くにさくロゴ
2021/05/24 第204回国会 参議院 第204回国会 参議院 決算委員会 第7号 令和3年5月24日
姉妹サイト
 
2021/05/24 第204回国会 参議院

第204回国会 参議院 決算委員会 第7号 令和3年5月24日

#1
令和三年五月二十四日(月曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月十七日
    辞任         補欠選任
     杉  久武君     下野 六太君
 五月十八日
    辞任         補欠選任
     宮島 喜文君     赤池 誠章君
     山田  宏君     今井絵理子君
     片山 大介君     柴田  巧君
     小林 正夫君     芳賀 道也君
     山下 芳生君     武田 良介君
 五月二十一日
    辞任         補欠選任
     足立 敏之君     本田 顕子君
     今井絵理子君     山田 太郎君
     伊藤 孝江君     安江 伸夫君
     平木 大作君     秋野 公造君
     柳ヶ瀬裕文君     梅村  聡君
     武田 良介君     山添  拓君
 五月二十四日
    辞任         補欠選任
     西田 昌司君     山田 修路君
     本田 顕子君     徳茂 雅之君
     山田 太郎君     今井絵理子君
     秋野 公造君     平木 大作君
     安江 伸夫君     竹内 真二君
     柴田  巧君     清水 貴之君
     芳賀 道也君     上田 清司君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         野村 哲郎君
    理 事
                古賀友一郎君
                舞立 昇治君
                牧野たかお君
                古賀 之士君
                里見 隆治君
    委 員
                赤池 誠章君
                今井絵理子君
                大家 敏志君
                酒井 庸行君
                自見はなこ君
                滝沢  求君
                徳茂 雅之君
                豊田 俊郎君
                西田 昌司君
                藤井 基之君
                本田 顕子君
                山田 修路君
                山田 俊男君
                小沼  巧君
                勝部 賢志君
                岸 真紀子君
                塩村あやか君
                吉田 忠智君
                秋野 公造君
                下野 六太君
                竹内 真二君
                平木 大作君
                梅村  聡君
                清水 貴之君
                上田 清司君
                岩渕  友君
                山添  拓君
   国務大臣
       法務大臣     上川 陽子君
       厚生労働大臣   田村 憲久君
   副大臣
       財務副大臣    中西 健治君
       厚生労働副大臣  山本 博司君
   大臣政務官
       厚生労働大臣政
       務官       大隈 和英君
        ─────
       会計検査院長   森田 祐司君
        ─────
   最高裁判所長官代理者
       最高裁判所事務
       総長       中村  愼君
       最高裁判所事務
       総局総務局長   村田 斉志君
       最高裁判所事務
       総局刑事局長   吉崎 佳弥君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        笹嶋  正君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       時澤  忠君
       内閣官房内閣審
       議官       内山 博之君
       内閣府男女共同
       参画局長     林  伴子君
       警察庁長官官房
       審議官      猪原 誠司君
       総務省大臣官房
       審議官      阿部 知明君
       総務省自治行政
       局公務員部長   山越 伸子君
       法務省民事局長  小出 邦夫君
       法務省刑事局長  川原 隆司君
       出入国在留管理
       庁次長      松本  裕君
       外務省大臣官房
       参事官      安東 義雄君
       財務省理財局次
       長        井口 裕之君
       文化庁審議官   榎本  剛君
       厚生労働省大臣
       官房生活衛生・
       食品安全審議官  浅沼 一成君
       厚生労働省大臣
       官房年金管理審
       議官       日原 知己君
       厚生労働省医政
       局長       迫井 正深君
       厚生労働省健康
       局長       正林 督章君
       厚生労働省医薬
       ・生活衛生局長  鎌田 光明君
       厚生労働省労働
       基準局長     吉永 和生君
       厚生労働省職業
       安定局長     田中 誠二君
       厚生労働省雇用
       環境・均等局長  坂口  卓君
       厚生労働省子ど
       も家庭局長    渡辺由美子君
       厚生労働省社会
       ・援護局長    橋本 泰宏君
       厚生労働省社会
       ・援護局障害保
       健福祉部長    赤澤 公省君
       厚生労働省人材
       開発統括官    小林 洋司君
       中小企業庁事業
       環境部長     飯田 健太君
       国土交通省総合
       政策局次長    大高 豪太君
       防衛省大臣官房
       衛生監      椎葉 茂樹君
   説明員
       会計検査院事務
       総局第一局長   篠原 栄作君
       会計検査院事務
       総局第二局長   山口  亨君
       会計検査院事務
       総局第五局長   原田 祐平君
   参考人
       日本年金機構理
       事長       水島藤一郎君
   ─────────────
  本日の会議に付した案件
○令和元年度一般会計歳入歳出決算、令和元年度
 特別会計歳入歳出決算、令和元年度国税収納金
 整理資金受払計算書、令和元年度政府関係機関
 決算書(第二百三回国会内閣提出)(継続案件
 )
○令和元年度国有財産増減及び現在額総計算書(
 第二百三回国会内閣提出)(継続案件)
○令和元年度国有財産無償貸付状況総計算書(第
 二百三回国会内閣提出)(継続案件)
 (裁判所、法務省及び厚生労働省の部)
○国家財政の経理及び国有財産の管理に関する調
 査
 (会計検査院法第三十条の二の規定に基づく報
 告に関する件)
    ─────────────

#2
○委員長(野村哲郎君) ただいまから決算委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る二十一日までに、杉久武君、山田宏君、宮島喜文君、片山大介君、小林正夫君、山下芳生君、伊藤孝江さん、平木大作君、柳ヶ瀬裕文君及び足立敏之君が委員を辞任され、その補欠として下野六太君、赤池誠章君、柴田巧君、芳賀道也君、山田太郎君、安江伸夫君、秋野公造君、梅村聡君、山添拓君及び本田顕子さんが選任されました。
 また、本日、山田太郎君、安江伸夫君、柴田巧君及び芳賀道也君が委員を辞任され、その補欠として今井絵理子さん、竹内真二君、清水貴之君及び上田清司君が選任されました。
    ─────────────

#3
○委員長(野村哲郎君) 令和元年度決算外二件を議題といたします。
 本日は、裁判所、法務省及び厚生労働省の決算について審査を行います。
    ─────────────

#4
○委員長(野村哲郎君) この際、お諮りいたします。
 議事の都合により、これら決算の概要説明及び決算検査の概要説明は、いずれも省略して、本日の会議録の末尾に掲載することといたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#5
○委員長(野村哲郎君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
 速記を止めてください。
   〔速記中止〕

#6
○委員長(野村哲郎君) 速記を起こしてください。
    ─────────────

#7
○委員長(野村哲郎君) これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。

#8
○藤井基之君 自由民主党の藤井基之です。
 まず最初に、新型コロナウイルスワクチンについてお尋ねをいたします。
 あえて今更申し上げることではないわけですが、このコロナウイルス、二〇一九年の末でございました。中国武漢に端を発し、その後、世界中に広がったパンデミックは、一年半を経た現在でも、感染者数は世界で一億六千五百万人を超え、死者数も三百四十二万は超えていると。その広がりは拡大を続けております。
 しかし、感染症対策の切り札と言われておりますワクチンの出現によりまして、一縷の光が見えてきた感もいたしております。五月二十日現在でしょうか、世界のワクチン接種回数というものが十五億回を超えたそうでございまして、この夏には、ひょっとすると集団免疫獲得、つまり住民の七割の方が接種を終わらせるという、そういった状況に近づく、そういった国も現れるのではないかと推測されております。
 我が国でも接種回数は今急速に増えていると思いますが、私が調べた先週の数字でいいますと約八百万回、これを超えておるということで、そして、先週二十一日には、ファイザー社製のワクチンに続きまして、モデルナ社、アストラゼネカ社のワクチン二品目が特例承認をされまして、政府が既に供給契約を交わしております三社のワクチンが出そろうこととなりました。
 ここからは政府の方に発言していただいても結構なんですが、重複するかもしれませんが、武田が申請したモデルナのワクチン、これは公費接種の対象になったということで、本日から東京、大阪の集団接種会場で接種に使用されております。
 一方で、アストラゼネカ社の製品については、その使用につき更なる検討がなされることとなったと聞いております。アストラゼネカワクチンは、その取扱いの容易さ等のメリットが多いとも聞きます。また、既に国内で国内製薬企業による生産が始められているとも聞きます。製品の保存有効期間、保存可能期間は六か月だとされておるところです。
 政府にお尋ねしたいと思います。このアストラゼネカワクチンについて、更なる検討とはいつ頃までになされるのでしょうか。そして、今後このワクチンの取扱い方針はどのような姿を、どのような将来を想定されているのでしょうか。お尋ねしたいと存じます。

#9
○国務大臣(田村憲久君) 委員今おっしゃられましたとおり、アストラゼネカ、モデルナ、二社のワクチンが、今般、これPMDAの審査を得た上で薬食審の議論をいただいて、これ承認をされました。
 一方で、五月二十一日、当日でありますが、審議会、厚生科学審議会で御議論いただきまして、これ、御承知のように諸外国で若年層で接種自体を推奨を停止している国がありまして、英国でも四十歳未満では他のワクチンを優先となっております。ドイツは六十歳以上の者に限り使用でありますか、フランスは五十五歳以上等々、いろんな形になっております。でありますので、我が国では、その審議会において、使用の在り方、これ引き続き検討するという案が提示されて了承されたということであります。
 どういう方向性、これからなっていくかという話でありますが、今も申し上げたとおり、諸外国の使用の推奨の状況がこれからどうなっていくかということ、それから科学的知見の蓄積等々、まだその推移等々を見守っている最中でございまして、時期の見通しが立たないということで、今ここで何か申し上げることは困難であるということは御理解をいただきたいと思います。
 いずれにいたしましても、若年層も安心して接種いただけるようにすること、また可能な限り早期に接種を希望する方への接種を完了すること等を考慮しながら、これから対応してまいりたいというふうに考えております。

#10
○藤井基之君 どうも、大臣、今の時点での御質問に対して前向きにお答えいただきまして、ありがとうございました。一日も早い検討がなされて、アストラゼネカ社のワクチンを有効に活用できる日が近いことを期待しております。
 続いて、国産ワクチンの問題についてお尋ねしたいと存じます。
 ワクチンというもの、これは感染症対策というのは当然のことなんですけど、最近言われていますのは、国家の安全保障の観点といいますか、そういった観点からも、国産ワクチンを開発し、そして生産する体制を構築すること、その意義が強く指摘されているところでございます。
 我が国の国産ワクチン、開発の遅れが指摘されておりますが、何とか今日になりまして開発の最終ステージに届いてきているようでございます。つまり、臨床開発の最終段階、第三相の試験迎える状況になったというふうに伺っております。
 この第三相試験を実施するに当たりましては、先週の厚生労働委員会でも大臣に御質問をさせていただきましたが、世界各国で優秀なワクチン、例えばファイザー社のワクチンなど、モデルナ社ワクチンとか、この接種が進んでおります。そういった段階におきまして新たに国産ワクチンの大規模な臨床実験を、臨床試験を実施することは、これは国内は当然ですが、海外においても実は困難な状況になったのではないか、これは大臣もそのように御指摘されているとおりでございます。
 先行するワクチンに課せられておりました大規模なプラセボを使う比較試験、これを求めるのが検証試験とされているわけですが、これに代わる評価手法を取り入れなければ、いつまでたっても我が国産ワクチンの開発、実用化は望めないのではないかと危惧いたします。
 大臣は、この問題に関しまして、現在、各国の規制当局者の会議、ICMRAにおいて日本からどういうふうにしたらいいかということで提案をさせているというふうに発言をされておりまして、ブラインドテストがしづらい中でその有効性をどう判断するのか、今検討を始めておる最中ですと説明されました。また、先週の厚生労働委員会で私質問させていただいたときには、政府側は、血中の中和抗体価の上昇等の補完的な指標を用いる等について現在検討しているんですと、そのような答弁もございました。
 国際的なコンセンサスづくりは重要と考えます。日本としてもそれに向かって最大限の努力を求めるものですが、提案内容を踏まえた試験を先行して行って、その試験の適正さを国際的に示すということも、これも一つの方策ではないかとも考えます。
 新型コロナワクチンの第三相試験の在り方、大規模検証試験に代わる評価方法について、政府はどのようにお考えなのでしょうか。そして、どのようにして国産ワクチンの開発支援を進めていくお考えなのか、お尋ねしたいと存じます。

#11
○政府参考人(鎌田光明君) お答え申し上げます。
 先生御指摘のとおりでございまして、国内外でワクチンの接種が進めば大規模な三相試験が難しいということで、各国共に検討しておりまして、御指摘のあったICMRA、イクムラと申しておりますけれども、そこで議論しておりまして、むしろ我が国の方からこの議論をリードするという形で、既存ワクチン、先行しているワクチンと比べてどうなのかとか、あるいは中和抗体といった免疫原性を有効性評価の補完的指標と活用することなどを提案しておりまして、その議論を中心になされているところでございます。
 それで、先生の方から、先行して実施してはどうかと、またその結果を国際的に示してはどうかということについてでございますけれども、我々は、こうした国際的な議論の状況を見据えつつ、企業と、その議論を紹介したり、又はどのようなことができるかということで、情報提供とか企業からの相談をしているところでございますが、他方、なかなか議論がまとまらない段階で先行してやった場合に、仮に結果が違えば二度手間になるというか、あるいは国内でした試験が国際的に評価できないということありますので、そこは少し議論の見極めというものも必要かと考えておりますが、いずれにしましても、企業と密接な情報交換をしながら、できるだけ早く国産ワクチンの試験が進むように我々としても後押ししていきたいと考えております。

#12
○藤井基之君 ありがとうございました。
 今お話があったとおりだと思うんですが、できましたら、あるときには、その心配はあっても何かトライアルをしていくというのも一つの方策だということについては御検討の中に入れておいていただきたいと存じます。
 続いて、このワクチンの世界市場といいましょうか、市場規模の問題について少し触れさせていただきたいと存じます。
 御案内のとおりですが、新型コロナワクチンが出現する前、世界のワクチン市場というものは、まあこれは北米域がリードしていたわけですが、そこが中心となりまして、その世界的な規模というのは約三百億ドルから四百億ドル止まりだと言われておりました。そして、その九割近くはメルクとかというメガファーマの四社がそれを独占をしていたのが、それが今までのワクチン市場でございました。そのワクチン市場が、メッセンジャーRNAワクチンとかベクターワクチン等、新たなモダリティーを活用した各種のコロナワクチンの登場で一変した感があります。
 各企業がこの春発表しております二〇二一年ワクチンの売上げ予測があります。モデルナ社は百九十二億ドルと発表しました。また、ビオンテック社と連携してワクチンの共同開発を行っておりますファイザー社は二百六十億ドルと、そのように発表いたしました。
 となりますと、この二社の売上高を合わせるだけでそれまでの従前の世界のワクチン市場規模を凌駕するものになると、そのような動きなんですね。その技術開発を先導いたしましたのは、もちろん各国における国家戦略に基づく大きな支援を受けてのものでありますが、その先導をしたのは、欧米のメガファーマと言われる既存の大手製薬会社ではなくて、アメリカのモデルナ社でありますとか、あるいはドイツのビオンテック社等々のいわゆるベンチャー企業と言われるものでありました。
 我が国ではベンチャー企業が育っていないじゃないかと従前より指摘をされておりますが、DNAワクチン開発進めて国内ワクチン開発で先行しておりますアンジェス社、これは間違いなく大学発のベンチャー企業でございます。我が国の大学や企業等に非常に優れた技術が数多くあります。幅広い分野のモダリティーを効果的に活用していくための体制づくりであるとか関連諸施策を充実強化するべきではないでしょうか。
 感染症対策上はもとより、国家安全保障の観点からも、有事を想定した産業政策、研究開発等の支援を平時のときから行うことが極めて重要かつ国策上も必須と考えますが、大臣のお考えをお伺いしたいと存じます。

#13
○国務大臣(田村憲久君) 今般も、以前も委員会で委員に申し上げましたけれども、いろんな支援を、特にこのコロナワクチンという形で、まあもちろんコロナワクチンだけじゃなくて次も見据えながらなんですけれども、支援してまいりました。
 研究開発という意味では、一次補正、二次補正合わせ六百億円でありますとか、それから製造、製薬化しなきゃいけないということで、そういう意味からしますと一千三百七十七億円、さらには、今この第三相等々治験やるためにこれ費用掛かるということで一千二百億円。これちょっと今委員がおっしゃったとおり、やり方どうするんだという議論になってきておるわけでありますが。
 今までも、例えば薬事戦略相談等々、ある程度、以前よりも早い部分からいろんな支援をしようということで相談に乗るということをやってまいりまして、例えば、前回、私、大臣やったときに、PMDAの関西支部等々、これが必要だなんて議論もあったんですが、ベンチャーというところがなかなか日本弱いところで、よく死の谷、デスバレーなんということも言われますけれども、どう支援していくんだということで、現状、こういうところの支援ということで相談窓口というのをつくっておりまして、MEDISO、これメディソと読むんですかね、こういうような相談窓口つくりまして、例えば財政的ないろんな相談等々もあるでありましょうし、それからアカデミアだとか、それから製薬メーカーとのいろんな人の、何といいますか、交流といいますか、こういうような支援もしていかなきゃならない。
 やはり、このベンチャーというところとなかなかうまくつながっていかないというところが日本の弱いところでありまして、ベンチャー企業のやっぱりこのエコシステムみたいなものをしっかりと組み入れていかなきゃならぬわけでございますので、そういうところにも今力を入れていこうとしておる次第であります。
 いずれにいたしましても、国内での開発基盤整備、これを引き続きしっかりと対応していかなければならないというふうに考えております。

#14
○藤井基之君 ありがとうございました。
 それから、私指摘したのはもう一つありまして、それ何かというと、特にアメリカの戦略的な支援策といいましょうか、それを今改めて検討してますと、やはり有事の際を想定して平時のときから対応を取っていくという、そういった長期的な戦略というものが政策として必要なんだろうと思うわけですね。
 日本におきましても、かつて新型インフルエンザが流行してパンデミックがはやったとき、その後で、実は日本国としてもワクチン開発に対して強化しなきゃいけないと幾つかの政策は導入されました。しかし、残念なことに、喉元を過ぎた後に熱さを忘れるといいましょうか、その後、せっかくその当時動いていた研究開発の施策というものが途中で腰折れの状態になったんじゃないかというふうに私は考えております。
 そのようなことがないように、今回の件、この後もまだブースターが要るかもしれない、つまり、来年も再来年もワクチンというのが必要になるかもしれませんし、変異株の発現、出現ということも、もう今もそうですし、この先もこの変異株というのは発現する可能性が非常に高いわけでございます。そういった、に対応するためにも、いわゆる平時のときから有事を想定したそうした政策、それを是非とも続けて、強力に推し進めていただきたいと大臣にお願いをしたいと存じます。
 続きまして、話を変えさせていただきたいと存じます。
 本日、資料を二枚用意させていただきました。
 最初のペーパーは薬物事犯検挙人員の推移という紙でございまして、話ががらっと変わりますが、資料に示されているのは何かといいますと、これは、現在厚生労働省が有識者より成る大麻等の薬物対策のあり方検討会を開催されているというふうに了知しておりまして、そして、そこでは大麻取締法の改正等について議論をされているというふうに伺っております。
 この一枚目の資料は、日本における薬物事犯がどのような動きをしているか、検挙人数から見たものでございまして、一番上の折れ線グラフが全体の薬物事犯の検挙人数で、過去十年間で最も多い記録がこの令和二年、昨年であります、一万四千五百八十二人の検挙者数を数えております。
 その次の青い色で書いております、これは覚醒剤の検挙でございます。これ、日本においては薬物事犯の主流というのはこの覚醒剤であったわけでございますが、ここのところ、実はこの覚醒剤における検挙人数が減ってきております。
 そして、それに代わって今右肩上がりで伸びているのが緑色で示されております大麻事犯でありまして、この大麻事犯、ここにありますように七年連続で増加して、昨年は過去最多となる五千二百七十三人が検挙されております。特に大麻事犯の検挙につきまして言うと、この後政府からも御紹介あるかもしれませんが、若い方の感染者が多い。そして、その若い方がその後いろいろな薬物を手に染める。その入口の薬、ゲートウエードラッグになっていると、そういうふうにも言われているものが大麻の汚染でございます。
 大麻を規制対象にするという国連の条約、これは一九六一年に提案されまして、既に世界では百六十か国以上の国が批准をしております。にもかかわらず、国連の取りまとめた世界薬物報告によりますと、世界で最も感染が多い、あっ、済みません、感染ではない、最も乱用が多い薬物というのは抜けてこの大麻であります。一年以内に大麻を乱用した、そういった大麻、済みません、薬物を乱用した方の数が世界でいうと非常に多いわけですが、そのうちのかなりのパーセント、約二億五千万人のうち一億八千五百万人の方は実は大麻を乱用しているんだというふうに言われています。
 そこで、お尋ねしたいと思います。
 昨今の乱用されている大麻リキッド等の製品は、いわゆる乱用の元凶とされている有害成分THC濃度が高いものが増えてきております。ということは、有害性がかつての大麻よりも高くなっていることを意味しております。
 厚生労働省の検討会においては、大麻等の薬物問題をどのように認識し、どう対処しようとしていますか。それをお尋ねしたいと存じます。

#15
○政府参考人(鎌田光明君) お答え申し上げます。
 御紹介のございました大麻等薬物対策のあり方検討会というものを本年一月に設置いたしまして、大麻規制の在り方を含めた薬物関連法制の在り方、あるいは再乱用防止対策、依存症対策などの論点について議論していただいているところでございます。大麻は、御指摘のとおり、七年連続で増加しておりますし、その検挙人員のうち三十歳未満の方が六五%を占めておりますし、三十歳未満の検挙人員のうち二〇%未満の方が占める割合は二六%、そうしたことも背景にございます。
 また、大麻につきましても医療用の使用ということを求める声がございますので、そういったことを背景として議論しているところでございますが、ここにおきましては、大麻は今部位による規制となっておりますけれども、御指摘のございました成分に着目した規制というものへの見直し、それから大麻から製造された医薬品の施用に関する見直し、そして他の薬物法規と同様に大麻取締法への使用罪導入に関する検討などについて御議論していただいているところでございます。

#16
○藤井基之君 ありがとうございます。
 今御案内あったとおりでございますけれど、ともすると、若い方々が大麻の有害性を誤解されているといいましょうか、大麻というのはそんなに危険じゃないよと、こう思われているのが多いというふうに言われております。ですから、大麻のリスクというものについても、正しい啓発といいましょうか、広報に力を入れていただきたいと存じます。
 特に、大麻におきましては、国際条約で規制対象となっているにもかかわらず、カナダ等において大麻のレクリエーショナルユースというんでしょうか、娯楽的に使うとでもいうんでしょう、そういった使用法が量を限定して認められたというふうに言われておりまして、そういった情報が、ブラック、いわゆるネットといいますか、いわゆるネット等でそういう情報が流れてきておりまして、それが誤解の一因になっているのかもしれません。こういった各国の規制についても、正しい情報を発信していただきたいと存じます。
 続きまして、資料の二枚目に移らさせていただきます。資料二は、また話が変わりまして、薬剤師の需給推計についてという紙でございます。
 厚生省は、薬剤師の需給調査を進めておりまして、先月、四月の二十六日に開催された薬剤師の養成及び資質向上等に関する調査会において、その需給推計案を提示いたしました。今日お配りした資料は、そのうちの一枚でございます。
 ここにありますように、推計については、この下の折れ線グラフの丸の印が付いている、これが供給の推計数字でありまして、そして、下側の二つの三角で書いてあります、これが需要の推計を示しております。
 推計案によりますと、需要数は機械的な推計で現在の三十二・〇万人から令和二十七年には三十三・二万人になると。また、患者のための薬局ビジョン等に基づく対人業務の充実でありますとか、チーム医療の推進による病院での病棟業務の充実、そして、機械化等による業務の効率化等、等々の変動要因を加味した場合、現行の三十二・〇万人から令和二十七年には四十・八万人になるとしております。
 一方で、供給につきましては、上の二つですが、毎年現行どおり一定数が増加すると仮定しますと、現在の三十二・五万人が令和二十七年には四十五・八万人。今後、人口の減少でありますとか大学進学者数の減少等を受けて、養成される薬剤師の増加数が減少すると仮定すると、令和二十七年には四十三・二万人になると、このような推計を示しているものでございます。ただ、いずれにしましても、この図から分かるように、供給過多となるという推計結果でございます。
 厚生省の検討会は、この推計結果を踏まえて、薬剤師資質向上策をも併せて来月にも報告書をまとめる予定と聞いております。
 御案内のとおり、薬剤師になるためには薬学部を卒業して、そして薬剤師の国家試験に合格して初めて薬剤師は誕生します。この修学期間は六年間であります。
 平成三十年間で薬剤師数は倍増いたし、三十一万人を超え、現在、足下では三十二万人と、三十二・五万人となっております。平成三十一年の薬学部の入学定員は一万二千九百三十五人でございました。六年制コースの入学定員は一万一千四百八十七人でございました。平成元年の薬学部の入学定員は七千七百人余、つまり、平成の三十年間で約五割入学定員が倍増したことを意味しております。薬剤師の質を高め、そして供給を適正化していくためには、薬剤師教育課程の入学者数を厳選していく必要があろうと考えます。
 薬剤師職能を所管する厚生労働大臣にお伺いしたいと思います。
 今般のこの検討会がもし供給過剰との報告を取りまとめた場合ですが、入学定員を所掌するのは文部科学省でございます。文部科学省に対して大学の入学定員の適正化を行うべきではないかという申入れを私は行うべきと考えますが、大臣はどのようなお考えでございましょうか。

#17
○国務大臣(田村憲久君) 今委員おっしゃられましたとおり、これ四月二十六日でありますが、薬剤師の養成及び資質向上等に関する検討会、ここにおきまして薬剤師の需給推計という形でお示ししたところでありますが、薬剤師の業務実態でありますとか養成数、こういうものを基に二〇四五年、令和二十七年ということでありますけれども、どのような形になっているか、これ機械的に算出をさせていただいたものであります。
 今言われたとおり、現状のままというのも一つの仮定でありますし、それから、これ何といいますかね、効率化を薬剤師もいろんな形で機械化進める中で動いていくわけでありまして、こういうことも一つ想定に入れたりなんかしまして幾つか出させていただいたわけでありますけれども、推計の議論の参考とし、こういうものをしながら、引き続き対人業務の充実や対物業務の効率化、これを含めて薬剤師に求められる業務内容はどういうものか、こういうものを踏まえながら、養成や資質向上等について、今言われたとおり六月を目途に取りまとめをやろうと。
 今議論されている中においては、偏在でありますとか病院薬剤師の不足、こういう議論もしておりますし、それから定員、今言われた定員でありますとか薬学教育、これに関する内容、この在り方でありますとか、また卒前教育、卒後研修の在り方、こういう議論もしていただいておりますが、いずれにいたしましても、これ養成数というものは薬学教育にまさに今言われたとおり関わってくる問題でございます。
 そういう意味からいたしますと、これオブザーバーで検討会に文科省も入ってきていただいておりますけれども、今言われた観点も含めながら、委員が、文科省と連携しながらここの部分に関してはしっかり検討していかなきゃならないというふうに考えております。

#18
○藤井基之君 ありがとうございます。
 加えて大臣に、もう釈迦に説法になるわけでございますが、薬学部ということがちょっと言葉のあれで出てまいりましたが、六年制のコースと四年制のコースという二つのコースがあります。これは世界でも独特のものだと思います。これは日本における薬学教育の歴史的な経緯からこのようになって、私どももそれを作成する法律の改正に参画した人間として、その制度をつくって、ともすれば六年制の医療人たる薬剤師の養成に力が少し入り過ぎていた。
 あと、もう一つありまして、例えば薬を創薬する、ワクチンを作るとか、そういった科学者たる創薬者たる薬学、薬学生という、その教育がちょっとないがしろになったのかなということを憂えております。バランスのある教育が取れるように、大臣からもお力添えをいただきたいと思います。
 終わります。

#19
○今井絵理子君 自由民主党の今井絵理子です。
 今日は、大きく障害者への性暴力、性犯罪に関わる問題、手話通訳に従事する方に関する問題をお尋ねしたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
 まず、障害者への性暴力、性犯罪について質問させていただきます。
 政府は昨年六月、性犯罪・性暴力対策の強化の方針を取りまとめ、令和四年度までの三年間を性犯罪・性暴力対策の集中強化期間として、刑事法の在り方の検討を始めとした取組を進めています。
 実施方針に基づきこの四月から、一部の地方検察庁において、知的障害などがある人が性犯罪の被害を受けた事件において代表者聴取が試行されております。代表者聴取はこれまで児童が被害者や参考人になる事件で行われてきたもので、検察や警察など繰り返し行われる聴取による精神的負担の軽減や、供述の変遷の防止を狙ったこの制度の活用に期待しているところであります。
 まだ試行開始から日がたっていませんから難しいかもしれませんが、実施状況がお分かりでしたら教えていただきたいのと、一方、この代表者聴取そのものが抱える課題もあります。例えば、インタビュアーの知識や技術がまだまだ不足することで有効な証言が取れないことや、関係者の日程調整のために面接実施まで時間が掛かることが多いと聞いています。また、捜査機関が事件化の可能性が低いと判断した場合、聴取そのものが行われないこともあるようです。
 これらの課題に対する法務省の見解をお聞かせください。

#20
○政府参考人(川原隆司君) お答えいたします。
 まず、精神に障害を有する被害者の方への代表者聴取の関係についてお答え申し上げます。
 検察当局におきましては、政府の強化方針を受けまして、本年四月一日から、知的障害、精神障害、発達障害等の精神に障害を有する被害者に係る性犯罪事件のうち、事件の内容、証拠関係、被害者の障害の程度等を考慮して、その負担軽減及び供述の信用性確保の観点から、代表者聴取を行うのが相当と認められる事件につき、警察と連携して、検察及び警察のうちの代表者が被害者から聴取を行う、いわゆる代表者聴取の取組の試行を行っているものと承知しております。
 刑事事件におきましては、合理的な疑いを入れない程度の非常に高いレベルの立証が求められているところであり、性犯罪は加害者と被害者しかいない場で行われやすい犯罪類型であることから、事件関係者から事情聴取を行うに当たっては、事案の内容や証拠関係を踏まえ、必要に応じた聴取を行うなどして、その信用性を十分に吟味し、証拠価値の高い正確な供述を得る必要があるところでございます。
 他方で、精神に障害を有する性犯罪被害者の中には、児童同様に暗示や誘導を受けやすく、聴取が繰り返されること等により記憶が変容するおそれのある者がいるとの指摘や、精神的に脆弱な者にとっては聴取が繰り返されることによる精神的負担が大きいとの指摘がなされているところでございます。
 このような被害者の供述特性を踏まえながら、被害者の負担が少なく、正確な供述を証拠化する上では様々な実務上の課題があり得るものと理解をしておりまして、今回の試行を通じて、実務上の課題を的確に把握することを含め、今後の取組を検討する上で参考となる事例が集積されることを期待しているところでございます。
 今回の試行につきましては開始したばかりであり、法務省としてはまず試行の状況を見守ってまいりたいと考えているところでございます。
 また、御質問の中に、現在既に行われている児童の代表者聴取についての課題の御指摘をいただきましたので、この関係についてお答えを申し上げます。
 取調べの日程の調整等の御指摘もございましたが、取調べの日程の調整等に関する関係機関との連携に関しましては、個別の事案の内容や証拠関係にもよるため、一概には申し上げられないところでございますが、検察当局におきましては、児童に対する代表者聴取に関して、平成二十七年十月二十八日付けで最高検察庁刑事部長通知を発出し、各地方検察庁に相談窓口を設置して、警察や児童相談所との間で緊密な情報交換を行うべきことや、検察当局において情報提供を受け次第速やかに警察や児童相談所の担当者と協議を行うべきこととしており、関係機関と協議の上、事案に応じて実施時期を含めて適切に代表者聴取を実施できるよう努めているものと承知しております。
 また、この児童に対する代表者聴取の聴取の方法という関係でございますが、検察官の経験年数等に応じた各種研修を行っているところでございまして、その一環としして、いわゆる司法面接や供述心理等を研究している大学教授等による児童の事情聴取方法等に関する講義、演習を実施するなど、児童から適切に事情を聴取するのに必要な知識、能力の向上を図るための研修を実施しているところでございます。
 また、各地方検察庁においても、勉強会を実施したり、児童相談所等の関係機関職員による講義等を実施するなどして、適切に代表者聴取が行われるような独自の取組を行っているところでございます。
 今後とも、検察当局におきましては、より一層の工夫、改善を加えつつ、警察及び児童相談所との更なる連携強化を図っていくものと承知しております。
 以上でございます。

#21
○今井絵理子君 ありがとうございます。
 これまで行われてきた代表者聴取の課題そのものなんですけれども、これはきっと障害者に対する代表者聴取でも同じことと言えると思いますので、是非スピーディーな対応をよろしくお願いいたします。
 次は、障害のある方に対する司法手続一般における配慮について質問させていただきます。
 知的・発達障害のある方に対しては、日時や場所の特定が困難であることもあり、質問に誘導されやすいという特性に対する配慮が必要であると考えられます。聴覚に障害のある方には手話通訳や筆談などの配慮が必要でしょう。配慮の方法については、本人の要望が第一に優先されることが望ましいと考えます。
 聴覚障害者に関連した例となりますが、手話通訳士実態調査報告書によると、司法場面における手話通訳の評価において、よく通じたが二六%、何とか通じたが六一%、通じたかどうか分からないが五%という結果が示されていました。これにはちょっと驚いているんですけれども、司法分野の手話通訳については、国立大学法人筑波技術大学が平成三十年度に実施した調査でも、司法分野の手話言語通訳に対応できる通訳者がいない又は不足しているといった指摘がされております。
 被疑者、被害者の立場を問わず、不完全なコミュニケーションによって司法手続が進むことは許されません。例えば、総務省では、政見放送に関わる手話通訳士に向けた研修会を開催しております。司法手続を所管する関係機関においても、障害に関する知識を備えた捜査員の育成や法律の知識を有する手話通訳士・者の育成など、障害者への配慮が徹底されるための取組が必要だと思いますが、御所見をお聞かせください。

#22
○政府参考人(川原隆司君) お答えいたします。
 まず、一般論として、障害者の方々全般のまずことをお答えさせていただきたいと存じます。あくまで一般論として申し上げますれば、検察当局におきましては、被害者から事情を伺うに当たって、それぞれの事情に十分配慮し、事案に応じた適切な配慮に努めているものと承知をしております。
 具体的には、障害を有する被害者の方から事情聴取するに当たっては、例えば、必要に応じまして、聴覚障害を有する被害者の方であれば手話通訳人に立ち会っていただいて手話通訳を介して事情聴取を行う、あるいは、一般の取調べ室ではなく被害者専用に設けた部屋や、被害者の心身の状況によっては被害者の方等の御自宅において事情聴取を行う、それから、質問をする順序や方法を工夫する、被害者の方の体調に配慮し小まめに休憩を取るなど、個別の事案における被害者の方の年齢や障害の内容、程度等に十分配慮し、事案の内容や証拠構造に照らして適切な事情聴取を行うように努めているところであると承知しており、今後とも被害者の御負担に配慮しながら適切に対応していくものと承知しております。
 その上で、委員から手話通訳の場合の研修等の必要性について御指摘がございました。
 聴覚障害者の方の事情聴取等に当たりましては、必要な事実関係について十分聴取を行うためには、手話通訳の方に適切な通訳を行っていただくことが重要だということは十分認識しております。検察当局におきましては、個別の事案ごとに、適切な通訳を行っていただくため、その必要性に応じて、検察官が取調べや事情聴取に先立ちまして、その事案の概要について説明を行うのに併せて、刑事手続に関して必要な事柄について通訳の方に説明を行うこともあるものと承知しております。
 手話通訳の方に適切な通訳を行っていただくための方策につきましては、委員御指摘のような研修を実施することも含めまして、具体的な要望などを踏まえつつ考えてまいりたいと思っております。

#23
○最高裁判所長官代理者(吉崎佳弥君) 裁判所からお答え申し上げます。
 障害を有する被害者に刑事公判手続における適切な対応をすることは非常に重要と考えられておりまして、障害を有する被害者の証人尋問においては、各裁判体において、事案の内容、その特性に応じ、例えば、質問者に平易な用語や表現を用いるように求めたり、尋問中の障害者の状況を意識的に確認して必要に応じて小まめに休憩を取るなどといった工夫を行うなどしておるところと承知しております。
 また、手話通訳人の研修の関係、お問合せでございます。今申し上げたとおり、聴覚障害のある方、被害者に対して、公判手続において適切に対応することが重要であることは変わりはございません。裁判所では、手話通訳人に対して研修などは行ってはおりませんけれども、ただ、各裁判体におきまして正確な通訳を確保するため、例えば手話通訳人と事前に打合せを行って、事案の内容に応じて手続や用語の説明をし、あるいは、通訳人に聴覚障害者と相互に手話が見やすい場所に位置していただくようあらかじめ打合せをするなど、適切な対応を講じていると考えてございます。
 引き続き適切な対応が講じられるよう、今後とも必要な検討を行ってまいりたいと考えております。

#24
○政府参考人(猪原誠司君) お答えいたします。
 まず、犯罪被害者の方の権利利益の保護は大変重要だと認識しておりまして、とりわけ障害を有する方につきましては、その特性を踏まえた特段の配慮が必要と認識しております。このため、警察におきましては、障害を有する方からの聴取を行うに当たりましては、その方の障害の程度等を踏まえ、適切な方法で行うこととしているところであります。
 聴覚障害を有する方からの聴取に関して申し上げますと、個別具体的な状況の下で、その方の特性を踏まえ、手話、筆談等のうち、いかなるコミュニケーションの方法を用いることが最も適切なのか、確認して対応しているところであります。
 手話通訳人の方を介して聴取を行う場合には、聴取に当たる警察官と手話通訳人の方との意思疎通を図ることが極めて重要と認識しております。このため、実際の事件捜査において外部の手話通訳人の方に手話通訳を依頼する場合には、聴取に先立ちまして、刑事手続の流れや専門用語等について十分な打合せを行うなどして対応しているところであります。

#25
○今井絵理子君 ありがとうございます。
 事前に打合せをしたりなどの配慮をなされているということなんですけれども、でも、まだまだやはり手話通訳士実態調査によると満足して手話通訳士が手話通訳をできていないという現状を鑑みると、各やはり省庁で専門的な知識を備えた人材の育成というところも、公平で公正な司法手続の実現に向けて、是非研修などの拡大も含めよろしくお願いします。
 ちょっと時間も来ましたので、質問をちょっと飛ばしまして、性犯罪から守るための法改正の向けた動きについてちょっとお聞きしたいと思います。
 先日発表された性犯罪に関する刑事法検討会取りまとめ報告書によりますと、地位・関係性を利用した犯罪類型の在り方の項で、障害を有する者を被害者とする罰則の在り方に関する議論での意見が記述されておりました。障害のある方が性犯罪という卑劣な行為の被害者にならないために、抑止という意味では適正な法改正を望んでおります。
 あってはなりませんが、万が一被害者となってしまったときに、泣き寝入りすることなく、加害者を立件し、罰を与えることができるような適正な法の改正と運用を求めたいと思いますが、性暴力のない社会の実現を目指す自民党のワンツー議連の会長を務められた上川大臣、思いは同じだと存じますが、最後に大臣の所見あるいは決意をお聞かせください。

#26
○国務大臣(上川陽子君) 昨年の六月に設置をいたしました性犯罪に関する刑事法の検討会でございます。一年にわたりまして十六回の会を重ねていただきまして、様々な視点から積極的な御議論をいただき、本年の五月二十一日、先週でございますが、報告書が取りまとめられたところでございます。
 検討会におきましては、今委員からお尋ねの障害を有する方に対しましての性犯罪につきましても議題の一つとして大変熱心に御議論をいただきまして、その結果につきましてもこの報告書に記載をされているところでございます。
 委員からもちょっと、一部御紹介をいただきましたけれども、主な記載につきまして申し上げますと、被害者が障害を有する場合には、被害者が身体的、精神的、又は社会的に脆弱であり、判断能力が不十分であることから、そのような特性に付け込んで行う性交等は被害者の法益を侵害する行為であり、そのような特性に応じた対処の検討が必要であることにつきましては異論がございませんでした。
 また、障害を有するという類型的な脆弱性に応じた新たな罰則を設ける場合におきましては、被害者の属性や地位、関係性に係る要件に加えまして、意思決定に影響を及ぼしたと言えるなどの実質的要件を設けることを含め、適切な構成要件の在り方について更に検討がなされるべきなどとされているところでございます。
 性犯罪に係る刑事法の在り方の検討は喫緊の課題でございます。検討会におけるこうした取りまとめの結果をしっかりと受け止めさせていただきまして、様々な御意見に耳を傾け、更なる検討を進めてまいりたいというふうに考えております。

#27
○今井絵理子君 上川大臣、ありがとうございました。障害のある方をもう性犯罪から必ず守っていただきたく、お願いを申し上げたいと思います。
 この後の質疑に関しては厚労省のみとなりますので、上川大臣、参考人におかれましては、退席して結構ですので、委員長、取り計らい、お願いします。

#28
○委員長(野村哲郎君) 上川法務大臣は御退席いただきまして結構でございます。

#29
○今井絵理子君 続きまして、手話通訳に従事する方に関する質問をさせていただきます。
 障害者差別解消法の施行や全国の自治体で広がる手話言語条例の制定により、国民の皆様の手話言語に対する理解が深まってきたことを大変喜ばしく思います。
 本年七月に実施される電話リレーサービスや政見放送、行政機関の会見での手話通訳など、安定的な手話通訳に関わる人材の確保が求められます。一方で、手話通訳に従事する方の不足は喫緊の課題であり、対策が求められます。
 お手元の資料を御覧ください。手話通訳に関わる、従事する方は、手話通訳士、手話通訳者、手話奉仕員のこの三つに大別されますが、この資料は手話通訳士に限定したものとなっております。
 二〇〇九年と二〇一九年の年齢構成割合を比較したグラフを御覧ください。二十代から四十代が激減しており、六十代以後が大きく増加している様子がお分かりいただけると思います。
 四十歳未満の割合は全体の六・九%、五十歳以上の割合が七四・一%を占めています。これは、この十年間の間に二十代や三十代の若い人材を輩出していないことを意味します。このペースで推移すると、二〇二九年にはそのほとんどを六十歳以上の方が占めることとなり、人材が枯渇してしまうことが容易に想像できます。
 また、地域による偏在も深刻です。各都道府県別手話通訳士一人当たりの人口は、東京都が一万六千二百人に対して、佐賀県では十万一千人と六・二倍もの開きがあります。
 また、二〇二〇年度は、新型コロナウイルス感染症の影響で試験が行われなかったこともあり、現状維持も困難な状況となっております。安定供給のために、若い世代の方々が手話通訳士になりたいと思えるような、手話通訳士等を職業として選択してもらえるような施策が必要となります。
 そこで、以下、御質問したいと思います。
 手話通訳士実態調査報告書によりますと、そもそも、手話通訳士を生かした職業への就労は三七・六%にとどまっております。そして、平均給与は月額約十七万九千円。手話通訳士を生かした職業に就労していない理由として、手話通訳を職業とすることを考えていないと回答した人が二九・六%、就労したいが給与が安くそれでは生活できないと回答した人が一四・六%。唯一の公的資格保有者である手話通訳士ですらこの状況ですから、処遇改善なくして手話通訳従事者不足の解消は困難だと思います。様々な理由がありますが、あとは活躍の場がないことも大きな理由となっています。
 手話通訳の技術と知識に応じた処遇や就労の場が確保されていることが若い人材の輩出、人材不足の解消には必要だと考えますが、政府の御見解をお聞かせください。

#30
○政府参考人(赤澤公省君) お答えいたします。
 都道府県等により養成された手話通訳者につきましては、主として聴覚障害者の意思疎通を支援するために派遣されており、また、自治体の窓口等に配置されることが期待されておりまして、その経費に対して国が財政支援を行っているところでございます。
 このような手話通訳者を派遣する事業を実施する市町村が全国で約九割を超える一方、手話通訳者を自治体の窓口に配置する事業、この事業を実施する市区町村は全国で四割程度ということでございまして、各自治体に対しまして更なる活用を促すことに、雇用の場の確保を図ってまいりたいと考えております。
 それから、今回、令和三年の障害報酬改定で、障害児通所支援関係、障害児童発達支援と放課後デイサービスにつきましては、児童指導員等加配加算に手話通訳士と手話通訳者の方を配置した場合の、そこを対象に加えさせていただいております。
 こういう形で、これからも私ども適切な対応で手話通訳士の雇用の確保や処遇の改善を努めてまいりたいと思っております。

#31
○今井絵理子君 ありがとうございます。
 これまで手話通訳の業務は、障害者福祉を支えるボランティア人材に委ねられてきた経緯があります。勤務形態や報酬等の処遇もボランティアベースで設定されてきたために、その担い手は、聾者の家族や主婦を始め、専業の仕事を持たない方々に委ねられてきました。手話通訳はプロフェッショナルの職業であるという、認識を変えなければならないと思っております。
 そのためにも、若い世代が手話通訳士になりたいと思うためにも、例えば養成カリキュラム、養成機関が不足されている現状があります。先ほど御紹介した手話通訳士実態調査報告にも、国立障害者リハビリテーションセンターや専門学校などでの、手話通訳専門養成校などでの学習の機会を増やすことが若年層の手話通訳士取得及び合格率の上昇につながると考えられているなどの記述があります。
 人材の確保、質の担保のために、高等教育機関での養成カリキュラムの確立など養成機関の拡充が必要だと考えますが、政府の御見解をお聞かせください。

#32
○政府参考人(赤澤公省君) お答えいたします。
 まず、養成機関の拡充につきましては、当然、手話通訳者を養成する自治体に対する財政支援とか指導者の養成、それから試験の実施もやっておりますし、講座の実施にも取り組んでおります。
 それから、若年層というお話が先生からいただきましたが、平成三十年度から、大学において大学生等を対象といたしまして手話通訳者を養成することを目指すモデル事業を実施しておりまして、こういうものをしっかり成果を普及していくということが必要だと思っております。
 それから、カリキュラムの件でございますが、今、手話通訳を派遣する事業ですね、こういう手話通訳に従事されている方は、国が策定したカリキュラムに基づき都道府県等において養成された手話通訳者又は手話通訳士、試験における、のいずれかとされております。
 手話通訳士の方につきましては、手話通訳技能に対して一定の水準を有する方はあくまでも試験により認定するというものでございますので、独自の養成カリキュラムを作成することは現在、現段階では考えておりませんが、一方、手話通訳者、都道府県で養成される手話通訳者の方の養成カリキュラムにつきましては、策定後二十年以上が経過しておりまして、ICT技術の発達など、聴覚障害者の方を取り巻く社会環境の変化への対応、それから、若年層の積極的な養成に資するため、見直しを行うことを今検討しているところでございます。

#33
○今井絵理子君 ありがとうございます。
 大学機関でのモデル事業をやられているということで、是非成果を出していただいて、若い世代が手話通訳になりたいと思えるような、そういった、養成するきちんとした学習機関、養成機関を設立していただきたいなと。そして、養成カリキュラムの確立も同時に検討していただけているということで、よろしくお願いします。
 最後になりますが、手話通訳従事者の、最後に地位についてお尋ねいたします。
 冒頭に触れましたように、手話通訳業務は三者が担っております。手話通訳士は、唯一の公的資格であり、裁判や政見放送での手話通訳にはこの資格が求められ、手話通訳者は、先ほど御答弁の中にもあったように、全国統一試験合格後、都道府県の独自審査に合格し、認定を受けた人のことを指します。また、手話奉仕員という方々は、市町村が実施する手話奉仕員養成講座を修了し、地域で活動される人のことを示しております。
 現行の分類を整理して、養成カリキュラムを確立した上で国家資格制度を求める声もあります。増大する需要は数だけではなく、質に対するものでもあると考えられます。体系的な資格制度の確立により求められる人材を養成することが必要でありますが、国家資格化されることでその社会的地位が認められれば、若者からまた一層関心が寄せられることも期待できますが、この国家資格化について、そして、ここまでの議論も踏まえて、手話通訳に関わる諸制度の充実に向けての大臣の御所見を最後にお伺いします。

#34
○国務大臣(田村憲久君) ちょっと通告と違っていたんですけれども。
 まず、いろんな意味で若年層をどうするかという問題、これ非常に大きな問題で、高齢化が進んでいるということ、そのとおりであると思います。そういう意味では、やっぱり手話通訳者の、まあ通訳士もそうであります、それぞれどういうやりがいのある仕事かということを若い方々に御理解をいただかなきゃならないと。そういう意味では、しっかり情報発信をしなきゃなりませんし、あわせて、先ほどモデル事業ありました、今、令和二年は龍谷大学だというふうに思っておりましたけれども、そこでのモデル事業、これ、他にまだ広げていく必要があるというふうに思います。
 あわせて、国家資格でありますが、これは今動いておりますので、それぞれが。それとの関係もあると思います。しかしながら、やっぱり今言われたような、どういうふうに整理をしていくかということが非常に重要でございますし、それぞれの養成という意味では、いろんな意味で養成者の方々も御苦労いただいておるというふうに思いますので、しっかりと我々も整理しながら、更にそれぞれの資格の方々、養成できるように我々もしっかり取り組んでまいりたいというふうに思っております。

#35
○今井絵理子君 ありがとうございました。
 時間が参りましたので、以上とさせていただきます。本日はありがとうございました。

#36
○吉田忠智君 立憲民主・社民の吉田忠智です。
 改めまして、新型コロナウイルスで亡くなられた方々の御冥福をお祈り申し上げます。また、罹患をされておられる方々の一日も早い御快癒を祈念を申し上げます。また、厚生労働大臣を始め、各省大臣、そして各省庁の職員の皆さん、また、地方自治体の皆さん、医療従事者、エッセンシャルワーカーと言われる皆さんのこの間の御尽力に敬意と感謝を申し上げたいと思います。
 まず、ワクチン接種について質問をいたします。
 先ほど藤井委員からもお話がございましたけれども、今日から東京と大阪で、防衛省・自衛隊主導による大規模なワクチン接種が開始をされました。
 報道によりますと、官邸主導で、そして突然指示があって着手をされたというふうに聞いておりまして、自治体の中にも戸惑いもありましたし、一方で、接種がこれで進むという期待の声もあると聞いております。システムの不具合も指摘をされておりますけれども、やはり何といっても、全体として接種が遅れているのは人口規模の大きい自治体でございますし、遅れることが想定をされています。
 総務省の職員も各地方自治体に働きかけをして、現時点では全自治体の九二・八%が七月末に終わるという回答をしたようでありますが、まあそれは条件付と、医療従事者の確保や条件が整えばという条件付だということも関係者から私も聞きました。
 そこで、まず防衛省にお尋ねをいたします。
 今回の大規模接種の取組の現状と、とりわけ地方自治体との連携が不可欠でございます。地方自治体の接種がしっかり進まなければこれはどうにもなりませんので、その点についての防衛省の説明をお願いしたいと思います。

#37
○政府参考人(椎葉茂樹君) お答えさせていただきます。
 自衛隊大規模接種センターでございますけれども、四月二十七日に総理の方から御指示がございまして、本日開設に向けて努力をしてまいりました。本日、接種された大阪、東京のセンターの状況でございますけど、順調に動いているということでございまして、安堵しているところでございます。
 特に市町村との連携で一番大事なのは、二重予約を防止するということでございます。こちらにつきましては、全市町村が管理する接種券番号を含む個人情報をあらかじめ防衛省の方で把握し、入力される予約情報と照合する必要がありますけれども、こういったシステムを僅か一か月という短期間で実現するのは、国民の皆様に迅速にワクチン接種を受けていただくようにする観点から困難でございまして、そして何より接種対象となる全国民の個人情報を防衛省が把握することは適切でないと考えまして、採用しないこととしたわけでございます。幾つかのシステムの不具合ございましたけれども、それにつきましては解消させていただいているところでございます。
 そして、予約を希望される皆様でございますけれども、市町村で既に予約をしていないことを必ず御確認していただくことと、万が一、予約が重複してしまった場合には速やかにいずれかの予約を取り消していただくよう、予約システムの受付画面におきましても注意喚起をしているところでございまして、そのような周知をしているところでございます。
 市町村との連携につきましては本当に大事でございますので、住民の皆様の中で混乱を招くことがないよう対応してまいりたいと考えているところでございます。

#38
○吉田忠智君 今回の突然の官邸からの指示といいますか、そのやり方や、あるいは委託の在り方など、いろいろ指摘すれば問題はあるわけでありますけれども、これはとにかくワクチン接種を強力に進めなければならない、推進しなければならない、そういう点では与党も野党もありませんので、防衛省・自衛隊、指示があって、この間、急速に準備をされたということを、是非、問題点を解決していただきながら進めていただきたいと思います。
 防衛省の方は、委員長、退席していただいて結構でございます。

#39
○委員長(野村哲郎君) 椎葉衛生監、御退席いただいて結構です。

#40
○吉田忠智君 ワクチン接種をこれからしっかり進めていくためには、三つの課題を克服しなければならないと言われております。一つは医療従事者の確保、それから接種会場の確保、そして予約を円滑にしていくことと言われております。小規模自治体はかなり進んでおりますけれども、やはり都市部の、二十三区もそうでありますし、政令指定都市や大規模な自治体についてはなかなか接種が時間が掛かるということは指摘されているとおりでございます。
 そこで、医療従事者の確保について質問いたします。
 外国での実例も踏まえて、医師、看護師のほかに、歯科医師、それから医学生、看護学生、薬剤師、獣医師をも接種に参加をしていただいたらどうかという提案もなされております。これまでの医療従事者、高齢者への接種の実績を踏まえて、今後、接種対象者の拡大を視野に入れて、ワクチン接種を担う人材、医療従事者をどのように確保していくのか、大臣にお伺いします。

#41
○国務大臣(田村憲久君) 医療従事者の確保でありますけれども、これ、日本医師会の会長でありますとか日本看護協会の会長の皆様方と総理、私も交えて、いろんな要請をさせていただきました。それで、もちろん看護師の皆様方、潜在看護師、つまり、資格をお持ちですけれども今実は看護業務に就いておられないと、休んでおられるというよりかは、他のお仕事をされておられたりだとか、また専業で御家庭に入られたりでありますとか、いろんな形であられると思いますが、こういう方々おられます。そういう方々も含めて今回ワクチン接種に御協力をというようなこともこのときにお願いをさせていただきました。
 そういう意味からいたしますと、看護師の皆様方、これ、派遣というのは今回に関して特例的に、大規模接種会場に関して、集団接種会場と言った方がいいですかね、集団的に接種する会場に関しましては、こういうところで派遣という形も取り入れさせていただくと、これ限定的であります。
 それからもう一つは、やっぱり今言われた歯科医師の方々も、どうしても接種者が足らないというところに関しては歯科医師の方々も、これ違法性を阻却という形の中において、事務連絡でお願いをさせていただいておるわけであります。
 更なるということがございました。専門職の方々に関しては検討はさせていただきたいと思います。ただ、違法性阻却できるかどうかというのは、その検討会の中において御議論をいただく話になると思います。獣医師の方々に関してはちょっと、やはりこの獣医師の方々は動物専門でございますので、人とは違いますので検討の対象にはさせていただいておりませんが、いずれにいたしましても、しっかりと能力のあるといいますか、手技それから知識、こういうものをお持ちの方々に関しては、検討の上、この検討の中において決定されれば、決定といいますか判断をいただければ接種をお願いすることもあり得るということでございます。

#42
○吉田忠智君 潜在看護師の方は七十万人、約、おられるということでございまして、是非多くの方に御参加いただきますように働きかけをしていただきたいと思います。
 大臣、今薬剤師のことは触れられませんでしたが、先週金曜日に、立憲民主党として、大臣に直接、薬剤師による新型コロナウイルスワクチン接種を可能とするために必要な取り組み等を求める要望書ということで、提案をさせていただきました。我が党内にもいろいろ意見あるのは事実です。ただ、接種を進めなければならないという観点からの、やっぱりそういう条件整備を図るという点での要望でございます。
 今日、午前中、菅総理と薬剤師会の山本会長が会われて、山本会長は、法整備ができて薬剤師会に要請があれば前向きに検討する旨の発言があったと聞いておりますが、今後、薬剤師の皆さんの接種についてはどのように検討されていかれるのか、お伺いします。

#43
○国務大臣(田村憲久君) 薬剤師の先生方のみならず、専門職の、医療専門職の方々に関して、全てではありませんけれども、検討する必要があるというふうには思います。それはさせていただきたいと思いますが、先ほど申し上げましたとおり、違法性が阻却できるかどうかという問題、そのためにはどういう条件が必要かと。例えば、研修なんかを受けていただくということも必要かも分かりません。それは専門的な分野から検討いただかなきゃなりません。
 一方で、日本は、御承知のとおり、憲法でこれは、訴訟は誰もができるという権利がございますから、何かあったときに訴訟が起こる可能性もございますので、そういうことも含めて我々は検討していかなければならないというふうに思っております。
 いずれにいたしましても、打っていただける方がおられればその分だけ進むわけでございますので、我々としてはより多くの方々に接種いただけるように、打ち手といいますか、接種をいただく方々の確保もしっかりと進めてまいりたいというふうに思っております。

#44
○吉田忠智君 薬剤師も含めて、接種される方々の人材確保に向けて是非前向きな検討をしていただけるように要請をしたいと思います。
 次に、ワクチン接種を担う医療従事者を確保、促進する上で、実際に対応する医療従事者に対する手当の増額などが必要ではないかと思います。自治体ではもう独自に上乗せをしているところもあるわけでございますが、医療従事者の確保に向けて、単価の引上げも含めて、今後の、厚生労働省としても更に踏み込んだ対応が必要だと思いますが、見解を伺います。

#45
○国務大臣(田村憲久君) 基本的に、お一方というか一回、接種一回当たり二千七十円というような接種費用、これを提示させていただいております。
 この間、先ほど申し上げた日本医師会の会長また看護協会の会長とお話しさせていただいたときに、時間外で頑張っていただく方々もおられる、また休日を頑張っていただく方々もおられるということで、それぞれ二千八百円、四千二百円というような単価の増額もそういう場合にはさせていただくということも発表を同時に総理からさせていただいたというふうに思います。あわせて、各医療機関から医師や看護師を派遣をいただいて接種という形もございますので、これに関しても、医師が七千五百五十円、これ一人一時間当たり、看護師等に関しては一人一時間当たり二千七百六十円、こういう数字もお示しをさせていただきました。
 あわせて、先ほど来、潜在看護師の話がございます。ここに関しましても、各都道府県看護協会がナースセンター等々を運営をいただいておるわけでありまして、ここに登録をしていただき、そして研修を受けに行っていただいた上で接種に向かっていただく、こういう方々には就職準備金という、いろんな形で経費掛かるでありましょうから、就職準備金という形でお一方三万円、こういうことも決定をさせていただく中において、もちろん接種いただければ接種いただいた中でのまた収入といいますか、接種費用というものもしっかり受けていただくという話になると思いますが、こういうこともさせていただきました。
 我々、必要な部分はしっかりとこれからもいろんな検討はしていかなきゃならぬと思います。とにかくいろんな形で御無理をお願いして接種をいただくわけでございますから、それに対しての対応というものは我々もしっかり考えていかなきゃならぬというふうに思っておりますので、これからもいろんな検討をしてまいりたいというふうに思っております。

#46
○吉田忠智君 医療従事者の確保に向けて、しっかり単価の引上げも含めて検討をいただきたいと思います。
 先ほどの、大規模接種を踏まえて、国から都道府県に対しても大規模接種の会場の確保、対応を求められております。厚生労働省として、今後の都道府県の現状、今取組状況も踏まえて、今後の地方自治体に対してどのようにしっかり支援をしていくのか、伺います。

#47
○政府参考人(正林督章君) お答えします。
 新型コロナワクチンの接種体制については、まず国は市町村に接種実施の指示を行い、市町村は国の指示を踏まえて接種事務を実施し、都道府県は広域的な視点から市町村に協力する、そういった役割分担で行うことにしています。
 こうした観点から、これまで都道府県において、広域調整を含む医療従事者の確保のための県医師会、看護協会等関係機関への働きかけや調整、それから複数市町村での共同実施、共同接種に向けた人的資源の調整、そして参考事例の紹介などの支援を行っていただいていると承知しております。また、今般、接種を行う医療従事者の確保や地域における接種体制の拡充に向けて、都道府県において連絡調整の窓口を設置していただいたところであり、改めて人材やワクチン等に係る市区町村域を越えた広域的連携や市区町及び医療機関と医療従事者等の派遣等について調整を担っていただくようお願いしております。
 厚生労働省としては、地域の実情を反映して合理的に必要と考えられるワクチン接種の費用については国が全額負担する考えの下、都道府県が行う市町村事務に係る調整に要する費用についてもワクチン接種の体制確保事業として補助金の対象としており、今後とも、好事例の共有も含め、都道府県による市町村への支援を後押ししてまいりたいと考えております。

#48
○吉田忠智君 好事例の共有という答弁もありましたけれども、しっかり総務省と連携を図って、都道府県や市区町村に対する支援をしっかり一層進めていただきたいと思います。
 一個飛ばしまして、保育士等へのワクチン接種について、一の六と一の七ひっくるめて質問をさせていただきます。
 新潟県三条市や大阪府の寝屋川市など、保育士に対するワクチンの優先接種、あるいは余剰が出た場合に優先的に接種するという方針も示されております。厚生労働省としても、こうした所管をする保育士の優先接種も方針として示すべきではないかと考えます。
 また、余剰ワクチンを優先接種をするという場合に、勤務する保育園を所管する自治体に住民登録を持たない保育士が一定程度いることもあると考えております。こうしたケースの場合はどうするのか、また、余剰ワクチンを活用した保育士への優先接種についても今後進めていただきたいと思いますが、見解を伺います。

#49
○政府参考人(正林督章君) お答えします。
 まず、保育士の皆さん方の優先接種についてですけれども、これは御存じのように、今回の接種順位については、重症化リスクとそれから医療提供体制の確保、そういった観点から考えて、まずは医療従事者、六十五歳以上の高齢者、その次に基礎疾患を有する方、高齢者施設等の従事者、そういった形で順次接種できるようにすることを政府の分科会での議論も踏まえて決定したところです。保育士等については、重症化リスクが高い、あるいは医療提供体制の確保に必要といった観点に該当しないことから、優先接種の対象としてはおりません。
 ただ、キャンセルの関係の御質問もいただきましたが、もしワクチンが余る場合に、通常はそのまま廃棄してしまいますので、そこを有効活用するという観点で、自治体の説明会とかあるいは自治体向けの手引において、例えば医療従事者あるいは高齢者施設に入所している高齢者への優先接種の局面であれば、接種日当日にキャンセル等が生じた場合、例えば自施設や近隣の施設等で接種可能な医療従事者等を集める、そのほかの局面では、例えばキャンセルが生じた場合に備えて、市町村のコールセンターや医療機関で予約を受ける際に、予約日以外で来訪可能な人、日にちをあらかじめ聴取しておいて、キャンセルが出たタイミングで電話等で来訪を呼びかける、そういったことが考えられますということを既にお示しをしております。こうした場合においてなおまだワクチンの余剰が生じる場合に、地域の実情を踏まえた自治体の判断によって、公平性を確保した上で必ずしも優先接種対象者だけに限らない形で接種を実施するといった柔軟な対応も可能であるというふうに考えております。
 それから、場合によっては接種券を持っていない場合もあると推測されますけれども、別途、接種券や接種済証の発行をどうするかといった課題はありますが、各自治体におけるやりやすい方法で工夫して行っていただけたらと考えております。

#50
○吉田忠智君 保育所の関係者、保育士の関係者の皆さんからもそういった要望が寄せられております。それぞれの自治体の判断を厚生労働省としても是非尊重していただきたいと思います。
 それから、副反応についてでございます。
 三月二十六日に開催されました第五十四回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会で報告された新型コロナワクチンの投与開始初期の重点的調査、健康観察日誌集計の中間報告によれば、発熱、倦怠感共に二回目接種後に増えていると、接種者の半数近くが症状を示しているということでございます。
 供給の中でこうした報告もあるわけでありますから、消防、救急、そして自治体現場も含めて、民間の皆さんも、こうした関係者の皆さんにおいてもしっかり一定の接種後の休養の確保を行うべきだと思いますし、その副反応による、公務の場合は公務災害の対象となっておりますが、公務以外の方についてもしっかり対応すべきと考えますが、厚生労働省としての見解を伺います。

#51
○国務大臣(田村憲久君) ワクチンに関しては、一定の副反応、それほど長く続いて重いというものじゃないものはこれは一定程度起こるわけでありまして、今言われるとおり、発熱等々、特に二回目の接種の後に発熱の患者の方が多いということでありまして、これ今やっておる先行接種者でありますから、高齢者というよりかは比較的若い方が多いかも分かりません。まあ医療従事者、中には六十五歳以上の方々もおられると思いますけれども、ここにおいては、二回目接種あった中においては三十七・五度以上の発熱が三八・四%と結構高い数字が見られます。そういう意味ではしっかりと自分のお体をお考えをいただきながら対応いただきたいというふうに思いますが、国としてこれ一律に企業に対してどうだというようなことを今対応しているわけではないということでありまして、それぞれの企業で適切な対応をお願いいたしたいというふうに思います。
 一方で、労災ですが、労働災害でありますけれども、これに関しては全てというわけにはなかなかいかないわけでありますが、医師でありますとか、あと介護施設の従事者等々に関しては、これは元々先行接種している、先行接種の対象の理由でもあるわけでありますけれども、まあ要は、元々先行接種する理由が、暴露が多いといいますか、感染拡大もあるんですが、要は、何かあったときも対応いただかなきゃならないと、つまり医療に従事していただかなきゃならない、また介護施設で何かあったときにも対応いただかなきゃならないということで先行接種になっているわけなんですね。そういう意味からすると、これで接種いただいたということは、これは労働災害の適用と考えてもいいであろうということでありまして、これは対象にさせていただくということであります。
 なお、五月二十一日現在で健康被害が生じて労災請求された件数は三十件であるというふうに把握いたしております。

#52
○吉田忠智君 ちょっと用意をした、時間の関係でワクチン関係の質問、後日に譲らせていただきたいと思います。
 それから、非正規労働者の処遇改善という観点から社会福祉協議会のことを質問を予定をしております。時間の関係でまとめて質問させていただきますが、同一労働同一賃金ということで法改正も行われました。
 そして、社会福祉協議会においても、社会福祉協議会は、御案内のとおり、今回の新型コロナウイルス対策で多大な影響を受けている、困窮している方々や、あるいは生活福祉資金の窓口、あるいは相談の窓口として御尽力をいただいております。また、災害のときのボランティアの受入れなどをしていただいております。
 こうした社会福祉協議会の皆さんが頑張っている状況の中で、かなりといいますか幾つかといいますか、私のところに全国の社会福祉協議会から、非正規の職員の処遇を改善するために正規職員の給与の引下げや処遇の改悪が行われていっているという報告がなされています。
 厚生労働省としてこうした状況をどのように捉えておられるのか、また同一労働同一賃金の趣旨が生かされるように厚生労働省としてしっかり指導監督をしていただきたいと思いますが、見解を伺います。

#53
○政府参考人(橋本泰宏君) 委員から御指摘いただきましたように、コロナ禍におきまして、都道府県や市町村の社会福祉協議会でございますが、特例貸付けですとか相談支援を始め、様々御尽力をいただいているところでございます。
 それで、今御指摘いただきました同一労働同一賃金について規定しているパートタイム・有期雇用労働法の趣旨というのは、正規職員の待遇の引下げということではなくて非正規雇用労働者の待遇改善でありまして、不合理に低くなっている方の待遇の改善を図るものというふうに承知いたしております。
 具体的に御指摘のような事例については承知しておりませんけれども、全国社会福祉協議会におきましては、この三月に、各都道府県、市町村社協等向けに発行しております機関誌において、社協における同一労働同一賃金への対応のポイントという特集を組みまして、その趣旨等についてお知らせをしているというふうに承知しております。
 いずれにいたしましても、社会福祉協議会も一つの法人でございますので、一般企業などほかの法人と同様にパートタイム・有期雇用労働法に沿って適切に対応いただくものというふうに考えております。

#54
○吉田忠智君 厚生労働省としても、社会福祉協議会の皆さん頑張っておられるわけですから、実態を踏まえて適切な対応をしていただきますようにお願いを申し上げまして、質問を終わります。
 ありがとうございました。

#55
○塩村あやか君 立憲民主・社民の塩村あやかでございます。質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。
 早速質問に入らせていただきます。
 四月十九日の決算委員会で、私は就職氷河期の質疑を取り上げさせていただきました。そこで限定求人の実態について取り上げました。
 資料一を御覧ください。
 これ、一枚の紙にA社からD社、四社分並べました。これは就職氷河期限定求人を出している企業です。左側の方に就職氷河期限定求人が掲載されておりまして、右側は通常求人です。前回も指摘をさせていただきましたとおり、これ、同じ時期に、本当、一般の採用と就職氷河期の限定求人が一緒に並んで募集されていて、これ、つまり全然限定された求人ではないわけなんですよね。
 そこで、大臣にお伺いするんですが、これは限定求人ということでいいのか、まずお伺いいたします。

#56
○国務大臣(田村憲久君) ちょっとこれ自体、私、ずっと細かく分析していないので何とも言えないんですが。
 限定求人、御承知のとおり、就職氷河期の皆様方をどうするかということなんですが、要は、じゃ、もう省いて、もう委員分かっておられますから細かいことは言いませんが、限定してその就職氷河期の方々、年齢三十五歳から五十四歳だと思いますが、そこにフォーカスして何人という形で示して、それ以外に何人というので、別々に人数枠を設定して求人をされておられればそれは限定求人という対象になると思いますが、両方と合わせて例えば二十人で、限定求人も二十人の中に入っている、それ以外も二十人の中に入っているということになると、これはちょっと趣旨に外れることになろうというふうに思います。

#57
○塩村あやか君 ありがとうございます。
 そうだと思うんですよね。御覧いただいたとおり、大臣が言ってくださったようには全くなっていないわけなんですよ。だから、これやっぱり、私、問題があると思うんですよね。これ、やっぱり何とかしていかなきゃいけないと思うんですよ。
 資料二を御覧ください。
 就活系のニュース記事です。これ、限定求人が警備員とかタクシーの運転手ばっかりで、歩合制が多くてキャリアプランを描きにくいと、そうしたことが指摘がしてある記事なんですね。
 就職氷河期の支援プログラムは、三年で六百五十億円、そして今年度は更に五十億円積んだということで、七百億円を掛けているわけです。こうした求人は就職氷河期支援と本当に呼んでしまっていいのか、これちょっと疑問がやっぱり残るわけなんですよ。これ、安定をした正社員に就いてもらう支援が就職氷河期支援プログラム限定求人だというふうに私は思うんですよね。
 見ていただいたら分かると思うんですが、正社員と書いてあるだけ、まだ一般求人の方がいいんですよね、一枚目に戻っていただいて。就職氷河期限定求人はそれすら書いていないわけです。その理由は、また後で時間があれば伝えようと思うんですが。
 こうした限定求人じゃない限定求人をこれ何とかしないと、本当にどんどんどんどんこうしたところにスパイラルに就職氷河期の人たちが入っていくということになってしまうわけなんですよ。
 何でこうした求人が行われてしまうのかというと、資料三を御覧ください。
 これ、氷河期を一人採用すると、その事業所に六十万円の支援金が入るわけです。こうした支援金はやっぱり私は、事業趣旨、就職氷河期支援プログラムの趣旨に沿った形で予算は使っていかないといけないというふうに考えています。先ほどの御答弁だと、大臣の、やっぱりこれ、今回は適切ではないという方に私は入ってくるというふうに思っています。
 これ、変えていかなきゃいけないんじゃないか。せめて歓迎求人、二つ分かれていますよね、今回の、限定求人、歓迎求人とあって、せめて歓迎求人という記載の方に直していくような指導とか方針を出していかなくてはいけないと思うんですが、大臣の御見解をお伺いいたします。

#58
○国務大臣(田村憲久君) 幾つかまとめて御質問だったと思いますが、まず、この資料の一に示されているものが先ほど私が言った趣旨でないとすれば、しっかりとこれは指導していかなきゃならないというふうに思っています。
 それから、元々、限定求人というのは、御承知のとおり、期間の定めのない労働契約を結んでいただきたいということ、それから経験等の不問、これは問わないということであります。ただ、職種に関しては、そもそもが、言われた、まあ何というんですか、タクシーも含めてですね、言うなれば輸送でありますとか機械の運転でありますとか、そういうものが多かったり、一部のサービス業、これは多いわけなので、そういう意味ではそういうものを対象にしないというわけにはいかない。
 一方で、望まれている職種がどういうものであるかということもありますから、そういうものもしっかりとハローワーク等々で開拓をしていかなければならないというふうに思っております。

#59
○塩村あやか君 ありがとうございます。
 まさにおっしゃっていただいたとおり、人手不足の業界ってやっぱり限られちゃっているわけですよね。だからこそ、警備員とかタクシーの運転手とかにやっぱりなってくるわけなんですよ。でも、これって、歓迎求人であろうと限定求人であろうと、それがあろうとなかろうと、就職氷河期の支援プログラムがあろうとなかろうと、常に人手不足なわけですから募集しているわけですよね。そこに私たち、私自身が氷河期で生きてきた者なのでもう自分のことのようにこの件は本当に思っているんですが、そこに応募をしていくというのは、これって支援プログラムの意味に本当に沿っているのかどうか。
 実態自体は大臣がおっしゃったとおりです、限られていますから。だけれども、やっぱりそれじゃいけないわけなんですよね。もう少し、私たち氷河期が失われた機会、どのような職種に就きたいのかとか、何が失われてきて今非正規になってしまったりとか不安定に生きているのかというところをきちんと勘案をして、そしてニーズに合ったものを開拓していかなきゃいけない。大臣のおっしゃるとおりなんですが、これ全くできていないまま、今もこうした求人が横行しているわけです。
 これについては改めて大臣にお願いをしたいんですが、まず何とかしていただきたいということと、開拓ですよね、もう前回もお願いしたんですが、改めて業種とか業界の開拓をしていただきたいんですが、いかがでしょうか。

#60
○国務大臣(田村憲久君) なかなか難しいのは、言うなれば有効求人倍率が高い職種といいますか、要はそれだけ足らないわけでありまして、そこに対して、就職氷河期の方々も、行きたくないという方もおられれば行きたいという方もおられるわけですから、それは、全くもってそれを排除するというわけにはいかないんだろうと思います。
 ただ一方で、いろんな望んでおられる職種、もっと言うと、更に、何というんですか、待遇のいいというか、そういう職種も含めてあると思いますが、そういうものに関しては、ただ単に事業開拓だけでも、これマッチングしなければ意味がないので、教育訓練もしっかりやる。これ、就職氷河期の方々のいろんな訓練メニューありますので、そういうものも含めてしっかり対応しながら、能力を付けていただいて本来自分が就きたい職種に就いていただく。
 これも大変重要だというふうに思っておりますので、就職氷河期の世代の方々の安定的な就職というのは我々非常に重要だと思っておりますので、しっかりと委員の御意見を踏まえながら対応したいというふうに思っております。

#61
○塩村あやか君 ありがとうございます。
 今日、大臣とこの話ができて良かったと思います。これができていなければ、その限定求人がこのままずっと進んでいくということになっていったと思います。
 私、ネットでちょくちょく調べているんですけど、実態って変わっていないんですよね。なので、今回大臣に問題意識を持っていただきまして、先ほどの御答弁がありましたので、これから少しずつ変わってくるんだろうというふうに思っておりますので期待はしておりますが、もう三年間のプログラムのうち二年が過ぎてしまうわけなんですよね。もう本当に時間がありませんので、コロナ禍で厳しいと思いますが、できる限りお願いをしたいというふうに思っております。
 続きまして、休業支援金についてお伺いをさせていただきます。
 この制度は本当にいい制度で、もう本当有り難かったです、聞いたときに。しかしながら、ちょっと広報がうまくいかなかったりとか、パートやアルバイトなど多様化した雇用実態をなかなか把握できていなかったことがありまして、当初申請する人がほとんどいないという状況になっていました。使える人がほとんどいない制度だったんですね、驚くことに。
 昨年の春、私が、アルバイトを失った方たちが多いから、休んでいる人が多いから支援が必要ではないかということでいただいた答弁の制度だったんですよね。そうしたこともありまして、多くの方から御意見とかSOSが届きました。その後、かなりの時間を掛けながら、党内でも先輩方とか厚労部会の皆さんと一緒に取り組ませていただきまして制度の改善が大分図られて、これは本当に良かったなとは思いました。
 しかし、複合的な要素で申請できない人がやっぱり多かったりと、当初昨年九月までの制度だったんですが、今に至るまで申請期限を延長しても二割の執行率しかないわけです。それだけ申請できないわけなんですよね。
 資料四を御覧ください。これQアンドAですね。
 Q1の部分ですが、休業支援金の対象として、休業開始前の給与明細等により、六か月以上の間、原則として四日以上の業務がある事実が確認可能とありますが、休業開始前の六か月のうち、一か月でも四日間就労していない月があるとこれに該当しないんでしょうかというお問合せが書いてあります。それに回答したものが下に囲ってあるA1、アンサー1の部分ですね。回答は、継続をして一定の頻度で就労をしていた実績を確認をする趣旨で示したものです、したがって、一時的に就労できなかったやむを得ない事情があり、過去六か月の間に月四日就労していない月が一部あった場合を一律に除外するものではないと、事情を個別に申し出ていただければ労働局において適切に判断をしますというふうに書いてあります。
 非常にこれも良かったというふうに思ったんですが、休業支援金は、コロナによって、パートやアルバイト、休業させられた労働者の皆さんに対して支払われる給付金だと承知をしております。先ほどお伝えしたとおり、雇用形態が物すごく多様化しておりまして、言葉をストレートに、私、応援する立場なので、こうした方々を、言わせていただくと、本当に無防備な契約をしている労働者がこれほど日本に多かったのかということで私は本当にびっくりしました。
 それでも、QアンドAにあるように、多くの方に対応してもらうということをやっていただいたんですが、中でもイベント関連に従事をする方たちからはいまだに不満の声が上がっています。ここに書いてあることでいくと、コロナ、昨年の四月から結構いろんな制度が始まって、それより前の六か月間で見ようという話が今ここに書いてあったんですが、四月以前の半年間、だから、その前の年の十一月からその直前の三月の半年のうち二か月分が月四日の就業に届いていない人が結構いたんですね。それなぜかというと、屋外のイベントに従事をする人も多かったので、真冬は例年数日しか入っていないという、こういうような状況だったんですよ。
 資料四のA1、アンサー1の部分にあるように、継続して一定の頻度で就労していた実績を確認する趣旨とあるように、このイベント従事者たちは、四年以上とか、長い方だと七年、十何年という方もいらっしゃいました。これコンスタントに働いていたんですが、一番寒い時期だけ月に四日以下になる月が二か月間あったと、そういう方がぱらぱらいらっしゃったんですよ。こうした方々は対象外となってしまったんですね。これはどういうことなんだろうというふうに私は思うんです。
 実質的にコロナによって休業を強いられてもう一年なんですよ、大臣。これ、もう事業趣旨とか、例外規定と言えるこのQアンドAからしてもちょっとおかしいんじゃないかというふうに思うんですが、大臣の見解をお伺いいたします。

#62
○国務大臣(田村憲久君) 済みません、当初我が省が聞き取りした、理解力がないようでありまして、委員がおっしゃった趣旨の答弁ではないんですね。今委員がおっしゃったのは多分、もうずうっと勤め上げておられるんだけれども、たまたま冬場だけ二か月、これが要は四日未満だったということですよね。要は、これが要は致し方がない理由になるかどうか、先ほど委員がおっしゃった。要は、そういう場合もあるけれども、四日未満だと、しかし、それが十分な理由であるかということなんだと思いますが、多分なるんだと、ちょっと確認していいですか。
 六か月のうち一か月しか認めていないという話でございますので、二か月となるとちょっと対象にならないというのが今の役所側の判断だということであります。

#63
○塩村あやか君 それが本当なら柔軟な判断になるかというところなんですよね。
 これ、七年とか十年とか四年とか生計を立てていた人で、夏場に多く働いて、冬場は少ないけれども、省エネで生きていったりとかコンビニでバイトをしたりとか。で、コロナはもう一年も長引いているわけですよね。だったら、そのコンビニの方で申請すればいいじゃないなんて言う人いるんですけど、できるわけないですよね、六か月のうち二か月なんだから。こういう方たちって、もうお金借りてくださいという世界なんですよ。分かりますかね、これ。本当にこれひどい話で、福祉の対象としてお金を借りてくださいということで、これ尊厳まで傷つけられているような状況なんですよ。私、この件結構掛け合ったんですけど、けんもほろろというか、本当にこういった方たちの暮らしとか生活を見ているのかという点で私、非常にちょっと疑問が湧いたわけです。
 今の大臣のお顔拝見していると、確かにこのケースは考えなきゃいけないんだろうという、何というんですかね、一律に、はい、駄目というような感じにはなっていないと思うんですが、こうしたケースというのは、やっぱりここに書いてあるように、労働局において適切に判断しないとどの支援対象にも入ってこない、もう福祉の対象としてお金借りてくださいというところにこの人たちを入れてしまっていいのかという疑問があるわけなんです。
 改めて、大臣、こうしたところ、もう一度見直していただけないでしょうか。

#64
○国務大臣(田村憲久君) その方はずうっと働いておられて、たまたまその企業側の都合で二月だけは四日未満という話ですね、今の話ですと。(発言する者あり)いや、仕事がないわけでしょう。(発言する者あり)今のお話。
 ごめんなさい、やり合っていて申し訳ありません。ちょっと、もうちょっと詳しく教えていただけると有り難いんですが。

#65
○塩村あやか君 ありがとうございます。
 コロナの以前は、冬の間は寒いので、屋外イベントが多い方たちだったんですね。なので、冬場は月四日以上入らないことがたまにあるということだったので、たまたま寒い二か月がコロナの以前は入らなかったということなんです。
 なので、コロナであろうとなかろうと、この二か月というのは、どの年も寒いので入らない可能性はあるんだけれども、一年間を通して見れば、何というんですかね、コンスタントにというか、夏場に結構働いて、そして冬は省エネで生きて、そしてコンビニでバイトなどをするというような、こういうサイクルで働いているイベント関連の方たちということです。

#66
○国務大臣(田村憲久君) ちょっとここで委員と私がやり合っても、多分、時間経過するだけでなかなか結論出ないと思うんで、ちょっとうちの事務方に預からさせていただいて、また委員のところにお伺いさせていただきます。詳しいお話をお聞かせいただきたいと思います。

#67
○塩村あやか君 ありがとうございます。
 ちょっとこのケース、担当の方とちょっと前にやらせていただいたんですが、全然やっぱり駄目だったんですよね。なので、ちょっと大臣に問題認識持っていただいて、どういうケース、もう二か月でばしっと今切ってしまったということは御答弁だったので、ここの見直しできるのであれば是非してあげていただきたいと。暮らし、生活を守るためにお願いをしたいというふうに思っています。
 そして、もう一問なんですが、休業支援金、執行率が二割ということで本当に上がらないですよね。この分析をどのようにしているのか、教えてください。

#68
○国務大臣(田村憲久君) この休業支援金、基本的には雇調、雇用調整助成金で対応いただくということが前提でありました。一定の試算はしているんですが、雇用調整助成金は、予算額より、当初の予算額より、期間も長引いているということもあるんですが、伸びております。
 結果からいうと、シフトでありますとか日々雇用でありますとか、本来は雇用調整助成金の対象になるんですが、ただ、事業者側のいろんな判断でできないという形の方々に対してこの休業支援金・給付金というものをつくったわけであります。その意味からいたしますと、これ執行率が低いというのは、当初かなり予算余裕を持って計上させていただいておりますので、決して、これ全て執行しないと要するに給付率が低いというものではないというふうに御理解いただきたいと思います。
 併せて申し上げれば、雇用保険に入っておられない方々、これも、雇用調整助成金も今回は対象にしているんですが、こういう方々は全体の一千七十六億円支給決定している中の七百二十億円でございますので、そういう意味では非常に多くの、本当に今まで対象にならなかったような方々はこちらの方に対応いただいているというふうに認識いたしております。

#69
○塩村あやか君 ありがとうございます。
 そのとおりである部分もあろうかなと思いますが、少し足りない部分もあるんじゃないかなというふうに思っています。
 資料五を御覧ください。
 これ、ちょうど休みの間にタイムリーな記事が出たなと思って見ていたんですが、これ、コロナであぶり出されたシフト労働者の問題なんですよね。労働契約の問題で、シフト確定分以外の手当は基本的に何の補償も受けられない方々がたくさんいたということなんですね。ただ、今回、この休業支援金に入れていただいたということで良かったんですが、それでも、働いているところともめてしまっているとか、いろんな事情で支給されない方がやっぱりそれでもたくさんいるということでもあります。
 今回明らかになったのは、これよく御担当の職員の方とも話させていただいたんですが、多くの非正規の方が、自分は派遣だと思っていたとしても、実は日々雇用だったということがこれを申請しようと思ったときに発覚したとか、自分は週四日のアルバイト契約だと思って、それを書いて申請しようと思ったら実はシフト制だったということが次々と明らかになって、だから当初は全然申請ができない制度だったということで直していただいたという経緯がありました。契約の面で休業支援金の対象にならない方が本当にたくさんいたという事実があります。その後、見直ししていただいたので、形式的には入るんだけどやっぱり申請できないという、やっぱりいるんですけれどもね。
 これが間に合わなかったときというのは何があったかというと、女性の自殺が増えたりとか、生活が苦しいということで女性たちはちょっと就きたくない仕事に就くという御相談もあったりとか、そうした報道もNHKなどでたくさん報道されました。だから、非正規たちの方たちにはやっぱりしっかりと労働契約というものを見直してもらうことが自分を守ることになるんだなというふうに思っています。
 今後このようなことにやっぱりならないためにも、雇用契約の重要性とか、本当だったら、今回、今は受け取れたんだけれども、休業支援金、本来であれば自分は対象にならなかったんだということも認識をしてもらうことが、本当に自分を、非正規の皆さんを、そしてもう一つ加えるならば女性を守っていくことになるというふうに私は思っています。
 こうしたワークルールといいますか、契約の重要性の大切さ、啓発をしていくことが重要だと思っております。これが今回の学びだと思っておりますが、今後、こうした再発防止といいますか、労働契約の重要性、今後の取組など考えていらっしゃることがあればお伺いをしたいと思います。

#70
○国務大臣(田村憲久君) 今回、私も、この休業支援金・給付金というものをなぜつくらなければならなくなったのか、もっと言うと、大企業にまで十分の十の補助率で対応したんですが、大企業のシフト、日々雇用の方々がなかなか、雇用調整助成金、これ大企業が対応いただけなかったという事例もあります、全部じゃありませんけど。
 これ、よくよく考えると、例えばその日々だとかシフトというのは安定的にずっと入っているものなのか、それとも本当に空いたところだけ入っているのかというのがなかなか判断しづらくて、ある意味、企業側からしてみれば、期待権というもの、つまり継続雇用の期待権というものがあるのならばそれは雇用調整助成金の対象だろうけれども、そういうものが基本的にないんだという認識ならば何でそれを雇用調整助成金で見なきゃならないのという、多分そういう御意識があられるというところもあるんだと思うんです。
 そう思うと、やはりちゃんとした労働契約をお結びをいただくということが非常に重要であって、そこは我々も、例えばハンドブックでありますとか、就職前にe―ラーニングなんかで、いろんな形で教材を公開したり、また周知したりしておりますし、さらには、小中学校等々、高校も含めてでありますけど、そういうところに教材といいますか資料等々、いろんな教育をいただくためのそういうものを配布させていただいたりでありますとか、まあ養成ですね、養成といいますか何といいますか、研修みたいなものをやらせていただいたりとかいろんなことをやっておるんですけれども、やはり、更にこれいろんな、子供から何から皆さんに労働法制というものをしっかりと御理解をいただいていくということは本当に重要だなと。これによって労働者が守られるんだ、守ってもらっているといいますか、守られているんだというのかな、というのを御認識いただいて、何かあったときには自分の守られているという権利を主張していただくということが重要だというふうに思いますので、更なる、文科省等とも協力しながら、その労働教育というものを進めてまいりたいというふうに思います。

#71
○塩村あやか君 ありがとうございます。
 その方向でしっかりやっていただきたいのと、あと、プラスで、やっぱり氷河期とかですよね、今不安定で働いている、私を含めて中年層ですよね、ここの人たちにも非常に問題が今回やっぱりたくさんありましたので、対象にならないという問題がありましたので、この層に向けても何かしら取組を考えていただけたらというふうに思っておりますので、もう切にお願いを申し上げたいというふうに思っています。
 続きまして、不妊治療のことについてお伺いをしたいと思います。
 公務員の方から、不妊治療で治療の休みを取らせてもらえないんだという声が私の下に、そんなに多くはないですが、複数届いています。人員の問題だったりとかいろんな問題があるんだと思いますが、基本的には上司の方に余り理解がないようなんですね。これはありがちだな、どこであれと思うんですが。
 国家公務につきましては、一宮総裁に内閣委員会の方で環境づくりをお願いしたところではありますが、地方公務に対しては、どのような対応を取り、治療と仕事の両立を支えていくのか、総務省の方にお伺いをしたいと思います。

#72
○政府参考人(山越伸子君) お答えいたします。
 次世代育成支援対策推進法に基づく行動計画策定指針が令和三年二月二十四日に改正されまして、地方公共団体は、特定事業主の立場から、特定事業主行動計画に不妊治療を受けやすい職場環境の醸成等について盛り込むことが求められているところでございます。
 総務省としては、これまで厚生労働省と連携をいたしまして、地方公共団体に情報提供し、この行動計画の策定及び変更をお願いする通知を発出したところでございます。今後、さらに、その趣旨、内容が地方公共団体の職場にも浸透するように、地方公共団体の人事当局宛てに厚生労働省作成の啓発資料、これは不妊治療と仕事の両立支援に取り組む意義とか、あるいはその両立支援をする上でのポイントなどを示した啓発資料でございますが、これらを提供、周知するなど、厚生労働省ときちんと連携をして施策の推進に取り組んでいきたいと考えております。

#73
○塩村あやか君 ありがとうございます。是非それで進めていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。ありがとうございます。
 続いて、カウンセラーの必要性についてお伺いをいたします。
 不妊治療というのは本当に精神的にとてもつらいものです。必ずしも結果が出るわけでもありませんし、さらに、遺伝疾患や特に高齢で治療される方などは着床前診断や出生前診断を選択する可能性もありまして、結果によっては更につらい選択をしなくてはいけなくなってしまうと。こうしたことはNHKの「クローズアップ現代」でも取り上げられましたので、どれだけ不妊治療をしている女性たちの心身がダメージを負いながら、そしてその時々で責任ある判断を自分自身で下しながら家族とともにやっているかということも御存じの方も多いのではないかなというふうに思います。
 実は、そんなときに一人で悩ませないということで、一緒に伴走をして決めていってくれると、寄り添ってくれるというカウンセラーがいるんですね。私自身の経験からも、カウンセラーは絶対に有益で必要だというふうに思っています。
 不妊治療が保険適用となった場合に、カウンセラーが、じゃ、どう位置付けられるのかというところがちょっと私、今不安なんです。現在は、割とパッケージ料金になっているというのか、カウンセラーでお幾らですという形で取られるということは余り今ないですよね。しかし、保険適用となった場合に、治療とカウンセリングが切り離されて、患者さんが、例えば五百円とか追加の三千円、だったらもったいないから要らないということで、有用性実感できないままにカウンセラーというものを切り離してしまうというか、自身で、そういう可能性もあるのではないかとか、又は混合診療になってしまうのではないかという疑問が今生まれています。
 大臣も本当に御存じだと思うんですが、本当に不妊治療というのはサポートというかカウンセリングが非常に重要だと思うんですが、保険適用となった場合に、治療とやっぱり切り離して考えるべきではないというふうに思うんですが、この費用の面とか、その辺り、もし方針とか考えがあれば教えてください。

#74
○国務大臣(田村憲久君) この相談というものを支援していくことは非常に重要であります。そういう意味では、相談支援という意味で、今も不妊症・不育症支援ネットワーク事業というのでカウンセラー配置、こういうものを支援事業としてやっているんですが、自治体等々で窓口になって対応いただいているというふうにお聞きいたしております。
 保険適用、これ令和四年、保険適用ということになると、四年度ですかね、なると、言われるとおり、どうしていくのかというのは、今ガイドラインを作っている最中でありまして、このカウンセリングに関してもこのガイドラインも踏まえながら対応を検討という形になると思いますが、基本は、診療報酬になった部分という意味からすると、基本的なところは、やはりそれは主治医の方がある程度いろんな相談に乗っていただくということになると思いますし、その主治医の指示に応じて専門職種の方々が対応いただくという形になると思います。
 問題は、それが診療報酬としてどういうような対象になるかということでありますが、これは今言いましたガイドラインの中で今検討しておるわけでございまして、このガイドラインも、策定されたガイドラインも踏まえながら我々としては対応してまいりたいというふうに思っております。

#75
○塩村あやか君 ちょっとガイドラインに沿ってということなんですが、このカウンセリングの重要性というものはやっぱり認識をしておいていただきたいなというふうに思っていますので、お願いをいたします。
 次に、両立支援員についてお伺いをいたします。
 不妊治療は、同じ女性でも治療段階と方法によって負担に大きな差があります。治療のステージに応じた配慮が必要だというふうに思っています。
 今年の初めから、今、私、当事者で今いろいろと頑張ってはいるところなんですが、本当に国会の日程とかいろんなその行事とかと合わなくて、本当にもう何度も苦しみました。女性は四人に一人が不妊治療の離職をしています。その理由が身にしみて分かったというか、もしかすると私が国会議員で初めて不妊治療離職とかなるんじゃないかというぐらいに塞ぎ込んだ時期もやっぱりありました。
 厚労省は、今年の四月から不妊治療両立支援コースという助成金制度を設けていただきました。四つの条件を満たすことが条件となっておりまして、その中の一つに、両立支援担当者を置いて、不妊治療を行う労働者のために両立支援プランを作成するというものがあります。自分の経験からも、これ本当に両立支援員、担当者が職場にいてくれることが非常に有益だし、大事だというふうに思っています。
 厚労省が作ったパンフレット、読ませていただきました。おおむねよくできていて有り難い、感謝をしているところです。もし可能であればなんですが、これ見直し、改訂があったときに、治療にはステージがあって精神的負担とか大きな差があるということをより両立支援担当者が理解ができるような作り、これをやっていただくと、よりいいものになるのではないかなというふうに思っているところです。
 現在ですと、そこまではやっぱりちょっと分からないんですよね。両立支援担当者はやっぱり知識が大事で、相談に乗ってプランを作るわけですから、そこの辺りをもう少し理解をしていくことが重要ではないかというふうに思っているんですが、いかがでしょうか。

#76
○国務大臣(田村憲久君) 今委員おっしゃられたとおり、この次世代育成支援対策推進法、この指針の改定でこの四月から見直しを行いまして、事業主が策定する行動計画に盛り込むことが望ましい事項として、不妊治療を受ける労働者に配慮した措置の実施というようなものを追加したわけでありまして、担当者による相談支援という話の中で、今年度から新設した両立支援コース、両立支援担当者、こういうものを選任するというのが要件の一つになっておりますが、やはり、その能力といいますか、しっかりとその状況を分かってもらわないと、支援も一律じゃないということを多分委員はおっしゃっておられるんだと思います。その治療といいますか、不妊治療の段階によっても違うでしょうし、当然、生殖補助医療かそうじゃないかによっても違ってくるわけでございますし、そういう意味では、身体的にも肉体的にも、多分様々な治療の段階、また治療法によって、精神状況がどうである、体がどうである、それによって必要な時間がどうなってくるということが様々だということをちゃんと理解をしてもらう必要があるということだというふうに思います。
 当然の話でございますので、今もそのような形ではやっておりますけれども、委員が見られたとおりまだ足らないという部分がございますれば、次の改訂のときにしっかりと対応してまいりたいというふうに思います。

#77
○塩村あやか君 ありがとうございます。是非よろしくお願いいたします。本当にありがとうございます。
 続きまして、参議院の本会議でも取り上げました女性の支援ですね、痛くない婦人科検診や無痛分娩、流産、中絶薬についてお伺いをいたします。
 そもそも、今述べたものは先進国では結構当然となっているものが多くて、日本は二十年から三十年遅れているような状況です。
 まずは無痛分娩なんですが、出生数に占める割合、日本はたったの六%。フランス八二%、フィンランド八九%、アメリカの七一%と比較をするとやっぱり随分と少ないのが現実なんですね。陣痛のトラウマがある女性は多くて、出産に恐怖心があるという調査もあるということもお伝えさせていただきました。
 多くの女性たちが希望しているんですが、これも本会議で一番に述べたところではありますが、近くに対応できる病院がないということが一番の問題で、そして次が、あったとしても費用がプラス十万円から二十万円も掛かるとのことで断念をしているのが現実です。女性が安心をして近代的な出産ができるように、本会議では出産一時金の引上げも含めた要望をさせていただきました。
 この無痛分娩も含めて、この後に時間があれば触れるんですが、流産、中絶薬、そしてアフターピル。資料七、御覧ください。これは各国で認可されている避妊法なんですね。見てください、皆さん、これ、日本だけバツが並んでいるんですよ。また、激痛を伴うやっぱり乳がんの検査もあったりとかします。
 ここまで産科とか婦人科関連の普及がやっぱり遅れていたりとか支援が薄いのはなぜなんだろうかと。その理由、厚労大臣、お答えいただけるとと思います。

#78
○国務大臣(田村憲久君) 様々なものを今御質問いただいたというふうに思うんですが。
 経口中絶薬ミフェプリストン、ミソプロストールに関しましては、これ今、実際問題、治験やっていただいているというふうに思います。薬事申請が上がってくれば安全性、有効性をしっかりと審査しながら判断させていただきたいと思いますし、これ治療として、治療の一環として使われるとすればこれは保険適用になりますので、そういう意味では、我々、申請されるということになればそのような方向性で検討してまいりたいというふうに思います。
 それから、無痛分娩に関してでありますけれども、これに関してはやはり安全性というものをしっかりと確保していかなきゃならないということで、そういう意味では、まだまだその無痛分娩やれる、そういう産婦人科が少ないというようなお話でございました。
 我々としては、分娩施設等々を選択できる環境をしっかりと整えていくことが重要であるというふうに考えておりますので、引き続き関係学会と連携をしていきたいというふうに思います。
 それから、乳がんの検診の話もあったというふうに思いますが、乳がん検診に関しては、MRIでやるというのが一つなんですが、ただ、詳細に出るものでありますから、画像で、結果的に偽陽性でありますとか過剰で出るということもあるようでございまして、その後、針で細胞を取らなきゃいけないだとか、そういうこともあって、今のところ厚生労働省としては、専門家の方々の御議論をいただいて、やはりマンモグラフィーと問診が唯一、一番、痛いかも分かりませんけれども、これが診断方法だというふうに認識いたしております。なるべく痛くないようにということは、これは我々も考えていかなきゃならないと思っております。
 それから、経口避妊薬でしたっけ、はなかったでしたっけ。済みません、これでよかったですか。(発言する者あり)よかった。済みません。

#79
○塩村あやか君 ありがとうございます。
 全般的にどうしてという部分を聞いたんですが、一つ一つ答えていただきました。ありがとうございます。
 特にその無痛分娩に関して言えば、小規模な産科がやっぱり日本は点在していて多いというところがやっぱりあると思うんですよね。それが対応病院が少ないということになっていまして、その理由は、産科麻酔医が少ないということ、そしてその関連で費用が高いままということで、フランスなどは社会保障の範囲内で追加費用は掛からないということなので、やっぱりその体制は全然日本と違うんだろうというふうに思っています。
 日本は本当に遅れていて、デメリットは全部女性とその家族がかぶっているような状況で、分かっていることをこれまでずっと放置をしてきた私たちの責任はやっぱりあるのではないかなというふうに思っております。
 そうしたことを含めて大臣にお伺いするんですが、これ費用面とか、特に無痛分娩の部分で費用面、メリット、デメリットを含めてしっかりと調査をしていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。

#80
○国務大臣(田村憲久君) なかなかこういう調査難しいというのはもう御理解いただいているというふうに思いますが、元々、日本の国は、出産というものは保険適用じゃない中で、出産一時金という形で対応させていただいております。
 言われるとおり、無痛分娩といいますと、麻酔管理という部分がなかなか対応できないところが出産機関としてはあるということで進んでいかないということであろうというふうに思いますが、そういうニーズ、日本は無痛分娩が非常に少ない、この間も実は委員会で、和痛分娩と言われましたっけね、そういうようなことを言われたというふうに思いますけれども、非常に海外に比べて少ないということでございました。
 なぜ少ないのかというのはどういう調査をすればいいのかというのは、なかなかこれ我が省で、そのとき言われたのは、実は出産は痛いというのが日本の国の中においてそういう一般常識として許容されているからではないかというような御指摘であったんですけれども、それも含めてちょっと厚生労働省としてなかなか調べられるかどうかは分かりません。
 いずれにいたしましても、無痛分娩というものも出産の選択肢の一つであることは間違いないので、学会等ともいろんなこれから議論をさせていただきたいというふうに思っております。

#81
○塩村あやか君 時間が来ましたので終わりますが、もうこれちゃんと調べてください。理由はもう幾つかということがもう分かっておりますので、それを把握していただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 ありがとうございました。

#82
○岸真紀子君 立憲民主・社民の岸真紀子です。
 二〇一九年度の決算検査報告において、災害拠点病院における自家発電機等の浸水対策が不十分であったことが会計検査院から指摘がされています。災害時に重篤救急患者の救命医療を行う災害拠点病院六十三病院のうち二十三病院が浸水のおそれがある区域に所在し、このうち六病院が自家発電機等の浸水対策を全く実施していなかったり、止水板の高さが不十分で、医療を提供する上で必要な電源を確保できていないおそれがあるということが指摘されています。
 既に梅雨入りした地域もありまして、先週も線状降雨帯が発生して緊迫した状態になりました。いろいろと大変な時期ではあるんですが、この対策は急務であると感じています。その後の改善されたのか、まずお伺いいたします。

#83
○政府参考人(迫井正深君) 御答弁申し上げます。
 厚生労働省といたしましても、災害拠点病院を始めといたしました医療機関の浸水対策はとても重要であると認識いたしております。
 その上で、令和二年度第三次の補正予算におきまして、医療施設浸水対策事業として、浸水想定区域から移転することができない災害拠点病院や救命救急センター、それから周産期母子医療センターなどに対しまして、医療用の設備でございますとか電源設備が浸水の影響を受けない高い位置に移転することでありますとか、先ほど委員御指摘いただきました止水板の設置に要する費用につきまして財政支援を実施するために二・一億円を計上したところでございます。
 当該事業、これ令和三年度に繰り越しておりまして、引き続き本事業の積極的な活用を促しまして浸水対策に取り組んでまいりたいと考えております。
 また、厚生労働省では、毎年都道府県から災害拠点病院の現状確認結果の報告を受けておりますけれども、今後はその中に浸水対策の取組状況について追加をすることといたしまして、その調査結果を踏まえて、更に必要な対策について取り組んでまいりたいと考えております。

#84
○岸真紀子君 ありがとうございます。
 今、厚労省も各自治体も病院もコロナの対策で忙しいことは重々承知なんですが、やっぱりハザードマップも二〇一四年からは見直している地域もあったり、災害がいつ起こってもおかしくない状態なので、早めに対策をしていただければと思います。
 また、介護、今日は触れませんが、介護の施設においても、やっぱり浸水地域に建てているところとかもありますので、引き続きこういった対策はしっかりお願いいたします。
 次に、昼に私、ネットニュースを見ていると、北海道の夕張市のメロンが今年八万玉収穫ができなくて困っているというニュース見ました。目にしました。その理由が、外国人技能実習生が不足していることからその収穫ができないということが挙げられていました。
 今、地域にとっては、技能実習生、一緒に共生する欠かせない存在です。ですが、一方でその処遇はどうなのかということを今日は基本的に質問させていただきたいと思います。
 お配りした資料にもありますが、北海道新聞、二月九日の新聞です。昨年四月から十二月の北海道における外国人相談が倍増という記事が掲載されています。主な相談内容は、ここにも記載していますが、出入国制限で帰国ができない、滞在が長期化するため在留資格を変更したいといった入国管理手続関連の相談が前年の二倍以上となっています。
 資料の二枚目になりますが、日付は前後するんですけど、一月三十日の毎日新聞です。技能実習生の解雇が相次ぐ、コロナ禍での職探しが難航しているといった内容の記事になっています。
 これは全国的な課題となっていますが、現段階において厚労省としてコロナによる外国人技能実習生の把握は行っているのかというのと、また、解雇や契約が更新されなかった場合に求職活動は日本人よりも難航しているということは想像にたやすいですが、この状況下に置かれた方への支援はどうなっているのか、厚労省と、関連するので出入国管理庁にもお伺いします。

#85
○政府参考人(小林洋司君) お答えいたします。
 まず、コロナが技能実習に与える影響でございますが、技能実習の実施が困難となった場合には、技能実習の困難時届という届出をしていただく必要がございます。それによりますと、コロナを原因として国内で解雇という形に立ち至った方、四千七百二十四名です。このうち、帰国された方が四百九十二人で、再就職をされた方が、技能実習であったりあるいは別の特定活動であったりですが、された方が四千百五十五人、なお、転籍支援中の方が七十七人というような形になっています。
 今申し上げましたように、技能実習の継続困難となった場合には、この困難時届というのをしていただくとともに、転籍に向けまして他の実習実施者に対して働きかける、あるいはほかの監理団体を探すといった連絡調整を監理団体にしていただく必要があるということになります。
 これを支援するために、技能実習機構では、実習先変更の支援サイトというのを設けて情報提供しますとともに、困難時届後の状況というのをフォローいたしまして、支援が十分なされるように見ていく、そして、それが行われない場合には必要な指導を行うということをしています。
 それから、技能実習生本人にも状況をきちんとお伝えしていくということが重要でございますので、八か国語での各種相談を行う、あるいはSNS、在京大使館を通じた情報発信などによりまして必要な情報が伝わるように取り組んでいるところでございます。

#86
○政府参考人(松本裕君) お答えいたします。
 法務省におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響により委員御指摘のように帰国が困難となり、あるいは解雇等、そのような困難に直面している、あるいは生活に困難を抱えている外国人技能実習生の方々に対しまして、在留資格上の特例措置、これは特定活動という在留資格を与えるということでございますが、あるいは再就職に関するマッチング支援などの様々な支援を実施しているところでございます。
 そして、情報発信というのが、あるいは相談の受付というのが大事でございまして、外国人在留支援センター、これはFRESCと呼んでおりますが、昨年九月一日から無料のヘルプデスクを設置し、技能実習生等在留外国人に対しまして多言語、十四言語による電話相談を実施しております。さらには、委員配付の地方公共団体の、地方自治体での一元相談窓口、そことも適切に連携して情報発信に努めているところでございます。

#87
○岸真紀子君 ありがとうございます。
 昨年来からいろんな要望させていただいておりまして、例えば技能実習生の事業内容を一部変更するとか、そういうような柔軟な対応はしていただいていることには感謝しますが、まだまだ足りないところもありますので、引き続きお願いいたします。
 次に、技能実習の修了後に帰国困難等の理由によって滞在している外国人の状況についてなんですが、私はもっと詳細に把握すべきではないかと考えます。例えば、先ほどもお話しいただきました、従前の業務と同一の業務で就労しているとか特定活動に切り替えたとか、そういったように詳細な把握をしているのか、入管庁にお伺いします。

#88
○政府参考人(松本裕君) お答えいたします。
 当庁におきましては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により本国への帰国が困難な技能実習生について、帰国できる環境が整うまでの間、特定活動、これは六か月で就労可と就労不可の二つがございますが、この在留資格を許可しているところでございます。本月十四日時点におきます帰国困難を理由とする特定活動の許可を受けて在留する外国人数は、速報値で特定活動就労可が約三万一千人、特定活動就労不可が約千六百人、このような状況でございます。

#89
○岸真紀子君 今の答弁をいただくと、詳細に把握しているという理解でよろしいですかね。
 そういったものを把握しないと、一体どんな適正な支援ができるかということにもつながりますので、引き続き詳細な支援、支援というか統計を出していただくようにお願いいたします。また、毎月出していただくように、できる限り、御協力お願いします。
 次にですが、技能実習生が帰国できずに困っている上に拍車を掛けて困難な状況に追い込んでいるものとして、帰国費用の問題がございます。新聞、資料の三枚目にも配付しておりますが、技能実習修了後の帰国費用は監理団体、企業が単独型の場合は実習実施者が負担する必要がありますが、特定活動に移行しているから出さないといったトラブルが起きています。
 生活に係る措置とともに帰国費用も監理団体に責任があるということをもっと厚労省として指導していただきたいんですが、この点についていかがでしょうか。

#90
○政府参考人(小林洋司君) お答えいたします。
 今御指摘ございましたように、技能実習修了後の帰国費用を含めまして、監理団体は、その費用負担、そして帰国が円滑になされるよう必要な措置を講ずる、それが技能実習法の関係法令で規定をされております。したがって、監理団体としてはこうした支援をきちんと行っていただく必要がある、これは帰国困難となっているケースが増えておる中においても基本的に変わるものではございません。
 したがいまして、監理団体に対する必要な周知啓発を行うことはもちろんでありますが、監理団体が行うべき責任を十分果たしていない疑いがある場合には、機構が個別に検査を行い、必要な指導を行うということにしておりまして、実習生からの相談といったものもきちんと受け止めながら、引き続き技能実習生の保護が図られるようにしてまいりたいというふうに思います。

#91
○岸真紀子君 今答弁いただいたように、悪質な例があった場合には速やかに指導を引き続きしていただくようにお願いいたします。
 次に、外国人技能実習生において、済みません、間違えました。二〇一九年四月施行で改正された出入国管理法による特定技能についてお伺いをいたします。
 資料の四枚目に配付をさせていただいておりますが、五月八日の日経新聞の記事には、特定技能が前年同期に比べ約七倍となったと掲載がされています。その理由は、先ほどもありましたが、技能実習生が帰国できないとかコロナの渡航制限で帰国できない技能実習生が特定技能の資格を取得して企業の労働者不足を補っているからと考えられますが、最新のこの特定技能の状況を教えてください。

#92
○政府参考人(松本裕君) お答えいたします。
 特定技能の資格で在留している外国人の数は、制度運用開始から一年十一か月を経過した本年二月末現在、速報値で二万三百八十六人となっております。取り急ぎ集計した概数ではございますが、本年三月末の速報値は約二万三千人となっております。

#93
○岸真紀子君 この特定技能についても、このグラフにも載っていますが、当初は伸び悩んでいたところなんですが、今回、帰国もできないということで切り替えたということで、この特定技能の問題点についてはまた別な機会に触れさせていただきたいと思います。引き続き、きちんと統計の方を出していただくようにお願いいたします。
 次に、外国人技能実習生においては、コロナの感染拡大が始まる前から様々な課題が起きていました。少なくとも、今、国の出入国制限で帰国できない外国人労働者は本人に非はありません。名前は技能実習というふうな名前、名称になっていますが、実際には日本における労働力が不足しているところを技能実習生に補ってもらっている状況です。先ほどはメロンの紹介をさせていただきましたが、日本に海外から来てもらって働いてもらって、経済を底支えしていただいてきた方々です。その方々が困った状態にあります。
 国の責任として再就職を始め積極的な支援をすべきではないかというのを改めて田村大臣にお伺いいたします。

#94
○国務大臣(田村憲久君) 新型コロナウイルスの感染の影響といいますか、こういうもので解雇されるというような、そういう状況になった技能実習生ですが、基本的には、これは技能実習機構の方が、これがどういうような雇用の状況なのか、生活の状況なのかというものを把握をして、監理団体、ここによる転籍支援でありますとか生活サポート、こういうものをしっかり指導していくということになっているわけでありますが、再就職できない、技能実習生としてですね、どうしても見付からないと、転籍先がという場合には、今ほど来入管庁の方から話がありましたけれども、特定活動という形になります。これも、やはりちゃんと監理団体がそういう道があるということを伝えていただかないと分からないですし、そのためには、入管に行っていただいて特定活動というものを、変わらなきゃいけないわけで、その後、今度は特定活動で何ができるかというところもつないでいかなきゃならぬわけでございます。
 きめ細かい対応をしていかなきゃならぬと思いますので、法務省の方ともしっかり連携して進めてまいりたいというふうに思います。

#95
○岸真紀子君 田村大臣、ありがとうございます。
 そうなんです。法務省と連携をしっかりして対応していかないと、この問題解決していきません。特に、海外から来てもらった方が一人でも困るような状況に置いておくというのは日本国としてやっぱり問題だと思いますので、引き続き支援をお願いいたします。
 さきに行われた決算委員会で国家戦略特区の外国人家事支援労働の問題を取り上げたときに、失踪者の問題をそのときも取り上げたんですが、この技能実習制度についても、失踪しているというのが二〇一九年頃からニュースとかでも取り上げられています。国としても二〇一九年から対策をしてきていると承知しています。
 最新の失踪者数とこれまでの累計についてお伺いいたします。

#96
○政府参考人(松本裕君) お答えいたします。
 数についてお答えいたします。
 令和二年におきます失踪技能実習生の数は五千八百八十五人でございまして、前年の八千七百九十六人と比べ約三三%減少しておるところでございます。
 また、平成二十三年から令和二年までの直近十年間における各年の失踪者数の合計は五万三千六百三十五人となっているところでございます。

#97
○岸真紀子君 昨年は、やっぱり帰国ができないとかというのもあったり特定技能に変えたりするので失踪者数というのは減っているんですが、この技能実習生の失踪には本当にいろんな理由が複合してあります。
 私も、これまで、技能実習生のシェルター、駆け込みのところに訪問して話を聞いてきたことがあります。ひどい場合には、二十代でベトナムから日本に来て、ある県の段ボール製造工場で働いていたんですが、朝六時から一人で勤務をさせられて、まともな技能実習というか実習も受けずに三百円で、時給三百円で仕事をさせられて、結果として、両手の第二指、何というんですかね、指を切断、四本、八本ですね、合わせて八本切断したというような悪質な事例も聞きました。それを本当であれば労災申請するのを、労災申請もしてくれないから、それで帰国させられそうになってシェルターに駆け込んできたという事例があります。
 それはほんの一部、氷山の一角で、本当にひどい状況がたくさんあります。パワハラ、セクハラ、マタニティーハラスメント、様々あります。この問題を解決するためには、いろんなことをこれからも考えていかなきゃいけない、改めて見直さなきゃいけません。その技能実習生もそうなんですが、技能実習制度にかかわらず、日本における外国人労働者の受入れ制度に様々な問題があると私は考えます。
 厚労省で、今、外国人雇用対策の在り方に関する検討会を設置していると思いますが、現在の議論状況と、今後広く支援団体から聴取をしたり国民にも意見を募るのかというのをお伺いします。

#98
○政府参考人(田中誠二君) 新型コロナウイルス感染症の影響によりまして多くの産業が打撃を受ける中で、様々な在留資格で働いておられる外国人労働者の方にも大きな影響が確認されております。こうした状況の下で、雇用情勢の変化に応じた的確な外国人雇用対策を実施していくことが求められていると考えております。
 そこで、本年三月から、職業安定局において、公労使から成る外国人雇用対策の在り方に関する検討会を開催しております。この検討会では、新型コロナウイルス感染症禍における外国人雇用の状況を確認するとともに、外国人を支援するNPO法人の方などからのヒアリングも行いながら、困窮する外国人の失業者等に対する支援の在り方等について検討をいたしておりまして、六月頃には中間的な取りまとめを予定をしております。
 なお、本日から中間的な取りまとめに向けた議論に入る予定になっております。したがって、委員にいただいたヒアリング等の御意見については、今後、公労使の構成員の皆様からの御意見も踏まえながら検討させていただきたいと考えております。

#99
○岸真紀子君 是非、様々な支援団体ありますので、そちらの方の意見も聞いていただくのと、国民からも広く意見を募集してもらえればと思います。
 技能実習制度は、真面目に運用している良い事業者ももちろんいます。そういうところは、本当に真面目に経営もしています。しかし、失踪者が多いとか、労働者としては見ているけど残念ながら人として扱っていないという悪い経営者がいるのも事実です。
 上川法務大臣にお伺いしますが、技能の実習という上から目線の、まるで支援をしているという印象の技能実習制度というのは、改めてやっぱりこれ廃止すべきではないかと私は考えます。きちんと労働者として受け入れるべきではないかと思いますが、大臣の御見解をお伺いします。

#100
○国務大臣(上川陽子君) 技能実習制度につきましては、多くの技能実習生が実習を全うし、母国等で御活躍をしていらっしゃる一方で、今委員御指摘のように、一部の受入れ企業等におきまして労働関係法令違反、また技能実習生の失踪問題、こうしたことが生じているところでございます。
 これに対処するため、これまでも様々な取組をしてまいりました。平成二十九年の十一月施行の技能実習法に基づく措置、あるいは平成三十一年三月、技能実習PTが取りまとめた改善方策、さらに、令和元年の十一月、更なる改善方策、特に失踪技能実習者の減少に向けてということでありますし、また、受入れ企業等の不適切事案等に対しましての外国人技能実習機構の指導、勧告、また、主務大臣等によりまして技能実習計画の認定の取消し等でございます。
 こうした取組が適切にしっかりと運用されまして効果を上げているかどうか、これは不断の検証が必要でございます。先ほど来、統計が大事だというふうに御指摘がありましたけれども、こうしたことを通してしっかりと技能実習制度の適正化に尽力してまいりたいというふうに考えております。

#101
○岸真紀子君 本当にいろいろ取組をしていただいているのは分かるんですが、まだまだ問題が残っていますので、本当に見直した方がいいということを改めて言っておきます。
 田村大臣、日本人も外国人も、労働者を守るための政策にすべきではないかと考えます。外国人労働者の労働法制を改めてきちんと整備すべきではないかと、御見解、お伺いします。

#102
○国務大臣(田村憲久君) 日本の労働関係法は外国人にも当然適用されるわけで、技能実習生という名前ではありますけれども、これ労働者としての権利が保護されるわけであります。先ほど何か三百円という話がありましたが、これもう最低賃金を完全に無視しているわけでありまして、許されることではないというふうに思いまして、そういう意味ではしっかりとやっぱり労働法制で保護していく必要があると思います。
 実態を把握しなきゃいけませんので、そういう意味では、労働施策総合推進法において外国人の労働者どういうような状況かということもしっかりとこれを把握しながら、それにのっとってしっかりと適正な労働管理をしてもらうべく、これはそれこそ指導していかなきゃならないというふうに思います。
 そういう意味では、相談にも乗りながら指導していくわけでありますが、あわせて、外国人、特に技能実習生に関しましては外国人技能実習法というのがあるわけで、本来は機構の方から監理団体、これ許可制でありますから場合によっては許可取消しもございますので、ちゃんと計画を作った上で適切な対応をいただくということが必要なわけであります。
 そういう意味で、このような法律がせっかくあるわけで、いろんな経緯があって強化をしてきたということはもう委員も十分に御理解いただいているというふうに思いますので、適切に今ある制度を使って技能実習生という方々を、せっかく日本に来ていただいたわけでありますから、帰っていただくときに日本の国でしっかり技術を学べたなというふうに思ってもらえるように、これからもしっかり対応してまいりたいというふうに思います。

#103
○岸真紀子君 ありがとうございます。
 両大臣の答弁を聞いて、引き続き技能実習生始め外国人の受入れしっかりしていただきたいと思います。
 済みません、時間もないんですが、入管、名古屋入管で亡くなったウィシュマさんの件も、元はといえばいろんな案件がありましたので、引き続きこの真相究明をはっきりとさせていただくことをお願い申し上げ、質問を終わります。
 ありがとうございました。

#104
○秋野公造君 公明党の秋野公造です。お役に立つことができるように質疑をしたいと思います。
   〔委員長退席、理事古賀友一郎君着席〕
 私のおじは、長崎原爆にて被爆死をいたしました。原爆が落ちたとき、おじはまだ生きていたそうでありまして、友人の足にしがみついて、連れていってくれ、連れていってくれと。誰も連れていくことができなかった。そんな思い、あるいは長崎の思い、二度と核兵器を使わせてはならない、その思いから長崎の城山小学校を文化財として保存するべきであるという御提案を申し上げまして、文化庁には国の史跡にしていただいたところであります。以降、厚生労働省におきましては、原爆死没者慰霊等事業、こういったものを通しまして令和元年度にもすばらしいトイレも造っていただきまして、対応していただいたことを心から感謝を申し上げたいと思います。
 今日お願いしたいことは、城山小学校の敷地の中に、もう枯れてしまったカラスザンショウという木があります。今日、資料を準備しておりますけれども、一ページ目御覧をいただきますと、真ん中に、皮一枚になって下のクスノキに支えられたカラスザンショウの木があります。これらは、二ページ目、三ページ目の資料にありますとおり教員の資料となっておりまして、三ページにありますように、カラスザンショウについてはもう教育が行われているところであります。
 注目していただきたいのは四ページ以降の生徒の取りまとめてくださったものでありまして、五ページ目を見ていただきますと、九と書いてあるところ、カラスザンショウのことを、被爆し、燃えた後に新しい芽が出て二股に成長した、また十のところに、原爆により幹のほとんどが焼けたが、やっとのことで生き残った、その後人々が支柱を立て、隣のムクノキの成長とともにムクノキに支えられ、皮一枚になりながらもといったような形で、子供たちが原爆の実相をきちっと継承している姿であります。六ページ目には、これらの歌もできているところでありまして、改めて子供たちがカラスザンショウを通して被爆の実相を継承しているというものであります。
 この場にあってこそ、支えられている姿を見せてこそカラスザンショウの意味はあるということでありまして、この被爆の実相を伝える意味で、屋内外、特に現地でレプリカとして保存してもらいたいと、こういったお声もあって、今長崎市においても検討がされているところでありますが、私は、レプリカの中にカラスザンショウも交ぜて保存をしていただいて、ずっと支え合って、支えられているといったことを教育的にしっかりと教えるということも重要だと思っておりますけれども、まず、この取組について原爆死没者慰霊等事業を使用することが可能か、お伺いしたいと思います。

#105
○政府参考人(正林督章君) お答えします。
 旧城山国民学校校舎は昭和十二年に建築された現存する被爆建物であり、被爆者の減少や高齢化により被爆体験の風化が危惧されている中で、世代や国境を越えて被爆の実相を伝えていくことのできる建物の一つであると考えております。
 議員御指摘の旧城山国民学校校舎の敷地内にあるカラスザンショウについては、旧城山国民学校校舎と一体のものとして取り扱うことで被爆の実相をより効果的に伝承することができると考えられることから、カラスザンショウの展示について原爆死没者慰霊等事業を使用することは可能であると考えております。
 長崎市に所在する被爆建物については、後世に伝承すべき歴史的財産として保存及び継承の取組が進められており、厚生労働省においては、長崎市が行う被爆建物の保存等に関する取組に対して、従来から原爆死没者慰霊等事業として補助を行ってきたところでございます。旧城山国民学校校舎の保存等に関する取組についても、平成二十八年度から地元の皆様からの要望を受けた議員の申入れを踏まえた長崎市の申請に対して真摯に対応してまいりました。
 厚生労働省としては、今後とも、御要望を踏まえた被爆建物に関する長崎市からの補助事業に関する相談等に対しては適切に助言を行いながら、引き続き被爆の実相の伝承に係る取組を進めてまいりたいと考えております。

#106
○秋野公造君 ありがとうございます。これまでもありがとうございました。そして、これからもよろしくお願いをしたいと思います。
 次に、旧広島陸軍被服支廠についてお尋ねをしたいと思います。
 広島に残る最大級の被爆建造物と言える旧広島陸軍被服支廠、四棟の建物が現存しているということでありまして、これらは、先ほど城山小学校でも申し上げたとおり、平和学習にも活用されてきましたものの、今は劣化が進み、倒壊の可能性も、地震などで倒壊の可能性もあると言われているところであります。
 昨年二月十九日には、公明党の原爆被害者対策委員会を開催いたしまして、広島県と国に対してこれら全棟保存をするように要請をさせていただいたところでありますし、資料、今日、七ページ目、八ページ目、九ページに付けておりますけれども、昨年一月の衆議院本会議におきましては、公明党の斉藤鉄夫議員からの質問に対しまして安倍総理も、広島県における議論を踏まえ、国としてもしっかり対応してまいりますと、こういったような御答弁もいただいていたところ、広島県の対応が大きく変わったということであります。
 それは、従来、一棟を保存、二棟を解体と、こういった方針から、先週の五月の十九日の県議会におきまして、現行方針案の見直しも含め、最終的な方向性を検討、整理するということで、三棟を全て保存をすると、こういった可能性を示したわけでありまして、広島県の対応が変わったならば国の対応も変わる必要があるということでありまして、これまでの歴史的な価値を踏まえますと、今後、国の重要文化財に位置付けながら保存、活用を図っていくべきかと考えますが、広島県の態度が、対応が変わりました。文化庁の踏み込んだ見解をお願いをいたします。

#107
○政府参考人(榎本剛君) お答えいたします。
 秋野議員には、旧城山国民学校の保存を始め、文化財保護に御尽力いただき、感謝しております。また、旧広島陸軍被服支廠については、令和二年二月十九日の公明党の原爆被害者対策委員会において四棟全てを保存すべきとの要請をいただいております。
 この旧広島陸軍被服支廠は、かつて軍服や軍靴などを生産、保管した施設であり、現存する倉庫四棟の歴史的意義を挙げれば、まず、記録によれば、建築が大正二年の現存最古級のコンクリート造りの建物として一定の建築史的な価値があると考えられます。また、爆風により鉄の扉がねじ曲がるなど被爆の実相を伝えるとともに、被爆直後は被災者の救済拠点となった施設でもあり、これらを踏まえた歴史的な意義もあるのではないかと考えられます。
 今後、広島県において学術的な調査が実施され、文化財としての価値が明確化された上で文部科学大臣に対し重要文化財への指定の意見具申がなされれば、文化庁において文化審議会に諮問することとなります。その際は、先ほど申し上げた建築史的な価値や歴史的な意義を中心に判断されるものと考えております。
 文化庁としては、今後とも、広島県が行う学術的な調査について専門的な助言を行ってまいります。

#108
○秋野公造君 ありがとうございます。
 建築史的な価値や歴史的な意義も整理をいただきまして、重要文化財へ向けて専門的な助言を行っていただけるということでありますけれども、残りの一棟は財務省の所有であります。
 広島県も、それから文化庁も踏み込んだ御答弁をいただいているわけでありますけれども、国においても必要な整備を行い保存していくべきかと考えますが、財務省の見解もお伺いをしたいと思います。
   〔理事古賀友一郎君退席、委員長着席〕

#109
○政府参考人(井口裕之君) お答えいたします。
 今御質問ありました旧広島陸軍被服支廠につきましては、一棟を国が所有しております。これにつきましても、国、県、広島市で構成しております旧陸軍被服支廠の保存・継承にかかる研究会での議論等を踏まえ、対応していきたいと考えております。
 具体的な対応に当たりましては、同建物について有識者から被爆建物としての価値があること、国内最古級の鉄筋コンクリート造りの建物として文化財的な価値があることといった指摘がなされ、県、市としてはこれを踏まえた利活用を検討したいという意向であるということを承知しております。
 一棟を管理する立場である財務省理財局といたしましても、関係する省庁と連絡を取りながら適切な対応をしてまいりたいと考えております。

#110
○秋野公造君 よろしくお願いをしたいと思います。
 大臣にお伺いをしたいと思います。
 被爆者のお声を伺うということも非常に重要なことでありますし、被爆遺構を通しまして被爆の実相ということに思いを致すということ、リアリティーをしっかりと感じていくということ、これらは非常に重要なことでありまして、被爆遺構というものをしっかりと残して被爆の実相を伝えていくということは重要かと思います。
 先般も、賢人会議の皆様方が長崎市を訪れた際にも、被爆地に足を運んだことで落ち着いた議論を行うことができたといったようなことからも、被爆者の方に触れ、そして被爆遺構に触れるということは重要かと思います。被爆遺構を守ることを通して被爆の実相を伝えていく大臣の御決意、お伺いをしたいと思います。

#111
○国務大臣(田村憲久君) 被爆をされた皆様方も高齢化をされてこられまして、そういう意味では、被爆体験というのがなかなか、もう、どう継承していくんだというような状況になってきております。そういう意味では、被爆遺構、要するにいろんな建造物等々をしっかり守りながら、世界で戦争被爆という意味では日本が唯一の国でありますから、そういうものを伝えていくということは非常に重要であります。
 そういう意味では、言われるとおり、この被爆建物の保存という意味で、原爆死没者慰霊等事業、これを通じてそういう被爆遺構をしっかりと守りながら、いろんな日本の国の、原爆を投下され、そしてそこに大変な悲惨な状況があった、やはりこの核というものの恐ろしさというものと、それによって多くの方々が人生が本当に変わってしまったということを次世代に伝えていくということは非常に重要だというふうに思っておりますので、しっかりとこの事業を通じて、これからもそれぞれの建造物の保存等々努めてまいりたいというふうに思っております。

#112
○秋野公造君 ありがとうございました。終わります。

#113
○下野六太君 公明党の下野六太でございます。もう早速ですが、質問に入らせていただきます。
 まず、厚生労働省に対して質問をさせていただきます。
 令和元年度決算検査報告によりますと、厚生労働大臣及び日本年金機構理事長宛てに意見を表示し又は処置を要求した事項として、年金給付の過払いにおける年金返納の事務が記載されております。このことについて伺いたいと思います。
 簡単に、私から概略を指摘させていただきます。
 年金を幾らもらうか、当然、受給できる金額は一定の要件の下に定まっています。しかし、日本年金機構における事務処理の誤りなどによって本来の給付額を超えて払い込んでしまう、つまり過払いをしてしまうという事案がございます。この給付に係る事務処理の誤り自体も本来あってはならないものであり、計算の間違いを防止していく必要がありますが、報告で指摘されているものは、その先の事務処理についてです。
 過払い年金は、民法上の不当利得になります。すなわち、もらい過ぎてしまった場合、その方には過払い分については権利がないわけですので、日本年金機構は、再裁定を行った上で過払い分の返還請求を行うことができます。また、公正で公平な年金事務という観点から、当該返還請求を行うべきものと解されます。
 もっとも、返還を求められる受給者側からすれば、もらったと思った年金についての返還を求められ、心理的にも負担感があることですから、そもそも返還請求を行わなくても済むような事務が求められていることは言うまでもありません。この過払い判明後の事務処理の流れと期間設定などは日本年金機構で事務処理要領として定められ、過払いが判明した事案の事務処理の進捗管理等を行うことになっています。
 前提が長くなって恐縮ですが、ところがです、会計検査院の検査結果によると、平成二十八年度から令和元年度までの過払い事案のうち、事務処理の遅延などにより過払い金の一部又は全部について五年間の消滅時効に掛かり、返還請求が行うことができなくなっているものが多数判明しました。そして、要領に定められている完了期間内に事務処理が完了していれば返還請求等が可能であった過払い年金額は、会計検査院の試算によると一億七千八百八十五万円、実際に返還請求した金額との差額で申し上げると四千三百四十五万円となったということであります。年金額の計算の事務処理の誤りが多数に上る上に、さらに、過払い返還請求の消滅時効の管理もこれだけ行き届いていなかったという事実は深刻に受け止める必要があると考えております。
 かかる事実について、厚労省は原因をどのように認識をされているでしょうか。この原因に対して、検査報告で是正改善の処置として指摘されたことも踏まえて厚労省はどのような対策を講じ、あるいはどのような対策を講じるべきと考えているのでしょうか、御答弁をお願いします。

#114
○政府参考人(日原知己君) お答え申し上げます。
 日本年金機構におきましては、受給者の方に丁寧な御説明、対応をさせていただきながら事務処理誤りに基づく過払い年金の返納事務を行ってございますけれども、年金事務所におきまして事務処理要領に定めたスケジュールどおりに事務を行っていないケースがあるということと、それから、年金機構本部におきます進捗管理も十分でなかったということで、今御指摘のございました時効の経過によりまして返還請求を行えぬ部分が生じた案件というふうに認識をしてございます。
 このため、会計検査院からの指摘を受けまして、本年三月に厚生労働省から日本年金機構に対しましてこの返納事務の見直しに関する通知を発出いたしておりまして、これを受けて日本年金機構では、事務処理要領を改正いたしまして、本年四月より事務の見直しを図っているところでございます。
 具体的には、年金事務所におきまして引き続き受給者の方に対して丁寧な御説明、対応をさせていただきながら、事務処理要領に定めるスケジュールに基づいて過払い年金の返還請求を実施すると、これを徹底いたしますとともに、日本年金機構の本部における進捗管理の手続、方法などにつきましてもこの事務処理要領に明確に示すことといたしまして、この本部が進捗管理を適切に行うという仕組みを整備して取り組んでいるところでございます。

#115
○下野六太君 ありがとうございます。
 続いて、弁護士も、事案が違いますが過払い金の返還請求をやります。それ以外にも、依頼者の請求権を代理人として責任を持って行使する場合が多いわけですが、とりわけ消滅時効の管理というものには気を遣います。当然、時効に掛けてしまったら懲戒請求の対象になり得ます。個人と行政とで次元は違いますが、機構の返還請求事務も、ある意味他人のお金をお預かりしている立場という共通項はあると思います。いま一度年金事務の処理における適正化を図っていただき、二度とこのようなミスが起こらないように万全の対策を取ることを重ねて強く求めます。
 また、この不適切な処理については、機構を指導監督する厚生労働省の責任も指摘されております。すなわち、厚生労働省は、機構から債権の発生の通知を受けて歳入の調査決定を行うなどしているにもかかわらず、過払い年金の返還請求に係る事務処理の実施に関し必要な指導を行ってこなかったと指摘されております。
 本件に関する厚生労働省の責任につき、その受け止めと再発防止に向けた対策方針を伺いたいと思います。

#116
○大臣政務官(大隈和英君) お答えいたします。
 厚生労働省としましては、年金機構における過払い年金の返済事務につきまして、受給者に対して丁寧な説明、対応を行いつつ、会計検査院からの御指摘に真摯に受け止めまして、事務処理要綱で定められたスケジュールに沿って実施していくことが重要であると認識しております。
 このため、先ほど政府参考人より答弁いたしましたとおり、本年三月に、厚労省から年金機構に対しまして過払い年金の返済事務の見直しに関する通知を発出したところであり、この通知に従いまして、年金機構において事務処理要綱が、事務処理要領が改正されまして、本年四月から、進捗管理体制の強化など見直しが行われております。
 厚生労働省といたしましては、見直し後の事務が適切に実施されるよう引き続き年金機構を指導していくとともに、事務処理誤りの予防、早期対応など、そもそも年金機構における事務処理誤り自体を起こさないよう、取組も並行してしっかりと行ってまいりたいというふうに考えております。

#117
○下野六太君 是非このような誤りが二度と起きないように、よろしくお願い申し上げます。ありがとうございます。
 次に、家族法に関連して法務大臣に質問させていただきます。
 法務大臣は、今年二月、法制審議会に養育費や子の親権の在り方など、離婚後の法制度の改正を諮問していると承知しております。この際、現行制度の課題を徹底的に洗い出し、大臣御自身がおっしゃっていただいたように、子供を第一に考える視点での改正を強く望み、御期待申し上げるものです。
 特に、養育費に関する問題の解消や軽減は喫緊の課題です。そのうち実務上の課題の一つとして指摘されているのは、養育費の支払に非協力的な義務者の財産をいかに把握するかという点です。子の福祉の充実と明るい未来のためには、養育費の支払の実効性を一層高めることが重要であることは言うまでもありません。
 公明党の不払い養育費問題対策プロジェクトチームは、昨年十二月に抜本的解決に向けた提言を法務相に提出し、養育費の取決めの促進、支援や、不払となった養育費の確保の方策などについても提案しています。とりわけ、一人親自らの権利行使を可能にするため、裁判所の後見的役割を強化して裁判手続の負担軽減することが肝要である旨も指摘させていただいています。先ほど指摘した非協力的な義務者の財産の把握に関しても、裁判所等の後見的に支援の強化が必要と考えます。
 様々な方策が考えられますが、例えば、今国会で成立したデジタル関連法で、マイナンバーと預貯金の口座のひも付けが一部可能となりました。こうした新たな仕組みも活用し、必要性と相当性が担保される要件の下で義務者の金融資産の把握を後押しするといったことも検討すべきではないでしょうか。法務大臣の御所見を伺います。

#118
○国務大臣(上川陽子君) 養育費の支払が確保されることにつきましては、子の利益を図る観点から喫緊の課題であると認識をしております。そして、養育費に関する民事執行手続の利便性向上、これにつきましても重要であると認識をしております。
 先ほど委員の方から、昨年の十二月に御党から、不払い養育費問題対策プロジェクトチーム、この御提言をいただいたところでございまして、その中におきましては、一人親自らの権利行使を可能にするため、裁判所の後見的な役割を強化をし、権利者の裁判手続の負担を軽減する、そうした御提言もいただきました。
 今回、今国会でいわゆるデジタル改革関連法が成立したところでございますが、その中で、預貯金者の意思に基づくマイナンバーの利用による預貯金口座の管理に関する制度等が導入されることになるところでございまして、この制度を活用することによりまして養育に関する民事執行手続、これにおきまして義務者の財産を把握するための権利者の負担を軽減すること、これを検討すべきであるとの意見があるということは承知をしているところでございます。
 この不払解消を含めまして、離婚及びこれに関連する制度の見直しにつきましては、現在、法制審議会の家族法制部会におきまして調査審議が行われているところでございますが、まさに御指摘のマイナンバーの利活用という点につきましても幅広く審議を行っていただけるものとしているところでございます。
 また、具体的な検討に当たりましては、もちろん法制審議会の今後の議論に委ねられるところではございますが、マイナンバーの利用に関しましては、内閣府を始めといたします関係省庁等の間でシステム面の課題、こういったことも含めまして必要な協議を進め、連携をしっかりと図ってまいりたいというふうに考えております。

#119
○下野六太君 ありがとうございます。
 これ以降、法務大臣への質問はちょっと飛ばしますので、御退席いただいて結構です。済みません。

#120
○委員長(野村哲郎君) 上川法務大臣、御退席いただいて結構でございます。

#121
○下野六太君 先日、福岡で聴覚に障害をお持ちの方と懇談をさせていただきまして、幾つかの問題点を確認させていただきましたので質問をさせていただきたいと思います。
 聴覚に障害を有しておられる方々が最も不安に感じておられるのは、病院での診療です。診察の結果を聴覚に障害を有しておられる方に伝える手段は、主に手話通訳者の方の手話になるかと思います。また、医師からの質問である問診に答えるのも手話ですが、手話通訳者の方が言葉に直して医師に伝えないと、今度は医師には伝わりません。
 病院での診療に対しての手話通訳者の配置について、現状はどのようになっているでしょうか。お答えいただきたいと思います。

#122
○政府参考人(迫井正深君) 御答弁申し上げます。
 厚生労働省といたしましては、障害者差別解消法に基づき、障害の有無にかかわらず全ての国民に対して適切な医療が提供される必要があると考えておりまして、医療機関におきまして障害のある方々への合理的な配慮を行うための考え方などを記載しました医療関係事業者向けガイドラインを策定をいたしまして、御指摘の手話通訳者や要約筆記者の配置、あるいは音声を文字変換するICT機器の活用などといった聴覚障害のある方々へ配慮すべき対応について、実際の各医療機関での対応状況について把握をしてはおりませんけれども、対応事例の普及啓発に努めているところではございます。
 本ガイドラインにつきましては、毎年行われます各都道府県の医政関係の主管課長会議におきまして医療関係事業者への周知をお願いしておりまして、引き続き更なる普及促進につきまして取り組んでまいりたいと考えております。

#123
○下野六太君 ありがとうございます。
 全日本ろうあ連盟監修の手話言語白書によりますと、手話通訳を必要としておられる方は全国で五万人から六万人おられるとのことでありますが、手話を必要とされておられる方々が病院で診療を受ける際には、どのような手続を取って手話通訳者を招くのでしょうか。どこの自治体でもそれはスムーズに行われているのでしょうか。お答えいただきたいと思います。

#124
○政府参考人(赤澤公省君) お答えいたします。
 御指摘いただきました病院の受診等に当たりまして手話による意思疎通支援が必要な聴覚障害者の方につきましては、障害者総合支援法に基づく意思疎通支援事業を活用していただくことによりまして市町村から手話通訳者の派遣を受けることが可能であると考えております。
 御指摘いただきました聴覚障害者の方が急な受診を必要とする際、こういう場合は直ちに市町村がその手話の通訳者を派遣することが困難ということになりますので、今私ども進めておりますのは、ICT技術を活用した遠隔手話サービスが有効であると考えております。私ども厚生労働省といたしましては、自治体におけるタブレットやスマートフォンなどを活用した遠隔手話サービスの導入経費、これを聴覚障害者の意思疎通支援体制の、この導入経費を支援することによりまして聴覚障害者の方々の意思疎通支援体制の強化を図っておるところでございます。
 今後とも、こうした予算を活用させていただくことによりまして自治体の取組を進めることで、聴覚障害者の方々の適切な受診機会の確保、これを図ってまいりたいと考えております。

#125
○下野六太君 病気は、計画的に起こるものではありません、当然ですけど。突然のやっぱり発熱であったり突然の病気であったり調子が悪くなったりするものでありますけれども、自治体によっては、一週間前に請求をしなければいけないというような自治体があるというのが現実であります。これはやはり改善をすべきである問題の一つではないかと思っておりますので、引き続き、どうかよろしくお願い申し上げます。
 私は、地元での移動については基本的にはJRを始め地下鉄、私鉄や路線バスを使わせていただいていますが、列車やバスの運行は、気象条件や停電、事故等によって影響を受けることが多くあります。何らかの影響を受けた場合、運行は乱れると思いますが、ダイヤの乱れが発生した場合、乗車前では電光掲示板等で表示しているため聴覚に障害を有しておられる方も確認できますが、既に電車やバスに乗っている方々に対してその情報をどのようにして伝えているのでしょうか。お願いします。

#126
○政府参考人(大高豪太君) お答え申し上げます。
 公共交通機関において事故等によるダイヤの乱れが発生した場合、運行情報など旅客にとって必要な情報は、聴覚に障害をお持ちの方に十分配慮された形で適時適切に提供されることが重要であると認識しております。
 現在、多くの公共交通事業者においては、各社のホームページ等において文字や図形による運行情報等の提供が行われており、聴覚障害者の方を含め鉄道やバスに乗車中の旅客の皆様は、スマートフォンを通じて必要な情報を入手することが多いと承知しております。このほか、例えば列車が駅に停車している場合には、ホーム上の情報掲示板等においても運行情報を確認することが可能となっております。

#127
○下野六太君 ありがとうございます。
 ところが、なかなか現実問題としては、もう既に列車に乗った場合、あるいはバスに乗った場合に、自身のスマートフォンで何が起こったのかということがなかなか伝わっていないというのが現実問題であるかと思います。急なダイヤの乱れ等アクシデントが起こった場合に、放送だけの連絡では聴覚に障害をお持ちの方には伝わりにくいというものがあります。あるいは全く伝わらないことが多いようです。
 このようなことは回避しなければいけないというふうに私は思っておりますが、交通各社に対してはどのようなことをこれから求めていかれるでしょうか。お願いします。

#128
○政府参考人(大高豪太君) お答え申し上げます。
 今後、我が国が真の共生社会を実現していくためには、障害の有無や特性にかかわらず、得られる情報の質や量を同等としていくことが求められており、聴覚に障害のある方が容易に運行情報等を収集できるよう、更なる取組を進めていく必要があると認識しております。
 このため、公共交通事業者に対するバリアフリー基準において、新規導入する鉄道やバス車両において、運行に関する情報を文字等により表示するための設備を設置を義務付けています。また、既存の車両への運行情報提供設備の導入促進に資するため、本年度から五年間を期間とする新たなバリアフリー整備目標において、車両への運行情報提供設備の設置等のバリアフリー化を実施する旨明記するとともに、交通事業者や障害当事者が参加する、参画する会議等を活用しつつ、その導入促進を働きかけているところでございます。
 国土交通省といたしましては、こうした取組を通じて、今後とも鉄道やバス車両における運行情報提供設備の設置等を推進していくこととしており、聴覚障害を有している方々が安心して外出できる真の共生社会の実現を目指し、引き続きハード、ソフト両面でバリアフリー化を推進してまいります。

#129
○下野六太君 ありがとうございます。
 列車に乗っていて突然の周りの方の動きが、何が起こっているのかというのが分からないというこの不安感、ここをしっかり共有していただいて、是非早急に進めていただきたいと思います。
 聴覚に障害を有しておられる方が生活上において不便を強いられているという一例を挙げさせていただきました。聴覚に障害をお持ちの方々のコミュニケーションが円滑に取れるような環境の整備を図り、障害のある人もない人も地域で安心して生活できる社会を実現することを目的としているのが手話言語条例だと認識していますが、この条例の制定状況はいかがでしょうか。私は基本的に、手話通訳者と手話通訳士の方の数が基本的に少ないと思います。処遇改善を含めて、手話通訳ができる方々を社会でもっと増やしていく必要があると思いますが、厚労副大臣の認識を伺いたいと思います。

#130
○副大臣(山本博司君) 下野委員、質問ありがとうございます。
 この手話言語条例でございますけれども、全国で初めて制定されましたのが平成二十五年、鳥取県でございます。鳥取県の手話言語条例、まさしく手話の普及に関する基本理念を定めまして、聴覚障害の方、また聴覚障害以外の方が共に共生することのできるこの地域社会の実現を目指すことを目的としております。
 今、聴覚障害者団体、全日本ろうあ連盟の調べによりますと、同様の条例は全国に四百六の自治体で制定されているものと承知しておる次第でございます。
 委員御指摘されましたとおり、この手話通訳者の従事者拡充をするということ、大変大事でございます。厚生労働省としては、手話通訳者を養成する地方自治体に対する財政支援、また国による指導者の養成、さらに手話通訳試験の実施や手話通訳士の養成のための講座の実施に取り組んでいる次第でございます。
 さらに、地域での手話通訳者の高齢化が進んでおりますので、若年層、若い方の手話通訳者の確保、これは平成三十年度から大学生等を対象とした手話通訳者養成モデル事業を実施しておりまして、今後とも教育分野との更なる連携などを検討してまいります。
 また、引き続き聴覚障害への支援の更なる向上を図るためにも、障害者基本法、内閣府が所管をしておりますけれども、連携しながら障害者施策を推進してまいりたいと思います。

#131
○下野六太君 ありがとうございます。
 引き続き手話通訳をできる方を少しでも増やしていくことと処遇改善等、国家資格も含めて是非よろしくお願い申し上げます。
 次に、産後ケアについて質問させていただきたいと思います。
 産後ケア事業の実施を市区町村の努力義務にすることを明記した改正母子保健法が成立し、出産後一年以内に母子の心身の状態に応じた保健指導や相談を行う産後ケアを市町村の努力義務とする母子保健法の一部を改正する法律が制定され、実施されています。
 産後ケアで安心して子育てができる支援体制を更に整備する必要があると思います。厚生労働省は、産前・産後サポート事業ガイドライン及び産後ケア事業ガイドラインを公表し、この中で、どの市区町村に住んでいても母子保健事業や保健、福祉、医療等の関係機関の連携によって効果的な運営がなされ、妊産婦や乳幼児等が安心して健康な生活ができるよう、利用者目線に立った一貫性、整合性のある支援の実現が期待されるとしています。
 全国の自治体での産後ケア事業の実施状況はどのようになっているでしょうか。また、この産後ケアに関わる専門職の方はどういう職種の方でしょうか。その専門職の方が、もう続けてちょっと次の質問も一緒にします、その専門職の方が産後のお母さんの支援のために訪問された場合、そこでどのような仕事をされるのでしょうか。端的にお答えいただきたいと思います。

#132
○政府参考人(渡辺由美子君) お答えいたします。
 御指摘のございました産後ケア事業、この四月からの改正母子保健法を踏まえまして全国展開を目指しているところでございます。実施状況につきましては、令和二年度で千百五十八自治体となっておりまして、全体の実施率は六六・五%でございます。
 また、職員につきましては、利用者に対し適切な支援を行えるよう、助産師、保健師又は看護師に加えまして、心理に関しての知識を有する者、それから育児に関する指導や育児サポート等を実施するに当たり必要な人、そういった方々の配置を求めております。
 また、具体的にどういったことをしているかということでございますが、母親の身体的な回復のための支援ですとか授乳の指導及び乳房のケア、母親の話を傾聴する等の心理的支援、さらに、新生児及び乳児の状況に応じた具体的な育児指導等を実施しております。
 さらに、これに加えまして、家族等の身近な支援者との関係調整ですとか地域で育児をしていく上で必要な社会的資源の紹介等、個々の状況に応じた支援を行っているところでございます。

#133
○下野六太君 ありがとうございます。
 日本産婦人科学会が出されている産後ケアの現状と課題の中で、産前・産後サポートの項目には、妊娠、出産、子育てに関する不安や悩み等を傾聴し、相談、支援、寄り添いを行う、この事業における相談、支援は妊産婦及び妊産婦の育児支援を尊重するとともに不安や生活上の困り事等を軽減することを目的としています、実施担当者は必ずしも助産師、保健師等の専門職とは限らないとあります。
 私が問題だと思っておりますのは、産後ケアに携わる方々が助産師や保健師等の専門職の皆様であることから、寄り添い、傾聴は積極的に行うことはできるんですが、家事支援は除くと明記されていることだと思っています。精神的に疲弊をしている出産直後のお母さん方に必要な支援には家事も含まれるのではないでしょうか。部屋の掃除もしたい、洗濯もしたい、料理も作りたい、だけどできない。
 そこで、東京都中野区の松が丘助産院の宗先生は、母親にとっての支援には家事も含まれるため、経験豊かな女性という意味のドゥーラ協会を立ち上げ、産後うつの解消に向けて地道に取り組んでいます。このドゥーラ協会で研修を積みドゥーラとして認定を受けた方々が、今全国で産後うつの解消、産後ケアに向けて大きな成果を上げ始めています。先日もNHKで取り上げられておりました。
 産後ケアを行う専門職に、助産師、保健師又は看護師に加えて、研修を受けたドゥーラも含めることはできないでしょうか、お答えいただきたいと思います。

#134
○国務大臣(田村憲久君) 先ほど局長からも答弁あったと思いますけれども、これ産後ケア事業でありますが、言われたとおり、保健師、助産師そして看護師以外に、心理的ないろんなサポートをする専門職の方、さらには育児に関する指導や育児サポート等を行うに当たり必要な者ということで、必要な者の中に今言われた産後ドゥーラの皆様方も入られるというふうに思います。
 言われるとおり、産後ドゥーラ、ドゥーラの方々は、育児、生活全般、もちろんいろんな意味での、何といいますか、相談といいますか、いろんなことをお聞きをいただいたりということをやっていただいておるというふうにお聞きいたしておりますし、民間の認定資格をおつくりをいただいて質の向上も図っておられるというふうに我々聞いております。
 いずれにいたしましても、ここで対応はされるということになると思いますので、これからもしっかりとサポートいただければ有り難いというふうに思います。

#135
○下野六太君 ありがとうございます。
 その産後のケアの中でドゥーラが果たしてきた役割というのは、私は非常に大きいものがあるというふうに思っています。本当に疲弊をし切っているお母さんに対してドゥーラが入っていったときに、傾聴はもちろんのこと、お母さんが料理が作りたくても作れない、掃除がしたくてもできなかった、そこに手を差し伸べて、本当にしてほしいことをドゥーラが真心を込めてやって、そこで品物を多く、品数多くの料理を作り、白御飯におみそ汁を作ってもらって、それを食べたときに、お母さんが涙を流して喜んで、生きる希望が湧いてきたというようなお声を多数聞いています。
 是非とも、この産後ケアの一つに産後ドゥーラの方もしっかりと取り入れていただいて、産後で苦しんでおられるお母さん方を国がしっかりと守っていただければと思っています。
 続けて、健康寿命の延伸についてお尋ねしたいと思います。
 「死ぬときに後悔すること」の本には、必ず健康を大切にしなかったことが上位にランキングされています。国民の最大の関心事の一つである健康、中でも健康寿命の延伸についてです。
 福岡市の原土井病院の原理事長は、九十歳で現役の医師です。その生き方は模範となるべきことが多く、私も多くのことを学ばせていただいています。先日も参議院会館内の九階の私の事務所を訪問してくださいましたが、一人で悠々とおいでいただき、感心するばかりでした。日常的にバランスよい食事を心掛けられ、毎日一万歩を目指して歩いておられ、日常的に階段を使用されています。階段の昇降もゆっくりではなく、駆け上がったかと思えば駆け下りるような感じでありました。私も原理事長の生き方に影響を受け、参議院会館の事務所がある九階までできるだけ階段で昇降しています。
 しかし、一歩町中に出てみますと、僅かな階段も避け、エスカレーターやエレベーターを使用する方が多くいます。このような形でしっかりと社会全体に健康寿命の延伸ということを意識付けていくべきではないかと思っております。
 時間が来ましたので、答弁は結構です。
 ありがとうございました。
    ─────────────

#136
○委員長(野村哲郎君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、秋野公造君、本田顕子さん及び西田昌司君が委員を辞任され、その補欠として平木大作君、徳茂雅之君及び山田修路君が選任されました。
    ─────────────

#137
○清水貴之君 日本維新の会の清水貴之です。よろしくお願いいたします。
 今日のこの決算委員会は、法務省、厚労省の部ということで、両省にまたがる課題としまして新型コロナウイルスの水際対策について伺っていきたいと思います。
 私、法務委員会所属ですので、上川大臣には何度かこの件についてもお尋ねをさせていただいているんですが、今、国内ではワクチン接種も各自治体もう精いっぱいこれ取り組んでいます。病床の確保にも、その患者が増えている地域では努めているところです。
 ただ、やはり、幾らこの国内で対策頑張っても、その入口の部分ですよね、水際対策、これしっかりしていかないともう、まあ中を頑張ったところで入るところを止められていなければもうある意味切りがないといいますか、終わりが見えてこないわけですから、この水際対策というのが非常に重要なことだと思っているんですが。
 ただ、今は、今度はイギリス型からインド型の変異株というのが非常に脅威となっている中で、例えば大阪で五月十四日にインド型の変異株陽性者、初めて見付かっていますが、この四十代の男性はやはりインドへの渡航歴がある方なんですね。愛知県で見付かった方、五月十八日に発表されていますが、この方はインドではないですが海外からの帰国者でありました。
 今は、台湾、コロナ対策の優等生と言われていましたが、台湾でも感染者がもう今急増している状況で、原因は国際線の飛行機のパイロットの方ではないかというふうに言われています。
 ということは、やはり水際対策がどれだけ重要かというところだと思うんですが、なかなかやっぱりこれ一〇〇%完全にストップするとなったら、もう誰も入れないということになると思いますのでこれは難しいとは思うんですが、とはいえ、やはりこの国内で今インド株というのも徐々に増えてきている中で、水際対策というのがまだまだ不十分、もっとできることがあるのではないかというふうに考えているんですが、まずは上川大臣、お願いいたします。

#138
○国務大臣(上川陽子君) インド及びその周辺国におきましては感染者が急速に拡大をしておりまして、また、委員御指摘のように新たな変異株も確認されるという状況でございます。
 なかなかこの変異株につきましては、感染症、感染性とか重症度等に未知の部分が大変多く見られるということでありますし、また、WHOにおかれましても、当該変異株につきましては懸念される変異株という形での分類を加えておりまして、我が国におきましても国立感染症研究所におきまして懸念される変異株と、このように位置付けているところでございます。
 水際対策ということで、大変重要であるというふうに認識しておるところでございますが、現在、検疫所におきましては、インド、ネパール、パキスタン、モルディブ、バングラデシュ及びスリランカからの全ての入国者に対しまして、出国前と入国時の二回の検査に加えまして、入国後六日間は検疫所長が指定する施設での待機を求めているところでございます。その間にも、三日目そして六日目に更に検査を行っているものと承知をしております。
 また、出入国管理といたしましては、現在、再入国者につきましても、本邦への上陸申請日前十四日以内に、インド、ネパール、パキスタン、モルディブ、バングラデシュ及びスリランカの六か国に滞在歴のある者につきましては、公益性、人道上の配慮の必要性等、特段の事情がない限り上陸を拒否することとしたところでございます。
 今後の水際対策の在り方につきましては、この変異株を含めました国内外の感染状況、これをしっかりと見極めつつ、政府全体で必要な水際対策について不断の検討を進め、適切な措置をとっていくということが求められていると心得ています。

#139
○清水貴之君 今御説明いただきましたとおり、政府としても今その感染が広がっている地域からの入国に関してはいろいろ対策を取っている一方、やはり大臣もおっしゃった特段の事情というのがあって、これによって入国できる方というのもいっぱいいらっしゃるわけですね。日本人の配偶者の方であるとか、今でしたらオリンピック関係の方などもこの特段の事情に当たって、入国が可能と現実的にはなっているわけです。
 となりますと、ここから先、今度は厚労省だと思うんですが、入国した後、じゃ、どうしっかり見ていくかという話でして、私はやはりもっと入国後の行動管理とか行動制限、これもっと強くしていくべきではないかと思っています。
 ただ、これまでのお話をやはりいろいろ聞かせていただいたり見ていたりしますと、私権の制限の部分ですね、これはもうやっぱり憲法の移動の自由とか、こういったのもあって難しいというお考えだというのは理解をしているんですが、ただ一方で、憲法には公共の福祉というのもあります。こういった考え方を持って、もっと制限していくことができないかなというふうにも考えるんですが、大臣、この辺りはいかがでしょう。

#140
○国務大臣(田村憲久君) 行動というものを制約するのは非常に難しいんですが、例えばその渡航の自由なるものを制約するのは難しいんですが、しかし、インド方面等々に関しては今それはしないようにお願いをまあ強力にさせていただいております。それは法務省のお役割なんですけれども。
 我が方としては、入ってこられた方、六日間まず滞在をホテル等々にいただくと、決められたところです。これも結構厳しい制約だというふうに思うんですが、これを更にどう強化していくか。いろんなお声があるのはよく我々も存じておりますけれども、一つはやはりホテル等々の制約がどうしてもあります。今も順次増やしてきておりまして、もう六千数百室以上にはなってきておりますが、なかなか難しいのは、ホテル確保しようと思うと、住んでおられる住民の方々がおられて、その方々の御理解もいただかないとなかなかこれ進んでいかない。これからもホテル等々は確保でき得る限りはしていきたいというふうに思っております。
 あわせて、残り十四日間、入国から、これ今、御自宅等々、もちろん公共交通機関を使わずにということで、誓約書まで書いていただいて、誓約書等々を破った場合には名前の公表等々も含めてやるということで対応いたしております。これ、いろいろとGPS使って対応したりですとかしているんですが、中にはログインしていただけない方々がおられて、こういう方々に対しては再度御連絡をさせていただいて居場所を確認し、どうしても対応できない場合には、今、民間の警備会社、全国展開されておられる警備会社にもお願いをして、そういう方々はこれはもう捜しに行って対応していただくというようなことをさせていただいております。
 なかなか、もちろん本人、いろんなところに動きますので、見付けるということ難しい部分もあろうと思いますが、できる限りの対応をしておりますが、さらに、このインドの場合はどのような対応ができるのか、今やっていることも含めて更なる強化ということも検疫ではいろんな対応を考えていかなきゃならないなというふうに思っておりまして、これはもう随時、いろんな更なる強化策というものを我々としては検討し、そして実施してまいりたいというふうに思っております。

#141
○清水貴之君 今のお話で、先週海外から、アメリカから戻ってきた方に話を聞いたんですけれども、その方は仕事で時々行き来をしていまして、話を聞くと、半年ぐらい前に帰ってきたときより格段に今の方が厳しくなっているということは言われていたんですね。空港で携帯電話を全部チェックをされて、どういうアプリが入っているかとか、GPS機能が使えるようになっているかとか、こういうのを全部確認されて、自宅で待機しているその間もチェックのメールが来るとか、そういったのも以前に比べれば大分厳しくなっていると言っている一方、やっぱり大臣、ここが限界なのかもしれませんけれども、少し前の報道では、待機の違反者、多数の、一日大体二、三百人の方が、もうその位置情報が報告なかったりとか、待機場所から三百メートル以上離れている方がこれぐらい出ているという話もあります。
 実際に厳しくなったとはいえ、抜けようと、擦り抜けようと思えば、これはもう幾らでもできる状況ではあるわけですね、携帯電話だけ置いておいて、どこかに体は行ったところで、ここはまあまあはっきり把握はできないわけですから。
 警備会社の見回りも、これも三月の予算委員会のときにも大臣にこれ聞かせていただいて、ちょっと僕はやっぱりスタートが遅いかなというふうには思いました。今はやっていらっしゃるところなんですが、ただ、それだけの方を警備会社の方が一軒一軒見て回るというのは、これはやっぱりマンパワーとして無理があるんじゃないか、費用対効果も相当悪いんじゃないかというふうに思いますので、この辺り、じゃ、厳しくといってももう限界がある中で、ちょっと繰り返しの質問になるんですけれども、厳しくされているのはこれは理解をしているんですけど、というと、やっぱりもっと私権制限とかの方に行かないことには、今のやり方はやっぱりどこか無理がある、限界があるんじゃないかというふうに思っているんですけれども、いかがですか。

#142
○国務大臣(田村憲久君) 自宅で待機いただくのも法的根拠今までなかったんですが、これ、先般、特措法改正のときに検疫法等々の見直しで努力義務というような形で根拠、法的根拠を持っていただきました。その上でですけれども、今はその罰則等々を掛けられないので、あくまでも誓約書にのっとって対応という形になります。
 多分、委員おっしゃられたのは、以前、四日間連絡が取れない、つまり、これ基本的にGPS等々ログインをいただかないと対応できないんですね。これ、番号の発達がありますので、空港でなかなか今までログインできないということがございまして、これはもう空港でなるべくログインできるようなことにできないかということで今検討いたしておりますが、本人には悪意はなくてもログインしていない、気付いていないという場合もございまして、そういう方々が二百名ぐらいおられるということでありましたが、今、大体一日そういう方が百名。ただ、四日間でありますから、その後、例えば今、そういう方々には、電話番号は分かっておったりしますので、連絡を掛けて、あとはビデオ通話みたいな形で、見付ければログインしてくださいということをお願いしておりますので、悪意のない方々は、あっ、そういうことなのですかということでログインしていただいたりしておりますから、全員がこのままずっと何か外を出歩いているというわけじゃなくて、中にはちゃんと家におられるんですけれどもログインしていないので把握できないという方々もおられるということでもあります。
 先ほど言った、全国展開されている警備会社等々にお願いして、全国に散らばっていただきますので、対応しなきゃならないということでありますが、更に強化という話になると、これは多分六日間というのをもっと更に延ばすという話になると思います。ここもある意味停留というものを掛ければ、これは検疫法にのっとった法的措置で罰則もあります。ただ、これはよほどやはり厳しい措置でありますので、今、停留ではなくてお願いという形でやっております。
 もちろん、余りひどい場合には停留ということも法的にはあり得ますので、そこはひとつ我々としても対応するためには、何といいますか、法的根拠として持っておるわけでありますが、いずれにいたしましても、この六日間を更に延ばすということは、まずホテルをどう確保するのかということと、六日間でもよほど皆さん制約されて、精神的にはかなりいろんな意味でストレスを感じていただいておりますので、そこをどうストレスを和らげながら、場所ができればそこで滞在をいただくかということも含めて、我々考えていないわけではございませんので、これは早急にやっていかなきゃならぬ問題だというふうに思いますが、帰ってこられる方々がおられるということですから、ここをどうするのか、つまり入国してくる数をどうするのかということと併せながら、不断に我々としては検討していかなきゃならないというふうに思っております。

#143
○清水貴之君 移動を制限するんですから、個人の権利の制限だから、これはもう大変大きなことだと思うんですが、その一方で、じゃ、そこをやらないがために広がってしまう、このウイルスがですね、そのリスクと考えた場合のこれはもう比較考量だとは思うんですけれども、強化の方は是非進めていただけたらと思います。
 続いて、インドでその変異株がもう大きく広がっているわけなんですが、インドに住んでいる日本人、邦人の帰国について、これ外務省と厚労省さんですかね、お伺いをします。
 当初は、やっぱり陰性証明書が戻ってくるときに必要だけれども、インド国内でそのPCRセンターがもう大混雑をしているから証明が取れなくて帰ってこれないという話でした。ただ、これは一歩話が進んで、日本人専用の受付窓口をつくるということなんですが、これは非常にいい話だと思うんですけれども、ただ一方で、これはもう一か所のみなので、インドすごく広いですから、様々な土地で事業している方ってたくさんいらっしゃいますので、これで十分対応できるのかというのと、続いて、時間もあれですので一緒にお聞きをいたしますが、こういった緊急事態に当たって、日本人の今回はPCRセンターつくられたからよかったですけれども、そうじゃなくて、まずはもう日本人の帰国を優先すると、体の安全、身の安全を最大限に確保するというそのために、まずは、特例だとは思うんですが、帰国を優先すると。その上で、日本で検査をするとか隔離をするとか、こういったことをするということも一つの選択肢として考えておくべきではないかというふうな、こういった議論もありましたが、これについての回答をいただけますでしょうか。

#144
○政府参考人(安東義雄君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のインドについては、現在、政府として、在留邦人の方々に対し、新型コロナによる外出規制、またPCR検査などに関する情報提供などの支援を行っているところです。
 また、インドにおけるPCR検査の受検については、現在のところ、十分な計画性を持って準備している限りにおいては、受検及び出国前七十二時間以内の陰性証明書の入手は可能な状況にあるという状況にございます。
 なお、居住地において検査証明の取得が難しく、出国に支障を来すおそれがあるような場合については、現地の大使館、総領事館に御相談いただきたい旨、周知しております。
 これに加えて、委員からお話がありましたように、今の現地の状況を踏まえて、五月十三日から一か月程度の間、海外在留邦人、日系人への支援事業スキームを活用し、インド日本商工会の主催で在留邦人向けのPCR検査事業を実施しているところでございます。本事業は、全インドの在留邦人を対象としており、日本帰国のフライトの予約を行っているインド国内の在留邦人の方であれば、居住地や出発地を問わず、どなたでも受検可能となっております。

#145
○政府参考人(浅沼一成君) お答えいたします。
 現在、検疫におきましては、インドを含め全ての国・地域からの入国者の方に対しまして、出国前七十二時間以内の陰性の検査証明の提出を求めるとともに、空港等において入国時の検査を実施するなどの対応を講じているところでございます。
 外務省を通じて私どもが把握している限りでは、インドにおきましては、邦人の方は、出国前七十二時間以内のPCR検査を受け、検査証明が入手できる状況と聞いているところでございます。引き続き、インドから帰国される邦人の方におかれましては、検査証明の提出をいただくことに御理解と御協力をお願いしたいと考えています。
 また、先ほど御質問ございましたとおり、検査証明の取得が難しく、出国に支障が来す場合ということも当然想定としては考えられます。例えば、今ミャンマー、大変厳しい状態でございまして、出国時に邦人の方が検査ができないような状態になっています。そういった御事情などにつきましては、関係省庁と連携の上、例えば領事レターを検査証明の代わりに受け取り、それによって入国後にいわゆる施設等待機の日数を確保することで対応するなど、個々の事例に応じまして対応の検討というのを進めさせていただきたいと考えておるところでございます。

#146
○清水貴之君 今お答えいただいたとおり、やっぱり原則は原則であると思うんですけど、やっぱりいろいろ、非常事態ですから、様々な柔軟な対応も必要ではないかというふうに思っています。
 あとは、COCOAについてもお伺いします。
 決算委員会ですし、そのお金関係の話でさせていただきますと、COCOA、接触確認アプリですけれども、開発、運用費、大体七億円と言われていますが、なかなかこれ使われていませんね。アプリのダウンロード数が大体今二千七百七十万件ですから、国民の大体二割ほどです。当初、六割ぐらいを目標にという話でしたが、届いていません。陽性登録件数、やっぱりここがされないことにはこのアプリの意味がないと思うんですが、この陽性登録をしている方が大体今一万六千人ぐらいです。累計の国内の感染者数というのは六十八万人いますから、割合にすると〇・二%、〇・二、三%ぐらいなんですね。
 こうなると、このCOCOA、もう本当にやっている意味あるんですかという、申し訳ないですけど、そんな状況かと思いますけれども、大臣、ここ、もう一年前ぐらいでしたら、これをやっぱり最大限活用したら大分強い武器になるというふうな、そんな見解だったと思うんですが、改めて今の状況、いかがでしょう。

#147
○国務大臣(田村憲久君) まずもって、数か月にわたって機能していない機種があったということでありまして、本当に深くおわびを申し上げます。そういうことも影響があったのかも分かりません。
 その上で、二千二百万人を超える方々にこれ一応COCOAダウンロードしていただきました。問題は、もっと多くの方々にこれを使っていただくということと同時に、これを使っていただいている方でも、感染された後、要は、自分がそれを単にお伝えをいただくために登録いただかなきゃならないわけで、これもなかなか難しいというようなお話もいろんなところで聞きます。
 今、保健所の方で確認された後に是非とも入力いただくようにということでお願いをさせていただき、そのときには番号が必要でございまして、番号を発出するんですが、データといたしまして、それも一時間で消えるので、またすぐその後連絡して、何度か注意喚起をしながら是非とも登録をいただくというようなこともいたしております。
 結果的に、それでもし濃厚接触されておられる方がおられれば、その方はこれは行政検査という形になりますので、そういう意味では、検査料等々は当然無料になるわけでありますし、疫学調査というものもある程度これを使うことによって更に広がりが見えるわけなので、その補完をしていただけるという意味では意味があると思いますが、何分言われるとおり、更なるこのダウンロード、利用ということでございますので、これ今、中に関しましては、いろんな意味で内閣官房のIT総合戦略室とともに我々連携してやっておりますので、更なる御登録のために努力してまいりたいというふうに思っております。

#148
○清水貴之君 ありがとうございました。時間なので、質問ここまでにさせていただきます。
 ちょっと残った部分で、あとはオリパラアプリ、これも大分、これ予算が七十三億円なんですけれども、オリンピックが海外からのお客さん来ないという状況なので、これは費用を圧縮していく方向で考えていただくこと、ここはしっかりやっていただきたいというのと、済みません、会計検査院来ていただいたんですが、ちょっと時間がないもので質問は省略させていただきますが、こういったオリパラアプリの入札の方法であるとか、COCOAとか、いわゆるアベノマスクと言われているもののその費用対効果など、今これ執行中の予算なので、すぐにじゃないと思いますが、こういったことも会計検査院としては見ていっていただきたいなということをお伝えして、質問を終わらせていただきます。
 どうもありがとうございました。

#149
○梅村聡君 日本維新の会の梅村聡です。
 冒頭に、新型コロナウイルスの治療についてなんですけれども、これ全額公費負担に今なっていると思います。ですから、患者さんから見れば自己負担ゼロなんですけれども、これ去年の最初の頃から公費負担になっているんですけれども、多くの医療機関が訪問診療したり、あるいは発熱外来したりするときに、自己負担間違って取ってしまっている医療機関というのはこれ結構あるんですよ。
 患者さんから言われて、それをお返ししたりとか、そういう形は取るんですけれども、去年から一年間の話ですので、これ遡ってこの自己負担分請求をして、この自己負担分は多分交付金できちっと処理されていると思うんですけれども、それを改めて請求することができるのかどうか、ちょっとこの確認をさせていただきたいと思います。

#150
○政府参考人(正林督章君) お答えします。
 新型コロナ患者が治療に専念できるよう、その入院や宿泊療養、自宅療養の際に必要な治療費については全額公費により負担しており、基本的に患者の自己負担は生じないというふうにしています。
 新型コロナ患者が治療を受けた場合においては、患者が医療機関に対して自己負担額を支払わないとした上で、医療機関は社会保険診療報酬支払基金等の審査支払機関に対して保険診療分と公費負担医療分の額をレセプトとして請求し、審査支払機関は保険者が負担する保険診療分と都道府県が負担する公費負担医療分を合算して医療機関へ支払うという取扱いが可能です。
 その際、新型コロナウイルス感染症のレセプトを保険診療分単独のレセプトとして請求した場合、審査支払機関にレセプトの取下げを行い、その後、正しいレセプト、つまり公費負担分とそれから保険診療分のレセプトを請求いただければ、修正した金額で支払われ、既に患者から徴収していた一部負担金については医療機関から患者に返還することが可能であります。

#151
○梅村聡君 出し直したらもう一度もらえるということになるかと思いますので、またそのことも確認を是非お願いをしたいと思っております。
 それでは、次に大臣にお伺いをしたいと思いますけど、前回もここで、予算委員会でイベルメクチンのことお聞きさせていただいたんですが、これ今非常に中途半端な状態なんですよね。恐らく大臣が、在宅とかそういうところでイベルメクチンが使えるとお答えになった理由は、一つは内服薬だということはあったと思います。内服薬じゃないと、やっぱり点滴とか注射ではなかなか使いにくいというのがあるかと思いますが。
 今何が中途半端かというと、この間テレビに出演されたドクターの方がいまして、これ治療の現場を撮影して全国に放送されたんですけれども、イベルメクチンを処方していたと、そうしたら非難ごうごう来たと、何でそういうものを使っているんだと、いや、診療の手引きにあるからですと言っても、これほとんど理解をされないと。そうしたら、今度患者さんから電話が殺到しまして、あのイベルメクチンを出してほしいと、今度は知名度がやたら上がってくるわけですね。
 今一番困っていることは何かというと、これ海外から個人輸入されまして、その患者さんが、本当は一日一回飲んだら何日か様子見るんですけど、毎日飲んでいるようなことが起こっているというようなことで、適応外使用で医師の判断で使えて、でも薬事承認はされていなくてという、医師主導治験でと、この物すごく中途半端な状態をこれいつまで続けるのかという、この問題意識が今日はあります。
 改めて、前回、大臣はなぜイベルメクチンを答えられたかという質問に対しては、診療の手引きに書いてあるからというお話がありましたけど、これ診療の手引きというのは、箸にも棒にも掛からないものは当然載らないわけですよね。だから、これどういう基準で診療の手引きにこの治療薬というものが掲載されるのかどうか、この基準をちょっと教えていただきたいと思います。

#152
○国務大臣(田村憲久君) 今般、学界の専門家の方々等々にいろいろと御議論いただく中において、診療、治療という中において、これ診療の手引きの中に入れさせていただくということになったわけであります。治験、収集、いろいろさせていただきまして、そういう中においてでありますが。
 言うなれば、安全性、有効性がしっかり確認できている薬がほとんどない、この新型コロナウイルスには、という中において、治験等々で一定の報告があるものですね。で、いつも私申し上げておりますけれども、とはいいながら、有効性に関して確実というか、かなり高いこれは信頼度のデータ、評価があるわけではないわけです。
 しかし一方で、それぞれの研究においては有効ではないかというような研究をされているものもあるという中で、治療薬がない中において診療の手引きに、そういう意味ではいろんな専門家の方々の御意見もいただきながら載せさせていただいておると。これ、イベルメクチンだけではございません、他の薬もそういう形で載せさせていただいておるということでございます。
 でありますから、あくまでも、それこそこれ医師主導治験等々でやっていただいておるわけでございますので、今その研究の成果を待っておりますけれども、治験ということでございますから、その部分は十分留意をするということも含めて情報を発達をさせていただきながら御使用いただいておると、あくまでも医師の皆様方の御判断という形になっているわけであります。

#153
○梅村聡君 今、医師主導治験という言葉がありましたけど、これに似た言葉としては企業が主導する治験というのも当然あるわけですね。
 御存じのように、アビガンは、これは企業が申請したわけですよね、いろんなデータ、大学等で観察研究とかありましたけど、これ企業が申請をしたと。恐らく、何で企業が申請するかといえば、やっぱり企業としてはうれしいと思うんですね、普通は。自分たちが出している薬が違う疾患、適応外でも使えるとなったら、普通は、喜んでと言ったら変ですけれども、そういう可能性があるのかということで、積極的に治験を申請するはずなんですけれども。
 これ、大臣のこの間の答弁では、販売元のメルク自体は余り推奨されていないというふうな答弁もあったんですけれども、これ推奨しない理由というのは一体何なのかなと。企業としたら、適応外使用ができるんだったら、それは何とか調べたいと思って治験をして出すのは当然だと思うんですけれども、その点、何でなんでしょうか。
 そしてまた、これ診療の手引きに書き込むに当たって、やっぱりその当該販売元とはある程度話合いをしてから書くと思うんですね。そういうことも全くなしでこれ掲載されているのかどうか。ちょっとこの二点について、分かる範囲でお答えいただきたいと思います。

#154
○国務大臣(田村憲久君) 申し上げましたとおり、その販売元は、販売企業は、前臨床試験では新型コロナウイルス感染症に対する治療効果を示す科学的な根拠は示されていない、新型コロナウイルス感染症患者さんに対する臨床上の活性又は臨床上の有効性について意義のあるエビデンスは存在しない、大半の臨床試験において安全性に関するデータが不足しているとし、添付文書に記載されている用法、用量や適応症以外におけるイベルメクチンの安全性と有効性を支持するデータは、現時点では存在しないと当社は考えていますと発表、こういう発表をされておられるということです。まあ理由はこういうことなんだろうなというふうに思うわけでありますが、それ以上私は分かりませんけれども。
 今回、診療の手引きに載せるときには、これはいろんな、まあ治験で今使われているということも含めて対応いただいていますので、販売元、販売業者と相談してということではございませんので、そのようなことをしない中において、診療の手引きには専門家の方々の御意見も踏まえながら載せさせていただいておるということであります。

#155
○梅村聡君 ただ、普通に考えたら、企業側というのは新しい知見があったら知りたいと、あるいは売りたいと思うのが普通なはずなんですよ。それを、普通どっちかというと、企業が何で認めてくれないんかと、もう必死のパッチになるのが普通の企業なのに、なぜか知らないけど、いや、そういう科学的知見がないと自分たちでわざわざ言うということは、僕はそれどういうことなのかなと純粋に思いますよね。そんな企業余りないですよね。これ、いける、いけるかもしれないというのを、いや、いけないんですって自分たちで言うっていうのは、やはりこれ普通じゃないなというふうに私は思います。
 そのことが結局何を次生んでいるかというと、出荷制限が掛かっています。出荷制限というのは、これ恐らく既存の例えば寄生虫であるとか疥癬とか、そういうものの治療に影響が及ばないようにこの出荷制限が掛かっているかと思うんですけど、これ国としては別に出荷制限されていないですよね。
 それから、事前にこの流通量をきちっと確保するという、そういう取組を国としてされたのかどうか、ちょっとこの辺についてもお伺いしたいと思います。

#156
○政府参考人(正林督章君) お答えします。
 イベルメクチンについては、国において出荷調整を行っているものではございません。
 一方、通常を上回る注文があり、イベルメクチンの有効性、安全性の確認された適応症である疥癬、それから腸管糞線虫症への供給に影響を及ぼす可能性があるため、令和二年四月より販売業者において出荷調整が行われているものと認識しております。
 国としての供給の調整については、現在、るる申し上げている手引きには確かに掲載されていますが、まだ同薬剤については評価が定まっているものではなく、また、今、北里大学で治験を行っていますので、まだ国として供給の調整というのは行っておりません。

#157
○梅村聡君 評価が定まっていないという話は、これはもう二か月前もそうだったと思うんですけれども、考えていただきたいのは、この医師主導治験を続けていけば評価が定まって薬事承認までたどり着けるのかという問題意識持っているんですよ。
 つまり、さっきも申し上げましたように、普通は企業が出してくるわけですよね。企業はどういう目的かといえば、それは当然、その製品を世の中に出したいと、それは株主からいえば当然利益につながることだからというモチベーションがあるんですけれども、医師主導治験というのは、そのいわゆる医師が、まあこれはっきり言えば義侠心ですよ。科学的な興味と義侠心、責任感で、こういう緊急事態なので倫理的にやっぱりこれを使えるようにしたいという治験ではあるんだけれども、これずっと続けていっても、私、薬事承認まで届かないんじゃないかと。つまり、最終的には製薬会社がそのデータを見て承認をしようという気にまでならなかったら、これ永久に薬事承認までは今までのあれだったらつながっていかないわけですよ。
 それから、現時点、この医師主導試験が順調に進んでいるかというと、これ非常に厳しいです。何でかというと、軽症、中等症の方が重症化しないための治験を今やろうとされているんですね。ところが、今、都市部なんか見たら、重症の人しか入院ができません。軽症、中等症の方で入院をしてゆっくり治験をできるかといったら、そういう方はもうほとんどいないと。
 それからもう一つは、医師主導治験というのがこれ適応外ですよね。適応を拡大するための治験と、いわゆる企業がやっている新しい化合物に対する治験と、これ基準としてはほとんどやり方変わらないわけですよ。
 だから、そういうことも含めて、この医師主導治験を続けていけば本当に使えるようになるのかと。あるいは、今現実的にそうやって適応外使用をしているわけですから、そういったデータを厚労省も少し集めて今の医師主導治験を手伝うと、そのデータを集めてですね。それぐらいの工夫した対応が要るんじゃないかなと思うんですけれども、この点についてどういう認識でおられるのか、お伺いしたいと思います。

#158
○政府参考人(正林督章君) 確かに、議員御指摘のように、多くの方が自宅とかあるいは宿泊療養施設で療養というか、そこにいらっしゃっていて、そういう方には使っちゃいけないんじゃないかという一部の若干の誤解がありました。それで治験が進まない、進みにくいと、そんな話がありましたので、先般、事務連絡で、そういう自宅療養中のイベルメクチンについて、その留意事項などについてお知らせをしたところです。
 それから、国としてという点では、国立国際医療センターでレジストリーをやっています。これは確かに入院に限定されていますが、そうはいっても、中にはイベルメクチンの使用の状況も少し登録されているようです。そういった形で少しだけお手伝いすることは可能かとは思います。
 ただ、こうしたいわゆる過去に遡っての観察研究的なものというのは、一般的にはその薬の有効性とか安全性を判断するのは難しいかなと。やはりきちんとした治験、それは従来でも医師主導治験でもしっかりとしたデータが集まることはありましたので、今の段階では、今行われている北里大学の治験を、AMEDを通じた支援とか、あるいは先ほどの事務連絡とか、そういった形で支援していきたいと考えております。

#159
○梅村聡君 平時はその答弁でいいと思うんですけれども、やっぱり今緊急時ですよね。
 ワクチンが一つの柱、もう一つが治療薬の柱と。で、この平時のときの答えじゃなくて、やっぱり緊急性があると、それから倫理としてどうなんだと。これだけ何十億回分も服用して、現実的にそんな重い副反応が、副作用があるものじゃない薬ですよね。もちろん、コロナの方が飲んだらどうなるかという問題はあるかもしれないけれども、緊急的に倫理的に課題があるときに、ここまで平時の対応で、ちょっとはお手伝いではなくて、これやっぱり大いにお手伝いすべきじゃないですか。私はそう思いますよ。
 予算委員会でも菅総理が、やはり国民の皆さんに対して、海外を見てその選択肢を与えるということも大事だと思っていますと、これ内部でしっかり検討しますという答弁、これ総理がされているんですが、これ厚労省としてここまでどういう検討をされたのか。ちょっと検討状況を本当に教えていただきたいと思います。

#160
○政府参考人(正林督章君) 三月八日の参議院予算委員会における菅総理の答弁は、国内外を問わず、必要な治療薬が国民の皆様に届けられるよう政府としてしっかりと取り組んでいく、そういった旨を述べられたものと承知しております。
 厚生労働省としても、総理の発言の趣旨に基づいて、一日でも早く国民の皆様の不安を解消できるよう、引き続き有効性、安全性が確認された治療薬をできるだけ早期に実用化し、国民に供給されることを目指して取り組んでまいりたいと考えており、先ほど申し上げたような様々な応援を行っているところでございます。

#161
○梅村聡君 最後、大臣どうですか、ちょっとこの今のやり取り聞いていただきましてね。
 緊急性、倫理的な問題があるときに、この今の、はっきり言えば、医師主導治験を何ぼ続けていっても、これ薬事承認までたどり着くことって物すごい難しい道なんですよ。だから、そこは何らかの政治的な判断も含めてこれやらないと、いつまでたっても、これ何年たっても同じような状態で続くということになると思いますが、大臣の最後、御所見をお伺いしたいと思います。

#162
○国務大臣(田村憲久君) まず、その有効性、安全性というものは、やはり研究者の方々がデザインしていただいてこれは研究していただいているわけで、そこにおいて何か協力できるものがあるとすれば、それは支援していくということはあると思いますが、そこに入っていくということはなかなかできないんだろうと思います、その研究自体ですね。
 一方で、ある程度有効性が認められても、言われるとおり、製薬メーカーがこれ申請出してこないとなかなか難しいところもあるわけでありまして、どういう理由なのかちょっとよく分かりませんけれども、販売元、販売業者は余り積極的じゃないという状況の中で、それでも有効性が認められた場合にどういうふうな扱いをしていくかということは、これは今時点もこれは利用はできていますから、供給量の確保という意味では、確かに言われるとおり一定の制約掛かっているという中でございますので、まずは有効性というものが本当にあるのかどうかということをしっかりと、今、北里大学でやっていただいておりますので、そこでの対応というものを我々としては注視させていただきながら、また支援をしてまいりたいというふうに思っております。

#163
○梅村聡君 危機感を持って、是非これ重要な問題だということだけ御理解をいただいて進めていっていただきたいと、そのことを申し上げまして、終わらせていただきます。
 ありがとうございました。

#164
○上田清司君 国民民主党・新緑風会、新緑風会の上田清司です。
 今日は、田村大臣、御苦労さまでございます。よろしくお願いいたします。
 早速です。二〇一八年当時問題になりました、年金申告書の個人情報が中国に流出したのではないかと国会でも大きな問題になりました。当時、日本年金機構から委託業務を受けたSAY企画株式会社が契約違反の再委託を中国の関連事業者にさせたところです。再委託されたものは全ての業務でなく、氏名、振り仮名のみということで厚生労働省は収めたところです。
 この履行能力のないSAY企画の業務によって入力ミス、入力放置も多数発生したりすることにより、年金受給者が約十万人分、総額で二十億円の減額支給という事態を起こしました。過払いではなくて、ここでは減額であったわけです。結果として、六百八十六万人分の申告書全体をチェックしたと聞いております。
 この事実について、事実か事実でなかったかだけを政府参考人に聞きたいと思います。

#165
○政府参考人(日原知己君) 御指摘のございました日本年金機構の事務処理に基づく扶養親族等申告書に基づく案件でございますけれども、これは履行能力のない委託事業者に委託が行われたために御迷惑をお掛けしたものでございまして、この後、厚生労働大臣から事業改善命令等を発出されまして、必要な改善措置が行われているところでございます。

#166
○上田清司君 事実ですね。はい。
 このような事態を受けて、平成三十年の三月二十日、加藤厚生労働大臣から、当時のですね、水島日本年金機構理事長に業務委託の見直しの口頭指示があり、三月二十六日の参議院予算委員会、同じく加藤大臣から、外部の専門家に入っていただいて調査組織をしっかり立ち上げ、徹底的に見直していく必要がある。また、四月六日にはこれを受けて日本年金機構における業務委託のあり方等に関する調査委員会がつくられました。そして、六月四日には社会保障審議会年金事業管理部会に報告書を提出されました。六月二十九日、加藤大臣の業務改善命令が発令され、部会の審議過程において機構の業務改善計画をしっかり見極め検証していく必要があると言及され、これを受けて検証作業班が発足し、平成三十年六月から令和元年十一月、一年五か月にかけて検証がされたところです。
 中間報告の暫定版がそこででき上がったところですが、検証作業班の発足と中間報告の作成に至るまでの過程についてはこのとおりですか。余計なこと言わないで、さっと、じゃなければ、じゃないというようなことを言ってください、政府参考人。

#167
○政府参考人(日原知己君) ただいまお話のございました厚生労働大臣からの業務改善命令、こちらに基づきますその外部委託、調達管理等の見直しについて着実に検討、実施されているか進捗状況等の確認等を行うということで、年金事業管理部会に検証作業班が設けられて、必要な作業が行われていたということでございます。

#168
○上田清司君 私のところには、日本年金機構における業務改善計画の実施状況等の検証作業班中間報告と題する表紙と一部の内容並びに年金機構が検証作業班に提出したと思われる資料が一部届きました。中には良識的な方がいらっしゃると思われます。
 二月十七日の予算委員会で長妻議員が提出した資料の中にその中間報告、何ページか分かりませんが、それなりの厚さがあると思いますが、それを二ページにした要約版、これは田村大臣も御承知だと思いますが、要約版が出てきたところでございます。
 さきに申し上げましたように、加藤大臣が国会で答弁されて業務改善命令を発出され、検証の必要性に言及されたにもかかわらず、また、令和元年の十一月に中間報告作業が終えているにもかかわらず、中間報告の本体が公表されておりません。やっと要約版が偶然長妻議員のところに提出されて出てきたところですが、本体も公表すべきではないかと思いますが、田村大臣、いかがでしょうか。

#169
○国務大臣(田村憲久君) これ、年金事業部会、年金事業管理部会、増田部会長の下で、私もこういうようなことを長妻委員から御質問をいただきましたので、どういうことなんですかという確認もさせていただきました。結果、その作業班という位置付けの部隊といいますか組織ですね、ここでいろんな議論は出たけれども、ここでまとまっていないと。つまり、中間報告なるものが了承されていない、様々な意見があった中で了承されていないと。
 ですから、増田部会長の御判断といいますかお考えは、中間報告というものがまとまっているわけではないので、それはないものは表に出せないというのが増田部会長のお考えでございました。

#170
○上田清司君 大臣、ここに、資料の部分ですが、検証作業班の中間報告の作成過程についてということで、こんなふうにしてでき上がったんだということを図示しました。まあ図示というほどのことはありませんが、流れがこんなことででき上がったんですよと。
 それから、まとまっていないというお話でございます。意見に相違があるということは、長妻議員が見出したこの要約二枚分ですね、この二枚分のところに整理されているわけですが、まさに両論併記というんでしょうか、意見が異なる部分も含めてまとめてあります。だから、まとまっていないんじゃなくて、意見がいろいろありますという形でまとまった形での要約なんです。ちゃんときちっとした整理ができています、それなりに。しかも、SAY企画との、機構との委託契約については全く異論がないわけです。
 要は、中国に渡ったものが、全て渡ったのか、まさに年金記録が全て、それとも氏名と振り仮名だけなのか、いや、どっちかといえば可能性が高いんじゃないかと、いや、可能性が低いんじゃないかという、その分かれ目だけなんです。
 じゃ、この分かれ目だけだったら、本体の作業班の様々な記録を見れば、どちらが正しいかというのは、この六人の方で見てもらうよりも、まさに国民の代表である国会で開示していただくのが一番分かりやすいんではないかと思いますが、いかがでしょうか。

#171
○国務大臣(田村憲久君) 作業班の中で要は意見の一致を見ていない、それは中間報告として出すことの意見の一致を見ていないということでありますから、となれば、その両論併記だからどうだという話ではなくて、中間報告なるものを、その本部会といいますか、年金事業管理部会にこういう報告ですよということ自体をまず出すというところも意見がまとまっていない。
 しかも、それは、増田部会長、その上におられる部会の部会長がそのように、意見を聞き取った上でそういう形で判断されたということですから、私は年金事業管理部会の自主性というものに、やはりしっかりとそこは担保していく必要があろうと思いますから、増田部会長もそういう御判断でございますから、そういう自主性を尊重させていただきたいというふうに思います。

#172
○上田清司君 この辺りだと堂々巡りをするかもしれませんので、少し視点を変えて申し上げたいと思っております。
 資料の中で、まさにこの公表を、何となく嫌々の雰囲気なんですね。いろんな課題があるので、公表すればするほど分かりやすくなると思うんですが、余り分かっちゃ困る部分があるから公表したくないんじゃないかと私は理解しているんです。
 そこで、申し上げます。SAY企画と機構はもうむちゃくちゃ癒着しているなということを、私がデータで申し上げます。
 まず、入札です。これ実は、二十八年の契約、これ二十九年度分のことをやるんですけど、申告書の記載内容、文字で二億一千二百七十五万字、これを入力しなくちゃいけないんです。で、二十九年、問題になった三十年分ですね、中国で一部振り仮名と氏名、これ委託した、この部分は四億二千三百四十三文字。倍になっているんです。二億一千二百七十五万のときに二社でやらせているんです、分割で。ところが、倍になったのに一社でやらせているんです。四倍の量なんです。十三億とか六億とかという見積りを出したところも、とてもやれないということで降りたんです。で、二億弱のSAY企画が受けたんです。こういうところに本当に能力があるのかと、ここがまず不思議です。
 これ、会計検査院に是非調査してもらいたいと思います。
 もう札付きです、この会社は。大臣、御存じですか。実は、本省とSAY企画も癒着しているんですよ。会計検査院が報告しているんですよ。いいですか、平成三十年十二月二十二日公表で、会計検査院の実地検査結果及び改善処置要求ということで。当省と株式会社SAY企画との契約について、要約します、当省の検査職員等が、履行期限までに業務を完了していないのに、完了したとする事実と異なる検査調書を作成して代金を支払っていると。うそをわざわざ本省がやっているんですよ。そして、当省と株式会社SAY企画との間には、当省の承認もなく、データ入力の業務を一部国外でやらせているんです。
 同じことをやっているんですよ、実は、厚生労働省も、二十五年から二十八年ぐらいにかけて。札付きなんですよ、ここは。だから、急にやったわけじゃないんですよ。もう、やるだろうということを予測しなくちゃいけないんですよ。そういうところだというところと入札をして、四倍も量が増えたのに一社にさせた、これが疑義の一点です。
 二つ目。日本年金機構、特にSAY企画との秘密保持及び個人情報保護に関する契約書というのを作らなくちゃいけないんです。八百人体制で仕事をすることになっているんです。八百人の契約書を作らなくちゃいけないんです、秘密を保持しますと。ところが、最終的に出したのは八十七人しかいないんです。八十七人で仕事が本当にできたんですかと。もっと使っていたら、その使った人たちは契約書持っていないわけですから、もう論外の話なんですね。
 これほどいいかげんなことをやっているんですが、理事長はそれを知っているんですか。

#173
○参考人(水島藤一郎君) お答えを申し上げます。
 本事案は、平成三十年扶養親族申告書等の入力等の委託業務について、最低価格落札方式で入札を行ったものでございます。また、受託業者であるSAY企画との間では履行前の打合せ会を実施しておりますが、その時点では仕様書どおりの業務を行うという説明を受けておりました。
 当時の機構の規定におきましては、履行前検査を定めておりませんでした。したがいまして、担当者におきましては、受託業者からの説明を受けたのみで履行開始を認めてしまったということでございました。
 このような事態を受けまして、調査委員会を発足させました。また、大臣から業務改善命令を受けましたので、私どもといたしましては、これを踏まえまして、履行前検査の実施、あるいは総合評価落札方式の実施、あるいは作業員名簿の必要書類の提出を行わなければ履行を認めないという対策を取っているところでございます。(発言する者あり)

#174
○委員長(野村哲郎君) 答弁は簡潔にお願いいたします。

#175
○上田清司君 理事長は不誠実です。質問にお答えしていません。
 要するに、八百人体制でないと駄目だという契約を作っているんです。ちゃんと履行契約の手続をしているんです。にもかかわらず、その契約をする人たちの守秘義務の契約を取らなくちゃいけない、それを最終的には八十七人しか取っていないんです。百二十八の契約書を出したけど、無効がそのうち四十六、おまけに九年前の契約書まで出した人がいると。何だと、そういう内容だったわけですよ。いいですか。
 大臣、こういうところなんですよ。よく、そういうのが中間報告の一部に出ているんですよ。だから、発表すればすぐ分かっちゃうんですよ、そういうのが。
 それで、もう一つの資料も見ていただきたいんです。業務契約の部分をずっと、まあ表でもないですが、年度年度で書いております。
 八百人体制で、やっぱり部屋を確保して、そしてちゃんと作業をしなくちゃいけないですから、運用仕様書というのを提出しているんです、二十九年の七月二十八日に。百二十平方メートルの現場を見に行っているんですよ。ところが、この八百人体制の場所というのは一人の場所が座布団程度しかないから、デスクも置けなければパソコンも置けないし、保管庫も置けないし、休息の場所もないですよ。そういうスペースなんかできっこないです。こういうでたらめなものを認めているんです。現地目視を確認した上で、虚偽を承知で適正としているんですよ、機構は。
 で、SAY企画が業務委託を開始した後も、今申し上げたように、守秘義務契約書は四十八通しか出していないと。しかも、目視に行ったときに、わざわざ理事長は、作業員は百名強だったと、行った者から話を聞いたと国会で言っていらっしゃるじゃないですか。百名いたんだったら百名と書かなくちゃいけないじゃないですか。四十八名しか書類が出ていないじゃないですか。
 この矛盾はどうするんですか。理事長、お伺いします。国会でうそをつくんですか。

#176
○委員長(野村哲郎君) この際、申し上げます。
 答弁は、質疑者の趣旨を体し、簡潔に、明瞭に行うようにお願いいたします。

#177
○参考人(水島藤一郎君) 十一月六日に守秘義務契約書は出てきておりますが、そこで出てきておりましたのは百三十名でございました。最終的に百三十名で履行が行われたということでございます。

#178
○上田清司君 正確に言うと百二十八名だと思いますが、そのうちの四十名ぐらいが偽物ですよ。よく見てください。おまけに九年前の契約書もありますよ、年月日が。仮に百三十名だったっておかしいじゃないですか、八百人体制ですから。話にならないじゃないですか。できっこない話ができようとしているんですよ。
 だから、どだい氏名と振り仮名だけが中国に行ったわけじゃないということぐらい、すぐ分かっちゃうじゃないですか。あくまで推論ですよ。でも、合理性的にはそうなんじゃないですか。まずこういうことであります。
 さらに、この支払です。SAY企画の納品件数と機構の支払日、これは、二十九年十月分は三十日間で検査調書を作成するんですよ、本当にやったかどうか。それで、一か月掛かって十一月三十日に支払をするんです。十一月分は二十九日間で十二月二十九日に支払するんです。十二月分は十八日間、年末年始を除けば十一日しかないです。ところが、一月十五日に払っているんですよ。たった十一日でやっているんですよ。本当に検査調書を作ったのか。
 しかも、一月六日には、十二月三十一日にメールが入ったわけですよ、例の、中国で今出回っていますよと、全ての情報が入ったメールがと、それが通報窓口に入ったわけですよ、日本年金機構の、十二月三十一日に。一月四日に理事長に報告があって、六日に特別検査をやっていらっしゃる。六日に特別検査をやっていらっしゃって、僅か十一日間で十二月分のものを検査調書を作ってオーケーで、何か逃走資金渡しているんじゃないかと、七千万円。普通は検査、特別検査やったら、慌てて十五日に出すことないじゃん、当たり前に三十日に出せばいいじゃないですか。なぜ十五日に出したんですか。

#179
○参考人(水島藤一郎君) まず、当機構の支払サイクルは十五日締めの末日払い、末日締めの十五日払いの支払サイクルでございます。したがいまして、一月十五日に支払をいたしました七千百万円は、十一月二十七日から十二月二十二日までに納品された五百五十八万件、これに対する対価として支払ったものでございます。
 一方、法令違反通報窓口に契約違反の行為をうかがわせる内容の匿名の通報が確かにございました。特別監査を行いました。その後、中国の現地調査を踏まえまして最終的に決定をすると、方針を決定するということにいたしました。
 直ちに停止することにつきましては、扶養親族申告書の入力処理が必要であったと、それから新規業者に直ちにシフトすることが困難であったということからこの支払を行ったものでございます。

#180
○上田清司君 十五日と三十日に払うものがあると言っただけであって、ここに関しては検査調書が必要だから、一か月掛けて検査調書を出して、ちゃんと支払を末に、月末に出しているんです。なぜこのときだけ慌てて、十一日間しかないのに十五日に出すんですか、しかも特別検査のときに。特別監査をやっているときになぜ出すんだということを聞いているんですよ。それを聞いているんですよ。普通は、監査やっているから、怪しいんだから、なぜわざわざ早くお金を出すんですか。逃走資金を出しているのかと思われますよ、そんなことをやっていれば。これも会計検査院に調査してもらわなくちゃいけないですよ。場合によっては検察ですよ、これは。犯罪ですよ、物の考えようによっては。いいですよ。
 大臣、今たまたま癒着の構造を少し申し上げたんです。それ以外にいっぱいおかしなことがあるんです、私のところに手に入った資料。でも、みんな未完なんです、全部入ったわけじゃないもので。全部入ったら未完でなくて、それが本体の作業班が作っているんです。
 その作業班も、資料の、もう時間がありませんが、見てください。
 日本年金機構における業務改善計画実施状況等の検証作業班の中間報告より抜粋ですが、加藤厚労大臣は、本件事故が国会で集中審議がされた際、機構の調査委員会の提言のみならず、さらに社会保障審議会年金事業管理部会にも諮問した上で、業務委託をした場合の事務処理の在り方等の抜本的見直しを講じていただきたいと答弁されて、部会を位置付けていらっしゃるんですね。
 この機構は、その任に当たる検証作業班調査に対し、誠実かつスピーディーに対応せず、いわゆるサボタージュによる非協力の姿勢を維持し続けている、その対応は、単に資料を出し渋るではなく、虚偽資料を提出したり、ヒアリングにおいてもポイントを外し、先ほどの答弁みたいに、誤解を誘う説明がしばしばなされているものであったと。
 こういうものがその中間報告に書いてあるんですよ。だから……

#181
○委員長(野村哲郎君) 時間を超過しておりますので、発言をおまとめください。

#182
○上田清司君 はい。
 だから、これ公表するといろんなことがよく分かって、本当かどうか分かりますよ。蓋することなんかないですよ。大臣、どうでしょう。

#183
○委員長(野村哲郎君) 時間が参っておりますので、簡潔にお願いします、それじゃ。

#184
○国務大臣(田村憲久君) これ、年金事業管理部会の下でやっていただいている話なので、委員がいろんな御主張をされるというのは、私、それ自体がどうだと言うつもりもありません。
 ただ、これやはりそこで御判断いただかないと、自主性というのがございますから、そこの下で、これが中間報告なのかどうなのかも含めて御判断いただいた上での今の決定でございますから、それに私はそれを是認をいたしておるということであります。

#185
○上田清司君 ありがとうございました。

#186
○岩渕友君 日本共産党の岩渕友です。
 初めに、コロナ対策に関わって緊急の問題について質問をいたします。
 経済産業省は、中小業者支援である一時支援金の書類提出の期限を五月三十一日から二週間程度延長をすると発表をいたしました。これ、期限に向けて連日一万件もの書類提出が続いているというふうにも聞いたんですけれども、こうしたことから見ても当然の決定です。
 この一時支援金をめぐっては、登録確認機関に予約が殺到をして、期限まで確認が間に合わないという声や、この事前確認を行政書士に依頼をしたところ、対象にならないと勝手に判断をされて、別の行政書士に依頼をすると、今度は事前確認で一万円、申請まで行けば三万円、こういう提示をされて、市に相談をしたと。で、行政書士会に要請をして、無料で受け付けてもらったのが五月十七日で、申請に間に合うかどうか心配だ、こうした声も寄せられています。
 こうした実態を見ても、書類の提出期限を、二週間程度ではなくて、最低でも一か月とか、思い切って延長するべきではないでしょうか。

#187
○政府参考人(飯田健太君) お答えいたします。
 今委員御指摘ございましたけれども、申請に必要な書類の準備に時間を要する方もいらっしゃるため、一時支援金につきましては、五月の十八日に書類の提出期限を二週間程度延長するということを発表させていただきました。
 延長を希望される場合は、持続化給付金と同様に延長申込みの手続が必要でございます。五月の三十一日までに申請IDの発行及びマイページ上から書類提出期限の延長申込みと、この二つを行っていただくということにしております。
 できる限りお早めに申請いただきたいと思っておりますけれども、まずは、新たに作成した申請延長に伴う手続に関するチラシを全国の登録確認機関を含めた団体に設置することなどによって、必要な方に必要な支援をお届けできるよう、事業者の立場に立って、まず分かりやすい周知、広報に努めてまいりたいと考えております。

#188
○岩渕友君 周知は大事なことだと思うんですけれども、これ申請状況を踏まえて柔軟な対応必要だと思うんですね。認識、それいかがでしょうか。

#189
○政府参考人(飯田健太君) お答えいたします。
 具体的な締切りの日程でございますけれども、現時点では確定をしておりません。二週間程度の延長ということでございます。
 まずは期限内に申請をしていただくように周知、広報によって促しながら、状況を見て判断してまいりたいと思っております。

#190
○岩渕友君 今、状況を見て判断ということでしたけれども、これ非常に重要だと思います。
 冒頭申し上げましたように、登録確認機関の対応というのも問題だということで、もういろんな声がたくさん寄せられているんですね。これ、事前確認を適切に行うように指導もこれ求めておきたいというふうに思うんです。
 今、長引くコロナ禍の下で、全ての中小企業、そして個人事業主がもう本当に深刻な打撃を受けています。もう事業を継続できるかどうかと、こうした状況になっていますので、二回目の持続化給付金、家賃支援給付金の支給、これも併せて強く求めておきたいと思います。
 次に、コロナ禍のDV等支援措置をめぐる問題についてお聞きをいたします。
 厚生労働省と警察庁が三月に公表をした二〇二〇年の自殺者数は、十一年ぶりに増加をして、特に女性が増加をしている、増えているという状況です。
 厚生労働大臣指定法人のいのち支える自殺対策推進センターが昨年十月に発表をした緊急レポートでは、女性の自殺の背景には、経済生活の問題や勤務問題、DV被害や育児の悩みなど、様々な問題が潜んでいるんだということで、コロナ禍で自殺の要因になりかねない問題が深刻化、女性の自殺者数の増加に影響を与えている可能性があるんだと、こういうふうに指摘をしております。
 大臣、この指摘をどのように受け止めていますか。

#191
○国務大臣(田村憲久君) おっしゃられますとおり、令和二年の自殺者、確定値で二万一千八十一名ということで、前年、対前年比九百十二名増で、四・五%増という形であります。男性は二十三人減少して十一年連続減少となっておりますが、女性は九百三十五人増えておると、一五・四%増加。
 そういう意味では、言われるとおり、女性が非常に厳しい環境の下で自殺者が増えているんだろうというふうに推測いたします。もちろん、一般的に表に上がってくるいろんなその要因というのは今までも幾つかあって、例えば経済問題でありますとか、それから家庭問題、それからいろんな生活の問題でありますとか、さらには例えば勤務の問題みたいなものもその中に入ってきておるわけでありますが、今言われましたいのちを支える自殺対策センターのこのレポート、緊急レポートにおいては、DV被害や育児の悩み、こういうものも書かれておりますし、あとは介護疲れ等々も入っておるということであります。
 以前からそうなんですけれども、やはりSNS、今、今どきの時代ですから、SNSでありますとか、もちろん電話相談もそうなんですが、そういうものでそういうようなもの、もう自殺を悩んでおられるというような方々を早めに、まあ何といいますか、察知して、そうならないようにつなげていくと。
 今、緊急の場合には、全国に、もう民間のネットワーク使って、場合によってはアウトリーチで、これ本当に緊急だという場合には対応いただくというような、そういうような仕組みもおつくりをいただいておったりなんかいたしております。
 いずれにいたしましても、きめ細かい対応が必要だと思いますし、さらに、なぜ女性が増えているのかという分析もこれはしっかりしていかなければならないというふうに考えております。

#192
○岩渕友君 今答弁いただいたように、女性の自殺の急増というのは非常に深刻で、その対策はもう急務になっています。
 内閣府の調査で、二〇年四月から二一年二月までの全国の配偶者暴力相談支援センターとDV相談プラスに寄せられた相談件数は十七万五千六百九十三件で、前年同期の約一・五倍というふうに急増をしています。被害者の救済と保護、自立支援の充実など、ますます重要な課題となっています。
 このDV被害者が加害者に居どころを知られないようにするための措置として、住民票や戸籍の閲覧を制限する住民基本台帳事務におけるDV等支援措置があります。この措置の対象となっている方、現在何人いらっしゃるでしょうか。

#193
○政府参考人(阿部知明君) お答えいたします。
 住民基本台帳事務におけますDV等支援措置の対象者数でございますが、令和二年十二月一日時点で十五万四千三十一人でございます。

#194
○岩渕友君 資料の一を御覧ください。この十年間を見ても、対象となっている方、増え続けているんですね。
 昨年四月に、我が党の畠山和也前衆院議員が札幌市内のDV被害者支援団体である女のスペース・おんさんと懇談をした際に、DV等支援措置の実施を求める申出や延長について電話などで簡単に申請できないだろうかと、こうした要望を受けて、私の事務所からも総務省に要請を行いました。その後、二〇二〇年四月二十一日付けで総務省から、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う情勢を踏まえたということで通知が出されております。それが資料の二です。御覧ください。
 措置の実施を求める旨の申出及び延長の申出については、市区町村の事務所に本人が直接出向くんですけれども、そして本人確認を行うことで受け付けることというふうになっているんですが、コロナ禍という情勢を鑑みて、当面の緊急措置として、郵送などで申出書、本人確認書類の写しなどを送付することで本人確認を行う、それで受け付けることとして差し支えないという内容のものなんですね。こういうシステム待っていたということで、非常に歓迎をされています。
 今回の対応は当面の緊急措置というふうになっているんですけれども、コロナ禍続いていますので、これまさに当分継続されるということでいいか、確認をいたします。

#195
○政府参考人(阿部知明君) お答えいたします。
 今お話がございましたように、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う諸情勢等に鑑みまして、市区町村の窓口の混雑を避け、感染防止の、感染拡大の防止を図る観点から、当面の緊急措置として、出頭を求めることなく、郵送等により本人確認書類の写し等を送付させ、これにより本人確認等を行うことで申出の受付を可能とする旨、令和二年四月二十一日付けで都道府県を通じ各市区町村へ通知したところでございます。
 この取扱いにつきましては、現下の新型コロナウイルス感染症等の情勢を鑑み、当面の間は継続することとしたいと考えてございます。

#196
○岩渕友君 当然、当面の間は継続されると。
 これ、そもそも、手続のために市区町村の事務所に足を運ぶことに、出歩くこと自体が安全ではないと。安全に手続できるようにしてほしいというお声や、平日一日仕事を休まなければならないのは負担だという声もあるわけなんですね。
 これ、コロナ後も郵送などでの手続を継続するべきだと思うんですけれども、いかがでしょうか。

#197
○政府参考人(阿部知明君) お答えいたします。
 今お話のあります郵送等による申出の受付、現在、緊急の措置として可能としているところでございますが、この際には、当該市区町村長は、意見又は関係書面等を付した警察、配偶者暴力相談支援センター、それから児童相談所等又は裁判所に対しまして、DV等の支援措置の必要性を電話等により確認した上で、申出者本人の住所に宛てて、申出を受け付けた旨を通知することとしてございます。
 DV等支援措置につきましては、住民基本台帳法に基づく住民票の写し等の交付制度の特例的な取扱いを行うものでございまして、虚偽の申請を、申出を防止する観点から、郵送等による申出の受付の恒久化につきましては慎重に判断する必要があると考えてございます。

#198
○岩渕友君 慎重に判断ということなんですけど、前例ができたということにもなりますので、対応を継続してほしいということを強く求めておきたいと思います。
 これ、延長は一年ごとに行うことになっているんですけれども、紹介をしたように、外出への不安、窓口での手続することへの負担に加えて、身の危険を感じるような加害をする者が数年程度で被害者に対する執着はなくなるはずもない、被害者の私がなぜ毎年つらい思いしなくちゃいけないのかと、思い出したくない、状況が変わることなんてあり得ないといった声も寄せられているんですね。
 こうしたことから、支援措置の期間を被害者が希望する期間としてほしいとか、自動延長を求める声もあります。こうした声に応える必要あるんじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。

#199
○政府参考人(阿部知明君) お答えいたします。
 支援措置の期間につきましては、DV等被害者の申出に基づきまして、住民基本台帳法で認められている住民票の写し等の交付制度の特例的な扱いを行うものでございます。やはり、一定の期間を区切って状況等を確認し、適切に対応していくことが必要と考えているところでございます。

#200
○岩渕友君 特例的な扱いだと。でも、一定の期間を区切ってということだったので、これ一年じゃなきゃ駄目だということないんだと思うんですね。
 先ほど紹介したように、出歩くこと自体が危険だと、仕事を休んでの手続は負担だと、こうした声も寄せられているんですね。被害に遭われている方からは、最初の手続はせめて五年は有効にしてほしいといった要望も寄せられているんです。支援措置の必要性は最初に確認をするわけですよね。だから、最初の手続は五年は有効にできないかと、こうした声も寄せられるわけなんですけれども、お話を聞いた方は、DVが理由で離婚をされて二十五年たつんだけれども、もういつ刺されるかもしれないという恐怖が今もあるんだと、こういうふうに話してくださいました。
 これ、一年ぐらいで解決するような問題ではないということなんですよ。こうした深刻な事態、DV被害者が増加している実態を踏まえて、先ほど一定の期間と言った、だから、一年を超える期間の延長、これを検討するべきではないでしょうか。

#201
○政府参考人(阿部知明君) お答えいたします。
 先ほどの繰り返しになりますけれども、DV等支援措置につきましては、被害者に係るDV等被害の状況がやっぱりケースごとに様々に変化し得ることから、期間を一年と定め、申出がありましたら状況を確認して延長することとしてございます。現時点では支援措置期間の長期化については考えていないところでございます。

#202
○岩渕友君 今は考えていないということですけれども、是非とも検討していただきたいんですよ。
 精神的、経済的にも困難を抱えるDV被害者の皆さんの負担を少しでも軽減をして、安心して生活することができるように、手続の簡素化、そして支援措置期間の延長、これ強く求めて、質問を終わります。

#203
○山添拓君 日本共産党の山添拓です。
 五月十七日、建設アスベスト訴訟の最高裁判決で国と建材メーカーの責任が断罪され、一人親方についても救済の対象とされました。最初の提訴から十三年、七割の原告が亡くなっています。原告の生存率という言葉が原告団の中で使われていますが、それ自体異例で、非常に悲しい特徴であります。
 最高裁判決までの間に国の責任を認めた地裁や高裁の判決は十四回に及びます。判決により幾つか論点で異なる判断はありましたけれども、しかし、国の規制権限の不行使が違法であるという判断ははっきりしていました。
 大臣に伺います。結果として、最高裁判決を待つ形になり、救済まで時間を要することになりました。そのことについて、原告や今原告となっていない多くの被害者に対してどのような思いをお持ちか、まず御答弁ください。

#204
○国務大臣(田村憲久君) まず、今般の最高裁の判決、確定いたしたわけでありまして、これに対して、対象になられる被害者の皆様方、本当に申し訳なく、心からおわびを申し上げる次第であります。
 我々といたしましては、今般確定した判決を基に、今、与党のプロジェクトチームでお作りをいただいた考え方の下での合意書、これは、原告とこれを、合意を結んだわけでございますので、これを適切にしっかりと対応していくということが一番重要であります。
 改めて、皆様方にはおわびを申し上げたいというふうに思います。

#205
○山添拓君 最高裁を待つまでもなく救済をと求められていたということについては、改めて認識いただきたいと思うんですね。
 今大臣お話ありました与党PTでの検討を踏まえて、原告団、弁護団と国が基本合意を締結しました。原告とは順次和解し、未提訴の被害者にも補償するものだと聞いております。それ自体は前に進めるために、私たちも国会で審議をするなど前に進めていきたいと、協力をしていきたいというふうに思っております。ただし、建材メーカーを巻き込んだ基金の創設は今後に持ち越しとなりました。建材メーカーに対しては裁判を続けようということになっているわけです。
 一連の判決で、全ての建材メーカーが警告表示をせず製造販売してきたことが明らかになっています。安くて使いやすいからということで大量のアスベスト建材を市場に流通させ、建築作業者の犠牲の上に経済的利益を得てきたということになります。
 このアスベスト建材の使用を推奨してきたのは国交省です。建材メーカーの所管は経産省です。ですから、厚労省だけでは対応し切れないこともあるのだと、そういう話も伺います。しかし、こうしたときこそ縦割りを超えるべきだと思うんですね。
 大臣に伺いますが、建材メーカーを含む基金を創設する上で何が必要だとお考えでしょうか。

#206
○国務大臣(田村憲久君) この部分に関しましても、いずれにいたしましても、これ与党のプロジェクトチームで検討いただくという形、お聞きいたしております。我々は、その検討に基づいて、当然、関係する省庁、経済産業省ということになると思います、ここと連携して対応させていただきたいというふうに思っております。

#207
○山添拓君 経産省のことは経産省にというふうにおっしゃらずに、連携をして、当然ですけれども、やはりその縦割り行政のために被害者が救済されないというのは、これこそまさに弊害だと思うんですね。ですから、政治がイニシアチブを発揮して、救済のために、これも被害者の側が長年求めてきた建材メーカーを含む基金の創設に向けて御尽力をいただきたいと思いますし、私たちも提案をしていきたいと思います。
 この間、原告となっているのは労災認定や石綿救済法の認定を受けた人です。まだ申請をしていなかったり、申請しても認定されていない人もいます。今後、未提訴の被害者にも補償を広げる上で、労災認定などが適切になされることが重要になります。
 しかし、現状はどうなのかと。中皮腫というのはアスベスト特有のがんです。ですから、申請すれば何らかの補償や救済が受けられるはずですが、これは多く見積もっても亡くなった方の七割程度しか救済を受けられていないという情報があります。
 労災について見ますと、資料をお配りしておりますが、アスベストによる肺がん、これは中皮腫の二倍程度の被害者がいると推測されていますが、むしろ中皮腫よりも認定数が少なくなっております。国際的には喉頭がんや卵巣がんについてもアスベスト関連がんだとされていますが、これは労災認定の対象とされていないということでもあります。
 労災認定の在り方そのものについても見直す必要があるのではないかと思いますが、大臣、いかがでしょうか。

#208
○政府参考人(吉永和生君) お答え申し上げます。
 石綿によります疾患の労災請求につきましては、労働基準監督署におきまして、個々の事案ごとに労災認定基準に基づいて認定をするということになってございます。
 この認定基準につきましては、最新の医学的知見に基づきまして策定しているものでございますけれども、今後とも石綿暴露によります健康被害に関わります医学的知見を注視しながら、必要に応じて労災認定基準の見直しなど、被災労働者又はその御遺族のために早期の認定ができるような形で考えていきたいというふうに考えているところでございます。

#209
○山添拓君 最新の知見に基づいて見直しているということですけれども、しかし、実態としてはそうなっていないんではないかということが指摘されてきています。
 肺がんの認定、確かに中皮腫より少ないですよね。それについてはどのように受け止めておられるんですか。

#210
○政府参考人(吉永和生君) 私どもといたしましては、申請に基づきまして、認定基準に適切に当てはめて認定しているという状況でございます。
 したがいまして、仮に労災の申請が少ないということであれば、今般アスベストの関係の議論もございましたので、こういったものにつきまして労災の申請、あるいは今般新しく救済制度できますけれども、そういったものにつきましての手続の促進ということにつきましては、今後とも引き続きやっていきたいというふうに考えているところでございます。

#211
○山添拓君 周知を徹底し、さらに申請を促し、救済の対象となる方を増やしていくということは大事だと思いますし、新たに救済制度をつくった際の広報活動というのも当然大事だと思います。命あるうちに解決をという声に正面から応えて、労災認定そのものの在り方についても見直すよう求めておきたいと思います。
 次に、名古屋入管でスリランカ人のウィシュマ・サンダマリさんが亡くなった事件について伺います。
 入管庁は、居室内の映像記録の開示を拒み続けています。しかし、二〇一四年に茨城県牛久の東日本入管でカメルーン人が亡くなった事件では、裁判所の証拠保全手続や文書提出命令に応じて施設内の映像記録を提供しています。裁判所からの求めに応じるかどうかは任意です。
 司法の求めに応じて対応した、そういう実績があるわけですから、立法府である国会の求めにも応じて開示するべきだと考えますが、大臣、いかがですか。

#212
○政府参考人(松本裕君) お答えいたします。
 委員御指摘の収容施設内の映像記録につきましては、収容施設や被収容者等の具体的状況を内容とするものであるため、情報公開請求に対して基本的に不開示情報として取り扱っているところでございます。
 その上で、委員御指摘の裁判上の手続につきましては、民事裁判手続上、証拠保全の手続あるいは裁判所からの文書提出命令、このような制度があるところでございます。訴訟の相手方からの申立てに対して裁判所の証拠保全決定がされたことなどにより、裁判手続において証拠として提出した事例はございますところ、その場合でも、保安上の支障と、裁判での相手方も含む主張立証等の必要性、具体的には、相手方からの当該ビデオについての提出命令申立ての内容やその場合の裁判所の反応等を勘案し、マスキング等の措置を講じた上で必要最小限度の範囲で提出しているところでございます。

#213
○山添拓君 裁判上の必要性あるいは裁判所の反応を見ながらということだったんですけれども、では、国会に対しては出す必要ないと判断されていると、こういうことですか。

#214
○政府参考人(松本裕君) お答え申し上げます。
 法律上、繰り返しになりますが、当該ビデオの映像は、情報公開法上、非開示のものでございます。
 先ほどお答えしましたのは、民事裁判手続上、法律上の手続としてそのような証拠保全あるいは文書提出命令という制度があり、それに対して必要な対応を取っているというところでございます。

#215
○山添拓君 国会の調査権は国政調査権です。
 では、国会が総意で、委員会が求めるなどして映像の記録を開示するよう求めた場合には、これは応じていただけるということですね。

#216
○政府参考人(松本裕君) お答えいたします。
 委員御指摘は、国会法第百四条の規定に基づく御指摘と認識しておりますが、それらの点についての対応については、法律にのっとり適切に対応したいと思っております。

#217
○山添拓君 求めていただけるということですから、この委員会からも開示の要求をしていただきたいと思います。

#218
○委員長(野村哲郎君) ただいまの案件につきましては、後刻理事会において協議いたします。

#219
○山添拓君 入管施設での死亡事件は、二〇〇七年以降、十七人に上ります。
 二〇一九年六月、長崎県大村入管でナイジェリア人男性がハンストの末に餓死した事件は衝撃的なものでありました。
 資料の二ページを御覧ください。二〇一九年の十月、法務省が公表した調査報告書の抜粋です。次のようにあります。
 今後同様の事案が生じることを防止するために、入管組織全体として、拒食者の健康状態の推移、特に生命への重篤な危険が生じていることを示す症状、兆候に関する医学的な知見や、中略しますが、早期に発見して適切に対応する方法について、刑事施設等の他機関における取組や諸外国の例をも参考に、適切に共有するとあります。
 入管庁に伺いますが、これ以降、入管としていかなる知見を収集し、共有されたんでしょうか。

#220
○政府参考人(松本裕君) お答えいたします。
 入管の常勤医師が、国内外の文献、あるいは自らのその収容施設内における拒食者への対応状況、臨床経験に基づいて得た拒食対応に関する知見について、職員に対して講演を行っていただいております。
 さらに、実情等の把握といたしまして、拒食事案、入管庁におきましては、官給食その他一切の摂食を拒否する場合のみならず、官給食の摂食を拒否しつつ購入品等は摂食する場合も含めて拒食と呼んでいるところでございますが、その内容についての実態把握をし、その対応についての職員の対応について会議等で共有をしているところでございます。

#221
○山添拓君 健康状態の適切な把握が求められていたという点では、拒食事案についても今度の名古屋入管の事件も同じなわけですけれども、しかし、収集した知見や共有したそうした情報、それらが十分生かされていなかったということになるかと思います。得られた知見があるということですから、後ほどこれについては開示を求めたいと思います。
 今度、事実上廃案となります入管法改定案は、この大村入管の事件が出発点でした。餓死に至らせるほどの長期収容問題をいかに解消するか、それが課題だったわけです。ところが、出てきた法案は、刑罰で脅して送還を促すと、そういうひどいものでした。
 そもそも、長期収容をどのように把握されているのか。収容期間六か月以上の人数は、二〇一九年末時点で四百六十二人とされていますが、収容者の中には、長期の収容によって体調を崩し、短い仮放免で治療を受け、治ればまた収容される、そういう繰り返しで、合計すれば十年以上収容生活と、こういう方もいます。
 入管庁は、個々の被収容者の収容期間の合計について把握していますか。

#222
○政府参考人(松本裕君) お答えいたします。
 御質問の収容期間の合計という数字は手元に把握していないんですけれども、令和二年十二月末時点におきまして、全国の入管収容施設に収容中の者は三百四十六人でありますところ、退去強制令書に基づく収容期間が六か月以上の者は速報値で二百七人でございます。

#223
○山添拓君 つまり、収容と仮放免を繰り返して、合計すると更に長くなっている収容者の数については、今答弁のあった二百人以上の、更に多くになるということですが、その長期収容の実態については把握もされていない、数字もないということですね。

#224
○政府参考人(松本裕君) お答えいたします。
 御指摘の点につきまして、網羅的に集計した上での把握というものはしておりません。

#225
○山添拓君 網羅的にはないけれども、部分的にはあるということなんですか。これ、調査するべきじゃないでしょうか。これ、長期収容の実態が把握できていないということですよ。

#226
○政府参考人(松本裕君) お答えいたします。
 個々人については当然把握はしておるんですが、委員御指摘のような視点で統計として把握できているのかというと、できていない部分がございます。ちょっと対応を検討いたします。

#227
○山添拓君 それを把握するのは最低限必要だと思うんです。
 昨年九月二十八日、国連人権理事会の作業部会が日本政府に宛てた意見書は、収容するか否かについて裁判所による効果的な救済の仕組みがないことが国際人権規約違反、恣意的拘禁の禁止に反すると批判しました。大臣は、今年三月三十日の会見で指摘は事実誤認だと反発し、資料をお配りしていますが、入管庁もその旨報道発表しています。
 しかし、ここで入管庁が言っているのは、収容された後、不服があれば行政訴訟を提起できるとか、あるいは仮放免を求めることができるというものにすぎません。行政訴訟で勝訴するには数年掛かります。仮放免が認められるかどうかは入管次第です。それまで収容は続くということになります。人権理事会の指摘は、逮捕状や勾留状のように、身柄拘束に先立って裁判所の判断が必要だということです。
 大臣に伺いますが、大臣や入管庁の反論こそ事実誤認なんじゃありませんか。

#228
○国務大臣(上川陽子君) 国連の恣意的拘禁作業部会から、昨年の九月、退去強制令書が発付されました二名の外国人の収容が恣意的拘禁であったとする意見書が日本政府に送付されたところでございます。
 この意見書は、我が国の出入国在留管理制度を正しく理解せず、明らかな事実誤認に基づくものであったため、本年三月、同制度に対する誤解と不当な評価を正すため、詳細な事実関係とそれに基づく我が国の立場を伝えたところでございます。
 恣意的拘禁作業部会の意見書の中で、例えば、明らかな事実誤認と考えている点でございますが、当該外国人両名の収容の要否については、各人の個別の事情を評価した上で判断されたものであるのに、意見書では個別の事情を評価をしなかったとする点でありますとか、また、外国人のこの両名は実際に仮放免を請求し、行政訴訟を提起していたのに、意見書では行政上又は司法上の審査、救済の機会なく収容されていたとする点、また、外国人両名が難民認定申請を行ったことに対して不利な取扱いをされていないのに、意見書では両名の収容が庇護を求める正当な権利の行使に対する制裁又は差別的対応であるとする点などでございます。
 法務省といたしましては、国際社会との対話、これは極めて重要であると考えておりまして、我が国の出入国在留管理行政につきまして国際社会の理解を得られるよう丁寧な説明に努めてまいりたいというふうに考えております。

#229
○山添拓君 その姿勢では丁寧な説明にはなっておりませんし、説明して理解されるものではないと思うんです。司法判断なく収容する、その現行法の問題点を批判されているにもかかわらず、その問題点すら大臣は認識されていないという、それは国際水準から懸け離れていますよ。だからこそ批判を浴びているわけです。
 政府は、在留資格のない外国人を不法滞在者と呼んで、警察による取締りを強化してきました。二〇〇一年には、内閣府に国際組織犯罪等・国際テロ対策推進本部が設置され、九・一一同時多発テロも受けて、外国人犯罪対策として警察や入管による摘発が増加していきます。
 石原都政の下、二〇〇三年には、法務省と東京入管、東京都、警視庁が首都東京における不法滞在外国人対策の強化に関する共同声明を発表し、二〇〇四年から二〇〇八年を不法滞在者五年半減計画の実施期間と位置付けて、取締りを強めました。
 資料の五ページを御覧ください。その結果、不法滞在者は二十一万九千人から十一万三千人へ四八・五%減少し、半減を達成したとされています。
 入管庁に伺います。減少した十万人余りのうち、在留特別許可を取得したのは何人でしたか。

#230
○政府参考人(松本裕君) お答えいたします。
 御質問にありました約十万六千人は、期間中に減少した不法残留者数の推計値でございます。その上で、平成十六年から同二十年までの五年間に在留を特別に許可した件数は四万九千三百四十三件でございますが、このうち不法残留の容疑であった件数は三万八千三百八十三件でございます。

#231
○山添拓君 ですから、強制送還もされたわけですが、約五万人ですね、十万のうち半数は在留特別許可による合法化です。犯罪対策だといって始めたわけですが、在留特別許可を認めたことによって犯罪が増えたわけでもありません。不法滞在を犯罪と結び付けるのは、これは印象操作と言わなければなりません。
 ところが、その後、在留特別許可は急激に厳しくなります。国外退去処分となった後、法務大臣の判断で在留特別許可が認められた外国人の割合は、二〇〇四年には九三%でしたが、二〇一七年には五〇%に下がるなど厳しくなっています。なぜですか。

#232
○政府参考人(松本裕君) お答え申し上げます。
 在留特別許可件数はここ数年若干増加しておりますものの、全体の傾向といたしましては、委員御指摘のとおり、平成十六年をピークとして減少傾向にあるものと認識しております。
 在留特別許可は個々の判断で行っておりますので、その全体の傾向についての分析を行うことは難しいところがございますが、統計上、在留特別許可を希望して異議の申立てをする人員が、例えば平成十五年当時と令和二年当時、件数がかなり減少しております。そのようなことも背景の一つではないかと考えているところでございます。

#233
○山添拓君 結局は、個々の判断とおっしゃるんですけれども、法務大臣の裁量なんですよね。入管は在留特別許可のガイドラインを設けていますが、これは基準ではないという説明をされています。ですから、情勢次第であったり政治判断次第、あるいは大臣の気分次第と言っても過言ではないと思うんです。
 そして、この頃、長期収容が深刻化していきます。背景には第二次安倍政権の姿勢もあります。二〇一三年、「世界一安全な日本」創造戦略を掲げて、不法滞在者の積極的な摘発を図り、在留資格を取り消すこととし、さらには東京オリンピックに向けて世界一安全な国日本をつくり上げるとしました。治安対策だといって仮放免も厳しくなっていきます。長期収容者の増加というのは、これは政治的につくられたものです。
 大臣に一つ提案したいと思うんです。政府が不法滞在だと言っている外国人の多くは、在留資格がないわけです。母国に帰れば迫害されるおそれのある人や、家族がいるなど生活の拠点が日本にあって帰る条件がない、そういう人もいますし、様々ですけれども、不法滞在という呼び名のイメージとその実態とには乖離があると思うんです。
 アメリカのバイデン政権は、四月十九日、従来のイリーガルエイリアン、不法移民ではなく、アンドキュメンテッド、書類のない移民と呼び方を変えるように通知したといいます。日本も呼び方を変えるべきじゃないでしょうか。

#234
○政府参考人(松本裕君) まず、私からお答え申し上げます。
 現行法の入管法の制度は、在留資格制度というものを前提として外国人の入国、在留を認めております。そういう中で、在留資格がない方あるいはなくなった方につきまして、入管法上その者を適正に国外に退去していただく、そういう意味で、入管法上不法な在留状態になっているという取扱いは決して間違っているものだとは思っておりません。

#235
○委員長(野村哲郎君) 時間が来ておりますので、簡潔にお願いいたします。

#236
○国務大臣(上川陽子君) 出入国在留管理庁、しっかりと法律に基づいて適切に一人一人の事案に基づきまして審査をしていくという、こうした基本を貫いてまいりました。これからもそうした姿勢で臨んでまいりたいというふうに思っております。

#237
○山添拓君 時間が来ましたので終わりますけれども、質問したことには全然お答えいただけませんでした。
 今国会成立を断念した入管法改正案ですが、入管難民行政、抜本的な改善が求められていることは変わりありません。野党は本院に法案提出しています。その方向で是非検討いただきたいということを申し上げて、質問を終わります。
 ありがとうございました。

#238
○委員長(野村哲郎君) 他に御発言もないようですから、裁判所、法務省及び厚生労働省の決算については審査をこの程度といたします。
 速記を止めてください。
   〔速記中止〕

#239
○委員長(野村哲郎君) 速記を起こしてください。
    ─────────────

#240
○委員長(野村哲郎君) 国家財政の経理及び国有財産の管理に関する調査のうち、会計検査院法第三十条の二の規定に基づく報告に関する件を議題といたします。
 会計検査院から説明を聴取いたします。森田会計検査院長。

#241
○会計検査院長(森田祐司君) 会計検査院は、会計検査院法第三十条の二の規定により国会及び内閣に対して、令和三年五月十四日に「国が実施するPFI事業について」の報告書を提出いたしました。その報告書の概要を御説明いたします。
 検査しましたところ、一部のサービス購入型のPFI事業については、PFI事業の選定時期の金利情勢が割引率に十分に反映されておらず、高めに設定されていた結果として、VFMが大きく算定され、PFI方式の経済的な優位性が高く評価されていた可能性がある状況となっていたり、平成三十年度末現在で事業期間が終了していたPFI事業について、当該事業をPFI方式により実施することが実際に有利であったかなどについての事後検証が行われていたものはない状況となっていたりなどしておりました。
 検査の状況を踏まえた会計検査院の所見といたしましては、各府省等は、今後、PFI事業を実施する際には、サービス購入型のPFI事業に係るVFM評価に当たり、PFI事業の選定時期等における金利情勢を十分に考慮して割引率を設定するなどして、より実情に沿った算定を行った上でPFI事業の実施について判断すること、内閣府におけるPFI事業の事業期間終了に伴う評価の実施方法についての検討結果を踏まえるなどして、PFI事業の事業期間終了に伴う評価を客観的に行うよう検討することなどに留意する必要があると考えております。
 会計検査院といたしましては、今後とも、国が実施するPFI事業について、引き続き注視していくこととしております。
 これをもって報告書の概要の説明を終わります。

#242
○委員長(野村哲郎君) 以上で説明は終わりました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後六時十三分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト