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1951/03/25 第13回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第013回国会 本会議 第23号
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1951/03/25 第13回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第013回国会 本会議 第23号

#1
第013回国会 本会議 第23号
昭和二十七年三月二十五日(火曜日)
 議事日程 第二十二号
    午後一時開議
 第一 漁船損害補償法案(松田鐵藏君外十三名提出)
 第二 漁船損害補償法施行法案(松田鐵藏君外十三省提出)
 第三 一般会計の歳出の財源に充てるための米国対日援助物資等処理特別会計からする繰入金に関する法律案(内閣提出)
 第四 財産税等収入金特別会計法を廃止する法律案(内閣提出)
 第五 資金運用部預託金利率の特例に関する法律案(内閣提出)
 第六 郵政事業特別会計法及び電気通信事業特別会計法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第七 漁船再保険特別会計法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第八 漁船再保険特別会計における漁船再保険事業について生じた損失を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律案(内閣提出)
 第九 砂糖消費税法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第十 物品税法の一部を改正する法律案(佐藤重遠君外四十各提出)
 第十一 在外公館等借入金の返済の実施に関する法律案(第十二回国会内閣提出)
    ―――――――――――――
●本日の会議に付した事件
 リッジウェイ大将の言明と安全保障費に対する緊急質問(西村榮一君提出)
 日程第一 漁船損害補償法案(松田鐵藏君外十三名提出)
 日程第二 漁船損害補償法施行法案(松田鐵藏君外十三名提出)
 日程第三 一般会計の歳出の財源に充てるための米国対日援助物資等処理特別会計からする繰入金に関する法律案(内閣提出)
 日程第四 財産税等収入金特別会計法を廃止する法律案(内閣提出)
 日程第五 資金運用部預託金利率の特例に関する法律案(内閣提出)
 日程第六 郵政事業特別会計法及び電気通信事業特別会計法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第七 漁船再保険特別会計法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第八 漁船再保険特別会計における漁船再保険事業について生じた損失を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律案(内閣提出)
 日程第九 砂糖消費税法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第十 物品税法の一部を改正する法律案(佐藤重遠君外四十名提出)
 国際的供給不足物資等の需給調整に関する臨時措置に関する法律案(内閣提出)
 閉鎖機関日本蚕糸統制株式会社が積み立てた繭糸価格安定資金の処分に関する法律案(内閣提出)
 森林火災国営保険法の一部を改正する法律案(小淵光平君外二十二名提出)
 輸出信用保険法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 商船管理委員会の解散及び清算に関する法律案(内閣提出)
 船舶運営会の船員の退職手当に関する交付金を船舶所有者に交付する法律を廃止する法律案(内閣提出)
 ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件に基く総理府本府及び地方自治庁関係諸命令の廃止に関する法律案(内閣提出)
 統計法及び教育委員会法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 恩給法の特例に関する件の措置に関する法律案(内閣提出)
    午後二時三分開議
#2
○副議長(岩本信行君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
#3
○福永健司君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、西村榮一君提出、リッジウェイ大将の言明と安全保障費に対する緊急質問をこの際許可せられんことを望みます。
#4
○副議長(岩本信行君) 福永君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 リッジウェイ大将の言明と安全保障費に対する緊急質問を許可いたします。西村榮一君。
    〔西村榮一君登壇〕
#6
○西村榮一君 私は、共産党を除く野党各派を代表いたしまして、リッジウェイ大将の言明と安全保障費に対する緊急質問を政府に行いたいと思います。
 昭和二十七年度予算案は、憲法の解釈におきましても、また財政法に対しましても、多くの疑義と不満が残つておつたのであります。特に行政協定に伴う合衆国軍隊の駐留に要する防衛分担金並びに安全保障諸費につきましては、その金額と内容と取扱い方について多くの反対意見があつたのでありますが、問題はこれにとどまらず、本費目は明らかに財政法第三十二条、三十三条、三十四条にまつこうから違反しておるのであります。すなわち、駐留軍費は一括して駐留軍に手渡して、日本政府はその報告を受くるにとどまつておるのであります。しかるに、現在の財政法におきましては、各省における費目の流用を厳禁しているにとどまらず、さらに進んで、同一省内におきましても、部局の費目の流用を厳禁いたしておるのであります。この財政法第三十二条、三十三条、三十四条を定めましたゆえんのものは、かつては日本軍部の独裁下において、臨時軍事費の名目のもとに国費が濫費され、しかもそれが戦争遂行の推進力となつたという苦い経験にかんがみまして、新憲法は、この財政法を定めたのであります。しかるに、日本軍部の苦き経験がありながら、外国の軍隊に対して、この財政法に違反してまで特例を設けるということは、明らかに政治的にも、わが国の憲法の解釈上におきましても、かつて見ざる悪例をを残すものと言わざるを得ません(拍手)これに対しまして多くの疑問と、不満と、解き得ざるなぞを国民全般が持つておつたのであります。しかるところ、去る二十一日、リッジウェイ連合軍最高司令官が新聞社の代表と懇談されましたときに、重要な声明を発しておられます。それは、すでに諸君においても新聞でごらんになつておる通り、リッジウェイ大将いわく、「私としては、移転施設の建設費用は一切米国で負担し、日本側にはびた一文でも負担させない方針でいる。もつとも米国の議会が移転施設費の支出を認めてくれることが前提なのだが。」と声明しておられるのであります。これによつて、明らかなるごとく、リッジウェイ大将は、びた一文も日本に移転費は負担させないと言明しておられます。(拍手)しかるに、池田大蔵大臣は、過般の予算委員会におきまして、五百六十億円の安全保障諸費の中に、三百七億円――兵舎の建設が四十万坪、約二百億円、住宅が十二万坪、四十八億円、営舎、住宅等の敷地の購入費九十数万坪で五十億円、それに雑費を合せて三百七億円を安全保障諸費の中かち支出いたしますということを明確に述べておるのであります。(拍手)そこで私は現内閣の責任ある御答弁を煩わしたいことは、リッジウェイ大将が、びた一文も日本に負担をかけない、これは一にかかつてアメリカ議会の意思によるものであるということを言明せられておるにもかかわらず、日本政府はすでに予算として三百七億円を計上されたのであります。そこで私が現内閣に問わんとするところは、この三百七億円の移転費を、いかなる理由によつて計上されたのであるか。すなわち、率直にお尋ねしたいことは、アメリカから要請されたのであるか、日本政府の自発的意思によつて三百七億円を計上したのであるか、その支出を要請せられた真実の原因は奈辺にあるかということを承らざるを得なやのであります。(拍手)
 私どもは、アメリカ側の意向として伝えられるところは、トルーマン大統領並びにアチソン国務長官の公式声明に相次ぎまして、日本国駐在の総司令官たるリッジウェイ大将の言明をアメリカカの公式の言明として受取らざるを得ないのであります。(拍手)しかりといたしますならば、アメリカ側は、びた一文も日本に負担をさせないと言明いたしております。日本側はすでに予算を計上いたしました。そこで、今からでもおそくはないのでありまして――私は、このリッジウエイ大将の言明は、単に総司令官一存の言明とは受取れません。アメリカの責任ある当局と打合せの上この予算上の言明がなされたものと確信しておるのでありますが、しかりといたしますならば、私は当然、昭和二十七年度、すでに衆議院において議決され、今参議院で審議中の本予算案から三百七億円の安全保障諸費を組みかえ削除して、これを他に向けるか、減税に向けかるということが、今日の時局に際会して政府のとるべき道ではないかと思うのであります。(拍手)この処置を一体政府はとられるかどうか。万一これをもとらずに、なおかつ本三百七億円の建設費を予算通り現政府が遂行せられんとするならば、それは明らかに、アメリカ側からも要求されておらないのにかかわらず、日本側の好意の押売りであります。これを称して、世人は、現内閣のアメリカに対する行き過ぎたる阿諛迎合の態度なりといわざるを得ないのであります。(拍手)
 私は、このことを考えまするならば、これは率直に本財政組みかえを現政府がなさるべきものだと思うのでありまして、以上の二点につき、現内閣の責任ある、しかして明確なる御答弁を煩わさんことを要請いたしまして、私の質問を終る次第であります。(拍手)
    〔「大蔵大臣はどうした」と呼ぶ者あり〕
    〔国務大臣山崎猛君登壇〕
#7
○国務大臣(山崎猛君) ただいまの西村君のお尋ねでありますが、大蔵大臣は参議院の予算委員会に出席、答弁中でありますので、私よりかわつて、要点についてお答えを申し上げておきます。
 駐留軍が大都市より撤退するに伴いまして、その代替施設等のため必要とする経費の一部は、日本政府が負担することと考えておるのであります。従いまして、今日において政府は予算を組みかえるという考えを持つておらないのであります。
 以上お答えいたします。(拍手)
    〔西村榮一君「再質問」と呼ぶ〕
#8
○副議長(岩本信行君) 西村君に申上げますが、時間があと一分ぐらいですから、簡単に再質問を許します。
    〔西村榮一君登壇〕
#9
○西村榮一君 私は、再質問はしたくはありませんが、答弁がないのでありますから再質問いたします。
 私の問わんとした理由は、アメリカ軍の最高責任者が、日本に対して移転に要する費用はびた一文も負担させぬと公式に言明されておるのにかかわらず、日本はすでにこれを計上した。しからば、あとから権威ある言明があつたのであるから、さきに三百七億円の計上をしたこの移転費は取消されるのが当然ではないかというのが、私の質問の要点であります。政府は三百七億円を簡単に考えられておるかもしれませんが、現内閣は、金がないから遺家族の救援費は出せぬと言われておる。(拍手)中小企業の金融的措置はできないと言われておる。賃金ベースの引上げはできないと言われておる。三百七億円という莫大な財源が生まれ、しかもアメリカの責任ある当局の言明によつてこれはびた一文も日本が負担しなくてもよいようになつたのでありますから、財政組みかえがあたりまえではないかと思うのであります。(拍手)その点、責任ある答弁を伺いたい。
    〔「答弁の要なし」と呼ぶ者あり〕
#10
○副議長(岩本信行君) 答弁はないそうであります
     ――――◇―――――
#11
○副議長(岩本信行君) 日程第一、漁船損害補償法案、日程第二、漁船損害補償法施行法案、右両案を一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。水産委員長州村善八郎君。
    〔川村善八郎君登壇〕
#12
○川村善八郎君 ただいま議題となりました漁船損害補償法案と漁船損害補償法施行法案の両案につきまして、水産委員会における審議の経過及び結果を御報告申し上げます。
 国民食糧をつかさどる農業においては、すでに農業災害補償法が制定されておりますが、国民蛋白食糧の大部分をまかなう水産業においては、かかる制度はなく、これが制定は多年水産業界の強い要望であり、切実なる漁民の声であつたのであります。そこで、これに最も近い制度として昭和十二年より実施されている漁船保険法について再検討をいたしたところ、全国に漁船が約四十三万隻あるうち、現在この保険に加入している漁船はわずかに三万隻という実情であり、この四十三万隻の漁船の平均トン数は四トンに満たない小型船という実態であります。しかも、これが全国に散在している、まことに零細な経営形態であつて、漁民は海上において食糧確保の重責をにないながら、かくのごとく資力が乏しく、現行保険制度のように独立採算制をしいられては保険料が過重となり、とうていこの制度の発達は期し得られないのであります。それがため漁業経営が不安定になつていることが、根本的理由として明確になつたのであります。そこで、かかる零細な漁業者に対しては、共済の精神による強制加入制を設け、農業と同様、国家補償による財政的援助等適切な施策を講ずべきであるとして、昭和二十五年十月以来、漁船災害補償法制定準備会を設け、その対策について協議を重ねて来たのであります。今期国会においては、この調査研究を基礎として水産委員会において立法化することに意見の一致を見ましたので、さらに小委員会に移して、具体的に種々熱心な調査をいたした次第であります。
 次に、漁船損害補償法案のおもなる内容について御説明いたします。まずその骨子は、小型漁船について新たに義務加入制を設け、保険料の半額を国が負担することとし、またその事務費等についても国が補助することにいたした点であります。すなわち、本案の本質的な特徴として、漁業協同組合の区域内に住所を有する一定漁船の所有者の三分一の二以上の同意があつたときは、その所有する漁船のすべてについて保険に加入する義務を負うこととし、この義務を負うものに対しては、国が先に述べた財政的援助をすることであります。この一定漁船としては、昭和二十七年度においては、二十トン未満の小型漁船で、政令で定めることになつております。
 なお漁船保険組合は、特定漁業に従事する大型漁船を保険の目的とする業態組合と、それ以外の漁船を目的とする地域組合とし、また義務加入の漁船については、漁業協同組合が保険料の取立てをして保険組合に払込みをすることにいたしたのであります。この場合、漁業協同組合に対しては保険組合から事務費を交付し、国はその一部を補助することになつております。
 最後に、漁船保険事業の健全な発達をはかるため漁船保険中央会を設立することができるようにいたした次第であります。
 次に、漁船損害補償法施行法案について申し上げます。本案は、現行漁船保険法を廃止し、また漁船損害補償法を施行するために必要な経過措置を規定したものであります。すなわち、現行法に基く漁船保険組合は、漁船損害補償法施行後八箇月以内に、所要の手続によつて補償法に基いた組合となり、前の組合の権利義務を承継することができることになつております。
 以上が両法案に対する挺案の理由とその概要でありまして、両法案は、三月二十日、自由党松田鐵藏君外三者の水産委員から提出され、同日水産委員会に付託されたもので、昨二十四日の委員会において両法案を一括議題として審査を進め、まず提出者を代表して松田鐵藏君から提案理由の説明を聞き、引続いて質疑をいたし、これを打切つて討論に入りましたところ、共産党木村榮君から、趣旨は本会議で述べるが反対であるとの意見が述べられ、次いで自由党を代表して鈴木善幸君から、将来養老保険的な満期保険制度を設け、代船建造を容易にし、あるいは昭和二十七年度においては、予算的な面から指定漁船の範囲を二十トン未満としているが、現在のわが国漁業の実情からして、少くとも四、五十トンあるいはそれ以上に引上げるべきであるとの希望意見が述べられ、なおまた特に政府当局に対しては、業態組合の濫立によつて地域組合の経営を圧迫し、弱体化せしめることのないよう指導すべきである等の意見を開陳して賛成されたのであります。
 以上で討論を終り、両法案を一括して採決いたしましたところ、多数をもつて可決すべきものと決定した次第であります。
 以上御報告申し上げます。(拍手)
#13
○副議長(岩本信行君) 討論の通告があります。これを許します。木村榮君。
    〔木村榮君登壇〕
#14
○木村榮君 日本共産党を代表いたしまして、ただいま議題となりました漁船損害補償法並びに同施行法の二つの法案に対しまして、以下述べまする理由により反対をいたします。
 あらためて申し上げるまでもなく、この法律案は、現行の漁船保険法を、この際一層範囲を拡大いたしまして、大は一千トンの大型漁船から、小は一トン足らずの小さい舟に及ぶまで損害補償の対象にして、しかも二十トン未満の小型漁船にはその保険料の半額を国庫負担にして、これら漁船の強制加入を義務づけますところの、一見きわめて妥当な、反対の余地のないようなものにでき上つているのでございます。しかしながら、一だび今日の日本の漁船の損害の状況を基礎といたしましてこの法案の内容をこまかく検討いたしますならば、その表向きの目的、趣旨がいかように飾り立ててございましても、両法案は漁船損害のほんとうの状況に即してないばかりでなく、結果におきましては、相互保険という美名に隠れまして、中小の漁船主の負担によつて、大型遠洋漁船の、しかもこれらの侵略的漁業の危険を一方的に背負わされてしまうということにならざるを得ないのでございます。
 特に最近の特徴的なことは、日本近海の全アジア水域がアメリカ軍の――
    ―――――――――――――
となつており、これが日本漁船の航行、操業に大きな影響を与えております。演習による被害、禁止ラインに伴う各種の損害、さらに漁船の抑留、拿捕等となつて損害を増大している次第でございます。このことは、政府自身も認めておるごとく、昭和二十六年度の漁船保険特別会計が八千数百万円の赤字となつており、これを一般会計から補足するということを一つとつてみましても明らかでございます。しかも、この赤字は、昨年九月、サンフランシスコの単独講和後において、東支那海における拿捕船に対する特殊保険料支払い増加の赤字であることは、政府発表でも承認しているところでございます。現在二十トン以下の小型漁船をもつて漁業いたします沿岸の中小漁民は、不漁と魚価の暴落、その他一般的不景気のために生活の危機に追い込まれておりますから、このような状態で高い保険料などを払つて行く余裕などはございません。従つて、われわれは、これら沿岸の中小漁民の現状から見まして、漁船保険は全額国庫負担によるものでなかつたならば実情に沿わないという点を強調いたします。さらに二十トン以上の漁船につきましても、現にこれら沖合い遠洋漁船の損害が圧倒的に多いのでございますから、この種の漁船につきましてこそ国庫の援助を与えなかつたならば、なかなかやつて行けない。このことも私たちは主張いたします。
 以上の二点から見ましても、本法案は、まさに漁船損害の実情を無視し、本末転倒しているのでございます。
 また法律案の内容について二、三申し上げますならば、第一に、日本近海至るところ網の目のように張りめぐらしました、アメリカ軍の作戦のための諾制限、これによつてこうむつた漁船の損害等に対しては、行政協定成立後は、当然日本の政府の責任におきまして、その被害補償の手段をとるべきものでございますにもかかわらず、本案では、法令に違反した事故として保険料を支払わない、こういうふうに規定いたしております。第二には、損害、事故の認定が、海上保安庁とか、漁業監視船とか、その他警察関係とかいつたものに権限が集中されまして、漁船保険組合、漁業協同組合など、漁民の自主性をまつたく抹殺して一方的にこれを判断してしまうという危険性がございます。第三には、まつたく保険料の負担能力のない二十トン未満の小舟に対しまして、国庫半額負担ということによつて強制加入を義務づけておるという点がきわめて非民主的でございます。
 吉田政府は、一昨年の特殊保険制度の創設によつて、マッカーサー・ラインを突破して拿捕される漁船に対して、その補償措置を講じました。さらに特別会計の一億二千万円の赤字は、国際法を無視した侵略漁業に対する補償のために生じた赤字でございます。このたびの漁船損害補償法案も、表面いかに粉飾を凝らしましても、一皮はげば、マッカーサー・ラインの一方的廃止後の侵略漁業の復活、これらに伴う大型漁船の拿捕、抑留等の損害補償を、零細な小型漁船から取上げた保険料によつて、相互保険の美名のもとに、その犠牲に供する結果となることは、もはや疑いはございません。かかる観点から、日本共産党といたしましては、この法案には反対をいたします。
#15
○副議長(岩本信行君) これにて討論は終局いたしました。
 両案を一括して採決いたします。両案の委員長の報告はいずれも可決であります。両案を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#16
○副議長(岩本信行君) 起立多数。よつて両案とも委員長報告の通り可決いたしました。(拍手)
     ――――◇―――――
#17
○副議長(岩本信行君) 日程第三、一般会計の歳出の財源に充てるための米国対日援助物資等処理特別会計からする繰入金に関する法律案、日程第四、財産税等収入金特別会計法を廃止する法律案、日程第五、資金運用部預託金利率の特例に関する法律案、日程第六、郵政事業特別会計法及び電気通信事業特別会計法の一部を改正する法律案、日程第七、漁船再保険特別会計法の一部を改正する法律案、日程第八、漁船再保険特別会計における漁船再保険事業について生じた損失を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律案、右六案を一括しで議題といたします。委員長の報告を求めます。大蔵委員長佐藤重遠君。
    〔佐藤重遠君登壇〕
#18
○佐藤重遠君 ただいま議題となりました六法律案について、大蔵委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 まず第一に、一般会計の歳出の財源に充てるための米国対日援助物資等処理特別会計からする繰入金に関する法律案について申し上げます。本法律案は、昭和二十六年七月一日以降、米国の対日援助が打切られ、また同年九月一日以降、米軍払下げ物資の払下げも打切りになりました結果、昭和二十七年度におきましては、米国対日援助物資等処理特別会計は清算事務の段階に入り、歳入歳出予算上四十億円の剰余を生ずることとなる見込みでありますので、この金額を一般会計に繰入れて、その歳出の財源といたそうとするものでございます。
 第二に、財産税等収入金特別会計法を廃止する法律案について申し上げます。財産税等収入金特別会計は、財産税法に基く収入金、物納財産等を特別に経理するため昭和二十一年度から設けられたものでありますが、同特別会計法の規定により、昭和二十六年度限り廃止することとなつております。かたがた、現在までの収入実績からいたしまして、財産税等の賦課徴収はおおむね終了し、もはやこの特別会計を存置する必要はないものと認められるに至りましたので、同特別会計法を昭和二十六年度限り廃止いたし、今後の経理は一般会計においてこれを引継いで行うことといたそうとするものでございます。
 第三に、資金運用部預託金利率の特例に関する法律案について申し上げます。この法律案は、郵便貯金の利率の引上げ等に伴い、郵便貯金特別会計において支払い利子等の経費が増加し、明年度以降当分の間収支の不均衡を生ずることが予想せられますので、同会計から資金運用部に預託された資金で、約定期間五年以上のものに対しましては、当分の間現行の年五分五厘の利率にまる利子をつけるほか、年一分以下の範囲の特別利率による利子を附加することといたそうとするものでございます。
 第四に、郵政事業特別会計法及び電気通信事業特別会計法の一部を改正する法律案について申し上げます。本法律案は、今回の財政法及び会計法の改正に準じ、郵政事業特別会計法及び電気通信事業特別会計法の規定を整備するほか、両特別会計の性質にかんがみまして、その経理を合理化するために、固定資産評価積立金及び物品価格調整引当金の両勘定を設け、価格の改訂に関する規定を整備するとともに、前渡しした資金の経理について特例を設けようとするものでございます。
 第五に、漁船再保険特別会計法の一部を改正する法律案について申し上げます。本法律案は、現行の漁船保険法にかわり、新たに漁船損害補償法が制定されることに伴いまして、漁船再保険特別会計に新たに普通保険、特殊保険及び業務の三つの勘定を設け、各勘定の歳入歳出等について所要の規定を加えようとするものであります。
 第六に、漁船再保険特別会計における漁船再保険事業について生じた損失を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律案について申し上げます。本法律案は、漁船保険法の規定によつて、拿捕、抑留等の事故を保険の目的として特約する特殊保険につきまして、昭和二十六年度において保険事故が異常に発生いたしましたために、漁船再保険特別会計における再保険金の支払い財源に約八千万円の不足が生じましたので、これを一般会計からの繰入金をもつて補填いたそうとするものでございます。
 以上の各法律案につきましては、それぞれ政府当局より提案理由の説明を聴取しい慎重審議の結果、昨二十四日、討論を省略の上、まず一般会計の歳出の財源に充てるための米国対日援助物資等処理特別会計からする繰入金に関する法律案、財産税等収入金特別会計法を廃止する法律案及び資金運用部預託金利率の特例に関する法律案の三案を一括して採決いたしましたところ、起立総員をもつて、いずれも原案の通り可決いたしました。次いで、郵政事業特別会計法及び電気通信事業特別会計法の一部を改正する法律案、漁船再保険特別会計法の一部を改正する法律案及び漁船再保険特別会計における漁船再保険事業について生じた損失を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律案の三案を一括して採決いたしましたところ、起立多数をもつて、いずれも原案の通り可決いたしました。
 右御報告申し上げます。(拍手)
#19
○副議長(岩本信行君) まず日程第三ないし第五の三案を一括して採決いたします。三案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#20
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて三案は委員長報告の通り可決いたしました。
 次に日程第六ないし第八の三案を一括して採決いたします。三案の委員長の報告はいずれも可決であります。三案を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#21
○副議長(岩本信行君) 起立多数。よつて三案とも委員長報告の通り可決いたしました。
     ――――◇―――――
#22
○副議長(岩本信行君) 日程第九、砂糖消費税法の一部を改正する法律案、日程第十、物品税法の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。大蔵委員長佐藤重遠君。
    〔佐藤重遠君登壇〕
#23
○佐藤重遠君 ただいま議題となりまとた砂糖消費税法の一部を改正する法律案外一法律案について、大蔵委員会における審議の経過並びにその結果について簡単に御報告申し上げます。
 まず第一に、砂糖消費税法の一部を改定する法律案について申し上げます。砂糖につきましては、その小売価格に対する税負担の状況並びにその配給及び価格の統制が本年四月以降廃止されること等にかんがみまして、別にただいま本大蔵委員会において審議中の関税定率法におきまして、粗糖の税率を一〇%から二〇%に、精製糖の税率を二〇%から三五%にそれぞれ引上げるとともに、砂糖消費税におきましても、白砂糖及び氷砂糖等に対する税率をおおむね七割方引上げることといたしております。なお黒砂糖及び糖蜜等につきましては、その税率を現行のまますえ置くことといたしておるのであります。以上が本案の内容であります。
 本案は、二月十三日、本委員会に付託され、慎重審議の結果、昨二十四日質疑を打切ましたが、小山委員より修正案が提出されました。その修正案の内容は、第二種砂糖百斤につき千七百円を千九百五十円、糖水百行につき千三百円を千五百円におのおの引上げようというのであります。
 次いで討論に入りましたところ、日本共産党を代表して高田委員が反対の意を表明せられました。ただちに採決の結果、修正案及び修正部分を除く原案について、いずれも起立多数をもつて本案は修正議決されました。
 第二に、物品税法の一部を改正する法律案について申し上げます。本法律案は、水あめ、ぶどう糖等に対する物品税を廃止しようとするものでありますが、まずその趣旨を申し上げます。
 わが国において、かんしよ及びばれいしよは、米、麦に次いで重要な農作物で、畑作地帯においては、農業経営の根幹をなしておるのでございます。そうして、その生産量の過半が販売され、販売量の半ばが澱粉に加工され、さらにその澱粉の八〇%が水あめ等の原料に使用されておるため、水あめ、澱粉の価格が生いもの価格を支配しておるのでございます。しかるに、この水あめ等の価格は、由来これと競合関係にある砂糖価格によつて左右されておるのでございますが、昨年来海外の糖価が低落の一遂にあり、また近く砂糖の統制が廃止され、輸入が増加することにより、澱粉価格、ひいては生いも価格に甘する影響はますます加わることが予想せられます。二十七年度いも価格は、激落の危険すら予想されておるのであります。水あめ等の物品税の廃止は、その税負担を除くことにより、澱粉、ひいては生いもの需要を確保し、いも類価格の下落を防止し、もつて農家経済への影響を幾らかでも緩和し、農家経済の安定に資しようというのであります。
 本法律案は、以上の理由により、第二種物品税中のあめ、ぶどう糖及び麦芽糖に対する物品税を四月一日から廃止することを規定し、あわせてこれが経過規定を定めようというのであります、本改正による物品税減収約十五億円は、別途砂糖消費税法を修正して、その税率を引上げることによつて補填しようというのであります。本法律案は、不肖佐藤重遠外四十名の提案によるものであり、三月二十二日大蔵委員会に付託せられ、昨二十四日審議を重ねました上、討論を省略し、採決いたしましたところ、総員起立をもつて原案の運勢可決いたしました。
 以上御報告申し上げます。(拍手)
#24
○副議長(岩本信行君) まず日程第九につき採決いたします。本案の委員長の報告は修正であります。本案を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#25
○副議長(岩本信行君) 起立多数。よつて本案は委員長報告の通り決しました。
 次に日程第十につき採決いたします。本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#26
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつで本案は委員長報告の通り可決いたしました。
     ――――◇―――――
#27
○福永健司君 日程第十一は延期されんことを望みます。
#28
○副議長(岩本信行君) 福永君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#29
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて日程第十一は延期するに決しました。
     ――――◇―――――
#30
○福永健司君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、内閣提出、国際的供給不足物資等の需給調整に関する臨時措置に関する法律案を議題となし、この際委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
#31
○副議長(岩本信行君) 福永君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#32
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。国際的供給不定物資等の需給調整に関する臨時措置に関する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。経済安定委員長前田正男君。
    〔前田正男君登壇〕
#33
○前田正男君 ただいま議題となりました国際的供給不足物資等の需給調整に関する臨時措置に関する法律案について、委員会における審議の経過並びに結果を御報告いたします。
 本案は、国際的に供給が不足する物資等の需給を調整することにより国民経済の健全な発展をはかるとともに、国際経済の円滑な運行に寄与することを目的とするものであります。御承知のごとく、終戦後の物資需給がきわめて逼迫していた昭和二十一年に臨時物資需給調整法が制定せられたのでありますが、その後貿易の発展と産業の復興に伴い、漸次物資の需給状況が緩和せられ、今日までに割当配給統制もその大部分が撤廃されたのであります。しかるに、朝鮮事変に伴う国際情勢の緊迫化と、列国の軍備強化は、重要物資の国際的需給の逼迫を招き、海外に依存するわが物資の需給状況に重大な影響を及ぼすに至つたのであります。しかも、昨年二月には国際原料会議が設立せられ、国際的供給不足物資の生産増加と消費節減及び公正な国際的配分を各国政府に勧告したのであるが、わが国もすでにこの会議の各種委員会に参加し、国際的供給不足物資の消費節減と公正な配分に協力しているのであるから、国会においても国際的供給不足物資の割当、使用制限等の措置をとり、消費規正を強化することが必要であることは申すまでもありません。
 本案の内容については、第二条が本法の主体をなすものであつて、主務大臣の需給調整措置の発動の条件、範囲、方法等を明らかにしており、前の臨時物資需給調整法に比し、主務大臣の権限がきわめて限定され、対象物資の範囲を具体的に規定しており、割当または配給に関し必要な命令をすることがでぎる物資は別表に掲げるものに限るものとして、別表にはニッケル、コバルド、タングステン、モリプデン、白金と限定しております。なお、諮問機関として物資需給調整審議会を置くものとし、経済定定本部総裁の任命する十五入以内の学識経験者を委員として組織するものとしたのであります。
 施行期日は昭和二十七年四月一日でありますが、臨時物資需給調整法に基いてした命令のうち、石油製品配給規則以下十二の規則、府令及び省令は、昭和二十七年六月三十日までなおその効力を有するものとしたのであります。なお、本法の有効期限は昭和二十八年四月一日までであります。
 本案については、去る三月十八日に提案理由の説明を聴取し、引続き十九日及び二十日に審議をいたしましたが、その詳細は委員会の速記録に譲ることといたします。
 本日その討論を行いましたが、小野瀬委員は自由党を代表して、刻下の内外情勢と国民経済から見て本法は必要であり、国家総動員法的な臨時物資需給調整法が廃止されて、国際的供給不足物資につき明確に限定して需給調整を行うこととしたのはきわめて適切であると賛成の意見を述べられ、笹山委員は改進党を代表して、重要資源の不足しているわが国民経済の自立発展のためには、いつでも需給調整をなし得ることが必要であるから、特に本法の運用に慎重を期せられるよう要望して賛成の意見を述べられ、中崎委員は日本社会党を代表して、本法の運営にあたり、民主的に組織されたる団体を、また物資需給調整審議会の委員に相当数の国会議員及び公正なる業者代表等をそれぞれ参加せしめ、なお需給調整統制の履行と取締りの徹底を要望して賛成の意見を述べられました。また横田委員は共産党を代表して、ソ連、中共等を除きたる国際的供給不足物資を前提とした本案には反対であるどの反対の意見を述べられました。
 次に採決に入りましたが、多数をもつて原案通り可決されました。
 右御報告申し上げます。(拍手)
#34
○副議長(岩本信行君) 採決いたします。本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#35
○副議長(岩本信行君) 起立多数。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。
     ――――◇―――――
#36
○福永健司君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、内閣提出、閉鎖機関日本蚕糸統制株式会社が積み立てた繭糸価格安定資金の処分に関する法律案、小淵光平君外二十二名提出、森林火災国営保険法の一部を改正する法律案、右両案を一括議題となし、この際委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
#37
○副議長(岩本信行君) 福永君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#38
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 閉鎖機関日本蚕糸統制株式会社が積み立てた繭糸価格安定資金の処分に関する法律案、森林火災国営保険法の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。農林委員会理事遠藤三郎君。
    〔遠藤三郎君登壇)
#39
○遠藤三郎君 ただいま議題となりました、内閣提出、閉鎖機関日本蚕糸統制株式会社が積み立てた繭糸価格安定資金の処分に関する法律案並びに小淵光平君外二十二名提出、森林火災国営保険法の一部を改正する法律案につきまして、農林委員会における審議の経過及び結果の大要を御報告いたします。
 日本蚕糸統制株式会社は、旧蚕糸業統制法の規定に基いて、蚕糸の需給調整または価格の安定をはかる目的で設立された特殊法人でありますが、昭和二十一年三月解散になり、昭和二十三年八月に閉鎖機関に指定され、現在清算中であります。同社の繭糸価格安定資金は、旧蚕糸業締制法の規定によつて、繭糸価格安定の目的を持つて積み立てて来たものでありますが、この積立てについては税法上特例がとられ、会社の純益の計算の上からは損金に算入されておつたのであります。このように、この資金は特殊な性格のものであり、その処分についても、統制会社が解散したときは、全国を地区とする蚕糸業会で主務大臣の指定するものに引渡さなければならないことになつておつたのであります。しかして、統制会社が解散後、資金継承団体として日本蚕糸業会が指定されたのでありますが、引渡し未完了中に同業会も閉鎖機関に指定され、引渡しても資金本来の目的を達成することが不可能となりましたので、引渡さぬまま現在に及んでおるのであります。しかるところ、第十二国会におきまして繭糸価格安定法の成立を見、政府が繭糸価格安定制度を実施することになわましたので、この資金の本来の目的に沿つて国に引渡すことにいたしたのでありますが、その際、旧法人税及び旧営業税法により法人税並びに営業税を課することについては、それぞれ清算所得または清算純益の計算上、この資金を残余財産の価格から控除するという課税の特例を定めたわけであります。なお、この資金の額は一億六十五万五千円で、前国会で成立した補正予算においても歳入として計上されております。
 本法案は、去る八日、本委員会に付託せられ、十三日、政府より提案理由の一説明を聞き、十四、十九、二十五の三日間質疑を行いましたところ、自由党小淵委員、改進党小林委員、共産党竹村委員、社会党足鹿委員等より、それぞれ清算事務の内容、残余財産の内容とその運用状況及び平和条約発効後、これら閉鎖機関に指定されている日本蚕糸統制株式会社及び日本蚕糸業会の取扱い等につき質疑または意見の開陳があつたのでありますが、詳細は速記録に譲りたいと存じます。
 次いで、本日質疑を終了、討論に入り、共産党の竹村委員より、積立金が生れたもとは繭にあるのだから、直接養蚕家を対象とした施策に使うべきだとの反対意見がありました。
 討論を終り、採決を行いましたところ、多数をもつて原案通り可決すべきものと議決した次第であります。
 次に、森林火災国営保険法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 現行の森林火災保険法は、林齢二十年以下の人工幼齢林のみを対象といたし、比較的危険の少い状齢林につきましては、主として民営保険の伸張に期待して来たのでありますが、その後の推移を見ますと、森林火災による状齢林の被害も年々相当な面積に及びます。なお民営保険につきましては、期待するほどの発展を見ていない現状にあります。そこで、この際現行法を改正いたし、その適用範囲を拡大しまして、広く再造林費を確保し、森林経営の安定をはかりたいというのが、本法案の提出の理由であります。
 次に改正の主要点を申し上げますと、次の四点でございます。第一点は、林齢の制限を撤廃して、人工林のすべてをその対象としたこと、第二点は、損害填補の方法を比例填補の方法に改めたこと、第三点は、無事もどしの制度を廃止いたしますと同時に、保険料金の引下げをはかりましたこと、第四点は、保険事務の一部を、市町村のほか森林組合及び森林組合連合会にも取扱うことができるようにしたこと、以上でございます。
 本法案は、三月二十日、本農林委員会に付託と相なり、同日、提案者を代表して小淵君より提案理由の説明がございました。次いで、本二十五日質疑を行いましたところ、社会党井上委員かち簡単な御発言がございましたが、それは速記録に譲りたいと思います。
 質疑を終了、ただちに討論を省略、採決いたしましたるところ、全会一致をもつて原案の通り可決いた七ました。
 以上御報告申し上げます。(拍手)
#40
○副議長(岩本信行君) まず閉鎖機関日本蚕糸統制株式会社が積み立てた繭糸価格安定資金の処分に関する法律案につき採決いたします。本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#41
○副議長(岩本信行君) 起立多数。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。
 次に森林火災国営保険法の一部を改正する法律案につき採決いたします。本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#42
○罰議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。
     ――――◇―――――
#43
○福永健司君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、内閣提出、輸出信用保険法の一部を改正する法律案を議題となし、この際委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
#44
○副議長(岩本信行君) 福永君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#45
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 輸出信用保険法の一部を改正する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。通商産業委員会理事中村幸八君。
    〔中村幸八君登壇〕
#46
○中村幸八君 ただいま議題と相なりました輸出信用保険法の一部を改正する法律案につきまして通商産業委員会における審議の経過並びに結果を概略御報告申し上げます。
 現行輸出信用保険法は、昭和二十五年三月三十一日に施行せられ、甲種保険制度を確立し、また昭和二十六年十二月一日には一部改正を行い、乙種保険制度を実施して今日に参つたのでありまするが、過去約二年にわたる甲種保険制度実施の経験にかんがみまして、この制度についてなお改善しべき諸点が見出されましたほか、さらに現下の切実な要請でありまするドル地域向け輸出振興を促進するため、輸出資金の融通の円滑化をはかり、また海外市場の開拓を期する上に、新たな保険制度による推進策を講げる必要が生じて参つたのであります。本改正法律案は、かかる必要に基き提案せられたのであります。
 以下、改正の要点を概略申し上げますると、その第一点は、甲種保険制度の改善であります。甲種保険につきましては、その被保険者及び損失補填の範囲を拡大するのほか、損失補填の方式についても技術上の改正を加えております。
 改正の第二点は、丙種保険制度の創設であります。輸出品の生産、集荷等に必要な資金につきまして、その調達の円滑化をはかりますることは、輸出振興士きわめて肝要でありまするが、金融機関が輸出資金を融通する場合における最大の関心事は、言うまでもなく、その融通した資金が満期に回収され得るやいなやということであります。丙種保険は、金融機欄のこのような不安に着目し、保険制度によつてこの不安を除去して、ドル地域向け輸出に関する金融の疏通をはかるとともに、他方、金融機関から輸出資金の融通を受けた輸出者または輸出品製造業者に対して、輸出不能の事由が発生した場合いあいて輸出資金の返済の延期を許し、もつて損失の償却に要する時間的な余裕を与えようとするものであります。
 第三点は、丁種保険制度の設定であります。これは、ドル地域向け輸出の促進を目的として輸出品の広告宣伝費用等が支出せられました場合に、当該費用が爾後の輸出によつて回収されない損失を保険する制度であります。こ、の保険制度に基いて、新市場の開拓、また輸出量の増大をはかるとともに、関係業者の広告宣伝に対する関心を喚起しようとするものであります。
 以上が改正案の要旨並びに改正点の概略であります。
 本改正案は、三月十二日、当委員会に付託せられ、十三日、政府より提案理由の説明を聴取いたしたのであります。二十日、本改正案の質疑に入りましたところ、自由党澁谷雄太郎君と政府委員との間に熱心な質疑応答が行われたのであります。詳細は会議録を御参照願うことといたします。
 越えて二十五日、討論を省略し、採決いたしましたところ、多数をもつて可決いたしましたような次第であります。
 簡単でありますが、御報告申し上げます。(拍手)
#47
○副議長(岩本信行君) 採決いたします。本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#48
○副議長(岩本信行君) 起立多数。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。
     ――――◇―――――
#49
○福永健司君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、内閣提出、商船管理委員会の解散及び清算に関する法律案、船舶運営会の船員の退職手当に関する交付金を船舶所有者に交付する法律を廃止する法律案、右両案を一括議題となし、この際委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
#50
○副議長(岩本信行君) 福永君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#51
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 商船管理委員会の解散及び清算に関する法律案、船舶運営会の船員の退職手当に関する交付金を船舶所存者に交付する法律を廃止する法律案、右両案を一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。運輸委員会理事黒澤富次郎君。
    〔副議長退席、議長着席〕
    〔黒澤富次郎君登壇〕
#52
○黒澤富次郎君 ただいま議題となりました商船管理委員会の解散及び清算に関する法律案について、運輸委員会における審査の経過並びに結果を報告申し上げます。
 まず本法案の趣旨を簡単に御説明いたします。商船管理委員会は、御承知の通り、戦時海運管理令に基いて設立された特殊な法人でありまして、戦時海運管理令は国家総動員法に基く勅令でありますが、同法が廃止された後においても委員会を存続させるため、総司令部の指令により、十二回にわたりその効力を延長し、今日に及んだのでありますが、占領軍の占領の終結が見通される現在、もはやその存続の必要は認められないのであります。よつて、効力の最終期にあたる本年三月三十一日をもつて戦時海運管理令を自然失効させるとともに、委員会を解散させようとするのでありますが、同委員会は、前に申し上げた通り特殊な法人である関係上、その解散及び清算の実施等について法律を制定しまうとするのが、この法案の趣旨であります。
 本法案は、去る三月十五日、本委員会に付託され、三月十八日政府より提案理由の説明を聴取し、三月二十五日質疑に入りまして、政府委員と委員との間に質疑応答がとわかわされましたが、内容は会議録に讓ることいたします。
 次に、討論を省略いたしまして、ただちに採決の結果、本法案は起立多数をもつて政府原案通り可決いたしました。
 次に船舶運営会の船員の退職手当に関する交付金を船舶所有者に交付する法律を廃止する法律案について、運輸委員会における審査の経過並びに結果を報告申し上げます。
 まず本法案の趣旨並びに内容を簡単に説明いたします。船舶運営会は、昭和二十四年四月一日から戦時海運管理令に基く船舶の国家使用を解除すると同時に、艦船運航管理令により船舶所有者と定期用船契約を締結したのであります。その際、解除船舶の船員は形式的には船舶運営会を退職することになりますが、実質的には引続き各船舶所有者に雇用され、しかも定期用船料という名目のもとに、船員費は国庫より継続して支出されますので、この際の退職手当は一括して船舶運営会から各船舶所有者に交付して保管せしめまして、他日船員が実際に退職する際にこれを船員に支給するように現行法で定められているのであります。現行法はポツダム命令ではありませんが、実質的にはまつたく関係方面の指示に基くものでありまして、ポツダム命令の整理が行われているこの際、再検討を加えた結果、また関係船員のかねての要望も考えあわせまして、現行法を廃止し、その拘束を解除いたしまして、退職手当がすみやかに本人の手に渡るようにとりはからおうとするものであります。
 本法案は、去る三月十八日、本委員会に付託され、二月二十五日、政府より提案理由の説明を聴取し、質疑に入り、政府委員と委員との間に熱心なる質疑応答がとりかわされましたが、内容は会議録に譲ることといたします。
 次に、討論を省略し、ただちに採決の結果、本法案は起立多数をもつて政府原案通り可決した次第であります。
 右報告いたします。(拍手)
#53
○議長(林讓治君) 両案を一括して採決いたします。両案の委員長の報告はいずれも可決であります。両案を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#54
○議長(林讓治君) 起立多数。よつて両案とも委員長報告の通り可決いたしました。
     ――――◇―――――
#55
○福永健司君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、内閣提出、ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件に基く総理府本府及び地方自治庁関係諸命令の廃止に関する法律案、統計法及び教育委員会法の一部を改正する法律案、恩給法の特例に関する件の措置に関する法律案、右三案を一括議題となし、この際委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
#56
○議長(林讓治君) 福永君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#57
○議長(林讓治君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件に基く総理府本府及び地方自治庁関係諸命令の廃止に関する法律案、統計法及び教育委員会法の一部を改正する法律案、恩給法の特例に関する件の措置に関する法律案、右三案を一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。内閣委員長八木一郎君。
    〔八木一郎君登壇〕
#58
○八木一郎君 ただいま議題となりました三法案について、内閣委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 まずポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件に基く総理府本府及び地方自治庁関係諸命令の廃止に関する法律案について申し上げます。
 本法案は、勅令一つと、各関係省庁の共同命令二つを廃止することを内容とするものでありますが、その概要を申し上げますならば、第一は、地方団体の吏員等連合国最高司令官の命令に基き退職したるときの退隠料等を受くるの資格又は権利の喪失等に関する件でありますが、これはポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件に基いて制定されましたところの、昭和二十一年勅令第六十八号恩給法の特例に関する件の第七条及び第八条の規定に対応し、これと歩調を合せて地方団体の吏員等について制定せられたものでありますが、同令実施後の状況を見まするに、同合適用の対象となつた者はほとんどないという実情であり、一方恩給法の特例に関する件の第七条及び第八条の規定につきましては、平和条約の最初の効力発生の日からこれを削除する趣旨の法律案が別途提出されておるのであります。
 第二は、工場事業場、研究機関等の事業報告書等に関する件及び「科学技術者経歴調査書」提出に関する件でありますが、これらはいづれもポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件に基いて制定せられましたところの各関係省庁の共同命令でありまして、しかもこれらの命令に基く報告書の司令部への提出は現在一応完了いたしておるのであります。もとより、これらの命令に基いて提出される資料は行政上重要なものでありますから、今後もその提出を継続させる必要を認められるのでありますが、これにつきましては、必ずしも法律によらなければならないということは考えられないのであります。
 以上申し述べました事由によりまして、これらの勅令、命令は平和条約発効の日以後存続させる必要がないと認められますので、これらを廃止しようとするものであります。
 次に、統計法及び教育委員会法の一部改正する法律案について申し上げます。
 本法案は、従来国の指定統計調査事務については、その一部を地方公共団体の長に委任して参りましたが、今回新たに、教育関係の指定統計調査の種類によりましては、教育委員会にもこれを委任し、教育委員会が指定統計に関する事務を処理することができるように、第一条において統計法に所要の改正を行い、さらに教育委員会が行う指定統計調査に関する事務処理の的確を期するために、第二条において、教育委員会法に新たに国家事務の指揮監督に関する一条を追加しようとするのであります。
 次に、恩給法の特例に関する件の措置に関する法律案について申し上げます。
 本法案は、いわゆる軍人軍属の恩給を禁止制限いたしました、昭和二十一年勅令第六十八号恩給法の特例に関する件につきまして、平和条約の効力発生に伴う必要な措置を講じようとするのであります。すなわち、この勅令により禁止または制限されました軍人軍属の恩給の平和条約発効後における復元の措置につきましては、その措置いかんが国家財政その他に及ぼす影響の少からざるにかんがみ、特に慎重を期する必要がありますので、一新たに総理府の附属機関として恩給法特例審議会を設置し、その審議会の公正妥当な結論に基いて措置することとし、恩給法の特例に関する件は、昭和二十八年三月三十一日まで法律として効力を有するものとして存続せしめようとするのであります。ただ、この勅令中第七条及び第八条の規定は、平和条約の効力発生に伴い不要となりますので、これを削除し、附則に経過規定を設けているのであります。恩給法特例審議会の組織、委員その他の職員等については政令で定めることになつており、この法律は平和条約の最初の効力発生の日から施行することにいたしているのであります。
 以上の三法案は、三月十日、十二日それぞれ本委員会に付託され、政府の説明を聞き、質疑を重ね、慎重に審査いたしまして、三月二十五日討論採決の結果、ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件に基く総理府本府及び地方自治庁関係諸命令の廃止に関する法律案については全会一致をもつて、その他の法案については多数をもつて、いずれも原案の通り可決すべきものと決定いたした次第であります。
 以上御報告申し上げます。(拍手)
#59
○議長(林讓治君) 討論の通告があります。これを許します。今野武雄君。
    〔今野武雄君登壇〕
#60
○今野武雄君 日本共産党といたしましては、第一のポツダム政令の廃止に関する件については賛成でございますが、第二、第三の、統計法及び教育委員会法の一部を改正する法律案並びに恩給法の特例に関する件の措置に関する法律案に対しては、これは自由党吉田内閣が国民の敵であるということを示すはつきりとした証拠として反対いたすものであります。(拍手)
 第一の、統計法及び教育委員会法の一部を改正するということは、法案とすればごく簡単なことでありまして、何でもないことのようであります。形式的には何でもないことであります。形式的には何でもないことのようである。しかしながら、その内容とするところは容易ならざるものを含んでおるのでございます。元来、この統計というものは、物事を客観的に明らかにするというのなら、これはだれにとつても文句はないわけであります。国民の税金によつて政府が運営されている。その政府が、その税金を使つていろいろの統計をつくつて、それを国民の使用に供するというなら、だれも文句を言うはずはないのでございます。しかるに、この吉田内閣は、このような統計のとり方それ自身に対しても、売国政治の道具としてこれをやつている。そのことは、証拠歴然として、学界においてもはつきりと証拠立てられておるのであります。一例をあげますならば、この労働者の賃金をきめる基礎になるものは消費者価格指数である。CPIと称せられるものでごます。ところが、このCPIなるものの仕組みは、国民の生活が苦しくなればCPIは下つて、そうしてそれを理由にして再び賃金を下げる。そうして、ますます国民生活を苦しくさせる。特に労働者の生活を苦しくさせる。こういうような意味を持つた数字でございます。
 ここで、こう申しただけではわかりませんから、ごく適切な例を一つあげますと、たとえば一九四八年の十月には、このCPIがぐんと下つておるのであります。そうして、いかにもそのころの消費者価格というものが横ばい状態を呈しているようなありさまである。そういうことを名として、政府は賃金の給与水準の引上げを渋つて参つたわけでございます。ところが、なぜCPIが下つたかということを調べてみますと、一九四八年十月という月は、主食の配給がほとんどいもであつたのです。だから、配給値段というものが安い。そうなると、消費者価格指数が下るという仕組みになつているのです。そうすれば、そういうような生活内容が低下する。それによつて指数が下る。それによつて今度は賃金を上げない。こういうようなことになるのでありますから、これはもう実に冷酷な、ごまかしの数字といわざるを得ないわけでございます。
 そのほか、失業者の実態につきましても、政府は統計の取り方を戦後三べんもかえておりまするが、その取り方につきましても、実にひどいごまかしである。たとえば、浮浪児でも、あるいは停車場や列車の中で、いまだにモク拾いといつてタバコの吸殻を拾つて歩いている連中でも、全部失業者の中には入らないような、そういう統計をとつて、そうして失業者の数をごまかしておる。あるいは農民について申し上げれば、例の作報でありますが、これは農民ははつきり敵であると言つている。アメリカの手先だと言つている。
 こういうような数字の詐欺をやつて、そうして国民生活を圧迫する。労働者や農民を圧迫する。こういう売国政治の道具にするための統計、これは吉田内閣の政策であるのみならず、先ごろ日本にも来朝した、アメリカ大統領予算局の次長のライス博士は、大統領に対する報告の中で、統計を通じて日本を支配するという言葉を使つておりますが、かようなごまかし、かような国民の首を絞めるようなことに、われわれ国民としては一銭も税金を使いたくない。だから、そういうような統計はやめて、ほんとうに客観的な、われわれ国民に参考になるような、そういう統計をつくることに切りかえたらば、われわれとしては文句はないわけであります。
 特に、今度教育委員会でこの統計を扱いまして、そうして産業教育調査ということをやるのでありますが、この内容を聞いてみますと、実習施設がないから、産業教育をやるのに工場で実習させるという。これは、戦時中の、あの学徒動員を思わせるものがあるばかりでなく、特にその実体を備えて来つつあるわけであります。今回の行政協定にもはつきりしているような、この戦争に対する協力、それが学校にも現われて、そうして学徒動員をもう一ぺんやる。このようにして、日本の国の教育をめちやめちやにしてしまう。そのための調査ということをやるわけでありますら、これに対しては、もちろん賛成できないわけでございます。
 次に恩給法の問題でありますが、この件は、やはり吉田内閣の冷酷な、厚顔無恥な性格をはつきり表わしているわけであります。政府の説明によりますると、今まで軍人軍属の恩給をストップしておつたが、これを復活すると、受給資格者が七百万人もできるというのです。この七百万人といえば、その中には、もちろん戦犯や、あるいは高級将校も入るかもしれないけれども、そんな者はわずかである。大部分の人は、一銭五厘でかり出されて、そうして天皇の名によつてアジアの大陸でもつてさんざん苦労をなめたり、死ぬような思いをして来た人間である。その人たちに対して、今までは権利をストリップして来たのでございます。そうしておいて、それを復活すれば二千億円の金がかかるといつて、そんな金は出せないから、つまり国家財政上困るから一年間延ばそうというのです。
 ほかの措置は、予備隊のことだつて何だつて、みな講和発効に先立つて、どんどん手ぎわのいい措置を講じている。再軍備のことになると手ぎわがいいが、一旦国民の生活のことになると――今までに審議会なんかつくるならつくつて置くべきである。それを、いまさらになつて審議会をつくつて、一年間延ばそうというのですが、一千億の金がかかるというけれども、戦争に使う二千億の金があるなら、これはむしろ恩給受給者にくれてやつた方がどれくらいいいかわからない。そうすれば、みんなその人たちの生活がゆたかになるばかりでなく、生活物資を買うから、日本の平和産業はそれだけやはりよくなるわけなのです。再軍備のために使う金がいるから、そこで金がやれないというのが本筋なんだ。ところが、そう言つたんじやどうもぐあいが悪いから、審議会をつくつて一年間待とう。そうしてその審議会においては、何とかごまかして金をやらないで、この間のお燈明代じやないけれども、金をやらないで、そして何とか名目を立てて、警察予備隊の募集や何かにもさしつかえないようにしよう、こういうずるい根性でやるわけなんです。
 そういことに対して、われわれとしては絶対に反対であります。平和の名において反対であります。そして、われわれとしては、この恩給受給者の中には気の毒な人がたくさんある、そういう人に対する暫定措置を一刻も早くやらなければならない、一年間も延ばすことはない、このことを主張いたしまして、私の反対討論を終ることといたします。(拍手)
#61
○議長(林讓治君) まずポツダム宣言の受話に伴い発する命令に関する件に基く総理府本府及び地方自治庁関係諸命令の廃止に関する法律案につき採決いたします。本案は委員長の報告の通り決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#62
○議長(林讓治君) 御異議なしと認めます。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。
 次に統計法及び教育委員会法の一部を改正する法律案につき採決いたします。本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#63
○議長(林讓治君) 起立多数。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしまた。
 次に恩給法の特例に関する件の措置に関する法律案につき採決いたします。本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#64
○議長(林讓治君) 起立多数。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。明二十六日は定刻より本会議を開きます。本日はこれにて散会いたします。
    午後三時三十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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