえば所有権、地上権、抵当権、永小作権というように、法律上の一つの権利となつて来ると思いますが、どこにこういう用語を使つておつたか、この法律上の権利を日本はどこでどういう法律で現在まで認めておりましたか、この先例があるかどうかをお聞きしておきます。
#7
○田邊(正)政府委員 調べまして御返事いたしますから、しばらく御猶予願います。
#8
○石川委員 この公衆電気通信法案において新しい一つの権利として出て参りますならば、それでもよろしいのでありますから、よくお調べの上にお伺いすることにいたします。それから第七十九條の三行目に「土地等」といつておりますが、この土地等ということの本法における概念は、従来の民法にいう不動産と同一でありますか、異なつておりますか。
#9
○吉澤政府委員 これは「他人の土地及びこれに定著する建物その他の工作物」、こういうものを土地等という熟語にしたわけでありまして、内容につきましては、土地、建物等の不動産もあります。またはその他の動産というようなものも含む場合もあるだろうと思います。
#10
○石川委員 しかしこの七十九條によれば、土地及びこれに定着する建物その他の工作物を土地等という、こう規定してあります。御承知のように民法り第八十六條においては「土地及ヒ其定著物ハ之ヲ不動産トス」こういつております。本法にいう土地等という言葉の中には建物は含まれるわけですけれども、しかし七十九條の土地等という概念を見て参りますと、従来民法にいう不動産というものと何ら異なつた概念ではないように思われるのであります。これに動産を含むとおつしやつしおりますが、七十九條によりますと動産を含んでおるということはない。土地、建物、工作物、この三つをいつておるのであります。そういたしますと、民法の不動産と同一の概念になりじないかと思われるのであります。異なつたところがありますればお伺いしておきたい。
#11
○吉澤政府委員 民法でいいます不動産とやや範囲が異なつておると考えますのは、土地はもちろん不動産に入ります。土地に定着する建物その他の工物、これだけに限つております。従つて民法はもう少し広い意味を含んでるだろうと思います。この土地の使用につきましては、必要でかつ十分なのは土地、その定着する建物及び工作物だけを対象にしてよろしい、こう考えた次第であります。
#12
○石川委員 よくわかりました。それではそうお聞きしておきます。しかし民法に含まない不動産外のものはない、民法よりは範囲が狭いというのでありますが、民法にいう定着する工作物をこれは含むのでありますから、同一になりはしないですか。異なつたことはどういう点で異なつて来ますか。
#13
○吉澤政府委員 民法では、御承知のごとく「土地及ヒ其定著物」こういうふうにありますが、この中には立木とかその他の物が入つておると思うのですけれども、この公衆電気通信法におきましては、そのようなものを解釈することは考えておりません。従いましてこの範囲だけで十分と思つております。
#14
○石川委員 なるほどよくわかりました。そこでこの使用権という意味を明らかにしておきたいのであります。まず使用権は他人の土地、これに定着する建物、工作物を使用する一つの権利である、これが一つの要件である。それから第二の要件は、公社及び国際電信電話株式会社になりましようが、この国際電信電話株式会社が公衆電気通信の事業に供するための路線及び空中線――これを線路といつておりますが、線路及び付属設備を設置するために使用する権利なんだ、こうなるようですが、そういたしますと使用権の主体たり得るものは、現在のところ公社及び国際電信電話株式会社以外にはないということになるのでありますか。
#15
○田邊(正)政府委員 この公衆電気通信法案におきましては、公社だけが持つことになるわけであります。
#16
○石川委員 それで使用権は一体権利としては相対権ですか、絶対権でしようか。
#17
○田邊(正)政府委員 この土地の使用権は、一種の物権的なものを考えているわけであります。これは法律によりまして設定されました公法上の一つの権利である、こういうふうに考えております。
#18
○石川委員 公法上から発生した絶対権であるのだ、物権的なものだ、こうおつしやるのですか。
#19
○田邊(正)政府委員 さようでございます。
#20
○石川委員 そうすると使用権は私権ではないのですか。物権ではない、私権ではないわけですね。
#21
○田邊(正)政府委員 私権と公権をどういうふうにわけて行くかということは、いろいろむずかしい議論もあろうかと思いますが、私どもはこれはこの法律によりまして、公社に与えられました物権的な性質を持つておる権利である、従つて私権ではなくて、むしろ公権的なものというふうに観念すべきではないかと考えております。
#22
○石川委員 登記せずとも第三者に対抗ができるという理論をとつておるようですが、そういう解釈でありますか。
#23
○吉澤政府委員 さように考えております。
#24
○石川委員 そうすると民法第百七十七條は、この場合においては適用ないということになりますか。
#25
○吉澤政府委員 適用はないと考えております。従つて登記なくして対抗できるというふうに考えております。他の電気事業や電柱の設定のごときものと性質が違うように考えております。
#26
○石川委員 通信事業はごく公共的なものですから、こういう権利が生れて来ることも、私は決していけないとは言いません。むしろこの法から使用権という権利が生れて来るのは当然だと思います。しかし登記せずして対抗するところの権利をどんどんこしらえて行くことはどうかと思われる。そうすると、今おつしやつた登記せずとも対抗できる権利というものは、電気事業のほかに何々がありますか。
#27
○吉澤政府委員 お尋ねの第一点でございますが、このような登記せずとも有効な方法で使用権をどしどし設定することは、はなはだ不穏当ではないか、こういう点についてのお答えを申し上げたいと思います。この章におきましては、公用使用権として、この規定によるところの協議あるいは裁定によつて使用権を設定することをきめております。一般に私どもとしては、公法上によらず、民法上の契約ということを考えております。従つて今日においてもあのような建設條例がございますが、実際は話合いによつて民法上の契約で行つておるものが相当多いのであります。今後といえどもこの規定を適用するのみでありませんで、なるべくは話合いで民法上の契約で行きたいと考えております。第二の点につきましては、土地收用法その他にはこのようなものがあるかもしれませんが、公共事業令その他にこれと同じものがないように存じております。
#28
○石川委員 御承知のように公衆電気通信法は公法である、これは公法から当然発生する権利なんだ、こういう説明で行くと、ただいま御説明になりました契約によつて発生させるということの理論と矛盾しはしませんか。公法から出て来るならば、公法の規定によつて当然権利、義務が発生して来る。ところがこれでありますと権利が発生して来ない。権利取得の要件は協定と裁定と二つあるようでございます。もし契約によつて発生さす権利だというならば、この使用権は私法上の権利だ、こういうことにならなければならない。そこで、これは私考えが未熟で研究が進んでおりませんから申し上げられませんが、公社が私人と相対するときには、一つの民法上の人格として相対しておる。ここに一つの権利、義務を発生させるのは当然であつて、一つの公権的なところから権利を持つて行くのは、少し考え方がどうかと思われる。しかし通信事業は公共的なものであり、そのためにどうしても他人の権利も使用しなければならぬ、これはわかるのであります。しかしそれにはこういうものが必要であるという主張、そこがちよつとふに落ちないのですが、何か別の考え方に立たれたのか、お伺いしたいと思います。
#29
○田邊(正)政府委員 ただいまの吉澤政府委員の説明を補足いたしたいと思いますが、公社におきまして、線路のために必要な土地を收用いたします場合には、まずできますればこの法律によらないで、話合いで進めて参りたいと考えておるわけでございます。その場合におきましては、純粋に民法上の権利を持つことになります。しかし話がつかない場合におきましては、第七十九條によつて使用権を設定して参る。そして七十九條によつて設定されました使用上の権利は、先ほど御説明申し上げましたような性質のものと考えておるわけでございます。
#30
○石川委員 だんだんわかつて参りました。土地使用の権利を取得いたしますのには、当初私法上の契約、民法上の契約によつて取得する場合と、本法七十九條以下を使つて取得する場合と両方あるのだ、こういうふうに考えてよろしゆうございましようか。
#31
○田邊(正)政府委員 その通りでございます。
#32
○石川委員 八十條に行きますが、まず公社が土地等を使用しようとするときは、土地等の所在地を管轄する都道府県知事の認可を受けて土地の所有者、あるいは権原に基いて使用する者があるときは、その者と土地使用について協議しなければならないという規定なのでありますが、この規定は所有者もしくは権原に基いて土地を使用する者と民法上の契約が立たなかつた場合に、おいて働かす、こういう意味ですか。
#33
○田邊(正)政府委員 さようでございます。
#34
○石川委員 そこで八十條の二項に参りまして、都道府県知事が公社と所有者もしくは権利者と協議することを認可した場合には、その旨を土地の所有者に通知するとともに、これを公告しなければならぬという規定でありますが、この場合所有者に通知して事足りるのでありますか。
#35
○田邊(正)政府委員 第八十條の第一項におきまして土地の所有者に括弧がありまして、「所有者以外に権原に基きその土地等を使用する者があるときは、その者及び所有者。」ということになつてその者を含むわけでございます。
#36
○石川委員 そうしますと第二項は、所有者にも通知するし、権原に基き土地等を使用する者にも通知する、こういう意味でありますか。
#37
○田邊(正)政府委員 さようでございます。
#38
○石川委員 ところが通知をやりますのは都道府県知事でありますから、この法律のままでは、都道府県知事が所有者以外に通知することになりましようか。
#39
○吉澤政府委員 ただいま田邊政府委員の御説明がございましたように、八十條の土地等の所有者は括弧しておりまして、「以下同じ。」としまして、所有者という言葉が以下は括弧と同じように使つておるということになりますがゆえに、ただいま申し上げました通り二項におきましても、所有者及びその権原に基いて使用する者を含むというように解釈しております。
#40
○石川委員 八十條の括弧の中の読み方は、まず土地の所有者とその土地等の使用について協議しなければならないというのが一つ、それから所有者以外に権原に基きその土地を使用する者があるときはその者及び所有者、この二つに通知するのだという意味じやないですか。
#41
○吉澤政府委員 そういう意味でございます。しかも「以下同じ。」としておりますから、二項におきましても都道府県知事が前項の認可をしたときは、二人の者に通知しなければならぬということになるわけでございます。
#42
○石川委員 なるほど、「以下同じ。」という文句があるから、二項は所有者と書いただけでこの括弧が適用になるのだ、こういうお話ですね。どうも私の読み方の無知識ではなはだ済みません。
 それから八十三條の「土地等の所有者」、これもそういたしますと、やはり同一ですね。
#43
○吉澤政府委員 さようでございます。
#44
○石川委員 そうすると、所有者以外に権原に基いてその土地等を使用する者があるときということになりますと、これは何年間か登記せられておる使用者があつたとしますと、その登記せられておる者だけに通知をしますか。事実上使用せられておる者に通知するのですか、賃借権の場合、あるいは永小作権の場合はどうなりますか。
#45
○吉澤政府委員 これは実は利害関係人といいますか、権利の保護のことを考えたつもりでございまして、登記の有無とかいうことのみにかかわらず、実際にわかつておる使用しておる人を含むように考えております。なお漏れた場合を考えますと、これはあとの條項にございますけれども、公告という制度によりまして、あまねく利害関係者が知り得る機会を設けることによりまして、それを補つております。
#46
○石川委員 それから使用権の存続期間を十五年としましたが、この十五年というのはどこから出て来たのですか。
#47
○田邊(正)政府委員 現在電柱の平均の耐用年数が大体十五年ということになつております。むろん電柱により、また電柱を立てます場所によりまして違いますが、二十年持つのもございましようし、場合によりましては十年でだめになるのもございましようが、平均して十五年になつております。従つてそれを押えまして十五年としました。それからもう一つ五十年というのがございますが、これはやはりコンクリート製、あるいは鉄製というような柱を立てました場合には、大体五十年程度は持つであろうというような考え方から、そういうようにいたしたわけであります。
#48
○石川委員 八十八條の土地使用の対価についてお伺いしたいのでありますが、対価の支払い時期は三項に規定しておるのでありますが、これは使用開始のときに全額前金で払うということになつておりますか。
#49
○吉澤政府委員 原則といたしまして、その使用開始の時期までに全額を一時払いすることになつております。但し存続期間が五年より短かいような場合には、毎年払う場合もある、こういう形で例外を設けております。
#50
○石川委員 そういたしますと、十五年なら十五年、五十年なら五十年、この法律によつて使用権が設定されておりますね。そうすると、最初に十五年分なり五十年分払うということになりますか。
#51
○吉澤政府委員 その通りでございます。
#52
○石川委員 ところが五十年分すでに地代を払つた、そのあとで所有権が動いたということになりますと、新しい権利取得者も、その賃料はすでに受取つておるものでありますから、何ら公社に対しては請求権がない、こういうふうになりますか。
#53
○吉澤政府委員 これは物権というふうに性質を考えております。先ほど申し上げました通り、登記がなくても対抗できるということであり、現実に線路なり電柱なりははつきりわかるものでございますから、そのようなわかり得る機会もあるということでございます。なお事情がかわるからそういう場合はどうかということも同じように考えたのですが、所有者がかわり、かつまた事情がかわつても、その点は十五年あるいは五十年の期間を借りたということはかえない、こういうふうに考えております。
#54
○石川委員 そうすると物権的なものだから、電線なり地下にケーブルがあるのだから、それは証明書と同じことなんだ、登記と同じことなんだから、第三者に対抗するということで、すでに賃料支払済みと見てさしつかえない、こういう御趣旨ですか。
#55
○吉澤政府委員 登記を要しないという考え方は、先ほど申しました物権的な、しかも公法上の使用権であるということから、そういう解釈をしておるのでありますが、現実の問題といたしましても、今おつしやつたように現に設備そのものが明白にわかるということによつて、土地を取得した者も、その線路がある、あるいは地下ケーブルがあるということは認識できる、こう思つておるわけであります。
#56
○石川委員 そうすると、五十年もしくは十五年の使用権を負担した土地なんだ、工作物なんだということは公示の方法がありますか。全然公示方法というものは考えないのですか。
#57
○吉澤政府委員 お尋ねの意味が、公示の方法とおつしやいますのは、電柱がたれそれの土地に伺本立つておる、こういうことの意味でございますか。それとも何か一般的な公示の方法ですか。
#58
○石川委員 たとえば地下にケーブルを、工作物をこしらえますね。そうするとそれは五十年であるか、あるいは十五年であるか、一々使用期間が定まる。定まつた後に土地の所有権の移転があつた。そうするとケーブルがあるものですから、新たに買い受けた人は、使用権があるということはわかる。しかし何年の使用期間であるか、賃料がすでに払われてあるかどうか、払われておるならば一体どれだけ払われておるかということはわからないわけなんです。わからないと、この法律によつてやるのだから、この法を知つておけばよいとおつしやるかもしれませんが、八十八條におきますと、前払いのときもあれば、年賦払いのときもある。ですから新たに買う人は公示があればわかるが、公示がなかつたらわからぬじやないですか、こう言うのです。
#59
○吉澤政府委員 実は公示方法はきめておりません。ただ八十七條におきまして、ごらんのごとく協議がととのつたとしますと、公社及びその土地の所有者は都道府県知事に届出をすることによりまして、使用継続を裁定したと同一の効果があるというので、その意味におきましてはほとんど届出をするだろうと思います。公社みずからが必ず都道府県知事に届出をすることによつて、第三者に対する対抗的なことができる。但しおつしやるような土地そのものについて何か表示をするというようなことは考えておりません。
#60
○石川委員 そうすると、結局民法上の協議の場合において、所有権が発生した場合は、当事者間でやるのであるから、所有権の移転があとで起つたら、売り渡す人がそれを告げなければならぬという義務を民法上負うのは当然です。しかし工作物があるのだから、それでわかるのじやないか。裁定を受けた場合は公告されるのだから、ちやんとこれであとの所有権を取得した方の権利を守ることができるのじやないか。両者の協議の場合であつても、協議したことを都道府県知事に届出をするのだから、これで大丈夫じやないか、こういうのですね。大体大丈夫のように思いますが、その意味ですね。だから土地の権利移動が将来あつても、そのために特に不利益をこうむることはない、通常の注意をしておれば大丈夫だ、こういう御趣旨ですね。
#61
○吉澤政府委員 実は十分であるかどうか、多少の欠点もあるかと思いますが、一応これによりましてそのようなはつきりしたことがわかるというふうに考えておる次第であります。
#62
○石川委員 よくわかりました。別段その点で私は欠点をついておるのじやありません。
 それから第八十八條第二項の「通常生ずる損失を償うように、線路及び土地等の種類ごとに政令で定める。」ここに政令を持つて来たのですが、この政令の案はございますか。法律をお出しになつて政令にお讓りになるときには、政令の案を御作成になつておると思いますが……。
#63
○吉澤政府委員 これを政令で定めます理由といたしましては、実はこのような電柱は場所により、しかも土地により、あるいは電柱の種類によりまして、いろいろ違うでありましよう。また工作物その他に与える被害というものは、割合に軽微なものだと思います。それを一々定めることは困難でございますので、やはり全国的な公正な平均的なものによりまして、対価の価額を決定して行きたいというので、政令にしたわけでございます。なお法律にいたしますと、経済事情その他の変動によりまして、円滑にこれを改正するということも困難でありますから、政令によつて経済事情その他の変動を加味しまして改正して行こうという意味で、政令にした次第でございます。しからば対価はどういうような基準できめるかということでございますが、これはその責任の方の部長からお話を願いたいと思います。
#64
○米澤説明員 土地の種類といたしましては、田と畑と、それから宅地、塩田、山林その他の場合であります。山林の場合は裸線とケーブルとありますが、他の場合は、電柱一本といたしましても、たとえば支柱があつたりした場合、そのステイを電柱一本と同じように計算いたします。それから電柱によりましてH型とかいろいろのものがありますが、そういうものはその本数を計算いたします。田の場合は年額二十七円、畑の場合は年額十六円、宅地の場合は十一円、塩田の場合は四円、山林の裸線の場合は五円、ケーブルの場合は四円、その他一円となつております。それを予定しております。
#65
○石川委員 現在そうなつているんですか。
#66
○米澤説明員 これは昨年の昭和二十六年四月から改正しているわけであります。
#67
○石川委員 二十六年の改正の要件をそのまま持つて来たわけですね。
#68
○米澤説明員 そうであります。
#69
○石川委員 きつき五十年前払いしたら、かえないとおつしやいましたが、そうすると十年たつて相場がかわつて、非常に高く貸すと、従来の人は非常に安かつたというのですが、救済の上方法がないということになりますか。
#70
○田邊(正)政府委員 ただいまのお話は、政令の内容を変更することによりまして、たとえば今申し上げました二十七円で五十年となつた場合に、先に貸した人は安く貸して、あとの人は高い値段で貸すということはおかしいじやないかというお尋ねだと思いますが、今考えておりますのは、十五年あるいは五十年分を一ぺんに払います。その気持はいわば十五年間あるいは五十年間の使用権を一時借りておるという考え方を実はしているわけでございます。従つて経済事情の著しい変動がありました場合には、前に使用権を貸した人と経済事情の変動後に貸した人との間に不均衡も生じまするけれども、現在のところは今申し上げましたように、十五年間あるいは五十年間の一時使用権を借りておる、そういう考え方で行つてみたいと考えておるわけであります。
#71
○石川委員 この八十八條による使用の対価という意味は、使用権設定に対する権利取得の対価なんだ、賃料というものではないんだ、こう覚えておればよろしい、こういうことになるのですね。
#72
○田邊(正)政府委員 ちよつと私の申し上げ方が不十分でございましたが、対価の額は、その使用によつて通常生ずる損失を償うように計算してきめた金額でございます。その場合に十五年間あるいは五十年間の損失を一時に払う。見方をかえますと、十五年間あるいは五十年間の使用権も一時借りておつたというふうに観念してもよろしいのではないかという意味を申し上げたわけであります。
#73
○石川委員 わかりました。そこで通常生ずる損失というその計算の方式を知らしてくださいませんか。一円からずつとありましたが、一年間宅地は幾らでありますか。
#74
○米澤説明員 宅地の場合は、年間十一円であります。それが十五年間分の一括払いのときは百二十一円であります。五十年の一括払いは二百二十円であります。
#75
○石川委員 一坪に対してですか。
#76
○米澤説明員 電柱一本に対してでございます。
#77
○石川委員 そうすると、一本一年で十一円の場合で十五年分払つておるのですか、割引をするのですか。
#78
○米澤説明員 もう少し詳しくお話いたしますと、宅地の場合は年額が十一円であります。それは電柱一本についてであります。毎年払うわけであります。その場合、場所によつては一括払いをする場合が起りますが、その場合には十五年分を一括して払うということになると、百二十一円になる、こういう意味でございます。
#79
○石川委員 それは割引になるのですか。
#80
○米澤説明員 今の数字は確定したものではありませんで、目下そういうところを研究中でありまして、これをどういうふうにするかは政令によつてきめたいと思います。
#81
○石川委員 そうすると一年払いするときは高くて、数年分払つて行くとき、全部払つて行くときは割引するという方針はかえないのですか。またどういう率で割引するかを伺いたい。
#82
○田邊(正)政府委員 これはたとえば毎年百円ずつ十年払うという債権がございますが、それではその債権の現在の時価は幾らだという場合には、百円の十倍の千円ではございませんで、その間の利子を差引きまして、それよりも低い金になるわけでございます。要するに長い間継続するそういう債権と申しますか、それを現在の値段に換算する方法がございますが、そういうもので計算いたしまして、十五年分あるいは五十年分払うというのでございます。
#83
○石川委員 その計算の方式、たとえばホフマン式を用いるなら用いるということはきまつているのですか。
#84
○田邊(正)政府委員 ただいまの点につきましては、考え方は今申し上げたような考えでございますが、どういう方式を使つて参りますか、今研究いたしております。そして政令の中にははつきりいたしたいという考えであります。
#85
○石川委員 万事政令でやるからまかしてくれでは、ちよつと審議に無理であります。法律をきめているのですから、一体最低幾らにする、これこれは幾らにするという表でも見せられませんか。これは小さいからよろしゆうございますけれども、万事政令にまかせるというのは本来原則的には許されないのですから、その表をひとつお示し願えませんか。
#86
○米澤説明員 この問題はあとでお答えしたいと思います。
#87
○石川委員 それでは局長にお伺いいたします。政令によつて委任をとろうと盛んになさるようでありますが、法律と政令の関係について、一体法律の内容をなす政令はどういう限界まで許されているという御見解でしようか。
#88
○吉澤政府委員 むずかしい法律論はひとつお許しを願いたいと思います。そういうような政令に定める場合には、法制局関係の方で厳格にいろいろ考え、こういうものは政令でよろしいということで考えている次第でございます。もちろん法律をもつてその精神をはつきりいたし、その意味のものを政令に譲るということでありますれば、おのずからその法律事項にあります精神を逸脱することもできませんし、また今まで各法條に政令という文句がございますが、これもまたその法の精神並びに意図する点を十分にわきまえた上で政令を設けることが当然だと思います。従いまして私たちとしましては、政令を設ける際におきまして、その法の精神を十分体して行くつもりであります。
#89
○石川委員 政令にまかせるというときには、これから十分御準備なさつて御説明くださるようにお願いしたい。これは土地の対価額がきまつて来るわけでありますから、使用権の設定を受ける義務者の側では、かなり考えなければならぬことだと思う。それで今おつしやつたようになりますと、「通常生ずる損失」ということが一番の眼目になつて来る。これについて私と皆さんの考えが違えば議論が出るのでありますが、「通常生ずる損失」というのはどういうことですか。これを明らかにしてくだされば、第八十八條の政令でやるということにおまかせしてもいい。これがあまり異なつていると、今坪十一円とおつしやつても、御審議の結果三円ときめられても何も言えないということになりますから、この基準を御説明願いたい。
#90
○田邊(正)政府委員 「通常生ずる損失」というのは、ほかの法令でもいろいろあると思いますが、それと同じように考えております。なお土地收用法との関係を申し上げますと、土地收用法におきましては、この損失の支払いについては個別的に支払うことになつているわけでありますが、その点はこちらの方も一人々々に払うということになります。ただ違うのは、たとえば田にいたしましても畑にいたしましてもいろいろ区別があろうと思いますが、それを一々いたしますとたいへんに手間もかかりますので、それはそういうようにいたしませんで、土地の賃貸価格というようなものから計算してそれを全国的な標準のものにいたしまして、それを政令でもつてきめて参りたい、そういうように考えておるわけであります。なおこの通常生ずる損失を、たとえば田地を使用するときにどういうふうにはじいたかということは、米澤部長からもう少し詳しく具体的にお話することにいたします。
#91
○石川委員 「通常生ずる損失」というのは、普通法律で用いている言葉のようでありますが、賃貸価格を標準としてもつとはつきりしたものを定めることはいけないのであるかどうかということが一点。もう一つは、民法上の協議によつて使用している場合にも、対価はやはり政令の範囲内できめることになりますが、お互いの契約できめるということは許されないわけですね。
#92
○田邊(正)政府委員 協議の場合は二つございまして、第一の協議の場合はこの法律によらない協議でございます。これは純粋の民法上の契約によるわけであります。もう一つの協議はこの法律による協議でございます。それでこの法律による協議の場合におきましては、当然この八十八條の第二項にきめる損失補償の金額になります。前の協議の場合におきましては、これは両方の相談でありますから、理論上はいかようにもきめられるわけでありますけれども、われわれとしては政令にきまつております金額を最高として話をつけて参りたいと考えております。
#93
○石川委員 よくわかりましたが、今までの使用の対価はやはり通常生ずる損失として御計算になつた基礎でありますか。
#94
○田邊(正)政府委員 それはきようでございます。
#95
○石川委員 そうすると現在定めてある対価よりは安くはならないわけですね。
#96
○田邊(正)政府委員 これは先ほど米澤部長から御説明申し上げましたように、昨年の七月から実施いたしております対価とおよそ同じと考えておりますので、それよりかも低くはならぬと考えております。
#97
○石川委員 それでは米澤部長から……。さつき速記がはつきりとれたかどうかわかりませんので、現在の使用料についてもう一度伺いたいと思います。
#98
○米澤説明員 電柱一本につい田の場合二十七円、畑が十六円、宅地が十一円、これは耕作をしないということもあります。耕作のときに妨害にならないという意味で安いのです。塩田が四円、山林で裸線が五円、ケーブルが四円であります。
#99
○石川委員 たとえば田に立てておつた電柱が崩壊することによつてだれか人畜に損害を与えた場合は、その損害賠償の責任はあるということになりますか。
#100
○田邊(正)政府委員 その場合は民法の規定によりましておつしやるようなことになります。
#101
○石川委員 次に八十九條の第三項をお伺いしたいと思います。これは土地の一時使用の場合でありますが、土地等の一時使用の場合には、占有者に通知しなければならない、それから第四項の土地等が居住の用に供せられているときは、その居住者の承諾を得なければならないとありますが、この居住者は占有者ではないのですか。
#102
○吉澤政府委員 居住者は占有者でございますが、占有者は必ずしも居住者でないという場合もあり得ると思います。
#103
○石川委員 これも法務府と御相談になつて用語をお使いになつたのでしようが、居住者が占有者でない場合はどういう場合ですか。
#104
○吉澤政府委員 占有者が必ずしも居住者でない場合があり得るということをお答え申し上げました。この場合に考えられますのは、田畑等を賃借りしている、あるいは現実に耕作しているというような意味で占有者もあり得ると思います。ただそこに居住しているかどうかという場合でありますと、その本人が居住していない場合もあり得るだろうと思います。そんなふうに書いているのであります。
#105
○石川委員 第四項を聞きましよう。第一項の規定により一時使用しようとする土地等が、これは土地、建物、工作物等が居住の用に供せられておるときは、その居住者の承諾を得なければならぬのでありますから、そうすると建物の所有者に通知する、ところが建物の所有者が第三項の占有者となつて行く。ですから居住者が占有者でないという場合があり得るかどうか。四項の居住者というものはどうしても必要な規定であるのか、三項だけでは間に合わなかつたのか、並べて丁寧に書いたおつもりならそれでもよろしいのですが、どういう場合があり得るか。
#106
○吉澤政府委員 四項の規定は、居住者に使用上あるいはその他妨害を与えたり、不利益を与えてはいけないということで考えました点であります。従つて承諾を得なければならないということであります。御存じの居住の自由といいますか、居住の不可侵というようなことを考えまして、ことに居住の用に供せられた場合は、承諾を要するということにいたした次第であります。三項の方はただ占有者に通知すれば足りるということで、そこに四項が特にこのような取扱いを厳重にしたというふうに御解釈願いたいと思います。
#107
○石川委員 わかりました。それから土地の立入りでありますが、立入りのときまでも損失を補償するという規定を念入りに置いたのでありましようが、立入りの場合従来の例といたしまして電柱を立てるのだとか、設備をやるのだから立ち入らせてくれと言つたとき、だれか補償を求めた、拒んだという例があるのでありますか。
#108
○米澤説明員 今までそれが非常に大きな問題になつておるとは聞いておらないのであります。
#109
○石川委員 非常に御丁寧な立法でありますけれども、通させてくださいとか、これはちよつと使わせてくださいというところまでは、みんな通信業務に携わる人が言つても断る人はいないと思うのです。そのくらい不親切ではないと思います。それでは私の質問はこのくらいにします。
#110
○高塩委員長代理 本日はこの程度にとどめ、次会は明後三十日午前十時より開会することにいたし、本日はこれにて散会いたします。
    午前十一時五十九分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト