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2021/06/08 第204回国会 参議院 第204回国会 参議院 環境委員会 第15号 令和3年6月8日
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2021/06/08 第204回国会 参議院

第204回国会 参議院 環境委員会 第15号 令和3年6月8日

#1
令和三年六月八日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 六月四日
    辞任         補欠選任
     磯崎 仁彦君     丸川 珠代君
     藤川 政人君     松山 政司君
 六月七日
    辞任         補欠選任
     関口 昌一君     森 まさこ君
 六月八日
    辞任         補欠選任
     松山 政司君     北村 経夫君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         長浜 博行君
    理 事
                滝沢  求君
                三木  亨君
                徳永 エリ君
                片山 大介君
    委 員
                石井 準一君
                猪口 邦子君
                尾辻 秀久君
                北村 経夫君
                松山 政司君
                森 まさこ君
                芝  博一君
                鉢呂 吉雄君
                竹谷とし子君
                宮崎  勝君
                柳田  稔君
                山下 芳生君
                寺田  静君
                橋本 聖子君
                平山佐知子君
   国務大臣
       環境大臣     小泉進次郎君
   政府特別補佐人
       原子力規制委員
       会委員長     更田 豊志君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        星   明君
   政府参考人
       警察庁長官官房
       審議官      檜垣 重臣君
       経済産業省大臣
       官房審議官    安居  徹君
       経済産業省大臣
       官房福島復興推
       進グループ長   須藤  治君
       資源エネルギー
       庁長官官房資源
       エネルギー政策
       統括調整官    小野 洋太君
       資源エネルギー
       庁資源・燃料部
       長        南   亮君
       環境省大臣官房
       環境保健部長   田原 克志君
       環境省地球環境
       局長       小野  洋君
       環境省水・大気
       環境局長     山本 昌宏君
       環境省自然環境
       局長       鳥居 敏男君
       環境省環境再生
       ・資源循環局長  森山 誠二君
       環境省環境再生
       ・資源循環局次
       長        松澤  裕君
       環境省総合環境
       政策統括官    和田 篤也君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○環境及び公害問題に関する調査
 (東京電力福島第一原子力発電所におけるAL
 PS処理水の処分に係る海域モニタリングに関
 する件)
 (クマによる人身被害防止に向けた関係省庁等
 の連携の在り方に関する件)
 (二〇三〇年度温室効果ガス削減目標達成に向
 けた未利用熱等の利用の促進に関する件)
 (福島県内の除去土壌の減容・再生利用に係る
 基盤技術開発の二〇二四年度完了の見通しに関
 する件)
 (有機フッ素化合物PFOA及びPFOSによ
 る環境汚染問題に関する件)
 (鉛製銃弾による野生鳥獣の鉛中毒の問題に関
 する件)
 (エネルギー分野の脱炭素化に向けたアンモニ
 アの利活用に関する件)
    ─────────────

#2
○委員長(長浜博行君) ただいまから環境委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、藤川政人君、磯崎仁彦君及び関口昌一君が委員を辞任され、その補欠として松山政司君、丸川珠代君及び森まさこ君が選任されました。
    ─────────────

#3
○委員長(長浜博行君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 環境及び公害問題に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、警察庁長官官房審議官檜垣重臣君外十一名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#4
○委員長(長浜博行君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────

#5
○委員長(長浜博行君) 環境及び公害問題に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。

#6
○森まさこ君 自民党の森まさこでございます。本日は質問の機会をいただき、委員長、理事及び委員の皆様に感謝をいたします。
 本日は、原発事故からの福島県の復興に関し、被災者に寄り添うとはどういうことかをテーマに質問させていただきます。一問目は中間貯蔵施設の建設予定地について、二問目は処理水の海洋放出について、三問目はエネルギー基本計画についてです。
 環境省は、中間貯蔵施設の建設を進めており、令和三年度中に同予定地へ除染土壌の運搬を完了する目標を立てています。福島県の復興のために、しっかりとスピード感を持って進めていただきたいと思います。ただ、私は、一点おかしいと思っている点があり、指摘をさせていただきます。
 資料一と資料二を御覧ください。原発事故の帰還困難区域内で津波で行方不明になった娘さんを今でも捜し続けている父親がいます。木村汐凪ちゃん、当時七歳、父親は木村紀夫さんです。写真集の表紙が資料一、そして資料二はニュースの内容です。
 大熊町のほかの行方不明者は汐凪ちゃん以外は全て発見され、汐凪ちゃんは最後の行方不明者です。この問題の本質は、他の津波被害者と違い、原発事故による捜索打切りがなされたこと、そして、その場所が中間貯蔵建設予定地にされたことです。津波被害が三月十一日午後三時三十六分、翌朝三月十二日の午前八時、つまり十六時間が経過したときに全町避難となりました。その後、立入禁止区域となり、父親も我が子を捜しに入ることは許されませんでした。町も県も自衛隊も入りませんでしたから、生存可能推定時間七十二時間以内の捜索を完了していないのです。データを見ますと、原発被災地とそのほかの津波被災地では数の違いが歴然としています。
 資料三を御覧ください。すなわち、防衛省の東日本大震災における災害派遣活動によれば、救出された人は、二〇一一年十二月二十六日現在で、一万九千二百八十六人、収容遺体は九千五百五体です。一方、原発から三十キロ圏内では、自衛隊が救出した人数については記述なし、収容された御遺体は六十二体となっています。
 私は、東日本大震災と原発事故後、原発被災地域に津波被災者が置き去りにされたことが悔しくて、日本人で初めてエマージェンシーマネジャーという国際資格を取りました。同時多発複合災害の対応を学びたかったからです。
 世界百か国以上が参加し、訓練する資格ですが、日本人は一人もいませんでした。日本も国際的潮流であるオールハザード対応の危機管理体制を取るべきです。先日の予算委員会でも指摘しました。しかし、東日本大震災当時は複合災害の想定さえも国にはなく、そのせいで、国会事故調の報告書に記されているとおり、災害後の救出にも行方不明者の捜索にも混乱が生じ、原発被災地とその他の被災地に大きな差が出てしまったのです。
 環境省に申し上げたいのはここからです。
 原発事故のせいで捜索を打ち切られた木村汐凪ちゃんの御遺体が眠っているかもしれない土地の上に、原発事故の象徴と言える放射線汚染土壌を収納する中間貯蔵施設を建設するのですか。私も二人の子の母です。想像するだけで言葉になりません。
 国、すなわち自衛隊としての捜索は津波の二か月以上も後に行われたのみです。しかも、国はどこを捜したかも父親にも教えず、父親はその後、立入りが許される数少ない機会に自力で土を掘り返して捜してきたのです。それでも見付からず、何と五年九か月が経過後に、環境省が中間貯蔵施設を建てると決めて、そのための公的な土地造成事業に着手する際に捜索を開始して、たった一か月後にほんの僅かな骨が見付かりました。汐凪ちゃんのアンパンマンのマフラーに骨の一部がくっついていたのです。そのほかの体の枢要部分はまだ見付かっておりませんが、その周辺からランドセルと靴も出てきており、この場所に御遺体がある可能性が高いと思います。
 もっと早く大規模な捜索ができなかったのでしょうか。何でこの場所を中間貯蔵施設の敷地に加えたのでしょうか。環境省は、地元説明会のときに、中間貯蔵施設予定地に行方不明者がまだいると知らなかったと答えています。
 資料四を見てください。これが中間貯蔵施設建設予定地で大変広い土地なんですが、右下の部分に私が赤い星印を付けました。この赤い星印の部分が汐凪ちゃんの御自宅と首の骨が発見された土地です。資料五の一から三は現場の最近の写真です。私は毎年伺っておりますが、今年の三月十四日にも行ってきました。
 少なくとも御遺体の枢要な部分が見付かるまでは、この小さな星印がある小さな土地は緑地にして建屋を建てないと明言すべきです。また、先ほど指摘した原発事故時の捜索方法に混乱があったというその反省の上に立って、その教訓としてこの土地を残すべきです。中間貯蔵施設はこの星印の部分を避けても建てることが十分に可能です。
 このことを十年間、環境省に問い合わせてきましたが、環境省は答えず、担当者は毎年替わってしまいます。官僚は前例のないことを答えられないのでしょうか。中間貯蔵施設の建設反対の理由にされたらどうしよう、原発反対の理由にされたらどうしようと恐れているのかもしれません。行方不明者がいることを知らずに決定してしまったので、一度した決定を撤回することができずにずるずる来てしまったのかもしれません。
 しかし、まずは実際に起きた事故にしっかり向き合って、国家として御遺族に最大限の配慮をすべきです。それすらできずに国はエネルギー政策を語る資格はないと思います。政治家が答えを出さなければいけないと思います。幾度聞いても答えてもらえずに、父親は一生どうなるか分からない不安のまま過ごしていかなければいけないんでしょうか。そんな残酷なことを我が国はするのでしょうか。大熊町長も、汐凪ちゃんの土地の上に建てるのはやめてほしいと言っています。
 国の政治的な責任とは、災害時に全力を挙げて行方不明の国民を捜し、御家族の下に届けてさしあげることです。国民一人一人の命を最優先にすることです。原発事故のせいでたった一人おうちの近くに置き去りにされた小さな女の子のお体の上に中間貯蔵施設を建てることが国のすることではありません。しないと明言することが国民の信頼を得る施政者だと思います。
 小泉大臣、自民党の青年局長の時代から誰よりも多く福島県に入ってくださっている小泉大臣だからこそ、この質問をいたします。御遺体が見付かるまではコンクリートの建屋をこの上に建てることはしないとお約束していただけませんか。

#7
○国務大臣(小泉進次郎君) まず、木村さん、この汐凪ちゃんを含めて、奥様、そしてまたお父様、三人の御家族を亡くされて、そして今ももっと、今、森先生の言葉で言えば大きな骨が、そして汐凪ちゃんの服とか見付からないか、そういった思いで大熊に捜しに入っていることで心の均衡を保たれていると、そういう思いも森先生からも今までも聞いています。そして、私自身も今子を持つ親になって、その思いがいかばかりかと察するに余りあります。
 この木村さんのように思いを持ちながら、この復興に複雑な思いを持たれている方は多くいらっしゃると思います。そして、私も、福島に入って、先祖伝来の土地を手放すという、こういった苦渋の決断を、先祖に申し訳ないという思いの中でも、環境省と話をする中で土地を提供してくださった方々の思いも受け止めています。そういった中で、この木村さんの思いも含めて、どのように、同じ復興に必要なこの中間貯蔵という施設、これが復興に必要だという思いは多くの方御理解いただいていることだとは思うんです。ただ、その事業が御地元の皆さんの理解を得た上で進めていくように適切にやらなければいけないと。
 今先生が御指摘あったこの汐凪ちゃんの、先生が星のマークを付けてくれたところについては、現時点で中間貯蔵に使うという具体的な土地の利用の計画はありません。ただ、そういった思いに寄り添いつつ、中間貯蔵に係る事業を適切に進めてまいることはやはり復興にとっても必要なので、御理解いただきたいというふうに思います。

#8
○森まさこ君 ありがとうございます。
 中間貯蔵の土地は、大熊町の皆様が国に提供してくださっています。私も、自民党環境委員長のときに、土地の集約がなかなか進まないので、福島県の関係者の方又は資格者の皆様方に自民党にヒアリングに来ていただいて、その集約作業を加速化させる決定をいたしましたので、その難しさ、またその苦渋の決断、町長の当時の決断の苦しさというのもよくよく存じ上げております。
 ただ、汐凪ちゃんの場合は、そのほかの方と違うのは御遺体が残っているということですので、是非、その部分はほかの土地所有者の方も十分に理解をしてくださるものでございますので、大臣におかれましては、今お話、御答弁いただきました、寄り添いつつしっかり適切な決定をしていくということで、今現在、具体的な計画が立てられていない星印の部分の上にコンクリートの建屋を建てないということをお守りいただきたいというふうにお願いをいたします。
 それでは、二問目の質問に行きたいと思います。処理水の海洋放出についてです。
 四月十三日に処理水の海洋放出が閣議決定されました。苦渋の決断であったのでしょう。しかし、私はプロセスについて不満があります。
 まず、四月二日に官邸から漁業組合長に電話が来ました。前日の四月一日は、福島県が漁業の本格操業を開始した日なのです。小泉大臣なら漁業者のそれまでの苦しみを御存じだと思います。自分たちの生業としてきた、自分たちの命の糧である海を、犠牲者の御遺体の捜索から始まって、瓦れきの片付け、放射線のモニタリングも受託して、とんでもなく気の遠くなるような作業をしてきました。それは日当をいただいたからできるというものではありません。そして、本当に再開できるのかと不安になりながら、皆で励まし合ってやってきました。十年です。十年たってやっと本格操業を始めたその翌日に、官邸から組合長に処理水について電話が来るだなんて、そんなやり方はないでしょうと私は思います。
 汐凪ちゃんの問題しかり、寄り添う姿勢ということについて私は疑問があるのです。官邸に漁業組合長を呼んだことについても、官邸に呼ぶのではなく、せめて総理が福島県にいらっしゃるときに、これは本当に苦渋の決断で、これは復興を進めるためにもこのような結論に至ったんだと心から言っていただきたかったなと思うんです。必要性、安全性を幾ら主張されても、このやり方で人を納得させることができないと思います。内堀知事もおっしゃっています。これから国が風評被害、安全対策をしっかりやっていただけるのかどうか、このことで福島県民は大きな不安を持ってしまったと言わざるを得ないのです。
 資料六の一から九に、地元紙福島民報と福島民友に掲載された、この処理水の海洋放出に関する地元のあらゆる産業の皆様の声を九枚挙げておきました。国会にいると大手の新聞の記事ばかりで目にすることもないかと思い、資料で配らせていただきました。閣僚で成される処理水放出実行会議、そのメンバーである小泉大臣、どうか閣僚の中で被災者に寄り添ってくださいと声を上げてほしいと思います。
 処理水については、被災者が参加する会議体をつくって、その場で、ほかに代替手段がないかなど、徹底的に検証、説明していただきたい。新たな風評被害は必ず起こる、いや、もう起こっています。それに対する対策もまだです。現場の意見を聞いてつくってほしいと思います。そして、環境大臣にはモニタリングの役目をしていただく、これをしっかり果たしていただきたいと思います。
 今回、処理水の海洋放出は誰がするんでしょうか。その実行行為者は東京電力です。しかし、東京電力を信頼することができるかというと、残念ながら、これまでの度重なるミス、隠蔽、そして先月のテロ防護措置の大きな誤りとその放置があります。初歩的なレベルのミスで、稚拙と言わざるを得ない、言語道断な事柄が起きました。このようなことを起こした東京電力が、海洋放出を安全にルールどおりやりますと言っても、信じることができるでしょうか。それを監督する原子力規制庁も、テロ防護のミスさえ長期間見付けられなかったのです。
 やはり、海洋放出をモニタリングする機関である環境省に大きな期待が寄せられています。確実に安全性をチェックし、方法論だけではなく、専門家会議に任せるだけでなく、万が一、故意に、又は過失のミスが生じたときに、どのようにモニタリングによりそれを発見できるのか、具体的に御答弁をお願いしたいと思います。

#9
○政府参考人(山本昌宏君) お答えいたします。
 まず、先生御指摘の海洋放出に関する会議のモニタリングに関してですが、四月十三日に政府が定めたALPS処理水の処分に関する基本方針におきましては、政府は、新たにトリチウムに関するモニタリングを漁場や海水浴場等で実施するなど、放出前及び放出後におけるモニタリングを強化、拡充するとされております。具体的には、IAEAの協力を得て、分析機関間の相互比較を行うなどにより、分析能力の信頼性を確保することや、海洋環境の専門家等による新たな会議を立ち上げ、海域モニタリングの実施状況について確認、助言を行うこと等により、客観性、透明性を最大限高めるとされたところでございます。
 ただ、今御指摘のありましたモニタリングの行い方というところでございますが、まず今後、東京電力から新たに明らかになる実施計画というのがございます。これが海洋放出をどんな形でやるのかと、その際の安全確認をどうするのかということを具体的に定めることになりますので、こういったことをしっかり踏まえる必要があると考えております。それから、新たに立ち上げる専門家会議の御意見を聞くということで、この中で客観性や透明性、信頼性をどう担保していくのかということはしっかりと議論していきたいと思っております。
 それから、政府の側におきましても、モニタリング調整会議、四月二十七日に開催いたしましたが、その中で、新たに海域環境の監視測定タスクフォースというのを立ち上げました。こういった中で、先生からただいま御指摘いただいた点ということもしっかり念頭に置きながら、政府の中でしっかりと、関係省庁、あるいは福島県等の御参加いただきますので、しっかりと検討してまいりたいと考えております。

#10
○森まさこ君 ただいま環境省からどのようにモニタリングしていくかという御答弁がございました。
 大臣、環境省しっかり指導をして、環境省も当然業者に委託すると思うんですけど、任せきりではなく、しっかり真剣にチェックをしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

#11
○国務大臣(小泉進次郎君) しっかりやらなければいけない重要な課題だと思います。
 これから専門家会議を立ち上げますが、それは全て公開をして、ウエブ配信を行うことで透明性を高めたいと思っています。そして、先生言ったように、東京電力だけに任せていて信頼は得られないと、それはもちろんそのとおりでありますので、環境省、そして原子力規制庁もしっかりとモニタリングをやります。そしてさらに、IAEAの協力も得ながら分析機関ごとで出たものを比較をするということもやりながら、いかにこの客観性と信頼性を高められるかを重きを置いてやっていきたいと思います。
 是非、そういったことに加えて、やはり菅内閣全員が復興大臣だという気持ちで取り組むときに、最近私はいいニュースだったなと思うのは、シンガポールが日本の食品の規制を全廃を、撤廃をする決断をしてくれました。しかし、残念ながら、アメリカそしてイギリス含めまして、まだ規制が残っている国もあります。私自身もしっかりと働きかけを行って、この風評被害というものに対して確実な一歩を刻めるように、政府全体としても、環境大臣としてもしっかり責任を持って取り組んでまいりたいと思います。

#12
○森まさこ君 ありがとうございました。
 閣僚全員が復興大臣であるという菅総理の言葉どおりに頑張っていただけるということで、お願いをしたいと思います。
 それでは次の質問ですが、これらの福島県の被害、福島県が被害を受けた原発事故の反省を忘れてはならないと思うのです。十年たったら忘れるでは駄目だと思うのです。
 私は、先日の自民党エネルギー調査会でも発言したのですが、次期エネルギー基本計画にも原発事故の反省と教訓、原発依存度の低減、再エネ最優先の原則をしっかり書き込むべきだと考えるんですけれども、小泉大臣の御見解を伺いたいと思います。

#13
○国務大臣(小泉進次郎君) 全く同じ認識です。
 今のエネルギー基本計画の中には、この東電福島第一原子力発電所事故について記述があるんですね。真摯に反省すると、そして、様々な経験を教訓として、このような事故を二度と起こさないよう努力を続けていかなければならないと現行は明記されています。十年たったらそういった記述がないのかと、私は全くプラスにならないと思います。そして、総理も御自身が言っているとおり、再エネ最優先でやると、こういった思いを総理自身も言っていますので、それが政府の計画であるエネルギー基本計画にも反映されるべきだと私自身も思います。
 そして、カーボンニュートラル、これが何のために宣言をしたのか。原発の最大限活用のためではなく、再エネの最優先と再エネ最大限の導入、このために日本は新たな国づくりをやるんだと、そういった方向性でしっかりと政府全体の政策が進んでいくように、私としても必要な意見を申し上げていきたいと思います。

#14
○森まさこ君 是非よろしくお願いします。
 福島県では、復興政策として、国家プロジェクトとして、今大臣がおっしゃった再エネの部分で福島再エネ計画やイノベーション・コースト構想を繰り広げております。その中で、水素エネルギーについても、双葉郡浪江町に世界一の水素工場を造り、いわき市にも東北随一の水素ステーションがあります。いわき市は、ちなみに水素自動車の保有台数が日本一でございます。
 大臣が今言われた再エネ最優先の原則の中で、水素エネルギーの位置付けはどのようなものなんでしょうか。今後に向けての国の方針を環境省から答弁いただきたいと思います。

#15
○政府参考人(小野洋君) お答え申し上げます。
 二〇五〇年カーボンニュートラルの実現に向けましては、再エネの大量導入と併せて、その余剰あるいは変動、吸収できる水素が重要な役割を果たしていくと考えておりまして、グリーン成長戦略などにおいても、その水素の推進、技術開発の推進といったところは重要な柱として位置付けられておるというところでございます。
 環境省といたしましては、特に再エネなどの地域資源を活用した水素による自立分散型エネルギーシステムの実証、移行支援、普及に取り組んできております。具体的に申し上げますと、先ほど委員からも御紹介ございました世界最大規模と言われております福島県浪江町の福島水素エネルギー研究フィールドから供給される再エネ由来水素を利活用するモデル事業など、地域資源を活用して脱炭素な水素サプライチェーンを構築する実証事業をこれまで全国十地域で実施してきたところでございます。
 今後とも、このような事業を通じまして、環境省といたしましても地域における再エネ等を活用した水素サプライチェーン構築を推進してまいります。

#16
○森まさこ君 今のお話、大変頼もしく聞きました。
 原発被災地の福島県では、再エネをこれから地産地消で使ってエネルギーの基本にしていこうということで地域の皆様が復興の中で頑張っておりますので、是非小泉大臣からもこれからも応援をしていただきたいと思います。
 それでは、時間よりも早いですけれども、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

#17
○徳永エリ君 おはようございます。立憲民主党の徳永エリです。
 環境委員会も、今国会、もしかすると今日が最後かもしれませんので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 まず、大臣、ちょっと御報告をしておきたいと思うんですけれども、前回の委員会でプラ法の審議の際に、農業用の被覆肥料の件、北海道では使っていないというお話をさせていただきました。この委員会の質疑をインターネットで見ていた自治体議員の農業者の方からメールをいただきまして、どうやら調べていただいたみたいなんですね。
 そうしますと、ホクレンの担当者から資料提供されたものを見ると、肥効調整のためにプラスチック由来のコーティングがなされて商品化されている銘柄というのはたくさんあるんだそうです。実際にこの方が使っていた肥料、これも該当していて、びっくりしたということであります。つまり、肥料の詳細を知らないで使用しているため、使っている認識が現場に全くないということであります。この方の議会において、マイクロプラスチックの認識があった議員は一人もおりませんでした。
 多くの農業者は知らないというのが現状で、北海道で使われていないのではなく、私、団体に確認したんですから、使っていることを知らないというのが現状なので、やはりこういった事実をきちんと伝えて、知ることから意識改革が始まると思いますので、今後しっかり対応していただきたいということをお願い申し上げておきたいと思います。
 それから、滝沢筆頭の御配慮で、JESCO法の附帯決議に関連して質問の時間を五分積み増していただきましたので、中間貯蔵施設に搬入された除去土壌等の再利用、減容化に関連して少し質問させていただきたいと思います。
 二〇二一年度中に除去土壌等、これ福島県の仮置場からの除去土壌でございますけれども、この搬入、おおむね完了するということを伺っておりますけれども、進捗状態はどうなっているでしょうか、お聞きいたします。

#18
○政府参考人(森山誠二君) 中間貯蔵に係る事業につきましては、全体約千六百ヘクタールの区域の中で地権者の方々の契約をいただいた土地を活用させていただきまして、環境再生事業の進捗に合わせて保管場、受入れ・分別施設、土壌貯蔵施設などの必要となる施設の整備を進めているところでございます。
 中間貯蔵施設への輸送につきましては、二〇二一年度末までに帰還困難区域を除く福島県内の除去土壌等の搬入をおおむね完了されることを目指すとともに、特定復興再生拠点区域において発生しました除去土壌等の搬入を進めておりまして、本年五月末現在で約千九十一万立方メートルを輸送したところでございます。
 引き続き、安全かつ円滑な輸送を大前提としまして事業を進めてまいりたいと考えているところでございます。

#19
○徳永エリ君 おおむね完了しそうだということでよろしいんですね。はい。
 それで、小泉大臣にお伺いしたいと思います。
 三月にこの委員会で中間貯蔵施設への除去土壌等の搬入の進捗状況について質問をさせていただいた際に、仮置場からの除去土壌等と特定復興再生拠点区域の除去土壌等は中間貯蔵施設に搬入していると、しかし、それ以外の帰還困難区域の対応については、各自治体の置かれた状況を踏まえ、各自治体の意見を尊重しながら、政府全体として方針の検討を加速化しているところですという御答弁がございました。
 その後、方針の検討はどの程度進んでいるのか、お答えいただきたいと思います。

#20
○政府参考人(森山誠二君) お答え申し上げます。
 特定復興再生拠点区域内の帰還困難区域の対応につきましては、帰還困難区域を抱えておられる各自治体の置かれた状況はそれぞれ異なることを踏まえ、各町村の意見を尊重しながら、政府全体として方針の検討を加速化していくこととしているところでございます。
 特定再生復興拠点区域内で発生する除去土壌等の量や濃度の推計の重要性については環境省としても認識しており、現在対応を行っているところでございます。空間線量率や土地の状況に応じて除染手法が異なることから、除染作業の進捗状況に合わせて、議員御指摘の問題意識も踏まえ、しっかり対応してまいりたいと考えているところでございます。
 また、特定復興再生拠点区域外の土壌等の取扱いにつきましては、全体の方針を受けて対応してまいりたいと考えてございます。
 今後とも、除去土壌等の発生量などを踏まえつつ、県外最終処分の実現に向け、減容化のための技術開発を着実に進めていくこととしているところでございます。

#21
○徳永エリ君 自治体と話し合って検討は進めているんですか。それとも、全く進んでいないという状況なんでしょうか。

#22
○政府参考人(森山誠二君) お答え申し上げます。
 まず、拠点区域外の対応について、これは政府全体としてその町村の御意見を聞きながら対応しているということでございまして、一方、拠点区域内の量につきましては、これは除染の進捗を見ながら、その中で詰める作業をしているというところでございます。

#23
○徳永エリ君 拠点区域は帰還困難区域の僅か八%ということでありますから、更に拠点区域外のまだほとんど除染もされていない帰還困難区域で発生する除去土壌も搬入するということに今後なったとしたら、その量もさることながら、搬入にどれだけ時間と経費が掛かるのか、また放射能の濃度が高いということになれば再利用による減容化にも影響が出かねないと。
 方針の迅速な決定と、会計検査院からの所見にもあるように、中間貯蔵施設に搬入される除去土壌等が最終的にどのくらいの量になるのか、また放射能濃度を速やかに推計して説明や情報発信を行う必要があると思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。

#24
○国務大臣(小泉進次郎君) 情報発信、非常に重要だと思いますし、先ほど被覆肥料の話で、それがプラスチックだということを知らないという方が多いという話と、この中間貯蔵と再生利用についても、福島県内の方でも五割しか知らない、県外では二割しか知らないという状況を打開をして、再生利用の理解を得つつ案件を進めなければ、中間貯蔵から県外に持っていくということができないわけですから、今、私としても、この対話フォーラムを始めながら、何とかこの再生利用の実際の案件を、まずは政府の率先垂範が非常に重要だと思いますが、自治体の皆さんや地域の皆さんの理解が進むように、我々としても、福島の地元の皆さんの様々な苦渋の決断や思いも同時に伝えながら何とか前に進めていきたいと、その努力を積み重ねたいと考えております。

#25
○徳永エリ君 その五月二十二日の対話フォーラムですけれども、一般の方からもいろんな御懸念や疑問や寄せられたと思いますけれども、一回目のこの対話フォーラムを行ってみて、大臣としてはどんな感想をお持ちで、あるいは何か課題、お感じになったことがあったら教えていただきたいと思います。

#26
○国務大臣(小泉進次郎君) まずは、一回目としては非常にいいスタートだったと思います。参加していただいた知名度の高いカンニングの竹山さんとか、ああいった方々も参加してくれたおかげで、福島のこういう課題があるんだということや、賛否両論も含めた意見が率直に交わされる、そのスタートがあったことは次につながると思いました。
 そして、その場に福島県の次世代の大熊町出身の方が参加してくれて、自分たちとしても持って行く先がつらい思いをするということを心配をしているという、だからこそ再生利用などのこの取組をどのように進められるかという、地元のそういった思いも発信できたことは良かったのではないかなと。ただ、もちろん同時に、いかに理解を得ることが容易なことではないか、その課題の大きさも痛感をしています。
 ただ、ああいうような場を積み重ねていくことが、結果として私は具体的な案件の形成に必ずつながっていくと信じて、しっかりとこの会を積み重ね、案件を形成をする努力を同時に探っていきたいと思います。

#27
○徳永エリ君 再利用、そして減容化、これ進めていかなければならないわけですけれども、やはりその除去土壌等が濃度がどうなのか、放射能の濃度は安心、安全か、この点に関しては、もちろんいろんな話を聞いて様々なお立場からディスカッションすることも大事ですけれども、やっぱり科学的根拠をしっかり示して、ああ、これで大丈夫なんだ、安心なんだということをしっかり理解していただく必要があると思いますので、その点も、少しパネルディスカッションのメンバーも、専門的な方、違う意見の方々もそこに参加していただきながら幅広い議論ができるように、これからもしっかり取り組んでいただきたい、そういうことをお願い申し上げたいと思います。
 次に、ワンヘルスについてお伺いをしたいと思います。
 新型コロナウイルスは、人から人への感染ばかりではなくて、感染した人が飼っていた猫など愛玩動物にも、PCR検査の結果、感染が確認されているということであります。我が国でも数件確認されております。また、報道では、ミンクから変異した新型コロナウイルスの人への感染が確認されたとして、オランダで五十万匹、スペインでは十万匹、デンマークでは桁違いの一千七百万匹が殺処分されたということは皆さんも報道で御案内だと思います。
 野生動物が本来持っていた病原体が環境の変化などによって人に感染し、感染が拡大していく、こういった新たなパンデミックをどう防いでいくのか、防ぐためには何が必要なのか、備えていくということが非常に重要になってくると思います。人の健康、動物の健康、野生動物を含む環境保全、この三つの分野の関係者が一体となり連携するワンヘルスの概念が今世界中に広がっているという状況でございます。
 二月十三日、WWFジャパンのオンラインシンポジウムに小泉環境大臣も動画でメッセージを寄せられましたが、環境省として今後このワンヘルスどのように実践していくのか、また、今もう既に取り組んでいることがありましたら教えていただきたいと思います。

#28
○政府参考人(鳥居敏男君) お答えいたします。
 環境省では、これまでも、野生鳥獣に関する感染症の一つである高病原性鳥インフルエンザ対策として野鳥におけるサーベイランス等に取り組んでおりますが、それ以外の感染症についても、実態把握や感染の拡大防止のための取組等を進めていく必要があると認識しております。
 このため、今年度から、野生鳥獣由来の人獣共通感染症対策基盤事業を新規に開始することとしており、同事業では、国内における野生鳥獣に関する感染症の実態把握やリスク評価等の検討を行う予定としております。
 また、愛玩動物、ペットにつきましては、動物愛護管理法に基づき、適正飼養の観点から家庭動物等の飼養及び保管に関する基準を定めておりまして、飼い主等に対して、その飼養及び保管に当たって必要な注意を払うことにより人獣共通感染症の発生を予防するよう求めているところでございます。
 具体的には、動物との適度な接触にとどめるなどの予防のために必要な注意を払うこと、動物への接触や排せつ物処理後の手洗い及び消毒を行うこと、動物のふん尿その他の汚物、毛、羽毛等の適正な処理を行うことといった点につきまして、パンフレットやホームページにより普及啓発を実施しているところでございます。

#29
○徳永エリ君 しっかり取り組んでいただきたいというふうに思います。もう本当にグローバル化の中でどこからどんな病原体が入ってくるか分からないという状況でありますので、よろしくお願いしたいと思います。
 気候変動、温暖化の影響によって、どんな病原体によりどのような感染症が発生するかということは、もう全く分かりません。永久凍土が融解して、どんな病原菌が出てくるかも分かりません。実際にシベリアでありました。永久凍土が解けたために、閉じ込められていた炭疽菌の胞子が周辺の水や土壌に放出されて、食べ物に入り込んで、十二歳の少年を含む十数人がお亡くなりになられました。また、トナカイ約二千五百頭の死亡を確認したという報道もございました。このようなアウトブレーク、これがどのような頻度で生じるのか。気候変動のスピードと経過によるんだと恐らく思います。だからこそ、今からこのワンヘルス、この実施体制に国の積極関与が必要なんだというふうに思います。
 お配りした資料を御覧いただきたいと思います。これ、日本獣医師会が作った資料でございます。
 動物から人への感染症は厚生労働省の所管となっています。動物から家畜、家禽への感染症は農林水産省の所管と、縦割りになっておりまして、犬や猫などの愛玩動物及び野生動物の感染症については、研究やサーベイランスについては、両省の所管事項に関係しない限り、担当する国の機関は存在しないという、この空白領域というふうになっているんですね。このような国の危機管理体制が不備な状況では、その動物由来の感染症の発生を事前に察知することは困難でありまして、必要な感染症対策が後手に回り、甚大な被害を招くことが大変に懸念されるという状況であります。
 コロナの蔓延でも、日本版CDCを設置するべきだという声が上がっておりますが、人の感染症研究を担う国立感染症研究所と動物の感染症を担う国の研究機関、農研機構ですとか国立環境研究所、こういったところが連携協力して、人と動物の健康、野生動物を含めた環境保全等のワンヘルスを実施する体制づくりを急ぐ必要があるというふうに思っております。
 私、是非、小泉大臣、在任中に汗をかいていただいて、もうまさにコロナでいつ何が起きてもおかしくないということはもう皆さん認識しておられるわけですから、こういった体制づくりを積極的にしていただきたいというふうに思いますけれども、大臣、いかがでございましょうか。

#30
○国務大臣(小泉進次郎君) 徳永先生の問題意識、私も共有をしています。特に、今、この資料で役所ごとの役割を書いていただきましたが、この中には人獣共通感染症という言葉は書いてありませんが、まさに環境省は、この人と野生動物のこの共通の感染症、これは環境省であると。
 そういった中で、このコロナに直面をしている日本、世界、環境省だからこそできること、そして各省との連携をしっかり考えなければいけない。新たな体制に向けて何ができるのか。今、来年の概算要求に向けても省内で次の概算要求に向けてのアイデアを出させる、そういう議論なども始めますから、隣に自然局長いますから、意欲的にそういったアイデアも含めて省内でしっかりと議論をしたいと思います。

#31
○徳永エリ君 是非ともよろしくお願いいたします。前向きな御答弁をいただきまして、ありがとうございます。
 このワンヘルスに関しては、二〇一二年、世界獣医師会と世界医師会が、グローバルヘルスの向上のため、また、人と動物の共通感染症への対応、責任ある抗菌剤の使用、教育及び臨床、公衆衛生に係る協力体制を強化するために、連携し、一体となって取り組むことを合意した覚書を交わしているということであります。
 日本でも、二〇一三年の十一月に、日本医師会と日本獣医師会は協定書を取り交わしております。そして、二〇一六年の十一月、世界獣医師会、世界医師会、日本獣医師会、日本医師会、この四者は、二〇一五年、スペインのマドリードで開催された第一回ワンヘルスに関する国際会議に続いて、第二回の国際会議を福岡で開催いたしまして、獣医師と医師のワンヘルスに関する協力関係を強化する福岡宣言が採択されております。
 研究や情報提供、国内外の連携の強化など、ワンヘルスについて、また一般市民への情報提供、これ周知もしていかなければいけないというところもありますので、本当に環境省の役割が大きいのではないかというふうに思いますので、是非とも積極的に動いていただきたいということを重ねてお願いを申し上げさせていただきたいというふうに思います。
 そして、次は熊についてお伺いをしたいと思います。
 自然公園法でも、公園の中で熊に餌付けをするとか接近をするとか、もうこれ、ずっと長年の課題になっていたことを、小泉環境大臣にある意味解決の一歩を進めていただいたという状況でございます。現場は大変に感謝しているということでございます。
 昨年は、全国各地で農地や住宅地、商業施設などにも熊が出没しまして、人身被害も発生し、特に昨年は頻繁に報道されていたので、皆さんも、いやあ、随分熊がいろんなところに出るなと思っていたと思います。
 昨年、結果的には全国で熊による人身被害何件発生しているのか、教えていただきたいと思います。

#32
○政府参考人(鳥居敏男君) お答え申し上げます。
 昨年度、令和二年の四月から今年の三月まででございますけれども、昨年度におけるクマ類による人身被害の発生件数は全国で百四十三件、被害に遭われた方は百五十八名でございました。うち二名の方が残念ながらお亡くなりになったと承知してございます。

#33
○徳永エリ君 ありがとうございます。
 資料の二枚目、クマ類の許可捕獲数の推移という資料を付けさせていただきましたけれども、令和元年、増えていますね。捕殺と非捕殺合わせて六千二百八十五件ということで、平成三十年は三千五百八十六件ということですから、倍近くになっているという状況であります。
 私の地元北海道でも、総務省北海道管区行政評価局のヒグマの実態調査の結果が今年の三月に公表されております。その概要を見てみますと、北海道内のヒグマ捕獲数は、平成二十五年度から三十年度には約一・五倍、六百三十二頭から九百十八頭、ヒグマによる農業被害額も、二十五年度から三十年度には約二・五倍、九千三百万円から二億二千八百万円に増加、ヒグマの出没は、札幌を始めとする市街地で多発し、離島である利尻島でも見られるなど、近年、人里への出没が多発しており、人身被害や家畜被害も発生していると、一九八九年以降、ヒグマが人を襲う事故が四十三件北海道で発生していて、十五人が亡くなっているということであります。
 これ、利尻島というのがありましたけれども、利尻島、熊いなかったんですね。百六年ぶりに海を渡って熊が利尻島に入ったと、ただ、雌の熊がいなかったのでどうやら戻ったらしいと、もう利尻島は大丈夫だということでありますけれども。
 行動範囲も広くなっているということなんでしょうか、いろんなところに出没をしております。農業被害といっても、今までなかったこともいろいろ起きておりまして、放牧中の牛が襲われたりしているんですね。あとは飼い犬、飼い犬が襲われたりなどもしております。
 今年も、既に北海道の厚岸町の森林で男性がヒグマに襲われて命を落としました。男性は、奥様と二人で山菜取りをしていたということであります。後に分かったんですけれども、その襲われた場所の近くに熊が冬眠していた穴があったと、そこで子熊が死んでいたそうです。母熊がいわゆるパニックになって、そして子供を守ろうとしていたんでしょうか。ちょうどその場に山菜取りの男性が出くわして襲われたという、非常に不幸な結果になってしまったわけであります。
 なぜ熊による被害が多発しているのか。個体数が増えているのか、生息範囲が広がっているのか。環境省は、平成二十二年度から平成二十九年度のヒグマ、ツキノワグマの生息分布情報を対象とし、国や都道府県により実施された生息分布情報を含む調査の結果や市町村アンケート等から収集した情報を集約し、五キロメッシュ単位で整理をし、平成十五年度に公表した第六回自然環境保全基礎調査と比較しているということですけれども、比較したその結果どうなっているのか、お伺いしたいと思います。

#34
○政府参考人(鳥居敏男君) お答え申し上げます。
 まず、北海道に生息するヒグマ、そして本州にいるツキノワグマでございますけれども、鳥獣保護管理法に基づきまして、生息数が著しく減少し、又は生息域の範囲が縮小している場合は保護のための計画、保護計画を策定、生息数が著しく増加し、又は生息地の範囲が拡大している場合は管理計画を道府県が作成し、保護管理を行っているところでございます。この際、クマ類の個体群の状況につきましては、同計画に基づきまして各道府県がモニタリング等を実施するとともに、おおむね五年程度を計画期間とする先ほどの保護計画あるいは管理計画を改訂する際に個体数の推定を実施することとなってございます。
 現在、二十二の道府県で計画を策定しており、これらの道府県では個体数の推定が行われてございます。例えば北海道では、五つの地域個体群に区分して保護管理を実施しており、個体数もそれぞれの区分ごとに推定をしているところでございます。
 また、環境省では、熊の生息分布状況について、二〇一八年度に調査を実施してございます。同調査の結果によれば、前回調査を実施しました、先ほど議員御指摘の二〇〇三年度と比較すると、熊の生息分布域は、九州、四国を除く全ての地域で拡大をしている、九州はもう十数年いないことになってございます、拡大しておりまして、多くの地域で平野部を含む低標高域での分布の拡大が確認されてございます。

#35
○徳永エリ君 森林伐採が行われているとか餌がないとか、いろんな恐らく事情があるんだと思いますけれども、熊には熊の事情がある、だと思います。
 それから、やはり人と野生動物との緩衝地帯がだんだんなくなっていっている。農地が減っていって森林化していっているということもあると思いますし、あとは、熊の方が結局人なれしてしまっているんだというふうに思うんですね。私も、北海道をずっと回って歩くと、最近本当に、昨日も熊出たとか、今日も見たとか、もうそういう話ばっかりなんですね。畑に鹿が入ってきて鹿よけしたいと思っても、鹿よけしてて熊が出たら怖いからできないんだという話もあったり、本当によく出ています。
 もう熊の方が人を怖がらなくて、例えば札幌の南区に出たことがある、住宅街に出たことがあるんですけど、あのときも連日報道されておりましたけれども、もう報道陣が詰めかけて、もう人もいっぱい見ていて、それでも平然と木の上に登って何か果物を食べていたりして、ライトをつけようが音を出そうがもうびくともしない、逃げないと、全然人を怖がらないという状況なんです。
 やっぱり熊もいろいろと変化しているんだと思いますので、こういうところもこれから分析をして対応していかなきゃいけないんじゃないかと思いますけれども、環境省としては人身被害を防ぐためにどのような取組を今行っているのか、お伺いしたいと思います。

#36
○国務大臣(小泉進次郎君) 先ほど徳永先生が触れていただいた自然公園法の改正による規制の強化、この餌付けですね、こういったことはもちろんその一つなんですけど、今年の三月にクマ類の出没対応マニュアルを十四年ぶりに改定をしました。これは自治体の皆さん向けのものなので、自治体の皆さんに活用いただきたいと思います。
 さらに、今年度は、都道府県がクマ類の保護管理を進める際の指針となるガイドラインの改訂を予定をしています。その中では、熊の適切な保護管理を進めていくため、人と熊のすみ分けを図るための地域づくりの考え方なども示していきたいと考えています。
 そのことによって、様々、熊の被害のケースは、先生が先ほど紹介されたように、多様な形が、熊の被害が出るんですけど、結果として、例えば知床とかでカメラマンの急接近だとか観光客の接近とか、こういった形で、本来は守らなければいけないのに、人に危害を及ぼすことが出てきてしまって捕獲や殺処分のような形になってしまうことは本当に不幸で悲しいことですよね。ですので、こういったケースが少しでもないような取組を環境省としても、必要な関係省庁や自治体との連携も含めて、しっかりと進めてまいりたいと考えております。

#37
○徳永エリ君 今大臣がおっしゃったように、やはり野生動物との共生、これが一番大事なことなんだと思うんですね。
 熊が人里に下りてくる理由というのをちゃんと理解をして、その防除、これをまずしっかりやっていく必要があるんだと思います。電子柵を張るとか、張るといっても自治体がお金がなくてなかなか張れないというところもありますから、そういうところはしっかり国に支援していただきながら、本当に不幸な形にならないような取組を、これだけ出ているんですから、本気でやっていかなきゃいけないなと思っておりますし、それから、大臣からお話があった、十四年ぶりに改定されたクマ類の出没対応マニュアル、これ専門家のお話も相当聞いたんだと思いますけれども、私も実は知床財団の方にもこれ見ていただいたんですが、すばらしいマニュアルだというふうに言っていました。ただ、問題は実効性だということでありますので、自治体向けにこれを出したからといって、自治体がこれに取り組まなければ全く意味がないので、しっかり実効性を担保するように環境省からも働きかけていただきたいということもお願いをさせていただきたいというふうに思います。
 皆さん御存じかどうか分かりませんけれども、ちょっと北海道の砂川でハンターと警察、自治体の間でトラブルがありました。そのお話をさせていただきたいと思うんですけれども。
 その砂川で、去年の七月も実は熊が出ました。地域外からも多くの方々が訪れる人気の農家レストランのすぐ隣にある養鶏場、ここに熊が鶏に食べさせる麦、飼料を食べに連日のように現れていました。砂川市が仕掛けた箱わなで捕獲された熊、私も実は現場から相談を受けておりましたので、捕獲前も捕獲後も行かせていただきましたけれども、体長二メートル、体重は二百七十キロという雄のヒグマで、もう箱わなに入っていても怖くて近寄れないぐらい、本当に巨大なもう恐ろしい熊でございました。
 この捕獲された熊でありますけれども、本来であれば捕獲されたら駆除されるということになるんですけれども、自治体が地元の猟友会に頼んでもなかなか動いてくれないという状況でありました。じゃ、この熊をどうするかと。真夏の暑い盛りでしたから、熊も箱わなの中で苦しいわけですよ、水も飲めない、餌も食べられないという状況の中で。動物園に引き取ってもらうかとか、現場ではいろんな話になって大変だったんですけれども。
 なぜこういうことが起きたのかということなんですが、二〇一八年の八月にこの砂川市の郊外でヒグマの目撃情報がありまして、警察と市から出動要請を受けた地元猟友会の二名のハンターが現場に駆け付けまして、警察官と市の職員の立会いの下で熊を駆除したんですけれども、それから二か月後に、狩猟歴三十年のベテランで鳥獣被害対策実施隊員も務めていたそのうちの一人のハンターの方がライフル銃の所持許可を取り消されたんです。理由は、撃った際に銃口が民家のある方向に向いていたとのことで、鳥獣保護法違反等法令違反に問われるということになりましたけれども、結果的にはこの法令違反は不起訴になりました。
 しかし、地元の警察署は銃所持許可の取消しを警察本部に上申して、これを受けて道公安委員会では銃刀法違反であると判断して銃所持許可の取消しを決めてしまったんですね。このため、このベテランハンターはライフルなど銃四丁を全て取り上げられることになりました。最終的には、検察と北海道と市が全く問題としなかったこの駆除行為だったのに、検察とですね、警察と公安だけが取消処分にこだわって銃を差し押さえ続けているということで、本件は今も裁判で処分の撤回を求めて係争中ということであります。
 こういうことがあったので、北海道では、砂川に限らず、熊が出たときに猟友会に出動を要請すると銃を持たないで猟友会の方が集まるとか、あるいはお願いしてもなかなか出動してもらえないとか、消極的にならざるを得ないという状況でありました。特にこの砂川市では地元の猟友会の協力が得られない状況が続いて、先ほどお話ししたような箱わなで捕獲した後の熊の駆除ができないということで現場は大変に困惑をしているという状況でした。
 過去にも似たようなことが道外でも起きていたということなんですね。それで、私もこの砂川の件を受けていろいろ動いてみたんですけれども、自民党の衆議院の重鎮の先生が私に、いや、実はうちの地元でもこういうことが起きてねと、僕が警察官の職務執行法、これを少し変えるべきなんじゃないかということで動いたことがあってねと、通知が出されているから見てみたらいいよっていって、いただいたんですね。それが平成二十四年の警察官職務執行法第四条第一項の解釈についてという通知なんですけれども、資料付けさせていただいておりますが、通知によりますと、ハンターが警職法第四条第一項に基づく警察官による命令に忠実に従い、危害防止のため通常必要であると認められる措置として猟銃により当該熊等を駆除することについては、当該ハンターが刑事責任を問われることはないと解されると書かれているんです。
 となると、二〇一八年の砂川の件は、これ刑事責任を問われることはなかったはずなんですよ。どうしてこういうことが起きたのかというと、結局、この平成二十四年の通知が徹底されていないということが明らかになりました。
 この通知に関して聞き取りをしてみると、平成二十四年当時、警察庁生活安全局保安課長から各都道府県警察の長、各府県機関の長、各地方機関の長に、そして環境省からも各都道府県鳥獣行政担当部局長に通知が出されていたんです。しかし、自治体も市町村の所轄の警察署も、必ずしもこの通知のことを把握しておりませんでした。
 そこで、私は、警察庁の皆さんにお願いをいたしまして何度か事務所に来ていただいて、北海道には下りているけれども、北海道から所轄の警察署に下りていないと、これを下ろしていただきたいということをお願いさせていただきました。北海道の道議会議員にもお願いをして、それをやってくれと、で、下ろしたということでありました。
 ところが、こうして熊が頻繁に出ているということで、昨年、令和二年の十月三十日に警察庁で新たな通知を出していただいています。それが今日付けさせていただいた資料です。この通知と、それから別添で非常に詳細な具体例も書かれた資料も警察庁から発出されているということでございますけれども、これについて警察庁の方から御説明をいただきたいと思います。
 まず、去年の、令和二年十月三十日のこの通知が出された経緯、背景について御説明いただきたいと思います。

#38
○政府参考人(檜垣重臣君) お答えいたします。
 先生御指摘の通知につきましては、平成二十四年に都道府県警察に対して熊等が住宅地に現れた場合の対応について通達を発出しておりましたが、その中では、鳥獣保護管理法により狩猟が禁止される住居集合地域等であっても、警職法第四条第一項に基づき、警察官がハンターに対し猟銃を使用して熊等を駆除するよう命ずることができること、警察官よりも先にハンターが現場に臨場する事態も想定されるところ、当該ハンターの判断により、緊急避難の措置として熊等を猟銃を使用して駆除することは妨げられないことを明確にしたところでございます。
 昨年の通知につきましては、この平成二十四年の通達にのっとって、実際に警職法を適用した事例などを基に、その対応上の留意事項を具体的にまとめ、都道府県警察に通知したものでございます。
 この通知につきましては、関係省庁間の情報共有、意見交換等を行うため、昨年十月からクマ被害対策等に関する関係省庁連絡会議が開催されておりますが、その中でも、住宅街に出没した熊等に対する警職法第四条第一項を適用した対応について、関係省庁が協力して周知を図ることとなっております。それに基づきまして、私どもの方で十月に通知を発出したところでございます。

#39
○徳永エリ君 今回、改めて幾つかの自治体に連絡を取ってみました。やはり、知らないという自治体が多くありまして、この令和二年十月三十日の通知、これも私の方から自治体の首長さんに届けさせていただいたりもさせていただきました。どこで詰まっているのか分からないんですけれども、これしっかり、所轄の警察署あるいは自治体、これ誰がやるんですかね。
 環境省も、平成二十四年と同じように、やはり警察庁のこの令和二年、去年の通知と一緒に自治体に対して改めて、こういう通知が出ていますよということを環境省からの通知として是非下ろしていただければ大変に有り難いなというふうに思いますが、いかがでしょうか。

#40
○政府参考人(鳥居敏男君) 令和二年の先ほどの通知につきましては、環境省の方ではもう既に、メールですけれども、自治体の方に、自治体の鳥獣担当部局の方にもう既に流してございます。

#41
○徳永エリ君 だとしたら、どうして伝わってないのか不思議でしようがないんですけれども、この問題があった砂川市はさすがに分かっていました、この去年の十月の通知のことは。
 砂川市の市長さんが、空知管内のその市長会があったときに、この令和二年の通知を持って皆さん知っていますかと言ったら、ほとんどみんな知らなかったと。そこで、皆さんに把握していただいて、振興局から改めて自治体に伝えていただいたということなので、せっかくこういう通知を出していただいているんですから、やっぱり地元自治体や、それから所轄の警察署、警察官の方も現場に立ち会って命令しなきゃいけないわけですから、このことをちゃんと知っていなければいけないと思いますし、特に猟友会、ハンターの皆さんが安心して出動してその駆除をするための行動を行えるということを考えても、これ徹底していただきたいということを、ちょっとどこが詰まっているのか私もまたいろいろ調べますけれども、是非お願いを申し上げたいと思います。
 令和二年の通知で非常に有り難いなと思ったのは、これまで出動要請を受けて見回りをしている中で、突然熊が現れたり襲ってきたときに、なかなか速やかに対応が間に合わないという声がよく現場から聞かれておりました。
 先ほど警察の方からお話がありましたけれども、見回りをする際に、銃に覆いかぶせをする、あるいは実包を装填してはいけないということに銃刀法の第十条第四項の規定でなっておりましたけれども、これ、熊に関しては緊急性が高いということで、これに関しては、住宅街に現れた熊を駆除するためには、出動要請を受けたハンターは、緊急避難の措置又は警職法第四条第一項に基づく命令に従い猟銃を使用して熊を駆除する上で必要であると合理的に認められる範囲で、当該猟銃の覆いを外すこと、実包を装填することが可能ですというふうに書かれておりましたので、これは私も地元から相当要請を受けていましたので、ああ、良かったなというふうに思っています。
 それから、もう一つ先ほどお話がありましたけれども、ハンターによる緊急避難の措置としての駆除というところなんですが、警察官よりも先にハンターが現場に臨場する事態も想定されるところ、当該ハンターの判断により、緊急避難の措置として熊等を猟銃を使用して駆除することは妨げられませんというふうになっているんですが、これまでは現場で警察官の命令があって駆除をすると、万が一法に触れるようなことがあっても刑事責任は問いませんということだったんですけれども、これ警察官がいなくて先にハンターが着いて緊急性を要するということで駆除したと。で、四条一項のことがありますから刑事責任を問われることはないとは思いますけれども、ここをちょっと確認をさせていただきたいと思うんですが、改めて御説明をいただいて、警察官が立ち会っていなくても後にトラブルになることはないという判断でよろしいんでしょうか。

#42
○政府参考人(檜垣重臣君) お答えいたします。
 先ほどもお答えいたしましたように、警察官よりも先にハンターが現場に臨場する事態も想定されますので、当該ハンターの判断により、緊急避難の措置として熊等を猟銃を使用して駆除するということは妨げられないということを通知の中に書いてございます。
 ただ、その具体的な緊急避難に該当するかどうかというのは、やはり現場の切迫性とか危険性によって判断しなければならないと思いますので、要請を受けたら必ずしもこの緊急避難で対応できるというものでは、あっ、緊急避難に該当するかどうかというのはやはり個別具体の判断となりますので、全ての事態に応じてこれで大丈夫だということではないと考えております。

#43
○徳永エリ君 緊急性のある場合のその判断ってすごく難しいと思うんですね。だからこそ、平時からきちんと、こういった通知の中身も含めてきちんと情報を共有しておく必要があるんだと思います。
 この十月三十日の通知に関しても、環境省、それから、通知の中にですね、平時の備えとして、都道府県警察、都道府県、市町村、猟友会等の間で連絡窓口を設定するなど、関係機関、団体と連携を図ることが極めて重要だというふうに書かれています。また、警察本部、警察署、都道府県、市町村、猟友会などによる想定訓練を行うことがとても有益だというふうにも書かれています。
 この通知の実効性、これを担保し、砂川のようなトラブルが二度と起きないためにも、是非平時からこういった訓練を行っていただきたいと思いますし、情報を共有し、連携を図っていただきたいというふうに思います。
 警察庁の方にはちょっと耳が痛いかもしれませんけれども、いろいろヒアリングをさせていただく中で、北海道の自治体や関係者からは、ヒグマ対策において大切なことは、警察が北海道や市町村、さらには民間協力者であるハンターに歩み寄り、連携することなんだと。地域協議会を立ち上げ、警察、市町村、専門家、猟友会、その他関係者が集まって熊対策の体制と力の配分を協議し、普及啓発、防除も含めて枠組みづくりをする必要があるんだという声がいろんなところから上がっております。
 環境省のこの十四年ぶりのマニュアル改定、これも生かしながらこういった取組を進めていくためには、専門家の育成や確保に向けての予算、その他様々な体制づくりに係る予算がなければなかなか進みません。野生動物との共生、また事故が起きれば命の問題ですので、今後、省庁をまたいで様々な面で被害が起きないように連携をして取り組んでいただきたいと思いますけれども、大臣に一言お伺いして結びたいと思います。よろしくお願いいたします。

#44
○国務大臣(小泉進次郎君) しっかり環境省と警察庁で連携を取って、実効性ある対策になっていくようにしたいと思います。
 この熊だけに限らず、結構話を今日伺っていて、環境省の特に自然局と警察庁、これ動物愛護の部分でも連携が必要な部分ありますし、今回この熊の部分でもそうですので、警察庁も今日来ていますから、しっかり環境省と連携取ってくださいね。よろしくお願いします。ようやく見てくれました。

#45
○徳永エリ君 ありがとうございます。
 終わります。

#46
○竹谷とし子君 公明党の竹谷とし子でございます。
 この通常国会における環境委員会では、温対法の改正、またプラ資源循環法の成立と、またその他二つ法律、全部で四つ法律審議を参加をさせていただきました。今日は、成立した温対法、またプラ資源循環のみならず、循環型社会に向けてということで質問をさせていただきたいと思っております。
 二〇三〇年に二〇一三年度比で四六%CO2を削減するという目標を示していただいて、これから約十年間で達成するべき定量的な目標が定められたということは非常に大きなことだというふうに思っております。二〇五〇年に向けては、今まだ確立していない技術にも期待をしてイノベーション、開発すると、イノベーション起こしてゼロカーボンを達成するということになるわけですが、二〇三〇年というのはもうすぐそこだというふうに思いますので、今ある技術の普及による脱炭素化を一刻も早く実現をしていくということも重要なことであるというふうに思っております。
 前回、一般質疑のときに、私、熱利用ということを質疑させていただきました。再エネ電気、電気を化石燃料から再エネ電気にしていくということは非常に重要なことなんですけれども、すぐできるものというのはやはり太陽光で、そのほかの地熱や風力といったものは時間が非常に掛かるということであります。一方で、エネルギーというのは、電気だけではなくて熱の需要も大変大きいものがあるということで前回質疑をさせていただきました。
 どれぐらいこの熱の需要があるのかということで、環境省にあらかじめお伺いをいたしまして集計をしていただいたものが一枚目の資料でございます。業務部門と家庭部門、これ以外に大きな産業用もあるわけでございますけれども、業務部門だけでも年間のCO2排出量というのが八千三百二十九万トン程度あるであろうと、家庭部門においてもそれと同じぐらいあるということで情報を提供いただきました。これ、作成するのも大変だったと思うんですけれども、作っていただいた方にも感謝をしたいと思いますけれども。
 これ、非常に大きな数値でございます。この熱エネルギーについて、ほかの国では地域熱供給等を行っておりますが、日本はまだそこまで、やっていただいている地域も都市部で、一角が地域熱供給やっているとか、そういったところもあるんですけれども、まだほかの国に比べて十分進んでいるとは言えないというふうに、ポテンシャルがまだあるというふうに思っております。それを示すのが次のページ、二枚目の資料でございます。
 先日発表されたばかりの令和二年度のエネルギーに関する年次報告から抜粋をしたものでございますけれども、例えば日本とスウェーデンを比べると、一桁、スウェーデンの方がこの熱、年間の熱供給量というのは多いわけでございますけれども、以前スウェーデンにも私行かせていただいたんですけれども、非常に熱供給が進んでいるということを泊まったホテルでも感じました。暖房も、日本だったらエアコンですけれども、ちょっとひねって温水の、ひねってお湯の量を調整しながら温度を調整するような温水の暖房ですね。余り温かくないんですよ。死なない程度に、健康を害さない程度に温度が保たれていて、余り暑くならなくてすごく寒かった思い出があるんですけれども、冬に行ったので。
 スウェーデンでは、ほかの国では天然ガスで熱供給をしているところが多いそうなんですけど、スウェーデンではバイオマスや廃棄物の利用割合が約八七%ということで、その背景には、既にその熱供給をやるときに化石燃料に対して炭素税掛けていたので価格競争力もあったということだと思いますし、ほかの制度的な後押しもあったと思います。
 お湯とか、給湯とか暖房というのは、非常にこれ、熱エネルギーを使うに当たっては非常に得意な部分なんですけど、一枚目に戻ると、この暖房、給湯というところで、業務部門については、八千三百万トンのうち、大方がこの暖房、給湯ということになっております。
 宿泊施設だとか介護施設だとか、お湯とか暖房たくさん使っているところがあります。こういったところにしっかりと、廃熱とか、様々な今捨てられてしまっている未利用の熱が日本の中にもたくさんありますので、それを熱導管、パイプでつなげて利用するということは幾つか私も見させていただきましたけれども、既にやっているんですけれども、都市部なんかだと、地下をパイプを通すのって、物すごいいろんなものが埋まっているので大変なんだということを、一つ道路の向こうにある施設に熱を送るだけでも物すごい大変な工事で、大変ですという、そういうことでありました。
 そのパイプを通すだけではなくて、前回質疑に取り上げさせていただいた、蓄熱材を経済産業省の下で産総研が開発をして、ハスクレイというものを開発をして、それに蓄熱をすることによって、大体三十キロ、三十分以内で行けるようなところにはそれでパイプを通さなくても熱を届けることができるという、そういう技術を開発されて、既に商用段階に入っていて、八年ぐらいで投資を回収できると。そうすると、石油とか石炭とか天然ガスとか海外から輸入している化石燃料を使わずに、工場で捨てられていた廃熱を利用することができて、国内の産業や雇用にお金が回っていくと、そういうお話をさせていただきました。
 これ、熱を供給するところと熱を消費するところとをしっかりくっつけていかなければこれできない話なので、供給側は経産省、需要側は環境省といった縦割りではこれうまくいかなくて、そのほかにも下水熱であれば国交省さんがやっていますと、農業のハウス等での熱需要であれば農水省さんがやっていますとか、各省を全部取りまとめて供給と需要をきちっとくっつけて、まず廃熱、未利用熱を使っていくんだという優先順位を明確にして、まずそれを検討してもらうということをもう本当、来年からでも、今年からでもやっていかなければならないというふうに思っております。
 仕組みとしてはもう既に確立をしているんですけれども、宿泊施設にしても介護施設にしても、サービスを提供する義務がありますので、安定ということが非常に重要になります。新しい仕組みというのは大概課題が出てきます。そういうリスクを負っていただくので、これ最初はもう丸抱えでもいいから、政府が丸抱えしてもいいからやってもらうということが重要だと思いますので、例えばですけれども、来年やってくれたらもう十割出しますと、再来年だと七割出しますと、だんだん減っていく形で、早くやってくれると得だと、そういう形をつくっていく必要があるのではないかという、そこまでやる必要もあるのではないかというふうに思っております。
 減るCO2の量に応じて補助していくというような考え方が重要なのではないかというふうに思っております。未利用熱、また再生可能熱の利用による脱炭素の可能性、非常に大きいと思いますので、普及について環境省としてどのように捉えているか、まずお伺いしたいと思います。

#47
○政府参考人(小野洋君) お答えいたします。
 まず、熱、電力だけでなくその熱の脱炭素化、これは委員御指摘のとおりでございまして、これは非常に重要でございまして、資料にもございますように、相当の効果が見込まれる分野であろうと考えております。
 現在、環境省におきましては、例えば地中熱のヒートポンプなどの再エネ熱利用設備の導入、あるいは廃棄物処理施設で生じる未利用熱の有効活用等、支援措置を講じて推進をしております。
 また、議員が御指摘されましたハスクレイ蓄熱材のような、産総研がこれは開発しているということでございますが、蓄熱技術、これも非常に重要であると考えてございます。
 先ほど申し上げました地中熱なり廃棄物処理施設の未利用熱の支援、こうした取組を通じまして、地域における脱炭素化に資する熱利用の取組を今後とも進めてまいりたいと考えております。

#48
○竹谷とし子君 ありがとうございます。
 この熱利用についても温暖化計画にしっかり位置付けて、小泉大臣のリーダーシップで、各省の個別最適ではなくて全体の、日本全体の最適化をしていくということを是非お願いしたいと思います。
 そのために、熱利用の全体的な戦略の策定が必要なのではないかというふうに思っております。大臣のお考えを伺いたいと思います。

#49
○国務大臣(小泉進次郎君) 竹谷先生御指摘の熱利用は、これは鍵だと思います。
 私もカーボンニュートラルの宣言を国がしてから様々な自治体と話す機会が多いんですが、最近目立ってきたなと思うのは、一つは雪ですね。新潟県の津南町の桑原町長は、国・地方脱炭素実現会議のメンバーでもあるんですけど、この雪室の活用から、あとはこの前、南魚沼市長ともお話をしたときに、新潟の雪を東京に売りたいと。この地元の地域資源をエネルギーや熱のために活用するという発想が、様々な自治体から今、今までなかった動き出ていると思います。私も富山県のこの前知事と話したときも、今何を関心持たれているかといったら地熱なんですね。ああ、富山からも地熱が出てきたかと。
 そういう形で、やはりこの地域資源を生かした真の地産地消をエネルギーでもやっていくという機運が高まってきた中で、熱の関係ですと、温泉熱利用も含めてかなり可能性あります。温泉業界は地熱に反対しているというイメージがありますけど、大分変わってきて、熱利用をやると温泉の旅館とかの業務コストも下がるということに気付いて、かなりこの温泉熱利用に対しての前向きな思いも出てきたんですね。
 なので、先生おっしゃるとおり、関係省庁結構分かれていますけど、どうやってこの熱利用を今後の気候変動対策、脱炭素にもつなげていって、それが地域の経済活性化にもつながっていくか。先ほど自然局長にも言いましたけど、今後、来年の概算要求に向けて今各局からいいアイデアを出すように、今考えを様々自由に、今ディスカッションをし始めますから、小野局長いますから、そういったことも含めて意欲的なアイデアを出し合って来年の予算や政策につなげていきたいと思います。

#50
○竹谷とし子君 ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
 次に、ちょっと質問を一つ飛ばさせていただきまして、再エネと電動小型モビリティーの普及に向けてということで質問させていただきたいと思います。
 資料をお付けしておりますけれども、国土交通省が昨年末、超小型モビリティーについて型式指定車といたしまして、日本でもいよいよ本格的に販売が始まることとなりました。環境省でも再エネ電気の調達と電気自動車買うと補助しますよということをやっていただいております。この車なんですけれども、小型のモビリティーの需要ということが非常に高いのではないかというふうに思っております。資料に、その後ろのページですけれども、中国では地方部で一台五十万円ぐらいの電動車がヒットしているということであります。
 この国交省の型式指定ができてから、日本でも各社が今後小型モビリティー、電動の小型モビリティーを販売しますという発表をされておられるわけですけれども、まだ百万以上日本ではするという、そういう状況にございますので、しっかり補助していくと、まずは、ということが重要なんだろうというふうに思っておりますけれども。
 以前、私、大分県の姫島に視察をさせていただきました。藤本村長からお話を伺ったところ、太陽光発電で電気自動車に電気を供給して、そしてグリーンスローモビリティーとか超小型モビリティーでエコツーリズムをやっていると。一〇〇%再エネの電気で動いているという、そういうエコシティー、エコアイランド化をやっている取組を伺いました。これ非常に優れています。二〇一九年の低炭素杯でも環境大臣賞のグランプリを取られている取組で、非常に過疎地とか島とかは特にガソリンが高いので、これは、不安定な太陽光発電を動く蓄電池である車とセットで導入するというのは非常に相性がいいというふうに思いました。
 資料五枚目なんですけれども、環境省の補助が最高一台八十万円なんですけれども、脱炭素という、CO2をいかに削減するかということを考えると、超小型モビリティー、今後様々出てくると思うんですけれども、今は三十万なんですね、補助が。これ八十万でもいいんじゃないかと。脱炭素という目的を考えたときに、別にこれを安くする、これを低くする必要はないし、むしろ庶民が買うのは小型の方でありますので、これ、もうちょっと引き上げた方がいいんじゃないかというふうに思います。
 これからもっと柔軟化していっていただけるものというふうに期待をしておりますけれども、この再エネプラス電動モビリティーの普及に後押しもっともっとしていっていただきたいというふうに思います。
 大臣のお考えをお願いいたします。

#51
○国務大臣(小泉進次郎君) これも竹谷先生と問題意識は同じで、私はEVの今回補助金倍増をしましたけど、来年四月になるとEVの軽が出てくるんですね。最近、自動車の専門の方々とも意見交換したんですけど、一つのブレークスルーは、このEVの軽、それは地域の中で結構あるんじゃないかと、しかもそれが二百万を切れば相当需要が出てくるんじゃないかと、そんな御意見も聞きました。
 まさに、先生の言うような電動小型モビリティー、そして軽、そういったことも今後どのように後押しをできるか、まさにこれも来年の概算要求も絡みますので、こういったこともしっかり局長や省内でも議論をして、今のこの八十万円の補助金は相当今いいペースで積み上がっています。一万台売ることを目標にしていますけど、今二千台超えていますから、ペースはいいです。ただ、これが一発で短期で終わらないように、どのようにしていけるか、ちょっと考えたいと思います。

#52
○竹谷とし子君 よろしくお願いします。
 小型の電気自動車は本当に非常にいい市場だと思いますし、普及のブレークスルー、確かにしていくところだと私も思っておりますので、是非後押しよろしくお願いいたします。二百万というよりも、庶民にとっては百万か五十万ぐらいですね、自分の持ち出しは、五十万ぐらいの持ち出しでできるように、是非、そして太陽光発電も入れるとか、そういう形でお願いしたいなというふうに思います。
 あと、最後に、小型家電リサイクルについても伺いたいと思うんです。
 これ、サーキュラーエコノミーということで、小型家電については資源の循環利用という意味では非常に大きな意味があると思っておりますけれども、まだ回収量が非常に、回収率が低いということで、これ、もうちょっと一〇〇%目指して大きく前に進めていただきたいというふうに思います。
 大臣のお考えを伺います。

#53
○国務大臣(小泉進次郎君) 先生御指摘のように、今、回収率約二〇%ということで、これをいかに先生御指摘の一〇〇%に行くかというのは非常にまだ課題はあるんですけど、まずは令和五年度までに年間十四万トンを回収をするという目標を今掲げています。
 私も、今後スマホとかタブレットとかPCとか、この回収をいかにやるかというときに、実はアップルと話したことがあって、アップルは、これから全ての製品を、我々消費者が使っているスマホやタブレットを回収したものをもう一回製品にするということを全てそれをやると。新しい材を使わない方向性をもう出しているんですね。ただ、日本の課題を言われたんです。それは何かというと、世界の中のアップルストアの中で日本はユーザーの携帯とかPCとかの回収率が非常に低い、それは日本の中での情報、個人情報に対するセキュリティー意識とかが、もう一回戻すということに課題もあるんじゃないかみたいなことも話したんですけど。
 やっぱり、これからサーキュラーエコノミーのときには、その回収に対する消費者の皆さんに対しての御協力、これをどうやって得られるか。私はそういったアップルとか携帯のやり方というのは分かりやすいと思いますし、オリパラの関係でいうと、メダルもまさにそういった形で作ったわけですから、今後課題はありますけど、先生の御指摘のように、回収率上げていけるように我々としてもしっかり取り組んでまいりたいと思います。

#54
○竹谷とし子君 ありがとうございます。
 やっぱり、持っていったら、十円でも二十円でも百円でもポイントでもいいんですけど、何かインセンティブがあるというのが大事なんじゃないかというふうに思っております。是非よろしくお願いいたします。
 終わります。

#55
○片山大介君 日本維新の会の片山大介です。
 私も、先ほどの徳永委員と同じく、まず、福島県で出た除染土壌を運び入れる中間貯蔵施設のJESCO法の附帯決議に基づく環境省の報告に対しての質問をしたいと思います。
 今日も理事会で説明をしていただいたんですが、一週間前に指摘したことをきちんと考えて検討していただいたことは本当に有り難かったと思いますし、よく分かったと思います。
 ただ、幾つかやっぱり分からないところがあるので教えていただきたいんですが、そもそもこの除染土壌、除去土壌は、できる限り減容化して、そして再生利用のめどを立てて、それでも残ったものについては二〇四五年までに福島県外に最終処分をするということですよね。そのために今計画を立てている、そしてそれに基づいてやっている。それが配付資料の一枚目なんですが、この配付資料で見ると、右側の二〇二四年度、ここがまあ一つの節目を迎えるわけですよね。これの中、ちょっとかなり細かいんで、分かりやすく言うと、左側から見て三つ目か、再生利用の推進というところがあるんですが、そこの真ん中辺見ると、これ実証事業とあるんですが、これ実証事業が地元の反対でできていなかったり、あと、その再生利用については省令改正を行うことになっているんですが、実はこれも遅れていると。
 こうした中で、この二〇二四年度の技術基盤開発の完了というのが本当にできるのかどうか、ここをまず教えていただけますか。

#56
○国務大臣(小泉進次郎君) まず、この目標を達成できるように進めていくと。その中で、再生利用の実証、先生言ったようになかなか広がりを見せることができていないのが課題でありますので、これを少しでも進んでいけるように、私としても、まずは政治の率先垂範も含めて、一つ一つ実現をさせていきたいと考えております。

#57
○片山大介君 その事業の一つに南相馬もあって、今日それ報告まさにしていただいたですけど、それで、南相馬も事業ができなくなって、それでもう工事自体が着工しちゃっているから、そこでの実証事業はもうできなくなっちゃったという話ですよね。
 だから、そうすると、ほかの場所で実証事業の場所をまた探さなきゃいけなくなるのかなと思いますけど、そういったことも考えながら、三年後までにある程度完了させなきゃいけない。これ、大変だと思いますけど、そこら辺はどうでしょうかね。

#58
○国務大臣(小泉進次郎君) やはりそれでも実証を進めなければ、その次の展開は見えてきませんから、私としては、今省内でも指示を出していますが、とにかく福島の皆さんとの約束を守るためにはこの再生利用が鍵なんだと。そのまずは率先垂範として、我々政治の場でもどのような展開が可能か、それを真剣に今検討させているところでもあります。

#59
○片山大介君 そうですね。それで、その再生利用に当たって、これもちょっと先週言わせていただいたんですが、会計検査院から先日報告を受けたんですよね。それについては、今、その環境省が発表している除染、除去土壌の総量は一千四百万立米と言っているんですけれども、これ帰還困難区域で発生したものは入っていない。これ徳永委員も言われたと思うんですけれども。で、その中でも復興拠点区域、まあ帰還困難区域でも復興拠点区域、これについては、この会計検査院の報告、これ二枚目の資料に書いてあるんですが、やっぱり再生利用のめどを付けるためにも、この量を適切に推計出して、そしてこの計画の中に組み入れるべきだというふうに言っているんですけど、それまだ環境省はやっていらっしゃらない。
 これ、私、三月のときにも聞いたんですけれども、やはりだからこれもやらないと、特にその拠点区域というのは、もう線量が高いことは分かっているわけですよね、データとして。だとしたら、これは本当に、最終処分に向けた過程で、この拠点区域内のどうやって再生利用をやるかというのは物すごく大きな問題になってくると思うんですが、ここはどうでしょうか。

#60
○国務大臣(小泉進次郎君) 先ほど徳永先生とのやり取りの中でも事務方からの説明もありましたが、やはり地域地域の声をしっかり聞きながら、どのように前に進めていけるか、今政府全体の中でも検討しなければいけません。ただ、環境省として変わらないことは、この再生利用の広がりを、案件をつくっていかなければ、いずれにしてもその先なかなか見えてこず、それが遅れれば遅れるほど、この三十年というのは二〇四五年でありますから、そこに向けて約束を守ることができなくなりかねない。そうならないように、今年、今も真剣に検討していますが、対話フォーラムの開始から、そして案件をどうやってつくれるか、そういったことを今真剣に検討しているところでもあります。

#61
○片山大介君 大臣、その拠点区域内の量というのは今後入れていくということでよろしいですかね。

#62
○国務大臣(小泉進次郎君) 様々、地元のそれぞれの量、そして線量、そして除染の在り方、多様な形もあります。それをどのように政府全体として検討を深めていくか、今政府全体としての検討中だということだと思います。

#63
○片山大介君 是非それやっていただきたいと思います。大臣はその三月のときは、考えさせてほしいと言ったんですよね。その言葉は重いと思いますので、やっていただきたいと思います。
 それで、会計検査院では、私、もう一つ気になっているのがあって、福島県内で空間線量の測定をやっているんですよね。五十六万地点でやっている。そのうちの一万三千地点で、除染する前よりも除染した後の方が線量が上がっているんですよね。それで、これを環境省にどういうことなんだろうというふうに聞いたら、これ例えば自然現象か何かでちょっと線量が流れたというか、そういうことがあるんじゃないかみたいなことを言ったんですが、更にこのデータ見てみると、除染前よりも除染後の方が線量が上がって、さらに、その後のモニタリングで更に上がっていっているんですよ。さすがに私はこれはおかしいと思っている。
 これは、モニタリング含めて測定は外部の事業者に発注しているというんですけど、環境省として、これ会計検査院にも指摘されましたけど、これきちっと調べた方がいいんじゃないかと思いますが、ここら辺どうですか。

#64
○政府参考人(森山誠二君) お答えを申し上げます。
 元々、除染の現場は、自然を相手にし、かつ、極めて多様な状況があるため、場合によっては、雨どいの下などの放射性物質がたまりやすい場所の再汚染などが起き、結果として除染前後で線量が上昇してしまうことがあります。
 このため、環境省では、こういった実態も踏まえて、環境、土壌、放射線等の専門家から成る環境回復検討会の御意見も伺い、モニタリング結果を確認した上で、必要に応じて追加除染なども対策を行っているところでございます。その際、地元の方の御意見も聞きながら丁寧な対応をこれまでもしてきているところでございますし、今後ともそういったこともやっていこうと思っているところでございます。

#65
○片山大介君 若干私が求めた答弁とは違って、それはあれじゃないですか、もう一回調べてみればいい、例えばそのポイントだってどこか分かるんですから。いろんな推測で言うのは簡単ですけど、実際問題として除染、数字が上がっていっているというんだったら、これ何か気持ち悪いと思いますよ。
 しかも、恐らくそれも含めて、その再生利用だとか減容だとかということも含めて除染はやっていくわけですよね。だとしたら、この数字が上がっていっているというのは何なのか理由を確かめればいいと思いますけど、どうでしょうか。

#66
○政府参考人(森山誠二君) これまでそういった場所は、当然、調査結果は地元の方にお見せしているわけですね。その中で、どういったところができるか、これはなかなか物理的にこれ以上難しい場所だとか、それぞれそこに住んでいる方と会話しながらやってございますので、またそういった必要があれば測定も含め必要なフォローアップを考えていきたいというふうに考えてございます。

#67
○片山大介君 是非やっていただきたい。その今言った箇所は、だから、二百五十五か所と書いてあるんですね、会計検査院の報告書だと。二百五十五ですからそんなに難しくないと思いますよ。だから、これは是非やっていただきたいと思います。
 それで、次の質問に行きたいんですが、次は処理水について私もやっぱり聞きたいんですよね。
 先ほど森委員も言われたように、今年の四月に、二年後をめどに、ある程度国の基準以下に下げた上で海洋放出することが決まったという話ですよね。今このタンクにはトリチウム以外にもセシウムだとかストロンチウムとかという放射性物質が入っていて、そのタンクの全体の七割で今、国の規制基準を上回っているという状況なので、だから、浄化設備で何回も何回も浄化していって基準内に下げてから放出しようという流れなんですが、ただ、もうそもそも二年後から始まるとしている。それで、来年の夏にはたしかタンクの設置用の敷地はもうないよという話ですよね。海洋放出も、少ない二十二兆ベクレルという管理値の中で、年間の、だから少しずつ出していくような感じになっている。
 じゃ、この浄化設備で何回も回していくというんですけれども、基準内に抑えるために、その何回も回していくとき、例えばトラブルが起きて止まったらどうするのかとか、そうした場合にはどうしていくのかというのが私はよく分からないんですよね。こういうシミュレーションまできちんとやらないと、本当に二十二兆ベクレル以下で出すことができるのか、そこはやっぱり東京電力がやっていく、放出をやっていくので、規制委員会としてチェックするにしても、かなり不安なんですけど、そこら辺はどのようにお考えですか。

#68
○政府参考人(須藤治君) お答えをいたします。
 今先生御指摘のとおり、ALPSに関しましては、日々発生する汚染水を浄化するものと、現在、タンクの中の七割はまだ放出の基準を満たしておりませんので、再浄化するもの、両方を浄化をしていくということでございます。
 東京電力におきましては、ALPS設備等の浄化設備を着実に稼働させるために、定期的に点検、保守を実施するということはもちろんでございますけれども、仮にですけれども、経年劣化等により定期的な保守では機能が復旧できない場合には、その部分の交換等を速やかに実施をしております。
 加えて、地震などによりまして一部の設備の機能が停止した場合に備えて、複数の装置、複数の系統を設置をして、一日当たりの汚染水発生量であります約百五十立米に対しまして一日約千二百立米程度の浄化能力を確保するなど、処理能力に余裕を持たせた対応をしてございます。
 今後とも、浄化作業を滞りなく進めるように、しっかりと東京電力を指導しながら、国としても前面に立って対応してまいります。

#69
○政府特別補佐人(更田豊志君) 多核種除去設備、ALPSにつきましては、これまでに既設三系統、増設三系統、高性能一系統と、全部で七系統を整備がされています。現在、この既設、増設を使って浄化を進めており、高性能と呼ばれるもの、一系統としては最も容量の大きなものですが、これが待機をしている状態にあります。したがいまして、こういった系統を切り替えて使用している、現状でも既に待機をさせている状態ですので、不具合が起きた場合には速やかにその待機状態のものを利用してという形で浄化を進めていくことになります。また、電源等についても多重化をしておりますので、そういった意味で不具合に備えるという体制を取っています。
 それから、経年劣化につきましては、ALPSは様々な要素で構成をされているものですから、個々の機器を交換をしていくことによって長期の利用に備えるという形になります。

#70
○片山大介君 是非しっかりやっていただきたいんです。
 それで、これ基本方針なんですけど、基本方針には、年間の二十二兆ベクレルなんですが、こう書いてあるんですよね。今後、国内外のほかの原発の実績を見て見直すと書いてあるんですよ。そう考えると、我々は二十二兆ベクレルだと思っているけど、今後見直すと書いてあると、例えば、さっき言ったようにその浄化設備が止まって、数か月も止まったとした場合に、その後放出ペースを上げていくんじゃないかとか、こっちは思うわけですね。それで、そのときも、ほかの原発、もっと多くの排出をしているほかの原発もあるからというのは、それは科学的にはいいのかもしれないけど、これ、被災地の不安に寄り添うという意味ではそれは理由にはならないと思うんですよ。
 だから、ここの部分はなし崩し的にはないということをちょっと言っていただきたいんですが、どうでしょうか。

#71
○政府参考人(須藤治君) 放出の量についてでございますけれども、この基本方針の中で、風評被害をできるだけ発生させない放出方法というのが議論をされております。
 この観点からまさに放出の量を議論をしたわけでございますけれども、これにつきましては、事故前の福島第一原発の放出管理値である年間二十二兆ベクレルを下回る水準になるように放出を実施するということで、御指摘のとおり、定期的に見直すということが書かれているわけでございますけれども、これについては、短期に放出を終えるということで量を多くすべきだという議論、意見があったのは承知をしておりますけれども、議論の中で、風評を懸念する観点からはできる限り少量にすべきという御意見がございました。また、農林水産大臣からも、風評を抑制するために放出をするトリチウムの量を最小限にするべきだという要請を受けております。
 今回、こうした中で、二十二兆ベクレルを下回る水準で実施するということにしたものでございますので、基本方針の中では御指摘のような記載がございますけれども、きちんと風評をできるだけ抑制をするという考え方の中で対応をしてまいります。

#72
○片山大介君 是非そこはきちんとやっていただきたいんです。この海洋放出でどれだけこの地元の人たち、やっぱり不安に思っている方あるんですよね。風評被害を起こさないというのであれば、その部分もきちんとやっていただきたいというふうに思います。
 それで、その後、モニタリング、環境省が責任をある程度負うのかな、モニタリングについて聞きたいんですけど、そのモニタリングの公開の仕方もどうやるのかって気に私なっていて、政府の方は随時と言っているんですけど、これ、IAEAはこれ常時と言っているんですよね、常にと。
 これ、それで、ちょっと例としていいのかどうか分からないんですが、アメリカでは、原発ではないですけれども、オバマ大統領の時代に、メキシコ湾で海底の石油の掘削をしていたら、リグが火災を起こして爆発して石油が噴出したことがあったんですよ。それで、一、二か月ぐらい止まるまでに時間掛かったんですけど、そのときオバマ大統領何やったかというと、その海底にモニターを設置して、噴出している様子をリアルタイムで公開したんですよ。そうすると、アメリカのエネルギー省の信頼度が増して、これがたしかオバマ大統領のこの春に出た回顧録にも書いてあるんですよね。
 ここから何が言えるかというと、モニタリングというのは、良い情報も悪い情報もリアルタイムで公開することというのが一つと、それから、モニタリングを公開する過程においてできるだけ人の手を介さない、人の手を入れないようにすること、もうこれが一番必要だと思うんですが、これ環境省とレクで何度かやり取りしたんですけど、そういうような観点余りないんですよね。東京電力がモニタリングするのは第三者入れますからみたいには言っているんですけど、そもそも東京電力の手を入れないようなことを考えればいいとか、やっぱりそういう工夫をしないとなかなかこれ信頼度増さないと思いますけど、そこはいかがでしょうか。

#73
○国務大臣(小泉進次郎君) 東京電力には、その責任を果たさせなきゃいけないと思っています。自分たちはやらない、知らないじゃなくて。なので、東京電力もやる。だけど、東京電力信頼ないですから、そのときに東京電力だけにさせないで、規制庁、そして我々環境省、それぞれがモニタリングをやって、そしてそのモニタリングやったことは公開をして、そしてそれもウエブでも公開をします。さらに、IAEAの協力を得て分析機関ごとの数字もしっかりと出して、客観性と信頼性を高めたいと思います。
 ただ、先生が御指摘の、リアルタイムで、例えば海に流れ出ている、こういったところを撮る、そして公開をするということが技術的に、それ撮ることは今の技術だと当然できるとは思うんです。ただ、この目的は、しっかりこのトリチウムとか含めて、この水中の中、海域の中の放射線のところというと、デジタルで自動的に、技術的にそれができるものかというと、なかなかそこは難しいということも聞いております。
 ただ、いずれにしても、多くの国民の皆さんにこのモニタリングというのが信頼性と客観性とを担保されているというふうに受け取っていただけなければ、これやっても信頼高まりませんので、そこをしっかり踏まえた上で環境省としての責任を果たしてまいりたいと考えております。

#74
○片山大介君 是非やっていただきたい。
 それで、今大臣が言われたその公開なんですけど、今も実は環境省、モニタリングやっているんですよね。それを一応ウエブサイトで公開しているんですよ。その資料を三枚目に付けたんですが、これ三枚目の左側がその入口のトップページなんですよ。これ見て、やっぱりいきなり何か説明もなくてこういうふうに書かれていて、これどこなんだろうとかと、最初私分からない、見ていて。県しか書いていないんですよね。それで、これクリックしたのが赤枠内なんですけど、そうしたら、ここではもう何か記号と難しい言葉が並んでいて、これ私全く分からなかったです。
 だから、やっぱりこれからこのモニタリングが風評被害対策につながるというのであれば、やっぱりこれじゃ駄目だと思うんです。やっぱり見てもらえる工夫をもっとしなきゃいけない。今よそのホームページはもっと工夫していると思いますけど、ここら辺、大臣、どのようにお考えですか。

#75
○国務大臣(小泉進次郎君) これは率直に申し上げますと、私も環境大臣になってから環境省のホームページは非常に分かりにくいと、何とかならないものかと言ってきたんですけど、これ大臣になって分かるんですけど、ホームページ変えるだけでも物すごい省内のリソースを使うんですよね、もう信じられないほどの。ですので、環境省が限られた職員で重要な課題を今迎えている中で、ホームページを変えることにリソースを割くということが果たして優先順位として正しいだろうかということを悩みまして、私の中ではそこに今リソースを最大限割くべきじゃないなと思いました。
 ただ、このモニタリングの調査結果の分かりにくいというのはもうごもっともで、そしてそれは、環境省のほかのを見ていただいてもまだまだ改善しなければいけないページはいっぱいあります。そこをいかにして多くの国民の皆さんに分かりやすくやれるか、我々、リソースも限られていますけど、できる限りのことは対応したいと、そのように考えております。

#76
○片山大介君 是非やってください。
 それで最後に、これで終わりますが、原子力政策を私もこれまでいろいろ取材してきましたけど、記者時代から、やっぱりいつも思うのは、残り少なくなってきた時間を味方に付けてそれで結論付けるというのがこの原子力政策のいつもやり方なんですよね。そうじゃなくて、今のうちから話し始める、議論をするってこれは大切で、これは先ほどの最終処分も絶対そうなると思うんですよ。だから、それを是非やっていただきたいと思いますし、大臣、その覚悟だけ聞いて、終わります。

#77
○国務大臣(小泉進次郎君) 時間切れを狙ってぎりぎりで出してくるという手法って時々霞が関もありますよね。
 今後、エネルギー政策も考えるときに、電源ごとのコストの比較も大事だと思っているんです。残念ながら、ずっと、そういった話をしても、なかなかレクに来てくれないんですね。そういったことも私は余りに不誠実なところがあるんじゃないかと思いますので、そこをしっかりと主張しながら、しっかりと政策前に進めていきたいと思います。

#78
○片山大介君 終わります。

#79
○委員長(長浜博行君) 午後一時三十分に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時五十六分休憩
     ─────・─────
   午後一時三十分開会

#80
○委員長(長浜博行君) ただいまから環境委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、松山政司君が委員を辞任され、その補欠として北村経夫君が選任されました。
    ─────────────

#81
○委員長(長浜博行君) 休憩前に引き続き、環境及び公害問題に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。

#82
○山下芳生君 日本共産党の山下芳生です。
 今日は、化学物質による環境汚染について質問します。
 まず環境省に伺いますが、PFOSとPFOAという物質はどういう物質か、国際的にどのように規制されているのか、簡潔に説明いただけますか。

#83
○政府参考人(田原克志君) お答えいたします。
 PFOSはペルフルオロオクタンスルホン酸、そしてPFOAはペルフルオロオクタン酸、あっ、失礼いたしました、PFOSはペルフルオロオクタンスルホン酸、それからPFOAはペルフルオロオクタン酸の略称でありまして、いずれも有機フッ素化合物でございます。撥水剤等として用いられる物質でございます。
 これらは、有害性、難分解性、生物蓄積性、それから長距離移動性を有する物質といたしまして、残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約、ストックホルム条約の規制対象物質となっております。例えば、有害性に関しては、動物実験等の結果から得られた知見により評価をされております。
 また、このストックホルム条約におきましては、我が国を含めて全ての締約国は規制対象物質について附属書の規定に応じた措置を行うこととしておりまして、PFOSにつきましては、国際的に特定の用途を除き製造、使用等が制限をされております。また、PFOAにつきましては、特定の用途を除き廃絶することとされております。

#84
○山下芳生君 PFOSとPFOAは、用途としては例えばフライパンのテフロン加工ですとか泡消火剤などに用いられておりまして、ほとんど分解されない永遠の化学物質と、フォーエバーケミカルとも呼ばれております。
 これらの物質がストックホルム条約で禁止されるに至るまでには歴史がありました。
 アメリカでPFOAを開発したデュポン社は、既に一九八一年には動物実験によって有害な物質であることを認識しながら、工場外の環境中にPFOAの汚泥を廃棄するなどして地域の飲料水を汚染しました。集団訴訟が起こり、裁判の中でPFOAによる健康被害を調査する必要があるとされ、デュポン社が五百万ドルを拠出して、独立科学調査会が設立されました。約七万人に上る住民の血液検査と健康調査が行われ、これによってPFOAと六つの症状との関連が確認されることになります。六つの症状とは、一つ、妊娠高血圧症並びに妊娠高血圧腎症、二つ、精巣がん、三つ、腎細胞がん、四つ、甲状腺疾患、五つ、潰瘍性大腸炎、六つ、高コレステロールであります。
 集団訴訟が起こったのは二〇〇一年、独立科学調査会が設立されたのは二〇〇四年の和解後、そして健康被害の確認がされたのは二〇一二年ですから、十年余りに及ぶ闘い、裁判の結果、こういうことが判明したわけですね。
 小泉大臣、アメリカのこうした歴史、これ通告ありませんでしたけど、御存じでしたでしょうか。

#85
○国務大臣(小泉進次郎君) そこまで詳細には存じ上げませんが、今まで、山下先生以外からも、他の委員会でもこのPFOS、PFOAについては度々御質問いただいていますので、その中で一緒になって考えさせていただいております。

#86
○山下芳生君 実は、日本でも歴史があるんです。
 二〇〇三年、京都大学大学院医学研究科の小泉教授らのグループが全国八十か所で調査を行いました。河川水や水道水でPFOA汚染が確認されました。
 資料一は、この二〇〇三年の調査を後追いで報道した産経新聞の記事などであります。ほとんどの河川では一リットル中のPFOAは数ナノグラムないし十数ナノグラムでしたけれども、大阪市に流れる淀川では百四十ナノグラム、兵庫県尼崎市に流れる猪名川では四百五十六ナノグラムと高濃度でした。それから、大阪市では、水道水からも仙台市の水道水の数百倍のPFOAが検出されております。大阪市の住民の血中濃度は、国際的にも一桁高い値となりました。
 資料二は、さらに地域を調べたところ、淀川支流の安威川という川に面した下水処理場の処理水から六万七千ないし八万七千ナノグラムと極めて高いレベルのPFOA汚染が確認されます。それから、周辺の井戸水も汚染されていることが分かりました。この下水処理場と地下水の汚染源は、大阪府摂津市にある空調大手、ダイキン工業淀川製作所であることが後に明らかとなります。この淀川のつい、ねきにダイキン工業の工場があるんです、今もあるんです。
 環境省、日本にもこういう歴史があったんですけれども、今、日本におけるPFOA、PFOSの規制はどうなっているか、最近の全国調査とその結果も併せて報告いただけますか。

#87
○政府参考人(山本昌宏君) まず、法律による規制についてお答えします。
 まず、先ほどのストックホルム条約締約国会合での結果を受けまして、PFOSとその塩については、平成二十二年に化学物質審査規制法において第一種特定化学物質に指定し、製造及び輸入が原則禁止となっております。また、PFOAとその塩につきましては、本年四月二十一日に同じく第一種特定化学物質に指定する政令が公布されまして、本年十月二十二日を施行の予定ということでございます。
 あと、水環境に関しましては、水質汚濁に係る人の健康の保護に関する環境基準等の見直しについてということで、中央環境審議会の中でこの問題も議論されまして、その結果としまして昨年五月に答申が得られまして、PFOS、PFOAについては、環境基準ということではなく、水環境の保全に係る管理体系上の要監視項目という位置付けがなされまして、暫定的な目標値としてPFOS、PFOAの合算で五十ナノグラム・パー・リットルという目標値が設定されました。
 あと、全国での調査につきましてですが、令和元年度に環境省において実施しました全国の存在状況の把握調査におきましては、これは、排出源となり得る施設の周辺の河川あるいは地下水等において調査を実施しまして、昨年六月にその結果を取りまとめて公表してございます。全国河川、地下水等百七十一地点のうち、十三都府県三十七地点で先ほど申し上げた目標値の超過が確認されました。最大値は大阪府摂津市の地下水で、PFOS、PFOAの合算で千八百五十五・六ナノグラム・パー・リッターでございました。

#88
○山下芳生君 今報告のあった環境省による全国調査は、資料三以降、四枚載せております。三枚目に赤線を引っ張ったのが先ほど紹介のあった最高値である大阪府摂津市の地下水でありまして、先ほど紹介された千八百十二ナノグラム・パー・リットルが検出されております。
 この調査結果を新聞報道で御覧になった摂津市の住民の方から、昨年の夏、先ほど述べた、紹介した小泉先生に連絡があって、これ心配ですからね、他の研究者も参加して新たな調査が行われました。結論から申しますと、ダイキン工業淀川製作所周辺の地下水がいまだPFOAに汚染され、地下水をかんがいに使った畑の土壌が汚染され、その畑で作った農作物が汚染され、それを食べた人の血液中のPFOA濃度が高いということが分かったわけですね。
 以下、ちょっと資料を使って説明しますけれども、資料四にこの小泉先生の昨年の大阪府摂津市周辺での調査結果が載っております。
 まず、三人の住民の方、Aさん、Bさん、Cさんの血漿中の濃度を検出すると、百十・四四ナノグラム・パー・ミリリットル、あるいは四十一・九一、五十三・八五という高い数字が出ておりまして、これは非汚染地域の住民の平均二・六ないし三・〇のもう十倍以上、三十倍ぐらい出ているわけですね。そういうことになりました。
 それから、地下水を利用した畑1、畑2というのがあるんですけど、その場所は資料の六に、ダイキン工業のすぐ塀の横ぐらいに畑がありまして、その畑1は地下水を利用したかんがいがされている畑ですが、その地下水は井戸からくみ上げているんですけど、その井戸の濃度は、先ほど言った千八百三、一万八千ですね、先ほどじゃない、一万八千三百六十六ナノグラム・パー・リットルと、こういう値です。それから、その畑1の土壌表層は二千五百二十二・三、土壌下層は二千六百四十三・三という高い値が出ておりまして、そこで取れた作物、例えば、ナスからは三百十七・三、ジャガイモからは百二十四・三という高い値が出ております。
 それから、その隣の畑2、ここは以前地下水でかんがいし、二〇一二年以降は水路の水、これも、水路の水も大阪府の調査で百三十ないし三百七十ナノグラム・パー・リットルの汚染があったと報告されている、この水でかんがいしている畑2ですけれども、土壌の表層、大根、キャベツ、白菜とその畝の間の土壌ですけれども、三千六百四十七ナノグラム・パー・キログラム、それから、土壌の下層八千二百九十・六という数字が出ております。それから、キャベツ二百六十五・二、大根七百二十一・九、白菜四百四十六・九という高い数字がいずれも出ているわけであります。
 要するに、先ほど申しましたように、ダイキンは既に二〇一五年にはPFOAの製造、使用は停止しております。停止したんだけれども、地下水や土壌にはまだPFOAが残留していると、それが畑の作物から人間に摂取されていると、で、血中濃度が高くなっているということが明らかになった。
 これ深刻な事態だと思いますが、小泉大臣、私は、こういうまだ残っている化学物質に対して対策を行っていく上で、まず汚染の状況を把握し、どのように暴露が起こったかをこれは行政として明らかにしていく必要があると思うんです。そのためには、土壌調査と、それから住民の血液検査などの健康調査が必要不可欠だと思いますが、いかがでしょうか。

#89
○国務大臣(小泉進次郎君) まず、御地元で不安をお持ちの方、その御懸念については真摯に受け止めたいと思います。
 ただ、その上で土壌調査ということが先生からありましたが、これは、今、土壌中のPFOAの分析方法の確立がされていないということで、これ国際的にもそうだそうです。ですので、環境省としては、毒性評価に関する国際的な知見の収集や分析方法に関する調査研究をしっかりと取り組んでまいりたいというふうに思っています。
 そして、血液検査という話もありました。健康調査ですね。これにつきましても、今お住まいの方々に健康被害が生じているという情報は我々も聞いてはおりません。
 ただ、地元の自治体と密接に連携をして情報収集に努めてまいりたいと思いますし、まず大事なのは、PFOAについて我々が新たに摂取する量を減らしていくこと、これが重要だと思っています。我々、化審法による製造、輸入禁止措置、そして、昨年の五月に設定した、先ほど答弁があったように、河川や地下水の水質の暫定目標値を活用した、飲むことによる暴露の防止、こういったことをできることから取り組むことが大事だと考えております。

#90
○山下芳生君 ちょっと残念な答弁なんですね。
 もうこれだけの血中濃度が、因果関係も明らかに研究によってなっているにもかかわらず、健康、土壌の調査方法が確立されていないから手をこまねいているという、そんなことでいいのかなと。そういうことをやっていた結果、水俣だとかアスベストという不作為が生まれたんじゃないですか。やはりここは、検査方法がないんだったら確立してでも調べるのが私は行政のあるべき姿だと思います。
 ちょっと住民の声を紹介したいと思います。ダイキンの工場のすぐ近くに住んで子供を小学校に通わせる保護者からの声です。
 大阪府や摂津市は、周辺の地下水は飲用利用がないとして、それ以上の調査や対策を行っていない。しかし、小学校のすぐ近くの住民の所有する畑の土壌や作物からも、またその住民の血漿からも、血液からも、井戸水を飲用していないにもかかわらず高濃度のPFOAが検出されたとの報道があった。大変衝撃を受けた。子供たちは、小学校内で作った農作物を持って帰り、家庭で食べるということを行っている。PFOAは大人以上に子供への影響が強いとも言われている。親として、子供たちが毎日通う小学校の汚染状況はどうなのか大変心配だ。水や農作物、畑、グラウンド等の土壌などの全般的な小学校のPFOA汚染の状況を早急に調査することを強く要望しますと述べておられます。
 大臣も子供さんをお持ちで、子供さんの話になると本当に真剣な答えが返ってきますけど、同じ親からこういう声が出ている、分析方法がないからよく見て、様子見ますでいいんですか。やはりすぐ何らかの対応をすべきじゃないですか。

#91
○国務大臣(小泉進次郎君) 子供に関わることだけでなく、ほかも真剣に答弁をさせていただいていると思いますが、今、先生に、何もやらないんですかということは、さっき私の答弁聞いていただくと、国際的な知見もまだない中で、その情報収集や分析方法に関する調査研究はしっかりやらなければいけないという答弁をしているんですね。なので、今まだ土壌の中からどうやって分析するかも確立されていない中で、その中で何が我々できるだろうか。だからこそ、できる限り取り込まないで済むような対策、そういったことも含めて今やっているという答弁を先ほどさせていただいたので、どうかそこは御理解をいただきたいというふうに思います。

#92
○山下芳生君 摂津市のこの問題、環境省として、この研究の後追いをやるんですか。

#93
○政府参考人(山本昌宏君) 委員から先ほど御指摘あったように、ダイキン工業そのものでは今使用を全廃しているということでありますのと、あと、敷地内のPFOAを含む地下水の処理等ということで、くみ上げで処理をするということはしております。その状況につきましては、大阪府もしっかりと指導をしながら対策を講じているというふうに理解をしてございます。大阪府のその指導の下で今取組が進んでいるということで、その周辺につきましても大阪府は継続的に調査をしているということでございますので、そういうような状況をしっかりと環境省としても注視していきたいと思っております。
 あわせて、大臣から申し上げましたように、土壌汚染に関しましては、本年度から環境研究総合推進費を用いまして、土壌中にどういうふうに挙動するのかと、そういう挙動予測、あるいはどうやってそれを効率的に除去できるのかという除去技術の開発ということもテーマとした研究をしておりますので、並行してそういった研究はしっかりと進めてまいりたいと考えております。

#94
○山下芳生君 じゃ、このお母さんの心配はほっとくということですか。

#95
○政府参考人(山本昌宏君) PFOS、PFOAの問題は我々も深刻な問題と捉えて、先ほど申し上げましたように、中央環境審議会においてもしっかりと議論をして、その時点での内外の知見を集積した上で、今監視、要監視項目という位置付けをして、これ全国の自治体にも御協力いただきながら監視をしっかりしていくと。それと並行して、それが検出された場合に、やっぱり飲み水を通じて人の体内に入るということは極力避けなければいけないということで、ここは厚生労働省とも連携をして対策のための手引をまとめて、それも昨年周知をさせていただきました。
 そういうことに基づきまして、今の段階でできることはしっかりと取り組んでいるということでございます。

#96
○山下芳生君 極めて残念ですけれども、本当にそれでいいのかと。健康被害との関係はおっしゃいましたけど、国内でも健康被害は既に確認されております。
 その次に、資料八ですね。クローズアップ現代で二〇一九年五月に紹介されましたけれども、北海道大学の岸玲子特別招聘教授らの研究ですけれども、この研究は、札幌市の妊婦五百人を対象に、母親とへその緒の血液などを調べた研究です。
 PFOSの母親たちの血中濃度は日本人の平均と変わらなかったんですが、しかし、その分布を詳しく見ると、母親のPFOSの濃度によってある傾向が浮かび上がったと。母親の濃度が比較的高いグループは、低いグループに比べて赤ちゃんの体重が軽くなったり、精子の形成に関わるホルモンの濃度が四割低かったというんですね。こういう結果がもう出たと、五百人調べてですよ。
 赤ちゃんが成長してからもこうした影響が続くのではないかということで、継続的な調査が重要だということで、北海道大学では二万人の対象に広げてこれを調査をする。子供さんが子供を産む親になるまで調査を続けるというんですよ。そのぐらい、さっき言ったように、PFOS、PFOAというのはなかなか分解しない、ずっと体内でも継続性があるんじゃないかということで、こういう慎重な既に健康への影響の調査が始まっている。
 それから、その次の資料に、これは小泉先生のまた研究結果になりますけれども、実際に沖縄では米軍基地の周辺の水道水にPFOAがかなり高いという値が出ています。その周辺の低出生体重児の出生頻度がほかと比べて六・四三対七・三一で有意に高いと。それから、大阪の先ほど、摂津市、守口市も全国と比べて八・九対九・四で有意に高いと。こういうことが出ているわけで、やはりこれは、発達毒性というのはかなり明確にPFOS、PFOAについてはあるということが明らかにもうなりつつあるときに、分析方法とか健康との関係はとか言っている場合ではないんじゃないかと。
 本当、環境省はもっと積極的に、予見できるものはまず防ぐという立場でやらないと駄目なんではないかと思いますけれども、最後に、大臣、一言どうぞ。

#97
○国務大臣(小泉進次郎君) このような様々な知見を生かして、我々として、もちろん、先生言うように、子供の命、そして国民の健康、守らなければならないと考えております。
 今回、ダイキン工業の話になりましたが、環境省としても、しっかりダイキン工業における対策について、大阪、そして関係の自治体とも連携をして注視をしていきたいと思いますし、我々としても、土壌の分析の方法の確立や、そして、健康とこのPFOA、PFOS、そういったものの因果関係、こういったことについてもしっかりと研究を深めていかなければならないと感じております。

#98
○山下芳生君 終わります。

#99
○寺田静君 本日もよろしくお願いいたします。
 私からは、今日、恐らく最後の委員会になるんではないかということで、動物愛護の関係から二点と、あと、後段、環境問題と若者の意見をどう聴取するかということについて質問させていただきたいと思います。
 最初に、動物愛護に関して以前取り上げさせていただいた、獣医学部において必ずしも必要性がないのに犬などの生体を使った実習が行われて、必要のない苦痛を動物に与えたり、また命を奪う結果となったり、それによって動物を愛するゆえに獣医を志した学生たちが精神的に苦痛を受けているのではないかということを指摘をさせていただきまして、昨年、早速、現状把握のための調査を文科省とともに実施をしていただきました。
 その取りまとめ結果が今年の四月の頭に公表されましたけれども、非常に多くの項目について詳細に調査を実施していただいたこと、また、自由記述のところなどに関して、不明瞭なところを電話等で後追いの確認もしていただいたということで、改めて感謝をしております。
 この結果を受けまして、このことを長く指摘されてきた方とお話しする機会がありましたけれども、この結果からは、どのような項目で何頭の動物が使われているといったことは分かるんですけれども、大学ごとには整理をされていないとの指摘がありました。
 もちろん、獣医学部ですから、様々な動物を診療するに当たって避けられない犠牲というものはあるんだろうと私も理解をしております。ただ、以前はもちろん生体を使うしかなかったものでも、今は、技術の進展によって、必ずしも生体を用いなくともシミュレーションを使ったりという方法で代替が可能な部分も多いというふうに聞いています。
 環境省の取りまとめでは、各実習ごとに生体を利用している大学数、生体を利用していない大学等の数をまとめていただいているんですけれども、この各大学ごとの傾向というものが分からないと。
 ここでですけれども、大学名を示して、この大学はこの実習とこの実習に生体を利用しているといったことが分かるように整理をしていただくことが望ましいと思うんですけれども、それが無理でしたら、匿名でもいいので、大学ごとの状況というものが分かるように整理をしていただきたいと私は思います。その方が、大学側でも、自分たちの大学が他の大学と比較して3Rを尊重した代替法を最大限利用しているのかということが見える化できると思うのですが、いかがでしょうか。

#100
○政府参考人(鳥居敏男君) お答えいたします。
 委員御指摘の調査は、全国の獣医大学において更なる動物の適正な取扱いがなされることを目的に、実験動物の飼養管理基準や文部科学省の基本指針の遵守状況を確認すること等により、実習における動物の取扱いの実態把握を行ったものでございます。
 この調査の実施に当たりましては、各大学に対して個別の大学名等が特定されない形で集計結果を公表することを前提に協力を依頼したものでありまして、調査結果については、例えば、実習の科目ごとに全十七大学中幾つの大学が生体を利用しているかといった形で取りまとめ、公表をさせていただいたところでございます。
 各大学に対しましては、公表に合わせて文部科学省と連名で調査結果を通知し、実習目的を明確にし、生体の使用が獣医師養成のために真に必要か再確認をすること、また他の大学と比較して動物の使用数が多い実習内容の再点検、さらには大学間での情報共有と連携による適正化など、必要な点検と見直しを求めているところでございます。
 個別の大学の回答はお示ししていないものの、各大学は自らの取組状況と他の大学の取組状況との比較は可能でございますので、そうした比較の結果、実験動物に関する3Rの推進に向けて自主的な改善を促すことができると考えており、引き続き文部科学省と連携しながら取り組んでまいります。

#101
○寺田静君 午前中の質疑でも、透明性、情報公開が大事だというようなお話もありました。是非、整理、公表に向けて後押しをお願いをしたいと思います。
 最終的には、私は、学生が、動物を愛するがゆえに獣医になりたいと思った学生ですから、この3Rの徹底されていない大学の実習に臨んで傷つくことがないように、できれば大学の公表をしていただきたいですし、その大学の公表があれば大学の選択が学生でもできると思うんです。
 このようなことができるように大臣の御指導をお願いしたいと思いますけれども、いかがでしょうか。

#102
○国務大臣(小泉進次郎君) 今回、今局長から答弁あったとおり、大学ごとの公表はしないということを前提の調査に御協力をいただいたということがあります。まあ、これもよく考えると、公表しないからというなら協力をしますよというのもいかがなものかというのもありますが、先生からの前回の質疑の中でいただいた問題意識を、今回、文科省と共同してこのような調査に至ったことで、網羅的にまずは全大学がどのようにやっているか、これが把握できたことは間違いなく前進だと思います。
 一方で、これから学生の皆さんがどの獣医学部に行きたいか、どの大学を選ぶかというときに、透明性高く情報開示をしているところが積極的に選ばれるような環境、こういったことが大事だと思いますので、今後、より良い情報開示や、頑張っている大学を応援できる形の後押しというものが情報の面でも何ができるかよく考えてみたいと思います。

#103
○寺田静君 是非よろしくお願いしたいと思います。ありがとうございます。
 次に、大型の鳥類などが鉛弾によって鉛中毒になって亡くなっているという事故のことについて取り上げさせていただきたいと思います。
 全国で規制が進んで、特に猛禽類など大型の鳥類の被害が多かった北海道では全面禁止にされているものの、環境省の方にお伺いをしたところ、道外から持ち込まれる鉛弾によってまだ被害が出ているとのことでした。
 この鉛中毒というもの、私も初めて調べて知りましたけれども、ハンターが直接鳥類を撃っているわけではなくて、鹿などを撃って、その死肉をあさる大型鳥類がその鉛の毒にやられてしまうということでした。また、猛禽類ではなくて水鳥にも被害がありまして、水鳥が鉛中毒になるのは、水鳥を狙った散弾が湖の底などに落ちて、消化のために砂などをのみ込んで、その砂と間違えて鉛をのみ込んでしまった水鳥が砂嚢というところにためて、それで後に中毒を起こすのだということを知りました。
 北海道以外でも被害はありまして、例えば、広島県のホームページから一枚資料としてお配りしましたけれども、広島県でも資料一枚目のように注意喚起がなされております。また、宮城県でも、県庁のホームページに、毎年鉛中毒と疑われるハクチョウ類の救護要請があると、このまま鉛弾の被害が増え続けると生態系に影響が出ることが懸念されるので、禁止区域以外でも使用は自粛を可能な限りしていただきたいというような呼びかけがなされております。
 中毒で亡くなる鳥の映像なども確認しましたけれども、口を大きく開けて下顎呼吸を繰り返す、その後に亡くなるということで、非常に見ていて心が痛むものでした。
 また、鉛弾は、動物への被害だけではなくて、土壌汚染による水質への影響なども懸念されて、汚染土壌の復元なども行われているところもあります。
 そうであれば、一律に是非全国で禁止をしたらいいのではないかと思うのですが、なぜこの全国一律の禁止というものが難しいのか、都道府県には要請にとどまっているのか、そのことを教えていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。

#104
○政府参考人(鳥居敏男君) お答えいたします。
 環境省では、鳥類の鉛中毒の防止に向けた取組といたしまして、これまでに鳥獣の捕獲の際に鉛製銃弾の使用を禁止することができる指定猟法禁止区域制度に基づく鉛製銃弾の使用禁止区域の指定、鉛製銃弾を被弾した鳥獣を猛禽類が捕食することを防止するため、捕獲した鳥獣の放置禁止等の取組を進めてきているところでございます。
 また、これらの取組に加えまして、北海道では鉛製ライフル弾の所持についても条例で禁止をしており、猛禽類での鉛中毒の発生件数は規制当初と比較して減少してございます。ただ、現在も鉛中毒自体は確認されており、令和二年度はオオワシ二羽で鉛中毒の発生が確認されているところでございます。引き続き、北海道で保護、収容等された猛禽類の死亡要因の分析等を継続するとともに、鉛製銃弾の使用及び所持に係る規制が遵守されるよう、北海道と連携を図ってまいります。
 さらに、環境省では、昨年度より本州以南での鳥類における鉛中毒の実態把握のためのモニタリング体制を新たに構築してございます。同モニタリングでは計九十三羽の分析を行い、水鳥であるカモ類一羽で鉛中毒の発生が確認されてございます。引き続き、本州以南におけるモニタリング等に基づき、鳥類における鉛中毒の発生の実態の科学的な知見の蓄積、これをしっかりやって、その上でその発生防止に努めてまいりたいというふうに考えてございます。

#105
○寺田静君 ありがとうございます。
 今回、質問するに当たって過去の議事録なども見せていただきましたけれども、この鉛弾については二〇〇四年に、この散弾の方ですね、水鳥への被害があるこの散弾の方だけ一度全面禁止の方向が既に示されています。この後、何でまだ一律に禁止するに至っていないのかということが素朴に疑問に思うんです。鉛弾のその代替は銅弾というものがあると。その銅弾の価格が高いから広まらないのかなと思ったんですけれども、環境省の方も、今のところその鉛弾の方がたくさん流通しているから安いのだろうというお話もありました。また、狩猟されている友人に聞くと、高いといってもそんな価格差が大したものではないというような話もありました。
 この国会で、二〇〇四年、二〇一六年、この環境委員会や質問主意書でも取り上げられています。そこから、最初の指摘から十七年が経過をしているんですね。その二〇〇四年のところから、全面禁止を検討したというか方向性が示された二〇〇四年から既に十七年が経過をしているということで、私は、この鉛弾以外、非鉛弾の普及は、私はこの鉛弾を禁止すれば済むことではないかというふうに思うんです。
 おととしの、二〇一九年十月一日ですけれども、大臣もこの非鉛製弾へのことについて言及をされています。北海道での狩猟の解禁に当たってのお言葉だったと思いますけれども、次のようにおっしゃっています。北海道では鉛製銃弾の使用が禁止をされていますと。今後、北海道以外の地域でも水鳥や猛禽類の保護の観点から非鉛製銃弾への切替えを進めていきたいと考えていますと。令和三年度には鳥獣保護管理法に基づく基本指針の改定を行いますと、このようにおっしゃっています。
 大臣、是非大臣の任期中に、是非全国での禁止を御決断いただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。

#106
○国務大臣(小泉進次郎君) 私は基本的に同じような考えで、全国的にこの鉛弾の規制をすべきだと、その下で省内は指示は出してあります。いろんな課題があるようで、まあ事務方というのは慎重ですから、基本的に、その一つ一つをクリアすべく作業をやっていると思いますが。
 私も狩猟をやっている仲間とかに聞くと、狩猟をやっている人が、これで鉛弾じゃなくなっても、そこでやめるということは多分ないだろうと、そういう声も聞きますし、北海道はもう既にやっていますし、猟友会の皆さんもそこは協力をされて、ですので、一つ一つクリアをして、私も全国的にどうやって規制に向かって歩んでいけるか、そのアプローチで省内をしっかりとまとめていきたいというふうに思います。

#107
○寺田静君 ありがとうございます。
 十七年が経過していますから、そろそろ禁止でもいいんだと私は思います。重ねてお願いを申し上げたいと思います。
 次に、環境問題、若者の意見をどういうふうに取り入れていくかという観点から幾つか質問をさせていただきたいと思います。
 先日、DEPTのeriさんという方とお会いをする機会がありました。ファッション業界の方ですけれども、環境問題に関して積極的に発信や活動をされている方で、お話の中で、少し前に大臣もお会いになったというようなことも教えていただきました。私は彼女にお会いしてとても感じましたのは、今まで恐らく環境などに関心を持たなかった層に与えるこの彼女の影響力の大きさですね、いわゆる環境系の団体とか行政が発信をするのとは比べ物にならないぐらい影響力があるなというふうに感じました。
 また、レジ袋の禁止のような形で、広く一般の意識を変えるということももちろん大事ではありますけれども、彼女のような自分の問題意識を発信して社会を変えようと訴えていく存在が一人でも増えていくことが重要であるんではないかなというふうに感じました。
 国立環境研究所の江守氏は、環境に配慮した商品ですかと店員に尋ねることを、それでも僕が支持するわけという論説の中で、グレタさんから受け取ったメッセージとして、あなたの行動が、あなた自身のCO2を減らすだけではなく、システムを変えるメッセージとなるように行動せよということを受け取ったというふうに述べています。
 この社会のシステム、関心のある人を増やすことはもちろんですけれども、このシステムを変えていけばみんなが付いてくるんだということで、そのときに大事なのはこの環境問題に本質的な関心を持つ人をどうやって増やすかということだと思うんですが、どうやって増やしていったらいいと、大臣、感じられますでしょうか。

#108
○国務大臣(小泉進次郎君) そういう人を、いわれなき批判とか誹謗中傷から守ってあげること、これもすごく大事だと思います。
 私もスプーンのことで相当炎上しましたけど、先ほどの、環境に配慮したものを扱っていますかというふうにお店で聞くということを言ったトラウデン直美さんとかも、それだけで批判をされましたよね。何か、この環境に取り組んでいることを発信をすると、意識高い系だといって批判をされたりとか、そういうことにめげずに、それでも自分が大切に思うことを貫いていくような人たちを決して孤立させない、環境省はそういう側に立ちたいと思っています。
 ですので、あのeriさん、私もお会いをしましたが、古着屋さん、有名な古着屋さんです。その古着というものを今若者が求める人が増えてきたのも、もう新しいものを買うことに対する環境に対しての罪悪感、もう新たなものは買いたくない、あるもので自らの生活を成り立たせる、そういった新しい価値観で服を選ぶという、そういう世代も出てきたんだというのは、私は、そういう世代を我々はしっかりと見ていかなければ、経済の在り方も社会の在り方も間違えてしまうと、そういうふうに思っています。

#109
○寺田静君 ありがとうございます。
 私も、大臣がおっしゃったとおりのことと、あと、大臣がお会いになるということもこのエンパワーメントの一つになると思いますので、もちろん積極的に今でもお会いになっているとは思いますけれども、更にいろんな方と、是非若者と会っていただきたいなというふうに思っております。
 どういうふうにこの若者の意見を取り入れたらいいかということについて以前も質問させていただきましたけれども、先日、一週間前だったと思いますけれども、国会の中で、若者の政治参加推進基本法を求める若者の会というものがありまして、資料二にお配りしたものがその若者団体からの要望書です。
 ここで五つ、若者団体から各党に関して意見、要望が出されまして、このことが各党の政策の中に取り入れられないのであれば、誰のどういった意見によって取り入れられなかったかということを公表してほしいというふうにおっしゃっていました。それが有権者の選択につながるからだというふうにおっしゃっていて、私はすごく、この若者の言葉、本当にそのとおりだなというふうに思いました。
 その会の中で、ノー・ユース・ノー・ジャパンの能條さんが十八歳選挙権ということについて提案をされていました。この能條さんという方は、デンマークで友人や同級生が選挙に十八歳から立候補ができるということで、友人やその同級生などが選挙に出たり議員になったりするという過程の中で、いや応なく政治にも社会問題にも関心を持つようになったということでした。
 この十八歳被選挙権、私はこれは若者の意思をどういうふうに政治に取り入れていくかということの一つの答えではないかと思うんですが、大臣、いかがでしょうか。

#110
○国務大臣(小泉進次郎君) 私は基本的に、一人一人の望みが、選択がかなう社会を実現すべきだという立場ですから、そういった方向性は基本的に賛成です。その選択の機会があって、当選するかどうかは有権者の皆さんの判断ですけど、そこの土俵に立てる、そういったことは私は大事なことだと思います。

#111
○寺田静君 ありがとうございます。
 前回、この件に関して一つ時間がなくて聞けなかったことがありまして、環境省では、環境基本計画というものを六年ごとに大体改正をしているそうで、この環境基本計画の中に、環境政策に若者の意見を入れていくということを明記していただきたいというふうに思うんですけれども、次の改正は残念ながら恐らく三年後ということで。ただもちろん、それに向けての検討がそろそろ始まるんだと思います。是非大臣のときに、この環境基本計画に若者の意見を入れていくんだということを明記していただくことに目配りをいただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。

#112
○国務大臣(小泉進次郎君) 三年後ということですけど、三年を待たずに、少しでも環境省がこれから立案していく政策に次の世代の声を反映させるべく、早速、今、中環審の中でも、若者の世代の皆さんの意見を聞く場を設けるように中環審側にも私の意見を申し上げていますので、それを反映させてしっかりと政策にも生かしていきたいと思います。

#113
○寺田静君 ありがとうございました。
 終わります。

#114
○平山佐知子君 無所属の平山佐知子です。
 今日は、前に伺い切れなかったエネルギー分野の脱炭素の取組について伺ってまいりたいと思います。
 まずは、アンモニアの可能性についてですけれども、燃焼してもCO2を排出しないというアンモニアですが、新たな燃料としての活用が期待されているところであります。そのアンモニアが直接、発電ですとか、あとは工業炉向けの燃料として利用できれば、更に大きな優位性を持つということも言われています。将来的に考えまして火力発電はなくすということをしたとしても、現状、今現在を考えると、再エネを増やすほど電力を調整するこのバッファ電源としての火力発電がどうしても必要となってきてしまいます。
 そうした現状を考えますと、直近での火力発電の低炭素、将来的に脱炭素実現のためにもこのアンモニアの活用大変重要だと思っているんですが、この燃料アンモニアについての具体的な目標やビジョン、ロードマップ、特に石炭火力発電についての利用について教えていただきたいと思います。

#115
○政府参考人(南亮君) お答え申し上げます。
 委員の御指摘のとおりですが、アンモニアは燃焼させてもCO2を排出せず、カーボンニュートラルに向けて有望な燃料だと、そのように考えております。具体的な数字ということについては、二〇三〇年には年間三百万トン、これは水素換算ですが、水素換算では約五十万トンの国内需要を見込んでおります。
 また、石炭火力への混焼ということにつきましては、今年度から約四年間、NEDOの助成事業を通じまして、実機を用いた実証実験を実施していく予定であります。二〇二〇年代にもアンモニアの二〇%混焼の実用化を目指しまして、また、その後は混焼率の向上、さらには専焼化、さらには船舶や工業炉での活用に向けた技術開発も進めてまいりたい、そのように考えております。
 同時に、将来的な需要拡大に伴う供給の確保、これも重要でございまして、ファイナンス支援等を通じまして、安定的かつコスト競争力のある燃料アンモニアのサプライチェーンの構築、こういったものを推進してまいりたいと考えております。
 以上、このような取組を通じまして、発電用途を始めとした多様な用途でのアンモニアの利用、普及に取り組んでまいりたいと、そのように考えております。

#116
○平山佐知子君 今もろもろお答えいただいたように、これからアンモニア、燃料のアンモニアの導入や拡大については安定的に確保できるかといったことですとかコストの削減であったり、またアンモニア製造時のCO2排出への対応、これも考えていかなくてはいけないというところでございます。
 こうした課題も含めて、環境省としては、この二〇三〇年度及び二〇五〇年カーボンニュートラルの目標に向けて、このアンモニアの利活用としてはどういうふうに考えていらっしゃるのか、大臣に伺います。

#117
○国務大臣(小泉進次郎君) 結局のところは再エネが大事だと思いますね。
 これ、アンモニアも、グリーンアンモニアを将来的には作っていかなきゃいけないわけですから、まず、再エネが余るぐらい再エネを入れて、余った再エネで水素を作る、そして水素のコストを下げて、それでアンモニアという、こういう形で考えなければ、結局のところはコストも乗ってこないだろうと。なので、私ずっと言っていますけど、水素水素と言う人は、再エネとカーボンプライシングを後押ししてもらわなかったら私は合理的ではないと思いますね。

#118
○平山佐知子君 もう何度も大臣の認識と思いを伺っていまして、再エネを本当生み出せるだけ生み出していかなくてはいけないというのは私もそうだと思いますし、そのためにも、導入を拡大させていくためにもあらゆるエネルギー考えていかなくてはいけないかなという考えもあります。
 環境省は、地域資源の活用であったり、また、地域のレジリエンス強化などの観点からも水素の利活用取り組んでいらっしゃいますが、例えば、地域の太陽光とか風力を利用したいわゆるグリーン水素、これを地域で作ったものを地域で使ったり地域で売買したりするなどする場合にはこの温対法における地域脱炭素化促進事業の対象となるのかどうか、もし対象となるのであれば相当な予算措置が必要になると思いますが、今後の計画などを教えてください。

#119
○政府参考人(小野洋君) お答え申し上げます。
 先般御審議いただきました改正温対法における地域脱炭素化促進事業でございますが、この対象となる事業は法令上その省令で定めるということとしておりまして、再エネ設備と一体で水素製造設備を整備するという、こういう御指摘の事業も対象とする方向で今後関係省庁と検討をしていきたいと考えております。
 また、環境省は、このような地域資源を活用した水素サプライチェーンの構築に取り組んでおります。例えば、世界最大規模と言われる福島県の浪江町の福島水素エネルギー研究フィールドから供給される再エネ由来水素を利活用するモデル事業など、これまで全国で十地域、実証事業を実施しております。
 こうした取組を通じまして、地域における再エネ等を活用した水素サプライチェーン構築を推進してまいりたいと考えております。

#120
○平山佐知子君 是非進めていっていただきたいと思いますが、その上で、もちろん、先ほど来からもあるように、再エネの拡大ですとかCO2の削減とか温暖化の防止、これはもう一刻の猶予もなく取り組まなくてはいけないという私も認識でございまして、全くそこには反対するものはございません。
 ただ一方で、心配なのはやっぱり電力の安定供給なんですね。これは以前からも申し上げておりますけれども、我が国が誇る物づくりですね。私の地元の話をすれば、静岡県も本当に物づくり県と言われていまして、世界に冠たる技術、物づくりで成り立っていると言っても過言ではない地域でございます。その精密精巧な技術にはやっぱり質の良い安定した良質な電力、これが不可欠なわけです。
 大臣は、先日から、もう再生可能エネルギーを利用した製品でないともはや世界で認められないとおっしゃっていますし、もう本当にもちろんそのとおりだと思います。先ほどからも、再エネは生み出せるだけ生み出すべきだともおっしゃっています。私もそのとおりだと思いまして、これはもう大臣と同じ意見なんです。
 ただ、しかしながら、現在でも九州では出力制御が行われていると。それを考えますと、私は、発電分野のカーボンニュートラルの道筋といいますかこのエネルギー転換の順番は、再エネの普及を続けながらも、まずは今主力化してしまっているこの火力のCO2を削減していくこと、つまり、CCSですとかアンモニア混焼によるCO2の削減が一番最初に取り組まなければならないことだと思っていましたが、先日の答弁でも、CCUSの実装は二〇三〇年以降だということでした。
 再生可能エネルギーを使ったグリーン水素の生成についても、経産省から具体的な導入量ですとか実装時期の答弁はいただけませんでした。また、先ほどからあるように、アンモニアの活用についても、これから実証実験で、二〇%、二〇三〇年段階ですか、二〇%アンモニア混焼を開始するかどうかということでしたけれども。一方で、二〇三〇年度四六%削減、これはもう決まっていて、そこに向かって歩き出さなくてはいけないわけですから、じゃ、どうやったらそれが実現できるのか。
 現実的に考えまして、電力の安定供給を守りながら、十年弱で四六%、この削減を実現していくというこのビジョンを具体的に教えていただきたいなと思っておりますので、大臣、お願いいたします。

#121
○国務大臣(小泉進次郎君) まずやはり、いかに再エネを最優先で最大限導入していくか、このことが大前提です。そして、火力についても、経産省が今、二〇三〇年までに非効率なものはフェードアウトをしていくと、これを着実にやっていくことです。
 その上で、日本は今、石炭には約三割依存していますから、その中でも今すぐゼロにはできません。ただ、G7で、もう化石燃料依存型の経済社会から脱却をしていくという明確なメッセージが出たわけです。その中で、できる対策を進めていって、将来的にはCO2の出ない火力でなければならない、そういったことに対して日本としての技術を生かしてやっていかなければならないと思います。
 ただ、この十年、もう既に再エネというある技術を徹底的に最優先で導入をしていくこと、総理のカーボンニュートラル宣言は原発の最大限の活用にあるわけではなくて、再エネの最優先、最大限の導入にあると、そういったところが菅政権の意思だと、こういったことを関係省庁ともしっかりと共有をしていきたいと思います。

#122
○平山佐知子君 よく分かります、再エネの最大限の活用と。
 ただ一方で、先ほど大臣もおっしゃったように、今すぐゼロにはできないということ、それを踏まえた上で、安定供給しながら、まずは一日も早いこの低炭素に向かっていって、その上でやっぱり将来的な脱炭素、段階があるんじゃないかなと思っています。
 大臣は、先日の委員会でも、水素社会を実現するためには再エネを、今もおっしゃっていたように、生み出しただけ入れていくというルールを社会に作るということが重要だということをおっしゃっています。
 先ほどこれも申し上げましたけれども、ただ、現状では再エネの出力制限が掛かっているということ、全てを系統に取り込めないのは我が国の送電線網に課題があるわけで、よく言われるEU等の地域で再エネ事業に取り組みやすいのは、皆さん御存じのように、国内、そして隣の、近隣の国にも送電線網が網の目のように張り巡らされているわけでありますので、日本のように大型の発電施設を地方に設置をして、そこから発送電で大都市へ電力を賄ってきたこの状況とは、EUと日本とは違うということは皆さんよくお分かりだと思います。
 その中で、これから多くの地方自治体が、先ほどからもあるように、脱炭素化に向けて再エネ事業にどんどん取り組んでいくと。そうなったときに、この送電線網の課題をどういうふうに乗り越えていくのか。系統増強の予定ですとか送配電業者との折り合いはどのようにしていくのか。それとも、例えば、家庭の電力需要や地産地消には再エネの導入拡大、一方で、物づくりや産業用の電力供給には従来の石炭火力に加えて、今現在ですね、水素やアンモニアの活用で対応するなどと分けて考えていくのか。そして、再エネの普及が進めばグリーン水素やアンモニアを活用する方針なのか。これらの点について、環境省、経産省、それぞれの立場で御答弁をお願いいたします。

#123
○政府参考人(小野洋君) まず、環境省の立場からお答え申し上げます。
 委員が御指摘されました送配電網の課題、これは、地域に貢献する再エネの最大限の導入拡大というためにも重要な課題であるというふうに考えております。
 環境省といたしましては、まず、系統への負荷をできるだけ掛けない形で地域の再エネを有効活用するということで、自立分散型エネルギーシステムの構築、あるいは自家消費型の太陽光発電と蓄電池の導入の支援などを行ってございます。
 また、系統制約の解消に向けましては、現在、経済産業省におかれまして、例えば、再エネ電源のポテンシャル等を考慮して、マスタープランに基づき計画的に系統整備を行うといういわゆるプッシュ型の系統整備、あるいは系統運用のルールの見直しなど、様々な取組が行われているものと承知をいたしております。
 今後、改正温対法の施行に向けまして、経済産業省としっかり連携をいたしまして、地域脱炭素化促進事業が円滑に実施され、地域の再エネが最大限活用できるように取り組んでまいります。

#124
○政府参考人(小野洋太君) 経済産業省の方からお答え申し上げます。
 近年、再エネ導入量が増加していることによりまして系統制約が顕在化している、委員御指摘のとおりでございます。この系統制約の克服に向けましては、災害時にも安定供給を継続できるというレジリエンスの強化という観点に加えまして、二〇五〇年カーボンニュートラルに不可欠な再エネを大量導入していくと、そのために我が国の送電網を次世代型のネットワークに転換していく必要があるというふうに認識しているところでございます。
 このような観点から、全国の再エネポテンシャルを踏まえ、送電網を計画的に整備するためのマスタープランの検討を進めておりまして、先月に中間整理を行ったところでございます。二〇二二年度中の策定を目指しているところでございます。
 また、送電網の整備に一定の費用と時間を要するということでございますので、既存の送電網により多くの再エネを接続するために、そのための仕組み、これは送電網の空き容量を超えて再エネが発電された場合には出力を一部抑えるということを条件にということで、ノンファーム型接続というふうに言っていますけれども、これを本年一月、基幹となる送電網に全国展開をするなど、再エネの大量導入に向けたルールの見直しも進めているところでございます。
 また、石炭火力についても御指摘ありましたけれども、これにつきましては、石炭火力を含む火力発電について、安定供給を大前提にその発電比率を引き下げていくということが基本でございます。このため、足下では高効率な石炭火力やガス火力を活用し、非効率石炭火力のフェードアウトを着実に進めていくということとともに、中長期的には水素、アンモニア、それからCCSやカーボンリサイクルを活用した脱炭素型の火力発電に置き換えていく取組、これを促進してまいります。

#125
○平山佐知子君 再エネをどんどん入れられるように、送電線網についても中長期的にやっぱりやっていかなくてはいけないんだなということよく分かりますし、環境省と経産省、ここはしっかりと、また省庁、垣根を越えてやっていただきたいなと、引き続きお願いを申し上げます。
 もう一つ、再エネ普及の壁であるこの需給調整を解決するために、VPP、バーチャルパワープラントという仕組み、これ私も有効ではないかなと考えております。お配りした資料、両面ですけれども、既に御存じの方ももちろんいらっしゃると思いますが、VPP、バーチャルパワープラントというのは、様々な再生可能エネルギーや蓄電池、自家発電装置などの電源を束ねて、その地域にまるで大きな一つの発電所があるかのように電力を安定的に供給できる仕組みです。
 今年四月には電力需給調整市場も誕生して、このVPPは今後大きく拡大していくことと思いますが、これ、民間だけでなくて、例えば地域脱炭素化促進事業とも連携していけば、官と民、また送配電業者までが一体となって取り組める非常に期待のできる取組だと思います。今後の可能性も含めて、VPPの活用について大臣に伺います。

#126
○国務大臣(小泉進次郎君) これは、今御指摘の資料は資源エネルギー庁の資料ですけど、これは、環境省もこういった取組は非常に大事だというふうに考えております。特に、最近、EVなどの補助金の倍増ということをやっていますけど、あれも何で環境省がEVの補助金倍増しているかというと、このバーチャルパワープラントの発想のように、EVのことを動く蓄電池という位置付けで見ているというのはあります。
 ですので、今後、こういった取組はしっかりと環境省と経産省と連携をして、エネルギー政策の中に、ベースロードという一本足ではなくて、この柔軟性という当たり前のことをしっかりと位置付けて、再エネを、経産省は再エネ型経済社会ということを言っていますけど、再エネを最優先で最大限導入をしていくと、そういったことの中に政策をシフトしていかなければいけないというふうに考えております。

#127
○平山佐知子君 ありがとうございます。
 カーボンニュートラル実現までにはいろんな壁がまだまだあると思います。先ほどからも申し上げていますけれども、やっぱり安定供給、これをしっかり守りながらも再エネどんどん入れていくためには、やっぱりまずは一日も早い低炭素を実現していくということが将来的な脱炭素に向けて一番重要なんじゃないかなと思いますので、しっかりと現実的に考えてまた議論を深めていく必要もあるのかなと、今日も改めて感じました。また、是非これ省庁横断でしっかりと取り組んでいただいて、私たちもそれに協力してまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 今日はありがとうございました。

#128
○委員長(長浜博行君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後二時三十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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