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2021/06/03 第204回国会 参議院 第204回国会 参議院 経済産業委員会 第8号 令和3年6月3日
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2021/06/03 第204回国会 参議院

第204回国会 参議院 経済産業委員会 第8号 令和3年6月3日

#1
令和三年六月三日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 六月一日
    辞任         補欠選任
     高橋 克法君     青木 一彦君
 六月二日
    辞任         補欠選任
     青木 一彦君     三浦  靖君
 六月三日
    辞任         補欠選任
     三浦  靖君     宮島 喜文君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         有田 芳生君
    理 事
                青山 繁晴君
                加田 裕之君
                宮本 周司君
                礒崎 哲史君
                岩渕  友君
    委 員
                阿達 雅志君
                江島  潔君
                佐藤  啓君
                高橋はるみ君
                松村 祥史君
                三浦  靖君
                宮島 喜文君
                宮沢 由佳君
                森本 真治君
                里見 隆治君
                高瀬 弘美君
                新妻 秀規君
                石井  章君
                浜野 喜史君
                ながえ孝子君
                安達  澄君
   国務大臣
       経済産業大臣   梶山 弘志君
   副大臣
       経済産業副大臣  江島  潔君
   大臣政務官
       経済産業大臣政
       務官       佐藤  啓君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        山口 秀樹君
   政府参考人
       公正取引委員会
       事務総局経済取
       引局取引部長   田辺  治君
       厚生労働省大臣
       官房高齢・障害
       者雇用開発審議
       官        達谷窟庸野君
       厚生労働省大臣
       官房審議官    志村 幸久君
       厚生労働省大臣
       官房審議官    富田  望君
       経済産業省大臣
       官房サイバーセ
       キュリティ・情
       報化審議官    江口 純一君
       経済産業省大臣
       官房審議官    中原 裕彦君
       経済産業省大臣
       官房審議官    田村 暁彦君
       経済産業省大臣
       官房審議官    福永 哲郎君
       経済産業省大臣
       官房審議官    安居  徹君
       経済産業省大臣
       官房審議官    三浦 章豪君
       経済産業省経済
       産業政策局長   新原 浩朗君
       経済産業省経済
       産業政策局地域
       経済産業グルー
       プ長       濱野 幸一君
       経済産業省貿易
       経済協力局長   飯田 陽一君
       経済産業省産業
       技術環境局長   山下 隆一君
       資源エネルギー
       庁長官官房資源
       エネルギー政策
       統括調整官    小野 洋太君
       資源エネルギー
       庁省エネルギー
       ・新エネルギー
       部長       茂木  正君
       資源エネルギー
       庁電力・ガス事
       業部長      松山 泰浩君
       中小企業庁次長  奈須野 太君
       中小企業庁事業
       環境部長     飯田 健太君
       中小企業庁経営
       支援部長     村上 敬亮君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○産業競争力強化法等の一部を改正する等の法律
 案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────

#2
○委員長(有田芳生君) ただいまから経済産業委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、高橋克法さんが委員を辞任され、その補欠として三浦靖さんが選任されました。
    ─────────────

#3
○委員長(有田芳生君) 政府参考人の出席要求に関する件ついてお諮りいたします。
 産業競争力強化法等の一部を改正する等の法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、公正取引委員会事務総局経済取引局取引部長田辺治さん外十九名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#4
○委員長(有田芳生君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────

#5
○委員長(有田芳生君) 産業競争力強化法等の一部を改正する等の法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。

#6
○高橋はるみ君 自由民主党の高橋はるみでございます。質問の機会をいただきまして、委員長を始め皆様方に心から感謝を申し上げます。
 まず、企業へのコロナ対策について伺ってまいります。
 日本の経済社会がコロナ禍に直面をし、既に一年以上経過したところであります。我が国経済は戦後最大の落ち込みを記録をいたしました。これまで、コロナ禍の影響で厳しい状況にある企業に対し、持続化給付金を始め様々な支援策が講じられてきたところであります。今、政権が挙げてワクチン接種、努力をしていただき、それが進んでおりまして、少し明るい方向に向けて動き出してきていると感ずるところでありますが、まだまだ企業にとっての厳しい局面は続くものとも考えるところであります。
 こうした中、現在コロナ禍で苦境にある企業に対する支援策はどのような形で進められているのか、中小企業へのものも含め、お答えをいただきたいと思います。

#7
○政府参考人(奈須野太君) お答え申し上げます。
 昨年来の新型コロナウイルス感染症によって中小・小規模事業者が先行きの見えない厳しい状況に直面する中で、まずは資金繰りを強力に支援しようということで、二月にセーフティーネット貸付け、それからセーフティーネット保証を全ての都道府県に発動しております。三月には、政府系金融機関から元本据置き最大五年かつ実質無利子無担保の融資を始めております。
 昨年四月に成立した令和二年度一次補正におきまして生産性革命推進事業の特別枠を創設いたしまして、補助率や補助上限を引き上げて感染症の影響を乗り越えるための投資というものを支援し始めています。また、先ほど申し上げた実質無利子無担保融資につきましては、更に五月から民間金融機関を通じての融資についても拡大して、資金繰り支援に万全を期しているということでございます。また、五月でございますけれども持続化給付金、それから七月には家賃支援給付金ということで、事業継続のための前例のない大胆な支援を行っております。
 そうした中で、一年を経過して、現在感染症の影響というのは事業者ごとによって様々な状況になっています。飲食や宿泊業、こういった方は依然として厳しい状況が続いていると。一方で、半導体、家庭向け飲食料品関係みたいなところは景況感が改善しているというようなところも若干ございます。
 厳しい状況が続く事業者につきましては、政府系金融機関の実質無利子無担保融資、これを延長してまいります。それから、緊急事態宣言やまん延防止重点措置の影響を受けた事業者につきましては、一時支援金、それからこれから始まる月次支援金ということで引き続き事業継続を支援してまいりたいというふうに考えております。
 また、今年一月以降の緊急事態宣言等に伴うイベントの開催制限ございました。音楽コンサートなどが中止、延期となった場合のキャンセル費用、こちらについても支援してまいります。また、休業要請に応じていただいた百貨店などの大規模施設に対する支援も政府として講じているということでございます。
 今後、ポストコロナ、アフターコロナに対応するための新分野の展開、業態転換に取り組もうとする事業者もいらっしゃるということで、最大一億円の補助を行う事業再構築補助金などによって中小企業の前向きな取組を支援してまいりたいと考えております。
 引き続き、事業者の方々が置かれている状況を丁寧に把握しながら、きめ細かい支援を継続してまいります。

#8
○高橋はるみ君 よろしくお願いいたします。
 コロナ禍を抜け出し、ポストコロナに向けて新たな日常への模索が始まっております。その過程で産業構造の変化なども想定されるところであります。こうした企業を支援をし、我が国企業、経済の持続的発展を図るために本法案が提案されたと理解するところでありますが、改めて法案提案の趣旨について、江島副大臣、よろしくお願いをいたします。

#9
○副大臣(江島潔君) 今回のこのコロナ禍でございますけれども、過去の経営・経済危機とは若干異なっております。全ての産業に一律に影響、悪い影響を与えているということではなくて、K字回復とも言われておりますけれども、悪影響を受けている企業がある一方、利益を伸ばしている企業もあるというのが今回の特徴ではないかというふうに思っております。
 少し具体的に申し上げますと、日本の場合には、利益率が五%以上向上した上場企業、いわゆるコロナ禍によって業績を伸ばした企業、これが日本では一四・二%、また米国では一九・〇%、欧州では二三・八%と、このような状況になっております。これは、やはりデジタル化、それから巣ごもり需要等に対応した企業が中心になってこの利益率が向上をしているというふうに思われます。
 一方で、この利益率が五%以上悪化した上場企業でありますけれども、これも同じく、日本の場合には一〇・七%、また米国では一九・七%、欧州では二四・八%となっておりまして、こちらの方は飲食それから宿泊等が中心に悪影響が生じているものでございます。
 このようなウイズコロナ、そして今後のポストコロナにおきまして日本の競争力を向上をさせるためには、まずコロナ禍で経営環境が厳しい企業に対しまして、ウイズコロナ、ポストコロナに向けた新たな取組あるいは業態転換といったような事業再構築を支援をさせていただくとともに、デジタルあるいはグリーンといった成長の可能性がある分野に積極的な成長投資を進めていくということが政策として重要ではないかと思います。
 高橋委員さんは、北海道の経産局長を御就任になる前には中小企業庁の指導部指導課長等も務められて、やはり中小企業のすばらしい点あるいは厳しい点ももう十二分に御理解をいただいているというふうに思っておりますけれども、今回のようなコロナ禍というような経済への多様な影響、これを踏まえまして、本法案におきましては、まずこの厳しい経営環境の中で赤字でも努力を惜しまずに事業再構築等に向けた投資を行う企業に対する繰越欠損金の控除上限額の拡大、それからカーボンニュートラルを進めるための設備投資に対する税額控除一〇%等の投資促進税制、さらには全社レベルのデジタルトランスフォーメーション計画に基づくデジタル関連投資に対する税控除額五%等の投資促進税制などを講じることが、これが中心的な中身となっております。
 なお、今回の法案だけではなくて、予算、税制によるこの措置を総動員をすることによりまして、コロナ禍の厳しい事業環境の中であっても、まず今我が国が目指しているグリーン社会への転換、それからデジタル化への対応、さらには新たな日常に向けた事業再構築などへの集中投資、これを促していくことでイノベーションを後押しをいたしまして、日本におけるウイズコロナ、そしてポストコロナにおきまして再び経済が力強く成長できるように経産省としては取り組んでまいりたいと思います。

#10
○高橋はるみ君 ありがとうございます。
 次に、苦境の続く企業の雇用対策についてであります。
 雇用調整助成金の特例措置、これについてはいろんな評価があって、労働市場の流動化を阻害するというような議論があることも承知をしておりますが、私の地元北海道からも強く、やっぱり運輸業、サービス業を始めとして、この雇調金の特例措置の延長など雇用維持の支援制度を存続を求める声が多数あるのも現実であります。
 コロナ禍の現状、またその先を見通して、企業への雇用支援政策をどのような方向性で展開をしていかれるのか、厚労省にお伺いをいたします。

#11
○政府参考人(達谷窟庸野君) お答え申し上げます。
 まず、雇用調整助成金の特例措置についてでございますが、新型コロナウイルス感染症の感染が拡大する中で、前例のない特例措置を講じることによりまして事業主の皆様の雇用維持の取組を強力に支援しているところでございます。
 一方で、雇用調整助成金で長期にわたり休業により雇用の維持を図り続けることにつきましては、働く方々の能力が十分に発揮されないことや望ましい労働移動を阻害するといった懸念もあるところでございます。
 このため、五月、六月につきましては、雇用調整助成金の特例措置につきましては助成内容の見直しを行いまして、特に業況が厳しい事業主等に対しましては日額上限一万五千円、助成率最大十分の十の手厚い支援を引き続き行うこととし、これに該当しない場合でも、リーマン・ショック時の水準を大きく上回る日額上限一万三千五百円等の支援を行っているところでございます。
 このような中、緊急事態宣言の期間が延長され、東京都、大阪府を始めとする十都道府県において六月二十日までとなったことから、雇用調整助成金の特例措置につきましては七月末まで現行の特例措置を継続することをお示ししたところでございます。これにより、宣言によって影響を受ける事業主の皆様に、引き続き労働者の雇用の維持に取り組んでいただきたいと考えているところでございます。
 八月以降の助成内容につきましては六月中に改めてお示しすることとしておりますが、いずれにいたしましても、雇用情勢等をしっかりと見極めながら適切に対応してまいりたいと考えております。
 また、働く方々の休業ではなく在籍型出向による雇用維持を進めるという観点から、出向元と出向先の双方に対して助成を行う産業雇用安定助成金の創設、出向、移籍のあっせんを行う産業雇用安定センターによるマッチング支援体制の強化、全国及び地方における在籍型出向等支援協議会の開催による労使団体や関係省庁等とのネットワークの構築等により、在籍型出向を活用した雇用維持につきましてもしっかりと支援してまいりたいと考えているところでございます。

#12
○高橋はるみ君 ありがとうございました。
 それでは次に、産業競争力強化政策について伺ってまいりたいと思います。
 本法律は二〇一三年に成立をし、民間投資の拡大などを目指し、こうしたことを通じて世界で勝ち抜く製造業を復活させることを目標にしたと理解をいたします。本法案は二〇一八年に一度改正され、今回は二度目の改正案の御提案と理解をいたします。
 さらに、過去、長期に振り返れば、戦後の経済産業行政の大きな目的の一つが、まさに我が国産業の国際マーケットで戦える競争力の強化であったと考えるところであります。一九七五年発刊された「官僚たちの夏」という小説、御存じでしょうか。高度経済成長期において日本産業の競争力強化政策に尽力をした官僚の姿が描かれているものでありまして、私も読ませていただきましたが、まさにこういったところにも今申しました長い歴史が感じられるところであります。
 こうした長い産業競争力強化政策の流れの中で、二〇二一年の今日における国際、国内環境に対する現状認識と、それを踏まえての日本国の産業競争力強化政策の方向性について伺いたいと思います。

#13
○副大臣(江島潔君) この国際的な競争、もう御指摘のとおり、大変に激化をしているところでございます。また、我が国におきましても、産業競争力を強化をしていきまして経済成長を実現をしていくということはどの時代でも大変重要であると思います。
 恐らくは、高橋委員におかれましては、官僚時代にはこの日米の競争の最先端でお取組をしていらっしゃったんじゃないかと思いますけれども、現在におきましては、まず欧州でグリーンリカバリーというものが掲げられております。また、同じく米国におきましても、バイデン政権になりましてから、クリーンエネルギー、インフラ等への投資を通じました国内雇用創出、それからサプライチェーン強靱化を目的とした政策が打ち出されております。もう世界は、まさに今、脱炭素技術それから半導体等の産業をめぐって、国若しくは企業の大競争時代に突入をしていると言ってもいいんではないかと思います。
 これに加えましてこのコロナ禍でありますけれども、これは恐らく中長期的にはもう不可逆的な産業構造の変化を伴うものというふうに考えております。社会の変化を主体的に捉える企業には、これは逆に言うと大きなチャンスになり得るものというふうに思います。日本企業が今後付加価値の高い新製品あるいは新サービスを生み出して高い売値を確保できるような付加価値、こういうものを創造できるようになるためには、どうしてもこれはデジタルそれからグリーンといった世界の成長の潜在可能性のある分野におきまして積極的に未来投資というものを進めなければいけないと思います。
 このような認識の下で、経産省としては、予算、税制、法律による措置を総動員をすると先ほども申し上げましたが、これを通じまして、まずグリーン社会への転換、そしてデジタル化への対応、さらには新たな日常に向けた事業再構築への集中投資、これらを促してまいりたいと思います。

#14
○高橋はるみ君 ありがとうございます。
 そして、コロナ禍への対処を通じての教訓として、私たちは、去年のマスク不足の社会的なパニックなど我々は覚えているわけでありますが、こういった経験を踏まえて、経済合理性だけで国際分業を考えるだけではなく、サプライチェーンを国内で構築する、あるいは少なくとも世界の複数国からの調達が可能な状況にするなど、経済安全保障の観点を重視しなければならないことを学んだと理解をいたします。
 こうした我々の経験から、産業競争力強化政策の推進において経済安全保障の視点を入れることが不可欠と考えるところでありますが、どのように対応していく御方針か、副大臣にお伺いをいたします。

#15
○副大臣(江島潔君) まず、私が最近、長く私たちが目にしております米中両国による技術覇権争い、これの激化であります。それから、新型コロナウイルスの感染拡大等によって顕在化をしました幾つものリスク、これらを踏まえまして、機微技術の管理、それから国内外のサプライチェーンの強靱化等、経済そして安全保障というのは、これはもう不可分な領域であるという、こういうこの対応の重要性が一層増しているんではないかというふうに認識をしております。
 このような状況の下で、米中欧等の主要各国は機微技術の管理の強化をしております。更に加えまして、半導体等の重要技術の研究開発や産業基盤の確保に対する数兆円規模の財政出動など、経済安全保障政策をかなり強力に推進をしているように把握をしているところであります。
 もうこれは日本としても当然のことでありますけれども、しっかりとこの分野におきまして、安全保障上重要な技術や物資についてサプライチェーンの分析をしっかりと進めることによりまして、まずこの機微技術に関する我が国の優位性と脆弱性、ここも当然顕在化しましたので、これらをまず把握をすること、それから次に、外為法に基づく輸出規制やあるいは投資のスクリーニングなど、この機微技術が流出してしまうという幾つかの事例もありましたので、こういう流出経路に応じた流出防止策を構築をしていかなきゃいけないということ、そしてさらには、経済安全保障上の重要技術の開発、それからサプライチェーンの強靱化のための国内投資の促進、これらを統合的に進めているところでございます。
 なお、これらの取組というのは、これは産業競争力の強化にも資するものであるということはもう当然のことでありまして、このような観点も踏まえてこの経済安全保障の確保を進めていかなければいけないと考えます。
 これらのことを、引き続き、内閣官房国家安全保障局を中心とした関係省庁とも連携をしながら経産省としても取り組んでまいりたいと思います。

#16
○高橋はるみ君 ありがとうございました。
 そして次に、私は、この戦後の産業競争力強化政策の中における半導体産業への政策を取り上げさせていただきたいと思います。
 一九八〇年代、世界の五〇%近くのシェアを占めていた日本の半導体産業は、その後、徐々に地位を低下させ、二〇一九年には一〇%まで落ちてきたところであります。残念ながら、二〇一三年の産業競争力強化法成立後においてもその傾向はとどまっていないところであります。そういった中で幾つか質問をさせていただきます。
 まず、半導体産業というのは、かつて産業の米と言われ、多くの製造品に使われる重要部品であったと、このように認識をいたします。今日的には、デジタルと物づくりなどあらゆる産業分野の融合化や、あるいは教育、地域社会などのデジタル化など進む中で、半導体の重要性というのはかつて以上に高まっていると考えるところでありますが、半導体の重要性についての認識をお伺いをいたします。

#17
○政府参考人(三浦章豪君) お答え申し上げます。
 デジタル化が進む中、コンピューターから家電、自動車などあらゆる機器に頭脳として使用される半導体は、経済社会を支える極めて重要な基盤部品というふうに考えております。今後、自動運転やスマートシティーなど社会がソサエティー五・〇へ移り変わっていく中で、半導体はより一層重要になってくるものというふうに考えてございます。
 また、半導体はあらゆる機器やインフラに使用されるということになるわけでございまして、カーボンニュートラル社会実現に向けた省エネ性能の向上、また経済安全保障、産業全体のサプライチェーンの強靱化などの観点からも、今後より一層重要性を増してくる政策対象となっているものということでございます。

#18
○高橋はるみ君 次にお伺いしたいのは、それではなぜ、それだけ重要性の認識がある日本の半導体産業が、凋落という言葉をあえて使わせていただきますが、凋落したのか、そのことについての政策当局としての御認識をお伺いをいたします。

#19
○政府参考人(三浦章豪君) お答え申し上げます。
 日本の半導体産業、先ほどお話があったとおり、一九八八年にはグローバルシェアの五〇・三%を占めていたわけでございますが、一九九〇年代以降徐々にそのシェアを低下させて、足下では一〇%程度のシェアとなってございます。
 こうしたシェア低下の背景には、国際的に半導体の設計、製造が垂直統合型から水平分業型に移行する中、自前主義に陥り、世界とつながるオープンイノベーションのエコシステムを築けなかったこと、また、バブル経済崩壊後の長期不況により将来に向けた思い切った投資ができず、国内企業のビジネスが縮小してきたことなど、様々な要因があるものというふうに考えております。

#20
○高橋はるみ君 ありがとうございます。
 今の御答弁に加えまして、一九八〇年代以降の日米貿易摩擦に伴う影響、こういったことも大きかったのかなと私自身は思うところであります。
 いずれにいたしましても、そういった様々な現状認識、過去の認識を踏まえて、今回提案されております産業競争力強化法の運用も含め、どのような戦略で半導体産業の競争力強化を目指していく御所存なのか、大臣の御見解をお伺いをいたします。

#21
○国務大臣(梶山弘志君) 日本の半導体産業の足下の状況ということですが、まずは、センサーやパワー半導体などの分野では、世界市場で戦える企業が国内に残っていると承知しております。また、半導体の製造装置や素材産業は、世界市場において日本企業のシェアが高い位置を占めているということであります。
 一方、日本には高い計算能力を持つ先端ロジック半導体の製造拠点が存在しないという状況であります。また、世界的な半導体需要が急増する中、最先端の半導体だけでなく、ミドルエンド半導体の供給能力の強化が必要であるということであります。
 このような状況を踏まえて、経済産業省としても、海外企業とも連携した先端半導体の製造技術開発の支援、半導体製造工場も含め生産拠点を多元化するためのサプライチェーン強靱化に向けた支援を実施をしているところであります。
 また、本法案において措置することを予定しているカーボンニュートラル投資促進税制では、脱炭素効果が高い製品として、例えば新素材を活用した化合物パワー半導体を想定しておりまして、生産設備の投資促進を図っていくことを目指しております。
 さらに、半導体に関する新たな産業政策を検討するため、三月より検討会議を開催をしてきております。検討会議での御意見や国際情勢を踏まえて今後の方向性を早急に取りまとめるとともに、様々な政策を動員して半導体産業の競争力強化を実現をしてまいりたいと思っております。

#22
○高橋はるみ君 今の御答弁の中でもございましたとおり、製造装置あるいは素材分野など、半導体産業というのは幅広いわけでありますが、現在でも日本企業が強みを持っている分野があるということは大変心強い限りであります。ただ一方で、米、中、欧州など各国、そして台湾など地域も、国を挙げて巨額な財政投入を含め支援に力を入れている状況でありますので、日本政府におかれても、経産省におかれてもしっかり対応していただきたいと考えるところであります。
 次に、多様な中小企業への支援策について質問を進めてまいります。
 我が国企業の中で、企業数で見て九九・五%以上を占める中小企業は実に多様であります。多様な中小企業を幾つかのパターンに分類し、それぞれに沿った支援策を講ずることは大変意義深いと考えるものであります。
 まずは、成長志向の中小企業の事業規模拡大を促進する政策について伺ってまいります。
 昨年、二〇二〇年成立した中小企業成長促進法などにより、成長を目指し、かつそれを実現した中堅企業に対し、一定期間、一定の条件の下にこれまでと同様の手厚い中小企業政策を継続する政策は、これまでの長い中小企業政策の中でも画期的なことと評価をするものであります。今回の法改正案でも更にこれを充実しようとするものであります。
 改めて、こうした中小企業の規模拡大支援策の政策意図をお伺いをしたいと思います。

#23
○政府参考人(奈須野太君) お答え申し上げます。
 ポストコロナを見据えて、中小企業の経営基盤を強化することで、中小企業から中堅企業に成長して海外で競争できるような事業者を増やしていくということが重要でございます。
 そこで、中小企業から中堅企業に成長した企業の多くは、まずは資本金を増加させて事業を拡大し、その上で従業員を増加させるということが多くなっています。例えば、二〇一一年度から二〇一三年度までの間に中小企業から中堅企業に成長した製造業等の企業、これ年間約六十社あるわけですけれども、約八割の企業がこの順序で中小企業から卒業しているということでございます。
 今回の法案では、こうした規模拡大のパスに沿って中堅企業に成長する企業を応援するため、資本金によらないで中小企業の定義よりも従業員基準を引き上げた新たな支援対象類型を創設するということにしております。具体的には、中小企業の成長を後押しする経営力向上計画、経営革新計画、それと地域経済牽引事業計画の三つの計画認定制度について、規模拡大の事例が多い今申し上げた企業群を支援対象とするように見直して、日本政策金融公庫の融資などの金融支援等の措置を講じるということにしております。
 政府としては、二〇二〇年七月に閣議決定した成長戦略フォローアップにおいて、中堅企業に成長する企業が年四百社以上になるということを新たな中小企業政策の目標としています。今回のこうした制度を通じて、中小企業から中堅企業へ成長を目指すという企業がちゅうちょなく成長できるよう、力強く後押ししてまいりたいと考えております。

#24
○高橋はるみ君 次に、地域密着型企業支援策についてであります。
 中小企業の九割近くを占める小規模企業に着目をし、その社会経済的な役割を踏まえ、小規模企業基本法が二〇一四年に制定されたところであり、これも長い中小企業政策の歴史の中で大変意義深いことだったと振り返るところであります。
 小規模企業のほとんどは地域の経済そして雇用を支える重要な存在であり、地域社会、経済の安定的発展のため、その支援策を講ずることは大変重要であります。こうした観点から、今回の法改正によって措置された政策を含め、今後の地域密着型中小企業支援策の方向性を伺ってまいります。

#25
○政府参考人(奈須野太君) お答え申し上げます。
 中小・小規模事業者はまさしく多種多様でございまして、業種、地域ごとに役割も在り方もそれぞれ違うため、ポストコロナを見据えてはそれぞれの役割に応じた支援を行っていくということが重要でございます。
 本法案では、先ほど申し上げた中堅企業に成長する企業に対する支援だけでなく、事業継続力の強化、それから取引の適正化といった中小・小規模事業者の事業活動に不可欠な基盤を整備するための幅広い支援策を規定しております。
 例えば、事業継続力の強化につきましては、中小・小規模事業者が災害の発生リスクを正確に理解していただくということが必要であるため、地方自治体がハザードマップなどを活用して行う中小企業に対する災害リスクの周知を促進するということにしております。
 また、取引の適正化につきましては、国が下請取引の実態について調査を行うことができるという規定を盛り込むことで、全国百二十名の下請Gメンによる取引実態の把握を強化して、望ましい取引の在り方を示した振興基準に照らして問題となる事例については、業所管担当大臣による指導、助言につなげていくということにしております。
 こうした基盤の整備に加えて、例えば地域の事業者が移動式のスーパーの事業を展開して、なかなか買物に行けない方の地域課題を解決しながら、同時にビジネスとしても持続可能な仕組みを構築している事例など、地域の課題の解決とビジネスモデルの両立を図る中小・小規模事業者による事業の持続的発展への支援も重要となっています。
 そこで、経済産業省としても、例えば令和三年度当初予算で十・八億円を計上している自治体連携型補助金を活用しながら、国と自治体が連携することで、こうした意欲ある小規模事業者の取組を支援してまいります。
 さらに、地域経済に根差した商工会、商工会議所の役割も併せて非常に重要でございます。そこで、令和三年度当初予算で五十三・二億円を計上している小規模事業者対策推進等事業で、引き続き、全国約七千五百名いらっしゃいます経営指導員の資質の向上のための研修の実施や専門家派遣といった商工会などの支援体制の充実を図っていくところでございます。
 本法案や予算措置を通じて、引き続き地域の経済や雇用を支える中小・小規模事業者の持続的発展を支援してまいりたいと思っております。

#26
○高橋はるみ君 ありがとうございます。
 多様な中小企業の最後は、フリーランスについてであります。
 そもそもフリーランスは多種多様な概念であり、個人事業主、すなわち中小企業の一部との位置付けもあり得るわけでありますが、その活動の環境によっては労働者との位置付けもあり得ると理解をするものであります。
 このフリーランスに関しては、取引の相手方との契約を結ぶに際して取引条件が明確化されていないなどの状況の中で、特にコロナ禍への対応において大きなダメージを受けていたことが明らかになったところであります。こうした中、他の事業者と同様に、コロナ対策としての支援策も様々に行われてきたところであります。
 世の中には四百五十万人以上いると言われておりますこのフリーランスについては、今後更なる実態の把握が必要とまずは考えるところであります。また、その実態を踏まえ、必要に応じてではありますが、今回の改正案に含まれている保護ルールの面の充実などと併せ、振興策、フリーランスへの振興策ということも検討すべきと考えるところでありますが、いかがでしょうか。

#27
○政府参考人(奈須野太君) お答え申し上げます。
 現行の下請振興法では、例えばスポーツジムの運営者がスタジオでのレッスンを行う場合に、その講師をフリーランスであるインストラクターに委託して、自らのスタジオレッスンとして顧客に提供する場合の委託契約などは対象外というふうになっています。しかしながら、昨今の働き方が多様化しているという影響などによって、現行の今申し上げた下請振興法では対象となっていない取引形態などに関する下請かけこみ寺への相談件数といったものが増加しておりまして、平成三十年度にはこういった類型が年間五千三百件程度であったものが、令和元年度には六千四百件程度に増加しております。
 そこで、今般の改正によって、親事業者が自らのサービスの一部を委託する取引につきましても下請振興法の対象としてまいりたいと考えております。これによって、新たに対象となる取引を行う事業者に対しても、中小企業庁として全国百二十名の下請Gメンによる取引実態の把握を進めていくとともに、業所管大臣が発注書面の交付など、望ましい取引の在り方を示した振興基準に基づく指導、助言を行うことが可能になるということで取引の適正化が進むというふうに考えております。
 また、振興策でございます。フリーランスである個人事業主を含めて、中小・小規模事業者の生産性向上に向けた前向きな取組を支援するため、持続化補助金それからIT導入補助金など各種の補助金を措置しております。また、中小企業経営強化税制などの中小企業関連税制につきましても、フリーランスを含めた青色申告書を提出している個人事業主も対象としております。
 また、内閣官房の下で昨年二月から三月にかけて実施したフリーランス実態調査によれば、今後もフリーランスとして働き続けたいと回答された方が約七八%いて、そのうち、今後は受ける仕事を増やす予定であるというふうに回答した者が四六%いらっしゃいます。したがって、この調査に基づけば、成長を志向するフリーランスといったものは全体の約三六%もいるということでございます。
 こうした成長を志向するフリーランスが事業規模を拡大していくことで、例えば法人化する、あるいは更に起業が増えて雇用を拡大していく、そして将来の中小企業、さらには中堅企業に成長していくということも十分考えられるわけでございます。こうした観点から、関係省庁とも連携しながらフリーランスの実態把握に努めるとともに、フリーランスガイドラインや振興基準に基づいた安心して働ける環境の整備、それから中小・小規模事業者の生産性を向上させる取組などを進めて、更にいかなる措置が必要か、いかなる支援策が必要かと、こういったことも併せて議論、検討してまいりたいと考えております。

#28
○高橋はるみ君 ありがとうございます。
 最後に、グリーン成長戦略について伺ってまいります。
 今後のカーボンニュートラル実現に向けての切り札、再生可能エネルギー、その中でも洋上風力発電、可能性が高いと言われておりまして、私の地元の北海道では、その潜在力の高さを顕在化するために、主として日本海側沿岸を想定をして地域の水産関係者との理解促進セミナーなど開催し、地元としての努力も今一生懸命やっているところであります。
 台風の上陸が少ない北海道は、こうした気象面でも洋上風力発電の適地と考え、大いに期待するものでありますが、他方、洋上風力は、先行するヨーロッパとの比較で見ると、立地環境など日本は不利な点も多いと聞くところでありますが、実態認識について、時間も押しております、簡潔に教えていただければと思います。

#29
○政府参考人(小野洋太君) お答え申し上げます。
 洋上風力につきましては、昨年末には洋上風力産業ビジョンということで、エリア別の導入イメージをお示ししたところでございますけれども、二〇四〇年の導入見通しは北海道が最大ということでございまして、北海道への洋上風力の導入拡大の可能性は大きいというふうに認識しているところでございます。
 他方、日本とヨーロッパを比べてみますと、イギリスや北欧諸国等が面する北海などは風況が良い、遠浅の海が多く存在するということでございまして、これに対しまして日本はこのような海が少ないということで、実用化が進んでいる着床式洋上風力について見ますと、我が国の設置可能面積は洋上風力の導入が進んでいるイギリスに比べて八分の一ということでございます。
 この中で、官民が、洋上風力産業ビジョン、これ昨年官民で策定したわけでございますけれども、二〇四〇年までに浮体式を含む三千万キロワットから四千五百万キロワットの案件を形成するという高い導入目標、これを掲げているところでございまして、この野心的な目標を実現するためには着床式だけではなくて浮体式、これ双方でやっていかなきゃいけないということでございまして、このため、再エネ海域利用法に基づいた漁業者などの先行利用や地域との調整に加えまして、浮体式洋上風力につきまして、二兆円の基金も活用して早期にコストの低減を図り、その上で、限られた適地を有効に活用し、着床式、浮体式の双方の導入拡大を図っていく所存でございます。

#30
○委員長(有田芳生君) 高橋さん、時間が来ましたので、おまとめください。

#31
○高橋はるみ君 はい。
 ありがとうございました。
 再生可能エネルギー、洋上風力を始めとして、天候等に左右されるところも多いところでありまして、その意味では、原子力なりその他様々な電源を有効に結び付けながら今後のカーボンニュートラルに向けてしっかり政府として御努力をいただきたいことを申し上げ、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。

#32
○森本真治君 立憲民主・社民の森本でございます。どうぞよろしくお願いをいたします。
 法案の質疑の前に、私からも新型コロナウイルス感染症対策についてちょっと二問ほど質問をさせていただきたいと思っておりまして、それで、ちょっと今朝ほどになって急遽対応していただくということで安居審議官の方にもお越しいただいて、ありがとうございます。
 今朝の新聞各紙にちょっと出ておりましたワクチン接種のことで、職場でのワクチン接種がこれ二十一日から始まるというような報道が今日各紙に出ておりまして、昨日も河野大臣の方が知事会の方の皆さんとお話をされたというようなこともちょっと伺ったので、ちょっとこれ、もう既に実は問合せもいろいろと私のところにも来ておりますから、ちょっと審議官の方で、まずこの職場でのワクチン接種についての今の検討状況とか概要をお答えできる範囲で御答弁いただきたいと思います。

#33
○政府参考人(安居徹君) お答え申し上げます。
 先日、官房長官からも御発言があったとおりでございますが、新型コロナワクチンの接種に関する地域の負担を軽減しまして接種の加速化を図っていくために、六月二十一日から、企業や大学等において職域単位でワクチンの接種を開始することが可能となっております。
 今後どのように進めていくかは企業の御意向も伺いながら検討を進めることになりますが、多くの産業を所管する経産省といたしましても、企業と政府の間の調整などをしっかりサポートしていきたいというふうに考えております。

#34
○森本真治君 今御答弁いただいたように、やはり、事業者の皆さんであったり、あといろんな経済団体の皆さんとの直接のやり取りは経産省が一番関係を持っていらっしゃるということで、やはり現場の声を的確に政府の方、対策本部の方で反映をしていただかなければならないなというふうにも思っておりまして。
 それで、やはりこれ、ワクチン接種、集団接種の場合は、数、効率性を考えたときに、数が必要だから、どうしても例えば大企業とかそういうところが優先をされていくというようなことも一つはちょっとやっぱり考えられると思うんですね。そのときにやはり出てくるのが、大企業と中小企業との格差というようなことがそこでもやっぱり生じてしまうということを、いかにそういう格差というものをなくしていくかということも大事だと思うんですね。
 それで、また関係者の皆さんとも是非詰めていただきたくて、いろいろ御意見としていただいているのも、例えば同じ建物、会社は違っても同じ建物の中で一気にやっていくようなこととか、あとはグループ、今回もサプライチェーンの話とか、後ほどやりますけれども、やはりそことの信頼関係ですね。やっぱり、親企業、子、孫の中で、親企業の従業員さんだけが先にワクチンが受けられて、例えば労働組合なんかというのは、例えば産別の労働組合なども、もうグループで一つの仲間としてやっているわけでございますから、そうすると、親会社の組合員さんだけが先に受けれるというようなことで、やはりその中でのきずなという部分でもいろんなこともあると思います。
 是非いろんな知恵を出していただきながら、あと、例えば商工会議所などにお願いするといっても、地域で商工会議所にも加盟していないような、じゃ事業者さんどうなるのというような話もありますから、なかなかこういう対応って本当にきめ細かくて、一つでやっていくということは難しいところがありますが、だからこそ経産省さんもやっぱり現場に寄り添ったというところで是非そのような対応を、今後制度設計するときに、大臣も是非、河野大臣や田村大臣とも、その辺りの状況もお伝えいただけたら。一言、じゃ、大臣からもお願いします。

#35
○国務大臣(梶山弘志君) 今回の取組、接種機会を増やしていこうと、そしてワクチンを接種した人を増やしていこうという考えの下に行われるものであります。
 当然、各産業を所管する経済産業省として、これまでも懇談をしてきておりますし、本日も経済団体とこの件について懇談をする予定でありますので、今委員のおっしゃったようなこと、留意点、しっかりと気に留めながら対応をしてまいりたいと思います。

#36
○森本真治君 ありがとうございます。
 やはり、今どんどんとこのワクチン接種も広がる中で、やっぱり若い世代の皆さんも、とにかく早くワクチンが打てれば安心して仕事もできるのにねというような声もやはり届いておるという状況がありますので、またいろんな課題などがありましたら是非お届けもさせていただきたいと思いますので、大臣、どうぞよろしくお願いをいたします。
 あともう一点なんですけれども、これは私の地元広島県さんと意見交換をする中でちょっと要請というか要望があったので、是非今日は直接お願いをさせていただきたいと思っておるのが、このコロナ感染症の感染拡大に伴って経産省さんの方で実施をしていただいておりますサプライチェーン対策のための国内投資促進事業費補助金の制度でございます。令和二年度で予備費や補正を使ってこの制度をつくっていただいておりますけれども、比較的これは応募の件数が多いんではないかというふうに認識をしておりまして、まず、この事業の概要、今の実施状況をちょっと御説明をいただきたいと思います。

#37
○政府参考人(濱野幸一君) お答え申し上げます。
 サプライチェーン補助金でございますけれども、これ、生産拠点の集中度が高く、サプライチェーン途絶によるリスクが大きい製品、部素材、それから国民が健康な生活を営む上で重要な製品、部素材等につきまして支援をするというものでございまして、現在、三次補正予算につきまして二千百億円の予算措置を講じてございます。申請受付額約三千百億円となってございまして、七月以降の採択、公表に向けまして、現在、外部有識者による審査中でございます。
 国内の生産拠点の整備によるサプライチェーンの強靱化に向け、しっかり取り組んでまいりたいと考えております。

#38
○森本真治君 今、三次補正の中での対応をされているということでございますけれども、ちょっと今分かれば数字教えてほしいんですけど、これ、応募とか、補助の希望額が相当上がっていて、採択額との間に大きな乖離があったんではないかというふうに聞いているんですが、実際どのぐらいのこれ応募があったんですかね。

#39
○政府参考人(濱野幸一君) お答え申し上げます。
 まず、前回の令和二年度一次補正予算及び予備費で措置をされました三千六十億円の予算額に対しまして約一兆八千六百億円の申請がございました。
 そこで、申し上げますと、申請の中には必ずしもサプライチェーンの強靱化という補助事業の趣旨に合致しないものも含まれていたということがございまして、このため、昨年十二月に閣議決定をされました総合経済対策におきまして、補助金の要件を見直すなど、より焦点を絞った支援を行うということが盛り込まれたところでございまして、令和二年、三年度の、三次補正予算の制度設計におきましては、先ほど申し上げましたような製品、部素材につきまして、補助事業の趣旨に合致するような要件の見直しを行いました。
 こうした中、先ほど申しましたとおり、三次補正予算でございますが、約二千百億円の予算措置に対しまして申請受付額は約三千百億円となってございまして、前回に比べ、予算額と申請額との差に大きな乖離はなくなったものと考えてございます。
 以上でございます。

#40
○森本真治君 より運用の方、目的に沿った形で対応していただこうということで、いろんな改良、改善もしていただいているんだと思うんですけれども、まさに今日の法案のテーマでもあります、やっぱりこのアフターコロナ、新たな日常への、対しての事業の再構築であったり、このピンチをチャンスにということで、それぞれの事業者の皆さんにも新たに成長、発展をしていただくということがやはり今後、特に経産省さんにとっても非常に大きなテーマになってくるんではないかというふうに思います。せっかく例えば設備投資を決断しても、なかなかこの投資が停滞してしまうというようなことがあっては、今後やはり景気が後退局面というか、これが長期化もしてしまうという中で、やはり手を挙げようとする事業者の皆さんに対しては可能な限りの後押しというものもしていただかなければならないんだろうなというふうに思います。
 まさにサプライチェーンも、今回のコロナで、例えば国内回帰というか、もう海外に出ていったものが、ここを何とか国内に回帰していこうというもし動きがあるんであれば、しっかりとそれを戻ってきてもらうというようなこと、これも重要だと私は思うんですね。
 それで、経産省さんのこの補助だけではなくて、例えばそれぞれの各自治体の皆さんも独自の、例えば自分たちの地域に今企業に来てもらおうというようなこととかも、投資をしてもらおうというようなことでも様々なそれぞれの単独の補助なども設定をして、例えば地方創生臨時交付金なども活用して、広島もやったりもしておりますが、これはただ、来年度以降、じゃどうなるのかというようなこともあったときに、やはり経産省さんとしてのこの設備投資に対する支援というものは引き続きしっかりと予算も確保していただきたいということでございます。
 今後また、来年度に向けての概算要求であったり、予算編成もこれから順次、秋、冬に向けても進むというタイミングでもありますので、是非その辺りも御留意をいただいて、引き続きの支援の対策と、強化ということもお願いしたいと思いますが、是非お考えを、大臣ですか、よろしくお願いします。

#41
○国務大臣(梶山弘志君) まず、サプライチェーン補助金で国内の分ということで募集をしたところ、かなり多くの手が挙がってきたということでありまして、これ、補助率がいいということもあるんですけれども、このサプライチェーンに該当しなくても、やはり設備投資の意欲が湧いてきているなという感じも持ちました。
 ですから、該当しなくても、今後この件についてはちょっと分析をしながら、どうすれば設備投資につながるのかということも含めて考えていきたいということは当時の委員会で私が答弁をしたことも覚えておりますし、そういったものを次の投資につながるように、私どももしっかりと分析、検討をしてまいりたいと思っております。

#42
○森本真治君 ありがとうございます。引き続きの様々な対応ということもお願いをさせていただきたいというふうに思います。
 それでは、法案の方の関係も幾つか確認をさせていただきたいというふうに思います。
 それで、まず、大臣の方が趣旨説明ということをこの改正案についてされて、この改正をする背景ということを改めて確認をすると、まさにこの今のコロナの状況、そして新たな日常への模索が続く中で、まさにこのピンチをチャンスに、グローバルな構造変化へと一気に適応していくチャンスだということですね、そして、成長戦略として、カーボンニュートラルの実現、デジタル化への対応、そして事業再構築ということですね、新たな日常に向けたということで今回この改正をされようとしているんだというふうに思います。
 それで、産業競争力強化法の関係、ポイントはグリーン社会への転換とデジタル化への対応という、第一、第二ということで述べられて、ちょっとまずデジタル化への対応ということで、まずそちらの方から確認をしたいと思うんですけれども、今回のこの法改正の中で、特にデジタルトランスフォーメーションに関する事業者の計画を認定して関連投資に対する税額控除というようなことですね、関連投資に対する税額控除の措置ということでございますけれども、ちょっと私が最初に思ったのは、やはりこれ設備投資に対する、整備ですね、設備に対する整備に対する支援ということをまずはしっかりと、箱をまずしっかりつくろうということですね、ということで今回やっていくんじゃないかなというふうに思います。
 しかし、よく言われるように、箱だけできても中身がしっかりしていないといけない、仏つくって魂入れずじゃないですけれども、そうすると、当然ながら、じゃ、そのシステムなどをしっかりと使いこなすというか、それをできる人材ということも当然必要になりますね。ただ、そもそも計画を作る際の、それを作れる人材というのも、じゃ必要になるという、その前段の方も必要ではありますけれども、そういう面でよく言われるのが、このデジタル化への対応の中で、スペシャリストというか専門職、これが本当にどれだけいる、対応できるのかなと。特に中小企業、小規模事業の中でまず計画を作る段階からしっかりとできるのかというところは非常に思います。
 そういう面で、まずちょっとお伺いしたいのが、今回のこの対応の中での、デジタル化への対応の中で、狙いですね、冒頭申し上げましたように、まずはシステムをしっかりつくってもらおうということで今回投資に対する控除ということだとは思うんですが、その後の狙いと、さらにその先の人材などの課題などについて、どういうふうに認識をしていらっしゃるのかということをお伺いしたいと思います。

#43
○政府参考人(江口純一君) お答えいたします。
 我が国のデジタルトランスフォーメーション、いわゆるDXを進めるということは、競争力向上の観点から非常に重要であるというふうに考えておるというところでございます。
 もちろん、それを進めるに当たりましては、設備の投資等々を進めていくというのは非常に重要であるということは言うまでもないわけでございますけれども、委員御指摘のとおり、それを担う人材の育成、非常に重要になってくるという認識がございます。
 特に、経済産業省では、中小企業の方を含めまして、これまでデジタルスキルというのも学ぶ機会がなかった人材、このような方々多くいらっしゃると思いますけれども、初めてデジタル技術を学ぶ際の参考となるような講座的なものを、昨年十二月に、無料オンラインでこのデジタル技術を学べる講座の紹介を行うというサイトを立ち上げたところでございます。
 また、社会人が学び直しを通じてAI、IoT等の先端分野を身に付けることを支援するために、民間講座を認定する第四次産業革命スキル習得講座認定制度を実施をしておるというところでございます。
 さらに、特に中小企業の方々、これらの事業を自ら単独で行うというのは非常に難しいということございますので、外部からのDX支援、指導の充実というのを図っていく、サポートをしていくというのは非常に重要であるということで、ITの専門家を中小企業デジタル化応援隊として選定をいたしまして、中小企業の活動をサポートをさせていただいておるというところでございます。
 引き続き、これらの政策を活用し、中小企業を含め我が国企業のDXを支援をしてまいりたいというふうに考えておるところでございます。

#44
○森本真治君 このデジタル化という流れですけれども、数年前、本当まだ数年前に、例えばITとかICTとかという言葉があって、そしてIoTというようなことがあって、そしてDXとかですね、やっぱりこのスピードがすごいですね。どんどんどんどんこのデジタル化というのはいろんなことが起こっている。
 一方で、現実の経済活動ですね、特に私も地元は、小規模、中小の、地方ですから、事業者というのがたくさんある中で、いまだに例えばファクスしかないような事業所だってそれは当然あるわけで、そういう中で、本当に追い付いていけるのかどうかという中で気になるのは、これもやっぱり、こういう対応ができる事業者となかなか対応ができない事業者、メニューはそろえていただいています、先ほど御答弁いただいたように、何とかやってくださいというふうにやるけれども、どんどんどんどんそこでまた差が付いていく。そうすると、またそこでいろんな格差も広がっていくという、時代自体がもう本当にそういうような時代というのがあるんだけれども、だからその格差をやはりできるだけ縮めていくというのが政治の仕事、政府の仕事ではないかなというふうに私は思います。
 余りにも急速に進むこのデジタル化への流れの中で、ちょっとこれももし御答弁いただければお答えいただきたいんですけれども、非常にこのデジタル化への対応の違いによって本当にまたこれ格差が広がっていくんではないか。
 例えば、このデジタル化なんというのは、本当は都会だけではなくて地方でも、このデジタル化というので何とかそこで生活してもらおう、仕事をしてもらおうという思いもあるけれども、現実問題としては、そういうスピード感というのは都会の方が進んでいく。都市と地方のまた格差も広がっていくのではないか、大企業と中小・小規模事業者との格差も広がっていくのではないかということも心配しますが、逆にその格差を縮めるためのもっと後押しですね、対策というのも必要になってくると思いますけれども、その辺り、もし御答弁いただければ、今後の展開としてお答えいただきたいと思います。

#45
○政府参考人(江口純一君) お答えをいたします。
 先ほども申し上げましたとおり、やはり中小企業を含めまして、地域も含めまして、この取組というのが活発に行われていくというのは非常に重要であるというふうに考えております。
 様々な地域における取組、これも自治体なども含めまして、また商工会、商工会議所等の活動なども含めまして、このDXの必要性ですとか効果とかについては、様々な情報発信をしたり、勉強する機会を提供したりというようなことが行われておるというところでございます。
 そのような状況なども踏まえまして、今現状がどうなっているかを的確に把握をしつつ、必要な対応については更に考えていきたいというふうに考えておるところでございます。

#46
○森本真治君 どうしても経済活動などというのは、自由競争の中でやはり強い者が強くなっていく、弱い者がどんどんと淘汰されて退場していくというのがある意味自然の流れだけれども、やはりそこに対して知恵をしっかりと働かせながら、できるだけ公平にというか、チャンスをしっかりと与えていって活躍をしてもらうという環境をつくっていくということも非常に重要だとやっぱり思いますので、是非その辺りも今後経産省の皆さんにも注視をしていただきながら対応していただければというふうに思います。
 もう一点、次は、グリーン社会への転換ということの、カーボンニュートラルの実現の方についても確認をしたいと思いますけれども、今回のこの産業競争力強化法の改正の説明の中では、このグリーン社会への転換の施策を講じるということで、例えばこれは、カーボンニュートラル実現に向けた事業者の計画を認定して、脱炭素化効果が高い製品の生産設備への投資、生産工程等の脱炭素化を進める設備への投資とかに対する支援ですね、税額控除や計画の実施に必要な借入れに対する利子補助を措置するという御説明がありました。
 私、こちらの方も、この説明を聞いて思ったのが、これらの製造段階とかでの脱炭素化ということと、グリーン成長戦略ですね、このグリーン化が成長に寄与するんだということですね、例えば産業が成長するんだということがどうもぴんとこないんですよ、一致しない。むしろ、例えばこのグリーン成長、成長というと、例えば商品などもどんどん新たな商品が開発されたりとか、そういうのが成長だというふうに思うんだけれども、今回の法改正ではあくまでも製造過程などの脱炭素化ということで、むしろ規制の強化ですよね、規制の強化をするということがメーンになっているような気がしておるんですけれども、この辺り、ちょっと説明をいただけますか。

#47
○政府参考人(山下隆一君) お答え申し上げます。
 製造業において製造プロセスをグリーン化しても造っている製品とか商品自体は変わらないんじゃないかということなんですが、例えば製造業の中でも最大のCO2排出量の鉄鋼業、これを例に取って申し上げると、その製造プロセスをグリーン化するためには、例えば今、石炭とかコークスとか、これを使って鉄鉱石を還元しているんですけれども、これを水素に変えていくということが一つの対策としてあります。こういった製造プロセスをゼロカーボン化することで製造した製品、商品、これゼロカーボンスチールと呼びますけれども、これは、おっしゃるとおりプロセスが変わっただけで、製品とか商品自体は変わるものではございません。
 ただ、一方で、マーケットの構造というのは変わってきています。グローバルに多くの企業がカーボンニュートラルを今宣言をしたりしていまして、グリーン化を進めている動きがあります。これらの動きはその自らの事業プロセスをグリーン化するということだけではなくて、資材の調達とか、こういうのを含めたサプライチェーンのグリーン化、これを進める動きというのがグローバル企業を中心に今加速しています。そのため、こういったマーケットではゼロカーボンスチールの商品とか製品こそが競争上優位で、市場を獲得することになるということが期待されてございます。
 また、こういったゼロカーボンスチールの製造技術自体も他国に先駆けて先行すれば、グローバルにこれ自身を展開して市場を獲得していくということも期待できます。そのために、ここで負けるわけにはいかないということで、世界中の鉄鋼メーカーがこのプロセス技術の獲得に必死で取り組んでございます。我が国としても、例えば今グリーンイノベーション基金、この活用で世界に先駆けたゼロカーボンスチールの実現を目指すということを目標にしてございます。
 経産省としては、こういった取組を通じて、我が国産業の競争力の強化を図りながら、二〇五〇年のカーボンニュートラルの実現に挑戦をしていきたいと思ってございます。

#48
○森本真治君 今のままの状態であれば、成長どころかむしろ市場から排除をされていったりしてどんどんと後退をしていく、そこに何とか乗り遅れないために様々なこういうグリーン化の対応する中でやっていくということで、ちょっと私の理解がなかなか理解不足なのか分からないですけれども、どんどんと成長というのは拡大をしていくんだけれども、そうではなくて、逆に現状では縮小してしまうから、競争にも負けていって、何とかそこに追い付いていくというか、そこに乗っていこうということでやっているのかなというふうにも、今回の法改正の中での取組だけではそういうふうにも思ったんですね。
 ただ、もちろん、この成長戦略としてのグリーン化というのを成長につくっていくということは、新たな商品を生み出したりとか、これに関してですね、そういうことがまた出てくればもちろん新たな市場とかいうことがあるんではないかなというふうにも思うわけですね。ですから、これ両方だとは思うんです、もちろん。
 私は、やはり今後、じゃ、このグリーン化、脱炭素化ということが成長産業としてどうやっていくかという部分でいったときには、例えばカーボンリサイクルへの対応をどうしていくかとかというようなところをもっと強化をしていくとか、そういうところも今後しっかりと具体的な我が国としての戦略も示していただきたいなというふうにも思っておるんですね。
 それで、このカーボンリサイクルを成長へとつなげていくという部分では、これもまた私の地元の話ばっかりして恐縮なんですけれども、今、広島県がこのカーボンリサイクルのやはり先端都市というか、それを目指そうということで力を入れていて、ちょうど前回、私質問をしたときに、江島副大臣が大崎上島のことをお話しをいただきましたけれども、今、経産省、政府としてもこの大崎上島をカーボンリサイクル技術に係る実証研究の拠点として整備してということで、今様々な御支援もいただいているというふうには理解をしておるんですけれども。
 この国が今進めようとしていらっしゃいます大崎上島を拠点としての例えばこのカーボンリサイクルの様々な取組なんですけれども、もう少しその先のですね、先ほど申しましたような、もっとそれを使ってどう今後展開をしていくのかというところが少しまだ私もぴんとこないなと、明確になっていないのではないかなというふうにもちょっと思っておりまして、やはりこのカーボンリサイクル、またカーボン・サーキュラー・エコノミーの実現ですね、そういう中において、我が国としてどういう戦略を持っているのか、是非これを広島を拠点に、まずはいろんな取組、応援していただきたいという思いもありますので、その辺りのまずお考え、大臣の方から、じゃ、是非よろしくお願いします。

#49
○国務大臣(梶山弘志君) まず、カーボンニュートラルということで、二〇五〇年にできるだけ地球温暖化ガスを少なくしようという中で、火力発電所においてはCO2が排出されますから、これを分離回収をいたします。分離回収したものを再利用していく、そしてまた利用価値のあるものにしていくというのがカーボンリサイクルだと思っております。
 その中でも、二〇五〇年のカーボンニュートラルを実現するためのキーテクノロジーであって、大崎上島は私も視察をしてまいりまして、いろんなお話をしてまいりましたが、非常に可能性の多い技術であるということを感じております。
 CO2を原料としたコンクリート、これ既に実用化に成功しております。CO2を吸収する藻によるバイオジェット燃料生産についても実証が始まっております。また、水素と反応させてメタンを合成するメタネーション技術の研究が進んでおります。さらに、昨年末にはカーボンリサイクル実行計画を策定し、克服すべき技術面での課題やコスト目標等について検討を深めて、二兆円のグリーンイノベーション基金の活用も視野に入れつつ、取組を進めているところであります。
 今後は、こうした検討を土台に、経済成長に向けてカーボンリサイクル産業を新たに育成することを目指して、コンクリート、燃料、化学品等の多様な分野でのカーボンリサイクル技術を確立し、更なるコスト低減や社会実装を進めていくわけでありますけれども、大崎上島は、その全てを、幾つかを実証していこうという中での施設の整備というものを考えているということであります。

#50
○森本真治君 先ほど申しましたように、今、広島県としては、大崎上島、大崎クールジェンプロジェクトですね、この取組と連携して、県内でも関連企業、研究者の集積を図って、そして地域経済の振興を図るための協議会を設立して、これから推進構想もいろんな取組をしていこうと考えています。
 一方で、この大崎クールジェンプロジェクトは二〇二二年度で終了で、その後の稼働計画がまだ未定だというふうにも伺っているんですけれども、是非、そこはやはり県の今の取組などとも連携をして、一体となって国としても取組をお願いしたいということで御答弁いただいたんですけれども、そういうことでお願いをしたいと思うんで、是非そこについて前向きに検討いただくということで、ちょっと御答弁だけお願いできればと思います。

#51
○国務大臣(梶山弘志君) 先行事例でありますし、これを社会に実装させるために利用してまいりたいと思います。

#52
○森本真治君 ありがとうございます。
 それでは、次に移らせていただきたいんですけれども、ちょっと中小企業の支援ということで、もう一つの法案の方で様々な中小企業に関する、今回も取組についてあるわけでございますけれども、それで、中小企業対策ということ、本当に経産省としても非常に重要な取組の一つというか、これが本当に一番力を入れていただきたいというふうにも思っておるわけでございます。
 それで、例えば中小企業への支援というのは、この今回のコロナの対応だけでもいろんなメニューがある。そして、私、ちょっと事前に伺って、これちょっと事前にお見せすることは、理事会で許可もらっていませんから、手元にだけありますが、中小企業施策利用ガイドブックという、これ電話帳みたいな冊子があって、もし私が例えば個人事業主で経営をしていて、いろんなこういうのを利用しようとこうやって見ても、実際どれを活用していいのかなんてさっぱり私も分からないなというふうにも思うぐらい多岐にわたるメニューを実は用意をされているんですね。
 これは、でも、ある意味そのとおりというか、やっぱり事業といっても様々な事業があって、私は、これ一くくりに、このメニューだけということはやっぱりあり得ないと思うから、いろんな状況に応じた細かなメニューが用意されるというのが、これがある意味本来でもあるのかなというふうにも思いますが、実際に、でも、活用しようとする事業者さんからすれば、多くの事業者さん、どれを活用していいのかやっぱりなかなか悩むというのも事実ではないかなというふうに思うんですね。
 そうすると、やはりしっかりとそこをマッチングをしてあげるというか、そういうところの役割というのも非常に必要で、もう一つが、やっぱりこれだけ多くのメニューをせっかく用意しても、それが活用されない、実態に合っていないというメニューもやっぱり出てくるのは当然だと思うんですね。よく言われるPDCAですね、やっぱりそこを、数が多いけれども一つ一つやっていくという作業も今後大事になってくるのではないかなというふうに思います。
 実際に今、経産省さんとして、これだけたくさんのメニューを用意をして、予算もこの財政厳しい中でも確保されているんだと思うんですね。しっかりとその辺りの効果、検証なども含めて、こういう様々な支援策というものについてどのように日々改良をしていらっしゃるのかということ、そのことの御説明をいただきたいというふうに思います。

#53
○政府参考人(奈須野太君) お答え申し上げます。
 中小企業が抱える課題といったものは、業種、業態や規模によって様々でございますので、その課題の解決のために、融資や保証、補助金、専門家派遣、それから情報提供など、多種多様な支援策を通じてきめ細かに対応しております。例えば、先生から今ハンドブックの御指摘ございましたけれども、中小企業向けの補助金総合支援サイトであるミラサポプラスというのがあるわけですけれども、そちらには約千二百件の支援策が登録されております。
 こうした支援策の検証ということでございますけれども、昨年七月に閣議決定された成長戦略フォローアップにおいて設定した中小企業政策の成果指標、KPIといったものがございます。この中で、中小企業の労働生産性を二〇二五年までに二〇二〇年比五%向上させるとか、あるいは、中小企業の全要素生産性、TFPを二〇二五年までに二〇二〇年比五%向上させるといった成果指標ございまして、これに基づいてそれぞれの施策の目標を設定しているということでございます。これを受けて、毎年度、それぞれの事業ごとに行政事業レビューシートというのを作成して、予算の活用の状況、それから今申し上げた定量的な目標の達成状況について検証して、その結果を公表しております。
 さらに、予算額が大きい事業など一部の事業については、外部の有識者の方による公開プロセスの中で事業の効果について検証、点検を行っております。
 また、ものづくり補助金などについては、データを用いた政策効果分析、EBPMも行っており、事業の効果的、効率的な実施、それから見直し、こういったものに活用しております。
 引き続き、こうした取組を通じてPDCAをしっかり徹底して、より効果的な中小企業政策支援の実施に活用してまいりたいと考えております。

#54
○森本真治君 全体のパイというのは恐らくもう限られているというか、そこが増えるということはなかなか今の状況では難しいわけで、そのパイの中でどうメニューを、より効果的なメニューを作っていくかという、やっぱりそういうことが必要になってくると思うんですね。
 実際の今の経済状況なども、もう本当にこれ、的確に把握をしながらやっていかなければならないということで、しかも、予見性というか、将来性なども見据えながら作っていかなければならないということで、非常にこれは大変な作業でもあるのかなというふうにも思いますが、よりやっぱりこれは経済界の皆さんの声なども非常に重要で、現場のですね、生かしていただきながらやっていかなければならないのかなというふうに思います。
 それと、やはり、本当はこれ是非活用してもらったら有効なのになというメニューであっても、なかなか実際の事業者の皆さんがそこに気付かずに、逆にチャンスを生かし切れていないというようなことがあっては大変残念なことでもあるわけでございます。
 そういう面では、やはり相談体制とか、助言をしていただく、経営に対してのアドバイスをしてもらう人、そしてこういう制度があるということをしっかりと紹介をしていただける人というところのマッチングとか、これは、一つはまず金融機関などがやられるのか、また経済団体等がやられるのか、また行政もそうかもしれません。
 そういう辺り、事業者の皆さんがどこに、じゃ、相談に行ったらいいのかとか、相談に行こうと思ってもらえる環境もつくっていかなければならないとは思うんですが、今後のこういう中小企業支援政策を進める上での、やはり実際の事業者と行政なりを結ぶ懸け橋というか、そういうところの体制強化というものをしっかりと是非やっていただきたいなと、今後ですね、思うわけでございますけれども、その辺りの取組についてお考えをお伺いしたいと思います。

#55
○政府参考人(奈須野太君) お答え申し上げます。
 御指摘のとおり、中小企業への支援策は、様々な経営課題に対応するため数多く存在してございまして、複雑だと、あるいは知らなかったというような考えられる事業者もいらっしゃるということは承知しております。
 そこで、中小企業庁としては、様々な支援策の中から各事業者の悩みに応じた支援策を検索して活用していただけるよう取り組んでおります。まずは、各省庁の中小企業向けの支援策、いろいろあるわけですけれども、こういったものをオンラインで一括して検索できるサイトが、ミラサポプラスというのがあるわけですけれども、このミラサポプラスを通じて一月当たり約百四十万回のページビューがあって、様々な人が中小企業施策の検索、こういったことをやっております。
 また、ネットではなくて紙媒体でという方も当然いらっしゃいますので、先ほど御紹介になった経営サポートや金融サポートといった分野別に支援策を整理した中小企業施策利用ガイドブック、こういったものがございまして、今年度は約八万部を作成して全国の支援機関や自治体に配付しております。
 また、そういった情報をつなぐ役割ということの重要性について御指摘ございました。全国にございます商工会、商工会議所、それから金融機関が支援策の周知、普及を実施するとともに、これらの機関だけでなくて、町の税理士や中小企業診断士などを国が認定経営革新等支援機関ということで認定して、その数が全国で約三万あるわけでございますけれども、この三万の認定支援機関が、補助事業の紹介であるとか相談対応であるとか申請のサポートなどを通じて、こういった支援策の活用ということに取り組んでいただいているということでございます。
 それから、さらに、どこに何を相談したらよいか分からないと、そういうレベルの事業者の方もいらっしゃいますので、ワンストップ機能、様々なお問合せに対応できるようなワンストップ機能を掲げるよろず支援拠点というのがございまして、これが全国四十七都道府県にそれぞれ設置してございます。このよろず支援拠点の中では、専門家が年間四十三万件を超える相談に対応して、個々の事業者ごとにきめ細かな助言をしサポートをするということや、支援策の活用の紹介、促進、こういったことを図っているところでございます。
 引き続き、商工会、商工会議所、金融機関を始めとした地域の支援機関とも相互に連携しながら、支援策の活用促進を図ることで地域の中小企業を支えてまいりたいというふうに考えております。

#56
○森本真治君 るる御説明もいただきました。
 申し上げたいのは、本当にこの中小企業を支えるための様々なメニュー、支援策というものは、引き続きしっかりと、また、これも日々状況も変わる中で対応していただきたいというのが改めてのお願いにもなりますけれども。
 もう一つは、やはり、例えば何を知ったらいいのか分からないとか、どうすればいいのか分からないというふうに例えばじゃ経営者の方が思われたら、やはりその経営者の方、これは私もちょっと率直に申し上げると、しっかり例えばいろんな努力をしていただいて勉強をしていただいて、もうこの中で自分の経営戦略もしっかり立ててもらってということも、努力も一方で必要なのは、これは言うまでもないことだと私も思います。
 私はかつて法律事務所で勤務をしていたこともあって、当時の事務所では様々な債務整理などの相談を私も担当としてやってきたときに、経営の経験もない私でも最低限やらなければいけない財務のこととか、そういうこともなかなか分からないような経営者という方もたくさんいらっしゃったということは私も経験としてやっぱりありました。
 でも、やっぱり経営者というのは、そこで働く皆さんの生活も守らなければいけない、家族も守らなければいけない。大変やはり責任のある立場の皆さんなども、しっかりとやっぱり、分からない、どうしようもない、お手上げだよというようなことではありませんので、やっぱりそういうしっかりとした経営者を育てていくというか、そういうことも一方で必要なのかなというふうにも思います。車の両輪ですね、支援の部分と、経営者もしっかりと自立してもらうというか、それがうまくかみ合っていけば、やはりこの国の成長もまだまだ続いていくんではないかということも思いながら、私も様々な努力もしていかなければならないなというふうに思います。
 ちょっと時間がもう僅かでございますので、少し私、問題意識として、問題意識というか、思っていたのが、労働生産性のことを、いろいろとこの間も議論もあるし、我が国ではこの生産性が低いんではないかということがあったんだけれども、ちょっと私、是非これ経産省に考え聞いてみたかったのが、先般当委員会で参考人から意見聴取をした際に、東京一極集中が経済効率、生産性低下につながっているということを木内参考人が意見として述べられたんですけれども、なので、この一極集中の是正というのがやはり経済成長とか生産性を高めていくために必要なんだと主張された先生がいらっしゃったんですけれども、経産省としては、この東京一極集中がやはり労働生産性の向上に阻害をしているということですね、そういう認識は持たれているのかどうかということをちょっとお伺いしたいと思います。

#57
○政府参考人(濱野幸一君) お答え申し上げます。
 六月一日の参考人質疑におきまして、木内参考人より、東京が過度な人口集中により経済効率の低下等につながっている可能性があるということを示唆されたと承知をしてございます。
 過度な東京一極集中につきましては、通勤環境も含め生活環境の悪化や首都直下地震などの災害のリスク管理等の課題を生じさせるとともに、地方における担い手不足を招くことなどから、その是正は喫緊の課題であるというふうに認識をしてございます。
 都市の集積と経済効率の関係につきましては、木内参考人が言及されたと思われます二〇〇六年のOECDのレポートにおきまして、巨大都市の集積の不経済を伴う可能性があるとし、一定限度、約七百万人までは大きいほど豊かなことを意味するが、その限度を超えると、大都市圏の規模と所得は負の相関関係になるというふうに指摘をされてございます。
 他方で、同じOECDのレポート、こちらは二〇一六年でございますけれども、日本の大都市圏は集積の経済について比較的良好な成績を上げていることが判明している、このことは主要な都市の中心部の成長によって更に生産性が向上する可能性を示唆している、日本には更なる集積によって成長する潜在力があると指摘されてございまして、やはり都市の置かれている状況により諸説があるものというふうに承知をしてございます。
 ただ、いずれにしましても、ただいま申し上げました後者、二〇一六年のOECDレポートにおきましても、東京が地震に対して脆弱であることを考慮すれば、過度の集中は、大災害による衝撃と経済的衝撃の双方を更に増大させるという懸念があるというふうに指摘をされてございまして、やはり過度な東京一極集中につきましては、通勤環境も含め生活環境の悪化や首都直下地震などの災害のリスク管理等の課題を生じさせることなどから、その是正は喫緊の課題であるというふうに認識をしてございます。

#58
○森本真治君 かつては、例えば本社機能の移転を促そうというような努力もされたりとか、やはり分散型の経済に持っていこうということも政府としてもやられていた等ありますし、まあやっぱりこの東京一極集中の問題というのは様々あって、例えばこの経済に与える影響も大きいのであれば、しっかりとまた引き続きその対策もやっていただきたいというふうに思います。
 ちょっと時間となりましたので、最後にまとめてお伺いしたかったのが、もうこれまとめて答弁いただきたいんですけれども、もうそれも通告どおり御答弁ください。
 中小企業の労働生産性が上がらない要因として、価格転嫁力が弱いことが挙げられる、価格転嫁力弱いことというのがあるのではないかということに対しての答弁と、今公正な価格形成を進める上で、下請Gメンですね、この取組は力を入れていらっしゃいます。これも先般の参考人の中で、ティア1などはかなり公正な取引が進んでいるけれども、ティア2、ティア3の方に行くとまだまだだというような、実際にこれは商工会議所の会頭さんが言われていましたが、その辺りの認識も併せてお伺いして、更なるこの取組の強化、課題と取組の強化ですね、公正な取引に向けて、そのことについてもまとめて御答弁いただきたいと思います。

#59
○政府参考人(奈須野太君) お答え申し上げます。
 二〇二〇年版中小企業白書では、一人当たり名目付加価値額、すなわち労働生産性の伸び率の要因を分析しております。これによりますと、中小企業の一人当たりの実質労働生産性の伸び率は大企業と遜色ない一方で、価格転嫁ができていないということで、結果的に労働生産性の伸び率が低迷しているというような分析結果になっております。このため、中小企業の労働生産性を高めるには価格転嫁が非常に重要な要素であるというふうに考えております。
 そこで、私どもとしては、取引の適正化を通じてきちんと価格を転嫁させるということが重要だと考えておりまして、様々な方法で情報収集を努めております。具体的には、下請Gメンで年間四千件のヒアリング、それから公取と連携して毎年十一万社の親事業者、六十万社の下請事業者に対する調査、それから全国四十八か所にある下請かけこみ寺での相談、こういったことを対処、対応しております。こうして収集した端緒の情報のうち、下請代金法違反のおそれの高い事案については中企庁と公取で連携して執行を行っておりまして、令和元年度に指導、勧告を行った件数は合計八千七百件ということでございます。
 それから、今御指摘ございました親事業者の直接的な取引先のみならず、ティア2、ティア3といった二次下請以下への働きかけも非常に重要なものでございます。これにつきましては、先ほどの下請の調査だけでなくて、サプライチェーン全体で共存共栄を図っていくという取組、雰囲気づくりが重要だと考えておりまして、取引環境の整備を企業の代表者のお名前で宣言してもらうパートナーシップ構築宣言について、六月二日の時点で千百五十二社宣言いただいておりまして、今後二千社の宣言を目指して、こういった環境の醸成、整備やっていきたいと考えております。

#60
○森本真治君 終わります。ありがとうございました。

#61
○高瀬弘美君 公明党の高瀬弘美です。
 先週に続いて、法案に関して質疑をさせていただきます。本日もよろしくお願い申し上げます。
 まず、サンドボックス制度についてお伺いいたします。
 規制のサンドボックス制度は、元々は三年間の時限措置でありましたが、そもそもなぜ三年間という時限措置にされたのでしょうか。また、今回の法改正によりましてサンドボックス制度を恒久化する理由も併せてお答えください。

#62
○政府参考人(新原浩朗君) お答えをいたします。
 まず、三年間という時限措置にした理由でございます。この制度が規定されてきた生産性向上特別措置法、これ、当時政府が掲げておりました生産性革命・集中投資期間という二〇一八年度から二〇二〇年度までの三年間、この間で集中的に革新的な事業活動の取組を促進するという観点で、このサンドボックスについても三年間というふうにさせていただいているところでございます。
 結果として見ますと、いろいろな部分があるわけでございますが、この制度によって二十件の実証計画の認定を行って、百三十九の事業者が実際に実証に参加したということで、家電のIoTに関する制度改正、電動キックボードに関する制度改正、不動産取引の電子化に関する法案が成立というふうなところが、等々の効果が出ているわけでございます。
 そして、二つ目の御質問で、今回の恒久化の理由でございます。現在もここで御審議いただいているように、コロナ禍の影響、あるいはデジタル化の世界的な潮流、あるいは地球温暖化問題への対応といったように、企業、産業をめぐる環境は常に変化をするという実態がございます。私ども、こういう制度を運用してみて、やっぱり規制制度というのは不断に見直しを求められるものであるという経験がありまして、なので、今般、産業競争力強化法に移管して恒久化させていただくという判断をしたものでございます。

#63
○高瀬弘美君 ありがとうございます。
 この規制のサンドボックス制度、今るる御説明ございましたとおり一定のニーズがあると思いますけれども、今御説明の中にもありました、デジタル分野等は変化のスピードが大変速いということもございまして、このサンドボックス制度の事前相談から実証を経て最終的な規制見直しになるまでの時間、この期間が非常に長いという声もございます。サンドボックス制度を恒久化するのであれば、この機会にこういった声にも真摯に耳を傾けて、事業者にとってより使いやすい制度として、より一層の活用を促していくべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。

#64
○大臣政務官(佐藤啓君) お答えいたします。
 規制のサンドボックス制度においては、法律上、事業所管大臣と規制の所管大臣の双方が実証計画の認定を行うこととされております。このため、計画の立案段階から、事業所管省庁と規制所管省庁が緊密にコミュニケーションを取っております。それがゆえに、実証結果を踏まえた規制改革が実際実現していると考えています。
 一方で、まさに先生から御指摘あったように、本制度を運用していくに当たっては、制度利用に関する事業者の利便性を確保することが大変重要であります。このため、内閣官房に一元的な窓口を設置しまして、事業者からの相談に対する助言等を行うとともに、関係省庁間の連絡調整等を行っているところであります。よりスピード感を持ってということであると思いますけれども、引き続きそういった事業者の皆様の声に耳を傾けて、使いやすい制度となるように取り組んでまいります。

#65
○高瀬弘美君 ありがとうございます。大変大事な点だと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
 今回の改正事項ではございませんが、この規制のサンドボックス制度と同様に、グレーゾーン解消制度というものございまして、これも新しいチャレンジをする事業者にとってはかなりニーズのある制度だと認識をしております。
 これまで違法か適法かはっきりしなかったグレーの取組につきまして、このグレーゾーン解消制度を活用することによって明確に、適法かあるいは違法の、黒か白かというのが分かるようになり、イノベーションにつながる例もある一方で、事前相談をしている段階において黒になるだろうと、違法になるだろうというふうに回答された場合に、どうせ黒になるのであればこの制度を活用せずに、そもそも使わずに断念するケースもあるというふうに聞いております。
 このようなケースにおきまして、単に、申請されたとしても、黒で終わりますよ、違法になりますよといって終わるのではなくて、その申請しようとされる方のニーズですとか必要性もよく踏まえて、問題意識を共有しながら規制改革につなげていく取組が必要ではないかと考えますが、いかがでしょうか。

#66
○大臣政務官(佐藤啓君) お答えいたします。
 グレーゾーン解消制度は、事業者が安心して新たな事業活動を行うことができるよう、現行の規制の適用範囲が不明確な場合に、具体的な事業計画に即してあらかじめ規制の適用の有無を確認できる制度でございます。
 まさに先生御指摘ありましたように、民間企業の発意に基づくこういう新たな事業活動を促進していくためには、やはり事業者の方々からのやっぱり相談にしっかり、また丁寧に対応していくことが大事だと認識しております。このため、事業者が規制所管省庁と直接やり取りを行うのではなくて、事業所管省庁が間に入って、事業者のニーズに対してどのようにしたら規制と整合的に事業が実施できるのか、そういったところをきめ細かくアドバイスを行っているところでございます。
 本制度は、これまでに様々な法令を対象として約百九十件の回答が行われておりまして、そういった先例も積み上がってきておりますので、今後新たな照会があった際にはこうした先例も活用しながら、事業者の皆さんのそういったニーズとか必要性とか、また事業者の方々の立場に立ってしっかりとそのニーズに応えられるように対応してまいりたいと思います。

#67
○高瀬弘美君 ありがとうございます。
 続きまして、今回の法改正の中でベンチャー企業の成長支援としまして、ディープテックへの民間金融機関からの融資に対して債務保証を行う制度を創設することになります。なぜディープテックのみが対象なのか、今回のこの債務保証の制度を創設する経緯と必要性をお伺いしたいと思います。

#68
○政府参考人(新原浩朗君) お答えいたします。
 ベンチャー企業は、一般に事業の見通しが不透明であることから、資金調達は株式発行、エクイティーによることが多いという状態にあります。他方で、最近の潮流として、自分で研究開発をする、あるいは生産を行う大型のベンチャー企業、いわゆる委員が言われたディープテックベンチャーというのが出てきておりまして、これ、事業化までの期間が長くて必要となる資金が大規模であること、そういう特徴があるわけでございます。そこで、その株式発行による資金調達に加えて、融資による資金調達のニーズが存在をいたします。
 一方で、金融機関側にとりますと、事業の見通しが不透明であるということ、それから担保となる資産も少ないということで、一部の事例を除き、一般には融資が行われてこなかったという実態がございます。
 こうした状況に鑑みまして、本案で新たに措置する債務保証制度によって、リスクの分散を図ることで金融機関によるベンチャー企業への融資が促進されることを期待しております。ベンチャー企業の資金調達の多様化、大型化の促進、あるいはベンチャー企業に対する融資の在り方についてのノウハウの蓄積、そういった政策効果を期待しております。

#69
○高瀬弘美君 ありがとうございます。
 先日、ベンチャー企業の経営者の方とお話をする機会がございました。コロナ禍で外国からの入国が今現在制限をされておりまして、様々な技能を持った人材についても新規に日本に入国ができない、そういう状況が続いております。
 私がお話しさせていただきましたのは、まさに今答弁でもございましたディープテックベンチャーの方でございましたけれども、ディープテックベンチャーの世界は、世界的に技術者の獲得競争になっておりまして、いい人材を見付けてはすぐにオファーを出してその人材に来てもらうと、このスピードが大事なんだというお話でございました。今、このコロナ禍ではございますが、ディープテックベンチャーの皆様も世界中のいい人材を見付けてオファーを出しているんですけれども、日本に入国できる見通しが立たないことから、もうこういう状態が一年以上今続いておりますので、せっかくオファーを出した人材であっても他国にその人材が流れているという状況をお伺いをいたしました。
 この今お話をしましたベンチャーに限らず、現在、このコロナ感染症の影響で各産業界から必要な外国人材が入国できないということに対して様々要望が経済産業省の方に来ていると認識をしておりますけれども、経済産業省としてはどのように取組をされていますでしょうか。

#70
○国務大臣(梶山弘志君) 世界各国で変異株が確認される中、日本は水際措置を強化をしているところであります。現在、原則として外国人の新規入国は認められておりません。一方で、高い公益性や緊急性があり、入国しなければ目的が達成できない場合には、個別の事情を踏まえて、十分な防疫措置を講じることを前提に、特段の事情があるものとして例外的に入国が認められることとなっております。
 その中で、経済産業省では、産業界の声を丁寧に聞きながら、入国ニーズを把握し、製品開発の責任者や生産ラインの立ち上げなどに必要な技術者など、高い公益性、緊急性が確認できる者について、厳格な防疫措置を前提に、関係省庁に例外的な入国を要請し、認めていただいているというのが現状であります。
 引き続き、産業界の声をしっかり聞きながら、必要な外国人材が入国できるように関係省庁に働きかけてまいりたいと考えております。

#71
○高瀬弘美君 ありがとうございます。
 必要な人材については例外的に入国を認めていただいているということで、政府参考人で構わないんですけれども、数字をお持ちでしたら、今この特段の事情の下に入国されている方はどれくらい人数いらっしゃるか、お答えいただけますか。

#72
○政府参考人(田村暁彦君) お答え申し上げます。
 企業の様々なニーズに基づきまして、経済産業省が窓口になって関係省庁に働きかけをいたしまして、結果として入国が認められております人数は、四月の一日から五月の十九日までの間でカウントいたしますと百四十五名となってございます。
 以上でございます。

#73
○高瀬弘美君 ありがとうございます。百四十五名の方が、四月一日から五月十九日にこの特段の事情の下に入国されていると。
 この取組は私、非常に大事なことだと思っておりまして、やっぱり必要不可欠な人材は、もちろん防疫措置をしっかりととりながら入国をしていくということ、これ非常に大事なことだと思います。もちろん、受け入れる側の日本企業におかれましても、そこはしっかりとコロナ感染症対策をされていらっしゃると思いますので、この特段の事情にしっかり配慮をするというのを引き続き行っていただきたいなと思います。
 去年の緊急事態宣言が終わったのが五月の二十五日であります。その約二か月後の七月二十九日には、タイとベトナムとの間で、これはビジネス上に必要な人材であるという条件の下で往来が条件付で再開をしております。
 今年は、大臣も御指摘されましたように、変異株という要素もございますし、オリンピック等もある中で、昨年のように二か月後ぐらいに入国ということは難しいかもしれませんが、ビジネスにおいてはやはり予見性というのが非常に大事でございますので、いつ頃、どのような分野の方が入国が可能となっていくのか、この見通しが見えた時点で是非早め早めに情報を提供していただきたいなというふうに思いますので、よろしくお願いを申し上げます。
 続きまして、法改正の中にあります債権譲渡における第三者対抗要件の特例について伺います。
 この特例は、具体的にどういった内容で、どのような効果が見込まれていますでしょうか、御説明願います。

#74
○政府参考人(中原裕彦君) 現行の民法におきましては、債権の譲渡は確定日付のある証書によって通知又は承諾がなされなければ債務者以外の第三者に対抗することはできないというふうにされてございます。
 今般の改正によりまして、債権の譲渡の通知等がこの法律に基づく新事業活動計画の認定を受けた事業者によって提供される情報システムを利用してされた場合には、確定日付のある証書によって通知等がされたものとみなす旨の特例を措置することとしてございます。債権の譲渡の通知等が本件の特例における情報システムを利用してされることによりまして、債権の譲渡の通知等に係る事務の効率化、迅速化、そして人為的なミスの事前防止などが期待されるというふうに思ってございます。
 政府全体としましては、いわゆる書面の電子化などデジタル化に向けた規制改革に取り組んでおります中で、本件の特例もそうした流れの一翼を担うものというふうに考えてございます。

#75
○高瀬弘美君 債権譲渡における第三者対抗要件の特例が認められるには、あらかじめ新事業活動計画認定を受けることや利用する情報システムにも一定の要件が課せられておりますが、このような手続を設ける趣旨というのは何でしょうか。また、改正案に規定されております情報システムとは具体的にどういうものか、御説明願います。

#76
○政府参考人(中原裕彦君) お答え申し上げます。
 御指摘のように、今回の特例につきましては、債権譲渡の通知等を行う際に利用する情報システムを提供する事業者に対して新事業活動計画の作成を求め、その認定に当たって、その情報システムが一定の要件を満たしていることを要することとしてございます。これは、これまで用いられた確定日付のある証書に代わるものとして、セキュリティーなどの観点から、その一定の対応を求めることが適当であるというふうに考えたからでございます。具体的には、情報システムに関しまして、債権譲渡通知等がされた日時と内容を容易に確認することができること、そして日時及び内容の記録の保存とその改変防止のための措置が講じられていることといったことが求められてございます。
 制度の適切な運用に向けまして、システム面での対策を万全なものとした上で、本利用の促進を図ってまいりたいというふうに考えてございます。

#77
○高瀬弘美君 ありがとうございます。これも、利用者の方にとっては利便性が向上する大事なものというふうに認識をしております。
 火曜日の参考人の質疑でも改めて確認をさせていただきましたが、今回の法改正は日本の産業競争力を強化するために必要な取組を後押しするものであるというふうに感じております。
 以上で私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

#78
○里見隆治君 公明党の里見隆治でございます。
 法案と、それに関連して水素社会の実現に向けた取組についてお伺いをいたします。
 産業競争力強化法改正によりグリーン社会への転換を促していくこと、評価をしております。法改正による税制措置、また金融支援とともに、財政支援として、令和二年度第三次補正予算により創設されました二兆円規模のグリーンイノベーション基金を活用して、更にこれは今後の需要に応じて基金を積み増ししていくことも重要だと思いますけれども、これにより水素社会の実現を加速すべきだと考えます。
 水素社会の実現には、水素供給コストの低減が必要であります。海外からの水素の大規模輸送、また国内再エネを活用した大規模な水素の製造の実証など加速すべきと考えますけれども、政府の取組状況についてお伺いいたします。

#79
○政府参考人(茂木正君) 水素社会実現していくためには、御指摘のとおり、水素の供給コストを引き下げていくというのが非常に重要だというふうに考えています。
 現在、グリーンイノベーション基金の活用を前提にいたしまして、大きく分けて二つのプロジェクトを進めているところであります。一つは、大規模の水素のサプライチェーンの構築ということであります。そしてもう一つは、再エネを由来にしました電力を活用した水の電気分解による水素の製造という、この大きな二つの研究開発・社会実装計画を策定いたしまして、こちらを産業構造審議会のグリーンイノベーションプロジェクト部会の下に設置されました分野別のワーキンググループの下で議論をいただきまして、今事業の公募を行っているところであります。
 まず、前者の大規模水素サプライチェーンの構築でございますが、こちらについては、大規模な水素の海上輸送、海上輸送の実証を支援しています。加えて、海外から水素を持ってくるわけですが、これを受け入れる基地、これはタンクですとか様々な受入れ基地、設備がございますが、こうしたものの大型化ですとか、こういった技術開発を進めることで、水素の供給コストを二〇三〇年に三十円、二〇五〇年には二十円、一立米当たり、以下にすることを目指しているところであります。
 それから、もう一つ申し上げました、再エネ由来の電力を活用した水電解による水素製造でございます。こちらは、国産の例えば再生可能エネルギーを活用いたしまして、水素を製造する水電解装置、これを大型化したりモジュール化することでコストダウンをしていこうという技術開発であります。設備コストを二〇三〇年までに今の六分の一ぐらいまで下げていくということを目標にしています。
 こうしたプロジェクトを進めながら、水素供給コストの低減に取り組んでまいります。

#80
○里見隆治君 ありがとうございます。
 こうした供給面のコスト削減、低減に向けてとともに、この水素の需要拡大という点についても確認をしておきたいと思います。
 四月六日の本委員会におきましても御紹介申し上げましたが、公明党に今、地球温暖化対策本部を立ち上げておりまして、その視察で山口代表を始めとして福島県浪江町の福島水素エネルギー研究フィールドを伺いまして、担当から種々御説明をいただきました。その中で御担当が強調されておりましたのが、この水素社会の実現の鍵は水素の需要拡大にあるということでございました。
 その典型例、代表例でございます燃料電池自動車の普及、これを今後しっかり進めていくためには、利用者が不便を感じないように、一層水素ステーションの拡大、整備拡大をしていくことが不可欠と考えます。この点についての政府のお取組、お伺いいたします。

#81
○政府参考人(茂木正君) 水素ステーションの整備でございます。まず、現状を申し上げますと、水素ステーションは、二〇二〇年度の末、三月末の段階でおよそ百六十か所、百六十二か所ですね、正確に申し上げますと、百六十二か所が現在稼働中あるいは稼働準備中ということになります。二〇二五年には三百二十か所の水素ステーションの設置を目標として現在支援をしているというところでございます。
 課題は、やはり水素ステーションの最初の設備投資コストをいかに下げるかということと、運用していく段における運営費をいかに下げていくかと、この二つが課題になってまいります。まず、整備費という観点でいきますと、現状まだかなり高いということもありますので、水素ステーションの整備、運営費用に対する補助を行っています。また、運営費用そのものを低減していくために、例えばステーションで使っているホースとかシール材とか、こういったものが長期、長寿命で使えるようにするという、こういった開発をすることで運営費を下げていくことができますので、こうした技術開発も進めてまいりたいと考えています。
 また、非常に重要な点でございますが、規制の合理化をすることでよりステーションの設置費用を引き下げていくということで、こうした取組を組み合わせて水素ステーションの普及を進めてきているところであります。
 先ほど申し上げたように、現在百六十、済みません、失礼いたしました、百六十六か所ですね、水素ステーションの整備が進んでおりますが、昨日公表されました成長戦略実行計画案においても、燃料電池自動車だけでなく、燃料電池バスやトラックの普及というのも見据えまして、二〇三〇年までには千基程度の水素ステーションの整備をすることを盛り込んだところであります。
 引き続き、燃料電池自動車の普及と併せまして、ステーションの整備を進めてまいりたいというふうに考えています。

#82
○里見隆治君 よろしくお願いいたします。
 これ、別の委員会、決算委員会で先週話題になったんですけど、環境省が実施を推進をされていた再生可能エネルギーの発電によって水素を製造して、それを再エネステーション、水素ステーションに導入しようという事業、これを行う自治体に補助をしたということがなかなかうまくいかなかったということで、先般、小泉大臣もこれについては反省をして、またゼロベースで検証をして、このように進めたいと。
 今後、この二兆円プラスアルファ、今後上乗せして、様々水素発電進めていかれると思いますけれども、よくよくこの事業については事前の検証をした上で進めていくべきということは念押しとして申し上げておきたいと思います。
 こうしたモビリティーの面での推進とともに、それ以外の分野、あらゆる取組をお進めいただきたいと思いますが、この水素社会実現に向けた梶山大臣の御決意、伺いたいと思います。

#83
○国務大臣(梶山弘志君) 今参考人からもありましたけれども、水素は発電、産業、運輸など幅広い分野の脱炭素化に資するため、カーボンニュートラルの実現に不可欠であると考えております。水素の社会実装には、水素の供給コストの低減と幅広い分野における需要創出を一体的に進めることが重要であります。どちらが先かというよりも、一体的に進めることだと思っております。
 供給コストの低減につきましては、国際水素サプライチェーンの実証や、輸送設備等の大型化に向けた技術開発や、陸揚げ設備の国際標準化、国内の再エネから水素を製造する水電解装置の大型化に向けた技術開発などに取り組んでまいります。
 需要創出につきましては、FCVの普及に加えて、発電分野において水素発電の実用化に向けた水素専焼技術の開発や、水素発電を再エネ、原子力と並ぶ非化石価値と位置付ける制度的な対応、そして、産業分野において石炭の代わりに水素を活用した水素還元製鉄技術の開発支援、運輸分野においては大型商用車向け水素充填技術の開発など、幅広いプレーヤーを巻き込みながら水素の社会実装に向けた取組を進めてまいりたいと考えております。
 こうした取組を始め、グリーンイノベーション基金や国際標準化、規制改革等、昨日発表された成長戦略実行計画やグリーン成長戦略の案でもお示ししているとおり、あらゆる政策手段を活用しながら、水素社会実現に向けた取組を加速をしてまいりたいと考えております。

#84
○里見隆治君 大臣、よろしくお願いいたします。
 あらかじめ経産省から御説明いただいた中では、今年度上半期で、今の水素関係二事業を始め十八のプロジェクトを開始できるのではないかということであります。
 これからまた八月にかけて、来年度の要求について今詰めておられると思いますけれども、こうした基金も、せっかく積んだわけですから、早期に着手できるものは早期に、また、これは中長期的に、計画的にということも必要であろうと思います。是非、早期に着手するべきもの、中長期で計画的に進めるもの、この基金をまずは二兆円、また、その後の上乗せも含めて計画的に進めていただきたいということをお願いしておきます。
 それでは、続きまして、中小企業の足腰強化、中小事業者とともにフリーランスとの関係も含めて御質問していきたいと思います。
 まず、今回の下請振興法の改正によりましてその対象となる取引類型を拡大するということでありますが、その意義、目的についてお伺いいたします。

#85
○政府参考人(飯田健太君) お答え申し上げます。
 昨今、働き方が非常に多様化していくという中で、一部の取引につきまして現在の下請振興法では対象となっていないという、こういう取引形態があるということが顕在化してきております。例えばなんですが、顧客から依頼されたサービスを実施するために、そのサービスを構成する一部の事業を別の事業者に委託するという場合、その取引が下請振興法の対象外というふうになるという事例もございます。例えばなんですが、スポーツジムの運営者がスタジオレッスンを行う場合に、そのレッスンの講師をフリーランスであるインストラクターに委託すると、こういった場合に、スポーツジムとインストラクターの間の取引というのは現在の下請振興法の対象外となっているということでございます。そこで、今般の改正によって、このような取引も下請振興法の対象とするということを考えております。
 これによりまして、新たな対象となる取引を行う事業者に対しましても、中小企業庁として、全国百二十名の下請Gメンによる取引実態の把握を強力に進めてまいりたいと思っておりますし、また、業所管大臣が発注書面の交付など望ましい取引の在り方などを示した振興基準に基づく指導、助言を行うことが可能となるということで、取引の適正化が一層進むというふうに考えてございます。

#86
○里見隆治君 今御答弁ありましたように、取引が多様化していると、また、取引の多様化とともに、それに伴って働き方も多様化しております。先ほど、高橋先生の御質問でもフリーランスについて触れていらっしゃいましたけれども、契約が多様化すれば働き方が多様化する、私は、今後フリーランスというものは非常に増大していくのではないかというふうに考えております。
 その意味で、フリーランスとの取引が下請関係法令の適用を受けるのか、また労働法令の適用が受けるのかという法令の適用関係について、これは昨年来、これは内閣官房を中心に中小企業庁、また公正取引委員会、厚生労働省、連名で三月に、フリーランスとして安心して働ける環境を整備するためのガイドライン、これを策定いただいたところであります。これは、その環境整備のための第一歩として評価をしているところでございます。
 この対象は下請振興法の取扱いだということでありますが、今後、発注事業者とフリーランスとの取引におけるトラブルを迅速に対応できるように、独禁法や、また下請代金法に基づく執行体制も強化充実をしていく必要があると考えます。これについては、中小企業庁と公取、それぞれの対応方針を伺いたいと思います。まず、中小企業庁の御対応からお願いいたします。

#87
○政府参考人(飯田健太君) お答え申し上げます。
 今御指摘ございましたフリーランスガイドラインでございますけれども、多様なことがいろいろ書いてあるわけでございますけれども、御指摘の下請代金法の関係では、発注書面の不交付あるいは報酬の支払遅延といった問題行為が明らかにされたところでございます。これによって、どのような行為が下請代金法違反になるかという認識がフリーランスあるいは発注者双方に広く共有されて、取引の適正化に向けた取組が進みやすくなるというふうに考えておりまして、まずは、このガイドラインの周知にしっかり努めてまいりたいと思います。
 それから、このガイドラインの一元的な相談窓口として、フリーランス・トラブル一一〇番を厚生労働省、公正取引委員会、中小企業庁において設置したところでございます。その結果、今後顕在してくる問題行為に対しましては、中小企業庁においては、下請代金法違反のおそれのある事案については立入検査を行いまして、違反が認められる場合には改善指導や公正取引委員会に対する措置請求を行うなど、公正取引委員会とも連携して下請代金法の執行に取り組んでまいりたいと思っております。
 また、下請代金法の執行体制の更なる強化についてでございますけれども、今後の違反の発生状況などを踏まえて、関係各方面の御理解も得ながら、必要な人員及び体制の確保、充実に努めてまいりたいと考えております。

#88
○政府参考人(田辺治君) お答えいたします。
 公正取引委員会におきましては、所管する独占禁止法や下請法に関する事業者からの相談、それから違反行為に係る情報提供に対しまして、こうした相談や情報提供を受け付ける窓口を公正取引委員会の本局、地方事務所等に設置して対応しているところでございます。
 フリーランスの方からの独占禁止法や下請法に関する相談、これにつきましては丁寧に対応したいと考えております。また、公正取引委員会に寄せられた違反行為に係る情報等に基づきまして、フリーランスと取引する事業者の行為が下請代金の減額など独占禁止法や下請法に違反すると認められる場合には、法律に基づきまして厳正に対処してまいりたいと考えております。
 さらに、フリーランス等取引におけるこれらの問題に迅速に対応できるように、独占禁止法及び下請法の執行に関わる職員につきまして、引き続き関係方面の御理解を得ながら、必要な人員、体制の確保、充実に努めてまいりたいというふうに考えております。

#89
○里見隆治君 先ほど御答弁で御説明がありました、このガイドラインを具体的に執行していくその相談窓口、フリーランス・トラブル一一〇番と伺いましたけれども、私は大変いい取組だと思います。
 なぜいいかというと、先ほどの御質疑でもあったんですが、結局、フリーランスというのは、事業者性、労働者性、非常に曖昧、グレーな部分が多いという中で、これは中小企業庁、公正取引委員会、厚生労働省が共同してこの相談窓口を運営されているということでありまして、そういった意味ではたらい回しはないわけであります。しっかりとここに一元的に取り扱っていただいて、ここに相談をすればどちらで御対応いただけるか、そこを明確にしていただき、どの法令を適用して対処できるのか、そこが窓口が一つになったというのは非常に大きな意味があるというふうに思います。
 ただ、今回のガイドラインというのは、結局、何か制度的に見直しをしたということではなくて、これは一つの整理をしましたと、分かりやすくしましたということでありまして、今後この相談窓口で様々な事例が更に蓄積をされていくと思います。こうした中で、その事例を踏まえて、それは押し付け合うことなく、この三省庁、委員会がしっかりと情報共有をして、制度的な対応ということも今後していただかなければならないと思います。
 その意味で、今後、下請代金法に関しても、対象となる発注企業の資本金要件、また取引類型の範囲を見直すなどといった下請代金法の改正に向けた具体的な検討ということもしていくべきだと考えます。
 この点、実は昨年七月に閣議決定をされました成長戦略実行計画でもこのようにうたわれております。資本金一千万以下の企業からの発注などフリーランスの保護を図る上で必要な課題について、中略いたしますけれども、立法対応の検討というふうにも掲げられております。
 公正取引委員会としてこの立法対応の検討、現在の検討状況についてお伺いしたいと思います。

#90
○政府参考人(田辺治君) お答えいたします。
 委員御指摘の昨年の成長戦略実行計画におきまして、フリーランスの環境整備として、実効性のあるガイドラインの策定とともに立法的対応の検討を行うということとされておりましたため、まずはガイドラインの策定に注力し、立法的対応についてはガイドラインの内容との整合性にも留意しつつ検討を進めてきたところでございます。
 本年三月に公表されたガイドラインの成案の内容も踏まえまして、立法的対応につきましては、今後、内閣官房等関係省庁と連携をいたしまして、フリーランスの保護のための立法的対応における必要な課題を把握するための実態調査を速やかに行うこととしておりまして、その結果も踏まえて更に検討を進めてまいりたいと考えております。

#91
○里見隆治君 私、もちろんガイドラインの策定で大変だったとは思いますけれども、実態調査ということであれば、これ、昨年七月の閣議決定を受けて実際はできたのではないかと思っておりますし、昨年のこのコロナの感染症発生以来、まさになかなか手が打てなかった分野、これは、中小企業ルートでもなく、また個別の事業者対策でもなく、まさにフリーランスの皆さんだった、まさにその一番弱い部分がこのコロナ禍で出たのではないかと思います。
 そうした意味では、本来課題とされていた、課題として分かっていたことでありますから、今から言っても遅いわけですけれども、しっかりまず実態を把握していただいて、しかも、このコロナ禍でのこの一年余りの中で、もう既に課題は見えてきているはずであります。臨時的に対処した支援、また指導等、これをいかに恒久化していくかと、そうしたことも今後の課題になっていると思います。
 実態調査をしていただけるということですから、それはそれでしっかり進めていただくとともに、もうこのコロナ禍でも見えてきた課題、これらを制度的にどう対処するのか。先ほど、御答弁では内閣官房を中心にとおっしゃっていましたけれども、これ、実行段階になれば、いつまでたっても内閣官房中心にとは言っていられないわけでありまして、これから各省庁、公正取引委員会、中企庁、そして厚生労働省、それぞれが責任を持って、何が自分たちでできるのかと、何といいましょうか、ポテンヒットというか、隙間が生じる場合はしっかり内閣官房が政府を挙げて取り組んでいただくと、そういうことが必要だと思います。
 先ほど、高橋委員のお話からフリーランスの振興策というお話がありましたが、私は、振興策とともにこのフリーランスの働き方の環境整備、そしてセーフティーネットの整備ということも重要だと思っております。四月の経済財政諮問会議ではそうした点も民間議員から御提案がありまして、実は先週、公明党としても、骨太の方針の策定に当たって提言をさせていただく中で、このフリーランスの働き方の環境整備、そしてセーフティーネットの構築ということも提言をさせていただきました。
 コロナを踏まえて、もちろん、デジタル化、グリーン化、こうしたことも大局的に重要でありますけれども、こうした経済を下支えしていく中小企業の皆さん、小規模事業者、そしてフリーランスも視野に入れてしっかりと下支えすべきと、そのことを申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。

#92
○委員長(有田芳生君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時十二分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会

#93
○委員長(有田芳生君) ただいまから経済産業委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、三浦靖さんが委員を辞任され、その補欠として宮島喜文さんが選任されました。
    ─────────────

#94
○委員長(有田芳生君) 休憩前に引き続き、産業競争力強化法等の一部を改正する等の法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。

#95
○石井章君 日本維新の会、石井章でございます。
 まず、実質無利子無担保融資の年末までの期限延長と、それによる財界あるいは中小企業者から期待をされている、そういった効果についてお伺いいたします。
 まず、梶山大臣のリーダーシップによりまして、何とか事業を継続できると安堵した中小企業・小規模事業者が多いと思われます。御存じのとおり、東京商工リサーチのデータによれば、二〇二〇年の倒産件数は七千七百七十三件と、持続化給付金や資金繰り支援策の効果もあってか、三十年ぶりに八千件を下回る水準となりました。しかし、今年に入ってもなかなかコロナは収束しないで、緊急事態宣言が繰り返される中で、もし政府系金融機関のこの実質無利子無担保融資が当初の予定どおり今年の前半で打ち切られていれば、資金繰りに行き詰まる企業が増え、倒産件数の増加に拍車を掛けていた可能性もあります。
 そこで、お伺いします。
 実質無利子無担保融資の年末への期限延長が今後倒産件数の抑制にどの程度寄与するのか、その効果についてお考えがあればお伺いします。

#96
○国務大臣(梶山弘志君) 政府系金融機関による実質無利子無担保融資につきましては、これまで上限額の引上げを行うなど手厚い資金繰り支援を行ってきましたが、今般、新型コロナウイルスの足下の感染状況や中小企業の皆様の資金繰りの状況を踏まえて、その申込期限を当面年末まで延長いたしました。また、こうした資金繰り支援に加えて、一時支援金や雇用調整助成金など、中小企業の皆さんが置かれている状況に応じて多層的な対策を講じているところであります。
 御指摘の無利子無担保融資のみの効果を判断することは難しいと感じますけれども、これらの各種支援策の効果もあって、二〇二〇年の倒産件数、先ほど委員からも御指摘ありましたように、三十年ぶりに八千件を下回った状況になっておりまして、二〇二一年四月は二〇一九年四月比で二六%減少するなど、コロナ前に比べて低水準になっております。
 ただ、やはり債務の過剰感というものも持っているというアンケートもありますので、引き続き多層的な支援策を講じて中小企業の継続に万全を期してまいりたいと思いますが、特にやっぱり資金繰り関係、さらに、その融資の中での条件変更等も柔軟にできるように金融機関に対して指導してまいりたいと思っております。

#97
○石井章君 ありがとうございます。
 確かに、梶山大臣の下で、前安倍政権のときの政策でありました、上限、あの当時は六千万だったのを梶山大臣の御指導で二千万上げてもらって、上乗せをしてもらって、その間であれば何度でもマックスまで利用できると。別枠も設定してありますので、今回の梶山大臣のリーダーシップのそのメッセージ性が全国の中小企業者に広まっているので、何とかこれで、もう一度借りて、上乗せして借りてもやっていけるという期待感も持っていると思います。
 次に、中小企業政策の今後の方向性についてお伺いいたします。
 昨年十一月六日、参議院の予算委員会で菅総理からは、小規模事業者の淘汰を目的にするのではなく、ポストコロナを見据えて、経営基盤を強化することで中堅企業への成長をして、海外で競争できるような企業を増やしていくことが重要だと思っていると、あわせて、地域の経済や雇用を支える小規模事業者が持続的に発展できるようにすることも重要だと思うという答弁がありました。今回の改正法案はまさに菅総理の答弁も具現したものであると考えております。
 そこで、中小企業から中堅企業に成長する企業を増やすことで、そして地域の経済や雇用を支える小規模事業者が持続的に発展させるという二つの政策目標を達成するために具体的にはどのような政策を講じていくのか、大臣にお伺いいたします。

#98
○国務大臣(梶山弘志君) 中小・小規模事業者は多種多様であるということをいつも申し上げております。業種、地域ごとに役割もあり、在り方も違うために、ポストコロナを見据えてそれぞれの役割に応じた支援を行っていくことが重要であると考えております。
 海外での競争を目指す中小企業の中堅企業への成長については、本法案において、資本金によらず、中小企業の定義よりも従業員基準を引き上げた新たな支援類型を創設し、支援を行ってまいります。
 具体的には、中小企業の成長を後押しする経営力向上計画など三つの計画認定制度を活用をいただくということですが、日本政策金融公庫による金融支援等を講じることにより、中小企業から中堅企業に成長する企業数を年間約三百から四百社以上に増加をさせることが目的となっておりまして、これによって地域の雇用、また新たな活力というものも出てくるものだと思っております。
 他方、地域課題の解決とビジネスの両立を図る中小・小規模事業者による事業の持続的発展も重要であります。小規模事業者に対しては、資金繰りにしっかりと対応していく、そしてまた、販売促進支援等で持続化補助金等も御利用いただくということも政策としてありますけれども、例えば、地域の事業者が移動式スーパーの事業を展開し、買物難民などの地域課題を解決しながら同時にビジネスとしても持続可能な仕組みを構築している例もあります。
 経済産業省としても、例えば自治体連携補助金を活用して国と地方自治体が連携することで、こうした意欲ある中小・小規模事業者、そして、地域課題の解決も含めた形で仕事が成り立つというようなケースというものをしっかりつくってまいりたいと思いますし、中小企業・小規模事業者のそれぞれの役割に応じてきめ細かく支援をしてまいりたいと思っております。

#99
○石井章君 まさしく、今、経済産業省の中小企業庁で公募していますけれども、再構築の補助金などはまさしくそのとおりでありまして、これは中小企業のみならず零細企業にまで多岐にわたっていると。三千万円以下の申込みに関しても真摯に受け止めながら、一度にそれを、仮にハードルまで条件が整わなくてももう一度チャンスを与えながらしっかり拾っていくという考えですので、これも大臣のリーダーシップのたまものであると評価いたします。
 今回の改正案では、株式会社であります中小企業における事業継承について、一部の株主への連絡が不通状態で進展しない場合に、経産大臣の認定を受けることによって所在不明株主の株式買取りに必要な期間を今の五年から一年に短縮するという特例を設けております。
 そもそも、会社法では、五年間連絡が取れず配当を受け取っていない場合に限って初めて所在不明株主となるわけでありますが、この期間を一年と短縮することは、もしかしたら株主の権利を侵害してしまうという問題点はないのか、また、認定の条件について具体的にはどのような場合が想定されているのか、そして、この制度創設によって期待される効果及び創設された後の一年間ではどの程度の認定件数を見越しているのかについてお伺いいたします。

#100
○副大臣(江島潔君) 御指摘の会社法の特例でございます。これは、相続による株式の分散等によりまして、株式名簿には記載があるけど連絡が取れない所在不明の株主が存在することによって事業継承の手続が速やかに進められないことがあるという課題に対応していくために、所在不明株主が有する株式の買取り等に要する期間を一定の要件の下で従来の五年から一年に短縮をするものでございます。
 本制度の適用に当たりましては、御指摘のとおり、この所在不明株主の権利に配慮する必要があるために、まず、経済産業大臣の認定というものが前提になります。次に、官報等による公告及び所在不明株主等への個別の催促を通常の会社法の手続よりも一回多い二回実施をすることにして、それから、あわせて、競売でなくて売却や買取りを行う場合には裁判所の許可を得るということをこの本法案において規定をしております。
 また、この経済産業大臣の認定でありますけれども、これは非上場の中小企業を対象として、会社の代表者の年齢とか健康状態等の理由で事業活動の継続に支障が出ていて、かつ一定の株主の所在が不明であることによりまして円滑な事業継承が困難となっていること、この二つの要件を課すということがこの提出法案において規定されているところです。したがいまして、この年齢等のより具体的な判断基準に関しましては、関係省庁とも協議しながら現在検討を進めているところでございます。
 本特例のこの認定件数の見通しの御質問ありましたけれども、現時点でお答えすることは、これは困難でございます。ただ、約三割のMアンドAの支援機関、これが、所在不明株主の存在がこのMアンドAの実施に影響があったという回答がございますので、このような調査がありますので、この本制度を活用することによって中小企業の円滑な事業継承を経産省として後押しをしたいと思います。

#101
○石井章君 確かに、年齢を特定するとか、それはなかなか難しいんで、個々の企業のケース・バイ・ケースもあると思うんで、柔軟性を持って対応していただければと思います。
 今回の改正案では、下請の中小企業振興法が対象とする取引類型について、一般的に経営基盤が脆弱であるフリーランスを含む個人事業者との取引を同法の振興対象に含めることができる。先ほど来、たくさんの議員さんから質問出ています。フリーランスが安心して働ける環境を整備することは、働き方改革を進める上においても極めて重要であります。
 そこで、同法の対象取引類型を拡大することにより、具体的にどのような効果が期待できるか。そしてまた、フリーランスの方々はそれぞれ独立して働かれているため、個々へのアプローチが難しい点があります。今般の改正内容でどういった意義が周知されるのかを御答弁願います。

#102
○副大臣(江島潔君) 昨今、働き方が多様化する中にありまして、一部の取引について現在のこの下請振興法では対象となっていない取引形態が顕在してきているという現状でございます。それから、先ほど何度も例に出ているんですけれども、スポーツジムの運営者がスタジオレッスンの講師をフリーランスであるインストラクターに委託をして自らのスタジオレッスンとして顧客に提供する場合、これが今までの対象外であったということであります。
 そこで、今回のこの改正によりまして、このようなサービスの構成要素を切り出して委託する取引、こういうものも下請振興法の対象とすることにいたしました。これによりまして、新たに対象となる取引を行う事業者に対しても、中小企業庁として、全国百二十名います下請Gメンによる取引実態の把握、これを強力に進めていくということが可能になります。
 また、業の所管大臣が発注書面の交付など望ましい取引の在り方等を示した振興基準というものに基づく指導や助言を行うことも今回の改正により可能になってまいります。これでこの取引適正化が一層進むというふうに考えております。
 また、御指摘のこのフリーランスの方々とのアプローチの難しさの点でありますけれども、これは、今回のこの取引の適正化、これを定着するために、改正内容に関しまして発注者側それから受注者側のフリーランス、双方に広く情報共有をしていくということが重要になってまいります。したがいまして、今回の改正を分かりやすくまとめたリーフレットも作成をしようと考えていますし、またオンライン講習会、これを開いていきます。ちなみに、令和二年度は約四千人がこのような講習会には参加しております。また、動画配信、これも昨年十二月に公開をいたしまして、約五か月間で延べ約六十九万回再生されております。このようなメディアも活用しながら、引き続き普及啓発を広く展開をしていきたいと思います。
 フリーランスに対しましては、まず全国四十八か所、下請かけこみ寺というものがございますので、こちらに、今年度から新たに取り組むオンライン相談、こういうものも通じて支援をしていきたいと思っています。先ほど申し上げました下請Gメン、全国百二十人による訪問調査等も併せて取り組んでまいりたいと思います。
 フリーランスの方々へのアプローチが難しいということは十分認識しておりますので、発注をする側に対しましても、下請振興法に基づくこの振興基準を踏まえた指導や助言、それから自主行動計画の策定、見直し、取組のフォローアップ、それからパートナーシップ構築宣言の推進、このような手段も用いながら適正な取組をしてまいりたいと思います。

#103
○石井章君 ありがとうございます。
 フリーランスの方々がなかなかアプローチ難しいと、確かにどこでどう調べていいか分からないし、どこに相談していいか分からないというようなこともあって、地域の商工会議所とか商工会とかですね、そうはいっても、それでも、そういった制度あること自体がなかなか分からないと思うので、隗より始めよ、まずそういったリーフレットを作ったり、政府の方でも、菅内閣でしっかりそういった人もフォローしていくと。特にコロナになって、みんなツイートとかいろんなものを駆使しながらいろんな情報は共有できるようになったので、今、江島副大臣言ったようなことをしっかり国民の皆さんに分かりやすいように進めていただければと思います。
 そこで、フリーランスをめぐっては、二〇二一年三月に、フリーランスとして安心して働ける環境を整備するためのガイドライン、先ほど言っていらっしゃったと思うんですけれども、このガイドラインでは、発注事業者とフリーランスの取引について、独禁法や下請代金の支払遅延等の防止、阻止する、そういった適用に係る考え方が整理されるとともに、これらの法令に基づく問題行為の明確化が図りました。しかし、フリーランスの事業環境を守るためには重要なルールが示されております。
 そこで、当該ガイドラインを踏まえて、経済産業省及び公正取引委員会として、今後のフリーランスに対してどのような組織や支援を講じていくのか、江島副大臣からある程度は聞きましたが、もう少し深掘りでお答えいただければと思います。

#104
○副大臣(江島潔君) まず、この本年三月に内閣官房と公正取引委員会と中小企業庁、厚生労働省の連名でこのようなフリーランスとしてのガイドラインというものを改めて策定と公表をしたところでございます。
 先ほど答弁したところと少し重なるところでありますけれども、経産省としましては、二〇二一年三月末でありますが、下請中小企業振興法に基づく振興基準、これも改正をしております。このガイドラインを踏まえた取引を行うということを規定をしております。また、業種別の下請ガイドラインの改定、それから業界団体が策定する自主行動計画への反映も、これも当省から要請をしております。
 重ねて申し上げますが、この百二十名の下請Gメンによる調査、それから下請かけこみ寺の相談対応を通じて、まずこの実態の把握も進めていこうと思います。それから、振興基準に照らして問題となる事例については、所管官庁に対しましての改善への指導、助言を要請をしていきたいと思います。それから、下請代金法に反する取引に関しては、これは公正取引委員会と連携をして厳正に対処していきたいと思います。
 このような指導、助言に加えまして、自主行動計画のフォローアップ、それから振興基準を踏まえたパートナーシップ構築宣言の促進、これも活用しまして、先ほど申し上げたとおりでありますが、フリーランスとの適正な取引というものを当省としては進めていきたいと思います。

#105
○石井章君 時間がそろそろなので、もう一度おさらいなんですけど、梶山大臣にお伺いします。
 今回、梶山大臣のリーダーシップで、実質無利子無担保の融資そのものが、三月で一回切れたものをもう一度つないで年末まで行ったと。これの対象が、例えば政府系金融機関というと、当然ながら日本政策金融公庫、それと商工中金、今のところ、まだ商工中金、政府系に入っていますので、それと、いわゆる、民間からお金は出していますけれども、セーフティーネットの四号、五号を利用した保証協会等を使う、この三つが三位一体となっていろんなフォローをしてきたと。
 で、民間の金融機関が貸しやすい状況をつくっていただいて、これは四号、五号でしっかり貸せるようになった。そうすると、年末までは、例えば民間の方を、セーフティーネットの方を十二月まで、そうすると、それを後追いしながら来年の三月ぐらいまでを日本政策金融公庫や商工中金はしっかりフォローしておかないと、必ずもう民間の方が早く蛇口閉めちゃうとなかなかお金が市場に回らないんで、その辺の大臣のお考えを最後にお伺いします。

#106
○国務大臣(梶山弘志君) 経済の状況を見ながら臨機応変に対応をしてまいりたいと思っております。

#107
○石井章君 明快な御答弁、ありがとうございました。これで終わりにします。

#108
○礒崎哲史君 国民民主党・新緑風会の礒崎哲史でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 まず、今日は、グリーン社会、グリーン化、デジタル化の観点で二点ほど御質問をさせていただきたいと思います。
 今後のこのグリーン化、デジタル化への対応というもの、これはもう国際的な産業競争力に大きな影響を及ぼすということは、これはもう共通認識だというふうに思います。このグローバルな競争環境が大きく変化していく中にあって、やはり国益とそれから国内の雇用と、これを維持していくためには、私、これ本会議の代表質問でも申し上げたんですが、国際的な協調領域、それと競争領域、これを巧みに組み合わせた戦略が重要だということ、そのために国際ルール作りが欠かせないんだということをこれまでいろいろなところで申し上げてきたところでございます。
 例えば、今EUの方で国境炭素税という、正式にはもう少し違う言い方になりますが、いわゆる国境炭素税という、言ってみればそれぞれの地域に有利なルール作りをしようという動きがあります。これ、もし欧米にとって有利なルール作りが確定してしまった場合には、日本から商品、製品を輸出するという日本のビジネスモデルが成立しないという危険性もあるというのが目下の足下の状況なんだというふうに思います。大変な危機感を私は感じております。
 そこで、日本の基幹産業の一つであります自動車産業、自動車関連のこの国際標準化、国際ルール作りに関して現在どのような標準化に取り組んでいるのか。やはり全体像をしっかりと把握した上で私進めるべきだというふうに思っておりますので、その全体像を明確にやはりしていくべきだというふうに思っておりますけれども、大臣の見解をいただきたいと思います。

#109
○国務大臣(梶山弘志君) 委員おっしゃるように、協調領域、ルール作り等、非常に重要なことであると思っております。
 世界の自動車産業、カーボンニュートラルや第四次産業革命といった大きな潮流の中で、電動化や自動運転化にかじを切り、競争環境が大きく変化をしてきております。委員御指摘のとおり、日本の自動車産業がこの競争を勝ち抜くためには、政府が積極的に必要なルール整備や国際標準化に係る取組を進めていくことが重要であります。
 例えば、グリーンの分野では、欧州において電動車の基幹部品である電池について、ライフサイクル全体でCO2の排出量の評価を行うルールが検討をされています。政府としては、欧州とも対話を重ねておりまして、また公平な評価方法となるよう日本の考え方を主張するなど、CO2排出削減と公平な競争環境整備の両立に向けて取り組んでまいりたいと思っております。
 また、デジタルの分野では、自動運転技術について、安全性に関する標準化に取り組んでいます。具体的には、高速道路における交通データを取得し、走行シナリオを作成して、世界に先駆けた自動運転車の安全性評価手法の確立に向けて、日本主導でドイツ、フランス、米国等の各国と協調して国際標準化を進めてまいりたいと思っております。
 引き続き、諸外国の動きも把握しつつ、関係業界とも連携しながら、日本の自動車産業が競争力維持強化できるルール整備や、国際標準化に官民を挙げて取り組んでまいりたいと思っております。担当大臣会合でも必ずやっぱりこれは課題になることでもありますし、それらをつなぐための事務方の打合せというのは日々行われておりまして、こういった課題について業界との対話の窓口をしっかりと持ちながら対応してまいりたいと思っております。

#110
○礒崎哲史君 今大臣から二点、具体的なものも含めて御説明いただきました。
 やはり欧州においては、特許ですとか技術に係る国際ルールをうまくやっぱり使っているというのが従来からあります。加えて、先ほど申し上げました国境炭素税などという、こういう関税あるいは経済連携と、こういうルールも巧みに本当に組み合わせているんだというふうに思います。技術的な部分は業界の努力ですとか現場の努力で何とか、そのルール作りも含めて取り組んでいくことできますが、税ですとか経済連携の部分は、これは業界の努力だけではどうにもなりません。これは政治がやらなければいけないところですので、本当に業界としっかりと連携を図りながら進めていくことが非常に重要なところだということだということです。
 引き続き、大変重要な部分ですので、もっと具体的な細部も含めて今後しっかりとまた大臣とは議論をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。
 もう一点、グリーン化に関してなんですけれども、五月二十日の一般質疑の中で、自動車産業におけるカーボンニュートラル政策という観点で大臣とやり取りをさせていただきました。その際に大臣から、野心的な目標を達成するためには、充電インフラ等について新たに政府がコミットする目標というものが必要になるというお考えが答弁として示されたわけでありますけれども、その後、先週末ぐらいから昨日、今日にかけまして、新聞報道あるいは報道に関係して、政府の今月にまとめる成長戦略の中で、急速充電器であったり水素ステーションについて、二〇三〇年までに具体的な目標値を掲げるという報道がされております。
 これ、先日の質疑の中でコミットメントしていただけますかということに対する大臣の明確なお答えなのかなというふうにも思っておりますけれども、これ、政府としてのコミットメントということで認識してよろしいのかどうか。また、加えて、今後の具体的な整備計画がいつぐらいに決まるのか、この点についてお伺いしたいと思います。

#111
○国務大臣(梶山弘志君) 委員の御指摘のとおり、先日の委員会において私から、充電インフラ等について新たな目標、コミットが必要となるとお答えしましたけれども、昨日公表しましたグリーン成長戦略の案において自動車の電動化に向けた目標をお示しをさせていただきました。
 具体的には、充電インフラにつきましては、遅くとも二〇三〇年までにガソリン車並みの利便性を実現できるように十五万基を設置すること、そのうち三万基についてはガソリンスタンドや高速道路を中心に急速充電器を整備すること、水素ステーションについては、燃料電池バスや燃料電池トラック等の普及を見据えて、人流、物流を考慮しながら最適な配置となるように一千基程度を整備することなどを示しております。
 これ、関連産業とも連携をしなければならないと思っております。例えば、石油の関連産業であるとかガスの関連産業であるとか、そういったところとも連携しながら、しっかりと具体化を進めてまいりたいと思っております。今後は、この目標の実現に向けて、具体的な整備の進め方も含めて、しっかりと検討してまいりたいと思っております。

#112
○礒崎哲史君 大臣、ありがとうございます。
 特に、この電気、充電器に対する具体的な数値目標は二〇一〇年以来ということですので、実は十年ぶりの具体的な数値目標ということになります。梶山大臣のリーダーシップの下にこうした数字が掲げられたというのは大変私はすばらしいことだというふうに思いますので、是非しっかりと取組進めていただきたいと思いますし、今御説明いただいた中で、しっかりと人流や物流ですとか、そうしたニーズを踏まえた対応されていくということ、これも大変心強い発言だというふうに思っています。
 前回も申し上げましたけれども、やはり、どういうところにどういうものを設置していくのかという、これが大変、私、肝になっているというふうに思っています。
 前回と少しかぶりますけれども、例えばEVの充電器に関しては、やはり従来とは違って、ガソリンをなぜガソリンスタンドで入れるかといえば、それはガソリンスタンドにしかガソリンがないからです。であれば、電気自動車の電気はどこにあるかといえば、至る所にあるわけですから、至る所で充電ができると。寝ている間に、食事している間に、あるいはショッピングをしている間にということですから、そういうところにこそ私は充電器というのはセット、設定していくべきだというふうに思いますし、従来のインフラ設備、こうした自動車関係のインフラ設備とはそもそもの設置の観点といいますか、着眼点がそもそもちょっと違うところからスタートするというところから私はやはりスタートするべきなんだろうなというふうに思います。
 引き続き、大臣のリーダーシップを発揮してこの点進めていただきたいというふうに思います。加えて、マンションなどの集合住宅、ここも大変注目すべきポイントだと思いますので、取り組んでいただきたいと思います。
 それでは、続きまして、規制のサンドボックス制度について御質問をさせていただきます。
 これ、本会議の代表質問におきまして、制度において今回どのような改善を加えましたかという問いに対しましては、特段のニーズがないことから、現行制度に特段の変更は加えずに恒久化することとしたとの御答弁がございました。
 一方で、これまで既にこの規制改革に関わる制度といたしましては、グレーゾーン解消制度、また新事業特例制度などがございまして、その導入以降、経産省さんとしては、具体的には二〇一五年度、それから一七年度、一九年度ということで委託事業によるアンケートを実施をいたしております。これらの調査結果に対する経産省さんの課題認識、ちなみに、その資料、皆さんのお手元にお配りをした一番の資料になりますが、それが、実際のアンケート結果の中からちょっとうちの事務所で抜粋した、課題の部分を抜粋した文言がそこに記載をさせていただいておりますけれども、こうしたアンケート結果に対します経産省としての課題認識、それからその調査結果に対します改善に向けた取組内容について具体的に伺いたいと思います。

#113
○国務大臣(梶山弘志君) 委員御指摘のとおり、グレーゾーン解消制度、新事業特例制度等を導入して以降、これらの制度に関するアンケート調査等を実施をしてきているところであります。
 アンケート結果の総括をしますと、例えば平成二十九年度の調査においては約九六%の方が対応に満足と回答しており、約八六%の方が回答内容に満足と回答しているなど、全体を通じて満足度は高いものと認識をしておりますけれども、一方で、認知度、スピード、規制官庁とのあつれき、業界とのあつれきなど、制度面ではなく運用面に関する課題が指摘をされているところであります。
 まず、認知度への対応については、これまでも自治体やベンチャー企業に対する説明会などを実施してきたところでありますが、今後は、実際に制度を利用いただいた事業者にも参加をいただく広報動画の作成や、説明会において規制改革推進会議や国家戦略特区制度などを含めた我が国の規制改革制度全体をよりきめ細かく紹介するなどの工夫をしてまいりたいと思っております。サンドボックスだけではなくて、規制改革で先取りしているものもあれば、国家戦略特区でやはり特区認定を受けたところがこういったものの対応をしている、幾つもの対応をしているところもあるということで、役割分担、うまい使い方というものもあろうかと思いますので、そういうことも含めて細かく説明をしてまいりたいと思います。
 また、規制官庁や業界とのあつれきが起こり得るとの指摘につきましては、事業所管省庁と規制所管省庁がより丁寧かつきめ細かなコミュニケーションを実施していくことが規制改革を実現する上での最良の策であり、結果としてスピーディーな対応にもつながっていくものと考えております。
 規制改革の実現に向けては、規制官庁と合意形成や業界との調整は避けて通れないものと認識をしておりますけれども、引き続き私としても意を砕いてまいりたいと思っておりますし、今、日々行われている規制改革の議論というものも、そういう官庁同士の話合い、また業界、民間の方々、当事者の方々までを入れた話合いというのも行っておりますので、よりスムーズにいくように考えてまいりたいと思っております。

#114
○礒崎哲史君 今の大臣おっしゃっていただいたとおり、制度そのものというよりも運用面でのやはり課題がクローズアップされたということだというふうに思います。
 今回のこのサンドボックス制度に加えて、先ほど申し上げましたグレーゾーンの話ですとか新規事業の特例制度、三つの制度がこれまで運用されてきたんですが、三つの制度共に同じような運用面の課題が指摘されているということ、これは一つ注目すべきポイントだというふうに思います。まずは制度そのものの認知がなかなか進まなかったという点であったり、あとは、この制度そのものを使ったんだけど、手続が煩雑であったり、あるいは認証されるまでに時間が掛かったりということが実は三つの制度とも指摘をされています。
 そうすると、ちょっと私、改めてそこで思ったのは、やはり規制改革を進めていくことの必要性というのは広く共有できることなのではないかというふうに思っていますけれども、進めていくときに、法改正をしたからこれで進むぞというのではなくて、実はその法という壁の向こう側に手続という、もう一回そういう壁が実は存在して、規制改革のときには法改正とセットで手続そのものをいかに簡素化していくかというのを取り組まないと、実は規制改革というのは進まないんじゃないかなというような印象を持っています。
 今回のコロナ禍で様々な支援策を打ったときにも、やはり使いたいという事業者の皆さんからは、使いづらいとか手続が複雑だと、煩雑だと、提出資料が多いということが再三やっぱり指摘されたんだと思います。何かをすると、必ず行政の手続というのはその指摘を受けているという、もしかすると根本的な問題なのかもしれませんが、ここにしっかりとやはりくさびを打って、その規制改革の運用という部分をしっかりと改善していくということを併せて大臣の中でもお進めをいただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいというふうに思います。
 それでは、次、残りの時間は全部、大企業と中小企業の取引の適正化という観点で質問させていただきたいと思います。
 まず、下請Gメンの業務ということで、これお手元の資料の二枚目になりますけれども、これは中小企業政策審議会の分科会の資料から持ってきているものになりますけれども、ヒアリングの調査イメージということで、こういう流れで実際にGメンのヒアリングが行われていることなんですけれども、この右下のところに下請Gメンによるヒアリング調査というものがございますが、ここで実際に調査が行われている企業というものはどういう基準で選ばれて、そして具体的にどのような調査を行っているのか、まずこの点について確認をさせていただきたいと思います。

#115
○政府参考人(飯田健太君) お答え申し上げます。
 下請Gメンでございますけれども、ヒアリングを行っておりますまず件数で申し上げますと、今の資料にも若干書いてございましたけれども、コロナウイルスの蔓延以前ですと、原則訪問をして年間四千件程度ということでございます。昨年度、令和二年度は、オンラインや電話も活用いたしまして約一万件程度実施をしている状況でございます。
 ただいまヒアリング対象企業の選定方法についてお尋ねがございましたけれども、これは事柄の性格上つまびらかにはなかなかできないわけなんですけれども、一般的なことで申し上げますと、やっぱり、一年間で業種の偏りなく下請取引に関係するほぼ全ての業種を調査するということでございますとか、あるいはその調査の時期につきましても平準化して偏りなく実施するでございますとか、あるいはヒアリング対象となっている中小企業の負担のことも勘案しながら選ぶですとか、そういったことを前提としておりまして、これに加えまして、例えば過去に不適切な取引を行っていた親事業者との取引実績があるのかとか、あるいは外部からの情報提供があって、これを踏まえた不適切な取引を強いられている可能性があるのかでございますとか、下請の中小企業側からの御要望ですとか、こういった場合には重点的にヒアリングを実施するというようなことになってございます。
 それから、活動状況についても併せて御説明申し上げたいと思います。
 活動状況でございますけれども、下請Gメンでございますけど、まず直接、下請事業者を訪問する、特にコロナ前はそうでございましたけど、まず秘密保持をお約束させていただいた上で、日頃は言い出すことのできない取引上の問題などをヒアリングして実施しております。
 調査内容でございますけれども、まず、「未来志向型の取引慣行に向けて」に掲げられている五つの重点課題がございます。これについて中心的に聞いております。親事業者による不適切な行為だけではなくて、国や業界の取引是正に向けた取組の進捗状況などの取引の実態把握に努めているわけでございますけれども、まず任意の調査であるということを御理解いただいた上で、社長あるいは営業や経理担当など取引の実情に詳しい責任者の方に対して、取引上のお困り事を中心に一、二時間程度ヒアリングを行っております。その際、下請Gメン二名でヒアリングを行っておりますし、基本的には口頭でのやり取りなんですけれども、御承諾が得られれば取引の証拠書類などを確認させていただくこともございます。
 下請Gメンが聞き取った情報は、下請代金法あるいは下請振興法等の法令に照らして整理をいたしまして、秘密厳守を、当然でございますけれども、情報提供者がその親事業者などに特定されないよう細心の注意を払った上で、関係省庁とも連携しつつ、下請代金法の執行あるいは国や業界が定めるルール作りなどに活用しております。

#116
○礒崎哲史君 ということで、かなり気を遣って調査をいただいているという御説明というふうに受け止めました。
 秘密保持という話もありまして、これも代表質問で大臣にお伺いしましたけれども、法的に正式に位置付ける意味合いということで大臣からありましたけれども、そのヒアリングに回答することの不安の声などと、こういうものに安心して協力いただけるように法的に位置付けるんだということ、こういうことも御答弁であったわけでありますが、実はこれとは全く逆の意見というのが実は現場からありまして、ちょっと私も職場の方から話を聞いたんですけれども、下請Gメンを利用することで、逆に不利益を被ることにならないかと。いや、おまえ、何か下請Gメン使ったなというようなことで、逆に不利益を被るんじゃないかという心配が先立ってしまって相談することをちゅうちょしてしまうんだという、実はこういう具体的な声を私いただいております。
 この中小事業に安心して下請Gメン活用してもらうためのやはり何らかの工夫というものが必要なのではないかなというふうに考えますけれども、この下請Gメンの具体的な今活動内容というものはお伺いしましたが、今言ったような不安の声に対してどのような認識を持たれているのか、この点について改めて伺いたいと思います。

#117
○政府参考人(飯田健太君) お答え申し上げます。
 御指摘いただきましたが、これまで下請Gメンによる下請中小企業の実態を把握を進める中で、一部の事業者の方から、機微な情報も含まれているためヒアリングに回答するということに不安を感じるという声を伺ったり、あるいは回答を断られることもあったというのは、これは承知してございます。
 このため、今回の法律案におきましては、下請Gメンが行う調査についてまず法律上の位置付けを明確化する措置を講じるということにいたしました。今委員御指摘のとおりでございます。これによって、まず下請中小企業の方々、安心して積極的に御協力いただけるものと期待をしております。
 それから、先ほど御説明申し上げましたとおり、制度の運用に当たりましても、秘密厳守は当然のことながら、その情報提供者がその親事業者に特定されないよう細心の注意を払った上で、下請代金法違反のおそれがある事案については代金法執行の端緒情報として活用する、あるいは振興基準に照らして不適切なものにつきましては、これ下請中小企業者の名称は開示せずに業所管官庁へ提供を行いまして、発注者側への指導、助言を通じたフィードバックを促すよう要請しているところでございますけれども、その際、業所管官庁に対しましては、下請中小企業者が特定されて報復措置などの影響を受けることのないよう十分留意し、提供情報にある行為をそのまま指導するのではなくて、まずは業所管省庁自らがしっかり事実確認を、確認した上で、不適切な取引が確認された場合には改善されるという形で指導を行うようお願いしているところでございます。
 こういった形で、下請中小企業の皆様から安心してお話をいただけるように、一層の理解促進に向けて、ホームページ、ポスターも通じた周知にも力を入れてまいりたいと考えております。

#118
○礒崎哲史君 やはり、今お話しいただいたようなことが、正直、あれだけの勢いでわっと今言われて、多分後で文章で見るとまた違う印象を受けるのかもしれませんが、しっかりと中小事業者に伝わることですね。ああ、これなら大丈夫だなと安心してもらうことがやはり大事だというふうに思いますので、その点しっかりと御留意をいただいて、いろいろな形での情報発信お願いしたいというふうに思います。
 それでは、次の質問に移りますが、その取引の中でも、型の適正取引に関してになりますが、これも本会議の代表質問の答弁になりますけれども、課題の改善に向けて、産業界に自主行動計画の見直しを要請するなど、より一層の取組を促してまいりますということで御答弁ございました。
 具体的にどのようなことを要請するのか、その点についてお伺いしたいと思います。

#119
○国務大臣(梶山弘志君) 型取引につきましては、不要な型の廃棄など改善に向けた取組が進んでいる一方で、受発注者間で廃棄基準が設けられていない、発注者側から廃棄指示が徹底されていない、適正な保管料負担ルールが徹底されていないなどの課題も残っていると認識をしております。こうした課題の解決に向けて、産業界の各団体に対して自主行動計画の改正に向けた検討を行うように要請をしているところであります。
 また、今年の秋を目途に、受発注を行う双方の代表者が参加する型取引の適正化推進協議会を開催をして、自主行動計画や改定状況や取組の改善状況について報告を求めたいと考えております。
 さらに、取引環境の整備を企業の代表者名で宣言するパートナーシップ構築宣言について、六月二日時点で千百五十二社に宣言をいただいておりますが、二千社の宣言を目指してまいります。これ、意外とこういうことというのは現場間で起こりがちなんですね。ですから、代表者にも認識をしていただく、パートナーシップ宣言をしたところは公表をする、もしそれに反していたらその認定を取り消すというようなことも含めて、しっかり対応していきたいと思っておりますし、こうした様々な対応を更に進めて、型取引の一層の適正化に向けて取り組んでまいりたいと思っております。

#120
○礒崎哲史君 今お話がございました。まさに大臣が後半の部分で言われたこと、そのとおりだと思いまして、午前中の質疑でもありましたけれども、火曜日の参考人質疑の中で、来られていた商工会議所の伊藤参考人から、ティア1の方までは大体良くなってきているんだけど、ティア2、ティア3がなかなか難しいんだよねということを言われていました。ある意味これはそうなるだろうなというふうに予想されていた方も多いんだというふうに思います。
 ですから、しっかりと、今、初動の部分ですので、私も、まずは歯車はうまくかみ合って動き出しているんだろうと、改善されてきているという認識ありますけれども、この先なんですよね。本当に中小の人たちの、事業者の方たちのところが改善されるかどうかというのはこの先が大変重要になっていきますので、この先をどのようにやはりフォローしていくかというのが大変重要になっていくんだというふうに思っています。
 その意味で、経産省としてこの自主行動計画に対する評価、進捗というものを、把握を今後どのように実施をしていくのか。例えばアンケート調査などでいけば、やはり定点観測が可能なように、しかも動き始めたところですので、毎年実施すべきだというふうに考えますけれども、いかがでしょうか。

#121
○政府参考人(飯田健太君) お答えいたします。
 今、自主行動計画に対する評価、進捗把握のために定点観測を行うべきだという御指摘ございました。私どもも誠にそれは重要だと思っておりまして、毎年度、自主行動計画を踏まえた型取引などに関する改善の進捗状況につきましては、中小企業庁から業界団体に対してフォローアップ調査を要請をしております。それを中小企業政策審議会取引問題小委員会において御審議をいただいております。
 具体的には、経済産業省所管の自主行動計画を策定している全ての業界団体に対しまして、例えば、今お話ありました型取引の適正化に関する項目でございますとか、そのほかにも支払条件など質問項目を出してございます。それから、各業界団体からの回答の集計、分析を行いまして、それを私どもとして事務局資料として取りまとめて、中小企業政策審議会において自主行動計画の進捗を、これ毎年度、評価、改善すべき点などを御議論いただいて、業界団体に対して自主行動計画の改善を要請しているところでございます。
 引き続き、こうした調査を継続いたしまして、定点観測、改善を行ってまいりたいと考えております。

#122
○礒崎哲史君 今御説明の中で、引き続き定点観測ということでお話ございました。
 お手元の資料の三番が、実は経産省の取引問題小委員会という中で取り扱われている資料でございまして、まさに毎年実はこうした確認がなされているということであります。
 少し細かいことではありますけれども、同じ質問を発注側、受注側にしたときの差がここで明確に見れると思いますので皆さんにも是非御注目をいただきたいんですけれども、やっぱり発注側はおおむねちゃんとできていますという割合がかなり多くなるんですが、そこから二〇ポイントから三〇ポイントぐらい、受注側としてはそういう状況になっていないということ、これが明確にここからも出てきていますので、やはりこれがどう変化していくかというのをしっかりと確認していただきたいですし、これがいつまでも変わらないというのは、やはり実態としては変わってきていないという認識を持った方がいいと思いますので、いかにこれを改善させていくかという観点で取組を進めていくことが大変重要かというふうに考えております。
 ちょっともう時間が迫ってまいりましたので、一つ飛ばして。
 今、型の話、ずっとさせていただいてきました。業界に対して促していくということで先ほど大臣からもお話をいただいたわけでありますが、この業界への働きかけと加えて、政府として具体的にこういうことに取り組んでいくという、政府としての具体的な取組内容等々ございましたらお伺いしたいと思いますけれども、いかがでしょうか。

#123
○政府参考人(飯田健太君) お答え申し上げます。
 型取引のことでよろしゅうございますか。型取引でございますが、今御指摘ありましたけれども、二〇一九年十二月に型取引の適正化推進協議会において取りまとめていただきました適正な取引ルールあるいは契約書のひな形などをまず定着させていきたいというふうに考えております。そのため、先ほども申し上げさせていただきましたけれども、まず、産業界の各団体で御策定いただいています自主行動計画について、保管料負担ルールの徹底などの課題を踏まえて更なる見直しを行っていただくとともに、取組内容の自主的な改善も要請してまいりたいと思っております。
 その進捗につきましては、これも御説明申し上げましたが、自主行動計画のフォローアップ、あるいは型取引の適正化推進協議会での報告、さらには大規模なアンケート調査の実施、こういったものを通じまして引き続き実態把握を行いまして、改善が必要な事項について更なる取組の要請を行ってまいりたいと思います。
 加えまして、先ほどから出ております全国百二十名の下請Gメンによる取引実態の把握、これを更に強力に進めてまいりたいと思いますし、下請振興法の振興基準に照らして問題となる事例につきましては業所管大臣による指導、助言につなげていく、また、下請代金法に反する取引につきましては公正取引委員会と連携して厳正に対処をすると、こういった複合的な取組を通じまして、更なる型取引の適正化に取り組んでまいりたいと思っております。

#124
○礒崎哲史君 もう時間が来ましたので、質問ここまでにしたいというふうに思いますが、今日は型の取引の部分重点的に行いましたが、型以外にも、例えば資材ですとか原材料ですとか、こういう部分もやはり同じような取引の状況にあろうかというふうに思いますので、こういう部分も併せてしっかりと取組進めていっていただきたいと思いますし、引き続き私も注視をしていきたいというふうに思ってございます。
 以上で質問を終わります。ありがとうございました。

#125
○岩渕友君 日本共産党の岩渕友です。
 本法案は、グリーン社会への転換のために税制措置などを講じるというふうにしています。
 本法案にある非化石エネルギー源に含まれる電源とは何かということをまず最初に確認をしたいと思います。

#126
○政府参考人(新原浩朗君) お答えをいたします。
 今回の改正法案に規定する非化石エネルギー源の電源とは、太陽光発電、風力発電、水力発電、地熱発電、原子力発電といった化石燃料以外のエネルギー源を用いた電源を指すものでございます。
 ちなみに、税制の適用要件はこれよりちょっと狭くなっております。

#127
○岩渕友君 今答弁いただいたように、つまりは非化石エネルギー源に原子力発電も含まれているということです。
 政府は、二〇五〇年カーボンニュートラルの実現に向けて、再エネの導入と同時に原子力を始めあらゆる選択肢を追求するんだというふうにしています。原子力は、第五次エネルギー基本計画では実用段階にある脱炭素化の選択肢の一つだと、こういうふうに位置付けられています。そうなんですけれども、去年の十二月に決定をされた二〇五〇年のカーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略では、確立した脱炭素技術であるというふうになっているんですね。
 これ、原子力が確立した脱炭素技術と位置付けられたのはいつからなのか、そして、この実用段階にある脱炭素化の選択肢の一つということと確立した脱炭素技術とでは、これ違うと思うんですけれども、この確立した脱炭素技術というのはどういうことなのかを大臣、教えてください。

#128
○国務大臣(梶山弘志君) 御指摘の、原子力が再エネとともに確立した脱炭素技術であるという表現は、昨年十一月の総合資源エネルギー調査会の資料において初めて提示をしたものであります。現行のエネルギー基本計画でも、原子力は実用段階にある脱炭素化の選択肢として位置付けられております。
 二〇五〇年カーボンニュートラルを目指し、電力部門の脱炭素化を進めていく必要がある中で、既に商用化され、技術的に確立した原子力や再エネといった脱炭素電源の選択肢と、次世代技術やサプライチェーン構築が必要となるCCSや、カーボンリサイクルと組み合わせた火力発電や水素発電などの脱炭素電源の選択肢とは位置付けが異なることを示すために用いたものであります。審議会の委員からは、この考え方について異論はなかったと報告を受けております。
 エネルギー基本計画の見直しに向け、各エネルギー源の特性を含めたエネルギー政策全体についても集中的に議論を深めて結論を出してまいりたいと考えております。

#129
○岩渕友君 そうなってくると、この確立した脱炭素技術というのは、これまでの実用段階にある選択肢の一つというのとは違って、ちょっと一段格が上がるというか、そういう意味にもなるんでしょうか。

#130
○国務大臣(梶山弘志君) 今御説明した言葉のとおりでありまして、既に商用化されて技術的に確立した原子力や再エネといった脱炭素電源の選択肢と、次世代技術やサプライチェーン構築が必要となるCCSや、カーボンリサイクルと組み合わせた火力発電や水素発電などの脱炭素電源の選択肢とは位置付けが異なるということで、まだ確定していないというか、技術的に確立していないものとしているものという区別であります。

#131
○岩渕友君 技術的に確立していないものとは違って、既に商用化されているしということなんですけれども、エネ基に書き込まれているのは幾つかの選択肢の中の一つということだと思うんですよね。
 これ、確立した技術というと、私はやっぱり位置付けが上がったというふうな印象を受けるわけなんですよ。確立した脱炭素技術と言うんだけれども、あの東京電力福島第一原発事故を見れば、緊急事態宣言は今も発令をされたままですし、廃炉の見通しも立っていないし、何よりも、今も帰ることができない、ふるさとに戻ることができない方たちが、もう何万という方たちがいらっしゃるわけですよね。あれだけの事故が起きたと、そして甚大な環境汚染も引き起こしている中で深刻な被害も続いています。これで原発が確立した技術などとはやっぱり到底言えないというふうに思うんですね。
 大臣は、四月の二十七日に福井県知事と行った会談の中で、将来にわたって原子力を持続的に活用していくんだと、こういった発言をされています。これは原発を使い続ける宣言というふうにしか聞こえないんですよね。
 これでは、エネルギー基本計画にあるように、原発依存度を可能な限り低減すると、こういうふうに言っても、原発依存度を低減しようがないということだと思うんです。だから、原子力を持続的に活用する、一方では原発依存度を可能な限り低減すると、これ矛盾しているということになるんじゃないでしょうか。

#132
○国務大臣(梶山弘志君) カーボンニュートラルは簡単なことではなく、日本の総力を挙げて取組が必要であると考えております。そのため、再生可能エネルギーはもちろん、安全性が確認された原子力を含め、使えるものは最大限活用して、水素、アンモニアなど新たな選択肢も追求するというのが政府の基本的な考えであり、将来にわたって原子力を持続的に活用していくということはこうした趣旨で申し上げたものであります。
 このため、必要な限りにおいて原子力を活用していくが、一方でカーボンニュートラルの実現へ徹底した省エネ、再エネの最大限導入等も進めてまいります。したがって、こうした取組と可能な限り原発依存度を低減するとの方針は必ずしも矛盾するものではないと思っております。再生可能エネルギーの比率が上がる、そして原発の比率は下がるということもあるわけでありまして、そういったことも含めた意味であります。

#133
○岩渕友君 やっぱり、どう考えても矛盾しているなというふうに思うんですね。
 それで、自民党の関係会議からも、政府にこの間相次いで提言や要望が出されています。その中には、次期のエネルギー基本計画に原発の新増設、リプレース、これを明記するように求める要望もあります。まさか、カーボンニュートラルだと、脱炭素だということを理由にして、この原発の新増設、リプレースを次のエネ基に書き込むことはないか、これを確認したいと思います。

#134
○国務大臣(梶山弘志君) 原子力につきましては、まずは国民の信頼回復に努めて既存の原発の再稼働を進めることが重要であり、現時点では新増設、リプレースは想定していないというのが政府の考え方であり、これに変わりはございません。
 その上で、タブーなしでしっかりと議論するという考えの下で、審議会において原発の新増設、リプレースも含め御議論をいただいているところ、また、党においても、自民党においてもそういった議論も行って提言をしているということでありますけれども、この議論は駄目だということではなくて、それぞれの考え方しっかり披瀝をしていただいて、そしてその上で総合的に考えていくということになると思います。
 引き続き、エネルギー基本計画の見直しに向けて、様々な御意見に耳を傾けながら議論を深めて結論を出してまいりたいと考えております。

#135
○岩渕友君 現時点では想定をしていないと言うんだけれども、一方では総合的に考えていくというふうな今答弁ありました。結局は書き込むということを否定はしていないということになりますよね。
 これ、原発事故による被害の実態は先ほど述べたとおりです。原発ゼロを願う国民世論も、あの福島の原発事故の後、広がってきています。先ほど大臣が、国民の信頼回復という話もありましたけれども、消費者代表とか各団体からも、少なくても国民の信頼が回復していない下でそうした議論は時期尚早じゃないかと、こうした意見も出されているわけなんですよね。
 一方で、大臣は、この四月の二十七日の福井県知事との会談の中で、原子力を含む脱炭素電源を最大限活用していくと、現在六%の比率をエネ基に定める二割程度まで高めていくことは必要不可欠だと、こういうふうに強調されたというふうに報じられています。
 これ、二割程度まで高めるということは何基原発稼働させることになるのか、そして、そうなれば今ある原発の運転延長が前提になるのではないでしょうか。

#136
○国務大臣(梶山弘志君) 原子力発電所ごとの出力規模や実際の設備利用率も異なるために確定的なことは示すことはできませんけれども、現行のエネルギーミックスにおける原子力比率二〇%から二二%を達成するためには、例えば一定の仮定の下に計算すれば三十基程度は必要という計算になります。

#137
○岩渕友君 今ある原発の運転延長も前提になるんじゃないでしょうか。大臣、いかがでしょうか。

#138
○政府参考人(松山泰浩君) お答え申し上げます。
 現在のエネルギーミックスの中では二〇から二二%という数字をお示しして、今大臣から御答弁ございましたけれども、大体三十基程度というお話になってまいります。
 これもう仮定の話なので何とも申し上げることはできませんけれども、現行の原子炉等規制法に基づきましては、四十年という運転期間を設けた上で、事業者から運転期間の延長の申請があった場合に限り、通常の審査に加えまして、劣化の程度ですとか保全計画の妥当性等を厳正に確認するなど追加的な審査を行った上で、これを認めるかどうかという判断をすることになってございます。
 もちろん、三〇年におけるミックスを実現するためには、一定規模のこの延長運転ということも必要になってくるかということもあるわけでございますけれども、あくまでも安全第一で、規制委員会の審査の下で認められたものについて運転の延長が認められるものになるというふうに認識してございます。

#139
○岩渕友君 一定程度の運転延長が必要になってくるというお話でした。
 原発事故の後、原発の運転期間は原則四十年というふうにされてきました。国会の答弁でも、運転延長は極めて例外的なケースだというふうにされていたわけですけれども、高浜原発の一、二号機、美浜原発の三号機、そして東海第二原発の運転延長が認可をされて、高浜原発と美浜原発の再稼働に福井県知事が同意をするということになっています。これ、一回限り、六十年を超えない延長が可能だというふうにされているわけですけれども、財界は、米国では八十年まで延長申請したという例も挙げながら、六十年以上に延長する検討も求めています。
 資料の一を御覧ください。
 建設中を含む三十六基の原子力発電所が六十年運転するというふうに仮定をしても、自然体では、二〇四〇年以降、設備容量は大幅に減少する見通しというふうになっています。二〇五〇年の時点で、四十年運転のシナリオでは三基、六十年運転のシナリオでは二十三基が稼働ということになっているわけなんですよね。
 このことを受けて、ちょっと大臣、改めてもう一回聞きますけれども、結局、こうした状況の下で原発の運転延長をすることになるんじゃないか、新増設、リプレースをすることになるんじゃないでしょうか。

#140
○国務大臣(梶山弘志君) 二〇三〇年のエネルギーミックスの実現に向けては、既存の原子力発電所を再稼働し、設備利用率を向上させることに加えて、一部の炉については四十年超運転の原子力発電所の再稼働を進めることが不可欠であると考えております。もちろん、それぞれの原子力発電所について四十年超運転を進めるかどうかは、エネルギー政策の動向や自社の将来の電源構成の見通しなどを踏まえて各事業者が判断をするものであります。
 その上で、原子炉等規制法に基づいて、事業者からの運転延長の申請があった場合に限り、通常の審査に加えて、劣化の程度や保全計画の妥当性を厳正に確認するなど追加的な審査を行うと承知をしております。こうした審査を通じて、運転延長の認可を受けた原子力発電所については、原子力規制委員会の厳格な判断を尊重した上で、地元の理解を得ながら再稼働を進めていくというのが従来からの政府の方針であります。
 その上で、次期エネルギー基本計画における原子力の扱いについては、様々な御意見に耳を傾けながら、議論を深めて結論を出してまいりたいと思います。リプレースと新増設については、現時点ではそのような考えはないということであります。

#141
○岩渕友君 脱炭素を口実にして、老朽原発を稼働して原発を推進するということは許されないです。
 資料の二も御覧ください。
 再生可能エネルギー、コスト高いというわけですけれども、原子力や石炭火力のコストが高いというのが今世界の常識になりつつあります。これとは別に、米国政府の発表でも、洋上風力、バイオマスに続いてコストが高いのが原子力であって、その次が石炭火力ということになっています。国際エネルギー機関のデータによれば、再エネ、省エネの方が同じ投資額で化石燃料や原発よりも雇用創出数大きくなっています。
 これ、再エネと省エネを徹底的に増やすべきです。革新的な技術がなくても、今ある技術を普及することで、原発を使わずに二〇三〇年にカーボンニュートラルの大部分ができるんだといった研究もあります。例えば、太陽光では屋根置きとか、あとソーラーシェアリングを増やすというものなんですけれども、こうした既存の技術の徹底活用を検討するべきではないでしょうか。

#142
○政府参考人(茂木正君) お答えいたします。
 我が国の太陽光発電の設備導入量、これは二〇一二年のFIT制度の導入以降、足下では世界第三位の水準でありますし、面積当たりでも主要国最大まで導入が進んでいます。今御指摘ございました、例えば太陽光ですと屋根への設置ですとか、それから営農型の太陽光発電、こういったものも進んできておりまして、こうしたものも含めて再エネの更なる導入拡大というのを進めていきたいと考えています。
 これを導入拡大していくためには、やはり自然環境や地域との共生が図られた適地の確保、こういったものが重要でございますし、住宅の太陽光発電の設置拡大に資するような、例えばZEBやZEHといったもの、それからPPAという事業の普及の促進、それから農業政策とも整合したこれ土地利用制度の見直しと、こうしたことに取り組んでいく必要があるというふうに考えています。
 経産省としても、関係省庁としっかり連携をして、こうした政策措置の強化を進めてまいりたいというふうに考えています。

#143
○岩渕友君 今のような検討状況だということを踏まえて、さらに、例えばですけれども、太陽光発電のパネルの設置、屋根置きの設置と、その設置のための助成制度なんかをセットで組み合わせて行えば、再エネの導入も増えるし、同時に、大規模なものではないので、町工場であるとか地域の工務店といったいわゆる中小・小規模事業者の皆さんの仕事とか雇用を確保するということにもつながるんじゃないかと思うんですけど、大臣、いかがでしょうか。

#144
○国務大臣(梶山弘志君) 再エネは、エネルギー安全保障にも寄与できる重要な脱炭素の国産エネルギー源であると考えております。二〇五〇年カーボンニュートラルや二〇三〇年の野心的な削減目標に向けて最大限導入していくことが基本方針であります。
 委員御指摘のとおり、再エネ導入に当たっては地域の中小工務店等が活用される事例も多く、地域の中小企業に新しい仕事を生み出し、地域経済の活性化に資するものと認識をしております。また、地域における再エネの地産地消は、レジリエンスの向上にも資することから重要であります。このため、地域活性化等に資する先進的な再生可能エネルギー事業や普及啓発活動等に対しても、昨年度から経済産業大臣賞の授与を開始をしたところであります。こうした取組やFIT制度による導入支援等を通じて、地域に資する再エネ導入を促してまいりたいと思っております。
 再エネ一〇〇%でもいけるという人たちがおいでになりますけれども、お話はいろいろ聞いております。聞いておりますけれども、現時点の技術ではなかなかやっぱり難しいというのが現実だと思っておりまして、技術開発の前提でそういったものができるか、あとはどれだけのその太陽光パネルが設置をできるのかというところで、日本ではもうかなりの分野で、部分で設置をしているところでありますけれども、今後どう設置するかということについては、今回のこの国会で通った改正の温対法などの中でポジティブゾーニングという、その地域からのそういう指定というものも非常に大きな役割を果たすものだと思っております。

#145
○岩渕友君 新しく経団連の会長になった十倉氏が、カーボンニュートラルで新しい技術確立するためには五年から十年掛かると言っているんですね。なので、既存の技術、大いに活用をさせて、やっぱり再エネや省エネを中心のエネルギー政策へと転換するべきだということを述べて、質問を終わります。

#146
○ながえ孝子君 碧水会のながえ孝子です。
 先日の参考人質疑で、参考人の方々から、人への投資、リカレント教育の重要性というのが指摘されました。やはり開発とかイノベーションにおいては人が財産といいましょうか、資源で、それに磨きを掛ける投資が重要ですし、これ労働移動の問題でも大切です。
 今、欧米の国々では、コロナで失業した働き手を人手を必要とする分野、あるいは成長分野に移動させるように職業訓練に力を入れています。例えばスウェーデンでは、危機を通じて強くなろうを合い言葉に、デジタル分野へ移動を促すよう、産業界と労働組合と政府が連携して再教育メニューを開発して投資を進めています。
 日本政府も、先日、成長分野に人材を振り向けるために再教育に力を入れようと訓練制度の拡充を発表しました。この人への投資を進めていくことは大変いいことだと評価しつつ、一層の拡充を願って今日は質問させていただきます。
 まず、今回、三つの柱、公共職業訓練、教育訓練給付制度、そして求職者支援訓練、これを拡充して三十万人規模の支援を計画しているということなんですが、まず現状を確認させてください。
 日本の働き手の再教育、職業訓練などへの公的支出ですね、それも失業対策のような消極的なものではなくて積極的なその再教育、これに掛けるお金ですよね、国際比較するとどのぐらいの位置にいるんでしょうか。

#147
○政府参考人(富田望君) お答え申し上げます。
 委員御指摘の国際比較ということでございますけれども、よく使いますのが、GDPに占める労働市場施策への公的支出の割合というのがありまして、これいいますと、我が国においては職業訓練に対する支出が対GDP比で〇・〇一というふうなことでございまして、例えばドイツとかですと〇・二〇、フランスだと〇・三七ということですから、そういうところに比べますと少し少ないという状況ではないかと思っております。

#148
○ながえ孝子君 少し低いというか、大分低いんではないかと思っています。GDP比〇・〇一%ですね、OECD加盟国の平均値の一割に満たないという状況で、大変残念です。
 考えてみたら、日本は終身雇用制の中でやっぱり企業任せでOJTですね、職業訓練やってきましたけど、企業の社員教育というのは、やっぱり個人の能力開発よりも、その組織の中でどう動くかとか業務のノウハウについてが主軸になってくるので、その結果、いざITだと言われたら、あっ、人育てていなかった、イノベーションだと言われても、いや、アイデアどうやって、誰も考えないのなんという状態になっているんですよね。ですから、今言われている生産性を高めるため、言い換えれば働き手一人一人の能力をより発揮してもらうためには、働く個人に目を向けた訓練とか能力開発、これを国がやっぱりサポートしていかなければならないんではないかと思います。世界の国々はもうその方向で走り始めています。
 一つ一つ今日はちょっと押さえていきたいんですが、今回の施策で公共職業訓練、これ対象者の拡充というのを打ち出しておりますが、是非e―ラーニングに力を入れていただけないかと思っています。
 これは私の地元の愛媛県からの要望としてもお預かりをしているんですが、現在e―ラーニングを受けられるのは、障害を負った方とかあるいは育児や介護で外出しにくい方など、特別の事情のある人に限られています。しかも、講座といいましょうか、コースの二割は通所、実際出向かないといけないんですね。そして定員は十五人です。ほぼ受けられない状況なんですね。
 それで、愛媛県では独自に完全オンラインの訓練で、三百人規模でe―ラーニング授業を実施しております。その費用はコロナの対策費から捻出しているんですけれども、希望者が多いので、是非拡充してやっていきたいので国の支援をお願いしたいという要望を預かっているんですけれども、そもそもこの公共職業訓練のe―ラーニング、これから充実してやっていこうという計画はありますか。

#149
○政府参考人(富田望君) お答え申し上げます。
 厚生労働省では平成三十年度より、育児等により外出が制限されている方など常時通学が困難な方に対しまして、情報通信機器を活用した在宅によるe―ラーニングコースの職業訓練を希望する都道府県に委託して実施しているところでございます。
 委員御指摘の愛媛県でございますけれども、令和二年度におきましても愛媛県から希望があったところですけれども、愛媛県の方でちょっと受講者が集まらないということで中止になったと。ただ、令和三年度も希望があって、九月に開講予定と聞いております。
 このe―ラーニングコースについてでございますが、委員から縛りがちょっと厳しいみたいな御指摘もありましたが、重要なのは、訓練効果を上げるということがやはり必要だと考えておりまして、スクーリングをある程度実施する、あるいは確認テストを実施する等の要件を課しております。
 ただ、これにつきましては令和三年度より、時限的な措置ではございますけれども、対象者を拡大することにしておりまして、昨今ちょっと問題になっておりますシフト制の労働者がやはり受けにくかったというふうな現状もございますので、そういった方が、特定された科目のみで構成される職業訓練が受講が難しいという方を対象に加える。それから、スクーリングですね、困難な方につきましてはズーム等による方法によっても受けることができるといった要件の見直しを図ったところでございます。
 愛媛県におきましては、委員御紹介のとおり、独自の取組として新型コロナウイルス感染症対応の地方創生臨時交付金を財源に訓練を実施するものと承知しておりますけれども、今申し上げたe―ラーニングコース、特例措置につきましては、愛媛県を含めまして全国の自治体において利用可能でありますので、こちらも活用いただきたいと考えております。

#150
○ながえ孝子君 改善一歩ずつなんでしょうけれども、世の中一歩ずつは動いていない状況ですよね。ですから、やっぱりそこに合わせて支援策の拡充とか対応を図っていっていただきたいし、私、委員会でも何度も申し上げているんですけど、各自治体、やっぱりコロナの対策で財源が不足しています。ですから、国からの支援を是非お願いをいたします。
 そして、働きながらの学び直しを支援する教育訓練給付制度、これが日本のリカレント教育の中核ですが、個人が訓練に支払った経費の二割給付されるということなんですが、インセンティブとしては小さいなと思うんですね。
 フランスでは、二〇一五年に職業訓練個人口座という仕組みをつくりまして、全ての働き手がオンライン上に口座を開設します。そして、ここに、教育に使うことに限定した貯金、年五百ユーロ、日本円にしましておよそ六万円が定期的に配付される。そして、自発的な学びを促しているということなんですね。
 ほかの国見ると、ドイツも奨励金があって、様々な訓練コースの費用の半分は給付されるということなので、是非、この二割を引き上げるなど、こちらも拡充をしていただけないか、日本ももっとリカレント教育に政府が力を入れていただけないかと思うんですが、いかがでしょうか。

#151
○政府参考人(志村幸久君) 教育訓練給付は、雇用の安定及び就職の促進を図るため、労働者の主体的な能力開発を支援する観点から、厚生労働大臣が指定する教育訓練を修了した場合にその費用の一部を支給するものであります。
 厚生労働省としては、平成三十年六月に取りまとめられた人づくり革命基本構想等の政府方針等を踏まえ、より早期の安定就職につなげるため、専門的、実践的な講座ほど給付率を高くなるよう制度設計しております。
 具体的には、費用の二割を支給する一般教育訓練給付のほか、支給割合が四割の特定一般教育訓練給付ですとか、最大七割の支給割合となる、これ非常に時間も掛かって高度、専門的なんですけれども、専門実践教育訓練も支援しております。
 引き続き、教育訓練給付制度が十分利用され、その効果が発揮できるよう、制度周知等に取り組んでまいりたいと考えております。

#152
○ながえ孝子君 ドイツでは、デジタル化が進展する第四次産業革命後の働き方を見据えて、失業保険から労働保険へとシフトを打ち出しているんですね。つまり、職業訓練など、失業してからではもう遅いんだと。だから、事前予防の観点で、時代のニーズに合ったスキルを身に付けてもらうために、いかに一人一人に訓練の機会を確保するかということを重点に考えて、講座受講のための有給制度も取得できる制度が導入されています。
 調べてみたら、この休暇制度というのは、ドイツだけでなくてフランスあるいはスウェーデン、ヨーロッパの各国で実施されているんですね。日本では検討などはどうでしょうか。

#153
○政府参考人(富田望君) お答え申し上げます。
 教育訓練のための休暇制度でございますけれども、我が国におきましても、職業能力開発促進法におきまして、労働者が職業能力の開発及び向上を図ることができる機会を確保するために、事業主の配慮の例としてまず規定を置いております。
 それで、休暇制度を導入、適用した企業に対しましては、人材開発支援助成金というものがございまして、それによりまして経費等を助成をしております。ただ、このような助成金があることを周知して使っていただくことが重要でございますので、私どもとしましては、引き続き、これを周知し、この助成金を活用していただくことによって、教育訓練のための休暇導入を支援し、それで労働者の教育訓練のための機会を確保できるようにしてまいりたいと考えております。

#154
○ながえ孝子君 是非、多くの企業が知って使えるように後押しをしていただきたいと思うんです。
 ヨーロッパの国々では、労働者がAIに置き換わっていくことへの危機感が強いです。ですから、AIにできないことをいかに働き手、そういう働き手を養成するかということで、つまり、労働政策が失業対策とは別に一歩進んで、これからの成長をいかに底上げしていくかという視点で練られているんですね。その訓練の中身についても、ですから企業任せではなくて、国の戦略として決めています。
 スウェーデンの高等訓練制度では、政府と企業の労使が協力して、人手が足りない職種や人材の需要が伸びる分野を見極めて訓練全体のメニューを決めています。訓練期間は二年で、最初の一年は大学とか専門学校で座学をやるんですけれども、二年目は必ず現場に出ます。AI企業で働いて実践的な力を養うように、産業界と行政と教育機関が連携して効果的な訓練を実現しています。デンマークも、プログラムは政労使の三者が連携して戦略的に策定をしています。
 私は今日いろいろ質問させていただいて、全て厚生労働省の皆さんにお答えいただいてありがとうございます。なので、自分でもちょっとショックなんですけれども、私はこれ産業政策だと思って質問をいろいろさせていただきたかったんですね。日本が、午前中も日本の凋落という言葉がありましたけれども、かつて世界のトップを誇っていたような技術があったのに、気が付いてみたらいつの間にか滑り落ちていたというような現状が報告されています。デジタル敗戦とか、あるいはワクチンの問題とか、いろんなことが様々指摘をされています。
 そういった失敗を重ねないように、欧米は加速しています、この人材づくり、この動きに遅れないように、職業訓練とかリカレント教育、経済政策としても是非投資を進めるべきだと思うんですが、梶山経済産業大臣、御所見を。

#155
○国務大臣(梶山弘志君) これまでも、厚生労働省と連携しながら、経済産業省としても取り組んできているところでありますが、グリーン、デジタルなどの今後の産業構造転換に伴う新たなニーズについてきめ細かく把握することなど、これも連携しながら貢献をしてまいりたいと思っております。
 また、今後の産業構造の転換に当たって、例えばデジタル分野は今後求められる重要なスキルの一つであります。経済産業省としても、IT・データ分野を中心に、専門性や実践性の高い教育訓練講座の普及に向けた第四次産業革命スキル習得講座認定制度の運用、全ての社会人が備えておくべきITに関する基礎知識を習得するためのITパスポート試験の実施などを通じた学び直しの推進にも取り組んでいるところであります。
 これまでデジタルスキルを学ぶ機会がなかった人にも新たな学習を始めるきっかけを得ていただけるように、誰でも無料でデジタルスキルを学べるオンライン講座、これ、六月二日時点で登録講座数は八十七ございます。はじめてのAI、AIジェネラリスト基礎講座、サイバーセキュリティ入門、そういったものが、八十七の講座がありますので、是非、経産省のホームページ上でも公表しておりますので、こういったものも御利用いただきたいと思っております。
 多分、委員がおっしゃるのは、あとは働きながら学ぶ、そのときの費用をどうするか、そういった国全体の仕組みということでもあるでしょう、多分。そういったことも含めて、今後、リカレント教育、しっかりと考えていく必要があると思っております。
 これからの雇用政策、少し変わってくるというか、企業の形態、構造転換によって政府もどういう政策を取っていくかということをしっかりと柔軟に考えてまいりたいと思っております。

#156
○ながえ孝子君 この労働政策というのは、経済産業省、それから厚生労働省、そしてリカレント教育は文部科学省にもまたがるということで、政府は縦割りの弊害打破というのを打ち出しているので、何か見合って進まなかったということがないように、是非、梶山大臣はリードを取っていただいて、そこをしっかり進めていただければと思っております。
 そして、もう一つ、企業に対するIT化のアンケートの結果を私見ておりまして、気になるところがありました。経営者がデジタル投資に乗り気にならない理由として、どう活用していいかが分からないというお答えが意外に多いんですね。つまり、人手でやっていたところをIT化して業務の効率化、経費削減というのは分かるけれども、だけれども、成長にどう活用できるのかが分からないと。つまり、投資に見合う利潤が、利益が出せるのかどうかが分からないというお答えなんですね。
 それを見ていてつくづく思ったんですけど、中小企業のこれからを考える上では、やっぱり経営者の学びをどう進めるかというのは大きな課題だと思います。このデジタルの問題、あるいは財務、ファイナンスの問題、企業統治の問題、学ぶことは多いはずなんですよね。ですから、経済産業省として、どのようにこの経営者の学びの場をつくっていくのかという問題について方針を教えてください。

#157
○国務大臣(梶山弘志君) 人材教育、経営者自身も、こうした変化に対応するために、必要な知識や手法を学んで経営能力を向上させることが重要であると考えております。IT化が進まない一つの理由として、やはり経営者の理解というものもあることも事実であります。
 独立行政法人中小企業基盤整備機構では、全国九か所に中小企業大学校を設置し、中小企業の経営者等を対象に、経営課題を見出して解決する力を習得するためのプログラムをオンラインも活用しながら提供しているところであります。このプログラムは、年間約二万人、これまでに約六十九万人が参加をしております。プログラムに参加した経営者同士が修了後も自主的にネットワークを形成し、互いに自己研さんを行うなど、学びの場づくりにつながっていると承知をしております。
 あと、先ほど申しましたように、経産省として八十七のオンラインの講座を設けておりますので、こういったことも通じて経営者の学習というものを、教育ということにも役立ててまいりたいと思っております。
 経営者がしっかりとやはりITの活用というものを取り入れていく、そして、機器を入れただけではなくて、やっぱり業務分析、どうすれば自分たちの業務が改善できるか、そして他業種との、また異業種との連携というもので新たなサービスとか物ができるかどうかということも含めてこれからの課題になってまいると思っておりますので、しっかりと対応してまいりたいと思っております。

#158
○ながえ孝子君 中小企業大学、私もよく存じ上げているんですけれども、九か所ってまだまだ少ないし、やっぱり学習って、ちょっと手伸ばしてすぐ手が届くようなところにないとなかなか人は学ぶ気にならないというのがありますので、いかに機会を多く確保していくことだと思うので、やっぱり、大学とか専門学校は各地にたくさんあります、そことの連携も大事かなと思っています。
 三重大学で新大学院というのをつくって、そこで一緒に地域のイノベーション学科研究科というのをつくりまして、目標は社長百人を博士にしようということを掲げて、実際いい取組をやっていらっしゃりもするので、是非そういったところとの連携、これまた縦割り弊害で、文科省といかに協力してやるかということにもなろうかと思いますが、是非、急がば回れじゃないですけれども、やっぱり基本的なそういった学びの場づくりですとか、それを確保するということが大事なことだと思いますので、なお一層力を入れていただきたいとお願いをして、質問を終わります。
 ありがとうございました。

#159
○安達澄君 無所属の安達澄です。どうぞよろしくお願いいたします。
 私からも、前回からの続きのサンドボックス制度についてお聞きいたします。ほかの議員さんからもありましたけれども、大事ないい制度だと思っておりますので、質問させていただきます。
 先ほども礒崎議員が、五月二十六日の本会議でも指摘されていましたけれども、単にサンドボックスの制度をスライドさせるだけではこれまで以上の成果が期待できないと、どのような改善を加えたのかというふうにおっしゃっていました。まさに私も同感であります。大臣は、それに対して本会議のときにお答えになっていたのが、要約しますけれども、改善については特段のニーズがない、ゆえに特段の変更は加えないというふうにおっしゃっていました。
 経済産業省に確認したいんですけれども、改善のニーズがないというのが、これが本当なんでしょうかということです。正確に言うと、制度が一般に知られていないゆえにニーズの声が届きようがないというのが正しい現状認識なのではないでしょうか。
 というのも、私も地元の大分の商工会議所とか、関係者ですね、担当している関係者にヒアリングしてみましたけれども、残念ながら、このサンドボックス制度、知っている担当者というのはゼロでした。三年前の法案審議の際にも、周知徹底の努力を衆参の経産委員会の附帯決議で政府に求めています。
 政府参考人の方にお聞きします。改善のニーズがないと言う前に、もっと知ってもらう努力が必要なんじゃないかと思いますけれども、御見解はいかがでしょうか。

#160
○政府参考人(新原浩朗君) まず、改善のニーズがないというところは、先ほど大臣が答弁をされましたけれども、大臣が言っているのは制度的な問題としてということであって、法改正ということではなく、運用面では課題があるということを話しているわけでございますので、そういう前提でお願いしたいと思います。
 それで、先般も御指摘いただきましたので、私もちょっとその辺、考え、我々の中でも議論したんですけれども、まず、御指摘のとおりで、もっと知ってもらう工夫は必要なんだと思っています。問題は、どうやったら知ってもらえるかということだと思うんですね。
 今日、大臣がちょっと答弁をさせていただいたんですけれども、結局このサンドボックスだけを切り取って議論をしても余り徹底されないと思うんです。規制改革の中には、幾つかのパーツからでき上がっているわけで、一つは規制改革会議、推進会議ですね。これ、梶山大臣自身がかつてやられていたものですけれども、これ、私どもの整理では、要するに、実証をしなくていきなり制度改正に持っていけるようなものは、我々相談を受けたときもこの規制改革会議に持っていくわけです、推進会議の方に持っていくわけです。毎年二百件ぐらいの規制改革が決まっております。やっぱりいきなりは無理だと、実証をしなきゃいけないとなった場合について、例えば自治体なんかが熱心で、地域を限ってできるような場合、そこは国家戦略特区制度というのを用いるわけでございます。これがこれまで三百八十件ぐらい認定をされております。
 それに対して、ここで説明をしておりますサンドボックス制度なんですけど、これは実証が必要であって、なおかつプロジェクトベースで試してみる必要があるという場合なんですね。なので、そういう場合というのは、各省庁さんに事業者が持っていって、そのままやってくれる場合もあるわけです。やってもらえなくて、で、今の規制改革会議の方にいきなり行くと難しい場合に私どものところで引き受けていると、こういう感じなんですね。その構造をきちんと徹底していく必要があると思っているんですね。
 先ほどの縦割りの議論ではありませんが、我々、説明会を開くときにやっぱりサンドボックスだけを説明するので、そこを改めて、やっぱり自治体とかベンチャーに説明するときに、この規制改革の推進会議の機能、それから国家戦略特区の機能、サンドボックスの機能、どういうふうに使えるのかということをきちっと説明をしていくように改善をしていきたいと思っています。これが一点目です。
 それから二点目は、それをちょっと具体的に理解してもらうために、実際にこのサンドボックス制度を利用いただいた事業者に何か参加をいただいて動画のようなものを作ってみると、コロナ禍でもありますし。それを見ていただいて、なるほど、こういうふうに使えるのかというふうな印象を持ってもらうということもいいのかなというふうに思っております。

#161
○安達澄君 ありがとうございます。
 先日、参考人としてお越しになった川口市の伊藤商工会議所会頭も、これはコロナ対策に関するお話でしたけれども、やはり国とか県とか市、もういろんな制度があるんだけど、やはり知らない会員が多いんだというふうにおっしゃっていました。
 サンドボックス制度自体がスタートしたのは二〇一八年六月ですけれども、当時、私は地元の別府で小さな旅行会社をやっていまして、もし仮に私がこういった制度とかを知っていたらきっと手を挙げたんじゃないかなというふうに思うんですね。なぜなら、使えるすごくいい制度だなと思うからです。自分で言うのもなんですけれども、地元のよろずとか産業創造機構とか県の担当者とか、いろんな方と密にコミュニケーションも取っていましたし、お世話になっていたんですけど、結構情報のアンテナは高かったと思うんですね。ただ、その私もやっぱりこういった制度というのは知りませんでした。
 旅行業というのは結構規制があって、新しいことにチャレンジしようとすると、どうしても免許の種類によってやっぱり壁に阻まれたりします。旅行の企画ができる範囲とかエリアが限定されてしまって、そういうケースがよくあったんですけれども、ただ、当然、お客様の命を預かりますので、厳しい規制が必要な場合も当然あります。ただ、必ずしも合理性を感じない規制もありましたが、ルールはルールということでした。
 先週の委員会で、高瀬議員が、ベンチャー企業の経営者の方々からよく聞く話として、補助金というよりも思いっ切り自由に新しいことに挑戦する環境を整えてほしいと、イノベーションを起こせる環境こそが必要とおっしゃっていました。現場の実態をよく踏まえたお話だなと思いながら私も聞いていたんですけれども、非常にそこはよく分かります。前向きにチャレンジしようとするほどやっぱり壁にぶつかってしまうと。
 このサンドボックスの制度ですけれども、やってみなはれということですし、前向きな気持ちにさせるとてもいい制度だと私は思っています。当時の議事録読みますと、やっぱり政府参考人の方の答弁を読んでいても、非常にその熱量というのが伝わってきます。ただ、結果が二十件、先週の話ですと規制緩和で四件という、非常にやっぱりちょっとそこは残念だなというふうに思っております。
 改めてになりますけれども、今後、先ほどの知ってもらう部分も含め、どのように改善して前向きに転がしていくのか、もう一度御確認させてもらえればと思います。

#162
○政府参考人(新原浩朗君) いろんな点があると思うんですが、主に二点御説明させていただこうと思います。
 一点目は、個別の案件があったときに、先ほどもお話ししましたが、規制改革会議で二百件の規制改革をいきなり決めます。それから、戦略特区で地域を限定したもので三百八十件ぐらいこれまでやってきているということなので、この間のやっぱりこのコミュニケーションをもうちょっと円滑化していくのは大切かと思っています。
 規制改革推進会議については内閣府の規制改革推進室というのがありまして、それから、国家戦略特区は内閣府の地方創生推進事務局というのがやっているんですね。それから、サンドボックス制度は内閣官房の成長戦略会議事務局がやっております。
 個別の案件があったときに、我々、例えば先生の事業者が来られたときに、どれがいいかなと考えるわけですけど、そういうところのコミュニケーションとか情報のシェアみたいなものをもう少し円滑化していくということが、やってはいるんですけれども、どうしても、距離的な問題もありますし、そういうことをもうちょっと改善していくというのが一つだと思います。
 それからもう一つは、スピードということなんですが、先ほど大臣も答弁申し上げたところなんですが、大切なことは、規制改革につながらなければいけないので、事業所管省、例えば経産省のようなところが、これは確かに旅行業だから、これはやっぱり緩和した方がいいよねというふうに言ったところで、国土交通省の方が、いや、これはこうこうこういう理由でやっていてこれは緩和できないんだと、理由があってやっているんだからという議論になるわけですね。
 そこをすっ飛ばしてやれば、すごく早くできると思うんです。でも、やった結果として、実際に規制改革に結び付かないと思うんですね。なぜならば、国交省さんは理解していないわけですから。そこのところを私どもと国交省できちんと議論をするために時間が掛かっているわけです。
 それは、私ももう何度となくそれやっているんですけれども、そこのところをもうちょっと何か改善ができないかなということですね。そこは場合によって大臣にも報告させていただいて、選別でやるというのもあるかもしれませんし、いろんな方法で少しそこのコミュニケーションをもうちょっと短くして、事業者の方が利便性が高くなるように努力してみたいと思っております。

#163
○安達澄君 ありがとうございます。
 先週の委員会でもちょっと触れましたけれども、やはり、そういう仮説と検証というか、PDCAがしっかり回っているかどうかということが非常に重要だと思います。
 その観点からちょっと一言申すと、やはり、経産省を始めとする省庁の皆さんというのは、やっぱりもう余りにも忙し過ぎて、一つの制度が若しくは法案ができると、はい、次の仕事というふうにもうどんどん回していかないと、とても立ち行かなくなってしまっているんじゃないかなというふうに思います。つまり、計画、制度、予算をもうつくって終わり、はい、次のものというふうになってしまっている現状があって、ゆえにフォローがなかなかできない、そこまで手が回らないという実情もあるのじゃないかなと。
 私自身、自分、サラリーマンやっていたときのことを考えると、やっぱり、省庁だけじゃなくて、それは民間も結構同じようなところがあって、よく分かるんですね。とにかく、計画とか予算というのは、もう各部門で精緻に数字を積み上げて、もう芸術の域ですね、もう一流なんですね。ところが、実行となるとやっぱり三流なんですね。だから、私もその仲間とよくやゆして言っていたんですけど、計画一流、実行三流、言い訳超一流なんですよね。ただ、これじゃやっぱり駄目ですよね。
 やっぱり、我々、税金を国民から預かっている国会、行政の立場としては、やはり計画も一流ですし、当然実行こそ一流にしていかなきゃいけないと思います。それは、頑張ります、改善しますという、もう、ちょっとそういう精神論ではなくて、やはり、どこかそうやって目詰まりを起こしてしまったり、フォローできないという、まさに組織マネジメントの部分にもなってくると思うんですね。もう人間の習性なんですね、それは、組織の習性なので、やはりちゃんとそういうのが回るような仕組みをつくる、まさに組織マネジメントの部分になってくると思います。
 この話についてはまた改めて時間を取って、そういった組織を回していくという話は改めてさせていただきたいと思っております。
 続いては、産業競争力強化法の話に移ります。
 その四十八条一項についてなんですけれども、これ、制定時は五十条でしたけれども、政府が商品若しくは役務の需給の動向又は各事業分野が過剰供給構造にあるか否かその他の市場構造に関する調査などを行うことができるというふうに産業競争力強化法にはうたわれています。
 当時いろいろとメディアでも取り上げられていた条文ではありますけれども、まず、政府参考人の方にお聞きしますけれども、この条文の元々の狙いは何だったのか、そして、もうまとめてですけれども、二〇一四年に施行されてから実際に行われたその調査件数、そして対象となった業界、その調査踏まえて、結果どういう動きがあったのか、成果があったかを教えていただければと思います。

#164
○政府参考人(新原浩朗君) お答え申し上げます。
 まず、元々の狙いでございますけれども、二〇一三年、この法律の制定当時は三つの過剰というのが問題になっておりました。過剰規制、過小投資、過当競争、この是正をするためにこの条項が設けられたということでございます。
 具体的には、事業者による事業再生の実施の円滑化のために必要があると認めるときには、商品やサービスの需給の動向又はその事業分野が過剰供給構造にあるか否かそのほかの市場構造に関する調査を行うとなっていまして、その結果を公表するものというふうに定めております。
 若干今の状況と少し違うのは、やっぱり当時はもうとにかく過剰なものを何とかするかということだったんですが、今、グリーン、デジタルなんかで、投資とか開発の競争をどんどん喚起していかなきゃいけないという側面がありますので、若干時代環境は違うかと思っております。
 ただ、委員御指摘のとおり、これは結果が出ておりまして、三分野について調査が行われました。石油精製業、それから石油化学産業、それから板ガラス産業でございます。
 石油精製業を例に取って御説明申し上げますと、平成二十六年に調査結果が出ておりまして、内需減少の見通しの中では本格的な過剰供給構造に陥るおそれが大きいので、事業再編等に積極的に取り組むことが期待されるという結果が出ておりまして、これに基づきまして、事業再編と供給能力の適正化を促す新たな基準というのも作成をいたしました。
 一般の原油精製設備の能力、これを分母に取りまして、分子に残油の処理装置、それを取りまして、そしてそれを向上するように求めたということで、要は原油精製設備の設備廃棄を行う方向になったわけでございます。これによって、この数値が、平均値が四五%から五五%に向上いたしまして、過剰供給の解消に一定の手引きをしたものというふうに考えております。

#165
○安達澄君 ありがとうございます。
 今、そうですね、三つの過という言葉、その中の、ここでいえば過当競争とかになってくると思うんですけれども、そして、大臣がよくおっしゃっています製造コストの何倍で販売できているかというマークアップ率ですね、そういったものも今非常に日本は低いというわけですけれども。
 せっかくあるこの四十八条という条文ですけれども、それを効果的に使って、もうずうっと続いているこの過当競争の解消に向けて、民間を圧迫しないというのはもうこれ大前提だとして、政府も何らかのアクションを打っていく必要があるのではないかとは思うんですけれども、梶山大臣のその辺のお考えをお聞かせいただければと思います。

#166
○国務大臣(梶山弘志君) 先ほど新原局長から答弁がありましたように、産業競争力強化法は、日本の経済のその三つのゆがみ、三つの過ですね、を是正することを目的として二〇一三年に制定されたものであり、調査規定もこうした問題意識に対応するものであります。
 我が国の過当競争は価格を下げる競争であって、多くの分野で激しい価格競争が続いております。一方で、OECDによると、新製品や新サービスを投入した企業の割合は先進国で日本が最も低く、開発競争は十分に行われていないというのが現状であります。
 立法当時と異なり、現在、我が国産業の競争力を強化するには、いかに個々の企業の特色を出して成長投資をしていただき、付加価値の高い製品やサービスの創出を実現していくかの競争喚起が重要であり、その代表例が本法案の柱でもあるグリーン社会への転換、デジタル化への対応であると考えております。
 御指摘のとおり、この法律の調査活用も引き続き検討してまいりますけれども、この法律にかかわらず、こうした成長投資、競争を引き出し、より競争力の強化を実現するためにどのような環境整備を図ることが必要か、全体として広い視点で考えてまいりたいと思っておりますし、今申しましたように、海外の事例というものも必要だと思います。海外の規模感というものも必要だと思います。そういったものも含めて、しっかり経済産業行政で反映をさせてまいりたいと思っております。

#167
○政府参考人(新原浩朗君) 済みません、私、ちょっと数字を言い間違えたようでございまして、先ほど石油精製業のところの指標で、四五%から五五%と申し上げたようなんですが、五〇・五%の間違いでございます。申し訳ありません。

#168
○安達澄君 ありがとうございます。
 時間が参りましたので終わります。ありがとうございました。

#169
○委員長(有田芳生君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後二時四十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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