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1947/11/18 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 本会議 第60号
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1947/11/18 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 本会議 第60号

#1
第001回国会 本会議 第60号
昭和二十二年十一月十八日(火曜日)
    午後三時三分開議
    ―――――――――――――
 議事日程 第五十九号
  昭和二十二年十一月十八日(火曜日)
    午後一時開議
 第一 昭和十九年法律第四号経済関係罰則の整備に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
    ―――――――――――――
#2
○議長(松岡駒吉君) 諸般の報告をいたさせます。
  [参事朗読]
 委員会に付託された議案は次の通りであります。
 (内閣提出)政府に対する不正手段による支拂請求の防止等に関する法律案
 (内閣提出)財政法第三條の規定の特例に関する法律案
  以上二件 十一月十七日
   財政及び金融委員会に付託
 (内閣提出)戸籍法を改正する法律案
  本日 司法委員会に付託
 (内閣提出)船員法戰時特例を廃止する法律案
  本日 運輸及び交通委員会に付託
  [朗読を省略した報告]
一、去る十五日次の法律の公布を奏上し、その旨参議院に通知した。
 地方鉄道法の一部を改正する法律
 昭和二十二年法律第五十四号私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の適用除外などに関する法律
 農地開発営團の行う農地開発事業を政府において引き継いだ場合の措置に関する法律
一、去る十五日松平参議院議長から松岡議長宛、参議院は参議院議員板谷順助君を昭和二十三年三月三十一日まで船員中央労働委員会の委員に充てることができることを議決した旨の通知書を受領した。
一、去る十五日本院は参議院議員板谷順助君を昭和二十三年三月三十一日まで船員中央労働委員会の委員に充てることができることを議決し、その旨参議院に通知した。
  よつて本院は國会が右の通り議決した旨内閣に通知し、さらにその旨参議院に通知した。
一、新潟縣第一区選出議員石山賢吉君は、去る十月十五日、昭和二十二年勅令第一号に基く同令第四條の覚書該当者と指定せられ、十一月十七日退職者となつた。
一、去る十五日常任委員会理事補欠選挙の結果次の通り当選した。
  鉄工業委員会
   理事 松本 七郎君(岡田春夫君去る十五日理事辞任につきその補欠)
一、去る十五日議長において、次の常任理事の辞任を許可した。
  鉄工業委員 岡田 春夫君
一、去る十五日議長において、常任委員の退職に伴い、次の通り補欠指名した。
  外務委員 岡田 春夫君
一、去る十五日議長において、常任委員の辞任に伴い、次の通り補欠指名した。
  鉱工業委員 菊川 忠雄君
一、昨十七日電氣委員石山賢吉君は退職された。
一、昨十七日内閣から提出した議案は次の通りである。
  政府に対する不正手段に寄る支拂請求の防止等に関する法律案
  財政法第三條の規定の特例に関する法律案
一、去る十五日参議院に送付した内閣提出案は次の通りである。
  國際電氣通信株式会社等の社員で公務員となつた者の在職年の計算に関する恩給法の特例等に関する法律案
  恩給法の一部を改正する法律案
  失業手当法案
  失業保險法案
一、去る十五日参議院から回付された内閣提出案は次の通りである。
  職業安定法案
一、去る十五日参議院送付の次の内閣提出案を可決した旨参議院に通知した。
  農地開発團の行う農地開発事業を政府において引き継いだ場合の措置に関する法律案
一、去る十五日参議院において、本院から送付した次の内閣提出案を可決した旨の通知書を受領した。
  地方鉄道法の一部を改正する法律案
  昭和二十二年法律第五十四号私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の適用除外等に関する法律案
一、去る八日財政及び金融委員長から提出した左の公聽会開会承認要求書に対し、議長は去る十五日これを承認した。
  公聽会開会承認要求書
 一、公聽会を開こうとする案件
  所得税法の一部を改正する等の法律案
  非戰災者特別税法案
 右について公聽会を開きたいから衆議院規則第七十七條により承認を求める
  昭和二十二年十一月十五日
     財政及び金融委員長 北村徳太郎
    衆議院議長松岡駒吉殿
 一、去る十五日財政及び金融委員長から左の公聽会開会報告書を提出した。
  公聽会開会報告書
 一、公聽会を開く案件
  所得税法の一部を改正する等の法律案
  非戰災者特別税法案
 一、公聽会の日時
  昭和二十二年十一月十九日、二十日 午前十時
 右によつて公聽会を開くに決したから衆議院規則第七十九條により報告する。

  昭和二十二年十一月十五日
   財政及び金融委員長 北村徳太郎
  衆議院議長松岡駒吉殿
        ―――――
#3
○議長(松岡駒吉君) これより会議を開きます。
 第一 昭和十九年法律第四号経済関係罰則の整備に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
#4
○議長(松岡駒吉君) 日程第一、昭和十九年法律第四号経済関係罰則の整備に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。司法委員会理事鍛冶良作君。
     ―――――――――――
 昭和十九年法律第四号経済関係罰則の整備に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)に関する報告書
 [都合により第六十四号の末尾に掲載]
     ―――――――――――
   [鍛冶良作君登壇]


#5
○鍛冶良作君 ただ今議題と相なりました昭和十九年法律第四号経済関係罰則の整備に関する法律の一部を改正する法律案について、委員会における審議の経過並びに結果の概要を御報告申し上げます。
 まず、政府原案の要旨について御説明申し上げます。この法律は、経済関係の各種法令中、涜職罪及び秘密漏泄に関する規定を整備統一するとともに、経済統制事務その他重要な公共事務を行う経済團体の役職員に対しても右両罪の成立を認め、その職務執行の公正を担保することを目的として設けられたのでありますが、國家総動員法その他経済統制法令の多くはすでに廃止せられ、統制の方式についても重要な修正が加えられ、從つて、本法は幾多実状に副わない点を生じてまいりましたので、今回これがため必要最小限度の改正を行おうとするものであります。以下、改正の要点を申し上げます。
 第一に、國家総動員法の廃止に伴い、統制團体は経過的に存続する船舶運営会を除いては存在しないことになりましたので、統制團体に関する部分を削除し、船舶運営会については、附則により、その存続中なお本法の適用を受けるようになつております。
 第二に、統制方式の改訂に伴い、民間團体において統制の権限を行使する場合はなくなりましたが、同時に新しく政府の行う統制の補助業務を行うものを生ずるに至り、これが相当重要な業務を行うものでありますから、この種補助機関の役職員に対しても涜職罪及び秘密漏泄罪の成立を認め、その公正なる職務の執行を期待すべきであり、さらに統制事務の補助は行わないにしても、独占事業であるため事実上強力な権限を有する事業についても、やはり同樣のことが言えるのでありまして、この種独占事業の大部分は、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律によつて禁止されているのでありますが、鉄道事業、電氣事業、ガス事業その他その性質上当然に独占となる事業、いわゆる自然独占の事業は、同法の適用を除外されておるので、この種役職員が独占の優位をたのみ、偏頗な行爲をするときは、非常な弊害を伴うことが予想されるものであります。これらの理由によつて、統制の補助機関及び独占事業をも新たに指定すべきものであるとの考えから、所要の改正が加えられております。
 なお從來、第一條及び第二條の適用を受けるべき團体等は勅令により指定すべきものとなつておりましたが、さらに公明を期する建前から、現に必要を認められるものについては、本法中に別表をもつてこれを掲げ、將來新たに別表に掲ぐる必要ありと認められるものについてのみ政令をもつて追加し得ることとなつております。
 なおまた、秘密漏泄罪を適用さるべき経済團体は、勅令をもつて指定すべきこととなつていたのでありますが、事実上秘密を有しない團体については同罪の成立しないことはもちろんであり、かつ特に勅令により指定することは、かえつて不合理な結果を生ずるおそれありとの理由から、今回該当部分を削除し、團体の指定による制限を受けないこととしております。以上が、政府原案の要点でございます。
 委員会においては、十月二十一日説明を聽き、十一月七日質疑に入り、次のような質疑應答がなされたのであります。おもなるものにつき、要点をかいつまんで御紹介申し上げます。
 第一に、ひとり涜職及び秘密漏泄罪に限らず、経済法令の罰則統一に対する政府の所見いかんとの質疑に対し、現在の各種統制法令立案の過程は複雑であり、かつ内容も常に改廃されつつあるので、これをすべて統一することは困難であるが、本法については、今回統制方式の変化に伴い最少限度において整備したものである、なお今後罰則運用の範囲等についても考慮すべき問題があると考えており、なるべく統一をはかる方針である旨の答弁がありました。
 第二に、第一條又は第二條の規定を適用すべき公益上の必要の有無は國会が判定し、これを適用すべきか否かも法律を以て定むべきである。本案第一條の二項及び第二條の二項のごとく、政府が判断し、政令をもつて刑罰をこの表に追加するということは、政令の本質に反するものであり、憲法に違反するものではないかとの質疑がなされたのでありますが、これに対する政府の見解は、本法においてはいかなるものが営團、金庫及びこれに準ずるもの等であるかを明らかにしたもので、しかも刑罰はこの本法自体に規定してあるから、一般の犯罪構成要件は法律にすでに規定されているといわなければならない、從つて、その対象となるものを政令に委ねていても憲法違反とは考えないとのことでありました。
 第三に、第一條においては刑法規定の刑罰によることとなつており、第二條においては特に刑罰を定めている、その相違はいかなる理由に基くかとの質疑に対し、第一條の営團、金庫またはこれに準ずるものは、きわめて公的性質が強い関係から刑法の刑罰によつているが、第二條所定のものは多少公的性質を備える度合が少いので、刑法の刑罰そのままの適用は苛酷と考え、特別に定めた旨の答弁でございました。
 第四に、別表乙号十五の貿易組合法による貿易組合及び貿易組合連合会及び十六の百貨店法による百貨店組合については、貿易組合法も百貨店法も廃止されているから指定の必要はないのではないかとの質疑に対し、政府もまたこれを認め、本案作成当時は両廃止法律案が未提出であつたため指定したものであつて、両法とも廃止された今日、削除するのが当然である旨の答弁でありました。なおさらに、別表乙号中に鮮魚介配給規則による公認出荷機関及び公認荷受機関を指定するなら、同樣の趣旨において、加工水産物配給規則及び蔬菜及び漬物配給規則による公認出荷機関及び荷受機関もここに指定するのが業務内容の比較から妥当と考えるがどうかとの質疑に対し、政府は、前の問題と同樣の理由から掲げるのが不可能であつたものであつて、この点についても指定するのが至当であることを認めたのであります。
 最後に、本法案の制定によりその実効をあげ得る確信の有無につき政府の所信を質したるところ、本案制定の趣旨は必要なものと確信するが、その実際の効力をあげ得るか否かについては、取締りの陣容その他の問題等もあるが、できる限り万全を期したい考えであるとの答弁でございました。以上、質疑の概要につき簡單に御説明申し上げました。
 次いで十四日に至り、社会、民主、自由、國協四党の共同提案による修正案が提出せられたのであります。修正案の内容は、第一に、第一條及び第二條を適用する営團、金庫あるいは会社、組合等を政令をもつて別表に追加掲載するのは憲法上の疑義もあり、法律をもつて定むべきであるとの見解に基き、第一條第二項及び第二條第二項を削除し、第二に、別表乙号に指定する貿易組合法による貿易連合、貿易組合連合会及び百貨店法による百貨店組合を削除し、第三に、同表に加工水産物配給規則及び蔬菜及び漬物配給規則による公認出荷機関及び公認荷受機関を追加指定するものでありまして、これらの修正の理由につきましては、すでに御紹介申し上げておりますので、ここに重複説明を省略いたします。
 委員会は、修正案提案説明の後討論に移り、各党委員より、それぞれ党を代表して修正案に対する賛成意見の開陳があり、次いで採決の結果、本案は全会一致をもつて提案のごとく修正議決いたしました次第であります。以上、御報告申し上げます。(拍手)
#6
○議長(松岡駒吉君) 採決いたします。本案の委員長報告は修正であります。本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつて本案は委員長報告の通り決しました。
     ――――◇―――――
 金融機関再建整備法の一部を改正する法律案(内閣提出)

#8
○安平鹿一君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわちこの際、内閣提出、金融機関再建整備法の一部を改正する法律案を議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
#9
○議長(松岡駒吉君) 安平君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#10
○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 金融機関再建整備法の一部を改正する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。財政及び金融委員会理事早稻田柳右エ門君。
   ―――――――――――
 金融再建整備法の一部を改正する法律案(内閣提出)に関する報告書
 [都合により第六十四号の末尾に掲載]
   ―――――――――――
    〔早稻田柳右エ門君登壇〕

#11
○早稻田柳右エ門君 ただいま議題となりました金融機関再建整備法の一部を改正する法律案につきまして、財政及び金融委員会における審議の経過並びに結果を委員長に代つて御報告申し上げます。
 今回の改正案は、金融機関の再建整備に伴う未拂込資本金の徴收及び再建整備中に解散した金融機関の措置に関し、新たに規定を設けることといたしたものであります。金融機関は最終処理をなすにあたり、株主に確定損を負担させる場合において、もし資本に未拂込金があれば、これを徴收しなくてはならないこととなつているのであります。この場合の未拂込資本金の徴收については、再建整備の趣旨に則り、かつ株主側の事情を考慮して、商法の一般原則によることなく、特別の手続によることといたしたのであります。その骨子は、大体次の三点にあります。
 第一点は、未拂込資本金の拂込責任は、指定時(昭和二十一年八月十一日午前零時)の株主がこれを負うということであります。從つて、指定時前に株主であつた者及び指定時後新たに株主となつたものには責任がないことになります。ただ指定時後の新株主が拂込に應じた場合には、拂込みをなし得る機会は與えられてあります。指定時後の新株主が拂込みに應じなかつた場合は、その新株主は失権し、その株式は指定時の株主に帰属し、これに対し拂込催告が発せられます。
 第二点は、指定時株主の責任は、その株主が個人であるか法人であるかによつて責任の態樣を異にしているということであります。すなわち、個人及び閉鎖機関は失権によつて拂込債務を免れることができますが、閉鎖機関以外の法人は拂込債務を免れることができないのであります。もちろん、法人の中には金融機関または特別経理会社たる法人もあるわけでありまして、これらのものの未拂込資本金の拂込債務は旧勘定に属することとなつておりますから、再建整備の一般原則に從つて打切整理せられることは当然であります。
 第三点は、指定時後の新株主が、その株式の取得にあたつて、再建整備による未拂込資本金の拂込徴収のあるべきことを予想しなかつたものである場合には、その新株主が失権によつてこうむつた損失は、直接の譲渡人に対し求償をなすことができ、逐次指定時株主までこれを及ぼすようにするということであります。指定時の株主は、いかなる場合にも求償権は認められておりません。
 次に、再建整備中の金融機関が解散した場合の措置に関する部分でありますが、再建整備法により整備中の金融機関が解散した場合は、再建整備の整理と清算措置との調整をいかにするかということについて問題を生ずるので、その調整に関し、大要次のように措置いたしたのであります。まず、解散金融機関の作成する財産目録及び貸借対照表並びに債権者に対する債権の申出の催告は新勘定に関するもののみに限定して、旧勘定については精算措置をとらないことといたします。次に、新勘定に属する債務の弁済は旧勘定の再建整備による最終処理が完了するまで停止し、最終処理完了後に一般原則による清算措置を進行せしめることといたしたのであります。
 なお最後に、未拂込資本金の徴收に関する部分は、既に施行せられておる企業再建整備法に基く特別経理会社の未拂込資本金徴收に関する規定と同一の原則によつたものであります。
 本案は、去る十月二十四日本委員会に付託されたものでありまして、十一月一日政府より提案理由の説明を聽取いたし、ただちに審議に入りまして、爾来三回にわたり熱心に審議いたしたのであります。
 今、質疑應答のおもなるものをかいつまんで申し上げますと、まず委員より、金融機関の解散はあまり予想されないではないか、五十何條かにそうした規定を設けたということであるが、その点を詳しく伺いたいとの質疑があり、政府より、再建整備の進行中においては、まず解散はなかろうということを申されたのであります。金融機関の再編成については、大体二つの問題がある、一つは、集中排除との関係がどうなるかということ、もう一つは、その問題はどうであろうとも、新事態における日本の金融機構をどうするかという問題である、後者については金融制度調査会その他よりいろいろ答申も受けているし、次の國会までには銀行法その他各業法にわたつて新しい構想を練りたいと考えている、その前者については、政府は何ら具体案を現在もつていないとの答弁がありました。
 次に、個人に対する未拂込徴收金額はどのくらいになるかという質疑に対し、政府より、ただいまのところ損失の見込額が各銀行別に未だ十分計算ができていないし、それぞれ株主の態樣等も銀行によつて非常に異なつているので、今しばらく待たなければ自信ある答弁はむずかしい、ただ全体的に申して、われわれの感じでは、個人に対する分はそれほど大きくないと考えているとの答弁がありました。
 その他二、三の質疑がございましたが、詳しくは会議録に讓りたいと存じます。
 本法は討論を省略し、本日採決の結果、全会一致をもつて可決いたしました。簡單ではございますが、右御報告申し上げます。(拍手)
#12
○議長(松岡駒吉君) 採決いたします。本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#13
○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。(拍手)
     ――――◇―――――
 專任農林大臣任命に関する緊急質問(森幸太郎君提出)

#14
○安平鹿一君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわちこの際、森幸太郎君提出、專任農林大臣任命に関する緊急質問及び木村公平君提出、官紀粛正に関する緊急質問を逐次許可されんことを望みます。
#15
○議長(松岡駒吉君) 安平君の動議に御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#16
○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 專任農林大臣任命に関する緊急質問を許可いたします。提出者森幸太郎君。
  〔森幸太郎君登壇〕
#17
○森幸太郎君 私は、片山総理大臣に対しまして、農林大臣罷免後における政府の方針についてお尋ねいたしたいと存ずるのであります。
 平野前農相を罷免いたしましてすでに半箇月経ちます。未だに專任農林大臣をおきめにならずして、総理大臣が兼攝をされておるのでありまするが、傳うるところ、政府の方針といたしましては、いま議会の問題になつておりまする石炭國管問題の解決後において農林大臣を專任するようにおきめになつているようであります。本日の新聞紙上におきましても、あえて急がないというようなお氣持にあるようであります。
 政府は今議会におきまして、農林に関する重要なる法案を御提出になつております。農業協同組合法案、臨時農業生産調整法案、あるいは災害補償法案その他幾多の公團法案等実に画期的な法案もその中に包含されておるのであります。一部はすでに可決し、今まさに審議の途上にある法案におきましても、主務大臣としてその法案の取扱い方に対しましては愼重にいたさなければならない重大なる法案であります。しかるに、兼攝農林大臣といたしまして未だ一囘もみずから求めて農林委員会に御出席がありません。(拍手)一体石炭國管理法案とこの農林大臣とどういう関係があるのでありますか。私は、今日日本の農林行政を思うときに、一日も主務大臣を欠くようなことはたいへんなことと考えておるのであります。(拍手)片山総理大臣は、わが日本のこの現状をどう認識されておるのでありますか。 
 たとえば、今問題になつておりまする食糧問題につきましても、本年は昨年度に比較いたしまして、やや生産量は下まわりのようであります。一部水害があり、一部旱害あるいは病虫害のために、昨年度よりは生産額において多少下まわりと考えるのでありまするが、供出割当量におきましては昨年より増加いたしておるのであります。先般政府より発表されたる数字によりますると、二十三年度の食糧事情は、少くとも百八十万三千トンの輸入を仰がなければならないということであります。申し上げるまでもなく、食糧は世界的に窮乏を傳えておる今日、百八十万余トンの輸入を懇請しなければわが日本の食糧の供給が達成できないといたしますときに、この供出が完全に行われ、國民こぞつてわが國の食糧問題を解決するというこの熱意があつて、初めて百八十万トンの輸入が許されるのであります。
 この重大なる時期に主務大臣が欠如いたしておつて、はたして農村行政が完全に、政府の考えておるように行われるでありましようか。私は、今日農業生産者と言わず、消費者と言わず、わが食糧事情をよく弁えて、乏しきをわけ合うの氣持をもつて切り抜けなければ、日本再建は難しいと考えております。石炭の増産も必要でありましようが、われわれの日々の糧であるところの食糧に不安感をもつて、はたして各産業が興つてまいりましようか。私は、何をおいてもまず國民に食糧に対する安心を與えることが、政府として重大なる責務と考えるのであります。(拍手)
 殊にまたこの冬空を控えて、電力の制約によりまして熱源を失つておる國民あえて六大都市だけではありません、全國至るところ、薪炭の不足は衣料の欠乏と相まつて、どうしてこの冬空を過さんかと國民は不安に満ちておるのであります。この薪炭を扱つておるところの林野局長官は、死亡いたしたなりに未だに補欠をいたさぬではないか。(拍手)かような行政の状態で、はたして内閣総理大臣はわが農林行政に関心をおもちになつておられるのであるか。一日も早く私は専任農林大臣をおきめになつて、そして國民に対して農林行政の徹底するようにお取計らいになるのが、まずもつて第一の仕事であると考えます。
 石炭國管も大事でありましょうが、この農林大臣と石炭國管案と何らの関係がないにもかかわらず、これに結びつけて、この國管案が終わらなければ農林大臣をきめないというような政府の御方針は、はなはだ私は遺憾に存ずるのであります。この点に対する総理大臣の御所見を承りたい存じます。なお御答弁によりましては、さらにお尋ねいたすことを申し上げておきます。(拍手)
  〔國務大臣片山哲君登壇〕
#18
○國務大臣(片山哲君) 森君の言われました通り、農林大臣を專任することは最も重大なることであります。また農林行政に対して政府が最も重要に考えておる点を指摘されたことも、ごもつともと存じます。政府は、これに対しまして愼重なる態度をとり、その重要性に鑑みまして考慮しつつあるのでありまして、できるだけ早い機会に農林大臣を專任いたしたいと存じております。
 なお、石炭問題と何らか絡んでおるような、あるいは取引をしておるようなことのお話がありましたが、決してそういうことはありません。別に考えて進んでおるのでありまして、その問題は混同のないように願いたいと思います。
 なお農林行政の重要性に鑑みまして、特に供出問題、あるいは目下御審議中の法案の進行につきましては、政府は十分なる熱意を表わしておることをこの機会に申し上げておく次第であります。(拍手)
     ――――◇―――――
 綱紀粛正に関する緊急質問(木村公平君提出)


#19
○議長(松岡駒吉君) 次に、綱紀粛正に関する緊急質問を許可いたします。提出者木村公平君。
  〔木村公平君登壇〕
#20
○木村公平君 この内閣ほどふしぎ千万な内閣はありません。この内閣の中心をなしておる政党は社会党でありますが、社会党は御承知のごとく、選挙のときには全國労働者の親類のようなことを言うて当選しておる。(発言する者あり)しかるに、一たび内閣を組織しまするや、今日のありさまはどうでありますか。
  〔発言する者多し〕
#21
○議長(松岡駒吉君) 靜粛に願います。
#22
○木村公平君(続) まずストライキの多いことは前古未曾有である。まるで現内閣のやつておることは、選挙当時彼らが言つたこととうらはらである。正反対である。これから私が申し上げようとすることも、一に現内閣の責任でありまするから、片山さん並びに関係各省大臣から御懇ろなる御答弁が得たいのであります。 
 十一月十五日の読賣新聞によりますと、仙鉄管内弘前機関区では、買出しの休暇が続出したために、臨時列車数本が遂に運休せざるを得なかつたと書いておる。さらに先般大阪鉄道局では、乘務員の不正買出しが続出いたしました結果、大阪府の警察部長からおしかりを受けておる事実もある。たまたまこのときにおきまして、読賣新聞紙の傳うるところによりますれば――おそらくこれは誤傳誤報ではありますまい。青森機関区では、乘務員の待遇改善交渉のために、列車二本が定時より遅れて発車したという珍事件が起きたのであります。
 すなわちそれは、本月十日青森発大阪行五〇八列車の乘務員木村某及び青森発酒田行五〇六列車の乘務員金子某が管理部に参りまして労組の交渉中に、発車時刻が迫りましたので管理部の労働組合へ電話をかけた。さよういたしますると、その電話に出てきたやつが、けしからぬことを言つておる。ただいま管理部長に会見を申し込んでおるから帰れない、列車が遅れてもやむを得ないと言つておる。その結果五〇八列車は十三分、五〇六列車は二十八分遅れて発車をいたしたのであります。
 ちようどそのときに、こういう投書が新聞に載つておるから、参考のために聽いていただきたい。「去る十日、弘前の母が危篤だとの電話によつて急に午後一時青森駅発の列車に乘りこんだのでありますが、定刻を過ぎてもなかなか発車しないので、不思議に思つて車掌さんに聽いてみたら、今機関助手が労働組合のことでこの列車に乘らないと言つているので、これから何分遅れるかわからないとのことです。そのため三十分くらい遅れて発車したと思います。社会の公器を預かる公僕として、この機関手の行動はいいものでしようか。非民主的な山ねこ爭議云々で列車を運休した事実もあり、廣くこれを一般世論に訴えます。」という投書があるのであります。
 これを要するに、現内閣は、世上で新ばか政策といつておるところの新物價政策のごとき愚劣極まるところの政治を行つて、一方においては物價をどんどん上げる、六十五倍まで引上げる、他方においては月給を上げない、その世上いわゆる新ばか政策のために、かくのごときいろいろの事件が枚挙できないほど各地に起るといわなければならないのでありますが、これは明らかに片山内閣の責任であり、殊にこれに対しましては、当面の責任者であるところの運輸大臣、労働大臣の答弁を求めるほかに、片山総理の新物價政策に対するところの率直なる御意見をも併せて拝聽いたしたいのであります。(拍手) 
    〔國務大臣苫米地義三君登壇〕
#23
○國務大臣(苫米地義三君) ただいま木村君から御質問のあつたことに対しまして、お答えを申し上げます。 
 御指摘になりました青森発五〇六列車及び五〇八列車の遅発をいたしましたことは事実でございます。すなわち、五〇八列車は大阪行急行、これが十三分、それから五〇六列車は酒田行でございまして、これが二十八分遅れました。この遅れました原因は、今官紀頽廃ということでございましたが、この原因を一應お答え申し上げたいと思います。そのことは、労働條件につきまして機関助手の方々が青森の管理部長に面会を求めたのでございますが、管理部長は、その時刻には差支えがあるから他日に讓つてほしいというこうとを申し入れておつたのであります。しかるに、その時間を励行せずして、組合側の方方が管理部長のところへ交渉に参つたのであります。これが予定の発車に間に合いませんので、操車助役が注意をしまして、ようやく機関助手の乘車を促したのでございますが、その結果といたしまして、一つは十三分、片方は二十八分遅れたという事実でございます。このことは非常に遺憾なことでございまして、要するに労働組合の運営が十分に連絡がうまくいかなかつたということでございますから、今後われわれは労働組合と緊密なる協力のもとに、われわれ國鉄の傳統的な時間の正確ということの光輝あるこの歴史に汚点を印しないように努力いたしたいと存じておる次第でございまして、今後このことにつきましては十分注意いたす所存でございます。(拍手)
  〔國務大臣片山哲君登壇〕
#24
○國務大臣(片山哲君) 綱紀粛正はもちろん賛成するところであります。確実なる事実に基きまして、十分処理をいたす次第であります。(拍手)
#25
○議長(松岡駒吉君) 次回の議事日程は公報をもつて通知いたします。本日はこれにて散会いたします。
    午後三時四十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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