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2021/05/28 第204回国会 参議院 第204回国会 参議院 本会議 第26号 令和3年5月28日
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2021/05/28 第204回国会 参議院

第204回国会 参議院 本会議 第26号 令和3年5月28日

#1
令和三年五月二十八日(金曜日)
   午前十時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
○議事日程 第二十六号
  令和三年五月二十八日
   午前十時開議
 第一 所得に対する租税に関する二重課税の除
  去並びに脱税及び租税回避の防止のための日
  本国とセルビア共和国との間の条約の締結に
  ついて承認を求めるの件(衆議院送付)
 第二 所得に対する租税に関する二重課税の除
  去並びに脱税及び租税回避の防止のための日
  本国とジョージアとの間の条約の締結につい
  て承認を求めるの件(衆議院送付)
 第三 投資の自由化、促進及び保護に関する日
  本国とジョージアとの間の協定の締結につい
  て承認を求めるの件(衆議院送付)
 第四 日本国における経済協力開発機構の特権
  及び免除に関する日本国政府と経済協力開発
  機構との間の協定の規定の適用範囲に関する
  交換公文を改正する交換公文の締結について
  承認を求めるの件(衆議院送付)
 第五 教育職員等による児童生徒性暴力等の防
  止等に関する法律案(衆議院提出)
 第六 農水産業協同組合貯金保険法の一部を改
  正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
 第七 障害を理由とする差別の解消の推進に関
  する法律の一部を改正する法律案(内閣提出
  、衆議院送付)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、航空法等の一部を改正する法律案(趣旨説
  明)
 以下 議事日程のとおり
     ─────・─────

#2
○議長(山東昭子君) これより会議を開きます。
 この際、日程に追加して、
 航空法等の一部を改正する法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#3
○議長(山東昭子君) 御異議ないと認めます。赤羽一嘉国土交通大臣。
   〔国務大臣赤羽一嘉君登壇、拍手〕

#4
○国務大臣(赤羽一嘉君) 航空法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 現在、新型コロナウイルス感染症の流行により、過去に例を見ない規模で航空需要の減少が続いており、航空業界は大変厳しい経営状況にあります。こうした状況下においても、航空ネットワークを維持確保していくため、国と航空会社等が連携し、航空運送事業の基盤強化を図っていく必要があります。
 また、今後の航空需要の回復や国際的なイベントの開催も見据え、航空機や空港を標的としたテロ、ハイジャック等の危害行為の発生を防ぎ、航空機の旅客等の安全を確保するために、航空機に搭乗する旅客に確実に保安検査を受検させるための仕組み等を設ける必要がございます。
 さらに、ドローンなどの無人航空機は、近年、その利活用が急速に進展しており、人手不足等の社会課題の解決や新たな付加価値の創造に資する技術として、将来に向けてその役割の拡大が期待されております。
 今後、都市部上空での荷物配送や広域巡回警備、災害対応、インフラ点検等の幅広い用途に無人航空機を有効活用し、多くの人が利便性を享受できるようにするためには、現在飛行を認めていない有人地帯上空での補助者なし目視外飛行、いわゆるレベル4飛行の実現が必要不可欠であります。このため、無人航空機が有人地帯の上空を飛行する場合の安全を厳格に担保するための仕組みを整備する必要があります。
 このような趣旨から、この度、この法律案を提案することとした次第です。
 次に、この法律案の概要につきまして御説明申し上げます。
 第一に、世界的規模の感染症の流行等により本邦航空会社の経営に甚大な影響が生じ、安全かつ安定的な航空ネットワークの維持確保が必要な場合における国土交通大臣による航空運送事業基盤強化方針の策定や、定期航空旅客運送事業者による航空運送事業基盤強化計画の作成及び届出、その実施状況等の報告等を内容とする制度を構築することとし、あわせて、令和三年度において航空会社等への支援措置を講じることを踏まえた所要の規定を整備することとしております。
 第二に、航空機や空港等に対するテロ、ハイジャック等の危害行為の防止のため、航空機に搭乗する旅客等に対し保安検査の受検を義務付けるとともに、保安職員が職務遂行のため必要な指示を出す権限を明確化することとします。
 また、国土交通大臣が危害行為防止基本方針を策定し、関係者の役割分担や連携強化について定めるとともに、保安対策全体を主体的にマネジメントすることにより、国のリーダーシップを強めることとしております。
 さらに、検査会社に対する監督の強化等について規定することとしております。
 第三に、無人航空機のレベル4飛行の実現に向け、国土交通大臣による無人航空機の機体の安全性を認証する制度と操縦者の技能を証明する制度を創設することとしております。これにより、技能証明を有する者が、機体認証を受けた無人航空機を、運航管理の方法等を確認するための許可、承認を受けた上で飛行させる場合には、レベル4飛行で想定されている第三者の上空を飛行できるようにいたします。
 あわせて、これまで国土交通大臣による許可、承認を必要としていた飛行について手続の合理化を進めるとともに、無人航空機を飛行させる者に対する飛行計画の通報や事故等が発生した場合の報告の義務付けなど、運航ルールも整備することといたしております。
 さらに、無人航空機に係る事故等の防止に寄与するため、運輸安全委員会の調査対象となる航空事故に無人航空機に係る事故のうち重大なものを追加することとしております。
 そのほか、これらに関連いたしまして、所要の規定の整備を行うこととしております。
 以上が、この法律案の趣旨でございます。(拍手)
    ─────────────

#5
○議長(山東昭子君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。大野泰正さん。
   〔大野泰正君登壇、拍手〕

#6
○大野泰正君 おはようございます。自由民主党の大野泰正です。
 自民、公明を代表し、ただいま議題となりました航空法等の一部を改正する法律案について、国土交通大臣に伺ってまいります。
 我が国の国民生活、経済を支える重要なインフラとして航空ネットワークはその役割を果たしてきました。
 昨年一月、新型コロナウイルスが蔓延している中国武漢から邦人退避においても、また、現在は海外からのワクチンを迅速に運んでいるのも我が国の航空会社であります。日々の暮らしから有事の際の邦人保護、また安全保障戦略物資の輸送まで、航空ネットワークはその責務を果たしております。
 しかし、今、コロナ禍の人流制限により、航空業界はもとより、運輸業界全体が大変厳しい状況に直面し、存続の基盤を脅かされています。しかしながら、今、人材を手放したり、業界自体が縮小したりすれば、収束後のV字回復につなげることも、観光立国を実現することも難しくなります。
 今回の改正で航空運送事業の基盤強化支援の実効性を担保していることは、国民の命を守る国の強い意志を感じますが、直近の課題としては、六月末に期限を迎える雇用調整助成金の特例措置の延長を含め、航空業界を始めとする厳しい状況に直面している業界の事業継続を支え、雇用を守る措置を強力に講じていただきたいと思います。特に、赤羽大臣におかれましては、持ち前のパワーとリーダーシップで政府をまとめていただきたいと思います。大臣の御所見を伺います。
 次に、ワクチンパスポートについて伺います。
 現在、国際線を安全かつスムーズに再開させていくために、スマートフォンアプリを利用したデジタル証明として、国際空港運送協会が開発中のIATAトラベルパスやコモンズプロジェクトが世界経済フォーラムと連携して開発中のコモンパスなどがあり、我が国でもトライアルが行われています。
 ワクチン接種が進むにつれて、各国政府において接種済旅客の渡航制限を緩和する動きが既に始まっています。急速な回復に合わせて、世界でのワクチン接種履歴の活用やそれを踏まえたワクチンパスポートの動きに対し、我が国の対応に遅れが出ると人流が滞り、経済活動に大きな支障となります。コロナ禍からの脱却期において日本だけが取り残される危険性さえもはらんでいます。
 アフターコロナでインバウンド六千万人を目指す我が国としては、出入国管理、検疫、さらにはデジタルまで、政府全体でしっかりと連携を取り、ワクチンパスポート等も含め、デジタル証明の国際標準化の流れに乗り遅れることがないよう、国際社会との連携と遅滞のない批准に向けての国内調整を早急に進めておく必要があります。大臣のお考えをお聞かせください。
 次に、空港の保安体制について伺います。
 安全、安心な航空ネットワーク実現の上で、テロや感染症のリスクが高まる今日、空港全体の保安体制強化は極めて重要です。保安検査を過ぎた後のクリーンエリアは航空機で世界とつながっています。リスクが世界で拡散する可能性を認識した上で、保安検査の厳格化、円滑化はもちろんのこと、空港全体でテロ等を未然に防ぐための不審者、不審物の早期発見、監視体制強化も重要であります。
 今日まで、我が国の空港保安体制は、主体が空港管理者や空港ビル管理者、航空会社等多岐にわたっていることで、責任の所在と権限が不明確で、保安体制として非常に脆弱でありました。今回の改正で、九・一一後の米国のように国の責任を明確にされたことで、今後、より安心、安全の国をアピールして、インバウンドを受け入れる体制ができたと思います。
 国の責務において空港の安心、安全を高めるため、早急に空港保安体制を再構築し、抜本的な強化策を講じるべきと考えますが、大臣の御見解を伺います。
 次に、ドローンについて伺います。
 コロナ禍の中、ドローンによる人口密集地での配送など、世界中で非接触型ビジネスの動きが加速しています。
 そこで、新たに有人地域での自律的な飛行、レベル4に合わせた安全性や技能に関する認証、証明制度の創設など、目視外運航管理方法を確立することが不可欠です。一方、目視による運航管理については、自律的な目視外飛行に求められる規制とは明らかにレベルが違うことから、蓄積された知見に基づいて、飛行によるリスクの程度に応じた見直しを図る必要もあります。
 そこで、実効性のある安全確保のため、有人地帯での目視外飛行、レベル4と目視による飛行双方において、規制緩和と安全性をどのように均衡させ、許可、承認制度の体系化を図るおつもりでしょうか。今後のドローンの発展を考えると、目視の無線飛行機と目視外自律飛行のドローンとは別物であり、本来分けて考えなくてはなりません。方策を間違う懸念もあると思いますが、大臣の御見解をお伺いいたします。
 最後に、SAFについて伺います。
 我が国では、昨年十月、二〇五〇カーボンニュートラルを宣言し、二〇五〇年までに温室効果ガス排出を全体としてゼロにする目標を掲げました。航空業界は、まずは新型コロナによる現下の厳しい環境を乗り越えなければなりません。そして、その先にはカーボンニュートラルへの対応という大きな課題を抱えています。その実現には、化石由来の燃料に代わる持続可能で環境負荷の小さい、サステナブル・アビエーション・フューエル、いわゆるSAFの確保が絶対に必要であります。
 欧米では、SAFの開発や量産に向けた産業育成に政府の支援が手厚く行われてきた結果、既に一部が商用化されています。一方、我が国にはSAFの確固たる製造事業者がいないというのが現状であります。
 必要量を安定的に国際競争力のある価格で供給できない事態になれば、本邦航空会社が各国へ就航する上で、SAFが搭載できないことで規制を課され、我が国の国際航空ネットワークの維持ができなくなってしまう可能性や、日本の国際空港の地位が低下し、海外の航空会社が我が国への乗り入れを回避する可能性もあります。
 既に先行している欧米はもとより、中国、アジア諸国に対しても、SAFの国産化、量産化において劣後し、これらの国に依存するようなことがあれば、我が国のエネルギー安全保障に対して大いなる懸念を覚えます。
 SAFの産業育成による効果は航空だけにとどまりません。SAFを製造する過程で大型車両や船舶等に活用可能なクリーンディーゼルも得られるなど、SAF開発で得られる知見、経験を生かすことが、他産業の脱炭素にも寄与し、二〇五〇カーボンニュートラルにつながります。
 グリーンイノベーション基金の重点的な活用などを通じてSAFの国内生産を進めていくことは、資源の乏しい我が国が持続可能な国産エネルギーを独自の資源として持つこととなり、我が国の安全保障に大きく寄与します。逆に、このまま国産化が進まなければ、SAFの確保競争にさらされ、国際競争力を失ってしまう可能性が高いのが日本の航空業界であります。
 大臣として、関係業界を束ねて国内SAFの開発を進め、一日も早く国産の持続可能エネルギーを実用化することは、航空のみならず日本の国力という観点からも必ずやり遂げなくてはならない課題だと思います。大臣のお考えをお伺いして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔国務大臣赤羽一嘉君登壇、拍手〕

#7
○国務大臣(赤羽一嘉君) 大野泰正議員から、まず、航空会社に対する支援についてお尋ねがありました。
 航空会社は、公共交通機関として国民生活や社会経済活動を支え、コロナ対策においても御貢献をいただいております。ポストコロナの成長戦略を実現していくためにも、極めて重要な役割を担っていただいております。
 国としては、日々の安全運航を支える人材の雇用維持を図りつつ、事業継続を支援することを通じて航空ネットワークを維持確保するため、雇用調整助成金の拡充や資金繰り支援、一千二百億円規模の着陸料を含む空港使用料や航空機燃料税の減免等を行っております。
 特に、雇用の確保を図る上で、雇用調整助成金の特例措置の延長は不可欠であると認識をしており、厚生労働省とも連携し、実現してまいりたいと考えております。
 引き続き、航空需要の動向や経営状況を注視しつつ、適時適切に対応してまいります。
 国際的な移動に関するデジタル証明の国際連携や、いわゆるワクチンパスポートについてお尋ねがございました。
 国境を越える人の移動に際してのデジタル証明の活用につきましては、国土交通省としても、出入国の際の手続の非接触化や円滑化を図るため、関係省庁、航空会社、国際航空運送協会等の国際的な関係団体等としっかり連携して取り組んでまいります。
 なお、いわゆるワクチンパスポートにつきましては、接種を受けない方への不当な差別につながらないようにすることなど、様々な論点があるところでありますが、国境を越える人の移動の本格的な再開に向けて、国内外の議論、各国の具体的な対応状況等について情報収集しながら、政府全体として対応してまいりたいと考えております。
 空港の保安対策の強化についてお尋ねがございました。
 空港の保安体制につきましては、御指摘のように関係者が多岐にわたるため、国が保安対策全般を主導して、これらの連携の強化を図っていくことは重要であると考えております。
 また、現在、保安検査における現場の対応は航空会社と検査会社に委ねられておりますが、議員も活動されております運輸安全推進議連の提言にもあるような、空港での一体的な保安体制の構築のメリット等も踏まえながら、保安検査の実施主体の在り方についても、有識者による検討会議において早期に検討を進めてまいります。
 これらの課題の解決のほか、先進的な検査機器の導入や検査員の労働環境の改善等の取組も含め、今般、新たに策定する危害行為防止基本方針で国が前面に立って主導的に取り組むことを明確に位置付け、国の責務として空港の保安体制の抜本的な強化を図るべく、しっかりと対応してまいります。
 無人航空機の飛行に関する規制緩和と安全性の均衡、許可、承認制度の体系化についてお尋ねがございました。
 本法案における無人航空機の安全規制の改正では、諸外国の事例も参考に、飛行のリスクに応じた制度としております。具体的には、ドローンの自律飛行によるレベル4飛行につきましては、技能証明や機体認証を受けた上で飛行ごとに許可、承認を必須とすることとし、厳格に安全を確保してまいります。
 一方で、ドローンの手動操縦やラジコンなどによる目視内での飛行につきましては、現行制度でも安全上のリスクが低い場合は許可、承認なく飛行させることを可能としております。さらに今回、現行制度では許可、承認が必要となる飛行につきましても、技能証明や機体認証を受けて行う場合には許可、承認を原則不要とし、規制を合理化することとしております。
 今後とも、技術革新や飛行実態等を踏まえ、制度の詳細設計を行うとともに、必要に応じて規制の見直しを検討することにより、規制緩和と安全性のバランスを確保してまいります。
 SAFの国内生産等について、今後どのように進めていくのかとお尋ねがございました。
 航空分野のCO2削減のため、植物油や廃棄物などから製造される持続可能な航空燃料、いわゆるSAFの使用は大きな効果が期待されます。
 昨今、諸外国の動きが加速している中、気候変動対策の観点に加え、我が国の国際競争力強化の観点や、日本の空港を利用するエアラインの燃料調達といったエネルギー安全保障という観点からも、国産SAFに係る技術開発等の取組を進めることが重要と認識をしております。
 二〇三〇年頃に実用化を図るべく、原料の安定的確保や低コスト化、サプライチェーンの確立などの課題を克服していくため、国土交通省では、資源エネルギー庁を始めとする関係省庁等が参加する検討会を立ち上げ、SAFの導入促進策の検討を行っております。
 今後、グリーンイノベーション基金事業の活用も視野に、関係省庁等とも相談、調整するとともに、必要な取組が着実に進むよう、関係省庁や航空会社と一体となって全力で努力してまいります。
 以上でございます。(拍手)
    ─────────────

#8
○議長(山東昭子君) 青木愛さん。
   〔青木愛君登壇、拍手〕

#9
○青木愛君 私は、立憲民主・社民を代表して、ただいま議題となりました航空法等の一部を改正する法律案につきまして、赤羽国土交通大臣と田村厚生労働大臣に質問いたします。
 本法律案は、大きく三つの柱から構成されています。
 一つ目の柱は、航空ネットワーク確保のための方針の策定、支援についてです。
 現在、我が国は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、国民生活や社会経済へ甚大な影響を受けております。航空関連産業においても、国内外での移動制限により需要が激減し、産業の存続に極めて甚大な影響を受けています。
 本年二月には、格安航空会社のエアアジア・ジャパン株式会社が、本邦航空業界初の新型コロナウイルス感染症関連で東京地方裁判所より破産手続の開始決定を受けました。また、航空大手二社の業績も低迷しており、二〇二〇年度連結決算によると、ANAホールディングスの純損失は四千四十六億円と過去最大の損失となり、JALグループは二千八百六十六億円の純損失となりました。いまだコロナウイルス収束のめどが立っておらず、航空関連産業は未曽有の危機に直面しています。
 そのような中、国土交通省は、本邦航空・空港関連企業の収支改善等の取組を支援することにより航空・空港関連企業の経営基盤を強化するとともに、国民の移動の基礎的インフラである航空ネットワークを適切に維持するため、令和二年十月に、コロナ時代の航空・空港の経営基盤強化に向けた支援施策パッケージを取りまとめました。
 主な内容として、航空会社に対しては、令和三年度において、空港使用料や航空機燃料税の更なる減免として一千二百億円を、また、空港会社に対しては、空港施設の整備に対する無利子貸付けや財政投融資を活用した融資などを行うとしています。
 そして、この度の法律改正では、安全かつ安定的な航空ネットワークの維持確保のため、国土交通大臣が航空運送事業の基盤強化に関する方針を定めることとしております。その目的と中身はどのようなものなのか、昨年の支援施策パッケージとどのように関係しているのか、国土交通大臣にお伺いいたします。
 また、本邦航空会社が国の支援を受けるためには、国が定めた方針を踏まえて事業基盤強化計画を策定し、同計画の実施状況を定期的に国へ報告することが求められています。しかし、民間航空会社の事業計画に対し、国の関与を過度に強めるものであってはなりません。と同時に、特にコロナ禍において雇用が犠牲になることも避けなければなりません。この度の国の支援と国の関与の在り方について、国土交通大臣にお伺いいたします。
 次に、空港における水際対策の強化です。
 去る三月九日に、国土交通委員会において赤羽国土交通大臣から所信を聴取いたしました。その中で、赤羽大臣は、新型コロナウイルス感染拡大への対応策の一つとして、水際対策の強化を掲げておりました。
 しかし、現在では、日本国内にイギリス株やインド株など各種の変異株の拡散状況が明らかになっており、空港における水際対策がいかに不徹底であったかと言わざるを得ません。
 五月二日の報道では、新型コロナウイルスの水際対策で、政府が三月末から行っている全入国者への入国後十四日間の位置確認をめぐり、誓約した場所での待機が確認できなかったり、離れた場所にいたりする人が、多い日で一日三百人を超えていることが厚生労働省などへの取材で判明いたしました。
 変異株の影響が顕在化している中で、このような事例の発生は看過することができません。検疫、水際対策の所管である田村厚生労働大臣に、また赤羽国土交通大臣に、水際対策の強化、徹底を求めたいと思いますが、両大臣の御見解をお伺いいたします。
 本法律案の二つ目の柱は、保安検査等の確実な実施に向けた制度整備についてです。
 航空保安全般について、二〇〇一年九月のアメリカ同時多発テロ事件に象徴されるように、航空機を大量殺傷兵器として利用するテロは、現在では国家を標的としていることから、テロ、ハイジャック対策は国家レベルの課題となっています。
 ところが、我が国では、これまで航空機への搭乗前に行われている保安検査や預入手荷物検査については法的な位置付けが明確でなく、検査の確実な実施に向けた関係者の連携強化や保安検査における国の責任が明確ではありませんでした。
 そのような中、今回の改正案で初めて保安検査が義務化されることになり、保安検査員が、旅客による検査拒否に対して今後は法的根拠を基に厳格に対応できるようになります。
 さらに、国がテロ等の危害行為防止のための基本方針を策定する役割を示したことは、航空保安の強化につながる前進です。しかし、なぜ今まで保安検査が義務付けられていなかったのか、義務付けが放置されてきたのか、国土交通大臣にお伺いをいたします。
 今回の改正に前進が見られるとしても、航空保安の責任主体が民間の航空事業者であるという根本的な問題は解決に至っていません。
 諸外国では、航空保安に関して、アメリカやドイツ、ニュージーランドでは国が、ドイツ以外のヨーロッパや中国や韓国などでは空港会社が主体的に責任を負っており、日本のように民間の航空会社が航空保安の責任を負っている国はほとんどありません。日本では、民間の航空会社が民間の警備会社に航空保安検査を委託しており、全くの民間任せです。
 国家の安全保障に関わる保安検査は、国が責任を負うべきだと考えます。航空保安に係る国の責任について、また地方公共団体、空港管理者、航空運送事業者、保安検査会社等の役割分担の見直しについて、国土交通大臣にお伺いいたします。
 関連して、航空保安に関する財源の在り方についてお聞きいたします。
 現状では、保安検査に係る費用は、全体の二分の一を航空会社、二分の一を空港管理者が負担しており、保安検査を委託する警備会社への支払もその中から支出しています。保安検査費用を航空会社に負担させる国は、海外ではほとんどありません。ボディースキャナーなどの高性能の保安検査機器を導入する際は、航空会社の負担分の二分の一を国が補助することになってはいるものの、チケット代金に含まれた百五円の保安料は国に納められており、財源的にも国はほとんど責任を負っていません。
 テロ、ハイジャック対策を国家レベルの課題と捉え、多様化、巧妙化する犯罪を未然に防ぐためには、国が主体的に予算措置を始めとした対策を講じるべきだと考えますが、国土交通大臣に御見解を伺います。
 次に、現場で働く保安検査員の処遇改善です。
 長期間労働、低賃金、旅客のクレーム対応等、保安検査員にとっては大変厳しい労働環境にあり、そのため、離職率が高いというのが現状です。保安検査員の処遇に関して、現状認識と今後の処遇改善の方針について、国土交通大臣にお伺いいたします。
 以上のように、日本では国の安全に関わる保安検査は民間任せ、財源も民間任せで、国の主体的な責任ある姿勢が見られません。コロナの水際対策が中途半端であることの要因の一つに、このような保安体制に対する国の姿勢も影響しているのではないかと考えざるを得ません。
 本法律案の三つ目の柱は、無人航空機のレベル4の実現に向けた制度整備についてです。
 最近、無人航空機、ドローンの利活用が飛躍的に拡大しており、国民生活の利便性の向上や多くの産業の生産性向上に寄与するものとして大きな期待が寄せられています。
 例を挙げますと、人が立ち入れない場所の調査や景観の撮影、高度成長期に施設したインフラが一斉に老朽化を迎えている中での橋梁や道路の点検、下水道や送電線の点検、また、農業における農薬の空中散布や生育状況の把握、山間部、過疎地、離島への物流、災害時の被災状況の把握と医薬品や食料を始めとする物資の輸送、山や海での遭難への対応など、多種多様な場面での利活用が進んでいます。
 一方で、ドローンが落下して人や物に傷害を与える事件や、空港周辺でドローンの飛行が確認されるなどの事案が発生していることも耳にします。ドローンの利活用について進めることは必要と考えますが、その危険性を十分に理解し、安全対策に万全を期し、事故を未然に防がなければなりません。
 無人航空機の飛行形態にはレベル1からレベル4までがあり、レベル1、2は目視内飛行、レベル3は人のいない無人地帯での目視外飛行、ここまでは一定の条件下で飛行が可能でした。
 この度の法律改正ではレベル4が解禁され、市街地や住宅街など人がいる上空を補助者なしで目視外で飛行することが可能となります。有人地帯での飛行となることから、事故が起きた際の被害の度合いも高まることが予想されます。その飛行特性を踏まえ、より厳格に飛行の安全性を確保する必要性があると考えます。
 そこで、本法律案において、飛行の安全性の確保がいかに図られているかという点について、国土交通大臣に説明を求めます。
 また、同時に、個人のプライバシーにも注意が必要です。住宅の上空やマンションの傍らを飛行する場合、住宅や住民を搭載されたカメラで撮影することが技術的に可能となります。そのような第三者のプライバシーの侵害をどのように防ぐのか、国土交通大臣にお聞きします。
 次に、今回の法律改正により、多くの愛好者が楽しんできた無線操縦の模型飛行機、いわゆるラジコン飛行機への影響についてお聞きします。
 ラジコン飛行機の愛好者の多くは、自分の手で作った飛行機を自分の手で飛ばす、つまり、飛行機を作る過程とそれを飛ばすための技術の向上を楽しんでいます。この趣味は物づくりを通して大空への夢を実現するものであり、多くの先人たちが努力してつくり上げ守ってきた趣味であり、文化でもあります。そこには物づくりの心が躍動しています。
 他方、ドローンは、その多くが既製品であり、コンピューター制御による自動操縦をベースとしており、ラジコンのような物づくりや操縦技術よりも、その利活用に重点が置かれています。
 両者はどちらも無人航空機ですが、その目的も構造もかなり異なります。しかし、法律ではどちらも無人航空機として定義し、同じ規制を掛けています。ラジコンをドローンと同じ枠組みで規制を強化すると、長年引き継がれてきた物づくりの心が縮こまるだけでなく、ラジコン飛行機を趣味とする文化自体が消滅してしまうのではないかと心配しています。
 これまでラジコンを通して多くの愛好者や子供たちが物づくりの心を育んできたことについての受け止めと、あわせて、趣味として楽しんでいるラジコン愛好者に対しては、手続の簡素化や負担の軽減などの配慮をすべきではないかと考えますが、最後にこの点について国土交通大臣の御見解をお伺いして、質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔国務大臣赤羽一嘉君登壇、拍手〕

#10
○国務大臣(赤羽一嘉君) 青木愛議員から、まず、航空運送事業基盤強化方針についてお尋ねがございました。
 航空運送事業基盤強化方針は、世界規模の感染症の流行などにより、航空会社の経営に甚大な影響が生じた場合でも安全かつ安定的な航空ネットワークを確保することを目的として国が定めることとしております。
 方針の内容といたしましては、ポストコロナも見据えた航空ネットワークの維持確保の必要性のほか、支援施策パッケージの内容も含めた国の支援策や航空会社が講ずべき取組等について基本的な方向性を記載することとしております。
 航空会社が定める事業基盤強化計画への国の関与についてお尋ねがありました。
 今般の法改正により、航空会社は事業基盤強化のための計画を作成し、その取組状況を定期的に報告することとなりますが、人員整理など雇用に関する個別具体的な指示を国が出すことは考えておらず、個別の経営について国の関与を強めるものではありません。
 引き続き、航空需要の動向や経営状況を注視しつつ、適時適切に対応してまいります。
 水際対策の強化、徹底についてお尋ねがございました。
 国土交通省といたしましても、厚生労働省による検疫の適切な実施を支えるため、検疫の実施に必要な空港内のスペースの確保や日本への入国に際して必要となる陰性証明の確認、必要書類やアプリ等の旅客への周知徹底について、空港会社、航空会社に協力要請を行っております。さらに、政府で決定した水際対策強化措置に基づき、検疫の適切な実施のため、搭乗者数の抑制を航空会社へ要請をしております。
 引き続き、国内外の状況に応じ、水際対策の着実な実施のため、関係省庁や関係事業者と連携して対応してまいります。
 保安検査の義務付けについてお尋ねがございました。
 これまで、航空法において定められている航空機内に危険物等を持ち込むことを禁止している点を受け、航空会社が運送約款に基づき、保安検査を受けない旅客の搭乗を拒否するという枠組みで保安検査の実施を担保してきたところであり、航空法に義務付けはしておりませんでした。他方、近年、保安検査をめぐるトラブルの発生、保安検査員の担い手不足や現場での労働環境、待遇の改善といった構造的な要因等、多くの課題に直面をしております。
 このため、有識者会議における議論を経て、今般、保安検査を受けることの義務付けに加え、保安対策全体において国が主導的な役割を果たすことや、検査会社に対する国の関与の強化などの施策をパッケージで実施することにより、構造的な課題も含めて多面的に解決を図ることとするものであります。
 航空保安に係る国の責任及び関係者の役割分担についてお尋ねがございました。
 今般新たに策定する危害行為防止基本方針では、国が主体的に保安対策全般の総合調整を行う中で、地方公共団体、空港管理者、航空運送事業者、保安検査会社等の関係者の役割分担を明らかにするとともに、保安検査等における様々な課題の解決に向けて国が主導的役割を果たすことを明確に位置付けることとしております。
 また、保安検査の実施主体の在り方につきましては、賠償責任、保険制度など関連する様々な課題について整理する必要があることから、有識者による検討会議を開催し、実施主体ごとのメリット、デメリットも考慮しつつ、海外事例の詳細など調査分析を行いながら検討を進めてまいります。
 テロ、ハイジャック対策に係る費用負担の在り方についてお尋ねがございました。
 航空保安対策に関する費用負担の在り方につきましては、諸外国においても受益者負担の考えが一般的であると承知をしておりますが、保安検査の実施主体の在り方とも密接に関連するということを踏まえながら、今後の保安対策の充実強化に向けて、有識者による検討会議において検討してまいります。
 保安検査員の処遇について、現状認識と今後の改善方針に関するお尋ねがございました。
 保安検査員の離職率は高く、その背景には、保安検査の現場において、クレーム対応の厳しさ、拘束時間の長さにより時間単価が低くなること等の課題があるものと認識をしております。
 このため、今般新たに策定する危害行為防止基本方針において、現場における様々な課題の解決に向けて国が主導的な役割を果たすことを明記し、検査員の方を含む現場の声を直接しっかり聞き、関係者間の連携を強化することにより、保安検査員の処遇を含む労働環境の改善や人材確保、人材育成に取り組んでまいります。
 無人航空機のレベル4飛行の安全性の確保についてお尋ねがございました。
 レベル4飛行を行う無人航空機につきましては、補助者なしで第三者上空を目視外飛行することとなるため、本法案において、機体の安全性を認証する制度と操縦者の技能を証明する制度を創設することとし、技能証明を受けた操縦者が認証を受けた機体を飛行させることを必須といたします。その上で、飛行ごとに国の許可、承認を求め、飛行の安全を確保するための運航体制などを確認することとしております。
 無人航空機の飛行による第三者のプライバシーの侵害についてお尋ねがございました。
 政府において、平成二十七年にドローンによる撮影映像等のインターネット上での取扱いに関するガイドラインを策定、公表したほか、昨年三月の官民協議会におきまして、第三者や住宅地にカメラを向けないことや、撮影映像等にぼかしを入れることなど、無人航空機の操縦者が遵守すべき事項について整理しております。
 国土交通省としても、関係省庁と連携し、本法案により創設する技能証明を取得するための講習や、無人航空機の飛行の許可、承認を行う際の審査など、あらゆる機会を通じ第三者のプライバシー保護について周知徹底を行ってまいります。
 ラジコン飛行機についての受け止め及び手続の簡素化や負担軽減の必要性についてお尋ねがございました。
 ラジコン飛行機は、日本の物づくりの文化や近年の無人航空機の発展にも貢献してきたものと認識をしております。
 本法案は、これまで許容されている趣味としてのラジコン飛行機の飛行に新たな制限を加えるものではございません。また、現行の許可、承認制度や昨年の航空法改正で創設された機体の登録制度でも、ラジコン飛行機の利用者による飛行の実態も踏まえた手続の簡素化に取り組んでいるところであり、今後も安全の確保と利用者負担の軽減の両立に努めてまいります。
 以上でございます。(拍手)
   〔国務大臣田村憲久君登壇、拍手〕

#11
○国務大臣(田村憲久君) 青木愛議員にお答えいたします。
 水際対策についてお尋ねがありました。
 いわゆるインド変異株については、強い危機感を持って対応に当たっているところであり、インドを始めとした六か国からの入国者について、検疫所が確保する宿泊施設での待機を求め、入国後三日目、六日目、十日目に改めて検査を受けていただくなどの検疫強化措置を講じています。
 また、入国後十四日間の健康状態の確認と自宅等待機の徹底を図るため、位置情報確認アプリによる居場所の確認やビデオ通話による状況確認のほか、三日以上連絡が取れない場合等の見回り等、複数の取組を並行して進めるとともに、確実なフォローアップの実施のための体制を強化してまいります。こうした取組により、御指摘の待機が確認できなかった方の数も大きく減少しています。
 水際対策については、検疫のみならず、関係省庁が連携して機動的に取り組んでいるところであり、引き続き政府全体として必要な対応を講じてまいります。(拍手)
    ─────────────

#12
○議長(山東昭子君) 室井邦彦さん。
   〔室井邦彦君登壇、拍手〕

#13
○室井邦彦君 日本維新の会の室井邦彦です。
 航空法等の一部を改正する法律案について、会派を代表し、赤羽国土交通大臣に質問をいたします。
 科学技術の進歩で近年注目を集めているドローンは、空の産業革命と言われる新たな可能性を有する技術であります。二〇二〇年代の終わり頃には、ドローンのために指定された空路、空域であるドローンハイウエーを飛び交うドローンを見ることになるでしょう。
 また、ドローンとともに注目されているのが空飛ぶ車です。我が国においては、国土交通省と経済産業省が二〇一八年八月より空の移動革命に向けた官民協議会を開催し、空飛ぶ車の実現に向け官民の関係者が一堂に会していると承知しております。科学技術に対する人類のたゆまぬ努力と英知は、これまでも夢を現実のものとしてきました。
 新型コロナウイルス感染症の影響が人の移動を制限し、航空業界の企業経営に深刻な問題をもたらしております。
 第二次大戦以降に発生したオイルショックやイラン・イラク戦争、アジア通貨危機、SARS流行、世界金融危機などを凌駕し、歴史的に前例のない落ち込みとなっており、具体的には、二〇一九年と比較して二〇二〇年は世界全体で提供座席数が五〇%、旅客数が六〇%減少し、二十六億九千九百万人分の需要が失われたと国際民間航空機関が報告がありました。
 また、新型コロナウイルス感染症の影響は、航空需要の回復に不確実性をもたらしております。要因として、パンデミックはいつまで持続し、どの程度深刻な水準になるのか、そして、世界的な景気後退はどの程度、またどのくらいの期間にわたって深刻なものになるのかということが考えられます。
 今回の法改正により、甚大影響事態が発生した場合に国土交通大臣は航空運送事業基盤強化方針を策定することにしておりますが、甚大影響事態とはどのような事態を想定しているのか、その定義と甚大影響事態を回避したと判断する航空需要の回復の根拠についてお聞きをいたします。
 アフターコロナ、景気回復の航空輸送需要の増大にも的確に対応していくことが重要と考えます。航空会社の航空運送事業の基盤強化に関する計画については、中長期的な視点から検討を進め、策定をすることが求められるべきであります。
 我が国は人口減少社会に突入していますが、世界の人口は増え続けております。その意味において、海外からのビジネス旅客、観光客を取り込む環境の整備が我が国航空産業のビジネスモデルに強く求められます。世界銀行のビジネス環境に関する直近の我が国の順位は、OECD加盟国中十八位、全体で二十九位だと聞きましたが、ランキング向上に向け我が国はどう取り組んでいくのか、お聞きいたします。
 また、観光立国を目指し、訪日外国人旅行者数を二〇二〇年に四千万人、二〇三〇年に六千万人とする目標を定めておりましたが、アフターコロナ後の観光ビジョンの方向性に関し、どのような検討が行われているのか、お聞きいたします。
 航空輸送における大変革は、一九五〇年代にジェット機が登場し、地球規模の移動が一気に早くなったことです。そして、LCCの登場は、ジェット機の登場のそれと並ぶ大変革を世界にもたらしつつあると言われております。
 我が国は、LCCによる低価格の実現が世界レベルに比較し遅れていると感じます。近隣アジアの主要都市との往復航空運賃が一万円以内になる可能性も夢ではありません。このような低価格で行き来できる社会が到来すると、この地域の政治、経済、さらに人々の意識に変化をもたらすと考えられます。
 世界の総座席数の二五から三〇%はLCCが提供し、地域では、米国が三〇%、欧州は四〇%、東南アジアは五〇%を超えておりますが、我が国の国内線LCCシェアは約一〇%であると聞きました。航空使用料や航空機燃料が重い負担になってLCCの成長を妨げていると指摘がありますが、LCC型のビジネスモデルを拡大するための支援にどう取り組んでいくのか、お聞きいたします。
 二〇五〇年カーボンニュートラルを実現するためには、航空分野においても温室効果ガス排出量を増加させない取組の強化が必要と考えます。その対策として、航空機新技術の導入、運航面の改善、持続可能な航空燃料の使用等が課題として挙げられます。そのためには、オールジャパンとしての取組が重要になると考えますが、関係者による連携、協力をどう進め、航空機におけるCO2排出量の削減対策に取り組んでいくのか、お聞きをいたします。
 地域航空は、離島や遠隔地域と大都市圏の様々な格差を解消する上で必要不可欠な手段と考えます。他方で、その路線の特性上、採算を合わせることが困難という特徴があり、元々経営の苦しい地域航空の運営に更にリスクを負担させなければならないことを意味しており、国や地方自治体は航空会社の経営努力に全てを委ねるべきでないと考えます。損失補填にとどまらず、適切な利潤としてある程度のインセンティブを加えた制度の構築が求められると考えますが、離島、遠隔地域の地域航空の維持にどう取り組んでいくのか、お聞きいたします。
 航空輸送における安全は、航空会社にとって社会的責務であると理解しております。我が国において、九・一一の米国同時多発テロ以降、航空保安体制が強化されてきたと理解しておりましたが、保安検査について、検査をめぐる相次ぐトラブルの発生や保安検査員の担い手確保や劣悪な労働環境といった多くの課題が顕在化していると承知しております。航空保安体制の強化のためには、検査機器等の更なる高度化が鍵を握ると考えます。航空セキュリティーの強化に向けどう取り組んでいくのか、お聞きいたします。
 また、リスク管理においては人的要因の重要が指摘されております。日々の仕事の中でのミスや、はっとしたことも見逃さず、解決、改善していくことが全体の安全性向上につながると考えます。そして、国、航空会社、空港管理、検査会社の連携の強化や情報共有が重大な事故や災害の発生を未然に防止することにつながると考えますが、検査員の人材確保、育成を図りつつ、安全度向上に向けた体制の構築にどう取り組んでいくか、お聞きいたします。
 グローバル化の潮流の中で、一国に縛られないグローバル航空会社が登場しつつあり、世界の規模の再編が進展していると承知しております。グローバル市場における競争激化がもたらした航空産業の財政悪化が、一九九〇年代後半以降、世界の航空会社間で様々な提携の動きが活発化されております。
 本邦航空会社が企業再編の動きに対応するには資本規制等の問題が内在していると承知しておりますが、日本維新の会は、既成概念にとらわれることのない規制緩和を断行し、産業の振興と経済の活性化に向け挑戦し続けていくことをお誓いし、質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣赤羽一嘉君登壇、拍手〕

#14
○国務大臣(赤羽一嘉君) 室井邦彦議員から、まず、甚大影響事態並びに航空需要回復についてお尋ねがございました。
 今般のコロナ禍のように、国際線と国内線の両方の需要が長期にわたって著しく減少し、航空会社の経営に甚大な影響が発生するような場合には、民間企業の努力のみでは航空ネットワークの維持が困難となり、ひいては利用者利便に重大な影響が生じることとなります。
 本法案では、こうした事態を甚大影響事態と捉え、国と航空会社が一体となって航空運送事業の基盤強化に向けた取組を進めていくこととしております。これらの取組により、航空ネットワークが空のインフラとして今後の需要増加に的確に対応できるよう、環境を整備してまいります。その過程で、航空需要が国際線、国内線とも甚大影響事態以前並みに回復し、航空ネットワークの形成に支障を来すおそれがなくなった場合には、甚大影響事態には該当しなくなるものと考えております。
 アフターコロナにおける海外からのビジネス旅客を取り込む環境の整備についてお尋ねがございました。
 世界銀行のビジネス環境ランキングの中で、我が国の課題とされている項目の改善に向けましては、政府全体として取り組んでまいります。
 国土交通省におきましては、将来の航空輸送の需要増大を見据え、海外のビジネス旅客の利便性向上の観点から、首都圏空港などの国際拠点空港の機能強化、顔認証システムを活用した搭乗手続の円滑化、ビジネスジェットの利用環境改善などに引き続き取り組んでまいります。
 今後の観光政策の方向性についてお尋ねがございました。
 新型コロナウイルスの感染拡大を防止するため、水際対策を徹底していることもあり、観光目的での訪日再開にはしばらく時間を要するものと考えておりますが、コロナ禍においても我が国の自然、気候、文化、食などの魅力が失われたわけではございません。
 そのため、昨年十二月には今後のインバウンド観光の再開も視野に、全国津々浦々の観光地の底力を高めるべく、感染拡大防止と観光需要回復のための政策プランを策定し、同プランに基づき、観光地における施設改修や廃屋撤去など、宿、観光地のリニューアル、また、多言語対応やバリアフリー化等の受入れ環境整備等の取組を進めているところでございます。
 今後、国内外の感染状況や人の往来の再開状況を見極めた上で、インバウンドの段階的な復活を図り、二〇三〇年訪日外国人旅行者数六千万人等の目標実現に向け政府一丸となって取り組んでまいります。
 LCC型のビジネスモデルを拡大するための支援についてお尋ねがございました。
 国土交通省におきましては、これまで低コストで利用できる空港ターミナル等の利用環境の整備のほか、地方空港や小型機の着陸料引下げなど、LCCの事業安定に資する支援などを行ってきた結果、LCCの利用者は順調に増加し、新たな輸送需要を開拓してまいりました。
 現在、コロナ禍でLCCを含む航空各社は大変厳しい状況にありますが、令和三年度には、国として千二百億円規模で着陸料を含む空港使用料や航空機燃料税の減免等を行うこととしており、今後とも多様な利用者ニーズに即した航空ネットワークの維持拡充を進め、LCC型のビジネスモデルの支援をしてまいります。
 二〇五〇年カーボンニュートラルを実現するため、航空機におけるCO2排出量の削減対策についてお尋ねがございました。
 国土交通省では、同対策のため、学識経験者、関係事業者、研究機関、関係省庁等から成る検討会を本年三月に立ち上げ、機材、装備品等への新技術の導入、管制の高度化による運航方式の改善、持続可能な航空燃料、いわゆるSAFの導入促進、空港分野におけるCO2削減のアプローチによる検討を進めております。
 諸外国におきましても脱炭素化の動きが加速している中、我が国の航空産業の競争力維持強化のためには環境対策は必要不可欠と考えており、関係者と一体となってオールジャパンとしての取組を全力で進めてまいります。
 離島、遠隔地域の地域航空維持の取組についてお尋ねがございました。
 国土交通省におきましては、赤字離島路線について、運航費、航空機購入費の補助や離島住民運賃割引の補助を実施しているほか、着陸料や航空機燃料税の減免などにより、経営に対する支援を行っております。
 さらに、令和元年から、まずは九州地域における事業組合を設立し、航空会社の系列を超えて連携し、効率的な経営を行うことができる協業体制を開始しております。
 国土交通省といたしましては、この新たな協業体制についての検証を含め、地域航空会社の経営状態を注視しつつ、離島、遠隔地域の地域航空の維持にしっかり取り組んでまいります。
 航空保安体制の強化のための検査機器等の高度化を通じた空港セキュリティーの強化についてお尋ねがございました。
 国土交通省といたしましては、これまでもボディースキャナー等の先進的な検査機器の整備費用に対する補助などにより、その導入を推進してまいりました。今般新たに策定する危害行為防止基本方針に基づき、先進的な検査機器等の導入拡大を着実に図るなど、空港セキュリティー強化に向けた取組を一層推進してまいります。
 航空保安検査員の人材確保、育成及び安全度向上に向けた体制の構築についてお尋ねがございました。
 まず、保安検査の関係者間の連携強化を図るため、今般新たに策定する危害行為防止基本方針に基づき、国が主体的に保安対策全般の総合調整を行ってまいります。また、検査員の人材確保、育成を図るため、労働環境の改善などの様々な課題の解決に向けて、関係者と情報の共有を図りながら、国が主導してしっかり取り組んでまいります。
 以上でございます。(拍手)
    ─────────────

#15
○議長(山東昭子君) 浜口誠さん。
   〔浜口誠君登壇、拍手〕

#16
○浜口誠君 国民民主党・新緑風会の浜口誠です。
 会派を代表して、航空法等の一部を改正する法律案について、赤羽大臣に以下、質問します。
 航空産業は、新型コロナによる甚大な影響が長期化し、旅客数は、国内線は対前年約八割減、国際線は約九割減、収益も約一兆円の赤字となるなど、極めて厳しい状況が続いています。
 政府も、今年度の空港使用料、航空機燃料税で約一千二百億円の減免、雇用調整助成金の拡充、融資面での支援等を行っています。航空産業は、人流、物流両面において極めて重要な産業です。政府は、引き続き離島、地方空港路線も含め、国内外の航空ネットワークの維持確保、雇用の確保を最大限支援すべきと考えます。航空産業の重要性と今後の支援について、赤羽大臣の所見を伺います。
 世界的なワクチン接種拡大に伴い、今後、海外から日本への入国者も増加することが想定されます。海外由来の変異株等に対応するためにも、空港での水際対策が大変重要であり、空港でのPCR検査等の検査体制強化や、非接触の入国手続を拡充すべきと考えます。
 また、ワクチン接種に関して、コロナ対策に成功している国の一つであるニュージーランドでは、ワクチン接種の最優先はボーダーワーカーと言われる空港等の国境に関わる仕事、航空会社職員等となっており、その次に医療従事者や高齢者となっています。日本においても、水際対策や航空会社、空港で働く皆さんにワクチンの優先接種を行うべきと考えます。水際対策の強化、空港関係者のワクチン接種の優先対応について、見解を求めます。
 また、世界的な人の往来の再開のためには、諸外国で導入が進められている検査の陰性証明やワクチン接種履歴などのデジタル証明書を我が国においても政府が主導して導入に向けて取り組み、航空会社や行政のシステムと円滑に連携を図ることが重要だと考えますが、政府の所見を伺います。
 二〇〇一年九月十一日の米国での同時多発テロを受けて、米国やドイツなどでは、保安検査を始めとする全ての航空保安に関わる仕事は国の責任で行うように変更されました。一方、日本の保安検査は、これまで約款で定められていましたが、今回の改正で航空法に明記されます。今回の改正でどのような点で体制強化につながるのか、具体的な説明を求めます。
 また、現状の航空保安の責任は民間航空会社であり、法改正後も見直されません。政府として現状の責任体制についてどのような課題があると認識しているのか、有識者会議で出された意見も踏まえ、見解を伺います。
 航空保安は、テロやハイジャック防止という国家安全保障の問題であり、民間航空会社で対応する範囲を超えています。世界的に見ても、民間航空会社が責任を負っている事例はほとんどありません。航空保安について国が責任主体である諸外国の対応も十分に研究した上で、日本も、航空保安の一義的な責任を国が負った上で関係者間の役割分担を整理すべきであり、引き続き検討する必要があると考えますが、大臣の所見を伺います。
 航空保安に係る財源について、現状では航空会社と空港管理者が二分の一ずつ負担していると認識していますが、国、地方、民間の各空港管理者の財源はそれぞれ誰がどのように負担しているのか、説明してください。
 航空保安は、本来は国が行うべきであり、必要となる財源についても国が一般財源で全額負担すべきと考えますが、見解を伺います。
 また、テロに強い空港を目指して、全国の空港にボディースキャナーやスマートレーンなどの先進的な保安検査機器の導入も重要な対応です。こうした機器に対する国の負担割合は導入時に四分の一だけであり、維持費については国の負担はありません。先進機器の導入、維持費用に関しても一般財源での国の負担割合を増やすべきと考えますが、所見を伺います。
 今回の改正により、乗客にも預入手荷物検査、搭乗前の保安検査が義務付けられ、保安職員の権限が法的に明確化されます。こうした改正により、現場の最前線で、乗客と保安職員双方がお互いを理解し、協力しながら、着実かつ円滑に保安検査を行うことが重要です。乗客の保安検査への協力が一層必要だと考えますが、どのように取り組んでいくのか、答弁を求めます。
 また、今回の改正により、罰則も新たに設定されます。罰則を適用するに当たっては、保安検査員への教育や警察機関との連携が必要だと考えますが、どのように取り組んでいくのか、答弁を求めます。
 空港の保安検査は、現状では航空会社から民間警備会社に委託されています。実際の保安検査員はとてもつらい仕事です。空の安全が求められる中で、検査員にはミスが許されない重圧がのしかかります。さらに、保安検査の性質上、乗客には喜ばれず、クレームを受けることも多く、早朝、深夜の不規則な勤務、給与が低い等の構造的な課題があるため離職率も高く、人材が育っていません。人手不足により、警備業法で定められている有資格者の配置が行われていなかった事例も生じています。
 また、保安検査員の社会的地位の向上や人材育成の観点から、目標となる資格制度の創設を求める意見もあり、保安検査員の人材確保、育成に向けて、労働環境や待遇の改善とその財源確保、検査能力や効率性の向上、モチベーションの向上が不可欠です。保安検査員が直面する課題への対策について見解を伺います。
 最近のテロの傾向として、人が多く集まるソフトターゲットを対象とした過激なテロ行為が増えています。また、サイバーテロも増加しており、航空管制システムや航空機の操縦などに対策を講じていくことが重要です。こうした新たなテロへの対策について見解を伺います。
 また、内部脅威への対応として、従業員がランプサイドに出る前に保安検査を行うSRA検査が二〇一六年度から実施されています。施設面や体制面での内部脅威への対応が着実に行われているのか、お答えください。
 ドローンの活用は、空の産業革命とも言われています。今回の法改正で、有人地帯での補助者なしの目視外飛行、レベル4の飛行を二〇二二年度に実現する環境を整えます。ドローンは、陸上輸送が困難な地域への物資の配送、道路の橋桁の点検、農薬の配布など、幅広い活用が期待されています。レベル4の飛行は安全面の確保と住民の理解が不可欠です。ドローンのレベル4の今後の対応について所見を伺います。
 二〇二〇年四月時点で、ドローンの操縦者に対する講習等を実施する団体は七百三十五団体あります。一方、講習を行う団体の中には、講師の質が保たれていない、安全意識や法令遵守の意識が低い人物が運営を行っている等の問題点も指摘されています。国は、ドローンの操縦ライセンスを創設し、国の登録を受けた民間講習機関で講習を修了した場合には試験の一部又は全部を免除する方針です。国は、民間講習機関に対してカリキュラムの共通化などを図るとともに、指導監督者を厳格に行う体制を整備すべきと考えますが、見解を伺います。

#17
○議長(山東昭子君) 浜口さん、時間が超過しております。

#18
○浜口誠君(続) 最後に、航空保安の責任主体は国であるという根本的な問題の解決など、残された重要課題について国として早期に対応し、空の安全を守る体制強化を強く求め、質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔国務大臣赤羽一嘉君登壇、拍手〕

#19
○国務大臣(赤羽一嘉君) 浜口誠議員から、まず、航空会社に対する支援についてお尋ねがございました。
 航空産業は、公共交通機関として国民生活や社会経済活動を支え、ポストコロナの成長戦略を実現していくためにも重要な産業でございます。
 国としては、日々の安全運航を支える人材の雇用維持を図りつつ、事業継続を支援することを通じて航空ネットワークを維持確保するため、雇用調整助成金の拡充や資金繰り支援、一千二百億円規模の着陸料を含む空港使用料や航空機燃料税の減免等を行っております。
 引き続き、航空需要の動向や経営状況を注視しつつ、適時適切に対応してまいります。
 水際対策の強化や、航空・空港関係者へのワクチン接種についてお尋ねがございました。
 国土交通省におきましては、水際対策の強化について、検疫の適切な実施を支えるため、検疫に必要な空港内のスペースの確保や、入国に際して必要となる陰性証明の確認等について航空会社等に協力要請を行っております。
 また、非接触化を図るための空港カウンター等でのアクリル板の設置や、空港での電話での案内、ロボットによる定期消毒等も行われているところでございます。
 ワクチン接種に関しましては、現在、高齢者などへの接種の完了を目指し、政府として全力で取り組んでいるところでございますが、航空関係者等への早期の接種に関する対応につきましては、引き続き関係省庁に相談してまいります。
 検査の陰性証明やワクチン接種履歴などのデジタル証明の導入についてお尋ねがございました。
 国境を越える人の移動に際してのデジタル証明の活用につきましては、国土交通省といたしましても、出入国の際の手続の非接触化や円滑化を図るため、関係省庁、航空会社、国際的な関係団体等としっかり連携して取り組んでおります。
 なお、ワクチン接種履歴の活用につきましては、接種を受けない方への不当な差別につながらないようにすることなど、様々な論点があるところでありますが、国境を越える人の移動の本格的な再開に向け国内外の議論、各国の具体的な対応状況等について情報収集しながら、政府全体として対応してまいりたいと考えております。
 航空保安に対する体制強化についてお尋ねがございました。
 今般の航空法改正におきまして、航空機搭乗前に保安検査を受けることの義務付け及び保安検査員が旅客等に対する指示を出す権限の明確化、また、ハイジャックやテロ等の危害行為を防止するための国土交通大臣による基本方針の策定、そして、保安検査業務の受委託に関する基準の策定及び検査会社に対する国の直接的な関与などについて制度化し、航空保安体制の強化を図ってまいります。
 航空保安における現状の責任体制が抱える課題及び今後の検討についてお尋ねがございました。
 航空保安の体制につきましては、有識者会議でも示されているとおり、国が保安体制全般を主導し、多岐にわたる関係者による連携を強化し、保安検査の確実な実施や事案への迅速な対応を図る必要があると認識をしております。このため、危害行為防止基本方針の中で、国が前面に立ち主導的に関係者の役割分担の明確化や連携強化を図ることを明確に位置付けることといたします。
 また、今後の保安検査の実施主体の在り方を含む関係者間の役割分担につきましては、有識者による検討会議において、実施主体ごとのメリット、デメリットや海外事例の詳細な調査分析も行いながら検討を進めてまいります。
 航空保安に係る財源の負担の在り方についてお尋ねがございました。
 我が国の空港管理者が負担する保安対策費用の財源につきましては、国管理空港では保安料、地方管理空港では空港使用料、民間空港では旅客保安サービス料を徴収して充当するなど、最終的には旅客等の利用者が負担する形となっております。
 諸外国におきましても受益者負担の考えが一般的であり、国が一般財源で全額を負担するべきとは考えておりません。
 また、先進的な保安検査機器の導入及び維持費用についても、同様の理由から、一般財源での国の負担割合を増やすべきとは考えておりません。
 乗客の保安検査への協力、検査員への教育や警察との連携、検査員の人材確保、育成についてお尋ねがございました。
 まず、国土交通省といたしまして、確実な保安検査の実施のため、航空会社等とも連携し、乗客等に対し今般の制度改正の内容等を幅広く周知啓発するなど、一層の広報活動の強化に取り組んでまいります。
 また、国が標準的な教育訓練のガイドラインを策定すること等により、保安検査員の教育訓練の充実を図るとともに、現場の検査員が警察官と適切に対応できるよう、警察庁ともよく相談をしてまいります。
 さらに、保安検査員の労働環境の改善などの課題の解決に向け今般創設する危害行為防止基本方針に基づき、検査員の方を含む現場の声もしっかりと聞きながら、国が主導的に取り組んでまいります。
 新たなテロへの対策や内部脅威への対応についてお尋ねがございました。
 ソフトターゲット対策につきましては、空港における保安対策を今般の法改正も踏まえ着実に実施するとともに、警察当局ともしっかり連携をしてまいります。
 サイバーテロ対策につきましては、空港の施設や航空機の運航管理に関するシステムなどにおいて、国が策定した情報セキュリティ確保に係る安全ガイドラインに基づき、システムへのアクセス管理などを実施しております。
 航空管制システムにつきましては、インターネットから隔離された専用ネットワークを用いるとともに、常時監視を行いながら運用しております。
 また、空港の従業員等による犯罪のリスクなどの内部脅威への対策として、従業員が空港の制限区域に立ち入る際のセキュリティーチェックを着実に実施をしておりますが、引き続き万全を期してまいります。
 無人航空機の活用に際しまして、安全面の確保と住民の皆様への理解についてお尋ねがございました。
 今般の制度改正により可能となるレベル4飛行につきましては、様々なリスクが想定されるため、機体の安全性を認証する制度や操縦者の技能を証明する制度等を創設することにより、厳格に飛行の安全を確保してまいります。
 一方、今後、無人航空機が様々な用途で用いられ、その飛行エリアや頻度が増加することが予想されるところ、特に、レベル4飛行を行う無人航空機の操縦者に対しましては、飛行予定地域の関係者に丁寧に説明をし、理解と協力を得るよう促してまいりたいと考えております。
 無人航空機の技能証明制度に関し、登録講習機関の均一化と指導監督体制の整備についてお尋ねがございました。
 登録講習機関における講習内容や時間につきましては、最低限の基準を設定し、講習の質が一定水準以上に保たれるようにしてまいります。
 また、講習の実施方法等を定める事務規程の作成などを義務付け、必要に応じて義務、改善命令を行うなど、厳格な指導監督を行うこととし、そのために必要な組織体制の整備を図ってまいります。
 以上でございます。(拍手)
    ─────────────

#20
○議長(山東昭子君) 武田良介さん。
   〔武田良介君登壇、拍手〕

#21
○武田良介君 日本共産党の武田良介です。
 日本共産党を代表して、航空法等改正案について質問します。
 法案に入る前に、新型コロナ対策における中小事業者への支援についてお聞きします。
 私の事務所に、ホテル業の方からの訴えが届きました。コロナ禍でキャンセルが相次ぎ、いつ倒産してもおかしくない状態です、ホテル業にも支援をしてほしいという声です。
 GoToトラベルキャンペーンは、昨年度、一次補正と三次補正合わせて給付金ベースで約二・二兆円の予算が確保されましたが、約九千億円が積み残されています。GoToキャンペーンは展開できる状況ではありません。今やるべきことは、この予算を目の前で苦境にあえぐ宿泊業を始め観光関連事業者に対する減収補填に回すことではありませんか。
 タクシー業界からも、存続の危機だとの声が上がっています。緊急事態宣言が出されても、エッセンシャルワーカーとして、感染リスクと隣り合わせの状況にありながら、高齢者の通院、買物など地域の足を担ってきたのがタクシー事業者です。タクシー会社の廃業は地域生活に影響を及ぼし、とりわけ、高齢者や障害者など交通弱者にしわ寄せされてしまいます。国は、事業者の減収補填や運転手の直接支援に踏み出すべきではありませんか。
 もう一点、羽田新ルートについてもお聞きします。
 昨年三月から、住宅と都市機能が密集する都心部の上空を超低空で飛行する新飛行ルートの本格運航が始まりました。家の中で窓を閉めていても響く轟音で心が休まらない、お庭で遊んでいた園児が騒音におびえて泣き出した、落下物が不安など、怒りと不安の声が広がっています。
 そもそも、羽田新ルートはインバウンドを当て込んだ国際線増便のためと説明されてきましたが、新型コロナの影響で、増便どころか減便しているのが実態です。羽田新ルートは撤回すべきではありませんか。以上、国交大臣に答弁を求めます。
 米軍ヘリの都心低空飛行が問題になっています。この間、米軍ヘリが都心部を低空で飛ぶ背景として、羽田新ルートで低空飛行する旅客機との接触を避けるために、それよりも低い高度で飛ぶことが要因との指摘があります。防衛大臣、この指摘は事実ですか。
 国交大臣は、米軍ヘリの低空飛行訓練は羽田新ルートの低空飛行によるものと認識しているのですか。答弁を求めます。
 日本の航空法では、住宅密集地では三百メートル以上、非密集地では百五十メートル以上の上空を飛行することを義務付けていますが、米軍機は、日米地位協定によって航空法の適用を除外されています。
 しかも、横田基地所属ヘリのトレーニングエリア、訓練空域が明らかになりました。そもそも、米軍が勝手に訓練空域を設定していること自体が異常であるという認識はありますか。米軍ヘリの低空飛行の実態を徹底調査するとともに、直ちに中止するよう米軍に強く求めるべきではありませんか。防衛大臣の答弁を求めます。
 以下、法案について国交大臣に質問します。
 昨年末、政府は、コロナ時代の航空・空港の経営基盤強化に向けた支援施策パッケージを発表し、今年度予算にその支援策を盛り込みました。本法案はその施策の遂行に法的根拠を与えることが目的です。
 新型コロナ感染拡大による航空業界の苦境から、航空ネットワークを維持確保するために国が乗り出すことは必要なことです。しかし、これまで政府が過去二回にわたって行ってきた支援策は、航空業界の支援の前提条件として、航空会社に徹底した合理化、人件費、コスト削減が指導され、安全規制の緩和まで行うものでした。
 安全運航を支えるため、人材の雇用維持は極めて重要です。今回の航空会社への支援に際しても、雇用の維持と安全対策の確立は大前提ではありませんか。本法案は、航空会社に対し、コスト削減を含めた基盤強化計画を国に提出することを求めるものですが、これを根拠に雇用、人員削減、リストラが強要されるようなことはありませんか。
 本法案には、雇用を維持確保する施策の規定がありません。衆議院の審議では、国の基盤強化方針に雇用を守りつつ支援していく方針を記載する、航空会社の計画に雇用に関する記載をいただくと答弁していますが、法案の条文に明記されてこそ、雇用を維持確保する施策の実効性が担保されるのではありませんか。
 二〇〇九年のリーマン・ショック後のJALの経営破綻では、国の支援と引換えに一万六千人の人員削減が実施され、二〇一〇年末には百六十五名もの整理解雇が強行されました。ILOから四次にわたる勧告を受け、不当労働行為が最高裁で確定していますが、いまだに解決に至っていません。争議を解決するのは経営者の責任です。JALに対して争議の早期解決に向けた指導をすべきではありませんか。
 支援施策パッケージには、訪日旅行者二〇三〇年六千万人の政府目標の達成など、ポストコロナの成長戦略に向け主要空港のインフラ整備、成田空港の新滑走路建設などの大規模事業の推進が盛り込まれています。V字回復など安易な見通しのまま大規模事業を続けることは許されません。中止を含め見直しを検討すべきではありませんか。
 本法案で、航空保安検査を法的に位置付けることは重要です。保安検査員の労働環境、労働条件がひどいという根本問題を国として認識しながら、法案ではこれを改善するための実効性のある支援策がありません。
 現在、全国九十七空港のうち保安検査員の人件費を国が二分の一負担しているのは、国管理空港の十九空港だけです。アメリカでは、二〇〇一年の同時多発テロ以降、それまで民間に任せていた航空保安検査を国の機関である運輸保安庁、国家公務員が担っており、ドイツ、カナダなども国が担っています。
 航空会社、空港管理会社の経営状況や経営形態によって保安検査の体制が左右されることがあってはなりません。国の責任を明確にし、保安検査員は国が公務として直接担うべきではないですか。当面、処遇改善を急ぐためにも、保安検査員の人件費を全て国が負担すべきではありませんか。
 無人航空機、ドローンについてお聞きします。
 災害対応、取材、報道、インフラ維持管理、離島、山間部への荷物配送など、無人地帯を中心にした活用と技術開発は必要です。しかし、本法案は、これまで飛べなかった第三者上空、有人地帯での補助者なし目視外飛行を、物流などの分野で二〇二二年度から実施しようとするものです。有人地帯上空の飛行は、国民の命と安全に関わる問題であり、国民的合意が前提でなければなりません。
 第三者上空の合意なしの飛行は、民法に基づく土地所有権の侵害に当たることが指摘されていますが、この問題を国としてどう整理しているのですか。現状では、二〇二二年度からの第三者上空、有人地帯での補助者なし目視外飛行については厳格な安全性が担保されておらず、国民的合意が不十分という面からも、これを解禁することは時期尚早ではないですか。
 以上、国交大臣の答弁を求め、質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣赤羽一嘉君登壇、拍手〕

#22
○国務大臣(赤羽一嘉君) 武田良介議員から、まず、宿泊事業者等の観光関連事業者への支援についてお尋ねがございました。
 宿泊事業者を始めとする観光関連事業者は、新型コロナウイルスの感染拡大やGoToトラベル事業の全国一斉停止措置等を受けて、大変大きな影響を受けているものと承知をしております。
 そこで、各都道府県や宿泊事業者等からの要望を踏まえ、GoToトラベル事業予算を直接的な減収補填に回すのではなく、本年四月以降各都道府県が実施を予定している域内旅行の割引支援又は前売り宿泊券等の割引支援の事業に対し、地域観光事業支援として国が財政的に支援することとしております。さらには、宿泊事業者が講じている感染防止対策に係る費用につきましても、過去に遡って、地域観光事業支援として財政的に支援をすることとしております。
 現在、各都道府県で議会に予算を上程いただくなどの支援策の実行のための手続を精力的に進めていただいており、引き続き観光関連事業者の状況を注視しつつ、必要な対策を適切に講じてまいります。
 タクシー業界への支援についてお尋ねがございました。
 タクシー業界に対しましては、事業継続、雇用維持のため、雇用調整助成金による支援を行わせていただいており、バス、タクシー合わせて推計でこれまで約千三百八十億円活用されておりますほか、地方創生臨時交付金を活用した約八百自治体、約千六百事業によるタクシーを含む公共交通事業者への支援が行われております。
 令和二年度第三次補正予算を活用した高性能フィルターを装着した空気清浄機等の設置等の感染防止対策への支援を行い、また、高齢者等のワクチン接種会場までの移動にタクシーが活用されるよう自治体に対する働きかけなど、取組を行っているところでございます。
 いずれにいたしましても、タクシーが身近で利用しやすい地域住民の移動の足となり、公共交通機関としての使命と責任を果たせるよう、引き続き必要な支援を行ってまいります。
 羽田空港の新経路の必要性や米軍ヘリとの関係についてお尋ねがございました。
 羽田空港の新経路、新飛行経路につきましては、平成二十六年からの東京都や千葉県等の関係自治体等から成る協議会での議論を踏まえ、まず、将来的な航空需要の拡大を見据えた我が国の国際競争力の強化並びに従来からの懸案事項でありました千葉県の騒音軽減等の観点から、国土交通省として令和元年八月に導入を決定したものであります。現在、大幅な減便が生じている中でも、こうした議論の経緯並びに今後の航空需要の回復などを踏まえ、新飛行経路は引き続き運用していく必要があると考えております。
 他方、新飛行経路の固定化回避について、航空機や管制の技術革新の進展も踏まえ、技術的観点から方策を検討する有識者会議を昨年六月に立ち上げたところであり、引き続き検討を進めてまいります。
 また、米軍ヘリとの関係につきましては、新飛行経路を運用している時間帯においても、その周辺空域において、管制機関に連絡を行うことで任意の高度で飛行することが可能な仕組みとなっていることから、新飛行経路の設定が米軍ヘリの飛行に影響を与えているとは認識をしておりません。
 航空会社の支援と雇用維持についてお尋ねがございました。
 航空輸送において安全の確保は大前提であり、また、航空業界の人材は日々の安全運航を支えており、航空ネットワークの維持確保の観点からも、その雇用の維持は極めて重要であります。
 今般の法改正により、航空会社は事業基盤強化のための計画を作成し、その取組状況を定期的に報告することとなりますが、国として、人員削減やリストラなど、雇用に関する個別具体的な指示を出すことは考えておりません。
 また、雇用の維持確保のための施策につきましては、本法案の規定に基づき、国の方針及び航空会社の計画に雇用を守りつつ基盤強化を図る旨を記載することにより、その実効性を担保してまいりたいと考えております。
 日本航空の整理解雇についてお尋ねがございました。
 日本航空の整理解雇につきましては、個別企業における雇用関係に係る問題であることから、日本航空において適切に対処をすべきものと考えております。このため、行政として関与することは適切ではないと考えております。
 大規模な空港整備事業の実施についてお尋ねがございました。
 コロナ禍で航空需要が激減している状況においても、社会経済活動や今後の経済成長を支えるために必要な空港整備事業につきましては着実に実施していく必要がございます。支援施策パッケージに盛り込んだ事業はいずれもこのような必要性を有する事業であることから、着実に取り組んでまいりたいと考えております。
 保安検査における国の責任の明確化、保安検査の実施主体及び費用負担についてお尋ねがございました。
 保安検査における国の責任の明確化につきましては、今般新たに策定する危害行為防止基本方針で、国が前面に立って主導的に取り組むことを明確に位置付け、国の責務として空港の保安対策の抜本的な強化を図るべく、しっかりと対応してまいります。
 また、保安検査の実施主体の在り方につきましては、有識者による検討会を開催し、実施主体ごとのメリット、デメリットや海外事例の詳細な調査分析を行いながら検討してまいります。
 保安検査員の人件費を含む保安検査の費用負担につきましては、諸外国におきましても受益者負担の考えが一般的であることから、国が一般財源で全額負担すべきとは考えておりません。
 無人航空機のレベル4飛行について、土地所有権との関係の整理と、その解禁が時期尚早ではないかという点についてお尋ねがございました。
 民法では、土地の所有権は、法令の制限内において、その土地の上下に及ぶと規定されておりますが、その範囲は、一般に当該土地を所有する者の利益の存する限度とされており、第三者の土地の上空を無人航空機が飛行することが直ちに所有権の侵害に当たるわけではないものと解されております。
 その上で、レベル4飛行につきましては、無人航空機の操縦者に対し、飛行予定の地域の関係者に丁寧に説明し、理解と協力を得るよう促すこととしているほか、厳格に安全を確保する観点から、技能証明や機体証明を受けた上で飛行ごとに国の許可、承認を受けることを必須としたところであり、国民的な理解に配慮しながら進めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。(拍手)
   〔国務大臣岸信夫君登壇、拍手〕

#23
○国務大臣(岸信夫君) 武田議員にお答えいたします。
 まず、米軍ヘリの都心低空飛行についてお尋ねがありました。
 御指摘の米軍機の飛行については、米側からは、飛行に当たっての安全確保は最優先であり、従来から米軍機の飛行はICAOのルールや日本の航空法と整合的な米軍の規則に従って行われているとの説明を受けています。その上で、羽田新ルートとの関係について予断を持ってお答えすることは差し控えます。
 防衛省としては、引き続き米側に対して安全面に最大限配慮し、地域住民に与える影響を最小限にとどめるよう強く求めていくとともに、航空機の航行の安全確保については最優先の課題として日米で協力して取り組んでまいります。
 次に、米軍の訓練空域及び低空飛行についてお尋ねがありました。
 一般に、米軍が日米安保条約の目的達成のため、実弾射撃等を伴わない通常の飛行訓練を米軍の施設・区域でない場所の上空で行うことは認められているものと認識しています。
 また、米軍機の飛行訓練は、パイロットの技能の維持向上を図る上で必要不可欠な要素であり、日米安保条約の目的達成のため極めて重要なものですが、我が国の公共の安全に妥当な考慮を払って活動することが当然の前提です。三月の日米防衛相会談でも、米軍の安全かつ環境に配慮した運用の確保が重要であること等を確認するなど、日米間でもこうした認識の共有を図っています。
 防衛省としては、引き続き関係自治体、関係省庁及び米側と緊密に連携し、皆様の御不安を払拭すべく、しっかりと取り組んでまいります。(拍手)

#24
○議長(山東昭子君) これにて質疑は終了いたしました。
     ─────・─────

#25
○議長(山東昭子君) 日程第一 所得に対する租税に関する二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止のための日本国とセルビア共和国との間の条約の締結について承認を求めるの件
 日程第二 所得に対する租税に関する二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止のための日本国とジョージアとの間の条約の締結について承認を求めるの件
 日程第三 投資の自由化、促進及び保護に関する日本国とジョージアとの間の協定の締結について承認を求めるの件
 日程第四 日本国における経済協力開発機構の特権及び免除に関する日本国政府と経済協力開発機構との間の協定の規定の適用範囲に関する交換公文を改正する交換公文の締結について承認を求めるの件
  (いずれも衆議院送付)
 以上四件を一括して議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。外交防衛委員長長峯誠さん。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔長峯誠君登壇、拍手〕

#26
○長峯誠君 ただいま議題となりました条約四件につきまして、外交防衛委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 まず、セルビアとの租税条約は、二重課税の除去を目的とした課税権の調整を行うものであります。
 次に、ジョージアとの租税条約は、現行の日ソ租税条約の内容をジョージアとの間で全面的に改正し、投資所得に対する源泉地国課税の一層の軽減等について定めるものであります。
 次に、ジョージアとの投資協定は、投資に関する内国民待遇及び最恵国待遇等、投資の自由化、促進及び保護に関する法的枠組みについて定めるものであります。
 最後に、OECDとの特権・免除に関する改正交換公文は、我が国がOECD及び職員等に対して新たに与える特権及び免除等について定めるものであります。
 委員会におきましては、四件を一括して議題とし、四条約締結の意義と効果、租税条約における徴収共助規定の在り方、投資関連協定締結促進のための数値目標の必要性、OECD東京センターの役割とASEAN諸国への対応等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終え、討論に入りましたところ、日本共産党の井上理事より租税条約二件及びジョージアとの投資協定に反対する旨の意見が述べられました。
 次いで、順次採決の結果、租税条約二件及びジョージアとの投資協定はいずれも多数をもって、OECDとの特権・免除に関する改正交換公文は全会一致をもって、それぞれ承認すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────

#27
○議長(山東昭子君) これより採決をいたします。
 まず、所得に対する租税に関する二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止のための日本国とセルビア共和国との間の条約の締結について承認を求めるの件及び所得に対する租税に関する二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止のための日本国とジョージアとの間の条約の締結について承認を求めるの件を一括して採決いたします。
 両件を承認することに賛成の皆さんの起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

#28
○議長(山東昭子君) 過半数と認めます。
 よって、両件は承認することに決しました。(拍手)
 次に、投資の自由化、促進及び保護に関する日本国とジョージアとの間の協定の締結について承認を求めるの件の採決をいたします。
 本件を承認することに賛成の皆さんの起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

#29
○議長(山東昭子君) 過半数と認めます。
 よって、本件は承認することに決しました。(拍手)
 次に、日本国における経済協力開発機構の特権及び免除に関する日本国政府と経済協力開発機構との間の協定の規定の適用範囲に関する交換公文を改正する交換公文の締結について承認を求めるの件の採決をいたします。
 本件を承認することに賛成の皆さんの起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

#30
○議長(山東昭子君) 総員起立と認めます。
 よって、本件は全会一致をもって承認することに決しました。(拍手)
     ─────・─────

#31
○議長(山東昭子君) 日程第五 教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する法律案(衆議院提出)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。文教科学委員長太田房江さん。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔太田房江君登壇、拍手〕

#32
○太田房江君 ただいま議題となりました法律案につきまして、文教科学委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、衆議院文部科学委員長の提出によるものであり、教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する施策を推進しようとするものであります。
 委員会におきましては、性暴力を行った教員に再び免許状を授与する際の審査体制、保育士など、教員以外の子供に関わる職業への対応等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。
 質疑を終局し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対して附帯決議が付されております。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────

#33
○議長(山東昭子君) これより採決をいたします。
 本案に賛成の皆さんの起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

#34
○議長(山東昭子君) 総員起立と認めます。
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
     ─────・─────

#35
○議長(山東昭子君) 日程第六 農水産業協同組合貯金保険法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。農林水産委員長上月良祐さん。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔上月良祐君登壇、拍手〕

#36
○上月良祐君 ただいま議題となりました法律案につきまして、農林水産委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、金融システムの安定に係る国際的な基準に対応するため、金融システムの著しい混乱が生ずるおそれがあると認められる場合における農林中央金庫の資産及び負債の秩序ある処理に関する措置について定めようとするものであります。
 委員会におきましては、農林中央金庫に対し秩序ある処理の仕組みを用意しておく必要性、G―SIBで求められる資本ルールへの対応方針、協同組合を基盤とする農林中央金庫の投融資業務の在り方等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して紙理事より反対する旨の意見が述べられました。
 討論を終局し、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────

#37
○議長(山東昭子君) これより採決をいたします。
 本案に賛成の皆さんの起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

#38
○議長(山東昭子君) 過半数と認めます。
 よって、本案は可決されました。(拍手)
     ─────・─────

#39
○議長(山東昭子君) 日程第七 障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。内閣委員長森屋宏さん。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔森屋宏君登壇、拍手〕

#40
○森屋宏君 ただいま議題となりました法律案につきまして、内閣委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、障害を理由とする差別の解消の一層の推進を図るため、事業者に対し社会的障壁の除去の実施について必要かつ合理的な配慮をすることを義務付けるとともに、行政機関相互間の連携の強化を図るほか、障害を理由とする差別を解消するための支援を強化する措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、事業者への合理的配慮の義務化の意義と効果、差別の実情と対応事例の収集、共有の重要性、事業者等に対する支援の在り方等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終局し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定をいたしました。
 なお、本法律案に対し附帯決議を行いました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────

#41
○議長(山東昭子君) これより採決をいたします。
 本案に賛成の皆さんの起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

#42
○議長(山東昭子君) 総員起立と認めます。
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時五十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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