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1951/05/31 第13回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第013回国会 人事委員会 第20号
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1951/05/31 第13回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第013回国会 人事委員会 第20号

#1
第013回国会 人事委員会 第20号
昭和二十七年五月三十一日(土曜日)
    午前十一時四十九分開議
 出席委員
   委員長 田中不破三君
   理事 田中伊三次君 理事 藤枝 泉介君
   理事 平川 篤雄君 理事 松澤 兼人君
      伊藤 郷一君    今村 忠助君
      大野 伴睦君    田中  豊君
      圓谷 光衞君    西村 久之君
      今井  耕君    岡  良一君
 出席政府委員
        内閣官房副長官 剱木 亨弘君
        警察予備隊本部
        次長      江口見登留君
        警察予備隊本部
        人事局長    加藤 陽三君
        警察予備隊本部
        人事局人事課長 間狩 信義君
        大蔵事務官
        (主計局給與課
        長)      岸本  晋君
 委員外の出席者
        専  門  員 安倍 三郎君
    ―――――――――――――
五月三十一日
 委員藤井平治君及び三宅正一君辞任につき、そ
 の補欠として圓谷光衞君及び岡良一君が議長の
 指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 保安庁職員給與法案(内閣提出第二二八号)
 昭和二十七年度における国家公務員に対する臨
 時手当の支給に関する法律案(内閣提出第二四
 三号)
    ―――――――――――――
#2
○田中委員長 これより人事委員会を開会いたします。
 ただいまより昭和二十七年度における国家公務員に対する臨時手当の支給に関する法律案を議題として質疑を継続いたします。松澤兼人君。
#3
○松澤委員 昨日の質問で大体わかつたようでありますが、これに関連いたしました点を、二、三承つておきたいと思います。
 第一には、北海道における石炭手当について、本年はどの程度のものをお考えになつておいでになるか。これを承りたいと思います。
#4
○劔木政府委員 北海道におきまする石炭手当につきましては、例年人事院の勧告に基いて決定しておりますが、今までのところまだ人事院の勧告がございませんので、人事院の勧告がございません限りにおきましては、例年の通りにいたす予定でございます。
#5
○松澤委員 そうすると、予算といたしましては昨年と同じ程度ということになりますか。
#6
○劔木政府委員 詳しいことは大蔵省がきよう来ておりませんので、はつきりわかりませんが、大体さようであると思います。
#7
○田中委員長 松澤君に申し上げます。岸本給與課長がいずれ見えるはずになつておりますから……。どうぞ質問を続行願います。
#8
○松澤委員 その点につきましては、またあらためて御質問申し上げます。
 昨日平川委員から質問があつたのでありますが、私たちはやはり年末に多少まとまつた臨時手当というものを支給する必要がある。こう思つているのでありまして、わが国における各種の慣習やあるいは伝統ということから考えてみますると、年末の方が夏季よりは余分に支出があるということで、もし夏季手当に五割お出しになるとすると、年末にはどうしてもそれ以上を期待することが当然でもありますし、おそらく政府は年末には五割以上のものをお出しにならなければ納まりがつかない結果になる。こう考えるのでありますが、現在のところ、一箇月分のうち半分だけ出して、あとの半分は十二月にお出しになるようなお話ですが、それではたして適当にやつて行けるかどうか。この点を私は非常に心配しております。重ねて御答弁願いたいと思います。
#9
○劔木政府委員 昨日も申し上げましたように、現在におきましては予算上
 一月分を計上してありまして、諸般の事情で夏季に五割にいたしたのであります。従つて予算的に申し上げますれば、あと五割が年末手当に行くということに相なるのでございます。これをもし増額するとかいうようなことをいたします場合におきましては、当然に予算の補正を行わなければならないと思いますし、なお補正予算を出しますかどうかということも、今日決定いたしていないのでございますので、その点はつきりと年末につきましてはどのようにいたすということを、この際に申し上げるわけに参らないかと思います。
#10
○松澤委員 重ねてお伺いいたしますけれども、わが国における生活慣習上、夏季の臨時支出よりは年末の臨時支出の方が多いという点は異論がないと思うのであります。その点は副長官はどういうふうにお考えでございますか。
#11
○劔木政府委員 その点はまつたく御同感でございます。
#12
○松澤委員 もしそういうようにお考えであれば、年末には五割以上のものを当然出さなければならない。現在政府の考えが何もきまつておらない状態でありますから、これ以上しつこく質問いたしましても、はつきりとした見通しを得るということは困難であることはよくわかります。これから先は私の希望なのでありますが、日本における生活慣習から、盆暮れというものは臨時的な支出が相当かさむ時期である。しかも年末の方がさらに夏季よりも余分に支出がいるのであるということになれば、当然年末手当については御考慮を願わなければならないと思います。その点につきまして、補正予算が組まれるような状態になりましたならば、ぜひともこの問題について好意のある解決をしていただきたいと考えるのであります。
 なお次にお伺いいたしたいことは、これまで人事院がやつておりましたものを、今後人事委員会というふうになりまして、総理府の中に人事関係、あるいは給與関係の各種のスタッフを設けられることになるのでありますが、これらの点を考慮いたしまして、政府は今後公務員に対する対策の点において、十分御留意を願わなければならないというふうに考えるのであります。と申しますことは、御承知のように国家公務員法におきまして、一方におきましては国家公務員の基本的人権というものが制限せられている。そしてその代償と申しますか、あるいはそのかわりに人事院があつて、そして人事院が絶えず適切なる勧告をなし、そしてその公務の科学的あるいは能率的運営というものに万全を期していたのでありますが、今後人事委員会に移つて行つた場合におけるこれらの給與その他の勤務條件という点について、どういうお考えで対処して行かれるか。将来の国家公務員の給與あるいは勤務條件、あるいは公務の能率的運営というものに対する政府のお考えを承りたいと思います。
#13
○劔木政府委員 今回の機構改革で人事院を人事委員会に改組いたしましたが、これは主として機構の簡素化を意図した意味でございまして、その機構改革はいたしましたけれども、公務員の給與なりあるいはまたその公平を保つというような意味合いにおきましては、今までの人事院の権限を何らかえることなく、十分公務員のために今後ともその科学的な研究を続けて行き、またそれに対する勧告もいたしてもらう。この点は何ら変更ないというふうに考えておるわけでございます。
#14
○松澤委員 そういたしますと、ほとんど何ら変更がないということでありますが、しかしわれわれから考えてみますと、さきに臨時人事委員会というものがあつて、その委員会制度が不適当であるというので人事院というものに改組いたしまして、今日まで来たのであります。これをさらに機構の改革をいたしまして、人事委員会に移すということで、人事院が従来持つておりました公務員の福利あるいは給與というものについて行つていたと、何ら異なることのない処置を講じて行かれるという確信をお持ちでございますか。
#15
○劔木政府委員 さようでございます。
#16
○松澤委員 この際お伺いしておきたいことは、人事院の人事委員会への移行ということを考えますと、私は、公務の能率的運営、あるいはまた公務員の給與、あるいはその他勤務條件等について、従来人事院がやつていた点よりもさらにうまく行かないということを非常に懸念するのであります。しかし劔木副長官は全然かわりがなくやつて行けるという御確信のようでありますから、それは一応了承するといたします。
 次に、いわゆる国家公務員の基本的な権利、つまり団結権でありますとか、団体交渉権であるとか、あるいは争議権とかいつたような、こういう基本的な権利に対する制限をこの際緩和されるというお考えはございませんか、あるいは政府でこれらの点について何かお考えであるならば、お聞かせ願いたいと思います。
#17
○劔木政府委員 今申し上げましたように、人事院を人事委員会にいたしましたけれども、その公務員の公平を保持して、そのために国家公務員としての団体交渉権とか団結権を認めないという筋におきましては、今までのを改正して人事委員会にしたという意味合いにおきましても、何ら内容には変更がございませんので、ただいまのところこれを変更する意思は持つていないのでございます。
#18
○松澤委員 労働法関係で相当いろいろ政府は考えて、過日われわれの反対にもかかわらず、衆議院を通過して、ただいま参議院で審議されております。私たちは独立後の日本のあり方について、各方面の意見を聞いておるのでありますが、それらの点につきまして、ぜひとも私は、いわゆる労働者の基本的な人権というものはできるだけこれを回復すべきである、あるいは憲法その他労働関係の法規によつて保障せられておる権利というものは、守つて行かなければならないものである、こう考えておるのであります。いろいろの関係を持ちまして、今日まで国家公務員に対しましてはいろいろと制限があつたのであります。今日独立後の日本において、これらの公務員に対する各種の制限というものは、時期がたつに従つて漸次これを緩和して行くのが当然である、こう考えておるのであります。しかしただいまの劔木副長官のお話で、何らこれに対して考えておらないということでありますならば、私は将来の問題として、国家公務員がはたして現状のままで十分能率的な公務の運営をやつて行けるかどうかということについて、多少不安を持たざるを得ないのであります。すでに労働省関係におきましては、この国家公務員法の改正をやつて、他の労働関係の法律と同じような線まで、この基本的な権利を回復しなければならないという意見があるように私は聞いているのであります。そういうことをお聞きになつていらつしやるかどうか、この点について承りたい。
#19
○劔木政府委員 公務員につきましても、一般職の公務員とそうでない公務員との問においての差等、区別を設けるかどうか、あるいはまたただいまもお話がございましたが、ただいまさしあたりにおきましては、人事院の改組に基きましての当然の結果というような筋からの、公務員の間についての変更は考えておりませんけれども、公務員制度全般につきましては、根本的な意味合いにおきましては、これは将来とも十分再検討を要する点はあるかと考えております。
#20
○田中委員長 それでは暫時休憩いたします。
    午後零時七分休憩
     ――――◇―――――
    午後零時十五分開議
#21
○田中委員長 休憩前に引続き会議を開きます。
 昭和二十七年度における国家公務員に対する臨時手当の支給に関する法律案を議題として質疑を継続いたします。松澤兼人君。
#22
○松澤委員 先ほどお伺いいたしました、北海道における石炭手当の本年度における予算関係について承りたいと思います。
#23
○岸本政府委員 本年度におきます石炭手当の予算につきましては、ただいまその総額の数字は持つて参つておらないのでございます。ただその炭価といたしましては、昨年度実行いたしました四千七百円、これと同じ数字で編成いたしてございます。
#24
○松澤委員 四千七百円では、今日良質の石炭はとても手に入らないと思うのですが、実際手に入れる場合におきまして、四千七百円程度で手に入るお見込みでございますか。
#25
○岸本政府委員 最近のSPSの価格でございますとか、あるいは国鉄で最近契約いたしました価格、そういうものを参考にいたしまして考えておりますが、問題は何と申しますか、カロリーの点もございまするし、どういう使用方法を講ずるかという点もございます。一トン当りの炭価はあるいは不足になるかもしれませんが、三トン分合せたものといたしまして、それで年間の燃料は足りるかどうかという検討はまた別にしていいんじやないかと考えております。
#26
○松澤委員 昨年と同額の予算を組んだというだけであつて、その四千七百円でどの程度のカロリーの石炭が買えるかということは、最近御検討になつていないと了解してよろしゆうございますか。
#27
○岸本政府委員 昨年四千七百円を決定いたしました場合には、人事院の勧告も参考にいたしますし、大蔵省といたしまして直接北海道の地元の販売店の販売価格も調査いたしまして、それを参考にきめたものでございます。本年度におきましても、現在その調査は進めております。同時に人事院でも近く御勧告に相なろうと思いますが、そうした点も考慮して適当に判断することになろうと思います。
#28
○松澤委員 現在調査中であると言われますと、現在北海道において煖房用の石炭六千カロリー程度のものが、どのくらいの価格になつているかということはお答えが願えますか。
#29
○岸本政府委員 現在まだ調査中でございまして、資料はあいにく手元に参つておりませんので、大蔵省として申し上げる数字はちよつとないのでございます。
#30
○松澤委員 そういうお答えであれば、いずれ調査して知らせていただくということが、こちらの希望として申し上げられますが、従つて四千七百円ということは、昨年の石炭手当支給の場合における適当な炭価であつた。それをかりに二十七年度においても計上したのであつて、実際の炭価と見合つているかどうかということは、まだ確信ある御答弁はできない、こういうふうに了解してよろしゆうございますか。
#31
○岸本政府委員 本年度の四千七百円を昨年同様組みましたのは、予算編成の大前提といたしまして、原則として諸物価の変動がない、大体横ばいという前提のもとに予算全体が編成されております。そうした前提のもとに四千七百円を一応すえ置いたわけであります。現実に市場価格がどうなつておるか、これは一応調査をとつてみないとまだわからないという段階でございます。
#32
○田中委員長 他に御質疑のある方はございませんか。
#33
○岡(良)委員 ごく数字的な点について、簡單に給與課長にお伺いしたいと思いますが、まず第一に、この法律案によつて支給されるこの六月分の臨時手当の予算の総額はどれだけでありますか。
#34
○岸本政府委員 臨時手当の所要額といたしましては、会計別に申し上げますると、一般会計二十三億、特別会計やはり二十三億、それから政府関係機関、これは国民金融公庫、住宅金融公庫、日本開発銀行、輸出入銀行、閉鎖機関整理委員会、これだけの政府関係機関を含みまして一千八百万円、合計概略四十七億円でございます。
#35
○岡(良)委員 中央庁における一般職員、係長及び課長、局長、大体この四段階、それはそれぞれ号俸があるようでありますが、大体それら四段階の諸君において、現在この法律によつて受ける臨時手当の実額の推定をお聞かせ願いたい。
#36
○岸本政府委員 ただいまの御質問、本省の局長級、これは大体中位ごろの十三級三号で押えて計算いたしますると税引手取りのところで一万二千八百円、課長級が十一級三号くらいで押えますると八千九百三十七円、係長級が、中位どころでございますが八級五号程度で押えますと六千百三十三円、こういう数字になつております。
#37
○岡(良)委員 今のお話は大体税引の手取りということでありますが、この課税の方法は六月分の俸給にプラス臨時手当、その中から所得税によつて源泉課税が徴收されるのでございますか。
#38
○岸本政府委員 仰せの通りでございます。
#39
○岡(良)委員 生活慣習上わが国においては、盆暮れ等においてこうした手当を必当とするという実情に即して支給される手当であつて、手当といたしましても、今お聞きいたしますると、きわめて乏しいものでありまするが、大蔵省としてはこういう手当等についてはやはり課税を免除するというような措置をとらるべきが至当ではないかと思いますが、この点についての御見解を……。
#40
○岸本政府委員 私税の専門家でないのでございますが、税の本質論からいたしますると、課税していいかどうかという議論は抜きといたしまして、少くとも本年度におきまして臨時手当一月分を支給する、これを前提といたしまして、それに対する税をとる、それが歳入の前提になつているわけでございますので、この点を免税いたしますると、歳入欠陷が出て来るという問題がやはり生ずるかと思うのでございまして、今にわかにこれを非課税にするということは不可能であろうと思うのであります。
#41
○岡(良)委員 国民健康保險、健康保險あるいは厚生年金保險等において給與を受くる手当については、全部免除されていることは御存じの通りでございまして、やはりこういう実情に即して慣習上支給する臨時手当というものについての課税は、十分考慮すべきものと思いまするが、これはさておきまして、人事院等においては給與会計の科学化とか合理化というふうなことをよくうたわれているようでありますが、この半月分と申しますか、一箇月諸手当俸給の五〇%を支給するという合理的な科学的な根拠は一体どこにあるのでございますか。それとも單に予算上のわくから縛られてこういうところで一応は済まそうと、こういうお考えなのでしようか。その点でしよう。
#42
○岸本政府委員 これは本年度の予算におきまして、臨時手当を一箇月分組んだその理由といたしましては、昨年度人事院の勧告においても一箇月の勧告がございまして、同時に、勧告がありましても必ずしもその通りに行ぐものではございませんが、財源といたしまして大体一箇月程度の手当は出せる見通しがついたという観点から、一箇月組んだわけでございます。
#43
○岡(良)委員 そういたしますと、結局この一箇月の臨時手当に関する予算を組んだそのわくの中で、とりあえずその五〇%というものが支給されるというふうに承知していいと思うのでありますが、さらにお伺いいたしたいことは、この臨時手当に関して、たとえば地方公務員あるいは教育公務員、こういう諸君のそれぞれの組織の側からもこれらの要求が出ることは必然でございますが、国といたしましては地方財政交付金等に対してやはりそのわくが組まれているのでありましようか。
#44
○岸本政府委員 地方公務員につきましては、昭和二十七年度の平衡交付金の基準財政需要額を算定いたします場合に、全地方公務員に対しまして一箇月分手当が出せるという計算の上に算定してございます。
#45
○岡(良)委員 その交付金の中に込められているわくというのは、支給すべき一箇月分の中の五〇%が込められているのですか。
#46
○岸本政府委員 つまり国家公務員の場合と同様、二十七年を通じて一箇月分支給できるという計算で入つているわけであります。従いまして今回国家公務員が〇・五を出せば、それに応ずる〇・五を地方でも財政上は出せる計算になります。
#47
○岡(良)委員 関連してお尋ねしたいのは、先ほど松澤君から北海道の石炭手当についてのお尋ねがありましたが、その他の諸県、東北諸県なりあるいは北陸等の諸県等における寒冷地手当の予算はどういうふうになつておりますか。
#48
○岸本政府委員 寒冷地手当につきましては、昨年人事院から寒冷地手当の支給地域並びに支給割当につきまして勧告がございまして、その勧告をそのまま実施いたしたわけでございます。本年度におきましても、その案通りに実施したならばどれだけかかるであろうという予算をはじきまして、これを計上いたしているわけでございます。
#49
○岡(良)委員 最近東北地方あるいは北陸等の諸県における官公の諸君が、この寒冷地給が、あるいは基準が引下げられるとか、あるいはまた除外されるのではないかというふうな非常な不安を実は感じて、陳情等を受けているのでありますが、かかる不安は事実無根なものと解してさしつかえないのでありましようか。
#50
○岸本政府委員 今年度の寒冷地手当、の支給地域をどうするかという問題につきましては、政府といたしましてはまだ人事院の勧告が出てみなければわからない、その上で判断すべきことであると考えております。
#51
○田中委員長 ほかに御質疑のある方はございませんか――別に質疑もないようでありますから、本法案に対する質疑はこれにて終了いたしました。
 引続き本法案を議題として討論に付します。討論は通告の順序によりこれを許します。平川篤雄君。
#52
○平川委員 改進党を代表いたしまして、臨時手当の支給に関する法律案に対して、希望を付して賛成をいたさんとするものであります。
 今回の臨時手当の支給につきまして、單独法をもつて提案をせられているのでありますが、わが国の慣習上、六月、七月の間におきまして特別の支出を必要とすることは当然のことであつて、特に本年は、満足ではありませんが、従来から考えますと比較的率のよい臨時手当が出されたということに対して、われわれはまず賛成の意を表するのであります。しかしながらいろいろ質疑をいたしてみますと、あいまいな点が少々ありますので、その点についてひとつ政府の十分な考慮を煩したいと考えるのであります。
 まず第に、本年度予算中に一箇月分の予算が組んであるのでありますが、今回その五〇%を支出するということであります。しかしながら常識から考えまして、夏よりもむしろ年末に出費がかさむということは当然なのであつて、人事院はそれに対して、どこに根拠があるのか知りませんが、二対八の割合を勧告いたしているのであります。この総額が私どもは十分だというのではないのでありますが、割合から考えればそういうあたりが妥当な率ではなかろうかと思うのです。ただいま政府としては予算ができ上つたばかりで、それになお十分なものを年末に與えるということは言えないかもしれませんが、これはどうしても経済的な事情から申しまして、年末にまた同様な率であるということはどうも不合理であると考えるのであります。われわれは、今回五割出しますならば、年末におきましては一箇月分を組むように要求いたしたいのであります。
 第二に、国鉄の場合につきまして、官房副長官の方から御答弁があつたのでありますが、本朝の新聞を見ますと、やはりこの問題について私が憂慮いたしておりましたように、欠勤とか賜暇戰術とかいうものをもつて闘うやに見えるのであります。なるほどその御答弁によりますと、一応半箇月の予算を認め、かつ給與の中に手当としてあとの分は見てある。だから実質上一箇月分があるのである。こういうお話でありますが、それをどう配分するかは国鉄当局の責任であろうかと思うであります。しかしこと国鉄の厖大な経費にかかわることであつて、これは政府がのほほんとしておられる筋合いのものではないと思います。これはぜひとも至急に誠意ある解決をいたされたいのであります。
 それからなお、これは小さなことでありますが、提案理由の中に「従来の生活慣習からいたしまして、御承知のように夏季及び年末には何かと出費が多いのが実情でありまして、」といつてあるのであります。どうもだんだんと元のように生活がもどつて参りまして、年末年始あるいはいわゆる中元の贈答の弊風が生じつつあるように思われる。民間から官庁に対し、あるいは官庁の内部における上官と下役の関係においても、そういう点が見えて来るように思われるのであります。これははなはだばかにならない金額でありまして、このようなことは部内において当然慎まれるべきことであるように思われる。これはわが国国民が多かれ少かれ、みんな困つておる風習なのでありますから、かようなむだな出費を廃するような御措置をとられて、言葉は古いですが、率先垂範という実をあげていただきたいのであります。このわずか五割ばかりのものは、生活にみなぶち込みましても大したものではないのでありまして、十分にさような生活の方面にまわせるような御措置をとられたいと思うのであります。
 以上二、三の点につきまして希望條件を申し述べまして、われわれはこれに賛成をいたそうと思うものであります。
#53
○田中委員長 岡良一君。
#54
○岡(良)委員 私は日本社会党の立場から、ただいま御提出の昭和二十七年度における国家公務員に対する臨時手当の支給に関する法律案につきまして、以下二、三点の希望を付しまして賛意を表するものであります。
 今度この法律案によつて支給される額が、一箇月分の諸手当並びに給與の半額であるという、この額の問題につきましては、われわれといたしましても、これが提案理由にうたわれておるところの生活慣習上、また実際の現実の公務員の生活の実情に即して、はたして適切であるかどうかということについては、重大な疑義を持つているものでありまして、その額等については相当の引上げを要望したいのでありまするが、しかしながらただいまも給與課長の御説明のごとく、本年の予算において総わくがきまつておるということでありますので、予算を編成する立場においては、国家の財政規模とか実体とか、双方調整あるにらみ合せのもとに立案させることが至当であつて、結局わくによつて常にしばられておるという行き方は、單にこの手当の問題に限らず、きわめてわれわれの遺憾とするところであります。
 もう一つは、将来やはり何と申しましても、生活慣習上から申しましても、年末手当においてはより多くのものが当然支給さるべきであろうと思います。こういう観点からいたしまして、大蔵省並びに政府といたしましても、年末手当の支給に関しては追加補正等の予算措置を講ぜられまして、十二分なる措置を講ぜられんことを、こ際特に強く要求いたしたいのであります。
 次には課税の問題でありますが、われわれはこうした手当に対する課税は、特に生活資金であり、緊急やむを得ざるものである以上においては、所得税の原則論というふうな法理論を離れて、実際に即して、この手当等については課税を免除すべきものであると考えておるのでありまして、次のような修正案を実は用意いたしたのであります。簡單に朗読いたしまするが、
  昭和二十七年度における国家公務員に対する臨時手当の支給に関する法律案の一部を次のように修正する。
  第六條中「前三條」を「前四條」に改め、同僚を第七條とし、第五條の次に次の一條を加える。(所得税の非課税)
  第六條 臨時手当については、所得税を課さない。以上の通りであります。われわれはこの際特に委員長初め同僚の各位にも希望いたしておきたいのでありますが、どうかこういう臨時手当というような生活資金の支給に関する問題につきましては、課税との関連におきまして特別なる小委員会等を設けられまして、そうして適切な、また手当を受ける者の納得の行くような何らかの免税なり減税なりの措置について、十分なる御検討の上、大蔵委員と当該委員との分なる協議の上において、何らか合理的な道で解決していただきたいことを、この際強く希望いたしておきます。
 さらに先ほどの御発表のように、局長級においては一万二千八百円で、また一般職員においては六千百三十三円が手取りである。これはまつたく半額以下になつておりまするが、公務員の実態に即しますると、むしろこうした下級の一般職員の方が、年末あるいは盆暮れにおいては特に生活資金の需要には悩まされておるのでありまして、かかる観点からいたしまするときに、こうした、階級によつて半ば以上の大きな開きがあるということは、この臨時手当がその一点だけから見ても、額の上においては決して合理的なものだとは考えられないのでありまして、かかる点におきましても、やはり下に厚く上には薄い合理的な手当の支給をすることが至当と思います。
 さらにこの際関連して希望申し上げたいことは、交付金に含まれておるということであります。御存じのように交付金は地方の財政需要に応じて、大蔵省その他において適当な分配がされておりまするが、地方の中へこれが配付されて参りますると、人件費あるいは生活資金、あるいは福祉措置等のものが、しばしば道路とか橋梁の補修等に変形する危險が非常に多いのでありまして、かかる観点からいたしまして、この交付金については相当の不満のあることは御存じの通りと思います。いわんやこの臨時手当のごときにおきましては、これは地方の教育公務員においても地方公務員においても各都道府県が一様に支給されるという原則を確保される立場から申しましても、当然これは別わくといたしまして、ひもつきに形においてこれを補助金として支給することが、最も妥当な活用であろうと思いますので、そういう点についても、将来十分政府としても慎重なる考慮をめぐらされんことをこの際特に希望いたしまして、本法案に賛成をいたす次第であります。
#55
○田中委員長 これにて討論は終局いたしました。
 採決いたします。本法案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔総員起立〕
#56
○田中委員長 起立総員。よつて本法案は原案の通り可決すべきものと決しました。
 この際法律案に関する委員会報告書作成の件についてお諮りいたします。これは先例によりまして、委員長に御一任願つておきたいと思いますが、これに御異議はございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#57
○田中委員長 御異議なしと認めます。よつてさように決しました。
    ―――――――――――――
#58
○田中委員長 次に保安庁職員給與法案、内閣提出第二二八号を議題といたします。
 本法案につきましては、昨日大体の質疑を終了いたしたのでありますが、昨日保留となつておりました質疑の通告につきましては、松澤委員より撤回の申出がありましたので、本法案に対する質疑はこれにて終了いたしました。
 引続き、本法案を議題として討論に付します。討論は通告順によりこれを許します。藤枝泉介君。
#59
○藤枝委員 私は自由党の立場から、本法案に賛成いたすものでございます。これは先に衆議院を通過いたしました保安庁法案によつて設置しまする保安庁の職員の給與の問題でございまして、保安庁の設置に関しましては、種々議論はあると思いますけれども、わが党の保安庁が必要であるという立場は、他の機会に述べておりますので、ここで繰返すことを省略いたします。そうして、保安庁が必要であるという立場に立ちますならば、それに勤務いたしますところの職員に対しましては、一般公務員とは多少異なつた給與を支給することは妥当であろうと考えるのでございます。ことに現在の警察予備隊及び海上保安庁の職員に給與されておる給與の体系を大体踏襲いたしておりまするこの法律案につきましては、私どもは賛成をいたすものでございます。
 ただ一つ希望を申し上げたいのは、これは同僚議員からも強く要望されたところでございまして、すなわち出動の際の特別の給與に関しましては、他の法律にゆだねられております。そうしてしかもその草案等はいまだできておらないようでありまするけれども、保安庁の職員の実態から考えまして、出動の場合に給與その他についていかなる措置がとられるかということは、相当な重大関心事であろうと存じます。これらにつきましてはすみやかに成案を得られまして、現在の職員あるいはさらに将来保安庁の職員として希望される諸君、またりつぱな保安官、警備官等を送るための一般国民に対しましても、この出動の際の特別な措置がいかなるものであるかということを、至急に示されることが政府としては妥当の処置と考えるのでありまして、本法案第三十條にいうところの、出動の場合の特別措置につきましての法律案をすみやかに提出されんことを強く希望をいたしまして、本法案に賛成いたすものでございます。
#60
○田中委員長 平川篤雄君。
#61
○平川委員 改進党は保安庁法案に反対をいたしております。国内の警備上、ただいまの警察をもつてしては不十分であることは、われわれも十分に認めるのでありますが、しかしながら保安庁の性格自体については非常な疑義を持つておるのであります。われわれ日本の政治を担当いたしておりまするものは、やはり憲法はどこまでも守らなければならないのでありまして、憲法を改正する必要の生ずるまでは、いわゆる外国に対する防衛、こういう性格を持つたものはどこまでもこれは慎しむべきであり、差控えるべきが当然であると私どもは考えるのであります。現在の配備や装備やあるいは訓練というようなものを見ますと、どう考えましても、これは外国に対する防衛を意図しておることは明らかであつて、しばしば大橋国務大臣の言われるように、軍たる性格を現わしておると言わざるを得ないのであります。従いまして、われわれは保安庁の性格というものについて明らかにされるところがない以上は、これに反対をせざるを得なかつたのであります。これは詳しくはその方面に讓りたいと思います。ところが、かような保安庁の性格からいたしましてあいまいなものを、きわめて調子よく国民に知らせようとする態度が、この給與法案の中にも現れて来ておるのであります。いわゆる給與というものは、仕事の内容であるとか責任の大小であるとか、あるいは別してこの場合には生命の危險というようなものまでも計算に入れて、これは積み上げて行かなければならない性質のものであります。ところが現にやつております配備、訓練あるいは政府自体の説明の中にもそれがあるのでありますが、明らかに生命の危險を予想し得るような任務があるにもかかわらず、先ほど藤枝委員もおつしやつておりました出動手当などというものが、全然あとまわしになつておるのであります。しかもこれについては研究中であつて現在何にも案がないというようなことである。また江口政府委員は、その必要が生じていないのである、そういう必要が生じたときには考えるというようなことを言つておられるのであります。かようなことは私はごまかしにすぎないと思うのであります。この点は、常識的に考えましても、だれしも一番に考えることなのであります。これがなかつたら、保安庁の職員の給與というものはまつたく中心がないといつてもよろしいのであります。私は、これは保安庁自体の性格をぼやかそうとする考え方がここまで現れて来たように思うのであります。従いまして、最近の募集状態を考えてみると、これは一面においては十分であるというようなことを言つておりますが、実際、衛生の方面から考えましても、あるいは素質、思想というような方面から考えましても、私は、十分に国内の騒擾に身を挺して働くというような体力と精神力とを持つた人間を集めることができない程度のものになつておる点は、やはり給與の上から考えて見なければならない欠陷を現して来ておるように思うのであります。軍に給與の方面から考えましても、これはきわめて不十分と言いますよりか、骨抜きの、的はずれの給與法である、こういうふうに考えざるを得ないのであります。
 以上のような点におきまして、私どもは、根本的に保安庁の性格というものに疑義を持つのでありますので、この給與法案に対しましても反対せざるを得ないのでありまして、わが改進党は絶対に反対を表明するものであります。
#62
○田中委員長 松澤兼人君。
#63
○松澤委員 私は日本社会党の立場から、この法律案に対しましては反対の意思を表明いたしたいと思います。と申しますことは、すでに他の委員の方方からも言われましたように、この保安庁職員の給與法は保安庁法と密接不可分の関係があるのでありまして、私どもは現下の状況において、軍隊とも称すべき保安隊、警備隊というものの存在を認めるということは、憲法違反の疑いがあるという点を第一に指摘しなければならないと思うのであります。もしこれがその編成におきましても、あるいはまた動員におきましても、あるいはまた勤務の内容におきましても、あるいは保安庁法に掲げられております保安隊あるいは警備隊の目的といろものを考えてみまするならば、どんなにこれを割引して考えてみても、やはり軍隊であるというふうに言わなければならないのであります。もしそういうものであるとするならば、前提として憲法を改正してからかかる軍隊的な組織というものを考えるべきであつて、いわゆる自衛力の漸増主義というものによりまして、われわれの知らないうちに軍隊あるいは軍隊的な部隊というものができ上りつつあるということは、これはまことに国民の立場から意外に思うことでもあり、賛成しかねる点であります。
 もちろん私どもは、かかる治安の維持のために率先して働かれる個々の隊員につきましては、その労苦に対して十分報いところがなければならないと思います。けれども、それは根本的にこの部隊というものがいかなるものであるかということを断定してからでなければ、その個々の隊員の給與あるいはその他の勤務條件というものを判断することはできないと思います。法案の審議の中に現われました主要な問題としましても、たとえばこの部隊の基本的な理念はどういうものであるかということにつきましても、はつきりとした答弁を得ることができなかつたのであります。かつまた法律の全般にわたりまして、保安庁法案は非常に政令にゆだねている点が多いのであります。こういうまかり間違えば憲法違反にもなかもしれない、あるいはなつているかもしれないという、国民が非常に疑惑を持つている法律あるいは法律案につきまして、さらに政令にゆだねる部分が非常に多いということは、将来のこの部隊の運営について、私たちは非常に心配をするのであります。先ほど自由党を代表いたしまして藤枝君が申されましたように、出動の場合の手続などにつきましても、はつきりとしたものがない、こういう状態であつて、どんなに隊員個々の人々に対しましては敬意を拂うにいたしましても、この給與法全体に対して賛成を表するわけには行かないのであります。もしもほんとうに保安庁の幹部の人たちが待遇をよくしてやるということであるならば、何よりも先に現在日陰者のような状態にあるこれらの隊員に、正々堂々と大道を闊歩することのできる地位、そういう性格を與えてやることが、一番親切なやり方であると考えるのであります。
 給與法個々の問題につきましては、私は帶には短かくたすきに長いという感じを持つのであります。多少は一般職員よりは優遇されておるかもしれないけれども、しかし出動の場合における給與や手当の問題については、何らここに規定されておらない。あるいはまた実際に死傷を受けた場合に、どの程度の優遇を受けるのか。あるいはまた将来やめた場合における恩給の状態等、幾多まだ議論すれば議論する余地のある問題がたくさんあるのであります。従いまして、こういう生命の危險までかけて勤務しなければならない個々の隊員の人たちの立場から考えてみると、一般の公務員よりは多少優遇されたといつても、おそらく実際の場合における出動力あるいは機動力というものが、この程度の給與の状態であるならば、真に死を顧みないで働けるだけの確信は持ち得ないのじやないか。物質的な保障が十分できておらない限り、十分にその効果を期待することができないのではないかという点を考慮いたしまして、私どもはこの給與法に賛成するわけに行かないのであります。
 以上私どもの反対の理由を申し上げました。
#64
○田中委員長 これにて討論は終局いたしました。
 採決いたします。本法案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#65
○田中委員長 起立多数。よつて本法案は原案の通り可決すべきものと決しました。
 この際本法案に関する委員会の報告書作成の件についてお諮りいたしますが、これは先例によりまして委員長に御一任願つておきたいと思いますが、これに御異議はありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#66
○田中委員長 御異議なしと認めます。よつてさように決定いたしました。
 本日はこの程度にとどめ、次会は公報をもつてお知らせすることといたします。
 本日はこれにて散会いたします。
    午後零時五十六分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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