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1951/06/19 第13回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第013回国会 厚生委員会 第42号
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1951/06/19 第13回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第013回国会 厚生委員会 第42号

#1
第013回国会 厚生委員会 第42号
昭和二十七年六月十九日(木曜日)
    午後二時十九分開議
 出席委員
   委員長 大石 武一君
   理事 青柳 一郎君 理事 丸山 直友君
   理事 亘  四郎君 理事 金子與重郎君
   理事 岡  良一君
      新井 京太君    高橋  等君
      寺島隆太郎君    中川 俊思君
      堀川 恭平君    松永 佛骨君
      苅田アサノ君    寺崎  覺君
 出席政府委員
        厚生政務次官  松野 頼三君
        厚生事務官
        (兒童局長)  高田 正己君
        厚 生 技 官
        (公衆衞生局
        長)      山口 正義君
        厚 生 技 官
        (公衆衞生局環
        境衞生部長)  楠本 正康君
        厚 生 技 官
        (医務局長)  阿部 敏雄君
 委員外の出席者
        衆議院議員   福田 篤泰君
        参議院議員   中山 壽彦君
        厚生事務官
        (兒童局企画課
        長)      内藤 誠夫君
        参議院法制局参
        事
        (第一部第一課
        長)      中原 武夫君
        專  門  員 川井 章知君
        專  門  員 引地亮太郎君
        專  門  員 山本 正世君
    ―――――――――――――
六月十七日
 委員首藤新八君辞任につき、その補欠として根
 本龍太郎君が議長の指名で委員に選任された。
同月十八日
 委員根本龍太郎君辞任につき、その補欠として
 首藤新八君が議長の指名で委員に選任された。
同月十九日
 委員首藤新八君辞任につきその補欠として根本
 龍太郎君が議長の指名で委員に補欠選任された。
同日
 岡良一君が理事に補欠当選した。
    ―――――――――――――
同月十七日
 社会保障制度強化に関する請願(安部俊吾君紹
 介)(第三八三三号)
 未帰還者留守家族及び戰ぼつ者遺家族の国家補
 償に関する請願(本多市郎君紹介)(第三八三
 四号)
 下水道事業費国庫補助増額等に関する請願(堀
 川恭平君紹介)(第三九〇六号)
 兒童福祉法の一部改正に関する請願(福井勇君
 紹介)(第三九二一号)
の審査を本委員会に付託された。
同日
 社会保障制度の年度内実施に関する陳情書(全
 国市長会会長塚本三)(第二五二三号)
 生活保護費並びに児童福祉施設事業費に関する
 陳情書(全国市長会会長塚本三)(第二五二四
 号)
 国民健康保險に対する国庫補助金の増額に関す
 る陳情書(全国市長会会長塚本三)(第二五二
 五号)
 遺族援護に関する陳情書(全国市長会会長塚本
 三)(第二五二六号)
 上下水道の国庫補助並びに起債に関する陳情書
 (全国市長会会長塚本三)(第二五二七号)
 母子福祉法制定に関する陳情書(茨城県議会議
 長宇田川源次郎)(第二五二八号)
 戰没船員の遺族援護に関する陳情書(長崎県南
 高地区船員遺族大会議長倉原茂包)(第二五二
 九号)
 アツツ島戦没者の遺体調査並びに收容促進に関
 する陳情書(函館市長宗藤大陸外一名)(第二
 五三〇号)
 民生事業等に関する陳情書(名古屋市長塚本
 三)(第二五三一号)
 薬局営業に関する陳情書(千葉県東葛飾郡流山
 町大字流山二十一番地岡本任作)(第二五三二
 号)
 戰傷病者戦没者遺族等援護法施行に関する陳情
 書(横浜市長平沼亮三外五名)(第二五三三
 号)
 遺族援護に関する陳情書(日本遺族厚生連盟東
 海、近畿北陸ブロツク会議長福井県遺族会長渡
 辺栓吉外一名)(第二五三四号)
 兒童福祉関係費の特別補助に関する陳情書(愛
 知県議会民生常任委員長横地さだえ外六名)(
 第二五三五号)
 国立小倉病院の地方移讓反対に関する陳情書(
 八幡市議会議長上段逸作)(第二五三六号)
 地盤変動に伴う下水道施設費国庫負担に関する
 陳情書(愛媛県議会議長山本友一)(第二五七
 四号)
を本委員会に送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 理事の互選
 小委員の補欠選任
 栄養改善法案(参議院提出、参法第一一号)
 公衆衞生に関する件
    ―――――――――――――
#2
○大石委員長 これより会議を開きます。
 まず理事及び小委員の補欠選任の件についてお諮りいたします。去る五月二十一日岡良一君が厚生委員を辞任されたのに伴いまして、理事、並びに同君が辞任前になつておられた小委員に、それぞれ欠員を生じておりますが、同君は現在厚生委員に再び選任されておりますので、同君が辞任前についておられた職、すなわち理事「戰争犠牲者補償に関する小委員、国民健康保險に関する小委員、医療体系に関する小委員並びに国立公園に関する小委員に、補欠選任することに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○大石委員長 御異議なしと認め、そりように決します。
    ―――――――――――――
#4
○大石委員長 次に栄養改善法案を議題とし審査を続行いたします。苅田アサノ君。
#5
○苅田委員 簡單に質問いたします。第四條の国民栄養調査員の項についてお聞きしたいんですが、それは第二項に、「国民栄養調査員は、医師、栄養士、保健婦その他の者のうちから、毎年、都道府県知事が任命する。」となつているんですが、「その他の者」というのは、どういうものですか。
#6
○中原参議院法制局参事 二項の前の方に列記してありますのは、医師、栄養士、保健婦でございます。原則としてこれらのものをとりますが、足りない場合には栄養改善の事務に経験がある者は必ずしも医師、栄養士、保健婦の資格がなくても任命すると、こういう意味でございます。
#7
○苅田委員 そうしますと栄養改善の調査のできるような資格を持つておるかどうかということは、何を標準にしておきめになるかということが一つと、それから足りないというお話でございますが、現在栄養士の資格を持つしおる人の数、あるいはそのうち活動できる人の数なんかにつきましても、一応お聞きしておきたいと思うのです。
#8
○中原参議院法制局参事 今のあとの方がちよつとはつきりしなかつたのでありますが、栄養士の資格を持つておる者と実働人数でございますか。
#9
○苅田委員 はい。
#10
○中原参議院法制局参事 栄養士の資格を持つております者は約一万ございます。実働可能人員は六千でございます。それから前段に御質問になりました四民栄養調査ができる技能の基準と申しますのはどういう事項を担当するかによつて違つて来るのでございます。身体検査をやるような特殊な場合には、これは医師でなければぐあいが悪い、そうでなくて集まつた調査票を集計したり、整理をしたりすることは、必ずしもそういう資格がなくてもよろしい、ただある程度栄養改善事務に経験が、ございませんと間違いを起しますので、なるべくそういつたものからとるという趣旨を、この二項に出したのでございます。
#11
○苅田委員 栄養士は六千人では今政府が計画しておいでになる栄養調査には不足しておりませんか。
#12
○楠本政府委員 栄養調査には何ら支障はございません。
#13
○苅田委員 人員のことですが……。
#14
○楠本政府委員 現在の人員から見まして支障はございません。
#15
○苅田委員 そうすると今のお答えは矛盾するじやないですか。あなたの方では人員に不足を来す場合にその他の者を加えるというお話だつたのですが、今環境衛生部長のお話では、人員は不定しないという御答弁であつたのですが、それはどういうことでしようか。
#16
○楠本政府委員 栄養調査は栄養士と栄養士以外のものとによつて行われます。従いまして栄養士に関する限りは現在は不足はないわけであります。栄養士だけで栄養調査ができませんから、その他の者をここに規定しております。
#17
○苅田委員 それはそれでよろしゆうございますが、これは非常勤のわけですが、報酬につきましてはどういうことをお考えになつておりますか。特別な手当か何か出るわけでありましようか、その点……。
#18
○楠本政府委員 これは実費を支給いたすことになつております。
#19
○苅田委員 実費というのは日当というわけですか。
#20
○楠本政府委員 手当その他のものを支出することになつております。
#21
○苅田委員 これは国の方で全部負担いたしますか、それともそれをまかなう地方自治団体の方でこれをやるわけですか、どこから費用が出るかということをお聞きしたい。
#22
○楠本政府委員 国が委託費の形で全部地方に支出いたします。
#23
○苅田委員 第八條の栄養相談所なのですが、これはむしろ「栄養相談所を設置することができる。」というのではなくて、はつきりその趣旨からいえば、必ず設置せよということの方がいいじやないかと思います。がこれにつきましていかがお考えでしようか。
#24
○中原参議院法制局参事 御説のように設置するといたしまして、必ず設置しなければならない義務づけをした方が理想的でございます。ところが地方財政法によりますと府県に対しまして経費を要するような義務づけをする場合には、国の方で費用の手当をせよという規定がございます。二十七年度の予算がすでに成立しておりますので、その裏づけをする時期とマッチいたしませんので、「することができる。」ということで、一応書いたのでございます。将来は御説のような方向に進めるべく努力をいたす考えでございます。
#25
○苅田委員 その点につきまして、国からの財政的な裏づけを持つた栄養相談所を義務的に設置するということは、どれくらいの見通しがありますでしようか。たとえば来年度からとかあるいは再来年度とか、そういうような見通しについて、もしわかつておればお聞きしたい。
#26
○中山参議院議員 明年度以降につきましては、今日まだはつきりした御答弁をすることが、ちよつとむずかしいと思います。
#27
○苅田委員 提案者の方の御覚悟だけでも伺つておきたいと思います。
#28
○中山参議院議員 なるべく御希望に沿うように、明年度からいたしたいと存じております。
#29
○苅田委員 同じく第八條の三項なのですが、この三項は私は必要がないのじやないかと思うのです。栄養相談所が相談を受けたときには、懇切にこれに応じなければならないというのですが、これは当然相談に応じるためにこういうものができるわけなのでしようから、なぜこういう項目がいるかということを私は不審に思うのです。その点を参お伺いいたします。
#30
○中山参議院議員 栄養相談所という看板をつけました方が、相談をする方も相談しやすいのでありますし、また受ける方も相談に応じやすい、そこで懇切丁寧に相談に応ずるようにという意味をもつてこれに掲げたのです。
#31
○苅田委員 これは私またあとでお考えになつていただきたいと思うのです栄養相談所の看板をかけてある以上、これは親切丁寧に相談を受ける所なので、そういう條項が特別に入れてあるということが、何だかおかしいように思うわけなのです。これは大した問題ではないので、まあよくお考えになつていただけばいいと思うのです。
 それから第十條なのですが、これは労働基準法との関係があると思うのですが「継続的に一回百食以上又は一日二百五十食以上の食事を供給する施設で栄養士を置かないものにあつては、」云々ということが書いてあるのですが、私は、個々の国民の栄養改善をこの法律で規定するものができる以上は、そうした集団給食に対しましては、やはり専門の栄養士を置かなければいけないということを、はつきり規定すべきだと思うのです。特に最近、赤痢その他におきまして、集団給食からいろいろな病気は発生しておる例が、方々の寄宿舎とか、あるいは工場なんかにたくさんあるのです。これは設備の改善ということもありましようけれども、栄養士を置けば、そういう不衛生なことに対しましても、やはり敏感に処置すると思いますので、百人でなくとも、二、三十人以上の、ほんとうに集団給食を恒常的にやる所には、必ず栄養士を置くというくらいなことがなければ、この栄養改善法の趣旨に沿わないのじやないかと思うのですが、その点いかがですか。
#32
○中原参議院法制局参事 一回百食以上一日二百五十食以上で押えましたのは、現在の保健所における機能を考えたのであります。今おつしやいますように、この規模を非常に小さくいたしますと、現在の陣容ではまかない切れなくなるということがおもなる理由であります。と申しますのは、先ほど実働人員を申し上げましたが、実際には六千でございます。そのうちで各工場、事業場あるいは集団給食施設に專属することになりますと、この数を今おつしやいました線に落すと二、三万になるはずでございます。それでは現実に法の施行ができませんので、一応従来の実績から見て指導をして来た規模を押えたわけであります。
#33
○苅田委員 ただいまの御答弁では、本来ならば、そうした集団給食をやる場所には、必ず栄養士を置かなければならないのが建前だけれども、現在の栄養士の数が不足しておるからそれが置けないので、こうした栄養指導員でもつて、ときどきそれを調査する、こういう形にしたと言われるわけなのですね。そういう事情があるならば、今すぐしろと言つても、これはできないと思うのですが、今の状態ならば、集団給食というのは、今後はふえこそすれ減ることはほとんどないと思うのです。そうしますと、やはりここで栄養士を急速に養成するという問題が起つて来ると思うのです。そういう問題はこの法案では少しも触れておらないと思うのですが、その点につきましてはいかがですか。
#34
○楠本政府委員 栄養士につきましては、別に養成施設におきまして養成をいたしております。また一方では、試験によりまして資格を与えて目下実施をいたしておるわけであります。
#35
○苅田委員 それでは環境衛生部長にお聞きしますが、現在の日本の規模で、栄養士が毎年何人くらい出ておりますか。
#36
○楠本政府委員 約二千人程度ずつできております。
#37
○苅田委員 そうしますと、各集団給食の場所に全部栄養士を配置するということになるまでには、二千人程度では相当先の計画になると思うのですが、そういうことで一体いいかどうかということですね。
#38
○楠本政府委員 ただいまお答え申し上げましたように、現在二千人程度が毎年出ておりますが、この程度で行きますと、比較的近い将来に大体不足のない程度になります。
#39
○苅田委員 今のお話では二、三万人いると言われたでしよう。ところが、現在活動できる栄養士が六千人いるわけでしよう。そうしますと、毎年二千人ずつ補充して行きますと、近い将来と申しましても、これはもう五、六年先になつて来るのです。実際にそういう施設がどんどんできておつて、しかもこういうところで集団給食をやつて、そこにやはり欠陷が起りやすい状態から考えると、せつかくこういうものができた以上、栄養士の不足を補うという問題は、そうのんきに考えられないのじやないかと私は思うのです。政府としてただいまそれについてお考えがなければ、これ以上しかたがありませんが、こういうものをおつくりになつて、ほんとうに国民の栄養改善をやるというのであれば、やはりそういうものも急速に補充するような処置を講じていただきたいということをお願いいたします。
 それから第十二條なんですが、これの四項目に、栄養食について許可を得る條件がいろいろ書いてあるのですが、この中に、商品名、製造年月日、製造所所在地というもののほかに、やはり有効期限というものをつけなければいかぬのじやないかと私は思うのです。食品ですから、いつまでほうつておいても有効だというものばかりはないと思うのです。やはり一定期限が来れば腐敗するとか、効力がなくなるというものもあると思いますので、有効期限というものがなければならないと思うのですが、いかがですか。
#40
○楠本政府委員 ただいまの点は、省令を作成いたします場合に、当然考慮いたします。
#41
○苅田委員 私の方は別にこだわりませんから省令でもけつこうですが、商品名だとか製造年月日を書くと同じように、食品の有効期限も、買う人にわかるように必ずはつきり書いていただくようにお願いいたします。
 それから第十八條の学校給食のことなんですけれども、これも前の第十條で私が申しました集団給食の件になるのですが、特に、幼いからだの抵抗力の弱い子供たちを扱つております学校におきまして、集団給食をする場合に、責任のある栄養士がいないということは、非常に間違いだと思うのです。これは火急に、少くとも学校には必ず資格のある栄養士が、子供の栄養状態について心配しながら、集団給食を指導して行けるような処置を講じていただきたいと思うのですが、この点につきましても、提案者の方でどういうお考えでありますか、お聞きしたいと思います。
#42
○中原参議院法制局参事 現在学校の給食施設におりまする栄養士の数は、大体一割でございます。それで文部省の方では、学校の定員の関係がありますので、別に栄養士をふやすということは、早急に実現ができないから、先生のうちでそういつた方面の指導をしておる人に、栄養士の資格をとらせるように勧奨しております。そのために現在栄養士の試験をやる時期を、なるべく夏休みを選ぶということで、文部省と厚生省との間で打合せができております。御期待に沿うような方向に、関係省はそれぞれ努力をいたしております。
#43
○苅田委員 そうしますと、一割でなくて全部の学校に栄養士の資格を持つた責任のある方が配置されるようになるには、大体どれくらいな目標の計画でやつておいでになりますか。あわせてお聞きしたいと思います。
#44
○中原参議院法制局参事 将来の見通しと、いつまでに達成されるかなどの点につきましては立案過程において深く追究いたしませんでしたが、学校の方の考え方では、学校の先生の資格を持つておる者のうちには、栄養学の勉強をした人がおるので、必ずしも形式的に栄養士の免許を持つておらないからといつて、ほかの集団給食施設のように、栄養士の知識が全然ないのでそのために弊害が起るということは、さほどはなはだしくないというこを、強く強調しております。それだけ申し上げます。
#45
○苅田委員 その点につきまして、私は学校の実情というものは、家事の先生、あるいはその他の女の先生あたりが、片手間に子供の栄養食を十分に注意しながらやつて行くほどの余裕は、なかなか実際問題としてはないと思うのです。やはりそのためには専属の栄養士を置くということが本体だと思うのです。急場の場合はしかたがありませんけれども、やはりこういう法律として出す以上は、そういうこともまず考えに入れて、実際的建前をとつて、今できなければしかたがありませんから、急速にそういうことをしなくては、法律ではうたつてあるけれども、実際は不衛生なことが方々において起るということになると思う。その点はさつきの集団給食の場合にも申し上げた通りなので、特に学校につきましては、そういう学校の実情、教員の数なんかとにらみ合せて、こういうものをお出しになる以上は、もつとそういうことを徹底的にお考えになつて、次善の対策を立てていただきたいということをお願いしておきます。大体私の質問はこれくらいにしておきます。
#46
○大石委員長 丸山直友君。
#47
○丸山委員 提案者及び厚生省当局の両方に、いろいろ入れまじつて御質問をすることになります。この法律の制定せられる目的はたいへんよくわかるし、けつこうなのでありますが、その中で多少まだはつきりのみ込めておりません部分がありますので、その点を明らかにしておきたいという意味で、御質問申し上げるのです。
 第二條の調査ですが、この調査は今までも毎年四回くらいやつておられたらしいのですが、毎年やる必要があるものかどうか、それからそれの予算関係はどうなつておるか、これは従来もやつておられたのですから、予算はとつてあると思うのですが、その予算の方はどうなつておるか。のみならず先般の御説明によると、厚生省が年に四回ずつすでに二十四回やつても成果は上つておらぬようなことを、これからまたやらなければならぬわけなのですが、今度は成果を上げるような調査が、これだけでできるというお見通しであるか、その予算はどうなつておるか、はつきりした御見解をひとつ伺いたい。
#48
○山口(正)政府委員 昭和二十一年以来、栄養調査を続けて実施しております。年に四回、二月、五月、八月、十一月と実施いたしております。全国で八万人余りを対象として実施いたしておるのでございます。毎年実施する必要があるかどうかというお尋ねでございますが、従来からの成績から見ますと、国民の栄養食物の攝取状況も逐次かわつて参つております。また国民の体位、それから栄養障害に基く疾病の発生状況というようなものも、逐次かわつて参つておりますので、やはり今後は毎年続けて推移を見守つて、それに基いていろいろの食糧の対策、あるいは生活改善の対策を立てて行かなければならない、そういうふうに考えております。
 予算は昭和二十七年度は三千百五十万円計上していただいておりまして、それによつて全額国庫負担で実施いたしております。それから従来六年間昭和二十一年以来やつているのに、それが何ら役に立つていないというふうな説明があつたというお話でございますが、これは私今席をはずしておりまして、失礼いたしましたが、何ら役に立つていないということでなしに、従来調査されましたその結果によりまして、食生活の指導あるいは関係省に対して、いろいろの要求を出すというようなことを指示いたしております。ただそれがまだ十分活用されていない面もあるというふうに考えております。
#49
○丸山委員 成果をあげて参おらなかつたという事実は、一応お認めになつたようであります。そうすると今度はこの法律で、これができるようになるというお見通しがごいざますか、どうですかということです。
#50
○山口(正)政府委員 従来引続きまして実施して参りまして、今後は一層それを役立てるように努力して行きたい、そういうふうに考えております。
#51
○丸山委員 それからそれを調査する調査員でございますが、国民栄養調査員を置くということになつておりますが、この国民栄養調査員の身分はどういう身分になるのでありましようか。これは厚生省の内部では調査員の特別の資格は、不必要であるというお考えがあるように、前に聞いたことがあるのですが、現在どういうふうに、お考えになつておるか存じませんが、国民栄養調査員は地方公務員になるのでしようか、どういう身分になるのですか。それをひとつ……。
#52
○中原参議院法制局参事 非常勤の地方公務員でございます。
#53
○丸山委員 非常勤の地方公務員というのは、定員制はどういうふうになつておりますか。定員はありませんでしようか。
#54
○中原参議院法制局参事 非常勤につきましては、定員のわく外でございます。
#55
○丸山委員 第八條は「栄養相談所を設置することができる。」ということになつておつて、これは無理につくらなくてもよい、つくつてもいいというわけになる。ところが第九條の「都道府県及び保健所を設置する市に、栄養指導員を置く。」これは置かねばならぬ。そうすると、栄養指導員は保健所に所属する、保健所の定員の中に入る職員だと思います。そうすると、栄養相談所というものの職員は、どういうことになりますか。栄養指導員は栄養相談所にも勤務する、あるいは栄養相談所のつくつてない場合には、保健所に所属する、こういうふうに動くものですか、どういうふうになつておりますか。
#56
○中原参議院法制局参事 栄養相談所の設置は、入條で任意制にしてございますので、都道府県あるいは保健所を設置する市において、人件費も見るゆとりがある場合には、栄養指導員のほかに、専属の職員が置かれることと思います。そうでない場合には、あるいはおつしやいましたように、栄養指導員がかれる場合もあろうかと思います。
    〔委員長退席、青柳委員長代理着席〕
#57
○丸山委員 そうすると、保健所における定員関係はどうなりますか。
#58
○中原参議院法制局参事 定員は條例できめることになりますので、地方が置くということをきめて、専属の職員を配置するということになれば、その條例を改正することになります。
#59
○丸山委員 第十一條でございますが「栄養改善指導上必要があると認めるときは、集団給食施設の経営者から必要な報告を求め、」となつております。この経営者の定義をひとつはつきりさせていただきたい。集団給食施設を経営しておる者、一例を実例で申し上げますと、たとえば、ある一つの工場があつて、その工場の中に食堂がある。その食堂は、工場の直営である場合には、経営者というのは工場の工場長であるのか、その会社の社長であるのか。それを請負いをもつてその食堂を経営しておる者があつた場合には、請負者が経営者であるのか、あるいは会社の当事者が経営者であるのか、その辺の責任の所在をはつきりさせていただきたい。
#60
○中原参議院法制局参事 前段の場合には社長であります。後段の場合には請負をしている者でございます。
#61
○丸山委員 そうするとこれはいろいろな場合があると思うのですが、集団給食施設というものの大体法の対象となつておるもの、一回百食ですか、一日二百五十食以上ですか、それの経営主体というものはいろいろなものがあると思います。その中の医師が管理するもの、栄養士をおいてあるものは除外してある、こういうことになつております。栄養士も置かない、医者も管理しておらない施設であつて、しかも市の監督を受けるには不適当な施設もあると私は考える。たとえば県が直接集団給食をしておるような施設がある。ところがその町には市が保健所を設置している。そうすると市長が報告を求めることはできますね。市長という身分は、県でいえば県知事でしよう。おそらく県知事も報告を求めたりすることができることになると思います。これは国の機関である場合もあるかもしれません。国の機関である場合には、厚生大臣が今の経営者たる資格にある場合があるかもしれません。その場合にはその市の市長が厚生大臣から報告を求めたりすることが可能なものであるかどうか、その辺の御見解をひとつ承りたい。
#62
○中原参議院法制局参事 十一條の「都道府県知事又は保健所を設置する市の市長」と書いてございますが、十二條の二項のうしろの方には、「都道府県知事」としまして、括弧をして「(保健所を設置する市にあつては市長)」とこう読みかえてございます。ここで併列いたしましたのは、ただいま御設問になりました県直営のものについては、知事がやるのだという選択をさせるつもりで書いたのでございます。それから国の施設につきましてそういう必要がある場合には、この條文からは、知事が要求するということになります。ただ実際には栄養改善指導上必要があると認めるような事態は、あまりないであろうと考えましたので、特に厚生大臣を並べることはやめたのでございます。
#63
○丸山委員 そうすると法文の解釈上からは、当然国が集団給食施設の経営者である場合においては、厚生大臣に対して、市の市長あるいは都道府県知事はその報告を求める、あるいは必要なる指導をすることになるわけでございますね。間違いございませんね。そういうことは厚生省としてお困りになりませんか、いかがでございましようか、その点をひとつはつきりしていただきたい。
#64
○山口(正)政府委員 そういう場合には、ただいま丸山先生のおつしやいましたように、知事または市長の指導を受けなければならないことになりますが、やむを得ないと、かように考えております。
#65
○丸山委員 厚生省が、やむを得ないことで厚生大臣が保健所を設置する市の市長の指示を受けたり、指導を受けたりするということをお認めになるのでございましようか。お間違いございませんか。もう一ぺん念のために伺つておきます。速記録に残りますから。
#66
○山口(正)政府委員 ただいまおつしやつた通りでございます。
#67
○丸山委員 非常に謙譲な厚生省当局、厚生大臣がはたして何とおつしやるか、こいつは私相当見ものだと思います。事実上そういうことは起らぬかもしれません。実際問題としてそういうことは起らぬかもしれません。また県知事は遠慮はするでありましよう。遠慮はするでありましようが、法文解釈上からは当然そうである。また厚生省も認めざるを得ない立場にある。これを明瞭にしておきます。
 それから経営者という言葉が使つてありますが、古い場合には管理者という言葉が使つてあつたと思いますが、医師が管理するものという言葉と、経営者との関係を、もう少し明確に御説明願いたい。管理者と経営者の区別をはつきりしていただきたい。
#68
○中原参議院法制局参事 この成案ができます以前に、管理者と経営者とを使いわけておりました。経営者はその施設を現に責任を持つて経営をしておる者であります。管理者は、その給食施設そのものを経営しておるのではございませんが、管理責任だけは持つておるという場合には、管理者としたのでございます。この医師が管理するという言葉をここに書きましたのは、病院の給食の場合でも、病院の直営でない場合もあるのではないかと考えます。その場合でも病院の医師が管理をしておる場合には除くのだ、こういう意味でございます。
#69
○丸山委員 この法律で、前には医者という管理者がある場合は除いて、あとの場合には、経営者という言葉が使つてある。この経営者という言葉の中に、今私がお伺いしたように、非常にわけのわからぬようなものがあるのです。その点で、実際上の運営には支障はなかろうと思いますけれども、これは立法技術としては非常にまずい文章であると思う。これは提案者において何か御考慮になる余地はございませんか。これはかなり重大だと思いますので、念の場ためにもう一ぺんお伺いしたいと思います。あるいは速記をとめて、ちよつと御相談してもいいと思います。
#70
○中原参議院法制局参事 ちよつとおつしやる意味が、私よくわかりませんですが……。
#71
○丸山委員 この集団給食施設の経営者というものを主体にしたわけですね、十一條は、責任者は経営者になるのですね。そうすると、経営者のもとに管理者が医者である場合は、除外せられるのですね。ところが管理者が医者でなかつた場合、つまり管理者というものと経営者というものがはつきり区別されておる、管理者が責任があるわけです。その部分の集団給食に対しても、責任者は社長さんではなくて、管理者が実際の責任を持つているわけです。私の言う意味は、経営者という言葉をやめて、管理者と直したならば、国の施設に厚生大臣が調べられたりするようなことがなくなりはせぬかということです。私の聞いておるのは、そういう誘導尋問です。経営者を管理者と直しますと、厚生大臣が県知事や市長から調べられることはなくなる。決して厚生大臣が直接管理者になつているはずがないのですから、その場合はその余地がないかということを、速記をとめて御相談申し上げようと思つたのですが、わからぬとおつしやればその点もう少し……。
#72
○中原参議院法制局参事 立案いたしましたときは、今御心配をいただきましたようなことは、事実上起らないだろうという予想で、十一條は経営者といたしましたが、ただいま御心配いただきますように、まことにおかしいということが生ずるのでありますならば、管理者にかえることについては異存はございません。
    〔青柳委員長代理退席、委員長着席〕
 ただ先ほど厚生大臣が、知事なり市長の監督を受けるというように御議論をお進めになりましたけれども、国がそういう集団給食施設をしておる場合には、厚生大臣は栄養指導行政の主体としてやるのではなく、一私人と同じような資格においてやるのでございますから、私の方はさほどおかしいとは考えなかつたのであります。
#73
○丸山委員 そういうこじつけた申訳はなさらぬ方がいいと思います。率直にお改めになる方がいいと私は思うのです。それから第十六條の中に「第十二條(特殊栄養食品の標示)」とあります。この十二條には、特殊栄養食品という言葉は使つてございません。ただ「栄養成分の補給ができる旨の標示」となうております。そうすると、「栄養成分の補給ができる旨の標示」をしたのを名づけて特殊栄養食品と名づけるのであるかどうか。特殊栄養食品の定義をはつきりしてもらいたい。
#74
○中原参議院法制局参事 お説の通りでございます。
#75
○丸山委員 さようにいたしますと、ここに一つ問題になるものがあるのであります。牛乳あるいは乳製品というものがある。これは他の特別な厚生省令五十二号の規定によつて規制を受けるものなんでする成分と品質の向上との約束がきめられておる。そうすると、五十二号とそれとの関連性はどうなるのか。これは五十二号というものをかえてしまえばいいのか。あるいはこの法律によるというふうにしてしまうのであるか。これは厚生省の方からも御意見を承りたい。
#76
○山口(正)政府委員 ただいまお尋ねの点は、私どもの方といたしましては、牛乳を特別用途表示の特殊栄養品というふうには考えないで、一般の食品、こういうふうに考えて措置をいたしておるのでございます。
#77
○丸山委員 ただいまの公衆衛生局長の御答辞によると、牛乳は「栄養成分の補給ができる旨の標示」はできない。標示した以上は特殊栄養食品と認められるのでございますか。あなたは今特殊栄養食品とは認めないとおつしやる。そうすると、牛乳及び牛乳に関係しておるミルクその他一切の食品は、「栄養成分の補給ができる旨の標示」ができないことと相なるわけでありますか。それでさしつかえございませせんか。
#78
○山口(正)政府委員 特別の用途の標示をしない限りこの法律の中には入らない、適用にはならない。
#79
○丸山委員 御答弁が私にわからないのですが、第十二條をよく読んでごらんなさい。「栄養成分の補給ができる旨の標示」と書いてある。その次に「乳児用、幼兒用、妊産婦用、病者用等の特別の用途」、こういうふうに二つになつておる。他の「栄養成分の補給ができる旨の標示」でも特殊栄養食品になる。そうすると牛乳がこれからやる場合においては、何かそこに乳兒とか何とかいうことを書けばいいとか、書かぬでもいいとか、その辺の調整をどういうふうになさるか、はつきりした見透しを承りたい。
#80
○中原参議院法制局参事 これは立案しましたときに、牛乳と乳製品のことが一応問題になつたのでございます。牛乳や乳製品はこういう特殊な標示をしなくても、これは栄養補給ができるのだということが常識になつておるので、そういつた標示をしないのが普通でございます。それを特別にヴイタミンAがどのくらい以上入つておるのだとかいう特殊の標示をしたときには、特殊栄養食品の標示の規定にかかつて来るわけであります。
#81
○丸山委員 特殊という文句が書いてないのであります。「栄養成分の補給ができる旨の標示」だけでも、特殊栄養食品であります。
#82
○中原参議院法制局参事 「栄養成分の補給ができる旨の標示」と申しますのは、たとえばカルシユウム補給とか、そういうような標示でございまして、牛乳にはただ牛乳と書いてあるだけのように了解しておりますが……。
#83
○丸山委員 あまり知識が深くおありにならぬと見えます。牛乳には濃厚牛乳でありますとか、いろいろな標示があるのであります。ただの牛乳というだけではない。のみならずこれからヴイタミンDの附加したところの牛乳も発売せられようとしておるところなんです。そういう場合には、牛乳は一方において他の法律によつて縛られておる。一方はこれで縛られておるということになる。その辺の調節をどう考えておるのかということを聞いて参おるのです。
#84
○中原参議院法制局参事 ただいま御指摘になりましたような標示がなされれば、十二條に入るという前提で立案いたしました。
#85
○丸山委員 入るというお考えであるというと、省令五十二号の調整をどうなさいますかということを聞いておきたい。
#86
○中原参議院法制局参事 省令五十二号はただいま手元にございませんが、私の記憶では、規格をきめただけのように了解しております。その規格の上に、もう一つ特殊な標示をする場合には、この十二條をかぶしていいのだという運用をするつもりで立案をいたしました。
#87
○丸山委員 一応ごもつともです。そういうふうに取扱つて行こうという方針は、一応私には了解できるのであります。しかし御承知のように牛乳製品というものは非常に普及して、非常に数多く出して、しかもミルクのように保存できるならばいいですが、保存のできないものがある。それに前項の許可した製品のいろいろなことを書かなければならぬ規定があるわけです。その規定のことをやつても、そのビンはただちに洗つて消毒するのですから、だめになる。牛乳営業者にとつては、この規制を受けるということは、かなり苦痛であつて、私どもは牛乳の普及をせなければならぬと思つているのに、それに逆行するような結果が起るのではないかということを実は心配するのです。そういう意味で、牛乳の中のある部分は、その品質その他においては、厚生省令五十二号で押えられておるのだから危険はない。その方で取締規則があるのだから、この中から除外して附則の方へまわして、その点を明らかにしたらどうかというのが、私の考えです。それを申し上げたいために私は質問している。
#88
○中原参議院法制局参事 この十二條は、製造について許可を受けろということまでは、言つておらないのでありまして、そういう特別な標示をするときだけは、許可を受けなさいというように言つておるのでございます。もし今御指摘になりますような新しい牛乳が出ましても、そういう特殊な標示さえしなければ、ここにはかからないのだから、さしつかえないのではないだろうかということで、運用上の打合せをしたのでございます。
#89
○丸山委員 そういうわけには参らぬ。四項をごらんになると「第一項の許可を受けて標示をする者は、商品名、製造年月日、製造所所在地及び製造者の氏名又は名称、許可番号、原材料の配合割合、成分分析表その他厚生省令で定める事項を当該食品の容器包装の見やすい箇所に明記した標示をしなければならない。」と書いてあります。牛乳のビンにこれだけのことを書いたものを張らなければならぬ。何らか栄養成分の補給ができるということを標示する場合に、これだけのことをやらなければならぬ。そういうことはできないから、この法律でしばられて、栄養成分の標示は一切できなくなる。そういうことでは実際の運用に困らぬか。書く以上はこれだけのことを書かなければならぬ。たとえて言えば、オール・オア・ナツシングになつてしまうわけです。それでは牛乳製品を普及させる上には困るじやないか、それを私は言つておるのです。
#90
○大石委員長 ちよつと速記をとめて……。
    〔速記中止〕
#91
○大石委員長 速記を始めてください。金子君。
#92
○金子委員 今の問題はどういうふうに割り切つたのか、私さつぱりわからないのですが、今の丸山委員の質問の問題は、故意に言うのではなしに、食品衛生という立場から、一つの食品として人体に害があるとか、あるいはそういうふうな憂いのあるものに対する一応の制度があるわけでありますが、その食品衛生の方と、これの方は、今の食品衛生の取締り以外に競合するような問題は起りませんか。
#93
○中原参議院法制局参事 今問題になりました十二條は、食品衛生法の中にございました従前の制度を、そのまま振りかえたのでございます。従つて今御質問のようなことがもしあるとすれば、食品衛生法自体にも矛盾があつたであろうというのでありますが、そういうことは今まで聞いておりませんので、ないはずだと了解しております。
#94
○金子委員 そうしますと、今の食品衛生法による検査とか、監督とかいうことが、今度この法律の範囲の仕事にかわつで来るということで、そのかわることに対しても問題はありませんね。
#95
○中原参議院法制局参事 食品衛生法のうちの特殊標示の部分だけが、こちらに移つたわけでございます。そのことについては、実施をする所管省の方でも十分打合せがしてございますから、支障はございません。
#96
○金子委員 最後に、この問題だけについてですが、第十二條の本文と、それから第四項に、あたかも省令にでも書くようなことをきちつと書くから、こういう矛盾が出て来るのであつて、こんなに法律できちつと書かずに、一つのわくをこしらえておいて、そうして省令に定める余地を残しておけば、こういうような矛盾が起らないと思うのです。これは法作成上の問題であります。これは私の意見になりまするけれども、後ほど研究されまして――本法の中に、こういうふうな製造年月日だとか、こまかいこと一切を書こうとするから、こういう矛盾が起つて来るので、ある程度までゆとりをつくつておいて、この範囲のことは省令で定める、こういうようなことにすれば、こういうような矛盾撞着は出て来ないと思うのであります。
 それからこまかい條文的なことに対しては、ほかの委員からいろいろ質問がありましたから、繰返して申し上げることを避けまして、ここに考えなくちやならぬことは、この法律の施行の目的というものに対しては、もちろん私どもは非常に共鳴しておるものでありましてぜひこの法律を通したい、こう考えてはおりまするが、ただ予算のない中でこの仕事をやろうとするときに、あるいはやむを得ぬというようなことにもなるかもしれないけれども、この法律が施行されまして、そして国民栄養改善のために、この法律によつてスタートいたしましたときに、その重点が、結局集団給食というような最も管理しやすい面に厚くなつて、そうしてそうでなくて一般国民、農村だとか、あるいは小市民だとかいうようなものに対して手が届きにくい、言いかえれば、相談所というものの設置も、都道府県と保健所を持つ市に置くのだということになると、都道府県にたつた一人のそういうものが置かれても、あるいは市の保健所に置かれても、保健所というものは、大体において人口集団のあるところに置かれる、あるいは工場その他の施設の多いところに置かれる。そうすれば、その届出書類の監督ということだけで終つてしまう。一般の国民、あるいは農村なり、小市民の指導というものに対しては、実際上何ら手を伸ばし得ないではないか。こういう点を私どもは指摘したいのでありますが、それに対してどういう考え方を持つておられるか。
#97
○山口(正)政府委員 ただいまの金子先生のお尋ねは、先般参議院の委員会におきましても御同様な、集団給食施設にのみ偏重する様なことのないようにという御注意がございました。この法律に基いて栄養改善指導をやつて参ります場合には、ただいま御注意にありましたように、單に集団給食施設だけでなしに、あるいはまた都市偏重というようなことでないように、農村にまで十分行き渡つて、生活改善指導という観点から栄養改善をやつて行きたい、そういうふうに御注意して参りたいと考えて参おります。
#98
○金子委員 今山口局長がそういうふうに注意するということに対しては、いい心掛けだと思いますけれども、実際上はこの面だけではできないというように思うのです。なぜならば、この制度の中ではその手足がない。この法案は急ぎますので、少々意見にもなりますが、栄養指導員というものを都道府県に置くことになつているが、正式の指導員でなくてもよいが、これらの指導員に協力する、たとえば農村あるいは都市における一般市民、ことに農村地帯に普及されている保健婦とか、あるいは現在のエージエントの生活改善の職員というような、末端にまで触角を持つているものと、この指導員との関係をどういうふうにか結ぶようなあり方をした方がいいじやないか。それならば特定の莫大な予算をとつて要員を新たに設けることよりも、そこに何らかの関連性を持たしたらいいじやないかと考えるのでありますが、それに対してはどう考えますか。
#99
○山口(正)政府委員 ただいまの御注意でございますが、これは單に栄養改善の問題だけでなしに、すべての公衆衛生方面におきまして、いわゆる細部にわたるいろいろな手が十分足りないという点がございますので、それに対しまして保健所とか、あるいは府県庁というようなところの職員の働きに呼応して、その公衆衛生の向上ということにつきまして、あるいはこの問題に関しますれば、栄養の改善ということにつきまして、いろいろな筋を通して、一緒になつて働いていただくような、そういう組織をできるだけつくつて行きたい、そういうものを生かして公衆衛生の向上、栄養の改善ということをはかつて行きたい、そういうふうに考えております。
#100
○金子委員 そういうふうに考えたいということも――考えることはけつこうでありますが、そうならば、栄養指導員という項目に持つて行つて、他のそういう機関にそれらの仕事を委嘱するということを、やはりはつきりさしておく必要がある。委嘱することができるということになれば、たとえば委嘱することのために若干の予算もとれるのではないか、何もなければそれは先の人がかつてにやることであつて、内面的なコネクシヨンをつけるということだけであるから、今後予算化して行くときには、やはり末端の各市町村にこれに対する嘱託費なり、委嘱費なりを置くのだということを法文にうたつておく方が、予算を獲得するに有利な立場になり、また実質的にもその方が効果が上るのじやないかと思われますので、この点もあとで一応私の質問が終つてから相談したいと思います。
 それから、その次に調査の問題でありますが、栄養調査を調査員をもつてやるというようなことがあるのでありますが、これに対して私は非常に疑問が出て来ておるのであります。栄養調査員を都道府県に置くというところまではわかるのでありますが、さてそれならその調査員がどういう形式で、調査をするかということを考えてみますと――私どものかつての経験は、農村体験しか持たないのでありますが、昭和の当初から、農村の一つの問題として、農村栄養の問題を取上げて、そして一つの郡当りで、その各町村の青年層と主婦の協力のもとに、食品の消費実態調査なんかをやつて、経済の面、あるいは栄養の面から検討したことがあるのでありますが、そういう実際のことをやろうとすると、とても役人なんかでできるものじやないのです。一定の工場や何かならばどういう献立をしているか聞けばわかるかもしれませんけれども、実際庶民階級の人たち、あるいは農民の人たちの栄養調査をやるということになると、結局消費実態調査をする以外にはないのであります。ときたま行つて、どういう献立をつくつておりますかなんて言つたつて、それでは実態にならない。栄養調査をやるときには、必ず一箇月なり数箇月の、できれば一箇年を通して、そういう階層の食品の消費実態調査をするほかにないのです。ただ役人なんかが出張して調べた程度では、できぬと思うのですが、それはどういうふうな方法をもつてやろうとしておりますか。
#101
○山口(正)政府委員 調査いたします場合には、調査員はここに書いてございますように、医師あるいは栄養士その他保健婦、それを非常勤の職員にして調査に当らせますが、それを実施する場合にはその土地の人の協力を得て、食料の攝取状況の実態を調査して参つております。従来までの実施の状況から考えてみまして大体実態調査がこの組織でできる、そういうふうに考えております。
#102
○金子委員 それができるとすれば、私の従来の経験とえらく違うのです。それでは委託調査や何かをやつて一銭の紙代もペン代もやらないのですか。
#103
○山口(正)政府委員 全部こちらで費用を持つて、そういう調査費なんかを整えまして、それによつて調査しております。
#104
○金子委員 この問題は時間がありませんから、しいて申し上げませんが、あなた方でとつたデーターがもつともらしく印刷になつて積み上つて来ると、ほんとうのように思つているかもしれませんが、私どもが民間におりま而して、実際に栄養調査なんかをやりましたときには、とてもあんな簡單なことで数字がまとまるものではない。簡單にまとめ上げたものはうそでまとめてある。これはまた農家のことになりますが、毎日農民の食べておるものを調べるのは、現金出納よりもやつかいです。現金出納であれば非常に簡單でありますけれども、食品の消費状況調査ということは、現金出納よ力もはるかに多品目にわたりまして、日常消費したものをはかるということは――おそらくはかりさえないような家に持つて行つて、これをはからせるということは、相当の経費を持ちませんとできないのであります。これは私経験しておるのであります。それを大した予算もなくて、印刷した紙くらいやつて、これをつけてくれというような程度でできたとすれば、その数字はうそである。これをほんとうにやろうとするならば、調査に関する予算をもつとがんばつて行かないとできない、こういうふうに私は考えておりますが、その点はどう考えますか。
#105
○山口(正)政府委員 御説の通り、こういう食品の実態調査、攝取状況を調査いたしますのは、非常に困難な仕事だ、そういうふうに考えております。しかしただいまお話のありましたはかりの問題を一例にとりましても、はかりを各戸に貸与するとか、そうしてこちらから調査員が出かけて行つて手伝つてやる、あるいは質問に答え、一緒にいろいろ資料を整えてやる、そういうふうなやり方で、現在実施いたしております。しかしこれは実際問題からいたしますと非常にむずかしい仕事でありますことは、御説の通りでございます。今後はできるだけそういう正確なデーターがとれるようにやつて行かなければならぬ、そういうふうに考えております。
#106
○金子委員 その問題はまだ私には納得できません。と申しますのは、私十年前のあの農村の最も不況の当時と最近と、二回にわたつてこの問題をやつてみまして、その犠牲が非常に大きいために、はたしてこれができるかどうか、またそれに対して簡單にデーターが出ることは、かえつて間違うと考えておりますので、この点は質問と申し上げるよりか、御注意申し上げたいと思います。
 それからこの問題をおやりになる上に、調査することと同時に、栄養改善までやるということに、この法律の目的があるといたしますと、なぜ不合理な栄養がとられているかということを考えましたときに、あなたの方で調査してわかるでしようが、農村の栄養状態なんかを見ますと、一箇年の消費食品全体のトータルは、カロリー的に見ても決して不足しておらない。不足しておらないけれども、それがなぜあれだけ過激な労働をする人たちが、非常にへんぱな栄養になり、体位の上から言つても貧弱な体位、あるいは病気も多いという結果が出ているかというと、結局偏食だからということになる。そうして蛋白食品が少いというようなことは、常識的にたれでも言われておりますが、それならば農村の主婦がそれを全然知らぬかといえば、知らぬわけではない。それは、一つは昔からの慣習が原因いたします。その次に一番大きく働くものは労力問題であります。要するに農業労働に追われるので、調理に対して手間をかける時間がないということなんです。それからもう一つには施設が悪いということです。施設が悪いから、総合的な栄養調理をしようと思つても、あとまわりになる。こういうようなことが原因しているのであつて、栄養学というものだけを教えたから調理が満足にでき、同時に栄養上欠陷のないような方向に行けるかというと、これは相当むずかしい問題だ、従つて、これを指導するということになりますと、そういつたようなことの原因を発見すると同時に、もしこれをおやりになるならば、全国に対して数百箇所の、あるいは集団町村なり、あるいは個々の散布的なものなりをピック・アップしまして、そこに国家が重点的な一つの、私が先ほど申し上げたようないろいろな原因と総合して指導できるようなものを実施して行くこと、こういうことをやらなければこの効果は上らない。そうでないと結局この栄養改善法というのは、工場や何かに栄養士を置いて、そういうところだけの監督をしたということだけにとどまつてしまう。それらの国民層は全国民の一割ないし二割以内のものでありまして、問題は一般大衆、農民の層における栄養上のロスが非常に多いのでありますので、この点を私は非常に関心を持つていただきたい。その点から行きますと、この法文だけでは、非常に不満なのでありますが、討論に入りますのでそれらのことに対しては差控えます。そういうような点を十分お含みの上、今後この法律について善処してもらいたいと思うのであります。
#107
○大石委員長 他にこの法案に対する御質疑はありませんか――別に御発言もないようでありますから、お諮りいたしますが、本案の質疑は終了したものと認むるに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#108
○大石委員長 御異議ないようでありますから、本案の質疑は終了したものと認めます。
    ―――――――――――――
#109
○大石委員長 次に、国民健康保險に関する件について、金子委員より発言を求められております。これを許可いたします。金子君。
#110
○金子委員 先ほど来から国民健康保險の問題に対してわれわれ厚生委員会において、非常に熱意を持つて研究されました結果、本年度におきます四億の奨励金並びに四億の貸付金という程度の段階では、今日の国民健康保險は、とうていやつて行けないという結論に達しましたが、この問題について予算の編成期も迫つておりますので、この際各党一致のもとに国民健康保險の強化に関する決議案を、本国会に出していただきたいと存ずるのであります。ここでその内容を読んでみますが、御賛成を願いたいと思うのであります。
   国民健康保険の強化に関する決議案
  国民健康保険の現状にかんがみ、政府は速やかに左の措置を実施すべきことを要望する。
 一、現在国民健康保險は市町村の任意設立となつているため、その普及状況は全市町村の約半数、被保險者数は約二千四百万人にすぎず、なお四千万人の国民は疾病保險による保障を受けていない。よつてこの際、民生安定の基本的施策として、強力な国庫の財政的援助の下に、全国民を包含する疾病保險制度を早急に実現すること。
 二、国民健康保險は、元来他の社会保險に比して制度的に不利な立場におかれている上に、その療養給付費は逐年急速に増大し、貧弱な市町村財政の現状においてその経営は極めて困難である。これがため、昭和二十六年度末において約三十億円の赤字が見込まれ、更に二十七年度においても多額の赤字が予想され、このまま放置すれば、本事業の崩壊を来すおそれが顯著である。よつて政府は、国民健康保險の財政の基礎を強固にし、もつて本制度の目的を達成せしめるための緊要の施策として、療養給付費に対して少くとも二割の国庫補助を行うこと。
   右決議する。
以上の案文でありますので、御研究の上ぜひとも各党御一致いただきまして、今国会中に必ず本決議案が本会議において提出、付議されるよう願つておるものであります。御賛成願います。
#111
○大石委員長 ただいまの金子委員の御発言によりますると、国民健康保險の強化に関する決議案の案文を当委員会において作成し、本会議に提出したいとの御意向と存じますが、決議案の案文につきましては、金子委員の発言された要旨に基き、御賛同を得ました委員の名をもつて提出することとして、案文の整理その他提出の手続等に関しましては、委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#112
○大石委員長 御異議なしと認め、そのように決します。
#113
○岡(良)委員 国民健康保険の決議案の出されたのはすでに三回、今度は四回目でありますが、依然としてわれわれが一番念願しておる強制――強制という問題は惡いといたしましても、全市町村を含むということ、あわせて療養給付費の二割負担は実現されておりません。本会議にこの決議案が上程されましても、厚生大臣は常に善処するというふうなその場限りの御答弁でありますので、今度はぜひとも本会議では大蔵大臣の責任ある言明をもあわせ求めるよう、特に委員長の方から議運の方へも申入れをしていただきたいと思います。
    〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
#114
○大石委員長 わかりました。十分申し入れます。
    ―――――――――――――
#115
○大石委員長 次に公衆衛生に関する件として、立川市の井水汚染の問題について、政府より事情の説明を聴取いたしたいと思います。
#116
○楠本政府委員 立川市の井水の汚染問題につきまして、簡單に御報告申し上げます。
 立川市におきましては、数年前におきましても立川市のある部分の井戸に油様の臭気を伴うものが出たことがあつたのでございますが、その後大したこともなく済んでおつたのであります。しかるに約二箇月ほど以前から突然においに加わりまして、さらに油様のものが井水に混入して参り、その量は次第に増加いたす傾向にありまして、結局井水の使用不可能な状態になり、問題を惹起したのであります。
 これらの原因につきましては目下愼重に調査をいたしておりますが、現在までにわかつた概要を申し上げますと、大体立川市の飛行場に続く長さ約一キロ半、幅約二百メートルにわたる地域及びそれよりやや離れました五百メートルあまりの長さの区域が、井水の汚染地帯となつております。この辺の井戸は大体十メートル足らずのきわめて浅い井戸であります。そのためにこれらの井戸は全然使用することができなくなつておる次第であります。私どもといたしましては、その原因のいかんにかかわらず、現在市民に著しい迷惑をかけておりますことは、きわめて重大な問題でありますので、応急的に各般の措置、たとえばタンク車によりますところの清水の配給その他を実施をいたしております。なお根本的には、たまたま立川市におきましては、昨年来水道の布設計画がございまするので、本年は特にこの工事に重点を注ぎまして、いわば突貫工事のような形式で、早急に水道の布設を完了すべく、目下予算措置その他を実施いたしまして、工事を督励いたしておる次第でございます。
 以上きわめて簡略に状況を申し上げました。
#117
○苅田委員 まず原因につきまして、世上ではこれが西立川駅前に油タンクが四つあつて、それは百トン入りのタンクだそうですが、戰前は日本陸軍のものであつたのが、アメリカが接収して使つておつたのに、この重油タンクが漏つたのではないかということを言つておるのであります。それで五月二十日以後は、このタンクに油を入れるのもとめておるというようなことが、いろいろな方面の調査でいわれておるのでありますが、厚生省としましては、この事実をお認めになりますですかどうですか。
#118
○楠本政府委員 目下現地の方におきましても、市及び東京都並びに現地軍も加わりまして、愼重に調査を進めております。従いましてその結論がいまだ出ておりませんので、必ずしもはつきりとこれだけということは申し上げる時期に至つておりません。
#119
○苅田委員 しかし私ども、これは別に確実な資料によつているわけではないので、お伺いするわけなのですが、そういうタンクをすでに使用をやめておるというような事実は、これは現地を調査なさいまして、行われておることですかどうですか。
#120
○楠本政府委員 かような問題の原因が、飛行場のタンクにある点につきましては、だれしも常識的にも考えられることであります。従いまして精密なる調査結果のいかんにかかわらず、現地アメリカ軍側におきましては、タンクの使用を中止いたしております。
#121
○苅田委員 今一番つかみやすい原因は、そうしますとその辺だということなんですね。――それはそれでよろしゆうございますが、次にこういうよごれておつて使用できない井戸というのは、立川市中にどれくらい、つまり全市の何割ぐらいがそういう状態になつておりますかということを、もし調査ができておりましたら、お知らせ願いたいと思います。
#122
○楠本政府委員 大体被害人口は約一万人であります。
#123
○苅田委員 そうしますと、そこの水は今部長の言われたように、また実際水をとつて来てあるのを見ましてもわかるように、とても飲料水としては使用できないわけですが、こういう人家に対しまして、水の補給はどういうようなことでやつておられますか、少し具体的にお聞かせ願いたいと思います。
#124
○楠本政府委員 現在はタンク自動車を三台備えまして、これに清水をつぎまして、各戸に配給をいたしております。各戸と申しましても、つじつじに立ちまして鐘を鳴らしまして、そうすると近所からバケツを持つてとりに来るというやり方であります。
#125
○苅田委員 これは大体一戸につきま了してどれくらい一日に配給をしておるかということ、そうして一世帯の最高人員が大体どれくらいで、どれくらいの水の配給をしておるかということ、この実情も知りたいと思うのです。
#126
○楠本政府委員 現在大体一日二回配給をいたしておりますが、一戸当り大きなバケツに約三ばい程度でございます。従いましてこの程度の清水では、きわめて生活に不自由でありますので、目下市とも相談をいたしまして、至急タンク自動車を増強するように手配をいたしております。
#127
○苅田委員 これは市民にしてみれば、非常な不便があるわけなんで、ぜひこれは、特に夏季を迎えまして、公衆衛生等の見地から見ましても、これは一日もほうつておかれないと思うのです。あとでこの委員会の方とも御相談いたしまして、ぜひ視察に行つてもらつて、何とかこれを早急に解決するために、当然委員会としても乗り出さなければいけないと思います。それにつきましても、少し質問をいたしたいと思うのですが、これのための経費は現在どこが受持つて、大体このために一日どれくらいな経費を使つておるかということ、それをお聞きしたいと思うのです。
#128
○楠本政府委員 大体市におきましては、自動車の運転並びにその他水の配給のために一日約一万数千円を使つておると思います。
#129
○苅田委員 今お答えいただけなかつたのですが、どこが――これは全部立川市が負担していて、国としての補助金は出していないかどうか、そのことをお聞きしたいこと。これはあなたの方では突貫工事をやつて水道をつくるといわれるのですが、水道をつくるまでは少くともこの程度の費用はいるわけなんですが、大体どれくらいな見込みで水道をつくられるかということ、それからまた水道をつくるための費用、これがどういうことになつておるのか、この関係も少しお聞かせ願いたい。
#130
○楠本政府委員 水道が少くも現在の被害地帯に、各戸給水ができるまでには、いかに突貫工事を実施いたしましても、最少六箇月はかかるという見込みであります。なお水道に要する経費につきましては、これは国が公共事業費としての補助金のほかに、一般起債のわくでこれを処理いたします。
 なお念のために申し上げますが、立川市の水道計画は、この問題が始まつてから初めて計画されたものではなくて、すでに前年以来あつたわけであります。たまたま本年はかような問題が起きますので、特に計画を若干かえまして、被害地帯に早急に水の入るような計画に変更をしたわけであります。
#131
○苅田委員 そうしますと、大体六箇月先にならなければ水道はできない、それまでは一日二回大体三ばいあての給水だということなんですが、こういう状態につきましてどうなんですか、夏季を迎えましてすでに付近の町には、これはこの問題と直接関係はないかもしれませんが、相当赤痢患者が出ているというようなことも言われており、そういう新聞記事もあつたように思うのですが、この水の問題はこれ以上何とか解決の方法と言いますか、今のところ厚生省としてはお考えはありませんか。
#132
○楠本政府委員 伝染病の発生状況は、今のところは他の地域に比べまして、特に立川市が多いということはございません。ただ御指摘のように今後流行季を迎えますので、われわれといたしましても、その点は細心の注意をいたしまして、保健所その他を督励いたしまして、万全を期している次第であります。なお先ほども申し上げましたように、現在のようにわずかな水の配給だけでは、たとい半箇年とはいえ、きわめて市民には生活上不便が多いのでありますから、われわれといたしましては、さらに新しい井戸を掘りまして、ただ井戸と申しますのは大体五十メートルの深さを掘りますと、どの地域でも清水が出て参ります。従いましてさような深い井戸を掘鑿いたしますこと、及び先ほども申しましたように、タンク自動車をさらに増強することによりまして、できるだけこの半年にも不便ながらもがまんできる程度にいたしたいと努力をいたしている次第であります。
#133
○大石委員長 苅田さん、今の修正案を先に採決しますから、ちよつと中絶しまして、このあとで継続してください。
 次に本件に関連して委員外の福田安本政務次官よ力発言を求められておりますので、これを許可いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#134
○大石委員長 御異議なしと認めます。福田篤泰君。
#135
○福田篤泰君 委員長のお許しを得まして、委員長並びに委員各位並びに政府当局に対しまして、苅田委員から質問を提出せられました立川市の汚水問題について窮状をお訴えし、同時にまた強く要望をお願い申し上げたいと思います。詳細にわたりまして、苅田委員からも逐次御質問があつたようでありますが、この問題は三つあろうかと存じます。一つは原因のいかんにかかわらず、とにかくあの多数の立川市民が非常な困窮に当面している、いわば人道問題まで発展しつつあるのでありまして、この問題はのんびりと原因はどうだとか、対策がどうだというようなことを言つておる余裕もないように考える、一日も早くあらゆる非常手段を講じまして、敗戰後の新しいケースとしてのいわば異常なる災害対策として、政府が急速に実効ある対策を講じていただきたいのであります。また委員長並びに委員各位にも、ぜひともこの現状につきまして深い御理解をいただきまして、本問題解決に御協力をお願いいたしたいと思います。
 幸い私は二度ばかり現地調査をいたしまして事実驚いたのでありますが、先週の土曜日も松野厚生政務次官、楠本部長その他の関係官とも一緒に視察をいたしました。おそらく政府側もどんどんと非常手段を構じておられると思います。あるいはキテイ台風あるいはジエーン台風のごとき風水害のときには、ただちに政府は何十億出しまして、非常対策を的確に講じているのであります。しかしこれは今まで予想できなかつた新しい例でありますので、どうか従来の事務的な慣例にとらわれずに、至急対策をお立て願いたい。
 第二の点は原因問題であります。これは世上うわさされるごとく、あるいは調査中のごとく、あるいは基地における油の漏洩かとも存ぜられますが、この点も日米が今後緊密に協力して参ります原則が確立されておりまする以上は、日本にとりましても、また駐留軍にとりましても、一刻も早くその調査を科学的に分析発見せられまして、両国にとりまして円満なる妥結を見ますように切に御希望申し上げます。特に委員外より発言を求めまして、委員会各位並びに政府側に対してお願いを申し上げる次第であります。
#136
○大石委員長 次に先刻質疑を終了いたしました栄養改善法案を議題とし、審査を進めます。
 本案に対し丸山委員より修正案が提出されましたのでその趣旨弁明を求めます。なお本修正案につきましては、印刷物を配付する余裕がありませんので、丸山委員の御弁明で御採決願えれば、後刻配付することにして採決をいたしたいと存じますが、そのように取扱うことに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#137
○大石委員長 御異議なければさようにいたします。丸山委員。
#138
○丸山委員 栄養改善法案に対する修正案の趣旨弁明をいたします。
 栄養改善法案の一部を次のように修正する。
 第十一條第一項中「経営者」を「管理者」に改める。
 第十二條第四項中「商品名、製造年月日、製造所所在地及び製造者の氏名又は名称、許可番号、原材料の配合割合、成分分析表その他」を削る。
 第二十條中「(法人であるときは、その代表者)」を削る。
 これの修正を加えまする趣旨は、先刻質疑応答に場おいて、すでに明確になつたと考えますので、ここに時間を節約する意味において、あらためて詳しいことは申し上げません。経営者を管理者とする方が運営において正しいと思いまするし、種々なる掲ぐべき條項を羅列するよりは、これを省令に譲る方が、法の運営上において便宜があると信ずるがゆえであります。第二十條の修正は経営者を管理者に改めた自然の結果であります。
#139
○大石委員長 次に栄養改善法案並びに栄養改善法案修正案を一括して討論に付します。岡良一君。
#140
○岡(良)委員 私はただいま御提案になつておるこの栄養改善法案に対しましては、心から賛意を表する次第でありまするが、この機会になおわが党の立場からの二、三の希望を付したいと思います。
  この国民栄養の不合理ないし矛盾を解決しなければならないという声は、いまさらのものではなくして、すでに両三年前においても、厚生省の進歩的な官僚の諸君から、すでに法律案としての原案を作成されて参考資料としてわれわれもこれを配布を受けておつたのでありまするが、それがいろいろな事情によつて、今日まで延び延びになつておる。ところでいよいよ栄養改善法として、この法案が提出されましたが、しかし日本の国民の栄養を改善せんがためには、この法案をもつてしてはまだまだ十分にその改善なり、向上の目的を達することができない。なぜできないかというと、提案者の提案理由の御説明になり、また栄養改善法の目的としてうたわれておるところのものが、国民の栄養状態を明らかにし、栄養改善思想を高めまた栄養を改善する方途を講じて、国民の健康や体力の維持向上をはかる。国民の栄養改善について、こういう認識をしておられるというところに、この法案が真に国民栄養の改善に対する正宗の名刀ではあり得ない、この弱さあるいは低調さがあろうと思うのであります。わが党の立場からは、今日御存じのごとく莫大な輸入食糧を仰いで、本年度においてもわが国の外国に支払うところの輸入総額の金額のうちの二割三分は、主要食糧に充てられておる。ところで日本が経済の自立を達成しようとするならば、国際収支の改善をはかり、貿易の不均衡化を是正するためには、このような消費財の輸入というものは、徹底的にこれを抑制するということは当面の至上命令でなければならぬ。そういう意味において今の国民の澱粉偏重の栄養を改善することは、独立日本の経済自立の大前提であるという認識が、まず欠如しておるということ、ひいてはまたこのように主要食糧が不足しておる状況において、万一世界に大きな異変、戰争等が勃発いたしました場合に、船舶不足の日本は食糧そのものの不足によつて、生活の不安が社会不安となり、あるいは政治不安を惹起することは火を見るより明らかであります。この意味において、厖大なる予算が、あるいは国家保安隊等に用いられるよりも、食糧自給のための食糧増産に用いられ、同時に並行的に国民の栄養内容の合理的な改善がはかられるということが、国の安全と独立のための大前提でなければならぬ。現にすでに本国会においても、酪農の普及のための予算が三十七億も可決されておるのでありますが、今日低米価と重い税金にあえいでいる農家の経済力を向上せしめるがために――單に農家に酪農を普及し、有畜農業を普及し、無畜農家を解消するだけでなくて、また受入れる市民の食生活の中に、これらの蛋白質なり脂肪分なりを、農村を供給源として受入れ態勢を進めて行くという、單に都市におけるわれわれ市民の栄養や体力の改善のみではなく、農村の経済を一段と安定にし、また向上せしめるための重大な役割を持つている。こういうような事情を考えますときに、栄養改善は提案者が着眼されたような、單に個々の国民の台所なり、あるいは国民の健康につながるものではなく、日本の経済自立のために、日本の安全保障のために、ひいては日本の農村経済の安定と向上のために、これは国家独立の必至の要請であるという、この認識が足らないことが、われわれをもつてすればこの法律案はまだまだきわめて低調であるということを率直に申し上げざるを得ないのであります。従いまして、たとえば先ほど来金子委員によつても指摘されておりますように、長い伝統と翌慣によつて固定しているところの農村の食生活の改善、栄養の改善というものは、口へ持つて行かなければほんとうの改善はできない。そういう点から、これらの手足をできるだけ多く養成するという意味において、資質の充実した栄養士を、一日も早く、一人でも多くつくつて行くというふうなことについての具体的な用意が明確にうたわれないことは遺憾である。あるいはまた今日、日本の国民の栄養は、農林省に生活改善課あり、あるいは文部省に学童給食の所管課あり、あるいはまた厚生省に栄養課ありということで、いろいろな省がそれぞれ所管を別にしておる。その結果として調査は調査、農村は農村、学童は学童というふうに、真に国民全体を一体として対象としたところの充実した、統一した栄養改善の方途というものが、機構的に非常に実を結びがたい状況にあるのであります。こういう点は、この法案によつて栄養改善のための審議会が設けられるのでありますが、審議会というものはともすれば各省のセクシヨナリズムの犠牲となつて、何ら明確にして強力な施策を進言し得ない、あるいはたといいたしましても、それが実際に遂行されるかどうかということにおいては、今日までのいわゆる審議会の答申案なるものが、具体的な施策に生きた実績が非常に芳ばしくない、こういう諸事情を考えますときにもし政府がこれらのいろいろの栄養改養に関するところの指導的の所管課の一本化ができないといたしましても、この審議会がよほど強力に各省にまたがるところの栄養改善の所管課を統一して、全国民を対象としてそれぞれの職業なり、それぞれの地域に於ける立地條件を十分に考慮いたしまして、統一ある組織的な強力なる栄養指導を手から口へという方式において、ぜひとも国民の栄養改善に臨んでもらいたい。そういたしますためには、先ほど苅田委員の発言もありましたが、やはりわれわれは少くとも一日百食以下のものにおいても、効率的な栄養を攝取せしめるがごとき集団給食施設の拡充を、ぜしともやるべきであると思います。もちろんこれにはそれぞれ栄養士の配置がなくても、また別々な工場が別々に給食施設を持たなくても、それらの中小企業体が協同組合によつて共同給食施設を持つことは容易にできるのでありますから、そういうような方向においてでも、できるだけごく小範囲においてでも、集団給食を、特に工場における労働者の諸君に対してはお願いしたい。あるいは農村におきましても、これは当然法律化するくらいの意気込みをもつて、特に農繁期を対象として――農村協同組合の厚生部面における活動の第一点は、農民の栄養改善である。自分たちがつくつたバターや牛乳を、自分たちが消化し得るというところまで、農村の経済力を高めると同時に、農村の栄養、特に健康を生産と生活の唯一の元手として農民のためにも、かかる措置は協同組合の重要なる厚生事業の一環として、ぜひとも推進すべきであるということ、あるいはまた学童給食にいたしましても、文部省が所管をし、最近はそれも予算が削られたということで、全国の父兄諸君から物議をかもしておりましたが、こういうことも先進国の例にならつて、当然全額国庫負担によるところの全学童を含む給食というものを実施すべきものである。そういう形において、あるいはお母さんの負担を防ぎ、また子供たちが一つかま、一つなべのものを、お互いが一緒に食べることによつて、協同親和の精神を養い、小さいときにみずからが献立をつくり、みずからが従事することによつて、みんなに栄養の知識をつけることができる。これは一石四鳥の策でありまするが、こういう具体的な方針を、歩一歩でもさしつかえないが、当然これは政府の責任について実施してもらいたい。工場に働くものにおいても、農村に働く農民においても、あるいはまた子供たちにおいても日本のように、お互いが働かなくては国を守り、家を守ることのできないわれわれの環境においては、その唯一の元手である健康の最大の源泉であるところの栄養というものについては、もつと真剣なとつ組み方をし、もつと徹底的な栄養の改善の方途を講ぜられるべきことを、私は心から主張いたしまして、この法案に賛成をいたす次第であります。
#141
○大石委員長 苅田アサノ君。
#142
○苅田委員 日本共産党は、ただいま上程されました栄養改善法案に対しまして反対をいたします。
 この法案そのものに対しましては、これが栄養の調査を進め、栄養改善を目的としておるというこの範囲におきましては、私どもは決して反対はいたしません。しかしながら、これは他の委員からも御指摘になつた点でありますが、こうした国民の栄養調査をいたします場合におきまして、三千万円内外というような少額な金でもつて、ほんとうに正確な国民の栄養状態をつかむということは、とうてい不可能であります。なお、これだけの大きな規模で栄養の改善をはかるということと真剣にとつ組むならば、もつとほんとうに必要な大きな予算を出しまして、それに必要なところの栄養指導の技術者も十分に養成するような処置を講じてこそ、こういうような国民全体のきわめて低い栄養を科学的に高めて行くことができるのでありまして、單にこういう法律をもつてしまして、それができるということは、私はとうてい考えられない。それだけじやなくて、特に私どもが心配いたしますのは、現在の国民の栄養がきわめて低い、非科学的であるということは、決してこういう法律がないからとか、あるいは国民の栄養調査が完全に行われないからということではなくて、問題はもつと根本的なところにあると私は思うのであります。それは結局政治の方向が、バターか大砲かということに関しまして、明らかに大砲の方向に向つておる政治であればこそ、こういう法案をいくら出しましても、これでは国民の栄養の改善には資さない。特にこの提案の理由の中で、現在の国民は決して栄養を食べ足りないのではないという一項目が加えられておりますことは、これは注目しなければならないと思うのであります。現在の生活水準の非常に低い、しかも教養も低く放置されておりますところの国民大衆の中では、先ほども金子委員が言われましように、農村の実情を考えてみますれば、すぐわかるのでありますけれども、自分の家で鶏をたくさん飼つておりましても、毎日何十となくとれる卵は、一つも自分の家の子供、病人に食べさせることはなくて、全部これを売り出して、そうして家計の足しにしている。せつかく乳牛を飼つておりましても、その乳牛の栄養のある乳を食べるのはそういう農家じやなくて、乳牛を飼つておる農家の人たちは青い顔をして、そして現在の機構の中で都会の大きな業者のために、それを安く搾取されているというような、こういう状態の中にあつて、私どもが国民の栄養の改善はどうしなければならぬかということを考えますときに、私どもはもつと根本にしなければならない問題がたくさんあるということは、当然考えられるわけなんであります。特に今申しましたような、予算もない、技術者も足りないままの、きわめて安価な国民栄養改善法というものは、私は非常に恐しい気がするのであります。ちようど戰争前に、戰時食というふうなものが流行いたしまして、国民は何でもかんでも玄米食や、いろいろなものを食べさせられまして、そしてかえつて国民の健康を低下さしたというような例を考えまして、特に現在の政府の再軍備政策と呼応いたしまして、この国民栄養改善法が、せつかく当局者にほんとうに真劍な熱意があるのにかかわりませず、こういう政治のために惡用されるのではないかということを、きわめて心配いたしておるわけであります。私どもはこういう点を愼重に考えました結果、この栄養改善法に対しまして、以上の点について政府に鋭い警告を発しまして、そして共産党といたしまして、今回の栄養改善法に対しましては反対を表明いたしたい、かように考え
 ておるものであります。
#143
○大石委員長 以上で討論は終局いたしました。
 次に本案の採決に入ります。まず丸山委員より提出されました栄養改善法案修正案に賛成の諸君の御起立を願います。
    〔賛成者起立〕
#144
○大石委員長 起立多数。よつて本修正案は可決されました。
 次に、ただいま修正された部分を除く残りの原案について採決いたします。本部分を原案の通り可決するに賛成の諸君の起立を願います。
    〔賛成者起立〕
#145
○大石委員長 起立多数。よつて本部分は可決され、栄養改善法案は修正議決いたされました。
 なお本案に関する委員会報告書作成に関しましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、そのように決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#146
○大石委員長 御異議なしと認め、そのように決します。
 なお先ほど議長より本会議場に入れ入れとの命令がございますので、本委員会を暫時休憩いたします。
    午後四時二十五分休憩
     ――――◇―――――
    〔休憩後は開会に至らなかつた〕
ソース: 国立国会図書館
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