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2021/06/01 第204回国会 衆議院 第204回国会 衆議院 環境委員会 第13号 令和3年6月1日
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2021/06/01 第204回国会 衆議院

第204回国会 衆議院 環境委員会 第13号 令和3年6月1日

#1
令和三年六月一日(火曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 石原 宏高君
   理事 勝俣 孝明君 理事 菅家 一郎君
   理事 土屋 品子君 理事 福山  守君
   理事 牧原 秀樹君 理事 生方 幸夫君
   理事 源馬謙太郎君 理事 江田 康幸君
      秋本 真利君    畦元 将吾君
      金子万寿夫君    神谷  昇君
      神山 佐市君    小島 敏文君
      武村 展英君    根本 幸典君
      百武 公親君    古田 圭一君
      細野 豪志君    務台 俊介君
      八木 哲也君    近藤 昭一君
      篠原  孝君    関 健一郎君
      長尾 秀樹君    堀越 啓仁君
      松木けんこう君    横光 克彦君
      斉藤 鉄夫君    田村 貴昭君
      森  夏枝君
    …………………………………
   議員           玉木雄一郎君
   環境大臣         小泉進次郎君
   農林水産副大臣      宮内 秀樹君
   環境副大臣        堀内 詔子君
   環境大臣政務官      神谷  昇君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房危機管理・医務技術総括審議官)            佐原 康之君
   政府参考人
   (水産庁増殖推進部長)  黒萩 真悟君
   政府参考人
   (環境省地球環境局長)  小野  洋君
   政府参考人
   (環境省水・大気環境局長)            山本 昌宏君
   政府参考人
   (環境省自然環境局長)  鳥居 敏男君
   政府参考人
   (環境省環境再生・資源循環局次長)        松澤  裕君
   環境委員会専門員     飯野 伸夫君
    ―――――――――――――
委員の異動
六月一日
 辞任         補欠選任
  八木 哲也君     神山 佐市君
同日
 辞任         補欠選任
  神山 佐市君     根本 幸典君
同日
 辞任         補欠選任
  根本 幸典君     八木 哲也君
    ―――――――――――――
六月一日
 プラごみ削減、気候危機への対策に関する請願(生方幸夫君紹介)(第一三九一号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 瀬戸内海環境保全特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出第四三号)(参議院送付)
     ――――◇―――――

#2
○石原委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、参議院送付、瀬戸内海環境保全特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、政府参考人として厚生労働省大臣官房危機管理・医務技術総括審議官佐原康之君、水産庁増殖推進部長黒萩真悟君、環境省地球環境局長小野洋君、環境省水・大気環境局長山本昌宏君、環境省自然環境局長鳥居敏男君、環境省環境再生・資源循環局次長松澤裕君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#3
○石原委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――

#4
○石原委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申出がありますので、順次これを許します。福山守君。

#5
○福山委員 おはようございます。自由民主党の福山でございます。
 今日は、発言の機会をいただきまして、ありがとうございました。
 それでは、早速、瀬戸内海環境保全特別措置法改正案についてお尋ねをいたします。
 私自身も、瀬戸内海沿岸の徳島県出身であり、また瀬戸内海再生議員連盟のメンバーでもあることから、この瀬戸内海の環境保全には大変強い思いを持っております。
 今回の瀬戸内海環境保全特別措置法改正のポイントは、栄養塩類管理制度の創設、自然海浜保全地区の指定対象の拡充、海洋プラスチックごみを含む漂流ごみなどの発生抑制対策の推進と伺っていますが、大臣には法改正の趣旨について改めてお伺いをいたします。

#6
○小泉国務大臣 おはようございます。本日は、瀬戸法の議論をよろしくお願いします。
 今、福山先生からは、三点、今回の法改正のポイントを改めて御説明をいただきましたが、まさにその三点のポイントがこの法改正のポイントでありますが、その中でも、特にこれはというものであれば、やはり栄養塩類管理制度の創設、これが最大のポイントだろうと考えております。特に、世界的には富栄養化対策としての規制が通常でありますが、今回、この法改正の中には、管理という考え方で海域ごとにきめ細かい水質の管理をするというのは、世界に類のない考え方で取り入れている取組でもあります。
 今後、この瀬戸内海という富栄養化に加えて貧栄養化、この両面について経験をして課題があるからこそ生まれてきた、水質規制から水質管理、こういったことを世界に対しても日本が先進的に示していくことは、今後、世界的な水環境保全にも貢献できると思っています。これが最大のポイントでもあると思います。

#7
○福山委員 今大臣の御答弁をいただきましたけれども、時間の関係上、後でと思いましたけれども、私も特に、今大臣の言われた富栄養素、貧栄養素、これは私の幼い頃の思い出として、瀬戸内海に昔は赤潮がたくさん発生いたしました。赤潮イコール富栄養素ということで、それでたくさんの魚介類がなくなったことを記憶しております。
 逆に、今、貧栄養素ということでいろいろ問題になっております。そのために、これを中心に考えてこられたのが今回の法案だと思っております。この後、質問を更に進めて、最後にまとめてみたいと思います。
 地元の漁業関係者などの話では、気候変動により海の環境も大分変化しているという話を聞いています。今般、基本理念に気候変動の観点を加えるのは、国内外の情勢も鑑み、まさに機を捉えたものと考えます。徳島県においても、栄養塩類の供給不足だけでなく、冬期の水温低下が遅れることで、食害生物が活発に活動する期間が長くなるなどの影響が出ていると聞いています。
 そこで、瀬戸内海における気候変動の影響、環境の変化について、現状を具体的に御説明をお願いいたします。

#8
○山本政府参考人 お答えいたします。
 昨年十二月に公表いたしました気候変動影響評価報告書におきましては、日本国内において、気候変動に伴う海水温の上昇による生物の分布状況の変化、藻場の減少が生じていること、また、これらの影響は将来的にも予測されているということが指摘されてございます。
 また、瀬戸内海に関しましては、環境省が行いました広域総合水質調査によりますと、ここ三十年間で約一・五度の水温上昇が発生してございます。
 それで、ただいま委員から御指摘ありましたように、その影響もありまして、ナルトビエイやアイゴといった南方系の生物が増加して二枚貝や藻場などの食害が生じている、あるいは、秋冬に植物プランクトンが増殖して栄養塩類の不足が生じる、あるいは、底層の酸素量が減ることによって貧酸素水塊が発生する期間が長期化する、こういったような影響が生じてございます。瀬戸内海において生じている栄養塩類の不足によるノリの色落ちなどの問題、あるいは藻場、干潟減少等の問題は、気候変動による水温の上昇等の環境への影響も大きく関係していると考えております。
 環境省といたしましては、まずは脱炭素型の経済社会への変革に全力で取り組むとともに、最新の科学的知見を踏まえつつ、気候変動への影響を対策に取り込むことが重要と考えており、今回、基本理念に瀬戸内海への気候変動の影響の視点を盛り込んだところでございます。

#9
○福山委員 今般の法改正は、海の環境変化の状況も踏まえ、瀬戸内海における生物多様性の保全や水産資源の持続的な利用の確保に大きく関係するものです。
 地元徳島県においても、海の恩恵を受ける漁業は重要な産業です。徳島県の、特に今般の瀬戸内海環境保全特別措置法の対象地域の漁業においては、ノリやワカメなどの海藻養殖において、栄養塩類の極端な減少により、色落ちに伴う品質低下や収穫量の減少が見られるなどの影響が出ています。
 環境省が所管する法律ではありますが、瀬戸内海を漁場とする漁業者にとっては、水産制度と関連した施策展開が望まれます。
 そこで、環境、水産、両省にお伺いをいたします。適切な栄養塩類濃度の確保に当たり、その管理目標の設定のための、府県や漁業関係者に対し、今後どのような支援を行っていくお考えでしょうか。水産資源維持の現状、近年の課題も踏まえ、お答えをいただきたいと思います。

#10
○山本政府参考人 それでは、まず、環境省からお答えいたします。
 今回の法改正で新たに設けようとする栄養塩類管理制度、これはまさに委員が今御指摘ありましたように、様々な、特に漁業者を中心として御関心が高いというところでありますので、地域の合意形成の中でしっかりと適切な栄養塩類管理を……

#11
○石原委員長 山本局長、もう少しマイクに近づいて。

#12
○山本政府参考人 はい。失礼いたしました。
 地域のそういった実情に応じて栄養塩類管理制度を、もうひとつ順応的にということで、やってみて、それを結果を見ながら変えていく、柔軟に変えていく、順応的に進めるということが重要と考えております。御指摘のありました水質の目標値に関しましては、関係府県が環境基準の範囲内において定めるということを前提に、地域ごとの状況に応じまして、適切な栄養塩類の指標として、地域の実情に合ったきめ細かなものとして定めることが適当であると考えております。
 環境省といたしましては、地域の目標設定の参考として活用いただくことを念頭に、栄養塩類管理の実施事例等をしっかりと把握しながら、目標値設定に係る手順等について解説したガイドラインを作りまして、そういったものを提供していくということを予定してございます。

#13
○宮内副大臣 農林水産省でございます。お答えをさせていただきます。
 瀬戸内海におきましては、窒素、リンといった栄養塩類の不足が水温上昇等の環境変化とも相まちまして、ノリの色落ちやワカメの収穫量の減少が起きていること、また、イカナゴなどの収穫量が減少しているということが指摘されております。
 農林水産省といたしましては、栄養塩類につきましては、栄養塩類が水産資源に及ぼす影響を解明するための調査研究と、海域の特性に応じた栄養塩類の管理方策の検討、それから、ノリの色落ち対策として行われる、冬の時期の下水処理場の管理運営を行っている海域におきまして、シミュレーション等による栄養塩類濃度の上昇などの海域に対する影響の調査、それから、ノリの養殖漁場などへの効果的な栄養塩類の供給のための、いわゆる餌ですね、施肥の技術開発を行っております。その成果につきましては、府県や漁業者に対して提案、助言をしていくことといたしております。
 また、高水温がノリやワカメなどの生育に影響を及ぼすことが示唆されておりまして、ノリやワカメについて、高水温に適応した品種の実用化に向けた技術開発を行っているところでございます。
 いずれにいたしましても、環境省など関係省庁と連携をいたしまして、瀬戸内海の湾、灘の特性を踏まえまして、府県や漁業関係者による栄養塩類の適切な管理や供給のための、必要な調査や研究を進めてまいりたいというふうに思っております。

#14
○福山委員 ただいまお答えいただいたことに関連をいたしますが、栄養塩類が管理目標を下回った場合の効率的な栄養塩添加技術の開発並びに栄養塩回復に関わる積極的な支援を行う枠組みについても検討いただきたいと考えます。
 また、水産庁においては、漁業法を改正し、漁獲可能量、いわゆるTACに基づく水産資源の管理を進めようとしておりますが、この根幹に関わる資源量解析項目に、栄養塩類の減少などの環境要因が考慮されておりません。是非、目標とする資源量の維持と栄養塩類管理目標とをひもづけ、漁業者による漁獲量の管理と併せて、水産資源の持続的な利用が可能となる制度を構築していただきたいと考えますが、水産庁では課題についてどのようにお考えか、お教え願いたいと思います。

#15
○宮内副大臣 お答えをさせていただきます。
 改正漁業法の下では、現在の環境下における資源量解析等の資源評価及び資源管理目標の設定を行っていくことといたしておりますけれども、瀬戸内海のイカナゴやカタクチイワシなども含めまして、現時点では、栄養塩類の量につきまして、資源評価を行うに当たり考慮されていないというのが現状でございます。
 先生御指摘の栄養塩類につきましては、貝類の餌として重要な植物プランクトンへの影響とか、小型の魚の餌となる動物プランクトンとの関係が示唆をされているところでございます。
 このため、農水省といたしましては、国立研究開発法人水産研究・教育機構及び都道府県の水産試験研究機関等の協力を得まして、海域の栄養塩類が餌生物を通じて水産資源に与える影響の解明を進めて、水産資源の持続的な利用のための制度の運用に生かせるように調査研究を進めてまいりたいというふうに考えております。

#16
○福山委員 ここまで水産資源についてお伺いをしましたが、海の環境を整えるためには、栄養塩類の管理と併せ、海の生き物の生活の場でもある藻場、干潟などの保全、再生、創出を行い、生態系の有する多面的な機能を活用することが重要と考えます。
 今般の自然海浜保全地区の指定対象拡充は、地域における自然環境の保全、再生の取組を後押ししようという意図と伺っておりますが、自然海浜保全地区に指定されることで地域の保全活動にどのような効果があるのか、お伺いをいたします。

#17
○神谷大臣政務官 福山委員にお答えをいたします。
 瀬戸内海におきましては、各種の開発等によりまして、藻場、干潟等の自然海浜が著しく減少したことから、残されました自然海浜の保全に加えまして、新たに再生、創出された自然海浜の保全や、更なる再生、創出の取組の促進が重要な課題となっております。
 今般の法改正によりまして、自然海浜保全地区の指定を増すことによりまして、地域の保全活動の励みになり、地域において残された藻場、干潟等の保全、損なわれてしまった藻場、干潟等の再生、創出の取組が促進される効果があると考えております。
 私自身、三月末に岡山県の宝伝自然海浜保全地区を訪れました。海の方に立って、ずっと見ていると、何とまあ心が癒やされます。そして、ちょっと右手の方に岩場がありまして、そこで地元の方々がいろいろと海藻を取っておられて、それを小さなドラム缶に持って帰っているんです。何とも自然と人が調和したすばらしい風景を見ることができて、感動して帰ってまいりました。
 環境省といたしましては、今後、改正法案の趣旨について関係府県に通知をし、御理解を賜った中で、新規の指定が進むように、関係府県とともに強力に取り組んでまいりたいと思っております。

#18
○福山委員 よろしくお願いします。
 さて、我が地元の徳島県には、四国三郎、いわゆる日本三大河川の大河が、吉野川が流れております。その河口周辺部の汽水域にはアオノリの養殖の漁場が広がっています。豊かな河川の恵みを受ける吉野川ですが、上流からは、山からの栄養だけでなく、ごみも流れてきています。
 海ごみ対策については、海域での対策も重要でございますけれども、発生源である内陸部での対策も必要であると考えます。環境省の現状認識と対応策についてお伺いをいたします。

#19
○堀内副大臣 福山委員におかれましては、長い政治経験に基づき、また、環境大臣政務官としてお務めになられた大変御知見の深さで、環境行政について強いリーダーシップを発揮していただいていることに心から感謝申し上げます。
 ただいま、御地元の、いわゆる徳島県の吉野川に関しての御質問だと存じますが、内海である瀬戸内海では、漂着したペットボトルの九割が国内由来との調査結果もございます。海洋ごみのほとんどが瀬戸内海域に起因するものと考えられております。また、国内由来の海岸漂着物などは、その多くが、内陸で発生したごみが河川経由で海域に流出したものと言われております。
 瀬戸内海域自らの発生抑制などにより海洋プラスチックごみ問題が大幅に改善する可能性があり、内陸の地方自治体を含めた流域が一体となった、広域的な発生抑制対策が重要であります。
 例えば、瀬戸内海域での内陸地域も含めた自治体の連携の事例といたしましては、香川県において、全国に先駆けて、漁業者がボランティアで回収したごみを内陸地域とも連携して処理する取組がございます。こうした取組は、内陸部を含めた地域における海ごみ問題への具体的取組の推進とともに、海ごみ問題を自分事化する効果があるなど、地域の海ごみ問題への高い意識の醸成につながるものと考えております。
 こうしたことを踏まえて、今回の法改正では、発生抑制対策を国と地方自治体の責務として盛り込んでおり、環境省では、内陸地域を含めた自治体連携による取組を進めるとともに、発生抑制対策に関する技術支援を行うとともに、流域圏における複数自治体による海ごみ対策の計画策定への支援を行っているところでもございます。

#20
○福山委員 それぞれ御答弁をいただきまして、ありがとうございました。
 今回のこの法案、先ほど、私が最初に大臣にお伺いしたときに、一番重要である、一番に考えるのはやはり栄養塩類の管理制度の創設、私もそう思います。
 最初に申し上げましたように、これは、我々、幼いとき、いわゆるし尿の海洋投入、そういうのが平成に入っても実はふるさとであったんです、何か所か、市あるいは町、四市町が。そういうことを現実も知っておりますし、その間、約三十数年の間には下水道完備も、公共下水道がかなりされまして、それによって今度は富栄養素から貧になってきたと言われる。そして、先ほど来話が出ている、瀬戸内海が温暖化により一・五度上昇しておる。
 こういうふうな、やはり瀬戸内海というのは限られた一つの海域で、いわば海の中の湖といいますか、湖沼とか、そういう関係があると思うんです。その点、瀬戸内海は大変ある意味難しい状況に私はあると思います。そういう中で、今回のこの制度、本当にありがとうございます。
 そこで、一点、自然海浜保全地区の指定対象の拡充もありがたいことですし、海洋プラスチックごみの問題、実は、今私が話した、大臣、海に行って、ペットボトルを飲んで捨てるという人はまずいないんですね。ほとんどがやはり上流から流れてきた、いわゆる堤防から、あるいはその周辺から風に吹かれて、あるいは大雨のときに流れてきたというのがあるんです。
 質問には入っておりません、是非答えていただきたいんですけれども。これによって、海に流れる、そういうごみが水面にたまっておるんです。これを底引き漁船が取ります。去年、おととしには、補正予算によってお金を出していただくようになったんですけれども、それによって、漁師の方が持って帰ってそれを廃棄できるようになりました。香川県方式という、香川県だけ、行政体が出しております。その制度を全部やっていただきました。
 私は、この制度を、水産庁と環境省と一緒になって、海の底を掃除ができるのは底引きしかないんです、それを引っ張り上げるときには網も傷みます、そういう意味で、そういう中の、補助金制度とか、そういう何らかの新しい制度で、海の底の清掃活動を十分やっていただきたい。それと、先ほど質問したように、流域のしっかりしたそういう対策を練っていただきたい。
 そういうことを、お願いで一点だけ、大臣にそれだけちょっとお答え願いたい。できれば水産もいただきたいです。

#21
○石原委員長 小泉大臣、申合せの時間が来ていますので、手短にお願いします。

#22
○小泉国務大臣 その一点だけというのは、多分、網の部分のことですよね。網が傷んでしまう、破れてしまうという原因が、海洋プラスチックごみを底引き網で引き上げることによる網の傷み若しくは破れ、こういったものなのか、それとも、漁業の中で網が破れたりすることというのはほかでもあることなので、その原因特定はなかなか難しいなとは思うんですが、いずれにしても、漁業者の皆さんの回収、そして自治体との連携、これは環境省が実証の補助などもやっていますので、今後しっかりと、令和三年度は定額補助を全国三十道府県で実施をする予定ですから、こういった中でも、課題や、どういう支援がより効果的か、そして実態に即しているか、把握をしていくことが非常に大事だなと思っております。

#23
○福山委員 どうもありがとうございました。

#24
○石原委員長 次に、近藤昭一君。

#25
○近藤(昭)委員 おはようございます。立民の近藤昭一でございます。
 今日もまた質問の機会をいただきましたことに感謝を申し上げたいと思います。
 今日は私は、法案に関連して、四月八日の参議院環境委員会での審議、そしてそこでの附帯決議を踏まえて質問させていただきたいと思います。
 まず、生物多様性の確保ということであります。
 審議におきまして、我が党の徳永エリ委員が、二〇一五年に初めて導入された、基本理念にある生物多様性の確保という課題に対してこの五年間どのような対応方策を実施してきたのか、特に、附帯決議の二というところがあるんですが、基本理念に掲げられた生物多様性の確保等を適切に行うために必要な施策についての調査研究及びその結果に基づいた具体的な施策をどのように実行してきたのか明らかにしてほしい、こう質問いたしました。
 これに対して山本大気環境局長は、平成二十七―二十九年度、二十五年ぶりに衛星画像による藻場、干潟調査を行った、また、十年ぶりとなる底質及び底生生物調査をした、底生生物調査は過去三回行っているが、比較したところ多くの地点で種数や個体数の増加、無生物地点の解消などが見られていると答弁をされたわけであります。
 そこで、質問であります。山本局長の説明された調査でありますが、私には、どれも、この間、断続的に実施してきた調査をこの間行った、このことを報告したようにしか見えないところであります。これらが特に附帯決議二に対応した調査なのか。二〇一五年の今申し上げました附帯決議二をどのようなものとして捉え、それへの対応措置として既存調査も含めてどのような構想を描いてきたのか、改めてお伺いをしたいと思います。

#26
○山本政府参考人 お答えいたします。
 ただいま委員から御紹介がありましたように、前回、徳永先生の御質問に対して委員から御紹介があったような内容でお答えさせていただきました。特に、藻場、干潟の分布状況の調査、底質、底生生物の調査はかなり大がかりな調査となりますので、平成二十七年に議員立法で瀬戸法を改正していただいて、附帯決議をいただいたことで、総合的な調査を行っていく予算も確保して、その予算に基づいて調査を実施してきたということでございます。
 生物多様性を見る上で、底質や底生生物というなかなか日頃調査できない部分をしっかり調査するというのは、基礎情報としては大変有用なものでございます。御指摘のとおり、この調査、ベースとなるデータですが、それだけで生物多様性の確保だということではないですが、平成二十七年の改正がまさに海の豊かさを求めるものでありますので、生物多様性はその根幹になるものでございます。
 こういった調査をベースにしながら、環境省におきましては、中央環境審議会の水環境部会瀬戸内海環境保全小委員会という委員会におきまして、有識者、環境団体、生物多様性に詳しい先生方からもしっかりと御意見を伺いながら、回を重ねて、こういった基礎データからそのときに得られる知見を総ざらいして、それを基にしっかりとした議論を重ねてきたことでございます。この中では生物多様性の観点というのは非常に重要な観点として検討してきたということでございます。
 今後とも継続的に調査検討を行って、生物多様性の保全に貢献するような科学的知見を継続的に集めていくというのは重要だと考えておりますので、今も引き続きそういった形で検討を進めているところでございます。

#27
○近藤(昭)委員 山本局長、ありがとうございます。
 私も、長く環境委員会に所属をさせていただいて、環境省の皆さんとも長く一緒に仕事をさせていただいているところであります。そういう意味で、局長が今お答えになったことは環境省としてしっかりと取り組んでおられるということだと思うんですけれども、ただ、改めてもう一度お聞きしたいんですけれども、附帯決議二の対応というのは相当大変なことになるんだと思います。
 一九六〇年代初めからの戦後の高度経済成長以降の約六十年間、私もそういうことでいうと高度成長期に子供の頃そして学生時代を過ごしまして、日本が経済成長していく、ただ、後にその経済成長のツケが数々、水俣病のこともあります、成長とともに様々な課題が出てきたということであります。こうした六十年間に人間が瀬戸内海に対して行ってきた全体を包括的に振り返る作業を通してしか、こうした課題は認識することができないと本当に思うんですね。
 やはり、この間にも反省等々があって、いろいろと施策も行われてきたところでありますが、今回、瀬戸内海の問題で課題になっていることはそうしたことの積み重ねなんだと思うんです。残念ながら、海辺をことごとくコンクリート漬けにしたということ、海域によっては赤潮と貧酸素化を慢性化させてきた、こういうところがあったと思うんです。そういう長年にわたるツケが今来ているのではないか。
 先ほど局長からもお話がありましたが、本当に長い期間、そして高度成長期、結果的には負担をかけてきたんだと思うんです。そうしたことに対する問題認識というのを改めてよく聞かせていただきたいと思います。

#28
○山本政府参考人 先生御指摘のように、本来の、高度成長期の前の、まだ環境庁ができる前の海が豊かな海で、そこからどう変遷してきたのかということをしっかりとフォローしていくということが重要でございます。
 ただ、御紹介している底生生物の調査、特に海の底が貧酸素になりやすいということで、底生生物の調査、底質の調査でありますとか、底生生物というのはかなりそういう影響が積み重なる部分でありますので、そういったところをしっかり把握するということが重要なのでありますが、環境省におきます底生生物の調査は、瀬戸内海環境情報基本調査という調査におきましてこれまで三回やっておりまして、最初が平成三年から六年ということで、一九九一年から九四年、次が平成十三年から十六年、その次が平成二十七年から二十九年、三回実施したということでございます。
 前回、徳永先生の御指摘のときに御説明したのも、平成三年から六年、最初の調査から比較をしますと底生生物の種類数や個体数の増加、無生物地点の解消といったような点で効果は見られているということですが、元々有していた本当の豊かな状態からどうなのかという考察は、残念ながらそれ以前の同様のデータがないということで、できていないということでございます。
 そういったところはありますけれども、今後これはやはり長期的にしっかり見ていく必要があるということでありますので、その他の知見も併せて、その継続を追いながら、影響についてはしっかりと見てまいりたいと考えております。

#29
○近藤(昭)委員 局長、ありがとうございます。質問通告をさせていただいているわけでありまして、その関係のお答えなのかもしれませんが、今、底生生物のことについてのお答えをいただいたわけでありますけれども、かつての、一九六〇年代ですかね、一九六〇年以前ですかね、そのデータが十分にない、こういうことで、なかなか比較が難しいというところもある、しかし、この間やってきた調査の中でといいましょうか、その中で比較をしてきて増加が見られる、こういうことなんだと思います。
 ただ、私が一番最初に質問させていただいて、次に質問させていただいたことは、最初の答弁の中にもあるわけですけれども、かつていろいろと指摘をされる関係者もいたし、不安を訴える人もいたと思うんですが、高度成長期の中で声がかき消されてきたようなところがある、そういう中で積年の積もってきた施策が環境を破壊してきた、そうしたものを反省して、様々計画もして、取組で再生させていく、そういう中で今局長もお答えになった増加が見られてきたんだということはあると思うんですね。
 ただ、私が改めてお聞きしたかったのは、本当に長い積み重ねの中で来た、今回の法案の趣旨もそうなんですけれども、そういう中で課題に一つ一つ取り組んでいるけれども、この間に失われてきた自然を回復するということは本当に容易ではない、こういう認識をどういうふうに持たれているのかということなんですね。改めてお答えいただけますでしょうか。

#30
○山本政府参考人 お答えいたします。
 特に、藻場、干潟だとか自然海浜とか、そういった自然の持つ機能というのは本当に多彩なものですから、それが一旦失われてしまうと簡単に取り戻せない、同じようなものをまた人の手でつくるというのは大変難しいことでございます。
 そういうこともありまして、今回、一つには、水環境を改善することでもって生物にとっての水の中の環境をよくするという意味では、水質について削減もあるけれども管理をしっかりやっていこうということでもありますし、藻場、干潟、今あるものをしっかり守ろうというだけではなくて、失われたものが相当ございますので、そういったものを取り戻す努力というのもしっかりと後押しする必要があるというふうに考えておりまして、こういった藻場、干潟の再生されたものもしっかりと指定することで後押ししていこうということを盛り込んだところでございます。
 海ごみの問題もそうですけれども、海の中にもたくさんの海ごみがありますから、そういったものを、先ほど福山先生からも御指摘がありましたように、どうやって取り除いていくかということで、今回、海洋プラごみに関する責務についても拡大したというようなことで、そういったあらゆる施策をしっかりと講じていくことで、少しでも豊かな海に近づけていくという努力を不断に続けていく必要があると考えてございます。

#31
○近藤(昭)委員 ありがとうございます。
 局長がお答えいただいたことでありますし、そこは専門家としてよく御理解をいただいているというところだと思いますので、いろいろな大きな連関といいましょうか、関連といいましょうか、そうした中にあるので、本当にそうしたものを取り返すことの困難さということはよく御理解いただいていると思います。
 二〇一五年の瀬戸内法改正で基本理念に生物多様性の確保が入った、こういうことでありますが、このことからすると、生物多様性国家戦略に照らして瀬戸内海における生物多様性の現状をどう捉えるかは重要な課題となっているわけであります。この点をどう把握し、それに対する対応方針をどう描いているのか、そして、特に今回の法改正にそうした点は盛り込まれているのか、盛り込まれているとしたらどういうふうに盛り込まれているのか、お聞きをしたいと思います。

#32
○山本政府参考人 御指摘のありました生物多様性に関しましては、生物多様性の保全、持続可能な利用に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るために、生物多様性基本法に基づく生物多様性国家戦略を定めて、二〇五〇年の自然共生社会の実現を長期目標としてございます。まさに平成二十七年の瀬戸法改正の豊かな海を目指すというのは、まさに生物多様性がベースにあって、それの恩恵としての水産資源の確保ができるということでございますので、まさに前回改正の根幹というのはこの思想があったものと認識してございます。
 前回改正でも様々な施策を盛り込んでいただきましたが、そのときに継続検討となったのが今回提案している栄養塩類管理という制度でございます。これにより栄養塩類のきめ細かな管理をやることによりまして、生物多様性の恩恵としての、将来にわたる多様な水産資源の確保に貢献することができる一面があるというふうに考えております。
 また、先ほども申し上げましたが、藻場、干潟の保全、再生、創出を促進するということは、生き物にとっての貴重な生息の場でありますので、こういったものの生物の生息、生産の場としての機能を増進させる、これで生物多様性の保全に貢献できるという面があると思います。
 今回の改正のみならず、前回の改正で様々な施策を盛り込んでいただいておりますので、そういうものと総合的に取り組むことで生物多様性の確保に努めてまいりたいと考えてございます。

#33
○近藤(昭)委員 答弁が全てといいましょうか、関連をしているわけでありますので、生物多様性の観点をしっかりと入れていただいて、総合的に、そしてまた深く、この間の六十年間というか、長い期間に起こってきたそうした課題についてしっかりと捉えていただきたいと思います。
 小泉大臣の発言を踏まえて質問させていただきたいと思います。
 小泉大臣は、生物多様性は人類存続の基盤である、四月二日付、トーマス・フリードマンの、自然が私たちを守ってくれる、次のパンデミックに対する最高のワクチンが生物多様性の確保であるとの見解を引用しながら、COP15でのポスト愛知目標の策定に貢献し、二〇五〇年ビジョン、自然との共生社会に近づいていくために貢献していきたい、こういうふうに述べられました。すばらしい姿勢だと思います。それを踏まえて、今回の法改正にかける大臣の思いを聞かせていただきたいと思うんです。
 中環審の二〇一二年十月の答申、「瀬戸内海における今後の目指すべき将来像と環境保全・再生の在り方について」では、生物多様性の確保が重要だとの視点が盛り込まれていました。しかしながら、二〇二〇年三月の答申ではその点が少し希薄になっているとの印象が私にはあります。そこで、局長からも答弁があったわけでありますが、改めて、瀬戸内海という個別事情にも生物多様性確保の重要さという視点で取り組む決意をお聞きしたいと思います。

#34
○小泉国務大臣 私がフリードマン氏の紹介をしたときに、フリードマン氏はこう言っていましたね。我々が自然を守れば、自然が我々を守ってくれる。まさに生物多様性の保全は、我々が自然からの様々な恵みのおかげで今生きているように、それが基盤であることが今揺らいでいるからこそこの法改正にも意義があると思いますし、気候変動とともに生物多様性の保全というのも世界的に大きな課題となってきて、特に、今年のG7の主催国のイギリス、COP26の主催国でもあるイギリスが、ネイチャー・ベースド・ソリューションズという言葉で自然に基づく解決策という考え方を強く前に出しております。
 最近、ボリス・ジョンソン首相と菅首相で日英首脳会談がありましたが、その場で日本として初めて首脳級の声明として、自然に対する誓約、リーダーズプレッジと呼ぶんですが、イニシアチブに参加する表明をしました。これは、日本が生物多様性において、首脳がイニシアチブに参加することを表明した初めての例であります。
 この機会にそういう表明があったこと、これは、先生がおっしゃったような愛知目標の次の十年の戦略、ポスト二〇二〇を決めていくルールメイキングにおいても日本が生物多様性に非常に強い意志を示したということで、意義があることだと思いますし、この法律が成立した暁には、今後、国際社会の場でも、日本が冠たる水質管理という新たな水環境行政に一歩大きく前進したということを内外に知らしめていきたいと思います。

#35
○近藤(昭)委員 小泉大臣、ありがとうございます。
 愛知目標が立てられたCOP10の会議のときには、私も環境副大臣を務めさせていただいておりました。残念ながら愛知目標が十分には達成されていなかった中でのポスト愛知目標ということでありますが、しっかりとリーダーシップを取って頑張っていただきたいというふうに思います。
 最後の質問になりますけれども、神谷政務官が委員会の答弁の中で述べられた、栄養塩類、植物プランクトン、動物プランクトン等の餌の環境といった低次生態系の変化とはどういうことなのか。栄養塩類が珪藻プランクトンに取り込まれ、それを動物プランクトンが食するという本来のルートと別のプロセスが競合していると思われるんです。栄養塩類を増やしても、期待する効果が出ないこともあるのではないか。
 先ほど、長い時間の中で変化をしてきたということがある、容易に取り戻すことはできないと。確かに、施策をすることによって、ある種の課題の克服に向けてやっているけれども、そこで別のプロセスが競合してしまっているのではないか、こういう懸念であります。どうでしょうか。

#36
○神谷大臣政務官 近藤委員にお答えいたします。
 令和二年三月の中央環境審議会答申、「瀬戸内海における今後の環境保全の方策の在り方について」におきまして、イカナゴの漁獲量について、気候変動による水温上昇等の環境変化や、栄養塩類、植物プランクトン、動物プランクトン等の餌環境といった低次生態系の変化が影響を与えている可能性があることが示唆されております。
 先生お示しの低次生態系とは、食物連鎖を構成する生物のうち植物プランクトンや動物プランクトン等の生態系を指すことでございまして、これらは生態系の基盤を成すものでございます。
 低次生態系の変化とは、栄養塩類の濃度の影響により植物プランクトンの増殖が変わり、それを餌とする動物プランクトンの増殖も関連して変わるなど、相互に影響を及ぼしつつ変化があることを指しておるところでございます。
 先生お示しの、これが時期尚早ではないかということでございますけれども、水産資源の変動をもたらす要因といたしまして、栄養塩類のほか、水温、海流、餌環境等が複合的に関わっておりまして、一部の魚種につきましては科学的なデータの蓄積が得られたものの、その関連性はいまだ十分に解明されているとは言えない状態でございます。
 しかしながら、栄養塩類と水産資源の関係が全ての面で解明されるまで対策を行わないとすることは、瀬戸内海の一部の海域におきまして、栄養塩類の不足を一因として生物の多様性そして水産資源の持続的な利用の確保に支障が生じている現状からしますと妥当ではなくて、このまま放置することはできない状況にあると考えております。
 今般の栄養塩類管理制度の創設は、瀬戸内海における特定の海域におきまして、これまでの栄養塩類の削減一辺倒ではなくて、栄養塩類の増加を可能にしつつ、継続的なモニタリングとモニタリング結果に基づく検証によって随時変更を加えていくという、順応的なプロセスに基づく栄養塩類の管理を計画的に実施しようとするものでございます。
 御理解を賜れればと思います。

#37
○近藤(昭)委員 どうもありがとうございました。しっかり取り組んでいただきたいと思います。
 ありがとうございます。

#38
○石原委員長 次に、長尾秀樹君。

#39
○長尾(秀)委員 立憲民主党・無所属の長尾秀樹でございます。
 本日も質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。
 法案の質疑の前に、一点お聞きをしたいと思います。
 先般、一般質疑でエキゾチックペットについて質問いたしました。野生生物が新型コロナウイルスも含めて人獣共通の感染症を媒介させる危険性について述べさせていただきました。
 東京レプタイルズワールド二〇二一、エキゾチックアニマル大集合というイベントが、まさに東京や大阪など多数の地域がコロナ拡大で緊急事態宣言最中のとき、東京池袋で五月十五日、十六日の二日間開催をされました。会場の人数が五〇%を超えないようにということで、一般的なコロナ感染防止対策はしているとはいうものの、肝腎なエキゾチックペットの危険性、感染症との関係に触れた情報はなかったように思います。
 厚生省並びに環境省は、このようなイベントが開催されることを把握していたのでしょうか。また、自治体は延期要請をすることもできたのではないかと考えますが、見解をお聞きします。

#40
○佐原政府参考人 お答えいたします。
 議員御指摘のエキゾチックペット展示販売会の開催につきまして、厚生労働省としては主催者から事前の連絡等はいただいておりません。
 なお、御指摘の動物由来感染症対策の観点から、エキゾチックペットを含む適切な動物の取扱いに関しましてはガイドラインを策定しております。また、ポスターやハンドブックを用いまして、手洗いの励行や消毒の実施等における留意点について都道府県や動物を取り扱う業界団体等に周知しているところでありまして、引き続き、環境省を始め関係省庁とも連携して、動物由来感染症の対策をしっかり図ってまいりたいと考えております。

#41
○鳥居政府参考人 お答えいたします。
 各地で開催される動物の展示、販売等を行うイベントにつきまして、環境省が全てを把握しているわけではございませんが、御指摘のイベントにつきましては、環境省としても開催されること自体は承知してございました。
 新型コロナ対策の一般論として、緊急事態宣言下等においてイベントを開催する場合は、政府の示している新型コロナウイルス感染症に係る留意事項のほか、自治体やイベント会場の運営主体等の指導等にのっとって、開催を慎重に検討し、実施する場合にも主催者により適切な感染防止対策が図られるべきと考えております。
 これに加えまして、東京都に確認したところ、委員御指摘のイベントの主催者は、動物愛護管理法に基づき、事前に第一種動物取扱業の登録を受けていたと聞いております。
 この登録を受けた事業者は、人獣共通感染症を防止する観点から、顧客等に対して動物への接触方法について指導するといった基準を遵守することが義務づけられているところでございまして、こうした基準を適切に運用することなどを通じ、人獣共通感染症対策にも対応してまいりたいと考えております。

#42
○長尾(秀)委員 野生生物の取引、エキゾチックペットの販売や飼育、さらにはその餌についても、国内にいるはずのない昆虫などが生きたまま輸入され、ネット等で簡単に手に入る、こういう状況を放置したままでいいのだろうかということを改めて問題提起させていただきたいと思います。
 それでは、法案についてお伺いをいたします。
 私の地元である大阪府も、瀬戸内法に規定される十三の関係府県の一つであります。そこで、大阪湾における水質保全の課題についてお聞きをいたします。
 大阪湾は、湾の一番奥、湾奥部、真ん中、中央部、それから入口、湾口部、それぞれによって水質の状況や生物の生育環境が大きく異なっております。この三つのゾーンに区分して、環境の保全、再生、創出に向けた取組が進められております。中でも大阪湾奥部の状況は、瀬戸内海の他の地域とは異なり、栄養塩類が過度に偏在して、更なる水質改善が必要とされております。瀬戸内海の中でも大阪湾のように局所的には水質保全が課題となっている海域もあることから、依然として赤潮、貧酸素水塊及び停滞水域が偏在していることを踏まえて、引き続き水質保全に取り組む必要があると思います。
 そこで、栄養塩類を供給する貧栄養化対策のみならず、今まで以上に富栄養化対策を引き続き進めていくことの重要性について、大臣の見解をお聞きいたします。

#43
○小泉国務大臣 長尾先生がおっしゃるとおりだと思います。
 先生の御地元の大阪は大阪の課題があり、そして瀬戸内海、ほかの海域などにおいては、逆の、大阪とは違う、きれいな海にはなったけれども、豊かな海がむしろ失われかけてしまった、こういったところが両面あるので、私も視察として、兵庫県の視察、そして香川県の視察、これは、栄養塩類の管理制度に対して賛成、むしろ推進をしてもらいたいというところと、赤潮のかつての経験などもありますから慎重にやってもらいたい、この両面の意見をしっかりと聞かなければいけないという思いから視察をしました。
 大阪の課題につきましても、神谷政務官も地元が大阪ですから、現場の声もしっかり聞きながら、今後、水質規制ではなく、きめ細かい水質管理という在り方に、地元の状況を海域ごとにしっかり見た上で進めていきたい、この法の趣旨を御理解いただけるようにしていきたいと思います。

#44
○長尾(秀)委員 よろしくお願いしたいと思います。今答弁で触れられました兵庫県は、私は地元は大阪ですけれども、出身は兵庫県なので、両方の立場での取組を是非お願いしたいと思います。
 大阪湾には淀川や神崎川などの河川が流入しておりまして、まさにこの辺りが私の地元なのでありますが、汚濁負荷量が高くなる傾向があります。淀川は、琵琶湖がその源ということで、大阪平野を流れて大阪湾へ注ぐということで、二府四県にまたがる淀川水系が近畿地方の社会経済文化の基盤を成してきました。琵琶湖も含めた淀川水系全体での取組が重要になります。
 そこで、流域全体の取組という観点から何点か聞きたいと思います。
 まず、琵琶湖について、前回、平成二十七年、この瀬戸内法が改正された国会において、琵琶湖の保全及び再生に関する法律も成立をしております。この琵琶湖法の施行後、琵琶湖の保全、再生に関して様々な取組に国と関係地方団体が取り組んでまいりました。
 琵琶湖法の附則には、施行後五年以内に必要な見直しを行うという規定があります。今回、瀬戸内法は改正案が提出されておりますが、琵琶湖法の改正案は提出されておりません。琵琶湖法に関しては、そもそも、この法律について今回は見直しの必要がないと環境省は判断したのでありましょうか。また、必要がないと判断したのであれば、これまでの取組にどのような成果があったからなのか、その評価をお聞きいたします。

#45
○山本政府参考人 お答えいたします。
 ただいま委員から御指摘がありましたように、琵琶湖の保全及び再生に関する法律に基づきまして琵琶湖に関する施策が講じられているわけですが、法附則の規定に基づきまして、関係省庁及び関係府県市が協力して、これまでの取組実績、取組の成果と課題、取組の評価、今後の取組の方向性の視点からフォローアップを実施してございます。このフォローアップにつきましては、令和二年九月に取りまとまっております。
 この中での議論ですけれども、環境大臣が国交大臣と共同で共同会長を務めております琵琶湖保全再生推進協議会という協議会がございまして、こちらにおきましてフォローアップの結果についてもお諮りをしたところでありますが、この結果としては、当然いろいろな新たな課題として挙げられたものはございますけれども、現行の法律や基本方針において対応できるものであることから、法律の改正や基本方針の改定は要しないということで、この考え方が協議会で了承されたということになっております。
 また、具体的に言いますと、その成果、課題をフォローアップ報告書の中でまとめておりますが、例えば、水質の汚濁に関しまして言えば、持続可能な汚水処理システムの構築に向けて計画的な整備や維持管理を着実に進めることができているという評価がされております。また、湖辺の自然環境の保全及び再生については、これまでのヨシ群落の造成、内湖再生の取組によって生態系が回復しつつあり、湖辺の自然環境の保全及び再生に一定の効果が見られた、ただ一方で、一部では、水質の悪化、湖岸の施設の老朽化の懸念や、魚道の整備、維持管理が課題だという課題も指摘されてございます。
 その上で、この報告書の中では、現行の取組の推進や継続が妥当、また、新たに生じた課題についても現行の法律の下で対応できるという整理がされたところでございます。

#46
○長尾(秀)委員 先ほど来お話も出ておりますが、今回の改正案において、気候変動による環境影響評価に係る規定が基本理念に新たに追加をされております。琵琶湖における気候変動対策及び適応策について環境省としてはどう考えておられるか、お聞きをいたします。

#47
○山本政府参考人 お答えいたします。
 琵琶湖におきましては、気候変動の影響により、特に湖水の全層循環が未完了という大きな問題がありまして、それに伴いまして、底層溶存酸素量の低下や、植物プランクトンの特異的な増殖による水質悪化などが懸念されている状況というふうに考えております。
 このような状況も踏まえまして、先ほど申し上げました協議会で取りまとめたフォローアップ報告書におきまして、今後の対応としては、気候変動への適応策も視野に入れつつ、良好な水質と豊かな生態系を両立する新たな水質管理手法の構築に取り組むとされたところでございます。
 環境省といたしましては、今後、滋賀県等の関係機関とも連携しつつ、気候変動への適応の観点も踏まえて、琵琶湖の水質及び生態系の保全、再生に関する調査研究に取り組んでまいりたいと考えております。

#48
○長尾(秀)委員 次に、琵琶湖においてもマイクロプラスチックが検出されております。フォローアップ結果によれば、新たな課題としてマイクロプラスチックへの対応も挙げられております。そこで、琵琶湖におけるマイクロプラスチックに関する科学的な知見の収集等の状況、また今後の対応方針について、大臣の見解をお聞きしたいと思います。

#49
○小泉国務大臣 琵琶湖におきましては、滋賀県と一般社団法人ピリカ、この両者が共同で昨年九月に調査を実施しております。琵琶湖の五地点において一立方メートル当たり最大一・九一個のマイクロプラスチックが検出されるなど、これまでの調査研究において、琵琶湖においてもマイクロプラスチックの検出が報告されているというふうに承知しています。
 このような状況を踏まえまして、昨年九月に関係省庁及び関係自治体から成る協議会によりまとめられたフォローアップ報告書においては、発生メカニズム等の実態や長期的な視点での生態系への影響など、科学的知見はいまだ十分ではない状況とされたところでもあります。
 環境省としては、これまで、河川におけるマイクロプラスチックの分布実態を的確に把握するための試料採取方法、そして分析方法等の検討、整理などを進めてきました。今後は、マイクロプラスチックの河川における存在状況の実態把握のための試料採取及び分析を行うとともに、環境影響に関する科学的知見の蓄積に努めていきたいと考えております。

#50
○長尾(秀)委員 よろしくお願いしたいと思います。以上で琵琶湖の質問は終わります。
 次に、海洋プラスチックごみを含む漂流ごみの発生抑制、除去の課題についてお聞きしたいと思います。本法律案では、国と地方公共団体の連携の下、漂流ごみ等の除去及び発生の抑制に努めることとされております。そこで、国と地方公共団体及び地方公共団体相互間の連携の具体的内容について、大臣の見解をお聞きいたしたいと思います。

#51
○小泉国務大臣 自治体の連携の中で、やはり特筆すべきは香川方式と言われる、海域の面している自治体だけではなくて、海のない内陸側の自治体も含めてお金を出し合って海洋プラスチックごみ対策をやっている。これは香川県だけなので、環境省としては、こういったいわゆる香川方式と言われるものが広がっていくような後押しもしていきたいというふうに考えています。
 今年度から、企業の持つノウハウや技術を海ごみの発生抑制や回収処理に活用するため、自治体と企業などが連携した海ごみ対策、これも支援をしています。こういった支援の中で得られた知見、これを全国各地へ横展開していくことなどもやっていきたいと思いますし、自治体同士で海も内陸も連携をしていくような、そんな後押しもやってまいりたいというふうに思います。

#52
○長尾(秀)委員 よろしくお願いします。
 それでは次に、先ほど少し議論もありましたが、自然海浜保全地区の指定対象の拡充についてお聞きをしたいと思います。
 この自然海浜保全地区、前回の法改正後、新たな指定が進んだ様子がなくて、新規の指定は平成五年の指定が最後となっていると理解をしておりますが、それで間違いないか、まず確認をしたいと思います。後ほど御答弁をいただきたいと思います。
 その上で、本法律案では、自然海浜保全地区の指定対象範囲を水際線付近から水際線付近又は水深二十メートルを超えない範囲まで拡大することとしております。既に指定されている地区も含め、指定後の利活用、保全の状況を確認した上で、必要な改善を図られるよう、運用についての検討の必要性も指摘されております。
 そこで、環境省にお伺いをいたします。現在指定されている自然海浜保全地区について、政府として保全状況はどこまで把握されているのか、併せて運用の改善に向けた検討の必要性の指摘についての見解をお聞きいたします。

#53
○山本政府参考人 委員御指摘のとおり、自然海浜保全地区につきまして、直近のところでは平成五年に香川県吉野崎が指定されて以来、新規指定がされていない、前回改正以降も指定されていないという状況にあります。
 そこで、今回の法改正におきましては、まさに委員から御指摘もあったように海域の藻場や浅場を強く意識した改正を行っておりまして、今回、条例に基づいて指定を行っていただく関係府県におきましては、新たな視点でしっかりと、再度、自然海浜保全地区の候補地の検討を行ってもらいたいと考えております。
 環境省におきましてその実態、保全状況を把握しているかということでございますが、今回の検討に当たりまして関係府県にアンケート調査を実施したところ、三分の二の地区について保全状況を把握している、言い換えれば三分の一は把握できていないということもありますので、改めて保全状況の把握も含めて今回の改正の趣旨をしっかり伝えて、改めて検討を行ってもらいたいというふうに考えております。

#54
○長尾(秀)委員 おっしゃられましたように、藻場、干潟の保全、再生、創出というのが極めて重要であると思います。この活動を担っているのは、民間といいますか、主に市民団体の方々であります。地域それぞれの事情を把握するための科学的な調査活動や保全活動のための人的支援及び経済的支援が必要であるとの意見も出されております。
 令和二年の答申においては、藻場、干潟等の再生、創出に係る新たな適地の掘り起こしや、地域における藻場、干潟等の保全、再生、創出の取組状況等を把握することの必要性も指摘されております。
 そこで、大臣にお聞きをしたいと思います。藻場、干潟等の再生、創出に係る取組に対する支援体制や新たな知見の積極的導入などの基本的な考え方についてお聞きをしたいということと、もう一つ、例えば今申し上げました新たな適地の掘り起こしなど、藻場、干潟等の保全、再生、創出に向けた取組状況についての見解をお伺いしたいと思います。

#55
○小泉国務大臣 先日、G7の気候・環境大臣会合がありましたが、その成果文書の中には、二〇三〇年までに地球上の陸と海の少なくとも三〇%を保全するという世界目標に加え、G7各国が国レベルで陸と海それぞれにおいて三〇%保全に取り組んでいくことが盛り込まれています。
 ですので、このような国際的な潮流も意識をして、条例に基づいて指定を行う関係府県においては、従来の保全のみを対象とするのではなくて、再生、創出されたものや海域、浅場をも対象とする新たな視点で、再度、自然海浜保全地区の候補地の検討を行ってもらいたいと考えております。
 環境省においても、過去に実施した藻場、干潟の分布状況調査の結果の共有を行って、適地について助言を行いたいと考えております。加えて、改正法案の趣旨について関係府県に通知をするなど、新規の自然海浜保全地区の指定が進むように後押しをしていきたいと思います。

#56
○長尾(秀)委員 先ほど来お話が出ておりますように、過去の開発により瀬戸内海の藻場、干潟は大幅に減少しました。現状の藻場、干潟を保全するとともに、失われた藻場、干潟の再生、創出に是非しっかり取り組んでいただきたいと思います。
 また、特に藻場は、海藻や植物プランクトンが光合成などで二酸化炭素から炭素を取り込むブルーカーボンを蓄積する場として、地球温暖化対策としての役割も期待をされております。法案改正を契機に、是非しっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 では、次に、先ほど少しありましたが、湾・灘協議会の在り方についてお聞きをいたします。平成二十七年の法改正で導入されました。
 参議院の質疑では、湾・灘協議会について現在五県に七協議会が設置されているという答弁がございました。瀬戸内法の関係府県は二府十一県ということでありますので、湾・灘協議会の設置が進んでいないのではないかという意見も出されております。設置が進んでいない理由は何であるかという点について、環境省の認識をお聞きいたします。

#57
○山本政府参考人 今回の検討に際しましては、改めて関係府県に湾・灘協議会未設置の場合の理由についてもお尋ねをしております。
 いずれの関係府県も設置することが望ましいという考え方については共有しておりますけれども、なかなか実際に進んでいない背景としては、検討の範囲が広範囲にわたって、取り扱う議題の設定や議論の深掘りが難しいというようなことだとか、一つの県で複数の湾、灘と接しているということで、地域によって海面の利用形態が大きく異なるというような自治体にありましては、複数の湾・灘協議会の設置の調整が大変だということで、時間がかかっているというようなこともございます。

#58
○長尾(秀)委員 瀬戸内海の環境保全は、湾、灘全体を対象として対応策を考えていくことが重要であります。中国、四国、九州に囲まれている瀬戸内海ということでありますので、多くの自治体の連携した取組が求められます。とりわけ、隣接した県同士の整合性の取れた計画を策定して、協調して施策を行う必要があるという指摘もされております。
 現在、湾、灘全体を対象とした複数の府県による協議会は設置されていないと理解しておりますが、別府湾を除けばほとんどの湾、灘が複数県にまたがっているということですので、複数県にまたがる湾、灘における協議会が必要なんじゃないかと思いますが、その在り方についてどのように考えておられるか、環境省にお伺いします。

#59
○山本政府参考人 委員御指摘のとおり、多くの湾、灘は複数の県にまたがっているということで、関係者間の連携を図るというのは極めて重要と考えております。
 今年一月、今回の改正の基になりました中央環境審議会からいただいた意見具申におきましても、関係者間の連携につきましては、国を中心に、様々な主体の参画の下、広域的な課題についての府県の枠を超えた地域合意、連絡、協議等の場の設置に向けた取組が必要という指摘を受けておるところでございます。
 委員の御指摘も踏まえまして、今回の改正の趣旨も踏まえまして、どういった形で連携できるか、今、協議会の中に他県からオブザーバーとして入るというような連携はされておりますけれども、そういった形も含めて、どういった形で連携していけるかということについてはしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。

#60
○長尾(秀)委員 私の地元の大阪府、あるいは出身の兵庫県も入った大阪湾の協議会というのはないわけであります。いろいろ難しい問題もあるかも分かりませんけれども、是非、大阪湾に限らず、複数県にまたがった湾、灘全体の協議会も設置できるように、引き続きよろしくお願いをしたいと思います。
 以上で質問は終わらせていただきます。

#61
○石原委員長 次に、田村貴昭君。

#62
○田村(貴)委員 日本共産党の田村貴昭です。
 瀬戸内海環境保全特措法の一部改正案について質問をします。
 まず最初に、今回新設された栄養塩類管理制度について伺います。
 法案では、特定の海域を、リンや窒素などの栄養塩類を供給して、多様な水産資源の確保を目指すとしています。
 瀬戸内海は、高度経済成長の時期に汚染が進み、赤潮が発生し、海洋生態系に大きな影響を及ぼしたために、一九七三年に瀬戸内海特別措置法が施行され、その後、工場や生活排水の規制等の取組によって水質が大きく改善をしました。
 海はきれいになった一方で、栄養塩類が不足してノリの色落ちなどの問題が生じています。ノリ養殖の関係者からは栄養塩類の供給を望む声は大きく、今回の法改正になったと承知しています。
 瀬戸内海のノリの収穫量は、昨年度、合計で八万九千六百トン、全国に占める割合は三一%、重要なノリの産地であります。
 そこで伺います。
 ノリの生育、色づきの改善と窒素、リンなどの栄養塩類の関係を簡単に説明していただけるでしょうか。

#63
○山本政府参考人 お答え申し上げます。
 ノリに関しましては、当然、栄養としての栄養塩類が必要だ、生育に対しては必要だということでございますが、海域での窒素、リンの濃度が下がったことによりまして、特にノリの生育に重要な冬期間の間に、そういった栄養塩類の濃度が下がる、同時に、それまで生息していなかった大型の植物プランクトンが発生して栄養の奪い合いになるというようなことが生じまして、その結果、ノリの色落ちが、落ちるというようなことが生じているということが確認されてございます。

#64
○田村(貴)委員 ノリの養殖だけに限る話ではないと思うんですね。瀬戸内海のカタクチイワシ、マイワシ、イカナゴなどの魚類の減少も問題になっているところです。瀬戸内海の主要な魚種の漁獲量は過去半世紀で三分の一にまで減少しています。
 私は、二〇一九年の自然環境保全法の改正案審議の際に、瀬戸内海のイカナゴの漁獲量が大幅に減少していることについて取り上げました。海砂の採取、しゅんせつによる生息場所の荒廃が原因の一つであるとする水産庁の漁業資源評価の指摘も紹介したところであります。
 伺います。
 栄養塩類の供給がこうした魚種も増やしていくことにつながるのでしょうか。

#65
○山本政府参考人 お答えいたします。
 委員から御指摘のありましたカタクチイワシ等の魚類に対しての栄養塩類の問題でございますが、平成二十七年の前回改正以降、環境省におきまして、栄養塩類と水産資源の関係について、科学的知見の充実に努めてまいりました。
 その結果として、昨年三月の中環審の答申の中では、栄養塩類濃度が大きく減少している播磨灘東部におけるイカナゴ資源に対して、栄養塩類、植物プランクトン、動物プランクトン等の餌環境といった低次生態系の変化が影響を与えている可能性があることが示唆されているということでありますので、完全に栄養塩類と漁獲量が一対一ということではなくて、その可能性が示唆されていると。
 一方で、水産資源の変動をもたらす要因としては、委員御指摘のありましたような環境の変化でありますとか、栄養塩類のほかの、水温、海流、餌環境、大型魚類による捕食等も挙げられておりますので、こういった様々な要因の複合的な影響を受けているというふうに考えております。

#66
○田村(貴)委員 後で述べますけれども、豊かな海の回復にはたくさんの課題があるということですよね。
 素朴な質問なんですけれども、栄養塩類の供給は、浸透度を下げたり、あるいは海の見た目の変化を起こしたりすることがあるんでしょうか。シーカヤックを始め、きれいな海の下で自然体験や観光の事業に当たっている方への影響をどう想定されていますか。

#67
○堀内副大臣 田村委員にお答えいたします。
 近年の瀬戸内海では、依然として水質の保全が必要な海域と、一方、栄養塩類の不足による水産資源の持続可能な利用の確保に係る課題を有する海域が入り組んで存在しており、課題が場所ごとに多様している状況でございます。
 今回の法改正の趣旨は、水環境の保全と地域の水産資源の持続的な利用の確保の両立を目指すため、栄養塩類の不足が課題となっている特定の海域を対象に、栄養塩類の一定の削減ではなく、水質の管理に移行し、きめ細やかな対応を行うことを目的に、栄養塩類の管理制度の創設を行おうとするものでございます。
 栄養塩類の供給に当たっては、海水浴場などの観光関係者と魚類養殖関係者との合意形成が行われないまま、無秩序に栄養塩類の追加供給が進められた場合、予期せぬ赤潮や貧酸素水塊などが発生し、環境保全上悪影響を与える懸念があり、丁寧に調整を行っていくことで悪影響を与えないようにしてまいりたいと思っているところでございます。
 なお、今年度、環境省においては、地域活性化にもつながる里山づくり活動を調査することとしており、これらにより、自然と暮らしが調和する多島海としての瀬戸内海の保全、活用を行ってまいりたいと思っております。

#68
○田村(貴)委員 栄養塩類の供給は、下水道処理水を管理することによって行うといいます。それ以外に、例えば、陸上部から海洋部に管を敷設して特定の海域に栄養塩を供給するとか、あるいは船からの供給、そうした手法なんかはあり得るのでしょうか。そういうことも考えているんでしょうか。

#69
○山本政府参考人 お答えいたします。
 委員御指摘の栄養塩類の供給方法ということですが、御案内の、下水処理場の季別に管理をするという処理方法の変更のほか、いわゆる海域から直接出すという、施肥ということで、海域に直接投入するような方法もありますし、あと、池や沼の水をくみ出して泥をさらって、栄養塩類を含んだ泥や水を排出する、いわゆるかい掘りといったようなこともございます。多様な手段が想定されます。
 具体的にどういう手段を用いるかということは、どのエリアの栄養塩類をどのように増やしたいかということによりまして、各府県におきまして、この多様な手段の中で、地域の実情に応じた手段を関係者との合意形成を図りながら選定していくということになろうかと考えております。

#70
○田村(貴)委員 瀬戸内海の水質は改善され、きれいな水になったんですけれども、豊かな海は戻ってこない。窒素やリンといった栄養塩類だけの問題なんでしょうか。
 瀬戸内海は全国で最も人工海岸の延長が長く、三千五百三十八キロメートルです。全国の人工海岸の三二%を占めると聞いています。埋立面積も、累積でおよそ三万ヘクタール、高度経済成長期が最も激しく埋め立てられ、二〇〇〇年を迎える頃には、ほぼ同じ、今と同じ面積になっています。
 瀬戸内海の埋立て等開発行為に伴って、自然海岸や天然の干潟あるいは藻場はどれだけ減少してきたのでしょうか。数字を示してお答えいただきたいと思います。

#71
○神谷大臣政務官 田村委員にお答えいたします。
 環境省が実施いたしました自然環境保全基礎調査によると、昭和五十三年度、一九七八年度でございますが、その調査では、自然海岸の延長線は二千六百九十七キロメートルでございましたが、平成八年度、一九九六年度では二千六百五十四キロメートルと、僅かに減少しております。
 干潟につきましては、過去に環境省が行った調査とは方式が異なっているために、総面積の経年比較はできませんけれども、瀬戸内海における藻場・干潟分布状況調査によりますと、平成二十七年度から平成二十九年度、二〇一五年から二〇一七年度におきまして、総面積は一万一千六十五ヘクタールとなっております。

#72
○田村(貴)委員 変遷は、歴史的な経過もあるので、なかなかちょっと分かりづらいところもいっぱいあるんですけれども、干潟や藻場の果たす役割について、環境省、教えてください。

#73
○神谷大臣政務官 お答えいたします。
 干潟や藻場は、生物の揺り籠としての役割を果たすだけではなく、温室効果ガスの吸収、固定、いわゆるブルーカーボンとしての役割も期待されているところであります。
 今般の法改正におきましては、自然海浜保全地区の指定対象の拡充を行うことにしておりますけれども、これは海域の藻場や浅場を強く意識したものでございまして、条例に基づく指定を行う関係府県におきましては、新たな視点で、再度、自然海浜保全地区の候補地を検討を行ってもらいたいと考えているところであります。
 環境省といたしましても、平成二十七年度、二〇一五年度から、平成二十九年度、二〇一七年度に行った瀬戸内海における藻場、干潟の分布調査の結果を活用していただきたいと考えておりまして、今後、改正法案の趣旨を通知し、御理解をいただきながら、新規の指定が進むように、関係府県とともに強力に取り組んでまいります。

#74
○田村(貴)委員 藻場とか干潟というのは、環境を整えると同時に、生物多様性上も大変重要であります。瀬戸内海においても全国においても、人間の経済活動によって広範囲に失われてまいりました。
 藻場や干潟の回復に向けた取組についてお伺いします。
 自然海岸や干潟の面積、どの程度回復してきているのでしょうか。分かりますか。

#75
○山本政府参考人 先ほどの答弁の中でも出てきておりますが、干潟につきましては、最近の調査で一万一千六十五ヘクタールということでありますけれども、前回改正以降、再生した干潟の面積ということについては、環境省としては把握してございません。また、自然海岸につきましても、再生されたものについては把握してございません。

#76
○田村(貴)委員 調査室資料には数字が載っているんですけれども、干潟については、一九六九年、一万五千ヘクタールあったものが、二〇一五年には一万一千十九ヘクタール、約四千ヘクタール減っている。アマモについては、一九六六年に一万六百二十三ヘクタールあったものが、一九八九年には六千三百八十一ヘクタールと、大幅に減ったというふうにされています。失われた干潟に対して、また藻場に対して、その回復というのは桁違いに少ないということであります。
 答弁を聞いていて、なかなかよく分からないところがあるんですけれども、やはり数字の問題ですので、しっかり精査をしていただきたいと思います。歴史的に、自然の干潟、それから人工の干潟もありました。これが、消滅した部分はどれだけなのか、そして、どうやって、どれだけ回復してきたのか。これを把握する必要が、私は環境省にあると思うんですよね。正確な実態把握をしないと対策は打てないと思いますけれども、より一層把握する点については、局長、いかがですか。

#77
○山本政府参考人 お答えいたします。
 前回の改正を契機に、直近のところについては、しっかりと藻場、干潟について把握させていただいた。こういった事柄については、今後、継続的に調べていきたい。
 過去につきましては、委員御指摘のように、いろいろな歴史的な文献などで、数字があるものについてはやはり、そこから比べれば大幅に減っているということはあるんですが、調査のベースが違いますので単純な比較はできないということですので、やはり、場としての、どういうふうになっているのかというところの実態をしっかりとつかまえていくということは大事ですので、引き続き、その点についてはしっかりと把握してまいりたいと考えます。

#78
○田村(貴)委員 はい、確認しました。
 四月八日、参議院の環境委員会で我が党の山下芳生議員が、京都大学フィールド科学教育研究センターの向井宏特任教授が十年ほど前に書かれた「干潟・藻場の再生事業 その問題点」という論文を紹介して、質問をしました。再生された人工干潟では、生物がおらずに、水が濁っている。一方、自然海岸、天然干潟は、生物の多様性が高くて海水もきれいであるということです。
 人工で造った、埋立て、人工で造成した干潟はなかなか生き物はすまないのではないかとの指摘に対して、環境局長からは、確かに、人工構造物につきましては、それを造ったときすぐにそこに生物相ができるということは難しいとの答弁でありました。
 人工干潟を造成すれば、一時的にせよ、貴重な生態系は奪われます。様々な調査結果を見ても、生物が戻ってきても、自然海岸と比べたら生物の数は少ない、戻ってくるまでには長い時間を要する。となれば、結果として環境を破壊している、壊していることになりかねないわけであります。これは教訓としなければならないと私は考えます。
 藻場の再生についてはどうでしょうか。先ほど回答があったところですけれども、なかなか回復しないということであります。少しずつ再生されてきているという状況なんですけれども、なかなか藻場の定着が図られない。この理由について、課題は何だと考えておられますか。

#79
○山本政府参考人 委員の御指摘のありました藻場の再生ということにつきましては、前回、平成二十七年度以降、三県、岡山県、広島県、香川県において、計百七十・五ヘクタールの造成実績が確認されております。
 ただ、それが実際に長期間にわたって定着するかどうかというのは、その後の推移を見ていかなければ分からないということはあります。
 確かに、自然ですから、いろいろな、海域の条件、潮流の条件、その場の条件というものに応じて、そこに、いかに定着しやすい、適したものを藻場については再生していくかということは重要でございますので、昔ここにあったから、それがそのままできるかというと、その後の気候の変化やそういったこともありますので、そういった事柄、自然の環境もよくよく観察しながら、地域の皆様方のいろいろな声も聞きながら、どういったやり方でやっていくのがいいのかということをしっかりと協議しながら造っていくということが重要かと考えます。

#80
○田村(貴)委員 アマモの再生に取り組んだ経験のある方にお話を伺いました。アマモの種をまいたり苗を移殖したりしても、水質が悪ければ、汚濁されていれば、光合成ができずに成長しない。それから、水温の上昇によっては死滅してしまうことがある。藻類が生息する沿岸部の水温というのは沖合に比べて上昇しやすいということであります。
 近年の海水温の上昇についてはどのように推移しているんでしょうか。また、水温の上昇というのはアマモの生育についてどのような影響を与えるんでしょうか。

#81
○山本政府参考人 水温の上昇につきましては、先ほどもお答えいたしましたが、環境省の行った広域総合水質調査によりまして、瀬戸内海においては、ここ三十年で約一・五度の水温上昇が発生しているということでございますが、委員御指摘のように、アマモが茂るようなアマモ場ですと、浅い海域になりますので、それだけ水温の上昇の影響を受けやすいということがございます。そういった水温の影響を受けやすいということがございますが、それがどういった影響があるかという詳しい知見については現在承知してございません。

#82
○田村(貴)委員 ということなので、アマモの再生に取り組んだ専門家の意見を聞いてきたところであります。深めていただきたいというふうに思います。
 年平均の水温上昇というのは、ノリの養殖にも影響してまいります。食害生物の発生もあるかもしれません。何よりも、冷たい水温で成長するノリは、平均水温の上昇によって生育に適した期間が短縮されることで生産量の減少につながるという指摘もあります。やはり、温暖化対策がこの点でも待ったなしだということであります。
 自然海浜保全地区についてもお尋ねします。
 現在指定されている規模はどの程度ですか。最近指定されたものはいつですか。

#83
○山本政府参考人 お答えいたします。
 自然海浜保全地区の指定につきまして、現在指定されているのは九十一地区でございます。その面積や距離につきましては、陸域の面積で約百八十三ヘクタール、海岸線の延長にしまして約五万四千メートルということであります。
 最後に指定されたのは、先ほどもお答えいたしましたが、平成五年で、香川県の吉野崎地区が指定された最後ということでございます。

#84
○田村(貴)委員 やはり、近年一向に進んでいないということであります。これは一体なぜなんでしょうか。

#85
○山本政府参考人 お答えいたします。
 今回改正した内容とも関係するんですけれども、従来の自然海浜保全地区というのは、割と美しい海岸線で、海水浴とかやられているというようなところを中心に指定されてきたんですが、今日御指摘にありますような藻場とか干潟とか、生物にとって貴重な場というのには必ずしも着目した指定というのがこれまで行われてこなかったということであります。
 今回の改正によりまして、そういった浅場をしっかりと、水際線の近くだけじゃなくて、そういった沖合にある浅場も含めてしっかりと対象に含めることで、改めてこういった藻場、干潟の機能ということも意識をして、関係府県において改めてその地区の指定については見ていただきたいということで、それに必要な情報提供ということで、環境省としてもしっかり取り組んでまいりたいと考えております。

#86
○田村(貴)委員 そこで小泉大臣にお伺いしたいんですけれども、大臣に質問する前に、香川県の漁業者から少しお話を伺ってまいりました、聞いていただきたいと思います。
 浜に行ってみると分かるんだけれども、暗い中、懐中電灯で照らすと、昔はゴカイやフナムシ、それから微生物、そうした生き物がたくさん寄ってきた、今は、海は透明になったけれども寄ってこない、そうした小さな生き物を食べていた魚がいなくなるのは当たり前だ、昔は雨が降れば山から栄養を含んだ土が流れてきて、浅瀬をつくり、餌が豊富で、小型の魚が生息する藻場をつくった、餌は、今も栄養のある土が流れてこなくなれば、生物がいなくなり、餌になる生き物がなくなれば、食物連鎖の上にいる大型の魚もいなくなる、こういう話であります。
 栄養塩類の供給を行えば全て解決するということではありません。これは共通の認識になると思います。
 大臣に伺います。
 豊かな海にする、それから環境保全を実施していく上で、何よりも大切なのは、もうこれ以上自然の海岸やあるいは天然の干潟を失うことがないように、行政として手だてを取ることが何よりも肝要だと思いますけれども、いかがですか。

#87
○小泉国務大臣 同じような思いで、この法改正を機に、残されるべき干潟や藻場が守られ、そして、何とか環境再生に頑張ろうと思って取り組まれてきた地域の皆さんがいらっしゃいます、そういった皆さんの手で再生されるような干潟、藻場なども評価をされて、共に豊かな、きれいな海、まさにこれが自然の生態系と、そして人間の営みである漁業も含めて、両方を両立をさせていくという方向性ですから、これに資する栄養塩類管理制度というものの、両面を見た上での地域の理解を得た活用が進んでいくこと、そういったこともしっかりと我々としても理解を広げていきたいと思います。

#88
○田村(貴)委員 そこで提案したいんですけれども、例えば埋立地です。可能なところから浅い海に戻してはいかがか。それはもう役割を終えたところですね。また、役割を終えたダムとか、それから海岸護岸の撤去、これらによって、河川からの運搬や海岸侵食でつくられる土砂の供給を確保して、できるだけ人間の手を加えない方法で、すなわち自然の力で持続できるように再生することがやはり必要になってきているんじゃないかなと思いますけれども、いかがでしょうか。

#89
○小泉国務大臣 まずは今残されているものの保全をいかにやるか、これがまずは大事だと思います。というのも、一度失われたものの回復というのは容易なことではありません。
 ですので、今先生が御指摘されたような、機能を失った干潟をどういうふうに再生をするかについては、今後の大きな課題だろうというふうに考えております。

#90
○田村(貴)委員 続いて、海洋プラスチックごみのことについて伺います。
 法案では、政府と自治体の責務として、海洋プラスチックごみの削減、発生抑制対策について連携して対策を行うこととされています。
 海洋漂着プラスチックごみで割合が高いのはペットボトルであります。これをいかに減らしていくか、これが大事です。
 ペットボトルはリサイクル率が高いといっても、リサイクルには環境負荷がかかります。また、リサイクルした衣服が増えても、洗濯の際に繊維状のマイクロプラスチックが発生して、汚染は更に悪化するものと見られます。
 そこで伺います。
 ペットボトルの販売量は毎年横ばいであります。総量としてこれを規制するのが大事であると考えますけれども、具体的にどう進めていくのでしょうか。

#91
○小泉国務大臣 今日は、この後参議院でプラスチック法も審議があるんですが、今回、総量を規制ということではなく、いかに使い捨てのプラスチックをなくしていくか、そして、使うのであれば代替素材で環境に負荷の低いものに替えていけるか、そしてまた、既に取り組んでいる企業の背中を押せるようなものにするか、こういった観点からやっています。
 世の中を見ても、例えば、無印良品がペットボトルからアルミの缶に替えますとか、コカ・コーラが、コーラも再生プラスチック一〇〇%にしますとか、様々進んでまいりました。
 それに加えて、先生が御指摘のような、ペットボトル自体をやめたらどうかというところに関しては、環境省はもう会議などではやめました。そして、国立公園のビジターセンターなどにおいても、四月からは、環境負荷の低減をしている配慮型ではないペットボトルはもうやめなさいということで、やめております。
 こういったことも一つ一つやっていけば、私は、先生がおっしゃるような、使う必要のないペットボトルや使う必要のない使い捨てのプラスチックは間違いなく減っていく方向にできるというふうに考えております。

#92
○田村(貴)委員 前回も論議しましたけれども、資源循環そのものは非常に大切ですよね、しかし、出回っているものが変わらない、しかも増えていく、しかも小型になっていく、だんだん便利になっていく。そうすると、やはりこの問題は解決しない。やはり、あるものがあれば海洋に流れていくわけなんです。それが何割かあるということで、それはやはり総量を削減していく。
 そして、もう一つは、容量を含めて規制をかけていくことがやはり大事だというふうに思います。
 インドでは、五百ミリリットル以下のペットボトルの製造を禁止しました。日本は小型ペットボトルの自主規制を廃止してしまって、生産が爆発的に増加して、そして環境負荷の低い方であったリターナブル瓶、この利用が大幅に減ることになってしまったわけでありまして、容量を含めて規制をかけていくべきではないかと思います。
 国内の水道水にもマイクロプラスチックが検出されたことが報道されています。私はこれを聞いてびっくりしたんですけれども、二〇一八年には、非営利のジャーナリズム団体、Orbメディアが、九つの国からサンプルされた二百五十九個のペットボトルの水のうち九割からマイクロプラスチックが発見されたと発表しています。
 二〇一九年にWHOは、マイクロプラスチックが混入された飲料水について、現状の検出レベルでは健康リスクはないとしていますけれども、WHOはより大規模な調査が必要としています。水道水よりもペットボトルの方がマイクロプラスチックの量が多いとする研究もあります。
 厚労省にお伺いします。
 マイクロプラスチックの人体への摂取がどのような影響を与えるのか、これを解明していく上でも、ペットボトルの中のマイクロプラスチックの含有について調査をしていく、政府としても行政としても調査をしていくことが必要ではないでしょうか。

#93
○佐原政府参考人 お答えいたします。
 飲料水中のマイクロプラスチックに関しましては、委員御指摘のとおり、WHOが取りまとめたレポートが令和元年八月に公表されております。
 WHOのレポートの中におきましては、プラスチック粒子、特にナノサイズの粒子の物理的ハザードに関する毒性について確固たる結論を導くには情報が不十分であるが、懸念があることを示唆する情報に信頼性のあるものはない、また、飲料水中のマイクロプラスチックに関連する化学物質等については人の健康に対する懸念は低い等が示されているところでございます。
 このため、現時点において水道水などにつきまして調査することは考えておりませんが、今後も引き続き国内外の動向を注視してまいりたいと考えております。

#94
○田村(貴)委員 アスベストのこともあって、これはやはり何十年の潜伏期間をもって発症するということです。昔は分からなかった。
 マイクロプラスチックも、人体に暴露そして吸収されていく中でどういう影響があるかというのは、未知の領域があると思います。だからこそ、研究をしなければいけないし、調査もしなければいけないと思います。
 同じ質問です。大臣は、この問題についていかが考えておられますか。

#95
○小泉国務大臣 私は、国民の大きな関心事だと思っています。
 やはりこれだけ世界的なプラスチックの課題になってきたときに、もはや気づかないうちに我々の体の中にはプラスチックが入っていると言われていて、それが果たして健康の影響があるのかどうか、この国民的な関心に対してどのように解明をしていくのか、今後、しっかりと情報収集をして、これについて、日本だけでできないことがあれば、世界的にも連携をしてやっていく必要があるだろう、そういうふうに考えております。

#96
○田村(貴)委員 先ほど議論したプラスチック資源循環法でも、ペットボトルを含め、基本的に企業の自主規制、自主努力任せになっているところが問題です。排出抑制を図る具体的、抜本的な対策もありません。
 海洋プラスチック汚染をなくすために、やはり国がしっかりと調査をし、具体的な手だてを取ることが必要であります。そのことを申し上げて、今日の質問を終わります。

#97
○石原委員長 次に、森夏枝君。

#98
○森(夏)委員 日本維新の会の森夏枝です。
 本日も質問の時間をいただきまして、ありがとうございます。
 本日は、瀬戸内海環境保全特別措置法の一部を改正する法律案の審議ということで、この瀬戸内海という名前のついた大変珍しい法案については、私の生まれる前のことですけれども、当時の先生方の御努力のたまものであろうと思っております。
 私は、二〇二一年全世代が選ぶ住みたい田舎ランキング一位の愛媛県西条市の出身です。西条市には燧灘があります。私の母校、西条高校の校歌にも燧灘という歌詞が入っており、燧灘、瀬戸内海は私にとって大変身近な海です。
 燧灘は、栄養塩類の不足などにより、ノリの色落ちの貧栄養化の問題と、富栄養化の赤潮の発生という両方の課題を抱えております。コロナ禍ということで、直接視察に行って漁師さんたちのお話を聞けなかったんですけれども、電話等でお話を伺ってまいりましたので、お伝えさせていただきながら、質問をさせていただきたいと思っております。
 小泉大臣は、この瀬戸内法の審議に入るに当たり、兵庫県と香川県に視察に行かれたと伺いました。
 瀬戸内法の改正は、栄養塩類供給を望む漁師さんたちにとっては待ちに待った法改正だと思っております。一方で、これまで富栄養化で被害に遭われた経験のある漁師さんたちからは慎重な声が多いことも理解をしております。
 昭和四十八年に瀬戸内海環境保全臨時措置法が成立し、昭和五十三年に水質汚濁防止法改正案とともに提出され、瀬戸内海環境保全特別措置法として恒久化し、瀬戸内海の水質改善に努めてこられたと伺っております。
 毎日海に入っている漁師さんたちに伺いましても、実際に水質改善はしているけれども、ノリの色落ちの問題や、アサリやハマグリ、オオノガイなどの二枚貝が捕れなくなってしまったとのことです。これらの理由は、栄養塩類不足だけではなく、ダムや堤防の建設、埋立てや、そして地球温暖化、海流の変化など、様々な要因が考えられますが、瀬戸内海の漁師さんたちからは、ノリの色落ちなどは明らかに鉄分不足だ、リンや窒素不足だとの声があり、農水部会長をされていた小泉大臣には以前からこれらの声は届いていたのではないかと思っております。
 また、平成二十七年の瀬戸内法改正時の附則の、施行後五年を目途として、瀬戸内海における栄養塩類の管理の在り方について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものという宿題があったとは理解をしておりますが、今回の法改正は大変ありがたく、漁師さんたちからの歓迎も多いです。小泉大臣の責任ではございませんが、漁獲量の減少やノリの色落ちの問題などを聞いておりますと、私は率直に対応が遅いのではないかと思っております。
 大臣に伺います。なぜ今国会での改正なのでしょうか。

#99
○小泉国務大臣 ストレートにお答えをすれば、これ以上先送りはできない、だから今国会で成立をさせたい、その思いです。

#100
○森(夏)委員 ありがとうございます。
 これ以上先送りができないということで、今国会で改正していただいたことは大変ありがたいと思っています。対応が遅いという私の感覚はありますけれども、大変ありがたく、やっと漁師さんたちの声が届いたなという思いでおります。今後も大臣には現場の声をもっともっと聞いていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 次の質問に移ります。
 本法改正において、栄養塩類管理制度を創設するに当たり、湾、灘ごとに計画を策定し、調査、評価をされると伺っております。
 先ほどから申しておりますように、瀬戸内法の改正においては歓迎の声と慎重な意見があります。栄養塩類を供給してほしい湾、灘と、そうではないところがあり、海はつながっておりますので、府県域を越えた課題解決、広域連携が必要になってくると思います。実際には栄養塩類供給と富栄養化対策のバランスというのは大変難しいと思っておりますが、どのように進めていかれるのでしょうか。

#101
○神谷大臣政務官 森委員にお答えいたします。
 私も大阪でございまして、常々、大阪府、漁連の関係者の皆さん方からこの問題について要望をいただいたところであります。
 近年の瀬戸内海では、依然として水質の保全が必要な海域と、栄養塩類の不足による水産資源の持続可能な利用の確保に係る課題を有する海域が入り組んで存在しておりまして、課題が場所ごとに多様化している状況でございます。
 栄養塩類の過剰等により水質の保全が必要な海域では、しっかり富栄養化対策を進めることが当然重要でございますが、一方で、水環境の保全と地域の水産資源の持続的な利用の確保の両立を目指すため、栄養塩類の不足が課題となっている特定の海域を対象に、栄養塩類の一律の削減ではなく、海域ごとの状況に応じた水質の管理に移行し、きめ細やかな対応を行うことを目的に、今般、栄養塩類の管理制度を創設しようとするものでございます。
 今般の栄養塩類管理制度の導入では、瀬戸内海の特定の海域におきまして、継続的なモニタリングとモニタリング結果に基づく検証によって随時変更を加えていくという、順応的なプロセスに基づく栄養塩類の管理を計画的に実施することを目指しております。
 環境省といたしまして、関係府県による栄養塩類管理計画の策定を技術的に支援するためのガイドラインを策定するなど、地域の実情に応じたバランスの取れた栄養塩類管理を進めてまいりたいと思っております。

#102
○森(夏)委員 ありがとうございます。是非、湾、灘ごとのきめ細やかな対応をよろしくお願いいたします。特に広域連携に関しては、関係省庁と連携をして、国がしっかりと関与をして進めていただきたいと思っております。
 次に、水産庁さんに赤潮対策について伺います。
 先週、燧灘で有害プランクトンのヘテロシグマアカシオによる赤潮が発生したそうです。二十四日には西条干潟で一ミリリットル中十六万八千五百個、二十五日には西条港で九万二千個といった高い数値が出たようです。
 今のところ漁業被害は出ていないようですが、生けすや魚市場で蓄養している魚介類が大量死する可能性があるということで、二十六日に愛媛県が周辺漁協に注意を呼びかけたそうですが、注意を呼びかけられたところで防ぐことができない場合もあると思いますので、今後の赤潮対策について伺っておきたいと思います。
 法改正後、栄養塩類供給をした場合に赤潮が発生する可能性は十分考えられますので、具体的な赤潮対策について教えてください。

#103
○黒萩政府参考人 お答えいたします。
 瀬戸内海における赤潮の発生件数につきましては、昭和五十一年の二百九十九件をピークに徐々に減少し、平成に入ってからはおおむね百件前後で推移し、令和二年は八十三件となり、このうち漁業被害を伴ったものは六件となっております。
 赤潮発生の原因は、窒素、リンといった栄養塩類、海水温、塩分、日照などによる複合的なものと考えられており、水産庁では、海域ごとの発生原因を究明できるよう、関係府県の試験研究機関と連携して現場での観測情報の収集、分析を行うとともに、インターネットを通じて養殖業者への迅速な情報提供に取り組んでいるところでございます。
 赤潮による漁業被害防止のための対策としては、関係機関と連携して、赤潮プランクトンを駆除する粘土の散布手法、赤潮発生時における養殖魚のへい死を減少させる餌料や、高濃度酸素の使用方法などの技術開発に取り組み、一定の成果が得られている状況にございます。
 また、赤潮による漁業被害が発生した場合には、漁業共済、漁業収入安定対策、いわゆる積立ぷらすでございますが、これによる減収の補填を行っているところでございます。
 水産庁としましては、引き続き、これらの施策を通じ、赤潮による漁業被害対策に取り組んでまいりたい、このように考えております。

#104
○森(夏)委員 ありがとうございます。
 御説明いただきましたように、昭和の時代と比べますと赤潮被害も減ってきてはおりますけれども、一度発生すると数百万、数千万の被害が出てまいりますので、コロナ禍で本当に苦しい思いをされている漁師さんたちに、赤潮の心配までしなくても済むように、しっかりと国としての赤潮対策をお願いしたいと思っております。
 次に、鉄炭だんごの質問をさせていただきます。大臣に伺いたいと思っております。
 鉄炭だんごについて御存じない方もいらっしゃるかもしれないと思いまして、資料を配付させていただきましたので、御覧いただければと思います。
 私は、今回の質疑に当たり、愛媛県西条市禎瑞というところの干潟再生プロジェクトに取り組まれている地域の里海自然を守る会の会長、杉本真吾さんにお話を伺いました。杉本会長指導の下、禎瑞小学校では、使い捨てカイロを使った鉄炭だんご作りをして海にまいているそうです。私は、使い捨てカイロがごみではなく、豊かな海の再生のために役立つのであれば、循環型社会の環境教育としても大変すばらしいのではないかと思っております。是非この鉄炭だんごを小泉大臣に広めていただきたいと思っております。
 問取りの際に、環境省さんとしては鉄炭だんごの効果については把握していないというようなお話も伺いましたが、小泉大臣はこの鉄炭だんごについてはどのような御認識でしょうか。また、環境教育として普及させていくというのはいかがでしょうか。

#105
○小泉国務大臣 鉄炭だんごという言葉については私は初めて知りましたが、使い捨てカイロの中身が再生されて、水質の改善などに資するのではないかということで取り組まれている活動は存じ上げています。そして、ああ、いい取組だなと思ったので、私も寒い日はカイロをよく使うので、確かにこれってよくごみになるなと思いながら、今では、すぐごみにせずまとめて置いておいて、一定量たまったらそういったところに送るようにしています。
 この効果については、確かに、海域などによって、鉄分の不足している水域であれば環境改善が期待できるということなので、そういった状況もちゃんと見た上で、そして地域の理解、こういったものがあった上で取り組まれることが必要だとは思いますが、そういったことを通じて、物を単純に使い捨てをするという、そういった考え方から、資源循環をする、サーキュラーエコノミーと言われる方向に理解を増やしていければ環境教育にもなるなと。学校教育でも理解されるように期待をしています。

#106
○森(夏)委員 ありがとうございます。私も大臣と同じ思いで、使い捨てのものをどんどんなくしていくというのは大切なことだと思っております。
 この愛媛県では、漁師さんたちだけではなくて、水産高校の生徒が小学生に鉄炭だんご作りを教えたり、プランクトンの観察など環境教育もしているそうなので、またこの鉄炭だんごというものの普及の検討も進めていただきたいなと思っております。
 燧灘の漁師さんたちだけではなくて、備後灘の弓削島というところで漁師をされている藤田鉄也さんという方にもお話を伺いましたが、漁師の目で見て瀬戸内海の栄養分のうち明らかに鉄分が不足していると感じるというお話を伺いました。瀬戸内海の鉄分を補う施策に期待をしているということですので、是非、豊かな海の再生のために環境省として取り組んでいただければと思っております。
 先ほど御紹介した鉄炭だんご作りの指導をされている杉本会長であったり、弓削島の漁師さんたちの仲間の皆様も、ボランティアで、環境教育や食育、豊かな海のためには山林育成も必要だということで、干潟再生や豊かな海を取り戻すために様々な取組をしてくださっています。
 コロナ禍で大変な思いもされながら、ボランティアで様々な活動をされている漁業関係者の皆様に対して何か支援できることはないのかと思っておりますが、大臣から、頑張ってくださっている漁業関係者の皆様に対して一言いただけますでしょうか。

#107
○小泉国務大臣 環境の取組というのは、物すごく大きな取組だけではよりよい環境は築けなくて、本当に一人一人の一歩というのが世の中を変えると思っています。ですので、よく使われる言葉に、一人の百歩より百人の一歩という言葉があるように、まさに環境ってそういうものだと思います。
 ボランティアで取り組まれている方、一人が取り組んで何になるんだとか、よく気候変動でも、日本は三%しか排出をしていないから日本だけやったところで何になるんだ、こういったことを言う方がいますが、そういった姿勢では地球規模の課題は解決をしないなと思います。
 今まで、様々な声もありながらも、地道に活動されてきた方が報われる時代がカーボンニュートラルの時代であり、まさに環境が成長戦略になる時代、環境と経済が一つの時代、そこに突入をした。とうとう今まで地道に活動されてきた方が報われる時代が来たのだと。一緒になって、これから環境省は共に歩んでまいりたいと思っております。

#108
○森(夏)委員 ありがとうございます。大臣のお言葉で元気づけられる漁業関係者の皆様は多いと思います。ボランティアで地道にやってきた活動が報われる、そんな時代が来たということで、私も期待をしております。
 豊かな海の再生というのは一年や二年でできることではなく、漁業関係者の皆様も、SDGsに取り組みたい、協力したいとおっしゃられております。瀬戸内海も広いですし、湾、灘ごとに課題が違いますので、機会がございましたら小泉大臣に、愛媛やその他の地域の湾、灘の漁師の皆さんたちのお声も聞いていただけたらと思っております。
 次に、海底耕うんによる栄養塩類供給の効果と支援について伺います。
 本法改正においては、下水処理施設の緩和運転、季節別運転管理などにより栄養塩類供給を行うと思います。栄養塩類の供給方法は施肥によるものや海底耕うんがあり、漁師さんたちに伺いますと、海底を耕す漁具が一台三十万円で、小さい規模で取り組んでも効果が二、三か月しか続かないそうです。大規模で、十隻程度で取り組みたいと思っても、十隻だと三百万円かかり、予算的に厳しいそうです。サブマリントラクターで耕すことも有効だと伺いましたが、ノリ網二枚分で四百万円かかるそうです。
 下水処理の緩和運転と比べ、海底耕うんの栄養塩類供給の費用対効果についてはいかがでしょうか。コロナ禍で魚が売れず苦しい思いをしている漁師さんたちに海底耕うんの費用負担は予算的に厳しいと思いますが、支援策などはありますでしょうか。

#109
○黒萩政府参考人 お答えいたします。
 海底耕うんによる栄養塩類供給の効果につきましては、備讃瀬戸のノリ漁場における試験研究結果としまして、耕うんすることにより海底に堆積していた栄養塩類が海水中に供給され、海水中の窒素やリンなどの栄養塩濃度が二割程度高くなる効果が生じるといったことが報告されております。
 このように、海底耕うんは、ノリなどの生育に必要な栄養塩類供給に寄与することが考えられるほか、アサリ等二枚貝類等の生息環境を改善する効果があるため、漁業者などによる活動組織が行う海底耕うんなどの漁場保全活動に対し、水産多面的機能発揮対策事業による支援を実施しているところでございます。また、地方公共団体等による大規模な海底耕うんに対しても、水産環境整備事業による支援を実施することが可能となっているところでございます。
 水産庁としましては、引き続き、このような漁業者等の取組を支援できるよう努めてまいりたいと考えております。

#110
○森(夏)委員 ありがとうございます。海底耕うんの効果があるということで、先ほども申しましたけれども、大規模でするには費用がかかるということですので、必要なところには、現場の漁師さんたちの声を聞いて、しっかりとサポートをしていただきたいと思っております。
 我々がおいしい魚や貝、ノリを食べることができているのも、漁業関係者の皆様が頑張ってくださっているからです。特に、今のコロナ禍においては、できる限り漁業者の皆様の負担軽減に努めていただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。
 次に、マイクロプラスチックごみの発生抑制対策について大臣に伺います。
 本法改正において、国と地方公共団体の責務として、海洋プラスチックごみを含む漂流ごみ等の除去、発生抑制の対策を連携して行う旨を規定するということで、漂流ごみの除去、発生抑制対策はしっかり行ってほしいと思っておりますが、特にマイクロプラスチックに関しては、海に流れ出てから回収することが難しいので、流出抑制が重要だと思っております。
 幾つか原因が分かっているもののうち、例えば洗濯時に流れてしまっている繊維くずに関しては、網目が〇・〇五ミリの洗濯ネットの開発も進んでいるようですので、そういった目の細かいネットを使用すれば海洋への流出を防ぐことができるようですので、国民の皆様に周知をして、御協力をお願いするのも必要なのではないかと思っております。
 フランスでは、昨年二月に循環経済法が施行され、二〇二五年から、新品の洗濯機にはマイクロファイバー用のフィルターの備付けを義務づけるそうです。
 私は、小学校時代、サッカーを習っていました。今でもサッカー関係者の知り合いが多いのですが、人工芝がどんどん削れてなくなっていることに対して、環境問題として大丈夫なんだろうかと以前から疑問の声がありました。
 マイクロプラスチックごみの流出の原因が分かっているものに対してはしっかり対策を打つ必要があると思いますが、環境省として把握しているもの、既に行っている対策のようなものがあれば具体的に教えてください。大臣、お願いします。

#111
○小泉国務大臣 まず、マイクロプラスチックはまだ未解明な部分もかなりあるなと。この情報収集や発生源、こういったものをしっかり特定する作業は必要だと思います。
 ただ、既に取り組まれている意欲的なものが幾つかありますので、環境省としては、先月、五月の十三日に、いい取組を集めたグッドプラクティス集というものをまとめました。例えば、先生は今フランスの例を挙げられましたが、日本の中でも洗濯くずの流出防止効果の高い洗濯ネットの開発をやられているところもありますから、その例もグッドプラクティス集にも入れてあります。そして、人工芝などの排出抑制対策、これも、取り組まれたところもまさに今御指摘されたようにあります。
 こういったところをしっかり捉えた上で、先日、衆議院の方では通していただいたプラスチック新法の中で、プラスチックの抑制などにもつながる環境配慮設計に基づいた製品などに対して国が認定をして、消費者の方などに選んでもらいやすい環境がこれからできることになりますので、こういったことも活用いただきながら、マイクロプラスチックも含めてプラスチックのリデュースが大前提の中で、使い捨てプラスチックが極力なくなっていくように、そんな社会変革を起こしていきたいと考えております。

#112
○森(夏)委員 ありがとうございます。
 本当に、最近、環境問題に対しては関心を持たれている方が増えてきているなというふうに感じております。
 二日前の五月三十日はごみゼロの日でした。先ほど大臣から御説明がありましたけれども、大臣の発信力でいいものを、例えば洗濯ネットであったり、マイクロプラスチックの流出を防げるようなものに関してはどんどん発信をしていただいて、国民の皆さんに知っていただいて、御協力をいただけたらと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 次に、海洋プラスチックごみ回収の支援について伺います。
 プラスチック新法の審議の際にも、海洋プラスチックごみの処理費用については、漁師さんたちの負担ではなく、自治体、国が負担をしていると伺いましたけれども、地球温暖化など様々な影響で年々漁獲量が減り、高齢化、後継者不足の問題もある中、昨年、今年はコロナ禍の影響で魚も売れない状況が続いている漁師さんたちにとっては、ごみの処理費用だけを負担してもらえるというのだけでは漁師さんたちもいつまでも続かないとの声があります。
 そうはいいながらも、定置網にかかったごみは撤去せざるを得ません。豊かな海を取り戻すために、環境教育など様々な活動もボランティアでしていただいている漁業関係者の皆様に、ごみの回収もボランティアで行っていただいている状況です。
 一部は漁具など漂流・漂着ごみもありますが、漁師さんたちが出したものではないプラスチックごみが海底にもたくさん堆積しているそうです。海底にナイロン系の堆積物がかなりたくさん堆積しているそうで、爪のついた漁具で回収をしているそうですが、爪が堆積物で埋まってしまうぐらい、瀬戸内海の海底にプラスチックがたまっているそうです。
 ごみ回収をしてくださっている漁業関係者の皆様に対して、処理費用を負担するだけではなく、もう一歩踏み込んだ支援は何かできないでしょうか。大臣、お願いします。

#113
○小泉国務大臣 そうですね、自治体の回収、この処理をする際の補助、これは今後、三十道府県で実施をしていきたいというふうに思いますので、それはそれでやりつつも、頑張っている漁業者の皆さんや、その負担をどう下げるかというのは今後の課題もあるなと思います。
 その意味でも、この瀬戸法が非常に重要なのは、瀬戸内海は、流れている海洋プラスチックごみは、ペットボトルに関して言えばほぼ外から流れ込んでいるものがないので、瀬戸内海の皆さんがペットボトルを海に流れ出ないような生活をしていただければ、瀬戸内海のペットボトルごみはほとんど一掃されると思っていただいて構わないと思います。ほかの海域は残念ながら海外から流れ込んでいるペットボトルなどもあるので、自分たちがやっても外から流れ着いてしまうという要素もあるんですけれども。
 瀬戸内海になぜ今回プラごみの対策で着目をしたかといえば、閉鎖性で、やれば効果が段違いに出る、それがもしも効果が出れば漁師さんたちの負担は下がるわけですから、全部、陸も川も海も全てつながっているこの瀬戸内海で海洋プラスチックごみ対策をやる意義を、この法律が成立した暁にはしっかり伝えていきたいと思います。

#114
○森(夏)委員 ありがとうございます。
 大臣がおっしゃったように、瀬戸内海のプラスチックごみというのは、国内でというか、瀬戸内海で出たごみが大半を占めますので、漁業関係者の皆様に御負担をこれ以上出させないためには、やはり教育が必要なのであろうと思っております。頑張ってくださっている漁業関係者の皆様の御苦労が報われるように、美しい海、豊かな海を取り戻せるように、国としてもできる限りの支援もお願いしたいと思っております。
 時間がなくなってまいりましたので、海洋プラスチックごみのリサイクルについての質問も準備していたんですけれども、次の委員会の一般質疑で質問をさせていただきたいと思います。
 最後に、大臣に伺いたいと思っております。
 漁師さんたちに、大臣に何か伝えたいことはありますかと伺ったところ、豊かな瀬戸内海を取り戻すために力をかしてほしいというような伝言を受けました。大臣の考える未来に残すべき海の姿について、本法改正に対する思いとともにお聞かせいただけたらと思います。

#115
○小泉国務大臣 まず、豊かなだけではなくて、きれいな海でもなきゃいけない。だけれども、一度汚れてきれいにしようと思ったら、今度は豊かじゃなくなってしまった。本当に自然や海というのは難しいなというふうにも思います。
 今回の法改正を機に、豊かな海ときれいな海を両方実現をしていくんだ、そしてきめ細かい管理をやっていくんだ、その中で、生態系を守りつつ、なりわいとして漁業をやっているような皆さんにとっても、捕れなくなってしまったイカナゴとか、そういったものがもう一回戻ってきて生計も立てられるようになった、これからもこの海を守っていこう、そう思ってもらえるような法改正につなげていきたいと思いますので、是非これからも健康に気をつけて、一緒になって瀬戸内海を共に育てて守っていきましょうとお伝えしたいと思います。
 ありがとうございます。

#116
○森(夏)委員 ありがとうございます。瀬戸内海の漁業関係者の皆様は大変喜んでくださっていると思います。
 環境教育の中で小学生たちに美しい海と豊かな海は違うんだよというふうに指導をしているというようなお話も伺いましたが、大臣がおっしゃるように豊かな海も美しい海も両方実現していくことが大切だと思いますので、豊かな瀬戸内海の再生に私も期待をしております。どうか、国としての取組、しっかりとお願いしたいと思います。
 以上で終わります。ありがとうございました。

#117
○石原委員長 次に、斉藤鉄夫君。

#118
○斉藤(鉄)委員 公明党の斉藤鉄夫でございます。
 まず初めに、今日は、質問の順番ですが、いつもの会派順と違いまして、私、この時間にさせていただきました。順番の変更を受け入れていただきました各会派の皆様に感謝を申し上げる次第でございます。ありがとうございました。
 それでは、質問に入らせていただきます。
 まず、今回の改正案の基本理念に気候変動対策が入りました。環境省の将来予測では、今世紀末に瀬戸内海の平均気温が三ないし四度上昇するとしています。これをお聞きしますと、気象庁やいろいろな研究機関の知見を環境省が取りまとめたものだそうですが、三、四度上昇するというふうにしております。この上昇が今後の瀬戸内海の生態系にどのような影響を及ぼすと環境省として考えているのか、この温度上昇が水産業にどのような影響を与えると考えているか、また、その対策をどのように考えているか、まずお聞きいたします。

#119
○小泉国務大臣 今回、瀬戸内海の、我々が出している予測で、このままいけば今世紀中に三度から四度、水温、海温が上昇するかもしれないと。今既に一・五度上がっている中で、漁師の皆さんとかがこの海水温の上昇による被害や影響などを懸念されているわけですから、これが三度、四度になったときの水産業に与える影響は計り知れない。この危機感を我々は持っているからこそ、瀬戸法の中にもしっかりと気候変動対策、そしてプラスチック、こういったものを位置づけました。
 気温上昇、海水温の上昇、容易な課題ではありませんが、まずその意思を共有した上で、我々としてはしっかりと、様々なツールと政策も駆使しながら、これからも持続可能な瀬戸内海をつくっていきたいと思います。
 例えば、最近成立をした温対法の改正なども気候変動にとっては非常に象徴的な法律でありますし、その中での促進区域の活用、そしてさらに今回の法改正の中に入れてある海浜保全地区の更なる指定、こういったことも含めて、瀬戸内海が今後も持続可能であるように、我々ができる対策を地元の皆さんとともに、行政の皆さんとも連携してやっていきたいと考えております。

#120
○斉藤(鉄)委員 瀬戸内海の温度上昇なんですが、これは小野局長にお伺いしますが、いわゆる一般海洋への地球温暖化の影響と、こういう内海、瀬戸内海への影響は違うのか、違わないのか。今回の三ないし四度上昇するというのは瀬戸内海の特殊な上昇なのか。この点についてお聞きいたします。

#121
○小野政府参考人 お答えいたします。
 ただいまちょっと手元に詳細なデータがないので厳密にはお答えできませんし、地域によって温度上昇、海水温の上昇は違うというふうに承知しておりますけれども、一般論としては、やはり、水深が浅くて閉鎖的な海域においては気温上昇の影響を受けやすいということかと承知しております。

#122
○斉藤(鉄)委員 では次に、法改正では、窒素やリンなどの栄養塩類を海域の実情に応じて自治体が細かく管理、供給できるように、そのような体制になります。
 瀬戸内海では貧栄養化も指摘されている中、豊かな里海づくりへは、自治体がこの計画を立てるわけですが、国は自治体の管理計画づくりにどのように関わっていくのか。また、関係十三府県が設置する湾・灘協議会について、現在の設置状況と今後の設置見通しはどうなっていくのか。お伺いいたします。

#123
○山本政府参考人 お答えいたします。
 今回の制度改正での栄養塩類の管理計画、各府県でつくっていただくことになるわけですが、そのプロセスにおいて、法律上は環境大臣への協議を行うという形で関わっております。
 ただ、実際には、これを県がつくっていくときには様々な知見、試行錯誤も必要となってくると考えておりますので、環境省では、栄養塩類管理の実施事例などを把握して、目標値設定をどういうふうにしていくかというような手順など、そういったことについて解説したガイドラインを作成しまして、そういったものを関係府県に提供して後押しをしていきたいというふうに考えております。
 それから、御指摘のありました湾・灘協議会につきましては、前回改正で、瀬戸内海環境保全特別措置法の第四条で、関係府県がその区域で瀬戸内海の環境の保全に関し実施すべき施策について策定する際に意見を伺う場の例示として定められたということであります。関係者の連携を深める大事な場というふうに認識しておりますので、これを伸ばしていきたいと思っておりますが、本日も御指摘がありましたように、まだ五県の七協議会が設置されているという状況でありますので、まだ設置されていないところも多いということでございます。
 自治体においてこういった協議会が設置された場合には、国として例えばオブザーバーとして参加するなどによりまして、豊かな海づくりについていろいろな知見を集めて、どういった形で持っていったらいいかというようなことで技術的な助言もできることがあると思いますので、様々な手段で、また、今回の法改正の趣旨をしっかりお伝えすることによって湾・灘協議会の設置が進むように後押ししてまいりたいと考えております。

#124
○斉藤(鉄)委員 今回、自治体も、私もお聞きしてきましたけれども、かなり意欲的にこれに取り組もうというところがあるんですけれども、全体から見て、ちょっとそれはやり過ぎだよというような計画も出てくるんじゃないかなという実感を持っております。そういうときに、ここは瀬戸内海全体のことを考えて、ちょっとおたくの市としてはやり過ぎなので調整してくださいというようなことを言うのは、湾・灘協議会が地元の自治体に言うのか、それとも国が、環境省が言うのか。そこら辺、ちょっと頭の整理をしておきたいと思うんですが、いかがなんでしょうか。

#125
○山本政府参考人 湾・灘協議会につきましては、湾、灘の関係者で構成されるものですから、湾、灘ごとの固有のいろいろな課題というものを共通認識としながら合意形成を図っていくための重要な場だというふうに考えております。
 一方で、環境省は協議を受けるという立場にありますので、もしそういった環境保全上の懸念があるというようなことであれば、そういったときに対しては、必要な助言を行っていくという立場にあるというふうに認識しております。

#126
○斉藤(鉄)委員 分かりました。
 次に、法改正では、自然海浜が対象の保全地区にいわゆる再生された藻場も指定できるようになっております。藻場、干潟等が再生、創出された区域等も自然海浜保全地区に指定することができるということでございます。私は大変いいことだと思っております。
 藻場や干潟の造成を促す狙いをまずお聞きしたいと思います。また、国として想定する支援策、こういう動きが加速されるようにどういう支援策を国として考えているのか、お聞きしたいと思います。そして、何らかの数値目標、これだけ増やしてほしいとか、そういう達成目標というのを今後設けることを考えているのか、この点についてお伺いします。

#127
○神谷大臣政務官 斉藤委員にお答えいたします。
 お尋ねの自然海浜保全地区につきましては、私自身、この三月に岡山県の宝伝を訪れまして、心が癒やされますし、自然海浜保全地区のすばらしさに感動しました。そして、その端にあります岩場では地元の方がワカメを取っておりまして、それをうれしそうに持って帰って、また近所の人に分けるんですかね。そういうことを見ますと、やはり、地域の暮らしに寄り添った海浜の重要性を再認識したところであります。
 今般の法改正によりまして指定対象の拡充を行うこととしておりますが、これは、生物の生息の場所としても重要な海域の藻場や干潟を強く意識したものでございます。また、藻場につきましては、温室効果ガスの吸収、固定、いわゆるブルーカーボンとしての役割も期待されています。
 自然海浜保全地区は、これまでに瀬戸内海地域で九十地区定められております。現時点では数値目標、達成目標を設けることは考えておりませんが、この法改正を契機に、関係府県におきまして、新たな視点で、再度、自然海浜保全地区の候補地の検討を行っていただきたいと考えております。
 検討の際は、環境省において平成二十七年度から平成二十九年度に行いました瀬戸内海の藻場、干潟の分布域調査の結果を活用していただきたいと考えております。環境省におきましても、このような参考となる知見の提供や、改正法案の趣旨について関係府県に周知し、理解をいただきながら、新規の指定が進みますように、関係府県とともに強力に取り組んでまいりたいと考えています。

#128
○斉藤(鉄)委員 神谷大臣政務官、ありがとうございました。おっしゃるとおり、本当に心が癒やされる自然海浜を拡充していかなきゃいけないと思います。
 数値目標また達成目標をつくるというのは確かになじまないと思いますが、しかし、積極的にこれが推進されるように、是非環境省としてもインセンティブを持つような施策を考えていただきたい、このように思います。
 次に、今回の法改正とは直接関係ないんですが、瀬戸内海域において、以前は海砂が大量に採取されておりました。建設資材として採取されておりました。実際に、塩を取って洗ってからコンクリートの細骨材として使われたり、また、関西空港の一番下には瀬戸内海から取った海砂が敷き詰められている、こういうふうに認識しております。この海砂採取が瀬戸内海の環境を大きく変えた、こういうふうに言われております。
 海砂というのはある意味で瀬戸内海に特有だと思っていまして、瀬戸内海を囲む山々から流れ出る川、多分、その川が洪水を起こしたときに岩と岩がぶつかって小さな砂ができる。ふだんの静かな流れのときにはとてもそんな砂はできないでしょうが、何万年かかったか分かりませんが、そういう砂が瀬戸内海にたまっていた。厚いところでは数メートル、十数メートルにもなっていたそうでございます。外海ではそれが潮の流れで流されていきますから、たまるということはないんだそうですけれども。
 こういう貴重な瀬戸内海の海砂が大量に採取されたことで、一つは、瀬戸内海の生態系に大きな悪影響を及ぼした、そして二つ目に、実際に私も見たことがありますが、物すごく大きな船でパイプを海底に突っ込んで、ぶわっと吸い上げて海砂を採取している、周りの海は本当に濁る、水域、水が濁るというのを私も目にしました。
 水質を悪化させて水産業に大きな打撃を与えていたということがございまして、環境省のリーダーシップで海砂採取の禁止、この禁止をされたときの環境庁長官が香川県出身の真鍋環境大臣でしたでしょうか、というのを、私もまだ新人の議員の頃でしたけれども覚えております。私も国会で質問させていただいたことがございます。
 海砂採取を禁止しました、この経緯を改めてお伺いし、事態がどのように改善され、現状がどうなっているかについてお伺いします。

#129
○山本政府参考人 お答えいたします。
 委員から御指摘のありましたように、海や川の砂利というのが建設骨材や海岸の埋立てなどに利用されるということで、特に瀬戸内海におきましては長期間にわたって主な海砂利採取地でありました。しかし、海砂利採取に伴い発生する濁水の問題、濁水が藻場に影響する、あるいは砂地に生息する生物に対する影響というのが委員御指摘のとおり明らかになってまいりまして、大変大きな瀬戸内海における問題になりました。
 このような海砂利に対する懸念の声の高まりを受けて、当時の環境庁が、平成六年度、一九九四年度になりますが、瀬戸内海海砂利採取環境影響評価調査というものを開始いたしまして、平成九年度には、この問題も念頭に置きまして、当時の瀬戸内海環境保全審議会に諮問をいたしまして、この問題を審議会の場でも取り上げたということでございます。
 当時、ちょうど機を同じくして、広島県におきまして平成十年、一九九八年に海砂利採取を禁止するということを皮切りにしまして、瀬戸内海の各地にもこういった動きと呼応するような形で禁止の動きが広まったということでございます。
 当時の環境庁におきましては、平成十年六月に先ほどの瀬戸内海海砂利採取環境影響評価調査の中で中間取りまとめを行いまして、この中でこの影響について整理をしたという中で、水深が著しく増大したために砂堆や砂州が完全に消失してしまっているというようなこと、あるいは海底がれき化してしまっているというような実態も明らかになったということがございます。
 こういったことを受けまして、平成十一年には審議会の答申がまとまりまして、この中で海砂利採取というのが新たな課題として位置づけられまして、その影響がはっきり整理をされたということがあります。
 その後、禁止の動きが続いたということになりまして、次々と採取禁止にかじが切られて、最終的には、平成二十年六月以降につきましては、今、河道閉塞の対策だとか航路しゅんせつといった必要不可欠な国や県の事業を除いて海砂利の採取は行われていないというところに至ったということでございます。

#130
○斉藤(鉄)委員 瀬戸内海の歴史の中にこういうことがあったということをもう一度思い出すという意味で、こういう質問をさせていただきました。
 最後に、小泉大臣にお伺いしたいと思います。ちょっと瀬戸内海と関係ないんですが、今国会最後の質問になるんじゃないかと思います。
 私、環境大臣としてCOP13に参加させていただきました。ですから、今から十二年か十三年前だと思いますが、そのときの中国の担当者は解振華国家改革委員会副主任でした。アメリカの担当者はケリーさんでした。
 中国の解振華さんの方は、その後、一貫して国の温暖化対策の責任者をずっと続けられております。ケリーさんは、共和党政権になって一時表舞台から外れられましたが、再び今回、特使という立場なんでしょうか、アメリカの温暖化対策の最高責任者としておられます。つまり、中国、アメリカは、温暖化対策を国の基本的な大きな課題として、担当者を替えないで取り組んでいるということです。ですから、そのコミュニティーでは、大きな発言権といいましょうか、認知され、発言権も大きい、このような状況になっております。
 小泉大臣がこれからずっと何十年も環境大臣でい続けてほしいと言っているわけじゃないんですが、日本も例えば、小泉さんは、地球温暖化問題では今後自分が政府の全責任を負い続けるんだ、どういう立場になっても、それぐらいの覚悟で世界と接していかなければ日本の本気度というのが疑われる、私はこのように思っております。したがいまして、これからどういうふうな状況になるか分かりませんが、大臣、是非、地球環境問題の日本の責任者は、時間がたっても自分が責任取ってやるんだというお考えはないでしょうか。

#131
○小泉国務大臣 長きをもってよしとせずというのが日本もありますが、どのような立場であっても、私は、この気候変動に対する取組をこれから自分のライフワークとしてやっていきたいと考えています。
 大臣になったときの私の思いというのは、なぜ世界の首脳はみんな気候変動を語るのに日本の政治で気候変動は重要課題にならないんだろうか、この問題意識が非常に強くありました。それから、菅総理のカーボンニュートラルの宣言以降、日米の首脳会談の議題が気候変動になり、ようやく私は日本の状況が変わってきたと思います。これを一過性のものにせず、これからが実施が問われる時代に入りますから、この長い移行期を継続的に見ていきたいと思います。
 先生のように、環境相、環境大臣経験で、そういった御理解のある政治家が増えていくことも同時に大事なことでありますので、仲間づくりもしっかりやらなければいけないなと。共に頑張ってまいりましょう。よろしくお願いします。

#132
○斉藤(鉄)委員 ありがとうございました。終わります。

#133
○石原委員長 この際、議員玉木雄一郎君から委員外の発言を求められておりますが、これを許可するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#134
○石原委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
 玉木雄一郎君。

#135
○玉木議員 国民民主党の玉木雄一郎です。
 今日は、委員長、与野党の理事の先生、また先生方に、委員ではない私にこの委員会で質問させていただく機会をいただきまして、心から感謝を申し上げたいと思います。
 というのは、私は四国の香川県の生まれで、瀬戸内海で泳ぎ、釣りをし、毎日見て育ってまいりました。今でも覚えているんですが、ただ、その瀬戸内海が、私が小学校の頃に絵日記を描いたことを覚えているんですけれども、真っ赤に海を赤色で染めて絵日記を描いたことを今でも覚えています。その意味で、赤潮の被害などは身近にありました。
 一方で、私は小泉大臣と当選同期ですけれども、私も、当選した十年前ですけれども、地元の漁業者から相談を受けまして、お父様も漁業関係者だったんですが、亡くなられて、お葬式のときに初めてそういう声かけをいただいたんですけれども、どうもノリが色落ちしている、海がきれいになり過ぎているのではないのかという相談を受けまして。
 当時の水産庁とかいろいろなところにもお話をしたんですが、因果関係はよく分からない、いろいろな説があるけれども栄養塩類だけの話ではないだろうということで、なかなかこの話が難しかったんですが、あれから十年たちまして、今回の法案の中に総量規制の適用除外とか栄養塩類の増加なんという言葉が入るなんというのは当時夢にも思いませんでした。
 その意味では、この間、与野党の瀬戸内海再生議員連盟の先生方の御努力も含めて、本当によくここまで来たのかなというふうに思っています。
 苦労したので、改めてまず大臣にお伺いしたいんですが、最新の知見によると、ノリの色落ちと栄養塩類の不足というのは関係があるのか、ないのか。改めて大臣の答弁を求めます。

#136
○小泉国務大臣 先生、御地元で、今までの経緯もよく存じ上げている方だということの前提ですが、その認められた経緯についてちょっとだけ触れさせていただくと、前回の改正をされた際に、附則で、政府は、瀬戸内海における栄養塩類の減少、偏在等の実態の調査、それが水産資源に与える影響に関する研究その他の瀬戸内海における栄養塩類の適切な資源に関する調査及び研究に努めるものとされました。
 この検討の条項を踏まえて、環境省としては、栄養塩類と水産資源の関係について、科学的知見の充実に努めるべく、中央環境審議会においてシミュレーションや調査、分析結果などを踏まえた審議を行ってきました。
 そして、平成二十九年三月から全部で十四回にわたる審議の結果、昨年三月に中央環境審議会から出された「瀬戸内海における今後の環境保全の方策の在り方について」という答申で、少ない栄養塩類を養殖ノリと大型の植物プランクトンが取り合うこととなり、ノリの色落ち被害が発生しているなどとされたところであります。この前、私も兵庫と先生の御地元にも伺って、兵庫県では、色落ちしたノリとそうでないノリと食べ比べも含めて確認をさせていただきましたが、本当に違いますね。
 こういったことも受けて、栄養塩類の管理制度がこの法律で新たに創設されたことは非常に意義深いことだと思っております。

#137
○玉木議員 十年前は、台風が来るときには色がいいんだけれども来ないと駄目だとか、あるいは海温の問題とかいろいろなことが言われて、一義的には必ずしもこの栄養塩の影響というのは分からないんだということだったんですが、その意味で、今大臣が御答弁いただいたような、取り合ったりして結果として供給が乏しくなって、それが影響を与えるというところまで来たのは大きな進歩だと思います。ただ、引き続き、生態系は複雑なので、どういう影響があるのかは継続的な調査研究ということが必要だと思いますので、是非環境省としても取り組んでいただきたいなと思います。
 そこで、お手元にまず一枚資料を配っているんですが、私の住んでいる地域なんですけれども、大臣にこの前行っていただいたのはこの中の、今は高松市になっていますが、旧庵治町というところで、私のおばが住んでいまして、ミカンが取れたので、昔よく家からここへ行ってミカンも食べていたんですけれども、もうミカンをやる農家も減ったりして、元々石材、石と漁業の町なんです。
 ここは、ハマチ、特にオリーブハマチといって、大臣も御覧になったかもしれませんが、香川県はオリーブが有名なので、オリーブの搾りかすを餌に入れて、そうすると身が少し引き締まった非常にいいハマチができるということで、養殖のハマチを行っています。
 ただ、私に十年前に相談いただいたのは、そこからちょっと、まさに湾が隣の湾になるんですが、志度湾というところがあって、そこでは鴨庄というところがありまして、鴨部川の下流なんですけれども、ノリの養殖、カキの養殖をしております。ここは、今まさに栄養塩類が不足しているんじゃないのかということの問題意識を提起された漁業者が住んでおられます。
 大臣に伺いたいのは、狭い香川県の中でも、庵治町のハマチの養殖業者は、やはり赤潮が心配だ、富栄養化が心配だと。でも、すぐ隣の鴨庄でノリやカキをやっている人は、栄養塩類が足りない、施肥とかもやってほしいと。もっと東の方に行くと、引田という、野網和三郎さんというハマチの養殖を日本で初めて始めた方が引田の出身なんですけれども、ここもハマチの養殖をやっておりまして、赤潮が心配だと。
 日本一小さい香川県の、しかも東部の海域だけを見ても、ある湾はやはり赤潮が心配だ、ちょっとずれると栄養塩が足りない、またちょっと行くとやはり赤潮が心配だと。このように、狭いエリアでも課題が非常に多様化しています。
 新たに創設される栄養塩類の管理制度で湾ごとのきめ細かな管理というのは実際にできるのかどうか、心配される方もいるので、この点、大臣に伺います。

#138
○小泉国務大臣 先生御指摘のとおり、これだけ多様化している湾、灘がある、これが瀬戸内海ですから、今後創設される新しい制度、これにも、しっかりと状況に応じて柔軟に対応していく、こういったことが重要だと思っています。
 今後、この制度が、法改正が成った暁には、まず目標を設定をして、モニタリングをしながら管理し得る範囲で栄養塩類の供給を実施をする、そしてその後、モニタリングの結果に基づく検証と学習を踏まえて、随時手法の変更を加えながら目標を達成していくという、順応的なアプローチを取っていく必要があると考えています。
 今後しっかりと、周辺の環境にも悪影響が生じないように、環境省としても定期的な水質のモニタリングなども通じて進めていきたいと考えております。

#139
○玉木議員 是非お願いしたいと思います。法律の十二条の六にも、今大臣が御答弁されたようなことが書いてあります。
 私、三つお願いしたいのは、まず、先ほど示したように、同じ県の中でもある種利害も多様なので、よく関係者の意見を聞いていただきたいということが一つ。
 もう一つは、そうはいっても、都道府県がやるんですが、丸投げではなくて、ある程度目標値などについて国がガイドラインを示して、そういった総合調整の役割を積極的に果たしていただきたいということが二つ目です。
 三つ目は、今大臣がおっしゃったように、今回、制度がスタートしますけれども、ただ、いろいろなことがこれから起こり得るので、順応的なアプローチというふうにおっしゃいましたけれども、やはりモニタリングをきちんとやっていただいて、モニタリングの方法とか頻度、こういったことも非常に重要になってくると思いますので、是非こういうところにも環境省が、国がしっかりとした役割を果たしていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。

#140
○小泉国務大臣 先生が今御指摘のあったモニタリング、この実施方法や頻度ということでありますが、海域ごとの特性に応じて定めるべきと考えていますので、今後、栄養塩類管理計画を各府県が定める際に具体的に決定をすることを想定しています。
 なお、環境省では、昭和五十四年以降、広域総合水質調査として、瀬戸内海の百二十七の地点で年四回の水質の測定を実施をしています。栄養塩類管理に当たってのモニタリングについても、同様の頻度そして実施方法で行うことを想定していますが、海域ごとの特性に応じて測定点そして頻度を増やすことも考え得ると思っております。

#141
○玉木議員 ありがとうございます。
 年四回というベースがあるという答弁がありましたけれども、十二条の六の二項の四号に、目標値に関する測定の地点、方法及び頻度ということも計画の中に定めるというふうになっておりますので、今大臣がおっしゃったような、少し気になる海域についてはそういった頻度を高める、基本的には都道府県知事が計画は定めますけれども、そういったところを環境省としても、方法や頻度についてもよく協議をして、見ておいていただきたいなというふうに思います。
 法律の中には実は出ていないんですが、私は、海域という、どこでやるのかという海域ごとの違いと同時に、季節性ですね、例えば、冬場のノリの養殖で、ゴールデンウィークぐらいまでやるんですけれども、冬場は少し手厚くするというか、緩和する、夏場は少し厳しめにするとか。海域ごと、湾ごと、灘ごとに加えて、もう一つの軸は、季節性をしっかり入れながら管理していく、モニタリングしていくということも大事だと思いますので、そういった観点も是非入れていただいて、地域性あるいは季節性、これに応じた適切な管理が行えるように是非取り組んでいただきたいなというふうに思っております。
 大臣、それと、一つ聞きたいんですけれども、庵治に行って、感想はどうでしたか。海がきれいでしょう。上から多分、喫茶店で御覧になったと思うんです。私も本当はお迎えしたかったんですけれども。本当に、古くはシーボルトとかトーマス・クックとか、いろいろな人が多島美ということでこの瀬戸内海の美しさをたたえられておりましたし、残念ながらコロナでちょっと途絶えましたけれども、インバウンドも非常にこの間、瀬戸内海は多かったんですね。ですから、海外のメディアからも行くべき目的地の一つとして瀬戸内ということが挙げられたぐらいになっていたので、観光資源としても非常に重要だと思っていて。
 大臣、御覧になって、特に香川県側から見てどうかなと。ちょっと感想をお聞かせいただきたいと思うんですけれども。

#142
○小泉国務大臣 私も神奈川県横須賀市という海に囲まれた町で育っていますけれども、瀬戸内海の景色は全然違うなと思いましたね。
 それと、先生の御地元の庵治に行って、こんなに石屋さんがあるんだという、本当に石屋さん、石屋さんの連続で、ちょっとびっくりしましたね。
 そして、環境省の縁でいうと、日本で最初の国立公園は瀬戸内海です。そしてそれは、海外の方が、何てすてきなところなんだということの評価もあってその指定にもつながった経緯もあるということも聞いています。
 ですので、国立公園となっている瀬戸内海の魅力というのは、多くの方の生活と国立公園クラスの景観が共存をしているという、これが、実は住んでいる方は当たり前になっているかもしれない景色が世界の中でも非常に貴重なものになっていること、改めて環境省としても、国立公園も所管をしながら、今回の瀬戸法ということも含め、プラスチック対策、そして気候変動、あらゆるものの一つの象徴が瀬戸内海だなと、改めて今大臣としても感じています。

#143
○玉木議員 一九四三年でしたか、ドイツの地理学者のリヒトホーフェンが、瀬戸内海は世界に誇るべき多島美だというふうに紀行記の中に書いてあって、欧米の人の心は結構打つんですね。私はずっと住んでいましたから当たり前だと思っていましたけれども、行ったり来たりする生活になって、特に夕暮れどきがすごくて、本当にすばらしい、ないでしまって、風が吹かないので風力発電には向かないんですけれども、その分、太陽光発電などにも非常に適した地域だと思いますので、その意味でも是非瀬戸内海に引き続き小泉大臣も着目、注目していただきたいなと思っています。
 次に、美しい瀬戸内海なんですが、一方で海ごみの問題も、閉鎖海域なので、大臣に先ほども答弁いただいたように、ほとんどが中で生じたごみが漂着などしているということで、海ごみ対策も瀬戸内海においては重要な課題だと思っています。
 ただ、海ごみの多くはほとんどが陸域から発生していますので、陸も併せた取組が非常に大事だということで、香川県では、大臣も何度か言及いただいていますが、二〇一三年から、漁業者と市と町、香川県は村がないので市と町、これは県が協働して、沿岸地域だけではなくて内陸部も含めた総合的な海ごみ対策、回収、処理の仕組みをつくり上げています。
 加えて、これが私が出色だと思うのは、かがわ海ごみリーダーという人材育成をきちんとやっている。これは県が結構頑張ってやってくれていまして、次世代を担うリーダーを育成していくという人づくりのところも、人づくりが海づくりや森づくりとか山づくりにつながっていくと思いますので、毎年二十名ぐらい人材育成もしているんですけれども。
 環境省として、みんなを取り込んでいく、つまり内陸の市町村を、やはり森は海の恋人なので、一緒になって取り組んでいくこと、また民間も巻き込んでやっていくという香川方式を是非全国に広げていただきたい、環境省としても応援いただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。

#144
○小泉国務大臣 先ほども答弁をしましたが、全国で唯一、県内全ての自治体がお金を出し合って海ごみ対策をやっている香川方式と言われるもの、ほかの県にも伝わらないかなと。もちろん、私も知事とお話をしたんですけれども、香川という中だからこそできたようなこともあるのではないかということもお話をされていましたが、やはり、森と川と海、全てつながっていますから、この自治体の連携が伝わっていくように、我々環境省としても発信も後押しをしたいと思います。

#145
○玉木議員 香川県で、先ほど申し上げたように、民間でも非常に積極的な動きがありまして、大臣も場合によっては御存じだと思いますが、高松市のNPO法人アーキペラゴというところがあるんですけれども、ここが、せとうちクリーンアップフォーラムということで、海ごみの清掃活動をやっているんですね。普通、環境系のこういう団体だと高齢者の人がやっているんですが、子育て世代の若い人も巻き込んで、先週もたしかやっていたと思いますが、海のクリーンアップ作戦ということを積極的にやっておられます。
 そういう方々から聞くと、香川県内のごみって三種類なんですよ、上からいうと。一位が飲料用のペットボトル、二番目がそのキャップ、三番目が実はカキの養殖用のパイプなんですね。豆管とも言われます。この三つが多いんですけれども。
 まず、三番目のカキの養殖用のパイプについて伺います。これは反対側の広島県とかそういったところでも多いとされて、いろいろな取組がなされています。ここはやはり、遠くミッドウェーに流れ着いて、鳥とかいろいろなものが食べていて、結構日本から流れ着いているという有名な海ごみになっているので、こういったものの強化は都道府県任せにせず、環境省としてもしっかり取り組むべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。

#146
○小泉国務大臣 やはり、その地域特有の海ごみというのはありますね。今のカキの豆管ですか、広島県が、漁業者団体が、市民団体などが回収した豆管、カキのパイプを買い取る制度というのを広島ではやられているそうです。こういったところも非常にすばらしい取組だと思いますし、我々環境省としても今自治体の支援をやっていますが、水産庁と連携をして、カキ養殖のパイプなどの漁業資材の流出抑制を今指導しています。
 今後、この法案が成立した暁には、環境省、農水省ともよく連携をやっていますから、この連携の中でどのような対策ができるか、考えながら連携を深めていきたいと思います。

#147
○玉木議員 かなり、最近は結構皆さんの努力があって減ってきてはいるものの、先ほど申し上げたように遠くはミッドウェー、ハワイ、アラスカなどにも流れていて、ミッドウェーで子育てしているコアホウドリの死んだひなのおなかからカキのパイプが出てきたということもあるので、ここは是非引き続き、国としてもガイドラインなんかを出すなり、是非積極的に取り組んでいっていただきたいなと思います。
 先ほど申し上げたごみのペットボトルなんですね、大臣も今お飲みになっていますけれども、自分で水をくんで飲むというのが大事かなと思うんです。その意味で、さっき申し上げたアーキペラゴさんは、香川県なので、うどん屋さんが多いので、うどん屋さんなんかに実は水をくむ場所を設置しているところがあって、そういうのをマップ化しているんですよ。ここに行ったらお水がくめますよということを、オアシスマップということを作成して、根本的にペットボトルを減らしていきましょうということをそういう意味でも支援をしています。
 そこで、大臣に伺いたいんですが、駅の構内とか公園なんかに水飲み場ってあるじゃないですか。これが、コロナの影響とかもあって結構撤去が進んでいっているんですね。地域性があると思います。西の方ではまだ結構残したりしていたり、あるいは東京では積極的にやっていたりとか、ほかはやめたりとかとなっているんですが。
 直飲みの給水機が撤去されているんですけれども、大臣みたいなマイボトルを推進するためにも、公共施設などにボトル給水型を併設した給水機の設置、お手元にちょっと資料を配っています、いろいろなタイプがありますが、車椅子でも入れたりして、そのまま直飲みもできますけれども、マイボトルに給水できるようなボトル給水タイプ、この併設型みたいなものがあるんです。こういうものを積極的に推進していくことによって、ペットボトルを、あるいは結果としてはごみになっていくということを減らしていけるんだと思うんですが、環境省としてもこういったボトル給水タイプの給水機の設置を是非積極的に進めていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。

#148
○小泉国務大臣 ありがとうございます。
 環境省としては、昨年の十月から新宿御苑でマイボトル給水機を六機設置をしてあります。これもそうですし、今先生御指摘のアプリなどで、どこでマイボトル給水機があるか、こういうものを紹介をするアプリも世の中に出ていますので、このアプリの紹介なども我々のホームページなどでもやっています。
 さらに、今、民間の取組でいえば、最近、私、意見交換させていただいたんですけれども、無印良品さんでは、商品を何も買わなくてもお水をどうぞということで、給水機を誰でも使えるようにされたり、かなり社会がいかにプラスチックを減らすかに変わってきたと思っています。
 こういったこともしっかり後押しをしながら、環境省だけがそういうことをやるんじゃなくて、政府全体としても、自治体の中でも、マイボトル給水機などを含めて、広がっていくような展開につなげていけるように、更に我々は努力を重ねてまいりたいと思っております。

#149
○玉木議員 これは是非やっていただきたいですね。先ほど大臣から言及がありましたけれども、新宿御苑は環境省の所管なんですよね。だから、すぐ、六つですか、入れられたということで、私、非常によかったと思います。ですから、いろいろなところに、公共施設にそういったことを設置をしていく。
 あるいは、先ほど申し上げたように、民間の中でも、私の高校の同級生がうどん屋さんをしているんですけれども、そこにも置いているんですよね。だから、そういうものをマップ化していくと、ああ、あそこに行ったら大丈夫なんだなと。あと、私、自転車活用推進議員連盟のメンバーでもあるので、自転車に乗っていったときにどこで水が飲めるかというのがそういう意味でも分かったら、自転車にも乗りやすくなるので。ついでに是非おうどんも食べてもらいたいんですけれどもね。
 だから、そういういろいろな情報の共有、検索ということができるようになるとマイボトルなんかもかなり進んでいくのではないかなということなので、若い人にも賛同が得られる施策だと思いますので、是非進めていただきたいなというふうに思います。
 最後に、大臣にちょっと提案も兼ねて申し上げたいんですが、いわゆる三つのRということで言われます、リサイクルとか、大事なんですけれども。私、三つを並べてやるというよりも、リサイクルではなくてリデュースの一点突破をやはりやっていかないと、並列に並べていろいろやりましょうねといっても結構難しいのではないかなというふうに思っています。
 やはり、減らしていこうという明確なメッセージを出していく、中には、リフューズ、もう受け入れませんというか、そういう形で、とにかく減らすんだというところを大きな軸に置いてこれから進めていく、それを小泉大臣が環境大臣として先頭に立って進めていかれるということが私は大事だと思うんですけれども。
 リデュース一点突破、ここにもっと力を入れるのはどうかと思うんですけれども、いかがでしょうか。

#150
○小泉国務大臣 スリーRって、確かにスリーRですから並列に思われるかもしれませんが、一番重きを置いているのはリデュースです。ですので、リデュース、リユース、リサイクル、この順番であることをしっかりとこれからも伝えていきたいと思いますし、やめられるところ、リデュースができるところ、環境省はもう会議などではペットボトルは使っていませんが、そういったところも率先して我々から動いて、社会を変えていきたいと思います。

#151
○玉木議員 ありがとうございました。
 冒頭申し上げましたけれども、この法律は本当にいろいろな先生方の努力でここまで来たと思います。
 ただ、私、非常に貴重な意見だなと思ったのは、きれいな海じゃなくて豊かな海にしようと我々も今も言っていますし、私も訴えているんですが、じゃ、その豊かな海の定義というのは何ですかと言われたんですよ。確かに、私は一九六九年生まれなので赤潮が非常に多かった、その頃はある種魚もたくさん捕れていた。豊かな海に戻しましょうと言うんだけれども、どこまで戻るのが本当の豊かさなのかと。
 例えば、近代の工業化が全くなかったときにはどれぐらいの魚が捕れていて、どれぐらいの需給の中で人類は生活ができていたのか。遡れば江戸時代とかになるわけですよね。そこまで遡らなくても、明治維新以降の近代工業化の中での知識とか経験しか我々もないので、本当の豊かさの基準というのは一体どこなんだろうかとか。あるいは、我々が今の豊かさを維持するために乱獲し過ぎていないのかとか、漁業資源の確保とか、様々な観点があるので、一言に豊かさと言っても、定義自体が非常に多義的であるということで、大切なことは、常に謙虚に自然に向き合うことなのかなというふうに思います。
 我々が正しいと思っていることも、時代が変われば価値観の軸も変わっていくので、自然に対して謙虚に向き合う姿勢ということが一番この環境政策には求められているのかなと。自分たちが決めたことも常に見直しが必要なのではないのかと謙虚に常に向き合い続ける、人類の英知が全てを解決するわけではない、我々も間違うことがあるんだと思い続けることが最大の環境対策ではないかなと思うんですが、最後にそういった意見に対して御意見を求めて、質問を終わりたいと思います。いかがでしょうか。

#152
○小泉国務大臣 まさに、栄養塩類管理制度という新たな制度が最大のポイントとなっているこの法律の運用についても、謙虚な気持ちを忘れずに、見直すべきは見直すことも忘れずに、しっかりと進めていかなければいけないと思います。
 豊かさときれいさ、今までそれが、きれいにしたから豊かさが失われたというような、本当は最初、汚かったからきれいにしたんですけれども、きれいにしたら豊かじゃなくなるという、非常に難しい自然の営みの中で、これから真の豊かさとは、やはり自然を犠牲にすることなく、持続可能な豊かさと自然が調和をすることだと思うので、そこをしっかり忘れずに、持続可能性というものを大事にして、この法律もしっかりと運用に当たってまいりたいと思います。

#153
○玉木議員 サステーナビリティーの日本一を、まさに瀬戸内海をそうしていきたいと思いますので、大臣の協力をお願いしたいと思います。
 終わります。

#154
○石原委員長 以上で本案に対する質疑は終局いたしました。
 この際、暫時休憩いたします。
    午後零時四分休憩
     ――――◇―――――
    午後零時八分開議

#155
○石原委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 内閣提出、参議院送付、瀬戸内海環境保全特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案に対する質疑は、先ほど終局いたしております。
 これより討論に入るのでありますが、討論の申出がありませんので、直ちに採決に入ります。
 内閣提出、参議院送付、瀬戸内海環境保全特別措置法の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕

#156
○石原委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――

#157
○石原委員長 ただいま議決いたしました本案に対し、牧原秀樹君外四名から、自由民主党・無所属の会、立憲民主党・無所属、公明党、日本共産党及び日本維新の会・無所属の会の共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 提出者から趣旨の説明を聴取いたします。牧原秀樹君。

#158
○牧原委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表いたしまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 趣旨の説明は、案文を朗読して代えさせていただきたいと存じます。
    瀬戸内海環境保全特別措置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずべきである。
 一 関係府県が栄養塩類管理計画を策定する場合には、他の関係府県を含め、地域の合意形成や協議等に対し適切に支援すること。また、適切な水質の保全及び管理が図られるよう、栄養塩類増加措置による周辺環境への影響に係る事前調査や、モニタリングの充実に向けた必要な支援を行うこと。さらに、栄養塩類管理計画の変更に当たっては、機動的に対処できるよう、必要な措置を設けること。併せて、栄養塩類の順応的な管理計画に大きな影響を与えることが想起される生態系や食物連鎖構造と水産資源との関係の変遷につき包括的な調査研究を実施すること。
 二 藻場・干潟等が、水質の浄化に加え、生物多様性の維持、炭素の貯留といった環境の保全上の重要かつ多様な機能を有していることに鑑み、関係省庁との連携の上、藻場・干潟等の保全、再生及び創出に係る施策の充実・強化に十分な予算の確保に努めること。また、未利用埋立地等を利用し、自然の力をいかした磯浜の復元に努めること。
 三 マイクロプラスチックを含む海洋プラスチックごみといった漂流ごみ等の除去、発生抑制等に係る施策の実施に当たっては、地方公共団体、漁業者等による連携体制の構築の推進や、漂流ごみ等の処理費用に関する十分な予算の確保に努めること。あわせて、漂流ごみ等に係る各地域の環境保全活動に対する支援の充実・強化に努めること。
 四 瀬戸内海における環境保全に関する施策の実施に当たっては、湾・灘ごと、更には湾・灘内の特定の水域ごと、季節ごとの課題に対して、きめ細やかな取組を推進することができるような湾・灘協議会のあり方の検討を行うこと。また、瀬戸内海全域にわたる環境の状況を踏まえ、関係府県に対し、必要に応じて適切に助言等を行うこと。
 五 瀬戸内海における栄養塩類と生物の多様性及び生産性との関係、気候変動の影響などについて引き続き科学的知見の充実を図り、水質の保全及び管理、気候変動影響への適応策などの必要な施策の実施に努めること。特に基本理念に明示された水温の上昇については、具体的な適応策を検討すること。
 六 基本理念に掲げられている生物多様性の確保等を適切に行うために必要な施策についての調査研究及びその結果に基づいた具体的施策の推進については、ポスト愛知目標の策定作業や日本における次期生物多様性国家戦略の策定作業との関連性を念頭に置くこと。
 七 本法附則第三項による施行後五年の見直し時期以前であっても、必要に応じて本法の規定の施行状況を踏まえ、必要があると認める場合には、適宜適切に所要の措置を講ずること。
以上であります。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

#159
○石原委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕

#160
○石原委員長 起立総員。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。
 この際、政府から発言を求められておりますので、これを許します。小泉環境大臣。

#161
○小泉国務大臣 ただいまの附帯決議につきましては、その趣旨を十分に尊重いたしまして、関係省庁とも連携を図りつつ、努力してまいる所存でございます。
 ありがとうございます。
    ―――――――――――――

#162
○石原委員長 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#163
○石原委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――

#164
○石原委員長 次回は、来る四日金曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後零時十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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