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2021/10/12 第205回国会 衆議院 第205回国会 衆議院 本会議 第4号 令和3年10月12日
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2021/10/12 第205回国会 衆議院

第205回国会 衆議院 本会議 第4号 令和3年10月12日

#1
令和三年十月十二日(火曜日)
    ―――――――――――――
 議事日程 第四号
  令和三年十月十二日
    午後二時開議
 一 国務大臣の演説に対する質疑(前会の続)
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 国務大臣の演説に対する質疑 (前会の続)
    午後二時二分開議

#2
○議長(大島理森君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 国務大臣の演説に対する質疑(前会の続)

#3
○議長(大島理森君) 国務大臣の演説に対する質疑を継続いたします。石井啓一君。
    〔石井啓一君登壇〕

#4
○石井啓一君 公明党の石井啓一です。
 私は、公明党を代表して、総理の所信表明演説に対し、総理並びに関係大臣に質問をいたします。(拍手)
 まずは、岸田総理の御就任、心からお祝いを申し上げます。
 特技は人の話をしっかり聞くこととの総理の姿勢は、小さな声を聞き、政策に反映してきた公明党の政治姿勢と一致をいたします。その言葉どおり、国民の声に耳を傾け、寄り添う政治を実行していただきたい。
 公明党は、与党の一翼として、岸田新政権をしっかりと支えてまいります。
 まず、新型コロナウイルス感染症で亡くなられた方々の御冥福を心からお祈り申し上げますとともに、闘病された皆様に心からお見舞いを申し上げます。
 新型コロナ感染症は、国民の命と健康を脅かしたばかりか、生活、経済、産業、雇用などに大きな影響を及ぼしております。緊急事態宣言などが全面解除されたとはいえ、第六波襲来を危惧する声もあり、多くの国民が不安を感じております。まず取り組むべきは、コロナ禍の克服とともに、今回の経験を踏まえた感染症対策の充実であります。
 加えて、子育てや社会保障、防災、減災、脱炭素などの諸問題も待ったなしの課題です。
 岸田新政権の発足に先立ち、自民党と公明党は、十項目の課題に及ぶ新たな連立政権合意を結びました。
 私は、連立政権合意を踏まえ、コロナ禍の克服と力強い日本の再生に向けて岸田政権がどのように臨まれるのか、お伺いをいたします。
 以下、具体的に質問いたします。
 初めに、新型コロナ対策について伺います。
 ワクチン接種を着実に進めることに加えて、第五波の教訓を踏まえ、第六波に備えた医療提供体制の再構築が喫緊の課題であります。
 具体的には、感染の急拡大時に備え、病床を確保するとともに、臨時の医療施設や入院待機施設などの整備も確実に進めていく必要があります。
 また、第五波においては、自宅療養者への対応が大きな課題となりました。保健所も多忙を極め、全ての自宅療養者に対して適切なフォローアップを行うことが困難な状況でありました。第六波に備え、保健所と地域の医療機関が連携をし、医師の往診や訪問看護、オンライン診療などを拡充し、自宅療養者の健康管理を強化しなければなりません。
 一方で、医療崩壊が懸念されるような非常事態を想定し、国や自治体が医療機関に対して病床確保、医療人材確保に関する協力をより効果的に促せる仕組みについて、法改正を含め検討する必要があると考えます。本年六月に政府が決定した骨太の方針には、こうした仕組みについて、より実効性のある対策を講じるよう法的措置を速やかに検討すると明記されているところでありますが、一般医療との両立を図ることや医療機関の理解を得なければ、こうした仕組みは機能しません。
 第六波に備えた医療提供体制の再構築、さらには非常事態時における病床確保、医療人材確保のための法的措置の検討について、総理の答弁を求めます。
 ワクチン接種、治療薬等の開発について伺います。
 新型コロナ対策の切り札となるワクチンについて、公明党は、海外ワクチンの確保に道を開き、接種の無料化と健康被害が生じた場合の国の補償を強力に推進し、実現に結びつけてきたと自負をしております。
 政府は、希望する人へのワクチン接種を十一月までに完了させることを目指しておりますが、その目標を着実に完遂することが重要であります。
 さらに、二回目接種から八か月ほどでワクチンの効果が弱まると指摘されていることを踏まえ、三回目の接種に向けた準備を進めていかなければなりません。これまでの経験を十分に生かし、自治体と緊密に連携を取り、円滑な実施ができるよう万全を期していただきたい。
 また、公明党は、三回目接種の実施については、その接種費用を無料とすることをかねてより提案してまいりました。確実に実現をしていただきたい。
 さらに、経口薬の早期実用化が期待をされます。
 これまでの新型コロナ治療薬はほとんどが点滴による投与であったため、医療施設で治療を受ける必要がありましたが、経口薬が実用化されれば、自宅療養者でも容易に服用ができます。重症化予防対策の決め手となり、病床逼迫の軽減にもつながります。
 特に、国産経口薬の開発、実用化を強力に支援することが重要です。政府は、第二、三相試験が成功した場合に国内用に一定量を確保できる基本契約を製薬会社と結ぶとともに、第二、三相試験の終了に先行して経口薬の原材料並びに生産に関し支援をすべきであります。
 ワクチン接種の着実な実施や、三回目接種の円滑な実施とその無償化、国産経口薬の開発、実用化支援について、総理の見解を伺います。
 雇用の維持など、国民の生活を支えるための取組も重要です。
 コロナ禍において、生活の基盤である雇用を守るため、我が国では、雇用調整助成金の特例措置等にこれまで四兆円超を支出してまいりました。その結果、完全失業率は主要先進国の中で最も低い二・八%に抑えられております。特例措置は十一月末までとなっておりますが、感染状況を踏まえて、必要に応じ延長すべきであります。その際、雇用保険財政が枯渇することのないよう、必要な財源を一般会計から確保することが不可欠であります。
 また、コロナ禍で生活が厳しい方に対しては、緊急小口資金、総合支援資金等の特例貸付けや、住宅確保給付金の再支給などの支援を行ってまいりました。一方、上限額まで借り切った等で特例貸付けを利用できない方のうち、生活保護も受給していない方については、月額最大十万円の自立支援金も創設をしております。こうした支援策も十一月末までが申請期限となっておりますが、これらも必要に応じ延長すべきであります。
 総理は、十月四日の就任記者会見で、コロナ禍で大変苦しんでいる弱い立場の方々、女性、非正規、学生等への現金給付を考えたいと表明をされました。公明党も、生活困窮者に対する現金給付は、これまでも進めてまいりましたし、これからも必要と考えております。今後、政府・与党で具体化に取り組んでまいりたいと思います。
 今後の雇用、生活支援策について、総理の答弁を求めます。
 コロナ禍で低迷する日本経済再生への取組について伺います。
 長期間続いた休業要請や人流抑制策等により、飲食業や観光業、旅客運送業を始めとする対人サービス業の業況は、依然として厳しい状況が続いております。
 引き続き、時短要請で影響を受ける事業者等への支援金の迅速な支給を通じて事業継続を支えるとともに、経済の再生に向けて、こうした事業者等の再生を強力に後押しすべきであります。
 また、ワクチン接種の進展と感染収束を前提にして、従来のGoToキャンペーンの内容を見直した新GoToキャンペーンの実施を本格的に検討いただきたい。また、それまでの間の観光支援策として、同一県内の旅行を割引支援する地域観光事業支援の拡充を始めとした切れ目のない支援をお願いしたい。同時に、地域の特性を生かした新たな観光コンテンツの創出等への支援の充実も図るべきであります。
 他方、基本的な感染防止対策等の継続を前提に、ワクチン接種証明やPCR検査等の陰性証明を活用したワクチン・検査パッケージで行動規制を段階的に緩和することが検討されております。こうした動きを踏まえ、飲食店による第三者認証の取得が急増しておりますが、認証基準や支援策等は地域によって異なっております。
 そのため、技術実証を踏まえつつ、各都道府県の認証基準や取組状況等の標準化を図るとともに、感染防止対策に必要な換気設備の導入等に取り組む事業者への支援を都道府県と連携して強力に実施すべきであります。
 また、PCR検査能力を現状の約三十三万件から百万件に引き上げるとともに、質の高いPCR検査や抗原定量検査が必要に応じて迅速に安価で受けられる体制を整備するなど、検査体制を大幅に拡充すべきであります。
 特に、ワクチンを打ちたくても打てない方や十二歳未満の方については、検査費用を無料とすることも求めます。
 飲食、観光業等への支援及び段階的な行動規制緩和に向けた取組について、総理の答弁を求めます。
 先月発足したデジタル庁には、日本のデジタル化を前進させる重要な役割があります。中でも、デジタルデバイドの解消、デジタル人材の育成、そしてマイナンバーの普及が最重要の課題であります。
 総務省の調査では、スマートフォンを使えない高齢者は約二千万人。そこで、全小学校区でのデジタル活用支援員によるスマホ教室の開催など、身近で支援を受けられる、誰一人取り残さない体制づくりが必要であります。
 この支援員などのデジタル人材は、非肉体労働で、自由な時間帯に働くことができる点など、女性に適した面が多くあります。
 長野県塩尻市では、国のテレワーク支援策を積極活用し、一人親家庭や子育て中の女性、障害者など約二百五十人が年間約二億円規模の仕事を行っておりますが、このうち九割が女性であります。
 デジタル人材の不足や厳しい環境に置かれている女性の経済状況を打破するため、公明党は、女性デジタル人材育成十万人プランを提案いたします。これは、新しい働き方の定着や地方からデジタル化を進める第一歩になると考えております。
 政府は、支援策の拡充と、自治体への周知、活用を徹底し、女性デジタル人材の育成に集中的に取り組んでいただきたい。
 また、公明党は、マイナンバーカード普及の強力な後押しと消費喚起を促すため、一人当たり三万円のポイントを付与する、新たなマイナポイント事業の創設を提案いたします。
 人材確保やデジタルデバイド対策、新たなマイナポイント事業など、デジタル化進展に向けた総理の見解を伺います。
 本格的な経済再生に向けては、グリーン化への技術革新や投資促進等を通じて産業構造や社会経済の変革を促し、潜在成長率や雇用、所得の拡大を図る、経済と環境の好循環を構築することが重要であります。
 我が国の経済成長を牽引する自動車産業等の基幹産業は、サプライチェーンの裾野が広く、経済や雇用への効果も高い一方で、二酸化炭素の排出削減が課題となっております。既に諸外国では、ガソリン車の新車販売や石炭火力発電の廃止など、脱炭素化への投資を加速させております。
 我が国といたしましても、基幹産業全体が新たな成長と脱炭素化を両立できるよう、グリーンイノベーション基金等を活用して技術革新を強力に進めるべきであります。あわせて、こうした産業等で活用が進む水素の研究開発から社会実装、関連インフラの整備や、電動車製造への業態転換、石炭火力自家発電設備のガス転換など、グリーン化に向けた投資を加速すべきであります。
 グリーン化に向けた技術革新や投資促進策について、総理の答弁を求めます。
 食料自給率の向上は、我が国の食料安全保障の点から極めて重要であります。
 特に米は、食料自給率に占める割合も大きく、ほぼ一〇〇%の自給率を誇り、食料安全保障の要です。
 地理的特性を生かして生産される米は、日本の食文化や美しい水田の景観を育んでまいりました。
 しかし、農村部の人口減少、高齢化に伴う担い手不足や耕作放棄地の増加、食生活の変化等の現状が食料安全保障を脅かしております。加えて、激甚化する自然災害やコロナ禍による影響も甚大であります。そのため、新規就農者等を支援する担い手対策やスマート農業の積極的な普及拡大とともに、日本のおいしい米や日本酒などの輸出を通じた販路の拡大等も非常に重要であります。
 また、米の消費量が年々減っていることに着目をし、野菜や小麦、大豆等の国内生産への転換の工夫とともに、長期的販売を見据えた米の備蓄環境の整備について支援の拡充が必要であります。
 食料安全保障、特に米の需給安定対策について、総理の見解を求めます。
 菅前内閣は、二〇五〇年カーボンニュートラル、二〇三〇年温室効果ガス排出四六%削減といった野心的な目標を掲げました。岸田内閣でも、この目標の下、具体的な対策を加速させることが重要であります。
 徹底した省エネやイノベーションとともに、再エネの最大限の導入や地域脱炭素の実現のため、これまでの対策に加え、意欲的な再エネ促進に取り組む自治体や事業者等に対して複数年度にわたり財政支援をすべきであります。
 また、消費ベースで見ると、我が国の温室効果ガス排出の約六割は家庭部門が占めており、国民が省エネ等に参加できる仕組みも欠かせません。消費者の環境配慮行動へポイントを発行するグリーンライフポイント等の創設を通じて、ライフスタイルの転換を促す対策を強力に推進することが必要です。
 さらに、国際社会の協調した取組も重要です。今月末から始まるCOP26では、日本が先頭に立ち、パリ協定実施ルール交渉の完結や途上国への資金提供等の課題に対して解決策を見出していただきたい。
 脱炭素社会実現へ向けた取組とCOP26への決意を総理に伺います。
 新たなエネルギー基本計画案では、再エネを最優先する原則の下で最大限導入することや、二〇三〇年度に再エネ比率の最大三八%を目指す野心的な目標等が示されました。目標達成に向けて、再エネが導入しやすい環境整備や、短期間で投資が可能な太陽光発電について、立地場所の安全性を確保した上での更なる導入促進が急務であります。
 そのため、再エネが優先される系統接続や土地利用に向けたルールの見直し等を進めるとともに、家庭や中小企業等で太陽光発電が導入できる補助制度を創設するなど、政策総動員で再エネ比率向上を加速すべきであります。あわせて、潮流発電など新たな発電技術も含めた研究開発等の成果を社会実装しつつ、三八%以上の高みを目指していただきたい。
 再エネ比率向上への取組について、総理にお伺いをいたします。
 次に、子育て、教育支援について伺います。
 新型コロナによる影響が長期化する中で、子供たちや子育て家庭にそのしわ寄せが色濃く及んでいることが様々な調査などから示されております。
 例えば、臨時休校や学校行事の中止、延期、縮小などで子供たちに精神的な負担が増しているとの調査があります。また、保護者も、精神的な負担のほか、在宅が増えたことで家事、育児の負担や食費、光熱費等の出費が増加をしており、家計が苦しいとの指摘もあります。
 公明党は、子供たちをコロナ禍から守り抜くための特例的な支援策として、ゼロ歳から高校三年生の年代まで、子供一人当たり十万円相当の未来応援給付を実施すべきと考えております。
 また、少子化の加速や児童虐待、いじめなど、子供と家庭をめぐる様々な課題が多様化、深刻化していることから、公明党は、子育て応援トータルプランを策定し、ライフステージや子供の成長段階に応じて、支援策を切れ目なく充実することが重要であると訴えております。
 例えば、三歳から五歳児の幼児教育、保育は、所得制限をつけず、全ての世帯を対象として無償化いたしましたが、ゼロ歳から二歳児の保育の無償化は住民税非課税世帯にとどまっております。そもそも、ゼロ歳から二歳児の保育利用率は約四割で、残り六割の家庭は保育所を利用しておりません。そのため、産後ケア事業の全国展開や、家事、育児支援を利用しやすい環境を整備するなど、ゼロ歳から二歳児のいる御家庭を広く支援すべきと考えます。
 また、出産育児一時金を現行の四十二万円から五十万円へと増額をすべきであります。さらに、ゼロ歳から二歳児の保育料や、私立高校授業料、大学など高等教育の無償化も、段階的に所得制限を緩和し、対象者の拡大を目指していくべきであります。
 今後の子育て、教育支援策の拡充について、総理の答弁を求めます。
 本年の骨太の方針では、子供政策に関しまして行政組織を創設するため、早急に検討に着手することが明記をされております。
 公明党は、年齢による政策の切れ目や省庁間の縦割りを排し、子供と家庭を総合的に支える子ども家庭庁の設置や、子供の権利を保障する子ども基本法の制定、子供政策について独立した立場で調査、意見、監視、勧告を行う子どもコミッショナーの設置を提案しております。
 子供政策については、骨太の方針や公明党の提案を踏まえ、検討を進めていただきたい。
 子供政策に関する行政組織の設置や子供に関する法整備の検討について、総理の答弁を求めます。
 続いて、防災・減災対策について伺います。
 昨年から本年にかけて、災害対策基本法など各種の重要な災害法制が改正されるとともに、防災・減災、国土強靱化のための三か年緊急対策に続き、今年度からは、新たに、流域治水やインフラ老朽化対策の加速、線状降水帯の予測精度向上など様々な施策が盛り込まれた五か年加速化対策がスタートをいたしました。
 これらは公明党が強く要請したことであり、高く評価したいと思います。
 本年八月の大雨における広島の被災地では、整備された砂防ダムが多くの土石流を食い止め、住民の命を守ることにつながるなど、対策の効果が各地で確認をされております。こうした対策の好事例を周知することは、国民の防災意識を向上し、更なる防災対策の加速化につながります。
 一方、気候変動等の影響による災害の甚大化に加え、コロナ禍との複合災害への対応など、地方行政の負担は増大をしております。
 国民の命と暮らしを守るため、これまで以上に我が国の防災・減災対策を効果的かつ強力に進めるべきと考えます。総理の決意をお伺いいたします。
 七月の大雨で発生した静岡県熱海市の土石流災害では、不適切に処理された盛土が被害を拡大させたと見られております。
 近年、水害が多発する中、潜在的に危険な盛土が存在する箇所で同様のリスクが広がっており、早急な対策が求められます。
 公明党は、発災後、被災地の声を伺い、提言を取りまとめ、盛土の全国総点検の実施や盛土に関する規制の見直しなど、原因究明と再発防止を全力で進めるよう、政府に対し強く要請をいたしました。
 これを受けて、政府は、盛土による災害防止に向けた取組方針を示し、点検状況等を踏まえた対応策を検討するとしております。
 各地における盛土の実態を早期に明らかにし、危険性の高い盛土は速やかに撤去するなど、適切な安全対策を講ずるべきであります。
 そして、今後、二度と危険な盛土が造成されることがないよう、関係省庁が連携をし、土地利用の規制強化など、総合的かつ厳格な法整備を進めていただきたい。
 盛土による災害防止対策について、国土交通大臣の答弁を求めます。
 次に、孤独・孤立対策等について伺います。
 新型コロナの感染拡大は、社会的孤立の深刻化や若者、女性の自殺の増加など、国民生活に大きな影響を及ぼしております。
 公明党は、本年二月に社会的孤立防止対策本部を設置いたしまして、全国各地で一千件を超えるヒアリング調査を実施。調査の結果、見えてきたのは、社会的孤立は決して個人だけの問題ではないということであります。孤独、孤立は、社会の問題として国を挙げて取り組み、当事者の目線に立って、息の長い支援を実施する必要があります。
 また、コロナ禍では、生理の貧困が大きな問題となり、学校、公共施設での生理用品の無償提供が始まりました。女性特有の悩みやリスクに対応するオンライン相談、女性の健康管理をテクノロジーで解決するフェムテックの推進、生理休暇制度の取得促進なども進めるべきであります。
 さらに、コロナ禍では、居住支援に対するニーズも浮き彫りとなりました。住まいのセーフティーネットを、孤独・孤立対策の一環として抜本的に強化し、再構築することが必要であります。そのため、居住支援法人等への支援の充実とともに、住宅確保に困難を抱えている住宅弱者の方々に対する新たな公的家賃補助として住宅手当制度を創設すべきであります。
 孤独・孤立対策等について、総理の答弁を求めます。
 地方創生について伺います。
 コロナ禍に伴い、とりわけ変化しているのは人の流れです。テレワークの普及に伴い郊外転出者が増加するなど、地方への人の流れが徐々に生み出されつつあります。
 この流れを更に太く力強くするためには、転職なき移住ができる環境、すなわち地方へのテレワーク導入に向けた環境整備を一層進めることが重要です。
 また、将来を担う若者の移住促進も欠かせません。
 今、多くの学生が奨学金返済への不安を訴えております。実際に返済が始まった人の中にも、コロナ禍で経済的な影響を受け、延滞せざるを得ない人が少なくありません。返済を肩代わりする自治体や企業への奨学金返還支援制度を一層充実することで若者に安心感を与えることができれば、移住を促進することができると考えます。
 地方への移住施策も含めて、今後の地方創生への取組について、総理の答弁を求めます。
 最後に、外交問題について伺います。
 総理には、外務大臣を長く経験された手腕を遺憾なく発揮し、世界の平和、安定のために、積極的平和外交の力強い展開を期待いたします。
 所信表明演説で、総理は、世界の平和と繁栄の礎である日米同盟を更なる高みへ引き上げていくと訴えられました。
 まずは、バイデン大統領との首脳会談の早期実施などを通じて、米国との信頼関係の維持強化を図っていただきたい。そして、自由で開かれたインド太平洋の実現への努力を期待したいと思います。
 中国については、最大の貿易相手国であり、様々な交流の歴史もあります。他方で、中国の力による一方的な現状変更の試みや人権状況などについて、国際社会から懸念が示されております。中国は、透明性を持って説明し、国際社会に対する責任を果たすべきであります。こうした様々な課題や協力すべき分野などについて、お互いに率直に指摘できる関係が重要であり、不断の対話が大切であります。
 来年には、日中国交正常化五十周年の節目を迎えます。対話により相互理解を深める努力を続けていただきたい。
 最近、弾道ミサイルなどの発射を繰り返し、挑発的行為を強める北朝鮮に対して、米韓始め近隣諸国としっかり連携をし、具体的かつ迅速な解決のための外交努力を強く求めます。一刻の猶予もない拉致問題解決と非核化に向けても全力で取り組んでいただきたい。
 以上、米国、中国、北朝鮮との外交戦略について、総理の見解をお伺いいたします。
 ここまで申し上げてまいりましたように、今、我が国には乗り越えるべき課題が山積をしております。これらを着実に解決に導くためには、政治の安定が不可欠であります。そのためにも、来る衆議院総選挙においては、自民党、公明党で過半数を上回る議席を獲得し、国民の厚い信任を得てまいりたい。
 公明党は、岸田新政権をしっかりと支え、日本の再生へ新たな挑戦に取り組んでいくことをお誓いいたしまして、代表質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
    〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇〕

#5
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 石井啓一議員の御質問にお答えいたします。
 第六波に備えた医療提供体制の再構築等についてお尋ねがありました。
 新型コロナの感染が落ち着いている今こそ、様々な事態を想定し、徹底的に安心確保に取り組みます。
 医療提供体制については、病床と医療人材の確保、在宅療養者に対する対策など、対応策の全体像を早急に国民にお示しするよう、三大臣に指示したところです。コロナ病床が十分に稼働しなかったことなど、この夏の反省も踏まえ、近日中にその骨格を指示いたします。
 その中で、議員から提案のあった、保健所と地域の医療機関の連携、オンライン診療の活用等による自宅療養者の健康管理の強化、現行法の下での国の権限のフル活用による病床と医療人材の確保についても取り組んでまいります。
 同時に、これまでの対応を徹底的に分析し、何が危機管理のボトルネックだったのかを検証します。そして、司令塔機能の強化や人流抑制、医療資源確保のための法改正など、危機管理を抜本的に強化いたします。
 新型コロナワクチンと国産経口薬についてお尋ねがありました。
 新型コロナワクチンについては、希望する全ての方への二回のワクチン接種を着実に進め、さらに、三回目のワクチン接種も全額公費負担で行うこととし、円滑な実施に万全を期してまいります。
 また、自宅で使える飲み薬はコロナ対策の大きな決め手です。国産の経口治療薬の研究開発などを積極的に支援するとともに、国民の安全、安心を確保できるよう、経口薬の確保に最大限取り組んでまいります。
 今後の雇用、生活支援策についてお尋ねがありました。
 新型コロナから国民の暮らしを守り抜く、このことを最優先に、雇用調整助成金の特例措置による雇用維持の支援、緊急小口資金等の特例貸付けや住居確保給付金の支給などによる生活支援などの内容を盛り込んだ、三次にわたる補正予算を編成し、かつてない事業規模、総額二百九十三兆円の経済対策を政府・与党が一丸となって行ってまいりました。
 今後も、新型コロナ対応は喫緊かつ最優先の課題であり、雇用調整助成金を始め雇用保険のセーフティーネットの機能が十分発揮できるよう、財政運営について適切に対応するとともに、生活支援についても、引き続き、先の見通しが立つように、しっかりと取り組んでいく必要があります。
 これらの点を含め、国民の切実な声を踏まえ、新型コロナで大きな影響を受ける方々を支援するため、速やかに総合的かつ大胆な経済対策を策定いたします。
 飲食業や観光業等への支援及び段階的な行動規制緩和に向けた取組についてお尋ねがありました。
 飲食業や観光業を含む新型コロナの大きな影響を受けた事業者に対して、協力金の支給や資金繰りの支援、雇用調整助成金による人件費の支援を実施しております。さらに、地域、業種を限定しない形で、事業規模に応じた給付金を支給するなど、必要な支援を行ってまいります。
 ワクチン・検査パッケージの技術実証や御指摘の第三者認証の運用の検討等に当たっては、都道府県の皆様の御意見を伺いつつ、連携して取り組んでまいります。
 GoToキャンペーンについては、こうした取組を組み合わせながら、安心な形での実施を検討していきます。
 段階的な行動規制の緩和に向け、検査の拡充も重要な課題であり、再度の感染拡大に備えて、インフルエンザ流行に伴う需要も勘案しつつ、予約不要の無料検査の拡大など、PCR検査を含めた検査体制を更に強化してまいります。
 デジタル化進展に向けた取組についてお尋ねがありました。
 女性や障害者の方がデジタル技術を使いこなし、新たな仕事ができるように、リカレント教育や様々な情報に容易にアクセスできる環境を実現いたします。
 また、高齢者などデジタル技術に不慣れな方に対して、デジタル推進委員を配置し、身近な場所でデジタル機器の使用方法を学べるようにするなど、全ての人々がデジタル化のメリットを享受でき、誰一人取り残さないデジタル化の実現を目指します。
 政府においても、デジタル人材の採用を進めるほか、経済界や教育機関等と協力して、地方におけるデジタル人材の育成の取組と連携してまいります。
 御提案を含め、マイナポイント事業については、今後、与党の議論も踏まえながら、政府内においても検討を進めてまいります。
 グリーン化に向けた技術革新と投資促進策についてお尋ねがありました。
 二〇五〇年カーボンニュートラルを実現するためには、技術革新による産業、エネルギー構造の転換が必要です。
 このため、政府としては、グリーンイノベーション基金等により、カーボンニュートラルの実現に資する革新的技術について、研究開発から社会実装までを継続して支援してまいります。
 例えば、水素分野においては、この基金を活用して、大規模水素サプライチェーンの構築に向けた技術の研究開発と社会実装を進めるほか、水素ステーションなど関連インフラの整備にも取り組んでまいります。
 あわせて、蓄電池の大規模製造拠点の国内立地や電動車の部品の製造に新たに挑戦する中小企業に対する支援に加えて、石炭火力の自家発電設備をガス転換する支援も進めてまいります。
 食料安全保障と米の需給安定対策についてお尋ねがありました。
 食料の安定供給を将来にわたって確保していくことは、国家の国民に対する最も基本的な責務の一つです。この責務を果たしていくためには、国際競争や災害にも負けない、足腰の強い農林水産業を構築していく必要があります。
 岸田内閣においては、輸出力強化、デジタル技術の活用、地域ブランドの確立による高付加価値化など、農林水産業の成長産業化を進めるとともに、日本型直接支払制度の着実な実施などにより、多面的機能を維持してまいります。
 米については、需要に応じた生産、販売を推進し、野菜などの需要のある作物への転換に取り組む産地を支援することを基本に、当面の需給の安定に向け、新型コロナによる需要減に対応する十五万トンの特別枠を新たに設け、飲食店、子供食堂等への米の販売、提供を支援いたします。
 こうした施策を着実に進めていくことで、食料安全保障の確立を図ってまいります。
 脱炭素社会実現へ向けた取組とCOP26への決意についてお尋ねがありました。
 脱炭素社会については、自公連立政権合意に基づき、二〇五〇年カーボンニュートラル、二〇三〇年度温室効果ガス削減目標の確実な達成と、国民生活と産業の基盤であるエネルギーの安定、低コストでの確保に向けた取組を加速いたします。あらゆる施策を総動員し、持続可能で強靱な脱炭素社会を構築します。
 とりわけ、二〇五〇年カーボンニュートラルの実現に向け、温暖化対策を成長につなげるクリーンエネルギー戦略を策定し、強力に推進いたします。
 そして、再エネ促進に取り組む自治体や事業者等に対する複数年度にわたる財政支援、ライフスタイルの転換に向けた消費者の環境配慮行動へのポイント発行の検討にもしっかり取り組んでまいります。
 COP26は、世界にとって重要な課題である気候変動問題について、各国の連携を通じて前進を図る上で極めて重要な機会です。
 我が国は、二〇五〇年カーボンニュートラルの実現に向けた取組を強力に推進し、パリ協定の目標である脱炭素社会の実現に向けて、国際社会を主導する覚悟です。
 再生可能エネルギーの比率向上への取組についてお尋ねがありました。
 二〇五〇年カーボンニュートラル、そして二〇三〇年の温室効果ガス四六%の削減目標の実現に向けて、再生可能エネルギーの最大限の導入に取り組んでまいります。
 具体的には、系統運用ルールの見直しや送電設備の整備のほか、更なる太陽光発電の導入拡大に取り組むなど、二〇三〇年の電源構成で三六%から三八%という野心的な目標の達成に向けて、あらゆる施策を総動員してまいります。
 さらに、二〇五〇年カーボンニュートラルも見据えて、更なる高みを目指すべく、洋上風力など次世代技術の研究開発を大胆に進めてまいります。
 子育て、教育支援についてお尋ねがありました。
 新型コロナの影響により苦しんでおられる子育て世帯など、お困りの方々を守るための給付金などの支援を実行いたします。具体的な対応策は、経済対策の検討を進める中で、与党における協議も踏まえながらまとめてまいります。
 子育て、教育支援については、これまでも、安定財源を確保しつつ支援を充実させてきたところであり、今後も、保育の受皿整備、幼保小連携の強化、学童保育制度の拡充や利用環境の整備など、子育てや教育の支援を促進いたします。その際、御指摘いただいた様々な施策についても検討してまいります。
 子供政策についてお尋ねがありました。
 新たな子供政策の在り方について、その基本理念や目指すべき方向性を、現在、有識者会議において御議論いただいているところです。
 また、子供をめぐる様々な課題に適切に対応するため、子供目線に立って、縦割りを排した行政の在り方を検討いたします。
 これらについて、年末までに基本方針を決定し、可能であれば来年の通常国会に法案を提出するというスケジュールを念頭に、検討を進めてまいります。
 防災・減災対策についてお尋ねがありました。
 近年、災害が激甚化、頻発化する中、本年も、七月以降、長雨が続き、静岡県熱海市の土石流災害を始め、甚大な被害が各地で発生しています。
 さらに、先週七日の千葉県北西部を震源とする地震では、負傷者が出たほか、鉄道の脱線や水道管の破損による漏水の発生などの被害が生じています。
 こうした災害から国民の命と暮らしを守るため、防災・減災、国土強靱化の取組を強化していくことが不可欠です。
 このため、これまでの対策の効果の周知などを通じて国民の防災意識の向上を図るとともに、昨年決定した五か年加速化対策を含めた防災・減災、国土強靱化をこれまで以上に効果的かつ強力に推進してまいります。
 先週八日に指示した新たな経済対策においても、国民の安全、安心の確保を柱として掲げており、その一環として、防災・減災、国土強靱化についてもしっかりと盛り込んでまいります。
 孤独・孤立対策等についてお尋ねがありました。
 単身世帯の増加や地域のつながりの希薄化、さらに今般の新型コロナの影響により、孤独、孤立等の問題が一層顕在化してきていると認識をしております。
 このため、政府としても、孤独・孤立対策担当大臣の下で、関係省庁が連携して孤独・孤立対策を推進するとともに、女性の健康支援についての情報提供や生理休暇制度等の周知なども含めた、女性の体の悩みを相談できる環境整備やフェムテックを推進し、孤独・孤立対策等に取り組む居住支援法人への支援の充実を始め、空き家等を活用した住宅支援強化等を含む、住まいのセーフティーネットの在り方の検討を進めてまいります。
 今後とも、孤独、孤立等で不安を抱える方々へ必要な支援を届けられるよう、孤独、孤立等の問題に政府一丸としてしっかりと取り組んでまいります。
 地方創生についてお尋ねがありました。
 地方は、高齢化や過疎化などの課題に直面しており、その解決のためには、デジタル技術の活用や、地方への人の流れを生み出していく必要があります。
 このため、地方からデジタルの実装を進め、地方におけるサテライトオフィスの整備やテレワークを活用した移住を支援することで、転職なき移住を実現していきます。また、地方企業に就職する若者や移住者を対象とした奨学金の返還支援を促進してまいります。
 こうした取組を含め、政府一丸となって地方創生を進めていきます。
 米国、中国、北朝鮮との外交戦略についてお尋ねがありました。
 我が国の外交・安全保障政策の基軸は日米同盟です。先般のバイデン大統領との電話会談では、対面での会談を早期に実現することも確認いたしました。大統領と信頼関係を築き、私が先頭に立って、インド太平洋地域、そして世界の平和と繁栄の礎である日米同盟を更なる高みへ引き上げていきます。
 中国とは建設的かつ安定的な関係を築いていくことが、両国、そして地域及び国際社会のために重要です。普遍的価値を共有する国々とも連携しながら、中国に対して、主張すべきは主張し、責任ある行動を強く求めると同時に、対話を続け、共通の諸課題について協力していきます。
 北朝鮮による核・ミサイル開発は断じて容認できません。日朝平壌宣言に基づき、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決し、不幸な過去を清算して、日朝国交正常化の実現を目指します。
 拉致問題は最重要課題です。全ての拉致被害者の一日も早い帰国を実現すべく、全力で取り組みます。私自身、条件をつけず、金正恩委員長と直接向き合う決意です。
 残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
    〔国務大臣斉藤鉄夫君登壇〕

#6
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 石井啓一議員から、盛土による災害の防止対策についてお尋ねがありました。
 静岡県熱海市における土石流災害の発生から百日余りが経過しております。
 改めて、お亡くなりになられた方々にお悔やみを申し上げるとともに、被災された全ての方々に心よりお見舞い申し上げます。また、今なお行方不明でいらっしゃる方の早期発見を心からお祈り申し上げます。
 盛土に関連する規制については、宅地、林地、農地などの土地利用行政あるいは廃棄物行政など多くの行政分野に及び、省庁をまたいだものとなっております。
 このため、現在、関係省庁が一体となって盛土の総点検を行っております。この総点検を進めるとともに、有識者会議及び関係府省連絡会議において、省庁横断的な、必要な対応策の検討を進めているところでございます。
 これらの議論を踏まえて、国土交通省においては、盛土による災害の防止対策に率先して取り組んでまいります。(拍手)
    ―――――――――――――

#7
○議長(大島理森君) 志位和夫君。
    〔志位和夫君登壇〕

#8
○志位和夫君 私は、日本共産党を代表して、岸田総理に質問します。(拍手)
 総理は、所信表明で、国民の声を真摯に受け止め、丁寧な対話をしていくと述べました。
 そこで、伺います。
 森友疑惑で公文書改ざんを苦に自ら命を絶った赤木俊夫さんの妻、雅子さんは、十月七日、総理に手紙を送り、正しいことが正しいと言えない社会はおかしいと訴え、第三者による再調査で真相を明らかにしてくださいと求めています。総理は、この声をどう受け止めますか。再調査をかたくなに拒否している理由は何ですか。
 日本学術会議の梶田隆章会長は、九月三十日、談話を発表し、六名の任命が拒否され、理由さえ説明されない状態が長期化していることは、科学と政治との信頼醸成と対話を困難にすると訴えています。総理は、この声をどう受け止めますか。違憲、違法の任命拒否を続ける理由を説明していただきたい。
 自分にとって都合の悪い声を無視する態度では、信頼と共感の政治をつくることは決してできません。答弁を求めます。
 この間、新型コロナの感染爆発、医療崩壊が起こり、多くの人々の命が失われました。総理は、これまでの対応を徹底的に検証しますと述べましたが、私は、次の三つの点で、従来の対応の厳しい反省と切替えが必要だと考えます。
 第一は、科学を無視した対応を根本から改めることです。
 厚生労働省は、昨年五月、PCR検査を広げると医療崩壊が起こるという内部文書をばらまいて、検査を抑制してきました。しかし、検査を怠り、特に無症状の感染者に対する検査戦略を持たなかったことが医療崩壊につながったことは明らかではありませんか。
 オリンピック・パラリンピックの開催強行は、科学を無視した政治の最たるものです。一方で人類最大のお祭りをやりながら、他方で国民に自粛を求めても説得力はありません。五輪開催を強行したことが感染爆発の一因となり、多くの犠牲者を出したことへの痛切な反省が必要ではないでしょうか。
 新規感染者が減少している今こそ、ワクチン接種と一体に、大規模検査によって感染の火種を消していく、科学の基本に立った取組が必要です。誰でも、何度でも、無料でPCR検査が受けられる体制をつくることこそ、コロナから命を守りながら、経済社会活動を再開する最大の鍵だと考えますが、いかがですか。
 第二は、四十年来の医療と公衆衛生を切り捨ててきた政治を根本から切り替えることであります。
 日本共産党は、医療崩壊を二度と繰り返さないために、次の、医療・公衆衛生再生プログラムを提案しています。
 この間、感染症の入院ベッドも保健所も半分に減らされてしまったことが医療崩壊につながりました。国の予算をそれぞれ二倍にして、抜本的拡充に切り替えるべきではありませんか。
 医師数の抑制を続けた結果、日本の医師数は先進国の平均に比べて十四万人も足りません。医師削減計画を中止し、増員に切り替えるべきではありませんか。
 政府は、全国四百の公立・公的病院をリストアップして統廃合を進め、消費税増税分を財源にして、二十万人分の入院ベッドを削る、とんでもない計画を進めています。きっぱり中止し、拡充に切り替えるべきではありませんか。
 第三は、コロナで傷ついた事業と暮らしを支援することです。
 まともな補償が行われなかったために、コロナによる倒産と廃業が急増し、飲食業、宿泊業の三割以上が廃業を検討しているという深刻な実態が明らかになっています。政府の責任は極めて重いと考えますが、総理にはその自覚はありますか。
 持続化給付金、家賃支援給付金の第二弾を支給し、コロナ収束まで継続的に支給することを強く求めます。
 コロナで収入が減った方々を中間層も含めて広く対象にして、一人十万円を基本に、暮らし応援給付金を五兆円から六兆円の規模で支給することを提案します。総理の答弁を求めます。
 総選挙で、日本共産党は、自公政治は終わりにして、国民みんなが安心して希望を持って暮らせる新しい日本をつくるため、四つのチェンジを訴えて戦います。
 第一は、弱肉強食の新自由主義をやめ、国民の命と暮らしを何よりも大切にする政治へのチェンジです。
 総理は、新しい資本主義、成長と分配の好循環を唱えていますが、そもそも、成長と分配の好循環というスローガンは、安倍首相が幾度となくこの場で繰り返してきたスローガンであり、アベノミクスの三番煎じのスローガンではありませんか。
 アベノミクスがもたらしたものは何だったか。貧富の格差の劇的な拡大でした。この九年間で、日本の大富豪の資産は、六兆円から二十四兆円に、四倍に膨れ上がりました。一方、働く人の実質賃金は、二十二万円も減りました。大金持ちがもうかれば庶民に回ってくるというトリクルダウンは起こらなかったんです。総理はこの事実をお認めになりますか。
 ボトムアップ、庶民の暮らしの底上げで経済をよくしていく道への根本的な切替えが必要だと考えますが、いかがでしょうか。
 中小企業への十分な支援とセットで、最低賃金を時給千五百円に引き上げ、全国一律最賃制を確立するべきではないでしょうか。
 派遣、パート、アルバイトで働く人がコロナで切り捨てられ、特に女性と若者がひどい犠牲を強いられています。一九九〇年代以来の労働法制の規制緩和を根本的に改め、人間らしく働けるルールを作るべきではありませんか。
 多くの学生が、食事にも事欠くような困窮に陥っています。高過ぎる学費を半分にし、返済不要の奨学金を抜本的に拡充し、入学金制度は廃止すべきではありませんか。
 富裕層と大企業に対する優遇税制を廃止し、法人税率を中小企業を除いて安倍政権以前の二八%に戻し、所得税、住民税の最高税率を六五%に引き上げるべきです。そして、消費税は五%に減税することを強く求めます。
 新自由主義からの転換という総理の言葉が本物ならば、どれもこれも当たり前のことばかりではありませんか。答弁を求めます。
 第二は、気候危機を打開し、地球を守る政治へのチェンジです。
 世界でも日本でも、気候危機は待ったなしの大問題です。危機感をみんなで共有して緊急に行動しなければ、地球の未来はありません。総理にその認識はありますか。
 政府は二〇五〇年カーボンゼロを掲げていますが、肝腎の二〇三〇年度までの二酸化炭素の削減目標は一〇年度比で四二%。世界の先進国の五〇%から六〇%削減という目標に比べて余りに低過ぎると思いませんか。
 この期に及んで九つの大規模石炭火力発電所の新増設を進めているのはどういうわけか。三〇年までに石炭火力はゼロにするべきではありませんか。
 原発頼みを続けていることも重大です。一たび大事故を起こせば最悪の環境破壊を引き起こす原発を、環境を口実に続けるほど愚かな政治はありません。原発を直ちにゼロにする政治決断が必要ではありませんか。
 日本共産党は、気候危機を打開する二〇三〇戦略を発表し、省エネルギーと再生可能エネルギーの普及で二〇三〇年までに二酸化炭素を最大六〇%削減する大改革を提案しております。この道を進めば、新たな雇用を増やし、日本経済を持続的に発展させることもできます。我が党の二〇三〇戦略に対する総理の見解を求めます。
 第三は、ジェンダー平等の日本へのチェンジです。
 コロナ危機は、ジェンダー不平等日本の矛盾を浮き彫りにしました。非正規で働く多くの女性が仕事を失い、ステイホームが強いられる下で、DV被害が急増しました。ところが、総理の所信表明には、驚くことに、この大問題への言及が一言もありませんでした。これは一体どういうわけか。
 日本の男女賃金格差は世界でも異常です。政府統計を基に試算をすると、生涯賃金で一億円近い格差があります。企業に男女別平均賃金の公表と格差是正計画の策定、公表を義務づけ、政治の責任で格差を解消すべきだと考えますが、いかがでしょうか。
 日本は、世界でただ一つ、法律で夫婦同姓を強制している国です。選択的夫婦別姓は急務です。総理は、引き続き議論すると言いますが、選択的夫婦別姓反対の急先鋒に立つ人物を党の政調会長に就けました。選択的夫婦別姓を実現する意思があるのかないのか、はっきり答弁をしていただきたい。
 第四は、憲法九条を生かした平和外交へのチェンジです。
 総理は、核兵器のない世界を目指すといいながら、核兵器禁止条約を拒否する態度を取っています。政府は、核抑止の信頼性を損なうことを拒否の理由にしていますが、核抑止とは何か。それは、いざというときには核兵器を使用することを前提にした議論です。いざというときには広島、長崎のような非人道的惨禍を引き起こすこともためらわないという議論なのです。唯一の戦争被爆国の政府がこんな議論にしがみついているのは、余りにも恥ずべきことだと考えませんか。
 日本共産党は、核抑止という虚構から抜け出し、核兵器禁止条約に署名、批准することを強く求めるものであります。
 総理は、沖縄・辺野古への米軍新基地建設を推進すると述べました。
 しかし、軟弱地盤の存在により、政府の試算によっても工期は更に十二年。実際にはどれだけかかるか、誰にも分かりません。政府は、昨年四月、沖縄県に設計変更を申請しましたが、更なる環境破壊をもたらす設計変更が承認されるはずもありません。普天間基地の早期返還のためという政府の言い分は、完全に崩壊しているのであります。総理、この現実を直視するべきではありませんか。
 沖縄県民は、この四半世紀、一貫して新基地建設に反対の意思を示し続けてきました。国民の声を真摯に受け止めるというのならば、辺野古新基地建設は中止し、普天間基地の無条件撤去に取り組むべきではありませんか。
 四つのチェンジを実行するためには、政権交代が必要です。日本共産党は、多くの国民の皆さん、他の野党の皆さんと力を合わせて、総選挙で必ずや政権交代を実現し、新しい政権をつくるために全力を挙げる決意を表明して、質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇〕

#9
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 志位和夫議員の御質問にお答えいたします。
 まず、森友学園問題の再調査等についてお尋ねがありました。
 近畿財務局の職員の方がお亡くなりになったことは誠に悲しいことであり、残された御遺族のお気持ちを思うと言葉もなく、静かに、そして謹んで御冥福をお祈り申し上げます。
 御指摘のお手紙は拝読いたしました。その内容については、しっかり受け止めさせていただきたいと存じます。
 森友学園問題については、財務省において、捜査当局の協力も得て、事実を徹底的に調査し、自らの非を認めた調査報告書を取りまとめております。また、会計検査院も、二度にわたる検査報告を国会に提出しております。さらに、第三者である検察の捜査も行われ、結論が出ているものと承知をしております。
 その上で、本件については、これまでも国会などにおいて様々なお尋ねに対し説明を行ってきたところと承知しており、今後も必要に応じてしっかり説明をしてまいります。
 大事なことは、今後、行政においてこうした国民の疑惑を招くような事態を二度と起こさないことであり、今後も国民の信頼に応えるために、公文書管理法に基づき、文書管理を徹底してまいります。
 昨年十月の日本学術会議の会員の任命については、日本学術会議法に沿って、学術会議に求められる役割等も踏まえて、任命権者である当時の内閣総理大臣が判断を下したものであると承知をしております。
 一方、日本学術会議の在り方については、梶田会長とコミュニケーションを取りながら、未来志向で検討を進めており、引き続き、小林大臣の下で同様に取り組んでもらいたいと考えています。
 いずれにしても、今後も、国民の皆様への丁寧な説明を尽くし、信頼と共感が得られる政治を実現してまいります。
 新型コロナの検査や、東京大会の開催の影響についてお尋ねがありました。
 東京大会については、必要な感染拡大防止策が講じられ、結果として、海外から入国した大会関係者等から市中に感染が広がったという事実は確認されておりません。
 また、検査については、これまでも、症状の有無にかかわらず、医師が必要と判断した方などが確実に検査を受けられるよう、検査の充実を図ってまいりました。
 段階的な行動規制の緩和に向け、検査の拡充も重要な課題であり、冬に向け、再度の感染拡大に備えて、インフルエンザ流行に伴う需要も勘案しつつ、予約不要の無料検査の拡大を行うなど、PCR検査を含めた検査体制を更に強化してまいります。
 医療体制等の強化についてお尋ねがありました。
 新型コロナの感染が落ち着いている今こそ、様々な事態を想定し、徹底的に安心確保に取り組みます。
 医療提供体制については、病床、医療人材の確保、在宅療養者に対する対策など、対応策の全体像を早急に国民にお示しするよう、三大臣に指示したところです。コロナ病床が十分に稼働しなかったことなど、この夏の反省も踏まえ、近日中にその骨格を指示いたします。
 医師数については、医学部定員を段階的に増員してきたことにより、全国で毎年四千人程度増加しています。
 また、公立・公的病院の在り方については、病床の削減や統廃合ありきではなく、地域の実情を十分に踏まえつつ、地方自治体等と連携して検討を進めてまいります。
 事業者等への支援についてお尋ねがありました。
 飲食業や宿泊業を含め、新型コロナの影響を受けた事業者の事業の継続、雇用の維持のため、事業規模に応じた協力金や雇調金の支給などの支援を行ってまいりました。その結果、失業率は先進国で最低水準にあるなど、他の先進国に比して新型コロナの経済への影響は小さくなっています。
 その上で、新型コロナで大きな影響を受ける方々の支援のため、総合的かつ大胆な経済対策を策定いたします。その中で、大きな影響を受ける事業者に対し、地域、業種を限定しない形で、事業規模に応じた給付金を支給するとともに、新型コロナの影響により苦しんでおられる非正規、子育て世帯など、お困りの方々を守るための給付金などの支援も実行してまいります。
 成長と分配の好循環についてお尋ねがありました。
 アベノミクスは、六重苦と言われた旧民主党政権の経済苦境から脱し、デフレではない状況をつくり出し、GDPを高め、雇用を拡大しました。国民みんなの稼ぎである総雇用者所得も増加しました。このように、我が国経済の成長、体質強化に大きな役割を果たしました。
 今後とも、最大の目標であるデフレからの脱却に向けて、大胆な金融政策、機動的な財政政策、成長戦略の推進に努めます。
 その上で、世界における一九八〇年代からの新自由主義的な政策に伴う格差の拡大に目を向け、成長と分配の好循環による新しい資本主義の実現を目指してまいります。
 成長の果実をしっかりと分配することで、初めて次の成長が実現します。成長も分配も実現するために、あらゆる政策を総動員してまいります。
 最低賃金、労働法制、困窮学生への支援及び税制についてお尋ねがありました。
 最低賃金については、この九年間で、全国加重平均で百八十一円引き上げました。今年度は二十八円と、過去最高の上げ幅となっています。引き続き、中小企業、小規模事業者が賃上げしやすい環境を整備しつつ、地域間格差に配慮しながら、最低賃金の引上げを図ってまいります。
 また、労働法制については、近年、同一労働同一賃金の実現など、待遇改善を図るための制度改正などを行ってまいりました。今後とも、非正規雇用労働者の待遇改善や正社員化が図られるよう、関係者への制度周知や企業への指導を徹底してまいります。
 困窮学生への支援については、昨年四月から、真に支援が必要な所得の低い世帯の子供たちへ高等教育の無償化を実施しています。子供たちが経済的理由によって進学や修学を断念することがないよう、着実に支援を実施してまいります。
 税制については、これまでも、所得税や相続税について、最高税率の引上げなど、再分配機能の回復を図るための見直しなどを進めてきました。消費税については社会保障の財源として位置づけられており、当面、消費税について触れることは考えておりません。
 二〇三〇年温室効果ガス削減目標等についてお尋ねがありました。
 世界各地で異常気象が発生する中、気候変動対策は待ったなしの課題です。岸田政権においても、二〇五〇年カーボンニュートラルと整合的かつ野心的な目標として、二〇三〇年度に温室効果ガス四六%削減を目指し、さらに、五〇%の高みに向けて挑戦を続けてまいります。
 二〇五〇年に向けて、デジタル化によって電力需要の増加が見込まれる中、温暖化対策の観点のみならず、更なる経済成長につながる、安定的で安価なエネルギー供給を確保することが重要です。そのため、徹底した省エネと再エネの最大限導入に向けた取組に加え、原子力や水素、CCUSなど、あらゆる選択肢を追求することが必要です。
 地球温暖化対策を進めることは経済成長と国民生活が恩恵を受けることにつながる、こうした意識を国民の皆様と共有したいと考えます。その実現のため、クリーンエネルギー戦略を策定し、強力に推進してまいります。
 新型コロナの影響を受ける女性への支援等についてお尋ねがありました。
 長引く新型コロナの影響により、支援を必要とする女性が誰一人取り残されることがないよう、一人親に対する職業訓練、デジタル人材の育成や配偶者暴力に関する相談体制の充実等の対策を実施してまいります。
 男女の賃金格差について、管理職比率と勤続年数の差異を始め、複合的な要因があること等の理由により、女性活躍推進法に基づく情報公開の対象とはしておりません。政府としては、男女の賃金格差の是正に向けて、女性の採用、登用等に取り組むための事業主行動計画の策定義務の対象拡大や、女性の継続的な活躍を促進するための情報公表の強化を図るとともに、保育の受皿の整備、育児休業等の両立支援体制の整備を行うなど、様々な取組を進めてまいります。
 選択的夫婦別氏制度の導入については、国民の間に様々な意見があるところであり、引き続きしっかりと議論すべき問題であると考えます。政府としては、国民各層の意見や国会における議論の動向を注視しながら、更なる検討を進めてまいります。
 核抑止と核兵器禁止条約についてお尋ねがありました。
 核抑止とは、一般に、核兵器の存在によりもたらされる抑止のことを指すと承知しています。
 いずれにせよ、我が国は、唯一の戦争被爆国として、核兵器のない世界の実現に向けて、しっかりと取り組んでまいります。
 核兵器禁止条約は、核兵器のない世界への出口とも言える重要な条約です。しかし、現実を変えるためには核兵器国の協力が必要ですが、同条約には核兵器国は一か国も参加しておりません。
 御指摘のような対応よりも、我が国は、唯一の戦争被爆国として、核兵器国を関与させるよう努力していかなければなりません。唯一の同盟国である米国の信頼を得た上で、核兵器国のない世界の実現に向けて、共に前進していきたいと考えます。
 普天間飛行場の辺野古移設についてお尋ねがありました。
 御指摘の地盤改良工事及び変更承認申請については、沖縄防衛局において、有識者の助言を得つつ、十分な検討を行ってきたと承知をしております。地盤改良工事については、十分に安定した護岸等の施工が可能であり、変更承認申請については、沖縄県において適切に御対応いただけると認識をしております。
 世界で最も危険と言われる普天間飛行場が固定化され、危険なまま置き去りにされることは絶対に避けなければなりません。これは地元の皆様との共通認識であると思っています。
 日米同盟の抑止力の維持と普天間飛行場の危険性の除去を考え合わせたとき、辺野古移設が唯一の解決策です。
 この方針に基づき着実に工事を進めていくことこそが、普天間飛行場の一日も早い全面返還を実現し、その危険性を除去することにつながるものです。これからも、丁寧な説明、対話による信頼を地元の皆さんと築いてまいります。(拍手)
    〔議長退席、副議長着席〕
    ―――――――――――――

#10
○副議長(赤松広隆君) 馬場伸幸君。
    〔馬場伸幸君登壇〕

#11
○馬場伸幸君 日本維新の会の馬場伸幸です。(拍手)
 初めに、新型コロナウイルスによりお亡くなりになられた方々の御冥福をお祈りするとともに、現在治療されている方々に心よりお見舞いを申し上げます。
 そして、昼夜を問わず最前線で尽力くださっている医療従事者や保育等のエッセンシャルワーカーの皆様に、心から敬意と感謝を申し上げます。
 コロナ感染の第五波のピークは過ぎましたが、第六波の到来が予想される冬に向け、万全の体制を整えることが急務です。
 第五波では、入院先が見つからないなどの理由で自宅療養を余儀なくされ、容体悪化で亡くなる方が相次ぎました。悲劇は繰り返してはなりません。
 医療崩壊の危機が顕在化しても医療提供体制の強化がおぼつかなかった要因は、新型インフル等特措法や感染症法の制約があったからだと考えます。
 総理にお伺いをいたします。
 コロナ患者の受皿として大阪府等で準備が進む大規模な臨時医療施設設置計画で、医療従事者確保のために、十分な補償を前提に、特措法第三十一条に医療機関に対する命令規定を新設すべきだと考えますが、見解をお示しください。
 感染症への対応をかかりつけ医中心に転換を図るために、感染法上の位置づけ見直しと、自宅療養患者を身近なかかりつけ医に登録する制度を創設することも有効と考えますが、政府として検討されませんか。
 ワクチン接種が進み、社会経済活動が再開しつつある今こそ、最悪の事態への備えも含めた出口戦略を策定すべきです。高性能のブレーキがあればスピードを出せますが、なければ恐る恐るにしか前に進めません。当然の道理です。
 総理にお尋ねします。
 出口戦略の一環として、十分な補償とセットで住民の外出自粛を徹底するロックダウン法制を整備しておくべきと考えますが、いかがですか。
 コロナ禍の長期化で傷んでいる経済を再生させるために、我が党は、三十兆円規模の補正予算編成を訴えています。政府も年内に大規模な経済対策を検討するようですが、肝腎なのは中身です。
 総理に質問します。
 私たちは、二年を目安とした消費税の五%への引下げのほか、社会保険料の支払い減免や持続化給付金の第二弾の支給を求めていますが、見解を伺います。
 日本維新の会は、九年前の結党以来、維新八策に基づく大改革、グレートリセットによる新しい国づくりを訴えてきました。成長しない経済、高齢化する社会を前に立ちすくむだけでは、日本に未来はありません。大改革なくして日本の繁栄なしです。
 総理は新時代共創内閣と銘打ちましたが、どのように新時代を切り開くのか、全く伝わってきません。
 所信表明演説でも、改革への言及が皆無でした。総理大臣の所信表明演説で規制改革に触れなかったのは、何と一九七〇年代以来というではありませんか。
 総理は、新自由主義からの脱却、成長と分配の好循環などと抽象的なキャッチフレーズを並べますが、具体的な改革パッケージは見えず、断片的に示される政策は、社会主義的で刹那的なものばかりです。
 総理に質問をいたします。
 総理は、新自由主義をどのように定義されていますか。小泉内閣から安倍内閣、菅内閣に至るまでの自公政権の政策が新自由主義に当たると判断された理由を具体的に御説明ください。
 日本維新の会は、小泉改革以降の自公政権の政策、とりわけ、安倍内閣、菅内閣が推進してきたいわゆる三本の矢について、決してやり過ぎたとは考えていません。
 日本経済は、この三十年間、成長に失敗し、豊かな国から転落の一途をたどっています。平均給与は伸び悩み、昨年は、OECD加盟三十五か国中二十二位に順位を下げ、十九位の韓国にも抜かれました。
 金融政策、財政政策、成長戦略という三本の矢は、世界標準の経済再生策であり、その方針自体に間違いはありません。焦点は、そうした政策を経済再生が果たせるまで実行し続けることができるかどうかです。
 総理に伺います。
 日本経済が低迷を続けている理由は、改革をやり過ぎたためではなく、改革が腰砕けになり、足りなかったためであると私たちは考えていますが、御認識をお示しください。
 改革が圧倒的に足りていない岩盤規制の一つは、解雇規制等の労働法制です。経済成長には労働市場の流動化が欠かせませんが、硬直的な解雇規制が壁となっています。安倍内閣は解雇紛争の金銭解決ルールの創設に着手しましたが、野党からのレッテル貼りに腰砕けとなり、実現しませんでした。
 電波規制の改革も欠かせません。電波はデジタル社会を支える基盤ですが、その既得権益は特定の放送局や通信事業者が握ったままです。OECD諸国で電波オークションを導入していないのは日本だけ。九〇年代以降、政府は検討中と足踏みしたままです。何年検討すれば気が済むのでしょうか。
 総理に質問します。
 総理は規制改革推進会議を廃止されましたが、規制改革の司令塔はどこになるのでしょうか。
 その上で、先ほど代表例として挙げた解雇紛争の金銭解決、電波オークションについて、導入するのかしないのか、総理の御意思を明示ください。
 日本社会を覆う閉塞感を打ち破るためには、破綻寸前の諸制度を一から再構築する必要があります。
 総理にお尋ねします。
 自公政権は、昭和の時代につくられた古い制度の綻びにばんそうこうを貼って取り繕ってきただけ。私たちは日本の経済社会には大改革が必要と考えますが、総理の認識を伺います。
 九年前に自民、公明、民主の三党が合意した社会保障と税の一体改革は、大改革の装いを施しながら、その内実は単なる消費増税でした。
 税制改革を検討するなら、税体系全体の見直しを検討すべきであるし、社会保障については、低年金、無年金問題への対応、労働市場の流動化と新しいセーフティーネットの構築が必要と考えますが、総理の見解を伺います。
 我が党は、自公民の名ばかり改革ではなく、結党時から訴えてきた税と社会保障と労働市場の三位一体改革、すなわち経済成長と格差解消のための日本大改革プランを公表しています。
 この大改革は、税収中立を前提に構築することもできますが、私たちは、行財政改革と経済成長の果実を国民に還元できると確信しています。実際に大阪では、増税することなく教育無償化等を実行してきました。
 総理に伺います。
 私たちの取組について見解をお示しください。総理は聞く力を自負されていますが、聞くだけでなく、私たちの政策プランに対し、具体的な意見をお願いいたします。
 過日、ノーベル物理学賞を受賞されたアメリカ・プリンストン大学上級研究員の真鍋淑郎さんは、日本に戻りたくないとおっしゃいました。日本の総理大臣としての率直な受け止めをお伺いいたします。
 八国会もたなざらしにされていた改正国民投票法が、前国会でようやく成立をいたしました。しかし、立憲民主党の修正案を自民、公明両党が丸のみしたため、肝腎の憲法の中身は今後三年間議論しないことが既成事実化されつつあります。
 総理は、所信表明演説で、与野党の枠を超え、建設的な議論を行い、国民的な議論を積極的に深めていただくことを期待しますとおっしゃいました。まるで人ごとです。
 自民党総裁でもある総理にお伺いします。
 憲法の中身の議論を先送りすることなく、深めていくことに指導力を発揮すると約束いただけますか。総裁任期中の改憲に向けての御決意をお示しください。
 北朝鮮による拉致被害者、横田めぐみさんは、今月五日、望まぬ地で五十七歳の誕生日を迎えました。十五日には、拉致被害者五人が帰国を果たして十九年になります。
 めぐみさんの母、早紀江さんは、三日付の産経新聞「めぐみへの手紙」で、こう切々と訴えられました。
 このままでは、日本は国家の恥をそそげないまま、禍根を次の世代に残してしまいます。政治家の皆様、遠く離れた異国の暗闇で救いを待つ子供たちを思ってください。新たな政治のリーダーには、残された時間の少なさを直視し、具体的な動きにつなげていただくことを願ってやみませんと。
 自戒を込めつつ、総理に質問いたします。
 横田早紀江さんの声をどう受け止めますか。岸田内閣も拉致問題を最重要課題に掲げましたが、どのように前進させていくお考えですか。
 また、立憲民主党の生方幸夫衆議院議員による、もう生きている人はいないとの発言は、言語道断であり、怒りを禁じ得ません。総理の受け止めを伺いたいと存じます。
 立憲民主党は生方議員に対し厳重注意したと弁明していますが、昨日の大阪府議会で採択された、北朝鮮による日本人拉致問題に対する理解を深めるための取組みを推進する決議の採決に対して、立憲民主党の議員は議場を退席したそうです。結局、一事が万事。立憲民主党は、その場を取り繕っているだけで、拉致問題の解決に向けた思いはないのだなと断じざるを得ないのであります。
 沖縄県の尖閣諸島周辺の波は日ごとに高くなっています。中国による海警法制定後、海警局公船が領海侵入を繰り返し、尖閣奪取の動きを強めています。
 しかし、日本政府の対応には首をかしげざるを得ません。
 尖閣を行政区域とする石垣市が、尖閣の字名を刻んだ標柱設置のため尖閣諸島への上陸を国に申請していましたが、政府は、九月、不許可といたしました。
 地名変更に伴う石垣市の正当な行政措置を認めない判断は妥当と思えません。
 総理は、中国に言うべきことは言うと発言されていますが、大事なのは、国家としてやるべきことをやる、その姿勢です。
 総理に質問をいたします。
 なぜ石垣市の行政措置を認めないのですか。我が国は行政権の行使等を通じ実効支配を強化すべきだと考えますが、見解を求めます。
 仮に石垣市に認めないなら、政府が代わって早急に標柱を設置すべきではないでしょうか。お答えください。
 コロナ禍で多くの国民、事業者の皆さんが生活や経営に苦しんでおられます。昨年五月から実施している我々国会議員の歳費二割カットについて、歳費法を再改正し、十月末の期限を再延長すべきと考えます。
 自民党総裁たる総理にお伺いをいたします。
 国会議員の歳費二割カットの期限を延長することに同意されますか。
 今年は、明治維新直後に行われた廃藩置県から百五十年の節目に当たります。私たちは、日本大改革への流れをつくり、この国の再生を実現するために、我が身を顧みず努力していくことをお誓い申し上げ、質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
    〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇〕

#12
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 馬場伸幸議員の御質問にお答えいたします。
 まず、医療従事者の確保等に関するお尋ねがありました。
 新型コロナの感染が落ち着いている今こそ、様々な事態を想定し、徹底的に安心確保に取り組みます。
 医療提供体制については、病床と医療人材の確保、在宅療養者に対する対策など、対応策の全体像を早急に国民にお示しするよう、三大臣に指示したところです。コロナ病床が十分に稼働しなかったことなど、この夏の反省も踏まえ、近日中に全体像の骨格を指示いたします。
 その中で、現行法の下での国の権限をフル活用し、医療従事者の確保や、かかりつけ医など身近な医療機関が確実に在宅療養者の健康管理や診療を行う体制の構築にも取り組んでまいります。
 同時に、これまでの対応を徹底的に分析し、何が危機管理のボトルネックだったのかを検証の上、司令塔機能の強化、医療資源確保のための法改正を含め、危機管理の強化に取り組んでまいります。
 出口戦略の一環として、ロックダウン法制の在り方についてお尋ねがありました。
 危機管理の要諦は、常に最悪の事態を想定することです。この方針に基づき、まずは、病床、医療体制の確保や自宅療養者の対策強化などの全体像を早急にお示しし、徹底的に安心確保に取り組みます。
 欧米諸国で行っているような高額の罰金を科す厳しいロックダウンについては、我が国にはなじまないと考えますが、これまでの新型コロナ対応を徹底的に分析し、何が危機管理のボトルネックだったかを検証の上、司令塔機能の強化、人流抑制など、危機管理を抜本的に強化してまいります。
 消費税の引下げ等についてお尋ねがありました。
 消費税については社会保障の財源として位置づけられており、当面、消費税について触れることは考えておりません。
 また、新型コロナで大きな影響を受ける事業者に対しては、これまでも、雇調金による人件費の支援、休業要請等に対する協力金の支給や、無利子無担保融資による資金繰り支援などを行ってきましたが、さらに、地域、業種を限定しない形で、事業規模に応じた給付金を支給いたします。
 なお、税、社会保障料の納付が困難な方々に対しては、猶予の仕組みを設けており、個々の事情に応じて対応しております。
 新自由主義についてお尋ねがありました。
 我が国においては、バブル経済の崩壊後、長引くデフレとそれに伴う経済の低迷に直面していました。
 こうした中、アベノミクスは、デフレではない状況をつくり出し、GDPを高め、雇用を拡大しました。国民みんなの稼ぎである総雇用者所得も増加しました。このように、我が国経済の成長、体質強化に大きな役割を果たしました。
 他方、世界における一九八〇年代からの新自由主義的な政策に伴い、各国において、格差の拡大が生じたと指摘をされています。
 新自由主義的な政策には、様々な捉え方があると思いますが、市場原理主義あるいは優勝劣敗に偏重した成長を目指す、冷たいイメージがついているように感じています。
 私が目指すのは、成長と分配の好循環による、血の通った成長です。一部の方々だけではなくして、できるだけ多くの方々に成長の果実を実感していただける経済社会をつくってまいります。
 日本経済と改革の在り方についてお尋ねがありました。
 成長戦略と分配戦略を車の両輪として実行し、成長と分配の好循環を回していくことにより、新しい資本主義を実現してまいります。
 成長戦略としては、例えば、科学技術立国の実現に向けて、学部や修士課程の再編、拡充、民間企業の投資を応援する税制を実現いたします。また、デジタル田園都市国家構想の実現に向けて、地方からデジタルの実装を進め、新たな変革の波を起こしてまいります。
 同時に、働く人への分配機能の強化を図るとともに、看護、介護、保育などの現場で働いている方々の収入を増やしていくなど、分配戦略も推進いたします。
 このような成長戦略と分配戦略を車の両輪として実行し、国民が豊かに生活できる経済をつくり上げてまいります。
 規制改革の司令塔などについてお尋ねがありました。
 人口減少、少子高齢化等の課題を克服するため、規制・制度改革を進めるとともに、特に、今後求められるデジタル時代の規制改革を集中的に実現することが重要であると考えております。
 このため、牧島大臣を司令塔とし、デジタル改革と規制・制度改革、これを車の両輪として一体的に改革を推進していくべく、そのための適切な推進体制を用意してまいります。
 解雇無効時の金銭救済制度については、金銭を支払えば自由に解雇できるといった制度の導入には問題があり、労働者の保護等の観点から、労使の御意見を伺いながら、何が適切か、検討してまいりたいと思います。
 また、電波オークションも含め、諸外国の周波数割当て方式について調査を進め、新たな携帯電話用周波数の割当ての在り方を引き続き検討してまいります。
 社会保障改革等についてお尋ねがありました。
 税制については、これまでも、時々の経済社会の変化を踏まえながら累次改正を行ってきており、今後とも、経済社会情勢の変化を踏まえながら検討する必要があると考えております。
 社会保障については、御指摘の低年金、無年金の問題も踏まえ、働き方に中立的な社会保障や税制を整備し、勤労者皆保険の実現に向けて取り組んでまいります。また、子供から子育て世代、お年寄りまで皆で支え合い、そして持続可能性を追求できる、全世代型社会保障の構築を進めてまいります。
 日本維新の会の政策プラン等についてお尋ねがございました。
 御指摘の日本大改革プランの中で提唱されているように、税制改革、社会保障改革、成長戦略の三本柱によって中長期的な国民所得の向上を目指すという発想は、重要な視点であると考えます。
 私が実現を目指す新しい資本主義においても、成長と分配の好循環によって広く国民の所得の向上を目指すものであり、税制も社会保障制度も成長戦略も重要な課題です。この新しい経済社会の大きなビジョンを具体化するため、今後、早期に新しい資本主義実現会議を創設いたします。
 真鍋博士から、アメリカではやりたいことが何でもできるという趣旨の言葉があったと聞いております。我が国の研究環境については、若手研究者の雇用の不安定さ等の課題があり、研究者が研究に専念できる環境の創出に取り組んでまいります。
 憲法改正についてお尋ねがありました。
 日本維新の会が、憲法改正について具体的な考え方を示し、憲法審査会において建設的な議論を呼びかけておられることに、まずもって敬意を表し申し上げたいと思います。
 そして、様々な論点について建設的な議論を重ね、憲法のあるべき姿を最終的に決める主権者である国民の皆様の理解を深めていくことは、私たち国会議員の責任ではないかと考えております。
 議論の進め方などは、国会でお決めいただくことであり、内閣総理大臣としてお答えすることは差し控えますが、憲法審査会において、与野党の枠を超えて、これまで以上に活発な議論が行われることを強く期待いたします。
 拉致問題についてお尋ねがありました。
 御指摘の生方議員の発言については、拉致被害者の御家族はもとより、広く国民が全ての拉致被害者の一日も早い帰国を切に願う中、公党に属する者の発言として誠に遺憾であり、許容はできません。
 拉致問題は、岸田内閣の最重要課題であり、拉致被害者の御家族も御高齢である中、その解決には一刻の猶予もありません。
 被害者の帰国を待ち望んでいる御家族の皆様の思いを胸に刻み、政府一丸となって、全ての拉致被害者の一日も早い帰国実現に向けて、私自身、条件をつけずに金正恩委員長と直接向き合う決意で、関係国と連携しながら、あらゆるチャンスを逃すことなく、全力で行動してまいります。
 尖閣諸島への上陸申請等についてお尋ねがありました。
 政府としては、尖閣諸島及び周辺海域の安定的な維持管理という目的のため、原則として、政府関係者を除き何人も尖閣諸島への上陸を認めないとの方針を取っています。
 石垣市からの上陸申請については、こうした政府方針を踏まえつつ、地方自治法に基づく字名変更は、市の告示により効力が既に生じていること、行政標柱の設置まで求めている手続ではないことを総合的に勘案した結果、上陸を認めないこととしています。
 尖閣諸島が我が国固有の領土であること、これは歴史的にも国際法上も疑いがなく、現に我が国はこれを有効に支配しています。このことは、行政標柱を設置するか否かにより変わるものではありません。
 尖閣諸島及び周辺海域を安定的に維持管理するための具体的な方策については、様々な選択肢がありますが、実際にどのような方策を取るかについては、戦略的な観点から判断していくべきであると考えております。
 そして、最後に、身を切る改革についてお尋ねがありました。
 我々政治家は、政策を実現するため、真摯に努力を続け、国民の負託に応えていかなければなりません。また、常に自らを省みる必要があることは当然です。
 日本維新の会が、そうした観点から、率先垂範して身を切る改革を続けてこられていることについては、敬意を表したいと思います。
 その上で、政治に要する費用の問題、これは、議会政治や議員活動の在り方、すなわち民主主義の根幹に関わる重要な課題であります。それゆえ、国会において、国民の代表たる国会議員が、真摯な議論を通じて、合意を得る努力を重ねていくべきであると考えております。(拍手)
    ―――――――――――――

#13
○副議長(赤松広隆君) 玉木雄一郎君。
    〔玉木雄一郎君登壇〕

#14
○玉木雄一郎君 国民民主党代表の玉木雄一郎です。(拍手)
 岸田総理、御就任おめでとうございます。聞かれたことにきちんと答える総理大臣であることを望みたいと思います。
 その上で、まず、令和版所得倍増計画について伺います。
 岸田総理は自民党総裁選挙で令和版所得倍増を看板政策として掲げましたが、先週の所信表明演説からは所得倍増が消えていました。なぜ消えたんですか。午前中の参議院本会議では、所得を全体として引き上げるという基本的な方向性を申し上げたと答弁されましたが、基本的方向性であればなおのこと、所信として表明すべきではありませんか。誰かが反対したから消えたんでしょうか。
 そもそも、総裁選で主張されていた令和版所得倍増とは、幾らの所得を、いつまでに、どのくらい増加させるつもりなんでしょうか。その具体的な方策も含めてお聞かせください。所得倍増と大々的に打ち出しておきながら、実は倍増ではございませんというのであれば、信頼と共感の政治など実現できるわけはありません。
 岸田総理は、成長と分配の好循環を目玉政策に掲げました。ただ、これは二〇一六年一月の施政方針演説で安倍総理が述べたキャッチフレーズです。同じく、公明党も、二〇一六年の参議院選挙の公約で成長と分配の好循環を掲げました。
 あれから五年たちました。果たして、成長と分配の好循環は達成できていますか。新三本の矢の政策目標であった六百兆円のGDP、希望出生率一・八、介護離職ゼロ、皆さん覚えていらっしゃいますか。これは達成できたんでしょうか。達成できていないとしたら、その原因も併せてお答えください。
 そもそも、岸田内閣の唱える成長と分配の好循環と、安倍内閣の唱えていた成長と分配の好循環は、どこが違って、どこが同じなんでしょうか。安倍内閣でできなかったことが、岸田内閣でできるんでしょうか。明確にお答えください。
 岸田内閣の具体的な成長戦略が見えません。
 分配戦略の三つ目、看護、介護、保育の現場で働いている方々の給料を上げることは私たちも大賛成ですが、これらの分野で働く人は全就労者の約五%で、マクロ経済へのインパクトは小さいと言わざるを得ません。どのように国民全体の所得を上げようとしているのか、また、約二十五年間下落傾向が続いている実質賃金をどのように引き上げるのか、その具体的な戦略をお示しください。
 分配戦略の一つ目、労働分配率向上に向けて、賃上げを行う企業への税制支援を抜本強化するとのことでしたが、給料を上げたら減税する仕組みは既にあります。しかし、民間シンクタンクの分析によれば、日本経済全体としての賃上げ効果は限定的だったと評価されています。政府として、これまでの所得拡大促進税制などの効果をどのように評価し、具体的にどのような抜本強化策を講じるのか、それによりどの程度賃金が上がるのか、明確な答弁を求めます。
 生産性の高い、すなわち賃金の高い産業をつくり、そうした分野への人材の円滑な移動を促すことが、給料が上がる経済の実現には不可欠です。国民民主党は、職業訓練や学び直しの機会を無償で提供し、同時に、その間の基礎的な所得、ベーシックインカムを保障する求職者ベーシックインカム制度を提唱しています。岸田内閣は労働市場の流動化をどのように進める方針か、伺います。
 消費税について伺います。
 国民民主党は、コロナの影響に対する経済対策として、昨年から一貫して消費税の五%への引下げを主張しています。総理は、先週、経済対策の策定を指示したそうですが、消費税についての言及がありません。岸田総理、コロナの影響から経済が回復するまで、消費税を減税すべきではないでしょうか。
 財務省は、二〇〇二年に、日本国債の格付を引き下げた外国格付会社に向けて、日本やアメリカなど先進国の自国通貨建て国債のデフォルト、債務不履行は考えられないと述べています。岸田内閣においてもこの考えは変わっていないのか、もし国債の債務不履行があるとすればいかなる事態を想定しているのか、答弁を求めます。
 国民民主党は、財政政策を積極財政に転換し、今後十年間で約百五十兆円を国の未来のために投資することを提案しています。アメリカのように、需要が供給を上回る状態をつくり出し、投資や消費を活発化させる高圧経済政策を取り入れ、積極財政でまず経済回復を確実なものにすべきではありませんか。短期的な財政規律にこだわっていたのでは、いつまでたっても賃金デフレを脱却することはできません。
 岸田総理は、非正規、子育て世帯などに限定した給付金を表明されましたが、特定の対象者に絞れば絞るほど給付が遅くなることは、これまでの給付金の例を見ても明らかです。岸田内閣の現金給付はどのような対象者にいつまでに届けるのか、明確にお答えください。
 国民民主党は、給付を必要な人に迅速に届けるため、一旦全ての国民に一律十万円を給付し、高所得者には後で課税時に逆還付を求めることを提案しています。昨年の一律十万円給付をどこよりも早く昨年の三月九日に提案したのは国民民主党です。二回目の現金給付のやり方も、是非私たち国民民主党の提案を採用してください。
 また、岸田総理がテレビ番組でおっしゃったプッシュ型支援は、いつ頃、誰に対して行われる予定か、お答えください。
 生活再建までの生活費を月二十万円まで貸し付ける総合支援資金は、生活が困窮する人々の最後のよりどころとなっています。
 国民民主党は、最大六か月となっていた貸付期間の延長を、今年の通常国会の冒頭、私から菅総理に提案し、三か月間の追加貸付けが認められました。
 岸田総理、岸田ノートに書いていないかもしれませんけれども、実は多くの延長要望があります。総合支援資金の貸付期間、再度延長しようではありませんか。答弁を求めます。
 岸田総理が総裁選で訴え、所信でも言及された、地域や業種を限定しない形の事業規模に応じた給付金は、国民民主党が今年の四月二日に提出している法案と同じです。
 飲食店だけでなく、クリーニング屋さん、酒屋さん、タクシー業界、そしてエンタメ業界などからも厳しい声が届いています。せっかく法案があるので、必要な補正予算とともにこの臨時国会で成立させて、コロナで困っている事業者の皆さんを救済してから選挙を行ってはどうでしょうか。総裁選で訴えた、先手先手で徹底したコロナ対策を実行するが言葉だけではないことを行動で示してください。
 ガソリン価格が上昇しています。三年ぶりに百六十円台となり、コロナで冷え込んだ家計に打撃を与えています。ガソリン高騰の影響は、移動を車に頼らざるを得ない地方ほど厳しいのです。そんな声は岸田ノートに書かれていますか。
 総理、今こそトリガー条項を発動すべきときです。トリガー条項とは、ガソリン価格がリッター百六十円を超えた際に、価格に上乗せされている特例税率を停止する措置で、東日本大震災の復興財源に充てるため、現在は凍結されています。このトリガー条項を復活させ、上乗せされている税金分、リッター二十五円を値下げして、生活を下支えすべきではありませんか。答弁を求めます。
 岸田総理が科学技術立国の実現を掲げたことは歓迎します。
 所信では、先端科学技術の研究開発に大胆な投資を行うとのことでしたが、今後二十五年間、高齢者人口が増え続けますから、高齢化に伴う社会保障関係費の増加が見込まれる中で、総理は科学技術の研究開発投資の財源を一体どこからどのように調達するんでしょうか。
 私たち国民民主党は、教育国債を新たに発行し、これまで年間五兆円で横ばいだった教育、科学技術予算を年間十兆円規模に倍増させることを提案しています。
 二〇五〇年カーボンニュートラル目標は進めるべきですが、自動車産業には甚大な影響を及ぼします。
 アメリカでは、電気自動車購入時に、労働組合を持つ拠点で組み立てられた車両に追加の税額控除を認める法案が今議論されていますが、これは、事実上、ビッグスリーの支援策です。自国の産業や国民生活を守るため、脱炭素化の推進に当たっては、欧米と同規模の産業支援策を我が国も講じるべきだと考えますが、総理の見解を求めます。
 私たち国民民主党は、投資額以上の償却を認めるハイパー償却税制を導入し、デジタル化や環境などの分野への民間主導の投資を大胆に支援していきたいと思います。
 FRB議長が十一月にもテーパリング開始の可能性に言及して、円安が進んでいます。輸入原材料費の高騰は、中小企業の経営に大きな影響を与えます。急激な円安を迎えた場合の対策についてどのように考えているのか、総理の見解を伺います。
 岸田総理が総裁選で掲げた子ども庁についても所信から消えていました。なぜ消えたんでしょうか。来年の通常国会に関連法案を提出する予定はありますか。答弁を求めます。
 国民民主党は、アメリカの疾病対策予防センターをモデルとした日本版CDCの創設を提案しています。岸田内閣は健康危機管理庁を創設するということですが、これは政府としても創設する方針なんでしょうか。また、司令塔機能を強化するなら、今複数いるコロナ関係大臣は厚生労働大臣にまとめるべきではないでしょうか。総理の見解を求めます。
 農業について伺います。
 この出来秋、米価が大幅に下落しています。私の地元の香川県でも、概算金の払いは二、三割落ちています。もうこれ以上農業を続けられない、そんな声をこの議場の皆さんも聞いていると思います。総裁選で岸田総理は市場隔離を含めた十分な支援を訴えておられましたが、所信表明では市場隔離が消えてしまいました。
 総理、米価下落対策として政府備蓄米の緊急買上げはするのかしないのか、明確にお答えください。十五万トンの特別枠は中途半端で、これでは米価の下落は止まらないでしょう。
 また、新自由主義からの脱却を目指すなら、農政こそ、その見直しの試金石になると思いますが、例えば、米の生産調整に国が関与しない方針は継続するんでしょうか。併せて伺います。
 国民民主党は、国際的な人権侵害に対する制裁措置を定めた日本版マグニツキー法案を昨年の十一月に取りまとめました。加えて、企業の人権取組状況の公表を求め、優良企業を政府調達で優遇する人権デューデリジェンス法案の骨子案もまとめました。
 人権外交を日本がリードする観点から、岸田内閣として、人権侵害に対処する法案や人権デューデリジェンス法案を提出する用意はありますか。答弁を求めます。
 この三十年間、日本の実質賃金は下がり続けています。このうち二十七年間、政権と政策を担っていたのは紛れもなく自民党です。
 岸田総理、私が総理に期待したいのは、安倍総理のように十年も前の民主党政権の悪口をいまだに言うことではなくて、安倍政権や菅政権でも達成できなかった実質賃金のアップを一体どのように成し遂げていくのか、事実に謙虚に向き合い、国民の給料や所得を上げる新しい答えを出してくれることなんです。岸田総理が自民党を変えてくれると期待しています。しかし、今の時点で、もう気の毒なぐらいいろいろな人の意見を聞き過ぎて、もう既に看板政策も目玉政策もなくなってしまっているのではないですか。
 岸田総理、まず、経済政策をめり張りの利いた積極財政に転換してください。そして、給料が上がる経済を実現していこうではありませんか。
 私たち国民民主党は、今の日本にとって、やはり、人づくりこそ国づくり、これが大事で、だからこそ、教育、科学技術など未来への投資を拡大して、動かなくなってしまったお金や人を動かしていきたいと思います。岸田総理も同じ気持ちだと思います。しかし、遠慮と配慮ばかりでは改革はできません。多くの国民の心を動かすこともできないと思います。
 岸田総理、変わってください。
 私たち国民民主党は、これからも日本を立て直す政策をどんどん出していきます。困難な中で懸命に生きている人たちの生活を守るためにも、日本を動かしていきましょう。
 動け、日本。
 私たち国民民主党は、日本を動かしていきます。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
    〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇〕

#15
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 玉木雄一郎議員の御質問にお答えいたします。
 まず、令和版所得倍増についてお尋ねがありました。
 総裁選挙で掲げた令和版所得倍増は、一部ではなく、広く多くの皆さんの所得を全体として引き上げるという、私の経済政策の基本的な方向性を申し上げたものです。こうした政権の旗、これは一切降ろしておりません。
 岸田政権では、広く国民の所得を増やすべく、成長と分配の好循環による新しい資本主義の実現を目指します。
 このため、所信表明演説でも述べたとおり、働く人への分配機能の強化や、看護、介護、保育などの現場で働いている人々の収入の増加などに取り組んでまいります。
 成長の果実をしっかり分配し、初めて次の成長が実現します。成長と分配の好循環を実現し、国民が豊かに生活できる経済をつくり上げてまいります。
 安倍内閣と岸田内閣の経済政策についてお尋ねがありました。
 安倍内閣においても、成長と分配の好循環を掲げ、賃金などの成果を上げてきました。
 GDP六百兆円については、コロナ前の二〇一九年には、名目GDPは五百六十兆円と過去最大になりましたが、その後、新型コロナの影響により、名目GDP六百兆円の実現は道半ばです。まずは、我が国経済をコロナ前の水準に戻していけるよう、しっかり立て直してまいります。
 希望出生率一・八や介護離職ゼロについても、実現には至っておりませんが、長年の課題である少子高齢化問題に真正面から取り組むため、引き続き、保育や介護人材の処遇改善を含む人材確保や受皿整備などにより、その実現を目指してまいります。
 岸田政権の経済政策は、新しい資本主義の実現に向け、成長も分配も目指し、市場に任せるのではなくして、官民共同であらゆる政策を総動員して成長戦略と分配戦略を実行していく、こうしたものであります。
 成長戦略では、十兆円規模の大学ファンド等により、世界最高水準の研究大学を形成するほか、強靱なサプライチェーンの構築に政府が支援いたします。また、分配戦略でも、政府が下請取引に対する監督体制を強化し、大企業と中小企業の共存共栄の関係をつくるほか、看護、介護、保育などの現場で働いている方々の収入を増やしていくため、公的価格の在り方を抜本的に見直してまいります。
 こうした官民共同の取組によって、成長と分配の好循環とコロナ後の新しい社会の開拓を図り、国民が豊かに生活できる経済をつくり上げてまいります。
 所得向上の戦略や税制についてお尋ねがありました。
 岸田政権では、広く国民の所得を増やすべく、成長と分配の好循環による新しい資本主義の実現を目指します。
 このため、看護、介護、保育などの現場で働いている人々への収入の増加に取り組むほか、下請対策等の働く人への分配機能の強化や、子育て世帯への教育費そして住居費支援の強化等にも取り組んでおります。
 そして、御指摘のように、現在も、法人税について、労働分配率の向上に向けて優遇税制というものは存在いたしますが、現在の税制においては、対象も新規雇用に目を向けたものであり、また控除率も一五%という状況にあります。これでは、全国合わせても一千億規模の効果しか表れない、こういった税制の状況にあります。この対象につきましても、是非一人一人の給与にしっかり目を向けたものにしなければいけない。控除の率も引き上げていくことによって、より多くの企業において優遇税制を享受していただけるような体制をつくっていきたいと考えております。
 成長の果実をしっかりと分配し、初めて次の成長が実現します。成長と分配の好循環を実現し、国民が豊かに生活できる経済をつくり上げてまいります。
 労働市場の在り方についてお尋ねがありました。
 雇用情勢の変化や産業構造の変化を踏まえた労働移動が円滑に行われるためには、就職支援、能力開発支援などに総合的に取り組んでいくことが重要です。
 具体的には、ハローワークにおける丁寧な就職支援を行うとともに、技術革新と産業界のニーズに合ったスキルを身につけるため、リカレント教育などの学び直しや教育訓練への支援、収入が一定額以下の方を対象に職業訓練と月十万円の給付金を支給する求職者支援制度を実施しており、引き続き、円滑な労働移動が行われるための取組を進めてまいります。
 消費税の減税についてお尋ねがありました。
 消費税については、社会保障に係る費用をあらゆる世代が広く公平に分かち合うという観点から、社会保障の財源として位置づけられており、当面、消費税について触れることは考えておりません。
 なお、新型コロナの影響については、それにより苦しんでおられる非正規、子育て世帯など、お困りの方々を守るための給付金などの支援を実行してまいります。
 財政政策及び国債の債務不履行についてお尋ねがありました。
 財政については、危機に対する必要な財政支出はちゅうちょなく行い、万全を期すこと、また、経済あっての財政であり、経済をしっかり立て直す、そして財政健全化に向けて取り組んでいくこと、これが基本的な方針です。
 その一方で、債務残高がどれだけ増えても問題がないというわけではありません。引き続き、市場からの信認が損なわれ国債の債務不履行のリスクが顕在化するといった事態を招くことがないようにする必要があると考えております。
 コロナ対策の現金給付についてお尋ねがありました。
 新型コロナの影響により苦しんでおられる非正規雇用、子育て世帯など、お困りの方々を守るための給付金などの支援を実行してまいります。
 コロナ禍で厳しい環境にある中、昨年の反省も踏まえ、可能な限り、プッシュ型で迅速に給付を行わなければならないと考えております。昨年の支給後の様々な取組の成果も活用しながら、できるだけ速やかに経済対策に盛り込んで実行してまいりたいと考えています。
 国民の切実な声を踏まえ、新型コロナで大きな影響を受ける方々を支援するため、総合的かつ大胆な経済対策を策定いたします。
 総合支援資金の延長についてお尋ねがありました。
 総合支援資金の更なる貸付けについては、債務が過大となることが自立を阻害するおそれもあることも踏まえて検討してまいります。
 生活の再建に向けて、収入が一定額以下の方を対象に職業訓練と月十万円の給付金を支給する求職者支援制度の実施、住居確保給付金の支給等のきめ細かな取組を実施しています。
 さらに、今般、新型コロナで大きな影響を受ける方々を支援するため、総合的かつ大胆な経済対策を策定いたします。
 事業規模に応じた固定費支援についてお尋ねがありました。
 新型コロナに対応する中で、影響を受けた事業者に対する支援に万全を期すことは喫緊の課題であると認識をしております。
 このため、大きな影響を受ける事業者に対し、地域、業種を限定しない形で、事業規模に応じた給付金を支給いたします。
 先日の閣議において新たな経済対策の策定を指示したところであり、総選挙後速やかに決定できるよう、政府としてしっかりと検討を進めてまいります。
 ガソリン税等のトリガー条項についてお尋ねがありました。
 現在凍結中のトリガー条項については、発動された場合、ガソリンの買い控えや、その反動による流通の混乱、国、地方の財政への多大な影響等の問題があることから、その凍結解除は適当ではないと考えます。
 科学技術の研究開発投資についてお尋ねがありました。
 科学技術立国の実現は我が国の成長戦略の第一の柱であり、我が国として、諸外国との熾烈な国家間競争を勝ち抜くため、デジタル、グリーン、人工知能、量子、バイオ、宇宙など、先端科学技術の研究開発への大胆な投資を行っていくことは極めて重要です。
 政府としては、今後五年間の研究開発投資の目標を、政府全体で約三十兆円、官民合わせた総額は約百二十兆円と定めています。
 今後とも必要な予算を着実に確保するとともに、十兆円規模の大学ファンドの設置などにより、基礎研究への十分な投資を確保し、官民が連携協力して、国家的重要課題に対応してまいります。また、研究開発税制などにより、民間投資を誘発してまいります。
 脱炭素化に向けた産業支援策についてお尋ねがありました。
 岸田政権においても、二〇五〇年カーボンニュートラルという目標を掲げた上で、その実現のためのエネルギー政策や成長戦略を推進してまいります。
 欧米の支援策と比べても遜色のない二兆円のグリーンイノベーション基金により、水素を始めとした革新的技術の開発を支援してまいります。また、自動車産業では、電動車の導入支援と充電インフラの整備や蓄電池の大規模製造拠点の国内立地を推進してまいります。
 地球温暖化対策を進めることは、経済成長と国民生活が恩恵を受けることにつながります。その実現のため、クリーンエネルギー戦略を策定し、強力に推進してまいります。
 急激な円安を迎えた場合の対応についてお尋ねがありました。
 パウエルFRB議長が十一月にも量的緩和を縮小するテーパリングを開始する可能性について言及したこと、承知をしております。
 為替レートの動向にコメントすることは控えますが、円安が進めば、輸出促進等の好影響がある反面、御指摘のとおり、輸入価格の上昇を通じて、企業のコスト上昇につながります。
 引き続き、中小企業がコスト上昇にも対応できるよう、生産性向上や金融面での支援、取引適正化などに取り組んでまいります。その上で、今後とも、為替の変動が企業に及ぼす影響について注視してまいります。
 子供目線での行政の在り方についてお尋ねがありました。
 子供をめぐる様々な課題に適切に対応するため、子供目線に立って、縦割りを排した行政を進めていかなければなりません。この私の思いに何ら変わりはありません。
 そうした行政の在り方について、年末までに基本方針を決定し、可能であれば来年の通常国会に法案を提出するというスケジュールを念頭に、検討を進めてまいります。
 健康危機管理の司令塔強化についてお尋ねがありました。
 私は、コロナとの戦いの中で、司令塔機能の強化が必要だと申し上げてきました。将来の危機管理のためにも、取り組まなければならない課題です。
 足下のコロナ対応に万全を期しつつ、同時に、各大臣の役割分担も含め、これまでの対応を徹底的に分析して、何がボトルネックだったかを検証し、危機管理における行政の在り方を含めて検討して、我が国の危機管理を抜本的に強化してまいります。
 米価下落対策についてお尋ねがありました。
 政府備蓄米は、不測の事態に備えて一定量の国産米を保有することを目的としており、これを需給操作のために運用することは制度の趣旨に沿わないものであると考えております。
 新型コロナによる米価の下落は深刻な課題であると認識をしており、当面の需給の安定に向けては、新型コロナによる需要減に対応する十五万トンの特別枠を新たに設け、飲食店、子供食堂等への米の販売、提供を支援してまいります。
 また、米政策については、平成三十年産から行政による生産数量目標の配分を廃止したところであり、引き続き、需要に応じた生産、販売を推進し、野菜などの需要のある作物への転換に取り組む産地を支援することが基本であります。
 あわせて、地域政策として、家族農業や中山間地域農業を含め、農業、農村の持つ多面的な機能を維持し、多様で豊かな農林水産業を構築してまいります。
 人権侵害に対処するための法整備についてお尋ねがありました。
 私の内閣では、人権を始めとした普遍的価値を守り抜くことを重視しています。深刻な人権侵害については、省庁横断的に取り組むとともに、米国などの同盟国、同志国と緊密に連携して、しっかりと声を上げてまいります。
 その上で、法整備については、幅広い理解が重要との観点から超党派での議論が進んでいると承知をしております。その議論をよく見守るとともに、これまでの日本の人権外交を踏まえ、全体を見ながら、引き続き検討してまいります。(拍手)

#16
○副議長(赤松広隆君) これにて国務大臣の演説に対する質疑は終了いたしました。
     ――――◇―――――

#17
○副議長(赤松広隆君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後四時二十一分散会
     ――――◇―――――
 出席国務大臣
       内閣総理大臣  岸田 文雄君
       総務大臣    金子 恭之君
       法務大臣    古川 禎久君
       外務大臣    茂木 敏充君
       財務大臣    鈴木 俊一君
       文部科学大臣  末松 信介君
       厚生労働大臣  後藤 茂之君
       農林水産大臣  金子原二郎君
       経済産業大臣  萩生田光一君
       国土交通大臣  斉藤 鉄夫君
       環境大臣    山口  壯君
       防衛大臣    岸  信夫君
       国務大臣    小林 鷹之君
       国務大臣    二之湯 智君
       国務大臣    西銘恒三郎君
       国務大臣    野田 聖子君
       国務大臣    堀内 詔子君
       国務大臣    牧島かれん君
       国務大臣    松野 博一君
       国務大臣    山際大志郎君
       国務大臣    若宮 健嗣君
 出席内閣官房副長官
       内閣官房副長官 木原 誠二君
 出席政府特別補佐人
       内閣法制局長官 近藤 正春君
ソース: 国立国会図書館
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