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1951/05/28 第13回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第013回国会 内閣委員会 第28号
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1951/05/28 第13回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第013回国会 内閣委員会 第28号

#1
第013回国会 内閣委員会 第28号
昭和二十七年五月二十八日(水曜日)
    午前十一時二十一分開議
 出席委員
   委員長 八木 一郎君
   理事 青木  正君 理事 大内 一郎君
      青木 孝義君    江花  靜君
      岡西 明貞君    木村 公平君
      鈴木 明良君    田中 萬逸君
      田渕 光一君    橋本 龍伍君
      平澤 長吉君    松本 善壽君
      竹山祐太郎君    鈴木 義男君
      西村 榮一君    木村  榮君
      成田 知巳君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣 野田 卯一君
 出席政府委員
        警察予備隊本部
        次長      江口見登留君
        行政管理政務次
        官       山口六郎次君
        行政管理庁次長 大野木克彦君
        法務政務次官  龍野喜一郎君
        大蔵事務官
        (大臣官房文書
        課長)     村上  一君
        文部事務官
        (大臣官房総務
        課長)     相良 惟一君
        農林政務次官  野原 正勝君
        運輸事務官
        (大臣官房文書
        課長)     岡本  悟君
        運輸事務官
        (大臣官房観光
        部長)     間嶋大治郎君
 委員外の出席者
        専  門  員 亀卦川 浩君
        専  門  員 小関 紹夫君
    ―――――――――――――
五月二十四日
 委員江花靜君辞任につき、その補欠として松野
 頼三君が議長の指名で委員に選任された。
同月二十六日
 委員松野頼三君、井出一太郎君及び門司亮君辞
 任につき、その補欠として江花靜君、千葉三郎
 君及び鈴木義男君が議長の指名で委員に選任さ
 れた。
同月二十八日
 委員木村公平君、田中萬逸君、本多市郎君、山
 口喜久一郎君、山口六郎次君、坂本泰良君及び
 中崎敏君辞任につき、その補欠として新井京太
 君、久野忠治君、青木孝義君、田渕光一君、岡
 西明貞君、成田知巳君及び西村榮一君が議長の
 指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
五月二十八日
 国家行政運営法案(八木一郎君外十三名提出、
 衆法第五〇号)
 国家行政組織法の一部を改正する法律案(参議
 院提出、参法第八号)
同月二十七日
 軍人恩給復活に関する請願(島村一郎君紹介)
 (第三一五八号)
 同(中村純一君外七名紹介)(第二二五九号)
 同(尾崎末吉君紹介)(第一三六〇号)
 同(飛嶋繁君外四名紹介)(第三一六一号)
 同(坪川信三君外三名紹介)(第三一六二号)
 同(若林義孝君紹介)(第三一六四号)
 同(庄司一郎君紹介)(第三二三〇号)
 同(飛嶋繁君外四名紹介)(第三二三一号)
 同(塚田十一郎君紹介)(第三二三二号)
 同(庄司一郎君外三名紹介)(第三二三三号)
 同(坪川信三君外四名紹介)(第三二三四号)
 同外一件(北川定務君紹介)(第三二三五号)
 同外一件(辻寛一君紹介)(第三二四四号)
 同外四件(高間松吉君紹介)(第三二四五号)
 元軍人老齢者の恩給復活に関する請願(江崎真
 澄君紹介)(第三一六三号)
 同外一件(中馬辰猪君紹介)(第三一六五号)
 同外二件(庄司一郎君紹介)(第三二二九号)
の審査を本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 総理府設置法の一部を改正する法律案(内閣提
 出第一九五号)
 法制局設置法案(内閣提出第一八九号)
 国家公務員法の一部を改正する法律案(内閣提
 出第一九九号)
 調達庁設置法の一部を改正する法律案(内閣提
 出第一九六号)
 行政管理庁設置法の一部を改正する法律案(内
 閣提出第一九一号)
 自治庁設置法案(内閣提出第一九三号)
 地方制度調査会設置法案(内閣提出第一九四
 号)
 自治庁設置法の施行に伴う関係法律の整理に関
 する法律案(内閣提出第二二七号)
 保安庁法案(内閣提出第二〇二号)
 海上公安局法案(内閣提出第二三七号)
 経済審議庁設置法案(内閣提出第二一七号)
 資源調査会設置法案(内閣提出第二一八号)
 経済安定本部設置法の廃止及びこれに伴う関係
 法令の整理等に関する法律案(内閣提出第二三
 四号)
 法務府設置法等の一部を改正する法律案(内閣
 提出第二三五号)
 大蔵省設置法の一部を改正する法律案(内閣提
 出第二二九号)
 大蔵省設置法の一部を改正する法律等の施行に
 伴う関係法令の整理に関する法律案(内閣提出
 第二三〇号)
 文部省設置法の一部を改正する法律案(内閣提
 出第一八七号)
 厚生省設置法の一部を改正する法律案(内閣提
 出第一九二号)
 農林省設置法等の一部を改正する法律案(内閣
 提出第二三八号)
 通商産業省設置法案(内閣提出第二〇六号)
 工業技術庁設置法の一部を改正する法律案(内
 閣提出第二〇七号)
 通商産業省設置法の施行に伴う関係法令の整理
 に関する法律案(内閣提出第二〇八号)
 運輸省設置法の一部を改正する法律案(内閣提
 出第二二三号)
 郵政省設置法の一部を改正する法律案(内閣提
 出第二一〇号)
 郵政省設置法の一部改正に伴う関係法令の整理
 に関する法律案(内閣提出第二一一号)
 労働省設置法の一部を改正する法律案(内閣提
 出第二一五号)
 建設省設置法の一部を改正する法律案(内閣提
 出第二一六号)
 国家行政組織法の一部を改正する法律案(内閣
 提出第二〇〇号)
 行政機関職員定員法の一部を改正する法律案(
 内閣提出第二〇一号)
 国家行政組織法の一部を改正する法律案(参議
 院提出、参法第八号)
 行政機構改革調査に関する件
    ―――――――――――――
#2
○江花委員長代理 これより内閣委員会を開会いたします。
 本日は、公報をもつてお知らせいたしておきましたところの、国家行政組織法の一部を改正する法律案、その他行政機構改革諸法案を議題といたし、逐次討論採決を行い、行政機構改革調査に関する件について協議いたすことといたします。
 総理府設置法の一部を改正する法律案内閣提出一九五号、法制局設置法案内閣提出第一八九号、国家公務員法の一部を改正する法律案内閣提出第一九九号、調達庁設置法の一部を改正する法律案内閣提出第一九六号、行政管理庁設置法の一部を改正する法律案内閣提出第一九一号、自治庁設置法案内閣提出第一九三号、地方制度調査会設置法案内閣提出第一九四号、自治庁設置法の施行に伴う関係法律の整理に関する法律案内閣提出第二二七号、資源調査会設置法案内閣提出第二一八号、厚生省設置法の一部を改正する法律案内閣提出第一九二号、文部省設置法の一部を改正する法律案内閣提出第一八七号、郵政省設置法の一部を改正する法律案内閣提出第二一〇号、郵政省設置法の一部改正に伴う関係法令の整理に関する法律案内閣提出第二一一号、労働省設置法の一部を改正する法律案内閣提出第二一五号、建設省設置法の一部を改正する法律案、内閣提出第二一六号、右各案を一括して議題といたします。
 討論に入ります。討論は通告順によつてこれを許します。鈴木義男君。
#3
○鈴木(義)委員 わが党は、この行政機構改革はきわめて重大でありますから、できるだけ一つ一つ慎重に審議することを希望いたしたのでありますが、今修正案の出ないものは、一括して議題に供するということでありますので、やむを得ず総括的に議論いたしまして、そして個別的にも、簡単ではありますが、できるだけ意見を申し述べておきたいと存ずるのであります。
 わが党は、この行政機構の改革について、一定の方針を持つておるのでありまして、できるだけ科学的にわが国の行政のあり方を検討いたしまして、そして合理的に、能率的に配置をし、そして、もとより国民の租税の負担を軽くするために、できるだけ行政機構を簡素化することが望ましいことではありますが、同時に国民の行政手続上における負担を軽くすることが、行政改革の重大な任務であると考えておるのでありまして、国民の方から見れば、もつと職能に応じて、それぞれの仕事が明確に分類されており、そしてある窓口に行けば、それで用が足りろように、行政機構を改革することが最も大切なことであると考えておるのであります。そういう点からただいたずらに局、課を併合したり、あるいは部を廃止したりすることが、はたして国民の側から見ての負担を軽からしめることになるかどうかということは、十分に考えてみなければならぬと思うのであります。しかるに今回政府の提案せられました改革案を見ますのに、職能の分化、それから事務量の多寡、民主化の要請というような点を、十分に顧慮することなくして、たとえば行政民主化に役立ちます各種の委員会を廃止する。この中には、廃止してもよろしいと思うものもありますけれども、統計のごとき、全国選挙管理のごとき、外国為替管理のごとき、電波監理のごとき、あるいは中央更生保護のごとき、廃止することは、少くともこれを設置したときの趣旨、行政の民主化のために役立つという趣旨から見ますと、大いに考慮すべきものがあるように思うのでありまして、こういうものを一齊に廃止するということについては、反対であります。
 それから各省の外局たる庁を廃止するということが、原則になつております。ごくわずかのものが廃止されないのでありますけれども、大体みな廃止されることになつておるようであります。これもその庁の存在理由、その職能、事務量等を問わずに、一齊に廃止いたしまして、各省の内局に移す。それから各省の局の中にありまする部というようなものも、その事務の繁閑、多寡をとわず廃止する。部制を廃止することを原則とする。そういうやり方が、機械的であるように思われるのであります。一例をあげますれば、農林省の農地局というものは、三百億円以上の予算を使う局でありまして、厚生省よりも、文部省よりも大きな仕事量を持つております。また日本の食糧政策、農地改良の見地から見ましても、最も重大な役割を持つ行政機関であるにもかかわらず、ただこの部を廃止するという原則に忠実ならんがために、この厖大な機構、十四課を局長のもとに直属させて、そして職能上の分類を無視するというようなやり方は、非常に能率を下げることが予想されるのでありまして、とうてい賛成するわけに行かないのであります。これはほんの一例をあげたにすぎないのでありますが、そのために非常なたくさんの人員が減る。そして金がかからないようになるというようなことでもありますれば、その能率の減退もなお忍ぶべきでありますけれども、実際は一向減つておらない。減るのは部長とか長官とかいうようなものがなくなるというだけで、その他はあまり減らしてはおらないので、今回の機構改革に伴つて減るところの人員が、わずかに三千五百人であるということは、それを物語つておるわけであります。この改革案というものは、全体的に見事すると、やはり従来の天引き主義と相似たるものでありまして、機械的に名称を変更したり、あるいは部局制を改革したりしておるにすぎないのでありまして、職能の分化上当然あるべき職能別のかきを撤去して、行政上の紛淆を来しておるだけであります。合理的根拠のない乱暴な改悪である。たとえば林野庁のごとき、資源庁のごとき、中小企業庁のごとき、その行政の重要性からいたしまして、これは当然外局として存置すべきものでありますのに、一様にこれを内局に編入しておるような、目先の見えない改革であると言わざるを得ないのであります。さらにわれわれの見地から申しますると、これは後に西村委員から詳細に修正案を提示いたしまして議論されるはずでありまするが、経済安定本部のごとき、何ゆえにこれが必要なくなつたと御主張になるのか、われわれは理解に苦しむのであります。むしろ独立後日本の経済と日本の政治のあり方を科学的に合理的にして参りますためには、ますますこの機能は拡充して行かなければならぬものであると考えておるのでありまして、長期にわたつて合理的な企画をするという中央官庁はますます必要になつて来るわけであります。ゆえにわが党はかねてから総合企画庁というものを中央に設置いたしまして、政府全体の政策の集中的表現としての予算の編成も、この企画庁に吸収いたしまして、今日の大蔵省から分離して中央官庁に移すべきである。そうして総合企画のための重要な任務を果す中央官庁を拡大強化して存置すべきことを主張いたしておるわけであります。しかるに今回の改正案を見ますると、政府は小規模な経済審議庁というものの設置をもつて当面を糊塗しようといたしておるのであります。
 それから、これも委員会の廃止に関連しておりまするが、人事院というものを廃止いたしまして、内閣の一委員会たる総理府の人事委員会に改組する、あるいは内閣の法務府の最高顧問たる法務総裁を廃止して、法制局長官という官僚にこれをゆだねるというようなやり方も、何ら行政機構に対する一定の見識のない、またこれらの官庁が置かれました最初の動機というものを無視した改革の仕方であると思うのでありまして、人事院が一応行政府から独立して、人事行政に関する一つの権威ある民主的な機関として存置せられましたことは、わが国の人事行政を軌道に乗せて参りまするまでの問、少くとも存置すべき機関であるとわれわれは考えておるのであります。これを総理府の一委員会に格下げすることは、時期尚早であると考えておるわけであります。あるいは法務総裁のごとき今度は廃止して、法務大臣として検察と保護矯正と登記等の事務の長官にいたすようでありまするが、この法制局長官の任務というものが法務総裁の分化的な使命を果す一番大切な役割であつたわけでありまして、しかも内閣に直属しておりまして、各省の大臣あるいは総理大臣に意見を提出し勧告をすることができるというふうな役割である。ことにその人権擁護局を配下に持つておりますることとともに、唯一の法務総裁の分化的な使命というものがあつたのであります。ところがそれも全部人権擁護局は民事局の一課として格下げをし、あれどもなきがごとき存在にいたしまして、そうして古い時代に司法大臣が持つておりました裁判所に対する監督権というものはなくなつたのでありますから、きわめて小さい検察と行刑だけの長官として残ることになつたというがごときことは、公述人もその独立の省としての存在の必要を疑うと申しだ人があるくらいでありまして、まことに遺憾に存ずるのであります。
 それからこれもこの議題になつておらないようでありまするが、たとえば警察に対して、長官を任命制にし、内閣総理大臣が国警長官も警視総監も任命しようとするような改革を提案されておるのであります。これまた民主主義の抹殺であります。そうして一方、調達庁あるいは経済調査庁のような、重要でありまするが抵抗の弱い官庁――調達庁なども現段階においてこれほど縮小することがはたして適切であるか問題である。すでに駐留軍のいろいろな注文について統一した機関をつくり、そうして日本の政府の側においても、これに対応し得る統一された能率的な機関をもつて、それぞれの需要に応ずるようにしていただきたいということを、マーカツト氏も帰国に際して提言するというようなことが新聞に報道されておるのでありまするが、それならば調達庁のようなものはもつと整備し、あるいは拡大しなければならないかもしれない。それを、この一番抵抗の弱いところを人員を減らしまして、そうして経済調査庁は安本とともに最も大切な仕事をやるところでありまするが、これらも人員を減らす。主として今回のこの減員というものは、こういうところに求めておるわけであります。そして他方、保安庁という旧時の陸海軍省というものを合せたような、国防省とも申してもさしつかえないような性格の官庁をつくりまして、そうしてその配下には厖大な人員の増員を企図しておるわけであります。一つとして民主化の逆行でないものはないわけであります。行政改革の目標はいたずらに局課を併合してその数を少くすることを試みるべきではなくして、人員は必要最少限にとどむべきでありますが、職能の分化に応じた庁、局、部、課というようなものは、むしろこれを合理的に按配して適当に増加すべきものであると考えておるのでありまして、一つの局を設ける以上は必ずその局に数百人、数千人の役人がいなければならないというような考え方は間違つた考え方でありまして、アメリカなどの行政機構を見ますると、職能上他の仕事と合併してやるべきでない仕事につきましては、それぞれセクシヨンを設けてきわめて少い人間でやつておるのが実例であります。ゆえに数千人の局もあれば数十人の局もある。極端な場合は十数人で一つの局を構成して独立のフアンクシヨンを営んでおる。こういうようなことが科学的に合理的に考えられた行政制度でなければならぬと思うのでありまして、むしろ必要なことは、窓口事務の改善、国民の行政手続上における負担の軽減、手続の簡易化、責任制の確立、あるいは官僚の国民の公僕たることの意識の徹底というようなことが大切なのでありまして、そういうことがこれと伴つて考えられておらない。もつとも自由党では行政運営に関する法案を御提出になるということでありますが、その内容はわれわれが期待するような線に深く進んでおるともちよつと考えられないのでありまして、全般的に見てとにかく今回の改革というものは、はなはだ機械的であり、非合理的であり、非科学的であるということを、まず冒頭に申し上げておかなければならないことを、遺憾に存ずるのであります。
 そこでただいま上程になりました法案につきまして、一言ずつ所見を申し上げます。
 総理府設置法の一部を改正する法律案については、ただいま申し上げたような理由によりまして反対であります。また法制局設置法案も、法務総裁というものは本来内閣に置かれた法制局長官でありますが、それをやめて特に官僚たる法制局長官を置くということは改悪であつて、賛成いたしかねる。調達庁設置法の一部を改正する法律案についても、ただいま触れましたような意味において反対であります。行政管理庁設置法の一部を改正する法律案でありまするが、これも、最も大切な行政機関全体に対する監督権を持ち、またこの機構の改革をはかつて行くべき重要な役所として、その構成が合理的でないという意味におきまして、反対せざるを得ないのであります。
 それから自治庁設置法案でありまするが、これも今度の設置法によりますと、全国選挙管理委員会が中央選挙管理委員会となりまして、自治庁の中で国務大臣の指揮のもとに入るのでありますが、これは選挙管理の公正を保持するに十分でないと言わざるを得ないのであります。
 それから地方財政委員会が地方財政審議会となりまして自治庁の中に包含されるようであります。そのために、独立して地方財政に関する意見を内閣及び国会に提出することができたのでありまするが、それができなくなつて単に自治庁長官に申し出るにとどまるのであります。従つてこれはそのときの政府の意見通りになり、地方財政の自律性がなくなる危険があるという意味におきまして、これまた改悪であつて賛成いたしかねるのであります。
 地方制度調査会設置法案だけは賛成してもよろしいのでありますが、ただ希望的意見を述べておきまするならば、船頭多くして船山に登る。すなわちいたずらに、衆参両院の議員であるとか、あるいは学識経験者であるとか、自治経験者であるとかいうものを五十名も集めて調査をすることによつて所期の目的を達し得るかいないかについて、一抹の不安なきを得ないのであります。しかしこの種の調査会はあつていいものであり、なかるべからざるものでありますから、われわれは賛成をいたすのであります。
 文部省の機構改革もきわめて事務的なものでありまして、文化的、科学的な見地に基く改革というものが考えられておらないことは、はなはだ遺憾であります。
 厚生省も同様でありまして、これはますます重要な意味を持つて来る役所であると考えておりますので、むしろ拡大強化して行かなければならない。社会保障省とでも申すべきものをつくつて、この社会から貧困を除去するのがわれわれの終局の目的でありまして、そういう意味において厚生省には重い価値を置いているのでありまするが、今回のこの改正はやはり事務的な改正にすぎない。その中でも引揚援護庁を廃止してこれを内局にするということになつている。戦傷病者戦没者遺族等援護法案も通過いたしまして、お燈明料と政府自身が言うのでありまするから、間違いはないのでありまするが、たとえお燈明料であつても、遺族年金、傷害年金総額百七十余億の支給が本年下半期から始められようとしておるわけであります。従つてこの引揚援護庁の任務は、引揚業務から援護業務へ、正しく申せば戦没者、遺族及び傷痍軍人に対する国家補償の業務に転換したわけでありまして、諸外国、特に西ドイツあるいはイタリア等におきましても、戦争犠牲者に対する補償には、それぞれ国家総予算の二〇%以上をさいておるのであります。わが国が貧乏だとはいいながら、総額二百三十一億円、総予算の二・六%にすぎないということはまことに情ない次第でありまするが、その上にごの機構を圧縮整理しようとしておりまするのは、政府がこれらのことに対してまことに無慈悲であり、冷淡であることを証明するものであると思うのであります。わが党は社会保障の実現を目的といたしまして、むしろこういうものを一つの省に格上げすべきであるということすら考えておるのであります。
    〔江花委員長代理退席一委員長清川席〕
引揚援護庁を存置いたしまして、その名称を援護庁――引揚は除いてもよろしいと思うのでありますが、援護庁としては、その内局として援護局、引揚調査局等を設置いたしまして、そうして引揚げ促進に関して、調査とともにその促進業務を外務省と密接な連絡のもとにやつて行くようにいたすべきである。第一復員局、第二復員局あるいは地方においては世話課を廃止いたしまして援護課を設けて、いわゆる旧軍人の横の連絡を断ち切りまして、行政機構の民主化を人的にも推進すべきものと信ずる次第であります。そういう意味において、この厚生省の設置法に対しても賛成いたしかねるのであります。
 労働省につきましては、これはわが党が最も力を入れておる行政でありまして、これも今回の改革は天引き主義の、単なる機械的な改革である点をはなはだ遺憾に存ずるのでありまするが、先日、松岡委員が特に総理大臣の出席を要求して主張しようといたしましたように、統計の仕事というものを非常に軽く考えて、統計調査局を廃止いたしまして、単に統計調査監を置くにとどめるというがごときことは、内閣全体の統計に対する軽視、すなわち統計委員会を廃止いたしまして総理府の一部局にしてしまつたわけでありますが、それと相まつて、政府の統計軽視の現われで、まことに遺憾な点であります。婦人少年局のごときものもおざなりにこれを残すというだけにとどめておるのと相まちまして、労働省の設置法につきましてもわれわれは反対せざるを得ないのであります。
 そういつたような意味におきまして、なお個別的に申し述ぶべきものは多々ありますけれども、すでに一括して御提案になつておることでありまするし、われわれは地方制度調査会設置法案を除いては、遺憾ながら全部に対して賛成いたしかねまするので、さらに修正案を提出して、提案趣旨の説明をいたします際に詳しいことは申し述べることとして、一応ただいま上程になりましたものにつきましては、一つを除いて反対であるということを申し述べておく次第であります。
#4
○八木委員長 次に竹山祐太郎君。
#5
○竹山委員 改進党を代表して、今提案になつております十五の案件についてわが党の態度を表明いたしたいと思います。
 一体、今回の行政機構改革というものは、講和独立後における日本の新しい態勢に切りかわる、国民の最も期待した大きな問題であつたのであります。初めは政府与党は、総理みずから乗り出して、省の整理統合を国民の大きな期待にこたえるべく努力した、その努力の跡は見られたのでありますが、その後、最終の段階に至つては、まことに泰山鳴動してねずみ一匹も出ない行政機構改革になり終つたことは、われわれは国民の立場に立ちましてはなはだ遺憾千万であります。六年間の占領下の、国民の眼から見ても明らかにむだだと考えられるような機構が、占領下なるがゆえに行われて来たことは国民みずから認めておつたところであつて、これは独立を機会にして必ず一掃されることに長い期待を持つて来たのであります。従つて今回の行政機構改革は、単なる官僚のいわゆるテーブル・プランに終るがごときことをわれわれは考えおつたのではないのであります。そういう点から見まして、いかに与党がくたびれたからといい、政府の政治力が低下したからというて、このていたらくは、国民が非常な大きな期待を持つた独立への出発のはなむけとしては、はなはだ遺憾であります。この状態では、独立後の日本の政治にどれだけの期待が持たれるかということは思い半ばに過ぐるものがあるのであります。私たちは行政機構改革についても、幾多の案を持つておりますが、しかしわれわれは大きな立場から見るならば、行政機構改革の進行には、政府の立場に全幅の信頼を持ちたい、協力をいたしたいという立場で、今日まで審議を続けて来たつもりであります。しかしながら与党の内部においてさえ幾多問題のあるこのたくさんの法案が、十分の審議も尽されずして急遽一括上程を見るということは、はなはだ遺憾千万であります。参議院はすでにこの問題の審議の困難性を考えて、昨日は行政組織法の施行を一箇月延期をして、待つておるという状態であつて、衆議院が何も急いで、審議が十分完了しないこれらの法案を今日無理に上程し、結論をつけなくてはならぬとは私は考えません。そういう点から見て、政府与党のこの問題に対する真剣さというものを私は疑うものであります。はなはだ遺憾にたえません。しかし無理に上程をされた以上、われわれとしてはその態度表明せざるを得ませんから、われわれはこの問題に対する意見を述べるのではありますが、しかし全体としては、今申し上げるように行政機構改革は国民の熱望するところであつて、きわめて不十分ではありまするけれども、一歩前進をした事務的な案の程度ではありまするが、これにはできるだけ好意的な協力をしたいという立場において、今の案の大体はわれわれは賛成をいたしたいと思います。しかしながら残された十幾つの問題については、いかにしてもこれは賛成をすることができない。というのは、全体を一貫をして、何と政府に伺つても、どうしてもこれが独立後の日本の行政機構の新しい段階に対処する重点をどこに置いて改革をされたかということに、国民として納得をする点が得られません。その半面形式的に機構いじりをしたために、必要な問題が機構的に低下をしたり、国民の期待に反したり、混乱を巻き起したことこそあれ、これによつて国民が期待したところの、いわゆる役所の仕事が簡易化して、国民の負担も軽くなり、また手続上のいろいろな迷惑がこれによつて改善をされるという面は、一つもわれわれとしては理解されない。この点は、この委員会において与党の諸君の政府に対する質疑を通じて現われた間において、これは明瞭であります。そういう重大な行政機構改革に何らの新鮮味もなく、国民の期待に沿うこともないような案を、この際形式的に通さなければならぬということは、政治力の欠乏とは言いながら、はなはだ遺憾千万であります。われわれとしては、もつと徹底した行政機構を科学的にひとつ十分検討をして、独立後の日本に合うように、むしろ減らすべきところは減らすが、必要とあれば十分にふやすことも、あるいは考えられていいと思うのでありますが、そういう点については何ら積極的な施策というものが見られないということは、はなはだ遺憾千万であります。
 なお残された問題は、いろいろ大きな問題としては、日本のいわゆる自衛力の問題に関連をする保安庁の問題や、あるいは国民の産業経済に一番大きな影響のある通産省の中小企業庁、あるいは農林省の食糧、あるいは林野、農地等、その他幾多の問題が残されております。これはなお十分なる審議を尽すなり、野党、与党を通じてこれの修正の必要なる分については、国会の自主性を尊重をして、政府の事務的原案を無理に押し通すがごとき暴挙に出ないように、委員長に私は希望を申し上げて、いろいろ一つ一つに対する意見は、この際総括的という委員会の希望でありますから、私はこれ以上個々について、今やむを得ず賛成をせんとする各案に対する意見の陳述は、省略いたします。ただ建設省は中に若干の意見を持ち、また問題の保安庁法案等との関連において、そのまま原案に賛成をいたすことはできません。自治庁及び自治庁設置法の施行に伴う法案についても、選挙その他の問題について異論を持つておりますので、原案に賛成をいたすことはできません。その他は、若干の意見は持ちますが、この際全体の行政機構改革の推進に協力をするという立場から、今提案をされました各法案については、われわれは賛成をいたすものであります。
#6
○八木委員長 木村榮君。
#7
○木村(榮)委員 今度の吉田内閣の行政機構の改革なるものは、多方面にわたつておるようでございますが、その内容はきわめて簡単なものだと考えます。申すまでもなく、このたびの講和発効に伴つて、いよいよ行政協定が締結されまして、この行政協定の線に沿つて、日本の政治経済が運営されるということは、何人も否定できないような段階となつて来ております。そこでこの行政機構改革の問題を見まする場合には、一方の面は行政機関の強化と申しましようか、こういつたものを通して、官僚並びにそれとつながる日本の巨大な資本家を先頭といたします政治力を通しての、独裁的な力を強化して行くという面の、行政機関のいわゆる簡素化、こういうねらいと、もう一方の面におきましては、治安機構の強化に伴う弾圧政治の強化、こういつた面が、今度の行政機構の改革におきましては、端的にあらゆる面に表明されております。従つてこういう点を検討いたしますと、行政機構の改革とはいいます、ほんとうはアメリカ国務省の日本局のような性格に、日本の行政、治安一切をあげて持つて行こうというふうな傾向が顕著となつております。
 従つてこういう点を一々このたび提案になつていますたくさんの法律案の中から拾つて行きますならば、明瞭になつて来ますが、この点はまだたくさん保安庁の問題、あるいはまた海上公安局法案の問題、それから法務府設置法の問題といつたふうな場合に申し述べますが、今申し上げましたような点をその他の面から二、三をとつてみましても、たとえば総理府における従来の各種委員会といつたふうなものはほとんど廃止されます。従来こういつた各種の行政委員会というようなものは必ずしも民主的なものとは言えませんが、それでも、かつて日本の軍国主義下における行政機構といつたようなものを考えますならば、幾分民主化されたような運営が今までやつて来られたと私たちは考えております。しかしそういつたものも、今度の改革にあつてはほとんど廃止されまして、官僚と時の政府による独裁的な傾向を助長するというようなことが、明らかに認めることができるわけだと考えます。またたとえば人事院の廃止による官吏の任用、給与の問題につきましても、これもほとんど内閣の独断専行できるような方向に改まつておる。それからまた自治庁の設置による問題にいたしましても、ある見方によつては非常に民主化されたような点もございますが、よくこれを検討してみますと、決して地方自治の伸張ではなくて、逆に内閣を通して各地方団体を強力に統制できるような方向へ改まつておる。こういう点が簡単に認められます。そこでそういつた点をだんだん見て来ますと、労働省の問題にいたしましても、少年、婦人の問題といつたような問題は、今度の改革ではまつたく抹殺されまして、今まであつたものさえもこれが廃止になる。こういうことがわかつて来るわけです。そこで今までの委員会において私たちが再三お尋ねした中でも、一番不明瞭な点で、政府が答弁をはつきりいたしておりません点は、いわゆる行政協定に伴うアメリカ駐屯軍と日本政府との間における将来のやり方といつたふうなものに対しては、政府は言を左右にいたしまして、明瞭に答弁をいたしておりません。そういう点から考えましても、今度の行政機構改革で、行政協定に伴つて駐屯しております向うの兵隊、あるいは軍人、軍属といつたふうなものが、行政協定で締結されました非常な、いわばわがままをやることができるようになる危険性が、今度の行政機構改革の中にたくさん出て来ている。たとえば土地収用の問題、あるいは刑事特別法の問題、あるいは民事特別法の問題といつたふうなものと関連して、今度の法務府の機構改革といつた点で、私たちはそういう点を見のがしてはならない、かように考えておる。それから調達庁の関係を見ましても、その点がきわめて不安であつて、将来駐屯軍の物資のあつせん、あるいはまた調達といつたふうなことに対してのどりきめをいたします場合に、日本の官庁と駐屯軍との関係はどこでどのように処置するかという点が、今度の行政機構改革の中には一つも見られない。まつたく駐屯軍の意のままに日本の行政官庁が動かされる危険性がある。だから今度の改革を総括的に見ますと、向うの駐屯軍の指示、命令があらゆる行政機構の中にうまく実行でき、しかもこれが円滑に行けるような方向へ日本の行政機構というものを改革して行く。この問題をもう少し大きく見ますと、今度の改革を第一歩といたしまして、戦争のための行政機構改革を進めて行くという危険性が、はつきりとして来たと考えております。特に私たちが今度問題にしなければならない点は、御承知のように、吉田内閣は歴代内閣の中で、最も汚職あるいは職権濫用といつたふうなことが頻発いたしますところの内閣であるのは、これは何人も認めています。(「そんなことがあるか」と呼ぶ者あり)そういう状態の中におきまして、今度の行政機構改革に伴つて、各行政機関に対しての監察制度というようなものは一つも見られない。今まであつた委員会――委員会はそういう権限は持つていませんが、それでもいろいろな方面で対外的に処理できる点もございましたが、今度はまつたく官僚と時の政府との密着した関係におきまして、事を処理してしまう。従つてこのような行政機構改革の中におきましては、将来ますます各官庁における不正、汚職といつたふうなものが頻発する危険性がある。私たちはかように見ております。たとえば、そんなことがあるかとさつき言われましたが、現内閣になつてからの不正の状態を調べてみますと、これは法務府の調査ですから間違いないと思うのですが、昭和二十一年には五千九百三十五名しか検挙されなかつた。これは大分前のことです。しかしこれが昭和二十五年には一万七千八百五名という検挙件数になつておる。これを見ましても、いかに現内閣が不正と汚職の巣窟であるかという点が、大体明瞭になつて来ます。こういつた点は、いよいよますます人民の側から離れますような今度の機構改革によつて激発して来る、かように見ております。これはきようの委員会でも見ますように、自由党の中でもなかなか問題であつて、解決しないようなものがたくさんある。だからこそ今度の機構改革は、自由党の政務調査会あるいは総務会といつたふうなものがあるそうでありますが、そういつた中でさえも、意見が一致しないような機構改革は、これは決して国民のための機構改革ではなくて、一部官僚と、行政協定に伴うアメリカの要請によつて、整えられた行政機構であるという点を、端的に表明しているものだと考えておる。そういう点は農林省設置法とか、あるいはまた保安庁の法案の場合にも申し述べたいと考えますが、いずれにせよ、このたくさんの法案が出まして、私たちが審議に入つてからも相当な時間を経過していますのに、なお与党内部においてさえも意見が一致しないという点を見ただけでも、重ね重ね申し上げますように、これは決して国民のための機構改革ではないということを、私たちは見のがすわけには行きません。
 そういう点で大体まず反対をいたしますが、今提案になつています法案の内容について、二、三特徴的な点を申し上げますと、たとえば労働省の問題でございます。従来ございました労働省の統計の問題、あるいはまた少年、婦人の問題という点は、はなはだしく縮小されまして、労働統計のごときはほとんどこれは抹殺されてしまつたという点が、いかに吉田内閣が労働者のことを考えていないかという点を物語つております。また文部省の問題にいたしましても、相当機構改革をやつておりますが、この問題を調べてみますと、たとえば初等教育局とか社会教育局とかいつたふうなものをこしらえていますが、これは将来仕事ぶりを見ればわかつて来ますが、これを一貫して流れますものは、やはり文部省がかつての戦争時代のような、きわめて一方的な教育の方向へ日本の教育をひつぱつて行く、いわゆる反動的な教育を指導するというふうな観点から、各局が整理されておるという点が明瞭になつて来ております。それから郵政省の問題等にいたしましても、電波監理局の問題、あるいはまた国際電信電話株式会社なんかとの関連におけるところの部局の問題、こういつた問題を見ますと、この郵政省そのものがまつたく従来とは型のかわつたものになつて、電気通信の方は御承知のように公社となつて独立してしまう。こういつたふうな点から、従来の日本の郵政業務といつたふうなものが、まつたくアメリカの独占資本への奉仕の形にかえられつつあるという点も見のがすわけには行きません。その他資源調査会なんかの問題にいたしましても、この資源調査会の仕事は、東南アジア開発とかなんとかいう問題もございますが、おそらくアメリカの要請に従つて、日本を先頭といたしまして、東南アジアに対するアメリカの侵略、これに伴う経済的な植民地化の態勢、こういつた点の調査、立案、計画といつたふうなものをやるのが、この会の内容を見ますと、これもきわめて明瞭でございます。
 こういつた点を一々申し上げますと、際限ございませんから、省略をいたしますが、いずれにせよ一貫して流れますものは、これは日本のための行政機構改革ではなくて、あくまでも二つの条約に伴つて締結をされました日米行政協定の線に沿う行政機構の改革、それはすなわち日本をアメリカの植民地、軍事基地として戦争の方向へ持つて行く、このために最も便利のいいように、行政並びに治安機構をこしらえ上げるためのこのたびの行政機構の改革であつて、いわゆる行政の簡素化、あるいはまた民主的な運営ということを口では唱えながら、実際はそうではないという点が明らかになつて来ております。だからこそ、自由党の内部でさえも意見がたくさん出て、今日のような醜態を演じておるという点において、その点が明瞭になつて来ましたので、自由党の諸君もおそらくそういう点は気がついた方もあると思いますので、今後残されましたたくさんの法案に対しては徹底的な検討を加えて、ほんとうの意味の行政機構改革をやらなければならないと考える。
 以上のような理由によつて、われわれといたしましては小さい点については必ずしも特に反対をしなければならぬというものもないように見受けますが、全般的に見ました場合においては賛成できかねる、こういう点から全部に対して反対をいたしたいと考えます。
#8
○八木委員長 成田知巳君。
#9
○成田委員 日本社会党第二十三控室を代表しまして、ただいま上程になつております各法案のうち、地方制度調査会設置法案を除きまして、その他の法案全部について反対の意見を申し述べます。
 私たちは行政機構改革そのものに反対するものではないのでありまして、総合的見地から来たところの科学的な、合理的な行政機構の改革をやつて、行政の能率を上げるということを考えておるのでありますが、今回の法案を見ますると、まつたく思いつきの、ばらばらの、場当りの行政機構改革法案である。こういう点でまず第一に反対するわけであります。
 さらに私たちが見のがしてならないことは、今回の行政機構改革の底に流れておるところの一つの考え方というものは、その一つは行政機構の中央集権化であるということ。
 さらにまた大切なことは、保安庁法案におきまして、この法案は今問題になつておる各機構改革と不可分の関係にあると思いますが、この保安庁法案などに露骨に現われておりますところの行政機構の戦力化と申しますか、戦力の組織化であるという点におきまして私たちは反対するものであります。その結果として、民生の安定だとか、福祉行政、社会保障行政、これに対する配慮がまつたく欠けておりまして、こういう方面の機構は大幅に縮小廃止されようとしておる。この観点から私たちは絶対に賛成するわけには参らないのであります。
 たとえば一、二具体的な問題を取上げてみますと、郵政省関係におきまして電波監理委員会を廃止しようとしておる。電波監理の民主的な運営というものにまつたく逆行しているのでありまして、この電波監理委員会があつたときでさえ、テレビ放送をめぐつて相当問題があつたことは皆さん御承知の通りでありまして、これが一行政官庁に移されて、行政官吏の独断でこの問題を処理されるということになりますと、私たちは憂慮にたえない。こういう点で反対しなければいかぬ。
 また国家公務員法の一部を改正する法律案見ましても、もともと国家公務員は、団結権だとか、団体交渉権、罷業権を剥奪されておる。そのかわりに国家公務員法によりまして、人事院に権限を与え、国家公務員の労働条件その他を保護する、こういう立場で国家公務員法が制定されたはずなのであります。ところがこれと逆行いたしまして、人事院の縮小をはかろうとしておる。こういう点におきましても、私たちは反対せざるを得ないのであります。
 それから自治法の設置法案なんか見ますと、これは地方自治の侵害であつて、中央集権化である。また労働省の関係におきましても、先ほど鈴木委員の指摘されましたように、労働統計の大切な今の時代におきまして、統計調査部を廃止縮小する。あるいは少年婦人対策の必要なときに、少年婦人局を縮小する。こういう点から見まして、一貫して流れておるものが福祉行政あるいは社会保障行政に対する配慮がまつたく欠けておる。そうして行政機構の中央集権化をはかり、戦力化をはかつておる。さういう点で私たちは全面的に反対せざるを得ないということを申し上げまして、簡単でありますが、討論を終ります。
#10
○八木委員長 青木正君。
#11
○青木(正)委員 私は自由党を代表いたしまして、ただいま議題になつておりまする各案に対し賛成の意見を述べたいと存じますが、まず各案に対する意見を申し述べます前に、総括的に今回の行政機構の改革の問題に対して賛意を表したいと思うのであります。
 わが国の行政機構が戦争中から戦後にかけまして、非常に複雑厖大になつたことは御承知の通りでありまして、これを、日本の独立とともに、一日も早くすつきりした行政機構に直さなければならないということは、これは国民一般の輿論になつておるのであります。そこで現実の問題といたしまして、行政機構をどう整理するかということになりますと、なかなか複雑多岐にわたつておりまして、なかなか簡単に参らないのであります。今回の行政機構の改革について見ましても、なるほど各局部の立場から見ますればいろいろまた御議論もあると思うのであります。またこの程度の行政機構の改革では不十分であるというような御議論もあろうかと思うのであります。しかしながら今回の行政機構改革の全般を通じて考えてみまするとき、私どもは今回の行政機構の改革が確かに日本の行政機構における一歩前進を示したものであるということを認めざるを得ないのであります。しこうして今回の政府の提案によりますると、全体を通じましておよそ三つの点に要約できると思うのであります。
 その第一は、各行政機関の組織をできるだけ簡素化するということが第一点であります。
 それから第二点といたしましては、何と申しますか、責任体制の明確化とでも申しましようか、各行政機関の権限をできるだけ明確にいたすとともに、命令系統を直截簡明にして責任の帰属を明らかにするという点に第二の重点が置かれておるのであります。
 第三といたしましては、行政機関の総合調整的機能の整備充実とでも申しましようか、行政機関が全体として有機的に一体性を発揮し得るようにいたしておることであります。換言いたしますれば、各省は各省それぞれに、また政府は政府全体として一つのまとまりのある行政を行い得るように、総合調整の機能の整備充実をはかつておるという点にあると思うのであります。
 この三つの特徴につきまして、簡単に政府案を検討した結果を申し上げてみますると、第一の行政の簡素化につきましては、元来行政組織法できめてありました、たとえば内局の部の整理の問題等も今日まで一年ごとに延ばして参つたのでありますが、今回これを本来の行政組織法の定むるところに従いまして、すつきりといたしておるのであります。まず府と省の数についてみますれば、従来の二府十一省一本部が二つ減りましで、一府十一省となつておるのであります。すなわち約一割五分減であります。また外局の数についてみますると、約五割を減じまして行政委員会の二十三が十四となり、外庁の二十二が十一というふうに減つておるのであります。また局及び部の数はやはり約五割減つておりまして、局が九十二局ありましたのが七十四局に減つております。また部につきましては百二十九ありましたのが四十五に減つているのであります。数の減つたことのみをもつて私どもは単にこれが簡素化の線に沿つておるという簡単な考えでないのでありますが、いずれにいたしましても、戦争中あるいは戦後にいたずらに厖大化しました局部をできるだけ簡素化するということは、時勢の要求に従う当然のあり方と私どもは思うのであります。
 第二の責任体制の明確化につきましては、戦後設けられました行政委員会、とかくの議論があつたのでありますが、これも原則として廃止いたしまして審判的機能を有するものだけにとどめた、それ以外のものは各省にその仕事を分属せしめるということによりまして十の行政委員会が廃止されたのであります。外局の庁につきましても、外局の性格が戦前と異なりまして、今までの外局というものは特別の権限を持つておりまして、ある程度独立的な存在であつたのであります。しかしこれは一省としてのまとまりある行政を行うためには、どうしてもこれを内局に改めて、命令系統を一貫せしむるということは、行政運営の面から見まして、当然のあり方と思うのであります。さような意味で、庁につきましても、審判的機能を有するもの以外は、原則としてこれを廃止するという措置をとつたのでありまして、十四を廃止され、現在十一が残つておるということになつておるのであります。
 第三の総合調整的機能げ整備充実につきましては、いろいろありますが、たとえば内閣に法制局を新設いたしたこと、さらにまた行政管理庁を拡充いたしまして統計基準部を新たに設置し、あるいはまた監察機能を強化し、八地方監察局を新たに設置したこともその線に沿つたものと思うのであります。その他地方自治庁あるいは地方財政委員会及び全国選挙管理委員会を総合して自治庁を設けたこと、あるいはまた経済安定本部を廃止いたしまして、経済審議庁を総理府の外局として設けたこと等があげられると思うのであります。
 なお、ただいまの議題にはなつておりませんが、警察予備隊と海上保安庁の海上警備隊を統合いたしまして保安庁を新設いたしたこと等も、やはり第三の総合調整的機能の整備充実という線に沿つたものともいうことができると思うのであります。
 これを要しまするのに、今回の行政機構の全体を通じまして、私どもこれをもつて決して満足だとは言えないと思うのであります。言うまでもなくフーヴアー委員会の勧告にもありまする通り、行政機構の改革というようなことは常時にこれを継続的に研究調査いたしまして、その時代に適応するごとく不断に改善して行かなければならないと思うのであります。さような意味で、私どもは本委員会におきまして、いずれ国会側におきましても継続的な行政機構の審議のための特別委員会を設くべきである。かような提議をいたしたいと思うのでありますが、私どもはそういう継続的な審議を一面におきましては考えるとともに、現在のこの政府から提案されました行政機構の改革は、ともかく一歩の前進であるという意味におきまして、この政府の改革案に賛意を表するにやぶさかでないのであります。
 なお、われわれは行政機構の改革と並行いたしまして、行政運営の合理化あるいは能率化をはかるためには、行政運営についての基準を設ける必要もあるのじやないかということも考えるのでありまして、われわれは行政運営法案というようなものを今回提案いたしたような次第でありまして、この行政運営法案と相まちまして、今回のこの機構改革によつて、わが国の行政運営は相当程度簡素合理化されて行くということを深く確信いたすものであります。
 さような意味におきまして、全体に対し総括的に私どもは賛意を表するのであります。従いまして現在議題に供されております十五法案につきましても、各案とも政府原案に私ども賛意を表する次第であります。各案の内容につきましては、ここに申し上げるまでもないと思いまするので省略いたしまして、全体に対し賛成の意見を申し述べた次第であります。
#12
○八木委員長 これにて討論は終了いたしました。
 これより採決いたします。採決は、まず地方制度調査会設置法案及び自治庁設置法案、自治庁設置法の施行に伴う関係法律の整理に関する法律案、建設省設置法の一部を改正する法律案の四案についてそれぞれ採決し、次いで残りの十一案について一括して採決いたします。
 まず地方制度調査会設置法案について採決いたします。本案に賛成の諸君の起立を願います。
    〔賛成者起立〕
#13
○八木委員長 起立多数。よつて本案は原案の通り可決すべきものと決しました。
 次に自治庁設置法案、自治庁設置法の施行に伴う関係法律の整理に関する法律案、建設省設置法の一部を改正する法律案の三案を一括して採決いたします。右三案に賛成の諸君の起立を願います。
    〔賛成者起立〕
#14
○八木委員長 起立多数。よつて三案はいずれも原案の通り可決すべきものと決しました。
 次にただいま議決いたしました四案を除く十一の各案について一括採決いたします。右各案に賛成の諸君の起立を願います。
    〔賛成者起立〕
#15
○八木委員長 起立多数。よつて各案ともいずれも原案の通り可決すべきものと決しました。
 この際暫時休憩いたします。
 午後は改進党の葬儀の御都合もございますので、正三時より開会いたします。定刻に御参集を願います。
    午後零時三十九分休憩
     ――――◇―――――
    午後三時四十二分開議
#16
○八木委員長 休憩前に引続き会議を開きます。
 経済審議庁設置法案、経済安定本部設置法の廃止及びこれに伴う関係法令の整理等に関する法律案、農林省設置法等の一部を改正する法律案、通商産業省設置法案、工業技術庁設置法の一部を改正する法律案、通商産業省設置法の施行に伴う関係法令の整理に関する法律案、右六案を一括して議題といたします。このうち経済審議庁設置法案、農林省設置法等の一部を改正する法律案及び通商産業省設置法案の三案に対しましては、改進党竹山君より修正案が提出されておりますから、この際その趣旨弁明を求めます。竹山祐太郎君。
#17
○竹山委員 ただいま議題になりました経済審議庁及び通産省、農林省、この三省に関する分については、改進党としては修正案を委員長の手元まで出しておりますが、お配りをいただいておるかどうかわかりませんが、一々読み上げることははなはだ煩瑣でありますから、印刷物で御審議を願うことといたしまして、ごく簡単にその趣旨だけを説明いたします。
 経済審議庁については、すでに何回か本議場において論議をされましたいわゆる安本の改組案が体をなしていない、これではあるかないか、わけのわからぬものであつて、むしろ独立後の非常にむずかしい貿易を初め、経済施策等については、今までの政府与党の手放しの自由経済では、日本はどこに行くのかわけがわからない。もう現実は、貿易は不振になり、ポンド対策を誤つたために国民は非常な迷惑をする等、まことに国民にとつてはあぶなつかしくてしようがないのであります。従つてむしろこの際こそ、独立後の経済施策を初め、政府の方策はしつかり確立をしなければならないのに、これを有名無実に終らせるような改革は、われわれとしては何としても了解が行かない。この点は各委員会でもその議論が出、また与党の諸君も本議場においてしばしば意見を開陳された点でありまして、これはあえてわれわれは政府案にことさら反対をするということよりも、良心的に政府が反省をされるならば、この程度の改正は当然と考えて、提案をいたしたわけであります。
 通産省につきましては、いろいろこまかく申せば議論がありますが、その集約された一点は、先般も数回ここで論議をされましたように、中小企業庁の実質的縮小であります。これは役人を減らすのじやないといろいろ弁明をされましようけれども、中小企業庁というものをことさらがつちりした大きなものにしたのも現政府であつて、そのときには、明らかに国民の一番むずかしい行政である中小企業に対しては、ことさら特に重点的な政策としてこれを置かれた。その政府の考え方というものが今日根本的にかわつたならばいざ知らず、中小企業の困難性というものは一層重加されておる今日において、これを単に機構改革のテーブル・プランのために、この重点施策を軽視するがごとき縮小案をこの際出すということは、政治的に見て、われわれは何としても了解に苦しむ。国民は決して役人の多いことを希望しているのじやない。役所の機構の煩瑣を希望しておるのじやない。その中小企業者すら、あげて中小企業庁の縮小案に対しては絶対反対を唱えておる奇妙な情勢が今日展開されておるということを政府が反省されるならば、むしろ一層中小企業庁の強化こそ今日必要であると考える。そういう意味において、私はこの弱い中小企業者に対する政府の考え方に反省を促す、これをもつと真剣に取上げる意味においても――何もわれわれは役人の数をふやせというのじやない。機構においてもつと重点的にやる意味においても、これの改悪をする意味の了解に苦しみますから、修正案を提出した次第であります。
 農林省に至つては、これもまた同様であつて、林野庁のごときは、昔の御料林あるいは厖大なる北海道の国有林、これに国内の国有林等を大きく統合をして、何としても大きな特別会計を持つ林野行政というものについては、簡単なものでない。そういう意味において、政府もこの終戦後においてつくつた林野行政というものは――何も役人の数をこれもふやせというのではなくて、むしろ非常に用心をして、これの機構をしつかり充実して行かなければならない段階にあるにもかかわらず、これを簡単に縮小する。また食糧庁においても、名前などはどうでもよろしいのですが、決して今日食糧行政というものが簡単になつたとは思わない。前の国会において定員法の問題の際に、政府がいわゆる食糧行政の簡素化をだしにしたが、結果においては逆効果を来したことは、政府は反省されておると思う。われわれは組織の改良、改善ということに何ら反対をするものではありませんが、食糧行政に至つては、今日非常にむずかしい段階になつておつて、麦の統制撤廃をしたからといつて、決して麦の問題は実質的には簡単になつていないということ等を考えるならば、何のために食糧行政を無理に簡単に圧縮しなければならぬかという理由は、本委員会において討議をしてもわからない。また土地改良に関する部分等についても、これをきわめて簡素にしようとすること自体、五箇年計画を吉田総理みずから陣頭に立つて力説をされておる今の政府の考え方というものとは、はなはだ矛盾をしておるような代表的なものを取上げておりますほかには、いろいろ統計とか、こまかい問題も取上げておりますが、しかし要点は、要するに今の独立後の政府の重点的施策とも考えられる面について、ことに国民のうちの一番恵まれないというか、常に政府が親切な行政をしてやらなければならない中小企業者や農林漁業者に対する政府の機構の取扱い方がきわめて不親切だということは、われわれの最も遺憾とするところでありますから、その意味において、この農林省の機構改正案というものの修正案を提出した次第であります。こまかい点につきましては、印刷物でごらんを願うといたしまして、われわれの考え方の基本線だけを簡単に申し述べて修正の提案理由といたします。
#18
○八木委員長 これより、ただいま議題となつております六法案、及び三案に対する修正案を一括して討論に付します。討論は通告順によつてこれを許します。木村榮君。
#19
○木村(榮)委員 詳細な点にわたつては、あとで保安庁法案並びに海上公安局法案、そういつた法案が上程されますときに申し述べたいと考えますので、今議題となつています法律案について、二、三反対の意見を申し述べてみたいと考えます。
 このたびの行政機構改革で根本的な問題は、三点に分類いたしまして、午前中の委員会で私が申し述べましたが、その一つの点は、これが再軍備と一体のものであるという点、もう一つの点は、治安機構の強化によつて、弾圧政治を強行しようと企図している点、もう一つの点は、そういつた点を基本線といたしまして、各省の官僚による独裁、いわゆる官僚の強化という点がきわめて明白になつていること、こういつた点を私は指摘して参つたわけでございますが、この中で特に今議題となつております経済安定本部設置法の廃止の問題、それから農林省設置法に見ますような林野庁あるいは農地局等の格下げ、こういつた問題を検討してみますと、今申し述べました第三の点が、きわめて具体的に個々の法案に表明されておるのであります。そこでその詳細な点は今は省略いたしますが、特に農林省の問題、その他経済安定本部の問題という点は、従来のそういつた機構が必ずしも万全なものであつたとは私たち考えておりませんが、少くとも今度の機構改革以前の方が、この改革に見ますような、まつたく現状を無視した点から考えますならば、よかつた。なぜわざわざそのよかつたものを、大して経済的にも、また組織的に見ましても好転していないような方向へこれをかえなければならぬか。こういう理由が一つもわからない。この点をこの前の委員会で関係大臣に聞いてみますと、そういう方針だからかえたんだ。その方針を伺つてみますのに、ただ単に方針だからかえたというような答弁で、政府みずからが方針のないことを明白に私たちに表明をしたわけでございます。そういつた点を考えますと、これはまつたく時代の状況に合わない改革であるという点で私たちは反対をしたいと思います。詳細な点は、あとでもう一ぺん討論がございますから、そのときに申し述べたいと思いますので、簡単に反対の意見を申し述べます。
#20
○八木委員長 西村榮一君。
#21
○西村(榮)委員 私はただいま議員になつておる経済審議庁設置法案、農林省設置法等の一部改正案、通商帝業省設置法案について、社会党を代表して修正の提案をしたいのでありますが、成規の手続が時間的に間に合わないので、修正の要旨を口頭で申し上げます。そして本会議に成規の修正手続をいたしたいと思うのであります。
 経済審議庁設置法案に相伴いまして考えておかなければならぬことは、経済安定本部の廃止案であります。これは今日経済安定本部を廃止するときの日本の客観的な、あるいは国際的な情勢が、設置された当初と変化があるかどうかということを考えてみまするならば、経済安定本部が設置されるときに、青木国務大臣がその提案理由の説明の中に、現下の国際並びに国内情勢は、本経済安定本部を必要とするのであります。従つて日本の経済が動揺がちであり、不安定であり、しかもこれが安定と発展の方向によつて国民生活と日本の経済が安定するまで本機関が必要であるというのが、青木国務大臣の経済安定本部設置法案に対する提案理由の説明であります。越えて衆議院の本会議において、齋藤隆夫君が同様のことを付言いたしまして、日本の経済の安定と、国民生活の安定と経済の発展のために経済安定本部が必要である。こういうふうに提案理由が説明されておるのであります。しかるに今日におけるわが国の経済状況というものは、きわめて不安がちであり、国際情勢また険悪を告げております。本経済安定本部が設置された後に、アメリカの経済安定局が生産総動員本部と拡大強化されまして、今日五十七万種の品種を統制し、稀少物資の民間保有を禁止して、あの物量豊富であるといわれておりますアメリカにおきましても、物と人と資金の按分配給というものの調整と国家的見地からなしておるのであります。あの物量豊富にして、世界の生産額の大半を占めるアメリカでさえも、統制経済あるいは計画経済というものを資本主義の基盤の上において立てなければならぬということは、明らかに現下の国際情勢がかくなさしめるのであり、これは資本主義国家である、あるいは社会主義国家であるというイデオロギーを超越いたしまして、現下の険悪なる国際情勢に生存を全うせんとする国家におきましては、重要な物資、資金の配分調整、その総合的な有効使用の見地に立つて、イデオロギーを超越いたしましてこの企画官庁というものが必要と相なつて来ておるのであります。特にわが国におきましては、明治初年以来、わが国の経済の特殊な性格というものは、絶えず国家によつて産業が育成せられて来たということであります。これはわが国のみならず、後進国の産業育成というものの特性が日本の経済もかくあらしめたのでありまして、私はかような見地に立ちますると、資本主義経済、社会主義経済というイデオロギーを越えまして、日本の経済の安定と発展、国民生活の安定のために、私はどうしてもこの企画官庁を必要とする、こう考えておるのでございまして、これがもしもばらばらになりまするならば、日本の経済に一大混乱を来します。現にその小規模の混乱は、これは皆さん御存じの通り、昨年の春の輸入物資の過剰による日本経済の人為的な不況の面が現われて来たことに現実に立証されておるのであります。それは貿易の面において自動承認制をしかれましたけれども、この自動承認制に伴うところの対策がとられていなかつた。従つて朝鮮動乱以来あらゆる品物を買いあさる国際情勢から申しまして、日本も同様に原材料の買いあさりに、遅ればせながら国際経済に乗り出さなければならい。ところがどういう品物をどういう店がどれだけ買つたか。日本はどれだけ買い過ぎたか、あるいはまだどれだけ足りないのかということを、政府が品目と数量を公表しない結果、盲めつぽうに買いあさつて、遂に昨年の三月においてその引取り代金の窮乏を来したことは顕著なる事実であります。これは資本主義であろうと社会主義であろうと、日本経済が国営貿易でなくて民間貿易であつても、この品物はどの店がどれだけ買いつけた、この品物はどれだけ少い、この品物は世界各国の相場はどのくらいであるということを、絶えず企画する計画官庁が天下に公表いたしますならば、民間業者においては少ければ買うでありましよう。多過ぎれば国家の需要の限度を考えてこれを買い控えることが、近来の経済組織においては当然なことなのであつて、こういうふうな総合計画の官庁がなくなる結果は、日本の経済はいたずらに混乱すると思うのであります。従つてその見地に立つて、今回提案された経済審議庁設置法案は、名前は国務大臣だけの身分は保障されておりますけれども、青木国務大臣が経済安定本部の設置の趣旨弁明をされた当時から見て、経済安定本部の内容は全部抜いてしまいまして、しかもその任務の中に「他の行政機関の所掌に属さない総合的経済政策の企画立案」――一体何が何だか、わけがわからぬ官庁と相なつたのでありまして、私は昭和二十七年の昼日中こういうばけもののような官庁の存在ということはまことに奇怪十万だと思うのであります。官庁を置く上からは、その官庁にふさわしいところの任務、権限、あるいは目的というものが明らかにならなければならぬにもかかわらず、この経済審議庁の任務、権限並びに目的は明らかになつておりません。単に一国務大臣の身分保障をしただけにすぎないのならば、これは私は再考の余地があると思うのでありまして、かかる見地に立ちまして私はその修正を提起するのであります。それは
   経済審議庁設置法案に対する修正
 第一 名称
   総合企画本部とすること
 第二 目的
   この法律は、総合企画本部の所掌事務の範囲及び権限を明確に定めるとともに、その所掌する事務を能率的に遂行するに足る組織を定めることを目的とするものとすること。
 第三 設置
 (一) 本部の長は、総合企画本部総裁とし、内閣総理大臣をもつて充てるものとすること。
 (二) 本部に、総務長官を置き、国務大臣をもつて充てるものとすること。
 (三) 本部に、副長官一人を置くものとすること。この設置の機関というものは、これは並列的に国務大臣が当るだけじやなしに、総合企画したものを各省に指揮命令するという態勢をとるために、これは内閣総理大臣をもつてその総裁とするということになつております。
 第四 任務
   本部は、左に掲げる国の行政事務を一体的に遂行する責任を負う行政機関とするものとすること。
  一 経済に関する基本的な政策の企画立案
  二 関係行政機関の事務の総合調整
  三 長期経済計画の策定
  四 総合国力の分析及び測定
  五 国の予算及び決算の作成
  六 外国人の投資及び事業活動の調整
  七 各行政機関の行政運営の監察
  八 内外の経済動向及び国民所得等に関する調査及び分析
   この中に経済安定本部の時代と違つた修正案を出しましたのは、第七の「各行政機関の行政運営の監察」ということであります。少くとも国策の総合企画官庁として総合企画いたしますならば、それが一体遂行されておるかどうかという監察機関がなければならぬのでありまして、ここに新しく行政運営の監察機関を設けたのであります。同時に第五に入ります前につけ加えておきたいことは、任務の第五の「国の予算及び決算の作成」についてであります。国の予算は今日大蔵省がつかさどつておられるのでありますけれども、少くとも経済総合企画本部が国民所得に対する算定調査をその主たる任務といたしまするならば、この国民所得の算定からはじき出される国の予算というものは、当然この官庁に所属さるべきものであつて、これは総合企画と分離することができないのでありますから、その任務の第五に国の予算の編成権を付随さしたのであります。
 第五 権限
   本部は、この法律に規定する所掌事務を遂行するため、左に掲げる権限を有するものとすること。
   但し、その権限の行使は、法律(法律に基く命令を含む。)に従つてなされなければならないものとすること。
  一 経済に関する基本的な政策及び計画について企画立案し、並びに関係行政機関の事務の総合
   調整を行うこと。
  二 所掌事務を遂行するため、関係行政機関の長に対して必要な事項を命ずること。
  三 国の予算、決算及び会計に関する制度を統一すること。
  四 国の予算及び決算を作成すること。
  五 国の予備費を管理すること。
  六 各省各庁の支出負担行為又は支払の計画を承認すること。
  七 各省各庁の小切手又は国庫金振替書につき認証を行うこと。
  八 国の予算の執行に関し、報告の徴集、実地監査及び指示を行うこと。
  九 国の財務の統轄の立場からする地方公共団体の財務の調整に関すること。
  十 各行政機関の事務の実施状況を監察し必要な勧告を行うこと。
  十一 前号の監察に関連して公共企業体の業務及び国の委任又は補助に係る業務の実施状況に関
   する必要な調査を行うこと。
  十二 前各号に掲げるものの外、法律(法律に基く命令を含む。)
   に基き、本部に属せしめられた権限
 第六 内部部局
  本部に、総裁官房及び左の九局を置くものとすること。
  予算局
  財政金融局
  産業局
  貿易局
  物価民生局
  国土開発局
  科学技術局
  調査統計局
  監察局
 第七 特別な職
 (一) 本部に審議官十人以内を置くものとすること。
 (二) 総裁官房に官房長及び次長二人を置くものとすること。
 (三) 予算局、産業局、国土開発局及び監察局にそれぞれ次長二人、財政金融局、貿易局、物価
   民生局、科学技術局及び調査統計局にそれぞれ次長一人を置くものとすること。
 (四) 各局を通じ、調査官二十人以内を置くものとすること。
 第八 附属機関
  本部の附属機関として、左に掲げる機関を置くものとすること。
  経済審議会
  国土総合開発審議会
  資源調査会
  電源開発調整審議会
  物資需給調整審議会
 第九 地方支分部局
 (一) 本部に、地方支分部局として、地方監察局を置くものとすること。
 (二) 地方監察局は左の八局とすること。
   札幌監察局
   仙台監察局
   東京監察局
   名古屋監察局
   大阪監察局
   広島監察局
   高松監察局
   福岡監察局
 第十 外局
  本部の外局として、外資委員会を置くものとすること。
以上はなはだ詳細にわたる修正案でありまするけれども、これは私は何と申しましても、やはり現在の混乱期における国際情勢に際会いたしましては、総合企画官庁を必要とする。従つて総合企画官庁で企画されたものを実行できるかどうかという監察制度もあわせて置かなければならぬ。同時にこれは、国の予算もそこに置かなければならぬという見地に立ちまして、修正を提議いたした次第であります。これで経済審議庁の修正案は終ります。
#22
○八木委員長 西村君にちよつと申し上げますが、ただいま竹山修正案の討論中であります。討論の中で修正意見を述べられたことと拝聴しておるわけであります。どうぞ。
#23
○西村(榮)委員 次に農林省の所管に移ります。私は農林省設置法等の一部を改正する法律案に対しましては、全面的に反対し、かつ本法案に対しまして、次の修正案を提出するものであります。すなわち本法案によれば、食糧庁及び林野庁が、それぞれ内局としてその規模を縮小され、農林統計調査部、農業協同組合部、農地局の計画、建設、管理の各部がそれぞれ廃止せられるのでありますが、これらの処置は、そのいずれを見ても、改正理由きわめて薄弱であるのみか、場合によつては、日本経済の再建にとつて致命的な障害となる危険をすら内包しておるので、わが党としては、遺憾ながらこれに反対せざるを得ないのであります。特に食糧庁は、その前途に多くの不安を予見されるわが国食糧管理の重責を負い、また政府の企図する主要食糧の統制撤廃が万一強行されました後には、より複雑化して参ります管理業務を強力に遂行する機関として、ますます重要性を加うるものと考えるものでありまして、政府において同庁を内局に改編せられようとすることは、きわめて不可解な処置といわねばなりません。また最近に至りまして、政府は林野行政に急速な整備を加えており、治山治水、造林、農地開発、造林施業等、数限りない問題をかかえて、今やわが国の林野行改は一大転換期に立つておるにかかわらず、林野庁を内局に移行して、林野行政を混乱に導こうとしておることに対しまして、わが党は重大なる反省を促さざるを得ません。農地行政の重要性はいまさら云々するまでもなく、農地局は農林民主化の基盤たる農地改革の遂行、土地改良、開拓、災害復旧等、食糧増産に直接影響する重要業務をにない、また現在の計画、建設、管理の三部制は、新しい行政システムとして好評のうちに真価を発揮して来たにかかわらず、これをあえて廃止せんとする政府の処置は、常に政府の主張しております食糧増産、農林民主化がまつたくの掛声だけにすぎないということを完全に裏書したものといわざるを得ないのであります。政府はさらに統計調査部を廃し、これを農林経済局に隷属せしめんといたしておりますが、これに至つてはまさに言語道断であります。統計調査業務の独立性確保とその拡充強化は、歴代の自由党農林大臣すらも、しばしば言明しておるにかかわらず、今これとまつたく相反する処置をとられようとしておることは、現内閣の言行不一致を遺憾なく暴露したものとして、強く指摘しておきたいと存じます。
 以上のほかにも、なお多くの問題が存在するのでありますが、要するに政府が、今回の行政機構改革の手を農林行政まで伸ばしたということは、吉田内閣の反農民的農業政策のしからしむるところである。また日本民族独立のための根本政策に対して、きわめて不熱心であることを、具体的に表明したものといわざるを得ません。農林行政機構こそ、その合理化の上に、より拡充強化せられねばならぬものと信ずるのでありまして、重ねて本法案に反対するとともに、竹山君の修正動議に賛成いたすものであります。
 次に通商産業省、工業技術庁設置法案に関しまして要点だけ申し上げます。次の点に関しまして、修正を提案するのであります。
一、中小企業庁は、現在外庁として存在しておるが、これを内局たる中小企業局にすることになつておるけれども、これは現行制度のまま外庁として存続せしめること。
一、右中小企業庁に融資実施権を与え、中小企業の零細金融を、大蔵省の干渉より解放するの方途を講ずること。
以上二つが修正案の骨子であります。お気の毒でありますから、詳細の説明は省略いたします。
 以上、経済審議庁の問題並びに農林省、通産省の問題におきましては、これはわが党だけの修正の希望ではなくして、私は内心自由党の諸君がこれを希望しておられるのではないかと思うのであります。かるがゆえに、当然午前中から審議をされる予定のものが、委員長並びに行政管理庁長官が自由党の総務会にお出ましになつて、鎮撫これ努めた現実というものは、自由党の中においてもこれは大なる動揺があつたと言わざるを得ない。自由党の諸君におきましても、政治的良心があるならば、この際やはり党の幹部の圧力を排して、敢然として所信に邁進されることが当然ではないか。現にそうでしよう。(「そんなことはない」と呼ぶ者あり)今うしろから異議があつたけれども、今から十日ほど前に、自由党は政務調査会において何を発表されましたか。中小企業庁の拡大発展による金融と中小企業育成によつて、日本の産業を再建しなければならないと、大々的に政務調査会で発表されたではないか。ここに政務調査会の副会長もおられる。同時に農村振興策においてもそうです。絶えず自由党は農村振興策を口に唱えながら、ここにその振興の機構を縮小されるということは、一体どこに自由党の本音があるのであるか。政務調査会の主張というものを正しいと見るのか、また行政機構に現われたところの農村拡充政策の機構の縮小、中小企業庁の廃止というものによつて中小企業の育成策を権限縮小されるという政府の行き方を、正しいと見るか、一体どちらを正しいと見るのか、天下国民まことに疑惑を持つて見ているのであります。これを考えてみるならば、自由党の政務調査会の発表しているものは、宣伝かもしくは一片の選挙スローガンにすぎないと世間は見るのでありまして、その自由党の政策が真実に中小企業、農村振興のために馬力をかけんとするならば、よろしく社会党並びに改進党が提案するところのこの修正案に、自由党の諸君も欣然参加せられることを私は希望して、以上をもちまして修正の説明を終る次第であります。
#24
○八木委員長 ただいまの西村君の御意見は、正規の手続は委員長のもとで終えておりませんので、修正案の説明でなく、討論の発言として許した次第でございますから、念のため申し上げておきます。竹山祐太郎君。
#25
○竹山委員 もう別に討論として申すことはありません。私はこの問題は、今西村君も言われたように、この席から自由党の諸君も非常に熱烈な主張をされた多数の諸君がおられるにもかかわらず、自由党からは何らの御発言がありません。私はこの問題は、どうもとかく国会が役人のしり馬に乗るという世間の批判を恐れて、正しい国会の主張というものを率直に述べることを世間にはばかるような感じを起して来るということは、これは国会の自主性から見てゆゆしい問題だと思います。国会は政府の官僚の案に向つては、当然堂々と直すべきことは直すということをしないと、最後は上の方からりくつもなく押えられて、政府、官僚のつくつた案が無条件で通つて行くということでは、――私は委員長が考えられておるという自主的な行政機構を国会がやるということを聞いておつても、今日のような情勢で、絶対多数の与党すらこの政府官僚案に手を加えることができないというような国会の審議ぶりでは、私はどこに国会の自主性が労るかと言いたい。そういう意味において、ひとつよく反省を願つて、この問題をただ形式的に通すことによつて、決して国会はこの官僚に対する、いわゆる行政権に対する国会の独立というものを守るゆえんでないという意味において、私は強くこの修正案を主張するものであります。
#26
○八木委員長 成田知巳君。
#27
○成田委員 日本社会党第二十三控室を代表しまして、今提案になつておりまする諸法案のうち、政府提案につきましては全面的に反対いたしまして、農林省関係については改進党の修正案に賛成いたすものであります。
 その賛成の理由は、今西村委員から滔々懸河の弁をもつて述べられましたので、私は省略いたしまして、それをそつくりそのまま拝借して賛成理由にするわけです。
 原案に対する反対理由でありますが、最初通産省関係と工業技術庁関係でありますが、通産省関係はこれは中小企業庁の縮小であります。わが国の産業構造上中小企業者の占むる役割は非常に重大であり、特にこれら中小企業の振興が特に必要だと思われる現在におきまして、中小企業庁を縮小するということは、自由党の大資本家擁護、中小企業者軽視の政策の端的な現われだ、こういう見地から、私たちはむしろ中小企業庁の拡大強化を要求いたしまして、本案に反対いたします。それから工業技術庁関係でありますが、これは現在の工業技術庁の外局を通産省の附属機関にするわけであります。一院とするわけでありまして、これまたわが国の工業振興というものが非常に必要な現在におきまして、工業振興に対する自由党吉田内閣の軽視の現われであるという観点から、本案に反対いたします。
 次に経済審議庁設置法案、これは経済安定本部の廃止法案とうらはらをなしておるものでありますが、この法案は、さきに経済審議会案として政府で計画されておつたものが、世論の猛烈な反発を受けまして、政府は一応これを修正し、粉飾を施して提案したものであります。もともと経済安定本部が、終戦以来わが国の経済再建に果した役割がいかに大であるかということは、自他ともに認めておるところであります。特に片面講和を強行した後の日本の経済というものは、国際的見地からも、経済再建のために、総合的な企画立案が必要であります。こういうときに、経済安定本部を廃止して、経済審議庁を設置し、これを縮小するというやり方は、これまた逆行でありまして、むしろ私たちは拡大強化を望んでおります。そうして資金関係におきましても、資金の総合的企画をやるところの資金総合企画局というものを、経済安定本部に移しまして、大蔵省からこれを移管する、こういう対案を持つておるのであります。今回の審議庁設置法案を見ますと、従来経済安定本部のやつておりました重要な仕事としての公共事業関係の予算、外貨予算、労働関係、この三つのうち、外貨予算と労働関係についてはまつたくこれをオミツトいたしまして、単に公共事業関係の予算のみを残し、それも真の企画立案の面は除きまして、単に調整の仕事を与えておるというにすぎないのであります。外貨予算というものは、わが国の貿易の振興の立場からいつて非常に大切であり、その総合調整というものが必要になつで来ておる場合に、その仕事をオミツトしたということは、私たちの納得することができないところであります。また労働関係につきましても、今後の日本経済再建におきまして、労働者の役割は非常に重要であり、労働者の協力なくしては日本の経済再建はできない。こういうときに、労働関係の仕事を省いたということは、これはまた私たちの賛成することのできない点であります。こういう意味におきまして、私たちは本法案に絶対反対するわけであります。
 以上簡単に、農林省関係について原案に反対し、改進党の修正案に賛成し、その他の法案につきましては全面的に反対いたします理由を申し上げまして、社会党の立場を明らかにいたす次第であります。
#28
○八木委員長 以上をもつて討論は終局いたしました。
 第一に経済審議庁設置法案について採決いたします。まず竹山君提出の修正案について採決いたします。本修正案に賛成の諸君は御起立を願います。
    〔賛成者起立〕
#29
○八木委員長 起立少数。よつて竹山君提出の修正案は否決せられました。
 次に原案について採決いたします。原案に賛成の諸君は起立を願います。
    〔賛成者起立〕
#30
○八木委員長 起立多数。よつて本案は原案の通り可決すべきものと決しました。
 次に農林省設置法等の一部を改正する法律案について採決いたします。まず竹山君提出の修正案について採決をいたします。本修正案に賛成の諸君は起立を願います。
    〔賛成者起立〕
#31
○八木委員長 起立少数。よつて竹山君提出の修正案は否決せられました。
 次に原案について採決いたします。原案に賛成の諸君は起立を願います。
    〔賛成者起立〕
#32
○八木委員長 起立多数。よつて本案は原案の通り可決すべきものと決しました。
 次に通商産業省設置法案について採決いたします。まず竹山君提出の修正案について採決いたします。本修正案に賛成の諸君は起立を願います。
    〔賛成者起立〕
#33
○八木委員長 起立少数。よつて竹山君提出の修正案は否決せられました。
 次に原案について採決をいたします。原案に賛成の諸君は起立を願います。
    〔賛成者起立〕
#34
○八木委員長 起立多数。よつて本案は原案の通り可決すべきものと決しました。
 次に残余の三法案について採決いたします。各案とも原案に賛成の諸君は起立を願います。
    〔賛成者起立〕
#35
○八木委員長 起立多数。よつて各案はいずれも原案の通り可決するに決しました。
    ―――――――――――――
#36
○八木委員長 この際本日付託になりました参議院提出、国家行政組織法の一部を改正する法律案を議題といたし、審査を進めたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#37
○八木委員長 御異議がないと認めます。
 国家行政組織法の一部を改正する法律案(参法第八号)を議題といたします。
#38
○八木委員長 まず趣旨弁明を聞くのでありますが、お手元に配付の案文のごとく、きわめて簡単明瞭のものですから、この際これを省略するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#39
○八木委員長 御異議なければその通り決しました。
 本案については、別に質疑及び討論の通告もありませんが、その取扱いの点について、竹山君から発言を求められておりますから、この際これを許します。
#40
○竹山委員 この問題は、私はとりようによつてはきわめて重大な問題だと思う。委員長は簡単に参議院の提案をうのみにしようとされておりますが、われわれが今日まで審議をして来たこの関係法案が参議院に移らんとする直前において、参議院は一箇月の実質的な延長によつて問題を先に処理しておるということであつて、そうすると、一体今日のような非常な無理をしてなぜこの委員会がこの幾多の問題を残す法案を今日始末をしなければならぬかということがわれわれにはわからない。委員長はこの法案が出て来ることを予期し、また承知されておるとするならば、私はこの委員会の運営においてももつと考慮をすべきものであつたと思うのでありますが、そういう取扱いについて、委員長はどうお考えになつておられるか、一応伺つておきたい。
#41
○八木委員長 お答えいたします。御承知のように、行政機構関係諸法案が本院に提出され、本委員会に付託になりました本月七日以来、当委員会理事会におはかりいたしまして、審議計画を立てて進んで参りました。おおむね審議計画の通り進んで参つた次第でございますが、先週末をもつて参議院に送り込めるのではないかどの予定が若干延びております。参議院におきましては万一衆議院の送り込みが延びた場合の処置を考えられて、本日送付されて来たものと了承いたしております。
 それではこれより採決いたします。原案に賛成の諸君は起立を願います。
    〔賛成者起立〕
#42
○八木委員長 起立多数。よつて本法は原案の通り可決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
#43
○八木委員長 次に保安庁法案、海上公安局法案、法務府設置法等の一部を改正する法律案、運輸省設置法等の一部を改正する法律案、大蔵省設置法の一部を改正する法律案、大蔵省設置法の一部を改正する法律等の施行に伴う関係法令の整理に関する法律案、国家行政組織法の一部を改正する法律案、行政機関職員定員法の一部を改正する法律案、右八法案を一括して議題といたします。
 このうち保安庁法案、法務府設置法等の一部を改正する法律案、運輸省設置法の一部を改正する法律案、大蔵省設置法の一部を改正する法律等の施行に伴う関係法令の整理に関する法律案、国家行政組織法の一部を改正する法律案、この五案に対しましては、自由党江花君より修正案が提出されておりますから、この際その趣旨弁明を求めます。江花靜君。
#44
○江花委員 まず保安庁法案に対する修正案でありますが、旧正規陸海軍将校は長官、次長、官房長、局長及び課長に任用することができない規定になつておりますが、これは不適当と認められますので、別紙の通り修正しようとするものであります。別紙はお手元に御配付申し上げてありますから、ごらんを願います。速記録にとどめることにいたします。
 次に法務府設置法等の一部を改正する法律案に対する修正案でありますが、これは公安審査委員会設置法の修正に伴い、別紙の通り修正しようとするものであります。お手元に差上げてある通りであります。これも速記録にとどめることにいたします。
 次に運輸省設置法の一部を改正する法律案に対する修正案であります。旅行あつ旋業法案及び木船運送業法案に関連して別紙の通り修正をしようとするものであります。これが取扱いは前段申し上げた通りであります。
 次に大蔵省設置法の一部を改正する法律等の施行に伴う関係法令の整理に関する法律案に対する修正案であります。会社更生法の制定に伴い別紙の通り修正しようとするものであります。その取扱いは前に申し上げた通りであります。
 国家行政組織法の一部を改正する法律案に対する修正案、参議院の発案にかかる国家行政組織法の一部を改正する法律案によつて不要となつた規定を削除するため別紙の通り修正しようとするものでありますが、取扱いは前段同様であります。以上であります。
#45
○八木委員長 これよりただいま議題となつております八法案及び五案に対する修正案を一括して討論に付します。討論は通告順によつてこれを許します。竹山祐太郎君。
#46
○竹山委員 一々やることは省きまして、おもな点だけを申し上げますが、何といつても今の問題の中で一番重要なる問題は保安庁法案及び海上公安局法案であります。これはしばしば論議をされて来ましたから、繰返して申すことはこの際省略いたしますが、わが党はこれに対しては反対であります。ただいまの修正案にももちろん反対であります。申すまでもなくこの問題は国家の独立後の自衛力の問題について根本的に論議をされなければならぬ問題が、政府は再軍備をしないとか、いろいろ総理みずから言つておるうちに、この前出した海上公安局法案以来わずか一箇月余にしてまたここに改正をしなければならぬというふうになつておる。また今出ておる法案がここで重要な修正をしなければならぬというようなことは、国民の眼から見ますと、一体どこに行きつくところがあるのか、根本の考え方というものをはつきりしないで、機構だけの表面をいじることによつて、いつの間にか、いわゆる自衛力、再軍備に持つて行こうとしておる政府の態度が、国民の最も割切れない点であります。こういう行き方が、一体はたして独立後の日本のとるべき方法であるかどうかということについては、われわれは根本的に見解を異にしておるものである。この技術的な取扱いについて申すならば、もつと中身の検討を十分にして、運輸省との関係等についても、ただ半分切り捨ててあとへ残しておくというようなことでは、運輸省はこれに対して責任のある始末はできないということすら、本委員会において述べておるような状況であつて、この取扱いというものはきわめて不親切千万であります。しかもこの保安庁法案そのものについて根本的に議論をして行くならば、今の憲法の建前から見て、はたしてこの行き方でいいのかどうかということすら、われわれは重大なる疑問を持つておるくらいでありまして、われわれは今回の保安庁法案の原案にもちろん反対であり、今の自由党の修正案には反対をいたすものであります。
#47
○八木委員長 鈴木義男君。
#48
○鈴木(義)委員 ただいま議題となつております保安庁法案については重大な問題であることは、ただいま竹山委員が述べられた通りであります。われわれはこの保安庁というものは、明らかに憲法に違反する役所であり、この法案そのものが憲法違反の法案であると考えるのであります。構成を見ましても、今日提出せられました修正案によると、長官、次長、官房長、局長、課長、ことごとく旧正規陸海軍将校を用いてもよろしいということになつたわけであります。そうして第一幕僚長、第二幕僚長、これは陸海軍司令官に該当するものでありまして、その他、一等保安正、二等保安正、三等保安正、保安士、保安士補というようなものは、これを陸海軍の制度に当てはめますれば、それぞれ大佐、中佐、少佐、大尉、中尉、少尉、軍曹、伍長ということになるわけでありまして、これは完全な軍隊的組織を持つておるものであります。そして二年の期間をもつて任用する官吏というものは非常に例外でありまするが、これも軍人と見るほかはないのでありまして、しかも六月以内を限つて延期することができる。志願したときにはさらに任期を重ねることができるというようなものは、通常の行政組織における官吏とまつたくその性格を異にするわけであります。しかして府県知事が出動の要請をなすことができ、あるいは武器の使用を認められ、しかも武器庫、弾薬庫、火薬庫等の警護について武器を使用することが許され、かつ保安官及び警備官の内部規制のための警察官、司法警察職員としての職務を行うものを置くということは、軍隊における憲兵とまつたく相ひとしいものであります。こういう組織を見ますと、名前は軍という字は一字も使つておりませんけれども、軍隊とひとしいものを置くわけでありまして、なぜ、戦力の保持を禁じておる憲法のもとに、かくのごときものを脱法行為的にやらなければならぬかということは、そもそも憲法を無視して行政協定を結んだからに基くのでありますが、われわれは行政協定、警察予備隊以来、常にこの問題についてはもつと公明な態度をとらなければならないということを主張して来ておるわけでありまして、今重ねて申し上げる必要はないと存ずるのでありますが、もしかくのごとき官庁をつくる必要があるというならば、すべからく憲法を改正してしかるべき問題であるということを警告して、反対の討論にするものであります。
 海上公安局についても同様であります。
 法務府につきましては、さきに総論の際に申し上げましたから、重ねて申し上げないのでありますが、法務府には特審局――今度公安調査庁というものになるわけであります。こういうものがある程度必要なことは、われわれも認めるのでありますが、人権擁護を一つの小さなものにしてしまつたとは言いながら、こういうものを法務府内に置くことはあまり適当でないと思うのでありまして、明らかに警察と一体をなすものでありまして、警察と共同して仕事をすべき性質のものでありますから、総理府に置いて、そうして保安庁のごときも明らかな警察官庁としての組織を持たせ、国家警察を強化するということであれば、ある程度われわれはこれを了承してもよろしいのでありますが、そういうものと相まつて、もつと能率的に運用するようにありたいと存ずるのであります。なお内閣の最高法律顧問たる法務総裁を廃して、法制局長官を置き、法務総裁は法務大臣として、検察あるいは行刑、保護、矯正等の任務だけをつかさどるということは改悪であるということは、午前中に申し上げた通りであります。
 次に大蔵省設置法案でありまするが、これも予算については総合企画庁に移して内閣の直属にすべきものであるということは、さきに申し上げた通りであります。あるいは外国為替委員会はこれを存置すべきものであつて、廃止すべきものではない。今度の制度のように、大蔵省の附属機関として、諮問的な構成を持たせて存置することはよろしくないということは、さきに委員会において詳細質問の形において意見を述べた通りでありますから省略しておきますが、国税庁を廃止し、徴税局と統合する、そして大幅に税務署を削減するということも、いわゆる一文惜しみの百知らずというたぐいでありまして、税務行政は最も親切に、公正に、あやまちなく行つて行くということが大切でありまして、今の税務署の人員でもなお足りないくらいにわれわれは考えておるのでありまして、この点は非常な改悪であるということも、質問の際に詳細に申し上げた通りであります。
 運輸省の改正も、まつたくこれは科学的な分類ではなくして、因習的な、しかも事務的にただ統合し、区分したというわけ方でありまして、これまたとうてい賛成いたしかねるのであります。そういうわけでありますから、わが党といたしましては遺憾ながらただいま山程になつております法案に対しましては、いずれも反対であるということを表明いたすものであります。
#49
○八木委員長 木村榮君。
#50
○木村(榮)委員 第一番に申し上げたい点は保安庁の問題でございまするが、大体十一万の保安隊を持ち一万名に近い警備隊員を擁して、しかもその部隊はアメリカの装備によつてきわめて近代的に編制をされており、ちようどアメリカ国防省の日本局といつた内容を持つていますのはまつたく明白なことでございます。こういつた点を裏づけいたしますように、リツジウエイ将軍は先々月、四月十九日に、予備隊は軍隊にならねばならぬ。そのことは締結された条約に基いて義務として含まれておる、こういうふうなことを言つておるが、こういつた段階の中におきまして保安庁法が出まして、日本に保安庁ができるわけでありますが、この中にはたくさんの問題がございまして、たとえば階級の区分にいたしましても、保安隊は十四階級にわかれ、警備隊また十五の階級にわかれまして、この階級区分は現在のアメリカの軍隊の階級区分とまつたく同等であり、こういつたことを基礎といたしまして近代的な装備を持つた部隊――これは言葉の上で何と言おうとまつたく機械化兵団としての部隊である。だから大橋国務大臣も言つておりましたように、三千町歩ないし四千町歩といつた厖大な、かつての日本陸軍さえも持つていなかつたような大演習地を全国に今後続続建設するのだ、こういう状態であります。こういう状態の中にあつて、一方海上警備隊にいたしましても艦艇をアメリカから六十何隻借り受ける。この艦艇の種別を見ますと、大部分が上陸部隊援護用の舟艇であるという点も明白となつております。こういつたようなものを現在の政府は軍隊ではない。どこまでも警察的なものだと答弁いたしておりますが、この点はもの明らかに軍隊である。この前の委員会におきまして私が大橋国務大臣にいろいろ問いただしましたところが、近代戦に耐え得る部隊である、こういう結論になつたわけです。近代戦に耐える部隊が警察隊であるということは、これはまつたく言葉の上のごまかしであつて、軍隊であることは吉田政府の大臣みずからが認めた点でございます。こういつた軍隊の元締めとして今度でき上つておりますものが保安庁であり、名前は保安庁ではあるが、内容はまつたく陸軍省であり海軍省である。こういつたものを国民を惑わして名前だけ保安庁としておる。これを基礎といたしまして徴兵の実施並びにまた中共やソビエト同盟へ侵略いたしますための作戦本部、またアメリカの要請に基いて兵隊をこしらえる――保安大学のごときは、政府の説明によれば常時六百名ないし七百名の幹部養成をやるのだ、それはかつての陸軍大学である。こういつたものをこしらえながら、なおこれは軍隊でないなどというのは人ごまかしのはなはだしいものであつて、憲法に抵触するという意見もありますが、こういう点から私たちは憲法の違反どころの話じやなくて、これは完全にアメリカのための軍事基地、作戦基地、またこのための傭兵の供給源として、まつたく日本を破滅の方向に導くための作戦本部である。このようなものはもはや国民の総意によつて粉砕しなければならぬ、かような観点に立つておりまするがゆえに、まず第一番に反対をいたします。
 その次は法務府なんかの問題でございますが、さつき鈴木君も触れられましたように、これは国民の基本的権利をまつたく考えていない。その例といたしましては人権擁護局の問題もございます。これはまつたく廃止されたと同様でございます。そこで一例を申し上げますならば、一昨年の十月から昨年の十月までの一箇年間に、警察官が職権の濫用をやつた、いわゆる人権擁護局で扱つた警察官の暴行状態を見ますと、職権濫用が三百九十二件、暴行凌辱百三十八件、傷害致死八件、こういうふうになつております。しかしこれは氷山の一角であつて、先般のメーデー事件または早稲田大学事件等におきまして、警察官の暴行はその極点に達し、これはもう人民保護どころではなく、人民を殺す役にかわつて、今後この状態はますますひどくなつて行きまして、日本の警察は戦争前はその残忍非道なことにおいて全世界に類例を見ないと言われたものでございますが、おそらくこの状態を今後復活されまして、拷問あるいはまた暴行といつたことは日常茶飯事となる危険性がある。こういつたものを防止する立場からの行政改革ではなくて、逆にこれを助長するような方向へ、今度の法務府設置法の改正によりましても持つて行つておる。こういう点がまつたく明白になつて来たわけでございます。
 また大蔵省の問題にいたしましても、たとえば外国為替管理委員会なんかは一内局といたしまして、今までの権限はまつたくなくなつてしまう。そして徴税機構にいたしましても、徴税の独立性といつたものがほとんど失われて来る。そういたしますと、大蔵省そのものがまつたく金融独占資本の御用機関のような方向へかえられつつある、こういう点がきわめて明白になつて来たわけでございます。こういつた点を一々申し上げますと時間もかかるし、今まで大分申し述べていますから省略いたしますが、何にしても独立したというので盛んに政府は宣伝をいたしておりますが、これはまつたくうそである。今度の機構改革でも、アメリカの作戦のための機構改革であつたという点があらゆる面から明白になつて来ます。そういうわけでありますから、われわれは絶対に反対をいたしますが、特に申し上げておきたい点は、最初にも触れました保安庁の問題で、この改正によつても明白になつた通り、旧軍人がどんどんとこの機構の中に入つて行くことができる――もうすでに入つておるわけですが、これがいよいよ入つて行く。そうして行政協定に伴う駐屯軍と共同作戦をやるという点はきわめて明白である。その結果は富士山までもとられてしまう。こういう妙な日本にしてしまう。もうまつたくアメリカの完全な支配のもとに日本の行政機構をかえたという点で、特徴的に現われましたのが保安庁でございます。このことは日本国民によつて反対をされ反撃をされて、この保安庁などはやつて行けない。保安隊などを募集いたしますが、当分はそれでも食えるから小々は応募者はあるかと存じますが、おそらくよほどのばかか気違いか不良青年どもが集まつて来て、暴行脅迫をやるくらいの部隊ができますことは、あの蒋介石軍隊を見てもわかる通りである。保安隊などというものは、これは戦争と犯罪の巣窟だ、私たちはかように断定いたしますがゆえに絶対に反対をいたします。
#51
○八木委員長 次に成田君。
#52
○成田委員 日本社会党第二十三控室を代表して簡単に今問題になつております各法案に対して全面的に反対の意見を表します。
 午前の討論におきまして私が申し上げましたように、本日問題になつている各法案というのは、中央集権化の法案であり、さらにその裏に流れているものは、戦力の組織化というねらいがあるということを指摘して参りました。その端的に現われている集中的な表現が、保安庁法案と海上公安局法案である、こう申して反対して参つたのでありますが、この保安庁法案と海上公安局法案は、最初政府が治安省として一本で考えておつたのですが、政府部内の意見の統一もできないで、遂にこの一案とないて現われたわけであります。もともと警察予備隊であるとか海上保安隊が憲法声反であるということは天下周知の事実でありまして、私たち社会党は最高裁判所に違憲の訴訟を提起しているわけであります。こういう憲法違反の警察予備隊、海上保安隊のための行政機構設置法案に対しては、私たちは憲法擁護という建前からも反対せ、さるを得ないのでありまして、特にこの警察予備隊、海上保安隊が軍隊であり、戦力の組織化であり、参謀本部並びに国防省の母体であるという点を強く指摘するわけであります。私たちは、治安維持について自由党並びに政府とは根本的にその考え方、方策を異にしております。再軍備関係に使う金がありましたならば、むしろ民生安定、社会保障の方面に金を使う、そうすることこそがほんとうの治安維持の方策であるという見解を堅持しておりますので、本法案に対して全面的に反対いたします。
 なお大蔵省関係につきましても、国税庁は曲りなりにも一応外局として多少の独立性を与えておつた。ところが、これが大蔵省の一局に格下げになりますと、政党の支配というものが税徴収に及ぼされまして、不公平な税徴収ということを惹起するおそれがありますので、これも反対し、また印刷庁の格下げの問題も、国民と国会の間の広報活動を活発化ならしめるという見地から行きましても、むしろ印刷庁の強化こそ必要であると考えておりますので、大蔵省関係の法案に対しても一括反対するわけであります。
#53
○八木委員長 これにて討論は終局いたしました。
 第一に、保安庁法案について採決いたします。
 まず、江花君提出の修正案について採決いたします。本修正案に賛成の諸君は起立を願います。
    〔賛成者起立〕
#54
○八木委員長 起立多数。よつて本修正案は可決いたしました。
 次に、ただいま議決いたしました修正部分を除いた原案について採決いたします。これに賛成の諸君は起立を願います。
    〔賛成者起立〕
#55
○八木委員長 起立多数。よつて本案は修正議決いたしました。
    ―――――――――――――
#56
○八木委員長 次に、法務府設置法等の一部を改正する法律案について採決いたします。
 まず、江花君提出の修正案について採決をいたします。本修正案に賛成の諸君は起立を願います。
    〔賛成者起立〕
#57
○八木委員長 起立多数。よつて本修正案は可決いたしました。
 次に、ただいま議決いたしました修正部分を除いた原案について採決いたします。これに賛成の諸君は御起立を願います。
    〔賛成者起立〕
#58
○八木委員長 起立多数。よつて本案は修正議決いたしました。
    ―――――――――――――
#59
○八木委員長 次に、運輸省設置法の一部を改正する法律案について採決いたします。
 まず、江花君提出の修正案について採決いたします。本修正案に賛成の諸君は起立を願います。
    〔賛成者起立〕
#60
○八木委員長 起立多数。よつて本修正案は可決いたしました。
 次に、ただいま議決いたしました修正部分を除いた原案について採決いたします。これに賛成の諸君は御起立を願います。
    〔賛成者起立〕
#61
○八木委員長 起立多数。よつて本案は修正議決いたしました。
    ―――――――――――――
#62
○八木委員長 次に、大蔵省設置法の一部を改正する法律等の施行に伴う関係法令の整理に関する法律案を採決いたします。
 まず、江花君提出の修正案について採決いたします。本修正案に賛成の諸君は起立を願います。
    〔賛成者起立〕
#63
○八木委員長 起立多数。よつて本修正案は可決いたしました。
 次に、ただいま議決いたしました修正部分を除いた原案について採決いたします。これに賛成の諸君は起立を願います。
    〔賛成者起立〕
#64
○八木委員長 起立多数。よつて本案は修正議決いたしました。
    ―――――――――――――
#65
○八木委員長 次に、国家行政組織法の一部を改正する法律案について採決いたします。
 まず、江花君提出の修正案について採決いたします。本修正案に賛成の諸君は起立を願います。
    〔賛成者起立〕
#66
○八木委員長 起立多数。よつて本修正案は可決いたしました。
 次に、ただいま議決いたしました修正部分を除いた原案について採決いたします。これに賛成の諸君は起立を願います。
    〔賛成者起立〕
#67
○八木委員長 起立多数。よつて本案は修正議決いたしました。
    ―――――――――――――
#68
○八木委員長 次に残余の三案について原案通り可決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#69
○八木委員長 起立多数。よつて三案は原案通り議決いたしました。
 なお、本日議決いたしました諸法案につきましての委員長報告の作成に関しましては、委員長に御一任願いたいと存じますが御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#70
○八木委員長 御異議なしと認めて、さようとりはからいます。
    ―――――――――――――
#71
○八木委員長 この際、青木君より、行政機構改革調査に関する件について発言を求められていますから、これを許します。青木正君。
#72
○青木(正)委員 私はこの機会に、ただいまお手元に配付してありまする行政機構改革調査に関する申合せにつきまして、御賛同を願いたいと思うのであります。案文を朗読いたしますと、
  国民にとつて、もつとも便利かつ能率的な行政機構の樹立を期するためには不断の調査研究により改革を実現して行かなければならない。よつて相当額の予算をもつて、衆議院に特別委員会を設け、行政機構改革に関する調査立案を行うことが適当である。
  右申合せする。
 この申合せをいたそうという趣旨につきまして、簡単に理由を御説明申し上げます。
 行政機構の改革の必要性につきましては何人も異存のないところでありまして、また同時に、この問題は、世運の進展に即応しまして絶えず改革して行かなければならない問題と存ずるのであります。ところが、行政機構改革問題は、一たび実行の段階に入りますると、その影響するところが非常に痛切でありまして、なかなか思い切つた改革の断行ができないことは、従来の経験に徴して明らかなところであります。思うに、そのよつて来るところを考えてみますると、いろいろ理由がありますか、調査方式そのものにも考慮を要する点があるのではないかと思われるのであります。すなわち、元来国民生活に関係するところ最も深い行政機構の適否というようなものは、絶えず国民の声を聞き、その利害を敏感に反映すべき地位にある国会が、みずから立つてこの問題の処理に当ることが最も当を得たことと考えられるのであります。ところが、従来の例を見ますると、この改革問題はもつぱら政府の調査立案にかかり、国会側は受動的態度にあるということが従来の例であつたのであります。さらにまた、ややもすれば行政機構の改革問題が行き悩む原因について考えてみますると、いわゆる官僚のなわ張り的性格に基因するものがあることは否定しがたいところであります。同時にまた、改革案作成の根拠といたしまして、何人も首肯できるような、客観的な、そうしてまた科学的な調査の上に立つたものがなかつたということも、一つの理由と思うのであります。こうした事情にかんがみまして、国会はみずからの権威において、政府がなし来つた調査よりもはるかに大規模に、かつ実証的に現状の分析を試み、その基礎に立つて確固たる結論を導き出すべきものであると存ずるのであります。
 こうした見地から不断に行わるべき行政機構の改革並びにその運営の改善について根本的な調査立案に従事するため、衆議院に特別の機関を設置しようというのがこの申合せの趣旨であります。本申合せの趣旨につきましては、理事会におきましても大体の御了承を願つておりますので、どうぞ本委員会において各位の御賛同あらんことをお願いする次第であります。
 簡単でありますが、申合せの趣旨を申し述べた次第であります。
#73
○八木委員長 ただいまの動議については討論の申出がありますから、これを許します。竹山祐太郎君。
#74
○竹山委員 簡単に申し上げます。事柄自身には何ら反対すべきことはありませんが、私は先ほども討論の際述べたように、今回のこの委員会の審議を通じて見ても、今までのようなやり方ではかりに予算をとつて調査研究をしたとて、国会の自主性をもつてこれを直すという熱意は率直に申して与党の諸君から受けられない。従つて与党の諸君から出される趣旨に、私はしいて反対をすべき事柄としての理由はありませんけれども、率直に申して、これはまずひとつ与党の諸君でやつてみていただくことが、今の段階においては適当なように考えられますので、私はこの申合せには消極的に反対をいたすわけであります。
#75
○八木委員長 西村榮一君。
#76
○西村(榮)委員 簡単に反対の理由を開陳いたします。私は本行政機構改革等に関する申合せにつきましては、本来ならば賛成いたしたいのでありますが、本調査会を設置するならば、なぜ本行政機構の改革をする前にこれを設けられ、あらゆる各層の権威者並びに国会が参加いたしまして、ここに全知能を集結して独立後における万全な日本の行政機構のあり方を調査立案せられなかつたか。本行政機構を改革するの案を通過した瞬間において、一体何を目的として行政機構改革の調査に乗り出されんとするのか。鳥もからすも飛んでしまつてから鉄砲を持ち出すというようなこと――当然これには予算が伴うでありましようが、明らかにこれは国費の濫費といわねばなりません。同時にこういうふうな行政機構の改革案を立案して議会に出される前に、各層の知識層、権威者を集めて、完璧なものを出すべきであるにもかかわらず、それが済んでからこれを出さねばならぬというのはどこに理由があるか、私はその理由の発見に苦しむのであります。ただいま御提案の中にありましたけれども私は了解することはできません。結局これは失礼な言い分であるが、この行政機構の改革からよつて生じた自由党内部におけるいろいろな対立と紛争を、この行政機構改革を調査するという申合せにおいて鎮静するという一つの鎮静剤の役割以外にはないのではないか。そうするとこの行政機構を簡素化するために提案された本日議決された問題と相反するのであつて、私はこういうものは今の段階では必要としない、かような見地に立ちましてこの申合せには積極的に反対するものであります。
#77
○青木(正)委員 ただいまは改進党並びに社会党の委員の方々から、改進党は消極的に、社会党は積極的に今回の行政機構の政革問題に直接的に関連をさせて反対のお話があつたのでありますが、私どもの考えは必ずしもさように考えていないのであります。つまり行政機構は不断に調査研究をして行かなければならない。今回行政機構の改革が行われたからこれでいいというものではない。国会側といたしましては常に行政機構の改革について確固たる調査を行つて置く必要がある。従来のごとく単に改革案を行政機関自身の立案にまかせるということでなく、むしろ国会側がこの問題を取上げまして不断に調査研究をして行く必要があると考えるのであります。行政機構は申し上げるまでもなく固定すべきものではないのでありまして、さような意味から私どもは今後も引続いて国会側としてこうした調査機関を設ける必要がある。本来から申しますれば、もつと前に国会はこうした機関を持つておるべきであつたと私どもは考えるのであります。さような意味におきまして、この申合せの趣旨に御賛同あらんことをお願いする次第であります。
#78
○八木委員長 これにて討論は終了いたしました。ただいまの青木君の御意見に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#79
○八木委員長 起立多数。よつてその通り決しました。ただいまの申合せの趣旨を議長に対して申し入れることにつきましては委員長に御一任願いたいと思います。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#80
○八木委員長 御異議がなければさよういたします。
 本日はこれにて散会いたします。
    午後五時十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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