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2021/12/21 第207回国会 参議院 第207回国会 参議院 決算委員会 第1号 令和3年12月21日
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2021/12/21 第207回国会 参議院

第207回国会 参議院 決算委員会 第1号 令和3年12月21日

#1
令和三年十二月二十一日(火曜日)
   午後零時十八分開会
    ─────────────
   委員氏名
    委員長         野村 哲郎君
    理 事         古賀友一郎君
    理 事         牧野たかお君
    理 事         杉尾 秀哉君
    理 事         里見 隆治君
    理 事         芳賀 道也君
                足立 敏之君
                今井絵理子君
                宇都 隆史君
                太田 房江君
                酒井 庸行君
                自見はなこ君
                滝沢  求君
                西田 昌司君
                羽生田 俊君
                松村 祥史君
                森 まさこ君
                山田 俊男君
                小沼  巧君
                勝部 賢志君
                川田 龍平君
                塩村あやか君
                羽田 次郎君
                伊藤 孝江君
                下野 六太君
                平木 大作君
                柴田  巧君
                柳ヶ瀬裕文君
                岩渕  友君
                武田 良介君
    ─────────────
   委員長の異動
 十二月六日野村哲郎君委員長辞任につき、その
 補欠として松村祥史君を議院において委員長に
 選任した。
    ─────────────
   委員の異動
 十二月六日
    辞任         補欠選任
     自見はなこ君     中川 雅治君
     野村 哲郎君     大野 泰正君
     伊藤 孝江君    佐々木さやか君
     里見 隆治君     宮崎  勝君
     下野 六太君     竹内 真二君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         松村 祥史君
    理 事
                古賀友一郎君
                羽生田 俊君
                牧野たかお君
                杉尾 秀哉君
                宮崎  勝君
                芳賀 道也君
    委 員
                足立 敏之君
                今井絵理子君
                宇都 隆史君
                大野 泰正君
                太田 房江君
                酒井 庸行君
                滝沢  求君
                中川 雅治君
                西田 昌司君
                森 まさこ君
                山田 俊男君
                小沼  巧君
                勝部 賢志君
                川田 龍平君
                塩村あやか君
                羽田 次郎君
               佐々木さやか君
                竹内 真二君
                平木 大作君
                柴田  巧君
                柳ヶ瀬裕文君
                岩渕  友君
                武田 良介君
   国務大臣
       財務大臣     鈴木 俊一君
   副大臣
       財務副大臣    大家 敏志君
        ─────
       会計検査院長   森田 祐司君
        ─────
   事務局側
       常任委員会専門
       員        亀澤 宏徳君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○国政調査に関する件
○令和二年度一般会計歳入歳出決算、令和二年度
 特別会計歳入歳出決算、令和二年度国税収納金
 整理資金受払計算書、令和二年度政府関係機関
 決算書(内閣提出)
○令和二年度国有財産増減及び現在額総計算書(
 内閣提出)
○令和二年度国有財産無償貸付状況総計算書(内
 閣提出)
○国家財政の経理及び国有財産の管理に関する調
 査
 (国会法第百五条の規定に基づく本委員会から
 の会計検査の要請に対する結果報告に関する件
 )
○継続審査要求に関する件
○継続調査要求に関する件
○委員派遣に関する件
    ─────────────

#2
○委員長(松村祥史君) ただいまから決算委員会を開会いたします。
 この際、一言御挨拶を申し上げます。
 去る六日の本会議におきまして、決算委員会の委員長に選任されました松村祥史でございます。
 本委員会は、予算が関係法律にのっとり適正かつ効率的に執行されているかを審議をいたし、国会における財政統制の重要な役割を担う委員会であり、その使命は誠に重大でございます。
 委員長といたしましても、委員の皆様、また理事の皆様の御指導、御協力を賜り、当委員会の運営につきましては、公正かつ円滑に進めてまいりたいと存じますので、何とぞよろしくお願いをいたします。(拍手)
    ─────────────

#3
○委員長(松村祥史君) まず、委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、舞立昇治君、大家敏志君、豊田俊郎君、赤池誠章君、藤井基之君、里見隆治君、伊藤孝江君、下野六太君、野村哲郎君及び自見はなこ君が委員を辞任され、その補欠として太田房江君、宇都隆史君、森まさこ君、羽生田俊君、宮崎勝君、佐々木さやか君、竹内真二君、大野泰正君、中川雅治君及び私、松村祥史が選任をされました。
    ─────────────

#4
○委員長(松村祥史君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が二名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#5
○委員長(松村祥史君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に羽生田俊君及び宮崎勝君を指名いたします。
    ─────────────

#6
○委員長(松村祥史君) 国政調査に関する件についてお諮りいたします。
 本委員会は、今期国会におきましても、国家財政の経理及び国有財産の管理に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#7
○委員長(松村祥史君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────

#8
○委員長(松村祥史君) 令和二年度決算外二件を議題といたします。
 まず、令和二年度決算、すなわち一般会計歳入歳出決算、特別会計歳入歳出決算、国税収納金整理資金受払計算書、政府関係機関決算書につきまして、また、引き続き、令和二年度国有財産増減及び現在額総計算書並びに令和二年度国有財産無償貸付状況総計算書につきまして、財務大臣から概要説明を聴取いたします。鈴木財務大臣。

#9
○国務大臣(鈴木俊一君) 令和二年度の一般会計歳入歳出決算、特別会計歳入歳出決算、国税収納金整理資金受払計算書及び政府関係機関決算書を会計検査院の検査報告とともに国会に提出し、また、令和二年度の国の債権の現在額並びに物品の増減及び現在額につきましても国会に報告いたしましたので、その概要を御説明申し上げます。
 まず、令和二年度の一般会計の決算につきましては、歳入は百八十四兆五千七百八十八億円余、歳出は百四十七兆五千九百七十三億円余であり、差引き三十六兆九千八百十四億円余の剰余を生じました。
 この剰余金は、財政法第四十一条の規定により、既に令和三年度の一般会計の歳入に繰り入れております。
 なお、令和二年度における財政法第六条の純剰余金は四兆五千三百六十三億円余となります。
 次に、令和二年度の特別会計の決算でありますが、同年度における特別会計の数は十三であり、これらの決算の内容につきましては、特別会計歳入歳出決算のとおりであります。
 次に、令和二年度における国税収納金整理資金の受入れ及び支払につきましては、同資金への収納済額は八十二兆二千五百六十九億円余であり、支払命令済額及び歳入組入額は八十兆八千二百四十七億円余でありまして、差引き一兆四千三百二十二億円余が令和二年度末の資金残額となります。
 次に、令和二年度の政府関係機関の決算でありますが、その内容につきましては、それぞれの決算書のとおりであります。
 次に、国の債権の現在額につきましては、令和二年度末における国の債権の総額は二百三十九兆四千九百五十三億円余であります。
 次に、物品の増減及び現在額につきましては、令和二年度中における純増加額は七千三百九十億円余であり、この結果、令和二年度末における物品の総額は十五兆四百八十一億円余となります。
 以上が、令和二年度の一般会計歳入歳出決算等の概要であります。
 なお、令和二年度の予算の執行につきましては、予算の効率的な使用や経理の適正な処理に努めてきたところでありますが、会計検査院から二百十件の不当事項等について指摘を受けましたことは誠に遺憾であります。
 今後とも、予算の執行に当たっては一層配慮をいたし、その適正な処理に努めてまいる所存であります。
 何とぞ御審議のほどお願い申し上げます。
 次に、令和二年度の国有財産増減及び現在額総計算書並びに令和二年度の国有財産無償貸付状況総計算書を会計検査院の検査報告とともに国会に報告しておりますので、その概要を御説明いたします。
 まず、令和二年度の国有財産増減及び現在額総計算書の概要について御説明いたします。
 令和二年度中における国有財産の純増加額は七兆三千八百八十五億円余であり、この結果、国有財産法に基づく令和二年度末現在額は百十七兆二千五百九十八億円余であります。
 以上が、令和二年度の国有財産増減及び現在額総計算書の概要であります。
 次に、令和二年度の国有財産無償貸付状況総計算書の概要について御説明いたします。
 令和二年度中における無償貸付財産の純増加額は二百四億円余であり、この結果、令和二年度末現在において国有財産法に基づき無償貸付をしている国有財産の総額は一兆二千百四十二億円余であります。
 以上が、令和二年度の国有財産無償貸付状況総計算書の概要であります。
 なお、これらの国有財産の各総計算書には、それぞれ説明書を添付しております。
 何とぞ御審議のほどお願いを申し上げます。

#10
○委員長(松村祥史君) 次に、令和二年度決算検査報告及び令和二年度国有財産検査報告につきまして、会計検査院長から概要説明を聴取いたします。森田会計検査院長。

#11
○会計検査院長(森田祐司君) 令和二年度決算検査報告につきまして、その概要を御説明いたします。
 会計検査院は、令和三年九月三日、内閣から令和二年度歳入歳出決算の送付を受け、その検査を行って、令和二年度決算検査報告とともに、令和三年十一月五日、内閣に回付いたしました。
 令和二年度の一般会計の決算は、歳入百八十四兆五千七百八十八億余円、歳出百四十七兆五千九百七十三億余円でありまして、会計検査院はこれらの決算を確認いたしました。
 令和二年度の特別会計につきまして、会計検査院は十三特別会計それぞれの歳入、歳出の決算を確認いたしました。
 また、国税収納金整理資金は、収納済額八十二兆二千五百六十九億余円、支払命令済額十八兆七百五十億余円、歳入組入額六十二兆七千四百九十六億余円でありまして、会計検査院はこれらの受払額を検査完了いたしました。
 令和二年度の政府関係機関につきまして、会計検査院は四政府関係機関それぞれの収入、支出の決算額を検査完了いたしました。
 令和二年度の歳入、歳出等に関し、会計検査院は、国、政府関係機関、国の出資団体等の検査対象機関について、在庁検査及び実地検査を実施いたしました。そして、検査の進行に伴い、関係者に対して五百余事項の質問を発しております。
 検査の結果、検査報告に掲記した不当事項等について、その概要を御説明いたします。
 まず、法律、政令若しくは予算に違反し又は不当と認めた事項は、合計百五十七件、六十六億三千三百一万余円であります。
 このうち、収入に関するものは、四件、十一億六千七百九十六万余円であります。
 その内訳は、租税の徴収が適正でなかったもの、保険料等の徴収が適正でなかったものなどとなっております。
 また、支出に関するものは、百三十六件、四十一億七千四百二十五万余円であります。
 その内訳は、会計経理が適正を欠いていたもの、計画が適切でなかったもの、補助事業の実施及び経理が不当なもの、交付税の交付が不当なもの、補償費の算定が過大となっていたものなどとなっております。
 以上の収入、支出に関するもののほか、貸付条件に違反していたものが十七件、十二億九千七十九万余円あります。
 次に、令和二年十一月から令和三年十月までの間におきまして、会計検査院法第三十四条又は第三十六条の規定により意見を表示し又は処置を要求いたしましたものは十五件であります。
 その内訳は、強い農業・担い手づくり総合支援交付金事業(産地基幹施設等支援タイプ)の実施に関するもの、農地情報公開システム整備事業等の実施に関するもの、農地耕作条件改善事業による農地集積の状況に関するもの、政府所有米穀の販売等業務委託契約のメッシュチェック荷役経費の単価の算定に関するもの、航空保安施設等の予備電源設備として整備している可搬形電源設備の保管方法に関するものなどとなっております。
 次に、本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項は二十件であります。
 その内訳は、貨幣回収準備資金において保有している金地金に関するもの、中山間地域等直接支払交付金事業における交付金の交付対象や交付金の使用に関するもの、合板・製材生産性強化対策事業等における間伐材生産事業に係る定額単価の設定に関するもの、金利変動準備基金の規模に関するもの、電柱の維持管理に関するものなどとなっております。
 次に、不当事項に係る是正措置等の検査の結果につきましては、昭和二十一年度から令和元年度までの検査報告に掲記した不当事項のうち、是正措置が未済となっているものは三十五省庁等における三百三十五件、百二億一千六百五十九万余円、このうち金銭を返還させる是正措置を必要とするものは三十五省庁等における三百三十一件、百二億二百十一万余円となっております。
 また、令和元年度決算検査報告において改善の措置の履行状況を継続して検査していくこととした本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項のうち、改善の処置が一部履行されていなかったものが一件あります。
 次に、令和二年十一月から令和三年十月までの間におきまして、会計検査院法第三十条の二の規定により国会及び内閣に対して報告いたしましたものは、独立行政法人における繰越欠損金の状況等に関するもの、国が実施するPFI事業に関するものの二件となっております。
 次に、令和二年十一月から令和三年十月までの間におきまして、国会からの検査要請事項に関し、会計検査院法第三十条の三の規定により検査の結果を報告いたしましたものは、高速道路に係る料金、債務の返済等の状況に関するもの、福島第一原子力発電所事故に伴い放射性物質に汚染された廃棄物及び除去土壌等の処理状況等に関するもの、政府情報システムに関するもの、外国人材の受入れに係る施策に関するもの、公的統計の整備に関するものの五件となっております。
 次に、本院の検査業務のうち、検査報告に掲記する必要があると認めた特定の検査対象に関する事項は十一件であります。
 その内訳は、新型コロナウイルス感染症対策に関連する各種施策に係る予算の執行状況等に関するもの、布製マスク配布事業の実施状況等に関するもの、新型コロナウイルス感染症の影響による労働者の休業等に対応するための雇用調整助成金等の支給等に関するもの、サービス産業消費喚起事業(GoToキャンペーン事業)の実施状況等に関するもの、持続化給付金事業の実施状況等に関するものなどとなっております。
 次に、国民の関心の高い事項等に関する検査の状況として、これまで御説明いたしました事例などを整理し、検査報告に掲記しております。
 最後に、特別会計に関する法律に基づき、令和二年十一月に内閣から送付を受けた令和元年度特別会計財務書類について検査した旨を検査報告に掲記いたしました。
 以上をもって概要の説明を終わります。
 会計検査院といたしましては、機会あるごとに関係各省庁などに対し適正な会計経理の執行について努力を求めてまいりましたが、なお、ただいま申し述べましたような事例がありますので、関係各省庁においても更に特段の努力を払うよう望んでいる次第であります。
 次に、令和二年度国有財産検査報告につきまして、その概要を御説明いたします。
 会計検査院は、令和三年九月三日、内閣から令和二年度国有財産増減及び現在額総計算書及び令和二年度国有財産無償貸付状況総計算書の送付を受け、その検査を行って、令和二年度国有財産検査報告とともに、令和三年十一月五日、内閣に回付いたしました。
 令和二年度末の国有財産現在額は百十七兆二千五百九十八億余円、無償貸付財産の総額は一兆二千百四十二億余円になっております。
 検査の結果、国有財産の管理及び処分に関しまして、令和二年度決算検査報告に掲記いたしましたものは十件であります。
 その内訳は、不当事項といたしまして、庁舎、舗装等の取壊し等の工事の実施に関するもの、新設TACAN装置等の換装計画に関するもの、意見を表示し又は処置を要求した事項といたしまして、丸太のトラック運搬に係る経費の積算に関するもの、本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項といたしまして、水害時に浸水し非常用発電設備等又は通信機器が損傷する可能性のある警察施設の浸水対策に関するもの、工事の一部中止に伴う増加費用等の積算に関するもの、特別借受け宿舎の買取りの際の選定に関するもの、金利変動準備基金の規模に関するもの、国会及び内閣に対する報告といたしまして、独立行政法人における繰越欠損金の状況等に関するもの、国が実施するPFI事業に関するもの、特定検査対象に関する検査状況といたしまして、新型コロナウイルス感染症の影響下における航空・空港関連企業を対象とする支援施策パッケージの実施状況及び空港整備勘定の歳入、三空港会社の収益等の状況に関するものとなっております。
 以上をもって概要の説明を終わります。

#12
○委員長(松村祥史君) 以上で令和二年度決算外二件の概要説明の聴取は終わりました。
 令和二年度決算外二件に対する質疑は後日に譲ることといたします。
 鈴木財務大臣におかれては御退席いただいて結構でございます。
    ─────────────

#13
○委員長(松村祥史君) 国家財政の経理及び国有財産の管理に関する調査のうち、国会法第百五条の規定に基づく本委員会からの会計検査の要請に対する結果報告に関する件を議題といたします。
 会計検査院長から説明を聴取いたします。森田会計検査院長。

#14
○会計検査院長(森田祐司君) 会計検査院は、国会法第百五条の規定に基づき令和元年六月十日付けで参議院議長から会計検査及びその結果の報告の要請がありました「外国人材の受入れに係る施策」及び「公的統計の整備」につきまして、関係府省等を対象に検査を行い、会計検査院法第三十条の三の規定に基づき三年七月十六日及び九月一日にその結果の報告書を提出いたしました。その報告書の概要を御説明いたします。
 まず、「外国人材の受入れに係る施策に関する会計検査の結果について」を御説明いたします。
 検査しましたところ、検査対象大学等三十一校のうち五校において、令和元年度に受入れに関する届出が全く提出されておらず、また、五校を除いた二十六校において、元年度に電子届出システムを利用して受入れに関する届出を提出していたのは二校と少ない状況となっていたり、平成三十一年四月から令和元年九月までの間に発生した行方不明事案三千六百三十九件のうち、その発生から少なくとも六か月が経過した時点である令和元年度末時点で、七百五十五件については外国人技能実習機構による実地検査が実施されておらず、そのうち五百五十七件については客観的資料が入手されていなかったり、厚生労働本省において受託業者等が実施した就職支援の実施状況を十分に確認しておらず、就職支援について改善を図ることの検討が十分にできない状況となっていたりなどしていました。
 検査の結果を踏まえた会計検査院の所見といたしましては、出入国在留管理庁において、全ての大学等が受入れに関する届出を適時適切に提出することを引き続き要請するとともに、利用が低調となっている電子届出システムについて、利便性の向上を図るなどして利用を促進するなどを検討すること、外国人技能実習機構において、技能実習生の行方不明事案が発生した実習実施者に対する同機構の実地検査を速やかに実施できない場合には、速やかに客観的資料を入手すること、厚生労働本省において、受託業者とハローワーク等における就職支援の実施状況について報告させて把握することなどの点に留意することが重要と考えております。
 会計検査院としては、今後とも、外国人材の受入れに係る施策の実施状況等について引き続き検査していくこととしております。
 次に、「公的統計の整備に関する会計検査の結果について」を御説明いたします。
 検査しましたところ、公的統計の整備に関する予算の執行状況及び同業務の実施状況については、八統計調査において調査計画に定めのない郵送による調査票の提出を受けるなどしていたり、調査員管理システムの利用が低調となっていたりしていました。また、厚生労働省所管の毎月勤労統計調査における不適切な取扱いによって発生した雇用保険等の追加給付の実施状況が、令和三年三月末時点で三百九十五億余円となっていました。公的統計の利用状況については、調査結果等が政府統計の総合窓口であるe―Statに一切登録されていないものが十三府省等における二百八十一統計等見受けられたり、統計情報データベースとしての登録数が二百六十一統計等と少なくなっていたり、統計データ利活用センターのオンサイト利用が進んでいるとは言えない状況と思料されたりなどしていました。
 検査の結果を踏まえた会計検査院の所見といたしましては、総務省において、調査方法等の実態把握を行い、調査計画の変更又は調査方法等の見直しが想定されるなどの事態が見受けられた場合には適正化に努めること、調査員管理システムの見直しも含めた今後の方策について速やかに検討すること、厚生労働省等において、毎月勤労統計調査における不適切な取扱いにより生じた雇用保険等の追加給付等について、経費の節減等に留意しつつ、迅速かつ的確な追加給付等の実施に努めること、各府省等において、調査結果等のe―Statへの登録の促進を図り、また、統計情報データベースとしての登録件数を一層拡充すること、総務省及び独立行政法人統計センターにおいて、オンサイト利用の更なる促進のための取組を行うことに留意するなどすることが必要であると考えております。
 会計検査院としては、国による公的統計の整備に関する業務の実施状況について今後も注視していくこととしております。
 これをもって報告書の概要の説明を終わります。

#15
○委員長(松村祥史君) 以上で説明の聴取は終わりました。
    ─────────────

#16
○委員長(松村祥史君) 継続審査要求に関する件についてお諮りいたします。
 令和二年度決算外二件につきましては、閉会中もなお審査を継続することとし、継続審査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#17
○委員長(松村祥史君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、要求書の作成につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#18
○委員長(松村祥史君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────

#19
○委員長(松村祥史君) 継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。
 国家財政の経理及び国有財産の管理に関する調査につきまして、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出したいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#20
○委員長(松村祥史君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、要求書の作成につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#21
○委員長(松村祥史君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────

#22
○委員長(松村祥史君) 委員派遣に関する件についてお諮りいたします。
 閉会中の委員派遣につきましては、その取扱いを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#23
○委員長(松村祥史君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時四十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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