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2021/05/28 第204回国会 衆議院 第204回国会 衆議院 環境委員会 第12号 令和3年5月28日
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2021/05/28 第204回国会 衆議院

第204回国会 衆議院 環境委員会 第12号 令和3年5月28日

#1
令和三年五月二十八日(金曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 石原 宏高君
   理事 勝俣 孝明君 理事 菅家 一郎君
   理事 土屋 品子君 理事 福山  守君
   理事 牧原 秀樹君 理事 生方 幸夫君
   理事 源馬謙太郎君 理事 江田 康幸君
      秋本 真利君    畦元 将吾君
      金子万寿夫君    神谷  昇君
      小島 敏文君    武村 展英君
      百武 公親君    古田 圭一君
      細野 豪志君    務台 俊介君
      八木 哲也君    逢坂 誠二君
      近藤 昭一君    篠原  孝君
      関 健一郎君    長尾 秀樹君
      堀越 啓仁君   松木けんこう君
      横光 克彦君    斉藤 鉄夫君
      田村 貴昭君    串田 誠一君
      森  夏枝君
    …………………………………
   環境大臣
   国務大臣
   (原子力防災担当)    小泉進次郎君
   経済産業副大臣      長坂 康正君
   環境副大臣        堀内 詔子君
   環境大臣政務官      宮崎  勝君
   環境大臣政務官      神谷  昇君
   防衛大臣政務官      大西 宏幸君
   政府参考人
   (内閣府大臣官房審議官) 村手  聡君
   政府参考人
   (内閣府政策統括官)   荒木 真一君
   政府参考人
   (警察庁長官官房審議官) 檜垣 重臣君
   政府参考人
   (消費者庁審議官)    片岡  進君
   政府参考人
   (復興庁統括官)     開出 英之君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房審議官)           小林 洋子君
   政府参考人
   (経済産業省大臣官房審議官)           矢作 友良君
   政府参考人
   (経済産業省大臣官房審議官)           後藤 雄三君
   政府参考人
   (資源エネルギー庁電力・ガス事業部長)      松山 泰浩君
   政府参考人
   (環境省大臣官房環境保健部長)          田原 克志君
   政府参考人
   (環境省地球環境局長)  小野  洋君
   政府参考人
   (環境省自然環境局長)  鳥居 敏男君
   政府参考人
   (環境省環境再生・資源循環局次長)        松澤  裕君
   政府参考人
   (防衛省地方協力局次長) 青木 健至君
   環境委員会専門員     飯野 伸夫君
    ―――――――――――――
委員の異動
五月二十八日
 辞任         補欠選任
  長尾 秀樹君     逢坂 誠二君
  森  夏枝君     串田 誠一君
同日
 辞任         補欠選任
  逢坂 誠二君     長尾 秀樹君
  串田 誠一君     森  夏枝君
    ―――――――――――――
五月二十七日
 瀬戸内海環境保全特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出第四三号)(参議院送付)
同月二十八日
 プラごみ削減、気候危機への対策に関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第一二二一号)
 同(笠井亮君紹介)(第一二二二号)
 同(穀田恵二君紹介)(第一二二三号)
 同(志位和夫君紹介)(第一二二四号)
 同(清水忠史君紹介)(第一二二五号)
 同(塩川鉄也君紹介)(第一二二六号)
 同(田村貴昭君紹介)(第一二二七号)
 同(高橋千鶴子君紹介)(第一二二八号)
 同(畑野君枝君紹介)(第一二二九号)
 同(藤野保史君紹介)(第一二三〇号)
 同(宮本徹君紹介)(第一二三一号)
 同(本村伸子君紹介)(第一二三二号)
 同(横光克彦君紹介)(第一二三三号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 瀬戸内海環境保全特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出第四三号)(参議院送付)
 環境の基本施策に関する件
     ――――◇―――――

#2
○石原委員長 これより会議を開きます。
 環境の基本施策に関する件について調査を進めます。
 この際、お諮りいたします。
 本件調査のため、本日、政府参考人として内閣府大臣官房審議官村手聡君、内閣府政策統括官荒木真一君、警察庁長官官房審議官檜垣重臣君、消費者庁審議官片岡進君、復興庁統括官開出英之君、厚生労働省大臣官房審議官小林洋子君、経済産業省大臣官房審議官矢作友良君、経済産業省大臣官房審議官後藤雄三君、資源エネルギー庁電力・ガス事業部長松山泰浩君、環境省大臣官房環境保健部長田原克志君、環境省地球環境局長小野洋君、環境省自然環境局長鳥居敏男君、環境省環境再生・資源循環局次長松澤裕君、防衛省地方協力局次長青木健至君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#3
○石原委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――

#4
○石原委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。細野豪志君。

#5
○細野委員 皆さん、おはようございます。細野豪志でございます。
 今、私、無所属の立場でございまして、こういう立場の私にも質問の機会をいただいた理事の皆さん、感謝申し上げたいと思います。また、委員の皆さんにもお時間をいただきまして、心よりまず御礼を申し上げたいと思います。ありがとうございます。
 早速、小泉大臣に質問させていただきたいというふうに思います。
 東日本大震災から、ちょうど十年という節目の年を迎えております。あの年、私は補佐官として原発事故の収束を担当いたしまして、その後、九月から環境大臣を兼務をいたしました。そのときに行った様々な政策決定の中で、非常にそれが今にも残っていて、そして今、小泉大臣が取り組まれている課題がたくさんございまして、その幾つかについて今日は質問したいというふうに思います。
 まず、中間貯蔵施設なんですけれども、中間貯蔵施設を造るという大前提が、最終処分は県外でということでありました。それは、仮置場にたまっている除染土を、一日も早く中間貯蔵施設に持っていってもらいたいという福島の要望があったわけですね。しかし、その一方で、中間貯蔵施設で最終処分されるということについては、これは反対だという意見もありまして、大変、十年前の秋、私も苦しんだんですけれども、最終的には今申し上げたような決断をさせていただきました。
 今回、五月の二十三日に、体調が優れない中で対話フォーラムを小泉大臣はされて、除染土の再生利用と最終処分について対話フォーラムをやられたということで、私も拝見をいたしました。大変中身の濃いものだったというふうに思うんですが、この対話フォーラムの成果というか、まず始めて、どのような感想をお持ちになったか、まず小泉大臣にお伺いしたいというふうに思います。

#6
○小泉国務大臣 再生利用のこの課題というのは必ず乗り越えて約束を果たさなければいけないというふうに思っている中で、第一回目としては、課題ももちろん感じましたが、一回目としては非常にいいスタートになったのではないかと考えています。
 まず、課題の方から挙げれば、例えば御指摘も、既に反応もいただいているんですけれども、パネリストの方が多くて、双方向のやり取りが少なかったと。次回以降、よりそういう双方向のやり取りが増えるような形というのは、改善点も感じられたなと思っています。
 そして一方で、非常に、双葉町そして大熊町の町長のビデオメッセージの分かりやすさ、そしてこちら側の説明は分かりやすかったという評価もいただきました。なおかつ、今回、オンラインということで、約千人ぐらい参加をいただいたわけですが、この内容のことをほかの人に話したいですかというアンケートに対しては、八割近くがイエスという回答をいただいているので、認知度を上げなければいけない、理解度を増さなければいけないという意味においては、一回目、非常に意義があったと感じています。
 また、特に私からは、地元大熊町出身の次世代の遠藤さんの言葉が重かったなと。持っていってほしいという地元の方の思いの中にも、単純に外に持っていけばいいというものではなくて、持っていった先の方が苦しむようなことはできる限りないように、どのように理解を得られるかというその思いを持っているということが内外に発信をいただいたということも、私は重要なことではないかと感じました。

#7
○細野委員 まず、私の率直な、この中間貯蔵に対してのこれまでの評価を申し上げますと、今年度中に仮置場から除染土が全て中間貯蔵施設に運び込まれる、そのことによって生活空間から除染土がなくなるというのは、本当によくここまで環境省も事業者の皆さんも頑張っていただいたと思うんですね。当初、仮置場を片づけるのに相当時間がかかるのではないかということも心配しましたので、ここはよく頑張ったと。
 しかし、一方で、私がやや誤算だと今感じているのは、再生利用がほとんど進んでいない。もう既に約八割の除染土が、八千ベクレル・パー・キログラムという、いわゆる安全性については問題のないレベルまで下がっているわけですね。これを再生利用しながら最終処分の可能性を探っていくはずだったのに、これができていない。
 正直申しますと、環境省の皆さん、努力をされていると思いますが、残念ながら、中間貯蔵施設から出ていったものはこれまでほとんどないわけですね。飯舘村の長泥地区で中間貯蔵に運ばずに再生利用している例はありますが、そのほかの例はほとんど見られない。
 そこで、まず環境大臣に申し上げたいのは、やはり最終処分場を探すというのは相当大変です、やらなければなりませんが。その方法は、具体的に私ちょっと案がありますので、また違う機会に申し上げたいと思いますが、しかし、それをやるためにも、再生利用、まず実績をつくっていくこと。
 私、少し前に環境省に、うちの部屋に鉢植えか何か持ってきてください、除染土、置いておきますから、安全性に問題がないのはよく分かっているからと申し上げたんですが、まだそれについては回答がありません。予想するに、環境省は管理をしなければならないので、そうやってあっちこっち持っていくのは避けたいということなんでしょうけれども、国会の中で、議員事務所で責任を持ってやり、それを報告するということでやれば、そういったことは問題ないはずなんですね。
 ですから、残念ながらまず一歩が踏み出せていない現状を、やはり大臣がアクションを起こしていただいて、小さいところからでいいので結果を出していただきたい、そう思っていますが、いかがでしょうか。

#8
○小泉国務大臣 同じような思いを私も持っていまして、まずは私の部屋から、環境省からということで、今、再生利用の土を利用した鉢植えを環境省と私の部屋でも置いております。
 もちろん、先生言ったとおり、環境省が管理をしますから、なかなか、分散をしたときに、その管理体制、これに対して不安もあってもいけないので、今は環境省だけということになっていますが、仮に本日、委員の先生方いられますが、各政党の皆さんを含めて、一緒になってどのように、政治主導で理解を広めていくためのことが何かできるかということであれば、そこは我々もしっかりと考えなければいけないし、ありがたい御提案でもあるというふうに思っています。少しでもそれが政治の側から、まずは理解を広げていくアクションがより広がっていくように、私も様々知恵を出して働きかけていきたいと思います。

#9
○細野委員 私が心配しておりますのは、中間貯蔵施設への除染土の運び込みが終わると、そこで再生利用ができずに固定化するのではないかということを心配をしています。もう今年度中です。ですから、今年度中には、小さな成果でいいので、今みたいな成果でいいので、結果を出していただきたい。特に小泉大臣というのは福島への思い入れが非常に強い方ですし、また国民的にも非常に、当然ですけれども、非常に信頼の厚い人ですから、そういった面で結果を出していただきたいというふうに思います。
 そして、もう一つ提案したいのは、やはり再生利用を更に進めていくためには、何らかの仕組みがないとうまくいかないのではないかということなんですね。
 先ほど大臣が、対話フォーラム、双方向でできたらよかったというふうにおっしゃいましたけれども、これはやりようによってはすさまじい反対に遭うでしょう。
 私もやや似たような経験をしていますのは、あの三・一一の後、福島県以外の瓦れきの処理を全国で、環境省でお願いをしたんですね。福島県以外ですから放射性物質について何ら心配なかったんですが、全国で大反対運動が起こりまして、本当に苦労しましたが、皆さんに頑張っていただいて、反対を乗り越えて、いろいろな自治体に受け入れていただいて、予定どおり、震災瓦れきの処理を終わったんですよ。
 今の状況というのは、幾ら、例えば道路の路盤材に使ってくださいとか、農地で有効に活用してくださいとか言っても、ボランティアでどこかの自治体にやってもらおうと思っても、これは無理だと思います。
 そこで、私は、例えば復興予算などを使って、道路や農地や、場合によっては処分場の覆土などでもいいと思います、そういったことを復興予算を使って積極的にやっていく。そして、その監視については、福島県内であっても福島県外であっても環境省がしっかりやっていくからということについて、仕組みをつくることによって前に進めていく、これをやらないと動かないと思います。
 小泉大臣に、この問題、直接イニシアティブを取ってやっておられるというのをよく私は承知していますから、是非、そこも形作り、ここで決断をいただいて前に進めていただきたい。これは私からの提案です。いかがでしょうか。

#10
○小泉国務大臣 前向きな御提案だと受け止めて、どのような形であれば再生利用の案件が実際に実証も含めて進んでいくのか、よく検討して議論していきたいと思います。
 ありがとうございます。

#11
○細野委員 全大臣が復興大臣でという思いでということを菅総理もおっしゃっていますよね。それを単なる言葉ではなくて形にするという意味で、小泉大臣がそこはもう政治同士の世界で大臣同士で話をして、そういう予算の仕組みを是非つくっていただきたいというふうに思います。
 次に、福島県の甲状腺検査の問題について御質問したいというふうに思います。
 当初、福島県の健康問題というのを何省で担当するのかということについては、非常に調整が難航しました。健康の問題ですから厚生労働省ということも考えたんですが、なかなか厚生労働省も前向きにならなかった中で、環境省の環境保健部がそれを担当して、ずっとやっていただいてきた。
 そして、福島県で行われた県民健康調査の中のメイン事業の一つが甲状腺検査だったわけですね。当初は、特にヨウ素の問題がありましたので、甲状腺がんが増えるのではないかという心配もあって、若い方々に甲状腺検査をするというのは県民の総意だったと思います。その判断は間違っていなかったと思います。
 しかし、十年たちました。明確に、福島県の子供たちに甲状腺がんの増加はない。県内で検査をやっても、浜通りと会津の間に違いはない。さらには、福島県外の若者も検査をしても、甲状腺がんの発生率については違いがないということが既に十年間で明確になっています。
 そして、逆に、甲状腺検査というのは、日本中はもとより、世界中で幅広く行われたことはないんですね、ほとんど。なぜかというと、甲状腺検査を積極的に検査する、甲状腺を検査するということについては奨励をされていないからです。その理由は、甲状腺がんというのは予後が非常にいいがんで、明確に症状が現れてから対応しても遅くはない。
 若いときにやると、一定の割合で甲状腺がんは出るけれども、逆に、そのことによって、がんが出ると手術を選択する人が非常に多くなる。そうですよね、当然、子供ががんになると手術を選択する人がほとんどでしょう。そして、手術を選択をした場合に、手術をやると、命には全く、もちろんやってもやらなくても別状はないわけですけれども、薬をずっと毎日飲み続けなければならなくなる。さらには、例えば女性であれば、男性もそうですけれども、ここに傷痕が残る。そして、生命保険に入れない。さらには、非常にそれが深刻になった場合には、例えば女性の妊娠や、そういったことについても影響があるという話もある。
 つまり、今福島県で問題になっているのは、これが過剰検査になっていないか、過剰診断になっていないかという問題なんですね。この問題意識は先日も大臣に委員会の中でもお伝えさせていただいて、福島県にも強く働きかけをいたしまして、今いろいろなアクションが起きています。
 先日行われた検討会でも様々な議論が行われたと聞いておりますが、そのときの資料をちょっと持ってきましたので、御覧いただけますか。これはそのときの調査の中で出てきたヒアリングの結果なんですが、当事者のお子さんが三名、保護者六名の調査結果になっております。
 二ページ目を御覧をいただきたいんですが、五番のところですね。「学校で検査を授業中に行っていることで、検査を受けなくてはならないものと思ってしまうか。」という質問があるわけです。これは、私が何度も求めた、検査の任意性を確保する上で重要だということで出された質問だと思いますが、回答を御覧をいただきたいと思います。
 まず、検査対象者本人、若者ですが、させられているというよりかは内科検診と同じ感じだと。学校でやる健康診断と同じ感じで受けているという。ほとんど一〇〇パーですから、みんな受けるわけですね。こういう答えがあります。さらには、親御さん、保護者の方を見ておりますと、半強制的みたいな感じだがという言葉もあるわけですね。さらに、もう一つ本人のところでいうと、時間を取ってやるということはあるので、受けないのは変かなと思うと。こういう状況なんですよ。
 もちろん、検査と普通いえば、受けた方がいいと誰でも思うわけですね、それで安全性を確認をしたいと思う。しかし、過剰診断、過剰検査の問題がある検査が学校で行われ、そして授業中に行われ、ほぼ一〇〇%に近いという現状は、そろそろ変えなきゃならない。
 念のため申し上げますが、私も、検査を継続することには賛成です。心配な方には無料で受けていただく状態をつくらないかぬ。しかし、今のやり方は問題がある。
 まず、私が提案をした中で、今、福島県立医大が提示をしている同意書、検査をしますかどうかという同意書は、これはもう学校で回収はやめたということでよろしいですね。学校で回収していますから、みんな、受けると回答するわけですね。ここはちょっと確認をしたいですが、よろしいでしょうか。

#12
○小泉国務大臣 そのとおりです。前回三点御指摘いただいたうちの一つが、まさに学校での同意書の回収をやめたらどうか、これが細野先生からの提案の中で、その一つは既に実現をしました。御提案ありがとうございます。

#13
○細野委員 そこは大臣がイニシアティブを取っていただいたということで、心より感謝申し上げたいと思います。
 そしてもう一つ、私は、放課後にやるべきだということを提案をしました。学校の時間中に、例えば小学生や中学生がみんな検査をする中で、いや、私は受けないんですと言うのは相当勇気の要ることです。それをそれぞれの皆さんが、親御さんも含めて本人も選択するためには、放課後にやるということをやっていただきたいと申し上げましたが、ここはやや、まだ明確な答えが出ていない。
 更に踏み込んで提案したいんですが、例えば授業の最終時間でやるとか、例えば五時間目まであるなら五時間目にやるとか、そういう工夫ができないでしょうかね。
 私が福島と話している感じでは、大勢の学校だとなかなか人数が多いので一時間でできないということを言うわけですけれども、それは大臣、調べる側の論理なんですよ。調べられる側、子供の立場に立ったときに、きちっと選択をできるようにするためには、やはり授業の合間に普通の時間帯にやるというのはどうしても同調圧力がかかります。
 ですから、そこはもう一回交渉していただけませんか。福島の現状を理解しつつあると思います。やめるということではありませんから。任意性を確保するために、きちっと、過剰検査をなくして、場合によっては国際的にも批判を受けるリスクもありますから、それを国として回避をするという意味も含めて、もう一回この部分にイニシアティブを発揮していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

#14
○小泉国務大臣 まず、前提として、任意性をしっかり確保する、この在り方に検査を見直すべきは見直す、これは全く同感です。
 ですので、受けたい人が受けられ、受けたくない人は受けなくて済む、この下で、同意書の回収もそうでありますし、細野先生から言われた、デメリットをしっかりと情報提供すべきだというのも、それをリーフレットなどにしてしっかりとお届けをすることをやっていきます。
 さらに、放課後などの対応についても、私も聞いているのは、大規模な福島県内の学校だと、この検査だけで四時間ぐらいかかるというふうにも聞いております。中規模の学校、小規模の学校、例えば小規模の学校であれば、例えば最終時限とか放課後とか、そういったことが対応が可能というところがあれば、是非今年度からでも、そのような形で実現可能なところからやっていただくことは十分にあり得るんじゃないか。うちの環境部長が検討委員会にも出席をしていますので、そういった考え方も含めて、しっかりと助言もするように私からは指示をしてあります。

#15
○細野委員 これまでの環境保健部長の中でいうと、田原さんは最も踏み込んでこの問題に関わっていただいているし、非常に使命感を持っておられるので、発言も本当に踏み込んでいただいて、感謝しています。ただ、最後は政治ですからね。
 特に私が最後に強調したいのは、これ、七百八十二億円という交付金が国から出ているんです。その積立金を使ってずっと検査をしてきていまして、この予算をつけたのは私なんですよね。今、あのお金を使って、仮に手術が必要でない子供たちに手術が行われるとすれば、それは私、見過ごせないんですよ。
 政府は連続しています。政権は替わりましたけれども、連続しています。そして、同様の検査を継続してきました。ですから、これは国費でやっている検査なので、この正当性は政府に強い責任があるということだけは御理解をいただいて、大臣にあと一歩踏み込んで対応していただきたいというふうに思います。
 最後に、風評についてなんですが、除染土の再生利用の問題についても、甲状腺検査の問題についても、これからも風評はついて回ると思います。私は、十年前のことを思い出したときに、一つだけやはり、後悔していると言うとちょっと何か悩ましいんだけれども、正直言って、もっと踏み込めばよかったということが一点ありまして、それは風評の源泉になっている風評加害ですね。被害があれば加害があるわけですね。非科学的な情報、非科学的な報道、それに対しては、単に丁寧に説明するだけでは駄目だということなんです。風評被害に対してはきちっと反論をすることが求められているということを、是非分かっていただきたいというふうに思います。
 質問の時間が来たようですのでこれで終わりますが、小泉大臣ならできると思いますので、期待をしていますので、是非頑張ってください。
 ありがとうございました。

#16
○石原委員長 次に、近藤昭一君。

#17
○近藤(昭)委員 おはようございます。立民の近藤昭一でございます。
 今日もこうして質問の時間をいただきましたこと、感謝を申し上げたいと思います。
 法案の審査のごとにこうして一般質疑が開催されているということは、大変重要なことだと思います。
 それで、今日は私の方から、福島県民健康調査甲状腺検査サポート事業、福島の避難者数のこと、また原発事故の避難計画に関して質問させていただきたいと思います。
 実は、五月の十一日の一般質疑で、この福島県の甲状腺検査サポート事業について質問する予定でありました。委員会が延期になりましたわけでありますが、それで少しこれからの質問内容を変えさせていただきましたが、少し経緯だけ述べさせていただきたいと思うんです。
 環境省が資金を拠出している福島県の甲状腺検査サポート事業を使用したがん患者の把握について、四月一日付で、福島県の県民健康調査課のホームページに研究開始の告知が出されていたわけであります。サポート事業の内容については時間の関係で詳しくは述べませんけれども、この研究では、情報提供を希望しない人に対して、個人情報ですね、情報提供を希望しない人に対して支援金を返還していただく場合があります、こうされていたわけであります。
 実は、申請時に申請者が提出する同意書があるわけでありますが、返還する場合があるというのはこの同意書の同意条件にも反するということでありまして、一般倫理上でも大きな問題がある。不利益の可能性を示唆して情報を確保するという、非常に研究の倫理上の問題もあるということで、この問題について質問させていただく予定だったわけであります。
 質疑は延期となったわけでありますが、環境省からは御対応いただきまして、支援金の返還を求める場合があるという項目を削除する、こういう御回答がありました、御対応いただきました。そして、実際、福島県のホームページでも、五月一日に、そのように変更がなされていたということであります。倫理的に不適切な項目について迅速に解消していただいた点は、大変に評価させていただいております。感謝を申し上げたいと思います。
 それで、そのことを受けて、改めて福島県の甲状腺検査について質問させていただきたいと思います。
 福島県の甲状腺検査サポート事業に環境省が拠出している支援金につきまして、年度別に件数と合計金額を御提示いただければと思います。

#18
○田原政府参考人 お答えいたします。
 福島県の甲状腺検査サポート事業でございますけれども、平成二十七年度から実施しておりまして、直近三年間の件数と交付確定額を申し上げますと、平成三十年度は八十七件に約一千百二十六万円、令和元年度は百一件に約千百三十二万円、令和二年度は百四件に約千三百九十六万円でございました。

#19
○近藤(昭)委員 ありがとうございます。
 今ちょっと御報告をいただいたわけでありますが、実は、五月の十七日に福島県の検討委員会が開かれております。甲状腺検査で見つかったがん又はその疑いの人数は、これまで合計で二百五十六人となっているわけであります。ただ、このほかに、検討委員会には報告をされていないわけでありますが、福島県の県のがん登録に上がっている人が二十四人いるということも発表されています。ということでいえば、合計で二百八十人という非常に多い人数になっていると思います。
 ところが、これでも全部ではない。先ほど、福島県のサポート事業についてお話をさせていただきましたが、この甲状腺検査サポート事業の資料に用いて、報告から漏れている、こういう人を把握しようとしているわけでありますが、残念ながら、このサポート事業の対象に入っていない人もいる、これが現状ではないかと思います。まだまだ全体が把握できていないのではないかと思うわけであります。
 そこで、質問でありますけれども、原発事故後の甲状腺がんについて、検討委員会でこれまで放射線の影響に否定的な評価が残念ながら出されているわけでありますが、これらは、がん患者の人数も実際より少なく、被曝量も不確定という条件の下で出された結果である、私はこういうふうに認識しているわけでありますが、大臣は御承知でありましょうか。そして、放射線の影響を評価するためには今後の精査が必要である、私はこう思うんですが、大臣はいかがお考えでしょうか。

#20
○小泉国務大臣 福島県「県民健康調査」検討委員会における甲状腺検査の結果は、評価時点で把握しているがん患者数と、国連科学委員会、UNSCEAR、こちらで公表された推計甲状腺吸収線量を用いて評価されていることは承知しています。
 このUNSCEARの評価については、医学等の専門家のコンセンサスが得られた科学的な知見であって、環境省としても重要だと考えています。
 先生が今御指摘あった不確実性、こちらに関しては、今後、より詳細なデータを用いた検討がなされて、改善されていくものと承知しています。ただし、そのために強制的に調査をすべきだとは考えてはいません。調査の意義やそのメリット、デメリットを理解をした上で、検査を希望する方が受診をできて、検査を希望しない方が受診をしないで済む、そういったことが自然と選択できるようにすること、任意性の確保が重要だと、先ほども答弁もさせていただいたとおりであります。
 環境省としては、こうした考え方の下、検討委員会による評価が行われるように、委員として参加している環境保健部長が必要な助言を行うなど、適切な支援を行ってまいりたいと考えております。

#21
○近藤(昭)委員 ありがとうございます。
 先ほども、過剰診査、過剰検査ではないかという御指摘もありました、言及がありました。ただ、果たしてそうなんだろうかというふうに私は思うわけであります。
 そういう意味では、先ほどサポート事業の前提条件のことを申し上げましたが、私は問題があると思っているんですけれども、放射線の影響に否定的な評価が日本発の論文としては国内及び国際社会に流布されており、そして、その中で、見つかっている甲状腺がんは過剰診断ではないか、こういうふうな説が出されていると思うんですよ。
 今、UNSCEARのお話もありましたが、先頃、原子力放射線国連科学委員会、今のUNSCEARであります、の報告書が出たわけであります。その報告について大臣からも今言及がありましたけれども、日本国内では、UNSCEARのプレスリリースから引用して、被曝推定値から云々、そして、甲状腺がんの発生は見られそうにないということだけが取り上げられている。しかし、本文をきちんと読むと、甲状腺がんについて一定のリスクを認めているということが私は分かると思うんです。単に、他の要因によるがんとの識別ができないという識別能力の問題を言っているということにすぎないと思っています。
 実際に、最も多く甲状腺がんの手術を行っている福島県立医大の鈴木真一教授も、手術症例は学会ガイドラインに沿ったものである、いわゆるガイドラインに沿って行われているのである、決して過剰診断ではないと再三否定をされておられるわけです。
 三月二十二日に行われた甲状腺評価部会では、他の甲状腺の専門医も同様の趣旨の発言をしておられますし、甲状腺評価部会部会長も、過剰診断かどうか言えるだけのエビデンスはまだないと述べておられます、これは二月二十五日の朝日新聞の福島版の報道でもあるわけでありますが。
 福島県の甲状腺検査では、全部摘出する全摘例が九%と少ないわけであります。その一方で、他の甲状腺専門病院では、全摘、全部を摘出するという例が五〇%近くを占めています。福島県では、九〇%以上が甲状腺の片方の切除で済んでいる、合併症もない、こういうふうに検討委員会では報告されているわけであります。
 発見が遅れれば、甲状腺の全摘、更に肺などの遠隔移転のリスクも増加してくるわけであります。一般的に、片葉、片方だけの切除ですと、ホルモン剤の服用も必要なく、傷口も小さくなるなど、患者のクオリティー・オブ・ライフ、QOLは向上するわけであります。福島県の甲状腺検査は、このように早期発見、早期治療に寄与し、患者に役立っている、つまり、きちっと検査をする、過剰検査ではないんだ、この検査の成果が出ているということは、私は明らかだと思うんです。
 小泉大臣、福島県の子供、若者たちの甲状腺がんは、検査を進めてきた医師らの過剰診断であって、過剰診断をしないで、放置してよいのか、こういうふうにお考えになるのか。過剰診断とお考えになるのならば、どのようなエビデンスからそのように判断されるのかということをお聞きしたいと思います。

#22
○小泉国務大臣 先ほどの細野先生の御意見、そして近藤先生の御意見、お立場は違うのかもしれませんが、この検査のことをやめるということは全くないですし、その在り方に対して最も大切なことは、受けたい方がちゃんと受けることができて、自ら希望しない方が希望しない選択がちゃんとかなうという、任意性を確保することが大事だと私は考えています。
 そういった中で、先生の御指摘がありましたが、全てが放置してよいがんだという極端な考え方をしているわけではありません。甲状腺の検査では、治療が必要な甲状腺がんも見つけられて、学会のガイドラインなどを踏まえて適切に治療が行われているものと承知をしています。
 一方で、福島県の検討委員会の中間取りまとめでは、検査の結果、がんの統計などから推計される有病数より多い甲状腺がんが発見されている、これについては、将来的に臨床診断されたり、死に結びついたりすることがないがんを多数診断している可能性があると言及をしています。
 こうしたことから、環境省としてもやはり重要性、重きを置いているのは、検査を続ける中で、いかに任意性を確保した形でやるか。そういった中で、私からも環境保健部長に対しては、適切な助言をするように指示を出しているところでもあります。
 しっかりと、子供の皆さん、そして若者、県民の皆さんの健康に対して果たすべき役割はやっていきたいともちろん考えております。

#23
○近藤(昭)委員 甲状腺の、今、小泉大臣もおっしゃった、やはりきちっと、検査を受けたいと思う人には受けられるんだ、改善をしていくんだ、こういうお話があったわけでありますが、ただ、私が本当に懸念しておりますのは、過剰診断だ、こういう前提がありはしないのか。もちろん、過剰診断だけれどもきちっと検査も対応していく、そして改善していく、そして実地をよく見ていくということで、大臣がおっしゃった意味かなと思うわけでありますが、ただ、やはり過剰診断だということが前提になってはいないか。
 先ほども申し上げましたUNSCEARの報告書でもこれは非常に懸念が示されているし、鈴木真一教授もそのことについて言及をしているということであります。
 そして、常に言われるのはチェルノブイリのことであるわけであります。チェルノブイリでは発症が四、五年後だった。だから、福島で早期に出ているのは過剰診断したからだと言われたり、五歳以下では出ていないからだとか言われたり、チェルノブイリほど線量がと言われるわけであります。ただ、チェルノブイリといったときに、その概念というのは何なのかということだと思います。チェルノブイリにも、放射線量が高い、低い、距離によって違ったわけでありますし、そしてまた時間軸もあると思うんです。
 そういうことでいうと、チェルノブイリ報告、ベラルーシ、そしてロシア、ウクライナ等々ありますし、それぞれ時間軸、発表された年度もあるわけでありますが、そういうことでいうと、常に今申し上げたようなことが過剰診断の結果出ているんだということに使われるわけでありますが、必ずしもそうではない。ロシアなんかの報告書を見ても、甲状腺がんが翌年から出ている、こういう報告もある。そしてまた、チェルノブイリといったって、先ほど申し上げましたように、線量が違うところがある。そういう中では、かなり線量が低いところでもそうした患者が出ている、こういう報告もあるわけであります。
 ですから、どうも日本においては、今申し上げたようなことで、過剰診査だ、過剰診査だと言われている、このことに私は問題があるというふうに思っています。是非、そういうことで、大臣には更にしっかりと受け止めていただきたいわけであります。
 ちょっとお話を進めたいと思いますが、国は現在、第三期がん対策推進基本計画の中で、十五歳から三十九歳までの思春期、若年成人を指すAYA世代、この世代のがん患者の支援を重要なテーマとしているわけであります。
 この世代は、年代によって、就学、就労、生殖機能等の状況が異なり、個々のがん患者の状況に応じた情報提供、支援体制及び診療体制の整備等が求められているわけであります。福島の甲状腺がんの患者は、小児及びAYA世代のがん患者に相当するわけですね。
 当事者が直面している問題は社会的課題であります。原発事故の甲状腺がんの子供と若者を支援している三・一一甲状腺がん子ども基金は、福島の七十人の当事者及び保護者からのアンケート回答を得ておるわけであります。先ほど検討委員会からの報告もありましたが、当事者は、経済的支援、情報、心理的支援、甲状腺がんに対する社会の理解などを求めているわけであります。検査でがんが見つかった人は甲状腺検査を評価し、学校での検査継続を望んでいると私は思います、そのアンケートから。
 国や県に望むこととして、例えば、福島県中通りに住む十代の男性は、何年先、何十年先も県民の健康を見ていく責任を負ってほしい、避難指示地域を出ている十代の女性も、東京電力の事故がなければ避難も被曝もしなかったはず、地震のせいだけではないと思う、原発の安全神話が間違っていたのだと思う、国にも県にも責任をきちんと取ってほしいという声が上がっています。
 大臣も御承知だと思いますが、残念ながら、避難をしている方の中に精神的に被害を受けている方は多いわけです、鬱になるという方とか。そして、原因を見ると、自然災害でも、避難したりして厳しい状況になる場合があります。そうしたときにも精神的ダメージを受けます。しかし、今、この十代の方の言及にもありましたが、東京電力のいわゆる原発の事故があったんだ、この事故さえなければということは、つまり、自然災害だけではなく原発事故があった、このことによって、より、なぜこういうことになってしまったのか、あるいは耐えられないわけであります。
 これは、自主避難、また指示の避難と、いろいろとありますけれども、特に自主避難の方たちはいわれなき差別を受けたりしている、なぜ逃げているんだと。しかし、当事者からすると、先ほど小泉大臣からも当事者の気持ちが大事なんだという話がありました、やはり、特に子供が小さい場合、避難をする、こういう判断をされる親が多い。子供は帰されない、だから、こちらで、避難先で生活する。しかし、仕事等々の関係があって、お父さん、お母さん、どちらかが残る、こういうような場合もある。そうしたことなんかによって、より精神的な負担は大きくなっていると思います。
 そういうことで、サポート事業、いろいろと質問させていただきましたが、サポート事業に対する最後の質問です。福島では、甲状腺がんの子供たち、若者たちが既に二百八十人以上いる、先ほどこういうお話をさせていただきました。彼ら、彼女らへの支援を充実させること、社会の理解を促進させることが、環境省にとっても最優先の課題ではないか。どう考えるか、お聞かせをいただきたいと思います。

#24
○小泉国務大臣 環境省にとって福島の復興が最重要な課題であること、それはもうそのとおりです。
 今先生から御指摘いただいたサポート事業に関して言えば、このサポート事業で甲状腺がんの方に対する支援として、医療に係る経済的な負担を支援することで、長期間にわたり検査を受診いただける環境を整えています。
 また、甲状腺検査に係る検査実施機関への支援事業としても、精神的な負担が大きいと思われる受診者に対して、心のサポートを行う看護師、そして公認心理師、臨床心理士等への研修を行って、甲状腺がんの方へのサポート体制の充実に努めています。
 今後更に、甲状腺検査の段階に応じた情報提供を行って、インフォームド・コンセントの充実を図っていくことで、甲状腺がんの方が受ける医療の質の向上が図られると考えています。
 これらの取組を進めながら、放射線による健康影響等について正しい情報をしっかり発信していくことで、社会の理解を促進していきたいと考えております。

#25
○近藤(昭)委員 小泉大臣の、基本的なと申しましょうか、そうした御決意を聞かせていただきました。
 それで、先ほど細野委員も御質問されていて、言及をされておられました、学校における検査にどういうふうに対応していくかというのは、ちょっと私と考え方が違うのかもしれません、考え方といいましょうか。やはり私は、当事者の皆さんの気持ちというのが非常に大事だと思うんです。そういう意味では、少し細野委員とは違うところがあるのかもしれませんので。
 先ほど、私もアンケートを見させていただいたという話をさせていただきました。そういう意味では、小泉大臣は何回も被災地にも足を運んでおられて、お話を聞かれているわけでありますが、この甲状腺がんの問題は、本当に、子供たちのことでありますし、子供たちのことでと言うとあれですが、未来があるわけであります。そして、そういう中で逆に不安も大きいわけであります。そういう意味で、福島の甲状腺がんの当事者、若者たちに直接会って、私、今やり取りさせていただきながら改めて思ったんですが、どうでしょうか、大臣、直接会ってお話を聞くということは。

#26
○小泉国務大臣 必要な直接のコミュニケーション、これは政治家にとって不可欠ですから、そういった機会があれば、是非させていただきたいと思います。
 そして、今日、近藤先生と細野先生から甲状腺検査についての御質問をいただきながら、私は、お二人の違いというよりも、同じことに着目すべきだなと思いました。それはやはり、当事者の気持ちを大切にする検査の在り方を実現すべきだという点においては、私は今日御質問いただいた両先生方の思いは同じだと思います。
 環境省としても、その任意性をしっかり確保する、当事者の気持ちを大切にする在り方を実現をする上での情報提供や助言、こういったことをしっかりやっていく、そんなことが重要だと改めて認識させていただきました。ありがとうございます。

#27
○近藤(昭)委員 大臣、ありがとうございます。
 そうしましたら、そういう機会があればということではなくて、私も、今大臣からもお話があったように、細野委員も質問されたように、やはり気持ちは同じなんだと、根本は。どういうふうにこの問題に対応していくかということだと思うんです。ですから、今大臣がおっしゃった、機会があればではなくて、是非私も、そのアンケートを受け取らせていただいて、そして今質問の中で、やはり改めて当事者の皆さんの声を聞きたいと思います。そういう機会を設けますが、どうでしょうか。

#28
○小泉国務大臣 私、継続的にふたば未来学園にお伺いをしたり、授業などもやらせていただくときがあるんですけれども、そういった機会にも、まさに当事者、学生ですから、甲状腺検査の在り方についてどう思うかなども、私からも是非聞いてみたいと思います。

#29
○近藤(昭)委員 是非、大臣、多くの当事者がいらっしゃるわけで、大臣が、そういう中で、まさしく機会がある中で聞かれる当事者の声と、また、もしかしたら、大変失礼な言い方ですが、まだ聞こえていない当事者の声があると思います。そういう意味では、是非そういう機会も設けさせていただきますので、御対応いただけますでしょうか。

#30
○小泉国務大臣 考えさせていただきます。

#31
○近藤(昭)委員 是非実現をしていただきたいと思います。
 それでは、先ほど申し上げました、非常にまだまだ多くの方が元々の生まれ育ったところに帰れないという話、私は違う観点から原子力防災担当大臣の小泉大臣に質問させていただきました。
 いざ、本当に命懸けのときになったときに、誰が現場へ出ていって対応するのか。私の認識は、そうしたきちっとした法制度が日本にはない、こういうことであり、そういう中で原発を再稼働させるべきではない、こういうお話をさせていただいたわけでありますけれども、本当に、被災をされて避難をされている方を今苦しめているのは、そういう質問の中で、私は、まだ三万数千人の方が帰れないでいるというお話をさせていただきました。その後、お叱りというか、そうではない、統計のやり方によって違うんだと。
 つまり、避難をしている、そして、そこでもう生活をしている、新たな住宅を建てるとか、あるいは国が用意した被災者住宅に入った、こういう人は数字から除かれている、こういうことがある。そうすると、実は、帰りたくても帰れない、つまり、確かに安定した住居には入ったかもしれないけれども、気持ちとしては帰りたいんだ、帰れないんだ、あるいは、先ほど申し上げましたように、子供たちのことを考えて、子供たちだけ避難をしている、こういうようなことがあって、そうした中で、環境省の所管ではないんですが、福島県が公表する避難者の数字と市町村が公表する避難者の数字には大きな違いがあるわけです。今私が申し上げたこと、倍ぐらいという数字の違いもあるわけであります。
 特に県内避難者の数字については、例えば、県が公表している双葉町の数字は五百十六人であります、県が公表している数。しかし、双葉町が公表している数字は四千十人なんですね、四千十人であります。県が公表している県内避難者の数は三千四百九十四人少ないということであります。
 私は、環境省の所管ではありませんけれども、先ほど当事者という話もありました、きちんとした実態の把握調査を行い、正確な数字を公表すべきではないか、こういうふうに改めて考えるわけでありますが、いかがでありましょうか。

#32
○開出政府参考人 お答えいたします。
 復興庁におきましては、全国の避難先自治体の協力を得て、各都道府県に所在する避難者数を把握し、毎月公表しているところでございますけれども、福島県内の避難者につきましては、福島県から報告を受けた数値を公表しているところでございます。
 一方で、福島県の市町村においては、それぞれの市町村独自の基準で避難者数を把握、公表してございまして、例えば双葉町においては、平成二十三年三月十一日時点の人口を基本として、その後の死亡者、転入者等の調整を行うものの、他の市町村へ転出しまして避難元へ戻る意思のない方についても引き続き避難者数に含める扱いとしております。
 このように、各市町村の考え方を踏まえて取りまとめているものでございまして、復興庁や県が公表する数値と差が生じることになっているところでございますが、そういった状況で生じているものでございます。

#33
○近藤(昭)委員 質問時間が終わりましたけれども、是非、小泉大臣には、担当ではないところでも、内閣の一員として、そしてまた、大変に現場、現地にもしっかりと足を運んでいただいて、そういう意味では、私はこの数字というのはやはり大事だと思っていて、この数字の差があることによって対策に違いが出てくると思いますし、何をおいても、当事者の人がやはり非常に傷ついているという、我々は忘れ去られてしまったのか、確かに復興住宅には入ったかもしれない、でも本当だったら戻りたいんだ、こういう人たちの気持ちがないがしろにされていないか。あるいは、そういう困難の中で自死をされる方がいらっしゃったわけです。そうした方が最近は警察との連携が不十分できちっと統計に上がってきていない、こういう事実もあるわけであります。どうぞ、内閣としてしっかりと御対応いただきたいと思います。
 以上です。ありがとうございました。

#34
○石原委員長 次に、逢坂誠二君。

#35
○逢坂委員 立憲民主党の逢坂誠二でございます。
 今日は質問の機会をいただきました。理事並びに委員長に心からお礼申し上げます。ありがとうございます。
 それでは、小泉大臣、今日は、原発の避難計画、大臣が担当というふうに承知をしておりますので、それについてお伺いをさせていただきます。
 私は、日本の原発には世界の原発にない致命的な欠陥があると思っております。それは、大臣御承知かどうか分かりませんけれども、認識をまず冒頭に一致をさせたいと思います。
 日本の原発は、現在、立地が許可されている全ての原発、この原発立地許可の段階で、実は、過酷事故は起きることは想定しておらない、これが日本の原発の立地でありました。大臣、このことは御承知でありましたでしょうか。過酷事故は起きないんだ、そういう前提の下に全ての原発が立地しているということは御存じでしたでしょうか。

#36
○小泉国務大臣 まさにそういうことは起きないという安全神話の下に立ってしまったから福島の原発事故が起きてしまった。この教訓を決して忘れずに今後の行政は歩まなければいけないと考えております。

#37
○逢坂委員 知っていたか知っていなかったかは、それは大した問題ではないんですが、それは事実であったことであります。
 しかし、三・一一の事故以降は、日本の原発全てについて、過酷事故は起きる可能性はゼロではない、起き得るんだというふうに政府の認識が変わったということは御理解されていますでしょうか。

#38
○小泉国務大臣 そうなることが福島の教訓を生かすということだともちろん考えております。

#39
○逢坂委員 要するに、三・一一以降、日本の原発も全てにおいて過酷事故は起き得るんだというふうに政府の考え方も変わっているわけですが、そのときに問題になるのが、実は避難計画であります。
 以前は、過酷事故は起きないという前提に立っておりましたので、避難計画もそれに沿って作っているわけですね。避難計画の策定の範囲もそうであります。
 私の体験をここでお話しさせていただきますと、大臣にはこれは是非御認識いただきたいんですが、二十年ほど前になりますが、私が町長を務めておりました北海道のニセコという町でありますが、ここは泊原発から十数キロ離れたところに位置しております。そこで、町の議会から、原発事故の際の避難計画を策定すべきだ、こういう話が議会から頻繁にありまして、結果的に避難計画を作ろうじゃないかということになったわけです、原発事故対応のですね。
 そして、北海道庁ともやり取りをし始めたんですが、そのとき何が起きたか。北海道庁から、原発は事故は起きないことが前提になっている、その中で、避難計画の策定は慎重に行ってほしい、いたずらに住民の不安をあおることのないように、こういう話なんですね。
 役所用語で慎重にということは、平たく言うと作らないでほしいということなんですよ。結果的に、その避難計画というのは、原発の避難計画というのは、策定を、非常に小さなものにして、余り多くの言及をしないということになって、防災基本計画の中では極めて簡便な記載にとどまったわけです。これが二十年ほど前の実態なんですね。
 ところが、三・一一以降、避難計画を策定する範囲が広がり、UPZ圏内の自治体は避難計画を策定するということになったわけであります。
 そうしたときに問題なのは、それでは、その全ての該当する自治体で避難計画が本当に作れるのかどうか。形式上は作れるかもしれないけれども、本当に有効に機能する避難計画が作れるのかどうか。ここが分からないわけなんですね。これが、私は今、日本の原発には幾つも課題はあるんですけれども、一つの大きな課題だと思っているんです。これは世界の原発にない問題であります。
 万が一の事故の際に避難できないところに原発を建てている、これは相当に大きな問題だと思うんですが、大臣にはこの御認識はございますでしょうか。

#40
○小泉国務大臣 その認識は全く同じです。

#41
○逢坂委員 認識は全く同じという話を聞いて、若干安心いたしました。
 一つ事例を紹介いたしますと、一九八四年、アメリカのニューヨーク州にショアハムという原発が完成いたしました。一九八四年であります。ところが、この原発に関連して地域の住民の皆さんから、避難がきちんとできないのではないかということで、いろいろな意見が出てきて、最終的には訴訟にもなったようでありますけれども、そのプロセスは省略いたしますが、結果的に、一九八九年、このショアハム原発は、ただの一度も使うことなく廃炉になっているんです。ただの一度も使うこともなく。これはやはり、国民の命と暮らしを守る、そういう観点から判断すると、私は当然のことだっただろうというふうに思うんですね。
 日本の原発立地地域を見てみると、万が一の事故の際に本当にここで安全に避難できるのか、確実に国民の命を守れるのか、そういう観点から見たときに、疑問と思わざるを得ない原発サイトがたくさんあるように私には思われます。
 大臣にまず一つお伺いしたいのは、三・一一以降、原発の避難計画を作る範囲が、以前の八から十キロ圏内から、UPZ、三十キロ圏内に広がっていますが、新たに広がった自治体においてきちんとした避難計画が作れるかどうか、この点について大臣の認識はどうでしょうか。

#42
○小泉国務大臣 原子力防災担当大臣としては、自治体の皆さんと一緒に避難計画作りをする。それは、ここまでできたからもう大丈夫だということではなくて、随時必要な見直しはしなければいけないものだと考えています。
 例えば、今、コロナの最中でありますけれども、このコロナの対策と避難を、仮に過酷事故とコロナが同時に起きた場合にどのように対応するか、こういったことも含めて、完璧な終わりはないと思いますから、そういった観点から、しっかりと自治体と連携をしながら、原発が稼働していても稼働していなくてもリスクはあるわけですから、そこはしっかりと連携をして作っていきたいと考えております。

#43
○逢坂委員 私、今の発言は非常に認識が甘いと思いますよ。
 一緒に作っていくというのはいいでしょう。完璧なゴールがないというのもいいでしょう。だけれども、本当に、最初の段階、完璧なものはないけれども、まず形として作ったものが全く機能しないものである、そういうところだって私はあると思うんですよ。その認識を持っているかどうかということを、しっかり私は確認をしたいと思います。この点、後でまたやらせていただきます。
 今日は長坂副大臣に来ていただいておりますので、先にこちらの方をちょっと質問させていただきます。
 四月の二十八日の経産委員会で、梶山大臣からこういう答弁をいただいております。原発の稼働に際して、地元自治体の同意というのは、法令上は再稼働の要件となっておりませんけれども、事業者においては、立地自治体と任意に締結している安全協定に基づき事前の了解等を経る、手続を経ることと認識をしております。こういう答弁を梶山大臣はされたわけです。
 そこで、政府の認識を伺いたいんですが、まず、この安全協定締結の範囲はどこであるのか、この考えをお聞かせください。

#44
○長坂副大臣 お答え申し上げます。
 御指摘のとおり、原子力事業者と自治体との間では安全協定が締結されており、例えば、再稼働に必要な工事等について事前に立地自治体の了解を得ることなどを取り決めております。また、この安全協定は、原子力事業者と自治体の両者が任意に締結しているものであると承知をいたしております。
 安全協定につきましては、原子力発電所が所在する立地自治体の立場が尊重されることを基本としつつ、各地域における立地の経緯や事情は様々であることから、協定の内容や対象範囲は一律に定まっているものではないと認識をいたしております。

#45
○逢坂委員 今の答弁からしますと、安全協定を結ぶ範囲というのは、それぞれの地域ごとに、実態に応じて、自治体と電力事業者、これらが相談をして決めるということでよろしいですか。

#46
○長坂副大臣 そのように考えております。

#47
○逢坂委員 加えて、協定の内容それから見直し、これも、地域の実態に応じて、地域で相談の上、柔軟に実施すべきものだ、こういう理解でよろしいでしょうか。

#48
○長坂副大臣 安全協定は、あくまで原子力事業者と自治体、両者が任意に締結しているものであることから、内容や対象範囲は一律に定まっているものではなく、各地域における立地の経緯や事情、自治体の個別の関心に応じて様々であると認識をしております。
 その上で、例えば、原子炉の運転中の異常時の通報等を関係自治体に対して行う旨や、再稼働に必要な工事等について事前に立地自治体の了解を得ることなどが地域の事情等に応じて決められているものと認識をいたしております。

#49
○逢坂委員 そこでなんですが、これも長坂副大臣の認識、政府の認識を伺いたいんですが、安全協定を締結している自治体自らが、避難計画に関して、十分にこの避難計画では地域の住民の皆さんの安全を守ることはできない、命を守ることができない、私たちの地域ではそういう避難計画の策定は無理である、例えば豪雪地帯なんかでは、雪がどんどんどんどん積もってくると、夏の間に考えていた避難計画なんて全く機能しないわけですね。そういうことも考えられるわけです。
 だから、そういう意味で、自治体自らが、避難計画の策定主体は自治体でありますから、自治体が、どうもここでは避難計画が厳しい、そういう判断をした際には原発の稼働はできないということでよろしいでしょうか。

#50
○長坂副大臣 これまでも御答弁申し上げておりますとおり、我が国においては、地域の安全、安心の観点から、しっかりとした避難計画がない中で原子力発電所の稼働が実態として進むことはないと考えております。
 一方で、避難計画につきましては、地域住民の安全、安心の観点から、稼働する、しないにかかわらず、策定することが重要であると考えております。
 政府といたしましては、地域原子力防災協議会の枠組みの下、関係自治体と一体となってしっかりと避難計画の具体化、充実化を支援していく所存でございます。

#51
○逢坂委員 改めて確認をさせていただきました。しっかりとした避難計画がない中では実態として原発が稼働することはないという御答弁だというふうに理解をいたします。
 ただ、もう一方で、原発が稼働する、しないにかかわらず避難計画は必要であるという認識がございましたけれども、私も、稼働していなくても、使用済核燃料プールに核燃料が入っている限りは、やはり相当リスクの高い状況でありますので、避難計画というものは作る必要はあるのではないかと思っておりますが、それとても、でも、十分な避難計画が作れない場所に日本の原発は立地しているんだということも長坂副大臣にも認識をしていただきたい、そう思います。
 それでは、副大臣、副大臣への質問はこれで終わりますので、御退席なさって構いません。委員長、お願いします。

#52
○石原委員長 長坂副大臣、どうぞ御退席ください。

#53
○逢坂委員 それでは、ここでまた小泉大臣の方へ質問が戻るわけですが、まず、必ずしも大臣の所管ではないんですけれども、梶山大臣が発言している自治体の同意というのは、法令上、原発稼働の要件ではないということでありますけれども、この認識も、大臣、一緒でしょうか。

#54
○小泉国務大臣 政府としては、原発の稼働に当たっては、立地自治体だけではなくて、周辺自治体も含めて、エネルギー政策における原子力の意義を説明するなど、自治体に対して丁寧な理解活動を行っていくものだと承知をしています。
 私の立場として、担当大臣としては、先ほども申し上げましたが、原発が稼働しているか、していないかではなくて、そこにある限りリスクがあるわけですから、しっかりと体制の充実強化に取り組む、こういったことが重要だと考えています。

#55
○逢坂委員 そこで、改めて、この質問は小泉大臣に聞くのは初めてなんですが、総理も梶山大臣も、しっかりとした避難計画がなければ、先ほど長坂副大臣から答弁があったとおり、原発は稼働しない、実態として稼働しない。加えて、新しく造る原発、新設原発に関しては、しっかりとした避難計画がなければ、核燃料の装荷、これもしないんだ、核燃料も入れないんだ、こういう答弁をしておりますけれども、この認識は避難計画担当大臣も一緒ということでよろしいでしょうか。

#56
○小泉国務大臣 同じです。

#57
○逢坂委員 そこでなんですが、ここで問題になるのは、しっかりとした避難計画というのは一体いかなるものかということなんですけれども、これについての大臣の御認識はいかがですか。

#58
○小泉国務大臣 しっかりとした避難計画とは、地域原子力防災協議会において、原子力災害対策指針等に基づき具体的かつ合理的であることが確認された緊急時対応を指すものと経産大臣から答弁しているものと承知をしています。

#59
○逢坂委員 経産大臣からの答弁はそうなんですけれども、防災担当、避難計画担当大臣としての認識はどうかと私は聞いているんです。経産大臣と一緒なら一緒ということでもよろしいですし、多少そこは違うんだということであれば、まさに避難計画担当大臣でありますから、自分の言葉できちんとお答えいただきたいと思います。

#60
○小泉国務大臣 先ほどからも申し上げておりますが、私の立場としては、避難計画は、原発が動いているか動いていないか、それにかかわらず、原発がそこにある限り、地域住民の安全、安心の観点から重要だと。そのため、緊急時対応について、原子力規制庁を含む関係省庁に加えて、関係自治体等が参画する地域原子力防災協議会において、福島第一原発事故の教訓を踏まえ策定された原子力災害対策指針等に照らし具体的かつ合理的であることを確認することとしています。
 その上で、やはり、終わりや完璧はありませんので、一度取りまとめた緊急時対応についても常に改善を続けることが重要だと考えています。このため、継続的な研修や訓練などを通じて、住民を含めた関係者の対応能力や理解度の維持向上に努めるとともに、訓練の結果などを踏まえて、緊急時対応の改善、見直しを図ることで継続的に維持向上させていきたいと考えております。

#61
○逢坂委員 結論的に言うと、地域原子力防災会議、ここで原子力災害対策指針などに照らして具体的かつ合理的であることを確認された計画、これを大臣はしっかりとした避難計画というふうに認識をしているとの理解でよろしいですか。

#62
○小泉国務大臣 そういうことです。

#63
○逢坂委員 そこでなんですが、地域防災計画あるいは原子力発電所の避難計画、これをまず策定するのは市町村防災会議であります。しかも、地域の事情に精通している市町村がこの防災計画や避難計画を作るというのは非常に合理性があることだと私は思っているんですが、この避難計画がきちんと機能するかどうか、これをまず一義的に判断するというのはどこの段階というふうに大臣は認識されているでしょうか。

#64
○小泉国務大臣 まず、市町村が原子力災害対策指針等に照らして計画を策定することになります。これは先生御指摘のとおりです。
 災害対策基本法等において、市町村防災会議は、防災基本計画、そして原子力災害対策指針に基づいて、当該市町村の地域に係る地域防災計画、避難計画を作成しなければならないこととされています。
 地域原子力防災協議会において、地域防災計画、避難計画を含む地域の緊急時対応が原子力災害対策指針等に照らして具体的かつ合理的であることの確認を行う前に、関係する市町村の市町村防災会議が、その地域防災計画、避難計画について、このような確認を行うことになると認識をしています。

#65
○逢坂委員 まず、やはり当該自治体、特に、都道府県ではなく、私はやはり市町村だというふうに思っておりますが、市町村が、この避難計画はきちんと機能しますねとか、これじゃやはり無理ですねといったようなことを判断するのが第一義的には重要なことだというふうに思っております。
 そこでなんですが、市町村防災会議あるいは市町村長の段階で避難計画を随分いろいろ苦労して作る、作ってはいるけれども、どうしてもこれはこの地域では十分に機能するとは思えない、そういう判断をした場合、市町村防災会議の次の段階である地域原子力防災協議会、これの開催は私はできないというふうに思うわけですが、この点、大臣、いかがでしょうか。

#66
○小泉国務大臣 先生がおっしゃるとおり、市町村が、その避難計画が原子力災害対策指針等に照らして具体的かつ合理的ではないと考える段階では、当該計画を含むその地域の緊急時対応について、地域原子力防災協議会の場において確認することはないものと考えています。
 他方で、災害対策基本法等において、市町村は、地域防災計画、避難計画を作成する責務を有しています。市町村がこの責務を果たせるように、国としても、関係道府県と連携しながら、市町村の計画の具体化、充実化に向けた支援を前面に立って行ってまいります。

#67
○逢坂委員 まず二つといいましょうか、地域原子力防災協議会で確認することはないということを言いましたけれども、この会議を開かないとはおっしゃいませんでしたが、市町村が納得できない場合、開かないということでよろしいかどうか、一点確認したいんです。よろしいでしょうか。

#68
○荒木政府参考人 先ほど大臣から御説明させていただきましたように、それは事実上開けないと思っております。

#69
○逢坂委員 事実上開けないということを確認させていただきました。
 それともう一点。大臣の言葉尻を捉えるわけではないんですけれども、防災基本法上、市町村に防災計画を作る責務があるということは私も重々承知をしております。ただ、自然災害などにおける市町村の責務と、私は、原子力防災、原子力の避難計画、意味が違うと思うんです。
 特に今回の、新たに十キロ圏よりも外のUPZ内、三十キロ圏内で新たに避難計画を作らざるを得なくなった自治体の皆さんは、原発の立地についても相談も受けていません。原発の立地について、安全かどうかの確認もされていません。なのに、避難計画を作る責務があるんだというふうに頭ごなしに言われても、それは勝手でしょう、ほかの方々の勝手でしょう、我々はそれを望んだわけではないんですよ、そういう気持ちもあるんだと思うんです。
 自然災害の場合は別ですよ。誰が何がどう言おうが自然災害は発生し得るし、自治体の首長として、その地域の住民の生命、安全を守るために、避難計画を作らなきゃいけない、防災計画を作らなきゃいけない、これは当たり前のことであります。
 だけれども、それと同じレベルで、法の規定があるから原発の避難計画も作らなきゃならないんだという認識は私は改めるべきだと思うんですが、いかがですか。同じレベルではないということです。

#70
○小泉国務大臣 それは御指摘のとおりだと思います。同じようなもので考えるのではなくて、やはり、この避難計画作りは地域によって様々な課題があると思いますので、自治体としっかりと連携をしながら共に作っていく、そういった認識が必要だと思います。

#71
○逢坂委員 なぜ私がこういう認識を持つかというのは、冒頭にもお話ししたとおり、二十年前に防災計画、原発の避難計画を作ろうと思った、ところが、事故は起きないんだ、だから作ってもらいたくない、慎重に、そういう要請が、要請というか、要請とも言えないんですけれども、でも役所の雰囲気はお分かりだと思います。だから、結果的にそれは、作ることでいたずらに、起こらない事故が起こるかのように住民の不安をあおるからやめてほしい、そういう経験があった。そういう自治体にもかかわらず、今、UPZ内に入りましたから避難計画を作る責務がありますと言われても、にわかに、はい、そうですとは言い難い、そういう事情があるということは是非御理解いただきたいと思います。
 さて、そこでです。地域協議会の前段階に、実は、各地域ではその準備段階として作業部会というのが開かれているんですけれども、この作業部会は誰の判断でどのようなタイミングで開催されるのか。それからまた、それぞれの市町村の判断で、どうも避難計画をここは作るのは難しい、作業部会の開催も難しい、そういう判断をすることというのを、私は当然、地域防災計画の策定主体は市町村でありますからあり得るんだと思うんですが、この点、いかがでしょうか。もし、大臣よりも、事務的なことですから、よければ事務方からお願いします。

#72
○荒木政府参考人 作業部会の件でございますけれども、作業部会の開催に当たりましては、庶務である我々内閣府の原子力防災担当が、関係道府県と様々な課題の検討等を踏まえ、まず課題の設定をさせていただきます。その上で、設定された課題に応じて、オブザーバーである市町村を含む構成員の中から関係者を集めて、開催日などを調整する。ですので、常にフルメンバーということではなくて、課題ごとに必要な方に集まっていただいて一つ一つ課題を解決していく、そういうものでございます。

#73
○逢坂委員 荒木さん、今の答弁からすれば、課題ごとにやるということは、それは理解はいたしますが、課題ごとであっても、自治体の側から、これは作業部会を開いてもらう段階ではないんだ、これは開けないんだというような話があった場合、それでも開くということですか。課題を解決するために、それでも開くということですか。
 あるいは、自治体の側から、そもそも、どんなに課題解決だと言われても、その課題は解決できないだろう。例えば、端的に言うと、豪雪災害のときに避難計画が機能するはずがないんですよね。そして、豪雪災害は、ある一定程度の頻度で起きているわけです。豪雪災害時にきちんと対応できる避難計画なんて作るのはまず不可能だ、多くの豪雪地帯の自治体はそう思っていますし、私も豪雪地帯の生まれですから、それは強く感ずるわけです。こういう中で幾ら避難計画の議論をしたって無理だろう、こういうことになった場合でも作業部会は開くということですか。

#74
○荒木政府参考人 まず、作業部会でありますけれども、これも一つの形でございますけれども、当然我々は、関係する自治体と対面で、あるいは今コロナですからオンラインでありますけれども、いろいろ打合せをしながら課題の解決をさせていただきます。例えば、豪雪であれば、柏崎刈羽も同じように雪の問題を抱えておりますので、いろいろな地域でのいろいろなこれまでの知見も踏まえながら解決していく。
 ですので、必ず何か作業部会という場で皆さんに集まっていただくということでもって検討するわけではなくて、直接自治体とやる場合もある、そのように考えてございます。

#75
○逢坂委員 作業部会というわけではなくて、要するに日常のやり取り、こういうものもやっていくんだというふうに理解をさせていただきました。
 是非大臣に認識をいただきたいんですけれども、原発の立地地域へ行ってみてください。実際に行ってみて、本当にここで機能する避難計画が作れるのかどうか。
 大臣、日本の今の原発の避難計画あるいは原子力災害対策指針の基本的な考え方というのは、実は一定程度被曝するんだということが前提になっていることは御承知でしたでしょうか。これは通告しておりませんけれども、この点は御認識ございましたでしょうか。今の原子力災害対策指針というのは一定程度の被曝を前提にしているということは御存じでしたでしょうか。

#76
○小泉国務大臣 もちろん、被曝を最小限に抑えるための対策、そして、仮にそのリスクが高い場合の安定ヨウ素剤、こういったことを含めて考えているからこその対策であるということは理解をしています。

#77
○逢坂委員 一般的に、国民の皆さんは、避難計画というものを考えるときに、被曝しないように避難計画があるのかなというふうに思うわけですが、実はそうではなくて、原子力災害対策指針は一定程度の被曝を許容せざるを得ないということが前提になっているんですね。
 避難の前に屋内退避というのがありますけれども、屋内退避でも被曝を避けることはできないわけであります。特に、日本の場合、木造住宅が多いわけですから、ある一定程度の放射線量が降り注げば、それはある一定程度の被曝がある、それを前提にしているということは是非御認識をいただきたいと思いますし、その上での原子力の避難計画の担当大臣である、私はその責務は非常に重たいと思っています。
 そこで、改めて確認をさせていただきます。市町村が、やはり避難計画について、これでは十分に機能しないんだ、そういう判断をした場合に、原発は稼働を容認するのかどうか、この点を確認したいんです。
 実は、私、北海道の泊地域の緊急時対応、これを相当丁寧に読ませていただきましたし、役所の方にも来ていただいて勉強もさせていただきました。地域の交通事情とかを考えると、私は、夏であっても、あの計画は、私の感覚ですよ、これは機能しないな、そう指摘せざるを得ないんですね。
 万が一、福島クラスの事故があったら全く機能しないだろうというふうに思わざるを得ないんですが、例えば地元市町村がそういう判断をした場合、原発は稼働させるということになるんでしょうか。それとも、そういう場合であれば稼働させない。その辺りの判断はいかがでしょうか。

#78
○小泉国務大臣 先ほど長坂副大臣からも答弁があったように、経産大臣も総理大臣も、しっかりとした避難計画がない中で原発の稼働が実態として進むことはないと言っているわけですから、そういうことだと考えております。

#79
○逢坂委員 これで最後にしますが、先ほど大臣は、しっかりした避難計画というのは地域防災協議会で確認された計画だという発言をしているわけです。私が言っているのは、そうではなくて、しっかりとした避難計画ではなくて、市町村そのものが、仮に確認された計画であっても、これでは機能しない、これではやはり万が一の事故の際には住民の命や安全を守れないと判断した場合はいかがかと聞いているんです。

#80
○小泉国務大臣 原発の再稼働の可否については、私の立場で、三条委員会を抱えている中では、その可否についてのものというのは答えにくいのは先生御承知のとおりだと思いますが、実態として、これは避難計画がしっかりとしていない、そういったものであれば、それは前に進むことがないというのが、やはり総理や経産大臣が言っていることだと私は理解をしています。

#81
○逢坂委員 了解いたしました。
 今日はありがとうございました。終わります。

#82
○石原委員長 次に、堀越啓仁君。

#83
○堀越委員 立憲民主党の堀越啓仁でございます。
 二十分間という時間でございますので早速質問の方に入らせていただきたいと思いますが、その前に、昨日、インターネット、新聞等々でも報道が一部なされましたけれども、今年の二月に大阪で小学五年生の男児が屋外で体育の授業を行っていた際に倒れて、救急搬送され、そして、その後死亡が確認されたということが昨日の報道で出ています。
 恐らくこれはマスクを装着して運動していたことが原因なのではないかということが言われているわけで、文部科学省の方では、運動時のマスクは必要ないということを言っておりますし、日本臨床スポーツ学会の方でも、昨年の七月に、屋外での運動時、マスクは不必要だという声明も出されております。
 残念ながら、悲しいかな、命が奪われてしまったことに関しては、もちろん、調査中なのか、まだまだ分からないこともあるかと思いますが、是非、政府には再度、運動時の子供のマスクの装着のリスク、これはしっかりと伝えていただきたいということ。
 私がこの委員会で、ここで発言することに、もしかしたら何の意味もないかもしれません。しかし、私も三人の子育てをしている一人の父親として、本当に、子供が自分で判断するということが、マスクが必要か必要でないかということを判断するということは極めて難しいことでありますし、これは、文部科学省の方は、そうした、体育の授業でマスクを装着する必要はないというふうに言っているけれども、実際、現場では、運動時は外していいよという指導もあれば、マスクをしてくださいという指導も行われている場所もあったり、あるいは、怖い人は着けていいよという、子供に判断を委ねさせるということも実際今回のケースではあるわけであります。
 マスクの是非については、これは大人でも見解は分かれているわけですし、子供が自分で、感染症の影響と運動時のリスク、マスクを装着をすることに対するリスクを適切に判断できる状況かどうかということを言われれば、これはやはりなかなか難しいんだろうというふうに思いますので、適切に、科学的根拠に基づいて運動時のリスクを発信していただきたいということを私の方からもお願いをさせていただきたいと思います。
 同じ思いをして、苦しい思いをしている子供たちが実はたくさんいらっしゃいます。マスクをするのが嫌だ、それで学校に行かなくなって、実際居場所がなくなった、そういう子供たちもたくさんおります。三人の父親としても本当に、担任の先生の顔を見たことがないと言うんです、娘が。これは本当に、奪われているものがたくさんあるなと本当に苦しい思いを今しているところなので、これは大臣にも、発信力があります、是非御検討いただきたいと思いますが、もしこの点について何か一言御発言いただけるようであればいただきたいと思います。

#84
○小泉国務大臣 私も、一歳の息子を持つ立場としても、想像しただけでいたたまれない気持ちになりますね。
 もちろん、感染対策を万全にやった上での学校生活を営んでもらうこと、この重要性は言うまでもありませんが、先生が言ったことはどんなことでも従わなきゃいけないんだと思ってしまうような、そういう子供たちには立場を考えなければいけません。
 苦しかったら外していいよ、こういう一言がちゃんとあるかどうか、そういったことも含めて、しっかりと学校現場には子供たちを丁寧に見てもらいたいと思いますし、この時期になりますと熱中症のリスクも高いです。既に沖縄には熱中症警戒アラートも発令をされているぐらい、今暑くなる時期が早まっています。この熱中症の中でも、マスクの着用は、屋外などを含めて、外していいところは外していただいた上で生活を営んでもらいたい、そういうふうに心から思います。

#85
○堀越委員 大臣、ありがとうございます。
 私も、このことについては、保護者の側にいろいろと働きかけていかなきゃいけないところも多々あると思います、学校の先生だけではなく、学校教育現場だけではなくて。なので、私も発信をさせていただきたいというふうに思っております。御発言いただきまして、ありがとうございました。
 それでは、早速質問の方に入らせていただきますけれども、前回の温対法改正の質疑の際に、是非大臣に、今回、一般質疑でありますので、ムーンショット目標についてどういうふうに考えておられるかということについてお話をさせていただきましたので、その点について伺っていきたいというふうに思います。
 ムーンショット目標という、そのムーンショットという言葉自体は、ジョン・F・ケネディが、月面に人類を着陸させて、そして無事に帰還させるというのを一九六二年に発信をして、そして非常に希望を感じたというエピソードからこのムーンショットという言葉が出てきて、今、国だけではなく、各企業が、先進的な破壊的イノベーションをもたらすんだということの目標に掲げる際に、このムーンショット目標という言葉を使っているわけであります。
 SNSで、実は私、一番最初にムーンショット目標、日本政府が云々というのが出てきたときに、最初、都市伝説か何かかなというふうに思ったぐらいだったんですが、インターネットで検索すると内閣府のホームページに行き着くので、ああ、本当に内閣府としてこれは打ち出している目標なんだというふうなことを感じたわけでありますけれども、七つ目標があるわけですね。
 そのうち、環境に係るムーンショット目標も当然あるんですが、この一番目に来ているところを見ると、これは環境のものではありませんが、ムーンショット目標の一、二〇五〇年までに、人が身体、脳、空間、時間の制約から解放された社会を実現することをと挙げているんですね。
 何かハリウッド映画の世界かななんというふうに思いがちで、私は、倫理観的にはこういう世界を目指したいとは、正直なところ思わないわけですが、ただ、やはりイノベーションというのは当然必要でありまして、私も作業療法士というリハビリテーションの現場で十二年働いておりました。主に中枢疾患なので、脳神経外科の分野で、半身不随になられた方々。脳神経細胞というのは、今現状の医学ではよみがえらないというふうに言われているので、そこの残っている脳神経細胞体がどう代替をするのかということを促すのがリハビリテーションというものであって。しかし、そうはいいながらも、活動をやめてしまっている神経が、働きかけがなくて筋肉が動かない。当然、筋力はどんどん落ちていきますので、そこは、最近では、EMSという電気刺激によって筋収縮を促して筋力を向上させる、維持させるというような装置も生まれてきています。
 この延長線上でいけば、例えば、脳神経細胞体が生き返らなかったとしても、科学的なイノベーションによって片麻痺というものが相当軽減される技術も開発されるんだろうというふうに思うところがあるので、こういったことはやはりどんどん進めていただきたいなということは、正直なところ、あります。
 ムーンショット目標のうち、環境問題に関するのは目標の四ということで、このムーンショット目標、七つある中で、この四は、私、全面的に賛同できるものでありまして、特に、二〇五〇年までに、地球環境再生に向けた持続可能な資源循環を実現することを挙げて、地球環境再生のため、持続可能な資源循環の実現による、地球温暖化問題の解決、クールアースと、環境汚染問題の解決、クリーンアースを目指すというふうにしているんですね。
 これは世界的にも当然一層注目がなされている話ですし、取組強化が求められるということでありますので、これは是非進めていかなきゃいけないというふうに思うんですね。
 その上で、小泉大臣、このムーンショット目標について、目標四について、具体的な何か思いがあったり、期待や懸念も含めて、率直なお考えをいただければと思います。

#86
○小泉国務大臣 この目標四は、二〇五〇年までに、地球環境再生に向けた持続可能な資源循環を実現というふうになっているとおり、私は、一言で言うとサーキュラーエコノミーの確立だと思うんですね。
 先生がこの分野も詳しいと思いますけれども、今も既に、ペットボトルからペットボトル、服が服になる、そして車がもう一回車になる、この水平リサイクルというものが先導的に実現をしている分野は幾つか出てきました。これはまだ先進的だと言われることかもしれませんが、今後、むしろそれが当たり前になって、新たな資源投入をせずに、我々人間の経済活動、日常活動が当然のように行われるようになれば、まさにこのムーンショットの目標になるような、地球環境再生に向けた持続可能な資源循環を実現ということにもなりますし。
 最近、国際社会でよく言われている一つの言葉が、リジェネラティブという言葉がありまして、むしろ人間の活動が自然などを再生、治癒をしていくような発想で、経済活動が新たなシステムの下に行われるべきだということで言われることが最近増えてきたと感じています。
 まさに気候変動対策と生物多様性、こういったことがリンクして語られるのはそこにも意味があるわけで、私は、この目標四というのは、今回の国会でプラスチック新法をサーキュラーエコノミー新法だというふうに言っていますが、そこに向けた一つの動きが始まったというふうに感じております。

#87
○堀越委員 ありがとうございます。
 やはり政治というのは、今起こっている諸問題について長期的に物事を考えていって、その先に向けてどのように進んでいくのかという通過点としての今があるというふうに考えていくべきだというふうに思っていて、特に、この環境委員会、環境省の仕事というのは、まさに先の、長期的なビジョンを持って、どんな社会を目指していきたいのかということを私たちが一つ一つ議論していく場なのではないかというふうに思っています。その中で、この二〇五〇年の段階でのムーンショット目標四、これは私も絶対進めなきゃいけない話だと思います。
 先ほど大臣はサーキュラーエコノミーというお話をされました。サーキュラーエコノミーも、プラ新法のときに私も発言させていただきましたけれども、万全ではない部分もやはりあるんですね。自然環境からあらゆるものを私たちは取ってきて、そして作り上げる。この作り上げる過程の中で、また同じもの、また、リサイクルしている過程も、どうしてもロスは確実に出るのは間違いないわけなので、自然環境が保全されていて、そして循環をつくり上げるというのが、これが両輪で進めていかなければいけないことだと私は思っています。
 これがある意味ではSDGsの本来の考え方であって、いわゆる自然資本というものの上に経済活動と社会が成り立っているということだというふうに思います。この辺、大臣も深く理解をされておられると思いますので、是非こうしたものを進めていきたいなというふうに思っています。
 これもプラ新法のときにもお話しさせていただきましたけれども、かなりイノベーションというものが技術開発という形で進んでいるところがありまして、例えば漁具の件については、深海、酸素濃度が少ないところに到達すると、それがトリガーになって微生物に分解されるというような技術を開発している。私の出身の群馬県で、群馬大学の粕谷教授がこういったことをやっているわけですね。
 こういったことをやはりどんどんどんどん後押ししていくということが私は必要だと思いますが、このムーンショット計画の四というのは、所管が経済産業省になるんですね。
 その辺り、経産省では、具体的に今後、取組、今後の方針等をお聞かせいただければと思います。

#88
○矢作政府参考人 お答えいたします。
 今、海洋プラスチックごみ問題の解決に向けたものとして、まず、ごみの適切な回収、処分を徹底した上でありますけれども、新素材の開発等のイノベーションによる解決を図っていくこと、これは大変重要だと思ってございます。しかも、海洋生分解性プラスチックというのは我が国が技術競争力を有していまして、非常に有望な分野だというふうに思ってございます。
 経産省で、海洋生分解性プラスチックの開発、導入、普及を図るためにロードマップを二〇一九年の五月に策定してございます。
 このロードマップの中では、生分解機能の更なる信頼性向上のための評価手法の国際標準化を進める、あるいは将来的な用途拡大に向けて、生分解メカニズムの解明を通じた生分解機能の高度化、新素材の創出を目指す、こうしたロードマップを策定してございます。
 こうした取組を進めてきた上ででございますけれども、御指摘のあったムーンショット型研究開発の目標四でございます。
 これにつきましては、海洋に流出した際に適切に分解されるよう生分解のタイミングなどをコントロールするスイッチ機能の開発という極めて非連続なイノベーションを目指しまして、三件のプロジェクトを開発して、挑戦的な研究開発に着手しているところでございます。この中に、今、先生から御指摘のございました群馬大学の粕谷教授の案件も含まれているということでございます。
 特に、粕谷先生のプロジェクトにつきましては、漁具とか漁網に用いられるポリエステルとかポリアミド、これを対象として、特定の海洋環境下で分解を開始するそうした分子構造を導入することでスイッチ機能を備えて、生分解性プラスチックの用途を広げる点が強みでございまして、その成果に大変期待しているところでございます。
 今のムーンショット型研究開発制度につきましては、昨年二月から公募を開始しまして、これは新型コロナウイルス等々の問題もございまして、若干、公募期間の延長みたいなこともございましたが、昨年八月に採択プロジェクトを公表しまして、十月から開発事業を開始している。本年の三月に、目標四というか、海洋生分解性プラスチックに関する今後のプロジェクトマネジメントについてのキックオフ会議も実施したというふうに、進捗しているというふうに認識してございます。

#89
○堀越委員 ありがとうございます。
 ちょっと冒頭、所感を述べさせていただいた都合で、質問が、残り時間が短くなってきたので、次に移りたいと思います。
 次は、私のライフワークで取り組んでいるアニマルウェルフェアについてなんですけれども、令和元年の動物愛護法の改正を踏まえて、昨年の四月に改正されました動物愛護管理基本指針には、「産業動物の飼養等の在り方を検討し、産業動物の飼養及び保管に関する基準を見直す必要がある。」というふうに明記されているわけですが、これはいつ見直しを考えているのかということをお聞かせいただきたいのがまず一点。
 それから、予算委員会の分科会で、串田委員の質問に対して、小泉大臣、バタリーケージ、これはアニマルウェルフェアの観点からは推奨されるべきではないということで御発言いただきました。私もそのとおりだと思いますし、是非これを、この大臣の御答弁を踏まえた上で、産業動物の飼養及び管理に関する基準の見直しということが行われるべきだというふうに思っていますので、その点について、二点目、環境省にお伺いしたい。
 そして、続けてなんですけれども、令和元年改正法において、地方公共団体の畜産部局及び公衆衛生部局との連携強化が盛り込まれていることから、関係省庁と連携をして、効果的な連携強化の在り方について検討を行うことというふうにあります。
 それで、これまで私が度々質疑で取り上げてきた屠畜若しくは食鳥処理場、こういったところとの連携強化の在り方について、検討を、私は確実に必要だろうというふうに思っておりますが、この辺の検討状況について。
 以上三点、お伺いしたいと思います。

#90
○鳥居政府参考人 お答え申し上げます。
 今、議員から幾つかの点についてお尋ねがありましたけれども、まず、基準の見直しの時期でございますけれども、基準の見直しに向けては、関係省庁との効果的な連携強化の在り方あるいは飼養保管基準の周知の推進や遵守の徹底の効果的な方法などについて検討を進めていく必要があると認識しており、現時点で見直しの具体的な時期をお示しすることは難しいですけれども、昨年改定いたしました動物愛護管理基本指針を踏まえて、まずは関係省庁との連携や情報収集を努めてまいりたいと思っております。
 それから、それ以外のお尋ねでございますけれども、まず、養鶏場に加え、屠畜場や食鳥処理場において取り扱われる産業動物につきまして、厚生労働省が所管してございます。そういった場所における家畜の取扱いについても、できる限り苦痛を与えない殺処分を行うなど、アニマルウェルフェアの観点にのっとって動物の適正な取扱いがなされる必要があるというふうに考えてございます。
 このため、厚労省において、昨年六月の改正動物愛護管理法の施行を受けて、翌七月に事務連絡を発出し、屠畜場、食鳥処理場に臨場する公衆衛生部局の獣医師に対して、法第四十一条の二において、虐待を受けた動物等を発見した場合の都道府県知事等への通報義務が課せられたことについて周知を行うなど、必要な対応を進めているところと承知してございます。
 さらに、先週五月二十日には、産業動物に関する省庁連絡会議を開催いたしまして、アニマルウェルフェアの考え方を取り入れた、屠畜場、食鳥処理場における動物の取扱いに関して意見交換を実施してきたところでございます。
 引き続き、産業動物の更なるアニマルウェルフェアの確保に向けて、関係省庁と効果的な連携強化の在り方を検討してまいります。

#91
○堀越委員 済みません。時間が来ましたので終わりにしますが、大臣に、この間、横須賀の平飼いの養鶏場に私行ってきますという話をしたんですけれども、結局、あの後ちょっと予定が合わなくて行けなかったんですね。また御一緒できればと思っていますので、是非よろしくお願いします。
 ありがとうございました。

#92
○石原委員長 次に、斉藤鉄夫君。

#93
○斉藤(鉄)委員 公明党の斉藤鉄夫です。よろしくお願いいたします。
 まず初めに、私は、今日、自動販売機専用空容器リサイクルボックスについて質問をさせていただきます。
 ちょっと古いんですが、二〇一八年に、一般社団法人全国清涼飲料連合会が自動販売機の横に置かれているリサイクルボックスについて調査した結果がございます。その結果、いわゆる空容器以外のもの、空容器というのはペットボトル、缶、瓶、この回収が目的のリサイクルボックスですが、それ以外のものが入っているというのが三一%、容量ですけれども、三一%、ほかのものが入っていたという結果。今、その傾向は、増えている傾向だそうでございます。
 どんなものが入っていたかというと、たばこ関連が二八%、お酒の容器が二二%、あと、まさに生活用品、おにぎりや果物などの食品も入っていた。そして、注射針とか、インシュリンの注射針が一番多かったそうですが、そういう危険物も入っていたという結果が報告されました。
 こういう異物でいっぱいになると、本来入るべき空容器が入りませんので、その周辺の美観を損なう散乱の原因になる。それから、異物が多いと再利用品の品質が低下する。また、注射針やたばこの吸い殻などが入っていた空き瓶等はリサイクルできないんだそうです、危険ということで。こういう問題が指摘されました。
 まず、環境省にお伺いしますが、リサイクルボックス内に捨てられた、いわゆる一般廃棄物の処理責任者は誰ということになるんでしょうか。

#94
○松澤政府参考人 お答え申し上げます。
 先生御指摘の自動販売機横のリサイクルボックスに廃棄されている飲料容器のほか、混入しています飲料容器以外の、先生が御指摘されましたたばことか、まさに様々なものでございますけれども、この処理責任については、事業系の廃棄物ということで、リサイクルボックスを管理する、自動販売機を設置、管理されている事業者の方に生じております。

#95
○斉藤(鉄)委員 今のお答えは自販機を運営している事業者の責任だということなんですが、その一般社団法人の方はそう認識していませんで、こういう問題を認識してほしいという要望書の中に、この方々の認識は、自販機事業者の責任範囲はリサイクルボックス内の空容器までだ、そのほかの一般廃棄物の処分は、やはり、廃掃法に書いてあるとおり、地方自治体、市町村にあるのではないか、こういう認識なんです。どちらが正しいかという問題ではなくて、まず認識の違いがあるということをちょっと分かっていただきたい、こう思います。
 その上で、ではこの問題をどう解決していくかということなんですが、先ほどの調査は二〇一八年で、もう三年前ですけれども、ここ近年、三年前で三一%でしたが、これが増えている。その増えている理由として、一つは、公共の回収ボックスが、やはり、注射針等の危険物が増えてきたということで、公共の回収ボックスそのものが減ってきた、減らしてきている。これは、地方自治体が、ある意味で自分の責任を小さくしているということかと思います。それから、コンビニエンスストアの回収ボックスも、危険物等や一般廃棄物が捨てられるということで、店内に回収ボックスを入れるようになってきた。それから、タピオカ容器が急増したことによって、飲料等の販売店舗の回収ボックスをこれまた引き揚げる。こういうことが重なって、結果的に自動販売機のリサイクルボックスの一般廃棄物が増えてきた、こういうことでございます。
 まず、認識の違いを認識して、今後、この問題について、放置していいわけではないと思いますので、どのように解決しようとしておられるのか、何かお考えがあるんでしょうか。

#96
○松澤政府参考人 お答え申し上げます。
 元々、自動販売機の横のリサイクルボックス、こちらは、飲み終わった飲料容器を回収をしてリサイクルすることを目的とするということで、自販機を設置されている事業者が置いているものでございますので、そのリサイクルがうまくいくようにしていくべきだろうと思います。それが、先生御指摘のような問題が生じていてうまくいかないということですから、これは、自販機を設置している事業者の方だけでなく、私ども行政も協力して、問題解決できるようにすべきだろうと思います。
 私ども環境省では、もちろん、廃棄物処理法の制度で、みだりに廃棄物を捨ててはならない、こういう罰則の仕組みがございます。また、自治体では、ポイ捨てと呼ばれる、これを防止する条例も制定されているところがございます。こうした条例などに基づく監視、取締り、いろいろなところにぽいぽい捨ててしまうというのを防ぐ取組は自治体で積み重ねられております。
 私ども、二年に一度、定期的に、こういった取締り効果の、施策について、調査を行って取りまとめて、自治体に横展開を行っております。好事例の横展開を行って、モラルの向上ということを努めていくことは大事だと思います。
 それから、飲料業界とも協力をいたしまして、リサイクルをやはり進めていこうということで、瓶、缶、それからペットボトル、三種類に区分したそれぞれ専用のリサイクルボックスによる分別回収のモデル事業というのを行ってみました。先生御指摘の、大体三割ぐらい異物が入っているというものが三分の二ぐらいに減りましたので、一定の効果があるだろうと思います。
 また、飲料業界では、下向き投入口ということで、口が下に向いているもので異物混入率が下がるんじゃないかということで、そういう実験も行っていて、確かにそういう効果があったというふうに伺っております。
 このように、資源としての回収を強化をして、缶から缶、ボトルからボトルというリサイクルが当たり前になって、社会的にそれが認知されるようにしていくということが非常に重要だと思いますので、自治体も含めまして、それから業界団体とも連携をして、こうした取組を広げていきたいと思います。

#97
○斉藤(鉄)委員 いろいろ環境省としてもその実態を把握して努力しているということが分かりました。
 今も業者さんたちは、先ほどありましたように、今は大体上からぽんと空き缶を入れるというものが、リサイクルボックスが多いんですが、そうではなくて、先ほどおっしゃったように、下から入れないと入らないというようなものも作って、どれだけ効果があるかということも努力されているようです。
 どうか、これから環境省、自治体もリサイクルボックスを、自動販売機を設置したらリサイクルボックスを設置しなきゃいけないということを条例で決めている自治体もあるし、そうでない自治体もあるそうです。自治体によっても認識が随分違うと思いますので、どうかこういう試みが、先ほどおっしゃったような努力が全国に行き渡るように、これからも施策を進めていただきたい、このように思います。
 大臣、こんなことで大臣に聞いたらいけないかもしれませんが、今の議論を聞かれていかがでしょうか。

#98
○小泉国務大臣 よく自販機の脇にあるボックスに異物が混入している姿というのは見たことがありますから、これをいかに減らしていくか、それが結果として、水平リサイクル、サーキュラーエコノミーをより広く効果的にやっていく鍵ですから、意欲的に取り組んでいる事業者と、また最近、自治体の中でも問題意識を持っているところが出てきましたから、こういったところをしっかり後押しして、今回の新法をきっかけに、よりリサイクルが進んでいくようにしていきたいと思います。

#99
○斉藤(鉄)委員 ありがとうございます。
 次に、ムービングハウスについて質問をさせていただきます。
 ムービングハウスというのは、その名のとおり、移動式木造住宅ということで、幅二・四メートル、長さ十二メートルのワンユニットで、四十フィートコンテナを基本として造られる移動式木造住宅です。貨物車に搭載できます。また、フェリーにもトレーラーで搭載できるというものでございます。
 このムービングハウスは、今、屋外でのレジャーがいろいろ盛んになってきておりますけれども、キャンプを一つ超えた、グランピングというんだそうですが、こういう、屋外といいましょうか、自然環境の中で生活をするというところにもこのムービングハウスが使われているということでございます。
 ユニットを組み合わせることにより簡単に増床できる、インフラ設備を必要とせずに設置後すぐに利用可能だ、電気はソーラーパネル、風力発電、蓄電池、給水は配管型の百二十リットルの貯水タンクとか、トイレはバイオ処理システム、ライフライン設備のあるところでは水洗に切り替えられる、こういうものでございます。
 このムービングハウスを防災に役立てたらどうかという動きがございます。現に、二年前の西日本豪雨のとき、災害があった真備町ではすぐにムービングハウスで五十世帯の避難家屋を造ったというところでございます。
 このムービングハウスについて政策的に何か支援があるのかな、こう思って調べました。ですから、災害時に威力を発揮するということで、内閣防災等にあるのかなと思いましたら、何と、ムービングハウスを支援する補助制度は環境省が持っているんです。建築物等の脱炭素化・レジリエンス強化のための高機能換気設備導入・ZEB化支援事業、ZEB、ゼロ・エミッション・ビルディング、令和二年度の三次補正で、環境省の補助金です。その中に三つあるんですが、平時の脱炭素化と災害時の安心を実現するフェーズフリーの省CO2独立型施設支援事業ということで、環境省の中にこの支援事業があります。
 私はこれを見たときに大変うれしくなったんですが、まず、環境省がこの事業を支援しているということの意義をお伺いします。

#100
○宮崎大臣政務官 お答えいたします。
 今、斉藤委員から御紹介いただきました事業でございますが、近年の災害の激甚化や感染症の拡大など緊急時への対応が重要になっていることに鑑みまして、令和二年度第三次補正予算の中で新たに措置したものでございます。
 具体的には、再エネ設備や蓄電池などを備えた独立型の施設であるムービングハウス、コンテナハウス等の導入を支援するものでございます。これらは単に災害発生時に活用できるだけでなく、平時には省CO2型の業務用施設として、また、災害や感染症拡大などの緊急時にはエネルギーの自立した応急施設や一時避難施設等として活用可能であることから、環境省が支援をするということになったものでございます。
 本事業を通じまして、地域の脱炭素化とレジリエンスの強化の同時実現を目指していきたいというふうに考えております。

#101
○斉藤(鉄)委員 今日は内閣防災の方にも来ていただいております。内閣防災として、このムービングハウス、防災上どのように位置づけているのか、お伺いします。

#102
○村手政府参考人 お答え申し上げます。
 ムービングハウス等、移動式の仮設住宅につきましては、発災後迅速に設置可能ということでございますし、利点も多く、災害時に積極的な活用が期待されるところでございます。
 被災自治体の要望を踏まえ、これまでも、令和元年東日本台風や令和二年七月豪雨等において百八十九戸のムービングハウスなどが応急仮設住宅として活用されてきたところでございます。
 さらに、日本ムービングハウス協会におきましては、三県、二救助実施市との間で災害時のムービングハウスの活用に関する協定を締結するなど、活用に向けた裾野も広がってきていると承知してございます。
 内閣府としても、一定規模の災害が発生して救助法が適用された場合には、これを活用して応急仮設住宅を提供する自治体に対しては、災害救助法の国庫負担の対象として支援をしているところでございます。
 各自治体に対して全国説明会でムービングハウスの活用事例を紹介するなど周知にも努めてまいっているところでございます。引き続き自治体で活用が進むよう助言を行ってまいりたいと考えております。
 以上でございます。

#103
○斉藤(鉄)委員 私も見させていただきましたけれども、中に入ると、かなり高級ホテル的な雰囲気もありまして、ただ、これをいつ起こるか分からない災害のためにどこかに常備しておくというのも、コスト的にも大変かと思います。
 平時は何らかの活用をする。例えば、各自治体がこれを保有して、例えば災害救援物資等をその中に持っているとか、若しくはホテルや何かの宿泊所に使うとか、そういう形で運営しながら、いざ災害が起きたときには、周辺の各自治体が協力をして、その災害が起きた自治体にこれを仮設住宅として使ってもらうなどの、今、自治体がこれを持つという例もあるようです。
 こういう形で広がれば、随分、仮設住宅も安いコストで、すぐ、二、三日後から住宅、それも環境の整った住宅に入れるということで、被災者の方にも喜んでいただけるのではないかと思いますけれども、今後、各自治体に、こういうものを持ってお互いに協力し合う、自分のところが災害が来たときには周辺や全国の自治体からこのムービングハウスが駆けつけてきて、二、三日後には数十戸、また数百戸の仮設住宅もできるというような体制になるのは、私は非常に安心につながると思いますが、いかがでしょうか。

#104
○村手政府参考人 お答え申し上げます。
 御指摘のように、ムービングハウスなどを仮設住宅として迅速に提供するためには、災害時に速やかに転用ができる平時の利活用方策が課題であると承知してございます。
 過去の災害時において活用されましたムービングハウス等につきまして調べてみますと、平時に民間で主に展示場での展示に使用していたものであると伺ってございます。日本ムービングハウス協会などの業界団体などにおきましても、宿泊施設等としての利用など、更なる平時の利活用方策が検討されていると承知してございます。
 また、先ほど申し上げましたけれども、協会の方で、三県、二救助実施市との間で活用に関する協定を締結するなどして、自治体との連携にも努めているというふうに承知してございます。
 まずは、民間備蓄を基本としながら、災害時の供給体制の構築の促進について検討していきたいと考えてございます。
 また、業界団体や自治体との意見交換を通じましてニーズや課題を伺い、その内容も踏まえながら、ムービングハウス等の移動式の仮設住宅の活用が推進されるよう検討を行ってまいります。
 以上でございます。

#105
○斉藤(鉄)委員 時間が来ました。小泉大臣、今の議論を聞いて何か一言御発言いただけますでしょうか。

#106
○石原委員長 持ち時間が来ておりますので、手短にお願いします、大臣。

#107
○小泉国務大臣 今、この事業、現在公募中だそうですが、お問合せも多くいただいていると聞いています。例えば、PCR検査での活用なども考え得るかもしれませんし、また、私も、東日本大震災の後に宮城県の女川町でこのような、ムービングハウスというのかコンテナハウスというのか、移動式の、コンテナを活用した宿泊施設に泊まったことがあります。
 そういったことで活用がいただける形で、環境対策も進む、防災対策も進む、こんな事例が増えていくことを期待をしています。

#108
○斉藤(鉄)委員 ありがとうございました。

#109
○石原委員長 次に、田村貴昭君。

#110
○田村(貴)委員 日本共産党の田村貴昭です。
 馬毛島の基地建設とマゲシカの保護について質問をします。
 鹿児島県西之表市の馬毛島に生息するニホンジカのマゲシカは、環境省レッドリストにおいて、地域個体群に選定されています。昨年の本委員会で私が質問した際、環境省は、個体数の現況は、二〇一一年の調査による推測生息数は二百五十五から二百七十七頭で、二〇〇〇年の調査結果である五百七十一頭と比較するとほぼ半減しているというお答えでありました。
 環境省に改めて伺います。
 マゲシカの存続を脅かす要因となっているのは何でしょうか。

#111
○鳥居政府参考人 お答えいたします。
 昨年の三月十日にも答弁させていただいたように、馬毛島では、推定生息数が二〇〇〇年の五百七十一頭から、二〇一一年の二百五十五あるいは二百七十七と、十一年間で半減しているわけでございますけれども、その減少要因は、開発に伴う森林伐採を始めとする環境の改変であるというふうに認識してございます。

#112
○田村(貴)委員 環境の改変が個体数の減少に影響を及ぼしているということであります。つまり、タストン・エアポート社の森林法違反の伐採により、鹿の食べるものがなくなっているからなんです。
 国際自然保護連合、IUCNでは、五百頭以下の個体数を絶滅危惧の基準として定めています。マゲシカは絶滅の危機にあります。にもかかわらず、この馬毛島を丸ごと軍事基地にしてしまう計画が進められています。
 資料をお配りしています。防衛省の資料です。パネルを御覧ください、大臣。
 米軍、自衛隊の施設基地の面積が馬毛島全島における約九割、もうほぼ基地化してしまうわけであります。この基地でマゲシカはどうやって食べ物を求めることができるでしょうか。
 大西防衛大臣政務官にお越しいただいております。
 島のほぼ全域を基地に充ててしまえば、マゲシカの生息地はなくなってしまいますよね。三月の西之表市における住民説明会では、施設の一部をマゲシカの生息地にすると防衛局からお話があったようなのですが、どうするんでしょうか。

#113
○大西大臣政務官 田村委員にお答えをさせていただきます。
 防衛省といたしましては、我が国の安全保障のため、馬毛島に仮称自衛隊馬毛島基地を整備する方針でございます。
 この基地は、我が国の南西防衛の強化、又は、米軍の空母艦載機離着陸訓練、FCLPを実施することになれば日米同盟の強化にも大きく貢献する重要なものでございます。
 その上で、環境影響評価手続の中で、施設整備が馬毛島のニホンジカ等の自然環境等に対して与える影響について、適切に調査、予測及び評価を行い、必要に応じて環境保全措置を取る等、適切に対応していく所存でございます。
 以上でございます。

#114
○田村(貴)委員 適切に措置を取るというのは、どういうふうに取るんですか。

#115
○青木政府参考人 お答え申し上げます。
 今、環境影響評価手続を進めさせていただいているところでございます。その中で、施設整備に関しまして、馬毛島のニホンジカ、これは、自然環境等に対して与える影響を、その中で適切に調査をいたしまして、また予測、そして評価をしていくというふうに考えておりますので、その中におきまして、必要に応じて環境保全措置を取ってまいりたいというふうに考えております。

#116
○田村(貴)委員 同じ答弁じゃないですか。
 ちょっとパネルを見ていただきたいんですけれども、二十年前にNHKの動物番組でマゲシカの特集をやっていました。タストン・エアポート社の開発の前は、馬毛島の、雌と子供はこの中央部で暮らしていた。そして、開発で森がなくなって、今度は、防衛省によって、この中央部の森に二本の滑走路を、そして施設を造ろうというわけであります。
 この計画と、先ほど環境省から説明があった、マゲシカが生息する、この両立が本当にできると考えているんですか。政務官、いかがですか。

#117
○大西大臣政務官 失礼します、何回も同じ答弁になりますけれども、環境評価手続の中で、施設整備が馬毛島のニホンジカ等の自然環境等に対して与える影響については、適切に調査、予測及び評価を行って、必要に応じて環境保全の措置を取る等、適切に今後対応してまいりたいと思います。
 以上でございます。

#118
○田村(貴)委員 環境省と小泉大臣に是非聞いていただきたいと思うんですね。
 馬毛島のニホンジカというのは、雄が平原、海岸部に近いところの平原で暮らして、そして雌が森、中央部に近いところの森に分かれて暮らしています。雌と子鹿は争うことはなく、木の実など、比較的カロリーの高いものを食べて生きている。雄は、子供のとき、一歳になったら雌から追い出されるんです。そして、固有の雄の群れをつくるわけです。そして、雄は熾烈な生存競争を繰り返します。体の小さい、そして弱い雄は海岸地域の方に押し出されていく。そして、何と、雄の半分は死んでしまうんです。それが、ここの島で大体五百の個体をつくってきた鹿の生きるすべだったということなんです。
 環境省にお伺いします。
 世界でも珍しいセグリゲーションがここでは見ることができます。この貴重な自然を環境省はどう評価していますか。
 馬毛島の生態を三十年以上にわたって研究している北海道大学の立沢史郎先生が今年三月にヘリコプターから観察したところ、このセグリゲーションが崩れてしまっているということを確認されました。
 開発によって食べ物がなくなっているのではないか、雌も子供も雄も一体となってしまったら、この個体を存続することができなくなってしまっているんじゃないか、そういうことを承知していますか。

#119
○鳥居政府参考人 お答え申し上げます。
 先ほど御答弁申し上げましたとおり、環境省が著しておりますレッドデータブック二〇一四では、推定個体数が二〇〇〇年から二〇一一年にかけて半減しているということになってございますが、議員御指摘のセグリゲーションが崩れているという状況なのかどうかについては、これを判断する情報を有していないので、お答えすることは困難であると申し上げます。

#120
○田村(貴)委員 紹介しましたので、北海道大学の立沢先生と情報共有してください。
 マゲシカは、ニホンジカの中でも体が小さいんです。北海道のものと比べると半分ぐらいだというんです。雄の半分が死ぬことも、セグリゲーションを続けているのも、全て餌場が限られているからなんですね。閉ざされた島だから、こういう生き方をしているわけです。鹿が島の自然に合わせて、個体の存続に知恵を働かせてきたからなんですよ。まさに生物多様性じゃありませんか。
 小泉大臣に伺います。
 千年以上にわたって鹿がこの島で生き続けてきたあかしがあります。奈良時代に鹿の皮が朝廷に献上された記録が残っています。長い歴史を持つわけです。ここで絶やすわけにはいきません。馬毛島の鹿が生きていくためには、広い平原と森林が必要です。違法伐採でその森が崩され、政府の行為によって今度は絶滅の危機を迎えようとしています。
 環境省は貴重な自然環境、地域個体群を守るべきだと思いますが、大臣、いかがですか。

#121
○小泉国務大臣 先生が御指摘のとおり、馬毛島のニホンジカは、環境省のレッドリストの附属資料において、絶滅のおそれのある地域個体群に選定をされています。
 絶滅のおそれのある地域個体群は、絶滅危惧種とは異なりますが、孤立した地域個体群で、絶滅のおそれが高いものとして評価されたものであり、一般的に、その生息環境に関して配慮が必要なものであります。
 現在、事業者である防衛省において、環境影響評価手続が実施されていると承知しています。その中で適正な配慮がなされるものと認識をしております。

#122
○田村(貴)委員 大臣も意見を述べる立場が来るんですよね。それで、そのアセスで環境省は当然仕事があるんだけれども、アセス以前の問題ですよ、これ。目の前に、政府の行為によって、今まさに生存危機に直面しているわけなんですから。
 立沢先生は、絶滅するかどうかのボーダーは五百頭とされ、何かのきっかけですぐにでも絶滅する状態だと言っています。基地建設がそのきっかけになっては絶対なりません。
 大臣にお伺いします。
 先日のG7気候・環境大臣会合のコミットメントがホームページに載っていました。我々は、いずれも人間活動の結果である生物多様性損失の五つの直接的な要因、すなわち土地、海の利用の変化等々について緊急に行動することをコミットすると。人間活動の結果である土地、海の利用の変化に緊急に行動すると高らかにうたっているではありませんか。
 これ、大臣のコメントですね。緊急対応を求めたいと思いますが、いかがでしょうか。

#123
○小泉国務大臣 今回、生物多様性についても、日本は意欲の高い、陸と海合わせて三〇%保護する、こういったことを全体として達成していけるように、生物多様性の保全に全力を尽くしてまいります。

#124
○田村(貴)委員 環境省は御存じのように、マゲシカについては、日本哺乳類学会の哺乳類保護管理専門委員会が四月に意見書を防衛省に提出しています。
 九州本土の鹿とは異なる特徴と歴史性を持つ重要な地域個体群、将来にわたって保存される必要があると指摘しています。そして、防衛省の事業実施に対しては、鹿個体群の自然状態での安定的存続は困難となる可能性が高い、存続を確実にするためには、事業実施区域内に鹿が生息できる十分な規模の環境、森林と草地の組合せを確保し、事業実施区域外との自由な個体交流を保証することが必要になる、こういう提言が出ていますよね。
 鹿がしっかりと生息できるような森林と草地の組合せというのは、こんな基地を造っていたら絶対できませんよ。だから、この基地建設は速やかに中止してください。そして、基地建設を取りやめて、少なくとも二十年前の元の環境に戻す必要があります。強くこのことを求めたいと思います。
 マゲシカの問題については以上で終わりますので、政務官と防衛省は退席していただいて結構です。

#125
○石原委員長 大西大臣政務官、どうぞ御退席ください。

#126
○田村(貴)委員 次に、アスベストの飛散防止問題と対策について伺います。
 使用が禁じられている石綿、アスベストがバスマットやコースター等の製品に含まれていたことが昨年から明らかになって、製造販売者が自主回収をしています。
 経産省にお伺いします。重立った販売者、商品の種類、それぞれの回収対象数量、回収数や回収率、回収されず破棄されたもので回収したとみなされているもの等々について説明をしていただけますか。

#127
○後藤政府参考人 お答え申し上げます。
 石綿を含有しているとして事業者が回収を行っている珪藻土製品の種類としては、コースター、バスマット、石けんトレー等と承知しております。
 事業者別の対象数量は、株式会社堀木工所が約三万台、サントリースピリッツ株式会社が約二千台、株式会社カインズが約二十九万台、株式会社ニトリホールディングスが約三百五十五万台、不二貿易株式会社が約三万台、エイベクト株式会社が三十一組と承知しております。
 回収数及び回収率の状況について、まず、対象台数の多い株式会社ニトリホールディングスについて申し上げますと、五月二十四日現在で回収数約百十四万台でございまして、回収率が約三二%となっております。回収されず廃棄されたもので回収したと計上しているものは約九万台と承知しております。
 その他の事業者の回収数及び回収率については、報告を受けている最新の状況として、それぞれ、株式会社堀木工所が約三千六百台、約一一%、サントリースピリッツ株式会社が約八百台、約四二%、株式会社カインズが約二十一万台、約七三%、不二貿易株式会社が約一万八千台、約六一%、エイベクト株式会社が二十六組、約八四%となっておりまして、回収されず廃棄されたもので回収したと計上しているものは、サントリースピリッツ株式会社が約二百台、エイベクト株式会社が約九組と承知しております。

#128
○田村(貴)委員 数の多さに本当に驚きます。
 こうした珪藻土使用のアスベスト含有製品、それを、やはり、家庭内で使っているときに、破損も当然起こるでしょう。子供が口にすることもあるでしょう。しかも、バスマットの説明書には、吸水性が落ちても紙やすりで表面を削れば使い続けられると記されたものもありました。中には紙やすりを附属品にしていたケースもあります。これは大問題ですよね。
 消費者庁へ伺います。購入した消費者の方も大変不安を抱いていることと思います。リコール情報サイトの反応はいかがですか。

#129
○片岡政府参考人 お答え申し上げます。
 消費者庁におきましては、消費者が保有する商品について、事業者がリコールを実施した場合には、当該リコールに関する情報を集約して消費者に提供することを目的としたリコール情報サイトを運営してございます。
 お尋ねの珪藻土バスマットに関する商品についても、既にリコール情報サイトに掲載をして情報提供を行っているところでございます。商品の中には二十万件を超えるアクセスがあるものもございます。
 今後とも、状況等を注視して、必要に応じて、関係省庁と連携をしつつ対応していきたいというふうに考えてございます。

#130
○田村(貴)委員 二十万件のアクセスがあるということは、購入した消費者の方が大変不安に感じておられると思います。
 バスマットを購入したある消費者の方は、子供の健康被害が心配になって、販売会社の担当窓口に相談しました。そうしたら、こう言われました。厚生労働省から通常使用では特に問題がないと見解をもらっている、そういう趣旨が告げられたとのことであります。
 厚労省に伺います。販売者やユーザーから問合せがあったときに、どういう対応をされていますか。

#131
○小林政府参考人 お答え申し上げます。
 相談窓口なども設けてございますし、ホームページでQアンドAなども掲載をさせてございますので、それらでユーザーの方々からのお問合せに対応させていただいているところでございます。

#132
○田村(貴)委員 何とお答えしているのかを聞きたかったんですけれども、まあ、次の質問をしますね。
 ニトリの珪藻土コースターとバスマットの流通数は、二百八十七万四百三十七個。アスベストを含む可能性のある珪藻土製品は、全体で約三百六十万個。出回った数が半端ではありません。ユーザーの不安と懸念に応えるためには、飛散したときのリスク評価、このリスク評価を行政として行うべきだと考えますが、いかがでしょうか。

#133
○小林政府参考人 お答え申し上げます。
 石綿を含有する固形のバスマット、コースターにつきましては、通常の使い方をしている限りは石綿が飛散するおそれはなく、健康上の問題を生じさせるおそれはないというふうに考えてございます。
 また、削ったり割ったりした場合には石綿が飛散するおそれはございますけれども、その量は極めて少量であるというふうに考えてございます。
 いずれにいたしましても、石綿を飛散させないことが重要でございますので、厚労省としては、労働安全衛生法に抵触するような石綿の含有製品の全面禁止の徹底を図ってまいりたいと思っておりますし、また、石綿の含有製品の流通が確認されました場合には、事案の内容に応じて、迅速な事案の公表により注意喚起を図るとともに、事業者に対する指導を行ってまいりたいというふうに考えてございます。

#134
○田村(貴)委員 お尋ねしますけれども、少量だから絶対大丈夫と断言できますか。

#135
○小林政府参考人 お答え申し上げます。
 評価はなかなか難しいと考えてございますけれども、少量を吸い込んだだけで直ちに健康への影響が生じる可能性は低いというふうに考えております。

#136
○田村(貴)委員 直ちに何か症状が出る、何を言っているんですか。石綿の議論をしているんですよ。四十年からの、吸い続けて、そして、今度の訴訟で最高裁が国の責任を認めているじゃないですか。何を言っているんですか。
 絶対安全だ、そう断言ができない以上、リスク評価をすべきであります。
 それから、販売店であるニトリのテレビCM、私、見たんですけれども、ちょっと驚きました。珪藻土商品を自主回収している、ごみとして廃棄せず、お近くの店舗にお持ちくださいとしか伝えていないんです。なぜ回収をするのか、何が問題なのか、CMで伝えられていません。
 経産省にお伺いした方がいいんでしょうか。商品に問題があって回収している事業者がその原因、理由を知らせないのは、販売責任を果たしているとは考えられません。指導が必要ではないでしょうか。

#137
○後藤政府参考人 お答え申し上げます。
 一般的に、リコールの周知方法等につきましては、当該事業者の責任において、対象製品の顧客層等の情報を基に、最も効果的に対応が進むよう工夫しながら行っているものと承知しております。
 御指摘のニトリのリコール案件につきましては、CMに加えまして、ホームページにおける周知、会員の顧客への電話やメールによる連絡、店頭における窓口の設置等の様々な手段を用いて対応し、そうした中で、石綿含有製品である点等を伝達していると承知しております。
 経済産業省としては、消費者への説明責任を果たすよう、引き続きしっかりと事業者を指導してまいりたいと考えております。

#138
○田村(貴)委員 テレビCMを御覧になりましたか。いかがですか。

#139
○後藤政府参考人 テレビCMにつきましては、回収をすることに焦点を絞ってCMを打ったというふうに伺っております。

#140
○田村(貴)委員 そのことについての評価を聞いているわけですよ。
 なぜ回収をしているのか、何が問題なのか、一番消費者が目にするテレビのCMでそれが伝えられないことは問題じゃないかと聞いているんですよ。違うことを言わないで、ちゃんと答えてください。

#141
○後藤政府参考人 経産省といたしましては、事業者が消費者への説明責任を果たせるように、引き続きしっかりと事業者を指導してまいりたいと考えます。

#142
○田村(貴)委員 危害の内容を知らせるのがまず第一の責務じゃないんですか。消費者庁、いかがですか。

#143
○片岡政府参考人 お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、リコールに関する情報を伝える際には、当該商品のリコールに至った経緯、危害の内容、消費者に対する注意喚起、事業者の連絡先などを分かりやすく示すことが望ましいというふうに考えております。

#144
○田村(貴)委員 経産省もそういう立場で指導してください。
 次に、石綿含有建材の廃棄処理について伺います。
 長い期間にわたって建物には石綿含有建材が使われてきています。解体撤去などで作業者や住民が暴露すれば、石綿肺や、それから肺がんなど、重大な疾患を発症します。飛散防止策が極めて重大であります。
 石綿含有建材の処理は、その種類によって扱いが変わります。特別管理産業廃棄物扱いの廃石綿と石綿含有廃棄物とでは処理方法がどう違うのでしょうか。三月に改定された石綿含有廃棄物等処理マニュアルではどのようになっていますか。

#145
○松澤政府参考人 大気汚染防止法で新たに作業基準が設けられました石綿含有建材について、先生御指摘の観点から、廃石綿等に区分すべきか、あるいは石綿含有産業廃棄物に区分すべきか、私ども検討を行いました。
 その結果、石綿含有塗り材と呼ばれる石綿含有製品でございますけれども、この飛散性について、専門家、試験方法ですとか石綿に関する専門家ですけれども、専門家の検討会を設置しまして、試験を行って評価をいたしました。
 廃石綿等、こういうものについて試験を行った結果、一定の風速の下で一リットル当たり十本程度、他方、現在、石綿含有産業廃棄物に分類されていますスレートボードについては一リッター当たり〇・八本、こういう状況でございました。そして、問題の石綿含有仕上げ塗り材、こちらについては、この廃棄物については〇・五から二・二本・パー・リッター、こういったことを踏まえて、廃石綿等と比べて飛散性が低いというふうに判断しまして、石綿含有仕上げ塗り材については石綿含有産業廃棄物という分類をするという判断を行っております。
 そして、それぞれの処理方法の違いを申し上げますと、廃石綿につきましては、大防法で、除去作業の際に特別な負圧をかけて隔離して除去作業を行うといういわゆるレベル1、2建材、こういうものが廃石綿に分類されるもので、先生御指摘のとおり、特別管理産業廃棄物に該当いたします。これについては、飛散しないように、埋立てを行う場合には、固型化、薬剤による安定化といった処理をして、更に耐水性材料で二重梱包する、こういうのが基本的な処理方法になっております。
 他方、石綿含有産業廃棄物については、破砕をしない、収集、運搬、処理のときに破砕をしないで飛散防止を図る、こういったことが基本になっておりまして、そういった破砕処理を行わないで養生しながら最終処分場に埋め立てる、こういう方法に処理法が決められております。

#146
○田村(貴)委員 石綿含有の仕上げ塗り材については、私、まだ言っていないんですけれども、併せて全部お答えいただいたようですね。
 そうであるならば、石綿含有廃棄物として塗り材は仕分されているんです。ところが、その処理について、輸送は梱包、処分は溶融、それから無害化、埋立ては管理型と、廃石綿に準じる扱いとなっているわけです。これは現場で混乱を生じさせるのではないでしょうか。
 二〇一七年の五月、環境省通知では、石綿含有仕上げ塗り材の除去作業等における石綿飛散防止策というのが出されています。これは、吹きつけ工法によって施工されたもの、それが明らかでない場合も、石綿含有仕上げ塗り材については吹きつけ石綿に該当する、あるいは吹きつけ石綿とみなして取り扱うとしているではありませんか。だったら、やはり、石綿含有廃棄物等処理マニュアルで石綿含有廃棄物としたのは、この通知に照らしても矛盾しているし、おかしいと思うわけです。ちゃんと特別管理産業廃棄物、廃石綿として扱うべきではありませんか。

#147
○松澤政府参考人 お答え申し上げます。
 先生御指摘された点が、まさに今回、判断を行う必要がございまして、廃石綿等に分類すべきか、あるいは石綿含有産業廃棄物ということに分類すべきか、これを検討するために、試験方法ですとか、廃石綿の専門家の検討会を設置して、一定の試験を行って、廃石綿それから石綿含有産業廃棄物、それぞれの代表的な事例と、御指摘の、問題となる仕上げ塗り材のケースを比較した結果、その結果を基に、最終的に、石綿含有産業廃棄物に分類することが適当だ、こういうような判断をしたわけでございます。

#148
○田村(貴)委員 いやいや、それは分かりにくいし、現場ではやはり混乱しますよ。東京都の判断も、やはり高いリスクの方に合わせて指導しているという話も聞いています。
 仕上げ塗り材は手ばらしで除去できません。グラインダーやケレン、これで剥がしていけば、粉じんや細かい砂れきのようなものが生じて、飛散性は高まってまいります。仕上げ塗り材だけではありません、成形板もしかりであります。こうしたものを処理マニュアルでは廃石綿として扱うことを強く要望します。
 また、こうして扱うことによって、解体撤去のときに費用がかさみます。行政からの財政的な支援を前回も主張しましたけれども、このことも併せて強く要求して、今日の質問を終わります。

#149
○石原委員長 次に、串田誠一君。

#150
○串田委員 日本維新の会の串田誠一です。
 今日は、六月一日から動愛法の数値規制が施行されるということになりまして、今週の月曜日に動物愛護議連でその案が示されたところでございます。その点について二点ほどまずお聞きをしたいと思うんです。
 その案の中で、猫の繁殖回数が、年三回が何か常態のような書きぶりであるかのように読み取れる、あるいは、人工的な光のコントロールによって三回までは許されるかのような書き方になっているということに関して、私からも質問させていただきましたし、多くの方が恐らく環境省にもお寄せいただいているんではないかと思います。その点について大幅に書き直しをしていただいたようですので、その内容についてまず簡潔に御説明をいただきたいと思います。

#151
○鳥居政府参考人 お答えいたします。
 飼養管理基準を説明する動物取扱業における犬猫の飼養管理基準の解釈と運用指針につきましては、五月十七日に行った検討会での御意見を踏まえまして、所要の修正を行い、二十五日に自治体へ通知するとともに、環境省のホームページに掲載したところでございます。
 委員の御指摘の猫の繁殖と光環境の管理につきましては、年三回の繁殖を認めているといった誤解を招かないよう、照明により出産回数を増加させることは認められないことを明記した上で、年二回を超える繁殖が普通に見られる場合は、適正な光環境の管理が行われていないものとして、勧告や命令の対象になる場合があるといった記載を追加するなどの修正を行ったところでございます。
 また、猫の繁殖サイクルを説明した図につきましても、繁殖生理を説明したもので基準を満たさない場合があるという、誤解を招かないような注釈を加えて改善をいたしました。

#152
○串田委員 早急な改善をしていただきまして、大変感謝申し上げたいと思います。
 その点につきましては、本当に、環境省は国民の声を迅速に反映してくださる省だな、小泉環境大臣のリーダーシップも非常にそういう意味で動物関係に関しては高く評価をされているのではないかと私は思っているところでございますが、二点目の、従業員数に関して、私は、これはかなりいただけないなというふうに指摘をさせていただきたいと思います。
 当時、小泉環境大臣もよく御存じだと思うんですが、従業員一人当たり何頭まで犬や猫、繁殖犬猫を飼養できるかというのが大変問題になりました。愛護関係に関しては、とにかく一人に対して五頭までだとか、非常に少ない数字をお願いをし、そして、ブリーダーに関しては、もっと多く飼養していきたいというような声がある中で、環境省が大変論理的な説明を、中央審議会の添付資料にも出されております。これは、一日当たり、清掃十分、給餌は三分、運動は何分、こういうふうに見事に積算をして、一頭当たり三十二分かかるんだと。ですから、一日例えば八時間働くというのは、これは四百八十分ですから、四百八十分を三十二で割ると十五頭なんだということで示されたわけですよ。
 これは、もっと時間がかかるんじゃないかという意見もあるけれども、こういうように細かく積算をしていって、だから一人当たり八時間で十五頭なんだというふうに示された。中央審議会にもそれが添付されていたわけですが、今回のこの解釈と運用指針になると、いきなりこれが、異なった数字が出てきてしまっているわけですね。
 当初、最初の案ですと、八時間で三十頭、月曜日などは飼養できるようになっている。それに対して、修正をしていただいて、四時間の非常勤が加わったわけですけれども、それでも十二時間なんですね。
 十二時間というのは七百二十分ですから、本来は、三十頭だと、三十二を掛けると九百六十分かかるわけですよ。なぜ七百二十分で済むのか。これは、政省令にもそんなことは何も書かれていない、中央審議会にも何もそのことが添付されていない。施行の直前になってこういう脱法的な数字を図として示すというのは、これは大変問題であると思います。
 私は、小泉環境大臣、これは、事前に確認して大臣自身がゴーサインを出したのではないと信じたいと思うんですが、これについて御説明いただけないですか。

#153
○鳥居政府参考人 お答えいたします。
 委員御指摘の一人当たりの飼育頭数についてでございますが、一頭当たりの世話に要する時間と、一日当たりの勤務時間から算出しております。これはあくまで平均的な飼養形態、作業時間を想定して試算したものであります。例えば、実際には、一名で一日八時間を大幅に超えて勤務するなど様々な場合が想定されますけれども、この場合もあくまで一人とカウントすることになってございます。
 員数の規定は、このように多様な管理の実態がある中で、管理水準を確実に確保してもらうためのものであります。このため、自治体の職員が現場で判断できる分かりやすさを重視し、事業者による勤務形態の記録によって、基準に合致しているか否かを週単位でチェックできるようにしたものでございます。
 さらに、今般の飼養管理基準には、飼養頭数だけでなく、ケージのサイズ、あるいは毛玉やふん尿で覆われていないかといった、約百項目にわたる基準がございます。この管理水準が低い場合は、これらの基準からも是正させることができるものとなってございます。
 また、自治体には、この基準の解説と併せて、行政指導や行政処分の手順等も示し、環境省にも自治体からの相談窓口を設置したところでございます。基準の厳格な運用に向け、自治体ともしっかり連携してまいりたいと考えております。

#154
○串田委員 全く納得できません。
 飼養する、世話をする時間というのは貯金できないんですよ。一日八時間を超えて飼養して、十時間やったといっても、それはその日は丁寧に飼養したんでしょう、だからといって火曜日に六時間にしていいわけじゃないんですよ。生き物が生きているんですよ。何でそんなふうに、前の日は多かったから次の日は少なくていいんだと。
 だって、これは、清掃だとか運動だとか給餌だとかで積算して、一人当たりの一日の頭数は何頭だと計算したわけでしょう。それを、前の日に多くやったから次の日は運動しなくていい、給餌はしなくていいということになりますよ。そんな理屈は成り立たないと思いますし、そもそも、これ、四十時間というふうに区切っているのは、何も今まで出てきていない中ですよ。
 例えば、ずっと原発の質問をされていらっしゃる方がいらっしゃいましたけれども、原発の、保管にこれだけの作業がかかるから一人当たりこれだけかかりますよという説明を受けて、なるほどなと思いながら、最後になって、それは四十時間までしか働けないので残りは放置させてもらいますと言っているのと同じなんですよ。子供だってそうでしょう。子供の保育のときに、これだけの時間がかかりますと言われたから、なるほどなと思っているけれども、四十時間しか働かないので残りは放置しますって許されますか。
 四十時間と区切るのに反対はしないです。残りを更に従業員を足さないと、最初のこの説明と食い違うじゃないですか。いかがですか。

#155
○鳥居政府参考人 お答えいたします。
 今般の基準の具体化の趣旨は、議員御指摘のとおり、適切に動物の飼養管理を行う体制を確保するということでございます。動物の世話を行う時間が適切に確保できない状態は望ましくないわけでございまして、自治体の立入検査において勤務実態を確認する方法を示すことや、その趣旨を踏まえた飼養管理の在り方が正しく伝わる例示を示していくこと等により、この基準による適正な飼養管理の実効性を担保してまいりたいと思います。
 その上で、先ほど議員からも例示の話がございましたけれども、十分な飼養管理の体制を確保すべきという趣旨でございますので、公表したこの解釈と運用指針における例示の記載が、その趣旨について誤解を招くものとなっているのだとすれば、より適切な例示に改めていきたいというふうに考えてございます。

#156
○串田委員 とにかく、この図表は削除してくださいよ。ずっと今まで説明の中で一頭当たり三十二分かかるんだというのであれば、毎日三十二分がかかる、従業員を用意すると書いてあればいいだけなんですよ。こんな抜け道みたいなのを環境省が出しちゃ駄目ですよ。
 これはどこを見たって、今回、十二時間ですよ。この世話、一頭当たり三十二分かかるというその中で、どこをはしょっているんですか。十二時間にして三十頭にしているわけですから、二十二・五頭しか飼養できないのに三十頭飼養させているということは、どこを環境省ははしょることを認めているんですか。答えてください。

#157
○鳥居政府参考人 労働基準法におきまして週四十時間という規定がございますけれども、土日ということがございます。その部分をどういうふうに手当てしていくかというのは、実際の雇用形態、あるいは動物の態様、状態によってもいろいろ変わってくることがございますので、そこは、週単位で、一定の、今回お示しいたしました計算方法によって、一人当たりの飼育頭数が確保できているかということをしっかり現場で確認をしていくということでございます。
 また、先ほど申しましたように、その他のいろいろな基準を総合的に現場で自治体の職員が見ましてチェックをいたしまして、適正な飼養管理が行われているかどうかをしっかりチェックしていきたいというふうに考えてございます。
 なお、例示につきましては、委員の御指摘も踏まえまして、どのような対応ができるかを考えていきたいというふうに思います。

#158
○串田委員 質問に答えてくださいよ。
 三十頭なら十六時間かかるんだと環境省が説明されているのに、ずっと、全ての日が十二時間になっているわけでしょう。十六時間かかりますよと環境省が説明しているのに、最後の中で十二時間でいいような表を出しているということは、残りの四時間はどこを省くことを環境省は認めたのかと聞いているんですよ。この表はそうなっているでしょう、十二時間でしょう。本来十六時間かかるわけでしょう、三十二分の三十頭なら九百六十分でしょう。十六時間かかると環境省は最初に説明して、中央審議会にもそれを添付したわけでしょう。何で、この最後の指針のときになって急に七百二十分でいいみたいな表にして、どこをこれは省くことを許しているんですか。

#159
○鳥居政府参考人 繰り返しになりますけれども、一人当たりの飼育頭数というものが今回省令で定められているものでございまして、また一方で、職員の勤務時間につきましては、労基法に基づきまして週四十時間ということになってございますので、それから算定をして一人当たりの頭数を示しているものでございます。
 だから、どこを削ったのかというのはケース・バイ・ケースで、事業者の方の運用におきまして、勤務の形態や飼育している動物の状態によって変わってくるので、一概に申すことはできないかと思います。

#160
○串田委員 いや、そういう議論は子供にはできないでしょう。子供に対しては何時間かかかりますよと説明しておきながら、だけれども、最後は、四十時間しか働かないから二日間は子供に対しての世話はできません、労働基準法はそうなっていますから、そういうふうな説明は通らないじゃないですか。
 四十時間働くことに関しては、それ以上働いた方がいいなんて言っていませんよ。四十時間で区切るんだったら、残りの二日間は別の非常勤だとか常勤を雇えばいいわけでしょう。だって、八時間必要だって環境省は言っているんだから、そこで労働基準法を持ち出すのはおかしいですよ。
 大臣、これはちょっと指導して、お願いできませんか。今聞いていただいてどうですか。

#161
○小泉国務大臣 例示が合っているかどうかという以上に、環境省がまるで、いかに少ない人数で効率的にやれるかということを考えていると捉えられるとしたら、それこそ全く動物愛護の精神に反することでありますので、御指摘も踏まえまして、どういう形が誤解なく我々の考えているこの基準の在り方、伝わるか、議論して整理してみたいと思います。

#162
○串田委員 今の答弁に感動してしまいまして、次の問題に移りたいと思いますが、是非お願いをしたいと思います。六月一日から施行ですから、まだまだこれはウェブ開示されるだけですから、そこの開示を、誤解を招くようなことがないよう、よろしくお願いをいたします。
 次に、今年の四月に発生した猫の家の閉じ込め事案、これは、具体例として質問するのではなくて、今後こういう事例が多くなるだろうということで検討していただきたいんですが、高齢者が犬や猫を飼っているときに、高齢者が突如具合が悪くなって入院したり、この事例の場合には亡くなった事例なんですけれども、亡くなってしまったときに、中に猫が閉じ込められてしまったという事例なんですね。この場合は、二十一匹という大変多い猫の状態で、これが救出できないために結果的に二匹の猫は死んでしまった。新聞によると、都が遺族の意向確認に手間取りというような表題になっていたんです。
 問題は、遺族の問題なのかどうかということも含めまして一つちょっとお聞きをしたいんですが、今、高齢者がそうやって独り暮らしで猫や犬を飼っている場合が多いかと思うんですけれども、その犬や猫を飼っている状況のときに高齢者が亡くなってしまうというのはこれからも多くなるし、具合も悪くなると思うんですが、高齢者の亡くなったのと、犬や猫がそこにいるということが、かなり行政側で分離されちゃっているという現象があるんですね。
 ですから、人間をケアする、そしてその人間は一体どういう動物を何匹ぐらい飼っているのかということもこれからは行政がしっかりと管理していく。だから、人間が入院したり亡くなったりしたときには、同時にそれは中にいる犬や猫も同じような非常に危機的な状況になっているということを行政もしっかりと探知していくということを、連携していかなければならないと思うんですが、その点いかがでしょうか。

#163
○鳥居政府参考人 お答え申し上げます。
 委員御指摘の事案は多頭飼育崩壊の話だというふうに理解してございますけれども、環境省では、本年三月に、多頭飼育問題に対する自治体向けのガイドラインを発表いたしました。この中で、多頭飼育問題の対応につきましては、飼い主の生活支援、そして動物の飼育状況の改善、周辺の生活環境の改善という三つの観点が必要であるとしており、環境省として、自治体に対して、動物愛護管理部局と社会福祉部局が連携を図って問題に対応するということを促しているところでございます。
 多頭飼育問題において、動物を増やさないためにも早期の探知、発見が重要であり、ガイドラインでは、これらの部局による事前の情報共有、連携体制の構築も重要であるとしています。
 また、ガイドラインの策定に合わせまして、三月二十六日には、環境省と厚生労働省が連名で、都道府県、政令指定都市、中核市の動物愛護部局と社会福祉部局に対して同ガイドラインの活用を依頼したところでございます。
 環境省といたしましては、今後、ガイドラインの運用に当たっての自治体からの照会に対応し、事例の情報を蓄積するとともに、本年度中に、本ガイドラインを活用して、複数の機関における連携体制の構築、普及啓発活動、地域の実情に応じたマニュアル作りなどを行うモデル事業を幾つかの自治体と連携して実施する予定でございます。このような取組を通じまして、自治体の多頭飼育問題への適切な対応を促していきたいと考えてございます。

#164
○串田委員 この問題は、よく聞く問題の中で、この高齢の方は亡くなられて搬出をされたんですが、搬出した後、また家が、扉が閉められてしまったんですね。中に二十一匹も猫がいて、窓から見えるわけなので、愛護団体のいろいろな人たちがすごく押し寄せて、大変な騒ぎになって、助けたい、助けたいと言っているんだけれども、行政側は立ち入ることができないんだという返答だったわけです。
 警察は立ち入ることができたんですよ、亡くなっている人を搬出するわけですから。猫も二十一匹もいるわけですから、そのときに、愛護団体や愛護センターが一時預かる。その後、相続人がその猫たちをどうするかというのは考えればいいんですけれども、二十四日間もそのまま放置されてしまっていて、愛護団体などがたくさん来て、とにかく助けたいと言いながらも、入れないんだという一点張りなわけですよね。
 私は、警察が搬出をするときに中に入って、入ったときに猫がいるのも間違いないわけだから、行政側も、その入った状態の中で、入って猫を救出をするということが私はできると思うんですけれども、運営として、そういう運営をこれからしていただけないでしょうか。

#165
○鳥居政府参考人 お答えいたします。
 相続人であるかどうかにかかわらず、動物の所有権はその飼い主に存するものであり、一般的には、まず飼い主を特定し、その意思を確認する必要があると認識してございますが、一方で、飼い主がいる動物であっても、その動物に差し迫った危険がある場合などは、行政職員等がその保護を行うことなどは、場合によっては現行でも必ずしも否定されていないというふうに認識しております。動物の種類や現場の状況により様々なケースが考えられることから、現場において個別に判断がなされることが重要だと考えております。

#166
○串田委員 この委員会でも何度も質問させていただいているんですが、民法がまだ動物は物になってしまっているので、私も法務委員会に所属しているものですから、ずっと法務委員会でこれを改正してほしいという話をしているんですけれども、大体こういう回答が出てくるんですね、今の答弁もそうなんですが、猫の所有権は相続人にあり、行政に連れ出す権限がないというふうに言われてしまうんですね。
 確かに、所有権は相続によって移ると思いますけれども、何人相続人がいるかということも分かりませんし、そもそも、高齢の女性が二十一匹の猫を飼っていたんですが、じゃ、相続人が同じように二十一匹の猫を飼うかどうかということも、一般的には飼い切れないんじゃないかなというふうに思うわけです。そういうときに、相続人が所有権者だから、その人の承諾がなければと。相続人といったところで、所有者不明土地問題がこんなに大きく問題になるぐらいに、相続人が誰であるかなんていうのを簡単に見つけられないんですよ。だから、相続人の承諾がなければと言ったって、全員の承諾なんて、これは何か月もかかりますよ。
 そういうようなことの中で、命を助けたいと思っている国民がいて、当然それは守らなければいけないと私は思うんですけれども、いつまでも、相続人が所有者だからというようなことを前提にした動物愛護であれば、救出もできないし、愛護精神にも私はもとると思うので、これについてどのようにこれから考えていきますか。

#167
○鳥居政府参考人 お答えいたします。
 相続人が判明しない場合ということだと思います。
 動物愛護管理法第三十五条第三項に規定する所有者の判明しない犬又は猫への対応といたしまして、その拾得者その他の者から求められた場合に都道府県等が引取りを行うことができる場合もあり、例えば基礎自治体などの関係者の求めに応じまして都道府県等が引取りを行うことができる場合が該当すると認識してございます。

#168
○串田委員 いろいろな事情があるにしても、少なくともそこに二十一匹の猫がいて、本当に飼っている人は亡くなって、搬出をされてしまっていて、閉じ込められていれば、水や餌も上げられないというのは歴然とした事実なわけですよね。所有者が相続人としているのかいないのかという問題ではなくて、そのような状況になったらば、やはりどなたかが一時保護をする。所有権を奪うわけじゃないんですから、一時保護をした後で、じっくりと相続人とその残された犬や猫についての管理について話し合えばいいわけで、話合いをしないと連れ出せないとか管理できないというのは、これは順番が違うんじゃないかと私申し上げたいんですよ。まずは一時保護をする。
 団体も、押しつけられているんじゃなくて、保護したい、一時預からせてくださいと言っているのに、それはできないんだということで、密室の中で二十一匹の猫がいて、外から見ても大変苦しそうになって、最後は二匹も死んでしまったというような状況の中では、とにかく所有権の問題ではなくて、そういう危機的な状況になる場合には一時保護するんだということを環境省として正面から私認めていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。

#169
○鳥居政府参考人 お答えいたします。
 先ほど申しましたように、都道府県等が関係者の求めに応じて行うことができる場合もあるというふうに私ども認識してございます。
 この際、引取りを行う都道府県等においては、動物愛護管理センターの収容状況等を踏まえながら、動物愛護団体との連携など様々な方法により対応することが想定されるのではないかということで、現場の状況に応じて柔軟な対応ができるのではないかと思います。

#170
○串田委員 その際に、環境省が多頭飼育対策ガイドラインというのを出していただきまして、私もこういうしっかりとしたものを、いろいろな数値規制の施行の段階と並行して活動されているということで、本当に大変だろうなと思うんですけれども。
 そこに、行政指導等を行うに当たって知っておくべき法令というのが添付されているんですね。これには、民法や刑法や警察官職務執行法などが列記されているんですけれども、例えば刑法でいうと、住居侵入罪だとか、あと窃盗罪だとか、こういったものが列記されているんですよ。
 行政が一番気にしているのは、助けるのはいいけれども、何か後で責任を取らされるのではないかというのを気にして、そして、公務員ですから、一番リスクの少ない、何もしないという方法になって、犬や猫がその中で死んでいってしまうという現象が起きているわけでございます。
 そういう意味で、多頭飼育崩壊というのは、まさに刑法のこういう規定とともに、しかし、命を助けるためにはこういうような形で、この規定とは違う解釈、要するに違法性阻却事由になるんだろうと思いますけれども、そういうようなことを列記していただけないと、刑法はこういう犯罪があるんだということをただ単に添付しているだけだったら、行政はやはりこれでびびりますよ。これをやったら刑法でこういう犯罪になるんだ、住居侵入罪に勝手に入ったらなっちゃうんだ、猫を保護しようと思って引き取ったら窃盗罪になっちゃうんだ、これだったら助けられないじゃないですか。
 環境省がやるべきことは、そういう規定はあるけれども、命を助けるためにはこういうこともやっていく必要があるんだということを示すことが大事なんじゃないですか。お願いします。

#171
○鳥居政府参考人 お答えいたします。
 先ほども申しましたガイドラインには、関係法令、法規についていろいろなものを紹介しているものでございますが、このガイドラインでは、住居侵入罪や窃盗罪といった刑法の規定に抵触しないための具体的な対応策として、動物愛護管理法に基づく身分証の携帯も含めた適正な立入検査の方法や、警察との事前調整、立入検査に当たって確認すべきポイントなど、自治体職員が対応する際の具体的な留意事項も示してございますので、直ちに自分が罪になるんじゃないかといって、そこでちゅうちょしてしまうということがないような、こういうこともやってくださいということも書いてございます。
 動物の引取り、譲渡に係る飼い主の所有権放棄を促すため、動物愛護の精神に基づく対応と多頭飼育問題を生じさせる飼い主の有する事情に配慮したきめ細かな対応を行うような、そういうこともガイドラインで求めてございます。
 こうした規定を自治体に周知することで、自治体の適切な対応を促してまいりたいと思います。

#172
○串田委員 目の前に命があって、その命が大変な危機的状況になったら助けたいと思うのは当たり前のことですから、常識に沿うような解釈、運用というのはやはり必要なのではないかなと思います。
 最後に、大臣に、展示動物も大変、私、質問を受けておりまして、環境省として、展示動物に関してはどういうような、作業部会の設置などのスケジュール、これを示していただきたいという声をたくさんいただいている状況でございますので、大臣から、展示動物に関する今後の予定などをお知らせいただけないでしょうか。

#173
○小泉国務大臣 今年一月に出されました中央環境審議会による犬猫に関わる飼養管理基準の答申において、犬猫以外の哺乳類、鳥類及び爬虫類に係る基準についても今後検討を進めるとしております。先日、五月の二十五日に、犬猫の飼養管理基準の解釈と運用指針を策定しましたので、引き続き、犬猫以外の動物に係る基準の具体化についての検討を予定しています。この方針は五月の検討会でもお示しをしているところですから、後回しにするということではありません。
 そのため、直近まで犬猫の基準の検討を行ってきた検討会において、今年度、来年度にかけて、犬猫以外の動物に関する検討について進める予定であります。

#174
○串田委員 私のところには犬猫肉食禁止ということも、日本はまだそれを許している状況でございますので、こういったようなことも禁止をしてほしいという声をたくさんいただいていますし、賛同する議員も増えてきておりますので、是非後押しもお願いをして、終わりにしたいと思います。
 ありがとうございました。
     ――――◇―――――

#175
○石原委員長 次に、内閣提出、参議院送付、瀬戸内海環境保全特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 趣旨の説明を聴取いたします。小泉環境大臣。
    ―――――――――――――
 瀬戸内海環境保全特別措置法の一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――

#176
○小泉国務大臣 ただいま議題となりました瀬戸内海環境保全特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 瀬戸内海環境保全特別措置法は、平成二十七年改正時の附則において、政府は施行後五年をめどに栄養塩類の管理の在り方について検討を加え所要の措置を講ずること等とされていました。今般、これに基づく検討を行うとともに、同法の施行状況の調査を行ったところ、次の二つの課題が明らかになったところです。
 一点目は、気候変動による水温上昇等の環境変化とも相まって、瀬戸内海の一部の水域では、窒素やリンといった栄養塩類の不足等による水産資源への影響や、開発等による藻場、干潟の減少等が課題となっていること。
 二点目は、内海である瀬戸内海においては、大半の海洋プラスチックごみを含む漂流ごみ等が同地域からの排出とされており、生態系を含む海洋環境に悪影響を与えていることであります。
 本法律案は、このような背景を踏まえ、従来の水質規制を中心とする水環境行政の大きな転換を図る契機として、新たに水質管理の発想を導入し、瀬戸内海における生物多様性、水産資源の持続的な利用の確保を図ろうとするものであります。
 本法律案においては、まず、基本理念に、環境の保全は、気候変動による水温の上昇その他の環境への影響が瀬戸内海においても生じていることも踏まえて行う旨を規定します。これに加え、本法律案の主な概要を三点御説明申し上げます。
 第一に、関係府県知事が栄養塩類の管理に関する計画を策定できる制度を創設し、周辺環境の保全と調和した形での特定の海域への栄養塩類供給を可能にし、海域ごと、季節ごとに栄養塩類のきめ細かな管理を行います。これにより、生物の多様性の恩恵としての、将来にわたる多様な水産資源の確保に貢献します。
 第二に、自然海浜保全地区の指定対象を拡充し、藻場、干潟などが再生、創出された区域等も指定可能とし、温室効果ガスの吸収源、いわゆるブルーカーボンとしての役割も期待される藻場の保全を進めます。
 第三に、国と地方公共団体の責務として、海洋プラスチックごみを含む漂流ごみ等の除去、発生抑制等の対策を連携して行う旨を規定します。このほか、所要の規定の整備を行います。
 以上が、本法律案の提案の理由及びその内容の概要です。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。

#177
○石原委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
 次回は、来る六月一日火曜日午前八時四十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後零時五分散会
ソース: 国立国会図書館
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