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1951/05/28 第13回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第013回国会 行政監察特別委員会 第25号
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1951/05/28 第13回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第013回国会 行政監察特別委員会 第25号

#1
第013回国会 行政監察特別委員会 第25号
昭和二十七年五月二十八日(水曜日)
    午後一時三十一分開議
 出席委員
   委員長 内藤  隆君
   理事 大泉 寛三君 理事 鍛冶 良作君
   理事 高木 松吉君 理事 田渕 光一君
   理事 福田 喜東君 理事 佐竹 新市君
      天野 公義君    岡西 明貞君
      川本 末治君    黒澤富次郎君
      篠田 弘作君    椎熊 三郎君
      高倉 定助君    井上 良二君
      竹村奈良一君    山口 武秀君
      浦口 鉄男君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 調査経過報告書に関する件
 国有財産管理処分関係事件(聖十字学園事件)
 調査報告書に関する件
 治安警備状況に関する調査中間報告書に関する
 件
    ―――――――――――――
#2
○内藤委員長 会議を開きます。
 この際お諮りいたします。今回も従前の例によつて、委員長において、五月中における簡單なる調査経過の報告書を作成して、議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○内藤委員長 御異議なければ、さよう決定いたしました。
    ―――――――――――――
#4
○内藤委員長 次に国有財産管理処分関係事件中、聖十字学園事件につきましては、すでに証人喚問も終了いたし、理事諸君とも御協議の結果、本日の委員会において結論を出すことに意見の一致を見ましたので、委員長において、すでに諸君のお手元に配付してある通りの報告書原案を作成いたした次第であります。この国有財産管理処分関係事件中、聖十字学園事件調査報告書原案を議題といたします。
 別に討論の通告がありませんから、これより採決いたします。国有財産管理処分関係事件中、聖十字学園事件調査報告書原案を委員会の報告書として決定するに、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○内藤委員長 御異議なきものと認めます。よつて本報告書原案は、委員会の報告書と決定いたしました。なお字句の整理等につきましては委員長に御一任願いたいと存じます。
 なお本報告書を関係当局に送付いたしたいと存じますので、御了承願います。
    ―――――――――――――
#6
○内藤委員長 次に治安警備状況に関する件につきましては、委員長において、すでにお手元に配付してある通りの中間報告書の原案を作成いたした次第でありますが、理事諸君と協議の結果、本日これを上程いたすことに決定いたしましたので、これを趣議題といたします。
 この治安警備状況に関する調査中間報告書原案について、討論の通告がありますので、順次これを許します。山口武秀君。
#7
○山口(武)委員 中間報告書は、前に配付されましたのが、本日またあらためて訂正されたものとして配付されまして、これを十分に検討するに必要な時間的余裕を持ち得なかつたことを、きわめて遺憾とするものであります。
 私がまずこの調査中間報告書につきまして申し上げたいと思いますのは、当行政監察委員会として、この問題の調査においてとつて来た態度というものは、厳正な行政監察の立場ではなかつたのではないか、このことを何よりも感じたのであります。行政監察というよりも、現在の政府の行政の補助者である、あるいは日本の植民地行政の推進的な役割を当委員会が果しておる、このようなことは、当委員会の本来の目的からいたしまして、きわめて不当であり、遺憾なことであるというように考えられるのであります。この報告書をつくるにあたりまして、証人の喚問を行つたのでありますが、その証人の喚問は、きわめて一方的な人選が行われているわけであります。政府の証人はそれぞれ必要なだけ呼ばれておるのでありますが、ここにおきまして問題になつておりますところの、いわゆる騒擾事件といわれるもの、それに関係した当事者が呼ばれていない、あるいは日本共産党との関係を云々しているのでありますが、日本共産党の、この問題に関して少くとも見解を明らかにし、事の関係を明らかにできるような立場の人が、探せばいたと思うのでありますが、その喚問もしていない、こういうところから、きわめて一方的な判断というものがつくり上げられる。あるいはつくり上げるという意図で、最初から証人の喚問を行つたのではないかというように考えられるわけであります。
 それからなお、この報告書の中でそれぞれの結論を出しているのでありますが、結論がきわめて断定的なのであります。これは少くとも当委員会が、証言というものを論理的に取扱い、これをそのような点から結論づけますならば、おそらくこのような報告書というものは生れなかつたのではなかろうか。たとえば現に捜査当局でありますところの特審あるいは警視総監等の言明を見ましても、メーデーの紛争事件というようなものと日本共産党との関係はどうだというような委員の質問に対しまして、疑いを持つて調査している、このような証言があるにもかかわらず、ここでは日本共産党の直接間接計画をしたものである、あるいは指導した事件であるというような断定を下しているわけであります。このような断定がどうして出て来るのか。すでに論理も、一切の論法も無視されておる。このような方法がとられてよろしいものかどうか。最も厳正な立場に立つて公正な結論を下すべき当委員会が、論理を無視するような方法をとるということは、行政監察委員会自体、すでに行政を監察するという立場を放棄し、行政監察委員会の権威をみずから汚したものではないか、このように考えられるわけであります。
 内容について申し上げますならば、これは私ども再三申し上げたのでありますが、各種事件の発生につきまして、その事件が起りますところの政治的、経済的、社会的な条件というものを問題にしていないのであります。各種事件の中におきまして、常に事件の起りますときに、戰争反対が叫ばれていた。あるいは植民地化反対が言われて来た。再軍備反対が主張されて来た。こういうように事件そのものに、少くともこの事件の中に主張されていたものの中に、一貫して日本の植民地化反対、戰争反対というようなことがあつたにもかかわらず、これに対してなせ、これが起る事情というものが論究されなかつたか。これを論究しないで、單に事件の取締りをするというならば、これはそのようなことが起つて来る必然性というもの、あるいはそれが醸成される国民の意向というものが、完全に無視されて、専制的な支配者だけがやるような政治しか、そこからは生れて来ない。そういう点から見ましても、きわめて遺憾であり、この点におきまして、私たちは反対しなければならないわけであります。
 さらに、この内容について申し上げますが、先ほど申しましたように、日共と事件というものを、何らの論理も証明もなくて、断定的に結びつけているということ。さらに、栄養分析表というような言葉を使つてありますが、栄養分析表が日本共産党の秘密出版物である、これは一体どこでこのような断定を下すのか。かりにそうだとしても、当委員会がこのような断定を下していいものかどうか。もつと論拠を明確にする立場をとるべきじやないか。ほかの一切の政府の機関が不法なことをしようとも、当委員会としては、最も厳正な立場であるべきじやなかろうか。当委員会みずからが、そういうようなルールを破るということでは、当委員会のためにきわめて遺憾であるし、このようなことに反対せざるを得ない。
 さらに、メーデー事件におきまして、人民広場の奪還という問題が、共産系の分子の目標だということを言つておりますが、これも独善もはなはだしい。メーデーの大会におきましては、人民広場の奪還ということは、参加者数十万の大衆が満場一致で決議している事項である。これを共産党だけを目標としてこね上げをするようなことに対して、これは意識的に政府の政策を守り、あるいはアメリカの支配を強化するというような目的からこの結論が書かれたのではないか、このように考えられるのであります。
 さらに治安機関の問題について、いろいろ問題が出ておりますが、この報告書の中に出ておりますところの治安機関の問題につきましては、まず治安機関がもつと活発になる、あるいはさらに申しますれば、弾圧の態勢をより整備しより攻撃的になる、このような結論を下しているわけです。しかしながらこれはおそらく、自由党の諸君やあるいは政府の諸君のきわめて尊敬しているところのアメリカの新聞記者さえも、あの事件は人民広場を政府が使わせなかつたからだ、さらにあのデモ隊が人民広場に入つたときに、警察側がこれに対して攻撃したということ、ここにあの問題の起る直接的な原因がある。アメリカの新聞記者は一致してこれを認めておる。こう言つているにもかかわらず、取締り当局の態度というものが全然問題にされていない。これはメーデーだけではありません、早稲田のあの事件を考えてみましたときにも、警察がいかに横暴であり、いかに国民を敵視し、これを弾圧する態度をとつているかということは明瞭でありますので、この点こそ問題にしなければならなかつたわけです。さらにこの事件の中におきまして、警官の発砲、あるいは持つている棒で一般の人たちをなぐり飛ばしたというようなことのために、多くの負傷者が出ておる。これは單にデモに参加した大衆ばかりではなくして、一般の市民の間に多くの負傷者が出ておる。これに対して警察は何らの措置もとつていない。当委員会はこの点をつくべきであるにもかかわらず、この点もついていない。
 こういうように考えますと、これはとうてい治安確保状況に関する調査中間報告書としてわれわれは受取りがたいのであります。少くとも行政監察の立場で取上げたというよりも、アメリカの日本に対する支配、日本の植民地的な行政というもの、これをいかに推進するかというところに、当委員会の運営が間違つて入り込んでしまつた、少くとも当初の目的からすれば、間違つて入つたといわざるを得ないのであります。調査状況の一方的なでつち上げだということ、当委員会のあり方から見ましても、この問題は承服しがたいということ、そのような意味におきまして、さらにこれは中間報告でありますので、最終報告が出ると思いますが、私の討論は最終報告の際に本来のものは譲るといたしまして、それだけの理由をもちまして反対いたしておきます。
#8
○内藤委員長 田渕光一君。
#9
○田渕委員 ただいま日本共産党を代表して山口君から、(「代表してと言わんぞ」と呼ぶ者あり)代表じやないのか――代表でなく、山口君から反対の討論がございましたが、反反の理由として、当委員会が厳正公平の立場を欠いており、一方的な独断というような御論旨でありましたが、当委員会としては、最も厳正公平にあらゆる資料を集めて科学的に、論理的に進めた結果、中間報告ができたものであることは、数回の証人の取調べ、あるいは当委員会に出されたところの証拠物件等において明らかであります。あたかも日本共産党が関係ないがごとき白々しいことを言つておりますが、これこそ盗人たけだけしいというものでありましてあの証拠物件中、日本共産党中野地区委員会というところの赤旗、あの赤旗の三メートル近いさおの先に三十センチないし四十センチの金具がつけられておつたことも事実であります。また暴行に用いられたところのあらゆる物件におきましても、日本共産党何々地区委員会というものがはつきりいたしております。もちろん証人はいずれも治安当局の関係者であり、ことに事案がただいま取調べ中でありますから、疑つて調べているという以外に証言はできなかつたと思いますが、本年の一月二十一日札幌の白鳥事件以後ずつと全国的に起りました事件は、すなわち日本共産党の秘密出版物である「球根栽培法」さらに「栄養分析表」というものによつて、日本共産党の地区委員会がこれを指導し、地方細胞がこれによつて中核自衛隊を行動させていることは、明瞭になつておるのであります。これを捜査過程において、治安当局の証人といたしまして、断定的なことは下されないのはもちろんであります。しかしながらわれわれが愼重に調べました結果、最も公平厳正の態度から、当委員会としての品位の保持上、あるいは権威上、こういう中間報告を作成いたしたのであります。かような意味で、決して共産党の反対するがごとき、人民広場を奪還することを数十万の者が決議をいたしておると申しておりますが、ただメーデー当日に外苑において、こんとんとしてマイクを奪取してしまつた、一般大衆に徹しないところにおいて、二、三の者がただ放言したにすぎないのであります。それがゆえに、あのデモ隊が、約二十万と称せられておりますが、東、西、南、北、中央の五班にわかれて分散行動いたしまして、これが完全に終つておるということを見ましても、決して大衆は人民広場を奪還しようというようなメーデーでなかつたということは事実であります。ことに日比谷の解散後において、全学連並びに自由労組、北鮮系尖鋭分子の扇動によつてこれをやつたということは事実でありまして、中間報告の通りであります。かような意味におきまして、山口君がいろいろ根拠なきことをもつてことさらに反対いたしておりまするが、数回の調査によつて明瞭でありまして、この委員会の中間報告に私は賛成いたすものであります。
#10
○内藤委員長 佐竹新市君。
#11
○佐竹(新)委員 私はこの中間報告を一読いたしまして、この中間報告では、主として治安警備の問題に対する結論を、中間報告として報告されておるのでありますが、本委員会は行政の監察と同時に、行政処置の悪い点に対してはこれを勧告するということも必要ではないかと思うのであります。かかる立場に立ちまして、今回の治安問題に対しまして、京都、広島、皇居前の騒擾事件、これらを一貫して見てみますると、委員会が結論いたしたように、確かに一つの目的をもつて国の秩序を破壊するという指令に基いていることは、これは私は断定してさしつかえないと思うのであります。しかしこの根拠はいずれにあるのか、こういうような事件を起すところの根本問題がどこにあるのだ、これは本行政監察委員会で取上げまして、これを調査の対象にしますのには、なかなか問題が大きいので、私はこの点については別な面に譲るといたしましても、まず行政監察委員会でこの中間報告を出しますときに考えていただかなければならないことは、今度の広島におきましても、あるいは京都におきましても、あるいは皇居前等のあの騒擾事件におきましても、この騒擾事件の中心となつておるところの分子は、御承知のごとく組織されたところの労働者と違つて、学生あるいは北鮮系の朝鮮の人、あるいは自由労働者――今日騒擾の名目において検挙されておるのもほとんどそういう人であります。こういう点から考えてみますると、学生に対するところの対策、あるいは北鮮系の鮮今の諸君に対する対策、あるいは自由労働者に対する対策、こういうものが行政面でどういうように扱われておるかということも、われわれはこれを監察して、悪い点があつたならば、こういう点がいけないということを報告書の中に勧告する必要があるのではないか、かように考えるのであります。
 まず学生の問題にいたしましても、おそらくこの委員会では、さらに学校問題と警察問題とを取上げて、委員会の調査対象にされるであろうと思いまするけれどもが、今日非常に学生と警察官は、第三者的な立場から見ると、必要以上に対立をしておるのではないか、摩擦をしておるのではないか、こういうような感が深いのであります。しかしこの学生を警察の立場から見るならば、全部がある特定の思想を持つた分子である、こういうように見ておるかいないかは知りませんけれどもが、事実学内において対立するところの素因をつくつておる。名古屋におきます状況を調べてみましても、純な学生が自然と、特定の思想を持つていなくても、そういう取締りに対して対立するところの感情を必要以上に沸き立たせるような素因をつくつている。こういう点をまずわれわれは考えてみなければならないと思うのであります。私は戰争前に中国に約十年ばかり生活をしておりましたが、中国におきましては、日本が占領いたしましたときに、いつでも大衆運動の先頭に立つのは――中国では抗日運動といわれておりましたが、この抗日運動の先端に立つのは、いわゆる学生でございます。街頭で、あの日本の憲兵隊や特高の非常な取締りの中におきましても、絶えず抗日運動を根強く続けて来たのは学生でございました。また日本が敗戰いたしまして、国民政府とアメリカとの関係によりまして、米軍が上陸したときに、反米運動を盛んにやりましたのも、やはり中国の学生で、あります。今日中国におきまして、共産革命が成功しているということも、一面においては都市におけるところの学生が大きな運動を巻き起し、このために遂に国民政府も信を失うというような大衆的輿論を巻き起したところの素因をつくつていることは、これは何人も認めているところでございます。わが国の学生も今日いろいろな社会諸条件によりまして、そういうような一つの反抗運動、思想的に根強くはないけれども、若い純な立場から正義感に燃えての反抗運動というものは、自由主義的な学生の中にも相当ある。そこに持つて行つて、ある特定の一つの思想ものとに指導するならば、必ずこれが一つの反抗運動となつて巻き起つて来るというような情勢が、今日のわが国の学生運動であると私は考えるのであります。全部がそうではない。しかしその環境に即してやられるのでおる。今日警察と学生を教える教授との間におけるところの思想的なと申しますか、あるいは感情的なと申しますか、そうした対立が現に激化している。これはわれわれは文部当局に対してあるいは取締り当局に対して、十分に勧告する必要があると思うのであります。どこにその原因があるのか。日本の学生を教える立場にあるところの教授並びに相当の教育を受けている学生、これがただ特定の人のみによつてこういうような警察官と学生との対立が激化して来るというようなことは、とうてい想像されないのであります。これはやはりま少し掘り下げて、当委員会におきましても、十分に証人を呼び意見を聞いた上で、結論を出して、悪いところは文部当局に勧告する必要がありはしないか。あるいは取締り官庁に対しても、ただ取締りを正当化するような考え方でなく、むしろ悪い点は十分にこれを勧告するというようなことをやることも、本行政監察委員会の立場であろうと私は考えるのであります。
 さらに朝鮮人の問題に対しましても、今日問題の中心になつているのは、ほとんど北鮮系の人々だといわれておりますが、これらの人も、やはり現在自分たちが帰つて行くところの北鮮が、あるいは自分たちが生れた国土の北鮮が、金日成の共産党の政権下にある、こういうようなところから、思想的というよりもむしろ感情的なような関係になつて、一つの優越感的感情をもつて日本人に対しているというこの考え方、これに対しましてわが国は、独立国家として今日韓国との間に条約が結ばれようとしております。それに先般新聞でも御承知のごとく、日本におつてもらつてはぐあいの悪い人を、一部釜山まで送還いたしましたところが、国籍が不十分であるということで、韓国政府で受付けずして、またぞろせつかく釜山まで送つて行つたものを、日本へ引揚げさせて帰つておる。これらのごときほ一体どのような関係でそういうふうになつておるのであるかということも、行政監察委員会において外務省当局を呼んで十分に調べて、そういう点は将来どういう考え方を持つておるのであるかというようなことも――今後の朝鮮というもの一は、今までのような日本と合併していたときの朝鮮とは違うのであります。朝鮮人を見てヨボといい、支那人を見てチヤンコロという、かようないわゆる封建的な昔の軍国主義、官僚主義のような考え方をもつていたしますと、とんでもないことになるのであります。韓国といえども、あるいは北朝鮮といえども、一国であつて、わが国とは最も密接な隣国関係にあるのでありますから、むしろ人格的にはわれわれはそれを尊重しなければならない、国際人として尊重する考え方を持つて行く、こういうような角度から、あくまでも韓国に対して、日本におるところの一部の朝鮮の人が、そういう行動をとる場合に、これを外交的にはどのように政府ほ処置して行こうとするのであるかというようなことも、十分調査する必要があるのではないか。また題に対しましては、御承知のごとく騒擾事件の先頭に立つておる者ほ、ほとんど失業対策の職業安定の関係に属する失業者が悪いところに対しては、外務省に勧告する必要が本委員会にあるのではないか、かように考えるのであります。
 さらに自由労働者の問多いのでありますが、これらに対して厚生省なり労働省なりはどういう施策を講じておるのであるか。失業者は別に特定の思想を持つておるわけではありません。先般も広島厚生会の会長の証言によりますると、一箇月に四千円か五千円かの賃金しかもらえない。これらの人は、ただ強い言葉でやられた場合には、これに附和雷同するのは当然であります。そういうような人々に対しまして、ま少し失業対策に対して完璧を期する、またこれの福利厚生施設に対して完璧を期するというようなことも、政府に対して勧告して、予算的処置を講じさすというような方法をとる必要があるのではないか。また職業安定所は、ただ失業者を職につければそれでいいという機械的な官庁でなくして、今日のような情勢になれば、職業安定所の仕事というものは最も重大な仕事である。これらに対して行政上いろいろな手落ちがあるのではないか。ただ一片の月給取りで、机の前にすわつて、職業紹介すればそれでいいというような、こんないわゆる安易な考え方を持つておればたいへんなことになる。そこで職業安定に対してどういうような角度から失業対策というものを扱つておるのであるかというようなことも調査いたして、悪い点があつたならば、労働省なりあるいは厚生省なり、それぞれの所管省に対して、本委員会は勧告いたして、これを是正させる必要があるのでないか。
 こういうようなことが治安、警備を通しての一貫した報告書となつて、そうしてこういう騒擾事件が起らないよう、これは十分と言えるかどうか知りませんが、とにもかくにもこういう予備工作をやることが必要であります。本委員会が單に、騒擾した、それが共産党である、こいつはけしからぬ、こういう形になるということは、この委員会というものがある特定な思想を抑圧するためにという、こういうような考え方になりますると、民主主義の国家としての逆を行く結果になるような感を持たせるのではないか。ゆえにどうか委員長におかれましては、本委員会は超党派的な委員会でございますから、この最終の報告書をつくるにあたりまして、そういう点に対しまして十分留意をされまして、最終の報告書をつくられるように、希望条件を付しまして、中間報告に賛成するものであります。
#12
○内藤委員長 これにて討論は終局いたしました。これより採決いたします。本中間報告書原案を、委員会の報告書として決定することに御賛成の諸君の御起立を願います。
    〔賛成者起立〕
#13
○内藤委員長 起立多数。よつて本中間報告書原案は委員会の報告書と決定いたしました。なお字句の整理等につきましては委員長に御一任を願います。なお本中間報告書を関係当局に送付したいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#14
○内藤委員長 御異議がなければさよう決定いたします。引続き理事会を開きますので、理事諸君はお残り願います。次会は公報をもつてお知らせいたします。本日はこれにて散会いたします。
    午後二時一分散会
ソース: 国立国会図書館
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