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2021/05/20 第204回国会 参議院 第204回国会 参議院 内閣委員会 第20号 令和3年5月20日
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2021/05/20 第204回国会 参議院

第204回国会 参議院 内閣委員会 第20号 令和3年5月20日

#1
令和三年五月二十日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月十八日
    辞任         補欠選任
     吉良よし子君     市田 忠義君
 五月十九日
    辞任         補欠選任
     山田 修路君     岡田 直樹君
     市田 忠義君     伊藤  岳君
 五月二十日
    辞任         補欠選任
     岡田 直樹君     宮島 喜文君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         森屋  宏君
    理 事
                酒井 庸行君
                徳茂 雅之君
                木戸口英司君
                平木 大作君
                矢田わか子君
    委 員
                大家 敏志君
                岡田 直樹君
                古賀友一郎君
                高野光二郎君
                宮島 喜文君
                山田 太郎君
                山谷えり子君
                和田 政宗君
                小沼  巧君
                塩村あやか君
                杉尾 秀哉君
                石川 博崇君
                柴田  巧君
                高木かおり君
                伊藤  岳君
                田村 智子君
   国務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(少子化
       対策))     坂本 哲志君
   副大臣
       内閣府副大臣   三ッ林裕巳君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        吉川  赳君
       財務大臣政務官  元榮太一郎君
       厚生労働大臣政
       務官       大隈 和英君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        宮崎 一徳君
   政府参考人
       内閣府大臣官房
       審議官      伊藤  信君
       内閣府子ども・
       子育て本部統括
       官        嶋田 裕光君
       総務省自治行政
       局公務員部長   山越 伸子君
       文部科学省大臣
       官房審議官    蝦名 喜之君
       厚生労働省大臣
       官房審議官    山本  史君
       厚生労働省大臣
       官房審議官    岩井 勝弘君
       厚生労働省大臣
       官房審議官    堀内  斉君
       厚生労働省大臣
       官房審議官    榎本健太郎君
       厚生労働省雇用
       環境・均等局雇
       用環境総合整備
       室長兼厚生労働
       省子ども家庭局
       児童虐待防止等
       総合対策室長   岸本 武史君
       厚生労働省社会
       ・援護局障害保
       健福祉部長    赤澤 公省君
   説明員
       会計検査院事務
       総局第二局長   山口  亨君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○子ども・子育て支援法及び児童手当法の一部を
 改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────

#2
○委員長(森屋宏君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、吉良よし子さん及び山田修路君が委員を辞任され、その補欠として伊藤岳君及び岡田直樹君が選任をされました。
    ─────────────

#3
○委員長(森屋宏君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 子ども・子育て支援法及び児童手当法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府大臣官房審議官伊藤信君外九名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#4
○委員長(森屋宏君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。
    ─────────────

#5
○委員長(森屋宏君) 子ども・子育て支援法及び児童手当法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。

#6
○古賀友一郎君 おはようございます。自由民主党の古賀友一郎でございます。
 本法案のこれまでの審議を通じてもお分かりのとおり、少子化が進行する基本的な原因の一つは子育てにお金が掛かり過ぎることであると、それに対して子育て費用の負担軽減が必要だということ、これは大方のコンセンサスができていると、私はそう思っております。
 しかし、具体的に、じゃ、どういう対策を講じるかという段になってきますと、これはもう議論百出ということでございまして、児童手当一つ取りましても、高所得層に支給すべきかどうかと、あるいはその線を引くとしても、今回のケースでいえば一千二百万円が妥当なのかと、また世帯合算はどうするんだ、さらには子供の数を考慮すべきとか、あるいはそもそも現金支給よりも現物給付の方がいいんじゃないかとか、本当いろんな意見が出てくるわけであります。
 こうなってしまう原因は、もちろんこの考え方の違いというのは当然あると思うんですけれども、私、それ以前の問題として、そもそもこの実態を正確に捉え切れていないからではないかと、こういうふうに思うわけであります。つまり、子育て世帯が具体的にどういう子育て費用にどの程度の負担感を感じているのか、あるいは客観的にどういう子育て費用がどの程度家計を圧迫しているのか、そういったデータに乏しいわけであります。
 地に足の付いた議論、検討を行って、的確かつ効果的な支援策を講じるには、やはりまずこの実態をしっかり調査分析すべきではないかと、こういうふうに思うんですけれども、坂本大臣に御見解をお伺いします。

#7
○国務大臣(坂本哲志君) 今般の児童手当の見直しは、結婚支援の充実、それから不妊治療の助成の拡充、さらには男性の育児休業の取得促進など総合的な少子化対策を進める中で、年収千二百万円相当以上の方に限り月五千円の特例給付を見直すものということであります。
 改正法案で附則に検討規定を設けまして、子供の数等に応じた児童手当の効果的な支給、あるいはその財源の在り方、そして支給要件の在り方について検討することとしております。その際に、今委員が御指摘をされました、しっかりと子育て家庭の状況を把握する、そして、少子化の状況を始め、子ども・子育て支援に関する施策の実施状況をしっかり把握する、さらには子育て家庭への影響等もよく注視をする、そういうことをしながら、少子化の進展への対処に寄与する観点から今後も検討していかなければいけないと考えております。

#8
○古賀友一郎君 ありがとうございました。大臣おっしゃるとおりなんです。しっかりやっぱりそこを踏まえた上での建設的な議論をしっかりとやっていかなきゃいけない。
 昨年の臨時国会で、政府が児童手当を削減して待機児童の方に財源を回そうとした、あのとき私、苦言を呈させていただきました。その後、今回の法案では、世帯合算も見送って、かつ特例給付の縮減も年収一千二百万円以上の世帯に限ったということで、ぎりぎりのところで踏みとどまった感はあると思うんですけれども、私は、この世帯合算がどうこうとか特例給付を削ったこと、それよりも、この先この児童手当をどうしていくんだというビジョン、これがないことの方が私は問題だと思っているんです。
 今、大臣が法案の附則の話をされました。まさに今回の法案の附則の意義は、私はそこにあると思っております。しっかりその検討をするというためにも、必要な措置を講じるためにも、このベースになるデータ、しっかりと調査分析をされてお取組をいただきたい、こういうふうにお願いを申し上げておきたいと思います。
 続きまして、現物給付の典型例といいますか代表例である保育サービスについて伺いたいと思います。
 この保育サービスといえば、とかく待機児童の問題に焦点が当たりますし、昨年末に政府が打ち出されました新子育て安心プランも待機児童の解消が中心テーマということでございますけれども、ただ、それは基本的には都市部の問題であります。今回私が問いたいのは、人口減少地域の保育の在り方ということであります。
 今、離島や過疎地の保育園では、子供の数が減って園を維持するのが非常に難しい、こういう状況になってきております。まさに都市部とは真逆の問題に直面をしているということでございまして、私の地元であります長崎県も、非常に多くの離島、半島を抱えておりまして、人口減少も全国トップクラスでございますけれども、当然、保育園も厳しい状況に直面をいたしております。
 その問題が深刻なのは、単に園の経営問題だけではなくて、保育園がなくなってしまうということは、若い人、子育て世帯が住めない地域になってしまって地域の衰退に拍車が掛かるということは私は大変重要な問題だと、こういうふうに認識をいたしております。
 今、若い人の目が地方に向いております。コロナ禍以前からその傾向は出ておりましたけれども、リモートワークの推進などで更にその傾向が強まってきております。実際、長崎県の五島市では、令和元年、令和二年と二年連続で人口が社会増になっておりまして、令和二年は元年の倍以上に増えております。特に若い世帯、三十代後半の子育て世帯、この辺りが移住してきて社会増になっていると、こういった状況があるわけですが、その中で、保育園が一方でなくなっていくということは、こうしたせっかくの地方回帰、地方創生に水を差すことになるわけでありまして、政府も、新子育て安心プランの中で人口減少地域の保育の在り方の検討という項目を掲げられて、昨年度から各地の事例調査を行って、その結果を踏まえて、今年度は厚労省に検討会を設置して検討が行われるというふうに国会答弁の中でも出てきていたようでございますが、問題は、私、その方向性だと思っているんです。
 仮に、保育園を経営する社会福祉法人の経営問題に矮小化してしまって、保育園の統廃合などという縮小均衡の発想で乗り切ろうとするのは、私はこれは誤った方向だというふうに思っておりまして、子育て世帯にとってこの保育園というのは、電気、ガス、水道、病院、学校と並んで、まさに社会インフラと言ってもよい、そういった位置付けだと思っておりまして、この子育て世帯が住み続けられるように、また移住もしてこれるように、保育園を維持していくにはどういう支援を講じていかなければならないのかと、こういう観点からの検討をしていくべきだと、こういうふうに思うんですけれども、では、厚労省の大隈政務官によろしくお願いいたします。

#9
○大臣政務官(大隈和英君) 御質問ありがとうございます。
 私の母も五島でございまして、生まれがですね、私も五島の移住を羨ましいなと思って注視しているところでございます。
 先生と問題意識を共有しているところでございますが、御指摘のとおり、待機児童問題というのは喫緊の課題ではございますが、やはり都市部を中心とした問題でございまして、待機児童ゼロが今約七七%というふうにして徐々に解決をしているところでございますが、御指摘のように、人口減少地域に関しましては、やはり、これから待機児童よりもその保育の環境をどう維持していくかということの将来の制度設計、あるいは人口減少時代に突入しまして、これも喫緊の課題になってくるかというふうに考えております。その中で、昨年十二月に取りまとめました新子育て安心プランでは、人口減少地域における保育の在り方を検討課題として盛り込んでいるところでございます。
 先生御指摘のとおり、保育所は、単に保育の場所ではなくて、子ども・子育てについて豊富な知見を有しておりまして、地域の中でその力を生かしていくことが重要かと考えております。例えば、石川県なんかは、住民の方が保育所に登録、子育て世代の方が登録をされまして、いろいろと情報交換をしたり相談をしたりというような形で、十分その力を引き出しているというような事例もございます。
 このため、今般、厚生労働省では、地域における保育所・保育士等の在り方に関する検討会をまさに来週新たに開催いたしまして、地域における保育所の役割等について、関係者、有識者にしっかりと検討していただくこととなっておりまして、御指摘の点を踏まえて議論を深めてまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

#10
○古賀友一郎君 ありがとうございました。
 まさか大隈政務官が五島のルーツをお持ちだとは、大変そっちの方がまず驚きまして、まあ答弁内容はしっかり伺いましたけれども、結局はこれから検討していくということだろうと思います。
 是非その検討会の中でも、国会でこういう指摘があったということは是非俎上にのせて御検討いただきたいと思うんです。今おっしゃったように、保育園の機能といいますか、もっともっと地域で活躍できるはずだと、こういった御指摘もあって、まさにそのとおりだと思います。今後の保育園の在り方をそういった視点も含めてしっかり御検討いただきたいとお願いをしておきたいと思います。
 私、心配しているのは、やっぱり需要が少ないからといって減らしていくと、更に悪循環に陥っていくというのが一番心配なんですね。公共交通機関、電車とかバスもまさにその典型なんですね。減便すると目に見えて利用客減っていって、もう廃線の嵐ということになっていくというわけで、保育園がそういった地域衰退に拍車を掛けることのないように、是非、本当よろしくお願いしたいと思います。
 次に参ります。
 少子化対策として子育て費用の負担軽減と併せて重要なのは、子育てしやすい環境づくりということであります。特に、多くの家庭が共働きである現在、職場の理解は不可欠でございます。
 この点、今回の法案でも、従業員の子育て支援に積極的に取り組んでいる事業主に対して助成、援助する事業ができる旨規定されておりまして、具体的には、くるみん、プラチナくるみんの認定企業を想定した上で、申請によって一社当たり五十万円の助成金を支給することとされているということで、その取組によって、令和二年三月末時点で三千三百十二社のくるみん認定企業の数を令和七年までに四千三百社にするということが目標だと、これは衆議院の質疑の中で当局から御答弁をされているということであります。
 私、それ自体悪いとは言いません。言いませんけれども、ただ、我が国には三百五十万社の企業があるわけでございまして、これは桁が三つも違うわけですね。だから、五年半掛けて果たしてそのペースでいいのかと、こういった問題意識から幾つか提案を申し上げたいというふうに思います。
 まず、最も望ましいのは、子育て支援は企業経営にとってもプラスになるということを企業自身が認識をして、自発的に取り組んでいただくということが、これは一番望ましいんだと思います。
 そこで、このくるみん、プラチナくるみんの認定企業において子育て支援の取組が企業の業績にどういう効果を及ぼしたかということについて調査研究をして、それを普及していくと、こういう取組をしていくべきではなかろうかと、こう思うんですけれども、これも大隈政務官にお願いいたします。

#11
○大臣政務官(大隈和英君) お答えいたします。
 御指摘のように、くるみん認定、まだまだ三百五十万社という中では少ないかもしれませんが、徐々に今制度が広がっているところでございます。御指摘のように、この認定、くるみん認定制度を通じまして、次世代育成支援は企業自ら積極的に取り組むものであるという社会的な機運を醸成していくことが非常に重要だというふうに考えております。
 ちょっと前になりますけれども、平成二十五年に行われました研究会の報告におきましては、くるみん認定取得の効果として、出産、育児を理由とした退職者の減少、あるいは男性、女性従業員の制度利用の促進、認定を受けている企業の方が受けていない企業と比較すると女性の離職率が二・七%、二・七%ポイントが低いというような推計結果も示されているところでございます。
 また、最近もくるみん認定を取得した企業に対しまして調査をしておりまして、例えば、それを聞きますと、学生に対するイメージアップ、そして従業員の制度の認知度の向上、優秀な女性従業員の採用確保などを挙げる企業が多うございまして、くるみん認定が企業イメージや労働者の両立支援に対する意識の向上につながり、人手不足の対応や優秀な人材の確保、定着等に効果を発揮している場合が多いというふうに考えております。
 今後、くるみん認定基準につきまして、男性の育児休業等の取得率の引上げ等に見直しを行うとともに、くるみん認定に、くるみんに新たな類型を創設する予定でございまして、例えばエントリー、入門版のくるみんですとか様々な類型を考えておりますが、これらが事業主や求職者にどう受け止められ、どのような効果を上げるかをしっかりと把握するとともに、認定の効果について広く周知、広報を行いまして、企業自ら次世代育成支援対策にしっかり取り組んでいただく環境整備を一層促進してまいりたいというふうに考えております。

#12
○古賀友一郎君 ありがとうございました。
 非常に前向きに考えていただいているということが分かりました。是非そういう周知、これはやっぱり必要ですね、やっぱり企業に認識してもらうということが必要だと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 あと、私が思ったのは、例えば、同じ業種、業態の企業でくるみん企業とそれ以外と、その業績といいますか、要するに利益を、黒字になっているかどうかとかですね、そういうのも比較したら、もしかしたらいい結果も出てくるかもしれない、そういうふうに思っておりますのと、仮に、いい結果ばかりじゃないかも分からないです、いろいろな問題点も出てくるかもしれない。しかし、問題点が出てきたら、じゃ、それがうまくいっている企業とどこが違うのかということを、これ分析することも、大変、これからやろうという企業にとっては私は非常に有意義だと思います。
 だから、そういったことも含めて周知と、まとめて、体系的にまとめて、それを企業にお知らせしていくということが非常によろしいんじゃないかと、こう思いますので、是非よろしくお願いしたいと思います。
 それから、子育てしやすい職場づくりのためには、この企業、経営者の意識だけではなくて、個々の職場、この雰囲気づくり、企業ぐるみのこの意識変革というのも求められると、こういうふうに思っておりますけれども、私、育児休暇が取りにくいとか、あるいはマタハラが起こるとか、こういった子育てに冷たい雰囲気の背景に何があるんだろうというふうに考えたときに、パブリックとプライベートの意識の差というのが働いているんじゃなかろうかなと、こういうふうに思えてならないわけであります。つまり、どういうことかといいますと、仕事は職場の皆で取り組むパブリックな営みであると、これに対して、子育ては各家庭のプライベートな営みであるから、子育ては仕事に劣後するものだと、こういう意識、それが働いていないかなというふうに思うわけであります。
 確かに、第一義的には子育ては各家庭で責任を負うべきものでありまして、企業としても、仕事をするために従業員を雇用しているわけでありますから、仕事が子育てに優先するのは、これは当然だと、こういう意識になる、なりやすいとは思います。とは思いますけれども、しかし、この次世代の社会の構成員を育成するというか育む、そういう営みが単なるプライベートであるはずはないと。特に、我が国においては、少子高齢、人口減少に直面しているこういう国ですから、一層、なおさらのことそういうことだと思うわけでありまして。
 現行の子ども・子育て支援法でも、子育ての第一義的責任は保護者にあるけれども、職域を含めて社会全ての構成員がそれぞれの役割を果たして相互に協力しなければならないと、こううたわれていますし、経団連始め経済界も、少子化を克服できなければ労働力人口や国内市場を将来的に確保して経済社会を維持することができないと、こう訴えていらっしゃるわけですから、少なくとも子育てが仕事に劣後するということはもう今の時代特に言えないんだと、こういうふうに思うわけであります。
 一昨日の参考人質疑にお越しになりました日大の末冨参考人が、子供や子育て世帯についての社会意識をもう少し政府広報や国民運動で変えていっていただきたいと、こういうふうに訴えておられました。私もそれを聞いて、ああ、そうそうと、そういうふうに思ったわけであります。
 そこで、これは坂本大臣にお伺いいたしますけれども、子育ては単に各家庭のプライベートな営みではないんだと、社会全体で取り組むべきパブリックな営みなんだと、言わばこの子育ての公共性といいますか、こういったことを企業を含めて社会全体により強く広報啓発していく必要があると思うわけでありますけれども、御所見をお伺いいたします。

#13
○国務大臣(坂本哲志君) 委員おっしゃるとおりだというふうに思います。結婚、妊娠、出産、子育て、それぞれのライフイベントが生じましたときに、周囲から温かく受け入れられ、必要な支えを得られるということが何よりも重要であるというふうに考えております。あわせて、子供を大切にし、心身共に健やかな育ちを支えることは、一人一人の子供の幸せはもとより、将来の担い手を育成するという、今言われておりますパブリックにつながるものであるというふうに考えております。
 このため、少子化社会対策大綱では、結婚、妊娠、出産、子育てに対します企業の理解や積極的な取組を促し、若い世代のライフイベントを応援する環境を整備すること、それから行政、地域、企業など社会を構成する多様な主体がそれぞれの役割を果たしながら連携をすること、そして社会全体で若い世代の結婚の希望や子育てを応援する機運を高めていくことなどを盛り込んでいるところであります。委員おっしゃったとおりでございます。
 その中で、内閣府におきましては、産業界や企業の団体をメンバーといたします子育てを応援するための官民合同の子育て応援コンソーシアムを設けております。この中で、子育てに配慮をいたしました企業の取組の紹介や分野を超えた連携に関する情報交換を行っていただきたい、そして子育てに優しい社会的機運の醸成に向けた国民運動を展開しなければいけないというふうに思います。
 委員おっしゃいました、プライベートではないんだ、パブリックにつながるんだ、そういうことをしっかり周知するための広報啓発活動、これにも取り組んでまいりたいというふうに思っております。
 引き続き、結婚、妊娠、出産、子ども・子育てに温かい社会づくりに向けました、社会づくりに向けまして、関係省庁と連携しながら、社会の理解促進、そして社会的な機運の醸成、こういったものに今後努めてまいりたいと考えております。

#14
○古賀友一郎君 ありがとうございました。
 問題意識といいますか、認識はほぼ完全に大臣と共有できたんじゃないかと、こういうふうに思います。
 認識は持っていると、これをどういうふうにしてまさに社会に定着させていくか、国民運動という言葉もありますけれども、どうやって国民の皆さんにこれを訴えていくか、また方法論もあると思うんですね。
 そういう中で、例えば分かりやすく、ワンフレーズというのが適当かどうかもありますけれども、国民の皆さん、企業の皆さんがすっと入ってくるような、どういう言葉がいいか分かりません、例えば仕事と子育ては同価値であるとか、あるいは子育てはパブリックとか、何か端的に皆さんにすっと入ってくる、まあそうだろうなというふうな、こういった言葉も駆使してやっぱり普及していくことが重要だろうと、こう思いますので、是非そこは大臣を先頭にしたメッセージの発信、これを是非よろしくお願いを申し上げたいと思います。
 この子育てしやすい環境をつくるというのは、企業だけじゃなくて、社会生活全般についてやっぱりそうですね。ベビーカーが電車、バスに乗ってきたときに舌打ちするような社会ってやっぱり駄目だと思うんです。
 先ほど触れました末冨参考人はこういうふうにおっしゃっていました。ベビーカーを蹴られたことが二回あると、余りにひどい、泣いたと、そういう体験を語ってくれました。それとともに、イギリスでは子連れの場合、世間が非常に優しく接してくれると、大人だけよりもということも御披露をしていただきました。
 かつて、幕末の駐日イギリス外交官オールコックは、日本社会を子供の楽園と表現したそうであります。明治時代に大森貝塚を発見した、かのアメリカ人学者モースも子供の天国と表現したそうであります。
 何か日本とイギリスが逆転したような感じがするわけでありますけれども、それだけ子供を大切にする文化を持っていた日本なのに、特に戦後、経済的豊かさを求める余りに仕事中心文化になって、古き良きものを失い、子育てしにくい社会を招き、経済だけでなく社会全体の将来すら危うくしているということは誠に皮肉ではありますけれども、これは皮肉だけでは済まされない問題であります。しかし、日本人には子供を大切にする素質はあるというわけでございますから、その素質を呼び覚ますような広報啓発を是非お願いを申し上げたいと思います。
 時間が迫ってまいりましたので、今日最後の質問でございますが、先月の決算委員会でも訴えました財源の問題を取り上げたいと思います。
 平成元年の合計特殊出生率がひのえうまの年を下回りました一・五七ショック以来、我が国はそれなりに少子化対策に取り組んできたわけでございますが、この三十年、このスタートの一・五七を上回ったことは一回もありません。
 なかなかこの成果が上がらない原因として、私は、厳しい財政制約の中で必要な対策を打ち切れなかったんじゃないか、こういうふうに見ておりまして、したがって、決算委員会でも申し上げましたけれども、今後は、財源を捻出できるやりくりの範囲で対策を打つんじゃなくて、必要な対策に要する財源をどう創出していくか、どこにどう求めていくか、こういう発想に切り替えていかなきゃいかぬのじゃないか、こういうふうに思っております。言わば、入るを量りて出るを制するんじゃなくて、出るを量りて入るを求めると、こういう発想転換ですね。
 財務省も少子化対策の財源を確保しなければならないという認識は持っていただいておりまして、昨年十一月の財政審の建議でも少子化対策の安定財源確保という項目が立てられまして、その中で、税財源だけじゃなくて社会保険料財源による財源確保の検討が提案をされております。
 私は、この社会保険料の安定性の利点は理解しつつも、その最大の問題は逆進性だと思っておりまして、使い方を間違えますと、子育て世帯への負担を増やして、かえって少子化を進めかねないのではないかと、こういうことを心配しております。
 同じことは税についても言えるんですけれども、いずれにしても、この社会保険料にしても税にしても、少子化対策の財源確保に当たっては子育て世帯にダメージを与えないような、そういう制度設計が求められると思いますけれども、元榮政務官の御所見をお伺いします。

#15
○大臣政務官(元榮太一郎君) 御質問ありがとうございます。
 少子化社会対策大綱にあるとおり、少子化対策を推進するに当たっては、将来の子供たちに負担を先送りすることのないよう、安定的な財源を確保することが重要であると考えております。これまでも、消費税率の引上げや事業主拠出金の追加拠出などによって安定財源を確保しつつ、幼児教育、保育の無償化や待機児童の解消など、少子化対策を推進してきたところであります。
 財務当局といたしましては、先ほど古賀先生おっしゃるとおり、昨年十一月の財政審の建議にあるとおり、我が国の社会保険制度には、保険料財源で実施している妊娠、出産、子育てに関する現金給付がかねてより存在していることを参考にしつつ、将来的課題として、少子化対策の財源確保の在り方として、税財源のみならず、保険料財源も含めて幅広く検討することが適当だと考えております。
 なお、社会保険料につきましては、国民年金の保険料は定額負担であるなど一定の逆進性は存在しますが、国民年金や国民健康保険の保険料については所得に応じた免除や軽減の制度が設けられており、所得の低い方々に配慮した制度となっております。
 いずれにいたしましても、古賀先生御指摘の子育て世代の御負担の状況など、結婚や出産、子育てを希望する方々の声に丁寧に耳を傾けて、少子化社会対策大綱等に基づき安定的な財源を確保しつつ、ライフステージに応じた総合的な少子化対策を取り組んでまいりたいと思います。

#16
○古賀友一郎君 ありがとうございました。
 やはりしっかりと検討していただきたいと思うんですけれども、財源論にとらわれてこの国の社会の礎が立ち行かなくなるようなことは元も子もないのでありますから、しっかりと、これ財務省も御協力いただいて、御検討いただければと思います。
 質問を終わります。ありがとうございました。

#17
○塩村あやか君 立憲民主・社民の塩村でございます。質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。
 少し確認をしておかないといけないと思う点があるため、ちょっと今日は法案質疑ではあるんですが、少し時間をいただきたいと思っております。資料の配付の承諾もありがとうございました。
 遺骨収集の件です。
 前回、私、遺族の一人として、海外に残されている遺骨の収集事業について質疑をいたしました。御答弁をいただいた中で、事前のレクチャーも含めて、後から読み返してみても、ちょっとよく分からないなと、おかしいなというふうに思うところがあったため、確実なものとするために、短時間で質問をさせてください。
 まず確認です。資料の一を御覧ください。これは令和三年度における戦没者の遺骨収集事業実施計画の説明です。計画は段階で分かれておりまして、まず現地調査、これ便宜上ステップ一と言わせていただきます。そして、遺骨の収集、ステップ二です。こうなっています。
 これ、当然、調査をしないと遺骨があるかどうかも分からないですよね。ですので、現地調査と遺骨収集事業に分かれて説明もされておりまして、地域まで示されているわけです。
 今回の問題は、遺骨収集、ステップ二の方に明記がされているトラック諸島の沈没艦船において遺骨収集がされるのかどうかということなんですね。
 資料の二の右を御覧ください。実施計画の中の遺骨収集にトラック諸島の沈没艦船は入っているにもかかわらず、御答弁では、今後、遺骨調査・収集の実施について検討をすることとしていると御答弁をいただきました。あれっ、調査をして検討するの、これってもしかしてまだステップ一の方じゃないかと、おかしいと思ったので、そのときに更問いをさせていただきました。それでもほぼほぼ変わらない御答弁でした。
 資料の二を御覧ください。左側に改めて令和三年度の事業実施計画に記してある説明を比較しやすいように載せました。この委員会答弁と左の実施計画に書いてある遺骨収集は、ステージとしては同じものであるはずなんですね。しかし、こう並べたら分かると思うんですが、同じものにはやはり見えないんです。左はステップ二、遺骨収集、右の答弁がステップ一の調査にやっぱり見えてしまうんですよね、調査して検討するというふうに御答弁をいただいているので。
 質疑後、当事務所だけではなくて、党の先輩方や遺族会の知人にもこの答弁と実施計画を見てもらいました。しかし、全員が同じとは全く見えないということで、これはどうしたものかということで、ちょっと私も、そうだよなと、私もやっぱりそう思うので、ここはやっぱりちゃんとただしておかなくてはいけないなというふうに思っているところなんです。御答弁は遺骨の収集が決定しているようには全く見えない、ステップ一の現地調査に近いのではないかというふうに私たちは感じてしまっているところだし、事実そのように見えてしまいます。
 改めて伺います。トラック諸島での沈没艦船の遺骨収集は行う予定なのか。まず、ちょっと短くこれ、はい、いいえでお答えください。

#18
○政府参考人(岩井勝弘君) 先日の私の答弁につきまして、恐縮ですが、大変ちょっと複雑な答弁を申し上げて申し訳ございませんが、正確にちょっと事実関係だけ御説明申し上げます。
 五月十三日の内閣委員会に、先生から、実施計画にあるトラック諸島の沈没艦船の遺骨収集というのは愛国丸のことを示しているのかとの御質問がありました。これに対して私の方から、トラック諸島においては、その愛国丸を含め複数の沈没艦船があり、御遺骨の情報があること、愛国丸についても、今回、遺骨収集・調査の検討をすることとしていると御答弁申し上げました。
 御指摘のとおり、令和三年度の遺骨収集実施計画におきましては、トラック諸島の沈没艦船について遺骨収集の対象の一つとして記載しております。このトラック諸島におきましては、愛国丸を含め四隻の沈没艦船に関して御遺骨の情報がありますが、どの艦船を今年度の遺骨収集の対象とするかを含め具体的な収集計画については、それぞれの沈没艦船が置かれている状況等について、専門家の意見を踏まえまして、技術面、安全面の検討を行った上で、相手国や実際に収集を実施する日本戦没者遺骨収集推進協会などの関係者と協議の上決定していくこととしております。
 したがいまして、御質問にありました愛国丸については、令和三年度事業の対象候補としている段階であり、先日の答弁は実施計画と矛盾していないと考えておりますが、ただいまの御質問につきまして申し上げますと、愛国丸を含むトラック諸島の遺骨情報のある四隻の艦船のいずれかについて遺骨収集を行うことを予定しているということでございます。
 また、先ほど御質問のありました中で、調査という用語についてでございますが、先生御指摘のとおり、遺骨収集については、一般的に、文献調査の結果を踏まえ現地調査を行いまして、戦没者の遺骨の存在が確認された場合に遺骨収集団を派遣しております。ただ、トラック諸島の場合は、もう既に複数の沈没艦船について遺骨情報があるため、現地調査は行わずに遺骨収集団を派遣することを予定しております。実施計画におきましても、したがいまして、遺骨収集の対象としております。
 先ほど御説明申し上げましたが、トラック諸島におきましては、四隻の沈没艦船について御遺骨の情報があり、どの艦船を今年度の遺骨収集の対象とするかについてを含めた具体的な収集計画については、沈没艦船の置かれている状況等を踏まえ、専門家の意見も踏まえ、技術面、安全面の検討を行った上で、関係国、相手国や関係者と協議の上決定していくこととしておりますので、そういう意味で、遺骨収集・調査については、こうしたどの沈没艦船を遺骨収集の対象とするかを含めた具体的な収集計画の実施の策定に伴う調査という趣旨で御説明申し上げました。したがいまして、大変分かりにくい答弁で誠に申し訳ございませんでしたが、先日の答弁自体は実施計画と矛盾したものではないと思っております。
 最後でございますけれども、先ほども申し上げましたとおり、先生のただいまの御質問に申し上げますと、今年度、令和三年度におきましては、愛国丸を含むトラック諸島の遺骨情報のある四隻の艦船のいずれかについて遺骨収集を行うことを予定しているというのが私の答弁でございます。

#19
○塩村あやか君 詳細に御答弁ありがとうございました。
 余り議場以外でのやり取りを言うべきではないなというのは私はよく分かってはいるんですが、やっぱり改めて言わせていただくと、質疑後に疑義を持って問い合わせたところ、それでは調査という一語を削除というお申出をいただいたんですね。しかし、検討が残っていると水没の遺骨収集は決定しないということがやっぱり議事録に残ってしまうわけなんですね。現場レベルはすごく真摯に御対応いただいて、いい形で着地ができそうにはなったんですが、いろんなコンセンサスの問題があるんだと思います。最終的に答弁は正しいということで、最初にお申し出いただいたことでも修正はしないということでいただいて、私たち衝撃を受けたところです。正しい形で議事録に残すということが一番大切ですから、今御答弁いただいたことが議事録に残るということが私は一番大事だと思っていますのでそこはいいんですが、やっぱり今私のこの質問の機会がないと、あのままやっぱり残ってしまうわけなんですよね。改めて質問しようと思っていたんですが、今一気に答えていただいたのでもうここは聞かないんですが、先ほどの、今の答弁と前の国会答弁が同じであるということなんですよね、結局のところ。けど、全く同じものには聞こえないわけです。
 これはやっぱり問題で、国会答弁、さきのものが正しいのであれば、実施計画の遺骨収集の説明には、沈没艦船については遺骨調査・収集の実施を今後検討すると答弁したとおりの内容を記すべきであったのではないか、また、今御答弁いただいた内容を両方きちんと記すべきであったのではないかというふうに思うんです。この事業について興味を持っている全員が御答弁とちょっと違うなという印象を持ったので、やっぱりそこはやらなきゃいけなかったと思うんですよね。やっぱりその説明をきちんとしていないというのは、質疑をした私に対してだけではなくて、それを理解できなかった私とか、そして遺族の方たちの受取が悪いということになってしまって、やっぱり大変に不誠実に終わってしまった可能性が高いというふうに思うんですよ。
 ですので、今後は、例えば来年の実施計画などにはきちんとそうしたステップを、ステップ二の中にも踏んでいるんだという説明をきちんとしていただくように誠実な対応を強く要望しまして、遺骨についての質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
 続きまして、法案の質疑に入らせていただきます。大臣、よろしくお願いいたします。
 最初、確認をさせていただきたいことがあります。
 私、今回の改正は悪手だと思うんですよね、悪い手と書く方の悪手だと思うんですよね。子育て支援の一丁目一番地の児童手当を親の年収で切ってしまうという選別主義へと切り替わってしまったという点で非常に転換点になったというふうに思っています。
 この数日間の議論を見ておりますと、世帯合算で一千二百万円の話が否定をされていないという現実も既に出てきています。先行して一千二百万円の人だけにしておけば、世論的には余り批判は出ないんですよね、該当しない人たちがたくさんいるわけですから。むしろ、高所得の人からは取ってしまえと、対象外でよしという意見がSNSでも流れているぐらいです。一方で、国会の議論を見てみると、世帯合算にしていない不平等が結構取り上げられておりまして、次回は世帯合算の話が恐らく出てくる可能性は高いというふうに今の国会の議論を見ていると私は感じているところです。その次は、年収の要件を下げて児童手当の対象の家庭を減らしていくのではないかというような疑念すら抱いてしまっています。
 まさかそんなことにはならないでしょうねという疑問がありますので、まずは少子化担当大臣として、明確にそのようなことはないという御答弁をいただけたらと思うんですが、いかがでしょうか。

#20
○国務大臣(坂本哲志君) 世帯合算につきましては、世帯間の公平性の観点から導入を求める重点化の御意見がありました。その一方で、導入した場合の共働き世帯への影響等の御意見もございました。そういうことで、検討の結果、今回の見直しでは導入を見送ることとしたものであります。
 改正法案では、附則に検討規定を設け、子供の数等に応じた児童手当の効果的な支給、そしてその財源の在り方や支給要件の在り方について検討をすることというふうにしております。その際には、少子化の状況を始め、子ども・子育て支援に関する施策の実施状況、そして子育て家庭への影響等も十分に注視しながら、少子化への進展に対処する、対処に寄与する観点から検討してまいりたいと考えております。

#21
○塩村あやか君 否定はしていただけないというふうに私は取りました。
 やっぱり、本当、今回って大きな問題だという認識をどれぐらいの方が持っているのかというところは、私は、ちょっとこの国会、ここにいる皆さんに投げかけたいというふうに思っています。
 今私が言ったように、今回一千二百万円で区切っていて、世論的には、ネットとかを見てみても、一千二百万円以上あるんだから負担するのは当然だみたいな世論形成が先に行われて、そしてその次には世帯合算という形でどんどんと拡大してくると、そして、ここまでで法改正が次できたならば、その年収要件とかいろいろ下げていくというところまでは、また財源の問題とか出てきて、起こり得るわけですよね。そうなってくると、子育て支援の一丁目一番地だというふうに私申し上げました。それは参考人の方がおっしゃっていた言葉ですが、一丁目一番地ががらがらと崩れていくという、これって本当に少子化対策なんだろうか。
 私はだから大臣に尋ねたんですが、大臣、先ほどの答弁と御自身のお考えは全く矛盾がないということでいいのか、もう一度だけ聞かせてください。大臣の言葉ではなかったような気もするんですね。これまでの経緯をお話しいただいたと思いますが、大臣はこんなことでいいのかという点で、改めて伺わせてください。

#22
○国務大臣(坂本哲志君) 私たちは少子化対策に対しまして、結婚、そして妊娠、出産、子育て、それぞれにライフステージがありますので、それぞれのライフステージの中で一つ一つその政策を進めていくこと、これが子育てあるいは少子化対策につながっていくものだというふうに考えております。
 現実的に、事実として、幼児教育、保育の無償化、あるいは不妊治療への助成拡大、さらには子育て安心プランによる待機児童の解消、もうこういったものをそれぞれのライフステージによって総合的に行ってまいりました。そして、最終的には、これまで待機児童問題、最も取り組んできた問題でありますけれども、所要額を確保して、四年間で十四万人の保育の受皿を整備することといたしたところでございます。
 ですから、全体的に進めてきているこの対策の中での非常にバランスを取りながらの政策であるということで御理解をいただきたいというふうに思っております。

#23
○塩村あやか君 仕方がないんだと、今の日本の状況では仕方ないんだというふうにやっぱり取りましたが、国難だと言われている少子化に対して本当にこんなことでいいのかという疑問を持ちながら質問を進めたいというふうに思います。
 本会議で、私、今回代表で質問させていただきました。その答弁なんですが、やはり衆議院の方で返ってきたような答弁が並んでおりまして、大臣の考え、やはり見えてこなかったところですので、大臣の考えを中心にお伺いをしていきたいというふうに思っています。
 参議院本会議の私の質問の答弁に関して、児童手当の特例給付の見直しにつきましては、このような総合的な少子化対策を進める中で、長年の課題である待機児童問題の最終的な解決を図るものであり、全体のバランスを考えた上での措置であることを御理解いただきたいとの答弁がありました。この答弁についてお伺いをさせていただきます。
 まず、大臣は、待機児童問題の最終的な解決を図るものというふうにおっしゃいましたが、待機児童問題の最終的な解決図ることはこれ非常に重要で、働く女性にとっては本当に大切な問題です。それと特例給付の継続というのは両立し得ないと判断したのか、国難においても財源取ることができなかったのか、これをお伺いしたいというふうに思っています。
 大臣は、この三百七十億円分の予算取ってくることはしなかったのか、努力はされたのか、されたのだとすると、どのように努力をされて、例えば財務省と掛け合ったとか総理とお話をしたかとか、具体的な努力の結果をお伺いしたいと思います。

#24
○国務大臣(坂本哲志君) 先ほど言いましたように、全体的な政策を進めるという中で今回の法案提出になりました。
 そして、待機児童対策というのはまず私たちが最優先してやらなければならない課題でございますので、この対策をどういうふうにしていくかということを考えました。さらには、その財源の問題につきましては、どうしても財源の課題がございますので、私自身、財務省にもいろんな形で掛け合いもいたしました。それと同時に、企業からの、経済界からの御支援も必要ですので、経団連あるいは日本商工会議所、そして商工会連合会、さらには中小企業団体中央会、こういったところに二回、三回と足を運びまして、そして協力を要請をしたところでございます。その結果として、一千億円の追加拠出をしていただくことになりました。
 そういうトータルでの支援というものを今回は実現できたものだというふうに思っております。今後もこの努力は続けてまいりたいというふうに思っております。

#25
○塩村あやか君 ありがとうございます。
 これまで御答弁で余りなかった大臣の努力は見えてきたんではないかなというふうに私は今思ってはおります。
 一方で、資料の三を御覧ください。
 これ法案の資料の中にあったものを抜き出したものなんですが、児童手当の給付額のこれ推移です。子供が減っていますから、令和元年から令和二年の一年だけでもう予算自体が三百二十億円減っているんですよね。今回の特例給付のカットで浮くのが三百七十億円ですから、それを保育所整備に今回回すわけですよねと。一年分の予算額を守るだけでもこれ随分違ったのではないかと。予算を取ってくるというより、その予算額をそのまま守らせてくれと、それを言うだけでも大分カバーできますよね。恐らく、昨日、田村委員も恐らくこの表のことをおっしゃっていたのではないかなというふうに思うんですが、この法案の参考資料を見た誰もが多分思うところではあるというふうに思うんです。
 この点については大臣はどのようにお考えなのか、教えてください。

#26
○国務大臣(坂本哲志君) 内閣府におきましては少子化対策関連予算を取りまとめておりまして、その額は年々増加をいたしております。平成二十五年度は約三・三兆円でありましたけれども、保育の受皿確保や子ども・子育て支援新制度の実施、それから幼児教育、保育の無償化、さらには高等教育の修学支援などの取組によりまして、令和三年度は約五・九兆円というふうになっておりまして、二・六兆円の増というふうになっております。これは当初予算ベースではございますけれども、それに補正も含まれるわけでございます。
 そういうことで、待機児童対策等々も含めまして、予算の増額を図りながら、全体的なバランスの中で政策を進めているということでございます。

#27
○塩村あやか君 ありがとうございます。
 全体的な予算は、それは確かに分かってはいます。だけれども、今回は特に児童手当の中でのやりくりをしたわけですよねと。であれば、ここは一番に守っていくべきではないのかと、この表を見た人は誰でも思いますし、昨日の恐らく田村委員もそこに多分本意というか真意があったんだと思うんですよね。この辺りはやっぱりきちんとできたのではないかという疑念はやっぱり残ってしまいます。
 次に伺います。
 今回の児童手当の特例給付の見直しですが、当事者である一千二百万円の所得のある親だけではなくて、これは多くの、これを知った多くの子育て世帯に対して大きなメッセージをやっぱり送ったことになると思うんですよ。なので、今回、衆参問わず多くの委員がメッセージについて質問をされていたというふうに思います。大臣はどのようなメッセージを送ったのかということではなくて、私が今回お伺いしたいのは、どのようなメッセージを受け止めたかと、大臣、今認識されているか、それをお伺いしたいというふうに思います。

#28
○国務大臣(坂本哲志君) どのようなメッセージを私自身が受け取ったかということでありますけれども、(発言する者あり)済みません、ちょっとその質問の趣旨、もう一度お願いします。

#29
○塩村あやか君 一千二百万円以上の方だけではなくて、その方たちも含めて子育て世帯がどのようなメッセージを今回の改正によって受け止めたかと、それを皆さんがどのように発信をしたりとかしているか、それを大臣は知っているかということをお伺いさせていただきました。

#30
○国務大臣(坂本哲志君) 私といたしましては、我が国の家族関係社会支出というのは、対GDP比で平成二十五年一・一四%から平成三十年には一・六五%まで着実に上昇をしております。
 そして、今お尋ねがございました、今回、年収一千二百万円相当以上の方の月五千円の特例給付を見直すこととしていますけれども、これも新子育て安心プランのため、企業から、先ほど言いましたけれども、一千億円の追加拠出をいたしまして、トータルで財源を確保したということでございます。
 こうした子育ての支援の充実をきちんと図っていく、私自身で図っていく、そして子育て世帯が希望を持って子供さんたちを育てることができる、そういうようなことを私自身が先頭に立ってメッセージとして私自身も発信してまいりたいというふうに思います。

#31
○塩村あやか君 済みません、私が聞いたのは、大臣の発しているメッセージではなくて、今回の法改正によってどのようなメッセージを、一千二百万円以上とかその付近の人とかいろんな方がいらっしゃいますが、どのようなメッセージをこの法改正によって受けているかということを聞かせていただきました。私、これ、ちゃんと通告でもお伝えしています。

#32
○国務大臣(坂本哲志君) そういう方の受け止め方というのは様々であるんだろうというふうに思います。

#33
○塩村あやか君 まあ、様々ありますよ。だけれども、じゃ、どれぐらいの声を大臣把握していらっしゃるか、お伺いしてもよろしいですか、様々だと思いますが。

#34
○国務大臣(坂本哲志君) 私といたしましては、ネットのお声も、そしてそれぞれの地元からのお声も聞いております。まさに様々な声というふうに解釈をしております、受け止めております。

#35
○塩村あやか君 ちょっと、何回聞いてももうちょっとあれなので私言いますが、これ、やっぱりふらふらしていると取られているんですよ。これ、理念がやっぱり通っていないんですよね。
 子供手当とか児童手当というのは、先進国には結構、アメリカとかにはないですけれども、一丁目一番地としてあって、ここがやっぱり一丁目一番地だからこそ確としてあるものなんですよね。そこの理念が日本はふらふらふらふらしているわけで、子育て支援がふらふらしていて信用できない、いつ自分のところも支援がいきなりなくなってしまうとか減額されてしまうとか、そういうメッセージを取っている人はやっぱりたくさんいるし、私はそこは的を射ていると思うんですよね。
 こうした不安があればどうなるか。少子化につながっていくとやっぱり思うんですよ。こうした不安を取り除くようなことをしっかりやっていかなくてはいけないのに、一丁目一番地を今回このような形にしてしまったというところは、やっぱり大臣も、いろいろな声あるかもしれませんが、この声もしっかり受け止めておいていただきたいなというふうに思っています。
 次の質問です。
 今回の政策決定の在り方について、私は本会議で、EBPMについて御答弁願いますと質問をしました。大臣の答弁は、例えば、税制において配偶者控除を受けることができる年収の上限が一千百九十五万円となっていることや、保育料の所得判定区分のうち最も高い保育料が適用される区分が年収、世帯年収一千百三十万円以上になっていることも参照にしながら、総合的に勘案したものでありますというふうに答弁していらっしゃるんですよね。この意味をちょっと御説明願えないでしょうか。

#36
○国務大臣(坂本哲志君) まさに、その意味といいますか、どのところでしっかりと私たちが余り御負担を掛けないようにできるかというようなことを考えたときに、今言われたようなことが出て、言われたようなものを基準としてきました。
 それからもう一つは、やはり世帯主の年収相当が九百六十万円程度の世帯では一か月で支出が約四十三万円、それから一千二百八十万円程度の世帯では一か月で約五十一万円ということで、八万円の違いがございます。その世帯の中で、水光熱費や家具・家事用品等はこの二つの収入階級で同程度でございますけれども、教育費、それから教養娯楽費、それから交際費を含むその他の消費支出は一千二百八十万円の方が増加傾向にあるというふうなデータが出ておりますので、そういうものも勘案しながら様々な判断を、こういった判断をさせていただいたということであります。

#37
○塩村あやか君 ありがとうございます。
 私は本会議の質問の中で、年収一千二百万円以上の人は年収四百万円の方の四倍の税や社会保険料を払っていると、そして、所得制限で高校無償化の恩恵もなく、貸与型の奨学金もない、幼児教育無償化は現在の小学校三年生以上の家庭は一切ない、不妊治療の助成も、所得の制限の撤廃も今年の一月からということで、今お子さんのいる一千二百万以上の世帯の全員が恩恵を受けていないということを指摘させていただいた上で聞かせていただいたことなんですよね。それで先ほどの答弁があったということなんですよ。
 さらに、大臣は本会議の御答弁で、配偶者控除の適用外、保育は無償どころか、所得判定は最も高い保育料が適用されるわけですよね、大臣。これって、今回一千二百万円の方、以上の方たちにとってはもう踏んだり蹴ったりですよね。支援策がもうほとんどないわけです。義務教育と、あとは学童ぐらいですか。これのどこが子育て支援なのか、これをちょっとお聞かせください。

#38
○国務大臣(坂本哲志君) 今回の特例給付の対象、一千二百万円以上の方々となります高所得の子育て世帯につきましては、これは恩恵がないということではなくて、幼児教育、保育の無償化の支援を行っております。
 それから、加えて、本法案でも保育の受皿整備を進めるほか、子育て支援に積極的な企業への助成事業の創設、それから、所得の多寡や共働き世帯か否かを問わず、様々な地域の子育て支援を行う関係機関相互の連携の推進に関する事項を盛り込み、支援の充実を図っております。
 ですから、高所得世帯に対してもしっかりとその対応策は届いているというふうに思っておりますが、引き続き、子育てに希望を持つことができるような社会になるよう、高所得者も含めて子育て世帯全体の支援を進めていきたいと考えております。

#39
○塩村あやか君 ありがとうございます。
 私は基本的にベーシックサービス派ですので、サービスを充実させていくということが非常に重要だと思っています。しかし、これは、今回は児童手当ですので、ちょっと話がまた別なんですよね。先ほどから何回も言いますし、参考人の方もおっしゃっておりましたが、子育て支援の一丁目一番地なわけです。ですから、やっぱりここの面を親の所得とか年収で支援を切っていくというのは基本的に良くないというふうに私は考えています。
 大臣は御答弁の中で、子育て支援の充実を図っていくことで子育て世帯が希望を持つことができる社会となるようメッセージを発信していくというふうに答弁をしていらっしゃるんですが、やっぱりそうしたメッセージにはなり得ていないというのが、今回の法改正に限って言えばなっているというふうに私は思っています。
 年収一千二百万円以上の人は、これ子育て支援が今後はなくなっていくところにあるんですよというふうに取れなくないですよね、その先ほどの大臣の答弁。一千二百万で切った理由は、ほかのところはここでいろんなサービス切っているからという御答弁でしたよね。だからここも、この法案もここでサービス切るんだと。これってすごいメッセージを発しているというふうに私は思うんですよ。だから、今後も縮小されるというふうな、一千二百万円ぐらいの所得に届けばですね、こういうメッセージを発してしまっていると。
 末冨参考人なんかはストレートにおっしゃっていましたよね、この高所得というか、この層が海外流出にもつながることになり得ると。私の知り合いも実際にはシンガポールとかオーストラリアとかにもう行っちゃってしまっておりますし、こうした声は真摯に受け止めていただきたいなというふうに思っているところです。
 ほかに大臣に御答弁きちんといただいていないものがあるんですが、それは、四月九日の衆議院の質疑で、今回の児童手当の一部廃止を設けたことによって出生に抑制が掛かるのではないかということを、後藤委員でしたかね、民間の調査結果を基に問われたところ、大臣は、それについては限定的ではないかというふうに御答弁されているわけなんです。
 限定的であったとしても、国難である少子化の今、出生数を上げようという改正であるはずなのに、逆に出生に抑制が掛かる政策を進めていく意義というものがいまいち私はまだ分かりません。全体的なバランスを見たということは何回もいただいてはいるんですが、まだちょっと、その意義を質問させていただいているんですが、答えていただいていないんですよね。御答弁ではなぜか、国難である、今回私が聞いたことではなくて、児童手当見直しの意義についての御答弁にすり替わっていたんですね、本会議では。
 ですので、改めてお伺いをさせていただきます。一定の層にほとんどやっぱりメリットがないというところは大臣も分かっているからそのような御答弁を衆議院でしたんだと思いますが、負担だけ強いられてしまうような層があるような日本の子育て政策では出生率が上がってこないというふうに思っています。限定的であったとしても出生に抑制の掛かる政策を進める意義、それを教えてください。

#40
○国務大臣(坂本哲志君) 繰り返しになりますけれども、私たちは、結婚、妊娠、出産、そして子育て、こういった全体のライフステージの中での政策づくり、対応策というのをしているところでございます。ですから、この全体を見た場合に着実に前に進んでいるというふうに考えております。
 今回の児童手当の見直しにつきましても、先ほど言いました結婚支援に一定の助成金をつくる、それから不妊治療助成の拡充、男性の育児休業の取得促進など、こういったものも含んでおります。
 繰り返し繰り返しになりますけど、結婚、妊娠、出産、子育てのライフステージに応じた総合的な少子化対策に私自身も強い思いを持って取り組んでまいりたいというふうに思っております。

#41
○塩村あやか君 そこで、ちょっと重ねてお伺いをさせていただきます。とすると、この先も、EBPMできちんと見てきたように、一千二百万円でいろいろなものの支援とかサービスを区切っていくという考えは変わりないということでよろしいですか。

#42
○国務大臣(坂本哲志君) 附則の中で様々な検討事項を設けておりますので、それはその中でいろいろと検討してまいりたいと思いますし、その一千二百万円等々につきましては、何回かお答えしておりますけれども、今、この法案の成立後、その後、変更する予定はありません。

#43
○塩村あやか君 ちょっとストレートに答えていただいていないなというふうに思うんですが、いろんなものの支援を切らなきゃいけないときには、基本的にEBPMでほかの制度と合わせていくとこの一千二百万円辺りが妥当であろうというような御答弁だったと思うんですよねと。ここについては今後もこのラインでいくのかということを私はお伺いさせていただきました。
 例えば、幼児保育の無償化というものは全員に該当するからここは当てはまらないということは分かるんですが、切っていくと、どこかで制限を設けなきゃいけない、本来余り設けるのはよろしくないと思うんですが、どうしても財政的に仕方ないというところはあるとは思うんですが、そうしたときにはやはりこうした考え方でいくと。そうすると、その層はやっぱりメリットは相当薄くなってくると思うんですが、いかがでしょうか。

#44
○国務大臣(坂本哲志君) 繰り返しになりますけれども、結婚、妊娠、出産、子育て、全体を見ながら私たちの政策づくりを進めております。何かを切る、何かを付け足すということではなくて、全体としてそれが少子化にどう効果的であるかということを考えながら、今後も政策づくりをしてまいりたいというふうに思っております。

#45
○塩村あやか君 ありがとうございます。
 その時々で見ていくというのは当然だと思うんですが、やっぱり今、一千二百万円のところで大分切られてしまっていて、いろんな支援が受けられなくなった人たちというのはピンポイントでやっぱり出てきてしまっているわけですよねと。
 この件について本会議で伺わせていただいたところ、どのような支援をするのかということを聞いたところ、くるみんとプラチナくるみんがあるということを大臣は御答弁で挙げられました。これは企業に五十万円の助成金を払うという制度で、本人たちに直接入るわけでもありませんし、この制度自体は私すごく大賛成で応援しているんですが、その人たちがその企業に勤めているとも限らないわけです。ですので、ちょっと苦しい答弁だったかなというふうには思っているところなんですが。
 先ほど申しましたが、支援制度自体が結構年収のところで区切られてしまっていて、特例給付を今回外したということで、やっぱり私はひどいなというふうに思っているんですよね。そうした声もたくさん届いているところです。
 今、今回の法案なんですが、子育て支援の拡充になっているということで大臣は考えているのかと。サービスはたくさんある、けれども使えないサービスもたくさん外されているところだと思うんですが、その辺りのバランスというのは、大臣、どのようにお考えでしょうか。

#46
○国務大臣(坂本哲志君) 私は、子育て対策に寄与しているというふうに思いますし、全体的なバランスを取りながらその政策を進め、今回この法案の提出になっているというふうに思っております。
 ですから、高所得者も含めた今後の子育て世帯全体での支援を進めていかなければいけないというふうに思っております。

#47
○塩村あやか君 分かりました。そういう答弁になるだろうなというふうに思いますし、おおむね分かる部分でもあるんですが、やっぱり現状一千二百万円以上の方たちというものはいろんなサービスとかを切られてしまっているような状況で、この今回の改正を見てみれば、やっぱりその方たちにとっては子育て支援の充実になっているかと言われればそうではないというふうに私は思っているので、その認識を持っていただかないと、次にまた何か改正があったりとか子育て支援の法案が出てきたとか、またそこから何か落ちてしまう可能性があるんですよね。
 だから、全体的にとおっしゃるのであれば、これまで、EBPMで一千二百万円ぐらいから全部外すという判断をされてきたということなんですが、全体のバランスを見ながら毎回ここからの層を外していくということは、逆に全体のバランスがやっぱり見えていないんじゃないかなと。
 少子化というのは国難ということですから、お子さんを育てている皆さんが、本当に子供を産んで育てやすい国にしていかなくてはいけないというふうに考えると、ちょっと今回の改正については私はやっぱり賛成ができないなというふうに思っているところです。
 子育て支援が充実していると言われているような国の児童手当は、日本のように所得制限は設けていないんですよねと。所得制限は、普遍的な制度になっているわけです。子供の年齢や数によって支給額とか変わっていくんですが、親の所得で支援が切られるということはないわけなんですよねと。
 これまで日本も、特例給付を通して、何とか制度創設以降、全ての子供を対象としてきたはずなんです。普遍主義に近かった形から、完全に今回選別主義に移行することになってしまうということになるんですが、これはこの先、児童手当の対象にならない子供が増加する道を開いたというふうに指摘をされている方もいらっしゃって、私もそうだというふうに思っています。
 大臣は、今回の子供手当で選別主義に切り替わっていくことについてどのようにお考えか教えてください。

#48
○国務大臣(坂本哲志君) 幼児教育、保育の無償化や、それから不妊治療の助成の拡充、あるいは所得の多寡にかかわらず、支援が必要な方に対してその必要な支援を重点的に提供するという、こういった制度上の支援、いわゆる現物給付と、それから一方の方で、児童手当というのは、それぞれの家庭等の生活安定に寄与するとともに、次代の社会を担う児童の健やかな成長に資することを目的とし、使途の定めのない現金を支給するもの、現金支給でございます。
 そういうことで、それぞれの制度、制度の長所というのをしっかり取り入れながら政策をつくり上げているということで御理解いただきたいというふうに思っております。

#49
○塩村あやか君 その言っていることは分からなくもないと何回も言わざるを得ないんですが、やはり先ほど自民党の委員の質問にもありましたが、結局財源を取ってこないとどうしようもないわけなんですよねと。守ってもらう部分があったと思うということは私さっきお伝えしたとおりなんですが、財源の部分でやっぱり引っかかっちゃうからこういうことになってしまって、国難であると言われている少子化にもかかわらず、このようなことになってくると。
 一方で、そのサービスの部分は拡充されてきたというのは本当に有り難いことだというふうに私も思ってはいるんですが、国難というのであれば、しっかりと財源を取ってこなくては本当の国難の突破になるのかというところなんです。
 ですので、大臣には、その財源を取ってくるということの重要性について、改めて最後にこの法案についてお伺いをしたいというふうに思っています。

#50
○国務大臣(坂本哲志君) 財源につきましては、先ほどお答えいたしましたように、やはり兆円単位で増えてきている、これまでの流れを見ればですね。その中で、毎年毎年どうやって安定した財源を確保するかということに努めていかなければいけないというふうに思います。
 今回も、先ほど言いましたけれども、私とそれから厚労大臣とともにそれぞれ大臣折衝を行ったときは、その財源の確保を強く要望をいたしました。また、経済界にも、先ほど言いましたように、何度も足を運ばせていただきました。
 これからもしっかりと少子化対策に対する財源の確保を図ってまいりたいというふうに思っております。

#51
○塩村あやか君 是非財源の確保を頑張っていただきたいと思います。ここに多分尽きるんだろうなというふうに思っています。
 続けて質問するんですが、途中の質問全部ばっと時間の関係でカットさせてください。
 次に、ほぼ最後の方に書いてある質問になるんですが、少子化のことについても私、本会議で問わせていただきました。これ、本当に少子化を何とかしようと思えば、非正規とかフリーランスがこれだけ増えて、不安定な人たちが増えた今、少子化担当大臣として何をしなくてはいけないのかと、こうしたことを本会議で問わせていただきました。本会議の御答弁では、少子化の背景には、個々人の結婚や出産、子育ての希望に実現を阻む様々な要因が絡み合っていますと、子供の数に関する希望については、子育てや教育にお金が掛かり過ぎる、これ以上育児の負担に耐え切れない、仕事に差し支えるといった理由で希望がかなわない状況があると認識をしていますというふうに大臣は御答弁をされています。
 まず、お金が掛かり過ぎるという御答弁なんですが、出生率と正の相関関係がある家族関係支出が日本は低いということ、まあ国が子育てに予算をやっぱり取り切れていないというところにあると思うんですよね。
 資料の六を御覧ください。
 これ、一目瞭然ですよね。もうびっくりというか、見慣れたものかもしれませんが。日本は子供の教育に公財政がやっぱり投入されていないわけなんです。OECDで最低レベルです。もう本当に、右から二番目ですね、日本。この状況です。子育てで一番お金が掛かるのはやっぱり教育費なわけなんですよねと。親の金銭的負担を取り除く努力をやっぱり政治がするべきですし、予算を取り切れないということは公教育の質の低下を意味していくと。日本はちょっと私立が多いというところがほかの国とは違う特殊な事情があるとは思うんですが、親の負担が大きいという点ではやっぱり変わりがないというふうに思っています。
 少し話がそれて申し訳ないんですが、日本では教師はやりがい搾取と言われて、本当に教師の皆さん、今苦しんでいらっしゃいますよねと。なり手不足が指摘されておりますが、公教育に予算をしっかりと投入するフィンランドとか北欧諸国では人気の職業だと。調べてみてびっくりしたんですが、大学の教育学部も大人気で競争率も十倍以上になっていると。子供たちも多くが今も将来就きたい職業に挙げるほどで、保護者や社会からの信頼も厚いということなんです。もちろん教師は専門職で、裁量権を持って現場で仕事をして、そして日本のような事務作業に時間を割いたりはしていないということなんですね。やっぱり日本とは全然違うということです。教育の質が高くて世界一、親も安心して公教育に預けられるということがありますよねと。
 日本は、公教育に予算を取らない国として、未来は明るくないのではないかというふうに思ってしまいます。今後、更なる国際競争力の低下を招きかねませんし、昨日の参考人がおっしゃっていたように、子供の教育も考えても、世界に人材が流出していくのではないかと、そこは私も重く心の中に残っているところです。
 話を大臣の御答弁に戻しまして、これ以上育児の負担に耐えられないというのは、子育てが女性に重くのしかかっているからですよねと。仕事に差し支えるというのも、日本が子育てに冷たい国であることの証左で、北欧のようにパパクオータになっていないということですよねと。日本はパパ・ママ育休プラスがありますが、結局男女差の賃金格差があるため、結局パパが利用しようと思えない制度になっているとも指摘がされております。
 こうした話ではよく北欧が引き合いに出されますが、実は、北欧は少子化対策として国が政策を積極的に推進したわけではなくて、子供を持って働く、男女の家庭と仕事の両立を支援するために行われた包括的政策努力の副産物であったということが指摘されているのは大変興味深いため、共有をしておきたいというふうに思っています。
 話はそれたんですが、北欧に学ぶ少子化対策という駿河台大学准教授の前田悦子氏の研究によれば、日本において未婚化、晩産化に大きく影響しているのは、男性の非正規雇用者が増加したことによる低所得者層の増加であるというふうに記されています。
 だから、私は、これだけ不安定雇用の非正規の人が増えた今、大臣は少子化担当大臣として何をしなくてはいけないのか、特にフリーランスに対して何をしなくてはいけないのかということを質問させていただきました。大臣の言葉でお考えをいただけたらと思います。

#52
○国務大臣(坂本哲志君) 幅広い御質問をいただきました。
 それぞれの国によりまして国民の負担割合が違いますので、一概に外国と同じレベルで比較することがどうかというふうには思いますけれども、やはり、今おっしゃいましたように、経済的な負担が非常に重くのしかかっているということは、それは事実であるだろうというふうに思います。
 若い世代の結婚をめぐる状況を見てみますと、やはり、いずれ結婚する、適当な相手に巡り合わない、あるいは、そして資金が足りないというものが上位を占めております。特に、男性で正規雇用の皆さんたちに比べまして非正規雇用の方々の結婚あるいは子供の数、非常に少なくなっているのは事実でございます。
 このため、少子化社会対策大綱では、若い世代の経済的基盤の安定に向けて、若者の就労支援、そして非正規雇用労働者の正社員への転換、待遇改善を進め、若い世代の雇用の安定を図ることとされておりますので、今後も厚生労働省と連携をしながら、若者の希望がかなえられるような対策をしっかりつくり上げてまいりたいというふうに思っております。

#53
○塩村あやか君 ありがとうございます。
 時間が来たので終わりますが、就職氷河期の支援も今やっぱりちょっととんでもないことになっておりますので、しっかり連携をしていただきたいというふうに思います。
 ありがとうございました。

#54
○小沼巧君 立憲民主・社民の小沼巧です。今日はどうぞよろしくお願いいたします。
 五十分間の質問時間でございますので、全体像も含めて、基本的な、根本的な考え方から含めてお伺いさせていただければと思います。
 通告の順番の前に、今二名の委員から質問があったところでありまして、それに触発されて、いきなり通告していない問題で大変恐縮なんですけれども、大臣、この今回の法改正において附則の二条で検討するということが記載されておるところであります。実態、そもそもどういうところで困っているのか、どの程度困っているのかみたいなことの実態を把握することは重要ではないかということの御指摘、それはそうだと思う。完全に同意であります。
 それも含めて検討するのだということが今回の附則の二条で入っておるということでありますが、だとすれば、なぜ今法改正をしなければいかぬのでしょうか。それらの検討を、ちゃんと実態分析をした上で今回のもろもろ改正内容が適切なのか否かということの判断をするということも論理的にはあり得るのではないだろうか、このように思うのでありますが、あえて、その実態の把握、詳細把握をする前のこのタイミングであえて法改正をしなければならない、このロジックがよく分からないのであります。そこについて御解説をいただけますでしょうか。

#55
○国務大臣(坂本哲志君) 全体的な、総合的な少子化対策を進めてまいりました。その中で最も最優先事項というのが待機児童の解消でございました。それに対してどう財源をつくり上げていくかというような政策の組立てをしていかなければなりませんでした。それに対しては、経済界からも協力を得て、最終的な待機児童の解消というようなプランができたところでございます。
   〔委員長退席、理事徳茂雅之君着席〕
 一方の方で、全体的に進めていく中で、今後検討事項になるものは、何が検討事項になるのかということで、あえてここで法案を出して、そしてその中で今後の検討事項というものを盛り込んだところでありまして、全体的なバランスの中で私たちが政策を進めているということに御理解いただきたいというふうに思います。

#56
○小沼巧君 全体的なところの中で進めていかなければならない、その考えはそのとおりだと思っております。
 全体像の中から考えていくということは同意なのでありますが、じゃ、待機児童の解消、これは最優先であると。価値判断いろいろあると思いますので、あえてそのことについて論評は申しません。そういう判断だったということでありますが、じゃ、何で、児童手当ということの今回の切下げということもあるわけでありますけれども、そっちも同時にやっちゃうということをやったんでしょうか。
 待機児童の解消ということが最優先である、だとすれば、様々な政策、予算でも何でもそうでしょう、やればよかっただけであって、事足りたんじゃないのか。にもかかわらず、あえて全体の検討がやっていないタイミングで今回の児童手当を切り捨てるということを同時にやってしまうということは、何をもって全体とおっしゃっておられるのか、正直よく分からないんですね。御説明をもう一度いただけますでしょうか。

#57
○国務大臣(坂本哲志君) 今委員もおっしゃいましたように、私たちの最優先事項、待機児童の解消でございました。それに対してどのような財源を確保して、そして、どう政策を組み立てていくかというようなことで考えてまいりました。
 そういう中で、やはりどの時点、全体的なバランスを考えますので、全体的に痛みがない、痛みがないと言うとおかしいですけれども、全体的に御負担を少し、お掛けしないということはどの辺にあるかというようなことを考えた場合に、様々なほかの制度、諸制度を参照にした結果、千二百万相当の収入があるところにつきましては全体の二%であるということも含めて、千二百万相当世帯の特例給付の見直しというのを行ったところでございますので、その時点で全体的なバランスを私たちが取っているというふうに御理解いただきたいというふうに思います。

#58
○小沼巧君 そういう御答弁でありましたが、正直分からないんですね。全体をとおっしゃっておきながら、どこが全体の範囲なのだろうか、正直分からぬのであります。
 既存の財源、内閣府の子ども・子育て本部の中での財源のやりくりということを全体像として取られておるんだったら、それはそういうロジックになるというのも分かります。
 でも、今のこの世の中を見てみますと、例えば、大臣は中心市街地の活性化の担当でもたしかあられると思うんです。そういうところの文脈で一つ例を申し上げてまいりますと、インバウンドとか観光とかで交流人口をたくさんやりましょうということは中心市街地活性化の目的の一つであったわけであります。そのためにGoToキャンペーンも取っておったんですけれども、現在止まっているという意味で、子ども・子育て本部という枠、まさに縦割りの枠を超えて考えると、バランスということはそこでも取れ得るんじゃないだろうか。縦割りの打破とかっておっしゃっておきながら、まさにデジタル庁とかいってやっておられるわけであります。
 そのおっしゃっておられる大義名分と、今回あえて子ども・子育てという文脈の縦割りの中に隠れてやりくりするということは、どうにもこうにも全体のバランスといったものをどのように考えておられるんだろうか疑問でありまして、そういう意味で二つですね、その全体的なバランスと考えておられるときに、その全体という範囲はどこまでを指すのかということが一点であります。
 もう一点は、バランスを今回取って、要すれば待機児童関係でプラスにした、児童手当関係でマイナスにしたということで、プラマイでバランスが取れたということの判断だというふうに解しますが、これで子ども・子育てに関してはバランスが取れたものとなっていく、完成形であるというような御理解でよろしいのかどうなのか。
 この二点、ちょっと通告もしておらず恐縮でございますが、今までのことを踏まえてお伺いさせていただければと思います。

#59
○国務大臣(坂本哲志君) 待機児童の解消でプラス、そして児童手当でマイナス、それでバランスという考え方ではありません。全体の少子化対策の中でのバランスを取った政策ということです。
 それから、やはり私たちとしては、毎年必要な予算であります。そして恒久財源であります。こういったことを考えた場合に、その制度改正に基づきまして、今後も財源、安定的な財源を確保する必要があるということで、今やれる全体的なバランスを取りながらその政策をつくった、あるいは法案を作成したということで御理解いただきたいというふうに思います。

#60
○小沼巧君 一段目の全体の範囲ということはどうなのかということについての御回答がまだだったかと思います。
 更問いをお願いして、一段目の全体とおっしゃったところのバランスというものの範囲、全体の範囲はどこなのか、子ども・子育て本部の中に閉じるものなのか、それとも内閣全体に閉じれば、広げたときのものなのか、正直ここの範囲が分かっていないんです。そこについての御答弁が今の話からはちょっと理解し切れなかったものですから、もう一度分かりやすく御解説をお願いできればと思います。

#61
○国務大臣(坂本哲志君) 予算としての全体、それから少子化対策としての政策としての全体、この全体というものを私は頭の中に入れながら御答弁をしました。
 そして、その全体のバランスを考えた上での今回の政策であり法律であるわけですけれども、この後については、その附則条項というものを付けているということで、今後のことについて更に、これで完成形ではありませんので、今後どのようにしていくかということをまた議論していかなければいけないというふうに考えております。

#62
○小沼巧君 今の話でありますが、私もGoToキャンペーンという具体的な事例を挙げましたけれども、ランニング、恒久的ということで考えると、ほかにもランニングで資するような予算というのは多数役所の中では、役所という意味では内閣全体の役所ですね、中にあると思いますね。そういうところの検討というのも本当になされた上での今回なのかということは正直分からないままでありまして、それについては通告も十分にしておりませんでしたから指摘だけにとどめますが、この点、全体とおっしゃっておるところは一体どの程度なのか、そこまで真剣に考えておるものなのか、そういうことを考えていないから検討規定が置かれているんじゃないのか、附則に、ということが思うわけであります。
 さて、そういうことになりまして、じゃ、通告しておったところに従いまして幾つかお伺いしてみたいと思います。
 まさに大臣、何度も繰り返し、この委員会の中でももう十回ぐらい繰り返しましたでしょうか、全体、全体像ですね、正直これがよく分かっていないのであります。
 少子化、問題だということをよく言われますけれども、いつから問題かと言われ始めたかというと、まあ十年、二十年、三十年と遡るのかもしれません。ただ、経営コンサルタントとして首を突っ込んでおった経験から申し上げると、少子化というのは現象であります。ファクト、データであります。問題は、誰にとってどのように問題なのかということはより一歩深く考えなければ、誤った論点設定で誤った答えにしか導かれぬのではないかなと思うのであります。
 少子化対策、子ども・子育て、非常に大事だということはここにいらっしゃる委員の方々みんなの共通認識だと思いますが、世代によってはいまいち評判が悪かったりする。もう終わった世代においては、今はもう、自分たちの力だけで頑張ったんであり、何でこれからの、今、今時子育てしている人たちだけ何か優遇するんだみたいなこともあるでしょうし、あるいは、あえて子ども・子育てをしないという選択を、自発的ないしは受動的、様々な理由はありますけれども、した方々もいらっしゃるわけでありまして、その人たちとの不平等感ということもどうにもこうにもあるんだろうなと。
 物によって、世代にしろ、人によって、立場によって、何を、何がなぜ問題なのかということの定義は異なってくるわけなんでありますが、少子化、これが問題であるということをずっと言い続けておりますけれども、政府として少子化という現象はどういう観点でなぜ問題なのか、この点についての検討はどう行ってどういう結論を導いておるのか、まずはこの議論から整理をしてみたいと思いますので、大臣のそこの点の御見解をお伺いいたします。

#63
○国務大臣(坂本哲志君) 少子化はなぜ問題なのか、その前に、その前提として、二〇一九年の出生数の、九十万人を割って八十六万ショックというものを私たちは受けました。その少子化の深刻さに対して危機感を持っております。
   〔理事徳茂雅之君退席、委員長着席〕
 それから、少子化の原因といたしましては、先ほどから言っておりますけれども、未婚化、晩婚化の進行や、夫婦の持つ子供の数の減少がありますが、その背景には、個々人の結婚や出産、子育ての希望の実現を阻む様々な要因が絡み合っていると考えております。個々人が結婚や子供についての希望を実現できる社会をつくるためにどうしたらいいのか、こうした希望の実現を阻む隘路の打破に今強力に取り組むことというのがまず前提として必要であるというふうに私は思っております。
 そして、なぜ少子化が問題なのかということでありますけれども、人口減少と同時に高齢化が進みます。そして、労働供給の減少が進みます。将来の経済や市場規模の縮小が進んでまいります。経済成長率が低下をいたします。地域社会の担い手が減少をいたします。さらには、現役世代の、先ほどから言われました負担の増加など、結婚しない人や子供を持たない人を含め、社会経済に本当に多大な影響を及ぼしてまいります。そういうことを考えますと、少子化は国民共通の困難であり、そして真正面から立ち向かっていかなければならない課題であるというふうに認識をいたしております。

#64
○小沼巧君 分かったようで分かっていないんですね。
 何でかというと、最終的にそういう結論になるということは理解できなくもないんです、私としても。今おっしゃった、何ゆえに問題か、労働人口の減少だということによって経済活動の停滞ということもありました。高齢化に伴って言わば若者一人当たりの負担が増えるんだよねということの話でありました。
 そういう問題の定義をすると、一段目は解決策って何が出てくるかというと、要は移民を受け入れるとか女性の働きやすい環境、高齢者が働く場を増やすとかというような対策になるでしょう。二つ目の話を真っ正面から受け止めると、要は若者の活力は大事なんだよねということであれば、高齢者に手厚い社会保障体制自体を改革する、若者の負担を軽減するために高齢者に泣いてもらうというような解決策が論理的には導き出されてしまうのではないかと思うんですね。
 二つの解決策って両立するのかどうなのか、正直よく分からないんです。どちらも両立するような対策があるんだったら是非とも教えていただきたい、正直、私も今答えを持ち合わせていないものですから。
 その点についてあえて解けない論点設定をして、それで何かやった感じになっているということのまま、問題が解決が見込まれないまま、取りあえずがむしゃらに頑張るしかなくなっているというような状況に追い込まれているのがまさに大臣のお立場なのではないかと今の話を聞いて思ったところでありますが、その点、どのような御理解、御見解をお伺いできればと思います。

#65
○国務大臣(坂本哲志君) 今言われました、移民政策は移民政策として、あるいは高齢者政策は高齢者政策として、それぞれ国全体の問題でありますので、進めていかなければならない部分があるというふうにも思います。
 ただ、私たちといたしましては、この我が国の中で先ほど言いました人口減少が進んでいく、あるいは高齢化が進んでいく、様々な経済的なダメージが大きくなる、こういったものに対して、やはり国としてあるいは私たちとしてどう向かっていくかというようなことでこの少子化対策を実行している。その中で、結婚、妊娠、出産、子育て、こういったそれぞれのライフステージに合った対応策を考えているということであります。

#66
○小沼巧君 ちょっとよく分からなかったです。私が申し上げているのは、誰にとってなぜ問題なのか、これが定義されないと適切な答えというのは導き出せないよねという、いわゆるコンサル的な発想なんでありまして。
 じゃ、あれですか、今の話を見ると、全体で考えなきゃいけないよねと、労働力人口の減少という文脈のところで考えると、移民も受け入れた上でやっていかなきゃならないみたいなお話でありましたけど、それはやっていくということなんですか。

#67
○国務大臣(坂本哲志君) 委員の方から移民の話が出ましたので移民という言葉を使いましたけれども、我が国は移民政策を取っていません、外国人労働者ということでやっておりますので。
 それぞれの、高齢者にしても外国人労働者の問題にいたしましても、それぞれの各担当府省で考えていくことであるというふうに思いますけれども、私の方では、今言いましたように、やはり人口減少、高齢化、あるいは経済への様々なダメージ、そして何よりも子供の健やかな育成、健全な育成、こういったものに多大な影響を与えてくるということで少子化対策を進めているところでございます。

#68
○小沼巧君 安心しました。私もこれ、純粋に論理的な頭の体操として申し上げているわけでありまして、高齢者の話、そして移民の話、これについてどうすべきだというスタンスを今申し上げ、迫っているわけではないということ、それは御理解いただければと思っております。
 さて、その上で、じゃ、ほかに問題があるのか。労働人口の減少、生産年齢人口による減少、様々ありますけれども、じゃ、そういった問題二つを解決する内容になっているんだったら話は分かるんですね、今回の政策、法律改正及び様々な政策が。じゃ、そうなっているのかということがよく分からないので、全体とか総合的、俯瞰的ということの話ですが、分けないと分からないんです。分ければ分かるので、そういう意味で分けて考えてみようかなと思っておるのであります。
 さて、プラスの部分ではどういうことに今回なっているかというと、よく何度も繰り返しておられる結婚とか不妊治療とかあるいは男性の育休みたいな、そういう話でプラスになっている。それは、全体としては子供を産み育てやすい環境の整備ということになるんだと思います。他方で、児童手当の削減ということは、要はマイナスに作用するものだと思うわけであります。
 で、そうじゃないということが全体でのバランスなんだということでおっしゃっておりますけれども、正直、じゃ、それらの四つのパーツ、結婚支援、不妊治療、男性育休、そして児童手当、それぞれのパーツがいかなる役割を果たして全体として調和が取れたものになっていると判断なさっているのか、考え方及び基準が正直私には見えていないのであります。
 更に言えば、それが労働人口の減少という話であり、あるいは高齢化、すなわち若者の負担の増加、これを何とかしなければならないというところにどのようにつながるのか、この因果関係が正直分からないのでありまして、その点についての分かりやすい御説明をお願いできればと思うのですが、いかがでしょうか。

#69
○国務大臣(坂本哲志君) なかなか難しい質問で、私もどういうふうに答えていいか分からないんですけれども。
 先ほどからの繰り返しにはなりますけれども、政府といたしましては、個々人が結婚や子供についてのことを、子供についての希望を実現する、そういう社会をつくっていかなければならない。それから、少子化対策における基本的な目標として少子化社会対策大綱に今掲げているものに基づいて全体的に取組を進めていかなければいけないということであります。
 そういう中で、先ほどから言っております幼児教育、保育の無償化とか、あるいは不妊治療の助成拡大とか、こういうものが出てきているところでございますので、同じことの繰り返しになりますけれども、それぞれのライフスタイルの中で、あっ、ライフステージの中で支援策を全体として充実させていくということに心掛けているところでございます。

#70
○小沼巧君 いや、その全体がどうなるかということは正直難しいというのは分かるんですよ、私も。重々承知ですよ。だから、最初に私も冒頭で、何かしらスタンスがあるとか正直申し上げられないなということは、そのとおりだと、私も同感だからであります。何を問題とするか、どういう因果関係になっているか、その検討が正直私もできていないし、政府の中においてもできていないというのが実態のところなんだと思います。
 だからこそ、検討の規定ということが設けられているんだろうなと思うのでありまして、そのゆえの、かかる観点から、何ゆえに児童手当だけが切り下げられちゃうような、そういう法改正になってしまっているのかなというのは、これが引き続き理解ができないということが大きな今回の法案における審議に臨んでの問題意識なのであります。
 さてと、そういうようなところでありますが、じゃ、ちょっと全体、前回の質疑も、時間もあれでしたので、前回の質疑も踏まえたところのお話を幾つかお伺いしてみたいと思います。
 恐らくは基本的な対立軸になるんだろうと思うんですが、子ども・子育て、これを社会的にどう位置付けるのかということについて基本的な考え方の違いがあるのではないだろうか、ゆえに今回の法案に対する立場の違いになって表れてくるのではないのかなと思っています。
 具体的には、十八日、だから二日前ですね、二日前、おとといの質疑で、子供は家庭で一義的に育てるものなのか、それとも社会全体で育てるものなのか、こういうようなことについて考えが変わったんじゃないでしょうかというような質疑がありました。
 大臣はこのように前回述べておられます。時代の変化とともに、社会全体で子供を支え、育てていく、そういう考え方が一般的になってきている、また、政府の方では子育て世帯全体の支援をこれまで充実させてきた、そういった延長線上に今の政策もある、子供は社会全体で育てるもの、家庭も同時に責任を持つものと、こういうような答弁に今なっているということでありますけれども、これは、このような考え方はなぜに変わったのか。そのタイミング、そして変わったきっかけ、こういったものは何だったのか、そしてそれを変えた理由についての御解説をまずお伺いできればと思いますが、いかがでしょうか。

#71
○国務大臣(坂本哲志君) なぜ変わったか、基本的には変わっておりません。核家族などの進展によりまして、家族の在り方や家庭、家族を取り巻く環境が多様化をいたしております。そういう中で、子育てについての第一義的責任を持つ父母などの保護者が共に支え合いながら子育てを行うこと、これは変わっておりません。そして、その家族を社会全体でバックアップしていくこと、これが必要であるというふうに考えております。
 そういうことで、少子化の進展が、先ほどの御質問とダブるかもしれませんけれども、社会経済に多大な影響を及ぼす国民共通の困難であり、社会全体として子育ての重要性、こういったものを共有しながら政策をつくり上げていくということが大事であるというふうに考えているところでございます。
 もう一度繰り返しますけれども、従来から、子育ては父母その他の保護者が第一義的責任を持つものである、それとともに、子育て家庭が次代の社会の担い手である子供を安心して産み育てることができるよう社会全体で子育てを支えるという考え方、この考え方で取組を進めているところであります。

#72
○小沼巧君 要は、オアではなくてアンドだということだというように理解をいたしましたが、そうすると、済みません、今手元に議事録ないのであれですが、ちょっと正確な文言はあれですが、杉尾委員からの質問の中で、基本的に大臣は考え方変えたという理解でよろしいですねという話になって、大臣、反論なさっていなかったと思うんです。何で反論を、反論なり、いや、変えていませんという今の答弁をなさらなかったのかなということを不思議に思っちゃうんですけれども、前回の十八日の杉尾委員との質疑におけるやり取りと今の答弁だけからすると、そごが生じてしまうのではないかなと危惧します。私が申し上げたのも、杉尾委員の話を言葉を少し換えて申し上げただけでありますので、正直どっちなのかなということがよく分からないところであります。
 考え方変えたのか変えてないのか、今二つの答弁が出てきてしまっている状況なので、どっちが正しく理解すればいいのかちょっとよく分かりませんので、もう一回ちょっと明確に、どっちが正解なのかお答えいただけます。

#73
○国務大臣(坂本哲志君) 社会全体の核家族化、あるいは家庭環境、社会を取り巻く環境、それは変わってきております。その中で変わらないものは、私が先ほど答えた、第一義的には家庭、父母、そしてそれをやはり社会全体で支えていくということであります。
 おとといの質問につきましては、私のブログについて、を取り上げて、そのブログに対しての様々な御質問も加わりましたので、私の考え方そのものはトータルでは変わっておりませんけれども、当時は野党として与党の子ども手当に対して自民党としてどういう考えを示しているかということを表現した、あるいは表明した、ブログに書いたものでございます。そういう中でお答えをしたということでございます。

#74
○小沼巧君 まあ、言いたいことはいろいろありますが、政府としてのお立場ですので、そこについて突っ込むのは私の流儀にも反するものですから、ここはここで終わりにいたしますが、じゃ、いずれにせよ、一義的には家庭が責任を持つと、アンドで社会全体でもやっぱり責任を持つもの、育てるものなんだということでありました。
 これは変わっていないということでありますが、だとすれば、今回の、具体的なところで申し上げますが、六十一万人の子供の児童手当、これを要すれば廃止するということであります。十四万人の保育機会の確保の代償に六十一万人の子供の児童手当を廃止するということは、その社会全体で子供を育てるものという大臣も御賛同、お認めいただいた考え方からすると、どのように理解されるのかよく分からないというものであります。
 かつ、言えば、排除されちゃうような子供だったり、あるいは親御さんに対する弁明をしなければならないと思います。なぜにそういう排除をするのか、この点について、今回の国会質疑で、開かれた公開のところでありますので、そういった排除される方々に対するお言葉、これを納得できるようなお言葉が必要ではないかと思いますが、この点について御解説及びお言葉をいただければと思います。いかがでしょうか。

#75
○国務大臣(坂本哲志君) 私たちは、その代償とか、それから排除、その論理を取っているわけではありません。
 まず、最優先課題が待機児童の解消である、そのことに、一定の最終解決にめどを付けなければならない。十四万人の受皿をつくることによって一万二千人の待機児童、こういったものをしっかり解消していくんだというようなことをつくり上げたところであります。
 そして、全体としてこの少子化対策を進めていく中で、できるだけ国民の皆さんたちの負担を軽くしながらこの対応策、児童手当も含めて進めていくかということを考えたときに、ほかの諸制度を見た場合に、一千二百万円相当というようなことで様々な手当あるいは保育料の支払、こういったものが今定められておりますので、そういう中で、一千二百万円相当の家庭、一番所得が多い方の所得が一千二百万円相当であれば、これに対しては特例給付を見直すというふうにしたものであります。

#76
○小沼巧君 まあ、その論理は使っていないということで、言葉尻を捉えるような話になってしまって大変恐れ入りますが、優先するということを真面目に考えた方がいいと思うんですよ。優先するということは何かということは、こっちを取ってあっちを捨てるということですね。まさに戦略であります。
 十四万人の保育機会の優先、まあそれは大事なこととして価値判断があったということは認めましょうと。でも、様々なほかの制度を見た、負担の話、全体として見たと言うけれども、だから六十一万人分の子供の児童手当をなくす、排除じゃないという言葉を言うのであれば何を言うのか、答えていただければと思うんですが、いずれにしろ、なくすことには変わりないですね。という意味だと、結局のところ、ここに対して、あなたたち、すなわち六十一万人分の児童手当はなくなるのでありますということが具体の効果だと思います。言葉遊びにならないように、そこに対しての説明というものは改めて必要なんじゃないかなと思うんですね。
 全体的に見て、分かりますよ、制度をつくっておる者であれば。でも、いきなり児童手当がなくなっちゃう人の立場に立ってみると、全体としてこうだから受け入れてくれというのは、これはもう不条理極まりないと思うんであります。その人たちに対する説明の言葉がなければ、理解をしてください、理解を求めていくとおっしゃったところでも全く目的は達成されないと思います。
 改めて、この点についてのお言葉いただけますでしょうか。

#77
○国務大臣(坂本哲志君) 少子化対策あるいは子育て対策、今回で完成形ではありません、その途上であるということであります。その途上の中で私たちは一千二百万円相当以上の家庭に対しての見直しをしたということでございます。
 一方の方で、家族関係社会支出の対GDP比等々は、平成二十五年の一・一四%から一・六五%に伸ばしているということで、一方の方で兆円規模の予算を増やしていきながら、そして待機児童を解消し、そして千二百万円相当の皆さん方に対して特例給付の見直しをするという、その途上の中でこの政策がある。であるがゆえに、附則を設けて、そこで検討事項を設定したということでございます。

#78
○小沼巧君 途上の中でやるということであれば、しっかり考え直してから新たに法律出し直すということもあり得るんじゃないでしょうか。予算の問題ということなのであれば、御案内のとおり、様々補正予算なんて組み続けておるわけですよ、我が国においては。当初予算で駄目だったら補正予算でということは、正直、中小企業対策を始めとして常態化しているのが我が国の現状であります。
 ということに鑑みると、予算の話が大事だということであれば、またそれでできたんじゃないだろうか、当面の間。その間に、改めて千二百万円というようなこととかで、収入とか資産を要件としてあら探しをさせるようなこと、あるいは別に妬みそねみみたいな感情、分断を生むようなことということを今回の法律でやっちゃわなくて、あえてちゃんと検討した上で出し直すということの方がよかったのではないだろうか。
 こういう考え方もあると思うんですが、そうしない理由、もう一度いただけますでしょうか。

#79
○国務大臣(坂本哲志君) 先ほども御答弁申し上げましたけれども、予算は継続的なものでございます。毎年毎年、予算を、安定的な財源を確保していかなければなりません。一方で、これは恒久財源でございます。財源としてそこに恒久的に一つ一つ積み重ねていかなければいけないというような性格のものでございますので、そういう中で、安定的財源を確保しながら、これからも更にその検討なり努力を続けていくということでございます。

#80
○小沼巧君 じゃ、恒久財源をちゃんと見付けてからという検討をした上でこういう措置をするということをやればよかったのではないかとも思うのでありますけれども、多分同じことを聞いても同じ答えしか返ってこないと思うので、じゃ、そこが考え方の違いなのかなという気がいたしました。
 我々は、やっぱり収入とか資産とかということを要件として、もうそういったものをつくる、分断みたいなものを生み、させるということの発想には正直立ちません。子供というのはやっぱり社会全体で育てるべきものであろう、そういう観点から普遍的な主義に立って全体で育てましょうよと。そういう何かあら探しをしたことによって、対立、分断、場合によっては差別みたいなバッシングみたいなことも残念ながらこの国においてあるわけですよ。反発とか様々なバッシングとか、そういったことを生まないようにさせるということの考え方でもってやっていかなければいかぬのではないだろうか、このように思うわけであります。
 少子化の話につきましても、やっぱり様々世代によって、あるいは立場によっていろいろ反発というのはあるのは事実だと思います。そうであったとしても、基本的な考え方として、やっぱり情けは人のためならず、こういった観点でちゃんとみんなで育てていきましょうよ、結果的に様々な社会の担い手、支え手になってくれるでしょうよという観点から、全ての子供を大切にするという発想で物事を決めていくことがこれから求められることなんじゃないのかなと思うわけであります。
 という観点からもう一つ、世帯合算との関係で、これも前回の参考人からの意見陳述について、幾つか指摘がありました。いわゆる所得制限についてであります。
 支援の崖が発生してしまうと、これによる買い控え、働き控え、消費控え、夫婦の多様な就業行動への制約になってしまうというようなことが今回の法改正の内容の中での意見として記されております。子育てとかもろもろ、社会生活に対する不安があおられる、まさに不安があるからこそ国内消費というのは盛り上がっていかない、その不安を解消すること、不満とか不条理とか様々あると思いますけど、そういった不、これを解消することこそが私は経済政策としてあるべき姿であり、かつ子育て政策のあるべき姿だと私は思います。が、ここで更に不安をあおるようなことをやってしまうというのは、少子化対策のみならず、国内景気、とりわけ国内消費の喚起という観点からも逆行してしまうのではないか、このように私も参考人の意見を踏まえて考えたところであります。
 このような所得制限による支援の崖の発生、働き控え、消費控え、夫婦の多様な就業行動への制約といったもの、こうなってしまうのではないかということの意見がございますが、これに対する御見解をお伺いいたします。

#81
○国務大臣(坂本哲志君) 崖世代という、崖現象といいますか、そういった消費に対するおそれ、そういったものが出てくるんではないかというようなことでございますけれども、そういったものを私たちは十分考えながら、先ほど、一千二百万円という基準を、ほかの制度を参照にし、そして九百六十万円収入の家庭と一千二百八十万円収入の家庭の支出状況を見ながら決めさせていただいたということでございます。
 そうした、繰り返しになりますけれども、全体のバランスを考えた措置ではありますけれども、子育て世帯へのトータルの支援は確実に今拡充をしている、そして財源も、私たちとしては安定的な財源を確保しながら毎年予算化しているということで御理解いただきたいというふうに思います。

#82
○小沼巧君 ちょっとね、そういう答弁だとなかなか残念なんですね。何でかというと、全体としていいから大丈夫だ、あなたは泣け、全体として増やして、予算を増やしているんだから、あなたは別に予算増やさなくても納得しろ、こう言われちゃうと、なかなか、まさに支援策の制度のはざまの中で、はざまにおっこっちゃう不条理の極みでありますよ。それを正すということがない限りは、残念ながらそれは政治としてはよろしくないのではないかと、こう思うわけであります。
 さきの質問でも、受け止め、まさにユーザーですな、国民とかのユーザーの受け止めどうですかというような質問に対して様々だという御答弁がありました。まさに様々だと思いますよ。制度の横並びは確かにそうかもしれない。でも、それによって受け止め方というのは様々でありましょう。
 実際問題、全体として良くなっているかもしれない。全体の名目にかまけて個別に支援策が失われちゃうような、そういうところに対する支援、手当というのが、今回のだけでいうと部分的には切下げじゃないですか。もちろん、ほかのいろんなところはありますよ。もちろん、いろんなほかの支援策はありますよ。結果、消費も停滞するであろう、働き方自体も控えることになるだろう、様々な働き方自体も制約になってしまうだろう。このことは、少子化、子ども・子育てのみならず、国内経済、国内消費を喚起する手段からも私は間違っているのではないだろうかと、このように思うわけであります。
 だからこそ、是非、まさにその制度のはざまでおっこちる不条理に対して、そのようなところに向き合う人たちに対する答弁としていただきたい。全体として良かった云々かんぬんという答弁は通じないのであります。改めてお願いします。

#83
○国務大臣(坂本哲志君) 働き方あるいは消費、そういったものに影響しているんではないか、そのはざまで、はざまにいる人が生じるんではないかということでありますけれども、私たちは、先ほど言いましたように、ほかの制度も参照しながら、そして、それぞれの所得を得られている家庭の支出状況を参考にしながらこの千二百万円という数字を決めさせていただきました。
 同時に、高所得者の子育て世帯につきましても、幼児教育、保育の無償化を始め様々な対応をしているところでございます。その様々な対応をしているということは御理解いただきたいというふうに思いますし、そのことが、様々な対応をしながら、一方の方で、その一千二百万円の特例給付の見直しということが働き方や消費の落ち込みまでつながっていくというふうには考えておりません。
 できるだけ多くの国民の皆様方の負担を軽くしていく、そしてしっかりとそこにはそれだけのエビデンスを持って判断をしていく、そういうことで今回の一千二百万、あるいは法案を作らせていただいたということで御理解いただきたいと思います。

#84
○小沼巧君 分かりました。
 更問いであります。様々な話ということは分かりました。様々な負担の軽減とかということも必要だし、児童手当の減額のみならず、様々な支援策があるということも分かりました。プラスの意見もあるでしょう。じゃ、あとはマイナスの意見についても聞いてみたいと思うんですね。
 幼児教育の無償化とかいろんな支援策を受けられる人たちもいるわけです。その人の中で、結果的に、世帯合算の問題とかもろもろもありまして、児童手当が削減される人、されない人ということが言えると思うんですよ。されない人にとってみれば至れり尽くせりでしょう、様々な支援策を受けられている。けれども、結果的に今回の児童手当の切下げに被害を、被害といいますか、切下げの対象になっちゃう人たち、これらの人たちの意見というのはどういったものだったんでしょうか。そして、その人たちはいかなる理由で納得をしたのでしょうか。その様々の中身の一要素、是非とも教えていただきたい。

#85
○国務大臣(坂本哲志君) 様々な意見の一要素と言われましても、それをどうやって納得されたかというような一つ一つのことまでは私たちは聴取しておりません。ただ、全体として、様々な意見をそれぞれ総合的に勘案してみますと、その一千二百万という数字の妥当性、あるいはそれによって大きな負担増、そういったものが起きるわけではないというような、いろんな数字に基づいた判断はさせていただいたところでございます。
 一方の方で、先ほどから繰り返しになりますけれども、高所得者の皆様方に対しましても幼児教育の、保育の無償化を始め様々な対応をしているところでございますので、今後も高所得者世帯の皆様方も含めたこの子ども・子育て対策、少子化対策、これを推進してまいりたいというふうに思っております。

#86
○小沼巧君 残念ですね。
 残念ですねと申し上げたのは、今実際に、被害じゃないですけれども、結果的に損をしちゃう人たちの立場から物を申させていただいたわけであります。全体として云々かんぬんだから涙を流せというようなことであってはよろしくないだろうなということでありまして、じゃ、そこにどういう理屈、説得材料でもって話をしていくのかというと、理解なんかし得ないと思うんです。それの弁明の話ないしは説得の機会を与えているというか、今回提供しておるつもりであったんですが、残念ながら、全体として云々かんぬんという、ちょっとしゃくし定規的に過ぎるような答弁しか繰り返されなかったのは、理解は結局得られないだろうなと思わざるを得ないし、そのような判断をせざるを得ないところであります。
 時間ももうそろそろなくなってまいりましたので、まず一つ、じゃ、その所得制限、様々なところでございましたが、ちょっと、じゃ、その千二百万、インフレ、デフレとかになると千二百万円というのがいいのか悪いのかって容易に変わるものでありますが、その政令のイメージについてお伺いをしておきます。
 所得額の基準、これはたしか政令委任で定めるということになっておりますけれども、これ、政令で定めるイメージについてまずお答えいただきたい。そして、そうですね、まず政令の、政令で定めるイメージについてお答えをいただければと思います。

#87
○政府参考人(嶋田裕光君) お答えいたします。
 児童手当につきましては、千二百万円相当以上の方を月額五千円の特例給付の支給対象外とすることとしておりまして、政令に児童の数等に応じた所得の上限額を設定することとしております。
 具体的には、年収一千二百万円相当の方については、扶養親族が三人であれば、収入額から、いわゆる千二百万相当分ですけれども、その収入額から給与所得控除等の相当分を差し引いた所得額九百七十二万が基準となりまして、扶養親族の増減ごとに一人当たり三十八万円ずつ基準額を上下させて設定することとなります。こうしたことについては、法案が成立いたしましたら丁寧に周知をしていきたいと。
 現在、本則給付とそれから特例給付のライン、この九百六十万という収入相当額がございますけれども、これも同様の措置をとっているところでございます。

#88
○小沼巧君 それでは、千二百万円相当というところでありました。で、これは、更に下げたり上げたりする予定はあるのかということを聞くと、現時点ではその予定はないということを返ってくるというのが衆議院の議論のところでありました。ということでありましたので、あえてここについて聞きたいのであります。
 その千二百万円云々かんぬん相当のところ、現段階ではそのようなイメージで決定するということを考えております。じゃ、現段階では、ないし現時点ではという答弁が変わるきっかけはいかなるものなのか。考え方を変える、現時点では考えていないということ、考え方自体を変えるのはいかなる事情変更があった場合に考えを変えるのか。また、その場合の立法府との関係はいかなるものであるか。と申しますのも、政令は閣議決定でできるわけでありまして、立法府には報告されないのであります。
 今回、今回の法案審議で千二百万円相当ということを一つの基準として決定したのでありますが、それは今後持続するかしないか、政令委任になってしまって、国会には報告されない仕組みになっております。そこの点、まさに今後政令で考えていく、リバイス、様々していくと思いますけれども、その場合の立法府との関係の在り方、どのようなことを考えておられるのか、この辺について御答弁をお願いします。

#89
○国務大臣(坂本哲志君) 今般、児童手当の給付の在り方を検討した結果として、年収千二百万円相当以上の方の月五千円の特例給付を見直すこととしたところでありますが、今後、特例給付のみについて見直しを行うことは現時点では考えておりません。基準につきましては、本改正法案におきまして政令で定める額というふうに、今事務方からもお伝えしましたけれども、されております。
 今申し上げましたとおりに、特例給付のみの見直しは現時点では考えておりませんが、一般論として申し上げますと、制度の見直しを行う場合には様々な御意見をお伺いしながら取り組むことになる、その中に当然立法府も入ってこられるんだろうというふうに思います。

#90
○小沼巧君 答えになっていませんが、時間が参りましたので、質問を終わります。
 どうもありがとうございました。

#91
○委員長(森屋宏君) 午後一時十分に再開することとし、休憩といたします。
   午後零時十二分休憩
     ─────・─────
   午後一時十分開会

#92
○委員長(森屋宏君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、岡田直樹君が委員を辞任され、その補欠として宮島喜文君が選任をされました。
    ─────────────

#93
○委員長(森屋宏君) 休憩前に引き続き、子ども・子育て支援法及び児童手当法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。

#94
○平木大作君 公明党の平木大作でございます。
 前回の積み残しの部分からまず今日はちょっとお伺いをしていきたいというふうに思っております。
 前回、私の方からは、利用者支援事業について、特に基本型について幾つか確認をさせていただいたわけでありますが、今日は特定型の方についても改めて確認をさせていただきたいと思っております。
 この待機児童問題の解消を加速化させるためにも、利用者と保育所の間をしっかりと結んでいく、つないでいく保育コンシェルジュの役割というのはやはり重要なんだろうというふうに思っています。何年か前から着目はしているんですが、ちょっと数字上でいくと数年前のデータで、導入している自治体の数は、でも一方でちょっと少ないのかなというふうにも問題意識を持っているところであります。
 そこで、今般、実は特定型の実施要件についても緩和がなされているわけでありますが、その趣旨、内容をまず厚生労働省に御説明いただきたいと思います。

#95
○政府参考人(岩井勝弘君) お答え申し上げます。
 保育所の利用を希望する保護者と保育所をつなぐ保育コンシェルジュについては、令和二年度の補助金の交付において全国で七百五十四人の保育コンシェルジュが配置されるなど、各自治体における取組が進められております。
 これまで補助の対象は待機児童五十人以上の自治体としておりましたが、待機児童は着実に減少し、令和二年四月時点で待機児童のいる自治体の八割超が待機児童五十人未満となっており、こうした自治体においてもマッチングが重要であることから、令和三年度予算から五十人未満の自治体も補助対象としております。あわせて、国の補助率も三分の一から三分の二への引上げを行っております。
 引き続き、待機児童をできる限り早く解消するためにも、保育コンシェルジュを活用した保護者に寄り添う支援に努めてまいりたいと存じます。

#96
○平木大作君 とてもタイムリーな基本的には要件の緩和だというふうに思っております。
 この待機児童問題に頑張ってくると当然待機児童数が減っていって五十人未満になっていくわけですけれども、そうすると、まだ待機児童問題があるのにこの保育コンシェルジュが使えなくなってしまうと、そういうジレンマがあったわけで、ここに基本的には一人以上若しくはその保育の潜在ニーズが見込まれるというような形で緩和をしていただいたというふうにお伺いしました。
 ちょっと、是非これ、自治体にも改めて確認をしていただきたいんですが、私の方で、例えばほかにも要件があったはずだなと思って見てみると、実際に定員の充足率ですとか、あるいは保育所、認定こども園の設置数みたいなところも今回緩和をされているというふうに認識をしているんですが、政府の方のこの概要説明の紙には待機児童数の要件の部分しか書いていないこともあって、実は自治体向けの例えばウエブメディアですとかNPOの発信が、いわゆるここだけになってしまっている、その他の要件はそのままみたいな形でちょっと紹介しているところも散見されました。
 今、法改正がというよりは、これ、四月一日以降かというふうに思っておりますので、ある意味ほかの要件も含めてきちっと緩和したんだと、是非使っていくんだということも含めて周知徹底もお願いできたらというふうに思っております。
 続いて、くるみん認定の取得基準についてお伺いをしていきたいと思っております。
 このくるみん認定の要件の一つに男性の育児休業取得率というものがあるわけでありますが、これ具体的には、育休の取得率が七%以上とか、あるいは育児目的休暇も含めて一五%以上とか、まあ数字でいろいろあるわけでありますけれども、これ、党としても様々見直しの提言等これまで取り組ませていただいておりましたが、改めて本年一月の労政審で見直しの方向性というのが示されております。どのような内容になっているのか、お示しいただけたらと思います。

#97
○政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。
 くるみんの認定基準についてでございますが、男性の育児休業取得率が、低いながらもでございますけれども七%台まで上昇してきたことを踏まえまして、労働政策審議会においても御議論いただきまして、現在、くるみんの認定基準、男性の育児休業等取得率は現行七%との認定基準となっておりますが、これを一〇%以上に引き上げる、また、男性の育児休業及び育児目的休暇の取得率につきましては、現行の一五%以上かつ取得者一人以上という要件を、二〇%以上かつ取得者が一人以上というふうに引き上げることとすることが適当であるというふうにされたところでございます。
 また、この認定基準の見直しに併せまして、くるみんにつきまして、育児休業取得率又は育児休業及び育児目的休暇の取得率を公表していただくということを併せてくるみんの認定基準に盛り込むことについても適当とされたところでございます。

#98
○平木大作君 上がった、上がってきたんだけれど七%という、大変残念な状況に今あるわけであります。
 改めて、これ、目標を引き上げるということについては賛同するものでありますが、一方で、これ、一つは、くるみん認定取るための形式的な達成をある意味誘発するものでないといいなというふうに希望を持っているところであります。
 端的に指摘をさせていただくと、これ、いわゆる、一日とか二日で形上いわゆる育休を取る、取るだけ育休みたいなことが一時指摘をよくされたわけでありますが、一日、二日でも育休取得すると一応これにカウントされてしまうわけですね。そうすると、この認定取得のために、ある意味、ここ、本来だったら普通の有休で取っているところを一日取っておけみたいなことを会社がもしかするとやる可能性もあるという意味でいくと、改めてこの政策効果をちゃんと出していこうということを考えたときに、これは有識者の皆様からも、育休というのは実は特に早い段階でまとめて取るということの意義が大きい、男性が育休取る場合ですね、この最初のときに二週間とか一か月とかまとめて時期を取ることで、その後の育児参画も含めて男性のある意味ライフスタイル自体が大きく変わるということはこれまでも御指摘があったとおりであります。今回の答申はそういう意味でいくと一歩前進なわけでありますけれども、一方で、やはりこういったより政策効果のところに軸足を置いた引き続きの検討というのを是非お願いしたいというふうに思っております。
 また、党としてはこれまでも、特に最初の一か月間、まだ若手の方が男性育休取るときにやっぱり悩むのは、元々低いお給料がやっぱり減額された形の保障しかされていないというところにちゅうちょしてしまうということがあります。どうせだったらば、一か月間、この期間は一〇〇%給与を保障してあげる、もう一か月思う存分取ってもらえるぐらいな踏み込んだことをやらないと、なかなかこのライフスタイルは変わらないんじゃないかというふうに思っております。七%じゃなくて七〇%と言えるような時代が来るように、しっかり政府としてもお取組をいただきたいと思っています。
 このくるみん認定なんですが、中小企業での認定取得というのがやっぱりなかなかまだ進んでいないというふうに思っております。
 ここで、ちょっと御紹介したいデータというのがありまして、少し前、平成二十八年度の調査なんですが、経済産業省が行ったもので、学生の皆さんが就職活動する際に最も重視する項目は何ですかということを大分たくさんの項目から聞いているんですけれども、一位がこれ福利厚生、福利厚生が充実をしているかというところが一位、二位が従業員の健康や働き方に配慮しているかということで、何か自分が就職活動していたときと大分時代が変わったなというふうにちょっと感じながら見させていただきました。ちなみに、一位と二位の差はほぼなくて、両方とも、もう僅差なんですけど、大体四四%程度の学生がこの項目を重視するというふうに答えていまして、半数近くですよね。
 やっぱり、大分ある意味、若者の、これから世に出ようと、働こうという皆さん、就活生の皆さんの意識も変わってきている中で、ある意味、子育てサポート企業という形で世の中に認識されることが、実は、本当にこの人手の確保に苦労なさっている中小企業の皆さんにとっても実は大きな人材獲得の上でも有力なツールになるということなんだろうというふうに思っております。
 改めて、この中小企業の認定取得ですね、しっかり政府として後押しをしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

#99
○政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。
 くるみんの認定企業数は、令和三年三月末現在で全国三千五百四十八社ございますが、そのうち三百人以下規模企業は一千四百二十四社という現状でございます。
 先ほどの就活生の方々の受け止めについて御紹介ございましたが、くるみん認定を取得した企業の側が認定の効果として挙げていらっしゃいますのは、やはり学生に対するイメージアップですとか、優秀な従業員の採用確保ができるようになったといったことを挙げていらっしゃいまして、認定取得が企業イメージ向上につながり、人手不足の解消にも資するということを周知していくことが、中小企業にくるみん認定取得を目指していただく上でも効果的ではないかと考えているところでございます。
 また、中小企業に関しましては、くるみん認定を目指したくとも、従業員規模が小さくて育児休業の取得者となり得る対象の男性がいないというようなケースもございます。そういったことを考えまして、中小企業に向けては、くるみんの認定基準におきまして、男性の育休取得率の代わりに、一歳以上の子の看護のために子の看護休暇を取得した男性がいるということといったことなどの基準でもよいこととする特例を設けております。
 また、先ほども申し上げましたが、くるみんの認定基準のその取得率を引き上げるということをいたしますが、一方で、引上げ後の基準が、これから次世代育成支援に取り組もうとする中小企業にとって、ややそのハードルが高いという声もございます。そこで、くるみん取得企業を増やしていくために、くるみん、プラチナくるみんを目指していくステップになればということで、現行のくるみん認定基準を参考にして、三つ目の新たな類型、トライくるみんと申しますか、名称は未定でございますけれども、こういったものを創設することで、中小企業に次世代育成支援に取り組んでいただく環境整備を一層進めてまいりたいと考えております。

#100
○平木大作君 トライくるみん、是非、中小企業の皆さんの、経営者の皆さんの中にもとどろくようにしっかり進めていただきたいと思っております。
 それでは、引き続いて、子育て支援施策における病児保育の位置付けと整備の状況ということについて何問かお伺いをしていきたいと思っております。
 もうこれは言うまでもありませんが、政府として、昨年末発表されました新子育て安心プラン、この中で、令和三年度から四年間掛けて十四万人分の保育の受皿を整備するという、ある意味ちゃんと数値目標も含めて、期限も決めて、今取組を進めていただいているわけでありますが、これは、いわゆる通常保育の分、受皿なわけであります。
 これ、内閣府も言っていただいているとおりでありますけれども、やっぱりそれだけでは足りない。事業の中でも、企業主導型の保育事業においては、この通常保育だけじゃなくて、病児保育の事業展開支援ということもしっかり位置付けていただいております。これ、当然、通常の保育所の場合ですと、お子さんが発熱をされたりした場合、基本的にそこに預けることができないということで、働いている両親にとって、親御さんにとってどうしたらいいんだという、会社もなかなか急には休めないという中で、この病児保育の受皿というのをやはり先ほどの十四万人の受皿というのとは別にしっかり整備をしていかなきゃいけないわけであります。
 ある意味、ここの病児保育の受皿整備ということに関して言えば、市町村が基本的にはこれ各自治体ごとにこの整備計画というものを作って今取組をしているわけでありますが、国としてきちんと後押しをできているのかどうか、お伺いしたいと思います。

#101
○政府参考人(岩井勝弘君) お答え申し上げます。
 病児保育事業につきましては、子供が病気の際の保育ニーズに対応するための非常に重要な事業であると認識しております。病児保育の必要量については、各市町村において子ども・子育て支援法に基づき策定する第二期子ども・子育て支援事業計画において、令和六年度までの需要見込みと確保方策が示されているところであります。
 国といたしましては、こうした市町村における取組を支援することとしており、事業に要する経費の補助を行っております。令和三年度の予算においては、新型コロナウイルス感染症の影響等も踏まえつつ、提供体制を安定的に確保できるよう、利用児童数によらない基本単価の引上げなどの見直しを行っております。
 引き続き、市町村において必要な病児保育が確保できるよう、必要な支援を行ってまいりたいと存じます。

#102
○平木大作君 国としても今一生懸命取り組んでいただいているということでありましたが、ただ一方で、これはもうこの委員会においても既に指摘をされているところでありますが、会計検査院の令和元年度決算に関する報告書の中で、先ほども少し私触れましたが、企業主導型保育事業補助金における、これ一時預かりも含む分でありますが、病児保育事業等について、調査を行った二十五施設のうち十一の施設で事業が実際には実施されていなかったということが指摘をされております。二十五施設中十一って、大変大きな比率でもあるわけであります。
 この点について、会計検査院に調査結果の概要について改めて御説明いただきたいと思います。

#103
○説明員(山口亨君) お答えいたします。
 内閣府の企業主導型保育事業費補助金を原資とする助成を受けて実施される企業主導型保育事業の一環としまして病児保育事業等が実施されておりますが、平成二十八年度から三十年度までに助成金の交付対象となった企業主導型保育施設であって、病児保育等を実施するとして病児保育室等を整備していたもののうち二十五施設を対象として検査をいたしました。
 病児保育室等を整備したのに職員の確保についての計画が十分でなく、必要な人数の看護師等の確保ができなかったなどのため、病児保育等を全く実施していない事態、又は、当初の採算の見込みが甘く、運営が不可能であると判断したなどのため、病児保育の実施を中止していて再開する予定がない事態が、合わせて十一施設において見受けられました。
 そして、内閣府から補助金の交付を受けて事業主体に助成を行う補助事業者であります公益財団法人児童育成協会において、助成に当たり、事業主体において病児保育等を実施するために必要な職員の確保が可能であるかなどの審査を行っていない状況等が見受けられました。
 そのため、会計検査院は、令和二年十月に、会計検査院法第三十六条の規定によりまして、内閣府に対して、補助事業者において助成申込書の審査を行う際に、事業主体から病児保育等の実施体制等に係る計画を提出させて審査を適切に行うことができる体制を整備させること、また、病児保育室等を整備した事業主体における病児保育等の利用実態の把握を十分に行い、病児保育室等を整備したのに病児保育等を全く実施していないなどの事業主体に、病児保育室等を病児保育等に利用させるように指導する仕組みを整備させることなどするよう改善の処置を要求したところでございます。
 以上でございます。

#104
○平木大作君 これ、会計検査院の報告書を読ませていただくと、本当にこんなに問題があるのかというぐらいいろいろ問題がありまして、一つは、今御答弁いただいたとおり、多額の国庫補助金の交付を受けて、審査ですとか、あるいは運営費の助成、指導にも当たってきたこの児童育成協会、ちょっと余りにもずさんなんじゃないかなというふうにやはり思います。
 もう、事業者のある意味図面の中に病児保育のスペースがあったことをもってこれは計画として認めてしまうみたいなことが行われていたようでありますし、先ほどもありましたけれども、やってみたら看護師さんが十分に確保できませんでしたとか、あるいは、当初から採算の見込みが甘くて、ちょっと赤字だからやめてしまうみたいなことが普通に行われてしまっているわけでありまして、本当にこれは、利用することを期待されていた御父母の皆さんにとっても、本当にこれ落胆以外の何物でもないんだろうというふうに思っています。
 この件については、先日の日経新聞の夕刊でも、「病児保育、存続の危機」ということで記事がありました。そこでも指摘されているとおり、病児保育ってやっぱり基本的にはなかなか見込みどおりに、当然、お子さんが計画的に熱を出されたり、けがされたりするわけではありませんので、経営が見込みどおりにはやっぱりなかなかいかない、需要が平準化、事業者の側でできるわけではないという中で、元々の赤字体質ということでありましたが、二〇一八年度は全国の六六%の事業者が赤字ということであります。ある意味、赤字なんだけれども、そして事業としては極めて安定していないわけですけれども、これをしっかりと整備していかないと、実際にはなかなかその保育のニーズというものに応えることができていない、できないわけであります。
 先ほど厚労省の答弁の中でも、利用者の数によらない形でのこういういわゆる助成の在り方みたいな取組も御紹介いただきましたけれども、まさにそうやってしっかりと、国としても経営はあとは事業者任せとしないような形での支援をしていかないと、これ整備は進まないんだろうというふうに思っております。しっかりお取り組みいただきたいと思っています。
 ちょっと時間の関係もありますので次の問いに行きますが、この病児保育の整備ということについて、ここでちょっと坂本大臣にもお伺いしたいと思います。
 これ、今のは会計検査院の指摘事項でありますので、ある意味、全国の中から二十五の事業所をピックアップして検査しているわけでありますが、実際には、これ、制度自体は始まったの平成二十八年度からであります。二十八年度から三十年度までの間だけでも、病児保育施設のためにこの交付金、当該補助金の交付受けたのは全国で千百十六施設ということで、大変な数が一応整備されたことになっているわけであります。
 全国的に見てこの事業の今実施状況どうなっているのか、また、会計検査院から指摘を受けた中で、内閣府としてどのような是正に今取り組まれているのか、お話をいただけたらと思います。

#105
○国務大臣(坂本哲志君) 令和三年一月時点で、企業主導型保育事業を行う約四千施設のうち、病児保育事業の実施につきまして助成している施設は約千三百施設となっております。
 内閣府といたしましては、会計検査院の指摘を真摯に受け止め、これらの施設に対して、児童育成協会を通じまして事業者への制度の十分な周知を行うこと、それから、令和二年度の指導監査から病児保育事業の実施状況を確認するとともに、令和三年度は指導監査基準の改正を行うこと、そして、病児保育室を病児保育以外の用途に変更して利用するための許可等の手続を助成要領等に定めることなどの対応を行っているところです。
 また、内閣府の指示の下、協会におきましては、令和二年度の新規の助成申請者から、病児保育等の実施体制に係る計画及びチェックシートを提出させた上で審査をするなど具体的な対応を取っておりまして、会計検査院の指摘を受けて早急に審査の改善を図っているところであります。
 施設におきまして適切に病児保育事業が実施されるよう、引き続き改善に努めてまいる所存でございます。

#106
○平木大作君 大臣に是非お願いしたいのは、当然、これ、助成している事業がきちっと、これ公金でありますから、使われているのか、審査が適切に行われているのかというところもチェックしていただきたいんですが、同時に、やはりこの病児保育を整備しなきゃいけないというところについては大きなニーズがあります。
 先ほど少し御紹介した日経新聞の夕刊の記事も、元々ある意味赤字体質で経営が安定しない中にあってコロナが追い打ちを掛けておりまして、昨年四月の利用者数、前年同月比六七%減、五月は八五%減ということで、コロナである意味在宅の勤務される方も増えたということで恐らくこういう数字になっているんですが、いよいよ実は経営的にも厳しいということであります。
 ただ、長い目で見たとき、このアフターコロナということを見据えていただいたときに、やはりこれ、また女性の活躍等々も相まって、病児保育のニーズ自体はこれからどんどんどんどん増えていくんだろうというふうに思っています。大臣のリーダーシップの下、しっかりこういった受皿整備、より、ある意味働くお父さん、お母さんが安心してお子さんを預けれるような、そういう体制整備にお取り組みいただきたいというふうに思っております。
 関連して、医療的ケア児への支援強化というところについてもお伺いしておきたいと思います。
 先ほどの病児保育とは別で、日常的に医療的なケアを必要とするお子様については、平成二十八年の児童福祉法改正によりまして、今自治体に医療的ケア児に対して必要な措置を講ずるよう努力義務が課されたわけであります。医療的ケア児、ちょっと私も、全体の数字はよく報道等でも出てくるんですが、これ、十九歳までで見ると一万九千人ぐらいというふうに言われているんですが、その数も実はこの十年間で倍に増えたということでありまして、五年が経過する中にあって、この医療的ケア児の受入れ体制の整備、今どうなっているのか、厚生労働省にお伺いしたいと思います。

#107
○政府参考人(赤澤公省君) お答えいたします。
 令和元年における全国の在宅の医療的ケア児は二万百五十五人と推計しておりまして、この推計は五歳階級ごとに集計された統計を基に行っているところでございます。ちなみに、零歳から四歳までの人数は七千九十三人ということでございます。
 また、医療的ケア児の受入れ体制につきましては、児童発達支援において、これまで医療的ケア児を受け入れたときの基本報酬が一般の障害児の方と同じであったということによりまして、受入れの裾野が十分に広がってこなかった状況があったと認識しております。
 このため、令和三年度障害福祉サービス等報酬改定におきまして、児童発達支援及び放課後等デイサービスにつきましては、医療的ケア児の医療の必要性の程度に応じて看護職員を配置した上で、医療的ケア児を受け入れた場合の基本報酬につきまして引上げ等を行い、医療的ケア児に対する支援を強化させていただきました。
 具体的には、例えば、利用定員十人の児童発達支援事業所におきましては、一般の障害児を受け入れたところの報酬単価は八百八十五単位、これに対し、医療的ケア児を受け入れたときの報酬は医療の必要の程度に応じて千五百五十二単位から二千八百八十五単位といったなどの改定を行っております。
 こうした取組によりまして、今後とも児童発達支援事業所等における医療的ケア児の受入れを推進してまいりたいと考えております。

#108
○平木大作君 御答弁いただいたとおり、この医療福祉サービスの改定でこの医療的ケア児に特化した区分まで創設をしていただいて、今強力に推進をしていただいているということでありました。
 聞くところによりますと、今国会で超党派の議員連盟においてもこの支援法案の提出を準備されているというお声も聞くところでありますが、政府としても引き続きしっかり取組を進めていただきたいというふうに思っております。
 それでは、次の問いでありますが、一枚資料を配付させていただきましたので、そちらにも目を通していただきながら御質問を進めていきたいと思います。
 この配付させていただいた資料は、拓殖大学の佐藤一磨先生が、女性の方にとって、女性にとって子供と就労というものが御自身の幸福度にどう影響しているのかということを調査をされた結果でありまして、結構、見るとショックな数字なんですね。
 基本的には、これ一から五まで数字で各設問に答えていただく中で集計した数字になるんですが、一というのはとても不幸、五はとても幸せというゲージになりますので、基本的には数字が大きければ大きいほど私は幸せですということをおっしゃっているわけでありますが、この四本のバーが示しているのは、一つは、上の二つ、つまり明らかに子供がいない女性の方が子供がいらっしゃる女性よりも幸福度が高いという数字になってしまっています、残念ながらですね。
 ある意味、専業主婦の家庭あるいは共働き家庭、共に子供がいない家庭の方が幸福度が高いという、この原因について今、政府としてどのような御認識なのか。深刻なこの少子化の問題、少子化克服する上で大分これは課題として大きいなということを改めて突き付けられているわけでありますが、どのようなお取組をされていくのかお伺いしたいと思います。

#109
○政府参考人(嶋田裕光君) お答えいたします。
 少子化の背景には、経済的な不安定さや男女の仕事とそれから子育ての両立の難しさ、それから家事、育児の負担が依然として女性に偏っているような状況、それから子育て中の孤立感や負担感、それから子育てや教育に係る費用負担の重さなど、個々人の結婚や出産、子育ての希望の実現を阻む様々な要因が絡み合っていると考えているところでございますが、今委員から御紹介いただきました調査結果にもこうした人々の意識が表れているものではないかというふうに受け止めておるところでございます。
 そこで、子育てに関する経済的な負担や心理的、肉体的な負担など様々な負担を軽減して、安心して子供を産み育てられる環境を整備することが重要だというふうに考えておりまして、政府では、少子化社会対策大綱等に基づきまして安定的な財源を確保しながらも、男女共に仕事と子育てを両立できる環境の整備でありますとか、あるいは地域社会による子育て支援、それから経済的支援など、ライフステージに応じた総合的な少子化対策に取り組んでいるところでございまして、具体的には、待機児童解消のための新子育て安心プランの実施、あるいは男性の育児休業の取得促進でありますとか、あるいは保護者の就業形態や就業の有無にかかわらず子育ての多様なニーズに対応する多様な保育、子育て支援の提供でありますとか、あとはもう経済的な関係ということで、幼児、保育の無償化でありますとか高等教育の修学支援など、経済的な不安など着実に取り組んできているところでございまして、今回の法案におきましてもそういった内容に沿った内容を盛り込んでいるところでございます。
 また、さらに、社会全体がやはり子育てについて温かい、そういう機運を醸成していくことも併せて重要であると思っておりまして、そういったことについても少子化社会対策大綱において位置付けているところでございまして、こうしたことを総合的に進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。

#110
○平木大作君 時間の関係でもう一問ですね。
 本当はこのグラフの中から見えるのは、今度、お子さんがいらっしゃる家庭においてもいらっしゃらない家庭においても、働いている女性の方が専業主婦よりも幸福度が下がってしまうという、そういう厳しい状況があって、ある意味、子育てと就労というものが女性の幸福度を押し下げてしまっているということであります。
 補足をさせていただくならば、子供がいらっしゃること自体は実はプラス、幸福度にプラスに働いているんですが、それをひっくり返して余りある、いろいろなまだ、ある意味制約が大きいという御指摘かと思っております。
 また今後の質疑等の中でしっかり深掘りしていけたらというふうに思っております。
 質問を終わらせていただきます。

#111
○柴田巧君 日本維新の会の柴田巧です。よろしくお願いをいたします。
 これがこの法案の最後の質疑ということになりますので、繰り返しになる部分も多々あるかもと思いますが、改めて大臣の御見解をお聞きをしてまいりたいと思っております。
 とにもかくにも、この特例給付の所得制限を設けることについては、やはり子供が二人、三人欲しいという希望と裏腹に、そういったものを萎縮させてしまうことになりはしないかと大変懸念をしているわけでありまして、また、今からお聞きをしていきますように、いろんなこれまでの方針であったり法の趣旨などからいっても、果たしてこれを踏まえたものか、合致したものかというと、大変疑問に思わざるを得ないわけでありまして、改めて大臣の見解を一つ一つお聞きをしてまいりたいと思います。
 まず、少子化社会対策大綱との関係でお聞きをしたいと思いますが、去年の五月に、今後五年間の指針となるこの第四次少子化社会対策大綱が閣議決定をされたわけであります。その中には、希望出生率一・八の実現に向けて、子供を安心して産み育てる環境を整備するということになっているわけでありますが、児童手当については、多子世帯や子供の年齢に応じた給付の拡充ということの必要性も指摘をしていたわけでありますけれども、今般、この改正案において特例給付に所得制限を設けるということは、この大綱の内容を十二分に踏まえたものにはなっていないんではないかと思うんですが、大臣はどのようにお考えか、まずお聞きをします。

#112
○国務大臣(坂本哲志君) 児童手当の見直しにつきましては、少子化社会対策大綱におきまして、給付の重点化が必要との指摘も含め、所得水準に応じた効果的な給付の在り方を検討することとしていることや、全世代型社会保障検討会議の第二次中間報告等に基づきまして総合的に検討をした結果、年収一千二百万円相当以上の方は月額五千円の特例給付の対象としないこととしたものであります。
 あわせて、少子化社会対策大綱を踏まえれば、多子世帯への給付の拡充が必要との指摘についても検討課題であると認識しております。今回の改正法附則にも検討規定を設けているところでございます。
 今後、子育て支援に関する施策の実施状況等も踏まえまして、その財源の在り方と併せて、引き続き検討してまいりたいと思っているところであります。

#113
○柴田巧君 大臣はそうおっしゃるわけでありますが、やっぱり全ての子育て世帯を社会全体で支えていくという理念に照らせば、所得にかかわらず支給するのがやっぱりあるべき姿ではないかと、こう思うわけでありまして、この大綱を、これから検討の規定もあるしというお話ではありましたが、十二分に踏まえたものになっていないんではないかと思わざるを得ません。
 次に、児童手当法との関係でお聞きをしたいと思いますが、この児童手当法は、第一条にこう書いてあるわけですね。家庭等における生活の安定に寄与することを目的として、一般家庭をも、この児童手当が生活の安定に寄与することを目的にしているということですので、一般家庭をも広く対象として、児童の養育に伴う家計の経済的負担を社会的に分担することを狙いとされているところであります。
 児童手当法の目的の趣旨は、貧困家庭だけではなくて、一千二百万以上も含め全ての家庭に及ぶものと考えられる、いろんな法律の解説書を見てもそういうふうな書き方になっているわけで、それで、そういうことだとすると、児童手当法の趣旨に鑑みれば、この改正案によりこの特定給付に所得制限が設けられるということは、この児童手当法の目的にも反するというおそれは出てこないかなと思うんですが、この点はどういうふうにお考えですか、お聞きをします。

#114
○国務大臣(坂本哲志君) 児童手当制度につきましては、委員御指摘のとおりに、児童の健やかな成長に資することに加えまして、おっしゃいましたように、家庭等における生活の安定に寄与するという二つの目的を併せ持っております。このため、比較的生活が安定していると考えられる年収千二百万円相当以上の方への特例給付を見直すことが法の目的に反するものとは考えておりません。
 なお、所得制限以上の方に対して給付を行っていなかった制度創設当時、制度創設時ですね、昭和四十七年でございますけれども、その創設時の児童手当法から制度目的は変わっていないところでございます。

#115
○柴田巧君 しかし、子育て世帯、またこれから子供を産み育てようという家庭からすれば、この児童手当法の趣旨から逸脱をするものではないかという受け止めの方が恐らく強いというふうに思います。
 また、菅内閣のこの閣議決定、九月十六日にされていますが、この基本方針においても、少子化に対処し、安心の社会保障を構築することを掲げていますが、これの方針からしても、今回の児童手当の特例給付に所得制限を設けるということはこの方針から反するというおそれはないでしょうか。大臣にお聞きをしたいと思います。

#116
○国務大臣(坂本哲志君) 菅内閣におきましては、委員おっしゃられましたように、少子化に対処し、誰もが安心できる社会保障制度を構築するために、保育サービスの拡充により待機児童問題を終わらせるということを基本方針に掲げています。
 このために、待機児童問題につきましては、四年間で十四万人分の保育の受皿を整備することで最終的な解決を図ることといたしました。この運営に必要となる追加費用約一千四百億円につきましては、今般の児童手当の見直しにより生じる財源等に加えまして、企業からも一千億円を追加拠出していただきまして所要額を確保することとしております。今回の児童手当の見直しは、この菅内閣の基本方針に沿ったものであるというふうに考えております。

#117
○柴田巧君 なかなか大臣の見解とかみ合わないのであれですが、いずれにしても、今申し上げてきたところから、趣旨とか方針からはやはりずれたものになっているのではないかという受け止めが恐らく強い、大きいものだというふうに受け止めております。
 それからもう一つは、なぜ今やらなきゃいけないかというタイミングの問題ですね。これもしばしば取り上げられてきましたが、今は、改めて言うまでもありませんが、この新型コロナウイルスの影響は非常に深刻であります。婚姻の先延ばし、また多くの育児に当たる人々に大変な困難をもたらしているのは現実かと思っています。
 出生数は、御存じのとおりですが、過去最少の、これ去年ということになりますが、八十七万二千六百八十三人、対前年比二万五千九百十七人減少をしていると。これから、新型コロナがまだまだこの出口が見えてきませんので、恐らく更に深刻な状況が予想されているわけです。
 婚姻件数も去年は五十三万七千五百八十三組。これは前の年に比べると七万八千六十九組減で、減少率一二・七%。これは一九五〇年に次ぐ戦後二番目の数値になっていると言われていますが、事ほどさように、このコロナ禍で結婚したくてもできない、そういうカップルが多いし、また非常に子育てに不安を多くの人が持っている中で、なぜ今どうしてもやらなければいけないのかというのが多くの皆さんの率直な受け止めではないかと思っておりますが、この点どういう考えか、改めてお聞きをしたいと思います。

#118
○国務大臣(坂本哲志君) 新型コロナウイルスの感染状況が収まらない中で、結婚、子育て世代の方々が置かれている非常に厳しい状況は認識しているところでございます。しかし一方で、待機児童問題も早急に解決すべき課題であります。
 新型コロナウイルス感染症を踏まえた取組といたしましては、結婚に伴う新生活のスタートアップを支援する結婚新生活支援事業について、コロナ禍における経済的打撃や将来不安が結婚に及ぼす影響等を考慮いたしまして、年齢、年収要件の緩和などの充実を実施をいたします。そのほか、不安を抱え困難な状況にあります妊産婦への相談支援やオンラインによる保健指導などの総合的な支援などを実施しているところでございます。
 一方、児童手当につきましては、少子化社会対策大綱に基づきまして検討し、年収一千二百万円相当以上の方に限り月五千円の特例給付の対象としないということといたしました。また、その施行は令和四年十月支給分からとしております。
 今般の児童手当の見直しは、結婚支援の充実、不妊治療助成の拡充、男性の育児休業の取得促進など、高所得者も含め総合的な少子化対策を進める中で、待機児童問題の最終的な解決を図るものであり、全体のバランスを考えた上での措置であるということを御理解いただきたいと考えております。

#119
○柴田巧君 本当にこの子育て世帯からすれば、当初、菅内閣ができて、不妊治療の支援の拡充などが打ち出されて、大変期待感があったと思います。しかし、こういう法案が出てきて非常にがっかり感がかなり強いのではないかと思いますし。
 先ほどからもいろいろお話があるように、この子育て施策の統一感というか今後の見通しもなかなか立たないと、そしてこの予算も、どこかから取ってくるというのではなくて、子育て支援の中の関係予算の中でやりくりをすると。これ待機児童のところを最終的に解決するためということをおっしゃるわけですが、その分がこの特例給付の所得制限を設けることによってそっちの方に持っていかれるということで、恐らく多くの国民というか子育て世帯からすれば、結局菅内閣がやろうとしたのはそんな程度のものかというのが非常に率直な受け止め方ではないかと思っていまして、口では、総合的にやっていますとか、こうおっしゃるわけですが、かなりマイナスなイメージとして伝わっているということはこれ否めないと思っていまして、そういう意味でも、この法案に我々なかなか理解をすることができないと率直に言わざるを得ないと思います。
 大臣、財源の問題に、今日も出ていますが、お聞きをしたいと思いますが、大臣も答弁の中でこれまでしばしば、高齢化が進む中で社会保障関係費全体の増加が進んでいるのでという答弁を何回もされております。その高齢化の対応ももちろん大事でありますが、そういう中であえてこの少子化対策の予算をしっかり確保すること、これがやっぱり担当大臣の本来やるべきことだと思っていまして、この児童手当を削り児童対策に充てるというような、この子育て予算の中でやりくりするというのはやっぱり基本的におかしいものだと言わざるを得ないと思っているんですが。
 この少子化対策に向けての財源確保の大臣の本気度がなかなか伝わってきませんので、どういうものかということを改めて問いたいと思います。

#120
○国務大臣(坂本哲志君) 総合的な少子化対策を大胆に進めていくためには、今言われましたように、必要な安定財源を確保しつつ、そして、効果的な少子化対策にできることから速やかに着手することが重要であるというふうに考えております。
 政府ではこれまでも、幼児教育、保育の無償化、高等教育の修学支援など、子育て世帯全体の支援を充実させてきております。そして、我が国の家族関係社会支出の対GDP比は、平成二十五年の一・一四%から平成三十年には一・六五%まで着実に上昇をしているところであります。また、内閣府において少子化対策関係予算を取りまとめており、その額も年々増加しているところでございます。さらに、今般、不妊治療助成の拡充を含みます妊娠、出産への支援、それから、待機児童解消のための新子育て安心プランの実施や男性の育児休業の取得促進など、男女共に仕事と子育てを両立できる環境の整備など、ライフステージに応じました支援策を全体として充実をさせることとしております。
 このうち、待機児童問題につきましては、四年間で十四万人の保育の受皿を整備することで最終的な解決を図ることといたしました。この運営につきまして毎年度必要となる追加費用約一千四百億円につきましては、社会全体で子育てを支援していくとの大きな方向性の中で、今般の児童手当の見直しにより生じる財源等に加え、私自身経済界に足を運びまして企業からも一千億円の追加拠出をしていただき、所要額を確保したところでございます。
 引き続き、少子化社会対策大綱等に基づきまして、必要な安定財源を確保しながら、少子化対策を全体として確実に進めてまいりたいと考えております。

#121
○柴田巧君 なかなか、大胆なというお言葉を使われましたけれども、そうなっていないのが現実で、また財源確保の在り方もそうなっていないと言わざるを得ないわけですが、私ども日本維新の会は、御承知のとおり、大きな時代の転換期の中にあるからこそ、やっぱりこれまでのような小手先の微修正であったり、びほう策の連続ではなくて、大きくあるべき姿を描いて、そこに向けて大胆な改革を断行していくときだという問題意識をいろんな面で持っているわけでありますが、今般、社会保障と税制改革と成長戦略に一体的に取り組んで、この可処分所得の増加を目指す日本大改革プランというのを発表したところであります。その中で、核にしておりますのは、政府が国民に一定額の現金を毎月無条件で渡すというベーシックインカムでありますが、我々の考え方で言わせていただくと、現時点でありますが、六万から十万円を支給をしていこうと考えているわけであります。
 今、感染拡大で社会のセーフティーネットの脆弱性が浮き彫りになったところでもあり、今、先ほど申し上げたように、社会保障、税制改革、成長戦略を一体的に取り組むと、そしてその両立を図っていこうというものでありますが、今のところの試算でありますが、約百兆ぐらいは掛かるだろうと、財源に、考えています。これを、税制改革であったり社会保障改革であったり成長戦略であったりそういったことで、行政改革などで出していこうという考え方なんですが、このベーシックインカムについてはもう既にカナダやフィンランド等々でも実証的に効果が現れているところでありまして、いろんな、先ほど申し上げたことは、もちろん少子化対策にも必ずこれは資するものだというふうに我々は確信をしているところです。
 まあ六万か十万かは別にして、家族一人にもらえるわけですから、例えば、二人のカップルだったら十二万の給付金、六万の場合はですね、もらえる。これに子供が一人できればプラス六万ということになっていく。この生活不安で結婚や出産をためらっているカップルには非常に安心感を与えるということになるものと思っております。
 昨日の新聞によれば、御覧になった方もあるかもしれませんが、アメリカにおいても、これは税額控除を厳密に言えば使ってということですが、この七月から毎月一定額を対象家庭に給付をするというものを今導入をするようです。税額控除とはいうものの、実際は事実上の子供手当になっていて、これは今申し上げたようにベーシックインカムに非常に似通ったものだと注目をされているわけでありまして、このように、世界では少子化対策の一環としてもこのベーシックインカムを導入をしようと、あるいは実証研究を進めようとしているところでありまして、この毎月一定額をゼロ歳児から全ての国民に対して一律給付するベーシックインカム、少子化対策として十分検討に値する、財源を創出できると思いますが、大臣の御見解をお聞きをしてみたいと思います。

#122
○国務大臣(坂本哲志君) 少子化の背景には、個々人の結婚や出産、そして子育ての希望の実現を阻む様々な要因が絡み合っています。中でも子育てや教育に係る費用負担の重さ、これが子供を産み育てたいという希望がかなわない障壁の一つになっています。
 政府ではこれまでも、幼児教育、保育の無償化、高等教育の修学支援など、子育て世帯への経済的支援を充実をさせてきたところでございます。さらに、今般、新生活への経済的支援を含みます結婚支援、それから不妊治療助成の拡充を含みます妊娠、出産への支援、そして待機児童の解消のための新子育て安心プランの実施や男性の育児休業の取得促進など、男女共に仕事と子育てを両立できる環境の整備など、結婚、妊娠、出産、子育てのライフステージに応じた支援策を全体として充実させることとしております。
 引き続き、少子化社会対策大綱に基づきまして、必要な安定財源を確保しながら、少子化対策を全体として確実に進めてまいります。
 御提案のありましたことにつきましては、様々な議論があると承知しておりますので、議論の推移を見守ってまいりたいというふうに思っております。

#123
○柴田巧君 同じような答弁を何回も聞くことになるわけでありましたが、いずれにしても、先ほど申し上げたように、小手先で微修正を繰り返していく、びほう策の連続をやっていくというもう段階ではなくなってきているような気がいたします。
 我々も、先ほど申し上げたベーシックインカムのことについて更にこの制度設計、精緻化をしていきたいと思っていますし、また、今日はこれ以上このベーシックインカムについて大臣と議論しようとは思っていませんが、一つそういう考え方もあるということを念頭に入れていただいて、あるべき財源確保の在り方を模索をしていただきたいと思いますし、繰り返しになりますが、これまでにないやっぱりやり方をやっていく時代になってきたと思っていますので、しっかり取り組んでいただきたいということを申し上げておきたいと思います。
 次に、ヤングケアラーについてお尋ねをしたいと思っています。
 先日も、公明党の石川先生、また我が党の高木議員からもこのヤングケアラーの問題について取り上げられてありましたが、本来大人が担うと想定されている家事や家族の世話をして、日常的に行っている児童ということになるわけですが、年齢や成長の度合いに見合わない大変重たい責任や負担を背負わされていると。これが本人の育ちやまた教育に影響があることから、この実態把握、支援の強化が求められるということでありますが。
 このヤングケアラーという言葉は、御存じのとおり、イギリスが発祥の地というか、イギリスでこういうものが、取組が世界的にも早く生まれたわけで、一九八〇年代、九〇年代からイギリスにおいてはやってきました。また、我が国においては、二〇〇〇年代の初頭から研究者等々がこの問題の深刻さというか重要性について指摘をしていたところですが、ようやく、御案内のとおり、実態調査が行われて、それを受けて、先般、この取りまとめが行われたわけであります。
 今回の調査は、一歩前進ということで評価はしたいと思いますが、この調査の在り方、またこの取りまとめられたもの、まだまだ具体的なものになっていないところが多々あると思いますので、この報告書、あるいは調査結果に基づいて幾つかお聞きをしていきたいと思いますが。
 まず一つは、調査結果は、調査は中学二年生と高校二年生のみを対象としていましたが、これはどういう理由からその対象を絞ったのか、この理由は何なのかということが一つ。そして、やはり小学生や大学生も含めて幅広い調査によってこのヤングケアラーの問題をより顕在化させて支援につなげていく必要があるのではないかと考えますが、どういうふうに考えているか、併せてお尋ねをしたいと思います。

#124
○政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。
 今般実施いたしましたヤングケアラーの調査は、子供本人を対象とした全国調査として初めて実施したものでございまして、世話をしている家族がいると回答されたのが中学二年生で五・七%、高校二年生四・八%であったことなど、実態が明らかとなりまして、意義のある調査だったと考えております。
 御指摘の中学二年生と高校二年生を調査対象とした件でございますが、これ、調査実施主体である事業者が有識者検討会を開催されまして、その中で、まず、より多くのサンプル数を確保するため調査方法をウエブ調査とする、その観点から、子供本人に回答してもらうためにはスマートフォンの所有状況などを考慮して小学生は対象外とすると、また、調査規模との関係で、悉皆調査ではなく学年を絞った形での抽出調査により全国的な実態の傾向を把握する、受験を控えていないなどの状況を考慮して学年としては二年生を対象とするといったことでこのような形になったものと承知をしております。
 もとより、ヤングケアラーは中高生に限られるものではございませんが、まずは今回初めて全国の実態調査を実施したところでございますので、これに基づいて検討、取組を進めてまいりたいと考えております。

#125
○柴田巧君 NHKの番組だったと思いますが、先ほど言いましたように、イギリスはこのヤングケアラーの研究の先頭を走っているというか、最初に取り組んだ国として知られていますが、そこのヤングケアラーの研究の第一人者とされるサセックス大学のベッカー教授は、記者が、これから日本でこの問題が本格化していく、支援策をまとめていくというに当たってアドバイスを求めたわけですね。その中でこの教授はどうおっしゃったかというと、まず実態調査をやっぱり複数回行って、現状をしっかり把握することが大事なんだと、そして、この日本のヤングケアラーがどんな影響を受けているか徹底的に分析する必要があると、こうおっしゃっている、指摘をされ、提案をされているわけですが。
 そういう意味でも、これから後でまた地方自治体の取組もお聞きをするところで出るのかもしれませんが、地方自治体にも調査を促すのももちろん大事だと思いますが、国としてもより大規模な調査をしっかりやっぱり複数回やると。今回も一つ、第一歩だとは思いますが、更なるこういう広範囲な調査をやることがより効果的な対策を取っていけることになるんじゃないかと思いますが、改めてお聞きをしたいと思います。

#126
○政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。
 御指摘のような調査の実施につきましては今後の検討課題と考えております。
 実態把握のためには、例えば埼玉県が別途行われた県単位の調査というのもございます。プロジェクトチームの報告書の中でも、それぞれの地域でヤングケアラーに対する支援を適切に行うとともに、問題意識を喚起するためには地方自治体単位で実態調査を行うことが有効だといったことも提言としてまとめているところでございまして、こういった取組の推進と併せまして今後検討してまいりたいと考えております。

#127
○柴田巧君 是非実施する方向で検討していただきたいと思います。
 報告書を、先ほど言いましたように、受けて、ちょっと私も読ませていただきましたが、具体的にどういう取組をするのか、ちょっとまだ見えていないところ多々ありましたので、お聞きを順次していきたいと思いますが。
 子供の過度なケアの負担が表面化なかなかしづらいという面がありますが、何か埋もれてしまってなかなか外から見えにくいというのがあるわけで、これやっぱり周囲の大人がヤングケアラーと、介護力とみなしてきたというところがやっぱりあるんだろうと思います。
 だとすると、今後は子供によるケアを前提とした介護計画が作成されることのないようにしていく必要があるのではないか。ケアマネがケアプランを作成する際に子供はやっぱり介護力に扱わないというふうにしていく必要があると思いますが、そのためには具体的にどういうふうにしていけばいいと考えているか、お聞きをしたいと思います。

#128
○政府参考人(堀内斉君) お答え申し上げます。
 ケアマネジャーがケアプランを作成する際には、利用者の生活全般について課題の把握を行うことが重要でありまして、主な介護者の状況についても適切に把握することとしております。
 子供が主たる介護者となっている場合につきましては、今御指摘いただきましたように、先般、ヤングケアラーの支援に向けた福祉・介護・医療・教育の連携プロジェクトチームにおいて取りまとめられた報告書に基づきまして、今後、有識者などの意見も聴取して、子供を介護力とすることを前提とせず、居宅サービスなどの利用について十分配意するなど、子供が主たる介護者となっている場合のアセスメントの留意点等を整理して自治体や関係団体に周知してまいりたいと考えております。
 また、ケアマネジャーに対する研修におきましても、こうしたアセスメントの留意点を含め、ヤングケアラーに対応する上での配慮すべき事項等を盛り込んで対応してまいりたいと考えております。

#129
○柴田巧君 しっかりこの今申し上げた点やっていただきたいと思います。
 それから、ヤングケアラーがいる家庭がやっぱり柔軟に家事や子育てサービスを利用する方法を明確にしていく必要があるのではないかと思っていまして、これまでいわゆるケアする人を支えるという視点が余りにも少なかったような気がいたしますけれども、今申し上げたように、そういった家庭が、ヤングケアラーがいる家庭が柔軟に家事や子育てサービスを利用する方法をやっぱり明確化していく必要があると思いますが、厚労省のお考えをお聞きをしたいと思います。

#130
○政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。
 今般の調査では、世話をする家族がいると回答した中高生が行うケアの内容につきましては、食事の準備や掃除などの家事や、幼い兄弟の見守りの割合が高うございました。ヤングケアラーがいる家庭への家事援助や子育て支援サービスの提供は重要な課題であるというふうに認識しております。
 例えば、障害福祉サービスの家事援助を行う場合の取扱いでございますが、障害者本人のみならず、本人が本来家庭内で行うべき養育を代替するためケアを行う子供も対象にすることも差し支えない旨を示しておりますが、その周知徹底を図ることですとか、障害のない幼い兄弟の世話をするヤングケアラーがいる家庭など、困難な状況にある家庭に対する支援の在り方について、今後関係審議会で議論してまいりたいと考えております。

#131
○柴田巧君 続いて、このヤングケアラーは、どちらかといえば一人親家庭で非常に割合が多いという、調査報告書などにもあるわけでありまして、特にこの一人親家庭で、家事であったり兄弟の世話や兄弟の保育園等への送迎の割合が普通の家庭に、普通の家庭というか、ほかの家庭と比べると高くなっていると。
 親に代わって幼い兄弟のケアをするヤングケアラーの姿が調査結果でも浮き彫りになっているわけでありますが、報告書の中でも、この幼い兄弟をケアするヤングケアラーへの支援として、一人親家庭に対する生活支援を推進するというふうには明記はされてはありますが、これは具体的にどういうことを行っていく必要があると考えているのか、お聞きをしたいと思います。

#132
○政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。
 今般の調査におきまして、兄弟への世話の内容では、一人親家庭では、食事の準備や掃除などの家事や、兄弟の世話や保育所等への送迎などの割合が、この調査では二世代世帯と呼んでおりますけれども、二人親の親子の世帯と比べて高くなっておりまして、一人親家庭の支援は重要であると考えております。
 このため、一人親家庭につきましては、例えば、一定の事情により生活援助、保育などのサービスが必要となった場合などにその生活を支援する家庭生活支援員というものを派遣をし、又は家庭生活支援員の居宅等で子供の世話などを行うひとり親家庭等日常生活支援事業というのがございます。この実施などを通じましてその支援を推進してまいりたいと考えております。

#133
○柴田巧君 ありがとうございます。
 あと、先ほども、もう既に各自治体で国に先んじていろんな対応、支援策、展開をしているところがあります。
 例えば、埼玉では昨年の三月に全国で初めてとなるケアラー支援条例も施行していますし、神戸市では今年から、本年からヤングケアラーを支援する専門部署を設けて、相談窓口の設置や当事者同士の交流とか、情報交換の場の設置に取り組んでいると思っていますが、それぞれに事情に応じてやられるのはもちろんいいことでありますし、好事例を、この前もお話が出ていましたが、横展開していくことが大事だと思いますが、この支援が、ヤングケアラーの支援が自治体任せになると、これ地域差というものが生じてこないか。熱心でないところ、熱心なところの間で、そういう地域差で差が生じてこないかというのを懸念をするわけでありますが、そうならないようにどのように取り組むつもりか、お聞きをしたいと思います。

#134
○政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。
 プロジェクトチームの報告書でも、それぞれの地域でヤングケアラーに対する支援を適切に行うとともに、ヤングケアラーに関する問題意識を喚起するためには、地方自治体単位で実態調査を行うことが有効であるとしまして、埼玉県などの取組の全国展開を推進することを提言をしているところでございます。
 また、同じ報告書におきまして、やはりヤングケアラーの支援は早期発見や必要な支援のつなぎといったことが重要になってまいりますので、そういったことについて多機関連携によるモデル事業を実施をして、その成果をマニュアルなどにまとめて周知を行うことを提言をしているところでございます。
 厚生労働省といたしましては、これらの取組を通じまして自治体を支援するとともに、国としても社会的認知度を高めるための周知啓発などに取り組むことによりまして、ヤングケアラーへの支援が全国的に進んでいくよう努めてまいりたいと考えております。

#135
○柴田巧君 次に、この報告書を読んでいてちょっとよく意味が分からなかったのでお聞きをしたいと思うんですが、その先般まとめられた報告書の中に、「おわりに」だったかな、記載のある取組だけにとどまらず、引き続き、厚生労働省及び文部科学省の両省間の連携を緊密に図り、ヤングケアラーとその家族の将来のために切れ目のない支援を今後も進めていくというふうに書いてあるんですが、これ、記載のある取組だけにとどまらずということになっているんですが、あと、具体的にどのようなことが取り組む必要があるという考えなのか、予定なのか、お聞きをしたいと思います。

#136
○政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。
 ヤングケアラーを発見し、適切な支援につなげるためには福祉、介護、医療、教育といった関係機関の連携が不可欠でございまして、三月以降、厚労省と文科省の合同PTにおいて分野横断的な検討を進め、今後講じるべき施策を報告書に取りまとめたところでございます。
 まずは報告書に記載の取組を推進してまいりたいと考えておりますが、御指摘の箇所は、報告書に記載の取組を進めていく中でまた新たな課題が生じてくることもあるであろうと、そういった場合にはまたそれにも文科省とも連携してしっかりと対応してまいりたいということで、こういった記述を盛り込んだところでございまして、今後やっていく中でまた新たな課題を発見して対応していくという意味合いでございます。

#137
○柴田巧君 今回の調査、それを受けての報告書が出されて、これからの支援の在り方の概要というか大筋は見えてきたと思います。ただ、今いろいろお聞きをしてまいりましたが、まだまだ明確になっていない部分も多々あると思っていますので、これはまたスピードアップをしながら、また関係の機関と連携をしながら、有効なこの支援策が出てくるように取り組んでいただきたいと思います。
 次にお聞きをしたいのは、このヤングケアラーに関して日本でもこの法整備をしていくのかどうかということなんですね。
 イギリスでは、最初の調査は一九八八年にこのヤングケアラーについては行われています。で、一九九五年にケアラー法の施行ガイドに、このヤングケアラーという言葉が初めて規定をされました。しかし、関係の皆さんから、やはり法律に明文化すべきだと、明記することがこの支援の充実につながるという取組があって、二〇一四年に子供と家族に関する法律、これは子供を対象にした法律で、九十六条にヤングケアラーという項目が立てられています。この中には、十八歳未満のヤングケアラーが支援を必要とするか地方自治体に把握するよう義務付けたものでありますし、イギリスのすごいところは、同じくこの年にできた二〇一四年ケア法、これは成人を対象にした法律ですが、十八歳を過ぎてヤングケアラーとみなされなくなった後のサポートも規定をしているわけで、こういうような法整備を累次行ってまいりました。
 我が国においても、これから具体的な実際のこの支援策が取りまとめられていくか実施されていくとは思いますが、それを更に実のあるものにしていくためにも、このヤングケアラーをめぐる法整備の必要性があるのではないかと思いますが、厚労省のお考えをお聞きをしたいと思います。

#138
○政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。
 今般、初めての全国調査によりまして、ヤングケアラーが潜在化しがちであり、相談機関や福祉サービスにつながりにくいこと、大人や同じ経験を持つヤングケアラーに話を聞いてほしいといったニーズがあること、そもそもヤングケアラー、この問題の認知度が低いことなどの課題が明らかになったところでございます。
 PTの報告書におきましては、これを受けまして、福祉、介護、医療、教育などといった様々な分野が連携をし、アウトリーチによる早期発見や必要な福祉サービスへのつなぎを推進すること、ピアサポート等の悩み相談を行う事業を支援すること、広く国民に対する広報啓発を検討することなど、現行法の下でスピード感を持って対応できる施策を提言をしたところでございます。
 御指摘のイギリスでございますが、二〇一四年子供と家族に関する法律によりまして、ヤングケアラーが要支援児童といった形で位置付けられ、地方自治体によるアセスメントの実施、適切なサービスの提供が義務付けられていると、このように承知をしております。
 今回の報告書、PTの報告書でも、その福祉サービスを必要とするヤングケアラーを早期に発見し、必要なサービスにつなぐという面では問題意識が共通しているのではないかと思っておりまして、まずは提言に沿った施策を速やか実行に移すことに注力してまいりたいと考えております。

#139
○柴田巧君 そうやってまずは取組を始めながら、この法整備というのも一つ視野に置いて、まずはやれるところからまず早めにやっていくということを私の方からも改めて求めておきたいと思います。
 この問題については菅総理も、参議院の予算委員会、三月でしたかね、このヤングケアラーの複合的な要因に適切に対応できるよう、省庁横断のチームにおいて当事者に寄り添った支援につながるようしっかり取り組んでいきたいと答弁をされているわけでありますが、菅内閣は孤立・孤独対策にも取り組んで、大臣がその担当大臣されているということになるわけですけれども、このヤングケアラーに対するこの孤独・孤立政策もその支援策に入っていくという理解でよろしいのかどうか、大臣にお聞きをしたいと思います。

#140
○国務大臣(坂本哲志君) ヤングケアラーにつきましては、厚生労働副大臣と文部科学副大臣を共同議長といたしますプロジェクトチームによりまして早期発見や必要な支援につなげるための方策について検討が進められ、今日、今後講じるべき施策が取りまとめられたというふうに承知しております。
 児童が学校生活を諦めることのないようにするとともに、未来を担う子供や若者をしっかりと支えていくべく、孤独・孤立対策の観点からもしっかりと対応することが必要と考えております。
 孤独・孤立対策では、私を議長といたしまして、全省庁の副大臣が出席をいたします孤独・孤立対策に関する連絡調整会議というものを創設をしております。これまで二回開催をいたしました。こうした会議も活用しながら、ヤングケアラーの支援も含め、孤独・孤立対策に各省庁と連携をしながら取り組んでまいりたいというふうに考えております。

#141
○柴田巧君 ありがとうございます。
 この報告書の前文、「はじめに」だったかな、こういうふうに書いてあります。子供らしい暮らしができずにつらい思いをしているヤングケアラーにとって青春は一度きりであり、施策についてスピード感を持って取り組んでほしいということが書いてありますが、スピード感を持って取り組んでいきたいということが書いてありますが、まさに国挙げてこの問題がようやくこの支援に向けて動き出したところですから、これからまた、その早期発見なり意識の啓発なり支援策の充実がこれから図られなければなりませんが、是非、坂本大臣におかれても、その中心となってこの取組をしっかりやっていただきたいと思っております。
 さて、あと時間も少なくなってまいりましたが、このヤングケアラーもそうですが、この子ども・子育て支援法は、一人一人の子供の健やかに成長することができる社会の実現に寄与することということになっているわけで、その観点から気になりますのは、もう一つ最近気にしておりますのがケアリーバーであります。ケアリーバーというのは、このケア、保護を離れた人、リーバーを意味するわけですが、虐待や貧困、親との死別などで児童養護施設や里親家庭に育った社会的養護の経験者を指すというわけです。
 現在、施設などで暮らす社会的養護下の児童は全国に四万五千人いるわけですが、原則十八歳までに自立することになるわけですけれども、親元を頼れずに困難を抱えがちだと指摘をされているわけで、かねてからこのケアリーバーと言われる人たちの問題が非常に注目をされていたわけですが、先月末ですかね、厚労省はこのケアリーバーに関する初めての全国実態調査を公表していますが、その概要についてまずお尋ねをしたいと思います。

#142
○政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。
 児童養護施設等に入所していた方の退所後の状況を把握することは、その自立支援策を検討する上で重要でございますので、令和二年度に全国規模の実態調査を実施したところでございます。
 この実態調査では、就労、進学の状況、現在の生活状況、生活していた施設等とのつながりなどを調査したところでございますが、まず、就労、進学の状況につきましては、退所直後の進路は、就職、就労が五三・五%、進学、通学が三六・三%となっておりました。また、現在働いている方のうち正社員として働いていらっしゃる方が五一・八%でございました。
 現在の生活状況につきましては、収入と支出がほとんど同じくらいというのが三一・四%、収入の方が多いが二六・八%、支出の方が多いという方が二二・九%いらっしゃいました。
 生活していた施設等とのつながりにつきまして、直近一年間の施設等との連絡頻度につきましては、二か月から三か月に一回以上という方が二七・二%、月に一回以上という方が二〇・七%、半年間に一回以上という方が一八・八%などとなってございました。
 こういった実態を踏まえまして、必要な自立支援が行われるようにいろんな体制整備等に努めてまいりたいと考えております。

#143
○柴田巧君 今御説明があったように、大変困窮をしている人が多いし、あるいは中退や離職や住まいが確保できないなどの状況に置かれている、大変厳しい状況に置かれているケアリーバーが多いというのが明らかになったわけですが、そういう意味でもこの退所後の支援が非常に不可欠だと思います。
 この退所後の暮らしぶりの把握ですとか生活状況に応じた的確な支援というのをこれからしっかりやっていく必要があると思っていますが、そこで、こういう厳しい状況を解消していくために、自立後を見据えた事前のサポートを始め、この児童養護施設等を退所後も長期的に支える仕組みというのは、これは不可欠だと思いますが、どのように取り組んでいくおつもりか、お聞きをしたいと思います。

#144
○政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。
 児童養護施設を退所する方等につきましては、住居や生活費などの安定した生活基盤の確保、それから退所後の生活における不安や悩みなどへのケアなど、様々な観点から適切な支援を行うことが重要であると考えております。
 このため、児童養護施設等を退所し、進学した方や就職した方に対しまして家賃や生活費の貸付けを行いまして、さらに一定の要件を満たした場合にはその返還を免除するという事業ですとか、退所後の生活を継続的に支援するコーディネーターを自治体ごとに配置する事業などを進めているところでございまして、こういった事業を通じまして、退所された方の個々の状況に応じた必要な自立支援が実施されるように取り組んでまいりたいと考えております。

#145
○柴田巧君 済みません、ちょっと確認ですが、これから取組の中でこの適切な支援につなぐには、この相談支援の専門家の支援コーディネーターの設置なども大変有効なのではないかと思っていますが、今なかなかいろんな事情があってそういう配置が十分できていませんが、設置などもできていないところありますが、この点はどういうふうに考えていますか。

#146
○政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。
 社会的養護からの自立の支援につきましては、施策の全体像としましては、先ほどの貸付制度、返還免除制度もございますし、また就労相談支援や医療連携支援、法律相談の支援など民間委託も含めて行う事業ですとか様々な制度を設けております。
 こういった事業の全体を統括する方として自治体に支援コーディネーターというのを置いていただいて、その措置の解除前に支援担当者会議を開催をして、退所後の生活を考慮して、どういうふうにやっていくかという継続支援計画というのを作っていただくと。その継続支援計画に基づく支援状況を把握をしフォローしていただくということをお願いする、こういう仕組みを設けているところでございまして、是非この仕組みを通じて退所者の方の生活安定、自立支援に努めてまいりたいと考えております。

#147
○柴田巧君 ありがとうございました。
 おおよそ時間が来たので質問はこれで終わらせていただきますが、このヤングケアラーにしてもケアリーバーにしても、子供たちの置かれている大変厳しい状況があります。先ほど申し上げたように、子ども・子育て支援法は、一人一人の子供が健やかに成長することができる社会の実現に寄与するということになっているわけですので、こういった子供たちにもしっかり目を大臣も向けていただいて、国もしっかり取り組んでいただきたいと思いますし、先ほどから繰り返しになりますが、この少子化対策にしっかり大胆な方法で財源を確保して、また、効果的な施策が展開されるように頑張っていただきたいということも申し上げて、質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。

#148
○矢田わか子君 国民民主党の矢田わか子です。
 大臣、これまで児童手当の改正について、その手当改正そのものだけではなくて、やはり少子化対策ということに少し課題を広げてこの間いろいろ審議をしてきて、この課題がある程度抽出されてきたこと自体は、私も大臣も重く受け止めていただいているというふうに思いますし、これからの検討の要素にもきっと加えてくださることだろうと御期待を申し上げているところですが、今日は少し、時間が四十分ありますので、今まで出ていないような要素も含めて確認をしていきたいなと思います。
   〔委員長退席、理事徳茂雅之君着席〕
 まず、前回の実は施策というか質疑の後に事務所に一本の電話が入りましたので、その紹介からしたいと思うんですけれども、この委員会、インターネットで中継されていますので、やっぱり子育て世代の人、結構見てくださっているんですね。
 全く私知らない実は方でしたが、その若い男性からのお電話では、自分も非正規労働の奥さんと二人で暮らしていて、子供つくりたいけれども、やはり出産の費用だとか、また、もし産前産後、奥さんが身ごもった際に仕事をお休みをすることになれば収入も減るし、そして、働きに出ようと思っても、本当に職場に戻れるのかという不安もあって、そしてまた保育所も入所できるのかという、そういう不安もあって、結局のところ踏み切れないんだというふうな、そういうことなんですよね。子供欲しいという思いもあるけれども、実際働けなかったり子供を預けられなかったらどちらかが自宅で子育てをしなくちゃいけないというふうな、そういういろんなリスクを考えると不安が募って、結局不安だらけで、子供を持とうというところにまで踏み切れないんだと、そういうお電話だったんですよ。
 やっぱり私、若い夫婦には、そういうこと気にせず、本当に子供を持ちたいと思う人たちに、現金でも現物給付でもいいんです、しっかりとやっぱり生活補填をしながら、どうぞ、大丈夫だよ、産んでくださいと言えるような社会にまずはしていきたいなと改めて思った次第ですので、今日、まず冒頭協議させていただければと思います。
 それと、予算委員会で一度お話をさせていただいたと思いますが、昨年末からこの児童手当の改正論議が進んでいるということもあって、署名活動を当事者の方々が一生懸命行っていらっしゃいまして、三月までの署名ですけれども、四万八千を超える署名が届いております。まだ今も継続して続いているということですし、本当、ボランティアで、どんな声が来ているのかということを、当事者たちが一生懸命アンケートも分析をしてくださっているんですよね。
 だから、やっぱりこういった思いを是非、大臣、一度受け止めていただきたいと思います。したがって、法律の審議は今日終局を迎えるのかもしれませんが、是非一度当事者の皆さんたちとお目に、会っていただいて、いろんなお話を聞いていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

#149
○国務大臣(坂本哲志君) しっかりと受け止めて、今後いろいろ考えてまいりたいと思っております。

#150
○矢田わか子君 ありがとうございます。
 是非、皆さん、若い人たちがどんなことを考えていらっしゃるのか、大臣の支援者にもいらっしゃるかもしれませんが、幅広い御意見を一度是非受け止めていただきたいということで、御要望を申し上げます。
 資料一を御覧ください。
 先週も少し取り上げましたけれども、今日はまず、もう一度再整理をしました、子育ての支援関係の給付と負担ということのバランスについてちょっと資料を頑張って作ってみました。いわゆる、特に中間所得者層と言われる方々がどれだけ課税やそれから社会保障の負担をしていて、その負担に応じて子育て支援と言われるところで給付ができているかということなんですね。
 したがって、児童手当の今回私は問題だけではなくて、前回も申し上げたとおり、児童手当だけではなく、やっぱり子育て全体について、これでいうと、高等教育の無償化しかり、高校授業の無償化、そして幼児教育の無償化、児童手当、ほかにも実はまだまだたくさんいろんな施策があるんですけれども、ざくっと大きな結構この金額というかが動くなという施策だけ並べてみても、所得税、税金だけ見ても負担の割合は当然累進課税ですからだあっと上がっていくわけです。ところが、この世帯合算というところの中間層と言われる五百万から八百万のところで、それを超えると特に、更にですけれども、給付されるものが一気に減るというふうなことでもあります。
 したがって、極端かもしれませんが、実質、私の支援者の中には、子育てをしながら、ゼロ歳から二歳抱えると、所得のこの課税方式ですから、一か月当たり七万も八万も保育料を払わなくちゃいけない。年間でいうと百万近く保育料を払いながら保育園に預け、かつ高校生もいて大学生もいて、もう破綻するわというふうな御家庭も中にはやっぱりあるわけです。これだけ税を納めても、社会保障を納めても国は私たちには支援してくださらないんですねというふうな声が届いているのは事実であります。
 したがって、やっぱり圧倒的にその中間層、過重な負担をして給付が少ないという層に対して、何とかこの層、潜在力をやっぱり引き上げていく政策打っていかなければいけないというふうに思います。
 かつて民主党政権の時代に官房長官を務められた仙谷由人さん、一年半前に残念なことにお亡くなりになられていますけれども、亡くなられる八日前の新聞記者のインタビューに対して、中間層は日本の宝だというような言葉も残しておられます。
 子育て支援に中間層を大きく位置付ける必要があると考えますが、大臣、御見解お願いします。

#151
○国務大臣(坂本哲志君) 子育て世帯の平均所得は約七百万円であります。子育てや教育に係る費用負担の重さが、子供を産み育てたいという希望がかなわない障壁の一つになっております。このために、これまでも幼児教育、保育の無償化や高校生等への修学支援など、中間所得層も対象となる取組を進めてきたところでございます。
 さらに、今般、新生活への経済的支援を含みます結婚支援、それから不妊治療助成の拡充を含みます結婚、出産への支援、そして待機児童解消のための新子育て安心プランの実施や男性の育児休業の取得促進など、男女共に仕事と子育てを両立できる環境整備など、結婚、妊娠、出産、子育てのライフステージに応じた支援策を全体として充実をさせてきております。
 引き続き、少子化社会対策大綱に基づきまして安定的な財源を確保しながら、少子化対策を全体として確実に進めてまいります。

#152
○矢田わか子君 安定的な財源という言葉がありました。その安定的な財源が何なのかということをもう一度見ていかなければいけないと私は思っています。
 平成二十四年の六月十五日に確認されています当時の三党、民主、自由民主、公明の三党による社会保障と税の一体改革に関する確認書というものがあります。そこでは、幼児教育、それから保育、子育ての支援充実として一兆円超える費用をきちっと確保していきましょうというようなこの三党合意の確認書が取られております。一兆円超え程度の財源が必要であり、政府はその確保に最大限努力するというふうなことが書かれているわけであります。
 で、消費税も引上げをしたということですが、実質的にこの子育てに使われているのは、一兆超えが必要とされているうちの七千億円にしかすぎません。残りの三千億、どのように確保していかれるおつもりでしょうか。

#153
○国務大臣(坂本哲志君) これからも毎年安定的な財源の確保に努めてまいりたいというふうに思っております。

#154
○矢田わか子君 大臣、約束したことは、やっぱり消費税引上げをするから一兆超える金額についてはきちっと子育てに充てていきますと、消費税からって言っているわけです。ところが、確認されているのは七千億ですので、やっぱり残りの三千億についても、三党合意に基づけば、きちっと確認していかなければいけない必要が私はあるというふうに思っています。今回のように児童手当の中で削減をして、また子育て政策から子育て政策への付け替えではなくて、元々約束したことを果たしていただきたいということを改めて御要望いたしたいと思います。
 それと、前回、国際比較を出しました。維新の柴田委員からもありましたとおり、アメリカではベーシックインカムに類似した政策を今回コロナを踏まえて出すんだというふうなことが報道によると発表されております。バイデン政権です。最低限の所得をあらゆる家庭に保障するベーシックインカム、これに類似した制度づくりを進めているということであります。このコロナ禍において、本当は一年限定で二〇二一年に限ってやろうとしていたことを、この七月から毎月一定額対象家庭に給付するというものを、少しやっぱり先を見据えて、延ばして五年間やろうというふうなことの打ち出しもされているわけであります。
 前にも御相談しましたとおり、やはり単純に現金給付だけではなくて、税を納めているところに対する還付ということも含めて、年少扶養控除の復活等も私申し上げましたし、特例給付もですね、上積み部分の二十五万しっかり乗せてくださいというお願いもしたと思いますが、この辺り、各国の政策を含めて、どうでしょうか、どのようなお考えでしょうか。

#155
○国務大臣(坂本哲志君) 総合的な少子化対策を大胆に進めていかなければいけないというふうに思っております。そのためには、先ほども言いましたけれども、必要な安定財源を確保しつつ、効果的な少子化対策にできることから速やかに着手していくことが重要であるというふうに考えております。
 私たちといたしましては、これまで、幼児教育、保育の無償化、それから高等教育の修学支援など、子育て世帯全体の支援を充実させてきておるというふうに考えております。我が国の家族関係社会支出の対GDP比は平成二十五年の一・一四から平成三十年には一・六五まで着実に上昇しております。私たち内閣府において少子化対策関係予算を取りまとめておりまして、その予算額は年々上昇しているというふうに考えております。
 さらに、今般、不妊治療助成の拡充を含みます妊娠、出産への支援、それから待機児童の解消のための新子育て安心プランの実施や男性の育児休業の取得促進など、男女共に仕事と子育てを両立できる環境の整備など、ライフステージに応じた支援策を全体として充実させているところでございます。そして、このうち待機児童問題につきましては、四年間で十四万人分の保育の受皿を整備することで最終的な解決を図ることといたしました。
 引き続き、少子化社会対策大綱に基づきまして、繰り返しになりますけれども、必要な安定的財源を確保しつつ、少子化対策を全体として確実に進めてまいりたいというふうに考えております。

#156
○矢田わか子君 大臣、安定的なということを何度も繰り返しおっしゃられるんですが、そのうちの一つとして多分期待されているのが事業主拠出金の負担額の問題だというふうに思います。
 今回は〇・三六を据え置くということですけれども、いずれは、これ二〇一八年ですよね、法律を改正しまして、元々〇・一五から始まっているこの拠出金を、〇・二五までですよと上限値決めていたものを一八年の改定で〇・四五まで持っていくというふうになっています。今回は据え置きますけれども、やっぱりこれ多分引上げをしていくという方向なんだと思います。
 そんな中で、今回コロナ禍で本当に大変なこの経営実態になっている、これ中小も含めてですからね、別に経営実態関係なく、雇用保険に上乗せをして、それ従業員は負担することなく企業が全額負担をして納めなくちゃいけないというふうなことなんですが、ここでも取り上げられたというふうに思いますけれども、大臣も一生懸命理解を求めるために回りましたということなんですが、資料二にお示しをしたとおり、残念ながら、日本商工会議所も東京商工会議所もこういう意見書を出しておられまして、ここには、素直に読めば反対だと書かれているわけですね。十四万人の保育の確保は分かるけれども、増税じゃないですかと、実質的には。これ増税を、企業に更なる負担を強いること、私たちは反対なんだというふうなことを書かれていますし、事業主の拠出金に頼らないでほしいと、税による恒久財源でやってくださいというふうなことをおっしゃっているわけであります。
 これに対して、大臣、見解お願いします。

#157
○国務大臣(坂本哲志君) 待機児童を始めといたします少子化対策は、社会全体で子育てを支援していくものと、大きな方向性の中で取り組むべき課題であるというふうに思っております。その観点から、新子育て安心プランに基づきまして、保育の受皿確保のために事業主拠出金の拠出、追加拠出をお願いをいたしております。
 また、今委員も言われましたけれども、今回は法律に定められた拠出金率の上限〇・四五%の引上げは行いません。その上で、拠出金率の引上げは段階的に実施することとし、令和三年度は積立金を活用いたしまして拠出金率を〇・三六%に据え置くことで、コロナ禍である現下におきまして追加的な負担を求めることのないようにしております。
 私が先ほどから言います、企業に、経済界に足を運んで一千億円の追加拠出をいただくことになったということにつきましては、この声明が出た後も改めて足を運びまして、そして丁寧に御説明した上で決めさせていただいたところでございます。
 今後の拠出金率につきましては、事業主拠出金の収支や積立金の状況を踏まえながら、毎年度経済界と協議をしながら検討をしてまいりたいというふうに思っております。

#158
○矢田わか子君 ありがとうございます。
 これが出てからしっかりとお話ししに行っていただいたということだと思いますが、ただ、私も何社か知っている担当者等にも聞いていますが、もう本当に今回極めて厳しいですということで、本当はコロナ特例でそれこそ今年に限っては免除してほしいぐらいだと、休業給付金、雇用調整助成金等の拡充等もやっていただいていますが、同じような位置付けで、特に中小は免除してほしいというような、そういう御意見まで出てきております。もしかしたら、本当にこれから先、コロナが長引くようであればですけれども、一定の何らかの配慮が必要なんじゃないかというふうにも思っております。
 これ以上社会保険とか雇用保険関係でやはり企業の負担が増えていけば、どうしても正社員はもう、じゃ、やめておこうと、短期間雇用の非正規雇用が増えたり、あるいは、いわゆる従業員ではなくてギグワーカーとして請負契約をするような、そんな仕事をする労働者が増えるという、雇用環境が極めて悪化する要因にも私はこれなり得るというふうに思うんです。ですから、労働市場に与える影響も含めて、この拠出金ということはしっかりと大臣も考えていただきたいなと、そういう思いであります。
 調査して見ていきますというふうなお言葉ありましたけれども、出生率上がっているフランスでは、やはり一旦高所得者に対して給付額を減額した二〇一五年に一度縮小しているんですけど、ばんとやっぱり出生率下がったんですね。それを見て、ちょっとやはり駄目なんだということがあったんでしょう、国自体は、家族政策というのは毎年やっぱり検証して、分析を繰り返し、微調整をされながら、別に何年やらなくちゃいけないということではなくて、微調整を掛けながら改善していっているという、そういう国もあります。フランスですので、実際出生率上げている国でもありますので、こういう動向も見ながら是非改善をしてほしいと思いますし、事業主拠出金も、これ、お金の出どころの話だけですけれども、今コロナ禍にあるということも踏まえて、是非柔軟な対応をお願いしたいと思います。
 加えて、この事業主拠出金は、元々児童手当拠出金と言われて児童手当だけに対してされていたものを、子ども・子育て拠出金というものに二〇一五年度から変えて、そこで出てきたのが地域子どもの子育て事業、ここで病児保育だとか学童とか、本当は妊産婦の健診とか乳幼児の家庭訪問、そんなのも入っているんですけれども、そこにプラスして出てきたのがこの仕事と子育ての両立支援、いわゆる企業主導型保育所とかベビーシッター利用補助券、こういうのをやるのでちょっと引き上げさせてねというふうなふうに制度設計上は見られると思います。
 続いて、児童育成協会による企業主導型保育の方に入っていきたいと思うんですが、では、この拠出金が生かされて、本当に企業主導型保育所きちんと機能しているかというふうな視点で見ていきたいと思います。
 定員割れとか突然の閉園、保育の質の確保できていないというふうな問題が多発して、設立申請の審査の厳格化求められていると思いますし、立入検査含む日常的な監査必要だというふうに思っています。
 特に、この指導監査業務を実施する公益財団法人が児童育成協会というところですが、自らこの業務全てを遂行するということが私は基本だと思っていたんですが、どうも見ていると、この業務の一部を事業者に委託をしているわけです。去年八月二十八日に選考委員会が開かれています。応募した二社がそのまま委託事業者に選ばれたという経緯があります。一つは労働者派遣事業を行っているアデコ株式会社、もう一社は、官庁や企業に向けてアウトソーシング事業を展開しているパーソルワークスデザイン社、それからパーソルマーケティング株式会社というところであります。
 この二つのことをとやかく言うつもりはありませんが、かつてはパソナが、子会社が企業主導型保育事業を運営しているにもかかわらずこの指導監査業務も請け負っていたということで大きな問題になり、これについてはもう契約はされていないということですが、今回のこの二社は利益相反になるようなことはないということでよろしいですね。

#159
○国務大臣(坂本哲志君) 企業主導型の前に、事業主拠出金のことにつきまして、トータルで事業主の負担ができる限り増えないように、これからも毎年毎年丁寧に経済界と話し合っていきたいというふうに思っております。
 それから、企業主導型保育事業に関しましては、運営施設に対します指導監督につきまして、全ての施設に対しまして年一回の立入調査を実施しております。この指導監査業務につきましては、児童育成協会と今言われました委託事業者が分担をし、特に留意が必要な施設につきましては、これは協会自らが監査を実施しまして、施設における保育の内容、保育環境等を確認をしているところでございます。
 委託事業者につきましては、子会社等の関連機関が運営する施設など、適正な指導監査の実施に支障を来すおそれがある場合は指導監査を行ってはならない旨要綱に規定をしておりまして、抵触する施設の場合には、これは協会が実施をするということといたしております。
 また、監査の質の向上のため、内閣府の指示の下、協会が策定をいたしました指導監査基準に基づきまして、指導監査の実施、それから監査委員そのものへの教育研修や復命会等を通じた指導などを行っているところであります。
 今後とも、施設において利用児童の安全確保や適正な施設運営が図られるよう、着実に指導監査を実施してまいりたいと思っております。

#160
○矢田わか子君 大臣、もしかして次の質問までお答えいただいたかもしれませんが、一応資料三に、企業主導型保育事業への指導監督業務、令和元年度における立入調査の結果を皆さんにもお配りをさせていただいております。
 目的は当然、利用児童の安全確保とか適切な施設運営が図られているかということを見ていくということでありますけれども、実施した状況を見れば、令和元年度立入調査実施施設が五百二施設あって、うち保育内容等に関する指摘事項があった施設は何と七二%にも上るわけです、三百六十五施設です。ちょっと多過ぎますよね。もう一年前の平成三十年度も調べてみたんですが、平成三十年度は立入調査が二千三百八十九、多分この委員会でもかなり取り上げてちゃんと調査してくださいって言ったからだと思いますが、多くの事業所に入っていただいていて、そのうち指摘事項があった施設が八〇%なんですよ、千九百十一の施設に上るということになっています。
 したがって、主な指摘事項も書いてありますけれども、ちょっとやっぱり見過ごせないものも多いんですね。例えば、四位にあるマニュアルに基づく事故防止対策、適切に行ってないんかというふうなことですよね。五位、お散歩マップに危険箇所の記述や職員等の役割分担等が明記されていないところが九、一〇%あると。それから、嘱託医との契約、締結していないような保育所がある。八位には、児童相談所、専門的機関の一覧表、何か起こったときにすぐに連絡できるように、そんな一覧表も整備されていない。
 こうした緊急時の対応に対して不安があるような施設が散見されるということに対して、今後の方針を伺えますか。

#161
○国務大臣(坂本哲志君) 企業主導型保育施設に対する立入調査につきまして、これは全ての施設に対しまして年一回実施をしています。この立入調査につきまして、内閣府の指示の下、児童育成協会において策定をいたしました指導監査基準に基づきまして、児童育成協会と委託事業者が分担して実施をしております。特に留意が必要な施設については、協会自らが実施をしているところでございます。
 さらに、児童の安全に関わる相談や通報については、抜き打ちによる特別立入調査を実施しているほか、保育の質の向上を図るため、午睡時の抜き打ち調査や、施設長OBなどの巡回指導員による巡回指導を実施しております。なお、協会における指導監査体制といたしまして、令和二年度は約九十人の大幅な人員拡充を図っております。
 こうした指導監査や巡回指導等を通じまして保育の内容、保育環境等の継続的な確認を行うことによりまして、施設における保育の質の向上を図ってまいりたいというふうに思っております。

#162
○矢田わか子君 やっぱり、これは当然子供の命にも関わることなんですね。ですから、私ちょっと詳しくお話をしたいというふうに思っているんですが。
 やはり二年続けてとか指摘があったようなところに対して、一体、じゃ、どういう指導をしているのか。ペナルティーとして三回続いたらしばらく閉園ですよとか、そういうふうなことまでガイドラインでも作ってやっぱり取決めをしていかないと改善されないというふうに思うんですね。ここの部分は通告していないので参考人でも結構ですので、そうした何年もこの指導しているような施設についてどのような改善策を取るのか、教えてください。

#163
○政府参考人(嶋田裕光君) 指導や監査においての文書指摘があった施設につきましては、児童育成協会に対して改善報告書の提出を行わせて、当該改善報告の内容に沿った対応を実施することとなります。その後、児童育成協会が指導監査や巡回指導等において改善状況の確認を行うこととしておりまして、児童育成協会において施設に対して適正な指導を行っていくものというふうに理解をしておるところでございます。
   〔理事徳茂雅之君退席、委員長着席〕

#164
○矢田わか子君 児童育成協会に対して私は丸投げのままでは駄目だというふうに思います。前にも申し上げた、内閣委員会の理事会でも行かせていただきましたけれども、しっかりと内閣府が指導監督に入っていかないと、万が一何か事故起こってからでは遅いわけですよ。ですから、お昼寝のときの抜き打ちの検査も強めてくださいという要望も何度もお出しをしてきているとおりです。
 この企業主導型は、やはりこの引上げを、企業拠出金の引上げをしながら、やっぱり企業主導でしっかりと、従業員のメリットとして、ニーズに合わせて開設できるというふうな、そういう部分もありますので、もし政府がこれからも旗を振ってこの企業主導型をたくさん保育の受皿として準備を進めていくということなのであれば、管理監督ということの強化も併せて是非お願いをしたいということであります。
 もう一度、大臣、御答弁お願いします。

#165
○国務大臣(坂本哲志君) 令和二年度の指導監査によりまして、保育の質の向上、さらには不正や虐待等の防止、地方自治体との連携に関する内容を盛り込んだ指導監査基準を策定をいたしまして、適正な指導監査が行えるよう改善を図ったところであります。
 具体的には、保育の質の向上を図るために、指導監査に当たっては必要に応じて保育士等を同行させること、保育内容に関する助言等を行う巡回指導を新たに実施をいたします。不正や虐待等を防止するため、調査の対象施設など特別立入調査の実施に関する事項について検討、決定に対する体制を構築をいたします。地方自治体との連携を図るため、指導監査の結果の共有や合同実施の取組を行うことなどの改善策を盛り込んでいるところです。
 これらに従いまして、児童育成協会において施設に対し適正な指導を行っておりまして、これからも行っていくものというふうに承知しております。

#166
○矢田わか子君 是非、くれぐれも、子供の命に関わることですので、しっかりとした対策を改めて要請申し上げておきたいと思います。
 続いて、定員充足率の問題についてお伺いをしていきます。
 先ほども申し上げたとおり、この企業主導型保育所、近年、定員に満たないケースが散見されています。調べましたが、現時点で定員充足率、本年一月一日時点で一応平均七五%というふうに内閣府からは報告を受けていますが、ただ、細かく見ていくと、四九%以下、五〇%入っていませんというところが一五%、五九%以下、六割に満たないところは全体の二五%に達します。このような数字、どのようにやっぱり受け止めていられるんだろうかということと、それから、やはり新規の設立において、当然、入所者の見通し、経営的にも非常に重要な要素になります。
 その設立の審査においてもどういう指導をしていくのかということなんですが、ちょっと心配なのは、この企業主導型保育所、新規の設立、かなりの補助金が出ますので、今いわゆる多くのコンサルタント会社というのが出てきているんですね。で、そのコンサルタント会社が何でもフォローしますよというふうなことで、もう検索していただいたらたくさんインターネットでも情報が出てくるわけなんですが、そこに多くの、何ですかね、補助金の、まあお手当じゃないですけど、吸い取られるようなことがないようにしなくちゃいけないですよね。そして、手取り足取りでフォローするというふうなことを書いてあるんですけれども、場合によっては、やっぱり申請した方が当然応募して運営費をもらわなければいけない、それが目的なので、その見積りについても正確性を欠くということが出てくるんじゃないかというふうに思うんです。それが最終的には、開いてみたら集まらなかったということにつながっていく。
 したがって、こういうことに対して厳格な審査体制が必要だと思いますが、いかがでしょうか。

#167
○国務大臣(坂本哲志君) まず最初の御質問、充足率の問題でありますけれども、企業主導型保育施設におきます定員の充足率については、令和三年の一月一日時点で七五・五%となっておりますが、御指摘のとおり、七五・五%は平均の数値であります。それよりも低い充足率の施設も存在しておりますので、既存施設の有効活用を図るため、定員充足率の向上に取り組む必要があるというふうに認識をしております。
 このため、内閣府といたしましては、児童育成協会を通じまして、充足率の向上に向けて、令和二年度の新規募集の審査において定員の設定が適正かを厳格に確認をいたします。それとともに、運営施設に対し指導監査による指導を行います。そして、企業と施設のマッチング支援等の相談支援、さらには各施設の充足状況の四半期ごとの公表など、具体的な改善策を講じているところであります。
 今後とも、定員充足率の向上に向けて、内閣府による指導、支援の下で、児童育成協会から施設に対してしっかりと指導を行ってまいりたいと考えております。
 それから、後段の方の御質問でありますけれども、御指摘のありましたとおり、施設の設置や利用定員の設定に当たりましては保育ニーズを踏まえた検討が必要であるというふうに思います、新規申請、審査においてですね。このため、令和二年度の新規募集より、設置地域や企業の従業員の保育ニーズを考慮した審査が行われるよう、審査基準を策定し、審査の改善というのを図っております。
 具体的には、二次審査の定量的評価において待機児童対策への貢献の程度を評価することとしております。そして、施設設置市町村の待機児童数の状況については、厚生労働省の公表データにより確認をしているところでございます。
 また、定性的評価におきまして、施設の利用定員が保育ニーズの見込みを踏まえて適切に設定されている、どうかを評価するため、申請者に対しまして、地域枠については地方自治体に地域の保育のニーズを確認すること、そして、従業員枠については従業員の利用意向や契約企業の利用見込みを調査すること、こういったことを求め、審査の際にも確認をいたしております。
 令和三年度の新規募集におきましても、保育ニーズを踏まえた施設の設置や利用定員の設定が適正に行われるよう、審査基準に基づく審査を着実に、厳格に実施してまいります。

#168
○矢田わか子君 是非、今おっしゃったことを含めてお願いをしておきたいと思います。
 続いて、ちょっと一枚飛ばしまして、ベビーシッター割引券の発行枚数、これ、ちょっと時間の都合で要請だけにさせていただきます。
 資料五、お配りしました。これ、私何度もお願いしてきていることですけれども、この企業の拠出金によって運営されているものの一つがこのベビーシッター割引券ということになります。
 四月から、一日一人二枚、一枚二千二百円の補助がありますから、一日四千四百円補助されますが、企業の配布枚数は、この五に示したとおり、三千人以上だと四千八百枚と、固定なんですね。そうしますと、計算しているとおり、一人の労働者が一か月利用限度額二十四枚というのがあって、一年間でいうと二百八十八枚まで使えるんです。そうすると、たった十六人しか使えないということなんですよ。三千人以上と書きましたけど、三万人でも三十万人でも十六人しか使えないということです。まずもってこれが不合理だということを何度も申し上げてきたけど、全然改善が図れていない。これ、なぜ改善図れないのかということが不思議でなりません、不思議で仕方ありません。
 分母が元々労働者なんですね。子育て中のとかではなく労働者数総数で区切られているということにも私は違和感があって、デジタル化、まあ関係法令、法案も成立しましたので、本来であれば企業に対して、こちらからお金出してあげるんやから、要するに、子育て世帯の数を出しなさいと言って、個人の上限枚数を決めながら、もう少し整合性のある上限数を設定していくべきだというふうに思います。
 あわせて、これ、オンライン化の要請、強まっています。これも二年前からずっと申し上げている。これ紙で出して紙をまた出すみたいなことはもうやめて、オンラインで、アプリで申し込めるように即、すぐしてほしいということで、二年掛かりでお願いをしておりますので、是非これは、ちょっと時間がないので、お願いをするということで、改めての要請にさせていただきます。
 最後に、認可外事業所内保育の支援のことについてお聞きをしていきます。
 企業主導型保育園というのは、改めて申し上げるまでもなく近年出てきたものであり、昔、一九九〇年代ですね、一生懸命、企業内に事業所内の保育事業というのを展開してきたわけです。そこはもう自分たちの努力で保育従事者を雇って、そして、設営費、運営費についても二分の一まで、大企業だと五年間、中小で十年間支援してきてもらったわけですが、それ以降、終われば一切の何の支援もないという状況なんです。そして、新たに出てきたこの二〇一六年からの企業主導型については、認可外、同じ認可外でも最大九五%の助成がこれずっと延々と続くわけです。
 したがって、当然ですけど、先に地域貢献も含めてやってきているものに対する支援が余りに少ないにもかかわらず、目的は待機児童の解消、一緒やったと思います。ところが、今現状を捉えると、これだけの支援差があるということについて、是非これ移行できるように支援をしていただきたいと思いますが、大臣、お願いいたします。

#169
○国務大臣(坂本哲志君) 企業主導型保育事業は、待機児童対策に貢献することを目的としておりますため、新たな受皿整備のみを対象といたしており、既存の事業所内保育所を直接の助成対象とはしておりませんが、既存の施設であっても定員を増員した場合の当該新規増員分や、元々自社の従業員のみが利用していた施設において他社の従業員の子供を新たに受け入れるなど、空き定員を活用した受入れに係る定員分については対象としているところでございます。
 本事業の創設前から存在する事業所内保育所等を直接の助成対象とすることは、本事業の目的等を勘案すれば慎重な検討が必要であるというふうに考えております。

#170
○矢田わか子君 施設数三千四百に上ります。児童数も四万五千人を超えている。是非、これ、一旦、それはもう事業所、じゃやめますってやめて、閉めて、もう一回、じゃ事業主導型に切替えをすれば簡単なことなんです。だって、通りますからね、基本的には同じような申請基準ですから。でも、そこまでやらないのは、今通っている人に迷惑掛けるから、だから閉めないというふうなことで、一生懸命企業努力でもってやられているということでもありますので、是非とも柔軟な対応を、大臣、していただくよう御要請申し上げて、質問にします。

#171
○田村智子君 日本共産党の田村智子です。
 質問の順番を変えて、先に、この間質問してこなかった男性の育休の問題から質問をしたいと思います。
 先日の参考人質疑の中で、男性に対しても六か月の育児休業期間を設けている、法制度を持っているという国は先進国の中で日本だけだというふうに末冨参考人から指摘をされて、おおそうだったかというふうに私も改めて認識をしたんですけど、恐らく、先進国の中で日本だけということは、世界の中で国際的に極めてまれな充実した法制度だということなんだろうと思うんですね。しかし、その取得率が非常に悪くて、特にフランスなどと比べたら大きな開きが出てきているということですよね。
 まず大臣に、大きな認識として、やはり男性に対して育休の取得を促す目的の助成金の創出、これ行おうとしているということは、やはり育児休業を取得するということが、その期間だけでなく、男性にとって育児に参加をしていく、それが少子化対策にもつながっていくと、こういう認識の下での政策なのかどうか、まずそのお考えをお聞かせください。

#172
○国務大臣(坂本哲志君) 父親が育児に関わることは、母親の子育て中の孤立感やそれから負担感、仕事と子育ての両立の難しさが軽減され、さらには子供を産み育てたいという希望をかなえやすい環境につながるものだというふうに考えております。
 理想の子供の数を持たない理由として、夫の家事、育児への協力が得られないからと挙げる割合は、特に第二子以降を希望とする場合の障壁というふうになっております。また、父親の育児への関わりについては、夫の休日の家事、育児時間が長いほど第二子以降の出生割合が高いという調査結果も出ているところであります。
 少子化社会対策大綱では、男女が共に子育てに参画していく観点から、男性の育児休業取得や育児参画を促進するための取組を総合的に推進する方向を示しました。
 これらを踏まえまして、厚生労働省において、男性の育児休業取得促進策について検討をいたしまして、男性の育児休業取得促進のための、子の出生直後の時期における柔軟な育児休業の枠組みの創設等を内容とする育児・介護休業法等の一部を改正する法律案を今国会に提出をし、御審議いただいているところであります。
 こうした取組も含めまして、少子化社会対策大綱に基づき、関係省庁と連携しながら、男女共に仕事と子育てを両立しやすい環境整備に取り組んでまいります。

#173
○田村智子君 取れる条件のある人だけということをしていたらこれ広がらないですよね。それを環境整備だということだけでもいいのかということが問われると思うんです。
 私、やっぱりフランスってすごいんですよね。二〇〇二年から、出産直後、父親になるために二週間の育児休業を取る、こういう制度を始めて、これ、もはや当たり前になっているというんですよ。それで、今年の七月からは、二週間では足りないと、二十八日間にして、しかも子供が生まれた直後の七日間は義務付けるんです。取らなければならない。
 なぜそういう制度になっていったかというと、やはり女性というのは、妊娠中に子供がだんだんおなかの中で育っていって、気持ちの上でも準備が整っていく、母親になる準備が整っていく。もちろん、出産すれば戸惑うこといっぱいなんですけれども、少なくとも、赤ちゃんを受け入れて共に生活するという準備が妊娠という期間を通じて持てると。
 しかし、男性はそういう期間を持ち得ないままいきなり父親になると。まあ、そりゃそうですね、そうなるわけですよ。だから、生まれたばっかりの赤ちゃんと二週間共に過ごすことによって父親になるんだと。その最初に父親になるという経験をすれば、その後、長きにわたって育児に関わる関わり方が全く違ってくると。それが分かったので、二十八日間にするし、七日間は義務付けるし、何と、この義務付けを企業が断るようなことがあれば、日本円にして約九十万円の罰金を科すんですね。そこまで、やはり父親にしようという法制度を整えるということなんですよ。これは、このぐらいの取組が私は男性の育児休業だと。何か後ろですごくうなずいて、男性の職員の皆さんが聞いてくださっているんですけれども。
 じゃ、翻って日本はどうなのかなんですね。日本は、女性が産休を取らなきゃいけない、そういう期間に産休を取らせないということは労働基準法上違反になります。刑事罰の対象にもなります。これは母性保護という大変重要な意味合いがあって、刑事罰の対象にもなるんです。
 一方で、育児休業の取得を申請する、だけど、事業者の側が、いやいやちょっと休んでもらったら困るよと、人がうまく調わないからとこれを拒んでも、これは、民法上は裁判まで争えば違法となることもあるけれども、これ刑事罰の対象にはならない。労働行政の側も任意の指導にとどまるわけですよね。これ、民事で裁判までやって争うというのはなかなかなことですよ。子育てやりながらそこまで闘うということは、相当な頑張りを求められてしまうわけですよね。
 私は、これ助成金つくって、企業も応援して、代わりの人も雇えるようにというようなことも含めて、臨時的に雇えるようにということも含めて応援するというのは必要なことだとは思うんですけれども、やはり、権利として育児休業を申請したのにそれを拒否するということに対して、末冨参考人おっしゃっていたんですけど、罰する措置の方がもっと育休取得は進むのではないだろうかという御指摘があって、これ、なるほどなと思ったんですよ。
 申請しているのにその権利を認めない、その事業者に対して何らかの実効性のある措置をとるべきではないのか、場合によっては刑事罰も含めて。こういう検討は、厚労省でしょうか、いかがでしょうか。

#174
○政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。
 育児・介護休業法におきましては、育児休業、これは現在の原則一歳まで取れる育児休業も、それから、現在改正案を御審議をいただいております中に盛り込んでいる、子の出生後八週間以内に四週間まで取得することができる新しい柔軟な形での育児休業の枠組みの両方でございますけれども、事業主は労働者から育児休業申出があったときには拒むことができないというふうに規定しておりまして、育児休業を拒否することは法違反となります。
 育児・介護休業法におきましては、厚生労働大臣が法律の施行に関し必要があると認めるときは、事業主に報告を求め、又は、これは法律に基づく形になりますが、助言、指導、勧告を行い、また、勧告に従わないという場合にはその旨の公表をするというような仕組みが設けられてございます。
 これまでのところ、育児・介護休業法関係で企業名公表まで至ったというケースはございませんで、勧告までの段階で、御指摘の育児休業を取らせてもらえないというような事案も含めて従っていただいているというのが現状でございまして、実際にその育児休業の取得を希望する方の希望が何か妨げられるということはあってはならないことでございますので、今後ともしっかりと法律の履行確保を図ってまいりたいと考えております。

#175
○田村智子君 勧告まではやっているということなんですけど、これやはり権利としてどう保障していくかということを考えなければならないと思います。
 法制度上の穴もあるんですよね。例えば非正規の雇用者ですよ。有期雇用契約の場合に、育休が明けたときにも雇用契約があるということが、何というか、確認されるような労働者でなければ、育児休業を取れないんですよね。
 今、有期雇用の方というのは、一年超えて有期雇用契約結んでいる方というのは私は少数派だと思いますよ。ほとんどが三か月とか半年とか一年以内の雇用契約を繰り返し繰り返しやっているわけですよね。もうその人の仕事が臨時的なものでなければ、やっぱり非正規で働く方々が育児休業までどうやったら取れるのかということを本気になって考えていかなければ、非正規雇用の七割は女性ですし、男性の中の非正規の雇用者というのも増えているわけですから、こういうことも含めて是非検討いただきたいというふうに思うんです。
 それから、行政の相談、指導体制も十分とは言えないんですよね。以前には、セクハラだとかマタハラだとか、こういう産休、育休に関わるような、特に女性に関わるような労働の相談というのは、男女雇用機会均等室、担ってきました。しかし、今はほかの労働相談と一緒に受け付ける体制になっているんですね。労働局の雇用環境・均等部、均等室が対応しているわけですけれども、これ、女性活躍推進法の制定がされた二〇一六年には全国で十四人しか増えなかった。パワハラ対策が義務となった二〇二〇年にも三人しか増えなかった。これ、私、とても体制が十分と言える状況にはないというふうに思うんです。
 やはり、しっかり、男性にも育休ということであるならば、いろんな相談に乗って、どうしたら育休まで保障できるのかという、事業者にも相談に乗るとかいう体制の強化が求められると思いますが、いかがでしょうか。

#176
○政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。
 育児休業法などの法律の履行確保を担う都道府県労働局の体制整備、重要であることは御指摘のとおりでございます。
 雇用環境・均等部室、これはかつての雇用均等室を改組いたしまして、育児休業法や男女雇用機会均等法などの施行に加えまして、働き方改革を労働局において一体的に進めていく中核の部署として体制を拡充する形で設置をしたものでございますが、今、雇用環境・均等部室において育児休業法の履行確保も図っております。
 履行確保のその体制強化の状況について今厳しい御指摘も頂戴いたしましたが、私どもとしましては、必要な体制整備について引き続き努力を続けてまいりたいと考えております。

#177
○田村智子君 これも、何か公務員の定員合理化の中で、いろんな部署がくっついたりするわけですよ。その中で起きたことだと私は思っているので、本当に体制の強化、是非進めてほしいと思います。
 育休、産休の取得については所得保障が重要になります。保育所に入れなかったときに育休の延長認められますけれども、このときも育休手当延長されます。当たり前のことです。そうじゃなければ安心して休めないですからね。一方で、国民健康保険の加入者は、出産手当はもちろん、育児休業の給付金もないんですね。
 フランスやドイツでは、出産手当に相当する所得保障は自営業者も給付を受けることができます。国民健康保険の被保険者は出産に伴う所得保障はなくても大丈夫という考え方に立っているのかどうか、やはり自営業、フリーランス、こういう方にもしっかりと所得保障していくこと必要だと思いますが、いかがでしょうか。

#178
○政府参考人(榎本健太郎君) お答え申し上げます。
 今委員の方から、国民健康保険には育休手当、あるいは出産手当金がないという御指摘を頂戴したところでございますが、国民健康保険の場合には、健康保険とは異なりまして、自営業の方、あるいは無職の方など非常に多様な、様々な就業形態の方々が加入しているという特色がございます。このため、労務に就けないときの所得補填であります出産手当金などにつきましては保険者による任意給付というふうにしているところでございます。
 その上で、恐らく委員のおっしゃりたいのは、こういったものを全国統一の制度として行ったらどうかという御意見かと受け止めさせていただきたいと存じますが、その点につきましてはやはり幾つか課題があるのではないかというふうに考えております。
 例えば、国民健康保険は、先ほども申し上げましたように、健康保険とは異なって、自営業、無職の方々など多様な就業形態の方々が加入する制度であると、そのため、労務に就けないときの収入減少の状況が非常に多様であります中で、どのような方を出産手当金によって生活保障をすべきか、あるいは、労務に就けないときの収入減少の状況が非常に多様でございますので、所得補填として妥当な支給額の算出をするのが非常に難しいといったこと、それからまた、給付を行うに当たりましては保険料を徴収する被保険者の方々の御理解が必要であるということ、それからまた、給付を行うために財源が必要でございますけれども、保険者によって財政的な余力が非常に異なっておる中で、何を財源としていくのか、どう確保していくのかといったような課題があるというふうに認識をしているところでございます。
 いずれにいたしましても、短時間労働者の方々に対して被用者保険の適用拡大というのを現在進めているところでございます。これを着実に進めていくことが重要でございますので、これによって労働者の方々の保障の充実を図ってまいりたいというふうに考えておるところでございます。
 以上でございます。

#179
○田村智子君 これ、矢田議員も質問もされて、国会の中で何度も取り上げられている課題なんですけど、今の答弁だと、保険者の判断で、つまり自治体が条例などを作ればできますよって言いながら、これだけの課題があって難しいとおっしゃる。それは自治体だって同じじゃないですか。これだけの課題があるからやっぱり難しいよねと。事実、ないんですよ、そういう条例作っているところ。財源の手当てもないし。
 傷病手当も、条例があれば給付できるというふうになっているけれども、条例がないからこれ実際には払われてもいない。だけど、今、コロナ禍の中で自営業者が新型コロナウイルス感染症に感染しても所得保障がなくて休めないという問題点が指摘されて、国が財源の手当てもして、国保加入者のうち給与所得者に限定はされているけれども、全国で条例が今制定されているんですよ。給与所得者でない者についても条例で定めることもできるというふうに国は周知もして、実際に定めているという自治体も出てきているわけなんですよね。
 これ、欧米というか、世界では当たり前なんですけれども、少子化対策のときにやっぱりやらなきゃいけないのは、子供を産むということを女性の不利益にしてはならない。大原則なんですよ。子供を産むことによって働くことはできないですよ、一定期間。そのときにその方の所得の保障をどうするんですか、大丈夫ですよ、ちゃんと国が、国がというか、公的に保障しますよと、これやるのは当たり前のことだというふうに私思うんですけれども、どうですかね。

#180
○政府参考人(榎本健太郎君) お答え申し上げます。
 今委員の方から、先ほど、傷病手当金というものもあって、そういったものに対しては今回コロナの対応に鑑みて一定の財政的な支援を今回特例的に行っているといったことを引いて、そういったようなことがこういった出産手当金などについてもやはり考える必要があるんではないかということだったというふうに理解させていただいております。
 ただ、この点につきましては、先ほども申し上げましたとおり、やはりこれを全国統一の制度として行うという点についてはどうしてもいろいろな課題が、検討すべきものが多いというふうに考えているところでございます。そういった中で、国から財政支援を行うということにつきましても、やはりどうしても慎重な検討が必要なものというふうに考えております。
 いずれにいたしましても、たしか先ほどまだやっている自治体がないという御指摘がございましたが、各保険者における動向については引き続きしっかりと把握をしてまいりたいというふうに考えております。

#181
○田村智子君 出産が多い年齢層である二十歳から三十九歳の女性で見てみると、国保の加入者は百九十一万一千人なんですね。同じ年齢層の女性は一千三百十四万一千人、ですから約一五%を占めているんですよ。ここに出産手当だけでなく育休給付もないと。そうすると、本当、自営業者の方お聞きしますと、産後の産休取らずに復帰したとか、その負担が重いゆえに二人目は諦めたとか、こういう話はいろいろ聞くわけですよ。
 国保に加入している働き方というのは、非正規だったりして社会保険入れてもらえなくてという方もいますよね。飲食業などのところの中でも、フリーランス扱いにしちゃって働かせている場合もあるわけですよ、社会保険入れたくなくてね。こういう、低所得で就労が安定しないために国保と健康保険の間を行き来する、こういう方もいらっしゃる。これも少子化に悪影響を与えているという指摘もあります。
 ドイツでは、保険になじまない給付として、被用者以外は全額国庫負担という制度にもしている。やはり、少子化担当大臣として、ここはやっぱり政府の大きな課題として、いかなる条件にある女性も子供を産むことについて不利益にしない、出産の手当とか育休のときの手当とか、これを保障する制度考えると、これ是非お約束いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

#182
○国務大臣(坂本哲志君) 国民健康保険の加入者に対します出産、育児に伴います所得保障につきましては、今厚生労働省から言われましたように、様々な課題があるものと承知しております。
 厚生労働省における議論の動向を注視してまいりたいというふうに思っております。

#183
○田村智子君 最後、三十分ぐらいまだ時間があるんですけど、是非大臣にちょっとお願いをしたいのは、やはり個々の政策の説明でよしとしないで、やはり少子化担当大臣って省庁横断で少子化という対策をいかに取っていくかという大きな立場での特命担当大臣だというふうに思うわけですよ。ですから、残りのその三十分ほどの時間を是非大臣と政治家同士の議論をしたいんです。ある意味、もう皆さん、いろんな論点がはっきり言えば出尽くすような状態で、そうすると、やっぱり深い少子化対策として日本は何をすべきなのかという議論を国民は一番求めているというふうに思うんです。光栄なことにトリを務めることになりましたので、是非そういう議論をさせていただきたいと思うんですね。
 十八日の参考人質疑、やはり末冨芳さん、内閣府の子供の貧困対策に関する有識者会議の委員も務めておられたわけで、非常に指摘は厳しくもあり、非常に学ぶところが多かったです。
 チャイルドペナルティー、子育て罰ということも指摘をされて、この法案の審議の中で何人かの委員の方が指摘をされた言葉でもありますよね。さっきも言いましたけど、これは子供を持つ親が子供のいない成人と比較したときに社会的な不利益を受けてしまう、これをチャイルドペナルティーと呼ぶと。これは、主にこれまでは働く女性が受ける不利益として政治の場で議論されてきた、だけど根本的な解決の方向に向かわずに、むしろそのチャイルドペナルティーが男性にも広がっている、こういうふうに末冨参考人は指摘をされたわけですね。
 そうすると、少子化対策という政策立案の考え方、これも末冨参考人の指摘って私なるほどと思ったんですけど、子供・家族対策、子供と親、家族の幸せをどう実現するのか、産めよ増やせよみたいな少子化対策じゃなくて、現に今いる子供とその家族、親、この人たちが幸せを実感できる、そういうためにどういう政策が必要か。これ、とても大切な指摘だというふうに私は思ったんですね。
 やっぱり、経済的、社会的な不利益を取り除かずに、社会保障を支えるためだ、将来の経済の担い手として少子化対策が必要だということになると、これは当事者にとって、苦しいけれど頑張れになっちゃうんですよ。あなたたち、不利益はあるけれども頑張ってねということになってしまう。そうすると、若い人たちにとっては、結婚、出産、子育てへのためらいとか怖さにも今つながっているんじゃないかというふうに思うわけですね。
 だから、この社会的、経済的不利益、子供がいることで、子供のいない成人、大人と比べて不利益がある、これを解消する、この立場とても大切だと思いますが、大臣の見解、伺いたいと思います。

#184
○国務大臣(坂本哲志君) 私たちとしては、そういうことも考えまして、結婚、妊娠、出産、そして子育て、それぞれのライフステージにおいて政策を充実させていく、そのために安定的な財源を確保していく、そういうことで、少しずつではありますけれども、予算も増加して、増強させているわけでありますので、総合的な子育て対策、そういったものが少子化対策に確実に結び付いていく、それを継続していくことが大事なことであるというふうに思っております。

#185
○田村智子君 やっぱり、それは皆の共通認識だと思うんです。共通認識で、特に、これまでも議論あったとおり、やっぱりその不利益って何かといったら、子育てに係る費用が余りにも負担が重過ぎる、そこが、子供のいない大人と子供のいる大人とを比べたら、いろんな生活を我慢しなくちゃいけなくなる不利益になって、子育てに幸せ感が湧いてこないということにつながっちゃうということだと思うんですよね。
 だから、みんな、今度の児童手当のこの世帯年収一千二百万円以上のところで、じゃ、児童手当の特例給付もなくしますと言われたときに、なぜ、子供のいない成人との関係でのこういう経済的負担をどうするかって考え方に立たずに、子育て世帯の中だけでお金の付け替えをやるんだよという議論にやっぱりなっちゃうと思うんですよ。やっぱり政府の政策が、今私が指摘したような立場に立っていないというふうに思えるんですよね。
 現に、この法案に賛成という立場で参考人質疑で意見表明された方も、やっぱり待機児童解消の財源のためには収入の多い保護者は一定我慢することも必要だというようなお話をされたんですよ。とても頑張って頑張って子育てして、働きながら、男性としても育児休業も取った、だけど、やっぱり待機児童が大変という事態を見れば、一定僕たちが我慢をする、一定僕たちが負担をしなければと。
 それは、やっぱり子供を育てるということは、子供がない生活と比べれば、そうやって我慢や負担になっていくんだなということになってしまって、不利益の解消にならないんじゃないのかと、そういうふうに思うんですけど、いかがですか、改めて児童手当の今回の改定について。

#186
○国務大臣(坂本哲志君) 少子化の背景には、先ほども言いましたけど、個々人の結婚や出産、そして子育ての希望の実現を阻む様々な要因が絡み合っているというふうに思っております。
 子供についての考え方を見てみますと、未婚者、既婚者のいずれにおきましても、平均して二人程度の子供を持ちたいとの希望を持っていますが、子育てや教育にお金が掛かり過ぎる、これ以上育児の負担には耐えられない、さらには、仕事に差し支えるといった理由で希望がかなわない状況にあります。
 核家族の進展や共働き家庭の増加など家族の在り方や家族を取り巻く環境が多様化する中で、子育てに関する経済的負担や心理的、肉体的負担など様々な負担を軽減し、社会全体で子育てを支え、安心して子供を産み育てられる環境を整備することが重要であると考えております。
 私たちといたしましては、少子化社会対策大綱に基づきまして、安定的な財源を確保し、そして、待機児童の解消のための、今般策定いたしました新子育て安心プランの実施や、先ほどから出ています男性の育児休業の取得促進、さらには男女共に仕事と子育てを両立できる環境の整備、そして保護者の就業形態や就業の有無等にかかわらず子育て家庭の多様なニーズに対応する多様な保育、子育ての支援の提供などをライフステージに応じて総合的に対策を取り組むことが少子化対策につながっていくものだというふうに思っております。

#187
○田村智子君 例えば、年収一千二百万円以上、子供のいる世帯といない世帯、いない人というふうに考えれば、これはやっぱり、それは生活全然違うし、お金の使い方全然違いますよね。それも全く同じように保障しろって求めているわけではないんだけれども、やっぱりそれは子供がいることへの不利益というのを抱えざるを得ない状態にあるんですよ。
 一千二百万円以上の人って、本当に裕福な高額所得者で全く困っていないかといったら、そんなことないと思いますね。いろんな御事情があると思いますよ。介護を抱えている方もいらっしゃるだろうし、本当、共働きで二重保育をやっていらっしゃる方とかも、そうでなきゃ稼げないような年収だったりもしますよね、うなずいていらっしゃるけどね。そう考えると、その負担というのは決して軽いものではないと思います。
 既にもう皆さんが指摘されていますけれども、やっぱり、しかもそういう中間所得以上のところ、ここの負担って重くされてきたというのも事実ですからね。民主党政権から安倍政権に替わって、高校授業料無償化の対象からも外される。高等教育無償化は最初から対象ではなくて、皆さん指摘された有利子の二種奨学金さえも対象じゃないと。認可保育所では、三歳まではもうこれ上限張り付きの保育料の負担でしょう。税や保険料の負担というのも、とても優遇されているというふうにはならないですよね。子供が十五歳までは扶養控除の対象にもならない。
 そうすると、今回の法改正というのは、やはり年収一千二百万ぐらいあれば子育ては自己責任だというメッセージになっちゃうと思うんです、先ほどもメッセージという質問ありましたけれども。その点いかがでしょうか。

#188
○国務大臣(坂本哲志君) 高齢所得の方につきましては、負担能力に応じて税や社会保険料を御負担をいただいているところでございます。一方の方で、児童手当制度は、児童の健やかな成長に資することに加えまして、家庭等における生活の安定に寄与するという、二つの目的を併せ持っています。このため、比較的生活が安定していると考えられる年収一千二百万円相当以上の方への特例給付を見直すことが法の目的に反するものではないというふうに私たちも考えているところであります。
 多様化する子育ての家庭の様々なニーズに応えるためには、少子化社会対策大綱にもありますように、子育てについての第一義的責任を有する父母などの保護者が共に支え合いながら子育てを行う中で、その家庭を社会全体でバックアップしていくことが必要であり、子育てを自己責任で行うべきとは考えていないところであります。

#189
○田村智子君 そう考えていないということが伝わるような、伝わるような政治や法制度にしていかなきゃいけないんですけど、そうなっていないというふうにちょっと言わなきゃいけないんですよね。
 これも既に指摘がされていますが、改めて確認しますけれども、今回これで法案が成立すれば、所得制限の範囲というのは今後は政令改正になるので、このように国会の委員会で法案審議ということはやらないでできていくということになると思うんですけど、いかがですか。

#190
○政府参考人(嶋田裕光君) お答えいたします。
 今般の児童手当の給付の在り方を検討した結果といたしまして、年収一千二百万円相当以上の方の月五千円の特例給付を見直すこととしたところでございますが、所得上限の基準額につきましては本改正案においては政令で定める額とされておりまして、これは、現在の児童手当の本則給付とそれから特例給付とを分けている所得制限基準額、これはモデルの設定で年収九百六十万というラインがございますけれども、それと同様な形で規定をするものでございます。
 なお、今後、特例給付のみについて見直しを行うことは現時点では考えておりません。

#191
○田村智子君 現時点では考えていなくとも、これ制度として聞いていますので、これ、法案、法律の条文上は所得制限を設けるという条文であって、それに対して附則の中で特例給付というのをつくっているので、今後、その特例給付に対して所得制限を今設けるというふうにしてしまったら、改定によってやってしまったら、今後はその範囲というのはもう政令の範囲ですよねと、改めて法案審議のような審議は必要なくなりますよねということを確認しています。

#192
○政府参考人(嶋田裕光君) これは政令で決める、定めることとなりますので、政令による、改正による手続によるものだというふうに認識しております。

#193
○田村智子君 だから、政令の改正は一々国会に提出して審議事項にならないので、今後は予算案の説明事項の中には入るでしょう、こうしますって、もし変わる場合。そうなれば、まさに今度は予算案という審議になりますから、財源確保という、そういう検討対象となる可能性が私高いと思うんですよ。児童手当がどうあるべきかという議論ではない、子供に対する普遍的な支援策とはどういうものかといって法案審議のように議論するという機会がなく、まさに金目の問題で対象を広げることになりかねないというふうに私思わざるを得ないんです。
 やっぱり全ての子供を対象とする児童手当、これは、子供の権利に根差した制度であって、一人一人の子供を育てることに対して社会全体で支えていくということを表す制度なわけですよ。だから、本来、私は、本法のその条文のところでの所得制限ということそのものを見直すことの方が求められているということも指摘をしておきたいというふうに思います。
 それで、これも今日も質問があったんですけど、やっぱり一回目の質疑のときに、子供の数の減少によって児童手当の額って減っていきますよねということで質問して、今日も質問ありました。二〇一七年度は前年度から二百三十億減り、それ以後、一年で三百億規模、四百四十億、三百二十億、たった四年間だけで一千三百億円も減ってきちゃったんですね。
 これ、児童手当だけじゃなくて、私たち、義務教育の先生の配置の問題なんかでもずっと問題にしてきたんですよ。児童の数が減るから先生の数も減りますよね、だから義務教育の国庫負担も減りますよねと。こうやって、ただただ子供の数が減ることに対して、その予算をまず、減るのが当たり前という考え方を立て付けにしちゃったんですよね。
 午前中の議論で、少子化対策で二・六兆円増やしましたというお話もあって、それ、高等教育の無償化等々の新たな制度をつくるから予算規模増えたと、消費税の財源とか持ってきてということはあるかもしれないんですけれども、考え方として、考え方として、子供の数が減ることについて、だから予算規模が減って、減った分はまずお返しすることがというか、減ったことを前提に予算編成するというやり方はちょっと変えていいんじゃないかと思うんですよ。
 子供の数が減っていくことが大問題なんだから、子供の数が減っていくことで減ってしまう分の予算というのは少子化対策に充てるという基本方針を私は政府は持つべきだと思いますね。それいかがですか。

#194
○国務大臣(坂本哲志君) 子供の数は減っておりますけれども、予算の方は増やしております。平成二十五年度は約三・三兆円、それから平成三十年度は約四・六兆円、一・三兆円の増加でございます。そして、令和三年度は約五・九兆円でありますので、一・三兆円を増加させているところでございます。
 引き続き、安定的な財源を確保しつつ、少子化対策を全体として確実に進めてまいりたいというふうに思っております。安定的な財源、そしてそれはそのまま恒久的な財源でございますので、しっかりそこを確保してまいりたいというふうに思っております。

#195
○田村智子君 私たち、よくその予算案を財務省から説明聞くときに、まずその予算の立て方の考え方というのを聞きますよ。そうすると、各省の前年度の予算を参考にして、そこから、例えば増やさないとか、あるいはこの分は増やしていいとか、こういうまず大きなスキームつくるじゃないですか。だから、そのスキームの考え方の中に、子供の自然減というのを減と考えないと。それは、その省庁の中で減らしちゃいけない、前年度の子供に使ったこのお金というのは減らしてはいけないというまず考え方に立つべきじゃないかということをお聞きしているんですよね。
 それで、そうやって新たな財源確保とかって、だから、何、増やす分の新たな財源確保というと、どこかに負担求めるわけですよ。消費税だ、何だというふうになっていってしまうじゃないですか。新たな財源じゃないですよ。元々、去年だってこの枠でやってきた、じゃ、この枠はまず確保しましょう、そういうスキームということを持ったらどうですかという提案なんですよ。与党だって賛成できるでしょう、これ。と思うんですけれども、いかがですか。

#196
○国務大臣(坂本哲志君) 先ほど言いましたように、平成二十五年度から比べますと、これは一・三兆円から一・三兆円で二・六兆円、予算そのものは、子供の数は減っているけれども増やしております。
 一方の方で、高齢化が進む中で、社会保障関係費全体の増加が進んでいるところであります。そういう中で、少子化社会対策大綱に基づきまして、安定的な財源、これをしっかりと財務省とも協議をしながら確保していくというのが私たちの方針でございます。

#197
○田村智子君 その増やすというんですけれども、まず減らした上で、それで増やそうとするから、財源どこから持ってこようかなという話になって、いろいろいろいろ大変なことになるんじゃないですか。負担をどこに押し付けようかという話になってくる。だから、これは是非考えてください、与党も。まず減らさないと、少子化対策に充てるの当たり前というスキームとして是非つくっていかなければ、まともな少子化対策の予算なんて組めなくなってしまうというふうに思いますので、改めて強調しておきたいというふうに思います。
 それから、私、この間、本当、少子化対策というのは、いろんな研究がやられているんだなということも政府の様々な資料を見てよく分かりました。
 その中でもちょっと面白いなというふうに思ったのは、財務省の財務総合政策研究所の人口動態と経済・財政の変化に関する研究会、これ昨年十月二十日にスタートしているんですね。その座長である中央大学の山田昌弘教授の報告が、プレゼンテーションの資料を見るだけでも大変興味深いんですよ。これ、財務総合政策研究所のホームページから見ることもできますのでね。
 日本はなぜ少子化対策に失敗したのか、コロナ後の家族は変わるのかという刺激的なタイトルなんですけれども、先進国の中で少子化傾向を転換させたフランスや北欧などと、政策の比較だけではなくて、若者の意識とか恋愛行動とかセックスレスの問題とかも含めて比較をしているんですよ。本当、自由討議で皆さんと議論したいようなプレゼンテーションにもなっているんですね。
 この多岐にわたる問題提起の中から抜粋的に私が注目をしたところを紹介したいんですけれども、日本的特徴、少子化の日本的特徴というふうに指摘されているんですよ。結婚、子育てには生活上のリスクが付きまとい、リスク回避の傾向がある。そのこととつながっているんだけれども、子供の将来に対する責任意識の強さ、これが日本的特徴として指摘されているんです。なるほどと思いました。そこから、子供の将来に対する責任が強いから、子供に惨めな思いをさせたくない。
 欧米は、子育ての手間は子供が成人までだと。成人というのは十八歳ですね。高等教育費用の負担はしない。だから、子育て費用は子供が小さいうちで済む。多数の子供を育てても、成人までであれば予測が立つ。日本は高等教育などの費用は親負担が当然。子供に将来、より良い人生を送ってほしいポジティブ面、惨めな思いをさせたくないネガティブ面という親の感情に裏付けられていると。
 で、暫定的結論というのがあるんですけど、子供に惨めな思いをさせたくないという意識が続き、子供の経済、教育環境は親が整えなくてはならないという責任感がある。若年男性の経済的格差が拡大したままで、男性が主に家計を支えるという意識が続いたままで、特に親が未婚の若者を経済的に支えており、大きな経済成長が望めない限り、日本の若者は子供を多く産み育てようとは思わない。コロナ禍でこの傾向を増幅させる可能性があると。
 まず、この指摘について、大臣の見解、認識、いかがでしょうか。

#198
○国務大臣(坂本哲志君) 私も山田先生のこの講演の資料を少し見させていただきましたけれども、やはり親が過ごした生活よりも更に上位を子供に求める、そのことが非常に大きな負担にもなっているし、少子化へもつながっているということについては私もなるほどなというふうに思うところであります。

#199
○田村智子君 まあ、子育て長過ぎるんですよね、本当に責任を持つ期間が長過ぎて、特に十八歳以降というのは本当に重くのしかかってくるわけですよ。
 資料でお配りしたのは、参議院がいろんな経済や政治の情勢について様々な研究とかコラムを出してくださっているものなんですけれども、子供の減少と相反する一人当たり教育費の増加、家計に占める教育費支出の推移をグラフにしているんです。このグラフは、教育費が家計に占める割合が、一九九〇年代の前半が言わばピークになってその後減っていくという資料になっているんですね。
 しかし、これが書いてあるのは、子供の数が減ったことが教育費の支出に占める割合を下げているのであって、一人に掛かる教育費を見てみると、一九七〇年には一人に掛かる教育費二・四万円、それから二〇一七年には三十七・一万円と増加し、約十六倍になっていると。それで、二枚目の方を見ていただくと分かるんですけど、今も、一人当たりにすれば年間に掛かる教育費というのは増える傾向が止まっていない。家計に占める割合が減っているのは、単に二人目、三人目を持つことをやめたということの表れでしかなくて、非常に重い教育費負担になってきているということなんですよ。
 やはり、これに応える施策が何なのか。もちろん様々な施策必要だと思うんですけれども、いろんな制度の改定を待っている余裕さえ私はないんじゃないかというふうにも思えるんです。特に、教育制度を変えていくというのはなかなかに時間も掛かる。そうすると、私は、一番は、この負担感に対して、大丈夫ですよ、子供を持つことはリスクじゃないですよというのには現金給付という制度は極めて有効であり重要であるというふうに考えますけど、その点いかがでしょうか。

#200
○国務大臣(坂本哲志君) 子育てや教育に掛かる費用負担の重さが子供を産み育てたいという希望がかなわない障壁の一つになっていることから、私たちといたしましては、幼児教育、保育の無償化、それから高校生への修学支援、高等教育の修学支援など、子育て世帯への教育、保育に関わる経済的支援を充実させてきたところであります。
 引き続き、少子化社会対策大綱に基づきまして、必要な安定財源を確保しつつ、少子化対策を全体として確実に進めてまいります。

#201
○田村智子君 もう少し面白い議論をしたいなと思うんですけれども、大臣とね。
 高校授業料の無償化も中間所得層ぐらいだと思います。中間所得層よりちょっと上ぐらいからは外れちゃうわけじゃないですか。で、高等教育の無償化というのは、真に必要とする人を無償にするというふうに制度設計をされているので、そうすると、低所得というリスクを担っていれば受けられるんですよ。で、そうでなければ、そうでなければ高額な教育費負担というリスクを担わなければならないんですよ。どっちもリスクから逃れていないんですよ。低所得というリスクを担っている親たちか、それか高負担という、高等教育の重い負担というリスクを担っているか。どっちも、さっき言った、頭の方で言った、その子供のいない成人と比べて生活がこんなにリスクが高いぞと、こんなに負担感があるぞという状態にどっちもなっちゃうわけですよ、そうなると。ここに対してどうしていくかということなんですよね。
 だから、私は、本当は、その児童手当だって中学卒業で終わっちゃうんだけど、その後ですよ、本当にその負担感が増していくのは。ここに対する現金給付どうしていくのか。児童手当を、もっとそういう負担感をなくしていくような制度として立て直していくような、充実させていくような、そういう検討だって求められていくというふうにも思うんですけど、いかがでしょう。

#202
○国務大臣(坂本哲志君) そういうことを考えながら、私たちとしては、結婚、妊娠、出産、そして子育て、さらには高等教育の支援、そういう総合的な対策をバランスよく実施していく、そしてその中で、現物給付あるいは現金支給、そういったものも組み合わせながら、制度として一つ一つ充実したものにしていく、そういう考えで少子化対策に結び付けているというところであります。

#203
○田村智子君 そういう政策が、真に必要なとか一定のこの範囲を限定的にやった政策である限り、私は率直言って、この少子化止めるって本当に難しいことになっていくと思いますよ。今、二十代、三十代の若者は、加速度的に結婚や子育てを自分の人生にとってのリスクと考えざるを得ないような状況になっていると思います。
 先日、ある若い国家公務員の方とお話をしましたら、奨学金の返済総額七百万円だとお聞きしました。大学院まで進学して、専門性を身に付けてから国家公務の職場に来た方なんですよね。その返済が本当に大変だと。これ、私たちぐらいの世代だったら親が負担していた教育費だと思います、大学までって。それが、今の若い人たちは、自分自身が過去に受けた教育の費用をその教育が終わってから自分自身で負担し続けているんですよ。物すごくその負担が重くされてしまったんですよ。学費どんどん上げていって、払えなかったら奨学金の額増やしちゃったんですもの。本当にとんでもない政策だったというふうに思いますけど。
 そういう人たちが家庭を持ったら、自分が過去に受けた教育費の負担をしながら、今度は、その子供の教育費の恐らく十六歳、十八歳までも見て、将来の分まで準備しなきゃいけなくなるんですよ。これをリスクと考える若者がどこまで増えていくかという非常に深刻な問題です。そのことをよくよく見て、やはり低所得だけじゃない、中間所得層、それ以上、そこをも含めた、現金給付含めた様々な制度を講じることが本当に喫緊に求められている。
 時間来てしまったので、大臣とまたこういう議論を是非やりたいと思います。今日はここで終わりたいと思いますが、ありがとうございました。是非お願いしたいと思います。

#204
○委員長(森屋宏君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。

#205
○木戸口英司君 立憲民主・社民の木戸口英司です。
 私は、会派を代表し、ただいま議題となりました子ども・子育て支援法及び児童手当法の一部を改正する法律案に対し、反対の立場から討論をいたします。
 令和元年の八十六万ショックに続き、令和二年の出生数は過去最少となることは確実と見られています。さらに、新型コロナウイルスの影響が大きい令和三年の出生数においても減少傾向は更に加速する見通しで、八十万人を下回る見込みです。
 しかし、本法案の質疑において、国難という言葉は躍っても、真に危機感が共有されたとはとても言えず、政府からは国難突破のための道筋が熱を持って語られることはなく、政府の言う総合的対策が実効性と具体性を覆い隠しているとも言えます。
 政府は、全世代型の社会保障制度を掲げ、消費増税の増収分を待機児童の解消、幼児教育、保育の無償化に充てるとして、国民に負担増を求めてきました。
 本法案では、児童手当の特例給付に所得制限を設けることで生じる財源を保育の受皿確保に係る費用に充当するとしています。財源不足を補うために高所得者の更なる負担を求め、子育て世代間の融通で賄うことは、政府による少子化対策の財源見通しの甘さ、子ども・子育て支援への理念の欠如と言わざるを得ません。
 子供の育ちを社会全体で支えるという普遍主義の哲学から、親の年収にかかわらず、全ての子供に対し児童手当を給付すべきと考えます。よって、児童手当に所得制限を設ける本法案は断じて容認できません。
 本法案により児童手当の特別給付の支給対象外になる年収千二百万円以上の方の勤労や消費、出産、子育てへのモチベーションを奪い、少子化を更に加速させる懸念があります。所得制限を千二百万円とした根拠も薄弱で、子育て世代の生活実態についての調査や分析も行われておりません。根拠なき線引きが国民を分断し、制度への不信、不満が子育て政策に対する国民の幅広い理解と協力を遠ざけることになりかねません。
 さらに、政府は、新子育て安心プランによる保育の受皿整備を進めるとした中で、短時間勤務保育士の活躍促進として、待機児童がいる市町村において各クラスで常勤保育士一名必須との規制をなくし、それに代えて二名の短時間保育士で可とするとしています。保育士不足の現状への対処策として常勤保育士の負担軽減もせず、短時間勤務保育士で代替しようとするのは常勤保育士の負担増にもつながり、更なる常勤保育士離れを招く余りに短絡的な政策です。保育の質を担保するため、各クラス常勤保育士一名を必須とする規制は緩和すべきではなく、まずは保育士の配置基準を見直し、常勤保育士の業務負担を軽減することで新たな保育人材の確保を目指す施策が必要です。
 政府が、こども庁創設の議論と並行して、新子育て安心プランの不足する財源を補うために、子育て支援策の中での予算の付け替えにすぎない法案を提出することは、国民に対する欺瞞と言えます。諸外国に比較して乏しい子育て支援に係る予算の中でやりくりするのではなく、子育て支援に係る予算そのものを拡充すべきではないでしょうか。
 かつて、子ども手当や高校無償化の制度が創設され、それぞれ親の所得制限を置かなかったことは、社会全体で子供を育てる、子供一人一人の権利を擁護するという理念に基づいていました。政府が推し進める児童手当、ゼロ―二歳児の幼児教育、保育の無償化、高校無償化、大学の貸与奨学金等において所得制限を設けるということは、どのような理念に基づいて子ども・子育て政策が進められるのか、公助を後退させ自助を強めていくという菅政権の姿勢を浮き彫りにしているのではないか。政府の少子化社会対策大綱にある、国民が結婚、妊娠、出産、子育てに希望を見出せる社会は、本法案からは到底見出すことはできません。
 以上申し上げ、私の反対討論を終わります。

#206
○高木かおり君 日本維新の会の高木かおりです。
 私は、会派を代表して、子ども・子育て支援法及び児童手当法の一部を改正する法律案に反対の立場で討論いたします。
 我が国の少子化は深刻さを増しています。少子化が加速することによって、我が国の経済力の低下のみならず、社会保障制度を持続させていくことの危うさにも直面することになり、困難とも、国難とも言うべき意識を私たちは持つべきです。
 また、コロナ禍で労働市場にも大きな影響が出ています。特に、非正規雇用の方々の雇い止めや解雇などは深刻で、世帯収入の減少に拍車を掛けています。こうした不安定な雇用環境、子供を更に二人目、三人目と産みたい希望とは裏腹に、子供を持とうという気持ちを萎縮させてしまう懸念があります。なぜなら、子供を産み育てることには多額の費用が掛かるからです。今こそ、日本の未来を担う子供たちのために、私たちはこの少子化対策に果敢に挑んでいかなくてはなりません。
 それでは、以下、反対する具体的な理由について述べていきます。
 第一に、待機児童問題の解消のための保育士の処遇改善と保育の質の向上について明確な計画が示されていないことです。
 政府は待機児童問題の解消のために四年間で十四万人の保育の受皿を整備するとしていますが、この中には保育士の処遇改善が盛り込まれていません。政府は既に処遇改善に取り組んでいるとの説明でしたが、新規の十四万人の受皿に必要な処遇改善や質の向上については曖昧な部分が多々あり、待機児童問題の解消につながるかは大いに疑問であり、計画の不透明感は否めません。
 第二に、児童手当の支給基準について、実態に合っていない算定方法が用いられているということです。
 既に共働き世帯が片働き世帯よりも多いことから、世帯の実態に合った支給要件を考えるべきところ、主たる生計維持者の収入を採用してしまったことで、現状の世帯実態と政府のモデルケースには隔たりがあります。今回、片働きの収入のみで判断するため、夫婦の合算が一千二百万円を超えていたとしても、どちらも一千二百万円を超えていなければ児童手当が支給されてしまいます。世帯合算を見送った結果、生じた矛盾です。
 世帯合算を見送った政府の理由として、改正案で附則に検討規定を設け、子供の数等に応じた児童手当の効果的な支給と財政の在り方、支給要件の在り方を検討すると説明しますが、そもそもその検討は今やるべきであって、政府には真剣に議論に挑もうという姿勢が感じられません。
 また、本法案で特別給付の支給を打ち切られる世帯に向けて、政府は説明責任を果たしておらず、誤ったメッセージを送っていることは払拭できていません。年少扶養控除の復活の議論がなかったことがそのことを表していると言えます。
 第三に、特例給付を一部廃止した財源を保育の受皿の整備に付け替えていることです。
 そもそも国の財源の扱いに問題があります。会計検査院から、無駄と不適切な処理について令和元年度の決算検査報告で内閣府及び厚労省は指摘を受けたことを内閣委員会で認めました。他方で、政府は、現況届を廃止するために二百八十九億円を全額国費で全国の自治体のシステム改修を行うとしています。この点について担当大臣は追加予算はないと断言しましたが、平成二十四年の幼児教育、保育、子育て支援の拡充に必要とされた約一兆円超の財源を見込んでいたにもかかわらず、確保できたのは七千億円で、残りの三千億円については確保されていなかったという政府の予算管理の甘さを我々は教訓として今も忘れていません。
 これらを踏まえ、政府が保育の受皿整備について最終的な解決を図りたいと強く望むのであれば一般財源から拠出するべきであって、財源の一部を特例給付廃止から補うという発想は単に予算の付け替えでしかありません。
 日本維新の会は、幼児教育から高等教育までの完全無償化の実現をこれまでも訴えてまいりました。教育の無償化は、家庭の経済状況で進学を断念することなく、少子化に歯止めを掛けることにも期待ができます。また、最低所得保障としてのベーシックインカムを含む日本大改革プランなど、少子化対策に向けた大胆かつ緻密な検討を重ねております。
 共働き子育て世代における両立支援や子育て世帯の孤立化や虐待の問題、また、実態調査が初めて公表されたヤングケアラーの問題など、子ども・子育てについての課題は山積しています。
 政府提出の二法案には問題を俯瞰して見る発想が欠けており、法案成立後に修正していけばよいという安易な前提で法案審議を進めるやり方には到底容認できないことを申し上げて、私の反対討論といたします。

#207
○矢田わか子君 国民民主党・新緑風会、矢田わか子です。
 子ども・子育て支援法及び児童手当法改正案に対し、反対の立場から討論を行います。
 少子化対策における最も大事なキーワードは、子育て世帯の安心感です。社会全体で子育て世帯を支えるという理念の下に関係予算の増額こそ論議すべきであり、一定の所得をもって支援の削減を行うことはこの理念に反するものです。
 以下、三つの理由から反対の意見を述べます。
 一つ目に、コロナ禍という誰もが感染へのおそれや生活への不安を感じているさなかに、子育て世帯が一段と厳しい状況に置かれていることが認識されていません。
 実際に、子供への虐待や家庭内DVが急増しています。これは、家庭内で不安やいら立ちが収まっていない状況を象徴しているものです。そのような中での児童手当削減の見直し、子育て世帯の不安を増長するものであり、時期が悪過ぎると言わざるを得ません。コロナ禍の今、急いでやらなければならないことなのでしょうか。
 二つ目は、待機児童の解消に向けた財源捻出が今回の改正目的ですが、本当に四年後までに十四万人分の子供を預かる保育所整備が必要なのかどうかが明確でないということです。
 コロナ禍で出生数も妊娠届出数も減っており、今年の出生数は八十万人を割るとの予測もあります。コロナ感染が終息した後もすぐに回復する見込みは薄く、しばらくこの傾向は続くのではないでしょうか。
 拙速に財源捻出をして保育施設ばかりを増やしても、保育士確保という難題があります。小手先の処遇改善では人は集まりません。労働負荷の軽減に向けて、労働時間の削減など職場環境の改善に取り組む必要があります。
 また、短時間保育士の活用は必要な施策と理解しますが、かといって、常勤保育士の配置基準まで弾力化するのは保育の質を落とすことにつながりかねません。保育の質の低下は、子供を預ける親にとって最も大きな不安材料であることを指摘させていただきます。
 三つ目は、所得制限と扶養控除との関係において整合性がないという問題です。
 かつて、児童手当額の引上げと所得制限の撤廃の際に、その財源として年少扶養控除が廃止された経緯からすれば、今回、所得制限を強化して財源確保をするのならば、扶養控除の方も見直しをすべきと考えます。
 子供を社会全体で育むという社会理念を継承し、子育て世帯の安心を高めていくこと、あわせて、子供を産み育てる潜在力を持っている中間層に対して各種の子育て支援策を充実させ、税制上の優遇策を展開していくことこそが少子化対策の最も有効な政策であることを訴え、反対討論とさせていただきます。

#208
○田村智子君 私は、日本共産党を代表し、子ども・子育て支援法及び児童手当法の一部を改正する法案に反対の討論を行います。
 民主党政権による子ども手当制度は、初めて親や保護者の所得を問わず、中学卒業までの全ての子供を対象とした現金給付制度として創設されました。年少扶養控除の廃止を財源とするなどの問題はありましたが、高校授業料無償化とともに子供に対する普遍的な制度がつくられたことは、社会全体で子育てを支えるという理念を示すものでした。残念ながら、二〇一一年、児童手当に改変され所得制限が設けられましたが、特例給付が続けられたことで今も全ての子供に現金給付が行われています。
 本法案は、この特例給付に所得制限を設け、現金給付から排除される子供をつくり出すものです。所得制限の範囲は政令に委ねられ、更なる対象拡大も懸念されます。これは、子供を育てることに伴う社会的、経済的不利益を大きくするものであり、反対です。
 政府・与党は、幼児教育、保育の無償化や高等教育への修学支援を持ち出して児童手当削減を正当化しています。しかし、日本の家族関係支出、特に現金給付は主要国と比較しても少なく、また、教育費などの経済的負担が増していることを考えれば、充実こそ求められます。
 この間、子育て支援や少子化対策の財源は、消費税増税や所得税、住民税の年少扶養控除廃止など、子育て世代への負担増とセットで進められてきました。子供を産み育てること、また子供への支援の財源は、大企業や富裕層への優遇税制を改め、社会全体の応分の負担によって確保すべきであることを述べ、討論を終わります。

#209
○委員長(森屋宏君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 子ども・子育て支援法及び児童手当法の一部を改正する法律案に賛成の方の起立を願います。
   〔賛成者起立〕

#210
○委員長(森屋宏君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、矢田さんから発言を求められておりますので、これを許します。矢田わか子さん。

#211
○矢田わか子君 私は、ただいま可決されました子ども・子育て支援法及び児童手当法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・国民の声、立憲民主・社民、公明党、日本維新の会及び国民民主党・新緑風会の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    子ども・子育て支援法及び児童手当法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。
 一 我が国の少子化は国難であるとの認識の下、少子化を克服するために、子育て関係予算の総額を増額すること。また、平成二十四年六月十五日に確認された民主党、自由民主党、公明党の三党による「社会保障・税一体改革に関する確認書」において幼児教育・保育・子育て支援の充実に必要とされた一兆円超のうち、〇・三兆円超が未だ確保されていないことを踏まえ、当該予算を早期に確保するよう努めること。
 二 子どもの安全と育ちを保障するため、幼保連携型認定こども園、幼稚園及び保育所の設置基準及び職員配置基準の改善並びにそのための財政支援に努めること。
 三 待機児童の解消については、「新子育て安心プラン」に基づく保育の受け皿整備を進める中において、潜在的な待機児童の実態把握や保育の質の確保を図りつつ、可能な限り早急に実現すること。その際、短時間勤務保育士の活用促進については、常勤保育士に係る規制の緩和を待機児童が存在する市町村に限定して実施するとしても、保育の質の低下を招くことのないよう、一貫した保育の提供に資する共同の指導計画や記録の作成等の留意事項が適切に運用されるよう指導すること。
 四 子ども・子育て政策が多くの省庁にまたがっていることによる弊害を除去し、より効果の高い子ども・子育て政策を実施するため、子ども関連政策の総合調整機能を高めるための行政組織の在り方について検討すること。
 五 一人親家庭に限らず、低所得の子育て世帯の子どもが貧困状況におかれることのないよう配慮すること。
 六 本法附則第二条の規定に基づく検討を行うに当たっては、以下の事項に配慮すること。
  1 未来を支える子どもたちを社会全体で支えるという考え方に立ち、各種施策を進める中で、できるだけ支援が届かない子どもが出ないよう、配慮すること。
  2 政令で定める特例給付の所得制限の基準額を変更しようとする場合は、子育て世帯の実態を踏まえ、検討すること。
  3 多子世帯の家計負担や、高校・大学等に通学する子どもの教育費の負担が大きいこと等を踏まえ、子どもの数や年齢に応じた効果的な支給となるよう検討すること。
  4 世帯合算の導入については、共働き世帯への影響や世帯間の公平等を踏まえ、検討すること。
 七 出生率の回復に成功した主要先進国における家族関係社会支出の対GDP比を参考に、少子化社会対策大綱等に基づき、ライフステージに応じた総合的な少子化対策に向けた取組について、具体的な検討を進めること。また、附則第二条の規定の趣旨に基づき、子どもの数等に応じた児童手当の充実について検討を行うこと。
 八 保育の受け皿を整備するに当たっては、保育士を十分に確保するため、財源を確保しつつ、賃金の引上げ等保育士の処遇改善を行うこと。また、保育所に対する委託費の使途については、保育士の人件費を十分に確保するため、必要な措置を講ずること。
 九 保育の運営費の財源については、子育てを社会全体で支えるとの考え方に基づき、適切に確保すること。また、事業主拠出金については、地域経済が厳しい状況にあること、中小・小規模事業者にとって負担が大きいこと等を踏まえ、事業主の負担が過度にならないように配慮すること。
 十 教育・保育施設に対する施設型給付費については、施設の規模が大きくなるに従い単価が下がる仕組みとなっているが、規模の大小にかかわらず安定的な経営が可能となるように努めること。
 十一 企業主導型保育事業については、施設の定員割れや休止等の事案が生じていることを踏まえ、保育の質の確保、事業の安定性・継続性の確保等を図るため、申請時の厳格な審査と運営への指導監督の強化をはじめ、速やかに措置を講ずること。
 十二 労働者の仕事と子育ての両立に資する観点から、労働者の子育て支援に積極的に取り組む事業主に対する助成について、少子化の状況や仕事と子育ての両立の状況も踏まえ、必要に応じて、その延長を検討すること。
 十三 市町村における地域子ども・子育て支援事業の実施状況を踏まえ、子ども・子育て支援の提供を行う関係機関相互の連携の推進に関する事項を市町村子ども・子育て支援事業計画の基本的記載事項とすることについて検討すること。
 十四 児童手当の現況届の廃止に当たっては、地方公共団体に新たな財政負担が生ずることのないようにすること。また、児童手当の現況届の廃止に伴うシステムの構築に当たっては、長期的な観点から経費を抑制するため、システムの運用コストや、制度が変更された場合の改修コストを含め、費用が最小となるようにすること。
 十五 児童手当の現況届を廃止し、行政機関及び地方公共団体の情報連携による現況把握に移行するに当たっては、情報連携の実績のない地方公共団体もあることから、円滑な移行がなされるよう、地方公共団体に対し十分な支援を行うこと。また、情報連携により、DV等被害者の住所等が加害者に知られることのないよう、必要な措置を講ずること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

#212
○委員長(森屋宏君) ただいま矢田さんから提出されました附帯決議案を議題として、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の起立を願います。
   〔賛成者起立〕

#213
○委員長(森屋宏君) 多数と認めます。よって、矢田さん提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定をいたしました。
 ただいまの決議に対し、坂本内閣府特命担当大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。坂本内閣府特命担当大臣。

#214
○国務大臣(坂本哲志君) ただいま御決議いただきました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重してまいりたいと存じます。

#215
○委員長(森屋宏君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#216
○委員長(森屋宏君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時二十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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