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1947/06/07 第2回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第002回国会 図書館運営委員会 第11号
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1947/06/07 第2回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第002回国会 図書館運営委員会 第11号

#1
第002回国会 図書館運営委員会 第11号
昭和二十三年六月七日(月曜日)
    午後三時二十八分開議
 出席委員
   委員長代理 豊澤 豊雄君
      多田  勇君    圓谷 光衞君
      中村 嘉壽君    萬田 五郎君
 委員外の出席者
        國立國会図書館
        長       金森徳次郎君
        國立國会図書館
        経理部長    武内時次郎君
    ―――――――――――――
四月六日委員井上知治君、吉田茂君及び松田正一
君辞任につき、その補欠として木村小左衞門君、
矢野庄太郎君及び大石ヨシエ君が議長の指名で委
員に選任された。
同月十三日委員松尾トシ君辞任につき、その補欠
として萬田五郎君が議長の指名で委員に選任され
た。
五月七日 委員長中村嘉壽君辞任につき、その補
欠として木村小左衞門君が議長の指名で委員長に
選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 合同審査会開会に関する件
 昭和二十三年度國立國会図書館の予算に関する
 件
    ―――――――――――――
#2
○豊澤委員長代理 これより会議を開きます。委員長がちよつと御都合で出られませんので、御指名によりまして私が委員長代理をいたします。
 本日は昭和二十三年度國立國会図書館の予算に関しまして、両院の図書館運営委員会合同審査会を開きたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○豊澤委員長代理 御異議がなければさよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#4
○多田委員 図書館の今日までの経過について二、三館長にお伺いいたしたいと思います。実は開館式の際において、図書館の内部に何かポスターが書かれておつたというようなことが、どうも図書館の内部に不統一を思わせるような感じを與えておるのであります。これは結局するところ副館長の任命の問題がその原因をなしているのではないかというように、いろいろ言われておりますので、この際副館長の任命の経過について、館長から御説明いただきたいと思います。副館長の任命につきましては、國会図書館法を制定いたします当時からいろいろ問題がありまして、本会議におきましても圓谷委員から、副館長の任命については図書館長の任命の間に何か交換條件があるかどうかというような点について質問されたのでありますが、それに対しまして議長はさような交換條件は絶対ないと、はつきりその間の事情を否定しておつたのであります。しかしながら、その後におきまして、その当時副館長の任命について一つの交換條件があるかに傳えられておつたその当事者が副館長として任命されるらしいというような話があつたのであります。これは國会図書館の創立によつて、國会図書館を今後円滑に運営して行くために、いろいろ問題を生ずるおそれがありますので、われわれとしましても非常にこの問題を眞劍に取上げざるを得なくなりまして、去る三月二十五日の図書館運営委員会におきまして、副館長は公正な立場にある、しかも図書館運営に対して多年の経驗ある者の中から選んでほしいという決議をいたして、議長に対してその実現方を強力に要望したのであります。しかるに六月二十六日になりまして、当初交換條件があるやに傳えられておつたところの中井さんが副館長に任命されたのであります。私は別段中井さん個人に対して、とやかく申し上げるのではないのでありますけれども、当初から一つの交換條件として傳えられておつた方が、しかも委員会においては、さようなことのないように委員会としての総意を表明し、そうしてその表明されたことはもちろん図書館長も御承知のはずでありますし、議長も十分御承知のはずであるにもかかわらず、運営委員会に対して一片の了解もなく副館長を任命されたということは、私どもとしてははなはだ遺憾に存ずるのであります。もちろん図書館法によりまして、副館長は館長が両議院の議長の承認を得て任命することになつておりますので、副館長の任命につきましては、委員会の了解は法律上は必要ないのでありますけれども、図書館を運営していくためには、当然委員会の協力が必要でありますし、委員会がかくのごとき意思表示をしているという事実を承知しておりながら、委員会に連絡なしに副館長を任命されたのであります。そこで先ほども申し上げましたように、中井さん個人に対して私はとやかく申し上げるものではないのでありますけれども、委員会の意向を無視して、委員会に連絡なしに副館長を任命されたことについては、その間にいろいろな事情があつたことだろうと思うのであります。そこで私は副館長の任命について、副館長の適任者を館長が選考して議長の承認を求めたその事情についてお伺いいたしたいと同時に、委員会の意思表示を無視したといいますか、委員会に連絡なしにさような処置をとられたというその事情について、館長からの御報告をお願いいたしたいと思うのであります。
#5
○金森國会図書館長 ただいまお尋ねになりました点は、種々なる情勢の結果として、私は相当苦心をしたわけであります。物事は表の線において申し上げることも、裏の線において申し上げることもいろいろあり得るのでありまするが、公の席におきましては、私は表の線においてのことしか申し上げ得ないわけであります。從つて表の線において申し上げまするならば、副館長の選任をすることは私自身の責任としてすべきものである。外部から何らの抑圧を受けたことはないと、こう申し上げるよりほかにいたし方はないと存じております、ただ私が中井君を副館長にすることが適当であるということを自分の考えで決定をいたしましたのは、問題の推移を考えておりまして、大体一月ばかりの間何らかの適当なる変化がこの問題の上に起つて來る余地はないかといろいろ苦心をいたしましたけれども、私の能力の欠乏の結果といたしまして、いかにもこれ以外の方法によるということは総合的に見て不適当であるという結論に到達したからであります。大体世の中のあらゆる問題は、一つの線から押し進めていきますれば、非常に好ましくない問題でも、種々なる線から進めていきますれば、おのずからそこに長短相補いまして、自然に行くべき途が起る。これは私のその選考いたしましたときの心持であります。外國との間の密接なることも考え、両院の間の歩調がよくそろうようにも考えて、結局私自身が及ばずながらも責任を負うてある方向を進めていくならば、この問題は不十分ではあるにしても、実行上とにかく動く線に行くものではないか、この線をとらずして行きますならば、思いもつかぬ種々なる故障が起つてまいりまして、ひとりこの図書館の発達の上に故障が起るばかりではなく、いろいろの外部との紛糺も予想せられるわけでありますから、私自身の判断といたしましては、私が何らほかに顧念すべき必要がない場合の考えと、それから諸般の事情を考える場合と、両方総合いたしまして、まずこの線を通ることが正しいと、こう信じて実行いたしたわけであります。
 なおこの委員会の御意見を伺わなかつたということは、今お話の通り私の十分な注意が行き届かなかつたことと思うのでありまするが、これは立場をかえてお考えをくださいましたならば、私のとりました方法によることが、與えられた條件のもとにおきましては、まずがまんのできやすし線であつたろうとお考えくださることができようかと、実はこれは私自身のあさはかな考えであつたかもしれませんが、そういうふうに考えましたから、わざと御相談を申し上げないで、私の責任で実行したわけであります。なおこれにつきましては、私自身といたしまして、いろいろ考えた点もございまするけれども、その一番決定的な考え方というものは、人間世界にはいろいろな批判も起るのであります。その批判をいかなる程度において扱うかということは、実際的な正確さを認めてならば、相当の結論も出てくるのでありますけれども、その現実の面について、われわれははつきりした考えをもち得ない場合、ただ想像的なものをもつて、事を行うことの根拠にするということは、相当注意深く扱わなければならぬ、こう思いまして、大体私自身の責任をもつて実行いたしました。もしこの実行いたしましたことが間違いであつたということでございましたならば、私みずから全責任を負うよりほかにいたし方がない、こう考えております。
#6
○多田委員 ただいま館長から、館長の立場においていろいろお話がありましたので、館長の立場において十分了解いたしますが、ただそのことによつて、図書館の内部にとかく対立に状況が生ずるというようなことがありますと、図書館の運営の面に非常な影響があるということと、あるいはいろいろな今日までの経過から考えて、図書館内部にそういつた対立のないように――これはわれわれ後輩から申し上げるまでもなく、館長において十分に円滑に運営できるとわれわれは信じておりますが、そういう点を顧慮いたしまして一應御質問申し上げた次第であります。
 なおこの問題につきましては、次の機会において、議長から一應御説明をお願いすることにいたしまして、この質問を打切ります。
#7
○豊澤委員長代理 それでは暫時代憩いたしまして、合同審査会終了後再開いたすことにいたします。
    午後三時四十二分休憩
     ――――◇―――――
    午後五時二分開議
#8
○豊澤委員長代理 それでは会議を再開いたします。
 國立國会図書館法第二十八條には「國立國会図書館の予算は、館長がこれを調製し、両議院の図書館運営委員会に提出する。委員会はこの予算を審査して勸告を附し、又は勸告を附さないで、両院の議長に送付する。」と規定されております。本委員会はさきの合同審査委員会の審査の結果、次のごとき勸告を附したいと存じます。
  本予算を見るに、國立國会図書館を実際運営する上に相当窮屈である。殊に立法考査局の任務は図書館の本質を有するものであるが、この予算ではその任務を遂行し得ないのではないか。又図書購入費も頗る不充分である。これらの点につき今後適当な予算的措置を講ずることを勸告する。
 以上のごとき勸告を附して、館長が提出されました予算を議長に送付するに御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#9
○豊澤委員長代理 御異議なければ、さよう決定いたします。
 本日はこれをもつて散会いたします。
    午後五時四分散会
ソース: 国立国会図書館
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