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2021/06/04 第204回国会 衆議院 第204回国会 衆議院 厚生労働委員会 第25号 令和3年6月4日
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2021/06/04 第204回国会 衆議院

第204回国会 衆議院 厚生労働委員会 第25号 令和3年6月4日

#1
令和三年六月四日(金曜日)
    午前九時四分開議
 出席委員
   委員長 とかしきなおみ君
   理事 大岡 敏孝君 理事 門  博文君
   理事 田畑 裕明君 理事 長尾  敬君
   理事 橋本  岳君 理事 中島 克仁君
   理事 長妻  昭君 理事 伊佐 進一君
      青山 周平君    安藤 高夫君
      井出 庸生君    上杉謙太郎君
      上野 宏史君    大串 正樹君
      大隈 和英君    木村 次郎君
      木村 哲也君    木村 弥生君
      国光あやの君    小島 敏文君
      後藤 茂之君    後藤田正純君
      高村 正大君    佐々木 紀君
      佐藤 明男君    塩崎 恭久君
      繁本  護君    杉田 水脈君
      武井 俊輔君    中村 裕之君
      野田 聖子君    百武 公親君
      村井 英樹君    山下 貴司君
      山田 美樹君    渡辺 孝一君
      荒井  聰君    稲富 修二君
      尾辻かな子君    大島  敦君
      川内 博史君    白石 洋一君
      津村 啓介君    西村智奈美君
      山川百合子君    山井 和則君
      早稲田夕季君    高木美智代君
      桝屋 敬悟君    宮本  徹君
      足立 康史君    青山 雅幸君
      高井 崇志君
    …………………………………
   厚生労働大臣       田村 憲久君
   財務副大臣        伊藤  渉君
   厚生労働副大臣     三原じゅん子君
   厚生労働副大臣
   兼内閣府副大臣      山本 博司君
   内閣府大臣政務官     三谷 英弘君
   文部科学大臣政務官    鰐淵 洋子君
   厚生労働大臣政務官    大隈 和英君
   厚生労働大臣政務官    こやり隆史君
   衆議院法制局第一部長   塩田 智明君
   政府特別補佐人
   (内閣法制局長官)    近藤 正春君
   政府参考人
   (内閣官房内閣審議官)  時澤  忠君
   政府参考人
   (内閣官房内閣審議官)  植松 浩二君
   政府参考人
   (内閣官房内閣審議官)  十時 憲司君
   政府参考人
   (内閣官房内閣審議官)  梶尾 雅宏君
   政府参考人
   (警察庁長官官房審議官) 猪原 誠司君
   政府参考人
   (財務省主計局次長)   宇波 弘貴君
   政府参考人
   (文部科学省大臣官房審議官)           蝦名 喜之君
   政府参考人
   (文部科学省大臣官房審議官)           川中 文治君
   政府参考人
   (文部科学省大臣官房審議官)           塩崎 正晴君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房生活衛生・食品安全審議官)  浅沼 一成君
   政府参考人
   (厚生労働省医政局長)  迫井 正深君
   政府参考人
   (厚生労働省健康局長)  正林 督章君
   政府参考人
   (厚生労働省医薬・生活衛生局長)         鎌田 光明君
   政府参考人
   (厚生労働省労働基準局長)            吉永 和生君
   政府参考人
   (厚生労働省子ども家庭局長)           渡辺由美子君
   政府参考人
   (厚生労働省社会・援護局長)           橋本 泰宏君
   政府参考人
   (厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長)    赤澤 公省君
   政府参考人
   (厚生労働省老健局長)  土生 栄二君
   政府参考人
   (厚生労働省保険局長)  浜谷 浩樹君
   政府参考人
   (厚生労働省年金局長)  高橋 俊之君
   政府参考人
   (厚生労働省政策統括官) 鈴木英二郎君
   政府参考人
   (国立感染症研究所長)  脇田 隆字君
   政府参考人
   (経済産業省商務情報政策局商務・サービス政策統括調整官)         山本 和徳君
   参考人
   (独立行政法人地域医療機能推進機構理事長)    尾身  茂君
   厚生労働委員会専門員   吉川美由紀君
    ―――――――――――――
委員の異動
六月四日
 辞任         補欠選任
  安藤 高夫君     上杉謙太郎君
  木村 次郎君     野田 聖子君
  小島 敏文君     山下 貴司君
  武井 俊輔君     中村 裕之君
  百武 公親君     杉田 水脈君
  村井 英樹君     佐々木 紀君
  白石 洋一君     荒井  聰君
  青山 雅幸君     足立 康史君
同日
 辞任         補欠選任
  上杉謙太郎君     安藤 高夫君
  佐々木 紀君     村井 英樹君
  杉田 水脈君     百武 公親君
  中村 裕之君     井出 庸生君
  野田 聖子君     木村 次郎君
  山下 貴司君     小島 敏文君
  荒井  聰君     白石 洋一君
  足立 康史君     青山 雅幸君
同日
 辞任         補欠選任
  井出 庸生君     武井 俊輔君
    ―――――――――――――
六月三日
 新型コロナウイルス感染症と筋痛性脳脊髄炎の研究に関する請願(阿部知子君紹介)(第一四二一号)
 同(赤嶺政賢君紹介)(第一四二二号)
 同(荒井聰君紹介)(第一四二三号)
 同(奥野総一郎君紹介)(第一四二四号)
 同(神山佐市君紹介)(第一四二五号)
 同(北村誠吾君紹介)(第一四二六号)
 同(下条みつ君紹介)(第一四二七号)
 同(辻元清美君紹介)(第一四二八号)
 同(中村裕之君紹介)(第一四二九号)
 同(野田聖子君紹介)(第一四三〇号)
 同(福田昭夫君紹介)(第一四三一号)
 同(本多平直君紹介)(第一四三二号)
 同(松本純君紹介)(第一四三三号)
 同(柚木道義君紹介)(第一四三四号)
 同(笠浩史君紹介)(第一四三五号)
 同(池田真紀君紹介)(第一五五〇号)
 同(稲津久君紹介)(第一五五一号)
 同(生方幸夫君紹介)(第一五五二号)
 同(浦野靖人君紹介)(第一五五三号)
 同(大串博志君紹介)(第一五五四号)
 同(大西健介君紹介)(第一五五五号)
 同(柿沢未途君紹介)(第一五五六号)
 同(神谷裕君紹介)(第一五五七号)
 同(小宮山泰子君紹介)(第一五五八号)
 同(佐々木隆博君紹介)(第一五五九号)
 同(重徳和彦君紹介)(第一五六〇号)
 同(田畑裕明君紹介)(第一五六一号)
 同(高木美智代君紹介)(第一五六二号)
 同(宮本徹君紹介)(第一五六三号)
 同(村井英樹君紹介)(第一五六四号)
 子供のための予算を大幅に増やし国の責任で安全・安心な保育・学童保育の実現を求めることに関する請願(笠井亮君紹介)(第一四三六号)
 腎疾患総合対策の早期確立に関する請願(棚橋泰文君紹介)(第一四三七号)
 同(源馬謙太郎君紹介)(第一四九八号)
 安全・安心の医療・介護の実現と国民の命と健康を守ることに関する請願(阿部知子君紹介)(第一四三八号)
 同(赤嶺政賢君紹介)(第一四三九号)
 同(荒井聰君紹介)(第一四四〇号)
 同(下条みつ君紹介)(第一四四一号)
 同(照屋寛徳君紹介)(第一四四二号)
 同(本多平直君紹介)(第一四四三号)
 同(松木けんこう君紹介)(第一四四四号)
 同(宮本徹君紹介)(第一四四五号)
 同(務台俊介君紹介)(第一四四六号)
 同(吉川元君紹介)(第一四四七号)
 同(亀井亜紀子君紹介)(第一四九九号)
 同(源馬謙太郎君紹介)(第一五〇〇号)
 同(小宮山泰子君紹介)(第一五〇一号)
 同(長谷川嘉一君紹介)(第一五〇二号)
 同(松原仁君紹介)(第一五〇三号)
 パーキンソン病患者への難病対策の推進に関する請願(阿部知子君紹介)(第一四四八号)
 同(枝野幸男君紹介)(第一四四九号)
 同(棚橋泰文君紹介)(第一四五〇号)
 障害福祉についての法制度拡充に関する請願(阿部知子君紹介)(第一四五一号)
 同(赤嶺政賢君紹介)(第一四五二号)
 同(太田昌孝君紹介)(第一四五三号)
 同(笠井亮君紹介)(第一四五四号)
 同(菅家一郎君紹介)(第一四五五号)
 同(北村誠吾君紹介)(第一四五六号)
 同(近藤和也君紹介)(第一四五七号)
 同(下地幹郎君紹介)(第一四五八号)
 同(下条みつ君紹介)(第一四五九号)
 同(玉木雄一郎君紹介)(第一四六〇号)
 同(西岡秀子君紹介)(第一四六一号)
 同(福山守君紹介)(第一四六二号)
 同(堀越啓仁君紹介)(第一四六三号)
 同(吉野正芳君紹介)(第一四六四号)
 同(上杉謙太郎君紹介)(第一五〇四号)
 同(大串博志君紹介)(第一五〇五号)
 同(岸本周平君紹介)(第一五〇六号)
 同(斉木武志君紹介)(第一五〇七号)
 同(清水忠史君紹介)(第一五〇八号)
 同(階猛君紹介)(第一五〇九号)
 同(根本匠君紹介)(第一五一〇号)
 同(長谷川嘉一君紹介)(第一五一一号)
 同(福井照君紹介)(第一五一二号)
 同(松原仁君紹介)(第一五一三号)
 同(山本ともひろ君紹介)(第一五一四号)
 同(渡辺周君紹介)(第一五一五号)
 全国一律最低賃金制度の実現を求めることに関する請願(阿部知子君紹介)(第一四六五号)
 同(下条みつ君紹介)(第一四六六号)
 同(照屋寛徳君紹介)(第一四六七号)
 同(務台俊介君紹介)(第一四六八号)
 同(本村伸子君紹介)(第一四六九号)
 同(吉川元君紹介)(第一四七〇号)
 同(岸本周平君紹介)(第一五四〇号)
 同(小宮山泰子君紹介)(第一五四一号)
 同(長谷川嘉一君紹介)(第一五四二号)
 同(松原仁君紹介)(第一五四三号)
 難病・長期慢性疾病・小児慢性特定疾病対策の総合的な推進に関する請願(岸田文雄君紹介)(第一四七一号)
 同(原田義昭君紹介)(第一四七二号)
 同(小沢一郎君紹介)(第一五四四号)
 同(鬼木誠君紹介)(第一五四五号)
 同(岸本周平君紹介)(第一五四六号)
 同(小宮山泰子君紹介)(第一五四七号)
 国立病院の機能強化に関する請願(阿部知子君紹介)(第一四七三号)
 同(荒井聰君紹介)(第一四七四号)
 同(笠井亮君紹介)(第一四七五号)
 同(下条みつ君紹介)(第一四七六号)
 同(関健一郎君紹介)(第一四七七号)
 同(照屋寛徳君紹介)(第一四七八号)
 同(本多平直君紹介)(第一四七九号)
 同(柚木道義君紹介)(第一四八〇号)
 同(吉川元君紹介)(第一四八一号)
 同(源馬謙太郎君紹介)(第一五四八号)
 同(重徳和彦君紹介)(第一五四九号)
 現下の雇用失業情勢を踏まえた労働行政体制の整備を目指すことに関する請願(石川香織君紹介)(第一四九二号)
 同(大西健介君紹介)(第一四九三号)
 同(神谷裕君紹介)(第一四九四号)
 同(佐々木隆博君紹介)(第一四九五号)
 同(長谷川嘉一君紹介)(第一四九六号)
 同(柚木道義君紹介)(第一四九七号)
 七十五歳以上医療費窓口負担二割化撤回を求めることに関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第一五一六号)
 同(笠井亮君紹介)(第一五一七号)
 同(穀田恵二君紹介)(第一五一八号)
 同(志位和夫君紹介)(第一五一九号)
 同(清水忠史君紹介)(第一五二〇号)
 同(塩川鉄也君紹介)(第一五二一号)
 同(田村貴昭君紹介)(第一五二二号)
 同(高橋千鶴子君紹介)(第一五二三号)
 同(畑野君枝君紹介)(第一五二四号)
 同(藤野保史君紹介)(第一五二五号)
 同(宮本徹君紹介)(第一五二六号)
 同(本村伸子君紹介)(第一五二七号)
 新型コロナ対策の強化、介護報酬の引上げ、介護従事者の大幅な処遇改善、介護保険制度の抜本改善を求めることに関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第一五二八号)
 同(笠井亮君紹介)(第一五二九号)
 同(穀田恵二君紹介)(第一五三〇号)
 同(志位和夫君紹介)(第一五三一号)
 同(清水忠史君紹介)(第一五三二号)
 同(塩川鉄也君紹介)(第一五三三号)
 同(田村貴昭君紹介)(第一五三四号)
 同(高橋千鶴子君紹介)(第一五三五号)
 同(畑野君枝君紹介)(第一五三六号)
 同(藤野保史君紹介)(第一五三七号)
 同(宮本徹君紹介)(第一五三八号)
 同(本村伸子君紹介)(第一五三九号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 参考人出頭要求に関する件
 厚生労働関係の基本施策に関する件
 中小事業主が行う事業に従事する者等の労働災害等に係る共済事業に関する法律案起草の件
 医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律案起草の件
 中小事業主等の労働災害等に関する共済制度の確立等に関する件
 医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する件
     ――――◇―――――

#2
○とかしき委員長 これより会議を開きます。
 厚生労働関係の基本施策に関する件について調査を進めます。
 この際、お諮りいたします。
 本件調査のため、本日、参考人として独立行政法人地域医療機能推進機構理事長尾身茂君の出席を求め、意見を聴取し、また、政府参考人として内閣官房内閣審議官時澤忠君、内閣審議官植松浩二君、内閣審議官十時憲司君、内閣審議官梶尾雅宏君、警察庁長官官房審議官猪原誠司君、財務省主計局次長宇波弘貴君、文部科学省大臣官房審議官蝦名喜之君、大臣官房審議官川中文治君、大臣官房審議官塩崎正晴君、厚生労働省大臣官房生活衛生・食品安全審議官浅沼一成君、医政局長迫井正深君、健康局長正林督章君、医薬・生活衛生局長鎌田光明君、労働基準局長吉永和生君、子ども家庭局長渡辺由美子君、社会・援護局長橋本泰宏君、社会・援護局障害保健福祉部長赤澤公省君、老健局長土生栄二君、保険局長浜谷浩樹君、年金局長高橋俊之君、政策統括官鈴木英二郎君、国立感染症研究所長脇田隆字君、経済産業省商務情報政策局商務・サービス政策統括調整官山本和徳君の出席を求め、説明を聴取したいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#3
○とかしき委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――

#4
○とかしき委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。長妻昭君。

#5
○長妻委員 立憲民主党、長妻昭でございます。おはようございます。
 今日は、お忙しいところ、脇田先生、尾身先生にもお出ましをいただき、ありがとうございます。
 今、コロナで自宅療養の方が、最新の数字、五月二十六日時点でございますが、全国で二万七千三百五十九名おられる。三月二十四日と比べて約八・五倍の人数でございます。この中には、助かる命が助からなくなる、こういうような方々もおられる可能性は大きいわけでございまして、本当にこの厚生労働委員会、しっかりとコロナ対策、生きるか死ぬかの中で取り組んでいかなければならないということで、今日も質問をさせていただきます。
 まず、脇田先生に御質問申し上げますが、ちょっと気になることがございまして、私も東京選出の国会議員でございますので、いろいろなデータを見ていますと、東京の夜間、昼間、昼間と夜の滞留人口、人出が明らかに増加している。緊急事態宣言が解除されていないにもかかわらず、明らかに増加しているということなんですが、このままこの傾向が続くとリバウンドするんじゃないかと、私、すごく懸念しているんです。
 緊急事態宣言が解除されていない今の段階でもリバウンドが起こるんじゃないかというふうに懸念しているんですが、先生の見解をお聞かせいただけますか。

#6
○脇田政府参考人 お答えいたします。
 先日のアドバイザリーボードにおきましても、東京、それから首都圏の三県ですね、いずれもやはり人流の横ばいから増加というところがあるというところで、これが直ちに、現在、感染者数の増加には結びついていない。これは、緊急事態宣言の下で、ある程度人流は下がってきていて、それが少しずつ上がってきているというような状況ですので、今直ちには結びついておらないわけですけれども、やはり委員の中でも、これが今後の感染者数の増加につながるのではないか、そういった懸念が示されています。
 ただ、現在は、実効再生産数、それから感染者数の先週比今週比を見ましても、いずれも一を切っている状況ということですから、今の人流のレベルをなるべく維持をするということが重要だというふうに考えております。

#7
○長妻委員 そうすると、脇田先生は、リバウンドの可能性はないという判断ですか。

#8
○脇田政府参考人 可能性の問題は非常に難しいとは思いますけれども、やはり人流の増加が続くようであれば、いずれはリバウンドの可能性もあるというふうに考えております。

#9
○長妻委員 そしてもう一つは、ワクチンで、私も地元を回っていますと、非常に気になるお話を聞きます。一回目接種をした、自治体によっては、一回目、二回目とセットで予約する自治体も多くあるんですね、三週間後に。ところが、私が知っている東京二十三区の幾つかの自治体は、ばらばらに予約する。一回目を昨日打ったよ、二回目をまた個別に予約するんだけれども、なかなか電話がつながらなくてまだ予約ができていないとか、あるいは一回目の六週間後になっちゃった、あるいは相当時間がたったのにまだ二回目を予約できないんだ、困っているという声を聞くんです。
 これは脇田先生にお伺いするんですが、科学的に、ファイザーのワクチンは間隔がどのくらい空くのが最も効果が高いと言えるんですか。

#10
○脇田政府参考人 お答えいたします。
 ファイザーのワクチンは、委員のおっしゃるとおり、三週間置きに二回接種をするということになっておりまして、臨床試験におきましても、主には、多くの方はその三週間の間隔で接種を行っているということで、ワクチンの効果については、非常に高い、九五%のワクチン効果があるというふうに証明をされております。
 その中で、ただ、臨床試験の中で、四十二日間、約六週間後までの接種間隔を置いた方についても評価をされておりまして、これは数が必ずしも多いわけではありませんので、十分に確立されているわけではありませんが、六週間までであれば一定の有効性は確立をされているということであります。
 ただ一方で、どの時点、どの間隔が一番科学的に有効性が高いのかという、まだそういった検証が必ずしも科学的にされているわけではないというふうに承知をしております。
 現在、抗体誘導能とか、あるいはワクチンの有効性ですね、発症予防であったりとか、そういう論文が幾つか出てきているという状況でありますけれども、どの時点が一番効果が高いかということはまだはっきりと申し上げる段階ではないということですので、情報を収集してまいりたいと思っております。

#11
○長妻委員 一番効果が高い間隔はまだ分からない、ただ、六週間というのはある程度、一定の効果があるという答弁でしたので、これは本当に心配されている方から私のところにもいっぱい問合せが来るので、六週間、ぎりぎりなのかどうか分かりませんが、程度ならということなのかもしれませんが。
 では、六週間を超えた場合、これは田村大臣、是非お願いしたいのが、自治体によっても、二回分セットで予約している自治体もある一方で、ばらばらに予約を受け付けている自治体もあって、間隔が相当開いてしまっている自治体もありますので、恐らく、今の話だと、六週間を超えて打つと、せっかくのワクチンがちょっと効果が減退する可能性もあるような答弁だったのでございますが、ちょっと自治体も分からないところがあるので、是非これは、せめて、最悪この間隔でないと駄目だよというような通知なり指導なりを検討して出すというようなことを、ワクチン担当大臣と連携するんでしょうけれども、検討いただけないでしょうか。

#12
○田村国務大臣 こういうようなお話、もう以前から、これは接種のときからありましたので、もう通知の方は出させていただいております。
 あわせて、今般のような御質問もございますし、各地域からもいろいろな、そういうお声もありますので、予約のブース等々を増やしていただくというようなこと、こういうこともお願いいたしたりでありますとか、あと、地域によっては、接種の予約状況、今、こういうときは空いていますよというような、そういうものもお示しをしていただくなど、いろいろな御工夫はいただいておりますので、そういうものも横展開できるようにしてまいりたいというふうに思います。

#13
○長妻委員 既に通知は出ているんですけれども、ここにもファイザー社の新型コロナワクチンの接種間隔についてという厚労省の資料があるんですが、これは分かりにくいんですね。今みたいな話がなかなか明確に書いていないので迷ってしまうわけですので、是非、明確な通知なり周知をお願いしたいと思います。
 それでは、脇田先生、ここで結構でございますので、ありがとうございます。
 次に、オリンピック、パラリンピックの件で尾身先生に御質問申し上げたいのでございますが、私も地元の方とオンライン等で会議をしておりますと時々聞かれますのは、素朴な疑問をまずちょっと尾身先生にお伺いしたいと思うんですが、自分の娘や息子の運動会が中止になった、でもオリンピックはやる、お父さん、お母さん、これはどうしてなのというような問いが子供からあるというような親御さんから、どう答えればいいんでしょうという投げかけを私は受けたんですが、尾身先生はいかが思われますか。

#14
○尾身参考人 委員御質問のオリンピックの運営の方法ですよね。
 これについては、もう私は前から申し上げましたように、組織委員会とか政府が決めることであって、我々専門家はむしろ、開催に伴う、もしやるとなれば、国があるいは組織委員会が決めた場合には、どんなリスクがあるかというのをなるべく専門家として客観的な意見を述べるというのが我々の務めだと思いますので、我々のリスク評価をもし政府、組織委員会が聞いていただくんだったら、そうした中でそういった判断をしていただければと思います。

#15
○長妻委員 ちょっと尾身先生、素朴な疑問を率直に、どういうふうにお答えになるのかということでお伺いしたいんですが、運動会は駄目だけれどもオリンピックはいい、これはどういうふうに説明をすればいいと思われますか。

#16
○尾身参考人 これは、私は前から申し上げていますように、オリンピックを仮にやると決めた場合には、そこは、むしろバブルの中じゃなくて、日本の一般の地域での感染のリスクの方がはるかに問題なので、一般の市民の協力が必要なので、やはり一般の市民が納得できるような形での開催、あるいは市民へのメッセージ、説明というのが大事だと思います。

#17
○長妻委員 ちょっとなかなか、尾身先生もさすがにお答えができにくい質問ではないかというふうに、私もなかなか答えづらいんですね、そういう方々、親御さんに対して。
 尾身先生が昨日の参議院の厚生労働委員会で、オリンピックを開催すれば国内の感染や医療の状況に必ず何らかの影響を及ぼすというようなお話がありました。これはオリンピック、パラリンピックも含めて、それをやる場合、限定的に規模を縮小してであってもやる場合と全くやらない場合では、やはり感染者数というのは違いが出るというふうにお考えでございますか。

#18
○尾身参考人 私は、先ほど申し上げましたように、国が、組織委員会が仮にやるという決定を行った場合には、これだけの人が来て大きな大イベントをやるわけですから、感染のリスクが当然あるわけですね、一定程度。
 やるのであれば、感染のリスクは地域においてが多いので、それをどう組織委員会と国が連携してそのリスクを最小限にするかということが恐らく求められるんだと思います。

#19
○長妻委員 これは非常につらいことなんですけれども、具体的に、オリンピック、パラリンピックを開催したときに、感染が、しないときに比べてどれだけ拡大して、どれだけの方がより多くお亡くなりになるのか。これはみんな触れたくないことだと思うんですが、そういうことも真剣にやはり議論するときが来ているんじゃないかと私は思うんです。
 尾身先生が今おっしゃっていただいたように、オリンピックを開かない場合と開く場合で、当然、開いた場合、感染のリスクがあるということでございますけれども、これは開かない場合、全くやらない場合に比べて、どの程度被害が増えていくのか。相当な範囲をもって予測しないとなかなか予測できないと思うんですが、当然同じということではないわけでございますけれども、そこら辺の、どの程度増加するのかというのは、尾身先生の所感を教えていただければと思います。

#20
○尾身参考人 委員の御質問に答えるのに、それを何か私の気持ちとかそういう個人的な判断で決めるわけにはいかないので。
 専門家としては、今、我々が考えていることは、何人かの独立した研究者に、オリンピックの開催という、これはもう何度も私は申し上げましたように、バブルの中の感染よりも、地域での人の動き、そのことがどのぐらい感染に、何もしない場合、強く国が対策をしっかり打ってそれに一般市民が協力してくれる場合と、そうでない場合が当然ありますよね。そういう場合にどのぐらい感染が上がる可能性があるということをお示しすることが、実はしっかりした感染対策を打ってもらうための一つの参考になるので。そういうことは、まだ検討中ですけれども、そういうようなスタディーをするのは我々の仕事だと思って、今それを考えているところであります。

#21
○長妻委員 感染が上がる度合いというのはどの程度なのかがないと対策は打てないというのは、もう全くそのとおりだと思うんですね。これは本当に、リスクとベネフィットを厳密にやはり比較考量して、オリンピックをやる、やらない、これを議論するときがもうとっくに来ていると思っております。
 今のお話ですと、大変厳しい話ですけれども、オリンピックを全くやらない場合と、限定的、縮小を相当したとしてもやる場合と、やる場合は、組織委員会から発表がありましたけれども、国内外で大体三十八万人の方がオリンピック、パラリンピックで集ってくる。集ってくるというのは、無観客であってもという意味ですね。
 配付資料の八ページ目にございますけれども、大会関係者の内訳についてということで、オリパラ事務局に作っていただきましたが、オリンピック二十五万人、パラリンピック十三万人の計で三十八万人ということが関係者として集うわけでございます。
 尾身先生がおっしゃった、市中に、町中に、オリンピックということで、非常に緩んだ空気の中で人が相当増えてくるということも相まって感染が増えるということは、今お認めいただいたわけでございます。
 ということは、これは大変厳しい話ですけれども、感染でお亡くなりになる方も、オリンピックをやらない場合とやる場合で違う。つまり、オリンピックをやった場合、限定的、縮小的であっても、お亡くなりになる方は増えるわけであるというふうに思います。
 では、どれだけ被害が増えた場合は中止で、延期で、このくらいの被害ならやっていい、こういうような議論というのは本当にいいのかどうかということも含めて、私は、倫理学者とか哲学者も含めて、疫学の専門家の皆さんも含めて、相当きちっとやはり議論しないといけないというふうに思います。
 これは、尾身先生、そういうお亡くなりになる方、どの程度、オリンピックとの相関関係、こういうようなことできちっとやはり議論する必要性というのは、どういうふうにお感じになられますか。

#22
○尾身参考人 先ほど大臣が御指摘した、どのぐらいの人流が増えると感染者が増えるというシミュレーション、私は、それは政府が、あるいは組織委員会が意思決定をする際に非常に参考にはなると思うんですけれども、しかし、本当に大事なことは、そういうことを参考にして、今委員がおっしゃるように、仮に感染者がたくさん増えて、そうすると重症化の人も出る可能性がありますよね、そうしたことがないように、今から。
 これは、仮にオリンピックを開催するということになれば、当然、一つ、今度は緊急事態宣言の解除ということも、オリンピックとは関係ないけれども事実上タイムテーブルにのってくるわけで、解除をした後どうするのかということも含めて、そういう感染者の増加ということがないような形でしっかり解除をして、その後の、解除した後の対策もしっかり打つし、一般の市民にどういうふうな協力をお願いする、それで政府はどういうことを、この間、新たな対策というものも私は必要になってくると思います。
 それは、この前も申し上げましたけれども、いろいろなテクノロジーですよね。今は、ただ検査だけじゃなくて、ワクチンじゃなくて、ほかのいろいろなテクノロジーをフルに活用して、そういうことがないようにするということが求められる。
 何人許容できるかという話は、多分、そこが目的じゃなくて、そういうことが起きないように、もしやるのであれば、しっかりと対策を打つということが大事だと思います。

#23
○長妻委員 尾身先生の後段のところは、努力する、そういうふうに起きないように全力を尽くすというのは当然だと思うんですね。ただ、前段、先ほど尾身先生がおっしゃったように、オリンピックを全く開かない場合と開いた場合で、感染者は増えるわけです、リスクが高くなるとおっしゃいましたから。
 つまり、本当に私も、これはてんびんにかけてメリット、デメリットを測れるようなものなのかなというふうに感じるんですね。てんびんというのは、感染者が増えて、重症化の方もやらないときに比べて増えて、お亡くなりになる方もどのくらいの程度か分かりませんが増えるというような一つのリスク。そしてもう一つは、オリンピック、ベネフィットがあると。今のリスクを上回るベネフィットというのは一体どういうものなのかなと。今までかけたお金がもったいないとか経済効果が減退するとか、それが命に優先するのかなと。
 てんびんにかけること自体、私はちょっと疑問にも思うんですが、一体、亡くなる方が増えるということを上回るベネフィットというのは、どういうものがあれば開催、ベネフィットが上回ると尾身先生は思われますか。

#24
○尾身参考人 それは、先ほど申し上げましたように、リスクとベネフィットをどう考えてどう判断するかというのは、前から申し上げているように、私のすべき判断ではない。むしろ、先ほど、亡くなる方が出るのではないかという話、それは、そういうことがないようにするのが恐らくみんなの願いで。
 感染のリスクというのは、実は、外から選手や関係者の人が来て、その人との中でやる。あともう一つは、その人と日本人の方と接触があるという部分もある。それから、日本人の方はほとんど接触しないですよね。その三つのパターンがあると思いますけれども、私は、リスクとしては、もうこれは何度も申し上げましたように、選手の中とか選手と一般の人が接触するというよりも、このオリンピックを契機にして日本の中の人が動くということが、ある程度、これをどうやって抑えていくか、これの方がはるかに大事だ。そのことを是非、組織委員会とそれから政府には御理解を。
 どうしてもプレーブックの話に行く、選手のワクチンの話に行く、実は、それは大事ですけれども、それはもうある程度検討されていることです。むしろ問題は、地域における、観戦をすれば喜び、オリンピックというのは特殊なあれですからということで、そうした先生の御懸念のようなこと、もしやるのであればならないように、これは本当にそこをしっかりやってもらいたいというのが、今のところの、私たちの今の思いであります。

#25
○長妻委員 いや、そういうふうにならないように全力を尽くすというのは当然なんですよね。これはもう誰も異論はないと思いますけれども、特に、尾身先生がおっしゃった後段の町中の緩み、これをどういうふうにコントロールするのかというのは相当難しいですよ。
 それは、そうならないように全力を尽くすということはもちろんですけれども、ただ、全力を尽くしても、全くオリンピックを開催しないときよりは感染者は増えるわけですよ、先ほど尾身先生もおっしゃったように。そして、重症化、お亡くなりになる方も増えるわけで、そういうリスクとてんびんにかけるということ自体、私はいかがなものかと思いますが、では、ベネフィット、それを上回るベネフィットというのは一体どういうものがあるのか。説得力あるベネフィットがあるのか。
 こういうことを、私は、尾身先生がこの委員会でおとといおっしゃったと思うんですよ。おととい、そもそもオリンピック、今回、こういう状況の中で一体何のためにやるのか、そういうことが明らかになっていないので、このことを私ははっきり明言することが人々の協力を得られるかどうかの非常に重要な観点だと思う、今の状況でやるというのは普通はないとおっしゃっておられて、そのベネフィット、つまり目的ということを尾身先生はおっしゃったんだと思いますし、私も同感なんです。
 昨日、記者の方が、加藤官房長官の定例記者会見のときに、尾身先生のこの発言に関連して聞いているんですね、加藤官房長官に。一体、意義と目的は何ですかと。そうしたら、加藤官房長官は三つおっしゃったそうです、報道を見ましたけれども。一つ、スポーツの力、これを日本そして世界に発信する、一つ目ですね。二つ目、震災から復興した姿をお見せすること、三つ目、新型コロナを克服し、世界規模の課題を解決する能力を示すこと、この三つだとおっしゃっているんです。
 私は、これをベネフィットのこちらのてんびんに乗せて感染のリスクを測る、今のこの三つの目的、これがよりベネフィットが重いとは到底思えないわけでございまして、尾身先生が投げかけた、何のためにやるのか、目的ですよねと、はっきり明言することが重要だということで、加藤官房長官はそういうふうにおっしゃっているんですが、こういう目的、ベネフィットでリスクを上回るというふうに、尾身先生は、問いを投げかけられたお立場として、いかが思われますか。

#26
○尾身参考人 私は、ベネフィットとリスクを判断というような問題提起は今までしていませんし、むしろ、これは普通に考えて、やはり、やるのであれば、意義ですよね、この開催の意義というものを組織委員会がある程度しっかりと目指す、これは普通の考えですよね。
 それについてはいろいろな考えがありますけれども、今御質問ですので、私は、個人としては、スポーツの力ということもそうだと思うし、政府がおっしゃっているような、また、総理は平和の祭典というようなことも言い、それはいいことだと思います、平和の方が。そうした政府の考えに加えて、これは加えてですから申し上げますと、仮にやるとすれば、目的は、そうした政府のことに加えて、むしろ、私は個人的には二つのことに目的としては関心があります。
 それは選手ですね、大会の関係者、スポンサーとかそういう人じゃなくて、選手の気持ちというのは私は関心があります。それは、これは一年、一回延長したわけですよね。その間、非常に不安定な困難な状況の中で、何とか今までの成果をこうした舞台で示したいという気持ち、それは私は一個人として分かるので、可能であればそうしたチャンスを選手の人に、もう一回延びていますから、という気持ちがあります。
 もう一つの私の関心事は、これはもし政府、組織委員会がやるのであれば、感染を、それこそ委員おっしゃるようなリスクを最小化するという、主にどういう方法で最小化できるのかという、会議の運営の仕方だと思います。
 それは恐らく、仮にオリンピックが始まって、日本の方も外国の方もそれぞれ、ごひいきといいますか、応援する選手がいる。その人がいい成績を出したら、当然そこには感動があり、喜びがあり、ドラマがあるわけですよね、きっとあると思います。今まではその感動のドラマを、会場にみんなが、東京、一九六四年のオリンピックのように、みんなが肩を抱いて、肩をたたき合って大声でというような方法でこの喜びを主に会場内で共有したと思うんですけれども、私は、今回はこういう状況でありますから、そうした感動、そうしたドラマを、新しいITの技術、通信技術を駆使して、これこそ駆使して、その感動を二方向、日本だけじゃなくて、会場と各国の家庭にいる人と、うまく双方向の共有ということを考えて。
 実は、こうした感染症はこれで終わるわけじゃありません。これからも何回か来る可能性があるので、私は、もしやるのであれば、今回のこの大会を契機に、新しい感染症に対する、IT技術を使った方法ですよね、そうしたもののこれからの始まりというかきっかけになれば、そういうことを期待しているというのが、もしやるとしたら、私の個人的な思いです。

#27
○長妻委員 これは尾身先生の方が、専門家の方々が集まって、なるべく早い時期に我々の考えを正式にしかるべきところに表明しようと思っているとおっしゃいましたけれども、それはいつ頃になりそうですか。

#28
○尾身参考人 これは今、私ども専門家の間で考えていますが、政府の方は六月の二十日以降に決められるというふうに私は仄聞していますので、その後だと意味がないですよね。だから、なるべくそれより前に、我々の考えを何らかの形でお伝えできればいいというふうに今考えていますけれども、まだ日にちは決まっていません。

#29
○長妻委員 尾身先生が先ほどもIT技術ということでるるおっしゃっていただいて、リスクを最小化すると。そういう努力は当然やっていただくし、我々も提言するわけですけれども、でも、リスクをなくすということはできないと思うんですよ、努力するというのは当然のことでありますが。
 私が申し上げているのは、お亡くなりになる方がやらない場合に比べて増える、そのことについて、一体、国会、政府は真摯に向き合って議論しているんだろうかと。あたかもてんびんにかけるような、こういう議論はしていないということでありますけれども、でも、増えるわけですよね。
 尾身先生に再度聞きますが、全力でいろいろな対策を取っても、では、オリンピックをやらない場合と同じ形にリスクを抑え込むということは可能なんですか。
 つまり、感染が増えない、やらない場合と同等に抑え込むということは、これは基本的には私は無理だと思います。リスクの最小化ということもおっしゃっていただいたわけで、最小にするのは、それはある程度できるのではないかと思いますけれども、それにしても一定のものが残るし、これは菅総理も、六月一日の委員会でこういうふうにおっしゃっているんですね、国民の命と健康を守るのは私の責務で、五輪開催を優先させることはないと。当然だと思います。
 そういう意味では、リスクがある限り、オリンピックをやることで命が失われるわけですから、やらないときに比べて。幾らベネフィットがいろいろあると言っても、それは、開くというのは私はできないと思います。
 私が、尾身先生のお話なども聞き、いろいろな方と議論をして感じますリスク、オリンピックのリスクなんですけれども、五つぐらいあるんじゃないか。五つのリスクの中には、IOCとか組織委員会が関われない、あるいは視野に入っていないリスクもあるんじゃないかと思うんですね、尾身先生。
 一つは、尾身先生も強調していただいているように、オリンピックに伴う町中の緩みですね。オリンピックは七月の二十三日から、パラリンピック、九月の上旬まで続きますので、その間の感染状況を予測してやっていかないといけないわけでありますが、オリンピック開会前後、最中もそうですけれども、非常にお祭り気分になって外に多くの方が繰り出す、人流が増える契機になる可能性がある。
 例えば、いろいろな対策で、飲食店の時短などの対策を取ってお願いをしても、ビアホールは満員になってしまったり、あるいは、時短の要請というのはするけれども、なかなか、オリンピックをしているということで、オリンピックをしているのなら少しぐらいはと、こういうようなことをどうやってコントロールするのか。こういうリスクが一つあると思うんです。
 これについては、なかなか、IOCとか組織委員会もコントロールの外に今置かれているんじゃないかと思うんですが、この点について、尾身先生、いかが思われますか。

#30
○尾身参考人 私ども専門家でも、地域での感染をなるべくコントロールするには、実は感染対策、そういう部分と、あるいはそれ以上に、私は人々の気持ち、考えというのが非常に重要だと思います。
 恐らく、これだけの格別なイベントが起こる場合には、今委員はお祭り気分とおっしゃっていましたけれども、そういう高揚した気分というのが恐らく生まれるんだと思うんです。その気分を味わいながら、どうそれが人に感染させないという、ここはもう総論じゃなくて各論に話が行かないと駄目で、その中で、今委員は、その部分は組織委員会はコントロールできないんじゃないかというお話がありましたけれども、そういう部分が、コントロールという言葉はふさわしいかどうか分かりませんけれども、組織委員会の人に理解してもらうこと、彼らができることは実はあるんですね。
 私はスタジアムの中での感染というものはそれほど心配していないけれども、スタジアムというか、会場のセレモニーも含めての在り方が実は人々の意識に影響しますから。人々が一生懸命家で、本当は外に出て飲んでみんなと肩を組んで応援したいのを、もしそれを抑えるということが期待されているのであれば、オリンピックの会場で選手と運営に関係ない人がいわゆるお祭り騒ぎのような雰囲気をそこで見せるということ自体が、そこが実は、そこでは感染は起きないですね、ワクチンを打っているから起きない可能性がありますよね、だから余り感染は。だけれども、そのことをテレビで見て人々がどう思うか、納得感。
 このことも、実は、オリンピック委員会、だから私は、参加者の数をなるべく減らしてくださいと。やるのであれば競技を、競技ですよ、運営じゃなくて競技に必要な人々は入ってもらい、だけれども、それ以外の人がそこにいて、一生懸命自粛しているところに、そこでセレモニーというかそれこそお祭りというような雰囲気が出た瞬間に、人々は、これは何だと。
 だから、そういう意味で、私は、人々の意識、理解と共感を地域の人が得ることが非常に重要、そのためには、オリンピック組織委員会の人はできることがあると思います。

#31
○長妻委員 なかなかセレモニーという雰囲気、セレモニーですからね、オリンピック自体がそういう側面がありますから、祭典ですからね。なかなか難しいんじゃないか。
 私が考える五つのリスクというのは、これは無観客であっても五つあるということで、無観客でなければもっとリスクがあるということなんですが、二番目は、例えば七月末から九月上旬までパラリンピック、オリンピックがありますけれども、その間、本当にステージ4になって感染爆発的になったとき、緊急事態宣言とかコロナ対策が機動的に打ち出せるのか、それがゆがみをもたらさないのか、オリンピックによって。
 オリンピックに気兼ねして、なかなか政策が明確に科学的にすぱっと、平時の、平時というか、オリンピックがないときに比べて打ち出せるのかどうかというのが二番目のリスク、コロナ対策がゆがめられるリスクがあると思うんですが、これについては、尾身先生、いかがですか。

#32
○尾身参考人 私は、これは今の日本の社会にとって求められて、恐らく多くの人々がそう思っていると思いますけれども、オリンピックの開催にかかわらず、つい最近の大阪のような状況、緊急事態宣言の非常に厳しい状況だった、今も厳しいですけれども、ああいう状況を、これはオリンピックがあろうがなかろうが、そういうことを再現、もう一回繰り返すことは避けたいと思っていると思うんです。
 そういう意味では、実はオリンピックと今回の緊急事態宣言の解除は関係ないわけですよ、本来は。だけれども、もし本当にやるのであれば、実は、今先生おっしゃるように、緊急事態宣言の中でのオリンピックなんということを絶対に避けるということを、もうある意味では今日からそういうふうなことで、六月の二十日ぐらいに解除するかどうかの判断も、あるいは解除したとしても、しなかったとしても、その後の数か月、ワクチンが多くの人、九月とかその辺ぐらいまでの、たったもうあと数か月なんですよ。
 この間に何が何でもそういう状況、緊急事態宣言を出すような状況を、あとはもう光が見えていますから。恐らく重症化は減ります、このワクチンは感染予防もある程度、若い人もだんだん。ただ、急には感染レベルは下げることはないと思います。だけれども、重症化というのは下げられて、医療の、これまでのしばらくの間何とかしのぐという先に、もう今回は見えているんですね、トンネルの先に光が。
 そういうことで、私は、これからの解除、あと解除の仕方もそうですけれども、これが実はオリンピックにも、結果的には、やるとしたらそういうことに影響を与えるので。私は、実はそこが一番、オリンピック、オリンピック選手ということにみんな関心が行っているけれども、実は、オリンピックも含めた、地域の感染をどうやって、ワクチンがみんなある程度行き渡るまでにこれをしのぐか。そのときには、ワクチン以外のテクノロジー、検査もそうだし、それから下水道のウイルス調査やいろいろなテクノロジーを駆使して、今まではお願いベースが中心だった、もうそういう時代は過ぎて、何とかこれをそういう機会にできればいい。
 私は、感染の防御、オリンピックとは関係なく、ともかくああいう状況を避けるための努力を、もう今日から、今までやっているわけですが、更に強くする必要があると思います。

#33
○長妻委員 委員長、ちょっとうとうとされているようですけれども、よろしくお願いします。
 三つ目、五輪期間中に都市から地方に、私も地元の方とお話ししていると、オリンピック期間中は地方に行っていようかしら、ちょっと怖いわというようなお話も聞くんですが、都市から地方に避難というか、行く方がかなり増えるんじゃないかという危惧があるんですが、これはいかがですか。

#34
○尾身参考人 人流あるいは接触の機会で感染が増える可能性があると申し上げましたけれども、三つのパターンがあって、先生が今御指摘の、比較的都会の人が、お盆、連休がありますから、これで帰省をする、地方に帰る、このリスクが私は一番強いと思います。したがって、それには、政府の方も、その後リスクがあるということを十分認識して、いろいろな対策あるいは国民へのメッセージということだと。例のパブリックビューイングというのは、またその次のレベルですよね、感染をする。もう一つのリスクは、地方の、開催地以外の人が全国に散らばっている試合場に行くという、三つがありますけれども。
 私どもは、一番リスクが高いのは、今先生おっしゃった帰省をする、このことはもう分かっていますから、そのことで感染が地方に拡大したというエビデンスがいっぱいあるので、そのことをオリンピック委員会や政府は十分認識していろいろな対策を早く明確にしていただくことが、先生がおっしゃる、いわゆる重症者を防ぐという、オリンピックによって過剰な被害が出ないというようなことには絶対に必要だと思います。

#35
○長妻委員 今申し上げた三つというのは、IOCとか組織委員会が、範囲の外、コントロール外、余り気にしていないところだと思います。
 次の二つ、四番目、五番目は、ある程度対策を取っているんですが、果たして十分できるのかどうかということなんですが。
 四番目としては、変異株が、九万人程度の外国の方が無観客でも日本に来るときに変異株が入国してしまって、都民の皆さんなどに感染させる、こういうようなことが起こるリスクがある。これは選手とかコーチについてはある程度厳格かもしれません、PCR検査を毎日やる。それも本当に大丈夫かどうか分かりませんが、特にマスコミとかスポンサー、あるいは政府要人、そういう方々はなかなかコントロールできないわけでございます。そういうところに含めて隙間、穴ができて、世界から変異株が東京にもたらされて、都民の皆さんに感染する、こういうリスクです。
 五番目は、では、その世界から来られた方々がそれぞれ変異株等を感染し合って、そしてまた世界にお戻りになる、そういうリスクです。世界に拡散する、変異株が。
 この五番目については、世界に変異株が拡散するリスクというのは、尾身先生、いかが思われますか。

#36
○尾身参考人 もうこれは、変異株というのが、また新たな変異株ができるかどうかということは、どれだけ感染者が出るか、つまり、体の中にウイルスが入って増殖する過程で変異というのが起こるわけですから、その機会をともかく。変異株について、水際のこととかPCRのモニタリング、ゲノム解析というのは当然やって、今政府の方にもやっていただいているので、それは当然ですけれども、それに加えて、ともかく今の変異株はやはり感染力が強いですね、強い。
 したがって、この変異株が更にまた新たな変異株に変わるということを防ぐためには、ともかくワクチン。ワクチンは比較的効きますから。先ほども、何度も申し訳ありませんけれども、ワクチンが行く、九月になるかどうか分かりませんけれども、その間ともかくみんなでしのぐという、感染を抑えるということが、いろいろな意味で、私は、求められる。そうすると、変異株の新たな出現、変異株に対する対応もある程度成るので、これが一番、変異株対応の最も重要なことだと私は思います。

#37
○長妻委員 いや、尾身先生、リスクを抑える手法は今おっしゃっていただいたんですが、そういうリスクはあるのかどうか。例えば、医療体制が充実していない国にそういう東京で感染し合った変異株が持ち込まれてしまう、そういうようなリスクというのはありますか。

#38
○尾身参考人 もちろん感染が、海外からも来て、特に世界は、先生御承知のように、多くは発展途上国で、まだワクチンなんかも打たれていない国が多いですよね。そういうところで、人口が多いんだけれどもワクチンがまだほとんど打たれていないというところにウイルスが持ち込まれれば、あっという間に広がってという部分があるので。
 そういう意味でも、選手の間の中での管理というのは重要で、それについてはプレーブックの遵守ということで、今度バージョンスリーというのが出ると思いますけれども、しっかりとやっていただきたいと思います。

#39
○長妻委員 そして、ちょっと四番目に申し上げたリスクに戻りますけれども、変異株が入国、国内に入ってきて都民に感染させられるのではないかということでございますが、これはやはり選手、コーチ以外、なかなかコントロールが届きにくいですね。スポンサーを含めたマスコミ、政府要人、ここら辺は、リスクというのはどういうふうに見ていらっしゃいますか。

#40
○尾身参考人 私は、バッハ会長という方が、発言を英語で見ましたけれども、非常にいいことを言っていられると思います。オリンピックのコミュニティーのメンバーの方は、エブリバディーと言っていますから、オリンピックコミュニティーの全ての人は、これを開催するためということだと思いますけれども、ある程度、英語ではサクリファイスという言葉を使って、まあ、犠牲というのはちょっと強いですけれども、ある程度覚悟を持ってやってくださいということで、日本の政府じゃなくて、オリンピック。
 これは、私はそれを言葉じゃなくて実際に、ゲームの運営に直接関係ない人の日本への訪問、これは約束しているとかいろいろあると思いますけれども、ここはサクリファイスすると言っているんですから、非常にすばらしい言葉だと思うので、それをなるべく、できる限り、オリンピックのゲームの運営に直接関係ない人の数はなるべく、増やしていただくというのは。私は期待します。

#41
○長妻委員 いや、その犠牲という言葉の重みが違うと思うんですね。日本に来るのが来られなくなっちゃった、それを犠牲。ところが、オリンピックをやることによって、お亡くなりになる方が全くやらないときに比べて増えるわけですよ。その犠牲と、語感が日本語と違うのかどうか分かりませんけれども、同じ、同列にちょっと扱っていただきたくないなと思います。
 最後に尾身先生にお伺いするんですが、ちょっと、こういう意見も結構あるんですね。もう政府がやると言っちゃって、海外から選手も来ちゃっているので、やめるとか中止とか言っても無駄だ、そんな議論はもうできないんだから、どうせ止まらないんだから、もうやるしかないんだ、ごちゃごちゃ言わないでやれ、こういう意見も結構あるんですね。これについて、尾身先生はどう思われますか。

#42
○尾身参考人 これは何度も申し上げましたように、政府は、あるいはオリンピック委員会は、しっかりとした、リスクという評価を踏まえた上で判断をしてもらえばいいということで、それ以上のことは私は申し上げることができません。

#43
○長妻委員 私は本当に、何か非常に、もう決まっちゃっているからしようがないなみたいなことが、ちょっとしたことならいいですよ。でも、人の命が懸かっていて、総理も口では、国民の命と健康を守るのは私の責務で、五輪開催を優先させることはないとおっしゃっているわけですから。でも、リスクは最小化はできるかもしれませんが、なくすことはできないわけですよ。やらない場合に比べて、お亡くなりになる方、感染者の数というのは増えるわけですよね。
 私は、こういう、日本で非常に曖昧な形で始まってしまって大きな問題になるというようなことが絶対あってはならないと思いますので、引き続き、いろいろな場所で問題提起をしていきたいと思っております。
 今日はどうもありがとうございました。

#44
○とかしき委員長 次に、川内博史君。

#45
○川内委員 おはようございます。川内でございます。
 委員長、今日もよろしくお願いを申し上げます。田村大臣以下政府の皆様、よろしくお願いを申し上げます。
 私も後でオリンピックのことをちょっとお尋ねをさせていただこうと思っておりますが、その前にまず本日は、新型コロナウイルス感染症に感染をしお亡くなりになった方々の葬儀、あるいは火葬、拾骨について、ちょっとお尋ねをさせていただきたいと思います。
 まず厚労省に御認識をお尋ねいたしますが、院内感染や施設内感染などによってコロナでお亡くなりになった方の御遺族が、今も病院にはお見舞いにも入れませんし、例えば院内感染で亡くなられた場合には御家族は濃厚接触者じゃないということは明らかなわけですけれども、しかし、その御遺族が、もちろん御臨終の場にも立ち会えないし、そしてまた火葬場でも立ち会えないし、そしてまた拾骨もさせてもらえないという状況があるということなんですけれども、そういう状況があるということを厚生労働省としては御認識をされていらっしゃるかということをまず教えていただきたいと思います。

#46
○浅沼政府参考人 お答えいたします。
 まず、新型コロナウイルス感染症により大切な方を失われた御遺族の悲しみは計り知れないものでございます。心よりお悔やみを申し上げます。
 新型コロナウイルス感染症により亡くなられた方の御遺骨の拾骨につきましては、令和二年七月二十九日付で厚生労働省及び経済産業省が作成、公表したガイドラインにおきまして、一般的な感染対策を行った上で、濃厚接触者ではない御遺族等の方が拾骨できる場を可能であれば設定できるよう検討するように定めたところでございます。
 このガイドラインにつきましては、関係各所に周知したところでございますが、一定の理解が得られているものと認識しております。
 他方で、報道等により、御指摘のような事例、すなわち拾骨ができないようなことが存在することは承知しているところでございます。

#47
○川内委員 ガイドラインについて一定の理解は得られていると認識しているが、他方で、実際には、濃厚接触者じゃないことが明らかな御遺族であっても拾骨さえさせてもらえないという現実があることも認識をしておるということでございますね。
 実は私も、今年の一月に母が他界をいたしまして、コロナ感染ではなかったので火葬場で母の骨を拾ったわけですけれども、最後のお別れというか、遺族にとってはとても大切な、家族を見送る重要な一つの過程であるというふうに思うんですよね。
 だから、ガイドラインで、可能であれば拾骨できるようにしてあげてね、配慮してねということは書いてあるということなんですけれども、それが徹底されておらないという現実もまた認識をしておるということであれば、このガイドラインの書きぶりをもうちょっと明確に書くとか、あるいは、このガイドラインの趣旨を別途通知で、業界団体に対して周知を徹底するとか、何らか工夫をしなければ、私の友人でも、コロナでお母様が亡くなって、全く拾骨できなかったと。病院でもお別れもできないし、いやいや、あなた、火葬場にも入っちゃ駄目ですよ、もちろん拾骨さえできませんよと。戻ってきたときには骨つぼに入っていたということで。
 非常に特殊な、今緊急事態ですから様々我慢しなければならないことはあるにせよ、濃厚接触者じゃないことが明らかなわけですから、そこはしっかり厚生労働省として業界を指導する必要があるというふうに考えますが、いかがですか。

#48
○浅沼政府参考人 お答えいたします。
 ガイドラインにつきましては、遺族等の御意思をできる限り尊重しつつ、適切な感染対策を講ずるとの考え方に立って作成したものでございます。この趣旨にのっとり、委員御指摘の、御遺族等の方が拾骨できる場の設定も含めまして、ガイドラインの内容につきましては、関係者への周知の徹底に改めて取り組みたいと考えております。

#49
○川内委員 改めて周知を徹底する、改めて通知などで指導するということでよろしいですかね、業界団体に対して。

#50
○浅沼政府参考人 お答えいたします。
 具体的には、関係者等に対する通知の発出を考えているところでございます。

#51
○川内委員 よろしくお願いを申し上げたいと思います。
 それから、今日、経産省にも来ていただいているんですけれども、そういう状況の中で、火葬場にも入れません、拾骨もできません、しかし、葬儀事業者からは、故人を焼き場まで連れていって、拾骨して骨つぼに入れて戻すというその一連の行為に対して、何か請求書だけが、一式百万とか、一式五十万とか、そういう形で突きつけられるということで、国民生活消費センターですか、などにも苦情が来たりしているということも聞いております。
 葬儀事業者の皆さんがコロナ対策で大変だということも一方でちゃんと理解はしておりますけれども、しかし、愛する人を失って茫然自失としている御遺族、そしてまた、火葬場にも行けません、拾骨もさせてもらえません、しかし、請求書が来たら、何か物すごい金額が一式の値段で書いてありますということで、これはちょっと、業界をこれも御指導いただかなければならない。
 もちろん、今でも指導していらっしゃると思うんですけれども、経産省として、適正な価格設定を行うこと、あるいは、ちゃんと、一式幾らという形ではなくて、明細書、その請求の明細などをしっかりつけて、御遺族に対する説明をしてきちんと契約をしてねという通知などを発出すべきではないかというふうに思いますが、経産省さん、いかがでしょうか。

#52
○山本政府参考人 お答えいたします。
 委員御指摘のように、葬儀事業者から見積りの説明が十分にないまま葬儀代を請求されたという形でのトラブルがあることは、私どもとしても承知をしております。
 経済産業省といたしましては、これまでも、業界団体を通じまして、葬儀事業者に対して、事前に御遺族に見積りを十分に説明するということが重要であるということでやり取りを行ってきたところでございます。
 御指摘にもありましたとおり、やはり今般の状況下におきましては、より一層、事前に十分な説明をしっかり行いまして御遺族の方との合意をすること、これが葬儀事業者にとってもやはり重要であると思いますので、改めまして、業界団体を通じて葬儀事業者に周知徹底を図るという対応を行ってまいる所存でございます。

#53
○川内委員 田村大臣、やはり、濃厚接触者ではない、感染していないことが明らかであるにもかかわらず、亡くなられた方がコロナ感染をしていたからということで拾骨をさせないとか火葬場にも入れないというのは、私は、これは大変な、ある種の差別であって、あってはならないことだというふうに思うので、大臣としてもしっかり御担当の部局を御指導していただいて、改善をしていただきたい。これは日本全国の問題だと思いますので、大臣の御決意をいただきたいというふうに思います。

#54
○田村国務大臣 委員、ありがとうございます。
 こういう質疑をやっていただくということは非常に重要だと思います。我々も同じ思いで通知を出しているんですが、なかなか通知だけでは伝わらない部分があります、再度出すということでありますけれども。やはり、こうやって委員会でそういう御意見をいただいて、再度我々が対応させていただく、こういうものは、また業者の方にもメッセージとして伝わってまいると思いますので。
 おっしゃるとおりでございます。最後の最後、故人とお別れするときに立ち会えない、これは本当につらいことでありまして、感染のおそれもない中でそのような対応になっているということは、これは非常に問題だと思っておりますので、しっかりと担当部局の方に、各関係者の方に通知を流すようにということで私の方からも申し上げていきたいというふうに思っております。

#55
○川内委員 是非よろしくお願いします。
 次の論点に移ります。
 前回、六月二日の本委員会の質疑で、私が、内閣総理大臣を本部長とする政府の新型コロナ対策本部に提出された厚労省のアドバイザリーボードの感染状況についてという資料について、医療にアクセスできず、自宅療養やホテル療養などの施設で亡くなっている方が数多くいらっしゃると。
 警察庁の発表でも、これは、長妻筆頭が以前配られた資料を今日も委員の先生方のお手元に配らせていただいておりますけれども、警察庁作成の資料でも、今年四月末までに四百三名も、この新型コロナウイルス陽性死体取扱状況についてという資料の中で、警察が取り扱った御遺体というものがあるということが書いてあります。
 この表の中に、医療にアクセスできず自宅療養や宿泊施設で亡くなった方というのが、発見場所、自宅等として、昨年の一月から今年の四月まで三百六十七名、外出先というところでも三十六名、こうあるわけですけれども、これらの数字というのは、御遺体の数というのは、日本の医療の在り方、特にこのコロナ感染症禍における医療体制の脆弱性を示す極めて深刻な数字ではないかというふうに私は思っているわけです。
 しかし、この前、正林健康局長は、自宅療養、宿泊療養は適切で必要な施策を実施しているという、私にとってはちょっと信じられない御答弁をされたんですよね。自宅療養、ホテル療養で医療にアクセスできず亡くなっている方がこんなにたくさんいらっしゃるにもかかわらず、適切で必要な施策を実施しているというふうに正林健康局長はおっしゃった。その後、田村大臣は、いやいや、これはちょっと大変な厳しい状況だということは自分は認識しているよというふうにおっしゃったわけでございまして。
 厚労省は、こういう実態を、数字をきちんと認識をしていらっしゃいますか、まず。

#56
○正林政府参考人 まず、前回、おとといであったと思いますけれども、私、適切に実施しているとは言っていなくて、宿泊療養等の適切な実施に当たって必要な政策を実施しているというふうに御答弁申し上げていると思います。
 その上でですけれども、御指摘の、自宅療養あるいは宿泊療養中の死亡事例については、何度か御答弁したと思いますけれども、HER―SYSに基づき検案場所が自宅と入力されている件数の把握や警察庁で把握している事例を情報提供いただくなど、様々な形でできる限りの実態の把握に努めているところでございます。

#57
○川内委員 だから、この数字を認識していらっしゃるかということを聞いたんですけれども、厚労省として。

#58
○正林政府参考人 警察庁さんから情報提供いただいていますので、この四百三件は認識しております。

#59
○川内委員 いつ認識されたんですか。

#60
○正林政府参考人 随時情報提供いただいております。

#61
○川内委員 警察庁は、今日来ていただいていますけれども、この数字を、それぞれの所轄がそれぞれの所轄の保健所とは連携をしていると思いますけれども、厚労省に対してやあるいは政府のコロナ本部に対して、今月はこうでしたよというようなことを適時御報告をされていますか。

#62
○猪原政府参考人 お答えをいたします。
 警察庁からは、必要な情報を厚生労働省に提供をさせていただいているところであります。

#63
○川内委員 それはどういう契機で提供するようになりましたか。

#64
○猪原政府参考人 私どもの方で数字を計上いたしまして、その都度、随時提供させていただいております。

#65
○川内委員 いや、長妻さんから国会での質疑の中で、提供した方がいいんじゃないの、提供すべきだよねということを言われましたよね。それからですよね、提供されるようになったのは。

#66
○猪原政府参考人 令和二年の一月から、厚労省の求めに応じて提供をさせていただいているところでございます。

#67
○川内委員 令和二年の一月からですか。

#68
○とかしき委員長 ちょっと筆記を止めてください。
    〔速記中止〕

#69
○とかしき委員長 筆記を起こしてください。
 猪原警察庁長官官房審議官。

#70
○猪原政府参考人 お答えいたします。
 誠に申し訳ございません。令和二年の一月であるかどうかはちょっと定かではございません。
 令和二年の一月から三月頃の間に、警視庁の、コロナ陽性の方の御遺体の取扱いがあったという報道を受けて、それを機に提供させていただいた、これが初めてであるということでございます。

#71
○川内委員 そういう提供は、報道もあり、厚労省としてもそういう人たちがいるということは認識していらっしゃったでしょうけれども、他方で、私が質問レクの中でお尋ねをしたところ、御担当の方が答えてきた数字というのがございまして、御遺体の人数というのがございまして、自宅療養又は宿泊療養中に生じた死亡事案について、都道府県を通じて調査を行い、把握している限りでは、今年の二月一日から五月三十日までの間で五十四件あったことを把握しておりますということですね。全く見当違いの人数をおっしゃってきていらっしゃるんですよ。五十四件、二月一日から五月三十日まで。
 この警察庁にお作りいただいた資料を見ますと、二月から五月三十日まで、自宅療養、宿泊療養で亡くなられた方の人数というのは、二十人足す二十九人足す九十一人足す、ここは四月までですから、五月まで足すと相当な数になると思うんですけれども、もうこれだけでも百四十人ですよね。
 何で五十四人という数字になっているのか。これは一体、何をどう警察から御報告を受けていらっしゃるのかということが全然分からないんですよ。

#72
○正林政府参考人 お答えします。
 警察の場合は、不審な死亡があった場合に届けられたその数をカウントしていると思います。
 一方、先ほど五十四件というのはHER―SYSのデータだと思うんですけれども、こちらは、死亡のケースの中で検案場所が自宅と入力されたその件数が五十四件ということであります。
 警察の場合は、搬送されて病院で亡くなった場合の数字も恐らく入っているかと思います。

#73
○田村国務大臣 今局長が言ったとおり、警察の数字は、基本的に、既に確認して検査をやって陽性で自宅待機していない方々、つまり、元々自宅におられて亡くなられて、結果、調べてみたら、医者の判断で診たらこれは陽性だったと後から分かった方。つまり、そこがちょっと数字の違うところで、場合によって、何かの形で、不審死という形ではなくて、救急で医者が、警察関連が把握している中で、病院に着いてから病院で亡くなられたという方はいるかも分かりませんが、その方の場合は、仮にあったとしても、HER―SYSでは把握しているんですが、亡くなったところが病院になった場合には自宅ということにならないのかも分かりませんので、それも入っているかも分かりません。
 ただ、警察ですから、基本的には不審死がほとんどだと思いますので、亡くなってから確認していますから、そういう意味では、多分、後から検査したということが多いのではないのかなというふうに思います。

#74
○川内委員 いずれにせよ、後から分かったとしても、保健所に通告し、それは保健所の方からHER―SYSに登録されるということになるわけで、警察から御報告を受けていらっしゃる人数と都道府県の保健所等からHER―SYSで入力される情報の人数が違っているというのは、これはなぜなのかということを含めて解明をしなければならない課題であるというふうに思いますし、さらに、私がなぜこれを問題にするかというと、日本において、医療にアクセスできず亡くなられる方が、新型コロナウイルス感染症に関連して、いるという事実は、これはあってはならないことであるというふうに思うわけです。
 そのあってはならないことが起きているということを、この前から繰り返し申し上げていますけれども、アドバイザリーボードが作成する感染状況についてというまとめの紙にはそのことの記述がない。したがって、記述がないということは、閣僚が構成する政府のコロナ対策本部の資料の中にもその記述がない。記述がないということは政府として認識していないということになり、政府として認識していないということはその対策がないということを意味するわけであって、そこがやはり問題だと思うんですよ。
 だから、田村大臣は、いや、医療にアクセスできず亡くなられる方がいるよということは俺は認識しているとおっしゃったんですよ、それは分かっておるとおっしゃったんだけれども、政府が作る資料の中にその記述がないというのは、政府として認識しているのかしていないのかが分からなくなってしまうので、そこはその記述をしてほしい。脇田さんにちゃんと伝えるからねということだったんですけれども、ちゃんと記述をしていただけますかね。

#75
○田村国務大臣 ちょっと数が、そこが実は、HER―SYSの方もなかなか難しいのは、自宅でカウントを仮に、もう既に陽性と分かっていて自宅待機されていて自宅で亡くなっておられたという場合は多分ステータスの中に亡くなられた場所が自宅と入るんですが、その方が病院に搬送されて亡くなった場合にはこれは病院というステータスに記入がされる、こういう可能性が非常に高いわけなんです。そうすると、自宅だったかどうなのかというのがなかなか分かりづらい、つまり、自宅で亡くなられていたのかどうかが分かりづらいというのがあります。
 それから、そういう命も助けられたかどうかというのは、なかなかこれも難しくて、中等症から重症者になって、仮に病院に来られてそれで亡くなったという場合も、元々病院におられても悪化して亡くなられる方もおられるので、そこはなかなかその判断は難しいんですが、ただ、言われる意味合いは私もよく理解しているつもりであります。
 実は、アドバイザリーボードの資料自体は、これは政府全体、閣僚が共有するものでは元々はないんです。これは厚生労働省の私が助言を求めて、私にいただくものですから。これに関しては私が知っておればいい話なんですが、一方で、言われるのは、本当の本部、昔の、基本的対処方針を作るための本部、今分科会と言っていますが、ここのいろいろな対策の中にそういう意識がなければならないのではないかという、多分そういう御趣旨だと思いますので、これはアドバイザリーボード云々ではなくて、我々は常に聞いておりますから、そういう意識も含めて。
 ただ、数字は、今のように確定の数字がないものでありますから、数字まで事細かくは入れられませんが、そういう問題意識があるということは、我々、事務局の一員でもございますから、本部の方にそういうものをお伝えをさせていただいて、今委員が言われた問題意識というものもしっかりとその中に盛り込めるように努力してまいりたいというふうに思います。

#76
○川内委員 ありがとうございます。
 数字は、どういうふうにその定義をその数字の取り方に定めるのかということで数字は変化するでしょうから、そこは今後の課題としても、とにかく、医療にアクセスできずに、大変残念ながら、医療にアクセスできていたら助かる命だったかもしれない方が亡くなっているという現実があるということを、それを政府として、最大限そういうことがないようにしていくよという政府としての意思、方針を示すためにも、その記述がなければそれに対する施策が出てこないということになろうかというふうに思いますので、今、大臣の御方針をお聞きしましたので、是非その記述をどこかに入れていただくようにお願いをしたいというふうに思います。
 さらに、最後、オリンピック、パラリンピックについて聞かせていただきますが、内閣官房のオリパラ事務局あるいは調整会議の皆さんというのは、感染対策をすれば感染はしないというふうにお考えになっていらっしゃるのかという、その基本的な認識を教えていただきたいというふうに思います。

#77
○十時政府参考人 政府としては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止に全力を尽くしているところでありますが、その中で、東京大会についても、コロナ対策を最大の取組課題として感染防止対策をしっかりと講じ、安全、安心な大会を実現すべく、関係者が一丸となって取り組んでいるところでございます。
 こうした方針は、大会の主催者であるIOC、IPC、組織委員会が作成する、全ての大会関係者が遵守すべきルールを記載したプレーブックにもしっかりと反映されておりますし、今後、六月中に更に詳しい第三版を作成、発表することとしているところでございます。
 政府としては、引き続き、安全、安心を最優先に、内外の感染状況等を注視しつつ、様々なスポーツ大会における感染対策の取組や専門的知見も踏まえ、東京都、組織委員会、IOCなどと緊密に連携しつつ、大会に向けた準備を着実に進めてまいる所存でございます。

#78
○川内委員 宿泊費用のときもそうなんですけれども、十時さんとはもう何か家族のようにお話をさせていただけることを幸せだなと思いながらお話をさせていただいているんですけれども、聞いたことに答えないというその精神力の強さは大変なものだなというふうに思うんですけれども。
 西村コロナ担当大臣はこうおっしゃっているんです。この前の議院運営委員会、四月二十三日の議院運営委員会。
 何度も流行は起こるんです。現実に、どこの国を見ても起こっております。ただ、それをできればゼロにしたいと我々も思っています。しかし、ゼロにはできない。それは東京でも、五十人、百人、できるだけ低くしたい、その思いはもう皆さんと同じ、あるいはそれ以上に、私、責任者として持っております。ただ、これはなかなか難しいウイルスであります。徹底的な対策をやりながらも、どこで感染したかも分からない、そういう、特に今の変異株はそういう状況になってきておりますというふうに、閣僚のお一人である西村先生は、どれだけやっても感染するときは感染しますということを正直に述べていらっしゃるわけですね。
 これが私は実は大事な認識で、だからこそ、何が必要なのかということの真の対策が、この現実を認めるところから出てくるわけですよね。感染対策、全力で努力していますから、安心、安全の大会にしますからと言っているだけでは、実は、安心、安全の大会にはなりませんねと。それでも感染する。
 例えば、さっき、長妻先生と尾身先生との御議論の中で、オリンピックバブルの中はある程度抑えられるだろう、しかし、その外、オリンピックバブルの外の人流が抑えられないと。それはそうですよ、スポーツの力というのは恐ろしいわけですから。スポーツの力はみんなを熱狂させる力なんですよね。そのスポーツの力が、みんなを熱狂させる力が実は感染を拡大させる力になってしまうのではないかということを尾身会長は大変心配をしていらっしゃるわけで。
 調整会議やオリパラ事務局というのは、オリンピックバブルの外でどういうことになるのかということも議論されたんですか。

#79
○十時政府参考人 お答え申し上げます。
 東京大会の開催に当たりましては、具体的な感染対策として、来日する大会関係者の人数の絞り込み、選手や大会関係者に対するワクチンの接種、大会関係者の行動を管理して一般の国民との接触を防止するということを主要な三点として取り組んできたところでございます。
 委員御指摘のような点も含めて、専門家の方々にも非公式、公式に意見も伺いながら、例えば調整会議におきましては、昨年九月から感染症専門家の方にもアドバイザーとして毎回参加をいただきまして、意見を伺いながら検討を進めているところでございまして、引き続き、丁寧に議論、検討を進めてまいりたいと思います。

#80
○川内委員 いや、私の質問は、オリンピックの関係の様々な行事やあるいは式典の外での人流とか感染の状況等について、調整会議等で議論をされたのかということを聞いているんです。議論したのならした、していないならしていないと。ここだけは、十時さん、お願いしますよ。ちゃんと答えてください、大事なことなんだから。

#81
○十時政府参考人 お答え申し上げます。
 先ほども申し上げましたとおり、調整会議には、政府関係機関、東京都、組織委員会等、関係各者が入って議論をしてまいりまして、四月二十八日に変異株等に対応した追加的な対策を公表したところでございますが、この中では、アスリート等、そして大会関係者、そして観客、ホストタウン等々の感染防止対策というものを中心の議題にしておりまして、その他の一般的な人流というところまでは必ずしも具体的な検討ということでは盛り込まれていないというのは事実でございます。

#82
○川内委員 いや、だからこそ、何で尾身さんたちの分科会に聞かないのか、私はそこが不思議ですよね。
 さっき尾身会長が、もうすぐワクチンも行き渡るし、光が見えているとおっしゃったじゃないですか。あと数か月なんだと。しかし、その数か月の間にオリンピックが開催されて、オリパラが開催されて、そこで人々が熱狂して、そこにどんなリスクがあるのかが分からぬと。少なくとも、開催しないよりは開催する方がリスクはあるということになるわけですよね。
 私も思います。オリンピックというのは人類の希望だし、人類の光だし、根本的な倫理の体現だというふうに思いますよ。
 だとしたら、私、一年延期できないのかと思うんですよ、あと一年。バッハさんの言う犠牲というのは、あと一年延期しましょうよとバッハさんに言って、あんたも犠牲を払いなよと、一年延期する犠牲を払いなよと何でみんな言わないんだろう、偉い人たちは、と思うんですよね。来年になったら割とオープンに開催できるんじゃないか、みんなが熱狂できるんじゃないかという、それこそ希望を持つんですけれども、延期という選択肢はもうないんですか。

#83
○十時政府参考人 お答え申し上げます。
 東京大会につきましては、東京大会の在り方として、主催者であるIOC、IPC、大会組織委員会、東京都において議論された上で最終的に決定されるものと理解しております。政府としては、これまでも、新型コロナウイルス感染症対策を含め、関係者と緊密に連携して取り組んできているところでございます。
 大会については、引き続き感染症対策をしっかりと講じ、今年の夏に安全、安心な大会を実現するため、関係者が一丸となって準備を進め、大会に向けた準備を着実に進めてまいりたいと考えております。(発言する者あり)

#84
○とかしき委員長 もう一度質問をお願いします。
 では、十時内閣官房内閣審議官。

#85
○十時政府参考人 お答え申し上げます。
 これまで、IOC、IPC、東京都、政府等が入った五者協議の場におきまして、委員御指摘のような大会の再延期、中止といったような議論はございませんでした。
 政府としては、引き続き、安全、安心を最優先に、内外の感染状況を注視しつつ、様々なスポーツ大会における感染対策の取組や専門的知見を踏まえて、大会に向けた準備を進めてまいりたいと考えております。

#86
○川内委員 私は延期できないのかということを聞いたわけで、与党の先生方はちゃんと答えているじゃないかとおっしゃるんだけれども、質問に対して何事かをしゃべることが答えているということにはならないと思うんですよね。質問したことにきちんと答えていただくということが答えていただくということで。
 私は延期の可能性はないのかということを聞いたわけですが、十時さんからは、五者協議の場で延期とか中止の議論が出たことはないということは、提起していないということですよね。提起すればいいんですよ。何でその勇気がないのか。オリンピックというのは人類の希望ですから、みんなが、おお、そうか、そうだねという結論に持っていかなければオリンピックを侮辱することになりますから、私は、政府に、いや、田村大臣から言ってもいいじゃないですか、菅総理に。延期の提起をしましょう。それで、提起してバッハが何と言うか、みんな聞いてみたいと思いますよ。
 ということを申し上げて、終わりたいと思います。ありがとうございます。

#87
○とかしき委員長 西村智奈美さん。

#88
○西村(智)委員 立憲民主党の西村智奈美です。
 六月一日に、いわゆる職域接種についてスタートするということになりました。
 一日に加藤官房長官が記者会見をして、接種に必要な医療従事者や会場などについて、それを行う企業や大学などが自ら確保するということであったり、企業の場合には産業医が従業員とその家族らに接種することを想定しているというふうに発言がありました。同じ日に厚労省が全国の自治体に通知を発出しておりまして、職域接種の概要については、接種費用は予防接種法に基づき支給するとされておりました。
 ここまでは整合するんですけれども、同じ日にワクチン担当の河野大臣が、BSの番組でこんなふうにおっしゃったんですね。職域接種について、費用は国が負担するということと、それから、企業でも病院を持っているところは早くスタートできるのではないかと。ちょっとこれを聞いて、おやっと思うわけなんです。
 まず一つ伺いたいのは、厚生労働省に、職域接種については予防接種法に基づいて費用は支給されるというふうになっておりますけれども、この点について、どの条文をちゃんと適用してやるのか、それをまず伺いたいと思います。

#89
○田村国務大臣 技術的なことなので読ませていただきますが、新型コロナウイルス感染症に係るワクチン接種については、予防接種法附則第七条第一項の規定に基づき、同法第六条第一項の予防接種、臨時接種でありますけれども、これとみなして行われるものであります。
 職域接種は予防接種法に基づく予防接種として行われるものであるため、接種を実施する機関は、医療機関として、被接種者の市町村から接種を受託し、接種後に市町村に費用を請求し、支払いを受けることとなります。
 また、当該接種費用については、予診や接種の実施等に要する経費として、市町村との間の契約において、接種一回当たり二千七十円を支払うこととされており、市町村が支弁した費用は、予防接種法附則第七条第三項により、国が負担することとなるということを多分我が省としては申し上げたんだというふうに思います。

#90
○西村(智)委員 ただ、ワクチン担当大臣は、費用は国が負担するというふうにはっきりと言い切っちゃったわけなんです。今の説明を聞くと、まずは市町村が請求によって支弁をして、その分は国が負担するということなんですかね。
 ただ、テレビで言い切られてしまうと、国がとにかく何でもかんでもやるんですと、何かすごく、政府として、やった感を出すためにそういうふうに言っているように聞こえるんですけれども、これはどうですか。予防接種法の説明とちょっと違うところがあるんじゃないかというふうに思うんですけれども、ワクチン担当の政務に伺います。

#91
○山本副大臣 今、厚労大臣からお話がございましたけれども、この職域接種に関しましては、厚労省の六月一日付の事務連絡で示されているとおりでございまして、予防接種法に基づく予防接種として行われるものでございまして、ワクチン接種に基本的に必要となる費用は全額国が負担することになっておりまして、河野大臣の発言もこれを念頭に置いたものと承知している次第でございます。

#92
○西村(智)委員 なかなか、テレビ番組でも言い切りの発言が結構多いんですよ。
 病院を持っているところは早くスタートできるというふうにも発言をしておられます。これは、企業立の病院で接種することを想定しているのか、推奨しているのか。また、実際にそれはできるんでしょうか。ワクチン担当の政務、山本副大臣に伺います。

#93
○山本副大臣 ありがとうございます。
 今般の職域接種に関しましては、自治体による高齢者等への接種に影響を与えないように、接種に必要な会場や医療従事者等は企業や大学等が自ら確保することとしている次第でございます。
 このとき、接種を実施する企業においては、どのような形態で接種を実施するかにつきましては、企業立病院であるとか、また企業内の診療所で行う場合もございますし、また、外部の医療機関を活用して実施する場合も含めまして、接種対象者数や一日の接種回数等を踏まえまして、各企業において適切に判断いただくものと考えておる次第でございます。
 一般に、企業立病院がある場合におきましては、外部の医療機関を活用する場合に比べまして、接種に必要な会場、また医療従事者等の確保、比較的スムーズに行えると想定されておりまして、河野大臣の発言もこのようなことを念頭に置いてなされたものと承知している次第でございます。

#94
○西村(智)委員 では、担当副大臣としては、企業立の病院で接種することを推奨するということでよろしいですか。

#95
○山本副大臣 今答弁しましたとおり、企業立病院もございますし、企業内診療所で行う場合もございますし、様々な形態がある中で各企業で適切に判断するということでございますので、その中での判断でございます。

#96
○西村(智)委員 推奨はしないということだと思います。
 余り、何か、テレビ番組等で言い切り型でいろいろ言われると、やはり担当者、関係者は混乱しますので、そこはやはり丁寧に、河野大臣から発言をきちんとしていただくというふうに、再々々度ぐらいなんですけれども、お願いをしたいというふうに思います。
 それともう一つ、二日の日に全国知事会と会合をやられて、当初は従業員千人以上の企業で開始すると表明しておりますけれども、この千人以上とした根拠について伺いたいと思います。その結果、ワクチン接種において大企業が優先される、そういうことにならないかというふうに懸念するんですけれども、この点はいかがでしょうか。

#97
○山本副大臣 今回の職域接種の仕組みでございますけれども、ワクチン接種に関する地域の負担を軽減をするということ、そして、接種の加速化を図っていくために企業また大学等で確保できる医療従事者等を活用して接種を進めるものでございまして、これにより自治体による接種の円滑化が図られるものと期待している次第でございます。
 この職域接種につきましては、モデルナ社のワクチンを使用することを想定しておりますけれども、同社のワクチンは小分け配送ができないことになっておりますので、配送先にマイナス二十度のフリーザーを設置する必要があることであるとか、また、職域接種につきましては、六月二十一日から初めて開始することも踏まえますと、ある程度の規模の接種会場から順次開始していくことが適当と考えておる次第でございます。
 この接種対象につきましては、その企業の社員に限らず、取引先企業であるとか下請企業の方々も対象とすることができるほか、中小企業が商工会議所等を通じて共同で実施することも可能としているところでございまして、順次対象を拡大していくことも考えられる次第でございます。
 いずれにしましても、具体的な手続、手順、仕組み等につきましては、現在検討しているところでございまして、決まり次第お知らせをすることとしたいと思います。

#98
○西村(智)委員 決まり次第ということなんですけれども、二十一日からスタートしたいと言っている企業が、私が今把握しているだけで三つぐらいあるんですかね、早くしていただかないとというふうに思います。
 それから、千人以上の企業がというときに、私、これは産業医がいるということが前提になっているのかなというふうに思ったんですよ。加藤官房長官も、産業医が従業員とその家族らに接種することを想定するというふうに言っておられることもあるし、大体、従業員千人以上というと産業医を置くことになっておりますので、そうかなと思ったんですけれども、今のお話だと、そうじゃないということですね。
 厚労大臣に伺いますけれども、加藤官房長官、産業医の方からやっていただくというふうに言っておられるようです。ただ、やはり、予診とそれから接種、分けていても今これだけ大変なのに、予診と接種を産業医の方が担うとかということになると、かなり負担が重いんじゃないか。また、私が伺っているところだと、例えば、産業医というと、今メンタルヘルスのことなんかも、いろいろこの間法改正をしてきて、精神科医などが産業医を務めているというケースも多いんじゃないかというふうに思います。ちょっと負担が重いんじゃないか。
 また、個別の方の既往症とか基礎疾患の状況もよく分からないし、そこで本当に予診をやって判断できるのかという問題があると思うんですけれども、この点についてはいかがでしょうか。

#99
○田村国務大臣 産業医、労働安全衛生法で規定されているわけでありまして、労働者の健康管理をしっかりやっていただくということで、一定の研修を受けていただいてという形の中で産業医になっていただくわけでありますが、今言われた産業医が直接予診して打つ場合もあれば、看護師かどなたかを派遣をお願いしてということもあるのかも分かりません。産業医がその分予診をして、予後を見るであるとか。いろいろなことは、やり方はあると思いますので、一概に、産業医の皆様方が負担がどうだというか、それは負担の範囲内でやっていただくんだろうというふうに思いますので、決して国の方が、こういうやり方で、こういうスピードでやってくださいと言うのではなくて、それぞれの職域を担当される主体が、その中でやれる範囲でやっていくということでございますから、そこは負担のないようにやっていただけるんであろうというふうに思っております。

#100
○西村(智)委員 なかなか、本当にこの職域接種、進むのかどうか、ちょっと今御答弁を聞いて、どうなのかなというふうに思いました。
 また、事業場で接種するということだと思います。そうしますと、今、例えば個別接種、大規模接種、集団接種などは、町内単位でやっているところというのは案外少ないのかなというふうに、私は実は、一番最初にこの場に立ってワクチンのことを質問したときに、町内ごとに例えば予約を入れて、それで来ていただいて打つということになるんじゃないかなと思っていたんですけれども、案外そういうところが少なくて、むしろランダムに予約していただいて打っていただくということになっているようです。
 ただ、職域接種となると、今度、誰が打ったとか誰が打たないとか、より分かりやすくなりますよね。そうなると、打つ同調圧力と言ったらいいのか、何かそういうことがより強くなるんじゃないかという懸念があって、それが例えば不利益取扱いなどになるのではないかということが、改めて、職場ですから心配なんですけれども、その点についていかがでしょうか。

#101
○田村国務大臣 同調圧力は、もう以前からいろいろと御議論を委員会でもいただいたことでございまして、厚生労働省のホームページでそこに関してはしっかりと周知をさせていただいております。今回に関してもそれは同じでございますので、同調圧力がかからないようにと。
 一方で、そうはいいながら、それぞれ、職場でいろいろ打っていくという話でございますけれども、職場だけなのか。昨日も、いろいろな話がある中で、例えば下請の皆様方、関係業者の皆様方、いろいろなことが考えられるわけでありまして、接種の記録だけはしっかり残していただかなきゃならぬという、これがなくなっちゃいますと誰が打ったか分かりませんので、そこは把握をしていただくのが前提でございますけれども、職場だけではなくて、いろいろな方々、場合によっては家族ということもあるかも分かりません、いろいろな形がありますので。
 いずれにいたしましても、どういう形であれ、接種をしなければならないという同調圧力、こういうものがかからないようには、我々としても周知をしてまいりたいというふうに思います。

#102
○西村(智)委員 伺って、本当に進むのかなというふうに思います。
 実際に、この職域接種でどのくらいの方が接種をして接種数が積み上がっていく、積み上がっていくというのはちょっとおかしな言い方ですけれども、どのくらいの方がこれによって接種をするというふうに見込んでいらっしゃるのか。現時点で見込みはありますか。

#103
○田村国務大臣 基本は各自治体で対応いただいている接種でございますので、そこに関しては、高齢者の計画等々、お願いをさせていただきました。
 しかし、職域での接種というものは、ある意味それを補完していくものでございますので、今これで目標をどれぐらいということを立てているわけではございません。
 ただ、こちらの方が一定程度進みますと、各地域地域での接種も、今般、高齢者のときに混乱が若干見られた地域もございますけれども、そういうものが緩和をしていくということでございますので、両輪が回りながら接種がスムーズに進むようにというふうに考えております。

#104
○西村(智)委員 まだ現時点で接種券の届いていない人に打つというわけですから、なかなか、事務手続も相当複雑、煩雑になってくると思います。そこのところは、よく自治体、関係者の声を聞きながら整理をしていっていただきたい、このことは申し上げておきます。
 五月の十四日に、アメリカのCDCが、いわゆるワクチンの同時接種を認める方針を発表いたしました。
 それまではアメリカも、またほかの国でも、同時接種、つまり二種類のワクチンを一回で打つ、右手に打って、左手に打ってというやつですね、これができないというふうに言ってきていたんですけれども、アメリカCDCだけは、五月の十四日に、同時接種はオーケーですよというふうに変更したというふうに聞いています。このことについては、大臣、御承知ですか。

#105
○田村国務大臣 CDCがそのような、これはやむを得ない場合はというような話のようでありますけれども、十四日間の間隔を置くべきとの方針から、時期に関係なく接種するとの方針に変更するということ、これを公表したことは承知をいたしております。

#106
○西村(智)委員 それで、今後、コロナワクチンの方が接種が広がっていった場合に、恐らく、いつかの時期には、経済活動といいますか、そういったものが少しずつ解禁になってくるということも見えてくるのかなというふうに思います。ただ、今、それに向けてみんなで一生懸命やっているところですので、いつかとか、どういう形でかとかということは予断を持っては言えないんですけれども。
 そうしますと、インフルエンザの流行時期と重なってきちゃうんじゃないかということが懸念をされるわけです。それで、この点についてというか、ワクチンの同時接種について、二月の十五日に厚生審ワクチン分科会で、接種間隔は十三日以上の間隔を置きましょうねということでファイザーワクチンについては話合いがあった。五月の二十一日に、モデルナワクチンについても十三日以上の間隔を置きましょうということになったんですけれども、実際に、五月の二十一日の分科会の前の五月の十四日に、アメリカのCDCは同時接種を、やむを得ない場合というふうにもしながらも、変更しているわけです。
 この二月、五月の議論を見ると、やはり、海外の事例に即してというような話があったかと思うんですけれども、この五月の二十一日の分科会でCDCの方針転換を踏まえた議論がされたのかどうか、ここはどうでしょうか。

#107
○田村国務大臣 委員おっしゃられるとおり、五月十四日、米国CDCでこのような方針が示されたわけでありますが、当然、他国、例えば英国だとかWHOは、こういうことはおっしゃっておられないわけであります。
 そういう中において、二十一日に開催した審議会でございますけれども、ここでは特段、この件に関しましては御議論いただいておりません。

#108
○西村(智)委員 例えば子供なんかは、日本小児科学会が二〇一一年に同時接種を一般的にというふうに表明したことで、今、もうどこの小児科も一回で二種とか、三種というときもあるんですかね、そういうふうに接種をしているんですよね。
 インフルエンザワクチンとの同時接種について、いろんな研究もあると思うんですけれども、ワクチン分科会で議論をしていただきたいというふうに考えますけれども、この点、いかがでしょうか。

#109
○田村国務大臣 御承知のとおり、子供はいろんなワクチンを一定の期間に打たれるので、そういう意味で、こういうようなことが議論をされてきたわけであります。
 一方で、インフルエンザのお話がございましたが、日本でいうと、定期接種は高齢者だけという話になっております。若い方々も、打っているという意味では、一定程度は打っていただいておるわけでありますけれども、時期を決めて打っていただいておるというよりかは、流行等々の時期を見ながら打っていただいておるということでございます。そういう意味では、お子さんと比べると、同時接種の必要性というものは子供さんほどは高くないんだというふうに思います。
 これは、いずれにしても、まだちょっといろいろと知見、データを、ある程度こういうものが、集まってこないという言い方がいいのかどうか分かりませんが、集積が見られてこないとなかなか分析もできないわけでございますので、今のところ、そういうような知見が積み重なってくるのを待っているというような状況でございます。

#110
○西村(智)委員 待っていても、いつまでもデータは多分上がってこないんだと思うんですよね。ちょっとこの辺り、よく検討していただけませんでしょうか。よろしくお願いいたします。
 それから、この間、私、自治体の予約の話をさせていただきました。先ほども長妻委員からも質問があって、二回目が取れないというようなお話もあるんですけれども、まず、そもそも一回目の電話がつながらない、朝から長い行列ができている、こんな話がまだまだ実は聞かれるんですね。
 うまくいっているところ、うまくいっていないところ、いろいろだと思うんですけれども、個別の自治体からの接種計画を厚労省は把握していますでしょうか。また、それに対して助言等は行っているんでしょうか。いかがですか。

#111
○田村国務大臣 どの自治体がどういう計画をお作りをいただいているというところまで、網羅的には把握ができておりません、これは自治体の数がかなり多いということもございまして。大変申し訳ありません。
 ただ、例えば、集団接種なのかどうなのかという形態でありますとか、それから、医師、看護師、事務職員等の数の充足感、こういうものがどういうものなのかということ、また、高齢者の一回目の開始予定時期、こういうものは把握は一定程度はさせていただいております。
 なお、いろいろなお悩み、例えば今委員がおっしゃられたような、一回目、二回目がなかなか予約が取れない、先ほど長妻委員からもそういうお話があったというふうに思いますけれども、こういうものに対しては、サポートチームというものを、もう前から申し上げておりますが、二月からこれを立ち上げておりまして、元々、リエゾン、都道府県から職員の方々にお助けをいただきながら、地域の実情をそれぞれ分かっておられるような方が入っていただいておりますので、そういう方々がいろいろな形で、フォローといいますか、お手伝い、サポートをさせていただいております。
 これは前回もお話しさせていただいたと思いますけれども、例えば、窓口を増やすのみならず、接種の空き状況、充足状況はどういうものかというものを自治体の方からお示しをいただいて予約を入れやすくするだとか、そういうようなことをされておられる、そういう自治体もありますので、そういう好事例も含めて、サポートチームがいろいろなお問合せに対してお答えをさせていただいております。

#112
○西村(智)委員 基本的には自治体の取組だと思うんですけれども、やはりこれは国としての一大プロジェクトですので、もう少し都道府県から間に入っていただいてもいいとは思うんですけれども、何か本当に手助けになるサポートが必要、問題解決して、本当に接種したいというふうに考えておられる皆さんの助けになることが必要だというふうに思っています。
 それで、個別接種についてで私が幾つか聞いた事例ですと、接種人数を少人数に絞ったり、医療機関のキャパの問題があるんだと思うんですけれども、少人数に絞ったり、それから、これもキャパの問題だと思うんですけれども、予約の殺到を避けるために受付情報を公開していないという医療機関もあると聞いております。
 やはりこの辺、きちんとサポートしていく必要があるかというふうに思うんですけれども、医療機関が予約や接種体制を整備するために必要な費用負担、これはやはり厚生労働省としてやるべきではないかと思いますが、いかがですか。

#113
○田村国務大臣 予約等々が円滑に進むためにいろいろな対応をするというのは、接種が円滑に進むための資金といいますか支援金のうちの一つの科目でございますので、内容にはもちろんよるわけでありますけれども、対応はさせていただけると思います。これは、自治体からそういう形でお支払いをするということはあり得るというふうに思いますが、予約を示していない、じゃ、どうやって打つ人は……(西村(智)委員「別の電話番号でやるとか」と呼ぶ)それにしても、それが分からないことには誰も電話してこないので、ちょっとどうしたらいいのか分からないので、それに対してはお答えがなかなかしづらいということは御理解いただきたいと思います。

#114
○西村(智)委員 やはり医療機関にとってみれば、いろいろなキャパの問題、普通の一般の外来の患者さんもいらっしゃる、あるいは入院の患者さんもいらっしゃる中で、そこに人手が割けないということも伺っております。ですので、その辺についても、厚労省の方から何か通知なり出していただいて、きちんと財政的な手当ても可能ですということはお伝えいただけるとありがたいというふうに思います。
 それでは、今日は私、質問しようかどうかと大変考えたところですが、LGBT関連の質問をさせていただきたいと思います。
 四月の十六日に、厚生労働省は、履歴書の性別欄を任意とするという様式を示しました。
 今、台湾で新型コロナウイルスの対応を指揮を執っておられるオードリー・タン大臣は、トランスジェンダーであるということ等を公表しておられる。オードリー・タン氏が、閣僚名簿に性別欄、性別を書くところがあって、そこに自分で何と書いたかというと、なしと書いたそうなんですよね。本当になかなか印象的なエピソードでありました。
 また、日本国内でも、もうそろそろ内定が出ている学生がいますけれども、やはり履歴書に性別欄があるところで何と書こうかというふうに困って、そして就職活動のスタートラインにすら立てないという声も伺っております。
 私は一定の前進だったというふうに思いますけれども、この趣旨について改めて伺いたいのと、ただ一方で、性別欄があることについて、まだやはり、もう少し何とかならないかと言う方もいらっしゃいます。ジェンダーバランスとか、それから、いろいろな統計を取るとかいうことについても工夫が必要だというふうにも思うんですけれども、更に改善を検討していただけないかというふうに思うんですが、いかがでしょうか。

#115
○田村国務大臣 今まで厚生労働省はJIS規格のものを推奨してきたわけでありますけれども、昨年七月から、新たに参考となる履歴書様式例というものを作成をいたしました。
 言われるとおり、今まで男女という形であったわけでありますが、性自認の皆様方もあられるわけでございますので、そういう形を考えたときに、任意の性別を記載できる任意記載欄とすることにいたしまして、未記載、これもいいということで、そういうことも明記をさせていただいております。
 そういう意味では、これはしっかり周知をしていかなければならない話でありますが、元々、今言われたように、LGBTの方々がおられる中にありまして、昔から本当にこういう方々はおられたわけでありまして、もう特別でも何でもない話であって、そうやって日本の国も世界の国もずっと成り立っているわけでありますので、それを取り立てていろいろなことを言われる方もおられますけれども、そうじゃなくて、普通だということを我々もしっかりと伝えていかなきゃならないなというふうに思っておりますが、そうなりますと、やはり男、女だけではなかなか、それに対してどう記載すればいいのか、こういうこともございましたので、今回そのような対応をさせていただいたというのが我々の考え方でございます。
 なお、更にというのがなかなか難しいのは、企業側からすると、例えば女活で、女性をどうしてもと思っておられる、これはなかなかLGBTの当事者の方々にとってはつらい部分もあられるのか分かりませんが、そういう部分もあって、どうしても何らかのものが欲しいというお声もあって、ここに関しては、これからも関係者の方々のいろいろな御意見をお聞かせをいただきながら検討していく課題だというふうに思っております。

#116
○西村(智)委員 よろしくお願いします。大臣から非常に納得できる答弁をいただいたと思っております。
 それで、実は、新型コロナウイルスの感染下の中で、やはり子供の心が私は心配です。特に、LGBT、性的指向、性的自認、性的違和ですね、そういったものを持つ子供や若者は、希死念慮が、そうではない子供と比べて極めて高いということがいろいろな統計、調査、研究からも言われておりますし、また、コロナによって更に希死念慮が高まっているのではないかということをGID学会の理事長なども言っておられるわけです。
 今日はちょっと時間の関係で文科省にだけ伺いたいと思いますけれども、そういった子供たちへの対策、これをどういうふうに取っておられるんでしょうか。

#117
○鰐淵大臣政務官 お答えいたします。
 今委員から御指摘もございました、児童生徒が自ら命を絶つということは本来あってはならないことであり、自殺が増加していることにつきまして、大変重く受け止めております。
 文部科学省といたしましては、学校関係者や教育委員会の担当者を対象とした研修会である児童生徒の自殺予防に関する普及啓発協議会等におきまして、性的指向、性自認に関する悩みを含む様々な悩み、不安を抱える児童生徒の早期発見等に向けた取組の充実を図るよう周知するとともに、教育相談体制の充実やSOSの出し方に関する教育を含む自殺予防教育の推進などに取り組んでいるところでございます。
 また、今般のコロナ禍におきまして児童生徒の自殺者数が増加していることも踏まえまして、先ほど申し上げました取組の更なる充実を図るとともに、本年三月におきまして、周囲や相談窓口への相談を後押しできるように、そのような啓発動画を作成いたしまして、ユーチューブ上で公開をいたしました。
 また、そのほか、五月には、児童生徒の自殺予防に係る大臣メッセージを発出しているところでございます。
 このように、様々な取組を通じまして、児童生徒の命を守るため、児童生徒の自殺予防の取組をしっかりと進めてまいります。

#118
○西村(智)委員 今文科省から答弁があったとおり、性的少数者の子供たちに対しては、やはり自殺念慮、希死念慮が高いということを前提にいろいろな施策を講じていくことが必要だというふうに確認ができたと思っております。
 今日は、資料を幾つかおつけしております。一番上は、新経済連盟が六月の三日、昨日発出された声明です。
 皆さんも御承知のとおり、現在、超党派の議員連盟がございまして、私もそこで役員を務めさせていただいておりますけれども、合意案というものを取りまとめて、立法に向けた動きが進んでおります。私、筆頭提出者として、性的指向、性自認に関する差別の解消に関する法律案というのを野党としては提出をしており、五年前からなんですけれども、そして、今回、与党自民党の方から理解増進法案の骨子案というものが示されまして、それを超党派議連で議論をし、合意案を得ました。
 この合意案について新経済連盟は、「大変重要な位置付けをなしている。日本の企業におけるイノベーションを促進し、世界に対して優位な競争力を発揮するため、与野党の枠を超え、あらゆる性的指向・性自認の人々が安心して暮らし、活躍できる社会づくりに全力を尽くしていただきたい。」と、極めて高い期待が述べられております。
 次のページからは、IOCのホームページから持ってまいりました。日本語訳をつけようかと思ったんですけれども、英語の方がやはりニュアンスが伝わると思って、英語のまま持ってきております。
 多様性と調和、IOCが、LGBTQのプライド月間、プライド月間というのは、六月がプライド月間と言われておりまして、そこでスポーツでのインクルージョンを強調したということの見出しで、IOCがスポーツや社会における包摂性と差別禁止の重要性を改めて強調した、しかもそれはプライド月間に合わせてというふうに書いてあるわけです。
 ちょっと聞きましたら、IOCがこのプライド月間に合わせて声明を出すのは初めてのことで、しかも、内容を見ますと、日本に関する言及が極めて多いんです。このように、特定の国に関して事例を挙げつつステートメントを出しているという事例はこれまでになかった、初めてのことです。
 その初めてのIOCの声明の中ではどういうふうに書かれているかというと、二〇一四年にIOCは五輪憲章を改正して、根本原則六に性的指向による差別禁止を明記したと。これはいろいろヒストリーがございまして、その前の冬季五輪のときにちょっといろいろあったということで入ったわけなんですけれども。そして、このことを引いて、IOCは日本にかなりの言及をしています。IOCは五輪開催都市契約の差別禁止条項に性的指向を含めることを決めた、全ての開催都市は、五輪競技大会プロジェクト全体を通じて、調達から準備から今までを通じて、根本原則、特にあらゆる形態の差別禁止を尊重することが求められる、このアプローチは東京二〇二〇年大会でもウィル・ビー・ビジブルですから、ここをどういうふうに解すかなんですけれども、それが表れてくるであろう、明確になるであろうというふうに言っているわけなんですね。
 つまり、オリンピックを開催する以上は、私たちは今の新型コロナウイルス感染拡大の状況で五輪は強行するのはいかぬと思っております、これについてはもう我が党からも本当に多くの質疑者が言っているとおりなんですけれども、やるというのであれば、五輪憲章はきちんと遵守をする必要、義務がある。これは、私は日本政府に課せられた責務だというふうに思うんです。
 ところが、国内には、性的指向や性自認に関して差別をしてはいけないということを担保する法律が一本もありません。一本もありません。それで、この間いろいろ議論がなされてきて、今回の改正案、合意案がまとまったんですけれども、大変残念なことに、内閣委員会でないとこれは質疑できないというふうに言われました。内閣府設置法があるから内閣委員会じゃないと駄目なんですよと言われて、私もちょっとうかつだったんですけれども、それをうのみにして信じちゃったんですよ。
 ところが、内閣府設置法があっても、内閣委員会以外で審議して採決している法案がいっぱいあるというんですね。それを資料につけました。内閣府設置法を改正している法案で、内閣委員会ではなかった例、これについて衆議院の法制局から答弁いただけませんでしょうか。

#119
○塩田法制局参事 お答え申し上げます。
 資料三でお示しいただきました法律案につきまして、冒頭の第百八十三回国会提出、衆法第二四号、子どもの貧困対策の推進に関する法律案、これは、内閣府設置法の一部を改正し、内閣府の所掌事務に子供の貧困対策の推進を加える等の改正を行っておりますところ、平成二十五年五月三十一日の当厚生労働委員会において委員会提出法案として起草され、その後、平成二十五年法律第六十四号として成立したものと承知をしております。
 次にお示しいただいている三本の法律案は、いずれも閣法、政府提出立法と承知しておりますが、いずれも内閣府設置法の一部改正をその内容に含む法律案であって、内閣委員会以外の委員会に付託され、採決に至ったものでございます。
 参考として挙げられております三つの法律案につきましても同様、内閣府設置法の一部改正を行うものであり、かつ、内閣委員会以外の委員会において付託、審査、採決され、又は起草されたものと承知しております。
 以上です。

#120
○西村(智)委員 つまり、内閣委員会じゃなくても審議して採決することができるんですね。
 今、法案について、取扱いは自民党の党三役の預かりという状況になっているというふうに報告をいただいております。そこがオーケーと言えば、この国会の中で、今会期中に成立させることが可能です。どうか皆さん、御協力をよろしくお願いいたします。
 オリパラ担当の政務の方に来ていただいているので改めて伺いますけれども、このIOCから発出されているステートメント、組織委員会の橋本会長が、プライドハウス東京が設置されたときのオープニングに行って、スピーチをされています。また、バッハ会長もここに寄せて、プライドハウス東京がこの東京オリンピックの長く続くレガシーになることを期待しているというふうに言いました。
 このプライドハウス東京は、今回の議連で合意した法案がこの国会で成立することを強く求めておられます。このステートメントをどういうふうに受け止めているでしょうか。

#121
○とかしき委員長 三谷内閣府大臣政務官、申合せの時間が来ておりますので、簡潔にお願いいたします。

#122
○三谷大臣政務官 お答えいたします。
 まず、西村委員が本当にこのLGBTの理解増進に向けて様々な取組を進められていることに、心から敬意を表したいと思います。
 その上で、オリンピック憲章の中でも差別の禁止が掲げられているということでもありますし、東京大会のコンセプトといたしましても、多様性と調和というものが掲げられております。IOCが声明を出したことについても当然承知をしておりまして、LGBT、そしてQも加えてでありますけれども、スポーツの世界などにおいても、偏見や不適切な取扱いを受けるなど様々な困難に直面している方々がおられるということは認識をしております。
 そういったこともありまして、組織委員会におきましては、今年の二月に、小谷スポーツディレクターをトップとするジェンダー平等推進チームを発足させまして、多様性と調和の実現に向けて取組を進めているところでございます。
 東京大会のコンセプトとしては多様性と調和を掲げており、年齢や性別、国籍、障害の有無、文化の違いにかかわらず、互いの人権を尊重し合える共生社会を実現することが極めて重要なものというふうに理解をしております。しっかりと深く受け止めてまいりたいと思います。(発言する者あり)

#123
○とかしき委員長 御静粛にお願いします。

#124
○西村(智)委員 じゃ、それはまた後で。
 私、済みません、求めているのは理解増進であると同時に差別の解消です、元々は。それを今回はのみ込んで超党派議連の案に合意したんです。そこは誤解しないでいただきたいと思います。
 G7、菅総理行かれますよね。G7のほかの国がこのSOGIに関してどういう法制を取っているかということを資料にもおつけしております。どの国も、LGBTに関して、性的指向、性自認に関する法的保護が、ほかの、日本以外のどの国でもあります。ないのは日本だけ。労働施策総合推進法が改正されて、アウティング等はガイドラインに書かれるということになりましたけれども、それだけなんです。
 こんな状況でG7に行ったら格好悪くないですか。国際的な五輪憲章も満たしていないという状況で、本当に恥ずかしい事態になると思います。
 そして、この間の議論で多くの当事者の皆さんが傷ついているということを、皆さん、どうか御理解ください。

#125
○とかしき委員長 申合せの時間が来ております。

#126
○西村(智)委員 ここまで言われても法律もできないのかということで、この国会が終わったら、国会の意味、存在意義が問われると思います。
 そのことを強く申し上げて、終わります。

#127
○とかしき委員長 次に、山井和則君。

#128
○山井委員 よろしくお願いいたします。
 今日もまた、お忙しいところ、尾身会長にもお越しをいただきました。また、田村大臣が遅くとも十一時五十分には参議院に行かれねばならないということですので、それまでには一旦終わって、続きは一時十分からさせていただきたいと思います。
 午前中は尾身会長を中心に御質問させていただきたいと思います。
 緊急事態の解除をするかどうかという期限が迫っております。配付資料にもありますように、解除をすることによってまたオリンピックの八月頃にリバウンドをするのではないか、そういう危惧も持たれております。
 それで、尾身会長にまずお聞きしたいんですが、私たちが一番心配しているのは、オリンピックを私たちもやってほしいと思っているんです、本当は。でも、それによって感染が拡大して、お亡くなりになる方が増えるようであったら、人の命は地球より重いわけですから、これはちょっと、そういうことであればオリンピックは中止か延期すべきではないか、こういうふうなことを考えております。
 尾身会長にお伺いしたいんですけれども、オリンピックをやることによって、残念ながらコロナの感染が拡大して、お亡くなりになる方が増えるリスクというのはありますか。

#129
○尾身参考人 オリンピックをやれば、多くの人が国内で動きますよね。そういうことで、私が申し上げている、特に地域、バブルの中じゃなくて、もう今までの経験で分かっているわけですよね、人々が動けば、当然感染者が増える可能性があるので、その中で重症者の人も当然出てくる可能性があるので、もしこれは開くのであれば、それこそ、バブルの中のことはもとより、地域での感染をどうやって抑えるかという、そこに注目するのが、オリンピック委員会の人も日本の政府の人も、やるのであれば、そこに私はかなり注意を集中して、しっかりとした対策を取る必要があると思います。

#130
○山井委員 御質問にはお答えいただきたいんですけれども、注意してやらねばならない、それは当然ですけれども。
 ということは、バブルの外も含めて感染が拡大するリスクがあるということは、オリンピックを開催することによってお亡くなりになる方が増えるリスクもあるということですか。

#131
○尾身参考人 リスクがあるかどうかといえば、当然、しっかりした感染対策を取らなければ、今までもそうでしたね、いろいろ行事があって、感染が増えて、緊急事態宣言を出したときもそういうことがあったわけで、そういうことを何とか、これからワクチンがしっかりとみんなの手に届くまでには、そういう事態を避けるためには、その上で更にオリンピックをやるのであれば、そういうリスクがありますから、それをないようにするのが、私は組織委員会、国に求められていることだと思います。

#132
○山井委員 今、リスクがあるということをおっしゃいました。これは大事なことなので確認をさせていただきたいと思います。
 ということは、オリンピックを開催することによってお亡くなりになる方が、コロナでお亡くなりになる方が増えるリスクがあるということでよろしいですか。

#133
○尾身参考人 そういうことで、正確に言えば、オリンピックの開催に伴って、国内での、主にオリンピックの主体、バブルの中じゃなくて、日本の国内の中で人流が増えて、接触が増えて、また、いわゆる飲み会なんかが、お祭りムードになって、いろいろなところで、ふだん会わない人と飲み会なんということをすると、感染者が増えて、その中で高齢者にも感染が、そういうことがあれば重症者が増える。その中で死亡者が出てくることも当然あり得るので、私は、そういうことがないように是非していただきたいと思います。

#134
○山井委員 尾身会長、私たちも一番つらいのはそこなんですね。この国会で、私も今日が最後の質問になるんじゃないかと思いますが、オリンピックをやってほしい気持ちはやまやまですけれども、今おっしゃったように、それによって感染拡大し、重症者が増え、お亡くなりになる方が増えるんだったら、私はやはりそれは思いとどまるべきだと思います。
 平和の祭典が、このオリンピックをやった、私は、オリンピックをやれば、感動的な試合が多くて、その意味では成功はする可能性はあると思います。でも、逆に、今、尾身会長がおっしゃったように、会場周辺、東京のみならず、全国で様々な人流が増えることによってお亡くなりになる方が増えた場合、尾身会長、その場合、もし、オリンピック自体は感動の渦に巻き込まれた、でも、その結果、気がつけばコロナでお亡くなりになる方が、結果的には残念ながら増えてしまった、こういう場合、オリンピックは成功したと言えるんですか。

#135
○尾身参考人 そこは、私は、こういう立場としては、やるのであれば、ここは国が、組織がやるという決定をするのであれば、そういうことがないように、これはしっかりと覚悟を持って様々な感染対策をすることが求められるのは当然だと思うんですね。
 だから、成功か不成功かというのは、それは私が答える立場にはありませんが、私と感染症の、ずっとこれをやってきた、リスクをしっかりと評価をして、それについては私どもはリスクを近々関係者にお考えを示したいと思いますけれども、そのリスクを評価して、もしやるのであれば、それをいかに最小限にして、そういうことがないようにするという努力を、これは、普通のゲームではないですよね、全世界的。
 これについては、もうこれは何度も申し上げますけれども、組織委員会もしっかりと日本の今の状況、こういう、感染がまだあるわけですよ、一定程度。これで、オリンピックのやり方によると、人々の意識に関わります。そのことは、実はオリンピックの組織委員会の人も十分理解して、日本の政府とオリンピック委員会が一つの心になって、そういうことを避けるんだという強い気持ちでいろんなことをやっていただきたいと思います。

#136
○山井委員 提言を出されるということですが、その提言の前提をお聞きしたいんですが。
 尾身会長の認識としては、日本の政府としてはオリンピック開催は既に決定済みという前提で来週提言を出されるのか、まだ決定済みではない、決定の可否、是非も含めて提言を出されるのか。これによって、全く意味が違いますからね。
 私は、当然、先ほどおっしゃったように、オリンピックによって貴い命が失われるリスクがあるのであれば、本当にオリンピックによって人がお亡くなりになって許されるのかと、そんなことが。おまけに、それが不慮の事故じゃなくて、事前から、お亡くなりになる人が増えるかもしれないと分かっていながらやるということを、分科会や感染症の権威の方々は了解されるはずはないと私は思うんですけれども。
 お聞きしたいんですけれども、提言を出される前提は、もうオリンピックの開催は決定済みで、やるのであればこうすべきだという提言なのか、こういう状況ではやると危険です、困難ですということも含めて提言されるのか。いかがですか。

#137
○尾身参考人 これは、オリンピックをやるかやらないかというのは、もう何度も申し上げましたように、我々専門家の、判断すべきではないし、できる立場にはないんです。
 我々は今、政府がどのように考えているか、正確には知りませんけれども、やらない場合に、リスクは、評価は要らないですよね。だから、やるということがもしあるのであれば、我々の、いわゆるこれは、WHOなんかもそうですけれども、専門家の役割の上で一番大事なというか、唯一大事なことは、リスクを評価するということですから、私どもは、前から言っています、今回のリスクは、一般のコミュニティーです、一番あるのは。それについて、ありますから、やるときには、そのことを踏まえて決定、あるいは、やるのであれば、どうそのリスクを減らすかということを十分に考慮してくださいというのが我々の立場だし、それ以上でも以下でもないと思います。

#138
○山井委員 尾身会長、世論調査によれば、国民の過半数の方は中止か延期を求めているという世論調査もあるんです。
 その意味で、国民が分科会や尾身会長に求めているのは、やる場合に、亡くなる人を減らしてくれということじゃないと思うんです。亡くなる方が増えるような、死者が出るようなオリンピックは止めてほしいというのが国民の願いではないかと私は思うんです。
 尾身会長、そこはちょっと大事なんですよ。提言を受けて、やるべきではないという判断もあり得ると思うんです。
 尾身会長、例えば、緊急事態宣言下でもオリンピックはできる、やるべきと思われますか。

#139
○尾身参考人 それは今、私たちはどういうステージにいるかというと、今回、六月の二十日頃、今の緊急事態宣言を解除するかどうかという判断が求められていますよね。それから、その頃には、どうも、私の理解では、組織委員会が参加者の人数等々の上限を決めるというようなことになっていますよね。これが今、現実ですね。
 そうなると、私たち専門家の役割は、緊急事態宣言の解除について、これは我々の、諮問委員会の者がそれについてはしっかり意見を述べて、解除した、あるいはしない、いろんな場合があると思いますけれども、そのことについて、どんなことをすることによって、オリンピックを開催するということよりは、これから八月、九月になると、だんだんとワクチンの接種率が上がって、感染もだんだん抑えてくる、それまでの間に絶対に、同じように、大阪のような状況をつくらないようにするということに、私は、政府や自治体や、全ての人が集中すべき。
 緊急事態宣言が出たらオリンピックを中止かというような話でなくて、ともかくこの間にそういう状況をつくらないような手だてを全てやるということが私は重要だと思います。

#140
○山井委員 尾身会長、申し訳ないんですが、これは大事な質問なんです。
 例えば、六月二十日に解除するとします。今もう、三週間連続東京では、人流は、停留人口は増えているんですよ。ということは、これはリバウンドする可能性大なんです。七月になってから更に感染者が増える可能性が十分にあるんです、まあワクチンの効果はあるかもしれませんけれども。
 そうなったときに、ステージ4の感染爆発や緊急事態の状況で、オリンピックができるかできないのか、やるべきか否か、これはやはり、尾身会長や分科会から言っていただかないと、もうやると決めたから止まらなくて、結果的に多くの方が亡くなったでは済みませんから。
 申し訳ないですけれども、尾身会長にもう一度お聞きします。
 感染爆発、ステージ4や緊急事態宣言でオリンピックはできるのか、やっていいのか、いかが思われますか。

#141
○尾身参考人 先ほども、もうこれは、最終的に決断してもらうのは組織委員会であり、政府ですね。
 その際に、緊急事態宣言云々という話はどういうことかというと、感染者が五百と六百の、その差というよりは、一番我々が考えなくちゃいけないのは、例えば大阪のような状況があるとしますよね、このステージ4というような考え、これはどういう状況かというと、医療に負荷がかかっている、逼迫がしている。
 それは、逼迫しているというのはどういうことをいうかというと、一般の診療、救急外来なんかの診療に支障が来ていて、あるいは、本当は病院でケアをする必要がある人が自宅にいるというような状況ですよね。こういう状況が出たときに更にオリンピックをやれば、医療の負荷が更にかかるということは、これはリスクです。
 これは、そういうリスクがあるということは、我々は、そういう場合に、また大阪のように、東京は今、大阪のような状況じゃない、そこがそういうふうになった場合には必ず医療の負荷が更にかかりますよということを申し上げるのが我々の仕事で、それは申し上げようと思っています。
 ただ、それをもってどうするかというのは、これは、国と組織委員会が、その我々のリスク評価に応じてどんなような形にするのは決めてもらうのが、これは私は筋だと思います。

#142
○山井委員 尾身会長、決めるのは政府、それはそうなわけですけれども、ある意味で、それを止める、ブレーキをかけられるとしたら、尾身会長や分科会しかないわけです。
 私が一番心配しているのは、オリンピックというのが賭けであってはならないと思うんです。
 例えば、先ほども言いましたように、三週間、東京の停留人口は晩も増えています。来週もし解除したら、もっと増えるでしょう。ということは、七月に、ワクチンの効果はあるかもしれませんけれども、感染拡大するリスクがあります。
 例えば七月に入って、オリンピックの直前に感染が拡大してきた、でも、もうオリンピック、始まろうとしているからやめられない、それで突っ込んだ、案の定、感染拡大した、医療が逼迫し、多くの人が亡くなった、こんなはずじゃなかったでは、これは多くの方が亡くなる話ですから、それでは済まないんです、こんなはずじゃなかったでは。
 尾身会長、オリンピックの前に、そういうリバウンドで感染拡大した、ステージ4になった、そのときにも、オリンピックはできる、やるべきだと思われますか。

#143
○尾身参考人 これは、国は、総理も、安全な大会、国民の健康を守るということをおっしゃっていますよね。今委員がおっしゃるように、亡くなる人がもうどんどんどんどん出てきているような状況を、組織委員会も政府もつくろうというふうには思っていないと私は信じております。
 そのために、これからの、単にやるやらないという決断も大事ですけれども、実は、それと同時に、あるいはそれ以上に、これから九月ぐらいまでの、八月か九月か分かりませんけれども、多くの人がワクチンができるまでの間にどういうような国内の対策を打つのか、そこに私は、余り議論が、国会でも議論が行っていませんけれども、ここに集中することが、先生がおっしゃるそういう状況を回避する。
 一番我々がやらなくちゃいけないのは、ともかく、今日からあしたから、もう六月二十日はすぐ来ますから、その前後にどういう、今までどおり、皆さんのお願い、ステイホームということでいいのか。もうステイホームに飽きているわけです、人々は。
 これについて、オリンピックをどうするかということと同時に、どういう感染対策をやるから、これとこれと、説得力のあるのをやるから、もうちょっと国民の皆さん、このことがないと、これは心の問題がありますから、人間は。そのことに私は、政府には全力を集中して、これから、今までもやってきましたけれども、このフェーズに来たら新しいことを追加しないと絶対に無理です。このことにもっと議論を集中すべきだと私は思います。

#144
○山井委員 尾身会長のおっしゃることも分かるんですけれども、私たちは危機管理をせねばならないんです。対策をやりましょう、頑張りましょう、でも、うまくいかなくて、多くの方が亡くなりましたでは済みません。これは取り返しがつきません、国民の命が奪われたら。
 尾身会長にお伺いしたいんですが、例えば、アフリカで今感染が拡大して、ウガンダでは二倍、アフリカ全体でこの一週間で三〇%、アフリカでも感染が、コロナが拡大していると言われております。アフリカから選手団も来る可能性があります。これは、オリンピックでいろんな外国人選手や外国人の関係者が来られて、新たな変異ウイルスがこの日本で発生するリスクというのはあるんじゃないでしょうか。いかがですか。

#145
○尾身参考人 これは、ワクチンもほとんど、打たない人が多くて、検査も全くやらないという人がたくさんいて、そういう人がいろんな人とやれば、ほかの人に感染をさせて、その人がそれぞれの国に帰って感染が広がるということは当然あり得るわけですよね。
 だから、そういうこともあるので、オリンピック関係者の特別枠なんというのはなるべく少なくして、しっかりと水際対策をするということも大事だし、それから、やるのであれば、バブルの中のあれもしっかりやるし、そういうことが本当にできる、それをやるべき、やるのならそういうことをしっかりやって。
 と同時に、これからの国内の対策という意味でいろんなことが一緒にならないと、バブルの中で、プレーブックだけ、そういうことを議論していると、私は、しっかりとしたメッセージにもならない。
 実は、恐らく多くの国民は、やるやらないかということも興味あると思うけれども、これをやるんだったらどういうことで、どういう戦略を持ってやるかという、そのことの明確な、コロナを、このオリンピックも含めて、この時期をどう乗り越えるんだという、具体的な目安と戦略、そういうことをそろそろ、これは単に無観客にするとかということだけに限定するんじゃなくて、これからの大きな、九月ぐらいまでの戦略ですよね。
 人々のどう理解を得るか、これをもう少しやっていただきたいというのが私の専門家としてのお願いで、是非それについて、これからまた提案をするときに、そういうことについても含めて書かせてもらいたいと思っています。

#146
○山井委員 いや、私は、一番国民が不安に思っているのは、やるかやらないかだと思います。
 これは、尾身会長、今度の提言の中に、やはり緊急事態宣言やステージ4ではオリンピックをするのは困難だとか、リスクが、先ほど、医療逼迫して大変だとか、こういうことは書かれるべきじゃないですか。万が一、残念ながらオリンピックによって感染拡大になって、多くの方が亡くなられる、そういうふうな事態になったときに、分科会というのは、そういうことに関しては責任を負われることになるのか、それとも、そもそもオリンピックの開催については関係ないから、分科会というものは責任には関与しないということになるのか。その辺り、いかが思われますか。

#147
○尾身参考人 この分科会というのがどういうところまでできるのかは知りませんけれども、我々専門家の、分科会であろうが、どこかのほかのであろうが、私たちは、国内の感染対策をなるべくしっかりやっていただきたいための助言、もっと簡単に言えば、感染者をなるべく下に置きたい、落としたい、それから医療の負荷を取りたいという意味でアドバイスするのが我々の仕事ですので。
 そういう中で、今回、オリンピックをやれば必ず一定程度の影響が出ますから、やるのであればこういうことをやってくださいと言うのは当然。あと、リスクについては、いろんなリスクがあって、こうこう、一番リスクはこうと言うことは当然。
 それについて、政府は、あるいは組織委員会は、当然合理的な判断をしてくれるというふうに私は期待しています。

#148
○山井委員 緊急事態宣言やステージ4になったらオリンピックをやるのは危険だ、多くの方が亡くなるリスクがある、そういうことは提言すべきではないですか。

#149
○尾身参考人 もちろん、いわゆるステージ4ということで、今の大阪のような状況で、医療が、もう一般医療にも支障が来しているときにオリンピックをやれば、更に負荷がかかるというリスクはあるということは当然申し上げます。これは何も感染症だけじゃなくて、熱中症もありますね。
 そういうことで、例えば、今、開催都市で一番の中心都市の東京が、今も大変ですけれども、ちょっと前の大阪のようになれば、そういう仮定、医療がもう本当に逼迫して、かなりの人が自宅で、テレビを見るどころか、自宅でケアをしなくちゃいけないというところに更にオリンピックをやれば、医療の負荷というか人々の健康に影響するのは当たり前ですよね。そういうことは、我々は、そういうリスクがありますよということは申し上げようと思っています。

#150
○山井委員 尾身会長、これはおっしゃるとおりだと思います。そのことは是非言っていただきたいですが、提言して、これは分科会としての正式な提言になるのか、それとも尾身会長や有志の方の提言になるのか、どちらの提言の形になるんですか。
 私は、もちろん公式な、正式なものとしてやっていただいた方が効果はあると思いますが。

#151
○尾身参考人 それについてはこの前申し上げましたけれども、今のところ、分科会に対して正式な要請はないわけですよね。そういう中で、いろんなオプションがあるということで、今、これは非常に重要な時期に来ていますので、私も、専門家の人と相談をして、どういう方法がいいのか、何らかの形での我々の考えを表明する必要が、これはプロとしての責任だと思いますので、それはどういう形がいいのか。
 それで、受ける側の方の立場もありますよね。あなたと話したくないということになるかも、いや、あなたの意見なら受けても、少なくとも聞くことはできる、それは相手側とも話をしなくちゃいけないので、そういう意味で、社会的にも一番、こういう状況の中で最も合理的な方法は何かということは検討している最中です。

#152
○山井委員 田村大臣、もうお帰りください。参議院があると思います。これで午前中は終わらせていただきます。
 尾身会長、本当に期待しております。
 繰り返し言いますが、オリンピックで多くの方が亡くなったということでは、これは済みません。史上最悪のオリンピックになったなんということになったら、これは大変なことになりますから、そういう意味では、尾身会長には期待をしておりますので、是非ともお願いしたいと思いますし、午後は、もう尾身会長は結構ですので、本当にありがとうございました。
 午後は田村大臣に質問させていただきます。ありがとうございました。

#153
○とかしき委員長 午後一時十分から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午前十一時四十九分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時十分開議

#154
○とかしき委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。山井和則君。

#155
○山井委員 それでは、残された時間、引き続きコロナについて質問をしたいと思います。
 今日の配付資料十九ページを見ていただけますでしょうか。
 これは食品新聞の記事でありますが、「お茶がコロナを迅速・効果的に不活化 京都府立医大の教授が指摘」、「お茶がコロナの感染力を低下 試験管内の唾液で確認、活用に期待」という記事であります。
 田村大臣の御地元も伊勢茶、私の地元も宇治茶ですし、あるいは鹿児島、そして、愛知、埼玉、静岡、日本中お茶が生産をされておりまして、お茶は百薬の長、また、新茶を飲めば一年間無病息災に過ごせるということも言われております。
 その中で、こういう興味深い研究結果が、今年四月十五日、緑茶と健康シンポジウムというのが行われまして、この記事を読み上げますと、お茶に含まれるカテキンが新型コロナウイルスを迅速かつ効果的に不活化する作用があると京都府立医科大学の松田修教授が十五日発表した、これは試験管試験での推察による発表に基づくものであり、松田教授は現在臨床試験も進めており、今後、臨床試験を経た論文も発表される見通しと。松田教授は、論文査読中であるが、茶葉に含まれているカテキンが新型コロナを抑制するということが分かったと述べておられるということであります。
 このような研究結果が今シンポジウムで発表された、このことについて、まず田村大臣の御見解をお伺いしたいと思います。

#156
○田村国務大臣 委員の御指摘の研究ということでございまして、松田先生でございますが、試験管内の試験で、緑茶、ウーロン茶、紅茶等のお茶類、カテキン、こういうものがコロナウイルスを不活化させた、そういう結果が、これはまだ査読前ではあるようでありますけれども公表されたということは承知をいたしております。
 私の地元もお茶の産地でございますので、こういう研究が更に進んで、更にエビデンスが出てくると、非常に国民も、ふだんから日本人はお茶は飲まれておりますので、いろんな形で期待ができるのではないかというふうに思っております。

#157
○山井委員 それで、これについては、この二ページ前を遡りますと、十六ページになりますが、結局、緑茶で十秒間処理すると、新型コロナウイルスの感染力が百分の一、検出感度以下に低下する、十六ページ。それで、感染力の低下は、カテキン等が細胞に働くのではなく、新型コロナウイルス粒子のスパイクたんぱくに作用したことによる。試験管内で正常人の唾液中に新型コロナウイルスを加え、緑茶で処理しても、同様の効果が得られると。
 これについて、松田教授は、ここに書いてありますように、カテキン類は予防や治療への効果は十分ではないと考えられるが、多くの人が他人と接する前にお茶を飲用すれば、お互いにうつし合うことが阻止され、公衆衛生的に感染拡大を減らし、弱めることが期待できるということをおっしゃっておられます。
 また、この十九ページの食品新聞に戻りますと、お茶の飲用の可能性については、もし多くの人が飲めば、ヒト集団全体としての感染拡大が抑制される可能性もある、公衆衛生的な考え方になると。さらに、松田教授は、ヒト試験の結果はこれからだが、感染者がお茶を飲むと唾液中のウイルスが低下する可能性がある、多くの人がお茶を飲むことで感染拡大を抑制するという効果が見込める、つまり、予防や治療といった、自分のためではなく、周囲の人に、お茶を飲むことが非常に有効ではないかと推察していると説明されたと。
 この下にも書いてありますように、実際、これは軽度感染者に今臨床試験も行われているということであります。
 このような公衆衛生的な使われ方として今後期待できるのではないかということに関して、田村大臣、いかがでしょうか。

#158
○田村国務大臣 今、委員がお話しされた内容、それから松田先生がおっしゃられていること、こういうこと、もちろん、これからエビデンスをしっかりと確立いただかなきゃならないんですが、総合すると多分こういうことなのかなというふうに私としては理解させていただきました。
 つまり、新型コロナウイルス感染症というのは、例えば口の中のウイルス、こういうものが、しゃべったりなんかして飛沫が飛んで人にうつす場合が多いわけですね。しかも、その場合は、無症状者、軽症者、つまり、重い方はもう自分自身よく分かっているわけですね、コロナにかかっているかも分からないと。なかなか自分自身そうは分かっていないけれども人にうつすおそれのある方、そういう方々が、このお茶、お茶というのは元々殺菌作用があると言われていますけれども、お茶を口に含む、飲むことによって、口内の新型コロナウイルス、これを不活化させる可能性がある。
 もしそうであるならば、仮に、お茶を飲みながら近くで人と、マスクしてしゃべるんでしょうけれども、しゃべったとしても、口内のウイルスを不活化させていますから、漏れる飛沫で人にうつす可能性が減る、リスクが減るということをおっしゃっておられるのかなというふうに思います。
 もしそうであるならば、本当に期待できる話でございますので、更なる研究の成果をお待ちをいたしたいというふうに思っております。

#159
○山井委員 田村大臣おっしゃるように、普通、茶飲み話と言いますように、私たちはお茶を飲みながら自然にお話ししているわけですけれども、そのとき自然と口の中にお茶が残れば、もし無症状であっても、今のお話にありますように、コロナウイルスが不活化されるわけですから、感染させにくくなるということです。
 また、今日の配付資料の十六ページにもありますように、松田教授はこうおっしゃっているんですね。十六ページの下から七行目。カテキン類は予防や治療への効果は十分ではないと考えられるが、多くの人が他人と接する前にお茶を飲用すれば、お互いにうつし合うことが阻止され、公衆衛生的に感染拡大を減らし、弱めることができると期待できると。
 今、田村大臣がおっしゃったように、お茶を飲みながら話しても感染拡大防止効果があるとともに、そのときお茶を飲まなくても、エチケットとして人と会う前にこういうふうなお茶を飲めば感染拡大防止効果があるのではないかということですが、田村大臣、いかがですか。

#160
○田村国務大臣 先ほど私が申し上げた話だと思います。是非ともこういう研究はお進めをいただいて、本当にエビデンスが出てくれば、いろんなものを厚生労働省のホームページや何やかに載せさせていただいておりますので、是非ともエビデンスを早く確立いただきたいなと期待をさせていただきたいというふうに思います。

#161
○山井委員 最後になりますが、今おっしゃってくださいましたように、十九ページにありますように、「新型コロナウイルスの消毒・除菌方法について」ということで、厚生労働省のホームページについても、ウイルスを減らす感染症予防の方法とか、手や指のウイルス対策というふうなことが書かれておりますが、もし今後、臨床試験が進んでよい結果が出た暁には、緑茶によるカテキンの公衆衛生的な感染拡大防止効果を、厚生労働省としてもこういうホームページに紹介するなどして紹介をしていただけませんでしょうか。

#162
○とかしき委員長 田村厚生労働大臣、申合せの時間が来ておりますので、簡潔にお願いします。

#163
○田村国務大臣 私も個人的に、お茶の産地でございますので、期待をさせていただいて、お待ちをいたしたいというふうに思います。

#164
○山井委員 終わらせていただきます。ありがとうございます。

#165
○とかしき委員長 次に、山川百合子さん。

#166
○山川委員 山川百合子でございます。よろしくお願いいたします。
 まず、職域接種のことなんですが、午前中に御質問もございましたが、西村委員の御質問に対して、国がその費用は負担するんでしょうかということに対しては、そうだということでお答えもあったというふうに思います。そこの点を私からも確認させていただきたいんですけれども。
 報道などで、基本的には全額負担だということで、基本的には全額負担というのは、全て、例えば、医師、看護師等だけではなくて、医療スタッフ、いろいろ準備をする人とか、あるいは会場整理をする方とか、そういう全てのスタッフ、それに関わる方々、それから、会場を借りるとか、資材、器材等が必要な場合とか、そういったもの全て国が負担するということでよろしいんでしょうか、確認させてください。

#167
○田村国務大臣 今般のこの職域の接種に関しましては、まず第一に、各地域でやっている接種、こういうものに対していろんな形で影響を与えないようにやっていただきたいということをお願いいたしております。
 そういう意味で、自前でいろんな対応が準備できる、そういうような皆様方ということで、多分、河野大臣が一番初めに千人以上の規模の企業からお願いしますとおっしゃったのは、そういうことができる規模という意味でおっしゃったんだというふうに思いますが、そういうところに自発的にお願いしたいということで、医師も基本的には自らお探しをいただきたいということなんです。
 そういう意味からいたしますと、全額と今言われましたけれども、基本的に、今原則として我々として国費で対応させていただきたいと言っておりますのは、これは、一回二千七十円という、以前から申し上げておりますけれども、この部分をしっかりとまずは原則国費で対応させていただきたいということを申し上げております。

#168
○山川委員 そうしますと、つまり、例えば、会場費には費用がかからないとか、かかったとしてもその二千七十円の範囲の中でということとか、あるいは、医師を、産業医などは元々ペイも発生しているんでしょうけれども、新たな人、会場整理とかいろんなことで人手が必要だというところも、それも含めて二千七十円の中でということを今おっしゃられたということですよね、そうしますと。

#169
○田村国務大臣 基本は、地方で対応していただく場合でも一回二千七十円なんですけれども、例えば、大規模会場を借りられたりだとか、連絡等々を取るのにスタッフが必要だとか、いろんな対応が、自治体で大規模接種をやるとき、大規模といいますか、大きなところで集団的な接種をやる場合にはお金がかかるということで、そういうものは見させていただこうということを、もう一方の方の助成金の方でやろうという話でありますが、今回の場合は、基本的に、職域接種に関しては、ある程度企業の自発性を持ってやっていただきたい、職域の自発性を持ってやっていただきたいということでございますから、原則これは二千七十円の中で今委員が言われたような部分も対応いただきたいということで、お願いをいたしておるわけであります。

#170
○山川委員 制度の設計がこれからだというところよりも前にマスコミ報道されて、市民、国民はマスコミ報道でいろんなことを知るわけでありまして、私たちも大体それが先行するんですが、そうしますと、その報道を見て、私のところにも問合せがありました。
 私の地元には、学園の本部機能を置く独協大学がございます、非常に広いキャンパスですけれども。地元の商工会議所と中小企業が連携してやるのもオーケーというか、そのことも想定しているという話がありましたけれども、地元の企業と、それから商工会議所と、そして大学等がコラボして、大学には場所がありますし、企業の方々は是非早く打ちたいという思いもありますし、そこに商工会議所がもしコラボして、では、二者でもなくて三者でやろうということ、そういう話が出ているというのではなくて、そういう場合も可能なのかという問合せなわけであります。
 まず、それが可能か、伺いたいと思います。

#171
○田村国務大臣 まず、接種をどこが受託をするか、つまり、市町村が実施主体ですけれども委託するわけですね。受託するところが、例えば、今の話だと大学に、独協大学は医学部があったかどうかちょっと私は分からないんですけれども、仮に医学部がある、そうすると院生がおられる、医師資格を持っておられる、そういう方々が時間を見て打てる、仮にそうしましょう。すると、その病院が実施主体になって実施をいただく、受託をいただく、そこに、今言われたような企業でありますとか、それからほかにも、地域の方々もおられるかも分かりません、商工会議所の方々が来られて接種をする。
 そのときに、例えば接種した記録、これを、要するに、接種券が来たときには、その方が、その接種券の番号でVRSに入れなきゃいけませんので、記録を残しておかなきゃいけませんよね。その記録を誰が管理するのかというのをそれぞれ決めておいていただくだとかというような、いろんな細かいことがございますので、そこを誰がやるかということも、ちゃんとルールを決めておいていただきながらやっていただくという部分からすれば、そういうやり方も一つのやり方として可能であるというふうに認識いたしております。

#172
○山川委員 独協大学は病院も持っていますので。
 そうすると、その対象、今のお話の中に少し含まれていましたが、主体がどこかというのはありますが、共同で、合同で開催したときに、どこまでその接種の対象の範囲を拡大できるのかというところなんですけれども。
 報道等によれば、あるいは自治体に対する通知の中でも書かれていますけれども、会社であれば社員さん、その家族などにも広げてもいいというようなことも言われているんですけれども、大学であれば学生でも教職員でもということになりますが、地域がそうやって合同で一緒にやる場合に、その対象を、例えば近隣の小中学校の教職員とか、あるいはもうちょっと広げて周辺の住民とか、学園都市ですから、町の中に、中心にありますので、そういうところまで広げる、それはキャパがどうかという問題はありますが、それを請け負う三者なり四者、二者かもしれませんが、が決めていいということになりますでしょうか。そこの確認をお願いします。

#173
○田村国務大臣 おっしゃられるとおり、どの範囲の方を接種対象にするかは、そこで、受託をいただいたところでお考えをいただくことになりますが、ただ、住民の方、これは要するに個人情報を預かっていただかざるを得なくなります。誰に打ったかが分からないと、それのちゃんとした記録がないと、これはお金、二千七十円も行かなくなっちゃいますので。
 やはり、しっかりと収入を確保するという部分と、後から、接種券が来た後にVRSに入れませんと御本人自身の記録が残らないという話になりますので、そこをちゃんと管理できるかどうかというのが非常に難しい話になると思いますが、本当に、昔から町中で近所づき合いをしていて、もうみんなの顔が分かっているというようなことであるならば、そういうことも十分に可能になってこようかというふうに思います。

#174
○山川委員 分かりました。ありがとうございます。
 やはり、報道が先行すると、では、できるだけ早く社員に打たせたい、打ってもらいたいとか、そういう声がどんどん上がってきます。ですので、余り混乱しないような情報の発信の仕方をお願いしたいというふうに思います。
 続いて、今日は、不妊治療の保険適用が来年からスタートするということで、私、この課題には取り組ませていただいていて、何度も田村大臣にも御答弁いただいてまいりました。
 今、私たちの立憲民主党では、不妊治療等のワーキングチームもつくりまして、岡本あき子座長の下、私は事務局長を務めさせていただいて、また近々、提言なども出させていただこうと思っております。
 これまでも保険適用をということで求めてまいりましたわけですから、繰り返しになりますが、保険適用そのものは非常に歓迎をいたしております。
 ただ、もう来年からスタートするということもありますし、国会も残すところ僅かとなりましたし、また、生殖医学会の方でガイドラインを作っていただいて、それが夏に公表されるということもあって、国会閉会中にいろんなことがどんどん進んでいくんだろうということもございますので、改めてここで大事な点と思う点を確認させていただきたいというふうに思います。
 まず、保険適用とするというふうに政府は決めたわけでありますが、僅か一年ほど前、私たちがまだ提言を出していたときは、保険適用はしないという政府の姿勢だったわけですね。保険適用を求めてきましたけれども、いや、それはしないんですと。
 これまでも、もちろん私たちだけじゃなくて、いろんな方が、与野党問わず、この保険適用というのを求めてきたんだけれども、時には、大分前になりますが、時の厚生労働大臣も積極的な発言はされていたけれども、それでもなお保険適用はしないと。その説明に、保険適用というのは疾病に対する治療、不妊治療というのは疾病に対する治療ではないので保険適用とはならないというふうに説明を受けていたように思うんですね。
 それが一転しているということは、疾病に対する治療ではないということの、そこの考え方が変わったのか、保険適用は歓迎しますが、その考え方の転換について、どこに根拠を置いているのかということについてお伺いしておきたいと思います。

#175
○浜谷政府参考人 お答えいたします。
 御指摘のとおり、不妊治療に対する保険適用につきまして、これが疾病に対する治療と位置づけられるかどうかというところが課題とされてまいりました。
 それで、この点、昨年、改めて社会保障審議会の医療保険部会において議論いたしました。その中で、国際的にも不妊症自体が疾患として定義されている、また、時代とともに医療保険の適用範囲も徐々にいろいろ変わってきております、そういう意味では疾病と治療の範囲も時代の変遷とともに変わり得るんじゃないか、こういった議論をいただきまして、社会保障審議会の医療保険部会で保険適用について前向きな意見をいただいたところでございます。
 こういった審議会の意見等も踏まえまして、今般、疾病と位置づけ、保険適用を検討しているということでございます。

#176
○山川委員 それでは、今の御説明ですと、これまでは不妊症は疾病ではないという立場だったけれども、これからは、不妊症は疾病であるというふうな立場というか、政府のスタンスということでよろしいんでしょうか。

#177
○浜谷政府参考人 お答えいたします。
 基本的には御指摘のとおりですが、これまでも疾病じゃないと言い切っていたわけではなくて、疾病かどうかというところに課題があるということで整理ができなかった、そこについて今般整理をしたということでございます。

#178
○山川委員 ありがとうございます。
 では、続いて、ちょっと順不同でお聞きしたいんですけれども、保険適用に向かっていくわけですが、適用対象を年齢制限を設けることについて政府としてどのようにお考えなのかということを伺っておきたいと思います。
 基本的には、今の助成制度の範囲は、保険適用の範囲から縮小することはないというふうに私は理解しているんですけれども、現在の助成制度で、助成の対象年齢は四十三歳未満というふうになっています。確かに、年齢とともに卵子が、年齢が上がれば卵子の質が低下していくということは、NHKが取り上げてから随分知られるようにはなっていますし、実際、データを見てもそうだということでありますし、私自身の経験からも非常に、この現実は私自身も突きつけられました。
 一定の年齢制限はこの助成制度においてはやむを得ないのかなというふうに私自身は思っているんですけれども、この助成制度で四十三歳未満としているその根拠というか、もちろん、三十五歳を過ぎると出産率もすごく少なく、がくんと減るというそのデータはもちろんよく知っていますが、なぜこれが四十三歳未満というところにしたのかということをちょっと確認をさせていただきたい。これがなぜ四十三歳じゃないのか、四十一歳じゃないのか、四十三歳未満で四十二歳までなのか、ちょっと確認しておきたいと思います。

#179
○渡辺政府参考人 御指摘の年齢問題につきましては、過去、この助成制度を何回か拡大するときに、有識者会議でも今御指摘のありました様々なデータも含めて御検討いただいた中で、有識者の見解も踏まえて、今、四十三となっているところでございます。

#180
○山川委員 では、保険適用にするときに、保険で年齢制限を設けるかどうかはもちろんこれから検討されるんでしょうけれども、もし年齢制限を設けるとするならば、保険において、治療行為に保険が適用されるされないを年齢で区切るということは、そもそもあるのかどうかということを伺っておきたいと思います。

#181
○浜谷政府参考人 お答えいたします。
 診療報酬制度におきましては、現在でも、有効性、安全性等の観点から、例えば、手術の算定要件として一定年齢以上又は未満にするなど、年齢に係る要件が設けられるものもございますので、診療報酬制度におきましては年齢制限を設けることも可能というか、そういうこともございます。

#182
○山川委員 昨日の打合せというかヒアリングの中で、具体的にどういう例が制限を設けられているものにございますかということもお伺いしたんですが、ちょっとイメージが湧くように、お願いしたいと思います。

#183
○浜谷政府参考人 お答えいたします。
 例えば、気管支熱形成術につきましては、十八歳以上の重症のぜんそく患者に対しまして気管支サーモプラスティを実施した場合に所定点数を算定する、それから、胸腔鏡下動脈管開存症手術につきましては十六歳未満の患者に実施するなど、そういった例がございます。

#184
○山川委員 そうしますと、その制限する根拠というか、治療、医療の安全性それから有効性、それが判断の根拠ということでよろしいんでしょうか。

#185
○浜谷政府参考人 お答えいたします。
 年齢制限を設ける観点ですけれども、御指摘のとおり、有効性、安全性の観点ということでございます。

#186
○山川委員 分かりました。
 一定の制限は、やはり私としてはやむを得ないのかなというふうには思うんですが、それを幾つにするかというのは非常に微妙なことだなというふうには思っています。
 それから、続きまして、今度は、不妊治療における事実婚のカップルについてなんですね。この助成制度、それまでは法律婚が対象でしたけれども、今年から助成の対象として事実婚も対象になりました、拡大されました。
 事実婚であるということを証明する、これは私の理解では、国がやる前に東京都は独自に事実婚もその対象として認めていて、東京都の方で、事実婚であることを証明するために提出する書類があります。それを資料としてつけさせていただいておりますけれども、これは東京都の例であります。
 まず、助成制度における話ですが、事実婚であるということの証明は、今回の助成の対象の拡大において国としてはどういったものを求めているでしょうか。

#187
○渡辺政府参考人 今般の助成制度の拡大につきましては、今御指摘のありました地方自治体の例ですとか、あと、これまで、年金等、他の社会保険制度での運用なども参考にいたしまして、一つは、例えば住民票などで、一緒に住んでいるとかそういうことが分かるということと、あと、助成制度につきましては、不妊治療で生まれたお子さんをやはりしっかり育てていくということで、そこをしっかりと、誓約書といいますか、そういったものを出していただくということで通知をしているところでございます。

#188
○山川委員 ただ、昨日ちょっと確認したところ、これはあくまで自治体が行うものであって、どういうものを求めるかは自治体の判断に委ねられているというふうに理解をしています。
 東京都の場合は、ここに書いてあるように、事実婚の場合には、一から三を全て満たす方ということで、一回の治療の初日から申請日まで同一世帯である証明ができること、例としては、住民票のところに、夫は未届け、妻は未届け等の記載があるということですね。二つ目として、一回の治療の初日から申請日までほかに法律上の配偶者がいないこと。そして三番目として、申請日現在、東京都に住所を有していることというふうになっています。それからもう一つは、同一世帯でない場合においては、二点を記載した申立て書を提出する、申立て書の申告が必要と。一つ目は、二人が事実婚関係にあること、そして二つ目として、治療の結果出生した子について認知を行う意向があることを出さなければいけないということであります。
 私、東京都のやつはもう一つつけてはいなかったのかな、済みません、申立て書の記載例ということで、これを必ず記載してくださいということで、治療の結果出生した子については認知を行いますということを書くようにということがありますが、しかし、これを出したからといって法律上の認知にはならないということが注意書きとしても書かれています。すなわち、申立て書においては認知をすると言っているけれども、実際生まれたら認知をしないかもしれないということは残っているわけであります。
 そこで伺いたいのは、保険適用になった場合に、保険というものは法律婚だろうと事実婚だろうとそれは対象になるんじゃないかと思うんですが、ここの子供の養育の義務ということについて、私は、不妊治療を、保険でその治療を受けて子を持ったならば、養育の義務というものはやはり課せられるべきだというふうに思うんですね。
 この辺は政府としてどう考えているのかお伺いしたい。大臣のお考えは、その前に参考人の方から御説明ください。

#189
○浜谷政府参考人 不妊治療の保険適用に当たりましては、不妊症と診断された患者さんに対しまして有効かつ安全な治療であれば、保険適用の対象とするということが基本であります。
 現行の診療報酬制度におきましては、患者に対する婚姻要件に係る算定要件を設けているものはないわけでございまして、そういった現行の制度なども踏まえながら、今後、具体的な制度設計について検討してまいりたいと考えております。

#190
○田村国務大臣 事実確認をどうするかというのは、余り詳しくとなると、多分、事務的に対応がかなり難しくなってくるんだと思います。今それぞれの助成制度で、今委員がおっしゃられたとおり、法的には有効ではないけれどもそういうものを出していただくというのは、そういう中でぎりぎり対応できるものというものをされておられるんだというふうに思いますが。
 ただ、委員が今おっしゃられた、当然、そういう形で出産されるお子様に対して、そのお子さんを養育をしていただくのは当たり前の話でございますから、それは前提として、やはり、保険適用にしても何にしても不妊治療に臨んでいただかなければそれは困るというのが基本的な考え方であることは間違いないというふうに思っております。

#191
○山川委員 そうしますと、これからガイドラインが出て、その適用の範囲等も議論されていくんだと思いますが、このことについてもやはり同様に議論をしていっていただきたいし、やはりきちっと、別に不妊治療に限ったことではないですが、事実婚であれば自然妊娠ということももちろん十分あるわけですが、改めてここで、不妊治療という、人の手を介して、医療技術を介して、子供をそこまでして持つのであるから、しっかりと扶養義務を負うような形にしていただきたいなというふうに思っています。
 続いて、男性不妊についてお伺いをしておきたいと思います。
 不妊の原因は半分は男性であるということは、WHOが発表してから関係者の間では当たり前に知られていることかもしれませんが、社会的に果たしてどこまで本当にそういう認識があるかというのは、まだまだちょっと疑わしいところがあろうかと思います。当事者、カップルでも、男性の方がその認識がなかなか難しくて、女性が治療しながら年齢を重ねてしまうということも度々指摘もされていますし、そういう現実は非常に多々あるというふうに思います。
 もちろん、今回の保険適用に当たって、男性不妊についても調査をされ、そして整理をされ、ガイドラインにも示されるものと思うんですけれども、いろいろとこの間、私も、男性不妊の専門の先生からお話などを伺う機会もいただいたりして。
 やはり、どの先生もおっしゃるのは、男性不妊の検査とそして治療ができる医師が余りにも少ない、余りにも少ないのに、片側で、不妊治療がやられている現実があると。そうすると、本来、泌尿器科の手術が不妊治療の手術として、泌尿器科の先生ではなくて産婦人科医がその手術を行うことで、不妊治療が成功しないばかりでなく、手術を受けた患者さんに非常に大きな問題を、手術が失敗するというんでしょうか、それから、その後、体にも非常に負荷をかけるような事態も起こっていると。片側で、泌尿器科の先生であっても、必ずしも不妊治療の医療技術の研修とかということをやっているわけではないと。
 現状として、男性不妊を診られる先生が余りにも少な過ぎる、これが大問題だということが、あちこちで異口同音に指摘をされています。
 保険適用して、より安全で有効な、一定の標準以上の治療を確保しようとされるわけでありますけれども、この男性不妊を扱えるお医者さんがこれだけ少ないという現状に対して、政府としてはどういう取組をしていくのか、大臣から御見解なり伺えればと思います。

#192
○渡辺政府参考人 まず、私から、事実関係を中心に御答弁させていただきます。
 御指摘のありました男性不妊、今、主に、御指摘がありました泌尿器科でやっているわけですが、直近、令和三年の四月一日では、男性不妊を専門としている泌尿器科数は七十二名ということで、御指摘のように、需給とのバランスですので、これ自体を絶対数として少ないと見るかどうかというのはありますが、しかし、やはり不妊の原因の約半分は男性不妊ということもありますので、こういった点への支援を拡充していくということは非常に重要だと思っております。
 そのため、今般の助成制度の拡充に当たりましては、額の引上げ等も行いましたが、これについては男性不妊治療も一回三十万円まで助成するとしておりますし、また、不妊症自体についての理解を深めるための普及啓発事業の中で、男性不妊についても普及啓発をしていくということとしております。
 そして、医師の技術等々につきましては、御指摘のありました点、関係学会とか関係医会とも、また引き続きいろいろと意見交換をして、連携をしていきたいというふうに考えております。

#193
○田村国務大臣 今局長から答弁ありましたけれども、要は、委員もおっしゃられましたけれども、男性がやはり不妊の原因である、約半数、そういう半数ぐらいは男性の不妊の原因もあるということ自体が、関係者はよく御理解いただいているんでしょうけれども、一般的に、やはりまだ十分にそれが周知されていない。
 つまり、何を言いたいかというと、それだけの治療ニーズがないと医師の方もやはり育成されてこないわけでありまして、やれる方が少ないから対応が少ないのか、そもそもニーズ自体に問題があって、それに対して治療しようという医師が養成されてこられないのか、それは両方が、因果関係があるんだというふうに思います。
 いずれにいたしましても、周知をしていくことによって、やはり、不妊の原因というものがどこにあって、どのような形で不妊治療をしていくかということを皆さんが理解する中で、それも助成の対象でありますよ、男性もちゃんと助成が今の制度の中でありますよということを、しっかりと我々としては国民の皆様方に御理解をいただくということが重要であるというふうに思います。

#194
○山川委員 今の御答弁はちょっと気になるんですけれども。
 関係者にはよく知られている、五割は男性側に原因がある、でも、一般的には知られていないから、男性不妊の治療のニーズが余りないのかもしれない、そっちが先なのかもしれないというふうにおっしゃられたと思うんですが、それはむしろ、不妊治療というのは、男女、夫婦、カップル、相手がいなければできないことであって、女性が不妊治療をしているときに、もしかしたら原因が男性にあるかもしれないというところの発見が医療側でできない、当事者というよりも、医療側が、クリニック側がそこまで発見できないという問題が根底にあるんじゃないかと思いますが、そこはどうでしょうか。

#195
○田村国務大臣 申し上げたのは、要するに、卵が先か鶏が先かという言い方がいいのかどうか分かりませんけれども、本来、ニーズが増えてくれば、不妊治療を目指す医師も増えてくるわけであります。
 しかし、そこがなければ、今委員が言われたみたいに、要は、男性の方にも原因があるということはなかなか分からないということで、これはどちらが先か分かりませんが、周知することによって、そういう男性の不妊治療を目指す医師等も養成をしていかなきゃなりませんし、助成制度もちゃんと男性に対しても対応できるんだよということをしていきませんと、委員が先ほど申されたように、男性の不妊治療をされる医師の数というものが、増えてはいますけれども、徐々に増えてきておりますが、しかし、一定の数しかおられないというところは、どちらの側面もあって影響しているという意味から申し上げたということであります。

#196
○山川委員 保険適用に当たっては、より安全で有効な治療が期待されるわけでありますから、やはり、それを担う、担い手である専門医の育成、養成には是非政府としても力を入れていただきたいというふうに思います。
 それから、続きまして、カウンセリングの重要性についてであります。ちょっともう時間が限られているようですので。
 カウンセリングの重要性というものは、資料でもお配りをしましたが、これは厚労省が二〇一三年だったかな、いろいろ検討されている会議の中で出された資料の一部を切り取ってきています。済みません、ちょっと出典のところが随分いいかげんに書かれているようで、大変失礼いたしました。
 不妊治療におけるカウンセリングの重要性というのは政府も認識はされていると思うんですが、ちょっとはしょりまして、保険適用に当たって、カウンセリングの部分、いろんなカウンセリングがあります、本当に、カウンセリングといっても。いろんな要因がありますね、経済的にどうしようとか、どういう治療がいいんだろうとか、いつまで続けるんだろうとか、あるいは、自分が産んだ子が唯一の選択肢なんだろうかとかと、本当にいろんな不安を抱えながら、悩みながら不妊治療を行うわけですが、その過程で、カウンセリングというのはすごく重要なんですね。治療と同じだけ重要だというふうに思います。
 そのカウンセリングの重要性についての認識と、保険適用の検討に当たって、カウンセリングも保険の範囲、対象にしてほしいというふうに思っているんですが、それについての御見解を伺っておきたいと思います。

#197
○浜谷政府参考人 お答えいたします。
 不妊治療につきましては、精神的負担も大きい中で、心理的カウンセリングなど、相談支援体制の構築が重要と考えております。
 不妊治療におけるカウンセリングにつきましては、令和三年度予算では、不妊症・不育症支援ネットワーク事業におきまして、不妊症、不育症の心理的社会支援に係るカウンセラーを配置し、相談支援を実施しております。
 今回の不妊治療の保険適用に当たりましては、御指摘のカウンセリングにつきましても、今後、関係学会による策定が予定されておりますガイドラインも踏まえながら、有効性、安全性等を確認しながら、カウンセリング自体の保険適用の在り方についても検討してまいりたいと考えております。

#198
○山川委員 是非よろしくお願いいたします。
 そして、保険適用の範囲で入らないような部分は、助成ということについても検討いただければなというふうに思います。
 そして、最後、これは大事な点なんですが、公費助成の指定要件となった医療機関の情報開示状況について伺っておきたいと思います。
 今年から、助成の拡大と同時に、医療機関の治療件数とか費用、専門医や胚培養士、カウンセラーの配置人数など、情報開示を医療機関に義務づけ、公費助成の条件とされました。医療機関は都道府県に報告し、都道府県はまとめてそれを公表するということになっていると思うんですね。今年の四月ぐらいには公表することになっているんだと思います。
 しかし、ちょっと私も自分なりにいろいろ見てみましたけれども、余り公表しているところがないんじゃないかというふうな気がするんですね。
 ですので、把握していればですが、現在までのところ公表しているのは幾つの県か、そして、公表していなくても都道府県はちゃんと把握しているのか、情報開示が義務化され、公費助成を受けるためには公表が義務づけられているわけですが、これが遅れているのには何か理由があるのか、この三点を併せて伺いたいと思います。

#199
○渡辺政府参考人 御指摘の情報開示につきましては、現行でも、例えばどういった指定医療機関があるか、そこで、先ほどお話のありましたような、例えば男性不妊を扱っているのかとか、そういった基礎情報については、基本、全都道府県で開示をしておりますが、今回新たに要領を改定して、治療内容等、あるいは、そういったものについて開示をつけ加えたものについては、ちょっとまだ一部で間に合っていないところはあるかと思います。
 ちょっと具体的な数字は今手元にございませんが、できるだけ早急にそういったことが情報開示されるように、また改めて各自治体にも話をしていきたいというふうに思っております。
 遅れている理由としましては、具体的な治療内容、要領の中ではかなり、こういうものを開示するようにということで、具体的な定型版といいますか、そういったフォーマットみたいなものもお示しはしておりますけれども、恐らく、ずっと自由診療でやってきた中で、こういったものの開示をするということについての整理がまだできていないというところもあろうかと思いますので、この点についてはできるだけ早急に開示されるようにしていきたいというふうに考えております。

#200
○山川委員 情報開示の義務化、任意とそれから義務がありますので、是非、このことは患者さんにとって、当事者にとって非常に重要な情報であります、そこで全てが分かるわけではないですが、一定の比較はできると思いますので、せっかく始めたことですので、早急に公表されるように、国から県等への働きかけをよろしくお願いいたします。
 それで、若年者に対して様々な、不妊とは何かといったことを含めて、自分自身の体について知る機会をもっとということはこれまでも求めてきたんですが、最後に一つ伺いたいのは、中島先生がよく取り上げていらっしゃる、かかりつけ医の制度化、日本でも制度化はすごく大事だなと私も思っているんですが、婦人科のかかりつけ医というのも日本で導入したらいいんじゃないかな、そうすることによって、非常に身近に自分の体を知る機会が若い頃から得られるんじゃないかなと思いますが、田村大臣の御見解を伺っておきたいと思います。

#201
○田村国務大臣 ふだんから、婦人科、場合によっては本当は子供のときからなんでしょうけれども、継続的に見ていただくお医者様がいるということは非常に重要だというふうに思いますので。
 制度としてそういうものが今あるわけではありませんし、そもそも、かかりつけ医という定義、法律上の定義もないわけでありますけれども、そういうような形で自分の体を一生にわたって管理いただく、管理というのは健康を管理いただく、そういう医師がおられるということは私は個人的にすばらしいことというふうに思います。

#202
○山川委員 ありがとうございます。
 女性が、特に高校生とかすごく若い子が産婦人科に出入りするということは非常にハードルが高いものでありますから、やはり、当たり前のように、普通にクリニックに行くように、産婦人科、婦人科等に出入りできるような、そういう日本の社会にしていきたいと思います。
 よろしくお願いいたします。

#203
○とかしき委員長 次に、尾辻かな子さん。

#204
○尾辻委員 立憲民主党の尾辻かな子です。
 四十五分間、一般質問の機会を頂戴しました。ありがとうございます。
 それでは、早速質問に入っていきたいと思いますが、まずは、変異株の呼称の問題についてお伺いをしていきたいと思います。
 WHOの方ですね、変異株について、発見をした国の名前で、今まででしたら、例えばイギリスの由来のものはイギリス変異株とか、今もインド変異株というふうに言っておりましたけれども、やはり地名でもって、そういう変異株の呼称は差別的というか、様々なその国に対するあれになりますので、新しい呼称にしましょう、それで、ギリシャ語のアルファベットをWHOでは使うということになりました。
 これを受けて厚労省としてはどのようにされるのか、お聞かせください。

#205
○正林政府参考人 お答えします。
 先日、五月三十一日、WHOから、変異株の名称について、変異株を最初に検出した国、地域へのスティグマや差別などを防ぐために、ギリシャ語のアルファベットに基づいた名称を割り当てること、加盟国等に対してできるだけ早く新しい名称を採用するよう要請することなどが発表されました。
 WHOの見解を受けて、厚生労働省において変異株の呼称について検討し、今後は、例えば、英国で最初に検出された変異株B1・1・7をアルファ株、インドで最初に検出された変異株B1・617をデルタ株などの呼称を用いることとし、順次新しい呼称に切り替えていくこととして、早速、六月二日のアドバイザリーボードの資料において呼称を切り替えており、引き続き、適切に対応してまいりたいと考えております。

#206
○尾辻委員 正林局長、そうなると、私たちの質疑の中でも、厚労省からのお答えというのは、もうデルタ株とかアルファ株という言い方で御答弁をいただけるということでよろしいですか。

#207
○正林政府参考人 そのようにしたいと思います。
 早速、昨日、参議院ですけれども、私はそのように。ただ、いきなりアルファだ何だと言ってもちょっとぴんとこないので、かつてイギリス株と呼ばれていた何々はアルファだとか、そんな言い方をしています。

#208
○尾辻委員 大臣が記者会見とかをされるときも、是非、もう地名ではなくてアルファ株だとかデルタ株というふうにおっしゃっていただけましたら、報道されるときもそれで報道していきますので、厚労省さん、こういった報道に関しても、できればアルファ株とかデルタ株というようなことで使ってほしいというふうに、こういう要請ができるのかどうかというのはちょっと検討いただければなと思うんですけれども。
 できれば、これは私は本当に早く変えた方がいいと思うので、そういったことを要請できるかどうかというのはいかがでしょうか。

#209
○田村国務大臣 それぞれの名称、例えばN501Yだとかそういう呼称で呼ぶ場合もありますし、B1・617だとか、ちょっと、それぞれの性質によって呼び方が違うものでありますから、それぞれの呼び方はあるんだと思いますけれども、少なくとも、言われたように、言っちゃいけないけれども、まあこれは例ですけれども、英国株だとかインド株というような呼称はなるべく使わないようにと。
 記者さんからどういう聞き方をされるか分かりませんけれども、多分、委員のおっしゃられているのは、そういうことが差別といいますか、その国をおとしめるようなことになってはいけないという意味でおっしゃっておられると思いますので、そのような方向で我々としては努力してまいりたいというふうに思います。

#210
○尾辻委員 しっかりと政務の皆さんも、御発言されるときに、このアルファとかデルタという形で使っていただきますようにお願い申し上げたいと思います。
 次に、今、ワクチンのことでちょうどニュースになっております、注射針のことについてちょっとお聞きをしていきたいと思います。
 これは昨日のニュースでも話題になったんですけれども、二ミリの注射針がどうやら各医療機関に送られているようでありまして、一ミリの注射針だと、今回ワクチンは〇・三ミリを打つということなんですけれども、きっちり三の目盛りがあるので〇・三をしっかり量れるんですけれども、二ミリの注射針だと目盛りが〇・五のところにしかない。なので、〇・三のところをちょっとうまく、ちゃんと量れないということで現場が困っている、もうこれはやめてほしいという声が出ているんですが、まず、この二ミリの注射針というのは幾らで、どれぐらい調達をされたのか、教えてください。

#211
○正林政府参考人 シリンジですけれども、〇・五としか書いていないわけじゃなくて、ちゃんと〇・一ミリメートルずつの単位、単位というか線は引いてあって、〇・三を取ることは可能は可能です。ただ、何かやりづらいとかちょっと取りづらいということは聞いております、二ミリリットルシリンジについては。
 今回の接種に際しては、ワクチンに加えて、注射針、それからシリンジについて国が確保するということで、あらかじめ十分な供給量を確保すべく、昨年六月に医療機器メーカーに対して増産の協力依頼を行い、さらに、七月には、当時の大臣から、針、シリンジメーカーに対して直接確保の要請を行い、その結果、特殊な注射針との組合せなどで六回採取可能な二ミリシリンジとして四千五百四十一万本の調達を行っているところでございます。
 なお、恐らく、扱いづらいから何とかならないのかという御質問だと思うんですけれども、一バイアル当たり六回採取するためには、どうしても特殊な注射器が必要になります。世界的な獲得競争がある中で、政府として確保の取組を行ってきて、二ミリシリンジを使用しなければ一バイアル六回採取ができない場合が出てくるということなので、ワクチンを無駄にしないためにも、現場の方に多少御面倒をおかけするかもしれませんが、御理解をいただけたらというふうに考えております。

#212
○尾辻委員 済みません、調達数が四千五百四十一万本だということなんですが、ちょっと私、聞けなかったかもしれません、単価はおっしゃっていただけましたでしょうか。あと、メーカーが分かるようであれば、それも教えてください。

#213
○正林政府参考人 単価は、やはり競争上の不利益を来す可能性があるので、申し上げることはできません。

#214
○尾辻委員 メーカーは調べたら出てきますか。
 一応、この報道によると、インドのヒンドゥスタン・シリンジズ・アンド・メディカル・デバイシズという、使い捨て注射器の製造では古いメーカーだということなんですけれども、そちらを四千五百四十一万本調達したということでよろしいんでしょうか。それとも、メーカーによって六回分のものはまた違うのもあるということでしょうか。全部同じかどうかだけでいいです。

#215
○正林政府参考人 確かに、メーカーによってまた違うものがございます。

#216
○尾辻委員 ちょっと今の御答弁だと、使いにくくても使ってくださいということみたいなんですが、どうも、例えば各自治体のワクチン担当者に、やはり医療機関から、これではちょっと打ちにくいから替えてくれという声が聞こえてくるわけです。
 例えば、ではちょっとずれて〇・二五ミリになったり〇・三五ミリリットルになっても構わないということでしょうか。

#217
○正林政府参考人 構わないということはないんですけれども、先ほども申し上げましたが、一応〇・一ミリのちゃんと線が引いてあって、取るのは面倒といえば面倒なんですけれども、やれないことはないので。
 今はちょっとその選択肢しかないので、やはり無駄にはしたくないので、御理解をいただけたらと思います。

#218
○尾辻委員 私、やはり早く調達をし直した方がいいと思うんですね。何か、すごく大きいんですよ。断面積が大きいから、ちょっと押すだけでやはりずれていくということなんです。
 だから、とにかくスピードアップしてやろうとしたときに、こういった製品が、どうしても選択肢がなかったということなんだろうとは思うんですけれども、ちょっと、本当にこれはこのままでいいんでしょうかね。
 大臣、これは大丈夫ですか。

#219
○田村国務大臣 ちょっと私も実物を見ていないので分からないんですが、ただ、注射器ですから、そんな、ずれるような注射器、世界中で多分使っている注射器だと思うので、今回使いづらく作ったわけではないと思うんですよ。ですから、多分ふだん使っている注射器なんじゃないのかなと思うので、何で日本だけが使いづらいのかというのは、ちょっと私も現場の意見は聞いてみたいと思いますけれども。
 取りあえず、世界中取り合いになっている中で調達したという意味では、多分、今すぐと言ってもなかなかまた調達できないので、それをお使いいただければ、まあちょっと御苦労かも分かりませんけれども、ありがたいということであります。

#220
○尾辻委員 取りあえず、本当に現場からこういう声が上がっているということなので、どれぐらい使いにくいかとか、実物を見ていただいて、まず声をしっかり集めてください。本当にこれが厳しいなら、ちょっとやはり替える必要が出てきますので、要望しておきたいと思います。
 次に参りたいと思います。
 今日はちょっとデジタル化の部分でのシステムのことを聞いていきたいと思うんですけれども、デジタル化が進む中で、便利になるデジタル化というのはどんどん進めていく、ただし、デジタルデバイドも気をつけていかなければいけないと思うんですけれども、ただ、そういうのを余りに急いで進める余り、様々な弊害が出てきているんじゃないかということでお聞きしていきたいと思います。
 まず、介護システム新システムのパンクというか不具合についてお聞きしたいと思います。
 今年度から新たな介護システムが導入されました。科学的介護情報システム、LIFEというシステムでして、これは、従前からあったCHASEというのとVISITというのが統合されて、この四月から運用される予定となっていた。ところが、運用開始の四月のとき、四月のちょっと前からシステムがパンクをしてしまって、全然アクセスできない。私も現場の方から、このLIFEがちょっともうどうにもなっていないんだけれどもということを聞いておりまして、結局、厚労省さんは八月からの運用ということで改めるということになったということなんですね。
 このLIFE、科学的介護情報システム、まず、システム導入のコスト、運営コストをお聞きしておきたいと思います。

#221
○土生政府参考人 御説明いたします。
 先生御発言いただきましたとおり、従来VISIT、CHASEとなっておりましたものを令和三年度からLIFEとして、科学的介護情報システム全体として一体運用しているということでございます。
 令和二年度の予算でございますけれども、合わせまして約五億円、それから、令和三年度につきましては総額で約六億円という予算になっているという状況でございます。

#222
○尾辻委員 次に、本題なんですけれども、なぜこういう運用の段になってIDやパスワードが何かうまく発行されないとか不具合が起こったのかということ、これは大臣に私も質問通告していますね。今後の対応、この辺り、大臣からお聞きしたいと思います。

#223
○田村国務大臣 このLIFEですけれども、データを提出していただいて、PDCAサイクルといいますか、そういった取組をやっていただければということで、これに報酬を加算するというような、そういう事業をスタートしたわけでありますけれども、言われたとおり、ID、パスワードを通知するはがきの発送の遅延でありますとか、それから窓口ですね、いろいろな相談窓口、ヘルプデスクといいますか、それ自体が大混雑をしたということで返答が遅れたということでありましたので、それに対しては、相談体制の強化を図った上で、四月十六日までにはがきは発送を完了したということであります。
 しかし一方で、かなり遅れたものでありますから、もちろんPDCAサイクルに沿った取組の実施をやってくださいという上で、LIFEへのデータの提出期限、これを、やはり遅れておりますので、三か月間猶予をさせていただいて、その上でこの事業をスタートしていくということにいたしたわけでございます。

#224
○尾辻委員 なぜこのようなことが起こったんでしょうか。

#225
○田村国務大臣 先ほども申し上げましたけれども、新規利用者へのIDとパスワード、これを通知するはがきの発送が遅れたというのが一番の理由のようであります。
 結果的に、それに対して当然窓口に聞きますよね、どうなっているんだといって。そこもパンクしちゃったということで、大変御迷惑をおかけいたした。ID、パスワードが出ませんから、当然のごとくデータ自体も送れないということになったというわけであります。

#226
○尾辻委員 なぜそこが遅れたのかというところが、準備不足だったのか、それとも数が多過ぎてさばき切れなかった、なかなか予測よりもアクセスが何か多かったとか、この辺は参考人の方でも結構です。教えてください。

#227
○土生政府参考人 お答えさせていただきます。
 四月からスタートということで、三月下旬までに相当数の申込みをいただいたということでございまして、用意しておりました体制に比べまして申込みの事業所が見込みを上回ったということで、処理に時間がかかりまして、それではがきをお返しするのが遅れた、こうした関係でございます。

#228
○尾辻委員 準備が、想定より多かったということで、これはやはりちょっと現場も混乱して大変だったので、二度とこういうことが起こらないように、しっかりと御準備をいただきたいと思います。
 科学的介護情報システムが本当に機能するのかどうか、なかなか、この辺もまた今後聞いていきたいとは思うんですけれども、今日は、ちょっとそれに併せて、実は、厚労省の介護システムでは、システム開発において過労自死が起こっております。
 これが、今日、配付資料にもつけさせていただきました、先ほど申し上げたLIFEの前のシステムのCHASEの開発の際に、東芝デジタルソリューションズに勤務をする入社五年目の三十歳の安部真生さんが二〇一九年十一月十六日に過労で自死をされておられます。本当に痛ましくて、心から哀悼の意をささげるものでありまして、残された御遺族の皆さんの悲しみと悔しさというのはいかばかりかと、本当に言葉もありません。
 まず確認ですけれども、こちらの案件は、二〇一九年六月に厚生労働省老健局が発注したシステム開発中の出来事であるということでよろしいでしょうか。

#229
○土生政府参考人 御説明させていただきます。
 先生御指摘の大変痛ましい事案でございますけれども、令和元年度に厚生労働省から委託事業としてLIFEの前身のCHASEのシステムの構築を行っていたところでございますけれども、このCHASEのシステムの構築を受託されていた事業者におきまして、その業務に従事をされていた方が委託期間中に自殺をされたということ、その後、それに関しましては労災の請求が行われまして、令和二年十二月に精神障害の労災認定基準に該当するものとして労災認定が行われたという事実経過でございまして、厳粛に受け止めているところでございます。

#230
○尾辻委員 本当にこれはあってはならないことで、皆さんに働き方改革をお願いし、過労死や過労自死をなくしてくださいとお願いしなければいけない厚労省がシステム開発によって相手先で過労自死を起こしたという、これはやはり厚労省にも私は責任があると思います、発注先ですから。
 実は、今、官公庁のシステム発注は、ブラック発注というんでしょうかね、本当に各事業者さんからは、官公庁から出てくるシステム開発は、ちょっといろいろな注文が多かったり、納期も短くて長時間労働になっている、官製過労死を生み出してしまっている、こういう状況があるんじゃないか。これは実は経団連からも言われているわけです、ちょっと官公庁のシステム発注の仕方をどうにかしてほしいということを言われています。
 今回のこの安部さんのことでいうと、遺族側代理人の山岡遥平弁護士が厚労省と協議をされておられます。今回、実は東芝デジタルソリューションズ側の働かせ方がどうだったのかというのとともに、指摘をされているのは、厚労省とそのシステムの協議の場で精神的負担を受けていたことがうかがえると。つまり、この過労自死される中で、厚労省との協議、厚労省がそういう発注先に様々なことを依頼した、この部分が精神的負担になったのではないかという指摘がされているわけです。
 山岡弁護士は再発防止を目指して厚労省に協議を申し入れたということですけれども、この進展はどうなっていますでしょうか。

#231
○土生政府参考人 お答えいたします。
 先生御指摘の件につきましては、弁護士、御遺族等が記者会見等をされておりますので、その範囲で御説明をさせていただきますと、本年三月三十一日に、御遺族、それから代理人の弁護士の方が厚労省にいらっしゃいまして、当省の職員と面会を行ったということでございます。その際、本件の納期設定の事実関係でございますとか、あるいは今後の改善につきましても御要請をいただいたというところでございます。
 現在、省内におきまして、いただきました要請への対応につきまして検討作業を進めているところでございまして、今後できる限り早くお答えするとともに、真摯に対応してまいりたいと考えております。

#232
○尾辻委員 できるだけ早くということなんですが、三月三十一日に要請をされて協議されているわけなので、返答のめどというのはどれぐらいになりますか。

#233
○土生政府参考人 お答えいたします。
 当初、約一月ぐらいではお答えしたいと考えていたところでございますが、諸般の事情の中で作業が遅れているということは否めないところでございます。できるだけ速やかに御回答できるよう、省内の調整をしてまいりたいと考えております。

#234
○尾辻委員 ちょっとめどが示されていないわけですけれども、これは本当に二度と起こしてはいけませんから、しっかりとその協議の、申入れの内容に真摯に答えていただきたいと思うんですね。
 これは何が問題かというと、二〇一九年四月から、実は大企業の残業時間については罰則つき上限が適用されているんですよ。安部さんが亡くなったのは二〇一九年十一月ですから、直前の一か月が百三時間働かれて、百三時間ということですから、百時間を超えた残業時間になっているんです。つまり、厚労省が定めた罰則つき上限が守られていないということは、ちょっと本当に看過できない。発注元としてもこれは本当に看過できないと思うんです。
 ちょっと確認をしますけれども、各発注において現場のそういう労働時間とか労働環境というものはフォローされているんでしょうか。把握されているんでしょうか。

#235
○土生政府参考人 お答えいたします。
 厚生労働省でございますけれども、調達の相手方としてふさわしくない事業者、これは排除すべきということでございます。
 例えば、調達案件に応じまして、過去一年以内に厚生労働省所管法令違反により行政処分等を受けている者はそもそもこの競争に参加する資格がないという取扱いをしているところでございますけれども、本件につきましてはこうした事案には該当していないということでございまして、入札の結果として、同事業者と契約をしているということでございます。

#236
○尾辻委員 ちょっと今答弁が食い違ったので、済みません。
 大体、厚労省が発注するときに、このCHASEでも結構ですけれども、相手先の労働時間とか労働環境というのはチェックされていますか。

#237
○土生政府参考人 今申し上げましたとおり、入札の参加資格としまして、例えば労働基準法違反による行政処分等を受けているという事実がないということは確認いたしますけれども、個別の労働環境までは把握していない。それは排除の要件にはなっていないということでございますので、入札可能ということでございます。

#238
○尾辻委員 入札可能要件ではなくて、発注して、そこの納期までに仕上げるのがあなたたちの仕事だよと言って、その発注先がどういう働かせ方をしているのかということをやはり全く見られていないんですよ。だからこういうことが起こってしまうわけです。だから、ここはやはり把握すべきだと私は思うんですよ。
 今、実は過労死防止大綱案に官公庁が適切な発注を求める項目が入りました。これはどのような内容でしょうか。

#239
○吉永政府参考人 お答え申し上げます。
 今年度、過労死等の防止のための対策に関する大綱の見直しの時期を迎えておりますため、労使や過労死の御遺族の方が委員として参画いただいております過労死等防止対策推進協議会におきまして、昨年十一月から四回にわたりまして、大綱の見直し案につきまして御議論いただいているところでございます。
 協議会委員から、建設やシステム開発の分野等で行われております公共調達の取引におきまして長時間労働につながる慣行が見られるといった御意見をいただいたことを踏まえまして、大綱の見直し案におきましては、行政機関との取引における長時間労働につながる商慣行の改善に向けた取組を盛り込んだところでございます。

#240
○尾辻委員 だから、厚労省がこういうことを過労死防止大綱にまでやっているのに、そのお膝元がそんなことができていなかったり、各発注においても発注先の労働環境をフォローしていないという状況があるわけです。これは私は本当に問題だと思います。
 これは構造的に問題があって、厚労省側にシステムの専門家がいない、さらに、納期が厳しい案件が多い、だから、システム開発発注において過度な負担を相手方に強いる開発スケジュールになるということで、ここをやはり、ちょっと大臣、厚労省で発注した案件でこういう過労自死が起こったというのも、私は本当に大問題だと思っています。三十歳の方が亡くなるなんということが起こっているわけですから。
 しっかりとこういうところを、発注先の労働環境を把握したりとか、自分たちがむちゃなスケジュールで発注していないか、変更を求めていないか、ここはやはり自分たちでもちゃんと検討していく必要があると思いますが、いかがでしょうか。

#241
○田村国務大臣 厚生労働省省内の情報システムを統括しているPMO、こういう、要するに外部専門人材を含めた体制整備をしているんですよね。そこでシステム調達について調達仕様書の審査を行っているということでありまして、見積りでありますとか技術、工期、工数の妥当性、こういうものはここで審査しております。
 ですから、一定程度、そんな過度な、もちろん途中でいろいろな変更なんかがありますから、初めの契約から徐々に変わってくる部分もあるんだと思いますけれども、基本的にそんなむちゃなことはやらないといいますか、一応チェックは入れていますが、ただ、発注したところの、仕事を受けた体制ですよね。
 人の体制もその時々で変わっていくでしょうし、そこまで全てチェックというのはなかなか、入口ではある程度できますけれども、全部やろうと思うと、それこそ労基が入って働き方全体をチェックするなんということはできないわけでありますから。一定程度、言われる意味で、入口で余り過度な、むちゃな発注期間といいますか、そういうものは出さないというのは当然のごとくでありますけれども、最後まで全て見るということは、なかなかこれは事実上難しいんだろうというふうに思います。
 ただ、いずれにいたしましても、厚生労働省が発注した先で過労死が起こったということ、これは我々、厳粛に受け止めなければなりませんので、こういうことも一つ、我々としては、教訓といいますか、本当に気の毒な事例でございますから、そういうことが起こってはいけないわけでございますので、次に向かって、そういうことが起こらないようないろいろな配慮といいますか、それはしていかなければならないんだというふうには思っております。

#242
○尾辻委員 実は、一番最初に聞いたLIFEのシステムは、東芝デジタルソリューションズが引き続き請け負っているんです。つまり、CHASEの開発で過労自死を起こした会社が、そのままLIFEもやっている。
 先ほど局長の方からは、いや、いわゆる行政的な処分がない限りは入札はそのままやるんだということなんですけれども、これでは会社側に何の制限もないわけです。それは、ちゃんとこの原因究明とか改善を担保しない限り入札できないとか入札資格を失うとか、やはり何らかのこういう参入規制は、私は、必要じゃないかと。そうじゃないと、会社の体質が変わらない、その体質の変わらない会社にまた同じようにシステム開発をお願いしているというのは、私はこれはいかがなものかと思うんですが、大臣、いかがですか。

#243
○田村国務大臣 今答えたとおりでございますので、それを発注要件といいますか入札基準の中に入れろという御提案なのかも分かりませんが、これは厚生労働省だけの問題ではございませんので、公共調達における規定という話になると思いますので、ちょっと私からは今お答えできないというふうに思います。
 ただ、いずれにいたしましても、そのようなことはあってはいけませんので、そのようなことがないように、我々としては細心の注意は払っていかなければならないというふうに思っております。

#244
○尾辻委員 一人の命がなくなっているということに関して、では、何か細心の注意というのは、一体どういうことをされるんでしょうか、これから。

#245
○田村国務大臣 先ほども申し上げましたけれども、PMOという、言うなれば外部専門人材も含めて体制を整備しております。これは、要するに、言うなれば情報システム全体の専門的な知識をお持ちの方々であって、ここが、選定予定の技術、工期、工数、この妥当性といったものを、こういう観点から審査を行って、過重な発注にならないようにということをお伝えさせていただいておるということでございます。
 そういう意味では、しっかりと細心の注意を払いながら、そういうことにならないように、また、多分担当者の方と接する機会が多い職員もおると思いますから、そういう者も細心の注意を払いながら、そのような過度な仕事が行かないように、相手先の発注先ともいろいろな話をしながら業務を進めていくということが重要なんだというふうに思っております。

#246
○尾辻委員 そのPMOはCHASEのときも入っているわけですよね。今回のこの過労自死が起こった案件でも、ちゃんと見て発注していても起こっているんですよね。違うんですか。

#247
○土生政府参考人 契約に基づいて事業をやっておられる中で、それぞれ、事業の進め方ですとか内容ですとか、当然、老健局の職員とそれから受注者側と定期的に協議は行っているということでございます。
 ただ、受注の企業側でどういう体制でこの仕事をされているかということは、それは事業者の方で御判断いただくということでございまして、個々の労働環境といいますか、そういうようなことを発注した役所の側でフォローしていくということは、少なくとも事実関係としては行われていなかったのではないかと思います。

#248
○尾辻委員 結局、全然今のでは防止策になっていないし、本当に、皆さんが発注したシステムで、システムエンジニア一人亡くしているんですよ。何でそんな他人事のような答弁をされているんですか。本当に反省の弁はあるんですか。全然、今聞いても言い訳ばかりじゃないですか。ちょっと、こんな答弁じゃ許されませんよ。厚労省でしょう。

#249
○土生政府参考人 冒頭申し上げましたとおり、お亡くなりになられたということは重く受け止めておりまして、そこは厳粛に受け止めているということでございます。

#250
○尾辻委員 では、大臣、ちょっと決意だけでも結構ですから、もう二度と、システム開発、こういうことで、厚労省が発注したシステムで過労自死を起こさない、過労死を起こさない、そういうチェック体制を築くんだ、そういう決意ぐらい示していただけませんか。

#251
○田村国務大臣 入札自体、法令違反等々で行政処分を受けていれば、これは当然入れないわけであります。
 今般、過労死でお亡くなりになられたという痛ましい案件でありますが、これは個別事案でございますから具体的な内容は申し上げられませんけれども、それは当然、労働基準法にのっとって、それに対してのいろいろな対応をしている。至らぬ点があれば、それに対して対応して、それを直していただくということをやっておるわけでありまして、それはそれで、労働基準行政、監督行政の中においてしっかりと、過労死のないような対応を各企業等々にしていただくべく、指導なりいろいろなことをやっておるわけであります。
 でありますから、そこはそこでしっかりと、過労死がなくなるような、そういうような企業運営等々に指導をやるわけでありまして、それと、入札の場合は、法令違反、これは我が省だけではなくて、法令違反で行政処分を受けた者に対しては入札に参加できないという基準があるわけでございますので、それはそれとして我々としては遵守をしながら、過労死がなくなるように、これは労働行政でございますから、しっかり対応させていただくということであります。

#252
○尾辻委員 今回の場合は、厚労省もむちゃな要求をしたことが過労自死になった原因の一つだと指摘をされているわけです。それに対しての、何か入札システムの制度の話をされて。
 ちょっと、大臣、もう一度お聞きします。もう制度の話は結構です。ただ、責任者として、厚労省が発注したシステムで発注先の企業のSEの三十歳の方が命を奪われた、なくしてしまったということについての真摯な反省と、そして、御遺族に対しておわびの言葉を是非述べていただきたいと思います。いかがですか。

#253
○田村国務大臣 お亡くなりになられた方は、本当に、過労死ということで、痛ましい事件でございますので、我々もお悔やみを本当に申し上げるわけであります。
 過度なものかどうかというのは、一応、先ほど来申し上げておりますとおり、PMO等々で調達仕様書案等々の審査をした上で発注をさせていただいておるということであります。
 そういう意味では、おわびというよりかは、こういうような事案が起こらないように、これからも過度な発注が起こらないような体制を取っていかなければならないというところが重要なところでございますので、このような事案が起こらないように、我々としてはこれからも対処をしっかりとやってまいりたいというふうに思っております。

#254
○尾辻委員 いや、大臣、例えば、では御遺族、家族の方からすれば、やるせないわけですよね。働いているときに、働きながら過労死が起こるというのは、本当に、それも三十歳の方ですよ。何かもう、私は本当にこれは大いなる矛盾だと思うんですよ。厚労省発注のシステムでこういうことが起こったということに対して、御遺族の方に対して、いや、私たちは入札のところでPMOがちゃんとやりますから、入札の制限はそういう法令違反がない限りはやるんですということではない。
 反省の気持ちとか、本当に申し訳なかったと思う気持ちが全然、ちょっと答弁から伝わらないんですけれども。(発言する者あり)

#255
○鈴木政府参考人 情報政策を担当しています統括官でございます。
 入札の際のお話につきましては先ほど大臣が御答弁したとおりでございますけれども、大臣のお話にもありましたとおり、システム開発をやっている途中においては、仕様の変更であるとかいろいろな手戻りとか、いろいろなことが起こります。
 そうしたことがいろいろ、受注された会社の従業員の方の労働時間の延長などにもつながっている可能性もございますので、こうしたことがないように、私どもでは、大規模なシステムや重要度の高いシステムにつきましては、工程管理支援業者を設けるとか、そちらで実際の工程などの管理を行って過度な負担にならないように注意しておるところでございますので、今後、こういったことを活用いたしまして、受託者と委託者がしっかりと連携して、二度とこういうことがないようにしてまいりたいと考えてございます。

#256
○尾辻委員 今、委員会の中から、私が言い過ぎだと言っておられる方がいるんですけれども、そんな、元政務官の方がですよ。(発言する者あり)

#257
○とかしき委員長 御静粛にお願いします。

#258
○尾辻委員 一人の方の命がなくなって、言い過ぎだとか……(発言する者あり)

#259
○とかしき委員長 御静粛にお願いします。

#260
○尾辻委員 経団連ですらどうにかしてくれと言っているんでしょう。過労死大綱にも入れている問題でしょう。何を言っているんですか。(発言する者あり)

#261
○とかしき委員長 御静粛にお願いします。

#262
○尾辻委員 では、もう一度聞きますけれども、こういう類似事案は厚労省の中でこれ以外にない、言い切れますか。類似事案、ありませんね。確認します。どなたでも結構です。

#263
○鈴木政府参考人 こういう事案というのが過労死事案ということで理解いたしますと、システム開発でこれまで過労死事案等が起きたことは承知していないところでございます。

#264
○尾辻委員 こういう案件は二度と起こしちゃいけませんよ。特に、デジタル庁になって、今もそうですけれども、どんどんシステム開発を、いっぱいしているわけですよね。
 そんな中で、私もいろいろなことを聞いてきましたけれども、今日はちょっとオリパラアプリとかを聞こうと思っていましたけれども、本当に政府のむちゃで、現場がデスマーチみたいになっているとよく聞くわけですよ。では、それを止められるのはどこかといったら、厚労省しかないわけですよね。そのお膝元でこんなことが起こったということに、言い過ぎだとかという。そんなことが来るのは、私、ちょっと納得できません。また聞きたいと思います。
 以上で終わります。

#265
○とかしき委員長 次に、宮本徹君。

#266
○宮本委員 日本共産党の宮本徹です。
 今日は、医療的ケア児と家族の支援法がこの後採決されることになっております。
 二点だけお伺いしておきたいと思います。
 一点は、心疾患で在宅酸素療法を行っている病児でも、現場での柔軟な対応があれば常時看護師が必要でないケースもあります。これまで看護師常駐でなくても保育園や学校に通えていた子供たちが、看護師が常駐していないことを理由にその保育園や学校に通えなくなるということが起きないかという心配の声がありました。そうした不利益が起きるようなことはないということを確認したいと思いますが、いかがでしょうか。

#267
○渡辺政府参考人 今般提案される法案は、保育所において医療的ケア児を受け入れる場合に、一律に看護師を常時配置しなければならないというものではないと理解しております。
 医療的ケアが必要な児童への適切な支援を行うため、看護師や喀たん吸引を行うことができる職員の配置その他の必要な措置を講じることを求めているというものと理解しております。
 このため、常時看護師によるケアの必要がない児童の、御指摘のありました現に看護師のいない保育所に通えている状況を阻害するものではないと認識しておりまして、本法案が成立した際には、こうした制定趣旨が適切に理解されるよう丁寧に説明を行ってまいりたいと考えております。
    〔委員長退席、大岡委員長代理着席〕

#268
○蝦名政府参考人 お答え申し上げます。
 医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律案は、学校において医療的ケア児を受け入れる場合に、一律に看護師を常時配置することまで求めるものではなく、医療的ケア児への適切な支援を行うため、看護師等の配置その他の必要な措置を講ずることを求めているものであると認識しております。
 このため、常時看護師によるケアが必要でない児童生徒等が現に看護師のいない学校に通えている状況を阻害するものではないと認識しておりまして、この法案が成立した際には、こうした点が適切に理解されるよう周知をしてまいりたいと考えております。

#269
○宮本委員 それからもう一点ですけれども、こういう相談がありました。保育園に通園中のお子さんが、医療的ケアが必要という診断を受け、その保育園から次年度からは預かれないと退園を求められたということでした。看護師の加配をつけた保育園に入園できたのは退園から九か月後でした。
 本法案が成立すれば、医療的ケア児支援センターが設けられますが、医療的ケア児の家族の相談に丁寧に乗り、子供が保育を継続的に受け、保護者が働き続けられるようになるのか。また、保育園が近隣でないと送り迎えが大変で、仕事との両立が困難になります。こうした課題を、本法案が成立すればどう解決するのか、お伺いしたいと思います。

#270
○渡辺政府参考人 御指摘ございましたように、医療的ケア児支援センターというのは、医療的ケア児それからその家族の相談に応じて情報提供や助言その他の支援を行うほか、医療、保健、福祉、教育、労働等に関する業務を行う関係機関あるいは民間団体との連絡調整を行うとされております。
 御指摘のようなケースにつきましては、この医療的ケア児支援センターにおきまして、個々の状況に応じてではございますが、例えば、通っておられる保育所において看護師の加配を行うための調整ですとか、あるいは、医療的ケア児を、提供できる体制が整った保育所に関する情報提供等によりまして、その家族等を含めて支援を行っていく、そういう役割が求められていると承知しております。
 また、本法案以外にも、厚生労働省におきましては、保育所等の医療的ケア児の受入れ体制の整備を進めるため、看護師等を保育所に配置するための補助を行っておりますし、さらに、保育所における医療的ケア児の受入れに関するガイドラインというものを策定しまして、本年五月に地方自治体にお示ししたところでございますので、本法案の成立と併せて、そういった施策の、しっかりこの後も推進を図っていきたいというふうに考えております。

#271
○宮本委員 ありがとうございました。
 しっかり、この法律ができたら、更なる医療的ケア児とその家族への御支援を大臣にもよろしくお願い申し上げたいというふうに思います。
 それでは、今日は資料もお配りしておりますけれども、財政制度等審議会の建議が五月二十一日に出まして、その中身について、沿ってお伺いしていきたいと思います。
 一つは年金なんですね。年金について財政審は幾つかのことを言っているわけですが、年金の給付水準確保の中身で、保険料の拠出期間を今の六十歳までから六十五歳まで四十五年間に延ばす、その際に、現行制度を前提にすれば大幅な国庫負担の増加を伴うので、延長分を全て保険料財源で賄うことを含め検討する、こういう中身になっているわけですよね。延長分は国庫負担なしで全部保険料でやれというのは大変ひどい中身だなと、私はこれを見て思ったわけでございます。
 私自身は、この年金の問題は、かねてから、今の基礎年金にマクロ経済スライドが長い間調整期間がかかって、国民年金とか、あるいは所得比例部分が少ない人ほど本当に年金減額が続くというのは大変問題だ、これを改めるべきだということで、国民年金と厚生年金の積立金の財政統合というのを、私もこの委員会でも提案をしてまいりました。積立金の財政統合をすれば、基礎年金と比例部分のマクロ経済スライドの調整期間が一緒になるということでございます。当時、日経新聞が珍しく私の質問を報じてくれまして、これは改革の本丸だという、厚労省のどなたかのコメントがたしか出ていたかと思います。
 それで、資料の二枚目でございますけれども、厚労省が、財政検証の後の追加試算というのを行って、昨年末に発表しております。
 この追加試算の1というのが、基礎年金と比例部分のマクロ経済スライドの調整期間を一致させた場合、まあ財政統合やあるいは財政調整した場合ということだと思いますが、この追加試算1の解説をお願いしてよろしいでしょうか。

#272
○高橋政府参考人 この資料でございますけれども、昨年十二月の年金数理部会でお示しした資料でございまして、これは二〇一九年度の財政検証のピアレビューの審議を部会でやっておりまして、基礎年金水準の低下に関するお尋ねがありましたので、財政検証をベースに行ったものでございます。
 このうちの追加試算1でございますけれども、これは元々、二〇〇四年の年金改正の財政再計算におきましては基礎と比例のマクロスライドの調整期間が一致していたわけでございますけれども、それがだんだんずれてきてしまった、それが将来の基礎年金水準の低下の要因となっているため、一致させた場合にどういう水準になるかということを試算したものでございます。
 この追加試算の1によれば、給付水準調整終了後の所得代替率ですけれども、これが、ケース三の場合には昨年の年金改正法を反映した現行制度では調整終了時点で五一・〇%の見通しでなるところを、この1では五五・六%の見直しへ上昇するということが確認できております。
 特に、基礎年金部分の代替率でございますけれども、これが現行制度の二六・五%から三二・九%に大幅に上昇いたしまして、低中所得層の年金水準の低下を防止しまして、厚生年金の所得再分配機能の低下を防止するといった効果が得られる。ごく一部の高所得者層を除いて、ほぼ全ての層での上昇が見込まれるといったものでございます。

#273
○宮本委員 低中所得者層のところが、大変、年金は現行のものよりは改善されるということであります。
 資料の三ページ目に、先ほど、どういう層がプラスになって、若干、高所得者層のところで所得代替率が下がるというものが示されております。モデル年金の約三・四倍未満の世帯で所得代替率が上昇する。二〇一九年の賃金水準で、夫婦で年収一千七百九十万円までの世帯は年金月額が現行方式よりも増えるということでございますが、これは年金生活者の何%に当たるんでしょうか。

#274
○高橋政府参考人 この逆転する部分でございますよね。これはいろいろな仮定によって異なってきますけれども、モデル年金水準の三・四倍以上でございますので、ほんの数%程度でございます。

#275
○宮本委員 逆転する部分、下がる部分はほんの数%。数%も、五も行かない数%ということですよね。うなずいているので。もっと少ない方だと思いますけれども。大半の方は、年金もこれによって現行よりは改善されるということになります。
 それで、大臣にもお伺いしたいんですけれども、この調整期間を一致させる、マクロ経済スライドの調整期間を基礎年金と比例部分と一致させていく、積立金の統合ないし積立金の調整ということなのかなと思いますけれども、この追加試算を行ったということは、大臣御自身もそこを目指されているということでよろしいわけですよね。

#276
○田村国務大臣 これはいろんな試算をやっていただいたということの中の一つでありますので、目指すも目指さないも、これを参考に、これからどれをどうするんだということを御審議をいただくという話になります。
 ただ、私が個人的にこれを、個人的な話をいつもして怒られるんですが、ここの、医療保険制度の改正のときも、参議院で私が個人的に言って、昨日も個人的な話をしたんですが、個人的には、以前から、基礎年金の所得代替率が下がった一番の理由というのは、これは委員がもうおっしゃったとおり、マクロ経済調整というのはどうしても厚生年金の方を財政的にまず調整していきますので、マクロ経済調整が利かなくなると、基礎年金の方がずっと長くその調整をし続けなければならないという、そういう年金制度の特性がありますから。それと、基礎年金が落ちていくということは、最終的に代替率自体が下がると、要は、厚生年金の所得の再配分機能、これも薄まってしまう。逆に、そこを手厚くすれば、もちろん基礎年金だけの人もその分代替率が上がりますけれども、厚生年金の中でも所得再配分が利くようになりますので、そういう意味では、厚生年金の中においても非常に有効になってくるということがございますから、これは一つ大きな、今言われている年金制度の言うなれば弱点を補う方法の一つであるというのは以前から私も目をつけておりまして、ああ、こういう考え方もあるなということで、テレビ等ではそういう話の披瀝もさせていただいております。

#277
○宮本委員 今の年金制度の弱点を本当に改善できる方法だと私も思っております。
 私、二〇一九年に、加藤大臣のときに質問したときは、試算をしていないのかと、出してくれと言っても、頑として、していないんだと言って出してくれなくて、当時、厚労省出身の学者の稲垣先生でしたかね、試算してもらって、この委員会でも配付した覚えがございますので。
 そういう点でいえば、ここまで試算が出てきたというのは、いよいよ厚労省もそこに向かって腹を固めつつあるのかなという思いを感じているところでございます。
 その上で、この追加試算1はいいんですけれども、二ページに戻りまして、2、3があるんですね。四十五年に年金の加入期間を延ばすと。その際に、2は国庫負担ありで当然の在り方なんですけれども、3で、国庫負担なしで延ばすという、こういうのまで計算されているわけですけれども。
 この追加試算2、追加試算3、国庫負担あるなしでどう変わるのかということについて、ちょっと解説をお願いしていいでしょうか。

#278
○高橋政府参考人 この追加試算2と3でございますけれども、これは追加試算1で行いました、基礎年金と報酬比例部分のマクロ経済スライドの調整期間の一致に加えまして、基礎年金を四十五年化した場合の将来の給付水準を試算してございます。
 追加試算の2は、その延長した五年分の給付期間に係る給付に二分の一の国庫負担がある場合、追加試算3は、延長部分に国庫負担がなく、その部分を保険料財源で賄って同じような給付をする場合という前提でございます。
 この結果の試算でございますけれども、ケース三の場合、給付水準調整の終了後の所得代替率は、法改正後の現行水準で五一%のところが、追加試算2では六二・五%、追加試算3では六〇・五%ということで、どちらも大きく上昇するということが試算されてございます。
 追加試算3は、その五年分に国庫負担がなしで全て保険料で賄うという計算でございますので、追加試算2よりもマクロ経済スライド調整期間が二年長くなり、所得代替率で約二%ポイントの差が生じると試算されてございます。

#279
○宮本委員 国庫負担がない分、マクロ経済スライドの調整期間が延びるということなんですけれども。
 この追加試算2と3のところには、四十五年の計算だけじゃなくて、四十年の計算もついていますね、うち四十年分と。
 これを見ますと、ただ、現状の、財政統合して調整期間を一致させた四十年加入の場合、所得代替率計算では五五・六。ところが、四十五年に延ばしても、国庫負担なしの場合は、四十年分で見ると所得代替率は五三・七ということで、加入期間を四十五年というふうに制度としては延ばしたとしても、仮に、年金を、四十年しか保険料を払っていない場合は、これは逆に、それだけの方にとっては改悪になるわけですね。調整期間をただ一致させるものに比べて、四十五年加入にして国庫負担なしの場合は。そういう理解でいいわけですよね。

#280
○高橋政府参考人 ここのところ、つまり追加試算3のところに、うち四十年分という数字が入っておりまして、これは確かに国庫負担ありの場合となしの場合では、国庫負担なしの場合にはその分の財源を使っていきますので、調整期間が延びて、マクロ経済スライドで基礎年金水準がその分下がるというものでございますが、これは全体セットで物を考えていただいて、調整期間一致で基礎年金の低下が食い止められる、それから、四十五年化で働く期間が長くなり、健康寿命が延びたということで、調整期間を延ばす、それによる改善を含めて、トータルで見ていただいた上の方の数字の、六〇・五%の方を御覧いただくのが説明の趣旨でございます。
    〔大岡委員長代理退席、委員長着席〕

#281
○宮本委員 いや、まあ、それはそうなんですけれども、ちゃんと保険料を納めればそういう数字になるわけですけれども、ただ、いろいろな事情で、四十五年に延ばした場合に、四十年しかもう保険料を納められないケースはあるわけですよね。そういうケースの場合は、国庫負担なしにした場合は、この四十年の現行の制度で調整期間を一致させた方がいいわけですよね。ですから、この国庫負担なしというのは大変問題があるなというのが私のこれを見ての認識なわけですが。
 ちょっとお伺いしたいんですけれども、追加試算1と追加試算2を計算しようというのは非常にいいことだと思いますけれども、何で追加試算3なんというものを計算することになったのか。このオプションを考えついたのはどなたですか。

#282
○高橋政府参考人 ちょっと先ほどの答弁を補足させていただきますと、延長した五年からもう保険料を払えない人、払えない人はかえって減ってしまうではないかという点につきましては、払えない理由が、所得がない等々の理由で払えない場合には免除手続をしていただいて、その分の相当分を、半額相当分は給付される、こういうことでございますので、この分で減ってしまうのがダイレクトに響くというものではございません。
 それで、この追加試算2と3を両方、国庫負担ありなしを両方とも試算したのはなぜかということでございますけれども、これは、前回の財政検証、二〇一九年財政検証のときは、四十五年化の試算は国庫負担ありだけで試算してございました。しかしながら、延長部分の国庫負担二分の一の相当の財源について、財政が厳しい中で安定的財源をどのように確保するか、これは大変大きな課題で、どうやって実現できるかというところが極めて難しい課題というふうに年金局としても認識してございます。
 そういった点で、年金局において、調整期間一致と組み合わせた上で、延長部分に国庫負担がある場合とない場合の両方を行うと。これは年金局として考えた案でございます。

#283
○宮本委員 年金局は国民の年金をしっかり守ろうというところですから、初めから国庫負担なしというのを考えるというのは、私はやるべき計算ではなかったというふうに思います。
 その上で、財政審の建議の方は、調整期間の一致には触れていないわけですよね。マクロ経済スライドの調整期間の一致の話はありません。その一方で、保険料の拠出期間は四十年から四十五年に延ばして、延長分は全て保険料財源で賄う、この検討をと言っているわけですが、仮に現行法の定められた保険料に基づいて延長分を全て保険料財源で賄えば、国民年金の財政というのはどうなるんでしょうか。

#284
○高橋政府参考人 仮に、調整期間の一致をせずに、基礎年金加入期間を四十五年に延長して、延長分について、現行の国庫負担を含めた給付水準を維持し、そして保険料の上限も変えずに延長分を全て保険料で賄う、こういう設定とした場合に、国民年金の財政は更に厳しくなります。
 これによりまして、基礎年金の給付水準調整期間が現行よりも長くなりまして、四十五年化による基礎年金の給付水準の上昇効果をほぼ相殺してしまう、こういったことが見込まれます。
 そうしたことから、今回の追加試算では、調整期間の一致と四十五年化を組み合わせた試算をお出しさせていただいたところでございます。

#285
○宮本委員 つまり、財政審が言っていることをそのままやったら、四十五年に延ばしたとしても国民年金はちっとも上がらないという話でございますので、何か、財政審は、年金を増やすために四十五年に保険料を出す期間を延ばそう、その分、国の財政が大変だから国庫負担なしでやろうということを言っているわけですけれども、実際は、そんなことをやっても国民年金の水準は全然上がらないということなわけですよね。
 この財政審、めちゃめちゃじゃないですか。大臣、そう思いませんか。

#286
○田村国務大臣 私は財政審のメンバーじゃないので。
 財政審としては財政審としての意図があってお出しになられていると思いますので、その深い意図というのは、またどなたかからお聞きになられればいいんだというふうに思います。

#287
○宮本委員 いや、もう本当に、ちょっとこの財政審はひどいなと思いますけれども、いずれにしても、財政統合なのか財政調整なのか、言葉の使い方といいますか、そこはあるにせよ、やはり、基礎年金の水準を、今のように、このままいけば三割も下がっていく、こういうことを何としても改善させていくということに次は臨んでいかなければいけないですし、私たちは、これだけじゃなくて、ほかの財源も、富裕層の保険料の負担の問題だとかも含めて、一定、減らない年金にすべきだということを提案しておりますから、是非これからも、どうやれば、とりわけ年金が少ない方々の年金が減らない仕組みになるのかということを厚労省としても検討していっていただきたいと思います。
 次に、財政審で、介護保険についてもいっぱい、いろいろ言っているんですけれども、利用者負担の見直しということで、五ページのところを言っているんですね。利用者負担については、二割、三割負担の導入を進めてきたが、今般の後期高齢者医療における患者負担割合の見直しを踏まえ、二〇二四年度に開始する第九期介護保険事業計画期間からの実施に向けて、サービスの利用者負担を原則二割とすることや二割負担の対象範囲の拡大を図ることを検討していく必要があるということが書かれているわけでございます。
 これはちょっと財務省にお伺いしますけれども、何で、介護保険の話をしているのに、今般の後期高齢者医療における患者負担の割合の見直しを踏まえなんという言葉が出てくるんですか。

#288
○宇波政府参考人 社会保障制度でございますけれども、委員御承知のように、二〇二二年には、いわゆる団塊の世代が七十五歳以上の高齢者の方になり始められます。
 こうした中で、現役世代と高齢者が支え合って、現役世代の負担上昇をできるだけ抑えながら、少子高齢化が進む中で全ての世代の方々が安心できる社会保障制度を構築する必要がある。このために、少しでも多くの方々に支える側としても御活躍いただいて、高齢者の方々についても、負担能力のある方には可能な範囲で御負担をいただくことが必要であるというふうに考えております。今般の後期高齢者医療における患者負担の見直しというのは、こういう考え方に基づいて行われたものというふうに理解をしております。
 介護についても、こういう考え方、二号保険料の上昇が、やはり給付の増加に伴って続いております。こういったことを踏まえますと、介護保険についても、こうした考え方も踏まえつつ、介護保険制度の持続可能性を確保するために、介護保険サービスの利用者負担についても、負担能力のある方々には可能な範囲で御負担をいただくようなことを考えていく必要があるというふうに考えてございます。
 御指摘の建議における記載については、こうした観点から事務局が資料を提示し、財政審における議論を経て、建議として取りまとめられたものというふうに受け止めております。

#289
○宮本委員 つまり、そのせりふでいうと、後期高齢者で高齢者の負担を増やすということを決めたから、今度は介護の番だ、介護の負担を増やしましょうと。そうしたら、今度は介護の負担を増やしたら、介護の負担を増やしたことを踏まえ、更に今度は医療の負担を増やしましょうと、そういう延々延々高齢者の負担が増えていく、そういう論理だということじゃないですか。
 一方では、年金はこれから少なくとも四年間は連続して減額ということになっている下で、高齢者の皆さんの負担をどんどん増やすということが、果たして本当に命と健康を守るという点でやっていいことなのかというのは考えなければなりません。
 それで、この点について大臣自身はどう考えているのかなと。財政審が、原則二割、あるいは対象範囲の拡大。後期高齢者は、自民党さんと公明党さんの合意で年収二百万円で合意したから、あるいはそれに合わせてということなんですかね。あるいはそれ以上ということなんですかね。この二割の範囲を介護保険でも増やそう、こういうことを財政審は言っているわけですけれども、この考え方についてどうお考えでしょうか。

#290
○田村国務大臣 介護保険制度、御承知のとおり、原則的には一割負担という基本的、原則的な考え方であります。そこに一定所得ということで二割負担をつくり、三割負担、更に収入のある方々は三割負担、こういうような形になってまいりました。
 お尋ね、今はもう二割負担はあるわけでありますが、その範囲を引き上げてはどうだというようなことを財政審がおっしゃっておられるのに対して厚労大臣としてはどう考えるのかという御質問でよろしいですか。
 なかなか答えづらいんですけれども、第八期の制度見直し、これは令和元年の十二月でありますけれども、ここの意見書でも、利用者の影響等を踏まえつつ、引き続き検討を行うことが適当というふうに言われているわけですね。そういう意味では、第九期に向かって、財政審では財政審でのいろんな御意見もございますけれども、我が方でも御議論をいただかなければならない話でございます。
 高齢者の皆様方、今日も参議院の本会議で、年金が余り増えない中で負担がどんどん増えているじゃないか、共産党からお叱りもいただいたわけでありますけれども、我々といたしましては、しっかりとそこは丁寧に議論をしていかなければならないというふうに思っております。

#291
○宮本委員 何か、この財政審の指摘について反発するのかと思いきや、何か検討していかなきゃいけないみたいな……(田村国務大臣「丁寧に、丁寧に」と呼ぶ)丁寧にといっても、検討していかなきゃいけないって、これは大変心配ですね、厚労大臣がそういう姿勢では。
 医療費も上がっていく、介護も今度二割に上げていったら、本当に、医療を削る、あるいは介護の必要なサービスも我慢しなきゃいけない、こういうことになっちゃいますよ。元々、介護保険は、社会で介護をみんなで支えよう、介護の社会化で始まったわけですから、そこからどんどん離れることにこれはなってしまいますので。大臣がその姿勢じゃ大変心もとないですので、よく考えてしっかり闘っていただきたいというふうに思います。
 それから、財政審の問題で、三点目で、次のページでございますけれども、資料の六ページ目に、セーフティーネットの問題について指摘をしております。
 政府が新型コロナへの対応として、雇用支援から生活が困窮している方への支援まで、重層的なセーフティーネットにより支援してきているとして、最後のところで、平時においても切れ目のないセーフティーネットを整備しておくことは不可欠であり、これらの特例的な時限措置を検証し、財源を確保した上で、平時の対応につなげることも検討すべきであると、財政審としては珍しく、財源をしっかり確保して、平時のセーフティーネットの仕組みを、今回のを踏まえてもっとちゃんとつくろうということをおっしゃっておりますが、この点の大臣の受け止め、いかがでしょうか。

#292
○田村国務大臣 財政審のことばかり聞かれてもなかなか答弁に困るんですが、財政審がこういうことをおっしゃられるというのは、財政審の中でもいろいろと、やはり今の社会の現状というものを考えて、時には手厚くいろいろなことをやらなきゃならないということを御認識をいただいている方もたくさんおられるということを改めて再認識をさせていただきました。これからもそういうお考えを更に厚くしていただきながら、この国で非常にお困りになられている方々に対して御理解のいただけるいろいろな御意見が賜れれば大変ありがたいなというふうに思っております。

#293
○宮本委員 本当に、財政審としては珍しいですよね。大体、厚労省の部分はろくでもないことしか財政審は書いていないんですよ。私は財政審をよく使っていろいろなところで質問しているんですけれども、防衛省のところについての指摘は大変いいことをよく財政審は書いていまして、私はそこをよく使って、こんなに思いやり予算はおかしいじゃないかとかと財政審も言っているじゃないかということを予算委員会などでもやってきましたけれども。厚労省について、珍しくこういうことを、財源を確保してセーフティーネットの強化を訴えているわけでございます。
 ですから、ここは本当に意を強くして、やはりセーフティーネットを手厚くしていくということを、ある意味財務省のお墨つきみたいなものですから、挑んでいっていただきたいなと思います。
 その点で、これはずっと前から通告をしていて、いつも尾身先生とのやり取りなどがありましてたどり着かなかった質問で、住宅確保給付金について。
 これは、この財政審の指摘も受けて、やはり生活保護の一歩手前の生活困窮者への恒久的な支援制度に発展すべきではないかというふうに思っております。その点、大臣、いかがですか。

#294
○橋本政府参考人 御指摘の住居確保給付金でございますが、これは新型コロナ感染症の特例といたしまして、令和二年度中の新規申請者について、支給期間を最長九か月から十二か月まで延長しました。また、支給が終了した方に対して三か月間の再支給を可能とする措置につきましては、申請を今年の六月末までというふうにしておりましたが、今般、九月末まで延長するということにしてございます。
 こういった今申し上げたようなことは、新型コロナ感染症の影響を踏まえた特例としてやっているものでございまして、これを直ちに恒久的な措置とするものではございませんし、また、支給期間の更なる延長等については慎重に考える必要があると思いますが、いずれにせよ、厚労省としては、新型コロナ感染症の今後の動向等も踏まえまして、必要な方へ確実に支援が届くように努めたいと思っております。
 今、支給期間の制限のない家賃補助としての恒久化というふうな趣旨でお尋ねいただいたというふうに思いますが、この給付金は、離職等によりまして経済的に困窮して住居を失うおそれがある、そういう生活保護に至る前の段階にある方に対して家賃相当額を支援し、求職活動等を要件として就労による自立を図るということを目的としておりますので、そこには一定の収入要件や資産要件を課しております。
 仮に支給期間の制限なしというふうなことで考えてまいりますと、自立につながらない状態が長期にわたってくるというふうになりますと、家賃以外の生活費の部分がこれは不足してくるということも想定されますので、やはり、そのようなケースを想定しますと、最終のセーフティーネットである生活保護による支援の方がより適当ではないかというふうに考えてございます。

#295
○宮本委員 問題は、ですから、生活保護に至るまでの方々をどう支援するのかというのがこのコロナでも問題になったわけですよ。これは、別に、コロナ前からあった問題なわけですよね。本当にもう手持ちのお金が数万円になるまで生活保護が受けられない、しかし、そこに至るまでに本来もっと支援しなきゃいけないんじゃないかというので、この住宅確保給付金もリーマンの後にできたわけじゃないですか。しかし、それをコロナで実際使おうと思ったら、収入要件だとかいうのもしっかり見直していかなきゃいけない、あるいはフリーランスみたいな人もしっかり使えるようにしなきゃいけないということで、見直しをしたわけですよね。そういうものをちゃんと平時にも使えるようにしていきましょうということが、恐らく財政審の皆さんも考えていることなんじゃないかというふうに思うんですよ。
 大臣、そうですよね、恐らく。

#296
○田村国務大臣 これをもってして財政審がおっしゃっておられるか、ちょっと私、聞いていないので分からないんですが、基本的に、住居確保給付金なんですけれども、今局長からもお話がありましたが、これは九か月を十二月に延長して、特例で再支給も三か月やっているんですが、本来はやはり、九か月間の間に自立に向かった支援をしっかりやらなきゃならないということなんだと思います。
 今コロナ禍でございますので、そうはいっても、今までやってこられたお仕事等々自体が吹っ飛んじゃう、吹っ飛んじゃうという言い方はよくないんですが、例えば飲食ということからすると、全く店を閉めているという状況で、なかなかそういう対応ができないところ、延長等々もしてきたわけでありますが。
 本来、平時においては、九か月なら九か月間の間にしっかりといろいろな職業能力もつけていただいて、次に向かっての対応も含めてやっていただくということなんであろうと思いますので、そこに力を入れていくことが非常に重要だというふうに私どもは思っております。

#297
○宮本委員 是非、今回生まれたコロナ特例、様々なものについて、やはり一つ一つ、これはコロナじゃなくても必要なものだったものがたくさんあると思いますので、そこはよくいろいろな支援団体の皆さんの意見も聞いていただいて、財政審の皆さんの意見も、是非、あるというんですから、しっかり具体化をお願いしたいと思います。
 それからもう一点、これも前からずっと通告していてたどり着けなかった問題なんですけれども、緊急事態宣言が延びている中で、就労継続支援に取り組む事業所の皆さんから、また物品販売とかをやっていたイベントがどんどんなくなって大変困っているというお話を伺っております。
 昨年は生産活動活性化支援事業というのが行われて、これが大変助かったという意見もあります。これを是非今年度もやってほしいという要望が出ているんですが、いかがですかね。

#298
○赤澤政府参考人 お答えいたします。
 新型コロナウイルス感染症による様々な社会経済活動への影響を踏まえまして、就労継続支援事業所の生産活動をしっかりと支えていくことは重要だと考えております。
 このため、これまでも、生産活動が停滞している就労継続支援事業所に対しまして、障害福祉サービスの報酬算定に当たって柔軟な取扱いを認めているほか、令和二年度の第二次補正予算の生産活動活性化支援事業、先ほど先生の御指摘いただいた事業でございますが、これによりまして、生産活動による収入が落ち込んでいる事業所に対し、例えば設備メンテナンス経費など、その再起に向けて必要となる費用を助成するなど、その事業継続に向けた支援を実施してきたところでございます。
 令和三年度予算におきましても、引き続き事業所の生産活動を後押しするため、工賃向上計画支援等事業によりまして事業所に対する経営改善や販路開拓等の支援を実施することとしておりまして、特に、新型コロナウイルス感染症により生産活動に大きな影響が出ている事業所を積極的に支援することとしております。
 引き続き、新型コロナウイルス感染症による影響を注視しながら、障害者の方の働く場や工賃確保のため、就労継続支援事業所の生産活動を支援してまいりたいと考えております。

#299
○宮本委員 ですから、ちゃんと前回と同じように、五十万円ですよね、前回、去年まで出していたのは。これをやってほしいというのが出ていますので、是非御検討いただきたいと思います。
 次に、この間いただいている雇用の問題についてお伺いいたします。
 大阪大学の非常勤講師の問題です。
 香川大学で四百人の非常勤講師が業務委託契約になっていたというのが、大問題がありましたが、これは四月一日から直接雇用になりました。大阪大学等でも同じ問題があります。
 資料をお配りしておりますが、八ページ目で、この問題で文科省が事務連絡を出しております。
 「今般、一部の大学において、大学が直接雇用していない者に実質的に授業科目を担当させるという不適切と思われる事案がありました」として、「大学の職員(教員を含む。)とは、学長の指揮命令権の下で大学の校務に従事する者であると解しており、」「請負契約等により大学の校務の一部を請け負った個人事業主については、学長の指揮命令権の下で当該校務に従事する者ではないため、職員には当たらず、したがって、学校教育法上授業担当教員となることができると解される講師」「として発令することはできない。」と書いてあります。つまり、学校長の指揮命令の下での授業や成績評価を行っている講師は、個人事業主として請負契約や委託契約で働かせることはできないということだと思います。
 ところが、二〇〇四年から大阪大学と準委任契約を交わしている非常勤講師は、授業を担当して、成績の評価もしております。
 文科省と厚労省にそれぞれお伺いしますが、文科省に対しては、事務連絡の趣旨を全国の大学に徹底し、香川大学のように適切な契約変更を行うよう指導すべきではないのか。厚労省に対しては、文科省の事務連絡の趣旨を踏まえ、労働者としての実態があれば労働契約であると認定して、無期転換を認めるなど、労働者として保護すべきではないのか。お尋ねいたします。

#300
○川中政府参考人 お答えいたします。
 大学の授業におきましては、準委任契約を締結した者など、大学が直接雇用した教員以外の者を活用する場合には、関係法令に基づきまして、担当教員が授業実施状況を把握していること、担当教員による成績評価が行われていることなど、大学が主体性と責任を持って、当該大学の授業として適切に位置づけて行われる必要がございます。
 本年三月、香川大学におきまして、準委任契約を締結した者に実質的に授業科目を担当させるという、不適切と思われる事案があるとの報道を受けまして、香川大学に事実関係について確認を行うとともに、法令にのっとった対応を取るよう指導を行い、大学において直接雇用に切り替える等の対応が行われているものと承知してございます。
 また、御指摘の大阪大学における状況につきましては、現在、大学に対しまして事実関係の確認を行っており、仮に不適切な事案が判明すれば、必要な指導助言を行ってまいります。
 文部科学省では、本年四月、大学が準委任契約等を締結した者を活用して授業を実施する場合の留意点につきまして全国の大学に事務連絡を発出しており、各種会議等、あらゆる機会を通じまして、全国の大学に適切な対応を求めてまいります。

#301
○吉永政府参考人 個別の事案につきましてはお答えすることは差し控えさせていただきまして、一般論として申し上げますけれども、労働契約法におきましては、労働者とは、使用者に使用されて労働し、賃金を支払われる者をいうと規定されているところでございます。
 労働者に該当するかは、最終的には司法において判断されるものでございますけれども、契約の名称にかかわらず、労働者であることが認められた場合につきましては、労働契約法第十八条の要件を満たすときは無期転換ルールの対象となるものでございます。

#302
○宮本委員 大阪大学について今調べている最中だということでございますが、しっかり、香川大学と同じように、ちゃんと直接雇用にしていただきたいというふうに思います。
 時間になりましたので、残りの問いはまた次回させていただくということで、終わります。
 ありがとうございました。

#303
○とかしき委員長 次に、青山雅幸君。

#304
○青山(雅)委員 日本維新の会・無所属の会、青山雅幸でございます。
 本日も大変貴重な機会、ありがとうございます。
 早速です。
 まず、この後、採決が行われる予定であります医療的ケア児に関する法律案についてお伺いします。
 この法案第三条四項では、「医療的ケア児及びその家族に対する支援に係る施策を講ずるに当たっては、医療的ケア児及びその保護者の意思を最大限に尊重しなければならない。」と規定されています。一方では、法案五条には地方公共団体の責務、法案六条には保育所の設置者等の責務が規定されております。
 この責務ということは非常に強い意味を持つものでございますが、保育所の設置者等の責務として、具体的にどのような措置が求められているかといいますと、看護師等又は喀たん吸引等が可能な保育士の配置でございます。
 幼稚園や保育所は小規模な事業主体であることが多く、法案が求めるような措置を追加的に取るだけの余力が必ずしもあるとは限りません。そもそも、保育士が不足している中、保育士の待遇を向上させて、人材を確保するだけでも大変なのに、これらの措置を行う責務を求められると、事業者側も保育士ももたなくなるというようなおそれもございます。法文上は、責務を負うのは現に在籍している者に対するものであるということは承知しておりますが、それでもやはり厳しいものであることは変わりございません。
 この法案に基づく施策は、医療的ケア児及びその保護者のみではなく、サービスを提供する事業者及びその従業員の存在もあって初めて成立するものですから、この施策を行う際は、サービス提供側及びその従業員の意見も最大限取り入れ、配慮したものとすべきと考えますが、いかがでしょうか。

#305
○渡辺政府参考人 御指摘ございましたように、この法案の制定趣旨が適切に理解され、進めていくためには、保育所等を始めとする、そういった設置者の理解を得た上で進めていくということは非常に重要だと考えております。
 厚労省におきましても、これまで、この法案以外にも、予算事業の中で、医療的ケアを行う看護師等を配置するための加配のための補助なども行っておりまして、これまでモデル事業であったものを今年度から一般事業化するというようなこともやっておりますので、今後、保育所等での医療的ケア児の受入れが進んでいくように、引き続き、事業者の方ともよく意見交換をしながら、必要な対策を進めていきたいというふうに考えております。

#306
○青山(雅)委員 よろしくお願いいたします。
 次に、この法案の書きぶりだと、国や地方公共団体の責務はあるものの、センター等を委託される当事者と社福が直接対峙するような形になってしまっているとも思われます。医療的ケア児支援センター等に業務を行わせるとしても、その委託をする都道府県が、しっかりと責任を持って、医療的ケア児及びその保護者と社福をうまくコーディネートしなければならないと考えるものです。その責任の在り方について、都道府県が誤解しないよう、厚生労働省としても対応していただく必要があると思います。
 また、先ほどもちょっと触れましたとおり、施設の責務は現に在籍している者に限定されるというのが、これは、もちろん読む者が読めば分かるわけですけれども、一般の方には分かりにくいというところもございます。
 そういったところも含めまして、当事者団体や利用を考えている一般の保護者にも、法案のたてつけや限界、これを厚労省からきちんと広報していただく必要があると思いますけれども、いかがでしょうか。

#307
○赤澤政府参考人 お答えいたします。
 法案の十四条では、医療的ケア児支援センターにつきまして、都道府県知事は、社会福祉法人その他の法人であって当該業務を適正かつ確実に行うことができると認めて指定した者に行わせ、又は自ら行うことができると規定されているというふうに承知しております。
 御指摘いただきました、医療的ケア児及びその家族等からの相談、助言等を行うことや、支援に際して、保育所や児童発達支援事業所等の関係機関との連絡調整を行うことは、医療的ケア児支援センターの重要な業務として位置づけられているというふうに私ども承知しているところでございます。
 また、委託する都道府県が責任を持ってコーディネートすべきという御指摘をいただいておりますが、その点につきましては、同センターの業務を社会福祉法人等が行う場合でありましても、都道府県知事が業務を適正かつ確実に行うことができると認めた者を指定するものでありますことから、都道府県知事がこうした業務を適正かつ確実に行うことができるような必要な支援や助言を行うことは当然でございまして、このため、法律上も、更に必要な場合には都道府県知事は改善命令もかけられる、そういう規定にされているものというふうに考えているところでございます。
 広報の件につきましては、医療的ケア児センターに係る都道府県の役割、それから、御指摘いただきました保育所等の責務規定に係る内容、趣旨等につきまして、本法案の内容や趣旨を関係者にお伝えする中で、自治体、当事者団体や保護者の方々に対し、正しく理解していただけるよう適切な周知等を図ってまいりたいと考えております。

#308
○青山(雅)委員 誤解が生まれると、せっかくの法案が生きてこないわけですから、是非その点、よろしくお願いいたします。
 続きまして、医療的ケアの中でも呼吸管理、これはもう、私は、前にも申し上げたとおり、医療事故関係の事件を扱ってきた弁護士でございまして、非常に重要なことだと思っています。呼吸関係の、喉に切開されてこういったものを埋め込んでいる子供が、ここが詰まることによって亡くなってしまったという大変痛ましい事件を経験したこともございます。
 そこでお願いなんですけれども、この呼吸というのは本当に緊急なものでございまして、もう五分でもできなくなれば死に直結する、あるいは大変重い脳障害に直結するわけですね。こういった事故を、本当に一例、二例ではございますが、私も複数例経験しております。
 そこで、呼吸管理に関わる看護師、保育士に対する十分な研修と、これは一回やればいいというものじゃなくて、定期的に繰り返し注意を促していただきたいと思うんですけれども、この点、副大臣の方から明確にお答えいただければと思います。

#309
○山本副大臣 御質問ありがとうございます。
 委員御指摘のように、特に人工呼吸器管理などの医療的ケアに関しましては、生命身体に直結するものでございますので、適切な管理が求められるものでございます。
 医療的ケアを実施する看護職員や保育士に対しましては、医療的ケア児等総合支援事業によりまして、都道府県、市町村におきまして、地域の医療機関等と連携しながら、医療的ケアに係る研修が適切に行われるように支援を行っている次第でございます。
 また、保育所等における医療的ケア児の受入れにつきましても、平成三十年度に策定されましたガイドラインを昨年度改定いたしまして、安全対策なども含めた具体的な対応や事例、これはヒヤリ・ハット事例等を盛り込んでいる次第でございますけれども、本年五月に各自治体に周知を行った次第でございます。
 こうした取組等を通じまして、引き続き、事業所等においての看護職員等がより安全に医療的ケアを実施いただけるような環境整備に取り組んでまいりたいと思います。

#310
○青山(雅)委員 大切なお子さんの命に関わる件でございますので、是非ともよろしくお願いいたします。
 この法案に関しまして、最後にもう一問、法施行後三年を目途として再検討が加えられるということになっております。議員立法でもあるところでありまして、いろいろな想定していなかった不足部分あるいはゆがみが出る部分というのもあろうかとも思います。そういったものをきちんと修正していっていただきたいと思いますけれども、その点、副大臣の御見解をお伺いしたいと思います。

#311
○山本副大臣 医療的ケアに関しましては、その支援の現場におきまして、支援者が安全に行うことができるような環境の整備を図っていくことが重要でございます。
 委員が指摘を先ほどもされておりましたけれども、保育所の設置等の責務に係る内容等につきましてもそうでございますけれども、こうした本法案の内容、趣旨、関係者にお伝えする中で、適切な周知を図ってまいりたいと思う次第でございます。
 また、委員御指摘の、本法案の附則にございます法施行後三年をめどとした検討につきましても、本法案の施行後の状況をしっかりと見た上で、見直しの必要性を検討していくものと考えている次第でございます。
 今日は、立憲民主党の荒井先生や自民党の野田先生、この法案に関わっておられました公明党の高木先生を含めて、永田町子ども未来会議、私もそのメンバーに加えさせていただいておりましたけれども、政治家として、一議員としても、副大臣が終わった後もしっかりと関わってまいる決意でございます。

#312
○青山(雅)委員 ありがとうございます。
 この法案、議員立法でもある以上、政治の責任というのは大変重いと思います。是非よろしくお願いいたします。
 続きまして、新型コロナに関しまして、尾身先生にお伺いを幾つかしていきたいと思います。
 まず、今まで、体育の授業でのマスクであるとか身体測定での紅白帽の問題、あるいはサーフィンが密なのかというような、若干不合理とも思われる対策について、尾身先生の御見解をお聞きし、はっきりとしたお答えをいただいてきました、体育の授業でのマスクは文科省にお伺いしたわけですけれども。
 最近、非常に数多く寄せられる話の一つとして、出産時に妊産婦がマスクを着けさせられている、強制で着けさせられているという問題がございます。
 私も、思い返すと、第一子の出産のときに、初産婦は大変にやはり苦しいわけですね、私、立ち会いましたけれども、本当に、何か脳出血でも起こしてしまうんじゃないかというくらいに呼吸も乱れ、大変につらいというか、痛みも感じる。あそこでマスクを着けていたら、もうこれはちょっと大変だったんだろうなと。
 私は、先ほど触れました、事件において、産科の事件をよくやりまして、産科の事件は、これは低酸素、お母さんが低酸素になると胎児も低酸素になるわけですね。胎児心拍数図、CTG図というのがあるんですけれども、そこが異常所見が出てくるとまず何をするかというと、酸素マスクで酸素投与を始めるわけですね。そう考えると、出産時にこういうマスクを着けさせるということは、逆に低酸素に陥らせているようなものですから、今、少なからずとも胎児に対して悪影響も考えられるところでございます。
 これは、入るときに迅速抗原検査なりなんなり、あるいは、もう近いということが分かっているお母さんには毎日そういう検査をやっておいてもらって、そういうふうにある程度安全確保ができたら、これは管理する側が、お医者さんとか助産婦さんがN95なりなんなりをきちんと着けて、妊婦には出産に当たってはマスクを着けさせないというようなやり方が取れるんじゃないかと思うんですけれども、その点について尾身先生の御見解をお伺いしたいと思います。

#313
○尾身参考人 委員御指摘のように、どうも私の理解では、一部でしょうけれども、一部の産科の医院で妊婦さんにマスクを着けてということが、そんな多くはないんでしょうけれども、これは私は全く必要がないと思います。それで、私の理解では、産婦人科の学会なんかも必要ないと言っているし、厚生省もそういう見解を持っている。
 今委員おっしゃったように、妊婦さんには検査をやっていただいて、あるいは医療従事者の方はワクチンということで、これは、私は、やる方が危険で、やめるということをもう厚生省が言っているので、それを徹底していただければと思います。

#314
○青山(雅)委員 大変明確な答弁をありがとうございました。この質疑をするということで、大変注目していらっしゃるお母さんもおられます。大変心強いお言葉、ありがとうございます。
 また、厚労大臣に、是非今のことをより今後広報していただくように、この場でお願いをしておきます。よろしくお願いいたします。
 続いて、ちょっとオリンピック開催について尾身先生にお伺いしたいと思います。
 私は、今日もオリンピック開催の議論をここでされておりました、取りやめるべきだということを言われていますけれども、少し違う考え方を持っております。
 国際的に見れば、いつも申し上げているように、他国に比べれば、欧米に比べればそんなにひどい感染状況ではない。大体半分以下、感染者数のレベルは。御承知のとおり、テニスの四大大会、全仏オープン、今、大坂なおみ選手が棄権したことで話題を呼んでおりますけれども、あれも行われております。それから、全米プロゴルフというのが、つい先日、五月の二十四日に開催されました。資料九、これは、テレビでやっているのを私の方で、すごく気になったものですから、ちょっと写してみたんですけれども。ちょっと御覧いただければお分かりのとおり、物すごい大観衆がほぼマスクなしで集っているわけですよね。
 世界的に見れば実はこういう状況で、世界的なこういったビッグイベント、ゴルフ、テニス、その他いろいろ、インディ五〇〇などもそうですけれども、インディカーレースなどもそうですけれども、開催されている状況です。
 アメリカだからというふうにおっしゃる方もいるかもしれませんが、ワクチンの完全接種率はアメリカはまだ四一%ですので、そんなに、言われるような集団免疫が達成できるレベルには達していませんけれども、アメリカの新規陽性者数は急減しているものですから、この資料九を御覧のように、こういう状況がアメリカでは既に生まれており、再三御紹介するとおり、消費者物価指数が急騰している、そういう状況にもあるわけです。つまり、世界はもう既に前に向けて歩みを始めているわけですね。
 どういう状況で前へ向けて歩みを始めているかというと、アメリカの昨日の新規陽性者数は一万七千八百二十一人、百万人当たり五十三人です。日本は三千三十六人で、百万人当たり二十四人。アメリカも日本も減っておりますけれども、日本はアメリカの半分以下です。フランス、全仏オープンをやっておりますけれども、ここは、昨日の新規感染者八千百六十一人、百万人当たり百二十四人と、日本の約五倍ですかね。そこまでの感染者数でも、世界的なこういったスポーツのイベントをやっているわけです。
 じゃ、先ほどお見せしたこういう状況で、感染者数は増えたかというと、ちょっと調べてみました。これはどこでやったかというと、キアワアイランドというところ、サウスカロライナ州です。これは五月二十四日の映像です。五月二十四日に、ここは新規感染者数三百八十四人でした。昨日はどうだったかというと、百二人です。これだけ人流が出る、しかもこれだけ密に集まっても、順調に、アメリカ全体と同じく新規陽性者数は減っております。
 こういう世界の状況を鑑みたときに、午前中の質疑で尾身会長もおっしゃっておりましたけれども、私は、参加者の、アスリートの心情にも我々は配慮しなきゃいけないんじゃないかなと強く思うわけですね。アスリートにとっては四年、今年に限って言えば五年に一度の大舞台で、ここを逃すともう一生チャンスは巡ってこないかもしれません。それに当たっては、常人には考えられないほどの尋常ならざる努力で参加をし、そしてメダルを目指して彼らは戦うわけですね。アスリート人生、その後の進路、人生そのものを懸けてここに挑んでいるわけです。
 振り返って、我が国を見てみると、実は、先ほどから申し上げているとおり、日本の感染レベルというのは、世界的に見れば、主要国と比べても半分以下。EUは、今日の朝日に載っておりましたけれども、日本を観光などの不要不急の渡航を認める国のリストに加えたと。朝日の見出し、「EU、日本は「安全国」」です。
 こういう状況で、確かにまだまだ、入院、重症者数とか、受入れ病床数から比べれば逼迫しているところもあるんですけれども、そこは、もう再三私が申し上げているとおり、病院間の調整がうまくいかずにきちんと受け入れられていない、あるいは、都道府県によっては余裕があるのにそこに送るなという、国内的な努力で何とかなるところを、そこが残念ながら至っていないということで、それで返上なんということになれば、私は、日本の国際的信用はがた落ちになると思うんですね。まだ海外報道は、日本国内のこれを支持する、支持しないのパーセンテージを言っているくらいですけれども、やがては気づくはずです、海外も。もしこれが返上なんという話が出てくればですね。
 勝手に押しつけられた大会ならいざ知らず、これは御承知のとおり自分で立候補しているわけですね。これを受託しながら、そして、世界の主要国では日本よりもはるかに高い感染レベルでいろいろなスポーツイベントをやっているのに、日本だけ返上するというのは、私は、ちょっと日本として、あるいは日本人として責任感がどうなんだろうかというふうに考えております。
 そこで、私、これはあえて私も尾身会長にお伺いするんですけれども、尾身会長があたかもキャスチングボートを握っているかのように、今日も再三答弁を迫られておりました。尾身会長も十分にわきまえられた上でお話をされるわけですけれども、そもそも分科会の役割というのは、私、調べてみたところ、新型インフルエンザ特措法六条五項で、政府行動計画の作成に当たっては有識者会議の意見を聞かなければならないと定められていることに基づくもので、閣僚会議の決定で分科会が設けられ、さらに、その分科会の設置についてという文書でもって、一番としては感染動向のモニタリング、二番として、ワクチン接種の在り方、接種の優先順位、それから三番として、次の波対策を含めた今後の新型コロナウイルス感染症対策で、それは何かというと、検査体制、医療提供体制の強化、保健所機能、サーベイランス等の在り方、市民生活、事業活動における留意事項、リスクコミュニケーションの在り方、研究推進体制や疫学情報共有の在り方となっているわけですね。
 そうすると、そもそもオリンピック開催の是非については、日本政府は契約当事者でないことをさておいても、明らかに分科会の役割、役目ではないわけですね、これに関して開催の是非を問われることは、あるいは検討することは。オリンピック開催の是非という政策決定判断は東京都とIOCが行うべきものであって、政府は出入国政策などの観点や警備を含めた事実上のサポートの観点からいけることはあり得るとは思いますが、政府自身の決定事項でさえもないわけです。
 そうすると、ようやく、ごめんなさい、尾身先生への質問に入っていくわけですけれども、尾身会長に対して公的な場でその是非について意見を求めるのはもう本来筋違いである。そして、分科会は、あくまで感染症対策の一環として、感染に関する現在の状況と見通し及び開催が決定した場合にどのような対策を取るべきか意見具申するにとどまるものと考えますが、尾身会長、この点はいかがでしょうか。

#315
○尾身参考人 分科会というのは、政府の感染対策について助言をいろいろなことで。そういうことがあるので、今回私がもう再三申し上げているのは、オリンピックが開催すれば地域の感染に影響があるから、そのリスクがどういうふうにあるかということについて述べるということは我々の責任だということで、それ以後の話、判断は我々の責任の外にあると思っています。

#316
○青山(雅)委員 おっしゃるとおりだと思います。
 発言を切り取って報道もされています。私は、そういうやり方自体が妥当ではないと思います。尾身会長、きちんと御自身の役目あるいは分科会の役目を把握されているようで、私としては安心したところでございます。
 続きまして、いつも社会距離政策、これについていろいろな議論はさせていただいております。私、あくまでこれは議論として今後の参考にする、あるいは今後の対策を練るためにしているわけであって、今やっていることが悪いとか、今までがどうだったかというような、そういう後ろ向きな議論をしていることではないことを前提にお聞きいただきたいと思います。
 これからの話でございますけれども、今日も時間があればさせていただきたいんですけれども、先日も報道された、今後策定される骨太の方針においても、当然、今回のパンデミック下で浮き彫りになった医療体制をめぐる問題について抜本的改善策が検討される予定と書いてございました。
 それに対してはまた後でお話をさせていただきたいと思いますけれども、そういったことを前提としながらも、やはり今後、万一に備えて、真に有効なそれ以外の対策、先ほど申し上げた社会的距離政策、これについても不断の検証と見直しが必要だと私は考えております。
 その観点から、これほど大規模な社会的実験のようなものは今まで、いまだかつて行われたことがなかったものですから、やった場合とやらない場合、これはどうかということを検討する必要があると思うんですね。
 日本は欧米の政策を手本とすることが多くて、それは明治以来の伝統だと思います。ヨーロッパは基本的に全てが、若干違う方向性はありますけれども、社会的距離政策を各国ともメインとしてやってきた、これは御承知のとおりです。一方で、アメリカは対照的な政策を州によって取っているものですから、比較がすごくやりやすいわけですね。
 例えば、資料二を御覧ください。
 アメリカにノースダコタとサウスダコタというところがございます。これは、見てお分かりのとおり、上の方がノースダコタで、下の方がサウスダコタ州でございます。広さも人口もほぼほぼ似通っておって、非常に比較対照しやすい。これは珍しいんですけれども、両方共和党の知事でありながら、社会的距離政策を取った州と取らない州で分かれております。ノースダコタが取っていて、サウスダコタが取っておりません。
 どうだったかというと、資料三を御覧ください。
 これは、ぱっと見るとあれなんですけれども、要は十一月からの話です。去年の十一月からは、ノースダコタだけ社会的距離政策を取っています。何をやったかというと、マスクの義務化と飲食施設の人数制限、営業時間制限、高校のスポーツ活動その他の課外活動を全て中断。ですから、日本が取る緊急事態宣言や蔓防、諸外国に比べ緩い措置ですけれども、同じようなことをやっているわけです。
 感染状況がその二つの州でどう変わったかというのを見ていただきたいんですけれども、資料四がその図でございます。
 この資料四を見ていただくと、これは百万人当たりで、人口はほぼ一緒なんですけれども、一応精密に比較するために百万人当たりに算出したもので推移を見てみました。これはびっくりするほど同じなんです。これを見ると、社会的距離政策、飲食店を中心とした社会的距離政策に一体意味があるのかというのをやはり誰しもちょっと疑問に思うところだと思います。
 そういった議論を前に、厚労省のある方と話をしたら、人口が少ない過疎地域だからというようなことで、少し鼻で笑ったような対応をされたものですから、では、人口が多いところはどうでしょうということで調べてみました。
 資料五を御覧ください。
 これは、見ればお分かりのとおり、カリフォルニアとフロリダです。カリフォルニアは人口が四千万人、フロリダは二千百万人です。両方とも東京よりも大きいわけですよね。そういう大都市圏でどうだったのかということです。こちらはすごく分かりやすくて、カリフォルニア州は、皆さん御存じのとおり、伝統的に民主党が強いところ。ですから、こういう社会的距離政策もがんがんやったところ。フロリダは共和党で、全然やっていないところです。
 資料六、御覧ください。
 これは、分かりやすいように線を引いておいたんですけれども、去年の春先、三月は両方とも外出禁止令をしいていました。五月に緩和した後は大きな差が出まして、カリフォルニアは八月二十八日に社会的距離政策をあらかじめ発表しています、どういうふうに取るかと。それに基づいて、十一月十六日にはマスクのガイダンスを強化し、十一月二十一日から一か月間、夜間の外出禁止令です。これはもうまさに人流抑制、飲食店の営業禁止なんかじゃなくて、夜十時から朝五時までは外出禁止です。それから十二月には、更に強化されて、重要なインフラと小売店を除くあらゆる店舗の運営を禁止しました。これを一月二十五日に解除するまで続けました。これは、つまり、日本の緊急事態宣言よりもよほど厳しい内容です。
 それでどうなったかというと、資料七を御覧いただきたい。
 これは、最初にある波のときにはフロリダの方が多いじゃないかと思うかもしれませんが、このときには両方とも対策していない時期です、去年の六月、七月。かなり厳しい対策をカリフォルニアが取り、フロリダでは何もしなかったときにどうなったかというと、これは驚くことに、カリフォルニアの方が多く、フロリダの方が波は小さい、こういうふうな状況になっているわけです。
 こういう例を見ても、これは同じアメリカの話です、私は、感染というのは、ある程度自然に増え、自然に減っていくというそもそもの性質があり、そこに人為的な政策がどの程度関与できるのかということに対しては、やはりもう一度考えてみなきゃいけないと思っているんですね。まず、その点について、尾身会長のお考えをお聞かせいただきたいと思います。

#317
○尾身参考人 委員、大変重要な問題提起をして、ありがとうございます。人の隔離みたいなのは必要ないんじゃないかという御意見ですね。
 実は、少し、先生は、今日は、今の話じゃなくて、これから将来の話、そういう中長期的な観点という議論ですから、そういう意味で、まず歴史を振り返ってみますと、これは公衆衛生の歴史ですけれども、ワクチンもない、治療薬もないというときに、感染をどうやって下火にするというときに、人の接触を、いわゆる検疫というのはクアランティーンといいますけれども、十九日陸上に揚げない、そこに隔離、ほかの人と接しない、そういうことがもう十九世紀ずっと、公衆衛生の歴史、人と人の接触を断つ、そういう意味では、今でいえば人流の抑制とか、そういうことをやってきたわけですね。
 そういう中で、今先生、アメリカの二つの例ですか、これは私どももちょっと勉強させてもらいますけれども、アメリカではまたもう一つ、先生のあれとはまた別の、全く別のデータというのは、これはもう我々公衆衛生学をやっている人の中で知らない人はいない古典的なデータというのが一九一八年のスペイン風邪のときにありまして、これは、アメリカの二つの都市、セントルイスとフィラデルフィアという町に、同じようにスペイン風邪でやられたわけですけれども、セントルイスはかなり強い対策を打ったわけです。フィラデルフィアはいろんな理由があってやらなかった。それの結果は明らかで、これが公衆衛生対策のバイブルになっているということ。
 それから、日本でいえば、これは今のあれですけれども、二〇〇九年の新型インフルエンザ。このときは、実は、委員御承知のように、あれは大阪と兵庫で初めて地域感染があったんですよね。ところが、あれは後でいろんな遺伝子検査をしますと、多分、メキシコのようなところから入った豚由来のという新型、これが日本で初めて感染が見つかったのは兵庫と大阪です。この二つの知事が果敢に学校閉鎖をしたんですよね。学校閉鎖をやったために、実は、いろんな株がありましたけれども、これは後で分かったわけですけれども、大阪と兵庫県は、あのウイルスは駆逐されたんです、一回。そのぐらい学校閉鎖だとかいわゆるソーシャルディスタンス、今回いろいろなことがありますが、そういうことが今まであるので。ただ、先生のおっしゃる自然減というのは当然あると思います。
 それで、そういう中で、最後、終わりにしますけれども、将来どうするか。
 実は、新しい病気が、今でもワクチンが開発ができるまではどうしてもソーシャルディスタンシング、治療薬もない、ワクチンもない、そういう方法に今でも頼らなくちゃいけない。今回の場合はワクチン。
 そういう中で、人々の行動を、もう二十一世紀ですよね、十九世紀的な方法をまだ使っているというのが今の。そういう意味では、私は、これからワクチンに加えて、検査だとか、それこそIT、コードを使った、今の情報がすぐに分かるというようなこと。
 あとは、ポリオ、小児麻痺というのがございますよね。あれなんかは実は下水のサンプルをやると物すごく分かって、今もそのことが実験的に。下水ですから全然侵襲もないわけですよね。
 そういうことで、今、一つの仮説、かなり研究が進行中ですけれども、下水の中にあるウイルスの量がある程度高くなると、実際に感染が広がる前にそれが早く探知できそうだということも分かっているし、あとは、飲食店というのが、委員は飲食店だけなぜやるのかということで、そういうこともあるので、私は、そういう意味では、もうなるべく早く飲食店なんかも、科学技術の力を使ってCO2をモニターしたり、換気の。
 そういう時代に今はなりつつあるので、日本が、そういうところに、ここまで来て、これから後、七月、八月、そういうものの世界に冠たるリーダー的な役割を果たしてもらえればと私は思っています。

#318
○青山(雅)委員 ありがとうございます。
 これは今日決着がつくお話ではありませんし、尾身先生にこういった分析もあるんだということを知っていただきたくて、今日質問したわけです。
 アメリカでは、非常に面白い、ああいう国ですから、社会的距離政策と感染者数、これは相関があるかないか、幾つもほかにも州があるものですから、やると、基本的に相関は認められない。ところが、失業率とは強い相関がある、こういうような残念な結果も出ております。また、これは追って御紹介できればと思っております。
 それから、あと二つありまして、新型インフルエンザの例を出されたわけですが、あのときには、非常に孤発例といいますか、たしか私の記憶では高校生か何かがメキシコ旅行か何かで帰ってきてというような話だったと思うんですけれども、確かに、あのとき見事に抑え込めたわけですけれども、国内での感染は。少し例が違うかなと思います。私も調べさせていただきたいと思います。
 それから、最後におっしゃった科学的技術を利用した対策、これは大賛成でございまして、再々申し上げております迅速抗原検査を活用して、これはもっともっと、いつも申し上げている介護施設なんかの防疫に役立ててもらいたいと思いますし、また、場合によっては、飲食店での営業時間制限とかに代えて、入店してくださる方にそれをやって、陰性だったらどうぞというようなやり方だってあると思うんですね。ですから、是非その点について、また分科会の方でも真剣な御検討をお願いしたいと思っております。
 何でこういうことを申し上げるかというと、感染様式も、やはりまだ今現在も、飛沫感染なのか、マイクロ飛沫感染、エアロゾル感染という言い方もされますけれども、接触感染なのか、あるいはその割合がどうなのかとか、こういう基本的なところが分かっておらず手探りで、皆さん御苦労されている。逆に言うと、対策も手探りなところがございますので、ここは、私ども政治家も含めて、謙虚に、常に今までやってきたことをゼロベースで見直すという姿勢は大切だと思いますので、また是非よろしくお願いします。
 それで、なぜそういうことを申し上げるかというと、これは当然御承知だと思いますが、資料八を御覧ください。
 私、非常に残念だと思っているのは、出生数が激減しております。婚姻数も激減していますので、これは当然といえば当然なんですけれども、また、その数は結構なものでございまして、これは見ていくと、今年一月は前年比で一万人減、八五%という衝撃的な数字になっておるわけです。これは、赤い方が平成三十一年、令和元年のもので、青い方が令和二年、令和三年。ですから、令和三年一月と令和二年一月を比べたもので、一万人も減っているわけですね。逆の言い方をしますと、日本にとって最も大切な新生児、若い世代が一万人失われたという言い方になると思います。
 これは、一万人という数字、ちょうど新型コロナの死者、死亡者と匹敵する数でございます。ですから、なるべくこういったことに影響を与えない施策に私は切り替えていくしかないと思っておりますので、是非その旨の検討もよろしくお願いしたいと思います。
 今の点について、できるだけやはり今後、国民にいろいろな制限を課す政策よりも、先生おっしゃっていただいたように、なるべく直接的な政策、そして国民に制限を課さない政策に切り替えていく、そういう視点があっていいと思うんですけれども、その点について御意見をお伺いしたいと思います。

#319
○尾身参考人 その点はもう委員と全く同感で、特に今ワクチンという本当にいい武器が出てきて、恐らく九月、十月頃になるとかなり効果が。
 それまでにどう乗り越えるかという意味で、もう一般の人々もコロナ疲れというか、飲食店を休業要請するとか自宅にいる、こういうことに頼るということから、だんだんといろいろな技術ができて、さっき先生がおっしゃった抗原の定性キットなんというのも、非常にいいものが今できて、多くありますので、私は、いつ解除できるか分かりませんけれども、六月の二十頃に、解除する時期ぐらいに、もうこれを、こういうITの技術、検査の技術、ワクチン、下水道、それから二酸化炭素、こういうようなものをフルに活用して、もう余り人々の生活に、今おっしゃったように、子供が生まれる率が少ない、あるいはメンタルヘルスの問題なんかも今出てきているわけですよね、そういう社会医学的な。こういうものをもうそろそろ、そういうものに対処するということで、せっかくあるテクノロジー、サイエンス、これをもうフルに活用、日本はそれができると思うので、これは全力で政府に予算も含めてやっていただければと思います。

#320
○青山(雅)委員 ありがとうございます。是非、分科会の方でもそういった議論をしていただきたいと思いますし、最後に田村厚労大臣に、今の議論のような形で、なるべく国民に負担をかけない、そういう形での対策に全力を挙げるように厚労省にもお願いしたいと思いますけれども、御所見をいただきたいと思います。

#321
○田村国務大臣 我々も国民の皆様方の生活に制約をかけたくない、これは本当のところであります。
 ただ一方で、感染者が急激に増えてきたという経験が年末年始あり、今回も大阪は大変な状況で、医療の逼迫ということがございました。そのときにはこうやって御無理をお願いしなきゃいけない。もうこういうことをなるべく減らしていきたいという思いでございますので、ありとあらゆる、今のICTも含めて、国民の皆様方の生活が元に戻る方向に我々としても何とかして対応してまいりたいというふうに考えております。

#322
○青山(雅)委員 政府、行政を含めまして、やれることがまだまだあると思っています。それで、いつも申し上げておりますけれども、不断の努力、見直しでやれることを探していって、国民に資するような政策を是非お願いしたいと思っております。
 本日はありがとうございました。

#323
○とかしき委員長 次に、高井崇志君。

#324
○高井委員 国民民主党・無所属クラブの高井でございます。
 今日は、この後の法案の関係で、私の時間は二十分しかありませんので、早速始めたいと思います。
 今日は、法制局長官に来ていただきました。お忙しいところありがとうございます。
 まずお聞きしたいと思いますが、私も、今、青山委員の質問は非常に勉強になりました。カリフォルニアとフロリダ、外出禁止によって大きく効果が違うと。私も同意見でして、やはり、もうロックダウン、諸外国やっていますけれども、日本はやらないというかできないと大臣もよく言われるわけですけれども、日本では難しい、あるいは憲法上難しいということもテレビなんかでもおっしゃっているのも聞きました。
 しかし、私はそんなことないんじゃないかなと思います。それは、例えば災害対策基本法とか原子力災害特措法なんかではいろんな、立入禁止とか私権制限をやっていますので、私はできるだろうと思っています。
 あるいは、もっと言うと、マスクの着用なんかも、この間テレビで、ニュースでやっていましたけれども、飛行機で、またマスクを着用しないことで一時間飛行機が飛ばない、そして、ついに、飛ばないことに腹を立てて降りたお客さんもいたということがあったり。あるいは、数か月前には、飛行機がわざわざ別のところに着陸したなんということもありましたし。本当に何かばかげているなと思います。本当に多くの人が、まさに公共の福祉に非常に反していることをやっているのではないかと。
 そういう意味では、私は、マスクだって義務化してもいい。罰則まではという議論はあるかもしれません。私は努力義務でもいいと思いますけれども、努力義務にすることによって、やはり、私は、飲食店で、例えばマスク会食、マスクしてくださいといっても、なかなかお店はお客さんには言えない、しかし、努力義務があれば、それは言いやすくなるということもあると思います。
 それから、これはこの委員会で何度か取り上げている海外からの入国者に対する隔離、これもなかなか大臣は難しいとおっしゃる。そして、自宅待機を今要請して、いろいろ誓約書とかを書いていただいていますけれども、やはり相当の人が守れていない。これなんかは、私は、やはり罰則というのがあるとないとで大きく違うと思います。
 こういったことをやろうとすると、何か、マスコミなんかでも、日本ではできないんだとかとよく言うんですけれども、本当にそうなのか。これは是非法制局長官に、憲法上の理由でできないんだと言う方は多いんですけれども、内閣法制局長官として、具体的に私申し上げましたけれども、今のようなケースは本当にできないんでしょうか。見解をお聞かせください。

#325
○近藤政府特別補佐人 お尋ねのような、いろいろ今例を挙げられました措置について、私ども、恐縮でございますけれども、具体的に詳細な検討を行ったことがなく、ちょっとお答えすることは困難でございます。
 その上で、あえて一般論で申し上げれば、先生もよく御承知のように、憲法が国民に保障する基本的人権であっても、法律により、公共の福祉のために必要な場合に、合理的な限度において制約を受けることはあり得ると解されておりますけれども、その場合における公共の福祉による制約については、その具体的な内容や制約の可能な範囲等については、個別の立法の目的や内容等に応じて、その必要性や合理性の面から具体的に判断する必要があるものと解してきております。

#326
○高井委員 法制局には是非、そういう、各省から申出がなくても、いろんな国民の皆さんの中で議論になっていることですから、まあ、検討はされているけれども今この場では言えないということかもしれませんが。
 でも、私は今の答えを聞いて、やはりできないことは全然ないんだ、個別の法律にちゃんと目的があって、それが説明できれば十分憲法上もできるというふうに解釈をいたしました。
 これは是非大臣も、でも、おっしゃるとおり、政府じゃなくて国会がということも理解できます。
 私、今日、さっき玉木代表とも話して、是非国民民主党で出しましょうよと。それはいいなという話になりましたので、是非出したいと思いますよ。
 本当に、特措法も、あの今年の一月の時点と状況も随分変わりましたし、やはり国民の、世論の見方も随分変わっていますから、私は、今言ったような私権を制限するようなことも、十分国民の皆さんは。むしろそれによって反する公共の利益が、公共の福祉が非常に侵されている。特に、やはり飲食店とか、特定の業種、特定の業界にそれによって物すごく負荷がかかっていて、そして経済的損失が何兆円、何十兆円とあることを考えれば、国民の皆さんに一定の義務を課すということは十分理解されると思いますので、今、憲法上も私は問題ないというふうに理解しましたので、是非これは進めたいと思います。
 その上で、もう一問、せっかく長官に来ていただいたのでお聞きしたいんですが、実はこれは前から、コロナを災害にすれば随分いろんなことが解決すると。
 去年の四月の二十八日に、実は、立憲民主党の枝野代表がその質問をしているんですね。
 今、災害の定義というのは、災害対策基本法の中では、異常な自然現象又は大規模な火事若しくは爆発その他政令で定めるものと。だから、政令で定めれば災害に入るのね。例えば放射性物質の大量放出みたいな、まさに人為的なものであっても政令で定めているんですね。
 そう考えれば、私は、この災害に政令、コロナ禍を入れておけば随分いろんなことができたのになと今でも残念なんですが、そのとき西村大臣がこう答弁しているんですね。法制局と早速相談をいたしたんですけれども、やはり、この災害基本法あるいは災害救助法の災害と読むのは難しいという法制局の判断もいただいたところでありましたと。
 西村大臣は、法制局が駄目だと言ったから災害とは読めませんというふうに答弁しているんですけれども、今日、長官に聞きますけれども、何で法制局は駄目だと判断したんですか。

#327
○近藤政府特別補佐人 今お尋ねの御答弁の話ですけれども、令和二年四月二十八日の衆議院予算委員会において、災害救助法等の災害についての西村大臣がされた答弁に関するものと思われます。
 災害救助法等の解釈については、一義的にはこれを所管する内閣府において答弁していただくべきものと私ども考えておりますけれども、その上で、今御指摘の答弁の中で法制局に言及をされましたけれども、ちょっとそういうことで、そこについて御説明をいたします。
 実は、質疑当日に、内閣府の防災担当の方から当局に大臣の答弁案についての御照会が朝ありまして、それを拝見して、私ども、意見はないよと答えたことを多分察して、そういうふうにおっしゃったんだと思います。
 内閣府防災の方からは、災害救助法においては、災害対策基本法に定める災害と同じく、地震や豪雨などの大規模な自然災害により、市町村の人口規模に応じた一定規模以上の住家の滅失が生じた場合を法の適用対象としているところであり、新型コロナウイルス感染症を災害救助法にそのまま適用することは困難であると考える、こういうふうに答えたい、答えますよということで御照会がありまして、私どもも、災害救助法の所管省庁がこのように解釈するということについて論理的な誤りがあるとは言えないということから、意見がない旨回答したということでございます。

#328
○高井委員 いや、びっくりしましたよね。当日に、しかも内閣府が作った答弁がこれでいいかどうかという確認で、それで意見なしと言った。確かに、整合性が、別にその答弁が憲法違反とか法律違反ということはないでしょうから。しかし、当時、枝野代表が聞いた質問は、内閣府として、政令で定められると災害対策基本法に書いているんだから、政令にしたらいいじゃない、災害にコロナ禍も入れたらいいじゃないかということを聞いているのに、この西村大臣の答弁は、法制局と相談したけれども、法制局では災害と読むのは難しいという判断があったと。
 これはちょっと、本当に、虚偽答弁だと言っても私は過言じゃないと思いますよ。本当に、これは法制局も抗議した方がいいですよね。この答弁でずっと世の中通っていますからね、法制局が駄目だと言ったから、災害が。それ以降、このことを国会で取り上げていないから、確認できていないんですよ。
 私は、実は国会じゃない場で確認して、いや、それはおかしいと思って、今日改めてこの国会の場で長官にまで来ていただいて確認しましたけれども、やはりそれは、法制局が駄目だと言ったということじゃありませんから。これはやはり内閣府が検討して、災害に入れるかどうかを判断して、それで法制局に、それで、それが駄目かどうかというのを法制局が判断するという順序ですから、私は、やはりこれは非常におかしな話だと思います。
 今更ということかもしれませんけれども、やはり、でも、災害に位置づけることで大きく変わる、今、いろんな特措法とか、改正しなくてもできることもありますから、私は内閣府に是非やってもらうべきだと。今日、内閣府はいませんから、もうここまでにとどめますが、そのことは指摘しておきたいと思います。
 どうぞ、長官、お忙しいでしょうから、お帰りください。ありがとうございます。
 それでは、大臣、またかと思われるかと思いますけれども、総合支援資金。
 今日、私は最後の質問かと思っていて、もう本当に今日だけは引き下がれない思いで来たんですけれども、来週もあるようでございますので、また来週も引き続きと思いますが。
 この間、ずっと聞いてまいりました総合支援資金、そして、それに代わるというか代替措置として自立支援金をつくっていただきましたけれども、この間、局長から御答弁いただいて、大体、総合支援資金の再貸付けを受けている人が二十八万六千人いる、そのうち二十万人、二十万世帯強はカバーされるという答弁。ですから、七割が救っていただけるということを聞いて、ちょっと安心したわけですが、ただ、やはり、この要件を見ると、非常に厳しいんですね、収入、資産、求職のそれぞれの要件が。資産百万円以下とかハローワークで相談すること。
 これは何かというと、局長も答弁していましたけれども、住居確保給付金の基準をほぼそのまま引用しているんですよね。今日、伊藤財務副大臣も来ていただいていますけれども、恐らく、財務省対策というか、財務省がこうでもしないとうんと言わないから無理やりこういう基準を設けているんだと思うんですが、これで本当に二十万人をカバーできるのかと、私はちょっと、かなり疑問ですね。二十八万、七割がこの条件に、大体、私のツイッターを見ると、みんな、こんなのは当てはまりませんよと。
 総合支援資金というのは、本当に、困窮者の方ももちろん入っていますけれども、やはり、今までは結構仕事で稼いでいて年収四百万、五百万ぐらいあった方が、コロナでもう仕事がなくなっちゃって、そして借りているという方が多いんですね。そう考えると、私は、自立支援金の、今、三人以上で月十万、そして二人で八万、単身だと六万、これではやはりこういう方々は生活できないという、本当に悲痛の声が上がってきています。
 それと、やはり、さっきの要件も厳し過ぎるんじゃないかと。住居確保給付金の基準では、私は、二十万人、二十万世帯はカバーできないと思いますから、ここはやはりもうちょっと緩和をしないと、せっかくつくっていただいた、二十万人を想定していても、十万ぐらいで終わっちゃうなんてことになったら、本当にもうこれは本末転倒です。
 その間、また後から変えればいいという、でも、やはり皆さん一刻を争って、本当に生きるか死ぬかの思いで待っていますので、大臣、決めたばかりとはいえ、この支給額と要件、ここはもう一度、今日は財務副大臣もおりますので、是非協議していただいて、緩和をしていただきたいと思いますけれども、いかがですか。

#329
○田村国務大臣 まず、私、憲法違反と言ったのは、あれは、海外に出国する自由、その判例でありますので、そこを言ったので、今一連言われた話は、それは、私、憲法違反とかそういう話じゃなくて、私権を制限するので、結局、政府が短期間で決めるよりかは、国民の代表たる国会が御判断をいただく方がより国民の皆様方に御理解いただけるのではないか、こういうことを申し上げたということで御理解いただきたいと思います。
 今の話でありますが、また来週というお話もございました、また来週このお話をいただくのかも分かりませんが。
 ちょっとまだこれは、制度をこれからスタートをしていくということでございます。我々としては非常に使い勝手のいいような形で制度設計をさせていただいたというふうに思っておりますので、是非とも、これはもうまさに、生活困窮者支援金と言っていますけれども、私は、もうこれは緊急小口総合支援給付金だと思っています。まさにこれからのつなぎでございますので、そういう意味で、先生からいろいろとお褒めをいただいておりますこの制度、この制度で、本当にお苦しみになられている方々が、最後、これを使っていただいて自立をいただける、そういうような思いの中で制度設計いたしておりますので、是非ともお使いをいただければというふうに思っております。

#330
○高井委員 総合支援資金、緊急小口資金対策だというのは、私としては非常にうれしいですけれども、多分立憲民主党の皆さんは、それじゃ不十分だと怒っていらっしゃいますので。でも、そこは、確かに、総合支援資金を借りていなくても困窮者もいますから、そこもしっかり考えていただかなきゃいけないんですが、まずはこの総合支援資金を借りた方の、そして、何より、不承認になってしまっている方、この方は少なくともさっきの二十万には絶対入ると思っていますけれども。
 これは、ちょっと私、ただただお願いしてもしようがないと思うんで、具体的に提案をしたいと思います。
 大臣はよく、最大二百万円貸して、これ以上貸したらもう生活再建が苦しいとおっしゃるんです。でも、私はさっき言ったように、元々この総合支援資金を借りている方というのは年収四百万、五百万ぐらいの方が、今ゼロになっちゃっていたり、すごく少ないので借りているから、私はいずれ、二百万だって十分返せると思います。
 しかし、大臣がどうしても二百万は、これ以上貸すのが無理だというのであれば、東日本大震災のときの生活復興支援金というのがありまして、これが二十年なんですね、返済の償還期間が。これは二十年に償還すれば、今、一万六千円ずつぐらい毎月返さなきゃいけない、十年間。それを二十年にすればその半額で、月々八千円返せば済むわけですから、そうすれば、大臣の心配する、これ以上貸したら生活再建できなくなるというおそれはなくなりますので、是非この再貸付けの延長、これを考えていただきたいということを、是非大臣の見解を聞きたいのと、ちょっともう時間がなくなってきたので、伊藤財務副大臣にも併せてお聞きします。
 副大臣には是非、これはやはり公明党さんの大きな力でこの自立支援金はできたと私は思うんですね。でも、公明党さんだって、今まだこの五百億では足りない、更に三倍ぐらい対象期間を延ばすべきだと、この間、高木委員もおっしゃっていました。そうすれば千五百億ですよ。私は、この千五百億は、期間を延ばすよりも、金額がやはり足りませんから、金額を倍に増やす、それから対象者も倍に増やせば、千五百億でできるんですよ。
 公明党さんが考えているこの提案を、是非、副大臣、やはり公明党から財務副大臣が行っているというのは非常に大きな意味があると思うんですね。公明党のエースが行っているわけですから、財務省の言いなりになるんじゃなくて、やはり公明党の立場、やはり我々、困っている庶民の声を、是非、伊藤副大臣が財務官僚を説得してこの制度を変えていただく、その決意を併せてお聞かせください。
 まず大臣から、その後伊藤副大臣からお願いします。

#331
○田村国務大臣 生活復興支援資金でありますが、これは初めから二百五十万というような基準を置いて貸し付けているんですね、その二十年というところは。ですから、十年以上というのはかなりの金額を初めからお貸し付けをさせていただいているものでありますので、やはり普通は十年、自立をされる方においてはやはり十年という一つの期間の中でお返しをいただくというのが、先が見えながら返済をし、そして、返済し切ったときには元の生活に戻られるということでございますので。
 なかなか二十年というのは、お貸しをさせていただくのもあれなんですが、お返しいただくのもおつらいのではないのかなというふうに我々としては思うわけであります。

#332
○伊藤副大臣 これまで田村大臣とのやり取りもございましたけれども、様々な御議論の結果、公明党からの御提案も受けて、現在、政府内で協議をし、先ほど来出ております自立支援金の支給、あるいは緊急小口資金の特例貸付けの八月末までの申請期限の延長などを決定をさせていただいたところでございます。
 そして、何よりも、こうした状況を一日も早く脱するべく、ワクチン接種を始めとしたコロナ対策全体を全力で取り組んでいくことが極めて重要だと考えておりまして、当然のことながら、引き続き、重層的なネットワークによって、困窮されている方々の支援も行っていきたいと考えております。

#333
○高井委員 本当に、副大臣、お願いします。
 それと、大臣、通常は今ので、十年でしょうけれども、東日本大震災は二十年にしたんですね。私は、このコロナ禍も東日本大震災に匹敵する今国難だと思いますから、是非二十年、御検討いただきたいと思います。
 来週もやります。ありがとうございます。
     ――――◇―――――

#334
○とかしき委員長 次に、中小事業主が行う事業に従事する者等の労働災害等に係る共済事業に関する法律案起草の件について議事を進めます。
 本件につきまして、橋本岳君外四名から、自由民主党・無所属の会、立憲民主党・無所属、公明党、日本共産党及び日本維新の会・無所属の会の五派共同提案により、お手元に配付いたしておりますとおり、中小事業主が行う事業に従事する者等の労働災害等に係る共済事業に関する法律案の草案を成案とし、本委員会提出の法律案として決定すべしとの動議が提出されております。
 提出者より趣旨の説明を聴取いたします。橋本岳君。

#335
○橋本委員 中小事業主が行う事業に従事する者等の労働災害等に係る共済事業に関する法律案の起草案につきまして、提出者を代表して、その提案の趣旨及び内容の概要を御説明申し上げます。
 本案は、中小事業主が行う事業に従事する者等の労働災害等の防止を図るとともにこれらの者の労働災害等その他の災害について共済団体による共済制度を確立しようとするもので、その主な内容は次のとおりでございます。
 第一に、労働災害等防止事業を行う一般社団法人又は一般財団法人は、行政庁の認可を受けて、共済事業を行うことができることとしております。
 第二に、認可を受けた一般社団法人又は一般財団法人が行うことができる共済事業は、中小事業主が行う事業に従事する者等の労働災害等のほか、これらの者の労働災害等以外の災害を対象とすることとしております。
 第三に、行政庁は、認可の申請者に関して、一定の欠格事由に該当しないこと、共済事業を的確に遂行するに足りる財産的基礎及び人的構成を有すること、労働災害等の防止事業を行うこと、社員等の関係者や営利事業を営む者等に対し特別の利益を与えないこと、役員報酬等について支給基準を定め公表していること等の基準に適合すると認めるときは、認可することとしております。
 第四に、行政庁は、共済事業の健全かつ適切な運営を確保し、共済契約者等の保護を図るため必要があると認めるときは、共済団体に対し、業務又は財産の状況に関し報告又は資料の提出を求め、立入検査を行うことができることとし、業務停止、認可取消し等の監督上必要な措置を取ることができることとしております。
 第五に、共済団体の社員等又は共済代理店等のほか、何人も共済募集を行ってはならないこととしておりますが、銀行等は共済代理店の届出を行って共済募集を行うことができることとしております。
 なお、この法律は、公布の日から起算して二年を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしております。
 以上が、本起草案の趣旨及び内容の概要であります。
 何とぞ速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
    ―――――――――――――
 中小事業主が行う事業に従事する者等の労働災害等に係る共済事業に関する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――

#336
○とかしき委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
 本起草案について発言を求められておりますので、これを許します。高井崇志君。

#337
○高井委員 国民民主党・無所属クラブの高井でございます。
 なぜ国民民主党会派だけ質疑するのかと思われる方も多いと思うんですけれども、実は、この法案については幾つか動議提出者に確認したいことがどうしてもあるということで、党の方から必ず質疑をするようにということで、私の先ほどの一般質疑の時間を削って、この時間に充てさせていただいておりますので、御理解をいただきたいと思います。
 今日は、足立さんや大西さん、この法案に御尽力された方も来ておられます。敬意を表したいと思います。
 それでは、橋本動議提出者にお伺いしますが、まず、中小事業主及びその事業に従事する者にとっては、保険会社及び共済団体等の既存の仕組みがあるにもかかわらず、新たな仕組みが必要になるのはなぜでしょうか。
 それと併せて聞きますが、中小事業主労災等共済事業法案における中小事業主の定義では、厚生労働省令で定めるものも含まれていますが、この省令で定めるものには、一般的に考え得る事業主以外の者は含めないという理解でよいか。そしてまた、具体的にどのようなものを想定しているか、お答えください。

#338
○橋本委員 お答えをいたします。
 今、二問の質問をいただきましたので、一つずつお答えをしてまいります。
 まず、新たな仕組みが必要になる理由についてでございますけれども、中小事業主及びその事業に従事する者については、例えば中小企業の社長や一人親方は、従業員と同様の作業に従事することから、業務に際して従業員と同様に負傷することが少なくなく、負傷等の災害に対する補償のニーズは高いと認識をしております。
 こうした中小企業の社長や一人親方の災害を補償する公的な制度として労災保険の特別加入制度がありますが、十分に利用されているとは言い難い状況にございます。
 そのため、中小企業の社長や一人親方の災害補償の多様なニーズに応えるものとして、民間団体の共済事業が行われてきたものと承知をしております。
 このような共済事業は、従来は個別に法律による規制を受けずに行うことができました。しかし、平成十七年の保険業法の改正によって、この共済事業が保険業として位置づけられることとなり、従来からこの共済事業を行っていた団体は、当分の間の暫定措置として共済事業を行うことができるという不安定な立場に置かれることとなっております。
 また、平成十七年当時の事業と同じ範囲でしか行うことができず、新たな共済事業の開始や金融機関における窓口販売などが制限されているなど、ニーズに応えた商品提供を行いにくい状況にあると認識をしております。
 本法案は、このような課題を解消するため、恒久的な制度として位置づけ、中小事業主及びその事業に従事する者が安定的な制度の下で補償を受けられるようにする、こういうものでございます。
 また、中小事業主の範囲ということでございますけれども、委員の御質問にありましたとおり、本法律案の中小事業主の定義には、「常時使用する労働者の数が三百人以下である事業主」、「資本金の額又は出資の総額が三億円以下である事業主」、「労働者を使用しないで事業を行うことを常態とするもの」、いわゆるフリーランスの方々、その方々に加え、これらに準ずるものとして厚生労働省令で定めるものと掲げております。
 この厚生労働省令で定めるものについては、ほかに中小事業主として加えるべきものがいる場合に機動的に対応できるようにするために規定を置いているというものでございまして、現時点で具体的に想定している者はございません。もっとも、将来的に省令が定められる場合であっても、前三号に準ずるものでなければならないことを法文上明確にしております。このことから、この文言の範囲内で適切に定められることを想定しております。
 そのため、委員御懸念のような、一般的に考えられる事業主以外の者が定められるということは想定をしていないわけであります。

#339
○高井委員 重要なことが確認できました。
 では、次にお聞きします。
 中小事業主労災等共済事業法案における共済は、国が行う労災保険や民間の傷害保険などとどのような差異があるのか。
 また、同法案では、労働災害等以外の災害に係る共済事業についても実施できることとなっていますが、あくまでも人的損害が対象であり、建物、車などの物的損害は対象ではないという理解でよろしいでしょうか。

#340
○橋本委員 お答えをいたします。
 まず、本法律案における共済と労災保険の特別加入制度では、対象者、加入手続及び補償範囲において差異があると考えます。
 具体的には、特別加入の対象者は、中小事業主の場合は業種により従業者数が五十から三百人以下に限られ、一人親方等の場合は加入できる事業が限定されております。しかし、本法律案の共済は、労働者の数、資本金等の要件を満たせば業種に関係なく加入でき、フリーランスなどの個人事業主も加入できるという差異がございます。
 加えて、特別加入制度では、補償される災害の場面が業務等に限定されるのに対して、本法律案の共済では、業務等以外についても対象とすることが可能となっております。
 一方、民間の傷害保険について、その全てと本法律案の共済事業との比較をすることは難しいと考えますが、本法律案の共済事業においては、民間の傷害保険とは別に、中小事業主及びその事業に従事する者のニーズに合った様々な商品が提供することが期待されます。
 このように、本法律案における共済は特別加入や民間の傷害保険とは異なる制度であると言え、このような制度を認めることは、中小事業主及びその事業に従事する者にとって補償の選択の幅が広がるというメリットにつながると考えております。
 それから、共済の範囲についてでございますけれども、委員御指摘のとおり、本法律案の共済団体は労働災害等以外の災害に係る共済事業を行うことができますが、この災害には「負傷、疾病、傷害又は死亡」と限定的に書いてありまして、人的損害のみが含まれることでありますので、そのように法文上明確に規定されております。
 したがいまして、火災等による建物、車などの物的損害は対象となりません。
 以上でございます。

#341
○高井委員 これも重要なことが確認できました。
 最後に、我が会派で一番大きな疑問になった点ですが、これはなぜ金融庁ではなく厚生労働省が所管するんでしょうか。厚生労働省に、これらの認可や労災認定、新規参入等の管理は、これだけ忙しい厚生労働省、そして実績もやはり金融庁に比べればはるかに足りない厚労省に果たしてできるんでしょうか。

#342
○橋本委員 お答えをいたします。
 本法律案は、中小事業主が行う事業に従事する者等の福祉の増進に資することを目的としておりまして、本法律案の共済事業は、労働災害等防止事業を行う一般社団法人、一般財団法人が行政庁の認可を受けて行うことができるものであります。
 そして、現在でも、厚生労働省において、事業主の中小企業における労働災害等に係る共済事業を実施している団体については、保険業法附則に基づく認可特定保険業の監督等を実施している実態がございます。現に行っているわけであります。
 したがいまして、提案者としては、このような実態も踏まえ、厚生労働省の所管とすることがふさわしい、このように判断したところであります。
 厚生労働省におかれては、金融庁を始めとする関係省庁と協力をしながら、適切に監督していくことを強く期待するものでございます。
 以上です。

#343
○高井委員 時間があれば厚労省にも聞きたいところなんですが、まだまだそれに論点もたくさんありますので、参議院でも是非質疑をしっかり時間を取っていただくことをお願いして、終わります。
 ありがとうございます。

#344
○とかしき委員長 以上で発言は終わりました。
 お諮りいたします。
 お手元に配付しております草案を中小事業主が行う事業に従事する者等の労働災害等に係る共済事業に関する法律案の成案とし、これを委員会提出の法律案と決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕

#345
○とかしき委員長 起立総員。よって、そのように決しました。
 なお、本法律案の提出手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#346
○とかしき委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――

#347
○とかしき委員長 この際、大岡敏孝君外五名から、自由民主党・無所属の会、立憲民主党・無所属、公明党、日本共産党、日本維新の会・無所属の会及び国民民主党・無所属クラブの六会派共同提案による中小事業主等の労働災害等に関する共済制度の確立等に関する件について決議すべしとの動議が提出されております。
 提出者より趣旨の説明を聴取いたします。山井和則君。

#348
○山井委員 私は、提出者を代表して、本動議について御説明申し上げます。
 案文を朗読して説明に代えさせていただきます。
    中小事業主等の労働災害等に関する共済制度の確立等に関する件(案)
  政府は、中小事業主等の労働災害等の防止を図るとともに中小事業主等の労働災害等について共済団体による共済制度を確立するに当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。
 一 共済事業への参入等の規制その他の共済制度の確立に当たっては、かつて利用者保護の強化を旨として保険業法が改正された経緯を踏まえ、悪質な業者や低水準な業者の参入を防ぎ、また、適切な審査、検査及び監督を行うこと。その際、審査等を行う行政庁が関係する行政庁と適切に連携するようにすること。
 二 共済制度に関する政省令を定めるに当たっては、保険業法における契約者保護を図るための規制を参考とし、適切に共済契約者保護が図られるようにすること。特に、銀行等の共済募集に関しては、共済の趣旨を踏まえた弊害を防止するための措置について、適切に規定すること。その際、政省令の制定等に当たる行政庁が関係する行政庁と適切に連携するようにすること。
 三 中小事業主の範囲については、共済の趣旨を踏まえ、いたずらに拡大することのないようにすること。
 四 「労働災害等以外の災害に係る共済事業」の範囲については、適切に周知を行うこと。
 五 平成十七年の保険業法改正の際に付された検討の期限を経過しているにもかかわらず、共済事業の移行等に関する経過措置が繰り返し延長されてきた経緯があることから、社会経済状況や利用者ニーズの変化等を踏まえつつ、少額短期保険業者の保険金限度額や事業規模の見直しを含め保険業法の改正について引き続き検討を行うこと。
  右決議する。
以上であります。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

#349
○とかしき委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕

#350
○とかしき委員長 起立総員。よって、本件は本委員会の決議とすることに決しました。
 この際、田村厚生労働大臣から発言を求められておりますので、これを許します。田村厚生労働大臣。

#351
○田村国務大臣 ただいまの御決議につきましては、その趣旨を十分に尊重いたしまして、努力いたします。

#352
○とかしき委員長 なお、本決議の議長に対する報告及び関係方面への参考送付等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#353
○とかしき委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
     ――――◇―――――

#354
○とかしき委員長 次に、医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律案起草の件について議事を進めます。
 本件につきましては、野田聖子さん外四名から、自由民主党・無所属の会、立憲民主党・無所属、公明党、日本共産党及び日本維新の会・無所属の会の五派共同提案により、お手元に配付いたしておりますとおり、医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律案の草案を成案とし、本委員会提出の法律案として決定すべしとの動議が提出されております。
 提出者より趣旨の説明を聴取いたします。荒井聰君。

#355
○荒井委員 本日は、この医療的ケア児の法案を提出させていただきますこと、大変ありがたく思ってございます。委員の皆様の御高配に、委員長を始め皆様の御高配に感謝を申し上げます。
 二〇一六年に初めて医療的ケアという言葉を法律用語とする委員会が、今日来られています塩崎先生が大臣をされていたときに行われました。そのときには、医療的ケアという言葉を知っている委員の先生方はほとんどいなかったんじゃないかと思います。今日、こうしてこの法案を本格的な法案として提出させていただくこと、本当にありがたく思ってございます。
 医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律案の起草案につきまして、提出者を代表して、その提案の趣旨及び内容の概要を御説明申し上げます。
 医療技術の進歩に伴い医療的ケア児が増加するとともに、その実態が多様化し、医療的ケア児及びその家族が個々の医療的ケア児の心身の状況等に応じた適切な支援を受けられるようにすることが重要な課題になっております。
 本案は、こうした状況に鑑み、医療的ケア児及びその家族に対する支援に関し、基本理念を定め、国、地方公共団体等の責務を明らかにするとともに、保育及び教育の拡充に関わる施策その他必要な施策並びに医療的ケア児支援センターの指定等について定めることにより、医療的ケア児の健やかな成長を図るとともに、その家族の離職の防止に資し、もって安心して子供を産み育てることができる社会の実現に寄与することを目的とするもので、その主な内容は次のとおりであります。
 第一に、医療的ケアとは、人工呼吸器による呼吸管理、喀たん吸引その他の医療行為をいい、医療的ケア児とは、日常生活及び社会生活を営むために恒常的に医療的ケアを受けることが不可欠である児童をいうこととしております。なお、児童には、十八歳未満の者に加え、十八歳以上の者であって高等学校等に在籍するものを含むこととしております。
 第二に、医療的ケア児及びその家族に対する支援は、医療的ケア児の日常生活及び社会生活を社会全体で支えることを旨として行われなければならないこと等を基本理念として定めております。
 第三に、医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する国、地方公共団体、保育所の設置者等及び学校の設置者の責務を規定しております。
 第四に、政府は、この法律の目的を達成するため、必要な法制上又は財政上の措置等を講じなければならないこととしております。
 第五に、医療的ケア児及びその家族に対する支援に関わる施策として、保育を行う体制の拡充等、教育を行う体制の拡充等、日常生活における支援、相談体制の整備及び情報の共有の促進について定めております。
 第六に、都道府県知事は、医療的ケア児及びその家族等の相談に応じること等の業務を、社会福祉法人その他の法人であって当該業務を適正かつ確実に行うことができると認めて指定した医療的ケア児支援センターに行わせ、又は自ら行うことができることとしております。
 第七に、医療的ケア児及びその家族に対する支援に関し、広報啓発、人材の確保及び研究開発等の推進について定めております。
 第八に、この法律の規定については、法施行後三年を目途として、この法律の実施状況等を勘案して検討が加えられ、その結果に基づいて必要な措置が講ぜられるものとし、また、政府は、医療的ケア児の実態を把握するための具体的な方策及び災害時における医療的ケア児に対する支援の在り方について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとしております。
 なお、この法律は、公布の日から起算して三か月を経過した日から施行することとしております。
 以上が、本起草案の趣旨及び内容の概要であります。
 何とぞ速やかに御賛同くださいますようお願いを申し上げます。
 ありがとうございました。
    ―――――――――――――
 医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――

#356
○とかしき委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
 本起草案について発言を求められておりますので、これを許します。高井崇志君。

#357
○高井委員 国民民主党・無所属クラブの高井でございます。
 先ほどに引き続き質疑の機会をいただき、ありがとうございます。
 まずもって、この法案の成立に大変御尽力をいただきました荒井先生、そして野田先生始め、関係者の皆様に心から敬意と感謝を申し上げたいと思います。
 特に荒井先生におかれては、今期で御引退と聞いておりますけれども、本当に大変な御功績をたくさん残されて、私も個人的には大変お世話になり、御指導いただきました。ありがとうございます。
 それでは、質問に入ります。
 まず、本法律案の成立によって、医療的ケア児に対する支援が推進されることは非常に望ましいことだと考えております。
 しかし、その一方で、本法案が想定している支援は、どちらかといえば、保育園や学校に通える、外に出られる医療的ケア児に偏っているのではないかという見方もあります。例えば、入院生活が続いて外に出られない医療的ケア児とか、そもそも家族からの支援を受けることが期待できない医療的ケア児も存在いたします。
 このような医療的ケア児に対してはどのような支援を行っていく考えか、政府の見解をお聞きします。

#358
○赤澤政府参考人 お答えいたします。
 医療的ケア児支援法案の、今回の法案の目的規定にございますとおり、医療的ケア児及びその家族が個々の医療的ケア児の心身の状況等に応じた適切な支援が受けられるようにすることが重要な課題だと考えております。
 法案の第十一条におきましては、日常生活における支援といたしまして、国及び地方公共団体に対し、個々の医療的ケア児の年齢、必要とする医療的ケアの種類及び生活の実態に応じて、医療的ケアの実施その他の日常生活において必要な支援を受けられるようにするため必要な措置を講ずることが求められております。
 この規定も踏まえまして、保育所や学校における支援の充実だけでなく、児童発達支援、それから放課後等デイサービスや、さらに、居宅介護、短期入所等の障害福祉サービスの提供も推進していくことが大変重要だと考えております。
 また、法案の十四条では、都道府県は、医療的ケア児センターを設置し、医療的ケア児及びその家族等に、専門的な相談に応じ、情報の提供、助言その他の支援を行うこと、医療、保健、福祉、教育、労働等に関する業務を行う関係機関及び民間団体並びに従事する方に対して医療的ケアについての情報の提供及び研修を行うこと、それから三番目に、医療的ケア児及びその家族に対する支援に関して、医療、保健、福祉、教育、労働等に関する業務を行う関係機関それから民間団体との連絡調整を行うことなどの業務に取り組むことができるとされております。
 この規定も踏まえまして、都道府県における当該センターの設置を促していくことが必要と考えております。
 厚生労働省としましては、本法案の規定を踏まえ、支援が必要な方に必要な支援が行き届くよう、医療的ケア児に対する支援体制の整備に努めてまいりたいと考えております。

#359
○高井委員 それでは、次の質問ですが、本法案では、医療的ケア児とは、原則として十八歳まで、高校を卒業するまでと規定をされています。また、基本理念には、医療的ケア児が十八歳に達し、又は高校卒業後も適切なサービスを受けながら生活を送ることができるよう配慮することという規定もございます。
 そうした中で、医療的ケア児から医療的ケア者へのスムーズな移行に向けて今後どのような支援に取り組んでいくつもりか、政府の見解を伺います。

#360
○赤澤政府参考人 お尋ねの、十八歳以上の医療的ケアを必要とする障害者の方が、適切な福祉サービスを受けながら日常生活及び社会生活を営めるようにすることが重要であると認識しております。
 これまでも、障害福祉サービスの一つでございます生活介護におきまして、看護職員の配置等により日中活動における支援が行われてきたところでございます。
 さらに、こうした支援の体制をしっかり整備していくため、令和三年度の障害福祉サービス等報酬改定におきましては、より手厚い看護職員の配置により、医療的ケアを必要とする利用者に支援する場合に評価する加算の拡充というものを行っております。
 こうした取組によりまして、医療的ケア児が成人期へ移行した後においても地域生活できるような必要な支援の充実に努めてまいりたいと考えております。

#361
○高井委員 それでは、医療的ケア児の保育そして教育をめぐっては、現場の受入れ体制が整っていないということから、保育所では預かってもらえないとか、登校時に付添いを求められるなど、保護者の負担が大きいことが長年の課題で指摘されてまいりました。この医療的ケア児の受入れ体制の整備が、そして、その中でも特に人材の確保ということが大きな課題であります。
 看護師を確保するということは、非常に、このコロナ禍でも大変厳しいことが予想されるわけですけれども、学校看護師、これをどのように確保していくのか、そして、今日は学校ということに限りますけれども、その受入れ体制の整備、本当に大丈夫なのかという点を、これは文部科学省に伺いたいと思います。

#362
○蝦名政府参考人 お答え申し上げます。
 学校における医療的ケア児の受入れ体制を整備していくためには、委員御指摘のように、医療的ケアを行う看護師等の配置などについての国及び地方公共団体による学校への支援が大変重要だと考えております。
 このため、この法案の第十条第一項においても、「国及び地方公共団体は、医療的ケア児に対して教育を行う体制の拡充が図られるよう、医療的ケア児が在籍する学校に対する支援その他の必要な措置を講ずるものとする。」と規定をされているものと承知してございます。
 文部科学省におきましては、学校における医療的ケア児の受入れ体制の充実のために、自治体が行います看護師配置への補助等を行っているところであります。令和三年度の予算におきましては、昨年度予算から三百人増の二千四百人分を措置するなど、その拡充を図っているところでございます。
 また、こうした看護師の配置に当たりましては、例えば拠点校を一校つくって、周辺の学校にも必要な限りで派遣をするといったような柔軟なやり方なども、今調査研究を行っているところでもございます。
 文部科学省といたしましては、今後とも、医療的ケアを必要とする児童生徒等に対する支援の充実に努めてまいりたいと考えております。

#363
○高井委員 それでは次に、救急時とか予想外の災害に遭遇した際の対応について、万一の場合においても安心できる体制を整えておく必要があると考えます。その中で、かかりつけ医との情報共有の仕組みなども必要と考えますが、この医療的ケア児の安全確保についての取組について、政府の見解を伺います。

#364
○赤澤政府参考人 お答えいたします。
 御指摘のように、救急時それから災害時に備えまして日頃から主治医と事業所等が十分に情報を共有し連携していくことは、医療的ケア児に対して適切な対応を行う上で重要だと考えております。
 障害児の通所サービスでございます児童発達支援、それから放課後等デイサービスにおきましては、医療的ケア児に医療的ケアを行うときには、その報酬の基準におきまして、主治医が作成する医療的ケア児の病状や見守りの必要度合いに係る医療的ケア判定スコアの結果、これを事業所が適切に把握した上で医療的ケアを行えるようにすること、それから、主治医の指示を受けた看護内容等を個別支援計画等に記載し、主治医に対し定期的に看護の提供状況等を報告をすることを求めることといった取扱いをお示ししているところでございます。
 このほか、通所事業所の、事業所の運営基準におきましては、医療的ケア児を含めた障害児の安全確保のため、障害児の病状の急変等に備えるため、あらかじめ協力医療機関を定めておくこと、障害児に病状の急変が生じた場合その他必要な場合には速やかに医療機関への連絡を行うこと等の必要な措置を講じることを求めております。
 それから、御指摘いただきました災害のケースでございますが、各地域におきまして、例えば、医療的ケアが必要な家庭における災害時の心構え、それから準備についてのマニュアルが作成されるなどの取組もなされております。
 厚生労働省では、今年度、こうした好事例を周知をしまして、かかりつけ医との連携を含めた災害時の対応につきまして検討を進めてまいりたいと考えております。

#365
○高井委員 今日は時間の関係で提案者の先生にはお聞きできませんでしたけれども、参議院の方で荒井先生、野田先生には是非質疑をしたいという強い希望がございますので、是非御対応いただきますことをお願いいたしまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございます。

#366
○とかしき委員長 以上で発言は終わりました。
 お諮りいたします。
 お手元に配付いたしております草案を医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律案の成案とし、これを委員会提出の法律案と決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕

#367
○とかしき委員長 起立総員。よって、そのように決しました。
 なお、本法律案の提出手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#368
○とかしき委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――

#369
○とかしき委員長 この際、大岡敏孝君外五名から、自由民主党・無所属の会、立憲民主党・無所属、公明党、日本共産党、日本維新の会・無所属の会及び国民民主党・無所属クラブの六派共同提案による医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する件について決議すべしとの動議が提出されております。
 提出者より趣旨の説明を聴取いたします。高木美智代さん。

#370
○高木(美)委員 私は、提出者を代表して、本動議について御説明申し上げます。
 案文を朗読して説明に代えさせていただきます。
    医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する件(案)
  政府は、医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。
 一 医療的ケア児が成人となった後も適切な保健医療サービス及び福祉サービスを受けながら日常生活及び社会生活を営むことができるようにすることも重要であることに鑑み、地方公共団体や医療的ケア児支援センターが医療的ケア児の成人期への移行に際して行う支援について万全を期すこと。
 二 医療的ケア児支援センターに関し、次に掲げる措置を講ずること。
  1 医療的ケア児支援センターが、医療的ケア児及びその家族のニーズに応じた支援を行う機関や団体との連絡調整を行うことを含め、医療的ケア児及びその家族からの相談を受けることを業務とする機関であることについての広報を行うこと。
  2 医療的ケア児等コーディネーターを中核として医療、保健、福祉、教育、労働等に関する業務を行う関係機関及び民間団体をネットワーク化して相互の連携を促進するとともに、都道府県内の医療的ケア児に関連する情報が医療的ケア児支援センターに集約され、関係機関等の相互の連携の中で適切に活用されるようにすることにより医療的ケア児支援センターが専門性の高い事案に係る相談支援を行うことができるようにするため必要な支援を行うこと。
  3 都道府県内の医療的ケア児の数等に応じて複数の医療的ケア児支援センターが設置されるようにする等、医療的ケア児及びその家族に対して適切な支援を行うことができる体制を確保するために必要な支援を行うこと。
 三 本法が保育所の設置者、学校の設置者等に看護師等を配置するよう求めていることに関し、現在、看護師等が常時配置されていない保育所、学校等に通園・通学している医療的ケア児について、本法の施行後、当該保育所、学校等に看護師等が常時配置されていないことが当該児童の通園・通学の妨げとなることのないよう、本法の趣旨について必要な周知を行うこと。
 四 本法の定義規定において、「「医療的ケア」とは、人工呼吸器による呼吸管理、喀痰(かくたん)吸引その他の医療行為をいう」とされたことに伴い、「医療的ケア」に係る「医療行為」の範囲が変更されたかのような誤解を招くことがないよう、適切に周知を行うこと。
  右決議する。
以上であります。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

#371
○とかしき委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕

#372
○とかしき委員長 起立総員。よって、本件は本委員会の決議とすることに決しました。
 この際、田村厚生労働大臣から発言を求められておりますので、これを許します。田村厚生労働大臣。

#373
○田村国務大臣 ただいまの御決議につきましては、その趣旨を十分尊重いたしまして、努力してまいります。

#374
○とかしき委員長 なお、本決議の議長に対する報告及び関係方面への参考送付等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#375
○とかしき委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
 次回は、来る九日水曜日午前八時四十五分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後五時五分散会
ソース: 国立国会図書館
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