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2021/12/06 第207回国会 衆議院 第207回国会 衆議院 本会議 第1号 令和3年12月6日
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2021/12/06 第207回国会 衆議院

第207回国会 衆議院 本会議 第1号 令和3年12月6日

#1
令和三年十二月六日(月曜日)
    ―――――――――――――
 議事日程 第一号
  令和三年十二月六日
    正午開議
 第一 議席の指定
 第二 会期の件
    …………………………………
  一 国務大臣の演説
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 日程第一 議席の指定
 日程第二 会期の件
 懲罰委員長辞任の件
 懲罰委員長の選挙
 情報監視審査会委員辞任の件
 情報監視審査会委員の選任
 災害対策を樹立するため委員四十人よりなる災害対策特別委員会、政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する調査を行うため委員四十人よりなる政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会、沖縄及び北方問題に関する対策樹立のため委員二十五人よりなる沖縄及び北方問題に関する特別委員会、北朝鮮による拉致等に関する諸問題を調査し、その対策樹立に資するため委員二十五人よりなる北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会、消費者の利益の擁護及び増進等に関する総合的な対策を樹立するため委員三十五人よりなる消費者問題に関する特別委員会、科学技術、イノベーション推進の総合的な対策を樹立するため委員三十五人よりなる科学技術・イノベーション推進特別委員会、東日本大震災からの復興に当たり、その総合的対策を樹立するため委員四十五人よりなる東日本大震災復興特別委員会及び原子力に関する諸問題を調査するため委員四十人よりなる原子力問題調査特別委員会を設置するの件(議長発議)
 地方創生に関する総合的な対策を樹立するため委員四十人よりなる地方創生に関する特別委員会を設置するの件(議長発議)
 岸田内閣総理大臣の所信に関する演説
 鈴木財務大臣の財政に関する演説
    午後零時二分開議

#2
○議長(細田博之君) 諸君、第二百七回国会は本日召集されました。
 これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 日程第一 議席の指定

#3
○議長(細田博之君) 日程第一、議席の指定を行います。
 衆議院規則第十四条によりまして、諸君の議席は、議長において、ただいまの仮議席のとおりに指定いたします。
     ――――◇―――――
 日程第二 会期の件

#4
○議長(細田博之君) 日程第二、会期の件につきお諮りいたします。
 今回の臨時会の会期は、十二月二十一日まで十六日間といたしたいと思います。これに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕

#5
○議長(細田博之君) 起立多数。よって、会期は十六日間とすることに決まりました。
     ――――◇―――――
 懲罰委員長辞任の件

#6
○議長(細田博之君) お諮りいたします。
 懲罰委員長山井和則君から、委員長を辞任いたしたいとの申出があります。これを許可するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#7
○議長(細田博之君) 御異議なしと認めます。よって、許可することに決まりました。
     ――――◇―――――
 懲罰委員長の選挙

#8
○議長(細田博之君) つきましては、これより懲罰委員長の選挙を行います。

#9
○山田賢司君 懲罰委員長の選挙は、その手続を省略して、議長において指名されることを望みます。

#10
○議長(細田博之君) 山田賢司君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#11
○議長(細田博之君) 御異議なしと認めます。よって、動議のとおり決まりました。
 議長は、懲罰委員長に安住淳君を指名いたします。
    〔拍手〕
     ――――◇―――――
 情報監視審査会委員辞任の件

#12
○議長(細田博之君) お諮りいたします。
 情報監視審査会委員高市早苗君、柴山昌彦君、盛山正仁君、大島敦君及び新垣邦男君から、それぞれ委員を辞任いたしたいとの申出があります。これを許可するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#13
○議長(細田博之君) 御異議なしと認めます。よって、許可することに決まりました。
     ――――◇―――――
 情報監視審査会委員の選任

#14
○議長(細田博之君) つきましては、情報監視審査会委員の選任を行います。
 衆議院情報監視審査会規程第六条の規定に基づき、情報監視審査会委員に田村憲久君、松本剛明君、伊東良孝君、長妻昭君及びおおつき紅葉君を選任するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕

#15
○議長(細田博之君) 起立多数。よって、いずれも選任することに決まりました。
     ――――◇―――――
 特別委員会設置の件

#16
○議長(細田博之君) 特別委員会の設置につきお諮りいたします。
 災害対策を樹立するため委員四十人よりなる災害対策特別委員会
 政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する調査を行うため委員四十人よりなる政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会
 沖縄及び北方問題に関する対策樹立のため委員二十五人よりなる沖縄及び北方問題に関する特別委員会
 北朝鮮による拉致等に関する諸問題を調査し、その対策樹立に資するため委員二十五人よりなる北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会
 消費者の利益の擁護及び増進等に関する総合的な対策を樹立するため委員三十五人よりなる消費者問題に関する特別委員会
 科学技術、イノベーション推進の総合的な対策を樹立するため委員三十五人よりなる科学技術・イノベーション推進特別委員会
 東日本大震災からの復興に当たり、その総合的対策を樹立するため委員四十五人よりなる東日本大震災復興特別委員会
及び
 原子力に関する諸問題を調査するため委員四十人よりなる原子力問題調査特別委員会
を設置いたしたいと存じます。これに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕

#17
○議長(細田博之君) 起立多数。よって、そのとおり決まりました。
 次に、地方創生に関する総合的な対策を樹立するため委員四十人よりなる地方創生に関する特別委員会を設置いたしたいと存じます。これに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕

#18
○議長(細田博之君) 起立多数。よって、そのとおり決まりました。
 ただいま議決されました九特別委員会の委員は追って指名いたします。
     ――――◇―――――

#19
○議長(細田博之君) この際、暫時休憩いたします。
    午後零時七分休憩
     ――――◇―――――
    午後二時二分開議

#20
○議長(細田博之君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
     ――――◇―――――
 国務大臣の演説

#21
○議長(細田博之君) 内閣総理大臣から所信に関する演説、財務大臣から財政に関する演説のため、発言を求められております。順次これを許します。内閣総理大臣岸田文雄君。
    〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇〕

#22
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 先般の総選挙の結果を受け、第百一代内閣総理大臣として、引き続き、この国の舵取りという重責を担うこととなりました。
 私は、国民の皆さんから頂いた信任を背に、新型コロナを克服し、新しい時代を切り拓くという極めて難しい課題に、同僚議員各位、そして国民の皆さんと共に挑んでいきます。
 若者も、高齢者も、障害のある方も、男性も、女性も、全ての人が生きがいを感じられる、多様性が尊重される社会を目指します。
 信頼と共感を得ることができる、丁寧で寛容な政治を進め、この大いなる挑戦の先頭に立つ覚悟です。
 我々みんなで協力し、この国難を乗り越え、その先に、新しい時代を創り上げていこうではありませんか。
 遠きに行くには、必ず邇きよりす。
 大きく物事を進めていく際には、順番が大切です。
 スピード感を持って進めてきたワクチン接種の効果もあり、足下では、我が国の新型コロナの感染状況は落ち着いています。
 しかし、ワクチン接種が進んでいても、欧州では、ここに来て、過去最多の感染者数を記録する国も出ています。新たに報告されたオミクロン株が多くの国でも確認されるなどのリスクも生じています。
 大事なのは、最悪の事態を想定することです。
 オミクロン株のリスクに対応するため、外国人の入国について、全世界を対象に停止することを決断いたしました。
 まだ状況が十分に分からないのに慎重すぎるのではないかとの御批判は、私が全て負う覚悟です。国民からの負託はこうした覚悟で仕事を進めていくために頂いたと理解をし、全力で取り組みます。
 新型コロナについて、細心かつ慎重に対応するとの立場を堅持します。感染状況が落ち着いていますが、コロナ予備費を含めて十三兆円規模の財政資金を投入し、感染拡大に備えることとしました。
 屋根を修理するなら、日が照っているうちに限る。
 米国第三十五代大統領ジョン・F・ケネディの言葉です。
 同時に、一日も早く日本経済を回復軌道に持っていかなければなりません。新型コロナにより厳しい状況にある人々、事業者に対して、十七兆円規模となる手厚い支援を行います。
 一方、デジタルや気候変動問題への対応という切り口で、世界は大きく変化をしています。二十兆円規模の財政資金を投入し、我が国が新たな時代を切り拓いていくための大きな一歩を踏み出します。
 こうした明確な考えに基づき、今回の総額五十五・七兆円の大規模な対策をコロナ克服・新時代開拓のための経済対策と命名いたしました。
 危機に対する必要な財政支出は躊躇なく行い、万全を期します。経済あっての財政であり、順番を間違えてはなりません。
 経済をしっかりと立て直します。そして、財政健全化に向けて取り組みます。
 先般、新型コロナ対応の全体像をお示しいたしました。
 具体的な行動によって、国民の皆さんの安心を取り戻し、何としても、国民の命と健康を守り抜く決意です。
 第一に、次の感染拡大を見据えた医療提供体制を確保します。感染力が今夏の二倍となり、第五波を上回る感染状況となっても、病床の徹底的な確保と個々の病院の病床利用の見える化、そして関連制度をフル活用した連携強化により、斉整と対応できるようにします。
 公立・公的病院に法律に基づく要請を行い、新型コロナの専用病床化を進める。個別の病院名を明らかにして、新たな病床の確保を行う。都道府県と医療機関が書面で緊急時に確実に入院を受け入れることを明確化する。
 これらの取組により、既に、この夏に比べて三割、一万人増の約三万七千人が入院できる体制を確保いたしました。
 第二に、新型コロナの脅威を社会全体として可能な限り引き下げます。ワクチン、検査、飲める治療薬の普及により、予防、発見から早期治療までの流れを抜本強化します。
 ワクチンについては、医療従事者の方から三回目の接種を始めました。二回目の接種から八か月以降の方々に順次接種することを原則としておりましたが、感染防止に万全を期す観点から、既存ワクチンのオミクロン株への効果等を一定程度見極めた上で、優先度に応じ、追加承認されるモデルナを活用して、八か月を待たずに、できる限り前倒しします。
 無料で受けられる検査を抜本的に拡充します。三千二百億円を計上し、健康上の理由でワクチン接種を受けられない方や、感染拡大時については、無症状の方でも無料で検査を受けられるようにします。
 今後の切り札となる飲める治療薬は、年内の薬事承認を目指します。既に百六十万回分を確保しました。薬事承認が行われ次第、速やかに医療現場にお届けします。
 第三に、息の長い、感染症危機への対応体制を整えます。
 今回の感染症危機では海外産ワクチンを活用しましたが、変異株も含め、次の感染症危機に備えるため、国産ワクチン、治療薬の開発、デュアルユースでの製造に五千億円規模の投資を行います。
 国が主導して感染症危機に対応できるよう、国と地方の連携強化を行うとともに、緊急時に、安全性の確認を前提としつつ、迅速な薬事承認ができるよう、法整備を行います。
 さらに、これまでの新型コロナ対応を徹底的に検証します。その上で、来年の六月までに、感染症危機などの健康危機に迅速的確に対応するため、司令塔機能の強化を含めた抜本的体制強化策を取りまとめます。
 通常に近い経済社会活動を取り戻すには、もう少し時間がかかります。
 それまでの間は、断固たる決意で、新型コロナでお困りの方の生活を支え、事業の継続と雇用を守り抜きます。
 かねてより申し上げているとおり、経済的にお困りの世帯、厳しい経済状況にある学生、子育て世帯に対し、給付金による支援を行います。特に生活に困窮されている方には、生活困窮者自立支援金の拡充など、様々なメニューを用意いたします。総額七兆円規模を投入します。
 事業者向けには、二・八兆円規模の給付金により、事業復活に向けた取組を強力に後押しします。
 ワクチン・検査パッケージを活用した行動制限緩和の方針に基づき、通常に近い経済社会活動の再開に取り組みます。
 安全、安心な形で、新たなGoTo事業などの消費喚起策を行う準備も進めます。
 しかしながら、経済社会活動の再開に当たっては、決して楽観的になることなく、慎重に状況を見極めなければなりません。感染が再拡大した場合には、国民の理解を丁寧に求めつつ、行動制限の強化を含め、機動的に対応します。
 新型コロナによる危機を乗り越えた先に私が目指すのは、新しい資本主義の実現です。
 人類が生み出した資本主義は、効率性や起業家精神、活力を生み、長きにわたり世界経済の繁栄をもたらしてきました。
 しかし、一九八〇年代以降、世界の主流となった、市場や競争に任せれば全てがうまくいくという新自由主義的な考えは、世界経済の成長の原動力となった反面、多くの弊害も生みました。
 市場に依存し過ぎたことで格差や貧困が拡大し、また、自然に負荷をかけ過ぎたことで気候変動問題が深刻化しました。
 これ以上問題を放置することはできない。米国はビルド・バック・ベター、欧州も次世代EUなど、世界では、弊害を是正しながら更に力強く成長するための新たな資本主義モデルの模索が始まっています。
 我が国としても、成長も分配も実現する新しい資本主義を具体化します。世界、そして時代が直面する挑戦を先導していきます。
 日本ならできる、いや、日本だからできる。
 我々は、協働、絆を重んじる伝統や文化、三方良しの精神などを古来より育んできた歴史があります。だからこそ、人がしっかりと評価され報われる、人に温かい資本主義を作れるのです。
 皆さん。明治維新、戦後高度成長、日本は幾多の奇跡を実現してきました。新しい資本主義という、数世代に一度の歴史的挑戦においても、日本の底力を示そうではありませんか。
 まずは、成長戦略です。官と民が共に役割を果たし、協働して、成長のための大胆な投資を行います。
 科学技術によるイノベーションを推進し、経済の付加価値創出力を引き上げます。
 上場を果たしたスタートアップが更に成長していけるよう、上場ルールを見直すなど、スタートアップエコシステムを大胆に強化します。
 大学改革にも積極的に取り組みます。
 十兆円の大学ファンドを年度内に創設するとともに、イノベーションの担い手たる研究者が大学運営ではなく研究に専念できるよう、研究と経営の分離を進めます。
 成長をけん引する科学技術分野の人材育成を強化するため、大学の学部や大学院の再編に取り組みます。さらに、地域の中小企業と連携した大学発ベンチャーの創出にも取り組みます。
 新しい資本主義の主役は地方です。
 四・四兆円を投入し、地域が抱える人口減少、高齢化、産業空洞化などの課題をデジタルの力を活用することによって解決していきます。
 デジタル田園都市国家構想実現会議の下、デジタル田園都市国家構想を推進します。デジタルによる地域活性化を進め、さらには、地方から国全体へ、ボトムアップの成長を実現していきます。
 海底ケーブルで日本を周回するデジタル田園都市スーパーハイウェーを三年程度で完成させます。各地に設置する大規模データセンター、光ファイバー、5Gと組み合わせ、日本中、津々浦々、どこにいても高速大容量のデジタルサービスを使えるようにします。
 世界最先端のデジタル基盤の上で、自動配送、ドローン宅配、遠隔医療、教育、防災、リモートワーク、スマート農業などのサービスを実装していきます。
 デジタル化、デジタルトランスフォーメーションを進める司令塔であるデジタル庁の機能を更に強化します。
 デジタル臨時行政調査会で、デジタル社会変革の青写真を描きます。まず、関係省庁が順守すべきデジタル原則を決めます。その枠組みの下で、来春には、規制や制度、行政の横断的な見直しを一気に進めるプランを取りまとめます。
 マイナンバーカードは、安全、安心なデジタル社会のパスポートであり、社会全体のデジタル化を進めるための最も重要なインフラです。
 マイナンバーカードと健康保険証、運転免許証との一体化、希望者の公金受取口座の登録を進めるとともに、本人確認機能をスマートフォンに搭載することで利便性を向上させます。
 さらに、十二月二十日から、マイナンバーカードを使い、スマートフォンによって国内外で利用されるワクチン接種証明書を入手できるようにします。
 これらの取組を進め、国民の皆さんにデジタル社会のメリットを実感してもらえるようにします。
 人類共通の課題である気候変動問題。この社会課題を新たな市場を生む成長分野へと大きく転換していきます。
 二〇五〇年カーボンニュートラル及び二〇三〇年度の四六%排出削減の実現に向け、再エネ最大限導入のための規制の見直し及びクリーンエネルギー分野への大胆な投資を進めます。
 目標実現には、社会のあらゆる分野を電化させることが必要です。その肝となる送配電網のバージョンアップ、蓄電池の導入拡大などの投資を進めます。
 火力発電のゼロエミッション化に向け、アンモニアや水素への燃料転換を進めます。そして、その技術やインフラを活用し、アジアの国々の脱炭素化に貢献していきます。
 エネルギー供給のみならず、需要側のイノベーションや設備投資など、需給両面を一体的に捉えて、クリーンエネルギー戦略を作ります。
 世界各国が戦略的物資の確保や重要技術の獲得にしのぎを削る中、経済安全保障は喫緊の課題です。経済安全保障推進会議の下、省庁横断でこの新しい時代の課題に向き合います。
 サプライチェーンの強靱化や基幹インフラの信頼性確保を進めるため、与党との協議を踏まえ、来年の通常国会への新たな法案の提出を目指します。
 半導体国内立地推進のための法案をこの国会に提出します。
 国が五千億円規模に向けた基金を設け、人工知能、量子、ライフサイエンス、宇宙、海洋といった世界の未来にとって不可欠な分野における研究開発投資を後押しします。
 これらの取組により、我が国の経済安全保障を確立すると同時に、この分野に民間投資を呼び込み、経済成長も実現させます。
 人への分配は、コストではなく、未来への投資です。
 官と民が共に役割を果たすことで成長の果実をしっかりと分配し、消費を喚起することで次の成長につなげます。
 これこそが、持続可能な経済、そして成長と分配の好循環による新しい資本主義を実現するための要です。
 まずは、国が率先して、看護、介護、保育、幼児教育などの分野において、給与の引き上げを行います。
 介護、保育、幼児教育の現場で働く方については、来年二月から、三%、年間十一万円程度、給与を引き上げます。
 看護職の方を対象に、まずは、地域で新型コロナ医療対応など一定の条件を満たす医療機関で勤務する方については、段階的に三%、年間十四万円程度、給与を引き上げていきます。
 その上で、民間企業の賃上げを支援するための環境整備に全力で取り組みます。
 給与を引き上げた企業を支援するための税制を抜本的に強化します。企業の税額控除率を大胆に引き上げます。
 赤字でも賃上げする中小企業については、ものづくり補助金や持続化補助金の補助率を引き上げる特別枠を設けます。
 下請けGメン倍増による下請け取引の適正化、大企業と中小企業の共存共栄のためのパートナーシップ構築宣言推進により、賃上げに向けた環境を整えます。
 建設業では、官と民が協働して、公共調達単価の引き上げや下請けの適正発注の徹底により、直近六年間で年平均二・七%と、全産業平均を大幅に上回る賃上げを実現しました。こうした官民協働の取組を他業種に広げます。
 世界の物価が上昇し、我が国に波及する懸念が強まる中、我が国経済を守るためにも、賃上げに向け、全力で取り組みます。
 民間企業に賃上げを促す際には、賃上げと企業の成長の好循環を作り出し、持続的な賃上げを可能としなければなりません。
 付加価値を創出し経済的豊かさや力強さをもたらす原動力は、人です。人への投資を積極化させるため、三年間で四千億円規模の施策パッケージを新たに創設します。
 非正規雇用の方を含め、学び直しや職業訓練を支援し、再就職や正社員化、ステップアップを強力に進めます。
 企業における人材投資の見える化を図るため、非財務情報開示を推進します。
 今回の経済対策で、最初に手をつけるべき政策を実現させた後に、日本の未来を担う若者世代、子育て家庭にターゲットを置き、その所得を大幅に引き上げることを目指していきます。
 カギは、人への分配に加え、男女が希望通り働ける社会づくり、社会保障による負担増の抑制です。
 全世代型社会保障構築会議を中心に、女性の就労の制約になっている制度の見直し、勤労者皆保険の実現、子育て支援、家庭介護の負担軽減、若者、子育て世帯の負担増を抑制するための改革、さらには、こども中心の行政を確立するための新たな行政組織の設置に取り組んでいきます。
 これらの政策を総動員することにより、分厚い中間層を取り戻していきます。
 来春には、新しい資本主義実現会議の場で、全体のグランドデザインとその実行計画を取りまとめます。世界に向けて発信し、同じ問題意識を持つ主要国の首脳と共に、グローバルの議論をけん引します。
 新しい資本主義の前提は、国民の安全、安心、我が国の国益を守る外交、安全保障です。
 そのためにも、できるだけ早期に訪米して、バイデン大統領と会談をし、インド太平洋地域、そして国際社会の平和と繁栄の基盤である日米同盟の抑止力、対処力を一層強化していきます。
 さらに、ASEANや欧州などの同志国と連携し、日米豪印も活用しながら、自由で開かれたインド太平洋の実現に向けた協力を深めていきます。岸田内閣が重視する、自由、民主主義、人権、法の支配といった普遍的価値やルールに基づく国際秩序の維持強化について、国際的な人権問題への対処を含め、しっかりと取り組む覚悟です。
 日米同盟の抑止力と普天間飛行場の危険性の除去を考え合わせたときの唯一の解決策である辺野古移設を進め、普天間飛行場の一日も早い全面返還を目指します。丁寧な説明、対話による信頼を地元の皆さんと築きながら、沖縄の基地負担軽減に取り組みます。あわせて、強い沖縄経済を作るための取組を進めます。
 我が国を取り巻く安全保障環境は、これまで以上に急速に厳しさを増しています。経済安全保障や、宇宙、サイバーといった新しい領域、ミサイル技術の著しい向上、さらには、島嶼防衛。こうした課題に対し、国民の命と暮らしを守るため、いわゆる敵基地攻撃能力も含め、あらゆる選択肢を排除せず現実的に検討し、スピード感を持って防衛力を抜本的に強化していきます。このために、新たな国家安全保障戦略、防衛大綱、中期防衛力整備計画を概ね一年かけて策定いたします。
 核兵器のない世界に一歩でも近づくことができるよう、核兵器国と非核兵器国の信頼と協力の上に、現実的な取組を進めてまいります。このために、まずは、来月の核兵器不拡散条約運用検討会議の成功が重要です。意義ある成果を出せるよう、米国をはじめ関係国と連携しながら、積極的な役割を果たしていきます。
 TPPの高いレベルを維持しながら、その着実な実施と拡大や、デジタル時代の信頼性ある自由なデータ流通、DFFTの実現に向けた国際的なルールづくりを通じ、我が国の安全と繁栄に不可欠な、自由で公正な経済秩序を構築し、世界経済の回復、新たな成長を後押しします。
 拉致問題は最重要課題です。全ての拉致被害者の一日も早い帰国を実現すべく、米国をはじめ各国と連携しながら、あらゆるチャンスを逃さず、全力で取り組みます。私自身、条件をつけずに金正恩委員長と直接向き合う決意です。日朝平壌宣言に基づき、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決し、不幸な過去を清算して、日朝国交正常化の実現を目指します。
 近隣国との間でも、国益に基づき、この地域の平和と安定を目指して、確固たる外交を展開してまいります。中国には、主張すべきは主張し、責任ある行動を強く求めつつ、共通の課題には協力し、建設的かつ安定的な関係の構築を目指します。ロシアとは、領土問題を解決し、平和条約を締結するとの方針の下、日露関係全体の発展を目指します。重要な隣国である韓国には、我が国の一貫した立場に基づき、引き続き、適切な対応を強く求めていきます。
 国民の理解や後押しのある外交、安全保障ほど強いものはない。四年八か月外務大臣を務めた経験から、強くそう感じています。私は、国民の皆さんに対し丁寧に説明を行い、できるだけ多くの方々の理解を得るための努力を尽くし、国民と共にある外交、安全保障を進めていきます。
 災害から国民の生命、財産、暮らしを守ることも政府の大切な使命です。強靱な国土づくりを進めるため、五か年加速化対策に基づき、防災・減災、国土強靱化を強化していきます。
 今夏の熱海市における土石流災害を踏まえ、これまで規制が及ばなかった区域においても盛土規制を行うための法整備を進めます。
 豪雨災害に対応するため、一日も早い線状降水帯の予測開始に向け、観測機器の整備と予測モデルの開発に前倒しで取り組みます。
 軽石被害に対し、軽石の回収、処理への支援、漁業被害への支援など、しっかりと対応します。
 東日本大震災からの復興には、地元の声に寄り添い、引き続き、全力で取り組みます。
 国際教育研究拠点が、福島の復興のみならず、我が国の科学技術力、産業競争力の強化につながるよう、法整備を行い、政府一丸となって、長期、安定的な運営を実現します。
 憲法改正についてです。我々国会議員には、憲法の在り方に真剣に向き合っていく責務があります。
 まず重要なことは、国会での議論です。与野党の枠を超え、国会において積極的な議論が行われることを心から期待いたします。
 並行して、国民の理解の更なる深化が大事です。
 大きく時代が変化する中にあって、現行憲法が今の時代にふさわしいものであり続けているかどうか、我々国会議員が広く国民の議論を喚起していこうではありませんか。
 国の礎は、人です。
 先日、車座対話の一環で、愛媛県松山市にある県立高校を訪問し、高校生に交じって、模擬授業を体験させてもらいました。
 黒板とノートの代わりに、電子黒板と一人一台配布されているタブレットを使った授業。初めての経験でした。
 先生が出す課題にオンラインで回答する。
 英語を読み上げ、録音で発音を確認する。
 次々と出される課題に戸惑う私に、少し困った表情を浮かべながら一生懸命タブレットの操作を教えてくれたのは、隣の席に座った高校一年生の生徒でした。
 まだ授業で本格的に使い始めて間もないタブレットを使いこなし、受け身ではなく自分から行動する姿に、日本の未来を切り拓く、人の可能性を強く感じました。
 デジタルネイティブの高校生だけではありません。
 医療、観光、農業、保育、被災地、自衛隊。
 全国各地で、苦しい状況にあっても必死で未来を切り拓こうとする多くの人にお会いしてきました。
 我々一人ひとりが、持てる力を存分に発揮し、果断に挑戦をし続ける。このことにより、日本は大きく変わることができる。そう確信をいたします。
 我が国の未来は、現在を生きる我々の決断と行動によって決まります。
 共に、次の世代への責任を果たし、世界に誇れる日本の未来を切り拓いていこうではありませんか。
 同僚議員各位、そして国民の皆さんの御協力を心からお願い申し上げます。
 御清聴、誠にありがとうございました。(拍手)
    ―――――――――――――

#23
○議長(細田博之君) 財務大臣鈴木俊一君。
    〔国務大臣鈴木俊一君登壇〕

#24
○国務大臣(鈴木俊一君) 先に閣議決定いたしましたコロナ克服・新時代開拓のための経済対策を受けて、今般、令和三年度補正予算を提出することといたしました。その御審議をお願いするに当たり、補正予算の大要について御説明を申し上げます。
 日本経済につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響により、依然として厳しい状況にありますが、新規感染者数は昨年の夏以降で最低水準となり、行動制限も段階的に緩和されております。感染拡大の防止や水際対策の強化など、危機管理に万全を期しつつ、この機を捉え、ウィズコロナの下で、早期に社会経済活動の再開を図っていく必要があります。また、デジタル化などの社会変化の兆しを捉え、産業や社会の構造変革などをもたらす投資により、成長と分配の好循環を実現することが不可欠です。さらに、成長に向けた機運を途切れさせないよう、感染再拡大や景気下振れのリスクにも十分に注意する必要があります。
 こうした認識に立ち、十一月十九日に、コロナ克服・新時代開拓のための経済対策を閣議決定いたしました。
 本経済対策は、新型コロナウイルス感染症の困難を乗り越え、ポストコロナの未来を切り拓くことで、国民に安心と希望を届けることを目的とするものであります。
 具体的には、新型コロナウイルス感染症の拡大防止、ウィズコロナ下での社会経済活動の再開と次なる危機への備え、未来社会を切り拓く新しい資本主義の起動、防災・減災、国土強靱化の推進など安全、安心の確保を進めてまいります。
 次に、経済対策の実行等のために今国会に提出いたしました令和三年度補正予算の大要について申し述べます。
 一般会計につきましては、歳出において、総額で約三十五兆九千九百億円を計上しております。その内容としては、経済対策に基づき、新型コロナウイルス感染症の拡大防止に係る経費に約十八兆六千百億円、ウィズコロナ下での社会経済活動の再開と次なる危機への備えに係る経費に約一兆七千七百億円、未来社会を切り拓く新しい資本主義の起動に係る経費に約八兆二千五百億円、防災・減災、国土強靱化の推進など安全、安心の確保に係る経費に約二兆九千三百億円を計上しております。
 また、国債整理基金特別会計への繰入として約二兆二千七百億円、地方交付税交付金の増額として約三兆五千百億円等を計上するとともに、既定経費を約一兆五千七百億円減額しております。
 歳入においては、租税等の収入について、最近までの収入実績や企業収益の動向等を勘案して約六兆四千三百億円の増収を見込んでおります。また、税外収入について、約一兆三千五百億円の増収を見込むほか、前年度剰余金約六兆一千五百億円を計上しております。
 以上によってなお不足する歳入について、公債を約二十二兆六百億円発行することとしております。
 この結果、令和三年度一般会計補正後予算の総額は、一般会計当初予算に対して歳入歳出ともに約三十五兆九千九百億円増加し、約百四十二兆六千億円となります。
 また、特別会計予算につきましても、所要の補正を行っております。
 財政投融資計画につきましては、経済対策を踏まえ、科学技術立国の実現に向けた積極的な投資を促進するとともに、防災・減災、国土強靱化を推進するため、約九千二百億円を追加しております。
 以上、令和三年度補正予算の大要について御説明申し上げました。
 新型コロナウイルス感染症の拡大防止と社会経済活動の再開を図りつつ、ポストコロナの未来を切り拓くため、成長と分配の好循環を実現し、経済を自律的な成長軌道に乗せていく必要があります。そのため、本補正予算の一刻も早い成立が必要であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同いただきますようお願い申し上げます。(拍手)
     ――――◇―――――

#25
○山田賢司君 国務大臣の演説に対する質疑は延期し、来る八日午後一時から本会議を開きこれを行うこととし、本日はこれにて散会されることを望みます。

#26
○議長(細田博之君) 山田賢司君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#27
○議長(細田博之君) 御異議なしと認めます。よって、動議のとおり決まりました。
 本日は、これにて散会いたします。
    午後二時四十四分散会
     ――――◇―――――
 出席国務大臣
       内閣総理大臣  岸田 文雄君
       総務大臣    金子 恭之君
       法務大臣    古川 禎久君
       外務大臣    林  芳正君
       財務大臣    鈴木 俊一君
       文部科学大臣  末松 信介君
       厚生労働大臣  後藤 茂之君
       農林水産大臣  金子原二郎君
       経済産業大臣  萩生田光一君
       国土交通大臣  斉藤 鉄夫君
       環境大臣    山口  壯君
       防衛大臣    岸  信夫君
       国務大臣    小林 鷹之君
       国務大臣    二之湯 智君
       国務大臣    西銘恒三郎君
       国務大臣    野田 聖子君
       国務大臣    堀内 詔子君
       国務大臣    牧島かれん君
       国務大臣    松野 博一君
       国務大臣    山際大志郎君
       国務大臣    若宮 健嗣君
 出席内閣官房副長官
       内閣官房副長官 木原 誠二君
ソース: 国立国会図書館
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