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2021/06/08 第204回国会 参議院 第204回国会 参議院 国土交通委員会 第20号 令和3年6月8日
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2021/06/08 第204回国会 参議院

第204回国会 参議院 国土交通委員会 第20号 令和3年6月8日

#1
令和三年六月八日(火曜日)
   午前十時三分開会
    ─────────────
   委員の異動
 六月三日
    辞任         補欠選任
     山下 雄平君     牧野たかお君
     横山 信一君     西田 実仁君
 六月四日
    辞任         補欠選任
     清水 貴之君     室井 邦彦君
 六月七日
    辞任         補欠選任
     西田 実仁君     下野 六太君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         江崎  孝君
    理 事
                足立 敏之君
                大野 泰正君
                青木  愛君
                杉  久武君
                浜口  誠君
    委 員
                朝日健太郎君
                岩本 剛人君
                金子原二郎君
                清水 真人君
                鶴保 庸介君
                馬場 成志君
                牧野たかお君
                増子 輝彦君
                渡辺 猛之君
                熊谷 裕人君
                野田 国義君
                森屋  隆君
                下野 六太君
                竹内 真二君
                室井 邦彦君
                榛葉賀津也君
                武田 良介君
                木村 英子君
   衆議院議員
       国土交通委員長  あかま二郎君
       国土交通委員長
       代理       石原 伸晃君
       国土交通委員長
       代理       津島  淳君
       国土交通委員長
       代理       小宮山泰子君
   国務大臣
       国土交通大臣
       国務大臣     赤羽 一嘉君
   副大臣
       国土交通副大臣  渡辺 猛之君
   大臣政務官
       国土交通大臣政
       務官       朝日健太郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        林  浩之君
   政府参考人
       特定複合観光施
       設区域整備推進
       本部事務局次長  高田 陽介君
       厚生労働省大臣
       官房高齢・障害
       者雇用開発審議
       官        達谷窟庸野君
       国土交通省大臣
       官房公共交通・
       物流政策審議官  久保田雅晴君
       国土交通省大臣
       官房危機管理・
       運輸安全政策審
       議官       馬場崎 靖君
       国土交通省総合
       政策局長     石田  優君
       国土交通省国土
       政策局長     中原  淳君
       国土交通省都市
       局長       榊  真一君
       国土交通省道路
       局長       吉岡 幹夫君
       国土交通省鉄道
       局長       上原  淳君
       国土交通省航空
       局長       和田 浩一君
       国土地理院長   野田  勝君
       観光庁長官    蒲生 篤実君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○水循環基本法の一部を改正する法律案(衆議院
 提出)
○政府参考人の出席要求に関する件
○国土の整備、交通政策の推進等に関する調査
 (国土交通省所管分野における官民連携の在り
 方に関する件)
 (鉄道施設の災害復旧に関する件)
 (新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた
 国土政策の在り方に関する件)
 (高速道路の料金体系の在り方に関する件)
 (地域における鉄道運行本数の削減に関する件
 )
 (航空機における障害者への合理的配慮に関す
 る件)
    ─────────────

#2
○委員長(江崎孝君) ただいまから国土交通委員会を開会をいたします。
 冒頭、私の方から提案をさせていただきます。
 この間、コロナの感染症対策もありまして、お手元にお水としてペットボトルを用意をさせていただいておりました。しかし、先般の国会でプラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律案が可決をされました。そういうこともございまして、当委員会としてもなるべくプラスチックは使わないような方向での議論を先ほど理事会でさせていただきまして、従来のピッチャー方式に戻させていただきたいということの理事会の結論でございます。ただ、どうしてもペットボトルでということであれば、ペットボトルも用意しておりますのでお申し付けいただきたいというふうに思います。
 もう一点、議論の中で、質疑者に対してピッチャーで用意した場合は水を提供しておりましたが、それについてはしばらく提供を控えさせていただきますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 そういう委員会の運営にさせていただきますので、理事会で決定させていただきました。どうぞよろしくお願い申し上げます。
    ─────────────

#3
○委員長(江崎孝君) 委員の異動について御報告をいたします。
 昨日までに、横山信一君、山下雄平君及び清水貴之君が委員を辞任され、その補欠として牧野たかお君、室井邦彦君及び下野六太君が選任されました。
    ─────────────

#4
○委員長(江崎孝君) 水循環基本法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、提出者衆議院国土交通委員長あかま二郎君から趣旨説明を聴取いたします。あかま衆議院国土交通委員長。

#5
○衆議院議員(あかま二郎君) ただいま議題となりました水循環基本法の一部を改正する法律案につきまして、提案の趣旨を御説明申し上げます。
 地下水は、身近な水源として多様な用途に利用され、広く地域の社会や文化と関わっている一方で、地盤沈下を始めとする地下水の過剰採取による障害は、その回復に極めて長期間を要するものです。
 また、地下水は一般的に地域性が極めて高く、その挙動や水収支等の実態が不明な地域が多いことから、新たに地下水の採取を制限する条例を設けようとする地方公共団体はその実態の調査を行う必要があることや、地下水が地方公共団体の境界を越えて流動するものであることから、地下水に対する取組を行うに当たっては、関係地方公共団体、関係者等から成る協議の場を設ける必要があることが指摘されています。
 これらの課題に対応し、地下水に関する健全な水循環の維持回復のため、国及び地方公共団体において、地下水マネジメントの取組を一層推進していくことが求められています。
 本案は、このような状況に鑑み、地下水の適正な保全及び利用を図るため、水循環に関する施策に地下水の適正な保全及び利用に関する施策が含まれることを明記するとともに、水循環に関する基本的施策として地下水の適正な保全及び利用を図るために必要な措置を追加するもので、その主な内容は次のとおりであります。
 第一に、国の責務に関する規定において、国が総合的に策定し、及び実施する責務を有する水循環に関する施策として、地下水の適正な保全及び利用に関する施策を含むことを明記することとしています。
 第二に、水循環に関する基本的施策として、地下水の適正な保全及び利用の規定を追加し、その内容として、国及び地方公共団体は、地下水の適正な保全及び利用を図るため、地域の実情に応じ、地下水に関する観測又は調査による情報の収集並びに当該情報の整理、分析、公表及び保存、地下水の適正な保全及び利用に関する協議を行う組織の設置、地下水の採取の制限等の必要な措置を講ずるよう努めることとしております。
 以上が本案の趣旨であります。
 何とぞ速やかに御賛同いただきますようお願い申し上げます。

#6
○委員長(江崎孝君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。

#7
○青木愛君 立憲民主・社民の青木愛です。
 今日は、議員立法ということで質問をさせていただきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 まず、今回の改正案では、地下水に関する健全な水環境の維持回復を明確にし、改正案の第四条に、国が責務を有する水循環に関する施策として地下水の施策を含むことを明記しました。また、改正案十六条の二で、地下水の適正な保全及び利用に関する協議を行う組織の設置について努力義務を定めております。
 まず、本改正により期待される効果について、あわせて、この協議を行う組織、協議会でありますが、水を取り巻く法制度には多くの協議会が存在します。今国会で成立した流域治水関連法にも協議会が存在しております。それぞれの協議会の位置付け、また関係性についてお聞かせください。

#8
○衆議院議員(石原伸晃君) 青木委員、御質問ありがとうございました。
 今回の改正は、国、地方公共団体、事業者及び国民の責務に関する規定における地下水の位置付けを明確化するとともに、水循環基本法に基づく水循環基本計画で推進することになっておりますいわゆる地下水マネジメントの考えを参考にした努力義務規定を法令上明定するものでございます。もう委員の御指摘のとおりでございます。
 地下水マネジメントにつきましては、これまで政府において水循環基本法に基づき各種取組が推進されてきたところではございますけれども、提案者としては、このような法改正が行われることによりまして、国、地下水マネジメントに取り組もうとする地方公共団体にとって取組の更なる推進を後押しする、こういうものと考えさせていただいているところでございます。
 あわせて、御質問をいただきました水循環基本計画に基づく流域水循環協議会は健全な水循環の維持回復のための計画を、また、流域水害対策協議会は河川における流域治水のための計画をそれぞれ協議する場であると承知しております。流域水循環協議会が俯瞰して全体を見るという構成になっているわけでございます。また、今回新設をいたします十六条の二の協議を行う組織としては、地下水の適正な保全及び利用に関する協議を行うことを想定させていただいております。
 これらの協議会等の関係については、流域治水は水循環政策の一部を構成するものと承知しており、流域治水と水循環政策を一体的に議論することによりまして双方の施策の充実が図られることを考えるため、提案者といたしましては、地域の実情に応じまして連携し、運営していただくことを期待しているところでございます。

#9
○青木愛君 御答弁ありがとうございます。
 私がこの水循環基本法に期待をしている案件を一つ御紹介をして、是非御見解をいただきたいと思っております。
 基本法の第十五条に、水量の増減、水質の悪化等水循環に関する影響を及ぼす水の利用等に対する規制その他の措置を適切に講ずるとあります。水質に言及をしています。日本には至る所で名水が湧き出ており、安全な飲料水を提供しております。飲料水として利用している地下水の水源地やその途中の流域で、生物に害を及ぼす汚染物質、例えば産業廃棄物からしみ出る化学物質、貴金属、廃油など、こうしたものが浸透しないように、そのおそれのある土地の利用に関しては慎重でなければならないと考えております。
 実は、私の地元千葉県君津市には、環境省が名水百選に選んだ上総掘りの飲料水が自然に湧き出ております。古くから飲み水や酒造りにも用いられています。わざわざ遠方からくみに来る方々もいらっしゃいます。そして、一昨年の台風十五号に房総半島が襲われた際、停電による断水が広い地域で発生いたしましたけれども、その際にも、この地域はこの自然の恩恵により生活用水のみならず飲み水にも全く困らなかった地域であります。ところが、この地下水の水源地に当たる丘陵一帯に広大な管理型の産業廃棄物処理場が増設されております。いまだに増築されている状況にあります。当然、地元の住民や自治体はこの建設に反対を示しております。
 本基本法第十六条第二項では、国及び地方公共団体は、流域の管理に関する施策に地域の住民の意見が反映されるように必要な措置を講ずるものともあります。飲み水などの生活用水として利用されるこうした地下水の水質に影響を及ぼす可能性のある土地利用に当たっては、地域住民の意見を踏まえた対応が図られるべきだと考えますが、是非御見解をお願いしたいと思います。

#10
○衆議院議員(小宮山泰子君) 青木委員におきましては、本法案に御期待をいただいているということで、ありがとうございます。
 お答えいたします。
 地下水の汚染防止に関し、委員御指摘の水循環基本法第十五条の水量の増減、水質の悪化等水循環に関する影響を及ぼす水の利用等に対する規制その他の措置を適切に講ずるとの規定については、水には地下水も含まれることから、当然地下水も対象となります。また、委員御指摘の水循環基本法第十六条第二項の地域の住民の意見が反映されるように必要な措置を講ずるとの規定についても地下水が対象となっております。
 今回の改正案では、国、地方公共団体、事業者において、地下水の適正な保全及び利用に関する施策を実施又は協力する責務があることが明確化されるところであり、提案者としては、国、地方公共団体、事業者においては、以上のような水循環基本法の規定及び今回の改正案の趣旨も鑑み、地域の実情を踏まえ、地域住民の意見が反映される措置を含め、適切な対応が図られることを期待しております。

#11
○青木愛君 御答弁ありがとうございます。
 ほかにも、沖縄市では、産廃業者のごみ山付近の地下水からPFOSなどの有機フッ素化合物が高濃度で検出をされております。また、茨城県日立市では、産業廃棄物処理場の建設に関して、また、住民が地下水汚染が避けられないということで反対を表明しているとも聞いております。
 是非、本基本法を基に対策が図られるべきことを期待しております。よろしくお願いいたします。
 最後の質問になります。
 本法案では、地下水を現場で守ってきた地方の取組を基礎としておりますが、他方、地下水は市町村また都道府県を越えて流れており、水循環計画は複数の自治体にまたがって策定する必要がございます。そのための専門家の育成、そしてネットワークづくりについて、最後にお聞かせください。

#12
○衆議院議員(小宮山泰子君) ありがとうございます。
 政府の水循環政策本部では、水循環アドバイザー制度を活用して地域の水循環を担う専門家の育成に取り組んでいるものと承知しておりますが、提案者としても、地域が抱える個々の問題を水循環の問題として捉え直した多面的な取組が重要だと考えております。
 一方で、水循環基本計画に基づく流域ごとの水循環計画である流域水循環計画に係る国の認定数は、全国で合計五十四に現在とどまっております。
 今回の法改正を通じ、さきに述べた水循環アドバイザー制度の更なる活用などにより、地下水の問題を始めとして、上下水道、水循環、水環境、防災など、自治体が抱える様々な水問題について、それぞれの地域にいる専門分野にたけた人材のノウハウを生かし、専門領域を広げ、ネットワークづくりを含め、地域全体を俯瞰した課題解決につなげる取組が増えることを期待しております。
 地下水に関しては、全国で様々な対策を取っていただいております。この皆様方の地域ごとにそれぞれの発展をされることも期待をしております。

#13
○青木愛君 御答弁ありがとうございます。
 この水循環基本法、平成二十六年に議員立法で制定されております。本改正を通して、更に健全な水循環の維持回復に大きな期待を、発揮することを期待をいたしまして、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。

#14
○武田良介君 日本共産党の武田良介です。よろしくお願いいたします。
 地下水は、身近な水源として多様な用途に利用されている、広く地域や社会、その文化と関わっておりますけれども、影響が生じれば、その回復に極めて長期間を要するものである、かつ、その挙動が必ずしも全て解明されているわけではない、不明な場合が多いということであります。
 そこで、今回の改正案では、責務に関する規定の整備として、国及び地方公共団体の責務に、水循環に関する施策に地下水の適正な保全及び利用に関する施策、これが含まれることを明らかにして、かつ、事業者及び国民の責務に当該施策への協力が含まれることを明らかにするものだというふうに承知をしております。
 まずお伺いをしたいと思いますけれども、事業者、国民の責務として国や地方公共団体が定める施策への協力を規定しているのは改正案のどこで読めばいいのか、お聞かせいただければと思います。

#15
○衆議院議員(津島淳君) 武田委員にお答えをいたします。御質問ありがとうございます。
 現行水循環基本法において、事業者の責務を規定している六条及び国民の責務を規定している七条では、事業者と国民は、それぞれ国又は地方公共団体が実施する水循環に関する施策に協力することとされております。
 今回の改正では、現行法四条の「水循環に関する施策」の後に、「(地下水の適正な保全及び利用に関する施策を含む。以下同じ。)」を追加することとしております。この「以下同じ」と付記することで、六条と七条でも四条と同様に、「国又は地方公共団体が実施する水循環に関する施策(地下水の適正な保全及び利用に関する施策を含む。)」と読めるようになっております。すなわち、事業者及び国民は、国又は地方公共団体が実施する地下水に関する施策に協力すべきこととなるわけでございます。
 以上です。

#16
○武田良介君 明確に御説明をいただきました。
 改正案のポイントとして、基本的施策の中に、地下水の適正な保全及び利用に関する規定、これを追加するということなんですけれども、この考え方の基本となる、先ほども少しありましたけれども、地下水マネジメントとはどういう考え方なのか、それから、先ほどもありました第十六条の二、これを新たに規定した狙いについて御説明いただければと思います。

#17
○衆議院議員(小宮山泰子君) 御質問ありがとうございます。
 地下水マネジメントとは、地下水に関する課題について共通認識の醸成や、地下水の利用や挙動等の実態把握とその分析、可視化、水量と水質の保全、涵養、採取等に関する地域における協議やその内容を実施するマネジメントをいうものであります。
 これまで、地下水マネジメントについては、水循環基本計画を踏まえ各種取組が推進されてきたところではありますが、十六条の二の新設によって地下水マネジメントの考え方を参考にした努力義務規定が今回法令上明定されることにより、国、地下水マネジメントに取り組もうとする地方公共団体にとって取組の更なる推進に向けた後押しになるものと考え、期待しております。

#18
○衆議院議員(津島淳君) 続けて、後半部分の質問にお答えをいたします。御質問ありがとうございます。
 現行の水循環基本法第六条において、事業者は、国又は地方公共団体が実施する水循環に関する施策に協力する責務を有すると規定されているところでございますが、今回の改正により、水循環に関する施策に地下水の適正な保全及び利用に関する施策が含まれることが明らかになりました。御指摘の、地下水の適正な保全及び利用に関する協議を行う組織の設置又はこれに類する業務を行う既存の組織の活用は地下水の適正な保全及び利用に関する施策の代表的な例でございまして、事業者はこれに協力する責務を有することになるということでございます。

#19
○武田良介君 今回の法改正に当たっても、地下水の保全、その利用に当たって、地方公共団体からヒアリングも行ったということでありました。非常に重要な指摘がここでなされていたんだろうというふうに思います。地下水に関する課題について共通認識を醸成していくこと、あるいは地下水の挙動などの実態を把握していくこと、地域における合意を大切にすること、いずれも大切な考え方だというふうに思いますし、地方公共団体からの、自治体の境を越えて挙動する地下水だからこそ協議の場も必要になってくるんだろうというふうに理解をしております。
 第十六条の二には、国や地方公共団体の地下水の適正な保全及び利用に関する規定として、今ありました、地下水の適正な保全及び利用に関する協議を行う組織の設置又はこれに類する業務を行う既存の組織の活用が挙げられておりますけれども、事業者の責務において国や地方公共団体が定める施策への協力を規定しているという、今そういう御答弁だったと思うんですけれども、この協議を行う組織への参加を求める法的根拠、今回の法改正によってどう位置付けられているのか。今の御答弁と同じということになるんでしょうか。

#20
○衆議院議員(津島淳君) 武田委員の御質問にお答えいたします。
 ちょっと先走って私お答えした部分がございまして、大変失礼いたしました。武田委員、大変有り難くフォローをいただいて、感謝申し上げます。
 おっしゃるとおりでございまして、先ほどお答えした十六条の二における法的根拠というのが、第六条に、水循環に関する施策に地下水の適正な保全及び利用に関する施策が含まれることを明らかにしたということ、これがまさに法的根拠になるということでございまして、その代表的な施策として協議会あるいはそれに類する組織の活用ということがあるという、そういう整理でございます。
 ありがとうございます。

#21
○武田良介君 具体的なイメージということで、最後少し一点だけ聞かせていただきたいと思うんですが、私の地元長野県であります。リニアの工事による地下水の影響が懸念されている、そういったところもあるわけであります。南木曽町というところでは、三つの水道水源の下をリニアのトンネルが通るということがありまして、水がれが起こらないかという心配の声が上がっております。モニタリングなどをするということなんですけれども、仮に水がれが発生した場合に、市民の生活用水になるということでありますから、影響は甚大だということであります。
 そこで、南木曽町は、JR東海との協議を繰り返し行って、水道水源予備的措置及び水道水源への影響を把握するための水源調査について協定書を取り交わして対策を求めてきたという経過があります。
 しかし、先ほど、自治体ヒアリングの結果、私もちょっと紹介させていただきましたけれども、地方自治体の境界を越えて流動するものですから、私は、その南木曽町とJR東海との個別の対応だけで十分なのか、少し不安を感じているわけであります。
 リニアの話ですけれども、この南アルプスというのは世界的にも、プレートがぶつかり合って大変、今も隆起を続けている、変化に富んだところではないかなというふうに思っております。そういった成り立ちから考えても、あるいは南アルプスとしてのその地下水のマネジメントということを考えても、こういったところで、南アルプスというエリアで地下水について考えていく必要もあるのではないかと。
 地表水を考えれば河川を中心としたその流域の関係自治体ということになるかもしれませんけれども、必ずしも地表水と地下水の流れというのは一致しているわけではありませんので、そういったことも念頭に置くと、例えば地下水の構造の、地下構造の共通性、類似性というんでしょうか、そういったことから南アルプスの地域地下水協議会のようなものを設置するようなこともあり得るのかというふうに私考えたんですけれども、提出者の見解を伺いたいというふうに思います。

#22
○衆議院議員(小宮山泰子君) 御質問ありがとうございます。
 まずもって、御党の高橋千鶴子先生には、この法案を作るになりました超党派の水制度改革推進議連におきましても、共同代表として様々な御意見、御努力いただいていることに感謝を申し上げます。
 また、今委員指摘の地下水に関して、地下構造と地表との違いというものが明確になっていないということはそのとおりであり、それだからこそ、今回の法案において地下水というものが位置付けられることによって調査、また研究等も進んでいくということになるかと考えております。
 地下水については、特にその賦存する地下構造や地下水の利用形態が地域ごとに大きく異なるという特徴があることから、協議会については、地下水の適正な保全と利用の観点から、地域の実情に応じてその設置や既存の組織の活用が図られることが重要であると考えております。
 このため、提案者としては、地下水に関する調査分析等を進めつつ、地域の実情に応じて適正な対応が図られることを期待しております。

#23
○武田良介君 ありがとうございました。
 終わります。

#24
○委員長(江崎孝君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 水循環基本法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕

#25
○委員長(江崎孝君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、青木君から発言を求められておりますので、これを許します。青木愛君。

#26
○青木愛君 私は、ただいま可決されました水循環基本法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・国民の声、立憲民主・社民、公明党、日本維新の会、国民民主党・新緑風会、日本共産党及びれいわ新選組の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    水循環基本法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に万全を期すべきである。
 一 政府においては、地方公共団体が地下水の適正な保全及び利用を図るため、地域の実情に応じ、法令に違反しない限りにおいて条例で定めるところにより、地下水の採取の制限その他の必要な制限をすることができることについて、地方公共団体に対して、周知を行うこと。また、その条例制定等に関し、必要な助言等の支援を行うとともに、制定動向を把握し公表に努めること。
 二 地下水マネジメントを推進するため、地方公共団体等により観測されている観測データを集約し相互利用する地下水データベースの構築を推進するとともに、地方公共団体による地下水の適正な保全及び利用に関する協議会の運営や、地方公共団体等が行う地下水に関する観測等に必要な支援を講ずること。
   また、飲み水などの生活用水や農業用水としても利用される地下水の水質に影響を及ぼす可能性のある土地の利用に当たっても、地域住民の意見を踏まえた対応が図られるよう必要な措置を講ずること。
 三 法改正を踏まえ、水循環基本計画の改定等の必要性について検討を行うこと。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

#27
○委員長(江崎孝君) ただいま青木君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕

#28
○委員長(江崎孝君) 全会一致と認めます。よって、青木君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、赤羽国務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。赤羽国務大臣。

#29
○国務大臣(赤羽一嘉君) ただいまの御決議につきましては、その趣旨を十分に尊重し、努力してまいる所存でございます。

#30
○委員長(江崎孝君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#31
○委員長(江崎孝君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 衆議院議員は御退席いただいて結構でございます。ありがとうございました。
    ─────────────

#32
○委員長(江崎孝君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 国土の整備、交通政策の推進等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、特定複合観光施設区域整備推進本部事務局次長高田陽介君外十一名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#33
○委員長(江崎孝君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────

#34
○委員長(江崎孝君) 国土の整備、交通政策の推進等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。

#35
○熊谷裕人君 立憲民主・社民の熊谷裕人でございます。
 今国会、たくさんの質問の機会をいただきまして、委員長始め諸先輩方に感謝、御礼申し上げます。
 今日は二十五分の一般質疑、時間をいただきました。今日は、大きく二点、質問させていただきたいと思っております。
 一点は、民間連携のお話、PPP、PFIの推進について、国土交通省としてどのようなことを今後取り組まれていくのかにつきましてお尋ねをしたいと思っております。
 昨年七月に内閣府の方で成長戦略フォローアップが決定をされまして、この成長戦略の中で、次世代インフラということでPPP、PFI方式の導入加速ということが大きな柱になっておりまして、昨年七月もなおこの民間連携を進めていこうということがフォローアップをされております。
 その中で、様々な分野でこのPPP、PFIを進めていこうということが議論をされておりますが、中でも私は国土交通分野でこの民間連携というものが一番多く導入が期待をされているんではないかなというふうに思っておりまして、この内閣府の方で作られた成長戦略なり、またこの成長戦略の中にPPP、PFI推進のアクションプログラムということも規定をされております。
 こういったことに基づいて、国土交通省として、この内閣府のお決めになったところの中での担い手として、どのような分野が国土交通省として期待をされていて、そしてどのような意識を持ってこの民間連携に国土交通省として取り組んでいくのか、まずはお聞かせをいただければと思っております。

#36
○政府参考人(石田優君) お答えさせていただきます。
 成長戦略及びPPP/PFI推進アクションプランにおきましては、コンセッション事業、また事業収入などで費用を回収する事業、公的不動産の有効活用を図る事業を重点分野として、数値目標を設けて推進するとされております。
 国土交通省の所管分野におきましては、空港、下水道、道路、公営住宅、クルーズ船向けの旅客ターミナル施設、MICE施設のコンセッション事業などがこの重点分野の対象となっており、これらに係りますPPP、PFI事業を積極的に推進させていただいております。
 また、成長戦略では、これらに加えまして、利用料金が生じないインフラにおきますアベイラビリティーペイメント方式を含めましたPPP、PFI導入に向けた検討を進めることとされており、国土交通省では、この方式の導入を検討されます地方公共団体への支援を行っていくこととしております。
 国交省といたしましては、引き続き、関係府省庁と連携しながら、民間の創意工夫を生かしつつ、効率的かつ効果的で良好な公共サービスが実現されますよう、PPP、PFIを推進していきたいと思っております。

#37
○熊谷裕人君 ありがとうございます。
 今御説明をいただきました。内閣府の方ではコンセッション方式を強力に推進をしていきたいということのようでございますが、私はどちらかというと、このコンセッション方式を国土交通省の所管分野に適用していくのはどちらかというと後ろ向きというか反対の意識を持っている方でございまして、コンセッション、運営権だけということになると、なかなか、民間のノウハウ導入をしてということであっても、民間なので、どうしてもその投資をしていただいた先へ返すとか、自分のところの利益というところが優先になってしまうんではないかなと、運営権だけということだとそういった懸念があるんではないかというふうに私は思っておりまして、なかなかこのコンセッション、運営権だけを民間にお願いをするというところについてはちょっと疑問を持ちながらの考えを持っているところでございます。
 そういった考えを持っている中で、今御答弁をいただいた空港だったり下水道だったり道路だったり公営施設、そしてクルーズ船のターミナル、そしてMICE施設といったところが国土交通省の所管分野になってくると思っておりまして、そのほかでいうと多分、水道とか文教施設ぐらいしかないのかなというふうに思っておりますので、やはりこの民間連携というとどうしても国土交通省所管分野が多くなってくるんだと思っております。
 これについて積極的に推進をしていきたいという御答弁もありましたが、このアクションプログラムは目標年次がございまして、その目標年次に向かって今どのような達成状況になるかを一度確認をさせていただきたいのと、それから、地方自治体への導入についても支援をというようなお話が今ございました。アクションプログラムの中に人口二十万人以上の地方公共団体へ導入を目指していくんだというようなことも書かれておりまして、人口二十万人以上の都市といっても、私はこれができるのは比較的規模の大きな都市だけだと思っておりまして、なかなか二十万人前後の都市でこの民間連携ということをしっかり取り組んでいくのは難しいというふうに感じておるんですが、その点、このアクションプログラムに規定をされている地方自治体への支援をどのようなことが考えられているのか、現状を含めて御答弁いただければと思います。

#38
○政府参考人(石田優君) お答え申し上げます。
 推進アクションプランで掲げられました目標のうち、空港につきましては目標六件に対して十二件、道路が目標どおりの一件、公営住宅が目標六件に対して十三件と、既に目標件数を達成しているものが一部ございます。
 一方、下水道とMICE施設につきましては、令和三年度、本年度までに各々六件ずつという目標となっておりますが、現時点で共に四件の達成となっておりまして、目標の達成に向けて引き続き必要な支援を行い、積極的に推進していきたいと思っております。
 また、クルーズ船向けの旅客ターミナル施設につきましては、令和元年度までに三件という目標でありましたが、達成は一件となっております。コロナウイルス感染症の影響を強く受けていることから、令和三年度以降の数値目標を改めて検討させていただいているところでございます。
 また、人口規模が小さいところの自治体につきましては、なかなかやはりPFIの導入が厳しい状況がございます。内閣府の調査を見ましても、人口二十万人未満の自治体の約九割においてPFI事業の実績がないというようなデータもございます。
 このため、中小規模の自治体におけます案件形成がPPP、PFIの推進を図る上で、その裾野の拡大において極めて重要というふうに思っておりまして、国土交通省におきましても、検討のための調査委託費の助成や専門家の派遣等の支援をこうした中小規模のところに対して重点的に行っているところでございます。
 国土交通省としましては、今後とも、効率的、効果的なPPP、PFI事業が公共団体の方に広がっていきますよう、支援を積極的に行っていきたいと思っております。

#39
○熊谷裕人君 ありがとうございます。
 空港だとか公営住宅のところは目標を達成をしていますという感じでした。
 道路が目標が一件で、一件だけ達成をしたということになっているんですけど、この道路がやっぱりコンセッションということになると私はなかなか難しいんじゃないのかなというふうに思っていまして、前に浜口委員が大臣とのやり取りの中で、道路は誰のものだというようなやり取りがございまして、国民のものだと。私も道路は国民のためにあるものだと思っておりますので、一部の利用者だけではなく、全ての国民が道路を使ったことで様々なところで恩恵を享受されるものなので、しっかりとそこは国が責任を持つべきであって、なかなかコンセッションというやり方、運営権をというやり方にはなじまないのかなというふうに思っております。
 有料道路だったり無料の道路だったりというところで適用のやり方というものはたくさんありますが、日本の国内では無料の道路についてコンセッションというやり方はなかなかできないと思っておりますし、有料道路についても、コンセッションというやり方ですと本当に果たして持続可能なのかなというような気もしておりますので、今後それについてまた様々な議論をしていきたいと思っております。
 その中で、PFI方式のやり方にも様々ありまして、サービス購入型、コンセッション型だったり、独立採算制型だったり、混合型だったり、有料のもので、その使用料だったり利用料というものを使いながら民間のノウハウを生かしていくんだというやり方が様々ありますが、国交省でも、先ほどの答弁の中に、アベイラビリティーペイメント方式を導入をしていくんだというような御答弁ございました。なかなか耳慣れない言葉だったのでちょっと調べさせていただいたら、なかなか面白いやり方で、アメリカなんかでは、有料道路なんかの建設をするのにこのアベイラビリティーペイメント方式を導入をして成果を上げているというようなこともございます。
 利用料だけで民間にお願いをするということではなくて、その管理だったり持続可能性だったりというところをしっかりと評価をして、公共側の方がそれに対してお支払をしていくというような形で成り立つ方式だと思っておりまして、これから、私は、もしPPP、PFIを導入させていくのであれば、このアベイラビリティーペイメント方式というのが我が国でもしっかりと研究をされて、導入をしていくことがいいんじゃないかなと個人的には思っておりまして、国交省としては、このAP方式についてはどんなインフラの維持に導入を検討しているのかというところをお尋ねをしてみたいと思っております。お考えをお聞かせいただければと思っております。

#40
○政府参考人(石田優君) お答えさせていただきます。
 厳しい財政状況の下で、インフラの老朽化が進んでいく中、民間の知恵等を活用して効率的な維持管理を行うことが必要となってまいります。このため、長期にわたって維持管理と改築更新をセットにし、成果や性能に基づいた契約とすることなどを内容といたしますアベイラビリティーペイメント方式の活用を図っていく必要があると考えております。
 国土交通省では、今年度から、道路、橋梁、公園などの利用料金の生じないインフラの維持管理におきまして、アベイラビリティーペイメント方式を活用する事業や包括的な民間委託等の導入を検討する地方公共団体に対しまして専門家を派遣し、案件形成を推進することとしております。
 引き続き、官民連携による効率的、効果的なインフラの維持管理が行われますよう、地方公共団体への支援を行ってまいりたいと考えております。

#41
○熊谷裕人君 ありがとうございます。
 この方式は、私は、今局長の御答弁で利用料を発しないインフラにも使えるというようなお話ございまして、これ本当、利用料が発生するものにも使えるし、発生しないものにも使えるというような方式であると思っているので、もう少し私も深く研究しながら、様々なところに導入をしていきたいなというふうに思っておりますし、最終的には高速道路に導入できれば面白いのではないかなというふうに思っていますので、しっかりと研究をしてまいりたいと思っていますので、今後また引き続きこの件についてはやり取りをさせていただければと思っております。
 続きまして、大きな二つ目の分野でございます。先日の議論の中でも少しありました、建設施工分野でのデジタルトランスフォーメーションの推進についてでございます。
 中でも、先般、航空法が通りました。その中でドローンについて様々なことが決められ、これからしっかりとその決められた決まり事の中で活用が進んでいくんだと思っておりますが、中でも、建設分野でこのドローンというのは、私はICT施工への第一歩として活用が進んでいくものだというふうに思っております。
 まず測量というところでこのドローンの活用というのが進んでいくと、全体、ICT施工の工事を導入していく端緒になるのではないかなというふうに思っておりますが、国交省としては、そこの測量分野でドローンの活用についてどのようにお考えなのか、お聞かせをいただければと思っております。

#42
○政府参考人(野田勝君) お答えいたします。
 国土交通省では、建設施工分野のデジタルトランスフォーメーション推進に向けまして、ドローンを始めとするICT技術の活用に取り組んでいるところでございます。
 国土地理院といたしましては、このドローンを用いた測量に関しまして、精度確保の基準や作業手順等を定めたマニュアルを二〇一六年に策定するなど、ドローンを用いました測量が円滑かつ安全に実施されるための環境整備に取り組んでいるところでございます。この結果もありまして、測量分野におきまして、ドローンですが、道路計画や河川計画などを目的といたしました比較的局所的な地図の作成であるとか三次元データの作成などの測量で活用が進められているというふうに認識しております。
 測量は、建設施工では最上流の工程というふうに認識しておりまして、引き続き、建設施工分野のデジタルトランスフォーメーションを推進するために、測量分野でもこういったドローンを始めとするICT技術活用に向けた環境整備に取り組んでまいります。

#43
○熊谷裕人君 ありがとうございます。
 今、工事分野の中でこの測量というのが最上流という御答弁もいただきました。やはりドローンを使って測量をし、そしてその3Dデータを基にして今度は設計をし、そしてその地理等のところを見てリモートでできるような重機を使って施工をし、そして完成した後も管理にドローンを使うというような形で、この3Dデータだったりドローンだったりというところは物すごくこれからの建設分野でのICT施工に寄与するものだというふうに思っておりますので、測量士さんたちがドローンを活用した測量ができるように是非御支援をいただきたいと思っておりますし、是非、地方自治体の方がこのICT施工が導入できるように、様々な、ドローンを端緒として、測量を端緒として、国交省として御支援をいただけるようにお願いをしておきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 次に、プロジェクトプラトーについてちょっとお尋ねをしたいと思っております。
 3Dモデルをつくって様々なところで活用していくという話を大臣も熱くこの委員会で語っていただきまして、私もこれからのこのプラトーを使った様々な取組に期待をしているところでございます。
 昨年度中に全国五十都市の3Dモデルを構築をするという話がございました。その進捗状況の確認をさせていただきたいのと、現行どのような活用がなされているかについてお聞かせをいただければと思っております。

#44
○政府参考人(榊真一君) お答え申し上げます。
 昨年度は、公募により選定しました全国五十六都市におきまして3D都市モデルを整備いたしますとともに、これを活用して、災害リスク情報を分かりやすく可視化し、まちづくりに役立てる取組など、様々なユースケース開発の実証実験に取り組みました。
 また、全国の地方公共団体や民間企業にプラトーに幅広く参画していただけますよう、実証実験で得られた活用事例や技術的知見につきまして3D都市モデル導入のためのガイドブックシリーズとして取りまとめ、3D都市モデルの導入ガイダンスあるいはユースケース開発マニュアルなど、十種類のマニュアル及び技術資料を公開したところでございます。
 今年度でございますが、脱炭素まちづくりの実現に向けたシミュレーションや自動運転モビリティーへの活用に向けた実証実験を行うなど、多様な分野でのユースケース開発等に引き続き取り組み、プラトーの普及促進に努めてまいりたいと考えております。

#45
○熊谷裕人君 ありがとうございます。
 すごく私このプラトーの取組に期待をさせていただいております。今御答弁ありました災害対応のところもそうなんですけれど、これからのまちづくりについても、3Dだったり、このプラトーの技術をもっと応用してVRみたいな形でしっかりと、この事業を進めると将来こういう町になるんだというようなことをVRで体験をしていただくことによって様々なところでまちづくりに対する理解だったり協力だったりというのが進んでいくものというふうに思っておりますので、是非、この3Dモデルをつくった上で、将来的には様々なところに活用、まちづくりだったり災害対策だったり様々なところに活用して、更なる発展というか、国民に対する、それから利害関係者に対する理解に活用していただければというふうに思っておりますが、将来的にどのような活用をしていくのか、もし、通告をしておりませんが、大臣、御所見がありましたらお聞かせをいただければと思います。

#46
○国務大臣(赤羽一嘉君) 今我が国は、近年、激甚化した災害が頻発していると、防災・減災が非常に重要なキーファクターの一つでもありますし、またコロナによって社会の変化というのは大変変わりつつあると。その中で、理想とすべきまちづくりであったり防災・減災の在り方ということが、まさにこのプラトーを導入すると、それは非常に様々なシミュレーションができるという意味で、私は大変優れ物ではないかというふうに思っているわけでございます。
 これ、クローズにするのではなくて、今国交省としても、これ全国どなたでもアクセスできるような、本当にどの地域でもまちづくりにこのプラトーを活用していただけるような基盤として完成させたいというふうに思っておりますので、そうしたことも、今五十六都市というのは実証実験的に行っているわけでございますが、これ成功をさせながら横展開をしていきたいと、こう考えているところでございます。

#47
○熊谷裕人君 ありがとうございます。是非、全国に広げていただければと思っております。
 これは蛇足なんですが、私もプラトーのホームページをのぞいてみました。私じゃちょっと太刀打ちできないようなホームページで、どうやって使うんだろうなというのはありましたけど、専門家が見れば分かりやすいのかなというふうに思っております。多くの方が是非活用ができるようにしっかりと推進をしていただければと思っております。
 私の質問は以上でございます。

#48
○森屋隆君 立憲・社民共同会派の森屋隆でございます。
 まずは、質問の機会をいただいたことに心からの感謝を申し上げたいと思います。
 今日は一般質問ということですから、私が国会議員にさせていただいて二年がたとうとしているんですけれども、少し振り返りますと、一年半はコロナの問題で大変な、今も続いていますけれども、議論をさせていただいたと思いますし、一昨年前については、台風や豪雨ということで、各委員の先生方からも様々なそういった御論議があったんだろうと思います。今日は、そういった観点から、災害復旧あるいはコロナの関係について、確認の意味も込めて質問をさせていただきたいと、こういうふうに思います。
 まず、鉄道の災害復旧についてお聞きをしたいと思います。
 国土交通省は、先月の十八日かと思います、昨年の七月の豪雨で被災をしましたくま川鉄道について、国が復旧支援の費用を九七・五%実質負担する支援策を発表したかと思います。本当に国の御尽力にこれは私は心からの敬意を表したいと、こういうふうに思います。
 そういった中で、この災害の復旧支援策について、大きく二つあろうかと思います。この復旧支援制度についてまずは御説明いただきたいと思います。

#49
○政府参考人(上原淳君) お答えいたします。
 豪雨や地震等の自然災害により被災した路線の復旧につきましては、鉄道事業者の資力のみでは復旧することが著しく困難である場合、国土交通省では鉄道事業者の経営体力も考慮しつつ支援を行っております。
 具体的な支援制度といたしましては、まず鉄道軌道整備法に基づく支援制度として、経営の厳しい鉄道事業者に対し国と自治体がそれぞれ復旧費用の四分の一を支援することが可能となっております。さらに、平成三十年六月の議員立法による改正によりまして、黒字の鉄道事業者であっても一定の要件を満たせば補助することが可能となるとともに、JR只見線のように、地方自治体等が鉄道事業者に代わって鉄道施設を保有するいわゆる上下分離方式を導入するなど、特に必要と認められる場合には補助率を四分の一から三分の一に引き上げることも可能となっております。
 もう一つ補助制度がございます。南阿蘇鉄道や上田鉄道、あるいは御指摘の今回のくま川鉄道のように、経営基盤の脆弱な鉄道事業者が大規模災害を受けた場合には、地方自治体等が鉄道事業者に代わってこれも鉄道施設を保有する上下分離方式を導入することを条件に、国と自治体がそれぞれ復旧費用の二分の一ずつを負担する特定大規模災害等鉄道施設災害復旧事業がございます。この場合には、地方自治体負担分の九五%に対しまして交付税措置が可能となっておりまして、地方自治体の大幅な負担軽減が図られているところでございます。

#50
○森屋隆君 局長、ありがとうございます。
 まず一つは、鉄道軌道整備法に基づく支援処置、事業ということで、説明にありました。これも当初は赤字の事業者ということであったかと思いますけれども、今局長からありましたように、議員立法の中で、平成三十年に、黒字であっても一部赤字路線についてはこの補填がされるということであったと思いますし、私が今日更にお聞きをしたいのは、もう一点のこの特定大規模災害、このくま川鉄道のところでございまして、今説明ありましたように、三年間の赤字ということと、そして上下分離が当然条件だということでございます。
 いろいろ現場からも、そして協会や団体からも御意見を聞くと、やはり民間鉄道、特に民間鉄道かと思いますけれども、三年間赤字というのは民間であればなかなか許されない条件の一つでもありまして、何らかの改善を求められる、当然だと思いますけれども、そういった中ではかなりハードルの高い状況があるのかなと思います。そしてもう一つは、やはり、これいつも述べさせていただいておりますけれども、コロナの関係でございまして、地方鉄道はそうでなくても脆弱な状態、これ大臣もよく発言をしていただいています、答弁をいただいています。人口が減って厳しい状況を何とか黒字にしている状況があるかと思います。
 そういった中で、私は今回のこのコロナのインパクトを考えた中で、災害がなければないにそれはこしたことないわけでありますけれども、やはり準備が必要だと思うんです。そういったときに、災害が万が一来た、そしてこの大規模災害の方が適用されない、こういうことになっては、私は、国民の移動、そしてそういった権利が守られないんじゃないかなと、こんなふうに思っています。
 いずれにしましても、そういった条件の緊急避難的処置といいますか、時限的処置でも構わないのかもしれません。そして、更に言えば、検討をしていただくという、こういった準備が必要かと思いますけれども、御意見いただきたいと思います。よろしくお願いします。

#51
○政府参考人(上原淳君) お答えいたします。
 令和元年東日本台風での上田電鉄の橋梁流失や、令和二年七月豪雨におけるくま川鉄道の橋梁流失など、自然災害の激甚化により、鉄道施設への被害も大きくなっているところでございます。
 さらに、委員御指摘のとおり、地方鉄道事業者は近年の少子高齢化や地方の人口減少などに加えまして新型コロナウイルスの影響で経営状況が厳しくなっていることから、鉄道事業者の努力だけでは被災した鉄道の復旧のみならず復旧後の維持コストの負担が困難となりつつあります。
 このため、近年の災害の激甚化により鉄道施設のみならず周辺の河川や道路なども被災することが増えておりますことから、河川や道路の災害復旧事業などと連携して復旧することで、鉄道施設単独で復旧するのに比べて鉄道事業者の負担を軽減し、さらに早期の復旧が図られるような取組を進めているところでございます。
 また、委員御指摘の特定大規模災害等鉄道施設災害復旧事業によりまして、国と自治体がそれぞれ二分の一ずつを負担する手厚い支援を講じておりますが、その条件としております上下分離制度につきましては、この上下分離制度の導入によりまして、鉄道事業者にとっては、施設の維持コストが負担軽減が図られる、さらに再度災害被災時の経営リスクも低減するということから、災害があった後あるいはその防災という観点からも、採算の悪い路線も維持可能となるような、そういう工夫になるというふうに考えておりまして、こうした支援制度を総合的に活用しながら、関係自治体の御意見も踏まえて、引き続き早期の災害復旧が可能となるような方策を検討してまいりたいと考えております。

#52
○森屋隆君 ありがとうございます。
 本当にいろんな面から、上田電鉄もそうだったと思いますけれども、一部上下分離を入れていただいたとか、いろんな知恵を出していただいて復旧を促進していただいたと、本当に感謝を申し上げるところでございますし、今も局長からありましたように、いろんなものを足しながら、自治体とも協議をしながら検討していただけるということで本当に有り難いと思っています。引き続きの御検討をお願いしたいと、こういうふうに思います。よろしくお願いをいたします。
 続いては、住宅の関係について少しお聞きをしたいと思います。住宅の災害復旧についてお聞きをします。
 これ、二〇〇六年に改正された、国が定めるこの盛土というんですかね、造成地の定義をまずはお聞きをしたいと思いますし、さらに、国が定めましたその盛土の大規模盛土は全国にどのくらいあるのか、あるいはその定義に当てはまらない造成地、盛土はどのくらいあるのか、ここの点についてお聞きをしたいと思います。よろしくお願いします。

#53
○政府参考人(榊真一君) お答えを申し上げます。
 平成十八年に改正されました宅地造成等規制法におきまして、宅地造成に伴う災害で相当数の居住者その他の者に危害を生ずるものの発生のおそれが大きい一団の造成宅地を造成宅地防災区域として指定することができるようになりました。
 造成宅地防災区域の指定基準でございますが、これは政令で規定をされておりまして、指定の対象となる宅地の規模等につきましては、盛土の面積が三千平方メートル以上の造成地又は盛土を行う前の地盤の傾斜が二十度以上で高さ五メートル以上の盛土を行った造成地、これらいずれかを満たすものとされており、これをいわゆる大規模盛土造成地として取り扱ってきているところでございます。
 その数でございますが、令和三年三月末時点で全国に約五万一千か所存在していることを確認しております。大規模盛土造成地に該当しない盛土造成地の数についてもお尋ねをいただきましたが、こちらは把握してございません。

#54
○森屋隆君 ありがとうございます。
 国が定めるものは五万一千ということで確認をさせていただきました。それ以外のものについては調査をしていないということでありますから、正確な数字は把握はしていないということかと思います。
 そんな中で、二〇一六年に発生をしました熊本地震でございますけれども、これが国の宅地耐震化推進事業の中で大きな被害を受けたところの復旧がされたのかなと、こういうふうに思っています。
 当然、大規模の造成地、今国が規定しております造成地に対して、何件ぐらいあって、そしてどういった対応をしたのか。そして、お聞きをしますと、国の規定ではない、大規模じゃなく小規模というんでしょうかね、そういった造成地についても対応していただいたと、こういうふうに聞いております。この対応と、そしてその件数が分かればお聞きをしたいと、こういうふうに思います。よろしくお願いします。

#55
○政府参考人(榊真一君) お答え申し上げます。
 熊本地震において被災した大規模盛土造成地につきましては、熊本市など六市町村六十七地区において宅地耐震化推進事業による復旧支援を行っております。さらに、熊本地震におきましては、二回の震度七の地震を含め震度六弱以上の大きな地震が七回発生し、比較的規模の小さい宅地被害が広範囲で多数生じたことから、これによる二次被害が懸念され、また被災地方公共団体の財政力も脆弱であったため、宅地耐震化推進事業を拡充し、支援を行っております。
 具体的には、従来は盛土上の家屋数五戸以上かつ盛土高さ五メートル以上等の要件を満たす盛土造成地を対象としておりましたが、盛土上の家屋数二戸以上かつ盛土高さ二メートル以上の小規模な盛土造成地も支援の対象といたしました。この拡充によって、熊本市など十一市町村五百七地区においても宅地の復旧支援を行ったところでございます。
 引き続き、宅地耐震化推進事業による宅地被害復旧の取組をしっかりと推進してまいりたいと存じます。

#56
○森屋隆君 ありがとうございます。
 大規模なものについては六十七地区、そして該当しないものに対しても高さを二メートルまで、あるいは家が二軒以上あれば対応していただいたということで、ありがとうございます。これが五百七地区あったということで、熊本地震、私は別に詳しいわけではないんですけれども、この地震で一万五千以上の宅地が被害を受けたというふうに聞いています。今、大分大きく被害対象を広げていただいて復旧をしていただいたと、こういうふうに認識をしておりますけれども、実はまだまだ手の届いていないところも、これ財政面等々いろいろありますから一概には言えないのかもしれませんけれども、またあるんだろうと、こんなふうに思っています。なるべく多く救済ができるように御尽力をお願いしたいと、こういうふうに思っているところでございます。よろしくお願いをいたします。
 次に、コロナの関係で質問をしたいと思います。
 長期化をしているこのコロナ、解雇や従業員の流出を防ぐために、政府も様々な支援をしていただいております。一つは雇用調整助成金かと思いますけれども、それで、もう一つは在籍出向の扱いがあろうかと思います。そして、今日も、今朝ほどですけれども、交通運輸あるいはホテルやサービス、観光の方々と状況、意見交換をさせていただいたんですけれども、この在籍出向、二月ですか、これ二月に少し制度変わったと聞いております。その状況をまずは教えていただきたいと思います。よろしくお願いします。

#57
○政府参考人(達谷窟庸野君) お答え申し上げます。
 先生御指摘の産業雇用安定助成金でございますが、令和三年二月五日の制度創設以来、その実績を申し上げますと、約三か月半たった五月二十一日時点でございますが、三千五百九十五人の労働者について本助成金を活用して在籍型出向を行う計画の提出があったところでございまして、このうち、業種別に見ますと、運輸業、郵便業からの労働者が最も多く、全体の約四二%に当たる千五百二十一人となっているところでございます。

#58
○森屋隆君 ありがとうございます。
 二月から新たな制度、産業雇用安定助成金ということで、全体では三千五百九十五人、割と高い数字かなと思っていまして、これからまたどんどん増えるのかと思います。そして、業種については、やはり運輸関係が四二%ということで、やはり人流を止めている中で、一方では物流関係では仕事が増えているところもありますから、そこのマッチングの中でやり取りがされているのかなと、こういうふうに感じております。
 私が今日意見の中でお聞きをしますと、やはり専門性の高い業種ということもありまして、新たな人を雇って、そしてすぐ仕事に就けるような状況がやっぱりないわけですね。例えば鉄道の運転士さんでいえば、一年間の教習があって、その費用も約一千万ぐらい免許取るまで掛かるということを考えれば、バスもタクシーも、あるいはホテルマンもそうかもしれませんけれども、やっぱり専門性が高いということで、この助成金を使わなくて、企業の中で出向をさせて何とかその働く場所をキープしているという、厳しいながらもキープをしているという、こんな意見も今日あったかと思います。
 是非私は、いろんな問題抱えているのかもしれませんけれども、こういうところにも助成ができるような形を検討していただきたい、こんなふうに思っています。今日のところは、これは要望として押さえて、ここで要望ということでお聞きをしていただければ結構かと思います。是非よろしくお願いをしたいと思います。
 次に、もう一点、持続可能な公共交通ということで、毎回同じようなことを質問しているかと思いますけれども、よろしくお願いしたいと思います。
 これもコロナで大分弱っている業種の方から御意見いただいております。今ありました、人流を抑制しているということで、公共交通を中心に、やはり、前回は航空法の問題もありましたけれども、大変厳しい状況が続いています。
 そんな中で、これも政府の方の支援として、大分地域では使い勝手も良かったというふうに聞いております地方創生臨時交付金でございます。地域の中で判断をしていただいて弱っているところに使っていただく、これはいいことだと思います。しかしながら、一方で、地域の中で判断をするということでありますから、鉄道やバスへ使った、あるいは病院へ使ったありますけれども、それに温度差がやっぱり多少なりともあったと、こういうふうな意見を聞いております。
 そしてもう一つは、先日総務省より少しレクチャーを受けました。これ、特別交付税の関係について、内容が少し変わったということでレクチャーを受けたんですけれども、特別交付税を交付するに当たって、病院だとかいろんな施設、その中に地方バスも含まれていまして、計算上ですけれども、協会が調べた中では、この全体的な交付金のパイは大体一兆円ぐらい毎年あるらしいですけれども、その中で、計算上積み上げていった全国の、これバスですけれども、地方バスのその交付税額は七百二十二億円、これ令和元年ですけれども、協会調べでありました。
 私は、この七百二十二億円あれば全国の路線バスを含めてバス会社は大体黒字化をされる、激変をするんじゃないかと、こんなふうに思っているところでございますけれども、実際は、先ほど言ったように、交付税でありますから、交付された後の使い道はやはり現地、地域の中で判断をするという性格のものだと思いますから、これは致し方ないのかなと思っています。
 そんな中で、あえて、少し早いのかもしれませんけれども、今回の地域公共交通確保維持改善事業の中で予算が二百六億円、令和三年度予算が二百六億円、そして令和二年度の第三次補正予算が三百五億円、十五か月予算ということで決めてもらっています。これは、特に今回コロナの関係がありますから、切れ目がないような予算処置だというふうに承知をしておりますけれども、私は、ここはやはりその十五か月予算じゃなくて、しっかり、二百億円台ではなく三百億ぐらいが、十年前を見れば三百億ぐらいをキープしていたわけでございますから、こういった予算取りが必要ではないかと、こんなふうに思うのですけれども、その辺について見解をいただきたいと、こういうふうに思います。

#59
○政府参考人(久保田雅晴君) お答え申し上げます。
 地域住民の日常生活や我が国の経済産業活動を支えるインフラとしまして極めて公共性の高い役割を担っている公共交通を取り巻く経営環境は、委員御指摘のとおり、人口減少、少子高齢化の進展に加えまして、今般の新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う移動の自粛等によりまして、一層の厳しさを増しておるところでございます。このため、政府といたしましては、そのサービスの継続を図るために、政策手段を総動員して、これまでも強力に支援措置を講じておるところでございます。
 委員御指摘のように、地方創生臨時交付金につきましては、これまでにも約千自治体におきまして約二千百の事業で公共交通事業者の感染対策や運行費支援、利用促進などのために活用いただいているところでございまして、今般また新たに事業者支援分ということで、公共交通事業者の支援が更に行われるように、改めて都道府県等に働きかけてまいりたいというふうに思っております。
 このほか、雇用調整助成金、これも相当な分活用させていただいておりますし、持続化給付金や、また政府系金融機関による資金繰り、業界横断的な支援措置を講じているところでございます。
 国交省といたしましても、業界のニーズ踏まえまして、地域の鉄道、バス、離島航路等の運行維持や感染症防止対策の強化につきまして、これまでにも昨年度の二次補正において約百三十八億円、三次補正におきまして約三百五億円、そして本年度の当初予算におきましても約二百六億円という形でこれまでにない手厚い支援を行っておるところでありまして、私どもとしましては、支援を必要とする事業者に少しでも早く交付できるよう取り組んでまいっておるところでございます。
 委員御指摘の地域公共交通確保維持改善事業のうち、路線バスやコミュニティーバスの、いわゆる地域の生活交通の確保のための予算につきましては、この制度が創設した平成二十三年度以降おおむね二百億円台という規模を維持しております。こういった予算に加えまして、バリアフリーの予算でありますとか観光インバウンドのための環境整備に関連する支援事業、そんなものを含めて、今後もしっかり予算の確保ができるように取り組んでまいりたいと考えてございます。

#60
○森屋隆君 御丁寧な説明、本当にありがとうございます。
 今いろんな支援をしていただいていることには承知をしているところでございます。しかしながら、やはり厳しい状況がなかなか改善されないのもありますし、一方では、そこで働く者がやはり厳しい状況の中でいろんな産業に比べても賃金、労働条件が低いということでありますから、引き続きよろしくお願いしたいと思います。
 最後になります。大臣、この二年間でやはり大きな台風、豪雨、そしてこの一年半のコロナ、交通運輸産業、サービス産業を含めて本当に厳しい状況、まだトンネルの先が見えていないわけでありますけど、是非、大臣から今後の展望、決意を聞かせていただきたいと思います。よろしくお願いします。

#61
○国務大臣(赤羽一嘉君) 先ほど局長からの答弁で、地方創生臨時交付金が大変多く活用していただいているというのは、それぞれ地方自治体にとって、それぞれの公共交通事業者、いかに大切にされているか、重要な役割を果たしていただいているかの証左だというふうに思っております。
 国土交通省としても、これまでとは比較すると相当大きな予算を積みましたが、多分この長期化するコロナ禍でなかなか十分だとは言い切れない状況ではないかというふうに思っております。今、全国の運輸局長に指示をしまして、例えばバス事業者でも四千社以上あります、なかなか直接連絡が取れない小規模零細の事業者も数多くあると承知をしておりますので、よくヒアリングというか御相談に乗らせていただいて、本当に構造的に、今、路線バスの赤字をこれまでは高速バスと貸切りバスの黒字で穴埋めをしていたような構造が根本的に崩れてしまっているというのは大変危機的な状況だというふうに認識をしておりますので、できるだけ丁寧に、あり得る支援策は全て投じながら、またそうしたことの状況を注視して、長くは続かないように頑張りますけれども、適切な支援策が取れるように緊張感を持って取り組みたいと、こう考えております。

#62
○森屋隆君 大臣、ありがとうございます。よろしくお願いします。
 終わります。

#63
○室井邦彦君 維新の会の室井でございます。
 早速質問に入らせていただきます。
 最初に、まず大臣のお考え、また見解についてお聞きをしたいと思っております。質問内容は、まず、コロナ禍における都市集積の重要度についてお伺いしたいと、このように思っております。
 新型コロナウイルスの感染拡大により、我が国のみならず全世界が、世界の経済の本格的な回復の見通しはますます不透明になってきておるというか、そのような難しくなってきている状態であります。
 一方、人口減少と世界的な低成長の中でも持続的な経済成長の実現と生活の豊かさをいかに確保すべきかと、そういうことを考えたときに、やはりデジタル社会の実現が、必要性が高まってくる、このように感じております。
 コロナ禍の下に、都市を取り巻く急速な環境変化を踏まえつつ、インフラ、社会保障、医療、介護、健康、そして国際競争力の向上の点からまちづくりの再構築が求められると、こう考えております。
 コロナ禍での感染者が都市に集中する要因として、人と人との密がますます強くなり、コミュニケーションが取ることが、ワーケーションという働き方がトレンドとして今注目を集めておりますけれども、大都市から地方への人口移動が見られる中、コロナ禍のシナリオ自体では都市への集積の可否が問われると、こう思っておりますが、これまでの都市集積が生産性の向上や国際競争力の強化に寄与すると理解されてきました。感染症対策は人の移動を制限し、都市集積を抑止しております。
 そこで、ウイズコロナあるいはアフターコロナの時代における都市政策の在り方として、経済成長における都市集積の重要性度は増していくと見るのか、どのようにお考えを持っておられるのか、お聞かせをいただきたいと思います。

#64
○国務大臣(赤羽一嘉君) 我が国は、戦後の高度成長期に、例えば東京や大阪に地方から人口が集中して、その中で経済成長を支えてきたという歴史があったと思いますが、それに対して、このコロナの蔓延になりまして、ある一部の評論家では都市への集積そのものを見直すべきだといった論調もあることは承知をしておりますが、しかし、私は、我が国全体の経済成長等々を考えると、主要都市の国際競争力の維持というのは、もうこれはなくてはならないものだというふうに思っておりますし、コロナ禍という新しい社会の変化の中で、従来型とは違った形で大都市に資金、人材、情報、技術等をいかに集積させるのかというのがこれからの大きなテーマだというふうに思っております。
 今、室井委員からのお話ありましたように、まさにデジタル革命がこれからの本当に出番だということで、こうしたことをどのように伝えていくのか。何回もここで御答弁させていただいておりますが、コロナ禍によって働き方が変わっておりますし、それによって住まい方も変わり、また国民の皆さんの価値観も変わっていく。今までよりは物理的には東京の一極集中は改善される傾向にあるかと思いますが、しかし、地方に住んだからといって都市に集積される情報ですとかそうしたものをアクセスできないという話では困るわけでありますので、そうしたアクセシビリティーとか、現実に交通ネットワークの強化ですとか、そうしたことをしていくことが今後の国土交通行政の大事なことだというふうに思っております。
 ですから、繰り返しになりますが、コロナ禍によって様々な社会の変化に先んじるような国土交通行政、まち、都市づくりをしっかりと実行していかなければいけないと、こう考えておるところでございます。

#65
○室井邦彦君 ありがとうございます。
 赤羽大臣はまだまだ若いですし、二十年たってもまだ七十代ということでありますから、私はもう既に七十を超えておりますので、やはりそういう意味では、将来、孫や今現在若い青少年が夢と希望を持って、やはり日本の国の発展、世界平和のために生きがいのある都市づくり、まちづくりを是非、こういうものは短期間でできるものじゃありませんが、しっかりと計画をして進めていっていただきたいと、このようなことをお願いをしておきたいと思います。
 続いて、第二問目は、防災を含む、ウエルネス分野などにおける官民の連携についてお聞きをしたいと思います。
 企業が巨大地震などの緊急事態に遭遇する、操業率が大きく落ち込むわけであります。何も備えを行っていない企業では、事業の復旧更に遅れて、事業の縮小を余儀なくされたり、最終的には復旧できずに廃業ということに追い込まれたりするケースが多々見られるわけでありますが、一方、BCPを導入している企業は緊急時でも中核事業を維持しつつ早期回復することができると、その後、操業率を一〇〇%に戻したり、その回復力といいますか、戻したり、また、さらに市場の信頼を得て更にその企業が、事業が拡大していくということも期待されると、このように思っております。
 そのような意味において、自治体が企業と推進するワーケーションの大都市での感染症を含む災害時のバックアップにもなる、企業と地域のBCPに貢献するという新たな官民連携によるまちづくりになると考えられると、このように思っております。
 そこで、都市部では都市再生特別措置法の都市再生安全確保計画制度によって防災分野、官民連携が図られているとお聞きしておりますが、自治体が企業と推進するワーケーションが企業と地域のBCPに貢献するという新しい官民連携に注目を集めておるわけでありますが、このデジタル時代の新しい官民連携の形による持続可能なまちづくり、特に防災だけでなくコロナ感染症を含むウエルネス分野においても推進していくことが重要になると考えております。
 そこで、国土交通省として官民連携によるまちづくりに今後どのように取り組んでいこうというふうに考えておられるのか、お考えをお聞かせをください。

#66
○政府参考人(榊真一君) お答え申し上げます。
 災害時のBCPといったお話もございました。テレワークの進展によって、働く場所の制約から解放され、どこにいても働くことができる環境が整いつつございます。こうした中でワーケーションのような新しいスタイルの働き方に対する関心も高まってきております。
 こうした動きを捉えて、例えば長野県の軽井沢町では、軽井沢でのリゾートテレワークを推進するため、観光協会や商工会、旅館組合などとともに軽井沢リゾートテレワーク協会を設立し、軽井沢全域でのテレワーク環境の整備や軽井沢での体験会の開催、テレワーク会場や宿泊先のあっせん、紹介など、官民一体となって様々な取組が進められております。こうした官民が連携した取組が、関係人口や交流人口の増加等による町の活性化にもつながっていくものと考えております。
 国土交通省におきましては、こうした取組を応援するため、令和二年度第三次補正予算より、テレワーク拠点の整備に取り組む自治体に対して財政支援を行っております。さらに、今年度からは、官民連携によって民間事業者が施設を整備する場合にも直接支援を行うことができるよう措置いたしました。
 また、ウエルネス分野でございますが、国土交通省ではいわゆるウオーカブルなまちづくりを進めております。街路や公園、広場など公共空間から民間の空き地や沿道の民間建築物に至るまで、町中のストックを上手に活用することによって、人と人とが交流し、居心地よく滞在できるような空間を官民一体で形成し、都市の魅力を高めていこうとする取組に対して、予算、税制等により支援を行っております。
 今後とも、官民連携によるまちづくりをしっかりと支援してまいりたいと考えております。

#67
○室井邦彦君 是非、しっかりとしたこの財政支援の方をまたしてあげていただきたい。最終的にはやっぱり財力というのが問題になってくると思いますので、よろしくお願いをいたします。
 続いて、コロナ禍における国土、都市の将来像についてお聞きをしたいと思います。
 コロナ禍は世界的に人々の行動を変容させておりますが、国土や都市の将来像を見えにくくしているということです。国土交通省としては、二〇五〇年を見据え国土づくりの理念や考え方を示す国土グランドデザイン二〇五〇を平成二十六年に取りまとめ、平成二十七年八月には新たな国土形成計画を閣議決定をしております。また、平成二十七年からおおむね十年間、令和七年まで国土づくりの方向性を定めていると承知をしております。対流が日本の活力の源泉となる考え方の下で、地域が、人、物、金、情報の双方向の活発な動きが地域に活力をもたらし、イノベーションの創出に大きく関わるというイメージであると理解しております。
 ここで、コロナの影響を踏まえ、国土構造、また都市構造の今後の方向性についてお聞きをしておきたいと思います。

#68
○政府参考人(中原淳君) お答え申し上げます。
 国土交通省では、現在、今般の新型コロナウイルスの感染拡大も踏まえながら、二〇五〇年の国土像とその実現に向けた政策の方向性を明らかにする国土の長期展望の検討を行っているところでございます。
 先月に最終取りまとめに関する議論が行われ、先ほど室井委員からもデジタルの重要性について御指摘がございましたけれども、デジタルを前提とした国土の再構築という大きな方向性の下、その実現に向けてローカル、グローバル、ネットワークの三つの視点が示されております。具体的には、地域で安心して暮らし続けることを可能とし、地方への人の流れも生み出す多彩な地域生活圏の形成、国際競争力の向上に向けた産業基盤の構造転換と大都市のリノベーション、情報通信、交通ネットワークや人と土地、自然、社会とのつながりの充実強化等の方向性が示されたところでございます。
 最終取りまとめでは、国土づくりの目標を真の豊かさを実感できる国土としており、これを前提に、引き続き今後の国土の方向性について検討を進めてまいりたいと考えております。

#69
○室井邦彦君 それでは、急いで最後の質問をさせていただきます。
 大阪・関西万国博と連携したまちづくりとIR整備についてお聞きします。
 大阪・関西万博が関西地域にもたらす経済効果は、東京五輪が、オリンピックが関東地域にもたらす経済効果を比較をしました。コロナ禍前の試算では、関西地域のGRP、地域総生産に対する万国博覧会の経済効果は二・五%、関東地域のGRPに対する東京五輪の経済効果は二・三%と、万博の経済効果の方が僅かに上回るという推計データが出ております。大阪に総合リゾート、IRが決定すれば、更に追加的な経済効果が見込まれると思います。
 ここで、大阪は、万博が開催される夢洲だけでなく、JR大阪駅周辺のまちづくりにおいて万博と連携した都市再生に期待が高まっておるわけであります。新しい都市の在り方を示す場となるわけでありますが、国土交通省としては今後どのような支援を講じていこうと考えておられるのか、またIR整備に向けた今後のスケジュールについてお聞かせをいただきたいと思います。

#70
○政府参考人(榊真一君) お答え申し上げます。
 大阪駅周辺では、緑とイノベーションの融合拠点を目指した、うめきた二期のまちづくりが進められております。具体的には、平成二十六年度から、関西国際空港への移動時間の短縮を図るためのJR東海道支線の地下化や新駅の整備が始まり、平成二十七年度からは、土地区画整理事業等による基盤整備が進められております。
 国土交通省におきましては、これら事業に対し、国際競争拠点都市整備事業等による支援を行っているところです。
 さらに、令和二年十二月からは、民間開発事業者によっていわゆる上物の整備が始まりました。エリア中央には約四・五ヘクタールにも及ぶ都市公園が配置され、これを中心に南北二つの街区が形成されることが予定されておりますが、世界中からビジネスや観光を呼び込み、産学官民の交流の中で新しい産業が生み出される、緑豊かで高質な都市空間の整備が進められております。
 この民間都市開発プロジェクトに対しましては、都市再生特別地区による容積率の緩和が行われたほか、昨年の九月、優良な民間都市再生事業計画として国土交通大臣による認定が行われ、税制支援を行っているところであります。
 今後、うめきた二期につきましては、令和七年の大阪・関西万博に先立ちまして、令和五年春には新駅の開業、令和六年には先行まちづくりを予定していると伺っております。
 国土交通省といたしましては、地域の意向も踏まえながら、今後とも必要な支援に努めてまいりたいと存じます。

#71
○室井邦彦君 ありがとうございます。
 委員長、終わります。

#72
○委員長(江崎孝君) IRの方の質問が残っていますけれども、よろしいですか。

#73
○室井邦彦君 手短に。

#74
○政府参考人(高田陽介君) IR整備につきましては、昨年末に基本方針を決定し、現在誘致を検討している各自治体において区域整備計画の認定申請に向けた準備が進められております。この区域整備計画の認定申請期間につきましては、新型コロナウイルスの影響下における各自治体の準備状況を踏まえ、二〇二一年十月から二〇二二年四月までとしたところです。
 また、我が国のIRの開業時期につきましては、今後誘致を希望する自治体においてそれぞれ具体的な検討が進められていくものと承知しておりますが、その整備に当たっては様々な手続や建設工事等に相当の期間を要することから、一つの目安として二〇二〇年代後半となることが想定されるものと考えております。

#75
○室井邦彦君 ありがとうございます。済みません。
 終わります。

#76
○浜口誠君 国民民主党・新緑風会の浜口誠です。よろしくお願いしたいと思います。
 早速質問に入ります。
 まず、今日は、新型コロナウイルスの感染リスクと公共交通機関との関係についてまずお伺いしたいと思います。
 鉄道ですとかあるいはバス、飛行機含めて公共交通機関においては、車内の換気ですとかあるいは消毒の徹底等を始め非常に徹底した感染対策が取られております。そうした中で、公共交通機関においてもクラスターの発生もこれまで生じていないという今状況です。一方で、国民の皆さんの中には、まだ公共交通機関に対しての不安意識というのがこれ根強くあります。
 我々としては、公共交通機関というのは極めて感染リスクの低い安全な移動手段であるというふうに受け止めておりますけれども、政府として、科学的根拠を踏まえて、公共交通機関における新型コロナの感染リスクをどのように分析、評価されているのか、その点をお伺いしたいと思います。

#77
○政府参考人(馬場崎靖君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、公共交通機関につきましては、まず事業者において、専門家の知見も踏まえて作成されました感染拡大防止ガイドラインに基づきまして、車内等の消毒や換気といった感染予防対策を徹底いただいております。また、利用者の皆様方に対しましては、マスクの着用や会話を控えること、それから車内換気への御理解、御協力、テレワーク、時差出勤への御協力について、アナウンスやポスターの掲示などを通じて呼びかけを行っているところでございます。
 このうち、事業者が講じております感染予防対策として、例えば換気の効果につきましては、航空機では機内の空気が三分で全て入れ替わるということ、それから鉄道では、これは通勤電車になりますが、空調装置と窓開けを併用することで車内の空気はおおむね二、三分程度で入れ替わるという、こういう実証研究結果がございます。
 このような事業者の取組及び利用者の皆様方の御協力もあり、公共交通機関の利用者においてクラスターが発生した事例はこれまでのところ承知しておらず、安全に御利用いただいているものと考えております。

#78
○浜口誠君 ありがとうございます。
 本当に、事業者の方もしっかりやっていただいていますし、この公共交通機関、安全な移動手段だということを、やはり国民の皆さんにあらゆる手段を通じてしっかり周知、PRしていくというのがすごく大事だと思います。これは、まさに国も先頭に立ってそのPR、周知を是非お願いしたいというふうに思っているんですけれども、大臣、いかがでしょうか。この公共交通機関の安全性についての告知についてお願いします。

#79
○国務大臣(赤羽一嘉君) 公共交通機関の皆様方が万全な感染拡大防止対策を取っていただいておりますことはもう何度も繰り返し申し上げておりますし、そうしたことは国としてもできる限りの広報活動、周知活動をさせていただいておりますが、根強い、何というか、不安というか、それがあるのも事実でありますし、少し踏み込んで言えば、公共交通機関自体が安全対策を取っていても、それを利用する人たちが一定のマナーを守らなければ、感染リスクはゼロにならないという部分もあると思います。
 ですから、大事なことは、今の通勤列車においても、駅においても、飛行機においても、乗客の皆様に対して、マスクの着用ですとか、また大声での会話を慎むようにといったことのお願いをし、そうしたことが双方の努力が相まって感染クラスターが起きていないという、それが実態なんではないかなというふうに思っております。ですから、やっぱりそうした説明をした方が国民の皆様の方にはよりすとんと落ちるのではないかというふうに思っておりますし、ですから、そうしたそれを積み重ねていって信頼を勝ち得ていくということではないかなと。
 ですから、ただ、他方で、今、毎日、テレワークとはいえ相当数の国民の皆さんが通勤列車利用されているわけですし、飛行機も乗られている方は感染リスクを感じながら乗っている人はほとんどいませんし、それは積み重ねた信頼と、あと、例えば航空機なんかは、毎回乗るたびに航空会社の社長が必ず、毎回と言うとちょっとやや、ややと言うと余計なことですけど、あれだけ繰り返しているとみんなよく理解されているという、そうした努力は非常に効果もあったというふうに思っておりますので、それは引き続き、今、浜口さんが言われるように、しっかりやっていきますけれども、私が申し上げたいのは、交通事業者に対してのことだけではなくて、御利用される皆様にも、我々は、観光では新しい旅のエチケットと言っておりますけど、公共交通機関を利用される際のエチケットの徹底というのは同時に行っていかなければいけないというふうに認識をしているところでございます。

#80
○浜口誠君 大臣、ありがとうございます。
 まさに利用する側も、こういうコロナ禍の利用の在り方というのは再度認識をしていただく必要があると思いますが、その両面においてやはり国が先頭に立って、公共交通機関の利用の在り方、安全をしっかり確保していくためにどうすればいいのかということは、引き続き長期にわたって取り組んでいただきたいというふうに思っております。
 もう一つ懸念点があるのは、コロナ禍、長引いていますので、そうした中で、広域的な移動ですね、長距離移動すること、あるいは観光に対して、このコロナ禍が長引いていて、こういった行為は好ましい行為ではないんだ、行動ではないんだというような世論がこれ根深く浸透してきているんじゃないかなということに対して非常に懸念を抱いております。
 こうした、感染状況も踏まえつつだと思いますけれども、広域的な移動ですとか観光に対するマイナスイメージとか不安をやっぱりしっかりと解消していく、そのためにも、国がやっぱり前面に立って、こうした広域的な移動とか観光に対しての不安の払拭、解消を図っていくということ、国民の皆さんに対してそうした啓発活動というのを国がしっかりとやっていただくことが非常に重要だというふうに思っております。あわせて、観光ですとかあるいは宿泊、公共交通機関等の皆さんに対するやっぱり支援を、これ長期にわたって息の長い支援をしていくということが非常に重要になってくるというふうに思っております。
 こうした取組に対して、国としてどのようなお考えを持たれているのか、改めて確認をさせていただきたいと思います。

#81
○政府参考人(蒲生篤実君) お答え申し上げます。
 観光庁といたしましても、まずは国民の皆様が安全、安心に旅行、観光を楽しんでいただける環境を整えることが重要であると考えております。
 そのため、旅行者視点での感染防止の留意点等をまとめた新しい旅のエチケットにつきまして、交通事業者などにも御協力をいただきながら、ユーチューブや、空港、駅、ターミナルのサイネージ、駅、車内での動画配信、事業者各社のウエブサイトなどを活用いたしまして積極的に周知し、その励行を図っているところであり、引き続き周知徹底等を図ってまいりたいと考えております。
 加えまして、観光関連事業者さん自身におきましては、安全、安心に旅行できる環境づくりのため、感染拡大予防ガイドラインの実施を徹底することにより感染防止対策を講じていただいているところでございます。
 また、観光関連事業者さんに対する支援でございますが、GoToトラベル事業の再開が見通せない中で、これまでの取組に加えまして、感染状況が落ち着いている都道府県のいわゆる県民割事業や、宿泊事業者による感染防止対策等を支援する地域観光事業支援の迅速な実施を都道府県に重ねて依頼してきているところであり、また、県民割事業の支援対象となる予約販売期間につきましても、例えば本年十二月末まで延長するなどの検討を進めているところでございます。
 なお、公共交通事業者さんに対する支援でございますが、業界などのニーズを踏まえ、地域の鉄道、バス、離島航路等の運行維持や感染症防止対策の強化等につきまして、これまでの累次の補正予算や令和三年度当初予算により、これまでにない手厚い支援が行われているものと承知しているところでございます。
 いずれにいたしましても、観光庁といたしましては、感染状況を注視しつつ、引き続き、安全、安心な旅行環境の整備や観光関連事業者への支援の在り方につきまして、適切に検討、対応してまいりたいと考えているところでございます。
 以上でございます。

#82
○浜口誠君 長官、ありがとうございます。
 是非、観光関連産業の皆さん、本当に長引くコロナ禍で非常に大きな打撃を受けておりますので、今後も長期にわたる息の長い支援策、国としてしっかりとお支えいただくことを重ねてお願い申し上げておきたいと思います。
 それでは、次のテーマ、高速道路料金関係についてお伺いしたいと思います。
 今お手元に、各委員の先生方のところにお配りしてあります資料の一にも記載ありますけれども、これ、高速道路の基本的な料金体系ということで、国土交通省の資料をお配りしてあります。赤い太枠で囲んだところにターミナルチャージというのがこれございます。高速道路、あと本四道路のところがターミナルチャージと記載されておりますけれども。
 このターミナルチャージについては、昭和五十年頃に導入された、当時は百円ぐらいのターミナルチャージという水準だったというふうに承知しておりますけれども、そもそもこのターミナルチャージがなぜ導入されたのかという理由と、今のターミナルチャージ、ここに記載のように百五十円というような水準になっておりますけれども、この水準の根拠について改めて確認をさせていただきたいと思います。

#83
○政府参考人(吉岡幹夫君) お答え申し上げます。
 ターミナルチャージでございますけど、高速道路を利用する距離に関係なく、利用一回につき課す固定額として、今お話ありましたとおり、昭和五十年の料金改定時より一回当たり百円として対距離の路線に導入されておりまして、その後、平成元年より、現在、百五十円に引き上げておるという状況でございます。
 利用者の負担の公平を図る観点から、インターチェンジの建設費、管理費を含め料金収受コストについては、車種や利用距離に関係なく、インターチェンジを出入りする都度、一様に負担すべきと考えまして、利用距離に応じた料金に加え、ターミナルチャージを導入しているということでございます。
 なお、ターミナルチャージの金額でございますけれども、インターチェンジや料金徴収施設の建設費あるいは料金徴収経費などと高速道路の利用台数を用いて算出した額を基準として設定しているという状況でございまして、今のところ平成元年より変わっていないという状況でございます。

#84
○浜口誠君 ありがとうございます。
 一方で、この一般有料道路の中にはターミナルチャージがこれなしというふうに記載されていますけれども、これは何か違いがあるんでしょうか。高速道路、本四道路と違って、この一般有料道路にターミナルチャージがないというのは、どういった理由で課金されていないのか、確認させていただきたいと思います。

#85
○政府参考人(吉岡幹夫君) お答え申し上げます。
 一般有料道路につきましてはそれぞれの路線で償還するということでございまして、そういうことからターミナルチャージなしということで今までやってきているということでございまして、私、対距離と申しましたけれども、複数の路線が一体として償還するようなプール制を用いている対距離のところは、負担の公平性ということでターミナルチャージという考え方を入れて整理しているという状況でございます。

#86
○浜口誠君 全国の国民の皆さんにより高速道路を利用していただくためには、やはり高速道路を利用する方を増やしていく、利用する台数を増やしていく、さらに、利用された方は利用距離を長く利用していただく、このことが高速道路をより全国の国民の皆さんに利用していただくためには重要な視点だというふうに思っております。より多くの台数でより長く利用していただく、そのことが重要だという認識に対して、国土交通省としてどのように受け止めておられるのか、まず確認したいと思います。

#87
○政府参考人(吉岡幹夫君) お答え申し上げます。
 今、NEXCOが管理します高速道路における平成三十年の距離帯別の利用状況を見ますと、三十キロ以下の利用台数の割合が三分の二を占めるということでございまして、短距離が多く占めているということでございまして、お話ありましたとおり、高速道路の利用台数を増加し、また、一台当たりの走行距離が長くなれば、御指摘のとおり高速道路の利用促進が図られるというふうに認識してございます。このような話は、平成二十七年の社会資本整備審議会の国土幹線道路部会の中間答申においても、高速道路の交通量の分担率を欧米並みに上げるんだというようなことも言われているということでございます。
 そういうことのため、高速道路の料金につきましても、例えば一般道路が渋滞します通勤時間帯において高速道路を利用しやすくする平日の朝夕割引などを導入するとか、あと、スマートインターチェンジの整備を進めるとかなど、利用促進のための取組を進めているというところでございます。

#88
○浜口誠君 ありがとうございます。
 局長の方から、分担率を欧米並みに上げるためにもいろいろやらなきゃいけないことがあるんだという指摘もあったと。今、日本の分担率は二〇も行っていないですね。欧米は三〇超えています。一・五倍ぐらいですね。非常に高速道路をより欧米の皆さんの方が活用されているということです。
 なぜその活用が進まないのかという一つの要因は、やはり今の日本の高速道路は対距離料金、距離制料金になっていて、走る距離が長くなればなるほど高速料金が上がってしまうと、ここがやはり大きなネックになっているんじゃないかなというふうに思います。やはり長距離を利用する方にとっては、今の対距離料金は長距離利用を妨げる、あるいはちゅうちょさせる、そういう料金体系になっているんではないかなというふうに思いますけれども、その点、どのようにお考えでしょうか。

#89
○政府参考人(吉岡幹夫君) お答え申し上げます。
 高速道路の料金につきましては、他の多くの交通サービスにおける料金と同様、利用者負担の公平性を確保する観点から、利用度合いに応じて料金をお支払いいただく対距離制を基本としているという状況でございます。その上で、長距離利用の促進につきましては、長距離を利用した場合の料金を逓減する制度を入れるとか、あるいは観光振興を目的とした区間や期間を限定した周遊パスの販売、あるいは大口・多頻度割引やマイレージ割引による利用額に応じた割引の拡大などを実施しているという状況でございます。
 このような取組によりまして、対距離制を基本としつつも長距離利用を促進することは可能であると考えてございまして、引き続き利用促進に向けた総合的な取組を進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。

#90
○浜口誠君 ありがとうございます。
 私はずっとこの委員会でも、ワンコイン、五百円、定額制料金で、もっと距離に関係なく乗りやすい料金体系へパラダイムチェンジ図るべきだということを提案させていただいております。
 お手元に資料二お配りしております。これ、高速道路会社さん、あるいは国交省さんに大変御協力いただきまして、平成三十年度の時点でNEXCO三社は年間で二十八億台の高速道路の利用があるんですけれども、その利用された皆さんが、車両ごと、軽自動車、普通自動車、中型車、大型車、特大車、それぞれどれぐらいの料金の区間を何台利用されたかというのをこれ集計した表になっております。
 私の提案はワンコイン、五百円ですから、これで見ると五百円以下の利用台数は約十三億台です。四五%ぐらいですね。五百円を超える料金で利用されている方が約年間十六億台ということで、五五%ですね、こういう状況です。
 したがって、五百円の定額料金にすれば、値上がりする方は四割ちょっといらっしゃいますけれども、五割以上の方は値下げになるということで、より長距離を利用する方、とりわけ一万円以上の方もこれざっと見ると七百五十万台ぐらい年間で利用されていますので、非常に多くの方、物流関係の方も含めて、高速道路を利用するメリットが高まるのではないかなというふうに思っておりますけれども、国として、今の対距離料金にこだわって定額制料金を導入しないその大きな理由は何なのかということを改めて確認をさせていただきたいと思います。

#91
○政府参考人(吉岡幹夫君) お答え申し上げます。
 前からも申し上げているとおり、御提案の高速道路料金の定額制については、長距離と短距離の利用の負担の公平性が損なわれるのではないかということと、あと、短距離が割高になるため高速道路が利用されにくくなるおそれがあるのではないかという課題があるというふうに考えてございます。
 また、定額五百円につきましては、果たして渋滞は大丈夫なのかなという課題もございます。休日千円を導入したときに毎週ゴールデンウイーク並みの渋滞が発生したということでございますので、そういう激しい渋滞が発生するんじゃないかという課題もあるというようなことでございます。また、採算の問題ですね、定額五百円とした場合、収入が減少しますので、債務の確実な返済に支障が生ずるというおそれがあるということであります。
 いずれにしましても、今、料金につきましては幅広く議論を行って、高速道路を利用しやすい料金にしていくということが大事だというふうに思っておりますし、償還制度等につきましても、国土幹線道路部会という有識者会議でも議論しておりますので、そういう結果を踏まえて様々対応していきたいというふうに考えているところでございます。

#92
○浜口誠君 今、理由も幾つか挙げていただきましたので、次回はそれに対する反論も含めて議論を継続させていただきたいというふうに思っておりますので、今日はありがとうございました。
 以上で終わります。

#93
○武田良介君 日本共産党の武田良介です。
 コロナ禍で営業が悪化している鉄道事業による鉄道の減便問題について質問をさせていただきたいというふうに思います。
 まず、国交省に確認いたしますけれども、既に減便を実施している事業者は幾つあるのか、また、今後減便を検討している鉄道事業者、事業者名で教えていただけますでしょうか。

#94
○政府参考人(上原淳君) お答えいたします。
 鉄道事業者百七十五社に調査を行ったところ、現在までに減便を実施した事業者は七十八社ございます。このうち、ほとんどが利用状況と輸送力の乖離ということを理由にしておりますが、一部、新型コロナウイルス感染症の影響により経営が悪化していることを理由としているものがございまして、こちらが十八社ございます。
 また、今後新型コロナウイルス感染症の影響で経営が悪化していることを理由に減便を予定している事業者はございませんが、利用状況と輸送力の乖離を理由といたしまして運行計画の見直しを予定している事業者は、JR西日本、JR北海道、JR四国、近畿日本鉄道及び横浜市交通局の計五社であると承知いたしております。また、阪神電気鉄道が、減便を予定している近畿日本鉄道と相互直通運転をしていることから、これに合わせてダイヤ改正を実施する予定であると承知いたしております。

#95
○武田良介君 経営悪化を理由に十八社という話がありました。今後計画しているところ、まあちょっと乖離があるところという話で答弁されましたけれども、もう少し具体的に聞いていきたいと思います。
 鉄道の減便は、通勤通学など、沿線住民の方に大きな影響を与えることになります。安易に減便をしてしまうということは、私ならぬだろうというふうに思いますが、そもそも国交省はこの鉄道の減便に対してどういう立場で対応されているのかについて御説明をいただきたいと思います。

#96
○政府参考人(上原淳君) お答えいたします。
 鉄道の運行ダイヤの設定につきましては、鉄道事業者が輸送需要に弾力的に対応することができるよう、各事業者の自主性、主体性を尊重する観点から、鉄道事業法上、事前届出制とされているところでございます。
 一方で、鉄道は、地域住民の生活の足として、かつ経済産業活動の基盤といたしまして非常に重要な役割を担っていることから、減便の実施に当たっては、沿線自治体等の関係者に対し丁寧かつ十分な説明を行い、利用者の利便性の確保にできる限り配慮した上で行う必要があると国土交通省としては考えております。

#97
○武田良介君 具体的にもう少し見ていきます。
 JR西日本は、JR小浜線、それからJR越美北線の減便の検討をされております。これについて、どういう検討内容になっているのか、どういう減便を計画されているのか、今分かっているところで御説明いただけますか。

#98
○政府参考人(上原淳君) お答えいたします。
 JR西日本は、五月十九日に、本年十月のダイヤ改正におきまして、利用の少ない昼間時間帯等を中心といたしまして、列車本数と利用状況の乖離が大きい線区、区間で約百三十本の列車ダイヤを見直すと発表をいたしました。この中で、北陸エリアにおきましては小浜線、越美北線が対象になっていると承知いたしております。この小浜線、越美北線につきましては、新聞報道等がございまして、自治体の方からも心配をする声が上がりました。
 JR西日本からは、まず、減便については具体的な検討に入ることを対外的に明らかにした段階であって、ダイヤについての具体的な内容はまだ決まっていないこと、今回の減便は利用状況と輸送力の乖離に基づくものであり、輸送力の確保につきましては今後の利用状況に応じて柔軟に対応すること、また、今回の減便は廃線を前提としたものではないこと、最後に、自治体関係者に対し理解を得られるよう丁寧かつ十分な説明を行うことという四点につきまして、今回のダイヤ改正の考え方が本年六月三日に鉄道局に対して報告をされております。

#99
○武田良介君 廃線しないなんというのはもう本当に当たり前のことだと思いますけれども。
 今、報道もあったということが答弁の中にもありました。私も、報道を幾つか確認をさせていただきました。例えばこういうふうに言われております。もちろん、先ほど言われたように全体で約百三十本見直すという話なんですけれども、地元の福井新聞によりますと、小浜線は、敦賀から小浜の間、この間で三十本中十四本、それから、小浜から東舞鶴の間で二十六本中十五本、これが小浜線ですね。それから、越美北線、こちらの減便の検討対象は、福井と越前大野間の十八本のうち乗客が少ない十二本、越前大野―九頭竜湖間全九本、全体の八割近くに相当するというふうに言われているんですね。
 だから、これ、地元で衝撃が広がるのは本当そのとおりだというふうに思いますし、通勤通学にも使われております。そういうまさに生活の足だからこそ、これは大きな衝撃が広がっているんだというふうに思うんですね。
 局長にもう一点お伺いいたしますけれども、先ほども丁寧な説明がなければならないと御答弁でおっしゃられました。この減便について、沿線自治体や住民への説明はどうなっているのか、いつどこでどういった方にどういう説明がされたのか、御説明いただけますでしょうか。

#100
○政府参考人(上原淳君) お答えいたします。
 答弁にも関わることでございますが、先ほど委員が新聞報道につきましてお話をされましたが、それにつきましては、六月四日の同じ福井新聞におきまして、JR西の金沢支社長がその喧伝されています本数につきましてはそういうことではないということを言明をして、報道もなされているところでございます。
 JR西日本が本年秋に予定している減便予定の周辺自治体に対する説明につきましては、委員からの御指摘を受けまして調査を行ったところ、これまでに担当者レベルも含めまして三十七の自治体に対しましてこの発表の前に説明を行ったと聞いております。また、そのとき、自治体の皆さんにはダイヤの見直しの基本的な考え方を示したけれども、具体的な減便の対象となる内容につきましては今後検討した上で後日説明に伺う旨をお伝えしたというふうに聞いているところでございます。

#101
○武田良介君 私、今答弁にもありましたけれど、もう十日以上前から、いつどういう方に対してどういう説明がされたのか、答弁にあったように丁寧な説明が必要だということで、私ずっと資料を求めておりましたけれども、いざ今日質疑になって、今のような御答弁を初めて聞かせていただきましたのでちょっと分からないところありますが、今答弁の中にあった発表前に説明をしたと、その発表というのはいつのことを指しているんですか。

#102
○政府参考人(上原淳君) お答えいたします。
 社長会見の日ということでございまして、このときが初めて今回のJR西日本全エリアについての減便の方向性について説明をしたものでございますが、五月十九日だと記憶しております。

#103
○武田良介君 具体的なことではなくて、基本的な百三十本の減便だということだけ伝えたということを今答弁されたんだというふうに思いますけれども、例えば、福井市の地域交通課の担当者、先ほども担当者とおっしゃっておりましたけれども、具体的な打診がなく困惑しているという話が出ておりますし、同じく、具体的な数字や時期について一切聞いていなかった、これも大野市の交通住宅まちづくり課の担当者の方ということで出ております。
 私も、地方議員の方に、どんな説明があったのか、現場でどうなっているのかというのを聞かせていただきました。例えば、やっぱり福井市や大野市では、越美北線の減便について一切事前の説明は聞いていないと、報道を見て驚いたというのが実態だということを言われておりました。
 今答弁されたところでは、まだまだ、三十七の自治体ですか、誰がどういった内容で説明され、あるいはそれに対して自治体の方がどういう受け止めをされているのか、理解が得られているのかどうか、そういった点も含めてもう一度私説明を求めたいというふうに思いますが、国交省、説明していただけますか。

#104
○政府参考人(上原淳君) お答えいたします。
 現在、具体的な、どういう説明の仕方をしてどういう対応であったかということについては調査中でございます。
 一方で、先ほどから答弁いたしておりますとおり、今回事前に説明いたしたとJR西日本が言っておりますのは、今回の減便の基本的な考え方あるいはエリア等について説明をしたということでございますので、新聞報道にもなりましたが、先ほど委員が御発言された減便数については聞いていない、つまり、具体的な内容については聞いていないということにはなっているというふうに考えております。
 ただ、具体的なそのやり取り等につきましては今後調査をしてまいりたいと考えております。

#105
○武田良介君 大筋でも、百三十本減らすというのは、これすごいことだと思うんですよ。私、ほかの鉄道会社、事業者のところの減便見ましたけれども、特急だけですよと、だけと言っているかはあれですが、特急を中心にしていたり、あるいは本当に深夜帯、そういったところであったり、土日であったりと。そうじゃないんですね。平日の昼間百三十本という話が全体として出てきているわけですね。これは影響非常に大きいということは指摘をさせていただきたいというふうに思いますし、また改めて私のところに説明に来ていただきたい、重ねて求めておきたいというふうに思います。
 資料を今日配付させていただきました。
 小浜線の減便の検討に対して、福井県と嶺南六市町、それから京都の舞鶴市から、JR西日本の前田金沢支社長宛ての小浜線にかかる要望書、これが提出をされたということであります。
 小浜線にかかる要望書では、国民共通の財産であり、地域をつなぎ、沿線住民の暮らしを支える重要な交通機関である小浜線の利便性を維持するため、減便は行わないことと、こういうふうに要望をされているわけですね。要望書にはこういうふうに書かれています。小浜線は、敦賀―舞鶴間を結ぶ日本海側の幹線路線であるとともに、通勤通学や買物の移動手段として沿線地域の人々の暮らしを支え、産業や観光など地域振興に寄与する重要な交通機関と、こういうふうに紹介されています。さらに、利用促進にも取り組んできたことが強調されているんですね。
 福井県及び沿線市町では、小浜線を基軸とした嶺南地域公共交通網形成計画を策定し、小浜線各駅を起点とする交通結節点の整備や、駅へつなぐ新たな交通手段の充実など、小浜線を中心とした公共交通の活性化を今年度から積極的に進めることとしておりますというふうに述べているんですね。
 今度、六月四日金曜日には、福井県から赤羽国交大臣宛てに、JR小浜線および越美北線の維持・活性化に関する要望書、これ資料の二番ですけれども、提出をされたということであります。ここでも小浜線については、今言いましたような地域公共交通網形成計画、これを策定して、積み立てた基金を活用した小浜線活性化事業を行うとしていることが指摘をされておりますし、それから越美北線について、JR西日本と越美北線の観光利用促進に関する連携協定を締結し、沿線市への観光誘客を進めることとしていたやさき、減便の検討であり、大変遺憾であるというふうにされております。
 最後に大臣に伺いたいと思うんですけれども、こういうふうに嶺南地域では、地域公共交通活性化再生法、この法改正も受けて、公共交通網形成計画を策定していたところなわけですね。JR西日本とも協議を進めてきた。だけれども、それをJR西日本の方から覆すことに対する怒りなんじゃないかというふうに思うんです。この要望書をどのように受け止めになるのか、大臣の見解を伺います。

#106
○国務大臣(赤羽一嘉君) 地域から、地域住民の生活の足として、また今後の観光政策における重要なアクセスとして公共交通機関を守りたいというのは非常によく理解をしているところでございます。
 この具体的な路線について、先ほど局長からも答弁しているように、JR西日本から国交省に報告があったのは、ダイヤについての具体的な内容はまだ決まっていないということでありますから、やや私は少し報道が先走っているのではないのかなと。恐らく、当然、簡単にえいやとばかり、幾ら事業届出制だからといって、地域住民のこととか、地域、関係自治体と話合いもせずに減便をばしばしできるなんていうことは公共交通機関としては考えていないと思いますし、当然それぞれの丁寧な説明とか地元の希望とかということがあると思います。
 他方、しかし民間鉄道会社でありますし、その中で、先ほど局長からもありますが、利用状況と輸送力の乖離に基づくものということで、やはりこれは最後の手段として、やっぱりぎりぎりのところで私は許される話だと思いますが、本当に厳しいところであるならば、その状況の中でどうその地域の生活の足を確保するのかというのは、やはり国交省としてもしっかり考えなければいけないことであることは言うまでもないということでございます。
 いずれにしても、私たちの認識は、大枠として百三十本というのは、これ近畿地域全体も入れての構想だというふうに思っておりますし、具体的なことはまだ決めていないということでございますので、JR西日本に対しまして、関係地方自治体に対して、地方自治体に対して丁寧な説明をしながら、地元の意向も受け取って、我々に対して要望書もいただいておりますので、我々も、国土交通省としても関与していける範囲でしっかりと支援をしていきたいと、こう考えております。

#107
○武田良介君 もう時間ですので終わりますけれども、今でも便数が少なくて大変不便なんだと、これから更に減らされてしまうというのが地域住民の皆さんの声。あるいは、観光に対してこれからその路線をうまく活用していこうということも含めて考えていたところでの減便の計画、近畿ということでしたけど、近畿エリア以外のところで七十本減らすというのが西が発表している中身ですから、影響は甚大だということを申し上げて、質問を終わりたいと思います。

#108
○木村英子君 れいわ新選組の木村英子です。
 今回は、障害を持っている人たちにとっての飛行機の現状についてお話しします。
 現在、車椅子を利用する障害者が公共交通機関を使うとき、電車やバス、タクシーなどは自分の車椅子のまま乗れるように合理的配慮が少しずつ進んでいます。しかし、飛行機は自分の車椅子から降りなければ利用することができません。
 資料一の一を御覧ください。これは舩後靖彦議員が実際に飛行機に乗っている様子です。
 現在、航空会社によっては、座位が保てず、座席に座れないお客様に対して機内にストレッチャーが用意されます。ストレッチャーの設置には六席から九席が使われますが、舩後議員の場合は、資料一の二のように、六席分の上にストレッチャーを設置し、手前の通路側に三席の座席があります。
 また、資料一の三のとおり、舩後議員をストレッチャーに乗せるまでの移乗においては、介助者と乗務員数人で抱え、機内の狭い通路を横向きで移動しなければなりません。ふだん介護に慣れている人でも、初めて接する乗務員と息を合わせて移動するのはとても難しく、神経を使います。また、ストレッチャーの上まで持ち上げて移乗させるには、通路側の三席が足場を邪魔しているため、細心の注意を払わないと転倒の危険が生じるおそれがあります。また、車椅子に乗ることで体の安定を維持している障害者にとっては、自分の体に合わないストレッチャーに乗ってフライトすることは、身体的にも精神的にもかなりの苦痛を伴います。車椅子は生活する上で欠かすことのできない体の一部ですから、車椅子から離されることは命の危険を感じるほど怖いことなのです。
 また、このような負担に加え、ストレッチャーを利用する場合は、通常の座席料金とは別にストレッチャー料金も追加されるため、経済的な負担もあります。舩後議員が昨年の二月に東京から沖縄に行った際も、通常料金だと片道三万八千百十円のところ、ストレッチャー料金六万七千百円が追加され、片道十万五千二百十円が掛かり、さらに、介助者三人分の座席料金も含めると、合計で片道約二十二万円も掛かったそうです。また、人工呼吸器を使用している障害者の人がストレッチャーを使わない場合においても、呼吸器などの医療機器を置くために隣の座席料金を追加で求められることもあります。
 これは一例にすぎませんが、障害者の人が飛行機に乗る場合、身体的、精神的、経済的な負担がいつものしかかります。ですから、ストレッチャーや医療機器を置く座席の料金設定を見直すように、合理的配慮の観点から国交省として航空会社に助言、指導をしていただきたいのですが、どのようにお考えでしょうか。

#109
○政府参考人(和田浩一君) お答え申し上げます。
 御指摘の医療機器やストレッチャーを設置するために必要となる座席についても、通常の座席運賃よりも安価に別途料金が設定をされております。この料金は航空会社において様々な考慮を行った上で設定しているものと承知しておりますけれども、障害を持たれる方に精神的、肉体的な御負担になっているという御指摘も踏まえまして、更にどのような対応が可能であるか、航空会社とともに検討してまいりたいと考えております。

#110
○木村英子君 御検討をお願いいたします。
 次に、障害者が社会参加するには、あらゆる交通アクセスに合理的配慮が必要です。
 日本では合理的配慮という言葉がまだまだ社会に浸透しておらず、障害者への特別な配慮と認識されていますが、合理的配慮が進んでいるアメリカの状況や考え方は日本とは大分違います。
 資料二を御覧ください。
 聴覚障害を持った弁護士である田門浩さんが、アメリカでの合理的配慮に対する考え方をまとめた文章です。例えば、工場の入口に上り階段が取り付けられている場合、その階段は働いている社員が工場に入れるようにするための合理的配慮です。ですから、健常者のために階段があることが当たり前の合理的配慮であるように、障害者にとってスロープがあることも当たり前の合理的配慮ということになります。
 この工場の階段の例のように、人はあらゆる場面においてほとんど無意識のうちに何らかの形で合理的配慮を受けています。アメリカでは、そのような合理的配慮を障害者にだけ提供しないのは明らかに差別であると認識されています。しかし、日本ではスロープを取り付けることを特別な配慮と捉える風潮があり、合理的配慮への考え方が進んでいないことを表しています。
 飛行機においても、機内の設備は健常者が快適に乗れるように合理的配慮がされていますが、障害者が快適に乗れるようになるには健常者への合理的配慮よりも工夫をしなければならないため、健常者と平等の配慮が受けられない現状にあります。車椅子を利用する人は、健常者と同じように安心して飛行機に乗るために、自分の車椅子で飛行機に乗ってフライトすることを望んでいる人が多くいます。アメリカでは、十年前から車椅子のまま乗れる航空機の研究が行われており、ここ数年で開発が進んでいる状況です。
 重度障害者の息子を持つアメリカのミシェル・アーウィンさんは、車椅子で飛行機を利用する際の様々な困難に直面したことをきっかけに、自分の車椅子のまま乗れる飛行機を実現するため、二〇一一年の、オール・ウィールズ・アップという団体を立ち上げました。
 資料三を御覧ください。彼女は、飛行機の座席を取り外し空いたスペースに車椅子を固定するシステムを提案し、国や航空機メーカー、航空会社などに働きかけをしてきました。こうした活動が実を結び、航空機の座席メーカーであるモロン・レイブ・シーティングは、車椅子のまま乗れる座席のシステムを試作しました。
 資料四を御覧ください。この会社では、サイドスリップシートという座席を開発し、通路側の席を隣の席にスライドできるようにしました。この座席を応用して、資料五のように、通路側の席を窓側の席にスライドして収納し、空いたスペースに車椅子を固定できるようにしました。座席をスライドさせることによって一般の人と車椅子を利用する人の両方に対応できるため、航空会社が導入しやすくなっています。この試作品については、資料六のとおり、今年の夏にボーイングが用意するテスト環境で安全性などの試験を行うとの内容が報じられています。
 実際にモロン社に問い合わせたところ、今後も国やボーイングから必要な支援を受けられれば、一年半以内に実用化できると言っていました。一般的にこの座席を航空機メーカーが採用するかは、航空会社の要望次第となります。
 資料七を御覧ください。アメリカの航空アクセス法では航空機を利用する障害者への差別を禁止していますが、現在、この法律の改正案がアメリカの上院で検討されています。改正案には障害者のニーズに合わせた新しい飛行機の実現を保証することが盛り込まれており、車椅子のまま乗れる飛行機の導入が法的にルール化されれば、こうした航空機の開発、実用化がより早く進むと考えられます。
 車椅子を利用する障害者は、一刻も早く健常者と同じように安心して快適に乗れる飛行機を待ち望んでいます。既にアメリカでは開発が進んでいますので、日本においても自分の車椅子のまま乗ることのできる航空機の開発から導入までが早く進むよう、国が積極的に取り組んでいただきたいと思いますが、赤羽大臣のお考えをお聞かせください。

#111
○国務大臣(赤羽一嘉君) まず、先ほど触れられました合理的配慮ということについて一言申し上げたいと思いますが、私、バリアフリー法を二十年来取り組んでくる中で、よく発言をしておりますが、福祉政策としてではなく、当たり前の公共政策として取り組むべきだというふうによく発言してまいりました。それは、まさに今言われた合理的配慮、当然なすべき配慮だというふうな思いで取り組んできたと。そうした中で、新幹線のフリースペースの問題ですとか、駅でのエレベーター、エスカレーター、またホームドアの設置等々をやってきたということ、それは私の思いでもございます。
 加えて、その中で、飛行機の今御指摘のこの問題というのは、やはりバリアフリー政策の中でもなかなかやっぱり技術的にクリアするという意味では一番難度の高いアイテムの一つではないかというふうに思っております。アメリカ自体も、今お話がありましたように、航空機産業の最先端がアメリカでありますが、そこでもまだ開発中であって実用化されていないというふうに承知をしておりますので、これしっかり、今日お話もいただきましたので、国土交通省としても、当該座席のモロン社とボーイングの開発状況をしっかり注視しながら、こうした障害を持たれている方も利用しやすい航空機が我が国にも早く、早期に普及できるように、その開発や導入が促進されるような環境整備につきまして、米国などの海外の航空当局を始め関係省庁、メーカーや航空会社等とも連携をして、対応をしっかり検討してまいりたいと、こう考えています。

#112
○木村英子君 是非、開発の方、よろしくお願いいたします。
 では、終わります。

#113
○委員長(江崎孝君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後零時三十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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