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2021/12/20 第207回国会 参議院 第207回国会 参議院 経済産業委員会 第1号 令和3年12月20日
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2021/12/20 第207回国会 参議院

第207回国会 参議院 経済産業委員会 第1号 令和3年12月20日

#1
令和三年十二月二十日(月曜日)
   午後零時三十分開会
    ─────────────
   委員氏名
    委員長         石橋 通宏君
    理 事         青山 繁晴君
    理 事         宮本 周司君
    理 事         礒崎 哲史君
    理 事         川合 孝典君
    理 事         岩渕  友君
                阿達 雅志君
                石井 正弘君
                北村 経夫君
                佐藤  啓君
                高橋はるみ君
                松村 祥史君
                吉川ゆうみ君
                森 ゆうこ君
                森本 真治君
                河野 義博君
                里見 隆治君
                高瀬 弘美君
                石井  章君
                ながえ孝子君
                安達  澄君
    ─────────────
   委員の異動
 十二月六日
    辞任         補欠選任
     佐藤  啓君     金子原二郎君
     高橋はるみ君     岡田 直樹君
     高瀬 弘美君     三浦 信祐君
     礒崎 哲史君     矢田わか子君
     川合 孝典君     山崎真之輔君
 十二月二十日
    辞任         補欠選任
     岡田 直樹君     清水 真人君
     金子原二郎君     自見はなこ君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         石橋 通宏君
    理 事
                青山 繁晴君
                宮本 周司君
                矢田わか子君
                山崎真之輔君
                岩渕  友君
    委 員
                阿達 雅志君
                石井 正弘君
                北村 経夫君
                清水 真人君
                自見はなこ君
                松村 祥史君
                吉川ゆうみ君
                森 ゆうこ君
                森本 真治君
                河野 義博君
                里見 隆治君
                三浦 信祐君
                石井  章君
                ながえ孝子君
                安達  澄君
   国務大臣
       経済産業大臣   萩生田光一君
   副大臣
       経済産業副大臣  細田 健一君
       経済産業副大臣  石井 正弘君
   大臣政務官
       経済産業大臣政
       務官       吉川ゆうみ君
       経済産業大臣政
       務官       岩田 和親君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        山口 秀樹君
   政府参考人
       経済産業省大臣
       官房首席経済安
       全保障政策統括
       調整官
       兼経済産業省貿
       易経済協力局長  飯田 陽一君
       経済産業省大臣
       官房審議官    龍崎 孝嗣君
       経済産業省大臣
       官房審議官    門松  貴君
       経済産業省商務
       情報政策局長   野原  諭君
       資源エネルギー
       庁電力・ガス事
       業部長      松山 泰浩君
       中小企業庁事業
       環境部長     飯田 健太君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○国政調査に関する件
○政府参考人の出席要求に関する件
○特定高度情報通信技術活用システムの開発供給
 及び導入の促進に関する法律及び国立研究開発
 法人新エネルギー・産業技術総合開発機構法の
 一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付
 )
    ─────────────

#2
○委員長(石橋通宏君) ただいまから経済産業委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、青木一彦君、加田裕之君、江島潔君、新妻秀規君、高瀬弘美さん、礒崎哲史君、川合孝典君、佐藤啓君及び高橋はるみさんが委員を辞任され、その補欠として石井正弘君、吉川ゆうみさん、北村経夫君、河野義博君、三浦信祐君、矢田わか子さん、山崎真之輔君、金子原二郎君及び岡田直樹君が選任されました。
 また、本日、岡田直樹君が委員を辞任され、その補欠として清水真人君が選任されました。
    ─────────────

#3
○委員長(石橋通宏君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が二名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#4
○委員長(石橋通宏君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に矢田わか子さん及び山崎真之輔君を指名いたします。
    ─────────────

#5
○委員長(石橋通宏君) 国政調査に関する件についてお諮りいたします。
 本委員会は、今期国会におきましても、経済、産業、貿易及び公正取引等に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#6
○委員長(石橋通宏君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────

#7
○委員長(石橋通宏君) この際、萩生田経済産業大臣、細田経済産業副大臣、石井経済産業副大臣、岩田経済産業大臣政務官及び吉川経済産業大臣政務官から発言を求められておりますので、順次これを許します。萩生田経済産業大臣。

#8
○国務大臣(萩生田光一君) この度、経済産業大臣を拝命いたしました萩生田光一でございます。
 副大臣、政務官とともに全身全霊を懸けて職務に全うしてまいりたいというふうに思います。
 石橋委員長を始め理事、委員の皆さんの御指導、どうぞよろしくお願いいたします。

#9
○委員長(石橋通宏君) 細田経済産業副大臣。

#10
○副大臣(細田健一君) 副大臣を拝命いたしました細田健一でございます。
 萩生田大臣を補佐し、石井副大臣、岩田、吉川両政務官とともに力を合わせて経済産業行政の遂行に全力を尽くしてまいります。
 石橋委員長を始め委員各位の先生方の御指導、御鞭撻を是非よろしくお願いいたします。

#11
○委員長(石橋通宏君) 石井経済産業副大臣。

#12
○副大臣(石井正弘君) この度、経済産業副大臣を拝命いたしました石井正弘でございます。
 萩生田大臣をお支えし、経済産業行政の推進のため、また、原子力災害現地対策本部長といたしまして、廃炉の完遂及び福島の復興のため全力を傾注してまいる所存でございます。
 石橋委員長、そして理事、委員の皆様方の格別の御指導と御鞭撻をよろしくお願いいたします。

#13
○委員長(石橋通宏君) 岩田経済産業大臣政務官。

#14
○大臣政務官(岩田和親君) この度、経済産業大臣政務官を拝命いたしました岩田和親でございます。
 萩生田大臣の下で経済産業に係る様々な大事な課題に全力で当たる決意でございます。
 石橋委員長、また各理事、また委員の皆様の心からの御指導をお願いを申し上げます。

#15
○委員長(石橋通宏君) 吉川経済産業大臣政務官。

#16
○大臣政務官(吉川ゆうみ君) この度、経済産業大臣政務官を拝命いたしました吉川ゆうみでございます。
 萩生田大臣をお支えし、石橋委員長、理事の皆様、委員の皆様の御指導の下、両副大臣、そして岩田政務官とともにしっかりと取り組んでまいる所存でございます。
 どうか御指導、よろしくお願い申し上げます。
    ─────────────

#17
○委員長(石橋通宏君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。
 特定高度情報通信技術活用システムの開発供給及び導入の促進に関する法律及び国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、経済産業省大臣官房首席経済安全保障政策統括調整官兼経済産業省貿易経済協力局長飯田陽一君外五名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#18
○委員長(石橋通宏君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────

#19
○委員長(石橋通宏君) 特定高度情報通信技術活用システムの開発供給及び導入の促進に関する法律及び国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。萩生田経済産業大臣。

#20
○国務大臣(萩生田光一君) この度は、会期の短い今臨時国会において本法案の審議入りをお認めいただき、誠にありがとうございます。
 ただいま議題となりました特定高度情報通信技術活用システムの開発供給及び導入の促進に関する法律及び国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 デジタル化が急速に進展する中、先端半導体は、パソコンやスマートフォンといった情報端末のみならず、自動車や医療機器等のあらゆる分野に使われており、その安定供給体制の構築は非常に重要です。他方、足下では、新型コロナウイルスの感染拡大の影響によるデジタル需要の増大により、半導体不足が顕在化をしています。また、昨今では、地政学的な事情により、半導体に関するグローバルサプライチェーンが影響を受けるリスクが高まっております。このため、我が国において先端半導体の安定供給体制を構築することは、我が国における産業基盤の強靱化に資することに加え、我が国が半導体産業における戦略的自律性・不可欠性を確保する観点からも重要です。
 こうした中、半導体の製造拠点の整備には巨額の投資が必要となるため、諸外国においては、半導体製造基盤の確保に向けて、これまでとは異なる強力な政策支援が展開されています。このため、我が国においても他国に匹敵する取組を早急に進め、我が国における先端半導体の製造基盤の確保に向けた企業の投資判断を後押しすることが必要です。こうしたことを踏まえ、本法律案を提出した次第であります。
 次に、本法律案の要旨を御説明申し上げます。
 まず、特定高度情報通信技術活用システムの開発供給及び導入の促進に関する法律の一部改正です。
 第一に、特定半導体等の生産施設の整備及び当該生産施設における生産を実施しようとする事業者から、計画の申請があった場合において、特定半導体の国内における安定的な生産に資する取組が行われると見込まれる等の要件を満たすものについて、主務大臣が認定する制度を創設をいたします。
 第二に、認定された計画に従って実施される特定半導体等の生産施設の整備及び当該生産施設における生産に対して、助成金の交付等の支援措置を講じます。また、助成金の交付の業務等は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構が行います。
 次に、当該助成金の交付のために、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構法を改正し、こうした業務を追加するとともに、特定半導体基金を設置します。
 以上が本法律案の提案理由及びその要旨であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようによろしくお願い申し上げます。

#21
○委員長(石橋通宏君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。

#22
○宮本周司君 自由民主党、宮本周司でございます。
 今回、5Gの促進法及びNEDO法の一部を改正する法律案に関しまして、自民党を代表して質問に入らせていただければと思っております。
 今回のこの法案は、我が国の半導体産業のまさに基盤を再構築をしていく、技術の向上も図る、生産能力の強化も図る、そしてこれからの戦略を練り直していくために必要不可欠なものであると、このように理解をしております。
 我が国において、半導体というものは幅広い分野でこれまで利用されてきました。産業全体の基盤となる産業の米、この産業の米として、特に一九七〇年代後半から日本の中では産業の主要な位置付けをキープをしてきた。当然、その当時以降、電子機器等の基幹部品として重要な役割も担ってきました。そして、この半導体産業そのものは、一九九五年、二〇〇一年に二回のちょっと変曲点はあったんですが、材料、部品、また製造機器などの関連産業も含めて成長のフェーズに入りまして、コンピューター、また情報家電などのエレクトロニクス製品の付加価値を決定付ける重要な部品であることはもちろんのこと、自動車であったり産業機械、また医療機器など、本当に幅広い製品に使用されるようになりまして、生活、産業、社会、これに密接に関連する基幹産業になってきたと思っております。
 さらに、これからは、5G、またAIやIoT、これが当たり前に活用され、そして我々の社会生活の中でも深く位置付けられ、また関係することになるこれからの時代において、産業の米からまさに産業の脳と位置付けられ、これまで以上に重要視をされ、また産業全体の更なる伸び、これも予測されるところでございます。
 しかし、残念なことに、我が国は現在、この脳に当たる部分ですね、この脳に当たる部分を自国で生産できないという問題に直面をしております。この脳の機能を担うロジック半導体、特に高性能なロジック半導体に関しましては約七割強が台湾、韓国で製造されております。日本だけでなく、アメリカであったりEU諸国などにおいても、輸入依存から脱却をして自国生産を行う、このことに今躍起になって、それぞれが政策であったり戦略を立て、実施をしているところでございます。こういった高性能なロジック半導体を製造できる企業は世界にも僅かしかないため、各国で誘致合戦が行われている、これが今の現状だと理解をしております。
 そこで、まず初めに伺います。
 この半導体の自国生産、この自国生産に向けて、まず諸外国がどのような政策を展開しているのか、その規模も含めて、まずは教えていただければと思います。

#23
○大臣政務官(吉川ゆうみ君) 宮本委員にお答え申し上げます。
 半導体に関するグローバルサプライチェーンのリスクが高まる中、米国やEUなど、その製造基盤の国内整備を進めるべく、従来とは次元の異なる兆円規模での強力な政策支援を展開しているところです。
 具体的には、米国では、本年六月、五・七兆円の半導体関連投資を含む法案が上院を通過し、現在下院で審議をしているところです。また、EUにおきましては、同時期に半導体を含むデジタル関連投資への約十七・五兆円の投資を発表するとともに、九月には新たな半導体法案の制定を表明したと承知をいたしております。

#24
○宮本周司君 では、今ほどのこの諸外国の状況を踏まえた上で萩生田大臣にお伺いをいたします。
 これまでも大臣は、衆議院の方でも審議がございまして、その中での答弁におきましても、他国に匹敵する措置を講じる、このように繰り返しおっしゃっていらっしゃいます。今回の補正予算、そしてこの法案での措置、これは他国に匹敵する内容になっているのでしょうか。

#25
○国務大臣(萩生田光一君) 主要国が巨額の予算を投じて半導体産業への支援を講じている中、我が国として、半導体製造基盤の強化のための支援や国際連携による先端技術の研究開発など、他国に後れを取ることがないよう、大胆かつ総合的な取組を進めていくことが重要だと思っております。
 具体的には、十一月に開催した第四回半導体・デジタル産業戦略検討会議においてお示しした我が国の半導体産業復活を目指すための基本戦略に基づき、今後、まずはステップ1として、半導体の国内製造基盤の整備に取り組む、ステップ2として、二〇二五年以降に実用化が見込まれる次世代半導体の製造技術開発を国際連携にて進めるとともに、ステップ3として、二〇三〇年以降をにらみ、ゲームチェンジとなり得る光電融合などの将来技術の開発などにも着手していく。
 今回の補正予算案にはこれらの政策パッケージとして七千七百四十億円を盛り込み、官民合わせて一兆四千億を超える投資を行ってまいりますが、これは我が国半導体産業の復活の第一歩でありまして、引き続き他国に匹敵する措置を講じてまいりたいと思います。

#26
○宮本周司君 今ほども大臣の方からも御発言いただきましたように、是非、他国に引けを取ることがないように、この我が国の半導体産業、この技術力、また競争力の強化に力を尽くしていただけますようよろしくお願いを申し上げます。
 この日本の半導体をめぐるグローバルな構造変化というものが急加速度的に展開されていると思っております。二十世紀には日米欧、ここで寡占していた状況が二十一世紀に入って一変したと思っています。台湾であったり韓国が台頭してきた、また、米中の技術覇権の対立が顕著となって、半導体はまさに国際戦略物資へと成長してきたんじゃないかなと思っております。当然、そういった国際戦略物資となれば、各国における半導体の確保、これはまた経済安全保障とも直結するような存在にもなっていると思っております。
 また一方で、約一年十か月、十一か月前から我が国にも影響が及んできております新型コロナウイルス感染症、これによる脅威というものが全世界に広がりました。生活であったり仕事であったり、本当に深刻な影響を及ぼし、まさに様々なそういった苦難であったり困難、これを乗り越えるためにありとあらゆる社会がデジタル化をし、そして、半導体はそのデジタル化の帰趨をしっかりと握っていく基幹製品となってまいった、そのようにも思っております。
 他方、二〇五〇年カーボンニュートラルを世界が目指すという中におきましては、我が国における半導体産業にも、例えば省エネルギー化であったりグリーン化への取組というものも必須になると思っております。エネルギー技術の向上、開発、また戦略の立て直し、また環境制約の克服、こういったものも喫緊の課題となっております。当然、こういった半導体が省エネルギー化、グリーン化の進展を支える、そういった例えばセキュリティーであったり脱炭素化、それぞれにおいてのキーパーツにもなる、そのことに関しましてはやはり相互に関係がある、そして、同時にそれらが成長し、発展することも実現をしていかなければいけないんじゃないか、このようにも考えるところでございます。
 そういった環境がこの世界市場の中にある中で、先ほど大臣からも御答弁をいただきましたように、他国に匹敵する措置を講じるために今回のこの法案が必要ということでございます。
 改めて、今回のこの法案の趣旨、狙いについて伺いたいと思います。また、今国会、かなり会期も短い中でこの本法案の審議を行うことにもなりましたが、この法律が急がれる理由についても併せてお聞かせをいただければと思います。

#27
○副大臣(石井正弘君) 宮本議員にお答えをいたします。
 新型コロナウイルスの感染拡大を受けまして、半導体需要は拡大をし、半導体に関するグローバルサプライチェーンのリスクが高まる中、主要国は巨額の予算を投じまして先端半導体製造拠点の誘致合戦を繰り広げておりまして、先端半導体の安定供給体制の構築は我が国にとりまして喫緊の課題となっております。とりわけ、先端半導体製造の技術、能力を有する企業、これは世界でもごく僅かであるといった中で、我が国といたしましても、他国に後れを取ることなく、早急に先端半導体の製造拠点の国内整備を促進するための支援の枠組みを整備する必要があるため、本臨時国会に法案を提出をさせていただきました。
 本法案では、具体的には、先端半導体の製造拠点の整備等に関する事業計画認定制度を創設をすること、また、認定された事業計画に基づいて行われます製造拠点整備に対しまして助成金を交付するための基金をNEDOに設置をするなどの措置を講ずることとしておりまして、我が国にとりましてミッシングピースとなっております先端半導体に関わる製造能力を獲得をすることで安定的に半導体を供給する体制を構築していこう、このような内容でございます。

#28
○宮本周司君 この法案の重要性、役割、そのことも理解しながら、また、米中の技術覇権対立、これを背景といたしまして、台湾であったり、また韓国にも多いこのファウンドリーの地政学リスクも高まってきております。今後の展開いかんによっては、我が国が今強みとして有しております例えば製造装置であったり素材産業の開発拠点が海外に移転をするんではないか、そのことによって空洞化も起こるんではないか、これも可能性とすれば懸念することでもございます。
 世界的な半導体競争が起きている中で、この先端半導体の支援の枠組みを他国に遅れることなく具現化をしていく、そしてしっかりと実現をしていく。企業の誘致においても政策の実行においても、やはりこの日本にとってより有利な状況をつくっていく必要がある、このことも強く認識したところでございます。
 先ほどの御答弁でもあったとおり、この法案に関しましては、この先端半導体の国内における安定供給の構築、これが目的ということでございます。事業者から、事業計画を認定をする基準として、この安定供給を確保するために幾つかの特殊な基準が盛り込まれております。
 その一つに、一定期間以上継続的な生産が見込まれるものを認定する、このようにあります。この一定期間以上というのは、具体的にどの程度の期間を想定しているのでしょうか。また、各企業、この展開によりましては、やはり経営環境が悪化するなどでいわゆる継続的な生産が困難になる、こういったことも想像できるかと思います。そういった場合にはどのように対処をしていくことを想定しているのか、これらに関してお答えをいただければと思います。

#29
○政府参考人(門松貴君) お答えいたします。
 新設する半導体の事業計画認定制度では、先端半導体の生産が省令で定める期間以上継続的に行われることを要件としております。
 具体的な期間につきましては今後検討させていただくわけでございますが、その際、国内における先端半導体の安定的な生産に資する製造基盤が根付くために十分か、また、製品サイクルや設備の耐用年数も踏まえた設備更新のタイミングなど、事業実態に合わせて合理的かという点でチェックをさせていただいて設定をさせていただくということになろうかと思います。
 また、継続的な生産をできなかった場合を含め、事業者が認定計画を遵守しなかった場合には、その要因が事業者の責任によるものであるかどうかといった要素も踏まえながら、認定の取消しや助成金の返還について総合的に判断をしてまいることになろうかと思います。

#30
○宮本周司君 ありがとうございます。
 この産業全体が急加速度的に成長してきた過去も見ながら、また、今後も革新的なイノベーションが起こる、このことの可能性も、当然、各企業が努力をする中で起こり得ると思います。今後、具体的な制度設計を検討していく上におきましては、そういった未来予想図ですね、これらもしっかりと加味をしていただければなと思っております。
 もう一つこの特徴的な認定基準がございまして、事業、あっ、需給ですね、需給の逼迫時の増産です。昨年も今年も、我が国におきまして半導体工場での火災が発生をしております。その影響で半導体不足に拍車が掛かって、結果的に自動車産業を始めとする多くの製造業に混乱が生じました。我が国、この十年、二十年、特に自然災害の影響も受ける、そういった立地でもございますので、こういった様々な外部要因による影響というものは想定できると思っております。
 そういった中で、この先端半導体も、供給不足が起きた場合のインパクト、これは非常に大きいものがあると思われます。このような状況が生じた場合に、事業者に対して増産要請を行うことになるのか、また、その増産された半導体は国内企業に供給されることになるのか、この点に関して伺わせていただきます。

#31
○政府参考人(門松貴君) お答えいたします。
 事業計画を申請する事業者には、法律に基づき、需給逼迫時の増産について計画に記載していただきます。政府は、その内容の適切性を審査した上で事業計画を認定いたします。この認定された事業計画に基づき、支援対象の半導体の需給が逼迫し、日本経済や国民生活に大きな影響を及ぼすおそれがある場合には、事業者に対しまして、必要に応じてその半導体の増産協力に応じることを求めてまいります。
 増産する半導体の供給先については、半導体の需給逼迫による影響が著しく甚大である等の深刻な事態に陥った場合には、一時的に国内への優先供給を求めることも含めて、日本政府としてあらゆる選択肢を検討した上で適切に対応を行ってまいります。

#32
○宮本周司君 もし検討、想定されていればで結構なんですけれども、今の答弁の中で、じゃ、例えばどういった局面とか段階になったときに、例えばどういった組織体で検討したり判断をする、これはこれから検討していくのか、今想定されているのか、もし、分かる範囲でお答えをいただければと思います。

#33
○政府参考人(門松貴君) 現在、関係省庁も含めて、どういう形でやっていくか検討をしておりまして、今後しっかり詰めてやってまいりたいと思います。

#34
○宮本周司君 多方面、他省庁にも関係すると思いますので、そういったところもしっかりと見極めて今後の検討をお願いしたいと思っております。
 時間も迫ってきましたので、最後に大臣の方にももう一問お聞きをしたいと思っております。
 日本のこの半導体産業は、先ほども少し触れましたけれども、八〇年代、七〇年代後半から八〇年代にはかなりの世界的なシェアを誇る一大産業でもございました。しかし、近年、アメリカ、台湾、韓国、こういった海外勢がこの分野を席巻をして、我が国の存在感がどんどん失われてきた。
 大臣は、衆議院での答弁でも含めまして、この原因として、政府の政策が適切、十分ではなかった、しかし、しっかりと過去の反省に立ってこれからの戦略を練り直していく、このことにも力強く言及をされてきたと思っております。
 日本におきましては、この材料、部品、また製造装置、こういった分野において集積がありますし、確かに半導体産業の日本シェアがかつての五〇%から一〇%に落ちてはおりますが、メモリー、センサー、パワー、また製造装置など、この分野においては世界市場で戦えるプレーヤーが存在をしています。また、その優位に立てる可能性を秘めたシェアも握っていると思っております。
 目的、手段、これを間違えることなく戦略を練り直して、我が国におけるこの半導体産業全体の立て直しを図っていけば、また再び世界の中心で活動できる、活躍できる、そうあるべきだと私は信じております。
 この半導体の製造、いろんな複雑なものもあります。他国との交渉もあります。ただ、全体的にいろいろな、この多種多様な要素がある中で、それを有機的にまとめるグランドデザインをしっかりと構築してこそ今回の法案も、また日本の戦略も生きたものになると思っております。
 今後の半導体産業のグランドデザインをどのように描こうとしているのか、また、今後の戦略についてお伺いをいたします。

#35
○国務大臣(萩生田光一君) 委員御指摘のとおり、一九八〇年代には、一時、世界のシェアの半分以上を占めていた日本の半導体産業でありますけれども、その後、民の判断もあったと思います、また官の関わりの在り方というものも問題があったと思いますが、世界の半導体産業の潮流を見極められなかったことが原因の一つだと思っておりまして、この反省を踏まえた上で、我が国の半導体産業の復活に向けてしっかりとグランドデザインを描き、ブラッシュアップをしていくことが必要だと思います。
 御指摘がありましたように、日本にはまだ世界的に競争力の高いセンサーなどの半導体メーカーや半導体製造装置、あるいはシリコンウエハーなどの材料のメーカーが残っております。これまでの遅れを取り戻し、再び世界に伍していくことができるポテンシャルは十分にあると考えておりまして、現在、我が国では四十ナノメートルまでのロジック半導体しか作れませんが、この法案で設ける新たな支援の枠組みを使い、まずはこのミッシングピースとなっている先端半導体に係る製造能力を獲得してまいります。これにより、国内製造業の需要に応じて安定的に半導体を供給する体制を築いてまいりたいと思います。
 ただし、これはあくまで全体の戦略を実現するための手段であって、半導体産業の復活への第一歩です。次のステップとして、先ほど申し上げた国際連携による先端技術の共同開発、あるいはゲームチェンジとなり得る将来技術の開発に取り組みながら、そこに日本の強みを融合し、我が国半導体産業の戦略的自律性、不可欠性を確保してまいりたいと思います。
 また、こうした戦略を進める上で何よりも重要となるのが人材です。先端技術を取り扱う高度な技術者の育成、確保に向けて、文部科学省とも連携し、産業政策と教育政策を一体的に進めてまいりたいと思います。

#36
○宮本周司君 半導体をめぐる状況、また世界市場というのは、これからも大きく動いていくものと思っております。必要なときには国はちゅうちょなく積極的に前に出る、そして国策をしっかりと実践、実現をしていく、このことがこれから重要な判断になってくると思っております。
 まずは、この本法案で設ける新たな支援制度、また他国に依存しない産業基盤、これを確立した上で、我が国のこの日本の半導体産業が再び強い競争力を取り戻すことを大いに期待をいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。

#37
○森本真治君 立憲民主党の森本真治でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 ちょっと、大臣、法案の質問に入る前に、十七日の金曜日に大臣ちょっと記者会見で、今般の国交省のデータ書換え問題の影響について記者会見をされたというふうに報道で見たんですが、ちょっとその内容について御説明いただけますでしょうか。

#38
○国務大臣(萩生田光一君) 記者からの質問は、今回の国交省のデータで経産省の数字に影響はないのかという質問だったものですから、私の方からは、経産省にはGDPのように国交省の建設工事受注動態統計のデータを直接的に用いた統計はございません、このため、今回の国交省による統計書換え問題が現時点において経産省の統計に影響することはないのではないかと考えています、いずれにしても、国交省の調査を踏まえてよく精査をしたいということを申し上げたところでございます。
 一方、中小企業政策のうち、業況が悪化している業種に属する企業、中小企業に対する融資額の八〇%を保証するセーフティーネット保証五号、これは業種の指定に影響を与える可能性があるということを申し上げました。
 具体的には、建設関連の業種を業況が悪化している業種として指定するか否かを判断するその根拠となったのが、国交省から建設工事受注動態統計に基づくデータをいただいたものを根拠に指定をしていましたので、今回の事案を受けて現在国交省に対して事実関係の精査を強くお願いしているところでありまして、その結果を踏まえて今後の対応を検討したい、こう思っております。

#39
○森本真治君 つまり、実体経済というか、実際の様々な生活の部分についてちょっと影響が出てきてしまう可能性があるんではないかというような今御説明だったというふうに私は受けたんですけど、本来なら融資が、保証が受けれる方が受けれなくなってしまうとか、又は必要ないのにそれが受けているとか、これは非常にしっかりとこれは調査、検証しないと、やはり大きな私は問題になると思うんですけれども、まずは国交省の結果を待つというようなことでございますけれども、その後、経産省としてどのようにそれを受けて対応しようとされているのかも、今の段階でもしあれば御説明ください。

#40
○国務大臣(萩生田光一君) 今先生おっしゃったように、報道等で言われているとおり、上振れした数字を使っていたということですから、もしかすると五号認定ができないのに、あっ、失礼、五号認定が対応できるのに、業績がいいということでその五号を使えなかった人たちがいる可能性は現段階で否定できないと思っておりまして、これしっかり調べたいと思います。
 セーフティーネット保証五号の業種指定に当たって、今申し上げたような国交省からのデータに基づいて行っておりますので、今回の事案を受けて国交省に対しては事実関係の精査を強くお願いしているところであり、同省は第三者委員会を立ち上げて、経緯や原因などの検証が行われるものと承知しております。
 経産省としては、その結果を踏まえて今後の対応を検討することとしており、現時点ではいつまでにどのような調査を行うかという段階ではないんですけれども、国交省の作業も急いでいただいて、それをしっかり見てまいりたいと思っています。

#41
○森本真治君 非常にこれは大きな影響が出てくる可能性もありますので、経産省として、まず国交省の方からの情報が入った後に調査をされるということでございますので、委員長の方に、是非その経産省としての対応についての状況、また対応についての報告をこの委員会に提出していただくようにお願いしたいと思います。

#42
○委員長(石橋通宏君) 後刻理事会で協議をさせていただきます。

#43
○森本真治君 それでは、法案のことについてお伺いをしたいというふうに思いますけれども、先ほど予算委員会でも可決をされた補正予算に関連しての今回この法案でございますが、先ほど来の話にもありますように、現在この半導体不足の影響が日本経済にも影響が出ているということで今回の対応だというふうにも思いますが、例えば、私、地元広島なんですけれども、自動車産業の町でございまして、地元のメーカーさんもいろいろ業績の報告など定期的に行っていただくんですけれども、この間、この半導体不足が影響しての工場の操業を一時停止するなど、生産調整が地元の企業でも行われておったということです。
 その影響から自動車価格も、今、これ新車だけでなくて、これ今中古車も高騰しているというふうに伺っています。実際、私の周りでも先般車を買い換えた知人がおったんですけれども、新車はもうなかなか今入ってこないという中で中古車の購入をされたんですけれども、その価格も相当上がって、かなり嘆いていらっしゃったという方が私の周りにもいらっしゃいます。
 国民生活にも今この半導体不足の影響がどんどん広がっているんではないかというふうに懸念をしておるんですが、まず、参考人で結構です、半導体を取り巻く今のこの状況と併せて、国民生活にどのような今影響を来しているのかということについても御説明お願いします。

#44
○政府参考人(野原諭君) 半導体でございますが、デジタル化に伴いましてあらゆる製品に入っておりまして、経済社会活動に大きな影響を与えていると思います。自動車にも入っておりますし、家電あるいはスマートフォンにも使われておりますし、医療機器とかあるいは住宅のインターホンとかいろんなところに使用されておりまして、半導体が不足することによって経済社会活動に一定程度影響が生じるものだというふうに考えております。
 その半導体の不足の状況でございますが、三つの観点から我々としては把握をしております。一つは、市場規模の拡大に伴う生産額の伸びでございまして、二〇二〇年、デジタル化、新型コロナウイルスの感染拡大でデジタル化、巣ごもり需要などが増えたこともありまして、世界的に半導体の需要がこの関係で増えておりますが、二〇二〇年、自動車用の半導体が前年比で生産額が一・四倍、パソコンやデータセンター用の半導体は前年比で一・二倍、スマホ用の半導体も前年比で一・二倍の生産額の増加となっております。
 これは、日本だけではなくて世界的にもそういう傾向はございますし、過去五年を取ってみても同様の傾向、結構伸びているというふうな傾向がございます。
 二つ目の把握の手法としては、工場の稼働率を見ておりまして、半導体産業では、一般的に製造工場の稼働率が九割を超えると需給が逼迫しているというふうに認識をいたしますが、二〇二〇年は世界全体での稼働率が九割を超えておりまして、日本国内では一〇〇%に近い稼働率で運転している工場が多いというふうな状況になっておりまして、国内外共に生産ラインはほぼフル稼働の状況になっております。
 三つ目に、投資額の伸びを見ておりまして、国内の半導体産業の投資額が二〇二一年度、前年比で一・四倍超になるということでございまして、これは国際的にも同じような傾向になっております。
 実態面では、委員御指摘のとおり、医療機器、産業機械等々、生産ラインで遅延や一時停止が発生をしておりまして、例えば車でいきますと、完成車メーカーでは半導体不足の影響で今年一月から十月にかけて約七百十五万台減産になったというような分析もあるというふうに承知をしております。

#45
○森本真治君 そういう今の状況の中で、実際に国民生活に関わる様々な商品というか品も物価を押し上げていっているというようなことで国民生活が今厳しくなっていっているんではないかという私は状況であるのではないかというふうに思いますが、経産省としてもそういう認識で、国民生活にどのように今インパクトが与えているかということについての認識をちょっと聞きたいんですが。

#46
○政府参考人(野原諭君) 先ほど申し上げたように、工場の稼働率が、いろんな半導体を使っている製品が、半導体、ほかの部品も不足しているものがありますが、それによって、需要はあるので部品さえそろえば生産できたのに、それがないから作れないということで、生産の水準自体がレベルが下がっているということで影響が各方面に及んでいるというふうに認識をしております。

#47
○森本真治君 ちょっと物価の上昇に影響がしているのかなというようなところもちょっと聞きたかったんですが、なかなか答弁がなかったんですが。
 それで、これまで衆議院での議論なども見させていただいたり、まず、この状況に陥った原因というか要因については事前にレクなどでも御説明はいただいておるんですけれども、幾つか経産省としても分析をされている。そして、さらに、この間も当然経産省なり政府として様々なこの半導体分野に対しての対応ですね、政策的な取組も当然されてきたんではないかというふうに思うんですが、ちょっとその辺りを、これ簡潔で結構なので、この状況の要因と、またその、に対してですね、こういうことをしてきたんだけれどもということのちょっと簡単に説明いただけますか。

#48
○政府参考人(野原諭君) 新型コロナでデジタル関係の需要が非常に振れていたと。コロナのそのプロセスが始まった初期の段階では自動車の生産自体はそんなに伸びていなかったと思いますが、その後、中国を始め自動車、世界的な自動車市場自体が立ち上がってきたことで自動車用の半導体についての需要も立ち上がったということ。それから、新型コロナの影響で東南アジアなどを中心に半導体の生産、グローバルのサプライチェーンの一部でコロナ対応で生産が抑制されているということで、そういうことも影響いたしました。それから、日本においては、半導体の工場、一部火災などがございまして、一時的に供給が途絶した時期がございます。もう復旧はしておりますけれども。
 そういった事情もございまして、様々な要因が複合的に影響していて半導体の不足自体はグローバルに一定期間継続しているという、そういうふうな状況だというふうに認識をしております。

#49
○森本真治君 この産業体、産業を取り巻くこれは世界的な潮流というのがあって、いろんな動きがあったんだと思うんですね。
 要は、ちょっと私の方で言いたかったのは、それに対して、例えば国なり政府なり経産省は、この産業に対してしっかりとこの世界競争の中で競争がしっかりできていくようなことをこれまできちんと対応していたのかどうか。していたんだけれどもこういう状況であれば、じゃ、これからやりますよといっても、優秀な官僚の皆さんが対応していたのにもこういう結果になっていたら、これからの戦略も、これ、経産省の皆さんを中心につくるんだと思うんだけれども、本当にこれからの戦略が本当に信用できるものかどうかというところにつながりかねないんで、この状況の中でどう経産省はこの間対応してきたのか、そこに失敗はあったのかというようなことの認識をまず確認したいんですが。

#50
○政府参考人(野原諭君) もう少し長期の話をいたしますと、我が国の半導体産業は、一九八〇年代には世界一の売上高を誇っておりましたけれども、その後、競争力を落としてまいりました。その原因としては、当時の政府が半導体の重要性を十分理解できていなかったこと、それから、世界の半導体産業の潮流を見極めることができませんで、国策として半導体産業の基盤整備を支援する姿勢が不十分だったこと、これらに加えまして、日本、あっ、日の丸自前主義にこだわってイノベーションの力や販路開拓の面で劣後したことなどが考えられると思います。
 一方で、メモリーやイメージセンサー、パワー半導体などの分野におきましては、引き続き世界市場で戦える日本企業が存在をしております。加えて、半導体の製造装置や素材メーカーは国際的に見て日本企業が高いシェアを誇ると、日本企業の供給がないと世界の半導体は作れないといった状況はございます。
 そういう強みを有しておりますが、過去の反省も踏まえまして、我が国の強みを生かしつつ、国策として、半導体製造基盤整備のための大胆かつ総合的な支援、それから国際連携、日の丸自前主義ではなくて国際連携による先端技術の研究開発など、我が国半導体産業の基盤確立に向けた取組をしっかりと、これまでの政策の反省に立って今回展開していきたいというふうに考えております。

#51
○森本真治君 ちょっと大臣の認識を聞きたいんですけれどもね。
 例えば、韓国だったり台湾だったり中国というのがこの間に国家的なプロジェクトとして企業育成ということをやってきた。先ほどの御答弁ではそれが不十分だったんではないかというようなことを御答弁されたのかなというふうに思って、ということは、これまで政策的に様々対応をしていたけど、この結果ということではなくて、もっとこれからは国家プロジェクトとしてこれをしっかりとオールジャパンでやっていくんだと、そういうのが今回をスタートに行っていくのかなと勝手に私は今理解したんですけれども、大臣の認識、ちょっと御説明ください。

#52
○国務大臣(萩生田光一君) 二十世紀、日本という国は、物づくり国家として世界から憧れをされるようなすばらしい製品をどんどん出してきました。もちろん、国も研究開発の段階では公費を投じて、しかし、日本の場合は、そのお作法として、そこまでが公金で、そこから先は民間の人たちの努力だという、こういうその仕切りの中でやってきたために、今先生がおっしゃった、国家戦略として一気通貫で社会実装や物づくりまで国が一緒になって応援していくとか、それに必要な人材を育てていくという概念が、私は、一九八〇年代、九〇年代、なかったんだと思います。
 衆議院で、私、反省の弁申し上げたのは結構心苦しくて、後ろに鈴木財務大臣がいまして、まさに鈴木善幸さんの時代ですとか中曽根さんの時代ですとか、そういう時代のことを一回否定しないと、これやっぱり皆さんの御理解いただけないと、おわびから始めようというのが私の考えでございまして、今回、大いに反省に立って、新しい国家戦略としてこの半導体を含めた物づくりへの、まさに日本の復活に向けての作業を始めたいと思っているんです。
 そもそも、台湾や韓国が半導体分野で物すごい世界のシェアを占めましたけど、あれは、一九八〇年代に日本国内であれだけのシェアを持っていたにもかかわらず国内での展開をやめちゃったために人材が流出して、そういう人たちが結局、働き場を求めて海外に行ったという一面も否定できないというふうに思います。
 このコロナを経験して、情けないじゃないですか、この寒い冬を迎えて給湯器がない。これ何とかしてあげたいと思って日本中駆け回っても、本当にないんですよ。ないというか、部品がないんですね。メード・イン・ジャパンなのに、何のことはない、海外のサプライチェーンに頼り過ぎて、どちらかといえば、いいものを作るというよりは、百円でも千円でも安い、コストを上げようという、こういう価値観の中で物づくりをやってきたことが今回大きな痛い目に遭った私、原因だと思っていますので、そうじゃなくて、やっぱり日本国内で作ると千円高く付くんだけれど、しかしやっぱり日本で作った方がいいというふうに国民の皆さんに思ってもらえることを今回のこの半導体を通じてしっかり国民の皆さんに訴えていきたいと思います。
 是非、この給湯器がない、また、この年末、せっかく子供たちが家で年賀状を刷ろうと思ったら、プリンターがもう全く売っていないんですよ。こういう状態で、全てこれ、半導体含めた部品の問題です。これじゃ、物づくりの国、自己完結できる国だと思えませんので、しっかり、今回のことは半導体のみならず国内の産業構造をしっかり変えていく、新しい資本主義の第一歩だというふうに思っていますので、是非御理解をいただきたいと思います。

#53
○森本真治君 大臣の認識は、私もすごく認識、一緒に共有するところよくある御答弁だったと思います。
 新しい資本主義という話があった。市場に余りにも任せっきりになった中で、自由にそれを進めることによる弊害というのがどうだったのか。これは国際的な潮流であったといっても、日本以外の国、先ほど言ったような、例えば韓国、台湾、中国、まあアメリカもそうかもしれません、それぞれが新自由主義のこの中でも、なぜか日本だけがこうして落ちていっている理由というのは、そこはやっぱり全部一くくりに新自由主義の弊害というふうに考えるのか。それでもちゃんとやっている国がある、日本はそれができていなかったということについては、大いにこれはやはりこれまでの政治というものは問い直さなければならない。本当にそういうタイミングで、そして、この経済安保であったり今回の議論もやはりそこにつながっていくんではないかというふうに思っております。
 本当に、言葉では新しい資本主義というようなことを掲げる岸田政権で、本当にその内実が伴った政策が実行できるように、これはもう我々もしっかりと問題提起をしていかなければならないというふうに思います。
 先ほど、少し宮本委員と、理事と少し重複するようなところがあるかもしれませんけれども、他国がもう既に国家的なプロジェクトとしてこの問題に取り組んでいる中で、今後日本が本当にその他国と競争がしっかりできていくだけの国家としての体制が整えていけるのかという中で、先ほど大臣の答弁で、今回の補正予算は第一ステップということでございまして、ありましたけれども、これ戦略として、トータルでいくとどのぐらいの規模の今回この戦略を考えていらっしゃるのかというところですね、その辺りについてもちょっと御説明いただきたいというふうに思います。

#54
○政府参考人(野原諭君) 今回の補正予算には、第一ステップとして七千七百四十億円計上しております。十一月の中旬に、半導体のデジタル戦略の検討会議というのを経産省で持っておりまして、そこでステップ1、2、3の半導体の復活に向けた戦略というのでお示しをしております。
 第一ステップが、緊急的に先端半導体の製造基盤を国内で整備するということ、それから既存の半導体の中にもサプライチェーンに不可欠な、サプライチェーン上不可欠なものもございますので、そういう半導体について、先端でないけれども不可欠なものについても刷新投資をすると、これがステップ1になっております。ステップ2が、次世代の半導体の研究開発を国際連携で行うと。それから、ステップ3が、二〇三〇年代のゲームチェンジを目指して、光の、光電融合技術の研究開発、これに着手をすると、そういうふうな戦略を示させていただいております。
 そういう意味で、ステップ1の段階、ステップ1とステップ2、ステップ2、3は研究開発の段階の予算でございますが、それを合わせまして、今回、第一段階として、取組の第一歩として補正予算、今回の補正予算に七千七百四十億計上しております。
 現時点で必要な予算はこれで計上されているというふうに思いますが、これはその取組の第一歩でございますので、今後展開していくに当たって、こういう他国に匹敵するような取組というのを継続していかなければいけないと思いますので、今後必要な段階で必要なものをまた検討していくということではなかろうかというふうに考えます。

#55
○森本真治君 トータルで例えば何兆円規模のこれプロジェクトだとかというような具体的な数字は今ないということでいいのかと、ステップ1はこれ八千億だけなのか、ステップ1の段階でもまだ財政の追加投入があるのかどうかというのも。

#56
○政府参考人(野原諭君) 今回の補正予算七千七百四十億に対応したもので、官民の投資額としては一兆四千億円以上というふうに考えております。

#57
○森本真治君 だから、ステップ1はこの官民の一・何兆円というので終わりということですか。

#58
○政府参考人(野原諭君) 取組の第一段階……

#59
○委員長(石橋通宏君) 野原局長、指名を受けてから発言してください。

#60
○政府参考人(野原諭君) 現時点で、補正予算のタイミングで措置すべきものは今回の額ということでございますので、ステップ1、今後どういうふうに展開していくかによりますので、将来的に必要なことがあればその時点でまた検討するということは将来あるだろうとは思います。

#61
○森本真治君 要は、今回のこの認定制度もこの一回だけの制度じゃないでしょう、要は。ほかにも特定半導体というのがこれからも指定されていって、それについてもいろんな資金の投入をしていくわけで、それはステップ1の中に入っていて大体どのぐらいの、まあ額はそれはなかなか今分かりづらいかもしれないけれども、そういう意味なので、ちょっと分かりますかね、私の質問の意味。

#62
○国務大臣(萩生田光一君) 多分、先生、もうちょっと大きな答えを期待しているんだと思うんですけど、志はあるんですけどね、なかなか財政当局とのやり取りもあるので手のうちを全部見せられないところもございます。まずは、この補正予算でこれをお認めいただいて、そして一部では何か新しい工場にだけお金出すんじゃないかという誤解もあるんですけど、そうじゃなくて、既存の半導体工場の新施設等にも応援をしていきたいと思っています。
 この一兆四千億、民との協力の中で、しっかり国内のまず、もっと背伸びしたいんですけど、例えば専門家などは二十ナノ台の半導体工場を造ってどうするんだみたいな批判もあるんですけど、そもそも二十ナノ台がないから自動車業界が止まっちゃっているわけですから、まず、ないミッシングパーツをしっかり埋めていくこと。それから、その先の、時代はもう一桁ナノに入ってきています。だけど、最初から、じゃ、これすっ飛ばして、二十ナノ台を飛ばして一桁ナノを作れるかといったら、人もいないわけですから、まさしくこういうきちんとした環境整備しながら、先ほど冒頭申し上げたように、人づくりも戦略的にやっていこうと思っています。
 その上で、国内できちんと自己完結できる半導体の製造過程というのをつくっていきたいと思いますので、これ、あくまでファーストステージでございまして、引き続きしっかり必要な予算は要求していきたいと思っています。

#63
○森本真治君 ちょっと入口の部分で大分時間使ってしまって、ちょっと急がせていただきたいんですが、ちょっとまあそこを一個確認したかったのが、まあちょっとこれもまた具体的な話をちょっとここで出していいのかというのもあるんですけれども、広島県の東広島市にマイクロンですね、これ、今二〇二四年までに八千億円を投資して新工場を建設する計画があるという中で、その建設地については、一応対外的には検討中ということになって、今何か所か候補地があるということがマイクロン社の方からは言われている段階ではあるんですが、これ、地元広島からすれば、雇用創出効果もこれ二千人から三千人というふうに見立て立てておりまして、非常にこれは期待感も多いわけです。
 今回、この認定制度は事業者の方から申請をしていくという話になっているんだけれども、例えば、これ地域経済への効果などから是非誘致したいとかというような話と、こちら側から積極的に活用してもらって、やっぱり来てほしいというような声もこれから上がってくると思うんですが。
 そういうこともあって、これがステップ1、まだこれは引き続きいろんなところにもやっていくのかどうかということを確認したかったんですけれども、例えば、これは実際にその事業者の方から自ら手を挙げてくれるというだけではなくて、例えば国なんかも含めてしっかりとセールスをする中で、こういう制度を活用して、是非来てくださいというようなことも是非これはやることができるのかなというところも確認したかったんですが、その点についてはどうですか。

#64
○政府参考人(野原諭君) この法案は、の対象は、先端的なロジックとメモリーというものを、メモリーの半導体というのを想定はしております。ということで、法律が、法案が成立した後で、この手続、法に定める手続にのっとって具体的に申請があれば、申請が上がってきたものについて検討をするということになろうかと思います。

#65
○森本真治君 これ、だからDRAMですけど、半導体、これも特定半導体ということでよろしかったんですか。

#66
○政府参考人(野原諭君) 対象になる半導体の定義については政令で定めることになっておりますので、具体的に先端的なというのを、ものを定義していく必要はございますが、先端的なロジックとメモリーを対象にすることを想定しております。

#67
○森本真治君 ちょっと法案の中身について幾つか、ちょっと二点まとめて聞きますけれども、まず、これ審査の段階での公平性の確保ということが、何社かが申請したときにどのように選定していくかということもあると思うんですけれども、どのようなこれ基準とか審査項目に基づくのかということは、これ法案の中では多分明らかにはなっていないと思うんですけれども、やっぱりこの、特にこれ巨額の額をやっぱり投入するわけですから、この公平性や透明性というのは非常に重要になってくると思うんだけれども、その事前の審査基準というもの、事前に審査基準を明確にしていく必要がある。
 さらには、あとは競争の観点ですね。公正な競争環境を確保するということも非常に今後、ここも観点は非常に大事になってくると思うんだけれども、もちろん供給力を確保する必要はあるという中で、この公正な競争環境、この半導体産業の分野においてですね、その確保するための措置というようなこともどのように考えていらっしゃるのかを、ちょっと二点まとめてお答えください。

#68
○政府参考人(門松貴君) 御指摘二点でございますが、まず、その事業者から計画の認定申請があった場合ですが、その我が国の先端半導体の安定供給体制の構築に資する計画であるかどうかなどを認定基準に照らして審査し判断することになるわけですが、その内容、具体的には、審査に当たっては、外為法や不正競争防止法を始めとした情報管理や、営業秘密保護に関する国内法令の遵守であったりとか、技術上の情報管理のための体制整備などの技術流出の防止策、継続的な日本での、我が国での製造、生産能力強化のための研究開発を事業者に求めることとしておりまして、認定後もこのような取組が継続的に行われることを確認することになろうかと思っております。
 御指摘のその公正性ですが、それはもう当然先生おっしゃるとおりだというふうに思っておりまして、今回の法案では、国際的な生産能力が限られている中、等の事情によって国内で安定的に生産することが必要な半導体を特に対象にしているわけでございますが、補助金の交付が過剰生産能力や半導体のコスト低下といった公正な競争環境を害するものではないというふうに我々思っていますが、それをきちっと示すように、グローバルサプライチェーンの状況や各国の取組等を注視しながら、安定供給の確保と公正な競争環境の維持の観点できちんとその基準等々をまとめてまいりたいというふうに思います。

#69
○森本真治君 もう時間になってしまいました。中途半端というか、もっと聞きたいことが山ほどある中での今回この限られた時間でございましたけど、最後に大臣に一点だけ。
 この今回の法案も経済安保の観点ということですね。これ経済安保というのは、当然これは半導体だけではありませんね。半導体だけでもこれだけの巨額のこれからお金が掛かってしまうという中で、これ経済安保全体、これから本当に国家戦略としてやっていくときには国家財政の中で相当なこれウエートを占めていくというふうになっていくというふうに思うんですが、それでもやらなければならないというこの非常にジレンマというか難しいチャレンジをこれから経産省を中心にやっていただかなければならないというふうに思うんですが、その辺りの認識をちょっと最後に聞いて終わりたいと思います。

#70
○国務大臣(萩生田光一君) 経済安保は、必ずしも物づくりだけじゃなくて人の流通なども含めて考えていかなきゃならないことなんですけど、今までは考えていなかったコストというのが生じることは現実だと思います。
 したがって、これは一国で全て解決することじゃなくて、例えば法の支配、自由あるいは民主主義、こういった価値観を共にする同志国と連携をしながら世界でのルール作りというのが極めて重要だと思っています。ルールを作ることによって、ある意味ではその個々のコストを下げることもできて、お互い約束の中で様々なことができると思いますので、必ずしもお金だけの問題ではないと思いますけれど、しかし、逆に言えば、そういった概念を持たないで今まで物づくりをやってきた日本が途中でいろいろ失敗してきたことも事実でありますので、ここは過去の反省もしっかり踏まえながら、新しい貿易の在り方、まさに安全保障上の経済の在り方というものはしっかりルール作りをしていく努力をしていきたい、こう思っております。

#71
○森本真治君 終わります。

#72
○河野義博君 公明党の河野義博です。
 電気回路の一種である半導体がかつてないほど重要性を増しております。半導体業界の世界団体でありますSEMIによりますれば、二〇二一年、半導体装置の世界販売額は前年比四五%増えまして千三十億ドル、約十二兆円、過去最高を更新をいたしまして、初めて一千億ドルを上回る見通しです。
 各社は生産能力の拡張を急いでおりまして、想定を上回る市場成長が続いています。成長を牽引しているのは、台湾のTSMCを始めとした製造受託会社、いわゆるファウンドリーや、演算用ロジック、演算用の半導体分野、ロジック半導体の分野、こういった投資が牽引をしております。
 各国の状況を見てみますと、世界の工場となった中国では、電子機器の生産は多くても、そこに搭載される半導体の製品、生産は足りておらず、アメリカや台湾から輸入頼みとなって貿易収支が圧迫されています。中国では、産業政策中国製造二〇二五、この重要項目に半導体の内製化を掲げまして、二〇二五年までに自給率七割を目指しております。ファーウェイ傘下のハイシリコン、既に最先端半導体の設計能力は有していると言われておりまして、残るは生産能力の向上であると言われております。
 アメリカは、国防権限法の一部として、半導体強化のため半導体製造支援法を成立させまして、一プロジェクト当たり最大三十億ドルの補助金を支給できる仕組みを整えました。そして、TSMCの工場誘致に乗り出しているわけであります。しかしながら、この法律には予算措置が含まれておりませんで、別途の法案が審議されていますが、上院では可決されましたが、下院では可決されずに半年が経過をしております。
 アメリカの国内競合他社からは、海外メーカーに対して巨額の補助金を拠出する、こういったことに対して強い異議が示されています。また一方で、TSMCからも、アメリカ政府からは補助金、税制優遇、水道、電気代などで優遇措置を受ける見通しは立っているけれども、高コストの生産、高コストのアメリカで生産をする明確なメリットをまだ受けていない、そういった懸念も示されているところであります。
 ヨーロッパでは、主体的な最先端技術の実現を目指す欧州半導体法の成立に向けて作業が進められておりまして、アジアの半導体メーカーへの依存度を下げようとしていると承知をしております。
 今までるる議論がございましたが、日本のみならず、このように、ヨーロッパ、中国、アメリカ、それぞれ最先端半導体確保に奔走する中、我が国は四半世紀以上にわたりまして苦杯をなめてまいりました。日本は、この法改正と予算措置を端緒として、是非とも復活の道を歩き始めなければならないというふうに考えております。
 衆議院の経済産業委員会の議事録を拝読させていただきました。大臣は御答弁の中で、八〇年代の日本の凋落をるる御説明をいただきました。その上で、経産省として、我が国半導体の国際競争力の低下の現状を真摯に反省した上で、我が国半導体産業の復活に向けて、あらゆる政策を総動員してしっかりやっていくという御決意を頂戴したところでありまして、大臣の並々ならぬ強い御決意を披露していただいたところであります。
 私も、拙い経験ではありますが、経済産業省さんは、キャッチーなテーマがありますと、みんなわあっといってきて、寄ってきて、政策ばんばんばんばんとつくるんですけれども、それが何かいつの間にかなくなってしまって、どうなってしまうんだということが私の拙い経験の中でも何度かといいますか、よく起こるわけでありまして、やっぱり中長期的にやっぱりこうやっていくんだという予見可能性をしっかりと産業界に示していくということが私は大事だと思います。
 その上で、大臣がこういった本当にすばらしい御答弁いただいたと感激を持って今日、私は質問に立たせていただいています。世界中で半導体争奪戦が繰り広げられる中、タイムリーにこの予算関連法案として法案をまとめられました大臣のリーダーシップに敬意を表しますし、この法案、一日も早く成立をさせて、そして執行体制の整備、これも早くやって早く支援できる体制というのを整えていかなきゃいけないというふうに思います。
 そこで、大臣に伺います。
 経済産業省としては、具体的にはどういった時間軸で、何を目指して国内の半導体産業を再生させていくのか、また、再浮上の活路をどのように、どこに見出し、そしてどうやって再建をさせていくおつもりか、大臣の所見を伺います。

#73
○国務大臣(萩生田光一君) 我が国の半導体産業の復活に向けた基本戦略については、十一月に開催した第四回半導体・デジタル産業戦略検討会議においてお示しをしたところです。
 具体的には、先ほど局長からも説明をしましたが、三つのステップを考えておりまして、まず、ステップ1として、我が国にとってミッシングピースとなっている先端半導体の製造能力を獲得するため国内製造基盤の整備に取り組むこと、また、本法案はこれに位置付けられているものであり、新たな仕組みがつくられた後に速やかに実行していくこと、また、マイコンやパワー半導体など物づくりに必要不可欠な半導体製造拠点における設備の刷新支援にも速やかに取り組んでいく、そしてさらに、将来的には半導体製造技術において世界をリードしていくことを目指し、現在はまだ実用化していない先進技術について研究開発にも挑戦します。すなわち、ステップ2として、二〇二五年以降に実用化が見込まれる次世代半導体の製造技術開発を国際連携にて進めるとともに、ステップ3として、二〇三〇年以降をにらみ、ゲームチェンジとなり得る光電融合などの将来技術の開発にも着手をしてまいりたいと思います。
 今回の補正予算案においては、これらの政策をパッケージとして七千七百四十億円を盛り込み、官民合わせて一兆四千億円を超える投資を行っていくこととしております。先端半導体の製造拠点整備とともに、世界をリードする研究開発も車の両輪として取り組むことで我が国の半導体産業の復活につなげてまいりたいと思いますし、先生から御指摘いただいた経産省の体質についても、これ本当に、コロナを経験していろいろ、我々、国内の価値観変わりました。私もついこの間まで隣の役所で大臣やっていて、経産省にはだまされるなとよく職員に言っていたぐらい、とにかく瞬発力はあって、物すごくその、何といいますか、アンテナが高い役所であることは事実なんですけど、持久力に欠けていた部分あるかもしれません。
 しっかりじっくり腰を据えて、長期戦略でこれ日本復活を目指していくということを私、先頭になってやらせていただきたいと思いますし、職員にも同じ思いで取り組んでいただく決意でございます。

#74
○河野義博君 私が言いたいことを言っていただいて、本当に感謝を申し上げるわけでございます。ありがとうございます。大臣替わられても、担当が替わられても、これは長期戦略を持ってしっかりやっていくんだということを答弁に残していただけたというふうに思っております。
 次に、TSMCに関する補助金に関しまして、本件投資の意義を問います。
 TSMCは最も合弁を嫌う会社と言われておりますので、ソニーとの合弁を後押しできた、こういったことは経済産業省の大きな成果なんじゃないかなと私は思います。これはすばらしい成績だと思います。日系企業との合弁ということで、国としても、一〇〇%TSMCの会社に補助金出すよりは一定の関与は強まるんだろうというふうに思います。
 また一方で、米国同様に、国内でも、日本国内でも、海外企業に対して巨額の資金提供、これは適切な競争環境をゆがめるんじゃないか、税金の無駄遣いに終わるんじゃないか、こういった懸念もあるわけであります。こういった懸念をどのように払拭していかれるおつもりでしょうか。また、費用対効果として、今回、このTSMCの工場には約五〇%、約四千億円強の投資が、国費が投入されるわけでありますが、どういった経済効果を具体的に見込んでおられるのか。メリットを数値化して御説明をいただきたいと思います。

#75
○国務大臣(萩生田光一君) まず、TSMCによる先端半導体の国内製造拠点に対して政府として支援を行うことを決定したわけではございません。
 その上で申し上げれば、TSMCが計画している国内製造拠点で製造される半導体は、5G通信を行う自動車や産業機械など多岐にわたる領域で用いられます。現在、我が国はこうした半導体の製造能力を有していないため、安定供給体制を構築する意義は非常に大きいと思います。さらに、製造装置や材料を含めた国内の半導体関連産業の再興、発展や我が国全体のデジタル化に資するなど、我が国経済に幅広く裨益する公益性があると考えています。
 御指摘の経済効果については、TSMCは、熊本県における先端半導体の製造拠点整備により八千億円規模の設備投資や千五百人の新規雇用の創出が見込まれると表明しています。TSMCはこれまで台湾や進出先の国において製造拠点を拡張してまいりましたが、これが我が国でも実現すれば更なる経済効果が期待できます。
 経産省としては、今回の補正予算案に盛り込んだ先端半導体の国内製造拠点の整備支援を含む半導体産業基盤を緊急強化するための政策パッケージを第一弾として、この我が国半導体産業の復活に向けて、そしてこれによる経済効果が最大化されるよう、引き続きあらゆる政策を総動員していく決意でございます。

#76
○河野義博君 具体的な経済効果といえば、単純な投資額のみならず、その波及効果を含めて考えるんだろうなと思いますので、ちょっと役所、もうちょっと真面目な答弁を書いてほしいなと思いますけれども、大臣の御答弁でございますので重く受け止めさせていただきたいというふうに思います。
 続いて、今までもるる議論がありましたが、世界最先端はロジック半導体、五ナノ台、もう二ナノ、三ナノを目指すところにある。一方で、今、日本で作れるのは四十ナノ台ですということで、一足飛びに一桁ナノというのは難しいわけでありますが。だから今回は、そうはいっても、日本にない二十ナノ台の工場誘致というわけであります。言うならば、今は準最先端工場ぐらいなんだろうと思いますが、これ、二〇二五年稼働を見越していますので、二〇五〇年にこれを準最先端とまだ言えるかというのは、まあ多分言えないんだろうなというふうに思います。
 御事情は分かりまして、ないものを作らなきゃいけない、これはしっかりやっていくべきでありますが、設備も人もないという中で一足飛びに最先端、こういうわけにはいきませんよということは理解できます。まずは、本案件を契機として、国策としてやっぱり人知を結集していこう、そういった方針には賛成であります。
 その上で、現在、国内半導体工場は数でいうと世界一あるんですね。この世界一数多くある日本国内の半導体工場、多くが老朽化、陳腐化しています。その他の半導体工場の刷新、強化をどのように行うおつもりか。また、国内の半導体素材や製造装置産業にはまだまだ強みがあるというふうに言われています。実際に、TSMC関係者との面談の際にも彼らもそういうことは言っていました。日本にはまだまだそういう可能性があるんだと、しかも日本の素材メーカー自体が気付いていない使える素材もあるんだということもおっしゃられておりました。
 この半導体素材や製造装置産業をどういうふうに伸ばしていくのか、国内、既存の半導体工場をどのようにしていくのか、その方針を聞かせてください。

#77
○政府参考人(野原諭君) お答え申し上げます。
 マイコン、パワー半導体、アナログ半導体など、一たび供給が途切れると経済社会に大きな影響を与える先端半導体以外の半導体も、一部は設備の老朽化が進み、災害、火災などですね、災害などに対する強靱性に懸念がございます。
 こういうことを踏まえまして、今般の補正予算案で製造拠点における設備の刷新に対する支援措置を盛り込んでおります。加えて、今年度からは、我が国の強みである製造装置や素材メーカーが海外の半導体のトップメーカーと共同で次世代半導体の製造技術開発に取り組んでおりまして、今回の補正予算案ではこうした取組を促進するための更なる支援策を盛り込んでいるところでございます。
 経済産業省といたしましては、先端半導体の製造拠点の国内整備のみならず、半導体製造拠点における設備の刷新投資、刷新支援などの総合的な支援を、総合的な施策を講じまして、製造装置や素材を含めた我が国の半導体関連産業全体の国際競争力の維持強化に取り組んでいきたいというふうに考えております。

#78
○河野義博君 よく分からないんですけれども、具体的に、じゃ、どういうふうに国内の既存の半導体を良くしていこうとしておられるんでしょうか。

#79
○政府参考人(野原諭君) 今回、法律で、の対象に、支援対象になるものは先端のロジックとメモリーの半導体を想定をしておりますが、それ以外の半導体、またマイコンとかパワー半導体、アナログ半導体につきましても、供給が途切れるとサプライチェーンが切れてしまっていろんなものが作れないという、全体の、経済社会全体に影響を与えるということがございますので、老朽化しているとそういうその供給途絶を非常に起こしやすくなりますので、新しい設備に入れ替えるということでそういう供給途絶を起こさないようにするということを今回の補正予算の中でも支援するというふうにしております。

#80
○河野義博君 この法案と予算、関連する予算措置の枠内で最大二分の一の設備補助を行うと、そういうことですか。

#81
○政府参考人(野原諭君) 設備の刷新投資の方は補助率が三分の一になっております。

#82
○河野義博君 この法律を使ってやるということですね。

#83
○政府参考人(野原諭君) 刷新支援の方は法律の外で、補正予算、今回の補正予算案に計上しておりますが、今回の法律のこのスキーム、仕組みで補助するものとは別にということでございます。補正予算の中には入っております。

#84
○河野義博君 しっかり議事録読んで勉強しようと思います。
 今回のTSMCの日本進出を単発で終わらせないために、継続的な工場誘致が期待されているところであります。工場を一個造って終わりということではない投資傾向のようであります。第二、第三の工場と続けていくには数年ごとに大型の投資が必要となりますけれども、そのたびに今回のように国費を投入するものと考えておられるのでしょうか。
 また、TSMCが日本に来てもすぐに撤退されては意味がないわけでありまして、支援を受けるための認定基準には一定期間以上の継続的な生産となっておりますけれども、具体的な基準をお示しください。今決まっていないという答弁ではなくて、どういうふうに考えていますと答えていただけると皆さんの理解が進むんじゃないかなというふうに思います。
 なお、衆議院の答弁では、計画違反の場合は認定取消しや補助金返還について総合的に判断するということではありますけれども、万が一取消しとなった場合の補助金返還までの具体的なプロセスを教えてください。

#85
○政府参考人(門松貴君) お答え申し上げます。
 まず、今般の補正予算案において先端半導体の製造拠点整備のために現時点で必要な予算額は措置をされているというふうに認識をしております。
 ただ、一般論といたしまして、情勢の変化などにより、我が国の先端半導体の安定供給体制構築のため真に必要な場合には国費投入の適否、今後しっかり適切に検討してまいりたいというふうに思います。
 また、認定基準の具体的な期間、今後検討していくわけでございますが、その考え方につきましては、まず、国内における先端半導体の安定的な生産に資する製造基盤が根付くために十分かどうか、また、製品サイクルや設備の耐用年数も踏まえた設備更新のタイミングなど、事業実態に照らして合理的かといった観点を踏まえて設定をさせていただくことにしております。
 次に、継続的な生産をできなかった場合も含め、事業者が認定計画を遵守しなかった場合、この場合は、先生も先ほど申しました、おっしゃりましたとおり、認定取消しや助成金の返還について総合的に判断していくことになっておるということでございますが、具体的な助成金返還プロセスにつきましては、主務大臣が、認定特定半導体生産施設整備等計画、これが5G促進法第十一条第三項各号に定める認定の各要件いずれかに適合しないとなったと認める場合は当該計画の認定を取り消すことができるという形になっておりまして、それを主務大臣がまず公表いたします。その上で、新エネルギー・産業技術総合開発機構に通知するというのがプロセスのスタートでございます。この通知を受け取った場合、行った場合において、経済産業大臣が必要があると認めるときは、NEDOに対して、交付を受けた金額の全部又は一部に相当する金額を国庫に納付すべきということを命じるというプロセスを取るということになっております。

#86
○河野義博君 新しい会社をつくって工場を投資するということですので、新しい会社、TSMCとソニーの合弁会社が補助金を受領して事業をやると、で、取り消されたら、その合弁会社がお金返しますと、返せということになろうかと思いますが、巨額の投資ですので、事業が当然うまくいっていない、返す原資はそのときあるんでしょうかというシンプルな疑問をずっと投げかけておるんですが、パフォーマンスボンドでも取るんでしょうか。どうやって返還させるんですか、具体的に。

#87
○政府参考人(門松貴君) まず、本法案に基づく支援を受ける事業者、基本的にこの法案は日本国内で大規模な半導体製造拠点に係る設備投資をすることが大前提になっていますので、一定の財産は国内に、日本国内にあると想定されるということでございますので、そういう点も踏まえながら、実際そうなった場合に判断していくということになると思います。

#88
○河野義博君 その財産を担保に取るんですか。

#89
○政府参考人(門松貴君) 担保に取るといいますか、実際取り消す場合に、返還をする場合に、その原資としてどうするかという議論はその資産の中から考えていくということになろうかと思います。

#90
○河野義博君 投資の世界はこうです。親会社は保証を入れずに投資をするんですね。ですから、親会社に恐らく遡求できない形で今回補助金を出されるんだろうと思うんですよ。
 そうした場合に、じゃ、万が一取り消して、お金を返させるから大丈夫ですと言いますけど、その原資はどこにあるのかということを質問しておりまして、百万、二百万出すんだったらいいですよ。だけど、四千億、五千億出すんですよ。これ駄目だったらどうするかということをちゃんと考えて議論しておくべきだと思いますが、予算関連法案ですから、当然、当然ね、もう、すぐお金出したいわけでしょう。
 今どういうふうに議論されているんでしょうかということをお尋ねをしております。

#91
○政府参考人(門松貴君) 先生の御懸念、大変よく分かります。
 現状の議論の中では、計画認定の際にそういう実際に資産がどう残るかということも含めて個別にちょっと議論をちゃんとしていきたいということになっておりまして、そこはきちんと御議論させていただいて御説明させていただければと思います。

#92
○河野義博君 きちんとやると聞きましたから、きちんとやってください。何でもかんでも政省令で決めますから勝手にやりますじゃなくて、ちゃんと、いろんな場面でちゃんと説明していただくことが大事だと思いますよ、こんな短い期間でやっているんだから。よろしくお願いします。
 最後に、人材確保です。
 大臣、御視察いただいてありがとうございます。私も行ってきました。熊本の半導体工場を視察させていただきましたけれども、数年ごとに多額の設備投資を必要としますので、資金面での協力というのは非常に大切だということは皆さんおっしゃっておられましたけれども、やはり人材確保です。
 千五百人、技術者本当に集まるんですかという点も含めまして、熊本の研究所にやっぱりその家族を連れてやっぱり研究者が来られるような環境を是非つくってくださいと。学校で半導体学をしっかり学ぶ場所を増やしていくということも大事なんですけれども、実際に研究者が家族とともに快適に暮らせる住環境、これは企業ではいかんともし難い、行政ともしっかり連携して国の支援をお願いしますというふうに言われましたが、どういうふうなお考えか、最後に答弁伺って終わります。

#93
○政府参考人(野原諭君) お尋ねの点、人材の話でございますが、先端技術を扱う高度な人材の確保、育成には、国と地方、産業界と教育界、官と民が一体となって取り組むことが必要でございます。
 例えば、即戦力となる人材の育成に向けては、九州地区の大学、高専、政府、自治体が連携をいたしまして、基礎から実用まで一貫したカリキュラムを開発するといったアイデアもございます。熊本大学は、先々週、半導体の研究・教育センターの設置を発表されました。
 それから、熊本県内の大学、高専の理工系の学生さん、それから工業高校の卒業生の半数以上がこれまで県外に就職をされているという実情がございます。TSMCは、先ほどの委員の御指摘のように、熊本県における先端半導体の製造拠点整備により千五百人の新規雇用の創出が見込まれると表明されておりまして、地域に雇用が創出されればこれまでのトレンドに変化が生じ得るというふうに期待をしております。
 半導体人材の確保に向けては、過去、半導体産業に関わっていたものの現在は別の職に就いている方々を結集させるなど、様々な方策が考えられると思います。加えて、委員から御指摘のあった、高度人材が単身赴任することなく家族や子供と生活できる住環境の整備も大きな課題でございます。
 今後どのようなことに取り組むべきか、どういうことができるかについては、熊本県等とも連携しながらしっかりと検討してまいりたいと考えております。

#94
○河野義博君 終わります。

#95
○矢田わか子君 国民民主党、矢田わか子と申します。
 まずもって、今回のこの法案の審議は、この日本の半導体三十年間の凋落を踏まえて大転換を図る、その一歩になるような法案の審議です。にもかかわらず、これだけ短い時間で審議をしてしまうことに対しては私は抗議を申し上げておきたいと思います。
 加えて、本来であれば、この法案の後にしっかりと計画を出していただいた上でその企業を決めていくという立て付けになっているにもかかわらず、先に報道が先行してTSMCありきのような報道がなされてしまっている、このことについても、やはり国民の皆さんの感情を考えると本当に正しいのかということを思わざるを得ません。
 今日は、その二つの意見を申し上げた後に、私たちのこの日本の国において半導体産業に関わる多くの方々がいらっしゃいますので、その方々の気持ちを代弁する気持ちで質疑に立ちたいと思います。
 資料一を御覧ください。
 この製造に関わる事業所、十三の会社、組合から意見を伺いまして、一覧表にまとめたものを今皆さんにお配りをしております。大きく転換するということに対しては必要だという声が多い、それは事実であります。しかしながら、半導体産業の盛衰という過去を振り返ると、やはり会社としても組合としても、失業を含む雇用調整や労働条件の変更あるいは仲間の技術者の海外流出など経験した経緯があるわけで、幾つかの課題が指摘されております。
 私は、多くの仲間をこの三十年間、本当に一緒に働いてきた仲間を失ってきた、そういう経験をしております。だからこそ、今回本気でこの転換をやるのかどうか、大臣にお聞きしたいというふうに思っております。
 法整備については、自動車製造を中心とした、ほかにも医療機器や家電製品、また、これから省エネや再エネの技術、それに関する機器、それからAI、ICT、多くの機器が半導体を必要とするという中にあって、供給体制の整備という側面が今回は強いということであります。
 確かに、今現在半導体ないわけですから、残念ですけど、この日本ではシングルナノどころかミドルレンジの半導体すら作れない、そういうふうな今実態に陥っているわけですので、そこの半導体を何としても国内で調達しなければならない、その思いは分かります。けれども、今、一つの会社に対して投資をするということに対して疑義が上がっているのも事実であります。
 半導体のそれぞれの種類や性能に基づく需要にばらつきがある中で、半導体の需給バランスが崩れ、これから先も過剰在庫を抱えることになるようなことにも私は目を向けていかなければならないと思っています。今はいいんです、課題対処、すぐ、即要るから。でも、三年後なんですよね、結局、工場造っても。それで本当に間に合うのか、この間どうするのかという問題があると思います。
 加えて、デジタル社会の到来へ向けて、半導体市場の本当に拡大策についても、先ほど来の委員からも出ているとおり、明確な大きな指針でグランドデザイン描いていかなくてはいけないというふうに思っております。
 民間企業にやっぱり直接投資はできないんだという、そういう発想がなかった時代から、先端半導体の技術者をやっぱり国内で育ててこなかったというその反省の上からも、これから先の半導体、大きなこの産業をどのようにしていくのか、大臣、お答えいただけますか。

#96
○国務大臣(萩生田光一君) まず、御指摘のとおり、大変重要な法案を非常に短期間で御審議いただいたこと、御協力をいただいていますことに改めて感謝申し上げるとともに、そのことで後ほど皆さんに批判をされることのないように、きちんと省令、政令、必要なものについてはまた報告をきちんとさせていただいて御理解を求めてまいりたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 我が国の電機メーカーがパソコンやスマートフォンといったエレクトロニクス産業において国際競争力を落とし、その結果として我が国の半導体需要が伸び悩んだことも我が国半導体産業の国際競争力低下の要因の一つであったと考えております。
 御指摘のように、今後は、我が国の半導体産業が継続的に発展していくためには、半導体製造基盤の強化だけではなくて、使う側の皆さん、半導体を使う需要側の国内のユーザーの企業が元気を出してもらわなきゃなりませんし、それは必要な製品をどんどん開発してもらわなきゃならないわけですから、こういったことも同時に俯瞰して取り組んでまいりたいと思います。
 幸い、我が国には自動車、産業用機械、部素材あるいは情報通信など、物づくりを中心とした幅広い産業が存在しています。今後は、IoT化の進展により、先端半導体を用いるデジタル産業が成長するポテンシャルは大いにあると考えています。
 こうした観点から、例えば自動運転やドローン、自動車の電動化の鍵となる蓄電池、多様な生産現場に導入可能なロボットなどの分野における技術革新を実現すべく、引き続き研究開発支援などに取り組んでまいりたいと思います。
 経産省としては、我が国の強みも生かしながら、ユーザーとなる産業の育成も含め、半導体関連産業全体の国際競争力の維持強化に努めてまいりたいと思います。

#97
○矢田わか子君 ありがとうございます。
 元々、振り返れば、八六年の日米半導体協定、ここから日本の半導体産業の凋落は始まったというふうに言われておりますよね。
 それを踏まえて、今もやはりこの日本が大きく、いや、世界全体がですね、半導体に目を向け始めた中で、また新しいフェーズに入った中でも、例えば日本の今持ち得る技術力で製造装置やそれから素材の強さ、ここを、特に製造装置についてはもうアメリカなりが、中国なりが狙い始めているというようなこともある中で、その今の強みをどう守っていくのかということも一つの大きな課題であると思っています。
 資料二を御覧ください。
 今ある工場の一覧、主な生産拠点だけですけれども、こちらの方で整理したものです。今こちらには四十七の工場のみですが、実際には八十を超える工場が今も残っていると言われています。事業の再編、外資への売却などを経ながら、依然、川上から川下まで広い分野で半導体の工場、生産活動を続けているわけであります。半導体製造に関連した主な事業所ですね、これらの事業所の下請、関連事業者を含めれば、多くの労働者やそして技術者がこの産業にいまだに、もちろん歯を食いしばって従事している。その現実も、大臣、受け止めていただきたいんです。
 これらの事業所の中には、設備の老朽化、高性能半導体の開発力の低下、そして人材の不足、在庫リスクなど多くの問題を抱えてながらも、設備の更新投資で生産性や技術力を上げることがこれからもできるのであれば頑張っていける、そういう会社が多くあります。とりわけ、カーボンニュートラル実現のために省エネ技術などで半導体需要が増加することも予測される中で、我が国の半導体事業の強みのこのマイコンやパワー半導体、センサー半導体、アナログ半導体など、十分に世界に製品を送り続けていくことができます。
 今回の補正予算では、確かに僅かながらそこに対して予算計上していただいている、四百七十億円です。まあ、ないよりはましというか、感謝しますけれども、これでは全く私は足らないというふうに思っています。海外の工場を誘致して、そこに六千億、四千億も投じるのであれば、その十分の一しか日本の工場に掛けないのですかということであります。
 現場では、設備の更新の投資、研究開発投資のニーズ、高まっています。この予算を、今この補正としては四百七十ですが、来年以降、本予算でどのように位置付けていくのか、その予算方針についてお伺いしたいと思いますし、あわせて、私はその設備投資の資金の直接助成のみならず、やはり税制における優遇策、重要な政策となると思っています。
 資料三、御覧ください。
 中国、韓国、台湾における半導体産業への税制優遇措置、もう私たち日本とは全く桁違いの優遇措置が行われています。こうした投資に対する税制控除や在庫や減価償却の税制優遇など必要があると思いますが、見解を伺いたいと思います。

#98
○政府参考人(野原諭君) 既存の半導体工場への支援策でございますが、今回の補正予算の中で四百七十億円計上しておりますけれども、これ四百七十億円は、これは基金ではございませんので、補正予算で計上して、来年度は繰越しはできると思いますが、今年度、来年度、支出することを想定して四百七十億というふうな予算になっておりますので、再来年度以降、必要な予算があればまた別途、その時点で予算の手当てをしなければいけないというふうに考えております。
 それから、各国の、台湾、中国、韓国の支援策でございますが、韓国などは税制でかなり大胆な支援策をやっておりますけれども、我が国も研究開発税制、これは特に業種が限定されているわけではありませんが、研究開発の投資に対する税額控除の制度などがございます。
 これらの、先端半導体の国内基盤整備を始めとするこれらの施策のパッケージはあくまでも我が国の半導体産業復活に向けた取組の第一歩でございまして、引き続き諸外国に匹敵する総合的取組を、総合的な取組を進めていくという観点から検討してまいりたいというふうに考えています。

#99
○矢田わか子君 大臣、先ほどのお話の中で、やはり産業、半導体産業を復活させるには、当然、両輪である需要ですね、ビジネスをどうしていくのかということが大事なんだということで、物づくりそのものを復活させていくのかということにまで私は話が通じていくことだと思っています。したがって、半導体のその技術革新も大事なんですけれども、その受皿となるところをどうしていくのかという問題を是非御一緒に考えていただきたいと思います。
 かつ、先ほどの老朽化した工場の話ですけれども、ルネサスの那珂工場の火災のときには大変御支援をいただきありがとうございました。けれど、これが実態なわけです。老朽化し、火災が起こり、そして日本は自然災害も起こります。そのようなときにもどのようにそうした工場を支えていくのか、ここも是非経済産業省には熟慮いただきたいというふうに思います。
 実質的に、これからの立て直しの中で、今は、この三十年前を振り返ると、日本で言われる強みであったいわゆる垂直統合型の仕組み、したがって設計もするけれども製造もするんだと、これがフラッシュメモリーなり、などが伸びてきた経緯の中でやってきたことです。けれど、今は分業、水平分業になって、作るところと設計するところが違うということで、まず今回、日本はこのファウンドリーというところを中心にやっていくということなんですが、ファウンドリーを立て直しする中で、設計の部分のファブレスはどうしていくのかというようなこともあります。
 中長期で見たときに、先ほどステップ1、ステップ2、ステップ3とありましたけど、まずはとにかく課題対処型で、今要るもの、即要るものを投資して作るんだということで、次が研究開発やっていきます、そして最後に近未来的なものまでというようなざくっとしたイメージしか出てきていないんですね。そこはどう考えていらっしゃいますか。

#100
○政府参考人(野原諭君) ファブレスの部分が、先端半導体のファウンドリーの部分が日本の場合ミッシングピースになっておりまして、国内で四十ナノより進んでいる部分が作れないという状況にあります。ここの部分を、今回、この法律でも手当てをすることを一つ政策として、補正予算と、予算、この法律でも支援する、そのミッシングピースになっているところを整備することを一つの、それで安定供給を図ることが、も一つの政策目的になっておりますが。
 設計の部分、ファブレスの部分は、ルネサスさんのように設計をしているプレーヤーは日本にもおりますけれども、設計の部分についても半導体のサプライチェーン全体の中ではプレーヤーがいないわけではないので、そういう意味ではミッシングピースになっているその製造能力、ファウンドリーのところに比べると、欠けているという意味で、安定供給における緊急性がファウンドリーのところほどではないですけれども、ただ、半導体のサプライチェーン全体に強くしていく必要はあると思いますので、そういう意味で、サプライチェーンを強くしていく観点からどのような取組を今後やっていけるかというのは考えたいと思います。

#101
○矢田わか子君 だから、申し上げているとおり、やっぱりこの足下だけじゃなくて、本気で中長期含めてやっていく気がありますかということを問うているんですね。産官学の連携、当たり前だと思います。これまででも、産官学一緒に一体となって研究してきてもやっぱり失敗しているものが多かったじゃないですか、MIRAIプロジェクトとかのように。
 したがって、やっぱりそのやり方そのものがですね、企業からの出向者ですか、集めて、それに対して最大公約数的なテーマを設けてやるから、そこについて落とし込みができない、実装まで持っていけないというような過去があったじゃないですか。
 したがって、もう一度やはり、オランダで、あっ、ベルギーのIMECのような研究機関がありますけれども、実際に個別の企業出てくるけど、この個別の企業のテーマに沿ってそれぞれ入ってやらせていくというような形態も含めた変更がなければ、産官学連携しても私は成功しないんじゃないかと思っていますので、そこも含めて是非経産省には御要請を申し上げておきたいなと思います。
 それから、続いて、三番目に電力のことについてお願いをしていきたいと思います。やっぱり産業インフラのコストなんですよ。余りに日本は高いということであります。
 資料四をお示しいたしました。
 特に産業用の電気料金、国際的にも高い状況が続いています。半導体でこれだけいろんなその設備を持ちながら凋落していったその大きな要因の一つに、やっぱり設備投資したけれども回収し切れないということがあるんです。だからいろんな日本企業が海外に資本を委ねていかざるを得なかった、そういう歴史があります。
 産業の米ということなのであれば、絶対この半導体産業というのは波を繰り返すわけですから、下に沈んで需要がないときにもしっかりそこを支えていくために、米の政策のように基本的な部分を政府として面倒を見るというぐらいのことがなければ、私は、中長期で見てまた同じことを繰り返すんじゃないかというふうに思います。電気料金は一つのことですが、いかがでしょうか。

#102
○国務大臣(萩生田光一君) 先生の御指摘はもう私ごもっともだと思っていまして、さっき、前段の話なんですけど、政府がどう関わりを持っていくかというのを、今までの概念では駄目だと私も思っております。
 したがって、実は岸田内閣では、年末になるんですけれども、未来、今まで教育再生実行会議というのがございましたが、これを未来創造会議という、ちょっと名前忘れちゃいましたけど、新しい会議体にして、日本というのは自由な国ですから、学問の自由や職業選択の自由はあるんだけれど、よくよく考えてみたら必要なところに必要な人がいないじゃないかと、これはやっぱり国家戦略としてやっぱりやり直していかなきゃいけない。今はそのビッグデータを処理するのにデータサイエンティスト国内に全然いない、データは持っているけれどもその処理ができない、読み込めないという、こういう状態や、今回の半導体、全く同じだと思います。
 したがって、そのピンのものじゃなくて、先ほど私ちょっとお話ししたように、国内全体の製造力を増やしていこうと、産業力を増やしていこうと、物づくり国家としての復活を目指していこうということが大きなテーマでありますので、使う側の人たちも元気になってもらわなきゃならないし、使ってもらわなきゃならないんです。そういう意味では、今までとはちょっと違った概念で産業界を応援していかなきゃいけないと思っています。
 今御指摘のあった半導体工場では、回路の焼付け工程ですとか、非常に電力使います。それから、これ、水も使うんですね。物すごい水使います。河川や地下水がくみ上げられる自治体はいいんですけれど、そうじゃないところは上水を使ったらこれ全然採算が合わないわけですから、こういった洗浄過程での大量の水の消費など膨大なコストに対して、オペレーションコストに係る負担を軽減するために、本法案においては必要な資金の貸付けは取りあえず今回メニューとして用意しました。
 しかし、金融機関に対する利子補給、金融面での支援措置、ここまではやりますけれど、まだまだですね、特定の業界だけ電気料を下げていいのかって、こういう議論が必ず国内で起こると思います。だけど、特定の業界じゃなくて日本の物づくりどうするのかという大きな視点で、これちょっとお時間いただいて、政府内でしっかり話をしていきたいと思っています。
 こうした措置に加えてどのような措置をとり得るか、今後、半導体・デジタル産業戦略検討会議を始めとした各種会議において、しっかりと学識者や産業界の意見も踏まえながら、新しいフォームというものを見付けてまいりたいというふうに思っています。

#103
○矢田わか子君 大臣、ありがとうございます。
 技術立国日本と言われて、そして物づくり王国日本だったのがここまで凋落した。その私たちは反省に立たなければいけないと思っています。
 技術だって、でき上がっても、結局、ビジネスと結び付いていかなければ、その技術は生かされないわけです。そういうたくさんの、まあ死んでしまったというか、日本で生まれたにもかかわらずビジネスにつながっていかなかった、そういう技術がどれほどたくさんあるでしょうか。結局、その技術を海外に持ち出されて、そこで大きなビジネスとして育てられた、そういうものが余りにも日本は多過ぎると私は思っています。
 だからこそ、もう一度、もう一度この国家戦略として産業にスポットを当てて、そこをしっかりと育てていくということを国を挙げてやっていかなければこの凋落からは抜け出すことはできない、そのように確信しております。
 是非、こうしたインフラ整備、インフラコストについても、米ということと同じ、米の政策と同じように、産業政策を、その産業を育てる上での最低限に掛かるコストについても何らかの手当てを重ねてお願い申し上げておきたいと思います。
 最後に、人材育成です。
 人材確保と人材育成ということでありますし、あと技術流出も大きな課題になるというふうに思っています。半導体の製造装置、検査装置、あるいは部材を製造しているその私たちのこの企業、人材流出、新たな技術者の採用についても大きな不安があります。特に、私は、技術流出というのも、過去を振り返れば、日本は大きく反省しなければならないと思っています。不正競争防止法だけではもう無理だと思います。
 多くの技術が流出していった。このような中でどのように防いでいくのか。また、人材確保についても一言あればお願いしたいと思います。

#104
○国務大臣(萩生田光一君) 世界で半導体人材の獲得競争が過熱する中、我が国が半導体産業を牽引する国内外の優れた人材を引き付けるためには、大胆な支援措置を講ずるなど、我が国半導体産業の復活に向けた取組を国策として推進することが重要であり、今回の半導体産業基盤の緊急強化パッケージはこうした取組の第一歩です。
 また、先端技術を取り扱う高度な人材の維持確保、育成に向けては、国と地方、産業界と教育界、官と民が一体となって取り組むことが必要であり、具体的なアプローチとしては、即戦力となる人材育成のため、大学、高専や政府、自治体が連携の上、基礎から実用まで一貫したカリキュラムを開発することや、過去に半導体産業に携わっていたものの現在は別の職に就いている方々を集結させることなど、様々な方策が考えられます。
 技術者の育成、確保に向けて今後どのような取組をすべきか、御指摘の人材流出や技術流出防止などの重要性なども踏まえつつ、これ、半導体のみならず、やっぱり日本の技術者というのをもう少し全体を俯瞰して育てていくということをやっていきたいと思っています。
 具体的には、高専などは割と柔軟にカリキュラムを変えていますから、例えば、必要な地域にはこの半導体を専門的に勉強してもらう、あるいは電子を勉強してもらう、今やAIが必要だと、こういうふうにどんどん変わっていますので、必要な学びをきちんと教育課程でやってもらうということも自治体や文科省とも連携しながらしっかりやっていきたいと思いますし、元々持っていた基礎的な素材などでいいものがあって、特に先生にも御関係ある液晶などは、これメード・イン・ジャパンが最高だと言われていたにもかかわらず、私、地元帰って町会とか行くと、必ずほこりのかぶった世界の亀山ってシールが貼ってあるテレビがどこも置いてありますよ。世界の亀山どこ行っちゃったんだと。もうテレビだって何だってもう一回きちんと足下見直して、国内でちゃんと作っていくってことをこの岸田内閣を出発点としてやらせてもらいたいと思っております。

#105
○矢田わか子君 大臣、ありがとうございます。
 熊本の更地を見られるのもいいんですが、今稼働している工場を是非見に来てください。
 ありがとうございました。

#106
○石井章君 日本維新の会、石井章でございます。
 まず、半導体の法案の質疑に入る前に、まずコロナ禍においてのゼロゼロ融資についてお伺いいたします。
 本年の十一月十九日の閣議決定の中で、コロナ克服・新時代開拓のための経済対策では、政府系金融機関による実質無利子無担保融資が来年の三月まで延長になったということであります。いわゆる中小企業に対する資金繰りの支援に万全を期すという旨が明記されております。いわゆるこの融資が三月まで延長されることによって、中小企業者の皆さんが大変助かるものと私は思います。
 私は、再三再四この機会を捉えて、前任の梶山大臣にも質疑、法案以外の質疑で必ず冒頭にこのコロナの融資の質疑、それから安倍総理にも昨年のゴールデンウイーク前にいわゆる保証協会付きの融資が非常に面倒くさいと、手続がですね、もう持ち回りの判こ押すのが面倒くさいということで、安倍総理にそれを質問の中で言ったところ、ゴールデンウイーク明けの第一週目にはもう各地区の保証協会に通達が行っていまして、いわゆる商工会の会長の印鑑要らないということで、貸す側にとっても貸しやすい、借りる側にとっても非常に借りやすい内容で、物すごいスピードアップしてやっていただいた記憶があります。
 そういった中で、今回この質問をするのは、今回三月まで延長になったのは、今年の三月には公明党さんもこの延長という話を予算委員会で質問していましたけれども、そういう中で、一つ、今いろんな企業がだんだんだんだん売上げが上がってきているところもあります。しかし、コロナ禍の影響でまだまだ全然、もう全然底辺を行っている企業が非常に多いわけであります。
 そうすると、各地区の国民生活金融公庫、あるいは保証協会付きの、保証付きの融資に関しても、以前よりも貸し方が非常に厳しくなってきたと。いわゆる厳しいからなかなか元本を返せないのは当たり前なんですが、これは、この枠は特定枠ですから別枠なのにもかかわらず、非常に国民生活金融公庫も貸付けが鈍っているという情報が結構入ってきています。
 そういった中で、この命綱、いわゆる中小零細企業の命綱とも言えるこのゼロゼロ融資がなくなったらこれ大変なことになりますので、このゼロゼロ融資が果たす役割やその重要性について、大臣から御答弁願います。

#107
○国務大臣(萩生田光一君) 新型コロナウイルス感染症の影響を受けた中小・小規模事業者の事業継続のため、資金繰り支援は極めて重要です。
 このため、昨年三月より政府系金融機関による実質無利子無担保融資を措置しており、これまで約十九兆円、約九十九万件の融資を決定しました。このほか、新型コロナ対策として雇用調整助成金や月次支援金など多層的な支援策を講じてきており、これらによって倒産件数が抑えられているとの見方が民間の調査でも示されているところでございます。
 このため、足下で中小企業の資金繰り状況は落ち着いていますが、年度末の資金需要に万全を期すことで事業の継続を見渡せるよう、今般、政府系金融機関の実質無利子融資の申請期限を来年三月まで延長したところです。
 引き続き、事業者の資金繰り支援に万全を期してまいりたいと思います。

#108
○石井章君 ありがとうございます。
 それでは、法案に対する質疑に入りたいと思います。
 今回の法案では、事業者が特定半導体の生産施設設備等計画を作成して、そしてそれを見て経済大臣が認定するという仕組みになっております。
 これはもう基金から数千億円ものお金が事業者に支払われる、もう先ほど出ていますが、台湾のTCMCがその前提となって今動いているわけですけれども、しかし、もう先ほど来、公明党の河野先生からもうすばらしい野武士のような質問が出ましたけれども、本当に四千億円渡して何かあったときにどうするんだということで、経済産業省の知見ではとてもじゃないが何かあったときのための、今の経済産業省の中だけの知見ではどうするべきかというのはどうなのか、先ほどの話聞いても全く先が見えないような話です。
 したがいまして、これは衆議院の委員会の附帯決議にもありますけれども、外部の専門の人材を登用して、しっかりその中身を精査するということになっておりますが、その体制の整備について大臣の御見解をお伺いします。

#109
○政府参考人(野原諭君) 計画の認定申請があった場合に、その計画が我が国の先端半導体の安定供給体制の構築に資する計画であるかどうかなど、5G促進法の十一条の三項の一号から五号に認定基準が列記、列挙して規定されていますけれども、その認定基準に適合しているか否かというのを審査した上で経済産業大臣が判断することとなっております。
 例えば、認定基準のうち、第二号が継続生産期間について規定してありますが、この具体的な期間については詳細は主務省令で定めることになっておりますので今後検討していくことになりますが、その際、国内における先端半導体の安定的な生産に資する製造基盤が根付くために十分か、それから、製品サイクルや設備の耐用年数も踏まえた設備更新のタイミングなど、事業実態に照らして合理的かという観点も踏まえて詳細な基準は設定、主務省令のところは設定していくことになるかと思います。
 認定でございますが、こういうその認定基準への適合審査というのは法体系としては数多く存在しているものでございます。事業者から申請される事業計画にはビジネス上極めて機微性が高い内容が含まれる可能性もございますので、その点にも留意が必要でございます。
 こうした点も含めまして、計画の認定申請については、主務大臣が責任を持って審査し、認定の可否を判断するということが基本的な考え方でございますが、審査の過程の中で外部の専門家に意見を聞くことが必要と考えられる場合には、扱う、取り扱う情報の機微性に留意しつつ意見を伺うことも想定され得るものというふうに認識をしております。
 まず担当部局で必要な体制を整えた上で、申請の内容を基に外部の専門人材を活用することが必要かどうか判断して、対応を適切に判断していくということになろうかと思います。

#110
○石井章君 ありがとうございます。
 この本法案についての議論は今しています。先ほど来もう名前が出ていますが、TSMCが熊本県に新設する工場の計画認定がまず第一号になるだろうという見通しの中でこれ質疑が進んでいるわけですが、四千億円もの補助金が投じられると。TSMCの熊本県の新工場誘致に対しては、国内半導体産業が再興するチャンスとの期待が寄せられる一方、今言ったように、数千億円規模の支援を海外企業に行うということ、本当に優先供給を受けられるのかどうか、また税金の無駄遣いに終わるんではないかというような懸念もあります。
 経済安保があおる補助金競争に巻き込まれないように歯止めを考える必要があるなどといった批判や懸念も、たくさんの声がありますが、萩生田大臣はこうした国民の批判や懸念に対してどのように説明されるのでしょうか。
 また、巨額の補助金が投じられることに鑑みまして、例えば日経新聞は、経済産業省は補助金投入による国民経済的な利点と負担を比較する試算を示してはどうかといった提案を行っています。補助金は本法律案では設置される基金から支出されますが、その費用対効果を明確化にするようなお考えはないのでしょうか。大臣に併せてお伺いいたします。

#111
○国務大臣(萩生田光一君) 半導体製造基盤の整備に向けた支援について御指摘のような様々な意見があることは承知しておりますが、大前提として、本法案に基づく支援には枠組みに基づく手続を経ることが必要であり、現時点で国内外を問わず支援が決定している特定の事業者はおりません。
 その上で、現在、我が国は先端ロジック半導体の製造拠点を有しておらず、我が国半導体産業のミッシングピースとなっているここを埋めることによる効果は、我が国産業を取り巻くサプライチェーンの強靱化、我が国の半導体関連産業の再興、発展、我が国全体のデジタル化の進展など、広く国民の皆様が裨益する公益性が認められるものと考えています。
 支援措置は、その在り方等に関する国民の皆様からの御意見は真摯に受け止めつつ、その政策的意義や必要性などについて様々な機会を捉えて丁寧に説明を行ってまいりたいと思います。

#112
○石井章君 ありがとうございます。
 時間も来たので、最後に大臣にお伺いいたします。
 日本の国税の中から四千億以上のお金が出るということでありますが、普通、例えば県の制度融資とか市町村のいろんな融資などを受けるのには、例えば建物を造るのに、企業誘致条例などを見たときには、例えば、そのエリアのSランクの企業を入れてしっかり建物を造るとか、いろんな条件が付されてくるんですね。
 今回、台湾の事業者がやる場合に、例えば、熊本県の優秀な企業だけでは間に合わない、日本のゼネコンを、クラスのところをきちんと入札参加、補助金ですからきちんと競争入札やらなきゃ駄目だと思うんですけれども、そういったものの条件をしっかり見据えて、そして、税金丸々が海外に行くというものじゃなくて、日本の企業にもプラスになるんだよというイメージも出していかないと駄目だと思うんですが、その辺、今事務方でどのように考えているか、お伺いします。

#113
○政府参考人(野原諭君) 個別のそれぞれのケースについて、申請が出てきた後で基準に沿っているかということで審査をした上で認定をいたしますが、国内で設備投資をする場合には、海外からそれぞれ重たいものを運ぶのは経済的にも多分合理的ではないので、地元で調達するものは多々あろうかと思います。

#114
○石井章君 時間が来たので、終わります。
 済みません、ありがとうございました。

#115
○岩渕友君 日本共産党の岩渕友です。
 本法案は、経済安全保障の名で半導体企業の設備投資を支援するものです。特定の外資、特定半導体企業に四千億円もの補助金をつぎ込むといった説明がされていますけれども、今年度の当初予算で中小企業対策費が幾らかというと、千七百四十五億円しかないんですよね。こうしたことから見ても前代未聞のことであって、長引くコロナ禍で苦しんでいる中小企業の営業を守ることこそ最優先にするべきです。
 資料を御覧ください。
 半導体の需給逼迫というんですけれども、世界における日本の半導体シェアは、一九八八年時点では五〇・三%、もう世界の半分以上ですよね。世界トップで、コンピューターの記憶装置に使う半導体メモリーのDRAMでは世界の市場をリードしてきました。ところが、二〇一九年のシェアは一〇%にまで落ち込んでいます。実際、この資料を見ていただければ分かるように、日本の半導体産業は一九八八年をピークにして右肩下がりになっているんです。
 じゃ、何でこうした状況になっているのかということで、日本の半導体産業が安い値段で半導体を輸出していることが米国の半導体産業に被害を与えているという米国の主張に従って一九八六年に日米半導体協定が締結をされて、これが十年間続きました。日本市場における海外製品のシェアを二〇%にするんだという目標が設定をされて、協定締結時は八%だった海外製品のシェアは、一九九六年には約二八%、三割にもなっています。さらに、協定によって価格監視制度に基づいて売値の設定が行われたことで日本のDRAM事業は打撃を受ける、その一方で、米国や韓国などがシェアを伸ばしていきました。
 そこで大臣に伺うんですが、この米国が押し付けるままに日米半導体協定を締結をしたことが日本の半導体生産の衰退のきっかけとなったのではありませんか。

#116
○国務大臣(萩生田光一君) 我が国の半導体産業は、一九八〇年代には世界一の売上高を誇っていたものの、その後、競争力を落としてまいりました。御指摘のとおり、日米半導体協定を契機に、政府として積極的な産業政策を後退させたことはその要因の一つであったと考えております。

#117
○岩渕友君 今、大臣も契機になったと、そういうふうに認めるのであれば、どうするのかということが問われるということだと思います。
 この間、DRAMを専業とする米国のマイクロンはよみがえって、現在では世界トップメーカーの一つになっています。韓国も、半導体協定前のシェアというのはほとんどなかったんですけれども、この半導体協定によって、海外製半導体を増やす目的でDRAM技術を韓国に移転をしたということで、一九九二年には、資料にもあるんですけれども、あのサムスンがDRAMでトップシェアとなっています。
 一方、日本は政府が主導をして、NEC、日立製作所のDRAM部門が統合して、そこに三菱電機の事業も加わったエルピーダメモリがDRAMの国内唯一の専業メーカーとなりました。ところが、経済危機に伴う業績悪化に伴って、二〇〇九年に産業活力再生法の改定によって四百億円の公的資金が投入をされました。けれども、結局は、韓国メーカーとの競争力の格差も広がっていた、こうしたことなどから、たった三年で経営破綻をしてしまうんですよね。このエルピーダメモリはマイクロンに買収をされるということになりました。
 そこで経産省に伺うんですが、このエルピーダメモリの負債総額、あと国民負担となった額が幾らか、お答えください。

#118
○政府参考人(門松貴君) 御指摘のエルピーダにつきましては、二〇一二年二月に会社更生法の適用申請があり、負債総額については約四千四百八十億円というふうに認識をしております。また、この関係で政府系金融機関が支払った補償金は約二百七十七億円と承知をしております。

#119
○岩渕友君 今も答弁にあったとおり、負債総額は製造業としては過去最大ということで四千四百八十億円です。約三百億円もの国民負担も発生したということです。
 電機、半導体企業は、一九九〇年代から二〇〇〇年代にかけて大規模なリストラを強行してきました。さらに、生産を海外に委託をして技術が流出する。これに拍車を掛けたのが、リストラすればするほど減税をされる産業活力再生法、産業競争力強化法でした。
 ルネサスは、国内リストラで技術が流出をして、リストラで上がった収益で海外のMアンドAを推進してきました。歴代の自民党政権や経済産業省のやってきたことへの真剣な反省がないまま企業誘致を行うということになれば、同じ失敗繰り返すことになると思います。
 世界最大の半導体受託生産会社である台湾のTSMCが日本で初めての工場をソニーグループと共同で熊本県に建設すると発表したニュースリリース、これを見ますと、日本政府から強力な支援を受ける前提で検討をしているというふうに書いてあるんです。さらに、大臣がTSMCの会長とオンラインで会談をしたということを明らかにしています。これ、強力な支援というんですけれども、じゃ、どんな交渉だったのかと、で、どんな約束をしたのかと、そのことは明らかにされていないんですね。
 これ、前代未聞の支援が予定をされているという中で、交渉経過を明らかにするべきではないでしょうか。大臣にお聞きします。

#120
○国務大臣(萩生田光一君) 経済産業省は、TSMCとは以前からポスト5Gに向けた次世代半導体の研究開発事業を通じて協力関係があり、また、今年六月に梶山前大臣が、十一月には私自らがそれぞれオンラインでマーク・リュー会長らと会談を行うなど、官僚レベルを含め様々な形で意見交換を行ってまいりました。ちなみに、文科大臣時代、東京大学を含めてこの台湾の半導体の皆さんとの交流というのもございましたので、今回特別な対応ではないと私は思っています。
 先端半導体の製造拠点の整備を支援するに当たっては、国会で法案や予算案について御審議、御承認をいただいた上で、法案の枠組みに基づく所要の手続を経ることが大前提でありまして、TSMCにはこうしたことをきちんと伝えており、支援することを約束した事実はございません。
 今後、支援対象となるかは、あくまでもTSMCが計画の認定申請を行い、その計画が我が国の先端半導体の安定供給体制の構築に資するものであるかどうかなど、認定基準に適合性しているか否かが重要だというふうに思っております。

#121
○岩渕友君 支援約束したわけじゃないというんですけれども、相手の方はそれを前提にしているんだというふうに、支援が受ける前提で検討しているんだというふうに、こういうふうに言っているわけですよね。
 じゃ、前提の中身って一体何なのかと。四千億円ものお金掛けるということなので、もしかしたらこれから支援額もっと膨らむかもしれないですし、この中身が分からないままでは国民の理解得られないということだと思うんですよ。だから、この交渉の経緯、明らかにするのは当然だと思うんですけど、大臣、もう一度、いかがでしょうか。

#122
○国務大臣(萩生田光一君) TSMCに対して、我が国として、先端半導体の国内拠点整備のため他国並みの取組を行う構えがあること、同時に、支援を行うには予算や法的枠組みの整備が必要であり、これらの手続を踏む必要があることを伝えてまいりました。
 誤解されていると思うんですけど、私、そこを慎重にちゃんと対応しています。そして、冒頭申し上げたように、これ、日本政府が半導体製造にコミットメントして、皆さんの税金を使わせていただいて全体を増やしていこうということを先ほどから各委員の皆さんの質問にお答えをしているので、今まではこういうオプションがなかったわけですよ。
 したがって、欧米が誘致合戦を繰り広げている中で、うちは何にもメニューありませんけど、日本でもそういう先端半導体の技術が国内に根付いてくれたらいいですねなんて言っているだけではこれはもう一歩も前に進まないわけですから、今回、法律も含めてきちんとこういうメニューを作っているんですということをきちんとお伝えした、そのことに向こうがどういう反応したかは私は承知はしていません。

#123
○岩渕友君 中身が分からないままでは、やっぱりこれだけのお金なので国民の皆さんの理解得られないんじゃないかということなんです。そういう意見も出ていることは確かなわけですよね。
 一方、半導体素材、そして半導体装置については、日本は世界的にも非常に存在感発揮していると。二〇二〇年の半導体装置メーカーのランキングトップテンには、日本の企業四社も入っているんですね。この強みを生かして、半導体のグローバルサプライチェーンが平和で、互恵で、対等なものになるように、日本政府として積極的な役割を果たすことが重要ではないかと思うんです。
 この半導体装置や素材を支えているのが多くの下請の中小企業、町工場の皆さんです。ここにこそ支援を行うことが必要だと思うんですけれども、大臣、いかがでしょうか。

#124
○政府参考人(野原諭君) お答え申し上げます。
 我が国の半導体製造装置メーカーや素材メーカーは、そのサプライチェーンに連なる下請企業も含めて高い競争力を有しております。今年度からは、こうした装置メーカーや素材メーカー等の半導体関連企業が海外の半導体トップメーカーと共同で次世代半導体の製造技術開発に取り組んでおりますけれども、今回の補正予算では、こうした取組を促進するための更なる支援策を盛り込ませていただいているところでございます。
 ただ、これらの半導体装置メーカーや素材メーカーは、競争力はあるんですけれども、その顧客は既に海外が中心となっております。主要国は、先端半導体工場の誘致のみならず、いわゆるチョークポイントとなる半導体製造装置や材料についても国内にそういう企業を誘致するという政策を展開しておりまして、放っておくと我が国の強みである製造装置や素材産業も空洞化リスクにさらされておるということでございます。
 先ほど申し上げました装置メーカーや材料メーカーへの先端技術開発への支援のみならず、需要家となる先端半導体製造拠点を国内に整備するということに取り組むことによって我が国の国内において半導体の関連産業の集積、エコシステムの形成を進めていくことが重要ではないかというふうに考えております。

#125
○岩渕友君 ここが強みだということなので、とりわけやっぱり下請の中小企業、町工場を応援するということを経産省にやってほしいということなんですね。それが重要だってことを改めて述べておきます。
 コロナ禍の下で、金属製造情報通信労組のJMITUから、半導体装置を作るにもコネクターであるとか樹脂製品が不足をしていて、このことが中小製造業にとっても大問題になっているというふうに訴えが寄せられているんです。
 これ、経済産業省として、実態を把握すること、資金繰りなどに影響が出ている事業者もいるので金融対策なども含めて対策を取る必要があるんじゃないかということで、大臣に最後にお聞きします。

#126
○国務大臣(萩生田光一君) 前段の大きな新しい工場だけを応援するというんじゃなくて、半導体産業そのものをしっかり支えていくので、結果として、それに携わる前工程、後ろ工程、素材メーカー、中小企業の皆さんもしっかりサポートする体制を、この法律を機にしっかり体制を組んでいきたいと思っています。
 製造業の現場において、昨年末から続く世界的な半導体不足を受けた自動車生産への影響や、足下で家庭用給湯器の構成部品であるコネクターの部素材など調達が困難になって給湯器の供給遅延といった問題が生じていることなどは承知しています。こうした部材不足によるサプライチェーンの影響を最小限にするため、不足をする部素材の増産要請や代替調達先の紹介など、必要な対策に取り組んでいるところです。
 加えて、中小企業に対する対策として、政府系、民間金融機関に対しても、関係大臣とともに、部素材の不足による売上げ減少も含めた経営環境の変化などを踏まえ、事業者の業況を積極的に把握し、資金繰り相談に丁寧に対応する旨の要請を出しております。
 さらに、事業者の売上げ減少が新型コロナの影響を受けることが認められる場合には、政府系金融機関によるゼロゼロ融資によって資金繰りを支えていくこととしておりまして、先般、経済対策において、その実施期限を来年三月まで延長したところです。
 引き続き、事業者の資金繰り状況を注視しながら、柔軟な対応をしてまいりたいと思います。

#127
○岩渕友君 以上で終わります。
    ─────────────

#128
○委員長(石橋通宏君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、金子原二郎君が委員を辞任され、その補欠として自見はなこさんが選任されました。
    ─────────────

#129
○ながえ孝子君 碧水会のながえ孝子です。
 法案への質問の前に、萩生田大臣にお伝えしたいことがあります。私の地元、愛媛県なんですが、愛媛県でも、事業者の方々から、この十一月頃から客足が戻ってきた、あるいは売上げが回復してきたという声が聞かれるようになりました。これは大変うれしいこと、喜ばしいことですが、問題はここからですね。売上げが戻ってくると、仕入れを増やさなければなりません。仕入れを増やすと、仕入れ額が大きくなって、その分の資金を調達しなければなりません。でも、コロナ禍二年です。この手元資金がないとなると融資を受けるということになるんですが、ここがスムーズに動かないと、売上げは好調なんだけれども資金がショートして黒字倒産ということになってまいります。
 ですから、コロナからの事業支援を支援するためには、事業復活を支援するためには、これからの回復期、資金調達をいかに支えるかがとても重要だと思います。そんな状況ですから、事業復活支援金への期待は大きいです。地元で聞いて、その分いろんな要望が出ておりますので、ちょっとお伝えをしたいと思います。
 一つは、給付までのスピード感ですね、やっぱり。申しましたように、売上げが戻ってくると仕入れ額が増えてくる、そこに間に合うように支援金が欲しいということなんですが、これは大丈夫かなと思っているんですが、どうも間に合いそうもないなと思って心配をしております。
 もう一つは、対象が今年の十一月から来年三月までというふうになっております。つまり、十一月、回復傾向が出てきたときからなんですね。回復してきているのに、売上げが三割から五割減でないと手を挙げられないということです。
 中小事業主の皆さん、ここまで本当にコロナ禍の中で厳しい中、事業継続のために蓄えを取り崩したり、あるいはゼロゼロ融資を利用したりして何とか踏ん張ってこられました。ここからいよいよ復活だというときに、資金が必要なのに、せっかくの復活支援金が手が挙げられない、そういう事業者が多いのではないかということを大変心配しております。
 その辺り、いかがでしょうか。

#130
○政府参考人(飯田健太君) お答えいたします。
 今先生幾つかお話ございましたけれども、まず、事業復活支援金の対象ということでございます。
 引き続き厳しい経営状況が続いている皆様いっぱいいらっしゃるというふうに思っておりまして、今回は売上高が三〇%減の事業者の皆様にも支援の対象とすることにいたしております。
 ただ、それだけでは、足下の資金繰りなどに苦しむ事業者の方々まだいられると思います。政府系と、あるいは民間金融機関に対しまして各種の要請を行っております。具体的には、各種の支援金などの支給までの間に必要となる資金、あるいはポストコロナに向けて設備投資などに要する資金を含めた追加融資について、事業者の今の決算状況などの事象のみで機械的に判断はせずに丁寧かつ親身に対応することなどを、直近では先月二十四日に萩生田大臣の方から関係大臣とともに御要請いただいております。また、政府系金融機関による実質無利子無担保融資などを来年三月まで延長したところでございます。
 こうしたことで、事業復活支援金だけでなくて、その他の施策を様々切れ目なく講じていくことによりまして、事業者の皆様をしっかりとお支え申し上げていきたいと思っております。

#131
○ながえ孝子君 次に聞きたいことを前もってお答えいただいたような感じで、ありがとうございます。そうなんです。まさに今復活傾向にあるところをつながなきゃいけないということが重要だと思います。
 ゼロゼロ融資ですね、先ほども質問もありましたけれども、これは役目を果たしたと思います、重要な。なんですけれども、あくまで延命措置なんですよね。企業にとっては返さなくてはいけない融資が増えたということになります。売上げが落ちているところへの融資なので、当然過剰債務となります。ある調査によりますと、中小企業の三社に一社、大企業でも十三社に一社が過剰債務をコロナで抱えているという調査があります。
 問題はここからで、事業復活という局面で、ありましたように、金融機関というのは本当に一般的には過剰債務者には融資してくれないです。それを何とかするようにって国から要請を出したということなんですが、実際、現場はそうもなっていないみたいです、はい。
 実際、売上げが戻ってきて仕入れを増やしたんだけれども、資金調達が間に合わず倒産あるいは廃業という中小企業が出始めたと、ある信用調査会社の方がおっしゃっていました。とても心配をしていらっしゃいます。ある経営者の話では、金融機関の審査が、去年の秋まではコロナ特例だったんですよね、非常に柔軟性に対応してくれたんだけれども、去年の秋以降、コロナ禍は続いているのに平時の体制に戻っていると、審査体制はということなんです。
 ここはやっぱり状況をきちんと判断して、マニュアルどおりではなく判断をするようにって通達は出たと思いますけれども、それができるだけの人材がなかなか金融機関の中にもいないという問題もあるようです。ですから、マニュアルどおり、平時のマニュアルどおり、企画書を出せ、計画書を出せ、将来の見込みはどうなんだと、とても金融機関の審査が厳しいけれども、コロナ禍でなかなか先の見通しなんか立たないと経営者の皆さんは頭を抱えています。
 コロナ禍で、回復傾向にある中でですよ、黒字倒産の中小企業が出ないように、これからの過剰債務の問題、これはやっぱり国のサポートが何がしか必要だというふうに思っています。
 この対処について、萩生田大臣はいかがお考えでしょうか。

#132
○国務大臣(萩生田光一君) 多分、先生地元を歩かれていろんな声を聞いてきたんだと思います。私も全く同じで、要は、コロナの影響で売上げが落ちてしまっている企業の救済策としてこの制度はあるので、誤解を恐れず申し上げれば、コロナ前から業績の悪かった企業に対して、その分まで面倒見ろと言われても金融機関はかなり厳しい査定するのはやむを得ない部分があると思います。
 したがって、お手元に資料あるかもしれませんが、いわゆるリスケについては九九%ぐらいですね、もうほとんど希望する企業に対してはやっているんですけど、そこからあぶれてしまう企業があるのも事実なんですね。したがって、そういう人たちからは不満の声や不安の声が出るのも現実なんです。
 私もそう思って、これ十分フォローできていないなと思ったんですけど、突き詰めていきますと、そうではなくて、コロナの影響で更に悪化したんですけど、その前から非常に問題があったところはかなり今御指摘のあったような厳しい審査があるということは金融機関の方でもやむを得ないことではないかなと私は思っていますので、そこは、もちろん柔軟にやるんですけれど、しかし、これ目隠しして融資しろというわけにもいきませんから、そこは通達出していますので、また改めてきちんと確認していきたいと思います。
 いずれにしましても、官民の金融機関に対して最大限柔軟な対応を行うことは要請をしております。足下の金融機関の条件変更の応諾率は今申し上げた九九%と、多くの事業者の申出に応じていると思います。資金需要が高まる年末の資金繰りについても、事業者のニーズに応えたきめ細かな支援を引き続き徹底していただくようにお願いをしました、金融機関に対しても。さらに、増大する債務に苦しむ中小企業に対しては、財務内容の改善に向けたアクションプランや金融支援を織り込んだ経営改善計画の策定、実行を認定支援機関も活用しつつ支援するとともに、全国四十七都道府県に設置されている中小企業再生支援協議会の体制を強化するなど、事業者に寄り添った支援を実施しているところです。
 引き続き、関係省庁とも連携しながら、債務に苦しむ中小企業のサポートに取り組んでまいりたいと思います。

#133
○ながえ孝子君 大臣がおっしゃること、うなずけるところもあります。
 ただ、私はお願いしておきたいのは、やっぱり企業支援で大企業向けの政策と中小企業向けの政策はやっぱりしっかり分けてきちんとやっていただきたいというところがあります。それと、地域経済は、やっぱりなかなか体力のない中小企業がそれでも支えているというところが大きいので、これまた東京向けとそれから地方向けというのは分けてちゃんと考えていただきたいなというところがあります。なので、よろしくお願いをいたします。
 じゃ、法案について質問をさせていただきます。
 改正法の適用一号が言われている海外企業ですね、まだ決まっていないということだろうと思いますけれども、まあそうなった場合ですね、海外企業に巨額の国費が投入されるということですから、やっぱりその投資に見合った効果をできるだけ担保する仕組みがきちんと機能するんだよということを国民の皆さんに分かっていただかなければ、理解は得られないと思います。
 一つは、改正法の第十六条にあります報告ですね、これをしっかりとさせることだろうと思っています。これ、十六条では、NEDOは、毎事業年度、特定半導体基金に係る業務報告書を作成し、経済産業大臣の意見を付けて国会に提出することとされていますが、これはやっぱり投資に見合った効果ができているのかどうか、費用対効果の見える化が必要だと思うんですが、その辺の仕組みはどうお考えでしょうか。

#134
○政府参考人(門松貴君) お答え申し上げます。
 まず、第一号案件として報道されている企業、海外企業と日本企業の合併会社である日本法人でございまして、日本の法律が適用されるということでございますが、その上で、本法案に基づく支援措置は国民の税金を原資とするものでございますので、その政策効果、最大化されるように政府としてしっかりモニタリングを行っていく必要があるというふうに考えております。
 そういう中、先生御指摘のNEDO法改正案第十六条五項に、十六条の五に基づく特定半導体基金に関する報告でございますが、本法案の成立後、これまでのNEDO法の国会報告の内容を踏まえながら詳細を検討をしてまいりますが、主に基金が適切に管理されているかという観点から、助成業務に係る収支や先端半導体製造拠点整備における設備の導入状況等について国会に報告を行うということになろうかと思います。
 また、こうした法案に基づく御報告に加えまして、雇用に与える影響や先端半導体確保に係る政策効果も含めて、先生御指摘の点も踏まえて、様々な機会を捉えて国民の皆様に対して丁寧な説明を行ってまいりたいというふうに思っております。

#135
○ながえ孝子君 報告は、どれだけ深いかよりもちゃんと聞きたいところの報告ができているかということが大事だと思いますので、是非その見える化をお願いしたいと思います。
 それでは、投資の効果として先ほど来説明を聞かせていただいておりました。だから、やっぱり、支援を受けた企業を拠点にして国内の半導体ユーザーが活気を取り戻すこと、もうこれが本当に期待されます。支援を受けた企業と連携して、これからの自動運転ですとか、先ほど来例に挙がっております6Gなど先端分野で半導体開発を共同でやるとか、それを生かした新商品を国内企業が開発して製造するとか、そういう好循環が生まれて初めて巨額の投資をしてよかったなと、日本の復権がかなったなという効果だと思います。でも、その好循環を生むって大変なことですよね。大変なことだと思います。
 大臣の意気込み、それはやっぱりこれから経済産業省、国がリードを取ってやっていくんだという意気込みは聞かせていただきました。具体的に、経済産業省としてどんなリードの体制を考えていますか。

#136
○政府参考人(門松貴君) お答えいたします。
 御指摘のとおり、ユーザーさん、ユーザー企業の育成、極めて重要だというふうに思っております。
 我が国には、自動車、産業用機械などの物づくりを中心とした幅広い産業が存在をしておりまして、今後、先端半導体を活用しながら、これら産業のIoT化など新たなビジネスの創出、これが、これによってデジタル産業が成長するポテンシャルは大いにあるというふうに考えております。
 こうした観点から、例えば自動運転やドローン、自動車の電動化の鍵となる蓄電池、多様な生産現場に導入され、導入可能なロボットなどの分野における技術革新をきちんと図るべく、研究開発や開発促進支援にもきちんと取り組んでまいります。
 引き続き、ユーザーとなる産業の育成も含めて、先端半導体産業の育成とユーザー側の新産業創出の好循環を生み出してまいりたいと考えております。

#137
○ながえ孝子君 よろしくお願いをいたします。
 質問を終わります。

#138
○安達澄君 無所属の安達澄です。どうぞよろしくお願いいたします。
 早速ですけれども、日立製作所やソニーで半導体担当の役員を務めました牧本次生さん、ミスター半導体の一人とも呼ばれた方ですけれども、今月十四日付けの日経新聞にこんなコメントが載っていました。日本の半導体の衰退の理由はいろいろある中で、特に強調されていたのが、新しい最終製品を生む力が弱くなったことが問題だということです。二〇一九年にノーベル化学賞を受賞された旭化成の吉野彰名誉フェローも同じようなことをおっしゃっていました。日本は川上は強いけれども川下が弱いということですね。
 私自身、二十数年間民間企業で仕事をしていた経験から、いずれもすとんと腹落ちをする、ただ、非常に残念というか重たい言葉だと思います。日本では新しい産業や製品が生まれにくい、育ちにくい。
 そこで、萩生田大臣にお聞きします。
 先日行われた衆院選ですけれども、その中の法定ビラで掲げられていましたキャッチコピーに新産業の確立とありました。経済産業大臣として、その新産業とはどんな産業をイメージしての訴えだったのか、お答えいただけますか。

#139
○国務大臣(萩生田光一君) 委員御指摘のとおり、我が国半導体産業の復活のためには、半導体製造基盤の整備や次世代半導体の研究開発に加え、自動車や産業用機械等も含め半導体を利用する産業を強化するとともに、新産業を創出して育成していくことが極めて重要です。
 私、文科大臣から直前に経産大臣になってすぐに選挙だったものですから、チラシを全部作り直さなきゃならなくて、その中で、文科大臣時代は人への投資、科学技術への投資というのをやってきました。
 先ほどお話のあった吉野先生とはノーベル賞の授賞式にスウェーデンまで御同行させていただいた間柄でございまして、基礎研究の大切さを御指導いただいて、私、在任中に、大学院生が博士課程に行くための支援金をつくったり、あるいは若手研究者の皆さんが、基礎研究って十割バッターはいないんだというのが吉野先生の言葉で、もうみんな三振、空振り、ファウルチップで、誰かがヒットを打ってそれをつないでいくんだという、こういう指導の中で、そのとおりだと思いましたので、創発的研究という新しい制度をつくって、十年間腰を据えてとにかく基礎研究に没頭していいですよという新しい制度をつくらせていただいて、今、年間二百五十人ずつぐらい選んで、三年目に入るんですけれど、こういう中で、せっかくいい素材を持っているんですけど、なかなかそれが社会実装につながらない、そして製品化していかないというのを目の当たりにしてまいりました。
 何を新産業にするのかと言われると、大臣が新産業の製品名とか言うとこれはいろいろ問題もあると思いますので、そうではなくて、今までは何となく学術は学術、民間は民間で、ここにやっぱり壁があったと思うんですけど、ここをシームレスにして、そして是非研究者の皆さんが、研究を続けたい人にスタートアップやれと言っても、これなかなかエンジン掛からないんですよ。なぜなら、研究者で残りたいのに、これはいい製品だ、これはベンチャーになるんだ、資本が集まるんだと言われても、そんなことに全然興味ない人たちも大勢いるわけですから、そういう人たちの研究はしっかり担保しながら、イノベーションの担い手であるスタートアップが成長するためのエコシステムの構築に向けてあらゆる政策を総動員していくとともに、大企業などが自前主義に陥ることなく、社外の経営資源を活用したオープンイノベーション促進や事業再編などを通じて新たなビジネスチャンスにつなげていくように、日本企業の変革を促していきたいなと思っております。
 また、従来の積み上げ、延長ではない産業政策を大胆に打ち出すべく、本年十一月には産構審に新部会を立ち上げました。世界で勝負できるスタートアップの創出、日本企業の経営改革などについて議論を始めたところでございます。この場での検討も踏まえ、早期に新産業の創出に向けた具体的な政策にしっかり取り組んでまいりたいなと思っています。

#140
○安達澄君 ありがとうございます。
 製造も大事ですけど、やっぱり本当に創造ですが、クリエーティビティーですけれども、も非常に重要だと思います。そういったエコシステムが生まれるためには本当に教育も非常に重要だと思います。
 もし仮にアメリカのGAFAMのような企業が一つでも日本にあれば、日本の半導体の産業というのは随分今とは違っているんだろうなと思います。グリーンやシルバーでも日本にはまだ可能性が十分あると思います。
 萩生田新経産大臣には、是非日本の産業界全体の真ん中の立ち位置で、リードするというのではなく、あくまでも主役は民間だと思いますので、そのつなぎ役として産業界のど真ん中にいて、産業界の要望、悩みを率直にいろいろ聞いていただきながら一緒に歩んでいただいて、日本の川下を強くする政策を進めていただくことを期待しています。
 さて、その半導体政策の議論の中で、今日もそうですし、衆議院の委員会でも人材育成の質疑が度々出ています。産業界、教育界の人材育成はもちろん大事です。萩生田大臣は、衆議院の経産委員会で、半導体政策について、省を挙げて頑張ろうの決意、私もこのために大臣になったんだの自負を持って臨む旨の発言をされています。そうおっしゃるならば、この半導体政策に関する経済産業省内の人材育成も極めて重要だと思います。
 まず、現状をお聞きしますけど、半導体政策を担当する職員の数、これは情報産業課になるんですかね、どれぐらいいらっしゃいますか。そのうち、五年以上経験している、専門性を持っているキャリアのある方は何人いらっしゃいますか。

#141
○政府参考人(野原諭君) お答え申し上げます。
 経済産業省では、大学院の修士・博士課程で半導体関連の研究を行っていた職員、それから企業の事業部門の調査員、エンジニア、研究機関の研究者も含め、高い専門性を有する人材を登用しております。そうした人材を中心に、半導体産業政策を所管する課室、情報産業課でございますが、では約三十名が関係政策に携わっております。半導体の製造装置、それから部素材はまた別のセクションになりますので、更に多くの人員が関連のサプライチェーンとしては業務に関わっているということになります。
 また、経済産業省が所管している国立研究開発法人である産業技術総合研究所においてはエレクトロニクス分野の研究者を擁しておりまして、日々コミュニケーションを取りながら政策へのフィードバックもいただいております。加えて、アカデミア、半導体メーカー、製造装置、素材メーカーはもちろんのこと、電機、自動車、通信、デジタルといったユーザー側の企業も含めた有識者と日常的に意見交換をしながら、それから諸外国の政府とも意見交換をしながら国内外の政策動向、技術トレンド、需給状況など様々な情報の収集にも努めております。
 それから、半導体、デジタル産業関係等の企業関係者、有識者、関係省庁が集まった半導体・デジタル産業戦略検討会議でも政策について御議論いただいているという形でございまして、それで、情報産業課、半導体産業政策を所管している情報産業課の三十名の中では、五年以上関連業務を従事した経験がある者というのは四名でございます。

#142
○安達澄君 ちなみに、今御説明いただいた野原商務情報政策局長は、半導体に関するキャリアというのはどれぐらいあるんですかね。済みません、ちょっと通告外ですけれども。

#143
○政府参考人(野原諭君) 私自身はですね……

#144
○委員長(石橋通宏君) 指名を受けてからお願いします。

#145
○政府参考人(野原諭君) 私自身は、この局の審議官を一年前まで、一年間やっておりました。
 以上でございます。

#146
○安達澄君 やっぱり、そこだと思うんですね。人材育成というか、本当にやるというならば、そういったローテーションとか、業界、教育界に呼びかけるならば、まずは隗より始めよだと思います。
 そこでお聞きします。
 政府が、これ大臣のお言葉をお借りしますけれども、世界の半導体の潮流を見極めることができるように、これまでの経済産業省内の半導体分野の人材育成も見直す必要があるんではないかと思います。多くが二、三年で替わるような従来型の人事ローテーションでは、世界の潮流を見極められる人材は育たないと思いますけれども、いかがでしょうか。

#147
○政府参考人(野原諭君) 御質問の点でございます。
 経済産業省としては、先ほど申し上げましたが、有識者、諸外国政府との意見交換、あるいは企業、研究所等の現場視察を通じまして国内外の政策動向、技術トレンド、需給の状況など様々な情報収集に努め、組織として常に最新の知見を蓄積していくと。それから、職員のキャリアパスにおける任期の長期化、それから異動に際して関連性の強いポストへの登用など、職員の専門性の強化も図る。それから、中途採用、出向の受入れの積極的な活用により企業や研究機関出身の専門性の高い人材を受け入れまして、高度な知見を生かした職務を進める、を推進していくプロパー職員への専門的知見の共有なども進めていくこととしております。
 様々な取組を通じまして職員の専門性の強化、専門性の高い人材の確保に努めてまいりたいと。本日こういう御議論をいただきましたので、そういうことも踏まえまして、専門性の高い人材の確保、それから職員の専門性の強化に努めてまいりたいというふうに考えております。

#148
○安達澄君 ありがとうございます。
 さすがに、野原局長が自分のその人事とかを決めることはもうできないと思います。まさに、ここは大臣、副大臣、政務官の政治家の組織マネジメントの出番だと思っています。マネジメントの範疇だと思っています。萩生田大臣が省を挙げて頑張る、そのために大臣になったという御自身の決意の下、いかにして省内の皆さんに国や国民のために本来やるべき仕事に集中してもらうか、その環境や仕組みを世界や日本の半導体産業を俯瞰して中長期的につくらないといけないと思います。
 萩生田大臣の衆議院での委員会での話によると、経産省の職員の皆さんは、チャイムが鳴ってまたあしたじゃないわけですよね。働き方改革は大事ですけれども、そんな皆さんのやる気を伸ばすも伸ばさないも、政治家のその組織マネジメント、人事政策だと思います。そこは大いに期待しておりますので、よろしくお願いいたします。
 最後、ちょっと検証のための報告書ということで、最後の質問に移ります。
 萩生田大臣は衆議院の経産委員会の中でこのようにおっしゃっていました。脈々と続く組織というのは、どこで誰がどう間違えたかというのは余りはっきりさせない文化が今までありました。もう私も一〇〇%同感します。そうなんです。それじゃ駄目なんですね。失敗を繰り返さないためには検証が必要です。その検証のためには、金額や数字などデータがあって、議論の過程も分かるきちっとした透明性のある報告書や資料が必要だと思います。
 そこでお聞きしますけれども、今回のいわゆるNEDO法改正法案の中の十六条の五の中にある国会への報告ですね、これは我々議員や関係者もちゃんと検証できるメッシュとして出てくるのかどうか、そこを教えてください。

#149
○政府参考人(門松貴君) お答えいたします。
 NEDO法改正案第十六条の五に基づく特定半導体基金に関する報告でございますが、本法案の成立後、これまでのNEDO法の国会報告の内容を踏まえながら詳細を検討してまいりますが、これ、経済産業大臣がNEDOからの報告を受けて、助成業務に係る収支や先端半導体製造拠点整備に関する設備の導入状況等々の基金に関する業務に関して国会に報告を行うということになっております。
 この法案に関する報告に加えまして、雇用に与える影響であったりとか先端半導体確保に係る政策効果を含めて、先生の御指摘も踏まえながら、様々な機会を捉えて国民の皆様に対して丁寧な説明を行ってまいりたいと思っておりますし、まさに御指摘のとおり、支援措置、国民の税金を原資とするものでございますので、その政策効果が最大化されるように政府としてしっかりとモニタリングを行ってまいりたいというふうに思っております。

#150
○安達澄君 基金シートや5G、ポスト5Gの報告書とかも拝見しています。これじゃなかなかやっぱり検証はできないと思います。しっかりとしたものを出していただくことを求めて、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。

#151
○委員長(石橋通宏君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。

#152
○岩渕友君 私は、日本共産党を代表し、いわゆる5G促進法等改正案に反対の討論を行います。
 反対の理由の第一は、特定の外資、半導体メーカーに前代未聞の巨額の税金をつぎ込むものだからです。
 半導体の安定確保は、本来、半導体メーカーとユーザー企業が自らの責任で行うべきものです。コロナ危機の下でも、IT、電機、自動車の多国籍企業は内部留保を七十兆円にも膨らませており、十分な体力があります。本法案の支援第一号と目されているのが台湾の世界最大手の半導体製造会社TSMC熊本工場で、設備投資額の二分の一、四千億円もの補助が見込まれています。
 この間の大臣答弁では、ユーザー企業に自助努力を要請したことはないとする一方で、同社が日本政府から強力な支援を受ける前提の中身や交渉経緯は全く不明なままです。これでは到底国民の理解は得られません。また、研究開発法人であるNEDO法の目的規定に反する施設整備の補助は認められません。
 反対理由の第二は、岸田内閣が本法案を経済安保の目玉の一つとして位置付けながら、法的定義すら定かでないまま先出しして押し通そうとするものだからです。
 米中間の技術覇権争いの中で、TSMC誘致への国費投入を台湾有事まで持ち出して推進することは、日米同盟に経済を一層従属させる危険なものであり、断じて容認できません。
 第三は、我が国半導体産業の衰退をもたらした日米半導体協定の対米従属、エルピーダメモリへの公的資金投入の失敗や、産業空洞化と大リストラによる技術流出などの教訓を全く省みないものだからです。
 日の丸半導体の凋落は、歴代自民党政権と経産省の長年の産業政策の失敗の結果ではありませんか。その真剣な反省もなく、TSMC頼みでは、破綻した過去の国家プロジェクトの二の舞になりかねません。
 今必要なことは、日本の強みである半導体装置、素材産業を支える下請、町工場へのきめ細かな支援によって物づくり技術全体をしっかりと底上げするとともに、ユーザー企業等との連携による半導体産業政策を構築し直すことです。あわせて、事業復活支援金を二倍にするなど、コロナ禍で深刻な打撃を受けた中小・小規模事業者の暮らしとなりわいを支え抜くことです。
 このことを強く求め、反対討論とします。

#153
○委員長(石橋通宏君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 特定高度情報通信技術活用システムの開発供給及び導入の促進に関する法律及び国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕

#154
○委員長(石橋通宏君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、矢田さんから発言を求められておりますので、これを許します。矢田わか子さん。

#155
○矢田わか子君 私は、ただいま可決されました特定高度情報通信技術活用システムの開発供給及び導入の促進に関する法律及び国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・国民の声、立憲民主・社民、公明党、国民民主党・新緑風会、日本維新の会及び碧水会の各派並びに各派に属しない議員安達澄君の共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    特定高度情報通信技術活用システムの開発供給及び導入の促進に関する法律及び国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。
 一 令和三年度補正予算関連である本法の緊要性を踏まえ、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構における特定半導体基金の設置を速やかに進め、国内における特定半導体及びその生産に必要不可欠な半導体材料等の安定的な生産の確保に資するための施策に早急に着手すること。
 二 特定半導体生産施設整備等計画の認定に当たっては、認定手続の客観性を担保するための明確かつ適切な認定基準を早期に定め、事業者による認定申請を促すとともに、半導体産業に精通した外部専門人材等の有識者の活用に努めるなど、適切な認定の実施に向けた体制の整備に万全を期すこと。
 三 特定半導体生産施設整備等事業者への支援に当たっては、その効果が支援を受けた事業者の事業のみにとどまらず、我が国の半導体産業の発展及び半導体サプライチェーンの再構築並びに国民の生活の向上に資するものとすること。
 四 特定半導体基金による助成の実施が多額の国費を用いるものであることに特に留意し、国内における特定半導体の安定的な生産の確保に向けて事業者と連携して認定計画の着実な実施に努めるとともに、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構における基金の複数年度にわたる適正な管理・運用のための体制整備を遺漏なく行うこと。また、当分の間、基金事業による特定半導体の生産施設整備、生産確保の状況及び事業者への助成の効果等について、政府において責任を持って把握して国会へ報告し、国民の利益にかなう説明を行うこと。
 五 我が国の半導体産業が長期にわたり低迷している現状を踏まえ、政府におけるこれまでの半導体政策について十分に検証を行うこと。また、その評価を踏まえて、今後における中長期的な内外の諸情勢の変化に対応して、我が国の既存半導体工場の刷新も含めた安定的な半導体供給の確保及び半導体に関わる川上から川下に至る関連産業の競争力の強化・育成が継続的に行われるよう、今後の総合的な政策の在り方について更に検討を進めるとともに、次世代半導体の研究・開発の支援について必要な予算を確保すること。
 六 我が国において、半導体産業の人材が不足している現状等に対処するため、大学・高等専門学校等における関連学科の魅力度の向上を始めとする人材育成の長期的な取組のほか、シニアエンジニアの活用や海外からの人材受入れに必要な取組を行うこと。あわせて、機微な技術や情報を有している人材の海外流出に歯止めをかける実効的措置を検討すること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

#156
○委員長(石橋通宏君) ただいま矢田さんから提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕

#157
○委員長(石橋通宏君) 多数と認めます。よって、矢田さん提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、萩生田経済産業大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。萩生田経済産業大臣。

#158
○国務大臣(萩生田光一君) ただいま御決議のありました本法律案の附帯決議につきましては、その趣旨を尊重してまいりたいと考えております。

#159
○委員長(石橋通宏君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#160
○委員長(石橋通宏君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時二十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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