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1951/01/28 第13回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第013回国会 法務委員会 第4号
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1951/01/28 第13回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第013回国会 法務委員会 第4号

#1
第013回国会 法務委員会 第4号
昭和二十七年一月二十八日(月曜日)
    午前十一時十四分開議
 出席委員
   委員長 佐瀬 昌三君
   理事 押谷 富三君 理事 北川 定務君
      角田 幸吉君    鍛冶 良作君
      高橋 英吉君    牧野 寛索君
      眞鍋  勝君    山口 好一君
      吉田  安君    田中 堯平君
      加藤  充君    世耕 弘一君
 出席政府委員
        法務政務次官  龍野喜一郎君
 委員外の出席者
        議     員 松本 一郎君
        専  門  員 村  教三君
        専  門  員 小木 貞一君
    ―――――――――――――
一月二十三日
 委員井之口政雄君辞任につき、その補欠として
 田中堯平君が議長の指名で委員に選任された。
一月二十八日
 猪俣浩三君が理事を辞任した。
同日
 田万廣文君が理事に当選した。
    ―――――――――――――
一月二十四日
 ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する
 件に基く法務府関係諸命令の措置に関する法律
 案(内閣提出第一八号)
同月二十六日
 罹災都市借地借家臨時処理法第二十五條の二の
 災害及び同條の規定を適用する地区を定める法
 律案(松本一郎君外六名提出、衆法第二号)
同月二十一日
 簡易交通裁判所設置等に関する請願(福永健司
 君紹介)(第一五五号)
 土地台帳法に関する請願(大村清一君紹介)(第
 二一三号)
の審査を本委員会に付託された。
昭和二十六年十二月二十六日
 戰犯者上新原種義の仮出所に関する陳情書(鹿
 兒島県姶良郡栗野町民生委員協議会代表者宇都
 嘉吉外千三十八名)(第一四号)
 戰犯者仮釈放に関する陳情書(鹿兒島県始良郡
 栗野町竹田本村つるえ外千百十八名)(第一五
 号)
 戰犯者の減刑に関する陳情書(延岡市大字恒富
 曽原マサ)(第一六号)
 住民登録即時実施及び費用全額国庫負担の促進
 に関する陳情書外一件(岐阜市長職務代理助役
 松尾吾策外一名)(第一七号)
を本委員会に送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 理事の互選
 ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する
 件に基く法務府関係諸命令の措置に関する法律
 案(内閣提出第一八号)
 罹災都市借地借家臨時処理法第二十五條の二の
 災害及び同條の規定を適用する地区を定める法
 律案(松本一郎君外六名提出、衆法第二号)
 委員派遣承認申請に関する件
    ―――――――――――――
#2
○佐瀬委員長 これより会議を開きます。
 本日の日程に入ります前にお諮りいたしたいことがございます。議院運営委員会における申合せによりまして、理事でありまする猪俣浩三君より理事辞任の申出がありますので、これを許可いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○佐瀬委員長 御異議なければさようとりはからいます。
 つきましては同理事の補欠選任を行わなければなりませんが、理事の補欠選任は、先例によりまして委員長より御指名いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○佐瀬委員長 御異議なければ、田万廣文君を理事に指名いたします。
    ―――――――――――――
#5
○佐瀬委員長 次にポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件に基く法務府関係諸命令の措置に関する法律案を議題といたし、政府より提案理由の説明を求めることにいたします。龍野法務政務次官。

#6
○龍野政府委員 ただいま議題となりましたポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件に基く法務府関係諸命令の措置に関する法律案の提案理由を御説明申し上げます。
 御承知の通り、日本国との平和條約が調印され、その効力発生を目前に控えまして、占領期間中に制定されましたいわゆるポツダム緊急勅令とこれに基くいわゆるポツダム命令との処理について定める必要が生じたのでありますが、その処理方針といたしまして、ポツダム緊急勅令は平和條約の効力発生と同時に廃止し、その他のいわゆるポツダム命令は、その内容に従いまして、一々法律で廃止または存続の措置をとるという考え方をとつたのであります。さきに提案いたしまして、現に御審議中のポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件の廃止に関する法律案は、この考え方に従いまして、第一項において、ポツダム緊急勅令を廃止することを定めるとともに、第二項において、いわゆるポツダム命令は、別に法律で廃止または存続に関する措置がなされない場合には、平和條約の効力発生後百八十日間に限り法律としての効力を有するものとするということを定めているのであります。ただいま議題となりました法律案は、法務府関係のポツダム命令について、この第二項にいう「廃止又は存続に関する措置」を定める法律に該当するわけであります。ただ、法務府関係のポツダム命令のうち、平和條約の効力発生を機会に、その内容に全面的な改正を加える必要があるものにつきましては、別に新しい内容を持つた法律として制定し、その法律の附則で処理する予定でございますので、その分のポツダム命令は、この法律案には含まれておりません。この種類に属するものとしては、団体等規正令初め、団体規正に関する一連のポツダム命令がございます。従いまして、本法律案は、この種類に属するものを除きまして、その他の法務府関係のポツダム命令につきまして、一々その内容に従つて、廃止すべきものは廃止し、存続させるべきものは存続させるということを定めているわけであります。
 次に、本法律案の内容について簡單に御説明いたします。
 まず第一條は、今後法律としての効力を持つて存続するポツダム命令を列挙しております。これらの命令は、今後も存続させることが必要であると思われますので、この際、法律ではつきり列挙いたしまして、その旨を規定したものであります。
 次に第二條は、平和條約の効力発生と同時に廃止すべき命令を列挙しております。このうち、第一号の「民事裁判権の特例に関する勅令」、第二号の「連合国占領軍財産等収受所持禁止令」、第五号の「連合国人に対する刑事事件等特別措置令」及び第六号の「占領目的阻害行為処罰令」は、いずれも、その内容として連合国占領軍の存在を前提といたしておりますので、平和條約の効力発生と同時に廃止し、第三号の「財閥商号の使用の禁止等に関する政令」は、本来財閥の解体を主たる目的とするものでありますが、今日では、その使命は、一応終つたものと申すべきであり、第四号の「外国人の商号に関する臨時措置令」は、同令に定める請求期間をすでに経過いたしておりますので、今日では、事実上適用の余地のない政令であり、その他の二つの命令は今後も存続させることが不適当と思われますので、いずれも、條約の効力発生と同時に廃止しようとするものであります。
 次に第三條は、第二條で廃止いたします諸命令につきまして、罰則の適用その他に関する経過的措置を定めたものであります。
 以上簡單ながら本法律案の提案理由を御説明いたしました。何とぞよろしく御審議のほど御願いいたします。
#7
○佐瀬委員長 これにて政府の提案理由の説明は終了いたしました。本案に対する質疑は、次会に行うことにいたします。
    ―――――――――――――
#8
○佐瀬委員長 次に罹災都市借地借家臨時処理法第二十五條の二の災害及び同條の規定を適用する地区を定める法律案を議題といたし、提案者より提案の趣旨説明を願います。松本一郎君。
#9
○松本一郎君 ただいま議題に付していただきました、罹災都市借地借家臨時処理法第二十五條の二の災害及び同條の規定を適用する地区を定める法律案の提案理由を申し上げまして、御審議をお願いしたいと思います。
 昭和二十一年九月十五日より施行されております罹災都市借地借家臨時処理法は、あるいは罹災建物の旧借主に優先的に借地権を取得させ、あるいは逆に、罹災地の借地権で今後存続させる意思がないと認めらるるものを消滅させるなどの道を開き、借地借家関係を調整して、戰災都市の急速なる復興をはかることを目的として制定されたのでありまするが、その後同法の改正によりまして、戰災の場合のみならず、別に法律で指定した火災、震災、風水害その他の災害の場合にも同法の規定を適用して、かかる災害地の復興の促進に資することとなつたのであります。これによりまして飯田市、能代市、熱海市等に発生した大火災のほか、一昨年五月長野県上松町に発生した火災及び同年六月秋田県鷹巣町に発生した火災に対しましても、本法を適用して、それぞれ所期の効果を上げております。
 つきましては、昭和二十六年十二月十六日、三重県松阪市に発生いたしました火災は、市の中心部において六百二十戸を焼失したのでありまして、借地借家等の権利関係が複雑な場所であり、地元の市及び県当局も、本法の適用を強く要望しておるのであります。よつて私も政府当局とともに、罹災地区の実情をつぶさに調査検討いたしまして、右災害につき、同地区にも罹災都市借地借家臨時処理法の規定を適用することにいたしますことが、同地区の借地借家関係を調整し、もつてすみやかに同市を復興させるゆえんと考えられますので、ここに本法律案を提出いたした次第であります。提案者を代表いたしまして私説明をさせていただいた次第でございます。何とぞ御審議の上、すみやかに本法を可決いたされんことをお願い申し上げる次第であります。
#10
○佐瀬委員長 これにて提案理由の説明は終了いたしました。これより質疑に入りまするが、その前に提案者側より、被害状況について簡單に補足的な御説明を願いたいと思います。
#11
○松本一郎君 ただいま委員長のお話にございます被害状況につきまして一応もう少しく詳しく御説明して御考慮をお願いしたいと思います。
 松阪市の火災は、昭和二十六年十二月十六日の夜、その翌日十七日の夜と二回にわたりまして出火いたしたのであります。松阪市の総戸数は一万一千六百七十四戸でありまして、人口は五万三千四百十九万人であります。そのうち罹災地の面積は三万坪でございまして、罹災人口は四千五百人、うち罹災戸数は六百二十戸、なおそのうち借地率は四〇%であります。罹災地の借家率は三五%、こういうことに相なつておりまして、十六日の夜は、これは原因は失火ということに一応ただいまのところ検察庁あたりも判定を下しておるようであります。十七日のは、これは放火ということに相なつておるようであります。いずれも原因は大体右のような状態で判明いたしております。しかしながら、市の中心街であるだけに、なるべく早く復興をさせたい、こう念願いたしておるようなわけであります。なお御質疑等ございましたらお答えいたしたいと思います。よろしくお願いをいたします。
#12
○佐瀬委員長 御質疑はございませんか。
#13
○世耕委員 急激な出火で非常に被害が大きかつたと思いますが、これまで防災対策について、何か町として考えたことがあつたのですか。そういう点はいかがですか。
#14
○松本一郎君 防災対策につきまして、その後実情を私ども調査に参りましたのでありますが、用水池などは町の要所々々に設備をいたしてあつたのです。しかるに当日二日とも不幸にも風速約十五メートルというような強風であり、のみならず、ことごとく夜陰に起つたことと、さらに人家が非常に密集しており、道路は国道が通つておりながら、七メートルというような狭隘な一方交通の国道で、それに伴つて県道も、市道も非常に狭いというようなこと等で、残念ながら防火用水の機能を十分に発揮することができなかつた、こう私ども思われます。右のような次第でございます。
#15
○世耕委員 その間において死傷者の数等はおわかりでございますか。
 なおつけ加えて御質問申し上げたいが、どうも最近の日本におけるいろいろな事件は後手々々となつておる。殺されてから調査する、燒けてから大騒ぎする、それでは何ら意味をなさぬ。私はむしろ焼けることのあるべきことを予想して防災に盡さなければならぬと思う。むろん風速三十メートル、五十メートルというのはこれは例外的でありますが、さような場合でもなお災害を少数に食いとめるというような行き方が当然起つていいのではないか。この点が、日本のあらゆる点について非常に遅れているのです。こういう点について何か御感想がございますか。
 またその災害の起つた当時における消防隊の活動並びに救護班の活動状態が理想的に行つておつたかどうか、そういう点も、今後の対策の上に非常に価値あるものと思うが、こういう点の御調査はいかがでございますか。何か遺憾な点がなかつたか。
 なお水道並びにその他の防火施設等もあつたというが、おそらく私はそれば不完全なものであつたのではないかと思う。消防活動のごときも十分でなかつたのではないか。風速何十メートルか起れば必ずどの程度まで延燒するであろう、そういうことになれば爆破してその災害を未然に防ぐというような方法もあるのでございますが、そういう点について落ちなく対策をされて、なお、こういう大きな被害が起つたのであるかどうか、こういうことを御調査になつたかどうか。
#16
○松本一郎君 当日幸いにも死傷者はございません。これは不幸中の幸いでございます。
 なお松阪市はあれだけの市でありながら、上水の設備が完備しておりません。ようやく上水工事にかかりまして、ただいまのところ市の約半分、今度罹災したところはまだ上水の設備がございません。最近急いで上水設備を進めておるというような状態であります。
 なお私近くの者としてあの罹災地にすぐかけつけて見ました。火災の十六日の夜並びに十七日の夜罹災者が持ち出したものは相当奪略されている、また罹災をしない人でも持ち出すというようなことを、手伝いに行くことを口実として三人、四人が幾分奪略を働いた形跡があること等々を見まして国民道義の一面を反映しているものではないか、かように考えますので、今後は防火用水施設を完備することはもとより、一面において消防団並びに警察という面においても、一層の考慮を拂つて防火並びに消火について万全の策を講じなければ国力は次第にこれらによつて消耗して行くのではないか、また人心は頽廃するのではないかと心配いたされます。この機会でありますので、ことに法務委員会はこのことについてはあらゆる角度から御検討になつているでしようが、昨年の六月二十三日の夜松阪市とは三里ほど隔つたところの中学校が、やはりこれも夜しかも風速同じく十五メートルくらいの強風のとき、風上から火が出まして八百五十坪を全燒いたしました。そのとき私は火災のまだ燃えさかつているところへかけつけたのですが、何ら出火等の原因が少しもないところから火を出しておる、警察の捜査は連目相当行われましたけれども、残念ながら事件は迷宮に入つてしまつた。私どもが客観的に見て、どうも放火の形跡があると思われますけれども、遺憾ながら犯人らしき者もまた物的証拠も見つからない。結局事件は迷宮に入つてしまつた等、最近のあちらこちらの出来事を見ても、よほどこの点について万全の対策と御注意を拂つていただかなければならぬのであります。
 なお松阪市のときも、御承知の警察制度にもこれは関連を持つことですが、いわゆる市の自治警察なるものは従来の私どもの警察官を見る目から見ますと、幾分前から見ますとあらゆる点においていざというときの用意が講じにくいような状態になつているということ等も、今後ともよろしく御考慮を煩わしたいと考えます。
#17
○加藤(充)委員 ちよつと関連して伺います。今の御説明の中に罹災者の物を持ち出したり、あるいは避難をしている間に、多分奪略という言葉が用いられたと思うのですが、これは奪略というとその物がなくなつたということと法律的に言うと大分言葉の内容が違いますので、奪略と説明した以上は、奪略というような事例を一応御報告願いたいと思います。奪という字がある以上は持ち出した物が窃盗にあつたということではないと思います。
#18
○松本一郎君 説明いたします。当日の状況を申し上げますと、たとえばくつ屋がくつを軒先へ持ち出したところが若い数名の者が夜ですから顔もはつきりわからぬが、そのくつを持つて行つては困る、何を言つているんだというような調子で家人は少いし、言葉をかけているうちにもはや持つて逃げて行つてしまう。幸いにも数名の家人がおつてそうしてまわりについておるものがあつたり、手に持つておるものだけは確保されました。こちらから持つて行つては困るじやないかというようなことを言つても、物はもう跡形もなくなくなつてしまう。あるいは軒先へ楽器を出したところがハーモニカ一ちようもなくなつてしまつた。それは子供らが寄つて来て持つて行つたらしいですが、大体において今私が奪略と言つたのはそういう意味合いのものです。御了承願います。
#19
○佐瀬委員長 他に御質疑がなければこれより討論を省略いたし、ただちに採決に入りたいと存じます。別に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#20
○佐瀬委員長 御異議がなければこれより採決に入ります。
 本案に賛成の方の御起立を願います。
    〔総員起立〕
#21
○佐瀬委員長 起立総員。よつて本案は原案の通り可決いたしました。
 なおこの際お諮りいたします。ただいま議決いたしました議案に関する報告書の作成に関しましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#22
○佐瀬委員長 御異議なければさようにとりはからいます。
    ―――――――――――――
#23
○佐瀬委員長 次に委員派遣承認申請に関する件についてお諮りいたします。札幌市における警察官射殺事件に関し委員を派遣し、その実情を調査いたしたいと存じますので、その旨議長に承認申請書を提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#24
○佐瀬委員長 御異議なければさようにとりはからいます。
 なお派遣委員、期間等に関しましては、委員長に御一任願います。
 本日はこれにて散会いたします。次会は公報をもつてお知らせいたします。
    午前十一時四十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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