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1951/02/13 第13回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第013回国会 通商産業委員会 第8号
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1951/02/13 第13回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第013回国会 通商産業委員会 第8号

#1
第013回国会 通商産業委員会 第8号
昭和二十七年二月十三日(水曜日)
    午後一時四十四分開議
 出席委員
   委員長 中村 純一君
   理事 多武良哲三君 理事 中村 幸八君
   理事 山手 滿男君
      阿左美廣治君    江田斗米吉君
      小川 平二君    神田  博君
      小金 義照君    澁谷雄太郎君
      福田  一君    加藤 鐐造君
      林  百郎君
 出席政府委員
        通商産業政務次
        官       本間 俊一君
        通商産業事務官
        (大臣官房長) 永山 時雄君
        資源庁長官   始関 伊平君
 委員外の出席者
        通商産業事務官
        (資源庁鉱山局
        長)      松田 道夫君
        專  門  員 谷崎  明君
    ―――――――――――――
二月十三日
 委員風早八十二君辞任につき、その補欠として
 林百郎君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
二月十二日
 中小企業金融の緊急措置に関する陳情書(福井
 県議会議長杉山孝二外二名)(第四四五号)
 中小企業の苦境打開に関する陳情書(日本中小
 企業連盟会長豊田稚孝)(第四四六号)
 バターの輸入問題に関する陳情書(社団法人日
 本畜産協会会長岸良一)(第四四七号)
 在日外国人用品の外貨資金割当に関する陳情書
 (東京商工会議所会頭藤山愛一郎)(第四四八
 号)
 佐世保石炭分析所機構の拡大強化に関する陳情
 書(長崎県知事西岡竹次郎)(第四四九号)
 動力増強総合対策に関する陳情書(日本動力協
 会会長安川第五郎)(第四五〇号)
を本委員会に送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する
 件に基く通商産業省関係諸命令の措置に関する
 法律案(内閣提出第一五号)
 石油及び可燃性天然ガス資源開発法案(内閣提
 出第二二号)
    ―――――――――――――
#2
○中村委員長 これより会議を開きます。
 本日はまずポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件に基く通商産業省関係諸命令の措置に関する法律案を議題といたします。法案につきましては大体の質疑を終了いたしましたが、なお質疑の通告がございますので、これを許します。林百郎君。
#3
○林(百)委員 このポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件に基く通商産業省関係諸命令の措置に関する法律案についてお聞きしたいのでありますが、まず第一に、兵器、航空機等の生産制限等に関する件は当分存続するというのですか、これは六箇月存続すると解釈していいのですか。
#4
○本間政府委員 その通りでございます。
#5
○林(百)委員 延期する必要はどういう必要か。
#6
○本間政府委員 御承知のように、平和條約の條項によりましては、日本の軍備並びに兵器の生産につきまして、何らの制限がないわけでございますが、現内閣といたしましては再軍備を急がないという考え方に立つておりますので、国際的な情勢を考慮いたしました結果、一応六箇月はただいまの通りにいたしたいこういう考えから、存続したわけでございます。
#7
○林(百)委員 そうすると六箇月たつと、再軍備を始めて、兵器、航空機を製造するということになるわけですか。
#8
○本間政府委員 政府の方針がどのように決定いたしますか、まだ明確には言明できないのでございますが、日米で御承知のように、いろいろな話合いをいたしておりますので、それに伴つて政府の決定いたしました方針に従つてその後の処置を決定する、こういうふうに御承知をいただきたいと思うのでございます。
#9
○林(百)委員 そうすると六箇月延期すると言いますが、六箇月の期間内にそういう政府の判断を決定する條件というものは、どういうものが出ておるわけですか。
#10
○本間政府委員 必ずしも六箇月と限定をいたしておるわけではないのでございまして、とりあえず六箇月の間は現状のままで進みたい、こういう所存でございます。
#11
○林(百)委員 私たちはポツダム宣言によつて全面講和を唱え、再軍備に反対しておる立場におるものであります。従つて私は六箇月ばかりでなく永久に存続した方がいいと思う立場におるものであります。本間次官の属する現内閣の方針とわれわれとは違いますから、こういう質問をしなければならなくなつておるわけでありますが、そうすると、とりあえず六箇月延期しておいて、それからこれを撤廃して、兵器や航空機を堂々と正面切つて製造する措置をとるかとらないかということは、六箇月の中でどういうことによつて判断されるわけですか。行政協定とかそのほかのとりきめによつてきめるというのですか。
#12
○本間政府委員 御指摘のような行政協定の関係もあろうかと思うのでございますが、必ずしも六箇月以内にその処置を決定するというわけではないのでございまして、とりあえず六箇月間は現状のままで行く、こういうつもりでおるようなわけでございます。
#13
○林(百)委員 そのとりあえずというのがわからないので、何でとりあえずにしておくのか。そのとりあえずということは、本格的に廃止するとか、存続するとかいうことがきまつておるんですか。
#14
○本間政府委員 兵器をつくるということは、必ずしも日本の国の再軍備ということと同じではないというふうに私どもは考えておるのでありますが、まだ政府の方針が確定をいたしませんので、通商産業省としては六箇月の間存続さしたい、こういうことになつておるわけであります。
#15
○林(百)委員 何だか変な問答になつて来ましたが、それはよくわかるのです。きまらないからとりあえずここに六箇月延ばすというのですが、六箇月の間にどういう條件が満たされれば、これに対して基本的な態度がきまり、とりあえずが本格的になるのか、それからどうしてとりあえずにしておくかということです。
#16
○本間政府委員 六箇月たつてもまた存続するようになるかもしれませんし、かわつた立法が必要になるかもしれませんし、その辺のところは今日のところまだ見当がつきませんので、先刻から申し上げているような処置にいたしたのでございます。
#17
○林(百)委員 実際は兵器、航空機等の生産制限に関する件というのがあるのですが、政府としては日本の国から一切の兵器や航空機を取除いて平和産業を行い、中国やソビエトそのほかの人民諸国と交易関係を結び、再軍備をしないという平和政策をとる意味で、これを決定的な法案として恒久化する腹はないのですか。
#18
○本間政府委員 将来のことはただいま明確にお答えすることはいかがかと思いますので、遠慮申し上げます。
#19
○林(百)委員 そうすると、兵器、航空機等生産制限に関する件というのがあるのですが、あなたの方はこういうものがあろうとなかろうと大して問題ではなく、実際は特需とか新特需とかいうもので兵器を生産しているのじやないですか。もしあなたの方に資料がなかつたら、私の方の資料を提供しますが、正直にここで御同意になつた方がいいと思いますが、どうですか。
#20
○本間政府委員 この法律に従つてやつているような次第でございます。
#21
○林(百)委員 これを見ますと、兵器をつくつてはならない、航空機をつくつてはならない、戰闘用艦艇をつくつてはならない、弾薬をつくつてはならない、あるいはこのほかの部分品をつくつてはならないとありますが、今の実業界では親子爆弾だとか機関銃のたまだとかいうものを実際つくつているのですが、これはもしつくつていたとすれば第一條に違反しますか。
#22
○本間政府委員 占領軍が占領政策上やつておられることは別でございまして、日本政府といたしましてはこの法律に従つて処置をいたしておるような次第でございます。
#23
○林(百)委員 それでは占領軍が占領政策としてつくらしている兵器というのはどんなものでしようか、御説明願いたい。
#24
○本間政府委員 それはどうか占領軍の方にお聞きいただきたいと思います。
#25
○林(百)委員 占領軍は日本の実業家にそういう命令を出しておるのでありまして、それに対する資材とか金融とかいうものは、日本政府が責任を持つているはずですから、あなたが知らないはずはないと思いますが、どうでしようか。政務次官でありますから国会に対して敬意を表して、アメリカに聞けなんてことでなしにお話願えませんか。もしお話願えないとすれば私の方で申し上げてもけつこうです。
#26
○本間政府委員 先ほど申し上げた通りでございます。
#27
○林(百)委員 これは私の方の調査のほんの一部でありますが、たとえば日本特殊鋼では戦車のキャタピラをつくる、東日本重工の下丸子では戦車のエンジンをつくる、東京計器では航空用の兵器をつくつている。それから小松製作所ではビクター・オーをつくつている。こういうのは明らかに第一條にいう兵器並びに兵器の部分品、原料、材料に該当すると思いますが、こういう工場でつくつているものは、どういう系統から注文が来たものですか。これはあなたの言われるように直接米軍から命令が来たものですか。
#28
○本間政府委員 先ほどもお答え申し上げたのでございますが、占領軍の方針に従つてやつておると思います。
#29
○林(百)委員 そうすると占領軍の命令で、日本の生産事業としてこういう兵器をつくつているということはあなたも認められたと思いますが、それが日本の占領のために必要というのでなしに、朝鮮作戦というような、日本の占領とは別個なアメリカの戦争政策として行つている戦争のための兵器を日本に注文するということは、やはり兵器、航空機等の生産制限に関する件をみずから破ることにはならぬでしようか。われわれは日本の国を占領するための兵器がもしいるとすれば――私は兵器なんてものは全然いらないと思いますが、そういうためなら、あなたの言われる通りに、占領軍の命令だから日本で武器、兵器をつくつていいということになつたとしても、日本の占領と全然関係のない、朝鮮事変のために必要な兵器や武器をつくる注文を出したり受けたりすること、いわゆる特需、新特需ですね、これはやはりポツダム宣言、極東委員会の諸決定に反することになるのじやないですか、どうお考えになりますか。
    〔委員長退席、多武良委員長代理着席〕
#30
○本間政府委員 占領いたしました国の軍隊が、その本国において、あるいは占領いたしました地域において兵器を生産いたしましてもそれは自由だと思います。従つて日本政府はポツダム宣言の條項を遵守しておる、こう私どもは考えております。
#31
○林(百)委員 先ほどの次官の答弁はおかしいと思う。日本の国から軍事的な勢力を一掃しなければならないということはポツダム宣言で決定され、極東委員会の諸決定、アメリカの初期の占領政策によつて、軍事的な生産は全部とりやめて、平和的な産業に向わなければならない、平和的な産業ならばこれは無制限に発展することを保障するということになつている。そこで日本が占領政策に従わなければならないとしても、それは日本の国を占領する軍隊の必要の限度において、もし兵器や航空機の製造を命令したとすれば、これは占領命令として受諾しなければならないと思います。しかし私はそういうこと自体日本に軍事的な生産を全部停止して平和的な産業を無制限に発展させろということをポツダム宣言で命令しているアメリカが、いかに占領のため必要な兵器といえ、日本に兵器の生産を命ずるとすれば、これはアメリカ自体がポツダム宣言を無視したことになると思います。かりに百歩讓つて日本を現実に占領している占領軍の兵器、武器の必要のために命令を出したならわかりますが、アメリカが新しく朝鮮作戦をして、そのために、要するに戦争のための武器を日本に注文するということは、これはポツダム宣言の違反であり、またそれを受けて特需、新特需というような形で兵器を生産するということになれば、これは私はどうしても兵器、航空機等の生産制限に関する件に違反して来ると思うのですが、実際この違反が公然と行われているために、おそらく政府としてはこの法案が六箇月延びようが延びまいが大した痛痒を感じないのではないか。ただいまあなたの答弁を聞いているとどつちでもよいような答弁ですが、あなたにお聞きしたいことは、日本の産業が平和的に無制限に発展し、極東で平和的な環境を保つためにはそういう日本の占領と関係ないよその国の戦争のための兵器をつくるということはどうしても占領目的あるいは占領命令という範囲に入らないと思いますが、あなたは大きな産業資本家や軍事資本家のことばかりお考えになつているから、そういうものをつくつても金にさえなればいいのだ、あまりうるさいことを言うなというふうにお考えになるかもしれませんが、やはり日本の国にはそういう兵器をつくつている大きな軍事資本家のほかに、平和を望んでいる大衆がたくさんいるわけですから、日本の国でそういう兵器をつくることになり、それが国際的に警戒されたり反感を持たれるということになれば、一部の軍事資本家の利益のために国全体が非常に不利な立場になると思うのでありますが、われわれは中国、ソビエトその他の国と平和的な友好関係を結ぶことによつて平和産業を無制限に発展させることができるのでありますが、この際やはりこの命令を厳重に守る必要があると思いますから、そういう意味で私は質問しているわけですが、朝鮮作戦のために、武器をつくることを日本に注文するということは、占領の目的、占領の命令とは別だと思いますが、どうでしようか。
#32
○本間政府委員 何が必要であるかというのは占領軍当局が決定をするものだと思います。
 それから朝鮮のために武器をつくるのが云々というような御指摘がありましたが、朝鮮事変が起らなかつたならば一番よかつたのではないかと思うのでございます。日本政府といたしましてはあくまでポツダム宣言の趣旨を忠実に実行しているものと私どもは確信をいたしております。
#33
○林(百)委員 何か朝鮮事変は共産主義者が起したようなことを暗ににおわせて、だんだん吉田さんのまねをなさつているようでありますが、この問題はこのくらいにします。
 それではその次の第八、特殊用途機械の破壊に関する政令というのですが、これは特殊用途機械というものはどういうものをさすわけですか。
#34
○本間政府委員 御指摘の点は事務当局の方から答弁いたさせます。
#35
○林(百)委員 それではけつこうです、それは政令でわかります。
 そうするとこれは実際に破壊したのかしないのか。これもどうも吉田内閣の政策からいいますと、破壊に関する制令というようなものを出しておいてなるべくこわさないで温存しておるようにわれわれから見ると思われるのです。実際どういう設備をどの程度に破壊したか、それをお聞きしたいのです。あなたの言われるように特需、新特需が何らポツダム宣言に違反しない、日本の平和的な産業の無制限拡大方針とかわりないということになれば、こんな機械はこわさないでむしろそのままにしてどんどんつくつた方がいいという論理的な矛盾になるわけですが、どんなものをどういうようにこわしたか、まず説明をしていただきた
 いと思います。
#36
○本間政府委員 これは占領軍当局の命令に従いまして破壊するものを破壊いたすのでございまして、そうでないものは残つておると思います。
#37
○林(百)委員 どんなものを破壊したのですか。今の次官の答弁によつて、特需、新特需によつて戰車のキャタピラ、エンジン、航空機用レーダー、そのほか親子爆弾、小銃、機関銃の弾丸などをつくつても、別にポツダム宣言に違反しないのだ、そういうものをつくらせるのは朝鮮事変が起きたからなのだというような迷答弁をなさつておるわけなんです。そうすると八の特殊用途機械はこわさないでいいというのですか、矛盾して来ると思いますが、実際はなるべく温存してこわさないようにしたのじやないですか。
#38
○本間政府委員 御指摘のような設備はほとんど破壊をいたしております。
#39
○林(百)委員 そうすると陸軍工廠、海軍工廠、PD工場、LR工場、これは向うの方が残して置けと言つたのですか。
#40
○永山政府委員 特殊用途機械と申しますのは単独で兵器生産のために使用されるように設計をし、あるいは製造をされたもので、いわゆる兵器のための専用工作機械等を指すものでありますから、これは各都道府県に調査をせしめましてその報告書を全部調査した上で、すでに現在におきましては全部破壊済みでございます。
#41
○林(百)委員 これは武器、弾薬、発射物、軍用爆発物、ほかにこういうものをつくる施設も全部破壊しておるということが第二條にあるわけなんですが、これは政府は認めるわけでしよう。それからまだ非常に残つておるものがありますが、どういうものを残しどういうものは破壊したという事例があつて、どの程度のものを今まで破壊したかをあなたからお聞きしたいと思います。
#42
○永山政府委員 ただいま御説明を申し上げましたように、その機械自体が昔から兵器の生産のために使われる、そういうように設計されてほかの用途には使えないというようなものを拾い上げまして、しかしてこれについては全部破壊をしたということであります。
#43
○林(百)委員 だからどの程度の量、たとえばここに細菌戰用兵器だとか超短波無線機器、艦艇、装甲車というものがありますが、こういうものを発表してもらいたいのです。そこでこれがもし時間がかかるようでしたらこれに関する資料を書面で全部配つてもらいたいと思います。たとえば第六條によると「破壊又は破棄の時期、方法及び費用の細目」、そのほかずつと都道府県知事に報告書を提出しなければならないということになつておりますから、この資料はあると思うのです。それをこの通産委員会に出してもらいたい。
#44
○永山政府委員 ただいま詳細な資料を持ち合せいたしませんので、作成をして御提出いたします。
#45
○林(百)委員 次会までにひとつ……。以上で終ります。
    ―――――――――――――
#46
○多武良委員長代理 次に石油及び可燃性天然ガス資源開発法案を議題といたします。昨日に続きまして質疑を継続いたします。質疑の通告がありますから、これを許します。加藤鐐造君。
#47
○加藤(鐐)委員 私は石油及び可燃性天然ガス資源開発法案に関しまして、きようは二、三重要な点だけをお伺いしたいと思います。
 まず第一に本案を制定された趣旨、わざわざこういう單独法を出された趣旨をひとつお願いしたいと思います。これはどなたか質問があつたかと思いますが、なお十分御説明を願いたいと思います。
#48
○松田説明員 この法律をつくりました趣旨でございますが、提案理由を御説明申し上げましたときに盛られておるかと考えますので、また繰返す結果になつて恐縮かと存じますが、大ざつぱに申しますと、御承知のように石油が日本で需要量の一〇%程度しか生産がございませんが、それは考えてみますと、採油方法等につきまして技術的にまだまだ欠陷がございます。一例で大ざつぱに申しますと、今までのような掘り方で掘つておりますと、ガスあるいは水、この地下のエネルギーによりましてくみ出されて来る油が、ガスの圧力を損じ、あるいは水の圧力を損じ、従つてとれました量が埋蔵量の二、三十パーセントという程度しか出ておりませんが、これをコンサヴエーシヨンと申しますか、この法律が考えておりますような技術的な方法をうまくやりますと、残つておりましたものの約半量程度がさらにとれるというふうな結果になるのでございます。従いましてそういう掘り方を日本でもぜひやりたいというのが根本的なねらいでございます。従来からすでにアメリカあたりでもやつておりますので、やや日本では遅ればせかと思いますが、今からでもこれを実施して、少い埋蔵量を十分に活用したいというのがねらいでございます。
#49
○加藤(鐐)委員 大体石油並びに天然ガスが流体鉱物であるというような点と、一層エネルギーを保護しなければならないというようなことが重点のようですが、私はわざわざこういう別な法律をつくらなくても、鉱業法がありますから、鉱業法の一部改正あるいは追加等によつていいのではないかというふうに思うわけです。わざわざ別の法律を必要とされる理由というようなものが、今の御説明ではまだ十分にわからないのでございます。
#50
○松田説明員 法律にいたしました理由は、先ほどの目的を果しますために、お話にもございましたように流体鉱物の特殊性からいたしまして、一度ガスあるいは水というものの圧力を損じますと永久に地下に眠つてしまうという特殊な鉱物であるという点が一点と、従来の例から見まして、なるほど企業家の方々も十分いいということは御存じではありましようが、なお不徹底な事例もございましたし、さらに一企業家がこの趣旨を徹底されたといたしましても、隣接鉱区の関係その他で他の企業者がそれをおやりにならないということになりますと、やはりその趣旨が没却されてしまうというふうなことにもなりますので、少くとも現在の状態で申しましたならば、最小限の法規制を実施いたしまして、目的の貫徹をはかりたいという趣旨でございます。
#51
○加藤(鐐)委員 御説明を聞いておりますると、要するにこういう非常に貴重な資源の開発についてできるだけ合理的な方法をとろうということが第一目的であるようであります。しかし私はこういう貴重な鉱物であり、また採掘が非常に技術的にむずかしいものでありまするからこういう別な法律をつくられるならば、本法に示されているようなただ合理的な開発をいろいろきゆうくつな法律をつくつてやろうということだけではなくして、もつとむしろ採掘方法を第一義的に考えられることが必要ではないかというふうに思うわけであります。ところが採掘の方法等につきましてはあまり規定がないようですが、その点はどういうふうにお考えになりますか。
#52
○松田説明員 私、ちよつと失礼ですが、のみ込みが悪いのかもしれませんけれども、採掘の方法と御指摘になりました点が、私の聞き違いかもしれませんが、採掘の掘り方の方法をこういうふうに最小限に規制をするというのがこの法律の第二章でございます。採掘の方法とおつしやいましたことを私が聞き違いをしているかもしれませんが…、
#53
○加藤(鐐)委員 第二章のいわゆる採掘の方法が非常にむずかしいものであるから、政府の考え方からいえば、こういういろいろなむずかしい規定をなさるのならば、むしろ採掘の方法等についてもつといろいろと具体的な規定をなさるべきではないかと思うわけです。ところがこの法律案を見ますと、いわゆる合理的な開発をすることが第一義的であつて、採掘の方法を定めるということは第二義的になつておるように思われるのであるが、その理由をお伺いしたいのであります。
#54
○松田説明員 掘鑿の方法でございますが、今のお話を伺つておりますとこういうことではないかと思います。たとえばこれは例がいいかどうか知りませんが、坑井を掘る場合に、まつすぐに掘るか横に掘るか、その掘り方をもう少し規制すべきであつて、四條あたりできめました井戸を掘つた場合においては仕上げ工事を行わなければならぬ、そのあとの方を押えないで、前の方のまつすぐに掘るか横に掘るか、その掘り方そのものについてもう少し規制すべきではないかというふうなお話かと承りますが、もしそのようなお尋ねでございますれば、現在石油の井戸を掘ります場合に井戸をどうするとか云々というような面、さらに掘り方そのものについての技術的の面は残るかと思いますが、これは企業者の方がおやりになる通りでけつこうでありますので、そこの技術的の細部の面までは入る必要はない、ただ掘ります場合に水を上から流し込みますときの入れ方についてはやつておるつもりでございます。
#55
○加藤(鐐)委員 それはよくわかりました。これは非常に技術的にむずかしい問題であるからある程度業者の自主性にまかせる、特に技術の面においては業者側のいろいろな技術のくふうにまかせるというあなたのお考えはそれでけつこうだと思います。ところがそういう考え方からいたしますと、この四條から十條あたりまでいろいろと非常に厳重な規定がしてあるわけであります。何々をしてはいけない、あるいは命令をすることができるというようなぐあいに、非常に強い処置が構ぜられております。そうすると今あなたのおつしやつた考えと矛盾するように考えられるのですが、その点はどうですか。
#56
○松田説明員 私の申し上げようが不徹底であつたかと思いますが、井戸をお掘りになる場合に、油層の保護だとか、合理的に掘り出す、うまい技術で掘つていただくという場合に、最小限これだけはやらなければならないというものだけをここに規定したという意味でございます。
#57
○加藤(鐐)委員 最小限とあなたはお考えになるということですが、私は企業者のくふうを要するようないろいろ技術的な問題について、ことごとく何をしてはいけないとか、あるいは命令するかというような考え方、規定というものは少し厳重過ぎるのではないかと思うわけです。特に石油資源の開発のような問題は、非常に高度な、技術的なくふうがいり創意がいる問題ですから、こういうふうに何々をしてはいけないとか、あるいは命令するというようなことを規定しておいて、失礼ですけれども、政府の技術的にははなはだ未熟だと考えられる若い技官等がそういう命令をする、この規定に基いていろいろ嚴重な制限を設けるという考え方でなくして、もつと幅のある考え方、規定をした方がよくはないかと思うのですが、その点どうですか。
#58
○松田説明員 御指摘がございましたように若い技官のみでこの法律に規定してありますことをやろうという考えは毛頭ございません。お読み願つておるかと存じますが、五條の坑井間隔をきめるにいたしましても、あるいは七條、八條、九條あたりで命令を出します場合にいたしましても、あとの方の條文に規定してございますが、審議会をつくりましてその道の権威者、学識経験のある方々の御意見を聞きましてきめて行くことになつておりますので、若い技官だけでかつてなまねをすることはございません。
#59
○加藤(鐐)委員 審議会を大いに活用するという御意見ですが、従来この種の審議会というものがはたしてどの程度まで活用されておるかということについて多少疑問を持つている。この審議会は月に何回ぐらい開くお考えですか。
#60
○松田説明員 今までの一般の委員会にもいろいろございますが、私どもの方で考えておりますのは、現在資源庁にございます審議会ピヤツクと称しておりますが、そこでも技術的に非常に厳重な愼重な審議が行われておりますが、その例のごとくやつて参つたつもりでございますし、今のところもちろん問題が起りますればそのたびごとに開催はいたしますが、およその見当としては一月に一回ずつは開かなければならないようになるのではなかろうかと現在のところ考えております。
#61
○加藤(鐐)委員 月に一回は必ず開くというお考えですが、それ以外に重要な問題が起つた場合、緊急を要する場合には必ずお開きになるお考えですか。私は前回の鉱業法の改正のときにもお伺いしたことがあるのですが、開かれている回数が割合少いように思うのです。今後今あなたがおつしやつたような方針でおやりになるかどうか、もう一度お伺いいたします。
#62
○松田説明員 その通りにいたしたいということを重ねて申し上げます。
#63
○加藤(鐐)委員 次に補助金の問題ですが、この法案によりますと、補助金を順次国庫に返して行くということですが、今までこういう例がありますか。
#64
○松田説明員 この法律の附則で廃止していただきたいというふうにいたしております元の資源開発法にこういう規定がございまして、従来こういうやり方でやつて参つております。
#65
○加藤(鐐)委員 これと同じやり方ですか。つまりただ借りただけを返すということでなく、さらにそれ以上の額になるわけですが、そういうやり方をやつたわけですか。
#66
○松田説明員 やり方はその通りでございます。ただ数字的に申しますと百分の三以内となつておりますが、元の場合は省令で百分の二くらいかとも思いますが、数字的にちよつとその辺の違いはありますけれども、こちらも以内となつておりますので、考え方そのものは同様でございます。
#67
○加藤(鐐)委員 補助金を返すということも場合によつては、けつこうかもしれませんが、今も言つたように、補助金としてもらつた額以上のものを、しかも永続的に返さなければならぬというのは、どういう考え方の上に立たれるのか。返すという趣旨ならば、もらつただけの額に達すればよいということになるわけですが、その点はどうですか。
#68
○松田説明員 こういうふうにきめてやることについて、私どもが考えておる考え方は、大体こういうふうな考え方でおるわけです。これは試掘に補助金を出すことになりますけれども、石油の試掘というのは、御承知のように非常に危険率が高い。あるいは三十本に一本だとかあるいは十五本に一本だとかいうふうなこともいわれておりますので、一面に危険率が非常に高いという特徴が一つあろうかと存じます。それから国全体としてもこの試掘によつて新しい石油の埋蔵資源をつかみたいという希望もあろうかと思います。そういうことで、企業体と国と一緒になつて探して行こうという意味で補助金を出しておるかと思います。そこでもう一つこの石油の試掘の特徴として考えられるものは、試掘が成功いたしまして――当る率は少いでしようが、一度当りますと、普通の産業で工場をつくるような場合とはちよつと違いまして、試掘井そのものから多量の油が吹き出して来るということで、その面からだけ考えますと、別にさらに新しい大きな投資をしなくても比較的大きな企業収益があるわけであります。これはやはり国民の税金の結集としての補助金でございますので、その企業利潤の適当な分を除きまして、さらに利潤がある場合には、これをお返し願うようにしたらどうかと考えておりま
#69
○加藤(鐐)委員 御説明は非常にけつこうな話ですが、私はそういう利潤があつた場合には、他にいろいろとるべき方法はあると思うのです。補助金として出したものを返す場合には、あるいは補助金の額だけ返させるということが筋が通つておるのではないかと思うわけです。しかしこまかい点はまた別の機会にお聞きします。
 次に補助金の額ですが、予算について見ますと、本年は非常に額が減つておるようです。昨年は一億一千万円、本年に四千万円ということで減つております。昨日かの御答弁は、帝石に補助金を出す必要がないからということです。私ははたして通産当局が帝石に補助金を出す必要がないとお考えになつてこういう処置をとられたかどうかという点に疑問を持つわけですが、今年からまたこういう法律をつくつて、石油並びに天然ガスの開発を大いにやろうというならば、予算の上において、わずかの額ならばともかく、非常な減額をしないで、さらに一層奨励をすべきではないかと思うわけですが、その点はどういうお考えですか。
#70
○始関政府委員 試掘助成金の額が昨年に比べて大分大幅に減少いたしております点につきましては、昨日も申し上げた通りでございまして、帝石といたしましては、二十七年度に予定いたしております探鉱の計画に対する予算額は大体六億見当でございまして、ただいまの帝石の実情から申しましても、この程度のものは奨励なしにやれるというような見解からいたしまして、さしあたりといたしましては帝石の分だけ計上いたしませんでした。ただし昨日も申し上げましたように、状況の変化いかんによりましては、この点は考え直して参る必要もあろうかと存じておりますが、目下の状況では、二十七年度分としては一応必要はなかろうという意味におきまして、帝石の担当いたしまする分野における探鉱が不十分に終るおそれはないものというように考えておる次第でございます。
#71
○加藤(鐐)委員 私は別に帝石の肩を持つわけでもないし、またその理由も全然ございませんが、帝石はいわゆる特殊会社で、政府が大分資本を持つておるような会社で、しかも日本の石油のほとんど大部分を担当して開発しておる会社ですが、日本の石油をこの際大いに積極的に開発しようというならば、私は帝石の補助金を減らす必要はないように思うわけです。私どもいろいろな風評を聞きまするので、特にこの点をお伺いするわけなのです。どういう風評か具体的なことは申し上げませんけれども、おそらく政府でも御承知のことと思う。何かそこに感情的なものがありはしないかとも私は思うのですが、そういう点はありませんか。
 さらに根本の問題に関係するわけですが、補助金が帝石に大いにあれば、さらにやる計画が立てられるのかどうか。要するに、これは日本の石油資源の保存量という問題にも関係して来るわけですが、日本の石油開発というものは非常に若いといわれておるわけです。その若いということは、埋蔵量は非常に多いけれども、まだいわゆる探鉱というものが十分に行われておらない。また技術が未熟である。こういうことのために、国内需要量の一割も期待できないというような状態であるのか。保存量が少いからできないのか。こういうことをお伺いしたいのです。
#72
○始関政府委員 帝石は今日では特殊会社ではございませんで、普通の会社でございますが、いずれにいたしましても、帝石の立つております探鉱計画というものに対しましては、帝石の自力でやつて行けるだろうというような見解のもとに、補助金を今年度につきましては計上いたさなかつた次第でございます。それ以外に別段の理由はございません。
 なお日本の石油資源でございますが、確定埋蔵量といたしまして四百八十万キロリツターというふうに一応考えられております。この確定埋蔵量よりいたしまして、ただいま年間三十数万キロリツターの生産でございますが、将来五十万キロリツター程度までは行き得るのではないか、またそういうふうに努力すべきであると存じておる次第であります。
#73
○加藤(鐐)委員 この予算の非常な減額した理由ですが、先ほど来申し上げる通り、一体これだけしかいらないと考えて要求されたのか、あるいは要求されたけれども、大蔵省の承認が得られないので、やむを得ず減額されたのか、その点を明確にお伺いしたい。
#74
○始関政府委員 私どもの大蔵省に対する予算要求といたしましては、帝石の分も含めて要求をいたしました。しかしながら先ほど申し上げましたように、帝石の内容その他からいたしまして本年度について必要ないであろうという結論になつた次第であります。
#75
○加藤(鐐)委員 それでは、これだけの補助金で本法の目的が十分達せられるというふうにお考えになりますか。
#76
○始関政府委員 こういう性質のものに対する補助金といたしましては、試掘に対する能力等よりいたしまして、多々益々弁ずるといつたような性質もあると思いますが、先ほど申し上げましたように、帝石につきましては一応今年度としては補助金なしでやつて行けるだろう。なおそれ以外の中小の石油会社に対しましては昨年度と同程度の補助金がございますので、一応この程度で必ずしも十分だとは考えませんが、目下の財政の事情その他からいたしまして、一応この程度にするよりほかはなかろうというふうに考えておる次第であります。
#77
○加藤(鐐)委員 補助金は中小会社の探鉱のみに出せば、この目的は十分達せられる。しかしいろいろな資源を温存するとか、保護するようなこと、またこれを有効に合理的に開発するというようないろいろな規定というものは、補助金を適用しない帝石もこれに即さなければならぬ、こういう考え方ですね。
#78
○始関政府委員 二十七年度につきましては、ただいま御指摘のような考え方になつておる次第でございます。
#79
○加藤(鐐)委員 最近いろいろ石油の統制を撤廃するというようなうわさがありますが、政府は撤廃する意思ですか。
#80
○始関政府委員 国産原油の統制は四月以降撤廃する考えでございます。一般の石油の統制撤廃の問題につきましては、現在のところまだいつから廃止するということを決定する段階に至つておりません。
#81
○加藤(鐐)委員 石油の統制を撤廃せられるということが、外国から石油を輸入する場合のことを考慮してやつておられるとすると、たいへんな問題が起ると思うのであります。また考慮しておらなくても、そういう結果になると思うわけです。外国から石油を多量に輸入するために、国内の業者を圧迫するというような結果になることを私は非常に心配するわけですが、その点政府は十分考えておられるかどうか、お伺いしたい。
#82
○始関政府委員 石油の統制撤廃と普通に申しておりますのは、いはゆる消費統制の問題でございまして、原油の輸入につきましては為替の割当という形で統制が行われております。目下為替の状況等からいたしまして、輸入がまつたく自由になるということは、ここ当分の間考え得ないと思いますので、ただいまお話のございましたような点は、為替割当の運用等に際しまして考慮して参りたいというふうに存じております。
#83
○加藤(鐐)委員 こまかい点は保留して、きようはこれで終ります。
#84
○林(百)委員 ちよつと関連して……。
 私はきよう法案をいただいたので、よくわかりませんが、去年の日本の石油の消費量は年間大体どのくらいですか。
#85
○始関政府委員 昭和二十六年度におきましては四百四十万トシ見当でございます。
#86
○林(百)委員 四百四十万キロリツターですか。
#87
○始関政府委員 そうです。
#88
○林(百)委員 先ほどお聞きすると、このうち三十万キロリツターは国産だということですが、あとはどこから輸入しておるんですか。
#89
○始関政府委員 御承知のように、輸入につきましては、製品で入りますものと、原油で入りますものとがございます。原油で入るものにつきましては米本国、中東、南方の三つにわかれております。
#90
○林(百)委員 量を……。
#91
○始関政府委員 その中で七割が中東地区でございます。あとの二割が南方、一割が米本国、大体その程度に御了承願つて間違いないと思います。
#92
○林(百)委員 それから本年度輸入計画と輸入の実施状況はどうなつておりますか。
#93
○始関政府委員 外貨がつき得る限りにおきましては今日までのところ一切輸入に支障がございません。従いまして輸入計画通り大体入つております。
#94
○林(百)委員 計画通りになつていると聞いていいわけですね。――そうしますとこの法律によつて先ほどの三十万キロリットルを五十万キロリットルにしてそれから輸入量を少くしようということなんですか。
#95
○始関政府委員 石油の消費量は大体増加する傾向がございますので、国産原油の量が若干ふえましても全体としての輸入量はなるべくふやして参りたいというふうに存じております。
#96
○林(百)委員 そうすると輸入もふやすし、国内の生産量もふやすということで、これによつて国内の生産量をふやして輸入を減少するという考えなはいわけなんですか。
#97
○始関政府委員 絶対量としての輸入量を減らすという考え方はございません。
#98
○林(百)委員 役務賠償とかいうような形で将来南方へ日本の採掘の技術を出すというようなことからこういうような法案をつくつて、それを保護するという観点は全然ないのですか。
#99
○始関政府委員 南方の石油資源の開発に何らかの形で参與する問題とこの法案とは関係ございません。
#100
○林(百)委員 そうすると関與するという方針は、考えていることは考えているのですか。たとえば東南アジアの貿易の問題もありますし、それからマレー・インドシナ等の賠償問題も起つておりますが、こういうような賠償の問題で役務賠償の一つの手段として石油の開発あるいは技術の導入ということを考えているのですか、いないのですか。
#101
○始関政府委員 賠償との関係等におきまして具体的にどうこうということを考えている、あるいは方針が決定しているとかいうことはございません。ただ相当の技術がございますので何か適当な形で南方に進出することができればということは私ども気持としては考えておりますが、別に具体的なものはございません。
#102
○林(百)委員 補助金の中に見返り資金は入るのですか。
#103
○始関政府委員 補助金は一般の政府の予算でありまして、見返り資金は関係がございません。
#104
○林(百)委員 そうすると一般会計の普通の支出として出されるので見返り資金からは出ないというわけですね。
#105
○始関政府委員 その通りでございます。
#106
○林(百)委員 これは私今ずつと通覧してみましたし、それからこの帝国石油株式会社の意見書というのを読んでみたのですが、これは結局この補助金制度を通じ、あるいは命令指定というような制度によつてこの石油業に対する政府の権限を強化する、ちようど戰時中の統制行政に一歩近づいて来るような感じがするのです。大分再軍備というような問題も非常に論じられているときでありますが、戰争と石油というものは不可欠のものでありますから、この石油を再び政府が相当の監督あるいは補助金というような形でこれを統制し、この業界に対する政府の権限を強化して来るという方向に一歩行くのではないか。この法案はそういうふうに思われますが、その点について政府ほどう考えますか。
#107
○始関政府委員 この法律によりまして従前の資源開発法を廃止いたしますが、廃止いたします前の法律はむしろただいま御指摘になりましたような国家が石油企業をコントロールするという色彩のものでありましたが、今度はそういうものではございませんで、昨日来申し上げておりますような石油が非常に貴重な地下資源であるということと、もう一つは流体鉱物であるという特殊な事情からいたしまして、必要最小限度の技術面の指導をやつて参りたいということでありまして、その点は前の法律を廃止することと照し合せてお考え願いますとよく御了解願えることと存じます。
#108
○林(百)委員 たとえばそれぞれの会社がどういう採掘の方法をとるかということについて何も政府がこういう方法をとれ、こういう方法をとるなら補助金をやるというようなことでなくで、業界の自由にまかせるわけに行かないのですか。そういうことまで政府が干渉する必要はないと思うのです。
#109
○始関政府委員 採油の方法についていろいろ制限を加えますとと補助金を出しますことは直接の関係はございません。補助金を出しますことは探鉱を奨励するという趣旨でございます。なおこの採油の技術的な方面につきまして、なぜ国として特に監督を加え制限をする必要があるかという点でございますが、この点は昨日から繰返して申している点でございますが、石油がほかの鉱物とは違いまして、流体鉱物としての特殊な性格を特つておりまして、地下の天然ガスないしは水というような内部のエネルギーによりまして初めて地上に持つて来ることができるものでありまして、従いまして油層の状況を悪くいたしましたり、地下のエネルギーを浪費いたしますと、そこにございます石油は永久に掘り出すことができないという性格を持つているわけであります。そのことは企業といたしましても当然ある程度自主的に考えるわけでございますが、企業の根本的な建前であります営利主義の観点等からいたしまして、時としては濫掘に陥るという弊がないでもございませんが、これも昨日申し上げましたのでありますが、一つの企業でせつかく合理的な採油をいたしましても、その隣接鉱区におりますものがめちやくちやなことをいたしますと、まつたく何にもならないというような点もございますので、法律によつて規制をいたして参りたいと考えておる次第でございます。
#110
○林(百)委員 そういうことはわかりますが、たとえば罰則などを見ましも、政府の方針のような採掘方法を施設しない場合には一年以下の懲役、十万円以下の罰金、しかもこれを併科する。こういうことまでして採掘の方法を強制する必要がどうしてあるのでしようか。普通の業界にはちよつとないのですが……。
#111
○始関政府委員 これはただいま申し上げた通りでございまして、石油につきましてはよほど掘り方を注意いたしませんと、せつかく存しております埋蔵量の大部分のものが地下にそのまま残りまして永久に掘り出せないということになるわけでございます。もちろん石油業者は鉱業権によりましてこれを掘採取得する権利があるわけでございますが、石油の特性を考えまして、最も合理的に国家意思に合うように採掘して参る必要があるわけでございます。さような観点からこの法律ができておりますし、またそれを裏づけるためのただいま御指摘のような罰則もついておると御了承願いたいと思います。
#112
○林(百)委員 補助金の問題、これは税務署が税金をとるのと同じような国税徴収法の適用をして、延滞金まで全部つけて、もしそれを納めない場合には国税滞納処分法によつて処分までするというのですが、これではまるで高利貸が金を貸すようなことになるのですが、私は今言つた採掘の方法についての行政権限の強化と、それからこの補助金を通じて、これはやはりあなた方官僚が発言権を大きくし、あなた方がいばり立てて、業者にあなた方の前に頭を下げさせたくてこういう法律をつくるのだと思うのですが、そういう点はどうです。どうもこんなにまでして、他産業と違つて、補助金を出して納付金を納めない場合には延滞利子をつける。それをやらなければ国税徴収法を適用して処罰するというような、こういう法律は他にちよつとないのですがその点どうですか。
#113
○始関政府委員 石油の合理的な採掘の方法は、法律の有無を問わず非常に大事なやかましい問題がありまして、もし私どもが不合理な採掘の行われておるのを黙認しておるということでございますれば、これまた非常な世間の非難が集まるわけでございます。今言つたように、私どもとしては別にいばるとかいうようなことはまつたくございませんので、政府としての最小限度の責めをこの法律によつて果して参りたい、さように存じておる次第であります。
#114
○林(百)委員 これは技術的に言うと、二次採取法というのですか、専門的なことはよくわかりませんが、あなた方のいうこの採掘方法は専門的に言うと何という方法ですか。
#115
○始関政府委員 この法律の一番主となつておりまするのはコンサヴエーシヨンというのでございまして、それと二次採取とは若干観念が違うように思います。
#116
○林(百)委員 アメリカではこういう方法をやつているのですか。
#117
○始関政府委員 アメリカでは、大分前からコンサヴエーシヨンの行き方が発達しておるようでございます。
#118
○林(百)委員 アメリカのような経済的にも余裕があるし、それから固定資産に十分資産を投資することができるような含みを十分持つた事業界なら、こういう方法もとれるでしようが、日本のように、まだ石油会社としてもそれほどの資本力もない、弱いところへ、こういうアメリカで行つているような方法を強制して来て、それをしなければ懲役だ、罰金だ、貸した金も国税徴収法で処分するというやり方は、少しこれはアメリカの法律を無理に日本の業界へ押しつけるという心配が私たちはあるのですが、やはりもう少し事前に業界の意見も聞いて、日本的な法律にして、日本の事業界の実態に即したような方法をやつならどうか。要するに私はこの法案で二つのことを懸念するのです。今まで日本にアメリカの制度が取入れられて、それが日本の実情に合わなくて、大分今困つているのがいろいろあるわけです。たとえば六・三制なんか法律をつくつたけれども、どうなるかわからない。そのほかいろいろな制度があるわけです。これはやはり全然経済的な基盤の違つている日本の業界へ押しつけるところに無理があるのではないか、もう少し業界の意見を聞いて日本の実態に即する方法にしたらどうかということ、この二つを通じて採油業界に対する官僚の発言権が非常に強く、資金的にも、技術的にもあなた方が非常に強い監督権を持つて、戰時中の統制とかわらないような形――少くもそれに十歩か二十歩の歩み寄りのように思うのですが、その点私もまだ十分研究しておりませんが、非常にそういう点が懸念されるのですが、念のために質問しておきたいと思います。
#119
○始関政府委員 コンサヴエーシヨンの考え方はアメリカでも行われておりますが、世界の主要諸国でこういう考え方を実施しておらない国はないようであります。必ずしもアメリカのみの制度ではないと思います。
 それから日本の企業の大きさなり、実力から申しまして、こういうやり方は無理ではないかというお話でございますが、具体的に帝石の場合で申しますと、目下の状況で幾らでも掘れるだけ掘れといいました場合の採油量は、一日千二百キロ余りでございます。これをコンサヴエーシヨンの観念を與えますと、大体九百キロ内外になるわけでありますが、その場合でも帝石といたしましては、りつぱにやつて行けるという見通しでございます。なお中小の業者につきましては、こまかい問題でありますが、油層の指定というような制度がございまして、そういう無理のないような制度にして行きたいと思つております。
 それから官僚統制の強化ではないかとおつしやいますが、先ほど申し上げましように、これはやらなければやらないで、政府は非常な非難を受けるわけでございます。必要最小限度の技術的な管理、あるいは技術的な指導をやつて参りたいということにほかならないのでございます。
#120
○多武良委員長代理 ほかに御質疑がなければ、本日はこの程度にいたし、次会は公報をもつてお知らせいたします。
 本日はこれにて散会いたします。
    午後三時六分散会
ソース: 国立国会図書館
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