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2021/05/31 第204回国会 参議院 第204回国会 参議院 決算委員会 第8号 令和3年5月31日
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2021/05/31 第204回国会 参議院

第204回国会 参議院 決算委員会 第8号 令和3年5月31日

#1
令和三年五月三十一日(月曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月二十四日
    辞任         補欠選任
     梅村  聡君     柳ヶ瀬裕文君
     山添  拓君     武田 良介君
 五月二十五日
    辞任         補欠選任
     徳茂 雅之君     足立 敏之君
     山田 修路君     西田 昌司君
     竹内 真二君     伊藤 孝江君
     清水 貴之君     柴田  巧君
     上田 清司君     芳賀 道也君
 五月二十六日
    辞任         補欠選任
     豊田 俊郎君     丸川 珠代君
     下野 六太君     安江 伸夫君
 五月二十七日
    辞任         補欠選任
     丸川 珠代君     豊田 俊郎君
     里見 隆治君     下野 六太君
 五月二十八日
    辞任         補欠選任
     足立 敏之君     本田 顕子君
     豊田 俊郎君     森 まさこ君
     藤井 基之君     有村 治子君
     下野 六太君     秋野 公造君
     平木 大作君     三浦 信祐君
     安江 伸夫君     里見 隆治君
 五月三十一日
    辞任         補欠選任
     自見はなこ君     豊田 俊郎君
     本田 顕子君     足立 敏之君
     森 まさこ君     徳茂 雅之君
     秋野 公造君     下野 六太君
     柴田  巧君     松沢 成文君
     武田 良介君     吉良よし子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         野村 哲郎君
    理 事
                古賀友一郎君
                舞立 昇治君
                牧野たかお君
                古賀 之士君
                里見 隆治君
                芳賀 道也君
    委 員
                足立 敏之君
                赤池 誠章君
                有村 治子君
                今井絵理子君
                大家 敏志君
                酒井 庸行君
                自見はなこ君
                滝沢  求君
                徳茂 雅之君
                豊田 俊郎君
                西田 昌司君
                森 まさこ君
                山田 俊男君
                小沼  巧君
                勝部 賢志君
                岸 真紀子君
                塩村あやか君
                吉田 忠智君
                秋野 公造君
                伊藤 孝江君
                下野 六太君
                三浦 信祐君
                柴田  巧君
                松沢 成文君
                柳ヶ瀬裕文君
                岩渕  友君
                吉良よし子君
                武田 良介君
   国務大臣
       財務大臣     麻生 太郎君
       総務大臣     武田 良太君
       法務大臣     上川 陽子君
       外務大臣     茂木 敏充君
       文部科学大臣   萩生田光一君
       厚生労働大臣   田村 憲久君
       経済産業大臣   梶山 弘志君
       環境大臣     小泉進次郎君
       防衛大臣     岸  信夫君
       国務大臣
       (内閣官房長官) 加藤 勝信君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(科学技
       術政策))    井上 信治君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(少子化
       対策))     坂本 哲志君
       国務大臣     赤羽 一嘉君
       国務大臣     平井 卓也君
       国務大臣     丸川 珠代君
   副大臣
       総務副大臣    熊田 裕通君
       財務副大臣    中西 健治君
   大臣政務官
       法務大臣政務官  小野田紀美君
       外務大臣政務官  中西  哲君
        ─────
       会計検査院長   森田 祐司君
        ─────
   政府特別補佐人
       原子力規制委員
       会委員長     更田 豊志君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        笹嶋  正君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       藤井 敏彦君
       内閣官房内閣審
       議官       向井 治紀君
       内閣官房内閣審
       議官       植松 浩二君
       内閣官房内閣審
       議官       十時 憲司君
       内閣官房内閣審
       議官       山内 智生君
       内閣官房内閣参
       事官       川上恭一郎君
       内閣官房内閣参
       事官       安中  健君
       内閣官房内閣情
       報調査室次長   森野 泰成君
       特定複合観光施
       設区域整備推進
       本部事務局次長  高田 陽介君
       内閣府大臣官房
       審議官      覺道 崇文君
       内閣府政策統括
       官        三上 明輝君
       内閣府男女共同
       参画局長     林  伴子君
       内閣府子ども・
       子育て本部統括
       官        嶋田 裕光君
       警察庁警備局長  大石 吉彦君
       復興庁統括官   角野 然生君
       総務省大臣官房
       長        原  邦彰君
       総務省情報流通
       行政局長     吉田 博史君
       出入国在留管理
       庁次長      松本  裕君
       外務省大臣官房
       参事官      大鶴 哲也君
       外務省大臣官房
       参事官      石月 英雄君
       外務省大臣官房
       参事官      河津 邦彦君
       財務省主計局次
       長        青木 孝徳君
       文部科学省初等
       中等教育局長   瀧本  寛君
       文部科学省高等
       教育局長     伯井 美徳君
       文部科学省研究
       振興局長     杉野  剛君
       文部科学省研究
       開発局長     生川 浩史君
       スポーツ庁次長  藤江 陽子君
       厚生労働省大臣
       官房年金管理審
       議官       日原 知己君
       厚生労働省医政
       局長       迫井 正深君
       厚生労働省健康
       局長       正林 督章君
       厚生労働省労働
       基準局長     吉永 和生君
       厚生労働省職業
       安定局長     田中 誠二君
       厚生労働省子ど
       も家庭局長    渡辺由美子君
       農林水産省農村
       振興局長     牧元 幸司君
       経済産業省大臣
       官房技術総括・
       保安審議官    太田 雄彦君
       経済産業省大臣
       官房原子力事故
       災害対処審議官  新川 達也君
       経済産業省大臣
       官房福島復興推
       進グループ長   須藤  治君
       経済産業省貿易
       経済協力局貿易
       管理部長     風木  淳君
       資源エネルギー
       庁長官官房資源
       エネルギー政策
       統括調整官    小野 洋太君
       資源エネルギー
       庁電力・ガス事
       業部長      松山 泰浩君
       環境省地球環境
       局長       小野  洋君
       環境省水・大気
       環境局長     山本 昌宏君
       環境省総合環境
       政策統括官    和田 篤也君
       防衛省大臣官房
       長        芹澤  清君
       防衛省防衛政策
       局長       岡  真臣君
       防衛省整備計画
       局長       土本 英樹君
   説明員
       会計検査院事務
       総局第一局長   篠原 栄作君
       会計検査院事務
       総局第二局長   山口  亨君
       会計検査院事務
       総局第四局長   内田 竜雄君
       会計検査院事務
       総局第五局長   原田 祐平君
   参考人
       独立行政法人地
       域医療機能推進
       機構理事長    尾身  茂君
       東京電力ホール
       ディングス株式
       会社代表執行役
       社長       小早川智明君
   ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
〇令和元年度一般会計予備費使用総調書及び各省
 各庁所管使用調書(その1)(第二百一回国会
 内閣提出、第二百四回国会衆議院送付)
〇令和元年度一般会計予備費使用総調書及び各省
 各庁所管使用調書(その2)(第二百一回国会
 内閣提出、第二百四回国会衆議院送付)
〇令和元年度特別会計予備費使用総調書及び各省
 各庁所管使用調書(第二百一回国会内閣提出、
 第二百四回国会衆議院送付)
○令和元年度一般会計歳入歳出決算、令和元年度
 特別会計歳入歳出決算、令和元年度国税収納金
 整理資金受払計算書、令和元年度政府関係機関
 決算書(第二百三回国会内閣提出)(継続案件
 )
○令和元年度国有財産増減及び現在額総計算書(
 第二百三回国会内閣提出)(継続案件)
○令和元年度国有財産無償貸付状況総計算書(第
 二百三回国会内閣提出)(継続案件)
○国家財政の経理及び国有財産の管理に関する調
 査
 (国会法第百五条の規定に基づく本委員会から
 の会計検査の要請に対する結果報告に関する件
 )
    ─────────────

#2
○委員長(野村哲郎君) ただいまから決算委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る二十八日までに、梅村聡君、山添拓君、清水貴之君、上田清司君、徳茂雅之君、山田修路君、竹内真二君、下野六太君、平木大作君、豊田俊郎君及び藤井基之君が委員を辞任され、その補欠として柳ヶ瀬裕文君、武田良介君、柴田巧君、芳賀道也君、足立敏之君、西田昌司君、伊藤孝江さん、秋野公造君、三浦信祐君、森まさこさん及び有村治子さんが選任されました。
    ─────────────

#3
○委員長(野村哲郎君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 去る十七日の本委員会におきまして、一名の理事につきましては、後日、委員長が指名することとなっておりました。
 また、委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#4
○委員長(野村哲郎君) 異議ないと認めます。
 それでは、理事に里見隆治君及び芳賀道也君を指名いたします。
    ─────────────

#5
○委員長(野村哲郎君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 令和元年度予備費三件の審査のため、必要に応じ政府参考人の出席を求めることとし、その手続につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#6
○委員長(野村哲郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────

#7
○委員長(野村哲郎君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 令和元年度決算外二件及び令和元年度予備費三件の審査のため、本日の委員会に東京電力ホールディングス株式会社代表執行役社長小早川智明君を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#8
○委員長(野村哲郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 また、令和元年度予備費三件の審査のため、必要に応じ政府関係機関等の役職員を参考人として出席を求めることとし、その日時及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#9
○委員長(野村哲郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────

#10
○委員長(野村哲郎君) 令和元年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)、令和元年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)、令和元年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書、以上三件を一括して議題といたします。
 まず、財務大臣から説明を聴取いたします。麻生財務大臣。

#11
○国務大臣(麻生太郎君) ただいま議題となりました令和元年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)及び令和元年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)外一件の事後承諾を求める件につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 まず、令和元年度一般会計予備費予算額五千億円のうち、平成三十一年四月十六日から令和二年一月十四日までの間において使用を決定しました金額は二千百三十四億円余であり、その内訳は、賠償償還及び払戻金の不足を補うために必要な経費等の三十一件であります。
 次に、令和二年二月十四日から同年三月二十四日までの間において使用を決定しました金額は二千五百三十四億円余であり、その内訳は、新型コロナウイルス感染症対策に係る助成金等の支給等に必要な経費等の三十八件であります。
 次に、令和元年度各特別会計予備費予算総額八千三百四十億円余のうち、令和二年三月十日に使用を決定しました金額は四百二十億円であり、これは、労働保険特別会計雇用勘定における新型コロナウイルス感染症対策に係る助成金の支給等に必要な経費であります。
 以上が、予備費使用調書等についての概要であります。
 何とぞ御審議のほどよろしくお願い申し上げます。

#12
○委員長(野村哲郎君) 以上で説明の聴取は終わりました。
    ─────────────

#13
○委員長(野村哲郎君) これより令和元年度決算外二件及びただいま説明を聴取いたしました予備費三件を一括して議題とし、質疑を行います。
 なお、本日の令和元年度決算外二件の質疑は准総括質疑でございます。
 質疑のある方は順次御発言をお願いします。

#14
○森まさこ君 自民党の森まさこです。質問の機会をいただき、委員長及び与野党の理事の皆様に感謝をいたします。
 まず、原発事故による処理水の海洋放出について質問します。
 資料、前後いたしますが、資料四の一、二を御覧ください。地方議会から反対の意見書が出ています。
 今年は東日本震災から十年です。令和元年台風や福島県沖地震の被害もあり、コロナ禍も相まって福島県が壊滅的な打撃を受けているさなかでの政府決定でした。決定プロセスについて、もっと被災者に寄り添ってほしかったです。
 つまり、四月二日に官邸から漁業組合長に電話が来ましたが、四月一日、福島県が十年ぶりに漁業の本格操業を開始した翌日だったのです。漁業者のそれまでの苦しみ、御遺体の捜索から始まり、瓦れきの片付け、試験操業と魚の放射線量の検査、気の遠くなるような作業をしてきました。本当に再開できるのかと、不安と闘いながらやってきました。その翌日に官邸から電話が来たわけです。
 復興大臣や環境大臣ら関係大臣に日時ややり方など、よく相談してやるべきであったと思っています。これは本当に苦渋の決断でこのような結論に至ったと被災地に説明して、納得する方法を取るべきです。これでは、内堀知事もおっしゃったとおり、これから国が風評被害、安全対策をしっかりやっていただけるのかどうか、福島県民は大きな不安を持ってしまったと言わざるを得ません。
 処理水の新たな風評被害は必ず起こる、いや、もう起こっている。それに対する対策もまだ提示されていません。
 資料四の三に福島民報記事、そこにマーカーを引いておきましたが、これまでの風評被害対策の焼き直しでは全く効果は見込めません。処理水対策のための新たな予算の枠組みをつくってください。
 また、閣僚で実行会議がつくられましたが、その下に、ヒアリングだけでなく、漁業、農業、商業、観光など被災事業者がメンバーとなる審議会をつくり、どんな風評被害対策をやるべきか、他に代替手段がないか、放出の場所や、これまでの東電のように虚偽や隠蔽がないことを監視する体制など、徹底的に詰めさせていただきたいと思います。官房長官、いかがでしょうか。

#15
○国務大臣(加藤勝信君) 実行会議の議長という立場で答弁をさせていただきたいと思います。
 ALPS処理水の取扱いについては、今御指摘のように、もはやこれ以上先送りができないという中で大変重たい苦渋の決断でありましたけれども、安全性の確実な担保と万全のモニタリング体制の整備、漁業などの御懸念の把握と徹底した風評対策の二点を確保することを前提に、四月十三日に基本方針を定めたところであります。
 風評対策に関しては、対策を着実に実行していくことが重要であり、四月十六日に、私が議長となる新たな関係閣僚会議の第一回会合を開催し、安全性に係る科学的な根拠に基づく情報の発信、風評の影響を未然に防ぐための販路拡大などの支援、最大限の対策を図ってもなお風評被害が生じた場合の丁寧な賠償など、徹底した風評対策を講じることを確認したところであります。
 また、この会議では、風評対策や安全性の確保はもちろん、風評を抑制する放出方法、適切な監視、情報発信を通じた透明性の確保など、基本方針を踏まえ今後定める内容を着実に実行できるかについても確認をしていくこととしております。
 加えて、新たな閣僚会議の下に経済産業副大臣を座長とする関係省庁によるワーキンググループを新設し、本日、福島県において第一回の会合が開催される予定となっております。
 今後も、宮城県、茨城県などの現地においてワーキンググループの会合を開き、地元自治体、農林水産業、観光業、流通業といった様々な方々から基本方針決定後の状況変化、追加すべき対策などに関する現場の御意見を直接丁寧に伺っていきたいと考えております。夏頃までに課題を抽出し、喫緊の追加対策を取りまとめる予定であります。
 予算については、まずは令和二年度補正予算や令和三年度当初予算を効果的に活用していくことになりますが、風評対策のための新たな予算についても必要あればちゅうちょなく確保し、具体的な対策を講じていきたいと考えております。
 具体的な放出や放出方法、その監視方法、風評対策を検討するに当たり、現場の皆さんの声あるいは実情を把握している有識者の声もしっかりと伺っていくことは大変重要であり、現場の声をより良く把握し対策に反映する具体的な仕組み、やり方についてはワーキンググループにおいて検討させていただきたいと考えております。

#16
○森まさこ君 ありがとうございます。追加対策と現場の意見を聞いていく枠組みについて、前向きな御答弁をいただきました。
 次に、こども庁について質問します。
 自民党では、こども若者未来創造本部を設置し、議論してきました。私は、その事務総長代行として、本日午後、本部の総会に緊急決議案がかかります。私は、自民党が政権に復帰した安倍内閣の、安倍第二次内閣の初代少子化大臣を拝命しましたが、子供・家庭関係予算は世界先進国で最低であり、他の子供予算を削って新しい子供予算に充てるなど予算のツケ回しに終始するやり方では将来世代に責任が持てないと思い、少子化大臣として麻生財務大臣にお願いをし、初の独自予算である地方少子化対策交付金を創設させていただくなどしましたが、予算の規模はまだまだ世界水準に追い付いておりません。
 官房長官もお会いになった初代の審議会メンバーと、子供の幸せということをテーマに長年勉強を重ねてきました。資料一は、医療や子育ての専門家や企業と七年にわたり全国調査、海外調査、相談会、地方自治体との連携イベントなどの活動をしてきて、書籍三冊にまとめたものです。
 子供の命や心を取り巻く状況は危機的です。これらの問題は少子化大臣が無任所大臣であり、予算と人員を持たないことも一因ですので、こども庁を提案しますが、新しい省庁をつくるだけでは解決しません。その中身、そしてその仕組みを今までとは全く違ったアプローチにしない限り、縦割りや地方との格差、ライフイベントごとの課題は解決できないと思っております。
 そこで、本日は、フィンランドのオーロラAIを紹介します。省庁の仕組み、国民との関係を完全に逆転し、これまでの省庁中心の政策から国民中心、ヒューマンセントリックな考え方に立って、組織や事業自体を大転換しています。
 資料二の一で、フィンランドは、ほとんどの指標で緑色、つまり世界で高順位であります。三月に国連が発表した二〇二一年世界幸福度ランキングでも、フィンランドは四年連続一位でした。
 資料二の二を御覧ください。
 これがフィンランドのオーロラAIです。我が国の子供たちが国に誇りを持ち、夢を大きく持ってこれからの社会で必要とされる非認知能力などを高めていけるように、オーロラAI型の子供中心の、子供が真ん中にいるこども庁を設立すべきと考えますが、いかがでしょうか。また、その場合、欧米のように男女格差を解消することが先決であることも、党本部でヒアリングした京都大学大学院柴田悠准教授も述べています。
 資料三の一と二のとおり、ジェンダーギャップ指数は先進国で最低であり、家事、育児時間は男性の七倍とも言われ、日本の女性は睡眠時間も世界で最も短いのです。男女が望むだけの子供を持ち、また女性が安心して子供を産めるよう、家事、育児の分担や仕事と家庭との両立など、あらゆる障害を取り除くための政策を展開することが大事です。
 そのため、こども庁と男女共同参画担当大臣は、現在のように別の人物がそれぞれ担当するのではなく、同一人物が兼務して強力に推し進めることが不可欠と考えますが、いかがでしょうか。官房長官、お願いします。

#17
○国務大臣(加藤勝信君) 子供、また若者に関する施策について、現在、自民党、また与党内で組織の在り方も含めて議論いただいていると承知をしており、政府としては、その議論を注視し、また受け止めていきたいと考えているところであります。
 政策を推進に当たって、委員御指摘の子供中心の考え方、これはそのとおりだというふうに思います。ややもすると、行政側からのサービスを提供するという立場に立った議論になることがあるわけでありますが、受け手である子供さんあるいは家庭、そうした立場に立って考えていく、子供たちのために何が必要であるのかという視点は、組織の在り方も含め、そういう立場に立って組織の在り方も含め考えていくことが必要だというふうに考えております。
 また、フィンランドのオーロラAIというんでしょうか、御指摘もありました。昔、昔というか今でもそうですが、ネウボラという一貫した子育て支援の仕組みもあり、私も見させていただきましたが、そうした他国において非常に有効なものがあれば積極的に取り入れ、また日本はデジタル化についてもこれから一気に進めようとしているわけでありますから、そういった意味でも十分に参考にさせていただきたいと思っております。
 行政組織やサービスの在り方は、まさにその状況状況に応じて変わっていくべきものであります。また、そのときの国民の皆さんの期待あるいは不安にどう応えていくのか、そういった観点から不断の見直しを図っていくべきだと思います。
 また、担当大臣のお話がありました。任命権者は内閣総理大臣でありますので、その時々の判断で、適材適所であり、またそれぞれの大臣がどういうことを、所管を抱えておられるのかということを判断して総合的に進められている、総合的に判断されているわけでありますが、子供関係施策と男女共同参画施策は、仕事と子育ての両立の観点等も含めて、これは緊密に関連をしているところであります。よく言われるところでありますが、男性の育児参加が高ければ第二子が出生がしやすいという相関もあるという指摘等々もなされているところであります。
 政府としては、担当大臣だけではなくて政府一体となって、内閣あるいは政治の中心課題の一つと、こういう位置付けとして、一丸となってこの問題には取り組んでいきたいというふうに思っております。

#18
○森まさこ君 力強い御答弁をありがとうございました。
 それでは、官房長官への質問を終わり、最後に法務大臣にお伺いをしたいと思います。
 資料五を御覧ください。
 現在、同性パートナーの在留特別資格については、海外で同性婚をした者は配偶者の在留特別資格が認められています。つまり、外国人カップルなら認められる在留資格が日本人の外国人の配偶者には認められないことになっており、不平等ではないかと思います。
 この問題については長く法務省で検討をしてきましたが、日本人の外国人配偶者にも平等に在留資格を認めるべきではないでしょうか。法務大臣、御答弁をお願いいたします。

#19
○国務大臣(上川陽子君) 同性パートナーに係る在留資格でございますが、この今後の在り方に関しまして、様々な方々の声にしっかりと耳を傾けた上で、前向きに検討してまいりたいというふうに存じます。

#20
○森まさこ君 前向きに検討するという御答弁をいただきました。
 実は、このコロナ禍でも問題が生じております。やはり入管での配偶者としての滞在が認められていないと、日本国内で配偶者が、同性婚の配偶者がコロナで入院をした場合に、重症化して別の病院や別の病棟に移されたときに、その事実、病院の名前等を知らせていただけないなど、又は最も最終的な大事な局面になったときに立会いできないなどの悲痛な声も寄せられておりますので、法務大臣におかれましては、何とか、これは国内の同性婚を認める認めないとは無関係な問題でございますので、検討を前向きに進めていただくことを重ねてお願いしたいと思います。
 議員立法のLGBT理解増進法についても、与野党協議の結果が出た合意案について、関係者の皆様が今国会の成立に向けて頑張られているところでございます。誰一人取り残さない社会の実現に向けて私も全力で努力してまいることを誓い、質問時間もう少し残っておりますが、次の者に譲らせていただいて、質問を終わらせていただきたいと思います。
 ありがとうございました。

#21
○有村治子君 自由民主党の有村治子です。多くの皆様の御理解と御協力をいただいて、今日、この発言の機会をいただいていることに謹んで感謝を申し上げます。
 慰安婦問題は、この三十年間、日韓関係を揺るがす最大懸案の一つであり続けてきました。何が事実であったのかなかったのか、ただひたすら真実と公正性を探求したい、この思いで今日は質問に立たせていただきます。
 慰安婦に対するおわびと反省を表明した河野談話が発出されてから二十八年がたちました。政府が明言されているとおり、河野談話を作成した頃と現在とでは、歴史の真実をめぐってとても大きな環境変化があります。
 暴力の限りを尽くして何百人の慰安婦狩りをしたと訴え続けた吉田清治氏が完全な作り話の詐欺師であったことが判明し、これを長年積極的に担いできた朝日新聞が関連記事の数々を取り消し、謝罪をしました。
 政治的決着として、軍による何らかの強制性を認めることを日韓両国であらかじめ合意し、韓国の依頼に基づいて宮澤内閣では河野談話を出し、その内容も韓国政府と詳細なすり合わせを重ねたことが平成二十六年の河野談話検証過程で明らかになりました。韓国からの反論にひるまず、この検証を完遂された当時の安倍内閣、菅官房長官の御判断は、まさに歴史の評価に堪え得る政治判断でありました。
 一方、韓国において元慰安婦を支援してきたと言われる正義記憶連帯の尹美香前代表は、元慰安婦がアジア女性基金の償い金を受けて和解することを邪魔したり、実態は慰安婦支援というより慰安婦を食い物にして自らの私腹を肥やすような言動を重ねてきたことが、昨年、元慰安婦から暴露されました。韓国の国会議員となった現在も、業務上横領罪、詐欺罪、業務上背任罪、寄附金管理法違反など八つの容疑により、現在、在宅起訴されています。
 また、この正義連が舌鋒鋭く喧伝してきた旧日本軍による強制連行についても、事実としては、強制連行を示す証拠が日本からも、また韓国からも現在に至るまで一点たりとも出てきていないことが政府答弁で明らかになっています。
 このような史実が次々に明らかになり、河野談話を取り巻く環境は劇的な変化を遂げています。しかし、国際世論において、日本は歴史を修正し、女性の人権を軽視しているといういわれなきレッテルを貼られ、国際世論戦で我が国が孤立するという事態を避けねばならない日本政府としては、河野談話を全体として継承するという苦渋の選択をし、そのスタンスを国際社会に伝えてきました。菅内閣においても談話を継承されるというのであれば、その意図をしっかりと整理し、日本の尊厳と信用に懸けて我が国の立ち位置を的確に発信することこそ、今を生きる私たちの責任ではないでしょうか。
 日本政府は歴史の真実に対して忠実であってほしい、また、偽りの情報によって日本が不当におとしめられている国際世論については毅然と向き合い、真実を粘り強く訴えてほしいという国民世論の存在を、私自身、身にしみて感じております。
 そこで、官房長官にお伺いします。
 河野談話を継承することによって、国民を代表する日本政府は一体何におわびと反省の気持ちを表明しているのか、また、何に対して事実に反すると毅然と反論しておられるのか、それぞれ明確にお答えください。

#22
○国務大臣(加藤勝信君) まず、一九九三年八月四日の内閣官房長官談話、いわゆる河野談話において、慰安所は、当時の軍当局の要請により設営されたものであり、慰安所の設置、管理及び慰安婦の移送については、旧日本軍が直接あるいは間接にこれに関与した、慰安婦の募集については、軍の要請を受けた業者が主としてこれに当たったが、その場合も、甘言、弾圧によるなど、本人たちの意思に反して集められた事例が数多くあり、さらに、官憲等が直接これに加担したこともあったことが明らかになったと記述されているところであります。
 このように、官房長官談話は、慰安婦問題について、当時の軍の関与の下に、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題であり、政府として、その出身地のいかんを問わず、慰安婦としてあまたの苦痛を経験され、心身にわたり癒やし難い傷を負われた全ての方々に対して心からおわびと反省の気持ちを申し上げたものであり、その点については、私どもも引き続き継承させていただいております。
 なお、官房長官談話の中にいわゆる強制連行という言葉は用いられておりませんが、当時の会見において強制連行についても議論がなされたところであります。これまで日本政府が発見した資料の中に軍や官憲によるいわゆる強制連行を直接しめるような記述は見付かっておらず、これらの点についてはこれまでも国会の場や質問主意書に対する答弁書においても明らかにしております。
 また、これまでの経緯を踏まえ、政府としては、官房長官談話にある従軍慰安婦という用語を用いることは誤解を招くおそれがあることから、従軍慰安婦又はいわゆる従軍慰安婦ではなく、単に慰安婦という用語を用いることが適切であると考えており、近年、こうした用い方をし、その旨も私の記者会見等々で御説明をさせていただいているところであります。

#23
○有村治子君 今、関連の御言及がありましたが、この度、従軍慰安婦等の表現に関する維新、馬場議員の質問主意書に対して政府答弁書が出されました。日本軍の組織的関与や残虐性を印象付けるため一九七〇年代に新たに出てきた造語である従軍慰安婦という言葉のまやかしを菅政権で明確に不適切だと否定されたことで、今後は教科書においても従軍慰安婦の記述がなくなっていくことが期待されます。これは、菅内閣のクリーンヒットであり、大きな一歩です。答弁書をまとめ上げられました加藤官房長官の御尽力に対して、心からの敬意と共感を申し上げます。
 その一方で、この政府答弁書では、軍による強制連行という見方が広く社会に流布した原因として、吉田清治の虚偽を大手新聞社が事実であるかのように大きく報道したことを理由に挙げています。
 かつて国連でも、日本政府代表の杉山外務審議官が強制連行の誤解について朝日新聞の非を社名を明らかにして公式に発言されており、慰安婦問題において歴史的な誤報を連発した朝日新聞が往年の記事を十八本取り消し、おわび記事を掲載したことは公然の事実であります。
 朝日新聞は、吉田証言の真偽は確認できないとの認識を一九九七年に記事にしていたにもかかわらず、二〇一四年に自らの過ちを公表するまで実に十七年間、虚偽情報を放置したままでありました。また、資料一のとおり、女子挺身隊を慰安婦にしたという全くの虚偽の解説や報道を八年間、二十件以上も続けており、これら真実にもとる情報によって国内世論がつくられ、韓国世論に飛び火し、さらには国際世論で反日感情を広げ、在外邦人が蔑まれ、その子女たちがいじめられ、どれだけか日本の信用と国益が減じられたことか、計り知れません。
 その深刻な影響を考えれば、今更大手新聞社などと匿名にする必要など全くないと考えます。朝日新聞だと明言される方がみんなにとって公正であり、国際社会に向けてもメッセージが明確になるのではないでしょうか。官房長官にお伺いします。

#24
○国務大臣(加藤勝信君) 御指摘の質問主意書の書きぶりについては、これまでの質問主意書の書き方等を踏まえて大手新聞社と記載をしたというふうに承知をしておりますが、ここにある大手新聞社は朝日新聞であります。
 当時朝日新聞が報じていた吉田清治氏の証言により、あたかも強制連行があったような事実に関する、のような事実に反する認識が韓国を始め国際社会において広まったこと、我が国においてもそうでありますが、これは極めて問題であったというふうに考えております。

#25
○有村治子君 資料二は、韓国以外の国々で近年設置されてしまった慰安婦像の例です。公用地に建てられています。
 ドイツ、米国など日韓以外の第三国でも広がっている慰安婦像や碑文には、被害者数として二十万人、何十万人、数十万人とおびただしい数の説明書きがありますが、そもそも、この二十万人説、慰安婦二十万人説は一体どこから出てきているのでしょうか。また、政府が慰安婦二十万人説を否定する根拠はどこにあるのか、教えてください。

#26
○政府参考人(川上恭一郎君) お答えします。
 慰安婦の総数について、二十万人という数字が出てくることがございます。具体的な裏付けがあるものではございません。慰安婦の総数につきましては、政府の調査によって発見された資料にその総数を示すものはなく、これを推認させるに足りる資料もございません。政府として、二十万人という数字はもとより、これまで慰安婦の総数について具体的な数字を出したことはございません。
 二十万人という数字につきましては、かつて、委員御指摘のとおり、慰安婦問題に関して朝日新聞が、太平洋戦争に入ると主として朝鮮人女性を挺身隊の名で強制連行した、その人数は八万とも二十万とも言われると報じた経緯がございます。しかし、その後、同社は、二〇一四年八月五日付けの記事でこれを訂正しておりまして、女子挺身隊と慰安婦は別であるとした上で、二十万人の数字の基になったのは女子挺身隊と慰安婦を混同したことにあると認めたものと承知してございます。

#27
○有村治子君 ありがとうございます。
 今政府が御答弁いただいたことでございますが、では、女子挺身隊と慰安婦、これは多くの新聞社も同じ間違いを、混同して同じ間違いを続けてきましたけれども、その女子挺身隊と慰安婦の違いを明確に御説明いただきたいと思います。

#28
○政府参考人(川上恭一郎君) お答えします。
 委員御指摘のとおり、慰安婦問題が取り上げられるようになった九〇年代には、女子挺身隊と慰安婦を混同する報道も相次いでおりました。
 しかし、女子挺身隊は、国内体制強化の一環として労働力を増強するために、一九四四年、昭和十九年の女子挺身勤労令に基づきまして工場でありますとか政府の作業所などにおいて労働に従事していたものでございまして、慰安婦と女子挺身隊とは全く異なるものでございます。

#29
○有村治子君 この女子挺身隊と慰安婦の違いというのは、大手新聞社はほとんど、また、当時の著名な国語辞典もみんなこれを混同して孫引きをして、世の中が全てだまされているような、そんな風潮がございました。やはり歴史は真実に基づいていただきたい、しっかり調べていただきたいというふうに改めて思います。
 国連人権委員会におけるクマラスワミ報告書においても、日本を糾弾する際、慰安婦は軍性奴隷、ミリタリー・セックス・スレーブと表現をされていますが、日本政府はこの性奴隷という表現に反対をしています。実は、慰安婦であった韓国人女性が性奴隷という汚い言葉を使ってほしくないと訴えていたにもかかわりませず、正義連の尹美香代表は、いやいや、性奴隷という言葉を使うのは米国人が怖がって聞く耳を持つようにするためです、米国人が聞いてくれるようにするためですと説明していたことを、昨年、韓国の中央日報が報じています。
 そもそも、元慰安婦であった方自身も嫌がるような性奴隷というおどろおどろしい言葉は一体いつ誰が国際社会に定着させたのか、また、性奴隷という表現を日本政府が再三否定されている根拠を明らかにしてください。

#30
○政府参考人(石月英雄君) お答え申し上げます。
 日本政府としましては、性奴隷という表現は事実に反するので使用すべきでないとの立場です。この点は、二〇一五年十二月の日韓合意の際に韓国側と確認しており、この合意においても一切使われておりません。
 政府の立場は以上のとおりであり、性奴隷という言葉の出所についてお答えする立場にはございませんが、いずれにせよ、政府としては性奴隷という表現は事実に反するので使用すべきではないとの立場でございます。

#31
○有村治子君 今まさに政府答弁がされたように、日本と韓国の正式な合意ではこの性奴隷というのは適切ではないということで、二〇一五年の日韓合意、慰安婦日韓合意でも使われていないということを私たちはもっともっと伝えていかなければならないというふうに思います。
 今御答弁いただいたように、まさに性奴隷という言葉は、二国間の懸案であった慰安婦問題を国際問題に格上げ、発展させ、括弧付きです、女性の人権問題という普遍的な価値を日本がじゅうりんしたものだとの歴史認識を国際世論に定着させるための鍵となる戦略用語、マジックワードでありました。事実、欧米世論はこの言葉に引き寄せられます。
 今春、ハーバード大学のラムザイヤー教授は、学術論文を発表したことで韓国主導の国際世論からは集中砲火を浴びました。軍人に対する性の提供、受益に対して金銭の移動があり、また、慰安所経営者と慰安婦の間に例えば六対四、例えば五対五などの売上分配の取決め、すなわち契約があったという当時公然の商習慣を基に慰安婦問題の解明を試みたラムザイヤー論文が発表されると、韓国主導の国際世論が前提とする性奴隷というロジックの根幹が崩れてしまうからこそ、ラムザイヤー教授は警戒をされ、いわれなき中傷をばらまかれ、学術論文の撤回すら要求をされました。
 しかし、実際には、当時の新聞紙上においても民間業者による慰安婦の募集広告が掲載されており、資料三のとおり、そこには月収三百円以上、そして前借り金三千円まで可と書かれています。すなわち、戦地におけるリスクの高い慰安婦が高い報酬をうたわれて募集されていたことは当時周知の事実でありました。
 このことを世間が皆知っていたからこそ、慰安婦の方々は、ドイツの慰安婦像の碑文に書かれている言葉をそのままそっくりお借りすれば、故郷に帰った後でも恥と孤独の中で生きておられたのでしょう。だからこそ、韓国政府は、元慰安婦の方々の名誉回復のために、このような境遇の女性は高い報酬に釣られて自発的に慰安婦になったわけではなく、自らの本意ならず慰安婦にならされたのだと日本政府に認めさせることを政治課題とし、当時の日本政府もまた、本人の意思に反してという意味での強制性を日本の善意として認めることによって韓国政府の要望に応え、もって両国は一九九三年の河野談話の発表を区切りとして慰安婦問題の政治的決着を図ろうとしたというのが事の真相ではないでしょうか。
 今の時代を生きる私たちの感覚では、父兄が娘を身売りすることなど到底考えられないことですが、当時、男性が圧倒的に強い立場にあった家父長制度的風土の中で、父親があっせん業者から前借り金、前借金を受け取り、自己決定権のない娘がその借金を背負わされる形で業者が身元を引き受けることも少なくなかった時代背景があります。貧しさもあり、一族が生き延びるために父兄の一存で女衒に身売りされるふびんな女性が少なからずいらした時代背景にも思いを致します。
 その上で、日本は、慰安婦の方々の名誉回復とそのお気持ちに寄り添うことについては日本の善意としてもベストを尽くすけれども、当時は売春、買春を合法とする公娼制が取られており、現に高い金額を提示して慰安婦募集がなされており、事実、多くの日本人と韓国人女性がこれに応募しており、実際に多くの兵士たちが慰安婦にお金を払って慰安所を利用していたという数々の証拠がある事実まで、慰安婦の名誉回復という大義の下、全てなかったことにするというのは歴史の事実に反します。それゆえに、河野談話作成当時の石原官房副長官は、全ての慰安婦に強制性があったなど絶対に言えないと日本政府の譲れない一線を主張しておられました。
 慰安婦の名誉回復を図ること自体は戦後の大事な務めですが、だからといって、全ての慰安婦が本人の意思に反し、日本軍によって無理やり慰安婦にさせられたなどという事実にもとる責めまで我が国が背負い込み、日本の尊厳が不当に毀損されてよいわけではありません。
 資料四を御覧ください。
 今年一月、元慰安婦などが日本政府に対して損害賠償を求めた訴訟の判決をソウル地裁が出した際、韓国政府は、日本軍慰安婦被害者問題は世界で類を見ない戦時の女性の人権じゅうりんであると断罪をしています。この期に及んで文在寅政権がこのような新たなレッテル貼りを吹聴し、国際社会で日本を不当におとしめる次なる印象操作を展開するに至っては、つくづく善意を全く生かし切れていないこの三十年の日韓関係の不毛さと国民性の違いを痛感いたします。
 そこで、政府にお伺いします。
 そもそも、戦時、兵士のための慰安所はどのような理由で設営されていたのでしょうか。

#32
○政府参考人(安中健君) お答え申し上げます。
 一九九三年八月に発表されました政府調査結果によりますと、各地における慰安所の開設は当時の軍当局の要請によるものであるが、当時の政府部内資料によれば、旧日本軍占領地域内において日本軍人が住民に対し強姦等の不法な行為を行い、その結果、反日感情が醸成されることを防止する必要性があったこと、防諜、すなわち諜報活動を防止する必要があったこと、性病等の病気による兵力低下を防ぐ必要があったことなどが慰安所設置の理由とされております。

#33
○有村治子君 まさに今おっしゃっていただいたように、強姦、婦女暴行による民心離反、暴動等の治安悪化を避けるため、また、戦争遂行に必要な機密情報が不特定多数に漏えいをするのを防ぐため、また、部隊において性病の蔓延を防ぐため、これが最も大きかったかもしれません。
 今おっしゃった慰安婦設営の目的は果たして日本特有のものでしょうか。日本の尊厳が懸かっているので、この公式の場で勇気を振り絞ってあえてお尋ねいたしますが、世界中で旧日本軍の男性だけが戦時性欲があったのでしょうか。
 資料五を御覧ください。
 朝鮮戦争時、韓国軍と米軍を始めとする国連軍の性の相手をするために韓国人慰安婦が動員されたことは当時の東亜日報にも書かれています。加えて、韓国陸軍本部が朝鮮戦争について出版をしている公文書、後方支援、人事編には特殊慰安活動、慰安隊の記述があります。韓国政府はこの存在をどう説明されるのでしょうか。
 また、朝鮮戦争後も韓国に駐留した米軍相手の韓国人慰安婦は、基地村女性と言われてきました。これらあまたの韓国人女性たちを米軍駐留と外貨稼ぎに貢献する愛国者と持ち上げて正当化し、米軍の依頼に基づいて徹底した性病管理のために性病罹患女性の身柄を拘束するなど、女性の人権をめぐって訴訟を起こされているのは一体どこの行政機関でありますでしょうか。
 翻って、戦後直後の日本においても、占領軍による日本人女性への強姦等の性犯罪事件はGHQによる検閲の対象となり厳しく報道規制をされていましたが、進駐軍による強姦や凌辱などの婦女暴行の被害を低減するため、程なくRAA、特殊慰安施設協会が結成され、日本の全国各地でアメリカ軍専用の慰安所が設営され、その慰安婦集めには全国の警察が協力をしていました。
 すなわち、米軍も韓国軍も旧日本軍も、ふるさとを離れた軍人の性欲を部隊としてどう制御するかは、およそ軍隊組織が避けては通れない重要課題でありました。戦場における最大の敵は性病だと言われるくらい、性病罹患者の多い部隊はもはや戦闘集団たり得ず、各部隊は性病の蔓延に四苦八苦していました。
 そこで、外務大臣にお伺いします。
 実際のところ、戦地や駐屯地における軍人の性の問題は、古今東西、各国各部隊が頭を悩ませてきた課題です。古くは紀元前から、また、ナポレオン戦争においても第一次、第二次戦争においても日露戦争においても、みんないかに性病を少なくするかという記録が残っています。にもかかわらず、韓国政府は、世界で類を見ない戦時の女性の人権じゅうりんなどという新たなレッテルを貼ることで日本を不当におとしめて孤立をさせ、事実に基づかない歴史認識を国際社会に喧伝をしています。この文在寅政権の主張は、歴史の公正さから見ても到底受け入れられるものではありません。事、慰安婦問題となると日本はただひたすら防戦一方ですが、日本政府には是非とも事実に基づく反論を毅然と進めていただきたい。
 同時に、真に女性の人権と安全が尊重される国際貢献、特に有事には女性と子供に本当に不条理なことが起こりやすくなるというのは世界の常でございます。この現実を直視して、私たちは立ち上がっていかなければなりません。真に女性の人権と安全が尊重される国際貢献を進めて、国際世論で確かな渡り合いを日本として進めていただきたいと思います。
 外務大臣の御見解と展望をお伺いします。

#34
○国務大臣(茂木敏充君) 確かに、有村委員おっしゃるとおりに、古今東西、海外に出かけていっている若い兵士、これに対する様々な対処をどうするか、それぞれの国が、軍が苦労してきたと、特に第一次大戦のときは、それぞれざんごう戦の中で大変な思いをするという中で避妊具というのが圧倒的に広まったと、それも第一次世界大戦以来のことだと、こんなふうに思いますが。
 政府としては、これまでも、慰安婦問題を含みます歴史問題について、有村委員の方から御指摘いただいたような正確な事実関係、そして政府の考え方について様々な形で国際社会に対して説明し、発信をしてきました。対外発信の最前線であります在外公館の体制強化を図りつつ、各国や地域ごとの特徴も踏まえて、例えば海外にあるコミュニティーでも、日本人コミュニティーは、もう百年以上たっていて、どちらかというと非常に結束が緩くなっていると、一方、例えば韓国のコミュニティーというのは、まだ五十年ぐらいでそういった結束があると、そういう特徴の違いもあるわけでありまして、そういった中で、オピニオンリーダーを始めとする様々な関係者に対して理解を深める取組を進めてきております。
 率直に申し上げて、韓国によってせっかくのゴールポストが常に動かされると、こういう状況があるわけですが、今後も、政府の考え方であったりとかこれまでの取組について国際社会から正当な評価を得られるよう、引き続きしっかり取り組んでいきたいと。
 一方、二十世紀において、戦時下、世界各地において多くの女性たちの尊厳や名誉が深く傷つけられた事実があったということは事実であると思っております。安倍前総理の戦後七十年談話のとおり、二十一世紀こそ女性の人権が傷つけられることがない世紀とするため日本として世界をリードしていきたいと、このように考えております。

#35
○有村治子君 今外務大臣がいみじくもおっしゃいました、やはり戦時において本当にその不条理なことが行くのは女性であり子供であったりします。現在は戦時ではありませんけれども、コロナ感染下でやはり女性の自殺率が増えたり、あるいは子供にしわ寄せが行ったりということが起こっています。
 今日は、いみじくも自民党の質問者は、森まさこ先生、有村、自見はなこ先生と、全て女性でございます。そして、その森先生も自見先生も、本当に女性の問題、また子供の問題、一生懸命やっていただいております。
 やはり歴史認識ということは、歴史の素材を扱っていますが、現代の情報戦でございます。外務大臣がおっしゃっていただいたように、在外の韓国人、中国人の方がこの国際的な世論戦の最前線に立っているという現実、ロビイストに相当なお金と労力を付けているというこの現実の上で、私たちは日本の名誉を守っていかなければなりません。
 今回の慰安婦問題を研究して分かることは、韓国の主張されていることは実は韓国のオリジナルではなくて、日本からこのような事実に基づかない、また日本をおとしめられる情報が相当出てきたということを、右からも左からも研究者が指摘をしています。そういう意味で、私たちは、右だ左だのレッテル貼りではなくて、真実がどうだったのかということに共感を得られるような活動を地道にしていかなければならないというふうに思います。
 その上で、外務大臣、その国際世論の前線に立たれていらっしゃるわけですけれども、引き続き国際世論の共感を得られるような御尽力をいただいて、私たちみんなが歴史の評価に堪え得るような政治決断を重ねていきたい、私自身もその分を担っていきたいという自らの決意を改めて申し上げ、私、自由民主党の有村治子の質問を終わります。
 ありがとうございました。

#36
○自見はなこ君 自由民主党の自見はなこでございます。本日は、参議院決算委員会の准総括の場面におきまして質問の機会をいただきましたこと、誠にありがとうございます。
 新型コロナウイルス感染症におきましては、昨年の一月から医療現場等々で御尽力いただいている様々な関係者がおられます。医療、介護、福祉の関係者、自治体の職員の皆様、そして、本日ここにもおられます、また役所でも頑張ってくださっております政府の関係者の方々に心から感謝を申し上げます。
 また、罹患された方々には心からのお見舞いを申し上げます。そして、亡くなられた方々への、心から哀悼の誠をささげたいと思います。
 現在、この新型コロナウイルス感染症対策におきましては、緊急事態宣言も延長されておりますが、その間にも、政府を挙げて新型コロナウイルスのワクチン接種推進体制へと大きく大きくかじを取っていただいております。医師会の先生方と話しておりましても、自分たちがワクチン接種を行うことで社会全体でこの感染症を一刻も早く封じ込める、そういう大きな役割が自分たちにはあるんだ、こういう使命感に燃えておられる先生方が非常に多いです。全国に約八百五十の郡市の医師会がございます。それぞれの地域で、行政の皆様と二人三脚で昨年の一月からの対応に当たっております。
 また、特にこのワクチン接種に当たりましては、集団接種会場をどうするか、あるいは個別接種をどのような体制でやっていくのか、なかなか情報も錯綜することもありますが、それでも、市民のために、国民のために大いに奮闘してくださっております。気概を持って現場にいる関係者の皆様に改めて敬意を表したいと思います。
 さて、一問目でございます。ワクチンの有効活用について厚労大臣にお尋ねしたいと思います。
 ファイザーの新型コロナワクチンですが、EUとFDAの改訂を受けて、先週金曜日の厚生労働省の薬食審におきましても、冷蔵で保管できる期間を五日間から一か月まで延長することを、そういう方針を出していただきました。
 恐らくは、会社での添付文書の書換えというものがもう間もなく整うタイミングかと思いますが、その運用が今週からでも実行可能になるというふうにも聞いております。現場では、流通の部分にボトルネックがございましたので、この冷蔵での保存できる期間が一か月延長するということは大変な朗報であると思っております。
 また、あわせまして、十二歳から十五歳に接種可能な年齢を加えることも決めていただきました。秋にかけては子供たちの感染予防も非常に大きなテーマとなってまいりますので、速やかに自治体や医療関係者に具体的な接種までの運びを示してほしいと思いますので、これは要望させていただきたいと思います。
 さて、少しでも早く、そしてより多くの方々にワクチン接種を行うために、ワクチンの有効活用は非常に重要であります。
 政府は、こういったことを念頭に、接種予約のキャンセル等で余ったワクチンを破棄することなく効率的に接種を行うよう自治体に周知をし、また、五月の二十六日にも再度事務連絡も出しています。
 例えば、こういった現場で、打ちに来た方々、そしてそのときに余ったものに関しては、接種券を持っていない例えばそこにいるスタッフ、そこに関しては、本人確認をし、また、氏名、生年月日、住民票上の住所、そして連絡先などを控えておく、こういった運用をすることで活用しても差し支えない、こういったことの見解を示していったわけであります。
 ところが、これは、現場でもまだまだ、自治体、行政の職員の方に尋ねると、いや、それはまだというような声ですとか、様々実はまだ不都合が生じているのも事実でございます。是非、このワクチンの有効活用としてどういうケースが可能であって、また逆にどういうケースが認められないのか、こういったものもお示しいただきたいと思います。また、その中で、接種会場の住所地、これが近隣であっても、余剰が出た場合、自治体を超えて打つことができるのか、こういったことについても含めてお答えいただければと思います。

#37
○国務大臣(田村憲久君) 今般、今言われたとおり、ファイザーのワクチンが冷蔵でも一定期間という話になってまいりました。それから、対象年齢も引き下げるというような添付文書の改訂、これを進めているわけでありまして、そういう意味では、いつも各自治体の皆様方からいろんな情報が変わるということでお叱りもいただいておるわけでありますが、より良い方向で今回の添付文書の書換えでございますので、しっかりとその点は各自治体に混乱なくお伝えするように我々としても努力してまいりたいというふうに思っております。
 その上で、今お話がありました、ワクチン、どうしてもその接種会場、現場で余るということが、これはなるべく避けたいんですが、どうしても起こります。そのときに対してどういう方々にそのワクチンを接種するかというのは、以前からも一応事務連絡等々はお伝えさせてきていただいておりました。ただ、接種券発行している方を前提という形にしていたがために、なかなかそういう方々は急遽集まっていただくということも難しい現状もあります。でありますので、この五月二十五日に、改めて各自治体には、接種券の送付を受けていない方も対象にして、そこは柔軟に対応いただきたい。
 ただし、今委員が言われたとおり、どなたが打ったかということをしっかりと確認できなければなりませんので、そういう意味では、必要な情報を記録しておくということが大変重要になってまいります。後々その記録というものを照り合わせていかなきゃならないということでございます。
 今委員がおっしゃられたという意味からすると、多分、保育所なんか、どうしてもほかから、地域から来られている方々もおられるなんというような方もおられるわけでありまして、そういう方の場合はその地域の住民ではないというわけでありますが、そこもあらかじめ自治体間でそれぞれ連絡だけ取っておいていただいて、そういう場合においても接種の対象という形にしておいていただければ、それは後ほどしっかりと情報を合わせていければいい話でございますので、そういう対応もできるということであります。
 なお、やはりそういうような、余った場合にどういうような方々に打つのか、どういう順番なのかということは、あらかじめ住民の方々に情報を提供いただいておきますと無用な混乱というものがないわけでございますので、そういうこともしていていただければ有り難いと思います。
 打てない方はどういう方かというと、記録に残しても、例えば名前が分からないなんという方はこれは当然記録に残せないわけでありますから、記録に残して後で情報をしっかり管理できないような方に関しては、これはやっぱりちょっと接種するというわけにはなかなかいかないんであろうなというふうに思いますが、多くの方々、ほとんどの方々がちゃんと対応いただければ接種ができるということでございますので、しっかりこれも周知をさせていただきたいというふうにも思っております。

#38
○自見はなこ君 ありがとうございます。
 今、田村大臣からお答えいただいたことで、現場での混乱というものが恐らく減っていくと思います。スタッフの方々が集団接種会場で関わっていただいて、余剰が出たけど打ちたい、だけれども自分は隣の市から応援に来ているから打てない、そういうのが事実上ありました。こういったことの答弁を繰り返す中で、一つ一つ丁寧にこれからも自治体の職員、医療現場に届くような事務連絡なり周知の仕方をしていただくことでワクチンは私は一層進んでいくと思いますので、大きく期待をしております。
 さて、配付しております資料の一を御覧ください。質問の二に移ります。
 こちらは、ワクチン接種に係る新たな支援策についてというものでございまして、先週、加藤官房長官、そして田村大臣からも御発表があった内容でございます。
 こちらの今回新たに発表されました支援策というものは、資料の中の緑側に囲われている下の部分でございます。五月の九日から七月末までの間で、診療所であれば緑の囲いの部分の一と二を併用、病院であれば二と三を併用できると聞いております。
 ここに掲げておられます条件の診療所の条件であります週百回以上や百五十回以上、これは、実際現場のお声を聞いてみますと、都会の診療所ですとやはり待合等のスペースが元々かなり限られているということ、そしてそこで十五分間の経過観察ということを通常の外来の患者さんが来る、あるいは多くの場合は、また高齢者は特にでありますけれども、付添いの方が一緒に来られているということがありますので、密にならずにそういった体制を整えていくのは物理的に空間的に難しい地域もあると、そういったお声もいただいておりますが、一方では、現在、医療機関では、いずれにしてもワクチン接種に力を入れており、本当に今回のことは有り難いというお声もたくさんいただいております。また、これらは連続して四週間ではなくて、飛び飛びで結果として四週間以上であればいいということでありまして、月の初めなどにレセプト請求でなかなか人手が割けないけれども、ほかの週はできるんだというような医療機関もありますので、これも、また現場には大変喜ばれることになると思います。
 そこで、私からの質問でありますが、実は、この新型コロナウイルス包括支援金、緊急包括支援交付金でありますが、これは、執行が都道府県を介して行われるということになってございます。そして、そのためには予算案を議会に、それぞれの県、都道府県の議会に通すことが通常の流れであると思います。
 しかし、ここがボトルネックの実は一つでありました。昨年の補正予算もこういったことがございましたので、幾ら国会で三月あるいは六月に補正予算が決まっても、結局のところ、九月の議会を経て、振り込まれるのが年末だということが多発いたしましたので、医療機関ではボーナスの支払などのキャッシュフローの確保に大変苦労をしたということが現状でございました。今回のこの緊急包括支援交付金は、六月議会には事務的にも間に合わないと思います。ところが、九月議会を待ってしまうと昨年と同様のことを繰り返してしまいます。是非これは、知事の専決事項として定例議会に先立ち執行に動いた自治体も昨年ございましたので、今年も多くの自治体が同じような手法を取っていただければ有り難いと思っております。
 私からの質問は、厚生労働大臣、そして総務省は熊田副大臣に対しましてでございますが、今日の、今回のこの支援を必要とする現場に届くよう、厚生労働省と総務省と協力して、都道府県の財政当局にも働きかけていただきたいと考えておりますが、それぞれのお考えをお聞かせください。

#39
○国務大臣(田村憲久君) 希望する高齢者の皆様方に七月までに、末までに二回目の接種を何とか終えていただきたい、そういう思いの中で今体制整備をしていただいているわけでありまして、例えば、医療機関等々で週に一定の回数以上の接種をされた方々、していただいた方々、医療機関ですね、それからまた、一日に一定回数以上の接種をしていただく医療機関、またさらには、病院等々でそういうような対応をいただいたりでありますとか、それから、休日、時間外等々に対応する形の中で医療機関で接種をいただく、そういういろんな形の中において包括支援交付金というもので今回手当てをさせていただきます。
 言われるとおり、これ都道府県で対応いただかなければならぬということでございまして、なるべく早くというお話、もうそのとおりで、去年もそれで何度もいろんな方々からお声をいただいたわけでございますので、ここは総務省としっかりと連携をしながら、必要なときに必要なお金が行けるような、そういう対応を取るべく努力してまいりたいというふうに思っております。

#40
○副大臣(熊田裕通君) お答えいたします。
 総務省では、総務大臣が本部長、私が本部長代理である新型コロナワクチン接種地方支援本部を設け、厚生労働省と連携して、希望する高齢者に七月末を念頭に各自治体が二回の接種を終えることができるよう、省の総力を挙げて取り組んでおるところでございます。
 こうした中、先日、先ほど資料でお示しいただきました個別接種回数の増加を図るため、緊急包括支援交付金を活用した新たな財政支援を行うこととされたところでございます。一方で、委員御指摘のとおり、本交付金の医療機関への交付は都道府県が行うこととされており、都道府県における迅速な執行が重要と考えております。
 総務省といたしましても、厚生労働省と連携して、都道府県における迅速な執行について財政当局等に周知を行うなど、現場の医療機関に必要な支援が早期に届くよう努力してまいりたいと考えております。

#41
○自見はなこ君 ありがとうございます。
 物事を動かすときには、やはり厚生労働省が事務連絡を出す相手は保健福祉部局になりますけれども、一方で、こういったこと、あるいはもう一歩二歩進んだ非常に重要な施策というものはやはり総務省経由で知事部局や財政部局にお話を入れていただかないと、現場でそれぞれに、都道府県の中の保健福祉部局の方も手いっぱいでございますので、是非ここを両省庁併せてサポートしていただけたら有り難いと思います。大変心強い御答弁いただいたと思います。ありがとうございます。
 続きまして、三問目でございます。
 大学病院では、現在も、医療現場で懸命にこのコロナの診療と同時に日常の診療、それも高度な診療でございます、そして研究と教育、こういったものを支え、懸命に働いている医師がおります。特に、私と同年代の若手の医師もたくさんここで頑張ってくれております。大学病院の医師の働き方、働き、それは、我が国にとっては学術面という意味からもあるいは機能面という意味からも、国にとっても財産でございます。そして、それをより一層守り抜き、また、そこの長所を伸ばしていく、こういうすばらしい可能性も秘めた分野でもありますので、是非、私は、ここに対しては政府一丸となった支援をしていただきたいと思っております。
 そうした大学病院でございますけれども、今般の国会におきまして、厚生労働委員会でも審議を大変させていただきましたけれども、医師の働き方に関連する医療法の改正というものが成立をいたしております。
 お手元の資料の二と資料の三を御覧ください。
 こちらの資料の二にもございますが、二〇二四年までに向けましてこの医師の働き方をしっかりと進めていくに当たりまして、時短計画案の策定をしたり、あるいはそれを第三者に評価を受けたり、またあるいはそれを都道府県に指定をされる、あるいは個別審査を必要とする類型もあるということになっております。
 資料の三おめくりいただきますと、ここにA、B、Cということで記載がございますが、A病院以外の九百六十時間以上の労働時間ということに関しては、これは手挙げをするということになってございます。当然ながら大学病院はA以外ということになってくるかと思いますが、この手挙げをする条件に、労働法制を当たり前でありますが遵守しているということが挙げられてございます。
 大学病院での医師の働き方、これを本当の意味で実効性担保していくためには様々課題がございます。タスクシフティングの更なる推奨ですとか、あるいは女性医師が四割になるという時代でございますので、院内保育や病児保育の整備、また週四十時間以下の短時間の労働時間での正規雇用など、あらゆる面での働き方改革を進めていく必要があると思っております。
 そこで、文科大臣にお尋ねをいたしたいと思っております。
 医療法等の改正案が成立し、二〇二四年四月から、医師、特に若手医師の働き方が大きく変わることになりますが、大学病院の教育、研究、診療機能を維持するためには財政支援を含めた支援が必要だと考えますが、お考えをお聞かせください。

#42
○国務大臣(萩生田光一君) 大学病院には、地域医療の最後のとりでとして、コロナ以外の疾患の患者の高度医療を提供するとともに、重症者を中心とする多くのコロナ患者を受け入れ、看護師の広域派遣ですとかこの度のワクチン接種ですとか、コロナ対策にも多大な協力をいただいており、感謝を申し上げたいと思います。
 今般の医療法等の一部改正によって、医師に対する時間外労働の上限規制が適用される二〇二四年四月より、医師、中でも特に長時間勤務が指摘されている若手医師の働き方が大きく変わると想定されますが、勤務時間の短縮やタスクシフトなどの取組が進められる中でも、各大学病院における教育、研究、診療機能が維持されることが重要と考えています。
 現在、文科省では、医師の働き方改革を推進する際の大学病院における特有の課題、例えば、大学病院はただ単にそこで働いているだけじゃなくて教育、研究を行っていますし、また、先生もそうだったと思いますけど、二次医療圏の中で病院などにヘルプで医師の派遣などを行っていただいている大学病院たくさんあります。もっと言えば、ほとんどの大学の附属病院は高度医療機関を指定されておりますし、第三次救急救命医療機関であることがほとんどですから、シフトを決めてもICUなどは、いつ何どきどういう患者さんが運び込まれてくるか、そのオペが予定どおりの時間で終わるかなんてことはあらかじめ予測が付かないわけでありますから、こういった特有の課題についてしっかり検討を進めますが、まずは、全国医学部長病院長会議など関係機関と連携して、大学病院における労働時間の実態把握のための調査研究の実施を検討しています。
 議員御指摘の財政支援を含めた今後の支援の在り方については、調査研究の結果や大学病院の要望も踏まえつつ、しっかり検討してまいりたいと思います。

#43
○自見はなこ君 調査研究してしっかりと実態を踏まえた上での財政支援ということで、私にとってはこれは大変大臣として踏み込んだ発言をしていただいたんだと思っております。何とぞよろしくお願いを申し上げます。
 さて、最後の質問でございます。資料の四をおめくりください。
 こちらは前回にも、今まで幾度かの委員会の機会を捉えまして同じ資料を提出させていただいております。ちょうど一年前でございますけれども、厚生労働大臣政務官としてクルーズ船の対応等に当たらせていただきました。そのときの費用の話でございます。
 折しも、これから日本はオリンピック・パラリンピック、あるいはそれから先に含めまして外国との往来の再開というものを目指して活動していると思います。その中で、外国人の方が来たときに、私は応分の負担能力のある方には負担していただくのが当然であろうと思っております。
 例えばクルーズ船におきましては、これが、法律の立て付け上、今までは、戦後七十年間、グローバルな社会ではなかった時代から含めての法律、あるいは事務連絡、あるいは事務次官通知だと思いますので、感染症法上、この外国人の方々が、日本の公的な保険に入っていない方々が入院した場合でありますけれども、いかにフルカバレッジの民間の医療保険に入っていても、これを実は使えない仕組みがまだございます。
 ダイヤモンド・プリンセス号のときは、研究していただきまして、外国籍患者の方三百四十二名で約二億七千二百十九万円も公費での医療費を捻出をしております。これですが、左側のところにも費用負担のイメージとありますが、感染症法三十九条に基づく公的保険優先というところと、いわゆる公的費用、公費負担分の間に、これは事務次官の通知でできる自己負担というものがございます。こういうことを、事務次官通知を改正すれば外国人の方々に入っていただいている民間医療保険を活用していただくことが十分にできますので、これは是非早急に厚労省としても引き続き対応をお願いしたいと思います。
 そういった中でも、私からの質問になりますけれども、外国ではシェンゲン協定というものがありまして、外国籍の方々でその国の公的医療保険に入っていない方々の入国に関しては、民間医療保険の、ある一定金額以上の加入を義務化してございます。これはもうコロナの前からでございます。是非これは私は日本もやるべきだと思っておりますが、厚生労働省、法務省に御見解をお伺いしたいと思います。

#44
○国務大臣(田村憲久君) 訪日外国人が国内で疾病等々にかかられて日本の医療機関に受診をされた後、なかなか保険に入っていないということで、多額になられて払わずに帰国される方々がおられると。これ、以前から委員が問題意識非常に持たれて、自民党党内でいろんな議論をしてきたということでございます。私も理解させていただいております。
 もちろん、これを義務化するということ自体に関しては、これからインバウンドの促進でありますとか入国管理上のいろんな事務的な対応等々、いろんなことを検討していかなきゃならぬわけでありますが、今、ビジネストラックとそれからレジデンストラックに関してはこれ誓約書の中に入れさせていただいておる、まあ今止まっていますけれども、これは、こういうコロナ対応はさせていただいております。
 まあなかなかこれ難しくて、対応としては、例えば現地の政府観光局、現地事務所等々でポスターやチラシ、こういう対応させていただいたりでありますとか、それから、民間もこういうような商品を開発、また普及を今いただいているわけでありますが、これを義務付けるかどうか。私が知る限りでは、ビザ等々の発給の条件を付けている国はあられるということでありますが、短期の入国においてこれを厳しく義務付けている国というのは余りないように私は聞いておりますが、委員今こういうようなお話でございました。
 これからも、これに関しては、非常に医療機関にとってみれば大きな負担、問題であるということは私も認識いたしておりますので、委員のいろんな御意見も踏まえながら検討させていただきたいというふうに思います。

#45
○大臣政務官(小野田紀美君) 委員御指摘の民間保険、民間医療保険の加入義務化については、今後外国人の受入れの在り方を検討する上で大変重要な課題であると認識しております。
 出入国在留管理庁としては、厚生労働省等における検討の結果などを踏まえ、関係省庁と連携協力して必要な対応を検討してまいりたいと思っております。

#46
○自見はなこ君 ありがとうございます。
 この件は元々、萩生田大臣が大臣になられる前に、自民党の中に設置をされました政調のPTでもこれを議論されてきました。日本はおもてなしの国だけどお人よしの国ではないとそのとき萩生田大臣が言ってくださったのを私は大変よく覚えております。是非毅然とした態度でこれに対応していただきますよう心からお願い申し上げ、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。

#47
○古賀之士君 おはようございます。立憲民主党の古賀之士でございます。
 今日は決算委員会准総括質疑ということです。会計検査院の皆様方もこの一年しっかりと調査をされていらっしゃいますので、まず、その検査結果を受けて、様々な資料を基に質疑を始めさせていただきます。また、この秋、デジタル庁も創設されるということでございますから、主にシステムについて冒頭は質問させていただきます。
 資料の一を御覧ください。
 会計検査院はこれまで、平成十八年の各府省におけるコンピュータシステムに関する会計検査の結果についてを始め、システム関連で十一の検査報告を行っております。
 これまでの検査報告について会計検査院長にお尋ねしますが、適切な対応がなされたと考えていらっしゃいますでしょうか。

#48
○会計検査院長(森田祐司君) お答えいたします。
 会計検査院は、従来、政府情報システムについて会計検査を行っているところであり、平成十七年六月には、参議院から国会法百五条の規定に基づく検査の御要請を受けて、その検査結果を十八年十月に、「各府省等におけるコンピュータシステムに関する会計検査の結果について」として報告しております。また、会計検査院は、十八年以降も、政府情報システムについて会計検査を実施した結果を検査報告に掲記するなどしているところであります。
 委員お尋ねの十一件のうち四件については、会計検査の結果として、会計検査院法第三十四条又は第三十六条の規定に基づき、制度やその運営等の改善を図るよう意見を表示し又は処置を要求するなどしており、これらにつきましてはいずれもそれに応じた処置がなされていると考えております。
 また、検査報告に掲記する特定検査対象に関する検査状況、あるいは会計検査院法第三十条の二の規定に基づく報告、同法第三十条の三の規定に基づく報告については、検査を踏まえた所見として、政府情報システムの会計経理に関して関係当局において留意すべきと考える事項を述べたものであり、これらについては関係当局においてその趣旨に沿った対応がなされているものと考えておりますが、中には、継続的な対応が必要な事項など、必ずしも特定の時点で判断できないものもあり、会計検査院では、報告の後の状況について引き続き検査することとしているところであります。

#49
○古賀之士君 いろいろな検査するお立場もおありになると思いますが、冒頭、その十一の検査報告について四つはしっかりとなされていると、ほかにもしっかりとなされているものもあるが、場合によっては違うものもあるという、まとめて言うとそういうお考えじゃないかと思います。
 ただ、これ、この資料の一をもう一度御覧いただきたいんですが、この報告の年度が平成の十八年の十月から始まっておりまして、その後、二十一年の十月、二十三年の十一月、二十四年の十月、で、また二十三年度、二十六年度、二十八年度、二十九年度と、まあ継続的にといいますか、一体何回同じような御指摘があれば適切に対応できるのかなという素朴な疑問も出てくるわけでございますね。
 したがって、こういったことが連続して調査をする、検査をしていくというのは、ある意味時間と労力を大変もったいないような状況にもする事態も考えられますので、しっかりとその辺は各省庁の、今日は大臣の皆様方も御出席でございますけれども、しっかりとこの会計検査院の報告を重きを置いて対応していただきたいと思います。
 資料の二を御覧いただきましょう。
 平井デジタル担当大臣にお話を伺いますが、この資料の二を御覧いただきますと、検査院報告によりますと、政府情報システムの予算執行状況について、IT総合戦略室及び総務省はこれまで統一的に調査したことはないとしています。これ、下線引いているところですね。この点をどのように考えるでしょうか。また、デジタル庁の発足でこれどのようになると将来像はお考えになるでしょうか。

#50
○国務大臣(平井卓也君) IT総合戦略室はこれまで、内閣官房の総合調整権によって一者応札が続いている、落札率が高止まりしている等の場合に、必要に応じて個別に予算の執行状況を把握してきたところでございます。委員の御指摘のとおり、統一的な調査というのはやっていないということです。
 予算の執行状況の把握は予算の適切な執行のためにも非常に重要だと考えておりまして、昨年度から始めた一元的なプロジェクト管理においては、執行状況の把握頻度を拡大してきたということでございます。
 新たに設置するデジタル庁においては、政府情報システムを統括、監理する立場でもありますので、情報システム関係予算の一括計上、配分権限を持っているので、体制をより強化して、全ての情報システムを対象に一元的なプロジェクト管理を実施することにしております。この取組の中で予算執行状況を把握するということになりますが、デジタル庁では重要なシステムについては自らが整備をするということにしておりまして、当然これらのシステムについての予算の執行状況を把握することになります。
 このように、デジタル庁の発足により情報システム関係予算の執行状況を把握する仕組みが強化されるものと考えておりまして、これにより予算の適切な執行に努めてまいりたいと思います。

#51
○古賀之士君 まさに、平井大臣おっしゃったことができるかできないかというのが非常に大きなポイントだと思います。もう大臣もそこはしっかりと御理解をされていらっしゃると思います。
 だからこそ、次の資料の三、御覧いただきたいんですが、これ、内閣官房とそれから総務省で、それぞれ七番と九番に下線を引いている部分、これもまさしく今、平井担当大臣もおっしゃった予算の確保と配分の定めというのはしっかりここでガイドラインで明記されているわけです。ただ、それを踏まえて、いや、できるんだと大臣はおっしゃるんですが、私はこれは画竜点睛を欠くんではないかと思っています。予算の状況、執行状況の把握については、これはガイドラインの中に書かれていないんですよね。
 これについては本当に大丈夫なのかと、いま一度お尋ねをします。お答えいただけないでしょうか。

#52
○国務大臣(平井卓也君) 私も委員と同じ問題意識を持っておりまして、一括管理、ちゃんとやっぱり統括、監理するという中にはその執行状況も当然含まれるものと考えておりますので、デジタル庁ができることを契機にその辺りはしっかりやりたいと思っております。

#53
○古賀之士君 是非、同じ問題意識を持っていらっしゃるのであれば是非、善後策、改善策をお考えいただければと要望させていただきます。
 資料の四を御覧ください。
 農水省の参考人にお尋ねをいたします。
 この資料の四の前半の囲みのところの、繰越率が高くなっていたシステムの、上から四番目のところです、農林水産省と書いてあるところですね。ここで見ますと、農水省の国営造成土地改良施策防災情報ネットワークは、整備経費の九九・三%、運用経費の七一・九%が繰越しであります。予算の計上や制度設計がこれ不適切だったのではないかと思われるんですが、農水省の参考人はどのようにお考えでしょうか。

#54
○政府参考人(牧元幸司君) お答えを申し上げます。
 御指摘がございましたこの国営造成土地改良施設防災情報ネットワーク事業でございますが、国営造成ダムの水位計、雨量計等の観測情報を施設管理者また農林水産省等関係者が共有をいたしまして、より迅速な災害対応を行うための情報ネットワークの整備を行うものでございます。
 御指摘の繰越率となりました平成三十年度予算でございますが、全体約三十六億円のうち、当初予算が約二億円、三十一年二月七日に成立をいたしました補正予算が約三十四億円となっておりまして、御指摘ございましたように多くが繰越しになったということでございます。
 繰越しの理由といたしましては、ダムの湖面状況や地震情報等を遠隔でも確認できるウエブカメラでございますとか、地震計等の観測情報が転送されるシステムの新たな整備に当たりまして、設置位置等に係る施設管理者との調整に時間を要したことなどによるものでございます。
 なお、整備につきましてはその後予定どおり行われますとともに、施設管理者が現地の観測情報を直接確認して報告、共有するなどによりまして、支障なく対応してきているところでございます。
 農林水産省といたしましては、より一層迅速かつ的確な災害対応等を行うために効率的な予算の執行に努めてまいりたいと考えております。

#55
○古賀之士君 これ、財務大臣、済みません、麻生財務大臣、ちょっとお尋ねを、通告をしておりませんけれども、お答えいただきたいんですが。
 これ、今の農水省の参考人のお話ですと、ダムの様々なその防災情報のネットワークをつくるために、当初は本予算で二億円付けて、そしてその後に補正予算で三十四億円付けているということなんですね。で、経費の九九・三%、つまり〇・七%しか使っていない。で、運用経費の七一・九%が繰越しと。ほとんど、これ今聞くと、本予算ではなくて補正予算で全部予算が組まれているんです。で、そのほとんどが繰越しされているんです。
 ちょっと普通に、私がちょっと個人的に勉強不足だと申し訳ないんですけれども、麻生大臣、こういう場合というのは、最初から本予算に組み込んでおけばいい話で、なぜあえて補正予算で組んで、しかもその補正予算で組んだものをなぜその九九%も繰り越していかなければならないんでしょうか。これは、普通に考えたら、本予算で一旦止めておいて、様子を見ておいて翌年の本予算に盛り込んでも問題ないんじゃないかと思うんですが、その辺御教示願えないでしょうか。済みません。

#56
○国務大臣(麻生太郎君) 今、この農林省の、農水省の話なので、ちょっと今急に言われましたのでよく分かりませんけれども、総じて最近繰越しの比率の額が増えてきていますな。この五年間見ましても、一兆円だったものが三兆、二兆になり三兆に、今四・六兆円ぐらい繰越しになっていると思いますね。
 そういった意味では、こういったようなもの、ちょっとこれコロナのせいもありましていろいろ入っていますが、これちょっと全然コロナに関係した話ではないようなので、ちょっと内容がよく分かりませんので、ちょっとこの場でいかがなものかというのを言われれば、総じて最近こういった翌年に繰り越している額の絶対量が増える傾向にある。この数年間でそんな感じがいたしております。

#57
○古賀之士君 大臣の視線がどちらかというと私でない方向向いていましたので、そのにらみはきっと恐らく同じ問題意識を麻生大臣も少しはお持ちなんだなという理解を示しましたけれども、その辺はいかがでございましょうか。大丈夫でしょうか。

#58
○国務大臣(麻生太郎君) 長いことやっていますので、威令もだんだん落ちてきたんじゃないかなと思っています。

#59
○古賀之士君 今回、突然通告なしでございましたので、これからはちゃんと通告をしてその辺についてまた意見交換したいと思っております。失礼しました。
 では、次は年金の基礎年金番号管理システムについてお尋ねをいたします。
 田村厚労大臣にお尋ねをいたします。
 もう皆さん、この議場にいらっしゃる皆さん方はもう誰しもが持っていらっしゃるその番号なんですけれども、最大のプロジェクトであるその厚労省の記録管理・基礎年金番号管理システムというのは、予算の不用率が五七・七%になっております。厚労省は、その理由を、業務プロセスの徹底した検証を行うために同システムの本格開発に向けた開発工期の見直しなどをしたためとしています。
 同システムについては、平成十八年度以降、システムの基本設計工程から着手され、平成二十九年一月から一部機能が稼働しているとも認識をしておりますが、まだ残りがあって、昨年度の審議会報告によりますと、業務・システム刷新の実施状況により、最終的には令和八年一月といいますから、まだあと五年近く掛かると。これを完工をめどとしているというふうに読み取れるわけですが、この状況に間違いはございませんか。まず確認です。

#60
○国務大臣(田村憲久君) 委員おっしゃられた令和八年一月という時期に関して、これ平成三十年十二月に厚生労働省と年金機構が策定したプロジェクト憲章、この中でこの全体の稼働を目指す時期として示したものであります。
 ただ、一方で、今これ年金のシステムは、もう委員も御承知のとおり膨大なデータを整理していかなきゃならぬものであります。間違いが起こってはこれはいけないことでございますので、現状二段階でやっているんですけれども、通常のいろんなデータ、マイナンバーなんかを使いながら情報連携しながらやっておるんですが、各種の届出書、そういうものに対しての事務処理の機能、これの電子化、こちらの方は言われたとおり二十九年の一月から段階的にこれ稼働いたしておりますが、二段階でやっておりまして、もう一段階、二段階目の本当の意味でのこれがデータベースをどう構築していくかというところでございまして、これ非常に難易度が高うございます。
 そういう意味では、プロトタイプを作って、そこで今いろんな検証していかなきゃならないと、点検、検証していくということでございますので、技術者との対話等々もやっていかなきゃなりませんから、一応これ令和八年一月とは言っておりますけれども、これ時期ありきで変なものができちゃうと大変でございますので、そこはしっかりと、しっかりしたシステムができるように我々としては今検討等をしておるところであります。

#61
○古賀之士君 ここも田村大臣も問題意識は一緒だと考えるんですが、もう言わずもがなで、一億人を超える人々の生涯の記録を、まさに人生百年時代、百年以上にわたってこれからしっかりと管理運営していかなければならないということがこれからますます重要になってくるということですので、その辺をしっかりとやっていただきたいという点と、令和八年ということで盤石な状況を期すために、この時期についても、まあはっきりとしたことは今申し上げられなかったんですけれども、ただ一つ言えることは、これによってよくあるのは、完工期日がどんどん延びることによってどんどん予算がまた膨らむということになってくるわけですね。こうなると、もうますます、一体これどっちがどっちなのという、タイムリーなところではオリパラの予算も、当初の予算については、もうあっという間に何かどんどんどんどん今増えている状況があります。
 これは確かに年金の問題というのも私たちに密接な関係があるんですが、実際に待っていた方が使わずしていらっしゃらなくなってしまうというような、もう本当に何か、そういう皮肉みたいな状況が起きないようにしっかりと対応を願いたいですし、またそれについては御提案や、それからこちらもしっかりとした意図をまた意見として発信をさせていただきます。よろしくお願いいたします。
 ただ、もう一つ、この年金給付システム、資料の五を御覧いただきたいと思うんですが、年間の、この多種多様であるという、田村大臣もおっしゃいました、そして膨大な量があるんだというデータベース。ところが、驚くべきことに、年間の手続件数が四百万件近くあるんですが、電子申請は一件もなかった。信じられない事態なんですね。で、一つ一つ皆さんが年金事務所に行って紙のベースの届けをされていると、四百万件。もう私、ちょっと信じられなかったんですよ、最初この資料を見たとき。
 また、労働基準行政システム、ハローワークシステム、記録管理・基礎年金番号システムなどを含めて、国民にとって身近な申請の電子化が進んでおります。これはまさにこれからの課題の一つでもまたあると思うんですけれども、これ、なぜこのような状況になるんでしょうか。それから、あと、打開策というのは何かおありになるんでしたらお示しいただけないでしょうか。田村大臣に伺います。

#62
○国務大臣(田村憲久君) 多分、今おっしゃられたのは、年金の受給に向けての電子申請のお話だったと思います。
 いろんな加入等々、企業がそういう意味では電子申請、年金に関してやっていただくものに関しては、もう既に資本金一億円超の企業に、大企業に関しましては電子申請の義務化、これが行われておりますので、そういう意味では、種々の主要手続に関しては令和二年度は電子申請率が前年度と比べて一八%増加しておるというような形でありますが。
 しからば、なぜその受給に関しては電子申請がというお話だと思うんですけれども、今現状、申請のための書類等々を送付させていただいて、そしてそれに記入していただいて対応していくわけなんですけれども、一つやっぱり年金というのはその方がどれぐらい加入しておられるか、そしてどれぐらいの金額をもらえるか、そういうことを試算をするということでありますし、様々な御本人にしてみれば不明な点もあるわけでありまして、そういう意味ではやっぱり対面を、まあ受給を望まれる方々も対面に対するニーズが非常に強いということも一つの原因かというふうに思います。
 そういう意味では、ここでいろんなまた、こうじゃないああじゃないというお叱りもいただくわけでございまして、そこで実際問題、年金の手続事務の中においても、ああ、こういう問題があるんだなということを気付くこともあるわけでございますので、非常にそういう意味では重要な部分だと思います。とはいえ、委員のおっしゃられている意味合いも我々としても分からないこともございませんので、どのような形で電子申請というものが進められるのか、これに関しては検討してまいりたいというふうに思っております。

#63
○古賀之士君 これ、是非お願いします。
 それぞれが立場や受給額が違ったり様々なバリエーションがあって、恐らくこの議場の皆様方もそれなりの、そのバリエーションがそれぞれが違うので、一回一回その年金事務所に行ってその金額を確認して、その受け取り方も含めてというようなことが必要になってくるかと思うんですが、それをあえて電子化をしていくということがこれからはやっぱりとても重要なことだと思っております。
 更に言わせていただくと、いみじくも田村大臣もお叱りというようなお話がありましたけれども、お金を、例えば税金を徴収したり納付したりするときは結構シンプルなんですけど、いただくとき何でこんなに複雑なのと、渋いねと言われるわけですよ、有権者の皆様方から。取るとき簡単に取って、何でもらえるときにもっとシンプルにならないのと。これ物すごく大事で、正直だと思うんですよね。それがやっぱり政治に対する信頼ですとか、あるいは国に対する、年金システムに対するやっぱり信頼につながってくると思うんですよ。もう是非そこはしっかりとした対応をお願いいたします。
 では、次の質問です。契約のお話です。
 資料の六、政府情報システムにおける契約について、これ非常に一者の応札が多いんですね。実に七三・九%に上っております。平均の一者応札の落札率は何と九六%、二者以上の応札と比べて一三・五%も高くなっています。さらに、平成三十年の一者応札率七三・九%は、検査院が同様に指摘しました十八年の報告の六二・九%、二十三年の報告の六六・四%よりも高くなっているというこれ状況なんです。どんどんひどくなっているわけですね、一者応札が。
 本来は、これやっぱり競争入札というのが原則であり、なおかつ、こういったその情報システムにおける様々な入札、応札に関しては、まさに新しい企業を生み育てていく、そういう政府の役割も一部担っているはずだと思うんですよ。なのに、ずっと一者応札が、しかも増える傾向にあるというのは、これ残念な結果としか言いようがないんですね。だから、新しい皆さんたちや若い方々が、ITでこういうシステムを構築した、そして、政府にしっかりとこのすばらしいシステムやソフトを使ってもらいたいといっても、いやいや、一者応札だからというのがもう常態化してしまったら全く役に立たなくなるわけです。ある意味、若い芽を潰しているということも言えるんですよね。そういうことがないように、もう少し適切な状況をつくっていただきたいというふうに思うわけです。
 こうした状況で、済みません、麻生大臣にもう一度伺いますが、大臣が所管していらっしゃった、所管している財務省の会計センターの官庁会計システム、金融庁の業務支援統合システムにおける改善、これはまさに財務大臣である麻生大臣が先頭を切ってここ改善してこられたわけですよね。そういったその経験を踏まえて、こういう今の状況をお聞きになって、いや、こうした方がいいんじゃないのという積極的な御提案を是非お願いしたいんですが。

#64
○国務大臣(麻生太郎君) これ少々前の話ですけれども、あのシステムの整備というのを含めまして、この公共の調達、何もこれに限った話じゃありませんけれども、競争性とか、そうですね、トランスペアレンシー、何といったっけ、透明性等々というものを確保していくと、効率的に、より安くなる、競争が新しいものが入ってきやすくなる等々、そういったものが出てくる可能性を秘めているというのは間違いないところだと思いますけれども。
 私どもとしては、これ関係法令を所管しております財務省としては、各省庁に対して、仕様書等々については、これは競争を事実上制限していると、事実上ですよ、制限しているというようなことはしては駄目という通達は出して、公共調達の適正化というものを図ろうとしているんですけれども。
 ただし、これ一般論として言えることは、一者応札の割合や落札率というようなことの話になるんですけれども、これは、適正な競争環境を整えた上で入札を行っても、これは事業の内容によっては結果として一者応札になっちゃう、今までの経緯やら何やらあって。これ、そっくり全部システム変えるというなら、それ相応の、効率が飛躍的に良くなるとか安くなるとか、かつ確実にですよ、というようなものを大丈夫かという点を言われると、少々の改善だったら今のまんまの方が安いやつは確実だとかいうことになりますので、一者応札の比率が高くなるという場合は十分にあると思いますので、数字のみをもって一概にこれ評価するというのはなかなか難しいところではあります。これは、何もこれの話じゃなくて、公共工事にしても何にしても皆同じようなことが言えるんだと思いますが。
 いずれにしても、この入札というものについては、これは予算の執行について、各省庁の責任の下でこれ個別に法令にのっとって、結構詳しい人が時間を詰めてやっていかないと、一概に言ったからってそんな簡単になかなかならぬものだというのは、財務省でやった上での実感です。

#65
○古賀之士君 大臣、財務省さんのように、ある意味、大きなマクロの視点というのでは大変な経費も掛かるし、改善するのにもそれなりの、麻生大臣のようなリーダーシップも必要になってくると思うんですけれども、ただ、私が申し上げているのは、ある意味、小さなと言ったら怒られますが、予算のもう少し低いアプリですとか、あるいはいろいろ経産省なんかでもやっていらっしゃるような様々なその業態のコンテストで、そういったもので入賞していったものを、癒着はいけませんけれども、やっぱり育てていく、そういうことも大事な視点ではないかなと。
 そのときにやっぱり一者応札で、一者応札というのがずうっとこれ常態化していったときに、それがやはりある種の危険性なり問題性をはらんでいるというのは御理解いただけると思いますので、是非その辺は、マクロの視点とやっぱりミクロの視点をしっかり持ち合わせてその辺を育てていくと民間のまたいい点を活用できるんじゃないかと思っております。よろしくその辺も関係省庁の皆さんお願いをいたしたいと思っております。
 さて、平井大臣、お待たせをいたしました。
 そのITの様々な施策、全体の管理についてのプロジェクト・マネジメント・オフィスというのがありますが、これ専任の職員の数は全ての省庁で七十八人しかいないと聞いております。ですから、省庁によっては一人とか二人とか、職場によってはいないとか、そういうところもあるんですね。ですので、例えば、ここに書いてありますが、旅費等のシステムを管理するのと同時に、経済のデジタル化の旗振り役である経産省では、二人なんですよ。二人でこの、それこそ先ほどあったデータのベース化ですとか、様々な旗振り役を担っていけるのかという大きな不安が一つ。
 それともう一つは、このデジタル区分で国家公務員試験を今後行っていくということですが、これ、ある種の専門職、あるいはいわゆる働き方改革でよく出てくるところの高度プロフェッショナルになるのか分かりませんが、ただ、これ、じゃ、永遠にといいますか、ずっと定年までこのデジタルの区分で働いていただくのか、その人たちがどういうキャリアをたどっていっていただいて人生を有意義なものにしていただくのか、ある種これはもう働く皆さんたちにとっての大きなテーマだと思うんですけど、大事だと言われる皆さんたちの人材がずっとそのまま、果たしてそのままでいいならいいんですよ、その分、例えば給与に反映していくとか、あるいはその成果主義をするとか。
 と同時に、これから先のそのデジタルを対応するのは全省庁で七十八人しかいないと。そうなると、一気に増やしても、そう簡単にはなかなか結果が出るまで大変な時間が掛かります。それから、あと見直しも図っていくし、それとあとデジタル化でよく言われるのは、三十代ぐらいまでがやっぱり頭の柔らかさというか、アイデアというのがどんどん出てきて、四十代、五十代になってくるとなかなかそういう視点がなくなってくるというのは現場で働く方からも伺ったりもします。
 そういった部分での、長い人生の設計の中でデジタル、これから採用していくであろう七十八人プラスアルファの皆さんたちの処遇と将来像というのは、平井担当大臣はどのようにお考えなんでしょうか。

#66
○国務大臣(平井卓也君) 委員、先ほどから大変すばらしい質問をなさっていますので、先ほど財務大臣にお聞きになっておりました一者入札、そしてベンチャーにチャンスを与えたらどうかということですが、デジタル庁もまさにそこに取り組まなきゃいけないというふうに思っています。
 ただ、外形的に見て、結果その一者応札になったとしても、その前にやっぱり技術的な対話とかそういうのを積み上げた上でそうなるなら、それは私は健全な一者応札ということだと思うんです。ですから、そこらの辺りをやっぱり我々プロジェクト管理の中でやっていきたいというふうに思っていますし、あと、SBIRも法律を改正してそういうIT系の企業にチャンスを与えようと、まあアメリカなんかはそれで企業を伸ばしてきたということもあるので、このシステム調達の中でそれができないかということで我々それも検討しています。
 今回のワクチン接種システムはまさにベンチャーに発注をしたということで、いろいろ皆さんにも御指摘いただきましたが、うまく力を引き出す。ただ、政府系の大きなシステムはリスクが高過ぎて、要するにお金を立て替えてやらなきゃいけない部分が人件費等々あるので、そこら辺りのところでやっぱり資格に対する制限が掛かるんだろうというふうに思います。
 先ほど、このPMOの話についての御質問ですけれども、七十八人というのは少ないんですが、これはPMOのその業務に専ら従事しているということで、その関わっている職員ということでは二百四十八人。これは、デジタル庁にシステムの責任を移管していく中で、そのシステムに何人が関わっているかというのを調査を掛けまして、そういう数字、我々も関心を持っております。
 しかし、委員の御指摘のとおり、デジタル人材が政府全体においてもこれは不足していることはもう間違いありません。高度な専門性を有する民間人材を非常勤職員等の形で登用していくことに加えて、デジタルの知識を有する職員の確保、育成は非常に重要な課題であるというふうに考えています。
 委員の御指摘がありました、令和四年度以降、国家公務員試験の総合職試験で新設されるデジタル区分合格者の積極的な採用、そして実務経験を有する人材を確保するための経験者採用試験の積極的な活用、そして、デジタル化の進展を踏まえて、これデジタル庁が今後やっていかなきゃいけないんですが、研修体系の内容を充実強化及び職員への積極的な受講の促進というようなことを政府一体としてやっていかなきゃいけないと、そう思います。
 そして、民間から今回非常勤、また常勤もあるんですが、入っていただく方々が政府で一定期間働いてまた民間に戻るというケースもありますし、今後、デジタル庁で働いた公務員の方が民間企業で力を発揮され、また数年後にまた戻ってくると、まあリボルビングドアということもあると思います。
 ただ、霞が関全体としてシステムに対するリテラシーをまず上げた上でそのデジタルキャリアパスというものができてくるんだろうというふうに思っていて、テクノロジーと全く関係なく各省、今後もう仕事はできなくなる時代だと思います。そういう意味では、幹部も含めたそういう研修というのが必要であり、当然新しい技術に対応できるようなデジタル人材も必要だということで、いろいろなそういう能力を持った方々を確保、育成していくためにこれからいろいろなことに挑戦したいと考えております。

#67
○古賀之士君 時間が来ました。
 平井大臣、民間は、そういう人材がもう本当に喉から手が出るほど欲しいです。民間との争いです。それから、海外に目を転ずれば、カリフォルニアなども、釈迦に説法かもしれませんが、年収がもう中堅クラスのITのエンジニアで三千万円、四千万円なんていうのはもうざらにいるんですよね。そういう皆さんたちがいる中で優秀な人材を採ってくるというのは相当大変だと思います。
 問題提起も併せてした上で、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

#68
○勝部賢志君 立憲民主・社民の勝部賢志でございます。
 早速、質問をさせていただきます。
 緊急事態宣言が再々延長されました。全国的かつ急速な感染拡大の要因は、英国などが由来の変異株の流行によるものとされています。
 今日は尾身会長にお越しをいただいておりますけれども、変異株の流行で感染スピードが非常に速くなり、あっという間に医療が逼迫すると指摘をされていたとおりの状況を呈しています。一昨日行われた全国知事会のオンライン会合では、多くの知事が変異株への危機感を示し、スクリーニング検査の体制整備を求めています。
 そこで、尾身会長にお伺いをいたしますが、現段階におけるいわゆるインド型変異株の分析と国内の発生状況はどのようになっているのか、最大の警戒心を持って対応に万全を期さなければならないと考えますけれども、専門家の立場から御所見をお伺いいたします。

#69
○参考人(尾身茂君) 変異株については、もう委員御承知のように、日本の国内例はもうほとんどイギリス株に変わってしまっているので、私は変異株のモニタリングというのは、もうそろそろイギリス株に過度な資源を集中することはやめて、インド株の方に私はリソースをシフトすべきだと思います。
 そういう中で、インド株については、先日、金曜日、先週の金曜日の段階で、国内には四十五例の感染例が確認されています。その中ではもちろんインドなんかの渡航歴がない者も含まれています。実は、四十五例と申し上げましたけど、徐々にその数が増えてきていますので、イギリスなんかの状況を参考にしますと、このインド株がいずれイギリス株に取って代わるということも十分あり得るというふうに私は覚悟しておいた方がいいと思います。
 そういう中で、インド株への対応策というのは基本的には三つございます。
 一つは、変異株がどんどんどんどん拡大するのを防ぐ最も大事なことは感染をなるべく抑えるということで、ウイルスの変異株というかコピーの間違いは人々の体の中で増殖するときに起きますから、感染例をなるべく低くすることが、これが最も重要なことです。
 その上で、いわゆるPCRのプライマー検査というものが今もう既に実用化することができておりますので、このPCRのインド株に対するモニタリングというのを、今もう既にやっていますけど、このスピードを加速させるということが重要です。
 それからさらに、PCRのプライマーの検査だけじゃなくて、このゲノム検査ですよね、遺伝子検査というのも今一部、大体今累積で五・六%ぐらいやっておりますけど、全ての、これをもう少しスピードを上げる必要があると思っています。
 そういう中で、水際対策については、これはしっかりやるべきなのは当然ですけど、現在どういうことが行われているかというと、全ての入国者については全員にPCR検査をして、ポジティブなものはゲノム検査しているわけですよね。
 そういう中で、今インドとかそういう一部の国が、非常にインド株というものが問題だというふうに指摘されていますけど、しっかりとモニターしていくと、ほかの国でも同じようなことが起こり得ますので、そういうことが分かったら、今インドの方から来る人は十日待機というふうになっていますけど、ほかの国でもそういうことが十分起こり得るので、そうなった場合には、これはもう遅滞なく、これは迅速にやることが必要なので、そういうふうに新たな情報が得られたら迅速に対応をシフトさせるということが重要だと思っています。

#70
○勝部賢志君 いわゆるインド株については重大な、まあ何ていうんですか、危機感を持って対応すべきだということを教えていただきました。
 尾身会長にはもう少し専門的な立場からちょっとお伺いしたいんですけれど、そのような状況にあって、オリパラの開催について多くの関心が集まり、様々な声が出ています。国内世論では、六割から八割の方が開催の延期や中止を求めています。政府、大会関係者は一様に安全、安心な大会を開催すると言っていますが、本当にその安全、安心な大会が開催できるのか、オリパラの開催が我が国の感染状況にどのような影響を与えるのか、多くの国民が疑問や疑念を抱いています。
 そこで、尾身会長にお伺いをしたいと思いますけれども、オリパラの開催が今お話のあったインド株など新しい変異株の流行が懸念される我が国のコロナ感染状況に対してどのような影響を与えるのか、感染のリスクをどのように考えておられるのか、また、バブル内に封じ込めるから大丈夫というオリパラ主催者側の感染対策の信頼性についてはどのようにお考えなのか、率直に御意見をいただけたらと思います。

#71
○参考人(尾身茂君) これはもう再三申し上げましたように、私自身はオリパラを開催すべきかどうか判断する立場にありませんけれども、仮に日本政府あるいはオリパラ関係者がオリンピックを、オリパラを開催するという仮に前提に立てば、私は二つのことを少し分けて考えた方がいいと思います。
 一つは、いわゆるバブルの中といいますか、これはプレーブック等々でオリンピック関係者の人が非常に今エネルギーを注いで、このバブルの中あるいはスタジアムの中での感染をどうそのリスクを低くするかという議論をされていますよね。それは非常に重要なので、また、改善すべきことが、今この第三版を、第三バージョンですかね、作るということで、そこは私は、しっかりとやっていただければある程度私はコントロールは可能だと思います、選手も含めて。
 感染リスクというのは実は余り議題になっていませんけど、実はそこじゃなくて、日本の国内のいわゆる感染状況がどうなるかということが、私どもは国内の感染対策に対してアドバイスをする立場におりますので、関係者が、もし開催するのであれば、どういうことの感染のリスクがあるかというのを述べる責任があると思います。
 そういう中では、最も重要なことの一つは、バブルの中じゃなくて、このオリンピックの開催に伴う地域、一般のコミュニティー、東京、ほかのところの人々の行動、人々の人流、接触の機会がどうなるかということで、普通にしておけばこの人流が増えて接触機会が増えることはほぼ間違いない。オリンピックは、これは特別の、格段の、普通のイベントとは違いますから、ほっとけば人流が増えて、しかもこれは、オリンピック開催の日に近いところは連休がありますよね。連休ということで、東京にいなくて地方に行くというようなことがあって、国内での県を越えた、県内もそうですけど、県外を越えた人々の動きで、これによって感染が拡大するリスクというのは当然あるので、それに対してどのような対策を取るか、それはしっかりと私は今から考えていった方がいいと思います。

#72
○勝部賢志君 非常に具体的で分かりやすいお話だと思います。
 そのことを含めて、専門家の方々が政府の関係者とこういったことについて公式の場で議論をするというようなことはございましたですか。

#73
○参考人(尾身茂君) 非公式には何回か事務局の方が来られて私どもの考えはお示ししたことがありますけど、正式に何か会議があって、あなたたちの意見はどうかと聞かれたところは今のところはございません。

#74
○勝部賢志君 今、尾身会長が、大会の関係者あるいはアスリート、選手たちの感染はバブルの中で対策を更に強化すれば開催は可能ではないかというお話がありましたんですけれども、政府にお伺いをしたいと思いますけれども、契約では、大会に関わる医療、保健サービスのあらゆる事項については全責任を負うということになっています。それは開催国、そして、開催都市、NOC、大会実行委員会が責任を負うということになっているんですけれども、そういった場合、普通のオリンピックというか、通常のオリパラでしたら、けがをするとか突発的な病気にかかるとか、そういうための医療体制の整備というか準備というのはされるんでしょうけれども、例えば、万が一、選手や関係者に感染が広がってクラスターのようなものが発生をした場合、そういった場合に、規模に応じて医師や看護師が当然必要になってくるわけですけれども、この対応もこの契約の中では求められていると思います。
 そういう意味でいうと、どのように対処をしようというシミュレーションなり計画、対策を考えておられるのか、政府にお伺いをいたします。大臣、お伺いいたします。

#75
○国務大臣(丸川珠代君) 御質問ありがとうございます。
 組織委員会がまず一義的に会場も含めて選手の皆さんあるいは関係者の皆さんの医療というものをカバーしているわけでございますが、この大会期間中に陽性者が発生した場合に必要な医療を確保する調整というのを、まさに組織委員会が今、医療機関直接、それから競技団体を通じて、また各自治体の御意見を伺いながら進めております。
 せんだって、調整委員会行われた後に組織委員会が発表されたところによりますと、医師は一日当たり最大で二百三十人程度、これ全国にまだ予選等が行われている競技が多いタイミングでの人数と認識をしておりますが、医師が二百三十人程度、看護師が一日当たり最大三百十人程度を想定していて、このうちおおむね全体の八割程度について確保できる見通しが立っているということです。
 この医師については、コロナの治療に直接当たっていないスポーツドクターや整形外科医が中心ということで、主にアスリートの外傷、また観客の熱中症の対応を主に担っていただくと伺っています。また、看護師の皆様については、本格的な職務復帰を前提としていない潜在看護師の方にお声掛けをして参加していただき、外傷や熱中症のごく基本的な対応を主に担当いただくものということです。
 また、病院についてですが、大学病院と主に協議をされているようでありまして、都内九か所の病院からおおむね内諾を得ていると。都外にも競技場がありますので、都外は二十か所の病院と調整を進めているということであります。
 いずれにしても、地域医療に支障が生じない範囲でお受けをいただくということが組織委員会にとっても我々にとっても前提でありまして、例えば陽性の選手が出たとしても、これは住民の方と分け隔てなく、今現在自治体が行っている入院調整の仕組みの中でどこの病院にお受けをいただくかといった判断を自治体の側でしていただくということになっておるようでありまして、大半の自治体で大会専用の病床の確保は求めていないということであります。
 いずれにしても、また政府としても、組織委員会が必要な医療体制を確保できるように東京都とも連携をしていきたいと考えております。

#76
○勝部賢志君 通常の医療体制は、今お話があったように、医員、医師が二百三十人とか看護師三百十人とかとおっしゃっていますけれども、私が聞いたのは、万が一クラスターが起こった場合にそれに対応できるような医療体制、どのように準備をされているのかということをお聞きをしました。

#77
○国務大臣(丸川珠代君) まず、軽症者の方については、関係国間申合せの上で、軽症者用の宿泊療養所というのをこの海外から来られた方用、選手関係者用に一棟、東京都が、組織委員会かな、借りておられて、日本の選手用と分ける形で、この一棟一棟という形で軽症者の方はそこへ入っていただくと。症状が進むようであれば、そこから更に、地域の陽性者の皆様を引き受けるのと同じルートに乗って、どこの病院に行くかということを検討していただくという形になっています。

#78
○勝部賢志君 例えば、人流が増えて国内の医療体制も逼迫をするということも心配されるという状況の中で、オリンピックの選手や、オリパラのですね、選手や関係者の感染もこれは全くないとは言えないと。だから、そういったときに、国内の医療体制が今よりも更に逼迫するということは当然想定されるわけで、それがあるかないかは別にして、あること、あらゆることが起きることを前提にこういうことは想定すべきなんです。それは、今の丸川大臣に専門的なことをお聞きをしても、それはなかなか限界があろうかと思います。でも、こういうことを含めて、やはり政府にある専門家の方々の委員会なりが、本当に科学的な根拠に基づいてそういうことを想定をしていくということが、もう今こそ必要ではないかと私は思っています。
 一方で、先ほど、私は、尾身会長がこのことの方が大事だとおっしゃったのは、選手や関係者よりも、日本国内に人流が増して、そのことによる感染拡大が非常に心配だと。いわゆるインド変異株も、とにかく感染を抑えることしかないと、感染を抑えることが大事なんだと、こうおっしゃっていたわけですから、そういう意味でいうと、この人流がオリパラの開催によって、地域にも差がもちろん出てきましょうけれども、競技を行う地域の人流が、例えば一%増えたらどのぐらいリスクが上がるのか、二%増えたら更にどのぐらいリスクが上がるのかというような、非常に具体的で科学的な例えば想定を私は専門家の方々はされているのではないかというふうに思いますけれども、尾身会長、その辺いかがですか。

#79
○参考人(尾身茂君) もうこれは、日本がこの一年以上経験して分かったことは、日本で特別な行事がありますよね、忘年会だとか休みだとか、そういう特別な行事になると人流というか人の接触の機会が増えて、まあ飲み会などが増えて、これで感染が拡大したということがもう分かっているわけですよね。
 そういう意味で、今回のような特別な、格別なイベントですよね、ということがそれはあるというふうなことがあり得るので、それをどう防御するかということは大事で、そういう意味では、今の委員の御質問のそういうシミュレーションといいますか、どういうことが起きたらどういうというようなことは、もういろんな専門家は当然この時期に来て考えて、必要があれば述べることは可能だと思います。

#80
○勝部賢志君 今、尾身会長、大変重要なことをおっしゃられたと思うんですけれども、専門家の方々はそれぞれその専門分野でこのコロナ対策、国内の感染状況に応じた対応をどうするかということを考えておられるわけですから、そういった知見を是非政府は真摯に受け止める、あるいはそのことにもっと重きを持って、私、先ほど会長に公式的な議論はされていますかとお聞きしましたら、今のところは、非公式はあるけれども公式な議論はないと、こうおっしゃられました。
 私は、国民の皆さんの安心、安全、とりわけ説明責任は政府にあると思っていますので、そういう意味でも、これは丸川大臣にお伺いをしますけれども、是非専門家の方々を含めた感染対策、これは競技に関わる人たち、それから国内の感染者、国内の感染状況、その両方を是非しっかりと議論をするようにしてほしいと思いますけど、いかがですか。

#81
○国務大臣(丸川珠代君) 私自身も当初より人流対策をどうするのかということに非常に大きな論点があると感じておりまして、四月の末に五者協議というのをやりました。これはIOC、IPC、それから組織委員会、東京都、国という形で集まって、今回の変異株も含めた新しい水際対策等、行動規制などを決めさせていただいたんですが、この場でも私、再三と、まさに三度にわたって、日本の医療が非常に厳しい状況にあるということ、加えて人流対策が必要だということを訴えさせていただきました。競技場の中のことについては比較的その場では皆さん理解がというか共有できていたんですが、人流対策というのは、まさに観客の皆様がそれぞれの競技場がある町へおいでになるときに、そのおいでになる場がクリーンでなければいけない、加えて、それ以外の場所で観戦をされる、つまりテレビ等を通じて御覧になる、町の中で御覧になる、そういう場でもその場がクリーンでなければおいでになった方が感染を広げてしまうというリスクがあるわけですから、引き続きこの点は、今から考えておくべきだと尾身先生おっしゃっていただいていますが、まさに今具体的に検討を進めているところでありますので、引き続きしっかりやってまいりたいと思います。
 加えて、専門家というお話ですけれども、実は綿密にいろいろとお話を伺いながら進めてきているところでありますが、組織委員会は感染症専門家を加えたコロナ、済みません、東京二〇二〇大会における新型コロナウイルス対策のための専門家ラウンドテーブルというのを先月設置しました。この中には、政府のコロナ対策分科会のメンバーも、またコロナ対策調整会議のメンバーも含まれていて、これはまさに公式な場としてアドバイスを受けながらこの対策をつくっているところです。

#82
○勝部賢志君 オリパラを開催する側に専門家を入れて議論をするというのは、それはあっていいし、それを否定するつもりはありませんけれども、私は、安全、安心な大会とは、アスリートや大会関係者の安全はもちろんなんですけれども、開催地である日本の国民の安全や命と健康も脅かされてはならないんです。
 しかし、現状では、そのどちらの安全も確証が持てない、したがって安心もできないと。特に日本の医療体制は極めて逼迫しているわけですから、これまで一年以上コロナを見詰めてきた、菅総理も全幅の信頼を寄せている尾身会長を始めとしたいわゆる専門家の皆さん方と、要するに感染症対策の分科会、いわゆる有識者会議で是非この議論をすべきだというふうに思います。大臣、いかがですか。

#83
○国務大臣(丸川珠代君) コロナ室とは既に綿密に連絡を取り合いながら調整を進めているところでありますけれども、貴重な御意見として伺わせていただきます。

#84
○勝部賢志君 時間が大分経過してきましたので、私、もう一点大臣にお願いをしたかったのは、オリパラの議論は、とにかく焦点は、人命を脅かしてまでオリパラをやる必要があるのかということです。
 枝野代表が前に予算委員会で、命を犠牲にしてまで五輪に協力をする義務は誰にもないと。しかし、IOCは何が何でもやるというような姿を示しています。そのことに多くの国民が、何というんでしょうか、反感というか、ええっという思いになっているというのは、これは間違いない事実であります。そういった中で、私自身も、できればオリンピックに、もう、何というんですかね、平常時のような心配ない形で開催できるのなら開催してほしいという思いがあるんですけれども、現状このような状況ではオリパラは開催できる環境にはないと実は思っています。
 このことにつきましては、五月十日の予算委員会で我が会派の蓮舫代表代行から、是非総理に、総理しかもうこのIOCに対して協議や中止の要請などをできる人はいないと。そもそも規約上は、我が国や、何というんですか、NOCや大会実行委員会には判断をする権限はないと言われていますけれども、前回安倍総理が延期をお願いしたように、やっぱり総理、一国の総理がこの発言をされれば、それは重たいものだというふうに思うんですね。
 ですから、私はそういったことを、そういう協議を是非すべきだということを大臣には進言をしていただきたいというふうに思っています。そして、安全、安心な形で国民の皆さんが、そうだ、できそうだというふうに思うのであればそれは結構ですけれども、でも、万が一オリパラの安全、安心な開催が難しいとなれば、自民党の二階幹事長言われるように、無理だということだったらすぱっとやめなきゃいけないと、オリンピックでたくさん蔓延させるようなことになっては何のためのオリンピックか分からないと、こういう判断も時に必要だというような御発言でありましたので、私はそういう判断も必要だということを申し上げておきたいというふうに思います。
 答弁がありましたら、大臣、お願いします、簡潔に。

#85
○国務大臣(丸川珠代君) 受け止めさせていただいて、必要なことは総理にお伝えをしたいと思います。

#86
○勝部賢志君 尾身会長、それから丸川大臣には、この内容の質問は終わりましたので、退席をいただいて結構でございます。

#87
○委員長(野村哲郎君) それでは、丸川大臣、退席していただいて結構でございます。

#88
○勝部賢志君 残された時間、教員の働き方に関わる課題について、今日大臣にお越しいただいていますので、お聞きしたいと思います。
 文科省は昨年十二月に、働き方改革の調査ということで、上限四十五時間を超えない勤務時間が守られているかどうかという調査をされましたが、小学校では四七・三%、中学校では五七・七%、高校では三四・九%が依然として守られていないという実態が明らかになりました。このことをどのように受け止めておられますか。

#89
○政府参考人(瀧本寛君) お答え申し上げます。
 ただいま学校における時間外勤務の実態に関する御質問をいただきました。
 文部科学省では、平成三十年度から時間外勤務の傾向について調査を行っておりまして、その結果では、例えば小学校における平成三十年度と令和元年度の四月から六月を比較すると、勤務時間の上限指針で求めている時間外勤務四十五時間以下に該当する教員の割合は少し増加をしております。一方で、時間外勤務四十五時間以上に該当する教員等の割合も引き続き高く、依然として深刻な長時間勤務の実態があるものと認識をしております。
 また、令和二年度については、全国的な臨時休業をしていた四月、五月については時間外勤務四十五時間以下に該当する教員等の割合が大幅に伸びた一方、七月、八月は逆に、夏休みの短縮等によりまして前年度と比較してその割合がやや下がり、勤務時間の改善又は悪化を一概に判断することは難しいと考えております。
 いずれにしましても、こうした長時間勤務の実態が改善されるよう、引き続き時間外勤務の傾向の把握を行うとともに、教師の業務負担を軽減するため、文部科学省が先頭に立って全力を尽くしてまいります。
 以上です。

#90
○勝部賢志君 非常におざなりな答弁なんですけど。
 法律ができて、四十五時間以上を超えてはならないという法律があるわけです。これがもう始まっているわけで、超えた場合にはですね、いや、超えないようにするというのが法律ですから、ということは、現状、法律が守られていない違法な状態あるいは不法な状態にあるということなんです。
 そのことを受け止めた上で、その上で、実はこの報告に関わった改ざんとかあるいは虚偽報告というようなことが実態として起こっていると。例えばですが、全員のタイムカードを帰らないうちに管理職が押してしまうとか、それから、勤務時間より過ぎた場合に自己研さんの時間とみなして在校等時間にカウントしないとか、それから、ある一定の時刻が来たらみんな一斉に帰りなさいというようなことを言うとか、結局、四十五時間に収めるために、まあこれ以上言わなくてもいいと思いますが、いろんなそういうことが行われていて、結果的に実態が正しく把握されていない、極めて不適切な対応だというふうに思いますけれど、大臣、いかがですか。

#91
○国務大臣(萩生田光一君) 客観的な勤務実態の把握は働き方改革を進めていく上で必要不可欠なまさにスタートラインでありまして、労働法制上もまた公立学校を含めて実施すべき義務として法令上明確化されているものです。
 文科省としては、改正給特法に基づき昨年一月に策定した教職員の勤務時間等に関する指針において、勤務時間管理の考え方や、虚偽の記録を残すことがあってはならないことをお示しをしました。また、この指針のQアンドAにおいて、万が一校長等が虚偽の記録を残させるようなことがあった場合には、状況によっては信用失墜行為として懲戒処分等の対象になり得ることも明示をさせてもらいました。各教育委員会に対して周知をしてきたところです。
 一方、今局長から答弁させましたけど、去年、先生御案内のとおり、コロナ禍にあって、一斉休校などがあって、もうまさに学校現場は皆さん歯を食いしばって頑張っていただきましたので、本当は、法律ができた翌年で、しっかり時間管理をしていきましょうねという、まさに働き方改革元年だという位置付けで我々臨んだんですけれども、去年の調査を見る限りではそういう状況にないことも正直理解はできるところもあります。
 しかし、だからといって、今年度、管理者にある者が虚偽の報告などをすれば、今申し上げたような厳しい対応をしっかり取っていきたいということを全国に通知をしてまいりましたので、改めてここはもう意識を変えていただいて、まさに学校の先生方がどういう実態なのかということは明確に国民の皆さんにも理解してもらわなきゃならないし、四十五時間の中に無理やり収めたといって、自宅に持ち帰って仕事をしているんじゃこれ何の意味もないわけですから、そういうことも含めて適正な勤務実態をしっかり把握をし周知をしてまいりたい、このことを改めてお約束したいと思います。

#92
○勝部賢志君 時間が参りましたので、この課題については継続してまた議論をさせていただきたいと思いますが、一言だけ。本当に業務が減っていないんです。だから、四十時間を既に超えている教員がいるということをあえて指摘をさせていただいて、質問を終わります。

#93
○委員長(野村哲郎君) 午後一時二十分に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時二十七分休憩
     ─────・─────
   午後一時二十分開会

#94
○委員長(野村哲郎君) ただいまから決算委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、柴田巧君、自見はなこさん及び武田良介君が委員を辞任され、その補欠として松沢成文君、豊田俊郎君及び吉良よし子さんが選任されました。
    ─────────────

#95
○委員長(野村哲郎君) 休憩前に引き続き、令和元年度決算外二件及び予備費三件を一括して議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。

#96
○小沼巧君 立憲民主・社民の小沼巧でございます。一年前も准総括質疑、麻生大臣と議論をさせていただきましたが、今年もどうぞよろしくお願いいたします。
 さて、今我々、令和三年五月三十一日を生きているわけでありますが、今日の議題は令和元年の一般予算及び予備費であります。若干ずれがあることは気になるなと思いながら、振り返ってみますと、令和元年から令和二年、いわゆる予備費、これが大きな議論になったということは皆さん御承知おきのとおりだと思います。
 予備費というのは、実はこの十年間、十年ごとに、どうやら大きな議論になっているようでありまして、便宜上西暦を使えば二〇〇九年、まさに麻生さん、大臣が総理大臣だったとき、このときは緊急経済対策として一兆円の予備費が積まれておった。その十年前は小渕総理か森総理だったかと思うんですけれども、五千億円の公共事業等予備費というものが計上されておったというわけであります。
 来年度は令和二年度決算、その中に予備費十兆円上ってくるわけでありますので、ここいらでひとつ予備費の考え方について整理をしておくということは意義があることだろうと思いますので、今日はその点について、主として財務大臣、そして厚労大臣、防衛大臣、その後、会計検査について議論をしてまいりたいと思います。
 冒頭、最初の質問であります。
 予備費の使用、これは閣議決定がおありなんだろうと思います。平成十九年四月三日の閣議決定で予備費の使用、原則として国会開会中は行わないと、こういうことになっているんだと思います。振り返ってみますと、私が調べられたところ、この源流は昭和二十二年の四月二十六日の頃からありまして、一時期、国会開会中は予備費は使用しないということの文言が消えていた時期も、昭和二十八年八月十四日の閣議決定でございました。
 大臣にお伺いいたしますが、国会開会中は何かの経費四つを除いて予備費の使用は行わない、これが廃止されておったんですけれども、それを一年待たずして今回復活したと、そういったその経緯とか趣旨は一体何であるか。そして、現在の閣議決定されている予備費、まさに国会開会中は予備費使用に抑制的であるということの考え方が継続していると考えますが、この見解についてお伺いします。

#97
○国務大臣(麻生太郎君) これは新しい憲法になって、昭和二十二年なんですけれども、これは二十八年だけ一年落ちているというのは事実です。それ一年だけ、その年でこの七十年間の間に多分一年間、その一年だけだと思いますけれども、おっしゃったように災害対策予備費というのがそのときに創設をされたというのが多分大きな理由だったんだと思っておりますけれども、この災害対策予備費は一般対策の予備費に加えて、これ、まあ、あの頃はジェーン台風やいろいろ災害の多い年ではあったんですけれども、その性質上、国会開会中においてもこれは緊急支出を要する場合というのが想定されたということだと思いますんで、結果として、国会最中の予備費使用の制限というのが多分その年だけ削除されたんだと思っておりますけれども。
 その後、いろいろ御意見が、また起きたらどうするのとかいろいろと、多分あの当時は多いときだったと記憶しますんで、そういった意味では、国会の審議権というものを尊重するという立場から、翌年にはもう国会開会中の記述を復活をされておられると思っています。その他緊急処理する場合や義務的な経費である場合というものについても同様で、国会開会中には予備費の使用を行わない旨というものをこれ定められて、その後ずっと今日まで、まあそういう形の運営がされてきたんだというように理解をいたしております。

#98
○小沼巧君 御答弁ありがとうございます。
 現在においても、国会開会中は原則予備費は使わないんだということであります。
 当時の、まあでも振り返ってみます、平成十一年は、当時、宮澤大臣であったでありますが、海江田委員の答弁においても同様の趣旨を訴えておった。平成二十一年においては、郡司委員だったと思うんですが、与謝野財務大臣とこれを議論をして、同じような答弁を最終的には繰り返しておったと、こういう経緯があると思います。
 さて、そういった中で、今回新しくこの閣議決定の中で、災害に関してのところでございますが、一つ追加をされているものがあります。具体的には、閣議決定第三項の(三)、災害云々かんぬんとありますが、その他予備費の使用によらなければ時間的に対処し難いと認められる緊急な経費、これについては、国会開会中であったとしても、閣議決定を経て予備費の使用は可能であるということになっております。
 伺いたいところはこの解釈であります。この予備費によらなければ時間的に対処し難いと認められる緊急な経費、この解釈は今どのようなものになっているんでありましょうか。

#99
○国務大臣(麻生太郎君) これはいい御指摘ですけれども、御指摘の予備費の使用ということについては、予備費の使用によらなければ時間的に対処し難いと認められる緊急なという、まあいろんなことが考えられるということを言っているんでしょうけれども、そういった場合についてはということで、これ以上精密なというか細かい基準が設けられているわけではありませんので、具体的な状況に即して、まあ今回のコロナなんかは最たるものかもしれませんけれども、具体的な状況に即してその時々で判断をせにゃしゃあないということなんだと思っておりますので、補正予算を編成したんじゃ時期が遅れるとかいろんな話がよくある、聞かれるところなので、多分そういうことで、細かくこういった基準に基づいてという規定があるわけではございません。

#100
○小沼巧君 まさに裁量、その状況、時々に応じてということだと思います。
 それで、昨年度の予算の審議を見ておりますと、大臣はこのようなことをよく何度かおっしゃっております。予算の編成から成立まで約、大体一か月ぐらい掛かるんだというようなことでありましたが、恐らくその一か月程度ということが一つの基準に当たり得る考え方なんではないかと、こう思うわけでありますが、改めてここでお伺いしてみたいと思うのであります。
 実は、例えば令和二年度一次補正予算、これは国会審議は三日で成立しております。令和二年度二次補正も四日で国会審議、成立しておるところであります。意思決定から閣議決定までのところを見ても、大体、令和二年度一次補正においては十一日間でありまして、それなりに短い期間でできているんじゃないだろうかと、こう思うわけであります。例えば、あとは、平成七年に阪神・淡路大震災が起こりましたけれども、実際に震災が発生したのが一月の十七日、予備費の使用決定というものが出てきたのは二月の二日で、意思決定なりその閣議決定するまでに十六日間を要しておったということであります。
 というような前例なんかも考えると、約一か月程度ということではありますが、補正予算案の閣議決定から大体十日、二十日、国会に提出してから実際に成立するまでに三日、四日というようなことを考えると、実際のところ、何かが発生して予備費を使わなきゃいけない、その意思決定から閣議決定するまでのリードタイムが大体十一日から十六日間ということで掛かっているのでありまして、その意味で、一か月は何となく分かるところでありますが、もっと早くできるのではないか、むしろ補正予算によってであったとしても、このような前例なんかを考えると早期にできるんじゃないか、一か月を待たずとも短くできるのではないか、このように思うわけでありますが、大臣の御見解をお願いします。

#101
○国務大臣(麻生太郎君) 今の点は、その期日だけは正しいです。
 ただ、問題は、この補正予算と、まあ何でしょうね、予備費についても同じことなんですが、今言われたのでいくと、令和二年度のときの、四月の二十七日国会提出、四月三十日に成立しているじゃないかと、事実なんですが、問題は、その指示がいつ出たかというのでやると、総理大臣の指示というのは約、三月の二十八日、まあ約一月ぐらい前に出されておるというんで補正予算に期間でそれだけ掛かっておりますし、その後の二次補正のやつも、五月十四日に総理の指示があって、六月の十二日に成立ということになっておりますが、やっぱりそこは一月、その総理指示から、ところに行くまでのところが問題なんですが。
 予備費の方を見ますと、令和元年度の予備費を見ますと、二月の一日に総理指示で、二月の十三日には策定が終わって、二月の十四日にはもう使用を決定と、使用決定されておりますし、その後のものも二月の二十九日に総理の指示があって、三月十日には決定、もう同日使用決定と。そこらのところのスピード感が全く違ってくるのが現実だと思いますので、総理の指示からそこに至るまでの決定の間の期間を更に縮めるというのは、ちょっとこれは各省庁との調整もありますからその時々によって違うとは思いますけれども、そこらのところが補正と予備費と違うかなというか、実際に担当してそんな感じがいたします。

#102
○小沼巧君 まさにその指示があってから決定するまでの間、調整をしなければならないということは重々承知でありますが、緊急だということを言っている割には大体十日ぐらい掛かっちゃう、ないしは十日以上掛かっちゃうということは、これは何かしら改善の余地があり得るのではないだろうかという気がいたします。その点、後ほど議論をさせていただきたいと思いますが、では、今回は令和元年度予備費でございますので、一つ二つ例について、その点につきまして関連させて伺ってみたいと思います。
 まずは防衛大臣にお伺いいたします。
 今回の令和元年度予備費では、今日の財務大臣からの説明の中にも明記されておりましたけれども、賠償償還及び払戻金で三百四十二億円、これを令和元年十月二十五日財務大臣決定として予備費の支出をしております。これは第三次の嘉手納基地の訴訟の話だと思うんですけれども、よくよく見ると、当時の報道、これは令和元年九月十一日に国に対して支払命令を行ったのは二百六十一億円でありました。でも、予備費の決定は三百四十二億円。八十億円がよく分からぬのでありますが、この差分については何なんでありましょうか。

#103
○国務大臣(岸信夫君) この嘉手納飛行場の騒音損害賠償等請求事件でございますけれども、令和元年の九月十一日に福岡高裁那覇支部が原告らの請求を一部認めまして、国に対して損害賠償を命じたところであります。
 当該の判決では、提訴日の三年前、すなわち平成二十年五月一日から口頭弁論最終、終結日の平成三十一年一月三十一日までの約十一年分の損害賠償金として約二百六十一億円と、支払済みまで年五%の割合の遅延損害金の支払を命じられました。
 御指摘の差分、約八十一億円になりますが、判決により支払を命じられた提訴日三年前から支払日である令和元年十月二十五日までに発生をいたしました遅延損害金であります。

#104
○小沼巧君 八十億円の中身は遅延損害金だということでありました。
 とやかく中身については申し上げませんが、決算の数字の観点からだけに限って申し上げますと、要は意思決定が遅れてしまったからこそ八十億円の遅延損害金が生まれてしまったのではないか、このように思うわけであります。この点について、工夫によっては節約できた可能性もあるのではないかと思うところでありますが、この点については防衛大臣につきましてもう支出決定しておることでございますので、一旦この点について防衛大臣の指摘はここまでにとどめたいと思います。
 防衛大臣におかれましては、退席いただいて結構です。委員長、お取り計らいください。

#105
○委員長(野村哲郎君) 岸防衛大臣、御退席いただいて結構です。

#106
○小沼巧君 続きまして、次は厚生労働大臣、田村大臣にお伺いしてまいりたいと思います。
 二年度においてはいわゆるアベノマスクというものが非常によく騒がれたところでありましたが、残念ながら今日の審議対象は令和元年でありまして、アベノマスクは令和二年度予備費でありますので今日の対象になっておりません。しかし、その前にマスクの緊急配布といったことを二回やっておるところであると承知しております。具体的には、最初に、令和二年の三月三日、二十二・八五億円で一般向けの不織布マスク、これを発送したということの閣議決定がありました。また、令和二年三月十日、百六十一億円を使って介護施設や医療機関向けの布マスクだったりサージカルマスクを配布したということでございました。
 このような状況、この閣議決定等々でございますが、大臣にお伺いしたいのは、何ゆえに補正予算ではなく予備費でこの予算を支出したのか、この理由についてお伺いします。

#107
○国務大臣(田村憲久君) もう委員も思い出していただければよく御理解いただいていると思いますが、当時、新型コロナウイルス感染症が世界中で拡大する中において、日本においても非常にこれに対する危機感があったわけで、マスクが本当になかなか手に入らないという状況でありました。海外的にも輸出を禁止するという国もありましたし、また調達競争のようなことが起こりまして、何としてもマスクを、これを確保した上で、特に医療機関等々が不足してきますと、これなかなか医療提供体制にも影響が出てくるということでございましたので、補正という意味からすると、令和元年度補正予算が一月三十日、令和二年度第一次補正予算が四月三十日成立でありますが、その間であります三月三日、三月十日、ここで、言われたとおり二十二億八千五百億円と百六十一億円、これの予備費における予算を確保した上で調達、配布をさせていただきました。
 三月中に医療機関等々、これ、この予算だけではなくて、この予算で調達したものだけではなくて各省庁に保管されていたものなども使ったんですが、全体で一千九百万枚、医療機関等々にこれが配布することができまして、そういう意味で、緊急の対応ということでございますので、予備費の対応ということでは妥当であったというふうに考えております。

#108
○小沼巧君 二つ更問いをさせていただかなければならないなと思っておるところであります。
 一つが、まず積算、これが妥当だったのかということであります。
 例えば、二十二・八五億円、これは北海道が緊急事態宣言やっておったというところであったと思うんですが、予算使用、予備費使用額二十二・八五億円のうち不用は幾らか、十九億円です。そして、一般機関、一般の介護施設向けの布マスクの配布、これもやっておりましたけれども、実は当時の八月五日以降も手挙げ方式で配り続けておったということがあるのであります。
 その意味で、閣議決定、先ほど麻生大臣と議論をしましたけれども、予備費によらなければ認められない緊急なものということの観点から疑わしい、疑義があると私個人としては思うわけであります。なぜなら、そのときはやったというのは分かっております。でも、継続して令和二年八月五日以降も配り続けていた、執行しておったということを考えると、本当に緊急だったのか、認められるのか、当時の判断は適切だったのか、こう思わざるを得ないのでありますが、田村大臣、どのようにお考えでしょうか。

#109
○国務大臣(田村憲久君) 済みません、ちょっと通告が、うまく私の方に情報が入っていなかったものでありますから答弁書はないんですけれども。
 一般用のマスク、これ介護施設等々に二千万枚、三月十二日から配っているわけでありますが、それ以降も配っておった、八月以降。これ多分、八月以降、私の記憶なんですけれども、その後、この予算の後の、先ほど言われた布マスク、あれ等々に関して配らさせていただいたというような、そういう、これ私の記憶でございます、正確なことはまた調べた上で御答弁させていただきたいというふうに思いますが。そういう意味では、その後も必要のある介護施設等々がある中で、契約等々を結んでいるマスク等々がございましたので、それ等々を配布をさせていただいたという記憶がございます。

#110
○小沼巧君 その観点に関して、財務副大臣に伺います。
 まさに、不用が多かったという意味では、それなりの積算のところもちょっと改善の余地があったのではないだろうかということも思いますし、いわゆる一般、それこそ一般向けの布マスク、介護施設のみならずですね、ことも配っていた、これは事実でありますけれども、殊更、介護施設向けに予備費によってやるということという判断がそもそも適切だったのか。もう振り返ってみて、今は改善の余地があったのではないか。
 更に言えば、布なのか不織布なのかということもありますし、一年前、麻生大臣と議論したことをちょっと思い出してみると、厚労省関係のやつなのか経産省関係のやつなのか、財政の移用ですね、移して用いるというやつ、あれをやったことも記憶あると、内容としても適切だったのかということは今真剣に反省しなければならぬのではないか、このように思いますが、財務副大臣の御見解をいただけますか。

#111
○副大臣(中西健治君) 今、田村厚労大臣からありましたとおり、去年の三月の時点でございます。三月三日と三月の十日にこの閣議決定をされているわけですけれども、そのときの状況から考えますと、やはり緊急性、もう迅速性というのが要求されるということでしたので、予備費で支出することというのは、まさに予備費の使用によらなければ時間的に対処し難い支出であったということで、適切だというふうに考えております。
 中身について私の方からどうこう申し上げる立場ではないと思いますけれども、やはりこの予備費の額については、やはり足らなくなっては困るということは当然あったと思いますので、やはり金額については足らなくならないようにということで積算をするということであったと思います。

#112
○小沼巧君 何ゆえに緊急であったのか、感情的には分かるのでありますが、論理的にはいまいちひとつしっくりこないというところ、この点は指摘をさせていただきたいと思いますが。
 次の、予備費及び国会における審議ということについて議論を進めてまいりたいと思いますので、厚労大臣におかれましてはこちらで御退席をいただければと思います。委員長、お取り計らいください。

#113
○委員長(野村哲郎君) 厚労大臣、御退席いただいて結構です。

#114
○小沼巧君 それでは早速、次の、国会における予備費審査の在り方ということについて議論を進めてまいりたいと思います。
 予備費というものは、よくよく振り返ってみますと、まず検査院が検査報告をやります。そして、予備費の承諾審査、今日も議論に入っているところでありますね、それらを踏まえて決算を作って予算の提案ということになっていく、この大きな流れになっているわけであります。
 まず、ここからは検査院に対してお伺いしてまいりたいと思いますが、国会が予備費を承諾しなかった例、これがあるんだと思います。過去から、昭和二十四年ぐらいから振り返ってみると四件あると思っておりますが、そこで会計検査院に伺いたいのは、会計検査院の検査報告、これが予備費承諾の審査結果に影響を与えた事例の有無、これについてお答えをください。

#115
○会計検査院長(森田祐司君) 昭和二十二年度決算検査報告において、不当事項として予備費の支出当を得ないものを掲記しております。
 これは、当時の総理庁等において予備費の使用を認められたものについて、当時の大蔵大臣の承認を経ずにその使用を認められた経費以外の費目に流用するなどしたものについて、不当事項として掲記したものでございます。
 本院の検査報告が国会での審査結果にどのように影響を与えたかについて本院は判断する立場にはありませんが、参議院事務局編集、発行の資料において、本件について検査報告が予備費の審査結果に影響を与えた事例と言えるという分析がなされていると承知しております。

#116
○小沼巧君 御紹介ありがとうございます。
 まさに過去、古い時代でありますけれども、予備費の審査、この承諾においては会計検査院が果たした役割というのは実際大きかったということでございます。
 ちなみに、別の科とか目への流用ということに加えて、当時は予備費使用の金額自体が過大、大き過ぎたということも指摘されたということでございます。
 次に、財務大臣にお伺いいたします。
 この予備費の承諾するかしないか、この審査結果が予算案の作成に与えた影響というのも実は事例があるということを承知しております。
 例えば、平成二年ぐらいに行われておった議論であると思いますけれども、実際その予備費承諾の審査結果、これが予算案作成に影響を与えた事例、これについて御紹介と御見解をお願いします。

#117
○国務大臣(麻生太郎君) 予備費が不承諾とされたその理由というのがその後の予算編成に反映した例ということなんだと思いますが、昭和六十三年の予備費についての御指摘が平成二年度の予算編成等に生かされた例があります。
 この具体的な昭和六十三年度の予備費については、当初予算に計上すべき総理の海外出張経費を予備費で処置した、また、ソウル・オリンピック、五輪の警備経費に車両購入費を含めたことなどを理由に参議院において不承諾とされたところから、これらの不承諾の理由を受けまして、総理の海外出張費については翌々年の平成二年度の七月のサミットへの参加経費を当初予算に計上、また、警備の経費等々につきましても、同じく平成二年の五月に韓国大統領来日の警備経費に予備費を使用した際、その中に車両購入費を含めないということにするなど、予備費の不承諾の理由を予算編成等に反映したという例でありまして、国会等からの御指摘を踏まえてそういった予算編成に努めてまいられたんだと思っております。

#118
○小沼巧君 御紹介ありがとうございます。
 まさに予備費の審査、予備費をどうするかが予算に影響を与え、その前段階となっておった会計検査でも予備費の審査結果に影響を与えるということがあったという意味で、非常にこの予備費の審査、大事であるということだと思いますし、会計検査院が果たすべき役割というのも非常に大きいということだと思います。
 その上で、会計検査院に対して伺います。
 予備費の使用、これに係る指摘事項はこれまでどのようなものがあったのか。お断りしますが、予備費の使用について問うているのでありまして、予備費を財源とした予算の執行状況については聞いておりません。その点について過去どのような例があったのか、会計検査院に伺います。

#119
○会計検査院長(森田祐司君) 先ほど御紹介しました昭和二十二年度決算検査報告における予備費の支出当を得ないものにおきまして、予備費の使用決定について触れております。これらのうち、当時の総理庁の件を例にしますと、昭和二十三年三月に内閣庁舎の火災復旧費として予備費使用の決定を受けた八百五十万円の内訳である調査票カード類の再調査費五百五十七万余円は、そのほかに要する経費とともに印刷製本費として予備費の使用を認められたもので、印刷製本費は当初予算と合わせて六百九十二万余円となっていましたが、そのうち当初の目的どおり印刷製本費を使用したものは四十九万余円にとどまり、不用額としたものは三百三十二万余円、その他経費に流用された残りの三百十一万余円の中には大蔵大臣の承認を経なければならないものがあるのに、これを経ていないものがあったことなどについて指摘をしているものでございます。

#120
○小沼巧君 御紹介ありがとうございます。
 その一、二例ぐらいしか正直予備費の使用に関する指摘事項は会計検査院、昭和約二十二年ぐらいからしていなかったというように理解をしております。何ゆえに指摘がされていないのか。これは、実際にちゃんと使っているということも考えられますが、二つ、私、原因の仮説として考えているのでありますので、その点について議論をしてみたい、このように思います。
 一つが、検査報告の構成であります。例えば、昭和二十二年度から現在の検査報告の構成が大きく変化しています。何が変化しているかというと、検査報告御覧になっていただければ四十ページに一枚だけあるのでありますが、国会に提出したか否か、この手続は紹介してあるんだけれども、その検査内容については突っ込んで記載していないということであります。
 何ゆえにこのように構成が変化したのか、そしてこの構成を変化、継続させている理由といったものは何なのか、これについてお答えください。

#121
○会計検査院長(森田祐司君) 委員お尋ねの点につきまして、当該検査報告において予備費についての指摘があったことから、当該不当事項としての件名において予備費の文言を用いたものでありまして、予備費についての指摘がなかった場合、また、予備費による支出によりなされた事業であっても、指摘の内容が予備費に特有のものではなく、より実態を的確に表す表現がほかにあるような場合などにはそちらを項目名の表記に使用していることによると考えております。
 したがいまして、検査報告の構成を変えたということより、その時々、そのときの指摘があった事項の内容に応じて表記しているところでございます。

#122
○小沼巧君 それでは、二つ目の仮説について、これが本質なんですが、そもそも会計検査院は予備費の支出に対して積極的に検査しているのか、これに対して私は正直疑いを持っております。なぜかというと、それに対する検査をするということは、内閣の閣議決定そのものに対する指摘になってしまうという意味で非常に消極的になっておられるのではないかと、このように思うわけであります。
 ここについてお伺いいたしますが、会計検査院、これは実際に検査をしておるわけでありますけれども、その検査をしておる観点、合規性の観点とかいろいろありますが、三つちょっと厳密にお答えいただきたいと思うんですね。
 一つが、予備費って憲法に基づく規定ですけれども、予見し難いという憲法の規定もチェックした上で判断をしているのか。
 二つ目、冒頭議論に申し上げた予備費の使用等について、これも含まれるということについて検査をしておるのか。
 そして三つ目、これが本陣、本丸でございますけれども、予備費使用決定後の支出に限定されず、そもそも予備費の支出が適当なのかどうなのか、この観点からも検査をしておるのか。この点についてはいかがでしょうか。

#123
○会計検査院長(森田祐司君) ありがとうございます。
 最初の件については、憲法等のものも含むというふうに考えております。
 それで、長らくその予備費の使用自体取り上げた記述がないという御指摘でございますが、まずは、昭和二十二年当時と事情が大きく変わっているのではないかというふうに考えられます。
 昭和二十二年度決算検査報告に関連して、昭和五十三年に当時の衆議院決算委員会において御答弁させていただいた際も、昭和二十二年頃は予備費だけではございませんで、一般的に戦後の混乱があった時代であったとした上で、その後、予備費の使用決定につきましては、大蔵省の審査は極めて厳重になりまして、水増し請求をしてくるなどということは余りなくなった、そして、当時のような極端なケースはなかったとお答えしているところであり、やはり当時と事情が大きく変わっているということであるのではないかというふうに考えております。
 その上で、予備費の検査に当たっては、一般論として申し上げますと、予備費による支出について検査し、その結果、問題となる事態が見受けられた場合には、その発生原因を遡り、それが予備費の使用決定にあるような場合には、それを問題として取り上げることが考えられます。
 いずれにいたしましても、会計検査院としては、予備費について、国会での御議論も踏まえて適切に検査を実施してまいりたいというふうに考えております。

#124
○小沼巧君 時間が参りましたので終わりにしたいと思いますが、一言だけ。
 今の答弁は明確ではありません、質問に対して。予備費の使用に関して使用そのものが適当だったのか、この点についての議論が明確でありません。
 したがいまして、この点、理事会で協議をいただきたいと思いますし、また、国会法第百五条の規定に基づいて、令和元年度及び令和二年度それぞれの予備費に先ほど申し上げたような観点から検査をしていただく、その検査報告を求めたいと思います。
 委員長、お取り計らいください。

#125
○委員長(野村哲郎君) ただいまの件につきましては、後刻理事会において協議いたします。

#126
○小沼巧君 終わります。ありがとうございました。

#127
○秋野公造君 公明党の秋野公造です。お役に立つことができるように質疑をしたいと思います。
 本日は、令和元年原子力白書に基づいて質疑をしたいと思いますけれども、我が国のがんが死亡原因の一位であるということを考えますと、がん対策は最重要課題でありまして、令和元年の予算三百七十億円も妥当なものと考えます。
 がんの治療につきましては、早期であれば手術を行い、ゲノム医療を含めて薬物療法も開発をされておりますところでありますが、まず、がん医療におけるラジオアイソトープを用いた治療、検査の必要性についてお考えをお伺いしたいと思います。

#128
○政府参考人(正林督章君) お答えします。
 これまで我が国では、がんに対して、手術療法、放射線療法、薬物療法などを効果的に組み合わせた集学的治療などをがん患者の病態に応じて適切に提供するべく、がん診療連携拠点病院などを中心に、全国どこにいても質の高いがん医療がひとしく受けられるよう、医療提供体制を整備してまいりました。
 がん医療におけるラジオアイソトープを用いた検査、治療については、現時点でも、フッ素を用いたPETCT検査、テクネチウムを用いたシンチグラフィー検査、ヨードやラジウムを用いた内用療法によるがん治療などが行われており、がん医療にとって必要不可欠なものであると考えております。
 引き続き、がん患者に対して、ラジオアイソトープを利用する放射線療法も含め、質の高い集学的治療などを提供できるよう、がん対策を進めてまいりたいと考えております。

#129
○秋野公造君 ありがとうございます。
 今局長御答弁いただいたように、手術を行う場合それが負荷になることもありまして、例えば資料の二ページ目、御覧をいただきますと、下の図で、耳の周りに大きくがんができておりますが、これを手術いたしますと顔がなくなってしまうぐらいの大きな負荷が掛かるわけでありますけれども、これに対して放射線を当てる治療が期待をされているわけでありますが、放射線を当てる際に正常細胞も傷つけてしまうということで、ピンポイントで当てることができればということで、先ほど御答弁もいただきましたけれども、重粒子線治療やBNCT、ホウ素中性子療法など、日本が非常に強い分野もあるわけであります。
 お示しをしているのは、ホウ素中性子捕捉療法といって、日本が誇る日本発の新しい技術でありまして、先般、ハンガリーの大使館の皆様方からも医療についてしっかり連携をしてまいりたいといったような御提案もいただいたところでありますけれども、このBNCTの保険適用に当たっては、外務省の皆さんからも大変にお世話になって推進をしていただいたところであります。
 これ、ちょっと先の話になるかもしれませんけれども、これ、ハンガリーから日本の最先端の医療であるBNCTの治療を受けたいと患者が希望する、専門家が研修を受けたいと、こういう御希望があった場合、外務省の方でお取り計らいいただけるか、お伺いをしたいと思います。

#130
○政府参考人(河津邦彦君) お答え申し上げます。
 外務省は、我が国発となる医薬品と医療機器を用いた治験、経験が国際的な指針作りに反映されるよう、IAEAのBNCT関連活動において積極的な役割を果たしてきたところでございます。
 外務省といたしましては、ハンガリー側から現時点で今御指摘いただいたような要請を得ているわけではございませんけれども、ハンガリー政府から我々外務省の方に依頼がありますれば、BNCT治療が可能な医療機関にしかるべく連絡するとともに、国内外における感染状況等、様々な要素を総合的に勘案しながら必要な調整を行ってまいりたいと、このように考えているところでございます。

#131
○秋野公造君 ありがとうございます。これ、時が来たらどうぞよろしくお願いをしたいと思います。
 三ページには、全がん連の天野理事長あるいは桜井理事の方々からの御要望書も付けさせていただいておりますけれども、今ほどは外から放射線を当てる、こういった治療法について申し上げをさせていただきましたけれども、内用療法ということで内側から治療を行うと、こういったものも期待をされているところであります。例えば、モリブデンというラジオアイソトープやアクチニウムといったようなアイソトープをきっちりと日本が確保することができたならば、どのような医療提供体制を取ることができるか、お伺いをしたいと思います。

#132
○政府参考人(正林督章君) お答えします。
 平成三十年三月に閣議決定された第三期がん対策推進基本計画において、核医学治療について、当該治療を実施するために必要な施設数、人材などを考慮した上で、核医学治療を推進するための体制整備について総合的に検討を進めるとされています。
 がん医療に限った話ではございませんが、モリブデンはシンチグラフィー検査に使用するテクネシウムの原料として使われていると承知しており、モリブデンを十分に確保することは必要な検査や医療の提供を行う観点から重要なことであると考えております。また、アクチニウムについては、現在研究段階ではありますが、放射線の飛程が短いアルファ線核種であり、専用の放射線治療室が不要となることなどから、今後の研究開発が期待されているところでございます。
 引き続き、研究開発の状況などを踏まえながら、核医学治療を推進するための体制整備について検討を進めてまいりたいと考えております。

#133
○秋野公造君 今、正林局長から御答弁いただきましたけれども、恐らく今日御参加してくださっている中にもテクネシウムを用いたシンチグラフィーを検査として受けた方、実は少なくないのではないかと思っているところでありますし、アクチニウムがもしも確保できたならば放射線専用の病床が要らなくなるということでありまして、我が国に多分今二百床ぐらいしかなくて、非常に地域差の多い分野でありますので、このアクチニウムが確保できるとすると地域性も克服することができるということで、非常に期待ができるわけでありますが、そもそもこれまでこのラジオアイソトープ、安定供給が脅かされたことはなかったのか、お伺いしたいと思います。

#134
○政府参考人(迫井正深君) お尋ねの事例でございます。
 放射線医薬品のうち核医学検査に用いられますテクネチウム99m製剤につきましては、原子炉で製造されます原料のモリブデンを一〇〇%海外からの輸入で賄っております。
 テクネチウム99m製剤につきましては、二〇〇九年から二〇一〇年にかけて、カナダの原子炉のトラブルによりまして原料であるモリブデンの製造ができなくなるなど、諸外国での原子炉のトラブル等を原因といたしまして、これまで断続的に供給制限が生じてきたというふうに承知をいたしております。

#135
○秋野公造君 ありがとうございます。
 資料四、皆様見ていただきますと、実は外国の原子炉が稼働できなくて、こんなに多く我が国にこのラジオアイソトープが入手することができなかった、安定供給が脅かされていた時期があるというわけであります。
 内閣府にお伺いしたいと思いますが、これ、ラジオアイソトープ、国内自給できていないということで国富がどれぐらい出ていくのかといったことが関心があるわけでありますけれども、輸入額どれぐらいあるかをお伺いしたいと思います。

#136
○政府参考人(覺道崇文君) お答え申し上げます。
 放射線医薬品の輸入額自体のデータは持ち合わせてございませんけれども、厚生労働省のNDBオープンデータ及び量子科学技術研究開発機構のRI国内製造に関する情報を踏まえた仮の試算といたしまして、年間の放射線医薬品の総額約三百八十億円のうち約二百二十億円が輸入となっているとの見方ができるものと承知をしてございます。

#137
○秋野公造君 これは安定供給がよく脅かされている状態で、医療も検査も一たび間違ったならば受けることができない不安定な状況の中で、かつ二百二十億円もの輸入をしなくてはいけないという状況でありますけれども、この国内で医療用のモリブデンやアクチニウムといった、こういったラジオアイソトープを技術的に製造することはできないのでしょうか。ちょっとここで確認をしたいと思います。

#138
○政府参考人(生川浩史君) お答えいたします。
 ラジオアイソトープの製造についてでございますけれども、原子炉や加速器を用いて国内で医療用ラジオアイソトープであります今御指摘のモリブデン99やアクチニウム225などを製造することは、技術的には可能であるというふうに考えております。

#139
○秋野公造君 可能であれば是非やってもらいたいと思うんですけれども。
 資料一、皆さん御覧いただきますと、これ黒く散らばっているのが前立腺がんが全身に散らばってしまっているものでありまして、AのところにPSA、二九四という数字がありますけれども、前立腺がんのマーカーもこんなに高かったものが、アクチニウムを用いることによって、Dのところ見ていただきますと、こんなような大きく散らばっているような、転移を示しているような症例でも克服が期待される、こういったデータも出ているわけであります。
 これ、実用化するとしたら活用が可能な施設はどこなのか、お伺いしたいと思います。

#140
○政府参考人(生川浩史君) 技術的な観点で申し上げますと、原子炉を用いたモリブデン99やアクチニウム225の製造については、今後の研究開発等が必要にはなりますけれども、原子力機構が保有いたします試験研究炉では、JRR3によるモリブデン99の製造、「常陽」によるアクチニウム225及びモリブデン99の製造がそれぞれ可能であるというふうに考えております。
 また、加速器を用いたアクチニウム225の製造については、量子科学技術研究開発機構の大型サイクロトロンにおいて既に成功しているというところでございます。

#141
○秋野公造君 今、生川局長より、JRR3や「常陽」を用いたら我が国でも二百二十億円を払わなくてもきっちり作ることができて、医療に資することができるといったような御答弁だったと思うのです。だったら、やればいいじゃないですかということであります。
 皆さん、資料六と七見ていただきたいんですけど、資料六、これ文部科学省出していただいた資料ですけど、表の中のAc225と書いてあるアクチニウムにつきましては、臨床利用しているところにたくさんの国旗が並んでおりますけれども、これ日本の旗が一つもない状態であります。資料の一に示したように大きな成果も見込めるところでありまして、資料七見ますと、たくさんの種類のラジオアイソトープによるがん治療が期待をされているところでありまして、日本は絶対にこういった領域、重粒子線やBNCTやいろんなものを頑張ってきたわけでありますから、この領域で絶対に後れを取るようなことがあってはならないと思いますけれども、これ、やる気はないと思われても仕方がないと思いますが、御見解お伺いしたいと思います。

#142
○政府参考人(正林督章君) 先ほども御答弁させていただいたように、アクチニウムについては、現在研究段階ではありますが、放射線の飛程が短いアルファ線核種であり、放射線治療室が不要となることなどから、今後の研究開発が期待されるところです。一方で、アクチニウムは希少な核種であり、入手することが課題の一つとされていることから、安定供給されることは研究開発の観点からも望ましいと考えております。
 いずれにせよ、がん患者に対して、ラジオアイソトープを利用する放射線療法も含め、質の高い集学的治療などを提供できるよう、がん対策を進めてまいりたいと考えております。

#143
○秋野公造君 入手が課題ということでありましたけれども、ちょっとそもそも論として、このアクチニウム、医学利用に向けた研究の現場において入手することはやりやすいのか、ちょっとここも確認しておきたいと思います。

#144
○政府参考人(杉野剛君) 失礼いたします。
 我が国では、量子科学技術研究開発機構、通称QSTと呼んでおりますけれども、QSTで加速器を用いましたアクチニウム225の製造に成功しておりますけれども、研究現場で利用されているものの大半は日本アイソトープ協会が海外から輸入したものに限られ、辛うじて確保した範囲で研究開発を行っているというふうに承知しております。
 また、IAEAの報告書によりますと、現在世界的に供給されているアクチニウム225はトリウム229を原料として米国、ドイツなど一部の国で製造されておりますけれども、その需要に対します供給量が不足している状況と指摘されているというところでございます。

#145
○秋野公造君 これ、現時点においても、研究においても医療においてもこれ確保することが非常に困難な課題であるということであります。改めて、これ後れを生じるようなことがあってはなりません。
 資料八、ちょっと見ていただきたいと思いますけど、ちょっと視点を変えて、四角で囲った中の一つ目のポツのところに、アクチニウム225を「常陽」で取り出すことができるということでありますけども、ちょっと理屈上のことで教えていただきたいんですが、例えば福島原発のデブリに対して、これ「常陽」を用いてアクチニウムを取り出すということ、もちろんいろんな不純物あるのかもしれませんけども、この「常陽」を用いてアクチニウムを取り出すということは可能でしょうか。

#146
○政府参考人(生川浩史君) 御指摘の、福島第一原発のデブリを「常陽」で照射することによってアクチニウムを作ることができるかという点でございます。
 この点について検討しようとすると、まずは取り出されたデブリの組成等を詳細に分析をし、アクチニウム225の原料となり得る核種の存否や「常陽」での照射試料の作製可能性等を技術的に検討することが必要になってくるというふうに思います。

#147
○秋野公造君 例えば、この半減期が非常に長いものが存在をしておりまして、そういったものを長期間保管しなくてはならないということを考えますと、これ改めて、これ「常陽」を用いて半減期の短い核種に変換するということは保管という観点からも私は価値があるのではないかと思いますが、これ、経済産業省、御所見伺いたいと思います。

#148
○政府参考人(須藤治君) お答えをいたします。
 燃料デブリにつきましては、まず試験的な取り出しを行った上で性状分析を進めることが必要でございます。その後、どのように処理、処分するのかを検討していくこととなっております。
 また、今御指摘がございました核種変換技術については、基礎、基盤的な研究開発が行われているとお聞きをしてございます。したがいまして、核種変換技術が確立され、また燃料デブリの性状分析が進み、その燃料デブリにおいても核種変換技術が適用可能であるということが明らかになれば、核種変換技術が燃料デブリの処理、処分にとって価値のあるものとなる可能性があると考えてございます。
 今後も廃炉作業を安全に効率的に進めていくため、国内外の英知を結集して取組を進めてまいります。

#149
○秋野公造君 是非、そういう観点でも、福島の復興ということも含めて、是非お力添えをお願いをしたいと思います。
 田村大臣にお伺いをしたいと思います。
 国民の命を守るためにがんの対策の促進ということは非常に重要でありまして、このラジオアイソトープの活用を促進するということ、そして安定供給をしっかりと確保していくということは大変重要だろうと思います。特に、リードしてきたところが多いがゆえに、アクチニウムとかモリブデンとかいったものの確保は非常に重要でありますし、政府全体で取り組むべきところは多々あろうかと思います。
 その入手が課題ということでありますので、それをしっかり克服をして、日本のがん対策の質を上げていくということについて、大臣の御所見、決意をお伺いしたいと思います。

#150
○国務大臣(田村憲久君) がん医療でありますけれども、手術療法でありますとか薬物療法、そして放射線療法、こういうものを組み合わせていくことは非常に重要であろうと思います。
 今委員がおっしゃられたアクチニウムですか、これ自体は、先ほど来話がありますとおり、飛程が非常に短いということで、そういう意味では遮蔽をしなくてもいいということで、患者御本人の御負担も非常に軽くなるわけであります。非常に有効なこれは一つ治療法であるなというふうに私も思っておりますが、しっかりとこれから研究等々も進めていかなきゃならぬのだというふうに思います。
 全体としては、第三次がん対策基本計画、これにのっとって、やはり放射線療法の場合は、これ均てん化を進めていかなきゃなりませんし、当然、体制整備、そういうものも検討していかなきゃならぬわけでありまして、計画にのっとってしっかりとこれも含めて進めさせていただきたいというふうに思っております。

#151
○秋野公造君 先ほど正林局長も御答弁くださいましたけれども、このアクチニウムしっかり確保するということは、放射線専用の病床が必要なくなるといったような大きな効果もあり、均てん化には大きく資すると思いますので、大臣のリーダーシップでどうぞよろしくお願いをしたいと思います。
 終わります。

#152
○三浦信祐君 公明党の三浦信祐です。
 秋野議員に引き続いて、日本の医療用ラジオアイソトープ、RIについての取組について質問させていただきます。
 国民の皆様のお預かりをした税金を使って、原子力について取組をこれまで政府は進めてまいりました。その中で、東日本大震災以降、原子力発電、いわゆる原発の安全性、信頼性が国民の皆様の関心と議論となっております。一方で、これまで数多くのデータ、実績を上げてきました研究用の原子炉は発電ができません。原発と研究用原子炉についての整理が必要であります。
 原子力発電所の設備と研究用、まあある意味製造用の原子炉との違いを明確に答弁いただきたいと思います。その上で、研究用、製造用の原子炉の安全対策と非常時の対応はどのように異なるのでしょうか。

#153
○政府参考人(生川浩史君) お答えいたします。
 試験研究炉は、発電を目的とした原子炉ではなく、発生する中性子を活用した幅広い試験研究等を実施するための原子炉でございます。一般的な試験研究炉は、発電用原子炉と比較して熱出力が二桁以上低い、また冷却系の圧力や温度が低い、あるいは炉心が小型であり、装荷されている燃料が少ないなどの違いがあり、運転形態や核燃料の量等に応じた施設の潜在的リスクの程度は相対的に低いというふうに考えられるところであります。
 試験研究炉も原子炉等規制法に基づく厳格な安全対策が求められるところでございますけれども、このような特性を踏まえ、発電用原子炉と比べると、例えばでございますが、意図的な航空機衝突への対策は試験研究炉では求められていないなどの違いがございます。また、試験研究炉に係る非常時の対応についても、発電用原子炉とは異なり、予防的防護措置を準備する区域、これPAZというふうに言っておりますが、これが設定されていない。また、緊急防護措置を準備する区域、UPZと言いますが、これも発電用原子炉では三十キロを目安とされている一方、試験研究炉では五キロ以下となっているなど、リスクに応じた対策が講じられているというところでございます。

#154
○三浦信祐君 研究炉の場合には、仮にブラックアウトしたとしても自然冷却ができるという、そういう非常に安全性が高いということも、これもしっかりと併せていきたいと思います。
 RIは、がん検査や治療に多用されて、医療現場で不可欠な材料でありまして、安定供給が欠かせません。今後、日本において、医療用RIの安定供給のためには、コストが安く大量に製造可能な原子炉を活用した製造が有効であります。国民の健康安全保障の観点から、医療業界と原子力産業の異業種連携を図ることが必要であります。
 是非取り組んでいただきたいんですけれども、梶山大臣、いかがでしょうか。

#155
○国務大臣(梶山弘志君) 委員から医療用ラジオアイソトープについてお尋ねがありました。
 原子力という技術は、エネルギー利用のみならず、御指摘の医療を始め工業や農業など様々な利用の在り方があるものと承知をしております。
 御指摘のありました先進的ながん治療薬となる医療用放射性同位体のアクチニウムは、現在、原子力発電として商用化されている軽水炉では製造できないものの、放射性廃棄物の減容化、有害度低減、資源の有効利用という核燃料サイクルの効果をより高めるために、開発中の高速炉を利用することで大量に製造ができるものと承知をしております。
 日本原子力研究開発機構、JAEAが運転再開を目指している高速炉の実験炉「常陽」でも、そうした医療用放射性同位体を製造できる可能性があると承知をしております。また、実際にJAEAでは、過去に「常陽」以外の研究炉において医療用放射性同位体を製造した実績もあると承知をしております。
 医療用放射性同位体の製造につきましてはJAEAが判断すべきものでありますけれども、エネルギー政策を所管する経済産業省としても、高速炉の技術が医療用放射性同位体の製造を担う価値も有するということを認識した上で、「常陽」の運転再開を始めとする高速炉サイクルの実現に向けた施策に文部科学省等関係省庁と連携してしっかり取り組んでまいりたいと考えております。

#156
○三浦信祐君 大臣、明確に重要性をおっしゃっていただきました。私も思いを一にするところであります。
 今、国内に現存する研究用の原子炉、これはJAEAが保有する、今おっしゃっていただいたJRR3、ジャパン・リサーチ・リアクター3や大洗にある高速実験炉「常陽」を活用することで、最も効果的で大量に安価にRIの製造が可能であると私は考えております。
 こうした背景を踏まえまして、研究用、ある意味製造用でもありますけれども、原子炉として、RIを製造する実用化に当たって技術的課題は存在しているのでしょうか。

#157
○政府参考人(生川浩史君) 原子力機構が保有します試験研究炉である、今御指摘をいただきましたJRR3や「常陽」においては、熱中性子や高速中性子を照射することにより放射性同位元素の製造を行うことは技術的に可能であるというふうに考えております。
 一方で、課題ということでございますので、例えばで申し上げますと、「常陽」を活用したアクチニウム225の製造に当たっては、副生成物の除去など技術的課題も存在するというふうに承知をいたしております。

#158
○三浦信祐君 是非これは研究を進めていただきたいことをお願いをさせていただきたいと思います。
 医療用RIはこれまで、先ほど秋野議員からもありましたように、大半が輸入であり、その多くは外国の原子炉にて製造されてまいりました。
 お手元にお配りをした資料を御覧いただきたいと思います。医療用RIの原料の一つでありますモリブデン99の世界の製造の状況であります。
 今後、医療用RI製造を行ってきました世界の原子炉は、五十年を超えるものが大半であり、老朽化が確実に進んでおり、廃炉も近づいております。医療用RIの供給途絶の可能性が極めて高い状況であります。その中で、日本が独自に原子炉を動かしていくことで医療用RIを製造、販売ができるようになれば、国内確保が確立をして、供給途絶を免れることができます。
 国として戦略的に取り組んでいただきたいと思いますが、井上大臣、いかがでしょうか。

#159
○国務大臣(井上信治君) これまでRIの医療利用については、診断と治療の両面において活用されてきており、今後、医療現場における更なる活用の進展が見込まれます。
 このように、医療用RIは安定的に供給される必要がある一方、医療用RIの製造を行ってきた世界の原子炉は老朽化が進み、製造を行う施設が減ってきております。このような状況を踏まえると、我が国の研究用原子炉や医療機関等の加速器を活用することにより、医療用RIの国内製造を行っていくことは非常に重要であります。
 このため、委員の御指摘も踏まえ、国内における医療用RIの製造を進めるべく、文科省、厚労省、経産省との連携の下、医療用RIのニーズや医療用RI製造に貢献可能な国内の研究用原子炉及び加速器とその供給体制についての情報収集等を行って、医療用RIの安定供給に資する検討を行ってまいりたいと考えます。

#160
○三浦信祐君 井上大臣、明確におっしゃっていただきました。そして、連携をしていくということもしっかりとお願いしたいと思います。
 今、そのことを梶山大臣にも聞いていただきましたので、質問はこれで終わりですので、委員長、お取り計らいをお願いします。

#161
○委員長(野村哲郎君) 梶山大臣は御退席いただいて結構でございます。

#162
○三浦信祐君 昨年度、JRR3が再稼働をしております。私は、以前、このJRR3を利用させていただいて実験研究もさせていただきました。日本の研究開発や人材育成のためにも一貫して早急に再稼働すべきと訴えて、実現を正直喜んでおります。
 これまでJRR3は、新規制基準以前、東日本大震災前には医療用のRI、がん治療用の金198、またイリジウム192を製造しておりました。これまで製造、販売を担ってきましたメーカーはどちらでしょうか。

#163
○政府参考人(生川浩史君) 御指摘のJRR3でございますけれども、運転停止前には幅広い分野において利用されており、その中で、これも御指摘いただきましたとおり、RIの製造等も行われていたところでございますが、御指摘の金198とイリジウム192については、株式会社千代田テクノルがその製造を担い、その販売については公益社団法人日本アイソトープ協会が担っていたところでございます。

#164
○三浦信祐君 専門メーカーが作っていただいたという明言をしていただきましたが、これらのがん治療用のRIは切らずに治す治療法でありまして、人体の機能と形態を失わないようにすることができるものであります。
 金198は現在でも多くの国内需要があります。今後、JRR3の運転再開、再稼働後には医療用RIの製造も再開すべく早急に事業者確保を取り組んでいただきたいと思います。もう十年以上間が空いてしまっております。大臣に強く望みたいと思いますけれども、萩生田大臣、いかがでしょうか。

#165
○国務大臣(萩生田光一君) 原子力機構の試験研究炉JRR3については、令和三年二月に運転再開後、現在は各種設備を調整しているところであり、本年六月末にも本格的な供用開始をする予定と承知しています。供用運転開始後は幅広い分野の学術利用、産業利用が見込まれますが、医療用のRI製造、販売について原子力機構と事業者の間で調整が進んでおり、運転再開後速やかに開始される見込みと承知しております。
 多様な分野での活用が期待される試験研究炉については、医療分野の貢献も重要と考えており、原子力機構の取組をしっかり推進してまいりたいと思います。

#166
○三浦信祐君 明言していただきました。ありがとうございます。
 核医学検査で医療画像診断の一種でありますSPECT検査、すなわち、撮影するカメラが体の周りを回り、体内に入れたRIの発するガンマ線を取り込む、それによって体の断面図を観察する検査がございます。
 SPECT検査に使用されるテクネチウム99mは世界で最も多用されているRIでありまして、その原料はモリブデンの99であります。先ほど秋野議員が御指摘いただいたとおりであります。モリブデン99の半減期は約六十六時間、テクネチウム99mの半減期は六時間であります。日本での年間使用推定数は約百万件で、日本は欧米に次いで世界第三位の消費国でもあります。世界のニーズも今後更に高まっていくとの予測があります。
 JRR3は、テクネチウム99mの原料となるモリブデン99を製造することができる、その可能性も先ほど来御答弁いただいておりますけれども、どれぐらい作製できるのでしょうか。
 また同様に、高速炉の「常陽」でも同様にモリブデン99の作成が可能であると考えております。JRR3については熱中性子、「常陽」では高速中性子と取り出し方は異なっても、新しい技術を生み出して医療用RIの国内製造へと道を開いていただきたいと思います。そのためにも、医療系企業を確保していただき連携し、即座に製造、販売に対応可能な環境を整えていただきたいと思いますけど、文科省に伺います。

#167
○政府参考人(生川浩史君) 原子力機構では、JRR3において、天然のモリブデン中に含まれておりますモリブデン98に中性子を照射することでモリブデン99を製造する中性子放射化法の研究開発に取り組んでいるところでございます。
 JRR3におけるモリブデン99の製造量でございますけれども、原料の製造から医薬品として流通するまでの日数、JRR3の運転日数などを考慮して、原子力機構において一定の仮定を置いて試算をさせていただきましたところ、年間の国内需要の約三〇%の量の製造ができる可能性があるというふうに聞いているところでございます。
 また、高速実験炉「常陽」においても、今申し上げました中性子放射化法によるモリブデン99の製造は可能であるというふうに考えておりまして、原子力機構の保有する試験研究炉を活用した医療用RI製造など医療分野への貢献に向け、文部科学省としては、今御指摘いただきました医療系企業との連携も含めて、必要とされる研究開発など原子力機構の取組をしっかりと推進、支援をしてまいりたいというふうに考えております。

#168
○三浦信祐君 是非お願いします。
 放射線医療分野において、治療のというセラピュティクと診断のダイアグナスティクの造語でありますセラノスティクス、すなわち治療と診断の融合、これが注目をされておりまして、世界的に新しいRI内用療法が盛んとなっております。
 お手元の資料二枚目を御覧いただきたいというふうに思います。世界におけるアルファ線RIの臨床利用と供給の状況であります。秋野議員からありましたように、アクチニウムは世界では検査のみならず、アルファ線であるゆえに患部の治療効果と身体的ダメージを極小化できるとの特性を活用した治療に世界がしのぎを削っております。
 世界最先端のがん治療で世界が注目するアクチニウム225の内用療法に資する日本の研究の状況はどういうふうになっているんでしょうか。

#169
○政府参考人(杉野剛君) 失礼いたします。
 先ほど先生からお示しいただきました表にもございましたように、アメリカあるいはオーストラリアなどにおきましては、アクチニウム225を用いたがん治療の臨床試験が進められているなど、世界的にアクチニウム225を用いた内用療法に関する研究が進展しておりますけれども、また同時に、世界的な需要拡大を踏まえまして、従来のアクチニウム225の製造方法に加えて新たな製造方法に関する研究が進められているところでございます。
 お尋ねの我が国における研究の動向でございますけれども、量子科学技術研究開発機構、QSTにおきまして、アクチニウム225の臨床利用に向けての加速器を用いたアクチニウム225の製造に成功しておりますけれども、アクチニウム225の臨床利用につきましては、QSTを始めといたしまして、現段階では動物等を用いた非臨床研究が進められているという状況であると承知しております。
 以上でございます。

#170
○三浦信祐君 まさに日本は世界から遅れているというのが実際であります。世界はどんどん研究が進んでおります。日本だけが取り残されてしまう現状を変えていかなければいけないと強く思っております。
 特に、標的アイソトープ治療、TRT、また標的アルファ線治療、TATの分野では、世界から二十年遅れだというふうに言われております。アクチニウムは、現在、日本として米国からの輸入割当てがほとんどなくて、アルファ線の入手が困難であり、まさに研究開発ができないというのが現状であります。十分な量のアクチニウムが確保されることによって、がん治療の研究開発が更に推進をされて患者の利益につながってまいります。ツールはあります。なので、それを一体的に活用することができれば、田村大臣、これは患者の皆さんに大変効果があるというふうに思います。
 早急にアクチニウムの確保や研究開発推進、これ取り組んでいただきたいと思いますけれども、厚労大臣、いかがでしょうか。

#171
○国務大臣(田村憲久君) ラジオアイソトープ内用療法、これを進めるということは非常に私も有意義だというふうに思います。
 今言われたように、これ実際問題からいうと、種類だとか量によっては、体内に取り込むものでありますから、体内から放射線が出ちゃうということで、放射線防護規定にのっとって退出基準、これクリアするまで、その放射線の病室といいますか、そこに入っていただかなきゃならないということですが、アクチニウムは、言われるとおり、飛程が非常に短いということがございますので、そういう意味では遮蔽等々の必要性もないということでありますから、非常に有効なものだというふうに思います。
 アクチニウムが十分にこれ確保できれば、そういう意味では研究の幅も非常に広がってまいりますし、将来がん治療のそれこそ有力な選択肢の一つになってくるというふうに思っております。そういう意味からいたしましても、我々としてもしっかりとここは注視をさせていただきながら、これからのいろんな対応を考えてまいりたいというふうに思っております。

#172
○三浦信祐君 がん研究に当たられている研究者の皆さん、大変今ので希望を持ったと思います。二十年遅れていても、ツールを持って使い続けて、材料が取れれば、世界を追い抜くことは絶対できると思います。
 その上で、現場では、実はこの医療RI分野についての公的支援は皆無と言っていいというふうにおっしゃってもおられる方が多い、AMEDの実用、製造段階の融資を利用することも難しいという話があります。是非改善を図っていただきたいと思いますし、公的資金、そして世界の趨勢に合わせた認可のスピード感も必要でありますので、大臣、是非要望しておきたいというふうに思います。
 原子炉からのアクチニウムの確保は、高速中性子を利活用できる「常陽」から実は製造することは、それしかできません。「常陽」に医療用RI製造設備を整備することも含めて、稼働をするための必要な予算を十分確保し、早急に「常陽」を動かしていただきたいと思います。萩生田大臣、是非決断して進めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

#173
○国務大臣(萩生田光一君) 原子力機構が保有する高速実験炉「常陽」は、高速中性子の照射能力を有することから、アクチニウム225の製造への活用が期待され、関係学会からもその旨の要望がなされているものと承知しております。
 「常陽」は、東日本大震災後に見直された新たな規制基準への適合を図るべく、平成二十九年三月に原子炉施設の設置変更許可申請を行い、現在、原子力規制委員会による審査が行われているところです。
 文科省としては、「常陽」の一日も早い運転再開を目指し、原子力機構が安全審査に着実に対応するよう指導するとともに、必要な予算の確保に努め、運転再開後に期待されるアクチニウムの製造を始め幅広い研究開発ニーズにしっかり応えていきたいと思っています。

#174
○三浦信祐君 大臣、明言していただきまして、本当にありがとうございます。
 「常陽」を稼働することによって、アクチニウムほか、これまで輸入に頼っていたRI素材が製造可能となります。これまでの答弁をいただいているとおりであります。そのためには、早期に動かせるように、原子力規制庁も検査を急ぐべきであると思います。原子力委員会でやっていただかなきゃいけない。今、どのような審査状況なのでしょうか。懸案事項があるのでしょうか。
 いずれにしましても、命を守る観点で、国民の命を救うことができる可能性を十分に有している「常陽」を一日も早く再稼働へ全力を尽くしていただきたいと思います。規制委員長、明確にお答えいただきたいと思います。

#175
○政府特別補佐人(更田豊志君) お答えをいたします。
 「常陽」の審査については、ナトリウム火災対策であるとか事故時の炉心の挙動であるとか、ナトリウム冷却高速炉である「常陽」の特徴を踏まえた審査を進めているところでありますが、進捗については、今後の申請者の対応にも大きく左右されますので、現時点でその見通しなどについて申し上げられる状態にはありません。
 なお、現在の原子力機構の「常陽」に係る申請は原子炉の使用目的としてRI製造を含んでおりませんので、仮に許可を受けて運転再開に至ったとしても、RIの製造をすることはできません。医療用RIの研究開発やRI製造を「常陽」で行うのであれば、これを原子炉の使用目的に含めた申請内容にしていただく必要があります。

#176
○三浦信祐君 いずれにせよ、国民の皆さんにとってみれば重要なことでありますので、規制委員会として今お話がありましたけれども、今、大臣、この答弁についてどう思われますか。

#177
○政府参考人(生川浩史君) 安全審査の進捗については確認をさせていただきたいと思いますけれども、今御指摘がありますように、RIの製造についてはかなりの御要望があるというふうに認識をいたしておりますので、そういったものにきちっと対応できるようにしかるべく対応してまいりたいというふうに考えております。

#178
○三浦信祐君 大事なことが明確になりましたので、ここから井上大臣に質問させていただきたいと思います。
 今、文科省、厚労省、そして経産省も一致して「常陽」への再稼働へ結束をして当たるということ、様々な観点から御答弁をいただきました。明確となっております。アクチニウムを含めた医療用RIの製造、研究加速が確実であると希望が持てる内容であります。
 では、安定供給という観点も必要であります。アクチニウムを始めとする医療用RIの安定供給には、原子炉の場合、停止して検査が必要であり、その間の供給途絶を避ける対策も欠かすことはできません。現状、原子炉よりも高価で少量でありますけれども、加速器を使ったアクチニウムの製造が可能だということも先ほどありました。
 そこで、国としての供給マネジメントも必要でありまして、リダンダンシー確保からも今から準備が必要であります。JRR3と「常陽」、加速器を立体的に活用するように取り組んでいただきたいと思います。
 なお、先ほどの、規制委員長から話がありました。この課題も乗り越えていかなければいけないと思いますので、やっぱりきちっと政府挙げて取り組んでいただかなければいけないと思います。
 いずれにしましても、経済安全保障の視点ではサプライチェーンの確保であって、国内メーカーが製品化、商業化を行えるように政府は育成と体制確保へ取り組んでいただきたいと思います。
 さらに、これまで輸入に頼ってきたRI自体を逆に輸出することができれば、サプライチェーン上の戦略的不可欠性が確保できることになります。俯瞰的に管理マネージができるよう、それぞれの省庁横断的に取り組んでいただかなければいけませんので、井上大臣、是非取り組んでいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

#179
○国務大臣(井上信治君) アクチニウムを始めとしたアルファ線を放出するRIの活用による内用療法につきましては、御指摘のように、がんの治療効果が大きく正常な細胞への悪影響が小さいことから世界的にも注目され、研究が進められております。
 我が国におきましても、日本原子力研究開発機構、量子科学技術研究開発機構、理化学研究所、各大学等において、RI製造に関連する研究が進められており、今後の研究の進展が期待されます。
 このような状況を踏まえて、文部科学省、厚生労働省、経済産業省との連携の下、アルファ線を放出するRIの製造に係るJRR3、「常陽」、加速器の活用について必要な検討を行ってまいりたいと考えています。

#180
○三浦信祐君 「常陽」やJRR3も決して若い研究炉ではありません。必ず引退、廃炉になってまいります。その後に改めて研究炉開発となれば、研究の持続性が失われて、知見、人材、ノウハウはデータが途絶をしております。
 世界は、国産化率が高まっている中国もあります、輸出可能な段階まで引き上がっており、原子力工学の論文数もうなぎ登りになっております。「常陽」、JRR3の後も考えていかなければいけない時期であります。基盤となる研究用、ある意味製造用の原子炉の整備に向けた準備は今のうちから進めておくべきであります。
 萩生田大臣、取り組んでいただけませんでしょうか。

#181
○国務大臣(萩生田光一君) 試験研究炉は、原子力に関する多様な研究開発や人材育成の場として我が国の今後の原子力利用を支える重要な基盤と認識しています。
 今日、先生、いいタイミングでいい質問していただいたなと思うのは、原子力発電所と原子炉とは、研究用の原子炉とは役割が違うんですね。ただ、三・一一の事件以降、事故以降、どうしても全ての人が萎縮してしまって、研究者たちも枯渇をする状況にあります。研究したければ海外に行かないと炉が動いていない、こういう状況が続いてきましたので、人材を育成する上でも、あるいは技術をつなぐ上でも、やっぱり炉は必要だということを我々しっかり国民の皆さんに理解をしていただきたいと思います。
 震災以後、一時は全ての試験研究炉が運転を停止した状況にも陥りましたが、順次新規制基準に対応し、これまでにJRR3を含む五施設が運転を再開し、「常陽」を含む三施設について運転再開に向けた準備を進めています。一方、多くの施設で高経年化が進んでいるところであり、我が国の試験研究炉を活用した研究開発、人材育成の取組が途絶えないように、今の時点から将来を見据えた取組を進めることが必要だと思います。
 現時点では、廃炉を決定した「もんじゅ」のサイト内に新たな試験研究炉を設置することを計画しておりますが、このような計画も含め、将来の試験研究炉の在り方について検討していきたいと考えています。
 今回、コロナ禍を経験していろんなことを学んだと思うんです。これだけの医療技術、創薬技術がありながら、ワクチンが国内でいまだにできていない、これも仕組みの問題だと思います。私は、今回、先生から御指摘のあった様々な原子炉から派生する医療素材というものは、国内で、メード・イン・ジャパンで持つべきだと思います。そのことが国民の健康を守る上でも極めて重要だと思います。日本製は、百円高くても千円高くても日本製の方がいいという海外の皆さんも大勢いらっしゃるわけですから、その強みを生かしてやっぱり原子力研究を更に深化させていきたい、こういう決意でございます。

#182
○三浦信祐君 大臣、これは極めて歴史的な答弁でありますし、私たちしっかりと支えていきたいと思います。
 規制委員長に最後、簡単に確認をさせていただきたいと思います。
 これだけ国民の皆さんからのニーズがあり、各省庁がやろうとしているところであります。規制委員会にきちっとチームがあって、そして申請がなされたら、それに対してきちっと御対応いただきたいということを重ねてお願いをさせていただきます。よろしくお願いします。

#183
○政府特別補佐人(更田豊志君) お答えをいたします。
 現在の申請は使用目的を高速増殖炉の研究開発に限っておりますけれども、現在まだ審査が進行しておりますので、補正を行って使用目的に医療用RIの研究開発等々が加えられるのであれば、その施設も含めて審査を進めてまいりたいというふうに思います。一旦許可を受けて再申請という、変更申請というプロセスを経なくても、現時点でも更に研究内容を加えるかどうか、これはまさに原子力機構の判断というふうに理解をしております。

#184
○三浦信祐君 委員長、技術者として明確に答えていただきましたので、是非、国民の安全を両方から守るという点で仕事を是非進めていただきたいと思います。
 最後、国内製造のRIの輸出の可能性と障壁になる法律制度があるかどうか、簡単にお答えいただければと思います。

#185
○政府参考人(風木淳君) お答えいたします。
 医療用RIを含めて、放射性同位元素の輸出に当たっては、安全確保の観点から、一定のものについては外国為替及び外国貿易法により経済産業大臣の輸出承認が必要となります。具体的には、経済産業大臣の輸出承認が必要となる放射性同位元素でございますが、輸出貿易管理令別表第二に定めてあるものでございます。一としては、数量が三百ギガベクトル以上のもの、密封されたものに限ると、二として、数量が百ギガベクトル以上三百ギガベクトル未満のものであって、透過写真撮影用ガンマ線照射装置又は近接照射治療装置に装備されているもの、こうしたものについて輸出承認が必要となります。
 輸出承認の申請に当たっては、輸出者はまず原子力規制庁による申請資格、それから交付基準等の確認を得て、同庁から輸出確認証の交付を受ける必要がございます。なお、この手続については、医療用RIに限らず対象となる放射性同位元素について同様であります。その上で、経済産業省による審査を経て輸出承認証の交付を受けるということとなります。このような申請に必要な手続を経ることにより輸出が可能となるということでございます。

#186
○三浦信祐君 国民の皆さんの命を守るためにこの原子力炉をうまく活用するということを是非政府全体で進めていただきたいと思います。
 ありがとうございました。

#187
○里見隆治君 公明党の里見隆治でございます。質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。
 早速、田村厚生労働大臣にお伺いいたします。
 令和元年度予算予備費に関連してお伺いします。
 資料一で現在の失業等給付に係る積立金の状況、また資料二で雇用調整助成金を始めとした雇用関係給付金の財源である雇用安定資金残高の状況について、ここ数年の推移をお示ししております。また、資料三を見ますと、リーマン・ショック時と比べて今回の感染症対策で相当な雇調金の支給が出たということもお示しいただいております。
 コロナ対応のために給付が増大し、また、かねてより一般会計からの負担も軽減している中で、雇用安定資金は枯渇し、また、雇用安定資金に一・七兆円もの貸出しをしている積立金の財源も逼迫しております。いずれもかつてない逼迫した状況にありまして、どういう状況で一般会計から雇用勘定へ負担、また繰入れを行うべきか、こうした議論が出てくるものと考えております。
 先週末、公明党としても求めておりました雇調金の特例措置の延長、これを決定いただいております。今後も、財源の枯渇を理由に必要な財源、必要な雇用対策が講じられないということはあってはなりません。一方で、即座に保険料を引き上げるということは現状からして現実的ではないと考えます。
 今後、雇用保険事業を安定的に、また機動的に発動していくためにも確実な財源確保が必要と考えますけれども、大臣、いかがお考えでしょうか。

#188
○国務大臣(田村憲久君) 雇用保険財政の状況でありますけれども、令和三年度予算に計上した内容、これを執行した場合でありますが、どのようなことになるかといいますと、今年度末時点、今お話もありましたけれども、積立金残高一千七百二十二億円、雇用安定資金残高八百六十四億円となる見込みであり、非常に厳しい状況、こういう状況であるというふうに認識いたしております。
 今、雇調金の特例の話もございました。これまた延長という形でございます。これのみならず、失業給付、これをしっかりと支給していかなきゃならぬわけでありまして、他にも雇用保険事業、様々ありますが、こういうものをしっかりと対応していかなきゃならぬということであります。
 令和四年度以降の財政運営についても、この雇用保険、これをしっかりと、セーフティーネットになっていかなきゃならぬわけでございますので、それも含めて、我々としては財政運営、十分に検討していく必要があるというふうに考えております。

#189
○里見隆治君 今、田村大臣にお伺いしましたが、今日、財務大臣にお伺いするまでの時間ございませんけれども、是非、麻生大臣にも、こうした点、十分御配慮お願いしたいと思います。
 次に、介護、また障害福祉分野への円滑な労働移動という点でお伺いしたいと思います。
 感染症の影響で、サービス業を中心に多くの離職者、その再就職が大変重要な課題となっております。その希望を最大限尊重した上で、人手不足分野であるこうした介護、障害福祉分野への円滑な移動ということについても手厚く御支援いただきたいと考えております。
 その職場定着を図るには、事業者側に対しては雇用管理改善、また、介護業務の分業体制を構築するとか、あるいは地域の高齢者を介護助手と、これ、田村大臣の御地元三重県で非常に見本の取組をしていただいていると聞いておりますけれども、そうした柔軟な就労環境の整備というものも必要でございます。また、求職者に対しては、十分なキャリアコンサルティング、また職業訓練を実施して、適性に応じたキャリアパスを構築するということも必要でございます。
 こうしたメニューを現行の介護、障害分野への就職支援パッケージに加えて更に拡充いただきたいと考えておりますが、いかがでしょうか。

#190
○国務大臣(田村憲久君) 介護でありますとか障害福祉分野でありますとか、就労支援パッケージということで、今それに沿って進めてきているわけでありますが、ある意味雇用環境といいますか、それを変えていかなきゃならぬわけでありまして、雇用管理といいますか、そういうものの改善にも取り組んでいただかなきゃならぬということでありまして、雇用管理制度等々、これをしっかりとおつくりをいただいて、結果的に離職される方々が減っていく、こういうことであれば、それに対して事業主に支援をする、助成する、こういう制度があります。それから、介護労働安定センター、こことも協力しながら、雇用管理、これに対して、相談事業といいますか、相談もしっかり乗っていく、こういうこともやっております。
 今委員いろいろとおっしゃられる中において、やはり、元気な高齢者の方々にやはり介護の現場担っていただくという意味では、介護助手というようなもの、これ今、三重県でも進めて、全国にこれを広げたいというふうに思っておりますけれども、こういう多様な人材確保していくということも重要であります。
 また、あわせて、働き方ということでは、最近、選択的週休三日制というのもありますが、あと、兼業、副業も含めていろんな方々が介護の現場で活躍できるような、そういう環境整備、これも必要であります。
 キャリアコンサルティングという話からすれば、やはり職種を転換される場合にいろんな対応が必要でありますので、そういう支援も必要であろうと思っておりますし、あわせて、やはりハローワーク通じてうまくマッチング支援していかなきゃなりませんので、そういう意味では、人材確保対策コーナー、これを設置しまして、介護の分野にしっかりと人材が行くような、そういう対応もしている最中であります。
 あと、初任者研修、これを今、とにかく初任者研修をしっかりと取っていただいた上で介護現場にまずは行っていただくというようなこともやっておりますが、あわせて、そもそも介護に元々おられなかった方等々に対するやはり教育訓練といいますか、職業訓練といいますか、それも必要でありますが、これ委託業者等々に、言うなれば初めての方々に見学していただき、そしてそこでいろんな、まあ研修ではありませんけど、実地でいろんなことを学んでいただき、そして介護に興味を持っていただいて対応いただく、介護現場で働いていただく、こういうような取組をやっております。
 ほかにも、今まで介護分野で活躍されて一旦離職された方々に対して、貸付けといいながら一定程度働いていただければお返しいただかなくていい制度でありますとか、様々なものを取り入れているわけでありますけれども、いずれにいたしましても、介護人材というものをしっかり確保しませんと、我が国の超高齢社会、これ乗り切れないわけでございますので、こういうような状況では、今コロナの下でありますけれども、これの中においてもしっかり介護人材の確保というものを進めてまいりたいというふうに思っております。

#191
○里見隆治君 大臣、よろしくお願いいたします。
 もう時間ありませんので、端的に質問し、端的にお答えいただければと思います。
 資料の四枚目でお配りしておりますが、母乳バンク、これは全世界で展開されておりまして、私も愛知県で視察をしてまいりました。
 厚生労働省は、令和二年度から最長三年ということで調査中だと聞いております。これまでに得られた知見、また今後の方向性、これらを踏まえて、今後しっかりと厚生労働省もこうした母乳バンクの取組、これ後押しいただきたい、その普及、体制整備を図っていただきたいと考えておりますけれども、大臣、いかがでしょうか。

#192
○国務大臣(田村憲久君) 千五百グラム未満で出生された極低出生体重児の皆様方、合併症の予防なんかでやはり母乳が、これが栄養摂取に有効であるということでありまして、そういう意味では、ドナーミルク等々に対応した母乳バンク、こういう取組、重要と考えております。
 令和二年度からこれ研究事業をやっておりまして、この調査研究の中においていろいろと分かってきたことなんですけれども、母親、医療関係者の方々、やはり一つは抵抗感があられる、それから負担感があられる、こういうことがございます。
 それから、そういう状況である中で母乳バンクというものをどう普及していくか、これも重要でありますし、運用基準、これの標準化、こういうこともちゃんとやっていきませんと安心して母乳バンクを利用できないということでございまして、こういうことが明らかになってまいりましたので、この調査研究でありますが、令和四年度までやっていくつもりで今やっておりますので、この中において更に整備しながら、しっかりとこの母乳バンク事業の方も必要な方々にちゃんと行き渡るような、そんな対応を考えてまいりたいというふうに思っております。

#193
○里見隆治君 大臣、よろしくお願いいたします。
 以上で終わります。ありがとうございました。
    ─────────────

#194
○委員長(野村哲郎君) 委員の異動について御報告いたします。
 本日、秋野公造君が委員を辞任され、その補欠として下野六太君が選任されました。
    ─────────────

#195
○松沢成文君 日本維新の会の松沢成文でございます。
 ちょっと大臣の御都合もあると思いますので、通告を変えて、丸川大臣を一番後にしていきます。後にじっくりやるという意味でね。
 まず、IRですね、横浜のIR招致についてちょっと大臣の考え方を伺いたいんですが、政府は、IR招致に国民の理解が必要だというふうに言っていまして、この基本的な方針ですね、法律に基づく基本方針でも、IR区域の整備について、地域における十分な合意形成がなされており、IR事業が長期的かつ安定的に継続していくために不可欠な地域における良好な関係が構築されることが求められると、こうあるんですね。
 ただ、実は私の地元横浜、大混乱しているんですよ。まず、市長さんが選挙のときはIR白紙だと言って、でも選挙終わったら急に推進すると言って、市民怒っちゃったんですね。リコール運動まであったんです。ただ、リコールは署名が届きませんでしたが、住民投票やってくれと、そうであれば、市民の意見を聞くというのであれば。住民投票の直接請求に必要な法定数の三倍の数が集まったのに、市長と市議会与党は住民投票なんか必要ないと、こういう行動に出たんですね。
 ですから、これアンケート調査やると、世論調査やると、大体、この前の神奈川新聞の調査では、横浜IR大反対だという市民が六六%、じゃ、あと三八%は賛成かと思うと、分からないという人がいますから、賛成二二%しかいないんです。IR賛成だという人よりも大反対だというのが三倍いるんですね、横浜市民の中に。その上、IR予定地を今使っている港湾事業者の皆さんは大反対だと言って、経済界も完全二分しちゃっているんです。
 さあ、こういう状況で、IR整備のための十分な合意形成や地域における良好な関係が構築されていると政府は考えますか。私、この横浜の状況を見たら、この状況じゃ横浜は政府が決める三か所に入る資格ないんじゃないかというぐらいもめているんですが、大臣、どうでしょう。

#196
○国務大臣(赤羽一嘉君) 松沢委員、よく御承知の上で御質問されているというふうに思っておりますが、私の現在の立場は、今、地方自治体において準備が進められております区域整備計画の申請について審査をする立場でございますので、個別の自治体の状況についてのコメントをすると様々な影響を感じられ、が及ぼしてしまうということを心配しておりまして差し控えさせていただいておりますので、是非御理解をいただきたいと思います。
 ただ、御質問にありました地元の合意形成についてIR整備法には明確に書いてありまして、第九条第七項におきまして、自治体が区域整備計画を作成しようとするときは、公聴会の開催その他の住民の意見を反映させるために必要な措置を講じなければならないと定められ、また同九条八項、第八項におきましては、自治体が区域整備計画の認定申請をしようとするときは議会の議決を経なければならないと定められております。
 ですから、私たちは、その区域整備計画の認定申請、審査をする際に、こうした手続が適切に行われているかどうかを確認するなど、基本方針に基づいて厳正に審査を行うことになるわけでございます。
 以上でございます。

#197
○松沢成文君 大臣の立場も分かります。最終的には民意を一番反映するというのは選挙ですから、横浜の市長選挙も夏にあるそうなので、その辺りで最終的な方針、横浜市としての決着が付くんじゃないかと思います。
 大臣、済みません、これ一問ですから、失礼しました。
 次に、厚労大臣、暑さ指数と、ええ、厚労大臣、先にいいですか、先に、暑さ指数とワクチン接種について伺いたいんですけれども。
 環境省の指針で暑さ指数って、厚労大臣、御存じですか。WBGTというんですけれども、暑さ指数が三十一度以上になった場合、この三十一度というのは気温が三十一度じゃないんです。気温は三十五度です。ですから、真夏日どころか猛暑日ですね。三十五度以上で湿度もむんむん、こういう日になった場合、こう書いてあるんです。日常生活では熱中症が発生する危険性があり、外出はなるべく控え、涼しい室内に移動するとされています。特に、高齢者においては安静状態でも熱中症が発生する危険性が大きいと注意されているんですね。
 実は、私、調べました。東京都心を例にしてこの三年間平均で、七月、八月の六十二日間でおよそ三分の一の二十一日間も暑さ指数が三十一度を超えているんです。まあ、最近の夏の暑さは半端じゃないですよね、猛暑日です。
 こうした猛暑日にワクチン接種やるとなると、まあ近くのクリニックの場合は多少近いですからいいですけど、集団接種の場所、特に大規模接種の場所だと首都圏から来ますから、電車で一時間、駅まで行って、まあ東京駅辺りからバスで迎えに来るんでしょうか。でも、自分がその健康を守るためにワクチンを受けに行きたいのに熱中症で倒れて入院しちゃったと、これじゃ元も子もないですよね。
 私は、暑さ指数三十一度を超えた場合は、ワクチン接種はもう危険だと、高齢者の方、外に出たら。中断、その日はね、猛暑日だからやめようという中断があってしかるべきだと考えますが、大臣、いかがですか。

#198
○国務大臣(田村憲久君) 失礼しました。河野大臣って聞こえたものですから、後ろ振り返っちゃって申し訳ありませんでした。
 今言われた暑さ指数三十一と、この三十一になりますと、もうなるべく外出を避けていただいて、涼しい室内に移動していただきたい、こういうようなことであることは私も理解いたしております。
 ただ、一方で、ワクチン接種も、この猛威を振るっております新型コロナウイルス感染症、これによって命を落とされたり重症化される方々、これを減らすために今この接種を進めているわけであります。そういう意味では、暑さ指数三十一を超えたからといって接種会場の運営をやめるというような考え方ではございませんでして、その会場で例えば冷房、クーラーを掛けていただく等々のいろんな意味での熱中症対策をしっかりとやっていただきながら運営いただく。
 ただし、一方で、そこまで来ていただかなきゃなりませんので、そこはそれぞれの方々によって状況違うと思います。御自身の体力でありますとか体調、さらには移動手段というのもあると思いますけれども、そういうものを踏まえた上で、来る途中には水分を十分に取っていただいて対応いただきたいと。場合によっては、それはもう行くことをやめるという方もおられると思いますので、そこはそれぞれ御自身の御判断で延期をしていただくなりの対応をしていただきたいというふうに思っております。

#199
○松沢成文君 私は極めて危険だと思いますよ。東京都心というか、首都圏のもう猛暑日の暑さって半端じゃないですから。ワクチン打ちに行きたい、出かけよう、途中でばたばた、ばたばたというのは失礼ですけれども、熱中症で倒れるような事態があったら誰が責任取るんでしょうか。私は、こういう日は中断するぐらいのきちっとした対応を取るべきだと思います。
 以上です。大臣、ありがとうございました。じゃ、済みません、委員長。

#200
○委員長(野村哲郎君) 田村大臣、退席されて。

#201
○松沢成文君 それでは、今度は暑さ指数とオリパラ大会についてお聞きしたいんですが、三十日の報道で、私、通告した後だったのでちょっとびっくりしたんですけれども、IOCは、選手らに求める参加同意書に、感染症とともに暑さ、猛暑による健康被害で死亡に至ることがあるということもちゃんと書いて、それで選手等、この参加同意書にサインしてもらうというんですね。
 これ、初めてですよ。感染症はまだ分かります。確かに、コロナの中での大会だからリスクは取らなきゃいけないのかもしれませんが、暑さでひょっとしたら体調不良になったり、おかしくなる可能性がある、でも、それは皆さんの自己責任ですよということでやってもらわなきゃいけないんでしょう。これ、私びっくりしたんですが、まず大臣、これ知らなかったらいいですけど、政府が検討していると書いてあったので、これ事実かどうかというのが一つ。
 それから、大臣、もう一つが、今言った環境省の暑さ指数三十一度を超えた場合、三十五度以上の猛暑日、今東京は四十度になることもありますからね、こういうときは運動を控えなさいという熱中症予防運動指針というのを環境省は示しているんですね。これは、選手や関係者のみならず、ボランティアの方、あるいは、観客を入れるかどうか分かりませんが、観客の方も含めて、じゃ自己責任の名の下に熱中症で死亡することがないように、私は暑さ指数三十一度、三十五度以上の猛暑日ですね、の場合はやっぱり東京オリパラ大会もこれ中止にしないと。
 これで強行して、選手やボランティアが熱中症で完全におかしくなってしまった、あるいは下手したら死亡者まで出てしまった、これは大変な私は大会運営をする主催者の責任だと思いますが、私は中断すべきだと思いますけれども、どうですか、大臣。

#202
○国務大臣(丸川珠代君) 恐縮です、ちょっと前半の質問をうまく、済みません、聞きそびれまして申し訳ありません。
 まず、我々がふだん、熱中症のときに、こうなったら運動はやめましょうと言っているあの熱中症予防運動指針というのは、JSPO、日本スポーツ協会が作っておられるものです。これは、運動指針としては平均的な目安としてまず出していまして、それぞれのスポーツの環境によって、その現場でしっかり見てくださいということのまず標準としてお示ししているものなので、いきなりここを超えたらすぐやめるかというと、それがどういう場所で、風通しはどうなのかとか、湿度がどうなのかと、湿度はWBGTに出ますけれども、そのときの天気の変化等も見ながら総合的に判断すべきものだというふうに理解をしております。
 大会時はどうするかといいますと、まず、ボランティアの皆さんには相当配慮をしていただいておりまして、例えば海の森の競技場は体温が上がり過ぎないように冷やすベストを作るなどして、その会場の特性に合わせた暑熱対策をやっていただいております。その上で、競技をどうするかということについては、これは最終的にその現場でIFと組織委員会とで協議をして決めるということでありますので、しっかりとそこはもう、委員、前からずっと御心配いただいておりますので、そうした問題が起きないように努めてまいりたいと思います。

#203
○松沢成文君 陸上競技を例に取りますと、マラソンはまあ札幌に行くんでしょう、やるとしたら。ただ、競技場の中で一万メートルとか五千メートル、こういう耐久レースを四十度の熱波の中やれるのかと。日本の夏というのは現実にそういうことがあるんですね。是非ともここは慎重に考えていただきたい、じゃないと死亡者が出てしまう可能性があるということでお願いしたいと思います。
 次は、ボランティアのワクチン接種について伺います。
 東京オリパラのボランティアは、約二十万人、これ二十万人の応募者の中から八万人が選ばれたというふうに承知しています。一年延期されたことで、新型コロナの不安だとかで辞退者が相当出ているというふうに報道されているんですね。既に大会ボランティアのユニホームが配られているということは、組織委員会はユニホーム取りに来いと言っているわけですから、どれだけ人数がいるか分かっていると思いますね。
 じゃ、現時点でのボランティアの登録者総数を伺いたいと思います。

#204
○政府参考人(植松浩二君) お答えいたします。
 登録者総数につきましては八万人ではございますが、その後、約千人の辞退があったと聞いております。約千人の辞退があったと聞いておりますので、あと詳細はまだ精査中でございます。

#205
○松沢成文君 八万人で、辞退者は千人ですね。それは私、予想よりも本当に少なかったです。だから、七万九千人ぐらいは、今、ボランティアが来るということだと思います。
 さあ、そこで、この大会関係者用にワクチンが二万届きました、ファイザーからですね。そのうち、選手を除くと一万八千人分がこの大会関係者用に使えるワクチンなんですね。さあ、これ、どう配分するんでしょうか。もちろん、選手だけじゃなくて、コーチとか審判員とか、こういう人にもちゃんと打たなきゃいけないし、私はボランティアの皆さんにできるだけ打っていかなきゃいけないと思うんですが、どれぐらいのボランティアの方が現状で打っていただける見込みなのかと。
 それと、大臣、ここは大臣にお答えいただきたいのですが、よくワクチンを優先接種すると不平等じゃないかと言われるんじゃないか、まあ我々国会議員が一番それを恐れているんですね。国会議員に先行接種なんというと、みんな不平等じゃないかと、一般の人やっていないんだと。
 ただ、私は、ボランティアの皆さんに優先接種することは、私は多くの国民の理解を得られると思いますよ。ある意味で、今、コロナという自分の生命の危機も感じながら、でもオリンピックの成功のために奉仕をしようという崇高な精神持っているんですよ。その人たちが安心にボランティア作業に加われるように、まずボランティアに出る人は全員に接種しよう、先行接種しても私は批判は出ないと思います。私は、是非とも丸川大臣にそのリーダーシップを取っていただいて、ボランティアの皆さんに安心してボランティア活動に参加できるように体制つくっていただきたいと思うんですが、この二点、いかがでしょうか。

#206
○国務大臣(丸川珠代君) ありがとうございます。
 まず、選手以外で確保されている一万八千人分というのは、海外選手らと直接接する立場にある方に絞ることにしています。これ、ボランティアに限らずで、食堂の方だとか誘導の方だとか、みんなそうなんですが、その直接接する中に通訳のボランティアの方もいらっしゃるんですね。それ以外にも何人かいらっしゃると思いますけれども、この一万八千人の枠はかなり限定的な枠で打たせていただくということになろうかと思います。
 一方、御指摘のように、ボランティアの皆様方、本当に御自身の生活の時間を割いて大会を支えてくださる、まさに大会のもう一つの主役はボランティアだという気持ちで、私たちも非常に期待をしております、感謝もしております。
 そのような御指摘もあったことも踏まえて、まず国民全体のワクチンの接種が進むようにできる限り自治体を応援しながら、どういうことができるか、また考えてまいりたいと思います。

#207
○松沢成文君 ワクチンの供給も随分落ち着いてきて、また、アストラゼネカも含めれば十分あるんですね。
 私は、国民へのワクチン供給をどんどんやりながら、オリンピック大会関係者は全員打つと、それで皆さん、安心して作業に加わっていただいて、海外から来る人にもうつさないと、これをしっかり保証してあげるのが私は、安全、安心の大会と総理も言うのであれば、第一条件だと思いますよ。ボランティア含め、大会関係者には全員打つ、そのためのワクチンを持ってくる、そのリーダーシップを大臣に取っていただきたい。河野大臣や総理を説得してでもやっていただきたいということをお願いしたいと思います。
 次、パブリックビューイングですね。これもここ二、三日、ニュースが動いていて、ちょっと私も分からないんですが、パブリックビューイング、ライブサイトでやるのと、あともう一つ、いろんな地域や団体でパブリックビューイングやるというふうに言っていますが、これ今何か所ぐらい想定しているんでしょうか。

#208
○政府参考人(植松浩二君) お答えいたします。
 パブリックビューイングのうち、東京都が主催により行われているものは、代々木公園のライブサイト含め六か所ございます。それから、全国で行われるパブリックビューイングは、六月、この六月以降に自治体に申請を受け付けるということで、現時点ではまだ数字は出ておりません。
 なお、パブリックビューイングとイベントを組み合わせて各自治体で行うコミュニティライブサイトというのがございますが、これは、三月の時点ですけれども、約百以上の実施が予定されている、そういう状況でございます。

#209
○松沢成文君 ライブサイトと、あといろいろな団体がやる、イベントと合わせてやるパブリックビューイング、かなりの数なんですよ。今、必死になって、大きなビジョンを作らなきゃいけない、スピーカーどうしたらいいのか、会場も密になっちゃいけない、準備に入っているんですね。
 さあ、ここは政治の決断だから大臣にお伺いしたいんですが、もし無観客のオリンピック、これ六月に決まります、そうなったら、パブリックビューイングというのは全部禁止ですよね。普通そうですよ。だって、無観客ということは、会場には来るなと、誰もお客さんは。でも、パブリックビューイングのところにはたくさん集まってみんなでわいわいやってくれと、こんな二重基準ないですよね。だから、ここは、でも、はっきり方針を示してあげないと、準備している人がかわいそうなんですよ。パブリックビューイングが中止になるか全然分からない、準備はしたけれども、やっぱり最後になって駄目でしたとかね。
 これ、どうなんでしょうか。無観客の場合、パブリックビューイングも私は絶対にやめるべきだと思います。いかがでしょうか。

#210
○国務大臣(丸川珠代君) 人流抑制というのは、この大会を進める上で本当に大切な論点だと私も思っておりまして、調整会議等でも私の方から発言をさせていただいているところでございます。
 そうした中で、六月に観客数が決まるときにどうするのかという話については、まだ私どもの方で、この立場で、国の一存でこうするということを言える状況にはないのですが、少なくとも現段階でもう既に東京都はこのパブリックビューイング、ごめんなさい、東京都の場合はライブサイトと言うんだそうですが、事前申込制にします、観客数は当然削りますということをもう決めておられるということです。
 加えて、全国で行うパブリックビューイングにおいても、もう当然それぞれの自治体で感染の状況違いますので、これはよく私ども話をしながら、しっかりと人流抑制対策について議論させていただければと思っております。

#211
○松沢成文君 パブリックビューイングに集まった人に、黙って座って見ろと、騒いではいけない、こんなこと言っても、日本選手が活躍したら、やったとみんなはしゃぎ回るわけでしょう。ここを考えると、無観客の場合にパブリックビューイングやるというのはやっぱりどうしても二重基準だと言われますよね。そこを是非とも御検討ください。
 さあ、次であります。
 メディアの行動制限。これ、大会に関係する人を、選手はバブルの中に入れて、できるだけ一般の人とは接点をつくらないようにして安全、安心を求めると。ただ、メディアの皆さん、いろいろプレーブックでは基準がありますよ、ただ、メディアの皆さんは取材するのが商売ですから、だから当然いろんな人に話を聞いたり、いろんな会場に出かけて様子を取材したりするという本質があるわけです、特性が、仕事の。これ、メディアの方は選手村には入りません。一般のホテルです。だから、例えばこういうメディアの方、大会関係者をバブルの中に入れて完全に接触させないようにして感染を、できるんだというのはなかなか言えないと思うんですね。
 さあ、それと、あとプレーヤーの中でも有名な例えば選手、テニスやゴルフやバスケットのスーパー、アメリカのプロたちは、選手村のホテル、選手村には泊まらないんです。みんなチームで来たりして、一般の高級ホテルのスイートに泊まって、そこから会場に行くんですね。じゃ、そういう人たちをバブルに入れられるかといったら、監視員を付けるのかもしれませんけど、そんな警察国家みたいなことやりたくないし、そうしたら食事するにはホテルのレストランに行くかもしれないじゃないですか。
 だから、完全に大会関係者全部をバブルに入れるのは無理ですよね。そこから感染が広まってしまう可能性がある。選手も含めてですよ、一部の選手は選手村へ入りませんからね。その辺りはどう考えているんですか。

#212
○国務大臣(丸川珠代君) 今御指摘いただいたように、できる限りまずホテルを集約させていただくということで、これは相当徹底をして組織委員会からお願いをしております。
 私どもとしては、お願いを聞いてもらえないところについてアクレディをどうするかというようなことまで話を今しているところです。
 その上で、選手については確実にこれは、大変恐縮ですが、行動管理をさせていただきますし、メディアの皆さんも行動管理、もうこれ移動も全て組織委員会が用意した車で必ず移動していただく、道のりは全部事前に行動計画書を出していただきましてそのとおりに行動をしていただくということです。
 それで、なお、一応、選手村に入られる選手の皆さん、まあ入らない人もいるかもしれない、全体の選手のうち、七月二十三日よりちょっと前に開村しますが、ここに入ってくるまでに八割の選手はワクチンを打ってくるということに一応今のところIOCはなっているという話をしていますので、こうしたことを一つ一つ実効性を担保して積み重ねながら、最後はきちんと毎日検査をするということをやって、日本の国民の皆様をお守りしたいと思っております。

#213
○松沢成文君 大臣、そこで関連して最後にお伺いしたいんですけれども、そもそもプレーブックの遵守事項に違反した選手やメディアの大会関係者は参加資格剥奪もあり得ると、こういうニュースが最近出ています。
 これ分かるんですけれども、じゃ誰が違反しているのか、これを公正に判断する、これ誰が決めるんですか。組織委員会の中に何とか審査委員会というのをつくって、あいつ違反しているぞ、こいつも違反しているぞと。でも、それを比べて、おまえは違反だと、参加資格剥奪だと。それで、総理は国外追放もあり得ると言っているんですね。これ、プレーブックというのは何か法的拘束力はあるんでしょうか。おまえ、これ違反したから国外に追放だと。その選手、言うことを聞くでしょうかね。
 だから、これ、参加資格剥奪の中に、じゃ競技が終わってメダルを取った選手も、そのメダルも剥奪になるんですかと、こういう疑問も出てくるわけです。誰が決めるんですか、この参加資格を剥奪したり、国外に出ていけというのは。これ決まっていないと、みんな不公平だといって怒りますよ。警察権力が入れるわけじゃないですね。その辺りはどうなっているんですか。

#214
○国務大臣(丸川珠代君) まず、入国してくるときは、このアクレディテーションというのは、我が国に入ってよいということを認められたと同じ意味を持つものです。ただ、今回、このような新しいルールを作って皆さんの厳格な管理をさせていただく上で仮に何か問題があったとしたならば、これ最終的に剥奪するかどうかというような罰則の措置についてはIOC、パラリンピックであればIPCが判断します。これ、もう大会を運営している、一番ルールを作っているところですが、これはIOC、IPCが判断します。その上で、入管法に基づいて在留資格を取り消すあるいは退去強制手続というのは、我々が法務省と連携をして進めるということになります。

#215
○松沢成文君 時間ですので、終わります。
 ありがとうございました。

#216
○柳ヶ瀬裕文君 日本維新の会の柳ヶ瀬裕文でございます。
 サイバーセキュリティーとサイバー攻撃について聞いてまいりたいというふうに思いますけれども、せっかく丸川大臣いらっしゃいますので、ちょっと通告ではないんですけれどもお伺いしたいなと思うんですが、先般、IOCの委員のディック・パウンドさんがアルマゲドンにでも見舞われない限り東京五輪は計画どおりに開催されるという発言をされたというふうに聞いておりますけれども、この発言に対して何かコメントがあればお伺いしたいと思いますが、いかがでしょうか。

#217
○国務大臣(丸川珠代君) 御指摘のIOCのディック・パウンド氏の発言については、報道では承知をしておりますけれども、正直この発言の真意というのは不明でございまして、私からコメントすることは差し控えたいと思います。
 いずれにしても、まず政府としては、国民の皆様をしっかりお守りするということを一番の念頭に置いてしっかり議論を進めていきたいと思います。

#218
○柳ヶ瀬裕文君 ありがとうございます。
 ですから、これ、あれですよね、今、世界各国、またそのIOC等々は、とにかく東京でオリンピックを開催するんだという強い決意を持っていて、世界の世論をとにかく形成しようということで様々な発言を繰り返しているというふうには存知をしているわけですけれども、そのときに、我が国の立場としては、この世界の世論に流されることなく、やっぱり主体的にこれは判断をしていくということが必要だろうというふうに思います。
 アルマゲドンが起きなくても中止をするということはあるはずですよね。じゃ、その中止の判断基準というのは何なのかということ、これを我が国がしっかりとこれ示していくことが必要なんではないかというふうに思いますけれども、これは大臣、いかがでしょうか。

#219
○国務大臣(丸川珠代君) まずは、新型コロナウイルスの感染症の感染拡大防止をしっかりやっていくということになります。
 国民の皆様が安心して迎えられると思わない限りは大会の成功とは言えないというのは、皆の思いだと思っております。厳格な行動管理等を行って、海外からおいでになる選手や関係者の皆様、少々窮屈かもしれませんが、日本国民を守るためだということで理解をいただいているところです。
 さらに、国内の人流をどうしていくかというのはまだ具体的に検討を進めているところでございますので、しっかりこうしたことを進めながら、またプレーブックも六月には改訂をいたしますので、国民の皆様にお示しをできるようにしていきたいと思います。

#220
○柳ヶ瀬裕文君 ありがとうございます。通告もないのに、丁寧な御答弁ありがとうございました。
 この世界の世論に流されて、何かよく分からないけれども、これは開催の方向で流れていく、でも、人流の抑制にはなっていないし、感染も拡大しているというようなことにはしてはならないというふうに思います。
 日本がやっぱり主体的に判断していくためには、しっかりとこういった場合にはやめるんだよという判断基準を前もって示して、それをもってしっかりとIOCと交渉するということが必要なんではないかなというふうに思いますので、是非心に留め置いていただければと思います。
 今日の話題ですけれども、サイバーセキュリティ戦略についてお伺いしたいと思っています。
 政府は、本年五月十三日にサイバーセキュリティ戦略本部の会合を開き、今後三年間の次期サイバーセキュリティ戦略の骨子を提示をされました。これ、画期的だったのは、中国、ロシア、北朝鮮という名前を明示して、この三か国が特定の目的を持ってこのサイバー攻撃をしているんだということ、これを念頭に置いた戦略となっているということでありますけれども。
 まずお伺いしますけれども、これまでのサイバーセキュリティ戦略では、国の関与が疑われる事案などと比較的抑えた表現にとどまっていましたけれども、今回の戦略の骨子では、国名、目的を掲げています。この国名と目的を明示した理由についてまずお伺いしたいと思います。

#221
○政府参考人(山内智生君) お答え申し上げます。
 今委員御指摘のとおり、五月十三日にサイバーセキュリティ戦略会合、本部がございました。ここの中で議論をされました骨子におきまして、我が国を取り巻く安全保障環境は厳しさを増していると、サイバー空間は地政学的な緊張も反映をした国家間の競争の場となっていると、こういう認識を示しております。委員御指摘のとおり、その具体的な例示として、今おっしゃったような三か国、国家の関与が疑われるサイバー活動について言及をしたものでございます。

#222
○柳ヶ瀬裕文君 ありがとうございます。
 そこで、大臣にお伺いしたいんですけど、基本的なちょっと認識をお伺いしたいと思います。現行の戦略の策定時と比してサイバー攻撃による安全保障上のリスクは高まっているという認識でよろしいのかどうか、この点についてまずお伺いしたいと思います。

#223
○国務大臣(丸川珠代君) 先ほど山内さんからもおっしゃっていただきましたように、この次期サイバーセキュリティ戦略の骨子では、我が国を取り巻く安全保障環境は厳しさを増しており、サイバー空間は地政学的緊張も反映した国家間の競争の場となっているという認識をしております。能力を有する軍等が他国の重要インフラへのサイバー攻撃を行ったとされている事例も指摘されるなど、国家の関与が疑われるサイバー活動が見られ、サイバー空間をめぐる情勢は、純然たる平時でも有事でもない様相を呈しており、社会のデジタル化が広範かつ急速に進展する中で、重大な事態へと急速に発展していくリスクをはらんでいるとしています。
 こういう認識の下で、サイバー空間の安全、安定の確保のため、外交、安全保障上のサイバー分野の優先度をこれまで以上に高め、そして、法の支配の推進、サイバー攻撃に対する防御力、抑止力、状況把握力、この向上、そして国際協力、連携を一層強化するという方針を打ち出しております。

#224
○柳ヶ瀬裕文君 ありがとうございます。
 重大な危機に至る可能性が高まっているということで、非常に危機感を持っているという御答弁だったというふうに思います。
 そんな中、先般、この決算委員会でも話がありましたけれども、JAXAなど国内二百の企業や研究機関が平成二十八年にサイバー攻撃を受けたということで、この捜査が進んできたわけですけれども、警視庁公安部が本年四月二十日、私電磁的記録不正作出・同供用の疑いで当時日本で活動していた中国籍の三十代のシステムエンジニアを書類送検したということです。
 このサイバー攻撃はティックと呼ばれるサイバー攻撃集団によって実行され、これに中国人民解放軍が関与しているということを警察庁の長官も会見で発表されているわけであります。中国人民解放軍戦略支援部隊ネットワークシステム部第六一四一九部隊が関与している可能性が高いと結論付けるに至りましたという、こういう発言をされているわけですけれども、この事実関係について警察庁の見解を伺いたいと思います。

#225
○政府参考人(大石吉彦君) お尋ねの件につきましては、平成二十八年から二十九年までの間、計五回にわたりまして、住所、氏名等の情報を偽って日本のレンタルサーバーの契約に必要な会員登録を行った事件につきまして、四月二十日、警視庁が中国共産党員の男を被疑者として東京地方検察庁に書類送検したものであります。
 本件事案を通じて契約された日本のレンタルサーバーは、JAXA等に対するサイバー攻撃に悪用されることとなったところでございます。その後の捜査等を通じて被疑者、関係者の供述を始め数多くの証拠を積み重ねることによりまして、約二百の国内企業等に対する一連のサイバー攻撃がティックと呼ばれるサイバー攻撃集団によって実行され、当該ティックの背景組織として山東省青島市を拠点とする中国人民解放軍第六一四一九部隊が関与している可能性が高いと結論付けるに至ったものであります。
 警察においては、一連のサイバー攻撃の被害に遭った約二百の国内企業に対しまして、攻撃を認知後速やかにマルウエアの感染可能性や有効な対策等について個別に情報提供を行い、被害の拡大防止の措置を講じたものであります。
 引き続き、警察におきましては、サイバー攻撃の厳正な取締りを推進するとともに、背後にある国家的背景も含めてその実態解明を強力に推し進めてまいります。民間事業者や国内外の関係機関とも緊密に連携して、未然防止及び被害の拡大防止を図ってまいりたいと思っております。
 以上です。

#226
○柳ヶ瀬裕文君 ありがとうございます。
 これは非常に重大な事案だなというふうに感じています。これ、簡単に言うと、中国政府、中国軍が日本の政府機関を攻撃したという事案ですよね。これは外交、安全保障上の重大な問題だというふうに私は捉えています。
 では、この中国の関与がもう今回明らかになったということで、これ警察庁は本当によくやられたなというふうに思うわけですけれども、これはしかるべき根拠を持ってこれ言っているわけであります。
 この件について外務省にお伺いしますけれども、中国側に対してどのようなアクションを取ったのか、この点についてお伺いしたいと思います。

#227
○大臣政務官(中西哲君) 本事件につきましては、日本政府としては、本事案について大変重く受け止めております。自由、公正かつ安全なサイバー空間という民主主義の基盤を揺るがしかねない悪意あるサイバー活動は看過できません。国家安全保障の観点からも強く懸念すべきものであり、本事案を含め、我が国の国益を害するサイバー攻撃については断固非難し、厳しく取り組んでいく考えであります。また、こうした日本側の考え方につきましては、中国政府にしかるべく伝えております。
 政府としては、今後も、同盟国、有志国とも連携し、自由、公正かつ安全なサイバー空間の創出、発展のため、また国民の安全、権利を保障するため、必要な対応を取っていく考えであります。

#228
○柳ヶ瀬裕文君 しかるべく伝えたということなんですけれども、それでいいのかなというふうに思います。このような事案は、他国で起きたならば、これは制裁の対象となるというのが通例であります。
 例えば、アメリカでは、二〇一六年の大統領選挙に、ロシアの情報機関に協力するハッカー集団がクリントン候補を追い落とそうということで民主党の情報システムに侵入して、同候補にとって不利となる電子メールを流出させたというような事案がありました。このときには、オバマ政権が選挙後に、ロシアの情報機関員、その関係者ら三十五人を一挙に国外追放処分にしたということです。これはロシアの政府の指示以外にあり得ないということで、極めて厳しい非難をしている。
 また、同様に、二〇二〇年の大統領選挙でもロシアは再びサイバー攻撃を仕掛けているということで、これに対してアメリカ政府は、ワシントンのロシア大使館員十人の国外退去という極めて厳しい措置に踏み切っているわけですね。さらに、ロシアのIT企業など三十二の個人、団体について資産を凍結しています。
 また、これは、アメリカ以外の事例では、EUが二〇二〇年の十月に、ロシア参謀本部情報総局のトップ二人について、EUへの渡航を禁止、資産を凍結という事態に至っています。これは、メルケル首相の電子メールを、これをサイバー攻撃をしたということが理由となっているわけであります。
 このように、各国はこのサイバー攻撃に対して極めて厳しい制裁措置をとるようになっているということでありますけれども、これは何らかの制裁を取るべきと、制裁措置を加えるべきというふうに考えますけれども、この点についてはいかがでしょうか。

#229
○大臣政務官(中西哲君) 個別の事件への具体的対応につきましては、予断してお答えすることは差し控えさせていただきます。

#230
○柳ヶ瀬裕文君 ですから、今のような措置で、本当にこれ繰り返し、先ほど脅威が高まっているという話がありました。次期戦略には、この中国、ロシア、北朝鮮からの脅威が高まっているということを明記されているわけですよね。このような今の措置で、もうこれ中国の人民解放軍が関与したということは明らかになって特定しているんでしょう。特定していて、何らかのこと伝達したレベルのことで、これが抑止となるのか。繰り返しするのはやめようというふうに思わせることが必要ですよね。この今の外務省の措置で中国はこういったことはもう二度としないようにしようという抑止になるというふうにお考えでしょうか。どうでしょうか。

#231
○政府参考人(大鶴哲也君) お答え申し上げます。
 まさに御指摘のとおり、いろいろな事例が世界各地で見られているというのは御指摘のとおりだと思います。
 私ども、事態の各個別の状況ですとか、我が国が持っております各措置の在り方などを総合的に判断いたしまして、各省庁とも連携を取りながら適切に対応していく所存でございます。

#232
○柳ヶ瀬裕文君 是非よろしくお願い申し上げたいというふうに思います。
 今回の事案は情報の詐取ということでしたので、被害がなかったというふうに認定をされているようでありますけれども、もしこれが大規模な被害を生むようなサイバーアタックだったときに、じゃ日本はどういう対処を取り得るのかといったこと、これをしっかりと明確にしておくことが必要だというふうに考えます。
 国連憲章第五十一条は、武力攻撃が発生した場合には、平和及び安全の維持に必要な措置をとるまでの間、個別的又は集団的自衛の固有の権利を害するものではないというふうに定められていて、武力攻撃の被害国に対して反撃の権利を認めています。
 安倍前総理は、国会答弁の中で、武力攻撃の一環としてサイバー攻撃が行われた場合には自衛権を発動して対処することが可能というふうに述べられているわけですけれども、これ端的に防衛大臣にお伺いしますけれども、サイバー攻撃に対して自衛権を発動することができるということでよろしいんでしょうか。

#233
○国務大臣(岸信夫君) まず、サイバー攻撃の態様というものは、その手法や対象など様々あり得ます。武力攻撃が発生したか否かということにつきましては、その時点の国際情勢や相手方の明示された意図、攻撃の手段、態様等を踏まえて、個別の状況に応じて判断するものでございます。あらかじめその自衛権が発動されるかということについて定型的、類型的とお答えをすることは困難でありますが、いずれにいたしましても、サイバー空間をめぐる動向や防衛省・自衛隊の対応につきましては、引き続き国民に対して適切に情報発信に努めてまいりたいと考えます。

#234
○柳ヶ瀬裕文君 これ、サイバー攻撃を受けた場合に、それを武力攻撃だというふうに認定して自衛権の発動をする、し得る、することはこれ可能ですね。それはそれでよろしいですよね。

#235
○国務大臣(岸信夫君) 可能でございます。

#236
○柳ヶ瀬裕文君 では、どういったサイバー攻撃が武力攻撃だと、に当たるというふうに認定するのかというその範囲が、これが極めて重要だなというふうに考えております。
 今回のJAXAの件は武力攻撃だというふうに認定をされなかったわけですよね。これ、自衛権の発動にまでは至らなかったわけですけれども、今回のJAXAのサイバー攻撃に関しては、これは武力攻撃だと認定したけれども、国民に対して大きな被害を与えるものではないということから自衛権の発動に至らなかったのか、それとも武力攻撃には当たらないという判断をされたのか、これについてはいかがでしょうか。

#237
○国務大臣(岸信夫君) まず、現代におきましては、社会全体のサイバー空間への依存度というものが高まっております。その中でサイバー攻撃の態様というものが一層巧妙化をしているというような状況でございまして、また、サイバー攻撃というのを、例えば物理的な手段による攻撃と同様の極めて深刻な被害が発生し、これが相手方により組織的、計画的に行われている場合には武力攻撃に当たると考えております。
 いずれにいたしましても、そのようなサイバー攻撃であれば、それのみをもって武力攻撃に当たるかどうかにつきましては、物理的手段による攻撃と同様に、実際に発生した事態の個別具体的な状況に即して、様々な状況、情報を総合して判断されるべきと考えております。

#238
○柳ヶ瀬裕文君 これ、個別の事案によるんだということをずっと政府は一貫して言い続けているわけですけれども、本当にその水際をきちんと政府が判断し得るのかということを危惧しています。ですから、ありとあらゆる想定を考えてシミュレーションしておくこと、これが重要だというふうに考えているわけですけれども、やっぱり一定の判断基準というものを示された方がいいのではないかというふうに思います。
 このサイバー攻撃を武力攻撃と認定するに当たってどういった判断基準をお持ちなのか、この点についてお伺いをしたいと思います。

#239
○国務大臣(岸信夫君) 今答弁申しましたこととちょっと重複してしまいますけれども、物理的手段による攻撃と同様の極めて深刻な被害が発生をする、これが相手方により組織的、計画的に行われている場合には武力攻撃に当たるというふうに考えることができます。
 いずれにしましても、武力攻撃に当たるかどうかにつきましては、実際に発生した事態の個別的、具体的な状況に即しまして、様々な情報を総合して勘案して判断していくべきものであると考えております。

#240
○柳ヶ瀬裕文君 これは、国によってもこのサイバー攻撃をどこまでが武力攻撃と認定するのかというのはかなり異なっていまして、世界標準というのはないんですね。だからこそ、日本としてこのサイバー攻撃をしっかりと規定していくということが必要だと思います。
 ちょっと話を、話し方を変えると、じゃアメリカと2プラス2、二〇一九年の2プラス2で、サイバー攻撃が安保条約五条に言う武力攻撃に当たる場合があるということを確認をしたわけであります。ただし、じゃ、どのようなサイバー攻撃が武力攻撃となるかは個別具体的に両者で判断をするということになっているわけですけれども、これアメリカと我が国がこれは武力攻撃に当たるという共通の認識を共有しているのかどうか、この点についてお伺いをしたいと思います。

#241
○政府参考人(岡真臣君) お答え申し上げます。
 アメリカと日本で共有しているのかどうかという御質問でございますけれども、まず、アメリカがどういうふうに考えているかということにつきましては、国防省が資料という形で出しているものはございますけれども、物理的手段により実行された場合に、国連憲章第二条第四項の武力の行使とみなされるような効果をもたらすサイバー攻撃は当該武力の行使とみなされるとされておりまして、そのようなものに、これ例示的ではありますけれども、原子力発電所のメルトダウンを引き起こすようなもの、あるいは人口密集地域の上流のダムを開放して決壊をもたらすもの、そして、もう一つの例として、航空管制システムの不具合をもたらし、航空機墜落につながるものが含まれ得ると解しているというふうに承知をいたしております。
 このような考え方につきましては、我が国においてサイバー攻撃の武力攻撃との関係を考える上でも一つの参考となるものというふうに考えているところでございます。

#242
○柳ヶ瀬裕文君 今のは、おっしゃったのはアメリカの武力攻撃の考え方ですよね。それを、じゃ我が国がそれを武力攻撃だと考えるかどうかというのはまた別なんだよということで、参考だということをおっしゃいました。ここにそごがあると、やっぱり一緒に共同歩調を取れないんじゃないですか。ここはしっかりと共有していただきたいというふうに思います。
 また、なぜこの話をするのかというと、これからサイバー攻撃は更に盛んになってくる、さっき丸川大臣おっしゃっていたとおり、危機は高まっているというふうに、脅威は高まっているというふうに思います。これから大規模な攻撃があったときに多分右往左往するんではないかというふうに私心配しているわけです、あたふたすると。尖閣で漁船が衝突したとき、政府はあたふたしました。適切な対処を取れなかった。今になって反省しているということがありますよね。
 サイバーにおいて何が起こるかというのはこれからよく分かりません。ですから、これを、一般原則を、これは武力攻撃に認定するんだということをしっかりと話し合ってシミュレーションをしておく必要があるというふうに思いますし、また、国民の皆さんに、これは武力攻撃なんだよといったことをある程度、それは個別具体的に決めるんでしょうけれども、ある程度認知をさせておくということが必要だというふうに思いますけれども、この点について防衛大臣、いかがでしょうか。

#243
○委員長(野村哲郎君) 時間が来ておりますので、簡潔にお願いいたします。

#244
○国務大臣(岸信夫君) はい。
 武力攻撃が発生しまして、武力の行使の三要件を満たす場合に、自衛隊が武力の行使として具体的にいかなる対応を行うのかにつきましては、個別具体的な状況に即して判断すべきものでありまして、あらかじめ申し上げることは困難でありますが、有事の際、サイバー空間において相手方のサイバー空間の利用を妨げることも含めて、我が国の防衛を全うするために適切な対応を行ってまいります。

#245
○柳ヶ瀬裕文君 時間が参りましたので。ありがとうございました。
   〔委員長退席、理事舞立昇治君着席〕

#246
○芳賀道也君 国民民主党・新緑風会の芳賀道也です。
 まず、武田総務大臣にお伺いします。
 今年二月、当時総務審議官だった山田真貴子氏や谷脇康彦総務審議官など総務省職員が、利害関係のある衛星放送事業者であり、菅総理の御長男が勤める東北新社から供応接待等を受けていることが明らかになりました。総務省は、二月二十四日、職員十一人を国家公務員法倫理規程違反で懲戒処分、このうち、谷脇総務審議官は、ほかの利害関係者からも供応接待を受けたにもかかわらず、内部調査や国会において事実と異なる説明を行ったことについて停職三か月の追加処分が下されました。
 総務審議官を筆頭に、情報流通行政局などの総務省職員が利害関係のある東北新社等と違法な会食を重ねていたことは大変遺憾だと考えます。このような違法な接待が横行していたことが明らかになり、情報通信行政に対する国民の信頼を損ねる結果となったことについて、所管大臣である総務大臣としての責任をどのように感じているか、武田大臣に伺いたい。あわせて、今回の事態の発生原因と再発防止策を伺います。お願いします。

#247
○国務大臣(武田良太君) 御指摘のように、この総務省幹部職員の会食に係る事案によって国民の信頼を損ねたことに、本当に心から申し訳なく思っておるところであります。私自身、多数の幹部職員、管理職員が倫理法令に違反した行為を複数回行い、処分を受けるに至ったことの責任を痛感しておりまして、大臣給与を三か月間の間自主返納したところであります。
 これまでに取りまとめた報告書では、多くの職員が倫理法令に対する認識の甘さを口にしていることを受け、再発防止策を盛り込んでおります。これを受けて、まずは幹部職員の研修を実施、これは三月二十四日にいたしました。また、大臣官房に監察室を設置するといった監察体制の整備を既に行っているところであります。現在、その後明らかとなった倫理法令違反の疑いのある会食についての調査において、検事経験のある弁護士の方にも参加いただき、常に第三者のチェックをいただきながら、情報通信担当部署の本省課長級相当職以上等百四十四名を対象とし、徹底的に真相究明を行っているところであります。
 国民のこうした疑念を招くことが二度と起こらないよう、今後の調査結果を踏まえた更なる再発防止策についても必要性を含めて検討の上、私が先頭に立って、コンプライアンスを徹底的に確保し、国民の信頼回復に努めてまいりたいと考えております。

#248
○芳賀道也君 倫理規程の認識の甘さということもありましたけれども、更に質問をさせていただくと、この倫理規程で義務とされている自己の飲食負担が一万円を超えるときの会食の届出、総務省では極端に少ないということが明らかになっています。農林水産省では四百十三件、経済産業省は三百五十件ですが、総務省は僅かに八件でした。これは平成二十七年度から令和元年までの五年間の届出の状況です。
 届出をしないことによる倫理規程違反も遺憾だと考えますが、この点については、大臣、いかがでしょう。

#249
○国務大臣(武田良太君) 利害関係者と共に飲食をする場合の届出について、他の省庁と比較すると件数が少ないのは事実であります。今般、倫理法令違反の会食が判明したことは事実でありまして、その原因として、二月に取りまとめた報告書では、必要な各種届出、報告を行うという意識が希薄であったことなどを挙げており、厳格なチェックを行うためのルールとして、利害関係者との飲食について、一万円以下の場合についても事前届出を義務化する、また、事後に割り勘分を自己負担したことを証明できる書類提出を義務化するといった再発防止策を取り組んでいるところであります。

#250
○芳賀道也君 大臣の答弁の中にも百四十四名しっかり調べているんだということもありましたので、真面目に働いている国の職員がしっかりとしたルールの下で仕事が続けられるように、引き続き調査、改善もお願いをいたします。
 次に、立憲民主党の小西議員の国会質疑を通じて東北新社の外資規制違反が明らかになりました。我が国の放送を他国からの支配下に置かないよう、安全保障上の意味も込めて、放送局の資本構成に関しては放送法第九十三条にルールを設けています。二〇一六年九月末現在で東北新社はこの法規制に違反して外国資本による株式保有が二〇%を超えており、二〇一七年、総務省が東北新社のBS4K事業を認定した際に、この外資規制違反を見落としていました。この外資規制違反の見落としは非常に遺憾だと考えます。
 武田総務大臣は安全保障にも関わる重要な規制が有効に機能しなかった今回の事態の責任をどう感じているか、伺います。あわせて、今後二度とこのようなことがないようにするため、再発防止策について御説明ください。

#251
○国務大臣(武田良太君) 総務省では、東北新社が二〇一七年一月に受けていた認定において重大な瑕疵があったものと判断し、本年三月二十六日、東北新社メディアサービスに対し、ザ・シネマ4Kについての認定を取り消す処分を行いました。
 本件は、東北新社の申請書におけるミスが主たる原因とはいえ、認定当時のプロセスにおいて総務省側の審査も十分ではなかったと考えており、こうした事態が生じたこと、重く受け止めております。
 こうした事態を二度と起こさないように、例えば認定の申請時及び認定後、定期的に外資比率の数値とその裏付けとなる資料を求めるなど、総務省における審査体制の強化についても検討してまいりたいと考えております。

#252
○芳賀道也君 申請の強化という方向に進んだのはいいと思いますが、検討ではなくて、是非しっかり、二度とこんなことがないように、そういう仕組みに実際にしていただきたいと思います。
 次に、今年二月に総務省は、東北新社から職員が違法な接待を受けたのは二〇一六年から三十八回としましたが、五月二十四日に東北新社の特別調査委員会が報告したところでは、二〇一五年十一月から二〇二〇年十二月までで五十四回、対象となる時期が少し違うのは確かですが、それにしても三十八回と五十四回では食い違いが大きいと思うのです。
 総務省ではこの東北新社の調査結果が事実なのかどうかも含めて再度調査すべきだと考えますが、総務大臣の御見解を伺います。

#253
○国務大臣(武田良太君) 東北新社の特別調査委員会による調査報告書が公表され、五十四件の会食について報告されたことは承知をいたしております。一方、総務省が公表した二月二十四日の報告書においては、期間を区切らず東北新社関係者との会食について調査を行い、その時点で確認できた東北新社関係者との会食三十三件について調査結果を取りまとめたものであります。
 現在、総務省では、倫理法令違反の疑いのある事案についての調査において、先ほど申しましたように、百四十四名を対象にし、倫理法令違反の会食に限定せず、全ての事業者等との会食について調査を行っております。現在のところかなりの数の申告がございますが、東北新社からの報告に出ているものも含め、常に第三者のチェックをいただきながら調査を進めているところであり、当該調査の中で事実関係を含めて明らかにしたいと考えております。
   〔理事舞立昇治君退席、委員長着席〕

#254
○芳賀道也君 是非しっかり調べてきちんと報告もしていただきたいと思います。
 次に、元総務大臣で鳥取県知事でもいらした早稲田大学の片山善博教授によりますと、利害関係のある業者と官僚の会食は、その場で面と向かって便宜を図ってくれるよう依頼したらもちろん問題ですが、そうでなくとも、業者が担当部局の官僚と顔つなぎができたことで不公正な結果を招く可能性があると片山さんは指摘しています。片山教授によれば、顔なじみになれば、その官僚が業者に何かと目を掛けるようになってその業者に便宜を図ることもあり得るし、また業者に不利益なことがあっても裏技を使ってお目こぼしをする例があり得るなどと言います。
 一般的に、利害関係のある業者と官僚の会食によって、会食の場で便宜を図るような直接の依頼がなくても、業者に利益や情報の提供、またその業者に不利益な取扱いを行わないなど不公正な関係を招く問題があると考えますが、総務大臣の御見解を伺います。

#255
○国務大臣(武田良太君) 様々な方から情報収集や意見交換を行うこと自体につきましては、実社会の実態を踏まえた行政運営を行う上で必要であると考える一方、その過程においては行政の中立性、公正性に疑念を抱かれないよう、国家公務員倫理法令のルールを遵守し、厳重に身を律することが求められるものであると、このように考えております。

#256
○芳賀道也君 菅総理の御子息を媒介に、東北新社が会食を通じて総務省との一定の関係を築き、結果的に東北新社はCS衛星放送のチャンネルの配分に奇跡的にあずかることができ、そして、外資規制違反があっても、その時点では東北新社は何のおとがめも受けませんでした。
 総務省では、東北新社やNTTによる一連の接待について調査を行い、また、放送・通信行政の政策過程でゆがめられたことがあったかどうか、今、情報通信行政検証委員会で検証しています。大臣の答弁でもありましたけれども、それぞれ、その結果、結論などはいつ出る見込みなのでしょうか。また、通常国会の会期末、六月十六日までに一定の報告や結論は出るのでしょうか。いかがでしょうか。

#257
○国務大臣(武田良太君) それぞれの結果を取りまとめる時期に関しましては、国会からの強い御要請もあるので、調査については今国会の会期内にできるだけ早く取りまとめられるよう、第三者の方にも協力を要請いたしております。
 また、検証については、スケジュール等は委員会で御判断いただくことではありますが、東北新社の外資規制違反の問題につきましては、今国会の会期内のできるだけ早く御報告いただけないか、委員会に今要請をしているところであります。
 いずれの結果につきましても、国会の求めに応じて真摯に対応してまいりたいと考えております。

#258
○芳賀道也君 是非できるだけ早く結論、そして、途中であってもできるだけ早く、一定の結果が出たものについては御報告をお願いします。
 武田大臣、ありがとうございました。それでは、大臣はお忙しいでしょうから、ここで御退席いただければ、お取り計らいください。

#259
○委員長(野村哲郎君) 武田大臣、御退席いただいて結構です。

#260
○芳賀道也君 内閣府担当大臣に伺います。
 これも会計検査院の指摘なんですが、内閣府は、企業主導型保育事業に対する助成を、公募により選定された補助事業者、公益財団法人児童育成協会を通じて行っています。この企業主導型保育事業では、通常の保育に加えて病児保育や一時預かり保育なども実施できることになっています。
 平成二十八年度から平成三十年度までに病児保育室等を整備していた二十五事業主体の二十五施設を会計検査院が検査したところ、看護師等の確保ができなかったことなどを理由に、八施設が病児保育等を全く実施していませんでした。国庫補助金相当額は四千七百七十二万円にも上ります。
 また、三施設が病児保育等の実施を中止していて再開する予定がないことが明らかになりました。この中止に係る国庫補助金相当額は千七百八万円。
 また、児童育成協会は、病児保育室等整備の審査の際に病児保育等の実施体制等に係る計画の提出を求めておらず、職員の確保について審査を行っていなかったほか、整備した病児保育室等の利用実態を把握し、必要に応じて指導を行う仕組みもつくっていなかったことなどの問題が明らかになりました。
 子ども・子育て支援法に基づいて、病児保育や一時預かり保育など必要とされる保育を行うせっかくの企業主導型保育事業なのに、整備された施設が有効利用されていないのはゆゆしき事態です。
 内閣府の担当大臣に、この会計検査院の指摘についてどのように受け止めたのか、このような事態に至った原因、そして内閣府としてどのように反省し、今後対応していくのか、御説明ください。

#261
○国務大臣(坂本哲志君) 企業主導型保育事業に係ります昨年の会計検査院の改善処置要求は、助成金の交付を受けて病児保育室や一時預かり専用の保育室を整備しているのに病児保育等を全く実施していない、あるいは病児保育等の実施を中止して再開する予定がないといった事態について指摘があったところであります。
 平成三十年度以前の病児保育室等の整備の審査に当たっても、事業者には病児保育室等の運営に必要な事項は伝えていたところです。必要な事項といいますのは、必要な看護師の数、あるいは病児保育室等に必要な設備であるわけですけれども、しかしながら、施設に対しまして、病児保育等を計画に沿って適切に実施することの必要性が十分に伝わっていなかったことから、今回の会計検査院による指摘を受けたものと考えております。
 内閣府といたしましては、会計検査院の指摘を真摯に受け止めまして、これらの施設に対しまして、児童育成協会を通じまして事業者への制度の十分な周知を行うこと、それから、令和二年度の指導監査から病児保育事業等の実施状況を確認するとともに、令和三年度は指導監査基準の改正を行うこと、そして、病児保育室等を病児保育等以外の用途に変更して利用するための許可等の手続を助成要領等に定めることなどの対応を行っているところであります。
 また、内閣府の指示の下、児童育成協会におきましては、令和二年度の新規の助成申請者から、病児保育等の実施体制に係る計画及びチェックシートを提出させた上で審査するなど具体的な対応を行っており、会計検査院の指摘を受けて早急に審査の改善を図っているところであります。
 施設において適切に病児保育事業や一時預かり事業が実施されるよう、引き続き改善に努めてまいる所存でございます。

#262
○芳賀道也君 更にお聞きしたいのですが、真摯に受け止めて改善しているということはよく分かりました。しかし、こうした指摘を受けたことについて何らかの反省というのはないんでしょうか。そこだけ一点、お聞きしたいんです。

#263
○国務大臣(坂本哲志君) 真摯に受け止めて、様々なチェック体制が緩かったことにつきましてはしっかりと受け止めてまいりたいというふうに思っております。

#264
○芳賀道也君 しっかり受け止めて、では、反省はしていないということですか、そういうことでもないんでしょうか。そこをお伺いしたいんです。

#265
○国務大臣(坂本哲志君) 十分反省をしながら、これから更にしっかりとした指示を、指導をしてまいりたいというふうに思っております。

#266
○芳賀道也君 是非、去年の決算委員会でも、保育士の待遇改善に係るものが非常に問題だったということも指摘されていますので、子供は大事です、是非反省を基に前向きに良くしていただきたいと思います。
 次に、いわゆるアベノマスクについて田村厚生大臣に伺います。
 これは、正式名称、全世帯への布製マスク配布事業というんだそうですが、令和二年度予備費と令和二年度補正予算にて使われたものです。
 ちょうど一年前、アベノマスクは五月から六月、各都道府県で日本郵便による郵送が行われました。ガーゼの部分が小さくて人によっては口と鼻が十分に覆えない、ゴムが短くて人によっては着けられない、呼吸しづらい、それから洗濯して何度も使えるという触れ込みでしたけれども、洗濯すると大きさが縮んで更に使いにくくなった、さらには、実際にこのマスクを着ける人は極めて少なかった。これは予算の無駄ではないでしょうか。
 また、田村大臣自身、このいわゆるアベノマスクをお着けになったことは何回あるのか。無駄ではないか、実際に御使用されたことは何件あるのか、お伺いします。

#267
○国務大臣(田村憲久君) これ、当時思い返していただくと、新型コロナウイルス感染症の拡大で二月頃から急激に不織布マスクが手に入らなくなったということで、これはいろんな取り合い、世界中がこの不織布マスクの取り合いになり、一方で輸出を禁じるようなところも出てきたわけでありまして、そんな中で、何とかマスクを確保しなければという中において、不織布マスクがなかなか手に入らないものでありますから、布マスク、これはちっちゃいというお話ございましたけれども、これ伝統的に一般的なマスクでございますので、今でこそ不織布マスクはこの大きさでございますけれども、以前はあのマスクで、多分委員も小学校の頃はああいうマスクを着けて学校に行かれていたんじゃないのかなというふうに思います。大人も着けておられたマスクでありますから、ちゃんと着けていただくと鼻も口も一応収まるようになっておりますので、そういう意味では使っていただいた方々も多くおられたのではないのかなというふうに思います。
 もちろん、これによって、布マスクではありますけれども、これ東京大学のある研究者の方の研究でありますが、お互いにマスクを着けていれば、布マスク同士であっても不織布マスク同士であっても飛沫は大体七割ぐらいは防げるのではないかという、お互いに着けていればの話でありますけれども、そういう研究もあるわけでございまして、一定の効果はあったというふうに思いますし、これ、繰り返して、余り繰り返すと確かに縮んでいくんですけれども、数度ならばそんなに急には縮んでいかないので、そういう意味では何回か使えたということで、ある意味、不織布マスク等々の供給不足、流通不足にも一定の効果があったのではないのかなというふうには思っております。
 なお、私ですけれども、申し訳ありません、私は当時、不織布マスクが購入できたものでありますから、不織布マスクを使わさせていただいておりました。

#268
○芳賀道也君 国民が聞くと、当時私は不織布マスクが手に入ったのでというのはどう受け止めるのかちょっと微妙でありますが、ただ、完全に無駄ではなかったという大臣の答弁でしたけれども、それだけではないんですよね。一部に異物が混入していたりカビが生えていたり、非衛生的で回収という騒ぎもありました。製造、保管、配送の問題もあり、これ無駄になった。
 又は、マスクは一般的に表示というのがきちんと付いているんですね。一般社団法人日本衛生材料工業連合会自主基準による表示などもありますし、そこまで行かなくても、信頼のできるマスクにはある程度の表示が付いていた。これ、いわゆるアベノマスクにはほとんど表示も何もないという、非常にやっぱり発注責任として品質の表示問題、発注の際の基準が余りにも甘過ぎたのではないかということがあります。
 さらには、全世帯に届いたときには既に、まあ厚生労働大臣は不織布のマスクが手に入っていたそうですけれども、届いたときにはマスク不足が解消ということで、当初の施策の目的、急激に拡大するマスク需要に対応するため、この目的にはとても合致しているとは言えなかったのではないかと思うんですが、さらには、マスクの製造や検品、輸入、配送などが約款などに記入されていない業者に随意契約で億単位の契約を結ぶなど、業者選定の透明性の問題、また送料ももっと安いものがあったのではないかと、こういった指摘もありました。国民の払った税金を使うのですから、この業者選定も適切に行い、税金を無駄にしないためのもっと配慮が必要だったのではないでしょうか。
 この事業の業者選定に非常に問題があったと考えますが、この点の大臣の見解、済みません、コンパクトにお願いできれば。

#269
○国務大臣(田村憲久君) 当時、本当にマスクがなくて、緊急的な状況の中でマスクをどう確保するか。でありますから、業者の皆様方も、通常あるものを集めていただくというよりかは、それこそ世界中から布マスク探し出していただいて、それを供給するという状況だったことは御理解いただけるというふうに思います。でありますから、マスク不足が言われる中において適正な価格で我々は契約をさせていただいたというふうに思っております。
 もちろん、その中で汚れがあった。これは妊婦さん用のマスク等々もそうでありました。それから、各戸それぞれにお配りしたマスクの中にもあったということで、これに対しては大変申し訳なく思っておりますけれども、これも一応そういうものがあった場合にはこれを更にもう一度集めて新たなものを送らさせていただく等々の対応もさせていただいたわけであります。
 いずれにいたしましても、あの当時、そういう緊急事態の、緊急状況の中において、マスクを集められるところ、しっかりと確保できるところと随意契約をさせていただいたということもございますので、平素の対応とは違っていたということはどうか御理解をいただきたいと思いますし、郵送、郵送といいますか、日本郵便にこれは運んでいただいたわけでありますが、これも、個々の住所、個人の名前等々をお渡しせずとも配っていただけるところということで、全国的な組織を持っております日本郵便さんが一番早いであろうということでお願いをさせていただいたということでございます。

#270
○芳賀道也君 緊急事態であったということはもちろん十分理解しています。それにしても、どんなものでもいいということではなかったのではないかというところも非常に疑問が残ります。
 そこで、委員長にお願いしたいんですが、令和二年度予備費及び令和二年度補正予算に計上された全世帯への布製マスク配布事業について、製造、輸入、検品、配送、業者の選定や契約の在り方、費用総額及びマスク一枚当たりの費用算定などを含めた事業の執行状況等について有効性や効率性などの観点から検証する必要があり、国会法第百五条に基づき、会計検査院に対して検査要請を行うようお取扱いをお願いしたい。お願いします。

#271
○委員長(野村哲郎君) ただいまの件につきましては、後刻理事会で協議いたします。

#272
○芳賀道也君 小泉環境大臣に伺います。
 環境省は、再生可能エネルギー発電により水素を製造して燃料電池自動車等に供給する水素ステーション、再エネ水素ステーションを導入する自治体等に対して、平成二十七年度から補助金を交付してきました。会計検査院がこの再エネ水素ステーション十九事業を検査したところ、このうち十七事業において再エネ発電電力量により水素の製造に必要な電力量の全量相当分が賄われていなかったことのみならず、そもそも必要電力量を明確に把握できていない技術的な課題も明らかになり、事業を廃止するという事態となりました。この部分の国庫補助交付金、十九億三千二百六十六万円です。
 小泉大臣に伺います。
 必要電力量を把握できていない状況で事業を実施し、結果的に廃止に至った今回の事態は非常に重大です。この指摘に対する受け止めについて大臣に伺います。また、この事態を招いた責任はどこにあるのか、どこにあると考えていらっしゃるのか、お答えください。

#273
○国務大臣(小泉進次郎君) 二点お尋ねをいただきました。
 まずは、受け止めについてということでありますが、その責任を重く受け止め、反省しています。そして二点目が、責任はどこにあるのかと。責任は環境省にあります。
 先生がおっしゃったとおり、確認が不十分だったとか、そういったことも御指摘をいただきましたから、廃止をして、令和二年度の予算にも要求せずと、今後再発防止をしっかり徹底させて、再エネ自体は今後不可欠ですから、この事業に対する信頼性を高めるべく、再発防止に全力を努めていきます。

#274
○芳賀道也君 環境省は、指摘を受けて、将来の同種事業の効果を、実施に資するため技術的な検証を行うとしていましたが、この進捗状況はどうなっているでしょうか。また、将来の同種事業の実施について何らかの検討は行われているのでしょうか。

#275
○国務大臣(小泉進次郎君) 今先生から検証の状況はということでありますが、昨年の八月から、この事業の事業主体から報告をさせた消費電力等のデータを用いた技術的な検証を行ってまいりました。
 今回、多くの施設において必要電力量の全量相当分を再エネ発電で賄うことができなかった要因として、例えば施設が設置された場所の天候や設備の使用環境など、特定の条件では水素製造に必要な消費電力量が変動することがある、そして、再エネで供給する必要がある消費電力量の変動等を十分考慮すべきだったことなどが実績データの分析から明らかになりました。
 この事業は廃止をしましたが、今後、環境省の事業において再エネ水素ステーションを活用する機会がある場合には、実際の施設の置かれた特定の条件等にきめ細かに配慮するなど、同じようなことが二度と起きないように再発防止に努めてまいりたいと考えております。

#276
○芳賀道也君 時間になりましたね。野心的な目標を掲げていらっしゃる小泉大臣ですから、是非水素の活用についても含めて、失敗から学ぶということは大事でしょうから、これから様々な施策の中でこの失敗を生かして、脱炭素社会、進めていっていただきたいと思います。
 質問終わります。ありがとうございました。
    ─────────────

#277
○委員長(野村哲郎君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、森まさこさんが委員を辞任され、その補欠として徳茂雅之君が選任されました。
    ─────────────

#278
○岩渕友君 日本共産党の岩渕友です。
 初めに、メガソーラーをめぐる問題について質問をいたします。
 再生可能エネルギーは本来、その地域固有の財産であり、地域住民の利益につながるべきものです。大量導入に向けて、安全とともに地域住民との共生が大前提です。ところが、本来の再エネの在り方とは逆行するメガソーラー事業が宮城県丸森町耕野地区で計画をされ、今、大問題となっています。
 資料の①を御覧ください。
 先日、現地に伺って話をお聞きしてきました。丸森町というところは山と川に囲まれた美しい自然豊かな中山間地です。二〇一九年の十月の台風十九号では甚大な被害が発生をして、死者、行方不明者十一名ということで、単独自治体としては最も多くなりました。
 計画地の地盤はもろくて崩れやすい地盤で、地区内では基本的に全ての世帯で井戸水を利用しているところでもあります。生活用水、農業用水が枯渇するようなことがあれば、もうまさに死活問題という状況なんですね。安全や生活に直結する問題として心配が広がっていて、森林を大規模に切り開くような事業はやめてほしいというのが地区の皆さんの一番の願いです。
 町議会では建設反対の請願が全会一致で採択をされて、町から県への意見書、三千六百八十一人分の反対署名も提出をされています。この事業については、国会でも衆議院の山崎誠議員が取り上げています。
 これ、四万キロワット以上であれば国の環境アセスの対象になるんですけれども、この事業は丸森プロジェクトと仙南プロジェクトというそれぞれ二・八万キロワットの事業で、アセスの対象になっていないんですね。事業名は別なんですけれども、FIT認定日、これは同じ。説明会も同じ会社の人がやっていて、二つの予定地の距離は最短で一キロメートル以内と。どう見ても一体の事業なんです。これ、一連の事業と見るかどうかということで宮城県から経産省に照会が行われています。
 これ、環境影響評価法第二条では、実施する事業の一連性の判断について逐条解説でどのように書かれているのか、読み上げてください。

#279
○政府参考人(和田篤也君) お答え申し上げます。
 環境影響評価法の対象事業につきましては、特定の目的のために行われる一連の土地の形状の変更及び工作物の新設等とされており、先生御指摘のように、法律の第二条第一項にあるところです。
 この法律の逐条解説におきましては、一連性の判断については、事業の目的が同一であり、かつ、構想及び決定の時期が同一か否かなどによりまして総合的に判断するものとされているところです。
 また、環境影響評価手続を行う事業の単位が事業の許認可等を受ける事業単位とは異なることもあり得ること、加えまして、事業者が複数であっても事業の目的、構想及び決定の時期が同一であれば一連の事業とみなされる場合があるとされているところでございます。

#280
○岩渕友君 今答弁があったように、逐条解説ではこのようになっているということなんですね。
 衆議院の質疑の中で、小泉環境大臣が、本来だったら法アセスの対象となるべきなのに、いわゆるアセス逃れ、こういったものが起きないように、経産省と環境省でも早急に検討をして、考え方を改めて整理する必要があるだろうと、こういった答弁されています。
 改めて大臣にお伺いをしたいんですけれども、アセスの判断基準について現状に合った見直しの重要性と、見直しを急いでやるべき必要性について、大臣の認識を述べてください。

#281
○国務大臣(小泉進次郎君) これは、先生が御指摘のとおり、衆議院の方でも質疑になった案件であります。そのとき私は、経産省と連携をして、早急に整理をして、周知徹底を図るように検討すると、そういった答弁をしたと思いますが、事務方にも指示をしたところでありまして、今の状況でいいますと六月、もうあしたから六月ですが、六月にも検討会を立ち上げる予定であります。
 引き続き、しっかり対応してまいりたいと思います。

#282
○岩渕友君 今答弁いただいたように、早急に整理をして、周知徹底をして、六月には検討会も立ち上げるということでした。これ、今答弁にあったように、本当に急がれる問題なので、是非早急にお願いをしたいと思います。
 ところが、四月の二十七日に経産省は、宮城県の問合せが来たのに対して、この同事業についてアセスの対象外という回答を行っているんですね。その後の国会質疑を受けて、五月の十九日に経産省は、前に出した回答を補足する文書を宮城県に出しています。そこには、工事計画届出の段階で当該事業が環境影響評価法及び電気事業法に基づく環境影響評価の対象事業であると判断された場合において、既に対象事業に着手、森林伐採等をしていた場合には環境影響評価法第三十一条第一項に基づく法令違反となるおそれがあると、こういうふうに書かれています。
 これは、仮にアセスが必要だというふうに判断をされた場合に、その時点で森林伐採などの対象事業に着手をしていた場合は法令違反となる可能性があるということでいいかを確認したいんです。さらに、もし法令違反だった場合はFIT認定の取消しということになるのでしょうか。

#283
○政府参考人(太田雄彦君) お答え申し上げます。
 お尋ねのありました宮城県丸森町における二つの太陽光発電プロジェクトに係る宮城県からの経済産業省への照会につきましては、五月十九日に回答いたしたところでございます。その際に、参考情報として、工事計画届出の段階で法に基づく環境影響評価の対象事業であると判断され、かつ既に森林伐採等の事業に着手していた場合には、環境影響法の違反となるおそれがある旨記載したところでございます。
 再エネ特措法では、関係法令の遵守を認定基準として定めてございます。関係法令の違反が認められた場合には、指導や改善命令を行うほか、必要に応じて認定を取り消すことといたしております。

#284
○岩渕友君 今答弁があったように、法令違反があった場合は指導、改善求めるんだけれども、その先にはFIT認定の取消しの可能性があると、そういう御答弁でした。
 経産省が宮城県にアセスの対象にならないという回答を行った基になっているものがあって、これが二〇一三年四月の経産省のアセスメントの判断に係る目安の文書なんですね。これ、二〇一三年というと、今から約八年前ですよね。太陽光発電がアセスの対象外であっただけでなくて、再エネが大規模に取り組まれる前の文書ということになります。
 そこで、梶山大臣にお伺いするんですけれども、この現状に合わない判断基準は直ちに見直しを行って、全国に徹底をするべきではないでしょうか。

#285
○国務大臣(梶山弘志君) 委員御指摘の宮城県丸森町で計画されている太陽光発電所プロジェクトにつきましては、五月十四日と二十六日の二度にわたり衆議院経済産業委員会で取り上げられ、内容は承知をしております。
 御指摘のありました同一発電所の判断の目安については、環境影響評価法は、環境影響評価の対象となる事業について、一連の土地の形状並びに工作物の新築及び増改築と定義しているのみであることから、発電所の特性を踏まえ、その外延を具体化すべく、平成二十五年に経済産業省において策定をしたものであります。
 判断の目安において、環境アセスの対象となる、複数の設備を同一発電所とみなす場合としては、同一構内にあること、法的な設置者や事実上の管理主体が同一であることなどの観点を始め、具体的な状況や経緯を踏まえて判断することとしております。
 平成二十五年の判断の目安の策定後、令和二年四月より太陽光発電、太陽電池発電設備が環境アセスメントの対象となり、また、その設置形態も多様化していることから、判断の目安を見直すべく、既に有識者とは事務レベルで議論を開始をしているところであります。六月にも検討会を立ち上げ、環境影響評価法の趣旨が十分に踏まえられるように、環境省とも連携をして早急に検討を行ってまいりたいと考えております。

#286
○岩渕友君 早急に検討するということでしたけれども、本当に急がれる問題です。全国的にも本当に波及する問題でもあるので、急いで進めていただきたいと思います。
 それで、資料の二を御覧いただきたいんですけれども、この事業をめぐって、当初から住民への説明を行って用地の買上げなどを行っていた株式会社HK―ONEという会社あるんですけれども、ここの社長が行政区長に現金百万円を渡すと、賄賂を申し込んだということで逮捕されて、罰金刑を受けているんですね。
 地域住民への説明もまともに行わずに逮捕者まで出すような事業はFIT認定取り消すべきではないかと思うんですけれども、梶山大臣、いかがでしょうか。

#287
○国務大臣(梶山弘志君) 再エネにつきましては、二〇五〇年のカーボンニュートラルの実現に向けて最大限導入していくことが基本方針であります。このため、地域に根差した再エネの導入拡大を進め、地域の信頼を確保していくことが重要であると考えております。
 このため、FIT制度では、認定事業者が地域住民と適切なコミュニケーションを図ることを努力義務としておりまして、怠っている場合にはFIT法に基づく指導を行います。条例を含む関係法令の遵守を認定基準として定め、認定事業者自身が違反した場合には必要に応じて認定を取り消すといった取組を行っているところであります。
 今回の事案については、事業の体制、逮捕者との関係など詳細について確認を行い、必要に応じて適切に対応をしてまいりたいと思っております。
 先ほどの検討会ということですが、これ検討会は本年の七月を目途に結論が得られるように議論を進めてまいりたいと考えております。

#288
○岩渕友君 ありがとうございます。
 災害リスクが増大をしていて、このような事業では住民間にあつれきが生じてしまうと、住民の方たちも不安を感じているんですね。先ほど大臣が地域の信頼という話されたわけですけれども、町議会の総意として反対が示されていて、これもう地域との共生というのはあり得ないと思います。FIT認定の取消しを強く求めておきたいと思います。
 次に、東京電力福島第一原発事故で発生をした汚染水をめぐる問題について質問をします。
 四月十三日、政府は海洋放出決定を強行しました。政府と東京電力は、廃炉を着実に進めるためにタンクを減らすんだと言っています。現在、汚染水の発生量は一日平均で百四十トン、朝日新聞が行った試算では、中長期ロードマップに掲げる二〇二五年以内に一日百トン以下、この目標を達成をしたとしても、汚染水の発生量は放出量を上回るというふうにされています。
 東京電力にお聞きしますが、汚染水がなぜ発生をするのか、簡潔に答えてください。

#289
○参考人(小早川智明君) 東京電力ホールディングスの小早川でございます。
 先生からの御質問にお答えいたします。
 福島第一原子力発電所における汚染水は、地下水や雨水が建屋内に入ることで、建屋内の放射性物質による汚染、あるいは燃料デブリに触れた汚染水と混ざることにより発生すると考えております。

#290
○岩渕友君 今答弁いただいたようなことで汚染水増えていくと。これ、汚染水の発生量が減らなければ、タンクを減らすということは当然できないわけなんですよね。
 東京電力は、汚染源を取り除く、汚染源に近づけない、汚染水を漏らさないという三つの基本方針に基づいて汚染水の対策を進めていますけれども、この発生量を減らすことは汚染水対策をする上でもう決定的になってきます。
 資料の三を御覧ください。汚染水の発生量を抑えられてきてはいるんですけれども、見ていただければ分かるように、台風とか大雨とか、降水量が増えれば汚染水も増えると。天候に左右されている状況でもあるんですよね。
 資料の四も御覧いただきたいんですけれども、これは第一原発の一号機―四号機建屋の周辺断面図ということで、建屋の流入量を減らす必要があると思うんですけれども、建屋にはどこからどのぐらいの流入があるのでしょうか。

#291
○参考人(小早川智明君) 御質問にお答えいたします。
 二〇二〇年の汚染水発生量は一日当たり約百四十立方メートル程度でありましたが、建屋流入量につきましてはそのうち約百立方メートル程度と評価しております。
 なお、建屋への流入経路につきましては、主に地下水の流入、屋根の開口部からの雨水の流入などが考えられますが、正確な流入経路の内訳につきましては現時点では評価できておりません。
 以上でございます。

#292
○岩渕友君 今答弁にあったように、正確な理由や内訳については今把握できていないということなんですよね。ということは、建屋流入の原因は分かっていないということになるわけですか。

#293
○参考人(小早川智明君) 御質問にお答えいたします。
 詳細な内訳につきましてはまだ判明しておりません。今、評価中、評価が継続中と御理解いただければと思います。

#294
○岩渕友君 これ、原因が分からなければ、じゃ、どうやって止めるのかという対策立てることができないと思うんですね。
 建屋流入の原因を明らかにして対策しなければならないわけですけれども、今後どのようにやろうというふうに考えているんでしょうか。

#295
○参考人(小早川智明君) 御質問にお答えいたします。
 先生から御提示の資料にもありましたとおり、汚染水対策が喫緊の課題であった二〇一五年には一日当たり約五百立方メートル程度汚染水が発生しておりました。そのため、地下水の流入を抑制すべく、凍土壁の設置、サブドレーンの稼働、増強、建屋水位、地下水位の低下、また建屋周辺の敷地舗装などを組み合わせた重層的な対策を行ってまいりました。また、雨水が建屋の損傷箇所から建屋内に流入することを防ぐため補修等を行ってまいりました。
 これらの対策により、二〇二〇年の汚染水発生量は一日当たり約百四十立方メートルとなり、二〇二〇年内に汚染水の発生量を一日当たり百五十立方メートル程度に抑制するという中長期ロードマップの目標は達成しております。
 引き続き、建屋周辺敷地の舗装を進めるなど、二〇二五年内に一日当たり百立方メートル以下に抑制するという中長期ロードマップの次の目標に向け、対策に取り組んでまいります。

#296
○岩渕友君 今の答弁はこれまでのことなんですよね。じゃ、これからどこに原因があってどういう対策取ればいいのかということがはっきりしていないということなんですよ。
 それで、今も答弁にあったように、東京電力は、地下水バイパスによる地下水のくみ上げであるとか凍土壁などを切り札としてきました。凍土壁には三百四十五億円もの国費が投入をされたわけですけれども、凍土壁単独の汚染水抑制効果というのは九十五トンで、効果限定的になっているんですね。
 梶山大臣に聞くんですけれども、汚染水対策を検討して問題を根本から解決方策を検討している汚染水処理対策委員会ありますけれども、ここが二〇一九年の五月十四日以降開かれていないんです。これ二年も開かれていないということになるわけですけれども、汚染水対策の現状と課題を確認をして、今のような状況ですからね、更に対策を進めるために会議を開催するべきではないでしょうか。

#297
○国務大臣(梶山弘志君) 汚染水処理対策委員会は、二〇一三年四月に、福島第一原発の汚染水処理問題の根本的な解決や同年に生じた地下貯水槽からの漏えい事故への対処を検討するために廃炉対策推進会議の下に設置をされたものであります。これまで二十二回にわたり開催をし、地下水の流入抑制や雨水対策などの汚染水発生量の抑制対策について議論をしてきたところであります。
 二〇一八年に同委員会での議論を踏まえて整備してきた凍土壁が完成をし、応急措置的な対応が一段落して以降は、汚染水の発生状況や対策の効果を確認するために必要に応じて開催する運用となっております。
 これ、当初、五百四十立米その汚染水が発生をしていたんですね。今、先ほど東電の社長からありましたように、百四十立米まで抑えてきたと。目標としては百立米までまずは行きましょうということなんですけれども、現在、二〇一九年の四月に改訂した中長期ロードマップでは、汚染水発生量を、二〇一八年時点で一日当たり百七十立米だったところを、二〇二〇年には百五十、二〇二五年には百立米に抑制することを目標として立てております。
 これ、凍土壁のほかに屋根を付けたり、あと、いかに回り道をさせるバイパス、地下水のバイパスを造ったりということで様々な手だてを講じているところでありまして、現状ではそういった対策、今までに対策委員会で議論をしてきたことを実行しているということでありまして、必要に応じてまた開催をすることもあろうかと思います。

#298
○岩渕友君 先ほどの東京電力の答弁から考えれば、やっぱり必要だってことだと思うんですよ。ちゃんと抜本的な対策立てなくちゃいけないということだと思うんですね。その抜本的な対策を強化するべきだということを強く求めておきます。
 地下水や地質学の専門家がつくっている福島第一原発地質・地下水問題団体研究グループというところあるんですけれども、汚染水の問題で調査や提案を行っているわけですね。資料の四、もう一回見ていただきたいんですけれども、これ、東電の資料で、単純に山側から海側に向かって地層がきれいに並行して滑らかに続く地質断面図、説明されているわけなんですけれども、このグループの検討では、地質に凸凹があったり地質の厚さが場所によって異なっているということで、砂で水が通りやすいところとか、反対に泥岩で水が通りにくいところなんかが複雑に入り組んでいると、分布しているということが分かっています。
 地下からのこの流入を防ぐために地層の調査なども行って、それを踏まえて抜本的な対策やるべきだと思うんですね。汚染水を増やさないためのあらゆる手だてを取ることもなく海洋放出が決定されるということは、これ許されないということだと思うんです。
 決定後も反対の声が広がっているんですよ。南相馬市議会では海洋放出決定に強く抗議をし、決定の撤回を求める意見書、そして、いわき市議会でも再検討を求める意見書が全会一致で可決されています。県のJA、漁連、森林組合、生協連でつくる地産地消運動促進ふくしま協同組合協議会というところも共同声明を発表して、さらに、五月二十八日には県内の三つのJAが決定に反対する特別決議を採択しています。
 これ、県内だけが反対しているわけではなくて、青森県八戸漁業指導協会の会長理事は、決定に断固反対だ、美しい海と漁業者を守るために海洋放出以外のあらゆる手段を考えてほしいと、こういうふうに述べていますし、宮城県の県漁協の組合長は、怒りを覚える、政府の失敗を漁業者に押し付けるばかりで当事者意識に欠けると、こういうふうな批判されているんですね。
 こうした声に応えて、この決定見直すべきではないでしょうか。東京電力と梶山大臣にそれぞれお聞きします。

#299
○参考人(小早川智明君) まず、当社の福島第一原子力発電所の事故により、福島の皆様を始め本当に広く社会の皆様に多大な御負担と御迷惑をお掛けしておりますことを改めておわびを申し上げます。
 その上で、今般の決定に伴っての漁業関係者の皆様を始め多くの皆様から、ALPS処理水の処分の安全性への懸念や風評影響への御不安など、様々な御意見がありますことは私としても承知しております。
 当社は、福島第一原子力発電所の事故の当事者として、政府の基本方針を踏まえ、風評影響の抑制、また、安全かつ着実な処分の遂行、モニタリングの拡充強化、分かりやすい情報発信などしっかりと取り組み、関係者の皆様からの御理解が得られるよう今後とも努力をし続けてまいります。
 私からは以上でございます。

#300
○国務大臣(梶山弘志君) まず、先ほどの地下水の発生についてですけれども、当然私どもも、専門家の会議でやっているということで、地下水のくみ上げも含めてありとあらゆる方策を取っているところでありますので、また、いい方法があればということでしっかりと検討した上で最善を尽くしてまいりたいと思っております。
 ALPS処理水の取扱いにつきましては、時間を掛けて丁寧に議論を進めてまいりました。具体的には、二〇一三年以降、六年にわたって専門家による検討を行い、報告書をまとめてきたということ、そして、昨年二月以降だけでも七百回に及ぶ意見交換を行い、また御意見を伺う場等でしっかりと御意見も伺ってきて、書面によるパブコメの意見募集も行ってまいりました。ただ、委員がおっしゃるように、県内の方々を始め海洋放出に懸念を持つ方がたくさんいることは強く認識をしているところであります。
 こうした御懸念に応えるために、安全性に係る科学的な根拠に基づく情報を透明性高く発信をして説明を尽くす広報活動を行うこと、また、風評の発生を未然に防ぐための販路拡大などの支援、万が一風評が発生した場合の丁寧な賠償などのために体制づくり、また徹底をしているところでありますので、しっかりと対応してまいりたいと思っております。

#301
○岩渕友君 反対の声に応えるのであれば決定は撤回するべきだということを強く求めて、質問を終わります。

#302
○吉良よし子君 日本共産党の吉良よし子です。
 初めに、国際オリンピック委員会、IOCの幹部の一連の発言について伺います。
 IOCのコーツ調整委員長は、緊急事態宣言の下でも五輪を開催するかと問われ、もちろんイエスだと答え、バッハ会長は、オリンピックの夢を実現するために誰もが幾らかの犠牲を払わないといけないと述べ、そして最古参の委員パウンド氏は、アルマゲドンでもない限りやる、菅首相が中止を求めても大会は開催されるとまで発言をしました。どこまで上から目線の発言か。
 日本では、オリンピック中止を求める署名は四十万五千筆を超えています。世論調査でも多数が、中止又は延期すべきだと、この夏は開催できないと声を上げているのに、オリンピックが開催できさえすれば日本国民の命がどうなろうと知ったことではないと言わんばかりのひどい発言、主権侵害にもつながる発言を許しておくのかと。
 オリパラ担当大臣に伺いたい。IOC幹部のこの一連の発言について、日本政府として抗議をしたのでしょうか。

#303
○国務大臣(丸川珠代君) まず、そもそもでございますが、委員御指摘のIOCバッハ会長の発言について、組織委員会からIOCに事実関係を確認しましたところ、バッハ会長は、全てのオリンピックコミュニティーは犠牲を受け入れなければならないという趣旨の発言をしました。原文を取り寄せて確認しましたところ、バッハ会長の発言は、エブリワン・イン・ジ・オリンピック・コミュニティー・ハス・トゥー・メーク・サクリファイシスとおっしゃっていまして、まさに日本国民に対して発言されたものではないということは明確です。
 次に、IOCコーツ委員長の発言については、先日のIOC調整委員会の終了後の記者会見において、記者とのやり取りの中で、緊急事態宣言下においても東京大会のテストイベントが実施をされていて、アスリートの安全、安心も、日本国民の安全、安心も確保ができたという点で成功しているという趣旨の発言の中で述べられたものと承知をしております。ですので、国民の健康や命よりも東京大会が大事というような趣旨では発言されていないという理解をしております。
 いずれにしても、政府としては新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止に全力を尽くし、そして、引き続き私も、五者協議の際も医療への負荷をしっかりよく受け止めてくれということを再三、まさに三度申し上げたんです。加えて、人流対策も必要ですということも同様に訴えてまいりました。
 これからも国民の安心、安全を守るという観点からしっかりと調整を進めていきたいと考えております。

#304
○吉良よし子君 いろいろおっしゃいましたけど、抗議一つされていないと。そもそもパウンド氏に至っては、首相がたとえ中止を求めても大会開催されると、もう主権侵害につながる発言をしているわけですよ。それに対して抗議一つしないというのが、いや、主催国として余りに無責任だと言わざるを得ないと。
 今この瞬間にも感染拡大で多くの方が苦しんでいて、亡くなる方もいて、医療従事者は必死で闘っていて、休業を余儀なくされている事業者はいよいよ限界で、経営の危機に追い詰められている。それなのに、どんな犠牲が出てもオリンピックだけは開催する、そういうIOCの姿勢に対して抗議もしない、一緒になって開催へ突き進む、医療を引っぺがしてオリンピックに協力しろと要請まで掛ける、そういう政府の姿勢は私は許されないと思うんです。
 オリンピックで重大なのは、この大規模なイベントの開催により一般市民への感染が急速に広がるのではないかということです。とりわけ今日私が確認したいのは、子供たちについてなんです。子供たち、オリンピック・パラリンピック競技を観戦させる学校連携観戦について計画がされていると。この学校連携観戦とは、どの都道府県を対象に何人の子供たちの観戦を予定しているのか、お答えください。

#305
○政府参考人(藤江陽子君) お答え申し上げます。
 御指摘の学校連携観戦につきましては、新型コロナウイルスの感染が拡大する前の令和元年度に組織委員会によって募集が行われたものでございます。対象地域といたしましては、東京都など競技会場が所在する自治体や東日本大震災被災三県等と聞いております。また、令和二年一月時点でのチケット数は、オリンピック、パラリンピックを合わせて約百二十八万枚であったと聞いておるところでございます。
 現在、観客の上限や感染症対策に係る検討が行われているところでございまして、この結果を踏まえて本件の取扱いについても組織委員会において検討がなされるものと承知しております。

#306
○吉良よし子君 全国で百二十八万人の子供たちが動員される計画であると。これ、コロナ前の計画だという御説明だったんですけれども、東京都に関して言えば、コロナ感染拡大した後、昨年の十二月の時点で、もう前の日程から一日だけずらしただけの日程が学校関係者に届いていると。東京都都議会でこの問題、斉藤まりこ都議会議員が追及したところ、東京だけで私立を含めれば九十万人もの子供たちが動員される計画だということが明らかになっているんです。これだけの数の子供たちをこのコロナ禍移動させて競技会場に集中させるのかと、コロナ前の計画がいまだに生きている、実際に都の学校に通知も出されていて下見もされているわけですけれども、それが生きているということに私は驚きを禁じ得ないわけです。
 確認をしたいんですけれども、仮に、仮にこれが無観客開催、オリンピックが無観客開催となった場合、この学校連携観戦、もちろんやめるということでよろしいですか。

#307
○政府参考人(藤江陽子君) 繰り返しになりますが、安全、安心な大会実施という観点から観客数をどうするか、それから、その際の感染症対策をどうするかについての検討が組織委員会において行われておりまして、この結果を踏まえ、学校連携観戦の取扱いについても検討がなされるものであると承知しておりまして、御質問の仮に大会が無観客になった場合の取扱いということも含めまして組織委員会において検討がなされているものと考えております。

#308
○吉良よし子君 検討って、いまだにそれすらはっきり言えない、分からないというのがおかしいと思うんです。無観客だったら行かないのが当然なんじゃないですか。
 しんぶん赤旗日曜版が東京都から入手した資料に基づいて試算したところ、国立競技場で行われるパラ陸上競技の観戦予定者、一日で平均百二十七校、二万一千七百九十八人の子供たちが一堂に集結するという計算です。この人数が、例えば、公共交通機関で移動しろと言われていますから、公共交通機関、電車使って同時刻に国立競技場を目指すとなると、最寄り駅のホーム、構内に人があふれて場合によっては身動きができないだけの密となるのは避けられないと駅関係者などは言っています。
 子供への感染力の強い変異株も広がっている中、オリンピック観戦でクラスターがもし発生したら、一体誰が責任を取るのでしょうか。そうじゃなくても、感染対策として着用しているマスクによる熱中症の危険もあるわけです。東京都医師会会長も、国内の感染が落ち着かない限り、この計画、見直しが必要だと言っています。
 子供たちの東京五輪観戦計画の中止を求める署名、一週間で二万七千筆が集まっている。文科大臣、文科省こそ子供たちの命と健康を守る立場に立って、もうこの学校連携観戦は直ちにやめる、この判断すべきじゃないでしょうか。

#309
○国務大臣(萩生田光一君) 先ほどスポーツ庁の次長も説明しましたが、この学校連携観戦の取扱いについては、現在、国内における新型コロナウイルスの感染状況も踏まえ、観客上限に係る検討や観客の感染症対策に係る検討が行われているところであり、この結果を踏まえ、組織委員会にて検討がなされるものと認識しております。
 これは私がやれとか私がやめろという性質のものじゃないと思うので、適切に判断をされると思います。

#310
○吉良よし子君 いや、大臣が決めることじゃないとおっしゃいますが、先ほど言ったように、もしこれで子供たちの中に感染が広がったらどうするのか、誰が責任を取るのか、学校に全部丸投げなのかということを聞いているんです。そういう意味では、子供たちの命と健康を守る立場に立てるのは文科省だと。
 やっぱり直ちに中止求めなきゃいけないんじゃないのかと。こういう子供たちの命や健康を守る立場にすら立てないような状況で、安全、安心のオリンピックなんてもう到底無理です。オリンピック・パラリンピック、もう今すぐ中止の決断するように強く求める次第です。
 そして、次に、奨学金の返済についても今日は伺いたいと思っております。
 どんな経済状況であっても厳しい回収を行っている機構に対して、民間の金融業者よりもひどい取立てじゃないかということがこの間ずっと指摘されている奨学金返済問題なんですけれども、今日伺いたいのは、保証人に対する請求、分別の利益についてです。
 分別の利益とは民法上の規定で、借金の保証人が複数人いる場合は、一人一人の保証人の返済額は残っている返済総額を保証人の頭数で割った分でいいという仕組みで、奨学金の場合は、人的保証を選んだ場合、連帯保証人と保証人一人ずつ立てることになっているので、本人も連帯保証人も返せないとなった場合の保証人の返済というのは請求額の半額、二分の一でいいという仕組みになっているわけです。
 しかし、この分別の利益というのがもうほとんど適用されていない。全額、保証人請求にした場合、払わされている実態があって、各地で過払い金として返還を求める訴訟も相次いでいるんです。
 まず、現状を確認したいんですけれども、日本学生支援機構、二〇一〇年から二〇二〇年の間、保証人に対して返還請求をした実績というのはどの程度か、請求した保証人の数、お答えいただきたい。また、そのうち分別の利益が適用されているのは何人なのか、併せてお答えください。

#311
○政府参考人(伯井美徳君) お答えいたします。
 日本学生支援機構からの報告によりますと、決算前のため暫定値となりますが、二〇一〇年から二〇二〇年までの間、千九百六十九人の保証人に対して返還請求を行い、そのうち分別の利益を主張し適用した保証人は百三十三人であると聞いております。

#312
○吉良よし子君 この分別の利益が適用されているのは全体の一割に満たない数にとどまっているということなんですね。これだけでも問題だと思うんですが、もう一点確認したい。
 この保証人が、ただ言われたとおりに全額を返還しました、返済しましたと。ただ、その後に分別の利益があるということを知って、分別の利益を主張した場合、その半額、分別の利益分の返金をした事例というのは今までにあるのでしょうか。

#313
○政府参考人(伯井美徳君) 日本学生支援機構によりますと、保証人が全額を返還された後に分別の利益を主張された場合に返還した事例はないというふうに聞いております。

#314
○吉良よし子君 ないということなんですね。これ、とんでもない話で、そもそも分別の利益が適用されている人が全体の一割に満たないというのは、機構側が請求をする際に、そういう権利があるということを保証人に一切知らせないまま、全額一括での返還を有無を言わさず迫っているからなんです。
 例えば、めいの奨学金の保証人となった七十代の男性、二〇一八年十月に機構から全額一括での返済を迫られ、総額が九百二十二万円。御本人は、七十代であるにもかかわらず、週三回の夜勤を続けないと生活できないような経済状態だったけれども、めいも、その連帯保証人だっためいの父親も自己破産していると聞いて、もうこれはしようがないからと、老後の蓄えをはたいて九百二十二万全額を振り込んだというんです。郵便局で振り込もうとしたときに、余りの高額に職員が驚いて、本当にいいんですかと声を掛けてきたと。ただ、それでも、機構側からの書類には、もう最終通知で、連絡がないときには裁判所に支払督促申立てを行いますなどとあったため、もうとにかくその場で払うしかなかったと。その後になって、改めて報道で保証人は半額でいいと知って機構に問合せをしたけれども、先ほどあったように一円も返してもらえなかった。有無を言わさず、分別の利益の説明もなくて全額の一括返還を求めておきながら、後で主張しても返されない。本当にひどい対応だと思うんです。
 先日、ついに、この対応について許されないんだという地裁判決が出されました。五月十三日の札幌地裁の判決です。
 この判決では、こうした後からの申出でも返還すべきだとされて、保証人の負担分を超えた部分については日本学生支援機構の不当利得であると明確に述べているわけですが、文科大臣、この判決踏まえて、もう既に支払済みのものについても分別の利益に相当する部分については保証人たちに直ちに返還すべきではありませんか。いかがでしょう。

#315
○国務大臣(萩生田光一君) 本件につきましては、日本学生支援機構で対応すべき、検討すべき事項だと考えます。このため、文科省としてのコメントは差し控えさせていただきたいと思います。
 いずれにしましても、日本学生支援機構が、今回の札幌地裁での判決を踏まえつつ、法人として関係者への説明も含め適切に対応すべきことであると考えます。

#316
○吉良よし子君 機構に丸投げという、文科省の事業でもあるわけですから、奨学金、ちゃんと責任持ってコメントしていただきたいと思うんですけれども。
 この機構の保証人への請求というのは、本当に悪質と言われても仕方がない事態だと思うんです。先ほどの一括請求のみならず、例えば、返還が困難だと相談があってもなお機構側は、保証人に対して、いや、分別の利益があるから返済額は半額まででいいということについて説明すらしていないわけです。
 この札幌地裁の原告の場合は、高校教員で、定時制高校で担任を受け持った教え子の保証人になったところ、退職後に機構側から督促状が届いて、教え子のところ行ったら、もう電気も止められ、食べるものにも困る状況でと。連帯保証人の父親が既に死亡していたので、もう自分が払うんだと腹をくくったというんです。けれども、実際には楽ではない年金生活だったので、機構と何度も連絡を取って、ようやくのこと分割での支払というのを認めてもらったと。その何度も相談している間、機構側からは分別の利益については何一つ説明がなかったというんですね。
 法的知識のない保証人に、公的機関である日本学生支援機構側がこの分別の利益の説明をしないなんて余りにひどいと。返還のてびきやホームページ等にこれ掲載しているんだということは、さんざん機構などが説明していらっしゃるんですけど、いや、もう高齢の保証人も多い中、ホームページに載せていますからと言っても、それで説明が十分とは到底言えないと。やっぱり、この保証人に請求をするそのときに、若しくは保証人から返還が困難ですと相談があったそのときに、分別の利益があるんだということを機構側からちゃんと説明すべきだと思いませんか、大臣。いかがですか。

#317
○国務大臣(萩生田光一君) この前、記者会見で私なりの私見は申し上げたつもりでいるんです。
 それで、今は訴訟中になってしまいましたので、ちょっと私自身のコメントは控えさせていただきたいんですが、今本当は、そのホームページに書いてありますと説明をしようと思ったら、そんなことはと先生おっしゃったので、確かに、高齢者の方たちに、こういったホームページに書いてありますよということだけで分別の利益について理解をしろというのは難しい話だと私も思います。
 したがって、請求する際に分別の利益があることを説明するかどうかは、本件に関しては訴訟中でありますからコメントは差し控えた上で、一般論として、奨学金事業は学生のためのものでありますから、分かりやすい制度であるべきと考えます。特に、今回の例のように、まあ恩師が進学をきっと勧めていただいたんでしょう。その中で、連帯保証人は見付かったけれども保証人が見付からないという状況の中で、ならば自分がというようなやり取りがきっとあったんじゃないかと私も推測しますよ。
 そうしますと、そういった方にやっぱりしっかり制度を理解していただいた上でその法的な責任を果たしていただくというのが望ましい姿じゃないかなと思いますので、様々な御意見を踏まえて、これを機会に、私としてはより良い制度にしていきたいという思いはございます。

#318
○吉良よし子君 分かりやすい制度であるべきだし、ちゃんとその法的な権利について理解をしてもらうべきだという大臣の答弁でした。いや、そうであれば、やっぱりこの請求するそのときに説明するということを徹底しないといけないわけです。
 ちなみに、この分別の利益については、保証人が申し出るべきだということをさんざん機構側はずっと言って、主張しているわけなんですけれども、それに対して、札幌地裁の判決では、こうした分別の利益の効果発生に保証人の何らかの行為は要求していないんだと、もうそういう主張を全部否定をしているわけですから、こうした主張はもう許されないんだと、当たり前の、請求時に説明するという当たり前のことをやらなきゃいけないと。
 先ほどの高校教員の方は、教育事業に関わる機構が、保証人が法律を知らないことに乗じて法律上は支払う義務がない金額まで支払わせていたことは許されませんと、教育事業に関わる機構なのですから、きちんと制度の説明をして、法律上支払う義務がある範囲を超えて支払うかどうか、私たち保証人が自発的に支払うかどうか判断する機会を与えるのが筋じゃないでしょうかと訴えている。当然だと思うわけです。
 ちなみに、この機構がこのようなかたくなな態度を取るのは、やっぱり回収ありきなんです。返還中の保証人に分別の利益について機構が伝えない理由について、機構の遠藤勝裕前理事長は、それを伝えてしまえば事実上半額を回収できなくなるんだということを話していて、とにかく全額回収することありきだから、当たり前の分別の利益の権利の説明すらしないということを言っている。こういうことをやっていることが本当に私は悪質だとしか言いようがないと思うんです。公的機関である日本学生支援機構が分別の利益を伝えず、法知識がない保証人を利用して、もうとにかく全額回収ありきで進める、このやり方は改めるべき、全額回収のそのやり方を改めるべきじゃないかということを、大臣、いかがでしょうか。

#319
○国務大臣(萩生田光一君) 先ほども申し上げたように、本件については訴訟中であります。
 一般論としては、やっぱり丁寧に利用者に理解してもらえる制度の説明というのは必要だと思いますので、そこは精度を上げていきたいと思っています。

#320
○吉良よし子君 やっぱり、この機構の姿勢を改めなきゃいけないんですよ。民間の貸金業者よりもひどい取立てだと思うんです。とにかく、回収率九割以上だとか何だとかと言っていますけど、海外を見てみれば、この奨学金の事業というのは全額回収ありきの事業にはなっていないんです。そもそも、普通のローンだったら返す能力があるかどうかの厳正な審査をやってからローンをするわけですけれども、奨学金について言えば、元々資金のない学生に対して奨学金を貸すという事業なんだから返ってこないこともあり得るんだと、それを踏まえた制度設計になっているのが海外の貸与型の奨学金事業なんです。なのに、日本はとにかく全額回収でやるんだというそういう姿勢をやっているから、こうやって保証人に対してまで、分別の利益を超えてまで返還を求める、余りにひどい対応になっている、これを変えさせなきゃいけないんだと。
 多くの人は、教育に関わる国の公的機関だからまさか必要な説明もしないで取り立てるあこぎなことはしないだろうと信用して、たとえ返還が難しい経済状態であっても無理をして全額返してしまっているわけで、直ちにこうした保証人への分別の利益を全面的に認めて、分別の利益の分は全額返還すべきであるということを申し上げまして、質問を終わります。

#321
○委員長(野村哲郎君) 他に御発言もないようですから、令和元年度決算外二件の本日の質疑はこの程度といたします。
 予備費三件につきましては、質疑を終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#322
○委員長(野村哲郎君) 御異議ないと認めます。
 速記を止めてください。
   〔速記中止〕

#323
○委員長(野村哲郎君) 速記を起こしてください。
 これより予備費三件を一括して討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べください。

#324
○岩渕友君 私は、日本共産党を代表して、二〇一九年度一般会計予備費使用総調書(その1)と(その2)に反対、同年度特別会計予備費使用総調書に賛成の討論を行います。
 使用総調書(その1)のオマーン湾等の中東地域における自衛隊の情報収集活動です。
 日本共産党は、国会での質疑で、自衛隊が中東地域で収集し、米国と共有する情報について、自衛隊が提供する情報がアメリカの武力行使につながる判断材料になる、憲法上許されない武力行使との一体化になる危険性があると厳しく警告しました。
 また、米軍普天間基地及び横田基地、嘉手納基地等の爆音損害賠償訴訟において、国側や原告住民側の控訴に伴う国の保証金差し入れと原告に対する巨額賠償が繰り返されています。
 問題は、日米地位協定第十八条第五項(e)で、本来その金額の七五%を米国政府が負担するべきなのに、米国側が一円も応じず、地位協定さえ守られていない状況が続いていることです。米国政府に直ちに損害賠償金を求償し、支払うよう強く求めるべきであり、承諾できません。
 同調書(その2)の中曽根康弘元総理の内閣・自民党合同葬儀経費について、コロナ禍での八千二百七十四万九千円の支出に対する国民の批判に加え、全国の国立大学や自治体などへの弔意要求が内心の自由に関わるとする批判もあり、この支出は承諾できません。
 なお、八月豪雨、十月の台風十五号、十九号による被災地域に対する支援経費、旧優生保護法やハンセン病元患者に対する補償金等の支払は必要な経費であり、承諾します。
 次に、特別会計です。安倍前総理によって突如表明された一斉休校に伴う予備費の支出です。
 一斉休校は、科学的根拠もなく、子供たちと家族に深刻な問題を引き起こしました。
 日本共産党は、予算規模と支援対象が余りにも小さく、学校休業に伴うフリーランスへの所得補償や雇用調整助成金の助成率等の措置が不十分であり、改善を強く求めました。
 そもそも、安倍前総理が、一斉休校を決めながら、一方で、感染拡大の初期にヨーロッパや中国からの渡航者の入国禁止を速やかに措置せず国内の感染者を増加させた責任は極めて重大です。
 雇用調整助成金の予備費支出は、極めて不十分ではありますが、学校休業に伴い仕事を休まざるを得なかったフリーランスや労働者の休業補償に資するところもあり、あえて反対しないことを表明し、討論といたします。

#325
○委員長(野村哲郎君) 他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#326
○委員長(野村哲郎君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより採決に入ります。
 まず、令和元年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)、令和元年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)、以上二件を一括して採決を行います。
 これら二件について承諾を与えるべきものと議決することに賛成の方の起立をお願いします。
   〔賛成者起立〕

#327
○委員長(野村哲郎君) 多数と認めます。よって、これら二件は多数をもって承諾を与えるべきものと議決されました。
 次に、令和元年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書について採決を行います。
 本件について承諾を与えるべきものと議決することに賛成の方の起立をお願いいたします。
   〔賛成者起立〕

#328
○委員長(野村哲郎君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承諾を与えるべきものと議決されました。
 なお、これらの案件の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#329
○委員長(野村哲郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。
 速記を止めてください。
   〔速記中止〕

#330
○委員長(野村哲郎君) 速記を起こしてください。
    ─────────────

#331
○委員長(野村哲郎君) 国家財政の経理及び国有財産の管理に関する調査のうち、国会法第百五条の規定に基づく本委員会からの会計検査の要請に対する結果報告に関する件を議題といたします。
 会計検査院から説明を聴取いたします。森田会計検査院長。

#332
○会計検査院長(森田祐司君) 会計検査院は、国会法百五条の規定に基づき令和元年六月十日付けで参議院議長から会計検査及びその結果の報告の要請がありました「福島第一原子力発電所事故に伴い放射性物質に汚染された廃棄物及び除去土壌等の処理状況等」及び「政府情報システムの整備、運用、利用等の状況」につきまして、関係府省等を対象に検査を行い、会計検査院法第三十条の三の規定に基づき三年五月二十六日にその結果の報告書を提出いたしました。その報告書の概要を御説明いたします。
 まず、「福島第一原子力発電所事故に伴い放射性物質に汚染された廃棄物及び除去土壌等の処理状況等に関する会計検査の結果について」を御説明いたします。
 検査しましたところ、除染の取組等の状況については、環境省の除染の効果に係る評価結果は、自然減衰等に起因する線量低減効果が相当程度影響していると思料されたり、放射性物質に汚染された廃棄物及び除去土壌等の処理状況については、除去土壌等の管理が適切と認められない事態等が見受けられたり、放射性物質に汚染された廃棄物及び除去土壌等の最終処分への取組状況については、福島県外の指定廃棄物で放射能濃度が八千ベクレル・パー・キログラム以下になっているものは約二万トンと推定されたり、特定復興再生拠点区域では比較的高濃度の除去土壌が一定割合発生したりなどしていました。
 検査の結果を踏まえた会計検査院の所見といたしましては、環境省において、自然減衰等の影響をできるだけ排除して除染の効果を統一的に確認できるよう、測定間隔を可能な限り一定にして速やかに測定するなどの手法を検討すること、除去土壌等の保管状況を適切に把握するなどするよう徹底を図ること、放射能濃度が八千ベクレル・パー・キログラム以下の廃棄物は通常の処理方法でも技術的に安全に処理することが可能であるとされていることについて説明や情報発信を更に進めること、特定復興再生拠点区域で今後発生する除去土壌等の量等を速やかに推計し、最終処分に向けた取組を行うなどの点に留意する必要があると考えております。
 会計検査院としては、福島第一原子力発電所事故に伴い放射性物質に汚染された廃棄物及び除去土壌等の処理状況等について、今後も引き続き検査をしていくこととしております。
 次に、「政府情報システムに関する会計検査の結果について」を御説明いたします。
 検査しましたところ、複数のシステムにおいて予算のうち特に整備経費について繰越率や不用率が高くなっていたり、システムの利用が低調となっていたり、運用等経費の削減対象となっているシステムの予算額と削減基準額との差額を算出すると削減見込額との間に相当の開差が見受けられたりするなどの状況となっていました。
 検査の状況を踏まえた会計検査院の所見といたしましては、政府において、デジタルインフラの整備に係る予算について、執行額等の情報を把握してPDCAサイクルを適切に機能させるために活用していくことを検討すること、マイナンバー制度関連システムについて、ITリソースの利用状況を注視しつつ、適切な整備を行っていくこと、電子申請等関係システムにおける電子申請率の向上等を図るための方策を検討すること、運用等経費の削減実績額の算定について検証を行い、適正な削減実績額の算定に努めることなどの点に留意することが重要と考えております。
 会計検査院としては、政府情報システムの整備、運用に係る予算の執行状況等について、多角的な観点から今後も引き続き検査していくこととしております。
 これをもって報告書の概要の説明を終わります。

#333
○委員長(野村哲郎君) 以上で説明の聴取は終わりました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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