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2021/05/26 第204回国会 参議院 第204回国会 参議院 本会議 第25号 令和3年5月26日
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2021/05/26 第204回国会 参議院

第204回国会 参議院 本会議 第25号 令和3年5月26日

#1
令和三年五月二十六日(水曜日)
   午前十時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
○議事日程 第二十五号
  令和三年五月二十六日
   午前十時開議
 第一 著作権法の一部を改正する法律案(内閣
  提出、衆議院送付)
 第二 地球温暖化対策の推進に関する法律の一
  部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付
  )
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、産業競争力強化法等の一部を改正する等の
  法律案(趣旨説明)
 以下 議事日程のとおり
     ─────・─────

#2
○議長(山東昭子君) これより会議を開きます。
 この際、日程に追加して、
 産業競争力強化法等の一部を改正する等の法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#3
○議長(山東昭子君) 御異議ないと認めます。梶山弘志経済産業大臣。
   〔国務大臣梶山弘志君登壇、拍手〕

#4
○国務大臣(梶山弘志君) 御説明に先立って、法案の条文案に四か所、条文案以外の参考資料に二十か所の誤りが判明したことについては、国会に法案を提出し、御審議を仰ぐ立場の政府として誠に申し訳なく、改めて深くおわび申し上げます。
 今後、このようなことがないよう、しっかりと対応をしてまいります。
 ただいま議題となりました産業競争力強化法等の一部を改正する等の法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、我が国経済が戦後最大の落ち込みを記録する中、厳しい状況に置かれている事業者に対し、引き続きその事業継続や雇用の維持に必要な支援を行っていく必要があります。他方、世界各国で新たな日常への模索が続く今こそ、我が国が旧態依然とした経済社会システムから本格的に脱却し、グローバルな構造変化へと一気に適応していくチャンスでもあります。
 成長戦略としての二〇五〇年カーボンニュートラルの実現、デジタル化への対応、新たな日常に向けた事業再構築など、山積する課題に対し必要な取組を進めることで、我が国産業の持続的な発展を図ることが重要です。さらに、人口が急速に減少する中、地域の経済や雇用を支える小規模事業者の持続的発展を図りつつ、中小企業から中堅企業への成長を促すことで、海外で競争できる企業を増やしていくことが必要です。こうした状況を踏まえ、本法律案を提出した次第です。
 次に、本法律案の要旨を御説明申し上げます。
 まず、産業競争力強化法の一部改正等です。
 第一に、グリーン社会への転換のための施策を講じます。カーボンニュートラル実現に向けた事業者の計画を認定し、脱炭素化効果が高い製品の生産設備への投資や、生産工程等の脱炭素化を進める設備への投資に対する税額控除や計画の実施に必要な借入れに対する利子補給を措置します。
 第二に、デジタル化への対応のための施策を講じます。デジタル技術を活用した全社レベルのデジタルトランスフォーメーションに関する事業者の計画を認定し、クラウド技術を活用したソフト、ハードのデジタル関連投資に対する税額控除などの措置を講じます。
 第三に、新たな日常に向けた事業再構築のための施策を講じます。コロナ禍などで赤字を被った企業が、カーボンニュートラル、デジタルトランスフォーメーション、事業再構築等に取り組む場合に、事業者の計画を認定し、繰越欠損金の控除上限の引上げなどの措置を講じます。
 このほか、コロナ禍を踏まえ、バーチャルのみで株主総会を開催することができる特例や、大型ベンチャー企業への債務保証制度、事業再編、事業再生の円滑化等に関する制度を措置します。
 次に、中小企業等経営強化法、地域経済牽引事業の促進による地域の成長発展の基盤強化に関する法律、中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律及び下請中小企業振興法の一部改正です。
 第一に、中堅企業への成長促進のための施策を講じます。中小企業の積極的な事業や規模拡大を促進する経営革新計画の承認制度等について、新たな支援対象類型を創設し、金融支援等を措置します。
 第二に、中小企業の経営資源の集約化のための施策を講じます。MアンドAに先立ち実施する調査に係る事項を記載した経営力向上計画を認定し、MアンドAの簿外債務等のリスクに備えるために積み立てた準備金の金額の損金算入や金融支援を措置します。併せて、中小企業が所在不明株主の株式の買取り等を行うまでに必要な期間を五年から一年に短縮する特例を措置します。
 第三に、中小企業等の経営基盤の強化のための施策を講じます。中小企業者と連携して事業継続力の強化に取り組む中堅企業に対して金融支援等を措置します。併せて、フリーランスに見られる取引を始めより広い取引を下請中小企業振興法の対象とする等の措置を講じます。
 また、これらの措置に加えて、独立行政法人中小企業基盤整備機構法について必要な改正を行います。
 以上が、本法律案の提案理由及びその要旨であります。
 何とぞ御審議の上、速やかに御賛同くださいますようよろしくお願い申し上げます。(拍手)
    ─────────────

#5
○議長(山東昭子君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。宮沢由佳さん。
   〔宮沢由佳君登壇、拍手〕

#6
○宮沢由佳君 立憲民主・社民の宮沢由佳です。
 私は、ただいま議題となりました産業競争力強化法等の一部を改正する等の法律案について、会派を代表して質問いたします。
 まず、この法律案の質問に入る前に、日本の産業を支えておられる方々、特にお子さんのいらっしゃる方々に関して、菅総理が決められたコロナ対策がなぜこんなに遅れているのか、また、本来給付を受けるべき人たちが対象から外されてしまったのではないか、このことについてお聞きします。
 私は、三月八日の予算委員会において、菅総理に、一人親だけでなく困窮している二人親世帯にも早急な支援をお願いし、その後、三月十六日、関係閣僚会議において新型コロナウイルスの感染拡大で生活が困窮する人への緊急支援策を決定し、二人親を含む低所得の子育て世帯に対し、子供一人当たり五万円の特別給付金を支給するとしました。
 ところが、現時点でも低所得二人親世帯への給付がいまだ届いておりません。七月以降にずれ込む見通しという新聞報道もあります。厚生労働大臣、給付は一体、いつ届くのでしょうか。一刻も早く給付をお願いしますが、そもそも、なぜこのように遅くなったのでしょうか。
 私たち野党は、入学、進学を控えている三月中に給付ができるように、一月には関連法案を提出しました。本来であれば既に給付されていなければなりません。対象世帯の把握に時間が掛かるなら、もっと早く支給を決断するべきだったのではないでしょうか。
 また、給付金を期待して昨年度末に必要な出費をした世帯のうち、子供が三月に高校を卒業してしまった世帯は対象にならないと聞いていますが、必ず対象に含めるべきです。厚生労働大臣、いかがでしょうか。
 さらに、コロナ禍が収束しない現状において、失業や営業時間制限等で収入減となっている一人親、二人親世帯の給付金は継続していくことが絶対に必要です。
 私たち立憲民主党は、令和二年度子育て世帯生活支援特別給付金と同様の給付金の支給を速やかに行うよう、子育て世帯給付金再支給法案を今国会で提出する予定です。厚生労働大臣の再給付についてのお考えを伺います。
 それでは、産業競争力強化法等改正案について、まず、法律案全般に関連して二点お聞きします。
 一点目は、この法律案の誤りへの対応についてです。
 本法律案に関しては、条文案に四か所、法案の参考資料に二十か所の誤りが見付かりました。審議する法律案に誤りがあれば、貴重な審議時間も無駄になりますし、国民の権利義務にも重大な支障を及ぼしかねません。政府として、閣議決定した法律案が誤っているのであれば、正誤表でごまかすのではなく、閣議決定をやり直し、出し直すのが当たり前ではありませんか。
 今般の誤りを受け、梶山経済産業大臣は、今回の誤りの原因については、法律案を束ねたことではなく、条文案の確認が不十分であったことが原因である、法律案の作成に携わっていない第三者がチェックするなど重層的かつ実効的なチェック体制の構築をしていくなどの反省を述べられておりましたが、六つの法律の改正と一つの法律の廃止という広範多岐にわたる法律案を無理に束ねたことこそが、官僚の皆さんの手間を増大させ、結果的に誤りを招いたのではありませんか。
 今般の条文等の誤りの原因と再発防止策、さらには、過度に法案を束ねることの弊害はないのかについて、改めて経済産業大臣の見解を伺います。
 二点目は、本法律案における事業計画制度の見直しの在り方についてです。
 本法律案における多数の事業計画制度のうち、例えば、産業競争力強化法の特別事業再編計画は、制度ができてから一件の実績もなく、下請中小企業振興法の振興事業計画は、昭和四十五年以降、十二件の承認実績にとどまっています。今回、特別事業再編計画は廃止、振興事業計画は利用促進に向けた見直しを行うこととしておりますが、それぞれ各制度の活用が皆無又は低調にあった原因をどのように分析したのでしょうか。
 今般の法改正を機に、本法律案における全ての事業計画制度について、事業者のニーズに合ったものであるのか、我が国の産業競争力や生産性向上に資するものであるのか、もう一度検証するべきだと思いますが、いかがでしょうか。
 また、国際経営開発研究所、IMDによる日本の競争力総合順位が、産業競争力強化法が成立した二〇一三年には二十四位、翌年二十一位になりましたが、二〇一九年には三十位、昨年は三十四位に低下しています。
 このような結果を見ますと、今までの事業計画制度だけでは日本の競争力を飛躍的に上昇させるのは難しいのではないかと思います。これまでの事業計画認定から優遇措置を行う流れに加えて、又は違った面から何かプラスの発想が必要だと思います。そのためには、これまでの政策についても検証が不可欠であるほか、有識者や国民からの多様な御意見を集めるための仕組み、パブリックコメントが重要だと考えます。
 そこで、経済産業大臣に伺いますが、これまで講じてきた各種政策や措置の検証をどのように行っているのでしょうか。そうした検証の結果はどのように公表されているのでしょうか。また、日本の産業競争力を高めるためには国民から多様な御意見を広く募ることが必要であり、国民とともに政策を立案していくことが閉塞感の漂う今の日本に必要と考えますが、政策の効果を高めるパブリックコメントの在り方についてどのようにお考えでしょうか。見解をお聞かせ願います。
 次に、法律案の各論について質問いたします。
 まず、産業競争力強化法の改正について伺います。
 カーボンニュートラル実現に向けた事業者の計画認定制度の創設等については、いつものような掛け声だけでなく、カーボンニュートラル実現に向けた投資促進策などを盛り込んだことで、評価します。
 カーボンニュートラル実現の必要性や重要性を事業者に啓発する観点からも大いに役立つと思いますが、対象となる設備として具体的にどのようなものが想定されているのでしょうか。また、カーボンニュートラル実現に向けた事業適応計画の認定に当たり、特にどのような点を重視していくのでしょうか。経産大臣、お答えください。
 カーボンニュートラルの実現は、次世代の美しい国土を引き継ぎ、気候危機から健康と生命、暮らしを守るために絶対に達成しなければなりません。カーボンニュートラルを達成するには、今後、二酸化炭素排出量の多い石炭火力発電をどう位置付けるのか、避けては通れない課題です。稼働中のもの、計画中のものも含め、国内の石炭火力発電について、今後どのようにお考えですか。
 G7気候・環境相会合に経済産業大臣も参加されたと伺っています。会合において、国内も含む石炭火力発電の全廃を声明に盛り込むことを日本が反対したとの報道もあります。事実でしょうか。また、我が国が経済に影響があるとして反対したのであれば、その根拠は何でしょうか。さらに、いずれは全ての石炭火力発電の廃止をお考えですか。そうであれば、いつ頃を目標としますか。その場合に、発電所で働く方々の雇用を守り、発電所地域の振興を今後も図るため、どのような対応をお考えですか。経済産業大臣、お答えください。
 次に、環境大臣に伺います。G7会合の声明において、それぞれの国の裁量が認められましたが、この裁量で日本は何をするのですか。裁量によって高効率の石炭火力の輸出を続けるのですか。まさか、高効率だからといって、長期的戦略もなく、世界の流れに逆行し、国益を損ねるようなことはしないですよね。環境大臣、今こそ世界の皆さんと連携して脱炭素社会の先頭に立つことが日本の役割ではないですか。御所見を併せて伺います。
 DX、デジタルトランスフォーメーションの実現に向けた事業者の計画認定制度の創設についてお聞きします。
 政府はDXを実現し、企業の競争力を高めようとしていますが、そもそも、企業はDXで何をするのか、何を実現しようとするのか、ビジョンを持てているのでしょうか。政府からDXを進めることを求められ、DX自体が企業の目的となっていないのか心配です。
 これまでも、自社のDXの推進状況について各企業が簡易な自己診断を行うDX推進指標の提供、東京証券取引所と共同で行うDX銘柄の選定など、DX促進に向けた取組を講じてきましたが、政府が、我が国企業のDXに向けた意識、まだまだ必ずしも十分とは言えない状況であると述べていたとおり、政府の目指す方向性に企業が対応できておらず、振り回されているようにも見えます。
 今般の認定制度は、企業のDXへの意識を高めるとともに、具体的なアクションを狙ったものだと思いますが、制度だけつくっても駄目だと思います。DXが進まない背景にある企業の意識や抱える課題を正確に酌み取る必要があると考えますが、制度設計に当たり、企業の事情に寄り添った丁寧な議論は行われてきたのでしょうか。計画認定制度を新設した狙いや意義と併せて経済産業大臣の答弁を求めます。
 次に、バーチャルオンリー株主総会について伺います。
 本法律案により、バーチャルオンリー株主総会が実施可能となりますが、法律案では、上場会社に限って認めることとしております。必要性は上場会社に限ったことではないと思います。上場会社についてのみ、その実施を許容することとした理由は何ですか。デジタル化を推進するならば、会社法を改正し、全ての企業にバーチャルオンリー株主総会を開催する手段を提供することも検討すべきではないでしょうか。経済産業大臣及び法務大臣の見解を伺います。
 次に、電子提供による債権譲渡通知等の第三者対抗要件の特例について伺います。
 本法律案では、債権譲渡の債務者への通知に関し、経済産業大臣の認定を受けた情報システムによる債権譲渡通知等について、一定の要件の下、第三者対抗要件を具備したとする民法上の特例を設けることとしています。具体的に、どのような情報システムを通じた債権譲渡通知等に対して特例を認めることとしているのでしょうか。当該特例が善意の債務者による新旧の債権者に対する二重払いや詐欺等の犯罪行為を誘発してしまうおそれはないのでしょうか。経済産業大臣の説明を求めます。
 次に、下請中小企業振興法の一部改正について伺います。
 本法律案においては、下請中小企業振興法が対象とする取引類型について、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受け、特に、経営基盤の脆弱性が明らかになったフリーランスを含む個人事業者との取引を、同法の振興対象に含めることができるように規定ぶりを改めることとしております。同法の対象取引類型を拡大することによって、どの程度のニーズがあり、また、どのような政策効果が期待できると考えているのでしょうか。経済産業大臣の認識を伺います。
 次に、中小企業の強みを生かした取引機会等を創出する者の認定制度の創設について伺います。
 本法律案では、中小企業の強みを生かした取引機会等を創出する下請中小企業取引機会創出事業者が、経済産業大臣の認定を受けることができる制度を新設するとしています。
 認定対象と想定される事業者はどのような事業者を想定しているのでしょうか。認定事業者が下請企業の弱みに付け込むことがあってはいけません。認定の要件はどのようなものになるのでしょうか。さらには、公正取引委員会とどのように連携していくのかについて、経済産業大臣の見解を伺います。
 結びになりますが、この法律案は、日本の産業競争力を強化する上で、全てを否定するものではございませんが、これまで講じてきた政策に対する検証や反省が不十分ではないかと考えます。この法律案だけではありません。政府の対応が後手後手、その場しのぎ、決断が遅くなっていませんか。適時に必要性、計画性に基づいた政策を行わないと国民が振り回されます。
 今回、どのようなエビデンスに基づいてこの法律案を提出されたのでしょうか。法案名のとおり、今度こそは真に我が国の産業競争力を強化する法案となるのか、経済産業大臣の御所見をお伺いして、私の質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔国務大臣梶山弘志君登壇、拍手〕

#7
○国務大臣(梶山弘志君) 宮沢議員からの御質問にお答えをいたします。
 法案の誤りの原因等についてお尋ねがありました。
 国会に法案を提出し、御審議を仰ぐ立場の政府として、法案に誤りがあったことは大変遺憾であると考えておりますが、前例なども踏まえて、正誤で対応させていただいております。
 今回の誤りの原因については、産業競争力強化法と中小企業関係法のそれぞれに関し別々の担当者が作業に当たっていたことに加えて、法案を束ねたことは関係のない部分で誤りが生じていることから、法律案の束ねが原因であったわけではなく、条文案等の確認が不十分であったことが原因であると考えております。
 再発防止等については、そもそも、国会に提出する資料には誤りが許されないとの大前提を強く再認識させるとともに、法案の作成に携わっていない第三者がチェックするなど重層的かつ実効的なチェック体制の構築、読み合わせの徹底、スケジュール管理の徹底と人員の増強など、十分な確認ができる体制の整備を検討してまいります。
 そのほか、デジタル技術や外部リソースの活用など、政府全体で検討していかなければならない課題については、省庁横断の再発防止のためのプロジェクトチームの中で積極的に貢献をしてまいります。
 これまでの事業計画制度の検証及びパブリックコメントの在り方等についてお尋ねがありました。
 産業競争力強化に必要な施策は、その時々の経済社会情勢に応じて柔軟に整備していくことが必要であり、計画認定制度についても、政策評価法に基づき、自ら政策効果の検証を行い、公表するとともに、必要に応じて見直し、改廃の措置を講じてきています。
 例えば、今回の法改正においては、産業競争力強化法の特別事業再編計画を廃止をしています。これは、株式を対価とするMアンドAについて、これまでは株式譲渡益の課税繰延べ措置のための計画認定が必要でしたけれども、世界的に株式を対価としたMアンドAの事例が増える中で、会社法改正により手続も一般化されてきたこと等を踏まえて計画認定を不要としたものであります。
 また、パブリックコメントについては、行政手続法に基づき適切に実施をしております。例えば、産業競争力強化法の制定時においては、施行に伴う政省令等について御意見をいただき、その内容を整理して、いただいた意見に対しては全て回答を作成し、公表しております。引き続き関係する事業者の意見を広く聞き、御意見を踏まえながら不断の見直しを行い、より良い制度へと生かしてまいります。
 カーボンニュートラルに向けた投資促進策等についてお尋ねがありました。
 御指摘のカーボンニュートラルに向けた投資促進策としては、税制措置を講じてまいります。具体的には、脱炭素化効果の高い製品の生産設備投資に対し税額控除一〇%等を措置することとしており、対象製品として、省電力性能に優れたパワー半導体、電気自動車等向けのリチウムイオン電池、燃料電池、洋上風力発電設備の主要専用部品などといった製品を想定をしております。
 加えて、生産ラインへの最新設備の導入や最新鋭の熱ボイラー設備の導入など、生産工程等の脱炭素化を進める設備投資について、事業所等の生産性向上と二酸化炭素の排出削減を図る炭素生産性という指標が、三年以内に一〇%以上向上する場合、税額控除一〇%等、三年以内に七%以上向上する場合に税額控除五%等を措置することとしております。
 また、本税制を活用するための事業適応計画の認定においては、事業者の投資計画がこうした要件を満たしているか否か、ひいては脱炭素化に貢献する取組になっているかどうかを重視をしてまいります。
 石炭火力について、G7気候・環境大臣会合における日本の対応、今後の方針等についてお尋ねがありました。
 エネルギーをめぐる状況は各国千差万別です。資源が乏しく、周囲を海で囲まれた我が国において、3EプラスSを満たす単一の完璧なエネルギー源がない現状では、多様なエネルギー源をバランスよく活用することが重要であると考えています。
 国内の石炭火力については、全てを廃止するのではなく、安定供給を確保しながらその比率をできる限り引き下げていくことが基本となると考えております。このため、二〇三〇年に向けて非効率石炭のフェードアウトを着実に進めるとともに、二〇五〇年に向けては水素、アンモニアやCCUS等を活用することで脱炭素型の火力に置き換えていく取組を促進してまいります。
 一方で、石炭火力は電力供給を支える重要な電源であるとともに、地元雇用や地域経済を支える役割もあるため、その休廃止による影響を懸念する声があることも承知をしており、引き続き関係者の御意見を聞きながら取り組んでまいりたいと考えております。
 また、海外石炭火力については、石炭火力輸出支援の厳格化という我が国の方針を説明をし、各国から一定の理解を得たところです。世界でカーボンニュートラルを目指していく中、全ての国が一足飛びにネットゼロを達成できるとは限りません。途上国の実効的な脱炭素化を促すためにどのような対応が必要なのか、引き続き検討してまいります。
 デジタルトランスフォーメーションの実現に向けた計画認定制度の創設の狙い及び意義についてお尋ねがありました。
 DXの意義は、単に部門ごとの縦割りでのITシステムの導入ではなく、部門や会社間をまたいだデータ連携を進めることで、新商品の開発等による全社的な経営改革を実現していくことと認識をしております。
 今回のDX投資促進税制においては、経営戦略と連動したデジタル投資に関する全社的計画策定等を求め、これを事前に認定する仕組みとしていますが、具体的な認定制度の設計に当たっては、各業界の方々と丁寧な意見交換を重ねてきております。
 例えば、税制の一つの要件であるDX認定の運用基準策定に当たっては、セキュリティー対策に関して提出を求める書面の内容を変更するなど、企業の実態に合わせたものとしてきました。
 また、御指摘のとおり、デジタル化自体が目的になってはならず、デジタル技術の活用を通じて実際に企業の経営改革が進むことが重要です。このような観点から、計画認定の効果をしっかりと見極めてまいります。
 バーチャルオンリー株主総会を上場会社に限って認めることとした理由についてお尋ねがありました。
 バーチャルオンリー株主総会の制度は、新型コロナウイルス感染拡大も踏まえ措置するものですが、上場会社は一般の株主の数が多く、バーチャルでない通常の株主総会を開催する場合には、大規模な会場に多数の株主が物理的に集まることから、バーチャルオンリーで開催することの効果が大きいと考えています。また、上場会社は、株主総会の招集や決議に関する開示制度が整備されているため透明性が高く、バーチャルオンリーで株主総会を開催する際に株主の利益を確保しやすいと考えております。こうした点を踏まえて、本法案では、上場会社のみを対象にバーチャルオンリー株主総会を実施できることとしております。
 債権譲渡通知等の第三者対抗要件の特例についてお尋ねがありました。
 今般、産業競争力強化法の計画認定を受けた事業者の情報システムを利用する場合に限り、債権譲渡の通知を電子的に行ったとしても第三者に対抗することができることとする特例を創設することとしました。特例を受けるための情報システムの要件としては、債権譲渡通知等がされた日時と内容を容易に確認することができること、日時及び内容の記録の保存とその改変防止のための措置が講じられていることが規定をされております。
 本特例の施行に当たっては、認定事業者に対して厳格なセキュリティー対策、二重払いの事前防止措置及び過誤払の発生時の返金の確保に向けた対策を求めております。また、制度の周知や注意喚起を十分に行うとともに、その他の悪用事例などへの対処については関係省庁と連携してしっかりと対応を図ってまいります。
 下請振興法の対象取引類型の拡大についてお尋ねがありました。
 現行の下請振興法では、スポーツジムでスタジオレッスンを行う運営者が、フリーランスであるインストラクターに対してスタジオレッスンの提供を委託する契約などは対象外となっております。
 昨今の働き方が多様化している影響等により、現行の下請振興法では対象となっていない取引形態などに関する下請かけこみ寺への相談件数は、平成三十年には五千三百件程度であったものが、令和元年度には六千四百件程度に増加をしています。
 このため、今般の改正により、サービスの構成要素を切り出して委託する取引なども下請振興法の対象とすることといたしました。これにより新たに対象となる取引を行う事業者に対しても、中小企業庁として、下請振興法に基づき、全国百二十名の下請Gメンによる実態把握を進めていくとともに、業所管大臣が、発注書面の交付など望ましい取引の在り方等を示した振興基準に基づく指導、助言を行うことが可能となります。このような指導、助言に加えて、振興基準を踏まえた自主行動計画やパートナーシップ構築宣言などを活用し、大企業と中小企業との適正な取引を促してまいります。
 認定下請中小企業取引機会創出事業者についてお尋ねがありました。
 御質問の認定対象は、例えば、自らが機械製造に要する加工や衣服の製造等を受託した上で、提携する最適な中小企業を選定して再委託するとともに、工程管理や品質管理等も一貫して請け負うことが可能なメーカー等を想定をしております。
 認定に際しては、中小企業者の不利益となる価格設定を行わないことを確認するとともに、二年ごとの認定更新や基準に適合しなくなった場合の取消しなど、取引の透明性や公正性を確保するための措置を講じてまいります。
 また、認定下請中小企業取引機会創出事業者による行為が、代金の減額などの独占禁止法や下請代金支払遅延等防止法に違反すると認められる場合には、公正取引委員会と連携して厳正に対処をしてまいります。
 法律案提出のエビデンスについてお尋ねがありました。
 産業競争力強化に必要な施策は、その時々の経済社会情勢に応じて柔軟に整備していくことが必要であり、産業競争力強化法の措置も必要に応じて見直しを講じてきています。
 我が国の在来の経済社会システムの大きな問題点は、近年、日本企業が付加価値の高い製品やサービスを十分に生み出せていないことや労働生産性が十分伸びていないことにあり、例えば、二〇一〇年代の日本の労働生産性の伸びは年平均で〇・三%にとどまり、G7諸国の中でイタリアに次いで低く、労働生産性の絶対値もG7諸国の中で最も低い。コストの何倍の価格で販売できているかを示すマークアップ率を見ても、米国の一・八倍に対して日本は一・三倍にとどまり、十分な売値が確保できていない。OECDによると、新製品や新サービスを投入した企業の割合は先進国で日本が最も低く、付加価値の高い製品やサービスを十分に生み出せていない状況となっています。
 日本企業の付加価値の高い製品やサービスを生み出し、労働生産性を向上させていくためには、コロナ禍の中でも経済を牽引しているデジタルやグリーンといった成長の潜在可能性のある分野において積極的に未来への投資を進めることが必要であることから、今般、本法案を提出をし、グリーン、デジタルなどへの集中投資を進めるための投資促進税制や金融支援などを措置をしています。(拍手)
   〔国務大臣田村憲久君登壇、拍手〕

#8
○国務大臣(田村憲久君) 宮沢由佳議員にお答え申し上げます。
 低所得の子育て世帯への支援についてお尋ねがありました。
 一人親以外の低所得の子育て世帯に対する特別支給、支給金については、令和二年分の所得情報が判明した後、多くの方が申請不要で支給できる方法により、できる限り速やかに支給できるよう準備を進めております。
 また、対象者を限定する上では、いずれかの時点で対象範囲を確定する必要があります。本年三月に高校を卒業した方については、児童としてではなく、若者や学生として必要に応じた支援を行っていくべきものと考えております。
 なお、再度支給すべきとの御指摘については、現在、既に決まっている給付金の支給準備を進めているところであり、必要とされている方々に支給、給付金が行き渡るよう努めてまいります。(拍手)
   〔国務大臣小泉進次郎君登壇、拍手〕

#9
○国務大臣(小泉進次郎君) 宮沢由佳議員から、G7気候・環境大臣会合における石炭火力輸出に関する合意についてお尋ねがありました。
 まず、今回の大臣会合の成果文書全体としては、G7が団結して化石燃料依存型の経済から新たな持続可能な経済へと向かっていくメッセージを明確にしており、歴史的、画期的だと考えます。
 そして、石炭火力の海外輸出支援については、それぞれの国の裁量による限られた状況以外では、排出削減対策の講じられていない石炭火力発電に対する政府による新規の国際的な直接支援の全面的な終了に向かって、具体的なステップを二〇二一年中に取ることで合意しました。つまり、原則支援せずということです。
 私は、環境大臣に就任以来、石炭政策の見直しに取り組んでまいりました。そして、関係省庁との協議を重ねた結果、合意に至り、昨年十二月に決定されたインフラシステム海外展開戦略二〇二五に基づいて、新たに計画される石炭火力輸出支援の厳格化を行っています。
 同戦略においては、支援しないことを原則として、厳格な要件の下、例外的な場合のみ支援をすることが記され、改訂前の戦略と比べて、原則と例外が転換することとなりました。今回の大臣会合においても、原則として支援しないことが成果文書に記されたことは、今まで大臣として職員とともに取り組んできたことがG7の成果文書に反映されていると考えます。
 このように、今回のG7気候・環境大臣会合の成果は、菅総理が二〇五〇年カーボンニュートラル、そして二〇三〇年四六%削減を表明したからこそ、G7全てが二〇五〇年カーボンニュートラルで一つにまとまり、ほかの主要国に働きかけをしていくことにも合意することができたと考えています。
 引き続き、アメリカやG7議長国の英国などと連携しながら、世界の脱炭素化をリードしてまいります。(拍手)
   〔国務大臣上川陽子君登壇、拍手〕

#10
○国務大臣(上川陽子君) 宮沢由佳議員にお答え申し上げます。
 バーチャルオンリー型の株主総会に関する会社法の改正についてお尋ねがありました。
 会社法を改正してバーチャルオンリー型の株主総会を全面的に許容することについては、株主の権利行使や株主総会を通じたガバナンスの実効性等の観点から様々な見解があり、検討すべき論点も多いものと認識しております。
 このため、会社法の見直しについては、改正後の産業競争力強化法の規定によるバーチャルオンリー型の株主総会の実施状況等も踏まえながら、必要な検討を進めてまいりたいと考えております。(拍手)
    ─────────────

#11
○議長(山東昭子君) 石井章さん。
   〔石井章君登壇、拍手〕

#12
○石井章君 日本維新の会、石井章でございます。
 私は、会派を代表いたしまして、ただいま議題となりました産業競争力強化法等の一部を改正する等の法律案に対しまして質問をいたします。
 産業競争力強化法は、二〇一三年に制定され、二〇一四年に施行されました。制定時の審議に際して、我が会派である維新は、本格的な規制改革こそが日本経済に寄与するとの考え方から、同法では不十分であるとして反対の立場でありました。
 他方、政府は、同法の制定に当たって、グローバル競争に勝ち抜く筋肉質の日本経済にするため、民間投資を拡大し、設備の新陳代謝を図り、イノベーションの源泉を強くする、過剰規制を改革し、萎縮せずに新事業にチャレンジできる仕組みをつくる、過当競争を解消し、収益力を飛躍的に高め、世界で勝ち抜く製造業を復活させることを目指すと高らかに宣言しています。
 それでは、産業競争力強化法は、我が国産業の競争力強化に具体的にどのように貢献してきたのでしょうか。法改正に当たって、その効果を検証することがまず重要であると考えます。そこで、産業競争力強化法は、我が国の産業競争力の強化にどのような効果、役割を果たしてきたのか、できる限り定量的な評価が望ましいと思いますが、それが難しいというのであれば定性的な評価でも結構ですので、経済産業大臣の評価及び見解をお伺いいたします。
 先進国と比較して、テレワーク、キャッシュレスなど、多くの分野におけるデジタル化が遅れています。企業のデジタルトランスフォーメーションを進めることは目的として創設された投資促進税制を受けるためには、認定要件として、クラウド技術の活用やDX認定の取得などのデジタル要件や、一定以上の生産性向上などの企業変革要件を満たさなければなりません。
 しかし、総務省の令和元年通信利用動向調査によれば、資本金一千万円未満の企業のうち、クラウドサービスを利用している企業は三六・五%にしかすぎません。また、独立行政法人情報処理推進機構のDX認定制度によって認定された企業は、五月一日現在九十八件でありますが、同機構が公表している会社名を見れば、大企業、中堅企業ばかりです。この制度は中小企業には浸透しておりません。
 事業者が作成した計画を認定して支援する制度によってデジタルトランスフォーメーションを進めるやり方は、余力の少ない中小企業がデジタル化を推進する力になっているとは思えません。
 経済産業大臣に質問いたします。現在のデジタル推進政策が、日本経済を支えている中小企業のデジタル化に寄与していない現状をどう考えておりますか。中小企業のデジタル化を推進するためには、事業適応計画の認定制度では限界があり、視点を下げた事業者目線の施策が必要と考えますが、見解をお伺いします。
 DXに対する遅れへの危機感を持つ企業の数は増加していますが、一部の先行企業を除き、多くの企業は危機感を持たず、全く取り組んでいないか、あるいは取り組み始めたばかりである状況にしかありません。DXの認知度、理解度を高めるとともに、自ら投資をしてでも進めるよう意識改革を進めるためには、どのような政策を考えているかをお伺いいたします。
 日本社会は、二〇五〇年カーボンニュートラルの達成に向けて動き始めました。本法律案では、目標達成を推進する企業に対しては、利子補給事業や投資促進税制が設けられることとしています。しかし、現有の旧式製造設備を新しいものに置き換えることによる温暖化ガスの排出抑制に頼り過ぎているようにしか思えてなりません。
 日本が掲げた目標は高く、現在まだ実現していない新しい技術を自らの手で生み出さなければ、目標を達成することはできません。幸いなことに、日本は環境に関する諸問題を解決する技術を開発する潜在能力を持っています。世界中から期待されています。政府は、日本の技術力を引き出す役割を果たすべきです。
 経済産業大臣に質問いたします。日本企業が持つ潜在的開発力を引き出すためにどのような政策を取るのでしょうか。また、国際競争力がある新技術を育て上げることにより、新しい成長産業として確立すべきであり、将来への投資と捉えるべきだと考えますが、見解をお伺いします。
 コロナ禍においては、大企業が減資をする事例が起きています。大企業でさえ事業規模の縮小を選択せざるを得ない中、中小企業が事業を拡大することは大きな困難が伴うと言わざるを得ません。
 昨年改正された地域未来投資促進法に基づいて地域経済牽引事業計画の承認を受けた事業者は、事業計画の実施期間中は、中堅企業や大企業に事業拡大した後も中小企業とみなされて支援が受けられる、いわゆるみなし中小企業者が設けられました。中小企業者から中堅企業などへの事業を拡大することを支援するための制度であります。
 そして、本改正案においては、資本金を要件としない支援対象類型として、特定事業者が新たに創設されることになります。この認定制度も、中小企業から中堅企業に成長する過程として、企業に対する支援制度であり、中小企業の事業拡大を進める政策であると考えています。
 経済産業大臣に質問いたします。みなし中小企業者の制度は、導入後間もないのではありますけれども、実際どのような効果があったでしょうか。また、みなし中小企業者制度と類似したものとも思える特定事業者という制度を新たに設ける狙いと意義についてお答えを願います。
 新型コロナウイルス感染症の影響により、昨年の休業件数は最多となりました。廃業も含めて消費者の縮小影響は大きく、令和二年度の実質GDP成長率はマイナス四・六%となりました。経済下落の影響は、日本経済を支える多くの中小企業の存続に重大な影響を与えております。
 中小企業の事業継承を支えてきた認定支援機関としては事業引継ぎ支援センターがあり、本年四月からは親族内継承への支援を取り込んで、事業継承・引継ぎ支援センターとして再出発をいたしました。事業支援の制度にあるにもかかわらず、昨年の休廃業件数が最多となってしまったことは誠に残念でなりません。
 経済産業大臣に質問いたします。事業継承に関して、これまで事業引継ぎ支援センターが果たしてきた役割、実績をどのように評価していますか、お答え願います。また、アフターコロナを見据えて、新たに果たすべき役割としてどのようなものがあるかを考えているのでしょうか、お答え願います。
 日本維新の会は、これまでグレートリセットを主張してまいりました。これは、デジタルトランスフォーメーションの推進でもあります。マイナンバー制度などのデジタル技術を導入して、行政のスリム化や合理化を進めていかなければなりません。
 五月の連休明けからワクチン接種が本格化し、高齢者への接種は七月末完了を目標に全国で取り組まれています。並行して、アフターコロナに向けた施策は待ったなしで進めていかなければなりません。
 日本維新の会は、これからも国民の皆さんのための経済政策を提案していくことをお約束して、私からの質問といたします。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔国務大臣梶山弘志君登壇、拍手〕

#13
○国務大臣(梶山弘志君) 石井議員からの御質問にお答えをいたします。
 産業競争力強化法の日本の産業競争力に対する効果と役割についてお尋ねがありました。
 産業競争力強化法は、日本の産業競争力を強化する上で、日本の経済の三つのゆがみとなっている過剰規制、過小投資、過当競争を是正することを目的として二〇一三年に制定されました。
 これまでに、この法律に基づき、約三十社が規制の特例措置などを活用して新ビジネスを実施し、約二十社が税制措置等を活用してベンチャー企業への投資を実施し、約八十社が税制措置等を活用して事業再編を実施してきたところです。
 産業競争力の強化への効果を定量的に評価することは困難ですけれども、こうした規制の特例の活用やベンチャー企業への投資、事業再編といった新たな企業活動は、過剰規制、過小投資、過当競争を是正する方向へと日本経済を変え、産業競争力の強化に向けた環境を確実に改善をしているものと考えております。
 中小企業のデジタル化に関し、現状の政策に対する考えと事業者目線の施策の必要性についてお尋ねがありました。
 御指摘のクラウド技術やDX認定について、中小企業の利用実績が少ないことは事実ですが、これをもって現在のデジタル推進政策が中小企業のデジタル化に寄与していないとは考えてはおりません。
 まず、クラウド技術については、より多くの中小企業が導入できるよう、専門家が寄り添った伴走支援を行っていきます。DX認定に関しても、今後、中小企業向け手引を策定する予定であり、中小企業がデジタルトランスフォーメーション投資促進税制を活用しやすい環境づくりを進めてまいります。
 また、計画認定制度だけでなく、IT導入補助金を含む総額七千六百億円の中小企業生産性革命推進事業など、多様な施策を総動員して中小企業のデジタル化を促進をしてまいります。
 DXの認知度、理解度を高め、意識変革を進めるための政策についてお尋ねがありました。
 DXは、単にデジタル技術を導入するということだけではなく、企業文化を変えることも含めて企業経営全体の変革を行うことであり、企業の認知度、理解度を高めることは極めて重要な課題と考えております。
 このため、二〇一九年には、企業がDXに向けた自社の課題を簡易に診断できるDX推進指標を公表し、自己診断に活用していただくことを推奨するとともに、二〇二〇年からは、東京証券取引所と共同でDX銘柄を選定することで、企業経営全体でDXを行っている優良事例の発信を行ってきております。
 引き続きこうした取組を実施しつつも、今回の法改正では、最大五%の税額控除であるDX投資促進税制を受けるための要件として、DX認定を取得していることを求めることとしました。この新たな優遇措置により、自ら投資をしてでもDXを進めようとの意識改革を進める企業が更に増えていくことを期待をしております。
 日本企業の潜在的開発力を引き出す政策と新たな成長産業の確立についてお尋ねがありました。
 二〇五〇年までのカーボンニュートラル目標は従来の政府方針の大幅な前倒しであり、並大抵の努力では実現できません。日本企業の優れた開発力を生かしつつ、エネルギー・産業部門の構造転換、大胆な投資によるイノベーションを大幅に加速することが必要となります。
 このため、政府としては、過去に例のない二兆円の基金を造成し、官民で野心的かつ具体的な目標を共有した上で、十年間、研究開発、実証から社会実装までを継続して支援をしてまいります。
 あわせて、革新的環境イノベーション戦略の関連予算として政府全体で計上している約三千億円により、環境・エネルギー分野の技術開発も後押ししてまいります。
 これらの支援を呼び水に、日本企業が潜在的に持っている新たな技術の開発能力を発揮させることで、大胆な研究開発、設備投資を喚起し、革新的なイノベーションの実現と日本の将来の成長産業の創出につなげてまいります。
 みなし中小企業者制度についてお尋ねがありました。
 本制度は、中小企業向け支援を受けられなくなることに不安を覚え、大企業、中堅企業への成長をちゅうちょする中小企業が一定程度存在していることを背景に創設をされたものです。
 具体的には、地域未来投資促進法の承認を受けた中小企業が大企業、中堅企業に成長した際に、最大五年間継続して金融支援などの中小企業向け支援を受けることを可能とする制度です。
 施行から約半年と導入後間もないこともあり、現時点での活用実績はありませんが、民間調査機関による分析では、毎年三百社前後の中小企業が大企業、中堅企業に成長している一方、売上げを伸ばしながら中小企業近傍にとどまる企業も約六千社存在することを踏まえれば、みなし中小企業者制度には一定のニーズがあるものと考えております。本制度が活用されるよう、引き続き本制度の周知に取り組んでまいります。
 特定事業者の狙いと意義についてお尋ねがありました。
 本法案で新たに設けることとした特定事業者は、資本金によらず、中小企業の定義よりも従業員基準を引き上げた新たな支援対象類型であり、規模拡大に資する支援措置に限って適用します。これは、中小企業から中堅企業に成長した企業の多くが、まず資本金を増加させつつ事業を拡大し、その上で従業員を増加させていることから、こうした規模拡大のパスに沿って成長する企業を応援する趣旨の制度です。
 他方、みなし中小企業者制度は、中小企業が成長し中小企業支援の対象から外れた場合でも、最大五年間引き続き支援が受けられるという趣旨の制度です。今回の改正により、特定事業者の定義から外れても最大五年間は継続して支援するという趣旨の制度として、本法案成立後も引き続き利用が可能となります。
 これらの措置により、中堅企業に成長する企業が年四百社以上という目標の達成に向けてしっかりと取り組んでまいります。
 事業引継ぎ支援センターについてお尋ねがありました。
 事業引継ぎ支援センターは、中小企業の事業承継を支援するため、後継者不在企業と受け手企業のマッチングを支援する役割を担ってまいりました。また、今年四月には、事業承継・引継ぎ支援センターと名称を変更し、親族内承継の支援も開始することで、事業承継に関するワンストップ窓口としての役割を担うようになったところです。
 これまでの実績としては、小規模な中小企業の事業引継ぎを中心に、設立以来の十年間における累計成約件数は約五千件に上り、年間の成約件数もここ三年で倍増しております。
 アフターコロナを見据えれば、新たな日常に対応するための事業再構築の形を取る事業者の、事業の引継ぎにも対応していくことが重要であると考えており、今後は、経営者OB人材の活用や、よろず支援拠点や地域金融機関、商工団体等との連携拡大により、今後の中小企業の事業承継、引継ぎの円滑化により一層強力に取り組んでまいります。(拍手)
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#14
○議長(山東昭子君) 礒崎哲史さん。
   〔礒崎哲史君登壇、拍手〕

#15
○礒崎哲史君 国民民主党・新緑風会の礒崎哲史です。
 会派を代表して、ただいま議題となりました政府提出の産業競争力強化法等の一部を改正する等の法律案について、経済産業大臣に質問いたします。
 質問の前に一言申し上げます。
 冒頭、大臣より、本法案の条文及び参考資料に誤りがあったことに関し、おわびの御発言がありました。受け止めたいと思います。
 しかしながら、条文に誤りがあった以上、出し直すべきであったこと、また、誤りが見付かった後の経産省の対応にも問題があったことは改めて指摘をさせていただきます。再発防止に努めていただきたいと思います。
 それでは、質問に入ります。
 産業競争力強化法は、日本経済の三つのひずみ、具体的には過剰規制、過小投資及び過当競争の三つを是正し、我が国の産業競争力強化を目的に二〇一三年に成立しました。
 二〇一六年のダボス会議では第四次産業革命という言葉が使われ、産業における新たな時代の到来との認識が社会に共有され、グローバル競争はますます激しくなりました。同法施行から七年を経過しましたが、我が国産業の国際競争力は果たして強化されたのでしょうか。
 例えば、国際経営開発研究所、IMDによる国際競争力年鑑の日本の総合順位は、一九八九年の一位に始まり、一九九六年までは五位以内を維持、金融システム不安が表面化した一九九七年に十七位に急落しました。その後、低迷と後退が続き、この法律が成立した二〇一三年には二十四位であったものが、最新版の二〇二〇年では過去最低の三十四位まで落ち込んでおります。また、日本企業の半導体の世界売上高シェアが一九八八年の約五〇%から二〇一九年には一〇%まで低下していることも象徴的な動きであり、これらは今後の我が国の産業競争力を考える上で非常に懸念される点ではないでしょうか。
 この原因として、冒頭に挙げた三つの過の是正が十分に進まなかったことに加え、グローバルな企業活動において、近年では国際ルールに基づいた協調領域と企業の強みを生かした競争領域を巧みに組み合わせた戦略が必要であり、その意味で国際標準化の取組も不十分であったと考えます。
 そこで、大臣にお伺いします。産業競争力強化法は、我が国産業の国際競争力強化にどのような役割、効果を果たしてきたと評価しているのでしょうか。特に、三つの過の是正について、産業競争力強化法はどのような役割をこれまで果たしてきたのでしょうか。また、IMDランキングや半導体のシェアの落ち込みに対する評価についても具体的な答弁を求めます。
 さらに、産業競争力強化法の施行後七年間で得た教訓は、本法律案にどのように生かされているのかについても大臣に伺います。
 次に、規制のサンドボックス制度の効果と恒久化の意義についてお伺いいたします。
 生産性向上特別措置法に基づく規制のサンドボックス制度は、企業による新たな挑戦を実証として試行することを国が認め、そこから得られたデータを用いて最終的には規制の見直しにつなげることを目的とした制度であり、二〇一八年から三年間の期間を区切って、革新的アイデアの迅速な実証と社会実装の実現を目指すべく運用されてきました。
 特別措置法制定時は、政府は、次々と新しいアイデアを実証し、新しい政策形成に進めていきたいとの意欲を示していましたが、これまでの活用実績は二十件の認定にとどまっております。
 政府として、これまでの活用実績とそれによる具体的効果について、どのように評価しているのでしょうか。また、規制のサンドボックス制度は、我が国発のイノベーションと停滞する生産性向上に向け、どのような効果をもたらしてきたと認識しているのでしょうか。大臣の見解を伺います。
 さらに、本法律案では、生産性向上特別措置法を廃止し、規制のサンドボックス制度を産業競争力強化法に移管して恒久的な措置とすることとしていますが、単に制度をスライドするだけではこれまで以上の成果は期待できません。活用実績や課題、市場ニーズ等を踏まえ、制度にどのような改善策を加えたのかについて、制度を恒久化する意義と併せて大臣の答弁を求めます。
 次に、大企業と中小企業との取引の適正化、特に型取引の適正化の問題や下請Gメンについてお伺いいたします。
 日本商工会議所等の中小企業団体や一部のエコノミストからは、日本の生産性の問題は、中小企業の問題というよりは、我が国の下請や中間搾取の構造問題であり、こうした問題にメスを入れない限り、中小企業が飛躍する機会が得られないといった意見があり、こうした批判の声に耳を傾けてか、政府も、成長戦略実行計画の中で大企業と中小企業との取引の適正化を掲げております。
 中小企業の生産性を高めるために、大企業と中小企業の取引の適正化を図ることが不可欠だと私も考え、注視してまいりましたが、まずは、この点についての大臣の見解を伺います。
 政府においては、昨年十月から十一月にかけて、製造業企業の三万社を対象とした型取引に関する大規模調査及び下請Gメン調査を行っており、その結果が昨年十二月に公表されております。
 それによれば、型代金の支払の状況について、発注側、受注側いずれの回答においても引渡し後の代金支払が五〇%以上を占める結果となり、遅くとも型の引渡しまでに型代金を支払うことという支払期限の課題については、引き続き取り組む必要が認められています。
 また、不要となった型の廃棄については改善が見られるものの、廃棄について事前の定めがなく、発注側から廃棄の指示もないと回答した割合が、発注側の四割弱に対し受注側は六割がそのように回答しており、また、受注側の三割は、発注側の親事業者に廃棄の申請をしたが返事がないとしています。受発注間に依然として型の廃棄可否に関する認識にずれがあることがうかがえ、廃棄基準の共有が課題となっていること等が示されております。
 政府は、型取引の適正化について、具体的にどのように取り組んできたのでしょうか。特に、昨年十二月の下請Gメン調査で明らかにされた課題について、改善に向けた動きはあるのでしょうか。大臣の答弁を求めます。
 さらに、本法律案では、いわゆる下請Gメンが行う調査に法的位置付けを付与することとしておりますが、この改正はどのような効果を狙っているのでしょうか。また、下請Gメンについては、現在百二十名体制と承知しておりますが、問題の重要性に鑑みれば、今後、下請Gメンを増員していくほか、調査能力の向上に努めていく必要があるのではないでしょうか。この点について、大臣の見解をお伺いいたします。
 時間の制約上省きましたが、多岐にわたる施策をカバーするこの法案について、ほかにも伺いたいことがたくさんあります。また、経済社会情勢が目まぐるしく変化していく中で、人権デューデリジェンスなど新たな課題も浮上してきており、こうした課題も産業の競争力に大きな影響を及ぼすと考えますが、大臣の見解を求めます。
 本法律案の趣旨説明において、旧態依然とした経済社会システムから本格的に脱却し、グローバルな構造変化へと一気に適応していくチャンスでもあるとの説明がありましたが、これまでの反省や教訓を踏まえつつ、それら多くの課題を謙虚に今後に生かすということでなければ、またもや我が国の産業競争力の強化は絵に描いた餅になりかねません。経済産業省にはそのような危機感を持って政策運営に当たっていただくことを求めます。
 そして、もう一つの重要な要素は人です。企業規模に関係なく、そこで働く人々のチャレンジする気持ちと努力の積み重ねの結果が企業と産業の競争力であり、この後、様々な技術革新が急速に進展する中にあっても、人に焦点を当てた施策が何よりも重要であることを申し上げ、私の質問といたします。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔国務大臣梶山弘志君登壇、拍手〕

#16
○国務大臣(梶山弘志君) 礒崎議員からの御質問にお答えをいたします。
 産業競争力強化法の我が国の産業競争力の強化に対する役割と効果についてお尋ねがありました。
 産業競争力強化法は、日本の産業競争力を強化する上で日本経済の三つのゆがみとなっている過剰規制、過小投資、過当競争を是正することを目的として二〇一三年に制定をされました。
 これまで、この法律に基づき、約三十社が規制の特例措置などを活用して新ビジネスを実施し、約二十社が税制措置等を活用してベンチャー企業への投資を実施し、約八十社が税制措置等を活用して事業再編を実施をしてきたところであります。
 産業競争力の強化への効果を定量的に評価をすることは困難ですが、こうした規制の特例の活用やベンチャー企業への投資、事業再編といった新たな企業活動は過剰規制、過小投資、過当競争を是正する方向へと日本経済を変え、産業競争力の強化に向けた環境を確実に改善をしているものと考えております。
 IMDのランキングや半導体のシェア落ち込みへの評価についてお尋ねがありました。
 IMDが公表している国際競争力ランキングでは、日本は一九九〇年には世界第一位でしたが、二〇二〇年には世界第三十四位となっております。また、日本の半導体産業は、かつては五〇%以上のシェアを占めていましたが、足下では一〇%程度となっており、これらの一因は、成長投資が不十分で新しい稼ぐ力を生み出せていないことにあると認識をしております。
 我が国の企業が付加価値の高い新たな製品、サービスを生み出すためには、稼いだ利益を研究開発、設備投資、企業買収など、未来への投資に積極的に回すことが必要ですが、本法律案ではこうした企業の変革を後押しするための措置を講じているところであります。
 産業競争力強化法の施行後に得た教訓と、その教訓の本法案への反映についてお尋ねがありました。
 これまでの産業競争力強化法は、規制改革の推進、ベンチャー企業などへの投資の拡大、事業再編の円滑化など、分野に限定せずに産業の新陳代謝を促進するための措置を講じてきたところです。
 その一方で、二〇一〇年代の営業利益に対する設備投資や研究開発費の比率が減少しているなど、成長投資が不十分で、新しく稼ぐ力を生み出せていない状況にあると認識をしております。
 こうした状況を踏まえて、本法案では、デジタルやグリーンといった成長の可能性がある分野に対象を限定した上で、成長投資を進めるために最大一〇%の税額控除を講じるなど、思い切った支援策を講じることとしております。本法案に加え、予算、税制などを総動員して、更なる経済成長につながる成長投資を促してまいります。
 規制のサンドボックス制度に対する評価と本制度がイノベーション等にもたらした効果についてお尋ねがありました。
 本制度はこれまで二十件の認定が行われ、百三十九の事業者が実証に参加をしております。実証の結果、電動キックボードに関する道路交通法関連法令の特例措置の整備等が実現したほか、本法案において盛り込んでいる債権譲渡の通知の電子化に関する民法等の特例措置など、実際の規制改革に結び付いたものもあるため、一定の成果が上がっているものと認識をしております。
 また、例えば、医薬品開発の現場では、臨床データを薬機法の承認申請の書類に転記する際、人が確認してデータ転記の信頼性を確保していたところ、データの改ざんが困難な新技術を活用し、人が介在しない新たなデータ転記手法の実証を行い、その後、実用化されていることから、本制度は御指摘の企業のイノベーションや生産性向上にも寄与しているものと考えております。
 規制のサンドボックス制度を恒久化する意義と改善策についてのお尋ねがありました。
 本制度による実証の結果、これまで実際に複数の案件で規制改革が実現していることから、本制度は規制改革を実現するための重要なツールとして有効に機能しているものと承知をしております。
 また、多くの事業者が引き続き本制度を活用したいと考えている一方で、本制度改善については特段のニーズがないことから、今回の法律案では、現行制度に特段の変更は加えずに、産業競争力強化法に移管した上で恒久化することとしております。今後も、より使いやすい制度の構築に向けて、引き続き事業者の皆様の声にしっかり耳を傾けてまいります。
 大企業と中小企業の取引適正化についてお尋ねがありました。
 御指摘のとおり、中小企業の生産性向上を実現するためには、下請中小事業者から親事業者への適正な価格転嫁等の取引適正化が重要であります。
 このため、経済産業省において、価格決定方法の適正化など、取引適正化のための重点的に取り組むべき五つの課題を定めるとともに、下請振興法に基づく振興基準に対価の決定の方法の改善や取引上の問題を申し出やすい環境整備等を規定し、この振興基準に照らして問題となる事例がある場合には、その事業者に対して主務大臣による指導、助言を行うこととしております。さらに、業界団体が策定した自主行動計画のフォローアップや取引環境の整備を企業の代表者名で宣言するパートナーシップ構築宣言なども活用しながら、大企業と中小企業との適正な取引を促してまいります。
 型取引の適正化についてお尋ねがありました。
 型取引の適正化については、型取引の適正化推進協議会において議論を進め、二〇一九年十二月に、適正な取引ルールや契約書のひな形を示した報告書を取りまとめたところであります。これらを踏まえ、産業界に対しては、この成果の自主行動計画への反映を促すとともに、アンケート調査やヒアリングを通じて親事業者による遵守状況の実態把握を行ってまいります。こうした取組により、不要な型の廃棄など、改善に向けた動きが進んでいるものと承知をしております。
 一方で、受発注者間の廃棄基準が共通化されていない、発注者側から廃棄指示の不徹底、適正な保管料負担ルールの不徹底などの課題も残っております。こうした課題の改善に向けて、産業界に自主行動計画の見直しを要請するなど、より一層の取組を促してまいります。
 下請Gメンについてお尋ねがありました。
 これまでも下請Gメンによる下請中小企業の実態把握を進めてまいりましたが、下請取引に関する機微な情報も含まれているため、ヒアリングに回答することに不安の声などが上がっておりました。このため、今回の法律案において、下請Gメンが行うこととした調査に下請中小企業の皆様が安心してしっかりと御協力いただくことができるよう、法律上の位置付けを明確化する措置を講じております。
 また、下請Gメンの人数は、平成二十九年発足当時は八十名でしたが、現在は百二十名まで増強しています。下請取引に従事した企業OBや知財の経験者など専門性を有する多様な人材を確保するなど、引き続き必要な人員の確保や調査能力の向上に取り組んでまいります。
 人権デューデリジェンスなどの新たな課題が産業競争力に与える影響についてのお尋ねがありました。
 国際社会において人権問題への関心が高まる中、特に海外事業を展開する企業は、その原料の調達を始めとするサプライチェーン全体について、自らの事業における人権に関するリスクを特定し、対策を講じる必要に迫られていると承知をしております。
 こうした中、政府は、昨年十月、ビジネスと人権に関する行動計画を策定し、企業に対して人権デューデリジェンスの導入を期待する旨を表明をいたしました。
 人権デューデリジェンスに対する今後の我が国企業の取組いかんによっては我が国の産業競争力にも影響を及ぼすことが想定をされるため、本行動計画の周知啓発をしっかりと行い、産業界の意識向上、取組促進に努めてまいります。(拍手)
    ─────────────

#17
○議長(山東昭子君) 岩渕友さん。
   〔岩渕友君登壇、拍手〕

#18
○岩渕友君 私は、日本共産党を代表し、産業競争力強化法等の一部を改正する等の法律案について質問します。
 法案に入る前に、コロナ禍で苦境にあえぐ中小企業、個人事業主への支援策について聞きます。
 現場からの最も強い要望は、持続化給付金、家賃支援給付金の再支給です。菅政権は、コロナ禍の真っただ中にもかかわらず、昨年末で持続化給付金を打ち切ってしまいました。事業者からは、政府はうちの店なんてなくなってもいいんでしょうねという怒りが寄せられています。継続してほしいという切実な声が上がっていたにもかかわらず、なぜ打ち切ってしまったのですか。
 感染の再拡大に、経産省は慌てて一時支援金という制度をつくりましたが、額も少なく、対象も限定的です。それを引き継ぐ月次支援金も月ごとの細切れの支援で、とても足りないと既に悲鳴が上がっています。せめて持続化給付金と同様の内容にすぐに改善し、さらに規模別の支援に拡充していくべきです。
 以上、経済産業大臣の答弁を求めます。
 日本商工会議所を始め、多くの中小企業団体が強く求めているのが、二〇二三年十月に予定されている消費税のインボイス制度導入の延期、凍結です。中小企業が新型コロナウイルスへの対応に追われる下で導入への準備を強要するなど、余りに冷た過ぎます。そもそも、インボイスは、中小企業に重い事務負担を課すだけでなく、対応できない小規模事業者は取引から除外される危険性があります。我が党はインボイス制度の導入そのものに反対ですが、全国の中小企業団体の声に耳を傾けるなら、少なくとも延期、凍結の決断を直ちにすべきではありませんか。
 今や、世界で五十八もの国・地域がコロナ対策として消費税、付加価値税の減税に踏み出しています。菅政権は一貫して消費税の減税を拒否してきましたが、コロナ禍が長引く中、いよいよ日本も決断をするべきではありませんか。
 以上、財務大臣の答弁を求めます。
 産業競争力強化法は、二〇一三年十二月、アベノミクスの第三の矢である成長戦略の目玉として成立しました。日本経済が抱える過小投資、過剰規制、過当競争という三つのゆがみを打破するとして、大企業のための規制緩和や優遇税制を進めるためのものでした。二〇一八年には、産業の新陳代謝の活性化を掲げ、中小企業の廃業を促し、淘汰を進めるための改悪も行われました。安倍政権を引き継いだ菅政権は、更に大企業のリストラ、事業再編と中小企業の淘汰を促進するために今回の改正案を打ち出しました。
 九〇年代以降、歴代政権が行ってきた規制緩和や構造改革は一体何をもたらしたでしょうか。
 産競法の前身である産業活力再生特措法は、自動車を始めとする大企業の生産拠点の海外移転を促進しました。その結果、海外生産比率は九九年度の二三%から一八年度には三八・二%に拡大しました。一握りの大企業が空前の利益を上げる一方で、国内では産業の空洞化、地方の疲弊、雇用破壊がもたらされ、それが消費を冷やし、国内経済の長期にわたる低迷が続いてきました。
 実際、大企業の内部留保の中心である利益剰余金はこの二十年で八十五兆円から二百三十七兆円と三倍近くに増えていますが、従業員給与、賞与は四十一兆円から四十四兆円と一・〇六倍、ほとんど横ばいです。OECDによれば、この二十年間、主な先進国で時間賃金がマイナスないしは横ばいなのは日本だけです。結局、日本経済が良くなるどころか、格差と貧困が拡大しただけではありませんか。経産大臣の認識を伺います。
 こんな方向を続けていては国内経済も国民の暮らしも良くならないことを強く指摘しておきます。
 本法案の第一の問題点は、グリーン社会への転換の名の下に原発を強力に推進しようとしていることです。
 昨年十二月に決定されたグリーン成長戦略では、カーボンニュートラルへの挑戦を経済と環境の好循環につなげるための産業政策として位置付け、原子力を確立した脱炭素技術として最大限活用するとしています。法案でも、グリーン社会への転換のために活用する非化石エネルギー源から原発を排除していません。
 東京電力福島第一原発事故から十年がたっても、県の発表でも三万人を超える方々が避難生活を強いられ、原子力緊急事態宣言は発令されたまま、事故収束の見通しも立っていません。ところが、原発事故は終わったと言わんばかりに国民世論に反して原発に固執し、脱炭素を口実に原発の再稼働、推進に突き進むなど許されません。
 一方、ドイツでは、脱原発を決断し、来年には全原発が稼働を停止、全廃となる見込みです。世界全体でも、再エネの発電量が原発を上回りました。原発を温存することが再生可能エネルギーの導入を妨げています。原発ゼロを決断し、省エネ、再エネ中心のエネルギー政策へ転換するべきではありませんか。経産大臣の認識を伺います。
 菅総理は、温室効果ガスを二〇三〇年度までに一三年度比で四六%削減するという目標を表明しました。しかし、パリ協定の気温上昇一・五度抑制を実現するためには余りに不十分です。目標を見直すべきではありませんか。環境大臣に伺います。
 先日のG7気候・環境相会合では、石炭火力発電の全廃の提案に反対し、固執する日本の姿が浮き彫りになりました。石炭火力の輸出、国内発電とも全廃するべきではありませんか。経産大臣にお聞きします。
 第二の問題点は、中小企業の足腰の強化といいながら、淘汰、整理を進めようとしていることです。
 本法案は、コロナ禍を奇貨とし、産業の新陳代謝を掲げていますが、事業再構築を通じてリストラや中小企業の切捨てが促進されることも懸念されます。法案の基になった実行計画を取りまとめた成長戦略会議は菅総理の肝煎りで設置されました。菅総理から委員に任命されたデービッド・アトキンソン氏は、日本は中小企業が多過ぎる、半減すべきと主張、菅総理は、三月の参議院予算委員会でこの主張に共感したと明言していますが、梶山大臣も同じ認識か伺います。
 しかも、中小企業の生産性が低いのは規模が小さいからだとし、規模の拡大を強調しています。本法案も中小企業から中堅企業への発展を促進しようというものですが、考え方が根本から間違っています。日本の中小企業は、小さくてもきらりと光る技術で海外でも認められてきました。大きくなればいいというものではありません。
 二〇二〇年の中小企業白書も示しているとおり、中小企業の生産性向上を阻害しているのは、大企業に比べ中小企業は価格転嫁力が弱い、つまり、元請やお客さんから値引きを求められ、利益が確保できないことに一番の原因があります。だから、一人当たりの労働生産性が低く抑えられているのです。生産性を上げるというなら、まずは立場の弱い中小企業がきちんと価格転嫁できるよう、下請関係法制などの規制を強化すべきではありませんか。経産大臣の答弁を求めます。
 このことなしに規模の拡大だけを求めるなら、大事な技術を持っている中小・小規模事業者を切り捨てることになり、日本経済にとっても大きなマイナスになることを指摘し、質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣梶山弘志君登壇、拍手〕

#19
○国務大臣(梶山弘志君) 岩渕議員からの質問にお答えをいたします。
 持続化給付金の再給付や支援金の改善、規模別支援についてのお尋ねがありました。
 本年一月以降、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の影響を受けた事業者に対しては、飲食店に対する協力金、一時支援金、イベントのキャンセル費用に対する支援など、支援策を講じております。また、このほかにも、新たに創設する月次支援金や百貨店等の大規模施設支援などを講じてまいります。
 なお、一時支援金及び月次支援金の給付額は、事業規模が比較的大きい法人、比較的小さい法人のそれぞれについて、前年又は前々年同月の売上げから減少分に応じて変動をいたします。このため、支援金の上限額の範囲内で事業規模に応じた支援をするものとなっております。
 加えて、現在実施している支援策は、全国全業種一律のものではなく、時短要請などの地域や業種ごとに様々に講じられている措置の内容に応じてきめ細かく支援を行うものであります。また、地方創生臨時交付金を活用し、自治体が地域の実情に応じた独自の支援策を講じることを応援をしております。
 国が全国一律に対応した持続化給付金及び家賃支援給付金は、新型コロナの経済に与える影響が未知である中で一刻も早い支援が必要であったため講じた政策であり、その再給付は現在考えておりません。
 今後とも、自治体とも連携しつつ、影響を受ける事業者にターゲットを絞り、きめ細かく事業者支援を講じてまいります。
 産業競争力強化法による措置の格差や貧困の拡大に係る影響についてのお尋ねがありました。
 競争環境や需要構造の変化等に伴い、企業の事業に栄枯盛衰を生じることは避けられないものであり、必要な構造改革を先送りし、不振の事業を放置し続ければ、そうした事業に係る資金や人材といった経営資源の価値が毀損し、経済全体に悪影響を及ぼすと認識をしております。
 産業競争力強化法や産業活力再生特別措置法は、企業が成長の期待できる事業分野に資金や人材といった経営資源を円滑に振り向けていくことを支援することで、産業構造や就業構造に転換を円滑化するものであり、これらの法律により格差や貧困が拡大したとの御指摘は当たらないと考えております。
 連合の調査によれば、二〇一四年から六年連続で今世紀に入って最も高い水準の賃上げが実現をし、最低賃金も政権交代後の七年間で百五十二円の引上げを実現をしております。今後も、成長と分配の好循環を実現していくことに全力を傾けていきたいと考えております。
 エネルギー政策の転換についてお尋ねがありました。
 エネルギーは全ての社会経済活動を支える土台です。我が国の国際競争力維持と雇用の確保のためには、事業者が安定的に事業を行うことが重要です。そのためにも3EプラスSのバランスを取りながら安価なエネルギーの安定供給を確保することは、いつの時代、いかなる状況下においても最重要課題と認識をしております。
 3EプラスSの全てを満たす完璧なエネルギー源が存在せず、今後の革新的技術の進展や社会の変容などの不確実要素があることを踏まえれば、徹底した省エネと再エネの最大限導入に加えて、原子力、火力、水素、アンモニアなどあらゆる選択肢を追求し、カーボンニュートラルの実現を目指すことが重要と考えております。
 その上で、安定かつ安価な電力供給や気候変動問題への対応などを考えれば、安全確保を大前提とした確立した脱炭素電源である原子力の活用は欠かせないものと考えております。エネルギー基本計画の見直しに向けては、こうした観点を踏まえて集中的に議論し、結論を出してまいります。
 G7気候・環境大臣会合を踏まえた石炭火力政策についてお尋ねがありました。
 今回のG7閣僚声明では、石炭火力輸出支援の厳格化という我が国の方針を説明し、各国から一定の理解を得たところであります。世界でカーボンニュートラルを目指していく中、全ての国が一足飛びにネットゼロを達成できるとは限りません。途上国の実効的な脱炭素化を促すためにどのような対応が必要なのか、引き続き検討してまいります。
 また、エネルギーをめぐる状況は各国千差万別です。資源が乏しく、周囲を海で囲まれた我が国では、多様なエネルギー源をバランスよく活用することが重要であると考えております。
 このため、国内石炭火力については、全てを廃止するのではなく、安定供給を前提にその比率をできる限り引き下げていくことが基本となると考えております。このため、二〇三〇年に向けて非効率石炭のフェードアウトを着実に進めるとともに、二〇五〇年に向けては水素、アンモニア等を活用した脱炭素型の火力に置き換えていく取組を促進をしてまいります。
 中小企業が多過ぎるとの主張についてお尋ねがありました。
 私としては、生産性の低い中小企業の数が多過ぎるために合併や淘汰を進めるべきとは考えておりません。中小企業の生産性を向上させ、足腰を強くしていくための施策を推進していくことが政府の役割であると考えております。この点について、菅総理大臣も、中小企業政策は中小企業を淘汰することが目的ではなく、海外で競争できるような企業を増やしていくことが重要であると国会で答弁をされております。
 中小・小規模事業者は多種多様であり、業種、地域ごとに役割も在り方も違うため、それぞれの役割に応じて支援を行っていくことが重要であると考えております。引き続き中小企業のそれぞれの役割に応じてきめ細かく支援を行ってまいります。
 下請関係法制等の規制強化についてお尋ねがありました。
 御指摘のとおり、中小企業の生産性向上を実現するためには、下請中小事業者から親事業者への適正な価格転嫁等の取引適正化が重要であります。
 そのため、今回の法改正において、規制法である下請代金法により、適用対象の広い下請振興、失礼しました、下請代金法よりも適用範囲の広い下請振興法の改正を行うことで、より広範な下請取引の実態について国が調査を行うことができる規定を新たに盛り込みました。この規定に基づき、全国百二十名の下請Gメンによる取引実態の把握を強力に進めるとともに、振興基準に照らして問題となる事例については、業所管大臣による指導、助言につなげていくなど、大企業と中小企業との適正な取引を促してまいります。
 また、下請代金法については、引き続き、公正取引委員会と連携して、下請中小企業がしっかりと価格転嫁ができるよう厳格な運用に取り組んでまいります。(拍手)
   〔国務大臣麻生太郎君登壇、拍手〕

#20
○国務大臣(麻生太郎君) 岩渕議員から、インボイス制度、消費税の減税について、二問お尋ねがあっております。
 インボイス制度は、複数税率というのを行っております下では、適正な課税を行うためには必要なものであり、また、税額が明確になり、価格転嫁が行いやすくなることも期待をされております。制度の円滑な導入というものを図る観点から、事業者の準備などのために十分な期間を設けているところであり、延期や凍結といったことを考えているわけではありません。
 今後とも、制度の円滑な導入に向けて、関係省庁間で連携し、周知、広報を始めとして必要な取組を進めてまいりたいと考えております。
 もう一問、消費税の減税についてのお尋ねがありました。
 消費税につきましては、急速な少子高齢化等を背景に、社会保障給付費が大きく増加していきます中、国民が広く受益をいたします社会保障の費用をあらゆる世代が広く公平に分かち合うという観点から、社会保障の財源として位置付けられておりますのは御存じのとおりです。
 令和元年の消費税率の引上げは、全ての世代が安心できる全世代型社会保障制度へと大きく転換していくためにどうしても必要なものであり、消費税を引き下げるということは考えておりません。
 政府として、令和三年度予算を着実に実行していく、執行していくということで、新型コロナ対策に万全を期してまいりますとともに、内需主導の経済成長を実現するなど、引き続き経済財政運営に万全を期してまいりたいと考えております。(拍手)
   〔国務大臣小泉進次郎君登壇、拍手〕

#21
○国務大臣(小泉進次郎君) 岩渕友議員にお答えをします。
 我が国の温室効果ガスの二〇三〇年度削減目標について、不十分であり見直すべきではないかとお尋ねがありましたが、不十分どころか、非常に意欲的な目標ではないでしょうか。
 国連気候変動枠組条約のエスピノーザ事務局長も、世界が日本の事例に倣うことを期待するとコメントするなど、国際的にも高く評価されており、先週開催されたG7気候・環境大臣会合で採択されたコミュニケにおいても、全てのG7メンバーによって発表された二〇三〇年目標に反映された大幅に強化された野心を歓迎する旨が記載をされたところです。
 今後重要なことは、目標の達成に向けた具体的な施策の実行です。環境省としても、地熱発電施設数の増加や、再エネとのセット導入による電動車の補助金倍増、自治体の再エネ導入の抜本強化などを進めています。
 現在、地球温暖化対策計画等の見直しを行っており、今後更に施策を強化すべく検討を加速し、政府一丸となって削減目標の実現に全力を尽くしてまいります。(拍手)

#22
○議長(山東昭子君) これにて質疑は終了いたしました。
     ─────・─────

#23
○議長(山東昭子君) 日程第一 著作権法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。文教科学委員長太田房江さん。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
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   〔太田房江君登壇、拍手〕

#24
○太田房江君 ただいま議題となりました法律案につきまして、文教科学委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、著作物の公正な利用を図るとともに著作権の適切な保護に資するため、図書館が著作物の公衆送信等を行うことができるようにするとともに、放送同時配信等における著作物の利用を円滑化するための措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、図書館の設置者が支払う補償金の水準、不正行為を防止するための措置、権利者への適正な対価還元の必要性等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。
 質疑を終局し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────

#25
○議長(山東昭子君) これより採決をいたします。
 本案に賛成の皆さんの起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

#26
○議長(山東昭子君) 総員起立と認めます。
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
     ─────・─────

#27
○議長(山東昭子君) 日程第二 地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。環境委員長長浜博行さん。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔長浜博行君登壇、拍手〕

#28
○長浜博行君 ただいま議題となりました法律案につきまして、環境委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、我が国における脱炭素社会の実現に向けた対策の強化を図るため、二〇五〇年までの脱炭素社会の実現等の基本理念を新設するとともに、地域の再生可能エネルギーを活用した事業の実施に関する認定制度の創設、温室効果ガス算定排出量の報告制度の見直し等の措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、参考人から意見を聴取するとともに、本法律案における国民の位置付け、再生可能エネルギー導入に係る促進区域の設定の在り方、地域における脱炭素化に係る合意形成の在り方、温室効果ガス算定排出量報告制度の更なる充実の必要性等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終局し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対し附帯決議が付されております。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
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#29
○議長(山東昭子君) これより採決をいたします。
 本案に賛成の皆さんの起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

#30
○議長(山東昭子君) 総員起立と認めます。
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時四十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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