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1951/04/04 第13回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第013回国会 水産委員会 第28号
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1951/04/04 第13回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第013回国会 水産委員会 第28号

#1
第013回国会 水産委員会 第28号
昭和二十七年四月四日(金曜日)
    午前十時五十五分開議
 出席委員
   委員長 川村善八郎君
   理事 小高 熹郎君 理事 田口長治郎君
   理事 永田  節君 理事 林  好次君
      石原 圓吉君    川端 佳夫君
      鈴木 善幸君    冨永格五郎君
      二階堂 進君    原 健三郎君
      松田 鐵藏君    小松 勇次君
 委員外の出席者
        農林事務官
        (水産庁漁政部
        協同組合課長) 浜田  正君
        農林事務官
        (水産庁生産部
        水産課長)   藤波 良雄君
        参  考  人
        (日本開発銀行
        理事)     梅野 友夫君
        参  考  人
        (日本開発銀行
        営業第二部営業
        課長)     川崎 一臣君
        参  考  人
        (日本開発銀行
        審査部第一課
        長)      佐々木菊丸君
        専  門  員 杉浦 保吉君
        専  門  員 徳久 三種君
    ―――――――――――――
四月四日
 委員山口六郎次君辞任につき、その補欠として
 川端佳夫君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 水産金融に関する件
    ―――――――――――――
#2
○川村委員長 これより水産委員会を開きます。
 水産金融に関する件について調査を進めます。この際お諮りいたします。円本開発銀行理事梅野友夫君、同審査部第一課長佐々木菊丸君、同営業第二部営業課長川崎一臣君の二君を参考人に選定し、水産業に対する融資の実情を承りたいと思いますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○川村委員長 御異議なしと認め、さよう決します。本件について質疑の通告がありますので、順次これを許しますが、この際委員諸君にお願いいたします。日本開発銀行より御出席の主君には、参考人として水産金融の実情を聴取するということが重点となつておりますので、御質問の際は、その意を尽されるようお願い申し上げます。松田鐵藏君。
#4
○松田委員 開発銀行の理事梅野友夫君及びお二人の方々が御出席になりましたが、前もつて私は一言申し上げておかなければならない点があるのであります。われわれの質問は、ただいま委員長からのお話のように、水産金融に対する御意見を伺いたいと存ずるものであります。昨日開発銀行をお呼びしてこの意見を求めんとするとき、水産庁においては、もし私どもの質問することに対して開発銀行側として勘に触れるようなことがあつてはいけないから、どうかおだやかな意味をもつてお話を願いたいという、非常に御心配をされたわれわれに対する注意があつたのであります。これは水産庁の非常なおもんばかりがここに現われておるのでありまして、あとから感情的になつても困るというような意見であつたのであります。私どもはこれからいろいろと御意見を承るのでありますが、ひとり私個人松田鐵藏でなくして、これからの委員の各位は国会議員としての立場から、何ら感情というものをそこへはさむものでなくして、国民の代表としての立場から開発銀行に対しての御意見を承るのであります。水産庁のその杞憂というものは、ややともすれば―東洋的な考え方から行く日本人の最も悪い点は、感情に流れることでありますから、こういう点は、国が必要であつてつくつた開発銀行の諸君においては、さような感情的に流れるようなことの毛頭ないようお願いしなければ、われわれのまじめな国会議員としての職責がややもすれば曲げられるような点になることを、私は非常に憂えるものでありまして、国会議員の立場から一応われわれの立場を釈明して御意見を承りたいと思うものでありまして、御了承願いたいのであります。さて私は本日われわれ委員の考え方からいつて、御多忙ではあるけれども、総裁小林中君を参考人として出ていただくようにお願いしたのでありまするが、小林中君がおいでにならなかつた理由はどういう意味合いでありまするか、その点をまずお伺いしたいと思います。
#5
○梅野参考人 ただいまの御質問に対しまして、また御意見に対しまして、言申し上げたいと思います。まずただいまの最初の御意見につきましては、まことにありがたい御注意と御心配をいただきまして、開発銀行としてまことに感銘いたした次第でございます。私ども、いわゆるお言葉の感情的になるようなつもりは、今お話を承るまではまつたく考えておりませんでした。その点一応釈明いたします。それから御質問の小林中が本日参上できかねましたことは、まことに遺憾でございまして申訳ないと思いますが、たまたま先日来、年度末及び四月以降の初年度にあたりまして、開発銀行の運営につきまして内外きわめて多忙な時間を送りまして、かつ小林個人といたしましては、ほかに賠償指定施設の解除に関する五人委員会と申しますか、私名称をはつきり記憶しておりませんが、例の五人委員会の委員に指定されておりましてこの仕事で東奔西走いたしておりまして、いささかこの際健康を害しておるのでございます。御召喚がありましたので、本日は当然参上いたすべきでございますのははつきりわかつていたのでございますが、健康をいささか害しており、かつきわめて多忙な問題を内外に持つておりますので、まことに申訳ないことでございまするが、私が代理で参上いたした次第でございます。どうかこの点御了承を願いたいと思います。
#6
○松田委員 日本開発銀行法は昨年の三月三十一日にできたのでありまして、大蔵大臣が衆議院においてこの法律案の提案の理由を述べておるのであります。この理由は梅野理事においてもよく御承知のはずと存じまするが、要約いたしまするならば、現在の銀行は商業銀行なるがために、重要産業に対する長期資金の貸出しの道が非常にはばまれておる。ゆえに開発銀行をつくつて産業に対する長期資金を融資するのが目的であるということが第一の主眼になつておつたのであります。これに対して私どもは賛意を表したのであります。ところでこの大蔵大臣の趣旨と最近における開発銀行のとつておられる行動と言いましようか、その政策と言おうか、私どもには少々納得の行かない点がたくさんあるのでありまして、この点を承りたいと思うのであります。たとえて申し上げるならば、国が必要であるとして、まず魚価維持対策の面から、冷凍製氷施設をすることによつて、魚価の安定を来し、しかして消費者に安い魚を売ることができ得るのである。庶民階級が一番望む方法は魚価維持対策である、かような点から、さきに見返り資金からこれの融資を決定し、しこうしてその後において開発銀行に委譲されたものもある。今日農林漁業特別融資の法律をつくつて、農漁村に対し原始産業の育成強化をはかつて、この企業のなつて行くように正しい意味合いにおいて原始産業を育成して行こうという方針を立てておるのであります。またこれに対する一番の悪い点は、自由党が金融統制をしておるから今日の金融の行き詰まりを来しておるのであります。それを開発銀行の手によつて原始産業に対する、または重要産業に対する長期の融資を国民に施さんとする政策を行うというのがこの法案の趣旨であり、提案の理由であつたのであります。ところが今日どのような段階に進んでおるかは存じませんが、普通の銀行ですら、調査を申し込まれて調査をされたならば、たいてい三箇月か二箇月かでもつてすべてのものが完了しているのに、開発銀行においては、たとえば北海道の八企業者に対する問題においては、もはや一年になつておる。聞くところによれば、来週中には決定して出してやるような話も聞いておりまするけれども、一年にもなつておる。かようなことであつてあなた方は大蔵大臣の提案の理由と、現に行つておる半年なり一年というような時期をずらしておるというその理由は一体どこにあるかということを、私は聞きたいのであります。銀行であるから、いろいろな点から細密なる調査は必要であろうとは存じます。しかし企業というものはさようなものではないと考えておる。今日市中における金融の銀行においては一割二、三分であるけれども、市店長なり理事なり、頭取なり、あらゆる面において彼らはほしいままに業者を圧迫してそうしてそれらの人々は私腹を肥やしつつある。業者は金融に対して三拝九拝をして、今日の企業というものは非常に金融の面に行き詰まつておる。税務署の署長よりも今日は銀行の支店長の方が恐ろしいというのが輿論になつておる。あなた方の開発銀行は決してさようなことはないはずではありますし、ないのであります。聞いたためしもないのであります。しかし六箇月も一箇年もこの融資が遅れる、調査が延びておるというようなことは、一体日本の基本産業、原始産業に対してどのような考え方をしておられるか、この点をお尋ねいたしたいと思います。
#7
○梅野参考人 ただいまの御質問にお答え申し上げます。
 ただいまの最初のお話の通りでございまして、開発銀行の融資の対象といものは、主として日本の基礎産業の長期の設備資金を融通する、しかもその設備たるや、その設備の近代化、合理化を主といたしまして、日本の産業を一層高度に持つて行くという方向でやつおるのが国策であり、かつ開発銀行の運営方針であることはお話の通りでございます。しかも開発銀行は、昨年の五月十五日に開業いたしたわけでございまするが、その後年度中にたいへんなお申込みが、ございまして、とてもその金額の御要望にこたえるだけの資金量はなかつたのでございます。すなわち国家が開発銀行の出資金として出資をされ、あるいは復興金融金庫を承継して収入となりましたところの回収金では、とてもその重要産業の需要に応ずるには足りないのであります。従いまして融資の実際に当りましては、できるだけ資金効率の高いもの、また日本の産業を基礎的に合理化して行く趣旨に最も緊要なるものを優先的に考えて行くということが、開発銀行の運営の方針でもあり、かつまた政府の意図でもあつたのでありましてそういう考え方に基いて今日まで運営をして参つたのでございます。根本的にはそういう考え方でやつて参つておりまして、今後ともその方針にはおそらく大いなるかわりはないかと思うのでありますが、そのうち、ただいま御指摘がございました水産金融に関する部分についてでございまするが、水産金融として政府が二十六年度中に設備の対象として融資を適当とすべきものとして決定し、これを開発銀行に示して参つたものといたしましては、水産物高度利用設備という名称をもつて表わされておりますところの製氷、貯氷、冷蔵、冷凍設備でございます。それともう一つ別項目として示されておりまするものに、南氷洋捕鯨のためのキヤツチヤー・ポートの建造及び捕鯨母船の改造資金というものを、二十六年度中における政府融資の対象設備として開発銀行にお示しがあつたわけでございます。この諸設備を私どもは二十六年度中に取上げまして、資金量の許す範囲において、資金量とにらみ合せて仕事をして参つたのでございまするが、ただいまのお話は、そのうち主として冷蔵、冷凍、製氷、貯氷などの諸施設についてのお話と承りました。
 この問題について申し上げますならば、こういう諸設備に対する資金のお申込みが実に多いのでございます。総額といたしましては二十五億円程度のお申込みになつておるのでありまして、開発銀行の年度中の予算では、その金額の御需要に応ずることはとうてい不可能であつたのでございます。しかも日本のこういつた諸設備のうち、最も緊要な地点は一体どこであるのか。また同じ地点のうちでもどういう港に設備するのが国策として最も望ましいのであるかということを、まず検討せなければならないことに相なつたのでございます。開発銀行は創立間もなくこういう問題にぶつかりまして、陣容あるいは機構等において調査をする能力がいまだ必ずしも十分とは言えなかつたのであります。かつ国策にものつとつて仕事をして行く機関でありましたので、銀行といたしましては、こういう根本的な問題につきまして、政府に向つてお尋ねを申し上げ、政府の御調査を御依頼いたしまして、私どもの仕事の運営の参考にしようといたしまして、いろいろと政府にお願いをしたわけでございます。その結果だんだんとアウトラインがわかつて参りまして、国家として日本の冷凍地区のうち、どこが最もその施設において欠けるところが多いのか。同じ冷凍地区のうちでもどういう港にそういう施設が最も足りないのであるかということが、だんだんとわかつて参りまして、私どものその基本的な考え方についての参考資料が得られましたのが、昨年の十一月でございます。そこで初めて融資対象をそのうちから選ぶべしという考え方をきめ得たわけでございます。それからその地区にありますかねて御申込みがございました企業に向つていろいろの資料を頂戴いたすという、いわゆる銀行の事務を始めて参つて仕事を進めたわけでございます。その結果、一応資金とにらみ合せまして、まず二十六年度として資金の許す範囲で、お申込みのうち何社が取上げられるかということを結論的に出しました結果、一応審査の対象といたしまして二十七社を取上げて、今日まで審査をし、御承諾を申し上げ、実際に融資を始めたというわけでございまして、二十七社のうち二十五社はすでに審査を済ませまして、目下審査の段階にあるものが残るところニ社でございます。こういうわけで、お説の通り、申込みがありましてからといたしましては、非常に長い期間がかかつておるのはまつたく事実でございますが、政府から資料をいただきました十一月の半ばから考えまして、それから基本的に実際の実務が始まつたわけでございますので、私どもとしては、十一月半ばから仕事を始めたといたしましても、なおかつ非常に早いとは申し上げられないのは、はつきりお説の通りでございますが、何さま、この諸施設がある所は、東京に本社があるような会社とは違いまして、いずれも遠隔の土地におありであり、かつ資料を頂戴すると申しましても、私どもが望むような日取りには必ずしも送つていただけない。非常に手間取つてなかなか頂戴ができないというような場合が普通の例でございまして、私どもといたしては、早く資料を頂戴したいと思いながらも、なかなかこれが集まらないというような関係で延びたという事実も非常にあるわけでございます。必ずしもこの冷蔵関係の融資に限らず、私どもはお説の通り、国家の重要な資金をお預かりし、これを御融通するという仕事をしている関係で、この審査なり調査なりについては、私どもとしては万全の準備を整え、慎重に調査をしておるのでございまして、これはすべての業種に共通しておるのでございます。これでこそ法律にもとらない、また国民の御期待にはずれない仕事をやつて行つているのであるという確信を持つているわけでございます。水産関係のうち冷蔵、冷凍設備につきましてお申込みがあつてから、いかにして長くなつておつたかということに関する実情は、ただいま申し上げたような経緯からできたわけでございますので、御了承を願いたいと思います。
#8
○松田委員 梅野理事のただいまの御説明によつて、銀行が開かれてから日なお浅く、いろいろな難点のあつた事情は了承いたします。しかし私の言わんとするところは、今日ややもすれば日本の国の基本産業、炭鉱であるとかへ電気であるとか、または先ほどの捕鯨であるとかいうような、大きな資本家によつて経営される企業を対象として非常にスムーズに業務が進められているようにわれわれは見るのであります。またこれが開発銀行の使命だと私どもも解釈しているものであります。自由党は御承知の通り資本主義の政党であります。私所属代議士であります。しかし国の一番大きな企業というものは農業、漁業の原始産業であります。中小企業であります。これが日本の国の経済の基盤であり、日本の産業の基盤であります。資本主義の政党として大きな資本会社は必要なことであり、それが日本の国の経済のじくになつてまわつて行かなければならないものではありますけれども、原始産業である農業、漁業というものは、今金融の面において一番悲惨な状態になつている。中でも中小業者は、先ほども言つたように自由党の一大失策であり、失策である金融統制の今日の立場において、これを打破すべく努力している。この点をあなた方はどのようにお考えになるか。一に原始産業に対する国民の要望を達せんとするかしないかというあなた方のお考えによつて、日本の経済というものは正しくまわつて行くと思うのであり、それをせんがために大蔵大臣は、みずからのやつているドツジの線によつて金融統制をしなければならないはめを打破すべく、開発銀行というものをつくつたのであります。私の質問することは、この基本的な原理をあなた方はお忘れになつているのではないかということであります。要するに二十七社の申込みのうち二十五社は出した。東京は産業地でありますか。市場会社の中に、しかも大洋漁業の背景によつてあなた方はあそこへ融資を決定しているではありませんか。大洋漁業は現在七十何億という借財を持ち、いかに倒そうとも倒すことのできない大きな会社である。国の資金を使つている会社である。この大洋漁業の背景によつて、市場会社の中にあなた方は融資をしているではないか。
 北海道の八つの見返り資金から出そうとしておつたものも、中途においてあのレツキイというまずい外国の役人がおつたために中断されざるを得なくなつた。それを開発銀行と大蔵大臣、また案といろいろ折衝して出さそうとしてやつたことに対しても、いまだに融資ができ得ないというその理由には納得のできないものがある。こういう点を私が言おうとすると、水産庁は非常にあとのたたりが恐ろしいから、どうか言わないでくれと言う。これでは正しい国政というものが運用されない。私は自由党の所属代議士でも自由党の政策を誹謗している、いな私は自己反省をしているものである、政党はすべて自分のやつていることは何でもいいということであつたならば、政党の発達はありません。悪いところは悪いとして直して行くだけの度量を持つて行かなければならぬ。われわれは今日の自由党のやつておる金融統制を何とか打破して、正しい意味の金融をして、日本の経済の復興をして行かなければならぬという自己反省をしておるのであります。それにはどうしても原始産業というものに対して、すべての金融機関がこれを理解していただかなければならないと考えておるのであります。こういう意味合いから、間近にあるから、大きな会社の背景があるから、それらに対しては融資をする。地方にある小さな会社に対してはこれがどうだの、こうだのというような議論によつて、いろいろの不便な点はあるだろうけれども、これらに対しもつともつと親切にしていただかなければならないと考えております。またあなた方にこうしてお話を申し上げる私の時間の制限もあります。他の委員各位の御意見もあるので、簡単に申し上げますが、あなたの方の銀行というものは、梅野理事または佐々木君、川崎君には一度もお会いしたことはありませんから、私はわかりませんが、今日本の国で一番いけないのは税務署の署長よりも銀行の支店長だと先ほど申し上げたが、これは金融業者は金融統制をしているので権利を持つているから、さようなことになつているのが今日の状態です。次は何が悪いかといえば、悪い官僚だ、これが誹謗されている。あなたの銀行の職員の中に常識を逸している人もあるではありませんか。調査に行つて商社でお茶を出しているのに、お茶を飲まぬ。これはかたわだ。人の礼儀も知らない。日本はどこへ行つたつてお茶は出す、酒は出さなくてもお茶を出すのが日本の礼儀だ、道徳だ。お茶さえ飲まないという銀行員をあなたの方では使つているじやないか。また今日はどうして出て来ないのか、第一営業部長だ、これは直接私は営業部長に会つたのだ、彼なんかは銀行の悪いところと官吏の悪いところを二つ合せた人間だ。私はあなたの方の何という理事であつたか、その理事にあまりひどいじやないかということを言つた。私は人を誹謗するのではないけれども、あなたの方に金融を頼んでおるある会社があつた。共和冷蔵という会社です。その社長と一緒に同道して、一応話はしたが、審査部は向うであるから、向うに行つてもらいたいと言うのだ。しかし自分も国会が非常に忙しいので、もう一度この人に話したらいいだろうと思つてまた出かけて行つた。それは何とか言う部長だ。そうしたところが、いろいろ話しているうちに、第二回目に行つたときには、ぼくがついて行つたから悪い、代議士がついて行つたから悪いという文句だ。ぼくは、審査部というものはわからぬし、営業部長が一番重大な責任を持つておるから、どうせこの人の手にかかると思つたので、共和冷蔵の社長を連れて再びそれに了解を求めんとして行つた。私は少し口が悪いので、語気が荒かつたと思うが、代議士から文句を言われる筋合いはない、こう言われた。ぼくはきようこの人を呼んでいるのだが、それが来ない。こういうような者を使つて、開発銀行が国民に対して金融をするのだということは、おこがましいにもほどがあると私は考えておる。今まで国会が忙しかつたから、開発銀行とは遂に相まみえる時間がなかつた。しかしその人は国会にも二回ほど来ている。非常に恐縮しておつた。ぼくはその人に、君では話はわからぬから、小林中がいないかと言つた。ところが総裁はいないと言うから、理事がいないかと言つたら、理事は三階にいると言う。案内してくれと言つたところが、かつてに行きなさいと言う。それで私はその理事に会つて、こういう不届きな者さえいるのだがどうだろうと言つたら、よく言うておくから、かんべんしてくれ、こう言うのだ。審査部職員がお茶を出したのに、お茶も飲まぬという。これはかたわ者だ。日本の道徳を知らざる者だ。十一月に申込みを受けておりながら、一体今日は何月だ。もう政府の予算でさえも三月三十一日に終つてしまつておる。しかもこれは開発銀行一本にお願いしておつた。しかもこの見返り資金が、あのレツキイという人に切られてしまつた。
#9
○川村委員長 松田君にお願いします。あと四人の発言の通告がありますから、できるだけ時間を節約して、要点をついた御質問を願います。
#10
○松田委員 開発銀行にお願いしておつたのに、今言つた通りに、ああいうような部長がおつて、私の感情を害した。しかも十一月から、十二月、一月、二月、三月、四月と半年になつている。われわれの尊敬する梅野理事は、あのような不届きな営業部長がいることを頭に入れてもらいたい。悪官僚、悪銀行員の悪いところばかりを引継いでいるような者が開発銀行の職員の中におるから、梅野理事は十分御注意してくださいまして、日本の産業のために、あなたの銀行のできた趣旨に基いて善処されんことを希望いたしまして、他の委員の質問もありますから、この程度で終らせていただきます。
#11
○川村委員長 田口君。
#12
○田口委員 開発銀行の水産に関する金融に関しましては、水産業界が短期資金については何とかやつておりますが、長期資金についてはあらゆる面で非常に困つているような実情にありますから、開発銀行の長期資金ということについて最も大きな期待を持つておるのでございますが、銀行開設以来水産関係におきまして開発銀行に申し込んでおります件数と、今まで処理をされました件数を、数字的にお伺いいたしたいと思います。
#13
○梅野参考人 水産関係のうち、先ほど来お話の製氷、貯水、冷蔵、冷凍関係の設備に関するお申込みを累計いたしますと三十八件、二十四億五千百万円あつたわけでございます。先ほどお答え申し上げましたような経緯によりましてそれを実際審査の対象にいたしましたのが二十七件ございます。二十七件の金額につきましての累計は、ここに資料を持ち合せてないのでありますが、実際にお申込みをいただいても、御計画の変更やら資金調達方法の御変更などがあつて確定した数字になつておりません。その二十七件につきまして目下審査中の分が二件ございまして、二十五件の審査を終え、実際に融資を実行したものも若干あるわけであります。目下融資の条件などについて御先方と折衝を申し上げておるもの、あるいはお申出の条件とこちらの考えている線との調整をはかつているもの等が二十五件ということになるわけであります。金額は条件がきまり、また資金調達の方法がきまるまでは確定数字が出ないと思うのでございます。
#14
○田口委員 ただいまのお話で、申込み件数が三十八件、うちお取上げになつたものが二十七件で、審査済みのものが二十五件、未審査のものが二件、こういうことを承つたのでありますが、この審査済みのものにつきましては、あらかじめ銀行といたしましては資金の用意ができておるのでございますか。あるいは資金の用意ができたら融資をする、こういうような状態にあるのでございますか。その点をお伺いいたしたい。
#15
○梅野参考人 ただいまの御質疑につきましては、開発銀行といたしましてはいつもそうだというお答えとはならないかと思いまするが、大体において資金の用意はできておると申し上げてさしつかえないのでございます。大体においてと申し上げまする理由は、開発銀行の資金は主として政府の出資金でございますので、これが四半期別に払込みがあるというな場合に、その四半期の切れ目に資金が足りないというようなときもあり得るのでありますのでその切れ目に当つているときには、資金の払込みがあるまでは資金のできておらないという段階にあり得ることもあるのでございますが、一般的には用意はあると申し上げてさしつかえはないのであります。
#16
○田口委員 ただいまのお話により言してこの二十五件は今年度の第一・四半期中には全部できる、こういうふうに了解してよろしゆうございますか。
#17
○梅野参考人 お話の通り、第一・四半期までというよりも、もつと早く審査をいたそうと努力をしておるのでございます。しかも先ほど御質疑がありましたように、私どもとしましても、非常に遅れておることはよく知つておるのでありまするが、その理由は事務的な理由があるわけでございまして、これは先ほども申しげましたように、資料の御提出をお願いいたしましても、なかなかこれが集まらないというような場合も非常に多いということを御了解いただきたいと思います。
#18
○田口委員 梅野理事も御承知と思うのでございますが、冷蔵あるいは製氷あるいは冷凍、この方面の水産の施設が非常に遅れており、漁村の振興も、あるいは食糧を調節して国民に供給するような問題も、あるいは魚価対策も、これがために今日まで十分にできませずに、今日水産業が非常に苦しい立場に追い込まれておるのでございますが、ただいまの話によりまして、少くともこの施設が二十五件開発銀行によつて新たに設置をされる。こういうことは日本の食糧問題から申しましても、あるいは漁村振興の問題から申しましても非常に重大なる意義があると考えるのでございます。しかし今の話によりますと、大体事務的のことが少しひつかかつておるが、開発銀行としては、でき得れば第一・四半期の、しかも早期に出したいというような御意思のようでございますが、願わくばひとつ事務的のことを十分係の方に進捗させていただきまして、一日も早くこの二十五件だけでも設備ができますように、強く私からもお願いをする次第でございます。今日これらの施設につきましては、農林漁業融資特別会計もありますけれども、これもなかなかたくさんの設備をしなければならぬというような関係からいたしまして、これだけでは間に合いません。われわれといたしましては、この開発銀行及び農林漁業融資特別会計、この二本で一日も早くこれらの設備を完備したいということを考えておるのでございますから、基礎産業に対する融資、こういう方面で開発銀行もいろいろ御多忙かと思いますけれども、現産業の立場も十分御研究くださいまして、水産の基礎施設に対する融資ということに対しましては、この上とも特別に見ていただきますように、この機会を利用いたしまして私からも特にお願いを申し上げておきます。
#19
○川村委員長 小高君。
#20
○小高委員 日本開発銀行理事の梅野さんにお伺いいたしたいのでございます。開発銀行の資金源が、政府資金と復興金融金庫の回収金をもつてこれに充てられておるということはわれわれも了承しておるのでありまするが、昭和二十六年度の資金源が大よそ二百八十億であるということを承つておつたのであります。しかしその二百八十億は昭和二十六年度においては少しく使い切れない、残りが十年度に繰越されるということを聞いておるのでありまするが、昭和二十六年度の計画において使用しきれない分が二十七年度へ持ち越されたその数字が、すでに四月でございまするから大体わかつておるのではなかろうかと思いますが、その額がどのくらいであるか。また昭和二十七年度の開発銀行の資金源の総量が、ただいま申し上げた点をプラスして合計どのくらいになるか。この二点をまず第一にお伺いしたいのであります。
#21
○梅野参考人 お答え申し上げます。昭和二十六年度の期末におきまして二十七年度に繰越しました金額は、正確な数字は今日は用意をして参りませんので、ごくラウンド・ナンバーで申し上げますが、約四十億円見当と見積つております。これは後日資料を国会へ提出するはずでございますが、約四十億円と覚えております。これが二十七年度へ繰越される分でございまして、それを加えまして二十七年度の資金源といたしましては約三百余億ということでただいま予算を立てておるわけでございます。もつとも二十七年度末には、そのうち四十億程度はやはり翌年度へ繰越すつもりでございます。繰越しをするということの理由は、政府の出資が翌年度早々には必ずしもないと私どもは考えており、かつ政府もそうすべきであるという考えであるので、これは予算の技術的な点もあるかと思いますが、企業の運営としては、その程度の繰越しは現段階においては必要な措置でございますので四十億程度を繰越して行く予定でございます。従いまして、二十六年度も二十七年度も、使用し得る資金源としてはやはりほぼ同額程度を使うのではないかと考えております。
#22
○小高委員 ただいまの御答弁で、私が憂えておりましたところの、昭和二十六年度の資金源より二十七年度の方がはなはだしく減少されやせんかというこの杞憂は解消したのでございまするが、同時に二十六年度の製氷、冷蔵等に計画されました資金源と、資金のわくと、それから二十七年度において冷蔵、製氷等に予定されておりまするわくの数字がおわかりでしたら、参考までに承りたいのであります。
#23
○梅野参考人 二十六年度におきまては、政府の御計画に順応して、私どもは事業を運営しておる関係で、政府の御意向、安本の最終的に調整した政府の御意向としまして、大体三億程度を製氷、冷凍というように示されたのでございまするが、お申込みが非常に、先ほど申し上げましたように多いし、その後資金のやりくりなどもできますと考えまして、それよりも少しは多く融資し得るようにして、目下先ほど申し上げましたような手続を進めておるわけでございます。二十七年度におきまする製氷、冷凍設備に対する融資額のわくというものは、まだ必ずしも決定しておらないのでございます。これは製氷、冷凍設備のみならず、すべての業種につきまして、まだきまつておらないのでございます。三月十四日の閣議で二十七年度の国家資金融資対象となるべき業種というものがきまつたわけでございましてその基本決定に基きまして、事務的に目下安本当局から開発銀行に連日説明に参つておる段階でございまして、その上でいかなる設備をいかなる緊要度に応じて考えるかというような基本的な問題、また資金のわくと基本計画との兼ね合いというようなものをこれから策定する段階でございます。従いまして、製氷、冷凍に二十七年度はどのくらいを予定するかということは、今後十分検討して参るつもりでございます。
#24
○小高委員 昭和二十七年度の製氷、冷凍に限らず、各種の産業に対する資金の割当というものはいまだ決定しておらない、これまた打合せてきめるということを承つて、しからばわれわれはこの機会において、開発銀行の皆様方に特にお願いを申し上げておきたいのでございまするが、わが国が四面環海の環境からいつて海をたたえて水産日本の実を上げよとか、あるいは国富を増せとかいうことは、ただいま国是として取上げるべき大問題でございます。しかるにもかかわらず、比較的この面の水産関係に対するところの金融が閑却されておるということに対して、私ども同僚ともども実は不満を持つておるのであります。しかしながらこといやしくも金融である以上、筋の通らない、あるいは基礎が薄弱である危険なものに金融ができないということは、私も千葉県の信漁連の会長としてよくその事情は知つておるのでありますが、慎重審議ということはけつこうでありまするが、大体の見通しをつけていただいたとしましたならば、ひとつ思い切つて水産面を強化する意味において奮発して資金を出してやる御意思を持つていただきたいことを、特にお願いを申したいのであります。漁業組合関係においては、政府の特融というわくがございまするが、株式会社組織で参りますると、ただいま開発銀行をたよるよりほかはすべがないのでありまして、その意味において、全国各地からわれわれに対して何とかせつかく設けられたこの制度であるから、答えのできるように努力をしてくれぬかと切実なる訴えがかさんでいるのであります。さような意味におきまして、事務の促進をおはかり願いますとともに、わくがきまらないとするならば、水産金融に対してこの冷蔵、製氷等の金融に対して一段と意を注いでいただきまして、業者の希望の達成するということは、即日本の水産面あるいは漁業経営の安定を裏づけるものでございますから、その点特に関係方面と折衝の折に、冷蔵、製氷の資金ということを、重ねて申し上げて恐縮でございまするが、ひとつ格段のお力添えを願いたいということを、特にお願いを申し上げておく次第であります。
 以上で私の意見を打切つておきます。
#25
○石原(圓)委員 開発銀行の貸出し方針というものについて、大体の考え方を承つておきたいのであります。
 復興金融金庫が終戦直後にできまして、そうしてそれの全部が現在では開発銀行へ引継がれたわけであります。この復興金融金庫をつくるときの私もいわゆる議員の一員であつたのでありますが、しかもその小委員のような立場で審議をしたのであります。そのときの政府の方針、また復興金融金庫の性格というものは、一般市中の金融機関より危険を感じて融資のできないという方面の産業に対して、貸出しをする、こういうことが根本の方針であつた。いわゆる危険でも開発をしなければならぬ、けれども貸したならば回収できるかできないかわからぬという不安があつて、そのために貸出しを一般金融機関がしないというものに対して復興金融金庫は貸出しをするというのが根本の方針であつた。しかるにもしこれが現在開発銀行へ引継いだため開発銀行が苛酷なる催促をする、督促をする、またあるいは持つておる漁船を競売するというような極端な処置に出ることは、これは根本の復興金融金庫の貸出し方針、いわゆる性格に反することでありまして、それにかかわらず開発銀行が引継ぎを受けたから、これは取立てをせわはならぬというような冷酷な考え方で、根本のこの法律ができたときの精神を十分おくみにならぬ場合には、何百何十億円復興金融金庫から引継いだ、これがとれないことは困るというような、単に回収ということのみに重点を置いてそうして船を競売したり、設備を競売して回収するということになれば、日本の漁業は非常に窮迫状態に陥りまして、また根本の貸出し方針が当初の方針とかわつて来るわけであります。今日、それでなくてもたくさんの漁船機関はもう大方古くなつて来て新しくつくりかえなければならぬときに、この古い借銭のために多くの船や設備を開発銀行が取立てる、こういうことになつたら非常な混乱を来すと思うのであります。この貸出し方針、回収方針はどういうふうになつているか。このことをあわせて承りたいのであります。ことに開発銀行は政府の資金であつて政府以外は出資できない、いわゆる政府の資金全部で開発銀行は動いておるものである。この点からいつても、日本の産業を開発するという根本の方針が確立したからこの銀行ができた。この建前からいうて、さきの復興金融金庫のように、危険なものに貸す、一般金融機関が貸さないものに貸す、という、そこまでは至らなくとも、ある程度普通銀行、民間銀行よりは融資に対する寛大なる考え方がなければならぬと思うのでありますが、これに対してどういう方針を立てておられるか。またわれわれの承る範囲では、安本において開発銀行の貸出し部門及びわくというようなものをきめて、そうしてその範囲で開発銀行は貸出しをするということもいわれるのでありますが、そういうことになれば開発銀行の貸出し等に従事する人たちは、安本のきめたわくの範囲でなければやれないという非常にきゆうくつなことになつておると思う。それはさらに何らかの改善を加えなければならぬと考える点であります。そういう点がどういうことになつておるか承りたいのであります。
 次に水産に対して今日ただいままでいかほど融資をしているか。そのうちいわゆる五大会社と称しますところの日水、大洋、日魯日冷、極洋等の五大会社とも申すような、いわゆる資本漁業会社に何ほど融通をしておるか。その他の一般の、ただいま問題に上つておるところの冷凍、冷蔵設備というようなところへ何ほど融資をしておるか、今日までのものを数字的にお示しを願いたいのであります。それから水産の金融のうち、今後南北太平洋その他各公海の漁業に進出をしなければ、日本の漁業は成り立たないことになつておりまして、この場合には、必ず外地の太平洋、南方その他各地へ漁業の根拠地がいります。その根拠地には必ず冷凍その他の設備がいります。そういうものも貸出し得ることになつておるか、今までなつていなければ、これを打開しなければならぬのであつて、それらに対してはどういうことになつておるかということも承りたいのであります。
 次に遠洋漁業と申しましても、ただいま申した五大会社以外にかつお、まぐろその他の多数の遠洋漁業があります。これに対しての融通、それから最近非常に大きく浮び出したところの真珠養殖事業に対してどういう融資の方針を持つておられるか。もう一つ、輸出カン詰税金の問題で、非常にただいま日本の漁業者は苦しんでおります。この問題は、輸出カン詰、冷凍まぐろ等の設備に重大な関係を持つのでありまするが、これに対しても融資の道について開発銀行は方針を立てているか、これらの五つ六つの問題につきまして、一応御説明をお願いいたします。
#26
○梅野参考人 ただいまの御質疑に対して簡単にお答え申し上げたいと存じます。まず第一に、開発銀行の運営の方針いかんというような問題で、特に復興金融金庫との関係についての御質問であつたと思いますが、開発銀行は開発銀行法で御規定になりました通りの銀行であり、かつそこに規定されたような方針でやつているわけでございます。すなわち開発銀行の融資というものは、市中金融機関の融資困難とするものについてこれを補完奨励するものであるというのが第一点でございます。市中金融機関の融資困難のものを補完、奨励するということは、たとえば現在の市中銀行の資金バランスを見ますと、きわめて長期の資金については非難に困難である、またきわめて多額のものについてはこれまた困難である、その長期に過ぎるもの、あるいは多額に過ぎるものを補完するというのが、融資の使命でございます。その使命に従つてやつて参つているわけでございます。しかももう一つは、明文をもつて規定されております通りに、開発銀行の融資というものは、回収が確実と認めたものでなければ貸付をしてはならないという法文を御規定になつておりますので、これは金融機関として当然のことでありますが、その方針をもつて運営をしているのでございます。
 復興金融金庫から承継いたしました債権の回収につきましては、お話のように、現に営業を続けているのにかかわらず、その諸設備を競売するというような強硬手段に訴えてまで回収をするというようなことは考えてはおりません。ただ営業を全然廃止してしまつてこれを継続する計画が全然ない、あるいはその設備を売却しても廃すというような御計画であるものについては、そのように運営することも、やむを得ない次第と思います。御承知の通りこれは国家資金でございますので、国民の大事なお金でありますので、これをおろそかにしてもいいということは、私どもは毛頭考えておらないのでございます。
 それから安本のわくに載つていない業種は考えないのかという問題につきましては、これは常にお話があるのでありますが、開発銀行の定款におきまして規定がございまして開発銀行の融資の運営にあたつてはあくまでも国家の交通、産業に関する基本政策並びにこれに基く計画というものに順応して遺憾なきを期さなければならないという明文を示されておりますので、政府の基本計画というものはあくまで尊重して行く立場でございます。従いまして実際問題としては、この政府の基本計画というものは閣議で業種が指定されますので、それは十分に尊重しておるのはやむを得ないところであります。資金の余裕があればその業種以外でも開発銀行は独自に認めてこれはきわめて緊要であるというものについてやり得るのは当然でありますが、一方政府の出資の面はこれまたきわめて需要に対しては足りないので、自然政府がきめました基本計画のわくの中でなければ、実際問題として二十六年度におきましては、融通ができないというのが事実でございます。おそらく二十七年度においてもさように相なるのではないかと思うのであります。
 次の水産関係のお話でありますが、南洋方面の水産根拠地における冷凍設備などについてはどうかというお話、これは一体どういう企業家がこれを計画しまた金融の対象になるような設備であるのかどうか、すなわちたとえば、その設備が担保になり得るのかどうか、国外における設備が担保になり得るのかどうかということも問題でございましようし、またその設備の管理が完全に行われるのかどうかということも問題になるかと思うのでございますので、ただいまのところ政府が考えておりますいわゆる基本計画の中には、南方根拠地における設備ということはあるかないか存じませんが、おそらく昨年と同じく国内における設備を指しておるのであろうと思うので、すぐにこれができるというお答えは、この席では申し上げられないと思います。
 それから真珠、輸出かん詰のお話も同じでございまして、政府が閣議できめました基本計画における業種としては、目下のところ聞いておりません。この事業はきわめて重要であることについては、私ども何ら異論はないのでございまするが、政府の政策に順応する限りにおきましては、すぐにその対象となるとは考えておりません。
#27
○石原(圓)委員 それから水産への貸出し総額とその内訳を御示しを願いたいのであります。
#28
○梅野参考人 水産業としましては、冷凍、冷蔵設備につきましては、確定数字が出ておらないので、まだはつきりしたお答えは申し上げられないのであります。総額としましてはおそらく今の予定では三億五、六千万円程度になるのではないかと想像いたしておりまするが、これは今会社と折衝中の諸条件がございまするので、確定数字は申し上げられませんが、想像では三億五、六千万円程度であろうと思つております。その他南氷洋関係のキヤツチアー・ボートの建造資金あるいは捕鯨船の改造資金というようなものは、これはきわめて多額に上るものと思うのでありまするが、その総額は南氷洋関係で五億円若干上まわる程度だろうと思います。
#29
○石原(圓)委員 今日までの貸出しについて、参考に私の意見を申し上げておきます。ただいま御説明のように、五億というものは南氷洋の関係に融資をされておるようでありますが、これは関係の会社はおそらく二会社か三会社であろうと思うのであります。鯨をとりに行つておる関係の会社だけであろうと思うのであります。それに対して五億円の融資をすでにしておるにかかわらず、先刻来論じておるいわゆる製氷、冷蔵、冷凍というものは、日本全国の沿岸漁業の漁民に関係するものであります、零細な漁民の直接の一つの救わるべき機関でありまして、三大会社に五億円を融資する場合には、この数十倍の沿岸漁業の冷凍、冷蔵、製氷というものに融資することにおいて初めて均衡がとれ、開発の目的と合致するのであります。しかも、五億円はすでに貸出済みだが、この三億五千万円の沿岸漁業に関係するものはいまだ詮議中だ、こういうことは日本漁民全体の期待に反することなのであります。この方こそむしろ早くやるべきものでありまして、この点は十分今後注意をして、あと先これを前後するように、たとえば御承知のように、南氷洋へ出かける捕鯨の資金につきましては、開発銀行でできなくても国の方でいろいろの方法でやつておつたわけであります。それを開発銀行でやる方が便利だからそういう転換になつて来た。また大口で貸出しが簡単だ、回収も早いというようなことにのみ開発銀行が着眠されたら、それは開発銀行の使命に反するものであると私は思うのであります。いかにやつかいでも、いかに零細でも、このやつかいなこと零細なことをめんどうを見てやることにおいて、初めて日本の漁民は助かるのであります。それが逆になつておるのであります。一口で一億円とか二億円とか、担保も確実だからこの方をやつてやれ、その全国の漁民に関係するものはあとまわしになるという、これほど矛盾したことはないのであります。どうかこの点は十分の御注意を願いたいのであります。
 それから外地の根拠地施設であります。ただいま御説明によりますると、担保の対象になるかどうかということでありますが、私は担保の対象になる、またすべからくなるような方法を講じなければいけないと思う。日本の漁業は荒廃をいたしまして、どうしても国際漁業による公海に出かけなければ、日本の漁民は助からない。こうした場合に一番大事なことは、とつた魚の鮮度を保持することであります。また加工をすることであります。そういうことは、大きなかに工船のようなものなら船の上でできるけれども、それはわずかでありまして、大部分はどこかの根拠地で処理せなければ、また冷蔵、冷凍の保存処置をせなければならぬのでありますから、この方に貸出しができるように道をあけることについて開発銀行自体も十分の調査を願いたいのであります。
 なお遠洋漁業、真珠事業、カン詰工業、これらのものは日本漁業発展の根拠をなすものでありまして、めんどうくさいから、やつかいなことや小さいことはやめておくという考え方は、理事の方々にはなかろうけれども、先刻来のお話にもあるように、これを実際事務的に取扱うところの第一線の人々に公益的な考えを持つてもらう必要があるので、これはどうしてもあなた方より十分御指導、御鞭撻並びに御教育が必要であると思うのであります。この点特に希望を申し上げておきます。
 最後に、復金の金につきましては、くどいようでありますけれども、今日大型の漁船も小型の漁船も、船は古くなつておる。御承知のように木造船は六年か七年―戦後にできた新造船なるものは非常に粗雑でありまして、船齢が普通なら十年のものが六年ぐらいしか持たない。それで大半古くなつておるのであります。従つて発動機等も同様の運命にありまして、日本の多数の漁船、はただいま新造をして行かなければ漁業はやれないという状態になつておるのであります。こういう場合に、復金が苛酷にやつたならば一層困難になるのでありまして、この点は特に寛大にするように、むしろわれわれ立法者の立場からいつて、この法律をつくるときには貸した金はもうとれなくてもいい、こういう考え方が大いに働いたものであります。私個人の考え方から言えば、復金の貸出しはもう棒引きにしてやつていい、こう私は考えておるくらいであります。どうかこの点、それから新しく船も機械もつくらなければならぬ時期に迫つておるのでありますから、そういう方面へ融資の道を明けることが、開発銀行の日本の漁民全体に対する大きな福音をもたらすものでありまして、それでなければやつて行けないという実情にあるのでありまするから、特にお考えを願いたいのであります。
 以上私希望を申し上げて、これが国会と官庁との関係ならば、もり少し申し上げたいことがありますが、この程度にとどめておきます。
#30
○川村委員長 本委員会散会後、造船資金融通に関する懇談会を開きたいと思いますから、参考人に対する御質疑はこれにて終了いたします。
 参考人諸君にはお忙しいところを御出席くださいまして、有益な御発言のありましたことを深くお礼を申し上げます。参考人諸君はお引取りを願います。
 本日はこの程度にとどめ、次会は公報をもつてお知らせいたします。
 散会いたします。
    午後零時二十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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