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1951/05/14 第13回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第013回国会 厚生委員会 第28号
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1951/05/14 第13回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第013回国会 厚生委員会 第28号

#1
第013回国会 厚生委員会 第28号
昭和二十七年五月十四日(水曜日)
    午前十一時五分開議
 出席委員
   委員長大石  武一君
   理事 青柳 一郎君 理事 丸山 直友君
   理事 亘  四郎君 理事 金子與重郎君
   理事 岡  良一君
      新井 京太君    堀川 恭平君
      松井 豊吉君    松谷天光光君
      堤 ツルヨ君    苅田アサノ君
      寺崎  覺君
 出席国務大臣
        厚 生 大 臣 吉武 惠市君
 出席政府委員
        厚生政務次官  松野 頼三君
        厚生事務官
        (医務局次長) 高田 浩運君
        厚生事務官
        (薬務局長)  慶松 一郎君
        厚生事務官
        (社会局長)  安田  巖君
        厚 生 技 官
        (公衆衛生局環
        境衛生部長)  楠本 正康君
        厚 生 技 官
        (医務局長)  阿部 敏雄君
 委員外の出席者
        専  門  員 川井 章知君
        専  門  員 引地亮太郎君
        専  門  員 山本 正世君
    ―――――――――――――
四月二十六日
 委員金子與重郎君辞任につき、その補欠として
 坂口主税君が議長の指名で委員に選任された。
五月十四日
 委員坂口主税君辞任につき、その補欠として金
 子與重郎君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 金子與重郎君及び岡良一君が委員長の指名で理
 事に補欠選任された。
    ―――――――――――――
五月十日
 外国軍用艦船等に関する検疫法特例案(内閣提
 出第二〇四号)
同日十二日
 麻薬取締法及び大麻取締法の一部を改正する法
 律案(内閣提出第九一号)(参議院送付)
同月一日
 伊豆半島及び伊豆七島一帯の区域を海洋国立公
 園に指定の請願(畠山鶴吉君紹介)(第二四四
 二号)
 未帰還者留守家族の国家補償強化に関する請願
 (安部俊吾君紹介)(第二四四三号)
 生活保護法による生活扶助料引上げに関する請
 願(苫米地英俊君紹介)(第二四四四号)
 国立小浜温泉療養所の存置に関する請願(坪内
 八郎君紹介)(第二四四五号)
 戰傷病者戦没者遺族等援護法案中に船員を加入
 の請願(小林進君紹介)(第二四七七号)
 戰傷病者戦没者遺族等援護法案の適用範囲擴大
 等に関する請願(千葉三郎君紹介)(第二四七
 八号)
同月七日
 同和事業推進に関する請願(犬養健君外六名紹
 介)(第二五三三号)
 あんま、はり、きゆう及び柔道整復師の免許制
 度存続等の請願(大石ヨシエ君紹介)(第二五
 四〇号)
 同(倉石忠雄君紹介)(第二五八二号)
 遺族等援護強化に関する請願(星島二郎君外六
 名紹介)(第二五四一号)
 戰傷病者戦没者遺族等援護法案中に船員を加入
 の請願(高木章君紹介)(第二五四二号)
 未帰還者留守家族の国家補償強化等に関する請
 願(川崎秀二君紹介)(第二五四三号)
 診療エックス線技師法の一部改正に関する請願
 (丸山直友君紹介)(第二五八一号)
 国立療養所の地方移管反対に関する請願(堀川
 恭平君紹介)(第二五八四号)
 結核予防法による補助費増額の請願(堀川恭平
 君紹介)(第二五八五号)
 生活保護法による生活扶助料引上げに関する請
 願(堀川恭平君紹介)(第二五八六号)
 健康保険療養給付期間延長に関する請願(堀川
 恭平君紹介)(第二五八七号)
 医療従業員の増員に関する請願(堀川恭平君紹
 介)(第二五八八号)
 国立療養所における給食費増額の請願(堀川恭
 平君紹介)(第二五八九号)
 アフター・ケア施設確立に関する請願(堀川恭
 平君紹介)(第二五九〇号)
 理容師及び美容師の免許制度廃止反対に関す請
 願(高橋等君紹介)(第二六一四号)
同月十三日
 理容師美容師法の一部改正等に関する請願(金
 子與重郎君紹介)(第二六二七号)
 社会福祉事務費国庫補助に関する請願(川崎秀
 二君紹介)(第二六四四号)
 江差町に上水道敷地の請願(冨永格五郎君紹
 介)(第二六五二号)
 母子福祉法制定の請願(圓谷光衞君紹介)(第
 二六六八号)
 同(小川半次君紹介)(第二六六九号)
 同(三池信君紹介)(第二六八三号)
 同(田中伊三次君紹介)(第二六八四号)
 栄養改善法制定に関する請願(岡良一君紹介)
 (第二六八五号)
 同(苅田アサノ君紹介)(第二六八六号)
 同(丸山直友君紹介)(第二七一三号)
 社会保険及び生活保護法医療扶助の診療制限撤
 廃に関する請願(苅田アサノ君紹介)(第二六
 八七号)
 嚴原港に検疫所設置に関する請願(岡西明貞君
 紹介)(第二七一八号)
の審査を本委員会に付託された。
四月二十八日
 戦争犠牲者に対する援護策に関する陳情書(茨
 城県知事友末洋治外二十六名)(第一五五二
 号)
 看護婦の現行甲種国家試験制度存続に関する陳
 情書(鳥取大学医学部附属病院看護婦代表森山
 とみ子外九十三名)(第一五五三号)
五月七日
 国民健康保険に対する国庫補助金の増額に関す
 る陳情書(茨城県議会議長宇田川源次郎)(第
 一六四三号)
 療術師法制定反対に関する陳情書(長野県鍼灸
 按マッサージ師会会長田中銀一)(第一六四四
 号)
 戦争犠牲者に対する援護策に関する陳情書(愛
 知県碧海郡上郷村大字桝塚野田鍬一郎)(第一
 六四五号)
 戦没船員の遺族援護に関する陳情書(全日本海
 員組合下関支部長木下藤吉)(第一六四六号)
 国立豊橋病院存置に関する陳情書(国立豊橋病
 院後援会長近藤壽市郎外二名)(第一六四七
 号)
 復員途中の事故死を戦死としての取扱に関する
 陳情書(愛知県議会議長立川明)(第一六四八
 号)
同月十二日
 療術師法制定反対に関する陳情書(社団法人神
 奈川県鐵灸按摩マツサージ師会会長柏木文治)
 (第一七四〇号)
 母子福祉法制定促進に関する陳情書(広島県兒
 童福祉審議会委員長石橋脩三)(第一七四一
 号)
 診療單価並びに入院点数引上げに関する陳情書
 (岐阜県病院協会理事長久米直助)(第一七四
 二号)
 国立病院の地方移管反対に関する陳情書(三重
 県議会議長濱田正平)(第一七四三号)
 海外引揚者に対する国家補償に関する陳情書(
 福井県議会議長杉山孝二)(第一七四四号)
 遺族補償に関する陳情書(山口県遺族連盟管内
 各市町村遺族会役員大会議長吉富幸助)(第一
 七四五号)
 元満州開拓青年義勇隊員に戰傷病者戰没者遺族
 等援護法適用の陳情書(愛媛県庁内愛媛県開拓
 自興会長村上良太郎外二名)(第一七四六号)
 未帰還者及び留守家族国家補償に関する陳情書
 (鹿兒島県議会議長米山恒治)(第一七四七
 号)
を本委員会に送付した。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 理事の互選
 小委員及び小委員長の選任
 外国軍用艦船等に関する検疫法特例案(内閣提
 出第二〇四号)
 麻薬取締法及び大麻取締法の一部を改正する法
 律案(内閣提出第九一号)(参議院送付)
 国立病院地方移讓に関する件
 公衆衛生に関する件
    ――――――――――――― ○大石委員長 これより会議を開きます。
 まず理事及び小委員の補欠選任を行います。去る四月二十五日に岡良一君、四月二十六日に金子與重郎君が委員を辞任されたのに伴いまして、現在理事並びに小委員に欠員を生じておりますが、両君は現在再び委員に選任されましたので、辞任される以前になつておられた職、すなわち、金子委員は理事、人口問題に関する小委員、戦争犠牲者補償に関する小委員、国民健康保険に関する小委員、医療体系に関する小委員に、岡委員を理事、戰争犠牲者補償に関する小委員、国民健康保険に関する小委員、医療体系に関する小委員に、それぞれ補欠選任することに御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#2
○大石委員長 御異議なしと認め、そのように決します。
#3
○大石委員長 次に小委員会設置の件並びに小委員、小委員長選任の件についてお諮りいたします。堀川委員より、観光日本において重要なるポストを占める国立公園問題の調査のため小委員会を設置されたいとのお申出がありましたので、先般の理事会においても御協議願つたのでありますが、小委会十名よりなる国立公園に関する小委員会を設置することとし、小委員及び小委員長の選任に関しましては、委員長より指名することに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○大石委員長 御異議なしと認め、国立公園に関する小委員会を設置することとし、小委員には
   青柳 一郎君 大石 武一君
   堀川 恭平君 丸山 直友君
   亘 四郎君  金子 與重郎君
   松谷天光光君 岡良一君
   苅田アサノ君 福田 昌子君
 小委員長に堀川恭平君を指名いたします。
    ―――――――――――――
#5
○大石委員長 次に麻薬取締法及び大麻取締法の一部を改正する法律案を議題とし、審査に入ります。まず松野政務次官より趣旨の説明を聴取いたします。
#6
○松野(頼)政府委員 ただいま議題となりました麻薬取締法及び大麻取締法の一部を改正する法律案について、提案の理由を御説明いたします。
 現行の麻薬取締法におきましては、国民の医療上簡単に使用できる家庭麻薬の生産が、一般麻薬の生産とまつたく同様の強い規制を受けておりますため、はなはだしい不便をこうむつておる状況でありますので、新たに家庭麻薬に関する業種を増加し、その販売手続きを簡略にして、国民の利便をはかる必要があります。これが麻薬取締法の改正の第一点でございます。
 次に、近い将来において麻薬保有量の不足等の事態も予想され、当然麻薬の輸入が行われることとなりますが、この麻薬の輸入の手続について、十分な規定を設ける必要があります。これが改正の第二点でございます。
 また、近時麻薬に関する違反事犯の増加している状況にかんがみ、営利あるいは常習の目的でなす事犯については特に刑罰の加重をいたしまして、麻薬事犯の撲滅をはかり、国際的信用を得ると同時に、取締り面の完璧を期する必要があります。これが改正の第三点でございます。
 次に、大麻取締法につきましては、大麻取扱者の報告を緩和いたしまして、大麻の増産をはかりたいと存じ、このために必要な改正を行おうとするものでございます。
 以上改正の大要を御説明申し上げたのでありますが、何とぞ慎重御審議の上すみやかに可決せられんことを切望いたします。
    ―――――――――――――
#7
○大石委員長 次に、外国軍用艦船等に関する検疫法特例案を議題とし、審査に入ります。松野政務次官より趣旨の説明を聴取いたします。
#8
○松野(頼)政府委員 ただいま議題となりました外国軍用艦船等に関する検疫法特例案につきまして、提案の理由を説明いたします。
 外国から来航する軍用艦船並びに軍用航空機の検疫は、終戦時までは海港検疫法附則第十三條及び航空検疫規則第二十二條の規定によりそれぞれ実施されて来たのでありますが、終戰後はこれらの法令の施行は事実上停止せしめられ、これにかわり連合軍総司令部より回章が出され、それに基いて所轄の軍機関がこれを実施して来たのであります。昨年海港検疫法等にかわる現行検疫法が制定されるにあたり、外国軍用艦船、軍用航空機の検疫については、以上のような実情から、検疫法第二十二條において別に法律で定めることといたしたのでありますが、諸外国と通常の国際関係を回復するに至りました今日、これら諸外国の軍用艦船、軍用航空機に対する検疫につきましても、当然自主的に行い得ることになりましたので、ここにこれらの艦船、航空機に対する検疫法特例案を提出いたした次第であります。
 次にこの特例案の内容といたしましては、外国の軍用艦船等の検疫につきましては、国際慣習を尊重し、国内防疫体系に間隙を生じない範囲において、一般船舶に比し、なるべく簡略な取扱いをする必要がありますので、次のような措置を講ずるようにいたしたのであります。すなわち、第一に、軍用艦船及び軍用航空機は、現行検疫法に規定する検疫港及び検疫飛行場以外の港または飛行場にも入ることができ、また入港した港または飛行場において検疫を受けられるようにいたしたことであります。
 第二は、軍用艦船及び軍用航空機に対する診察、検査、隔離、停留等の検疫措置をとる場合には、その長と協議の上行うようにいたしたことであります。
 第三に、診察、検査の結果、検疫伝染病患者を隔離する必要が生じた場合におきまして、その軍用艦船等に隔離施設がある場合は、それに収容して行わせることができるようにいたしたことであります。
 以上がこの特例案の骨子でありますが、その他検疫法の規定のうちで軍用艦船等の検疫についてそのまま適用することが妥当でないものが若干ありますので、それらの規定は適用しないことの規定を設けております。
 以上が本特例案の提案理由説明でありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに可決されますようお願いいたします。
#9
○大石委員長 ただいま趣旨の説明を聴取した両案を一括して質疑に入りますが、御質疑はございませんか。
#10
○松谷委員 簡單なことでございますが、外国軍用艦船等に関する検疫法特例案につきまして、ちよつとお尋ねしておきたいのであります。これはただいまの提案理由の御説明の中に、現行検疫法に規定する検疫港あるいは飛行場人外の港や飛行場で検疫を受けることができる、こういうふうな御説明がございましたが、この検疫法による以外の港という場合には、やはり何らかの基準がございますのでしようか、それとも全然そうした基準なしに、いかなる港においても検疫を受けることができるというふうな解釈でございましようか。
#11
○楠本政府委員 お答えいたします。一般船舶は、現在海港として指定された港以外は、入ることはできません。ところが、軍用艦船につきましては、国際慣例上、その行動を制限しないという趣旨から、いかなる港にも入り得ることに相なつております。従つて別に基準その他はなく、先方の都合によつて港へ入ることに相なります。
#12
○松谷委員 そういたしますと、検疫の場合、具体的なそういう事務的と申しましようか、そういう検疫をいたします責任、あるいはその事務的な処理とか、そういうものは、一体どこの責任ということになるのでありましようか。たとえば、現行検疫法で指定してございます出張所、現場に最も近いところの出張所の責任になるのか、あるいはまた特定の他の場所を艦船が指定して受けることができるのか、そういう事務的な処置はどういうふうになるのでありましようか。
#13
○楠本政府委員 その場合、責任は日本の検疫所長が責任を負つて事務を遂行いたします。ただ検疫港以外の場所に入りました場合には、もよりの検疫所から出張して、出張検疫を行つてその責任を果すことに相なつております。
#14
○松谷委員 その場合に、もよりの出張所が出張してというお話でございますが、現在の出張所に対するところの定員あるいはその他の設備というもので、それをなし得るとお考えでございましようか。
#15
○楠本政府委員 外国軍用艦船が日本内地の港に入ります場合は、きわめてまれな事態でありまして、そうしばしば入つて参りません。従いまして、大体現在の人員等において、できる見込みであります。
#16
○松谷委員 ただいままでございます検疫出張所というものは、非常に制限されておりますが、今後のことを考え合せまして出張所を増加なさるというような御計画はございませんか。
#17
○楠本政府委員 現在全国には、国内に二十四箇所の検疫所並びにその支所等がございます。ところが一方この日本の海港は五十八箇所ございます。従いまして、その間に相当な開きがございますので、現在の状況におきましては、将来の船の運航状況あるいは貿易関係等を十分にらみ合せまして、最小限の増設並びに現在の検疫所の配置がえ等をいたしまとて、実施をいたしたいと思います。しかしながら欲を申しますれば、五十八の海港には、すべて検疫所の設置が望ましいのでありますが、これは国家財政の現状からも、きわめて困難であります。従いまして、現在は最小限の増設と必要なる配置がえによつて対処いたしたいと考えております。
#18
○松谷委員 それからあわせて伺いたいのですが、参考資料としてちようだいいたしましたプリントの中の第二の港則法に指定する港名とございまして、五十六箇所指定してございます。私ども専門外でございまして、港則法というものを十分まだ存じませんが、この港則法による指定を受けたものは、一体どういうような特典と申しますか、性格を持つものでございましようか。それから、この検疫と港則法による指定の港との関運を伺つておきたいと思います。
#19
○楠本政府委員 港則法の方は、現在三千あまりございますが、しかしこれは検疫とはまつたく関係がありません。そのうちから特に必要なものを選んで五十八箇所を指定してあるのでございます。
#20
○松谷委員 ただいまの御説明では、まだちよつと納得しかねるのでございますが、もう少し詳しく御説明いただきたいと思います。その五十六箇所を特に三千の中から御指定になつた、それには私は、他の残つた場所とは違つた特性を何か持たれていると、常識上解釈するのでございますが、ことにこの検疫法の改正の資料としてここにお出しいただいたのですから、何かそこに関運があるような気がするのでありますが、いかがでしようか。
#21
○楠本政府委員 現在港則法で選んでありますのは、運輸省がおそらく船舶運行の安全等のためから選んだことと存じますが、その詳しい点につきましては存じないのであります。ただわれわれといたしましては、運輸省が指定してあります五十八箇所の開港場がありますから、そのうちからさらに船舶の運行等を考えまして、最も適当と思われる二十四箇所を選んで、検疫所並びにその支所を設けておる次第でございます。
#22
○松谷委員 どうも伺いたいお答えがいただけないのでありますが、五十六箇所を特に参考資料としてここにちようだいできたのはこれはおそらく厚生省が参考資料としてお出しくだすつたのではないでしようか。ここにございます五十六箇所というのは、ただいまお話のような三千の中から運輸省が特に開港場として五十八箇所を指定してあるから、そのうちから二十四箇所を厚生省としては指定されたのであつてというお話の、五十八箇所の開港場に相当するものなのでございましようか。
#23
○楠本政府委員 五十六箇所と書いてありますのは、資料が若干古いのだそうでありまして最近また二つ増設されまして現在の開港場は五十八箇所だそうでございます。なお現在関税法によつて、港則法のうちから五十八箇所が指定してあるのだそうでございます。
#24
○松谷委員 了承いたしましたが、先ほどの御説明の中にもございましたように、検疫所は、理想といたしましては、五十八箇所全部に置いていただきたいのが、やはりそれを使用する場合、あるいはその他から考えました理想だと考えるのでありますが五十八箇所を一時に増設することができませんでも、少くとも検疫所を一刻も早く、一箇所でも多く設置するという方針に、厚生省は特にお働きいただきたいと、これは希望をいたしておきます。厚生省の見通しとして、増設ができますのは、いつごろの御予定でありましようか。本年度においては、全然不可能という状態でございましようか。
#25
○楠本政府委員 先ほどもお答え申し上げましたように、五十八箇所の開港場に、すべて検疫所のあることが最も望ましいのでありまして、まつたく御意見の通りだと存じます。しかしながら国家財政の現状もありまして、急には参りませんので、とりあえずは最小限の増設をいたして行きたいということを申し上げたわけであります。
 なお、今後日本の独自の立場で貿易も始まりますので、船舶の運行等も十分考えまして、場合によりましたら配置転換等によりまして、目的を達せられるところもあると思います。しかしながら、それはさしあたつての場合でございまして、将来はおつしやるように、われわれといたしましても、すべての開港場に検疫所が設置せられるように努力するつもりでございます。
 なお本年度におきましては、現在のところ、予算におきましては新しい検疫所をつくることは考えておりません。
#26
○大石委員長 他に御質疑はありませんか。―なければ残余の質疑は明日に譲ります。
#27
○大石委員長 次に、集団赤痢発生問題について、苅田委員より発言を求められておりますので、これを許します。苅田君。
#28
○苅田委員 先般、委員長のごあつせんによりまして、神戸の中重工に発生いたしました集団赤痢を視察して参つたのでありますが、これに関連いたしまして、二、三質問をいたしたいと思います。
 まず、この赤痢の発生径路等につきまして、私の視察当時には、まだ関係方面の間に十分な結論が出ていなかつたのでありますが、その後、この問題について一応の結論が出ているように聞いておりますので、その問題につきまして、厚生当局から御説明を願いたいと思います。
#29
○楠本政府委員 お答え申し上げます。神戸の赤痢集団発生問題につきましては、その後、厚生当局、県当局並びに中重工の関係者及び神戸市の当局が寄りまして、いろいろ材料を集めて研究をいたしました。しかしながら、現段階におきましては、いまだ最後的な決定には至つておりませんが、ただ現在までに判明いたしましたおおむねの結果といたしましては、原因は書食に用いられましたサラダによつて発生を見たものと考えられております。ただ、そのサラダがいかなる系統によつて汚染されたかというような点につきましては、目下さらに追究を進めておる次第でございます。
#30
○苅田委員 ただいま当局から御説明になりました原因につきましては、私が視察当時に、厚生省の金光技官並びに公衆衛生院の重松氏等から聞きました話とは、少し違うと思うのでありますが、しかし大体その結論がサラダということに決定したということであります。そうすれば、そのサラダは、全部外から調理して持込まれたものであるか、それともこの調理は工場内でなすつたのであるか、そういうことについて御説明願いたいと思います。
#31
○楠本政府委員 そのサラダは、工場内で調理されたものであ参ります。ただ、お答えいたしておきたいことは、目下の現状におきましては、大体サラダではなかろうかという結論でありまして、サラダということが、科学的にいまだ確固たる断定の域には達しておらぬのであります。
#32
○苅田委員 サラダによつてそういう一万人の工場に、最終の報告では二千八百名ぐらいの患者並びに保菌者を出している。そういう状態になるまでには、よほどこれは濃厚な感染が広汎に行われたのでなければ、そういう状態にはならないのであります。この問題について、ただサラダだというだけでなく、そのサラダにそれほどたくさんの黴菌がつくに至つたにつきまして、調理上に何かよろしくない点があつたというようなことが当然考えられるのでありますが、その点につきましては、どういうふうな究明をされておりますか、この点をお聞きしたいと思います。
#33
○楠本政府委員 同様な材料によりまして、あらゆる角度から御承知のように研究を進めておりますが、いまだ最後的な科学的な結論を得ておりません。その点につきましてははなはだ残念でございますが、今ここではつきりお答えをすることはできないのであります。目下なお一生懸命に現地におきましては研究を進めております。
#34
○苅田委員 神戸中重工では、自家給水をいたしておりまして、飲用水にも同様に、水道でなくて自分の工場でもつて濾過した水を使つておるようであります。こういうことは防疫上、特にああした多数の人たちが集まつている工場といたしまして、厚生当局の監督等におきましても、これはやはり問題があるのではないかと思いますが、この自家給水の点につきまして、厚生当局としましては、どういう見解をとつておいでになりますか、この点をお聞きしたいと思います。
#35
○楠本政府委員 御指摘のように、工場等の自家給水につきましては、監督が十分でありませんために、場合によりますと、いろいろな問題を起こした事例もございます。従いまして、かような点につきましては、十分地方の当局を激励いたしまして、あやまちないように監督いたしております。従いまして、最近は自家給水、簡易水道的なものから問題を惹起したことは、きわめて少くなつて参つております。
 次に今度の中重工の集団発生を見ますと、これは現在までのあらゆる検査、あるいは研究の結果からは、自家給水が原因であるということは申されません。
#36
○苅田委員 中重工におきましては、食堂つまり調理場とすぐ隣合せに便所があるのであります。ところが本館の便所等は水洗式になつてかなり衛生的になつておるのでありますが、かんじんの調理場に附属いたしまして、調理人の始終出入りしております便所が、そういう設備がないだけでなくて、これは非常に古い不潔な建物であつたことを視察して参つたのであります。厚生省の公衆衛生院から派遣されておつた疫学研究の重松技官の発言を聞きましても、当時の状態では手洗いの水道等もおそらく出ていないので、調理人は台所で手を洗つていたのではないかと思われる形跡もあるというような話もあるのでありますが、労働基準法等におきまして、こういうふうな点が、現行法では不十分だと思うのでありますが、こういう点につきまして、監督衛生の方面を担当しておられる責任者といたしまして、どういうふうにお考えになりますか、その点について御答弁願います。
#37
○楠本政府委員 現在まで研究調査いたしました結果によりますと、ただいま御指摘の点は、今回の集団発生には関係ございません。しかしながら、御指摘のように工場の施設その他をもつとよりよく改善いたしますことにつきましては、まつたく同感であります。従いまして、かような点につきましては、今後もできるだけ労働省ともよく連絡をとりまして、工場のこれらの施設の改善に努力をいたしたいと考えております。
    ―――――――――――――
#38
○大石委員長 次に国立病院地方移讓の件に移ります。本件は、当委員会において再三検討されて参りました重要問題でありますので、委員長より二、・三質問させていただきたいと存じます。
 立地的條件に恵まれず、改築を要する箇所の多い国立病院を、僅少な化粧料をつけるだけで受入れ態勢が十分できていない地方公共団骨等に移譲すれば、地方財政は急激に増大し、その負担に耐えられないものは、病院の経営をあげて病院収入によれざるを得なくなり、医療内容は低下し、患者の医療費は増大し、適正医療機関としての存在使命を喪失するおそれが出て参ります。従つて、この際厚生大臣に対し、特に左の二点についてお伺いいたしておきたいと存じます。
 第一は、国立病院特別会計所属の資産の譲渡等に関する特別措置法案が国会を通過した場合、法律の施行にあたつて、国立病院を地方公共団体等に強制的に移譲するようなことはなさらないかどうか。
 第二は、予定通り国立病院の移讓ができないものに対しては、適当な予算措置により、国立病院として経営を継続されるかどうかということでございます。何とぞ明快な御答弁をお願いいたします。
#39
○吉武国務大臣 第一の点は、強制をするかしないかというお尋ねでございます。これは本委員会でも、かつて私申し上げたかと思いますが、決して私は強制するつもりはございません、話合いの上で行くつもりでおります。
 従つて第二の御質問のように、もし万一予定のように行かなかつたときはどうするかということでございますが、これも私は本委員会で申し上げましたか、参議院の予算委員会で申し上げましたか―もちろんそういうときには予算的措置が必要である、措置をしなければならないということをお答えしたのでありまして、本委員会におききましても、さように申し上げておきます。
#40
○金子委員 補足して……。ただいま委員長からの質問に対して、大臣は、この特別措置法が通つても、強引に移譲に持つて行くというようなことはしないということと、移譲できないものに対しては、予算的措置を講じて国立病院としての経営を継続するということの二点は、明確な御答弁がございましたのですが、それに関連しまして簡単に二つの問題を質問したいのであります。あの拂下げの対象は、公立病院ということになつておりますが、地方におきますと、その他のいわゆる市町村自治体またはそれに準ずると申しますと、公立病院という立場から参りますと、保健病院というようなものも入つておるのでありますが、その他の病院体系のものに譲渡するようなことがあるのか、そういうことが将来考えられるのか、そういうことは絶対ないのか、その点を一点お伺いしておきたいと思います。
#41
○吉武国務大臣 ただいま国立病院の移管を企図いたしておりますのは、一般の公共の用に供する病院として地方庁に移譲するつもりでございます。しかし将来どういうふうになりますか、今ここで申し上げかねるのでありますけれども、今移譲しようと考えておりますのは、一般の用に供するための移管であります。
#42
○金子委員 それによつて大体の公立病院ということを原則としてやるということに対しては将来―ということは、これは長いことになりますと、どういう形態に世の中がかわるかわかりませんから、だれにも保証し得ないのでありますが―今度の国立病院を譲り渡す対象としてはならないということは、はつきり言えるのですか。
#43
○吉武国務大臣 もちろんそういうつもりでやつております。
#44
○金子委員 その次に、これは地方自治団体に移譲ということになつて、また一面から言うと、現在の国立病院を、たとえば国立の大学附属病院とか、逓信病院とか、警察予備隊の病院とか、ないしは鉄道病院、専売公社の病院、印刷庁の病院あるいは造兵庁の病院、宮内庁病院というふうな、特殊な国の開設する病院、直接なり間接なり国がやつております病院がたくさんあるわけでありますが、こういうものに移管するということがあり得るかどうかということをお尋ねいたします。
#45
○吉武国務大臣 ただいま申し上げましたように、この病院はできるだけ一般の公共の用に供するつもりでございます。従つて、その経営主体については、原則としては自治体に譲るつもりでおります。それから、民間に譲るつもりはございませんが、しかし、この経営主体については、必ずしも府県、市町村だけに限るかどうか、あるいは他に公共的なもので経営するものがあれば、実情に応じて讓つてもいいのではないか、かように存じております。しかし、そういう予定は、今のところ出ておりませんけれども、市町村と府県だけ限るというふうにきゆうくつにしなくてもよくはないか、一般の公共の用に供する病院であり、しかもその経営主体が公共的なものであればいいのではなかろうかと、かように存じております。
#46
○金子委員 公共的という見解には、非常に解釈の仕方があるのでありまして、現在でも、公共的な性格を持つておりながら、実際の患者内容というものは、特定の人たちが入つているような病院がたくさんあるのであります。そこで、ここで大臣にお約束願えれば非常にけつこうでありますが、現在の法律がそうでありますから、その現在の地方自治体あるいは保険病院のような、名実ともに公共機関に譲り渡す場合はそれでよろしいのでありますが、それ以外のものに渡す場合には、あらためて本委員会にその問題をかけまして、その後にその処置をとつていただきたいということを、この際約束願いたいと思いますが、いかがですか。
#47
○吉武国務大臣 行政の執行について、一々委員会の決定ということは約束できませんが、皆様方と相談をしてやるということは運営の円滑を期するためにいいじやないかと私は思つております。ただ決議にかけられて、行政の執行をやられることは、これは立法府と行政府の関係において私はお約束することはちよつとできない。御相談をすることはできると思います。
#48
○金子委員 ただいまのあなたのお話ですが、私もそれほど非常識な質問をしているのではありませんで、現在の法律の範囲として、こういうふうにするということであるから、そのままおやりになるならばよろしい、あえて行政的な処置に対して、われわれが容嫁するものではない。しかし、それを法律に書いてある公立的な病院としての以外のものに、これを譲り渡す場合ということを、私は申し上げておるのであります。要するに公立病院ということがはつきりうたつてあるのですから……。
#49
○吉武国務大臣 法律に反したことはできませんから、もちろん、それは法律をかえない限りはできないことは仰せの通りでございます。ただ公共的なものの範囲は、先ほど申しましたように、私どもはできるだけ府県か市町村が適当だと思つておりますけれども、必ずしも府県、市町村に厳格に限らないでも、地方の実情で、公共的な団体でおやりになり、しかもそれが一般の公衆の用に供せられるものであるならば、移譲してもいいのではないか、こういうつもりであります。
#50
○金子委員 最後に繰返して申しますが、それでは、私はただいま、具体的に病院の名をあげて申し上げたのですが、これらのものに対して拂下げの意思がありますか、どうですか。
#51
○高田(浩)政府委員 具体的にお話のありました、たとえば鉄道病院とかあるいは逓信病院とか、そういうところに対しては、この法律でもちろん予定しておりませんし、もしそういうところに移譲するということになれば、これは別個に予算措置を要する問題でありますので、当然これは国会にかかります。私どもの気持として嫁、そういう特殊な人たちの利用に供せられることを本旨とする病院として移譲するというつもりはございません。ただ医育機関の附属病院につきましては、一般の病院との性質の違いはございますけれども、一般のものの利用に供せられる点においては大同小異でございますので、場合によつては、そういうことも考えられるかもしれませんが、これもきわめて例外的な場合として考えられる、かように考えております。
#52
○苅田委員 今金子委員が質問されました点につきまして私ももう一点だけ明らかにしたいのですが、今さしあたつて地方自治団体以外に譲渡してもよいとお考えになつております病院は、具体的にはどういうのが考えられておるかということを、お伺いしたいと思います。
#53
○高田(浩)政府委員 法律によりまして、地方公共団体、それから公的医療機関の設置者、従つてそれに限られるわけでございます。しかし、もちろんその間に、先ほど来こちらから申し上げておりますように、ウエートの差は非常に違つておるということを御承知願います。
#54
○苅田委員 その公的医療機関というものは、たくさんあるわけじやないのですから、その医療機関というのは、どの範囲かということを、名前をひとつ聞かせていただきたい。
#55
○高田(浩)政府委員 これは医療法の三十一條によつて指定せられておりまして、現在日本赤十字社、済生会、国民健康保険組合及びその連合会、農業協同組合の府県単位の連合会、地方公共団体の組合、そういつたものが指定されております。
#56
○苅田委員 地方公共団体組合ですか。
#57
○高田(浩)政府委員 市町村組合と呼んでおります。
#58
○苅田委員 そうしますと、地方自治体ですね。府県とか市とか、あるいは市町村連合会とか、そういうところに譲り渡しになる場合は、こうした公共団体は、公共的なものではありますが、公立病院とはいえないと思います。こういうところに渡される場合と、どういう点が違つて来るかということにつきまして、御説明願いたいと思います。
#59
○高田(浩)政府委員 第一に、譲り渡すときの気持と申しますか、大体の考、え方として、府県等であれば、これは無條件にとつてもらうというつもりでありますが、今申し上げましたような団体でありますれば、そういつた地方公共団体においてどうしても受けないような場合であつて、しかもそういう特殊な団体において、これなら確実に従来の機能を損傷せずにやつて行けるという見通しを十分つけた上で、特殊な場合にこれを渡す、そういう気持でやつて行きたい、これが第一点であります。
 それから実際の手続上の問題でございますが、地方公共団体でありますと、これはいわゆる地方債によつて処理することができますし、しかも地方債につきましては、その内容は政令にゆだねられておりますけれども、今のところの考えとしましては、三年すえ置きの十五年年賦ということに考えておりますし、片一方のそれ以外のものにつきましては、地方債といつたような起債の手がききませんので、分割拂いのかつこうになるわけでございます。すなわち年賦拂いになるわけでございます。しかも、その年賦は十年以内にするということにしたいと思います。
#60
○大石委員長 厚生大臣は次の委員会に呼ばれておりますので、もし何か至急厚生大臣に御質問があれば、それを先に済ませていただきたいと思います。
#61
○苅田委員 それでは対象の問題はあとにいたしまして、ただいま厚生大臣は、地方の移譲は強制しないということを言明なさいましたので、それは了承しましたが、従来厚生省の意気込みが非常に強かつたせいか、とにかく受入れ側の方では、厚生省からこれは押しつけられるという感じを誤解であるかもしれませんが、非常に持つておりましたので、この法律を公布されてそうしていよいよ手続きを済ます時にはこの委員会で厚生大臣がおつしやいました、決してこれは強制するものではないのだ、あくまで地方の実情に即して可否は決定してよろしいのだということを、一緒に通達していただきたい。それが一番よく私は厚生省の方針を徹底させるものだと思いますので、このことを厚生当局に要求したいと思うのでありますが、いかがでしようか。
#62
○吉武国務大臣 強制するかしないかは、私のところでやるのでありますから、自分のところに自分が通知をする必要はございません。ここに医務局長がちやんとおりまして、医務局長が私の配下でこれを取扱つておりますから、今申し上げました点はよく伝えておきます。
#63
○松谷委員 ただいま苅田委員が質問され、先ほどから金子委員も質問されておつたのですが、大臣が厚生省の立場におかれてごらんになると、確かにその通りだと思うのでございます。しかし、これが地方に参りまして、あるいは実情を考えてみますと、大臣のお考えになつておる通りを、そのまますなおに受取つていない向きが多々あると思うのであります。これは厚生省の意のあるところが、十分末端まで行き渡つていない、こういうところに大きな弊害があると思うのでありますが、今度の移譲は、どうしても移譲しなければならないのだという厚生省の立場であろうという早のみ込みあるいは誤解をしておる点が非常に多いと思うのであります。この点は、厚生省の意図ほそこにあるのではないということを、委員会において、大臣もはつきりご御答弁くださいましたので、私どもは了承いたしましたが、その厚生省の意のあるところを、そのままに地方民に納得させていただきたい、私はこう考えるのであります。通牒その他の方法をとるのがおかしい方法ならば、他の適当な方法をおとりくださいまして、厚生省の意思はそうした強制的なものではないという、その事実を地方にお流しいただきたい。この点はいかがでございましようか。
#64
○吉武国務大臣 これは私は誠意をもつて、ほんとうに言つておるわけでありまして、言葉でごまかしておるわけではございません、内部においてもその旨指示しております。それから、私のところへずいぶん議員の方でも御相談に来られる方がございますが、そういう方には、ことごとくただいま申したように話しておりますから、御趣旨には十分沿つて処置するつもりでおります。
#65
○松谷委員 先ほど大臣は、もし移譲のできない場合には、予算的措置を責任をもつて講ずるとおつしやつていただいたのですが、その予算的措置を講じていただく時期と申しますが、段階でございますね、これはただいま御説明のございましたように、いわゆる法律の解釈によつて、県あるいは市町村以外の公共的な性格を持つものに移讓するという一点も加わつて参りますと、その予算的措置を講じて行くという、移譲できないというその見通しを厚生省がお立てになる段階は、厚生省の方から、公共的性格を持つた買受け母体を相当念を入れてお探しになつたあとでなければ、予算的措置はしていただけないのか、その点が非常に心配になるのでございますが、一体いかなる段階をお考えになつて、厚生省は予算的措置をなさるおつもりでございますか。
#66
○吉武国務大臣 その点は、御心配ごもつともでございますけれども、私どもの方でも、予算なくしてほつておくわけには行かないのですから、その点はどうぞ御心配なく、適当なときに必要な措置をいたします。補正予算にかける必要があれば補正予算にかけるし、補正予算でなくて、予備金で間に合う程度でしたら予備金でやります。その点はどうぞ御安心を願います。
#67
○新井委員 大臣にちよつとお尋ねしたいのですが、これは都の関係でございますので、ちよつとこの席で都のことを申し上げることはどうかと思いますが、今回厚生省は、都に大体四つの病院を移讓してくださるのですが、この都の病院の収支の状況を見ますと、大体平均八六%で、その余は経済面で赤字になつておる。こういうことについて、ただいま大臣は、そういう面は予算的処置でもつて見てくれる、こういうようなお説でございましたが、そういたしますと、その経済面、並びにここでちよつとお尋ねをいたしたいと思いますのは、せつかく移譲をいただきましても―大臣に御承知なかろうと思いますが、病院の姿というものは、実に荒れ果てておるのであります。これを補修をいたしますのには、莫大な費用を要するのであります。こういうような点に対しまして、当局といたしまして、どういう考えを持つておるか。ただ漫然今の形のままで移譲をする、補修等のことには考慮を置かないのかどうか。こういうことで、もし補修に費用が相当要するということであれば、やはりこれは政府の方で見てやる、厚生省で見てやるのだという御存念か、どういう考えか。
 もう一つ、この機会でございますから、お尋ねをいたしたいと思いますことは、東京都におきましては、御承知の通り、結核関係といたしましては、江古田の病院、清瀬の病院を非常な心血を注ぎまして建設をいたしてございます。こうしたまず有数な病院が、今日では国に接收されてしまつておるのであります。こういう病院に対しまして、やはり機会を見て公共団体、都なら都に移讓してくれます御存念があるかどうか。私どもの考え方からいたしますれば、五大都市のごときは、ぜひでき得べくんば、要するに都なら都にまかせて、こういう病院の経営、運営というようなことはやつた方が、一番都民のためである、患者のためである、かように考えておるのであります。こういう点に対しまして、一、二点お伺いをいたしておきたいと思います。
#68
○吉武国務大臣 第一の点は、お話の通りに、国立病院については赤字が多うございます。しかしながら、昨年の単価の値上げによりまして、私どもは大体収支が償うものと考えております。従つて、移譲いたしまして、そう地方に負担が重なるようには思つておりません。
 それから第二に、今日の国立病院が荒れておるという点は、私もさように存じております。国が百幾つの病院を一時にかかえ込んだところに、私は欠陷があると思います。先ほどこの席で申し上げましたが、国が必要に応じてだんだんと設立して行つたものでありますれば、そういう事象が起るはずはないのでございますけれども、率直に言つて、陸軍、海軍が持つておつた病院を、一ぺんに厚生省が引受けたというところに、原因があるわけであります。私はやはりそれは地方々々の公共団体が地元でお持ちになつて管理されることが、手厚く行くのではないかということで、移讓の問題は、私は移譲した方が、一般国民の大衆のためにはよくなるという確信を持つております。これはいろいろのご意見があるでありましようが、私はさように存じております。従つて、東京都にも私はおつたことがございますが、東京都の経営されている病院あたりは非常によくやつておられるのであります。そうして荒れたままを移讓するつもりはございませんし、予算にも修理費が組んでございまして、補修をして移譲をするつもりでございます。
 それから、第三に御指摘になりましたような、現在結核療養所に使つておりますものは、一応国で管理を続けて行くつもりでありまして―ずつと先の将来は、こういうものも地方庁に管理していただく方が、よくはないかとも思うのでありますが、これは第二の問題として、あらためてまた御相談をし、皆さんの御意見の承りたい。ただいま移譲しようというのは、いわゆる国立病院の一般の病院についてだけでございます。
    ―――――――――――――
#69
○大石委員長 また前にもどつて集団赤痢の問題に移ります。苅田委員。
#70
○苅田委員 集団赤痢の問題について、質問を継続します。六日の日に視察しまして、そのあと神戸市あるいは兵庫県、あるいは県市に在住しておられる医師会の人たちとか、あるいは会社関係、組合関係の人たちの懇談会が、神戸の県の衛生部の主催で持たれたのであります。そのときに神戸市の医師会長が発言された中に、工場の衛生管理がやはり不十分ではないか。調理人なんかの健康診断は、会社では月に一回やつていると言つているけれども、それでは保健上不十分だ。少くとも週に一度は、こういう大きな工場の調理をしている関係者には、健康診断なり検便なりの道をとつてもらいたいというような発言があつたのでありますが、この点につきまして、厚生省当局は、どういう見解をお持ちでありましようか、お聞きしたい。
#71
○楠本政府委員 御指摘のように、数の多い工場施設のうちには、必ずしも十分な施設のないところもありましよう。しかしながら、これら工場の保健施設につきましては、現在労働基準法によつて規定せられております。この監督は、労働基準局がこれに当つておる次第であります。従いまして、厚生省といたしましては、これらの労働諸関係の施設と十分に連絡をいたしまして、お互いに協力をいたしまして、その改善を促進して行くという考え方で進んでおります。
#72
○苅田委員 ただいまお伺いした点については、どうですか。
#73
○楠本政府委員 具体的に、中重工の施設が必ずしも十分でなかつた、その結果かような点がとにかく起きたといたしますれば、それははなはだ遺憾な点ではございますが、ただ私どもといたしましては、施設の監督その他につきましては、これはむしろ労働基準局に譲りまして、もつぱら指導の面で、ただいま申し上げましたように連絡をして仕事をいたしておる次第でございます。おそらくその点は、先日の現地の協議会におきましても、よく御了解になつたことと存じます。
#74
○苅田委員 私がお伺いしたいのは、もつと具体的に、神戸市医師会長から、調理人に対する健康管理は月一回では不十分だ、少くとも週に一度くらいは、こういう人たちの健康管理はしてもらいたいという要望があつたのですが、直接公衆衛生の責任を担当しておられる厚生省としては、こういう医師会長の発言に対して、どういうお考えであるかということを、申し上げたわけなんです。
#75
○楠本政府委員 御指摘のように、検便等はきわめてしばしばやる方が、もちろんけつこうなことでありますが、しかしながら、これは何回以上やらなければならぬというようなことをきめることは、それぞれ地方の実情もございますので、なかなか困難であります。従いまして、もちろん指導といたしましては、できるだけ頻繁にやれと、いうことでありまして、今後できるだけかような事態が起らぬように、給食従事者等につきましては、できるだけしばしば検便を行つて、事態の発生せぬように努力をいたしたいと考えております。
#76
○苅田委員 さつきから言つておりますように、工場衛生の問題は労働基準局で、労働省関係だというふうにして、もしも査厚生省の方がこうした大きな社会問題を看過なさるとすれば、これは私は国民に対する責任とすれば、相済まないと思うのです。少くとも昨今のように赤痢が非常に全国的な蔓延状態にあり、たまたまこういうような大きな企業に集団的な一割七、八分にも当るような患者を出したというようなことがあれば、これはただ労働基準局の工場の衛生管理だけにまかせておけない大きな問題だと私は思うのであります。平素であれば、厚生省として、こういう大きな工場の中の管理まで容ることは、なかなかむずかしいと思うので、こういうときにこそ、公衆衛生の見地から、たとえば労働基準法の中に、もつと衛生管理についての厳重な規定を設けるようなことを発言なさるのにいい機会だと思うのです。またそれがあつてこそ、初めて公衆衛生局の使命が果されると思うのです。そういう点について、一般からもそういうふうに要望があつたことでありますから、労僅基準法の中にそういつた工場衛生について、もつと十分な規定を織込んでもらうことを要望なさるのが適当だと私は思うのでありますけれども、この点はどういうふうにお考えになつておりますか。
#77
○楠本政府委員 私どもも御意見の通りに考えております。もちろん私どもといたしましても、先ほどもお答え申し上げましたように、なお今後労働省等とできるだけ密接な連絡をとりまして、公衆衛生の全体の立場から、改むべきは改め、連絡すべき点は大いに連絡いたしたいと考えております。一方さような労働法規関係のいかんにかかわらず、われわれとしてもまた、この公衆衛生の全体の立場から、工場その他に対しても、現地におきましてそれぞれ基準局関係と連絡をとりまして、十分なる指導をいたしたいと念願をいたしております。
#78
○苅田委員 現行の労働基準法というものは、少くとも衛生管理の方面については、最低の基準が示されている。これは当日御出席になつた労働基準監督官も言つておられるのです。だから国立公衆衛生院の技官の軍松氏でさえ、この神戸中重工が日本の中の工場で不十分な工場とは決していえないと言うのです。もつともつとひどい工場がたくさんあつて、こういう二千人、三千人近いような赤痢患者が出るようなすきは至るところにあるのだということを、はつきり言つておいでになるのです。だからこの際、労働基準法の中には、日本の実情に適さない点もたくさんあるということも考えられるのでありますけれども、少くとも衛生管理については、そうした最低の基準でなく、―海外なんかの工場の様子を聞きますと、大体その標準を示されているというのですけれども、そういう点につきましても、やはり工場の中にこういう赤痢患者の多量発生したような事態を契機にして、国家公衆衛生の見地から、厚生省は、こういう問題について、労働基準法についても再考すべきだというような強い意見をお出しになるのが適当だと考えるのでありますが、この見点いかがでしようか。
#79
○楠本政府委員 まつたく同感であります。なおわれわれといたしましても、十分に労働基準法の内容等を具体的に検討いたしまして、さらに地方の公衆衛生当局とよく連絡する方法等も同時に考慮いたしまして、今後改むべきは率直に労働省にもお願いをいたしたいと考えております。なお先ほど来申し上げましたように、われわれ労働省関係の法規のいかんにかかわらず、公衆衛生全体の立場からいつて、伝染病予防法であるとか、あるいは食品衛生法等においても、決して工場が治外法権的に存在しておるものではありません。従いまして、さような点つにきましては、工場側とも十分に連絡をとりまして、われわれはわれわれの公衆衛生の立場で、食品衛生法にのつとり、または伝染病予防法にのつとりまして、十分なる指導を加えたいと考えております。
#80
○苅田委員 これは、この問題についての最後の質問なんですが、今回の事件については、厚生省としては莫大な国費をもつて調査をされたわけなんで、それは非常にけつこうなんですが、やはり、調査の結果出ました意見については、直接工場側に通知すべきことがあれば―これはあると思うのですが、工場側にも、衛生管理についての厚生省としての意見をぜひ通知されたいと思うのです。労働省のことは今申しましたが、こういうことについて、どういう措置をとられるつもりか、この点について一応お聞きしたいと思います。
#81
○楠本政府委員 目下国費を投じまして種々調査研究をいたしております。その結果科学的に改善すべき点がありますならば―また当然あろうと存じますが、かような点はもちろん正式に工場当局等にも連絡をいたしまして、その改善を指導いたす考えでおります。一方、同時に中央におきましては、労働省とも十分に連絡をとりまして、今後さようなあやまちがないように、十分なる努力をいたしたいと考えております。
    ―――――――――――――
#82
○大石委員長 では、次に国立病院の問題に移ります。苅田君。
#83
○苅田委員 先ほどの中途で打切りました問題について、さらに御質問したいのですが、受入れ態勢側について、たとえば入院患者に対する待遇ですね。従来国立病院で減免患者であつた、こういうような患者は、日赤とか済生会とかの病院に引継ぎましても、そのまま同じような扱いができると思うのでありますが、この点はどうかということです。それから、国立から地方公共団体に移譲されましたときに、従業員は、官公吏といたしまして、当然これと同じような退職等についての特典があると思うのでありますが、一般のそういう公的医療機関というわけで、日赤あるいは済生会病院等へ引継がれました場合には、従業員の待遇についてかわつた措置になるのですか、これは官公吏ではなくなるのですが、こういう点については、どういうふうな処置がとられるかお聞きしたいのです。
#84
○阿部政府委員 現在、患者の扱い等につきましては、そのまま引取つていただくように、その條件をかえないようにということを、根本の考え方として地方庁と折衝いたしまして、意見が一致した場合に移管いたしたいと考えております。それから従業員につきましては、これまた現在働いておられる方を、そのままとつていただくということを原則として折衝いたしたい、かように考えております。それから、従業員が向うへ行つた場合の公務員としての待遇につきましては、これは県へ行きます場合と市へ行きます場合では、多少違つて参るのでありまして、県へ行つた場合には、現在のいろいろな待遇が続けられるということにいたす考えでおりますが、市へ行つた場合には恩給等は継続いたさないということになるわけであります。それから、従業員がこの際退職するという場合には、現在の特別ないろいろの退職の特典を與えるということになつております。
#85
○苅田委員 そうしますと、県に行つた場合には、従業員についての待遇はかわらないけれども、市あるいはその他の公的医療機関にもしもこれが移譲された場合には、恩給等の特典がなくなるわけなんですが、官公吏というようなものは、給料その他の収入について、恩給があるということを一応前提として納得して入つて来ているわけなんです。だからそれが自分の都合でなくて、国の都合でもつて、かつてに向うの方へ追いやられて、そのままそういう特典がなくなるということは、これは非常な不当な処置だと思うのですが、それについて何らの対策すらも―退職すれば退職金は当然あるでしようけれども、そうでない場合には、恩給が国の都合でなくなるということに対して、何らの補償的な措置がとられないというのは、不当だと思うのですが、そういうのはどうでしようか。
#86
○高田(浩)政府委員 先ほどお話申し上げましたように、府県に行く場合は恩給は続きますけれども、その他の場合は恩給期間の継続はない。これはもともと原則的に申し上げますれば、国の職員と、府県の職員と、市町村の職員、それぞれいわば違うわけでございますから、本来であれば、恩給の方はそれぞれの立場において考えるということが筋でございますけれども、特に恩給事務の取扱いとも関連をしまして、府県段階までは、そういうことを考えるようにしたわけでございます。従つて、恩給の切れる分につきましては、従来国に働いておりました分についての恩給、すなわち一時恩給等は、これはむろんもらえるわけでございます。それからなお国の方の立場に立つて考えてみれば、これはいわゆる廃官廃庁になるわけでございますから、それに伴つて公務員法上の職員の処置が行われるわけでございますが、それにつきましては、退職手当の問題であるとか、その他公務員法によつて補償されている点は、十分あるわけでございます。
#87
○苅田委員 それでは、もしそういう移譲される国立病院に勤めている人が、自分はあくまで国立の病院に奉職しておるのだから、今回そういつた済生会とか日赤等に移ることは、自分は反対だ、だから他の国立病院に転勤したい。もしもこういう申出があつた場合に、厚生省としてはどういうふうに扱われますか。
#88
○高田(浩)政府委員 職員の件につきましては、初めから申し上げておりますように、いわば今度の移譲の一番大きな問題の一つでありますし、従いまして、恩給の問題でありますとか、あるいは退職手当の問題でありますとか、その他職員に関する問題につきましては、誠心誠意関係のところとも折衝を続け、努力をして参つたつもりでございます。そういつた心持は、今度の移管の場合の協議については持ち続けて、十分考えて行きたいと思つておりますが、移譲になりますと、結局それだけ定員が落ちるというわけでございますので、そのほかの方に行きたいという場合には、本人の希望なり、あるいは受入れ先の関係なり、その辺の具体的な状況を考えなければならないと思いますので、一概に引受けますということは申し上げかねますけれども、できる範囲において、職員の立場というものを十分考えて行きたい気持を持つておるわけであります。
#89
○苅田委員 これはそういうふうな問題ができることを考えましても、少くとも移譲する相手は府県か、あるいは市くらいな程度に限りまして、それ以外の公共団体、公的医療機関と称するものにこれを押しつけるというふうなことは、私はいろいろな矛盾ができると思うのです。相手をこういう府県、あるいは市、せいぜい市町村の連合会あたりに限られて、それ以外の団体には讓らないという方針が出れば、そういう点なんかも割合摩擦少く行くのじやないかと考えるのですが、こういう点はどうでしようか。
#90
○阿部政府委員 移譲にあたりましては、交渉の相手は、先ほど来申し上げましたように、県を第一といたしまして、まず県について話したいと思います。しかもそれは押しつけるというのではございませんので、大臣からもやかましく戒められておるのでございますが、十分に話し合つてそうして両方で今後の経営等も検討いたしまして、納得されてから、了解の上で移す、こういう考えでおります。
#91
○大石委員長 本日はこれにて散会いたします。
    午後零時二十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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