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2021/05/31 第204回国会 参議院 第204回国会 参議院 厚生労働委員会 第20号 令和3年5月31日
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2021/05/31 第204回国会 参議院

第204回国会 参議院 厚生労働委員会 第20号 令和3年5月31日

#1
令和三年五月三十一日(月曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月二十八日
    辞任         補欠選任
     三浦  靖君     高橋はるみ君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         小川 克巳君
    理 事
                石田 昌宏君
                自見はなこ君
                石橋 通宏君
                矢倉 克夫君
                足立 信也君
    委 員
                衛藤 晟一君
                こやり隆史君
                そのだ修光君
                高橋はるみ君
                羽生田 俊君
                藤井 基之君
                古川 俊治君
                本田 顕子君
               三原じゅん子君
                打越さく良君
                川田 龍平君
                田島麻衣子君
                福島みずほ君
                塩田 博昭君
                山本 博司君
                東   徹君
                梅村  聡君
                田村 まみ君
                倉林 明子君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        吉岡 成子君
   参考人
       健康保険組合連
       合会副会長・専
       務理事      佐野 雅宏君
       学習院大学経済
       学部長      遠藤 久夫君
       日本労働組合総
       連合会総合政策
       推進局長     佐保 昌一君
       日本高齢期運動
       連絡会代表委員  吉岡 尚志君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○全世代対応型の社会保障制度を構築するための
 健康保険法等の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
    ─────────────

#2
○委員長(小川克巳君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、三浦靖君が委員を辞任され、その補欠として高橋はるみ君が選任されました。
    ─────────────

#3
○委員長(小川克巳君) 全世代対応型の社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本日は、本案の審査のため、四名の参考人から御意見を伺います。
 御出席いただいております参考人は、健康保険組合連合会副会長・専務理事佐野雅宏君、学習院大学経済学部長遠藤久夫君、日本労働組合総連合会総合政策推進局長佐保昌一君及び日本高齢期運動連絡会代表委員吉岡尚志君でございます。
 この際、参考人の皆様に一言御挨拶を申し上げます。
 本日は、御多忙のところ御出席いただき、誠にありがとうございます。
 皆様から忌憚のない御意見を賜りまして、今後の審査の参考にいたしたいと存じますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 次に、議事の進め方について申し上げます。
 まず、佐野参考人、遠藤参考人、佐保参考人、吉岡参考人の順にお一人十分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えいただきます。
 また、御発言の際は、挙手をしていただき、その都度、委員長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おきください。
 なお、御発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、まず佐野参考人からお願いいたします。佐野参考人。

#4
○参考人(佐野雅宏君) では、座ったままで失礼いたします。ただいま御紹介をいただきました健康保険組合連合会の副会長の佐野でございます。
 本日、このような意見陳述の機会を与えていただきまして、委員長始め委員の皆様に深く感謝を申し上げます。
 さて、今回の政府提出法案につきましては、一定以上の所得のある後期高齢者について自己負担二割を導入すると、こういう大きな改正が含まれておりまして、高齢者と現役世代の負担と給付のアンバランスの是正、また、現役世代の負担軽減という観点から評価できるものであるというふうに考えております。
 本日は、二割負担の導入の必要性につきまして、保険者の立場から、現役世代の負担の状況等を御紹介しながら意見を述べさせていただきます。
 それでは、お手元にあります横長の資料に従って説明いたします。
 表紙をめくっていただきまして、一ページを御覧ください。
 グラフとか表を御覧いただくと分かりますけれども、二〇二二年から二〇二五年にかけて、後期高齢者の急増に加えて、支え手である現役世代の減少がより顕著になってまいります。現行制度のままでは、現役世代の負担は限界を超え、国民皆保険制度の維持も危うくなる、こういう危機感から、私どもはこれを二〇二二年危機と申し上げて、高齢者医療制度の早期見直しを要望してまいりました。
 次の二ページを御覧ください。
 このグラフは、健保組合の被保険者一人当たりの後期支援金などの推移でございます。一番上の赤い線の後期支援金、これは今後とも更に大きくなると見込んでおります。一方で、下の方にございますが、いわゆる賃金、これはここ数年間横ばいでございます。コロナ禍もありまして、今後も賃金の大幅な伸びは期待できない、こういうふうに考えております。
 今回、二割負担の導入が行われなければ、これまでを超える負担増が現役世代に掛かることになります。こうした流れも踏まえまして、私どもは、制度の見直しは時間との闘いでもあるというふうに申し上げてまいりました。
 次に、三ページを御覧ください。
 このグラフは、現在の制度が導入された二〇〇九年度から二〇一八年度にかけて、医療費と保険料、自己負担の変化額について年齢別に表したものでございます。これを御覧いただきますと、右側の方にあります高齢者世代は医療費の伸びと比較して負担は余り増えておりませんけれども、逆に、左の方にあります現役世代、こちらは逆に医療費に比べて保険料の負担増が大きくなっております。いわゆる高齢者への現役世代の仕送りが大きく増えていると言われておりますけれども、まさにその構図が表れております。
 次に、四ページを御覧ください。
 これは、年代別の高額療養費制度の所得区分とそれぞれの負担割合でございます。
 同じ一般所得区分、この網が掛かった部分ですけれども、であっても、後期高齢者は一割、七十歳以上の前期高齢者の方は二割、七十歳未満は三割負担というふうになっております。
 年齢だけで負担割合を考えるのではなく、負担能力のある方にはそれに応じた負担をしていただくことが、まさに全世代で支える全世代型の社会保障と言えます。支え手である現役世代の納得性にもつながるというふうに考えております。
 次の五ページを御覧ください。
 これは、厚生労働省の資料を基に私どもの方で試算をいたしました、現行制度の場合の二〇二二年度からの四年間の現役世代の負担増になります。
 この総額というのが三・二兆円になります。これに対しまして、今回の政府案による二割導入の導入、これによる負担抑制の効果額は四年間で三千百億円、負担増の総額の約一〇%にとどまっております。
 十分とは言えないものではございますけれども、これ以上見直しの先送りは許されず、二〇二二年度の二割導入、二割負担の導入は不可欠と考えます。しかも、可能な限り早い時期に実施をしていただきたいというふうに考えております。
 次に、六ページを御覧ください。
 これは、健保組合の財政状況とコロナ禍の影響について御説明をいたします。
 二〇二一年度の健保組合財政の見通しは、コロナ禍により、より厳しいものになっております。
 加入者への医療給付費、この動向が不透明な中で、高齢者医療への拠出金、これは約千三百億円増加する見込みです。一方で、賃金水準の低下により保険料収入は二千二百億円程度減少し、更なる財政悪化が懸念されます。全体として経常収支の赤字総額が拡大をし、赤字組合数も全体の八割にまで増加をする見込みでございます。
 左下の円グラフでございますけれども、健保組合にとって法定給付費、これと拠出金の合計がまさに義務的経費ということになりますけれども、この義務的経費に占める拠出金の割合は四七%と依然として約半分を占めており、五〇%となる組合数も、その右側のグラフでございますけれども、全組合の四分の一に当たる三百四十九組合に上っております。また、右下の表でございますけれども、二〇二二年度にコロナによる保険料の特例納付猶予、これを実施した健保組合は百二十九組合で、猶予の残高は三百六十五億円になっております。
 次に、七ページでございますけれども、これは業態ごとの賃金の動向について二〇二〇年度と比較したグラフになります。
 やはり、コロナ影響を大きく受けていると言われる特定の業態で賃金低下の傾向が大きく出ております。こちらについては後ほど御覧いただければと思います。
 次に、八ページを御覧ください。
 国民皆保険制度の維持、また現役世代の負担軽減のために、改めて申し上げますけれども、二〇二二年度からの後期高齢者二割負担の導入については確実に実施をしていただきたいというふうに考えております。
 これまで、現役世代は保険料を増やして高齢者を支えてきたというのが実情でございます。現役世代の負担は既に限界に達しており、二〇二二年危機の到来に加え、更にコロナに追い打ちを掛けられている、こういう状況において、是非皆様に御理解をいただきたいと思います。
 今回の二割負担案というのは一定所得のある方を対象にしたものでございまして、高額療養費制度、また、負担増の対象となる方々には配慮措置も用意をされております。こういったことも踏まえて、全世代型の社会保障を進めるために二割負担の導入を確実に実施をして、また、更なる対象範囲の拡大についても早期に検討を開始していただきたいと、こういうふうに考えております。
 先ほども申し上げましたけれども、施行時期につきましても可能な限り早期に設定をしていただきますようお願い申し上げます。その上で、今回政府案の附則にもございますとおり、次期改革に向けて、給付と負担の見直しを含め、速やかな検討の開始をお願いしたいと思います。
 本日は時間の関係もございますので詳細の説明は割愛をいたしますけれども、特に今回見直しが先送りになりました後期高齢者の現役並み所得基準の見直し、また、その見直しが現役世代の負担増にならないようにするための現役並み所得者への公費投入、こちらについては早急に検討開始をお願いしたいと思います。
 また、今回の改革に当たっては、財政が厳しい健保組合への拠出金負担に対する財政支援、また、保険者機能を発揮するための推進策の拡充も是非お願いをしたいと考えております。
 九ページを御覧ください。
 こちらは、昨年の十一月に田村厚労大臣宛てに、私ども健保連のほか、協会けんぽ、経団連、日商、連合、いわゆる被用者保険五団体が連名で提出をした意見書の内容でございます。
 詳細の説明はいたしませんけれども、この九ページの一番下の方でございます、アンダーラインのところを御覧ください。七十五歳以上の後期高齢者の窓口負担についても、低所得者に配慮しつつ早急に原則二割とする方向で見直すべきであるというのが五団体共通の意見でございます。
 最後に、繰り返しになりますけれども、制度の見直しは時間との闘いだというふうに考えております。政府案の成立、早期実施を心から願っております。また、健保組合は、保険者機能を発揮し、国民の安心と健康の基盤である皆保険制度を保険者の先頭に立って支えてまいりましたけれども、健保組合財政は厳しさを増しております。財政面も含めました支援を心からお願いを申し上げます。
 先生方には引き続き御指導、御支援賜りますようお願い申し上げまして、結びといたします。
 御清聴どうもありがとうございました。

#5
○委員長(小川克巳君) ありがとうございました。
 次に、遠藤参考人にお願いいたします。遠藤参考人。

#6
○参考人(遠藤久夫君) ありがとうございます。学習院大学の遠藤でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 本日は、発言の機会をいただきまして、心より感謝申し上げます。
 それでは、時間も限られておりますので早速入らせていただきますが、私自身は医療経済を専門にしておりまして、また、医療保険部会の部会長をやっておりました関係上、この議論をずっと取りまとめてきたという形もありますものですから、そういう視点からお話をさせていただきたいと思います。
 まず、最初のページでございますけれども、これは全世代型社会保障改革が必要である理由ということで、大きく分けて二つを書いたものであります。
 元々、我が国の社会保障制度、高齢者対象とするものが多いということは国際的な比較でも分かっておりますので、若い人たちが今非常にいろいろな課題を抱えておりますので、そういう意味では、それをシフトさせる必要があるということであります。
 もう一つは、既に、次のページになりますが、少子高齢化が進むことによりまして、これまでの高齢者を対象とした社会保障制度、年金、介護、医療でございますけれども、それの費用負担が、現役世代の負担が非常に増えてくるという、先ほど佐野参考人からお話があったような内容が出てくるわけであります。これは世代会計論などと言いますけれども、当然のことながら給付を受ける人が増えてきますので、今の現役世代は昔の現役世代よりもある意味損をするという、そういう形になります。まさに今回の後期高齢者の自己負担増の問題は、こちらの方の議論として行われるわけであります。
 人口のその増減と非常に関係がありまして、図の一に書きましたように二〇二二年というのが一つのポイントでありまして、七十五歳以上が急速に増えてまいります。これは団塊の世代が後期高齢者になる年でありますので、急激に増えると。したがいまして、逆に七十五歳未満が減るという形になっております。その後、だんだんと七十五歳以上人口の増加率は減少しますけれども、常に七十五歳未満よりも上回っておりますから、世の中全体とすれば七十五歳以上の人の割合が増えてくるという、こういう状態になるわけであります。
 先ほどこれは佐野委員が言った話とオーバーラップをいたしますけれども、まさに一人当たりの自己負担であるとか保険料の額だとかを二〇一八年と二〇一〇年の間、差を取って比較してみますと、現役世代の方がやっぱり保険料あるいは自己負担は増えております、高齢世代と比較しまして。それに対して、医療保険の方は高齢世代の方が増えているという、こういう構造があるものですから、後に生まれた方が損をするという状態は続いているということであります。
 ただ、その下、表の二でございますけど、これは、先ほどちょっとお話ありました、要するに現役世代が後期高齢者世代を財政的に助けます後期高齢者支援金の増加率を見てみるわけですけど、上の方が後期高齢者支援金の増加、下が国民医療費の増加ですけれども、国民医療費の増加が当然上回っているという状態で、現役世代の負担が増しているということで全世代型社会保障改革が必要なんだと、こういうことなんですが、それでは、しかし、自己負担を上げていくという今回の議論について、今度は高齢者の負担能力はどうかということも見なければいけないということになるわけであります。
 それが次のページでございまして、これは一人当たりの医療費を年齢別に四十歳以上を書いたものです。これは厚労省が審議会に出された資料をベースに作ったものでありますけれども、一人当たりの自己負担というものも出されておりました。こういう状態が合計の①というところに書いてあります。
 これ見てみますと、まず、一人当たり医療費というのは、当然のことながら年齢の増加関数になります。年齢が増えれば増えてまいります。それに対して一人当たり自己負担は、七十から七十四歳が二割負担で、七十五歳以上は、一般であれば一割、現役並み所得は三割ということで、それよりは負担が抑えられているものですから、結果的には、一人当たりの自己負担の増加が六十五から六十九歳が八・九万円、それぐらいを超えないぐらいになっているという形で自己負担は抑えられてきているということになるわけです。
 ただ一方、高齢者の場合は収入が少なくなります。これが右から二つ目の列ですけれども、これは、当然のことながら高齢になるに従って収入が減ってまいります。その結果、この割合が、収入に占めるところの自己負担の割合が高くなってくるということになります。こういうような負担能力の中でどこまで高齢者に負担をお願いできるかという形になるわけであります。
 次のページは、実は、その高齢者の医療費というのは増えてはいるんですけど、これは、一人当たりの高齢者の医療費の伸び率というのは実は現役世代と比べると低いわけです、伸び率は低いという、これは重要なことなんですね。ただし、高齢者の数が増えておりますから、結果的には高齢者の医療費は増えているんですけれども、現役世代よりも増えておりますけれども、一人当たりに換算しますとずっとマイナスなんですね、マイナスと、失礼しました、現役世代と比べると低い水準で、これは非常に重要な意味を持っていると思います。ある意味、余りこれを抑えることが難しいという状況にあるということも言えるわけであります。
 次が高額療養費制度の話ですけれども、我が国の場合は高額療養費制度というセーフティーネットがございまして、自己負担の上限が決まっております。これは非常に優れた制度でありまして、非常に高額の医療へかかったときには一定額で抑えられるということになるわけです。このときに、後期高齢者の七%を現役並み所得として三割自己負担にしている、この人たちの高額療養費制度の計算の仕方は上にあるわけでありまして、一般的な、五二%が該当しますが、この人たちが外来と入院を含んだ形の上限がそれぞれ決められている。更にその下に低所得層があるという形になっているわけなんですが、次のページを見てみますと、その結果、実際には高額療養費制度は自己負担はしませんので、それを超えますと自己負担はしませんので、実際の法定自己負担率よりも実際の自己負担率、実効自己負担率というのは法定自己負担率よりも下がっております。
 例えば、若人の就学から六十九歳というのがいわゆる三割自己負担と、上から二行目でありますけれども、これ見ますと、二一・三%なんですね、三割ではなくて。特に入院などを見てみると、九・九%自己負担ということになります。実際にはうんと高額な人がいるのでそうなっているわけで、ほとんどの人は法定自己負担率に近い金額を払っていますけれども、高額の人がいるのでこれ抑えられていると、こういうような状態になっておりまして、ちょっと話があれになりますが、一番最後のページを見ていただきますと、これは図三というものですが、これは、若人、老人、それから全体見ましても、この実効自己負担率はだんだん右肩下がりになって下がっているんですね。負担率は下がっていると、自己負担率は。これは、法定の自己負担率はむしろ上げているんですけれども、こういう傾向が出ている。これは、要するに医療費が高くなってきて高額療養費制度の適用が増えているということになるわけなんですけど、これが現状としてあるということであります。
 また、表の五に戻っていただきますと、後期高齢者医療制度につきましてはどうなっているかというと、現役並み所得以外の人たち、つまり一割自己負担の人たちは、トータルで七・六%実効自己負担、入院している人は四・六%で済んでいると、こういうような状態になっているということであります。
 そういうような中で、審議会の中では事務局が表の六のような表を出してこられました、厚労省の試案という形で。二割負担になる層がどのぐらい、どこで切るかというところで、機械的に分けられたということで出してこられたものが一から五になるわけです。
 これについて議論が行われました。まず、高齢者の団体であるとか医療者であるとか自治体とか有識者という方たちは、やはり高齢者の疾病率が高いことや所得の少ないということを配慮して、必要な医療にアクセスできないということに対して非常に懸念を示されました。そういう意味では、一、せいぜい二ぐらいまでだろうというような意見がそういう人たちは多かったです。
 それに対しまして、経済団体であるとか保険者などは、先ほど言いました現役世代の負担増という問題に歯止めを掛けたいという視点からむしろ五、五なんですが、さらに、この一から五という厚労省の出した分類のほかに、先ほどちょっと見ていただきましたけれども、表の四というのに一般というのが書いてあります、上から二つ目が。その一般というところ、更にその下に低所得層があるわけなんですが、この一般というのは五二%なんですけれども、この表の六の五というのは四四%ですので、もう少しこの一般だったら下まで来るはずだと。だから、そこまで議論をして一般全体を二割負担の対象にするべきだというのが保険者であるとか経済団体の御意見だったわけで、意見は分かれました、見事に分かれました。それぞれに合理性のある議論がされたわけでありますけれども、そこのところは両論併記のような状態になっております。
 当然また、激変緩和のための自己負担の増加が一月四千五百円以上にならないように、増加分ですね、自己負担の増加分、この制度による自己負担増加分四千五百円を超えないような仕組みを二年間やったらどうかというような議論があったわけですけど、最終的には、閣議決定された内容につきましてはこれが更に激変緩和的要素が付きまして、最大限三千円で、しかも三年間という形で長引いたということで、激変緩和は更に強力になっていったということであります。
 そういうことで、審議会としてはその両論併記的なところに、閣議決定した内容が、ちょうどこの表の六の三というところになったわけでありますけれども、表の三で、最終的には部会としてはその内容でそれぞれ意見を聞いてまとめたということでありますけれども、それぞれの立場からしてみると、やはり御不満はあったと思います、御不満はあったはずです。ですが、バランス的にはまあいいところで落ちたかなというようなことを私としては思っておるわけです。
 また御質問等があればお話しさせていただきたいと思います。
 どうも御清聴ありがとうございました。

#7
○委員長(小川克巳君) ありがとうございました。
 次に、佐保参考人にお願いいたします。佐保参考人。

#8
○参考人(佐保昌一君) 連合総合政策推進局長の佐保と申します。本日は、意見表明の機会をいただき、ありがとうございます。
 初めに連合の社会保障制度についての考え方を申し述べ、その後、今回の政府提出法案についての意見を述べていきたいと思います。
 日本は、人口減少、超少子高齢化が進むとともに単身世帯が増え、地方では過疎化が進んでいます。また、いわゆる非正規雇用で働く方、あるいはフリーランス、曖昧な雇用で働く方が増えるなど、雇用や働き方の多様化が進んでいます。足下では、新型コロナウイルス感染症の感染拡大が経済、社会、雇用に深刻な影響を及ぼしています。私ども連合のなんでも労働相談にも悲痛な声が多数寄せられている状況です。
 このように、家族や地域、職場での支え合い機能が低下し、命と暮らしの危機が起きている状況において、社会保障の重要性は一層増しています。社会保障の中でも、医療は私たちの命を守る重要なインフラです。人口減少、超少子高齢化に伴い、人材や財源が限られる中、効率的かつ良質な患者本位の医療提供体制とそれを支える医療保険制度によって安心を担保していくことは極めて重要な課題と考えています。
 私ども連合は、働くことを軸とする安心社会の実現を目指しています。働くことに価値を置き、誰もが公正な労働条件の下、多様な働き方を通じて社会参加できるような社会です。それは、将来世代を含め、一人一人が生き生きと安心して活躍し、暮らしていける社会です。団塊ジュニア世代が高齢期を迎えることになる二〇三五年に向けて、現在の高齢者中心の社会保障から、子供、若者、現役世代から高齢期まで生涯を通じて、将来にわたって安心が確保される全世代支援型社会保障に再構築していく必要があると考えています。
 さて、今回の政府提出法案についての考え方を述べたいと思います。
 後期高齢者の二割負担を導入することについては、年齢ではなく支払能力に応じた負担への転換という意味で、前向きに受け止めています。一方で、国会で議論されているとおり、受診抑制が生じることは否めません。配慮措置が講じられるものの、負担が増えることによって、日常生活への支障や受診控えによる健康悪化への懸念なども残ります。
 応能負担への転換の必要性や受診控えによる懸念点について、立憲民主党が提出した法案のように、保険料の賦課限度額の引上げと国費による対応についても検討する必要があると考えます。今回の政府提出法案により後期高齢者の窓口負担割合を引き上げるのであれば、その影響を確実に検証し、一定所得の基準の妥当性や配慮措置の継続等について検討すべきだと考えます。
 次に、保健事業における健診情報等の活用促進として、保険者が事業主健診の結果を求めたら、事業主は保険者に本人同意なしでの提供を義務付ける内容が含まれています。これについては、センシティブな情報が本人同意なしで提供される点、先般省令改正がされ、保険者間の特定健診情報が本人同意なしに引き継がれることとなったことと相まって、健診情報が広く共有され、本人がコントロールできなくなるおそれがある点、保険者が収集した情報が加入者の利益に確実につながるかといった点で懸念があります。
 そのため、保険者間の情報連携と同様にオプトアウト手続を保障すること、パーソナル・ヘルス・レコード業者など委託先を含め確実な情報管理や目的外利用の禁止措置などを保険者に課すこと、自己の個人情報の在りかが把握できる仕組みの構築、保険者は収集した健診情報とそれに基づく効果的な保健指導を情報提供者である加入者に確実に還元すること、国による指導監督を求めます。
 国においては、こうした情報を活用し、国の保健対策や医療政策の推進、公衆衛生の向上に生かしていくということも考えているのだと思いますが、健診情報はあくまでも受診者本人のものであり、その機微性に鑑みれば、こうした情報の取扱いに関する本人の権利を保障することも重要です。保健医療の推進と権利保護の調和を図るようお願いしたいと思います。
 法案には医療扶助におけるオンライン資格確認の導入が含まれていますが、その前提として、マイナンバーカードに医療券の情報を入れるということが想定されています。しかし、医療扶助を受けている方のうち、現状、どれだけの方がマイナンバーカードを保有しているのでしょうか。マイナンバーカードを取得していない方や、カードを取得していても紛失する方も想定されます。健康や命に関わる話なので、実態を確実に把握した上で、こうした仕組みの導入により被保護者の適切な受診が制限されることのないよう配慮し、実効性を確保いただきたいと思います。
 また、医療扶助の適正化も課題であり、被保護者も国民健康保険の被保険者とし、介護保険のように、低所得者を含め、保険料、税と自己負担分を生活保護で手当てすることにより、保険者機能を利かせて医療機関の適正化を進めていただきたいと考えます。
 傷病手当金の支給期間の通算化には賛成いたします。
 傷病手当金は働く者の生活にとても重要な制度であり、治療と仕事の両立の推進という意味でも意義は大きくなっていますので、将来にわたって制度を維持していくことが重要です。
 任意継続被保険者制度の保険料算定基礎の見直しと被保険者からの申請による資格喪失を可能にする見直しが含まれていますが、これについても理解いたします。
 任意継続被保険者は六十歳未満の割合が大きく増えています。雇用や働き方の変化を反映しているとも考えられます。足下では、コロナによる雇用不安の高まりや賃金低下を踏まえ、保険料の臨時改定を認めるなどの検討も行いつつ、この制度は維持していくべき重要な制度だと考えます。
 育休中の保険料免除要件の見直しについても反対するものではありませんが、事業主への積極的な働きかけを含め、男性の育児休業の取得促進の取組強化が必要と考えます。
 子供に係る国保料等の均等割額の減額措置導入は、子育て世帯、とりわけ、いわゆる非正規雇用で働きながら子育てされている世帯の経済的負担の軽減につながるものとして理解できます。しかし、被用者は、勤務先の企業規模や労働時間、賃金水準などにかかわらず社会保険を適用すべきであり、社会保険の更なる適用拡大を進めるべきだと考えます。
 また、コロナの影響により、出生数が大きく減少し、少子化が加速していることに危機感を抱いています。不妊治療の保険適用について検討が進められていますが、それとともに、子育て支援と安心、安全な出産のため、妊娠、出産に係る費用については正常分娩を含めて全て現物給付とし、産科医療の質の標準化を進めていただきたいと考えます。
 以上、御清聴ありがとうございました。

#9
○委員長(小川克巳君) ありがとうございました。
 次に、吉岡参考人にお願いいたします。吉岡参考人。

#10
○参考人(吉岡尚志君) それでは、発言させていただきます。
 私は、日本高齢期運動連絡会代表委員の吉岡尚志です。
 日本高齢期運動連絡会は、高齢期問題の防止と改革、解決に向けた暮らしの共同を伴う高齢者自身の社会運動として、日本高齢者大会の開催など三十年以上の活動を積み上げてきています。今、国連と連携し、日本高齢者人権宣言を作り、来年中には確定するための議論を続けています。
 私は、この法案には反対の立場で発言をいたします。
 今、高齢者、特に後期高齢者は、正直怒っています。新型コロナへの対応が遅れ、外出規制が続き、医療が逼迫している中で、政府はオリンピック開催を強行しようとし、さらに、七十五歳以上の後期高齢者医療制度の医療費窓口負担、自己負担を二割化するというふうに言われています。それについて、国民の意見を聞く耳を持たず、法案審議も不十分なまま成立を強行しようとしていることに国民は正直怒っていると、憤っていると思うのです。
 七十五歳以上の後期高齢者医療制度の自己負担の実例を見たいと思います。この資料の終わりから二枚目のところでございますが、厳しい生活を強いられている独居高齢者の実例を見たいと思います。
 独り暮らしの女性、年収は二百五万、後期高齢者医療の保険料は、二〇二〇年、一年間で三万三千円、受益者一部負担金は三万九千円です。合計で七万二千円。一部負担が二割に引き上げられれば、三万九千円増えて十一万一千円になっていきます。さらに、介護保険料は年間七万九千円、これで十九万余りになります。
 このように、自己負担が多くなると皆さん心配で生命保険の掛金も増えると。これ全国平均では三十八万円とも言われています。このような例はたくさんある。
 後期高齢者医療制度の保険料と窓口一割を払って更に一割分の増額というのは、生活に深刻な影響を及ぼします。多額の介護保険料が年金から天引きされ、もし介護保険の給付を受けているならば、更に介護の一割から三割の一部負担金が上乗せされることになります。社会保障の負担の総額を見れば、個人の社会保障への負担の総額を見れば、負担の大きさ、事の深刻さ、これが実感できると思います。
 医療機関を受診する際には現場でどれだけ支払うことになるか、これは、一般の買物と違って患者がその金額を決めることはできません。余分にお金を用意して受診しなければならない、誰もが不安なのです。二百万円の年収で暮らしている高齢者にとっては、これだけ多くの出費が既にあって、その上、幾つもの疾患を持っていれば受診を抑制しかねない、自らが制御せざるを得ないというふうなことが心配されます。これに、賃貸住宅の場合は家賃が加算されることになります。
 次に、七十五歳以上の高齢者緊急アンケートについて御報告します。これは、このとじ込んである資料の二枚目以降です。
 先日、七十五歳以上高齢者緊急アンケートに取り組みました。高齢者の生活実態、七十五歳以上の自己負担二割化への生の声を集めて見える化するということで、三千二百人から集まりました。年収が二百万円になったら自己負担額が一割から二割になる方は二千四百二十六人、そのうち三割の方が、通院回数を減らす、受診科の数を減らす、薬の飲み方を自分で調整するなど、何らかの方法を、受診方法の変更を考えざるを得ないというふうに言っております。
 回答に見る特徴ですが、本人や配偶者に持病を持つ人、年金収入が少ない人、持家でなく家賃を支払っている人などでは切実な声があります。現役のときは忙しくて病気があってもなかなか医者通いはできない、退職して高齢になってやっと通うことができるよ、こういう人が多くいます。
 多くの高齢者は、国民として、納税者として、税金と健康保険料も介護保険料も律儀に払ってきております。通院回数を減らす、受診科を減らすだけでなく、全てを実行する人も多いというふうに思います。受診控えが起こることは明らかです。
 次に、主な意見についてはこちらの方にるる述べてありますので、時間の関係で省略させていただきます。四枚目、お寄せいただいた声。いずれにしても、非常に厳しい生活実態、それと高い医療費についての厳しい声が沸き上がっています。何とかしてくれというふうな声に満ち満ちているというふうに思います。
 最後に、今回の政策に対する意見を述べたいと思います。
 後期高齢者の医療制度の一割負担を二割に引き上げる政策は、審議を中止し、撤回すべきであるというふうに考えます。その理由は、一部負担金を一割から二割に引き上げることにより高齢者には受診控えが起こり、健康悪化、病状悪化の原因となり、高齢者の負担を増やすとともに、国民医療費や国の保健医療への支出を増やすことにつながります。一部負担を減らして、又はなくす、こういったこととともに、早期発見、早期治療、保健予防政策を進める、努める、これが大事だと考えます。
 早期発見、予防の重要性については、政府は後期高齢者医療制度の立法の趣旨においても、あるいは地域保健法の立法においてもそのことを強調しております。老人医療無料制度を有料化したときの老人保健制度においても、国は保健予防の重視に取り組むことを前提に定額の自己負担をやるというふうに言っておりましたが、その後、後期高齢者医療制度などを含めて国民の負担増にのみその具体化は努力されており、保健予防の政策と努力は極めて不十分であるというふうに考えます。老人保健制度の翌年には健康保険制度の、健康保険本人の十割給付の一割負担、自己負担も強行されたということもありました。
 いずれにしても、どんな健康づくりや保健予防に取り組み、どんな成果があったのか、課題は解決されてきたのか明確にすることは、政治と行政の責任であると思われます。立法府としてどう関わり、責任を果たしてこられたのでしょうか。
 先進国では、保険料の上に外来で大きな窓口負担を課すというふうなことはほとんどありません。これは、日本及び若干の国。窓口一部負担を増やすことが受診抑制をし、健康水準を引き下げるというふうなことが分かっているからだろうと思います。二百万円の暮らしでこれらの生活に耐えろというふうな、なのでしょうか。
 家族論が御専門の中央大学の山田教授は、将来、生涯未婚率が二五%にも及び、孤独死は年間二十万人にもなりかねないと予測しています。社会が不安定化しています。少ない収入、年金で暮らす物言わぬ国民、高齢者をむち打つような政治、政策は中止してください。
 当面、審議を止めること、国民とともに協議をすること、とりわけ高齢者の実情を把握し、意見を聞くことを強く求めます。
 どうもありがとうございました。

#11
○委員長(小川克巳君) ありがとうございました。
 以上で参考人の御意見の陳述は終わりました。
 これより参考人に対する質疑を行います。
 なお、質疑及び答弁は着席のままで結構でございます。
 質疑のある方は順次御発言願います。

#12
○そのだ修光君 自民党のそのだ修光です。
 今日は、お忙しい中、本当にありがとうございました。
   〔委員長退席、理事石田昌宏君着席〕
 今、皆様方からるる説明をいただきました。今回の政府案は、団塊の世代が後期高齢者になり始める二〇二二年以降を見据えて、現役世代の負担上昇を抑えるものと考えておりますけれども、現役世代の代表としてお二人の参考人、佐野参考人、佐保参考人に今回の政府案に対する評価をお聞かせいただきたい。また、今回の改革案は第一歩と言えますけれども、今後の医療保険制度改革に向けてどういった内容が考えられるのか、併せてお聞かせいただきたいと思います。

#13
○参考人(佐野雅宏君) ありがとうございます。
 それでは、お答えいたします。
 まず、今回の政府案に対する評価でございますけれども、先ほども申し上げましたように、賛成という立場でございます。加えますと、現役世代の負担というのは、さっきも申し上げましたが、負担は既に限界を迎えていると思っております。さらに、コロナにより追い打ちを掛けられているという状況にございます。二〇二二年以降の現役世代の負担増に対応するために、今回の見直しを確実に実施をしていただきたいと、こう考えます。
 また、先ほどもちょっと申し上げましたが、今回の見直しだけでは、現役世代の負担軽減、これは十分とは言えないというふうに考えております。国民皆保険の維持と持続という観点からも、次期改革に向けての給付と負担の見直し、また公費の在り方も含めて速やかな検討の開始が必要だというふうに考えております。
 具体的には、先ほど私どもの方が用意しました資料の八ページ、こちらの方にも記載をさせておりますけれども、今回先送りになったやはり後期高齢者の現役並み所得基準の見直し、また、あわせて、現役並み所得者への公費の投入、また、後期高齢者の方の保険料負担割合の見直し、やはりこれまで現役世代に負担が偏りがちだったという現行制度の見直しが必要だと思っています。また、さらには、この下にありますが、保険給付についても、薬剤給付を含めて高額薬剤等増えている中で、やはり軽症用の市販用類似薬の保険からの除外、給付率の見直しなども考えられると思います。また、医療提供体制につきましては、コロナ禍の教訓も踏まえて、かかりつけ医機能の明確化、強化、さらには、連携強化、推進等もあって、患者にとっての安心、安全な医療を確保するとともに、適正な受診行動、これを促すことも重要だと考えています。
 こういった点を踏まえて、地域医療構想等も着実に推進すべきだと、こういうふうに考えております。
 以上でございます。

#14
○参考人(佐保昌一君) 今回の法案に含まれる後期高齢者の二割負担の導入は、年齢ではなく支払能力に応じた負担への転換という意味で前向きに受け止めています。しかし、審議会でも長年議論になっている長瀬効果について、本委員会で改めて確認されたように、受診抑制効果が懸念されております。
 単身二百万円以上という収入水準は、家計に余裕があるとは決して言えないと思います。コロナ禍での受診控えでがんの受診が見送られ、進行するリスクが指摘されていますが、窓口負担の引上げにより、家計に余裕がない高齢者の受診控えが進み、QOLの低下が懸念されるところでもあります。法案では配慮措置が講じられていますが、こうした受診控えによる命と暮らしへの影響を抑える工夫を考えていただきたいというふうに考えています。
 更に言えば、医療費そのものを抑えていく抜本的な取組が必要と考えます。医療機関の機能分化と連携、医療機関と介護サービスの機能分化と連携を一層進め、地域との実情を踏まえた効率的な医療・介護提供体制の構築を急ぐことこそが最も重要と考えております。
 パンデミック対応を念頭に、地域医療構想の再検討を行い、民間を含むあらゆる設置主体の医療機関の積極的な参画による構想を実現させなければならないというふうに考えております。
 以上です。

#15
○そのだ修光君 ありがとうございました。
 次に、今回、先ほどの皆さんのお話の中にもありました、この改革は時間との闘いだということをさっき言われましたけれども、後期高齢者医療の窓口負担が二割については、施行期日が令和四年十月の一日から令和五年三月一日までの間で政令で定める日とされており、実際のスタート時期に幅を持たせております。このことについて、いつ施行すべきと考えておられるのか、少し御意見を聞かせていただきたい、佐野参考人に聞かせていただきたいと思います。
   〔理事石田昌宏君退席、委員長着席〕

#16
○参考人(佐野雅宏君) お答えします。
 これはもう可能な限り早く施行いただきたいというふうに考えております。
 そういう面では、現在、十月から三月までの間と、可能な限り早期ということになりますと、私どもとしては十月に施行していただきたいと、こういうふうに考えております。
 以上でございます。

#17
○そのだ修光君 今の、早く、可能な限り早くということを言われましたけど、実際私もそうだと思っております。
 また、要は、現役世代が健康で、高齢期になっても健康でいられることがやっぱりこの国民皆保険を維持していく上で大変大事なことだろうと思っているところでありますけれども、その取組について、佐野参考人、少しお聞かせしていただきたいと思います。

#18
○参考人(佐野雅宏君) ありがとうございます。
 今回の改正案で、まず、四十歳未満の方についても、この事業主健診情報が保険者に提供されるということが可能になります。これまでも、健保組合としましては、まさに被保険者に近いという特性を生かして効果的な保健事業の実施、これによって保険者機能の発揮をしてまいりました。また、加入者の予防、健康づくりもやってきております。
 これまでは法の規制もあって四十歳以上の方が中心だったわけですけれども、今般、四十歳未満の方のこの健診情報が提供されれば、当然ながら、若い世代からの生涯を通じた予防、健康づくり、これに取り組むことが可能になります。
 医療保険者としては、更に効果的、効率的な保健事業の展開、データヘルス、コラボヘルス、こういったものを推進、加入者のヘルスリテラシーに向けた取組等もやっていきたいというふうに思っております。まさにこれが支える側を増やすということになっていくんではないかと思っております。
 ただ、一点だけ要望したい点は、従来、事業主健診のデータというのは、多くが紙ベースであったりとか、またその事業主ごとのデータフォーマットが違っているというようなところがございます。標準様式はもちろん示されてはいるんですが、データ提供の際にデータを受け取る保険者側の業務負荷を、これを減らすためにも、データフォーマットの統一ですとか提供ルールの明確化を行っていただいて、その上で更なる健康増進の取組に努めてまいりたい、こういうふうに考えております。
 以上でございます。

#19
○そのだ修光君 今話をしていただきましたけれども、介護保険について、先行で介護保険二割負担と、先行になっているわけでありますけれども、今回、医療保険の部分に改革を求める、社会保障全体のこと、今改革に向けて一生懸命やっているところでありますけれども、ちょうど一番目の質問であったんですけれども、遠藤参考人に少しお聞きをしたいんですけれども、やっぱり社会保障全体の、今後のやっぱり医療保険改革も併せてどういう形を理想とするべきなのか、少しお話を聞かせていただきたいと思います。

#20
○参考人(遠藤久夫君) ありがとうございます。
 社会保障全体は、やはり先ほど申し上げましたように、人口の高齢化、少子化が進んでいるということでありますので、その給付の対象あるいは負担の在り方を見直していくということは、これは避けられない話であるだろう、そのときにやはり所得の高い人、余裕のある人に御負担をいただくという、そういう基本的な考え方をベースにしていく必要があるだろうというふうに思っております。
 と同時に、医療保険あるいは医療提供体制を考えたときに、我が国の医療保険制度というのは本当にすばらしい制度だと思っております。なぜかといいますと、最近は、国民医療費の伸び率というのは、平時であれば大体二%増なんですね。かつて三%でしたけど、平成二十四年以降は大体二%増なんです。いろいろありますから、そのときはまたいろいろ抑えたりするんですけれども、二%。これだけの高齢者の数が増えているにもかかわらず二%で抑えられていると。なおかつ、非常に高額な薬や機器が使われて、これをどうするかという問題が常にあるわけなんですけれども、そういうものが保険で適用できるというようなものが私らの制度なわけですね。
 そういう意味で、しかも先ほどその負担を上げることに対して非常に大きな議論があるということで、公平性という点ではある意味非常に皆さん共通の認識を持っているわけなんです。これ世界で、つまりいいものは入ってくる、しかも安く、しかも誰でもその所得に対してはそれなりのものをしている、このシステムは絶対に壊してはいけないというふうに思いますので、現状の医療保険制度は維持していくためにあらゆる努力を必要とするだろうというふうに思います。そのためには、当然健康を増進するというようなことで医療費そのものの増加を抑えるとか、あるいは効率的な連携をするとか、そういうような問題を全てやりながら医療保険制度をつくっていかなければならないと。
 もう一つ社会保障という点で言うならば、大きな課題をもし抱えるとするならば、介護保険制度にあると思います。介護保険制度は伸び率はもう四%以上で、医療よりも高いと。しかも、中核的にするサービスの提供者が少ないというような、不足していると。この問題は非常に重要で、医療サービスの対極にあるものですから、一緒に考えていかなければいけない非常に重要な課題だと思っております。
 済みません、長くなりました。

#21
○そのだ修光君 いみじくも今介護保険制度のことを言っていただきましたけれども、実は私は、二〇〇〇年のときの介護保険創設のときに自民党の、もちろんそのときは私は衆議院議員していまして、自民党の部会の中で新しい介護保険を創設するという議論をずっと三年間やってきたんです。
 その中で、今考えれば、あの当時被保険者を四十歳からということで出したんですよね、決定したんです。そして、あのときが、十年、二十年にして、今もう二十年たったんですけど、あのときは、大体事業費が倍ぐらいに二十年だったらなるんだろうと。しかし、現実には三倍なんですよね。
 そのことを考えれば、今回の医療の改革もそうですけれども、介護の方の改革も、今、少し晩婚化で、あの当時、被保険者が四十歳なら自分の親の介護の状況が分かるんだということで、大体四十歳からという被保険者を決めたんですよね。ただ、今晩婚化で、もう若い世代ももちろんいろいろ、いろんな費用は掛かるんですけど、若い世代から親の介護が始まるんですよね。そのことを考えれば、この四十歳というのももうどうなんだろうかねという議論、今あるんだろうと思っています。
 それも含めて、今回の医療保険、この改革、しっかりと進めていかなきゃならないと思いましたから、どうも本当にありがとうございました。
 終わります。

#22
○福島みずほ君 立憲・社民の福島みずほです。
 四人の参考人の皆さん、お忙しい中、本当にありがとうございます。貴重な機会をありがとうございます。
 まず、佐保参考人にお伺いいたします。
 今のそのだ委員の質問とも少しダブるのですが、現役世代の負担軽減などのためには、窓口負担を上げて受診抑制を効かせて医療費を抑制するのではなく、他の視点もあるのではないでしょうか。その点、連合として考えていることはあるかということについて教えてください。

#23
○参考人(佐保昌一君) 医療提供体制の見直しについてもメスを入れるべきだというふうに考えております。
 コロナ禍で明らかになったように、民間病院中心の医療提供体制で感染症のパンデミックには十分に対応できないような状況が生まれております。病院勤務医の長時間労働を本気で解消しなければ医療の持続可能性が確保できないこと、過疎化の進行で医療の格差は深刻である一方、都市部には多くのクリニックが日中だけの外来医療を行っていること、人、物、金の資源に制約がある中で自由開業による医療提供体制を認めているということは、不効率な資源配分を起こしているのではないかという可能性もあると思います。画像診断装置などの高額な医療機器を導入されている結果、必要以上の検査が行われている可能性についても考えられます。
 医療機関の機能分化と連携を進め、パンデミックにも対応できる効率的な医療提供体制をつくるための地域医療構想を地域で再検討し、民間医療機関を含め、その実現に協力していくことが医療費の面でも重要だと考えますし、それとともに、日本全体の医療提供体制の在り方を今のうちから深く議論すべきだというふうに考えております。
 以上でございます。

#24
○福島みずほ君 七十五歳以上、年収二百万以上で二割負担だとすると、やはり受診控えが本当に起きてしまうんじゃないかと心配をしております。
 ところで、佐保参考人にお聞きをいたしますが、保険料の賦課限度額の引上げと国費による対応ということも検討する必要があると考えますと、先ほども、立憲民主党が提出した法案のように、保険料の賦課限度額の引上げと国費による対応についても検討する必要があると考えますというふうにおっしゃいました。この点についてはいかがでしょうか。

#25
○参考人(佐保昌一君) 受診控えが懸念される中で、やはりそのことについてどうしたらいいかということを考えていきますと、賦課限度額の引上げ、国費の投入ということも検討する必要があるのではないかといった意味で発言をしたものでございます。
 以上です。

#26
○福島みずほ君 佐保参考人にお聞きをいたします。
 保険者が事業主の健康情報の提供を求めたら事業主は保険者に提供しなければならないこととなりますが、この点、どのように考えられるでしょうか。労働者の中には、同意なく自分の個人情報を提供されることは嫌だという方もいらっしゃるんじゃないでしょうか。どうでしょうか。

#27
○参考人(佐保昌一君) 健診情報につきましては、やはり中には、自分の個人情報だとして知られたくないという方も中にいらっしゃるということはお聞きをしているところでございますが、果たしてそれがどれぐらいの割合なのかというところまでは把握していないのが状況でございます。
 以上でございます。

#28
○福島みずほ君 それでは、吉岡参考人にお聞きをいたします。
 年収二百万以上、七十五歳で二割負担ということで、それぞれ皆さんからのアンケートを今日御紹介をしていただきました。厚生労働省が示しているデータが百五十万から二百五十万の百二十三件の例でしかなくて、しかも家に関する支出が十七万円で、これは持家だろうというふうに思われるんですね。ただ、六十五歳以上の方の持家率はデータでは三三・五%で、借りている方、借家住まいの方も極めて多いというふうに思っています。
 改めて、生活に与える影響についてどう思われるでしょうか。

#29
○参考人(吉岡尚志君) 持家率は、日本全体でいうと大体七割以上が持家というふうに言われています。高齢者の方がもっと高いんじゃないかと、まあ私も専門家ではないんですが。
 ただ、持家についての政策として、諸外国、特に先進国においては、住宅は社会保障、住まいは社会保障という捉え方なんですね。ただ、日本の場合は住まいはかい性、自分でというふうなのが明治以降そういうふうになっていますし、どちらかというと産業政策あるいは経済政策というのが主で、住宅ローンというふうなことがもう前提になっているというふうなことなので、それが今非正規が増えていくというふうなことの中で、随分負荷は大きくなっているというふうに思います。
 特に高齢者の場合は、私は杉並の方で事業をやっていますが、そちらの方で見ても、大体七割ぐらいが持家で、二割若しくは三割が賃貸。そちらの方のレベルは極めて幅が広くて、もし二百万円で暮らすことになって、五万円とか六万円で恐らく済むとはとても思えないというふうなことがありますので、先ほど申し上げたような実例でいくと、とてもではないですけども暮らせないというふうに私は思いますし、データでも出てきている。住宅、家賃を払っていなくてもぎりぎりの状態なのに住宅を払い、更に先ほど言いましたように生命保険等ももし払っているならばかなり極めて厳しい状況で、食費をあとは削るか、あとは交際費を削るかというふうなことが主な対応だというふうに聞いています。
 いずれにしても、女性の高齢者に私もこの間いろいろインタビューをしていますが、とてもなかなか二百万円行っていない、介護保険の負担は七万から八万というふうなことで、利用していなくても七万から八万、もし利用すると最大一割から三割払って大きな負担になって、極めて大きな負荷になって生活を圧迫しているというふうに思います。
 医療費も、窓口で払うわけではないので、全額を払う、先ほど高額療養費の問題がありましたが、一旦払ったりというふうなことがあるならば、それは本当に心細い状況で生きているんじゃないかなと、暮らしているんじゃないかなというふうに心配をしております。
 以上です。

#30
○福島みずほ君 吉岡参考人にまた改めてお聞きをいたします。
 この委員会の中でも厚生労働省は、現役の人の一月の負担減は三十円だと、三十三円とか三十円というふうに言っています。現役世代で月三十円減る分とその累計と、それから七十五歳から医療費負担が二割になったときの負担を考えると、圧倒的に、いろんな人がもちろんいらっしゃるでしょうが、シミュレーションとしては七十五歳からの医療費負担の方が増えるという試算もあります。
 確かに現役世代と高齢者、でもこれ対立するものではなくて、一人の人生としてはつながるわけですし、この月三十円負担減をするということにやるということであれば、むしろ国費やいろんな事業主負担や、そういうことでこれはクリアすべきではないかというふうに思いますが、この点についていかがでしょうか。

#31
○参考人(吉岡尚志君) 私もそういうふうに思います。三十円を引き下げるためにこのようなもし制度設計があるというふうなことであれば、極めてそれはゆがんでいるというふうに思います。
 今必要なのは、日本の国民が安心して、若者から現役から高齢者まで安心して暮らせるというふうなことだろうと思います。若者の情報を聞いてみても、若者は自己責任論の中で萎縮して、本当に、受診もさることながら、非常に生き方そのものも圧迫されているというふうに聞いています。若者が安心して将来の展望を持って生きるためにも、社会保障を先進的な諸外国のように、安心して若者が子供を産み、そして育てられ、自分たちが生活していけるような制度設計というのが求められるというふうに思います。
 今の社会では、もし非正規になって若者の二百万円というふうな状況に、暮らすのに二百万円というふうなこともかなり多いというふうに聞いています。その人たちは、将来に向けて必ず生活上の逼迫をするのではないかと心配をしています。若者期、現役期、そして高齢期、全てのところで安心できるような社会保障システムをつくっていくことが今求められているというふうに思います。

#32
○福島みずほ君 現在でも高齢者の受診抑制が進んでいるんではないかというデータもあります。
 吉岡参考人にお聞きをしますが、今でも受診抑制が起きているんじゃないか、とりわけ歯科医とかだと我慢すればいいというふうに思ったり、お金がなかなかないとか受診抑制の話をよく聞くのですが、この点はいかがでしょうか。

#33
○参考人(吉岡尚志君) 当然だと思います。そのような対応がなされていると。
 医療の方は幾ら掛かるかというのがちょっと予想し難い、買物であれば幾らのものを買うというふうに自分の意思で買うことができますが、医療費が幾ら掛かるかというふうなのは特に予想できないと。検査の場合なんか本当に予想し難いような状況で、お金を余分に持っていってというふうなことがあるかと思います。そのようなことで、受診は常に抑制せざるを得ない、暮らしの中で固定的に出る支出が多い上に、更にそういうふうな支出をするというのは極めて厳しいのではないかというふうに私は思います。

#34
○福島みずほ君 佐保参考人にお聞きをいたします。
 先ほど、医療扶助におけるオンライン資格確認の導入について話をしていただきました。実際、カードを取得していない、あるいはカードを取得しても紛失しているとかいろんなこともあり、なかなかこの導入に関しては、例えば被保護者の適切な受診が抑制されないようにという配慮が必要ではないかと先ほどおっしゃいました。この点について、医療扶助におけるオンライン資格取得の導入について改めて話をしていただけますでしょうか。

#35
○参考人(佐保昌一君) 医療扶助のマイナンバーカードにおけるオンライン資格確認については、医療の質、利便性の向上に寄与することが期待されておりますが、まず、何より医療扶助は本人の健康や命に関わる問題であり、制度導入により本人の適切な医療受診が過度に制限されることのないように配慮が求められると思います。なお、生活保護受給者の頻回受診対策については、被保護者というより、医療機関や悪徳コンサルによる発覚が指摘されています。適正化に当たっては、こうしたサプライサイドの対策を強化すべきであるとも言えます。
 したがって、医療機関に対する指導の徹底、医療扶助による医療を受診した場合も診療明細書の発行義務化を進め、被保護者が必要な医療にアクセスできなくなることのないように、マイナンバーカードの活用とともに考えていただきたいというふうに考えております。
 以上です。

#36
○福島みずほ君 遠藤参考人にお聞きをいたします。
 今日は、緻密な分析に基づく様々な説明ありがとうございました。先ほど佐保参考人にもお聞きをしたんですが、立憲民主党が提出した法案のように、保険料の賦課限度額の引上げと国費による対応というのは、これは本当に検討したらいいんじゃないかというふうに思っておるのですが、これはいかがでしょうか。

#37
○参考人(遠藤久夫君) 遠藤でございます。ありがとうございます。
 まず、保険料の賦課限度額、つまり保険料の支払の上限ですね、それを引き上げるということでありますけれども、これは十分検討する必要があると思います。
 そもそも、保険料に上限を付けているというのはどういうことかというと、社会保険では所得の再分配機能を持たせないという考え方があって、それは税であれば累進でいきましょうと。しかし、どんなにお金を、保険料を払っても給付は限定されますから、医療の場合などは。したがって、上限を持たせましょうというような考え方だったんですけれども、このように、非常に、公費も四割、医療の場合入っているわけでありますから、やっぱり所得のある人は高い保険料を払っていただくということは必要なので、そこは十分議論する必要があると思います。
 事実、後期高齢者、国保のその賦課限度額は数年に一回引き上げていますので、そういう考え方は既にやっているわけなんですね。それをいかにドラスティックにやるかということはまた別問題だと思います。
 ただ、これの問題点一つだけあるのは、上限にへばりついている高所得者ってそんなに多くないんです。ですから、そういう人たちの負担増やしてもどれだけ財源確保できるかという問題がこれあるわけなんですが、しかし、所得の高い人にはそれなりの保険料を払ってもらうということを検討することは十分意味のあることだと思います。
 公費導入につきましては、その結果、医療費に、今医療費は四割公費入ってきました。どんどん増えているわけなんですが、これはそういうことで、公的債務が増えている中でそこをどこまで増やしていくのかということは非常に問題なので、それは総合的な議論が必要だというふうに考えます。
 以上です。

#38
○福島みずほ君 時間ですので、参考人の皆さん、ありがとうございました。

#39
○塩田博昭君 公明党の塩田博昭でございます。
 本日は、御多用の中、四人の参考人の皆様に貴重な御意見をお述べいただきまして、大変にありがとうございました。
 まず、佐野参考人にお伺いしたいと思います。
 全世代型社会保障改革については、今回の改正案にとどまることなく、次なる改革に向けて給付と負担の見直しを含めた検討をすべきだというふうに考えておりますけれども、その際に優先して取り組むべきものとしてどういうものから取り組むべきというふうに考えておられるのか、まずそこから御所見をお伺いしたいと思います。

#40
○参考人(佐野雅宏君) ありがとうございます。
 先ほども若干説明をさせていただきましたけれども、私の資料でいいますと八ページなんですが、やはり私どもとしては、今回先送りになった中でも、後期高齢者の現役並み所得基準の見直し、また、それに伴う、それが現役世代の負担増にならないようにするための現役並み所得者への公費投入、これを考えております。
 先生方に釈迦に説法でございますけれども、現状の後期高齢者医療制度の財源構成を説明すると、本来後期高齢者の医療制度の給付は、公費が五割、保険料が四割で自己負担一割という五、四、一なんですけれども、現役並み所得者、こちらの給付には公費が入っておりません。しかも、その部分は現役世代の支援金が公費の肩代わりをやっております。この額を、私ども健保連としては大体約四千五百億円というふうに見込んでおります。
 こういった財源構成になっているために、やはり今後、世代間の負担公平性、この観点からは現役並み所得基準の見直し、これは必要だと思いますが、またその対象範囲を拡大することも必要だと思っていますけれども、一方で、現行制度のままで現役の所得者が増えると、これは公費負担が減って現役世代の負担が増えると。要は、後期高齢者の現役並み所得者の範囲が広がると現役世代の負担が増えるという非常に妙なことになってしまいます。
 ここ大変問題だと思っておりますので、少なくともこういった制度については見直しをお願いしたいと思いますし、具体的には現役世代の負担軽減のために、この現役並み所得者に対する公費投入、これを是非ともお願いをしたいと。これが現状におきましては一番優先度が高い部分ではないかというふうに考えております。
 以上でございます。

#41
○塩田博昭君 様々大事な御所見述べていただきまして、大変ありがとうございます。
 引き続き、佐野参考人にオンライン診療の必要性と課題についてちょっとお伺いしたいんですけれども、コロナの影響もあって、オンライン診療の必要性というのはやはり私は増しているんだというふうに思いますけれども、今後、オンライン診療を、特例的に扱えということじゃなくて、もっと増やしていくべきだという考えの中で、オンライン診療に対する評価、そして、オンライン診療を進める上でどのような課題があって、それを解決しなければならないのかと、そういう視点についてお伺いしたいと思います。

#42
○参考人(佐野雅宏君) ありがとうございます。
 今回のコロナ禍を踏まえても、やはりオンライン診療というものについての重要度は大きく増していると思います。特に、いわゆる従来の対面診療とオンライン診療をどう両立を図っていくのかというのは当然ながら重たい課題だと思うんですけれども、やはり一番大事なところというのは、いかにこれを国民目線でもって進めていくかということが大事なことだろうと思います。
 国民から見て、やはり対面とオンライン診療と、両方ともどううまく状況に応じて使い分けていくのかというところがポイントになると思いますし、その際には、やはり一つのキーワードとしてはかかりつけ医という機能をどのように進めていくのかというところがポイントになると思います。ある面でやはりかかりつけ医を持つことが大きなポイントになると思いますし、かかりつけ医を持てれば、まさにそれは対面であれオンラインであれ、患者として、利用者としてうまく使い分けていけるんではないかと思っています。
 ただ、かかりつけ医については、今般、相当いろんな議論されていますけれども、やはり、じゃ、かかりつけ医というものの機能をどのように整理をするのかとか、また、その役割といいますか、制度としてどういうふうに位置付けていくのかとかいういろんな課題があると思いますけれども、いずれにしても、そういった形の中でこのオンライン診療というものをより進めていくことが理にかなっているんではないかと、こういうふうに考えております。
 以上でございます。

#43
○塩田博昭君 じゃ、もう一問、佐野参考人にお伺いしますけれども、健康寿命の延伸に向けた予防と健康づくりという課題において、健保組合の健診データの蓄積に基づくデータヘルスに大いに私も期待するものでございますけれども、加入者に対してエビデンスに基づく適切なアドバイスや、事業者との連携などで健康な高齢者を増やすことが可能となる重要な取組だというふうに私も理解しております。
 健保組合におけるデータヘルスの具体的な取組と今後の課題などについて、御所見をお伺いしたいと思います。

#44
○参考人(佐野雅宏君) ありがとうございます。
 先生おっしゃるとおり、まさにこの予防、健康づくりというのが健保組合にとって極めて重要な課題であるということは言うまでもないことだと思います。
 健保組合から見ますと、やはり主たるところは生活習慣病対策ということになろうかと思いますけれども、まさにこの部分について言いますと、生活習慣病にならないこと、まあ予防の部分と、それからもう一つ、予兆が見えたときのその重症化予防と、こういう両方が重要であるというふうに考えております。
 その際の大きなポイントは、何といいますか、やはり本人の意識改革と行動変革、これであると思います。ただ、これはまさに言うはやすし行うは難しみたいな部分でございまして、あるんですけれども、健保組合はまさに加入者に近い立場でございますので、そのメリットを生かして、勤務状況であったり職場環境であったりということを踏まえた対応策をやっております。無論、状況とか環境が異なる部分ございますので、何といいますか、共通の決定打というか、なかなか見付からない部分があって、ただ、少なくとも、何といいますか、事業主であるところの企業との連携、また労働組合との連携、こういったものが大きな要素で、やはりここがうまくいっているケースは効果も上がっているというふうに認識をしております。
 また、先生御指摘もありましたが、その前提となる健診結果ですとかデータエビデンス、これの活用がもちろん重要だと思っておりますので、これについては、健保組合が持っていますところの情報であったりノウハウ、これを共有して、今後とも全体としてのレベルアップ、これを図っていきたいというふうに考えております。
 以上でございます。

#45
○塩田博昭君 では、続きまして、遠藤参考人にちょっとお伺いをしたいと思います。
 遠藤先生の御講演の内容とか配付資料を拝見させていただきますと、年を取るほどに一人当たりの医療費が高くなるため、医療費が増大する大きな要因は高齢化の進展にあるように思えるが、これは短期的には正しいが、長期的には医療費の増加率は経済成長率との相関関係が高く、高齢化の進展との相関関係は低いと、このように言われております。
 高齢者の医療費と高齢化の進展との関係、そして経済成長率との相関関係をもう少し詳しくお教えいただきたいと思います。

#46
○参考人(遠藤久夫君) 遠藤です。ありがとうございます。
 もちろん、一人当たり医療費は高齢者の方が高いということでありますので、ある時期を調べれば間違いなく高齢者の多い地域の方が医療費は高くなるわけですけれども、これが時間の経過とともに、医療費が高い場合にはいろんな形で医療費の抑制策が取られます。一番大きいのが診療報酬の改定率ということになるかと思いますけれども、それ以外にも、まさに自己負担の問題とか様々な方策が取られます。
 その結果、長い期間で見てみますと、医療費の伸び率と経済成長率との相関度は非常に高いんです。これは日本だけではなくて、大体どこの国もそういうことになっておりますので、結局、経済の成長率が高いかどうかというのが医療費の伸び率を決めていくと。これはほったらかしにしているわけじゃなくて、いろいろコントロールされているからそうなるんだという、そういう意味合いで申し上げたわけであります。

#47
○塩田博昭君 ありがとうございます。
 では、遠藤参考人にもう一問お伺いしたいと思いますけれども、インタビュー記事なんかを読みますと、診療報酬の改正は医療に大きな影響を与えるため、医療政策上の有効な経済誘導手段としても使われてきたと、こういう内容を目にいたしました。
 近年、慢性的な医師不足、そして看護師不足が課題とされる中、今般のコロナ禍によってより緊急性と抜本的な見直しの必要性が高まっているというふうに感じております。どのような診療報酬の改正が医師不足、看護師不足を解消する方向に誘導できる政策となり得るのか、先生の御所見をお伺いしたいと思います。

#48
○参考人(遠藤久夫君) ありがとうございます。
 まず、診療報酬が医療の行動に大きな影響を与えるインセンティブだということにつきましては、これはなぜかといいますと、日本の場合は、一つは混合診療を禁止しておりますので、医療機関の収入がほとんどが保険診療なわけですね。したがいまして、保険診療のその価格を決めるということによって医療機関は維持できなくなりますから、当然のことながらそういう方向で動きます。実際に、ジェネリックを普及させるためとか在院日数を短くするためには、それぞれの診療報酬で強く誘導してきたということがあるわけであります。ですから、それは非常に社会的な目的に医療機関の行動を合わせようという点では有効なんです。
 ただし欠点もありまして、幾つもあるんですが、特に有効でないものがあるんですね、目的として使えないというものがある。それがまさに今お話しされた医師不足、看護師不足をどう対応するかというところが非常に難しくなります。
 まだ、ある特定の診療科目、診療科の医師を増やすというのであるならば、その診療科の報酬を高く誘導するという形で参入者は増えるかもしれません。医学生はそちらの方に行くかもしれませんけれども、ある地域に集めるという話は非常に難しいところがある。これは、診療報酬というのは地域差を使いません、全国一律でやっているということもありまして、なかなかそこが難しいので、ですから、医師不足対策は診療報酬が効かない幾つかの重要なところの一つなわけです。
 今やっていますが、むしろ医師不足の問題は、最近では地域枠の人たちをどううまく使っていくのかとか、そういうような医療法絡みの話ですね、そっち絡みの方で誘導していくしかないのかなというふうに思っております。
 そんな答えで申し訳ありませんが。

#49
○塩田博昭君 ありがとうございます。
 ちょっと時間が余りございませんので、じゃ、ここで終わりたいと思いますけれども、今後、今お述べいただいたようなことをしっかり今後の政策に生かしてまいりたいと、このように思っておりますので、また機会がありましたらお伺いをさせていただきたいと思います。
 じゃ、今日は大変にありがとうございました。

#50
○梅村聡君 日本維新の会の梅村聡です。
 今日は、四人の参考人の皆様、貴重なお話をありがとうございました。
 早速なんですけれども、まず、佐野参考人からお話をお伺いしたいと思いますが、今回特に一番大きなテーマは、後期高齢者の方の自己負担の見直しによって、一定年収以上の方ですね、これがいわゆる国民皆保険を維持する中では財政問題も含めて解決の第一歩につながると、ですからこれを速やかに進めてほしいという、さっきそういう陳述がございましたけれども、その一方で、佐野参考人は健保連と言われますいわゆる健康保険組合連合会であられますから、それぞれの健保の、健康保険組合の今のその持続性ということも、私やっぱり興味深くいろんな資料拝見させていただきました。
 特に、今日いただいた資料の中では六ページのところで、この全体としての赤字総額ですよね、もちろん新型コロナの影響もあって赤字幅が拡大しているということもあるかと思いますが、一方で、健保組合の解散の問題というのがやっぱりじわじわと出てきていると思います。
 私の地元の大阪も、非常に歴史のある健保組合さんがやっぱり解散という一つの決断をされましたし、それから、全国的にも総合型健保と言われる、いわゆる様々な企業が集まってつくっている健保組合もやっぱり幾つか解散という事例が出てきていますので、これ健保組合側から見れば、今回は改革の第一歩なのかもしれませんけれども、やっぱり構造問題としてこの財政問題というのは横たわっているんじゃないかなと、そういうふうに見ております。
 一方で、じゃ、解散したらどうなるのかというと、これ多くは健保組合に入っていくことかと思うんですけれども、あっ、協会けんぽに入っていくことになるかと思いますけど、この協会けんぽとの保険料率比べても、そこを保険料が超えてくる健保組合もこれ一定の割合で出てきているわけでして、そういったことから考えると、その健保組合の中で例えばこの解散という決断をされるときに、これ具体的に将来見通しがどういうものがあって、そしてどういう議論がある中でこの解散という話につながっていくのかですね。その内情というか、そのストーリーというか、その辺りちょっと少しお伺いしたいと思うんですが、いかがでしょうか。

#51
○参考人(佐野雅宏君) ありがとうございます。
 なかなかお答えが難しい質問かなと思うんですけれども、まず、やはりおっしゃるとおり、現状でも直近、解散という話は一部出ておりまして、今回出たところは大阪、先生地元の大阪ということだったんですが、やはり業種的にもコロナの影響が非常に受けやすい業種でもって、コロナによって保険料収入が減ってきたと、そういった中で、今後とも明るい見通しが立てないという一方で、拠出金負担というのは年々増えていくという、こういうことを考えた場合に、今後の財政見込みも厳しい、そういう中でその健保組合の役員会でもって解散を決議されたという大変残念な事例でございます。
 それから、お話ありました、通称総合健保組合と呼んでおりますけれども、こちらは業種単位で集まった健保組合でございまして、いわゆる健保組合といいますと大企業中心というふうに見られがちなんですけれども、この総合健保組合というのはどっちかというと中堅・中小企業が中心に集まっているということでございまして、全体的なベースでいいますと報酬の水準も健保組合の中では相対的に低いと、こういったこともやはり全体の財政状況の中では厳しいところに置かれているという部分でもって出てきている部分かと思います。
 当然ながら、解散を検討する健保組合があるというのは大変残念なんですけれども、一つ私ども考えていますのは、健保組合解散を検討するというのは、もう財政状況厳しいというのはもちろんなんですけれども、もう一つは、やはり今後この事態が改善若しくは好転する見込みはどうなのかというところが大きなポイントになろうかと思います。
 そういう面で、やはり、明るい兆しが見えればここまで頑張ろうかと、これはどういう業態でもそうだと思うんですが、こういう気持ちになると思うんですが、なかなか明るい見通し若しくは出口が見えないというときに、やはりどうしても議論が、それなら今のうちに解散した方がいいんじゃないかという議論になるんじゃないかということで、現に悪いというよりは、今後の見通しについてのところも大きなファクターだと思います。
 そういう面でいいますと、やはり今回のような一つの制度見直しで少しでも現役世代の負担軽減につながる改定が予定されているというのは、健保組合にとっては一つの好材料になりますので、今回の点、さっきも申しましたように、十分だと思っておりませんが、今回この改定をしてまた次なる改定も目指していくんだということの部分の、やはり、何といいますか、プラス効果は多々あろうかと思います。
 それともう一つは、やはり、とはいうものの、制度見直しというのはどうしても時間も掛かりますので、その間においては、言わば財政支援も含めた支援体制、こちらの方は当面の対応としても非常に重要だと思います。
 いずれにしても、健保組合は、やはり単に料率だけではなくて、加入者に近い存在としてきめ細かい保健事業サービスをやる、これがまさに我々の強みであり義務だと思っておりますので、これをやるためにもそういった御支援の方をお願いできればと、こういうのが私の感想でございます。
 以上でございます。

#52
○梅村聡君 ありがとうございます。
 我々も、今まで健保組合の皆さんのいろんなお取組を見ていて、やっぱり保険料率だけを見て、ああ、もうこれはやめておこうというような気持ちにさせてしまうことが我々としてはこれもう非常に問題だと思っていますので、やっぱり今お話がありましたように、もちろん後期高齢者の方の負担をどう軽減していくことができるかということは大事なことではあるんですけれども、一方で、我々がやっぱりきちんと不断の改革の姿勢を見せていくということが、私はやっぱりこれ非常に大事なことなんじゃないかなというふうに思っております。ありがとうございます。
 それでは、次に遠藤参考人にお伺いをしたいと思うんですが、今日いただいた資料の中で、後期高齢者の方の医療費は、医療費の伸び率は比較的一定の範囲内に収まっているという、そういう分析のデータがありました。これ、対前年度比の医療費の伸び率に関してですけれども、これちょっと確認なんですけれども、七十五歳以上の方は、逆に言うと介護保険で外に出しているので、ちょっと表現が正しいかどうか分かりませんけど、介護保険で受けているのでその分医療費の伸びがある程度収まっていると、そういう見方というのはこれできるんでしょうか。

#53
○参考人(遠藤久夫君) 一人当たり医療費の伸び率ですね、これが比較的少ないということで、これは介護保険の方で吸収されている部分があるということは、これは正しいと思います。
 ただ、介護保険も新たにできた制度ではありませんから、恒常的にあるわけですので、ある意味医療と介護の役割分担はそれぞれできてずっと来ているわけですから、介護で吸収されている部分はありますけれども、それだけが下がっている理由だということはなかなか言えないと思います。あるとき突然介護保険ができればこういうこともあり得る話ですけれども、もうずっとできているわけですので。でも、そういう傾向はあるかと思います。

#54
○梅村聡君 ありがとうございます。
 それでは、遠藤参考人にもう一問お伺いをしたいんですけれども、この十年間、国は地域包括ケアという考え方でずっと医療の提供体制を進めてきました。一方で、地域包括ケアという形でないと、疾病構造の変化であるとか、それから、いよいよ来年辺りから団塊の世代の方の先頭の方が七十五歳以上に入ってきますから、地域包括ケアシステムというものの構築も同時に進めていかないと、なかなか日本は医療に関しては乗り切っていけないんじゃないかなと、そういうふうに考えているんですけれども、この地域包括ケアシステムというのを究極に進めていくというか、完成をさせていけば医療費そのものの伸びというのは抑えられることになるのか、あるいは一部の方々の論評では、いや、地域包括ケアシステムの方がお金が掛かるんじゃないかという、そういうことも言われる方もおられるんですけれども、この地域包括ケアシステムというのは医療費に対してはどういう影響を及ぼしていくのか、ちょっとこの辺りの御所見があればお伺いしたいと思います。

#55
○参考人(遠藤久夫君) 大変重要かつ難しい御質問だと思います。これ答えをもし申し上げるとするならば、どういう形の地域包括ケアシステムをつくるのかということに依存するのかなというふうには思います。
 つまり、医療と、恐らく医療費といっても医療費と介護費両方入れての話だと思います、地域包括ケアの議論をするのであるならば。そのときに、介護保険の方のウエートが高まるようなシステムにしていくのか、そうでないのかということで、トータルの医療費はもしかすると変わってくるかもしれません、特に介護費の方が安いというところもありますから。だけど、本当にそれが望ましいのかどうかというのは別の話で、したがって、地域包括ケアシステムと医療費、介護費との関係というのは、ある意味ダイレクトに議論はしていないですよね、そういう意味では。その患者にとって、利用者にとってどちらが望ましいかという議論をしているわけで、あるいは有効な資源をどう効率的に使うかという議論はしますけど、どっちの方がお金が安く済むかということはあえて議論をしていないというところはありますけど、重要な課題だとは思います。

#56
○梅村聡君 恐らく、設計の仕方なんじゃないかなと、そういうお答えだと思うんですね。
 というのは、医療費と介護費用だけじゃないですので。高齢者の方が地域で生活するときのコストも、今まで医療保険で持っていたものが個人のコストに掛かってくるという、そういう面もあるかと思いますので、やっぱり地域包括ケアシステムというのは、これ制度設計がまだこれから更に改良が必要なんじゃないかなと、そういうふうに思っております。
 それでは、佐保参考人にお伺いしたいと思います。
 ちょっと時間がなくなってきましたので、ちょっと一点だけお伺いしたいと思うんですが、今回、四十歳未満の方の事業主健診の結果が保険者に基本的には御本人の同意をなくとも法的にきちっと送られていくという仕組みが今回導入されるんですけれども、これ、四十歳未満の方の事業主健診が保険者に行ったときに、その保険者の方が、今まで四十歳以上の方は特定健診というのがありましたけれども、四十歳未満の方は、保険者がどういうサービスというか、どういう取組をすることが労働者にとって利益になってくるのか、もしちょっと具体的な、こういう取組を保険者がやってくれたらなという、そういう取組が、もし具体例が何かあれば、思い付くところでお願いできたらと思うんですが。

#57
○参考人(佐保昌一君) ありがとうございます。
 四十歳未満の方の健診情報、そういったものについてどのように活用するのかといったことについては、まだ先進的にどうしたらいいと、そういった事例等もまだ見えてきていないというのが正直なところでございます。
 でも、今この状況下において、いろんな健康情報、健康不安というのを若い方はお持ちであると思っておりますので、そういった情報が有効に活用されるようになってほしいなというふうに考えております。
 以上です。

#58
○梅村聡君 その点についても、これからいろいろなデータを分析して、また考えていく必要があるんじゃないかなというふうに思います。
 それでは、最後に吉岡参考人にお伺いしたいと思います。
 今日、自己負担が、やはり後期高齢者の方が一定年収以上であったにせよ、やっぱりこれが非常に生活に跳ね返ってくる、生活費に跳ね返ってくるという、その現状については我々も理解できましたし、しっかり考えていかないといけないなとは感じました。
 一方で、先ほどからちょっとお話が出てきていますように、この医療の提供体制ですよね。先ほどから地域包括ケアという言葉をちょっと使っておりますけれども、医療提供体制についてこれからやはり不安に思っておられること、そういうことがもしありましたらお述べいただきたいと思います。

#59
○参考人(吉岡尚志君) 特にコロナの中で一番不安なのは、やっぱり病床不足ということがあります。
 問われてきているのは、やっぱり政策医療、つまり感染症であるとか、こういったことに対して国が政策的にやっぱりきちんと対応していく必要があるというふうなことが言われて、これは前々から言われていたんですが、これは残念ながら着手されなくて、事この現在に及んでいるというふうなことがあります。
 医療提供体制、ベッド数だけのものではなくて、やはり地域で安心して暮らせるような、そういうためには、今言ったような課題、国が果たすべき役割というふうなことであったり、同時に、今独法化の、独立法人化の問題とか統廃合の問題、公的病院、国立病院の統廃合なんかできていますが、実質的にみんなが安心できるような体制というものをやはりつくっていく必要があると、それは広く国民の意見を聞きながらつくっていく必要があるんではないかというふうに思っております。

#60
○梅村聡君 医療費の問題に加えて、やっぱり安心して生活できていける体制を、これをしっかりつくりたいということも申し上げて、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。

#61
○足立信也君 国民民主党の足立信也です。
 皆さん、どうもありがとうございます。特に今日、親しい方が多いので、できるだけ本音でお答え願いたいなと、そのように思います。
 まず、佐野さんからお聞きしますが、後期高齢者の現役並み所得の方に公費が入っていないと。この問題はある意味詐欺みたいなもので、すぐに私は是正していかなきゃいけないと、そのように思っています。
 それはまあおいておいて、このまま制度が行った場合、四年間の累計の増加額、支援金が三・二兆だと。今回の抑制で、これも累計すると僅か一〇%、三千百億円にすぎないと。これ以上若者に負担をさせてはいけないと、現役世代にですね。
 その観点で、佐野さん方健保連が望む負担割合の場合に、どれだけ支援金を削減できるというふうに想定されているのかということが一点です。さらに、それでも足りないと私は思うんですね、支援金をこれ以上増やさないということになると。とすれば、どういう策が考えられるでしょう。セットで。

#62
○参考人(佐野雅宏君) 最初から大変厳しい御質問いただいていまして、先ほど申し上げたように、確かに私どもの資料でありますように、今のままであれば四年間の累計の増加額は三兆二千億になりますと。今回の改正では四年間の累計で三千億円強しかありませんということで、そういう意味で、先ほど遠藤参考人の方から、途中議論においていろんな選択肢がありましたよという中でいえば、我々としては、やっぱり現役世代の負担軽減を考えれば、少なくとも一般区分の方全てを二割負担にしていただきたいと。仮にそうすれば、恐らく額的には相当大きな額の現役世代の負担減にはつながったんではないかと思いますし、今後のこの伸びを考えれば、やはり今回は、もう今法案審議に入っていますから、この状況としても、やはり次なる改革を少しでも早く検討を開始していただきたいというのがございます。
 それと、どこまで行けばというのは、本当になかなか、済みません、この場で話ししにくいんですけど、いずれにしても、このまさに高齢者の医療費については、これを負担する方法というのは、公費、税金であるところの公費なのか、それとも自己負担なのか、若しくは現役世代の負担なのかというこの三つしかないわけでして、しかも高齢化の中ではその医療費はどんどん増えていくわけですから、要は、公費と現役世代と高齢者自身のこのバランスをどのように取っていくのかということしかないと思いますので、ここはまさに国民的議論と国民的な同意をどう得ていくかという過程ですけれども、やはりこの三つしかないんだというところで、どこにも偏らないどういう方法を見出していくのかということは大変難しいと思いますけど、その道を探っていくしかないんだろうというふうに思います。
 済みません、お答えになっていないかもしれませんが、以上でございます。

#63
○足立信也君 ありがとうございます。
 遠藤先生はちょっと最後に取っておきますので、済みません。
 佐保さんに、同じ大分出身ということで、連合はこの法案に賛成しています。そして、佐保さんは非常に苦しい先ほどから答弁されているような気がしてならないんですが、その中でも、応能負担ということは強調されていたと思うんです。だとするならば、先進国の中でいまだに所得捕捉ができないと言っている国はないですよ。
 そのことについては、マイナンバーの活用等々医療情報に関連してあると思うんですが、その点について、所得捕捉しっかりできれば、金融所得も含めて総合課税の形にできれば、もっと皆さんが納得できる応能負担がつくれると思うんです。
 そのことについて佐保さんはどういうふうに思われますか、所得捕捉と。

#64
○参考人(佐保昌一君) ありがとうございます。
 社会保障を充実させていくためには、所得捕捉というのは大変重要なキーワードであるというふうに考えております。
 マイナンバーによる所得捕捉というのはもちろんでありますが、所得をどういうふうに捉えていくのかといったことが応能負担につながっていく、所得再分配につながっていく、そういったものではないかというふうに考えております。やはりそのためには、マイナンバーの活用ということも必要だと思いますし、税、そういったもの、税と社会保障と、そういったものを改めて議論をしていくと、そういったものが必要ではないかというふうに考えているところでございます。
 以上です。

#65
○足立信也君 後で言うのはひきょうかもしれませんが、所得捕捉で正確にやるんだということは、我々がずっと言っている給付付き税額控除にもつながりますし、一つの口座では済まないというのを後で言うのも大変失礼ですけど、そういう前提に立っているということです。
 次は、吉岡さんにお聞きします。
 私は、民主主義を形成するのは中間層だと思っています。今はその分厚い中間層が分断されている。特にその分断された中間層、多くは現役世代だと、そのように私は思っています。
 ちょっと自分事で申し訳ないんですけど、私、丸々二十二年間、共済と厚生年金です、勤務医でしたので。もうこのままいくと十八年国民年金です。議員は退職金ありません、年金もありません。そうすると、今、私、今週六十四になるので、六十五歳以降の推計という今見込みが来ているわけですね。私、年間百六十万です、年金。それだけ、厚生年金、共済があってですよ。妻は六十六万です。その額ですね。
 現役世代の方々は、協会けんぽにせよ、健康保険にせよ、おおむね一〇%を前後しているじゃないですか。先ほど提示された方々のこの保険料率というのを年収で見ると、かなり低いんですね。
 お聞きしたいのが、これから先、佐野さんのこのデータにもありましたように、後期高齢者は増えていく、前期も現役世代も減っていく、その中で、後期高齢者の負担を増やしたくない気持ちはよく分かります。現役世代の方の負担も減らしたいですか。それは何によって減らすことが可能でしょう。

#66
○参考人(吉岡尚志君) 私はそちらの方は余り詳しくないかもしれませんが、いずれにせよ、国の予算というのはトータルなものである、社会保障で一定限定されたものではないというふうに思います。国で人の命と暮らしをどう保障するか、希望ある、未来ある社会をどうつくるかといったときに、片一方では一千兆円の借金があるというふうに、国の、も言われております。
 いろんな予算の使い方を見直して、社会保障の財源を固定的に見るのではなく、もっと、例えば今日の話でも、国庫補助を増やすというふうなことは全体に考えていくべきだろうというふうに思います。
 私も四十年ぐらい前から社会保障に若干関わりを持っていますが、そのときの国保の補助率、国庫補助率は五〇%に近かった、たしか四八%だったかと思います。それが今や二八%、三〇%台まで落ちている。それで消費税はどんどん上がっている、社会保障にと言いながら。というふうなので、一体どこにどういうふうに使われていったのかと、非常に私たちは働く者としては不安であり、不満であるというのがやはり今の高齢者の中で根強い社会保障のお金の使い方に不信があるというふうに思います。
 いずれにしても、国庫補助、国庫負担というか、その額を増やしていったり、それを増やすための見直し、財源の見直しも含めて必要なのではないかというふうに私は思います。

#67
○足立信也君 国庫負担、税、これも現役世代が納税の主体であって、借金というのは次の現役世代の負担だということも考えながら、全体的な、トータルな見直しが必要だと、そういうことだろうと思います。
 それでは、遠藤先生にお聞きしますけれども、先ほどのプレゼンテーションで、日本の公的医療保険制度のすばらしさ、特に高額療養費制度、これをおっしゃっていました。もう一つはやっぱり国民皆保険とフリーアクセスだと思うんですが、このフリーアクセスは昨今モラルハザードを生みつつあって、若干懸念が出ている。高額療養費については、掛け値なしに私は世界で誇れる制度だと、そのように思っています。それは同じだと思います。
 以前、与党時代ですが、公的医療保険というのは病気にならない人も含めた全体のリスクの分散ですが、私は、高額療養費というのは、医療を受けた経験のある方々は更に高額な医療費が必要な方の苦しさをよく分かる。ですから、窓口の、あの当時はワンコインと言いましたが、その負担を高額療養費の財源にすべきだという主張をした時期があるんですね、見事に潰されましたが。
 病気になる人、ならない人、全ての保険ということと、医療を受ける方々がお互いの助け合いということで考えると、まずは、その医療機関、受診した方がある一定の負担をするということについてはどうお考えになるかというのをまず一点目、お伺いしたいと思います。

#68
○参考人(遠藤久夫君) あれですね、例えばワンコインのようなお話ですね。一旦受療した人が追加的に支払う費用を原資にして、それを例えば高額療養費の財源にすると、そういうイメージの話ですね。
 ですから、その場合は、一つの考え方としては成り立ちますけれども、そもそも、疾病にかかったというその不幸が降りかかってきた人に追加の費用を負担させるという、そういう見方もできるわけですね。医療の有り難みを知っている人間が追加の負担をしたという見方で足立先生はおっしゃったけれども、そうでない見方もできるので、そこはなかなか社会的には難しいところあるかなというのが率直な印象です。

#69
○足立信也君 最後に、この後期高齢者医療制度そのものについてお伺いしたいと思うんですね。
 公費と現役世代と後期高齢者、五対四対一と、この財源構成を決めたことがこの保険制度のいいところだと大臣はおっしゃったわけですが、年齢に区切った保険制度というのは、ある一定集団の集まりで私は成り立たないと当初から思っているんですけど、これ遠藤先生が中医協の会長だったときだと思うんですが、あのとき一番評判の悪かった後期高齢者に限定した診療報酬、そして同じ内容でも後期高齢者と現役世代の方の診療報酬、値段を変えたというのがありまして、これを全てやめました。このことによって、今の後期高齢者医療保険制度がある意味受容されるんじゃないかという意見もあったんですけれども、でも、五対四対一と言いながら、支援金を始めとして、あるいは調整交付金の部分にも現役世代の部分が入っていて、実際の五対四対一ではなくて、その四の部分がもう五割近いわけですね。
 これは、制度としてやはりこのつくり方というものが限界を迎えてきているのではないかと、私はそう思うのですが、この七十五歳以上に限定した医療保険制度というものがこの形で今後も持続可能性としてあるのかどうか、お伺いしたいと思います。

#70
○参考人(遠藤久夫君) その議論は絶対しなければいけないと思います。
 ただ、御承知のとおり、釈迦に説法ですけど、我が国の医療制度は、保険制度も提供体制も含めてですけれども、基本的にはインクリメンタルなイノベーションなんですね。常に部分的な改良をしながら進めてきたということもあって、現在の後期高齢者医療制度もある意味では高齢者医療制度をそのまま引きずっているところもあるわけですね。
 そういう流れの中で、何かがドラスティックに変わる、ある集団の負担が急に増えるとか、そういうことに対しては非常に抑制的に対応してきたというところがあるものですから、議論としては当然しなければいけないし、その方向に変えていくことは必要かもしれませんけれども、やはり部分調整をしながら変えていくというような方向で行くしかないのかなというふうには思っております。しかし、議論する必要は非常に重要です。今の問題点を明らかにしていくことは非常に重要だと思います。

#71
○足立信也君 大変勉強になりました。
 ありがとうございました。

#72
○倉林明子君 今日は、四人の参考人の皆さん、貴重な御意見、本当にありがとうございます。
 日本共産党の倉林でございます。
 早速、佐保参考人にお伺いしたいと思うんですけれども、現役世代の負担が重くなっているというお話です。
 やっぱり賃金そのものがこの間本当に横ばいという状況続いていますので、保険料率が上がるということになれば、直結して負担感はとっても強いと思うんですよね。
 一方、直近の法人企業統計見ますと、企業の内部留保というのは過去最高ということになっております。労働分配率ということについて、この低下傾向についてはどのように評価されているのか、率直にお聞きしたいと思います。

#73
○参考人(佐保昌一君) なかなか明確な回答になるかどうかは分かりませんが、この間、非正規雇用の働き方が増え、フリーランスあるいは曖昧な雇用の働き方が増えていく中で、やはり労働者としての賃金といったものは向上すべきであるというふうに考えておりますし、そういったものがないとやはり生活の安定に結び付かないといったことになりますし、安心の子供、子育てといった問題にもつながってくるのではないかと思いますし、やはり現役世代にも医療費の負担というものが重くのしかかってきているということもありますので、やはり賃金の水準の向上といったものは重要な課題ではないかなというふうに考えております。
 以上です。

#74
○倉林明子君 賃上げで私も頑張らないといけないなというふうに改めて思っているんですけれども、この分配率の乖離という状況を踏まえますと、やはり大企業、とりわけ内部留保がたまっているようなところの保険料の負担というのはどう考えるのかと。要は、どう集めるかという点での視点も大事なのではないかなということを思っているんですね。
 次、遠藤参考人にお伺いしたいと思います。
 雑誌のインタビューに答えておられて、これ一年半ほど前のインタビューでした。ここで、一番の問題は増加する医療費や介護費を誰がどのように負担するのかという合意形成がされていないことだと、国民的な議論が必要だというふうにおっしゃっております。あわせて、高齢者の生活への影響の検証が必要だという御意見で、私もそのとおりだと思って見させていただきました。
 あれから一年半、この議論もされてきたかと思うんですけれども、どんなふうにこの点、国民的な合意形成と、あと、その高齢者の生活の影響の検証と、この二点についての評価ですね、改めてお聞きしておきたい。

#75
○参考人(遠藤久夫君) ありがとうございます。どのインタビューかよく覚えていませんけれども、ありがとうございます。
 まず、高齢者の影響への効果というのであるから、何か自己負担の問題とかそういうような話だったのかなと思うのですけれども、まず、そういう意味では、まさに効果を評価するということは必要です。ですから、今回も実は自己負担引き上げますから、これは恐らくされると思うんですけれども、その影響の調査というのはされてしかるべきだと思います。これは、介護保険でも三割負担入れたときにもそういうふうにして、附帯決議か何かになっていたはずですから、それはやるべきだというふうに思います。
 それから、まさに日本の医療制度というのは非常に、先ほど言いましたように、いいんです。いいんですけれども、その費用負担をどうするかというところが少しゆがんできた。そのときの負担の在り方を合意形成をすることが極めて重要で、この間の審議会などはまさにその合意形成が、やって、なかなか結論が出づらかったという、こういうことなので、それの繰り返ししかないわけです、基本的には。という形で、負担の問題が最大の課題だろうというふうに思いますので、是非そのいろんな機会を見付けて合意形成のためのトライアルをしていく必要があるかなと、そんなふうに思います。

#76
○倉林明子君 なかなか最後意見が分かれて、両論併記というような話になったというとこら辺が結果としての難しさというところも表していたんだろうというふうに受け止めております。
 そこで、高齢者の暮らしへの影響ということは、本当にしっかり見ていかないといけないというふうに思っているんですね。
 そこで、吉岡参考人に幾つかお聞きしたいと思います。
 なかなか実行前の負担影響調査ということでいうとできないんだけれども、今日お持ちいただいた資料で、これ今年の四月の時点で三千二百人という大規模な調査をやられていると、そして生の声も聞かれているということ、非常に貴重なアンケートになっているというふうに見させていただきました。これ見ますと、受診控えということで、明確な回答は三割にとどまっているんですね。受診抑制の危険がまさにあるという方々だと思うんですけれども、それ以外の七割の方は今までどおり受診すると御回答になっております。負担が増えても受診継続せざるを得ない、こういう選択肢、当然だと思うんですが、これが暮らしに与える影響というところをしっかりつかむ必要があるというふうに思うんですね。六十五歳以上の高齢者の独り暮らしが増えてきているとか、生活保護世帯も高齢者のところ増えてきているとかいう現状あります。
 お寄せいただいた声については、詳細、御紹介いただけませんでしたので、是非リアルなところで出ている生の声というのを追加的に御紹介いただければと思います。

#77
○参考人(吉岡尚志君) 今御質問がありましたように、これでは七割が甘んじてというふうな形で、ある意味では誤解されるかもしれませんが、半分は今の薬をやめるわけにはいかないとか、今の治療をやめるわけにはいかないから行かざるを得ないという部分もあるというか、むしろそれの方が多いかもしれません。高齢者、複数の病気を持っている、そして掛かってもその治療をやめたり処方をやめたりというふうなことになったら、自らの病気が更に悪化すると、だから行かざるを得ないというふうな層もきっと含まれているというふうに思います。そういう意味では、もっと詳しく聞かなければいけないというふうに思いますが、それは是非行政の責任においてというか、もっと国民の声を聞いた上で、ここの審議をもっとそういう論議をやっていただきたい、調査もやっていただきたいと、このように思っています。
 声についてはもうここにあるとおり、かなり受療を我慢している、治療を我慢せざるを得ないを始めとして様々な声がありますので、今ちょっと十分、読み上げても時間掛かりませんが、こういう意見があるということを是非踏まえていただければということと、さらに、これもまたごく一部であるというふうに思っていただければというふうに思っております。

#78
○倉林明子君 吉岡参考人に引き続き質問します。
 コロナが非常にやっぱり高齢者の生活、あるいは高齢世帯を支えているいわゆる現役世代のところにも大きな影響を与えているというふうに受け止めているんですが、アンケートの中にも幾らか出ているようですが、これが今回高齢者の負担を更に増やすということについて不安拡大しているんじゃないかと、実態としてもそうなるんじゃないかという懸念があります。そこら辺についてはいかがでしょうか。

#79
○参考人(吉岡尚志君) コロナが高齢者に与える影響といいますのは、基本的には人権を極めて阻害していると、人権をじゅうりんしているというか、そういうふうなことがコロナにおいても表れているんじゃないかなというふうに思います。
 死亡率が高い、高齢者が死亡の大半を占めているというのがありました。それから、今度インド株を始めとしてまた変わってくるのかもしれませんが、今までは七十五歳以上が九〇%と、死亡者のですね、というふうにも言われておりました。
 それから、高齢者施設の死亡が極めて大きいというふうなことがあります。これはフランスとか諸外国でもそうでしたが、大阪においても、そのほか諸都市においても、介護者がみとりをせざるを得ないと。医療を、本来ならば医療機関がやるべきことを介護者がワクチンも打っていない状況の中でやらざるを得ないと、これ極めて大きな問題があるかというふうに思います。
 高齢者も医療機関の足が遠のいているというふうなことがあって閉じこもっていますので、フレイルとかそういったことが大きな問題になっているというふうに思います。
 それから、先ほどちょっと触れましたが、本来ならば国とかそういったところがきちんと当たるべき感染症の政策医療について、この間十分じゃなかったと、国の方でも手を抜いてきたというふうなことが言えるのではないかと思います。スペインやらフランス等は、緊縮財政の下でこれを、そういった部分を節約してきたがために高い罹患率というふうな代償を払わされたというふうに聞いています。日本もそうならないように、是非この政策医療、感染症への行政を主導とした医療で対応するというふうなことを望みたいというふうに思います。
 そういう意味では、八〇年代ぐらいから、八〇年代、今年でちょうど四十年になりますが、臨調第一次答申、第二臨調第一次答申、あれ八一年の七月でありましたが、それ以来、自己責任というものが強調されて、極めて高い医療費及び医療に対する抑制が掛かってきたと。抑制が掛かってきたし、自己責任が追及されたというふうなことも受療に大きなストップが掛かっているんじゃないかと懸念をしています。

#80
○倉林明子君 最後に、吉岡参考人にお聞きします。
 日本高齢期運動連絡会が、二〇一九年の十二月の時点で、後期高齢者保険料の減免規定が必要だというような具体的な政策提案をされております。貴重な提案だと思いましたので、是非御紹介をいただければと思います。

#81
○参考人(吉岡尚志君) この二百四国会常会の参考人関連資料の六十三ページにあります。後期高齢者医療制度は元々高齢者を差別する制度だというのの下の方ですが、企業、公費負担の増額と、所得に応じた保険料を増やし二割化は中止してほしいというふうなことであります。
 一つは、制度の公費負担を現在の五〇%から引き上げる。定率国庫二四%を抜本的に増額すべきである。それから、現在公費負担の対象となっていない現役並み世帯についても公費負担の対象とし、公費負担率を引き上げるべきである。以下、保険料を高額所得者から能力に応じて負担してもらうというふうなこと。それから四番目には、所得割と均等割の折半ではなくて、所得に応じた保険料を増やすべきであるというふうなこと。最後に、国の社会保障財源確保を、消費税と働き方改革でなく、ここに様々な課題が書いてありますが、軍事費そのほか無駄な経費を削って、大企業や富裕層への課税強化で財源を確保するべきであるというふうな提言をしております。

#82
○倉林明子君 いろいろ参考にしながら取り組みたいと思います。
 広域連合のところについても、独自の保険料減免について触れられております。確かに、規定は持つことできるんですけれども、財源を持たないというのが、独自財源を持たないというのが広域連合の弱点で、実際には踏み出せないという状況あると思うんですね。こうした減免に踏み込めない仕組みというところも含めて、大いに参考にしたいなと思いました。
 皆さんの御意見を引き続く議論の参考にさせていただいて、しっかり審議をさせていただきたいと思います。今日はありがとうございました。
 以上で終わります。

#83
○委員長(小川克巳君) 以上をもちまして参考人に対する質疑は終了いたしました。
 参考人の皆様に一言御礼を申し上げます。
 参考人の皆様には、長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただきまして、誠にありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。(拍手)
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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