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1947/07/05 第2回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第002回国会 図書館運営委員会 第12号
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1947/07/05 第2回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第002回国会 図書館運営委員会 第12号

#1
第002回国会 図書館運営委員会 第12号
昭和二十三年七月五日(月曜日)
    午後二時五十一分開議
 出席委員
   委員長 木村小左衞門君
   理事 石井 繁丸君
      圓谷 光衞君    中村 嘉壽君
      豊澤 豊雄君
 委員外の出席者
        國立國会図書館
        長       金森徳次郎君
        國立國会図書館
        一般考査局長  細野 孝一君
    ―――――――――――――
 七月五日委員萬田五郎君及び山口靜江君辞任に
 つき、その補欠として福田昌子君及び武藤運十
 郎君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 閉会中の審査に関する件
 東洋文庫に関する件
 靜嘉堂文庫に関する件
    ―――――――――――――
#2
○木村委員長 これより開会いたします。
 まず閉会中の継続審査申出の件についてお諮りいたします。申し上げるまでもなく、本委員会の特殊性に鑑みまして、図書館の運営に万全を期し、その機能を十全に発揮せしめるためには、閉会中もなお本委員会を活動し得る状態におくことが必要と認められます。本日の委員会についてお諮りいたしました後と思いましたが、事務の都合上委員長より前もつて申出書を議長に提出いたしておきましたが、御承諾願いたいと思います。閉会中継続審査をいたすことに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○木村委員長 御異議ないものと認めましてそのように決定いたします。
    ―――――――――――――
#4
○木村委員長 次に東洋文庫並びに靜嘉賞文庫に関して金森館長より発言を求められておりますから、これを許します。
#5
○金森國會圖書館長 私が去る二月の末に図書館長の任を受けましたその前におきまして、昨年の十二月ごろに、両院の図書館運営委員会におかれまして、いろいろの準備的な御計画をしておいてくださつたというふうに伺つております。その中におきまして靜嘉堂文庫と東洋文庫とを何らがの形におきましてこの図書館で世話をするというような方向において御議論が進められ、私がかつて伺つておりましたところは、両院の合同委員会でいわば可決と申しますか、將來図書館においてその二つの文庫を管理すべしというふうにきめられておつた、こう心得ておりました。ところがその後いろいろ実際の事情を確かめようと思つて関係者の御意見を伺つてみますと、当時速記録がなかつたために事が非難に正確ということが言えないのであります。もしも私どもが勝手にこれに対しまして委員会の御意向と違つたような方向をとりまするならば、事がきわめて重大でありますから、相当反省しなければならぬことと思つておるわけであります。そこでいかようにしたならばよいかと考えておりましたが、いろいろ時期を急でこともありましたために、この図書館の予算をとりますときには、この二つの文庫を、ある形におきまして、と申しますのは、最も小さい規模におきまして保存をするような意味に近い形でこれを管理しで、一部におきましてはこれを公の利益に供するというようなこともできるような準備をしておいたのであります。しかしこれをしなくてもよいというような含みをもつて、予算の御規定を待つでおつたのであります。今回予算が両院を通過いたしましたから、いよいよ実行の段階に入るわけでありますので、この際はつきりと委員会の御意向は靜嘉堂文庫及び東洋文庫を國会図書館においてしかるべき方法をもつて管理することがよろしいとお認めになるのかどうかということをきめていただきたいと存じます。そこでこれは衆議院の委員会と参議院の委員会との両方の御意向を承知したいのでありまするから、両院の委員会の合同委員会において議決を願うということでありますならば、私の立場としては非常に好都合であるわけであります。しかし事情そういう運びになりませんので、今衆議院の委員長の御意向を伺いまして、さらにまた参議院の御意向を伺いまして、両方の御意向が一致したる方向に存在ずるものでありまするならば、その輪郭の中におきまして最善の努力をしで仕事をしていきたいというふうに考えております。また両方の御意向が違つた方向にいきました場合には、私としてはとるべき方途にはなはだしく惑いを生ずるということになるわけであります。どうぞしかるべく委員会の御意向のお示しを願いたいと存じます。
#6
○中村(嘉)委員 ただいまの両方の文庫を國会図書館に移管してもらうというお話につきましては、すでに私ども衆議院の方から見ますと、きまつておる問題なんです。それは事のそこに至るまでの間には、たびたび両院の合同委員会におきまして相談をしまして、速記録はできていないそうでありますが、当時メモができておるはずであります。大体合同委員会のところにおいていろいろな議論も出たり質問も出たりしておりましたけれども、大体そうしようというようなことになつております。私としましては当然のことなりとじて、これは各方面にも報告をし、それからアメリカの顧問たちも、これはまことによいことであるといつて喜んでくれたような問題であります。と申しますのは、靜嘉堂文庫というのは、明後日委員の人たちがみんな見に行くことになつておりますからおわかりになることと思いますが、これは非常にりつぱな支那の文献並びに支那以外の文献も集まつておりまして、保存もよくできておるのであります。その上骨董品とも称すべきもの、これをもし時價に見積つたならば何十億円に相当するものがあるのであります。当時家む印度の公使館がここにはいろうどいうような話もあつたし、あるいはまた本は支那の方面でこれをもらいたいというような話もあり、かような貴重な文献を散逸することははなはだ遺憾であるということが一つ。当時國会図書館が出発するについてかような貴重なものを基礎的にもつておるということは好都合であるから、ひとつそうしようじやないかという考えが一つ。同時に東洋文庫というものも、やはり同じ岩崎一家が基礎になつてつくられたものであり、モリソン文庫というむのが起りで、それからずつとりつぱなものになつておることは、委員長が御承知の通りであります。これまた時價に見積れば何十億円といむものであり、何にも持たない國会図書館には大きな基礎になることでありますから、もちろんこれが保存のためには多少の金は出さなければならないかもしれませんけれども、それはその経費に値するところではない、それに何倍するりつぱなものであるからというので、われわれといたしましてはむろん当然これを引継ぐということになつて、実は契約書の案文までしばしば向うの財團と交渉をしてできたほどのものなのであります。これに対して参議院の人々も、合同委員会においていくらかの意見があつても、反対するということはなかつたと私は信じております。だからもしそういうことが不明瞭であるとするならば、衆議院の委員会から向うになお重ねて交渉して、これはわが國会図書館に密接な関連をつけてもらうように、ぜひ過去においてやつたことを運んでいただきたいということを私は希望するのであります。それだけ申し上げます。
 これについてはもつと細野さんがよぐ御存じなんですが、何か補足されることがありましたら……
#7
○細野國會圖書館一般考査局長 何か御質問がございましたら御説明いたします。
#8
○圓谷委員 ただいま中村さんのお話になつた東洋文庫ど靜嘉堂文庫についでは、中村委員長時代においても非常な盡力をされて、幣原さんなどともたびたび会見とて、ほとんど衆議院では決定じでおつた問題なんですが、今参議院の方でこれにあまり賛成しないというような話を承つでおります。どういう理由であるか、当局の方でおわかりならばお聽かせ願いたいとおもいます。
#9
○金森國會圖書館長 参議院の図書館委員の関係の方々ガ、どういう意味でお考えになつているかは、私どもといたしましては、はつきりりいたしません。これは絶対に反対という声も必ずしも聞いてはおりません。問題はそのときに話がきまつていなかつた、こういうことが本体であります。話がきまつていなかつたのだからこれから方針をきめてよろしい、こういうお考えのように思います。そうしてその方針として人々いろいろな御意見はあろうと思いますが、断片的にその要点を拾いとつてみますと、一つは図書館の経費もたくさんはない、その経費の一部を割いでかような、いわば宝物のような、つまり実用的意味の乏しいものに金を割くということは緩急よろしきを得ないじやないか、これが一つの考え方と思つております。いま一つの考え方は、従來政府の補助金が民間に流されて濫費せられるおそれがある。かような文庫に対して政府が金を出すということは、やはり同じような補助金を濫費するという形をとる疑いがある。こんなような点ではないかと存じております。そうしてなお一つ考えなければなりませんのは、昨年の十二月に両院の間にいろいろな協議ができました当時の考え方は、この二つの文庫を國会図書館に世話をさせるときのやり方の考え方というものが、まだ具体的に非常にはづきりはしていなかつたのでありまして、当時できました一つの文案のようなものを見ますると、私自身の目から見ますれば、多少物言いのつきそうな点があるわけであります。その物言いのつきそうなところが、まだ参議院において論議の的にせられており、またはひとり参議院ばかりではなく、もう少し廣い世間にも何かそのうわさが流布している、こんなように聞いております。そこでこの二つの文庫を國会図書館で管理いたしまするときに、それをすべからずという御議決になりますれば、私どもは何ら考える余地はございません。しかしもしもこの二つの文庫を適当な方法をもつて管理すべしというように、両院の委員会で議決になりまするならば、私としてはどういう形でこの文庫を世話をするかを具体的に考えなければならないはめに陷ります。そこでどんな方法をもつて、これを具体化していくかということの着想を、ある程度胸に描いてはいるわけであります。一つは財團の方であります。文庫の所有主である財團の方では、これは非常な金額のかさんでいる財産であり、殊にまた一つ一つに寄附の道順にも歴史があるわけであります。それを従來の沿革を捨てて、財産が消滅してしまうというようなことには非常に懸念をしておられ、殊に法律を知らないような方々はそれらを恐ろしく錯覚を描いて、いわば恐怖心に近いものをもつている人がないとも言われないのであります。同時にまた、國会図書館が管理することを非難する側に立つ人は、やはり何かそんな方法で個人の財産を取上げるというような方向に向うのではないか、こんなふうなおそれをもつ人もないとは言われません。私がもし責任を帶びてやることにいたしますれば、財團の財産は今後特別な協定ができるにあらずんば絶対にこれを侵すという考えは持つておりません。
 次に第二の論点といたしましては、國が金を出しても、その財産が公益の役に立たぬじやないか。こういう疑問も起つてくるし、これに対しましで私は國が世話をするということになれば、図書館の一般の図書と同じように、これを一般の人の利用に供する、特別の学者の利用に供すると限定するのではなくて、従來の縁故者と離れて、廣々國民一般がこれを利用すべきものとしなければならぬ。もとより資格をある程度限定することはこれは当然だと思つておりますが、とにかく公開性を強く與えるようにしなければならぬ。それは一つの方法でやれると思うのであります。
 なお第三に考えられます点は、財産を國会図書館の方に取上げるのではないといたしますると、どうしてこれを管理するか、従前の財團の方がそのままもつておりまするならば、これは國会の目的には合わないのでありまして、補助金ばかり出して、そうして勝手次第にそれを使われてしまう。國家は何のために金を出すか、こんな疑問も起つてくると思います。これに対しましては、これを適当に管理いたしまするのは、財團にはやらせません。國会図書館みずからの支部図書館としてこれを管理する。從つて人間も國会図書館でこれを任命いたします。俸給も出さなければならない。事務費ということになりますと、これは少しくむずかしくなりまするけれども、財團特有の事務費は別といたしまして、図書を利用するという面、図書を保存するという面の事務費は、やはり國会から出さなければならぬ。これを包括いたしますると、財産は向うのものだけれども、管理の仕方におきましては、國会の一般の図書と寸毫も違わない。こういう方法で全責任をもつて國会がやつてく、こんなふうに考えていきますならば、御承知のように憲法ではこういうことには補助金は出せないということになつております。だから補助金は出しません、國会図書館みずからの経営の中に入れる。責任は國会図書館が負う、こういうことにいたしております。ただ実情といたしまして、これだけの財産を寄附当事者や、今までの財團の人は非常に大事にしているに相違ございませんから、でき得る限りそれらの考え方も尊重しねければなりません。もしできるならば同じ人を私の方に職員として任命したい。そればかりでもいけないという場合には、私どもの方で新しく人を選んでその任務を担任せしむる。こんなような方向でいきますならば、――今のところ実は予算が少いので、これに割き得る金額はごくわずかでございまするけれども、各方面の今まで起りました非難めいた言葉には、十分対抗しつつ解決する途がないことはない、こう考えております。
#10
○圓谷委員 靜嘉堂と東洋文庫を両方経営するために、館長のお見込みでは経費は――経費といえば大体人件費でじようが、どのくらいかかるお見込みですか。
#11
○金森國會圖書館長 今まで二つの文庫のために予想しておりまする人間の数は、奏任官級六人、判任官級十二人というような数、傭人、雇までも含めまして二十五人というものを予算の上で考えでおります。東洋文庫の方は御承知のように八十万の書物を持つておりまして、これは非常な貴重な図書ですから、これを保存するというだけでも非常に困難でありまするし、これがまた専門の本でありまするから、素人が管理しては何の役にも立ちません。物の非常によくわかる、いわばほかにあまり類のなや、結局学者がやらなければ――利用も保存もあるのでありますから相当人も要ると思います。靜嘉堂文庫は実は二十万しか書物はございませんけれども、これとても世界に一冊しかないというような本を含んでおります。やはり同じような意味が含まれております。ですから人の数としては奏任が六人というのは多いかもしれませんが、これはのつぴきならぬと思います。大体そんなことで細々とやりていく事務費のことであります。これはこの予算では事務費をひどく削られまして、これに充てられます事務費はつめのあかともいわれないほど、わずかしかありません。今のところ心当てにしておりまするのは両方合わせまして一年の事務費が十二、三万ぐらいの金であります。それだけではやれないかもしれません。一番大きな費用として考えなければなりませんのは、東洋文庫の書物は今宮城縣の山奥にありまして、八十万の貴重なる書物を東京へ持つてきて、東洋文庫の本來の建前のところにもつてぐるということになりますと、これは相当の経費を要するものと思つております。実はこれがいくらであるかということをほんとうは検討すべきでありますけれども、あまり深入りし過ぎると困りますから、正確には計算しでおりませんが、予算として百二十万円ぐらいを予想しております。しかしだんだん物價が高くなると困るかもしれませんし、向うにうつちやつておきますと、新聞記者の話によると普通の農家の倉庫にこの貴重な物が入れてあるために、本がいたみつつあるのではないかということも考えられるので、よほど気をつけて扱わなければならぬから、少し経費が要ると思つております。
#12
○中村(嘉)委員 重ねてその問題に言及いたしますが、実は金森館長からのお話の中にもありましたように、解釈のしようによつては、不明瞭なところがあるかもしれませんが、実質として両院の委員会ではほとんどきまつたことのように思つておるし、現にこのことは國会図書館法ができるときに委員長報告の中にも、幣原さんのいろいろなお骨折りによつて取入れたものであるということが速記録に明瞭に載つております。よほどの御盡力の結果そうなつたのだから、今のような軽微な経費で経営できるとすれば、ぜひこれは従來の方向を進めていただきたいと思うのであります。それから同時に両院の委員会を開くことについて、しばしばこの間から悩んでおりますが、われわれが予算を相談するときに両院合同の委員会を開こうとしても、参議院の方は一向應じてくれない。はなはだ遺憾だと私どもは思つておりました。そのために十分の予算もとれなかつたと信じております。それから法文の解釈が少し不明瞭なことになつているそうであります。この間までそんなはずはないと思つておりましたが、このごろ見ておると、合同委員会が一つになつて委員会を開かなければならねことになつております。この法文を相談するときに、アメリカの人たちが今年の一月二十九日に両院の図書館運営委員会と両院法規委員会と打合会を行いまして、そこでいろいろ翻訳物を相談したのであります。その飜訳物を少し粉飾的の文章を任せてくれという事務総長のお話でありましたから、その程度ならよかろうということを私は承諾したのであります。その後どうも少し不審にたえないことがちよいよい出てきたものですから、私はもし何か疑惑の点が出てきたならば原文によつて解釈するからといつてありますが、原文によつて解釈すると違つた節がありますから、そのことをちよつとここで説明してもらいまして、これをこの次の機会に事務総長と相談するなり、委員会として法文をかえることにお願いいたしたいと思いますが、細野さんあの文書について何か……。
#13
○細野國會圖書館一般考査局長 この問題につきましては中村前委員長が最もよく御承知でありますけれども、この法文の原文におきましては、みな両院の合同委員会という立場でできていたのであります。從つてその経過におきましてはやはり両院の合同委員会においてというふうに原文がなつておりました。ところが最後の段階になりまして、図書館運営委員会におきましては、両院の合同委員会というものはないのだ、すなわち今度政府から一應の内示がありまして、図書館運営委員会に帰りまして、両議院が一緒になつて初めてそれが図書館の運営委員会となる、二つのものはない、一つのものである、すなわちそう書くことによつて原文の英文が正しく解釈できるという話で、図書館法のできる前日でございましたが、その日に書ぎかえたわけでございます。ところがその後何ら発展いたしませんで、國会法自身におきましてもやはり両院に別々の図書館運営委員長を置くというふうになつたそうであります。従つてそういうふうにもとが変つてまいりますと、この案文を読んでみますと、いかにも別々に開くというふうにも読めるわけであります。そこである委員会の席上におきまして、前中村委員長はこの解釈の問題に疑義が生じたときにはどうするかという話で、結局これは英文の原文によるからと、いうようなお話もありました。從つて現在のところといたしましてはこの英文を離れました日本文として図書館法が成立いたしましたから、やはり現実の問題になりますと、どうも現在のままで別々に開くという意味にとれるという説をなす方も相当にあるようであります。
#14
○中村(嘉)委員 今細野局長から一應御説明があつたので、おわかりと思いますが、これは一つはほかのものと違つて図書館の問題で、アメリカもそうなつております。それをならつてやろうということで、向うの人もそういう原文をつくつてくれた。飜訳の手違いで原文は間違つておりません。そこをちよつとひねくつたところに間違いが起つて、フイニシング、タッチをしたことが悪いことになつておりますから是正をしてもらわなければならぬ。英語の原文と並んで奇妙な気持がするのですが、精神は英語の原文をとるのに、こつちの飜訳が間違いだどいうことを御了解願つておきたいのであります。ぜひ最近のうちに善処していただきたい。
#15
○石井委員 いろいろお話がありましたけれども、東洋文庫、靜嘉堂文庫にしましても、私有財産の関係上、経営が困難になつておる。これを散逸するということは國家のためにまことに惜しむべきである。殊にこの文庫が外國にもち出されるということになりますと、國家の損失は多大であるから、これを日本が保管をするようにしなければならぬ。かような点を心配されて前委員長の中村氏も御考慮くだざつておるということであります。その点衆議院の委員会においても参議院の委員会においても異議はなかつたと思います。しかし現在図書館の経費は限定されておるのでありまして、その経費で貴重なる文献をどういうふうにして管理していくが、これが館長初めいろいろと御心配なすつておる点であろうと思います。これらの点につきましては、先ほど館長の発言にもあつたように、これをなるべく最小の経費において万全の管理をする、かようなことによつてお骨折り願うと結構ではなかろうかと思うのであります。また所有権の問題についでは、初めに前委員長の中村氏が行つたときには、もうこつちにすつかりくれるんだという印象をわれわれも受けておつたのでありますが、この点について今いろいろ聴きますと、何か國会で私有財産をとつてしまう、われわれの財産をとつてしまうというようなことについて危催の念があるというようなことを言われておるどいうことでありますが、これらの点については十分考慮して、國会においてはそういう貴重な國家の文化財が散逸することを考慮しておる、そうしてその財産については國会がこれをどうじようというわけではないということをよく了解してもらつて、事を運ぶに越したことはないと考えております。東洋文庫の方においても意見があり、参議院の方においても経費の点において意見があつて、いろいろ問題があるかもしれませんが、衆議院の方としましではさような初めの出発点に基いて館長初め図書館の関係者の御考慮を願つて、両文庫の関係者に了解を得、今後の運営をお願いしたいと思うのであります。
 なお合同委員会の問題でありますが、初め参議院側から、むしろこれは統一的に協議会を開き得るように、あるいはこれは單一運営委員会にすべきものであるという意見が出ておつたのでありますが、いろいろとその後のいきさつ上、なかなか合同協議会が設けられないというような事態が起きてきたのであります。これは今の状況におきましてむりに合同協議会を開いたら、今度は一堂に会して相争うということにもなろうと思うのでありまして、法文の解釈をむりに一定化しないで、お互いに正しいところの結論を見出すといことに努力を拂つて、そうして單一なる運営委員会にもつていきだいという氣持をお互いがもつておつだのであります。お互いにさような振出しにもどつて、現在それが開かれないのでありますから、その原因を反省して、やがて参議院といつも一致して開けるようにいたしたいと思うのであります。急遽法の解釈を統一して、一緒に開うというようなことは、現段階においてはけんかの種ができてもつまりませんから、十分に考慮して感情の融和を持つのがよろしかろうと考えるわけであります。両文庫の管理並びにその費用の負担というようなことにつきまして以上の意見を申し上げたいと思うのであります。
#16
○圓谷委員 衆議院の図書館委員としては、これは前々よりのほどんど全部決定的な事項でありますから、本日はここにこの貴重な文庫を保存するために館長の構想も承りましたし、またこの前館長の説明では、今回の予算は非常に貧弱ではあるが、もし必要な場合においては政府においてもこれに支出するという條件をつけて決議したことも記憶しておりますので、もし参議院の方が難関であるならば、この旨を参議院の委員長とこちらの委員長と、図書館長との話合いで、円満に文献を國会図書館において保存し、管理していくというようなふうにいたしたいと思います。
#17
○豊澤委員 靜嘉堂文庫、東洋文庫について、前々からわれわれも大体同じ方向に行つておるのでありますから、これを早くものにしたいと思います。同時に、私は多少違つた氣持ももつておるわけであります。最初のそういう話を聞いたときに、これはわれわれの國会のために、もう少し利用できるような方向へ力を入れなければならぬのではないかという感じをもつたのであります。國の大量なものであるということを聞いて了承したわけですから、結局今後においては、われわれ國会議員が利用できるという方面へ努力を注いでもらいたいということをお願いしておきます。もう一つの問題は現在参議院と衆議院の図書館運営委員の間に、どうも感情のみぞができておる。これは國会図書館の発展の上にも、非常に大きな障害になる、つまた館長も困るのではないかと思う。これは私の個人的な意見ですけれども、そういう状態はどうしても早く衆参両議員の融和ということを委員長に努力していただきたい。その問題が人事問題から來ておるとするならば、われわれは全然人を知らないのであるから、その人に接してみて、その人がどういうものであるかということを確かめて、なるべく早く参衆両議員がお互いに協力して國会図書館の発展にプラスし合うというようにしていかなければ、今のどころどうもお互いに國会図書館をひつぱり下げでおるような、極言すればそういうことさえ言えるのではないかと思いますので、委員長においてはこの点特に御留意くださつて、早く融和される方途をお願いいたしたいということをここで希望いたします。
#18
○中村(嘉)委員 豊澤君のお話に関連して、もう少しお話したい都思うのですが、今の靜嘉堂文庫と東洋文庫の問題を今のうちにきめていただきたいと思います。
#19
○木村委員長 いかがでしよう。中村君の御意見に対して石井君、圓谷君の御意見もありましたが、別に変つた御意見でもないようでありますから、この際当委員会としては速やかにこれを進行していただくことを図書館長に委託するということでいかがでしよう。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#20
○木村委員長 それではそういうことに取計らいます。
 なおこの合同委員会の問題は石井君の、どちらかといえば円満式に話合いをして解決するという論と、中村君のいう法文の疑義を徹底修正して速やかに合同委員会を開くという御両説があるように承りましたが、そうだつたでしようか。
#21
○中村(嘉)委員 石井君のお話はよく了とするのですが、それをやるために、今豊澤君の言われたような、なるべく融和ができるようにするということがこの解釈をはつきりすることだと思います。それは違つたものでもなければ何でもないのであつて、むしろこれは委員会の問題よりも原文を解釈するのを飜訳者が間違つておるのですから、飜訳を正しくやつてくれればいいものなのです、法律にすでにそう書いてあれば、これを取上げて何とかしなければならぬ。いつまでも放置しておくということは、かえつて隙を開くゆえんになると思いますから、この問題は早く取上げてやつてもらつた方がいいのではないか。それはもともと原文ができておるのですから、そのままを飜訳すればいいのを間違つておる。その間違つておることをつまり開かないでおつて、事が進行しないということになりますから、それがなくなれば、いやでもおうでも連合委員会を開くことになります。両方離れ離れに寄つて議論しておると、一向事が進行しないから、早く進行するようにお願いしたいというのであります。
#22
○木村委員長 いかがでしようか。法文の解釈をはつきり基本的に明瞭にすることから始めたらいかがでしようか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり)
#23
○木村委員長 それではそういうふうに決定いたします。
#24
○中村(嘉)委員 先ほど豊澤君のお話のうちにも、両院でいろいろみぞのできているというようなことをお話になりました。まことにその通りでありまして、私どももこの問題は、はなはだ遺憾だと思つているのです。人事についてわれわれ図書館長、副館長についていろいろないきさつがあつたのでありますが、それに端を発していることでありまして、このことについては委員長がずつと過去の歴史をひもといてもらいたいと思います。委員長は初めてこの図書館の委員になられたのでありますから御承知ないと思つておりますが、私は國会図書館の問題について一通り速記に留めて、委員長のお手もとにその速記がいきましたら、すつかり頭につかんでもらいたい。この國会図書館の委員の指名があつたのは昨年の六月三日で、当時の委員長が松田征一君、私が理事になつておりました。委員は圓谷君、多田君、松尾トシさん、山口靜江さん、井上知治君。それから綿貫、石井、鈴木、森戸、林平馬、こういう人たちが辞任されたから圓谷君そのほか五人が補充された。それから松田君が辞任いたしましたので、私が委員長に就任したのが七月の八日であります。七月九日分委員会において石井繁丸君が理事に就任されました。七月十二日に両院連合会でいろいろ相談した結果、國会図書館は單に書物を貯蔵しておき、これを読みにくいところでなしに、アメリカの國会図書館のようなものをつくろうじやないか。アメリカでは國会図書館が一番主になつて、ものを簡單にし、明瞭にすることをやつているから、日本の事務の取方、あるいはその他働きぶりもそうい、う意味のものにしようじやないかという議論が生れてきたのであります。そして満場一致それに同意し、しからばメリカのそういうことに慣れた人を議論が出たのであります。というのは、アメリカは過去において多年このことに経験をもち、今までの間違つたことをよく知つているし今後こうでなければならぬという将来のいろいろな希望條件もあろうから、そういうこともすべて含めて、わかるような人を三人ほどよこしてもらいたい、そういうふうにしようじやないかという話がありました。それをマツカーサー元帥あて七月十二月手紙に書き、両院議長と委員長連署で出じたのであります。それに対しマツカーサー元帥は、ただちに丁寧な返事を心こされ、まことにいい考えつきであるから、自分の方でりつぱな人々をぱ選択し、推薦するからという手紙が来ました。それからずつと長い間人選をされたのでありますか、なかなかきまらなかつた。途中で三人ばかりきまつたということでしたが、まだ変更があるかもしれないというので名前を言つてこなかつた。後につなつてようやくわかつてきましたのが十二月十四日にクラツブというアメリカの國会図書館の副館長とブラウンというアメリカの図書官吏といたしましては最高峰といわれるような人であります。今はアイオワ大学の図書館長をしておりますが、これは前アメリカの図書館協会の委員長をしておつた年輩の人であります。このお二人が十二月十四日に來られたのであります。それで早速十二月十五日から二十三日に至るまで勧告案をこしらえまして、その間ほとんど書夜兼行で委員その他事務当局が非常に勉励してくださつて、一つの案ができ上つたのであります。今年の一月七日に米國の顧問たちは支那の方に出て行かれました。一月十日から十九日分間に最終勧告案をば日本文に飜訳することをわが衆議院においては事務当局にやつてもらつたのであります。一月の二十日から二十七日までの間に打合会をば六回開催しまして、日本文の法律案についていろいろ檢討いたしました結果が、先ほど申し上げました法案なのであります。その間に先ほど申し上げましたような飜訳の間違いなんか起つたような次第でございます。一月二十八日に両院の図書館運営委員打合会があり、米國の顧問たちも支那から帰つて來て、その会議にも出たのであります。一月二十九日にまた両院図書館運営委員会と両院法規委員会の打合会を開きまして、いろろ相談をしました。一月二十日に両院の図書館運営委員会、両院法規委員会の合同会議を帝國ホテルで開きまして、ほとんど最終という法文の修正を見たような次第であります。一月三十一日には衆議院の校正調査というものを承認したことになつております。これはあとで説明願います。それから二月二日に委員会において國立國会図書館法案起草に関して審議をいたしたのであります。二月三日にまた図書館運営委員会と議院運営委員会の連合審査を行つたのであります。そうしてそこにおいてこの法案を承認したのであります。二月四日に衆議院本会議に提案してこれは可決されました。参議院でも本会議において可決いたしました。二月九日に國立國会図書館法というものが公布れたのであります。二月十六日に委員会において館長決定の件並びに赤坂離宮使用に関する件が審議いたされました。二月三十三日に打合会が催されまして、館長及び副館長に関する件が相談されたのであります。二月二十五日の本会議において、円谷議員から金森館長任命承認の件について質問が行われております。二月二十七日の委員会において館長が紹介され、議長も出席されたのであります。三月二十日に委員会において予算問題が説明をされました。三月二十五日に委員会において副館長任命に関する決議が行われております。三月二十七日に委員会において法制部との機能調査そり他の件につきまして議院運営委員会、参議院図書運営委員会との打合会議が開かれて、一つの決議ができております。四月の五日)図書館予算について両院図書館運営委員会の合同打合会が開かれだのであります。四月六日に委員の補欠指名があつて、木村、矢野、大石という人たちが任命されました。それは吉田茂さんと松田正一さんと井上知治君の辞任に基くところの補欠であります。四月八日に両院議長、館長とウイリアムス氏等が会見されております。四月十六日に副館長の中井正一君が任命されております。五月七日に今の委員長が代つて出られたことになります。この間の事実を委員長にはずつと一通り眼を通して見ていただいたならば、内容がよくわかろうと思つております。最も重要な問題は、副館長の問題であります。これをよく了解しておいていただ豊たいと思うのであります。これから起つでくるいろいろな事件がありますから、これはよくお考えを願いたいと思つております。それに対してはこの間の委員会でも質問が出ておりましたが、それは今中断になつておりますから、適当な機会において多田君がだれかがその質問を継続されると思つております。これだけ御報告しておきましてさらに人事について、私はここで館長にお伺いしたいと思うのですが、この國会図書館法はよくごらんになるとおわかりのように、館長以下すべての人が、まつたく厳正中立な入でなければならぬということになつております。政治上のゆえに、感情のゆえにこれを異動することはならぬようにでき上つておるのであります。従つてここに入れる人々は、下々というと悪いが一般のすべての館員に至るまできわめて厳重なスクリーンをするということになつておるのであります。このスクリーンをせないで、ただ乱雑にあれもよかろう、これもよかろうということでひつぱつてくるということでは、後にわずらいを残すのだ、またこれはその人が適任であるか、適任でないかということ以外に動かせないということになつでおりますから、適任である人を選ばなぐちやならぬのであります。えてスクリーンをすることを怠つていくと、不適任なことをやつたり、のつぴきならぬことが起つてくる。もつとも、不適任であるならばいくらでも罷免することができるのでありますけれども、一遍入れた者は、罷免はなかなか困難でありますから、入れる以前において十分注意が必要だと思つておるのでありますから、金森館長は、十分にその点は御注意になつていらつしやるだろうと思います。われわれ委員は図書館をつくつた以上は、人事とか何とかに関渉する権利は毛頭なく、そういつう氣持もない、私自身といたしましても、言いろいろな人々を注文をつけておりますけれども、未だかつて私が推薦して入れた人はないつもりであります。それがどうがすると誤解の種をまいたりすることがあるかもしれませんから、私は單に持つて來た履歴書を事務当局に取次いでおくだけにいたしておるのであります。またほかの人もおそらく同じ考えであろうと思つております。つくつた以上は図書館長の御裁断に一切お任せするということにしなければ、図書館はその任務を果し得ないというめんどうなことになるのであります。私のその氣持は御了承だろうと思いますがし予算が通過しました以上は、これから後に速いる人々もだんだん出てくると思いますので、ぜひこれを守つていただいて、範を垂れるのだ、これは強い言葉かもしれませんけれども、國会図書館に働く人は、ほ方とうに模範を垂れるのだという氣持をもつてほかの日本の役所や会社、銀行にまで模範を垂れた能率のあがる仕事をしなければならぬ。日本の再建ということは、事務を簡捷にして能率をあげ、経費忍少くすることにある。これによつて無血の革命が行われるというような大きな希望をもつてこの図書館はできたのでありますから、むろんその志は体しておつてくださると思つておりますが、どうかひとつそれをお願いすると同時に今後十分間違いのないようにしていただきた。こういうことをお願い申し上げておく次第であります。多分そういうようなことを今までもやつておられると思いますが、念のため図書館長は今人事を行われるについて、どういう方法をやつておられるか、考査委員というようなものもできておるだろうと思いますが、それをお伺いしておきたいのであります。また將來どういうお考えであるかもお伺いしておきたいと思います。
#25
○金森國會圖書館長 ただいま人事の点についお尋ねをいただきましたが、お説の通りと思つております。実際人事を最も公正にやらなければ図書館は生きていくことができぬと思つております。しかしながら実行の面から申しますと、私の不徳といたすべきか、多分不徳が相当関係しておると思いまするけれども、現実の状況におきまして私は決して一番巧妙な方法をとつておると自信をするだけの勇氣はございません。これは実に私としては意外なことではございましたけれども、國会どいうものが二つの院かちできており、お互い相対立し、相抗争するとうことが主たる任務でてあるということの影響かもしれぬと思いまするが、この二つの機関の実際の事務職員を合わせ集めて、この國会図書館の陣容構成の要り素といたしましたことにつきましては、私の心の中に日夜苦悩を感じております。というのは、その両院の職務上の争いから起る気分が事務職員を合わせる場合におきまても、やはりあるのであります。しかしながら、ほかにそれでは別の方法があるかといえば、おそらく與えられたる條件のもとにおきましていかなる巧妙にやる人がありましても、これ以上の方法はとり得ないのではなかろうかと存じております。これは私自身の不徳ではありまするけれども、みずからを鞭撻してやや久しき期間を経過するに待つて、これてを一つのものにしなければらないと考えております。
 それから今特に御懸念になりましたのは、國立國会図書館がイデオロギーの相争うところの場所となつてはならないということからの御懸念と思つております。これは人間はおのおの自分のイデオロギーをある程度はもつておつるものでありまして、人々の意見が少つずつ違うということは、むしろあたりまえであつて、無色透明の人間は地球上に見出すことはできないと思います。才幹のある者、能力のある者を選びまする場合に、若干のイデオロギーをもつということは、それが私生活の面におきましては、とがむべきことではないと考えております。しかしながら、もしもそれが公生活の面に現われる、あるいはイデオロギーというものが社会の容認する程度を一歩でも越えて現われるということになりましたならば、それは不都合至極と考えております。私はその点につきましては、最大の注意を拂つておる、わけであります。
 なお考査委員をどうするかという点につきましては、從來起ち上りの際でありまするがゆえに、衆議院と参議院との、主要なる職員の方をお願いをして任用の場合の考査委員とするということを原則といたしまして比較的軽微なる人であつて、そういう手続を要しない部面の場合には、内部におきましてお互いに関係者協議をしてやつております。これにつきましても実際やつて見ますると、思いもつかぬところに思いもつかない非難の種がまき起りまして、その非難が正しい場合もあり、正しくない場合もあるのでありまして、これは私が毎日苦慮しておる点でありまするが、しかしどういうものか近頃ルーマ一を飛ばすということがお互いにありまして、私ども自身が側近しておる場面におきましても、甲がルーマーを飛ばすと、乙がまた代つてルーマを飛ばし、そのルーマーが幾多割増しになりまして、思いもつかぬ結果をもたらしております。これは私の不徳というよりは、むしろ日本人の陥りやすきところであると思いまするが、実は私今まで多くの役所に触れておりましたけれども、今の私の立場ほどその点において苦慮しなければならないほどのものは、今まではなかつたのでありまして、どういうものか実はわかりませんけれども、最大の努力をするつもりでおります。
#26
○中村(嘉)委員 ついでにもう少し伺います。先ほどの話の、私の憂えているのは、むろんイデオロギーの問題でありますが、そればかりではないのであります。いろいろなイデオロギーをもつている人がほいつて來ることも、場合によつては人間がよければやむを得ないことがあるかもしれませんが、そういうイデオロギーをもつた人だということを御承知の上でやつていただきたいと思うのであります。あれはどんなイデオロギーの人であるかということを知つて入れてもらいたいと思うのであります。それにはやはりガラス張りの中に入れてやつてもらつた方がよいではないか。單なる一人二人の者がこういう人選で來たからこうするのだということでなしに、やはりガラス張りで、これはこういう人間だということを、もとをせんさくしてやつていただきたいというのが、私の希望であります。今お話のようなルーマーが非常に多くあつた場合、殊にアメリカ人みたような正直者の多いところは、何かあるとすぐ信ずる。信ずるから言うということになるので、それならすぐ破りに行けばよいが、なかなか破りに行くことはできないのです。たとえばこういうことがあるらしい。今の靜嘉堂文庫、東洋文庫の問題につきましても、幣原と中村が何かスキャンダルをやつているというような氣持でもつてこれに反対するということで、これはルーマーかもしれませんが、そういうことが起りそうな理由もないのだが、えてしてそういうようなことになり勝である。だから人選をなさるにつきましても、ガラス張りにしてやつていただきたい。この法文は御承知の通り人事を尊びということはよくいわれている。人事を尊ばないで、中村がこうしたからどうだというようなことが起つてくるのは、はなはだ遺憾千万だと思います。たとえば、これも個人に関することでありまして、はんどうかうそかしりませんが、ルーマーの中に、中村さんの推薦した人間はよけい月給をもらつているというようなこととか、待遇をよくしておるというようなこともございますが、先ほども申し上げました通り、私は一人も推薦しておりません。私の子供がはいつておりますけれども、これは私が入れたのでもなく図書館から要望があつてはいつたと私は信じております。私はただ承諾を與えただけのことであります。これはどテいう給料をもらつているか知らないのでありますが、そういうルーマーの根拠を衝くのが図書館だと思います眞理をつかまえるのが図書館の任務だと思いますから、願わくばこのルーマーがほんとうのルーマーならよいが、そうでなしに、それが往々日本人のような感情の強い人々は、そのためにいろいろなことを生むことになりますから、そういうルーマーがあるならそのルーマーを突きとめて、それはそれだけの処分をされるがよいと思います。その点ぜひ遂行していただきたいということを、重ねて私はお願いしておきます。
#27
○金森國會圖書館長 たびたび恐縮いたしますが、これは中村さんに申し上げておきますが、私の方に中村さんから人事をもち込まれたことは一かけらもございません。その通りでございます。これはどこから出たルーマーか存じませんが、それからいろいろのルーマーの根本を衝くということは、これはもとよりやらなければならぬと存じますけれども、実際衝こうと思つても、もとがわからぬのでございまして、これに私は非常に遅鈍でございまして、ルーマーがあつても信用いたしません。もしルーマーを主張する人があれば、その根拠を示してください、示すまで私は信じません。そういう態度でやつておりますが、こういうことの善悪は御批評に任すよりほかないので、毎日苦心しておるのはそこなのであります。よくひとつ御同情を願いたいと思います。
#28
○石井委員 ただいま館長の言われた通り、参議院と衆議院から幹部を集めて、図書館ができておるという関係で、非常に館長のお骨折りもたいへんなことであろうと思います。また衆議院で育つた人、参議院で育つた人も一緒になつて仕事をやり、各局長等もたいへんお骨折りが多かろうと思います。われわれはかような館長、その他の局長等がこの図書館運営の問題について、並びに人事の問題等について非常に一方ならぬお骨折りをしでおるということは、心から察しておるのでありまして、非常にやつかいな人事でありましようが、今後とも協力一致されまして、図書館の円満なる発展のために努力をお願いしたいと思います。そしてまたわれわれ委員としても、いろいろとかようなうわさ等が出ました場合には、極力これを打消していきましで、かようなことは虚構であると外部に対しては打消してもらいたい。またわれわれとしてもさようなうわさを考えるというようなことは、自分自身としても、また委員としても、極力愼んで、われわれ自体からさようなうわさが出るということが万が一にもないように警戒して、皆様に御迷惑をかけたくないと思つておる次第でありますから、今後ともいろいろなことにあまり心を使われずに、図書館の人事の調和、経営のために幹部をよく統率されて、御努力されんことを心からお願いいたしまして、私の希望を申し上げておく次第てあります。
#29
○木村委員長 はなはだどうも乏しきことを申し上げるようでありますが、私は就任早々でありまして、これまでの事情も、中村君の御説明がありましたように、すつかり速記録でも調べて頭に入れませんと、ただいま御発言になつたことがわかりません、次回までに研究いたしましで、委員長として何ものか意見をまとめたいと思つております。
 本日はここれをもつて散会いたします。
    午後三時五十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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