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1951/04/12 第13回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第013回国会 通商産業委員会 第22号
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1951/04/12 第13回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第013回国会 通商産業委員会 第22号

#1
第013回国会 通商産業委員会 第22号
昭和二十七年四月十二日(土曜日)
    午前十時三十分開議
 出席委員
   委員長 中村 純一君
   理事 山手 滿男君
      今泉 貞雄君    澁谷雄太郎君
      永井 要造君    福田  一君
      南  好雄君    村上  勇君
      金塚  孝君    佐伯 宗義君
      高橋清治郎君    橋本 金一君
      加藤 鐐造君
 委員外の出席者
        議     員 風早八十二君
        参  考  人
        (東北電力株式
        会社会長)   白洲 次郎君
        專  門  員 谷崎  明君
        專  門  員 越田 清七君
    ―――――――――――――
四月十二日
 委員上林與市郎君辞任につき、その補欠として
 青野武一君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 電源開発促進法案(水田三喜男君外五十一名提
 出、衆法第一六号)
    ―――――――――――――
#2
○中村委員長 これより会議を開きます。
 本日は電源開発促進法案を議題といたし、白洲次郎君より参考意見を求めることにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○中村委員長 御異議なければ、さようとりはからいます。質疑の通告がありますから、順次これを許します。山手滿男君。
#4
○山手委員 いろいろ電源開発そのほかについて御盡力を賜わつておりまする白洲さんに一、三お尋ねをしてみたいと思います。
 御承知のように、今自由党の五十数氏の提案にかかりまする電源開発促進法案が国会にかかつて、先般からいろいろ研究をし、審議をいたしておるのでありまするが、この法案については、白洲さんはもとより十分よく御承知であるし、御連絡の上でおやりになつておられると思うのでございますが、この法案について白洲さんはどういうふうにお考えであるか、まずその基本的なお考えをお漏らし願いたいと思います。
#5
○白洲参考人 今御質問の、私と連絡があつたというお話でございますが、連絡などあつたことはございません。この法案というものも全部読んだこともございません。しかしながらその基本的な考えとおつしやると、一番の問題は、今電源開発促進法案というものにどういうことが書いてあるかというよりも、あの法案によつて今度電源開発会社とかなんとかいう会社ができ上つたときに、その会社が具体的にどういう運営をされるだろうかということが、一番問題だと思うのでございます。あの法案が成立したあかつきに、その会社がどういうふうな形式で運営されるのかということはまだ伺つておりませんので、それを私の方から逆にお伺いしたいくらいなんです。
 なおきよう私の申し上げておることは私個人の意見でございまして、東北電力とは関係ございませんから、さよう御承知を願いたいと思います。
#6
○山手委員 白洲さんは東北電力の会長であつて、その意味でも関係がありまするが、御承知のように、安本の方に御関係になつておられまするので、この自由党の提案をしておりまする案というのは、いわば安本案なのであります。その安本に御関係のある白洲さんに全然連絡がないというのはちよつとおかしいと思うのでございますが、この電源開発促進法案によるものと、それからこれに反対的な態度をとつて公益事業委員会あるいは現在の九電力会社の方からも一つの案が出ておることは御承知の通りであります。この両案に対して、いわゆる白洲案というものが世上に流布されておる。電源開発金融会社というものを白洲さんはお考えのようであります。そういたしますると、自由党の現在提案になつておる開発促進法案及びこの公益事業委員会案、さらにいわゆる白洲案というものが存在しておるようにわれわれは考えておるのでありますが、その間のいきさつについて、あるいは構想について御説明をお願いいたしたいと思います。
#7
○白洲参考人 世上いつております白洲案はどういうものであるかということは具体的に私は存じませんが、大体私の考えというものは、一月くらい前に日本経済に載つておりましたようなことが大体正確なことだと思います。あれは私が書いたものでございます。
 なぜ私が金融会社的の存在を與えることがいいと考えるかという理由は、私もやはり民間の人間でございますから、ああいう事業は完全に民間の手でやることが一群いいということを信じているわけです。
 そこで一番の問題は、電源開発に要する資金が非常に多額なものでございますから、その多額の資金を非常な短い期間の間に今多く借りるといたしますと、政府資金よりほかないわけであります。そういたしますと、そういう多額の政府資金を非常な短い期間の間に完全な民間会社に貸し得るかということでございます。それだけの多額の政府資金をそんなに短期間に純粋な民間会社に貸すということは政治的にも、経済的にもそこに問題が出て来るのではないか。そうしますと、ねらいは純粋の民間会社ではないけれども、その運営は純粋な民間会社のごとく運営できるような会社の存在が一番いいと私は考えるのです。それが金融会社的の存在の理由を與えるのがいいと私が考えた根拠でございます。
#8
○山手委員 白洲さんのお考えは民営がいいと思う、しかし莫大な国家資金がいるのであるから、そこに問題があるのであつて、莫大なる資金を民間に貸すためには、貸し得るような会社がなければいかぬ、こういうことであつたと思うのでありますが、御承知のように、例の九分割をやりまして、現在九電力会社が日本の電気事業一切を引受けてやつておるのであります。白洲さん自身が東北電力の会長で、その最高幹部であるわけでありますが、九分割によつて生れた電力会社自体がそういう国家資金を受入れる資格がないのであるかどうか。そういうことについては白洲さん自身が一番よく御承知であろうと思うのでありまするが、九電力会社が新たに国家資金を多額に受入れて、わが国の電源開発そのほか一貫して電力というものについての推進力になるということについては、適格條件があるとお考えになるかどうか。その点について御説明をお願いいたします。
#9
○白洲参考人 そういう多額の国家資金を非常な短期の間に民間の会社に貸してもいいというようなお考えであるならば、喜んでこちらの方でもお借り言いのです。それはわれわれがきめることではなく、国家といいますか、政府がきめることなので、それだけ多額の金額を、たとえて申しますと、東北電力に只見川の開発という問題がある。その開発にかりに千五百億なら千五百億の金がいる。その千五百億の金を短期に東北電力に貸してくださるということなら、実際問題としてその方がいいと思います。けれどもそれを貸し得るのか、貸してやるべしというお考えか、貸してはいけないというお考えかは、われわれがきめることでないのでございます。
#10
○山手委員 それでは少し考え方をかえてお尋ねをしたいと思うのでありますが、第一にお聞きしたいと思うことは、白洲さんは、御承知のように、吉田さんの最高経済顧問のような立場におられるのであつて、政策決定についてもいろいろなことで非常な政治力をお持ちであるようにわれわれは承つておるのでありまするが、東北電力というふうなものを抜きにして、現在九分割をされている電力会社を監督し、いろいろ電力行政をやつている公益事業委員会がああいうふうに考えている案について、本質的にはこの案がいいと思つておられるのか。電力会社の幹部としてではなくて、安本の顧問もしておいでになりますし、政策決定に参画する立場としての白洲さんのすつきりしたお考えを伺つてみたいと思います。
#11
○白洲参考人 公益事業委員会の案がいいか悪いかという御質問でございますが、これももちろん経済安定本部の顧問とかなんとかいう立場でなしに個人的の意見でございますけれども、聞くところによりますと、公益事業委員会の案と申しますのは、川ごとに新しい民間会社をこしらえて、それに国家資金を貸して開発をやれというふうなお考えのように聞いております。そういうお考えであるならば、私は今ある電気会社に金を貸してくだすつたらいいと思うのです。私は新しいものをつくる必要があると思いません。今九つの会社があるのですから、その九つの会社に直接金を貸してくださればいいのです。
#12
○山手委員 そうしますと白洲さんの御主張になつておられた電源開発金融会社案というふうな構想と、今の御意見とはちよつと違うわけでございますね。その電源開発金融公社案というふうなものは、電源開発自体を担当する会社ではないというお考えでございますか。
#13
○白洲参考人 別に私の考え方は違つておりません。それは純粋の民間会社をここにこしらえて、そしてその会社に多額の国家資金を貸し得るというような情勢であるならば――情勢であるかどうか知りませんけれども、そういう情勢であるならば、現存の電気会社に金を貸してくださればいいのだ、そういう考え方なのであります。そういう多額の国家資金を非常な短期の間に純粋の民間会社に貸してくださることができないのならば、ああいう一種の特殊会社のようなものをこしらえ、そしてそれに国家の資金をやるのもいいでしよう。しかしその特殊会社が純粋の官業になりますと非常に能率が落ちる、それは今までのいろいろな事態が証明している通りでございます。だからそういう特殊会社をつくつても、それは実は特殊会社であるけれどもその運営にあたつては純粋な民業の能率を持つような特殊会社というか、官業のようなものにしたらいいという考え方でございます。
#14
○山手委員 貸したらいいような状態であるならばそれが一番いいというお話でありました。ところが電力会社の方では現に今天龍川の開発について受入れ態勢を整備するということから、すでにあの地点だけでの開発会社の設立にまで進もうとしている。それから白洲さんの御関係になつておられる東北電力におきましては、只見川開発に格別なる熱意をお持ちになつていろいろ企画研究をしておられ、非常な意欲を示しておられると思うのであります。これは私は貸そうと思えば貸し得る実情だと思いますが、その関係を白洲さんはどういうふうにお考えになりますか。
#15
○白洲参考人 今のお話の只見川に対しての開発に非常な熱意を持つているとおつしやつたのはその通りであります。非常な熱意を持つているのであります。それが貸し得るかどうかという御質問でありますが、国家が只見川の開発なら開発について千五百億なら千五百億の金を東北電力に貸してやつてもいいというお考えであるならば、ぜひお借りしたいのであります。そういう可能性がおありになるならば、ぜひそういうふうに努力していただきたい。
#16
○山手委員 そうすると白洲さんは自由党提案にかかる電源開発法案には賛成ではないということなのでありますか。その間がはつきりしないわけであります。
#17
○白洲参考人 はつきりしております。それは私が国民の一人として考えるのにはたとえば一民間会社に千億とか二千億とかいう金を貸すことは政治的にも経済的にも可能とは考えていないからであります。英語で申しますとセコンド・ベストというわけですね。一番いいことができないならば、その次の一番可能性のあることで、一番能率のいいことはどういうことかといいますと、今の自由党が提案しているような電源開発会社というものも一つの方法だと思います。別に反対しているわけでも何でもありません。
#18
○山手委員 そこなんです。貸せるものなら貸してもらうのが一番いいと思うが、現在の政治的あるいは経法的な環境が東北電力の只見川開発の受入れ態勢の十分できてない所には貸せない事情にある、こういうお考えのようでありますが、その貸せない政治的、経済的事情というのはどういうものか。それは結局政治的にはいろいろなつながりがある、あるいは経済的には東北電力のような弱体なものがそれを受入れて、千何百億という国家資金を使うということは適当でない。適当でないということは、十分な実力がないということになつて行くのかどうか。この点をお伺いいたします。
#19
○白洲参考人 これは今おつしやつた実力があるとかないとかいう問題でなしに、八千三百万の国民が、その会社がどういう会社であろうと、日本で一番強力な会社であろうと、千五百億とか二千億という国民の金をそういう一民間会社に貸すということを納得するかしないかの問題だと思います。その御判断はあなた方政治家が一番よく御存じだと思います。
#20
○山手委員 納得するというのはどういうことなのですか。
#21
○白洲参考人 納得するというのは、国民のそれだけの多額の金を、一民間会社に貸してやるのはあたりまえだ、無理はないと思うかどうかという問題なのです。
#22
○山手委員 そうしますと、東北電力の会長としての資格のあなたにお尋ねしたいと思いますが、東北電力がスタートをいたしましたとき、言いかえれば九分割を断行いたしましたときには、電力を早急に開発して、豊富低廉な電力を国民に提供しなければいけない、外資導入もやらなければいけない、現在の状態では――その当時の日発では、とうていそれは不可能であるから、九分割をして外資の導入をし、国家資金も九電力会社に投入をいたして、早急に電力というものを根本的に解決をして行かなければならぬ、こういう考え方であの九分割というものが国会の非常な反対にもかかわらす断行された。しかもポ勅でやられたのてす。そうしてその間に白洲さんはいろいろ動いておられることも事実でありまするし。みずから大きな抱負を持つて東北電力に乗り込んでおいてになつたわけでありまするが、そうすると、東北電力の会長としては非常な心境の変化を来しておられるのかどうか、その点をお伺いいたします。
#23
○白洲参考人 別に心境の変化を来しているわけては全然ございません。今の東北電力といたしましては、東北電力の金融のつく範囲におきまして、全力をあげて今電源開発ということをやつているのでございまして、現実にその実績と申しますか、今の数字を見ましても、概略日本で今行われている電源開発の四分一ぐらいというものは東北電力がやつているのでございます。その事実をごらんいただいても、この電源開発の問題については、東北電力というものがいかに熱意を持つて、いかに全力をあげてやつているかということがわかつていただけると思うのでございます。
#24
○山手委員 しかしその資格がないというのは、それに国家資金を投入して受入れることはできない事情があるというのは……。
#25
○白洲参考人 事情があるというのは、会社に事情があるというのではないのです。私の方は、貸す方に事情があるのではないかと思うだけのことなんです。
#26
○山手委員 白洲さんは吉田総理にもつながつておられる重要人物でありますし、特にたびたびアメリカにいわゆる外資導入――外資導入というのは、やはり電源開発に関係をする外資の導入ということがまつ先なんでありましようが、そのためにも奔走をしておられる白洲さんが、いわば顧みて他を言うようなお話でございまして、これはどうも困るのでありますが、それではもう一度聞き直してみたいと思うのであります。この九分割による新しい電力会社、九会社というものは、非常に努力をしておられることはよくわかつておりまするが、これ以上は無理だ、いわば行き詰まりの状態が来つつある、こういうふうなお考えを持つておられるかどうか。白洲さんの東北電力あたりが音頭をとつたところの電気料金の地域差の調整なんかの問題にいたしましても、非常な不合理があるということで、産業界からいろいろな批判も起きておりまするが、九分制はいわば失敗であつた、それにつながる電力会社というものはやはり考え直さなければならぬというようなお考えがあるのですか、どうですか、その点を一ぺん伺つておきにたい。
#27
○白洲参考人 九分割が失敗であつたとか、どうこうであつたとか、今考え直さなければならない時期に来ているかどうか、そういうことを考えたことはございません。今われわれが考えていることは、一日も早く、一キロでも多くの電源の開発をやらなければいかぬと考えただけのことでございます。
#28
○山手委員 それではほかに同僚議員からもお尋ねしたいということでありまするので、この問題はそのくらいにいたしまして、外資導入の問題でありまするが、たびたび渡米をされて向うと交渉をされていることは、われわれも承知をいたしております。三億ドルとか七億ドルとか、相当いろいろな数字も出ております。吉田田内閣は施政方針演説においても、外資導入こそわがこの内閣の使命であるというようなことで、その実際の使いをしておられるのは白洲さんだ、私どもはこういうふうに受取つているのでありまするが、実際に外資の導入の見通しがあるのかどうか。先般来マーケット声明もございまし、いろいろな情報も入つておりますが、白洲さんの外資導入に関する率直なお考えを披瀝していただきたいと思います。
#29
○白洲参考人 外資導入に関する考えを率直に言えとおつしやるのですけれども、借りるというのは、貸す人があるから借りられるので、貸す人の意向ということを考えずに――結局外資についても貸す人がここにあつて借りられるのですから、その見通しを言えとおつしやつても、ちよつと今申し上げるわけには行きません。私は貸すのじやないのですから……。
#30
○山手委員 そういう議論をしておるのじやなしに、この電源開発促進法案を通すということになりますと、提案者の方の説明を聞きましても、外資の導入をできるだけ多くする、その受入れ態勢を一つはつくるのだということが大きな理由になつておるのです。白洲さんはたびたび貴重な外貨を使つて外資導入のために向うにおいでになつておる。そしてある程度の見通しをお立てになつてお帰りになつておるが、それができる見通しがあるのか。現在まではこういうところまで行つておるとか、その経過なり、あなたの手ごたえなりというものをむしろここで率直に御説明願えれば、この法案の審議についても、非常に参考になるということでお聞きをしておるのであります。
#31
○白洲参考人 率直に意見を述べろとおつしやるのですが、――たびたび貴重な外貨を使つて外国に行つたとおつしやいますが、私は二回しか行きません。たびたびではないのでして、一回は講和会議について行つただけのことで、そのときは外資導入のことは何も関係なかつたのであります。その前には一昨年大蔵大臣と一緒に行きましたが、そのときはそういうぼんやりした話がなかつたこともないのですけれども、現在どの程度まで行つているかということをお聞きになられても、今どの程度まで行つているということを申し上げるような時期でもあるとは思いませんし、また金を借りる相談というものは、大体どの程度まで行つているのだ。どこかの銀行に行つて金を百万円借りて来るのに、五十万円借りるところまで行つているのかと言われても困るのです。
#32
○山手委員 そういうふうに出て来られることは私どもはとらないのでありまして、マーカット局長にいたしましても、先般来こちらに参つている人にいたしましても、たびたび外資の問題については非常に国民を期待せしめるような、あるいはそうでないような説が流れていることは御承知の通りでありまして、その間の事情に詳しい、しかも電源開発については非常な熱意を持つておられる白洲さん、吉田内閣の相当なブレーンであることを自他ともに許しておられる白洲さんが、その間において何か建設的な発言をここでしていただきたい、かように考えたのでありますが、そういうふうにお話を持つて来られればあえて追究はいたしません。追究する必要もないかもしれません。ただ私は政治的な色彩を持つた外資が入つて来るということはあり得るのじやないかという気がするのです。というのは表面は日米経済協力というものを前面に政府が押し出しつつ、実際は行政協定におきましても、あるいは自衛力の強化といいますか、再軍備の裏づけをする、そういうことを実際には向うの関係者と了解し、代償的に與えたといつては語弊がありますが、それと交換條件的に外資の導入を持つて行くということを計画をしておるように思う。そういうことになりますると、やはり向うの方でも相当考えて来る面もあるであろうと思います。あるであろうと思いまするが、しかし最近のこのアメリカの外資の出方なんかを見てみましても、たとえて言えばコロンビア国あたりに対する電源開発に資金をつ送りましたいきさつを見てみましても、やはり産業の振興というふうな裏づけの面――政治的な借款、単純にそういうものでなしに、産業の振興、どういうふうにそれが日本の産業と結びついて行くか、電力と結びついて行くかというところに、やはり政治的な手を打たれるにせよ、外資というものが結びついて入つて来るのではないか、私はそういうような気がするのです。そういうことについて、白洲さんあたりは何か御承知のことがあれば御説明を願いたいと思います。
#33
○白洲参考人 私はきようここへ呼び出されたのは、電源開発の法案のことで何かお聞きになるのだろうと思つて来たのですが、今山手さんのおつしやつたような財政議論は、私のような民間の電気屋の手に負える仕事ではないと思うので、そういうことはあなた方政治家にわれわれ国民がやつていただきたいと思うことでございまして、私などのような末輩がとやかく意見を申すことではありませんから、非常に御期待に沿い得ませんが、お許し願います。
#34
○山手委員 私どもは別に白洲さんをとつちめるというつもりじやなしに、やはりこの電源開発というものが外資と非常な関係を持つてこそこれは意味がある。單純に日本の国内だけで国民の税金で取立てた国家資金をぽんと出すのなら、別に問題はここまで紛糾もして行かないし、今日までもんで来ている必要もない、やはりそこに一つの活路を見出して行かねばならぬという気がする。われわれはこの電源開発促進法案についても私は賛成すべきものがあればどうしても賛成をして行かなければならぬ。しかしもつとよく確かめて、反対をしなければならぬということになれば、あくまで反対をして、国家のために一番いい方法、ベストの方法を見出して行かなければならぬということで、白洲さんから率直にこうあるべきだということがあれば、見識のあるあなたからいろいろ説を伺いたいと思つておつたのでありまするが、どうもお答えが得られませんので、ほかの委員もいろいろお尋ねをしたいそうでありますから、私はこの程度で質問を打切りたいと思います。
#35
○中村委員長 佐伯君。
#36
○佐伯委員 白洲さんは先ほど個人だとおつしやつたのですが、東北電力の会長としてお伺いしたいのですが、お許しの受けられる限度におきまして……。その理由は御承知の通り電力開発は国民も非常に重大な関心を持つておりまするし、ことに電力開発は九電力会社当局を御信頼申し上げて来ておるわけなんです。ところが今特殊会社の発生ということにつきまして、判断いたしまするには、電力会社の責任者の自信がどういうところにあるかということは、われわれ議員といたしましても根本的な重要問題と思われる。そこでただいまお話を承つておりまする中で、聞いておりますると、どうも九電力会社で重要な電源開発の自信を失われたかのごとく拝聴するのであります。その点におきましてもし国民の信をかち得られるならば、この際にやはり九電力会社当事者といたしまして、現在の九電力会社で完全に遂行できるという御自信があるものであるか、ないものであろうかということをお伺いしてみたいと思います。
#37
○白洲参考人 まず最初に東北電力の会長としての意見を言えとおつしやいましたけれども、すべての会社と同じようにこういう問題については東北電力としては東北電力会社としての意見はどういうことにきめるかというようなことを、まだ取締役会もやつたことがございませんから、東北電力の会長としての意見を言えとおつしやることは、結局東北電力の意見を言えというのと同じことでございますから、その点は申し上げることはできませんので、お断りいたします。私個人の意見なら申し上げますが、よろしゆうございますか。
#38
○佐伯委員 どうも私には解せないのでありまして、何も具体的に金を幾ら貸せとかどうとかという問題なら別でありますが、いやしくも会社が発足いたしますときには、すでにその会社の目的、使命がなければならない、その目的、使命それ自体すらも、今のお言葉ではないように承るのでありまして、これ言以上その点は触れません。先ほどおつしやつたのは、東北電力で日本の四分の一の電源開発をしてやる、全力をあげて資金を集中してやるというお話でありますが、この電源開発資金の大部分は政府資金によつておるものでありますか、また民間資金によつておりますか、ちよつと伺いたい。
#39
○白洲参考人 見返り資金も相当借りておりますし、市中銀行からも相当借りております。正確な数字がお入り用でございましたら、正確に調査いたしまして、あとからお知らせいたします。
#40
○佐伯委員 本年度の九電力会社の開発資金の予想高は八百七十億、うち三百億は見返り資金によると承つておるのであります。先ほどに白洲さんがおつしやいましたのは、今後における政府資金一千何百億は民間会社では貸すことはできぬであろうから、そういう場合のみに限つて国家性を持つた会社が発足してもしかたがないというお話でありましたが、この見返り資金はどういう形で民間に入つておりますか、そうしてまた国家資金を民間会社が借りる資格があるかないかということをお伺いしたい。
#41
○白洲参考人 見返り資金がどういう形式で入つておるかという御質問ですか、ちよつとわかりませんが、どういうことでございますか。
#42
○佐伯委員 先ほどの白洲さんの御説明では、今後電源開発資金におきまして政府からは単純な民間会社には貸し付けるわけには行かないとおつしやいましたね。ですから、そういう場合のみに限つて特殊会社をつくつてもやむを得まいというお話でありました。そこで私がお尋ねいたしますのは、現在九電力会社が政府資金を借り入れる資格があるかないかということにつきまして、現実の問題として本年度八百七十億の電源開発資金中三百億という金を政府から見返り資金でまかなわれるわけであります。そういたしますと、九電力会社は政府資金を借り入れる資格があるように考えられますが、この点はいかがですか。
#43
○白洲参考人 これは先ほど私が民間会社にはそういう多額の国家資金は貸し得ないと言つたようにおつしやいましたが、そんなことを言つたことはないので、われわれはそれはあなた方と申しますか、政府が判断することで、われわれがとやかく言えることではございませんから、先ほども電源開発の自信を失つたのじやないかというお話でございますが、自信を失つたことは何もないのでございまして、今東北電力でも――ほかの電力会社でもおそらくそうだと思いますが、大体今日本で電源開発ということが、思うようにといいますか、思うほど早くやれないということの唯一の原因は、結局金融的にそれだけのことができないということだけなのであります。だから自信をなくしたわけでも何でもないので、自信は幾らでもあるのです。金融の方の話がつけばどんどんやれるのです。
#44
○佐伯委員 何だか白洲さんはわれわれと無関係の人のような――いやしくも責任者である限りにおきましては、やはり自信と主張がなくてはならぬ。今まさに電源開発会社が特別にできて、東北電力から申しますと、さきには猪苗代のような有力な電源地帶が関東電力に帰属いたしまして、どちらかというと東北などという貧困な地域におけるところの貧弱な電源に甘んじておる。ただ残るのはいま一つ只見川でありましよう。その只見川の電力が東北から離れて今度特殊会社によつて開発せられるというがごときことになりますれば、東北電力会社を預かつておるところの当事者といたしましては事きわめて重大だと私は思う。いわんや九電力会社が豊富、低廉なる電力を開発すると称しておりながら、今無関係のごとき――国に対しては東北電力が堂々として自己の信ずるところに向つて要求して、現在見返り資金が現に東北電力に貸し付けられる資格があつたら、今後においても特殊会社でなければならぬという主張をする必要はないと思う。東北電力の当事者たる白洲さんから見たならば、この際現実を証拠に、現に今三百億も見返り資金を借りておる資格がある。しからばなぜ特殊会社をつくるか、今後において国家資金をこの九電力会社に貸すことができないのかというところの主張をなさる権利がある。それを貸すのは国家じやないか、あるいは議員じやないか、何もわれわれ関係ない、そんなばかなことを言つておるのは、われわれ聞き捨てならぬことであつて、そういうことはあり得ないことだと私は思う。さような質問は別といたしまして、要するに第一番に、大体九電力会社が電源開発をする資格なし、能力なしと断定するのは国家であるとかあるいはまた議員であるとかいうことでなくして、電力会社それ自体があくまでも主張なさる信念があるか。九つの電力会社においてすべて金を貸してくれぬ貸してくれぬとおつしやつても、貸すというのは、それは信念がないものに貸すわけに行きません。また貸さぬまでもやはり自己の主張はなさるべきだと思う。そこにおのずとこういつた会社に対してあいまいでない判断がつくわけで、私どもは白洲さんから、九電力会社が完全に電力開発をする能力を持つておるから、この上に特殊会社をつくる必要なしという強い情念のほどを承りたいというのが根本なんです。それをあなたはどつちともつかぬようにお答えになるので聞くのです。責任者としてはどうも――その点が重要な点でありますからいま一度お伺いしてみたいと思う。
#45
○白洲参考人 初めにちよつと山手さんの御質問があつたときにお答えしましたように、私が今度新しく自由党で提案されております電源開発会社というものの存在は金融金庫的な存在が一番いいと考えることは、東北電力としても――東北電力と言わずに、結局今の電源開発の隘路というのは金融のこと、金だ。だからその金融金庫的な存在の電源開発会社ができるのならば、それはすなわち民間の会社が国家資金を借りる一つの手段だという意味において私は賛成するというのです。さつきから電力会社が電源開発をするのに自信をなくしたのじやないかとか、自信があるとかないとかいうお話がありましたが、それはさつきから繰返して申し上げておりますように、金融的のことさえつけば民間会社でやれるということは初めから申し上げた通りなのです。
#46
○佐伯委員 今のお話はどうも解せぬのですが、金融会社と申しましても、今ここに法案が出ておりますのは決して金融会社ではありません。全国一社の電源開発会社なのです。それからまた今おつしやつたような金融会社をつくつて、そこから電力会社に金を流し込むというがごとき形態は、どうとればいいか。どんなような形か。この法案とは似ても似つかぬ――この特殊会社法案なるものは、直接に電源を開発する会社なのです。その意味におきまして、あなたのおつしやいました、電源の開発が、直接九電力会社に借りられないから借ることのできる会社をつくつて、その会社が電源開発金融会社となつて、九つの会社に流し込むというがごときことはよいとおつしやるものとこのものとは、一見して明らかに異なるのであります。その点におきまして、あなたはこの電源開発の特殊会社の法案に賛成なさるかなさらぬか。これは、ごらんの通り今出ておりますのは全国一社の電源開発会社なんです。決して金融会社ではないのです。先ほどおつしやつたところによりますと、金融会社なら賛成する、こう承るのですが、そういたしますと、この電源開発会社に賛成であるかないかという一点だけをお伺いしたい。
#47
○白洲参考人 私は今自由党から提案されておる電源開発会社が金融会社だということを言つたことはないのでございまして、金融会社的の意義といいますか、存在を與えるような電源開発法案なら賛成すると言つているのです。そうして初めに申しましたように、この電源開発法案というものを今読んで見まして一番の問題は、でき上つた会社がどんな運営になるのかということを私はまだ伺つておりません。これは、結局問題はそのでき上つた電源開発会社の実際的の運営がどういうことになるのだということの問題だと思います。
#48
○高橋(清)委員 ただいままでの白洲さんの御答弁を伺つていると、まことに誠意のない、そして国民を瞞着したような御答弁ばかりやつておるように聞き取れるのであります。答弁によつて、個人的の考えだとか会長としては言われぬとか、いわゆる答弁の使いわけをやつているようにしか思われない。まことに誠意のない答弁であると私は思うのであります。ことに電源開発ができないのは金融ができないのだからといつて、金融的措置として今日までどのような誠意ある努力をなされたか。個人としてでもよい、また会長としてでもよい。これをはつきり承りたい、まことにあなたのようなそういう考えの人を電力会社の会長にいただいておるということは国民の不幸であり、電源開発のためにまことに残念に思うのであります。はつきりひとつ答弁していただきたい。
#49
○白洲参考人 金融的にどういうように努力をしたかという御質問でございますが、それはさつき申しましたように、今電源開発というものは大体日本でやつている四分の一は東北電力がやつているのだ、その結果だけ見ていただきたいと思います。
#50
○中村委員長 次は加藤鐐造君。
#51
○加藤(鐐)委員 きわめて簡單に二、三の点をお伺いしたいと思うのですが、きよう白洲さんにおいでを願つたのは、一東北電力会社の会長としておいでを願つたわけではなくして、いわゆる吉田総理の経済ブレーンというような立場におられて、日本の政治の上にもあるいは産業の上にも相当大きな発言力と地位を持つておいでになるあなたにいろいろお伺いして、今審議の過程にあります電源開発株式会社法案の審議の参考にしたいと思つて来ていただいたわけであります。先ほど来同僚諸君の質問に対して、非常に用心深く御答弁をしておられるようでありますが、そういう意味でおいでを願つたわけでありますから、なるべく率直にあなたのお考えになつておることを言つていただきたいというふうに思つております。それであなたの構想については、私ども日本経済のあなたの執筆されたものであると思いまする記事を見ておりまするので、大体あなたの構想はわかるわけでありますが、そこで先ほど来の御答弁とあわせて考えまして、この金融会社的なあなたの構想に要する資金というものはどこから出ると考えておいでになるか、それを承りたいと思います。ただ新聞の記事の中にも、この資金は、政府資金を除いては民間会社としてはまかなう目途がないというふうにはつきりおつしやつておられます。そうするとあなたは政府資金だけを当てにしておいでになるかどうかということであります。民間会社としては全然か、あるいはほとんど資金をまかなう目途がないという考えで、政府資金だけを当てにしておられるのか、外資を相当考慮しておられるかということを率直に承りたい。
#52
○白洲参考人 政府資金を除いては目途がないと私が言つたことはこういうことでございます。それは金額があまりに大きな金額になるわけでございますから、今東北電力としましても、市中銀行からできるだけの金融的なめんどうは見てもらつておるのでございますが、あまりに大きな金額があまりに短い期間にいるということで、その目途がないと言つたので、電源開発も十年、三十年かかつてやつてもいいという状態であるならば、それはもちろん政府資金をたよりにせず市中銀行からでも借りてやれると思いますが、あまり金額が大きくて、それがあまりに短い期間に、電源開発は急がなくちやならないというような国家的な理由があるものでございますから目途がないと言つたのです。それからただ政府資金だけを当てにしておるのか、外資はどうだというお話でありますが、これは金のことで、今の電源開発の地点を考えてみても、多々ますます弁ずるというような状態だと思います。
#53
○加藤(鐐)委員 そういう御答弁だけ承つておりますと、私ども。伺いする必要もなくなるわけですが、あなたは先ほども申しましたような事情で、電源開発に対しても相当積極的な考えを持ち、また発言し得る立場におられますので、資金のことについても心配しておられると思います。ざつくばらんに言うと、できるだけやるのだ、われわれは会社として政府から貸してもらえる範囲のことでやつておるのだというような今の御答弁ではないかと思うのですが、そうではなくて日本の産業の基礎であります電力の問題についてあなたはどう考えておられるか、あなたの構想があるわけです。白洲構想は大体こういうものだという抽象的なことを書いておられますが、しかし私どもが考えますのにあなたにはやはり相当成算のある構想があると思うわけです。そこで資金の点はどういうふうにお考えになつておるかをひとつ率直に言つていただきたいと申し上げた。この安本案に対してあなたは大体これに近いものを考えておいでになりますか、あるいはこれよりもつと大きい構想、たとえば公益事業委員会案のような構想を考えておいでになりますか、それはわかりませんが、しかしながらどちらにしても相当資金がいることは――いらなければ日本の経済は再建できないわけでありますから、そこでこの安本案によりましても、当面少くとも一千二、三百億の資金がいるわけですが、それが民間会社ではあまり当てにならないとすれば、結局政府資金ということになるわけです。大体三十六年度、二十七年度の産業資金計画を見ましても設備資金という建設面における資金は三千五百億ないし三千億の範囲だと思いますが、その範囲で相当大きな電源開発の計画が遂行できるとお考えになりますか。それは政府並びに諸君の考えられることであつて、東北電力会社の会長としてはというようなさきのお話ですと、どうもこれ以上あなたに御相談をかける必要はなくなります。それで最初に私はああいうことを申し上げたのでありますから、その点をひとつ率直に御答弁願いたい。
#54
○白洲参考人 どのくらい金があつたら電源の開発がまあまあ具体的なところまで行くのかというような御質問だと思いますが、今私の考えとしましては、大体二百万キロワツトぐらいの電源開発がなるべく早い時間のうちにできればいいと東北電力としましては考えておるのでございます。一キロ十万円だとしますと、大体二千億でございますが、東北電力としては大体今二千億ぐらいの金ができれば非常にけつこうだと思うのでございます。しかし御承知のように二千億というと、このごろは二億の金を借りるのもたいへんなのですから、なかなか思うように行かぬのであります。
#55
○加藤(鐐)委員 どうもあなたは東北電力の陰に隠れてしまわれるのですが、私は最初に申し上げた通り、もちろん東北電力の会長であるあなたは、電気の専門家的な立場にあるから、東北電力の会長たることを否定するわけではないけれども、いわゆる吉田内閣の経済ブレーンとしてのあなたにものを聞いておるわけです。そこで日本の産業再建、自立経済達成の土台となる電源開発については、あなたは構想があるわけです。その構想があなたにないとおつしやつても、それはあなたが逃げられたことになるわけです。吉田内閣にその構想があれば、あなたにもあるわけです。しかもあなたは外資導入についても相当いろいろと努力をしておられ、方策を考えられておるということは隠れもない事実だと私は思うのです。だからそういう点で私はお伺いしておるのです。もう一度御答弁を願います。
#56
○白洲参考人 加藤さんのお話で、私が吉田内閣の経済ブレーンだと断定されることは非常に迷惑です。私は別に吉田内閣の経済ブレーンでも何でもないのです。吉田内閣の経済ブレーンだから何か構想があるはずだ、その構想を言えとおつしやるのですが、初めから私を吉田内閣の経済ブレーンであると断定なさつておることが加藤さん間違つていやしませんか。
#57
○加藤(鐐)委員 あなたは経済ブレーンの辞令をもらつておられるわけではないから、間違いとおつしやれば間違いでよろしいと思います。そこで私は、こんなことは言いたくないが、あなたが日本の経済界の陰の人としていろいろな方面に動いておられる事実は知つておるが、そんなことまであげてここで私申し上げるつもりは今のところございません。ただ私はきようあなたがわれわれの希望に応じて率直においでになつた以上は、ある程度あなたのお考えを申し述べられるものだと思つてお聞きしておるわけです。あなたがどうしても答えられないとおつしやればこれ以上質問する必要はないけれども、日本の電源開発というものは外資の導入なくしてやれぬものであり、少くともこの安本の計画の範囲においてこれを遂行するには外資が必要であると思います。日本の産業資金計画で調達し得る範囲においてこれをやろうとすれば、どこかに穴が明いて来ることは事実です。それをあとまわしにする、たとえば造船計画をあとまわしにするとか、あるいはその他のものをあとまわしにするということになれば、やはり自立計画というものが非常に食い違つて来るわけでございますからして、おそらく政府としては外資を予定しておられると思うのです。過日のマーケット声明にもありますように、今のところ日本には受入れ態勢ができていない、あるいはまた援助資金を日本へ出す状態ではないと言つております。しかしおそらく政府としても、また今度の法律案を出した自由党の諸君でも、ああ言つておつても外資は入つて来るであろうというふうに考えて、こういう構想を立てておられると思います。これはあなたがおいでになつたわけではないけれども、過日この法案の審議を行われた際にも、まあできる範囲でやるということでございましたが、できる範囲でやるのだつたならばこういう計画を立てる必要はないわけですから、私はそういうことを予定しておられると思うのですが、この受入れ態勢ということについてあなたは一体どうお考えになるか。またこの外資を受入れるについては、どういう形態が一番よいとお考えになるか。こういう構想でやつたならば外資が入つて来る、また日本の経済がどういう状態になつたならば、入つて来るかというような着考えがあると思いますので、この点を承りたい。
#58
○白洲参考人 さつきも申し上げましたように、金を借りるには貸す人があつて借りられるようになると思うのです。どういう形態ならば外資を借りられるのだということを一方的に断定しても意味がないことでありまして、これは向うの意向ということもあるのであります。でありますからこういう方法ならば外資が入つて来るということはちよつと申し上げかねます。
#59
○加藤(鐐)委員 どうも先ほど来の話は頭のよい白洲さんにしてはおかしいと思います。かりに銀行が金を貸すにしても、借りる方の條件があると思います。どういう状態ならば、貸すということは、これは銀行の一般常識として経営上そういう方針があるわけであります。アメリカが外国に資金を援助する場合、あるいはアメリカの民間の資金が他の国に貸し出される場合に、大体今までのやつて来ておる事実があるわけであります。そしてまた一般的な企業としても、どういう状態であつたならば金が貸せるかということも考えられる。またさらにアメリカが援助資金を出す場合にはどういうときに出しているということも今まで事実があるわけであります。そういう点からあなた方は将来のいろいろな構想を持ち、予想を立てておられるわけです。相手のことだからわからないと言うが、こちらはほつておいて、向うに貸す意思ができたときに借りるというふうにあなたの御答弁では聞える。しかしそんなことで外資が入つて来るわけでもないし、また日本の自立経済がそういう投げやりなことで達成し得るとは思われない。そこで私はそういう点についてのあなたのお考えを承りたいということを申し上げた。それもあなたが逃げられて、どうしてもそういうことは言えないとおつしやるならば、またいわゆる国際的にもそういうことはよくないというお考えであるのかというようなことについて、もう一応承りたい。
#60
○白洲参考人 外資導入の問題については、結末まで行く間、から騒ぎといいますか、あまり大騒ぎすることは得策でないと思うのです。外資を導入する必要があるのならば、結局大事なことは外資を導入することであつて、外資導入にあたつて騒ぐことではないと思うのです。
#61
○加藤(鐐)委員 から騒ぎをすることはないとおつしやるが、われわれが何かから騒ぎをしてあなたに金を借りていらつしやいと言つているようですが、私はそういうことを聞いているのではありません。それはどういう状態で、受入れ態勢はどういうものであるか、またどういう形態が一番いいとあなたは思うかということを承つているのです。それをどうしてもあなたが言いたくないというならば、今日あなたがここにいらつしやつても意義がない。先ほどからの同僚の質問に対しての答弁を見ても、あなたがどういう気持でいらつしやつたかわからない。一東北電力会社の会長としておいでになつたとしても、先ほど来の答弁は誠意がないと私は思う。参考人としておいでになつたあなたに対してこんな失礼なことは申し上げたくないのですけれども、私どもこの問題については真剣に取組んでおりますから、あなたも真剣に考えていることを言つていただきたいということを申し上げた。現実にあなたにさあ金を借りていらつしやいということをお願いしているわけではないのです。そういう受入れ態勢の問題についてあなたのお考えを承りたい、こういうことを聞いているわけです。どうです。
#62
○白洲参考人 御期待に沿えなくて非常に残念に思います。
#63
○山手委員 先ほど私が御質問をいたしましたことについても、またただいまの加藤君の質問に対しましても、白洲さん、非常に苦しい立場でありますので、いろいろ込み入つた話を避けておられるのではないかと思うのでありますが、この電源開発法案が実施に移されることになりますと、東北電力としましても只見川の問題が切り離されることになります。のみならず、各電力会社においても、同様にきわめて重大な事態が起るのでございます。このことは、私は東北電力の会長としての白洲さんにとつても非常に重大な問題だと思う。会長の職を汚しておられる以上は、東北電力が役員会を一ぺんもやつたことがないから話ができぬということではなしに、非常に重要な問題になつて来ると思います。特に国会といたしましても、この法案を審議して通して行く上においては、そうした万万の影響というものを、十分にしんしやくして行かなければならぬ。電力会社の社長、会長というようなポストの中でも、白洲さんは、吉田内閣の中においても一番政治力のある発言力のある人物であるということは、はつきりしております。そういう方が今のような御答弁では、おそらく東北電力の会長のいすに便々として残つておられるわけに行かぬと思う。どうしても言えないというものをお聞きするわけには行かぬけれども、この外資導入については、自分はこう思うのだと腹を割つて今までのいきさつなり、今後の見通しなり、あるいは受入れ態勢はこうある方がよいのではないかという、あなたの率直な御見解をぜひここで表明しておいていただきたいと思います。
#64
○白洲参考人 外資導入のことは、さつきから申しましたように、これ以上申したくございませんから……。
#65
○加藤(鐐)委員 資金のことについては、もうこれ以上いろいろ具体的にお伺いしても御答弁は得られないと思いますから、これでやめます。時間もありませんから、最後に一点だけ重大なことですから承つておきたいのであります。先ほど白洲さんは、国営形態は不能率だということをおつしやいました。また日本経済の文章の中にもそういうことが書いてありますが、では電力九分断後に、日発当時に比較してどれだけ能率的になつたか、どれだけ合理化されたかということを承りたい。あの九分断を行われるときの理由は、豊富、低廉なる電力を供給するという理由でございました。そこでその実がいかに具体的に上つているかということを、これは東北電力の会長としてお答えできると思いますからお願いいたします。
#66
○白洲参考人 日発の時代と今の経営のことを比較しろという御要求でございますが、日発の時代はどういうふうな経営をしておつたかは、自発に行つたことがないのでありまして私は知らないのであります。知らないものと今のを比較しろとおつしやられても……。
#67
○加藤(鐐)委員 それではどうしてあなたは断定されたのですか。国営形態より民間経営がよいということをどうして断定されたか。あなたの言われたことは非常に重大な影響がありますよ。日発当時どういう状態であつたか知らないものを、どうしてあなたは比較ができますか。そういう無責任なことを言わないではつきりおつしやつていただきたい。日発時代の国家経営、国家管理のことを何も知らずして、現在のものと比較ができますか。どういう点からそれを断定されたのですか。
#68
○白洲参考人 国営企業が不能率だということは、今もお話がありましたように、結局これは一般論かもしれませんが、そういうような具体的な例は幾らもあると思います。
#69
○加藤(鐐)委員 だからそれをおつしやつていただきたい。
#70
○白洲参考人 たとえて申しますと、専売公社というものがある。
#71
○加藤(鐐)委員 専売公社が不能率かどうかおつしやつていただきたい。あなたは電力問題について国営形態がすべて不能率だと言つておられるが、それは一体どこに実績が上つておりますか。どこに具体的な事実がありますか。あなたのおつしやるのは観念論です。自由党一般の観念的な考え方です。国営形態にも不能率な面もあるでありましようが、それを是正し得る道もあるわけです。それを観念的に国営形態は一切不能率だという簡單な考えで葬り去られた。あなたが重要な地位にありながら、日本の産業の根幹となるこういう重大な問題について何も知らないで、それが不能率だと観念的におつしやつた点を私は承つておるのです。ほかにも抽象的に専売公社の問題があるとおつしやつても、それではわれわれは納得できない。だから、あなたが電力経営について、国営形態は不能率で民間経営は能率的であると言われるのを、われわれは大いに参考にしたいのです。私も、何も必ずしも即時国営をやれということを観念的に言つているわけではありません。最も能率的な方法を選びたいのです。ですからあなたの断定しておられることについての具体的な理由を承りたい。
#72
○白洲参考人 今加藤さんがおつしやつたように、結局国営形態は不能率だと断定したことが非常にいけないことだ……。
#73
○加藤(鐐)委員 よい、悪いというより、断定した以上はあなたは自信を持つておられるでしよう。
#74
○白洲参考人 私はそう思つております。それでは加藤さんに御質問いたしますが、あなたは専売公社は能率的なものと思つていらつしやいますか。
#75
○加藤(鐐)委員 そういう議論をなさるなら私は幾らでもしますよ。時間がないからこの問題についてだけ承つているのです。あなたは、専売公社は能率的と思うならそれを言えとおつしやるが、専売公社も経営さえうまく行けば能率的な面もありますよ。今の専売公社の経営者は民間から入つた人で、能率的に経営しておられる面もある。一長一短があると思います。私は国営が一切いいとは申しておりません。あなたがこの電力経営について、国営は不能率で民間経営が能率的であると断定されたその根拠を承りたい。議論をしようというのではありません。あなたができなければそれでよろしいのです。
#76
○福田(一)委員 議事進行について。ただいま参考人としておいでになつておる白洲さんと同僚議員との間でいろいろな質疑応答があるのであります。これはやはり参考人でありますから、参考人は自分の自由意思に基いてももろん発言いたしておる。それを質問したことに対して答弁された以上は、議論にわたるようなことをこの委員会ですることは本旨でないと思いますから、その本旨を離れないように委員長から特に御注意をして、議事の進行をはかられることを希望します。
#77
○中村委員長 風早君。
#78
○風早委員 白洲さんが今日おいでいただいた資格は、東北電力の会長としてではなく、一個人としてであるというお話であります。しかし個人という場合に、ただの個人ではないことは、あなたが御自身でどう考えておられるか、あるいは言つておられるかにかかわらず、世間ではとにかく吉田内閣の最高のブレーンだ、これは政府の最高の高官以上にとにかく側近として直接吉田政治に影響力を持つておる存在であると見ている、そういう意味でひとつ参考人としてお呼びしよう、これが一つであります。さらに特にこの電源問題については、みずからも会長を買つて出られたような非常に熱心な方であり、またアメリカとの関係においても、いろいろ密接なものを持つておられるというふうなことで、われわれがまだつまびらかにしない点もあなたはいろいろ知つておられる。その間の事情を伺いたい。今日は議論の場ではないのであつて、きわめて懇談的に御意見を伺つて、われわれの法案審議の参考したいという趣旨で、実は理事会できまつておいでを願つたわけですが、今日朝正確に十時からまつ先においでくださいまして、われわれとして大いに感謝しておるわけです。そこで、議論をするわけではないのでありますが、先ほどからお話の中で特に資金の問題が一番関心の的になつておる。私もそうであります。ところがこの資金の問題については借りられる、借りられないは向うさんの意向である、こういうお話であつた。それで向うさんの意向をわれわれも知りたいわけでありますが、残念ながら今日国会議員はつんぼさじきでありまして、なかなかわからない。そこでこの際にひとつ白洲さんの蘊蓄を傾けられて、アメリカ当局の意向はどうであるか、その点をざつくばらんにお話を願いたい。アメリカは実際長期に日本に根をおろすというつもりがあるのかどうか。特に電源の開発になりますれば、長期の中でも長期の固定資産をおろすことになるのでありますから、アメリカは一体どの程度、またどういう意味で日本の電源開発に得心を持つておるか。これは何も責任のある御答弁とか何とかいうことではなくして、その実情についてあなたの薀蓄をひとつ御披瀝願いたいと思います。
#79
○白洲参考人 ただいまの御質問で、風早さんまで私が吉田内閣の経済ブレーン云々ということをきめられては非常に困るのです。さつきから、私が吉田内閣の経済ブレーンだと断定なさつて、そうだから一言述べてもらいたいということでお呼びになつたのなら、初めから出発点が違つておるのです。外資導入のことも、ざつくばらんに言えとおつしやるけれども、さつきから言うておるように、私が貸すわけではないのですから、それはあなたのおつしやることが無理ですよ。
#80
○風早委員 議論になつたのでは始まらないから、私はどこまでも議論を避けて、ただあなたにお伺いをしておきます。これは別に何もむずかしく考える必要はないのであつて、アメリカの当局が一体日本にどの程度の関心を持つておるか、特に電源開発に即してどの程度の関心を持つておるかということは、それぞれみな観測があるわけです。あなたももちろんこれについては観測があると思います。その観測でけつこうです。何もお互いに責任のある応答ではないのでありまして、あなたが観測されたところに従つたアメリカ当局の対日政策、特に電源開発についてこの点をひとつお述べ願いたいと思います。
#81
○白洲参考人 観測とおつしやるが、日本人の観測であろうが、アメリカ人の観測であろうが、ロシヤ人の観測であろうが、日本の経済復興ということを考える人は、電源の開発ということを考えずにそういうことは考えられぬと思うのです。それはもう常識だと思うのです。だからお向うさんがどこのお向うさんであろうと、外国が日本の経済の復興を援助しようというような気持が出て来るならば、まず考えるのは電源開発だと思うのです。これは私の観測です。
#82
○風早委員 電源開発というものは、まずアメリカ当局が日本に根をおろすためにまつ光に考えることだろう、これは私も大体そう思います。そうしますと実際にその程度の問題についてどうも食い違いがありはしないか。つまり電源開発というものにまず根をおろすのは常識だというのでありますから、それの裏づけ、つまり資金というものについて実際が食い違つていはしないか。将来の問題もありますけれども、現在食い違つている実情があるのではないかと思うのであります。従つてその食い違わなければならない事情は那辺にあるか、こういう点についてもひとつあなたの観測程度の御答弁を煩わしたいと思います。
#83
○白洲参考人 風早さんの今の御質問は、何か私が政治家であるがごとき御質問ですが、それは非常に迷惑なので、政治のことはあなた方にお願いすることで、われわれしろうとに対してあなた方が観測をお聞きになるといつたつて、それは無理でございますよ。
#84
○風早委員 それでは卑怯ですよ。都合の悪いときには電力会社の会長になり、また今度は一転して側近ではない、政治家ではない、こう言われますが、客観的に世間であなたが評価されておるそれを私どもは前提にして今日お呼びしたことは間違いない。そうでなければきようお呼びした理由はないわけです。これはおそらく他の同僚議員も同感だと私は思う。あなたがきよう何を考えて来られたのか、どういうことをここで答弁されようとして来られたのか。大体こういつたような、きよう扱われたことはみな的をはずれていないと思う。それにお答えになる意思で来られたのじやないかと思うのです。ですから政治家であるとかないとかいうことも抜きます。しかし私どもはあなたにはあなた自身の実体があると考えておる。これはどういう名前をつけようがつけまいが、何といつても白洲というものは白洲、大したものです。われわれが望むと望まざるとにかかわらず、今の日本、吉田政府というものはあなたのような人によつて支配されておるという現実なのです。ですからもう少し言うならば、われわれとしてもあなたからまず教えを請いたいというのが趣旨であります。何か食い違いがないかということを申したのは、これは最後にマーカット声明に集約して現われましたが、その間にいろいろないきさつがあつたことはすでに予算委員会その他で大体明らかになつておりますからむし返しません。いずれにしても、遠い将来のことは別として、なかなか資金が入らない。アメリカとして実際は入れたい、日本の電源開発に根をおろしたいという意向であればそこに食い違いがあるのだ。どうしてそういうことになるか、この点をお答え願いたい。
#85
○白洲参考人 今風早さんが食い違いがあるとおつしやるのですが、何のことですか私にはよくわかりません。それからどういう食い違いがあるか、その食い違いを説明しろとおつしやるのですが、私は御質問の要旨がよくわかりませんし、その食い違いがあるとも思いませんし、さつきからやれ大したものだとか、私が日本を指導しておるとか、何とかそこまで言われては、困りますね。
#86
○風早委員 きようあなたは一体何のために来られたのか。あなたも相当お忙しいからだですが、われわれも大勢忙しいからだを平日あなたに期待して来ているわけだが、考え方によつては少し国会に対して、議員に対して、あなたの今日の御答弁は問題ではないかと思うのであります。次に外資の問題に移りますが、われわれは現在アメリカから入つて来る外資については、おのずからあなた方とは別の見解を持つておりますが、それは一応預かつて、とにかく外資なしでは、今日出ておりますところの電源開発促進法案というものは一応御破算というものではないだろうかという疑問を私は持つております。またそれは御破算ではない、どうしても電源開発は至上命令であるということになりますれば、その負担というものはただ單に政府資金というような甘いものではなくして、最終的には料金の値上げなり、あるいはまた他の面におきまして国民が相当の新しい負担を負わなければならない。アメリカは日本に今出したいのだが、どうも金は貸せない。しかしながらこれはぜひやつてくれ、まあさしあたり自力でやつてくれ、こういうアメリカの意向が私どもには想像されるのでありますが、そういう点についてあなたは一体どういう観測をしておられるのか。それによつてはまた私の質問は続くと思いますが、一応その点についてぜひお答えを願いたいと思います。
#87
○白洲参考人 今の風早さんの御質問でありますが、さつきから申し上げておりますように、政治の問題のことを、私のようなしろうとに御質問になつても非常に困るのです。私などはあなたにお聞きしたいくらいなので、そういうことの観測がどうだというようなことは、私は申しかねます。
#88
○風早委員 私の観測としては、アメリカは入れたいが、事実入れられないという事情にあると考えられる。あなたは私のそういう観測に対してはどういうお考えをお持ちなんですか。
#89
○白洲参考人 風早さんの考えが間違つておるとも思いませんし、正しいとも思いません。
#90
○風早委員 どういう意味ですか。
#91
○白洲参考人 私は、風早さんのお考えはこうであるというそのお考えをあなたがお持ちになつておるということを承知するだけのことであります。
#92
○風早委員 実際われわれまつたくからかい半分のような感じを受けるんですけれども……。
#93
○白洲参考人 そうじやありません。
#94
○風早委員 いや、そうでないと言われても、きよう一つも答えられたことがない。電気の問題を聞いても答えない、資金の問題を聞いても答えない。電源開発の法案について参考人として来られた一体何があるんですか。(「何で呼んだのか」と呼ぶ者あり)呼んだといつて、これはあなた自身の客観的な存在があるんでありまして、それを前提にしてお呼びしてあるわけであります。もしもあなたがその前提が違つておると考えらるならば、ここへ来られる必要はない。やはり参考人として来られる以上は、それだけの責任を持つて来られると思うのです。そういうふうなことでありますれば、これはただいたずらに議論になるだけでありまして、われわれもあなたをお呼びしたことが少し見当違いであつたのじやないかという以外にはないわけでありまして、私はこれで質問は打切りたいと思いますが、しかしながらこの際せつかくおいでくださつたのでありますから、この電源開発というようなものにあなたも直接間接関係しておられる有力な人物として私の見解を述べて、あなたの御参考に供しておきます。この電源開発というものにあなたがとつ組まれる場合、やはり水利の問題でありますとか、あるいはまた電気料金に対する国民への負担でありますとか、こういう点をやはり十分に総合的に考えておられるのかどうかということです。これは今度の電源開発法案を見ますと、明らかに水利や土地収用法の改正にも出ておるように、また河川法の改正にも出ておりますように、すべてそういうものは結局電源開発に従属さしてしまうんです。これは行政協定でもそのことが裏づけせられておるんです。そういうような非常な危険のある電源開発法案が今出ておるのでありまして、あなたも直接間接これに関連のある人物としてそういう点にひとつ十分な留意、戒心を願いたい。私はそういう点を一言申し上げまして、質問は打切ります。
#95
○加藤(鐐)委員 委員長にちよつと質問があるのです。委員長は白洲さんをきようお呼びをするのに、どういう案件についてお尋ねしたいということを具体的に書いてお伝えになりましたか。
#96
○中村委員長 申し上げます。電源開発促進法案に関してお呼びを申し上げたわけであります。
#97
○加藤(鐐)委員 そこで今白洲さんに電源開発促進法案に関連して諸般の問題についてお聞きしたところが、白洲さんは、自分の会長をしておられまする東北電力会社の問題についてもお答えになりませんでした。これは初めから一切答えないという考えで御出席になつたものと思います。私はこういう貴重な時間を使つて、しかも白洲さんの方におかれても相当忙がしいからだであると思うのですが、何ら答えられないのにおいで願う必要はないのです。だから今後こういう問題を扱うときには、委員長におかれても慎重に考えられて、相手が全然答える意思がないというような場合には、初めから呼ばないようにしてもらいたい。初めからわかつておつたら別ですが、きよう私はこういう事態になるとは実は予想しなかつたのですけれども、今後の問題もありまするから、今後はそういう点は十分委員長において考慮の上はからつていただきたいということを申し上げておきます。
#98
○福田(一)委員 私は参考人の白洲さんに一、二お伺いをいたしたいのであります。先ほど来同僚議員からいろいろの質問に対して、やはり電力の問題について白洲さんは答弁されておると私は思うのであります。この点を申し上げてみて、あなたがこれに御同意くださるかどうか、簡単に承りたい。まず第一点は、電源開発は日本の経済を再建する意味において非常に必要であると白洲さんは考えておられる。この点は明らかだと思います。第二点はこれを開発する場合において、九つの電力会社をして行わしめる場合には、最も必要なのは資金であると考えておられる。資金を十分潤沢にもらえればそれでやれると考えておられる。その資金をやるためには電源開発公庫のようなものをつくつて電力会社に金をまわす方法があれば、これが一番最善の方法であると考えておられる。しかしそれができないというのであれば――できないということを認定するのは議会あるいは政府のやるべきことであるけれども、それができないということであれば、今提案になつているようなこういう特殊法人をつくるのも第二の方法として、あなたはセカンド・ベストというお言葉をお使いになつたのでありますが、その意味において賛成はする、しかしながらそのでき上つた特殊法人が電源を開発した場合に、開発する途中において、また発電所ができた後においても官僚的な運営になつては非常に困る、これがもつと民営的な、そして民間会社と協力するような――もちろん具体的の内容は申し上げませんが、とにかく民営で、官僚的な意向が拂拭され、全体として電力がうまく運営されるような方向に持つて行かるべきものである、かように申されたというふうに了承いたしたのでありますが、その点について御答弁を願いたいと思います。
#99
○白洲参考人 お説の通りであります。
#100
○福田(一)委員 次にお伺いいたしたいことは、外資導入の問題については、今までに関係されたこともないわけではなく、現在どのような交渉が行われており、さらにまた今後どのような交渉が行われるかということについては、電力会社の会長としてまた国民として非常に関心を持つているけれども、そのこと自体には自分は関係しておらないから、この委員会においてこれに関連した明瞭な答えをする義務も責任もないし、またそういうことは言えない、かように言つておられるのだと了解いたしましたが、さようでございますか。
#101
○白洲参考人 お説の通りです。
#102
○福田(一)委員 先ほど来同僚委員諸君からいろいろの御意見もあつたと思うのでありますが、それに対して白洲さんが述べることを断られておるのは、これは何も無理だとかなんとかいう問題ではなくて、国会を尊重され、政治というものを尊重されておるという意味において、私はむしろ敬服いたすのでありまして、いやしくもわれわれが国会議員として政治を運営して行く上において、單なる一人の個人の意見をあまりにも尊重するような、そういう官僚的な空気をもつてこの運営をされるということにははなはだ反対でありまして、委員長は本日の委員会の運営においてそういう点を特に注意されたがよろしかつたと思うのであります。この意味で私は同僚の加藤委員とは所見を異にいたすということを明らかにいたしまして、私の質問を終ります。
#103
○山手委員 今の質問に関連して簡単に一点だけ伺いたい。今福山君からああいうお話がありまして、私もそうだと思います。そうだと思いますが、ああいうだめ押しの話がされますと、やはり一点だけ明らかになつていないのです。白洲さんは東北電力の会長でもあるし、やはり事実上は相当有力な政治的発言力を持つておられることは明らかなのでありますが、そういう人が電源開発金融会社案といういわゆる白洲構想をベターだと考えておられる。それからそれができない場合においては、いわゆる自由党案のようなものについてもいたし方ないであろうという考えを披瀝しておられる。これは私の一番初めの質問に対する御答弁でありまして、私もそうだつたと思うのでありますが、そのあとを私はいろいろつつ込んで御質問いたしました。それは何かというと、現在の九電力がベターでも、その次に来るものでもないという理由は何か。これは厳然たる事実です。九分割は日本の電力を徹底的に開発して、豊富低廉な電力を国民に供給する最上のものだと言つて、国会も素通りさしてああいうことをやつた。そしてそのときに白洲さんはみずから乗り込んで行つて、東北電力の最高幹部になられた。それが今日電源開発を実際にやろうとするときに、自分の持つている会社の機能を無視して、ベターでもその次のセカンド・ベストでもないという発言は、私は重大な発言だと思う。それなら東北電力なり現在の九電力が、こういう点において資金も受けられないますい点がある、電源開発について至らぬ点がある、欠格條件を持つておるということをここで明らかにしておいて、やはり参考意見を補足しておいていただかなければいかぬと思う。この点は私は重大だと思うから、最後に参考人から明らかにしておいていただきたい。これを抜きにしておいて、ベターだとかなんとかいうことになると、おそらく今度九会社のほかの人たちは困るだろうと私は思う。この点について答弁を求めます。
#104
○白洲参考人 その説明は、一番初めに山手さんが御質問になつたことに対する答えで私の気持は大体申し上げたと思いますから、二度と同じことを繰返しません。
#105
○中村委員長 本日はこの程度にいたし、次会は来る十五日火曜日午前十時より公聴会を開きますから、定刻にお集まり願います。本日はこれにて散会いたします。
    午後零時十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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