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2021/06/11 第204回国会 参議院 第204回国会 参議院 北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会 第3号 令和3年6月11日
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2021/06/11 第204回国会 参議院

第204回国会 参議院 北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会 第3号 令和3年6月11日

#1
令和三年六月十一日(金曜日)
   午後二時一分開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月二十八日
    辞任         補欠選任
     岩本 剛人君     磯崎 仁彦君
     和田 政宗君     丸川 珠代君
 六月十日
    辞任         補欠選任
     磯崎 仁彦君     宮崎 雅夫君
     島村  大君     石田 昌宏君
     丸川 珠代君     自見はなこ君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         山谷えり子君
    理 事
                清水 真人君
                宮本 周司君
                森 ゆうこ君
                竹内 真二君
    委 員
                赤池 誠章君
                石田 昌宏君
                衛藤 晟一君
                北村 経夫君
                自見はなこ君
                長峯  誠君
                宮崎 雅夫君
                有田 芳生君
                打越さく良君
                高橋 光男君
                高木かおり君
                柳田  稔君
                武田 良介君
                舩後 靖彦君
                ながえ孝子君
   国務大臣
       外務大臣     茂木 敏充君
       国務大臣     加藤 勝信君
   副大臣
       内閣府副大臣   三ッ林裕巳君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        神田  茂君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       植松 浩二君
       内閣官房内閣審
       議官       岡本  宰君
       外務省大臣官房
       参事官      石月 英雄君
       海上保安庁警備
       救難部長     瀬口 良夫君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○政府参考人の出席要求に関する件
○北朝鮮による拉致問題等に関しての対策樹立に
 関する調査
 (北朝鮮に対する我が国の制裁措置に関する件
 )
 (バイデン米政権の北朝鮮政策に関する件)
 (拉致問題の啓発・広報に関する件)
 (拉致問題解決に向けた国際的連携に関する件
 )
 (拉致の可能性を排除できない事案への取組に
 関する件)
 (拉致問題への取組に関する件)
    ─────────────

#2
○委員長(山谷えり子君) ただいまから北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会を開会いたします。
 議事に先立ちまして、一言申し上げます。
 昨年の二月、拉致被害者有本恵子さんの御母堂の嘉代子様が逝去されました。また、昨年六月、拉致被害者横田めぐみさんの御尊父の滋様が逝去されました。誠に哀悼痛惜に堪えません。
 御存命のうちに、かけがえのないまな娘の恵子さん、めぐみさんに再会していただくことができなかったことは痛恨の極みであります。
 ここに、拉致被害者家族の皆様の死を悼み、謹んで黙祷をささげたいと存じます。
 皆様、御起立をお願いいたします。黙祷。
   〔総員起立、黙祷〕

#3
○委員長(山谷えり子君) 黙祷を終わります。御着席願います。
    ─────────────

#4
○委員長(山谷えり子君) 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、磯崎仁彦君、島村大君及び丸川珠代君が委員を辞任され、その補欠として宮崎雅夫君、石田昌宏君及び自見はなこ君が選任されました。
    ─────────────

#5
○委員長(山谷えり子君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#6
○委員長(山谷えり子君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に宮本周司君を指名いたします。
    ─────────────

#7
○委員長(山谷えり子君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 北朝鮮による拉致問題等に関しての対策樹立に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣審議官植松浩二君外三名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#8
○委員長(山谷えり子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────

#9
○委員長(山谷えり子君) 北朝鮮による拉致問題等に関しての対策樹立に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。

#10
○森ゆうこ君 立憲民主・社民の森ゆうこでございます。
 今日、ようやくこの拉致問題特別委員会で対政府質疑、つまり実質審議、会期末ですけれども、行われることになりました。実に二年十三日ぶり、十四日ぶりでしょうか。
 これは、我々は、北朝鮮に対して誤ったメッセージを与えることになる、きちっと対政府質疑、審議一回じゃなくて、複数回やっていくべきだということを申し上げてまいりました。今日は、与党側の御努力により、ようやく一回開くことができましたが、しかし、国の最重要課題ということであるならば、何をおいても大臣の調整は付けられたはずでございます。改めて、これまで二年以上開かれなかったことについて強く抗議をし、さらに、一生懸命みんなで協力をして、国会で本当にこの問題、最重要課題として我々も取り組んでいるんだということを北朝鮮に対して示していかなければならないというふうに思います。
 本日、参議院本会議におきまして、北朝鮮に対する我が国独自の経済制裁二年延長、これが承認をされました。私もいわゆる拉致議連のチャーターメンバーでございましたので、かつては強く制裁を掛けるべきという主張もしてまいったところでございますけれども、まずお聞きしたいんですが、菅政権は、内閣の最重要課題とこの拉致問題位置付けております。あらゆるチャンスを逃すことなく、全力で行動していくと何回も主張していらっしゃいますけれども、その行動の第一歩というのは具体的に何を行うんでしょうか。

#11
○国務大臣(加藤勝信君) 拉致問題を解決するに当たっては、まず政府が主体的に取り組むことは当然でありますが、あわせて米国を始め関係国と緊密に連携を図っていくことも重要であります。
 これまで、菅総理自身、そうした首脳会談の折々にこの問題を取り上げ、各国の支持を取り付けるとともに、条件を付けずに金正恩委員長と直接向き合う決意も述べさせていただいているところであります。それに向けて政府として北朝鮮に対しても様々な働きかけを行ってきているところでありますが、どのように取り組んでいくかを明らかにするということは、今後の対応にも影響を及ぼすおそれがあることからお答えは差し控えさせていただきたいと思いますが、まさに今御指摘の拉致問題は菅内閣の最重要課題であると、私自身も何としてもこの解決を図っていきたい、こういう思いで、全ての拉致被害者の一日も早い帰国の実現に向け、引き続き全力で当たっていきたいと思っております。
 また、今冒頭お話がありました横田滋さん、有本嘉代子さん始め、本当に御自身の娘さんを、一日も、生きている間にという思い、そうした中で残念ながら亡くなられたところでもあります。また、五人の被害者が帰ってこられてから一人もこの間帰国の実現もできなかった。このことをしっかりと我々胸に刻みながら、拉致被害者の皆さんの思いにしっかりと、また、御家族の皆さんの思いにしっかりと応えていきたいというふうに考えております。

#12
○森ゆうこ君 全然具体的な話がないんですけれども。
 例えば、韓国側、それから米国側から北朝鮮への働きかけがあったという話はいろいろニュースに出てくるんですけれども、今もう完全に膠着状態で、我が国が主体的に何か北朝鮮に対して具体的な働きかけを行ったということはニュースにもなっておりません。午前中、衆議院の方でもあったと思いますけれども、もちろん、今日延長しましたけど、制裁もある。でも、それだけじゃ何にも動かないじゃないですか。硬軟の軟の方も、具体的にやっぱりメッセージとしてこういう場を利用して発するべきだと思うんです。
 それで、お聞きします。
 例えば、北朝鮮が何らかの行動を起こした場合、北朝鮮に対して発動している制裁措置を、これは今日、先ほども申し上げました、我が国独自の経済制裁でございますので、制裁措置を一部解除するなどの意思を菅政権は持っていらっしゃいますか。

#13
○国務大臣(加藤勝信君) 我が国の対北朝鮮措置については、北朝鮮側の対応、また北朝鮮をめぐる諸情勢を踏まえながら、政府全体として、北朝鮮に係る諸懸案を包括的に解決するために何が効果的かという観点から不断に検討してきたところでありますし、また、していく考えでもあります。
 先ほど申し上げたように、それぞれの状況状況をしっかりと踏まえながら、全ての拉致被害者の一日も早い帰国実現に向けて、あらゆるチャンス、あらゆる兆し、これを逃すことなく対応していきたいと思っております。

#14
○森ゆうこ君 二年ぶりに開かれた特別委員会なんです。時間を大切にしていただきたい。
 こういう機会を利用してきちんとメッセージを送るべきなんですよ。何らかの行動を起こした場合には我が国独自の経済制裁を一部解除するという意思をお持ちなのかどうか、そのことだけ端的に答えてください。そういうものがあるから、そこで話、交渉の端緒になるかもしれないじゃないですか。やっぱりいろんなものを示していくべきなんですよ、公、表の方に。ということで、今のような答弁繰り返さないでいただきたい、時間の無駄ですから。

#15
○国務大臣(加藤勝信君) 時間の無駄とおっしゃいますけれども、やっぱり一つ一つしっかり発信していくことは大事なんだと思います。
 それから、今お話、森委員はそういうふうにお考えなんだろうと思いますけれども、これはいろいろと先方の動向等見極めながら的確な手段を取っていく、これは当然のことではないかというふうに思っておりますので、政府としては、引き続き北朝鮮の動向等々、あるいは諸外国の対応、動向、こういったものも踏まえながら、適宜適切な対応を図っていきたい、こういうふうに考えております。

#16
○森ゆうこ君 なかなか答えていただけないんですけれども、そういうメッセージ。
 じゃ、外務大臣にお聞きしますが、何らかの行動を起こした場合、例えばストックホルム合意、向こうは破棄をしたと言っているわけですけど、日本はまだ有効だと言っている。これに基づいて調査を再開するとか、何でもいいですよ、いろんなことをやって、この問題に関して行動を起こした場合には制裁を一部解除する、そういうこともできるんだと、そういうことで、そういうふうな交渉を始めるタイミングじゃないかと思うんですけど、外務大臣はいかがですか。

#17
○国務大臣(茂木敏充君) 北朝鮮が今非常に厳しい経済状況の中でも核・ミサイル開発を継続をしていると。そして、この日本にとって最重要課題であります拉致問題、さらには核・ミサイル問題について、前向きな具体的な行動を示していない中では制裁の解除というのは時期尚早だと、裏返せばその逆になってくると。
 恐らく、そのストックホルム合意についても、調査を開始をするといっても、調査結果について全く報告が来ないという段階では、調査を開始しましたというだけではそれを前向きな行動だと、そういうふうに取ることはできない。具体的な前向きな行動を示すことが重要であって、単に制裁を一部解除することによって単に北朝鮮が時間を稼ぐということはあってはならないと思っております。

#18
○森ゆうこ君 私も外務大臣のおっしゃりたいことは分からなくはないんです。先ほども申し上げました拉致議連、いわゆる拉致議連のチャーターメンバーですので。
 五人生存、八人死亡と伝えられた、そして拉致被害者家族の皆さんが号泣したあの議員会館の場所をセッティングし、みんなでそれを見守っていた。そして黄長ヨプ、金正日総書記の側近だった、もう亡くなりましたけど、黄さんとも横田さん御夫妻などと韓国で会談もさせていただいて、いかに北朝鮮という国と対峙するのが難しいかということについて私も分かっているつもりなんです。
 でも、今の状況、この膠着した状況、今のお話だとまた何にも動きませんよ。何にも動かない。日本側から、何か北朝鮮側動きがあれば解除する、そういう可能性はあるということをメッセージとして発信すべきなんじゃないですか。
 それから、さっきのストックホルム合意に基づく報告書がないとおっしゃいましたけれども、今日、ちょっと質問飛びますが、資料をお配りしておりますけれども、報告があったんじゃないんですか。受け取らなかったんじゃないんですか。この朝日新聞で報道されております。そして、私も既に、有田さんも国会で質問したりしておりますけれども、本当は北朝鮮側が田中実さんとか金田さんとか報告が出した。でも、ここに書いてあります。これじゃ国民が納得しないということで、日本政府側が受取を拒否したんじゃないんですか。この報道は事実ですか。官房長官。

#19
○委員長(山谷えり子君) 加藤国務大臣ですね。

#20
○森ゆうこ君 官房長官、お願いいたします。

#21
○国務大臣(茂木敏充君) 森委員、私は先ほどコインの表側の話をしました。コインというのは当然裏側もあると思っております。一方、ストックホルム合意に基づく調査、こういったしっかりした調査をやってほしいということで合意をしたと、しかし、それに値するような調査というものは日本側には返ってきていないと、このように理解をいたしております。

#22
○森ゆうこ君 交渉ですからね。松原仁先生からは、午前中に、人質奪還交渉なんだと、普通の外交交渉とは違うんだというお話もございました。だから、必ずしもこちらが求めたことを一〇〇%応えてくるとは限らないわけですよ。それで駄目だ、受け取らないということになったら、もう何も進まない。いや、それで結果が出ているんなら何にも言わないです。膠着状態のまま一人も帰ってきていないんですよ。何にも国民には情報が知らされない。もうこのまま終わってしまうんじゃないか、被害者家族の皆さんからの切実な、もう何とかしてほしい、もう忘れ去られるんじゃないか。もちろん大臣として受け取られていると思います。全部表に出してくれと言っているわけじゃないんです。メッセージ発する機会なんですから。
 で、これ事実なんですか、加藤官房長官。北朝鮮側は報告書を出したけれども、これじゃ国民に見せても納得できないということで受け取らなかったというのは、これ事実ですか。

#23
○政府参考人(石月英雄君) お答え申し上げます。
 ストックホルム合意以降、北朝鮮の特別調査委員会による調査について北朝鮮から調査結果の通報はなく、報告書も提出されていない、されておりません。

#24
○森ゆうこ君 ということは、この報道はうそだとおっしゃったんですか。

#25
○政府参考人(石月英雄君) お答え申し上げます。
 先ほど答弁申し上げたとおり、北朝鮮の特別調査委員会による調査について北朝鮮から調査結果の通報はなく、報告書も提出されておりません。

#26
○森ゆうこ君 大変残念であります。北朝鮮側もこの委員会見ていますよ、何を政府側がメッセージとして発するのか、そして本気で国会議員もこの問題に取り組むつもりがあるのか。あらゆる機会を使って、あらゆる機会を逃すことなくとおっしゃっていることと今の答弁態度というのは矛盾するんじゃないですか。答えていただきたい。
 それで、さっきの続きやりますけれども、何か自分たちが動けば北朝鮮にとってもハッピーになるんだというその端緒が欲しいですよね、今、ここまで膠着状態が続くと。そして、非常に厳しい状況にある。蓮池さんたちが帰ってきたときには、やはり国際的にも厳しい、悪の枢軸と名指しをされ、そして経済的にもいろんな面でかなり厳しい状況にあって、そういうことがこの交渉がうまくいって五人の方が帰国するというところにつながったと評価をされている専門家もいらっしゃいます。
 まさに今三重苦と言われている、経済、そして経済制裁、それからコロナ禍ということで大変厳しい状況に北朝鮮があるわけですから、そういう意味では、北朝鮮の心を開かせる、向こうだって疑っているわけですよ、日本のことを、そういう機会と捉えるべきではないかというふうに思います。
 加藤長官にお聞きしたいんですけれども、蓮池薫さんが、今年の、もう過ぎてしまいましたけど、第八回党大会で新しい経済発展五か年計画を策定したわけですが、これに関連して、日本としてこの具体的な支援策を北朝鮮側に見せる、そういうことも必要なんじゃないかというアイデアを披露されていましたけれども、こういうことについてはどのようにお考えですか。

#27
○委員長(山谷えり子君) 本日は加藤国務大臣として御出席でございます。

#28
○国務大臣(加藤勝信君) 委員からもお話がありましたが、北朝鮮においては、新型コロナの影響等によって、輸出入や人的往来、様々な制約が生じ、また、経済制裁等により相当厳しい経済状況にも直面しているとも言われております。このような中、北朝鮮は今年の一月の党大会で、新たな経済発展五か年計画に言及したことも承知をしているところであります。
 今後の対応については、北朝鮮の状況も踏まえつつ、拉致、核、ミサイルといった諸懸案の包括的な解決に向けて何が最も効果的かという観点から不断に検討しているところでありますが、日本としては、日朝平壌宣言に基づき、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決し、不幸な過去を清算し、国交正常化を目指す考え、これは一貫しているところでありますし、また、同宣言に明記されているとおり、日朝間の国交正常化が実現すれば経済協力を行うことにもなるし、明るい未来を描くことができるということもこれまで申し上げてきているところであります。
 いずれにしても、そうした状況等を踏まえながら、懸案の解決のために全力で取り組んでいきたいと考えております。

#29
○森ゆうこ君 せっかく提案があるわけですから、もっと踏み込んだ具体的なものを提案してメッセージとすると。動かなかったわけですから。
 それで、資料にお配りしました一枚目ですけれども、実は日本は、既にもうお金払っていますが、三億六千四百万回分のワクチンを確保しております、コロナワクチン。この間、COVAX、三千万回分というふうに発表されて、今日もG7で恐らくそういうところにかなりコミットするという発表をされるのかもしれませんけれども、厚生労働省に、台湾にもこの間お渡ししたわけですけれども、あとどれぐらい残っているのかということで御回答をいただきました。回答は二千九百万回分というふうに書いてありますが、今言ったように、これ上の段の方に書いてありますが、三億六千四百万回分確保しておりますので、国民が全員仮に二回ずつ打ったとしても、一億回分以上、一億四千万回分ぐらい余るわけです。
 北朝鮮の人口は約二千五百万人でありますけれども、拉致問題解決のための対北交渉についてあらゆる機会を利用すると繰り返しおっしゃっているわけですから、この余剰ワクチンを北朝鮮に対して人道支援ということで提供するということはいかがでしょうか。

#30
○国務大臣(茂木敏充君) 森委員今おっしゃった機械的な計算というのは今後全体を含めてでありまして、今の段階ですぐにそれだけの数を供給できるという状態ではありませんで、今後、しかるべき時期にという形で三千万回分ということを申し上げているところでありまして、恐らく、そこの中でも様々な、六月四日に台湾に百二十四万回分提供させていただきました。今、各国でも感染状況が厳しいと、ワクチンが不足していると、こういう途上国等は、アジアであったり、また太平洋島嶼国、さらには中東、アフリカ等々にもあるわけでありまして、そういったそれぞれの国のニーズであったりとか感染状況と、こういったものも考えながらワクチンの直接供与というものは考えていかなくちゃならない。同時に、これは単にバイの関係でやるものではなくて、COVAX等を通じたマルチでの支援というのも必要であります。
 さらに、先ほど拉致問題担当大臣の方から、ちょっと待ってくださいね、お話ありましたように、日本として、国交正常化と、こういったことが行われたら経済支援はやっていきますと、こういった姿勢も明確に出しているわけであります。さらには、例えばアメリカは、今バイデン政権におきまして、バイデン政権におきまして北朝鮮政策レビュー終わったところでありまして、その説明をすると言っているんですけど、それに対する反応は北朝鮮側から今のところはないと、こういった状況であります。

#31
○森ゆうこ君 世界的なワクチンへの、COVAXへの貢献のお話を聞いているんじゃないんですよ。最重要課題なんでしょう、拉致問題は。膠着状態で何も動いていないじゃないですか。五人帰ってきてからもう二十年たとうとしていますよ。それを打開するために、今は困っているわけだから、ワクチンを、これだけ余っているんですよ。
 いろいろ説明は分かります。しかし、三億六千万回分お金を払って確保していることは事実なんですよ。それを提供する。COVAX、査察があるから嫌だといって北朝鮮は拒否して、結局手に入れていないみたいですけれども、それぐらいのことで日本の本気度を見せたらどうですか。できることは全てやるんでしょう。それを聞いているんですよ。残念ですね、全然本気度が感じられない。本当に最重要課題なんですか。
 茂木大臣、茂木大臣の北朝鮮側のカウンターパートというのはどなたですか。

#32
○国務大臣(茂木敏充君) 北朝鮮側とは様々なやり取りをやっておりますが、まさにこれから交渉を行うところでありまして、外務省を含めて誰がどのレベルで交渉しているということについては答弁を控えさせていただきたいと思いますが、先ほどのことで申し上げると、北朝鮮自身はコロナの感染者は出ていないと言っているわけですよ。そして、現在ワクチンが欲しいということも国際社会に示していない中でどうするかという対応にはなってくると思います。

#33
○森ゆうこ君 いや、そんな評論家みたいな答弁求めているわけじゃないんですよ。日本としてどうするのかって聞いているんです。ワクチンを提供しますとメッセージを出せばいいじゃないですか。
 もうとにかく動かないんだから。もう二十年近くたっているんですよ、五人が戻ってきてから。あのときに、これから動くとみんな期待して一生懸命やった、家族会の皆さんも待たれていた。でも、あれよあれよという間に時間がたって、もう時間がない、そういう状況。それを何とか動かそうということはメッセージとしてきちっと出すべきなんですよ。いや、水面下も結構です。でも、何にも表に出てこないことが問題だ。今もカウンターパートは誰かと言っても正面から答えないでしょう。
 じゃ、外務省にお聞きしますけど、外相会議が最後に行われたのはいつ、どこで、どのように行われて、それは相手はどういう立場の、北朝鮮のどういう立場の人だったのか、そして最近は外相会議というのはどのように行われたのか、そして北朝鮮の参加はあったのか、お答えください。

#34
○政府参考人(石月英雄君) お答え申し上げます。
 二〇一八年八月、当時の河野外務大臣は、ASEAN関連外相会合の機会に北朝鮮の李容浩外相との間で短時間言葉を交わしました。また、同年の九月に、当時の河野外務大臣は、国連総会の機会に李容浩北朝鮮外相と会談を行ったところでございます。

#35
○森ゆうこ君 一応私は、茂木さんのカウンターパートは向こうの外相だと思いますよ。それさえもさっき答えないんですけど、今それはどういう方ですか。李善権さん、どういう方なんでしょうか。
 最近のASEANの外相会議、オンラインがあると思うんですけど、そこに外務大臣、出席されましたか、オンラインで。そして、北朝鮮の参加はあったんでしょうか。そして、その李善権さんってどういう方だと分析していらっしゃいますか。

#36
○政府参考人(石月英雄君) お答え申し上げます。
 直近のASEAN関連外相会議は、二〇二〇年九月九日から十二日まで、議長国ベトナムの下でオンライン形式により開催されました。ASEAN関連外相会議のうち、北朝鮮も参加するASEAN地域フォーラム、ARFにつきましては九月十二日に開催され、日本から茂木外務大臣が参加するとともに、北朝鮮からは駐インドネシア兼ASEAN代表担当大使が出席いたしました。
 ARFも含め、本年のASEAN関連外相会議につきましては、本年の議長国ブルネイによれば八月上旬に開催される見込みでございますが、開催形式については正式に発表されておりません。
 現在の北朝鮮の外務大臣についてお尋ねがありましたが、李善権氏が外務大臣を務めていると承知しておりますが、北朝鮮当局の機構の在り方については必ずしも明らかではないので、一概にカウンターパートが誰かということについてお答えすることは困難と存じております。

#37
○森ゆうこ君 オンラインだということで、なかなかASEANの会議で会って立ち話をするとか、ちょっとちょっとと言って会談をその場で何となくできるようにするとか、そういうことはまず不可能だというふうに思いますので、外務省の下の水面下での準備というのが必要だと思うんですけれども、本当にやられているのかということ、非常に疑問に思います。
 それで、先ほどの朝日新聞の報道で、それは事実ではないと否定されましたけれども、つまり、北朝鮮側から提供された情報が、これじゃ国民が納得できないよというものだったら認めないということでしたら、事態は全く進まないと思うんですね。
 北朝鮮側から今後、拉致被害者を帰国させるというようなことが意思表示された場合に、それがたとえ一人であってもそのことに応じるということでよろしいですか。

#38
○政府参考人(石月英雄君) お答え申し上げます。
 北朝鮮とのやり取りにつきましては様々なやり取りを行っているところでございますが、その詳細についてお答えすることは差し控えたいと思います。
 いずれにせよ、拉致、核、ミサイルという諸懸案を包括的に解決するために何が最も効果的かという観点から、種々検討していく考えでございます。

#39
○森ゆうこ君 残念であります。二年以上ぶりに開かれたこの委員会でかつてと同じ答弁を繰り返す。もっと具体的に踏み込んでいただかないと北朝鮮にメッセージは伝わりませんし、この状況を打開することにはならない。
 今、北朝鮮側は大変厳しい状況にあるわけですから、日本側としてももっと具体的にこういう用意があるよということは、まあ北朝鮮相手ですから相当気を付けなければいけないということはよく分かっていますけれども、でもやっぱりそういうアクションが必要だし、水面下の交渉行われているのか行われていないのか、全く見えない。こういう状況では、本当に絶望が募るばかりだというふうに思います。
 最後に、済みません、もう終わりますが、若い人に聞いたら、教科書の中の話だという、そんな感じになっているんですね。
 新潟では、新潟日報社、新潟県、いろんなことをやっています。(資料提示)こういう写真集、横田滋さんのこの写真と早紀江さんの言葉が拉致問題、国民の皆さんに共感を呼んで広がる、その力になったと思います。そういうことで写真集も出された。
 新潟日報ではこの一年間にこれだけの記事がある、しかし、主要五紙合計してもほとんど同じです。どんどんどんどん風化していくんじゃないか、そういう問題点を指摘して、質問を終わります。
 ありがとうございました。

#40
○高木かおり君 日本維新の会の高木かおりです。
 拉致被害者の皆様、そして御家族の皆様、お互いに家族に会えないつらさ、それを思うと本当に胸が締め付けられる思いであります。私も拉致特の委員の一人として、今日は、約二年ぶりに開かれたこの対政府質疑、しっかりと質問をしてまいりたいと思います。
 今年に入り、首脳会談が活発に行われていますが、その都度、日本政府は拉致問題の解決について訴えてきていることは承知しております。
 三月十三日の日本とアメリカ、オーストラリア、インドのテレビの四か国首脳会議の共同声明の中で、北朝鮮による日本人拉致問題の即時解決の必要性が確認されました。
 また、四月十六日のバイデン大統領との日米首脳会談がアメリカ・ワシントンで行われましたが、新たな時代における日米グローバルパートナーシップと名付けられた共同声明の中でも、日米両国は、北朝鮮に対し、国連安保理決議の下での義務に従うことを求めつつ、北朝鮮の完全な非核化へのコミットメントを再確認するとともに、国際社会による同決議の完全な履行を求めたと前置きした後で、バイデン大統領は、拉致問題の即時解決への米国のコミットメントを再確認したと発表しております。
 国際社会においてこの多国間での協力関係は大変重要であるということは言うまでもありませんが、こうした国際会議、首脳会議で拉致問題の解決について言及していく、これ改めて大切なことなんだなというふうに私自身も思うところではあるのですが、ただ、日本国としてやっぱりこの拉致問題を国内的にどのように具体的に解決していくのか、これ政府の重要な方針であり、外交上に触れるということから、なかなか、先ほどの質疑の中でも、これまでも明確には語られてこなかったと。
 令和二年の二月十四日、これ当時の安倍総理、総理官邸で拉致被害者の御家族と面談されたときにも、この問題を解決していくには、国際的な連携はもちろん必要不可欠だが、日本の問題ですから日本が主体的に解決しなければいけないと、こういうふうに語られているわけなんですね。日本が主体的に北朝鮮と外交ルートを通じて解決していく方針というのは、説明が一般的にこれは知られるところですけれども、やはりこれ、それ以上に具体的に踏み込んだ内容、やはりこれは今までずっとこの委員会等でもなかなか言及をされてこなかった。
 そんな中で、打開策が見えない中、ここに来て大きな転換があったんではないかと私自身思っていることが、五月一日のワシントン・ポスト紙で、バイデン政権はトランプとオバマの失敗をきっかけに北朝鮮危機に新たな道を築くと題する記事の中で、アメリカ当局は、ソウルと東京はブッシュ政権時代に行われた協議よりも効果的とみなす北朝鮮との二国間協議を米国に望むことを明らかにしたと書かれていたんです。つまり、今まで日本政府が明らかにしてこなかった交渉内容について、日米韓による多国間での交渉を行っていくと、一歩踏み込んだ内容なんではないかと思っています。このことが拉致問題解決に向けて新たなメッセージと受け止めてよいのではないかというふうに大いに期待をしているわけです。
 このワシントン・ポストの記事が発表された後に、日本政府としても、茂木外務大臣が記者団に対して、北朝鮮政策の見直しで、アメリカが日韓両国との緊密な連携を重視しながら取組を進めていることを支持し歓迎する、引き続き日米韓三か国で緊密に連携していきたいと政府の方針を述べられているかと思います。
 この点について茂木外務大臣にお聞きをしたいと思うんですが、政府は、今まで日朝間での外交ルートを通じて拉致問題の解決、働きかけをされてきたと。で、ここに来て、繰り返しになりますが、日米韓など多国間の交渉の兆しも出てきたと。政府におかれては、この多国間交渉に力を入れて拉致問題解決をしていく、こういった、この点について茂木外務大臣の是非とも御見解を伺いたいと思います。

#41
○国務大臣(茂木敏充君) 先日、五月初めのG7サミットの際に、そのフリンジで日米韓の三か国の外相会談が行われました。ちょうどアメリカ・バイデン政権におきまして対北朝鮮政策のレビューが終わったところでありまして、ブリンケン長官からその説明を受けたところでありますが、日本として、このレビューをする過程において、日本側からも、日本の立場、考え方、インプットをしまして、そういったことも十分踏まえたレビューが行われたということについて支持をし、そして、三か国で連携をしていくということについて確認をしたところであります。これ、バイでいろいろやる問題もありますし、かつては六者協議等々もありました。三か国、様々な手法を使いながら北朝鮮に対する働きかけというのは行っていかなければならないと思っております。
 時間は切迫している、このことは間違いありません。ただ、その一方で、北朝鮮の体制、極めて特殊な体制でありまして、なかなかそこの中で前向きな行動を引き出すというのは、我々が考えている合理的な意思決定とは違う部分もあるという中で、取り得る対策、取り得る手だて、全て取っていきたいと思っております。

#42
○高木かおり君 今、茂木外務大臣の御答弁から、もちろん大変難しい問題だということは百も承知しておりますが、もうおっしゃっていただいたとおり、時間がないと、御家族の方々もやはりそういった思いでこの委員会の方も見ておられると思います。是非ともこの問題、実効性を伴って解決につながる、これが今後の焦点につながっていくかと思いますので、是非ともよろしくお願いをしたいと思います。
 続きまして、六月二十九日の国際シンポジウムについてお聞きしたいと思います。
 オンライン形式で、米国、オーストラリア、EUと共催されるこのシンポジウムでございますけれども、これには加藤拉致担当大臣も参加が予定されているかと思います。拉致問題解決に向けたこの方途について議論されるとお聞きをしているんですけれども、日本はこれ何をメッセージとして強く訴えていきたいのか、その内容について加藤大臣に伺いたいと思います。

#43
○国務大臣(加藤勝信君) 拉致問題の解決のためには、我が国が主体的に取り組むことはもとより、国際社会の理解と協力を得ることが不可欠であります。
 今御指摘の六月二十九日の国際シンポジウムは、日本、米国、豪州政府及びEUの共催で、国連におけるサイドイベントとして、各国の国連代表部関係者を主な参加者として開催するものであります。このシンポジウムでは、拉致問題の実態と御家族の苦悩について、日本のみならず諸外国の被害者御家族の方々から生の声を伝えていただくとともに、各国の北朝鮮専門家を招いて拉致問題解決の方途について議論をいただきたいと思っております。
 我が国だけでなく、共催国、機関とともに声を上げることで、グローバルな課題としての拉致問題の早期解決を求める国際社会の強い意思を発信する機会ともしたいと思います。また、各国政府関係者に直接訴えることで、各国の政策決定過程において、拉致問題の重要性が正しく認識されるよう働きかける機会としても重要であると考えております。
 また、本年の国際シンポジウムは初めてオンラインで生中継をいたしますので、内外、一般の方にも広く視聴いただけるんではないかと考えております。

#44
○高木かおり君 御答弁ありがとうございました。
 やはりこれ、拉致問題、世界中で共有をしていくということが大変重要だと思っています。もちろん国内でも、やはり日本国内でも子供たちにとってはなかなか実感の湧かない問題となっているというふうに私自身も感じております。
 そういった意味でも、オンラインでのこのシンポジウム、QRコードなんかも付いておりまして、ここから是非ともSNSなんかも使って啓発活動もしっかりとやっていただければというふうに思います。
 もう時間がないことはもう皆さんも承知の事実だと思います。この拉致問題、しっかり風化させることなく、これからも、この拉致特も一回とは言わず何回も開いて、そして発信をしていくことが重要だと申し上げまして、私の質問を終了させていただきたいと思います。
 ありがとうございました。

#45
○柳田稔君 拉致被害者五名が帰国してから来年で二十年たちます。この間、政府としてはいろいろなことをやってきたとは思うんですけれども、誰一人としても帰国されていない。一方では、先ほど黙祷をささげましたけれども、家族会の方のメンバーが何人もお亡くなりになっている。拉致担当大臣としてどう思われますか。

#46
○国務大臣(加藤勝信君) まさに今委員御指摘のように、五人の方が帰国して以来、お一人の拉致被害者の方の帰国も、また帰国に向けての具体的な道筋も見出すことができないと。甚だ遺憾でもありますし、そして、拉致被害者の方はもとより、御家族、また拉致被害者の帰国に向けて一生懸命に活動されている皆さんに、本当に申し訳なく思っているところであります。
 そうした中で、今、これまでも御答弁させていただきましたけれども、政府として当然主体的に取り組むとともに、国内における世論の喚起、また先ほどの国際的な連携の強化、そうした様々な努力を重ねながら、一日も早く全ての拉致被害者の帰国を実現をしていきたい、かように考えております。

#47
○柳田稔君 今の話、もう何十年も聞いていますね、同じこと、一言も変わっていない。アメリカ並びに韓国、国連での働きかけ、いろんなことはありましたけれども、今の答弁の内容も、この二十年、一言も変わっていない。私も思うに、本当に相手が北朝鮮ですから一筋縄でいかない、そう簡単ではない、それは先ほどの答弁も聞いてよく分かります。でも、もう時間がないので何か手を打たないといけないんじゃなかろうかと、私自身もそう考えていまして、少しその辺のことを話をさせながら御意見を聞きたいと思うんですけれども、今、日朝関係というのは、元に戻って非常に悪い状況ですよね。北朝鮮が一番信頼している国というのはどこなんでしょうか。

#48
○政府参考人(石月英雄君) お答え申し上げます。
 北朝鮮が第三国の関係をどのように認識しているか、これにつきまして日本政府としてお答えする立場にはございませんけれども、その上で申し上げれば、北朝鮮にとって最大の貿易相手国は中国であると承知しております。

#49
○柳田稔君 外務省さんが答えてもいいんじゃないかと、大体、交流があるわけですから。北朝鮮とどこが一番交流があるのかといったら中国ですよね。これはもうよく知っているとおりですよ。言いたいのは、その中国に働きかけをしたらどうかということなんです。
 今、中国と日本の関係というのは一体どうなっているんですか。

#50
○国務大臣(茂木敏充君) まず、北朝鮮でありますが、信頼しているかどうかは別にして、一番経済的に依存しているというか、関係が深いのは中国であります。ただ一方で、北朝鮮は今、自力更生と、できるだけその依存関係を減らしていきたいと、こういったことも強調しているのは確かであると思っております。
 日中間、様々な懸案ありますが、ハイレベルな対話等を通じて懸案を一つ一つ解決をしていく、こういう方向で意思疎通を図っておりまして、そういった、例えば日中の外相会談におきましても、北朝鮮の問題、そして最も重要である拉致問題について、日本側からこの話を出しまして、中国の支持も得ているところであります。

#51
○柳田稔君 そう、支持は得ているんですよね、拉致問題については。一生懸命外務省さんとしても働きかけているんでしょう、我々の目や耳には伝わってきませんけれどもね。どの程度のことをやっているか分かりませんけれども、中国が北朝鮮に対してどれぐらい働きかけてもらっているのか、その辺はいかがですか。

#52
○国務大臣(茂木敏充君) 中国ですね、習近平国家主席もこの問題、金正恩委員長との会談のときに持ち出す、こういったことも含めて働きかけはしてもらっていると思います。
 ただ、じゃ、今北朝鮮が全て中国のコントロールにあるかというと、なかなか、今まで以上に厳しくなっているのは確かであります。そして、北朝鮮としてどうにか、関係といいますか、安全保障上、自分たちの体制を維持したい、この関係にあるのはアメリカであるわけであります、間違いなく。しかし、米国が今北朝鮮政策に対するレビューを終えて、このことを説明したいと言っても反応がない、こういう状態であります。もちろん、これから動きが出てくると、こういった動向もにらみながら、しっかり対応していきたいと思っております。

#53
○柳田稔君 そういう中でもやらないといけないんですよね、もう時間がないんですから。
 私は思うんですけれども、日本の拉致担当大臣が中国に行って、そのことを正面で顔を会わせて話ししたということを聞いたことがないんですけど、どうです、拉致担当大臣。

#54
○国務大臣(加藤勝信君) 私自身、あるいはこれまでの拉致担当大臣がたしか中国に行ったということはないんだろうと思いますけれども、米国に行ったり、あるいはそれ以外の地域にも行って、この問題に対して申し上げてきたところでもありますし、また、国内においては、それぞれの国の大使館の大使もおられます、そういった皆さんにも機会を得てこうした問題について働きかけをしてきたと、こういうことはあると思います。

#55
○柳田稔君 そうなんです。中国に行ったことはないんですよ、拉致担当大臣としては。それは、いろんな会議で会って話をするのかもしれませんけれども、どうですか、そろそろ表立って堂々と中国に行って、拉致担当大臣としてですよ、官房長官じゃなくて、拉致問題について真摯に話し合いたい、そういう行動をするというのはどうです。その前提として外務大臣に聞いた方がいいのかもしれません、そういう環境があるかどうか聞いた方がいいかもしれませんけれども、どうですか。

#56
○国務大臣(加藤勝信君) それは、例えばアメリカに対しても基本的には外務大臣が国務長官と話をされているわけでありますから、中国に対しても、外交的な意味においては、日本政府を代表して外務大臣が行かれている、こういうこの基本的な枠組みの中で、あと、私の立場の中で、先ほど申し上げたように、それぞれの国に行って、特に国連等においてそうした働きかけをするとか、そういった活動をさせていただいて、まさに政府挙げてそれぞれのつかさつかさの中で対応させていただいているということであります。

#57
○柳田稔君 先ほどから言っているように、外務大臣としては、アメリカに行ったり話をしているわけですよ。拉致担当大臣もアメリカに行って話をしているわけですよね、過去にずっと。
 ところが、中国に拉致担当大臣が行ったことは一回もないんですよ。北朝鮮と中国の関係、先ほど説明があって、ああ、そうなのかなと思うけれども、しかし、拉致担当大臣が中国に行って面と向かってやるというのは一つの大きなインパクトになるんじゃないかと私は思うんですけれども、行く気はありませんか。

#58
○国務大臣(加藤勝信君) これまでもアメリカに行っているのは、一つは国連という場を使って、それ先ほどちょっと、今回はウエブでのイベントではありますけれども、そうしたイベントを展開する、これを基本にしながら、それに対する拉致被害者の皆さんも同行していただきながら、拉致の悲惨さ、そして現状、こういったことを広く一般に訴えてきているわけでありまして、もちろん、その際に被害者の皆さんと一緒に、場合によって一緒に、あるいは別々に、アメリカ政府とも当然その機会にはそうしたやり取りはさせていただいておりますが、基本は今申し上げた、まさに拉致に対する国際世論を喚起をしていく、これを主軸に取り組ませていただいているということであります。

#59
○柳田稔君 今の答弁は、今までやっていることなんですよ。今までやっているんだけど、らちが明かないから、拉致の拉致じゃないですよ、らちが明かないから何か考えてやるべきじゃないですかということなんですよ。今の答弁だったら何にも進みませんよ。
 最後に、行って、中国の協力を得る気はあるのかないのか。どうぞ。

#60
○国務大臣(加藤勝信君) もちろん、様々な国の御協力をいただきながら、先ほど茂木大臣からお話がありましたように、それぞれ、例えば日中の首脳間においても、あるいは外相間においてもそういう働きかけはさせていただいているところであります。
 さらに、まさに政府間ではそういう形でやらせていただいているわけでありまして、私はまたそれ以外の分野においても国際世論の喚起等に取り組ませていただいている、こういうことであります。

#61
○武田良介君 日本共産党の武田良介です。
 初めに、約二年、この拉致問題等特別委員会、対政府質疑行われてきませんでした。私たちは一貫して開催すべしというふうに求めてきましたけれども、結果として開催されなかった。この点では、政府とともに与党も含めてその本気度が問われているということをまず厳しく指摘をさせていただきたいというふうに思います。
 北朝鮮の国際的な無法行為である拉致問題の解決に、日本、北朝鮮双方が必要な努力を尽くさなければなりません。まず、その基本となる日朝平壌宣言について伺います。
 二〇〇二年の日朝平壌宣言、これは、拉致問題や北朝鮮による核・ミサイル開発、過去の清算、国交正常化といった日朝間の諸懸案を包括的に解決することを目指したものであります。菅政権は、条件を付けずに金正恩委員長と直接向き合う決意だというふうに繰り返し述べておられますが、条件を付けずにというのは、拉致、核、ミサイル、諸懸案はいろいろあるんだけれども、優先順位を付けずに交渉のテーブルに着くということではないかというふうに思うんです。
 もちろん、拉致問題は日本国民にとって重要問題ですけれども、拉致問題の解決を進めるためにも、まず優先順位を付けずに交渉のテーブルに着くと。北朝鮮が拉致問題の解決について話し合う意思はないというふうにすれば、交渉のテーブルに着くこともできないのではないだろうかと、日本政府として主体的な取組というのもできないんじゃないだろうかというふうに思うわけです。ですから、私は、日朝平壌宣言、この諸懸案を包括的に解決することを目指した、これ外交の知恵だと思うんですね。
 加藤官房長官に伺いますけれども、こうした立場で取り組んでこそ拉致問題の解決の道も開かれるというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。

#62
○国務大臣(加藤勝信君) あくまでも拉致問題担当大臣としてお答えをさせていただきたいと思いますけれども、我が国は、日朝平壌宣言に基づき、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決し、不幸な過去を清算し、国交正常化を目指すというこの基本方針、これは一貫をしておりますし、この間全く変わるところはないわけであります。また、拉致問題の解決に向けては、米国を始め関係国と緊密に連携すると同時に、我が国自体が主体的に取り組むことが重要であり、菅総理自身、条件を付けずに金正恩委員長と直接向き合う決意、これを述べさせていただいているところであります。
 そうした中で、条件を付けずに対応する中で、どう具体的に対応していくのかということについては、まさに現時点であらかじめ申し上げるのは必ずしも適当ではないというふうに思います。

#63
○武田良介君 日朝平壌宣言は、政府としての北朝鮮政策の基本にあるものだと思うんです。であるならば、そこに込められたこういった国際外交の知恵を大いに働かせるべきだというふうに私思いますし、加藤大臣がよくおっしゃいますように、政府として主体的に取り組むというのであれば、交渉のテーブルに着かせるための確固とした外交戦略、これを持った努力をすべきだということを求めておきたいと思うんです。
 諸懸案の中には、核・ミサイル問題もあります。私は、今年五月に行われました米朝の首脳会談、これに注目をしております。あっ、失礼しました、米朝じゃない、米韓首脳会談について注目をしております。
 米韓の首脳会談の共同声明では、二〇一八年に南北首脳会談で署名した板門店宣言やシンガポールでの日朝共同声明など、これまでに南北間や米朝間で結ばれた合意を基礎とした外交と対話こそが朝鮮半島の完全な非核化の実現と平和の確立のために不可欠だと再確認したというふうに述べているわけですね。
 北朝鮮と韓国の間で結ばれたこの板門店宣言、あるいは北朝鮮と米国の間の共同声明、これまでに結ばれた合意を基礎とすると、ここが非常に大きなポイントではないかというふうに思うんですね。その上で、外交と対話こそが完全な非核化、平和の確立のために不可欠だと再確認をしていると。これ非常に重要な共同声明だと思うんですね。
 これが米韓の認識なんですけれども、日本政府もこの認識を共有されているんでしょうか。加藤大臣。

#64
○政府参考人(石月英雄君) 我が国として第三国間のやり取りについてコメントする立場にはございませんけれども、北朝鮮への対応につきましては、これまでも日米、日米韓で緊密に連携してきているところでございます。例えば、先月の日米韓外相会合におきましても、北朝鮮の完全な非核化へのコミットメントを再確認し、北朝鮮に対し国連安保理決議の下での義務に従うことを求めることで一致いたしました。
 政府としましては、委員が御指摘されました北朝鮮が過去に約束したこと、こういったことも踏まえまして、完全な非核化に向けて北朝鮮が具体的な行動を取るよう求めていくことが重要と考えており、引き続き、日米、日米韓で緊密に連携していきたいと考えております。

#65
○武田良介君 日米韓の緊密な連携ということなんですけど、米韓は今紹介したような板門店宣言、あるいはシンガポールでの共同声明、こういう立場を北朝鮮とそれぞれ結んできたことを基礎にして外交と対話こそが大切だという立場なんであって、日本はどうするのかということが今問われているんだと思うんですね。日米韓、三か国とも六か国協議を構成する国でありまして、政府自身が緊密に連携を取るという国々とともに外交と対話に踏み出すことこそ求められているというふうに思うんです。
 完全な非核化などの目標で一致しても、その階段を上っていく過程では紆余曲折があり得るというふうに思います。しかし、外交と対話の積み上げの中で諸懸案を解決していこうというのが日朝平壌宣言であり、六か国協議の枠組みだと思うんですね。この六か国協議の枠組みをどう生かしていくのか、六か国協議の枠組みへの復帰をどう働きかけていくのか、政府の認識を伺いたいと思います。

#66
○政府参考人(石月英雄君) お答え申し上げます。
 米国は、バイデン政権発足直後から対北朝鮮政策レビューを行った結果として、北朝鮮との対話を通じ、完全な非核化を目指す方針を明らかにしております。
 六者会合の再開の可能性を含めまして、今後の北朝鮮政策に関する国際的な取組の進め方を検討するに当たりましては、まずは米国との連携の下、北朝鮮から具体的な行動を引き出していけるかを見極める必要があると考えております。
 いずれにせよ、日米、日米韓三か国で緊密に連携しながら、拉致、核、ミサイルといった諸懸案の包括的な解決に向けた取組を進める上で何が最も効果的かという観点から今後の対応を検討していきたいと考えております。

#67
○武田良介君 私が今言いましたことは、国連安保理決議で言っていることなんですね。北朝鮮に関する国連安保理決議、累次にわたって言っています。北朝鮮が無条件で六か国協議に復帰することを拒否してきた、これを遺憾として、北朝鮮に対して、直ちに無条件で六か国協議に復帰すること、繰り返しこれ求めております。
 改めて加藤大臣に、では伺いたいと思うんです。
 六か国協議の枠組みをどう生かすのか、六か国協議の枠組みへの復帰をどう働きかけていくのか。いかがですか。

#68
○国務大臣(茂木敏充君) 累次の国連安保理決議、これ御覧いただきますと、その一番主な内容と、これは、北朝鮮に対して全ての大量破壊兵器及びあらゆる射程の弾道ミサイルのCVID、これを求めておりまして、核・ミサイル開発を継続する北朝鮮に様々な制裁を科すことで北朝鮮にCVIDに向けた前向きな行動を促す、こういう内容になっていると考えております。これが主なことです。
 もちろん、累次の安保理決議の中には、今御指摘の六者会合への支持、再確認をされておりますし、その再開が要請されているということも事実でありますが、六者会合の再開の可能性も含めて、今後の対北朝鮮政策に関する国際的な取組の進め方、これいろいろ考えられると思いますが、米国とも連携をした上で、どうやったら北朝鮮に前向きな行動を促すことができるか、北朝鮮から前向きな行動を引き出すことができるか、こういう観点で考えていきたいと思っております。

#69
○武田良介君 様々御答弁ありましたけれども、大切なことは、どんな困難があっても目標の実現に向けて対話、交渉、これを継続することで問題を解決していくんだと、六か国協議の枠組み、そこへの復帰、これを働きかけていくということが本当に重要なんだと。諸懸案の対話による包括的解決ということを強く求めて、質問を終わりたいと思います。

#70
○委員長(山谷えり子君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕

#71
○委員長(山谷えり子君) 速記を起こしてください。

#72
○舩後靖彦君 れいわ新選組、舩後靖彦でございます。
 本日、参議院北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会での初めての質疑となります。質疑に当たって、様々な合理的配慮を検討、合意いただきました委員長、理事の皆様、委員の皆様に心から感謝申し上げます。
 それでは、質問に入ります。ここからは、秘書が質問を代読いたします。
 代読いたします。
 当選後の秋の臨時国会以降、私はこの特別委員会を希望し、所属してきました。国会議員として皆様と拉致問題について議論することを心待ちにしておりました。しかし、私が委員になってから今日の今日まで一度も質疑の機会を得ることができませんでした。
 この間、拉致被害者の有本恵子さんの母、嘉代子さんが亡くなり、横田めぐみさんの父、滋さんも亡くなりました。未帰国の政府認定拉致被害者の親世代で御存命なのは、有本恵子さんの父、明弘さん、横田めぐみさんの母、早紀江さんの二人になってしまいました。拉致被害者家族の高齢化が進む中、拉致問題の解決は一刻の猶予も許されません。
 まず、この特別委員会が一年以上にわたって実質審議が行われなかったことについて、加藤大臣の御見解をお聞かせください。

#73
○国務大臣(加藤勝信君) 今議員御指摘のように、有本嘉代子さん、また横田滋さんが御逝去されました。二人の御存命中に恵子さん、めぐみさんとの再会を実現できなかったこと、私自身大変じくじたる思いであり、本当に申し訳なく思っております。
 当委員会の運営に関しては、これは委員会でお決めいただくものと考えておりますけれども、国会で拉致問題について御議論いただくこと、様々な御意見、御提案をいただくこと、また、こういう場を通じて様々な発信にもつながっていくこと、大変意義深いものと考えております。本日のような機会、委員会でお決めをいただければ、政府として誠実に対応していきたいと考えております。

#74
○舩後靖彦君 代読いたします。
 次に、政府のおっしゃる拉致問題の解決の定義についてお尋ねします。
 政府が考える拉致問題の解決とは何を意味するのでしょうか。政府認定の拉致被害者の方の帰国でしょうか。それとも北朝鮮による拉致の可能性を排除できない行方不明者八百七十三人を含めた全員の捜索、発見、あるいは帰国のことでしょうか。加藤大臣の御見解をお聞かせ下さい。

#75
○国務大臣(加藤勝信君) 政府としては、拉致被害者として認定された十七名のほか、北朝鮮による拉致の可能性を排除できない行方不明者として、現在、八百七十三名について、国内外からの情報収集、分析、捜査、調査にも鋭意努めているところであります。
 認定の有無にかかわらず、北朝鮮に拉致された全ての拉致被害者の一日も早い帰国実現に向けて取り組んでいきたいというふうに考えております。

#76
○委員長(山谷えり子君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕

#77
○委員長(山谷えり子君) 速記を起こしてください。

#78
○舩後靖彦君 代読いたします。
 大臣は全ての拉致被害者とおっしゃいました。政府は被害者の数を正確に把握しているのでしょうか。加藤大臣、お聞かせください。

#79
○国務大臣(加藤勝信君) 政府としては、拉致被害者に関して様々な情報に接しているところでありますが、拉致被害者の安全確保にも関わることであり、お答えは差し控えさせていただいているところでありますが、誰を拉致しているかを知っているのは北朝鮮政府そのものであります。北朝鮮には、知っている全てのことを話し、そして全ての拉致被害者を一日も早く日本に帰国させてほしいと考えているところであります。

#80
○舩後靖彦君 代読いたします。
 是非正確な情報をつかんでいただきたいと望みます。
 質問を続けます。
 菅総理は、施政方針演説で拉致問題を政権の最重要課題と御説明されました。しかし、本当に最重要課題として取り組んでおられるのでしょうか。さらに、菅総理は、拉致問題について全力を尽くすとおっしゃっていました。
 では、実際、これまでどのように全力を尽くしたのでしょうか。また、どのような結果をもたらしたのでしょうか。今国会会期中に拉致問題についてどのような取組をなさったのでしょうか。拉致被害者、国民の皆様が分かるように御説明いただければ幸いです。加藤大臣に御見解をお聞かせください。

#81
○国務大臣(加藤勝信君) 北朝鮮による拉致問題は、我が国の主権及び国民の安全に関わる重大な問題であり、国の責任において主体的に取り組み、解決を目指す課題だというふうに認識をしているところであります。
 また、拉致問題の解決に向けては、我が国自身が主体的に行動するとともに、国際社会の理解と協力を得ることも重要であり、毎年、国際シンポジウムを開催するなど、国際社会への働きかけを行っているところであります。今年はコロナ禍にあって海外に行くことは困難でありますが、今月末に拉致問題に関する国際シンポジウムをオンラインで開催する予定であります。
 また、菅総理は本年四月に訪米し、対面で行った日米首脳会談において、菅総理から拉致問題の即時解決に向けて引き続き理解と協力を求めたことに対し、バイデン大統領から拉致問題の即時解決への米国のコミットメントが示されたところでありますし、また、他の首脳会談あるいは電話首脳会談においてもそうした理解と協力を求め、また、それぞれ支持を得るべく努力をしてきているところであります。
 引き続き、米国を始め関係国、国際社会と緊密に連携しながら、全ての拉致被害者の一日も早い帰国実現に向けて、あらゆるチャンスを逃すことなく、全力で対応していきたいと考えております。

#82
○舩後靖彦君 代読いたします。
 ありがとうございます。
 菅総理は、金正恩委員長と条件を付けずに直接向き合う決意を持っているとおっしゃっています。この条件を付けずにという言葉についてお尋ねします。
 条件を付けずにというのは、拉致問題を一旦棚上げするという意味でしょうか。また、向き合うめどというのは立ったのでしょうか。前向きな御発言があると期待しておりますが、いかがでしょうか。また、状況について、当該家族に情報提供をしていますでしょうか。外交機密とはいえ、せめて当事者に伝えるべきではないかと考えますが、加藤大臣の御見解をお聞かせください。

#83
○国務大臣(加藤勝信君) 何度も繰り返しになりますが、我が国として、日朝平壌宣言に基づき、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決し、不幸な過去を清算して、国交正常化を目指す考えには変わりはありません。
 そして、条件を付けずとは、北朝鮮の核、ミサイル、そして最も重要な拉致問題の解決に向けて、相互不信の殻を破り、金正恩委員長と直接向き合うとの決意をより明確な形で述べたものであり、拉致問題を一旦棚上げにするといった意味ではありません。
 日朝首脳会談について現時点でめどが立っているわけではありませんが、北朝鮮との間では、北京の大使館ルートなど様々な手段を通じやり取りを行い、拉致、核、ミサイルといった諸懸案の包括的解決に向けた努力を行っているところでもあります。
 また、御家族の皆さんには、菅総理も、また私自身も、四月七日の家族会、救う会との面会の機会を始めとして、様々な機会に直接お話をさせていただいているところであります。
 北朝鮮とのやり取りの詳細については、事柄の性質上、今後の対応に支障を来すおそれもあるため、全てをつまびらかにお話しすることはできない面もありますが、今後とも、御家族に可能な限り丁寧に情報を提供してまいりたいと考えております。

#84
○舩後靖彦君 代読いたします。
 次に、外務大臣に伺います。
 バイデン大統領は、対北朝鮮政策を見直し、現実的なアプローチを取ると表明しているとのことです。新聞各紙によれば、対価を与えながら段階的に非核化を目指すという方向性であると報じていますが、詳細は明らかになっていません。
 政府は、米国の方針についてどのように考えているのでしょうか。また、それを踏まえ、日本独自の対北朝鮮外交をどのように展開されるのでしょうか。御見解をお聞かせください。

#85
○国務大臣(茂木敏充君) 御質問ありがとうございます。
 舩後委員にお答えをいたします。
 北朝鮮にとっての最大の関心事と、これはやはり、現在の体制の保証を含めて、米国の対応がどうなっていくかということだと思います。
 その米国バイデン政権、北朝鮮政策レビュー終えたところでありまして、ちょうど五月のG7の機会に日米韓の外相会合を開きまして、そこでブリンケン長官からその詳細な説明を受けました。
 米国の政策レビューについて、我が国としては、一つは、米国政府が朝鮮半島の完全な非核化が目標であることや我が国を含む同盟国の安全確保のための取組を強化する旨明らかにしていること、そしてもう一点、政策レビューのプロセスにおいて日本側の考え方を米国にしっかりとインプットし、米国もこうした我が国や韓国との連携を重視しながらレビューを進めてきたこと、これを支持し、歓迎をしているところであります。
 今後、北朝鮮政策を具体的に進めていくに当たって、この政策レビューの結果を踏まえ、日米、そして日米韓で緊密に連携をしていきたいと思っております。
 我が国として、日朝平壌宣言に基づき、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決し、不幸な過去を清算して、日朝国交正常化を目指すとの方針に変わりありません。特にその中で、拉致問題の解決に向けては、何よりも我が国自身が主体的に取り組むことが重要であると考えておりまして、政府一丸となって全力で取り組んでまいりたいと考えております。

#86
○舩後靖彦君 終わります。ありがとうございました。

#87
○ながえ孝子君 碧水会のながえ孝子です。
 先ほど、舩後委員がとてもいい質問をしてくださいました。拉致被害者と認定されている十七人の方のほかに八百七十三人特定失踪者の方がおられて、大勢の本当に御家族が帰りを待ちわびていらっしゃいます。
 私の地元愛媛県にも複数の特定失踪者と言われる方おられまして、私、前職、放送局で仕事をしておりましたので、ある方のお母さんに取材をさせていただきました。そうしたら、そのときにお母さんが風呂敷に包んでノートの山を持ってこられたんですね。失踪が確認されたのが今から三十年前で、十五年ほどたっていたんですけれども、十五冊ノートはありました。報道を全て書き取って、あるいは、いろんな応援をしてもらった、支援をしてもらったことも全部克明に書きつづってありました。先日お話を伺いましたら、二十冊になりましたとおっしゃっておりました。
 何が言いたいかといいますと、最初の十五年で十五冊、この十五年で五冊なんです。つまり、やっぱりニュースに取り上げることとか人々の口に上ることとか少なくなってきたということを御家族はとても不安に思っていらっしゃいます。それでも、拉致の対策本部から書面が届くと、ああ、特定失踪者も見捨てられていないんだなとほっとするというようなことをおっしゃっていました。救出の前にこういう御家族の気持ちに向き合っていただきたいなと思っています。
 そういう不安や心配、先ほど来風化の話も出ておりますけれども、コロナもありまして、愛媛でも、救う会の方、それから御家族一緒になって署名活動とか街頭活動ずっとやってこられたんですけれども、このところちょっとストップしているんですよね。そういうこともありまして、一層不安に思っていらっしゃるようです。
 例えば、菅総理は特定失踪者の御家族には面談はされませんか。これ、相手が北朝鮮とか中国だったらなかなか動かすこと難しいと思うんですけれども、これはできるんじゃないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。

#88
○国務大臣(加藤勝信君) 政府としては、拉致被害者として認定された十七名以外にも北朝鮮による拉致の可能性を排除できない行方不明者の方が存在するとの認識の下、認定の有無にかかわらず、全ての拉致被害者の安全確保及び即時帰国のために全力を尽くしているところであります。
 他方、拉致被害者の認定については北朝鮮側に反論する材料を与えないよう慎重に対応しているところであり、拉致の可能性を排除できない行方不明者の方々の御家族の方々に対しては、まずは拉致問題担当大臣である私がお会いをしてお話を伺いさせていただいているところであります。

#89
○ながえ孝子君 突っ込まれないようにしたいと言うならば、突っ込まれないように環境を整えてお会いになったらどうかというふうに思います。
 といいますのが、やっぱり認定をする、追加認定ですよね、されている方が、前回が二〇〇二年、五人の方が帰国した同じ二〇〇二年に二人追加認定になって以降、全然ないんですよね。ですので、やっぱりそれだったらば、ちゃんと脱北者の方とかいろんなつてを頼ってとにかく情報を集めて、こういう状況ですということで総理が面談されることですごく強い発信になるんではないかと思っております。北朝鮮に対してもすごいプレッシャーになるのではないかと思っていますし、やっぱり国内でもこれだけ多くの家族が待っているんだぞという現実を改めて多くの国民が知る機会にもなろうかと思いますので、何よりも御家族には希望の灯がともります。
 ですので、是非前向きに環境を整えることから取り組んでいただいて実現をしていただけないかと思っていますが、いかがでしょう。

#90
○国務大臣(加藤勝信君) 特定失踪者の方に関しては、警察では、北朝鮮による拉致の可能性を排除できない事案について、拉致の可能性を含め、事件、事故等あらゆる可能性を念頭に、捜査、調査を継続しているものと承知をしているところであります。
 また、拉致の可能性を排除できない行方不明者の方々の御家族の方々の思い、先ほど委員からもお話がありましたけれども、やはり認定をされていないということに対する大変な不安、これは私も聞かせていただいたところであります。そうした思いを受け止めるべく、様々な機会に直接お話をし、またお伺いをさせていただいているところであり、また情報提供や要望の聴取など御家族の気持ちに寄り添い、丁寧な対応にも努めているところであります。
 引き続き、認定の有無にかかわらず、全ての拉致被害者の一日も早い帰国実現に全力を尽くしていきたいと考えております。

#91
○ながえ孝子君 追加認定をする、あるいは追加認定まで行けなくても何かのアクションを起こすということはやっぱり日本の本気度の強い発信になりますので、前向いて御検討を進めていただけたらと思っております。
 それと、これは蓮池透さんがある新聞に提言を載せられていたんですけれども、やっぱり日本がどう言おうと、北朝鮮は拉致の問題は解決済みと主張をしておりますし、一層そういう強硬な姿勢を大きく打ち出してきております。だから、この主張を打ち破る、させないようにするためには、やっぱり日本が独自に拉致被害者の生存情報を入手すること、それしかないんじゃないかと、それを水面下でいいから相手に突き付けることだということを述べていらっしゃいます。
 そして、特定失踪者の家族会からも要望をいただいているんですけれども、関係者やあるいは多くの脱北者から積極的にやっぱり日本政府が情報収集をして、北朝鮮にとらわれている日本人の存在をとにかく詳しく調べてほしいと。そういった中から、ある種、もうこの方だったらというような的を絞って、情報をそこに集めて調査をすることでやっぱり認定に行ける方も出てくるんではないかと思うんですよね。そういうことで、一つ一つやっぱり発信をしていただきたいなというふうに思っております。いかがでしょう。

#92
○国務大臣(加藤勝信君) ちょっと済みません、問いの趣旨がいま一つつかみ切れていないんですけれども、基本的に、特定失踪者の方に対する対応については先ほど申し上げたところでもあります。
 また、現時点でコロナ禍でなかなか活動がそれぞれの地域においてもできない、先ほど委員も御指摘がありました。そういったことに対しては、そうした中でも様々な活動を、全国各地で映画、アニメ等の上映会等させていただいているところでもありますし、また、先ほど来から御説明させていただいているように、国際的な意味でのビデオメッセージの発信、あるいはオンラインでの、そうした国連シンポジウムをオンラインで開催する等々、様々な対応をさせていただく中で、拉致の現状、また拉致被害者の御家族の思い、こういったこともしっかりと発信をしていきたいというふうに思っております。

#93
○ながえ孝子君 先ほど柳田委員が中国への働きかけのことを質問なさいました。私も同じことをお聞きしようと思っていたんです。
 といいますのが、去年の加藤大臣の発言の中では中国のという言葉が出てきていたんですけれども、今年の初めに伺った中から中国という言葉がなくなっていたので、どうなっているんだろうかというふうに思いました。
 やっぱり、いろんなことも先ほど茂木大臣からもお伺いはいたしましたけれども、やっぱりある一定の影響力は持っているところですから、この拉致の問題解決のために何でもする覚悟でいらっしゃろうと思いますので、是非中国への働きかけというのはボールを投げ続けていただきたいなというふうにも思っておりますのと、それから、これは一つお願いなんですけれども、先ほど来、菅総理の発言で、条件を付けないで金正恩委員長と会う用意がある、会う覚悟があるんだという言葉が何度も出てまいりました。私は、普通の感覚からいって、とっても違和感を覚えるんですね。
 といいますのは、自分の問題あるいは私たちの問題の解決のためにとても大事なキーマンがいて、その人に会いたいと思えば、会う用意があるとは言わないはずなんですよ。会うように申し入れているとか、会いたいと思っているとかということになろうかと思うんです。ですから、向き合う覚悟があるとか、会う用意があるというのは、御家族の方聞いたら、何だろうというふうに思われると思うんですよね。
 ですので、是非そういうところまで発信をしていただきたいですし、そういうことが言えない状況であるならば、是非そういう状況をつくっていただきたいなというふうにも思っております。
 なので、是非御家族の方に、会って話をしたいと申し入れているというふうなメッセージを投げかけていただけるようにお願いをして、終わります。
 どうもありがとうございました。

#94
○竹内真二君 公明党の竹内真二です。今日は、質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。
 早速、質問の方に入らせていただきます。
 初めに、米国のバイデン政権の北朝鮮政策についてお伺いをいたします。
 バイデン政権は、政権が発足すると直ちに北朝鮮政策の検証に取りかかりました。四月三十日には、先ほど来いろいろ話も出ていますけれども、その見直し作業を終えました。米側の発表によれば、その新方針というのは、トランプ政権の大きな合意やオバマ政権の戦略的忍耐とも異なり、対価を与えながら段階的に非核化を目指すとする現実的なアプローチを取ることが明らかにされております。これまでの米国の歴代政権による北朝鮮に関する取組の結果を直視しまして、現実的に対応していく方針というふうに言われている専門家の方もいらっしゃいます。
 そこで、この間、日米両国の外交当局は様々な協議を重ねてきたと思います。日本政府は米国側から北朝鮮に対するこの新方針についてこれまでにどのような説明を受けているのか、全体像や方向性など、可能な範囲で答弁をお願いしたいと思います。

#95
○政府参考人(石月英雄君) お答え申し上げます。
 米国政府における対北朝鮮政策レビューの結果につきましては、五月の日米韓外相会合におきまして茂木大臣自身が、茂木大臣がブリンケン国務長官から詳細な説明を受けました。
 米国の政策レビューにつきましては、我が国としては、米国政府が朝鮮半島の完全な非核化が目標であることや我が国を含む同盟国の安全確保のための取組を強化する旨明らかにしていること、また、政策レビューのプロセスにおいて日本側の考え方を米国にしっかりとインプットし、米国政府もこうした我が国や韓国との連携を重視しながらレビューを進めてきたこと、こういったことを支持し、歓迎してきているところでございます。
 今後、対北朝鮮政策を具体的に進めていくに当たって、この政策レビューの結果を踏まえ、日米、日米韓で緊密に連携していきたいと考えております。

#96
○竹内真二君 この米国の新方針決定に先立って、四月の十六日にはワシントンで日米首脳会談が開かれました。同席したブリンケン国務長官らがそろって拉致被害者救出を願うブルーリボンバッジを付けていたこともそのとき大きな話題となりましたけれども、これはやはり、新聞等では拉致問題解決への菅総理の熱意が伝わってきたあかしだというような表現もあったと記憶しております。そして、この首脳会談では拉致問題の即時解決を求める米国のコミットメントが示されたわけです。私は、拉致問題の解決には米国の協力がやはり不可欠だと、このように思います。
 そこで、改めてお聞きしますが、今回新たに示された対北朝鮮に対する米国の新方針においても、拉致問題というのが適切に扱われることを米国側に再確認し、米国に対して拉致問題の更なる関与というものをしっかりと促していくべきと、今後もそういうふうにしていくべきだと考えますけれども、いかがでしょうか。

#97
○政府参考人(石月英雄君) お答え申し上げます。
 米国の政策レビューにつきましては、政策レビューのプロセスにおきまして日本側の考え方を米国にしっかりとインプットしてまいりました。また、拉致問題につきましては、五月の日米外相会談及び日米韓外相会合におきまして、茂木大臣から、政権の最重要課題であるこの拉致問題について改めてブリンケン国務長官、鄭長官の支持を得たところでございます。また、四月十六日に発出された日米首脳共同声明、ここにおきましては、拉致問題の即時解決への米国のコミットメントを再確認しているところでございます。
 このように、米国から我が国の立場に対して一貫して理解と支持が得られているものと認識しております。引き続き、米国とも緊密に連携しながら、全ての拉致被害者の一日も早い帰国を実現するべく全力を尽くしてまいる所存です。

#98
○国務大臣(茂木敏充君) 若干、先ほどのところで誤解を与えないように申し上げた方がいいと思うんですけれど、バイデン政権、北朝鮮に対する政策レビューを終わったところであります。
 これは確かに、オバマ政権の戦略的忍耐であったりとか、トランプ政権のようにもう一発でトップ会談で何かを解決しようというよりも、ステップ・バイ・ステップということでありますけれど、何か先に対価を与えて、それによって北朝鮮をテーブルに引き寄せるということではなくて、全体の中で北朝鮮から前向きな行動を引き出すということを見た上でステップ・バイ・ステップを踏むということでありまして、その点については是非、何というか、御説明をしておいた方がいいのかなと思っております。
 それと、先ほど、ながえ委員の方から、条件を付けずに向き合う決意であるとかそういう用意があると。言葉の使い方というのはいろいろありまして、御意見は御意見として伺いますが、外交的に言いますと、それはやりますよということを、決意であるとか用意があるというのはやりますよというメッセージとして伝わっていると思います。

#99
○竹内真二君 茂木大臣、ありがとうございます。マスコミ報道とはいえ、そういう形で出ていたりするものですから、修正いただいてありがとうございます。
 次に、まさに英国のロンドンで今年の五月、約二年ぶりに対面で開催されたG7の外相会談では、北朝鮮に関する議論も行われております。その中で、拉致問題に関しては、早期解決について改めてG7の賛同を得た旨を外務大臣からも述べられております。
 そこで、拉致問題解決のためには、やはり国際社会の拉致問題に対する理解を促進して各国の協力を得ていくことが重要であると考えますけれども、政府としては国際社会の理解促進のためにどのような取組を行っているのか、また各国からは拉致問題についてどのような反応を得ているのか、御説明願いたいと思います。

#100
○国務大臣(茂木敏充君) 国際社会の拉致問題に対する理解、これはいろんな捉え方があると思いますが、相当進んできているのは間違いないと思っておりまして、私、十七年ぐらい前に外務副大臣を拝命しました。二〇〇二年から二〇〇三年の頃でありますけど、当時、いろんな国へ行って、この北朝鮮の問題、拉致問題の解決について協力を求めるというときに、アブダクションイシューと言ってすぐに分かってくれる国と、なかなか説明をしないと分かってくれない国というのがあったんですが、今外務大臣として様々な外相会談等を各国と行う中で、もうアブダクションと言いますとすぐに向こうは理解をし、支持をしてくれると。
 先日のG7の外相会談におきましても、この北朝鮮の部分、私がリード役ということで全体の説明をして、そして核、ミサイルの問題であったり拉致の問題、最重要課題として取り上げましたが、すぐにこの問題については各国が支持をしてくれると。共同声明をつくるときに文言調整とかする部分あるんですが、ここは非常にすんなりいったということでありまして、間違いなく、国際社会のこの拉致問題に対する理解、これは広がっていると考えております。

#101
○竹内真二君 ありがとうございます。
 次に、各国に対して拉致問題について働きかけるために、やはり国連の場を有効に活用していくことも必要であると思います。
 菅総理は、昨年九月十六日の総理就任後すぐに、国連総会で一般討論演説を、ビデオ演説という形ではありますが、行いました。その中で、拉致問題についても、拉致被害者御家族が御高齢となる中、拉致問題の解決には一刻の猶予もありませんと、このように発言をされました。演説全体のボリュームからいっても、他のテーマに比べてかなりの分量を割かれて訴えておられました。
 今年の国連総会での演説の機会はもちろん、その他の人権問題に関する国際会議など、北朝鮮に関連するあらゆる国際会議で引き続き拉致問題の重要性をアピールして、国際社会に訴えていくことが政府の責務ではないかと考えますが、政府の認識を伺いたいと思います。

#102
○政府参考人(石月英雄君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、各国への個別の働きかけに加えて、国連など国際会議の場における取組も重要であると考えております。
 昨年九月の国連総会一般討論演説におきましては、菅総理から拉致問題の一刻も早い解決を国際社会へ広く訴えたところでございます。また、拉致問題への言及を含む北朝鮮人権状況決議の議論にもしっかりと関与しております。同決議は、国連総会では十六年連続、国連人権理事会では十四年連続で採択されてきております。先月のG7外相会合においても、茂木大臣から拉致問題の即時解決に向けたG7の引き続きの全面的な理解と協力を要請し、G7各国から賛同を得たところです。
 今後とも、こうした取組を含め、拉致問題の即時解決に向け、国際社会における機運の醸成を図っていく考えでございます。

#103
○竹内真二君 次に、拉致被害者の家族会のことについてお聞きしたいと思います。
 今年四月の上旬に、拉致被害者の御家族は菅総理の訪米を前に総理と官邸で面会をされ、家族会、それから救う会の今年の運動方針などを手渡しています。運動方針では、政府に対して、早期に日朝首脳会談を行い、全拉致被害者の即時一括帰国を実現することを改めて求めています。
 政府はこの運動方針に込められた思いをどう受け止めたのか、見解をお伺いしたいと思います。

#104
○政府参考人(岡本宰君) お答えいたします。
 拉致被害者御家族、そして被害者御本人の方々、一年一年と年を重ね、御高齢となっていらっしゃる中、拉致問題の解決にはもはや一刻の猶予もないとの切迫感を共有させていただいているつもりです。四月七日に、ただいま委員御指摘のありました四月七日に行われました拉致被害者家族会と救う会の皆様と総理の面会の場に私も事務方として陪席させていただきましたけれども、親の世代の家族が被害者との再会を果たさなければ解決とは言えないという切実な御発言を直接お伺いいたしました。
 拉致問題は菅内閣の最重要課題です。菅総理の下、加藤拉致問題担当大臣の下、御家族の声をしっかり受け止めながら、全ての拉致被害者の一日も早い帰国実現に向け、あらゆるチャンスを逃すことなく、全力で行動してまいります。

#105
○竹内真二君 菅総理も、二〇〇二年に五名の拉致被害者の方が帰国して以来、一人の被害者の方の帰国もままならず、痛恨の極みだと、このように述べられておりました。やはり、十九年間、もう間もなく二十年になろうとするときに一人もやはり帰国をされていないという現実に、政治家、それから政府はやはり真正面から向き合っていかなければならないと本当に心から思います。
 関連して、もう一問お伺いいたします。
 家族会、救う会の皆さんは、今年の運動方針とともに、菅総理に金正恩総書記への二回目のメッセージも手渡しております。このメッセージでは、二年前の全拉致被害者の即時一括帰国の決断を強く訴える一回目のメッセージを再掲した上で、二〇二〇年に有本恵子さんの母、嘉代子さんや、横田めぐみさんの父、滋さんが亡くなられたことに触れ、このメッセージに期限があることについても明記をしております。
 この期限については、政府も我々国会議員も強く意識をして拉致問題の解決に向けた取組を進めるべきであると考えますけれども、政府の認識を伺います。

#106
○政府参考人(岡本宰君) 二〇〇二年に五名の拉致被害者の方々が帰国して以来、一人の拉致被害者の帰国も実現しないまま、委員御指摘のとおり、昨年は有本嘉代子さん、横田滋さんが御逝去されました。先ほども御冥福をお祈りして黙祷をささげたところでございますけれども、お二人の御存命中に恵子さん、めぐみさんとの再会が実現できなかったこと、政府として本当に申し訳なく思っております。
 家族会、救う会の今後の運動方針には、委員御指摘のとおり、親の世代の家族が被害者と向き合うことなしに日朝関係の改善はないとして、全拉致被害者の即時一括帰国には期限があると明記されております。政府といたしましては、この期限という言葉に込められました御家族の皆様の思いを胸に刻んで、全ての拉致被害者の一日も早い帰国実現に向けて、あらゆるチャンスを逃すことなく、全力で行動してまいります。

#107
○竹内真二君 総理との面談の際、横田早紀江さんは、年を取り、命がなくなってきている、何とか家族みんなが帰れるようにしてほしいと、このように訴えられたと伺っております。やはり、家族会の皆さんが言われています期限というこの二文字、これを我々はしっかりと胸に刻み付けて取り組んでいかなければならないと思います。
 それから、最後に、拉致問題の国内における啓発についてもお聞きしたいと思います。
 政府は、拉致問題に関して国内のより多くの人の理解を促すため、啓発活動にも力を入れてきております。横田めぐみさんをモデルにしたアニメ「めぐみ」の無料公開やユーチューブ、ツイッターを利用した発信など、オンラインでの活動も通じて啓発を行っています。また、拉致問題に触れる機会が少ないとされる若い世代に対する取組としても、教員等に対する研修や中高生を対象とした作文コンクールなども実施をしてきております。
 私も、この若者への啓発というのは特に大事だと思います。これまでの世論調査でも、北朝鮮への関心は何かと聞かれ、日本人拉致との回答は若い人ほど低い傾向がありました。今年五月三十一日に川崎市が発表した人権に関する市民意識調査の結果を見ても、拉致問題を重大な人権課題として捉えている人の割合というのは八九・八%の約九割に上る中で、二十代では約八割にとどまりまして、六・三%の人がそうは思わないと回答しておりました。こうした結果が出るのは、拉致問題をよく知らない若い世代が増えており、関心を持たなくなっていることの表れであると私も危惧をしております。
 そこで、これまでも政府として啓発活動に様々な工夫を凝らしているとは思いますが、その反響について政府はどう評価し、どのような点を課題として認識をされているのか、説明を伺いたいと思います。

#108
○政府参考人(岡本宰君) 拉致問題の解決のためには、日本国民が心を一つにして、全ての拉致被害者の一日も早い帰国実現への強い意思を示すことが重要であります。特に、拉致問題にこれまで触れる機会の少なかった若い世代への啓発が非常に重要な課題となっていると私どもも認識しております。
 そして、拉致問題の啓発事業に参加した若い世代の人々からは、拉致問題について初めて詳しく知って衝撃を受けたですとか、自分に何ができるのか考えていきたいといった声が寄せられております。政府といたしましては、引き続き、拉致問題にこれまで触れる機会の少なかった若い世代への啓発に取り組んでまいりたいと考えております。
 同時に、若い世代に向けて訴える観点からもオンラインやSNSを通じた発信を強化しておりまして、大きな反響をいただいております。昨年十月に開設したユーチューブ拉致問題対策本部公式動画チャンネルには、既に一万人以上のチャンネル登録があります。また、本年二月に開設いたしました拉致問題対策本部公式ツイッターアカウントには、既に二万人以上のフォローがあります。
 引き続きまして、オンラインやSNSも活用しつつ、若年層への啓発を始め、拉致問題に関する啓発活動に積極的に取り組んでまいります。

#109
○竹内真二君 是非よろしくお願いいたします。
 拉致問題の解決には政治の力と国民世論の力、この二つが絶対に必要だと私も思います。拉致問題を前進させ、風化をさせないためにこれまで以上の取組を政府に強く求めまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。

#110
○清水真人君 自由民主党の清水真人です。
 質問に先立ちまして、北朝鮮によって拉致をされた御家族の帰国かなわぬままにお亡くなりになられた拉致被害者御家族の方々に心よりお悔やみを申し上げますとともに、御冥福をお祈りいたすところであります。
 少々重なっている部分もありますが、お許しをいただければと思います。
 米国のバイデン政権におきまして、オバマ式でもトランプ式でもない新しい対北朝鮮レビュー、こうしたものが出ました。これは、実質的、現実的な外交的解決を模索するものでもあるというふうに聞いております。この点については先ほど来説明がありますので質問はいたしませんけれども、今は動きがなくても、こうした政策を動かす中で、今後、米朝間において何らかの動きだとか交渉が行われることがあれば、核やミサイルとともに、棚上げにされることなく拉致問題についても、トランプ政権がそうであったように、バイデン政権においても必ず取り扱っていただく環境、状況をつくり上げていかなければならないと考えております。
 そのためには、米国との協力関係、更に深化をさせていく必要性があると思いますが、その方策についてお伺いいたします。

#111
○政府参考人(石月英雄君) お答え申し上げます。
 米国政府による対北朝鮮政策レビューの結果につきましては、五月の日米韓外相会合において、茂木大臣がブリンケン国務長官から詳細な説明を受けたところです。
 米国の政策レビューにつきましては、我が国としては、まず、米国政府が、朝鮮半島の完全な非核化が目標であることや我が国を含む同盟国の安全確保のための取組を強化する旨を明らかにしていること、また、政策レビューのプロセスにおいて日本側の考え方を米国にしっかりとインプットし、米国政府もこうした我が国や韓国との緊密な連携を重視しながらレビューを進めてきたこと、こういったことから、これを支持し、歓迎してきているところでございます。
 また、拉致問題につきましては、我が国の立場に対し、米国から一貫して理解と支持が得られているものと認識しております。例えば、四月の日米首脳会談、先月の日米外相会談に際し、菅総理及び茂木大臣から拉致問題の即時解決に向けて米国の引き続きの理解と協力を求めたのに対し、バイデン大統領やブリンケン国務長官から拉致問題の即時解決への米国のコミットメントが改めて示されたところです。
 今後、政策レビューの結果を踏まえ、対北朝鮮政策を具体的に進めていくに当たり、日米、日米韓で緊密に連携していく所存でございます。

#112
○清水真人君 やはりアメリカとの関係というのは基軸にもなるものでありますので、しっかりと関係の深化に努めていただければと思います。
 そして、同じく北朝鮮にとって影響力のある国、中国でありますけれども、令和元年の日中首脳会談では、日朝関係に関しての日本の立場、当時の安倍総理の考えが習近平国家主席から金国務委員長に伝えられるとともに、拉致問題、日朝関係改善に関して支持を得たというふうに認識をしております。
 北朝鮮と国境を接し、経済その他様々な面で影響力のある中国との連携を菅政権下においてもしっかりと取り組んでいかなければならないと考えておりますが、どのように対応していくのか、お伺いをいたします。

#113
○政府参考人(石月英雄君) お答え申し上げます。
 中国との間では、昨年九月の日中首脳会談において菅総理から拉致問題を含む北朝鮮への対応について提起し、引き続き日中が連携していくことを確認いたしました。また、昨年十一月の日中外相会談、本年四月の日中外相電話会談においても茂木大臣から拉致問題の早期解決に向けた理解と支持を求め、王毅国務委員長から引き続きの支持を得てきているところでございます。
 引き続き、中国を含む関係国とも緊密に連携しながら、全ての拉致被害者の一日も早い帰国を実現するべく全力を尽くしてまいる所存でございます。

#114
○清水真人君 アメリカや韓国、そして中国、ロシアも含めて、近隣においては瀬取りの関係等々もございますので、しっかりと国連安保理決議の実効性が確保できるような、そんな対応を取っていっていただくこともお願いしたいと思います。
 続いて、世界的な新型コロナウイルスの蔓延により、国際的な人の移動が制約、制限される中であっても、拉致問題の解決に向け、この先ほど質問した二国だけでなく、広く国際社会その他各国へ更なる働きかけを行い、理解と支持、協力を得、緊密に連携、連帯していくことが不可欠であります。そのためには外交面での取組、これが大変重要になってくると思いますが、そこについてお伺いいたします。
 また、政府においては、コロナ禍によって昨年は開催することのできなかった拉致に関する国連シンポジウム、これを六月に行うわけでありますが、これは国際社会への大きな働きかけになるというふうに思っておりますけれども、どのような成果を目指して行うのか、お伺いをいたします。

#115
○政府参考人(石月英雄君) お答え申し上げます。
 拉致問題については、北朝鮮への直接の働きかけに加え、関係各国に対しハイレベルでのあらゆる機会において拉致問題に関する日本の立場を繰り返し説明してきており、多くの国から支持と理解を得てきているところでございます。
 四月の日米首脳会談では、菅総理から拉致問題の即時解決に向けて米国に引き続きの理解と協力を求めたのに対し、バイデン大統領から拉致問題の即時解決への米国のコミットメントが改めて示されました。また、五月のG7外相会合や先日の日豪2プラス2など、茂木大臣からも様々な機会を捉え、拉致問題に関する日本の立場を説明してきております。
 こうした国際世論も味方にしつつ、引き続き米国等とも緊密に連携しながら、全ての拉致被害者の一日も早い帰国を実現するべく全力を尽くしていきます。

#116
○政府参考人(岡本宰君) 六月二十九日に行う予定のオンライン国連シンポジウムについてお尋ねがございました。
 拉致問題の解決のためには、我が国が主体的に取り組むことはもとより、国際社会の理解と協力を得ることが不可欠であります。このシンポジウムは、日本、米国、豪州政府及びEUの共催で、国連におけるサイドイベントとして各国の国連代表部関係者を主な参加者として開催するものであります。我が国政府だけでなく、諸外国政府、地域機関との共催で開催すること、また、日本人だけでなく諸外国の被害者御家族にも御登壇いただくことで、グローバルな課題としての拉致問題の解決について強く発信していきたいと考えております。
 また、本シンポジウムは、各国政府関係者に直接訴えることで、各国の政策決定過程において拉致問題の重要性が正しく認識されるよう働きかける機会としても重要であると考えております。さらに、本年の国連シンポジウムは初めてオンラインで生中継する予定でありまして、内外の一般の方にも広く視聴いただくことが可能であります。
 全ての拉致被害者の一日も早い帰国実現に向け、広く国際社会に拉致問題解決への理解と支持を訴えていきたいと考えております。拉致問題は政権の最重要課題であり、引き続き、国際社会と緊密に連携しつつ、全力を尽くしてまいります。

#117
○清水真人君 今まで他国との連携についてお伺いをしてきましたが、米国を始めとする国際社会に行っていただくのはあくまでも協力であり、支援であるというふうに思っております。やはり我が国が、我が国自身が主体的に拉致問題に取り組み、前に進めることが何よりも重要であります。そうしたことをしなければ、やはりこの硬直化した状況を打ち破れないんだろうというふうに思っております。
 そこで、改めて茂木大臣の決意についてお伺いをいたします。

#118
○国務大臣(茂木敏充君) 拉致問題、政権の最重要課題でありまして、我が国の主権、そして国民の生命と安全に関する重要な問題であると考えております。
 拉致問題の解決に向けては、我が国自身が、委員おっしゃるように、主体的に取り組むことが重要でありまして、これまで菅総理自身、安倍総理もそうでありましたが、条件を付けずにと、これ、元々日本の立場というのは、基本的な考え方というのは、日朝平壌宣言に基づいて、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決し、不幸な過去を清算して、日朝国交正常化を目指すと、こういう方針、これは堅持しつつも、じゃ、会談によって、やることによって、ここまでの成果を出さないと会談はしませんよということではなくて、そういう条件は付けずにということで直接向き合うと、こういう決意を述べているところであります。
 主体的に取り組む問題だと思っておりますが、様々なことが同時並行的に進む問題でもあるんだと思います。北朝鮮にとってやはり一番関心があるのは、アメリカがどう体制を保証してくれたり、どういう行動をしてくるかと、こういったことであると思っておりますし、もう一つ、確かに、金日成主席の時代であったりとか金正日委員長の時代から見ると中国の影響力というものは落ちているかもしれませんが、それでも、やっぱり一番経済的にも依存しているのも中国であります。
 米国とも連携をしながら、また中国の協力も仰ぎながら、この問題の解決に全力で取り組んでいきたいと思っております。

#119
○清水真人君 先ほど来、拉致被害に遭われた御家族の皆様のもう時間がないというような言葉も出ております。目に見える形で結果が出るよう御努力を続けていっていただければと思います。
 そしてまた、いろいろな北朝鮮と交渉をするための機会、これについて質問したいと思いますが、当初、北朝鮮は東京オリンピック参加に対し前向きな意向を示しておりました。しかし、三月下旬に開催された北朝鮮のオリンピック委員会の総会にて、新型コロナウイルスによる世界的な保健上の危機的状況から選手を守るためとの理由で、八種目で出場権を持っているにもかかわらず、東京五輪への参加をしないというような発表がされたところであります。
 北朝鮮は、今までオリンピック外交というものをしてきました。例えば、平昌オリンピックの際には、安倍総理が金永南北朝鮮最高人民会議常任委員長に拉致問題の解決に向けて強く申入れを行ったりもしましたし、たしか金与正氏もオリンピックに顔を出したことがあったと思います。
 そうした意味においては、東京オリンピックというものは、拉致問題に関しても北朝鮮と接触をする上で大きなチャンスになり得たというふうに認識をしているところでありますが、北朝鮮はオリンピックに本当に参加をしないのか。また、参加をしなかった場合、一つの機会を逃すことにつながると考えますが、見解をお伺いいたします。

#120
○政府参考人(植松浩二君) まず、北朝鮮の東京オリンピックへの参加につきまして御答弁申し上げます。
 委員御指摘いただきましたとおり、今年の四月に、北朝鮮オリンピック委員会は、北朝鮮のウエブサイトにおきまして東京大会へ参加しないことを決定した旨掲載しております。この点につきまして組織委員会に確認したところ、国際オリンピック委員会としては、北朝鮮から正式な連絡は受けていないとの認識であるとの回答でした。
 その後、国際オリンピック委員会におきまして北朝鮮の参加に関して議論が重ねられましたが、今年の、失礼しました、今月八日の理事会におきまして、北朝鮮選手が獲得した東京大会の参加枠を各IF、国際競技連盟でございますが、の判断により他のNOC、各国のオリンピック委員会でございますが、に再配分できるということを決定したというふうに承知しております。
 なお、今後の北朝鮮選手団の取扱いにつきましては、現在、組織委員会を通じてIOCに問い合わせているところでございまして、引き続きIOC、大会組織委員会との調整を注視してまいりたいと存じます。
 以上でございます。

#121
○政府参考人(岡本宰君) お尋ねの後段の、北朝鮮が東京オリンピックに参加しなかった場合、拉致問題に関して北朝鮮と接触する一つの機会を逃すのではないかについてですけれども、ただいまオリパラ事務局からも答弁ありましたように、東京大会への北朝鮮の参加につきましては、引き続きIOC、大会組織委員会等との間の調整を注視してまいりたいと考えております。
 いずれにいたしましても、政府といたしましては、全ての拉致被害者の一日も早い帰国実現に向け、あらゆるチャンスを逃すことなく、全力で行動してまいります。

#122
○清水真人君 北朝鮮、まあスポーツのことですからどうなんだということもあろうかと思いますが、一つの機会を出なければ失うことになると思いますので、新たな機会というものをしっかりと自力でつくり上げていっていただかなければいけないわけでありますが、しっかりとそうした努力も重ねていっていただければと思います。
 このオリンピックの不参加については、恐らく、今日採決しましたけれども、この制裁措置ですよね、これを四月の六日に閣議決定したということで、その次の日か次の次の日ぐらいにたしか報道されていましたから、こうしたものがトリガーになったのかなというふうにも思っておりますが、こうした制裁もしっかりやることによって北朝鮮に表舞台に出てきていただいて、そして交渉の場をつくることにもつながるんだろうというふうにも考えておりますから、制裁をすることに関しては私も支持をしているところであります。
 続いて、先ほど国内の広報啓発活動については質疑がありましたが、これについてお伺いをしたいと思います。
 先ほど来、拉致問題、風化してしまうんじゃないかというような話がありました。今、新型コロナウイルス感染というのが長引いておりまして、昨年は広報啓発事業についても中止を余儀なくされたというふうに聞いています。コロナ禍にあっても、拉致問題の解決は待ったなしであることは言うまでもありません。拉致に関わる広報啓発の取組が停滞することのないよう、しっかり取り組んでいかなければならないというふうに思っております。
 実は、自民党の青年局でも、この十三日に、全国三十県弱ですか、八十か所ぐらいで街頭をすることになっておりますが、これは毎年行っておりますけれども、我々議員もこうした広報啓発活動、しっかりやらなければいけないと思っておりますが、政府にあって、この広報啓発活動、どういうふうに努めていくおつもりなのか、お伺いをいたします。
 そしてまた、先ほどもちょっと出ていましたが、私も若い人に聞いてみたんですが、まず、小泉訪朝といっても、何か聞いたことあると、また、拉致被害者五名帰国したといっても、何か聞いたことあるなというぐらいで、非常に若い人への浸透度って大変今下がってきているんだろうというふうに思っておりますが、ここに対してしっかり対策をしていかなければいけないと思っております。
 特に、私もいろいろな会、出させていただきますが、顔ぶれは多少違うんですが、結構やはり同じような方が来ていて、なかなかこれが新たに広がっていくということが感じられないというのも現実なのかなというふうに思っておりますが、その対策についてお伺いをいたします。

#123
○政府参考人(岡本宰君) コロナ禍の中にありましても拉致問題の啓発が非常に重要であるということは、まさに委員御指摘のとおりだと思います。
 政府といたしましては、新型コロナウイルス感染防止対策を適切に講じつつ、全国各地で映画やアニメ等の上映会、集会、舞台劇等を開催してきております。また、昨年十月には国際発信ビデオメッセージを公表し、また、十二月にはウエブ配信を併用しつつ国際シンポジウムを開催したほか、教員等を対象とした研修をオンラインで行うなど、コロナ禍の中にあっても様々な工夫を凝らして啓発活動に取り組んでいるところであります。また、本年六月下旬には、六月二十九日ですけれども、拉致問題に関する国際シンポジウムをオンラインで開催する予定でありまして、国際社会に向けた広報活動にも力を入れております。
 委員も御指摘ありましたように、特にこれまで拉致問題に触れる機会の少なかった若い世代への啓発が重要な課題であると認識しております。そのような観点から中高生を対象とした作文コンクールを実施しておりまして、昨年度は英語エッセー部門を新設いたしました。
 また、教員等を対象とした研修は、昨年度はオンラインで実施することによって、コロナ禍に対応するということだけでなくて、オンライン、非常に便利でありますので、受講者数の増加につなげることもできました。本年度の研修は、オンラインと実地の双方を併用して行うことを予定しております。
 引き続き、若年層への啓発を始め、拉致問題に関する啓発活動に積極的に取り組んでまいります。

#124
○清水真人君 国民の皆様の心を一つにして拉致に対峙していくことが北朝鮮に対する強力なメッセージになるというふうに思っております。次世代を担う若者に対して正しい理解の啓発活動にも力を入れていただきたいと思います。
 最後に、副大臣いらっしゃっておりますので、この拉致問題解決に向けた決意についてお伺いをしたいと思います。

#125
○副大臣(三ッ林裕巳君) お答えいたします。
 二〇〇二年に五名の拉致被害者が帰国して以来、一人の拉致被害者の帰国も実現しないまま、昨年は有本嘉代子さん、横田滋さんが御逝去をされました。お二人の御存命中に恵子さん、めぐみさんとの再会を実現できなかったことは、政府として本当に申し訳なく思っております。
 私も、拉致問題担当の副大臣を拝命する以前から拉致議連の一員としてこの問題に取り組んできましたけれども、御家族や拉致被害者の方々が御高齢になる中で拉致問題の解決には一刻の猶予もないという委員の御指摘については、政府としても全く同様の認識を持っております。
 拉致問題は菅内閣の最重要課題であります。菅総理自身、累次の機会において、条件を付けずに金正恩委員長と直接向き合う決意を述べているところでございます。
 一日千秋の思いで被害者の帰国を待ち望んでいる御家族の皆様の思いを胸に刻み、菅総理、加藤官房長官の下、政府一丸となって、全ての拉致被害者の一日も早い帰国実現に向けて、あらゆるチャンスを逃すことなく、全力で行動してまいります。

#126
○委員長(山谷えり子君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後四時十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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