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2021/10/08 第205回国会 衆議院 第205回国会 衆議院 本会議 第2号 令和3年10月8日
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2021/10/08 第205回国会 衆議院

第205回国会 衆議院 本会議 第2号 令和3年10月8日

#1
令和三年十月八日(金曜日)
    ―――――――――――――
 議事日程 第二号
  令和三年十月八日
    正午開議
 第一 常任委員長の選挙
 第二 情報監視審査会委員辞任の件
    …………………………………
  一 国務大臣の演説
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 文部科学委員長辞任の件
 内閣委員長外二常任委員長の選挙
 日程第二 情報監視審査会委員辞任の件
 情報監視審査会委員の選任
 災害対策を樹立するため委員四十人よりなる災害対策特別委員会、政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する調査を行うため委員四十人よりなる政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会、沖縄及び北方問題に関する対策樹立のため委員二十五人よりなる沖縄及び北方問題に関する特別委員会、北朝鮮による拉致等に関する諸問題を調査し、その対策樹立に資するため委員二十五人よりなる北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会、消費者の利益の擁護及び増進等に関する総合的な対策を樹立するため委員三十五人よりなる消費者問題に関する特別委員会、科学技術、イノベーション推進の総合的な対策を樹立するため委員三十五人よりなる科学技術・イノベーション推進特別委員会、東日本大震災からの復興に当たり、その総合的対策を樹立するため委員四十五人よりなる東日本大震災復興特別委員会及び原子力に関する諸問題を調査するため委員四十人よりなる原子力問題調査特別委員会を設置するの件(議長発議)
 地方創生に関する総合的な対策を樹立するため委員四十人よりなる地方創生に関する特別委員会を設置するの件(議長発議)
 岸田内閣総理大臣の所信についての演説
    午後零時二分開議

#2
○議長(大島理森君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――

#3
○議長(大島理森君) この際、新たに議席に着かれました議員を紹介いたします。
 第二百八十四番、北陸信越選挙区選出議員、小松裕君。
    〔小松裕君起立、拍手〕
     ――――◇―――――
 文部科学委員長辞任の件

#4
○議長(大島理森君) お諮りいたします。
 文部科学委員長左藤章君から、委員長を辞任いたしたいとの申出があります。これを許可するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#5
○議長(大島理森君) 御異議なしと認めます。よって、許可することに決まりました。
     ――――◇―――――
 常任委員長の選挙

#6
○議長(大島理森君) つきましては、文部科学委員長の選挙を行うのでありますが、既に内閣委員長及び安全保障委員長が欠員となっておりますので、この際、内閣委員長外二常任委員長の選挙を行います。

#7
○山田賢司君 各常任委員長の選挙は、その手続を省略して、議長において指名されることを望みます。

#8
○議長(大島理森君) 山田賢司君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#9
○議長(大島理森君) 御異議なしと認めます。よって、動議のとおり決まりました。
 議長は、各常任委員長を指名いたします。
         内閣委員長 うえの賢一郎君
           〔拍手〕
        文部科学委員長 宮内 秀樹君
           〔拍手〕
        安全保障委員長 長島 昭久君
           〔拍手〕
     ――――◇―――――
 日程第二 情報監視審査会委員辞任の件

#10
○議長(大島理森君) 日程第二、情報監視審査会委員辞任の件につきお諮りいたします。
 情報監視審査会委員松野博一君から、委員を辞任いたしたいとの申出があります。これを許可するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#11
○議長(大島理森君) 御異議なしと認めます。よって、許可することに決まりました。
     ――――◇―――――
 情報監視審査会委員の選任

#12
○議長(大島理森君) つきましては、情報監視審査会委員の選任を行います。
 衆議院情報監視審査会規程第六条の規定に基づき、情報監視審査会委員に小野寺五典君を選任するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕

#13
○議長(大島理森君) 起立多数。よって、選任することに決まりました。
     ――――◇―――――
 特別委員会設置の件

#14
○議長(大島理森君) 特別委員会の設置につきお諮りいたします。
 災害対策を樹立するため委員四十人よりなる災害対策特別委員会
 政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する調査を行うため委員四十人よりなる政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会
 沖縄及び北方問題に関する対策樹立のため委員二十五人よりなる沖縄及び北方問題に関する特別委員会
 北朝鮮による拉致等に関する諸問題を調査し、その対策樹立に資するため委員二十五人よりなる北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会
 消費者の利益の擁護及び増進等に関する総合的な対策を樹立するため委員三十五人よりなる消費者問題に関する特別委員会
 科学技術、イノベーション推進の総合的な対策を樹立するため委員三十五人よりなる科学技術・イノベーション推進特別委員会
 東日本大震災からの復興に当たり、その総合的対策を樹立するため委員四十五人よりなる東日本大震災復興特別委員会
及び
 原子力に関する諸問題を調査するため委員四十人よりなる原子力問題調査特別委員会
を設置いたしたいと存じます。これに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#15
○議長(大島理森君) 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決まりました。
 次に、地方創生に関する総合的な対策を樹立するため委員四十人よりなる地方創生に関する特別委員会を設置いたしたいと存じます。これに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕

#16
○議長(大島理森君) 起立多数。よって、そのとおり決まりました。
 ただいま議決されました九特別委員会の委員は追って指名いたします。
     ――――◇―――――

#17
○議長(大島理森君) 御報告することがあります。
 元本院副議長渡部恒三君は、昨年八月二十三日逝去されました。痛惜の念に堪えません。謹んで御冥福をお祈りいたします。
 渡部恒三君に対する弔詞は、議長において去る八月二日既に贈呈いたしております。これを朗読いたします。
    〔総員起立〕
 衆議院は 多年憲政のために尽力され 特に院議をもってその功労を表彰され 再度本院副議長の重職にあたられ かつて商工委員長 予算委員長の任につき またしばしば国務大臣の重任にあたられた正三位勲一等渡部恒三君の長逝を哀悼し つつしんで弔詞をささげます
    ―――――――――――――

#18
○議長(大島理森君) 永年在職議員として表彰された元議員葉梨信行君は、去る八月十四日逝去されました。痛惜の念に堪えません。謹んで御冥福をお祈りいたします。
 葉梨信行君に対する弔詞は、議長において去る九月二十八日既に贈呈いたしております。これを朗読いたします。
    〔総員起立〕
 衆議院は 多年憲政のために尽力され 特に院議をもってその功労を表彰され さきに社会労働委員長 文教委員長 公職選挙法改正に関する特別委員長等の要職につき また国務大臣の重任にあたられた正三位勲一等葉梨信行君の長逝を哀悼し つつしんで弔詞をささげます
     ――――◇―――――

#19
○議長(大島理森君) この際、暫時休憩いたします。
    午後零時十分休憩
     ――――◇―――――
    午後二時二分開議

#20
○議長(大島理森君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
     ――――◇―――――
 国務大臣の演説

#21
○議長(大島理森君) 内閣総理大臣から所信について発言を求められております。これを許します。内閣総理大臣岸田文雄君。
    〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇〕

#22
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 第二百五回国会の開会にあたり、新型コロナウイルスによりお亡くなりになられた方々、そして御家族の皆様方に心よりお悔やみを申し上げるとともに、厳しい闘病生活を送っておられる方々に心よりお見舞いを申し上げます。
 また、我が国の医療、保健、介護の現場を支えて下さっている方々、感染対策に御協力をいただいている事業者の方々、そして国民の皆様方に、深く感謝を申し上げます。
 新型コロナとの闘いは続いています。
 こうした中、このたび、私は、第百代内閣総理大臣を拝命いたしました。
 私は、この国難を国民の皆さんと共に乗り越え、新しい時代を切り拓き、心豊かな日本を次の世代に引き継ぐために、全身全霊を捧げる覚悟です。
 私が書きためてきたノートには、国民の切実な声があふれています。
 一人暮らしで、もしコロナになったらと思うと不安で仕方がない。
 テレワークでお客が激減し、経営するクリーニング屋の事業継続が厳しい。
 里帰りができず、一人で出産。誰とも会うことが出来ず、孤独で、不安。
 今、求められているのは、こうした切実な声を踏まえて、政策を断行していくことです。
 まず、喫緊かつ最優先の課題である新型コロナ対応に万全を期します。国民に納得感を持ってもらえる丁寧な説明を行うこと、常に最悪の事態を想定して対応することを基本とします。
 また、新型コロナで大きな影響を受ける方々を支援するため、速やかに経済対策を策定します。
 その上で、私が目指すのは、新しい資本主義の実現です。我が国の未来を切り拓くための新しい経済社会のビジョンを示していきます。
 国民の皆さんと共にこれらの難しい課題に挑戦していくためには、国民の声を真摯に受け止め、かたちにする、信頼と共感を得られる政治が必要です。
 そのために、国民の皆さんとの丁寧な対話を大切にしていきます。
 私をはじめ、全閣僚が、様々な方と車座対話を積み重ね、その上で、国民のニーズに合った行政を進めているか、徹底的に点検するよう指示していきます。
 そうして得た信頼と共感の上に、私は、多様性が尊重される社会を目指します。若者も、高齢者も、障害のある方も、ない方も、男性も、女性も、全ての人が生きがいを感じられる社会です。
 経済的環境や世代、生まれた環境によって生ずる格差やそれがもたらす分断。これが危機によって大きくなっているとの指摘があります。同時に、我々は、家族や仲間との絆の大切さに改めて気付きました。
 東日本大震災の時に発揮された日本社会の絆の強さ。世界から賞賛されました。危機に直面した今こそ、この絆の力を発揮するときです。
 全ての人が生きがいを感じられる、新しい社会を創っていこうではありませんか。
 日本の絆の力を呼び起こす。それが私の使命です。
 まず、新型コロナ対応です。
 足下では、感染者数は落ち着きを見せ、緊急事態宣言は全面的に解除されました。
 菅前総理の大号令の下、他国に類を見ない速度でワクチン接種が進み、この闘いに勝つための大きな一歩が踏み出せました。前総理の御尽力に、心より敬意を表します。
 しかし、楽観視はできません。危機対応の要諦は、常に最悪の事態を想定することです。感染が落ち着いている今こそ、様々な事態を想定し、徹底的に安心確保に取り組みます。与えられた権限を最大限活用し、病床と医療人材の確保、在宅療養者に対する対策を徹底いたします。
 希望する全ての方への二回のワクチン接種を進め、さらに、三回目のワクチン接種も行えるよう、しっかりと準備をしていきます。経口治療薬の年内実用化を目指します。あわせて、電子的なワクチン接種証明の積極的な活用、予約不要の無料検査の拡大に取り組みます。
 これらの安心確保の取組の全体像を早急に国民にお示しするよう、関係大臣に指示しました。国民の皆さんが先を見通せるよう、丁寧に説明してまいります。
 同時に、これまでの対応を徹底的に分析し、何が危機管理のボトルネックだったかを検証します。そして、司令塔機能の強化、人流抑制、医療資源の確保のための法改正、国産ワクチンや治療薬の開発など、危機管理を抜本的に強化いたします。
 国民の協力を得られるよう、経済支援を行うことも大切です。大きな影響を受ける事業者に対し、地域、業種を限定しないで、事業規模に応じた給付金を支給します。新型コロナの影響により苦しんでおられる非正規、子育て世帯など、お困りの方々を守るための給付金などの支援も実行していきます。
 次に、私の経済政策について申し上げます。
 マクロ経済運営については、最大の目標であるデフレからの脱却を成し遂げます。そして、大胆な金融政策、機動的な財政政策、成長戦略の推進に努めます。
 危機に対する必要な財政支出は躊躇なく行い、万全を期します。経済あっての財政であり、順番を間違えてはなりません。
 経済をしっかりと立て直します。そして、財政健全化に向けて取り組みます。
 その上で、私が目指すのは、新しい資本主義の実現です。
 新自由主義的な政策については、富めるものと富まざるものとの深刻な分断を生んだといった弊害が指摘されています。世界では、健全な民主主義の中核である中間層を守り、気候変動などの地球規模の危機に備え、企業と政府が大胆な投資をしていく、そうした新しい時代の資本主義経済を模索する動きが始まっています。
 今こそ、我が国も、新しい資本主義を起動し、実現していこうではありませんか。
 成長と分配の好循環とコロナ後の新しい社会の開拓。これがコンセプトです。
 成長を目指すことは極めて重要であり、その実現に向けて全力で取り組みます。しかし、分配なくして次の成長なし。このことも、私は強く訴えていきます。
 成長の果実をしっかりと分配することで、初めて次の成長が実現します。大切なのは、成長と分配の好循環です。成長か分配かという不毛な議論から脱却し、成長も分配も実現するために、あらゆる政策を総動員いたします。
 新型コロナで、我が国の経済社会は大きく傷つきました。
 一方で、これまで進んで来なかったデジタル化が急速に進むなど、社会が変わっていく確かな予感が生まれています。今こそ、科学技術の恩恵を取り込み、コロナとの共生を前提とした、新しい社会を創り上げていくときです。
 この変革は、地方から起こります。
 地方は、高齢化、過疎化などの社会課題に直面し、新たな技術を活用するニーズがあります。例えば、自動走行による介護先への送迎サービスや、配達の自動化、リモート技術を活用した働き方、農業や観光産業でのデジタル技術の活用です。
 ピンチをチャンスに変え、我々が子供の頃夢見た、わくわくするような未来社会を創ろうではありませんか。
 そのために、新しい資本主義実現会議を創設し、ビジョンの具体化を進めます。
 新しい資本主義を実現していく車の両輪、これは成長戦略と分配戦略です。
 まず、成長戦略の第一の柱は、科学技術立国の実現です。
 学部や修士、博士課程の再編、拡充など、科学技術分野の人材育成を促進します。世界最高水準の研究大学を形成するため、十兆円規模の大学ファンドを年度内に設置します。デジタル、グリーン、人工知能、量子、バイオ、宇宙など、先端科学技術の研究開発に大胆な投資を行います。民間企業が行う未来への投資を全力で応援する税制を実現していきます。
 また、イノベーションの担い手であるスタートアップの徹底支援を通じて、新たなビジネス、産業の創出を進めます。
 そして、二〇五〇年カーボンニュートラルの実現に向け、温暖化対策を成長につなげるクリーンエネルギー戦略を策定し、強力に推進いたします。
 第二の柱は、地方を活性化し、世界とつながるデジタル田園都市国家構想です。
 地方からデジタルの実装を進め、新たな変革の波を起こし、地方と都市の差を縮めていきます。そのために、5Gや半導体、データセンターなど、デジタルインフラの整備を進めます。誰一人取り残さず、全ての方がデジタル化のメリットを享受できるよう取り組みます。
 第三の柱は、経済安全保障です。
 新たに設けた担当大臣の下、戦略物資の確保や技術流出の防止に向けた取組を進め、自律的な経済構造を実現します。強靱なサプライチェーンを構築し、我が国の経済安全保障を推進するための法案を策定します。
 第四の柱は、人生百年時代の不安解消です。
 将来への不安が、消費の抑制を生み、経済成長の阻害要因となっています。
 兼業、副業、あるいは学びなおし、フリーランスといった、多様で柔軟な働き方が拡大をしています。大切なのは、どんな働き方をしても、セーフティーネットが確保されることです。働き方に中立的な社会保障や税制を整備し、勤労者皆保険の実現に向けて取り組みます。
 人生百年時代を見据えて、子供から子育て世代、年寄りまで全ての方が安心できる、全世代型社会保障の構築を進めます。
 次に、分配戦略です。
 第一の柱は、働く人への分配機能の強化です。
 企業が、長期的な視点に立って、株主だけではなく、従業員も取引先も恩恵が受けられる、三方良しの経営を行うことが重要です。非財務情報の開示の充実、四半期開示の見直しなど、そのための環境整備を進めてまいります。
 政府として、下請け取引に対する監督体制を強化し、大企業と中小企業の共存共栄を目指します。
 また、労働分配率向上に向けて、賃上げを行う企業への税制支援を抜本強化します。
 第二の柱は、中間層の拡大、そして少子化対策です。
 中間層の拡大に向けて、成長の恩恵を受けられていない方々に対して、国による分配機能を強化します。
 大学卒業後の所得に応じて出世払いを行う仕組みを含め、教育費や住居費への支援を強化し、子育て世代を支えていきます。
 保育の受け皿整備、幼保小連携の強化、学童保育の制度の拡充や利用環境の整備など、子育て支援を促進します。こども目線での行政の在り方を検討し、実現していきます。
 第三の柱は、看護、介護、保育などの現場で働いている方々の収入を増やしていくことです。
 新型コロナ、そして少子高齢化への対応の最前線にいる皆さんの収入を増やしていきます。そのために、公的価格評価検討委員会を設置し、公的価格の在り方を抜本的に見直します。
 第四の柱は、公的分配を担う財政の単年度主義の弊害是正です。
 科学技術の振興、経済安全保障、重要インフラの整備など、国家課題に計画的に取り組みます。
 これらに加え、地方活性化に向けた基盤づくりにも積極的に投資します。
 東日本大震災からの復興なくして日本の再生なし。この強い思いの下で、被災者支援、産業・生業の再建、福島の復興再生に全力で取り組みます。
 農林水産業の高付加価値化と輸出力強化を進めるとともに、家族農業や中山間地農業の持つ多面的な機能を維持していきます。新型コロナによる米価の大幅な下落、これは深刻な課題です。当面の需給の安定に向けた支援など、十分な対策を行います。
 老朽化対策を含め、防災・減災、国土強靱化の強化とともに、高速道路、新幹線など、交通、物流インフラの整備を推進いたします。
 いのち輝く未来社会のデザイン。これが、二〇二五年大阪・関西万博のテーマです。地域から、IoTや人工知能などのデジタル技術を活用した未来の日本の姿を示します。
 観光立国復活に向けた観光業支援、文化立国に向けた地域の文化、芸術への支援強化にも取り組みます。
 私の内閣の三つ目の重要政策は、国民を守り抜く外交、安全保障です。
 私は、外交、安全保障の要諦は信頼だと確信をしています。
 先人たちの努力により世界から得た信頼を基礎に、三つの強い覚悟を持って、毅然とした外交を進めてまいります。
 第一に、自由、民主主義、人権、法の支配といった普遍的価値を守り抜く覚悟です。
 米国をはじめ、豪州、インド、ASEAN、欧州などの同盟国、同志国と連携し、日米豪印も活用しながら、自由で開かれたインド太平洋を力強く推進いたします。
 深刻化する国際社会の人権問題にも、省庁横断的に取り組みます。
 第二に、我が国の平和と安定を守り抜く覚悟です。
 我が国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増す中、我が国の領土、領海、領空、そして国民の生命と財産を断固として守り抜きます。
 そのために、国家安全保障戦略、防衛大綱、中期防衛力整備計画の改定に取り組みます。この中で、海上保安能力や更なる効果的措置を含むミサイル防衛能力など防衛力の強化、経済安全保障など新しい時代の課題に果敢に取り組んでいきます。
 こうした我が国の外交・安全保障政策の基軸は日米同盟です。私が先頭に立って、インド太平洋地域、そして世界の平和と繁栄の礎である日米同盟を更なる高みへと引き上げていきます。
 日米同盟の抑止力を維持しつつ、丁寧な説明、対話による信頼を地元の皆さんと築きながら、沖縄の基地負担の軽減に取り組んでまいります。普天間飛行場の一日も早い全面返還を目指し、辺野古沖への移設工事を進めます。
 北朝鮮による核・ミサイル開発は断じて容認できません。日朝平壌宣言に基づき、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決し、不幸な過去を清算して、日朝国交正常化の実現を目指します。
 拉致問題は最重要課題です。全ての拉致被害者の一日も早い帰国を実現すべく、全力で取り組みます。私自身、条件を付けずに金正恩委員長と直接向き合う決意です。
 第三に、地球規模の課題に向き合い、人類に貢献し、国際社会を主導する覚悟です。
 核軍縮・不拡散、気候変動などの課題解決に向け、我が国の存在感を高めていきます。
 被爆地広島出身の総理大臣として私が目指すのは、核兵器のない世界です。私が立ち上げた賢人会議も活用し、核兵器国と非核兵器国の橋渡しに努め、唯一の戦争被爆国としての責務を果たしてまいります。
 これまで世界の偉大なリーダーたちが幾度となく挑戦してきた核廃絶という名の松明を私もこの手にしっかりと引き継ぎ、核兵器のない世界に向け、全力を尽くしてまいります。
 世界で保護主義が強まる中、我が国は自由貿易の旗手を務めます。デジタル時代の信頼性ある自由なデータ流通、DFFTを実現するため、国際的なルールづくりに積極的な役割を果たしていきます。
 中国とは安定的な関係を築いていくことが、両国、そして地域及び国際社会のために重要です。普遍的価値を共有する国々とも連携しながら、中国に対して、主張すべきは主張し、責任ある行動を強く求めると同時に、対話を続け、共通の諸課題について協力してまいります。
 ロシアとは、領土問題の解決なくして平和条約の締結はありません。首脳間の信頼関係を構築しながら、平和条約の締結を含む日露関係全体の発展を目指します。
 韓国は重要な隣国です。健全な関係に戻すためにも、我が国の一貫した立場に基づき、韓国側に適切な対応を強く求めていきます。
 新型コロナ対応、新しい資本主義、外交・安全保障。
 これら三つの政策を着実に実行することで、国民の皆さんと共に、新しい時代を切り拓いていきます。
 本日朝の閣議で、新型コロナ対応に万全を期すとともに、新しい資本主義を起動させるため、新たな経済対策を策定するよう指示いたしました。
 総合的かつ大胆な経済対策を速やかにとりまとめます。
 憲法改正についてです。
 憲法改正の手続を定めた国民投票法が改正されました。今後、憲法審査会において、各政党が考え方を示した上で、与野党の枠を超え、建設的な議論を行い、国民的な議論を積極的に深めていただくことを期待いたします。
 そして、最後になりますが、このようなことわざがあります。
 早く行きたければ一人で進め。遠くまで行きたければ、みんなで進め。
 新型コロナという目に見えない敵に対し、我々は、国民全員の団結力によって一歩一歩前進してきました。
 改めて、この日本という国が、先祖代々、営々と受け継いできた、人と人とのつながりが生み出す、やさしさ、ぬくもりがもたらす社会の底力を強く感じます。正に、この国のかたちの原点です。
 この国のかたちを次の世代に引き継いでいくためにも、私たちは、経済的格差、地域的格差などがもたらす分断を乗り越え、コロナとの闘いの先に、新しい時代を切り拓いていかなければなりません。そのために、みんなで前に進んでいくためのワンチームを創り上げます。
 早く行きたければ一人で進め。遠くまで行きたければ、みんなで進め。
 一人であれば、目的地に早く着くことができるかもしれません。しかし、仲間とならば、もっと遠く、はるかに遠くまで行くことができます。私は、日本人の底力を信じています。
 新型コロナの中にあってもなお、デジタル、グリーン、人工知能、量子、バイオ、宇宙、新しい時代の種が芽吹き始めています。
 この萌芽を大きな木に育て、経済を成長させ、その果実を国民全員で享受していく、明るい未来を築こうではありませんか。
 明けない夜はありません。国民の皆さんと共に手を取り合い、明日への一歩を踏み出します。
 同僚議員各位、そして、何よりも国民の皆さんの御協力を心からお願い申し上げ、所信表明とさせていただきます。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
     ――――◇―――――

#23
○山田賢司君 国務大臣の演説に対する質疑は延期し、来る十一日午後一時から本会議を開きこれを行うこととし、本日はこれにて散会されることを望みます。

#24
○議長(大島理森君) 山田賢司君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#25
○議長(大島理森君) 御異議なしと認めます。よって、動議のとおり決まりました。
 本日は、これにて散会いたします。
    午後二時二十九分散会
     ――――◇―――――
 出席国務大臣
       内閣総理大臣  岸田 文雄君
       総務大臣    金子 恭之君
       法務大臣    古川 禎久君
       外務大臣    茂木 敏充君
       財務大臣    鈴木 俊一君
       文部科学大臣  末松 信介君
       厚生労働大臣  後藤 茂之君
       農林水産大臣  金子原二郎君
       経済産業大臣  萩生田光一君
       国土交通大臣  斉藤 鉄夫君
       環境大臣    山口  壯君
       防衛大臣    岸  信夫君
       国務大臣    小林 鷹之君
       国務大臣    二之湯 智君
       国務大臣    西銘恒三郎君
       国務大臣    野田 聖子君
       国務大臣    堀内 詔子君
       国務大臣    牧島かれん君
       国務大臣    松野 博一君
       国務大臣    山際大志郎君
       国務大臣    若宮 健嗣君
 出席内閣官房副長官
       内閣官房副長官 木原 誠二君
ソース: 国立国会図書館
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