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1951/12/14 第13回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第013回国会 通商産業委員会 第3号
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1951/12/14 第13回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第013回国会 通商産業委員会 第3号

#1
第013回国会 通商産業委員会 第3号
昭和二十六年十二月十四日(金曜日)
    午後三時四十二分開議
 出席委員
   委員長 中村 純一君
   理事 中村 幸八君 理事 山手 滿男君
      阿左美廣治君    今泉 貞雄君
      小川 平二君    神田  博君
      澁谷雄太郎君    永井 要造君
      福田  一君    南  好雄君
      金塚  孝君    西村 榮一君
      風早八十二君
 出席政府委員
        大蔵事務官
        (銀行局長)  河野 通一君
        通商産業事務官
        (大臣官房長) 永山 時雄君
 委員外の出席者
        総理府事務官
        (公益事業委員
        会需給課長)  竹田 達夫君
        大蔵事務官
        (日本專売公社
        監理官)    久米 武文君
        通商産業事務官
        (通商企業局次
        長)      齋藤 正年君
        通商産業事務官
        (通商化学局無
        機課長)    小林 貞雄君
        経済安定事務官
        (産業局次長) 岩武 照彦君
        日本專売公社塩
        脳局長     西川 三次君
        参  考  人
        (日本銀行融資
        斡旋部長)   市田 禎藏君
        参  考  人
        (商工組合中央
        金庫理事)   門司 正信君
        專  門  員 谷崎  明君
十二月十二日
 小金義照君委員長辞任につき、中村純一君が議
 長の指名で委員長に補欠選任された。
同月十三日
 委員高田富之君辞任につき、その補欠として梨
 木作次郎君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 委員梨木作次郎君辞任につき、その補欠として
 高田富之君が議長の指名で委員に選任された。
同月十四日
 委員高田富之君辞任につき、その補欠として風
 早八十二君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 中西伊之助君が委員を辞任した。
同日
 上林與市郎君が議長の指名で委員に補欠選任さ
 れた。
    ―――――――――――――
十二月十四日
 ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する
 件に基く公益事業委員会関係諸命令の措置に関
 する法律案(内閣提出第五号)
 中小企業等の年末金融に関する決議案(坂本泰
 良君外六名提出、決議第四号)
の審査を本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 小委員及び小委員長の選任
 中小企業年末金融に関する件
 一般用工業塩価格に関する件
 自家発電に関する件
 旧軍工廠施設払下げに関する件
 政府提出予定法律案説明聽取の件
    ―――――――――――――
#2
○中村委員長 ただいまより通商産業委員会を開会いたします。
 御承知の通り、去る十二日通商産業委員長小金義照君が委員長を辞任せられ、私が通商産業委員長に選任せられました。
 まことに菲才その任にたえないものと思うのでございますが、どうか委員各位の絶大な御協力、御支援によりまして、幸いにこの重任を全うできますよう切望いたしておる次第でございます。何とぞよろしくお願い申し上げます。(拍手)
 なお翌十三日高田富之君が委員を辞任せられて梨木作次郎君が、同日梨木作次郎君が委員を辞任せられて高田富之君が補欠選任せられました。なお本日高田富之君が辞任せられて風早八十二君が補欠選任せられました。以上お知らせいたしておきます。
    ―――――――――――――
#3
○中村委員長 なお先日小委員会の小委員及び小委員長の御指名につきましては委員長に御一任願つておきましたが、これより御指名申し上げます。
 電気及びガスに関する小委員
   今泉 貞雄君  神田  博君
   澁谷雄太郎君  福田  一君
   村上  勇君  佐伯 宗義君
   加藤 鐐造君  風早八十二君
   河口 陽一君
 小委員長 福田  一君
 地下資源開発及び合理化に関する小委員
   江田斗米吉君  小川 平二君
   田中 彰治君  中村 幸八君
   村上  勇君  橋本 金一君
   加藤 鐐造君  中西伊之助君
   河口 陽一君
 小委員長 中村 幸八君
 中小企業に関する小委員
   阿左美廣治君  高木吉之助君
   中村 幸八君  永井 要造君
   南  好雄君  山手 滿男君
   金塚  孝君  西村 榮一君
   風早八十二君
  小委員長 南  好雄君
 工業に関する小委員
   今泉 貞雄君  神田  博君
   澁谷雄太郎君  多武良哲三君
   小金 義照君  永井 要造君
   南  好雄君  西村 榮一君
   中西伊之助君
  小委員長 今泉 貞雄君
 繊維に関する小委員
   阿左美廣治君  小川 平二君
   高木吉之助君  多武良哲三君
   福田  一君  山手 滿男君
   加藤 鐐造君  風早八十二君
   河口 陽一君
 小委員長 高木吉之助君
 貿易に関する小委員
   小川 平二君  神田  博君
   澁谷雄太郎君  多武良哲三君
   永井 要造君  村上  勇君
   橋本 金一君  西村 榮一君
   風早八十二君
 小委員長 小川 平二君
 以上御指名申し上げました。
    ―――――――――――――
#4
○中村委員長 次に本第十三国会において政府より提出予定の法律案につき、政府委員より発言を求められておりますので、これを許します。永山政府委員。
#5
○永山政府委員 今度の国会に通産省の方から提出をいたしたい、あるいは提出の見込みであるというような法案につきまして、概略御説明を申し上げたいと思います。
 お手元に第十三国会提出予定法案という件名で資料がお配りをしてあるのであります。通商産業省設置法等の一部改正以下全部で十六件ございますが、この中にはまだ法案の内容等についても必ずしも十分の審議を通産省としても終えておりませんで、従つてはたして提出をするかどうかというような点についても、まだはつきりした通産省としての意思の決定の行われていないというようなものもございます。それからまた議員提出で出されるという予定で進んでおるものもこの中に入つておるのでございますが、便宜一括してここに記載いたしましたので、その点を御了承願いたいと思います。
 通商産業省設置法等の一部改正は、例の行政機構の改革に伴つて、通産省につきましても当然設置法の改正が必要になつて来るであろうということで、一応予定されている法案であります。
 それからポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件に基く通商産業省関係諸命令の措置に関する法律、これは平和條約の発効に伴いまして、ポツダム政令関係の整理をしなければならないという意味で、その整理を内容といたした法律でございます。
 それから緊要物資輸入基金特別会計法の一部改正、これは御承知の通り、現在は運用の目的が特需だけに限定されておりますので、これをさらに拡大して弾力性を持たせて行きたいというのがその趣旨であります。
 それから輸出信用保険法でございますが、これは輸出振興の必要が一段と加わつて参つておりますので、その趣旨に従いまして、輸出金融の保険あるいは輸出促進のための諸経費を、保険制度によつて担保しようというようなことを内容にした輸出信用保險法の全面的改正であります。
 それから商品取引所法の一部改正でございます。これは商品取引所法を実施いたしましたその実績にかんがみまして、会員の定員制、仲買人の外務員制度あるいは共同担保金制度、そういうようなものを新しく設けて、取引所運営の一層の合理化をはかるというのがこの趣旨であります。それから不正競争防止法の一部改正でございますが、これは説明にもございますような原産地の虚偽の表示の禁止について所要の改正を加えるということでございます。平和條約の発効に伴いまして、マドリード協定というものに入る問題が検討されておるのでございますが、それに伴つてこういう問題が出て参るというわけで、その改正を一応見込んでおるということでございます。
 それから木材防腐法、自転車競技法の一部改正、これは議員提案で出るのではないかということを一応予想されておるのでございますが、その趣旨は、木材の防腐加工を促進するということ、それから自転車競技法につきましては、現在の競輪の運営の実績に照しまして、それの適正な運営をはかろうという趣旨でございます。
 それから国有アルコール工場の譲渡の特例に関する法律、これは国有アルコール工場につきましては、すでに二工場今年払下げをいたしたのでございますが、さらに引続いてその払下げを実行して行こうということの方針をとつておるのでございますが、その払下げの円滑化を期して行こうという趣旨の法律でございます。
 それから日本製鉄株式会社廃止法の一部改正、これは現在御承知のように旧日鉄の第二会社として八幡製鉄、富士製鉄の一社があるのでございますが、その社債等につきまして、一定期間先取特権を認める規定が現在あるのでございますが、その期限が切れますので、さらに一年間期限を延長しようという趣旨なのであります。
 それから石油及び可燃性天然ガス資源開発法、これは石油あるいは可燃性天然ガスの合理的な開発をはかるためのいろいろな措置を織り込んだ内容の法律でございます。
 それから帝国鉱業開発株式会社法を廃止する法律、これは再建整備の完了が明春予定をされておりますので、それに伴つてこの法律を廃止しようということであります。
 鉱害復旧事業団体等に関する法律、これは一般鉱害の問題を法制化しようということで、その趣旨の法律でございます。
 それから中小企業等協同組合法の一部改正、これは中小企業協同組合をさらに一層育成をして強化をして行こうという趣旨で、独禁法との関係を調整をするというような諸般の改正を内容にした法律でございます。
 それから弁理士法の一部改正でございますが、これはほんとうの字句の整理でございまして、高等官というような、現在すでに廃止されておる制度をなおこの中に残しておりますので、それを整理をしようというだけのものであります。
 それから工業技術庁試験研究所の施設の譲与に関する法律、これは試験研究所を一部整理をする。
    〔委員長退席中村委員長代理着席〕
 そうして地方公共団体にこれを譲渡をして、地方公共団体をしてその施設の運営をしてもらうということを内容とし、それを実行するための法律であります。
 以上大体十六件ほどが、現在提出の対象として検討しておる法律でございます。
#6
○中村委員長代理 以上で提出予定法案についての説明を終りました。
 次に工業塩に関する件について発言の通告がありますのでこれを許します。今泉貞雄君。
#7
○今泉委員 塩を主原料とする工業製品、ながんずく塩素酸ソーダ、クロール・スルフオン酸、硅弗化ソーダ、合成染料等は、いずれも国内物資としてまた貿易品として、ともに重要な役割を果しておるということは、皆さんもすでに御承知の通りでございます。これらの製品は、いずれも原料として多量の塩を使用する関係上、それらの価格は主として原塩取得価格によつて決せられることもまた論をまたないのであります。戰前においては、一般工業塩はソーダ用塩と同様、輸入価格に若干のチヤージを加えた価格で入手できたのでありますが、今日においては、ソーダ用の塩だけが一トン八千円の特別価格で払い下げられておりますが、一般工業用の塩は、輸入価格の倍額に近い一万六千余円という法外な値段で入手しておるのが現状でございます。産業上重要な原料として、ソーダ工業塩と同俵当然助成政策の対象となるべきはずであるこれら工業塩が、保護を受けるどころか、かえつて実際の輸入価格の二倍に近い値段でなければ入手できないということ、特に塩素酸ソーダのごとき、これを苛性ソーダと比べて同じく重要産業であるというのみならず、製造方法有体においてもまた何らかわりはない、工業塩水溶液の電気分解によつて塩素とアルカリとをとるのであつて、かようにいずれの点から考えても、両者の間に差別をつけるべきいわれがないにもかかわらず、一方に対しては安い特別価格で払い下げながら、他方に対しては実際よりも著しく高い不当な価格で払い下げるということは、何としても納得ができないことであります。
 以上の理由によりまして、すみやかに善処せらるべきものであると思いますが、これに対する通産、大蔵両省並びに専売公社等の各当局の御意見を承りたいと思います。
#8
○小林説明員 ただいま御意見のございましたクロール・スルフオン酸、珪弗化ソーダ、塩素酸ソーダ、合成染料用の工業塩につきまして、私どもといたしましては、以下申し上げるような三つの理由から、現在専売公社並びに大蔵省にその引下げをお願いしておる次第であります。
 理由の第一といたしましては、これらの四つの品目のコストに、占めます塩の値段が、いずれも二〇%あるいは三〇%というような大きなウエートを占めております、いわば製品における主原料であります関係から、これらのものを引下げていただくことが、産業の振興あるいは輸出の振興というような意味から必要ではないかと考えております。クロール・スルフオン酸につきまして申し上げますと、総原価の中で工業塩の占めますパーセンテージは二四・三%でございますし、硅弗化ソーダにつきましては三二・一%、塩素酸ソーダにつきましては二三・二%、合成染料につきましては――これは染料はいろいろございますけれども、その中で一番著しい例を申し上げる次第でございますが、これによりますと、それは一八・四%、こういうふうな率を占めておりますので、主原料と考えられる塩の値段を国際価格程度まで引下げることが産業振興上望ましいのではないか、こういうふうに考えております。
 第二番目の理由は、これらのものが、その他の塩を使いますもの、たとえば食料用のみそ、しようゆ等の原料になります塩と比較いたしまして、工業用品であり、言いかえれば国際商品である関係からいいまして、こういう塩について国際的な価格までやはり考慮すべきではないか、こういうふうに考えておるわけでございます。すなわち先ほど申し上げましたように、コストの中で塩の占めます値段が高いものでございますから、塩が高ければ、これら製品はそれだけ国際価格より高くなる。そういたしますと、クロール・スルワオン酸、硅弗化ソーダ、塩素酸ソーダ、染料というもの自体が、あるいは外国から入つて来るおそれがなきにしもあらずと考えられますし、またこれらの製品自体が、輸出振興上、塩の値段が高いために輸出ができないのではないか。さらにこれらのもの、あるいはほうろう鉄器、染料というものは、いずれも輸出産業に関連がありますので、これらのものが高いことによつて、これらのものを使います商品が輸出できないのではないか、こういうふうに考えます。要するにこれら四つの品目が国際商品でございます関係上、これらのものの輸出を振興するために、あるいはまたこれらのものを使います商品の輸出振興のために、さらにまた消極的にはこれらのものの輸入品に対する対抗策といたしましても、塩の値段を引下げるべきではないか、こういうことを第二に考えております。
 さらに第三番目といたしまして、これらのものにつきましては専売法上の取締りの面からいいましても、かりに安い値段で払い下げられるといたしましても、専売法の取締面から、何ら支障がないのではないか、こういうふうに考えるわけでございます。つまりこれらの塩を、食料用の値段より安く払い下げますならば、この塩が食料用に横流れするのではないかというふうに考えられるわけでございますが、これらのものにつきましては、それぞれ変性という方法がありまして、食料用に振り向けられないようにする措置を講じました塩を原料として使いましても、何ら支障がないのであります。従つてそういう変性措置を講じていただきますならば、これらのものを特別価格で払い下げられましても、食料用に横流れするというふうなことがございませんので、専売の建前からする取締りの面からいいましても、何ら支障がないのではないか。第三としてこういうふうに考えております。
 以上三つの理由によりまして、私どもといたしましては、これら商品の原料の塩につきましては、現在の食料並の一万六千円というような値段ではなくて、輸入価格に何がしかの手数料を加えました価格程度で払い下げていただくことが望ましいのじやないか、そうすることが産業振興上必要だと考えまして、現高専売公社並びに大蔵省に対してお願いをしておる次第でございます。
#9
○今泉委員 ただいま通産当局から詳細なる御説明を承りまして、産業振興の担当省してさもあるべきことと私も非常に意を強うした次第でございます。この問題は、わが国の工業塩の価格を引下げることによりまして、海外商品の輸入と激甚なる競争を展開しておる本邦の工業製品が、常に優位な立場にあつて海外の輸入を抑制する、かような役割を果させるということが現在の状況から見て非常に必要であると考えて、私もただいま質問をいたした次第でありますが、それにつきまして大蔵当局、並びに専売公社のお考えを承らせていただきたい。
#10
○中村委員長代理 大蔵省も日本専売公社も関係者がまだ見えておらぬようでございます。その答弁は留保させていただきます。
    ―――――――――――――
#11
○中村委員長代理 次に中小企業の年末金融に関する件について調査を進めます。本件の調査につきましては、日本銀行の融資斡旋部長市田禎蔵君を参考人として同君より御意見を承わることにいたしたいと存じますが、御異議はございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#12
○中村委員長代理 それではそのように決定いたしました。ただちに質疑に入ります。質疑は通告の順に従つてこれを許します。澁谷雄太郎君。
#13
○澁谷委員 年末金融の問題につきまして今日質問をすることはもう少しおそいと思いますが、年末金融の問題につきましては、大体前回の委員会で相当強く要望いたしておりますので、私は、まず現在の一般の年末金融の状況、いま一つはくとに中小企業に対する金融の状況を御当局からそれぞれお話を願つて、それから質問したいと思います。日本銀行から融資斡旋部長もお見えになつておりますし、銀行局長も、中小企業庁の振興部長もお見えになつておりますが、私のこの前お願いしておきましたのは、特に中小企業専門店の、預金に対する貸出の比率が三分の一程度になつておる、その詳細な内訳と内容をお知らせ願うことにいたしております。それも單にここで数字を掲げるばかりでなく、今度の委員会には最も新しい資料をわれわれの手元に配付を願いたいということをお願いしてあるのであります。すでに新聞紙上には大分古い資料が載つておりましたが、それではわれわれは満足できませんので、最も新しい資料をわれわれ委員会にお知らせ願いたいということと、前回の委員会でお尋ねいたしました、商工中金その他に対する年末の資金の必要量が相当多額に上つておりますが、それに対する手当はどういう状況で進んでおるかということのお返事が、今日の委員会では当然あつてしかるべきだと思いますので、それらの点を銀行局長並びに日本銀行の関係者、また都合によりましては、商工中金からお見えになつていなかつたならば、中小企業庁の当局から、それぞれお返事を願いたいと思います。
#14
○河野(通)委員 まず中小企業特別店鋪の活動の状況並びに今後の対策等について申し上げてみたいと思います。
 先般の臨時国会中に澁谷さんからも具体的に数字をお示しになつて、この問題についていろいろ御指摘があつたのであります。私どもさつそく各中小企業の金融の専門店を開いております。主として大銀行でありますが、これの担当者を招集いたしまして実情を詳細に検討いたしました。その内容等については後ほど申し上げてみたいと思うのでございますが、そういう実情の検討及び対策についていろいろ打合せいたしました結果、先般各関係銀行に対して私から中小金融に対するさらに積極的な活動について通達を出しておいた次第でございます。この通達の内容等についても後ほど申し上げてみたいと思います。
 中小企業金融専門店の活動の状況は、先般澁谷委員から、預金に対して貸出しが約三六%、四〇%足らずの数字しか示しておらぬという御指摘があつたのでありますが、これはまさにその通りで、はなはだ活動の状況が活溌でない点は遺憾に存じます。その状況を申し上げてみますと、資料の関係で私どもも最近の数字を持ち合せておりませんので、はなはだ申訳ないのでありますが、九月末におきまして、今申し上げましたように、中小企業専門店の六十四箇店の合計が、預金において百九十七億、貸出しが七十一億、その割合が三六%ということになつております。しかしながらこの貸出しの状況は、昭和二十五年の四月に中小金融特別店鋪の業務を開始いたしたのでありますが、それから今申し上げた今年の九月末までにおいて、融資の申込みがなされましたものに対する貸出しの実績は八四%を示しております。申込みに対して八四%という数字は必ずしも小さい数字ではないと思います。もつともこの申込みというのは、貸出しの要求はあつたけれども、実際とても銀行の貸出しの対象にならないというようなことで、正式の申込みまで行かないでとまつておるというものも実はあるかと思いますので、全部の資金貸出しに対する要求額から見ると、あるいは八四%という数字よりももつと下になるかもしれませんが、正式に貸出し申込みを受けたものに対する貸出しの実績は、八四%という数字を示しておるのであります。今申し上げましたのは金額でありますが、件数で申し上げますと、申込み件数に対して貸出しをした件数は九一外でありまして金額で八四%、件数で九一%という数字に相なつております。中小企業の金融に対する促進の方途についてはいろいろな手が考えられるのでありますが…(「九一%も貸しておらぬ」と呼ぶ者あり)この数字は私どもの調べました数字でありましてただいま申し上げたような貸出しの申込みというものの見方にもよるかと思いますけれども、一応私どもの調べたところを今申し上げておるわけであります。中小企業に対する融資が促進されない点についていろいろ実情を調査いたしましたところ、まず中小金融の特別店舗の貸出し資金について銀行の本部でわくを設定しておるものがございます。これは約五行が貸出しのわくについて制限を持つている。それから三銀行におきましては、特別店鋪の支店長の裁決権限を普通の店鋪よりもさらに相当程度引上げております。貸倒れの状況は各銀行ともほとんど起つておりません。それから中小企業の中で、いわゆる零細業者は預金者とはなるが、なかなか銀行の貸出しの対象にならないということがあることも事案のようであります。それから預金取引の点につきまして、預金担保貸出しを、貸出しのわく外とするとか、あるいは貸出し限度額を拡張することが必要であるということは、各銀行とも中小金融を進めるための共通の要望であります。それから信用保証協会の制度が相当利用されておりますが、まだこの利用状況が必ずしも十全でない、さらにこの制度の利用の活溌化を促進することが必要であるということが明らかになつたのであります。
 これらの状況で分析してみますと、融資の実績は預金に対してはなはだ振つておりません。これは中小特別店に限りませんで、各行としても大多数の店舗は預金を吸収して本店でこれを貸すということが実際問題として起つておりますために、各普通の店鋪の預金と貸出しとの割合は、中小特別店舗における預金と貸出しの割合よりもさらに貸出しの率が少いという店鋪が多いように見受けられます。従つてその面からは普通の店舗の状況に比べまして、預金と貸出しの関係は、比率は決して悪いということではございませんが、先ほど来申し上げたように、中小金融に対する特別店鋪という性質から見て、決して満足すべきものではないことは申し上げるまでもないことであります。そういう状況にかんがみまして、先般骨銀行に対しては私から各担当の重役を招致いたしまして、中小金融の専門店鋪についてさらに一層積極的な活動をするように、これがためには今申し上げた現状の分析にかんがみて、各般の措置を具体的にとるように口頭で厳重申渡しをしたとともに、書面をもつてこの点についても強く要望しておいた次第であります。なお貸出しの限度につきましては、現在まで五百万円ということでやつて参つたのでありますが、その後金融取引がだんだん多額になつて参りました点にかんがみまして、これを千万円にまで引上げることに具体的な措置をとつた次第であります。今後におきましてはできるだけこういう形において中小金融専門店の中小金融に対する活動の促進にさらに一層努めて参りたいと考えております。
#15
○澁谷委員 まず最初に私が非常に不満足に思いますことは、きようは十二月半ばでありますのに、九月末の表の数字をここでお示しになるということは、大蔵省当局としてはあまりにずさんではないか。少くとも十一月末の表をここでお示しになつてしかるべきではないかと思います。そういう問題は当然でき得るのではないかと私は思うのです。ほんとうに真剣に考えていただけますならば、当然そういう数字が出て来なければならぬと思います。まずこの一点だけでもつて私は不満のことをはつきリ意思表示をしておきますが、年末になつてからここでくだくだして言つておつてもしようがないわけですが、大体からいいまして、今のお話でございますと、中小企業の専門店の貸出し率が非常に低い。これはもう局長自身が認めておられる通りです。しかもその資金が今度は親銀行に入つて親銀行の貸出し率もやはり中小の業者に対しましては同様に低い状態にあるということも今お話の通りであります。そうなつて参りましたならば、中小企業というものは預金はある程度までするけれども、金融ができないということでもつて、一体どういうふうにしたら救われるかということを根本的に考える必要があるのではないかと思うのです。われわれがくどくどしくこの中小企業の問題をいつも論議しておりますのはその点にあるのでありまして、ここであらためて私はお忘れにならないように、特に御記憶願いたいと思うのでありますが、この次の委員会までに貸出し金額一千万円以下と、それ以上の金額との状況を各市中銀行の貸出しの状況から拾い上げて、大体からしまして五百万円以下がどう、あるいは百万円以下がどう、あるいは一千万円以下がどうというふうにして、それらの業者が預金する金高と、それからそれらの中小企業に対する一般銀行並びに、あるいは特殊の銀行からでも貸出しをしております状況をひとつ最も新しい資料をもつてお示しを願いたいと思う。結局金融の梗塞は中小企業にしわ寄せになるということがたびたび言われているのでありますが、中小企業にしわ寄せになる状況をわれわれはもう本年初めからこの問題についてやかましく論議を盡しております。一本年初めからばかりでなく、以前からずつとこの問題については連続的に言つているのですが、あるいは信用保險の問題とかあるいは商工中金に対する問題とか、あるいは政府の資金の貸出しの問題についてとか、いろいろ法案つくりあるいは論議を進めておりますけれども、実際に数字に現われたものが預金よりも貸出しが少いというような状態がはつきりここに現われて来ているとすれば、これは私は理論ではなくて国全体が根本的に考え直さなければならぬ重大問題ではないかと思うのです。と申しますことは、日本の中小企業の今日の実情が将来の日本の産業の発達、進展のためにどういう地位を占めているかということ、またそれは産業の発達ばかりでなしに、一般の国民生活の立場から考えてもどういう地位を占めているかということを冷静に考えますれば、これらの問題はもつともつと深く掘り下げられて、もつともつと深く検討を要する一番大きな問題ではないかというふうにも私は考えられるのです。しかるに今お話のように、預金はしても、あるいは借入れの申込みはしても、しかもそれが八十何パーセントということの報告でありますけれども、私たちはそうは信じない。ただいまもそんな大きな数字でないという声が各方面に起つたと思いますが、私たちの承知しておりますのは、金を借りようと思つて銀行の窓口に申し込むと、そこでてんではねられてしまうものが相当多分にあります。そこで申込みに対する八十何パーセントというものは、それは一応窓口でもつてその借入れの申込みを受けたものから拾い上げられた数字なんであります。でありますから中小企業者が金融を希望してからその目的を達しない数というものは、今銀行局長がわれわれにお示しになつたような、そういうなまやさしい数字でないということだけは私ははつきりここでもつて断言してさしつかえないと思う。これはもしうそだと思つたならば、実際にわれわれが経験しております数字を露骨にお目にかけてもさしつかえないと思う。
 それからいま一つ次の委員会に私が必ず御提出を願いたいと思う資料は、銀行から一般の中小企業に対しまする貸出しの問題でなく、大企業に対する大口の貸出しの状態と、それからそれらの業者の資本金、あるいは資産の状態と、貸出しの状況との比率、たとえば一億円の資本金に対しまして実際において運転資金は何ぼ持つておるか、それに対する銀行が貸し付けてある状態はどのくらいであるか。それから中小企業に対する信用がない、いわゆるコマーシヤル・ベースに乗らないと言われる業者の運転資金の状態と、それから銀行がそれに対する貸付けの状況とを比較対照してみたいと思う。これは相当に数字がむずかしいと思います。しかし私たちの見る目では現在の状態におきまして、中小企業の方が金融ベースに乗らないというお話でありますけれども、持つておる運転資金に対する金融業者から融資をしておる金額というものは、大企業に対する資本家が、あるいは銀行が融資する金額とを比べてみますと、中小企業の方は運転資金に対する倍額もしくは三倍額くらいの程度であつて、大企業におきましては場合によりますと十倍もしくは十五倍、二十倍に近い融資を受けておるというような実情がわれわれにはわかる。そういう状態にあつて、はたして中小企業が金融ベースに乗らないような貧困な経済状態であるかどうかということをわれわれはつぶさに検討しなければならぬ。それはなるほど金融業者が自分の資本金から、たとえば自分の資本金は一億何千万円である、あるいは十何億の資本金である。それから中小企業の経済状態を見たときには、実に目の中に入るような哀れな状態でありますから、従つてとかくそれらの中小企業を軽視するおそれが非常に多い。それは要するに金融ペースに乗らないという、ただ一片の言葉でもつてこれが拒否される。こういうふうな状態でもつて金融がこれから先行われておつたならば、日本における中小企業の発展というものは絶対に私は不可能である、インポシブルである。また言うべくして行われないものである。いま少しくそれらの問題を数字で現わして私たちは冷静に批判してみたいという観念が非常に強い。今申し上げたように、大企業の持つておりますところの資産あるいは運転資金に対する状況と、中小企業の持つておりますところの資産状況と、それに対するところの融資の倍率といいますか、そういう問題の調査ができますれば、私たちはぜひこの際調査してみたい。そしてそれによつてわれわれがこれから先いろいろな案を立てることは、日本の現状から考えまして最も必要な問題じやないか、もう少しそういう問題を具体的に検討する必要が非常に多いのではないか、こういうふうに考えますので、この二つの問題を特にお願い申し上げておきます。これはお忘れなく、あるいは完全なものでなくてもよろしゆうございますから、資料にしてわれわれの手元に配付願いたいと思います。
 この注文の問題で、大分時間がたちましたが、大蔵当局としては、この押迫つた年末の金融に対して、この前の委員会で伺つたと同様の対策で最後のどたんばを切り抜けようというお考えでありますか、一般的な金融の状態、ことに中小企業に対する大蔵当局の考え方を伺いたいと思います。ことにこの前の委員会で伺つたときには、国民金融公庫に対しては相当な目当があるようですが、商工中金あるいはその他の方面に対する年末金融の目当は、はなはだ心細いように思いましたので、それらの点を率直に御答弁願います。
#16
○河野(通)政府委員 年末におきましての一般金融の状況につきましてまず最初に申し上げてみたいと思います。国庫の収支の第三・四半期の状況は、大体九百七十億から千億近くの放出超過になる予定であります。これは今後における米の供出の進展の速度いかんに影響されるところが非常に多いと思いますが、大体今申し上げましたような程度の数字で、放出超過になる見込みを持つております。年末の通貨発行高は、大体ピークにおきまして五千三百億程度になるかと思います。年末は、三十一日は、御承知のようにピークよりも若干収縮いたすのでありますが、これが大体五千百億台であろうかというふうに考えます。日本銀行からの貸出しも、今後年末にかけてさらに数百億の増加ということになるであろうと見込まれております。
 以上全体の年末にかけての通貨なり、金融なりの概略の状況でありますが、この中で中小企業関係の金融についてはどうかという問題でありますが、中小企業の問題につきましては、先般来当院の御決議もございまして特別に十分配慮するようにというお示しをいただいておるのであります。私どももその線に沿つていろいろ考えて参つたのであります。具体的な措置といたしましては、現在のところでは、先般当委員会で申し上げたかと思うのでありますが、この措置をさらに促進して行く。第一は、政府の指定預金について、中小金融関係の専門機関に対する指定預金の引揚げを当初の計画を変更して、これをすえ置く、また災害地の関係につきましては、この方面における中小金融の円滑化に支障を来さないようにするために、さらに指定預金の引揚げを全額とめたり、あるいはさらに預け直した金融機関も相当額に上つております。また災害地につきましては、先般決定いたしましたところに従いまして、資金通用部資金からとりあえずの措置として三十二億余りの資金をこの方面へ年内に放出するように今いたしております。この資金はおそらく災害関係の復旧事業を通して相当回転して参る資金に活用できるものと私たちは期待いたしているのであります。また先ほども澁谷さんから御指摘がありましたように、国民金融公庫につきましては、先般国会で御決議いただきましたところに従いまして、十億円の資金運用部資金からの借入金を相当程度年内に実行いたしまして、年末にかけての中小金融の円滑化に資して参りたいと思うのであります。
 商工中金の資金繰りの問題につきましては、従来からの計画による再建資金及びコールとかあるいは預金等の資金、またその他の余裕資金をできるだけ集めまするとともに、必要に応じて、年末にかけて日本銀行からの適当なる貸出し政策の運用等とも相まちまして、今のところではまだ具体的な数字まで至つておりませんが、二十億から二十五億程度の資金は何とか年内に調達できるのではないか、そういうふうな配慮のもとに進んで参りたい。目下商工中金と日本銀行当局において、日本銀行からの融資の点についてはいろいろ打合せをされているのであります。大体それらを合せて、今申し上げました金額程度のことはいたして参りたい、かように考えております。ただ商工中金自体といたしましては、資金の需要は無限といつてもいいほどきわめて旺盛な需要がございますので、その資金の需要に対して、十分にこれを満たすことはなかなか困難だと思いますが、できるだけ商工中金の年末にかけての資金の融資についてはあれこれと配慮して参りたい、かように考えている次第であります。
#17
○澁谷委員 まだこまかい数字がはつきり言えないということはごもつともだと思いますから、あまり詳しくお聞きしてもいかぬと思いますが、くれぐれもお願い申し上げたいことは、先ほど特に二点ばかりお願いしました資料だけは、至急にお示し願いたいと思います。
 最後に銀行局長にお願いしておきたいことは、申し上げましたような実情でありますので、おそらく本年の年末金融は、大企業でさえも相当に不渡り手形が出ておりますので、中小企業が困ることは――局長のお手元にある資料から判断されましても、預金よりも貸出しの方が少いというような状態では、何といたしましても中小企業の救われる道はないのであります。従いまして商工中金その他の方面に対しまして、中小企業に対する資金については、特に一段の御考慮をお願い申し上げに、銀行局長に対する質問は今日はこれで打切ります。
 次に、日本銀行の方からお見えになつておりますが、日本銀行といたしましてはどういうふうな方針でこの年末の対策をお考えになつて盛りますか、その実情をひとつお話を願いたいと思います。
#18
○市田参考人 ただいま澁谷委員から御質問のございました日本銀行としてどういうふうな方針をとつておるかというお尋ねに対しましては、私から申し上げては正確を得ませんので、総務部その他の担当しておりまする者より申し上げたいと思います。ただ私どもが窓口としてあつせんの仕事をやつておりますので、日常から見ました状況をこの時間をお借りして申し上げてはいかがと思いますが、いかがでございましようか。
#19
○澁谷委員 けつこうです。
#20
○市田参考人 中小企業というのは、年中たいへん苦労をしておることはかわりないのでございまするが、今年は特にたいへんであろうと、私どもはかねがね思つておりました。というのは、第一は春以来暴落いたしました輸入物資を扱いまする関連産業、それはゴムでありますとか、皮でありますとか、油でございますとか、こういうものを扱われた中小企業がその暴落のあふりを食つてたいへんなことになりはしないかという心配を夏ごろからいたしておつたわけであります。これの経過を見まするに、厖大な原料買付の決済は、実際の経過から見ますると、輸入商社に対する支払い延期という形で、しわはむしろ貿易商に寄りまして、はなはだ苦労はされましたけれども、決済をしそこなつたために、破綻をしたというような中小企業は、比較的少かつたように思います。たとえば皮でございますると、この近所でありますと、三河島とか、向島とか、あるいは埼玉県の草加とかございまして、ここが大きくつまずいては困ると心配しておりましたが、現在までのところ商社との提携によりまして一番むずかしいところを切抜けて参りまして、現在ストツクも大分減りましたので、これらの業者は決して楽にはなつていないけれども、何とかやつて行けるということを聞いて参りました。ゴム等につきましても、かなり東京地区に中小の業者がおつてゴムの暴落が続きましたならばどうなるだろうかという心配もずいぶんあつたわけでございまするが、幸いにゴムの方はその後生ゴムの市況がやや持ち直しましたのと、製品の売れ行きが最近かなり順調になりました。従つて製品の在庫はずつと減つて参りましたので、金繰りの負担も思いのほか楽になつた。まだ前の盛況をとりもどすというところからははるかに遠いのではありまするが、協会等に屡次状況についての連絡を頼みましても、特に大きな問題は見当らない。但し決して楽にはなつていないという念を押されて報告を受けております。油脂加工の方はかなり童が多かつたので、かなり苦しい事態が長く続きましたが、大体中小の関係では、むしろ最近は原料を当座買いで手当して、すぐ製品を売るというようなかつこうで、大企業よりはむしろ中小の方が比較的楽にやつている。大企業は非常に高い原料を材料に使つておりますので、その資金繰りも容易でない。むしろ中小の企業に対して太刀打ちができないというような状況であります。以上が輸入品目でたいへん問題を起しましたものに関連する中小企業の状況でございます。
 その次にわれわれが心配いたしましたのは、電気が思うように送られないために、これに伴う金詰まりというような問題を心配させられましたが、幸い最近は電力の制限も比較的少くなつて来た。一番ひどかつたころにはまだ過去の売掛金が相当ございましたので、これの回収でまかなつて行く。最近の状況になりますと、制電の方が比較的少くなつたというわけで、これまた思つたほど深刻な事態に突入せずに経過いたすような状況であります。また大企業の関連産業、これは前から非常に苦しんでおりますが、景気の中だるみ以来特に苦しみはひどかろうと思われます。但し最近大企業の関連産業が協同組合をつくりまして、大企業の親工場の協力のもとに、商工中金等の援助を受けまして切抜けたという例がかなり出ておるようであります。この方式がさらに発達普及いたしますならば、中小企業者の受けるうるおいというものは、かなりなものになるのではないかと思われます。以上のようなぐあいで昨年の今ごろと比べますと、私どもの窓口へ相談にお見えになる方々の状況等から見ますと、大体同じような状況であります。と申しますと、先ほどから申し上げたことをお聞きになりまして、それでは状況がよくなつたと思つているのかという御質問があるかと思いますが、決して楽になつているとは申ませせん。なかなか水準以上に浮かび上れない中小企業の現状であります。それではどうすればいいかということでありますが、これは今年に限つたことではありませんが、しかし中小企業の考えなければならぬいろいろな対策をもう一歩度を強めて熱心に各方面から推進するということ以外にはないように思います。おそらく政府関係筋も従来いろいろ考えておられま
 しようが、特にこれから熱が下るとか、けろりとしてしまう妙薬はないのではないか。今まで考えていたことをまじめに熱を入れてやつで行きます以外にないと思います。私どもへ相談に参られます中小企業の方に申し上げる第一のことは、中小企業の方が何か競争にたえる特別の特徴もなく、単に商売を拡げて行こうとすれば、必ず間違う。特徴をはつきりつかみ、それを伸ばすようにすることを考え、それを中心に金融の話を持ち込まれるようにお勧めしております。それからいつも言われることでありますけれども、対人信用がなかなか思うように得られない。戦後のようにいろいろ状況が短期間に変化をいたしますと、現在やつている仕事の調子だけを見るのでなく、いろいろ状況がかわつても間違いなく切抜けて行かれるだけの誠実さを持つているか、手腕を持つているか、これはその組織ももちろんありますが、経営者のやり方に対する信用が一番基準になりますので、これについて銀行によく認識をさせ、これを常時怠らないでいただきたい。今すぐにきめつけると申しましても、なかなかそうは行かないので、あらかじめ用意をしてかかつていただきたい。ことに景気のいい時期もあつたのであります。また景気の波もありますので、今後もいい時期が来ます。そのときにどういうふうに仕事をやつて行つたらいいかというようなことも、金融機関として一番注目するところでありますから、ぜひこの点を御留意願いたい。
 以下こういうことを申し上げましても、もう何べんもわれわれから同じようなことをお耳に入れておりますので、新し味はないのでありましようけれども、経理をはつきりしていただき衣ということ。それからいろいろ景気の波がありました場合に、うまく転換をはかつて、情勢をよく見て、適時手を打つて行くというようなことを怠らずにやつていただきたい。これは年末、今すぐ間に合うというものではありませんけれども、それをやらない限り、なかなか急に根本策もなかろうと思います。いろいろ政府も苦心しておられますけれども、根本はそこの問題ではないかと思います。私ども、中小以外の一般の資金のあつせんについては、こういう状況でありますから、むしろ控え目にしておりますが、中小に関しましては、従来と同様御相談に乗つております。政府のその方面の方といたしましても、さらに熱を入れて努力していただきたいと考えております。
#21
○澁谷委員 融資斡旋部長からいろいろ長々と御説明を伺いましたが、要は銀行局長に私から申し上げたと同じように、観念的に、やはり根本的にもう一段下におりた考え方をしていただかなければならぬのじやないかと私は思うのであります。春以来輸入物資の引取り資金あるいは滞貨金融の問題でもつて、日銀の当局にも意見を申し述べてあつたのでございますけれども、その当時はやはりケイス・バイ・ケイスでもつて、いわゆる信用のペースに乗らないものはだめだ。言葉はたいへんきれいなのですけれども、大体が、ごまかすと言うと語弊があるかもしれませんが、要するに逃げ口上はそこにおちついてしまう。なるほどそれは、一品二千万とかあるいは一億とか何億とかいうような大きなものは、信用調査も比較的に費用をかけてもできるでしよう。いろいろなこともできるのですが、小さい企業になりますと、それが非常にめんどうになる。それでは費用がかかつて、つまり銀行業としては採算がとれ覆い。これはまあ銀行も一つの商売である以上はやむを得ませんが、そういうことのために、実際に実情を十分にお調べにならずに、ただ資本金が少いとかあるいは取引高が小さいとかいうことでもつて、一番先に拒絶されるというような場合が私は少くないのじやないかと思うのであります。私たちに言わせると、そういうことが非常ご大きく金融界に害毒を流しておる。率直に言えば、私は害毒だと思います。費用がいくらかかつても、大企業に対する調査のように、もつと真剣さとまじめさを持つて――中小の企業の資金の必要量は当然低いのであるから、従つてそれに匹敵するだけの信用さえあれば用は足りるわけなのです。ところが観念的には、中小企業の信用調査をする場合においてややともすると大企業の立場だけを考えて、中小企業が実際に融資を希望する金高とその内容とのバランスをほんとうに考えて、これがほんとうに金融ベースに乗るか乗らないかということの判断をはたして公正にやつておるかどうか。私たちの今日までの長い間の経験なりあるいは最近の情勢から判断しましても、まず大部分のものは頭から受付けられない。それではそのケイス・バイ・ケイスでもつてやるというのは、うわべばかりの言葉であつて、実際においては真剣にやつていないことになる。それは融資斡旋部長は非常に骨を折られたことも私はよく承知しています。けれども上の方の人、つまり日銀なら日銀の上の方の人は、比較的にそういう問題に対して真剣味を持つて考えていないのだとはつきり私は申し上げていいのではないかと思う。この根本問題を観念的に改めない限りは、いつまでたつても中小企業というものは、金融の逼迫なりあるいはいろいるなむずかしい問題が起つたときに、そのしわは必ず中小企業に寄つて来てしまつて、苦しい立場に追い込まれるところが私たちが実際に調べたところによりますと、私は、中小企業で相当に堅実な経営をしているものは、大企業よりはむしろその信用が厚いと思います。確かに大企業よりは信用の程度が厚いのだ、そう露骨に言つていいと思う。つまり自分の持つている資産、あるいは自分の持つている運轉資金、そういう面から考えまして、そうして実際において現在借入金を利用しておるところの状況等を判断すれば――私は先ほど銀行局長にお願いしておりますのがやがてこの委員会で発表されると思いますが、そうなつて来たらば、確かに私の今日申し上げておることは事実具体的に数字でもつて現われて来るのではないかと思います。それらの問題をもう少しまじめに検討してもらわないと、これはいつまでたつても金融梗塞のしわというものが中小企業に寄つて来てしまつて、そうしてそれが中小企業の破綻を起すようなことがありますと、関連して、これからだんだん上の方にそれが波及する、一つの商社が不渡りをすると、すぐにそれはその次の関連した業者に不渡りが及ぶということで、やがては大企業に行く、こういうことになつて来るのでありまして――それは中には先ほどのお話のように、春以来の引取り資金の問題についても、貿易業者にしわ寄せになつたということは一応は言えます。けれども貿易業者でも、やはり手形その他によつて相当な融資をしておるのです。ですからしわが寄つたと言いますけれども、そう簡單に全部にしわが寄つているということはない。中小企業は独自の力によつて相当のこれの解決策を講じていることは事実です。その点から申しますと、むしろ中小企業の方が私は底力があると思う。ということは、終戦後今日までの中小企業のやつて来た歩みを見てみますと、何らの援助を受けることなしに、ことに中小企業は戦争中に一応全部大企業に合併されるとか、あるいは商業者は営業を全部停止するとか、そこへ持つて来てインフレーシヨンが起つたから、実際においては資本はゼロになつてしまつた。それが独力でもつてある程度自立して今日までやつて来ている。それらの底力というものは、私は必ずしも大企業の現在の状態と対比して底力がないとは言えないと思う。これをある程度まで維持育成して完全なものに発達させることが、中小企業に対する国の政策としては最も大きな問題ではないかと思う。従つて私がいつも声を大きくして叫ぶことは、中小企業の対策に対して国全体がもう少し考え方をかえてもらいたいと思う。もつと率直に言えば、国全体がもう少し親切であつてほしいということです。さもなければこれは単なる中小企業の問題でなく、社会問題としても相当に大きな問題が起る、こういうことをわれわれは考えておるわけです。これ以上この短い時間でもつてお話をいたしましても役に立たないのですから、中小企業の振興の対策については、いずれもつと長い時間のありますときに、ゆつくりひとつお互いに検討してみたいと思います。従いまして融資斡旋部長に対する質問はこれでもつて終ります。
 商工中金の理事がお見えになつておりますから、最後にお尋ねするのですが、この前商工中金は年末金融の問題について相当莫大な資金がいるということの予想をされておつた。もうすでに年末も近づいておりますので、今日までどの程度まで折衝を進められておりまして、そうしていよいよどたんばになつてどの程度までの融資を受けて中小金融に対する対策が講ぜられるという見通しがついたかということを、ひとつ率直にお話を願いたいのです。大蔵省に対してぐあいが悪いとか、あるいは日銀に対してぐあいが悪いとかいうようなことでなく、われわれの前では、どこと折衝したけれども、どこががんこでもつてどうも言うことを聞かぬということを言つてもらわないといかぬ。われわれはそういうふうなことでなく、公正な立場でもつてそれを批判して行かなければならぬと思うのです。たとえてみますれば、見返り資金の問題についても、あるいは資金運用部の資金の問題についても、われわれはある程度までは特殊の方面に放出してさしつかえないものだと思うのです。そういう問題はただいたずらにドツジ・ラインだからどうのこうのといつまでもこんなことでこだわつている必要はないと思う。従つて率直に、こまかい数字がありますれば、こまかい数字でもつて御発表願いたいと思います。
#22
○中村委員長代理 この際お諮りいたしますが、商工組合中央金庫理事門司正信君を参考人として答弁願うことに決定するに御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#23
○中村委員長代理 それではそのように決定いたしました。
#24
○門司参考人 ただいま澁谷さんの御質問に対しまして、一応御参考までに十一月末におきまする資金運用の両面の数字、それから十二月末におきまして予想せられまする数字を申し述べましてまたその資金繰りについて現在当面しております事情を御紹介させていただきたいと存じます。十一月末残高におきまする資金面は、出資金が十四億九千万円、商工債券が八十四億二千九百万円、預り金が六十七億九千万円、借入金二十六億六千六百万円、貸出し受入金その他が十一億四千万円、計二百五億一千五百万円。これに対しまする運用面は貸出しが百八十五億四千九百万円、有価証券二億四千二百万円、コール・ローン九億二千五百万円、預け金五億一百万円、現金二億一千一百万円、その他八千七百万円、計二百五億一千五百万円でございます。ところで十二月中におきまする貸出しの増加の予想はどういうことになるかといいますと、各全国の店鋪からの数字によりまして、回収金額を差引きました純増は全体で三十五億という数字が出ておるのでございます。業種別に申しますと、食品関係の八億、繊維工業の五億四千万というのが大きいものでございますが、それと金属、機械、器具、その他のもので今申し上げたような数字になります。この三十五億の増は一見過大のようにお考えになるかもしれませんけれども、昨年の十二月におきまする貸出しの純増が二十四億余り出ました実績がございます。その後取引組合の数も相当ふえております実情を考えますと、本年の十二月三十五億の増加ということも必ずしも大ではないというふうにわれわれは考えられるのでございます。この三十五億の増加を見込みますと、本年末における貸出しの総額は二百二十億四千九百万円ということになります。
 ついででございますから、年末の運用面の数字を引続いて申しますると、有価証券二億七千二百万円、コール・ローン二億七千五百万円、預け金二億百万円、現金二億千百万円、その他八千七百万で、二百三十億九千五百万の資金がいることになるわけでございます。ところがこれに対しまする資金源といたしましては、出資金の十四億九千万、これはすえ置きでございますが、債券の関係におきましては十二月に長期債と割引債合せまして六億円発行いたしますけれども、これは割引債の関係で旧債の償還に二億円とられますので、差引純増は四億円ということになります。それから預かり金の関係におきましては、貸出しの増加に伴いまして若干の歩どまり預金はふえますけれども、年末のことでもございますし、この率は相当低目に考えた方が手がたいであろうということで、一般の組合関係の預金の増加は一億七千五百万見込んでございます。それからもう一つの預金の大きな部分をなしておりまする公共団体の預金につきましては、これは各府県の財政の御事情等もございまして、今まで判明しておりますところでは、むしろ引揚げの方が三千万円多くなるというようなことで、預金の増は一億四千五百万見てございます。それから日本銀行、農中その他からの借入金の増加を七億二千三百万円見込んでございます。貸出し受入れは九億四千万円、そういたしますとこの資金量の総体が二百十五億八千三百万ということになりまして、先ほど申し上げました二百三十億九千五百万という十二月末における運用総額に比較いたしますと、差引十五億千二百万の資金不足を生ずるという数字に相なるのでございます。この十五億の資金不足に対しましてどういうふうに補填策を講じておるかということでございますが、私どもの機関の特殊の性格といたしまして、一般預金の増強ということは努力をいたしましてもなかなか容易ならぬことでございます。やはり特殊の資金源に依存しなければならない。それについては地方公共団体の預金の増加につきましても、いろいろ御事情はございましようけれども、やはり現下の中小企業問題の重要性にかんがみて、できるだけ御増額を願いたいという運動を、各店鋪をあげまして相当積極的にいたしておりますが、日本銀行当局に対しましても一般借入れ担保手形を整理し、また再割関係の適格手形を極力取得いたしまして、それによつてごめんどうを見ていただくということを考えておるようなわけであります。なおコール・マネーその他金融機関等がらの借入れあるいは農林中金からのこれ以上の余裕金の借入れということも努力はいたすわけでございますけれども、現在の金融情勢下におきましてはどの程度可能であるか、この点ははなはだ疑問になつて参るわけでございます。どうしてもこの十五億という資金不足を補いますためには、この際政府資金のかなり大幅な導入あるいはまた債券の発行につきまして、特に従来商工債券関係では長期債のみについて六割だけ資金運用部資金のごやつかいになつておるわけでありますが、この際割引債券につきましても何とかごめんどうを見ていただくようにお願い申し上げたい。また債券の引受けの率を、四対六のその割合を引上げ願えたならばというような、切なる希望も持つておるような次第でございます。
 なお日銀の別わくの拡大につきましてもそれぞれ従来ともお願い申し上げておるような次第でございますけれども、この点はまだ何とも御報告申し上げるような結果を見ておらないようなわけであります。だんだん歳末も近づいておりますし、この際の応急の措置としてはどうしてもこの債券発行についての割引債でも引受けてくださるような御措置をお願い申し上げたいと私どもは考えておるような次第でございます。
#25
○澁谷委員 商工中金の資金の目当についてのお話は大体わかりましたが、これで年末に御入り用の資金というものは、貸出しあるいは手形割引に対する予定の調査が済んでおる、こうわれわれは承知するのですが、それでよろしゆうございますか。
#26
○門司参考人 さようであります。
#27
○澁谷委員 今までこれは相当努力されておると思うのでありますが、そうしますと十五億はどうしても足りない、昨年においてさえも二十四億円でありますが、われわれがいわゆる小企業等協同組合を設立することを非常にやかましく慫慂して今日に至つておるのでありまして、従つて資金の必要は当然だと思うのであります。ことに先ほどからもるる申し上げておるように、やはり中小企業の金融のしわ寄せというものは比較的に中小企業に来ておりますために、当然ある程度までの方法を講じなければならぬと思うのでありますが、もうあと余すところ今年も半月でございまして、われわれ商取引をしておる者といたしましては、これは自分が実際に仕事をしておりました経験上、月中に来てから年末の金融の目安がつかないと、越年は実際困難である。どの程度の金が集つてどの程度の支払いができるかということが大体十五旧までにきまつておらなかつたならば、おそらく非常な困難が起つて来るはずです。そうなつて来ると、いわゆるすてばち的に手形でも濫発するよりほかに方法がないということになるのが、実際事業を経営しておる人間のやり方なんです。最後までは努力するだろうと思うのですけれども、大体において安全な策をとるとすれば少くとも半月前には目安がつかなければならない。そうなつて参りますれば、私たちの言わんとするところは、商工中金がかりに資金の運用をするとすれば、大体ここで一週間以内くらいにイエス・ノーをきめてやらないと、実際において運営ができないと思います。調査が済んで、あるいは手形割引の目標が立つているとすれば、そのくらいのときに各方面に対する融資の状態を返答しておかなければならないのであります。そうでなければ、どたんばになつてから不渡手形を起さなければならないということになるのではないかとわれわれは心配するのであります。つきましては、私は大蔵当局に質問は打切つたのでありますけれども、ただいま商工中金からの御希望がありましたので、この点に対しましてどの程度までお考えになつておられるか、その点幾らか目安がついておつたならばこの際われわれにお示しになつていただきましたら非常にいいと思います。御答弁をお願いいたします。
#28
○河野(通)政府委員 御質問の点は資金運用部資金の方の問題ではないかと思うのであります。かねがね強い御要望を承つておりまする、資金運用部からの商工債券の引受けの問題につきましては、非常に申し上げにくいのでありますが、年内にこの方からある程度の資金を出すということについてはまだ決定を見ておりません。ただ災害関係で一部商工債券の引受けという形で災害地の方にまある特殊の資金需要を満たすために、何がしかの商工債券の引受け、これは臨時に引受けなければならないものが若干起ると思います。目下この点については関係方面と打合をいたしているところでありまして、まだ最終的な決定は見ておりません。それ以外には重ねてはなはだ申しにくいことでありますけれども、まだ商工債券で引受るという形で、年内に特別の資金を放出することの結論を得てない次第でございます。
#29
○澁谷委員 おそらく災害復旧の問題でもつて出す金額はあまり大きな金額ではないと思いますが、大体この前伺つてから二、三億でしたか、そこまで行くかどうかわからないという程度ではないかと思うのであります。そういうような金額でしたらば、これはなかなかでき得ないと思うのですが、銀行当局といたしましてはこの際ある程度まで――私は何でもむちやくちやに金を出せというのでは決してありません。やはりこの際は相当の資金を何とか考えていただかないと、実際問題としては、中小企業が不渡手形を出すということは、おそらく年末から来年の一月、二月にかけてから相当に多いと思います。その期間をよほどに警戒していただかないと、財界に大きな影響を及ぼすのではないかと憂慮しているわけであります。見方によつては、放漫な経営をしている者はこの際整理されてもやむを得ないのではないかということも言い得ると思います。しかしそれがために堅実な経営を持続している者に累を及ぼすということになつて来ますと、いわゆるいい悪いをまつたく混同してしまつて、悪い言葉で言えば、どれもくそもみそも一緒だということになつてしまつたのでは、私はそれが全般の財界に及ぼす影響というものが相当に大きくなつて来はしないかと心配いたしますので、特に中小企業に対する金融問題は、おそいとは申しますがまだ日数もありますし、十分な御考慮を払われまして、大蔵当局から、面接お出しにならなくても、あるいは日銀との連絡によりましても、日銀の融資のあつせんとかいろいろな問題ついて特に御考慮を願つて、この年末金融がどうやら無事に越すことのできますように格段の御配慮をお願いしたいと思います。これをもつて私の質問を終ります。
#30
○中村委員長代理 次は阿左美廣治君。
#31
○阿左美委員 ただいま同僚議員からいろいろな御意見、御質問がございましたが、私もやはり同一の意見を持つものであります。またその質問も同じようなことを繰返すかも存じませんが、ただ私どもの見ております見方と政府当局の見方には、多少の見方に相違があるのではないか、こういうふうに考えてわります。まず一般の財界は非常に深刻であるというふうに私どもは申し上げたいのです。非常に内容も悪いし、また経営も拙劣である、こういう倒産者はある程度やむを得ないのだというようなことを言つておりましたが、最近の倒産者は非常に信用も厚いし、また内容も比較的充実しておつて、経営も堅実であつたというような商社が現在倒産をしております。現在一千万以上数億円に及ぶ赤字倒産者か二十数件出ております。また一千万以下の赤字倒産者が四百数件というような莫大な倒産者を現在出しております。これらの点をどう見ておるか。現在一般の財界で言つておりますことから申しますと、来年の二、三月ごろには、もう少し信用の厚い、相当内容のよい店までも、現在の金融政策から見ると倒産やむを得ないのではないか、こういうような非常な不安人気が現在漂つておるのでありまして、ほとんど今までのような状態においての取引が現在行われておらないのです。いずれの商社に対しましても、またメーカーに対してましても、信用が全然置けないというような状態であります。そうして現金以外にはもう取引はお断りである。つまり買う人も売る人も、すべて現金である。こういうようなことになりましては、現在わが国の経済から申しまして、自己資金があるはずはないと思います。結局お互いの信用のつながりにおいてすべての事業を経営しておるのであります。全然信用ということを認めるわけに行かぬというような状態であつては、これは生産も、また扱いもでき得ないことは常然ではないか、こういうふうに考えます。現在中小企業の立場から申しますれば、大商社の資金はだれがまかなつておるかと申しますと、中小企業が負担しておるのであります。つまり中小企業の生産者は、商社に対しまして手形取引を行つておるのであります。これは申すまでもなく御承知のこととは存じますが、たとえば繊維業者を一つの例に申し上げますならば、商社に対しまして六十日、七十日、長いのは百日というような手形取引をもつて製品を販売しておる現状でございます。その手形が、現存割引が不可能である。のみならず倒産者から見て、その負担は、全然力のないところの中小業者が大商社の負担を負わなければならぬというような現在の状態であります。これでどこに中小業者の立つ瀬があるか。自己の正しき資本に対しましても、なかなか融資を受けることができない。また中小企業は貸出しベースに乗つておらぬ、どうも貸出しはできないというようなことで、血の出るような金をもつて業者は生産に当つております。その品物の代金が、倒産者によりまして自己の負担になるというような現状であるのであります。まずもつてこういうような倒産者に対する対策、政府当局は何らかの施策をもつて今後これを防止するというような対策があるかどうか。このままに対策なしとするならば、どこまでこれが進展して行くかわからぬ。最後はわが国の経済を破綻させるような状態に行くのではないか。ひとりこれは商社とか、メーカーとかのみならず、金融業者にもやはり及ぼすことになるのではないか、こういうふうに私どもは考えておりますが、先ほどのいろいろの御答弁をお聞きいたしますと、きわめて楽観的である。またそういうような妙薬はないのだ、なければやむを得ないのだということになると思います。が、私どもの考えでは、あるとか、ないとかいうことを今日言うておられる時代ではないのであります。これはどうしても対策を講ずべきではないかというふうに考えております。現在、メーカーは品物の発送毒中止しております。しかしこの年末に際しまして、品物をかかえまして売ることもできませんし、送ることもできない。銀行にそれを担保に持ち込みましても、銀行にはある一定の線があります。やはりその担保を持ち込みましても金の融通はでき得ないというような現在の状態で、これはもう四苦八苦の状態、実際この年末を越せるか越せないかというようなときにおきまして、対策はないのだ、やむを得ないのだというようなことで済みますか。もしこれを現状のまま放任しておくならば、実際将来悔いても余りあるような経済の破綻を見ることになるのではないか、こういうふうに私は考えておりますが、今後の倒産者に対しましても、これは何らの対策もない、やむを得ないのだ、一応の整理はするのだというようなお考えでありますか、またはこれに対して何らかの対策をお持ちでありますか、一応政府当局にお伺いをいたしたいのであります。
#32
○河野(通)政府委員 商社の破綻あるいは整理の問題につきましてはお示しのよういろいろ新聞等で出てますますような事態が起つております。これに対して、政府なり、あるいは金融当局として、放任しておるということは全然ございません。ただ問題が、きわめてデリケートな問題でもございますので、個々の業者に対してその状態がどういうふうになつておつて、それに対してどういう手を打つたということは、なかなか機微にわたる問題でありますので、ここで申し上げにくいのであります。勢い抽象論になるかと思いますが、その点は御了承いただきたいと思います。
 現在まででも日本銀行を中心として、各金融機関の間で、個々に整理を要する会社、あるいはほつておけば整理にかからなければならぬ会社等につきまして、きわめて慎重に対策を講じて来てもらつております。ほつておいたら。当然相当大きな影響を及ぼすようなものも一、二あつたと思いますけれども、これらにつきましても、現在までのところでは、円滑なる処置をとられており、今後におきましても、経済界に非常に悪い影響を及ぼすような事態に立ち至らないように、金融関係者といたしましては、極力具体的に処理して参りたいと考えております。ただ、この点につきましては、あくまでもその会社、業者自体の業績なり、経営振りなりを見、あるいは今後の見通しなりというものが、全然立ちません場合、しかもそれの経済界に対する影響の度合い等もにらみ合せながら――単なる救済的な金融ということは、金融機関自体としてなかなか困難である。この辺については、おのずからある種の選別ということは当然行わなければならない。どれもこれも無制限に救済的措置を金融面から講ずることはなかなか困難だと思います。それ以上に、金融の関係の問題を越えて、さらに社会問題としてなり、あるいは産業政策としてなり、何か措置をとるべきではないかという御意見かとも受取れるのであります。この点につきましては、私所管をいたしておりませんので、所管の向きの方からお聞きとり願いたいと思います。
 なお、これに関連いたしまして、ただいまも御指摘のありましたように、商社の整理等の問題が起りまして以来、荷動きが非常に不円滑になつて来たという問題は、御指摘の通りであります。それが結局商社自体の取引にも、またメーカーの生産自体にも非常に影響を及ぼしておるということも、申すまでもないことであります。できるだけこの面に対する金融が円滑に動いて、荷動きが回復して参りますように努めて参りたい。金融上の措置といたしましては、必要に応じて銀行保証の制度を活用する。これは個々の銀行についても相当程度具体的に措置をしておるものがございます。従来やつておりませんような銀行支払い保証による裏づけによつて荷動きを促進するとか、あるいは、これは今日本銀行が中心になつてやつておりますが、倉荷証券担保の金融の措置をさらに積極化する。こういうふうな方向で、できるだけ荷動きを金融の面から円滑にして行くように努めて参りたいと考えております。ただ遺憾ながら、今お示しのように、相当信用状態が停滞しておる向きもございまして、現金でなければなかなか動かないというような面も出て参つております。これらの点は、先ほど冒頭に申し上げましたような、企業全体に対する今後の金融上の措置と相まちまして、経済が一応の安定を見まするならば、逐次おちついて参るものと、私どもは期待いたしております。決して野放図な楽観をいたしておるのじやございません。また放任をいたしておるわけでもございません。極力いろいろな手は具体的にとりながら、今後の事態に処して遺憾のないようにして行きたい。重ねて申し上げますけれども、ただ事柄が非常に機微に属しますから、具体的な点までこれをお話申し上げることは差控えさしていただきたいと思います。
#33
○阿左美委員 私は、ドツジさんの御意見もありますように、インフレを押えるために、つまり金融政策から非常に金融を引締めたというようなことに原因するのではないか、こういうふうに考えますが、今後金融政策に対して、多少緩和するようなお気持はないのでございましようか、一応お伺いいたしたい。
#34
○河野(通)政府委員 この辺も実はなかなか答弁がむずかしいのでありまして、どうも政治答弁みたいになつて恐縮でございますけれども、締め過ぎていかず、ゆるめ過ぎていかず、そこはそのときの実情に応じて考えて行く、こう申さざるを得ないのであります。
#35
○阿左美委員 私は、現在の金融政策を転換しない以上は、よかれあしかれ、現在の状態が継続するものと考えますので、何といたしましても、現在の実情は、もはや理論やりくつでない状態ではないか、このまま捨ておけば、今後いかなる対策を施しても、防ぐことのでき得ないような状態に引入れられるのではないかということを、非常に憂慮しておるのであります。第一、輸出産業が――国をあけて今後輸出の振興をはからねば場ならぬときに、輸出が信州の上からできない現状である。繊維業を例にとりますと、北陸の福井、石川あたりの一輸出産業は、ほとんど現在は出荷を中止しております。そうして、あとの注文がありましても、取引の関係から、それを引受けることができないような状態になつておる。つまり国内の関係ばかりでなく、輸出を振興せしめる上においても、現在の金融状態においては困難である。その機関をつくらない以上、生産をしても、また商社に注文が参りましても、これを引受けて取引することができないという状態である。そういうことは機微に触れるとか、できるとか、できないとかいうときではないのではないか、ただちに何らかの対策を施すべきでないか、こういうふうに考えております。ただ、現在は実情よりも非常な不安人気が世の中にただよつておりますから、この不安人気を、一日も早く安定せしむるということは、一つの政策ではないか、こういうふうに考えますので、政府が何ら緩和する意思はない、何らこれに対する具体的な対策はないというようなことを堅持するならば、この不安人気は、ますます増大して行くのではないかと考えます。年を越しましても、この人気は取返しがつかない。もうすでに商売をよすか、売る場所がない、安心して取引することができない。結局現金以外には、ほとんど物々交換である。今までは手形というもので取引をしておりましたが、ほとんど手形というものがどこへもきかない。銀行に対して保証手形を出せといいましても、銀行は絶対に保証をしません。そういうような関係で手形をとめました以上には、こんな危險なものはない。振り出した手形を落すこともできない、ということは、あとの商売ができまして、それを身がわりにして先の手形を落すということでありますので、取引ができない以上は、いかなる商社といえどもとうていこれは運営できるはずはないと思います。わが国で最も大きい商社といいましても、自己資金は三億か五億にすぎないのでありまして、そういう商社がその十倍、二十倍の五十億、六十億という手形を振り出しまして、それが順調に決済がついて行きますれば、これは何のこともなく、内容も確かに堅実であるのです。ところがこういうような不安人気になつて参りますと、今後はむしろ大きい商社の方に危険があるのではないか。相当の金額になりますと、運営がむずかしくなつて参りますので、今後大きな商社が倒れる運命に現在なつておるのではないか。そういうことになりましたならば、その影響は世の中全般に、あらゆる産業、あらゆる業者に関係があるのでありまして、最後は国の金融機関にまで影響のあることですから、今にして何らかの対策がないとするならば、これは実に危険な状態にある、こういうふうに考えます。御答弁をお聞きいたしましても何となく心細いのでありますが、どうかこれに対して何らかの対策を即時御研究願いたいと思うのであります。実は大蔵大臣が御出席でありますれば、これは国の政策といたしましても、何らかこれに対する具体的な対策を一日も早く立てる必要があるのではないかと考えますので、御質問してみたいのでありますが、どうも見方が少し楽観的ではないか。内容の悪い商社が今倒れることは、もうやむを得ないことである、こういう見方ではないかと思うのでありますが、私どもの考えから行きますと、内容の悪い店とか、よい店とかいうことを問わず、現在の状態が続く以上は全部倒れざるを得ない運命になるのではないか、これを深く心配しておるわけであります。私の質問もはなはだ抽象的になりますが、これは政府といたしましても当然一日も早く対策を立てるべき事柄ではないか。捨ておけば捨ておくほど問題は大きくなる、こういうふうに考えますので、どうかひとつこの点に対してなお一応銀行局長さんの信念を持つ御答弁を承りたい。
#36
○河野(通)政府委員 私先ほど申し上げましたように、全然対策を何もやつていないというわけではございません。逆にいろいろな方途をもつてこれに措置をいたしております。少くとも金融の面でやれる範囲のことは従来から極力やつて来たつもりでありますし、今後におきましてもこの措置については、先ほど申し上げましたようなラインに沿つてこの問題の処置をして参りたい、かように考えます。その金融の問題のらちを越えました問題につきましては、あるいは財政上の救済の問題であるとか、あるいは社会政策上の問題であるとかいう点につきましては、所管をいたしておりません関係でどうも私心からお答え申し上げかねますが、金融に関する限りにおきましては、金融の本質に従つて極力対策も講じて行きたい、かように考えておる次第であります。
#37
○阿左美委員 この大きな対策に対しては、即時ひとつ御研究を願つておくことといたしまして、これは目先の問題でございますが、先ほども門司理事さんから現在の中金の年末金融に対する状況をいろいろお示しになつたようですが、十五億幾らとかいうものは現在不足しておるのだ、こういうことに対しましても何らかひとつ処置をとつていただきたい。現在中金あたりの状態をみますと、係は断るのが仕事である。金を貸すのが仕事ではない。いかにして申込みを断るかというような事務に没頭しておる状態でありまして、そういうことになりますれば中金そのものもはなはだ御迷惑だと思いますので、十五億というような数字でありますればそう大したことではないと思いますから、これらでも今目先何とか方法がありますれば、この年末の金融に対して中小企業が浮ばれるところがあるのではないかと考えます。これもできないといえばできないということになりますが、しかし実情をよく御研究いただきますれば、どういうことでもできないことはないと思いますので、どうか中金の年末金融に対して、この程度のことは何らかの方法をもちまして、どの資金部からでも御融通をいただきまして、何とか御援助をしていただくよう強く要望いたしまして、私の質問を終ります。
#38
○中村委員長代理 次に自家発電に関する件について発言の通告がありますので、これを許します。小川平二君。
#39
○小川(平)委員 当面の電力不足に対処しまして、自家用発電の活用が喫緊の問題であることは私が申すまでもないことであると思うのであります。それにもかかわらず現在なお少からざる遊休の施設がある。あるいはまた現に自家発電をやつておるところにおいては、いずれも非常なコストの増高に苦しんでおるという実情でありますのは、まことに遺憾なことだと思うのであります。もちろんこのことはあらゆる産業部門に共通の問題であると思うのですが、たとえば肥料工業におきましても、自家発電に依存しておるメーカーがたくさんある。中には六、七割まで火力発電に依存しておるというところもあるのでありまして、これらの実情がどうであるかといえば、操業度の上昇というような点を考慮に入れましても、一言で言えば動かせば動かすだけ損が出る、こういうような状況であるといつて訴えて来ておるのであります。あるいはまたこの割当の方法自体にもあらためて検討を要するのではないかと思われる点もあるようでありますし、また節電のために割当量の供給を受け得ない、かような場合には、本来電気会社は割当量を当然供給する義務を持つておるものと考えるべきでありますから、割当量一ぱいに供給できない場合に、もし電力会社自身が火力発電の設備を持つておるならば、コストがかさもうともこれを動かして供給すべき義務がある、こういうことになると思うのであります。しからば不足分に対してこれを動かすことによつて生ずるコストの増加に対しては電気会社の方で当然めんどうを見るべきではないか、こういうりくつになると思うのでありますが、現状ではこのことも行われておらないようであります。これらの問題につきまして、通産省あたりではどうお考えになつておるか、この際承りたいと思うのでありますが、とにもかくにも今自家発電をフルに動員するということが、何をおいてもやらなければならない喫緊の情勢になつておるのでありまして、言うまでもなく現存の機構のもとにおいては、何かいいことがなければ、少くとも経済的にペイするということでなければ自家発を動かすことはとうてい困難なことだと思うのであります。これを優遇するような措置を講ずると、自家発を持つているものだけが恩典に浴する、特別の恩恵を得るということになつて、一般の需用家に対して公平を失するというようなお考えもあるいはあるかと思うのでありますが、たまたま有利な生産條件を持つておるものがそれに相応するリターンを得るということはあたりまえなことである。さようなところまでお役所が心配をなさる必要はないのじやないか。またこれによつて生ずるところの負担を一般の需用家に転嫁するといたしましても、一つ一つの需用家にならしてみれば、これは言うに足らざる額になつてしまうのではないか、こうも考えられるのであります。とにもかくにも自家発を動かすことによつて少くとも損はしない、非常にいいことがないまでも、経済的に引合うという形を整えてやることによつて、この際遊んでおる設備をフルに動員をするという措置をとられること、至急にそういつた対策を樹立されることがどうしても必要なのじやないかと考える次第であります。聞くところによりますと、経済安定本部においてはこの問題について一応の結論を得られておるように承りますので、その点を御説明願い、それに対して公益事業委員会あるいは通産省の御意見等も承りたいと思うのであります。ついでに今後動員可能の火力自家発の設備がどのくらいのものになつておりますか、資料がございますればこの際に承つておきたいと思います。
#40
○岩武説明員 自家発電の問題は実はいろいろな関係で非常にむずかしい問題が多いのでございまして、今お話がありました割当との関係あるいは自家発の動員との関係等が当面問題になつておるのであります。根本としまして、自家発はいろいろな業態の特殊性に応じて、あるいは石炭等におきましては粗悪炭をたくとか、化学工業におきましては自分の工場で操業上使う蒸気を、その前において圧力を上げて発電して使うとか、あるいはセメント、製鉄等ではキルンや高炉の余熱を利用するということで、これも操業上密接な関係があるわけであります、いずれにしましても、自家発のうちで火力の方は比較的工場の操業と密接な関係があるのでございます。従いまして自家発の稼働は大体は工場の操業と関係してこれが稼働して参つておるというような状況になつております。ただ戦後石炭価格の高騰等に伴い相当原価が高くなつておりまして、結局受電しますよりも自家発をたく方が相当高くつく。場合によつては、現在のような超過料金制度のもとにおきますと、超過料金よりもさらにコストが高いというようなものがあるようでございます。これは設備が電力本来の目的ではなくて、むしろ工場の操業上ある程度の制約を持つているという点もございますし、また容量が小さいとか、形式が旧式であるとかというようなことで非能率な所もあると思います。お話がございましたように今後幾ら稼働する電力があるかという問題でございますが、大きく見て大体この下半期に約二億キロワツト・アワー程度はさらに出るのじやないかと考えております。石炭に換算しまして約二十万トン程度でございます。片方電気事業におきましては、日発時代もそうでありましたが、ことに再編成後になりますと電気業者は自分の設備を動かしてこれでそろばんをとつて参る。需用に応じてどうしてもキロワツト・アワーが足りない場合には、他人の発電所に臨時に発電を委託して自分の供給力をふやすという形で、若干は事業者以外の発電所も利用しておりますが、実態はやはり自分の施設だけでそろばんをとるということになつて参るのでございます。と同時に火力の問題につきましては、これはたけばたくほどコストが高くなつて赤字になる。これはひとり自家発に限りませんで、電気業者も同様であります。ただ電気業者のはある程度年間の供給計画を見込みまして相当数量の火力発電分を水力とプールしまして、あらかじめコストがきまり料金が定まつて参るということが違うのでございますが、それ以上のものになりますと、自分の火力をたきましても、あるいはよその自家発から買いましても、やはりそれだけ料金の高騰を来して参るのでありまして、結局のところ電気業者の発電所以外の火力発電所をうまく利用する一番経済的な方法は、そういうものをプールして全体の料金原価の中に見込んで相当量の石炭をたくということか国全体としては一番経済的だろうと考えております。そういう見地で、戦時中でございましたか戦後でございましたか、一時日発時代に自家発を特殊会社たる目発の一部と考えまして、これから買いとるという形で、それに国がある程度補給金を出して奨励した時代もあつたようであります。現在はそういうことが許されませんので、結局はあらかじめ事業者以外の発電所から買いとる電気料を見込んで、これを料金の中に繰込んで参るということにいたしますれば一番経済的に参るわけでありますが、この前の料金の改訂のときにはある程度のことしかできておりませんので、お話のような広く自家発を動員して参るということは現在の料金体制からは相当無理があります。実は安定本部としましても特殊な地点においてはそういう必要も必ず冬場では出て来るだろうということで、聴聞会等におきましてもその旨を主張しましたが、当時はむしろ需用家側から一円でも安い方がいいという理由が多くて、われわれが考えたような自家発を積極的に動員して料金の面へこれを繰込んで行くという主張は貫けておりません。従つて根本的には自家発の問題を解決するには非常に不適当な時であります。そう言つてもこの秋みたいな異常渇水になりますと、自家発の比較的稼働しやすいものを遊ばせておくのは経済的に申しましてももつたいない話でありますので、何とかして少し動かそう、それには国としても何とか考えてみようということで、いろいろ考えて参りましたが、結局は電気需用者の料金の中にプールして参るという形をとりませんと、国が自家発の所有者に対してすぐ補給金をつけるということは予算上なかなか参りませんので、現在のところでは九つの電力会社の供給力の中にプールして参るという形しかとれない状況でございます。それで実はわれわれとしましてはどの程度を見るかという問題が一番問題になります。結局は全然稼働しておらない火力発電所を炭をつけまして新たに動かして参る。これを事業者の送電施設を利用しまして一般供給の中に持ち込んで行く。これが俗にいう委託発電でありますが、これはこの秋あたり相当広く行われておりまして、電気事業者におきましては、かなり今まで予定しなかつた発電所を動かしているので悟りまして、これは自分の発電所と同様に使つて参つているわけであります。
 その次に問題になりますのは先ほどちよつと御質問の中に出ましたが、ある程度は工場の操業上必要だから従来ともたいているが、制限その他の関係から十分に参らないからさらに一層発電量をふやして参る。そのときにふやすについての何がしかの利益は見るであろうというお話でありますが、これは一番問題となるところであります。その点につきましては、これは本来から申しますと、電気事業者と何ら送電関係はないわけであります。従つてこれを委託発電として扱いますと電気事業者の買取りという形を擬装することになりまして、結局これは料金計算の問題だけの話になりますが、擬装でもよいからとにかくたきやすくしようではないかということで、供給力をある程度たいてふやして、そうして受電を節約できる、その限度に応じてこの差額を、電気事業者が買い取つて売り渡したという擬装の送受電を行いまして、これを電気料金の中に持ち込もうという構想しか実はないわけであります。そこでその構想である程度自家発電所有者が増強しました分を見て参ろう、つまり標準料金と超過料金ないしは自家発原価との差額を補償して参ろうということになるわけであります。むしろこれは超過料金と標準料金との差額の補償になるわけであります。そこでそういうような大体の構想をもちまして十月の十一日でございましたか、閣僚懇談会等に非常に漠然とした考えではございますが、安本から一案を出しまして関係閣僚並びに松本委員長の了承を得たわけであります。そこでその細部の問題になりますが、結局そういうふうな増加分によつて受電を減らした点をどの程度考慮に入れるかということが実は問題になりまして、ただ一応割当ということが標準に考えられまして電力量の割当は、先ほどお話がありましたが、割当までが供給の義務があるのではありませんで、割当以上に料金を払えば供給の義務があるわけでありますが、ただ目安といたしまして一応割当量を使わぬで済んだ分を委託発電として見よう。なお制限がありますときには、実は制限以上は使つてはならないということが需用者に対する義務になりますし、また電気事業者に対しましても制限量以上は供給する義務もないし、またしたら電気事業者自身も違反になりますので、従つて制限量以下に受電を押えたこの差額を見ようじやないかという結論になつております。こういう案で一応公益事業委員会並びに通産省の方に交渉しておりますが、実はなかなか結論を得ておりません。結局擬装の送受電を仮定しまして、その差額を料金にしわ寄せて電力会社の経費で見るということになりますと、若干理論構成上に無理がありますが、その辺でひとつ産業界の方の自家発稼働の努力、電気事業者の経費の負担と調和しまして、何とか自家発を少しでも多く動かす方向に持つて行きたいと考えております。
 それから今まで動いてない発電所のまるがかえ委託発電所の問題がありますが、これはそう問題はありませんで、ただ今まで遊んでおりますといろいろ動かすに際して修理その他である程度の経費がかかるようでございます。こういうような経費をどういうふうにして持つかという問題が残るのと、もう一つは炭つけの問題、つまり所要の石炭を確保するという問題が、これを電気事業者がやるかどうかというような問題がありますが、その辺の比較的細部の問題で大体まるがかえ発電所の方は話がつきやすいようであります。いずれにいたしましてもそういう形で何とか発電力をふやして参りたいと考えております。
 なお割当との関係でございますが、この下期みたいに常時制限をかけておりますと、割当の関係は比較的問題が薄れて参りますが、これも実は豊水期におきましては相当な問題もございまして、割当というものは先ほど申し上げましたように、ただ安い料金で使える電気の量の区分でございますので、結局はこれも自家発のコストとの兼ね合せの問題でございます。そこで今まで自家発をたいておつたのをどの程度割当のときに見るか、あるいは全然見ないかという問題もございます。これも発電所の特殊性によりまして、先ほど申し上げましたように、炭鉱の自家発のような場合と、セメント、鉄あるいは化学工業、紙、パルプといつたものとの業態は大分違つて参りまして、極端な議論になりますと、全部自家発はないものとして均等に割当しろというような意見も一方にございます。また片一方では自家発にたける限度をある程度見て、それを差引いた残りを割当しろというような議論もございます。また割当の作業中におきまして安定本部で業種別に業種の割当量を計算する場合、通産省その他需要担当官庁でいろいろの工場について割当をする場合とまた違つて参ります。従つてなかなかそんな議論をしておつても始まりませんので、結局はどこかでいいかげんのところで妥協して、理論的にある程度割切れなくても妥協して行かなければ問題は解決できませんので、一案としましては今まである発電所については、過去、前年に大体動いていた程度の実績を一応差引いて、残りを割当するというように考えたらどうか。新しくつくつた場合とか、あるいは今まで遊んでおつたようなものについては、これは美は生産の方の増加との見合いの関係もありますので、生産が増加した分とマツチすれば、これは別段割当を変更云々は起りませんけれども、生産はふえないのに発電所だけふやしたということは、むしろ大いに奨励すべきことなので、その分は割当に対しては別段考えない、つまりそれだけプラスになるわけであります。そういう形で行きたいと考えておるわけであります。これもなかなかいろいろ計算の仕方等につきまして、需要担当の官庁と公益事業委員会との間に大分意見の相違もありますので、これもなお結論に達しておりませんが、一応そういう形で自家発の設置の奨励の面を片づけて参りたいと思つております。なお自家発につきましては今後新設する場合等におきましては、開発銀行の融資等も積極的にあつせんしておりますので、その割当の方の関係と、資金の方のあつせんと両々相まちまして、何とか自家発の方もできる範囲で水火力ともに奨励して参りたいと考えております。
 それからついででございますが、自家発の中にデイーゼル発電が大分最近ふえておりますが、これは電力制限の一つの自衛行為みたいなわけでございますので、こんな小さなものを一々取上げて割当てたとか、制限したと言つても際限がありませんから、これは全然オミツトして考える。今申しましたことは結局火力発電に大体限るというように御承知を願いたいと思つております。
#41
○齋藤説明員 自家発の動員の問題につきましては、大体安本の方から御答弁がありましたが、われわれと全然かわつておりません。理想を言えば、政府の補償というような形で解決されれば最も根本的に解決されるわけでありますが、現在の段階ではとうてい不可能でありますので、結局動員という形で、どれだけ実績が上つたか、それを見まして、その実績の上つた分を次期の料金改訂の際に考慮するということにしたらどうかというのがわれわれの考え方があります。従つて動員可能の最大限度まで動員ができるということを通産省としては希望しております。その趣旨で公益事業委員会の方に意見を申し入れてございます。
 それから割当の関係でございますが、これも今安本の方からお話のあつた通りでありまして、たとえばセメントのように、余熱の利用でありますと、セメントの炉の稼働状況によつて、当然ある数量の分が出て参りますので、その分は割当の際には当然除いて考えてしかるべきだということになります。それ以外のものについては、自家発の方が事実上発電コストが高いという條件を考慮いたしますれば、差別をつけないでよいわけでありますけれども、ただ実際問題として自学発を持つておるところに、全然持つておらないと同一の條件で割当をいたしますれば、従来の実情ではせつかくの自家発を休まして、割当の電力を使うということで、結局そのために全般的に制限を課さなければならないという状態になつて来ておりますので、どうしてもそこのところは全然無視して割当てるというわけには参りません。実情としては大体今安本から御説明いたしましたように、実績程度を差引いたものをペースにして考えるというのが現在割当てられている基準であります。
#42
○竹田説明員 自家発の問題につきましては、ただいま経本と通産の方からお話のございました点に特につけ加えて申し上げることはないのでございますが、委員会としては電気事業の確立という線に沿いまして、自家発の方における経営の安定という点について明確なる措置をいたしませんと、最近電力不足に対して、電源の開発を自家発においても相当積極的に進めて行かなければならないという情勢にもございますので、平常の状態においては、電気事業と自家発を持つておられる需用家との間には、いわゆるアロケーシヨン、標準料金の割当によりましてコネクシヨンがあるわけでございます。従いましてこの標準料金の割当は、自家発を持つておられますところの所要量の幾ばくかをアロケーシヨンで電気需用者から買電され、幾ばくかを自家発によつて充足されるという形になつておりますが、このアロケーシヨンが三千キロワツト以下の需用家につきましては、過去の実績によつてプリーズされておるわけでありますが、三千キロワツト以上のものについては安定本部、通産省等の各原局においてアロケーシヨンをされるわけであります。そのアロケーシヨンをされますものが、電気事業者が標準料金で供給できますわくは一定でございますので、そのわくに対してあらゆる需用家の割当要求が参りまして、これを必要度その他料金負担力等から割当てられるわけでございますが、これがたえず動くということになりますと、せつかく自家発をつくられまして積極的に生産の増強をはかろうと考えられましたものが、電気事業者からのアロケーシヨンがそれだけ削減されるという結果になりましては、非常に困難を冒して自家発を建設されましたのが、結果から申しますると、安い標準料金分が高い自家発に肩がわりするという結果にならないとも限らないのであります。そこで自家発の問題につきましては、今後積極的に自家発によつて生産を伸ばして行きたいという考え方から増強されましたものにつきましては、それが当該企業のメリツトになるということが必要ではないか。それがためには、標準料金分のアロケーシヨンをどういうふうに固定さした方がいいか、あるいはこれが数量的に固定ができなければ、何かはつきりした基準によりまして、その数字をきめることが必要ではないか。それがときどきのアロケーシヨンの政策によつて変動されるのでは、安心して自家発を拡張して行こうという意欲を減殺するのではないかという角度からいたしまして、ただいま経本の御説明のように研究中なのですが、委員会といたしましてはアロケーシヨン以外に、やはり新増加受電の認可という点によりまして、需用家のうちで自家発を持つておられる際に、新増加受電をどういうふうに認めて行くか、その際に、所要量から自家発分を差引いて、不足分を電気事業者からの受電という考え方で参りますと、自家発を積極的に推進するといいながら、非常に足をひつぱつているような結果にもなりますので、アロケーシヨンとの関連によりまして、受電のキロワツトの認可におきましても歩調を合せて参りたい。
 それからこれは最近の自家発の電源拡充に関連してでございますが、それ以外に従来からありましたものは、自家発によりまして非常に発電コストが区々でありまして、中には電気事業者と同じように、あるいはそれより高いのもありますが、中には非常に安い、電気事業者からの普通の買電よりも安くつくものもあるわけでございます。それらのものはいろいろな困難もあろうかと思いますが、今までの状態を一応どうにか克服された線であります。特に三千キロワツト以下のものは過去の実績にプリーズされて、標準料金のアロケーシヨンをしているというような事情もございますので、ここらで何か実績とかいうようなものによりましてプリーズいたしましてその後の状況につきましては、完全にメリツトが認められるような線に相ならないものか。これに対しまして一番極端な考え方は、先ほど安本の方からもお話がございましたように、自家発のあるなしにかかわらず、標準料金分を公平に割当てまして、割当を辞退されたものに対しまして電気事業者が委託発電をしたのだというふうなプール計算的な考え方をとりますと、現在電気事業の方におきます供給力は非常に少いのでありまして特に安い料金のものは少いわけでございますので、現在やつておりますことから、一般に自家発を持たれない需用家の標準料金分を取上げまして、自家発を持つておられるところに標準料金分の割当をするということになりまして、そうなりますと、電気事業だけの供給力では不足でございますので、さらに自家発の余力を委託発電をしなければならないということになつて参りますと、これはプールの考え方でございまして、そうなりますと、結局自家発をつくられまして、そこで火力発電をされまして消費されたものに対しまして電気事業者の料金と発電コストとの差額を補償するという形になるわけでございますので、相当これは料金のペースを上げなければならない。さらにその委託発電のコストの査定は、これは発電の規模によりまして非常に区々でございますので、電気事業といたしましてはその委託発電のコストと委託発電のキロワツトなりキロワツトアワーとの関連におきまして、非常に複雑なる業務面が発生いたしますと同時に、経理面におきましても、自分のコントロールがないものに対しまして、経理的な負担をするというような結果にも相なりますので、そこに電気事業といたしまして、電気事業が自家発に対しまして公平なるアロケーシヨンを――自家発のないものと同じようなアロケーシヨンをされるということにつきましての委員会の方の難色が現在まであるわけでございます。さらにこの方法によりますと、へたをいたしますると電気の供給力が非常に下つて参るおそれがあります。そうしまして最近の電気事業の電源活用は、需用に対しまして非常に押えたところのものしか供給できないというかつこうでございますので、自家発のありますところは、電気料金のコストにおきましては買電だけでやつておられるところより高いかと思いますけれども、企業の操業率から申しますると、これは比較にならないと申しまするか、今後ますます一般需要の方に対しましての電気事業の応じ切れます供給力の増加というものが、急激にふえないということを考えますると、そこに操業率におきましては、自家発を持たれないところと、持たれるところとにおきまして非常な差が生じて来るというようなことも考えられるわけでございます。従いまして、この関係はあるいは供給力だけをふやすということになりますならば、委託発電のコストの安い高いを問わずに、全然公平に扱いまして、そうして自分のところで発電所をつくられ、そうして自分のところで使われたものに対しましてアロケーシヨンをつけて行きましてそれは電気事業がプールするというような極端な公平論になりますならば、あるいは火力発電の拡充というようなものは、うんと進むかとも考えられますけれども、これも電気事業としては踏み越えがたい点ではないかというように委員会としましては、研究を重ねておるわけでございます。さらに当面しからば自家発に余裕があるのではないかというお話につきましては、これはとにかく電気事業といたしましては、現在は標準料金分と火力料金分というのがあるわけでございますので、火力料金によつて需用があります場合におきましては、電気事業は当然供給の責任を持つておるわけであります。こういうふうに考えておりますので、それはもちろん自己の発電所のフル運転によりまして電力を供給するのみならず、どこからでも買電ができますならば、委員会としましては委託発電という形式によりまして、買電をいたしまして、一般供給に応ずるという体制をとつております。従いまして現在の供給力におきましてわれわれの方の想定では、これは電気事業者の供給いたします電力の制限の程度にもよりますけれども、大体四割ぐらいの制限率が発動されているといたしますと、電気事業の方で買電いたします量は非常に減つて参りまして、大体下半期におきまして炭に換算いたしまして二十三万トンぐらいのものが買電できる。さらに制限の程度がゆるやかでありますと、委託発電の形によりましては、さらに多くのものが電気事業の方にかわつて、大体三十四、五万トン程度のものではないかというふうに考えておりまして現在におきましては、これの大体三分の二程度のものにつきましては、買電をいたしております。ただ一〇〇%買電をいたしておりませんのは、自家発を持たれるところにおきまして石炭の手当が十分できませんので、石炭をどちらに向けるか、これはもちろん電気事業の方におきまして力がありますならば、自家発の方に石炭を持ち込みたい。現実に持ち込むというような――東京電力と国鉄に委託発電をするというようなケースもございますけれども、全般的に申し上げますと、電気事業におきましては自分の火力発電所に対しましての需要石炭の獲得について非常に奔命に疲れているという状況でございまして、現在におきましても、本日あたりは一割の制限を大口にかけているわけでございますが、関西等におきまして若干火力がフルに動いているかどうかということにつきまして、貯炭の状況から若干の疑いも持たざるを得ないような貯炭の状況なのであります。そこでこの自家発が、確かに能力といたしましては、現実に余裕のあるところがあるわけでございますけれども、これを一〇〇%動かすということにつきましては、さらに石炭事情が好転をしませんと、現実の問題として困難な点がございます。自家発の問題につきましてわれわれの方でも石炭の問題を積極的にお願いしたいわけでございますが、電気事業者の方にまずやつていただきたいというようなお願いをしまして、こちらの方がやつと軌道に乗るか乗らないかというような状況でございますので、若干遺憾の事情はあるのでございますが、以上実情を御説明申し上げました。
#43
○小川(平)委員 御説明概略了承いたしました。それからまたこれを解決して行く上にいろいろな問題点がある、困難があるということも了承いたしましたが、とにかくこの問題はもう一刻も猶予を許さない、遷延を許さない大切な問題であると思うのでありまして、私承りたかつたことは、最初に申し上げたように、安本においてすでに具体案を作成しておられる。そうして通産省あるいは公益事業委員会と折衝を開始されておる、かように聞いておりますので、そういう具体案がありますならばお示しを願いたい。そうしてそれを出発点にして、われわれの方でも検討を進めたい、こう考えたわけであります。そこできようは瞬間も非常に移つて来ておりますし、とりあえず私は問題を提起するにとどめたいという考えで初めからおつたわけでありますので、この程度で打切りにいたしますが、そういう具体案ができておるのですかおらないのですか、安本当局に承りたい。
#44
○岩武説明員 具体案の程度問題でございますが、ある程度の案は持ち合せております。先ほど口頭で御説明いたしました点を、さらに少し手を入れまして書き直しております。これで現在公益事業委員会並びに通産省と協議しておりまして、実はきよう午前中もこの問題につきましてここに出ております竹田課長も安定本部へ行きまして相談したわけであります。大体の意向は公益事業委員会並びに通産省とも合つておるので、近く解決を見ると思います。ただ委託発電の際の炭のつけ方等につきまして、公益事業委員会の方にも、実は自家発よりも自分のところの事業用の発電所に火がついておるのだ――ことに大阪あたり大分最近貯炭が減つて参りましたので、その点非常に心配があるようでありますが、われわれといたしましては、大体この方向で片づくのではないかと思つております。
#45
○小川(平)委員 そういう資料がありましたならば、ただちに本委員会に御提示を願いたいと思いますが、御提示願えますか。
#46
○岩武説明員 何分まだほんの素案程度でございますので、委員会にお出ししますのも案はどうかと思つて遠慮しておるわけであります。意見がまとまりましたら、配付しまして御報告したいと考えております。
#47
○小川(平)委員 これでやめますが、私の手元に十一月二十九日付の産業局電力課でございますか、自家用火力発電の運用方針というものが来ておりますが、とかくどうも委員会でお尋ねしても、研究中であるとか、まだ成案を得ておらないということで、しかも数日後に新聞に発表される。新聞の発表はうそかと思つておると、実際その通りになるということが一再ならずあるのでありまして、この際くどく申し上げませんが、一応の案がおできになりましだならばこの委員会に御連絡を願いたい。このことをお願いいたしておきます。
 それから先刻の御説明の中で、制限量以上を供給する義務はない、そんなことをやれば違反になるという御説明でしたが、そんなことは承らなくてもわかつておることであります。私が電力会社には供給の義務があると言つたのは、そういう意味でなく、言うまでもなく割当量が決定いたしますれば、実際に事業をやる人間はその割当量を基礎として事業の計画、黄金の計画を立てるのであります。そういうわけで、その当てがはずれるということになれば、これは当然倫理的に少くとも供給者の側において義務を怠つておる、こういうことが言えるべきことじやないか。あなたの何ほどのお言葉を私承つておつて、非常に何かふしぎな感じに打たれたのであります。この問題を今後検討され、処理される上において、そういう考え方と申すか、感覚と申すか、これはひとつ将来やめていただかないと、とてもたまらぬという感じがいたしますので、特に申し添えておきたいと思います。
 それではたいへん時間が移つておりますので、きようはこの程度で打切ります。
    ―――――――――――――
#48
○中村委員長代理 次に旧軍工廠施設払下げに関する件について質疑の通告がありますので、これを許します。山手滿男君。
#49
○山手委員 官房長も来ておられるようでありますから、実は大臣にお聞きをしたいと思つておつたのでありますが、いろいろの意味でこれは注目をされておりますので、きようは事務的なことを中心にしてお尋ねをしてみたいと思います。賠償指定施設については、終戦後六年でありますし、講和條約も締結されたのでありますから、当然これがおちつくべきところにおちついて行くだろうということは、だれも考えておることであります。従つていろいろ業者の方では払下げの運動をし、あるいは活用するということについての構想を進めておつたわけでありまするが、先般それとは逆の指令が総司令部から出たということが新聞にも報道をされております。その内容については、私はいろいろ伝えるところを聞いておりますが、まちまちの点もあると思いますので、これについて少し御説明を願いたいのであります。
#50
○齋藤説明員 本年の十一月二十三日付で、実は司令部のCPC、民間財産管理部と申しますか、そこからメモが出たわけです。三つメモが出たわけでありますが、この三つのメモのうちの二つのメモがやはり同日付で出ました関係から、これを関連させて、しかも現在の外部の状況をにらみ合せて特別の解釈をされたのが、最近新聞記事に出たようなことになつたのではないかと思います。メモそれ自体はごく簡単なことでございまして、一つは土地建物の解除に関するメモでございますが、これは今年の七月十日付で、賠償工場の中にあるが、賠償管理に直接関係のない施設は日本政府の限りで賠償管理から解除してよろしい、こういうメモが出たわけです。そのメモを取消すということでありまして、従つてあらためてまた、そういう賠償管理に直接関係がない施設でも、一応賠償管理の範囲の中に入つておるものについては司令部の許可がいるのだ、こういうことであります。それからその次の項目は、日本政府所有の賠償施設のうちで、賠償管理からはずされたものにつきましても、これは占領軍の軍事的な管理のもとに置かれておるのでありますから、こういう日本政府所有の土地建物の解除については、そのルートを通じてやはり司令部の許可を得なければならないという趣旨のものであります。それからもう一つのメモは、日本政府が現在所有しております賠償工作機械につきまして、その稼働状況が中心でありますが、その明細を十二月十五日までに提出せよ、それだけのごく簡単なメモであります。これは、従来から政府所有の賠償施設と申しますと二種類ございまして、兵器等助成法というふうな特別の法律によつて政府の金で買いまして、民間に貸与してある機械、それと賠償工場すなわち軍工廠にございまして、それを民間に貸与してあるものと二種類あります。その両方について報告を出すということでありますが、それも従来ずつと報告は出しております。一々許可を得なければならぬ――許可を得ることがすなわち報告になるわけでありますが、そういう関係から出してありますけれども、それをおそらくこの際整理をして、なお不十分な点を確かめたいという意味ではないかと思われますが、そういうものが出されたわけであります。内容はそれだけのことでございますが、ただこの二つがさつき申し上げましたように、今いろいろの問題がとりざたされておりますので、それと関連して推測記事としてああいうふうに書かれたのではないか。われわれが直接このメモ以外にタツチいたしました面でも、賠償施設の解除を全然停止するとか、あるいはほかに転用するとかいうようなことについて具体的な発言は何ら聞いておりません。
#51
○山手委員 そういたしますと、今のメモの二のものでありまするが、私は大体現在政府の所有しておりまするところの賠償指定施設というものは、占領軍が管理をされておるということに、間接にはなつて行くと思うのであります。これを目標にして先般例の賠償指定施設使用許可についての委員会というものを設けられていろいろおやりになろうとしているが、こういうこととの関連がどういうふうになつて行くのか、なぜ司令部がこういうメモを出して事新しくやつて来たのか、その辺の事情、これとの関連はどうなのか一応お伺いをしておきたい。
#52
○永山政府委員 メモランダムにつきましては、私どもはただいま企業局の次長からお答え申し上げた通り、単純に事務的な問題だと解釈いたしておるのでございます。それでお話の、委員会を設置して審査をするという問題は、ただいま政府の方で考えておりますのは、工廠をひとつの総合的なものとして、その中にはむろん土地もありますし、建物もありますし、いろいろな物件もあるわけですが、そういう全体として、一括してそれを転用する、活用するという問題につきまして、特に申請の多いものにつきまして、しかるべき人の御意見を聞いた上で政府の意見を決定して行きたいということで設置をいたしたのでございます。これは今度のメモランダムには直接関係がないのでございまして、このメモランダムが出る以前からこの種の転用につきましては、司令部の方に事前にアプルーブを求めなければならぬということになつております。
#53
○山手委員 そうしますと今度三つ出されたメモランダムの意味がわからない。この際整理をするということで単純に出されたというような次長の今のお話もありましたが、やはりここには何かもうひとつ深いものがあるような気もいたします。それについて今報道するところによると、安保條約に伴いまする行政協定に関連をして、特殊機械の生産に関連し賠償指定設備を使用するために、法的整備をするというか、いろいろな了解を得るというふうな関係で、ちようど今ダレスさんが来ておられるのでありますが、通産省の方からダレスさんの方に要望をしたりしておられるというニユースもあるのでありまするが、その問題はどうなのです。
#54
○永山政府委員 ダレス氏に要望をしておるような事実はございません。
#55
○山手委員 行政協定に関連をしてこのメモランダムというものがやはりいろいろ問題を持つておるので、あるいはそういう関係でいろいろ御準備をされておることがございますか。
#56
○永山政府委員 さような事案はございません。
#57
○山手委員 もう一ぺん話を返します。五人委員会ができたわけでありますが、この五人委員会というのはどういう性格を持つておるのか。ただ單に通産大臣の諮問機関として便宜的に嘱託をしたのであるか、あるいは五人委員会というものがある種の決定権を持つて発言して行くものであるか、あるいはまた将来どういうふうな機構でこれを運営して行くものであるか、お尋ねをしておきたいと思います。
#58
○永山政府委員 一口に五人委員会と申しますが、別段法令に基くものでもございませんで、ただ先ほど申し上げましたように、現在民問から転用の申請を受けております工廠は、申請者の数が非常に多うございまして、かつまたその工廠の転用ということはいろいろな意味において相当重大な問題とも考えられますので、そういう問題につきまして、民間の方々の御意見を十分聞いた上で通産省としての意見をきめて行きたいということで設けられたのでありまして、従来のいわゆる委員会式の形式を持つた委員会ではございませんで、それぞれ個々的に有識者の御意見を聞いた上で通産省の判断の参考にするという意味でございます。
#59
○山手委員 民間ですでに使用中のものもありますけれども、特に政府が所有しておるもので、たとえて言えば相模の造兵廠であるとかあるいは追浜の工廠のようなもので、現に軍管理のもとに生産を続けておりますようなものを、ごく最近の機会に独立をするわけでありますから、日本側において管理をするというような意思表示、希望を向うに申し出ておられるのではないかというふうなことも報道されておるのでありますが、そういうことについての可能性はどうか、あるいはまたこの委員会がそういうものについても司令部なんかと交渉をして行くような資格を持つというか、性格を持つて行くものであるかどうか、その点をお尋ねしておきたい。
#60
○永山政府委員 ただいま申し上げましたように、五人委員会は特に申請者の数の多い工廠につきまして、その決定をどういうふうにするかという意見を聞く通産大臣の一つの諮問的な非公式な存在でございますので、従つて委員会自体で直接司令部に働きかけるとか、あるいは行政協定の問題に関係して来るというようなことはない、かように考えております。
#61
○山手委員 今の軍工廠の管理の移管の問題はどうです。
#62
○齋藤説明員 お答えいたします。これは現在米軍のある意味での管理のもとに動いておりますものも実はいろいろの形態がございます。今お話が出ました相模にいたしましても、あるいは追浜にいたしましても、少しずつ違つておるようでありまして、たとえば相模の例で申しますと、これは米軍の管理と申しますよりももつと強い、いわば米軍の一部のようなものになつております。それも日本側にまかせよというふうな要求はちよつと出しにくいようなことになつておるのだろうと思います。この点はあまり立ち入つたことを私も知りませんし、また申し上げる筋のものでもございませんが、そうでなしにただ米軍の所要とする物資をつくつておりまして、それを契約、特に代価の関係から監督されておるような程度のものもございます。こういうようなものは日本側がいわば管理しておるものだというふうに考えてよいのじやないかと思います。そのほかに部隊の入つておるものもあります。これは純粋に部隊の宿舎として使用されております。従つて現在米軍が使用しております公共施設につきましてもそのようにいろいろの形態がございます。それから、現在使用しておりまするものにつきましても具体的にそれを使いたいというような計画が出ておるものはございませんので、それをこちら側へ返還申請をするというような具体的事例はないわけであります。但し通産省以外のわれわれの知らないほかの部局でそういう話をされればこれは別でありますが、通産省として事務的には特別にそういう申請はやつておらない状態であります。
#63
○山手委員 米軍側の方で現に使用中のものはいろいろ問題が個々にあるだろうと思いますが、使用されてないで日本の経済の独立、再建に非常に寄与されると思われるものを早急に払い下げようという政府の方針で委員会なんかがつくられておることについてはわれわれ大いに大賛成でありますし、早くこれはやらなければならぬと思うのでありますが、どうもこの関係の情勢がもやもやで、私ども非常な関心をもつて見ております。それについても播磨の軍工廠でありますとか、四日市の海軍燃料工廠あるいは大都市のまん中にあるところの大阪の工廠というような大きなものは、いろいろな意味において相当に注目して行かなければならぬ。ある意味においては政治問題化する要素も持つておると思うのでありますが、これらの問題をどういうふうにして解決して行くか、これは委員会をおつくりになつて慎重を期せられる、一つの体裁を整えられるということももちろんけつこうでありますが、あくまでも通産大臣の責任において、政府の責任においておやりになることが私は必要だと思います。そこでこれが利権的な動きになつて来て多くの商社あたりが競争状態になつておるのでありますが、通産当局としてはこれはいつごろ払い下げるか、あるいは転用を実現さす意図でおいでになるのか、その辺の見通しについてお聞かせを願いたいのであります。
#64
○永山政府委員 私の方といたしましては、ただいまお話のような工廠は現在御承知のように遊休状態になつておるわけでありますが、これを日本経済の復興のために一日も早く活用したいというように考えておりますので、従いまして五人の委員の方々の御意見を開いた上でできるだけ早く決定したい、来春早々にでもできますならば決定の運びにして行きたいというように考えております。
#65
○山手委員 最近これに対するいろいろな動きがあるのでありますが、政府の方でいろいろな施設を総合的に運営をして行くつもりか、あるいは現在日本のそういう関係の商社でも自己資金を何十億と豊富に持つておるものはないのでありますけれども、小さく部分的にでも切売り的にでも処理して行くような方針なのか、いろいろ方針も立てられおり、いろいろの動きがあると思うのでありますが、これはどういうふうにお考えであるか。たとえて言えば、三重県の海軍燃料廠のごときは厖大な岸壁施設を持つている。ここには何億とかかるような大クレーンがたくさん残つている。そこに倉庫会社をつくらせて何千万円かの資本金でやらすという計画も今進められている。背後地の厖大な六、七十万坪の施設を運営して行こうといえばどうしても岸壁がなくてはいけない。それが別々の会社になつておつたのではここにいろいろな問題が起ることになるのでありますが、その倉庫会社をすでにつくらせそうになつている。政府はそういう手を打つておられるというようなことも聞いているのでありますが、そういう事実はあるのかどうかお尋ねをいたしておきます。
#66
○齋藤説明員 お尋ねの四日市の燃料廠につきましてはそういう事実はございません。全般的にはあとで官房長からもお答えがあると思いますが、できるだけ全部の施設を総合的に使うのが最も有効なことだと思いますので、できるだけ転用する方針で参つているわけであります。特に四日市につきましてはまだ具体的な処理方針がきまつておりませんので、その一部だけを他に、貸すということについて内約を与えるような事実は全然ございません。ただあそこには燃料タンクがたくさんございます。そのうちの一部が港灣のところにございます。あの燃料庫のすぐそばに大協石油会社がございます。そこで従来から許可を得てごく一部でございますが使用しております。それ以外は埠頭地帯で使用許可を得ているわけではございませんで、燃料タンクのごく一部だけを使用しているわけでございますが、それ以外に埠頭地帯を云々ということはございません。私は地元の方で工廠の埠頭地帶の一部と申しますが、岸壁の部分を普通の公共港湾として利用したい計画があることは聞いておりますけれども、それについては何ら政府側として意思表示をしておらない状態であります。
#67
○山手委員 それは現にある。知事以下が何千万円かの会社をつくるということで全国の倉庫会社の著名なものを集めていろいろ動いている。現在政府の方でもいろいろおやりになつているということは、現にいろいろ問題が提起されているのでありまして、私は大臣にこれについていろいろお聞きをしてみたいと思います。あなたにお聞きするのはちよつと無理だと思います。しかしそれにしてももう一ぺん事務的にお聞きしたいと思うのでありますが、今度のメモランダムとの関係は日本政府がお考えになつているように無関係のものであるかどうか、メモランダムに対する見通しというか解釈の問題を官房長からよく承りたいと思います。私はどうもこの両者に関係があるのではないか、詳しく言えば将来向うの方で相当航空燃料の精製だとか、いろいろな工作機械の利用という方向に手を打つて、残しておきたいという意図もあるのではないか、あるいはそうでないかもわからないが、その点について忌憚ない御意見をお聞かせ願いたいと思います。
#68
○永山政府委員 メモランダムにつきましては先ほどから御説明申し上げておる通りでございまして、工廠払下げの問題は、従来からこのメモランダムに関係なく日本政府単独では決定ができないようになつておりまして、司令部に一々承諾を求めなければならぬという状態になつておるのでございます。司令部のこの工廠問題についての方針でございますが、これはわれわれは従来から一つ一つの工廠につきまして、それが日本経済のためにどういうように活用することが必要かということの具体的なプランがきまつたならば、それを個別的に司令部に折衝した上で、司令部の同意を得てやるというように考えておるのであります。従つてそのやり方なり、その考え方については、毫も従来とかわつていない、かように考えているわけであります。
#69
○山手委員 きようはこのくらいにしておきたいと思うのでありますが、大臣に一度あらためて詳しくお伺いをしようと私は思つておるのであります。
 もう一点、最後に官房長にお聞きをしておきたいと思いますのは、戦争中あるいは戰争前後にできましたところのこうした軍工廠あるいは燃料廠そのほかの軍施設というものは、それぞれ何十万坪という厖大な施設であります。あるものは農民を立ちのかして水田をつぶし、あるいはまたいろいろ犠牲を払わしたことによつてでき上つたものであります。しかし終戦後の今日は、そういうことを言うておつてもしようがないと言えばそれまでなのでありますが、これは将来地元の発展ということにも非常に関連を持つておるし、自分たちの先祖が住んで来た土地に六十万坪、七十万坪というふうな厖大な施設が目の前にありますので、地方の関心は非常に高いのであります。五人委員会ができたことはこれは別でありまして、今後そういう重要なものについては地元の代表というものの意見をお聞きになるのが適当ではないか。何もわけのわからぬ者がぽかつと出て来て――私はあの五人委員会の顔ぶれを見て、きわめて不満足に思う点もある。ああいうところでそれだけの意見を聞くというふうなことであつたら、私はもつと議論をしなければいかぬのでありますが、しかし一つ一つの場合については、やはり委員会をおつくりになるか、将来疑惑を残さないような公正な処置をすることが、地方にも非常に大切なことであるし、国家的見地に立つてもこれは非常にいいことでありますので、地方の代表を一人や二人あるいは半分くらいお入れになつて、地方的にもよくあやまちのないような処理をされることが必要だと思うのでありますが、そういうことについてのお考えはいかがでありますか。
#70
○永山政府委員 御意見も一つの案かと考えますが、ただ今話に出ております四日市にいたしましても、播磨にいたしましても、これを動かすこと自体がいろいろな意味において日本経済に影響を持つ問題であります。従つてずいぶんといろいろな角度からこの問題は検討しなければならない、かように考えるのであります。そこにはその製品の需給関係もありましようし、技術関係もありましようし、資金の関係もありましようし、いろいろの問題があると同時に、やはりその一つとして地方的な関係も考えるべきだ、かように考えておるのであります。従来これらの工廠の転活用については、地方地元から意見の出て来ているものも相当あるのでございまして、それらの点は、委員会の方に十分取次ぎまして委員会として公正な判断をしていただくというように考えております。
#71
○中村委員長代理 次に先ほど今泉貞雄君の工業塩に関する件についての質疑に対して、政府側の答弁が留保されておりますので、これを許します。大蔵省日本専売公社監理官久米武文君。
#72
○久米説明員 先ほどお尋ねのクロール・スルフオン酸、桂弗化ソーダ、塩素酸ソーダ等につきましての特別価格の問題は、塩専売法第二十九條に基く特別価格の適用としてその政令の中に指定すべき問題であるというふうな御指摘と拝聴いたしておりますが、この問題は、業界からは非常に重大な関心を持たれ、いろいろ御要望がございます。本通産委員会におきましても、また大蔵委員会におきましても、たびたびいろいろと御意見が出ている問題であります。私どもといたしましても、この問題について、現状にふさわしい適切な結論を得たいと目下愼重に検討中でございます。
#73
○今泉委員 本年の十一月十六日の大蔵委員会において、やはり工業塩の払下げ価格について宮幡委員より質問されました際にも、久米監理官は、目下研究中であるという御答弁をされております。しかしながらこの工業塩の払下げ価格に関する問題につきましては、業者等の要望もあり、また通商産業省の通商化学局長からも、二十九條の特別価格設定方を配慮されたいということについて、専売公社の塩脳局長にまで申入れをされております通り、業者の要望を勘案されまして、一日も早く決定されなければならぬ問題ではないかと思うのであります、上がるに十一月十六日に目下研究中であるという答弁であり、また今日の御答弁も研究中であるというのですが、かような状態では、われわれといたしまして納得ができないのであります。研究中であるその研究の過程において、この払下げ価格がわれわれの要望するような状態にはたしてなし得るというお考えがあるかどうか、それらについて一応承りたいと思う次第であります。
#74
○久米説明員 私、十一月十六日に大蔵委員会において、ただいま御指摘の通りの答弁をいたしております。この塩の一般の価格あるいは特別価格の予算的な制約と申しますものは、御承知の通り専売公社の塩の事業が全体としてバランスを保つということが一つの予算的な制約であります。収支の予算面において、また塩の事業の損益において、全体としてのバランスを保つということが一つの根本的な前提に相なるのであります。この前提のもとに必要なものについては法律なり政令なりの許す範囲で特別価格を認めてやるということでございました。その特別価格を認めます際にも、公社としての原価を割ることはできない。予算の関係等も十分考慮いたしました上で検討を続けておるわけでございます。なおこの問題は司令部等にもいろいろ必要なる手続をとる関係もございます。そういうふうな意味も含めまして、いろいろ考えを練り、今後の手続をなるべくすみやかに進めて参りたい、そういうふうに考えておるわけでございます。
#75
○今泉委員 ただいま予算の関係云々というお話がありましたが、塩素酸ソーダ、クロール・スルフオン酸あるいは硅弗化ソーダその他、四品目に要する工業塩の需要見込み量は、年間大体三万トンの程度と見られておるのでありますが、この払下げ価格を業者の要望する価格にまで引下げたといたしまし二も、おそらく総額で大体一億八千万円程度の引下げ価格ではないかと見られるのであります。この一億八千万円程度の引下げ価格によつて、わが国の産業に重大な位置を占めておりますところの、これらの工業が海外の輸入品に対抗いたしまして、国内の需要を満たすばかりでなく、またさらに戰前盛んに輸出せられておりましたる状況にまで改善を加えまして、この一億八千万円程度の収入減が、日本の全般的経済に及ぼす影響という問題を考えましたときに、どちらがプラスであるかマイナスであるかということを十分にお考えになつて、これらの問題をとりきめていただかなければならない。かような観点に立つて、幸い専売公社の塩脳局長もお見えになつておるようでありますから、まず塩脳局長の御意見を承りたい。
#76
○西川説明員 ただいまのお話はもつともでございまして、われわれといたしましては今おつしやいましたよりな線で考えておるわけでございますが、この問題は従来の例によりますと、相当広範囲において、特別価格で払い下げておつたのでありますが、終戰後そういうものは一切とりやめになりまして、ただいまのところは、ソーダ関係に限つておるような状態であります。過去においてそういつたふうな例が、あるのでありますが、これを認めるということになりますれば、おそらく次から次へとそういう要望が出て来るということが考えられますし、われわれとしましては、一定のバルク・ラインを引く必要がある、そういう観点でいろいろ問題を検討しておるわけであります。たとえばただいまお話になりましたような、輸出に貢献するとかあるいは消極的の意味で輸入をチエツクするとか、ないしは価格政策上特に特別価格で払い下げた方が有利であるというふうな、国民経済的にきわめて意義の深い方面に向けるというのであれば、当然特別価格で払い下げてもいいわけでありますから、そういつたような線で、どこにバルク・ラインを引くかというようなことを掘り下げて検討したいと思います。これは久米監理官から説明があつたのでありますが、財源の関係がありまして、塩の特別会計はその年度において収支バランスをとつておる、こういう一つのわくがあるのでありますから、その範囲において、そういつたような観点からできるだけ適当な、また効果的なものをピツク・アツプしまして認める、こういうふうな建前をとらざるを得ないのであります。
#77
○中村委員長代理 ちよつと速記をとめてください。
    〔速記中止〕
#78
○中村委員長代理 速記を始めて……。
#79
○今泉委員 戰前におきましては一般工業塩はソーダ用の塩と同様に、輸入価格に若干のチヤージを加えた価格で入手できておつたという過去の実例があるのであります。しかもまた産業上重要な原材料といたしましては、ソーダ工業塩と同様に考えるべきものでありまして、当然助成政策の対象となるべき品目ではないか、われわれはかような考えのもとに、今の問題を提起しておるのでありまして、しかも年内の予算を計上して、かかつておるというただいまの答弁によりますと、来年度の予算もいよいよこれから検討を加える時期にも達しておりますので、業者の要望等も十分にお考えくださいまして、ただいまここに提案いたしておりまするところの四品目に対しましては、ぜひとも十分な御考慮を払われまして、われわれの要望が実現できますように御考慮くださいますことをお願い申し上げて私の質問を終ります。
#80
○中村委員長代理 それでは本日はこの程度で散会いたします。
    午後五時十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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