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1951/05/17 第13回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第013回国会 経済安定委員会 第25号
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1951/05/17 第13回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第013回国会 経済安定委員会 第25号

#1
第013回国会 経済安定委員会 第25号
昭和二十七年五月十七日(土曜日)
    午前十時四十七分開議
 出席委員
   委員長 前田 正男君
   理事 志田 義信君 理事 多田  勇君
   理事 永井 英修君
      岩川 與助君   小野瀬忠兵衞君
      圖司 安正君    奈良 治二君
      福井  勇君    福田 喜東君
      渕  通義君    村上 清治君
      風早八十二君
 委員外の出席者
        参  考  人
        (日本綿糸布輸
        出協会常務理
        事)      小杉  眞君
        参  考  人
        (日本商工会議
        所調査部長)  高瀬 千波君
        参  考  人
        (経済団体連合
        会理事)    仲矢 虎夫君
        参  考  人
        (日本化学工業
        協会長)    原 安三郎君
        専  門  員 圓地與四松君
        専  門  員 菅田清治郎君
    ―――――――――――――
五月十二日
 鉄鋼労務者の加配米等に関する陳情書(日本鉄
 鋼産業労働組合連合会中央執行委員長森田清市
 郎)(第一八〇〇号)
を本委員会に送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 事業者団体法の一部を改正する法律案(内閣提
 出第一六七号)
     ――――◇―――――
#2
○前田委員長 これより会議を開きます。
 本日は事業者団体法の一部を改正する法律案を議題といたし、参考人より意見を聴取いたします。
 この際、参考人の各位に一言あいさつを申し上げます。本日は御多忙中にもかかわらず、本委員会のためにわざわざ御出席いただきましたことを厚く御礼申し上げます。ただいま本委員会におきまして事業者団体法の一部を改正する法律案を審議いたしておりますが、その審査の慎重を期するために、それぞれの部門の立場から御意見を拝聴いたし、本法律案審議の参考にいたしたいと存じておりますので、参考人各位にはそれぞれの立場から、十分御意見を開陳くださいますようお願い申し上げる次第であります。
 それでは参考人より参考意見を聴取いたすのでありますが、各参考人に対する質疑は、まず参考人より参考意見を聴取いたし、その都度これをお許しいたしたいと思います。なお参考人の発言順序につきましては、委員長に御一任願いたいと思います。
 それではまず日本化学工業協会長原安三郎君からお願いいたします。
#3
○原参考人 今御指名を受けました原安三郎でございます。
 事業者団体法は独禁法と密接な関係がございますので、ほんとうは独禁法と一緒にお話をする方がよろしいが、このお示し願つた参考人として意見を述べます点は、大体主として事業者団体法の改正でございますからその方から申し上げて、独禁法の問題に触れることがあるかもしれません。実はもうちようどかれこれ十箇月前に、この問題で、内閣に政令の諮問をする委員会ができておりまして、この諮問を受けたうちで、経済法規十三を討議したことがあります。すなわち占領軍がいろいろ示されましたディレクティヴまたはメモランダムから出ました経済法規を、昨年、日本の現段階においていかに修正したがよいかという問題を協議し合つたときに、経済法規だけは私が引受けましたので、そのときを思い起しまして、ここに記録の簡単なものがございますから、それを申し上げたいと思います。
 まずその方から申し上げますと。あの当時の階段では独禁法の改正と連関しておりましたが、元来独禁法そのものが制定されたということが、占領軍が参りまして一番問題になつたのは、財閥の解体と経済の民主化であつたわけです。そして財閥解体と経済民主化という二つの大きな線が独禁法に盛られておつたわけです。それがたしか二十二年の四月だつたと思うのです。それから一年四箇月たつた二十三年七月に、この事業者団体法というものが現われて来たわけです。でありますから、独禁法に規定されているものをもつと強く擴充するという形がとられておるのです。実はもし事業団体法というものが独禁法と同時に制定されるのでしたら、独禁法の施行法であるべきはずであるのに、單独法として一年四箇月たつて現われたので、これにはどうも錯覚があつて出たのではないかと思う。戦時中にいろいろの統制団体ができた。そのできた団体がまだ温存されて、何らか日本の財界が、従来の統制または規制問題を各業種別にやつていはしないかという感じを、この独禁法が出た当時から持つていたのが、一年半もたつてまだ調査ができないと見えて、その温存団体をなくしよう、あるいは新しいそういう種類のものが起きてはならないという点から、こういう強い施行法ともいうべきものが、単独法となつて現われて来たのではないかと思います。すなわち独禁法よりももつと擴充した、実行範囲をきゆうくつにした、団体を規制する法律がこれであつたのです。それで独禁法そのものがもうすでに財閥解体という目的を達しました。これは昨年の八月ごろにそういう情勢を呈しておりました。そうしてまた経済民主化という線だけは、なるほどまだ残しておいてもいいかもしれぬ、こう思われますから、その当時は独禁法は一部修正して――一部修正どころではない、精神的には大きな修正でありました。一部修正でなしに、事業者団体法はそのときもう廃止した方がよいというふうに考えて、それが政令諮問委員会の答申になつておりました。でありますから、それから約十箇月経た今日では、ますますこの事業者団体法の必要はなくなつておるわけです。ただそのとき単純に事業者団体法を廃止してしまうよりは、事業者団体法の中に盛り込まれておる一、二点は、なるほど独禁法にもないものがあります。独禁法の第二章の四條から六條までが、大体団体に関する規制問題が規定されておりまするから、そのうちの條項のいずれかに盛るか、または新條項を置くか、それによつて事業者団体法全体を廃止してほしいということがそのときの答申でありました。十箇月たつたこのごろでは、ますますその点ではそういう感覚を強くしておりまするから、修正案が出たことは、実際は意外に思つております。そのときから私はあの法律は廃止されるべきだと思つておりますから、約十箇月の間、頭をからつぽにして何も考えていなかつたのですが、今度この委員会からの御命令で、参考人として出ろということでありましたから、私は昨夜から古いそのときの書類を持ち出してここに出て参つたのであります。そういうことで、政令諮問委員会で廃止論ということになつております。廃止論の点から申しますと、本日の修正論については非常な逆コースをとることに相なりますが、しかし一応本修正案についての意見を述べるということも――このままで大勢の皆さんの御意見をお伺いになつてから固めてお出しになることでありますから、修正されるとしても、少くともこういう程度の修正をしてほしいという点を申し上げたい、こう思うのです。本法は十九條ありまして、そのうち一條から六條までが大切な修正をする問題で、あとのは法律の適用を受けない団体の名前を掲げたり、または罰則規定をつくつたりしておりますから、十七條から十九條までは取上げませんが、一條から六條までのうちに、一條はいわゆるこの法律を置いた目的というものがあげられております。この目的だけで見ますと、簡単なものでありまして、事業者団体の正当な活動範囲というものはどんなものかを定め、また公正取引委員会に届出をしなければならぬ、こういうことが目的だと書いてある。一條は簡単なのです。ところがその定義の分からして、さつきお話しました独禁法の精神をもつと擴充したような、こまかいことが盛り始められておるのです。それでもまだこれは恕すべき点があるのですが、四條の方の許容活動という條項は、第一項が十号まであります。これも一応よろしいが、その次の第五條に禁止行為というものがあげられて、これは一項は十八号あるのです。この許容活動と禁止行為との間が、解釈上困るようなふうに極端にあいておるのです。私は、この許容活動というのは、これも一々十の條項を見て行かなければいけませんけれども、まずこれはあつてもよろしいと思うが、第五條の禁止行為の方は、全部なくてもいいというぐらいに考えておるのです。もしこれを最小限度まで讓つても、わずか数項残せばいいのではないか、こんなふうに考えております。
 全般論としてはそうでございますが、一応逐條で申し上げてみたいと思うのです。第一條の方は、今申し上げましたように非常に簡易な、そうしてその行動のごときもそうむずかしいことは予想されておりませんが、第二條はたいへんむずかしくつくられております。このうちで「共通の利益を増進することを目的に含む」というのは、ちよつと広過ぎると思うのです。これは多少字句的になりますが、この団体の主たる目的は、事業者としての共通利益を増進することが主であるということに、この点はむしろ改めた方がいいのではないかというふうに考えております。それから大体これは大きな問題になつて――私は廃止論者ですから問題ないのですが、「営利を目的とするとしないとを問わず、」というこの條項を削る方がいいと思うのです。すなわち営利関係の方は除いてしまう方が、独禁法の方で押え得ますから、わざわざこれを入れる必要がない、こんなふうに考えます。また「二以上の事業者が株主」、これは「株主」はもちろん削つてもらいたいし、また「会社、社団法人その他の社団」という「会社」というものはこの営利関係に連関して当然削るべき字句ではないか、こんなふうに考えております。その他第二項、第三項はこれで行つてよろしい。大体そういう点でございますが、私、主としてここに申し上げたいのは、一番強い禁止條項になつております第五條を論じたいのです。この第四條の許容活動は大した変化はなく、今申し上げたような趣旨で変更していただければよいのじやないかと思つております。この第四條の第一項第三号などの中にも、字句的に今言つたような線で変更していただかなくちやならぬのがあるのです。それは援用規定として「第五條第三項の規定により、」ということになつておりますが、第五條は私は大いなる変改を希望しておりますから、当然この第五條第三項を削るようにしていただきたいと考えております。大体この許容活動については、独占禁止法の一種の説明のごときものであり、施行法のようなものでありますから、その修正は今申し上げたような趣旨でやつていただけば、あと著しく大きな問題はないと思います。問題は第五條です。今度の政府提出案を見ますと第五條第一項が十八号にわかれまして、あと別に二項、三項となつておるのですが、この十八号にわたつて列挙されておる禁止行為については、これはいつも問題になるところで、そのとりきめ方たるや実にこまかくきめてあり、きゆうくつ千万なきめ方になつておりますから自由裁量の余地はないのです。またその網の張り方たるや非常に詳細に過ぎこの禁止を署しく強めております。そういうようなところから、もしこの改正で事業者団体法を維持するとすれば、許容活動だけ残して第五條全部を削ることを希望したいのですが、しかしせつかく政府原案も出ておりますので、幾らかこの中でさしつかえないものを残すとすれば、私は三号ほど残し、あとのものは全部削りたいと思います。政府原案では六号だけ削ることになつており、あと一部修正になつておりますが、私の考え方を申し上げますと、まず第六号には、特別な事業者に対して利益または不利益を與える行動のことが書いてありますが、これはかりにこう書いてみましてもおだやかならない行為でありますから、これはやはりこの法律を置くとすれば禁止行為の中に入れておく必要があると思うのです。維持したいのは第一項第六号、次には第八号です。これは簡単ですから読み上げますが、「構成事業者の機能若しくは活動を制限し、又はその制限に着手すること。」これはやはりこの法律があれば置いておく必要がある條項だと思うのです。次は第十七号、「不当に立法又は政府の政策に影響を與えること。」これはいつの場合でもよろしくありませんから当然置くべきものと思います。第十八号は全部削つてほしいと思います。
 念のために申し上げますと、第一号は例の生産配分統制に至る行為とありますが、統制という言葉の使い方が非常にまずいのですが、それはとりあえずとして、かくのごとき行動はやはりある種の団体に必要なものです。それから第二号はカルテル的協定のことが書いてありますが、これは独禁法でちやんと押えておりますから、独禁法のそれに従えばわざわざこういうこまかい規定をつくる必要はないと思います。それから第三号に取引を不当に拘束するとありますが、この問題も当然独禁法の定義の範囲に入つて参りまして、ここでわざわざこういうこまかい規定をすることは、独禁法の規定の行き過ぎになる。またあの解釈に制限を加えるおそれがあると思います。第四号の対価統制もあまり強過ぎる規定であつて、当然これは削つてもらいたいと思います。第五号は事業者の数の限定の問題であります。これはちよつと問題がある。国家全体の企業を進めて行く上において、絶対にこの数を限定してはいけないということも、同業者同士の話合いでは必要であることがあります。合理化経営のごときはそれなのであります。企業家間の合理化経営のごときは、それがなければできない。企業内の合理化と企業間の合理化との場合に、どうしても第五号がものを言うわけであり、これは削りたいと思います。第七号は報告提出の問題であります。これは煩にたえない問題ですから削りたいと思います〇九号、十号はすでに政府原案でも削ることに相なつております。政府が削るといつておりますのは九号、十号、十一号、十四号、十五号、十六号です。次に十一号の特許権の問題です。この問題のごときは、団体が特許権を所有してはならぬということはむしろこつけいに属するもので、当然これは削つてもらいたい。十三号はいろいろ列挙してありまして、これらの営業に従事することはいけないということになつておりますが、これはあらゆる場合を想像すると、こういうこまかい規定をつくられたのでは、まつたく営利事業団体の活動を阻止しておることになります。次の十四号、十五号、十六号は政府原案も削つております。十八号は「注文者その他の者の依頼を受けることその他の方法により、公私の注文の入札に参加し、これを規制し、又はこれに影響を與えること。」このようにこまかく書き上げると、なるほど談合をやつてみたり、あるいは事業者間でうまいことをしよう、すなわち注文者に対して悪意を持つておるというような感じを與えますが、これはもう昔からこういう場合があつても、そういう状態が起ればすぐにその行為から来る反映は、新しい注文なり新しい入札に参加できないという現実的の報復がありますから、十八号は削つてほしいと考えております。
 要するに第五條に関しては、私の考え方では、わずかに三号だけ残すという程度でよろしいのではないか、わずかに六号だけを削つたというのはり現段階に合わない修正でなかろうか、こういうふうに考えております。以上主として私は第五條のことを申し上げましたが、やはり連関性のあることとして第六條の方の、「この法律の規定は、左に掲げる団体に対しては、これを適用しない。但し第三條の規定は、この限りではない。」これは当然あつてよろしいと思うのですが「但し、第三條の規定は、この限りではない。」というこの條項は、むしろこれに限定を加えたおそれがありますから、この政府原案はむしろ但書以下を削つてほしいような気がいたします。大体第六條まで見ましたので、私としてはこれをもりてこの法律案に対する私の意見としてお聞きを願いたいと思います。
#4
○前田委員長 それでは原参考人に対する質疑を行いたいと思います。多田君。
#5
○多田委員 お忙いところおいでいただきまして、種々有益な御意見をお聞かせくださいまして御乳申し上げます。ただいまのお話で、政令諮問委員会でこれに関して答申をされたように私は聞きますが、この事業者団体法廃止の場合に独禁法に残すというのはどういうものでありますか。また大体どの程度のものをこの中に入れるべきであるかということをお尋ねいたします。
#6
○原参考人 その場合私考えますのは、営利事業をやつていないものに対する規制は独禁法の中にないのです。独禁法は大体営利事業を主としておるのです。あの独禁法の規制は、御存じの通り消費者を非常に保護して、製造業者、生産業者を割合に押しつけておる規定なのですが、これを要するに製造業者を規制することが主で、その他有価証券の保持とかいろいろありますが、今申し上げたような営利を目的としていない団体に対する何らの規制はないのですから、第二章の中にその意味のものを加える。事業者団体法だけにあつて独禁法に漏れておるじやないかというものを加えたらどうか。元来が政令諮問委員会の方はこまかい條文の取扱いはいたしませんで、精神だけを伝えたわけでありますから、第何條ということはありませまけれども、今申しましたような趣旨のものを入れて、そのかわりに事業者団体法を廃止する。事業者団体法を置いておくならそれだけを入れるということはおもしろくないと考えております。
#7
○多田委員 当委員会の事業者団体法に関する小委員会で一つの提案をまとめたのでありますが、それは今原さんのお話のように、団体法を廃止したいという建前で、いろいろ諸般の情勢を検討して、ざつくばらんに申し上げますと、この修正によつて団体法をある程度骨抜きにしたいという考えから一応まとめたようなわけであります。政府の改正案のほかに小委員会の修正案をお手元に差上げてあることと思いますが、もしごらんになりましたら、ただいまお話のような趣旨が、この小委員会の修正案で大体達成できると思いますので、その辺の御見解を承りたいと思います。
#8
○原参考人 一応拝見いたしましたが、私はあの許容活動に関するものはけつこうでございますが、第五條の禁止行為のごときは、もう少し私の申し上げたような線に進んでいただくことを希望しております。私は非常に範囲を限定いたしておりまして、営利関係に少しも触れてないようなものは全部削る方針をとりまして、私たちの希望からいえばまだ少し強く出てほしいと希望しております。
#9
○前田委員長 私からお聞きいたしますが、先ほどの政令諮問委員会の案は政府に答申されております。政府といたしましてはそれをどういうふうに取扱つたか、もしお聞き及びでありましたらお聞かせ願いたいと思います。
#10
○原参考人 政府は何らそれに対する正式の返事はいたしませんでした。その当時のわれわれの事務局長というのは岡崎官房長官でしたが、われわれが質問すると返事をする程度であつた。これに対しては正式に返事がありました。そのときに別に簡単な研究会を設けて審議しました。その結果事業者団体法は全面的に廃止ということであつたが、どうもそれはその筋にぶつかつてみるとうまく行きそうもない空気であつたから、これは修正で行きましようという話であつた。その修正の内容は知られておりません。ところが新聞などにたびたび出ました。しかし私たちは全面廃止ということですから、その一部が残るとか残らないとか――きようもここに出るのも、もう済んでしまつたことで、われわれの感情を整理してしまつておるものを、もう一回ひつくり返して、古新聞を読むような気がしてならない。そういう関係ですから、新聞記事などは全然眼中になかつたわけです。それから直接ではなかつたのですが、政府を督励したばかりでたく、私はその筋の方面にも、あらゆる手段でぶつかりました。これはもつと詳しいことがありますが、ちよつと御説明をはばかりますからこの程度で……。
#11
○前田委員長 ほかに御質疑はありませんか。――それでは原参考人に対する質疑をこれで終ります。どうもありがとうございました。次に経済団体連合会理事仲矢君から御意見を伺いたいと思います。仲矢参考人。
#12
○仲矢参考人 この問題につきましては、私の方といたしまして、この事業者団体法は成立して以後、たびたび改正要望意見を申し上げ、事業者団体法の改正に関する要望調査というようなものを昨年の初めごろとりまとめて、この資料を当委員会の委員の方々、その他関係方面の方に差上げてございます。それから先ほど原さんからもお話がありました、占領後の経済法規の全般的な問題についての逐條的な改正要望意見を具体的にとりまとめたものを、昨年であつたと思いますが、同じように当委員会の委員の方々、その他関係方面に差上げてございます。従つて今原さんからもお話がありましたし、文書の形で逐條的にも詳しくまとめて差上げてございますので、私はここで一丸の條文についての御意見を申し上げることを省略さしていただき、ただ今度問題になつております事業者団体法の改正要望意見の骨子だけについての簡単な意見を申し述べたいと思います。先ほど原さんからもお話がございましたが、この事業者団体法はよく一般には独禁法の補完法というふうな言葉を使つて説明されておりますし、また事実そういう面もございますが、私は独禁法に対する補完法というよりも、むしろ独禁法を土台としてその上にいろいろな制限を積み重ねて行つた、いわば擴大再生産法であるということを申し述べておるのでありますが、私はそういうふうに解釈しております。特にこの法律の目的は、いろいろうたつてはございますが、終局の目的は結局団体の活動を規制する点にあるのでありまして、その規制する要点が大体四條と五條になつております。五條の第一項の一号から八号までの禁止規定は、独禁法の第三條、第四條、第五條、第六條、第十九條といつたような各條文を、事業者団体と普通の事業者というように対象が違う関係上、表現、内容が違つて来ますが、根本精神においては違つた形で再現した部分に当ります。それから同じく第五條第一項の第九号から第十八條までの條文も、非常に大ざつぱでございますが、さきに申し述べました独禁法に対するこぶつきの部分で、擴大再生産された部分でございます。禁止規定としてはそれだけでございますが、さらにこの団体法は、禁止規定として明記されたもの以外に、禁止的な規定があるという点でちよつと特徴があるのであります。それはどういうことかと申しますと、第四條に許容事項が幾つか列挙されておりますが、この許容事項として列挙された事項以外のものにつきましては、公正取引委員会の認可を要することになつております。従つて認可を受けられない事項は、第五條の禁止規定と同一の効力を持つているわけでありまして、第五條だけが禁止規定ではなくて、第四條の中にも禁止的な規定が入つておるのでございます。そういう意味におきまして、この団体法は禁止規定として明記された事項以外に、法文の上に表わされていない禁止規定があるという点で特色を持つているわけであります。そういう禁止規定として明記されていないものを含めて要約いたしますと、第五條第一項の一号から八号までが独禁法の違つた形における再現であり、九号から十八号、それから第四條許容事項の範囲を越える事項が、独禁法に対するこぶつきの部分に当るわけであります。ところが大体先ほど原さんのお話もありましたが、あとのこぶつきの部分は、本来取締る必要のないものが相当部分入つているわけでございまして、かりにその部分のものを除きますと、ほんとうに問題になるのは第一号から第八号までの規定でありますが、そうしますとこの第一号から第八号までの規定は、大体において独禁法によつて取締れる性質のものでございます。こういう意味でかねがね私は団体法は廃止すべきものであるということを主張して参つたわけでありまして、今度の改正案を拝見いたしますと、大体におきまして独禁法に対するごぶつきの部分の中で、わが国の経済の実情に即しないもの、あるいは本来取締る必要のないものを削ろうとしておる点がねらいであるというふうに見受けられるわけであります。この点は従来産業界、経済界から要望して参りました点と一致しておりますので、改正案の根本の方針には私は賛成でございます。さらにこのねらいは、大体二つになつておるように拝見いたします。一つは団体法で取締まりの対象すとる事業者団体の範囲を縮小するということ。もう一つは、事業者団体の合法的な活動範囲を擴大する、こういう二点に要約することができるかと思います。先ほど申しましたように、逐條的な意見は省略いたしますが、改正の要点は第二條の改正と第四條、第五條の改正だと思いますので、その三つの点につきまして意見を申し述べたいと思います。
 第二條の事業者団体の定義の改正によりまして、取締りの対象になるものの中から、会社その他の――これは公正取引委員会の案におきましても、本小委員会の案においても、会社その他の協同企業体をここから削除するということがいわれておりますし、さらに小委員会の案では、公取の案以外に、共通利益の増進を主たる目的としない団体は、この適用からはずすというようになつておるようであります。この中で、主たる目的としない、たとえば公益法人などをはずすというような点は重要でございますが、むしろ決定的に重要な点は、両方共通しております会社その他共同企業体の適用からはずすという点であろうと思いますが、この点は、従来は二つ以上の企業が共同出資して新会社なり新しい組合をつくつて共同事業を行うとしましても、会社自体あるいは組合自体が、事業者団体法にいう事業者団体として取扱われ、従つてその活動範囲も、第四條の許容活動の範囲以上の行為はできない。従つて許容活動に限定されたわけで、購買、販売、生産あるいは荷扱い、保管、輸送といつたような営業に従事することはもちろんのこと、その他どういう種類のものであろうと、営業用の施設、株式あるいは社債を所有することすらできなかつたわけでありまして、従つてこれは法律効果の上からいえば、事実上本来の意味の一切の共同企業体というものが、原則的に法律の上で否定されていたということであつたわけでありますが、今度の改正によりましてこの制限が解かれることになりますと、資材の共同購入会社あるいは共同修理会社といつたようなもの、あるいは今方々で問題になつております共同自家発電会社というような問題が、会社形態あるいは共同企業体をとる限りは自由になるわけでありますので、この点は一つの大きな改善であると思つております。
 それから第四條の改正の点についてでありますが、従来は、先ほど申しましたように、第五條の禁止行為はもちろんのこと、たとい禁止行為として列挙されていないのでも、許容活動として明記されていないものは、大体事実上一切禁止されておりたために、禁止行為と明記されたもの以外にも、かなり多くの禁止事項が法文の表面から隠れていたわけであります。今までは一方で禁止し、一方で許容するというふうになつておりましたが、――これはちよつと脱線と思いますけれども、実際上は第五條よりも第四條の許容事項に関する規定の方が、より厳重な禁止規定であつたと私は解釈しておつたのであります。と申しますのは、第五号の禁止規定というものは、形式的にはそうではありませんが、事実上は例示的な規定になつておる。と申しますのは、許容事項以外のことは一切できないというのでありまして、この條文一項あれば、ほとんどそれ以外のことはできないわけでありますから、形式的には許容事項に関する規定でありますが、実質的にはこれの方が厳重な禁止規定であつたと私は解釈しております。そういうことであつたものを、今度はこの第四條の許容活動に関する規定を例示規定に改めまして、さらに公正取引委員会の認可事項というものを削りましたために、この事業者団体法が、この
 一点で決定的な面目を一変してしまうことになつているように拝見いたします。従いまして、私は今度の改正法の中で、むしろ形式的にいえば、第四條の改正の方が決定的な重要性を持つておると思う。もちろん内容的には第五條の禁止事項の緩和が実質的な効果を持つものでありますが、形の上ではそういうことになつているかと思います。ところで、今度の改正によりますと、第五條で禁止行為で規定されました特定の事項を明瞭に列記しましてそれ以外のことにつきましては、法律上の行動の自由を事業者団体に與えておるわけであります。私は法律の方は全然しろうとでありますから、常識論でありますが、本来第四條の許容活動に関する規定は、もはや削除すべきであつたと思うのあります。しかしこれはいろいろないきさつを伺つておりますと、そういうふうにわれわれが簡単に要望するようなわけには運べなかつたということは、よく存じておりますが、本来ならばそうであつたと思うのであります。しかしかりに第四條が残つたといたしましても、事業者団体は、大体こういうことをやるべきものだということを教訓し、あるいは教育し、ないしは希望しておるという事項にすぎないので、いわば教訓規定としての意味しかないので、以前のような禁止規定――以前は第四條の許容活動がむしろ禁止規定的であつたと申しましたが、今回はそれが禁止的な規定でなく、單に教訓的な規定になりますので、今後は禁止規定の効果はなくなり、実質的には無害なものとしてそう気にとめることはないのでありますが、ただここでこまかいことかもしれませんが、ちよつと気になる点は、改正法の第四條に、旧法第四條の禁止的な規定の残滓がいくらか残つておるということであります。一例を申し上げますと、第四條の第一項の第一号であります。「統計資料の自由意思による提供を受けること及び特定の事業者の事業に関する情報又は状態を明示することなくその資料を総括して公刊すること。」この文句は、公正取引委員会の案においても、小委員会の案においても、そのまま残つておるようでございます。このうちで「特定の事業者の事業に関する情報又は状態を明示することなく」という一つの制限的な文章が入つておるわけであります。これはややもすると、必ずしも法律専門家ばかりでないので、禁止的で、結局明示してはいけないのだというように解釈されるおそれがあります。そうなりますと、今後統計法なんかで、事業者団体などが相当統計関係についての活動をしなければなりませんが、この文句があると、たとえば八幡が何トン生産するか、富士が何トン生産するか、明示するといけないのだというふうに解釈されるおそれが多分にあるかと思うのであります。これはおそらく、団体が一般に統計その他の資料を公表する場合には、特定の会社名とか、工場名を隠して、総計だけを発表すべきものであるという教訓的な、あるいは希望的な希望を述べておるにすぎないので、この教訓に反して会社名を明示して統計資料を公表したとしましても、禁止規定に反したことにもなりませんし、命令規定にも反したことにもならず、おそらく罰則の適用を受けることはないと思いますが、それにしましてもこの文句そのものは、あだかも禁止的な規定であるかのように誤解されるおそれが多分にあると思います。これに類したことがこまかい点で一、二ございますが、せめてこの文句の制限だけは、誤解を招かないように落してはどうかというように私は考えておる次第であります。
 第三点は五條でありますが、この五條の禁止規定は大幅に改正されております。これは大体において、小委員会の案も、かねてから産業経済界から要望いたしました事項が、ほとんど全部入つておりますので、しごくけつこうなことと存ずるのであります。この点については、私の方から、特にこの点をこうしてほしいという希望を申し上げることは何もございません。
 以上三点申し述べましたが、第四條と第五條の改正によりまして、事業者団体の活動に対する制限は、なおこまかい点を申しますといろいろありますが、大きな筋といたしましては、大体において独禁法によつて引かれた線にまで圧縮されておるというふうになりまして、これは先ほど申しましたりくつから申しますと、取締りの対象になる相手が、一方は会社、一方は団体という対象の違う関係がありましようが、達つた形の独禁法が二つ残るというかつこうになると思います。従つて形としては団体法は残つておりましても、実質的には、ほとんど廃止されたと同じことになるかと思います。もちろん小さい項目については若干ありますので、百パーセント真にそうであるとは申しませんが、大体において違つた形の独禁法が二つ残るということになるように思います。それならばいつそのこと団体法を廃止したらいいじやないかという議論が当然出て来るわけでありますが、ここで私どもが注意しなければならぬことは、たとい事業者団体法を全面的に廃止したとしましても、独禁法が今の形のままで残るということになりますと、たとえば柱が二本立つておるわけでありまして、そのうちの一本の団体法という柱をとりましても、もう一本の独禁法という柱が厳然と立つておる限りは、事業者団体法は、その柱をとつ拂つたように自由には動きはできない。依然として、たとえば今産業界で一番問題になつております操短協定といつたような問題が、たとい事業者団体法を全面的に廃止いたしましても、独禁法で禁止されておるのでありますから、そういう効果が全然ないわけであります。そこで現在操短協定その他が問題になつておりますが、この最大の問題になつております操短協定とか、あるいは輸出の協定というような問題、輸出の問題につきましては輸出取引法が提案されておるようでありますが、こういうような問題を解決するためには、單に事業者団体法を徹底的に改正したり、あるいは廃止するというだけでは不十分で、どうしてもこれと並行して、あらゆる種類の国内的あるいは国際的な企業協定を、事実上、全面的に禁止しているところの、これはもちろん條件がつきますが、第四條と第六條の規定を緩和するか、あるいは独禁法の規定はそのままにしておきまして、これと別個にその適用を除外する特別法を制定して、たとえば操短が單に生産者というだけでなしに、国民経済的な見地から見ても必要やむを得ないものという判定が下された場合には、一定の條件のもとにできるというふうにすることが必要になつて来るかと思います。この場合に独禁法の規定そのものを緩和するか、あるいは独禁法の規定はそのままにしておいて、別に単行法で適用除外をするかという行き方の問題につきましては、私は法律専門家ではありませんので、どちらがよいとは申し上げるわけには参りませんが、現に提案されております輸出組合法はあとの行き方をとつておるかと思います。大体におきまして独禁法そのものは、私的独占の禁止をするという厳密な意味の独禁法の基本線そのものを全然とつ拂つてしまうということは、あるいは妥当ではないと思いますので、法律技術としても適用除外で行つた方が適当かと思います。この点は私は法律専門家ではありませんので、確たる意見を申し上げるわけには行きません。いずれにしましても適用除外の方法で行くとすれば、單に輸出組合法で輸出について適用除外をするというのではなしに、国内の生産についてのある意味の協定を、一定の條件のもとで許すという単行法が、別に一本必要になつて来るのではないかと思うのであります。結局その問題が今後の最大の問題となるわけであります。前にも申述べましたように、この団体法は独禁法から独立した単行法としてはもはや存在する理由を失なつておるのでありますから、いずれ近い将来、適当なる機会に廃止すべきものだと私どもは思います。これはかねがねから主張していた点であります。もし団体法を廃止して独禁法だけにいたしますと、団体活動を取締るのに若干不自由であるという点がありますならば、先ほども原さんからお話がありましたように、その部分だけを独禁法に最小限度まで組み入れておけばよいわけであります。
 そういう意味で、団体法は近い将来いずれ廃止になるものという前提で、大体ものを考えておりますので、今度の改正案としては公正取引委員会の案と小委員会の案と二つ拝見しておりますが、大体前提がこの事業者団体法というものを将来長く置いておくか、あるいは近い将来廃止するかというその立場の相違によつて、これを相当長く置いておくとするならば、徹底的に微に入り細にわたり十分なものとして残しておく必要があるかと思いますが、近い将来これを廃止するという前提に立ちますれば、その時期の問題もありますが、そう一々こまかい点にかかり合つて時日を遅らせるよりも、どちらの案でもけつこうですから、最も早い方法でこの団体法の改正を行い、そうしてそのすぐあとで独禁法の改正といつてはどうかわかりませんが、たとえば国内生産調整法といつたような法律でも別につくるということに力点を置いたらどうかというふうに考えております。従いましてこの場合問題になります点は、戦前のカルテルとは違いますが、結局一種のカルテル協定になるわけでありますから、このカルテルに対して、国家としてどういう政策を持つて臨むのかという方針をきめておくことが大事ではないかと思います。たとえば中小企業等安定法などを見ますと、組合員外に対しての員外統制、すなわちアウト・サイダーに対する統制権を認めようというような法案が出ておるようでありますが、これは一種の強制カルテルでございます。そこでこの強制カルテル的な政策をとるか、あるいはアメリカみたいに――各国のカルテル政策としては、大きく言つて三つあると思います。一つは、アメリカみたいにカルテルは原則的にほとんど禁止する。ただ特例の非常事態に対してのみ、カルテルではないが、カルテル的な協定を認めるといういわゆる原則的なカルテル禁止の政策、いま一つは、極端な例は戦前のヒトラー治下のドイツ、あるいは戦前の日本もそうであつたと思いますが、強制カルテル、場合によつてはむしろカルテルを助長する政策をとるか。あるいはその中間の自由競争を前提とするが、場合によつてはカルテルを認める、ただその弊害を除くといつたような中間的な政策と、この三つがあると思います。日本がそのいずれを今後とつて行くべきかという点は、今後の独禁法との関係その他について、非常に重要な国家の政策としてこの問題を解決しない限り、今後の経済政策は大部分がこれにひつかかつて来るのではないかと私は考えております。たとえば今のように員外統制をすべきかすべからざるかというような点につきましては、国家としての政策、態度を確定する。これは單に法律技術上の問題では解決つかないのでありまして、国の経済政策としてどうするのが最も適当であるか。しかしこれは、また單に国内的な意味だけではなしに、国際的な意味においてのその国家としてのカルテル政策をどうきめるかという点が、むしろ今後に残された大きな問題ではないかと思う次第でありまして、近く独禁法を改正するというような機運が必ず起ると思いますが、その場合に、そのいずれの政策をとろうとするかという重要な点について、国会方面におきましても十分御検討をいただきたい、こういうふうに思う次第であります。
#13
○前田委員長 それでは仲矢参考人に対する質疑を行います。
#14
○風早委員 ちよつと仲矢参考人にお尋ね申し上げたいのですが、最後に御指摘になりました点はわれわれもまた同感でありまして、やはりカルテルに対して根本的にどういう態度をとるのが日本の経済発展にとつてよろしいかという問題に帰着するのであつて、これをぐらぐらしておりますと、いくらこの法案の條文をいじくつてみても問題が解決しない。そこでこの際参考人にお尋ねしたいのでありますが、経団連としては率直に言つて、カルテルに対してはその三つのうちいずれをとられるか。あるいは経団連の御意見が問題だとすれば、あなた御自身の御意見でもいいですが、参考のためにこの際お述べ願えれば幸いと思います。
#15
○仲矢参考人 経団連の意見を述べるために参上いたしましたので、私はここで個人的な意見を申し述べてもあまり価値はないと思います。ただ少くともこういうことは言えるかと思います。終戦後のアメリカの占領政策として、独禁法を日本にこしらえたという点で、アメリカの場合に独禁法が適当であつたから日本の場合にも独禁法が適当であるというふうに考えたところが間違つておつたと私は思います。従いまして今後この団体法――きようは団体法の問題でありますが、団体法に関する限りは、先ほど来申し述べましたように、独禁法で十分取締りができているのであるから団体法は悪法であるということだけは、私は個人的にもそう思つております。ただ今後のカルテル政策をどうするかということは、私自身でも十分の成案がございせん。しかしただ少くともカルテルを絶対的に禁止するという政策では、今後の日本経済は――カルテルという場合がいろいろ問題になりましようが、これは言葉の使い方が悪いかもしれませんが、カルテルを絶対に禁止するというアメリカ的の政策では、今後の日本経済はおそらく立つて行けないだろうということだけはお答えできるかと思います。
#16
○風早委員 今の御意見の中には、相当日本の客観的な見通しが含まれておると思うのでありますが、その点で今占領ということは一応講和発効で形式上終了したとはいいながら、実際は対日政策はことさに強化されて行くと私どもは見るわけであります。そういう前提と、もう一つ、その場合において今後の対日政策というものは、軍に経済政策といわず全体的に日本の官僚統制というような方向に打出されはしないか、私どもは一応そう見ておるわけであります。また半面から見ますと、政党というようなものの役割も、実質上非常に問題にならないものになつて来る。今の内閣を見ましても、また内閣の改造の方法を見ましてもうかがわれますが、これはむしろ相当エキスパート的な官僚というものが主たる勢力になつて来る、またそれでなければアメリカの都合が悪いというような面が、これから次々に出て来るのではないかと私どもは見るわけです。この見方がどうだというようなことについてはいろいろ御議論もありましようが、従つてこの強制カルテルというような面が相当出て来はしないかということも考えられるわけです。そういう点について客観的な見通しの問題として、あなたの御意見と一致しておるかどうか知りませんが、なお一言御意見を承りたいと思います。
#17
○仲矢参考人 強制カルテルの問題とはちよつとはずれるかもしれませんが、ただいま官僚統制の話が出ましたが、一方的に役所の方から業界に対して、たとえば生産制限をせよ、あるいは価格協定をせよということを命令するという形態は、私は絶対にいけないと思います。従いましてたとい一定の條件のもとで統制をしなければならぬような事態になつて来ましても、やはり業界の申請――それは業界だけでかつてにはできないといたしましても、少くとも業界から、こういう状況であるから生産協定をいたしたいというような申請を主務官庁に出しまして、そうして主務官庁がそれを認可するという形態の一種の段階になりますと、もう戦前のいわゆるカルテルというような言葉をそのまま使うことは不適当だと思いますが、そういう形態になれば、強制カルテルとかあるいは官僚統制とかいつたような弊害は防止できるのではないか、こういうふうに考えております。
#18
○風早委員 同じ問題でありますが、今日本が実質上たどりつつある方向というものは、かつての戦時経済的な方向に向つておりはしないか、こう考えるわけであります。こういうふうに簡單に申しますとはなはだ唐突に聞えるかもしれませんが、やはり見通しとしては、この問題をそういうふうに考えておかなければならぬのではないか。そういう意味で私は一応強制カルテルということを言つたわけです。カルテルに対する概念は、やはり戦前とは事情が違い、その法制内容が違いますから、これは同じとは言えないかもしれませんが、やはり大きな性格として三つをあげられた場合において、いわゆる第二の点が相当出て来はしないか、こう考えるのでありまして、政令諮問委員会の答申に対する政府のあいまいな態度、また依然として外国権力に非常に気がねをしておる態度は、ただ単なる気がねではなくして、やはりその実態があるのではないかという見方も一つあると思います。それらを考慮してお聞きしておるのでありまして、それらの点についてどうお考えでございますか。
#19
○仲矢参考人 その点まで問題が伸びますと、本日の委員会の問題から離れて来ると思いますので、もうこのあたりでごかんべん願いたいと思います。
#20
○風早委員 カルテルに対する問題、カルテルに対する政府の根本的な態度がやはり先決であるという意味のことをあなたが言われましたので、私は当然そこからそういう問題が考えられておるものと思うわけであります。それでお伺いしたいのでありますから、別に本日の論題から離れているどころではなく、これはむしろ来るべき独禁法の問題にも関連していると思いますので、この際明確にしておかねばならぬ根本問題だと思います。そういう意味で、今日は幸いにして経団連の理事たる仲矢君の御来場がありましたから御意見を伺いたいというわけであります。
#21
○仲矢参考人 私はその点を風早先生にお考えいただきたいということを先ほど申し述べたのでありまして、私の考える点を申したのではなくて、風早先生その他の委員の方六に十分御検討願いたいと思つております。ごかんべんを願います。
#22
○前田委員長 ちよつと仲矢さんにお伺いいたしますが経団連といたしましては、事業者団体法を廃止してくれというようなことを決議されたことがおありなのですか、どうですか。
#23
○仲矢参考人 これはたびたびやつておりますので一々覚えておりませんが、決議しております。改正の決議はいたしておりますが、廃止としての決議の形はとつておりません。なぜそういうことにならないかと申しますと、率直に申しますと言いくたびれたわけです。何度やつてみてもしようがないというので、ちよつとあきらめたかつこうでありまして、さすがにあきらめ切れない点を先ほど来申し述べましたような要望書として原さんのところにお出しして十分おくみとり願つておりますし、文書なんかでもたびたびやつておりますが、まだそれのあきらめ切れなかつた部分が残つておるわけであります。
#24
○前田委員長 そうすると経済団体連合会としては、修正よりも廃止してもらう方がいいのですか、修正してもらつた方がいいのですか。
#25
○仲矢参考人 これは結局先ほど申しましたように、事業者団体法そのものの将来をどう考えるかということによつて相当違つて参りますが、端的に申しますれば、あらゆる條件を無視して希望だけを申し述べれば、もちろん廃止してもらいたい。しかし客観的な情勢の問題その他タイミングの問題がありますので、これを廃止することにすれば、おそらく独禁法と無関係には廃止はできないと思います。ところがこの国会には独禁法の改正意見がまだ出されておりませんので、これを廃止することになれば独禁法と両々相まつて進まなければなりませんので、まあまあこの程度の改正案でけつこうじやないかというふうに大体皆さん考えておられるようでございます。
#26
○前田委員長 よくわかりました。ただ最後にお話の独禁法のことについては、実は私どもの委員会に一部改正の法律案が出ておりまして、この機会に改正案を修正するような可能性も場合によつてはできるわけですが、皆さんの御意見を聞いてからにいたしたいと思つております。ほかに御質問ありませんか。――それでは仲矢さんに対する質疑はこれで打切ります。どうもありがとうございました。
 次に日本商工会議所調査部長高瀬千波君の御意見を伺いたいと思います。
#27
○高瀬参考人 商工会議所の高瀬でございます。事業者団体法の改正につきましては、商工会議所としても数回にわたつて意見を出しておりますが、その大体の方向としては経団連と同じでありまして、事業者団体法の意義というものは、独占禁止法をもつて大体達成し得るものである。もし独占禁止法でもつて足りない部分は、事業者団体法の内容をそれに収容することによつて廃止すべきである、そういう意見を出しております。ただ実際上すぐに廃止するということは、従来の占領下にありました時代はもちろん、現在になりましても早急にはむずかしいかと思いますので、具体的な改正案もやはり同時に提出しておるわけであります。大体の方針としては、事業者団体法の中におきまして、独占禁止政策と無関係な規定が相当入つておりますから、こういうものは削除して、なおあいまいな点等もございましたら、それを明確にすることが必要である。いずれにしましても反独占政策と無関係なものは除去して、独占禁止法との均衡を保つようにしなければならぬ、こういう意見であります。従つて今回提出されました政府案につきましては、もちろん方向としては非常に賛成するものであります。この政府案と小委員会案との関係は実は私よく存じませんが、一応両方拝見いたしましたので、それについての意見を順次申し上げることにいたします。
 第一の規制対象でありますが、これは今回の改正案は非常にけつこうだと思います。ただ私どもといたしましては、この規制対象というのは、本来の同業者の団体だけに限定してほしい。そして会社、組合その他営利を目的とする団体及び異種の事業団体は除外する方がよろしいという意見であります。この改正案におきましては、異種の事業者の団体を除外するというところまで行つておりませんが、この点はやや遺憾に感じておるわけであります。それは結局あとで申し上げますけれども、商工会議所のような異種の団体を統括する地域的の総合団体、かつ非常に性格の明らかなものは、適用を除外すべきであるという意見を従来から持つておるのでございます。
 次に第三條の届出についての義務でございますが、この届出の義務を現行法では、若干の例外はありますけれども、適用除外団体に対しても命じておるわけです。しかし適用除外団体に対して届出義務を課するということは、非常に煩雑でもありますし、これは廃止してもよろしいのではないか。政府案の方にはございませんが、小委員会の案ではそういうことになつております。六條の一項の改正におきましてそれが入つておりますが、その方が非常にけつこうだと思つております。
 次に許容活動、これは例示にして範囲を明確にするということは非常にけつこうでありますから、この改正は大体において適当であると思います。むしろ例示規定でありますから廃止した方がよろしいのですが、従来からの関係によりまして第四條を廃止することができないとすれば、こういうふうにして例示ということを明らかにし、その範囲を明確にする方がよろしいと思います。ただその中におきまして、こまかい点になりますが、第四條第一項の二号、三号におきまして、それぞれ情報を公刊すること、あるいは公開的かつ無差別的な條件で利用させることというようなことが書いてありますが、この公刊あるいは公開という字句、要件はいらないと思います。
 なおこれは改正案に入つておることでありますけれども、紛争仲裁の場合に、従来は外国の事業者との間の紛争を仲裁し、または解決するということだけになつておりました。これは商工会議所で仲裁の仕事をやつておりましたけれども、実際の問題として、外国の事業者との紛争の場合には、当然内国の事業者との間の紛争にも関連するわけでありますから、これを認めません限りは、実際上の仲裁は効果がありませんから、こういうふうに改正していただくことは非常にけつこうだと思います。
 次に第五條でありますが、先ほど申し上げました通りに、大体禁止行為については、反独占政策に直接関係のない行為は全部除外していただきたいと思つておるわけであります。もちろん今回の改正はその方向に進んでいるわけでありますから、適当であると思いますが、なお簡単に各号について申し上げます。
 第一号は、政府の原案には改正がございませんが、前段の方の統制の場合に統制に着手すること、それから後段の方で政府の統制に対して協力するということは別に実害がないわけでありますから、これは禁止行為から除外してよろしいと思います。小委員会案の方では割当の原案をつくること、あるいは計画の作成をすることを禁止行為から除いておりますので、その方がよろしいと思います。
 第二号の取引制限協定、これは独占禁止法においても競争に対する影響の軽微なものは含まないとこういうになつているわけですから、この事業者団体法におきましても当然その條文を付すべきであると思います。小委員会案の方ではそういう條件が加わつております。これもその方がけつこうだと思います。
 第三号の取引の不当拘束、これにつきましては拘束するおそれがある場合にもこれを禁止する規定になつておりますけれども、これは実害がないわけであります。また明確でありませんから、そういう漠然たることはやめまして、おそれある行為というところは禁止行為から除くべきであります。これも小委員会案ではそうなつております。
 第六号は特定の事業者を推薦あるいは排斥するという條項でありますが、この意味はたとえばホワイト・リスト、ブラツク・リストというものをつくりまして、ある商店に対するボイコットをするというようなことをさしていると思いますが、この文言ではその点が非常に漠然としておりまして、広義に解釈されるおそれがある。たとえば商工会議所などにおいてある業者を推薦し、表彰するということがあります。それから取引の照会がありました場合に、この業者は信用確実な者であるから取引しても危険はないというようなことを紹介することは当然必要なことでありまして、ことに海外の業者から照会があつたような場合には、そういうことをするのは当然の仕事でありますけれども、そういう表彰などをする場合に、それはおそらく該当しないものであると信じておりますが、ややもするとこの條項に該当するのではないかというおそれがあるわけです。ですからこれを、そういう意味であるかどうかということをはつきりする必要があるわけであります。小委員会の案ではある程度それがはつきり出るようになつておつたと思いますが、特定の事業者を不当に公認し、あるいは不当に排斥する表というような表現でありますから、ある程度明確になると思う。それは当然そうなるべきでありまして、結局営業妨害をしてはいかぬということに帰着するわけであります。それを明確にすべきであると考えております。
 第八号につきましては、これは第一号ないし第七号に書いてあることを反復したものであつて不必要であると考えますので、削除すべしという意見を持つておるわけでありますが、これは小委員会案では「不当に」という字句を加えて、ある程度これを明確にしておると思います。
 それから九号、十号、十二号、十四号、十五号、十六号の削除、これは会議所としてはそう主張して来ていたところであります。九号と十三号とを一緒にするような改正案になつているようであります。これは営利を目的とする事業を、事業者団体の性格からして禁止する規定になつておるのですが、これもそれが主たる目的でない限りは、ある程度事業をしてもさしつかえないというふうに思います。これも小委員会案ではそういう方向に向つて修正されておると思います。
 それから十七号、これも小委員会案で不当な手段ということに改めておりまして、これも適当であると思います。すべて大体のところ、政府案よりは小委員会案の方がさらに一歩を進めておるように思いますから、そういう方向に向つて進んでいただくことがけつこうであると考えております。
 次に適用除外団体のことでありますが、先ほど申しましたように、商工会議所の性格としましては、一種の事業者団体で地域的な総合団体であり、かつ公益事業団体としての明確な性格を持つておりますし、ことに商工会議所法という単行法がございますので、これに基く団体は、事業者団体法の適用を除外してほしいという意見を持つております。これはあるいは商工会議所法自身につきまして将来改正を加え、その條項を加えるということも当然考えられるべきと思いますが、そういう意見を従来持つておりますので、ぜひその方向に向つて進むようにおとりはからい願いたいと思つております。
 それから罰則のことでありますが、罰則の改正は載つておらないように思います。大体事業者団体法の第五條の禁止條項におきましても、実害を生ずるというよりも、それを生ぜしめるおそれのある場合これを禁止するという、予防規定のような性格を多分に持つておるわけでおります。それにつきましては、第八條によりまして、公正取引委員会が行為のさしとめあるいは解散その他の排除措置を行うことができるわけであります。その排除措置だけにとどめてよろしいのではないか。その公正取引委員会の排除措置あるいは審決に対して違反した場合に、初めで罰を科する、そういうところまで緩和してもよろしいのではないか。独占禁止法についてもそう考えておるわけであります。独占禁止法としては、予防的な規定に違反した場合に、ただちに罰則に触れるものとしませんで、それは一応排除措置をもつて足りる。その排除措置に対しましてさらに違反した場合には、これに対しまして罰則を科する、その程度まで緩和してしかるべきではないかというふうに考えております。事業者団体法においても、そういう改正が考えらるべきであるというふうに思つております。
 以上申し上げましたように事業者団体法は、将来は廃止すべきであるという線は経団連と同じであります。ただいろいろな状況から考えまして、この際こういう改正案を出されますことは非常にけつこうでありますが、今申し述べましたごとく、政府案よりもさらにもう一歩進めて、條項を追加していただければなおけつこうである、そういうふうに考える次第であります。どうぞよろしくお願い申し上げます。
#28
○前田委員長 それでは高瀬参考人に対する質疑を行いたいと思います一。御質疑がなければ高瀬参考人に対する御意見を聞くことは、これで打切りたいと思います。どうもありがとうございました。
 次に日本綿糸布輸出協会常務理事小杉眞君の御意見を承ることにいたします。小杉参考人。
#29
○小杉参考人 元来事業者団体法という法律は、きわめて形式的、画一的な法律でありまして、このためにこの法律の規制対象である事業者団体は、單に事業者団体であるというその一点によつて、独占禁止法の拘束以上の拘束を受けて、その正当な活動が制限されておるのであります。まさにこの理由のゆえに、従来各方面から合理的な改正の必要が要望されていたようなわけでございますが、今回の改正措置によりまして、事業者団体の活動範囲が、従来に比して合理的にその拘束が緩和せられようとしておりますので、この点われわれ業界といたしましても賛成でございます。しかしなおこの法律の解釈、運用上の問題といたしまして、また将来の改正要点といたしまして、若干の意見あるいは希望がございますので、賛成の理由とともにあわせて公述いたしたいと存じます。
 大体この法律の構成要領と申しますか、組立て方を検討いたしますのに、この法律によりますと、行為の主体が事業者の団体であつて、その行為の形態が列挙された禁止行為に該当する場合には、行為の意図あるいはその結果、影響というもの、すなわち行為の実質面を検討することなくして、法違反として問凝するというのが建前になつておりますが、これが非常な特徴でありまして、先ほど形式的、画一的であると申し上げたゆえんなのでもございますが、こういうような構造、こういうようなつくり方の法律の場合には、行為の主体でありますところの事業者団体の範囲を、擴張的に規定するか、あるいは限定的に規定するかによりまして、また行為形態の規定に際してその実質を検討する余地を與えるような表現を使うか、使わないかによりまして、事業者団体に対する制限というものは、反トラスト法上必要でかつ十分な正しい規制ともなる、あるいはまた公益擁護上の必要範囲を逸脱して、苛酷な拘束ともなるものであるというふうに考えるものでございますが、今回の改正によりまして、まず行為の主体の点についてはどうであるかということを考えますのに、従来に比しまして対象団体の範囲を縮小して、社団、財団あるいは組合の実質を備えているものであつて、営利を目的としないものを主にすることを大体明らかにしているようでありますが、この点営利、非営利を問わず、それから人格化されているといないとを問わず、事業者の結合状態一切を拘束の対象としているのに比較いたしますと、事業者団体の範囲を不必要かつ擴張的に定めていたものを修正した点において、今回の改正は適切であると存じます。しかしながら改正後におきましても、この改正案は、政府の原案と委員会の案と二つあるようでございますが、双方ともなお二つ以上の事業者の結合体あるいは連合体であつて、資本あるいは出資金を持たずに、商工業の事業を主として営まないもの、つまり非営利のものは、人格化されていないものをも含めて、依然本法の対象になつておる。しかしながら、考えますのに、一個の行為主体にまで成熟していないもの、組織化されていないもの、人格化されていない協定状態あるいは結合状態をも、反復、継続して行われる限りにおいては、それを事業者団体であるという擬制のもとに本法の規制対象にするということは、大いに考えものなのでございます。これらにつきましては、協定の当事者であるところの各個の事業者を、独占禁止法の制限によつて規制されれば走りるのでございましてこの点なお改正の必要があるものと信じます。 次に本法は事業者をおもな規制の対象といたします独禁法の補完法として、それからまたいわゆる統制団体除去政策にのつとつて、事業者でない民間の団体が、当該業界に特異な支配力を持つということにつきまして、これを自由競争市場に対する潜在的な破壊力であるという認識に立つて規制しようとし、またさらにこれらの団体がカルテルに転化することを防止しようとするのを目的としているようであります。こういう法律の趣旨からいたしますならば、行為の主体である事業者の団体が、自由競争秩序を破壊する実力を持つているといないとにかかわらず、この法律の用語に従いますれば、すなわち実体上の規模の大小ということを顧慮することなく、法律の対象とするということは適切でないと思うのであります。すなわち当該の取引分野における自由競争秩序を破壊する実力を持たないという意味合いで、小規模――必ずしも事業の小規模という形式的な大小でなくして、自由競争秩序を破壊する実力を持たないという意味で小規模なものは、いわゆるルール・オブ・リーズンと申しますか、條理の法則でもつて本法の対象外にすべきものであると存じます。従つて二條の関係についてのわれわれの考えといたしましては、人格化されないもの、一個の行為主体として成熟するに至らない結合状態、それから当該の取引分野における自由競争秩序を破壊する実力を持たないという意味での規模小なる事業者団体は、この法律の対象から除外すべきであると存じます。
 第二には行為形態の問題でございますが、従来は団体行為あるいは結合状態の行為の様相を三分類して、本法の規制上これを許容し得るもの、禁止するもの及びその中間的なものとわけておりましたが、許容活動の範囲というものがきわめて具体的、限定的それから断言的でありましたために、禁止行為に抵触しないように思われる事項であつても、許容活動に掲示されていない限りには、にわかにこれを行うことができないようになつておりまして、団体としては活動能力について弾力性を持つことができませんでしたし、また行為の実質面についてその可否を検討する余地もほとんどなかつたのございますが、今回の改正によつて団体の行為は許容活動、禁止行為の二分類になつた。しかも許容活動については、これは政府原案によりましても、委員会の案によりましても例示がされましたので、禁止行為に抵触しない限りは、いかなる活動も無制限に自由に行うことができるということになつたので、この点については第四條の改正として非常に適切なものと存じ、賛成でございます。
 第四條関係はこれでおしまいでございますが、次に第五條関係の列挙された禁止行為について申し上げますと、元来これらの行為というものは、いずれも競争制限をしようとする際にとられる手段でございます。従つて従来のように手段の形態面を描写すると申しますか、手段の形だけを描写する表現を使いますと、行為の実質を捕捉するのに非常に困難になるのでありますが、政府の原案によりますと、この点については目ぼしい修正がなされておらないのでございます。委員会の案によりますと、ところどころに不当とかあるいは競争を制限しとか、あるいは競争に対する影響が薄いとかいう語句が挿入されて、適宜に修正されておりますので、こういう委員会の案によりますれば、自由競争秩序に対する侵害手段である限りの禁止であるということが非常に明瞭になりますので、ぜひともこれは実質面を検討することのできるような、適当な形容詞あるいは副詞句を挿入していただきたいと存じます。五條について多少詳しく申し上げますと、委員会の改正案の第一項、これは見様によりますと、競争に対する影響が軽微である場合は、事業者団体といえどもカルテル協定の当事者となり、あるいはこれに参加することができるようになるわけでございます。従つてたとい現在の法律によつても、すなわち競争に対する影響の度合いということを問わずに、もしカルテルのあつせんであるならば、影響の大小にかかわらずさしつかえないものというふうになるわけでございますが、しかし三の第四号においては、団体の対価統制ということを無限に禁止しております。そうすると、価格カルテルについて見ますと、一方であつせんを許しておるかのごとくあつて、片方で対価統制を禁止するという形によつてそのあつせんを認める効果というものを薄くしてしまうおそれがあるというか、そこに一つの混乱が起るように存じますので、もし委員会の改正案のようにするのでありますれば、あつせんと統制とは本質的にどう違うか、それから協定に参加するということと統制とはどう違うか、あるいは協定の当事者になるということと統制ということとはどう違うのかということが、実質的にあるいは形式的に明瞭になるように御修正になるのが適当ではないかと存じます。
 それから委員会の方から送付を受けました「本改正によつて得られる効果」というプリントを拜見いたしますと、その第八号機能活動の制限というところの五條の八号の解説でございますが、公序良俗に奉仕するため、あるいは取引上の弊害を除去するための共同行為は不当な取引制限でない。つまりそういう取引制限は自由競争の制限と無関係であるから、こういう趣旨の活動制限というものは許容されるのであるというふうに記載せられておりますが、これは不当にという字が入つて初めてそうなるのであるか、あるいは現在の法律の状態においてもすでにそうであるのか、この点明瞭でないように存じます。近く国会に上程されることを予想されております輸出取引法という法律、これは不公正な輸出取引を防止するということと、特定の場合の輸出業者の協定能力を認めようとすること、あるいは特定の場合における輸出業者の結合能力というものをある程度活用しようとする考え方、こういうことを主眼にした法律でございますが、その法律の作文は、現状の法律のままであつても、公序良俗に反せざる限り、あるいは遵法の目的であるならば、事業者の団体は構成員の活動を制限することもあり得るのだという観点に立つて作文がされているように伺つております。しかし大体この独禁法と団体法の中の不当あるいは不公正、あるいは公共の利益というこの三つの言葉は、ニュアンスを持つた言葉でございまして、いわゆる公共の利益という言葉を解釈するにあたつては、一般的な経済社会の利益あるいは経済社会の利益に資するというような意味というよりは、むしろ自由競争秩序の維持ということが、その概念の大半を占めているように伺つておりますし、また不当とか不公正とかいう言葉も、いわゆる社会通念としての理非曲直あるいは善悪判断というものではなくて、カルテル・トラストの維持形成に関係ある手段を表現いたします際につけるまくら言葉のように伺つております。しかしこれらはいずれにしても反トラスト法上非常に重要な概念なのでございますから、海の改正を非常にいい機会にいたしまして、これらの点を明瞭にするように、あるいはそういう解釈を権威づけますように、さらに徹底努力していただきたいと存ずるわけでございます。
 この団体法の改正につきましての私どもの考えはそれで盡きるのでございますが、独禁法あるいは反トラスト法が市場の公益として守りますところの、いわゆる公正自由な競争秩序の維持ということ、これはもとより非常に肝要なことではございますけれども、自由競争秩序というものも、経済社会あつての自由競争なのでございまして、従つて国民経済の存立自体、あるいはその国民経済の経済的な運行を確保する必要がある場合、たとえば経済恐慌を回避する必要がある場合、あるいははなはだしい資本の浪費を防止するために必要である場合、あるいは内外公私のカルテルに対処するために必要である場合、そういうような自由競争秩序の維持というものとは次元を異にする公益と申しますか、経済上の必要と申しますか、そういう場合には、緊急避難と申しますか、正当防衛と申しますか、そういう自然の法規に従つて、事業者間の協定能力あるいは事業者団体の統制能力というものを認むべきものだと存じます。将来は適当の時期において、この観点から団体法といわず、反トラスト法全般にわたつて改正が行われることを特に希望いたします。この点につきましては、先ほどちよつと申し上げました輸出取引法が審議されておる最中に、輸出組合というものに対して生産者が加入したいという希望が非常に強いのでございますが、戦前の貿易組合法によつてつくられました組合と異なりまして、今度の輸出取引法によつて設立を認められようとするその輸出組合は、いわゆる中間法人ではなくして純然たる私法人である。従つてそれは純然たる輸出業者の団体であるにもかかわらず、生産者が生産者の立場のままで入りたいということを希望するゆえんのものは何であるかと言えば、この法律によつて三つの場合を特定してはございますが、事業者間の協定能力というものが認められておる、従つてその協定能力をエンジヨイする――と言うと非常に語弊がありますがうその協定能力を間接的にも活用することができるというふうに誤解されて、その加入の必要があるということで非常に議論が盛んなのでございますが、このことはいかに現在独占禁止法あるいは事業者団体法の公益擁護ということが必要であるという認識の上に立つても、先ほど申し上げたように経済恐慌を回避する場合、あるいははなはだしい資本の浪費を防ぐ場合、あるいはカウンター・カルテルの必要、そういう場合には、やはり事業者間の協定能力というものが、ひとり輸出業者といわず国内の生産者あるいは消費者にとつても必要であるということを、明確に物語つておるものと存じますので、しかるべき機会に本委員会においてもお取上げになられんことを切に希望する次第でございます。
#30
○前田委員長 それでは小杉参考人に対する質疑を許します。
#31
○風早委員 いろいろと各條文について御意見が出たのでありますが、どうも承つておりますと抽象的、形式的な御意見で、私どもとして実際承りたいのは、こういう実情であるからこの点がまずいというような具体的なお話を実は非常に望んでいるわけなのです。そうでないと、たとえば対価統制がいいとか悪いとか言いましても、どういうわけで対価統制を必要だとされるのか、それらの根拠が具体的にはつきりしないのです。そういう意味でひとつ私のお尋ねすることに対して具体的にお教えを願いたいと思うのです。
 第五條の禁止條項の第十七ですが、「不当に立法又は政府の政策に影響を與えること。」こういう一見何でもないような條項がありますが、これは今回の改正でもそのまま存置せられております一不当にということはいろいろに解釈せられ、だれがこれを判断するかということによつて非常に違いますが、たとえば今業界でおそらく望んでおられると思いますことの大きな一つは、通商の自由であると思います。ことにあなたの方は、そちらの方に非常に関係のある団体でありまして、中ソなら中ソ、こういう圏域ともやはり自由に交流したい、これが自分たちの利益である、こういうことをおそらく考えておられると思うのです。そうした場合にそれに役立つためにいろいろな活動をせられる。もちろん情報もそのために収集しあるいは宣伝もやる。そして政府にもいろいろとやかく言う。またたとえば国際経済会議というようなものが開かれるときに、何はさておいてもそこへ出かけるというようなことをしようとすれば、これはおそらく不当に政府の立法または政策に、現実に影響を與えるということになるかもしれません。しかしそういうふうなことはむしろ事業者団体としては当然の義務でなければならないとさえ私は思うのです。そういうことをするのがむしろ役割である、しかしそういうことはできない、こういうことについてあなた方はどういうふうに一体お考えになつておられるのか、これをひとつ伺いたいのです。そう申しますのは、大体事業者団体法あるいは独禁法、こういうものの本来の趣旨は、対内的にいわゆる独占財閥というものを抑制しようというのがその一つであつたと思います。しかし実際問題としましては戦後ずつと見てみますと、その結果国内ではそういう強固なカルテルその他がばらばらにされながら、国際的に見ますと、結局外国の独占資本が日本に入り、またこれにいろいろな支配をするのに非常に有利な体制であつた、その地ならしであつたとも反面には見られるわけです。現にあなたの方の関係としては、最近インドその他の外商の進出が目立つておりますが、特に今までアメリカ関係の外商の進出――これは銀行の方でもそうでしようが、とにかくこういうものが相当日本の大きな資本家に対しても影響を與えておりはしないか、そういう観点からまた見直してみた場合に、この事業者団体法あるいはその改正にしましても、どれだけ徹底しているか、そういう点に対してはこれが一体保護の役割になつているのかどうか、あるいは事業者団体としては、そういう点では外商の進出に対して日本の業界を守るために、どういう仕事をしなければならぬか、ここに削除條項十数箇條もありますが、その中で具体的にこれは困るというような問題が出ているのであるかどうか、そういう観点からひとつ簡単でけつこうですから、もう一ぺん御意見を承りたい。
#32
○小杉参考人 御質問の要旨が三点あつたと存じます。まず第一の対価統制を必要とする実例について簡単に説明しろということでございますが、御承知のように日本の輸出貿易につきまして諸外国の非難というものはいろいろございます。まずこれを大きくわけまして二つございまして、商品の形質に関する非難、すなわち品物の質そのものが工業技術的に粗悪であるという非難、それから外国の競争、事業者の特許関係あるいは商標、意匠の関係、いわゆる工業所有権あるいは著作権と申しますか、こういうものを侵害するという問題、たとえばせんだつて新聞などに出ましたロンソンのライター、それとそつくりそのままのものをつくつて売るという、そういう外国の競争事業者の工業所有権を侵害するという問題、これらはいわゆる商品の形質あるいはデザインについての非難でございますが、この問題とからんで有力な非難は何かと申しますと、日本の輸出貿易におきまする価格の問題でございます。この価格の問題にも、消費者の非難と、輸入業者の非難と、外国の競争工業家の非難と三種類ございます。外国の消費者の非難は、日本の品物は値段がいかにも安い、しかしながら品物の質が悪いということを、金にかえて価格としてあらためて見直すならば、欺瞞的な低価格であるという非難を受けております。第二の輸入業者の非難は、日本の商品の価格が安定しないということ、非常に激騰、激落するということ、何の基準によつて安定するかということについてめどがない。たとえばある商品を買えば、あすには一セント下りあさつてには二セント下り、かくして一月たつうちには、最初仕入れた値段の半分の値段になる。従つて日本品を扱うことは非常に危険であるという問題、それから第三は、これは競争事業者の価格に対する非難でございますが、これは要するに必ずしもダンピングでないかもしれないけれども、日本の生活水準そのものが、欧米の生活水準と違うことによつて価格が著しく低いということ、そのことによつて自国の産業が脅威を受けるということ、こういう価格についての三つの意見がございます。第三の生活水準が異るがゆえに、資本家の搾取ということがなく、單に生活水準の相違によつて著しく価格が低いということだけの非難であるならば、日本の輸出業者としては責任を負うことができない問題、あるいは負う必要のない問題であつて、それこそ日本の独占禁止法あるいは団体法が大いに擁護しようとするところの自由競争の力でもつて日本の商品が進出するというやむを得ない現象というか、日本としては生きんがために必要な方法でございますから、これはあえて自制ということについて、そう神経過敏に考える必要のない問題かもしれませんが、第一の問題、第二の問題、諸国の消費者に欺瞞的な低価格で売りつけるということ、それから激騰、激落があり、常がないゆえに、日本品を扱うことが危険だという観念を抱かせる。こういうこと自体については相当考えなければならないのであります。しかしながら、それをいたしますためには、御承知のように日本の商品にもよりますが、日本の貿易に携わる人たちの資本の蓄積というものが必ずしも大きくはない。そういうことによつてある安定した価格を出すことができない。これにはやはり業者の協定能力というものを認めて、合理的な範囲でもつて、一定の水準の価格で物を輸出することに努めなければならないというのが一つの実例でございます。それから不当に政府の立法あるいは政策に妨害を與えるということについて、これは主として当該業界の威力、圧力をもつて立法あるいは政策の樹立を左右することを禁じておる條項だと私どもは存じております。私どもは業界の威圧をもつて国会あるいは政府の行政機関の活動を左右する必要は今のところございませんので、この規定があるがゆえにわれわれの活動が妨げられたということは、現実の実例を持つておりません。御質問の中にモスクワの経済会議のお話が出ましたが、われわれの関係には必ずしも招請を受けた人もおらなかつたようでございますし、また招請を受けられた方々があつたとしても、その方々は独自の御判断で行動を御決定になつたと思います。われわれ業界全体としてその問題は論議するほどの招請の方法でなかつたために、業界全体の問題としては取上げることはいたしませんでした。ただ問題は、中国その他のマーケットを今後日本のマーケットとしていかに考えるか。それがためにはいかなるとりつき方をするか、あるいは打開をするか、あるいはそれらの必要な調査をいかに進めるかということが非常に重要な問題でございましこ、われわれといたしましても、昨年私がパキスタンに参りました節に、香港に寄りまして若干の材料を集めて帰りました。第三の外商の問題は御指摘のごとく特に昨年の秋ごろから外商の方々の勢力が伸張して来たように思いますが、これは必ずしも外国人であるがゆえの利点、あるいは特別な立場を利用しての進出というよりは、ねしろ日本の輸出業者あるいは貿易関係の商社の勢力が弱つたがための間隙を埋めた形なのでございますが、ただわれわれが考えなければならないと思いますのは、外国の事業者の方々は、日本において必ずしも法定の税を拂つていないという点がありまして、この点についてはわれわはは非常に遺憾に存じます。自由競争は大いにけつこうでありますが、イコール・フツデイングに立たなければ何の意味もない。日本の商社のみが税を負担して、外国の事業者は国内において税を負担しない、事実上免れているような状態が長く続くことにおいては、私どもは断固として反対いたしたいと存じまして、過般来主税局長あるいは大阪の国税局長にいろいろ調査その他についてこの建議をしております。ただ問題は、日本の輸出業者といえども、あるいは日本の貿易業者といえども、関係各国、通商の門戸を自由に開放している国に向つては、勇敢に進出して行きまして、現地の商社の方々と協調して、いろいろ商品の交流に努めなければなりませんので、それと同様の観点において、日本に来られる外国の事業者に対しても、日本人と同じ立場で、特に外国人であるがゆえの差別待遇をする必要はないと存ずる次第でございます。
 それから近く成立を予想せられます輸出取引法によつて輸出組合ができました節に、外国の方々であつても、この組合に加入したという希望を持たれる方々は自由に入つていただく。そして同様に組合員としての権利と義務を享受していただきたいと存じております。
#33
○風早委員 第三の問題は非常に重要なので、おそらく皆さんの方でもこれは検討しておられると思います。行政協定の第十二條だと思いますが、行政協定で米軍の必要という條件がついておりますが、そういうふうにしてしまうことはわけないことだと思うのです。米軍の必要とあれば、向うの御用商人が向うから入れて来る物については、関税並びに国内税も地方税も含めて全部免除されるということにはつきりなつてしまつているわけです。そういう点がまず前提にあるわけです。これに対していかにして対抗するか。確かに今のお話のようにこれに対しては主税局ではどうにもならないのです。これはやはり政府に非常な影響を與える一つの圧力が必要なので、あなたはあまりそういう圧力を必要とする実情はないというようなお話でありましたが、あなた方の利害関係からいつて、非常に矛盾する前提條件がついておるということに、ぜひ御留意願いたいと思います。
 第二の価額の問題ですが、その中でちよつと、はつきりさしていただきたいと思う点は、生活水準の相違によつて著しく低価額になるという場合には責任はないのだというお話でありましたが、生活水準の相違といいましても、アメリカ人が一日に五千カロリーとるのに対して、日本人は二千カロリーでよろしいというようなことにはならぬと思うのです。これは別にカロリーだけの問題ではございません。それを基準とし、さらに全体の生活水準が日本ではあまりに低い。これは端的に言えば、特に繊維関係では低賃金ということが根本にあると思うのです。ですから生活水準の相違と言われますが、低賃金にしておいて、生活水準が低いということを前提として低価額を合理化されるということになりますと、これははなはだ問題だと思うのです。そういう点はひとつよくお考え願いたい。今の賃金額は絶対的にも、また国際的に総体的にもあまりに問題にならない。そのために今日賃金に関して争議その他のトラブルが起つているわけです。繊維の方では非常に年少の婦人労働者が多いのでありまして、十分な労働者側からの抵抗は、あるいは他の産業に比べて少い実情にあると思うのです。それでも最近は全繊維というような総評系の組合にしてからが、相当動き始めている。この根底はやはり低賃金にあるのじやないかと考えるわけでありまして、こういう点はひとつ十分にお考え願いたい。ただ生活水準が低いのだから、そこから低価額が来るのであつて、責任は負えないといういうなことでは、ほんとうの解決にはならないのではないかと考えるわけでありまして、価額の問題をそういう観点からお考えになつているとすると、これははなはだ問題ではないかということを私は申し上げたいのです。いずれにしましても日本国内の関係のほかに外国との関係があつて、日本の業界は弱い、資本力も弱いといえばそれまででありますが、それを強く盛り立てて行くということを、われわれとしても十分に考慮しているわけなのでありまして、そういう点から考えた場合に、これらのいたずらなる制限が、かえつて外国の独占資本を利するということになつては困るという点で具体的に御指摘を願いたかつたわけです。特に今御指摘がなければそれでけつこうでありますが、もしあれば念のために伺つておきたい。
#34
○小杉参考人 もう少し何か実例はないかというお話ですが、その点については私は心当りはありません。なお先ほど申しました生活水準が違うということの意味は、御指摘のような趣旨は私よく了承いたしますが、欧米的な生活と日本的な生活とが違うことによつて生じて来る、あるいは風俗習慣が違うことによつて来る賃金の相違はいかんともなしがたいということは、英国の議会で労働党の議員がすでに認識して、その認識の上に立つての発言がございましたので、それを要約して申し上げたわけであります。まさにその通りで、英国労働党の議員が御指摘になつておるように、欧米人の生活の仕方と日本人の生活の仕方が違うことによつて来る価額の差というものは、いかんともしがたいということを向うの方自身が認識しておられるわけなので、これは日本の何千年来の伝統といいますか、そういうものの力でございますから、われわれ商売人あるいは商売人の団体の力だけではどうにもならないという意味でございますので、ちよつと敷衍させていただきたいと思います。
#35
○前田委員長 他に御質疑はございませんか。――他に御質疑がなければ参考人よりの意見聴取はこれにて終了いたしました。参考人各位におかれましては種々貴重な御意見を述べていただき、委員会の今後の審査に多大の参考になるものと存ずる次第であります。委員会を代表いたしまして委員長より厚く御礼申し上げます。
 本日はこの程度といたし、次会は来る二十日午前十時より開会いたし、国土総合開発法の一部を改正する法律案について修正、討論、採決に入りたいと思いますから、さよう御了承願いたいと思います。
 本日はこれにて散会いたします。
    午後一時七分散会
ソース: 国立国会図書館
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