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2021/06/02 第204回国会 衆議院 第204回国会 衆議院 厚生労働委員会 第24号 令和3年6月2日
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2021/06/02 第204回国会 衆議院

第204回国会 衆議院 厚生労働委員会 第24号 令和3年6月2日

#1
令和三年六月二日(水曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 とかしきなおみ君
   理事 大岡 敏孝君 理事 門  博文君
   理事 田畑 裕明君 理事 長尾  敬君
   理事 橋本  岳君 理事 中島 克仁君
   理事 長妻  昭君 理事 伊佐 進一君
      青山 周平君    安藤 高夫君
      泉田 裕彦君    上野 宏史君
      大串 正樹君    大隈 和英君
      木村 次郎君    木村 哲也君
      木村 弥生君    国光あやの君
      小島 敏文君    後藤 茂之君
      後藤田正純君    高村 正大君
      佐藤 明男君    塩崎 恭久君
      繁本  護君    武井 俊輔君
      百武 公親君    堀井  学君
      村井 英樹君    山田 美樹君
      渡辺 孝一君    稲富 修二君
      尾辻かな子君    大島  敦君
      川内 博史君    白石 洋一君
      津村 啓介君    西村智奈美君
      山川百合子君    山井 和則君
      早稲田夕季君    高木美智代君
      桝屋 敬悟君    宮本  徹君
      青山 雅幸君    高井 崇志君
    …………………………………
   議員           馳   浩君
   議員           穴見 陽一君
   議員           中川 正春君
   議員           西村智奈美君
   厚生労働大臣       田村 憲久君
   財務副大臣        伊藤  渉君
   厚生労働副大臣     三原じゅん子君
   厚生労働副大臣      山本 博司君
   厚生労働大臣政務官    大隈 和英君
   厚生労働大臣政務官    こやり隆史君
   政府特別補佐人
   (内閣法制局長官)    近藤 正春君
   政府参考人
   (内閣官房内閣参事官)  川上恭一郎君
   政府参考人
   (内閣官房内閣審議官)  河村 直樹君
   政府参考人
   (内閣官房内閣審議官)  十時 憲司君
   政府参考人
   (内閣官房内閣審議官)  梶尾 雅宏君
   政府参考人
   (人事院事務総局職員福祉局次長)         練合  聡君
   政府参考人
   (総務省自治行政局選挙部長)           森  源二君
   政府参考人
   (法務省大臣官房審議官) 保坂 和人君
   政府参考人
   (文部科学省大臣官房学習基盤審議官)       塩見みづ枝君
   政府参考人
   (スポーツ庁スポーツ総括官)           牛尾 則文君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房総括審議官)         山田 雅彦君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房総括審議官)         井内 雅明君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房生活衛生・食品安全審議官)  浅沼 一成君
   政府参考人
   (厚生労働省健康局長)  正林 督章君
   政府参考人
   (厚生労働省医薬・生活衛生局長)         鎌田 光明君
   政府参考人
   (厚生労働省労働基準局長)            吉永 和生君
   政府参考人
   (厚生労働省雇用環境・均等局長)         坂口  卓君
   政府参考人
   (厚生労働省子ども家庭局長)           渡辺由美子君
   政府参考人
   (厚生労働省社会・援護局長)           橋本 泰宏君
   政府参考人
   (厚生労働省老健局長)  土生 栄二君
   政府参考人
   (厚生労働省保険局長)  浜谷 浩樹君
   政府参考人
   (厚生労働省年金局長)  高橋 俊之君
   政府参考人
   (経済産業省大臣官房審議官)           柴田 敬司君
   政府参考人
   (中小企業庁事業環境部長)            飯田 健太君
   政府参考人
   (国土交通省総合政策局次長)           大高 豪太君
   政府参考人
   (環境省大臣官房環境保健部長)          田原 克志君
   参考人
   (独立行政法人地域医療機能推進機構理事長)    尾身  茂君
   厚生労働委員会専門員   吉川美由紀君
    ―――――――――――――
委員の異動
六月二日
 辞任         補欠選任
  青山 周平君     堀井  学君
  木村 次郎君     泉田 裕彦君
同日
 辞任         補欠選任
  泉田 裕彦君     木村 次郎君
  堀井  学君     青山 周平君
    ―――――――――――――
六月一日
 強制労働の廃止に関する条約(第百五号)の締結のための関係法律の整備に関する法律案(馳浩君外七名提出、衆法第二三号)
同日
 国立病院の機能強化に関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第一二五二号)
 同(稲富修二君紹介)(第一二五三号)
 同(小沢一郎君紹介)(第一二五四号)
 同(大西健介君紹介)(第一二五五号)
 同(逢坂誠二君紹介)(第一二五六号)
 同(岡本充功君紹介)(第一二五七号)
 同(奥野総一郎君紹介)(第一二五八号)
 同(神谷裕君紹介)(第一二五九号)
 同(菊田真紀子君紹介)(第一二六〇号)
 同(佐々木隆博君紹介)(第一二六一号)
 同(佐藤公治君紹介)(第一二六二号)
 同(櫻井周君紹介)(第一二六三号)
 同(玉木雄一郎君紹介)(第一二六四号)
 同(寺田学君紹介)(第一二六五号)
 同(牧義夫君紹介)(第一二六六号)
 同(村上史好君紹介)(第一二六七号)
 同(本村伸子君紹介)(第一二六八号)
 同(山岡達丸君紹介)(第一二六九号)
 同(青山大人君紹介)(第一三七二号)
 同(池田真紀君紹介)(第一三七三号)
 同(石川香織君紹介)(第一三七四号)
 同(生方幸夫君紹介)(第一三七五号)
 同(岡本あき子君紹介)(第一三七六号)
 同(後藤田正純君紹介)(第一三七七号)
 同(松平浩一君紹介)(第一三七八号)
 同(道下大樹君紹介)(第一三七九号)
 同(宮本徹君紹介)(第一三八〇号)
 同(矢上雅義君紹介)(第一三八一号)
 同(屋良朝博君紹介)(第一三八二号)
 安全・安心の医療・介護の実現と国民の命と健康を守ることに関する請願(奥野総一郎君紹介)(第一二七〇号)
 同(吉良州司君紹介)(第一二七一号)
 同(佐藤公治君紹介)(第一二七二号)
 同(重徳和彦君紹介)(第一二七三号)
 同(関健一郎君紹介)(第一二七四号)
 同(村上史好君紹介)(第一二七五号)
 同(本村伸子君紹介)(第一二七六号)
 同(矢上雅義君紹介)(第一二七七号)
 同(山岡達丸君紹介)(第一二七八号)
 同(笠浩史君紹介)(第一二七九号)
 同(青山大人君紹介)(第一三〇七号)
 同(赤嶺政賢君紹介)(第一三〇八号)
 同(池田真紀君紹介)(第一三〇九号)
 同(石川香織君紹介)(第一三一〇号)
 同(生方幸夫君紹介)(第一三一一号)
 同(小沢一郎君紹介)(第一三一二号)
 同(大河原雅子君紹介)(第一三一三号)
 同(大西健介君紹介)(第一三一四号)
 同(岡本あき子君紹介)(第一三一五号)
 同(笠井亮君紹介)(第一三一六号)
 同(神谷裕君紹介)(第一三一七号)
 同(後藤田正純君紹介)(第一三一八号)
 同(穀田恵二君紹介)(第一三一九号)
 同(佐々木隆博君紹介)(第一三二〇号)
 同(櫻井周君紹介)(第一三二一号)
 同(志位和夫君紹介)(第一三二二号)
 同(清水忠史君紹介)(第一三二三号)
 同(塩川鉄也君紹介)(第一三二四号)
 同(篠原豪君紹介)(第一三二五号)
 同(田村貴昭君紹介)(第一三二六号)
 同(高橋千鶴子君紹介)(第一三二七号)
 同(畑野君枝君紹介)(第一三二八号)
 同(日吉雄太君紹介)(第一三二九号)
 同(藤野保史君紹介)(第一三三〇号)
 同(牧義夫君紹介)(第一三三一号)
 同(松田功君紹介)(第一三三二号)
 同(松平浩一君紹介)(第一三三三号)
 同(道下大樹君紹介)(第一三三四号)
 同(宮本徹君紹介)(第一三三五号)
 同(本村伸子君紹介)(第一三三六号)
 同(屋良朝博君紹介)(第一三三七号)
 同(柚木道義君紹介)(第一三三八号)
 障害福祉についての法制度拡充に関する請願(石川昭政君紹介)(第一二八〇号)
 同(大河原雅子君紹介)(第一二八一号)
 同(加藤鮎子君紹介)(第一二八二号)
 同(佐藤公治君紹介)(第一二八三号)
 同(宮本徹君紹介)(第一二八四号)
 同(神田憲次君紹介)(第一三三九号)
 同(斉藤鉄夫君紹介)(第一三四〇号)
 同(寺田学君紹介)(第一三四一号)
 同(冨樫博之君紹介)(第一三四二号)
 全国一律最低賃金制度の実現を求めることに関する請願(石崎徹君紹介)(第一二八五号)
 同(重徳和彦君紹介)(第一二八六号)
 同(寺田学君紹介)(第一二八七号)
 同(本村伸子君紹介)(第一二八八号)
 同(笠浩史君紹介)(第一二八九号)
 同(青山大人君紹介)(第一三四三号)
 同(赤嶺政賢君紹介)(第一三四四号)
 同(石川香織君紹介)(第一三四五号)
 同(小沢一郎君紹介)(第一三四六号)
 同(大河原雅子君紹介)(第一三四七号)
 同(岡本あき子君紹介)(第一三四八号)
 同(奥野総一郎君紹介)(第一三四九号)
 同(笠井亮君紹介)(第一三五〇号)
 同(神谷裕君紹介)(第一三五一号)
 同(穀田恵二君紹介)(第一三五二号)
 同(佐々木隆博君紹介)(第一三五三号)
 同(志位和夫君紹介)(第一三五四号)
 同(清水忠史君紹介)(第一三五五号)
 同(塩川鉄也君紹介)(第一三五六号)
 同(篠原豪君紹介)(第一三五七号)
 同(田村貴昭君紹介)(第一三五八号)
 同(高橋千鶴子君紹介)(第一三五九号)
 同(畑野君枝君紹介)(第一三六〇号)
 同(日吉雄太君紹介)(第一三六一号)
 同(福田昭夫君紹介)(第一三六二号)
 同(藤野保史君紹介)(第一三六三号)
 同(松平浩一君紹介)(第一三六四号)
 同(道下大樹君紹介)(第一三六五号)
 同(宮本徹君紹介)(第一三六六号)
 同(本村伸子君紹介)(第一三六七号)
 同(谷田川元君紹介)(第一三六八号)
 同(屋良朝博君紹介)(第一三六九号)
 同(山内康一君紹介)(第一三七〇号)
 同(柚木道義君紹介)(第一三七一号)
 子供のための予算を大幅に増やし国の責任で安全・安心な保育・学童保育の実現を求めることに関する請願(落合貴之君紹介)(第一三〇六号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 参考人出頭要求に関する件
 育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律及び雇用保険法の一部を改正する法律案(内閣提出第四二号)(参議院送付)
 強制労働の廃止に関する条約(第百五号)の締結のための関係法律の整備に関する法律案(馳浩君外七名提出、衆法第二三号)
 厚生労働関係の基本施策に関する件
 特定石綿被害建設業務労働者等に対する給付金等の支給に関する法律案起草の件
     ――――◇―――――

#2
○とかしき委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、参議院送付、育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律及び雇用保険法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、参考人として独立行政法人地域医療機能推進機構理事長尾身茂君の出席を求め、意見を聴取し、また、政府参考人として内閣官房内閣参事官川上恭一郎君、内閣審議官河村直樹君、内閣審議官十時憲司君、内閣審議官梶尾雅宏君、総務省自治行政局選挙部長森源二君、文部科学省大臣官房学習基盤審議官塩見みづ枝君、スポーツ庁スポーツ総括官牛尾則文君、厚生労働省大臣官房生活衛生・食品安全審議官浅沼一成君、健康局長正林督章君、医薬・生活衛生局長鎌田光明君、労働基準局長吉永和生君、雇用環境・均等局長坂口卓君、子ども家庭局長渡辺由美子君、社会・援護局長橋本泰宏君、老健局長土生栄二君、保険局長浜谷浩樹君、年金局長高橋俊之君、中小企業庁事業環境部長飯田健太君、国土交通省総合政策局次長大高豪太君の出席を求め、説明を聴取したいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#3
○とかしき委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――

#4
○とかしき委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。高木美智代さん。

#5
○高木(美)委員 おはようございます。公明党の高木美智代でございます。
 質問の機会をいただき、心より御礼を申し上げます。
 この通常国会閉幕まであと二週間となりました。恐らく私が質問に立たせていただくのはこれが今国会最後になるのではないかという、その思いを込めまして、今日は質問をさせていただきたいと思います。
 ちょっと問いの数が多いもので、恐縮ですが、簡潔明快、そして前向きな御答弁を心よりお願いを申し上げます。
 まず初めに、今回、生活困窮世帯に新たな支援金を給付するということが発表になりました。公明党の提案を受け止め、また、我が党、そして財政当局との粘り強い交渉を経て、正式に御決定をいただいたわけでございます。心より御礼を申し上げます。
 これは、生活保護に至る前の新たなセーフティーネットと捉えておりまして、画期的な新制度の創設であると思っております。本制度の目的と対象者数の想定、また申請方法など、厚労省の見解を確認しておきたいと思います。

#6
○田村国務大臣 今般の制度でありますけれども、委員からもこの国会で御質問をいただいて、その結果、このような形になったわけでありまして、公明党からも大変な、御提案といいますか、お力添えをいただきながらの今般の制度であります。
 今般のこの制度でありますけれども、今まで、緊急小口資金、それから総合支援資金、こういうものの特例という形で対応してまいりました。しかし、限度額まで行かれる方、若しくは再貸付けがなかなかできない方々、そういう方々がおられます。そういう方々に対して、やはり貸付けというものの限界というものがあるわけでありまして、それに対して給付金という形で対応させていただかなければならないという、いろいろな皆様方からの御意見をいただく中においての対応になったわけであります。
 全体といたしまして、世帯の人数によって給付される金額が違うわけでありますが、最大一月十万円ということで、三か月間これを支給させていただくということでございます。
 いずれにいたしましても、委員からのいろいろな御提案にも感謝を申し上げたいというふうに思います。

#7
○高木(美)委員 ありがとうございます。
 ただ、大臣、現下の厳しい経済情勢、また雇用情勢を考えますと、支給期間が三か月というのでは短過ぎるということを強く申し上げておきたいと思います。
 私たちは、年度内は必要じゃないか、そしてまた、少なくとも年内とすべきではないかということを主張させていただいてまいりました。また、そのほかの支援策も延長していただきました。そうしたことも含めまして、更なる検討を心よりお願いを申し上げます。
 また、これにつきましては、こうした施策をまだまだ御存じない方が多くいらっしゃいます。周知が重要と思います。必ず相談に乗って支えるので、声を上げてほしい、相談に来てほしいということを伝えていただきたいと思います。
 また、コロナ危機を乗り越えるまで支援に全力を挙げるという政治姿勢も重要かと思いますが、いかがお考えでしょうか。

#8
○田村国務大臣 今般のこの対策でありますけれども、申請受付期間、七月から八月末までということであります。同時に、緊急小口資金等々も特例の延長ということでありまして、八月まで延長させていただくということであります。
 やはりしっかりと、おっしゃるとおり、御理解をいただかなければいけない話でございます。対象者は約二十万人ぐらいを試算いたしておりますけれども、こういう方々お一人お一人にちゃんと周知すべく、我々としても施策を総動員して対応してまいらなければならないというふうに思っております。
 いずれにいたしましても、このコロナ禍、現下、非常に厳しい状況でございますので、そういう方々に寄り添った対応をしっかり我々はさせていただきたいというふうに思っております。

#9
○高木(美)委員 よろしくお願いします。
 なお、本日、GAVIと共催で開催されるワクチンサミットにつきましても、私たちも成功を祈りたいと思います。COVAXファシリティーの枠組みの推進につきましては、我が党も昨年来ずっと走ってまいりまして、正式要請を行ったり、また、そのような闘いの結果、九月十五日、どの先進国よりも早く日本が正式に参加を表明したということは非常に重要なことでありまして、それが今晩行われる予定のワクチンサミットにつながったと思っております。
 総理と外務大臣が御出席と聞いておりますけれども、拠出金につきましては、国民の理解を得られるということが重要と思います。このCOVAXファシリティーの実務を担う厚労省に対しまして、拠出するメリットの確保について確認をさせていただきたいと思います。
 ただ単に拠出するだけでなく、我が国国民もこのように裨益するのだという点でございます。例えば、CEPIという開発を支援する団体があります。ここに対しては、国産ワクチンの海外治験をしっかりと後押ししてほしい、また、支援の枠組みがあるので、そこに積極的に参画をしながらその支援を取ってくるということ、そしてまた、我が国がこのCOVAXファシリティーの枠組みを活用して供給を受ける可能性もあるのだ、こういうことも含めて発信をしていただく必要があるかと思いますが、いかがでしょうか。

#10
○山本副大臣 御質問ありがとうございます。
 新型コロナウイルス感染症を終息させていくためには、日本はもとより、世界全体でワクチンへの公平なアクセスの確保や普及を進めていくことが大変重要でございます。
 COVAXファシリティーには、自国民分のワクチン確保を目的としました先進国等向けの枠組みと、低所得国のワクチン確保を支援する途上国向けの枠組みの二つがございますけれども、厚労省としては、COVAXファシリティーに拠出することにつきましては、例えば途上国支援には二億ドル拠出しているわけでございますけれども、途上国での感染抑制がウイルスの国内への流入を抑止すること、さらには、COVAXファシリティーからの供給が我が国におけるワクチン確保のための一手段となること、さらには、委員御指摘ございましたけれども、国内ワクチン産業の活性化や能力強化につながり得ることといったメリットがあるものと考えております。

#11
○高木(美)委員 その点、私も昨日、外務省に申し上げさせていただきましたが、しっかりと連携しながら、よろしくお願いいたします。
 そこで、ワクチンの職域接種、待たれておりました。企業関係者、大学等から強い要請を受けており、期待も大きいところです。昨日公表されたわけですが、この職域接種につきまして、その内容、開始時期、実施形態、手続、今後の進め方など、簡潔に御説明をいただきたいと思います。

#12
○正林政府参考人 お答えします。
 ワクチン接種に関する地域の負担を軽減し、接種の加速化を図っていくため、企業や大学などにおける職域でのワクチン接種を可能といたしました。
 開始時期は六月二十一日からとし、さらに、高齢者への接種が早期に完了する見込みのある自治体においては、自治体の判断で時期を前倒しすることも可能としています。
 使用するワクチンはモデルナ社製のワクチンとし、接種に必要な医療従事者や会場などは、自治体による高齢者等への接種に影響を与えないよう、企業や大学などに自ら確保いただくこととしております。
 実施形態としては、企業単独での実施のほか、中小企業や、商工会議所などを通じて共同で実施すること、企業が下請企業など取引先や従業員の家族も対象に含めて実施すること、大学等が学生も対象に含めて実施することなど、柔軟な対応を可能としております。
 職域接種の中での接種順位については、一般接種の優先順位を踏まえ、高齢者や基礎疾患を有する方が優先的に接種できる機会を設けることとしています。
 接種費用については、他の新型コロナワクチン接種と同様、全額国の負担となります。
 接種券が届く前でも職域接種を受けることが可能であり、その場合は、接種券が届いた後、後日、接種券をお持ちいただき、企業や大学などにおいて必要な処理をしていただくことになります。
 現時点で決まっていることはおおむね以上であり、詳細については速やかに検討し、お示ししたいと考えております。

#13
○高木(美)委員 よろしくお願いいたします。このマニュアルの整備、早く御検討をいただければと思います。
 要するに、これは自治体とはもう一つ別枠で職域という考え方でできる、先ほど自治体においてという御発言がございましたけれども、ちょっとその点だけ確認をさせていただきたいと思います。別枠でやるということでよろしいでしょうか。

#14
○正林政府参考人 そのとおりでございます。

#15
○高木(美)委員 ありがとうございます。
 次に、変異株対応のためにも、水際対策が重要でございます。
 空港検疫所関係者へのPCR検査やワクチン接種が進んでいないと聞いております。外国からの入国者は、七十二時間以内にPCR検査を受けたとはいえ、陽性者が出ているのも事実です。検疫所は、医療従事者のみならず、受付業務に携わる方々も多くいらっしゃり、直接入国者と接する機会が多いです。感染への不安のお声が届いております。
 水際対策を強化するに当たりまして、こうした空港検疫関係者の方々の定期的なPCR検査、また早期のワクチン接種をしっかりと実施すべきと考えますが、お考えを伺います。

#16
○浅沼政府参考人 お答えいたします。
 空港検疫におきましては、委託業者の方も含め、マスクや手指消毒、業務内容によってはフェースシールドなど、適切な感染防御を行った上で業務に従事していただいているところでございます。
 その上で、検疫業務におきましては、検体採取を行う者や移送等により感染者の方と接する業務を行う者などを医療従事者等と位置づけ、これらの方につきまして、新型コロナウイルス感染症患者等に頻繁に接する機会のある者として、新型コロナワクチンの優先接種の対象とされているところでございます。医療従事者等に該当する関係者向けのワクチン接種につきましては、検疫所が所在する自治体等におけるワクチンの優先接種のスケジュールに沿って着実に進んできているところでございます。
 なお、医療従事者等以外の方につきましては、現在、空港検疫では、民間業者の皆様、例えば航空会社の職員の皆様などにも御協力いただきながら、質問票の確認やスマートフォンアプリの確認等の業務を実施しているところでございますが、委員御指摘のとおり、こうした方々へのワクチン接種につきましては、昨日発表されました職域接種の枠組みを活用いただくことも含めまして、現在、調整、検討をしているところでございます。
 また、定期的な検査の実施につきましては、対象者の範囲や検査の頻度、検査方法、費用負担の在り方など様々な論点がありますが、ワクチン接種の状況も踏まえながら、どのようなことができるか、検討してまいりたいと考えております。

#17
○高木(美)委員 また、ワクチン接種までの間、是非とも、PCR検査実施も含めまして、対応をお願いしたいと思います。
 そして、先週二十八日に政府コロナ対策本部が開催されまして変更された基本的対処方針の中に、感染多数地域における高齢者施設の従事者等のPCR検査の対象、これを通所系の介護事業所にも拡大するとあります。訪問系も対象とすべきではないかと考えております。
 昨年、緊急事態宣言発出時に、訪問系サービスにつきましては、我が党も申入れを行い、厚労省として、要介護者の命に関わることであるので、訪問介護事業者の方たちに継続を要請いたしました。それ以来、応じていただいている経緯があります。
 今はヘルパーの方々の使命感と緊張感で継続されているわけですが、感染不安のために人材が減り、また、撤退している事業所もあると聞いております。在宅介護を守るためにも必要と考えますが、対応はいかがでしょうか。

#18
○正林政府参考人 高齢者施設の入所者は重症化リスクが高いことから、地域の感染状況に応じて、高齢者施設の従事者などに対して定期的に検査を実施することが重要であり、都道府県等に対してその実施を要請しております。
 これまで定期検査の実施を要請していた入所施設に加えて、通所系の介護事業所も、高齢者が集団で利用する施設であり、クラスターが発生した場合の影響が大きいと考えられることから、定期検査の実施を要請することといたしました。
 他方で、訪問系の事業所については、必ずしも定期検査の実施を求めていないものの、自治体によっては集中的検査の対象としているところもあり、各自治体の集中的検査の対象を取りまとめて、厚生労働省のホームページで公表しているところでございます。
 引き続き、必要な検査の実施に向けて取り組んでまいりたいと考えております。

#19
○高木(美)委員 自治体の裁量というお話のようでございます。
 そこで、大臣、やはり、地方自治体の裁量にある程度任せていいという、そこのところも検討する必要があるのではないかと思っています。
 例えば、海外大学への留学生がワクチン証明がないと入学許可を取り消されてしまうとか、様々な事例も届いております。こうしたことを自治体に任せるということを何らかの形で発信すべきと考えますけれども、お考えはいかがでしょうか。

#20
○田村国務大臣 今、ワクチンの話ですよね。
 これは分科会の方で優先順位等々を御確認いただいたわけでありますが、当初はなかなかワクチンというものを確保しづらい中においての優先順位であったわけでありますが、もういよいよ、ワクチンが、供給量が潤沢に入ってまいるようになりました。
 高齢者の方々も大体めどがつきつつある自治体が増えてきておりまして、一回目接種をする、若しくは一回目の対応が配られる、七月中には高齢者の方々のワクチン接種が終わるというようなことがめどが立つ。こういう中において、当然、一回目と二回目は間が空いてくるわけでありまして、そういうところでも柔軟な対応をお願いさせていただいております。
 今言われたような方々、それから障害者の方々も基本的には基礎疾患を持っている方々と同じ対応という意味では、重い精神障害者の方々、また知的障害者の方々なんですが、しかし、そこは一般接種と、実は基礎疾患を持っている方々の接種というのは同じ対応で、タイミングで接種券を配られるわけでありますので、そういう意味では、基礎疾患を持っている方は自己申告でございますから、なかなか、個別個別それが具体的に分かるというよりかは、御本人の判断という形になってまいります。
 そうなりますと、もう一般の方々と同じタイミングでの接種というものが当然始まってくるわけでございますので、その中で自治体が柔軟に対応いただくということは、これは十分に我々としてもやっていただきたい部分でございますので、そこに関しては柔軟な対応をお願いいたしたいというふうに思っております。

#21
○高木(美)委員 済みません、まず、今大臣、ワクチン接種について私が問いを立ててしまいまして、御答弁をいただきました。
 自治体に任せるという話なんですが、私たちが例えば自治体に働きかけても、国から何も言われていないのでできない、これはずっとこの委員会でも議論になったことです。何らかの形で事務連絡等を発出していただきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。
 そして、先ほど、正林局長の答弁につきましては、在宅介護、自治体の裁量というところもありますけれども、国として要請してきたその経緯を踏まえますと、やはり国としてもここはしっかりとやってほしいということを、通所系が入るのであれば、確かにクラスター等あるかもしれませんが、ヘルパーさんにしてみたら、これが業務で感染したのか、それとも自分がほかで感染したのか分からない、その大変な緊張感の中でやっていらっしゃる話ですので、ここのところはしっかりと含めて、平等に扱っていただきたいということを重ねてお願いさせていただきます。
 そしてまた、今大臣から一部御答弁いただきましたが、重度の、特に知的障害者の施設の方たち、ここは、うがい、手洗い、マスクができない方たちが多い一方で、密な支援が必要という方たちです。
 ところが、一人でも入所者が六十五歳の方がいらっしゃれば、全従事者も全て含めてワクチン接種の対象になる、早期の対象になる。しかし、それがなければ優先的な接種対象にはならない。ちょっと、これもまた、そういう障害者の状況を見ると不公平かなと。ここのところはどのようにお考えでしょうか。

#22
○田村国務大臣 先ほど申し上げましたが、高齢者のめどがもう立ってきているところは、間をどんどんどんどん使っていただいて、一般を含め、基礎疾患、そして今言われた障害者の方々もやっていただくということ、これはもうそういう通知を、順次進めていただきたいということは流させていただいております。要するに、高齢者のめどが立てば次に進んでいただきたいということで。
 具体的に障害者施設ということは出しておりませんが、こういうことも含めて、しっかりと分かりやすいように我々としてもお伝えしていかなきゃならぬと思っておりますし、更に申し上げれば、先ほどの職域、こういうものの接種を使っていただいて施設なんかで対応いただくということも、十分にこれはあり得る話でございますので。
 もちろん、そのためにはそれぞれの施設で接種者を確保いただかなきゃならないというようなことはございますけれども、いつもおつき合いをいただいている医療機関などの先生方等々とも御連絡を取っていただく中において、そういうような対応ということも可能であろうというふうに思っておりますので、様々な知恵といいますか、方法を使ってやっていただくということも含めて、自治体にも分かりやすくお伝えさせていただきたいというふうに思います。

#23
○高木(美)委員 自治体の裁量の点、是非とも、事務連絡等、何らかの発出を重ねてお願い申し上げます。
 次に、接種会場に行けない方たちがいらっしゃいます。この方たちへの接種も重要でありまして、訪問介護を受けていらっしゃる、また訪問看護を受けていらっしゃる高齢者、在宅サービスを受けている障害者、こうした方たちに、在宅で接種を受けられる訪問接種が急がれます。このままでは取り残されかねないという不安もあるようでございます。訪問接種実施についての考え方を伺います。

#24
○正林政府参考人 お答えします。
 接種会場に出向くことができない方については、医師などが自宅に赴いて接種を行うことが可能であり、医療機関向けにお示ししている手引の中で、必要な留意事項について情報提供をしています。
 例えば、接種後の経過観察について、接種後にアナフィラキシーなどの症状が生じることがあるため、厚生労働省では、医療機関向けの手引において、接種後一定時間は被接種者の状態を観察する必要があることをお示ししています。訪問によりワクチンを接種した場合についても、体調に異変があった際に、接種を行った医療機関に連絡して適切な対応が取れる体制を整えていただきたいと考えています。
 具体的には、手引の中で、医師が被接種者の自宅で経過観察するほか、家族等が経過観察し、医師は被接種者の自宅から遠く離れない範囲で次の診療を行い、何かあれば医師に連絡して戻ってきてもらうこと、それから、自宅で受ける介護サービス、その提供時間に接種を行い、当該サービスを行う方が経過観察を行うとともに、医師は被接種者の自宅から遠く離れない範囲で次の診療を行い、何かあれば医師に連絡して戻ってきてもらうことなどが考えられる、そういった旨を既にお示しをしています。
 介護、障害福祉サービス従事者が利用者の自宅で経過観察を行う場合の費用について、当該業務を市町村が事業者に委託する場合は、新型コロナウイルスワクチン接種体制確保事業の補助金の活用が可能であります。また、委託ではない場合においても、訪問介護等のサービス提供の中で経過観察を行うことは差し支えなく、介護報酬、障害福祉サービス等報酬を算定することができることなどを近日中にお示しする予定であります。
 いずれにしても、全ての方に安心して接種いただけるよう取り組んでまいりたいと考えております。

#25
○高木(美)委員 やっとまとめていただきまして、ありがとうございます。
 続きまして、MTBIについて伺います。
 これは長年、山本副大臣と御一緒に、MTBI、軽度外傷性脳損傷の患者の方たちを支援してまいりました。このMTBIは、交通事故、スポーツ外傷、暴力、転落、転倒、乳幼児期の揺さぶりなど、誰にとっても身近なテーマでございますが、そのときの頭部打撲によりまして、外傷後数年から十数年後に、高次脳機能障害、また脳神経麻痺、さらにはアルツハイマー、認知症を引き起こすということでも知られております。我が党も、地方議員と連携しながら、こうした普及啓発に取り組んでまいりました。
 そして、今回、四月末、JFA、日本サッカー協会から、育成年代でのヘディング習得のためのガイドラインが公表されました。その目的と概要をお伺いいたします。
 あわせて、他のスポーツ競技におきましても検討していただき、こうしたガイドライン、また考え方を作成していただき、周知が必要ではないかと考えます。その際、厚労省と連携をして、医学的知見に基づいて行われるべきと考えておりますが、スポーツ庁の答弁を、簡潔な御答弁をお願いいたします。

#26
○牛尾政府参考人 お答えいたします。
 スポーツ活動時の事故によるMTBI、脳振盪などの予防対策は重要でありまして、競技を所管する各スポーツ団体において適切な指導を行うためのガイドライン等を作成しているところでございます。
 委員から今御紹介ありましたように、日本サッカー協会では、ヘディングに関わるリスクを避け、より適切な方法でヘディングを学ぶことを目的としまして、安全に、脳へのダメージが小さい強度、方法で、幼児期より段階的にヘディングを習得できるようガイドラインを作成したところでございます。
 ガイドラインにおきましては、幼児期では風船や新聞を丸めたボールを使って練習すること、小学校三、四年生では軽量のボールを使って練習すること、こういった子供たちの安全を守りながら正しいヘディング技術を習得することを呼びかけております。
 また、他のスポーツ競技でございますけれども、例えば柔道では、初心者には投げ込み等を制限すること、ラグビーでは、接触を防ぐ観点から、コンタクトをしないタグラグビーを導入することなど、医師等の医学的知見を踏まえまして、適切な指導方法の周知を行っているところでございます。
 今後も、脳振盪の予防対策はもちろんのこと、スポーツにおきます事故を未然に防ぐため、各スポーツ競技団体や厚労省などの関係省庁と連携いたしまして、様々な周知を行ってまいりたいと考えております。

#27
○高木(美)委員 続きまして、このMTBIについて長年取り組んでこられた山本副大臣に、厚労省の今後の取組、また、御自身の御決意も含めて御答弁をお願いいたします。

#28
○山本副大臣 ありがとうございます。
 軽度外傷脳損傷、MTBIの患者の会の方に、ずっと高木先生、寄り添っていただきまして、ありがとうございます。
 私も、国会で最初に質問しましたのは、民主党政権時代の、長妻先生が厚労大臣の時代にこのMTBIのことを取り上げさせていただいた次第でございます。そういう意味では、患者会の方、多くの方が大変困っていらっしゃる部分でございますので、科学的な知見をしっかり研究していくということが大変大事であると思っておる次第でございます。
 今、厚労省におきましては、このMTBIとの関連の深い高次脳機能障害につきまして適切に診断ができるように、症例の検討や最新の知見、これを収集した上で、診断方法や診断基準に資する研究を実施しているところでございます。これは慶応大学の三村先生が中心となって進めていただいておる次第でございます。
 また、委員御指摘のスポーツの場面における頭部外傷に対する予防策につきましては、大事な視点でございますので、所管する文部科学省、またスポーツ庁において取り組まれているものと考えますけれども、厚労省としても、医学的観点から、関係省庁との必要な連携を行ってまいりたいと思う次第でございます。
 どちらにしましても、しっかり厚労省として取り組んでまいりたいと思います。

#29
○高木(美)委員 どうぞよろしくお願いいたします。
 時間が迫ってまいりましたので、ちょっと大臣に、恐縮です、育児・介護休業法について、私、三点、御提案をさせていただきたいと思います。
 まず一つは、この新しい制度の育休、非常に重要であると思っております。長い期間取るのは難しい、しかし、こうした一月という短期間であれば取りやすい。ここから、恐らく、これまでも多くの課題になっております、働き方を見直すとか、長時間労働の見直し、また、男性が家事、育児を継続的に分担できるようにするとか、そうしたことを期待ができると思います。
 ただ、ロールモデルが身近にない。したがって、今の新しい若い父親は、父親として学習し、模倣し、訓練を受けることが必要であるということを考えますと、やはりまず一つは、今回の育休が、取るだけ育休、なんちゃって育休、そうなってはいけないと思います。
 出産前に様々な学級をやる自治体は多いのですが、出産後に行うという自治体は非常に少ないです。出産後学級、父親学級などの実施をしてはどうかと思います。また、参加するそのタイミングも、土日とか平日夜間の開催を考えていくとか、こうした充実が必要と考えます。こうした学ぶための父親学級等の開催、充実についてが一つ。
 そしてまた、もう一つは、一般社団法人ドゥーラ協会は、妊娠期から、出産、産後、育児期をサポートし、自宅に伺い、アウトリーチするという取組をやっております。その方たちから私も話を聞きました。
 今まで我が党は、日本版ネウボラ、ワンストップの子育て世代包括支援センターの設置を提案いたしまして、既にこれは全国自治体のうち千二百八十八まで設置されております。これからは、家事を丸ごと支えていくような、共働きの父親、母親共に支えていくような家事、育児支援、アウトリーチで実施できる、このことを制度化する必要があるのではないかと思っております。
 また、あわせまして、これだけ重要な新制度の育休でございますので、これが五年後の見直しではなくて、できれば二年後ぐらいに、今の実施状況、そして、例えば中小企業の方たちが取れているのかどうか、なぜ取れないのか、そうしたことを中間的に整理をしていただきながら次の五年後に向かっていくという、こうした取組が重要ではないかと考えます。ここは本当に、我が国の男女共同参画、女性活躍、これを決めていく大事なポイントだと思っております。
 三点まとめて恐縮ですが、大臣のお考えを伺いたいと思います。

#30
○田村国務大臣 三点ということで。
 まず、父親学級、両親学級等々の事業を各自治体でやっていただいております。この調査事業をやっておりまして、この結果を含めて、好事例の横展開等々もやっていかなきゃならないと思いますし、育休を取られた男性等々経験者と今取っている最中の方々、こういう方が、相談といいますか、いろいろな話合いができるような、そういう機会みたいなものをつくっていただかなきゃならないというふうに思っておりますので、いずれにいたしましても、委員からおっしゃられたような点、これを更に進めていくように我々も努力してまいりたいというふうに思います。
 それから、ドゥーラの話がございました。これは参議院の方でも公明党から御質問いただいたんですけれども、これに関しては、産前・産後サポート事業、この中において、多胎の家庭、お子さんが多い家庭に関しては、アウトリーチも含めて、家事サポートみたいな形でも事業のサービスがある、今現状もございます。専門職も必要でありますけれども、子育ての経験のあるようなドゥーラの方々がいろいろな形で、身近で相談も含めて対応いただく、非常に重要であろうというふうに思っておりますので、これのこれからの更なる御活躍を支援していきたいというふうに思っております。
 それからもう一点は、男性の育休、特に今回このような新たなものをつくったわけでありますが、これに対して調査をしろということであります。
 現状でいいますと、御承知のとおり、雇用均等基本調査というのがございますが、これは一定の年数に一回というような形になっております。どういうふうな形にすれば、今回のことが結果としてどういう状況であるかということを把握した上で、次に向かっての周知を進めていくということに役立つかということもございますので、頻度も含めて、これは検討させていただきたいというふうに思っております。

#31
○とかしき委員長 高木美智代さん、申合せの時間が来ております。

#32
○高木(美)委員 ありがとうございました。終わります。

#33
○とかしき委員長 次に、津村啓介君。

#34
○津村委員 日本の労働保険、社会保険につきまして、時代の変化、時代の要請に合わせて制度をアップデートする観点から問題点を指摘させていただきます。
 最初に、本日、育児休業、介護休業が議論になっているわけですけれども、平成十九年、育児休業制度の改正に当たって、当時、私たちの同僚の山井議員が国会の柳沢大臣との議論でこういう指摘をされております。「育児休業期間に関しては算定基礎期間に算入されないというふうに今回新たに制度を創設しようとされているわけであります。育児休業をとった期間に関しては雇用保険の加入期間から外すということなんですね。大臣、このことは非常に重大な問題だと私は思うんです。」
 これに対しまして柳沢大臣は、「今度の育児休業給付につきましては、比較的長時間給付を受けるということ、それから、」皆さん、これは資料の二ページ目のところを私は読んでいるんですが、「その間賃金が支払われない場合が多いわけですから、したがって保険料の納付が行われないわけでございます。 そういうようなことを踏まえまして、被保険者間の公平性の観点から、算定基礎期間、今委員の言われたような給付日数の算定の基礎期間でございますけれども、育児休業期間の被保険者期間を差し引くことに改正いたしました。」
 ここには二つのことが言われていまして、一つは、育児休業の期間の長さ、そしてもう一つは、その期間、保険料を払っていないわけですから、ほかの払っている一般の方と比べて、公平性の観点から、払っていないなら算定基礎期間には入れられないよね、そういうことが述べられているんです。
 今回、育児休業と介護休業をいわば並べて議論しているわけですけれども、介護休業はどうなんだろうかということで見てみますと、介護休業は、最長九十三日という、長さの、時間軸の違いが若干あるんですけれども、保険料を納付していないにもかかわらず、算定基礎期間には入れる。つまり、介護休業をサポートしようということで、そういう制度になっています。
 育児休業は、基本的には一年、延ばすケースも保育園等のことでありますけれども、長ければ二年かもしれませんが、介護休業よりも短く取る方、二か月、三か月で取っている方も大勢いらっしゃるわけで、そういう意味では、育児休業だと保険料が払っていない扱いになってしまって、介護休業だと保険料が払ったのと同じ扱いになる。これはどちらもサポートするべきじゃないかな、つまり、介護休業に合わせて、育児休業についてもこれは算定基礎期間にしっかり入れていくべきじゃないのか。長さは同じになるケースもあるわけですから、そして保険料が払われていないことは同じなわけですから、これは扱いを変える理由がないんじゃないか。
 更に言いますと、実務の観点からは、介護休業は九十三日までであれば三回に分けて取れるわけで、今回、育児休業も分けて取れる議論をしているわけですけれども、一か月ずつ三回介護休業を取って、それを全て算定基礎期間に入れるという扱いをするのは結構実務的には大変で、それに比べると、育児休業を三か月一回ぽんと取ったものをカウントする方が実務としては実はやりやすいのかもしれない。
 そういう意味では、この育児休業の期間を算定基礎期間に入れない理由というのは、もう実務的にも、あるいはロジックとしてもあり得ないんじゃないかなと思うんですが、ここは是非、算定基礎期間に算入することにしませんか、大臣。

#35
○田村国務大臣 基本は、保険料を払っていない、おっしゃられるとおり保険料を払っていないというのは、他の被保険者の方々との公平性というのがあるわけです。それも、介護は約三か月ですよね、最大。大体、平均すると一・九か月ぐらい取得をいただくという形で、まあ、分割してもできますが。一方で、育児休業は最大二歳まで。これはちょっと、期間がかなり違っているというのがあり、そして、育児休業給付の場合、平均受給期間では十一・二か月あるということでございまして、結構皆さん長く取られるという実態もあります。
 でありますから、保険料を払う払わないという公平、不公平というのもあるんですが、その期間がやはりかなり、育児休業の場合、制度として長い、実態も長く取られているということがございますので、これはそういう議論で、当時、外すということを労政審の議論の中でお決めをいただいたということでございますので、これはやはり、労使共にいろいろな議論の経緯の下での決定であろうということでございますから、これをなかなか、御理解いただくというのは難しいんだというふうに思います。

#36
○津村委員 大臣が今言葉を選ばれておっしゃったように、これは、平成十九年の議論はそのとおりですし、私は、平成十九年が間違っていたと言うつもりはないんです。育児とか介護というのは、女性の活躍の場が広がる中で今どんどんニーズが広がっていて、この十五年間、十四年間ですか、全然状況が変わってきていて、だからこそ、今日、私たちは育児休業、介護休業の法律を改正しようとしているわけですよね。
 ですから、これは状況は変わるわけで、十二年前の話を、今、十二年前の話ですけれどもと前置きしてくださいましたけれども、現在の話としてはちょっと状況は変わるわけですし、次回またこういう議論をする機会があれば、これは是非、結論がどうなるか、今大臣が断定的に言うことはできないかもしれませんが、これは今後のテーマであるということは、大臣、御注目いただきたいと思うんですけれども、いかがですか。

#37
○田村国務大臣 委員もよく御理解いただいておりますので。
 要は、労使の下で、そういうようなお話合いの中で合意をいただけるということであれば、それはそういうこともあるんだろうというふうに思いますが、いずれにいたしましても、今般に関してはそういう議論は一切ない中でこういうような形になってきておりますので、今般、これを合意がない中で盛り込むということはお許しをいただきたいというふうに思います。

#38
○津村委員 一切なかったかどうかは、ちょっとこれは要確認だと思いますけれども……(田村国務大臣「合意はありません」と呼ぶ)はい。
 次回については、そういうことがもし議論、合意があればまた検討する場面もあろうかということでありますので、今日この日、今こうやって私が議論していることも含めて、次回、是非御検討の材料にしていただければというふうに思います。育児と介護を分けるのはおかしいですし、期間の問題であれば、それは例えば最初の一回目はカウントするとか、いろいろなやり方があると思っています。
 それから、同じように、やはり育児がほかの制度と比べてちょっと不公平じゃないかと思うことをもう一つ申し上げたいと思います。
 一枚おめくりいただきますと、三枚目の資料を皆さん御覧いただきたいんですが、今回、育児休業の取得状況について公表義務というものが課せられたわけであります。千人超の企業、この一番上にあるように、常時雇用する労働者の数が千人を超える事業主でございます。
 これは皆さん御想像いただきたいんですけれども、千人を超える企業というのは大体どのぐらいあると思われますか。クイズをする気はないのであれなんですけれども、四百万社の中小企業が経済センサスによればあるんですけれども、そのうち一千人以上の方を雇用している企業というのは、〇・一%でございます。
 ちょっと私、見たんですけれども、大臣の選挙区、三重四区でいらっしゃいますが、三重県で二十社ぐらいですね。(田村国務大臣「三重県、今一区です、選挙区」と呼ぶ)そうです。ごめんなさい、選挙区で割れなかったので、三重県全体で二十ぐらいで、大体一区じゃないですか。そうすると、三重四区に、今クイズする気はないんですけれども……(田村国務大臣「四つあるということね、三重県に選挙区が」と呼ぶ)選挙区が四つありますよね。だから、単純に割っても五つになっちゃいますし、一区に多分本社のあるところは多いでしょうから、要するに、大臣の選挙区で該当する企業というのは、本社ベースで見ればですけれども、ほとんどない状態ですよ、これは〇・一%ですから、何しろ。これだけカバーするだけなのがどれだけ実効性があるのかなということを私は申し上げたくて。
 先行する政策としては、労働施策推進法では中途採用を促しているわけですけれども、中途採用をどれだけしたかを、三百人を超える事業主に聞いているわけです。あるいは、その三つぐらい下の升ですけれども、女性活躍推進法においては、採用した労働者に占める、あるいは管理職、役員に占める女性労働者の割合を、やはり三百人を超える事業主に公表義務が課されているわけです。
 何で、育児についても三百人にしなかったんですか。

#39
○田村国務大臣 失礼しました。私、三重四区から一区に変わったものですから……(津村委員「ああ、ごめんなさい。そういうことでしたか」と呼ぶ)四区の話をされた、三重県に四つあったので、済みません、勘違いいたしました。
 今言われた委員のお話、女活法等々では三百人以上というものを一つの基準に使っています。これは、女性が活躍する雇用という意味で、雇用を促進する意味で、そのような基準を一つ置いているんですが、今般は、一応、上場企業というような、一つ念頭に置きながら、もちろん上場企業というのは法律上は書きづらいものでありますから、そこで一千名というような一つの基準にしたんですが、全国で、常用雇用されているのは四千三百社ぐらいだという話でございまして、言われるとおり、これはもっといろいろなところで公表してもらったらいいじゃないかという御議論があるのは承知しております。
 ただ、一方で、まずスタートということでございますので、社会的影響のあるこういう企業にまずお出しをいただいて、その上で、また御議論いただきながらこういうような方向性というものを広げていければということでありまして、千名以上常用雇用という形の中で、大きな社会的影響のある企業という中での今回の公表という形で御理解いただければありがたいというふうに思います。

#40
○津村委員 今回、私も提案型のつもりで議論をさせていただいていまして、この一問目も今の二問目も、育児休業をサポートするというのであれば、今回盛り込まれなかったテーマとして、あるいは盛り込んだけれども不十分なテーマとして二点指摘させていただいたということです。
 一つ目は、算定基礎期間に是非入れるべきだ。そして、公表義務をせっかく設けるんだったら、〇・一%の企業じゃなくて、やはりもっと幅を広げていくべきだ。次回の法律改正で是非検討をしていただきたいというふうに思います。
 そうした中で、三点目の質問に移りますが、労働保険をもう少し視野を広げて見ますと、男女雇用機会均等法にも、ちょっともう時代に合わないんじゃないかなという条文がございます。
 配付資料の四ページを御覧いただきたいと思うんですけれども、これは一九八〇年代に、当時は画期的な法律として制定された男女雇用機会均等法の条文、五条、六条、九条、肝の部分を抜き出させていただきました。
 第五条で、「募集及び採用について、その性別にかかわりなく均等な機会を与えなければならない。」、これは私のちょっと上の世代、もしかすると田村大臣の世代かもしれませんが、女性総合職というのが世の中に登場して、大変世の中が変わっていったのが一九八〇年代後半だと思います。
 そうした中で、第六条については、「次に掲げる事項について、労働者の性別を理由として、差別的取扱いをしてはならない。」、幾つかの、労働者の配置のことが出ています。
 そして、問題は第九条でありまして、「事業主は、女性労働者が婚姻し、妊娠し、又は出産したことを退職理由として予定する定めをしてはならない。」とあって、確かに妊娠、出産については女性にしかできないことだということは今日も変わらないと思いますけれども、婚姻について、この二項が、「事業主は、女性労働者が婚姻したことを理由として、解雇してはならない。」、女性だけなんですね。
 左側に、私、コメンタール、当時の立法趣旨を書いた解説本をちょっと引用させていただいていますけれども、やはり一九八〇年代としては先進的ですし、よく理解できるんです。ここにも書かれていますように、「婚姻は、妊娠、出産等と異なり男性にも起こる事由ですが、」「均等法制定当時は女性結婚退職制(いわゆる「寿退職」)が広く行われており、これが性差別の象徴的な制度であったことから、特にこれを禁止する必要があったこと、2均等法制定の契機となった女子差別撤廃条約中に「婚姻をしているかいないかに基づく差別的解雇を禁止すること」との規定があり、これを担保する必要があったことから、特に規定されたものです。」と。
 ただ、当時、平成十九年の「今回の改正においても、規定の削除や男性労働者の婚姻に関する規定を加えることはしませんでした。」と書いてあるんですが、もうこれは三十年以上前なんですよ。そして今日、ジェンダー平等の議論が広がって、例えばLGBTの場合どうなんだとか、男性はそもそもどうなんだということまで考えると、もう女性の話だけするフェーズじゃなくなっているんじゃないかなというのが私の質問の趣旨であります。
 今回は育児、介護の話ですから今日の議論の本題ではありませんけれども、男女雇用機会均等法も更にアップデートしていくという機会が早晩訪れると思いますので、そのときには是非テーマとして取り上げていただきたいという御要望でございます。大臣、いかがですか。

#41
○田村国務大臣 言われる均等法の中で、九条の二項、一項もそうなのかも分かりませんが、婚姻で退職というものを定めておくということは駄目だということと、解雇しちゃならない、これはまさに女性がそういう実態が多かったという中で、これを入れたわけであります。
 一方で、五条、六条は、男女の、性別による差別の禁止ということになっておりますので、これを読み返すと、多分、九条の一、二項でこう書いてありますから、これから翻って五条、六条で男性も結婚を機に退職の制度を定めたり、解雇しちゃいけないということに多分なるんだろうというふうに思います、逆説的に言えばでありますが。
 ただ、女性を取り立ててこの九条の一項、二項に書くのがどうなんだというような多分意味合いで委員おっしゃっておられるんだと思います。この一項、二項をなくすというのが、果たして女性だけどうなのかというような話、現状として今そこまで十分に進んでいるのかどうなのかという話もあると思いますが、逆に言うと、女性を抜いて、結婚等々で解雇しちゃならないという意味合いにすべきじゃないのかというような、そういうような受け止め方もできるわけでございます。
 いずれにしても、非常に、今の時代において、以前と比べて環境が違っているということでございますので、こういうことも踏まえながら、次の見直しにおいてはいろいろな議論を活発にやっていただきたいというふうに思っております。

#42
○津村委員 ちょっと話がここから変わります。
 配付資料で「「消えた選挙権」問題」とタイトルづけさせていただいております。
 主に、内閣法制局と総務省さんに伺うんですけれども、何でこの育児、介護の話でそんな話になるのかということをちょっと申し上げますと、これは、四年前の衆議院選挙、私たちが当選させていただいた衆議院選挙におきまして、全国で三千四百六十二人の方が投票権を奪われてしまった。本来あるにもかかわらず、住民票を異動しなかったことによって、実際には、下宿していたりとか故郷を離れている、多くは学生ですけれども、選挙権を、古い運用といいますか、居住実態がない場合は選挙人名簿から外すという措置が取られてしまったために、じゃ、実際に居住実態があるところで投票権があるのかといったら、そっちでもない。結局、どこにも投票権がなくなってしまって、投票できないという日本国民が三千四百六十二人確認されているということなんですけれども。これは実は、住民票を移さないことによる弊害というのは、介護の施設に入居している方々でも同じことは起きるわけですね。
 ただ、それについては社会保険制度の中では一定の手当てがされていまして、六ページを御覧いただきますと、国民健康保険法では百十六条の二で、病院等に入院、入所又は入居中の被保険者の特例としてそのことを定めていますし、よく見るとその前の百十六条には、修学中、つまり下宿生のこともちゃんと国民健康保険法では手当てをされているわけです。「修学のため一の市町村の区域内に住所を有する被保険者であつて、修学していないとすれば他の市町村の区域内に住所を有する他人と同一の世帯に属するものと認められるものは、この法律の適用については、当該他の市町村の区域内に住所を有するものとみなし、かつ、当該世帯に属するものとみなす。」ということで、後年、漏れが生じないように特例まできっちり設けているわけですが、公職選挙法の側にそれがないために、この三千四百六十二人の問題が生まれてしまった。
 これは、場合によっては、介護施設に入っている方も、もしかすると投票権がどうなっているのかということも精査していかなければいけない。これは、学生の問題であると同時に、社会保障の問題とも通底するものだということで、この問題に行き当たったわけであります。
 今日、内閣法制局長官と総務省選挙部長に来ていただいていますので御質問差し上げたいと思いますが、まず内閣法制局長官に伺わせていただきます。
 四年前の三千四百六十二人の事例について御認識があるかということと、選挙人名簿に登録されないこうした有権者の存在というのは、憲法が想定するところなのかどうか、憲法に照らしてこういうことがあってよいのかどうかということについて伺いたいと思います。

#43
○近藤政府特別補佐人 お答えいたします。
 御指摘の調査結果につきましては私ども詳細承知しておりませんので、個別の具体的な法令の適用等の問題につきましては、一義的には主務官庁から御答弁いただくことが適当であると考えております。
 その上で、今先生からの御質問の憲法における国民の選挙権の保障ですとか、その行使の制限に関しての考え方についてちょっと一般論を述べさせていただければ、平成十七年九月十四日の最高裁の判決、これは在外の日本国民の選挙権の問題に絡む判決でございましたが、憲法は、日本国民の主権に基づき、両議院の議員の選挙において投票することによって国の政治に参加することができる権利を国民に対して固有の権利として保障しており、その趣旨を確たるものとするため、国民に対して投票をする機会を平等に保障しているものと解するのが相当であるとした上で、憲法の以上の趣旨を鑑みれば、自らの選挙の公正を害する行為をした者等の選挙権について一定の制限をすることは別として、国民の選挙権又はその行使を制限することは原則として許されず、国民の選挙権又はその行使を制限するためには、そのような制限をすることがやむを得ないと認められる事由がなければならないというべきであるというふうに判示しておりまして、非常に厳しい判断基準を示しておりまして、当局も同様と理解しております。

#44
○津村委員 選挙部長にもお尋ねしたいと思うんですが、こういう、今、当然の憲法論でしたけれども、というのもいただいている中で、この三千四百六十二人の事例というのは看過できない問題でございますし、この三千四百六十二人という数字が出てきた理由は、実は私の同僚の小熊慎司議員、福島県の御出身ですけれども、彼が、地元でそういうケースがどうやらあるようだということを、御自身が各市町村に、御自身がですよ、お電話をかけて、そういうケースが生まれているんじゃないかと調査をされて、そしてそれを積み上げて、予算委員会で指摘をした。そして、私も少しお手伝いをさせていただいて、選挙部長に、当時も選挙部にいらっしゃいましたけれども、是非これはきちっと調査するべきだということを予算委員会、安倍総理にもお願いをして、その後、四か月後に公表いただいたという経緯があったように記憶しています。
 そのときの、三月に公表された調査結果、これは照会に答えて報道等になったのがこの五ページの報道と仄聞していますが、プレスリリースとしては出していないと思うんですけれども、当時の調査結果について、できればこの三千四百六十二人というのがどういった都道府県に属している方々なのかということも含めて、少し詳細に御答弁いただきたいと思います。

#45
○森政府参考人 お答え申し上げます。
 総務省におきましては、市町村によって居住実態調査の実施の有無だとか結果の取扱いが異なるとの御指摘等をいただいたことなどから、平成二十九年の衆議院議員総選挙に際しまして、市町村の選挙管理委員会における居住実態調査の実施の有無や住民基本台帳部局との連携などについて対応状況を平成二十九年十二月に調べたところでございます。
 その調査の回答によりますと、選挙人名簿の登録に際して居住実態調査を実施していると回答のあった団体でございますが、関係都道府県でいいますと十都道府県、北海道、秋田県、山形県、福島県、島根県、愛媛県、高知県、熊本県、鹿児島県、沖縄県、これらの関係都道府県内の市町村で計四十団体でございまして、そのうち、選挙人名簿に登録しなかった又は選挙人名簿から抹消した者がいると回答した団体が三十団体で、登録されなかった又は抹消された者の数が三千四百六十二人、そして、選挙人名簿に登録しなかった又は選挙人名簿から抹消した者に関し、住基部局と連携を図っていた、こう回答した団体は六団体であったということでございます。
 この調査結果を受けまして、選挙人が必ずいずれかの団体の選挙人名簿に登録をされ、選挙権を行使できるようにすることが重要であるとの観点から、選挙管理委員会が居住実態について調査を行う場合には、調査の方法や時期、調査結果の取扱いなどについて、住民基本台帳担当部局と十分な連携、調整を行うことなどを平成三十年三月に助言したところでございます。
 また、その後に行われた令和元年の参議院通常選挙の際も、同通知の趣旨を踏まえた対応に留意するように各選挙管理委員会に対し通知を行っているところでございます。

#46
○津村委員 一部の報道では、今の結果に加えて年齢別の結果について触れている報道がございます。二十歳以下が千三百十二人という数字もあるようですが、ちょっとその確認を一つさせていただきたい、年齢別の数字についてもお答えいただきたいというのが一つ。
 もう一つは、令和二年十月三十日提出の丸山穂高議員の質問主意書というものがございまして、こちらの三番に、「平成二十九年の衆議院議員選挙において、三十の自治体の選管では、学生及び勤労者などについて、所属地に住民票を置くものの、居住実態がないとして選挙人名簿のみ削除した結果、投票することができない例があった。これに対して、政府は「選挙人名簿の登録・抹消に係る被登録資格の確認等の取扱いについて」(平成三十年三月二十八日)により、」、今おっしゃった通知のことです、「住民基本台帳と選挙人名簿の整合を取るよう対応を求めた。政府において取りまとめているのであれば、通知を発出したのち、通知に従い整合させた自治体数、及び住民票があるにもかかわらず選挙人名簿から削除したまま整合していない自治体数を伺いたい。」という質問主意書に対して、「お尋ねについては、政府として把握していない。」というふうに昨年秋時点でお答えになっています。
 これは、ちょっと残念といいますか、四年前せっかく指摘したことですし、その後参議院選挙もあったわけですから、当然フォローしているべきだと思いますし、先ほど十道県の名前を挙げていただきました。いわば、十本電話をしていただけば済む話ではないかと思うんですけれども。
 現在、この十一月の丸山穂高さんの質問主意書後にどういう対応をされたか。そして、間もなく次期衆議院選挙もございます。この三千四百六十二人の方々が前回いたことが把握できている以上、同じことが繰り返されてはならないと思うんですけれども、選挙部長、どういう御認識ですか。

#47
○森政府参考人 お答えをいたします。
 一点目の十八歳以上二十歳以下の方は、当時で千三百十二人ということで間違いないことでございます。
 それから、先ほども申し上げましたところでございますけれども、平成三十年三月に住民基本台帳部局等との十分な連携、調整を行うことなどの助言を行い、その後に行われた令和元年の参議院通常選挙の際にも同通知の趣旨を踏まえた対応に留意するよう通知を行ったところでございます。
 そして、今回、お尋ねいただくことも含めまして、居住実態調査の結果を基に選挙人名簿から抹消等をしたと回答した三十団体に係る関係都道府県に対しまして本件に関する通知後の状況についてお聞きをしたところでございますが、関係市町村において特段の問題事例が発生している、発生したということは承知をしていない、そういったような回答をいただいているところでございます。
 各市町村の選挙管理委員会において、この通知に基づく適切な取扱いが行われ、選挙人名簿と住民基本台帳との整合等が図られることによりまして、選挙人がいずれの選挙人名簿にも登録されないことがないようにする、投票の機会が得られるようにするということが重要だと考えておりまして、これは委員と同様の問題意識を持っております。
 総務省としては、国政選挙の実施の機会なども捉え、通知の趣旨を十分に周知をしてまいることで対応してまいりたいと存じます。

#48
○津村委員 部長、一生懸命答えていただいてありがたいんですけれども、問題事例が起きていないのは当たり前で、その後衆議院選挙はないんですよ。四年前に三千四百六十二人の方が投票できなかったという以降、参議院選挙はありましたし地方選挙はあったかもしれませんが、問題事例を把握していないという問題事例というのは、一体何のことをおっしゃっているのか。
 この十の道県に、これ、私が質問通告させていただいたのはこの数日前のことですから、その間に十道県に確認していただいたというのは私はありがたいことで感謝申し上げるんですけれども、これはやはり、次の衆議院選挙、もう間もなくあるわけですけれども、三十自治体に徹底すれば、まずは一義的にはアフターフォローということになるでしょうし、場合によっては四十七都道府県に、こういうことが二度と起きないように、だって、日本国民なのに投票券のはがきが来ないんですよ。おかしいじゃないですか。そういうことが起きないように徹底していただくということを、これはお約束いただけませんか。

#49
○とかしき委員長 森総務省自治行政局選挙部長、申合せの時間が来ておりますので、答弁は簡潔にお願いします。

#50
○森政府参考人 関係市町村について悉皆でということかと存じますが、関係都道府県への聞き取りで特段の問題事例は聞いていない、こういった状況も踏まえ、また適切に考えて、また対応してまいりたいと存じます。

#51
○津村委員 次の選挙の後こういう方が一人も出ないことを強く望ませていただきます。
 終わります。

#52
○とかしき委員長 次に、白石洋一君。

#53
○白石委員 立憲民主党の白石洋一です。
 まずは、現下の現場の質問からさせていただきます。
 今、ワクチン接種、進んでいますけれども、やはり電話がなかなかつながらないんですね、大臣。それで、そのお声を聞くと、もう諦めたよ、そして、頼める家族もいないからもういいよ、そういう高齢者も出てきているんですね。そういうことを考えれば、まず一回目は何とか打てたけれども、二回目打っていない方も相当出てくるんじゃないかな。これは、市町村によっては二回予約しないといけないところもありますからね。そういった方々も出てきていますし、そもそも、打つ意思はあるんだけれども諦めて打っていないという方も相当おられるんじゃないかなと思います。
 ついては、まずは一回目打ったけれども二回目打っていない、もうそれで三週間どころか一か月以上過ぎているような方々をリストアップして、再度連絡して、本当に打ちたくないんですか、今打つこともできますよというような連絡を差し上げるべきだと思うんですけれども、いかがでしょうか。

#54
○田村国務大臣 今、日本で承認されているワクチン、二回接種ということでありますから、特にファイザーも、二回接種いただかなければ、三週間置きということで、これは効力がどうなるかというのは分からないわけであります。あくまでも承認の条件というのは二回接種であります。
 そういう意味からいたしますと、本当はもうセットで予約を取っていただければ一番いいんでしょうけれども、三週間と決まっておりますので、間隔が。しかし、言われるとおり、そうじゃない自治体もあられるわけでありますから、二回目が取れない、そういうような自治体もあられるというふうにお聞きもいたしております。
 それぞれの自治体でいろいろな取組をしていただいておりまして、例えば、電話のブースなんかを増設をいただいて対応いただいておったりでありますとか、あと、慌てずにまた御連絡くださいという予約の呼びかけをされておられたりでありますとか、予約の情報なんかを流しておられる、愛媛県の四国中央市、これは委員のところですかね、ここはそういうような対応をしていただいているようであります。
 いずれにいたしましても、いろいろな工夫をされておられますけれども、それでもなかなか対応できないというところに関して、委員が言われたようなリストみたいな方法も含めて、いろいろな好事例があろうと思いますので、そういう好事例等々を必要に応じて我々も周知をさせていただきたいというふうに思っております。

#55
○白石委員 やはり、リストアップして、そしてフォローする、そして、打つ意思はあるんだけれども諦めている方に再度確認していくという段取りを国としても通知して、好事例も含めてされたらいいと思いますので、よろしくお願いします。
 それから、先日、厚労省の方から事務連絡で、コロナワクチンの接種体制の強化のために、医師、看護師等の兼業に関する取扱いの事務連絡を出されました。それによると、医療機関に勤める医師、看護師さんが兼業としてワクチン接種の手伝いをする、大体、集団接種というのは土日にやっていますから、自分の休みを返上したらできるわけです。その上で、その状況で事前許可手続を不要にする、つまり、上司とか勤めている医療機関の許可なしでそれができるというふうに促しているわけです。
 これはいいことだと思うんですけれども、それをやるのであれば、医療機関にとどまらず介護施設でも、潜在医師は余りいないかもしれませんけれども、潜在看護師さん、いらっしゃいます。実際に私のところにも相談に来られました。介護施設についても兼業については事前許可手続を不要とする、そういう事務連絡を出すべきだと思うんですけれども、いかがでしょうか。

#56
○田村国務大臣 事業所内等々で、これは施設において人員配置基準なんかもありますが、今般のいろいろなコロナ対応で、こういうものも一時的なものであれば厳しくは対応しないというようなこともお伝えをさせていただいておるわけであります。
 今委員がおっしゃられたという意味からすると、確かに、医療機関にはそういう兼業に関して厳しいことを言わないようにというような形でお願いをさせていただいておりますので、そういう意味で、これは、実際問題、介護保険法上、兼業しちゃいけないというようなことが決まっているわけではないんですけれども、事業所でそれぞれいろいろな取決めがあられるというふうに思いますので、医療機関と同様のような対応、これに関しては周知を行っていくことを検討してまいりたいというふうに思っております。

#57
○白石委員 大臣、是非、ワクチン接種、国を挙げてやっていることですから、医療機関だけの枠内にとどまらず、助けを求めるところは全部助けを求めたらいいと思います。その中で、厚労省の中で介護分野というのはあるわけですから、すぐ通達を出されたらいいと思いますので、よろしくお願いします。
 そして、コロナでお亡くなりになられた方とその御遺族のことなんですけれども、コロナの感染が施設内で発生して、その入所者さんとかあるいは入院患者さんが感染が分かった時点ですぐ隔離されて、そして、家族としては会いたいんだけれども、会えないうちにどんどん重症化、病状が悪化して、亡くなられて、でも家族としては臨終に立ち会えない、さらには火葬場でも立ち会わせてくれない、少したってからお骨だけが来るという、非常な喪失感を感じるわけですね。
 そして、そもそもこういう院内感染、クラスターとかいうのは、院内感染、そして施設内感染ですから、患者さんとか亡くなられた方にとっては何の理由もないわけですね。自分の責任はないわけですね。帰責事由というのはない中で、亡くならざるを得なかった。家族にとっても、ウイルスの侵入を許したことに対して、非常に複雑な思いをお持ちになるわけです。
 感染症というのは公衆衛生上の問題ですから、やはり国としてこれに立ち向かっていって、しかし、それが完全ではなくてウイルスの侵入を許してしまったという国の責任もあると思うんですね。さらには、感染対策で葬儀にもいろいろ器材が必要ですから、お金がかかるわけです。その負担は葬儀料ということになって、やはり遺族にも経済的にかかっていくわけですね。そういうことを考えれば、弔慰金とかお見舞金とかというのはあってしかるべきだと私も思うんですけれども、今はないんです。
 類似の制度というのは今国にあるのかどうか、まずお伺いしたいと思います。

#58
○浜谷政府参考人 お答えいたします。
 死亡時に埋葬を行う方に支給される給付として、健康保険に埋葬料等がございます。これは、健康保険の被保険者や被扶養者が死亡したときに、埋葬を行う方に対しまして、五万円までの埋葬料というのが支給されます。
 また、国保と後期高齢者医療制度におきましても、条例又は規約を定め、名前は違いますけれども、葬祭費等の支給を行うこととされております。

#59
○白石委員 大臣、聞かれたように、これは一律なんですね。亡くなった方には一律のお見舞金。ですから、感染症、つまり公衆衛生上のいわゆる問題によって亡くなられた方というのは特別扱いしていない。ましてや、新型コロナだからといって特別扱いはしていないわけです。
 しかし、この状況から考えて、少なくとも感染症で、線引きは必要かもしれません、二類相当以上とか、あるかもしれませんけれども、感染症によって亡くなられた方に対して、その御遺族に弔慰金とかお見舞金の制度をつくるべきだと思うんですけれども、いかがでしょうか。

#60
○田村国務大臣 感染症法上、必要な治療に関しては、これは基本的に全額国庫で、法律にのっとって負担しています。一定以上収入のある方は一定金額出していただくことになっておりますが。そういう制度はあるんですけれども、亡くなられた方に見舞金だとか弔慰金のような形で、感染法上、ほかの、コロナ以外でも、何らかの給付というのはないわけでございますので、コロナだけ取り立てて給付するということは今考えておりません。

#61
○白石委員 感染症というのは公衆衛生上の問題で、いわゆる問題というか失敗によって、取り逃がしてしまったことによって亡くなられたわけですから、そのことを考えて、是非、制度の創設というのを考えていただきたいと思います。
 次は、これは文部科学省の質問なんですけれども、具体例から申し上げると、大体、今、中学校の問題です、一般生徒は八十人いて、そこに特別支援学級の生徒が七人いて、合計で八十七人。でも、今、特別支援学級というのは別勘定、別枠になりますから、四十人学級ということを考えれば二クラスになるんですね。二クラスで、四十人、四十人。そこに特別支援学級の子供たちが交流学級ということで三人、四人、道徳だとかホームルームとか、相当の教科について一緒に学ぶ。そうすると、四十三人とか四十四人がいつも通常の状態になって、非常に密なわけですね。コロナの問題、感染症の問題上、問題でもありますし、加えて、やはり目が届くようなクラス編制という意味からも問題だと思うんです。
 つきましては、中学が三十五人学級になるのがベストなんですけれども、そこに至らないのであれば、県の教育委員会、市の教育委員会に、少人数にする選択肢を増やすという意味で、通級による指導という制度があって、この通級による指導というのをもっとやりやすくすることによって、一旦、先ほどの事例でいえば、八十人足す七人、七人全員じゃなくても、通級ができるような障害児の子を例えば五人入れて、八十五人であれば、これは二クラスじゃなくて三クラスになるわけですね。そういった制度の選択肢を増やすべきだと思うんですけれども、いかがでしょうか。

#62
○塩見政府参考人 お答え申し上げます。
 御指摘いただきました通級指導につきましては、平成二十九年三月に義務標準法を改正いたしまして、発達障害などの障害のある児童生徒に対する通級による指導を行うための加配定数につきまして、対象となる児童生徒数に応じて算定される、いわゆる基礎定数化を図っております。
 この基礎定数化につきましては、通級による指導の担当教員の採用等が安定的、計画的に行いやすくなるよう、平成二十九年度から十年間かけまして段階的に実施することとしております。まずは、対象となる児童生徒十三人に対しまして一名の教員を措置する、この基礎定数化を確実に進めていくこととしております。
 また、同じく、指導の充実を図る方法としまして副担任制度というふうな制度もございますけれども、学級担任のほかに配置される、少人数の指導のための加配教員を活用することなどによりまして、副担任制度といったものを実施するということも可能となっております。

#63
○白石委員 検討いただいて、特に、通級による指導で対象児童生徒十三人、そういう条件が非常に高いんですね。一学年に、一般学生と一緒に交ざっていいんだけれども、特別の指導が必要という子が十三人いるというのは、相当な規模の、大規模な学校、都会でしかないと思います。地方では大体二クラス、三クラスぐらいですから。
 この十三人というのを相当下げていただくことによってまた大分違ってくると思いますので、よろしくお願いします。そこを、最後に一点、お願いします。

#64
○塩見政府参考人 お答え申し上げます。
 義務段階の通級による指導の基礎定数化が始まりまして五年経過しましたことですとか、特別な支援が必要な児童生徒の数が増加しているといったことも踏まえまして、通常の学級、通級による指導、特別支援学級といった障害のある児童生徒の多様な学びの場の一層の充実、整備、必要な指導体制につきましては、引き続き検討してまいりたいと考えております。

#65
○白石委員 よろしくお願いします。
 次に、一時支援金、月次支援金の質問です。
 この一時支援金、月次支援金、申請する際に問題になるのは、申請書類の中の一つであります一時支援金に係る取引先情報一覧をどのように記入するかというのが、結構申請者にとって難関なんですね。
 一時支援金については中小企業庁の方でこういう手引を作ってくれまして、これの三十三ページにV―RESASというのを使った結果を出してくれて、それは非常に助かっているんです。
 しかし、問題は、このV―RESASというのはこの数年しか対象になっていない。であるならば、もっと、三年、四年、五年と遡って見るときにはV―RESASは使えない、その元データであるRESASを使わないといけないということが一つ。
 もう一つは、四月から蔓延防止等重点措置というのが出てきて、その措置地域というのは県単位じゃなくて市単位になっていますね。都道府県単位じゃなくて市町村単位になっています。そうなると、V―RESASというのは使えない、完全には使えない。つまり、人口流入の流入元というのは、V―RESASでは都道府県単位でしかなくて、市町村単位までにはできないわけですね。そういうこともあって、RESASを何とか使う、あるいはほかの統計データを使わないといけないということになりますけれども、それは一般の申請者、つまり飲食店とかその関連の経営者にとってはとてもとても手が出せない、そういう問題があります。
 ついては、中小企業庁さんにお願いしたいのは、その申請の手がかりあるいはサポートをこの際充実させていただきたいんですけれども、いかがでしょうか。

#66
○飯田政府参考人 お答え申し上げます。
 ただいま御指摘いただきました、御質問いただきました件、保存書類のことだと認識しております。
 一時支援金、月次支援金につきましては、給付要件といたしまして、緊急事態宣言又は蔓延防止等重点措置の対象地域の顧客との継続した取引があるということをお示しいただくために、その証拠書類として保存をいただくという形になってございます。
 この書類でございますけれども、まず、原則は、顧客台帳あるいは宿帳などで、個別に緊急事態宣言地域の顧客が継続して複数回訪れていることを確認できるというものにする、これが原則でございますけれども、ただ、申請者の手間を省くという観点から、緊急事態宣言地域からの人の流れが五〇%を超えているということが統計データで確認できる地域の旅行関連事業者さんには個別対応を求めず、統計データを保存書類の一つとして認めているところでございます。
 この統計データとして、今委員御指摘ありましたV―RESASを挙げているわけでございますけれども、これはあくまでも一例でございまして、御指摘ありましたように、RESASなど、V―RESAS以外の統計データを保存書類として用いることも可能でございまして、これは公表資料にも示しているところでございます。
 実際にも、例えば富山県などでは、V―RESAS以外も用いた事例といたしまして、V―RESAS及びRESASを用いた結果、県内全市町村が旅行客の五割以上が宣言地域内から来訪している市町村であるというふうに確認して、富山県のホームページに掲載する、こういった取組もしているところでございます。
 こういった活動を今後周知していくという観点から、ホームページでもやってまいりますし、それから、商工団体あるいは金融機関、税理士などの認定支援機関にしっかり周知していただくということと、それから自治体の方々にもしっかりやっていただきたいということで、私ども、地方の経済産業局がございますので、その経由、あるいは、関係府省で都道府県への周知の機会などございますので、そういった機会も活用して都道府県などにも周知してまいりたい、このように考えてございます。

#67
○白石委員 部長、その答弁にもっと踏み込んでいただきたいなと思うのは、そういうものもありますよというんじゃなくて、具体的に、観光データとか、実際に使ってそれで給付されたという事例があったら、それをこの手引なりに入れて、そうしたら、日本全国の人がそれを見て、それを手がかりにして自分で考える。
 例えば、富山県庁に連絡して、どうやってやりましたかというふうに聞くことができるわけですね。そういう手がかりが欲しいんです。いろんなものを使っていいんですよというのでは駄目なんです。そうすると、そこでまた、データ元は何だったんですかと。RESASで、使い方としてはこういう項目でやったんですというふうな、そういうことを聞いたら、申請する経営者もそこからは自分で考える。今はちょっと手がかりが非常に難しくて、特に、さっきおっしゃった、原則は取引先一覧ですけれども、個人顧客を相手にするところはもうお手上げ状態になるわけですね。
 蔓延防止等重点措置が適用された四月以降を考えれば、市町村単位ということも視野に入れて、どんなものを使ったのか、その情報をもっと、もうホームページでいいです。そうしたら大分違ってくると思うんです。これに入れるということでいいので、是非お願いしたいと思いますが、部長、いかがでしょう。

#68
○飯田政府参考人 お答え申し上げます。
 地域によりまして、どんな統計が使えて、これは使えないとか、いろいろあるかもしれませんけれども、今委員御指摘ありましたように、どういった形で、いろいろな様々な工夫を自治体の方でもされておられると思いますので、そういったことを全国的にもちゃんと周知できるようなやり方を検討してまいりたいと思います。

#69
○白石委員 お願いします。
 そして、これは、中小企業庁のいろいろな支援制度で、風俗営業というのは除外しております。しかし、その中の一つでありますラブホテルなんですけれども、私も昨年からいろいろお話を聞いているうちに、性風俗の中に入っていたとしても、このラブホテルというのは、そんなに害はないし、真面目にやっていらっしゃる方がたくさんおられると思うんです。ですから、性風俗の登録あるいは届出業者であったとしても、一律に除外するというのはいかがなものかなというふうに私は考えるわけですね。
 実際に、そういうふうな動きというのは今出てきていると思います。それが訴訟になったり、あるんだと思うんですけれども、中小企業庁として、性風俗の業種、特に、一番から六番まであるんですけれども、その四号にありますラブホテルについては除外してもいいんじゃないか。さらには、中小企業庁じゃないにしても、中小企業庁がそういうことをしていることによって、県や市町村の経済支援制度はそれに倣って除外してしまっているんですね。でも、そこは、市町村の判断によって、ラブホテルなりそういったところも対象とするということは可能であると思うんですけれども、いかがでしょうか。

#70
○飯田政府参考人 お答え申し上げます。
 今御指摘ありましたラブホテルでございますけれども、風営法上の届出が必要となるということで、性風俗関連特殊営業などを行う事業者につきましては、これは、過去の公的金融機関あるいは国の補助制度におきましても、御指摘のとおり、対象から除外されてきております。
 こうした方々を給付の対象にすることについては、様々な御議論がございました。与党などいろいろなところで御議論いただいたわけですけれども、政府内でも議論いたしましたが、反対を含めて様々な御意見がございまして、結果として、結論として、政府としては持続化給付金や一時支援金の対象から除外しているところでございます。
 なお、持続化給付金や一時支援金におきましては、風営法の規制対象である事業者を給付対象から外しているだけでございまして、そこで個人事業主として働くスタッフあるいはキャストは、これは対象となっておりまして、性風俗に関連する方全てが対象外というわけではございません。
 その上で、今、地方自治体のお話がございましたけれども、一般論として、地方自治体が国の支援の対象となっていない方々を対象に独自の支援を行うか否かにつきましては、それぞれの地域の実情なども踏まえて、それぞれの地方自治体が適切に判断すべきものと考えております。

#71
○白石委員 部長、そのように、中小企業庁としては、政府としてはそういう判断だけれども、地方公共団体はそれぞれが適切に判断していいということですよね。その旨をこうやって委員会の場で言明されましたけれども、そのことは地方公共団体に伝えていただけますでしょうか。
 今、たくさんコロナ対応の制度を地方公共団体でつくってもらっているんです。でも、大体、中小企業庁のこの除外規定に右に倣えで、ただ、ところどころ、例えばゲームセンターはいいよとか、そういったところもあるんですけれども、そのように地方公共団体の判断で除外してもいいし、そもそもそういったことは政府としては押しつけるものではないということを通知することをお願いしたいんですけれども、いかがでしょうか。

#72
○飯田政府参考人 お答え申し上げます。
 この業種に限らずですけれども、今回、一時支援金あるいはその前の持続化給付金などを含めまして、国の対象になっていない方々が、独自に地方自治体でやっておられるケースは様々ございます。
 私どもとしても、これに限った話ではありませんけれども、国の支援対象になっていない事業者について、それぞれの地方の実情に応じて地方自治体が独自に御支援をいただけることは可能だということは周知もこれまでもしておりますし、今後も周知してまいりたいと思います。

#73
○白石委員 お願いします。
 最後の質問です。
 年金ですけれども、四十四年特例というのがありまして、これは、十八歳から四十四年間、厚生年金に加入していたら、六十五歳を待たずして厚生年金の受給要件が満たされるとみなされるということですね。十八歳ですから、大体は、高校を卒業してずっと会社勤めして四十四年間、長きにわたって働いた、そして期待権もあるでしょうということで、この四十四年特例というのができたんだと思います。
 しかし、そこには問題がありまして、この四十四年特例というのは、再雇用によって社会保険に加入したらこの特例は適用除外、対象外になる。つまり、厚生年金をこの四十四年特例によって満額受給するためには、働かないでくださいということになっているんですね。でも、今の時代の流れからして、もう七十年定年制に行こうかというときに、働かない方が有利になり得るというような条件というのは、これは問題だなと。
 この条件というのは外すべきだと思うんですけれども、いかがでしょうか。

#74
○高橋政府参考人 この長期加入特例でございますけれども、これは、平成六年の改正で、六十歳代前半に支給されます特別支給の老齢厚生年金のうちの定額部分の支給開始年齢を六十五歳に段階的に引き上げる改正を行った際に、極めて長期間就労されてきた方ですとか障害のある方など、六十五歳までなお働くということが困難である方につきまして、報酬比例部分に加えて定額部分も支給する、こういった趣旨でございます。
 この特例をつくった趣旨に照らしますると、六十歳を超えて就労して厚生年金に加入される方につきましては、公的年金制度の支え手として、特例の対象にはせずに、ほかの方と同様に、報酬比例部分の老齢厚生年金と賃金の組合せで対応していただくということが重要と考えてございます。
 なお、この支給開始年齢の引上げにつきましては、男子については二〇二五年度、女子については二〇三〇年度に完了いたします。特別支給の老齢厚生年金を受給する方がいなくなりますので、この時点をもちまして長期加入特例も終了するというものでございます。

#75
○白石委員 局長の話でしたら、あと数年でこの制度もなくなるということなんですけれども、であるならば、さらに、再雇用、そしてお年を召されても働くんだというそのモーメンタム、勢いをつけるという意味からも、この数年だけですから、条件を外したらいいと思うんですけれども、そのような議論にしていただけませんでしょうか。

#76
○高橋政府参考人 御指摘のような御意見が出てくる事情も分かるんですけれども、本来は、ほかの方と同じように、定額部分を引き上げていくということでありますので、早く改正をするとなると、むしろこの特例支給、特例、特別に出しているという仕組み自体を早くなくすということもあるんですけれども、経過措置でございますので、その間は行っていくということかなと考えてございます。

#77
○白石委員 終わります。

#78
○とかしき委員長 次に、中島克仁君。

#79
○中島委員 立憲民主党の中島克仁でございます。
 育児・介護休業法について質問をさせていただきます。
 参議院先議でございまして、二十一項目の附帯が付されました。加えた附帯決議を今準備しておりまして、その内容の確認も含めて、質問をさせていただきたいと思います。
 まず、今回の改正により規定された出生時育児休業についてでございますが、女性に比べて著しく取得が進んでいない男性の育児休業取得促進策として選択肢となるものだとは思いますが、主に男性が対象となる制度であって、男女平等の観点に留意することが大変重要だと私は考えます。
 現実的に男性が対象となる出生時育児休業において男女平等に留意する重要性について、田村大臣の認識をまず確認させていただきたいと思います。

#80
○田村国務大臣 本来は、女性と同じような取得率で育児休業を男性も取っていただきたいという思いがあります。それをもってして男女平等と言うかどうかは別にいたしまして、そういう意識を持っていただきたいという意味、これは企業側もでありますけれども。
 そういう中において、やはり男性の育児休業取得率が低いということでございますので、そういう意味で、今般、いろいろな理由がある中において、なかなか仕事から離れられないという意識の男性がおられるものでありますから、実際問題、御自身が休まれても会社は回っていくということを御理解いただくためにも、本当は全部休んでもらえばいいんですけれども、一定期間、働きながら育児休業を取るということも体験いただきながら、そういう方は、実際問題、ああ、いなくても回るんだなということも御理解いただければありがたいというような思いもあるわけであります。
 ただ一方で、これは、女性でも子を出産されていない女性の場合、つまり、養子等々をしっかりと対応いただいておられる御家庭においては、これは女性であっても対応になっていくわけでございますので、そういう意味では、出産をされていないというところに着目をしているというふうに御理解をいただいた方がいいのかも分かりません。
 いずれにいたしましても、男性も女性と同じような意識の下で育児、家事をやっていただきながら、女性がより社会で御活躍をいただき、そして、円満な家庭といいますか、お子さんといろいろなコミュニケーションを取っていただく、そういう中において愛着形成、愛情形成というものをしっかりと促進していく、そういうことが目的のポジティブアクションでございますので、ある意味、男性の育児休業の取得率が上がってくれば、こういうものをいつまでもやる必要はないというふうに考えております。

#81
○中島委員 先週、参考人質疑がございまして、出席をされましたJILPTの池田参考人は、現行の育児・介護休業法は労働政策に位置づけられているもので、結果的に、女性が家庭を優先して働くことを強化してしまった側面があると指摘をされておりました。女性の就業機会拡大につながるよう更に議論を深めていく必要があるとも指摘をされていました。
 今るる大臣も述べられたように、男性が様々な理由で育休を取得しづらい状況があることは事実だと思いますが、本質的な課題は固定的性別役割分担意識であって、女性に偏る負担、男女平等等が問題の本質であって、それらを解消するために男性の育児参加を促すこと、これが本質的なポジティブアクションであると私は思いますし、女性への差別的取扱いはあってはならないし、許されないものであるとの認識が、これの共有が大事だというふうに思いますが、この件につきましての大臣の認識、確認をさせていただきたいと思います。

#82
○田村国務大臣 今申し上げましたとおり、女性がしっかりと活躍いただける、もっと言うと、男女が共に社会の中で活躍いただき、家庭の中でいろいろな役割を担っていただくということが非常に重要だというふうに思います。
 そこには、今言われた男女の固定概念的な役割分担というものが、それはあってはならないわけでありまして、これからは、やはりそういう意味で、お互いが活躍する中において社会の発展というもの、家庭の円満というものがあろうというふうに思っておりますので、そういう意識の下での今回の提出であるというふうに御理解いただいて結構であるというふうに思っております。

#83
○中島委員 男女の差別だけではなくて、性的指向及び性自認を理由とする差別、これも許されるものではないと私は考えますが、大臣の認識、確認をさせていただきたいと思います。

#84
○田村国務大臣 こういう、男女のみならず、LGBTの皆様方含めて、いろいろな方々が多様性の中でおられて社会は成り立っているわけでありまして、以前からやはりLGBTの方々は我が国にもおられたわけで、その中で我が国は発展してきておりますので、そういう多様な社会というものが重要であります。
 それをそれぞれが理解をし合うということが重要であって、そこに理解があれば差別というものは生まれてこないわけでございますので、我々は、しっかりと理解し合える、そういう社会をつくっていくことが非常に重要だというふうに考えております。

#85
○中島委員 男女の差別のみならず、性的指向及び性自認を理由とする差別は決して許されるものではないと、今大臣、認識を示されたと確認をしたと私は受け止めさせていただきたいと思います。
 今回の出生時育児休業は、一定の範囲内で特別な枠組みを設ける、男性の育児休業取得を促進するための特別な措置であり、この仕組みがなくとも当たり前に男性が育児休業を取得するようになった場合には見直すこと、いわゆる、今回はあくまでも暫定措置とするべきだと考えます。
 この件に関してと、男女平等、男女共同参画の観点から見れば、育児休業の分割化は男女は問わず設けることが仕事と育児の両立に資するものと考えますが、大臣の認識を確認させていただきたいと思います。

#86
○田村国務大臣 現行の育児休業制度は、原則、分割しては取得できないものでありますけれども、出生直後の時期に限らず、その後も継続して夫婦で共に育児を担うという観点から、子が一歳まで取得できる育児休業についても、これは分割可能としたところであります。
 そういう意味では、母親もいろいろなキャリア形成等々をされる中において、重要なプロジェクト、こういうもので一旦復職した後に、その後また育児休業を取るということもあるわけでございますので、そういう意味では、父親とともに分担しながら育児をやりながら、それぞれ社会の中でも御活躍をいただくというような意味合いの中においての今回の提案でございます。

#87
○中島委員 次に、育児休業中の就労について確認をさせていただきます。
 育児休業は労働者の権利であって、本来、育児休業中は就業しないことが原則。事業主から労働者に対して就業可能の日等の申出を一方的に求めることがあってはならないと考えますし、労働者の意に反するような取扱いがなされることがないように、指針を明確にするとともに、違反的行為があった場合、事業者に厳正な対処を行うことが必要だと考えますが、大臣の見解を求めます。

#88
○田村国務大臣 今委員おっしゃられましたとおり、基本的には、労使でしっかりと協定を締結していただくということであります。
 育児休業を取るまでに、働く意欲のある方ですね、こういう方は、いつ働ける期間かということをお示しをいただいて、その上で事業主が日にちをある程度設定いたしますが、そこは同意をいただかないことには勝手には選べないわけでありまして、日数的にも半分以下にしていただかないとこれは対応できませんので、そういう意味では、育児休業の中において一定期間しか働けないということであります。
 なお、途中で、もちろん育児休業を取るまでの間は撤回できますが、何かあった場合には、その日自体を、特例の事情がある場合には休むこともできるわけであります。
 更に申し上げれば、こういうような措置を取らせていただいているのは、あくまでも、男性の意識の中でそういう意識があって、働かないと会社が回らない、そういう思いのある方が一定の制約の中で取っていただくことでありますが、でも、できれば、やはり期間中はお休みをいただきたいというのが本来の我々の考え方でございます。
 実際問題、これを企業としてはしっかりお守りをいただくということが前提でございますから、守っていただけないということになれば、それは当局といたしましてしっかりと指導等々をしてまいるということであります。

#89
○中島委員 休業中は、本来は育休ですから、原則として就業しないということが基本。
 ただ、今回は就労規定ということであります。休業中に労働者が事業主から就業を強要されたような場合、関係性から本当に断れるのかという懸念もやはりあります。仕組みが本来の趣旨から外れないように、モデルケースを明確に示す必要、例えばですけれども、育児休業中の就労においては、半日は完全に休業する、午後の二時間は就労に充てるとか、明確に部分休業などの仕組みも同時に整備するべきかとも思います。
 こういったケース、先日の参考人質疑の中でも、JILPTの池田参考人も、結果的になし崩しになり、休業中にもかかわらず断続的に就業するようなことにならないように、こういう部分休業などのモデルケースなども示す必要があるとおっしゃっておりました。
 こういったモデルケースを示す、また、部分休業の取り入れなどについても御検討いただくべきかと思いますが、大臣の見解を伺います。

#90
○田村国務大臣 モデルケースを示すとそれにのっとって働くことが前提になるのは、非常に、我々としては本意ではないんですね。
 ですから、制度はしっかりと、こういう制度ですということは周知をさせていただきたいというふうに思いますが、余り、何か働くこと前提のものをお示しするというのは、逆効果のこともありますので、ちょっとそれは今のところ考えておりません。

#91
○中島委員 まあ、悩ましいというか、おっしゃるとおり、働くこと前提になってしまうから、先ほど前段でお話しした原則という意味から、整合性なんですが、ただ、今の状況で導入していった場合、そういう育児中の就業が大半を占めてしまったり、そういうケースも想定される。池田参考人はそのことを懸念していたということで、悩ましい問題かもしれませんが、検討もしていただくこと、また、これはとにかく使用者側からの一方的な押しつけがないように、取得する側の意向を反映する適正な手続を明らかにして周知を徹底すること、加えて、具体的なモデルケースなども示しつつ、こういうことにならないための対策が必要だということであります。
 もう一点、男性が育児休業を取得しやすくなるということは、男女雇用機会均等政策、男女平等の観点からも重要であります。また、女性の活躍支援政策という意味の一方で、今回の改正案が社会保障政策、少子化対策に及ぼす影響というか効果というものはどのようなものだと考えているのか、大臣に確認をさせていただきたいと思います。

#92
○田村国務大臣 産後間もない男性の育児休業というもの自体だけで子供の出生率が増えるということにはならないんだと思いますが、こういう、母体といいますか、出産された女性が一番大変なときにパートナーがしっかりと育児等々に参画するというのは、当然、夫婦間の愛情形成にもつながりますし、子供に対する愛着形成、これも進むわけで、その後の育児、家事、こういうものにつながっていくというふうに我々は考えております。やはり家事、育児等々、時間が一定程度長くなってくれば、当然、次の子供を産まれる、つくられる、そういうような御家庭、傾向があるようでございますので、そういう意味からいたしますと、そういう機会というものが増えてくる可能性があると思います。
 あわせて、これは出生率だけではないんですが、女性の活躍という意味合いもあるわけで、これだけではなくて、併せて長時間労働是正というような形を進めていくことによって、やはりキャリア形成をするための働き方というもの、これを変えていくことで、女性も社会の中で御参画をいただける。そして、女性が社会の中で御参画いただいて、その上でキャリア形成できて、一定の地位等々、これに就かれるようになってくれば、当然、子供を産み育てながら社会に出ても、自分の能力を十分に社会に生かせるということになってまいりますから。
 これのみならず、全体、今やっておるいろいろな施策、こういうものを進める中において、出生率も上げてまいりたいというふうに思っておりますし、出生率を上げるだけが目的じゃありません、社会全体がそれによって活力を持って、幸せな家庭と活力ある社会、これが両立できるような、そんな世界をつくってまいりたいというふうに思っております。

#93
○中島委員 もちろん私もそうなってもらいたいですし、理想的にはそうなんですけれども、海外の事例等々を見ると、なかなかそこが、両立できる部分、悩ましい、難しい問題であるとも言えるということで、池田参考人も、今回の法改正により、男性が育児に参画しやすい、選択肢が増える一方で、少子化対策、社会保障政策に与える影響は、具体的に効果、なかなかこうなるだろうと言いづらいということも言っておられましたので、この点につきましても十分に検討していただきたいと思います。
 何よりも、父親の役割に対する社会的合意といったものを社会の合意形成としていくことが必要ということを指摘させていただいて、育介法の質疑、附帯決議の内容につきまして大臣に確認をさせていただきました。
 次に、新型コロナウイルス感染症治療方針の確立に関連して質問をさせていただきたいと思います。
 五月十四日、私、ここ厚労委員会の質疑で、COVID―19診療の手引の位置づけについて質問いたしましたが、私の理解が悪いのか、どうも大臣、参考人の答弁、私自身は余り理解できておりません。
 改めてこの部分について質問したいんですが、この診療の手引、第四・二版は二月に改定をされ、先週、第五版が改定をされました。
 確認をしたいのですが、前回の四・二版から改定された第五版、どこが変更になり、何が違うのか、確認をさせてください。

#94
○正林政府参考人 お答えします。
 診療の手引については、新型コロナウイルス感染症の患者の診療を実際に行っている各学会の専門家の方々の参画を得て、新型コロナウイルス感染症の診療、治療などに関する知見を収集し、作成、更新しているところでございます。
 先日、五月二十六日に第五版を公表いたしましたが、例えば薬物療法に関する記載については、バリシチニブが承認されたことを踏まえて投与方法や注意点をお示ししたほか、既に掲載された薬剤についても、前回改定以降に得られた臨床試験の結果などに基づいて情報を更新したところでございます。
 例えば、トシリズマブとかファビピラビル、サリルマブ、この辺については記載内容を新しい知見に基づいて更新していますし、それから、ヒドロキシクロロキンとかロピナビル・リトナビル、それから特殊免疫グロブリン製剤、この辺については、臨床研究の結果、有効性が確認できなかったということで、そのような内容を記載してございます。

#95
○中島委員 変更内容について、これはホームページでも公開されているわけでありますが、今、薬物療法のところについても特に詳しく御説明いただきました。
 資料一枚目から二枚目のところは、今回の第五版ですね。国内で入手できる薬剤の適応外使用ということで、アクテムラ、そして次がアビガンですね。その後に、第四・二版と同様に全部で十一種類、適応外使用ということで、この診療の手引の日本国内で入手できる薬剤の適応外使用、いずれも有効性、安全性は確立していないことに留意をしつつ、ここに示されておるということ。変更内容については、アビガンの観察研究結果を更新しているということでございます。
 これは前回も確認をさせていただいたんですが、いま一つ私、理解できないので、もう一度お尋ねをしたいと思いますが、このCOVID―19診療の手引に記載されている薬剤の位置づけについて、もちろん承認されている三剤についてはなんですが、国内で入手できる薬剤の適応外使用、この薬剤は、厚生労働省として、現場で患者さんの治療に役立てるため使用を認めている薬剤という理解でよろしいでしょうか。

#96
○田村国務大臣 適応外使用という形でお使いいただいたりでありますとか、あとは医師主導治験等々、治験で使っていただいているものがあると思います。言うなれば、有効性、安全性という意味からすると明らかになっていない。これは前回から申し上げておりますが、しかし、なかなかこの新型コロナウイルス感染症に対して有効な医薬品、治療法、そういうようなものが少ない中で、いろいろなところで使われて、一定のいろいろな報告があるものに関して、これはまさに専門家の皆様方、学会の皆様方の御意見を踏まえてここに載せさせていただいております。
 そういう意味では、使い方等々のいろいろな留意点も含めてお書きをさせていただいているんですが、今も治験をやっているものもありますから、そういう意味では、その結果というものも我々としてはしっかりとこの後注視をさせていただきたいというふうに思っておりますが、これをもってして、我々としては、医師の御判断若しくはそれぞれの治験の下でお使いをいただいておるというのが基本的な考え方であります。
 よく、被害者救済制度等々、こういうものを使えないかというようなお話もございますが、医薬品の副作用に対しての被害の救済制度にのっとるかというと、これ自体は製薬メーカーの拠出でやっている制度でございますので、なかなか、以前もお答えいたしましたけれども、こういうものに、しっかりとまだ承認されていない、つまり、その効果自体、有効性、安全性自体がしっかりとまだ認められていないものに対しては、この救済制度自体は適用ができないということで御理解いただきたいというふうに思います。

#97
○中島委員 前回と同じ答弁、最低限確認なんですが、今、治験では使えると。一般の臨床、例えば、今、大阪でも、まだ五千人近くの方が自宅療養。医師に観察されているかどうかは網羅的には厚生労働省は把握できていないということですが、治験以外の、今御自宅で療養されている方々にこれは使うことを認めている、許可しているという理解でよろしいですか。

#98
○田村国務大臣 適応外使用という形で投与されることはあり得るというふうには認識いたしております。

#99
○中島委員 これは去年の、もう一年前に、適応外使用、いわゆるレセプトにおいて保険の対象になると。これはもう最初、一年以上前から。
 それで、これは言うまでもなく診療の手引ですから、診療の手引であって、大阪、兵庫、全国でもまだ一万人以上の方が自宅で療養している。御自宅にいる、目の前にいる患者さんに対して、もちろん対症的な解熱剤、せきがひどい方はせき止め、こういう対症的なものは出すということなんですが、今、この第四波、大分一日の感染者数は少なくなってきておりますが、重症者の数は引き続き高止まりしている状況。
 今後、今なおなんですけれども、大事なことは、軽症者の方が重度化しないためにどのような体制を取るか。これは前回も言いましたが、御自宅で、薬も出されずそのまま重度化、今、中等症の方も御自宅におられて、そのフェーズにおいて、今回の変異株で、あの大阪の急激な感染拡大の状況から、病床をそのたびに確保するというのは大変難しい問題だということはもう大臣が一番よく分かっている。これは今後の体制強化として、御自宅でどう管理していく、できるのか、そして、そのために、軽症な方を重度化させないのか、このことが非常に重要になる。これは季節性のインフルエンザもそうですが、発症から数時間以内に、いわゆる抗免疫作用であり抗炎症作用である薬、これを飲むことが重症化させない最も大事な部分なわけであります。
 そういうことからいくと、ここに記されている十一種類は、資料の一番最後に、立憲民主党として、いわゆる日本版EUA整備法案としておりますが、いわゆるこのCOVID―19の診療の手引に示されている十一種類に関しては、私は、これは有事ですから、もちろん平時であればこういう状況にはないかと思います。しかし、診療の手引、これは現場にいる医師がこの手引を基に目の前にいる患者さんに対応する。参考程度だったら感染症学会でいいんですよ。これはもう明確に厚生労働省が示しているものでありますから、この中で目の前にいる患者さんの命を救う。いわゆる、これは事実上、厚生労働省がこの十一種類に関しては緊急使用許可を認めた、私はそういうことを明確にするべきだというふうに思います。
 そして、この内容は、この十一種類に関して厚生労働大臣の指定制度を導入していくこと、加えて、適応外使用になっておりますが、この十一種類に関しては保険適用にしていくことを法制化、法的根拠を持たせる、加えて、副作用救済給付の実施の法制化。
 なおかつ、イベルメクチンに関して言えば、私が使いたくても確保できない、供給規制がかかっている状況の中で、ここで厚生労働省が示している、もう厚労省が緊急使用許可を出した十一種類だと思えば、現在確保もできない状況を、国が責任を持って供給を確保する。こういった内容の議員立法を、先日、立憲民主党案として了承をいただいたところであります。
 これは前にもお示ししましたが、資料の五ページ目、「創薬・供給に「司令塔」」、橋本岳筆頭が座長を務めている、ここでも、医薬品の承認申請に関して、緊急時は企業申請主義から政府主導型の支援へ、加えて、米国のEUA制度を参考に、緊急時には医薬品の緊急使用を許可すると。加えて六ページ目、これはやはり自民党の衛藤先生の勉強会、同様な内容のことを、自民党内からも出ているわけであります。これは先日、私、日曜日、大村智博士と二時間余り、大村先生の御自宅で話をしました。
 こういう状況から、私は、実質上、政府は、厚生労働省は、COVID―19診療の手引で緊急使用できる薬十一種類を示している。だけれども、救済制度の対象、これは例外もあることも前の委員会でも確認しました。しかも、今は有事です。また、今御自宅でいる方、使いたくても使えない。ここに厚生労働省が明確に示した以上、今私が示した最後のページの議員立法を作る必要があると私は考えますが、大臣の見解をお伺いしたいと思います。

#100
○田村国務大臣 緊急使用許可というおっしゃい方をしましたが、基本的には、承認されている薬を用途外使用しているということでございますので、ちょっと意味合いは違うんだというふうに思います。
 それから、もちろん本当に、先ほど申し上げたとおり、なかなか使える薬が少ない中で、世界でいろいろな研究をして、一定の論文の中で効果があるというふうなことが書かれているものに関して、学会の皆様方、専門家の方々の御意見をいただいて、載せさせていただいております。
 しかし、一方で、今も話がありましたが、ヒドロキシクロロキンでありますとか、ロピナビル・リトナビルというようなHIVの薬でありますが、こういうものは効果がない、初めは使っていましたが効果がないということも今回載せさせていただいているわけでありまして、必ず効果があるものというところまでいっていないもので今使えるものというもの、しかも承認されているものをここに載せさせていただいておるということ、これは御理解をいただきたいというふうに思います。
 なお、製薬メーカーの方が効かないと言われているものを供給できないという部分では、なかなかこれは難しい問題でございますので、法律を作ったからといってそう簡単に対応できるものではないというふうに認識いたしております。

#101
○中島委員 もう時間ですから終わりますけれども、我が国には、承認か承認しないか、ここの二つしかないんですよ。条件付承認とか特例承認、今回の我が党案の議員立法は既存薬に限定しています。もちろん、このCOVID―19ガイドラインに示されているのは既存薬ですから、既存薬というのは、もう言うまでもなく、他の疾患でもう承認をされていて、そして、そのリスクは公知されている。そういったものに限定して、海外から有効性が示されたものに関して、緊急使用を認めていく。
 そして、これは、私の顔を見るとイベルメクチンになっちゃうのかもしれませんけれども、今図らずも言ったように、我が国の承認制度は全て企業主導、企業起点になるわけですよ。そして、今イベルメクチンは医師主導治験中。しかし、第三波の影響で、その治験は全く進まない。本来なら三月に医師主導治験の評価を製薬企業に示すはずだったのが、それもままならない状況。こういう状況を、緊急使用許可の法的根拠をつくることで、その治験も進んでいく。
 このままでは、ワクチンを今前のめりでやっておりますけれども、先日、大村先生も明確に、以前から言っておりますが、感染対策の車の両輪はワクチンと治療法の確立です。この治療法の確立がなければ、オリンピックどころか経済活動の再開もままならない。
 与党の皆さんには、あしたですか、熱帯病議連、自民党の議連があるそうですが、大村智博士が御講演に来られるそうなので、このこともお話をもしかしたらされると思います。是非、与野党を問わず、この議員立法を成立させていくべく、心からお願いを申し上げて、質問を終わります。
 ありがとうございます。

#102
○とかしき委員長 次に、早稲田夕季さん。

#103
○早稲田委員 立憲民主党の早稲田夕季でございます。
 それでは質疑をさせていただきます。
 本日も、分科会尾身会長には、お越しをいただきまして、お忙しい中ありがとうございます。
 それでは、順次質問をさせていただきますが、まず新型コロナウイルス関連でございます。
 政府が自治体に求めていた、最悪を想定した、つまりは、冬の時期よりも二倍ぐらいの感染者が増えたことを想定してのこの病床確保計画の見直しと医療体制の構築についてでございますが、これの結果が出ておると思います。
 そして、この第三波から倍増した最大感染者数に対応できるということを求めていたわけですけれども、この一日から、九都道府県に対する緊急事態宣言の延長となりました。その緊急事態宣言下の地域を含めて八道府県で、五月以降の実際の療養者が既に予測を超えている事態となっております。
 これは実数が出ておりますので、北海道もそうですし、大変な状況になっているわけですけれども、こうした状況をどのように厚労省として捉えられているのか。大変想定も甘かったのではないか。こんなに早い段階で想定を上回るということ自体大変問題だと思いますし、今後、この再検討を含めて、また国の支援ということも含めて、どのようにお考えか、伺いたいと思います。

#104
○田村国務大臣 当時、倍というのは一体どういうことなんだ、根拠を示せと委員会でも言われたこともございましたが、倍というのは一例でございまして、最大限感染する場合のことを考えて対応をお願いいたしたいということで、倍ということも含めて考えていただきたい、決して倍をやってくださいと言ったわけじゃない、これはそのときも申し上げたというふうに思います。
 その上で、十分に感染対策等々、これが有効に利かなかったところもあるんだと思います。それは、一つは、よく言われますが、英国変異株、今英国という名前の使い方はしませんが、変異株自体のやはり感染力というものが非常に強くて、対策を講じたけれども効果がなかなか以前のようには出なかった。今もアドバイザリーボード等々でいろいろな御評価をいただきますと、以前と比べて、いろいろな緊急事態宣言措置を対応いたしましても以前のように急激には利かない、つまり時間がかかる、新規感染者が減るまで、というような、そういう御評価もいただいております。そういうことも一つ大きな原因であったんだろうというふうに思います。
 いずれにいたしましても、これで対応できたところもあるわけでありますけれども、そうでなかったところ、これはまた感染が一定程度落ち着いた後にそれぞれの地域で御分析もいただくというふうに思いますけれども、それまでの間は、今もなお大変な地域でございますので、我々といたしましても、厚生労働省がお声がけできるそういう医療機関、公的医療機関に対して、看護師等々の派遣の枠、そういうのもおつくりをいただいておりますので、今現状も、厚生労働省からも一部地域にはロジとして職員を派遣いたしておりますし、また看護師等々も継続して派遣をお願いをいたしておるわけでございまして、早急な医療提供というものの維持のため、また拡充のために、これからも人的ないろいろな対応といたしまして厚生労働省も御協力をさせていただきたいというふうに思っております。

#105
○早稲田委員 今、厚生労働省としても御協力というお言葉がありましたが、そういう事態ではないと思うんですね。危機事態ということで、もう少し本腰を入れて国がやっていただきたいということを前々から私も申し上げております。その中でやっていただいていることはたくさんあるのももちろん承知をしておりますが、それで足りないからこのような状況になっているのではないでしょうか。
 大阪、いつも尾辻議員が地元として大変取り組んでおられますけれども、この大阪の状況だけ見ましても、一日当たりの最大の療養者数、想定が二万一千。でも、五月の時点で二万一千九百ということに、もう数字が出ているわけです。それから、北海道もそうです。大変危機的な状況でありまして、大阪は五月、コロナの死者数が過去最多であった八百五十九人。一月が最多だったのに、これの二倍以上ということでありますと、この想定を超えるというか、もちろん変異株の話もありますけれども、それでも追いつかない。もう幾ら想定を変えても、もっと国を挙げてやらないと、私はここのところは一向に埋まらないのではないかと考えます。
 そこで、政府として、これまでに国公立の病院にも大変働きかけをしていただいているのは承知しておりますけれども、どのくらいの病院が協力をして、どのくらいの病床数が拡大をされたのか、伺いたいと思います。

#106
○田村国務大臣 委員から、国立病院機構、NHOと大学病院ということで御質問いただいておったと思うんですけれども、五月二十五日時点でありますが、全国で九十五、これは国立病院機構でありますが、九十五病院、二千七十九床であります。それから、大学病院の方が、これは文科省調べでありますが、令和三年五月二十八日時点で、百三十六病院、三千五百二十六床という形であります。これ以外にも、各省庁を通じて、各公的医療機関等々に働きかけをいただいて、今なお、していただいております。
 あわせて、先ほど来申し上げておりますけれども、百五十を超える方々に、看護師の方々中心でありますけれども、派遣という形で、いろいろな形で各地域に対応いただいている。また、今、準備をやっていただいているということであります。

#107
○早稲田委員 今、国立病院と大学病院の方はお答えいただきましたが、公的病院、これもかなりあると思いますけれども、その辺はいかがでしょうか。

#108
○田村国務大臣 申し訳ありません。うちの職員が、もしかしたら委員からの質問の聞き取りをちゃんと聞き取っていなかったのかも分かりません。
 私の手元に今あるのは、国立病院機構と大学病院でございますので、また後ほど調べてお出しをさせていただきたいというふうに思います。

#109
○早稲田委員 公的・公立病院ですけれども、これについては、病院数は把握しているけれども病床数は分からないと、事前のヒアリングではそういうふうにおっしゃいました。これはどうして把握していないんでしょうか。
 今、自治体に対して、想定を超えるまた病床の検討をしてほしいと言っているときに、国が働きかけができるところの病床数が分からない、把握をしていないというのは、どういうことなんでしょうか。私、それではやはり自治体も非常に不安だと思うんですね。そういうことをもっと真剣にやっていただきたいし、やらないと、こうやって、もう大阪のように、今日も報道でありましたけれども、とにかく、重症病床が七五%、そして軽症の方に入れている、それでも助かる命が助かっていない現実でありますから。
 何で把握していないのか。私聞きましたから、これはもう、質問しますということで。なぜそこが出なかったのか。今、分かる範囲で、大臣、お答えください。

#110
○田村国務大臣 各医療機関、それぞれの自治体の、もう既にいろいろな要請に応じて病床を出していただいております。
 あわせて、その後、政府、これは厚生労働省だけではなくて、各省庁から関係する医療機関にお声がけをしていただいて、病床数というものを上積みをお願いしているわけであります。
 現時点でどういう状況かというのは、特に、非常に病床が逼迫している地域に関してそれを聞き取りするのも大変御負担もかかりますけれども、後ほど集計できるものであるならば、自治体と協力させていただきながら、お出しができれば出したいというふうに考えております。

#111
○早稲田委員 是非その集計もしていただきたいと思います。
 公立・公的病院はかなり多いですよね。公立では八百、それから公的でも七百の病院がありまして、その中で多くが病床を出していただいているとは思いますけれども、それでもそこを把握していただくように、委員長、是非、資料としてお取り計らいをいただきたいと思います。

#112
○とかしき委員長 理事会で協議させていただきます。

#113
○早稲田委員 それで、私はずっと、神奈川モデルとして当初からやった臨時病床もやるべきではないかということを再三お願いしているわけですけれども、兵庫でも大阪でもなかなかそこが踏み込んでいただけない。それからまた、国としても、特措法でやるのは自治体が主体ですよと。
 自治体主体なのは分かりますけれども、もっと国が司令塔として、いろいろ協議をする中で、こういうこともできるのではないかと。今、重症者が実際重症病床に入れなくて軽症に行っているというようなこともありますから、できることをもっと進めていただきたいと思います。その質問は平行線になるので、ここでは飛ばします。
 今日の報道では、骨太の方針に盛り込まれました新たな感染症への対策、緊急時はより強力な司令塔の下で対策を推進して、国公立と民間の病院が共に病床を活用する仕組みを構築するなどと方針を示したということでありまして、更に国がもっと司令塔として対策を推進すべきではないかというお話も入っております。
 これについて、まさにこの国公立の病院、民間の病院の中小、小さいところに幾ら病床を出して出してと言ってもなかなか厳しい、だから、国公立の病院でもう少しそういう病床を出していただく、そして重症病床にも当たっていただくということを国が司令塔としてやるべきではないかと思いますが、田村大臣、この骨太の方針の内容について、お答えいただきたいと思います。

#114
○田村国務大臣 まだ骨太の基本方針は作られておりませんので、一部、もしかしたらマスコミに、本当のことかどうか分かりませんけれども……(早稲田委員「本当じゃないんですか」と呼ぶ)いや、それがマスコミに流れること自体、今、本来はあり得ない話でございますので、どういう情報が流れているのか分かりませんが。
 基本的に、国公立のみならず公的病院を含めていろいろな役割を担っていただいているのは委員も御承知のとおりで、コロナだけやっているわけではないわけであります。その中において、場合によっては、非常に感染が拡大した地域では、一般のいろいろな医療をある程度お止めをいただきながらでも対応していただいている。しかし、命に関わるものはなかなか止められないというところで、それぞれの医療機関が大変な御苦労をいただいておるということで、本当に心から敬意と感謝を申し上げるわけであります。
 なお、どういうような形で統合的にその地域で病床を確保していくかということ、これを考えると、なかなか難しいのは、各医療機関、例えば公的医療機関で、国公立ならば、でも、国立といえども、国立病院機構も実は今独法化しておりますので、なかなか本当の意味で国が何もかもできるというわけではないわけでありますし、公立病院ならば一定程度は自治体がいろいろな対応ができるかも分かりませんが、公的病院全体でも、いろいろな公的病院がありますけれども、それぞれの、民間の対応というような形で運営者、設置者は違うわけでありますので、そういうところを一体として病床として確保しようとなると、それは平素そういう対応、緊急時においての計画みたいなものを作らないと、幾ら知事が、幾ら総理大臣が、あれやってください、これやってくださいと言っても、給料をもらわれているのはそこの設置者、運営者でございますので、なかなか言うことを聞いていただけないというのは事実であります。
 ですからこそ、ふだんからそういう計画を作っておくということが非常に重要になってまいりますので、これは、次に向かっての医療計画の見直しというものもございます、それまでにもまだコロナの感染が拡大する、こういうこともあり得ると思いますので、地域においていろいろな形で対応をいただくということが非常に重要になってくるというふうに考えております。

#115
○早稲田委員 もちろん、感染が拡大している地域において、国公立の病院をもう少し、国も主体的に動けるように、法改正などということもここの報道には含まれておりますから、是非御検討をいただきたいと思います。そうでないと、幾ら自治体だけに病床の拡大を願っても、できない部分というのがこうやって見えてきているわけですから、そこを何とかしていただくために、仮設の臨時病院のこともそうですけれども、そういうことを国が司令塔としてやっていただきたいということを立憲民主党は一年前から御提案も申し上げておりますので、是非前に進めていただくよう要望させていただきます。
 それでは、ちょっと質問の順番を変えさせていただきます。新型コロナウイルス感染症の生活困窮者自立支援金についてであります。
 これについては、緊急事態宣言の延長とともに、政府が、コロナ感染症で生活が非常に困窮されている世帯に最大一月十万円で三か月という支援金を給付をするということ、支給をするということを決定されました。
 これは私、社協の方にもいろいろヒアリングをさせていただきましたが、困窮者自立支援金ということで、自分がそれをいただける、もらえるんじゃないかというお問合せが多いというんですね。
 でも、実際のところどうなのかというと、今回は、社協から、緊急小口資金とそれから総合支援資金、これの特例貸付けを限度額まで借りた方、それから、再貸付け、こうしたことが不認証とされた方、こういう方たちが対象、ほとんどですね、限定的になっているということでありまして、あえて借りるということをしてこなかった、なぜなら先行きが分からないからということでやっている方が大変多い中で、限定をここまでされてしまうと、救える方たち、支給ができる方たちが本当に限定されます。そのことについては、非課税世帯のうち約二十八万世帯という報道もありますし、予算額五百億円ということ、ほんの一部ではないかと思うんですね。
 そうすると、ここまで頑張ってきた方たちが、これで自分たちはそこの対象に入らないということで、何というんでしょうか、非常に分断される。それが借りなくてもいい状況じゃなくて、自分たちの貯蓄を崩して、そして子供さんたちにも何とか三食食べられるように自分は一食でも我慢しているという困窮世帯、一人親世帯などがたくさんございます。その方たちに対して、私はこれでは余りにも不十分だと思うわけですけれども、対象の拡大、支給要件の緩和、こういうことについて、大臣、どのようにお考えでしょうか。

#116
○田村国務大臣 基本的に、我々、ずっと、生活がお困りになられておられる方々に対していろいろな施策を重層的にやらせていただいているんですが、その中で、一般的な生活資金等々、非常に困られておられる方々に対しては、緊急小口、総合支援資金の特例というものでお願いをさせてきていただいております。
 これはもう御承知のとおり、償還免除の条件、この間お示しをさせていただきましたけれども、その時々で、住民税非課税になれば、そのときにお借りになられた幾つかのメニューがありますけれども、それ全体を免除にするという形でございますので、そういう意味では、これをやはりまずお使いいただきたい。これは金額的にも、今回の給付金よりも、月々、最大、大きくなっておりますので、御家族であられれば三か月で六十万ですかという形になってこようというふうに思いますけれども、これをお使いをいただきたいというのが我々の基本的な考え方です。
 しかし、これも貸付けでありますので、いつまでもという委員の今のお話もあると思います。そうなってきた場合に、上限までいかれる、若しくはもう再貸付け自体をしてもらえない、これは多分、もう返済というものに対して一定のめどが立たないという形で御判断を社協でされたんだと思いますけれども、そういう方々に対してはいろいろな重層的な支援をほかにも御紹介をさせていただくんですけれども、そういう方々には、いよいよという場合には今回の給付金という形で対応させていただきながら、一方で、それだけではなくて、就職支援でありますとか、いろいろなことをやっていかなきゃならぬということで用意をさせていただいたものであります。
 ですから、今まで頑張っていただいた方々は、まだ緊急小口、総合支援貸付金を、この特例を受けておられませんので、是非ともこの制度をお使いをいただきながら、場合によっては償還免除という形の中で事実上給付に近い形になる部分もあろうと思いますので、是非とも、生活の再建に向かって、いろいろな意味で御努力をいただく、若しくは、我々も就労支援等々で更なる支援をさせていただきたい、このように考えておるわけであります。

#117
○早稲田委員 償還免除もある、その時々でということなんですけれども、それを分かっていてもやはり先々のことは不安で、これは借りられないと思っていらっしゃる方も非常に多いわけなんです。ですから、そこを踏まえて、この支援金、給付金についてはもっと幅広に考えていただきたいと思います。
 子育て世帯給付金再支給法案、これの議員立法の提出を私たちも準備をしております。
 これについては、私たちの提案もし、二人親家庭にも子育て世帯生活支援特別給付金というのを政府・与党で決定をし、今鋭意運用をされていると思いますけれども、これが、二人親の方には六月以降だというお話もあって、大変遅いんです。ですから、私たちは、九月末まで、お子さん一人当たり五万円、これを更に延長して支給をする、この法案を準備をしております。
 こうしたことも考えていただかないと、余りにも、貸付けだけのこの支給対象ですと、非常に狭くて、給付がされない家庭が多くなります。それの反面、もう一年以上のこのコロナで、シフト、アルバイトが削られている一人親家庭、非正規の家庭、ございますので、是非、この議員立法についても、与野党を超えて、審議をしていただいて成立できるように、お願いをしたいと思います。
 それでは次に、水際対策の方に移りたいと思います。
 昨日、官房長官が、マレーシア、ベトナムなど新たな変異株の流行が懸念される国からの水際対策の強化を発表されましたが、相変わらず非常に後手後手でございまして、さらに、小出しの対策ばかりだと思います。
 その中でありますが、私は、オーストラリア・メルボルンで五年の滞在を終えて日本に帰国をされた日本人夫妻のお話を伺いました。
 この方は、平成十一年に、東名高速の飲酒運転事故で、お嬢さん二人、奏ちゃん、周ちゃんという非常に幼い二人のお嬢さんを亡くされて、井上保孝、郁美御夫妻でございますけれども、それから署名活動等々大変尽力をされて、危険運転致死傷罪の成立に貢献をされました。国会でも参考人質疑、お話をされております。
 御縁があって私は伺ったわけですけれども、非常に向こうでは、対策のロードマップ、感染状況がビジュアルに随時更新されているから、テレビとか記者会見を見る必要はない、また、何度でも、今でもPCR検査を受けられるし、ロックダウンの時期に関係なく、昨年四月から一貫して、日本の持続化給付金や定額給付金に当たる補助金が簡素な手続でほとんどの国民に支給をされているということでした。この夫妻は永住権を持っているために、国民同様に、二週間ごとに十二万円支給されてきたとのことでありました。ビクトリア州は人口六百六十八万人でありますけれども、この中で、二十六人の感染者だけで四回目のロックダウンに入ったそうであります。
 その中で、特に水際対策の違いが顕著だというお話がございました。この三月に帰国したときには、公共交通機関の利用を避けて、自主的に御実家で二週間、外出を避けて滞在をしていたということでありましたけれども、メルボルンに戻るときは、自宅には戻れない、まずシドニー市内で自費で検疫専用のホテルで二週間、大変厳しい隔離がされたということでありました。これはもうオーストラリア国籍の人もそうでない方も、自国民も同じ扱いということであります。
 このような徹底したゼロコロナ戦略を実行する国と比べれば、昨日の水際対策も非常に周回遅れと言わざるを得ません。そして、マレーシア、ベトナム、変異株の流行が懸念される国からの再入国禁止、これも検討を早く進めるべきではないかと思いますが、内閣官房に伺います。

#118
○川上政府参考人 お答えいたします。
 変異株B1・617につきましては、政府として強い危機感を持って対応に当たってきておるところでございまして、ベトナム、マレーシアにつきましても、昨日、最近の現地の感染状況などを踏まえまして、検疫所の指定する宿泊施設での六日間の待機を求めるなどの強化措置を講じることとしたところでございます。
 また、昨日の措置におきまして、アフガニスタンにつきまして、直近の空港検疫における陽性率が特に高いことなどから、当該変異株が流入するリスクが特に高いと懸念されたため、検疫所での宿泊施設での十日間待機及び再入国の拒否の対象としたところでございますが、ベトナム、マレーシアにつきましては、そのような流入リスクが特に高いと判断されていないことなどから、再入国拒否の対象とはしないこととしたものでございます。
 政府といたしましては、各国における感染状況を注視しながら、引き続き、必要な措置を機動的に取っていく考えでございます。

#119
○早稲田委員 未然防止の観点、予防原則を考えたときに、非常に、再入国を踏み切るべきではないかということは、私は今の段階で考えるべきだと思っています。こうしたことについて、もっと説得力あるデータを示せるんでしょうか。
 それから、このことについて、尾身会長、次に質問する二週間停留のことも前にも言及をされておりましたけれども、この日本の小出しの水際対策についてどのようにお考えでしょうか。尾身会長の御見解を伺いたいと思います。

#120
○尾身参考人 これは、昨年の経験も踏まえて、去年のことを少し振り返りますと、我々専門家が政府への提言がちょっと遅れた、一点目、それから、我々の提言を受けた後の政府の対策も遅れたということがあって、去年は国内感染の拡大の一つの契機になったということがありますので、私は、水際対策というのは、理想的には、これはもう検査を幾らやってもすり抜けますから、と同時に、健康観察というのは完全に施行することが極めて難しいということを考えれば、基本的には、成田の飛行場での停留というのを十四日やることが理想的ですね。
 しかし、これだけの数の人が入ってくるときに、全部の人を十四日というのはどうも、政府と随分この話をしましたけれども、物理的に難しいということであったら、例えば、インドというような国は十日間という停留で、あとは四日、その後はしっかりと観察するということになっていますから、ともかくできる範囲で、リソースが限られているので、リソースを拡大すると同時に、リソースの限界の中で最大限、相手国によって状況が変わりますから、世界の状況は刻々と変わっているので、変わったら素早く対応するということが私は非常に重要だと思います。

#121
○早稲田委員 二週間停留が理想であるけれどもというお話も毎回いただいておりますが、そこについても、なかなか、政府に、前回のときも、後手後手に回っているという御指摘もございます。
 内閣官房に申し上げますけれども、今、再入国禁止に踏み切る、これも早くやるべきだということを申し上げさせていただきたいと思いますし、それから、停留、これも、警戒している地域以外から複雑に、いろいろなルートで入っていらっしゃるケースがあるということも慶応大のチームが発表しておりますので、こうしたことも含めて、例外なく、検疫指定の宿泊施設での停留措置も早めにこれも考えていただきたいということを要望させていただきます。
 それから、次の質問です。
 分科会でこの東京五輪開催の影響を議論しておりませんけれども、このことについていろいろ新聞報道等もあります。専門的な見地から、尾身会長始め分科会では感染拡大を抑えるための詳細な協議を重ねてきたのに、なぜ、この最大イベントであるオリンピック、パラリンピックについては議論をしないのかということをお聞きしたいわけなんですけれども、内閣官房として、これをやらない理由、いまだに、もう後がないのに、日数もないのにやらない理由、これを教えてください。

#122
○梶尾政府参考人 分科会を担当しております事務局からお答え申し上げます。
 安全、安心な大会を実現するためには感染対策が極めて重要でありまして、国、東京都、組織委員会によりますコロナ対策調整会議におきまして、新たな変異株等の出現などの感染状況の変化への対応について、医療提供体制の確保も含めて検討を進めていると承知しておりまして、この会議には、私どもの内閣官房コロナ室、あるいは厚労省も構成員として入って参加しておりますほか、分科会の委員であります岡部先生なども感染症専門家として加わっていただいておりまして、いずれにしましても、調整会議におきまして、専門的知見を踏まえながら、医療体制の確保を含めて、安全、安心な大会に向けた準備が進められているというふうに承知しているところでございます。

#123
○早稲田委員 いえ、答えになっていません。何で分科会でなさらないかということを聞いているんです。
 このオリンピック、パラリンピックの方の調整会議では、やっているのは分かりますけれども、これは限定されたお二人だけの専門家の方が入っていらっしゃるわけで、しかも、オリンピックを開催するという大前提でやっている会議ですから、このリスク評価ということがここでできるわけはありません。
 その点を踏まえて、私は分科会でやるべきだと思いますし、この分科会は、何も政府が諮問しなくても自由に議論ができると聞いております。この分科会で是非議論をしていただきたいと思いますが、尾身会長のお考えをお聞かせください。

#124
○尾身参考人 国が、あるいは組織委員会等の関係者が、もうオリンピックをやるんだという最終決定をした場合にですよね、その場合には、当然、オリンピックの開催に伴う国内での感染拡大というのが多少影響があるかどうか、こういうことについては、私ども分科会等の専門家がそれについてしっかりと評価をして、どのようにすればリスクを軽減できるかという意見を述べるのが、私は我々専門家の務めだというふうに思っています。その中で、分科会での議論をするかにかかわらず、私どもは何らかの形で私どもの考えを伝えるというのが、我々プロフェッショナルの責任だと思っています。
 そういう中で、誰に伝えるかということ、これは、分科会というのは政府ですよね、あるいはそういう形がいいのか、あるいは組織委員会というものに伝えるのがいいのか、あるいは事務局の方に伝えるのがいいのか、あるいはいつ伝えるべきなのかということについては、いろいろな選択肢があると思います。

#125
○早稲田委員 尾身会長の今の御発言ですと、やはり、そのリスク評価ということも、国内のですね、そのことについてきちんと議論をした結果をもう伝える時期だということだと私は理解をいたしました。
 その中で、分科会でやるのがいいのか、いろいろあるでしょうけれども、やはり分科会でしっかりとやっていただきたい。そのために、国民の命と健康を守る専門家の先生の間で忌憚のない議論ができるのはここだけですから、そこを重要視していただきたいし、専門家として是非尾身会長にはそれを率先していただきたい。
 なぜならば、今、世論がこれだけ五輪から離れてしまっていて、選手の皆さんが一番苦しんでおられます。だからこそ、この結論ありきの対策調整会議ではなくて、分科会において透明性の高い議論を行うように、是非尾身会長にもお願いをしたいですし、内閣官房としてもその議論を進める方向を是非検討していただきたい、強く要望させていただきます。
 時間が来てしまいました。法案の質疑はできませんでしたけれども、またよろしくお願いいたします。
 ありがとうございました。

#126
○とかしき委員長 次に、川内博史君。

#127
○川内委員 川内でございます。
 委員長、今日もよろしくお願いいたします。大臣以下政府の皆様、そして尾身会長、よろしくお願いを申し上げます。
 まず、尾身会長から重要な御発言が今出たわけですけれども、何らかの形で政府に対して意見を表明する、それがプロの仕事であるということで、大変敬服に値する御答弁であったというふうに思います。
 確認をさせていただきます。何らかの形で、政府に対して、オリンピックの開催の是非について意見を表明するということでよろしいでしょうか。

#128
○尾身参考人 先ほど早稲田委員の御質問に答えて私が申し上げたのは、我々の専門家としての考え、評価というものについて、何らかの形で関係者に伝える必要があるというふうに我々は思っています。その際に、政府に伝えるのか、あるいは組織委員会に伝えるのか、あるいはその他の方法、事務局。
 これはなぜそうかというと、私は、このオリンピックで仮に開催という決定をした場合に、我々の役割は日本の感染の拡大のリスクをなるべく低くする。これをできるのは政府だけではないですよね。これは、オリンピックの委員会というものがあるので、そういう意味では、分科会というのは政府ですよね、そういうことも理論的にはあり得るし、組織委員会ということになればそれは組織委員会で、そこには政府関係者もおられるでしょうから、そういう方法がいいのか、その他事務局というもの、それはいろいろ考える選択肢があるということです。
 政府、それだけということでは、私は、そもそもの意味が、政府だけでコントロールはできないですよね。特に、オリンピック関係者云々の話は組織委員会あるいはIOCの方であるので、そういう方法も当然選択肢としてはあり得るということを申し上げたと思います。

#129
○川内委員 様々な事情を考慮して最善の方法を取るという趣旨の御発言であったというふうに思います。
 オリンピック、開催する、しない、あるいは開催するとしたらどういう形でやるのか。いずれにしても、国民的な議論というものが必要ではないか。特定の何人かの人々が強引に進めるということでは、国民との間の気持ちが離れてしまうだけでございますので、そういう意味で、プロフェッショナルとしての尾身会長以下御専門の皆様が、どのような御意見をまとめられて発信をされるのか、誰に対して発信をされるのかということ、大変、国民的にも私個人的にも注目をさせていただいておきたいということを申し上げさせていただきたいというふうに思います。
 尾身先生は、もうここで、お忙しいでしょうから、早速提言をまとめていただくためにお仕事してください。ありがとうございます。
 前回に引き続いて、こういう尾身会長らプロフェッショナルの専門家の苦悩をよそに、IOCの偉い人たちがどや顔で様々な発言をされて、宿泊費も国民に負担させる的な報道があったわけですけれども、この件について、バッハ会長やコーツ副会長あるいはディック・パウンドIOC委員らのオリンピックファミリーの東京での宿泊費について、前回、五月二十八日の私の質問以降、この宿泊料金問題について何か進展がありましたか。

#130
○十時政府参考人 お答え申し上げます。
 五月二十八日の本厚生労働委員会におきまして、委員の御質問につきまして私の方から組織委員会に確認したところでは、IOC関係者が宿泊するホテルについては、大会特別料金で一括で契約をしており、組織委員会がIOCとの契約に基づきその一部を負担している、そして、一括で契約している中でIOCがかなりの部分を負担していると伺っているといった趣旨の答弁をさせていただきました。
 その後、最新の状況につきまして、質疑を踏まえて組織委員会に確認をいたしましたところ、最新の状況といたしまして、この分担につきまして見直しが進みまして、現在、IOCが全額を負担する方向で調整をされていると伺っているところでございます。

#131
○川内委員 IOCが全額を負担する方向で調整が進んでいると。だから、まだ全額負担するというところまでは行っていないわけですね。調整が進んでいると。微妙な言い回しでありますが。
 このオリンピックファミリー三千人の方々の宿泊費全額をIOCが負担する方向で調整が進んでいるという理解でよろしいですか、それともIOC委員だけなんですか、どうですか。

#132
○十時政府参考人 お答え申し上げます。
 ただいま、組織委員会から確認した情報として、IOCが全額を負担する方向で調整されていると申し上げた点につきましては、これはIOCの役員及び職員に関する宿泊費用ということで理解をしております。

#133
○川内委員 役員、職員が何人になるのかちょっとつまびらかではないですが、いずれにせよ、本委員会理事会に詳細を御報告を頂戴できますように、委員長、お取り計らいをいただきたいと思います。

#134
○とかしき委員長 ただいまの件につきましては、理事会で協議いたします。

#135
○川内委員 さらに、私は、本来オリンピックファミリーが一万人来る予定になっていた、それを三千人にしましたよ、こうおっしゃるわけですが、バッハさんとかコーツさんとかディック・パウンドさんとか、何をするか分からないですから、あなた方は来なくていいですよと。バッハさんは、いや、開会式で挨拶しなきゃいけませんからと。いや、リモートでやってください、リモートで十分じゃないですか、それが新しいオリンピックの形ですよと、この状況下における。
 ということですから、組織委員会も宿泊費用について柔軟な御対応をされているようですから、本委員会で委員の一人から、バッハさんやコーツさん、ディック・パウンドさんら重鎮については、東京へいらっしゃるのは感染拡大防止の観点からもお考えになられたらいかがかという提言があったということを、組織委員会にお伝えをいただきたいというふうに思いますが、いかがですか。

#136
○十時政府参考人 お答え申し上げます。
 委員も御承知かと存じますが、東京オリンピック・パラリンピック競技大会につきましては、IOC、IPC、東京都、大会組織委員会が主催者として開催される大会でございまして、IOCはその重要な主催者という位置づけでございます。
 そういった中で、御指摘のような点については考える必要があるのではないかと思っておりまして、実際、大会関係者の参加に向けて、組織委員会が中心となって、関係機関と参加者の削減について現在も鋭意努力をしていただいているわけでございますが、その参加に当たりましては、大会運営に必要不可欠な方に限定すべきという考え方の中で、議論、調整をしていただいているという認識でございますので、それぞれの方がどのように大会に関わっていくかという中で判断がなされるものというふうに理解をしてございます。

#137
○川内委員 IOCは組織体として大会を主催するのであって、IOCを代表する者がその場にいなければならないということは、オリンピック憲章のどこにも書いていないということが一点。
 さらに、大会運営に必要な人がいなければならないということで、大会運営は実質的には現場のお仕事ですから、そういう意味でも、偉い人はリモートでの参加が望ましいのではないか。
 さらに、オリンピック憲章には、オリンピックは最高の倫理を体現するというふうに書いてありますので、その最高の倫理を体現するためには、オリンピックの、IOCの偉い人はリモートで参加し、感染抑制に最大限の配慮をしているのだということを世界中の人々に発信することこそが、IOCに対する失墜した信頼を回復する、ほんのちょっとした一歩になるのではないかということを私としては思うということを是非組織委員会に伝えていただきたい。まあ、伝えていただきたいと言っても、どうせまたここで、伝えるとも伝えないとも言わないでしょうから、もう答弁は要らないですけれども。
 だから、そういうふうにみんなで議論する必要があるんですよ。いろいろなことを議論する必要がある。それが民主主義ですからね。日本の総理大臣の意見なんかは個人の意見であって関係ないというのは、民主主義を否定する意見ですから。そういうことを言う人は日本に来てもらっちゃ困るんですよ、民主主義国家だから、みんなで議論する国だからという趣旨の発言です。よろしくお願いします。
 それでは、次の論点に移りたいというふうに思います。
 本日、委員の先生方にもお配りをしているんですけれども、パーキングパーミット制度というのがございまして、私もこの育児・介護休業法の質疑でいろいろなことを調べる中で初めて知ったんです、恥ずかしながら、パーキングパーミット制度。バリアフリー法に基づいて、高齢者や障害者等が、公共的な駐車場で、車椅子マークのある広いスペースの駐車場を使っていいですよという許可証を、これは自治体がそれぞれ工夫して発行して、使っていただいているわけですが、先ほど申し上げたとおり、高齢者、障害者等、等の中に妊産婦も含まれるということでございまして、このパーキングパーミット制度における妊産婦の扱いというものを一覧表にしてまいりました。
 そうすると、母子手帳を取得してからとか、妊娠七か月からとか、産後三か月までとか、産後六か月までとか、産後一年までとか、それぞれ自治体によって制度が、運用がばらばらで、ところが、埼玉、千葉、東京、神奈川は、このパーキングパーミット制度がない。北海道、青森、愛知、沖縄もないということですね。
 ところが、二十一番目の岐阜県とか四十一番目の佐賀県を見ていただきますと、多胎児の場合は産後一年半までとか多胎児は産後十八か月までと。要するに、双子ちゃんや三つ子ちゃんは育児するのが大変だから、一人の子よりも、双子ちゃん、三つ子ちゃんの場合はその駐車スペースを長い間使えるようにしましょうねという非常に先進的な制度にしている自治体もあるということでございます。
 私は、これは大変重要な制度だなというふうに思いましたね。育児する上で、産後すぐというのは、一年ぐらいまでは本当に大変だろうなというふうに思うんですよね。特に双子、三つ子の場合は、バギーも大きいし、車を止めてバギーを降ろして、赤ちゃんをそこに乗せて、バギーを押してというのは、やはり駐車スペースなどで配慮をしていく必要が、それこそ育児をするためにも必要なのではないか、社会全体でそういうことを応援していく必要があるのではないかというふうに考えておりまして、バリアフリー法の第五条で、移動等円滑化を促進するために必要な措置を講ずるということが国や自治体の責任として定められているというところでございます。
 田村大臣、是非、このパーキングパーミット制度、双子ちゃんや三つ子ちゃんへの配慮を含めて、先進的な取組をしている地方公共団体の事例をその他の地方公共団体に情報を共有化していただいて、育児がしやすい社会をつくっていこうねということを、国土交通大臣に、そういう制度があると聞いたんだけれども、これはもう是非国としても地方公共団体を指導していこうよということで進めていただきたい、推進していただきたいというふうに思うんですけれども、田村大臣、いかがでしょうか。

#138
○田村国務大臣 妊産婦に優しい環境づくりというのは非常に重要だと我々も思っております。
 国土交通省と連携してという話でありますが、今も、首都圏の鉄道事業者と国土交通省と連携してでありますけれども、マタニティーマークというのをお配りをさせていただいています。これは、妊婦の方々が電車に乗られていても、なかなか外見で分からない、若しくは、ちょっとお腹が大きくなられているなと思っても、なかなか本当に妊婦の方なのかどうなのか分からなくて、お声がけしづらいということもあるわけですよね。そういうときにこのマタニティーマークがあると、この方は妊婦さんなんだというので席を譲りやすい。こういうような意味合いで、こういうものも配らせていただいております。
 今、パーキングパーミットというもの、お話がありました。これも非常にいい取組だというふうに思いますので、国土交通省とも連携しながら、この周知というものを取り組むように努力してまいりたいというふうに思います。

#139
○川内委員 今、厚労大臣から、国交省と連携して進めていくよという大変ありがたい御発言がございました。
 今日、国土交通省さんにもお運びをいただいております。今の厚労大臣の発言を受けて、国交省の方でしっかりと地方公共団体を指導するよ、周知していくよ、先進的な取組をみんながするようにしていくからねということで御発言をいただきたいというふうに思いますが、いかがですか。

#140
○大高政府参考人 お答え申し上げます。
 御指摘のパーキングパーミット制度は、バリアフリー法に基づく車椅子使用者用駐車場や、その他一般の駐車区画も含めた障害者等用駐車区画を設定し、障害者、妊産婦など、利用者を限定して利用者証を交付する制度でございます。
 現在、三十九の府県及び四市において導入されており、委員御指摘のとおり、特に岐阜県において、妊産婦にも十分配慮した制度として、ぎふ清流おもいやり駐車場利用証制度を運用しているものと承知しております。
 国土交通省が平成二十九年度に開催した検討会においては、未導入の地方公共団体における制度導入に向けた機運の醸成等が当面実施すべき事項とされたことから、平成三十年度にパーキングパーミット制度の事例集を作成し、こうした導入自治体における取組の周知を行っているところでございます。
 また、本年四月に全面施行された改正バリアフリー法においては、新たに、高齢者障害者等用施設等の適正な利用の推進が、国、地方公共団体、国民、施設設置管理者の責務として規定されたことに伴い、車椅子使用者用駐車場等の適正利用やパーキングパーミット制度について広報啓発キャンペーンを行っていくこととしております。
 国土交通省といたしましては、引き続き、地方公共団体、施設設置管理者等に対するパーキングパーミット制度や好事例の普及、周知に努め、御指摘の妊産婦も含め、要介護高齢者、障害者等が車椅子使用者用駐車場等を利用しやすい環境の整備を推進してまいりたいと考えております。

#141
○川内委員 何かごくごく一般的な官僚答弁を読んでいただいたんですけれども、御指摘の妊産婦を含めという言葉の中に、特に多胎児を抱えるという妊産婦、特に配慮の必要な妊産婦ということも重点にしながら先進事例を周知していくという理解でよろしいですかね。

#142
○大高政府参考人 お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、お子さんがたくさんいらっしゃる妊産婦の方は大変大変だと思いますので、こういうよい事例はしっかりと周知してまいりたいと思います。

#143
○川内委員 是非、育児をしやすい社会をみんなでつくっていくというためには、様々な制度が標準化されて、どこに住んでいても、どういう状況であっても育児がしやすい環境だねということをみんなでつくっていく必要があるのだということを確認をさせていただきました。よろしくお願いします。
 では、次の論点に移ります。
 新型コロナウイルス感染症の対策なんですけれども、先週の金曜日、五月二十八日に首相官邸で開催された第六十七回の新型コロナウイルス対策本部に提出された五月二十六日付の厚労省アドバイザリーボード会議資料、感染状況についてという資料なんですけれども、この感染状況についてという資料の中には、実は、予断を許さない状況が続いている、重症者数、死亡者数は増加傾向が続いていたが、直近では高止まりとなっているというふうに、感染状況についてまず一ポツ目で評価をしていらっしゃいます。しかし、全国の状況を見ますと、医療にアクセスできず、自宅療養やあるいはホテル療養で亡くなっていらっしゃる方々も出ているわけで、そういうことに関する記述がない。
 このアドバイザリーボード会議資料が対策本部会議の資料で、閣僚が認識するものになるので、全国で医療にアクセスできず亡くなる方々がいる、出てきている、そして増えているということを私は感染状況の認識の中に記述として入れるべきであるというふうに考えているんですけれども、厚労省としての考え方を聞かせていただけますか。

#144
○正林政府参考人 お答えします。
 アドバイザリーボードは、新型コロナウイルス感染症対策を円滑に推進するため必要となる医療、公衆衛生分野の専門的、技術的な事項について、厚生労働省に対して必要な助言などを行うものとして設置し、開催されているものでございます。
 このアドバイザリーボードでは、様々な情報を基に直近の感染状況の分析、評価などを行っており、会議においては、自宅療養者数や宿泊療養者数も資料として提示しているほか、東京と大阪といった地域の現状についても、委員だけでなく自治体からも御参加いただき、自宅療養も含めた療養状況についても適宜報告をいただいているなど、自宅療養及び宿泊療養についてもしっかりと御議論いただいているところでございます。
 また、厚生労働省としては、ホテルや自宅等で療養される患者の方々については、症状に変化があった場合に、速やかにこれを把握し、必要な医療につなぐことが重要であると考えており、このため、保健所で定期的に健康観察を行い、症状が変化した場合等に備え、患者からの連絡や相談に対応する体制を構築するなど、宿泊療養などの適切な実施に当たって必要な政策を実施しているところでございます。

#145
○川内委員 いや、正林さん、必要な対応を実施しているところでございます、こう言い切られましたけれども、必要な対応が実施できていないから自宅療養やホテル療養で亡くなる方がいらっしゃるわけですよね。
 だから、そこを政府として認識しなければ、自宅療養やホテル療養で亡くなっている方々が今何人いるのかとか、どういう状況で亡くなったのかとか、そういうことを政府として知ろうとまずなさらないわけですよ。
 まず、そういう現象が起きているということを認識するところから施策というのは出発するという意味において、対策本部に出席している本部長、総理大臣以下、本部員、閣僚が、自宅療養やホテル療養で亡くなっている人がいると、ニュースで聞いてはいますよ、ニュースで聞いてはいますけれども、政府の会議資料、正式な内閣のメンバーが読む資料にその記述がないというのは、その施策が欠けるということを意味するので、そこは絶対書かなきゃ駄目だというふうに思うんですよ。
 厚労大臣、書きますと言ってくださいよ。書かないと施策が実行されていかないんですよ。

#146
○田村国務大臣 施策といいますか、我々はもう十分に認識をいたしております。
 その会議でも、どういう状況が起こっているかということは、現場からもいろいろなお話、それから、それに対してどういう対策を組まれているかというのも、実際にリモートでお話をお聞かせをいただいております。でありますから、もちろん、そういう厳しい状況があり、それは、病床がなかなか追いついていかない中で、場合によっては中等症の方々が悪化してということもあるということも認識をいたしております。
 これに関しては、アドバイザリーボードで、要は、委員の皆様方から出た意見等々を踏まえた上で、それぞれ御評価をいただいた委員の皆様方の、言うなれば御発言等々をまとめたり、また、いろいろな資料をまとめたものについて御議論をいただいて、最終的には座長の御判断の下でお決めをいただいておるというようなものでございます。
 委員からそういう御意見もあられたということは、お伝えをさせていただきたいというふうに思います。

#147
○川内委員 後世、様々な資料を見返したときに、時の政府が、認識しておるから心配するなと田村大臣はおっしゃったわけですけれども、しかし、文書で、後世、検証したときに、そういう状況が世の中にあったのに時の政府はそれを認識していなかったんだねというようなことになってはよくないので、ちゃんと状況を認識しているという記述があり、そしてそれに対する対応があったんだねというふうにしていっていただきたいというふうに思いますし、脇田座長にお伝えいただけるということで、感謝を申し上げたいというふうに思います。
 続いて、先日取り上げたアナフィラキシーのブライトン分類に関してなんですけれども、実は、副反応検討部会に提出されている「新型コロナワクチン接種後のアナフィラキシーとして製造販売業者から報告された事例の概要」、資料一―四という資料、それと、さらに、この資料一―四の詳細版「新型コロナワクチンに係る医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律に基づく製造販売業者からの副反応疑い報告状況について」とする資料一―二―三ですね。資料一―四では概要が書いてあって、一―二―三は詳細が記載されているということで、私も両方を見比べて検討しようとしたら、実は、資料一―四の事例番号、症例番号と、一―二―三の症例番号が全く食い違っている。資料一―四と一―二―三をどう整合させればよいのかが全く分からないんですね。これ、変じゃないですか。

#148
○鎌田政府参考人 お答え申し上げます。
 まず、御指摘ございました資料一―四というものは、製造販売業者、企業から、副反応疑いのうち、アナフィラキシーについて御報告があったものでございます。
 他方、資料一―二―三は、副反応報告、御紹介ございましたように、全症例の個別の例でございまして、ありていに申し上げれば、それぞれ目的が違うので、通し番号を付しているので、違っているというのが現状でございます。
 ただ、当初は、正直、一―二―三という全症例も少なかったんですが、実は前回までで数千ページに及びまして、それで先生方と御相談して、新規のものということでお手元の数字になったんですが、今でいうと実は六千ページを超えるようなものになってございます。
 そうしますと、我々の方でも同じように作業しておりまして、その整合性を取るという観点から、実は御指摘の観点からの見直しを行っているところでございますので、今後分かりやすい情報発信ができるように、資料の作成については今検討しているところでございます。

#149
○川内委員 分かりやすい情報、これから整合させていくということで、これまでは不整合で、一―四を見て、じゃ、これの詳細を検討しようと思って一―二―三を見ると、さっぱり分からないという状況だったわけで、今後は分かるようにしていただけるということでございますけれども。
 そもそも、副反応検討部会の先生方は、この資料一―四の症例と一―二―三の症例が食い違っているのに、それをどう整合させて、アナフィラキシーのブライトン分類を詳細に検討されていたのか。全く分からないですよ。副反応検討部会の先生方は、ちゃんと詳細に検討しているんですか。
 多分、委員の先生方は私が何を言っているかさっぱり分からないと思うんですけれども、この前の、不明日にという言葉があるからブライトン分類四なのだというふうに説明したけれども、不明日にという一言でブライトン分類四にするんだったら、確認すればいいだけの話ですからね、聞けば。聞いて、しっかりとブライトン分類をもう一度確定するということをお約束いただきたいんですけれども、いかがですか。

#150
○鎌田政府参考人 まず、審議会の運営に当たりまして、先生方には資料をお送りしまして、個別に御説明するなどしておりまして、先生方にも見ていただいておりますし、恐らく、委員の御指摘の点で、症例の関係についても、我々の方で、お尋ねがあれば、きちんと御説明しているということでございます。
 それで、今お尋ねのございました、前回のお尋ねの不明であった事例でございますけれども、前回御答弁申し上げましたとおり、この副反応報告につきましては、まず医療機関から報告があり、それが企業に行って、企業において更に入手可能な範囲での情報を収集して、更に追加情報があれば、また情報があるということで、実は、御指摘の点も今回追加情報があったので掲載したんですが、前回御答弁申し上げたとおり、この症例は三月初めのことでございまして、三月末に、もう少しきちんと入念に調査してほしいという通知も出しました。さらに、我々の方でも気になったらお尋ねしているんですが、企業の方でも努力をして調査したところが、まだ現時点では不明日のままだったというのが実情でございます。
 他方、そもそも、審議会におきましても言われているんですが……

#151
○とかしき委員長 申合せの時間が来ておりますので、答弁は簡潔にお願いします。

#152
○鎌田政府参考人 個々の事例の評価も重要で、丁寧に行っておきますが、全体としての傾向をつかむというのがやはり重要だということも審議会の方から指摘を受けているところでございます。

#153
○川内委員 委員長、もう終わりますけれども、何か煙に巻かれるようなことを言われて、不明日にと書いてあるから、そこを確認してよと言っているだけなんですけれども。
 これはもう理事会で預かっていただいて、やはり明らかにしていただきたいということをお願いしたいと思います。

#154
○とかしき委員長 ただいまの件につきましては、理事会で協議いたします。

#155
○川内委員 終わります。

#156
○とかしき委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩といたします。
    午後零時十四分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時開議

#157
○とかしき委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。宮本徹君。

#158
○宮本委員 日本共産党の宮本徹です。
 今日も、尾身会長、お忙しいところありがとうございます。
 質問させていただきます。
 毎回東京のことについてお伺いしているわけですけれども、東京の日々の感染確認者数は連続して前週の同じ曜日に比べて下回っているのが続いているわけですけれども、東京都が公表している発症日別のデータを見ると、五月二十日を境に、下げ止まり、横ばいしているように見えるんです。一時的なものならいいなと思うんですけれども、これはどう見たらいいんでしょうか。

#159
○尾身参考人 感染状況については、いろいろな指標があります。今週先週比とか、その他、あとは発症日別あるいは報告日別、その中でも、一番現実に近いのはやはり発症日別のグラフだと思います。一番理想的なのは感染日別のというのがあるけれども、これはなかなか難しいので。
 今、発症日別のデータというのが一番、検査の多寡、日によって検査は違いますよね。そういうものに影響が一番少ないものということで、発症日別のものが一番信頼性が高いと思いますが、そうした中で、今委員御指摘のように、発症日別のものを見ると、やや下げ止まり、少なくともどんどん下がっているようには見えないというのがあると思います。
 今ここは専門家の間で毎日詳しく見ていますけれども、これが今、本当に下げ止まって、平行にしているのか、やや下がっているのかというところは非常に微妙な段階だと思います。これから少しまだ注意して見つつ、少なくとも、どんどん急激に下がっているということは恐らくないし、どんどん急激に上がっているというのでもないので、その中間でどうなるかというのは注意深く見ていく必要があると思います。

#160
○宮本委員 発症日別という一番現実に近いデータで見ると、大変注意しなきゃいけない状況になってきているというのが今の東京の状況だと思います。
 そういう中で、ここでもオリンピックの問題がずっと議論されているわけですけれども、今日オリパラ事務局に来ていただきましたけれども、尾身会長はこの間、オリパラという大規模イベントに伴う国民の動きで感染が増加するリスク、これは随分あるんだということを指摘されております。
 昨日、代々木公園のパブリックビューイングは中止ということが発表になったわけですけれども、一方で、上野公園や井の頭公園や日比谷公園などのパブリックビューイングはやる予定だということなんですよね。これは本当にそのままやるんですかね。その辺、どうお考えなんですか。

#161
○河村政府参考人 お答えいたします。
 いわゆるパブリックビューイングの開催につきましては、万全の防疫策を講じたところで適切な開催が可能かといった観点で、各開催主体に、主催主体において御判断いただく筋合いの話だと理解してございます。

#162
○宮本委員 組織委員会がパブリックビューイングをやるということになったら、これはどこでもやると思うんですよね、はっきり言って。それは地元選手がいる自治体でもやるでしょうし、あるいはいろいろな企業なんかでもそれぞれ集まって応援するということは、いつものオリンピックだったらそういうことがやられているわけであります。
 一方で、東京でいえば、この間も夏祭りだとかをどんどん中止しているわけですよね。花火大会なんかもどんどんどんどん中止が発表されております。私の地元でも、今年こそはと思っていたけれども、変異株の影響も踏まえて中止を決断するという夏祭りが相次いでおります。本当に断腸の思いで、やはり感染拡大防止のためにはということで協力しなきゃいけないということに、多くの夏祭りなんかもなっているわけですよね。そういう国民、都民の努力の中で、オリンピックをやればこれは果たしてどういうメッセージになっていくのかなということを、私たちはよく考えなきゃいけないと思います。
 昨年、GoTo事業をやりました、イートとかトラベルとかをやりました。これは国民全体に対して、感染対策より経済を回すときだ、こういうメッセージになってしまった、そして感染拡大の契機になっていったのは否めないと思います。
 また、その後、総理のステーキ会食というのも起きましたけれども、これは政府のメッセージが国民に響かない状況をその後つくってしまった大きな要因だと私は思っております。
 尾身会長にお伺いしたいと思いますが、インドで確認された変異株への置き換わりも想定される、感染対策を更にしっかり呼びかけていかなきゃいけないということが求められる中で、オリンピックだけを特別扱いにして行うことが社会に対してどういうメッセージになってしまうのか。この点、お聞かせいただけるでしょうか。

#163
○尾身参考人 私は、これは本当に国あるいは組織委員会の関係者がオリンピックをやるという決断をしたのかどうかよく分かりませんけれども、した、あるいはするのであれば、いわば、やや比喩的に言えば、三位一体の努力が必要だと思います。
 一つ目は、政府あるいは自治体のリーダーシップによる一般市民の協力で、人流に伴う接触機会のことをなるべく減らすということが、私は、これは一般市民あるいは自治体、国の努力が必要だと思います。
 それからもう一つは、ここに来て、人々がなかなか、緊急事態宣言などの協力を得にくくなっているという現実がありますから、相変わらず人々の努力だけに頼るという時期はもう過ぎたと思いますので、ITのテクノロジーだとかサイエンスというものを最大限活用するというのがもう一つの三位。
 それから最後は、これはオリンピック組織委員会の人たちが是非やっていただきたいことですけれども、オリパラをもしやるのであれば、その規模をなるべく最小化して、それから管理体制をできるだけ強くする。
 こういう人々の、国の、自治体の努力と、それからサイエンスとテクノロジーの最大の活用と、それから、オリンピックをオーガナイズする人たちの責任としては、これはなるべく、今の状況でやるというのは普通はないわけですよね、このパンデミックで。そういう状況の中でやるということであれば、オーガナイザーの責任として、開催の規模をできるだけ小さくして管理の体制をできるだけ強化するというのは、私は、オリンピックを主催する人の義務だと。そういう意味で、三位一体の努力が必要だと思います。

#164
○宮本委員 先ほど尾身会長が、普通、こんなパンデミックの中ではやらないですよねということをおっしゃいましたけれども、そして、やるなら三位一体の努力が必要だということを言われました。
 ただ、やるという前提に立てばそういう話が出てくるのかも分からないですけれども、果たして、国民の協力だけという段階は超えているのは確かですけれども、しかし、依然として、やはり国民の皆さん、市民の皆さんの協力、行動変容が感染対策の一番の土台であることは間違いないと思うんですよね。ワクチンがもっと早く打てればまた違うんでしょうけれども、どう考えても七月、そして八月のパラリンピックの時点では、ワクチンは、高齢者はそれなりに打つでしょうけれども、基礎疾患の方が打っている最中には始まるわけですよね。抗体ができる前に始まっていくと思うんですよね。
 そういうときに、オリンピック、やりましょうということになったら、やはり間違ったメッセージになっていく。どうしても、人々の動きはもっと活発にならざるを得ない。やることによって、幾ら規模を縮小しましょう、協力してくださいということを言っても、それは、夏祭りだったら中止かも分からないけれども政府はやるんだということになれば、どうしても、何だ、もう感染対策はそんなに重視しなくていいのかという空気が生まれてしまうのではないか。
 ここへの懸念というのが私はかなりあるんですけれども、その点、いかがですか。

#165
○尾身参考人 私は、今回一番大事なのは地域での感染拡大を防ぐことだということは前から申し上げているとおりで、そういう意味では、オリンピックの組織委員会、政府、自治体が、矛盾したメッセージは避ける、一体感のあるメッセージを出すということは、もうこれは必須、非常に重要なことだと思います。
 その中で、やる、やらないにしても、どういうリスクがあるのかということをしっかり見極めた上で説明する必要があると思いますけれども、私は、人流の増大、接触の機会ということを前から申し上げていますけれども、もう少しこれを分析しますと、人流増大には三つの要素があるんだということを十分理解した上で、対策を打つなり決める必要があると思います。
 一つ目の人流増大に至る要素というものは、一つは観客のことで、観客が全国から集まる、観客の移動に伴うもの、要素というのが一つだと思います。それから二つ目の要素というのは、パブリックビューイングだとか応援イベントや、スポーツなどの応援に伴うものということがあると思います。それから三つ目は、一つ目はいろいろなところから会場に来る、観客が来るというものですけれども、三番目はそれと逆に、比較的都市部に住む人たちが、この期間には実は連休というのもあるし、お盆もあるわけですよね。それ以外にも、今度は帰省やら、国の、地方のおじいさんがいたりおばあさんがいるということの帰省の方の、こういうことですよね。
 こういう三つのリスクが実は地域においてあるので、これはスタジアムの中の、バブルの中の話とは全く別の話で、こういうことがあるんだということを、実はこっちの方がはるかに感染のリスクが高い。これをどう制御するのかということをしっかりと考えることが、私は、国、そして特に地方、国内の方は国の、地方自治体の責任ですよね、ということで、しっかりとそういうことを吟味する必要があると思います。

#166
○宮本委員 矛盾したメッセージは駄目だ、統一したメッセージを出すのが非常に大事だというお話が初めにありましたけれども、全く私も、本当にそのとおりだと思いまして、人流、三つの要素とお話がありましたけれども、どう考えても、やはりオリンピックをやると、メッセージとしては統一したものにはなかなかならないんじゃないか、矛盾したものになってしまうんじゃないかというふうに思わざるを得ないわけですよね。
 私もかつて渋谷の繁華街のそばで暮らしていたことがあるんですね、今、長妻さんの選挙区ですけれども。サッカーの日本代表の勝った後というのはもう大騒ぎですよね。みんな渋谷で、スポーツ、いろいろな飲食店で見ていますから。わあっと集まってきて、すごい熱気なわけですよね。オリンピック、日本代表と言われたら、やはりみんな応援したくなりますよね、国民はみんな、四年に一回のイベントですから。幾ら田村大臣が、自宅でテレビの前で観戦してもらうんだということを言っても、本当にそんなことになるんだろうかというのが多くの皆さんの思いなのではないのかなというふうに思います。
 ですから、もちろん尾身先生たちはプロフェッショナルですから、やるというふうに政府が決めちゃった場合には、それに応じてどうするかということを当然考えられるんでしょうけれども、やらないという選択肢も、私は、専門家の皆さんとしてもあってしかるべきだというふうに思います。やはりどう考えても、オリパラをやれば、人の流れ、先ほど帰省の話もありましたけれども、オリンピックをやって観客も来ていいんだという空気が生まれれば、どうしても、確かに連休の、連休といいますか夏休み、お盆の人の移動というのも、それは自然に生まれていくのかなという思いもあります。
 そうすると、やはりこれをやること自体が、結局、第五波を大きくしてしまう危険性があるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

#167
○尾身参考人 これは、仮にやるのであれば、リスクを最小化するのが関係者の務めであると思うんですけれども、私は、どうやって感染リスクを最小化するということは、もちろん、当然、オーガナイザーの方々の責任だと思います。
 そもそも、このオリンピック、今回、こういう状況の中で、一体何のためにやるのか、目的ですよね。そういうことがちょっと明らかになっていないので、私は、このことをしっかりと、はっきりと明言することが、実は人々の協力を得られるかどうかという非常に重要な観点だと思うので。オリンピックを仮にやるのであれば、いかに感染のリスクを評価して、それを最小化するということはもとより、一体何のためにこのオリンピックを開催するのかという明確なストーリーというか話、いかに感染のリスクを最小化するということとパッケージで話をしないと、国民の人は。
 一方で、恐らくここは、国あるいは自治体は、大臣おっしゃるように、なるべくテレビで観戦して、外にはなるべく出ないでというような趣旨のことをお願いすることになりそうですよね。そういう中で、やはりなぜやるのかということ、あるいは、オリンピック委員会の人がどれだけ汗をかくのか、先ほどの三位一体の、オリンピック関係者の方ですよね。そういうことが明確になって初めて、一般の市民は、それならこの特別な状況を乗り越えよう、協力しようという気になるんだと思います。
 そうしたはっきりした、国から、あるいは国というよりはオリンピック委員会でしょうかね、から、なぜやりたいのかというような、これは国ですかね、誰が決めるのかよく分かりませんけれども、そういう関係者がしっかりとしたビジョンと理由、これを述べることが私は極めて重要だと思います。それがないと、なかなか一般の人はこれに協力しようと思わないで、地方で飲み会があったり、地方へ帰れば、同級生と飲もう、せっかくと、こういうことになる可能性が否定できないと思います。

#168
○宮本委員 裏を返せば、本当に、今、何のためにオリンピックをやるのかというのが全く国民には理解されていない状況だということだというふうに思います。
 元々オリンピックは、オリンピズムですから、平和と友好の祭典で、四年に一回集まってやるわけですけれども、菅総理は、安倍さんのときからそうですけれども、新型コロナに打ちかったあかしでやるんだという話をしていて、これは誰も打ちかっていないというのは、現時点ではそう思っているわけですから、なかなか何のためにというのは、国民が理解し得る理由が出てくるのかなという疑問符を私自身は抱いております。
 昨日、総理はほかの委員会で、オリンピックより国民の命最優先なんだということをおっしゃいました。ですけれども、やはり客観的に見て、私自身は、この局面ではオリンピックは中止ないし延期をするということが、命最優先、そして感染対策優先ということになると思うんですよね。
 医療従事者のことを考えても、延べ七千人必要だと。もしかしたら、オリンピックをやらなければワクチン接種に、その中で協力していただける医療従事者の方がいるかもしれない。そうなれば、守れる命は更に増えることもありますし、感染終息もそれだけ早まるということになります。
 あるいは、東京都なんかも、今、組織委員会に一千百人職員を派遣しているわけですよ。その一方で、飲食店への協力金の支給は遅れていて、私の地元でも悲鳴の声が上がっております。その職員の皆さんをもっと協力金の支給事務を進めるために充てられないのか、あるいは飲食店の換気対策、私はいつも言っていますけれども、そういうもののアドバイスのために充てられないのか、こういうことも考えるわけです。
 あと、午前の議論でもありましたけれども、水際対策で専門家の皆さんが言う理想の期間できない理由が、一つはキャパの問題があるわけですよね、ホテルの。でも、オリンピックのために確保しているホテルを充てれば、水際対策ももっとしっかりしたものができるじゃないか。こういうことを考えると、本当にオリンピックを今やることが優先課題なのかというのは大変疑問だということを申し上げておきたいというふうに思います。
 最後に、オリパラ事務局に、オリンピックに関わって一点お伺いしますけれども、観客にPCR検査の陰性確認を求めるという報道が出ておりますが、そもそも検査はすり抜けが多いですけれども、報道では一週間前の検査ということを言っているわけですよね。
 一般的には、海外から来る方はたしか七十二時間以内の検査ということを言っているわけですけれども、一週間前の検査では、その後感染して、観戦日までに感染力を持つことになるというのは起き得るというふうに思いますし、あと、検体をどこで誰が取って、その検体がその人のものだという確認は本当に果たしてできるのかなということもあるわけですね。調子が悪いけれどもオリンピックに行きたいという人は、ほかの人の検体で出して陰性確認を取るということなんかも、こういうことも起き得るんじゃないかと思いますが、その点はどうお考えですか。

#169
○河村政府参考人 お答えいたします。
 御指摘の観客に対する検査の件でございますが、政府として具体的な検討を行っている事実はございません。
 その上で、東京大会における観客の在り方につきましては、いわゆる五者会議におきまして議論をしてきたところでありまして、既に海外からの観客受入れについては断念することで合意をしているところです。
 また、大会の観客数に係る判断につきましては、変異株による国内感染の状況も踏まえ、スポーツイベント等における上限規制に準ずることを基本に、六月に合意することで話がまとまっているところであります。
 政府といたしましては、引き続き安全、安心を最優先に、東京都、大会組織委員会、IOCなどと緊密に連携し、大会に向けた準備を行ってまいります。

#170
○宮本委員 検討を行っていないと言うんですけれども、検討を行っているから報道もあるんでしょうし、今朝もNHKのテレビに、大学の先生が、この検査の計画に携わっているという方が出てしゃべっていましたので、もうちょっとちゃんと話してほしいなと思いましたけれども。いずれにしても、本当に命と感染対策最優先で、政府を挙げて考えていただきたいということを申し上げておきたいと思います。
 以上でオリンピック関係は終わりますので、尾身会長、お忙しいところありがとうございました。大変参考になりました。
 それでは、育児・介護休業法に関わって、今日はマタハラ、パタハラについてお伺いをしたいというふうに思います。
 厚労省の委託調査でも、育休制度などを利用しようとした男性の四人に一人がパタハラを受けていたということであります。大企業でも横行しております。
 大手のアシックスの男性社員、都内のオフィスでプロモーション業務などを担当していたが、長男が生まれ、約一年間の育児休業を取得した。職場復帰後、つくばみらい市の物流センターへの出向が言い渡された。荷降ろしや梱包など、これまでの業務とは全く違う内容を命じられ、その後、出向を解かれ都内のオフィスに戻ったものの、業務命令がなくなった。社則の英訳作業などをしていた。男性は、ハラスメントに当たるとして、アシックスに慰謝料などを求め提訴し、三月に和解をしております。
 アシックスは、東京オリンピックのスポンサー、東京二〇二〇のゴールドパートナーでもありますが、こうした大企業がパタハラ裁判の当事者にもなっている。こういうことを、大臣はどう感想を持たれていますか。

#171
○田村国務大臣 個別の事案のお答えは差し控えさせていただきたいと思いますが、一般的に、育児休業等々で不利益取扱い等々をしてはならないわけでありますし、こういう育児休業等々を含めて、ハラスメントということに対しては、その防止措置をやはり企業として、事業主として講じなければならないと義務づけているわけであります。
 もし違反ということになれば、当然、助言、指導、勧告という形になってくるわけでございまして、場合によっては企業名の公表ということもあり得るわけでございますので、我々としては、このような、パタハラを含めて、ハラスメントということが起こらないようにしっかりと対応していかなければならないというふうに考えております。

#172
○宮本委員 前回の法改正で、事業者にマタハラ、パタハラの防止措置というのが義務づけられたわけですけれども、実態はそれほど変わっていないわけですね。
 参考人質疑が先日、本委員会でもありましたけれども、全労連の舟橋参考人が紹介した実態調査でも、妊娠、出産、育児に関わってハラスメントを受けたことがあるは一六%で、五年に一回調査しているそうですけれども、五年前よりも若干増えたという話でございます。
 マタハラネットの皆さんは、防止策として、妊娠、出産や育児、介護休業を理由に解雇や退職勧奨をした事業主に対する過料と社名公開、また、妊娠、出産や育児、介護を理由に不利益な評価をした事業主に対する過料と社名公開などを提言しているわけですけれども、やはりマタハラ、パタハラ防止ということを考えた場合に、実効性の担保には、今よりも踏み込んだペナルティーというのが必要なんじゃないかと思いますが、いかがですか。

#173
○田村国務大臣 でありますから、事業主に対して、ハラスメントを防止する措置を講じなければならないということを義務づけているわけであります。
 いずれにいたしましても、先ほど申し上げましたけれども、違反があるような件に関しましてはしっかりと助言、指導をやってまいりたいというふうに考えております。

#174
○宮本委員 その枠組みではなかなか、実態としてはなくなっていないということなわけですよね。
 やはりペナルティーがないと、企業の側は、是正指導されればその段階で直せばいいという考えになってしまっているのではないか。仮に、労働者が労働局に相談しなければ、泣き寝入りしていたら、事業主側のやり得というのが今の状況なわけですよね。ですから、なかなか今の防止措置だけではマタハラ、パタハラの根絶には至らないのかなというふうに思いますので、更なるペナルティーを是非検討していただきたいと思います。
 さらにもう一点、ILOの百九十号条約、暴力及びハラスメント撤廃条約ができましたが、我が国は、批准に必要なハラスメントを禁止する法律がありません。マタハラ、セクハラ、パワハラなど防止の指針はあるわけですが、そこに入らないハラスメントもたくさんあります。
 また、事業主への防止措置、先ほど大臣おっしゃいましたけれども、それはあるわけですけれども、ハラスメントの主体は様々で、やはりみんながハラスメントは駄目だという認識を持つ上で、事業主への防止措置だけでは不十分で、ハラスメントは人権侵害であり許されないことなんだ、こういう規範を国が法律でつくっていくということが私は大変大事だと思います。
 ハラスメントが法律で禁止されれば、これが社会のルールになる、社会全体でハラスメントをなくそうという意識が醸成されていくことにもなります。そうなれば、ハラスメントの抑止にもなっていくというふうに思います。行政がハラスメントを認定し被害者を救済する上でも、私は禁止法は不可欠だというふうに思っております。
 そこで、マタハラ、パタハラも含めハラスメント禁止を明確にした法整備に踏み出して、ILO百九十号条約を批准すべきではないかと思いますが、大臣の御決断を求めたいと思います。

#175
○田村国務大臣 ILO百九十号条約でありますが、今、六か国ですかね、批准されておられるということでありますけれども。
 これは昨年施行された改正法においても議論をされておるというふうに思いますが、要は、まず定義、これは当然、条約を結ぶためには、批准するためには定義づけなければならない、つまり、禁止しなきゃなりませんので、禁止して罰則を置くということになれば、ハラスメントの行為、これの定義づけをしなきゃならない。議論の中で、なかなか定義をつけるのが難しいというのは、委員もそういう御議論があったのは御承知だというふうに思います。
 あわせて、労働者以外の方々、例えば求職者でありますとかボランティアでありますとか様々な方々がおられるわけでありまして、そういう方々に対しても一定の対応をしなければならないということで、これはなかなか、我が国においてそこまでまだ十分に理解を得られていないというところもあるんだというふうに思います。
 いずれにいたしましても、もう既に法律自体施行されているものがございますので、しっかりと周知をさせていただいて、その実効性といいますか効果を我々は見ていかなきゃならないというふうに思っております。

#176
○宮本委員 何か大変後ろ向きな答弁で残念なんですけれども。
 定義とおっしゃいますけれども、セクハラの防止の指針にしろパワハラの防止の指針にしろ、何がセクハラで何がパワハラでというのは、それはちゃんと定義もつくって、事例も既に厚生労働省自身示しているわけですよね。あるいは、海外でいえば、EUやイギリスの平等法では、ハラスメントは、他者の尊厳を侵害する行為であり、脅迫的、敵対的、品位をおとしめるような屈辱的な行為であり、さらに、不快な環境をつくる行為であるというふうになっていて、それは定義ができないわけではないわけでありますよ。
 条約を作るときには、日本政府自身は賛成票を投じたわけですよね。やはりその立場に立って、批准に向けて法整備を、真剣に検討を進めていただきたいということを申し上げまして、時間になりましたので、質問を終わります。

#177
○とかしき委員長 次に、青山雅幸君。

#178
○青山(雅)委員 日本維新の会・無所属の会、青山雅幸でございます。
 ちょっと通告の順番を変えまして、三番、四番、一番、二番の順で聞かせていただきます。
 私、昨日、科学技術特別委員会で、半導体に関する参考人質疑をやりました。その中ですごく勉強になったのは、今、日本の半導体産業、基本的に、半導体を造る方では、もう全然、全然と言うと失礼なんですけれども、かなり世界に置いていかれている、そんな中で、造るための装置とか原材料みたいなもの、これはもう物すごいシェアを持っていると。
 今、世界の造る方のトップは、製造委託を受けるのはもう圧倒的に台湾のTSMCというところでして、インテルでさえもできない七ナノミクロンの製造を可能なものですから、インテルももう自社生産を諦めてそちらに移すんじゃないかと言われているそうです。
 そういうすごいトップ企業にどうやって日本企業が食い込んでいるかというと、朝、ミーティングする。昼、ミーティングする。夜、ミーティングする。朝会、昼会、夜会ですね。何か課題を突きつけられる。夜、突きつけられる。それで、朝、改善策を提案する。昼、どういうふうになったか。夜、もう一回駄目出しをされて更にやると。常に、もう本当に一〇〇%の努力で、結果を出す、要求に応えていくということに関して一生懸命やっていると。
 私は、大変恐縮なんですけれども、厚労省あるいは国が、なぜこの日本が感染者数が少ないのに結果が悪いのかと。国民が少なくとも満足するような結果が出せていないし、例えば病床数にしても、病床数自体はいつも言っているようにキャパはあるのに、足りないところに回すということができない。あるいは、自宅療養あるいは施設療養しているところの、療養ではなくて隔離になってしまって、医療からの隔離になってしまっていて、前回もたしかいろいろな委員が言われていたと思いますけれども、隔離されている最中に死亡するというような残念な事件が起きている。
 これは、不断の努力で療養の質を上げていく、療養の名に値するような、医療からの隔離ではなくて医療をきちんとしていくというような、それが日ごとに改善するという努力がちょっと足りないんじゃないか。つまり、現場仕事に対してもっと注意を向けていただきたいと思うんですね。
 何で、ちょっと前置きが長くなりましてそういうことを言うかというと、ホテルの療養、これが大変駄目なんじゃないかというような情報が入りまして、私、その方と直接コンタクトを取りまして、本当は配付資料にしたかったんですけれども、いろいろな諸般の事情があって配付資料でできなかったので、ちょっと申し上げます。これは、SNSに投稿されていた内容です。
 今、ホテル療養というのは、それは自治体によるんでしょうけれども、経験不問なバイト看護師でやりくりしている状況である。一日一回程度のテレビ電話が問診手段だから直接観察ができないので遠距離戦で、看護師の力量によってかなり差がある、観察にですね。直接目で診るよりも更に、遠隔療養ですから余計診にくいわけですから、よっぽど気が利く人じゃないと難しい。そんな中で、いろいろ見えてきたものがあると。
 まず一つ、これは療養の質とは関係ないんですけれども重要な情報だなと思うので申し上げると、男性は、七割方、七割というのは数えたらしいですけれども、喫煙が日に二十本、BMIは二五。リスク要因としてあるような方ですね、いわゆる肥満、そして喫煙者。基礎疾患なしと言うんですけれども、よくありますね、三十代、四十代の方で基礎疾患がなくても重症化なんと言われています。実際には、そういう若い方は余りお医者さんに行かないですよね、かかれば基礎疾患として診断されるような方が、単に、通院歴がないので、受診歴がないので基礎疾患なしにされているだけのような印象を受けると。これは一つ、私は大変重要だと思います。
 というのは、例えば、きちんと医師の診察を受けていれば、血圧、あなた高いですね、血液検査を受ければ、血糖値が高いですね、これは実際には糖尿病ですねなんという診断を受ける方が、見過ごされて基礎疾患なしとされていて、いきなり重症化してみたいなパターンがあるんじゃないか、こういう指摘をされているんですね、この方は。
 この方は、ベテランの看護師さんで、たまたま休暇を利用して、ちょっとのぞいてみよう、現場を体験してみようということで行かれたということですけれども。
 重要なことは、水、水分の補給が足りていないと。発熱性疾患であれば水分の補給が重要なのは、これは当たり前の話なんですけれども、自己療養に任せてしまっているものだから、そういう基本のところが完全におろそかになっている。自分はそういう経験からきちんとそれを聞いて指導もしているんだけれども、何も言わない人もいるし、そもそも、マニュアル的にやると、SpO2と熱だけ気にしていればいいんだ。こういうことで、そういったところがおろそかになっているから、そのホテル療養なんかで悪くなる人がいる、自宅療養なんかも同じですね、いるんじゃないか。正しい療養ができていないと。
 それから、ビジネスホテルの閉鎖された狭い空間でストレスがたまらないわけはない。それはむしろ悪くなっちゃう、病は気からという言葉があるように。それから、うつ病の人なんか、もっとどんどんうつ病ぎみになってしまう。出ることが決まった人は、牢獄から出所やと決まって言うと。つまり、劣悪な環境に押し込めちゃっているわけですね。
 もう一つ重要な指摘は、鼻水とかせきやたん、これは無症状だと言う、こういう人たちはよくよく聞かないと。無症状から感染とよく言われるんですけれども、本当はそういう発症しているのを見逃しているだけじゃないかというような指摘もあって、私もそこは本当にきちんと調査してもらいたいなと思うんですね。そこがあるかないかで感染対策は大分変わってくると思うので。
 結局、この人が言っているのは、ホテル療養なんて適当なものになってしまっているのが今の実態だ、ちゃんと病院やクリニックで診させるべきだと。私も本当にそう思います。後で聞きますけれども、どういうふうな指導をされているのかということですけれども。自己管理ほど当てにならないものはないので、もう五類に戻してこれまでどおりに医療を受けていた方がよほど助かる人が多いんじゃないかと。私もそう思っています。
 何でこれを長々紹介したかというと、こういう実態が実際あるわけです。恐らく、厚労省はこういう実態にまで踏み込んで御存じないと思うんですね。
 そこでお聞きしたいのは、こういう今言ったような実態の調査をされているのか、そして、どういうふうな療養指導をするように、何か具体的な指示なり示唆なりされているのかということをまずお聞きしたいんですけれども。

#179
○正林政府参考人 御指摘のように、さすがに我々も、お一人お一人の患者さんがどのように処遇されているかまでを把握するのはちょっと難しいかと思っています。
 宿泊療養の場合、患者さんの方々に対して、症状に変化があった場合には速やかにこれを把握して必要な医療につなぐ、そういうことが重要ですし、それから、そのためには、保健所が定期的に健康観察を行って、症状に変化があった場合に備えて、患者からの連絡とか相談に対応する体制をきちんと構築するというのがあるべき姿だと思っています。
 具体的に、厚生労働省からは宿泊療養マニュアルというものをお示しして、保健師又は看護師をちゃんと配置する、それから、医師について、日中、夜間を通して少なくともオンコールで対応する、そういったことをお示ししています。
 各都道府県で、緊急的な患者対応方針として、症状を迅速に把握して、必要な際にはオンライン診療などにつなげられる体制を整備する、それから、一部の施設について健康管理を強化した宿泊療養施設として整備する、そういった取組を行っているというふうには承知しています。
 今、宿泊療養確保計画の見直しを各都道府県でやっていただいていますので、その計画の提出に際して、更に状況を把握してまいりたいと思っています。

#180
○青山(雅)委員 世の中、最初からうまくいくことはないわけであって、これも本当に手探りの中から前例のないことをやっています。
 たしか私、申し上げたことがあったと思うんですけれども、SpO2、サチュレーションをきちんと測ってくださいよ、配ってくださいよというのを去年あたり言ったような記憶はあるんですけれども、そこはさすがにもうクリアされていると思うんですね。だけれども、今言ったような、例えば飲水であるとか、細かい観察状況、指導状況についてもやはり一歩踏み込まないと、意識の高い都道府県ではそういうことまで踏み込んだ、今おっしゃったような計画をやるでしょうけれども、そうじゃないところはバイトに任せっきり、バイトと言うと失礼ですけれども、バイトの看護師さんに任せっきりみたいになる可能性はあるんですね。
 なので、是非ちょっとそこを、そういった細かいところまで踏み込んだやつを検討していただきたいと思うんですが、ちょっと重ねて、今の点、どうでしょうか。

#181
○正林政府参考人 先ほど申し上げたマニュアルというものを既にお示ししていますし、それからお金の面では、緊急包括支援交付金、そういったものを活用して、御指摘のパルスオキシメーターとか、それから、望むらくは医療関係者が関わっていただくのがいいので、往診とかオンライン診療、そういったものに係る医療費についてはこの緊急包括支援交付金でカバーするようにしています。もし保健所が大変であれば医師会に委託する、そういうやり方もお示ししておりますし、現にそういうことを実践している自治体もあるやには聞いています。
 どこまで細かく各自治体にやり方をお示しするか、それは今後、先ほど申し上げた計画の見直し、いずれその見直し結果を上げていきますので、それを見ながら考えていきたいと思います。

#182
○青山(雅)委員 最後のところだけ聞きたかったわけですね。要は、今のじゃ足りないからもっと細かくやってくださいよと。
 最初、事細かに半導体の例を出したのは、民間は結果を出そうと思ってもっと熱心にやるんですよ。朝昼晩で、オンラインで台湾の会社と連絡して、ここを改善しろ、できたかどうか、チェック・アンド・エラーを繰り返しているわけですね。
 ところが、そういうのを出しています、マニュアルを出しています、終わりじゃ駄目なんですよ。だから待機死とか出ているので。その事実は知っていらっしゃるわけだから。出しているのは分かっています、今聞きました、最初にね。その上で、さらに、それじゃ不十分なところを結果に基づいて改善しようという熱意を持っていただきたいということなので、是非お願いします。
 いつも同じことです。厚労省、結果に対してもっとシビアに、責任感というか、関心を持っていただきたい。通知を出して終わりじゃないものですから。常に改善してやっているというのが普通の行政以外の民間などの在り方だし、そういうところだけが世界で勝っていく。そこをちょっとよく考えていただきたいと思います。
 そのことで関連して、今度は大臣にお聞きしますけれども。
 今言ったように、結局、不十分な対応しかできていませんし、そこに対しての関心が薄いわけですね、厚労省。こんなことでは国民が迷惑するだけですから、やれるんならやっていただきたい、きちんと。やれないんだったら、もうこういった感染症法の規定を改めて、自宅待機だのホテル待機だの不十分なことをしないで、本人が自由に、具合が悪くなったら医者にかかれるという当たり前の、人間としての、憲法上の権利だと思うんですね、それは。そういったことが全うできるような形に改めるしかないので、どっちにするのか、大臣にはっきりとお答えいただきたい。

#183
○田村国務大臣 感染症法で規定されております感染症でありますから、これに関しては、自由に医師、医療機関にかかっていただくというわけにはいかないわけでありまして、そういう意味で、自宅待機でありますとか、ホテルに入っていただく、場合によっては医療機関に入っていただくわけであります。
 本来、一義的には自治体も政府ですから、地方政府ですから、我々がこういうことをやっていただきたいということをしっかりやっていただくというのは当たり前の話です。それは住民の命を預かっていただいているわけですから。一々、一つ一つ政府が、国が各自治体に事細かくというのは、それはできないのも、これは物理的に無理なところがあります。そういう意味からすると、申し訳ありませんが、我々としては、しっかりとしたものをお出しをさせていただいて、できていないという話があれば、そこにはより厳しくやっていただくように、住民の命がかかっていますので、これは指導していきたいというふうに思っております。
 いずれにいたしましても、感染状況が非常に速いペースで大阪なんかは進んでしまいましたので、実際問題、大阪の担当者の方とは我々もオンラインで週に一度いろいろな議論をさせていただいておりますけれども、若干遅れられましたけれども、夜に対してもオンコールでちゃんと対応できるような体制を組むというようなお話を、これは三週間ぐらい前でしたか、お話をいただき、よろしくお願いいたしますというようなこともお願いをさせていただきました。
 我々、情報を密に、私、大臣が常に情報を取るわけにいきませんので、私も日々国会対応もさせていただいておりますから、職員の方に、各都道府県の問題点があればしっかりとそれを確認して、その上で更に、厚生労働省が出張っていって現場に張りつくわけにいきませんので、各自治体にそのような対応を取っていただくように。自治体が無理ならば、先ほどお話がありましたとおり、医師会等々にも御委託もできるわけでございますので、そういう対応を取っていくように、きめ細かく更に我々としては指導させていただきたいというふうに思っております。

#184
○青山(雅)委員 最後のところは、答弁としてはそのとおりだと思います。
 ただ、私、残念なのは最初の方です。それは、確かに自治体が第一義的に責任を負うのかもしれません。だけれども、結果として国民に不幸を招きたくないというのが当たり前だと思いますし、大臣だったらそこが一番じゃないんですか。誰の責任だとか言っているんじゃなくて、目で見て、自治体によってできていないところがあれば、そこをちゃんとやれよと。それを別に大臣が自ら言わなくても、そこを指示しろよというふうに、あるいは指導しろよというふうに呼びかける。誰の責任なんという言葉が出てくるとは私は夢にも思っていませんでした。
 少しでもいい結果を出そうと思ったら、もっと、さっき言ったように、結果に責任を持つのは、最終的には一人一人の国民の命に責任を持つのは厚労大臣なんだから、そっちにもうちょっと気を配ってくださいよ、誰の責任とかそういうことじゃなくて。だから、そこのところを私はちゃんとやっていただきたいと思うんです。

#185
○田村国務大臣 住民の方々の命が一番でございますから、やはり自治体にも、しっかりとそこは、できていないならばしていただかなきゃならないんです。厚生労働省が全て、全国民の対応は難しいわけでありまして、そこは連携をさせていただくということは以前から申し上げております。もしできていないのであるならば、それに対しては、していただくように厚生労働省としてはきめ細かくお願い、対応はさせていただきますけれども、やはり一番住民に近い自治体の皆様方にそこはお気づきをいただいて対応いただくということ、これは大変重要だと思いますので、そこはお互いに協力しながら対応してまいりたいというふうに思います。

#186
○青山(雅)委員 私が申し上げたのは結局そこなんです。もしできていないというところが、誰も知らない。今言ったような言葉をこうやって拾い上げたのは、多分、国会では私は初めてだと思うんです。できていない実態があるんだからやってくださいとお願いしているんです。
 だから、それが国の責任だとかなんとか言っているんじゃなくて、私も先ほど言ったのは、今後そういうふうにしてきめ細かいものをつくってくださいよという今後の話をしているんです。ですから、私は、今こういうふうにうまくいっていないのが政府の責任と言うつもりはないし、そんなことは言っていません。なので、きちんとできていないところがあるということを今御提示さしあげたわけですから、今後きちんと指導なりしてください、それをお願いするということでございます。
 それから次に、非常に重要な問題として、ファイザー製ワクチン、十二歳以上への適用が拡大されました。これは私は非常に疑問なんだけれども、何で、まず、これは十二歳以上に対象年齢を引き下げることになったんでしょうか。

#187
○正林政府参考人 お答えします。
 ファイザー社製の新型コロナワクチンに関しては、PMDA、医薬品医療機器開発機構において有効性、安全性などを確認した上で、審議会で御確認いただき、接種対象年齢を十六歳以上から十二歳以上に引き下げる添付文書の改定が行われました。その後、一昨日、五月三十一日に開催された厚生科学審議会において了承され、昨日から十二歳以上は予防接種法の臨時接種の対象となったところでございます。
 厚生科学審議会においては、十六歳以上の方に接種した場合と同様の有効性、安全性が期待できること、それから、十代において十万人当たりの陽性者数は六十代、七十代よりも多く、医療提供体制に一定の影響を与えていると考えられることを踏まえ、接種を希望する方の接種機会を確保するなどの考慮をして対象者を広く設定する観点から、十二歳以上に拡大することとしたものであります。
 未成年者に関する情報を含め、引き続き国内外の副反応に関する情報を迅速に収集、評価するとともに、適切な情報提供に努めてまいりたいと考えております。

#188
○青山(雅)委員 配付資料の二番を御覧ください。
 これは厚労省自身がお作りになって出しているものですけれども、十代、今回関係するのは十二歳以上ですから、十代の重症者、今現在ゼロです、ゼロ人。死亡者もゼロ人です。これを見て、どこに医療体制に一定の影響を与えているんですか。そのことだけ明確に答えてください。

#189
○正林政府参考人 確かに、十代の死亡者は確認されておりませんし、それから重症化する割合もほぼゼロではありますが、十六歳以上の方に接種した場合と同様の有効性、安全性が期待できることと、それから、十代において十万人当たりの陽性者数は六十代、七十代よりも多く、それはやはり医療提供体制に一定の影響を与えるものではないかというふうに考えております。

#190
○青山(雅)委員 軽症者、無症候者がほとんどなわけですよ。何で一定の影響を与えるんですか。六十代以上も確かに罹患率は低いけれども、六十代以上は重症化率もそれから死亡率も全く、ゼロとの比較ですから比べ物にならないほど大きいわけですよ。
 罹患率だけ一緒だからといって、何でそういう結論になるのか全く理解できないんですね。そして、何でそれを言うかというと、御承知のとおり、このワクチンというのは副反応が一般のワクチンに比べれば物すごい高いわけですよ。三十七・五度以上の熱が出る人が、二回接種でたしか三割から四割以上、ほかのものを含めれば五割以上出るわけですね。それで、二回接種以降、休むのが当たり前なので、ワクチン休暇を取る制度を創設するべきだという議論まで行われている。
 重症化率がゼロの子供、今現在はゼロです、死亡率もゼロの子供に対して、副反応が一般のワクチンよりも強く、長期的予後については今のところ明らかになっておらず、しかも、死亡という結果だけ見れば、因果関係ははっきりしていませんけれども、ほかのワクチンよりも圧倒的に高い。
 たしか、この間、インフルエンザワクチンでは脳出血で死亡例は一例しかなかった、四千万人で。だけれども、このワクチンは一体何例出ていますか。

#191
○正林政府参考人 お答えします。
 安全性に関してですけれども、海外における十二歳から十五歳の約二千人の臨床試験の結果によれば、発症予防効果や中和抗体価の上昇が認められ、有害事象の全体的な傾向については十六歳から二十五歳と同様であり、ショックやアナフィラキシーといった重篤な有害事象の発現は認められないことから、現時点では有効性がリスクを上回るというふうに考えて、その結果承認され、さらに、臨時接種の対象になったと考えています。

#192
○青山(雅)委員 これもまた詭弁ですね。二千例ばかりでは、そんなものは出るわけないじゃないですか。
 アストラゼネカの血栓症による死亡例が二千例くらいので起きていますか、治験で。脳出血だって、日本で四百万人のところで、脳出血で死亡例がたしか、何人でしたかね、十人くらい、もうちょっと少なかったかな、多かったかな、十人前後出ているわけじゃないですか。
 それは確かに因果関係ははっきりしていません、アストラゼネカと違って。ただし、先ほど言ったように、四千万人で一例しか出ていない脳出血が四百万人の段階で、六人だったかな、たしか、ごめんなさい、曖昧な記憶で申し訳ないけれども、出ているということもやはり重要に考えなきゃいけない。
 十二歳以上の子供にそういった有効性が認められる、それは有効性が認められるのはいいけれども、果たしてその子たちにその必要性があるかという話ですよ、死亡率がゼロなわけだから。
 そういうことをやはり大人は考えてあげなきゃいけないし、長期的予後は不明なんだから、まあ私は、いいですよ、高齢者が自分の判断で打つことに何にも反対していません。それはそれで社会的な意義もあるし、それはいいと思う。だけれども、十二歳以上の子供に、承認してこれからがんがん打っていくなんということがあれば、それはちょっと無責任だと思うんですけれども、大臣の見解を求めたい。

#193
○田村国務大臣 先般、PMDAでいろいろと、十二歳からというようなところに関して審査いただいた上で、最終的に添付文書を書き換えさせていただきました。これは、元々、ファイザーがその有効性というものをお示しになられて、海外の情勢を見ると、アメリカ、カナダ等で五月から接種をこういう御年齢の方々にもされておられるということを踏まえた上での判断だというふうに理解いたします。

#194
○青山(雅)委員 私が大臣に是非お願いしたいことは、最初にこの問題を、未成年に打つかどうか聞いたときには、そのときは治験をされていなかったから当然、適応になりませんよという話で、全然そんなことは想定外みたいな話をされていた。だけれども、今、実際こうやって承認されている。是非、これを積極的に国が勧奨して例えば学校で打ち始めるなんということは物すごく慎重に考えてくれなければ、子供たちに何かあったときに私たち責任を取れませんから、そこは慎重にお願いしたいということを最後に強く申し述べて、今回の質問は終わりにさせていただきます。
 ありがとうございました。

#195
○とかしき委員長 次に、高井崇志君。

#196
○高井委員 国民民主党・無所属クラブの高井でございます。
 今日も総合支援資金の話をまずさせていただきたいと思います。
 これは、これまでもう何度となく、総合支援資金の、特に不承認になってしまった人をどうするんだ、それから、再貸付限度額になってしまった人をどうするんだということをお願いしてきましたけれども、先般、公明党さんの力強い御支援もあって、生活困窮者自立支援金というものが、五月二十八日に総理の記者会見でも発表され、厚労省のホームページにも出ました。
 私も、ずっと訴えてきたことが一定程度認められたのかなと喜んではいたものの、実は、私のツイッターにはその日以降も非常にたくさんのツイートが来ておりまして、正直、評価するのは一割ぐらいで、九割ぐらいは、はっきり言ってこれでは足りないという厳しい御指摘なんです。今日、配ろうかと思ったんですけれども、こんな大量に来ていまして配れませんでしたので、厚労省には事前にお渡ししていますので目を通していただいていると思いますけれども、ちょっと幾つか読み上げさせていただきます。
 例えば、三か月あれば、ワクチン接種もある程度進んでいると思います。そうすれば、仕事や就職などいろんな面で明るい展望が開けています。給付金案が出ていて大変ありがたい話ですが、これは支援金のことですね、金額面でこれではとても乗り切れません。再貸付け延長、あと三か月助けてください。
 次の方は、今収入が少ないから返済能力に問題があると誤解されるのはあんまりです、ワクチンが行き渡って新型コロナが落ち着けば、十分返済可能なぐらい稼げますと。
 別の方は、総合支援資金の再延長をお願いします。私たち国民を助けてください。母親を道連れにと考えています。先生の動画を拝見させていただき、涙が出ました。仕事が見つかりませんが、必ず返済いたしますので、総合支援金の再貸付けをお願いいたします。
 このままだと、何年か前に流行語になった保育園落ちた日本死ねみたく、総合支援資金の再延長なくなった自殺するみたいな言葉になる人がたくさん出ますよ、本来の制度の十二か月になるように頑張ってくださいと。
 総合支援資金の再々貸付けを一か月でもいいのでお願いします。緊急事態宣言が再延長となった今、本当に困窮しています。よりによって、六月に車検があって、田舎に住んでいるので、車がないと、短縮営業して、仕事にも行けませんと。
 あるいは、ハローワークで求職というのはおかしいでしょうと。これは、自立支援金の条件にハローワークで求職することとあるんですね。ハローワークで求職というのはおかしいでしょう、自営業をしているんですが、コロナ禍、宣言があり仕事がなくなっているだけですよ、この時期さえしのげばまた生活はできるようになります。総合支援資金再貸付け延長をお願いしたい、早急にお願いします。
 それから、最後に、これが非常によく表していると思うんですけれども、毎日が苦しいです、総合支援資金だけが頼みの綱でした、命のともしびが消えていくのを毎日感じながら生きています。国は必ず返すという約束をどうすれば信じてくれますか、必ず返します、税金を人より高くしてくれてもいいです、とにかく今を乗り越えたいだけです、ワクチンが普及するまで、あと三か月貸してくださいと。
 本当に、私は給付でもっと喜んでくれるかなと思ったら、やはり額が少ない、それから条件がかなり厳しいというふうに見ておられて、その結果、やはり貸付けでもいいから、とにかく総合支援資金再貸付けをお願いしたいという声がたくさん来ておりますが、まずちょっと事実関係を聞きたいと思います。
 局長に聞きますが、これは、総合支援資金の再貸付け、二月十九日以降の申請件数と貸付件数、それからその金額、総額が幾らか。このうち、総合支援資金で再貸付けになった人のうち、大体この自立支援金でどの程度カバーされるというふうに見込んでおられるのか。お答えください。

#197
○橋本政府参考人 まず、総合支援資金の再貸付けの直近の状況でございますが、今年の二月十九日から五月二十二日までの速報値でございますけれども、申請件数が二十八万六千五百四十七件、決定件数が二十七万五千九百十七件、貸付けを決定した金額は千四百三十八億円というふうになってございます。
 それから、もう一点の新型コロナウイルス感染症生活困窮者自立支援金の支給対象者数の見込みでございますけれども、総合支援資金の再貸付けを申請した世帯のうち、約二十万世帯強ぐらいを対象と見込んでおるところでございます。

#198
○高井委員 私、今お聞きしてちょっとうれしかったのは、二十八万六千のうち二十七万五千九百だから、不承認と思われる人が約一万人ですね。前に聞いたときは二万五千人ぐらいいたんですね。これが大分、私もしつこくお願いをして、不承認を何とか救ってほしいという話をして、二万五千が一万まで減ったということは評価しますし、恐らく、この不承認になった人も今回の自立支援金の対象には間違いなく入ると思いますが、その二十八万六千件のうち二十万人が対象になると考えていいんですか。

#199
○橋本政府参考人 再貸付けを受けておられる方につきましての収入がどのくらい、あるいは資産がどのくらい、そういったデータがあるわけではございませんので、正確な見込みを立てることはなかなか難しいところでございますが、六月末までに貸付けを受けられるであろう推計の人数、それから、これまで総合支援資金を初回貸付けから延長貸付け、そして再貸付け、こうやってきたわけでございますけれども、初回貸付けから大体どのくらいの割合の方が延長貸付けの方に移行されたかどうかといったところの率の推計、そういったものなどを総合的に勘案して、大体二十万強ぐらいというふうに見込みを立てているということでございます。

#200
○高井委員 今の御答弁は安心されると思うんですね。条件が厳しいように見えるんですけれども、私、これは結構、だから、よく読んでいただく、また厚労省からよく説明していただいた方がいいと思いますけれども、大半の方は自分たちはこの条件じゃ当てはまらないと思っちゃっていて、二十八万人の方が自分は対象にならないといって怒っておられるんですけれども、今の話だと、ほぼ、二十八万六千のうち二十万強が対象になるということであれば、もちろん、残りの八万六千人どうするんだということもあるんですけれども、一つ安心材料ではあります。
 あと、一方で、山井さんなんかは、さっきも言われたんですけれども、これは、貸し付けていない人はどうするんだ、貸付けを受けていない人、そういう方もやはり私のツイッターにもいるんですよ。貸付けはやはり怖くて、借金は私は怖いからやっていません、本当に細々と生きてきましたと。しかし、今回の対象にならないんですかといってびっくりされて怒っている方もいて、それはそれで私は重要な指摘なので考えていかなきゃいけないと思いますが。
 ただ、私は、この総合支援資金をずっと取り組んできた立場からすれば、一定の、二十万人がほぼその対象になるというのは評価したいと思いますが、ただ、やはりこの支援金の制度の中身だけ見ると、非常に、例えば、収入が市町村民均等非課税の十二分の一プラス住宅扶助基準額、これは住居確保給付金に沿ってということなんですけれども、あと、評判が悪いのは、預貯金が百万円以下という、これはどうやって調べるんだとか、いろいろ、私も、だから、厳格に調べ出したら事務がとんでもなく大変になるし、正確に調べられませんから、そこはある程度自己申告というか性善説でやってもらえると、是非お願いしたいと思います。
 あと、もう一つは、ハローワークでの相談、応募、面接等をしているということが条件なんですが、これだけ読むと、働いているけれども駄目なのかと。働いて収入が半分に減っちゃった人が、これじゃ対象にならないじゃないかという心配の方がすごく多いんですけれども、そこは、局長、いかがですか。

#201
○橋本政府参考人 今回の支援金につきまして、詳細な中身につきましては、今、目下鋭意検討中でございますけれども、制度設計に当たりましては、住居確保給付金の制度設計を参考にさせていただいているところでございます。収入要件あるいは資産要件といったところについてはそうでございますし、また、就職活動要件を設けているというのもそれと類似する面がございます。
 それで、今回の自立支援金につきまして、働いている人はどうなのかというお尋ねでございますが、働いている方でも、収入や資産等の一定要件を満たしていれば支援金の対象になるというふうに考えてございます。住居確保給付金と同様、ハローワークへの登録ですとか、あるいは職業相談などの求職活動要件を設けるということも予定させていただいているところでございます。

#202
○高井委員 働いていてもハローワークに登録というのは、つまり、あれですよね、副業とかそういうことも含めて。働いていてというのは、どういうことですか。

#203
○橋本政府参考人 この支援金の申請をなさるということは、やはり、なかなか今働いて得ておられる収入では暮らしていくのは難しい、そういう状況にあるということが背景にあるというふうに思いますので、この支援金、三か月の支給を行いますけれども、その後が永続的に続くものではございませんので、やはり今よりもより収入の高い仕事を探していただく、あるいは今御指摘いただきましたような副業的な形でもう一つ別の仕事を探していただく、そういった様々な方策を考えていただいて、それに努力をしていただくということを要件にしたいと考えているところでございます。

#204
○高井委員 努力をする、今の収入のままでは少ないから、それを何とか増やすための努力の一環としてハローワークに登録する、大臣も大きくうなずいていただいたので、そういう理解だということですから、今働いている人でも当然もらえる。また、もちろん、今ハローワークに登録していないんだけれどもどうしようなんという人もいますけれども、当然これから登録に行けばいい。大臣もうなずいていただきましたので、そこは安心をいたしました。
 ただ、いずれにしても、この金額ですね。金額が、単身六万円、二人世帯八万円、三人で十万円というのが、総合支援資金の半分なんですね。やはりこれでは暮らしていけないという声が非常に多くて、私のツイッターには、もう借金でいいから、貸付けでいいから、もう二十万円、毎月二十万貸してくださいという声がやはりすごく多いんですね。
 私は、この自立支援金は評価しますので、給付がいい、給付で是非お願いしたい、半額になっても給付でいいという方はこっちをやっていただいて、そうじゃなくて、やはり貸付けでいいから、必ず将来返せるから、だけれども今が本当に困るからという方には総合支援資金の再貸付けをする。この二重で、両方やる、組合せでやるというのが一番喜ばれると思うんですけれども、大臣、何とかこれをやっていただけませんか。お願いします。

#205
○田村国務大臣 緊急小口資金、総合支援資金の特例に対して非常に評価をいただいておる委員にこう申し上げるのもつらいんですけれども、やはり、もう全体で最大二百万まで来る中で、まだ苦しまれている方を、最後、就職につなげていくためにどうすればいいんだ、もちろんそれは自営業という方もおられるかも分かりませんが、要するに自立をいただくためにと言った方がいいのかも分かりません、どうするんだという中で、財政当局やいろいろなところと我々も議論をする中で、やはり、もう二百万を超えてくる中でお貸し付けをするというのも、なかなかこれは、返済をしますとはおっしゃられますけれども、実際問題、再建された後の生活があるわけですよね。これは大変つらくなってくるであろうと、基本はお返しをいただくということが前提になりますので。そこで、今回、このような形で給付をさせていただくというような仕組みにさせていただきました。
 だからこそ、基本的にこれは、緊急小口資金、総合支援資金の後といいますか、そこにつながった方々というような考え方になっているわけでありまして、なかなか再貸付けというのは難しいということで御理解をいただければありがたいと思います。

#206
○高井委員 今、大臣ぼろっと言われましたけれども、財政当局と協議してと。やはり私も財務省じゃないかと思うんですよね。今日、伊藤副大臣は来てもらっていませんけれども、午後、この後来てもらいますけれども。こんな変な条件をつけているのも、財務省がこういう条件じゃないと認めないとかいうおかしなことなので、これは是非、厚労省の立場で運用を思いっ切り緩和して、運用の中でうまくやっていただきたいと思いますが。
 それでも、私は、財務省、後で伊藤副大臣にも言いたいですけれども、例えば、二百万で、もうこれ以上借りて生活再建がいかないという方にはやはりもう免除してあげる。給付も免除も一緒ですから。ただ、今すぐ給付しなくても、今頑張れるんだという人は、その人を信じてあげて、何とか仕事を見つけて返せるかもしれないじゃないですか。だけれども、やはり二百万以上借りて、次、三か月借りたら二百六十万ですから、そうすると月二万円ぐらい返さなきゃならない、これはしんどいとなったときには、やはり返済免除。これも住民税非課税世帯だと厳し過ぎるんですね、百万以下ぐらいの年収ですから。これはやはり年収二百万とか三百万ぐらいは免除してあげるとか。あるいは、私は、返済期間を思い切って、今十年間無利子ですけれども、これを二十年無利子にしていただいて、そうすれば月二万返すのが月一万になりますから、それなら何とかなると。あるいは、もう貸付け、借金を棒引きにする、全額棒引きはむちゃでも、例えば半額にするとか。
 そういういろいろな方法があると思うので、是非これは、大臣、もう一度財務省と検討していただいて、こういうやり方で何とか再貸付けをお願いできないでしょうか。

#207
○田村国務大臣 原則貸付けということでありますが、やはりどうしてもその中において返済できないような、要するに、収入に合わせて判断すれば、これはもう常識的に返せないという方々もおられるということで、住民税非課税の方々に対して償還免除という形。しかも、これは、それぞれの貸付けの期間によって幾つかのパターンを、その期間ごとにといいますか、一定の貸付けの期間ごとに免除をしていくという話になっているわけで、それに関しては、一旦、今収入があってお返しを始めたとしても、その後何かまた大変厳しい状況が起こって住民税非課税になれば、その後の部分はまた償還免除という形になるわけでございます。かなりここは、普通では考えられないような、生活を再建いただくための、我々としては知恵を絞って、財政当局も御理解をいただきながらやったわけなんです。
 さらに、これに対して、更にこれを、何といいますか、事実上給付のような形というのは、それはまさに給付でございますので、本来の考え方とは変わってくるわけでございますので、そんな無理なく対応できるという意味からしても、これ以上の貸付けは難しいというのは、まさにこれは表裏の話になってくるわけでありまして、ぎりぎりお返しいただける範囲の中で、その収入の下にということで考えさせていただいておりますので、ここもなかなか、委員にこれだけ御評価いただいて心苦しいんですけれども、委員に対してのいいお答えにはならないということは御理解いただきたいと思います。

#208
○高井委員 いやあ、もう理解できないです。もうここで引き下がったら、私は本当に、これだけのツイッターいただいている方にもう顔向けできませんので、金曜日にもう一度質疑のチャンスがあるようですので、今度は伊藤財務副大臣に来てもらって、本当に財政当局と、そこまで財務省と調整いただいて、確かに免除の条件もつくっていただいたのならなおさらのこと、なおさら、貸して、臨機応変に免除してあげたらいいじゃないですか、そこの段階で。本当に返せなくなったときに免除をする、そういうやり方。
 もう何度も繰り返し言いますけれども、ほとんどの方は、今コロナだから、コロナで仕事がないんです。元々立派な仕事をされていた方がいっぱい借りていて、コロナで仕事がなくなっちゃった、だから貸してくださいと。もう本当に、給付とか生活保護じゃなくて、これからもしっかり働いて返すんですという方ばかりなので、是非もう一度御検討いただきたいと思います。
 それでは、人がたくさん集まってきましたので、法案の審議に入りたいと思いますが、私、法案、育休、介護休暇なんですが、実はそれと並んで大事なのが育休に入る前の妊活休暇、不妊治療、この部分を非常に大事だと思って、ちょっと質問したいと思うんです。
 私も実は不妊治療経験者でございまして、私の妻も非常に苦労しました。妻は働きながらだったので、本当にやはり働く女性が不妊治療を受けるというのは大変です。いつ、突発的に、その病院に行かなきゃならない日というのは突然来ますから、そして、行けば、大体、人気の病院というのは集中しているから混んでいるんですね。軽く三時間、四時間、私も一緒に行って待たされたことがありますし、本当に一日作業になることもある。そして、突然仕事を休むということを上司にも言いづらい、妊活とか不妊治療というのがまだまだ浸透していませんから、ということになる。
 それから、やはり一番妻が指摘していたのがキャリアロスなんですね。同じ仕事をしていて、突然休むとかいうことになったら、やはり男性の同僚に、ちょっと能力が男性の方が低くてもそっちに仕事が回るということが現実にある。そうすると、もう休めない。休めないということは、もう不妊治療を受けられないということで、そこでやはりせっかくの子供を授かるチャンスを失っているわけです。
 やはり、そういうことを考えて、一番私の妻がこれがいいという提案が、病院が、夜間、休日開けていただく。これがあれば休む必要はないわけですよ。夕方でもいいですよ。夕方四時ぐらいからちょっと早退しますなんというのはやりやすいから、やはり夕方から夜、あるいは休日、歯医者さんなんかはいっぱいやっているじゃないですか。これはやはり母数が少ないからなかなかそうならないんですけれども、私は、もう政策的に、これは政策的なインセンティブをつけてでも、休日、夜間診療が増える政策というのを是非厚労省として打ち出してほしいんですけれども、いかがですか。

#209
○田村国務大臣 今も、不妊専門の相談センター等々、そういうところで相談対応がしていただけるような、そういう形はつくっていただいておったりでありますとか、それから、厚生労働省のホームページで、治療を受けられる医療機関等々、これは助成が受けられると言った方がいいかな、今は助成制度ですから、そういうものの情報を提供させていただいたりなんかいたしておりますけれども。
 これは、令和四年度から診療報酬の中に組み入れていくという話の中で、多分委員はそういうお話だったと思うんですが、診療報酬でそれをやることで、夜間だとかまた休日を開けていただければ、これはもう自由でございますので、なかなか誘導できるのかなという気はいたしますが、今、事実これは、不妊治療をやる医療機関だけではなくて、一般の医療機関で、夜間、休日、これに対しての加算、こういうものを診療所はつけさせていただいております。
 いずれにいたしましても、言われる意味が分からなくもないので、こういうものに対してどうしていくのかというのは、ちょっとなかなか私もまだ、今、にわかにいい知恵があるわけではありませんが、言われるとおり、そういうような夜間、早朝を含めて、治療を受けられる方、相談をされる方が相談しやすいような環境というものを整備していくというのは非常に重要であろうというふうに思います。

#210
○高井委員 大臣、正直にお答えいただいたと思うんですね。私は昨日通告しましたから、恐らく大臣が知ったのは今日の朝とかで、今私がこういうふうに切実に訴えて、理解していただいたんじゃないかと思いますので、やり方は難しいかもしれません、いろいろあると思います。だけれども、それを、何としても一つでも二つでも策を打って、それがやはり一番の私は不妊治療の問題を解決する大きな鍵だと、これはもう実感しています。
 もう一つは、ホームページで、いろいろな病院が開いていると言いますけれども、これはやはりレベル差があり過ぎるんですよ。本当に人気の病院は一年待ちとか二年待ちとかいうような状況で、だから、そういう人気の病院に行くと、やっと取っても物すごく待たされるわけですね。やはり集中してしまいます。
 私、この保険適用を菅総理が打ち出したことは大変評価していますし、ありがたいと思うんですけれども、心配なのは、保険適用して診療報酬を一律にすると、治療法が今ばらばらになる中で、医療の質が低下しないか。そういういい、人気の病院のところと、何か一緒になっちゃって、全体的にレベルが下がってしまうということは非常に危惧しますので、これは思い切って、保険診療と自由診療を組み合わせたいわゆる混合診療、これを不妊治療の分野だけでもやる。何か、ある雑誌を見ていたら、厚労省幹部が不妊治療だけでも検討する価値があるみたいに書いていましたので、是非大臣、これは決断していただけませんか。

#211
○田村国務大臣 これも、保険適用化に向けていろいろと調査をする中において、ガイドラインを今作っていただいております、検討いただいておるわけでありますが、基本的に、有効性、安全性というものを確認できたものは、これは標準的な治療ということで保険に収載していく。
 一方で、そうじゃなくて、今もいろいろな知見を集積しているようなものがございます。まだ一般的に標準化されていないというような治療、これに関しても、一定程度のものに関しては先進医療として受けていただけるようなことを検討いただいておるようでございますので、そうなれば、混合診療ではないんですが、保険外併用療養、我々は混合診療という言葉は基本的に余り使わなくしておりますので、保険外併用療養というような中で、医療保険も一定程度は使いながら医療保険外のものも使っていただく、こういうことも制度の中に組み入れるべく、いろいろな検討を進めさせていただきたいというふうに思います。

#212
○とかしき委員長 高井崇志君、申合せの時間が来ております。

#213
○高井委員 今日の育休法、育休の次は、この不妊治療、妊活休暇を是非お願いしたいと思います。
 以上で終わります。

#214
○とかしき委員長 以上で本案に対する質疑は終局いたしました。
    ―――――――――――――

#215
○とかしき委員長 これより討論に入るのでありますが、その申出がありませんので、直ちに採決に入ります。
 内閣提出、参議院送付、育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律及び雇用保険法の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕

#216
○とかしき委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――

#217
○とかしき委員長 この際、本案に対し、大岡敏孝君外五名から、自由民主党・無所属の会、立憲民主党・無所属、公明党、日本共産党、日本維新の会・無所属の会及び国民民主党・無所属クラブの六派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 提出者より趣旨の説明を聴取いたします。中島克仁君。

#218
○中島委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。
 案文の朗読により趣旨の説明に代えさせていただきます。
    育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律及び雇用保険法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。
 一 男性の育児休業の取得促進については、それが男性の育児・家事参加の機会確保と男女共同参画への意識改革につながることに加え、出産・育児においては、男性も女性も一定期間、職場から離れて育児に専念するということを社会通念上も雇用慣行上も当然のものとして定着させることで、雇用・職業における女性への差別的取扱いはあってはならないし、許されないものであるとの認識の下、これを是正・解消し、真に男女が共に参画できる社会を構築することに寄与する観点で、今後も引き続き前進させるための努力を行うこと。
 二 男性の育児休業取得率を令和七年において三十パーセントに引き上げるという政府目標の実現に向けて、労働者及び事業主の理解の促進、育児休業制度の内容の周知、好事例の普及などに努めること。また、制度内容の周知に当たっては、本法による改正で複雑化した制度が国民によく理解され、もって育児休業の取得が促進されるよう、適切な広報に努めること。
 三 今回の出生時育児休業は、一定の範囲で特別な枠組みを設けることにより、男性の育児休業取得を促進するための特別な措置であり、男性の育児休業取得がより高い水準になり、この仕組みがなくてもその水準を保つことができるようになった場合には見直すこと。
 四 今回の制度改正の施行に当たっては、企業の理解を得た上で実施していくことが必要となることから、全ての労働者が育児休業の権利を行使できるよう、小規模事業者であっても活用できるような形で代替要員確保や雇用環境の整備等の措置に対して支援を行うなど、事業主の負担に配慮した制度運営を行うこと。
 五 事業主はその雇用する労働者に対して出生時育児休業の申出期限を適切に周知するとともに、その申出期限にかかわらず事業主及び労働者双方が早期の休業申出に向けて互いに配慮することが望ましい旨を指針に明記すること。
 六 育児休業は労働者の権利であって、その期間の労務提供義務を消滅させる制度であることから、育児休業中は就業しないことが原則であり、事業主から労働者に対して就業可能日等の申出を一方的に求めることや、労働者の意に反するような取扱いがなされることのないよう指針に明記するとともに、違反が明らかになった場合には事業主に対して厳正な対処を行うこと。
 七 出生時育児休業中の就業は、あくまで労働者からの申出が前提となっていることから、それを可能とする労使協定の締結についても、使用者側からの一方的な押しつけにならないよう、労働者側の意向を反映する適正な手続を明らかにし、周知を徹底すること。
 八 育児休業中の社会保険料免除要件の見直しに関し、労働者が育児休業中に就業した場合には、休業中の就業日数によっては社会保険料の免除が認められなくなり、労働者に想定外の経済的な負担が発生する可能性があることについて周知徹底すること。
 九 選択肢の中からいずれかの措置を講じなければならないとされている雇用環境の整備については、可能な限り、複数の措置を行うことが望ましいことについて、事業主の理解を得るよう努めること。また、研修については、労働者のみでなく、事業主に対しても行われるような方策を検討し、労働者が安心して希望する期間の育児休業を取得することのできる職場風土の醸成を図ること。
 十 育児休業等の制度への理解不足により、労働者の権利行使が妨げられることのないよう、事業主が妊娠・出産の申出をした労働者に対して、育児休業制度のみでなく、休業の申出先や休業中の所得保障などについても知らせることとするなど、育児休業の取得に対して実効ある措置を講ずること。
 十一 育児休業の取得意向の確認等において、労働者に対し取得を控えさせるような取扱いが行われないよう運用を徹底するとともに、違反が明らかになった場合には事業主に対して厳正な対処を行うこと。
 十二 常時雇用する労働者が千人を超える事業主に義務付ける育児休業の取得状況の公表に際しては、育児休業取得期間についても、その公表の促進を図る方策について検討すること。
 十三 上場企業等については、有価証券報告書などの企業公表文書等への育児休業取得率の記載を促すこと。
 十四 雇用均等基本調査における育児休業取得期間の調査及び公表については、取得状況を的確に把握し、もって今後の育児休業制度の在り方の検討に資するため、その頻度及び調査項目について必要な見直しを行うこと。
 十五 有期雇用労働者の育児休業及び介護休業の取得要件の緩和について、労使双方の理解不足等により対象となる有期雇用労働者の権利行使が妨げられることのないよう、その趣旨を周知徹底すること。また、雇用の継続のために育児休業及び介護休業の取得を希望する有期雇用労働者が確実に取得できるよう、引き続き更なる環境整備に努めるとともに、今回の改正後の施行状況について検証を行い、必要な検討を行うこと。加えて、臨床研修医や専門医を目指す医師など、勤務先を短期間で移らざるを得ない者が育児休業を取得しやすくなるよう必要な方策を検討すること。
 十六 派遣労働者については、派遣契約の違いによる育児休業及び介護休業の取得状況の実態把握を行い、取得促進に向けた運用の改善と具体的な促進策を検討すること。
 十七 新型コロナウイルス感染症による雇用保険財政への影響を踏まえ、財政運営の安定確保策について早急に検討するとともに、雇用保険の国庫負担については雇用政策に対する政府の責任を示すものであることから、雇用保険法附則第十五条の規定に基づき、安定した財源を確保した上で同法附則第十三条に規定する国庫負担に関する暫定措置を廃止すること。
 十八 本法附則の規定に基づく検討においては、出生時育児休業等の取得期間、出生時育児休業中の就業、育児休業の分割取得、有期雇用労働者の育児休業等の取得の状況等について詳細な調査を行うとともに、その結果を広く公表すること。
 十九 女性の就業継続を促進するためには男性の育児・家事への参画を促す必要があることから、自治体が実施する両親学級、父親学級等については、より男性が参加しやすく、産後の育児・家事について学ぶものとなるよう、必要な支援を行うこと。
 二十 育児休業取得促進に向けた事業主の積極的な取組を推進するため、両立支援等助成金の更なる拡充など、効果的なインセンティブの在り方について検討すること。
 二十一 同性カップルに対する育児休業、介護休業等の適用について、関連制度における取扱いも踏まえつつ、必要な対応の検討を行うこと。
 二十二 妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメントの防止に向けて、事業主に対して雇用管理上の措置の徹底を図るとともに、制度を利用していない労働者に対するパワーハラスメント対策についても徹底を図ること。
 二十三 働きながら安心して育児が行えるようにするという観点から、ひとり親世帯など、子育て世帯の多様化も踏まえつつ、本法附則の規定に基づく検討を行うこと。
 二十四 育児休業は子の養育のための休業であることから、子の養育という目的を果たせないような形で育児休業中に請負で働くことは育児休業の趣旨にそぐわないものであることについて、適切に周知すること。
以上であります。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。(拍手)

#219
○とかしき委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕

#220
○とかしき委員長 起立総員。よって、本案に対し附帯決議を付すことに決しました。
 この際、田村厚生労働大臣から発言を求められておりますので、これを許します。田村厚生労働大臣。

#221
○田村国務大臣 ただいま御決議になられました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重いたしまして努力してまいります。
    ―――――――――――――

#222
○とかしき委員長 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#223
○とかしき委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
     ――――◇―――――

#224
○とかしき委員長 次に、厚生労働関係の基本施策に関する件について調査を進めます。
 この際、お諮りいたします。
 本件調査のため、本日、参考人として独立行政法人地域医療機能推進機構理事長尾身茂君の出席を求め、意見を聴取し、また、政府参考人として厚生労働省大臣官房総括審議官山田雅彦君、健康局長正林督章君、労働基準局長吉永和生君、雇用環境・均等局長坂口卓君、子ども家庭局長渡辺由美子君、社会・援護局長橋本泰宏君、保険局長浜谷浩樹君、経済産業省大臣官房審議官柴田敬司君、環境省大臣官房環境保健部長田原克志君の出席を求め、説明を聴取したいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#225
○とかしき委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――

#226
○とかしき委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。長妻昭君。

#227
○長妻委員 立憲民主党の長妻昭でございます。
 アスベスト被害の質問をさせていただきます。
 本日は、傍聴席にアスベスト被害の当事者の方々、御家族、関係者の方々、それを支援いただいた方々、そして弁護団の弁護士の皆さん、多くの方が傍聴に来られておられます。筆舌に尽くし難い苦しみの中でお亡くなりになった多くの方々の御冥福をお祈りするとともに、いまだ苦しみの中で闘病されている多くの方々、その御家族、関係者に心よりお見舞いを申し上げます。
 この後、アスベスト被害救済の法案の採決がございますけれども、まず田村大臣に、傍聴席におられる方々に対するメッセージをお願いをいたします。

#228
○田村国務大臣 建設アスベストの被害者の方々に対しましては、国が規制権限を適切に行使しなかったことにより、石綿による健康被害を被ったことについて、被害者の方々や御遺族の方々の長期間にわたる御負担や苦しみ、悲しみに思いを致し、厚生労働大臣の職務を担う者として、心からおわび申し上げます。
 政府といたしましては、最高裁判所の判決や与党取りまとめを踏まえ、原告団また弁護団の考えを十分に尊重させていただきまして、令和三年五月十八日に原告団、弁護団との間で基本合意を結ばせていただいたところであります。
 また、現在訴訟をされている方々以外にも、健康被害に苦しまれ、今後発症される方もいらっしゃると考えられ、政府としても、こうした皆様への給付金制度の実現のために、立法化に最大限協力をしてまいりました。
 法案は議員立法で提出されるものと承知いたしておりますが、法案が成立した場合には、法案に基づく給付金制度の実施について万全を期してまいりたいと考えております。

#229
○長妻委員 本当に、国会の延長がないということで、終盤ぎりぎりのところで今日採決があるということであります。これは、被害者の方々の高齢化が進んでいることも含めて、訴訟によらずに迅速に給付金等の支給を行うための措置を講ずるために、司法型ではなくて行政型で解決を図っていこう、その一環での議員立法ということでございますが、この議員立法には、まだまだ救済が行き届いていない部分がございますので、それについては附則二条という条文を入れておるところでございます。
 配付資料の一ページ目でございますが、入れ込んだ条文、附則第二条、「国は、国以外の者による特定石綿被害建設業務労働者等に対する損害賠償その他特定石綿被害建設業務労働者等に対する補償の在り方について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。」と。「国は、」ということで、これは基本的には厚生労働省を中心とした、経済産業省、国交省も入るとは思いますけれども、そういうところが主に担っていただく条項でございます。
 そして、与党の資料もつけさせていただきましたが、三ページ、四ページですね。与党建設アスベスト対策プロジェクトチーム、令和三年五月十七日の資料、「建設アスベスト訴訟の早期解決に向けて」というところで、四ページの「その他」というところにこういう一文が入ってございます。「最高裁判決や確定した高裁判決は、建材メーカーの責任を明示していることから、建材メーカーや業界等の動きを踏まえつつ、引き続き、本プロジェクトチームにおいて、建材メーカーの対応の在り方について、検討する。」とあります。これはしっかりやっていただきたいと思います。我々野党もしっかりやってまいります。
 今、附則の二条でございますけれども、特にこの中でも、国以外の者による損害賠償、この点についてちょっと質疑をさせていただきたいと思います。
 ここで国以外の者というのは一体どなたなのかということでございますが、これは法案策定の中で明白でございまして、アスベストを含有する建築材料を製造あるいは販売している者ということでございます。
 そして、そういう者は、今存続している会社で百五十社ほどあるということで、そのうち全てを訴訟対象にするというのは相当な時間、労力がかかるということで、そのうち四十数社が訴訟対象になっている、これはまだ続いている部分もございます。その中で、敗訴が確定した、つまり負けが確定したのが十社、十社は共同不法行為責任ということで確定をしているところでございますが、これも、今後ずっと裁判を何年も何年も繰り返して、一つ一つの企業から賠償を、審議するというのは日が暮れてしまいますし、相当な時間がかかってまいりますので、これについても、ここに、附則二条にございますように、今後の課題としてしっかり取り組まなきゃいけないということでございます。
 そこで、経済産業省が建材メーカーの所管の省庁でございまして、経済産業省に野党の方から要請をいたしました。それが五ページでございます。
 ここにもございますけれども、我々の方からも要請をいたしまして、経産省は、各業界団体に、五ページにあるような通知を出していただきました。それぞれの建材メーカーに、それぞれ、生産量、そして建材ごとのアスベスト使用量について調査をしていただいた。六ページ目、調査対象はこの十二の業界団体。アスベスト含有建築材料を作ったり販売しているところを束ねる十二の業界団体に調査をかけていただきました、経産省がですね。
 そうしましたら、非常に残念なことに、七ページ目のようなことで回答が来たようでございます。七ページ、全てゼロ回答でした、回答がございませんでした。
 理由としては、関係工業会等十二団体、当該統計を取っていない、あるいはメーカーごとの内訳を保有していない、文書保存期間を超過しているため捨てちゃった、個社の了解が取れないなどなど、ない、ない、ない、ない、ないのオンパレードでございます。これは本当にないのかなと思うんですね。
 そこで、今日、経産省からも来ていただいておりますけれども、業界団体に聞いて、ないということであれば、先ほど申し上げました百五十社について、それぞれ優先順位をつけてそれぞれの会社に、経済産業省の方から、アスベスト含有の建材の生産量、使用量、販売量、そしてそれぞれのアスベストがどのくらい含まれていたのか、年次、年ごとに教えてほしいというような調査をかけていただきたいと思うんですが、経産省、いかがでございますか。

#230
○柴田政府参考人 お答え申し上げます。
 委員御指摘の調査につきましては、先ほど御紹介があったように、五月十日までにデータを提供するよう依頼したところでございますが、各工業会からは、当該統計を取っていない、メーカーごとの内訳を保有していない、ないし個社の了解が取れない等の理由により、依頼したデータの提供はなされなかったところでございます。
 ここに申し述べましたように、工業会のデータ提供が困難な理由の一つとして、個社の了解が取れないことというのも挙げられているところでございます。また、承知する限り、一連の裁判においてもこういったデータを提出していないメーカーがある、このように承知しているところでございます。
 一般論として申し上げて、各企業の情報、これを公表するか否かについては各企業の判断に委ねられているというところでございまして、いずれにいたしましても、経済産業省としては、建設アスベストに係る問題の早期解決に向けまして、建材業界を所管する立場からどのようなことができるか、司法判断も踏まえて、引き続きしっかりと検討してまいりたい、このように考えているところでございます。

#231
○長妻委員 経産省もゼロ回答じゃないですか。これは、データを出さない、ちょっと言葉は本当に悪いんですけれども、ぐるだと思われますよ。これだけ最高裁で断罪されているわけですよ。与党のPTでも我々野党でも大きな問題意識を持っているわけで、附則二条にも明確に書いてあるんですよ。
 経産省、今おっしゃったのは、裁判でも出していないんだからどうせ出ないだろう、聞いても無駄じゃないのかというようなことなのかもしれませんが、裁判で負けたのは十社なんですね。ですから、それは出さないというところもあるかもしれません、それを強制力をもって、法的根拠がないでしょうから、こじ開けて出させるというのは恐らく無理なのかもしれませんが、これもいろいろ議論のあるところですけれども、ただ、駄目元で、では出さないということだったら仕方がないけれども、百五十社に聞くだけ聞くというのも駄目なんですか。

#232
○柴田政府参考人 お答え申し上げます。
 先ほどの繰り返しになるところもございますが、各企業の情報を公表するか否かについては各企業の判断ということになります。その上で、先ほどの、野党のプロジェクトチームの方の要請にも応じましてやった調査におきましても、データ提供が困難な理由の一つとして、個社の了解が取れないことも挙げられているところでございます。(長妻委員「委員長、時間がないんです」と呼ぶ)
 今後につきまして、経済産業省といたしましては、建材業界を所管する立場から……

#233
○とかしき委員長 簡潔にお願いします。

#234
○柴田政府参考人 どのようなことができるか、しっかりと検討してまいりたいと思っております。

#235
○長妻委員 いや、だから、今おっしゃっていただいたのは、出す出さないは企業の判断です、これはそのとおりですよ。出す出さないは企業の判断だから聞かない、それは論理的におかしくないですか。
 出す出さないは企業の判断でいいですよ。でも、聞いてもいいじゃないですか。何で聞かないんですか。出す出さないは企業の判断だからと理屈をおっしゃいましたけれども、いや、だから、私も全部持ってこいとか言っているわけじゃないんですよ。全部聞いてほしいと言っているんですよ。なぜですか。

#236
○柴田政府参考人 お答え申し上げます。
 先ほども申し上げましたように、先般の三月二十六日に行って、十日に回答期限を設定した調査におきましてはデータが提供されなかったということで、その中で、個社の了解が取れない、こういったことも理由に挙げられているわけです。
 その中におきまして、今後どうしていくかということでございますが、今後、国以外の者の責任、補償の在り方についても検討されていくという中において、どのようなことができるのか、経産省といたしましても、司法判断も踏まえつつ、引き続きしっかり検討してまいりたい、こういうことでございます。

#237
○長妻委員 いやいや、これは私がただ思いつきで言っているんじゃなくて、附則二条にちゃんと書いてあるわけですし、今、個社の了解が取れないというのは、経産省が出していただいた四つの理由の一つなんですね。
 ですから、個社の了解が取れないのは全部の社じゃないわけでしょうし、しかも、経産省が直に聞いたらそういうところも教えていただけるかもしれないので。全部が全部、個社の了解が取れない、四つのうちの一つの理由なんですね。聞くだけ聞いていただくというのがなぜできないんですか。何か法律違反に、法律に抵触するんですか、聞くこと自体が。経産省はしょっちゅう聞いているじゃないですか、いろいろなデータを。
 あるいは、これはちょっと言いたくはないですが、建材メーカーを非常に大切に思っておられるいろいろな方々から経産省にいろいろなお話があって、なかなかブレーキがかかっているのかなというようなことも私は勘ぐってしまうんですよ。これはお願いしますよ。

#238
○柴田政府参考人 お答え申し上げます。
 提案されている法律の附則二条におきまして、国以外の者による補償の在り方について検討を加えとありますので、この検討の中においてそういったことについても検討してまいることになるのではないか、このように考えております。

#239
○長妻委員 委員長、是非理事会で、これの資料というか、調査をしていただくというようなことについても協議いただきたいと思うんですけれども。

#240
○とかしき委員長 ただいまの件に対しましては、理事会で協議いたします。

#241
○長妻委員 時間も参りましたので、今、与党の方も聞いていただいたと思いますが、いいんですかね、経産省が言っていることを追認して、与党も。おかしいと思いませんか、与党の皆さん。聞くだけ聞いてもいいんじゃないですか。与党の皆さん、どうなんですか、声を上げてくださいよ。どう思いますか、これは。

#242
○とかしき委員長 申合せの時間が来ておりますので、よろしくお願いいたします。

#243
○長妻委員 では、時間が来ましたので終わりますが、与党の方も、おかしいと思ったら声を上げてくださいよ、与野党関係ないですから。お願いします。
 ありがとうございました。

#244
○とかしき委員長 次に、尾辻かな子さん。

#245
○尾辻委員 立憲民主党の尾辻かな子です。
 長妻委員に引き続きまして、特定石綿被害建設業務労働者等に関する給付金等の支給に関する法律案、この後起草されますけれども、これの質疑をさせていただければと思います。
 これは、二〇〇八年の裁判の提訴から十三年という長期間にわたって裁判で争われ、多くの原告の方がその間に亡くなられております。生存原告が昨年時点で三一%。ですから、原告の方々、どんなに無念の思いで、命を失った方がたくさんいらっしゃられ、そして家族を失った痛みを抱えて御遺族の方が裁判を闘ってこられたというもので、今回の最高裁判決となったわけです。
 国の責任を認める最高裁判決が出るまでに、建設アスベスト問題について、労働者の安全、健康を十分確保しなかった国の責任は非常に重いものがあります。国の対応、これは余りに遅かったと思いますけれども、田村大臣の認識を問いたいと思います。

#246
○田村国務大臣 先ほど長妻委員の御質問にもお答えいたしましたけれども、建設アスベストの被害者の皆様方、国が規制権限を適切に行使しなかったということで、石綿による健康被害を被られ、被害者の方々、また御遺族の方々が本当に長期間にわたって大変な御負担、お苦しみ、悲しみをいただいたわけでありまして、それに関して、我々も本当に深く反省をし、私、厚生労働大臣の職務を担っている者でございますので、改めて、心から深くおわびを申し上げます。
 最高裁での判決、これに基づいて与党の中で取りまとめをされたわけでありまして、この五月の十八日に、原告団また弁護団の皆様方と私もお会いをさせていただいて、基本合意書、これを取り交わさせていただきました。
 今般、この健康被害を受けられた、苦しまれた方々、若しくは今後発症される方々、現在提訴されていない中にもおられるわけでございまして、そういう方々に対しての給付金制度の実現のための議員立法ということでございますので、これに対しては、我々もその策定に対して最大限御協力をさせていただきましたが、当然のことでありますけれども、この法律が成立いたしますれば、給付金等々の制度の実施に向かって万全を期してまいりたいというふうに思っております。
 本当に長きにわたって大変なお苦しみにお耐えいただいた皆様方には、申し訳なく、おわびを申し上げたいと改めて思います。

#247
○尾辻委員 それでは、ちょっと法案の中の課題についてお聞きをしていきたいと思います。
 まずは、対象期間のことであります。
 この起草される法案では、特定石綿暴露建設業務に当たる対象期間、これが、屋内作業業務の始期が昭和五十年十月一日よりと規定をされることになります。
 そうすると、例えば、昭和五十年九月三十日まで一定の屋内作業で行われた作業に係る業務をし、発症、死亡された場合、給付金の対象から外れるということになるんでしょうか。できるだけ弾力的な運用をしてなるべく多くの方を救済することが大事と考えますが、いかがでしょうか。簡潔にお答えいただければと思います。

#248
○吉永政府参考人 お答え申し上げます。
 違法期間につきましては、五月十七日の最高裁判決を受けまして、五月十八日の原告団、弁護団との基本合意書の中で、御指摘のような期間という形で定まっているところでございます。
 そういう意味で、新たに設けられます給付制度につきましても、この基本合意書の枠組みの中でなるべく多くの方に給付を行っていくということが原則ではないかというふうに考えているところでございます。
 しかしながら、この対象期間に外れます、今御指摘のありましたような、昭和五十年九月三十日までしか働いていらっしゃらないということが明確であるような方につきましては、残念ながら、この対象期間には入ってこないということになろうかと考えてございます。

#249
○尾辻委員 この問題は、私はやはり弾力的に運用して被害者の方々を多く救っていくということが本当に大事だと思うんですね。
 例えば、あと、これは屋内作業ということになっているわけですけれども、専ら屋外で作業をしていたとしても屋内でも作業実績がある場合、これも実績に即して給付金の支給対象とすべきと考えるんですが、いかがでしょうか。

#250
○吉永政府参考人 屋内の作業の期間につきましても、最高裁判決を受けまして、基本合意書の中で期間を明確にしているところでございます。
 ただ、この屋内作業の期間につきまして、通常屋外作業に従事していた方が屋内作業を行っていたという実態があるとすれば、審査の一定の対象になり得るものというふうに考えているところでございます。

#251
○尾辻委員 できるだけ弾力的にお願いします。
 次に、終期のことをお聞きします。
 これは、対象の終期が平成十六年九月三十日というふうになっているんですけれども、アスベストというのは現在の建物でもまだ残っていて、改修や解体作業でアスベストに暴露するということはあり得ることです。潜伏期間も考えると、今後、終期以降での患者も一定数発生が見込まれるのではないかと思います。
 このことを考慮した被害防止策や、基金の対象にするなどの救済策がやはり私は必要だと考えますが、いかがでしょうか。

#252
○吉永政府参考人 アスベストにつきましては、既に生産、製造そのものが禁止されてございますので、そういう観点からアスベストの被害ということは生じないというふうに考えてございますが、既存の建物の中にアスベストが使われているというのは事実だろうというふうに考えてございます。
 まさに解体などを行う場合につきましては、アスベストの飛散の可能性というものはあるわけでございますけれども、建築物の解体やあるいは改修作業に従事する方々への石綿の暴露防止対策につきましては、私どもといたしましても非常に重要だと思っておりまして、石綿障害予防規則に基づく暴露防止措置を事業者に求めているという状況でございます。
 具体的には、解体、改修工事の対象となる建築物などにおきます石綿の使用の有無を事前に調査を行う、また、吹きつけの石綿の除去作業を行う場合については隔離を行って行うこと、また、石綿の切断等の作業時には、石綿粉じんの発散を防止するために、例えば湿潤化を行うということを事業者に義務づけているという状況でございます。
 これが適当に実施される場合につきましては、石綿の解体作業におきましても、健康被害のリスクというものは限りなくなくなっているというふうに考えておりますけれども、こうしたものが適当に行われない場合につきましては、そういった健康被害が生じる可能性もあるわけでございます。こうした場合につきましても、引き続き労災保険法の対象にもなりますので、そういった形での補償というものはきちっと行っていくということが基本ではないかと考えてございます。

#253
○尾辻委員 やはり基金の対象期間が余りに狭くて、ちょっとでも外れるともう駄目だということなんですね。これは本当に、議員立法でやるんですから、しっかり弾力的な運用になるように、ちょっと私たちは、やはり大きな課題だと思いますよ。
 次に、周知のことについてお伺いします。
 ちょっと環境省さんに来ていただいているので、環境省さんに先に聞きたいと思いますけれども、やはり今、被害を受けられた方々にどうやってこの基金を周知するのか、非常に大事だと思っております。
 今、環境省さんがやっている石綿健康被害に関する救済に関する法律により救済給付を受けている方々、この方々の中で、建設に従事した方々がどれぐらいの割合でいらっしゃるのか把握されているのか、お答えください。簡潔にお願いいたします。

#254
○田原政府参考人 お答えいたします。
 石綿健康被害救済法に基づき救済の給付事務を行っております環境再生保全機構では、救済法に基づいて認定を受けた方の職歴等の把握に努めているところでございます。
 機構が取りまとめた報告書によりますと、令和元年度までの被認定者総数一万四千九百八十一人のうち、労災保険法等の他法令による認定も受けた方を除いた一万二千二百十六人を調査対象として調査を行って、このうち一万四百八十六人から回答を得たところ、建設躯体工事作業者や建設作業者のような、いわゆる建設作業に従事していたと回答した方は延べ二千六百四十名だったというふうに承知をしております。

#255
○尾辻委員 ちょっと全員が把握はできていないようですけれども、こういった方々、建設にやっていた方々、この方々に、今回新たな基金ができるわけですから、周知をしっかりお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。

#256
○田原政府参考人 お答えいたします。
 環境省では、これまでも、厚生労働省と連携いたしまして、様々な機会を捉えて石綿健康被害制度や労災保険制度に関する周知の徹底に努めてきております。
 今回新しく創設される給付金の制度につきまして、希望する方がしっかりと申請が行える環境を整えていくことというのは重要だというふうに考えておりますので、環境省としても、今後どういった周知ができるのか、厚生労働省とも連携しながら検討してまいりたいと考えております。

#257
○尾辻委員 基金はできたけれども必要な方に届かないということがないように、しっかりとお願いしたいと思います。
 同じように周知が必要な部分は、やはり労災の部分もあるかと思います。
 ちょっと時間がないので、一つは申し上げるだけにしておきますけれども、現在労災を受けている方々にしっかりとこの基金ができたことを周知していただくこと、これが非常に大事だと思います。やはり対象期間の中で対象者が出てくるわけですから、これから労災になる方々で対象になる方々にもしっかり周知が必要だと思います。
 もう一つ周知が必要なのが、やはり労災にもなっていない方々がいらっしゃる。これが、弁護団の方々が六月一日に記者会見をされておりまして、五月十九日から二十一日の三日間、電話相談をされたそうなんですね。そこで七百六十一件が来たと。そのうち、相談のあった三分の二の方に当たる四百三十九件の方が、労災の認定手続なしだったんですね、労災認定がされていない方々。
 こういう方々に対しても、しっかりと周知、基金の請求を促す取組が非常に大事になりますけれども、厚労省の認識、今後の取組をお聞きしたいと思います。

#258
○吉永政府参考人 五月十八日の基本合意書の中につきましても、制度の周知について規定が設けられているところでございます。
 そういう意味で、今ほど御指摘にありましたような、既に労災の認定を受けていらっしゃる方、また、これから認定を受けられる方につきましては、個別に周知を図っていくということはもとよりでございますが、御指摘のような方が、弁護団の記者会見の中で、出ているということは承知しているところでございます。
 制度の周知、新しい給付制度の周知そのものも重要でございますが、労災の対象となり得る方につきましては、医療面での支援でありますとか休業補償の部分もございますので、こちらも御活用いただくことが非常に重要だと考えてございますので、法案が成立した段階で、この辺りの周知についても力を入れてやっていきたいというふうに考えているところでございます。

#259
○尾辻委員 しっかり周知をお願いしたいと思います。
 先ほど長妻さんの質問の中でもありましたけれども、メーカーの補償分は、では一体どうやってするんだということなんですよね。
 結局、被害を受けられた方々は、国の分はこの基金で補償されるわけですけれども、メーカーは、このままだと、メーカーを相手に裁判をしてくださいと被害者にお願いするという、本当にこんな補償の仕方でいいのかというところは、これは被害者にとっては重い負担になりますから、やはりこの部分もしっかり私たちは補償してこその法律ではないかということを申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。

#260
○とかしき委員長 次に、宮本徹君。

#261
○宮本委員 日本共産党の宮本徹です。
 今日、この後、建設アスベストの損害賠償の給付金の法案も採決される予定でありますが、前回もこの問題、大臣には質問させていただきましたけれども、まず大臣に基本的な認識をお伺いしますけれども、建設アスベスト被害について、全被害者の全面救済が必要だと考えますが、その点、いかがですか。
    〔委員長退席、門委員長代理着席〕

#262
○田村国務大臣 先ほどもおわび申し上げましたけれども、まずは、この建設アスベスト被害者の方々には、権限行使を国がしてこなかったわけでありまして、この規制自体を適切に行使しなかったがために、結果的に多くの皆様方が被害を受けられたわけでありまして、本当に、被害者の方、遺族の方、申し訳なく思うわけでありますし、多年にわたる本当にお苦しみをいただいたわけであります。改めて、おわびを申し上げます。
 五月十八日、判決が出、そして与党で取りまとめをいただいて、原告団とそしてまた弁護団の皆様方の合意書、これを取り交わさせていただきました。今般、今日この後、議員立法という形で可決をなされるんだというふうに思いますけれども、これに基づきまして、我々としては、しっかりと、給付金制度に基づく給付というもの、これに取り組んでまいりたいというふうに思います。
 なお、今言われた、全面的にというお話もございましたけれども、これまで業務に起因して石綿の健康被害を受けてこられた労働者の方々については、これは、労働者災害補償保険制度に基づく保険給付、これを適切に行うとともに、それ以外の方々に関しては、労働者災害補償保険制度に基づく給付金を受けることができない方々、こういう方々もおられるわけでございますので、ここは石綿健康被害救済法に基づく給付等々、これを行っているところでございます。
 いずれにいたしましても、この後可決される法律、これに基づいた、我々としては、今般の最高裁の判決に基づいての対応という形の中において、しっかりと給付制度等々にのっとった給付、これに向かって努力をしてまいりたいというふうに思っております。

#263
○宮本委員 全面救済そして全被害者ということを考えた場合に、やはり今回の法案はまだ足りないところが幾つもあると思っております。
 先ほど来話がありますけれども、裁判での賠償額の半分については国が出す。だけれども、もう半分は、建材メーカーの賠償責任は裁判で争い続けなければならないということもあるわけです。
 私たち野党は、政治の仕事は被害者全員の全面救済のために司法の限界を乗り越えることだという考えで与党とも折衝してまいりました。野党が求めたのは、第一に、建材メーカーにも全被害者救済の責任を果たしていただくために基金制度への参加への道筋をつけること、第二に、補償の対象外とされた屋根工など、屋外作業に携わってきた被害者の救済にも道筋をつけること、第三に、補償対象の期間外とされた被害者の救済にも道筋をつけることであります。
 野党から働きかける中で、与党の合意を得てできたのが、先ほど長妻さんから紹介があった附則第二条の検討規定であります。ここで、国以外の者による損害賠償等の在り方についての検討を加えとあるわけですけれども、大臣に改めて確認しますけれども、この附則第二条で言う国以外の者とは、石綿含有建材の製造企業、販売企業を想定している、これでよろしいですね。

#264
○田村国務大臣 今言われました附則第二条でございますが、国は、国以外の者による特定石綿被害建設業務労働者等に対する損害賠償その他特定石綿被害建設業務労働者等に対する補償の在り方について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとするという規定、検討規定が置かれているものと承知いたしております。
 この規定でありますけれども、今委員がおっしゃられましたが、建設アスベスト訴訟では、建設メーカーのうち提訴されたものは一部であるとともに、判決により責任を認められたメーカーもあれば認められなかったメーカーもあるといった状況の中で、与党建設アスベスト対策プロジェクトチームの取りまとめにおいて、建設メーカーの対応の在り方について引き続き検討することとされたことを踏まえて規定されているものであり、国以外の者は、言われたとおり、建材メーカーを想定しているものというふうに承知をいたしております。

#265
○宮本委員 建材メーカーだということなわけですね。ですから、法案が成立すれば、附則にあるように、建材メーカーによる損害賠償の在り方について検討して所要の措置を取るというのが政府の責任になるわけであります。
 その点、大臣にお伺いしますけれども、最高裁判決で、建材メーカーについて連帯して損害賠償責任を負うと、建材メーカーの共同責任が明確にされた点についてどう考えているのか、お聞かせいただきたいと思います。

#266
○田村国務大臣 五月十七日の最高裁の判決でありますけれども、建材メーカーの連帯責任を肯定いたしまして、それぞれの建材メーカーについて、損害の発生に対する寄与度に応じた範囲で損害賠償責任を負うと判示されたものと承知をいたしております。
 議員立法で準備されている法律案においては建材メーカーに関する検討規定が置かれている、先ほど申し上げましたけれども、このような形の中で、引き続き、与党プロジェクトチームでもこの対応の在り方に対しては検討していくということでございますので、それを踏まえて我々も対応してまいりたいというふうに考えております。

#267
○宮本委員 最高裁判決でも、損害の発生の寄与に応じてそれぞれ建材メーカーが責任を負うとされているわけです。
 原告団、弁護団は、国だけではなく建材メーカーも加わった補償基金制度というのをかねてから創設すべきだと提案してきたわけです。ですから、やはり附則に基づく検討をどう進めるのか。目標は、建材メーカーも被害者への補償金を拠出する基金制度だ、ここをはっきりして検討を進めていくべきじゃないかと思いますが、大臣、いかがですか。

#268
○田村国務大臣 先ほど来申し上げておりますけれども、この附則二条等々、そしてまた与党のプロジェクトチーム等々で、この今般の部分に関しましては検討するということでございますので、厚生労働省といたしましても、建材メーカーを所管する関係省庁、具体的には経済産業省ということになろうと思いますけれども、ここと協力をいたしながら対応してまいりたいというふうに考えております。

#269
○宮本委員 やはり、目標をしっかり、明確に持ってやらないと駄目だと思うんですよね。建材メーカーにどう責任を果たしてもらうのか。やはり、今回国の基金制度ができるんだからそこに建材メーカーも参加してもらうんだ、そういう覚悟を持って取り組んでいかなきゃいけないというふうに思うんですよ。
 その上で、先ほど長妻さんからの質問に対して経産省が答弁されておりましたけれども、基金制度を創設するということを考えた場合に、どの建材メーカーがどういう分担で基金を拠出しようかということを考えた場合は、どうやっても、やはりシェアに応じた拠出金というのが合理的になっていくと思うんですよね。そのためには、建材メーカーの建材の製造量、販売量、シェア、この調査をやらなきゃいけないわけであります。先ほど調査について検討するということをおっしゃったわけですね。それぞれ個社についても問合せをしていくということをおっしゃったというふうに思うんですけれども。
 これは所管が大臣は違うとおっしゃるのかも分からないですけれども、大臣の立場からすれば、一つ一つの企業に対しての聞き取りというのは当然ながらやるべきまず第一歩の仕事だというふうに思われると思いますが、いかがですか。

#270
○田村国務大臣 先ほども申し上げましたが、与党のプロジェクトチームの下でそこに関しては検討をいただくということで、その検討に基づいて、所管省庁であります経済産業省と連携して対応してまいります。先ほど経済産業省からはそのような旨の答弁があったというふうに認識をいたしております。

#271
○宮本委員 そのような旨というのは、個社に聞くかどうかの調査について検討するというところでとどまっていて、本来だったら、これは当然、当たり前じゃないですか。業界団体に聞いて、個別の了解が得られないと言われたら、じゃ、私も前回言いましたけれども、それは一つ一つ聞けばいいじゃないかという話もしましたけれども。
 この法律を所管するのは経産省じゃないですよね。でき上がったら、田村大臣、厚労省じゃないですか、所管、責任を負うのは。これは大臣から経産大臣に、ちゃんと一つ一つの企業に対して聞き取りをやってくれ、そういうふうに言えばいいだけの話なんですよ。それも言えないわけですか。

#272
○田村国務大臣 先ほど来申し上げておりますけれども、与党PTでこれに関して検討いただくわけでありまして、その検討を踏まえた上で、我々厚生労働省は直接所管ではないものでありますから、経済産業省が所管になってこようと思いますけれども、経済産業省と連携をいたしまして対応してまいりたい、このようにお答えをさせていただいておるわけであります。

#273
○宮本委員 何か他人任せなんですよね。与党PTとは、それは与党との話合いの中で出ているんだとは思いますけれども、法律ができたらこの附則の実行というのは政府の仕事になるわけでしょう。厚労省の仕事になるわけですよ。そこの自覚が感じられないんですよね、先ほど来の大臣からの答弁では。そこはちゃんと自覚を持っていただきたいというふうに思います。
 やはり、建材メーカーの側からしても、業界全体で責任を負えば一社当たりの荷も小さくなるわけですよね。建材メーカーにとっても合理的な解決案だというふうに私は思いますよ。これは是非政府の責任で、業界団体、建材メーカーを集めて全面解決に向けてよく話し合う、こういう場を設けていく必要があるんじゃないかと思いますが、これは大臣、いかがですか。

#274
○田村国務大臣 最高裁の判決においても統一的な基準が示されたわけではないというふうに理解をいたしておるわけであります。
 いずれにいたしましても、基本的な考え方というものはお示しをいただいているわけであります。議員立法、これは成立してからの話でありますから、成立した上でということになりますけれども、基本的な考え方というものはお示しをいただいているわけであり、そして、与党のプロジェクトチームと我々連携して今までやってまいりましたけれども、そちらの方でも判決を踏まえながら検討していただくわけでございます。
 そういう意味で、そのような考え方というのが根底にある中の下において、我々としては、それは成立すれば厚生労働省所管の法律になろうというふうに思いますけれども、直接業界の担当をいただいておるのはどうしても経産省になるものでありますから、そことも連携しないとなかなか物事は進んでいかないという意味で申し上げているわけでありまして、しっかりと連携をしながら対応をさせていただきたいというふうに思っております。

#275
○宮本委員 やはり、業界団体はそっぽを向いている状況なわけですよね、今、建材メーカーの皆さんも。その姿勢を変えていくというのは誰がやるのかということを考えたら、法律ができるわけですから、今日、立法府の意思として法律を作るわけですから、それは責任を負って政府が建材メーカーをちゃんと話合いのテーブルに着かせていく、基金に向けて話合いのテーブルに着かせていく、こういう努力が政府には求められるんじゃないかということを私は申し上げているんですよ。

#276
○田村国務大臣 法律は今日は成立しないと思いますけれども、これは、委員会で可決いただいて、衆議院の方で採決いただいた上で、参議院の下で成立を最終的にはするというふうに思いますけれども、法律の趣旨というのは我々も十分に認識をいたしておるわけでありますので、先ほど来から申し上げておりますとおり、法律の成立後というわけではありませんけれども、与党とも検討される中においていろいろな対応を我々もしているわけでありますので、これに関しては、経産省と連携をしながらということを再度申し上げたいというふうに思います。

#277
○宮本委員 何か、積極的な解決に向けた姿勢がなかなか感じられないのは大変残念ですね。
 それともう一点、建材メーカーとの関係でお伺いしますけれども、今日は傍聴で弁護団の皆さん、原告団の皆さん、支援者の皆さん、遺族の皆さん、たくさんいらっしゃっておりますが、私の地元からも原告の方が今日見えております。その方からも言われているんですけれども、まず建材メーカーには謝ってほしいんだということなんですよね。
 先日も、ある建材メーカーとの協議を行ったそうです。最高裁判決が出ても建材メーカーは横を向いていて、原告に謝ってくれない。建材メーカーは、危険性を認識していたにもかかわらず、危険性を伝えてくれなかった。火事にも強い、長もちもする、だからすばらしいものなんだと言われて使い続けた。何で謝ってくれないんだという話であります。原告も遺族も本当に、最高裁判決が出たのにいまだに謝りもなくて、大変切ない思いをしているという話であります。
 国は、今日も大臣、おわびを表明されましたけれども、建材メーカーにまずは謝るようしっかり働きかける必要があるんじゃないですか。
    〔門委員長代理退席、委員長着席〕

#278
○田村国務大臣 国としては、本当に深くおわびを申し上げるわけであります。
 建材メーカーに関しては、これは国としてコメントするというような立場ではないわけでございまして、国としての責任というものをしっかりと我々としては認識して、この法律が施行されれば、当然のごとく、我々は給付ということに関してしっかりと対応させていただきたいというふうに思っております。

#279
○宮本委員 いや、国は国でおわびはしましたからという話じゃないと思うんですよね。
 国は危険性を認識しながら放置していた。建材メーカーも一緒になって放置をしてきた。我々は最高裁の判決を受けて謝ったんだから、皆さんもちゃんと真摯な態度を示した方がいいんじゃないですか、こう働きかけるのは国として当然の責任だと思いますよ。国が使用を禁止していたら、建材メーカーだって当然使わなかったということになるわけですから、その国の方の大本の責任をしっかり自覚をして取り組んでいただきたいというように思います。
 それから、次に行きますが、法案の中身でございますが、認定についてですけれども、先ほど尾辻さんとのやり取りの中で、屋内作業、屋外作業の話がございました。
 最高裁では屋根工の方が認められなかったというのがあったわけですけれども、現実には、屋根工の人がいつも一〇〇%屋外で作業しているわけではなく、屋内で切断作業をすることもあるわけですね。現に今回の裁判で争った屋根工の中には、屋内の事故で労災を受けたという方もいらっしゃるわけであります。地方なんかでは、屋根工の方が、外壁も内壁も、一人何役もやっているという場合もあるわけですね。
 ですから、職種が屋根工であっても、機械的に職種だけではねるのではなく、一人一人に対して、屋内作業をしていたことはありませんかということをよくよく実態を聞いて認定に当たるという姿勢が大事だと思いますが、その点いかがですか。

#280
○吉永政府参考人 新しい給付金の制度ができた場合でございますけれども、給付金の認定に当たりましては、提出された資料などを基に認定審査会に対しまして作業内容の実態等に関する審査を求めた上で、その審査結果に基づき認定を行うなど、適切に対応していきたいというふうに考えているところでございます。
 いずれにいたしましても、厚生労働省といたしましては、基本合意書に基づきまして、より多くの方が速やかに救済されるよう努力をしてまいりたいと考えてございます。

#281
○宮本委員 実態に即して柔軟に、可能な限り最大限多くの人を救済するという姿勢で当たるということでよろしいわけですよね。屋根工の人でも屋内で作業をしていればそうなる、そこはしっかり見るということでよろしいですか。

#282
○吉永政府参考人 職種というよりは、実際にそういう作業をしていたかどうかという実態を踏まえた形で適切に対応するということが原則だと考えてございます。

#283
○宮本委員 屋根工の方でも屋内で作業をしているということがあれば、そこはちゃんと見ていただくという答弁だというふうに思います。
 そして、今回の法案の対象となる被害者が一人も漏れなく給付されるためには、制度の周知と申請の支援というのが大事だと思います。
 労災を、現に給付を受けている方は、これについてはもう、建設業で働いていた方というのは当然全て基本的に把握されているというふうに思います。また、石綿救済法の方は、先ほど話がありましたけれども、これは厚労省が主に所管をしているわけですけれども、こちらは職歴を問わずに給付は行っているということであります。
 まず、厚労省として、現に労災の給付を受けている被害者、また石綿救済法で給付を受けている被害者への制度の周知、それと申請の支援をどう行おうと考えているのか、お伺いしたいと思います。

#284
○吉永政府参考人 厚生労働省といたしましては、五月十八日の基本合意書におきまして、制度につきまして広く周知するというふうに記載されてございますので、これを誠実に履行していくということが大事だろうと思ってございます。
 その上ででございますが、既に労災を受けていらっしゃる方、また石綿救済法の中で特別遺族給付金の給付を受けていらっしゃる方につきましては、御本人あるいはその遺族の方につきまして個別のお知らせを行うことを含めまして、丁寧な周知を行うことを検討しているところでございます。
 また、特別遺族給付金以外の石綿救済法の救済給付を受けていらっしゃる方につきましても、関係省庁と協議をしながら適切に行っていきたいというふうに考えてございます。
 また、今後、労災認定をされる方につきましては、労働基準監督署等の窓口におきまして、労災認定手続の中で個別にお知らせするということを検討してまいりたいと考えてございます。
 さらに、労災認定等を受けられていないが本給付金制度の対象になる方につきましても、給付金制度をお知らせするために、厚生労働省のホームページへの掲載など、広く一般に周知を行う方向で検討しているところでございます。
 いずれにいたしましても、制度発足時には丁寧な周知を行うとともに、給付金を受けるべき方が確実に申請いただけるように、請求手続につきましては分かりやすく周知をしていきたいというふうに考えているところでございます。

#285
○宮本委員 今日、環境省にも来ていただいております。
 先ほど尾辻議員とのやり取りで過去のアンケート調査のお話もございましたが、是非、実際今給付を受けられている方のうち建設作業に従事した経験がある方がどれだけいるのかというのは、過去のアンケートの範囲でしか分かっていないということだと思いますので、今石綿救済法で給付を行っている被害者については全員個別に給付金制度について案内をする、また、過去に建設業に従事していた職歴がないか全員にアンケート等で調査を行うなど、給付から漏れる人が絶対出ないような取組をしていただきたいと思いますが、いかがですか。

#286
○田原政府参考人 お答えいたします。
 石綿健康被害救済法に基づき救済給付事務を行っている環境再生保全機構では、この認定の申請それから請求時に任意のアンケート調査を行っておりまして、職歴等の把握に努めているところでございます。
 こうしたアンケート調査の結果も参考に、今回新しく創設される給付金の制度につきまして、希望する方がしっかりと申請が行える環境を整えていくことが重要だというふうに考えておりますので、環境省といたしまして、今後どういった周知ができるのか、厚生労働省とも連携をしながら検討してまいりたいと考えております。

#287
○宮本委員 今までの調査は任意ですので、全員のことが分かっているわけではないというのが現状だと思いますので。
 ですから、今、石綿救済法で給付を受けている方については、該当するのか該当しないのか分かっていない方についても、全員、環境省の責任で、漏れなく給付できるように調査を行っていただきたいということを重ねて申し上げておきたいというふうに思います。
 そして、環境省にもう一点お伺いしますけれども、今後も、アスベスト関連疾患を発症して、でも労災に入っていない一人親方の建設事業者が石綿救済法の申請をするケースもあると思うんですね。その際、是非、今度は任意じゃなくて、必ず建設業に従事していたかどうかも聞き、制度の周知と、そして、厚労省と連携しての申請の支援を行っていただきたいと思いますが、いかがですか。

#288
○田原政府参考人 お答えいたします。
 環境省では、これまでも、石綿健康被害救済法に基づく申請に際して、申請者から提出される作業従事歴等を基に、労災の対象となる可能性がある方に関しては御本人にお伝えをして、同意を得た上で厚生労働省に情報提供を行うなど、厚生労働省と連携しながら取り組んできたところでございます。
 環境省といたしましては、こうした取組も踏まえまして、この新しい制度におきまして、きちんとその申請をされる方にもしっかりと周知をしながら制度を運用してまいりたいと考えております。

#289
○宮本委員 しっかりした対応をお願いしたいというふうに思います。
 それと、この法案が施行されてその後のことにもなるわけですけれども、その前に一点、この法案、一年以内の施行ということになっているわけですけれども、できるだけ早くやはり迅速な給付を開始してほしいということを伺っております。それはこの法律の立法趣旨からいってもそうなると思うんですけれども、できる限り早く施行していただきたいと思いますが、いかがですか。

#290
○田村国務大臣 この法案の趣旨でございますけれども、最高裁判決において国の責任が認められたことに鑑み、これらの判決において国の責任が認められた者と同様に苦痛を受けている者について、その損害の迅速な賠償を図るため、特定石綿被害建設業務労働者等に対する給付金等の支給について定めるものとする、こうされているわけであります。迅速なというふうな言葉もこの中に入っておるわけでございます。
 公布の日から起算して一年を超えない範囲内で政令で定める日というのが施行期日になっておりますけれども、我々といたしましては、損害の迅速な賠償を図るという法律の趣旨、これにのっとって、施行に向けた準備、これをしっかりとやってまいりたいというふうに思っております。

#291
○宮本委員 できるだけ早く準備を進めていただきたいと思います。
 その際、本省、労基署、それぞれで丁寧な相談体制というのも必要ですし、漏れなく迅速に給付する体制も必要になります。そのためにも、人の配置というのは必要になると思うんですけれども、厚労省もコロナ対応で大変残業も増えているわけですが、しっかり定員も増やして人も配置していただきたいと思いますが、いかがですか。

#292
○吉永政府参考人 今御検討いただいております法案が、やはり損害の迅速な賠償を図るためということでございます。この趣旨にのっとりまして、円滑な給付金の支給のために、相談や請求の受付、審査等に必要な体制の整備に努めてまいりたいと考えてございます。

#293
○宮本委員 人を増やすという話じゃなくて。これは大丈夫ですかと思っちゃいますが、ちゃんと定員の確保を是非していただきたいと思うんですよね。
 そのこととの関係で、厚労省の四月の超勤の状況について、一、二月よりも大きく増えているわけですけれども、ちょっとその要因も含めて紹介していただけますか。

#294
○山田政府参考人 お尋ねのあった本年四月の厚生労働省本省職員の超過勤務時間については、月八十時間以上百時間未満が四百二十三人、月百時間以上百五十時間未満が三百五十九人、月百五十時間以上が四十八人となっております。この中で最長の超過勤務時間は二百二十六時間となっております。
 御指摘のように、四月の超過勤務時間が一、二月よりも大きく増えている状態になっていますが、この要因については、一つには、例年この時期、四月の人事異動に伴う庶務関係業務だとか、年度末の経理関係業務等が集中すること、二つ目に、ワクチン接種だとか医療提供体制の確保等の新型コロナウイルス感染症対策、それから、国会にて御審議をお願いしている提出法案に関する作業等があったことが理由だと考えております。

#295
○宮本委員 大臣、本当にコロナ禍で、多忙の中で、建設アスベストの問題もしっかりと迅速な給付をやろうと思ったら、やはり人をしっかり増やしていくということが必要だと思いますので、定員を増やしていく、この決意を最後に確認をしたいと思いますが、いかがですか。

#296
○とかしき委員長 田村厚生労働大臣、申合せの時間が来ております。

#297
○田村国務大臣 現状で、定員を増やすというのはなかなか、私の立場で今のところは申しづらいところがありますけれども、迅速に給付をするということは大変重要だということ、これは私も認識いたしておりますので、そのような準備体制というのをしっかりと取ってまいりたいというふうに思います。

#298
○宮本委員 人の確保をしっかりお願い申し上げまして、質問を終わります。
 ありがとうございました。

#299
○とかしき委員長 次に、青山雅幸君。

#300
○青山(雅)委員 日本維新の会・無所属の会、青山雅幸でございます。
 本日も、大変貴重な質問の機会をありがとうございます。
 まずは、石綿被害についてお伺いします。
 石綿にさらされる建設業務に従事された労働者の方々は、被害に遭われたことに関して、最高裁判決で国の責任も認められたわけですけれども、この国の責任が認められた理由、法的な理由、これについてまずは御説明いただきたいと思います。

#301
○吉永政府参考人 国の規制権限不行使に関わる違法につきましては、最高裁判例によりまして判断枠組みが確立しているところでございます。
 国の規制権限の不行使は、その権限を定めた法令の趣旨、目的や、その権限の性質等に照らし、具体的事情の下におきまして、その不行使が許容される限度を逸脱して著しく合理性を欠くと認められるときは、その不行使により被害を受けた者との関係において、国家賠償法第一条第一項の適用上違法となると解されてございます。
 建設アスベスト訴訟におきます最高裁判決におきましても、この判断枠組みに照らして判断が行われ、当時の労働大臣は、昭和五十年十月一日から平成十六年九月三十日までの間、安全衛生法第二十二条や、これは事業主が健康障害を防止するために必要な措置を講ずべきという規定でございます、第五十七条、これは労働者に健康障害を生じさせるおそれのあるものに対する表示義務を定める規定でございますが、これらの規定に基づく規制権限を行使して、通達を発出するなどして、石綿含有建材の表示や石綿含有建材を取り扱う建設現場における掲示として、石綿関連疾患を発症する危険性等を示すよう指導監督をしなかったこと、また、事業者に対しまして、屋内建設現場におきまして、石綿含有建材の切断等の石綿粉じんを発散させる作業やその周囲における作業に労働者を従事させる場合には呼吸用保護具を使用させることを義務づけなかったこと、これらのことが、労働安全衛生法の趣旨、目的や、その権限の性質等に照らし、著しく合理性を欠くものであって、国家賠償法第一条第一項の適用上違法であると判示されたものと承知してございます。

#302
○青山(雅)委員 法の趣旨ということ、これは大変大事なわけですね。直接的な規定だけではなく、法の趣旨に基づいて適切な権限を行使することによって国民の生命、安全を守っていくというのは、国の責務、そして厚労省の責務だと存じております。そこについて、非常に深く、深く深くこの判決について考えていただきたいところでございますが。
 一方で、この損害に対して賠償額が限定されている高裁判決の内容になっているかと思いますけれども、どういう理屈でこの額ということで決まっておるわけでしょうか。

#303
○吉永政府参考人 建設アスベスト訴訟の各高裁判決におきまして、国の責任は第二次的、補完的なものと判示されているところでございます。
 建設アスベスト訴訟におきましては、国及び建材メーカーの責任が問われている中で、例えば横浜一陣東京高裁判決におきましては、事業者、これは建設事業者の事業主を指してございますが、この事業者は、労働者の健康、安全確保のための第一次的な責任を負担し、原材料の供給者、これは建材メーカーを指してございますが、原材料の供給者は、これを使用する労働者に対しまして、私法上、製品の安全性確保義務を負担しているところ、国の責任を第二次的、補完的な責任と判断しているものでございます。
 このような判断の下、国の責任は、横浜一陣、東京一陣、京都一陣の各高裁判決におきましては損害額の三分の一、大阪一陣大阪高裁判決におきましては損害額の二分の一にとどまるものと判示されたと承知してございます。

#304
○青山(雅)委員 私は、この高裁判決の認定、国の責任が二次的、補完的というふうに認定されたから、それで国の責任が少なくてよかったというふうに捉えていただきたくはないと思っているんですね。二次的、補完的であっても、国がきちんとした権限を行使しない場合、行政の責務を懈怠した場合には、相応の損害賠償、法的責任を負うものだということを厚労省は是非認識していただきたいわけです。
 そこで、通告していませんけれども、大臣にお伺いしたいんですけれども、今申し上げたとおり、法の趣旨であるとか、あるいは二次的、副次的な責任であっても、補完的な責任であっても、国はやはり国民の健康、安全に対して責任を負われる。つまり、ベストを尽くしてほしいというふうに最高裁は言っている、あるいは高裁は言っているわけです。
 そこで、お伺いしたいんですが、どこが第一次的責任であるのか、企業であるとか地方自治体であるとか、そういうことを言っているのではなくて、国は国民一人一人に対してベストを尽くすべきだということを言われているということを、この判決あるいはこの被害に対してもう一度かみしめていただいて、先ほどから質疑しているコロナの問題も含めて、誰々のせいではなくて、厚労省は厚労省としてベストを尽くして、このようなことが二度と起きないように、そういう考え方で物事に臨んでいただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。

#305
○田村国務大臣 今般の最高裁の判決において、国の責任というもの、これがあるということで判決を受けたわけであります。それを本当に重く受け止めて、被害者の皆様方には深く改めておわびを申し上げます。
 今言われた、他のことに関しても、当然のごとく、国としての立場というものがあるわけでありまして、その中において国民の皆様方の健康というものを守っていく、これは厚生労働省の重い責任であるというふうに思います。
 今、特に自治体のこと、先ほどからございますけれども、都道府県ともそこは協力しながら、お互いにやはり至らざるところは補完をしながら国民、住民の皆様方の命を守る、これは我々の責任であろうというふうに思っておりますから、これからもベストを尽くしてまいりたいというふうに思っております。

#306
○青山(雅)委員 是非そこをお願いしたいんですね。
 例えば、先日の委員会で、大変残念ながら、小学校五年生の子がマスクを着けていた体育の授業中の持久走で亡くなったという事件を紹介しました。こちらに文科省の副大臣をお呼びしまして、体育の授業中には必要ないんだよ、着けさせない工夫をする方がいいんだよということをはっきり言っていただきました。そうしたところ、早速、文科省のマニュアルでは距離が取れなければ着けなきゃいけないんだというふうな指導をしていたある自治体で、それを受けて改めた、大変ありがとうございましたという報告を受けております。
 厚労省がきちんとやっていただければ、やはり各自治体もきちんと見ていますので、厚労省が何をおっしゃっているのか、あるいは大臣が何をおっしゃっているのか、すごいやはり影響力はあるので、その意味で、今までのことはおいておいても、今後、新しい知見が出てきたときには直ちに、あるいは新しい現実を知ったときには直ちに改めていくという姿勢をしていただければ、こういう法的責任を問われることも恐らく少なくなるでしょうし、何よりも大事な国民の生命が守れると思いますので、その辺、是非お願いいたします。
 続きまして、尾身会長にお話をお聞きしたいと思います。
 前回、五月十二日、少したってしまいましたけれども、厚労委員会でお話をさせていただいた、若者が感染を広げているという、そういった知見といいますか説について、それが本当なのかという話をさせていただきました。尾身会長がそのときに、総理に、多分安倍総理のお話だったと思うんですけれども、にもお見せした資料があり、それが札幌の雪祭りでそういう事実が分かったんだということをおっしゃいました。
 それというのは、ここにある、これは分科会で尾身会長が提示されたこの資料でよろしいでしょうか。この資料というのは資料三でございます。

#307
○尾身参考人 総理にお見せしたのは、今委員おっしゃるように、資料三の上の方ですね。これは安倍総理ではなくて、菅総理でございます。

#308
○青山(雅)委員 ありがとうございます。
 新型コロナというのは新しい感染症ですので、いろいろな知見やいろいろな考え方があり、そのときには優勢であったり、あるいはちょっと別の事実が出てきたら別の考え方があるとか、これは当たり前のことだと思います。この尾身先生のお考えは、それはそれで私は一つあり得るなと当然思うわけですけれども、また別の考え方も出てきますし、別の根拠もある。
 御覧いただきたいのが資料の四でございます。
 尾身会長が菅総理にお示しになった資料三の上の方は、これは確かに雪祭りではこういう現象が起きたかもしれません。ただし、この雪祭りというのは昨年の二月の話で、まだ日本においてそれほどコロナが一般化しておらないとき、そして、なおかつ雪祭りという特殊な状況の場合であったと思うんですね。北海道の中にもいろいろな若い人が集まってくる、そして、それは別に、何というんでしょう、飲食街で、ある意味野方図で騒いだりするようなことじゃない、普通の真面目な方だって来るし、また当たり前のこととして帰っていく、そういう状況の中で起きたことでございます。
 資料四、これを御覧ください。この資料四、これは大阪府が、ここまで出しているのは大阪府しかないものですから大阪府を出すわけですけれども、年代別に新規陽性者数を細かくグラフ化したものでございます。この中の赤い点線が六十代以上です。これをよく見ると、普通は全部同じようなカーブで上がっていくんですけれども、三月の十三から十八くらいですかね、赤い大きな矢印があるところ、これを見ると六十代以上が先行して増えているわけです。
 そして、次に資料五を御覧いただきたいんですけれども、これも同じように年代別の移動平均のもの。これは三月二十日ですから第四波ですよね。三月十一日から三月二十日、この青い点線の丸は、これは私の事務所でつけたものですけれども、この四を見ると、これはやはり明確に、先行して六十代以上が増えているわけです。尾身先生、お分かりでしょうか。これを見ると、六十代が、実は若者じゃなくて、先に増やしている。もし感染を先行させているとしたら、六十代じゃないか。
 更に細かい、これは、探したんですけれども、このときしかないものですから、大阪府でも、この日ごとのやつが出しているのは。これを出しているわけですけれども、資料六を見ると、これを見ると、特に二十代とかが先行して上がっているわけではなくて、各年代みんな同じように動いているわけです。
 そうすると、少なくとも今の時点、これは令和三年の今の時点においては、若者が先行して感染してきて、しかも、それをよその世代に広げている事実はないのではないか。特に大阪などの大都市圏、まあ東京もそうだと思います。
 更に言うと、資料七を御覧いただきたいんですけれども、これは東京の資料です。なぜ東京を出したかというと、東京のものしか私が探し出せなかったからですけれども、これは、どういう人と暮らしているのか、高齢者の方は。
 高齢者の方に対する感染を防止するというのが何よりも大事なわけです。なぜかというと、死亡率も重症化率も圧倒的に高いからです。恐らく分科会、アドバイザリーボードの方でも、高齢者のいわゆる感染防止というのはすごく大事にされていると思うんですけれども、これを見ると、高齢者が自分たちよりも若い世代と暮らしている可能性があるのは一一・一%しかないんですね。もうほとんど高齢者だけ単独あるいは高齢者同士、それが九〇%なんですよ。
 そうすると、高齢者は高齢者からうつるというのが恐らくあること、そして、今、御承知のとおり、施設感染か家庭内感染が主ですから、そう考えると、私、若者が先行して飲食などをしてかかってきてよその世代に広げているという考え方自体が非常に根拠の薄いものではないかと。
 なぜそれを言うかというと、そうだとすれば、今の様々な政策というのを根本的に見直していく必要が出てくるんじゃないかと思うわけです。それは一つの可能性にすぎませんけれども、二つの理由でそれはそう思うわけですね。
 一つは、例えば今の飲食店に対する厳しい制限などは、もう飲食店をかなり傷めています。周りを見ると、静岡でも東京でも、閉店する店がこのところすごく増えてきています。もう一つは、仮に効果的でない対策をした場合には、やはり感染防止という意味でも意味が薄くなってくる。
 この二つの考え方からすると、やはり若者が起点となって広げているという考え方自体も、まあこれからの話です、ゼロベースで見直して、こういった事実に基づいてまた考え方をやっていくというのも一つ考え方としてはあり得ると思うんですけれども、その点について尾身先生の御意見をお伺いしたいと思います。

#309
○尾身参考人 お答えします。
 委員の問題意識は非常に大事な問題と思います。
 まずは、高齢者から高齢者に感染が広がるのがあるんじゃないのか、それはおっしゃるとおりです。感染が、若者からつながるかどっちかに来て、高齢者に行って、時に高齢者から高齢者に行く場合、あるいは若者から高齢者、若者、これはいろいろなパターンがあるというのは、我々分科会の資料でもそれはしっかり見せているということであります。
 それから、まず委員の方の御指摘の、全てはあれですけれども、例えば、委員のおっしゃった資料四ですかね、これは大阪の。恐らく委員のおっしゃりたいことは、この矢印のところはむしろ高齢者の方がいっているんじゃないか、その後は確かに若いということですけれども。これについては、大阪の情報はいろいろ我々にも入ってきますけれども、私どもの理解は、この赤のところは実は高齢者施設での感染が一時広がったということで、ここで高齢者が増えているということだと思います。
 そういうことで、私どもが申し上げているのは、実は、感染の起点がどこからあったということで、先ほど委員が示した我々のスライド、何ページでしたか、十二月二十三日の、現在直面する三つの課題ということで……(青山(雅)委員「資料三です」と呼ぶ)資料三ですかね。この上の方、これは実は雪祭りのデータをまとめたものではございません。
 私どもが申し上げているのは、あるスナップショットというか時期に、高齢者の多いということもあり得るし、高齢者から高齢者、一番は高齢者施設の連鎖という。実は、今回大阪がなぜこれだけ死亡者が出てきたというのは、これが東京との違いです。高齢者施設での感染が非常に多くて、それによって高齢者施設での連鎖が大きくなったということが、そういうことで、今のちょっとした矢印のところもそういうこと。
 それで、実は、委員のおっしゃっていることは非常に重要で、いろんな局面があって、しかし、我々が今一番申し上げているのは三つの理由です、主に。いろんなデータがありますけれども、基本的には、この感染症というのは無症状の人がいますよね。無症状の人は、特に若い人は無症状で、若い人は活動量が多いので、期せずして、本人が気がつかないうちに感染を、これは全く若者のせいではないです。本人が気がつかないうちに感染を広げているというのが我々の最初の問題意識、これが実は雪祭りの話です。
 それと、この資料三のデータというのは、随分後になって、雪祭り以外に日本のいろんなデータをやったときのまとめであります。したがって、我々が、感染の伝播というのがどういう契機で基本的にこの感染は起こるのかというと、大きな傾向としては、若い人が多くて、札幌の雪祭りは典型的ですけれども、これは我々のレーダーには全くひっかからなかった、感染が実は若者の中で広がっていたんです。これは後で分かりました、ほとんど症状がないから。ところが、その一部の人は、北海道の地方に行って高齢者と接触するということで初めて、こういうことが契機になり、その後いろんなデータを集めたものが、今、資料三。
 それから、もう一つは、疫学情報をしっかり見ますと、いろんなところが来ている、大阪、東京、埼玉、神奈川、福岡、沖縄、こういうところで出しているデータを見ますと、やはり感染の初期、だんだんと上がってくるときには、若い人が上がってきて、それがだんだんと高齢者に行くというのが大きな全体的な傾向でありまして、もちろん、その途中でいろんな場面がありますから、時々高齢者にばっと来ると、いかにも高齢者が数が多くなる、それが実は今先生が指摘したようなところでありまして、実は、このウイルスが、もう特徴は去年の最初の頃から一緒で、無症状が多くて、その人たちが感染の伝播に関与するということが大きな特徴であるということは、これは私の考えというよりも、アドバイザリーボードやいろんな人の、あるいは地方のデータをまとめる、そういう意味では三つのデータですね。今、資料三の上、それから各地方自治体の疫学情報、それから雪祭りというのが一番、北海道。
 そういうようなことを総合すると、まずの感染の伝播のひっかかりというのは若い人、場合によっては高齢者が先になることもありますけれども、多くの傾向というのはこういうことで、実際に、例えば沖縄とか大阪は、感染の、なるべくリバウンドを早く察知したいということで、実は、若い人が立ち上がるということになると、これは感染がだんだん拡大するんじゃないかというデータを基に、そういうことで、今リバウンドが起きる予兆の指標に使っているぐらい、そういうデータがありますので、もし御興味がありましたら、幾つかの県のデータをまた別途、個人的にも先生にお示しできたら。
 だけれども、もう一度申し上げますと、高齢者が、一時期にばっと高齢者施設になると、そこがぐっと見えて、今の話とはちょっと矛盾するようなことが表現上は出ますけれども、基本的には、この感染症は、今私どもが言ったようなことは大きな傾向としてあるというのは、アドバイザリーボードあるいは分科会のメンバーの調査の結果ということで、今のところはそういうことだと思います。

#310
○青山(雅)委員 もちろん、そのお考えを全面的に否定するものではありません。しかしながら、資料四をもう一度よく見ていただきますと、例えば、三月一日というのがいわゆる第四波の立ち上がりくらいですね。三月一日のものを見ていただきますと、緑色が四十代、五十代なわけです。一番早く立ち上がっているのはどこかというと、緑色なんですね、四十代、五十代。
 確かに、結果だけ見ると、前にもそれは議論させていただいたんですけれども、二十代、三十代が陽性者数として新規のものが多いのは事実ですけれども、それは感染症ですから、年代別にかかりやすい、あるいは症状が出やすい人があったっておかしくはないわけですね。
 そして、それは、前にも申し上げたとおり、ワクチンの副反応に見事に表れている。もしこれが年代別な要因が関係なければ、副反応の出方だって均一なはずなんですよ。副反応の出方が、二十代を頂点としてだんだん下がっていくというところを見れば、この理由は分かりません、スパイクたんぱく質に対する反応が一番強いのかどうなのかよく分かりませんけれども、今のところ。ちょっと私、今それを研究しているんですけれども。そういったことも踏まえて、ちょっと一度ゼロベースで是非見直していただきたい。
 というのは、例えばマスクの問題も、今、マスクをしていれば濃厚接触者ではない。しかしながら、マイクロ飛沫感染、かなり最近言われてきていまして、そうなってくるとマスクをしていても余り関係がない。例えば厚労省で、例の飲み会で、送別会でクラスターが出た後、厚労省内で広がっているわけですね。あれなんかを見ていると、厚労省の方が職場でマスクを外していたとは余り考えられないので、そうなってくるとそういうルートも考えられる、そうなってくると全てを見直す必要があると思う。
 あるいは、小学校、中学校の子供がうつるルートはどこかというと、これは厚労省研究でやられたやつですけれども、家庭内が七五%、そしてお父さんからうつってくるのがそのうちの半分以上。
 そういうふうなところから見ると、私は、若者がとかそういう話なのかどうなのか、尾身先生がおっしゃる、どこか見逃しているところがあるんじゃないかという観点、あるいは、今までの考え方が果たして正しいのかということは、常に、もちろん私自身もそれは思っているわけですけれども、ゼロベースで考えていただきたいと思います。
 ちょっともう一つ申し上げたいことがあるので、またその話は引き続き先生と議論させていただきたいと思います。
 私がすごく気になっているのは、喫煙所が使用可能になっていることです。例えば新幹線なんかのホームにある喫煙所、今まだ使われておりますし、参考資料の八を御覧いただきたいんですけれども、これはいつの写真か。これだけ人がいて、みんなマスクを外して、まさに密になって、屋外ではありますけれども、吸っているわけですよ。これは六月一日です。だから、昨日の話ですよね。
 マスクを外して吸っている。しかも、これは唾液でうつる飛沫感染だというんだったらそんなにあれはないのかもしれませんけれども、マイクロ飛沫感染だということになれば、当然これは、たばこをすぱすぱ吸えば呼気は出るわけです。しかも、先生御承知のとおり、喫煙というのは重症化リスクが非常に高いわけですね。私、見逃しているといったらここだと思うんです、まず第一に。これはずっと申し上げています。
 国会も、我々の恥をさらすようですけれども、本会議場の横にある、やや狭苦しい喫煙所に、誰かがすっぱ抜くまでは、何人も何人も入って、みんなで喫煙していたわけですよ。
 私は、前にも申し上げたんですけれども、国民の信頼感を今ちょっと政府とかが失いつつあるのは、なぜか知りませんけれども、こういうのは放置されて、飲食店に酒を出すなとかいう無体なことを言うわけですよ。
 何でこれを放置しているのか。緊急事態宣言のやつを見ましたけれども、会社の中で喫煙所とかがあるときには気をつけてねぐらいのことしか書いていないわけですよ。閉鎖するならここが一番最初じゃないかと思うんですけれども、何でそれをアドバイザリーボードは政府に強く言われないのかがすごく謎、疑問なんですけれども、ちょっと教えていただきたいんですが。

#311
○尾身参考人 今の御質問に答える前に、先ほどの高齢者のことですけれども、私どもは、公衆衛生対策に、若者の感染というものが先に上がるということで、早く端緒を見つけられるということ、そういうことも含めて言っているので、家庭内で高齢者から高齢者にうつることがない、したがって気をつけるのは若い人だけ、あるいは、我々のメッセージは、若い人だけが重要なんということは一言も申し上げていない。それだけはよろしくお願いいたします。
 それから喫煙所、このことですけれども、実は、委員はもう既に見ていただいていると思いますけれども、去年のかなり早い段階で我々は五つの場面というのを、感染リスクが高い五つの場面ということで、場面の変わる場所というのがありますね。仕事をしていてからふと休むとかそういうところで、こういう閉鎖の空間ということで、たばこというところでは特化していませんけれども、こういうところも一つ、リスクの高いというところで、これについてはもっと政府が啓発をした方がいいんじゃないかという御意見は、私もそう思います。
 ただ、同時に、飲食はちっとも関係ないということでは私は決してなくて、飲食を通して感染が拡大したというエビデンスというのはいっぱいありますので、そのこととこういう喫煙の場所も大事だという話は両方大事で、二者択一の話じゃないというふうに我々今のところは思っていますので、その辺はよろしくお願いいたします。

#312
○青山(雅)委員 今、尾身先生の方から政府にも申し上げているというお話がありました。ここを放置しておくのは、私はちょっと考えられない。政府として、やはり対策、手抜かりじゃないかと思うんですけれども、大臣、最後に御見解をお伺いしたいと思います。

#313
○田村国務大臣 場面が変わる場所というところで、例えばコーヒーを飲んで、マスクを外してそこでしゃべる、当然、仕事中はマスクをしているんですが、そういうところで感染をする。たばこを吸う場所でもそういうことが起こり得ると思います。
 ちょっと私も、飛沫、それからマイクロ飛沫、さらにはエアロゾル、いろいろな議論があるんですが、呼気でうつるかどうかというのは、ちょっとまた専門家の方々にいろいろと御指導いただきたいというふうに思います。

#314
○青山(雅)委員 公共の喫煙所に対して何か対策はしないんでしょうかという端的な質問でございますけれども。

#315
○田村国務大臣 感染の可能性が高いということであれば、またいろいろな形で通知を出させていただきたいというふうに思います。

#316
○青山(雅)委員 であるならば、尾身先生、アドバイザリーボードの方でこれは御検討をお願いしたいと思います。
 それから、最後に、時間がなくなりましたので、大臣にお願いだけしておきます。
 今日質問できませんでした転居を伴う転勤、これは子育て世代にとって大変な負担となります。今日の育休法、既にさっき通られましたけれども、関連する問題として是非これはガイドラインの方の見直しをよろしくお願いしたいと思います。子育てしやすい状況をつくるというのは大変大事だと思いますし、そのためにこれもまた必要なことだと思いますので、是非またよろしく御検討の方をお願いいたします。
 どうも本日はありがとうございました。

#317
○とかしき委員長 次に、高井崇志君。

#318
○高井委員 国民民主党・無所属クラブの高井でございます。
 それでは、私もまずアスベストの話を聞きたいと思いますが、私、内閣委員会でも質問をさせていただいていまして、ちょっと抜けたりしていたものですから、もし重複してしまったら申し訳ありません。
 まずお聞きしたいのは、今回、裁判を起こしていない被害者の方やあるいは今後発症する可能性のある被害者で、給付金の対象となる方々の人数とかあるいはそれに係る予算額、これはどの程度だと見込んでおられますでしょうか。

#319
○吉永政府参考人 本給付金に基づく給付金の対象者でございますけれども、制度が本格的に施行されます令和四年度までの間に、最大で一万一千五百人程度からの給付申請及び給付金の支給があるものと推計してございます。また、令和五年度以降三十年間の期間におきまして、対象となり得る方は一万九千五百人程度と推計しているところでございます。全体で約三万一千人程度になるものと考えてございます。
 これらの対象者への給付金の支給に必要な額といたしましては、トータルの総額で約四千億円になるものと想定しているところでございます。

#320
○高井委員 それでは次に、この法案の対象になっていませんけれども、屋外の作業で被害に遭った方、あるいは、国の責任期間以外の期間で被害に遭った方々の人数と予算額、これはどの程度と見込んでおられるのか。そして、あわせて、こういった方々も私は救済をすべきだと考えますけれども、いかがですか。

#321
○吉永政府参考人 五月十八日に原告団、弁護団と国との関係で取り交わしました基本合意書におきましては、最高裁判決を受けまして、屋内建設作業につきましては、昭和五十年十月一日から平成十六年九月三十日までの間に従事した方、吹きつけ作業に従事した方につきましては、昭和四十七年十月一日から昭和五十年九月三十日までの間に従事した方とされております。
 和解の対象者が、最高裁判決と同様としておりまして、未提訴の方に対する給付金制度につきましても、この対象者と同様という形で基本合意書の中に明記されているところでございます。
 御質問をいただきました、この対象以外の方ということでございますけれども、これらの方々に関する人数、予算額につきましては推計は持ち合わせていないところでございます。

#322
○高井委員 是非、今後の課題として受け止めていただきたいなと。修正協議等でもそういった話があったと思うんですけれども、なかなかそういうことにはなりませんでしたけれども、是非御検討いただきたいと思います。
 それで、財務副大臣にちょっと来ていただいて、私、通告したとばかり思っていたら、ちょっと漏れていたかもしれないので大変恐縮なんですけれども、この問題、今言ったように四千億というお金で、それ以外に範囲も広げていくと更にまた予算が必要になって、恐らく、今回この法律を作るに当たっても、財務省との協議というのが欠かせなかったと思います。
 副大臣、直接担当していないと思うので、細かいことを聞くつもりはありませんが、厚労大臣、田村大臣からも先ほど謝罪の言葉もありましたし、やはり政府として、これは一丸となって被害者の方々に寄り添った対応を前向きにしていく。今後の検討課題も含めて、是非、財務省にもその姿勢を示していただきたいと思いますが、副大臣、お願いします。

#323
○伊藤副大臣 よく厚労大臣と相談をしながら進めてまいりたいと思います。

#324
○高井委員 先ほどの質疑でも、実は、厚労省が進めようとすることに対して財務省がブレーキをかけているのではないかと疑われるようなケースがあるものですから。
 是非そこは、今の、厚労大臣とよく相談をしてというのは、私は非常に重要な答弁だったと思っていますので、やはり、政府一体として取り組まれているところに財務省の都合でブレーキをかけるということがないようにお願いをしたいと思います。
 そのほかの質問は既にほかの委員の方が質問されて重なってしまいますので、済みません、ちょっと別の質問をさせていただきます。
 財務副大臣、来ていただいたのは、今の話にも関連しますし、それから、先ほど第一ラウンドというか、二時間ぐらい前にずっと議論をしたことが、私がずっと取り上げている総合支援資金という問題、それから、これは副大臣の所属される公明党さんがかなり強く提案をされて、生活者困窮自立支援金という制度ができた。
 ただ、これは実は高木委員からも、今のままじゃ不十分だ、せめて年内、今、三か月やるということなんですけれども、年度内とおっしゃいましたね。できれば年度内、せめて年内ということですから、今の制度は三か月ということなんですけれども、だから、高木委員の提案だと、九か月若しくは最低でも六か月という提案ですが。
 これはやはり財務省との協議が必要なところで、済みません、これも通告していないので、副大臣とはあさってもう一度やります。この問題についてはあさって、厚労大臣とそれから副大臣とで是非この制度をよりよい、そして、私は、この自立支援金では不十分で、総合支援資金の再貸付けというのを延長してもらいたいということを財務省の立場からも是非聞きたいと思います。
 今日は、通告しているのはそれとも大いに関係するんですけれども、要するに、こういった予算を、先ほどのアスベストもそうですけれども、やはり予算がないないと財務省はずっと言うんですけれども、私は一貫して、そんなことはないだろうと。国債を発行して、そしてそれが、日本は世界で最も借金が多い国だと財務省は盛んに宣伝をするわけですけれども、私は、この委員会でも申し上げたとおり、政府の借金と普通の一般的な家とか会社がやっている借金は全然違う、借金という言い方がそもそも間違いだ。
 それはなぜならば、政府というのはお金を自分で発行できる、お札を刷れるわけですよね。しかし、我々家計はそんなことはできない。我々が刷ったらそれは偽札で捕まりますから、そんなことはできないわけです。そこはもう決定的に違うわけですから。しかも、政府の借金、負債というのは国民の資産になるわけです。ですから、そこは借金という言い方は全然違う。そこの認識がそもそもなかなか折り合わないんですが。
 私が具体的に聞きたいのは、これはれいわ新選組の山本太郎代表がよく、毎日のように演説を彼はされているんですけれども、その中で必ず使っている言葉があって、それは、彼らの公約は、毎月十万円、毎月十万円給付しても大丈夫だと。ということは、毎月というのは、十万円を給付すると十二兆円なんですよ。十二兆円を毎月やると、掛ける十二で百四十四兆円ですね。一年間に、今、我が国が発行している国債のほかに百四十四兆円国債を発行しても、インフレ率二%には達しませんと。
 私は、インフレ率がある程度、最低二%になるまでは国債は発行し続けても大丈夫だという考えなんですけれども、実は山本さんは、参議院の財務調査室というある意味公的なところに、きちんとデータを示して試算をして、その結果を今演説で発表、主張しているわけですけれども、そのデータを私、山本さんからいただきまして、今日、財務省に渡していいかと言ったら、いいよと。
 それで、その試算についてどう思うか。私が見る限りは、非常にきちんと理論立って、きちんとしたデータ、推計に基づいて出している。百四十四兆円毎年国債を発行しても、四年間毎年やっても二%に達しないんですね。むしろ三年目、四年目はインフレ率が下がっていくというデータなんですけれども、それを昨日のうちに財務省に渡してありますので、財務副大臣として、この試算についてどのように考えますか。

#325
○伊藤副大臣 類似の質問をこれまで何度もいただいておりまして、国債残高とインフレとの関係につきましては、改めて申し上げますと、マクロ的な需給の関係、そして家計や企業のインフレに対する予想など、様々な要因によって決まってくるものですから、国債残高との関係のみを取り出して議論することは困難だと考えております。
 御指摘の参議院調査情報担当室の試算については、その試算の前提となる詳細が把握できませんので、ここでコメントすることは控えさせていただきたいと思います。
 いずれにいたしましても、仮に財政運営に対する信認が失われることになれば、過度な金利上昇やインフレが起こる可能性があることは否定できないと考えております。また、こうした事態がいつ起こるかは事前に予測することが困難だということは、これまでも申し上げてきたとおりでございます。
 よって、財政運営に対する市場の信認が将来にわたって失われないように、社会保障の改革など、経済再生と財政健全化の両立に取り組むことが重要だと考えております。

#326
○高井委員 国債を発行する立場の、財政を運営する財務省が、それを発行して金利がどうなるか、インフレがどうなるか全然分からない、予想もできないということ自体がそもそもおかしいですよね。それはいろいろな条件はあると思いますよ、単純に国債発行だけでインフレが決まるわけじゃないけれども、しかし、その重要な要素であることは間違いないわけだから。
 やはり、そういったものをきちんと試算をする研究所というか部署をちゃんとつくるべきだし、私は、それを財務省がやらないなら、政府の中で、内閣府の旧経済企画庁のようなところであるとか、あるいは経済財政諮問会議とか。そういうことを言っていると、本当に財務省から予算権限をやはりもう取り上げなきゃいけないんじゃないかと。
 民主党政権のときに国家戦略局というのをつくって、そこで予算編成をやろうとしましたけれども、時間がなくて、あれは本当に、九月に内閣が発足して、十二月の年末までに予算を編成しなきゃいけなくて、短期間しかなかったことで断念して、その結果、結局、財務省が引き続きやることになったことが、私は民主党政権の最大の失敗はそこだったんじゃないかと思っているんですけれども。
 でも、今の答弁で明らかになったのは、財務省が自らの言いたいこと、今までもう何百回も聞いていることを今答弁していただいただけで、参議院の財務調査情報室が作ったデータ、私は相当分厚い生データを全部差し上げたんですよ、財務省に。それを見ても、何か試算の前提が分からないみたいな答弁ということは、私は、これはもう暗に認めたということだと思います。
 これがもし間違っていれば、間違っている部分、こことここは前提がおかしいと答えるはずですから、それを答えないということは、それを答えずに全然別なことを答弁するというのは、これはもう財務省も、それは計量経済学のモデルとしては全く間違っていないですよ、私から見ても間違っていない、それも財務省も認めたというふうに、そういうふうに受け止めさせていただきますし、それは誰が見てもそういうふうになると思います。
 それでは、もう一問聞きますけれども、このように、私たちと伊藤副大臣始め財務省の国債発行に関する大きな見解の違いがあるのは、なかなかこれはすぐには溝が埋まらない。だけれども、せめてこのコロナ禍ぐらいは発行しませんか、国債をもっと。
 今、八十兆も発行しましたと胸を張って言うかもしれませんけれども、まだ足りないんですよ。足りないからこれだけ多くの国民の皆さんが困っていて。私はやはり、山本太郎さんみたいに毎月とは言いませんよ、せめて一回、もう一回十万円、十二兆円でできるんですから、十二兆円国債発行したらいいじゃないですか。
 それともう一つは、事業者への補償です。
 これは我々国民民主党が法案を出しています。事業規模に応じた給付金という、今さっきも内閣委員会で西村大臣にそのことを言ったら、いや、国民民主党の案も採用して、事業規模別になんて言いましたけれども、全然事業規模別になっていませんよ、あんな金額では。
 我々の金額は、そうじゃなくて、きちんと事業規模をしっかり算出して、これは実際にドイツでやっているんですよ。ドイツでやっていて、最大二億円まで出せる、そういう仕組みをやって、我々の試算では、これだけ補償しても六兆五千億でできますから。
 ですから、国民一人当たり十万円、十二兆円、それから、これだけ緊急事態宣言が長引いて、事業者の方がもう本当に疲弊しています。六月、倒産という会社がどんどん出ると思いますよ。もう本当に、私、感染者数だけ発表するんじゃなくて、倒産数も毎日発表すべきですよね。あるいは、このコロナによって亡くなった方がどれだけ、感染だけじゃなくて、私は、経済的な理由で亡くなっている方も相当出ているし、これからもっと出てくる。
 そういったことを考えれば、このくらいのことを追加で国債を発行してやるべきだ。是非、伊藤財務副大臣、御決断いただけませんか。

#327
○伊藤副大臣 このやり取りも何度かさせていただいておりますが、まず、同様な答弁になりますけれども、これまで、感染症の拡大の影響を受ける方々については、それぞれの状況に応じた支援を図っていくという方向で取組を進めてきました。
 具体的には、緊急小口資金等の新規貸付け、再貸付けの継続、債務免除要件の明確化、緊急小口資金等を貸付限度額まで借りた生活困窮世帯等に対する、今般、生活困窮者自立支援金の支給、住居確保給付金の再支給の継続、低所得の子育て世帯に対する子育て世帯生活支援特別給付金の支給、求職者支援制度等、職業訓練の抜本的な拡充など、また、休業要請等に応じた飲食店や大規模施設等に対する協力金、また、それらに類する持続化給付金、一時支援金、月次支援金、こうしたところを行っているところでございます。
 これらにより、引き続き、新型コロナの影響を受け厳しい状況にある方々や事業者をしっかり支援してまいりたいと考えております。

#328
○高井委員 副大臣も苦しい答弁を読まされて大変だと思いますけれども、そんなものじゃもう済まないレベルになっている。それで公明党さんが頑張って、緊急小口資金等と。その等が大事なんですよ。
 緊急小口資金等と皆さんおっしゃいますけれども、緊急小口資金というのは一回きりなんです、二十万円。だけれども、その後の総合支援資金が九か月あって百八十万円、それを延長してほしいと。それで、延長が無理だからといって、新たに自立支援金というのをつくっていただいて、三十万。でも、これでも足りない、それを公明党さんも、もっと出すべきだと。
 さっき聞いたら、総合支援資金、延長しても千四百億円でした、千四百億円。しかも貸付けですよ、貸付けを千四百億円あと増やしてほしい。
 そして、自立支援資金は五百億円ですよね。これは公明党さんの主張どおり三か月を九か月に増やしても三倍の千五百億円ですから、今私が言った十二兆とか百四十四兆とかいうレベルの話じゃないので、是非これはやっていただきたい。
 これは、あさってもう一度副大臣にはお越しいただいて、総合支援資金の、本当にこれをよりよくするために議論させていただきたいと思います。
 副大臣、どうもありがとうございました。お帰りいただいて結構です。
 それでは、田村大臣の前に、これは局長に通告なんですが、事実確認なんですけれども、水際対策の話です。
 私の前の質問で、海外から入国して、今十四日間自宅待機している人の数はどれくらいかと。その中で、健康確認のメールをしていますね、そのメールに返信している方の数、それから、位置情報を確認するためにログインしてもらって、そして実際に確認できている数、それからビデオ通話、私が前聞いたときは一日百件しかやっていなかったんですけれども、今何件やっていますか。
 以上、局長からお答えください。

#329
○正林政府参考人 それでは、一つ一つ。
 十四日間自宅等待機の対象者、直近で確認できる五月三十日までの一週間の平均で見た場合、一日当たり約二万一千人です。
 それから、メールによって日々の健康状態の報告を行っていることが確認されるのは、平均で約一万七千人です。
 それから、アプリによる位置情報確認について、IDとパスワードを入力してログインが確認されているのは、平均で一万六千九百人。それから、位置情報の報告に応じていることが確認されたのは、平均で一万五千九百人であります。
 それから、以前百人とお答えした件ですけれども、ビデオ通話、架電の件数は、五月三十日の実績で一万四千四百六十九件です。

#330
○高井委員 一万四千というのは、あれですか、これは一日ですよね、一日に何件かけているかという質問なんですけれども。

#331
○正林政府参考人 そのとおりです。

#332
○高井委員 そうなんですよ。百件だったのが一万四千件今かけているそうです。やればできるんだなと本当に思いますけれども、そのことは評価したいと思いますが。
 一日一万四千件かけていただいていますが、今答弁があったように、二万一千人の対象者のうちメールで確認しているのは一万七千人だから、四千人はメールが返ってこないとか、確認できていないんですよね。それから位置情報も、約四千人が、要するに登録されていないというか、返ってこないんですね。
 もちろん、これとは別ルートでやっているから、どっちかをやっているという人もいるんでしょうけれども、しかし、それでも、二万一千人のうち四千人が把握できていないはずなのに、実は新聞などで、よく皆さん、厚労省が今連絡が取れていない人は一日百人ですと。私は、何でそんな少ないのと思うんですよ。四千人把握できていないはずなのに、何で百人。この関係はなぜですか。

#333
○正林政府参考人 百名という数字は、健康フォローアップ対象者のうち、メール等による毎日の健康状態確認に四日間回答せず、かつ、位置情報確認アプリによる呼びかけに対応しないことなどが確認された待機者一日当たりの数をお示ししており、直近では、ビデオ通話や民間警備会社による見回りなどの複数の取組により、御指摘の、連絡が取れない方の数も大きく減少し、今は四十人程度というふうになっております。

#334
○高井委員 これが実はからくりなんですよ。四日間なんです。つまり、例えば四千人が連絡が取れないんだけれども、四千人のうち四日間ずっと取れなかった人は百で、今四十人ということですよね。
 それで、皆さん、いいと思うかもしれませんけれども、これでいいですか、本当に。だって、自宅待機を要請しているんですよ。自宅待機を要請している人が、三日間ずっと出歩いて、最後の一日だけ、四日目に応答すればオーケーというカウントをしているということですよね、これは。一日百件なり四十件しかありませんと。
 やはりこれは毎日発表しないとおかしくないですか。毎日、やはり一日でも、いや、私は、一日でも本当はいけなくて、ほかの国だと、何か五秒部屋から出たら罰金百万円とかいう、台湾だったかな、ニュースでもやっていましたけれども、そういう世界ですよね。
 日本も、ホテルの待機中はかなり厳格にちゃんと見回っていて、外出制限しているそうなんですよ。ところが、自宅待機になると、一日一回だか二回だか分かりませんけれども位置確認、それはランダムな時間に来るので、確かに、出歩いているときにその位置確認が来たら、わざとそれに返事をしないわけじゃないですか、出歩いているから。そして、自分が都合よく家にいたときだけ四日に一遍返事をしている人が、それでも返事をしないという不届き者が四十人いるという話で、そんな数字を発表したって意味ないですよ。
 これは、やはり一日当たりの数は、局長、把握していないんですか。

#335
○正林政府参考人 一日当たりというのは確かに把握できていないと思いますが、毎日、とにかく健康状態の報告、メールとかで取っていますけれども、その連絡が取れない理由というのは、お一人お一人事情が様々かなと。たまたまメールを見なかった、あるいはトイレに行っていたとか、いろいろな事情があるんじゃないかなと思います。
 しかしながら、できるだけ把握しようと我々は考えていますので、十四日間待機期間中のルールをちゃんと遵守していただけるように、位置情報確認アプリの、まず操作方法が分からないという方もいらっしゃったので、そういう操作方法について、必要な作業を分かりやすく伝えるための広報資料を充実するとか、それから、位置情報確認アプリの確実な利用に向けて、入国後適切にログインしていただくことが重要なので、システムの見直しなども行って、空港の滞在中にログインまで完了できる仕組みの構築も急いでいるところです。
 引き続き、そのほか、先ほど申し上げたビデオ通話とか見回りとか、何とか確実なフォローアップの体制を構築していきたいと思っています。

#336
○高井委員 いや、大臣、これは多分大臣も今初めて知ったと思います。恐らくマスコミもみんなだまされていたというか、一日百人が確認できなくて大変だと言っていますけれども、私は絶対百人どころじゃないと思っていたんですよ。二万一千人確認しなきゃいけないうち四千人、前聞いたら八千人だったのが四千人に減っているから、進歩していることは認めますけれども。
 だけれども、一日でも外れた人はやはり怪しいですよ。四日に一遍連絡が取れて、残り三日間何をしていたか分からない人は全然問題ないんですといって発表する厚労省の姿勢は、私はおかしいと思うので。
 大臣、今知ったと思うので、是非、ちょっと改善するように正林局長に言っていただけませんか。

#337
○田村国務大臣 四日間というのは前から知っておりましたし、ここでも前から、四日間連続で会えていない方々が百人いる、今は四十人という話でありますけれども。
 みんながみんなずるしようというわけではなくて、この中には、そもそもアプリのダウンロード、入力の仕方が分からなかった、いろいろなことがあるので、ただ、そうはいいながら、委員がおっしゃられる意味からすると、多分一人も逃すべきではないというお話なんだと思います。
 そのためには、少なくとも、今は十四日というやり方はしていなくて、十日間ホテルに入っていただく。これは非常に感染力の高い新たな変異株に対しての対応をしているわけでありますが、十日間の中で、入国される前から五回検査する。十日間ホテルにおられて、そして検査をするということになれば、十四日間滞在とほぼ同じぐらいの対応ではないか。これはCDCがそういうようなものを出していただいているみたいでありますけれども、この間、実はアドバイザリーボードでもそういう話になったんですが、かなりの可能性で感染を外に漏らすのを防げるということで、そういう対応に今移っていますが、しかし、いかんせん、ホテルの数というものの限界があるわけでございます。
 一方で、人権上の問題で日本人等々は帰国を今もいただいている方々が多いわけでありますので、それとの兼ね合いもあります。
 一方で、ホテルといっても、これは停留、停留という話までありました。停留じゃありません、これはあくまでもお願いをしているだけの話であって、誓約書等々には書いてもらいますが、停留を法律上しようとすると、もっと厳格な、感染症の可能性が高いという一応要件になろうというふうに思いますので。
 そう思うと、日本は、この間の検疫法の改正で、努力義務まではこの自宅待機もさせていただくようになりましたけれども、しかし、やはり法律上は、人権、行動制約、こういうものに対しては非常に我が国は敏感な国家でございますので。
 なかなか、委員は多分、罰則もつけてこういう人たちが出ないようにという話でありますが、そうなれば、多分、政府の提出というよりかは、国民の代表たる国会の中でいろいろな御議論をいただく方が、国民の皆様方は御理解をいただきやすいんだろう。やるとすれば、若干時間をいただいて、国民的な議論をさせていただく必要があるのではないか。これは私の個人的な意見で、大臣になる前からそうやって言っているんですけれども、そのように私自身は個人的には思っておるような次第であります。

#338
○高井委員 私も、停留は少なくとも今法律であるんですから、伝家の宝刀みたいに何か言われていましたけれども、そんな必要はない、もっとやればいいし、私は私権制限はもっとできると思います。
 あと、今、インド由来の国だけ十日ということですけれども、もう今、インド周辺の国以外からどんどんインド変異種が入ってきていますから、やはりもう全ての国を、私は十四日間待機を求めますけれども、それが無理なら十日、六日でもいいですから、そこの範囲を広げるべきだと思います。
 終わります。ありがとうございます。
     ――――◇―――――

#339
○とかしき委員長 次に、特定石綿被害建設業務労働者等に対する給付金等の支給に関する法律案の起草の件について議事を進めます。
 本件につきましては、先般来各会派間において御協議いただき、今般、意見の一致を見ましたので、委員長において草案を作成し、委員各位のお手元に配付しております。
 その起草案の趣旨及び内容について、委員長から御説明申し上げます。
 令和三年五月十七日の建設アスベスト訴訟の最高裁判決において、国が規制権限を行使しなかったことが違法であると判断され、慰謝料等の損害賠償請求が認められたことは、重く受け止めなければなりません。国は、係属中の建設アスベスト訴訟については、裁判上の和解を進めていくこととしています。他方で、石綿にさらされる建設業務に従事し、既に石綿関連疾病にかかっていても未提訴の方々や、将来発症する可能性のある方々も多数いらっしゃいます。こうした方々が訴訟を起こさなければ救済されないとすると、重度の健康被害を抱えながら訴訟を強いられることとなり、肉体的にも精神的にも大きな負担となってしまうことが危惧されます。また、被害者の方々の高齢化が進んでいることからも、訴訟を経ることなく、早期に救済を図ることが求められています。
 本案は、最高裁判決等において国の責任が認められたことに鑑み、未提訴の方々について、その損害の迅速な賠償を図るため、訴訟によらずに給付金等の支給を行うための措置を講じようとするもので、その主な内容は次のとおりであります。
 第一に、国は、石綿にさらされる建設業務に従事することにより、石綿関連疾病にかかった労働者や一人親方等又はその遺族であって、認定を受けた方に対し、給付金を支給することとしております。ここで、対象となる業務は、最高裁判決等により示されたものとし、昭和四十七年十月一日から昭和五十年九月三十日までの間に行われた石綿の吹きつけ作業に係る業務と、昭和五十年十月一日から平成十六年九月三十日までの間に行われた一定の屋内作業場における作業に係る業務としております。
 第二に、給付金の額は、病態等による七つの区分に応じて、五百五十万円から千三百万円としております。給付金の受給後に症状が悪化した場合には、追加給付金として、進行後の病態等の区分における給付金の額と既に受けた給付金の額との差額を支給することとしております。
 第三に、厚生労働大臣は、給付金等の支給の請求を受けたときは、厚生労働省に設置する審査会に審査を求め、その審査の結果に基づき、支給を受ける権利の認定を行うものとしております。
 第四に、独立行政法人労働者健康安全機構に基金を設け、給付金等の支払いの業務を行わせることとし、政府は、機構に対し、給付金等の支払いに充てるための資金を交付するものとしております。
 第五に、国は、国以外の者による特定石綿被害建設業務労働者等に対する損害賠償その他特定石綿被害建設業務労働者等に対する補償の在り方について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとしております。
 なお、この法律は、一部の規定を除き、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしております。
 以上が、本起草案の趣旨及び内容であります。
    ―――――――――――――
 特定石綿被害建設業務労働者等に対する給付金等の支給に関する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――

#340
○とかしき委員長 本件について発言を求められておりますので、これを許します。長妻昭君。

#341
○長妻委員 私は、立憲民主党会派で衆議院厚生労働委員会理事の長妻昭です。
 ただいま委員長による趣旨説明がありました特定石綿被害建設業務労働者等に対する給付金等の支給に関する法律案について、法案の策定に携わった立法者として発言をいたします。
 筆舌に尽くし難い苦しみの中でお亡くなりになった多くの方々の御冥福をお祈りするとともに、いまだ苦しみの中で闘病されている多くの方々、その御家族、関係者に心よりお見舞い申し上げます。
 被害者の皆様に対する迅速な救済が求められています。
 本法案の附則第二条について申し上げます。
 この附則第二条は、本法案で明確化されなかった点について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずることを政府に求める条文です。
 実際の条文は、「国は、国以外の者による特定石綿被害建設業務労働者等に対する損害賠償その他特定石綿被害建設業務労働者等に対する補償の在り方について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。」とあります。
 附則第二条の対象の一つは、国以外の者による損害賠償です。これは、具体的には、石綿建設材料、すなわちアスベストを含有する建材を製造あるいは販売をした者などに、損害賠償の在り方について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものです。
 附則第二条の対象の二つ目は、本法案の給付金の支給の対象となる期間以外の期間における特定建設業務労働者等の石綿すなわちアスベストによる健康被害に対する補償の在り方について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるというものです。
 附則第二条の対象の三つ目は、屋外での石綿すなわちアスベストに暴露する作業に従事した特定建設業務労働者等に対する補償の在り方について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるというものです。
 与党建設アスベスト対策プロジェクトチームの座長との法案策定交渉の中で、附則第二条にある「その他」には、給付金の支給の対象となる期間以外の期間における特定建設業務労働者等と、屋外での石綿すなわちアスベストに暴露する作業に従事した特定建設業務労働者等が含まれていることが確認されています。
 附則第二条の対象として以上に挙げた三点が含まれていることを政府は肝に銘じ、本法案にのっとって適切、迅速に対応することを強く要請します。
 以上です。

#342
○とかしき委員長 以上で発言は終わりました。
 この際、本起草案につきまして、衆議院規則第四十八条の二の規定により、内閣の意見を聴取いたします。田村厚生労働大臣。

#343
○田村国務大臣 衆議院厚生労働委員長提出の特定石綿被害建設業務労働者等に対する給付金等の支給に関する法律案につきましては、政府としては異議はございません。

#344
○とかしき委員長 お諮りいたします。
 お手元に配付いたしております草案を特定石綿被害建設業務労働者等に対する給付金等の支給に関する法律案の成案とし、これを委員会提出の法律案と決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕

#345
○とかしき委員長 起立総員。よって、そのように決しました。
 なお、本法律案の提出手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#346
○とかしき委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
 大臣は御退席いただいて結構です。ありがとうございます。
     ――――◇―――――

#347
○とかしき委員長 次に、馳浩君外七名提出、強制労働の廃止に関する条約(第百五号)の締結のための関係法律の整備に関する法律案を議題といたします。
 提出者より趣旨の説明を聴取いたします。馳浩君。
    ―――――――――――――
 強制労働の廃止に関する条約(第百五号)の締結のための関係法律の整備に関する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――

#348
○馳議員 ただいま議題となりました強制労働の廃止に関する条約(第百五号)の締結のための関係法律の整備に関する法律案につきまして、提出者を代表して、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 国際労働機関、ILOが一九五七年に採択した強制労働の廃止に関する条約は、特定類型の強制労働の廃止を批准国に義務づけるもので、加盟百八十七か国のうち百七十六か国が批准済みであります。この条約は、ILO基本条約と位置づけられる八つの条約のうちの一つであり、日・EU経済連携協定において基本条約の批准を追求するための努力を払う旨の規定が設けられているなど、国際的な経済活動の円滑化のためにも不可欠なものでありますが、我が国はいまだ批准しておりません。
 本法律案は、我が国が強制労働の廃止に関する条約を締結するため、同条約が禁止する強制労働に該当するおそれがある罰則に関する規定に係る関係法律を整備しようとするものであります。
 その主な内容は、第一に、国家公務員法等に規定する政治的行為の禁止に違反する行為に係る罰則としての懲役刑を禁錮刑に改めること、第二に、船員法等に規定する業務を行わないことに対する罰則その他の労働規律の手段としての懲役刑を禁錮刑に改めること、第三に、国家公務員法等に規定する争議行為のあおり等に係る罰則としての懲役刑を禁錮刑に改めることであります。
 なお、この法律は、公布の日から起算して二十日を経過した日から施行することとしております。
 以上が、本法律案の提案理由及び内容の概要であります。
 何とぞ御賛同いただきますようよろしくお願い申し上げます。

#349
○とかしき委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
    ―――――――――――――

#350
○とかしき委員長 この際、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、政府参考人として人事院事務総局職員福祉局次長練合聡君、法務省大臣官房審議官保坂和人君、厚生労働省大臣官房総括審議官井内雅明君の出席を求め、説明を聴取したいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#351
○とかしき委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――

#352
○とかしき委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申出がありますので、これを許します。宮本徹君。

#353
○宮本委員 日本共産党の宮本徹です。
 本法案は、現行の国家公務員法の百二条、政治活動の禁止、九十八条の争議権の制限規定をそのままにして、それらの罰則を懲役刑から禁錮刑にするものであります。政治活動やストライキの禁止規定は、憲法の二十一条の表現の自由、憲法二十八条の労働基本権を踏みにじるもので、これらの規定をそのままにすること自体が許されません。
 ILO百五号条約は、民主主義社会における基本的権利として公務員の政治活動の自由や労働基本権を保障しようというものであって、こういうこそくなやり方は条約の精神にもとると考えます。
 まず一点目の質問ですが、ILO百五号条約を批准しているG7及びOECD諸国で、公務員の職務外での政治活動を禁止している国、刑事罰を科している国は何か国あるのか、国名を挙げてください。

#354
○井内政府参考人 お答えいたします。
 お尋ねの公務員の職務外での政治活動を法律で禁止している国については、網羅的に把握しているわけではありませんが、アメリカでは、連邦公務員について、勤務時間外における一定の政治活動を法律で禁止しているものと承知しております。
 また、公務員の政治活動の制限違反に対して刑事罰を科している国についても、網羅的に把握しているわけではありませんが、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランスの四か国においては、国家公務員法制上、刑事罰は定められていないものと承知しております。
 なお、二〇一七年に行った別の調査によれば、上記の四か国のほか、カナダ、オーストラリアの二か国においても、少なくとも懲役刑、禁錮刑等の自由刑は定められていないとの結果を得ております。

#355
○宮本委員 アメリカで一部政治活動の、一部の人にはあるという話ですけれども、今日は人事院の資料をお配りしておりますけれども、基本的には、アメリカも含めて、政治活動は原則は自由なんですよね。勤務中は駄目ですが、勤務外は基本的に自由と。ただ、捜査機関職員や部課長級、これは一部制限規定があるということで、基本的に、普通の公務員の皆さんは、どこの国でも、まともな民主国家なら政治活動というのは原則自由であります。ましてや、政治活動に刑事罰を科している国はないわけであります。
 そこで、もう一点お伺いしたいと思いますが、国公法百二条一項の「人事院規則で定める政治的行為をしてはならない。」に違反し省庁等から人事院に通知された件数は、この三十年間で何件あるのか。また、百二条一項の「人事院規則で定める政治的行為をしてはならない。」への違反として起訴された事案はこの三十年で何件あるのか、答えてください。

#356
○練合政府参考人 お答えします。
 私の方からは、人事院に対する通知についてお答えします。
 人事院において保存する文書で確認した範囲内では、国家公務員法及び人事院規則一四―七に定める政治的行為の禁止又は制限に違反する行為又は事実があったとして各省各庁の長及び行政執行法人の長から人事院に対して通知されたものはありません。

#357
○保坂政府参考人 起訴件数についてのお尋ねでございますが、お尋ねの国家公務員法違反のうち、百二条一項に違反する罪の起訴件数につきましては、個別の罪ごとには統計として把握していないためお答えは困難でございますが、国家公務員法違反全体での起訴件数、起訴人員につきましては、令和二年から……(宮本委員「いや、全体は要らない。百二条だけでいいです、百二条一項」と呼ぶ)よろしいですか。
 個別の罪ごとには統計として把握しておりません。

#358
○宮本委員 把握していないというのも驚きなんですが。
 まず、人事院の規則では、各省庁から人事院にまず通知されることになっているわけですけれども、一件もないわけですね。起訴された事案は法務省はつかんでもいないというわけですが、私の知り得る限りでは、堀越事件と世田谷国公事件の二件なのではないかと思います。これは人事院に通知もなく、警察が政治弾圧として行った事件であります。
 堀越事件、資料二枚目からお配りしておりますけれども、社会保険庁職員の堀越さんが、二〇〇四年、国公法違反で逮捕、起訴された事件であります。起訴事実は、二〇〇三年九月、堀越さんが休日に自宅付近のアパートの集合ポストにしんぶん赤旗の号外を投函した行為であります。
 この半年前の四月から、警視庁公安部が大規模な尾行、監視、ビデオによる盗撮などプライバシーの監視を行っていました。連日十名前後でビデオを四から六台回し、自動車を三、四台使う。あるいは、二十九日連続監視の記録もあります。堀越氏の飲食や観劇、買物などプライベートな行動を分単位で克明に記録を取り、一覧表を作成。その一覧表には、そば屋、うどん屋、牛丼屋、居酒屋などでの飲食が記載され、カラオケに行ったこと、歯医者に通院していること、銀行のATMでの出入金などに至ることまで克明に記録されていたわけでございます。それで、堀越事件で人権じゅうりんの捜査、不当逮捕、起訴。根拠とされたのは国公法百二条、人事院規則一四―七であります。
 資料の四ページ目から五ページ目に国公法と人事院規則をつけておりますけれども、国公法百二条は、禁止する政治行為を人事院規則に委任をしております。人事院規則一四―七、禁止行為がずらっとありますが、六項の七号、政党その他の政治団体の機関紙たる新聞その他の刊行物を発行し、編集し、配布し又はこれらの行為を援助すること、堀越さんはこれを根拠に逮捕されました。
 しかし、最高裁は、人事院規則一四―七第六項第七号に文言上該当する行為であっても、堀越さんの行為は休日に市民として行った政治活動で、公務員の職務の遂行の政治的中立性を損なうおそれがないものとして無罪にいたしました。最高裁は、禁止される政治的行為の内容を文言どおりではなく限定的に解釈をいたしました。そして、堀越さんが勤務時間外に職務と関係なく行ったビラ配布行為を処罰の対象とすることは憲法二十一条一項、三十一条に違反し、無罪とするとした高裁判決の結論を維持したわけでございます。
 そこで、法案提出者に伺いますが、この最高裁判決を踏まえるならば、不当な警察の捜査と立件につながった百二条一項そして人事院規則一四―七そのものを改めるべきなのではありませんか。

#359
○中川議員 委員御指摘の最高裁判決の評価や、また国家公務員の規定や人事院規則の当否については、実はこれは各党各会派において様々な御意見ないしお立場があるんだということを承知をしております。今これをまとめるのはなかなか困難な状況にあります。
 その一方で、日本が国際社会で果たしていくべき役割や昨今の国際情勢を踏まえて、強制労働の廃止に関する条約を批准していくということが我が国にとって実は急務であるというふうに認識をしておって、今回、各会派でその認識というのは共有ができているというふうに思うんです。
 そのために、提案者としては、委員御指摘の規定を含めた現行法の個別の規定の当否に立ち入るということまではしないで、同条約に抵触する可能性のある懲役刑を禁錮刑に改める、そのことによってこの批准というのが可能になるということでありますので、今回、この法律案を提出をしたという次第であります。御理解をいただければありがたいと思います。

#360
○宮本委員 理解できません。
 各党各会派で、是非、この最高裁の判決を踏まえて、本当にこれを放置していいのかというのを真剣に考えていただきたいと思います。
 職務と関係のない勤務時間外の純然たる市民的、政治的な活動を、人事院規則に丸投げして禁止の対象として、その違反に刑罰を科す、この現行法制の矛盾が誰の目にも明らかになったのがこの堀越事件の判決だと思います。
 その上で、そもそも、なぜ、どのような経過で国家公務員の政治活動を禁止し、公務員の労働基本権を不当に制限する規定が法改正で設けられたのか。
 一九四八年の第三国会での国公法改正の提案理由の説明のうち、経過が分かる部分について調査室の方から読み上げてほしいと思います。

#361
○吉川専門員 先生の御意向は、第三回国会、一九四八年十一月十日の衆議院本会議において、国家公務員法の一部を改正する法律案についての吉田首相による趣旨説明に引き続いて行われた、政府委員である浅井清臨時人事委員長による補足説明かと思います。
 該当部分を読み上げさせていただきます。
 「この改正法律案を政府において起草いたして、このたび国会に提出いたしました重要な動機は、申すまでもなく」「去る七月二十二日のマツカーサー元帥の書簡でございます。」、少し飛びまして、
  この書簡を受取りました政府は、同書簡の趣旨に基き、とりあえず、去る七月三十一日附をもつて臨時措置に関する政令を制定施行いたしまして、公務員の交渉権を制限いたし、争議行為を禁止いたしますとともに、国家公務員法により設置せられましたる臨時人事委員会をして、爾後公務員の利益を保護する責任を有する機関とする等の臨時の措置を講じたのでございますが、それと同時に、国家公務員法につきましては、これをマツカーサー元帥の書簡の指示するところに即応せしむるよう改正をいたしますために、政府は、同書簡に基く司令部の助言によりまして、この法律案の起草を行つて来た次第でございます。従いまして、このたびの改正法案は、あくまでも書簡の精神と内容とに基いて起草せられたものでございまして、このことは、あらためて申し上げる必要もないと存じます。
以上でございます。

#362
○宮本委員 ありがとうございます。
 今読み上げていただいたとおりでありますが、資料の六ページ目から八ページ目にその前後の議事録も含めて載せております。
 国公法より早く制定されました労基法は、国家公務員も含めてこれは全面的に適用されることになっておりました。一九四七年に成立し、四八年の七月一日から施行された国公法も、制定時の国会答弁で、国家公務員にも他の労働者と同じ角度において、労働基準法が適用せられ、そうして労働基準法の精神が行われる、その意味において国家公務員について特別の規定を置きませんと説明していたわけでございます。それを一変させたのが先ほど紹介してもらったマッカーサー書簡と政令二〇一号です。
 占領軍は前年の二・一ゼネスト以来、官公労組などの労働運動の高揚を占領政策の阻害とみなし、国家公務員の争議行為等を禁止し、日本政府に施行直後の国公法の改正を押しつけました。この改正法は、一部閣僚でさえ知らない間に準備され、また、国会の審議でも、GHQ側の意向を伝える場合の速記中止を度々挟む中で、僅か三週間余りで強行成立いたしました。
 国公法の政治活動の刑事罰というのは、GHQが押しつけたあしき遺産と言わなければなりません。
 法案提出者にお伺いいたしますが、国公法の政治活動の禁止と罰則が占領下の下でGHQに押しつけられたものだという認識はありますか。

#363
○西村(智)議員 国家公務員法の御指摘の規定の制定過程について、先ほど答弁されたような経緯があるということは承知をいたしております。その上で、委員御指摘の規定に対する御意見ないしお立場については、各党各会派において様々なものがあると承知をいたしております。これは、この議論をする中でも本当にいろいろであったと思います。
 その上で、今回は強制労働の廃止に関する条約を締結することが、基本ILO八条約の締結ということでございますので、我が国にとっての急務であるということを各会派の共通認識ができまして、これを踏まえて、提案者といたしましては、現行法の規定の当否に立ち入ることなく、同条約に抵触するとの指摘を受ける可能性のある法律の規定を改正することとしたものでございます。
 どうぞよろしくお願い申し上げます。

#364
○宮本委員 この経過を法案提出者も承知しているということでございます。
 承知しているならば、私たちやはり立法府は、本当にこの占領軍のあしき遺産を放置し続けていいのか、ここを考えなければならないと思います。
 憲法に照らして、公務員制度はどうあるべきなのか、国家公務員の政治活動を罰則で禁止することが許されるのか、立法府として真剣に議論していかなければならないと思います。
 次に、公務員の労働基本権についてお伺いいたします。
 国公法の諸規定は、日本も批准済みの八十七号条約と九十八号条約、公務員の労働基本権を保障したものでございますが、これと矛盾いたします。
 二〇〇二年以降、ILOの結社の自由委員会からはどのような勧告がなされていますか。

#365
○井内政府参考人 二〇一八年六月に公表された第三百八十六次結社の自由委員会報告書について、御質問の関係を抜粋して読み上げさせていただきます。
 (a)委員会は、再度、政府に対し、遅滞なく、かつ従前の勧告に従い、次のことを目的として、関係する社会的パートナーとの意義のある議論を行うよう促す。
  (1)公務員への労働基本権の付与。
中略、
  (5)結社の自由の原則に従い、国家の名のもとに権限を行使しない公務員へのストライキ権の確保、及びストライキ権を正当に行使する職員団体の構成員と職員に対して重い民事上又は刑事上の罰則が科されないことの確保。
中略、
  委員会は、必要な改正法が遅滞なく制定されることを期待するとともに、政府に対し、進展について情報の提供を続けるよう求める。
以下、省略します。
 以上です。

#366
○宮本委員 ILOが勧告をしている中身というのは、私が言っていることと同じなわけですよ。
 ILOの条約に参加しようというのに、ILOの勧告には一方では従わないというのが今度の法案なわけですよね。
 やはり、ILOの勧告に誠実に応えて、刑罰規定そのものを私は撤廃すべきだと思います。
 最後にお伺いいたしますが、今、法制審で、刑法改正によって懲役刑と禁錮刑を同一にして新自由刑を創設しようとする動きがあります。もし、新自由刑が創設された後、条約に批准するために国公法を改正をするとなると、新自由刑の規定そのものを削除しなければならなくなる、こういう指摘もあるわけです。
 そこで、お伺いしますが、新自由刑の創設の前に懲役を禁錮にして条約批准をしてしまおう、こういう意図があるんでしょうか。

#367
○穴見議員 お答えします。
 委員御指摘の新自由刑については、昨年の法制審の答申において、懲役及び禁錮を新自由刑として単一化するなどの要綱骨子が示されております。
 現在、政府において、その答申に基づき検討を進めているところであると承知をしておりますが、その詳細な制度設計や法改正のスケジュールについてはいまだ明らかでない部分もございます。
 条約締結と新自由刑の法改正のスケジュールとの前後関係は定かではありませんけれども、強制労働の廃止に関する条約の締結が我が国にとって急務であることに鑑みて、同条約の締結のために必要となる法改正の作業を進めるべきものと判断をいたしました。
 今後、政府が新自由刑の法改正の検討を行うに当たっては、本法案の趣旨を十分に尊重いただけるものと認識しております。
 以上です。

#368
○宮本委員 資料の十ページ目、最後につけておりますけれども、公務員の政治的行為に対する制裁としての自由刑が設けられているかということを考えた場合に、百五号条約を締結している国では、これを見たらどこもないわけですよね。
 ですから、そういう点でいえば、前後関係はないんだという先ほどの答弁ですけれども、新自由刑の前にという思いが少しでもあるのであれば、それは大変やましいというふうに思うわけでございます。
 質問は以上でございますけれども、今は、科学技術の進歩と、そして民主主義の成熟の下で、誰もがSNSなんかを使って政治的な発信ができる時代になっております。国家公務員も匿名でツイートをし、政党を応援するものもあれば内閣を批判するものもあります。言論の自由であります。ところが、本法案では、こうしたツイートすら禁錮刑に処せられかねない危険があるわけでございます。
 ILO条約批准というのであれば、やるべきは、憲法で保障された政治活動の自由と労働基本権を回復する法改正だということを申し上げまして、質問を終わります。

#369
○とかしき委員長 以上で本案に対する質疑は終局いたしました。
    ―――――――――――――

#370
○とかしき委員長 これより討論に入ります。
 討論の申出がありますので、これを許します。宮本徹君。

#371
○宮本委員 日本共産党の宮本徹です。
 強制労働の廃止に関する条約百五号の締結のための関係法律の整備に関する法律案に対する反対討論を行います。
 本法案の重大な問題は、現行国家公務員法百二条の公務員の政治活動の禁止や九十八条の争議行為の制限規定そのものに一切手を触れないことであります。百十条の刑罰規定が百二条や九十八条の違反に罰則を科していることが問われなければなりません。
 そもそも、百二条と九十八条の規定は、憲法二十一条の言論、表現の自由、二十八条の労働基本権に反して、米軍占領下の一九四八年の国公法全面改悪によって持ち込まれたものであります。GHQがマッカーサー書簡と政令二〇一号で日本政府に押しつけた、占領政策の亡霊ともいうべき違憲の規定が存在していることこそが問題なのであります。
 国家公務員の政治的行為を一律全面に禁止し、労働基本権を不当に制限している現行規定を撤廃することに一切触れずに、刑罰規定の軽減のみを図る本法案は、国家公務員の政治活動の自由の禁止や争議権の制限という現実の違憲状態を容認するものと言わなければなりません。
 最高裁は、一九七四年の猿払判決以来、国公法の規定を全面的に合憲としてきましたが、二〇一二年の堀越事件判決において、国家公務員が、勤務時間外に職務と関係なく行ったビラ配布行為を処罰の対象とすることは憲法二十一条一項、三十一条に違反するとした高裁判決の結論を維持し、無罪判決を下しました。第二、第三の堀越事件を根絶するためには、不当な捜査の根拠とされた、国公法百二条と人事院規則の政治的行為を禁止する規定を撤廃するしかありません。
 提案者は、刑罰規定百十条について、懲役刑を禁錮刑にすれば条約は批准可能だと言いますが、ILOは、国公法の政治活動禁止規定や労働基本権の制約そのものに対して、八十七号、九十八号条約違反である旨、再三再四、勧告しています。条約違反、憲法違反の現実をそのままにして、刑罰の軽減によって矛盾を糊塗するやり方は、問題の根本的解決を遠ざけるものでしかありません。
 今求められているのは、国公法百二条、九十八条の政治活動禁止、争議行為制限の規定を撤廃し、国家公務員の政治活動の自由と労働基本権を回復することです。
 このことを強く指摘し、反対討論を終わります。(拍手)

#372
○とかしき委員長 以上で討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――

#373
○とかしき委員長 これより採決に入ります。
 馳浩君外七名提出、強制労働の廃止に関する条約(第百五号)の締結のための関係法律の整備に関する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕

#374
○とかしき委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#375
○とかしき委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――

#376
○とかしき委員長 次回は、来る四日金曜日午前八時四十五分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後五時十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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