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1951/05/16 第13回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第013回国会 通商産業委員会 第37号
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1951/05/16 第13回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第013回国会 通商産業委員会 第37号

#1
第013回国会 通商産業委員会 第37号
昭和二十七年五月十六日(金曜日)
    午後一時五十二分開議
 出席委員
   委員長 中村 純一君
   理事 高木吉之助君 理事 中村 幸八君
   理事 山手 滿男君
      今泉 貞雄君    江田斗米吉君
      小川 平二君    神田  博君
      小金 義照君    淵上房太郎君
      南  好雄君    村上  勇君
      高橋清治郎君    加藤 鐐造君
      田代 文久君
 出席国務大臣
        通商産業大臣  高橋龍太郎君
 出席政府委員
        特許庁長官   岡田 秀男君
 委員外の出席者
        通商産業事務官
       (資源庁鉱山局
        油政課長)   吉岡  格君
        専  門  員 谷崎  明君
        専  門  員 越田 清七君
五月十六日
 委員小玉治行君辞任につき、その補欠として永
 井要造君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 石油及び可燃性天然ガス資源開発法案(内閣提
 出第二二号)
 ドイツ人工業所有権特別措置令の一部を改正す
 る法律案(内閣提出第二三二号)
    ―――――――――――――
#2
○中村委員長 これより会議を開きます。
 本日はまず、ドイツ人工業所有権特別措置令の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案に対する質疑は昨日終了いたしておりますので、これより討論に入るのでありますが、討論はこれを省略いたし、ただちに採決に入りたいと存じますが御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○中村委員長 御異議なければこれより採決に入ります。
 本案に賛成の方は御起立を願います。
    〔賛成者起立〕
#4
○中村委員長 起立多数、よつて本案は原案通り可決いたしました。
    ―――――――――――――
#5
○中村委員長 次に、加藤委員より発言を求められておりますので、これを許します。加藤君。
#6
○加藤(鐐)委員 私は、今回通産省が帝国石油株式会社に対して再建の勧告をしたという、新聞紙上に報道をされた問題について一応お伺いをしたいと思うわけでありますが、まず第一に、政府はどういう理由で今回帝石に対して再建の勧告をしたか、その理由について明確にお伺いしたいと思います。
#7
○高橋国務大臣 一昨日帝石の社長を通産省に呼びまして勧告をしたのであります。それは事実であります。それは、御承知のように帝石というものは、今日では普通の民間会社でありますので、通産省としましてはあの会社に指揮命令をする権能はないのです。ただ、あれは現在は普通の民間会社でありますけれども、御承知のように、日本の石油の約九割を生産している特殊な会社でありますし、従前政府から相当の補助金を出しておつたことがありますので、石油行政の上から行きましても、あの会社の運営については通産省としては深い関心を持つております。ところで、あの会社の経営につきましては、とかくのうわさを私耳にしております。現に係争問題になつているわけであります。その方は私どもの関係していないことでありますが、調べてみますと、昨年九月でありましたか、あの会社の石油の採掘方法が適当でないということを、その当時の占領軍の資源局で非常に問題にいたしまして、それでこれは私就任前からの問題なのですが、ある委員会をこしらえまして、石油採掘技術の権威者を集めて審議をしてもらいました。上床という東大の教授がおりますが、この人は学者で非常に権威者です。この人を委員長として審議をしてもらつて、相当長くかかりましたけれども、その結論は、やはりその当時帝石で採掘している方法では濫掘になつて、せつかくの地下にある資源を掘り出すことができなくて、地下に残る、つまり浪費される部分が多いので、適当でないという結論を得たのであります。その結論によつて、その当時採掘法を改むべく勧告をしたのであります。その当時はその結論に従つているということを私は聞いておつたのですが、最近になつてその点に非常に疑問が起きたのです。それで、経営者としては、いたずらに業績を上げることにのみ走つて、将来のことを軽視しており、ただたくさん出ればいいというような方針に走つたかのように疑られるのであります。そうして、その結果相当の利益が上つたと見えて、四割か何かの配当をしたのです。そのときにも通産省は、四割というのは少し高配当に過ぎるじやないかと、それには反対をしたのですが、その勧告には応じなかつたのであります。
 それからもう一つの点は、先年政府から補助金を出しました当時の規定では、その補助金によつて新設した施設は、政府の同意を得なければ五箇年間向うで処分することはできないことになつているのに、これは確実でありませんが、それを通産省の同意を得ずして処分した疑いがある。確実でないということは、政府の補助金から施設をこしらえたものもありますし、同じ機械を会社の自己資金で求めたものもあるのですね。どれが政府の補助金でできたか、しいて今それを責めれば、処分をしたのは自己資金でやつたのだという言いのがれをするわけですが、それは現在係争中で、いろいろな帳簿が裁判所の方へ押収されておるので、そういうはつきりしたことは申し上げられませんが、そういう疑いが濃厚である。そういうようなことで、あの会社の重要性を考えまして、ほつておくべきでない。私どもとして、経営の面について社長に命令することはできないのだが、いかにも不安であるので、経営を改善することが望ましい、そういう勧告をしたのであります。それに対して社長は、さつそく重役陣とも協議をして、改善案を持つて来ることになつております。大要そういうことであります。
#8
○加藤(鐐)委員 大臣の声が小さくて、十分聞きとれなかつたのですが、再建の勧告をしたという表現を使われてあります。その再建という意味は、今大臣がおつしやつた経営の改善をせよということだと思いますが、一体どういう方面において改善をするかという具体的な点についてお伺いをしたいのです。ただ単に経営の改善をするということでは、どの面において改善をするかということがよくわかりません。その点をひとつもう一度お聞きします。
#9
○高橋国務大臣 あまりそう具体的には触れておりません。つまり現在の経営に、先刻述べましたような非常に不安な点があるからして、もつと堅実な経営をするにはどうしたらいいのか、それを至急に検討をして、代表者の意見を聞きたいということで別れたのです。
#10
○加藤(鐐)委員 先ほどおつしやつた、いわゆる昨年濫掘等の問題、あるい経営面におけるいろいろな疑問があつて、勧告したということであります。私の聞いておるところによると、二回にわたつて勧告しております。今大臣のお話では、その勧告に従つておると思つたが、最近疑義が生じた、こういうお話でございました。どうもはなはだあいまいで、よくわからないし、またそういう何か漠然としたことで、いわゆる法的根拠のない勧告をするということは、私は重大な問題だと思うわけです。それで今大臣がおつしやつたように、勧告を聞いておつたのかどうか、勧告に従つておつたのかどうか、それが最近になつて疑義を生じたという、今大臣がおつしやる通りであるかどうか、初めから勧告に従わなかつたから、さらにこういう処置をとられたのかどうか、この点についてお伺いをいたします。
#11
○高橋国務大臣 その当時責任者は、通産省の勧告についてその通りいたしますと言つて引下つたのであります。で、私どもはそれを実行に移しておると信じておつたのであります。
#12
○加藤(鐐)委員 それには少し時日があり過ぎると思うわけです。石油採掘ということは、なるほど非常に技術上むずかしい問題ではあるに違いありません。それをあえて勧告せられたということは、相当やはり権威のある調査をせられたのであると思うのです。そういう権威のある調査に基いて、しかも二回にわたつて勧告をせられたのに、今まで従つたものであると思つておつたというのは、少しのんき過ぎやしないか。そしてその間に時日があり過ぎやしないかと思うわけですが、その間どういう処置をとられたか。
#13
○吉岡説明員 大臣からお答えいたしました二回にわたりまする勧告と申しますのは、第一回の勧告が二十六年の九月二十六日であります。それに対しまして、十月の五日に帝石の社長から、勧告に従う旨の回答がございました。越えて十月の二十九日に第二次の勧告を行いました。それに対しまして十一月の一日に社長から、勧告に従つて必要な措置をとるという回答がございました。この勧告の内容と申しますのは、非常に技術的な問題でございまして、現地におきまして、いろいろとデータを集めませんと、これが守られておるか、守られておらないかということは、わかりにくい問題でございますが、われわれの方は会社からの回答によりまして、これが守られておるということでおつたわけでございますが、二月に入りましてから、投書によつて、基準を無視して採油をしておるという情報がありましたので、二月の十五日に、資源庁の係官二名を現地に派遣して調査をいたしました。その結果違反の事実がわかりまして、再び石油の審議会を開きまして、検討いたしたわけであります。あらためて会社側から、実は試験的に基準と違うとり方をしておつたけれども、それはいろいろと問題があるようだから、とりやめますという旨の意思表示がございまして、現在のところでは、その違反をとりやめたということになつております。しかしながら実際の採油の状況につきましては、全部基準に従つているという確認をわれわれの方でとつておりません。
#14
○加藤(鐐)委員 この勧告をした根拠となつておる、いわゆる採油の技術上の違法とか、聞違つているようなものに対する政府の見解と、会社の見解とが一致しておるかどうか。会社の見解は違いはしないか、その点について、これは会社側に聞かなければわからないかもしれませんが、政府でいろいろと折衝せられた経過もあろうと思いますので、その点については会社が政府に同意しておつたかどうかという点を承つておきたい。
#15
○吉岡説明員 お答えいたします。基準の作成に際しましては、審議会に数回会社の技術関係重役の出席を求めまして、会社側の意見も十分織り込みまして、討議をされたように存じております。従いまして、最後の基準につきましては、会社側がどういう御意見を持つておられるかわかりませんが、審議会側といたしましては、会社の実情も十分参考にされまして、基準を決定されたいきさつがございます。
#16
○加藤(鐐)委員 それはおかしな話だと思うわけですが、勧告したその理由について、会社がどういう見解を持つているかということは、今のお話ではよくわからないわけです。その点わかつておらないような御答弁ですが、これは私は勧告したその当初において、はつきりしなければならない問題だと思います。会社にただ勧告のしつぱなしでほつて置くという趣旨のものならばよろしいけれども、今のお話だと、十分勧告に従わなかつたからこういう強い勧告をしたというお話でありまする以上、そして今また吉岡油政課長のお話では、会社の意見も取入れて断定したというお話ですが、そうすれば、いろいろ会社の意見も聞かれたと思うわけだが、今のお話では、会社が同意したか同意しなかつたかということはよくわからない。その点は私は一つの大きな問題だと思うのですが、もう一度はつきり承つておきたい。
#17
○吉岡説明員 会社の意見と申しましても、個人々々の意見と会社全体としての意見とは、いろいろまた違うことと思いますが、正式に申しますと、二回の勧告に対しまして、勧告に従つて実施をするという正式の社長からの回答がございますので、会社はこれに対して異議は持つていないと考えてよろしいかと思います。
#18
○加藤(鐐)委員 それからもう一つ、今の大臣の話だと、今法律問題になつておつて、会社側の帳簿が押収されておるので、内容がよくわからないかとおつしやいましたが、内容のわからないものを理由としてやるということは、最初に大臣のおつしやつたような、世間にうわさがあるというようなことで、それを根拠にして断定を下されたというふうにも解釈できるわけです。たとえばこれは新聞に理由としてあげられておりまするが、政府から同社に国庫補助した三億五千万円がむだになつておるということである。国庫補助がまつたくむだになつておるということになりますと、これは重大な問題でありまするが、これらのことは帳簿がなくてもわかつているかどうか、お答え願いたい。
#19
○高橋国務大臣 その三億五千万がむだになつているというのは、どういうことですか、そういうことを私はどこでも……。
#20
○加藤(鐐)委員 新聞に理由としておげられておりまするが、これは通産省の見解でなければよろしい。しかし新聞に箇條書にして理由をあげておりまするので、おそらくこれは通産省が発表されたものではないかと私は思うわけです。そこでお尋ねするのです。
#21
○高橋国務大臣 それは通産省は関知しないことであります。はつきりしていないものを勧告するのは聞違つておるという御発言ですが、私どもが勧告したのは、最初に社長にそういうような疑点をあげて説明を求めた。そして会社も、多少の言い分はあるでしようけれども、大体に納得して、改善案を立てようと言うて了承して帰つたのです。何も行き過ぎではないと私は考えます。
#22
○加藤(鐐)委員 大臣がいろ言葉をつけ足しせられるから、こういう質問をしなければならぬわけになるのですが、もう少し明確に、これは座談ではないのですから、問題をはつきりしてお答え願いたいと思うのです。
 それで事務当局にもう一度お伺いしたいことは、いわゆる再建指令、大臣が今お答えになりましたが、再建という問題です。おそらくこれは事務当局が考えられた案であろうと思いまするので、この点もう一応事務当局から、どういう点において再建するかということを、ひとつ明確にお答え願いたい。
#23
○吉岡説明員 大臣のおつしやつた通りでございまして、事務当局が立てた案であるというようなことは、私から何とも申し上げかねます。
#24
○加藤(鐐)委員 それでは最初から民間会社であるからというようなことで、政府は強く言えないというようなことをおつしやいましたが、会社がこれに従う義務が法律上はないというふうに考えられます。ただその理由とするところは、助成金をたくさん出しておるから、こういうことだけですか。従つてもし会社が今度の勧告に従わなかつた場合には、通産省としてはどういう処置をとられるかという点を承りたい。
#25
○高橋国務大臣 法的の根拠はないのでありますから、従わなければ通産省としてどうすることもできません。
#26
○加藤(鐐)委員 どうすることもできないというお話ですが、これは私はおかしな問題だと思う。補助金を出しておるから、やはり政府は責任上十分監督もしなければならぬ。間違つたことをやつておれば、勧告をしなければならぬ。しかし勧告して、会社がきかなければどうにもならぬというならば、初めから勧告をすることはむだじやないか。もちろん全然むだだとは言えませんけれども、勧告に従えばそれはもうけつこうな話ですから……。しかし従わなければどうにもならぬということになりますと、私はこういう問題に対して、通産省としては新たなる一つの考えを持たなければならぬというふうに思うわけです。こういう重要な国家資源の開発にあたつては、しかも集中排除法の適用を免除されておる独占企業でありまするから、政府はやはり法律の根拠のないこういう処置をとられたものであろうと思うわけです。しかし義務がないから、きかなければそれまでだということでは、私は問題は解決しないと思う。昨年九月、十月、二回にわたつて勧告したにもかかわらずこの勧告の効果がなかつたから、あらためて今回勧告した。そこまで政府が執拗に勧告を続けられる以上、やはりこれはどうしても民間企業のかつてなやり方にまかしておいてはいけないというので、勧告をなさつておると思う。そこで私は続けてお伺いしておきたいことは、どうしても勧告をしないような場合には、政府はどうにもならないという見解でほつておかれるのか、新しく何らかの方法を考えられるのか、法的な処置を考えられるのか、あるいはさらに再建が政府の考えておるように達成できるような、新たなる具体的な勧告をせられるのであるか承りたい。
#27
○高橋国務大臣 これは、補助金を出しておるなら、もう出さぬということはできますが、今日では補助金は出していないのですから、勧告に応じない場合にはやむを得ないのです。やむを得ないものになぜ勧告をするかというお話だけれども、石油業でなくても、一般のたとえば紡績業とかいうものでも、私どもが考えて、現在の経営方法なりやり方が間違つておると思えば、勧告をすることは少しもさしつかえないと私は考えるのです。そうしてこの勧告は、一昨日の社長の態度などから見ると、相当有効であつて、ある解決策が生れて来ると私は思います。その解決案が満足しなければどういう態度をとるか、これはおそらくまた再び勧告をするということになりましようが、まだそれ以上に私の考えを発表する時期でないと考えます。
#28
○加藤(鐐)委員 昨年の九月以来、すでに半年もたつておるわけであります。石油のような重要鉱物資源の有効なる開発、ことに日本のような非常に石油資源の少い国においては、できるだけ有効なる、むだをしない開発をしなければいけないという趣旨で、今回の法律も提案されたと思うのです。そこで私は先ほど来言つておる通り、非常にこの石油資源を、一口に言えばむだにしたという点から、そのために将来に大きな災いを残す結果になるということで勧告せられたものと思いますが、その勧告をきかなかつたことすでに半歳以上に及んでおるということになりますと、その間の国家的な損失というものは非常に大きいと思う。それを今度言つてもどうしてもきかなければ、また半歳も待つという今までのような態度では、私はますます重要な国実資源の大きな損失を招くと思うわけであります。そこでこの点を質問しておるわけです。しかし新たなる勧告に従わない場合についての処置は、まだ考えておらないということでありますから、これ以上追究いたしませんが、私は十分通産当局として、特に大臣に考えていただきたいと思うわけであります。
 もう一つ、この問題は高度な技術上の問題でありますから、実際採掘に従事している会社の技術上の見解というものを聞いてみなければ、私はわからないと思う。それでコンサーベーシヨン委員会という、石油についての最高権威者を集めた委員会の権威ある調査研究に基いてやつたとおつしやいますけれども、また実際の面におきまするところの問題も十分考えなければならない。だから先ほど油政課長がおつしやつたようなことでは、この問題をわれわれは了解することができないのです。はたして会社の技術上の見解と政府の見解と一致したのか。異にしておつて、政府の命令であるから一応勧告に従うと言つたのか。これは非常に重大な問題だと私は思うわけです。今後われわれ通産委員会としても、この問題はやはり十分調査しなければならぬ。その点委員長に申し上げておきたいと思います。これはきよう大体採決される法律とは直接関係がない問題であるが、今後急速にわれわれ委員会としても取上げて、十分研究しなければならない。
 最後にもう一つ承りたいことは、この帝石と資源庁との関係ですが、特にしばしば国会において取上げられました始関前長官と帝石との問題であります。この始関長官は過日免官になつておりますが、時あたかも始関長官の収賄事件が国会において大きく取上げられた直後でありますので、私どもはその間に何らかの関係がありはしないかということを考えるわけですが、その点について大臣の答弁を願いたい。
#29
○高橋国務大臣 それには何も関係ありません。始関長官が退官をいたしましたのは、定員法の改正によつて退官したのであります。
#30
○加藤(鐐)委員 大体私はきようの質問はこのくらいで打切つておきますが、大臣が一体会社側も今度は誠意を見せる模様であるというようなことをおつしやいました。その誠意を見せるということの一つとして、あの会社のいわゆる社長以下経営者の責任問題というようなこともあろうと思います。この問題については、私は触れません。きよう質問はいたしませんが、もしこの会社の重役陣が、この問題について責任を感じて退陣をしたという場合に、従来こういう特殊会社、特殊会社とは申しませんが、特殊な会社のその人事については、私は今まで相当政府方面の圧力が加わつている事実を知つております。あるいはまた政党の圧力が加わることもしばしばありました。そういう場合に政府は、いわゆる一つの意図を持つた圧力を加えられないように、十分御注意を願いたい。私は従来の資源庁というものが、こういう問題についてしばしばよけいなおせつかいをしたり、また一つの意図を持つて、重役の選任等についてさしずをする場合を見ております。そういう場合に、私は資源庁がその立場を忘れたやり方をせられないように、今から十分警告をしておきます。
 本日の質問は、これで打切ります。
#31
○中村委員長 ただいまの加藤委員の発言に関連して、山手委員より発言を求められておりますので、これを許します。簡単にお願いいたします。
#32
○山手委員 簡単にいたします。私は石油の問題については、いろいろ関心を持つております。今同僚の加藤委員からいろいろ勧告の点について質疑が行われておりましたのを聞いておりましても、いよいよ私どもの考えておることについて、じつくり考えなければならないという気を起す次第であります。というのは、結局今大臣がお話になりましたように、この勧告は、石油という特殊な資源に対して格別なる関心を政府が持つておられるということから私は出発したものだと考えるのであります。日本の近い将来のいろいろな情勢を考え合せてみましても、政府がこれから先さらに燃料資源、石油政策というものに対して、格段の努力を拂つてもらわなければいけないのじやないか、こういうことを考えます。こう考えると、今勧告をしても法的な根拠は何もないのだ、しかしやはり石油というものをむだにしてはいけない、そういう考えでこの強い勧告をされた。この大臣のお考えは、私は納得できるような気がします。そう考えてみると、私はこの委員会がかつて審議をして通したところの帝石法などを廃止したことは聞違つておつたと思います。石油国策というものを早く政府から明示してもらいたいということで、私どもはいろいろお話をしておりますが、まだはつきりと、こういうふうに日本の燃料政策を押し進めて行くのだという御見解を承る機会に接していないのでありますが、私はもう少し強力な手をその方面に打つてもらいたい。そうして効果的な手段を選んでもらわなければいけないというような気がするのであります。この点について大臣の御感想をこの際承つておきたいと思います。
#33
○高橋国務大臣 いかがでしよう、予算委員会の方に午前中も出ておつたのですが、先刻からしきりに呼びに来ますので、その答弁は次の機会に讓らせていただけませんか。
#34
○山手委員 できれば早い機会に、一連のものをまとめて御説明を願いたいのであります。
    ―――――――――――――
#35
○中村委員長 次に石油及び可燃性天然ガス資源開発法案を議題といたします。本案に対する修正案が委員長の手元に提出されておりますので、この際提出者より修正案の趣旨説明を求めます。中村幸八君。

#36
○中村(幸)委員 私は提案者を代表いたしまして、石油及び可燃性天然ガス資源開発法案に対する修正案の提案理由を御説明申し上げます。
 修正案の内容につきましては、すでに印刷物をお手元に差上げておきましたので、ここに朗読することを省略させていただきますが、この修正案の主要なる点は二点あります。第一は、原案第十條の命令を発する前に勧告の段階を設けたことと、第二は、第十九條の納付金については、当該企業に交付された補助金の額を限度とすることに改めたことであります。
 第一の点は、石油の完全開発に支障を及ぼすおそれありと認める場合は、ただちに採油の制限または中止の命令が出せることに政府の原案ではなつておるのでありますが、これを修正いたしまして、まず勧告を行うことによりまして、企業並びに行政当局をして仔細に検討するの機会を與えまして、しかる後に必要に応じて命令を発するようにいたしたのであります。かようにいたしまして、いきなり行政命令を出すことを避け、民営企業に対する民主的運営をはかるとともに、現場について最も詳しく、しかも最も新しい知識を有するところの企業の技術を活用することによりまして、コンサーベーシヨンの趣旨を徹底せしめんとするものであります。
 第二点の納付金については、政府原案においては、補助金を受けて成功した油田の負担において、失敗した分をカーバせしめまして、結局交付した補助金の全額回収を期しておるのでありますが、かくては個々の企業について見まするに、支給された補助金の総額以上に納付金を納めなければならないというような不合理も生ずることとなりますので、これを改めまして、補助金の総額を納付の限度とすることといたした次第であります。
 以上をもつて修正案に対する私の説明を終ります。何とぞ御審議の上、御賛同あらんことを希望いたします。
#37
○中村委員長 以上をもつて修正案の趣旨説明は終了いたしました。
 これより修正案並びに原案を一括して討論に入ります。討論の通告がありますから、順次これを許します。中村幸八君。
#38
○中村(幸)委員 私は自由党を代表して、ただいま一括討論に付せられました、石油及び可燃性天然ガス資源開発法案の原案並びに修正案に賛成の意を表するものであります。本法律案は、石油及び可燃性天然ガス資源の完全開発をはかるため、戦時立法でありますところの現行石油資源開発法を廃止し、これにかわり、時勢に即応する新しい法律を制定せんとする趣旨に出たものでありまして、その内容は、第一に油層エネルギーの浪費の防止をはかるための規定を設けておりますこと、第二に掘採に関し、補助金を交付するとともに、その確実な回収を期しておりますること、第三に通産大臣の諮問機関として審議会を設けたことなどがおもなる点でありますが、原案の趣旨については、もとより異論をさしはさむ余地はありませんので、政府原案中考慮を要する二、三の点を、わが国今日の実情に即応するようそれぞれ修正いたしまして、本法案に賛成いたしたいと存ずるのであります。
 ただ一言政府に要望いたしたいことは、補助金の問題であります。本邦石油鉱業の現況にかんがみまして、これが発展のための探鉱奨励は刻下の急務と存ずるのであります。しかも他の地下資源に比べまして相当多額の資金を必要とし、かつその成功率のごときもきわめて低いことにかんがみまして、国の補助金による積極的な奨励が最も強く要望せられる次第であります。この点に関し、政府が今後遺憾なく善処せられんことを希望いたしまして、私の修正案並びに修正部分を除く政府原案に対し賛成の意を表する次第であります。
#39
○中村委員長 山手滿男君。
#40
○山手委員 私は改進党を代表いたしまして、本石油及び可燃性天然ガス資源開発法案及び修正案に賛成の意を表するものであります。
 政府原案が、いろいろ石油資源の確保の建前から、きわめて貴重な配慮をしておることについては、もちろん私どもも異存はないのでありますが、例の帝石法を廃止いたしまして、現在わが国内産石油の大半を生産しておるところの帝国石油なども、民間会社に移してあります現在において、ただ単に通産省が官僚的な命令をいきなり出して行くということについては、私どももいろいろな観点から疑義を持つておりますし、これを修正いたしまして、第一の段階において勧告をする、勧告をして聞かれない場合においてのみ政府が命令を発する、こういうことで、できるだけ業者の創意を蹂躙しないようにして行こうという考え方で修正をいたしました第一点について、もちろん賛成であります。
 また補助金の問題でありますが、これも政府原案は、どれかの井戸がたまたま当つて、成功裡に掘鑿をし得た場合には、その利益金を無制限に取立てようというふうな考え方の法案であつたのであります。なるほど石油資源そのものについては、幾分そうした僥倖といいまするか投機的な傾向もあつて、それについては全体の業者の立場から、これを政府に還元さす必要もないことはないと思いまするが、現在すでに民間企業に移しておる以上は、あまり極端にこれを固執することは必ずしも当を得たものではないと考えまするので、これまた私どもは修正をすることを強く要望し、修正案に賛成するものであります。
 さらに私は要望しておきたいことは、今中村委員からもお話がありましたが、通産大臣の諮問機関である審議会の委員の選定にあたりましては、できるだけ慎重なる人選をしていただきたいということであります。特に学識経験者なりあるいは非常な識見のある人をできるだけ多くこの審議会に送り込んで、これを総合的な石油政策の一方のにない手であるようにしていただきたいと思うのであります。今日帝国石油の勧告の問題において見るようないろいろの紛争も起きるのでありまして、この審議会の構成は全業界人の監視の的になるであろうと私は思いまするし、ぜひ運用の面において格別なる配慮をしていただきたいと思うのであります。
 それからまた先般も私が申し上げましたけれども、石油資源の開発の点について、政府が何か一帝国石油が勧告に応じたとか応じないとかいうことで、いやがらせ的にということでもありますまいが、国家の補助金を順次削つて行くということにならないように私はむしろ今後地下資源、特に石油資源の開発のために、さらに積極的に政府が助成をして行くようにお願いしたいのであります。今日油ということになりますると、英国だとか、アメリカあるいはソビエト、近東地方ばかりをみんな頭に描くのでありますが、実際に石油の採掘をされております各国の状態を見てみますると、フランスとか、あるいはベルギー、ドイツ、そういうふうなほとんど石油が出るとはだれも思わないようなところで非常な石油資源の開発努力が行われておりまして、戦後それらの国々においては、戦前をはるかにしのぐだけの科学的な開発が行われております。日本においては外油にほとんど押されてしまつて、国内産の石油なんというものはどうでもいい、そんなものは大した価値のあるものじやないというふうな考え方で放置されることのないように、政府が積極的に国内の石油資源の開発に情熱を傾けていただきたいと思うのでありまして、その点をこの法案の採決に際して特に希望いたしまして、賛成の意を表します。
#41
○中村委員長 加藤鐐造君。
#42
○加藤(鐐)委員 私は日本社会党を代表して、ただいま議題となりました石油及び可燃性天然ガス資源開発法案の修正案及び修正部分を除く原案に対し、強い附帶條件を付して賛成するものであります。
 申すまでもなく、石油等の燃料としての価値は、石炭、電力等に比して何らの遜色がないばかりでなくして、一層重要性を持つておるものであります。その需要度も近年特に高まつて来ておりまするが、わが国の石油の供給量は、全体の九〇%を海外に依存しておるという状態でありまして、これがために年々多額の外貨を消費しなければならぬ現状であります。この点から見ましても、国内石油資源の開発はきわめて緊急を要する問題でありますが、わが国の置かれておりまする今日の徴妙な国際的な立場を考えまするときに、一段とその感を深くするのであります。
 以上のように国内石油資源の開発促進という国家的な要請に応ずるためには、開発技術の合理性を確保することはもちろんでありまするが、それにも増して石油及び可燃性天然ガス資源の賦存状態の探索に関する活動を一層擴大することが緊急であると思うのであります。これが目的達成のためには多額の国の資金を投入しなければならないということも申すまでもありません。さらに今問題となつておりまする帝石に対する勧告という問題を考え合せて来ましても、私どもはこの石油資源の開発という問題が、単に民間企業にまかされておるところに大きな不安があるというふうに考えております。従つてこの問題は、今後再検討されなければならない。政府は帝石法を改正されて、簡単に民間に移され、自由党の諸君もそういう措置をとられたのでありまするけれども、私は石油のような重要資源は、あくまでも国家が十分調査して、国家の手で開発することが最も適当ではないかと思うのであります。そういう点今後十分なる研究が必要であると思うのであります。
 以上の観点から、わが点は今回の政府提案並びにただいま提案された修正に対しましては心から賛成をいたしまして、今後一層これらの点が強化されなければならないと考えておるのであります。
 そこで一、二の強い條件を付しておきたいと思います。第一には石油及び可燃性天然ガスの国家的要請にかんがみ、これらの資源開発のため、国庫の負担において探鉱促進のために努力し、総合的石油政策を樹立せよということであります。第二には、本法案の実施にあたつて、政府は民間人の技術を尊重し、不当なる干渉を加えないこと、これがため石油及び可燃性天然ガス資源開発審議会の運用及び審議会の委員の人選には特に慎重を期すること、以上であります。
#43
○中村委員長 以上をもつて討論は終局いたしました。これより採決に入ります。まず修正案についてお諮りいたします。修正案に賛成の方の御起立を願います。
    〔賛成者起立〕
#44
○中村委員長 起立多数。よつて修正案は可決いたしました。
 次に、ただいまの修正部分を除いた原案に賛成の方の御起立を願います。
    〔賛成者起立〕
#45
○中村委員長 起立多数。よつて本案はただいまの修正の通り修正議決いたしました。
 この際お諮りいたします。ただいま議決いたしました二案に関する報告書作成の件につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#46
○中村委員長 御異議なければさようとりはからいます。
 本日はこの程度にいたし、次会は公報をもつてお知らせいたします。本日はこれにて散会いたします。
    午後二時五十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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