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1951/03/13 第13回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第013回国会 通商産業委員会 第15号
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1951/03/13 第13回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第013回国会 通商産業委員会 第15号

#1
第013回国会 通商産業委員会 第15号
昭和二十七年三月十三日(木曜日)
    午後二時十一分開議
 出席委員
   委員長 中村 純一君
   理事 高木吉之助君 理事 中村 幸八君
   理事 山手 滿男君
      今泉 貞雄君    神田  博君
      小金 義照君    澁谷雄太郎君
      永井 要造君    南  好雄君
      村上  勇君    加藤 鐐造君
      風早八十二君
 出席政府委員
        通商産業事務次
        官       本間 俊一君
        通商産業事務官
        (通商企業局
        長)      石原 武夫君
        通商産業政務官
        (通商鉄鋼局
        長)      葦澤 大義君
 委員外の出席者
        専  門  員 谷崎  明君
        専  門  員 越田 清七君
三月十二日
 委員田中堯平君辞任につき、その補欠として風
 早八十二君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
三月十二日
 輸出信用保険法の一部を改正する法律案(内閣
 提出第六三号)
の審査を本委員会に付託された。
同月十一日
 電気料金再値上げ反対並びに地域差料金設定等
 に関す陳情書(長野県電気料金適正化期成同盟
 会長植原悦二郎外一名)(第八五九号)
 電気料金値上げ反対に関する陳情書(長野県議
 会議長片桐知従)(第八六〇号)
を本委員会に送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 日本製鉄株式会社法廃止法の一部を改正する法
 律案(内閣提出第三九号)
 商品取引所法の一部を改正する法律案(内閣提
 出第五二号)
 輸出信用保険法の一部を改正する法律案(内閣
 提出第六三号)
    ―――――――――――――
#2
○中村委員長 これより会議を開きます。本日はまず日本製鉄株式会社法廃止法の一部を改正する法律案を議題として審査を進めます。質疑の通告がありますから順次これを許します。風早八十二君。
#3
○風早委員 今回のこの日鉄の社債発行について、担保の問題が出ておりますが、その担保の負担は当分は延期してもらいたい、こういう趣旨のものであると思いますが、私どもはこの際やはり日本の製鉄業というものが、一体今後どういう根本的な方針でこれが実際上運営されて行くのであるか。これは行政協定等も出まして、大体今後政府としての大きな経済政策の方面は、一応政府としてのものが打出されておると思いますが、特に日本の全産業の根幹をなす製鉄業におきまして、いろいろ解決しなければならない、またこの際解決に一歩を歩み出すのに非常に大事なチャンスであるというような諸問題があると思うのです。私は日鉄関係のような大きなところでも、そのコストの面でいろいろ問題があるくらいでありまして、ましてや一般の鉄鋼業者、ことに平炉メーカーに至りましては、これは関西においても非常なコスト高の問題に悩んでおると思うのです。そこでこの際政府の当局から、日本の鉄鋼業を有利に正常な状態で発展させる根本的な方針というようなものがどういうものであるかを一つまず簡單でけつこうでありますが、その核心の筋を出してもらいたい。これは鉄鋼局長にお尋ねいたします。
#4
○葦澤政府委員 わが国の鉄鋼の根本方策をどうしたよろしいかというお尋ね、たいへん基本的な問題だと私ども思いますが、この前の委員会においても、そういつた趣旨でのお尋ねがありまして、一部の点については申し上げたのでありますが、何と申しましても、日本の鉄鋼業が、御指摘のように日本の産業の根幹産業の一つであるという点に鉄鋼の特質があるわけでありまして、機械とか造船とか車両とか、わが国の重工業の発展の基礎として良質かつ低廉の鉄鋼を供給し得るかどうかということが、鉄鋼の一番大きな主眼点であるというふうに存ずるのでありまするが、それがためには、何と申しましても鉄鋼の合理化、戦時中から戦後にかけまして、その設備の改善更新をほとんどいたしておりませんでした鉄鋼業が、ここに新しい設備、新しい技術を導入いたしまして、鉄鋼業の合理化を完成して、将来の鉄鋼市場における競争にもたえ得る、従つてコストの低減というものを目ざして参るということが、何と申しても現下の最も大きい政策の一つであるというふうに考えておるわけであります。
#5
○風早委員 そこで今コスト切下げということでありますが、国際的に見まして、特にアメリカの鉄鋼、これは薄鋼、棒鋼、それぞれありますが、いずれにしても、アメリカと日本との値段の開きがあまりにも大きいということでありまして、これを少くとも国際並の価格、また具体的にはアメリカ市場での値段に引下げて行く、そういうことだと思うのです。私の承つておるのはコストだけの問題ではありません。一応コストの切下げという根本問題につきましても、この先それはいかなる方法でやろうとしておられるか。合理化と申しましても、いろいろある。今回この法案からすぐ何でもかんでもいろいろな問題が出て来るわけではありませんが、しかし非常な姑息な、ただ彌縫的な方法で日本の鉄鋼業全体として問題は少しも解決されない。われわれとしてはやはり最大のメーカーでありましても、この問題を中心として日本の鉄鋼業全体の、均衡のとれた正常な発展ということを念願するものであります。そういう意味で、一つの経営、一つのメーカーに局限しないで、今日の政府の考えておられる合理化の具体的な方針、こういうものを簡單にひとつお答え願います。
#6
○葦澤政府委員 合理化の内容につきましては、これを大体三つに大別することができると思います。製銑設備の合理化、製鋼設備の合理化、圧延設備の合理化というふうに、大体三つにわかつことができると思うのであります。この三者のうち、わけても圧延設備の改善というものが最もコストの引下げに寄與し得るものだと思います。むろん製鉄、製鋼と相並びまして行われるところにおいて、計算が立つのだとわれわれとしては存じおりまするが、現在のわれわれの計算によりますれば、このまま推移いたしましたときに比べて、圧延設備の合理化まで一応完成いたすといたしますと、薄板などにおきましては約二割くらいのコストの低減をはかることができるのではあるまいかというような見方をいたしております。むろんこれらの合理化の完成によりまして、鉄鋼業全般としてのコストの低減ということが行われるのでありまするが、さらに何と申しましても、鉄鋼業の原料でありますところのスクラップ、鉄鉱石と石炭、この三者の入手をいかにして低廉にかつ良質のものを獲得できるかということが、半面の大きな問題であるというふうに存じておるわけでございます。
#7
○風早委員 そこで大分問題の焦点が出て来たと思うのであります。この圧延設備なり、その他製鋼、製銑の設備が、いずれも相当荒廃しておる状態でありますから、これをやはり改善しなければならない、これはもとよりだと思います。ところでこれは相当の資金が必要であるわけでありまするが、それによる実際の結果、コストの切下げの割合というものは期待通りに行つて二割、ところでこの原料の面におきましては、相当の大きなものだ、全体のコストの中で原料の占める割合、さらにそれから人件費といいますか、人件費ももう少しこまかく、その中で占める労賃の割合とかいうふうな大きな項目でけつこうですが、コストの内訳及びそれが近年どういうふうに実際に改善の方向に来ておるか、その辺の趨勢もひとつ承りたい。
#8
○葦澤政府委員 御指摘のように鉄鋼においては、その原料費が相当多額に上つております。最近の状況についてわれわれの一応試算しましたところによりますれば、原価の中の構成比が、二十五年の六月においては五〇・六%、二十六年の九月においては七三%というような原料費の状況を見ております。従いまして作業費はその残高のものになるわけでありまするが、御承知のように鉄鉱業においては副成物が出ますので、副成物の控除がそこに行われるのでありますが、何と申しましても今申しましたように、また御指摘のありますように、原料費が多額を占めるいうことは事実であります
#9
○風早委員 一つ一つの項目についてこれは真剣にその対策を講じなければならないと思うわけですが、まあだれでも一見して鉄鋼業において一番大きな問題は、やはりこの原材料の問題でありまして、これが二十五年の六月に、今お答えのように大体五割、それが六年、昨年の九月になりますと七割三分、これは非常に偶然ではないのでありまして、結局かねがね問題になつております中国市場からの原料の購入の問題です。ちようど二十五年の六月は、朝鮮の動乱が始まつた月でありましたが、そのころまでは相当中国からも入つており、またこちらからも相当やはり機械その他も出ておつたと思います。特に鉄鋼の関係は非常な輸出をやつたために、輸出の中でも、特に中国に対しては多かつた。ところが二十五年の十二月になつて、ほとんど全面的といつていいような禁止が行われた。それからのことなんです。こういう点がそのまま看過されるということでは、実際に他の面へ非常な圧迫を――作業費の面でも、また人件費の面でも、特に人件費の中の労働賃金の支拂い部分に対して、非常に大きな圧迫を與えることは言うまでもないのであります。そういう点で、この原材料の割安の、つまりこれを引下ざて行く問題について、通産当局としては一体どういうふうな見通しを持つておられるか、またこれをどういうふうに実際打開する方針でおられるか。これは今日いよいよ行政協定の問題が明らかにされて、これが今後の一つ方向転換の時期になつたのであります。そういう意味で、この際特に確固たる通産当局としての見解を承つておきたい。
#10
○葦澤政府委員 問題は、原料の中の特に鉄鉱石と石炭について御指摘になつておるように思うのでありますが、石炭につきましては、御承知のように太平洋を遠く渡つてアメリカから百数十万トンも運ぶ、また鉄鉱石も同じような額を遠くアメリカから輸入をしてまかなつておる現状でありますが、石炭につきましては運賃も相当かかりますけれども、アメリカ炭は何と申しましてもアッシュが非常に少うございまして、実際のメリット計算をいたしますと、一トン当りの値段は高くはつきますが、まだこの近辺の石炭にあながち劣るものであるというような見解は現在私ども持つておりません。ただ鉄鉱石につきましては、必ずしもアメリカ鉄鉱石は品位においてもすぐれたものではありませんので、これをなるべく東南アジアに切りかえまして、近間の良質の鉄鉱石を求めるという方向に現在努力中でありまして、すでにインドのゴア、あるいはフィリピンのララツプあるいはマライのズングンの鉄鉱石の輸送量の増大をはかりまして、着々その輸入高の増加につきまして実現の歩を進めておるような状況であります。
#11
○風早委員 いろいろ方針を伺いますと通産当局の苦心は相当わかるのでありますが、しかしながら道はもつと近いところにあるのであつて、中国との――今粘結炭についてアッシュの問題も出ましたが、しかしながら今まで開らん炭でこれは最も優秀なものとして十分に活用されておつたわけです。特別にこれが悪いということは今まではなかつたわけでありまして、こういつたようなものが手近にある、値段も半分余りだ、こういうような日本の全国民が経済が、特に製鉄業にとつては完全に利益の一致した、そういう道があるわけです。私が現政府、特に産業行政の担当者である通産当局にしかと確かめたいことは、こういう手近な、しかも全業者も望んでおる道がそばにある、これは明かな事実なんです。そういう事実に対して、これをどうしようかということについては、もはや絶望としておられるのか、それともこの点についてはこう考えておるというふうな方針をやはり持つておられるのか。これをさしおいていくらぐるぐるまわつてみても、結局将来の問題として真に日本の鉄鋼業の発展を期するわけに行かぬじやないかと考えるのでありますが、こういう点について、通産当局の次官からお答え願いたいと思います
#12
○本間政府委員 御指摘のありましたように、従来は開らんの炭を使つておつたわけでございます。従つて私どもとしましては開らんの炭が入りますことは希望いたすのでございますが、御承知でもあろうかと思いますが、決済に非常な隘路があるわけでございます。従いまして決済制度が何かうまく解決をされますとか、あるいは向うから炭をよこしまして、バーターで取引をいたします場合に、日本が禁止をいたしております品目以外のもので話合いがつくということでありますればいいかと思うのでございますが、最近の引合いを見ておりますと、禁止をいたしておるような品物について向うの意欲が盛んなような関係がございまして、御指摘のように非常に入つて来ない、こういうような状況に相なつておる次第でございます。従つて私どもといたしましては、決済上の問題、それからこちらから出します品物の問題のような関係が改善されて参りますならば、商売のできるようにいたしますことは一向さしつかえないというふうに考えておる次第であります
#13
○風早委員 そこで私はさらにお尋ねするのですが、この決済の問題などは、実はこの問題の末梢にすぎないと思う。見返りにしましても、問題はただ貿易管理令の附則があるだけの話なのです。そういうものに不当に、つまり日本の輸出し得べきものを出さないという規定があるわけです。ところがアメリカ本国におきましても、アメリカのことは別としまして、こういうふうな禁止、つまりあなたは少くも向うが要求するような見返りというものは、実は禁止されておつて送れない、そのために障害になつておるというお話でありますが、そういう障害は、これは日本の意思ではないわけです。少くも日本の業界の意思ではないし、おそらく政府の真意でもなかろうと私は解釈するわけです。そういう問題についての現政府、特に通産当局の考え方について私はやはり是正することが根本問題ではなかろうかと思う。その問題についてはまた今後私はぜひひとつ政府当局にいろいろな具体的な問題を通じてただしたいと思いますが、さしあたり問題になるのは、アメリカが要求しておる、つまり禁止品目と日本の貿易管理令附表が張り出しておる品目と比べてみても、日本の方はアメリカの禁止品目よりももう一つ幅が広いのです。向うで禁止しておらないようなものまで日本から出すことを禁止しておる。これは一体どういうわけか、実にふしぎにたえないのでございます。アメリカに協力をしなければならない、アメリカのわくというものをわれわれは守らなければならない、これが今まで一貫してとつて来られた態度であると思いますが、そのわくよりももつと広いわくでやろうとしておられるということがどうもふに落ちない。少くとも当面アメリカの、たとえばバトル・ローというようなものがあるわけでありますが、これは昨年の十月からアメリカでは実施せられておるわけでありますが、それよりももう一つ幅の広い大きなわくをつくつてやるというようなことは、これは即刻改め得ることじやないか、今の政府のお立場からしても改め得ることじやないかと思うのです。そういう点で、バトル法なるものに対しては、当局としてはどういうお考えであるのか。これは当面の実際問題として私は考えてもらいたいと思うのですが、どうですか
#14
○本間政府委員 中共向けの輸出品物を制限しておるのは、日本の意思ではないのではないかという御趣意の御質問があつたのでありますが、私どもは国際連合に協力するという方針を決定いたしました日本政府の方針に従つてきめておるわけでありまして、決してアメリカから強制されておるというものではないと思います。従つて日本の政府の意思によりまして実行いたしておるわけでございます。それから日本の禁止をいたしておりまする品物が、アメリカが禁止をいたしておりまする品物よりも多いのではないかという御質問でございますが、御指摘のバトル法は世間に出ておりまする品物もございまするし、それからまたそうでないような品目もあるようでございまして、その範囲は非常に複雑な関係になつておるわけでございます。従つて日本政府といたしましては、ただいま禁止いたしておりまする品目をただちに縮小するというふうには考えておりません
#15
○風早委員 向うよりも広げなければならないというその根拠は一体どこにあるのですか
#16
○本間政府委員 先ほども申しましたように、日本が国際連合に協力をするという建前できめておるわけでございまして、これは日本政府がきめておるのでございますから、従つて風早さんが、どの品物について緩和するようにというような御意見でありまするか、具体的に伺いまして、またお答えをいたしたいと思います
#17
○風早委員 これは別に多数の鋼材を使うもの噂はないにしても、たとえば木船というふうなものがあります。こういうものはやはり大なり小なり鋼材は使いますが、木船のごときはほとんど全面的な禁止であり、かつその中で特に十八フィート以下の非常な小さなものでも一々許可が必要である。こういうものはわれわれが見た限りでは、バトル法にはないのです。こういつたようなことは、この一つの品目に限らないのです。まだたくさんあるのです。私も一々照合する機会はないのです。政府がまだ発表しておられない、付表の二というようなものは、われわれも実は知らないのでありまして、わかりませんが、そういつたようなものには、おそらく常識では考えられないようなものまで入つているのではないかと想像するわけであります。これはついでながら委員長にお願いしておきたいのですが、この貿易管理令の付表はぜひとも印刷にして資料として提出していただきたいと思います。すでにいろいろな専門雑誌、業界雑誌などでこれが発表されておるのでありますが、われわれはたして責任の持てるものであるかどうかわかりませんから、これはひとつ政府資料として御配付願いたい。この点を委員長もひとつ御配慮願いたい。ついでにお願いしておきます。いずれにいたしましても、現政府当局が大体日米経済協力、国連協力、こういう方針をとつておられるということは私は一応前提とします。もちろん前提とするといつても、必ずしも国民の、また業界の利害と一致していることを意味しているものではないということは、私は必ず言わなければならぬと思います。しかしながら一応政府のその方針は前提としても、向うよりもわくを広げているということははなはだ解せない点である。ですからその点について即刻改められる意思があるか。これは木船に限りません。少くもアメリカではこれは禁止しているが、日本では特殊の事情があるから、これだけのものはやつてもらいたい、ことに中国との関係においてはいろいろこちらで持ち出すべき品目が並べ立てられるように思うのですが、そういうことについてどこまで真剣に考えておられるかということを聞いているわけであります
#18
○本間政府委員 先ほども申し上げましたように、国連に協力するという基本線で、いろいろ関係の国々と話合いをいたしておりますることは御承知の通りでございます。しかし日本政府といたしましては、国連協力の線に背馳しない範囲内におきまして、禁止品目を調整しないというようなことを実は申し上げているわけではないのでございまして、政府のただいま申し上げました基本の方針に反しない範囲におきまして、制限品目についてもさらに検討をいたし、研究をいたす用意は持つているわけでございますので、今後とも国連協力の線、また諸般の情勢をも勘案いたしまして、制限品目につきましては、さらに検討を進めたい、こういうふうに考えております
#19
○風早委員 私はもとより政府の国連協力、いわゆる日米経済協力が必ずしも日本の産業界に利益ではないということは、かねがね論証して参つたと思うのでありますが、この点は根本問題です。しかし次官がお答えになつたところによりましても、われわれはもう少しつつ込んで、それではどういうふうな品目についてはどういう交渉をやつているか、具体的な案を今持つておられるならば、それをお示し願いたいと思います。
#20
○本間政府委員 きようは実は、その方の用意をいたしませんでしたので、どういう品目が禁止になり、バトル法の禁止いたしておりまする品目がどれどれというような資料を持つて来ておりませんので、適当な機会にお答えをいたしたいと思います
#21
○風早委員 それはぜひひとつ政府に、実際に誠意があられるならば、つまりわくはだんだんはずして行くという誠意があられるならば、ぜひともその具体的な内容を示してもらいたい。これは重ねてお願いしておきます。
 そこで輸出の販売市場の問題でありますが、今割当制が国際的にとられておる。これがますます強化される。そこで毎期々々の割当てのわくがありますが、これは日本の実際の生産能力、輸出能力から見て、どの程度になつておるか、そうしてこれを打開する道について政府はどういうお考えがあるか。この点もぜひこの際あわせて簡單にお答え願いたいと思います
#22
○本間政府委員 御承知の通り、わが国といたしましては輸出を盛んにいたしまして、国の経済を保つて行くということで行かなければならないのでございますが、政府といたしましては、ドル決済の面におきましては、あらゆる努力をいたしましてできるだけ輸出を伸ばして参りたい、こういう考え方をいたしておるわけであります。昨年来主として問題になつておりまするのは、スターリング・ブロックとの貿易の関係でございますが、昨年は輸出の方が飛躍的に伸びたのでございますが、思うように輸入の方が伸びなかつたというような関係がございまして、ボンドの過剰問題というようなむずかしい問題を提起して来ておるわけでございます。しかし私どもといたしましては、輸出をできるだけ擴大をいたしました線で、輸入ともバランスをとつたところでうまくやりたい、またうまくやらなければならぬということは当然でございます。ただポンドが過剰になりました関係上、やむを得ず一時割当をいたしまして、それに見合う輸入を促進したい、実はこういう処置をとつて行くわけでございますが、何といたしましても、できるだけスターリング・ブロックから買います物を多くいたしまして、日本の方から売ります品物もできるだけ擴大した線にバランスをとりたい、こういう考えでせつかく努力をいたしておるような次第でございます。
#23
○風早委員 今私が伺つておるのは、ポンド圏に対する割当制限、いずれにしても制限が相当大幅で、毎期五十万トンに足りないものでございますが、そうなりますと、結局これを割当てられるメーカーというものが、非常に限定せられるというような危險があるわけでありますが、そういう点はどうなつておるか、これは大きいところだけは出せますが、結局小さいところは出せないということになりますと、相当大規模の企業整備――今もうすでに起りつつあるのですが、大規模の企業整備というものが行われて来るおそれがあるわけであります。そういう点は政府はどういうふうに実情を把握しておられ、また対策を考えておられるか伺つておきたい。
#24
○本間政府委員 御承知のように、スターリング・ブロックへ出ておりますものの中で、比較的金額の多いのは纎維と鉄鋼でございます。そこで今御指摘の鉄鋼の問題に相なるわけでございますが、大体一九五〇年と五一年の実績を基礎にいたしまして、それを主たる要素にいたしまして、そうしてさらにまた生産量でございまするとか、あるいはまた諸般の事情なども勘案いたしまして、できるだけ公平に行きたいというふうに実は考えておる次第でございまして、鉄鋼の関係では、今ただちに事業を縮小しなければならぬとか、あるいは企業整備とかいうようなふうに、この方面からの影響がただちにそこへ行くというふうにはまだ考えておりません。
#25
○風早委員 この割当でもつて、結局はみ出てしまう相当多数のメーカーにとつて、国内市場その他の市場の実際の目途についてどういうふうな見通しを持つておられるか、ことに国内向けの造船界その他に対するはけ口というものが実際に考えられているわけでしよう。
#26
○葦澤政府委員 輸出の総額が御承知のように割当より少かつたのでありますが、ちようど政務次官からも御説明がありましたように、昨年、一昨年の実績並には出るわけでありますから、問題はさらにそれ以上に出したいというものをどうするかという問題になるわけでありますが、これは海外の鉄鋼引合いの状況にも関連いたして参ることでありますので、ただちに割当から御指摘のような問題が出るというふうには考えておりません。
#27
○風早委員 ところが問題は、その海外鉄鋼引合いというものは、そういう傾向にあるわけです。これは今年の全体の国際経済の動向よりして、根本をひとつにらんで話をしてもらいたいと思うのですが、今国内向けの市場の開拓を考えておかなければ、これからさらに鉄鋼増産をやつて、それがはたして実際に売れるかどうかという問題は、大きな実際問題にもなつているのじやないでしようか。その点はにらみ合せてと言われますが、にらみ合せた上で私は言つているわけです。今年の国際経済、ことに軍需花形であるところの鉄鋼の引合いというものを一体期待しておられるのですか。
#28
○葦澤政府委員 鉄鋼の海外における引合いが昨年の秋ごろから相当増加して参りまして、海外に対する引合いも上昇傾向にあるということは、やはり世界においてそれぞれ鉄が需給の上においてむしろ不足傾向にあつたということの証左であると思います。特に最近アメリカにおきます民需向けの鉄鋼の割当が緩和されたというような報道も伝えられて、世界における鉄鋼の需給に軟調のきざしがあるというようなことも伝えられているわけでありますが、私どもはむろん鉄の需給について相当強い調子を示すこともあるとともに、また軟調を示すことも、これは経済の運動は常に一高一低いたしております状況から見ても当然だろうと思いますが、その根底における鉄鋼の需要というものは、相当やはり底流としては強いものがあるというふうに見ております。ただそのときどきの一高一低で、非常に軟調を示したときに、特に施策が必要であるかどうかということが問題になるわけだと思いますが、その低調が相当程度深いものであるか、幅の広いものであるかどうかという見通しにつきましては、私どもはまだ現在はつきりしたものを見通すというわけにも参つておらない次第であります。
#29
○風早委員 そこで、時間もありませんから、最後に日鉄の問題に入りますが、日鉄が富士、八幡にわかれてから後も、今までもう相当の年月を経ておるわけですが、その間やはり資力培養あるいは設備改善について、つまり競争に耐え得る能力培養について一体どういうふうな努力を拂われたのか。ただ漫然と今まで来られたわけでもなかろうと思うのですが、結果から見ますと、今まで非常にサボつていたのではないか。結局やはり特権の上に眠つていたのではないかというような疑念もはさむ余地があるように思うのですが、そういう点は、監督官庁といいますか、そういう意味からいいましても、どういうふうな判断をしておられるのか。これはひとつやはり鉄鋼局長から伺つておきたい。
#30
○葦澤政府委員 日本製鉄株式会社として、日本製鉄株式会社法のもとにありましたときには、御指摘のような政府の監督というような問題もあつたのでありまするが、二十五年に会社法が廃止になりまして、御指摘の富士、八幡両社にわかれましてからは、何ら特殊会社としての監督も行いませんし、特殊会社としての性格もないわけでありまして、ことに両社がほかの各社と異なつた権利の上に眠つておるというような問題はないわけであります。ただ先ほど申し上げましたように、八幡、富士を初めとしまして、そのほかの製鉄各社も合理化計画の完成にそれぞれ努力を傾注いたしておりまして、八幡、富士両社におきましても、当初の計画をさらに増大いたしまして、それぞれ二百五十億というような総資金量を三箇年の間に施設の改新、改造につぎ込むというような計画を立てまして、すでに第一年度を経過して、第二年度に入つておるような次第でありまして、明年になりますれば、それぞれ計画いたしました施設は完成を見る運びになるというふうに考えております。
#31
○風早委員 一番大事なコストの切下げの問題について、政府が日本のこういう大鉄鋼メーカーの利益にも反して、やはり国連協力なり、日米経済協力なり、名前はいずれにしましても、実質は結局安いところから原材料を買えない、そういう点を放置しておいて、そうしてコスト高の一つのとばつちりを、またこういう姑息な特権継続でもつて補う、こういうことははなはだ問題じやなかろうかと私は思うのであります。そういう点で、政府としては、やはり本筋をはずしておるのではないかというふうに考えられるのでありますが、これはこういう法案を出されると同時に、もう少しその根本の禍根について、やはり政府としては反省して行かれる責任があるのではないかということであります。それからなおその結果としまして、この富士、八幡だけがこういつたことになるについて、ほかの群小の鉄鋼メーカーとの間に非常なアンバランスが生ずる、競争條件の非常な不均等が生ずる、こういう点については、政府はどういうふうなお考えでありますか。
#32
○葦澤政府委員 この法案の趣旨とするところのものが、八幡並びに富士両社のコスト高を特に補うというふうな御見解を申されておるように思うのでありますが、私どもはコスト高をこれによつて低減するというようなことは考えておりません。それから、各社との関係において、特に両社が特典を享受する度合いが強いのではないかというような御趣旨かと思いますが、八幡、富士両社以外の鉄鋼各社は、担保の設定、財団の組成につきましては、従来の会社の当然の仕事といたしまして、すでにそれぞれ手続を行つておりますので、ただこの両社がなぜこういうことになつたかと申しますと、製鉄所という官営時代、並びにそれに引続きまして日本製鉄株式会社という特殊会社の前歴を一挙になくしたわけでありまして、それからスタートをいたしまして手続を行つておりますので、各社との間において利害の厚薄があるというようには考えていないわけであります。
#33
○風早委員 しかしこれは債権者として、こういう状態でこれからまた二年なり過すというその間に別に問題は起らないというふうにお考えなのでありますか。
#34
○葦澤政府委員 その富士、八幡両社以外の債権者については、会社が手続を進めておりまする財団組成ができておりまするから、それによつて担保ができるわけであります。ただ富士、八幡については財団組成の手続が完了しておりませんので、特にその社債権者の立場からいいますと不利益をこうむるわけであります。従いまして創立当初から進めておるような各社と同じ歩調になるまでの間、この法案によつて担保能力を付與するというわけでありまして、そこに私どもは厚薄があるというふうには考えていないのであります。
#35
○風早委員 厚薄と言いますが、やはり富士、八幡以外の製鉄会社というものとそこに明らかに差別があるわけです。従つて、これは社債権者の立場から言うわけではありませんが、社債権者としてもこれはその間に担保の設定も何もないわけであつて、今までの日鉄の場合であればそれで済んだわけですが、私営会社としてそういう点がどうも私にはつきりのみ込めないのです。それを政府で保証する、こういうようなことになるわけですか。
#36
○葦澤政府委員 御趣旨がちよつと私どもくみとりにくいのでありますが、政府が保証するというような考えを持つていないわけであります。
#37
○風早委員 つまり八幡、富士とほかの会社との間に、この特典によつて実際競争條件で差異は別にないというようなお考えなんですか。
#38
○葦澤政府委員 その通りであります。差異はありません。
#39
○風早委員 どうも私はそうは受取れないのですが、この問題はまたあとへ保留しておきまして、政府のこういう措置というものが、決して富士、八幡そのものに対しても根本的な合理化の解決方法ではあるまいと私は考えるのであります。そういう点で政府が当然解決しなければならない大きな穴を持つておるという、その責任をやはり政府としては十分にこの際考えてもらいたい。この点を政府に強く要望しまして、今の社債の問題については質問を留保して、一応これで終りたいと思います。
#40
○中村委員長 ほかに御質疑はありませんか。――御発言がないようでございますから、本案につきましては大体の質疑を打切ることといたして御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#41
○中村委員長 それではさよう決定いたしました。
    ―――――――――――――
#42
○中村委員長 次に昨十二日本委員会に付託になりました輸出信用保険法の一部を改正する法律案を議題とし、政府より提案理由の説明を求めます。本間政務次官。
#43
○本間政府委員 平和條約の発効を目前に控えました今日、わが国の経済的自立をすみやかに達成すべき必要性があらためて痛感されるのでありますが、それがためには貿易の飛躍的な振興にまたなければならないことは申すまでもないところであります。政府はここに輸出貿易振興方策の一環といたしまして、輸出取引における諸種の危險を保險する制度をさらに擴充強化するため、このたび輸出信用保険法の一部を改正する法律案を提出して御審議を仰ぐことといたした次第であります。
 現行輸出信用保険法は、昭和二十五年三月三十一日に施行せられ、甲種保険制度を確立して、最近における緊迫した国際状勢のもとに輸出取引に伴う為替制限、戦争等の非常危険に基く不測の損失を救済いたして参りました。また、昨年十二月一日には、これに一部改正を加えまして、機械設備等資本財の輸出につきまして、船積み後その輸出代金を回収するまでの間における買手の破産、支拂い義務遅滞等のごとき信用危險を救済する乙種保険制度をあわせて実施して参りました。しかしながら、過去約二年にわたる甲種保險制度実施の経験にかんがみまして、この制度についてなお改善すべき諸点が見出されましたほか、さらに現下の切実な要請であるドル地域向け輸出振興を促進するため、輸出資金の融通の円滑化をはかり、また海外市場の開拓を期する上に、保険制度による推進策を講ずる必要が生じて参つたのであります。本改正法律案は、かかる必要性に基きまして、現行制度の改善と新種保険制度の設定をその内容といたしたものであります。以下改正法律案の概要を御説明申し上げます。
 改正の第一点は、甲種保險制度の改善であります。甲種保險につきましては、その被保險者及び損失填補の範囲を擴大するほか、損失填補の方式についても技術上の改正る加えております。
 改正の第二点は、丙種保險制度の創設であります。輸出品の生産、集荷等に必要な資金につきまして、その調達の円滑化をはかりますことは、輸出振興上きわめて肝要でありますが、金融機関が輸出資金を融通する場合における最大の関心事は、言うまでもなく、その融通した資金が満期に回収され得るかいなかということであります。丙種保険は、金融機関のこのような不安に着目し、保険制度によつてこの不安を除去して、ドル地域向け輸出に関する金融の疏通をはかるとともに、他方金融機関から輸出資金の融通を受けた輸出業者または輸出品製造業者等に対しては、輸出不能の事由が発生した場合において、輸出資金の返済の延期を許し、もつて損失の償却に要する時間的余裕を與えようとするものであります。
 改正の第三点は、丁種保険制度の創設であります。これはドル地域向け輸出の促進を目的として、輸出品の広告宣伝費用が支出せられた場合におきまして、当該費用が爾後の輸出によつて回収されない損失を保險する制度でありますが、かかる保険制度に基く保護によつて、新市場の開拓及び輸出量の増大をはかるとともに、関係業者の広告宣伝に対する関心を喚起しようとするものであります。
 以上申し述べました輸出信用保険法の改正に関しましては、輸出信用保險に関する政府の事業を経理いたしておりますところの輸出信用保険特別会計の資本金を増額する必要がございますので、昭和二十七年度予算におきまして、一般会計より本会計に対する十億円の繰入れを計上するのほか、所要の事務費の増額を計上いたしております。
 何とぞ御審議の上、御賛成あらんことを切望いたします。
#44
○中村委員長 本案に関する質疑は次会にこれを譲ることといたします。
    ―――――――――――――
#45
○中村委員長 次に商品取引所法の一部を改正する法律案を議題といたします。これより質疑に入ります。質疑の通告がありますからこれを許します。高木吉之助君。
#46
○高木(吉)委員 商品取引所法はこれが施行せられましてから一年有余になつております。現在におきましてはすでに十一箇所の商品取引所が業務を開始いたしておるのでありますが、設立日なお浅い折柄、その取引所の地盤というものが非常に不安であるというふうに聞いておるのでありますが、現在行われておりまする十一箇所の取引所のいわゆる経営状態、経理状態というものに対しては不安がないか、この点お伺いいたしたいと存じます。
#47
○石原(武)政府委員 ただいま御指摘ございましたように、商品取引所は終戦後再開いたしましてからまだ日が浅いのでございます。さような意味におきまして、経理的あるいは財政的にも薄弱ではないかという御趣旨ではないかと思いますが、確かに設立以来日が経過いたしておりませんので、取引所自体の資産という点につきましては、まだそれほど充実はいたしておらぬ点もございます。ただ御承知のように、取引所は開設以来非常に順調に商いができて参りまして、順調な発展を見ておりますので、現在の取引所の運営におきまして、さような不安はないと存じております。御承知のように、繊維業界あるいはゴム業界等におきましても、いろいろ業界といたしましては、景気の変動によりまして倒産その他の問題が生じておる実情でございまするが、取引所の取引につきまして、違約が起きますとか、その他不都合があつたという例は、一度もございません。もつとも会員等のうちに、さようなことになりまして、脱退せざるを得ないというような事例は二、三起きておりまするが、それが影響いたしまして、取引所の商いが円滑に行かなかつたというような状況は、まつたく今までのところございません。各取引所の収支状況につきましては、次の機会までに資料にいたして、具体的な計数として御説明をさしていただきたいと思います。これによりまして御承知を願いたいと思いますが、ただ現在の経済状況のもとで、取引所の行為が円滑に行きまするように、実は本改正案のうちにも、さような観点からいたしまして、特別担保金制度というようなものも置いておるような次第であります。
#48
○高木(吉)委員 今回の改正で、会員に定員制度を設けるという規定になつておりますが、最高限度を設けますということは、不当の競争を防ぎ、あるいはまた会員の素質を向上する、または委託者に対する保護という面におきましては、非常にけつこうであると考えるのでありますが、一面限られた数でありますために、独占的な業務を助長いたしまして、それがためにその経営に対しましていろいろな弊害が起りはしないか。また限られたものが営業するのでありますから、営業権の価値を不当に引上げまして、新しく入つて来る人間に対しまして、非常な営業権を拂わねばならぬというような結果を来しまして、それらの意味におきまして、独占的な業務を助長する結果になりはしないかということを考えるのであります。この点につきましてどういうお考えをお持ちでありますか。またこれは独占禁止法に全然抵触はしないとお考えでありますか。その点をお尋ねいたします。
    〔委員長退席、中村委員長代理着席〕
#49
○石原(武)政府委員 ただいまお尋ねのございました、会員並びに仲買人につきまして定員制を設ける結果それも理由ありといたしましても、一面独占的な、利益を壟断するおそれはないかというお尋ねにつきましては、もしかりに取引所におきます運営が非常に極端にさようなことに、たとえば定数を非常に少数にきめまして、これを絶対動かさぬというようなことになりますと、さようなこともまつたく予想できないわけではないと思います。そこでこの定員制を設けまするにつきましては、主務省におきます登録事項にいたしております。従いまして、定員制を定款で定めまして、登録をいたします際に、一応適当であるかどうかの審査をいたしまして、これが不適当の場合におきましては登録を拒否する規定を、今回の法案でも置いております。従いまして、定員制が妥当を欠くというようなことは、まず運用上ないように心がけて参りたいと思います。
 なお一度定数をきめまして以後変更するにつきましても、登録の変更の申請を要することになつております。この場合におきましても、主務省において適否を判断しまして登録をすることになつておりますので、一度定数をきめて以後かつてに変更して、さような結果になることはないように配慮いたしておるつもりであります。
 さらに特別の変更をいたしませんでも、事情の変更によりまして非常に定数が少な過ぎるというような場合におきましては、これは法律的には監督規定によりまして定款の変更命令を出し得る。たとえば委託者の保護を考えますとか、さような公益上の必要がございますれば、定款の変更命令を出し得ることになつております。さような法規もございますし、十分その辺の趣旨を体して運用すると思いますから、ただいま御指摘の弊害は一応ないものと考えております。さような弊害は起らぬように運用上十分注意いたす考えであります。
 なお事業者団体法と独禁法の関係でございますが、事業者団体法は実は取引所には適用しないことにいたしております。さような意味において、事業者団体法の関係は問題はございません。それから独禁法の関係も、これは証券取引所も実施いたしておりまして、独禁法においても問題はないと心得ております。
#50
○高木(吉)委員 次に仲買人の外務員の登録の問題でございますが、現在すでにこの外務員が仕事をしておるという状態でありますので、この登録制は非常にけつこうなことでございまするが、現在株式取引所において行われておりまする外交員の弊害は、ただちにこの商品取引所にも起るであろうということを考えるのでございます。ことに、大体におきまして商品取引の場所は、営業所または事務所で行うことは当然でございますが、これらの売買に対するところの現金の取扱いというものに対しては、おそらく外務員が直接にこれを授受するであろう、そういう場合の弊害、また現金の授受が行われないといたしましても、今日株式取引の外交員がよくやりますところの、売買の委託をのむというようなことも行われると思うのであります。これらの点に対しまして、これを防止するお考えは政府においてお持ちでございますか。
#51
○石原(武)政府委員 商品仲買人の外務員の制度を今回採用いたしますことを考えましたのは、現在の法制が非常にきゆうくつ過ぎまして、実情に沿いませんので、それをある程度緩和いたしたいという趣旨でございますが、ただいま御指摘のありましたように、証券取引所におきましては、かねてから外務員制度が設けられておりまして、それの弊害も間々新聞等にも出ておりますし、相当のトラブルがあることは、われわれも十分承知いたしております。従いまして、この改正案を考慮いたします際にも、その弊害をいかにして除去し、また一面、実際上の商売上必要な要求をどうして満たすかという点で苦心いたしたわけでございますが、今回は法案にございますように、当該仲買人の使用人のうち、取引所で登録したものに限るということにいたしておる次第であります。証券の場合には現在におきましても相当の弊害があるということも、御指摘がございました通り、私もあるいはさようかと存じますが、ただ商品の場合は、証券ほど一般国民大衆が売買をすることは非常に少いかと思いますので、さようの点からいたしまして、外務員の不正を行うチャンスは、一般的に言えば非常に少いのじやないかと考えます。大体商品の委託をされる方は、何らかの意味におきまして商業的な活動をしておられる、あるいは生産活動をしておられるというような方が大部分であると思います。さような点で、多少証券の場合とは事情が異なるとは存じますが、それにいたしましても、できるだけその弊害をなくする意味におきまして、取引所におきまして、各仲買人の外務員の登録の基準をきめまして、それに合致する人を登録いたしまして、十分監督いたしまして参ります。たとえば年齢の制限でございますとか、従来の当該使用人の行為がどうであつたかというような点からいたしまして、不適格者は除外いたしまして、適格者だけについて登録をする。かりに登録を受けました者につきましても、思わしくないような場合がございますれば、登録を取消しますとか、さような質の向上をはかつて行くというような措置もあわせて考えてございますので、現在われわれの予想といたしましては、かような限度におきまして外務員制度を認めますならば、一面現在仲買人の強く要望しておられる、また実情に沿つた運用もできると思いますし、一面弊害につきましては、それほど心配することなく、円滑に行くのではないかと考えております。
#52
○高木(吉)委員 ただいまのお言葉で大体わかるのでありますが、証券と違いまして、商品取引所の方は相当に金額も張るわけでございます。もちろん一般の人がやるのではないのでありますけれども、扱いますところの性質によりましては相当の金額の取引ができる。その場合に外交員の失敗と申しますか、あるいは不正によりまして損害を生じたという場合におきましては、それは外務員自身の責任でありますか、あるいはまたその責任はこれを使用したところのいわゆる仲買人まで及ぶ性質のものでありますか、この点を伺つておきたいと思います。
#53
○石原(武)政府委員 ただいまのお尋ねは一般的にはなかなかはつきりした限界が困難で、具体的なケースによつて実はきまるものと考えますが、委託の勧誘をいたします範囲内につきましては、仲買人といたしましては、登録いたしました使用人に対しまして、一般的に委託の代理権を與えたということは当然推定ができると思います。これはさような趣旨で取引所に登録をいたすわけでございますから、その使用人が当該仲買人の委託の勧誘をする代理権を持つておることは問題がないだろうと思います。従いまして委託の勧誘の範囲内の業務につきましては、これは民法の原則で参るわけでございますが、原則としてその責任は本人に帰属するものと考えます。ただ実際の行為にあたりまして、当該仲買人の代理人としてやる行為であるか、あるいは客の方の委託を受けてやる行為であるかという点につきましては、事実問題として個別的に判定をいたさなければならぬかと思います。かりに客の代理人としていたしました行為につきましては、その本人の仲買人に当然には及ばないという形に相なろうと思いますので、これは個々のケースによりまして、従来の判例等を見ましても、具体的な行為によりまして、どちらの代理人であるかというようなところは、非常に論争の的になつておるようであります。従いまして具体的な何か不正事件が起きました場合に、はたしてその責任がどちらに帰属するかは、具体的な事例の判断にまたなければならぬと思います。ただ先ほど申しましたように、当該仲買人の業務の範囲内におきまして委託の勧誘をしておる限りにおきましては、当然本人に責任が帰属するということになつております。
#54
○高木(吉)委員 そういたしますと、客の方からその外交員に注文を発しました場合におきまして、損をいたした場合におきましては、その外交員一人の責任である、こういうぐあいに解釈してよいわけでありますか。
#55
○石原(武)政府委員 ただいまお尋ねの客から注文を発してそれを受取つた場合におきまして、不正行為を起したような場合におきましては、これは当然外務員の委託の勧誘をやります業務の範囲内だと存じます。従いましてその委託を受けましたものは、民法の原則によりまして当然本人の責任に帰属をいたすと思います。ただ実際問題として一番問題が起きますのは、金を預かつた場合に、それが仲買人の代理としての範囲内であるか、あるいは客から頼まれて金を預かつたのであるかという点が問題の焦点になるのであります。ただいまお尋ねのような範囲内におきましては、これは当然仲買人の委託の業務の範囲内であるというように考えます。
#56
○高木(吉)委員 そういたしますと、仲買人が登録をしておつても、それが災害の起つた場合には外交員にとどまるということであると非常に不安であつて、取引が円滑に行かぬという結果になるのじやないですか。それは仲買人に登録して、仲買人の使用者であるという点におきましは、あくまでもその債権債務は仲買人に移るべきものであると思いますが、その解釈はいかがでありますか。
#57
○石原(武)政府委員 大体今お尋ねの通りでございます。実は私が答弁を申し上げますときに、本人ということを申しましたが、先ほど申しました本人というのは、外務員が委託を受けている仲買人のことを意味いたします。代理人に対する本人というような趣旨で申し上げましたので、非常に誤解をされたかと思いますので、はなはだ恐縮に存じますが、外交員のいたしました行為が原則として商品仲買人の行為と見られる、従つて責任は商品仲買人が負うものというように御了解を願います。
#58
○高木(吉)委員 それで了解をすることができましたが、次に監督の規定でありますが、大体今度の規定には取引所の自治ということを非常にうたつておりまするにもかかわりませず、立入検査をやることができるということになつておるのでありますが、これは立入り検査は会員仲買人等の帳簿の検査まで行うのでありますか。そうした場合におきましては立入り検査上の弊害を伴うおそれがあるのでありますが、言いかえてみますれば、監督規定の発効によりまして検査をいたしました結果、それが徴税の上に利用せられるという場合、その検査規定が税法上有効であるかということにつきましてお伺いいたしたいのであります。
#59
○石原(武)政府委員 今回監督規定を一部改正をいたしますのは、従来の規定が価格の不当な高騰等によりまして、過当取引が行われるのを防止する範囲内だけということに限定されておりましたのですが、先ほど来お話がございましたように、商品取引所ができてから日が浅いために、実際の法令あるいは定款、業務規程、受託契約準則等の取引所内部の諸規定の運用につきましても、さらに監督をする必要があると考えますので、それらの法令あるいは取引所の諸規則の励行を期するためにも、一応監督ができるというような趣旨に改正をいたしたわけであります。いろいろ立入り検査の点につきましてお尋ねがございましたが、これは各法令にほとんど共通に入つておる字句でありまして、法令の建前から申しますと、取引所あるいは仲買人等の業務の検査もできることになりますし、会計上の検査も当然できる解釈でございます。ただいま税務関係につきまして御質疑がございましたが、ちよつと私もはつきりお話の点をのみ込めません点もございました。従いまして形式的には会計上の検査ができますので、それが税の査定の場合といかなる関係になるかという問題が起るかと思いますが、われわれといたしましては、取引所の円滑な運用をはかる範囲内において検査をいたしますので、たとえばその検査をいたしました結果、取引所あるいは会社等の収支関係にもあるいは調査が及ぶ場合もあり得るかと存じますが、さようなものをただちに税務の方に連絡をするということは一切いたさないつもりであります。もしわれわれの方で検査をいたすといたしましても、取引所法に定めますところの運営が適正に行つておるかどうかという点だけを討象にいたしましてやつておりますので、ちよつとただいまのお尋ね十分わかりかねる点もございましたが、一応そういうふうにお答えを申し上げます。
#60
○高木(吉)委員 検査の結果、かりにAの仲買人が脱税をしておるということを発見した、そういう場合に検査規定によつて検査をせられた結果が、税務署に連絡をとられるということによつて、それが有効であるということもあり得るわけであります。
#61
○石原(武)政府委員 通産省といたしましては、かようなことがもし判明いたしましても、これを税務署に連絡するというような考えは毛頭ございません。
#62
○高木(吉)委員 次には特別担保金の問題でありますが、それは非常にけつこうな制度であると思つて、非常に賛意を表するのでありますが、この会員のうち債権者の債務の不弁済にあたりまして、その債権者の会員の信認金あるいは仲買保証金及び売買証拠金を債権者に支拂い、しかも会員全部の特別担保金をもつて優先弁済をしてもなお足らないという場合は結局その債務者は破産してしまうであろうことが考えられるのであります。そうした場合におきまして、破産後といえども、八十四條の第四項にうたつておりますところの、債権者に対しまして、破産して拂う物がなくなつておるのに、なおそれに対して優先的に拂いもどしをすることを追求できるのか。
#63
○石原(武)政府委員 ただいまの御質問の趣旨が十分にのみ込めませんでしたので、あるいはちよつと見当違いな答弁を申し上げることになるかとも思いますが、さようでございましたら重ねて御質疑願いたいと思います。四項に書いてございますのは、さような違約をしたような債務者たる会員に対しまして、特別担保金を弁済に充当されたために、当該会員が自分の持分が減つたということに相なるわけであります。さような他の会員は、相手方たる違約をした債務者たる会員に対して求償権を有するということになりますと、今お話になりましたように、その違約をしたような会員が破産状態にあるという場合が間々あると思います。さような場合に、破産債権を他の債権同様に平等弁済を受けるということは、破産債権の一部に相成るだろうと思います。従つて破産になりましても全部債権が切捨てということにも必ずしも限りませんので、破産の手続の場合の破産債権の一部として、他の債権参者と同様の順位で、ある一部だけの弁済を受けるという場合もあり得る、さような意味で求償権は残るということにいたしております。
#64
○高木(吉)委員 そういうような場合は、かりに現在はなくても、破産までしなくても将来その人が復活して来るという場合でも永久にこれが残るわけでございますか。
#65
○石原(武)政府委員 今のお尋ねの点は破産法問題に相なるかと思いますので、正確なお答えは後ほど一ぺん調べてから答えさせていただきたいと思いますが、一応の私の考えを申しますと、もし破産をしてしまいますれば、これは破産債権で整理されるので、求償権は消えてしまうと思いますが、破産しましても、何かほかの措置でその当該仲買人が業務を継続すれば、破産に至らない場合におきましては、一に弁済を受けられませんでも、これは時効にかかりません限り債権は有効に継続して、将来弁済を受ける権利は当然残つておるというふうに考えます。
#66
○高木(吉)委員 この特別担保金は、取引所で二つの商品を扱つておるという場合におきまして、たとえば綿布で損が行つた場合に、その人が綿糸も扱つておるという場合におきましては、綿布で迷惑をかけました分を綿糸からの特別担保金で補うということは絶対ないわけでございますか。
#67
○石原(武)政府委員 今回御提案申し上げております法律によりますと、商品ごとにすべて考えておりまして、これは会員の信認金等についても同じことに相なりまするが、今お尋ねのように、綿布でもし違約が起きに場合には、従つて綿糸の方には違約の問題は起らない。ただ綿糸の部門にも、会員であり従つて特別担保金の賦課規定というケースにつきましては、綿糸に関する範囲内だけについてこの規定がございます。従つて優先弁済権等を主張してとれますのは、綿糸の場合に違約が起きますれば綿糸の場合だけでございます。ただその債務者が全部この法律の規定に従いまして、特別担保金によつて弁済が受けられないという場合におきましては、一般の債権者と同じような立場におきましては、綿糸の方におきまして寄託いたしておる特別担保金にも当然求償して参りますが、これは法律の規定の範囲外の問題で一般の債権として生きることになつております。
#68
○高木(吉)委員 この特別担保金は、定款によつて上場品目ごとに預託することになつておりますが、大体政府といたしましては、どのような方法でどれほどの率をこの特別預託金として積み立てられるお考えでございますか。
#69
○石原(武)政府委員 この特別担保金の制度は、法律の規定にもございますように、別に強制をする意思はございませんので、各取引所で、総会等でかような制度を採用したいという御希望のところはかような制度ができ、それに応じて優先弁済権等も生ずるという規定にいたしておりますので、われわれといたしましては、かような制度が各取引所にできますことは非常に望ましいと存じておりますが、先ほど申しましたような趣旨から強制をいたしておりませんので、積み立てます額につきましては、各取引所の会員のきめられる額で、その間それが多い、少いということを役所側で干渉する意思はございません。一応各取引所で現在お考えになつておられますのは、大体万分の二・五くらいずつ積み立ててはどうかというようなところでございますので、われわれといたしましても、そう早急に多額の金を醵出するということは、会員としてもそれは無理だと思いますが、その程度で預託をされて行きますれば、ある一定期間内には、それにいたしましても相当の金額に達しまして、この制度の効果も十分出ると思いますので、大体各取引所の任意にまかしておるような次第であります。
#70
○高木(吉)委員 そういたしますると、せつかくこのいい法律ができましても、それはやつてもやらなくてもいいことになりますと、Aの取引所はこの特別担保金制度を採用する、Bの取引所はこれを採用しないということになつて参りますと、非常にそこに取引所の内容におきましても不安な取引所と堅実な取引所とができるわけでございます。政府はこれを法律といたします以上は、この特別担保金制度はどうしてもやらねばならないというように持つて行くべきだと考えるのであります。また同時にこの積立てをいたしますところの歩合につきましても、これをおきめになるということが必要じやないか、同時にまた一定の金額をある程度まで各会員とも平等に積み立てておくということも考えられるでありますが、そう、うようなことを慫慂すべきであると思いますが、政府はどういうようにお考えになりますか。
#71
○石原(武)政府委員 ただいまお話がございましたようにかような制度を設ける以上は、はつきり強制をして各取引所に積み立てさせるということも確かに一案だとわれわれも考えておるわけでございますが、先ほど来申し上げましたように、取引所自身は、できてまだ日が浅く、また一般の業界の状況も現状のところ必ずしも良好でございませんので、かような制度を今一挙に強制をするということは、業界の負担があるいは重きに過ぎはしないかということで、強制をすることをこの際は一応とりやめたわけでございます。御承知のように繊維の方は、各取引所が大分出そろつておりまして、その後の運営も円滑に参つておりますが、この一月ゴムの取引所はでき、ごく最近に砂糖の取引所も東京、大阪でできることになつておりますが、さような新しい取引所もできて参りますと、強制をすることは、もう少し業界の安定、あるいは各取引所の運営の状況を見てやつたらいかがかというような趣旨でかようなことにいたしたわけであります。ただ通産省といたしましては、すでにできております纎維の取引所につきましては、これはほとんど取引所の運営も順調に参つておりますので、ぜひかような制度を普及いたしたいと思つておりますが、通産省の主管におきましても、纎維の関係の取引所は、各取引所ともこの制度を大体すでに実施しておるところもございますし、あるいは研究中で近く実施されようということになつておりますので、今ここで強制はいたしませんが、実際問題といたしましは通産省の関係ではゴムがこの一月にできたばかりで、まだそこまで準備が進んでおりませんが、そのほかの取引所につきましては、この法律ができますと、そう長い期間もかからず全部実施するようなことに相なると考えておりますので、さようなことで参りたいと思います。
 なお金額を一定するという点も、確かに御指摘のようにした方がよろしいのじやないかという点はごもつともと存じますが、実は各取引におきましても、あるいは業態その他によりまして、その間一律にすることは多少無理の事情もございますし、現に取引所におきまして、純資産額におきましても、あるいは身元保証金等につきましても、差等を設けることを認めておりますので、なるべく多額にかようなものが早急にできますことは望ましいのでありますが、ある程度の幅はむしろ認めてやる方が、各取引所としても実施に移しやすいだろうという点も考慮いたしまして、その点を一律にしないことにいたしたわけであります。ただ各取引所は従来からいろいろ業務運営についての御相談をかねがね定例的にやつておりまして、われわれもよくそういう会合に出て行つておりますが、かようなことで、できる範囲におきまして同一歩調がとれるように進めて行きたいと思いますので、ただいまお尋ねがありましたようなことは、実際問題としてはほぼ解決をするというふうに考えております。
#72
○高木(吉)委員 この特別担保金につきましては、違約者に対する債権者の債権は、違約者に対するあらゆる債権に優先をするという立法の趣旨でござ、いますが、そのあらゆる債権と申しますのは、国税あるいは地方税、あるいはまた給與所得の支拂いにも優先するという意味でございましようか。その点をお伺いいたしたいと思います。
#73
○石原(武)政府委員 これはいわゆる優先弁済権で、会員信認金につきましても同じことになりますが、ただいまお尋ねの国税、地方税等につきましては、それぞれの法律によりましてそれが最優先することになつておりますので、これは優先弁済権よりもさらに上位にありますので、国税等の滞納がございますれば、そちらの方が優先をいたしますが、ただ違約者の積み立てている分に限るわけでありまして、他の会員には及ばないわけでございます。従つて一般の各会員の積み立てております特別担保金全体に及ぶことはありませんが、当該違約者につきましては、国税あるいは地方税等の場合は、そちらが優先することになつております。ただいまお話が出ました退職金等につきましては、ちよつと調べが済んでおりませんので、調査が済みましてから御答弁を申し上げたいと思います。
#74
○高木(吉)委員 次の特別担保金の各会員の割当の支出の方法でございますが、八十四條の二の3の法文を読みますと、どうも解釈しにくいのでございますが、これは例をもつて数字で表わして御説明を願いたいと思います。
#75
○石原(武)政府委員 ただいま一例を書きました資料をお手元に差上げて御説明させていただきたいと思います。
 ABCDEFGと書いてありますが、Aは会員で当該売買取引に基く債権者であります。Gは会員で当該売買取引に基く債権者であります。BCDEFは他の会員でありますが、Gが違約を行いました際において、第一番目に債権者たるAは債務者たるGの会員信認金、仲買保証金、売買証拠金から弁済を受ける。二番目にGの預託しております特別担保金から弁済を受ける。それでなお不足が生じました場合においては、Aは他の会員であるB以下の特別担保金から特別担保金の額に応じて弁済を受けるということになつておりますが、これを例示で示しますと、GがAに対して一千万円の債務を生じた場合におきまして、Gの会員信認金、仲買保証金、売買証拠金がそれぞれ百万円、三十万円、百七十万円と仮定いたしまして、Gの預託している特別担保金が百万円ということになりますると、一千万円からまずそれらを差引きまして残額六百万円が出る。その六百万円がGから直接に弁済を受けられなかつた額に相当するのであります。これを他の会員で負担をするわけでございますが、それを全額A以外の他の会員に負担させるわけではなくて、Aが負担すべき分も計算をして、その残額につきまして、Aを含めて預託しておる担保金の額に応じて負担をするということにいたしておるわけであります。もしかようにいたしませんと、Aはまつたく負担を負わずに、他の会員の方々が負担を負うことになつて不公平になりますので、残額につきましてはAも含めてそれぞれ担保金を預けておる金額に比例してそれぞれ納めるということにいたしております。従つて六百万円につきまして、それぞれ自分が預けている金額に比例してやるということになりますので、Gに一千万円の債務を生じた場合に、この例で申しますと、Aの負担が百六十二万円でありますから、自己の負担額六百万円からこの百六十二万円を引きました他の金額を、BCDEFその他の会員が、それぞれその比率に応じ、預託したもので負担するという結果に相成つております。
#76
○高木(吉)委員 それでよくわかりましたが、この特別担保金は各会員の営業経費として見るべき性費のものでありますか、あるいは利益の中からこれを積み立てるものであるか。この解釈を承りたいと思います。
#77
○石原(武)政府委員 ただいまのお尋ねに関連いたしまして、この特別担保金の制度をしきますからには、ひとつ税の問題を解決いたしたい。またこれは業界から非常に御希望がございまして、目下大蔵省と交渉中でございます。ただいまお尋ねの件はすでに一部実施をいたしておりますが、これは経費でなく扱つておるわけであります。さようなことで、各預託をする会員から申しますと、利益で納めるという形になるわけでございますが、何らかの形で特別担保金について免税をしてもらいたいということで、これは今大蔵省と具体的な方法について研究中でございますので、遠からず何らかの形で解決すると思いまするが、一応われわれが考えておりますのは、各会員が経費で出しまして、特別担保金を取引所において積み立てておきました場合に、取引所に積み立てておきます期間につきましては取引所にも課税をしない。但しこれは持分がございますので、脱退等のときには当然返すことになりますが、本人に返りましたあかつきには、収入に従つて課税をされるという形で、税の問題を解決いたしたいと思います。これはまだ完全に了解がついておりませんが、そう遠からずのうちに何らかの方法で免税を取扱いをしてもらえると考えております。
#78
○高木(吉)委員 これは相当な金額になりまして、業者自体もこれは眠り資金になるわけでありますから、これに対して税金をとられるということになりますれば、相当な負担になつて来ると考えるのでありますが、特にこの点については免税になるように御努力を願いたいと考えております。これをもつて私の質問を終ります。
#79
○中村委員長代理 本日はこの程度にて散会いたします。次会は十八日午後一時より開会することにいたします。
    午後三時五十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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