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2021/05/19 第204回国会 参議院 第204回国会 参議院 本会議 第23号 令和3年5月19日
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2021/05/19 第204回国会 参議院

第204回国会 参議院 本会議 第23号 令和3年5月19日

#1
令和三年五月十九日(水曜日)
   午前十時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
○議事日程 第二十三号
  令和三年五月十九日
   午前十時開議
 第一 日本国の自衛隊とインド軍隊との間にお
  ける物品又は役務の相互の提供に関する日本
  国政府とインド共和国政府との間の協定の締
  結について承認を求めるの件(衆議院送付)
 第二 民間航空の安全に関する日本国と欧州連
  合との間の協定の締結について承認を求める
  の件(衆議院送付)
 第三 地域の自主性及び自立性を高めるための
  改革の推進を図るための関係法律の整備に関
  する法律案(内閣提出、衆議院送付)
 第四 新型コロナウイルス感染症等の影響によ
  る社会経済情勢の変化に対応して金融の機能
  の強化及び安定の確保を図るための銀行法等
  の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院
  送付)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、議員羽田雄一郎君逝去につき哀悼の件
 一、全世代対応型の社会保障制度を構築するた
  めの健康保険法等の一部を改正する法律案(
  趣旨説明)
 以下 議事日程のとおり
     ─────・─────

#2
○議長(山東昭子君) これより会議を開きます。
 議員羽田雄一郎さんは、昨年十二月二十七日逝去されました。誠に痛惜の極みであり、哀悼の念に堪えません。
 つきましては、この際、院議をもって羽田雄一郎さんに対し弔詞をささげることにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#3
○議長(山東昭子君) 御異議ないと認めます。
 弔詞を朗読いたします。
   〔総員起立〕
 参議院は わが国 民主政治発展のため力を尽くされ さきに国土交通委員長 沖縄及び北方問題に関する特別委員長の要職に就かれ また国務大臣としての重任にあたられました 議員従三位旭日大綬章羽田雄一郎君の長逝に対し つつしんで哀悼の意を表し うやうやしく弔詞をささげます
    ─────────────

#4
○議長(山東昭子君) 尾辻秀久さんから発言を求められております。この際、発言を許します。尾辻秀久さん。
   〔尾辻秀久君登壇〕

#5
○尾辻秀久君 本院議員羽田雄一郎先生は、昨年十二月二十七日、新型コロナウイルス感染症のため、逝去されました。享年五十三歳。余りにも早過ぎる御最期であり、誠に哀悼痛惜の念に堪えません。
 ここに、皆様のお許しを得て、従三位旭日大綬章故羽田雄一郎先生の御霊に対し、謹んで哀悼の言葉をささげます。
 先生は、昭和四十二年七月、後の内閣総理大臣羽田孜先生の御長男としてお生まれになりました。子供の頃から保育園の先生になりたいとの夢を持たれ、敬和学園高等学校を経て、玉川大学文学部芸術学科児童専修課程を御卒業、保育士の資格を取得されました。
 平成四年四月から伊藤忠記念財団に勤務をされ、全国子供文庫に対する助成など、児童館活動、野外活動に携われました。そこで出会ったお母さんたちの声なき声を伝えたいとの思いを抱かれたことが政治家としての原点であると伺っております。平成九年四月よりお父上の秘書をお務めになられました。
 平成十一年十月の参議院長野県補欠選挙で初当選を果たされ、国政に活躍の場を移されることとなりました。以来、連続五回の当選を果たされ、子供たちの未来に責任を持つ、現場主義に徹するとの信念の下、国政に全力で取り組んでこられました。
 本院においては、農林水産委員会、国土交通委員会、沖縄及び北方問題に関する特別委員会や共生社会に関する調査会など、多岐にわたる委員会、調査会等に所属をされました。国土交通委員会及び沖縄及び北方問題に関する特別委員会では、委員長として御活躍をされました。
 議員外交にも精力的に取り組まれました。
 平成十四年五月に米国ニューヨークの国連本部で開催されました国連子ども特別総会及び子どものための議会人フォーラムや、平成二十八年五月に東京で開催されました日本・EU議員会議に我が国の国会代表団の一員として参加をされました。また、超党派のユニセフ議員連盟の事務局長を務められ、貧しい子供たちの健康改善など、世界の子供たちの権利を守るための活動に献身的に取り組まれました。
 政府においては、平成二十四年六月に、野田内閣における国土交通大臣に就任をされました。大臣在任中に、参議院では東日本大震災からの復興をテーマとした子ども国会が開催されましたが、先生は御多忙の中、子ども国会の会場に足を運ばれ、全国から集まった子供たちの熱心な議論を温かく見守られました。そのお姿は今も語りぐさになっております。
 党におかれましては、参議院国会対策委員長、参議院幹事長などの要職を歴任されました。
 語れば切りがありません。大活躍の五十三年間でありました。御功績をしのび、御霊安からんことをお祈り申し上げます。
 型どおりの弔辞はここまでにします。あと少し、昔話をさせてください。
 随分昔の話になりました。ある日、先生も同じ資格をお持ちの保育士をしております私の娘が、今度、羽田先生のお子様のお世話をさせていただくことになったと帰ってきました。宿舎では先生と私どもの部屋は三軒隣でありましたから、それからは、我が家ではよくお子様方のおうわさをしました。お二人の御兄弟が小学校に進まれた頃は、テニスラケットを持った天使と呼んでいました。その後、お嬢様もお生まれになりました。そろって天真らんまん、すてきなお子様方であります。
 御家庭での子煩悩のお姿を目の当たりにしておりましたので、ついついお子様の話になりました。廊下で擦れ違ったとき、奥様が、わざわざ、あなたたちがお世話になった方でしょうと声を掛けてくださったと娘が感激をしていたこともありました。先生も奥様もひたすらに謙虚な方で、育ちがいいというのはこのような方を言うのだろうと思っておりました。総理大臣をなさった御尊父の血を引き継がれたのでありましょう。
 もう一つ昔話をさせてください。この国会議事堂の中で最も格式の高い部屋は、正面の三階の部屋です。天井も特別に高くしてあります。与党の参議院議員会長の居室として使われるのが常であります。私も使わせてもらったことがあります。
 ちょうどそのときに、野に下る事態となったのです。当然、第一党になった、時の民主党羽田国対委員長から部屋明渡しの催促がありました。党の大事な書類が置いてある、少し時間を貸してほしいと言うだけは言ってみました。本音では、甘えは許されない世界ですから、すぐに追い出される覚悟はしていたのであります。
 ところが、羽田国対委員長は、しようがありませんねと言ってくださったのであります。羽田先生の温厚なお人柄に触れた瞬間でありました。人の話をよく聞いてくださる方で、誰からも慕われるお人柄でありました。
 最後に、どうしても申し上げておきたいことがあります。先生とは、靖国神社の春と秋のお祭りには、御一緒にお参りをいたしておりました。世界の平和を祈り、戦争を風化させてはいけないと努力なさる先生のお姿に、私は頭を下げておりました。今は、先生の真意が皆さんに伝わっていたことを心から願うものであります。
 最後の最後に言わせてください。先生は、ただただ平和を願っておられました。
 今日、私がここに立たせていただきましたのは、御尊父の代から御指導をいただき、お世話になりながら、何の御恩返しもできませんでしたので、せめて先生の御意志をつないでまいりますとお約束をしたかったからであります。
 先生は、超党派のコロナと闘う病院を支援する議員連盟の共同代表として、医療崩壊を防ぐための活動の先頭に立ってこられました。その先生が、御自身の車で病院に向かわれ、途中で容体が急変して救急車をお呼びになったときは、時既に遅かったとお聞きをしました。御自身の体調について、なぜ早くお伝えにならなかったのですか。そもそも、御自身のことは二の次の方でしたが、それにしてもであります。我が身は顧みないことを宿命とされたのでしょうか。そんな覚悟のある大きな人間をエリートと言うのだと聞いてはいますが、何でもいいから生きていてほしかったです。
 一番御無念なのは先生御自身でしょうから、これ以上愚痴はこぼしません。
 もう一度申し上げます。世界の平和を守るという先生の御意志は必ず受け継いでまいります。
 与野党が厳しく対立する場面でも、先生がおられると場の雰囲気が自然と柔らかくなりました。
 これからは、場面が緊迫したら、先生のことを思い出すことにいたします。何回も思い出すことになるでしょう。そして、そのたびに、かけがえのない方を失ったと思うのでありましょう。
 何回も思い出す方にさようならとは言いません。
 またお会いしましょう。
     ─────・─────

#6
○議長(山東昭子君) この際、日程に追加して、
 全世代対応型の社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#7
○議長(山東昭子君) 御異議ないと認めます。田村憲久厚生労働大臣。
   〔国務大臣田村憲久君登壇、拍手〕

#8
○国務大臣(田村憲久君) ただいま議題となりました全世代対応型の社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明をいたします。
 少子高齢化が進展し、令和四年度以降、団塊の世代が七十五歳以上の高齢者となり始める中、現役世代の負担上昇を抑えながら、全ての世代が安心できる社会保障制度を構築することが重要です。このような状況を踏まえ、医療保険制度における給付と負担の見直しを実施するとともに、子ども・子育て支援の拡充や、予防、健康づくりの強化等を通じて、全ての世代が公平に支え合う全世代対応型の社会保障制度を構築することを目的として、この法律案を提出をいたしました。
 以下、この法律案の内容につきまして、その概要を御説明いたします。
 第一に、全ての世代が安心できる社会保障制度の構築に向けた給付と負担の見直しを図るため、後期高齢者医療の窓口負担について、負担能力に応じて負担いただくとの考えに基づき、現役並み所得者以外の被保険者であって、一定の所得や年収以上である方の負担割合について、二割とすることとします。
 また、傷病手当金について、出勤に伴い不支給となった期間がある場合、その分の期間を延長して支給を受けられるよう、支給期間の通算化を行うとともに、任意継続被保険者について、健康保険組合の規約で定めることにより、その保険料の算定基礎となる標準報酬月額を被保険者の資格喪失時の標準報酬月額とすることを可能とします。
 第二に、子ども・子育て支援の拡充を図るため、短期の育児休業の取得に対応して、月内に二週間以上の育児休業を取得した場合には、その月の保険料を免除することとし、また、国民健康保険の保険料について、未就学児に係る被保険者均等割額を減額し、その減額相当額を公費で支援する制度を設けます。
 第三に、全ての世代の予防、健康づくりの強化を図るため、保険者が保健事業を行うに当たり、労働安全衛生法等による健康診断の情報を活用し、適切かつ有効に保健事業を行うことができるよう、事業者等に対して健康診断の情報を求めることを可能とするとともに、健康保険組合等が保存する特定健康診査等の情報を後期高齢者医療広域連合へ引き継ぐこと等を可能とします。
 第四に、国民健康保険制度の財政運営の安定化を図るため、都道府県が国民健康保険の財政安定化基金を国民健康保険事業費納付金の著しい上昇の抑制等のために充てることを可能とするとともに、都道府県国民健康保険運営方針について、都道府県内の市町村の保険料水準の平準化や財政の均衡に関する事項を記載事項に位置付けます。
 第五に、生活保護制度の医療扶助について電子資格確認の仕組みを導入します。
 最後に、この法律案の施行期日は、一部の規定を除き、令和四年一月一日としています。
 以上が、この法律案の趣旨でございます。(拍手)
    ─────────────

#9
○議長(山東昭子君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。石田昌宏さん。
   〔石田昌宏君登壇、拍手〕

#10
○石田昌宏君 自由民主党の石田昌宏です。
 私は、自由民主党・国民の声を代表して、ただいま議題となりました全世代対応型の社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律案について質問いたします。
 現下の新型コロナウイルスとの闘いが一年以上も続いています。国民は疲弊しています。
 感染によって命を失う人や家族の苦しみ、感染者のために、そして社会機能の維持のために全身全霊で職務に当たっている人々の御苦労を思い、一人一人が感染対策をしっかりと続け、そして政府は国民に寄り添い、さらに積極的に支援を行っていただきたいと存じます。
 医療については、教訓を生かした体制を今後構築しなければなりません。医療従事者の確保はもちろん、衛生用品や医薬品等の隅々までの流通体制の整備、新たな医療に対応するための医療従事者の生涯教育の拡充、地域での連携強化や情報共有体制の構築など、ハードからソフトまで様々な課題があります。
 今回の健康保険法等改正案の目的である全ての世代の安心を守り抜くためには、その基盤となる医療機関、医療人材を必ず守り抜くことが必要です。
 しかし、世界から注目されている日本の国民皆保険制度といいながら、実は先進諸国と比較して、患者一人当たりの看護師や医師は五分の一から半分しかいないことからも分かるように、日本の皆保険制度は医療従事者の献身的な犠牲の上に成り立っています。世界に冠たるはずの日本の医療がコロナで崩壊すると言われているのは、そもそも平時からの張り詰めた糸のような緊張の上での仕事を医療従事者に強いてきたからであり、特に診療報酬、この在り方を大きく見直す必要があると考えています。
 医療従事者、特に看護師や医師の不足を解消し、医療人材を育て、未来を支えるための総理の御所見をお伺いします。
 今回の改正案を俯瞰すると、平成二十四年に議員立法として成立した社会保障制度改革推進法がその後の社会保障制度の見直しの基本にあることを意識せねばなりません。
 この推進法は、社会保障制度改革の基本を、一、自助、共助及び公助が最も適切に組み合わされるように留意しつつ、国民が自立した生活を営むことができるよう、家庭相互及び国民相互の助け合いの仕組みを通じてその実現を支援していくこと、二、社会保障の機能の充実と給付の重点化及び制度の運営の効率化とを同時に行い、税金や社会保険料を納付する者の立場に立って、負担の増大を抑制しつつ、持続可能な制度を実現すること、三、年金、医療及び介護においては、社会保険制度を基本とし、国及び地方公共団体の負担は、社会保険料に係る国民の負担の適正化に充てることを基本とすること、四、国民が広く受益する社会保障に係る費用をあらゆる世代が広く公平に分かち合う観点等から、社会保障給付に要する費用に係る国及び地方公共団体の負担の主要な財源には、消費税及び地方消費税の収入を充てるものとすることとしています。
 そして、この基本に沿って様々な改革がこれまで行われてきました。
 年金制度では、受給開始時期の選択肢の拡大や在職中の年金受給の在り方の見直し、医療・介護制度では、後期高齢者医療制度の見直しや地域包括ケアシステムの強化、地域医療構想を踏まえた病床の機能分化、連携の推進、就労制度では、七十歳までの就業機会を確保する制度の創設など、多様で柔軟な働き方の実現を目指した働き方改革、子ども・子育て支援では、幼児教育、保育の無償化や待機児童の解消、このように、この間順次、基本に沿って社会保障制度の見直しが行われてきました。
 そして、いよいよこの度、健康保険法等の見直しが行われることになりました。
 そこで、総理にお伺いします。これまで一貫してきた改革の基本を、今回の健康保険法等改正においてどのように反映しようとしているのでしょうか。
 今回の法改正により、令和四年度後半から、後期高齢者医療の被保険者のうち、現役並み所得以外の被保険者であって、一定所得以上であるものについては、窓口負担の割合が二割となります。
 令和四年度以降、団塊の世代が七十五歳を超え始め、後期高齢者支援金の急増が見込まれるわけですから、貯蓄も少なく、住居費、教育費等のほかの支出の負担も大きい若い世代に負担を求めるのは厳しく、後期高齢者であっても負担能力のある方に可能な範囲で御負担いただくという方向性は、さきに言及した社会保障制度改革の基本に沿うものです。
 一方、負担が増えることによって、病気になりやすい高齢者の方々が高くなる医療費負担を気にして受診を控えるということがあっては、健康寿命を延伸させていくという方向性に相入れないことになりかねません。
 そこで、ほかの世代と比べて医療費が高く収入が低くなりがちといった高齢者の生活実態を踏まえつつ、どのような考え方によって二割負担の線引きをされたのでしょうか。また、受診抑制の防止のための配慮はどのようにしていくつもりなのでしょうか。厚生労働大臣に伺います。
 健康保険法に基づき設立されている健康保険組合は、二〇一九年度の時点で約千四百組合、加入者は、従業員やその家族など約三千万人です。しかし、高齢者医療への拠出金負担の増加による財政状況の悪化で、保険料の引上げを決める健康保険組合が多くなっています。今回の法改正では、健康保険組合の財政状況や保険料の改定等に対してどのような配慮がなされるのでしょうか。厚生労働大臣にお伺いします。
 後期高齢者医療における窓口負担割合の見直しの背景の一つに、働く意欲があればいつまでも働くことができる生涯現役で活躍できる社会づくりを推進していくという考え方があります。このような社会の実現のためには健康寿命の延伸が必要です。
 残念ながら、我が国では平均寿命と健康寿命の差が大きく、それがゆえに差を縮めていくことは生涯現役で活躍できる社会づくりに極めて大切な視点ですが、どのように実現していくつもりですか。厚生労働大臣に伺います。
 少子化についても我が国では歯止めが掛かっていません。新型コロナウイルス感染症が広がる中、婚姻や妊娠が減っています。結婚したい、子供を育てたい、そう願っている方々に、政治としてもっとしっかり向き合っていかなければなりません。総理は、不妊治療支援の大胆な充実を図っていますが、子育て世帯の経済的負担軽減も更に進めていく必要があると考えます。
 そこで、菅内閣は、子育て世帯に向けた支援や配慮をどのように展開していくつもりでしょうか。全世代型社会保障制度を構築していく中で、あらゆる領域で、子育て世代、そして子育てそのものをしっかりと支えていくというメッセージを伝えていただきたいと存じます。
 総理にこの点を最後にお願いして、私の質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣菅義偉君登壇、拍手〕

#11
○内閣総理大臣(菅義偉君) 本日の答弁に先立ちまして、羽田雄一郎先生の御冥福を謹んでお祈りを申し上げます。
 石田昌宏議員にお答えをいたします。
 医療人材の育成についてお尋ねがありました。
 国民の命と暮らしを守るため、医療人材の育成や確保を進めることは重要な課題であります。令和二年度の診療報酬改定では、改定率をプラス〇・五五%とした上で、医師や看護師等、医療従事者の方々の負担軽減等に向けた取組を行いました。
 また、医師や看護師の不足については、医学部定員の臨時的な増員や医師偏在対策、さらに、看護職員の新規養成、復職支援、定着促進を柱とした取組を進めており、引き続き、医療従事者の育成や確保に向けた取組をしっかりと進めてまいります。
 これまでの改革の基本と今回の改正法案についてお尋ねがありました。
 御指摘の社会保障制度改革推進法においては、国民相互の支え合いの仕組みや、給付と負担の見直しによる持続可能性の確保などが改革の基本的な考え方であり、これは今般の改革においても通ずるものであります。
 その上で、今回の改正法案は、若者と高齢者で支え合い、若い世代の負担上昇を抑えるという長年の課題に対応するために、七十五歳以上の高齢者のうち一定の収入以上の方々の窓口負担を二割とするとともに、育児休業中の保険料の免除要件の見直しなど、子ども・子育て支援の拡充を図るものであります。
 今後とも、全ての人が安心できる社会保障の構築を進めてまいります。
 子育てへの支援についてお尋ねがありました。
 我が国の将来のためにも、子供たちのための政策を前に進めていく必要があり、私の内閣では、少子化対策に真正面から取り組み、思い切って進めてまいります。
 子供を持ちたいという方々の気持ちに寄り添い、その切実な願いに応えるために、不妊治療の保険適用を来年四月からスタートし、それまでの間、現行の助成措置の所得制限を撤廃するなど、大幅に拡充をいたしております。
 また、待機児童の解消に向けて保育の受皿整備を進めるとともに、全ての企業に対し、男性が育休取得しやすい職場環境を整備することを義務付け、希望に応じて一か月以上の休業を取得できるようにしてまいります。今般の法案でも、育児休業中の保険料の免除要件の見直しなど、子ども・子育て支援の拡充を図ることとしております。
 引き続き、結婚や出産、子育てを希望する方々の声に丁寧に耳を傾けて、あらゆる領域で対策を進めてまいります。
 残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
   〔国務大臣田村憲久君登壇、拍手〕

#12
○国務大臣(田村憲久君) 石田昌宏議員にお答えいたします。
 後期高齢者医療における窓口負担見直しに対しての考え方、受診抑制の防止についてお尋ねがありました。
 若者と高齢者が支え合い、現役世代の負担上昇を抑えつつ、全ての世代の方々が安心できる社会保障制度を構築することは待ったなしの課題であります。
 このため、少しでも多くの方々に支える側として活躍していただき、能力に応じた負担をしていただくことが必要であり、今回、高齢者の生活状況や高齢者の医療費が高いといった実態も踏まえた上で、具体的には、所得上位三〇%に相当する課税所得以上であることなど一定の収入以上の方々についてのみ、その窓口負担を二割とするものであります。
 その上で、見直しによる影響が大きい外来患者については、施行後三年間、一月分の負担増を最大でも三千円に収まるような配慮措置を講ずることで、急激な負担増を抑え、必要な受診の抑制を招かないようにしているところであります。
 健康保険組合の財政への配慮についてお尋ねがありました。
 健康保険組合は、公的医療保険制度の重要な担い手であり、これまでも、高齢者への支援金等の負担が特に重い健保組合に対しては一定の国費による財政支援を行ってまいりました。
 今回の七十五歳以上の高齢者の一部の窓口負担割合の見直しにより、健康保険組合等の現役世代の負担は七百二十億円減少いたしますが、今後とも、持続可能な社会保障制度の確立を図るため、現役世代の負担軽減を含め、総合的な検討を進め、更なる改革を推進してまいります。
 生涯現役で活躍できる社会づくりの実現に向けた健康寿命の延伸の取組についてお尋ねがありました。
 御指摘のとおり、働く意欲があればいつまでも働くことができる生涯現役で活躍できる社会づくりを推進していくことは重要であり、こうした社会の実現を進めるためには、平均寿命と健康寿命の差を縮めることが必要と考えております。
 このため、厚生労働省では、二〇四〇年までに健康寿命を男女共に三年以上延伸し、七十五歳以上とすることを目標とした健康寿命延伸プランを令和元年に策定し、自然に健康になれる環境づくりや行動変容を促す仕掛けなどの新たな手法を活用して、次世代を含めた全ての人の健やかな生活習慣形成や疾病予防、重症化予防等の取組を推進しているところであります。
 引き続き、これらの取組を通じて、誰もがより長く元気で活躍できる社会を実現してまいります。(拍手)
    ─────────────

#13
○議長(山東昭子君) 石橋通宏さん。
   〔石橋通宏君登壇、拍手〕

#14
○石橋通宏君 立憲民主党の石橋通宏です。
 私は、ただいま議題となりました全世代対応型の社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律案に対し、立憲民主・社民を代表して質問をいたします。
 冒頭、先週十三日の参議院厚生労働委員会において、三原じゅん子厚生労働副大臣が離席して一時行方不明になり、参議院での審議に重大な影響を与えた問題について、菅総理大臣に、任命権者としての責任をどう感じておられるのか、発言を求めます。
 また、昨日、政府は、衆議院で審議が行われていた出入国管理法改正案について、今国会での成立を事実上断念いたしました。私たちは、本法案は国際法令に明確に違反する歴史的な大改悪であり、廃案にすべきことを強く訴えてきました。
 三月に名古屋入管で収容中に病死したスリランカ人女性、ウィシュマ・サンダマリさんは最後まで適切な医療を受けられず、救えるはずの尊い命が失われています。それにもかかわらず、政府は、収容中の様子を撮影した監視カメラの映像開示を拒み続け、入管法審議の大前提であるはずの真相究明に全く後ろ向きの態度を取り続けてきました。
 菅総理、なぜ政府は明確な国際法違反である入管法改正案を国会に出してきたのか、なぜ何度も繰り返されてきた収容施設内での死亡事件の真相究明にこうまで後ろ向きなのか、そして、なぜ今、法案の成立を断念する決断をしたのか、明確にその理由を御説明ください。
 私たちは、野党六党が共同で参議院に提出している難民等保護法案及び入管法改正案こそ国際基準に合致した本来実現すべき難民認定、保護制度のあるべき姿であると確信しており、今回も多くの国民が野党案への支持を表明してくれています。今後、政府・与党が改正案の再提出を検討する際には野党案をこそ採用すべきであるということを強く要請しておきます。
 その上で、まず、新型コロナウイルス感染症対策について、三問に絞り、菅総理に質問します。
 総理は、昨年十月の就任時から、爆発的な感染拡大は絶対に防ぐ、新型コロナを一日も早く収束させる、緊急事態宣言は期間内に終える、短期決戦だと何度も大見えを切って約束し、国民に繰り返し我慢と協力をお願いしてきました。
 しかし、結果はどうでしょう。多くの地域で過去最悪の第四波の襲来を招き、三度目の緊急事態宣言の発令とその対象地域の拡大や期間の延長を余儀なくされ、医療従事者の皆さんの懸命の努力にもかかわらず、多くの尊い命が失われています。
 総理、遅過ぎた緊急事態宣言の発令、早過ぎた解除、緩過ぎた措置内容、全く不十分な事業主や失業者等への協力金や給付金、完全に遅きに失した変異株対策や流行地域からの渡航禁止、昨年から繰り返されてきた失政が招いたこの人災ともいうべき責任をどう取るおつもりなのか、そして今、具体的にどのような策をもってこの事態に対処されるのか、明確にお答えください。
 問題は、新型コロナ危機が長期化する中で国民生活が危機に瀕していることです。
 参議院厚生労働委員会では、五月六日に新型コロナ対策に関する参考人質疑を行いました。その場に参考人として御出席をいただいたつくろい東京ファンドの稲葉剛代表理事の魂の訴えを、菅総理に、そして是非、議場の議員各位にもお聞きいただきたく、以下、引用します。
 自助も共助も限界だ、今こそ公助の出番だと私たちは一年間叫び続けてきました。しかし、生活困窮者支援の現場では、依然として公助の姿は見えません。政府は一体どこにあるのでしょうか。この国に政府が存在しているということが、貧困の現場からは見えないのです。
 今この瞬間、家を追い出されて路上生活へと追いやられていく若者たちがいます。今この瞬間、おなかをすかせている子供たちがいます。その子供たちのために炊き出しに並ぶ親御さんたちがいます。そして、今、命を絶つことを考えている大勢の人たちがいます。その人たちに向けて、日本には政府がある、人々の命と暮らしを守る政府があるということを行動で示してください。
 菅総理、コロナ禍で一年以上にわたり困窮者に一番近いところで日夜支援に奔走されてきた方からの政府の存在が見えないという叫びをどう受け止めますか。一年以上もたった今なお、政治が見えない理由は何だと、そしてその責任は誰にあるとお考えでしょうか。
 稲葉参考人は、各地の炊き出しに集まる人の数は増え続け、日々最悪の事態を更新し続けています、私はこれまで二十七年間、生活困窮者支援の活動を続けてきましたが、これほどまでに多く多様な方々が困窮している状況は、バブル崩壊後、リーマン・ショックを含め、過去に見たことがありませんとまでおっしゃっています。そして、必要なのは貸付けではなく給付だと断言されています。
 菅総理、人々の命と暮らしを守る政府があることを行動で示してくださいという訴えに、どのような行動と支援策で応えるのでしょうか。今、生活苦にあえぎ、明日への不安を抱える全ての国民に政治があることを示す決意で、困窮者、失業者、休業者、そして子育て家庭や困窮学生たちへの支援について、追加的な支援策や拡充策を具体的にここで明確にお示しください。
 それでは、以下、法案についての質問に入ります。
 第一に、医療費負担を含む社会保障制度の在り方について、菅総理の基本的な考えを伺います。
 政府は、本法案において、一定以上の所得がある七十五歳以上後期高齢者の医療費窓口負担を、これまでの一割から倍増となる二割への引上げを提案しています。菅総理、これは菅政治の基本姿勢である自助の強化の一環なのでしょうか、まずお答えください。
 私たち立憲民主党は、今は自助を強化する政治ではなく、公助を立て直し、支え合いを強化して、年金頼みの高齢者世帯も、医療、介護、福祉が必要な方々も、誰もが安心して生活できる社会保障制度の再構築を目指すべきだと考えています。
 しかし、菅総理は、今回のコロナ禍の教訓を得てもなお、医療や介護の費用負担について、それを必要とされる方々の自己負担増を求め、自助を更に強化していく方向で社会保障制度改革を行うおつもりなのか、方針を明確にお示しください。
 例えば、報道によると、今回の後期高齢者の医療費窓口負担について、政府・自民党は当初、年収百七十万円以上で線を引こうとしていたとされています。つまり、菅総理、将来は更に二割負担の対象を拡大する方針なのでしょうか。
 また、既に検討が始められている介護保険の利用者負担についても、今後、二割負担、三割負担の対象拡大や原則二割化を進めていくのか、菅総理の方針を明確にお示しください。
 また、年金についても、政府・与党はこれまでの制度改革において、現役世代の将来給付の確保のためという名目で、年金受給額の実質切下げシステムの強化を図ってきました。
 私たちは、今のままの年金制度では、今後更に増大することが懸念されている低年金、無年金の高齢者世帯の安心は守れず、老後資金二千万円不足問題で多くの国民が老後への心配を抱える中、将来不安と実際の生活苦が一層拡大することを強く懸念しています。私たちは、今こそ抜本的な年金制度改革を断行して、年金の最低保障機能の強化を進めるべきだと考えていますが、菅総理は、これからは老後も自助で頑張ってくれと国民に要請するのでしょうか。明確な答弁をお願いします。
 第二に、今回の政府案における後期高齢者の医療費窓口負担二割化の根拠と妥当性について伺います。
 総理も重々御承知のとおり、人は誰しも、高齢になればなるほど医療を必要とする確率は高まり、労働による収入への期待は減少します。七十五歳以上の後期高齢者では、その傾向が一層強まるのは論をまちません。にもかかわらず、菅総理は、窓口負担二倍化の対象となる三百七十万人の後期高齢者の方々について、医療費負担が倍増してもなお日々の生活や老後の安心には全く影響を与えないと断言されるのか、その根拠とともに御説明ください。
 私たちが特に心配しているのは、前安倍政権時代から顕著に、いわゆる貯蓄ゼロ世帯が増加傾向にあることです。二〇一七年の調査では、六十歳代以上の世帯でも約三割が貯蓄ゼロになっています。菅総理は、この貯蓄ゼロの高齢者世帯の増加傾向とその理由について、どのような問題認識をお持ちでしょうか。
 その上で、これまでは貯蓄の切り崩しで何とか対応していた高齢者世帯が、今後、切り崩す貯蓄もなく、医療費倍増に苦しむケースが増大する懸念は絶対にないと断言できるのか、御説明ください。
 第三に、窓口負担が二倍となる高齢者の方々についてのいわゆる長瀬効果の影響について質問します。
 私たちには、多くの高齢者の方々からの悲痛な叫びが届いています。年金は減っていく、消費税は上がる、医療と介護の負担は増える、年寄りはもう長生きするなと言われているようだ、これ以上窓口負担が増えれば病院に行けなくなると。菅総理にはこのような当事者の皆さんの悲痛な叫びが届いていないのでしょうか。お答えください。
 政府は、今回の引上げによって、二〇二二年度で千八百八十億円の給付費減を見込んでいますが、このうち九百億円はいわゆる長瀬効果によるものであることを認めています。田村厚労大臣、つまり、政府は引上げによって九百億円分もの受診抑制が生じることを認めているのですね。
 では、なぜ、そこに本来必要な医療は含まれていない、症状の重篤化を招くことはないと断言ができるのか、その根拠も含めて、納得できる説明をお願いします。
 政府は、これまでにも高齢者の医療費窓口負担の自己負担増を進め、七十五歳以上高齢者でも現役並み所得では三割負担になり、六十五歳以上高齢者は皆が三割負担、七十歳以上高齢者も二割負担化が進められています。
 では、これまでの引上げによって、高齢者の受診抑制や症状の重篤化、生活の困窮化が生じなかったのか、厚労省はどのような科学的調査、分析を行い、どのような結果を得て、そしてその結果がどのように今回の法案の検討に生かされたのか、厚労大臣、説明を願います。
 第四に、現役世代の保険料負担の軽減とその財源の在り方についてお聞きします。
 我が国は、本格的な超高齢化社会に突入しています。二〇二二年以降には、いわゆる団塊の世代が後期高齢者となり始め、医療費は更なる増加が見込まれており、今回、政府は、窓口負担二割化の理由として現役世代の負担軽減を挙げています。
 では、今回の案で実現する現役世代の負担軽減は年間で総額幾らなのか、それは現役労働者一人当たりの負担で月額幾らの減額になるのか、そして、その減額で十分だとお考えなのかどうかも含め、田村厚労大臣、御説明ください。
 現役世代にこれ以上負担増を求め続けることはできないというのは、私たちも共通の認識です。ただ、問題はその財源を誰にどう求めるかで、そこが、自助を強調する政府・与党と公助を訴える私たち立憲民主党との大きな違いです。
 私たちは、衆議院で、保険料の賦課限度額を引き上げ、後期高齢者の中でも一部の特に高所得の方々に絞り保険料の負担増をお願いして、応能負担の強化と公費の追加投入によって、社会全体で医療費負担を分かち合うべきだと対案を出しました。衆議院では、与党の一部からも私たちの対案の方がいいと評価する声が聞こえていたそうですが、菅総理の率直な御意見をお聞かせください。
 そもそも、本来は、医療費のみに閉じた議論をするのではなく、社会保障と税の在り方を一体的かつ抜本的に見直すことで負担の分かち合いの在り方を再検討すべきなのではないでしょうか。
 しかし、菅政権は、今年の税制改正においても、高所得層への課税強化、特に金融所得課税の強化を先送りしました。今、このコロナ禍にあっても、一部の超富裕層は、資産を何と数千億、数兆円単位で増加させています。
 菅総理、なぜ超富裕層への課税強化を見送り、その一方で、収入の限られた高齢者の医療費負担を倍増させるのでしょうか。その合理性、妥当性がどこにあるのかも含め、是非国民への御説明をお願いします。
 以上、法案に関連して質問をいたしました。
 最後に、いま一度申し上げます。
 私は、今こそ、今回のコロナ禍で顕在化した我が国の社会保障制度の問題点や課題を洗い出し、十年後、三十年後の社会をも見据えて、将来また我が国を襲うとも知れない自然災害や感染症や気候変動の影響の中にあっても、全ての国民の安心と安全を守っていくことのできる社会を構築していくべきであり、そのために国会が与野党挙げて責任を果たしていくべきだと考えます。
 私たち立憲民主党は、自助に基づく弱肉強食型社会ではなく、公助に基づく誰もがつながって支え合う未来を構想し、実現に向けて全力を尽くしていく決意であることを申し上げ、私の代表質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔内閣総理大臣菅義偉君登壇、拍手〕

#15
○内閣総理大臣(菅義偉君) 石橋通宏議員への答弁に先立ちまして、改めて、羽田雄一郎先生の御冥福を謹んでお祈りを申し上げます。
 三原副大臣の厚生労働委員会における離席についてお尋ねがありました。
 国会会期中は国会対応が優先である中、委員会に遅参をし、国会日程に影響を及ぼすことになったことは誠に遺憾であります。
 三原副大臣には、今後同様の事案が生じないよう十分気を付けて行動するとともに、その職責を果たすべく、引き続き全力で職務に当たってもらいたいと考えております。
 また、今後このようなことが起こらないよう、政府全体で気を引き締めて国会対応に当たることで、内閣総理大臣としての責任を果たしてまいります。
 入管法改正案などについてお尋ねがありました。
 まず、お亡くなりになられました方と御家族に対し、お悔やみを申し上げます。
 政府としては、入管法改正案を、送還忌避や長期収容といった出入国在留管理行政における喫緊の課題に対応するため、今国会に提出をいたしました。
 しかしながら、与野党協議において今国会でこれ以上審議を進めないとの合意がなされたと承知しており、政府としてもこれを尊重することにしました。
 なお、御指摘の事案については、現在、出入国在留管理庁において、最終報告に向けて必要な調査、検討を進めているということを承知をしております。
 新型コロナ対策についてお尋ねがありました。
 これまでも、国民の生活やなりわいへの影響も考慮しながら、具体的な指標や専門家の意見も踏まえ、その時々に必要な対策や対応について適切に判断を行ってきたものと考えております。
 その上で、政府としては、国民の皆さんの命を守る切り札であるワクチン接種の加速化を私自身が先頭に立って思い切って実行し、それまでの間は、影響を受ける方々への支援策をしっかりと講じつつ、効果的な対策を一層徹底することで感染拡大を食い止めてまいりたいと考えております。
 新型コロナに対する政治の責任や支援策についてお尋ねがありました。
 厚労委に出席された参考人の方からそうした御指摘をいただいたことについては、謙虚に受け止めてまいります。
 その上で、新型コロナの影響が長期にわたる中、国民の雇用と暮らしを守ることは政治の責務であり、しっかりと対応していく必要があると考えています。
 このため、職業能力開発による再就職支援を行うとともに、緊急小口資金などの特例貸付けや休業支援金を始め重層的なセーフティーネットにより支援を行っております。
 さらに、厳しい状況にある低所得の子育て世帯に対しては、子供一人当たり五万円を給付することとしております。
 また、困窮した学生への支援として、大学の無償化や給付型奨学金の支援を拡充しており、家計が急変をした場合も随時支援を行っております。
 こうした取組により、今後とも、雇用と暮らしをしっかり支えてまいります。
 窓口負担の引上げと自助との関係についてお尋ねがありました。
 私が目指す社会像として、自助、共助、公助、そして絆、申し上げておりますが、これは、まずは自分でやってみる、そして家族、地域で互いに助け合い、その上で政府がセーフティーネットでお守りをするということであり、自助の強化を目指しているものではありません。
 その上で、社会保障制度については、若者と高齢者が支え合い、高齢者であっても、少しでも多くの方に支える側として活躍いただき、能力に応じた御負担をしていただくことが重要です。今回の法案でも、七十五歳以上の高齢者のうち、一定の収入以上の方についてのみ、その窓口負担を二割とするものであります。
 なお、お尋ねの二割負担の範囲については、現時点で更に対象者を拡大することは考えておりません。
 介護保険の利用者負担の見直しについてお尋ねがありました。
 現時点で、御指摘のような見直しの方針を決めているわけではありません。利用者負担の具体的な内容については、制度の持続可能性の確保や利用者の状況等を十分に考慮しつつ、今後とも検討を行ってまいります。
 年金制度の改革についてお尋ねがありました。
 我が国の年金制度は、保険料水準を固定をし、その範囲内で給付水準を調整することにより、制度の持続可能性を確保しつつ、一定の給付水準を確保することが可能な仕組みとなっております。
 その上で、これまでも、被用者保険の適用拡大や、低所得者や低年金の高齢者の方への年金生活者支援給付金の支給など、老後の支えとしての年金の役割の強化を図ってまいりました。
 さらに、昨年の年金制度改正法の検討規定を踏まえ、被用者保険の適用範囲に加え、基礎年金の所得再分配機能の強化についても、引き続き検討を進めてまいります。
 窓口負担の見直しについて、生活に与える影響等についてお尋ねがありました。
 家計や貯蓄の状況は世帯により様々であり、医療費の負担増の影響も様々ですが、今回の改正案では、高齢者の負担能力や家計への影響も考慮した上で、一定の収入以上の方々に対して行うものであり、必要な受診が抑制されないよう、経過措置も設けることといたしております。
 また、金融広報中央委員会の調査によると、貯蓄がない世帯の割合が増加しているということですが、この調査では、日常的な出し入れ、引き落としに用いる口座は貯蓄としてカウントされておらず、これもカウントしている国民生活基礎調査では、むしろ最近はやや減少傾向にあると承知をしております。
 高齢者の声についてお尋ねがありました。
 今回の法案では、必要な受診が抑制されないよう、経過措置を設けた上で、一定の収入以上の方々についてのみ、その窓口負担を二割とするものであります。
 引上げの対象になっている高齢者の方々にとって厳しい改革であると考えておりますが、少子高齢化が進展をする中で待ったなしの改革であると考えます。高齢者の方にも御理解いただけるよう、丁寧な運用に努めてまいります。
 立憲民主党の対案についてお尋ねがありました。
 保険である以上、受益と負担が著しく乖離することは、納付意欲の低下を招くおそれがあります。このため、保険料納付の上限として賦課限度額を設けているものであり、その見直しを行う場合には、関係者と十分に議論して検討すべき重い課題だと認識しております。
 また、御党の対案では、政府案と同程度の現役世代の負担軽減を行うためには国費を約二百三十兆円、二百三十億円要することとなっており、その財源の確保が課題であると考えます。
 窓口負担の引上げと税制改正についてお尋ねがありました。
 政府は、それぞれの制度について、その趣旨などを踏まえながら、適正な運用や必要な見直しを行っているところであります。
 その上で、今回の窓口負担の見直しは、令和四年度以降、いわゆる団塊の世代が七十五歳以上の高齢者になり始める中で、若者と高齢者で支え合い、現役世代の負担上昇を抑え、全ての世代の方々が安心できる社会保障制度の構築を目指すものであります。
 一方で、税制については、これまで所得税の最高税率の引上げや金融所得課税の引上げなどを行っており、引き続き、経済社会の情勢変化なども踏まえ、検討をしてまいります。
 残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣田村憲久君登壇、拍手〕

#16
○国務大臣(田村憲久君) 石橋通宏議員にお答えを申し上げます。
 窓口負担の引上げに伴う九百億円の給付費減についてお尋ねがありました。
 窓口負担割合の見直しに伴う令和四年度満年度の給付費減一千八百八十億円のうち、いわゆる長瀬効果による受診行動の変化に伴う減少は九百億円と試算しております。
 長瀬効果による受診行動の変化は、経験的に知られるマクロで見た医療費水準の変化であり、長瀬効果により受診日数が減少することをもってその医療が不必要か必要かを判断できるものではなく、直ちに患者の健康への影響を意味するものではありません。
 その上で、今回の改正法案では、一定の収入以上の方々のみを対象にし、その窓口負担を二割とするものであり、配慮措置もしっかりと講ずることで必要な受診の抑制を招かないようにいたしております。
 過去の高齢者の窓口負担の引上げによる影響の分析についてお尋ねがありました。
 窓口負担の引上げに伴う受診日数の変化については、高齢者医療における現役並み所得者の窓口負担割合の見直しを行った平成十八年の改正について見ると、長瀬効果による受診日数の減の理論値と実際の変化は一定程度整合しています。
 また、個人の健康や生活への影響については、個人の健康や生活には様々な要因があることから、受診行動のみを取り出してその影響の調査、分析を行うことは難しいことから、これまで厚生労働省が主体となった調査、分析は実施されておりません。
 今回の見直しは、高齢者の負担能力や生活状況等を踏まえた上で、後期高齢者のうち一定以上の収入の方に限ってその窓口負担を二割とするとともに、必要な経過措置を講ずることとし、必要な受診の抑制を招かないようにしております。
 現役世代の負担軽減についてお尋ねがありました。
 今回の改正法案により、令和四年度満年度で、後期高齢者支援金を七百二十億円減少させることとなりますが、これは現役世代一人当たり年間七百円、月額約六十円の負担軽減になります。これを事業主負担分を除いた本人負担分に換算すると、月額約三十円となります。
 団塊の世代が七十五歳以上の高齢者になり始め、後期高齢者支援金の急増が見込まれる中、少しでも現役世代の負担を軽減することが重要ですが、今回の改正は、高齢者の生活等の状況を踏まえる中で、最大限のものであると考えております。(拍手)
    ─────────────

#17
○議長(山東昭子君) 矢倉克夫さん。
   〔矢倉克夫君登壇、拍手〕

#18
○矢倉克夫君 公明党の矢倉克夫です。
 冒頭、新型コロナでお亡くなりになった方の御冥福と、今なお闘病されている方々の一日も早い御回復をお祈り申し上げます。
 目下、最大の課題であるワクチン接種の円滑化を公明党の三千名の地方議員の皆様との連携を強め、進めてまいります。
 それでは、ただいま議題となりました全世代対応型の社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律案につき、会派を代表し、質問をいたします。
 日本が誇る国民皆保険が本当に持続可能か、少子化を背景に今、問われております。特に危惧することは、若者世代への保険料負担集中が不満となり、支える側と支えられる側に分断構造、対立構造が生まれることであります。皆で支え合う国民の連帯意識こそ制度を支える根本基盤である以上、世代間の分断が生まれてしまっては、制度の存続は見込めません。
 本法案は、現役世代から高齢世代へという世代間の支え合いだけでは制度を維持できないとの認識の下、高齢者世代内にもその支え合いの枠組みを広げ、現役世代への過度な負担を回避いたしました。国民皆保険の持続可能性を維持するため、やむを得ないものと理解をいたします。
 総理に、改めて、とりわけ御負担をお願いする高齢者の方々に対し改正の意義や経緯を丁寧に説明することを求めるとともに、国民一人一人が支え合いの意識を持ち、つながり合う社会保障制度構築に向けた御決意をお伺いいたします。
 今回の窓口負担割合の変更について、その詳細が十分にまだ国民に伝わっておりません。一割負担から二割負担になる以上は支払う額も常に二倍になってしまうといった誤解もあります。厚生労働大臣に、より丁寧な説明を求めます。
 今回の負担割合の変更にもかかわらず高齢者の方々が安心して医療を受けるために、配慮措置が設けられました。公明党の強い要請を受け、当初、一月分の負担増加額上限が四千五百円であったものを三千円といたしたことについては評価をいたします。
 厚生労働大臣にその趣旨をお伺いするとともに、この配慮措置が確実に適用されるためにどのような対応を考えているのか、御所見をお伺いいたします。
 全世代対応型の社会保障のため、子供を産み育てやすい環境も重要です。私が委員長を務める公明党青年委員会は今、ボイスアクション二〇二一と題しアンケート活動を行い、今日までの二か月で五十万を超える声をいただきましたが、そのうち約二〇%が結婚から子育てまでの丸ごとサポートを求める声でありました。
 本法案が、月の途中に十四日以上育休取得した場合、月末日をまたがなくても月全体の社会保険料を免除することとしたことは、短期の育休を取得しやすくする意味で評価をいたします。
 その上で、目指すべきは、あくまで一月を超える長期の育休取得を可能とする環境整備です。鍵は、テレワークの推進や、社内での業務引継ぎを可能とする業務分担や業務の共有化、それらマネジメントを可能とする基盤としての企業のデジタルトランスフォーメーション推進など、働き方改革ならぬ企業の働かせ方改革と言えます。
 長期間の育休を可能にするために必要な課題は何か、総理の御認識とその推進、改善に向けたお考えをお伺いいたします。
 本法案は、一時的な就労期間があってもその分の期間を延長して傷病手当金を受け取れるよう、支給期間を通算して一年六か月とすることといたしました。これは、現行制度が同一の疾病、負傷に関して支給を開始した日から起算して一年六か月超えない期間としていたものを改め、がんなどの病と闘いながら仕事をする方々を少しでもお支えしようとするものであります。公明党が長年強くお訴えをしてまいりました。
 厚生労働大臣に、この傷病手当金に係る改正の趣旨と、その丁寧な運用に向けた御決意をお伺いいたします。
 国民健康保険に加入する世帯のお子様は、現行制度では被保険者として均等割保険料の対象となるため、お子様の数が増えるほど世帯の保険料負担が増えることになっております。本法案において、国民健康保険の保険料につき、未就学児の均等割保険料の五割減額措置が導入されており、子育て世帯の経済的負担軽減に向けた一歩として評価をいたします。
 少子化対策における今回の改正の趣旨について厚生労働大臣にお伺いするとともに、今後の丁寧な運用に向けた御決意をお伺いいたします。
 本法案が事業主健診情報を保険者に提供される範囲を拡大するなど、データヘルスを一定程度推進する点、評価をいたします。法令上、本人同意は不要とされておりますが、健診情報という個人情報を第三者である保険者に提供することについての懸念が生じないよう、丁寧な運用が必要であります。
 このデータヘルス推進での好事例は、我が党の山口代表も視察した福島県会津若松市の取組であります。同市は、提供者が明示的に同意、承諾した場合のみ個人データを取得する、いわゆるオプトイン方式を貫いております。パーソナル・ヘルス・レコード、すなわちデータを市民、患者単位に統合することの推進を図り、包括的なヘルスケアのデータ分析を可能とするためには、データ提供者である市民のライフスタイルなど、個人の特定にもつながり得る情報も必要となる場合も考えられます。その情報収集のためにはオプトインの手法であるべきと考えております。
 オプトインに基づくデータ取得を基軸とした更なるデータヘルス推進について、厚生労働大臣の御見解を求めます。
 会津若松での語らいで印象的だったことは、データヘルスケア推進に当たり重要なものとして、政府に対する信頼と、預けることにより得られる実益の実感、そして、市民一人一人が自らのデータを預けることでより良い社会を構築する主体者たる意識を持つことを強調されていた点でありました。これらは、データヘルスケアにとどまらず、我が国におけるデジタル社会構築のための必要不可欠なものであり、特に、市民をデータの提供者という立場にとどめ置かず、主体的な参画者として考えることは、民主主義社会における自助の在り方にもつながるものであります。
 市民が主役の市民参加型のデジタル社会をつくることに向けた総理の御所見をお伺いいたします。
 持続可能な社会保障制度のため、皆が皆のために負担し合える社会をつくるためには、自らの負担が、自らを含めた全ての人の利益につながっているんだという実感を、個々の負担者が持てることが重要です。
 そこで強調したいことは、中間層への支援強化です。なぜなら、増大する税や社会保障など重い負担が本当に自らも実感できる共通の利益、サービスにつながっているか、多くの中間層が確信を持てずにいるからです。
 公明党は、昨年の党大会で弱者を生まない政治を目指すと表明、中間層支援にも言及をいたしました。青年委員会が昨年夏に提出をした青年政策二〇二〇の重点政策も中間層への力強い支援であります。中間層を単なる負担者ではなく、幅広く行政サービスを受ける側に取り込む必要があります。例えば、教育や医療、介護、住まいなど、人間として生きていくために必要な分野の無償化を進めていくことも有力な選択肢です。
 自助は、共助、公助とのバランスの上に成り立つものであります。全世代型社会保障は、個々の負担者が皆を支えるための負担を納得して共有し合える、そのための安心の枠組みであるべきではないでしょうか。
 全世代型社会保障構築に向けた中間層支援の拡充について、総理の御所見をお伺いいたします。
 大衆福祉の公明党の看板を高く掲げ、全ての人の安心、安全のために力を尽くすことをお誓い申し上げまして、私の代表質問とさせていただきます。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔内閣総理大臣菅義偉君登壇、拍手〕

#19
○内閣総理大臣(菅義偉君) 矢倉克夫議員にお答えをいたします。
 改正法案の意義や経緯、社会保障制度構築に向けた決意についてお尋ねがありました。
 令和四年度以降、いわゆる団塊の世代が七十五歳以上の高齢者になり始める中で、少しでも多くの方に支える側として活躍をいただき、能力に応じた負担をしていただくことは待ったなしの課題であります。
 今回の法案では、こうした観点から、必要な受診が抑制されないよう経過措置を設けた上で、一定の収入以上の方々についてのみ、その窓口負担を二割とすることとしたものであります。これにより現役世代の保険料負担は七百二十億円減ることとなります。
 世界に冠たる我が国の社会保障制度を次の世代にしっかりと引き継いでいくことは我々の世代の責任であり、こうした強い決意の下に、給付は高齢者中心、負担は現役中心というこれまでの構造を見直しをし、国民一人一人が支え合うことで、全ての人が安心できる制度の構築を進めてまいります。
 長期間の育児休業取得を可能とするための課題についてお尋ねがありました。
 出産、育児の負担がこれまで女性に偏ってきた中で、男性の育児参加という当たり前のことを実現していかなければならないと考えております。
 このため、企業において、研究などを通じて、研修などを通じて育児休業に理解を深めるとともに、テレワークの推進や業務分担の見直し、業務の共有化の推進など、仕事と育児を両立をし、育児休業を取得しやすい職場環境を整備していくことが必要であると考えます。
 私が官房長官時代に、男性国家公務員に一か月以上の育休取得を求めることで、取得の促進を強力に進めてきました。今後は、民間企業においても職場環境の整備を義務付けるため、今国会に育児・介護休業法の改正案を提出するところであります。男性が希望に応じて一か月以上の休業を取得できるようにしてまいります。
 市民参加型のデジタル社会についてお尋ねがありました。
 御指摘の会津若松市の事例については、私も関係者のお話を伺っており、デジタル活用の先進的な事例と認識をいたしております。九月に発足するデジタル庁において、こうした自治体の先進的な事例を踏まえながら、取組を進めてまいります。
 こうした取組を通じて、誰もがデジタル化の恩恵を最大限受けることができ、また、国民が主体的に参加できる世界に遜色ないデジタル社会を実現をしてまいります。
 中間層支援の拡充についてお尋ねがありました。
 少子高齢化が急速に進捗する中で、進展する中で、全ての人が安心できる社会保障を構築していくために、給付は高齢者中心、負担が現役中心というこれまでの社会保障の構造を見直すとともに、成長の果実が広く国民に行き渡ることが必要であります。
 こうした中で、幼児教育、保育の無償化や高等教育の修学支援の拡充などの取組を強力に進めてまいりました。また、今般の法案は、現役世代の負担上昇を抑えつつ、少しでも多くの方に支える側として活躍いただくことを目的とするものであります。さらに、賃上げを通じて皆さんの所得を引き上げていきたいと考えており、今年も賃上げの流れが継続するよう、経済界に要請しております。
 引き続き、中間層の方々が豊かさを実感し、納得して負担を共有いただけるよう、必要な改革を続けてまいります。
 残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣田村憲久君登壇、拍手〕

#20
○国務大臣(田村憲久君) 矢倉克夫議員にお答えいたします。
 窓口負担の見直しに関する国民への説明についてお尋ねがありました。
 御指摘のとおり、窓口負担割合が二割となる方については、高額療養費制度があることや配慮措置を講ずること等により、年間の負担額は平均で八・三万円から十・九万円へと二・六万円の増加と見込んでおり、負担が二倍になるわけではありません。
 こうしたことも含め、今回の見直しは一定以上の所得の方に限って行うものであり、かつ、配慮措置も設けることについて国民の皆様に丁寧な説明が必要であると考えており、後期高齢者医療広域連合などと連携して対応してまいります。
 配慮措置の趣旨と確実な活用についてお尋ねがありました。
 今般の改正では、公明党からの強い要望も踏まえ、見直しによる影響が大きい外来患者について、施行後三年間、一月分の負担増を最大でも三千円に収まるような配慮措置を講ずることで、急激な負担増を抑え、必要な受診の抑制を招かないようにしております。
 配慮措置を受けるべき方に確実に受けていただくことが極めて重要であり、丁寧な周知、広報に加えて、事前に口座を登録していただくことで確実に支払う仕組みを検討するなど、広域連合等と具体的に協議を進め、しっかりと対応してまいります。
 傷病手当金の見直しについてお尋ねがありました。
 近年の診断技術や治療方法の進歩等により、例えばがん治療において、手術等により一定の期間入院した後、働きながら定期的に通院治療を行うケースが増えていることなどから、被保険者が傷病手当金を柔軟に利用できないという課題が指摘されているところであります。
 こうした状況を踏まえ、今回の改正法案では、治療と仕事の両立の観点から、出勤に伴い不支給となった期間を延長して支給を受けられるよう、傷病手当金を通算して一年六か月に達するまで支給することとしております。
 法案が成立した際には、円滑に施行されるようしっかりと取り組んでまいります。
 国民健康保険の子供の均等割保険料の減額についてお尋ねがありました。
 国民健康保険制度においては、全ての被保険者がひとしく保険給付を受ける権利があるため、子供がいる世帯も、子供を含めた被保険者の人数に応じて一定の御負担をいただくことを基本としております。
 その上で、少子化対策は我が国が最優先で取り組むべき課題であり、今般の改正法案では、子育て世帯の経済的負担軽減の観点から、未就学児の均等割保険料を半額に減額することとしています。
 今回の改正法案を成立させていただいた際には、この新たな軽減制度が適切に運用されるよう、必要な準備に万全を期してまいります。
 オプトインに基づくデータ取得を基軸としたデータヘルス推進についてお尋ねがありました。
 厚生労働省においては、データヘルス改革を推進し、健康寿命の延伸や国民の利便性向上を図るとともに、患者や国民、医療、介護の現場等がメリットを実感できるデータ利活用などを進めてまいります。
 パーソナル・ヘルス・コードについても、本人が自身の保健医療情報を閲覧し、本人同意の下で、必要に応じて第三者も含めて活用できる仕組みとして、昨年六月に発表した新たな集中改革プランにおいても掲げています。
 引き続き、国民の理解を得ながら、保健医療情報を活用したデータヘルス改革の推進に努めてまいります。(拍手)
    ─────────────

#21
○議長(山東昭子君) 東徹さん。
   〔東徹君登壇、拍手〕

#22
○東徹君 日本維新の会の東徹です。
 会派を代表して、全世代対応型の社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律案について質問いたします。
 質問に入る前に、この健康保険法の質疑は、本来、先週金曜日の五月十四日に行われるはずでした。それが五日も遅れて今日の質疑になった原因は、公務で委員会を離席していた三原副大臣にあるのではなくて、単に維新以外の野党、特に立憲民主党による国会ハラスメントにあると言わざるを得ません。
 社会にある様々なハラスメント対策を口にする前に、自分たちのしているハラスメントから改めた方がいいと御忠告をさせていただきます。
 さらに、今日の本会議が決まりましたのは昨夜七時でした。こんな遅い時間まで引っ張れば、公務員の長時間労働につながることは誰にでも分かるはずです。社会の働き方改革を言うのなら、まずは国会から改めるべきだと、このことも忠告させていただきます。
 また、参議院自民党におかれましては、もっとしっかりと対応していただきたい。どうも議員定数六増など、自分たちの身分を守ることにしか熱心さを感じられません。
 もっと緊張感を持って国会を運営していただくようお願い申し上げます。
 それでは、質問に入らせていただきます。
 まず、新型コロナウイルスへの対応について伺います。
 現在、新型コロナウイルスの約九割が変異株に置き換わった、推計され、感染力も強く、重症化するスピードも速く、一日の死者数は、昨日二百人を超えました。
 日本国憲法第十二条は、国民、自由及び権利を常に公共の福祉のために利用する責任を負うと定めています。
 国民の自由や権利を制約する場合、必要最小限なものでなければなりませんが、猛威を振るう感染症から国民の生命を守るため、一時的な私権制限の導入を図るべきと考えます。例えば、マスク会食の義務化や路上飲みの禁止、PCR検査の結果が陽性であった場合の不具合のないコロナ接触アプリCOCOAの登録義務化、入国時の自宅待機期間における外出禁止など、国民に法律で義務を課すことは、公共の福祉のための必要最小限の制約と考えます。
 こういった法律に基づく具体的な私権制限の導入についてどのようにお考えか、菅総理にお伺いします。
 病床の確保について伺います。
 変異株の感染拡大により、大阪を始め全国各地で感染が拡大し、病床が逼迫しており、重症病床において限界を超えております。
 病床の確保は、一義的には都道府県の役割でありますが、民間の医療機関の多い我が国において、お願いしかできない今の制度では、経営の自由がある以上、財政的な支援だけでは病床の確保は進みません。
 医療は公的なものであり、多くの税金が投入されています。現在のような緊急時においては、国が減収補填とセットで医療機関に病床の確保を命令できる制度のほか、民間病院を含めて必要な医療資源の動員や、都道府県の枠を越えた患者の受入れ調整ができる仕組みをつくるべきではないですか。菅総理にお伺いします。
 ワクチン接種について伺います。
 我が国では、ワクチンの承認に国内治験を求めるなど、承認が遅れ、その分ワクチンの供給数が不足した上、ワクチン接種の担い手も十分に確保できず、高齢者三千六百万人の接種もいまだ全体の三%程度にとどまっています。
 新型コロナ対策として、国民はワクチンに期待しています。次の冬までに希望する国民が二回のワクチンを打ち終わるには、一日百万回の接種が必要とされています。菅総理も一日百万回を目指すと述べられていますが、そのためには、接種の担い手を確保する必要があります。
 今回、特例的に歯科医師による接種が認められましたが、新型コロナから国民の命を守るため、我が国の経済を一日でも早く回復させるためにも、更にその他の医療従事者、薬剤師や医学生にも拡充すべきです。海外では当然のごとく行われています。
 緊急事態というまさに有事において、薬剤師や医学生などによるワクチンの接種を特例で認め、七月末とされている高齢者の接種完了時期を前倒しで実現し、希望する国民全員が今年の秋までにはワクチンの接種を受けられることを目標とされてはどうですか。菅総理にお伺いいたします。
 また、例えばファイザー製のワクチンについて、我が国は接種間隔を原則三週間としていますが、WHOは最大六週間、英国は最大十二週間、カナダは最大四か月まで接種間隔を延長できるとしています。
 接種間隔を長くして、まずはより多くの人に一回目のワクチン接種を行い、感染の広がりを抑えることが今の我が国でも必要ではないかと思いますが、菅総理の考えをお伺いします。
 国産ワクチンの開発について伺います。
 我が国でのワクチン開発がなかなか進んでいません。そのネックとなっているのは、海外での治験を国が支援するなど、官民一体の開発でスピードアップを図る必要があります。菅総理も前向きにお考えと思いますが、国産ワクチンの開発促進についてのお考えをお伺いします。
 続いて、法案について伺います。
 今年十月までには、必ず衆議院選挙が行われます。そうした時期に、高齢者の負担が増える本法案を先送りせずに提出されたことは評価します。
 現役世代の負担を軽減するため、高齢者世代の負担をお願いする、コロナの影響で更に少子化が進む我が国において、必要な改革であることは間違いありません。社会保障制度において世代間の公平性を確保することは重要であり、更に踏み込んだ改革が必要です。
 高齢者の保険料負担について、公費五割、現役世代から支援金四割、高齢者一割にある今の関係を見直してはいかがですか。また、資産の保有状況や保有株式の配当など、収入も勘案した窓口負担の在り方なども見直すべきと考えます。
 菅総理は、今後、このような改革を進めていくお考えをお伺いいたします。
 また、本法案は、全世代型社会保障制度を構築するためと名を打たれています。人生百年時代において、多様な生き方を尊重し、働く意欲のある高齢者に社会保障制度の支え手として御活躍いただくことは、日本に明るい未来社会を築くことができます。
 年齢にかかわらず働くことができる社会を実現するため、定年制の廃止に向けた更なる取組を進めていくべきではないですか。菅総理にお伺いします。
 予防医療について伺います。
 高齢者がいつまでも健康でいられるよう、予防医療を充実させていく必要があります。健診の受診率向上やそこで得られたデータの利活用のほか、リキッドバイオプシーによるがんの早期発見など、新しい技術の実用化への支援によって健康寿命を更に延ばしていってほしいと思いますが、菅総理のお考えをお伺いします。
 受診抑制について伺います。
 高齢者の負担増については、受診抑制が起こり、それによって健康が悪化すると言われていますが、本当にそういうことが起こるのでしょうか。過去にも負担増の改革を行ったことがありましたが、その際、本当に受診抑制による健康悪化が生じたのかどうか、平均寿命の変動も含めて田村大臣にお伺いいたします。
 健康保険組合について伺います。
 健康保険組合は今八割が赤字であり、さらには新型コロナの影響で保険料収入が二・六%減る一方、高齢者への拠出金は三・六%伸びるなど、財政状況は非常に厳しくなっています。
 国は、公的医療保険制度の担い手として健康保険組合を維持していくべきと考えているか、協会けんぽとの関係についてどのように考えているか、田村大臣にお伺いいたします。
 日本維新の会は、国難と言われた少子高齢社会を乗り越えるためには、社会保障制度の改革はまだまだ入口段階にあります。今後は、必要な改革を更に提案し、実現に向けて努力することをお約束し、質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔内閣総理大臣菅義偉君登壇、拍手〕

#23
○内閣総理大臣(菅義偉君) 東徹議員にお答えをいたします。
 特措法に基づく私権制限の強化についてお尋ねがありました。
 御指摘の点については大きな私権の制約を伴うものであり、また、仮に罰則を設けるとしても、実効性の確保など様々な課題があることから、慎重な検討を要すると考えております。
 いずれにしろ、御指摘の点も含め、感染が落ち着いた段階でしっかりと検証を行い、政府の権限も含め、必要な対応を検討してまいります。
 病床の確保についてお尋ねがありました。
 今回のような緊急事態における医療体制の整備については、関係者の理解を得ながら丁寧に進める必要があります。現在は、都道府県とも密接に連携し、病床の確保などに全力を挙げておりますが、その上で、今後再びこのような感染症が発生しても対応できるような制度的対応を検討する必要があると考えています。
 また、都道府県の枠を越えるような広域での患者の移送については、患者の身体への負担等を考慮しながら検討していくべきと考えます。
 引き続き、国民の命と暮らしを守るという決意の下に、各都道府県とも緊密に連携を取りながら必要な対策を進めてまいります。
 ワクチンの接種者、接種完了時期及び接種間隔についてお尋ねがありました。
 ワクチン接種は、国民の皆さん一人一人の命を守る切り札であるというふうに考えており、接種の加速化を思い切って実行し、まずは七月末を念頭に、希望する全ての高齢者への接種を完了することといたしております。また、来月中をめどに、高齢者の接種の見通しが付いた自治体から、基礎疾患がある方も含めて、広く一般の方にも接種を開始してまいります。
 その際、接種を行う医療従事者の確保が重要であり、医師や看護師の確保に向けて関係団体への協力をお願いしているほか、歯科医師による接種も可能としたところであります。
 引き続き、自治体におけるワクチン接種が進むよう、安全性にも留意しながら必要な対策をしっかり講じてまいります。
 また、ファイザー社のワクチンの接種間隔を延ばすことについては、ワクチンへの有効性について十分な検証がされておらず、政府としては、現在の接種間隔により、速やかな接種を進めることとしております。
 ワクチンの開発促進についてお尋ねがありました。
 ワクチンの国内での開発、生産、速やかな接種に向け、政府としては、大規模な臨床試験の実施費用の補助を行うとともに、治験について、発症予防効果を検証する従来の方法に代わる新たな方法を既に国際的な規制当局の会合で提案をしているところであります。
 さらに、安全性、有効性の確認を前提とし、より速やかに承認できる制度の見直しを検討する必要があり、今後、感染が落ち着いた段階でしっかりと検証を行い、その結果を踏まえ、必要な対応を講じてまいります。
 高齢者の保険料負担と資産等の勘案についてお尋ねがありました。
 後期高齢者医療制度は、高齢者の一定の窓口負担に加え、保険料、公費、現役世代からの支援金により運営する国民相互の支え合いの仕組みであります。
 高齢者の保険料負担などの負担構成は制度の根幹に関わるものであるため、今後の検討の中で関係者としっかり議論していくべき課題であると認識しております。
 また、資産や株式の配当等も勘案すべきとの御指摘については、公平性の観点から重要な指摘でありますが、資産や配当所得等の情報をどのように把握するかなどの課題があると承知しており、今後必要な検討を行ってまいります。
 定年制の廃止に向けた取組についてお尋ねがありました。
 人生百年時代を迎え、元気で意欲のある高齢者がその能力を十分に発揮し、年齢に関わりなく活躍できる環境を整備することは重要であると考えております。
 このため、政府としては、個々の働く方の多様な特性やニーズを踏まえ、企業において、七十歳までの就業機会を確保するための定年制の廃止も含めた多様な選択肢を整備する法改正を昨年行ったところであります。
 まずは、制度の円滑な施行や各企業の積極的な取組の支援を行うことにより、高齢者の活躍の場の整備を図ってまいります。
 予防医療の充実についてお尋ねがありました。
 健康寿命の更なる延伸のためには、予防、健康づくりの取組が重要であります。
 政府としても、医療保険者や自治体によるインセンティブを活用した健診受診率向上の取組を支援をし、健診情報を自らの健康づくりに活用いただけるよう、マイナポータルにより閲覧できる仕組みの整備も進めてまいりました。
 また、血液などを用いてがんの早期発見を目指すリキッドバイオプシーについても、実用化に向けて研究を進めております。
 今後、国民の健康寿命の延伸に向けて、これらの取組を推進してまいります。
 残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣田村憲久君登壇、拍手〕

#24
○国務大臣(田村憲久君) 東徹議員にお答えいたします。
 窓口負担割合の見直しに伴う健康状態や平均寿命への影響についてお尋ねがありました。
 今回の改正法案では、一定の収入以上の方々のみを対象にし、その窓口負担を二割とするものであり、配慮措置もしっかりと講ずることで必要な受診の抑制を招かないようにしております。
 その上で、個人の健康には様々な要因があるため、窓口負担見直しに伴う受診行動のみを取り出して健康状態に影響を与えるかの分析を行うのは困難であります。
 なお、我が国の平均寿命については、インフルエンザの流行や大震災などの影響により一時的に短くなることはありますが、総じて延伸基調にあります。
 公的医療保険制度の担い手としての健康保険組合に対する認識についてお尋ねがありました。
 健康保険組合は、中小企業等が主に加入する全国健康保険協会と同様に、公的医療保険制度の重要な担い手であり、その財政動向には留意が必要と認識いたしております。これまでも、高齢者への支援金等の負担が特に重い健康保険組合に対しては、一定の国費による財政支援を行ってまいりました。
 今回の七十五歳以上の高齢者の一部の窓口負担割合の見直しにより、健康保険組合等の現役世代の負担は七百二十億円減少いたしますが、今後とも、持続可能な社会保障制度の確立を図るため、現役世代の負担軽減を含め総合的な検討を進め、更なる改革を推進してまいります。(拍手)
    ─────────────

#25
○議長(山東昭子君) 田村まみさん。
   〔田村まみ君登壇、拍手〕

#26
○田村まみ君 国民民主党・新緑風会の田村まみです。
 ただいま議題となりました全世代対応型の社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律案について、会派を代表して質問いたします。
 先に、医療費に大きく関わる新型コロナ対策について、二問、総理にお伺いします。
 菅総理は、前回二回目の緊急事態宣言の解除を決定した三月十八日の会見で、再び緊急事態宣言を出すことがないようしっかりと対策を行うのが自身の責務だと語り、飲食の場での感染防止、変異ウイルスの監視体制の強化、感染拡大の予兆をつかむための戦略的な検査の実施、安全、迅速なワクチンの接種、次の感染拡大に備えた医療提供体制の強化を五つの柱として、以前から取り組んできたことを改めて示しましたが、五つの対策はどれだけ進んでいたのでしょうか。進んでいたのであれば、三回目の緊急事態宣言の発出や延長には至らなかったと思いますが、総理、この五つの柱のそれぞれの具体的な手段、それぞれの目標数値を改めて示し、完了期限と現時点での進捗を定量的な形でお示しをお願いします。
 また、総理のおっしゃるこの五つの柱の対策をしっかりと行わない限り、緊急事態宣言、まん延防止等重点措置の発令の繰り返しのために経済を止めてしまうことになり、国民の生活と命は守れません。安全、安心の国民の生活なくしては、安全、安心のオリンピック、パラリンピックにもたどり着きません。五つの柱の具体的な進捗状況を踏まえた上で、オリパラ開催の判断の指標を総理にお伺いします。
 今回の法改正では、後期高齢者の窓口負担割合が見直されることで生じる現役世代の負担抑制額は、二〇二二年度で七百二十億円にとどまります。忘れてはならないのは、現役世代の負担が増加し続けるという状況は変わらないということです。二割負担の対象となるのは、年収二百万円以上かつ所得二十八万円以上の方とされますが、これは後期高齢者の所得上位三〇%にすぎません。率直に言って、今回の改革だけでは現役世代の負担軽減には不十分ですし、制度の持続可能性が確保されません。現役世代は所得に関係なく三割を負担していることを考えると、能力に応じた形で二割負担の対象者を今後も拡大する必要があるのではないでしょうか。
 報道によると、総理は当初、年収百七十万円以上の後期高齢者を二割負担の対象にする意向だったと伺っております。総理は、今回の見直しだけでは改革として不十分であり、対象者の更なる拡大が不可欠であるとの認識をお持ちなのでしょうか。率直な見解をお伺いいたします。
 今回の窓口負担の見直しについては、施行に要する準備期間等も考慮するとの名目で、施行日が令和四年十月一日から令和五年三月一日までの間において政令で定める日とされていました。医療保険財政が極めて厳しい状況にある中、なぜこのような幅を持たせる必要があったのでしょうか。また、施行日については、どのような会議体、メンバーで検討するのでしょうか。検討のプロセスやスケジュールに関する現時点での想定について、厚生労働大臣の見解をお伺いします。
 健保連が四月に公表した集計結果によると、後期高齢者支援金の負担増やコロナ禍による保険料収入減等の影響により、今年度は健保組合の約八割が赤字になるとされています。また、現役並み所得の後期高齢者の医療給付には公費負担がなく、その分は現役世代からの支援金による負担となっているため、現役並み所得の対象者を拡大しようとすると逆に現役世代の負担が増えていくという矛盾が生じる構造となっています。
 健康保険組合の赤字の増加は、健保組合の解散に直結です。こうした懸念に対し、政府としてどのような対応を行うのか、厚生労働大臣の見解をお伺いします。
 厚生労働省の医療保険部会では、窓口負担割合の見直しだけではなく、市販類似の医薬品の保険給付の在り方や金融資産等の保有状況を反映した負担の在り方などについても議論が行われましたが、結局、引き続き検討というお決まりのフレーズで先送りにされてしまいました。
 政府は、セルフメディケーションを推進するため、税制面での対応を進めてきましたが、今回も恒久化されることなく、対象商品も分かりづらく、残念ながら余り利用されていないのが現状です。また、医療用医薬品のスイッチOTC化も少しずつ進められてきましたが、スイッチ後も医療用医薬品には保険が適用され続けるため、OTC医薬品より大幅に低い負担で手にできます。医療保険部会の過去の議論では、OTC化された医療用医薬品については保険適用から外すのが本来あるべき姿ではないかとの指摘もあり、医療保険財政の現状を考えると、今すぐに実行を移すことを検討すべき課題と考えます。
 新型コロナ感染拡大によって、セルフメディケーションの機運は高まっています。セルフメディケーション税制の在り方とスイッチOTC医薬品の拡大によるセルフメディケーション推進による医療保険の適正化についての総理の所見をお伺いします。
 また、マイナンバー制度の活用も重要になります。マイナンバー法は、マイナンバー制度の目的の一つとして、公正な給付と負担の確保を挙げています。マイナンバーカードの普及とカードの利便性を高めることはもとより、早期に行うべきは、マイナンバーを活用することで個人の金融資産や金融所得を正確に把握し、それに応じた負担を求め、真の意味で能力に応じた公平な保険料負担、窓口負担を実現することです。総理の見解をお伺いします。
 本法案では、社会保険料の免除要件に関する見直しもされることになりますが、育児休業取得の際、従来からあった月末日要件は維持されることになっています。
 先般、本院で可決した育児・介護休業法改正案では、新たに創設される出生時育児休業制度も含め、育児休業を最大四回に分割して取得できることになりますが、残念ながら、月末日を狙い撃ちした恣意的な育児休業取得が行われる懸念は拭えません。特に、社会保険料の企業負担を免れたい使用者側が労働者を誘導し、使用者、労働者双方の合意の上、制度趣旨と異なる恣意的な育休取得が行われることが懸念されます。
 このような社会保険料免除を目的とした育児休業取得が行われないよう、政府はどのような対策を取るのか、厚生労働大臣にお伺いします。
 そして、本法案では、予防、健康づくりの強化のため、四十歳未満の被保険者が受けた事業主健診の情報について、保険者が取得できる規定を整備することとしています。各保険者が効率的、効果的な保健事業を実施する上では望ましい改正ですが、実効性には疑問が残ります。
 今回の改正で、市町村国保も加入者の事業主健診情報を取得できることになりますが、市町村国保は被用者保険と異なり、加入者がどこの事業所で働いているのか把握することは困難です。
 四十歳以上の加入者を対象とする特定健診についても同様の課題があると想像しますが、市町村国保は加入者が働いている事業所の情報をどのように把握するのでしょうか。また、加入者が働いている事業所の情報を現在どの程度把握できているのか、厚生労働大臣にお伺いします。
 また、今回の改正は、労働安全衛生法上、事業所に実施義務のある健康診断であれば、全ての労働者が受診しているという前提で議論されたものと推察します。
 しかし、事業主健診についても、事業所の規模や業種によっては受診率が低くなっており、保険者による加入者の健康状況の把握という当初の目的が達成されない事態も生じ得ます。
 特定健診と異なり、労働安全衛生法に基づいて行われる健診は、事業所側だけではなく、労働者側にも受診義務が課せられています。しかし、そのことを知らない労働者も多いのではないでしょうか。
 政府が予防、健康づくりの取組を強化する上では、まずは事業主健診を受けることが労働者の義務であることを強調していく必要があると考えますが、厚生労働大臣の見解をお伺いします。
 医療保険制度は、生まれてから亡くなるまで付き合うことになる我が国において最も国民に身近な社会保障制度です。一方で、被保険者、保険者、制度が分かれ複雑で、制度議論は身近なものとならず、負担が殊更強調されます。
 国民の皆様一人一人に制度議論に参加していただけるよう、所得格差、世代間格差だけではなく、命と健康と生活を守る持続可能な社会保障制度の議論を提案、先導していく決意を申し上げ、質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔内閣総理大臣菅義偉君登壇、拍手〕

#27
○内閣総理大臣(菅義偉君) 田村まみ議員にお答えをいたします。
 新型コロナ対策についてお尋ねがありました。
 まず、飲食店の感染対策については、自治体で飲食店の見回りを実施しているほか、国においてもこれまで約五千五百店舗に巡回調査を実施しています。
 変異株対策については、スクリーニング検査の抽出割合を四〇%程度まで引き上げることとしておりましたが、既に所期の目的は達成しています。さらに、あらゆる変異株への監視体制の強化を進めております。
 高齢者施設への定期的な検査については、四月末までに延べ約一万施設で実施しています。
 ワクチンについては、接種の加速化を進めており、七月末を念頭に、希望する高齢者への接種を終えるようにしたいと思っています。
 医療提供体制については、特に病床が逼迫する中で国と自治体が一緒になって病床確保を進めており、例えば大阪府では、四月以降、約九百四十床を追加で確保しております。
 こうした総合的な対策を実施した上で、東京大会の開催に当たっては、選手や大会関係者の感染対策をしっかり講じることにより安心して参加できるようにし、国民の命と健康を守っていきます。これが基本的な考えです。
 窓口負担見直しの対象範囲の拡大についてお尋ねがありました。
 今回の見直しは、七十五歳以上の高齢者のうち、負担能力や家計への影響も考慮した上で、一定の収入以上の方々についてのみ、その窓口負担を二割とすることとしたものです。
 現時点で対象者を拡大することは考えておらず、まずは今回の見直しをしっかりと実行に移していきたいと思います。
 セルフメディケーションへの推進と医療保険の適正化についてお尋ねがありました。
 国民が適切な健康管理の下でセルフメディケーションに取り組む環境を整備することは、医療費適正化の観点からも重要であると考えております。
 このため、政府としては、来年から、セルフメディケーション税制の対象医薬品について、より医療費適正化の効果の高いものを重点化し、煩雑との御指摘がある事務手続も簡素化することとしております。
 また、医療用から転用されたいわゆるスイッチOTC医薬品も拡充しているところであり、こうした取組を通じてセルフメディケーションの更なる推進を図ってまいります。
 金融資産を勘案した公平な保険料負担等についてお尋ねがありました。
 御指摘の内容については公平性の観点から重要な指摘でありますが、資産や配当所得等の情報をどのように把握するかなどの課題があると承知しており、今後のマイナンバーと預貯金口座とのひも付けの状況も踏まえつつ、しっかりと検討していきたいと考えます。
 残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣田村憲久君登壇、拍手〕

#28
○国務大臣(田村憲久君) 田村まみ議員にお答えをいたします。
 窓口負担の見直しの施行日についてお尋ねがありました。
 窓口負担の見直しの施行日については、システム整備や周知などの準備期間等を検討する必要があるため、令和四年十月一日から令和五年三月一日の間で幅を持たせた上で、政令で定めることといたしております。
 今回の改正法案を成立させていただいた暁には、必要な準備期間等を精査し、関係省庁と協議の上、具体的な施行期日を政令で定めてまいります。
 赤字の健保組合への対応と現役並み所得者の医療給付費への公費投入についてお尋ねがありました。
 健康保険組合は、公的医療保険制度の重要な担い手であり、これまでも、高齢者への支援金等の負担が特に重い健保組合に対しては一定の国費による財政支援を行っております。また、現役並み所得者の医療給付費は公費負担の対象としておらず、対象者拡大は現役世代の支援金負担の増加につながりますが、財政状況が厳しい中、公費の投入には限界があることに御理解をいただきたいと考えております。
 今回の七十五歳以上の高齢者の窓口負担割合の見直しにより、健保組合等の現役世代の負担は七百二十億円減少いたしますが、今後とも持続可能な社会保障制度の確立を図るため、現役世代の負担軽減を含め総合的な検討を進め、更なる改革を進めてまいります。
 育児休業中の社会保険料の免除に関する見直しについてお尋ねがありました。
 今回の改正法案においては、月の末日が育児休業期間中である場合にのみ保険料が免除になるという不公平感を解消するため、新たに、月の途中に二週間以上の育児休業等を取得した場合にも標準報酬月額に係る保険料を免除することとしています。
 今般の見直しでは、現在、保険料免除の対象となっている方にも引き続き免除の仕組みを活用していただけるよう、月の末日が育児休業期間中である場合には引き続き保険料免除の対象とする一方、社会保険料の免除のみを目的とした恣意的な育児休業取得への対応としては、賞与に係る保険料の免除が育児休業等を取得する月を選択する誘因となりやすく、賞与支払月に育児休業の取得が多いという指摘を踏まえ、賞与に係る保険料については一か月を超える育児休業に限り保険料免除の対象とすることといたしております。
 市町村国保による事業所情報の把握方法や、その状況についてお尋ねがありました。
 今回の改正法では、四十歳未満の方の事業主健診等の結果について、事業者等から市町村国保へ提供する法的仕組みを設けることといたしております。
 現在、市町村国保に対しては加入者が勤める事業所の情報を必ずしも把握することを求めていませんが、その場合においても、事業主健診を実施している健診実施機関から直接取得する、事業主健診を受診している可能性が高い、住民税を特別徴収により納めている方に対して受診の有無を照会するといった方法により事業主健診の結果を得ていると考えられます。
 今回の改正法の趣旨を踏まえ、保険者において効率的かつ効果的な保健事業が推進されるよう取り組んでまいります。
 労働安全衛生法に基づく定期健康診断についてお尋ねがありました。
 定期健康診断の実施により労働者の健康状態を把握することは、業務により健康障害を防止するために重要であります。
 厚生労働省では、毎年九月を職場の健康診断実施強化月間とし、事業者及び労働者に対して定期健診、健康診断の実施及び受診を指導しており、引き続き、あらゆる機会を捉えて、定期健康診断が適切に実施されるよう指導をいたしてまいります。(拍手)
    ─────────────

#29
○議長(山東昭子君) 倉林明子さん。
   〔倉林明子君登壇、拍手〕

#30
○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。
 私は、日本共産党を代表して、全世代対応型の社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律案について質問します。
 冒頭、三原副大臣の委員会遅参について一言申し上げます。
 昨日の委員会で副大臣は、自らの公務を優先した判断はあり得ないものだったことを認め、謝罪されました。改めて猛省を促すものです。
 新型コロナ感染症第四波による深刻な医療崩壊が起きています。もはやコロナ対策とオリンピックの開催の両立は不可能です。東京オリンピックは、開催国の判断で取りやめることは可能です。総理がその判断を国際IOCに丸投げしていることは無責任の極みです。国民の命を最優先する立場から日本政府が中止の決断をすれば、IOCがそれを覆すことはできません。直ちに決断すべきです。答弁を求めます。
 法案は、世代間の公平を口実に、高齢者に医療費の更なる負担増を求めるものです。総理、コロナ禍、多くの高齢者が健康、命、暮らしを危険にさらし続けているさなか、追い打ちを掛けるものだとの認識はありますか。
 総理は、七十五歳以上の高齢者への医療費二割負担の導入について、受診抑制も健康への影響も否定してきました。しかし、二割負担の対象を決定する際には、受診抑制が一千五十億円にも及ぶ事実を知らなかったことが明らかになりました。受診抑制などへの影響を否定してきたことに根拠がなかったのではありませんか。なぜ健康への影響がないと言えるのか、明確な説明を求めます。
 次に、厚労大臣に質問します。
 全日本民医連が実施する経済的理由による手遅れ死亡事例調査では、毎年五十人以上の方が亡くなり、七十五歳以上の方が一割を占めています。窓口負担増が受診抑制と健康悪化に直結することは火を見るより明らかです。
 高齢になるほど多くの病気を抱え、七十五歳以上の高齢者の場合、収入に占める医療費の割合は現役世代の二ないし六倍近くになります。安倍政権下、保険料の軽減措置も縮小、廃止され、数倍の負担増になっています。既に高齢者は重い負担を強いられているとの認識はありますか。
 二割負担の導入による現役世代の負担軽減は七百二十億円、一人当たりにすれば年七百円にしかなりません。それに対し、公費負担の削減は九百八十億円です。公費負担と企業負担を高齢者に移し替えるだけではありませんか。
 現役世代への影響、共倒れが懸念されます。介護をしながら働く人は三百五十万人、介護離職は毎年十万人。治療が遅れ、重篤化すれば、親の生計を支え、介護を担う現役世代の生活をも危うくしかねません。
 無職、独身の四十代、五十代の子と親が同居している家庭は推計五十七万世帯。非正規雇用など低収入を強いられる子供の生活を支える高齢世帯も少なくなく、コロナ禍、解雇、雇い止めにより更に深刻化する可能性も指摘されています。
 高齢者の負担増を合理化するために、世代間対立をあおることはやめるべきではありませんか。真に現役世代の負担軽減を言うのなら、減らしてきた高齢者医療への国庫負担を抜本的に増額すべきです。お答えください。
 七十五歳以上の高齢者のみを被保険者とする保険制度は、世界でも類を見ない差別的な制度だと批判されてきました。後期高齢者医療制度が施行された〇八年一月、当時の厚労省後期高齢者医療制度準備室長補佐は、医療費が際限なく上がっていく痛みを自分の感覚で感じ取っていただくことにしたと語っています。まさに、この医療費負担抑制のために、病気になった人に負担を押し付け、痛みを強いるのが二割負担の導入です。断固撤回を求めます。
 以上、厚労大臣の答弁を求めます。
 国民健康保険法について質問します。
 法案は、都道府県運営方針に、法定外繰入れの解消、保険料水準の統一を記載させるものです。多くの自治体に値上げを迫ることになる保険料の統一化について、期限を切って求めるのですか。
 法定外繰入れは、一四年、千百十二市町村、三千四百六十八億円から、一九年には三百十八市町村、千九十六億円と、三分の一以下に減っています。さらに、改革工程表二〇二〇では、市町村数を二三年度までに百、二六年度までに五十にするとしています。自治体の自主的な判断にも、国が上から変更を迫るということですか。
 国民健康保険は、高齢者や疾病を抱えた方、非正規労働者を含め現役世代の中でも所得の低い方たちが多く加入し、構造的な問題が指摘されてきました。現在でも負担能力を超えた高額な保険料を課しているのに、都道府県で統一し、法定外繰入れをなくせば、更なる保険料の引上げは避けられないのではありませんか。
 負担を軽減するとした現役世代を含めた住民の命と健康、暮らしが脅かされるだけでなく、国保制度そのものの存立さえ脅かすものです。地方自治体が条例や予算で住民福祉のための施策を行うことを国が禁止したり廃止を強制したりすることは、憲法が定める地方自治の本旨と条例制定権を脅かすものであり、断じて許されません。
 子供に係る国保料について、収入のない子供からも保険料を徴収する均等割は、人頭税と同じであり、再三廃止を求めてきました。
 今回、未就学児について二分の一を減額した場合、公費負担とするとしています。均等割は、子供が多いほど負担が増え、子育て世帯への罰金のようだと批判されています。子育て支援の拡充と言いながら、なぜ未就学児に限定し、半額にとどめたのですか。総理の答弁を求めます。
 以下、厚生労働大臣に質問します。
 均等割は、子供も含め世帯全員が給付を受けるからと言いますが、被用者保険にはなく、保険料を大幅に引き上げる原因になっています。所得が百万円のシングルマザーの家庭で二十万円になるケースもあります。京都市の場合、夫婦と子供二人の世帯では、協会けんぽの約二倍です。子供も含めた均等割が国保にだけ存在するのはなぜですか。
 国民に平等に医療を保障する仕組みであるはずの公的医療保険制度で、負担、給付に根拠のない格差があることは重大な問題です。コロナ禍、子供たちの間にも広がる貧困、格差の解消に向けて、せめて子供の均等割は廃止すべきです。答弁を求めます。
 次に、傷病手当についてです。
 傷病手当の支給期間を通算化することは、治療が長期化した際の所得保障を強化するものであり、必要な改正です。
 同時に、今痛切に求められているのは、国民健康保険加入者も傷病手当の対象とすることです。コロナ禍の特例として、被用者への支給について財政支援を実施しましたが、六月までとした期限を延長するとともに、財政支援の対象を個人事業主等にも拡大すべきではないですか。
 被用者保険に加入できない非正規雇用の労働者など多く加入する国保で、傷病手当の法定化こそ実施すべきです。答弁を求めます。
 次に、生活保護法に関わって質問します。
 法案は、医療扶助を利用する際、マイナンバーカードによる資格確認を原則とするものです。生活保護利用者のうち、マイナンバーカードを既に所有している人の割合をお答えください。
 オンラインによる資格確認を受けることができないやむを得ない場合には、医療券による受診も可能とするとしていますが、やむを得ない場合とは何を想定していますか。生活保護利用者が、マイナンバーカードの取得、マイナンバーカードによる資格確認を拒んだ場合、医療券で受診できるのですか。
 マイナンバーカードの取得も、医療保険におけるオンライン資格確認も、現在は任意の制度です。生活保護を利用しているからといって自己決定を否定されることは、差別以外の何物でもないと最後に指摘し、質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣菅義偉君登壇、拍手〕

#31
○内閣総理大臣(菅義偉君) 倉林明子議員にお答えをいたします。
 東京オリンピックの開催についてお尋ねがありました。
 まずは、現在の感染拡大を食い止め、国民の命と健康を守ることが最優先です。開催に当たっては、選手や大会関係者の感染対策をしっかり講じることにより、安心して参加できるようにし、国民の命と健康を守っていきます。
 今般、日本政府が調整をした結果、ファイザーから各国選手へのワクチンの無償の提供が実現をし、さらに、選手や大会関係者と一般の国民が交わらないようにするなどの厳格な感染対策を検討します。
 こうした対策を徹底することで、国民の命や健康を守り、安全、安心の大会を実現することは可能と考えており、しっかり準備を進めてまいります。
 窓口負担の引上げと受診抑制についてお尋ねがありました。
 来年にはいわゆる団塊の世代が七十五歳以上の高齢者になり始める中で、少しでも多くの方に支える側として活躍いただき、能力に応じた負担をしていただくことは、待ったなしの重要な課題です。
 今回の法案では、こうした観点から、必要な受診が抑制されないよう、経過措置を設けた上で、一定の収入以上の方々についてのみ、その窓口負担を二割とすることとしたものであります。
 窓口負担の引上げに伴う受診行動の変化による受診日数の減少は一定程度見込んでおりますが、このことが直ちに患者の健康への影響を意味するものではないと考えております。
 国民健康保険の子供の均等割保険料についてお尋ねがありました。
 国民健康保険制度では、全ての世帯、世帯員がひとしく保険給付を受ける権利があるために、世帯の人数に応じた応分の保険料を負担いただくことが基本であります。
 その上で、今般の改正法案では、子育て世帯への経済的負担軽減の観点から、未就学児の医療費の窓口負担割合が二割とされていることや、所得の低い方にも一定割合の負担をいただいていること等も考慮して、未就学児の均等割保険料を半額に軽減することとしたものであります。
 残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
   〔国務大臣田村憲久君登壇、拍手〕

#32
○国務大臣(田村憲久君) 倉林明子議員にお答えいたします。
 高齢者の医療費と保険料負担についてお尋ねがありました。
 七十五歳以上の高齢者については、現役世代に比べて所得が低い一方で、受診の頻度が多く長期にわたることにより医療費が高いことも踏まえ、大多数の方は一割負担としつつ、今回、一定収入以上の方々についてのみ、その窓口負担を二割とすることとするものであります。
 御指摘の後期高齢者医療の保険料軽減特例の見直しは、あくまで制度創設時の暫定的な措置について、本則の軽減割合に戻したものでありますが、引き続き低所得者の方に対しては、保険料の均等割について、所得に応じて七割、五割又は二割の三段階の軽減措置を講じているところであります。
 窓口負担見直しに伴う公費負担等の削減についてお尋ねがありました。
 後期高齢者医療制度は、給付費を、公費で約五割、事業主負担を含む現役世代からの後期高齢者支援金で約四割、後期高齢者の保険料で約一割で支え合う制度であり、窓口負担を見直すことによって、結果的には高齢者医療に対する負担割合に応じて公費の負担や事業主負担も減少することとなります。
 今回の見直しは、令和四年度には団塊の世代が七十五歳以上の高齢者になり始める中で、若い世代の負担を軽減し、全ての世代が支え合う社会保障制度の構築を目的とするものです。
 高齢者の負担増を合理化するために世代間対立をあおるのはやめるべきだとのお尋ねがありました。
 今回の改正法案では、高齢者の生活状況や高齢者の医療費が高いといった実態も踏まえた上で、一定の収入以上の方々のみを対象にし、その窓口負担を二割とするものであり、配慮措置もしっかりと講ずることで必要な受診の抑制を招かないようにしています。さらに、この見直しを通じて制度の持続可能性が高まるものと考えており、このことは、ひいては将来高齢者となり制度に加入することとなる若者世代にとってのメリットにもつながるものであることから、世代間対立をあおるという御指摘は当たらないと考えております。
 後期高齢者医療制度への国庫負担の増額についてお尋ねがありました。
 後期高齢者医療制度を創設した平成二十年度から現在まで、給付費に対する国庫負担率は同じ十二分の四としています。その上で、各保険者から拠出金に対する国庫負担は後期高齢者支援金への総報酬割の導入に伴い減少していますが、その際には、例えば、国民健康保険への財政支援の拡充や財政力が弱い健康保険組合への支援を併せて拡大するなど、必要な支援を行ってきています。
 後期高齢者医療制度への国庫負担の増額については、財源の確保に課題があると考えております。
 二割負担導入の撤回についてお尋ねがありました。
 若者と高齢者が支え合い、現役世代の負担上昇を抑えつつ、全ての世代の方々が安心できる社会保障制度を構築することは待ったなしの課題です。このような中、少しでも多くの方に支える側として活躍していただき、能力に応じた負担をしていただくことが必要であると考えています。
 見直しに当たっては、高齢者の負担能力や生活状況等を踏まえた上で、七十五歳以上の高齢者のうち一定収入以上の方に限って、その窓口負担を二割とするとともに、必要な経過措置を講ずることとし、必要な受診の抑制を招かないようにしています。
 今後、高齢者を始め国民の皆様に御理解をいただけるよう、後期高齢者医療広域連合等と連携しながら、丁寧に周知、広報を行ってまいります。
 法定外繰入れの解消と保険料水準の統一についてお尋ねがありました。
 国民健康保険制度の更なる財政運営の安定化を図るためには、法定外繰入れ等の解消や保険料水準の統一に向けた取組を進めることが重要であります。このため、今般の改正法案では、都道府県と市町村が一体となってこれらの取組を推進する観点から、都道府県国保運営方針の記載事項に位置付けることとしています。
 その際、法定外繰入れ等の解消や保険料水準の統一の取組は、都道府県と市町村がよく議論した上で住民など関係者の理解を得ながら進める必要があると考えており、引き続き、効果的な取組の横展開を進めていくなど、国としても取組を支援してまいります。
 国民健康保険の均等割保険料についてお尋ねがありました。
 国民健康保険制度においては、様々な就業、生活形態の方が加入しており、世帯の所得のほか、子供を含めた世帯の人数に応じた応分の保険料を負担いただくことが基本であると考えています。
 その上で、少子化対策は我が国が最優先で取り組むべき課題であり、今般の改正法案では、子育て世帯の経済的負担軽減の観点から、未就学児の均等割保険料を半額に減額することといたしております。
 国民健康保険の傷病手当金についてお尋ねがありました。
 国民健康保険において傷病手当金は任意給付とされていますが、今般の新型コロナウイルス感染症の感染拡大を踏まえ、被用者について傷病手当金を支給した市町村等に対し、国が特例的に財政支援することとしています。
 ただし、個人事業主を対象とすることや法律で給付を義務付けることについては、自営業者等では、被用者とは異なり、休業期間や収入減少の状況が多様であり、所得補填として妥当な支給額の算出が難しいこと、必要な財源をどのように確保するかなどの課題が多く、慎重な検討が必要と考えております。
 なお、財政支援の期限については、新型コロナウイルス感染症の感染状況等を踏まえ、九月末まで延長することとし、昨日、市町村等に周知したところであります。
 医療扶助のオンライン資格確認についてお尋ねがありました。
 生活保護受給者に限ったマイナンバーカードの所持率は把握しておりませんが、全国民のうちでは、令和三年四月一日現在、二八・三%に交付済みであると承知しております。
 また、医療扶助のオンライン資格確認の導入に当たっては、マイナンバーカードによる資格確認を原則とすることとしておりますが、必要な医療の受診に支障がないよう、やむを得ず医療券を併用する場合としては、例えば医療機関等においてオンライン資格確認の設備が整備できていない場合などを想定しております。
 以上でございます。(拍手)

#33
○議長(山東昭子君) これにて質疑は終了いたしました。
     ─────・─────

#34
○議長(山東昭子君) 日程第一 日本国の自衛隊とインド軍隊との間における物品又は役務の相互の提供に関する日本国政府とインド共和国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件
 日程第二 民間航空の安全に関する日本国と欧州連合との間の協定の締結について承認を求めるの件
  (いずれも衆議院送付)
 以上両件を一括して議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。外交防衛委員長長峯誠さん。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔長峯誠君登壇、拍手〕

#35
○長峯誠君 ただいま議題となりました条約二件につきまして、外交防衛委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 まず、インドとの物品役務相互提供協定は、自衛隊とインド軍隊との間における、それぞれの国の法令により認められる物品又は役務の提供に係る決済手続等を定めるものであります。
 次に、欧州連合との航空安全協定は、双方の航空当局による重複した検査、監督等を可能な限り省略するための枠組みについて定めるものであります。
 委員会におきましては、両件を一括して議題とし、インドとの物品役務相互提供協定については、日印の協定締結が有する戦略的意義、協定の適用対象となる活動、我が国が締結済みの協定の運用実績と課題、欧州連合との航空安全協定については、協定に定める同等の安全性確保に向けた取組、協定の合意に時間を要した背景等について質疑が行われましたが、詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終え、討論に入りましたところ、立憲民主・社民の小西理事よりインドとの物品役務相互提供協定に反対、欧州連合との航空安全協定に賛成、日本共産党の井上理事及び沖縄の風の伊波委員より、インドとの物品役務相互提供協定に反対する旨の意見がそれぞれ述べられました。
 次いで、順次採決の結果、インドとの物品役務相互提供協定は多数をもって、欧州連合との航空安全協定は全会一致をもって、それぞれ承認すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────

#36
○議長(山東昭子君) これより採決をいたします。
 まず、日本国の自衛隊とインド軍隊との間における物品又は役務の相互の提供に関する日本国政府とインド共和国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件の採決をいたします。
 本件を承認することに賛成の皆さんの起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

#37
○議長(山東昭子君) 過半数と認めます。
 よって、本件は承認することに決しました。(拍手)
 次に、民間航空の安全に関する日本国と欧州連合との間の協定の締結について承認を求めるの件の採決をいたします。
 本件を承認することに賛成の皆さんの起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

#38
○議長(山東昭子君) 総員起立と認めます。
 よって、本件は全会一致をもって承認することに決しました。(拍手)
     ─────・─────

#39
○議長(山東昭子君) 日程第三 地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。地方創生及び消費者問題に関する特別委員長石井浩郎さん。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔石井浩郎君登壇、拍手〕

#40
○石井浩郎君 ただいま議題となりました法律案につきまして、地方創生及び消費者問題に関する特別委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、地域の自主性及び自立性を高めるための改革を総合的に推進するため、地方公共団体等の提案等を踏まえ、地方公共団体に対する義務付けを緩和する等の措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、地方分権改革の意義と提案募集方式の在り方、郵便局で取り扱うことができる地方公共団体の事務の範囲の考え方、宅地建物取引業等における電子申請を推進する必要性、小規模多機能型居宅介護の利用定員の基準を見直す理由等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終局し、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────

#41
○議長(山東昭子君) これより採決をいたします。
 本案に賛成の皆さんの起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

#42
○議長(山東昭子君) 過半数と認めます。
 よって、本案は可決されました。(拍手)
     ─────・─────

#43
○議長(山東昭子君) 日程第四 新型コロナウイルス感染症等の影響による社会経済情勢の変化に対応して金融の機能の強化及び安定の確保を図るための銀行法等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。財政金融委員長佐藤信秋さん。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔佐藤信秋君登壇、拍手〕

#44
○佐藤信秋君 ただいま議題となりました法律案につきまして、財政金融委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、新型コロナウイルス感染症等の影響による社会経済情勢の変化に対応して金融の機能の強化及び安定の確保を図るため、銀行等の業務範囲の見直し、預金保険機構が資金を交付する制度の創設等の措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、銀行等の業務範囲の見直しによる効果、資金交付制度の概要と意義等について質疑が行われました。
 質疑を終了し、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して大門実紀史委員より本法律案に反対する旨の意見が述べられました。
 討論を終了し、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対し附帯決議が付されております。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────

#45
○議長(山東昭子君) これより採決をいたします。
 本案に賛成の皆さんの起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

#46
○議長(山東昭子君) 過半数と認めます。
 よって、本案は可決されました。(拍手)
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時三十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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