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1951/03/31 第13回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第013回国会 地方行政委員会 第22号
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1951/03/31 第13回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第013回国会 地方行政委員会 第22号

#1
第013回国会 地方行政委員会 第22号
昭和二十七年三月三十一日(月曜日)
    午前十一時三十六分開議
 出席委員
   委員長 金光 義邦君
   理事 大泉 寛三君 理事 野村專太郎君
   理事 床次 徳二君 理事 門司  亮君
      佐藤 親弘君    橘  直治君
      前尾繁三郎君    吉田吉太郎君
      藤田 義光君    立花 敏男君
      八百板 正君    大石ヨシエ君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣 岡野 清豪君
 出席政府委員
        警察予備隊本部
        次長      江口見登留君
        総理府事務官
        (地方財政委員
        会事務局税務部
        長)      後藤  博君
        総理府事務官
        (地方自治庁次
        長)      鈴木 俊一君
        総理府事務官
        (地方自治庁財
        政課長)    奧野 誠亮君
 委員外の出席者
        専  門  員 有松  昇君
        専  門  員 長橋 茂男君
    ―――――――――――――
三月二十九日
 委員角田幸吉君辞任につき、その補欠として今
 村長太郎君が議長の指名で委員に選任された。
同月三十一日
 委員今村長太郎君、門脇勝太郎君、龍野喜一郎
 君及び佐伯宗義君辞任につき、その補欠として
 辻寛一君、有田二郎君、押谷富三君及び中村寅
 太君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
三月二十九日
 地方議会の権能縮小等反対に関する陳情書(東
 京都議会議長菊池民一)(第一〇六四号)
 村議会議員の補欠選挙に関する陳情書(大分県
 南海部郡下入津村議会議長佐藤峯太郎)(第一
 〇六五号)
 町村議会に事務局設置に関する陳情書(兵庫県
 庁内兵庫県町村議会議長会長坪田清一)(第一
 〇六六号)
 大阪市の特別市制実施促進に関する陳情書外三
 件(大阪市大淀区PTA連絡協議会長森声明外
 百一名)(第一〇六七号)
 特別市制実施反対に関する陳情書(大阪府町村
 議会議長会長辻龍太郎外四名)(第一〇六八
 号)
 同外二十三件(京都府与謝郡宮津町議会議長三
 宅篤外七百二十三名)(第一〇六九号)
 宿泊料に対する遊興飲食税減免に関する陳情書
 (岡山県小田郡真鍋島村観光協会長山本代吉)
 (第一〇七〇号)
を本委員会に送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 地方税法の一部を改正する法律案(内閣提出第
 七四号)
 地方財政法の一部を改正する法律案(内閣提出
 第一二二号)
 地方財政平衡交付金法の一部を改正する法律案
 (内閣提出第一二三号)
    ―――――――――――――
#2
○金光委員長 これより会議を開きます。
  前会に引続き地方税法の一部を改正する法律案、地方財政法の一部を改正
 する法律案及び地方財政平衡交付金法
 の一部を改正する法律案の三案を一括
 して議題とし、質疑を続行いたします。質疑を許します。床次徳二君。
#3
○床次委員 過般大臣に地方税法に関しまして御質問申し上げたのでありますが、その後財政法、交付金法が出て参りましたので、この三法を一貫して共通している立場において、これを検討いたして見ますると、あらためて大臣に御意見を伺いたいと思う問題が出たのでございます。すなわち一応政府の答弁によりますと、二十七年度の地方財政は大体つじつまが合うようにつくつてあるという御答弁でありまするが、地方財政法を厳格に実施する、すなわち寄付金その他の問題に関しましても、これを財政法の改正案通りに実施いたしますると、なかなか地方では財政が苦しくなつて参るのであります。なお現在の地方財政そのものを見ましても、かなり赤字があるというふうに考えられるし、また問題となつております義務教育の問題等を見ましても、かなり赤字が出ることが予想されるのでありますが、これに対しまして政府の考え方は、地方財政法あるいは平衡交付金法に対しましては、大体これが将来永続的な法律のように考えておられる。税法に関しましては暫定的な改正であるかのように答弁しておられるのでありますがこの三つの法律について、大体政府はどういうふうな態度で臨んでおられるか。暫定的な気持において三つの法律を出しておられるのか、あるいは税法だけは暫定的で、適当な措置をあとでやりたいという気持で出しておられるのか、あるいは平衡交付金法におきまして、将来これが相当大きな修正をやる考えであるか。その点をひとつ承りたいと思います。
#4
○岡野国務大臣 お答え申し上げます。地方財政法だけは私はこれでいいと思つております。地方税法はいつかも申し上げましたように、根本的に検討を加えたいと考えます。地方税法を検討いたしますと、自然平衡交付金法というものに影響を及ぼして来ることが出て来ると思いまするから、平衡交付金法の趣旨というものは、私は尊重しておりますけれども、さて地方税法を根本的に検討する場合には、自然平衡交付金と非常に密接な関連がございますから、これも再検討を要することと私は考えております。
#5
○床次委員 ただいまの地方財政から申しますると、かなりこれは赤字が予想されるのであります。地方財政法を厳格に実施しただけでも、赤字が出て参ると私ども考えておるのでありまするが、地方財政委員会の報告そのものによりましても、将来の改善すべき要点として、赤字の問題を第一に取上げておるのであります。来るべき二十七年度にいたしましても、相当赤字の出るおそれがある。政府は大丈夫なんだというようなお考えのようでありますが、この点は私ども非常に疑わしく思うのであります。いずれにいたしましても、財源が地方で苦しいことはよく政府もおわかりだと思うのでありますが、これに対しまして、次にどういう財源を地方に準備するかということを御研究になつているかどうか。現在の税法以外に取上げるべき財源としまして、どういう財源があるか、あるいは直接地方税としまして確保すべきものにどういう種類のものがあるか、あるいは交付金増額、あるいは還付金その他の方法によつて財源が確保されるかという問題が残されておるのでありますが、今日政府のお考えはいかがなものでありますか、伺いたいと思います。
#6
○岡野国務大臣 お答え申し上げます。新しい財源をどうするかというような御質問でございますが、私は地方税法と申しますものは、地方の仕事のあり方というものをよく検討しまして考えなければならぬことがまず第一点、その次に、そういたしますと、仕事を再配分するという立場から、いろいろ国との仕事の関係が出て来ると思うのであります。その点におきまして、税務は国税と地方税というものをあわせて検討されなければならぬ、こう考えております。そこでまだわれわれは成案を得ておりませんけれども、たとえて申しますれば、国税における専売益金とか、酒、タバコというような国税の収入を地方に還付したらどうか、こういうふうなことも考えております。その他いろいろあるようでありますが、これはまだ検討の時期でありまして、いかに国税と地方税とを調整して行くかということは、これからの研究にまつことになりますが、しかし税源というものは、国税と地方税との入りぐあいを考えなければならぬと私は考えております。
#7
○床次委員 地方財政を確立するためには、どうしても地方独自の立場の財源を加える必要があるのではないか。来るべき機会において、地方に財源を加えるとすれば、どのようなものを考慮されるかということを伺いたいのであります。なおただいま事務配分のことをおつしやつたのでありますが、しからば二十七年度におきまして、事務配分を調整して、地方の負担を軽くするというような見通しのものを、現にお考えになつておりますかどうか、承りたいと思います。
#8
○岡野国務大臣 お答え申し上げます。ただいまのところ二十七年度にはまだ実現の機会に立ち至らぬと思います。御承知の通り今度は地方税法の抜本塞源的の改正を考えておりますが、同時に地方制度そのもののあり方を十分検討したい、こう考えまして、追つて出しますけれども、地方制度調査会というものを設けまして、これで総合的に研究をしていただきたい、こう考えております。そういたしますと、二十七年度に影響するようなことは出て来ないじやないかと思います。それから国の税を地方にまわすとか、もしくは地方にどんな新しい税源を発見するかいうようなことにつきましても、まだ検討中でありまして、ただいま上し上げるまでの成案を得ておりません。
#9
○床次委員 一つ具体的にお伺いしたいのですが、教育費の問題でございます。教育費の問題につきましては、どうも政府部内におきまして議論があるようであります。現在予算において予定されております教育費の範囲内におきましては、文部当局では非常に不服だと思うのであります。これに対しまして、特別法の措置等が研究されているようでありますが、今日文部関係者の要求するところと、地財委で見ておりますところと、教育費の総額においてどういうような差があるか。意見の一致を見ておりますれば、幸いでありますが、その間に数字的な差があれば、どのくらい差があるか、お知らせいただきたいと思います。
#10
○岡野国務大臣 事務当局から詳しく御説明申し上げます。
#11
○奧野政府委員 先ごろ文部省から公にされました法案の内容によりますと、昭和二十七年度におきまして、義務教育費の総額を一千百六十一億円余りと算定することにしております。しかしながらその一千百六十一億円の中の一割は特別需要額の加算ということで、文部大臣が特別の事情を考慮して、各府県、市町村に配分することにしておるわけでありますから、これを差引いて参りますと、千五十億前後になるわけであります。これに対しまして、地方財政平衡交付金の基準財政需要額として見ております額が千百十億円余りあります。従いまして、特別交付金的なものを除外いたしました文部省の計算と比べますと、平衡交付金の計算の方が六十億内外多いことになりますし、特別交付金を含めましたものを計算いたしますと、平衡交付金の金額の方が五十億内外少いことになるわけであります。いずれにいたしましても、文部省が用いております数字は、地方財政委員会が地方財政計画として算入いたしております計画の額を、そのまま使つているわけでありまして、本質的には何ら相違はないわけであります。
#12
○床次委員 次にお尋ねいたしたいのは、過般来立花委員からもお話がありましたが、行政協定による地方の減税額というものが、大体明らかになつたようであります。これに対して政府の方は、その財源に対しまして別個に補填をするか、あるいは交付金で見るか、何らかの措置を考えておられるかどうか、この機会に明らかにしていただきたいと思います。
#13
○奧野政府委員 日米行政協定関係に伴います地方税の特例に伴いまして、増収を得るものもございますし、減収を見るものもあるわけでありますけれども、差引きいたしました増減額というものは、きわめてわずかなものでありますので、他に地方税につきまして増減を見る税目もございますので、特段の措置を講じなければならないほどのものではないと考えております。いずれ特例法案を提出いたしますあかつきに、これらの数字的根拠も同時に提出いたしたいと思つております。
#14
○床次委員 次に一言重ねてお尋ねしたいのですが、今度政府におきましては、予備隊令の改正をいたしておりますが、この事務が地方に委任されることになつているわけでありまして、県、市町村の事務は相当繁忙になると思う。これに対しては、もちろん国庫で見て行くわけでしようが、実際において、政府は予算等の措置におきまして地方財源に迷惑をかけないような措置をとり得るかどうか、この点はひとつ大臣から御答弁いただきたいと思います。
#15
○鈴木(俊)政府委員 警察予備隊関係の経費につきましては、国が当然負担すべきものでございまして、今回提案をいたしました地方財政法の中にも、国がもつぱら負担をいたしますべき経費といたしまして、警察予備隊に要する経費というのを入れているわけであります。今のような経費に関しましても、これは当然に国が金額負担をいたしますべき所要の経費であろう、かように考えております。
#16
○床次委員 建前といたしましては、もちろんこれは国が負担すべきものでありますが、政府のやつております予算自体が、はたしてさようになつているかどうか。この点を非常に懸念するのでありまして、自治庁といたしまして、もちろん国務大臣もおられるのでありますから、地方財政法の趣旨に反するようなことをすべきものでないことは明らかであると思いますが、この点御確信があるべきはずだと思いますが、あらためて念を押しておきたいと思います。
#17
○鈴木(俊)政府委員 この募集関係の経費は、本来の市町村の事務、事業というものとは関係がないわけでありまして、国としてはこの種類の経費は当然地方に負担をかぶせるようなことをしてはならないわけでありますから、今回の予備隊関係の経費の中には要員の募集に関する経費も当然に含まれているわけであります。細部の事項がいかようになつているか、ちよつと明確でございませんが、その点は募集経費として、当然考えているものと考えております。
#18
○床次委員 予備隊令に関連したしまして、予算額がいかように計上されているかということは、別の委員会において審議されると思うのでありますが、少くとも自治庁当局といたしましては、その予算が適正に計上されることに対して、努力していただかなければならぬと思う。法律の建前から言うと、当然これは国でもつて見るべきものでありますが、従来のやり方からいたしますと、往々にしてやはり国の事務を地方において、相当負担せざるを得なくなつて来ている実情がありますので、非常に私どもその点を懸念いたします。特に当局といたしましては、この点ただいまの趣旨に反しないように、ひとつ御努力をいただきたいと思います。大臣その点は大丈夫でございましようね。
#19
○岡野国務大臣 お答えいたします。これはわれわれの主義といたしまして、今度の地方財政法の改正でもそういうことをやつておりますから、十分御趣旨に沿うようにひとつ努力いたして、そうさせます。
#20
○門司委員 ごく簡単に私は聞いておきたいと思います。これはこの前の委員会で、ちよつと私聞いたのでありますが、はつきりいたしておりませんので、念のためにもう一回聞いておきたいのであります。それは今床次さんからちよつとお話がありましたが、文部省との関係を持つておりまする教育関係の経費でありますが、これが文部省案によりますと、大体義務教育費の国庫負担については、全額国庫負担にするというような建前のもとに考えられて、そうして別個な法律が出されるように、われわれは聞いおります。ところが自治庁の考え方としては、やはり財政平衡交付金の中に織り込んでやつた方がいいのではないかという考え方が私はあると聞いておる。同時にこれがさらに町村長から参つておりまする陳情書を見ますると、やはりひもつきでないようにしてもらいたい。こういうような意見が非常に強く反映しておる。日教組その他の団体からは、平衡交付金の場合はやはりひもつきにするか、あるいは文部省案に定められております別個な財政処置をとつてもらうかということになつて、意見が二つにわかれております。それで大臣としてのお考えは、将来日本の教育行政の上に、一体どつちをとつた方がいいかということ、こういう点についてもし大臣のお考えがありますれば、ひとつこの際お聞かせ願いたいと思います。
#21
○岡野国務大臣 お答え申し上げます。文部省案と称するものは閣議で別に議題になつたわけのものではございませんで、ただ文部省が非常に教育に御熱心のあまり、どうかして自分の理想のような教育をして行きたい、それには財政的な見地からも、こうしたらいいだろう。ああしたらいいだろうというような案が固まつてできたのだと思います。しかし私の立場からいたしましては、いつも申しておりますように、平衡交付金の制度というものは、今までのひもつきの国庫の金を、地方に流して、そうして地方にいらぬ干渉とか、監督とかいうことをして、地方の自治を、侵害という言葉は強過ぎるかもしれませんけれども、自治精神を阻害し、同時に中央からよけいな干渉を受ける、こういうことはおもしろくないという趣旨から、平衡交付金というものができている次第でありますから、私は平衡交付金がございますことが、地方の自治確立には非常にけつこうなことだ、こう考えておりますので、できるだけ将来もやはり地方平衡交付金を完成して行きたいと存じます。この平衡交付金は御承知の通りに実施いたしましてから、日がまだ非常に浅うございまして、いろいろ各方面から御批評はあることと思いますが、しかし趣旨としてはまことにりつぱなものでございますから、欠陥があればできるだけ補つて行きたい、こういう考えでございます。しかしこれは文部省で御熱心なあまり、いろいろにお考えになることもしごくごもつともでございましようけれども、もしそういうこと出ますればいろいろ国会で御審議を願いたい。われわれの立場といたしましては、先ほど申しましたような地方自治関係から、平衡交付金をますます完成して行きたい。しかし文部省の方からはやはりひもつきでなければできない。こういう議論でございますれば、この点はいずれ国会で、もし出ましたならば十分御審議を願いたいと思います。われわれといたしましては執行機関でございますから、国会がおきめになることについては、何ともいたし方がありません。そういう考えでございまして、われわれの立場としてはあくまでも平衡交付金を尊重して行きたい。これが私の考えでございます。
#22
○門司委員 今大臣のお考えは一応伺いましたが、もう一度その次に伺つておきたいと思いますのは、単に教育費の問題の財政的の措置だけでありませんで、行政の上にも非常に重要な問題であります。大臣御承知のように、地方に五大市、それからさらに中都市もあると思いますが、府県におのおの教育委員会というものを一つの行政機関として持つております。一方に行政機関としての教育委員会を持つて、これに財源の見通しをつけておらないというところに、今日教育委員会の満足に活動のできない原因があると私ども思うのであります。行政の上から申しますと、やはり教育委員会というような制度を設けております以上は、教育委員会は独自の立場で、その地方々々の実情に合つた教育の方針を定めて、それを運営して行きます場合には、やはりそれの裏づけとなる財源措置が講ぜられることが、私は行政の上からいえば非常に正しいことであり、その方が非常にやりよいと思います。従つて教育行政自体から考えますと、教育費というものは、どうしても平衡交付金の中でまかなおうとするならば、やはりひもつきの形でやつて、これが教育委員会の行政上の措置を十分に発揮することのできるような仕組みをすることが、せつかくありまする行政制度の上で私は必要ではなかろうか、こういう点はおそらく文部省でも問題になつているのではないかと思います。従つて地方行政全体を考えて参りまするときに、今のせつかくの大臣の御答弁もありましたが、もう一応ひとつ行政上の観点から、それでもひもつきにするのはぐあいが悪いというような大臣のお考えであるかどうか、もう一度お聞かせ願いたいと思います。
    〔委員長退席、大泉委員長代理着席〕
#23
○岡野国務大臣 お答え申し上げます。お説しごくごもつとな点もありますが、しかし私の行政上の立場から御答弁を申し上げますならば、教育委員会というものがある、そうして教育委員会がその教育者の人事権を握つておる。今この地方の行政は、ことに教育行政というものは、地方で最も大切な行政でございまして、同時に教育に従事している職員は、地方公務員の約半数を占めておるほど大きな行政でございます。これがただいま地方行政が一致して、すなわち地方の自治団体が一つの団体としてやつて行ける関係は、財政的に結びついておるということが特徴でございまして、もしこれを教育委員会にすべての財政権も与えてしまうということになりますれば、教育委員会というものは人事の任免権も持ち、同時に財政権も持ち、まつたく地方団体と離れてしまつた独立の存在になつてしまう。そういたしますと、地方の行政というものは半分に分解されて来るというようなことになりはせぬか。これが私の地方の行政というもの、ことにおもなる仕事を地方団体にやらせるという意味の趣旨に反しますので、その点は私はいかがかと考えております。これは議論でございますから、いろいろお立場お立場によつて差がありましよう。行政面から話せと仰せになれば、やはり地方は一体となつて、地方の事務を一つの団体で単一にやつて行くのがいいのじやないか。こういう考えを持つております。
#24
○門司委員 これは、あとは考え方と方法論になつて、議論になりますので、私はそれ以上大臣の御意見を聞きませんが、もう一つ聞いておきたいと思いますのは、大臣の説明書の中にありまする言葉に、今お出しになつておりまする地方財政法の一部改正法律案の内容と、ちよつと食い違つたような気持のするところがありますので、この点をもう一度お伺いしておきたいと思いますが、それはここに書いておいでになります「今日、国民は、租税負担の重いことを訴えております。ことに高率課税を行つております税種につきましては、その引下げを求める声が特に強いのであります。」こういう言葉を使われておりますが、この高率課税を行つております税種はかなりあると思います。ところが、これに対してこういうことを十分お聞きになつておりながら、今度出ておりまする地方税法の改正案の内容というものは、そういうものに触れていないのであります。そうして触れておらぬのは、いずれ逐条審議のときに聞こうと思いまするが、法人の所得割だけが減つておるということだけであつて、一向住民の声は聞いておらないが、法人の税率だけは下げるということで、大臣の説明書の趣旨と少し食い違つたような内容を持つておるように、私見受けられるのでありますが、大臣は、ここで説明されておりまする高率課税という税種目を、一体どういうものに見ておいでになるか。その点を一つお聞かせ願つておきたいと思います。
#25
○鈴木(俊)政府委員 ただいま門司さんの仰せになりました、提案理由の説明と住民税の個人所得割の関連並びに法人税割の関連との問題でございますが、法人税割につきましては、法人税の増徴といいますか、税率の引上げに関連をいたしまして、法人税に対する負担を現状以上には総合的に見てふやさない、こういうところから出発しておるわけでありまして、個人所得税に関しましては、これは国税の方が御承知のごとく逐次減税になつて来ておるわけでございますし、基礎控除額の引上げてございますとか、その他の点につきまして減税になつて参りますれば、住民税の個人所得割といたしましては、いわゆる第一号の方式による税額を基礎にいたしまする課税方式ならば当然減税になりまするし、また二号、三号の方式によりましても、根本の課税総所得金額が同様に減つて参つておるのでございまするから、これまた減つて参るわけでございます。そういう意味におきまして、やはり国税の減税というものが地方税の面におきましても、当然に均霑をして参るわけでございまして、そういうような意味におきまして、事実減税の面も考慮いたしておるのでございまするが、それ以上にさらに進んで個人の所得割の率を引下げるということは、現在の地方財政全体の計画におきまして、昭和二十七年度においては、とにもかくにも収支のバランスが合うというふうになつておりまするけれども、御承知のごとき事態で相当に地方財政として窮迫をいたしておるわけでありまして、さらに進んで個人所得割の税率の引下げというところまでには及びかねた次第であります。そういう趣旨を提案理由の中に御説明になつたわけであろうと思います。
#26
○門司委員 その問題はあとでまた議論をすることにいたしまして、今の問題につきまてもわれわれから見ますると、相当議論があるわけでありまして、法人割だけが下げられて、これは国税の法人税が上つたからといつておりますけれども、税の本質が全然違う税種目でありまして、それは国税であつて、しかも片方は収益税的性格を持つものであり、片方は地方税であつて応益税的性格を持つものである。とる場所が違うのと本質の全然異なつた税の税率というものを差引して、そうしてそれの負担が地方にかけられるというようなことになると、いわゆる国税の財政調整によつて、地方税が犠牲にされたというような形が私は出て来ると思います。非常に遺憾に考えております。
 それと、もう一つ聞いておきたいことは、今お聞きしました大臣の説明書の中にあります「ことに高率課税を行つております税種につきましては」と、こう書いてあります。従つて大臣がお考えになつております特に高率課税というものは、どういう税種目を一体大臣はお考えになつておるか、この点をこの機会にもう一つ聞かせていただきたいと思います。
#27
○岡野国務大臣 それは固定資産税なんかのことを申し上げた次第であります。
#28
○門司委員 答弁が非常にあいまいででありまして、固定資産税のようなものということになつて来ると、妙なものになつて参りますので、固定資産税のようなものがもし高率課税であつて、そうしてこれが……。
#29
○岡野国務大臣 それではお答え申し上げましよう。まだほかに入場税とか遊興飲食税というようなものがございます。
#30
○門司委員 大体それは常識的にわかつた税種自だと思いますが、それの処置が一つも講ぜられていないのでありますが、大臣はこういうことを十分承知しておりながら、それの御処置が講ぜられなかつたといういきさつを、ひとつ御説明を願いたいと思います。
#31
○岡野国務大臣 いきさつはもう半月ほど御容赦願いとう存じます。
#32
○門司委員 半月ほど御猶予を願いたいというお話でございますけれども、気持は一応わからぬわけではございませんが、しかし税法の審議をいたします場合に、やはりわれわれといたしましては、すでに法案が出ておりますので、法案の出ない前でありますなら、一応そういうことも了解ができるのでありますが、法案が出ておつて、そうしてこれをよくても悪くても審議をしなければならぬ、こういうはめにわれわれは追い込まれておるわけであります。従つてこれを審議いたします過程の上に、大臣の気持を十分われわれは聞いておきまして、その上でこれにわれわれの立場から修正を加えることが可能である場合には、修正を加えるなり、あるいは何らかの処置をして行かなければならぬ。従つてもう半月ばかり待つていただきたいというなら、この法案をもう半月ばかり上げないでもいいという結論になると思います。それでは大臣の方がお困りになると思いますので、ひとつ重ねて、どういう事情があつて、これは手がつけられなかつたのか、あるいは半月たつか一月たつかわりませんけれども、たてば、そういうものに手をつけることの見通しが一体できるかどうか。この点をもう一つお伺いしておきたいと思います。
#33
○岡野国務大臣 お答え申し上げます。もう大体おわかりのことと思いますが、結局オーケーがとれなかつたということであります。
#34
○大泉委員長代理 立花委員。
#35
○立花委員 主として大臣にお答え願いたいのですが、警察の問題がこの委員会からはずされて行つた。警察予備隊は最初この委員会でやつておりましたのですが、突然と申しますか、はつきり明示しないで、この委員会の所管からはずされて行つたので、これは私どもも非常に不可解のことと思つておりますが、最近特にまた予備隊の徴集の問題がありまして、重大な事務の委任を地方団体に対してやられる。これは当然国会においてはこの委員会で審議しなければいけないと思います。現在内閣委員会でやつておりますが、これに対して合同審議を申し込んでおりますが、やはり合同審議も拒否されておるという状態なんですが、大臣とされましてはこの問題をどういうふうにお考えになつておるか。地方行政委員会で審議しなくてもいい問題とお考えになつておるか。あるいは大臣として他の所管大臣がそれを決定すればいいので、地方の問題を所管されておる岡野さんが、この問題に関与しなくてもいいとお考えになつておりますか。かつて私がこの予備隊の徴集の問題を岡野さんに、市町村長に委任するのかと尋ねましたところが、そういうことはしないというふうに御答弁になつたように私は記憶しておるのですが、それが突如として今回のように委任事務の形で、市町村の重大なる仕事になつて参りますと、どうしても私はこちらでやり、また岡野さんのはつきりした答弁を得たいと思うのですが、その点についての御釈明を願います。
#36
○岡野国務大臣 お答え申し上げます。どの委員会にどういう法令をかけるというようなことは、政府の手の及ばぬことでございまして、これは国会内部の仕事だと思いますから、国会において御決定された通りにわれわれは呼出しを食つて、そうして御答弁申し上げるということになるわけです。
#37
○立花委員 それは半分の御答弁でしかない。あなた自身はどうお考えになつておるか。あなた自身として予備隊の徴兵事務を市町村にまかすことについて、何も相談に乗らなくていいとお考えになつておるか。それは権限外だとお考えになつておるか。実際の問題としましては、今後の市町村にとつては重大なる事務になつて来るものが市町村に移管されて来る。特にまたその費用についても厖大なる費用が予想されるにかかわらず、はつきりした具体的な見通しは何らない。そういう場合にあなたとしてその問題に触れずにおいていいのか、またお考えになつておるとすれば、どういうお考えを持つておられるか。政府で相談があつた場合に、どういう相談が地方の所管大臣としてのあなたにあつたか、あなたとしてはどういう意見を持つておられるのか、これをひとつお聞きしたい。
#38
○岡野国務大臣 予備隊の募集事務を地方に委任するということについて、まずこれをどこの委員会へかけるかということが、先ほどの御質問だつたと思います。ただいまのは、その予備隊の募集事務を地方公共団体にやらせていいか悪いかというようなことの御質問だと思います。これは国が警察予備隊の募集をするという場合に国家事務とし、同時にその国家事務を地方公共団体にやらせる、こういうような法律が出れば、地方公共団体といたしましては、法律の委任事務として引受けるべきだと思います。同時にそれに対する財政は、今度地方財政法の改正も出ますので、国がやるべきところの仕事をやるときには、国がこれを負担するというふうにやつて行く次第でございますから、そこに何ら矛盾もなかろうと思います。
#39
○立花委員 さいぜん申し上げましたように、あなた自身もこの委員会で、市町村長にそういう募集事務を引受けさせる考えはないと言つておられる。大橋国務大臣もこの席上で、そういう考えはないということをはつきり言つておられた。ところがもう法案が出て来ておる。大臣のお答えによりますと、法律が出れば地方がやるのは当然だと言つておられるのでありますが、それは形の上ではその通りだと思うのです。しかし法律をお出しになつたのはあなたたちなんです。あなたたちが前言を翻してこういう法律をお出しになつた、地方自治の責任者であるあなたは、その問題について具体的にどう考えておられるかということをお聞きしているのに、何ら具体的なまじめな答弁がなくて、手続のことだけを何とか言つておられる。それでは非常に地方が困ると思うのです。あなたはさいぜん国で支弁するとおつしやられましたが、一体どの程度支弁するとお考えになつておるのか、具体的な御答弁を承りませんと、非常に私たち不安を感ぜざるを得ない。国で支弁するという具体的な内容は一体どうなんですか、特に二十七年度について具体的に御説明願いたい。
#40
○岡野国務大臣 まだ事務を委任するというようなことがきまつただけでございまして、これをどういうふうにして募集するかという方法は、大体計画はきまつておりますが、何人くらい、いつどういうふうにしてするかというような具体的なことはきまつておりません。きまつておるといたしましても、これは所管外でございまして、その点はひとつ詳しく所管大臣からお聞取りを願えればけつこうだと思います。
#41
○立花委員 所管外でお逃げになるのは非常に私不誠意だと思うのです。所管外できめられましたことも、結局あなたが責任を持つておられます。地方自治の市町村でやらなければならないということになつて参りますので、どうしてもこれはあなた自身が内容を知つておかなければならない問題だと思うのです。政府がこういうはつきりした法律をお出しになるについては、相当具体的な計画があり、相談があり、所管大臣とあなたとの間にも、相当綿密な連絡もあつて、こういうものをお出しになつたのだろうと思う。何ら具体的な話もないのに、こういうものが出るはずはない。そういうものがなしに出したとすれば、私どもまつたく不可解と感ぜざるを得ないのですが、私どもはおそらくあつたと思う。あつた場合になぜあなたはその相談に乗らないのですか。
#42
○岡野国務大臣 二十七年度に三万五千の予備隊を増員する、こういうことの相談もありますし、それを地方公共団体から世話してもらつて、そして募集の事務を引受けてもらいたい、こういう話もありました。それ以外に何もありません。
#43
○立花委員 三万五千は募集する数字ではなしにふやす数字なんです。そのほかに二万五千、大体六万を今年募集するということを、大橋国務大臣は言つておられる。大臣が三万五千と言われるなら、大橋さんの六万と大分開きがありますので、経費の問題についても相当に違いが出て来ると思うのですが、そういうずさんな相談しかお受けになつていないのか。この間の新聞紙上でも、大橋国務大臣は必要があれば十八万にする、あなたの言われる三万五千以上ふやすと、はつきりと言つておられる。そういう相談にも何らお乗りになつておられない。そういうものが具体化した場合には、それじや経費をどうするのかということも問題だと思うのですが、あなたはただ三万五千増員するということだけしかお聞きになつていないのかどうか、御返答願いたい。
#44
○岡野国務大臣 先ほど申し上げましたのは、来年度増員のことでございまして、それはあなたの御説の通りに、やめる人もあるから補充をしなければならぬので、三万五千の新規募集と補充で五、六万になるだろうということは、それはその通りでございます。
#45
○立花委員 そうすると、大体これはいつごろから募集なさるのですか。
#46
○岡野国務大臣 そういうことは私の所管でございませんから、どういう計画を持つて、どういう時期にどういう方法で、何人募集するとかいうことは、ひとつ所管大臣の方からお聞取り願いたい。
#47
○立花委員 昼から所管大臣を呼んで聞きたいと思つておりますが、しかしあなた自身もやはりこれには責任を持たなければならないと思う。財政に関する範囲におきましても重大な関係がありますので、何人とるかわからない、いつからとるかわからない、どういう方法でとるかわからない、これじや何ら具体的にお考えになつていないと思う。あなたは今後そういうふうな態度で、どういう事務がどういう形で、どういうふうにいつから押しつけられようとしておるかということについて、何ら関心をお払いにならないというお考えなのかどうか、これを聞きます。
#48
○岡野国務大臣 どうも私には話がはつきりしないのです。少くとも来年度十一万にする。そして三万五千を増す、そして補充もする。そういうときに地方公共団体にその募集の仕事をしてくれ、国が国家の事務としてやるなら、地方公共団体も引受けてよかろうじやないか、こういうことで引受けておる次第でございます。もし私が頭が悪いと仰せられればしかたがない。その通りであります。しかしながらそういうことは所管大臣が十分御研究であるので、それをお聞取りになつた上で、所管大臣はこう言つておるが、地方公共団体として引受けるのは不穏当じやないか、こういうような御議論なら何とかお話もできますけれども、まるで所管大臣を抜きにして、私に予備隊の関係の責任を負わせるようなことは、ちよつとどうかと思います。
#49
○立花委員 これは関係ないことはありませんので、重大な関係がある。といいますのは、ただいま御説明なさつた地方財政法の一部を改正する法律案の中にも、警察予備隊に要する費用は新しく一項つくりまして、あなた自身がこの問題を取上げておられる。だからこういう改正案をお出しになるなら、この内容をはつきり持つていなければならぬわけだ。この改正案は予備隊の今度の募集の問題に関連して改正なさつて、ここに御提案になつておる。だからこの内容はどういうことかということを聞いておる。地方財政に関してはあなたが所管大臣です。警察予備隊の募集に関して、あなたは地方財政法まで改正なさつて提案なさつておるじやないですか。その具体的な内容はどうだということを聞いておる。何人募集するということは、この地方財政法を改正されて、提案なさつておる項目に重大な関係がある。いつからやるかということも重大な関係がある。それでなぜあなたが自分の所管じやない、ほかの大臣に聞いてくれと逃げることができるのですか、あなた自身が提案なさつておるじやないですか。
#50
○岡野国務大臣 提案いたしました趣旨は、十分御研究くだされば、国がそういう計画をして、そうしてこういう事務を地方にまかせるときには十分考慮してきめて、同時にそれに対する財政の裏づけをしてくれなければ、地方財政は困る。こういう意味で今度の地方財政法の改正をもくろんでおるわけでございます。でございますから、この際お通しくだされば、とにかく中央が押しつけた仕事に対しては財政的の裏づけをしてもらえる、こういうことになるのですから、どうぞひとつ地方財政強化の立場から、そういうふうに地方財政法の改正案を早く御審議御決定あらんことを切にお願いいたします。
#51
○立花委員 だからお尋ねしておるのです。いかほど金がいつて、どれほど国が出すつもりなんだ、しかもそれはどういう方法で出すのだ、こういうことをお尋ねしておるのです。たとえばこの間の住民登録に関しましても、金は出す、予算は組んであるといいながら、しかしそれはわずか三億五千万円ばかりの国の費用をとつてあるだけで、その他十億ばかり地方で金がいる。しかしそれは新しい予算はちつとも組まないで、従来のままの平衡交付金の中から出す、従来の平衡交付金には、おそらく住民登録の費用は入つてなかつたはずなんですが、入つてない平衡交付金の中から出すというようなことを言つておりますのは、これは出さないのと同じなんです。だから地方財政法を改正して、国の委任事務に関しては国が経費を支弁するというのであれば、具体的には一体それはどういうことなんだ。二十七年度にはいかほどの金がいり、それはいつごろにいる金であり、どういう財源から出すのだということをはつきりお聞きいたしませんと、私どもはただこれだけでは審議できない。それをひとつ御明示願いたい。
#52
○岡野国務大臣 予備隊のことにつきましては、国が全額国庫負担をすることになるはずであります。同時にそれを確保するために、この地方財政法の改正を出しておるわけであります。
#53
○大泉委員長代理 立花君、議案の本筋に入つてもらいたい。
#54
○立花委員 本質じやないか、これ以外の本質があるものか。じや、それはどこからお出しになるのか、新しくこの財源をおつくりになつてお出しになるのか、住民登録の場合と同じように費用の中に含まれなかつたところの財政平衡交付金からそれだけをさいて出すのか、どういう方法でそれをお出しになるのか。
#55
○岡野国務大臣 これは国庫予算の内容のことでございますから、その所管大臣が予備隊を増強して行き、同時におつしやつたように補充して行くというようなことにつきましては、ちやんと所管大臣がその財政の裏づけをしておるはずでございます。
#56
○立花委員 はずじや済まないので、あなたはそのことをお知りならないのですか、そうしたらなぜこのようなものをお出しになつたのですか。これは具体的にその裏づけをはつきり大臣が答弁できなければ、これをお出しになるはずはないと思います。所管大臣がやるはずだというようなことくらいでは、私どもは信用できない。市町村にそういう事務は押しつけないと言つておきながら、それを押しつけて来たような大臣が、それを出すはずになつておるというぐらいでは私どもは納得できない。しかもあなたは地方財政の責任者なんだから、はつきりどういう財源でどういう方法で出すということを、この席上で言つてもらいたい。
#57
○鈴木(俊)政府委員 予備隊の募集の関係の事務につきまして、いろいろお尋ねでありますが、これは現在提案をいたしております地方財政法の第十条の四「地方公共団体が負担する義務を負わない経費」、この中で「もつぱら国の利害に関係のある事務を行うために要する左の各号の一に掲げるような経費については、地方公共団体は、その経費を負担する義務を負わない。」こういうような純粋の国家事務で、ただその事務の処理を、特別に募集のための出先機関を設けてやることは事実困難であり、たいへんであるから、自治団体にその仕事を委任してやつてもらう、こういう趣旨の仕事であります。その仕事に要しまする経費は委託費として、全額国庫負担をもつてこれは支弁せられるべき性質のものであると考えております。この地方財政法の第十二条におきましては、これに表裏一体をなしまして警察予備隊に要する経費は、地方団体に負担を負わせるような措置をしてはならぬ。こういうふうに裏からも規定をいたしておるわけでありまして、こういう点から今の警察予備隊員の募集に要しまする経費は、国の予算をもつて処理せられるべきものでありますし、その予算の処理執行に関しましては、当該の行政機関におきまして具体的なる指示をいたすことになると思いますが、それに関しましては、もちろん具体的に実施の場合におきまして、さらに地方財政委員会等といたしまして協議を受けることになるものと考えておる次第であります。
#58
○大泉委員長代理 立花君審議の内容にひとつ入つてもらいたい。
#59
○立花委員 これほど内容のあるものはないじやないか。
#60
○大泉委員長代理 あなたはそう思うかしらないが……。
#61
○立花委員 これほど具体的な内容はないじやないか。
#62
○大泉委員長代理 審議の時間がもつたいないから……。
#63
○立花委員 委員長はそんないらぬことを言う必要はない。鈴木君は、実施のときになつてやると言つておられますが、予備隊は九月には満期になるんで、もうとらなければならない。すでに六千人の幹部の募集事務はやつておる。もうこれは具体的な問題なんだ。だから特にそれを一般化して、二十七年度には一体どれほどの財源が必要であり、それをどういう財源から出すかということは、政府の中できまつていなければならぬはずです。それがきまつていないなら、地方は非常に不安なんだ。現在の地方財政の困難からいいまして、そういう不安な事務は私は引受けないと思いますが、これは政府できまつていないのか、きまつておつても、鈴木次長も岡野国務大臣も、そんなことは何ら知らないのかどうか、これをひとつお尋ねしたい。
#64
○鈴木(俊)政府委員 何回も繰返して申し上げるようでございますが、今の予備隊募集に関する経費は、国家予算をもつて委託費として全額国の負担において処理せらるべきものであるということからいたしまして、この予算の執行につきましては、当該の主管大臣が全責任を持つておるわけであります。その予算の執行につきましては、とにかく今の関係の法律が国会で御審議中なのでありますから、これがもし成立いたしましたならば、その後において具体的なる措置が行われることに相なろうと思うのであります。地方自治庁といたしましては、こういう事務が市町村の委任の事務といたしまして、全額国庫負担の経費をもつて処理せられるということについては了解いたしておりまするが、それが具体的にどういうふうなことになりますかということにつきましては、承知いたしておりません。これはひとつ当該の機関の方からお聞取りを願いたいと思います。
#65
○立花委員 そういう答弁だと、私はあなたたちが地方自治に対して責任を持つておると言えないと思います。前回の委員会で、ちようど国警長官も同席されておりまして、国警長官もお認めになつたところの全国数億に達する国家警察への寄付金、この国家警察の費用、これがやはり警察予備隊の事務と同じように、地方財政法の十二条で並べられておるわけなのです。特に国家地方警察に要する経費、こういうものは地方の負担になるような施策をしてはいけないというふうに、はつきり十二条で書いてあります。ところが、あなたも同席されて聞いておられたでしようが、国家警察は数億に達する寄付を地方民あるいは地方自治体からとつておる。これは詳細な文書が出ておりますから御存じでしようが、しかも最も基本的な経費である国家地方警察の庁舎の新築費まで寄付をとつておる。地方の府県庁あたりでは、もう半ば強制的に一千万円近い国家警察のための予算が組まれておるというような状態なのです。だから、十二条でいくら国が出すように規定してありましても、そういうふうな形で、すでに従来からあります国家警察が、地方の財政に食い込んでおる。重大な影響を与えておる。であなたたちがこの十二条に新たに警察予備隊の募集の費用をお加えになつても、それが当然私は地方財政に大きな影響を持つて行くだろうと思う。その場合になぜあなたたちはもつと具体的に、二十七年度においてこの費用が幾らであり、国がどういう財源からどういう処置をして出そうとしておるかということに、関心をお持ちにならないのか、そういうことが、なぜこの地方行政委員会で、あなたたち地方の責任者である方たちから、答弁が聞けないのか。これはまつたく不可解だと思う。今おわかりにならないのならば、次の機会でもおやりになるような意思がおありになるのかどうか。私ども地方行政委員会は、今度の警察予備隊の募集に関する法案には、合同審議すら拒否されておりまして、政府から意見を聞く機会がないのですが、あなたたちは、それを次の機会にでも、この席上で明らかになさる意思があるかどうかを聞いておきたいと思う。
#66
○鈴木(俊)政府委員 これは私どもから申し上げるべき所管事項でございませんので、先ほど来申し上げますように、当該の政府委員等から御聴取願いたいと思います。
#67
○立花委員 大臣はどうか。次長がお答えになりましても、大臣がおられるのに大臣の答弁がないのはおかしいと思う。やはりこれは重大な問題で、大臣がおられるならば、次長よりも大臣からはつきり御答弁願いたい。大臣は地方自治に関してあるいは地方財政に関して、政府としては最高の責任者なんで、この方がこういう重大な問題に意思表示がないというのはおかしい。こういう問題を次長にしやべらせておいて、大臣がそばで聞いておるだけでは済まないと思うので、大臣のはつきりした御答弁を願いたいと思います。
#68
○岡野国務大臣 お答えいたします。私はここに列席いたしておりまして、事務当局が申し上げましたことは、私の意思とまつたく同じであります。そして自治庁におきましては、上下ともに完全に意見は一致しておりまして、私の意見に反した答弁なり発言をすることは絶対にありません。御安心なさつていただきたいと思います。
#69
○立花委員 まつたく困つたことだと思うのです。具体的な内容はちつとも御存じにならないで、ただ意見が統一しておるとかなんとか言われても、私どもにはちつとも統一の内容がわかりませんので、どういうふうに統一されておるのか雲をつかむようなことで、これでは地方はまつたく困ると思う。大臣は、平衡交付金の問題につきましては、平衡交付金以外の金で出すことは、ひもつきだから、地方の自治を侵害する、だからひもつきでない平衡交付金にするのだということを言つておられますが、問題は、ひもつきだから、ひもつきでないからというところにあるのではなしに、こういうように具体的に募集の事務をやるのならば、募集の費用としてお出しになつてもいいと思う。地方の自治が侵害されておりますのは、財政的の原因が重大な原因なんで、財政的な困難から地方の自治が非常に侵害されて来ておる。その際に、今度の地方財政平衡交付金の法案でも、ひもつきをはずしまして、全部ひもつきでない金にするのですが、その金が実は今言いました徴兵の費用に食われて行く。あるいはこの間お出しになつた住民登録の費用――あれも財政的な新しい措置はしないで、平衡交付金の中から出すのですから、ひもつきでないということを奇貨として、必要な財源を出さないでおいて、その方に幾らでも金が使えるようにしておいて、表面は非常にきれいな形なんですが、実質的には地方の自治がそこなわれて行くだろうと思う。だからこそ私は、徴兵事務の費用は一体どうするのか、どういう財源でどういう方法で幾らばかり出すのか、ここの見通しが幾らいるのだから、それをどう出すのだということを、はつきり承りたいということを言つておる。おそらくこの費用は政府が十分にお出しにならないで、ひもをはずされて一般財源として出されました平衡交付金の中からどんどん支払われて行く。あるいは新しい地方での税金を取立てるか、あるいは今までの税金を増徴いたしまして、それでまかなつて行くという形になるのは当然だと思うのですが、そういうふうなことにならない見通しが、大臣としてはつきりおありになるかどうか、これをお聞きいたします。
#70
○岡野国務大臣 予備隊募集の事務につきましては、はつきりと国庫から地方公共団体に支出するということにきまつておりますから、地方にしわ寄せすることはないわけであります。
#71
○立花委員 そういたしますと、予備隊募集の一切の費用は全部国家が負担する。もしそれが国家の費用が間に合わなかつた場合、あるいは不足な場合、そういうことで事務が円滑に行かなかつたり、適当な人員が得られなかつたりした場合には、政府はその地方の赤字を補填するか、あるいは地方の要求に応じて、いつた費用は全部政府から新しくお出しになるお考えかどうか。しかもそれは従来の平衡交付金の中からお出しにならないで、新しい財源としておやりになるのかどうか。
#72
○奧野政府委員 全額国庫負担ということで、御承知おき願えばけつこうであります。
#73
○門司委員 当局に資料をお願いしておきたいと思います。それはこちらで私どもが一々計算すれば、大体その数字は出て来るのでありますが、地方財政委員会からもらつておりまする資料の中にある課税額と徴収の歩合であります。大体調定見込額と課税標準額に対しては九〇%くらいの捕捉率を見て、そうして八〇%ないし八五%の徴税率を見て税収が書いてありますが、この中でただ一つ、非常に問題になつております遊興飲食税の中で、調定額というのが書いてありまして、その前に当然なければならない課税標準額の方が実は書いてないのであります。従つて一体この課税標準額はどのくらいあるのか、これをひとつ示しておいていただきたいと思います。これは調定額しかあがつておりませんで、もう一つその前のほんとうに遊興飲食税の売上げがどのくらいあるのかという数字がここに出ておりませんから、それをひとつ出しておいていただきたいと思います。これはやはり入場税についても同じでありまして、課税標準額が出ておりませんから、これがどのくらいの率になつておるか、お調べを願つておきたいと思います。はつきり言うと、おそらく逆算されればわかるだろうというお話になるかもしれませんが、一応当局からお出し願いたいと思います。
 もう一つ、奥野君がそこにおいでになりますので聞いておきたいと思いますが、実は今日配付された三月二十五日付の資料を見ますと、これは非常に古い資料でありまして、数字が直つておりませんが、これを新しい資料のつもりでお出しになつたのかどうか、この点を聞いておきたいと思います。この点はわれわれ一番新しい資料として見ていいのかどうか。それは一番前に書いてあります地方団体の歳入総額の見込額及びその内訳を書いたところに、地方財政平衡交付金の見込額が千二百億と書いてありますが、これは予算の方ではちやんと千二百五十億が通つているのです。だからこの資料は一体正しいのかどうか。あまり新しい資料でないのに、古いのを表紙だけとりかえて持つて来た資料のように見受けるのですが、これは間違いですか。
#74
○奧野政府委員 前段の資料は追つて提出いたしたいと思います。後段の問題は、これは国会に提出する意思がむしろ遅れておりまして、恐縮なんでありますけれども、昭和二十七年度において幾ら地方財政平衡交付金を必要とするかという意味合いから提出を義務づけられておる資料でありまして、こういうような数字から結果として平衡交付金の増額をしなければならないのだということになるのであります。
#75
○大泉委員長代理 それではしばらく休憩いたします。
    午後零時三十九分休憩
     ――――◇―――――
    午後二時三十八分開議
#76
○大泉委員長代理 開会いたします。休憩前に引続き、地方税法の一部を改正する法律案、地方財政法の一部を改正する法律案及び地方財政平衡交付金法の一部を改正する法律案の三案を一括して議題とし、質疑を続行いたします。質疑を許します。立花敏男君。
#77
○立花委員 警察予備隊関係の問題をお伺いしたいと思います。予備隊増強の問題とからみまして、地方の財政の問題がこの委員会に提案されております。それもありますし、大体警察予備隊は予備隊令によりましても明らかに警察だということが規定されておりまして、予備隊の問題はこの委員会でやつておりましたし、今後も当然扱つていいのじやないかと思いますので、そういう観点からひとつお伺いしたいと思います。午前中の委員会でも岡野国務大臣に尋ねたわけですが、詳細は予備隊の方から聞いてくれ、主管大臣から聞いてくれということでありましたので、あらためてお尋ねをしたいと思いますが、予備隊の増強の問題について、具体的な案をどういうふうにお立てになつておりますか。
#78
○江口政府委員 二十七年度におきまして、三万五千人を増員して十一万二千人にする予定でございます。そのうち約三万二千五百名は七月中旬ごろに入隊させたいと考えておるのでございます。それから現在おります七万五千人の大部分のものの任期がこの秋に参ります。従いまして七万五千人のうちの何分の一かはやめて行くのではないかと考えております。従いましてその方の補充募集をこの秋から冬にかけて行うつもりでございます。
#79
○立花委員 三万五千は七月ごろ募集する。あとは秋だとおつしやられましたが、たしか九月が満期なんで、九月より相当以前に募集しなければ十一万が充足されないと思うのです。募集の点は相当早くなるのか、大体どれほどが募集されるお見込みなんですか。少し具体的に。
#80
○江口政府委員 三万五千人の増員分につきましては、そのうち幹部級につきましては別の方法で募集をいたしますので、幹部以外の一般隊員は三万二千五百人程度だと考えておりますが、それは七月ごろに入れたい、かように考えております。それから秋と申し上げましたのは、現在七万五千人のうち五千人が幹部でございますから、残り七万人の大体三分の一以上はやめるのではないか、かように考えておりますので、そのやめる分の二万人ないし二万五千人くらいの欠員を、この秋から暮れにかけて入れたい、かように考えております。
#81
○立花委員 秋から暮れにかけてでは間に合わないと思うのです。九月に満期になるので、それ以前でなくては間に合わぬと思いますが、それがふしぎな点と、それから大体募集予定人員に応じて予算が編成されると思うのですが、それをどういうふうにお見込みになるのか。幾人の募集ということがはつきりいたしませんと、予算の組みようがないと思いますが、何人の募集予定で予算をお組みになつておるか。
#82
○江口政府委員 二十七年度の三万五千人の増強分の予算といたしましては、二十七年度におきまして七箇月分を見込んでおるわけでございます。七月ごろに三万数千人を募集いたしますと、予算の制約もありますから、あとの欠員補充の分は秋から冬にかけてということになろうかと思います。従いまして、その数字が幾らかと申されましても、現在のとろは正確な数字はつかみ得ないわけであります。この八月から九月にかけまして実際に何人やめるであろうかということは今後の調査によつて判明するわけであります。従いまして、その数字が確定いたしましてから、秋から冬にかけましての分の募集要領をきめたい、かように考えております。
#83
○立花委員 ちよつと誤解があるのじやないかと思います。予備隊自身の予算ではなく、募集に関する費用の予算なんです。これは地方の事務に要する費用の問題なんで、予備隊自身の何箇月分というわけではありません。ちよつとお答えが違うのじやないんですか。
#84
○江口政府委員 募集の経費につきましては、全部国費で持つつもりにいたしまして、ただいま大蔵省と財政当局と折衝中でございます。これは大体府県にお願いする分、あるいは市町村にお願いする分、かなりの事務があろうかと思いますので、その事務に要しまする経費につきましては、ただいま折衝中でございまして、数日中に確定し得るものとかように考えております。
#85
○立花委員 だからその基礎的な問題につきまして、大体募集の人員は幾らということがおわかりだと思いますので、それをお知らせ願いたいと思います。
 それから一人当りどういう計算の仕方で募集に関する費用を見積られているのか。
 それからあわせてお尋ねしておきますが、どういう方法で具体的に市町村がやるのか、また府県ではどういう事務がどういうふうにやられるのか。事務内容によりまして予算の何も違いますし、やはり具体的にそこまでお聞きしておきませんと、私ども審議のしようがありませんので、お尋ねしておきたいと思います。
#86
○江口政府委員 府県にお願いします分としましては、各郡に一箇所ぐらいずつの検査場を設置して行きたいと考えております。その検査場におきまして、応募者の検査をするわけであります。その試験場の借上げ費というようなものが必要になつて参ります。同時に、その試験場の世話をやいてもらう労務費というようなものも必要になつて来ると思います。それから県庁の方でいろいろ市町村との連絡をとつていただきますために旅費もいるでありましようし、あるいは通信費もいるでありましようし、あるいは会議費等も必要になつて参ろうと思います。府県におきましてお願いいたしまするような仕事の内容は、ただいま申しましたもののほかに、国の方で印刷いたしましたパンフレツトあるいはポスターなどを、それぞれの方面へ配付してもらうような経費も必要かと考えます。それから市町村におきましては志願者を各市町村の役場に送つておきますので、志願者がそこへ志願票をとりに来るとそれを配付する、あるいは郵便でそういうものを送つてくれと言つて参りましたものがありました際には、そこへ郵便で送つていただき、それらのものをとりまとめて整理する、そうして県庁の方へ報告するというような経費のほかに、今申しましたように、やはりパンフレツトを配つたり、ポスターをはつてもらつたりするような経費がいるわけでありまして、これらにつきましてはただいま詳細な資料を持つておりませんけれども、いろいろ積算いたしましたものを中心にして大蔵省と折衝いたしておりますが、しかし予算折衝の結果といたしましては、何に幾ら何に幾らということでなくて、たとえば一県分どのくらい、あるいは一市町村分どのくらいというようなところで、きめられるのではないかと思います。そういたしますれば、その市町村あるいは府県へ配付いたしまする予算の範囲内において、ただいま申し上げましたような仕事を手伝つていただこう、こういうふうに考えております。
#87
○立花委員 大体詳しい資料ができているようですが、積算の基礎になつております数字を、もう少しお示し願いたいと思います。最後にきまりますまではあなたが言われましたように、一県当りあるいは一市町村当りできまるかもわかりませんが、今大蔵省と折衝されている積算の数字をひとつお示し願いたいと思います。
#88
○江口政府委員 ただいまその資料を持つて参つておりませんので、後ほどお目にかけられるものがありますればお目にかけることにいたしたいと思います。
#89
○立花委員 大蔵省と折衝中であれば数字がないはずがありませんので、今お持ちでありませんでしたら、この次にでもぜひお示し願いたいと思います。具体的な数字が出るまでに、総括的に大体県当りどれくらいの費用を要求されているのか、あるいは市町村当りどれだけになるのか、総額でもけつこうですが、全体の募集事務に対する費用として、どのくらいお見込みになつているか。
#90
○江口政府委員 募集に関しまする経費といたしましては、大体都道府県分一千万円くらい。それから市町村分が一千五百万円くらいになるのではないかと考えておりまするが、詳細な数字はもう数日いたさないと確定いたさないという段階にございます。
#91
○立花委員 一千万円だといたしますると、一県当り平均二十万円ですが、二十万円くらいではたしてこの仕事ができるのかどうか。この郡に一箇所ずつの調査所を借り上げる、それの役務費あるいは会議費、連絡費、交通費、通信費、こういうものが県当り二十万円で、はたしてやれるというお見通しがあるのかどうか、これは非常に少いと思うのです。あるいは市町村にいたしますと、全国に一万の市町村がありますので、一万の市町村に千五百万円を割当てますと、これは問題にならない金なので、そういうもので事務ができるというふうにお考えになつておるのか。私はこれは明らかに地方の負担になると思うのですが、その点はどういうふうにお考えになるか。
#92
○江口政府委員 できるだけ多額の経費が地方にまわりますることを、われわれも希望いたすのでありますが、そこは予算とのにらみ合せもありまするので、できるだけ不自由をかけない程度の予算を計上いたしまして、その範囲内でやつていただくより方法はないと考えております。
#93
○立花委員 それからこの問題につきまして今御折衝なさつておるのはどこですか。さいぜん大蔵省財務局と言われましたが、その他に折衝されておるところはないのかどうか。
#94
○江口政府委員 こういう仕事を地方にお願いするという点につきましては、地方自治庁とももちろん相談いたして御了承を得ておりまするし、大蔵省の方は予算をやつておりまする主計局の方と相談いたしまして、できるだけ地方にお願いして、円滑にその仕事をやつていただける程度の予算を認めてもらいたいということを折衝いたしたわけであります。
#95
○立花委員 地方財政委員会との交渉は一体どうなつておりますか。
#96
○江口政府委員 事務当局とはもちろん折衝の上、国の方で十分経費を見てくれるならば、そういう仕事を地方へ扱わせることもやむを得ないだろうという御了承を得ております。
#97
○立花委員 地方財政の問題に関しましては、特別に規定がありまして、新しく国が地方の財政負担になるような施策をする場合には、地方財政委員会の意見を求めなければならぬということがあるのですが、この手続をおとりになつておるのかどうか。おとりになつたとするならば、いつどういう形でおとりになつたか。
#98
○江口政府委員 私その法律の方は詳しく存じませんが、地方の負担にはならない、全部国の方で負担するという建前で予算を流すつもりでおりまするので、その辺の方は特に御相談をしなくても済んだと考えております。
#99
○立花委員 大分考え方が違うじやないかと思うのですが、仕事自体が地方の負担になる、そういう場合にその費用をどうするか。国が持つか地方が持つか、あるいは国と地方の両方で持つか、こういうことを相談いたしまして、では国で持とうという話がきまるはずだと思うのです。だから最初は、地方の負担になるような場合には、当然それをどうするかということを地方財政委員会に相談しなければならない建前なので、国が持つのだから一切地方財政委員会には相談しなくてもいいというものでなかろうと私は思うのですが、この点あなたの御答弁によると全然相談しなかつた、国が持つ建前だから全然相談しなかつたと言われるのですが、これは少し法的な規定とははずれるのじやないですか。
#100
○江口政府委員 もとより地方自治庁ないし地方財政委員会の事務機構の間で、この話は進めて参つたのであります。しかしながら地方へ負担をかけないということになつておりますので、他の例から申しましても特にそういう手続をとる必要はないのではないか、こう解釈いたしましてこういうことになつておるのであります。
#101
○立花委員 奧野君、その点どうですか。あなたは地方財政委員会の方の籍のある方なのですが、あとで話合いがきまつて国が持つということになりましても、仕事の性質が地方の負担になり、特に今回のような場合、今回のごとく府県当り二十万円、一市町村当り千五百円というようなことで、重大な予備隊の募集事務を地方に負わされては、まつたく地方の迷惑だと思います。そういう場合でも地方財政委員会に相談しなくても、独自でやつていいのかどうか。これは地方財政法の建前とは大分違うと思うのですが、地方財政委員会としてはどういうふうに考えておりますか。またこの問題で警察予備隊の方から相談を受けられたかどうか。話合いとか何とか言つておられますが、そういうものでなく、地方財政法に規定しておりますのは明白に法的な手続を規定しております。そのための手続を規定しておりますが、その法的な正式な手続がやられたかどうか、これをひとつお伺いします。
#102
○奧野政府委員 御承知のように地方団体の事務として委任される制度的な問題でありますだけに、地方自治庁としては正式な協議を受けておるわけであります。しかしながら地方財政委員会につきましては、先ほど江口さんからお話がありましたように、地方の負担を伴わないという建前になつておりました関係上、正式の協議は受けておりません。しかしながらこれらの募集事務が、今後どう運営されて行くかということにつきましては、やはり時々通達等で地方団体に流して行かれるだろうと思いますので、やはりそういう際に個別に相談を受けられるだろうとわれわれは考えますし、その際、出発点から地方団体に負担をかけないのでありますから、負担をかけないような建前で協議されるものと期待しておるわけであります。
#103
○立花委員 地方財政法の二十一条には「各大臣は、その管理する事務で地方公共団体の負担を伴うものに関する法令案について、法律案及び政令案にあつては閣議を求める前、命令案にあつては公布の前、あらかじめ内閣総理大臣を通じ地方財政委員会の意見を求めなければならない。」とあり、しかもこれは文書による正式の意見を求める手続をいたしまして、地方財政委員会から正式に文書によつて回答を得なければならないということになつているわけですから、今度のような場合は当然それに当てはまると思うのです。国が地方に委任しております事務の中でも、今度の委任事務は最も重大な委任事務なのです。しかもやり方によつては、大きな財政的な負担を地方に負担せしめる、こういうような問題の場合に、なぜ地方財政法の二十一条を無視されて、地方財政委員会に諮ることなしに、こういう法案をお出しになつたのか、これは重大な問題だと思いますので、ひとつお伺いしたいと思います。
#104
○奧野政府委員 先ほども申し上げましたように、この事務につきましては地方負担を伴わないという建前をとつておるわけであります。その点が立花さんと政府との間に見解を異にしておる点だろうと思います。地方自治庁が相談を受けました際に、もし地方の負担を伴うものでありましたならば、地方自治庁といたしましても地方財政委員会との協議を促すような措置をとつただろうと思います。しかしながら建前がそうでありますし、現にまた政府が提案いたしておりまする地方財政法の一部を改正する法律案におきましては、警察予備隊に要しまする経費につきましては、国は地方団体に負担を負わせるような措置をしてはならないのだというふうな規定まで入つておるわけであります。しかしながら今後時々募集等の仕事を進められるにあたりまして、かりそめにも地方負担を伴うようなおそれを生じました場合には、もとより警察予備隊と十分協議いたしまして、そういうことのないようにいたしたいと考えます。またそういうおそれのあります際には、地方財政委員会とも当然協議しながら、そういうことの起きないように努力しなければならないだろうと考えております。
#105
○立花委員 その答弁はどうもおかしいじやないかと思います。大体事務を委任するのだから、財政的な負担は当然生じて来る。しかしそれを国で全額負担すべきものか、あるいはさいぜん言いましたように地方が負担すべきか、地方と国とが負担すべきか、そういうような問題について、財政的な負担のおそれが当然あるのですから、それについては当然相談をされなければいけないと思う。しかも具体的な政府の案を示して、そうしたおそれのないようにするという方法をとられる規定が、この二十一条の規定じやないかと思うのです。それを頭ごなしに、大体府県は一千万円、市町村は千五百万円というようなきめ方を、天くだり的にやりまして、事務だけは総理大臣あるいは知事の指揮監督のもとに強行せしむるというようなことは、これは明らかに地方財政法の二十一条の違反じやないか。さいぜんその点につきまして、もし赤字が出るような場合、あるいは地方の負担になつたような場合は、一体それをどう処理するのかということを、岡野さんにお尋ねいたしましたが、これに対しても明確な答弁がないわけです。全額国庫負担という建前をはつきりと貫くとあれば、当然赤字も全部国で負担する。これに要した費用で、地方が支弁いたしましたものに対する請求があれば、当然これは国で払うという確約があつてこそ、初めて全額国庫負担ということが承認できるのですが、そういう確約のない。そうして今お聞きしますと非常に僅少な金額である。しかも募集の数字につきましても、具体的にはやつぱりお持ちになつていないということに至りましては、私どもはいくら政府が全額国庫負担だと言われましても、大きな疑問を抱かざるを得ませんし、現実の結果といたしましては、地方が莫大な財政の負担をこうむつて来るということになると思うのですが、もう一度地方財政委員会並びに警察予備隊となぜこういう問題で、事前に十分な打合せをなさらなかつたか、特に地方財政法の二十一条についてそういう規定があるのですから、そういうおそれがあるとお考えになる場合は、当然私は相談されなければならないと思うのですが、それをなぜおやりにならなかつたのか、おそれがないという意見が自由党の方で出ておりますが、おそれがあるか、ないか、赤字が出て地方の負担になつた場合は、どうするのかということを聞きますと、それに関する具体的な答弁がないのだから、これはおそれがあると考えざるを得ませんので、どういうふうにお考えになつたのか、ひとつお聞きいたします。
#106
○江口政府委員 先ほど奥野政府委員から御説明がありましたように、われわれといたしましては地方自治庁にも正式に協議いたしたわけであります。もちろん地方自治庁の御判断によりまして、これは地方団体の負担を伴いそうだということになりますれば、われわれの方にもその趣旨のお示しがあつて、われわれの方としても地方財政委員会にも正式にいろいろと御協議を申し上げなければならぬかと思うのでありますが、最初からこの経費は一切国の方で持つ、従つてもし配付された金で足りないという場合は、国の方で継ぎ足す。従つて一応予算できめられた範囲内でできるわくの仕事をやつていただく、最初のことでありますので、もしこれでできないということになりまして、自然地方に負担がかかるということになれば、それはまたあとから方法を考究するということで研究して参る。はたしてこれで足りるかどうかということは、将来の問題として研究の余地があるであろうと思います。先ほど申しましたように、これは確定的な数字ではありません。これも目下折衝中の数字でありますので、最小限度のところそのくらいの辺をねらつて、地方にその金を配付してやつていただこう、こういうふうに考えておるのであります。
#107
○大石(ヨ)委員 ちよつと関連してお尋ねしますが、あなたは予備隊のどなたですか。
#108
○大泉委員長代理 ただいま御出席の方は江口次長です。
#109
○大石(ヨ)委員 それならば増原さんの次の方ですね。――実は私疑問に思うのですが、予備隊は軍隊なんですか、警察なんですか。この点について詳細お答え願いたい。
#110
○大泉委員長代理 大石さんに委員長から申し上げますが、予備隊は予備隊なんで、軍隊でないことは再々明言されている通りであります。きようは実は地方財政に関する関連事項で出席してもらつているのですから……。
#111
○大石(ヨ)委員 それじやよろしゆうございます。そこでちよつと一点あなたにお尋ねしますが、軍隊でございませんでしたら、元の佐官級――少佐、中佐、大佐というああいう人たちをなぜ指導する地位に幹部級として御採用なさるのですか。それはどういう意味ですか。私はそれを知りたいと思うのです。これは関連しないかもしれませんけれども、私常に不思議に思つておりますので、これについてちよつと聞きたいのです。現在失業者がたくさんございますから、東大とか京大とか、大学を出た人をお使いになつたらいいのに、何ゆえにそういう元の軍国主義者の職業軍人をお使いになりましたか。この点私は非常に疑問を持つておるのですが、その点をちよつとお答え願いたい。
#112
○江口政府委員 警察でございますが、警察と申しましても普通の警察のように個々の警察官が、一人で警察務を執行するというようなことはほとんどないのでありまして、大体の仕事は部隊によつて行われるということが予想されまする警察なのでございます。従いまして団体の指揮の経験のある人たちが、この予備隊には適当ではないか、かように考えまして旧正規将校を現在千人ばかり採用いたしております。しかしこれはその人たちの経歴によりまして、ただちにただいまの予備隊の仕事に従事し得るという人たちをそれだけ入れたのでございます。もちろん大学卒業者も予備隊に採用しなければならぬと考えておりますので、本年におきましては、この三月大学を卒業する者及び今までに卒業しました者の中で、一定年齢以下の者をやはりこの四月に予備隊にとりまして、これは四百人ないし五百人を予定いたしておりますが、これらをやはり半年ばかり教育いたしまして、これを予備隊幹部につかせたい、こういうふうに思つております。
#113
○大石(ヨ)委員 それでは私たちを敗戰に導いたる元の職業軍人を採用するということは、GHQからの指令で採用されたんですか、それともあなた方がお考えの上で、こうした元の職業軍人をお使いになつたのですか、その点をちよつとお聞きしたいと思います。
#114
○江口政府委員 旧正規将校を予備隊に一部採用するということが、予備隊の能力向上のためにけつこうであろうという決定は、政府自体としていたしたわけでございます。
#115
○大石(ヨ)委員 アメリカ側は何も指令しておるのではございませんね。
#116
○江口政府委員 何ら指令は受けておりません。
#117
○立花委員 それからさいぜんの続きですが、そういう場合に地方の不服があつた場合、予備隊としてはどういうふうにお考えになつているか。地方財政法では不服の申立てができるというふうに言つているのですが、そういう方法をやはり予備隊としては考えておられるかどうか。
#118
○江口政府委員 お聞きの点は、今後十分地方財政委員会とも連絡をとりまして、そういうことの起らないように善処いたしたいと考えております。
#119
○立花委員 それが起つた場合のことを聞いておりますので……。
#120
○江口政府委員 できるだけ起らないように努めて参るつもりでございます。もし起りますれば、地方財政当局ともよく相談いたしまして、そういうような事態の除去に努めたいと考えております。
#121
○立花委員 それから、そういう財政的な問題とは別に、募集事務に関しまして総理大臣が市町村に対して、市町村長を指揮監督するという言葉がありますし、あるいは知事が市町村長を指揮監督するという言葉があるわけなんですが、これは、その指揮監督のやり方によりましては、重大なる地方自治に対する侵害が起つて来るのではないかと考えますが、この点をどういうふうにお考えになつているか。
 それから第八条の二の第三項では、この警察予備隊の募集に関する事務の一部について、自治体警察に協力を求める。総理大臣が自治体警察に、募集について協力を求めるという項目があるのですが、なぜこの募集について警察の協力を求めなければいけないのか。これはまつたく、いわゆる兵隊に行きたくない、予備隊に入りたくないというのを、警察の権力で、いわゆる私たちの言葉で言いますと、ピストルとこん棒で、この行きたくないやつを予備隊に入れるということを、法律の上で、明らかにこれは裏書きしていると思うのです。なぜ特にこの点だけをこういうふうに改正なさるのか、警察予備隊の募集に、なぜ自治体警察あるいは国家警察の協力を求める。総理大臣がこの問題について協力を求めるという項目を、何の必要があつてお入れになつたのか。
#122
○江口政府委員 府県、市町村に、この募集に関する事務の一部を行つてもらいまする際に、どういう方法でやるのかということでございまするが、その方法は、先ほど申しましたような点につきまして、地方公共団体の御協力をわずらわしたいというような趣旨のものにいたしたいと考えておりまするが、御懸念のような点のないように、地方自治庁とも十分御相談した上で、この改正案の実行に当りたいと考えております。
 それから、警察に事務の一部について協力を求めるということは、現在でもそういう条文がございまして、ずつとやつて参つたものでございます。ことに一昨年募集をしました際には、全部が、国警あるいは自治警察の手によつて採用されたのであります。予備隊の機関がまだできておりませんでしたので。その後も一部が、この募集に関しまして、警察の協力を得ております。しかしそれは主として前科の調査ということがねらいでございまして、それを口実にして予備隊に志願させるように、強圧を加えたりするような趣旨のもとに、こういうものが規定されておるわけでは、決してございません。
#123
○立花委員 一般の就職の場合、他の民間の職業、あるいは公の職業に就職する場合と、予備隊に就職する場合は、この条文で見ると明らかに違うと思うのですが、他の公の職業につきましても、あなたの言われますように、公職につきまする者につきましては、前科等の問題があるだろうと思うのですが、そういう場合にも、当然これはあなたの言われる範囲ですと、警察の協力が必要でなければならないので、そういう問題に何らお触れにならないで、予備隊というものの募集の場合だけ、警察に協力を求めることができるというふうに、特に規定されたのは、私は明らかにこれは強制的な募集であるということの証拠であると思うのですが、では公職も含めまして、一般の就職と予備隊就職は、どういうように違うとお考えになつておるか。
#124
○江口政府委員 特に公務員のみならず、こういうところに人を入れます際には、いろいろな調査を行うことが当然ではないかと考えております。従いまして特に予備隊の採用に関しましては、非常に多数の人数を入れるわけでございますし、全国の各すみずみまでに設置されております警察の手に依頼する方が、最もこういう点では調査しやすい、しかも組織も大きいせいもありますので、こういうはつきりした規定にしておいた方がいいのではないか、そう考えてこういう規定を入れたわけであります。別にただいまお話のように、強制するためにこういう規定を置いたというようなものでは決してございません。
#125
○立花委員 私ども聞くところによりますと、市町村長が一応推薦の形をとるということですが、そういう形をおとりになるのか。
#126
○江口政府委員 そういうことは考えておりません。割当とか、何人を推薦して出せとか、そういうことは考えておりません。しかしながら実際この仕事をやつていただくにあたりまして、ある市町村が、特にほかの市町村よりも、応募者が少いというようなときには、事実上の問題として、もう少し若い青年が応募するようにやつてもらえないかという程度のことは、お願いするかもしれませんが、何人出せとか、しかもそれを強制的に割り当てるというようなことは、絶対に考えておりません。
#127
○立花委員 今言われましたことが割当てになるのじやないか、他の市町村と比較して少いときは、もう少しふやさなければいかぬということになつて参りますと、具体的な形は割当てになります。しかも全国的に見ましても、東北地方では応募したが、関西地方では全然応募しないというような場合には、一体どうなさるつもりですか。
#128
○江口政府委員 もちろん全国的に応募者の数に不均衡があることは、前回の募集の結果からも想像できます。しかしそれかといいまして、その足らないところをほかの地方にぜひ出してもらうように強圧を加えて、何人ぐらいはぜひ出してもらいたいというような、何と申しますか、押しつけがましいことはいたさないつもりでありまして、とにかく話合いで参りますので、そういうことを申しましても、私の村ではとてもこれ以上のものは応募しそうもないといわれれば、それだけの話でございまして、それを何も強制的にやろうと考えておりません。
#129
○大泉委員長代理 どうもこれは警察予備隊の行政上の問題になつておるようだから、あまり地方行政委員会と関連性が稀薄だから、もう少し簡潔に。
    〔「委員会の性格に反しているよ」と呼ぶ者あり〕
#130
○立花委員 募集の仕方を聞かなければ、どれだけ金がいるかわからぬじやないか。
#131
○大泉委員長代理 なるたけ簡単にやつてください。
#132
○立花委員 募集の仕方によりまして、金の支出の仕方が違いますし、額が違うのは当然なんです。次長の言つておられるように単なる自分の自由意思による応募であるならば議論はいりませんが、新聞紙上でもすでに府県に割当てるということを言つているわけなんです。(「常識で行けよ」と呼ぶ者あり)常識で行きましても、これは当然全国的に一律に参るとは考えられませんので、あらかじめ何万というものを募集しなければいけないという大前提があります以上は、当然各個の自治体に対しまして、割当が行われるのは、これはあたりまえだと思うのです。しかも国民の間には、この予備隊募集反対という運動が起つておりまして、きようの朝刊によりましても、すでに神戸では千五百人ですか、大きな予備隊応募反対のデモが行われまして、警官隊と衝突をいたしておりますが、こういうような形がもう全国にある。あるいは全国の各都市でやつておりますラジオの街頭録音を聞きましても、戰争反対だ、再軍備反対だ、憲法改正反対だということを、明らかに圧倒的な多数の者が言つております場合に、単なる自由の意思による募集では、これはおそらく集まらないだろう、そういう場合には、当然あなたの言われましたように、少いところへはさらに慫慂するという形が出て来るでしようし、そうなつて参りますと、強制募集、強制徴兵という形になつて参りまして、費用も、単なる手紙のやりとりだけでは済まない事務が起つて来るのではないか。これを予想して、この三項の警察に協力を求めることができるという規定をされたのだろうと、私は思わざるを得ないのですが、六万、あるいは今度十八万といわれておりますが、十万近いものをどうして全国平均に募集する見通しがあるのか、これをひとつ承らないと、御説明は納得できない。
#133
○江口政府委員 できるだけ優良な多数の青年が応募いたしますように、いろいろなパンフレツトをつくつたり、ポスターを掲げたりして、自発的に応募するように努めたいと考えておりますので、決して強制的に割当てるというなことはやらないつもりであります。
#134
○立花委員 強制的に割当をやらないと申しましても、何万を増強しろ、何方を募集しろ、さらにそれをふやせという意見が至上命令として押しつけられまして、それをあなた方がどうしても募集するとなつて参りますと、押しつけになるということは明白なことです。そういうことにはならないというのは、まつたく詭弁にほかならないと思います。自由党の人たちがこの問題に関しましてやじを飛ばしておりますのも、この点がやはり国民にとつては一番重大問題だから、最も自由党の痛いとこだから、そういうふうに言つておりますので、私どもはこの法案を見まして、ますますその感を深くせざるを得ないと思うのですが、第二条にやはり問題がはつきりして来るのではないか。第二条では、前条に規定する命令は、平和条約の効力発生の日以後も、当分の間、法律としての効力を有するものとするとなつておるわけなんですが、これは一体どういう意味なんですか。ポツダム勅令は百八十日以後はその効力がなくなる建前なんですが、この第二条の規定を私どもはどういうふうに解釈すればいいのか。警察予備令に関しましては、平年条約発効の日以後においても、当分の間、いわば無期限にこの命令が効力を有するということになるのか。その点をひとつ明確にしていただきたいと思います。
#135
○大泉委員 議事進行。――この地方行政委員会としては、現に掲げてある議題に対して、審議を進められんことを望むのは私どもの念願でありますが、立花君の質疑等は、他の委員会でしばしばやられておるのでありますから、やはりその委員会においてやられることを望みます。当委員会においては議案が遅々として進みませんので、特に発言者の進行を促します。
#136
○野村委員長代理 ちよつと立花委員に御了解願いたいと思いますが、今御質問になつたことは、非常に御熱心に数度にわたつて質疑をされておりますし、また政府側も答弁されておるようですから、なるべく発言に対しましては公正に――まだ質疑の方もおありになるようですから、これから江口政府委員から答弁がありまして、あと時間がありましたら、ほかの質疑の方が終りましてから、またお願いいたしたいと思います。御了承願います。
#137
○江口政府委員 予備隊令はいわゆるポツダム政令によつてできておりまして、国会の御審議を煩わしていないのでございます。従いまして、講和条約発効と同時に、その根拠になる法規を失いますると、予備隊令も消滅するわけであります。それをやはり当分の間法律としての効力を有せしめるために、この御審議をお願いしておるわけであります。
#138
○立花委員 だから普通のポ勅は百八十日という日が大体切られておるわけですが、これだけをなぜ当分の間とされたのか。これだと無期限になると思うのですが、この予備隊令を発効後も無期限に存続するというふうにこの条文を解していいのかどうか。
#139
○江口政府委員 予備隊令を全面的な法律の形に改めたいという気持は持つております。しかしその作業が間に合いますか、間に合いませんかという点も考えまして、百八十日を過ぎました後に失効してしまつたのでは、これを設置しました趣旨に反しまするので、失効しないように、ただいま申されました期限が過ぎましても、当分の間は法律としての効力を持たし得る、その間にも間に合えば法律として国会の御審議を煩わしたいとは考えておりますが、そういう時期的な問題もありますので、この「当分の間」という字句を入れたわけであります。
#140
○立花委員 ほかのポ勅は百八十日で大体失効し、その間に法律への切りかえができるのに、なぜこの警察予備隊令のポ勅だけは、そういう手続をおとりにならないのか。ただいま説明されただけでは、私どもは具体的な理由がわからないわけです。なぜこの警察予備隊令だけを引続き当分の間というふうに、無期限に存続せしめるのか。これは期限がない以上は、無期限と見ざるを得ないのですが、期限があるというのであるならば、どれほどの見通しを持つておられるか。ポツダム勅令のうち、なぜ警察予備隊令だけをこういうふうに特別扱いにされるのか。この具体的な根拠を承りたい。そうでありませんと、やはりこの予備隊令というようなポ勅を法律に直すことによりまして、国民の大きな反撃を受けるということがやはり根本的な理由で、なるべくさわらぬ神にたたりなしで、これを放つておくつもりであるというふうに、私どもは了解せざるを得ませんし、ただそれだけでなしに、当然失効すべきものが――あなた方は講和後独立するとか、自由だとか言つておられますけれども、ポ勅でできました法律が、無期限に存続するような法律は、私どもは認めることができませんが、具体的な根拠は一体どういうことなんですか。
#141
○江口政府委員 今国会に、この全面的な警察予備隊に関します法律案を提案できるか、あるいは次の国会になるかということが今のところ予定されないのであります。従いまして、条約発効後六箇月以内にこれが失効してしまつたのでは、この設立の趣旨を失いますので、その六箇月の期間が過ぎても、しばらくの間は法律としての効果を有せしむる、これが法律としての効果を持つております間に、適当な法律として再び国会の御審議をお願いするようにしたい、こういうふうに考えております。
#142
○野村委員長代理 門司君。
#143
○門司委員 自治庁の大臣がおいでになつておりますので、どちらからでもよろしゆうございますが、ごく簡単に聞いておきたいと思いますことは、行政の事務の問題ですが、これを見ますと、町村長に非常に大きく義務づけられたような形になつておりまして、町村長を監督するということになつて参りますと、一体これは市町村の事務であるのか、町村長が特にかかる形で義務づけられているのかということであります。これは行政の上から非常にめんどうな問題が起つて参りまして、もしこれが町村長の仕事であるとするならば、一体町村長はこの仕事を拒否することができるかどうかということであります。この点は一体どうお考えになつているか。
#144
○岡野国務大臣 市町村長の事務であります。
#145
○門司委員 市町村長の事務ということになつておりますが、そうなりますと、市町村長はこれを拒否することができるかどうかということであります。これが自治体の一つの固有の事務、あるいは委任事務となつておりますと、拒否することができない。市町村に対する単なる事務であるならば、私は拒否することはさしつかえないと思う。そういうことができるのでありますか。
#146
○奧野政府委員 他の多くの国の事務の運営にあたりましても、なるたけ既存の機関を使いますことが、経済的に経費の節減をはかれることになりますし、またなるべく地方団体を使いますことが、それらの運営にあたりまして民主的な見地を加えることになりますので、市町村長は市町村民から選ばれた市町村の代表者でありますけれども、同時に多くの場合に国の機関として働かなければならないような公的規制が行われておるわけであります。今度の問題もそういうような見地から、市町村長に事務が委任されるというふうに考えているのであります。
#147
○門司委員 その市町村長に委任されることは、――というよりもむしろ私は市町村に委任した事務であると思います。市町村長に委任した事務であるかどうかという見解を、はつきり聞いておきたいと思います。これは非常に重要な問題でありまして、行政を行います場合に市町村が当然やらなければならないことである。従つてその市町村の責任者が市町村長であるから、これの責任者であるということが一応いえるのであります。そこで今までも大体こういう国の委任事務というのは、すべていかなる事務でありましても、私は大体市町村長に内閣当事者が委任するということで、指揮監督するという文字を使つていないと思う。この事務に限つて内閣総理大臣が指揮監督することができるということが書いてある。従つてそれが市町村長を指揮監督する、こういうことになつております。これはちようど昔の徴兵事務のありました場合に、徴兵事務は市町村長が徴兵事務官として、執行官としてやつておりましたから、あるいはその執行官に対して指揮命令あるいは監督はできたかもしれませんが、それと同じようにこれを解釈して参りますと、これがいかにも以前の国の徴兵事務官のような形を私はとつて来ると思うのでありますが、そういうふうに解釈していいのか悪いのかという点です。
#148
○江口政府委員 もちろんこういう法案をわれわれの方で策定いたします際に、地方自治庁方面ともいろいろ御相談申し上げまして、こういう文言にいたしたわけであります。この第八条の二の二項に関しましても、地方自治法の百五十条でございますか、その規定をそのままこちらに取入れまして、都道府県知事あるいは市町村長が主務大臣の指揮監督を受けるというようなことにもなつておりますので、この条文をこちらに利用させていただいたという次第でございます。
#149
○門司委員 そうしますとこの市町村長は以前の徴兵の執行官のようなものであるというように解釈してさしつかえないのですか。
#150
○江口政府委員 その点申し落しました。そういうことは絶対にしていただかないつもりでございます。ただ先ほど申しました程度のお仕事を手伝つていただくということになります。
#151
○門司委員 それならこの事務は拒否することができるというように解釈してよろしゆうございますか。
#152
○江口政府委員 それはできないのではないかという解釈でございます。
#153
○門司委員 そうなつて参りますと、前段の政令の内容を私ども聞かなければなりませんが、ここに単なる政令で定める、こういうふうに書いてありますので、一体政令の内容がどういうことになつておるかということであります。この政令の内容いかんによりましては強制の徴用といいますか、強制の徴兵ではなくても、任意の徴兵のような形が私は出て来はしないかと考える。もしこれが純然たる任意の応募者で、ありますならば、徴兵官のような指揮監督を受けるというようなきゆうくつなものでなくてもいいんじやないか、単に国から委任された事務を取次いでやるだけだ、こういう試験検査をしてもらいたい、それからこういう身元調査をしてもらいたいという依頼があつた場合に、その調査を出すというだけなら、私は何も指揮監督を受けるというところまで、ちようど徴兵執行官みたいな形まで持つて行かなくてもいいんじやないかと考えられるのであります。この点は御存じのように、アメリカで行つておりますような、徴兵ではあるがそれに任意が加味されておつて、言葉をかえて言えば任意の徴兵みたいなものが行われておるのでありますが、そういうふうに当局はこれを解釈されているんじやないかという気がするのですが、そういうことはないのですか。
#154
○江口政府委員 そういうふうには考えておりません。できるだけ納得のできるような事項だけを市町村長に責任を持つてやつていただく、その事項はどういう事項になるかと申しますと、志願書を受付けて、その志願書を本人に交付してもらいたい。あるいはそれを整理をして、とりまとめて府県へ報告してもらいたいというような中身のものを、政令としてきめたいと思つておりますし、もちろんこの政令につきましては、地方自治庁と十分相談の上いたしたいと思つております。決して昔の徴兵官のような役割を市町村長にしていただこうとは考えておりません。
#155
○門司委員 昔の徴兵と同じようだつたら、そういう答弁以外に答弁できないと思います。もう一つ自治庁の長官に聞いておきたいと思いますことは、こういう拒否することができない事務が国から地方に押しつけられて、しかもそれは単なる議会あるいはその他によつてこれを構成された機関で協議するようなものでありませんで、相手は人の問題でありまして、応募者があるかないか実はわからぬのであります。ところがあつてもなくても募集を依頼されれば、一応それの手続だけはする、そうしてその結果応募者がなければないでよいというだけの義務づけであるのか、たとえ義務づけられておりましても、それだけの報告さえすればよいのかというつことであります。私が聞いておりますのは、ここに指揮監督という文字を使つておりますので、単なる依頼事務でありますならば、指揮という文字だつて私はいらないと思う、それから監督という文字もいらないと思います。指揮監督をするということになると、どうしてもそこに何だか市町村長が総理大臣あるいは県知事のもとに置かれるような形が必ず出て来ると思う。これに対して地方自治の本質的の見地から申し上げまして、大体さつきの委員会でも大臣が御答弁になりましたように、市町村が自治体の基盤である、基礎的自治体であるということに考えて参りますと、これを指揮監督する者が出て来るということになると、私は非常に大きな問題になつて来ると思う。こういう点について大臣の所見をひとつ承つておきたいと思います。
#156
○岡野国務大臣 お答え申し上げます。今度予備隊の募集をしますのは、御承知の通りに、昔の徴兵制度と違いまして、国民の自由意思によつて志願をさせて、そうして志願の受付をするということでございまして、決して住民に対して予備隊に出ろとかまたは強制して割当てて、これを指名して志願しろということをするわけのものでは性質上ないのでありまして、ただ全国から予備隊員を募集しますときに、各市町村で志願者があればひとつそれをまとめて出してもらいたい、こういうような仕事をするわけであります。それから総理大臣の指揮監督と申しますのは、昔徴兵制度がありましたときに、総理大臣かどうか私知りませんが、地方の自治団体命令を出して徴兵した、こういう場合に強権を使つたということが頭に残つておるものだから、指揮監督という言葉が出て来ると、また強制的にそういうことをするのじやないかという誤解が起きぬとも限りません。これは仕事をする上において、託された事務を十分にやつていただく。それに脱漏のないように、万遺憾ないように募集事務もやつていただく、こういう意味の指揮監督というのであります。
#157
○門司委員 それでわかりました。
#158
○立花委員 岡野さんからちつとも答弁がなかつたのです、岡野さんは午前中の答弁のときに、所管大臣に聞いてくれということを言われたのですが、やはりこういう問題は地方財政法の建前から申しましても、当然所管大臣あるいは所管の警察予備隊と地方財政委員会との話合いがなければならない問題なんです。そういう点で岡野さんはやはり責任がないとは言えない。責任ある答弁はやはり岡野さんがしなければいけない建前になつておるのですが、そういう点をどうなさつたのか。警察予備隊の方に聞きますと、相談はしていなかつたというのですが、警察予備隊の方は忘れることがあるかもしれませんが、地方財政の重大な問題なんで、このことについては当然岡野さんが知らないとは言えない建前のものだと思うのですが、その点どうなんです。
#159
○岡野国務大臣 地方自治庁といたしましては、相談を受けてやつた次第でございます。
#160
○立花委員 地方財政委員会としては、当然相談に乗らなければならない問題なんで、岡野さんはその点をどういうふうにされたのか。
#161
○岡野国務大臣 地方財政委員会の設置法をごらんになつてください。地方財政委員会は独立の機関であります。私は地方財政委員会の委員長じやありません。
#162
○立花委員 そういうことを答弁されると思つておつたのです。地方財政法によりますと、閣議に問題を出す五日前に、地方財政委員会に相談しなければならない、地方財政委員会に相談したものを、やはり閣議で決定するということになつておりまして、岡野国務大臣が、午前中の答弁のように、この問題を何ら知らないということは、非常にこれは不見識だと思うのです。今まで警察予備隊の方に来ていただいて審議いたしました過程におきましても、重大な問題が出て来ておりますし、法案自体につきましても、今門司君が問題にしましたように、地方自治の侵害になるようなことが出て来ております。あるいは地方住民に対しまして、強制的に募集するような、あるいは協力を要求するような問題もありまして、非常に重大なんです。今まで国から地方に委任しております事務はたくさんありますが、その中でもこれは特に重大な委任事務でありますし、しかもさいぜんから徴兵ではないと言つておられますが、古い形の徴兵ではないが、新しい形の徴兵であることは明かである。こういう問題を大臣は何ら知らない、主管大臣に聞いてくれということでは、大臣の責任は尽されていないと思うのです。ただ単に職制上地方財政委員会の長官ではないということだけでは、弁解できるものではないと思うのですが、その点について御説明を願いたい。
#163
○岡野国務大臣 責任のあるだけの仕事はちやんと尽して来ております。
#164
○野村委員長代理 本日はこれをもつて散会いたします。次会は公報をもつてお知らせいたします。
    午後三時四十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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