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2021/05/25 第204回国会 参議院 第204回国会 参議院 環境委員会 第11号 令和3年5月25日
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2021/05/25 第204回国会 参議院

第204回国会 参議院 環境委員会 第11号 令和3年5月25日

#1
令和三年五月二十五日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月二十一日
    辞任         補欠選任
     滝波 宏文君     石井 準一君
 五月二十四日
    辞任         補欠選任
     松山 政司君     三浦  靖君
     丸川 珠代君     清水 真人君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         長浜 博行君
    理 事
                滝沢  求君
                三木  亨君
                徳永 エリ君
                片山 大介君
    委 員
                石井 準一君
                猪口 邦子君
                尾辻 秀久君
                清水 真人君
                関口 昌一君
                三浦  靖君
                芝  博一君
                鉢呂 吉雄君
                竹谷とし子君
                宮崎  勝君
                柳田  稔君
                山下 芳生君
                寺田  静君
                橋本 聖子君
                平山佐知子君
   国務大臣
       環境大臣     小泉進次郎君
   大臣政務官
       環境大臣政務官  宮崎  勝君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        星   明君
   政府参考人
       農林水産省農村
       振興局農村政策
       部長       山口  靖君
       林野庁森林整備
       部長       小坂善太郎君
       経済産業省大臣
       官房審議官    後藤 雄三君
       資源エネルギー
       庁長官官房資源
       エネルギー政策
       統括調整官    小野 洋太君
       資源エネルギー
       庁省エネルギー
       ・新エネルギー
       部長       茂木  正君
       資源エネルギー
       庁資源・燃料部
       長        南   亮君
       国土交通省水管
       理・国土保全局
       下水道部長    植松 龍二君
       環境省地球環境
       局長       小野  洋君
       環境省自然環境
       局長       鳥居 敏男君
       環境省環境再生
       ・資源循環局次
       長        松澤  裕君
       環境省総合環境
       政策統括官    和田 篤也君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改
 正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────

#2
○委員長(長浜博行君) ただいまから環境委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、滝波宏文君、松山政司君及び丸川珠代君が委員を辞任され、その補欠として石井準一君、三浦靖君及び清水真人君が選任されました。
    ─────────────

#3
○委員長(長浜博行君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、環境省地球環境局長小野洋君外十名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#4
○委員長(長浜博行君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────

#5
○委員長(長浜博行君) 地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。

#6
○徳永エリ君 皆さん、おはようございます。立憲民主党の徳永エリでございます。
 今日は温対法の一部改正案について御質問させていただきます。
 まず初めに、再エネ事業の促進のため、立地に関する様々な規制が緩和されていく、そんな傾向にございます。そういう中で、日本の事業者だけではなくて、外国資本、海外の事業者にも開放されていくということになるわけであります。そこで、まず初めに、小泉環境大臣に、この再エネ事業への外資の参入についてどのようにお考えになっておられるのか、お聞きしたいと思います。

#7
○国務大臣(小泉進次郎君) 本日も着座の上での御発言、御理解、御許可いただきまして、ありがとうございます。よろしくお願いします。
 今、外資の参入についてお話がありましたが、やはり大前提は地域に裨益する再生可能エネルギーをいかに導入できるか、これが大前提なのは間違いありません。そして、それを見える化をするツールも、環境省としては、どういった形の再エネ導入であればこれぐらいの経済効果があるという、その見える化のツールも分析ツールを用意していますので、それを確認をいただきたいとも思います。
 一方で、やはり日本は再エネの立ち上がりが先進国と比べて遅れたことによって、様々国内の産業の基盤が弱いということも事実であります。ただ、私も最近ある方から、太陽光パネルを仮に大臣が言うとおり推進をすると、太陽光はほとんど中国じゃないかと、そういうことを指摘をされますが、一方で、そういう方が言わないことは、化石燃料で十七兆円を輸入していることは言わないんですよね。そこ、不当だと思います。
 ですから、しっかりそういった全体のコストも考えた上で、そして、いずれにしても国内産業を再エネで育成していかなければいけないのは間違いないわけですから、早くそういう認識を双方持てるように、この法案も通じても世の中の理解を求めていきたいというふうに思います。

#8
○徳永エリ君 皆さん御案内のように、今国会では重要土地等調査法が審議されております。外国資本の参入、外資の土地規制、これに関して国民からいろんな意見があるわけでございますけれども、安全保障上の問題もしっかり考えていかなければいけないと思いますし、今大臣からお話がありましたけれども、地域の再エネ事業、基本的に再エネ事業で発電した電気は地域で使っていくということと、それから売電で得たこの利益、これは地域に還元していく、これが非常に重要だと思っております。
 ところが、外資が参入してくると、売電の利益、これは域外どころか海外に出ていってしまう、これは大変に問題だというふうに思います。しかし、規制はできない、どうしていくか、これはしっかり考えていかなければいけないと思っています。
 今日、資料をお配りさせていただきましたけれども、まず一枚目の資料でございますが、外国資本による森林買収に関する調査について、これ、森林買収の動向を把握するために、農林水産省において、平成二十二年以降、毎年買収事例の調査を行っております。下にこの調査の結果がございますけれども、令和元年で三十一件、百六十三ヘクタールが外国資本によって買収されているということであります。
 後ほど保安林について質問させていただきますけれども、細かいデータでいきますと、やっぱり北海道のこの森林買収というのは非常に深刻なんですね。富良野市、蘭越町、ニセコ町、それから留寿都村、倶知安町、上富良野町、それから洞爺湖町、弟子屈町と、こういったところで森林買収が行われております。で、どういうところがこの森林の買収を行っているのか、取得者の住所地でございますけれども、中国、シンガポール、タイ、オーストラリア、英領バージン諸島、こういったところが森林の買収を行っているということであります。利用目的を見ると、未定、資産保有、これが圧倒的に多いんですね。
 こういったところが、森林の規制が緩和されることによって、ただそのまま置いておいても、ただそのまま持っていてもお金にならない、これ再エネ事業をやったら少しでも利益になるんじゃないかということで再エネ事業に参入するということも私は考えられるのではないかと思っておりまして、御指摘をさせていただいたということであります。
 それから、次の資料を御覧いただきたいと思います。
 今環境大臣からもお話がありました、日本の太陽光パネルにおける海外シェアでございますけれども、太陽光発電の国内出荷量に占める海外パネル比率でありますが、二〇一九年見てみますと、国産のパネルは僅か一七・一%、八二・九%は海外から輸入して、そして使用されているということでございます。二〇一九年のランキングを見ますと、ジンコソーラー、JAソーラー、トリナ・ソーラー、上位は全て中国です。二〇一四年まではシャープがトップテンに入っていましたけれども、今、日本メーカーはトップテンには入っていないということであります。
 これからこの太陽光発電施設、これをどんどん設置していくことになると、結局は中国などが造った太陽光パネルがどんどん使われるということになります。そうすると、中国の太陽光パネルを生産している企業がどんどん利益を得ると、こういうことになってしまいます。ですから、この温対法の成立を契機に、やはりしっかりビジネスモデルをつくって、いかに価格競争で勝てる、そして品質のいいパネルを国産で造っていけるのか、ここをやっぱり経産省ともしっかり連携をしていく必要があると思いますけれども、大臣いかがでしょうか。

#9
○国務大臣(小泉進次郎君) 全く同感です。
 その上で、中国のものだから太陽光やだといって、じゃ仮に太陽光を導入しなかった場合、日本、化石燃料に依存するんですかと。で、化石燃料に依存したままでも十七兆円を海外に払っているわけですから、結局、まあ再エネ好き嫌いとかそういったことを超えて、もはや再エネでなければビジネスの土俵に立てない、これぐらいの世界がつくられるわけですから、この再エネで日本は新たな雇用、産業をつくっていくと、そういった同じ認識を持てるように、この法案契機に、先生が言ったとおりしっかりとやっていきたいと思います。

#10
○徳永エリ君 そういう意味では、企業の技術開発等の支援もしっかり国がしていかなければいけないんじゃないかと思いますので、その点も御検討いただきたいというふうに思います。
 それから、再エネタスクフォースからの強い求めによって、農山漁村地域において再エネの導入を積極的に進めるスタンスに立つということで、農林水産省は荒廃農地の農地転用規制を見直しました。農林水産省、具体的な見直しについて御説明いただきたいと思います。

#11
○政府参考人(山口靖君) お答え申し上げます。
 国民への食料の安定供給の確保を図るためには、農業の生産基盤である優良農地を確保することが重要であると考えております。こうした中で、荒廃農地につきましてもその解消が急務であり、農林水産省として発生の防止や利用再生、再生利用に向けた取組を進めておりますが、こうした取組によってもなお農業上の利用が残念ながら見込まれないものも存在をしております。
 政府として、二〇五〇年カーボンニュートラルの実現を目指す中、農林水産省としてもこうした農業利用が見込まれない荒廃農地を活用するということで、再生可能エネルギーの導入を促進していくこととしております。
 具体的には、既に森林の様相を呈していて再生利用が困難な荒廃農地ですとか、あるいは太陽光パネルの下部の農地で営農を行うような営農型の太陽光発電、こういうところにつきまして、優良農地の確保に支障が生じないように活用が見込まれない荒廃農地などに対象を限定した上で措置を講じることにしたところであります。

#12
○徳永エリ君 私も十年以上農林水産委員として農林水産委員会でいろいろ発言をしてまいりましたけれども、この荒廃農地が発生する理由は、いわゆるその高齢化、担い手がいない、後継者がいないということと、それから条件不利地であるということ、それから鳥獣被害ですね、これに対して何とか対策を打ち出して、こういった問題を解消して荒廃農地が発生しないようにしていこうとか、そういう努力を農水省としてしてきました。あるいは、どうしてもその農地として復活できないところは、吸収源対策ということもありますから、森林にしていこうとか、いろんな議論があったわけであります。
 そういう意味では、荒廃農地、これを再エネに開いていくということでありますから、今まで掛けてきたお金とか今まで議論してきたことは一体何なんだろうなというふうにちょっとじくじたる思いはあるんですけれども、今回のその見直しの中で、再生困難な荒廃農地について、非農地判断の迅速化や農用地区域から除外の円滑化について助言をすると。これ農水省から通知が出されるということでありますけれども、これ結局、農地法の規制が外れるということになりますから、これは一般企業や外資も買収ができると、取得ができるということになっていくんだというふうに思います。
 それから、四枚目の資料を、五枚目か、五枚目の資料を御覧いただきたいと思うんですが、営農型太陽光発電についてであります。
 この下の方のグラフに、農地は全体で四百六十八万ヘクタールあると、そのうち、今回その規制が緩和された荒廃農地でありますが、再生可能な荒廃農地が九・一万ヘクタール、再生困難な農地が十九・二万ヘクタールということで、この再生可能な農地をいわゆるソーラーシェアリング、営農型太陽光発電とそれから農山漁村再エネ法でパネルが設置できる、こういったところに使っていくということであります。
 さらに、これ上の方を見ていくと、系統確保が比較的容易である平地・都市的農業地域の割合は三七%で、これをこの九・一万ヘクタール、これに乗じると約三・四万ヘクタールだろうということが書かれています。
 それから、この再生困難十九・二万ヘクタール、これは非農地化していくということになるんだと思います。ですから、ソーラーシェアリングとかその農山漁村再エネ法に関係なくパネルが設置できるということになっていくんだと思います。
 食料安全保障の観点から考えて、例えばソーラーシェアリングも、ここにも書いてありますが、米等は現段階では限定的であり、下部農作物の約五〇%が特徴的な野菜や観賞用植物となっているということで、余りその食料自給率に貢献しないという部分もあります。それから、令和十二年度で四百十四万ヘクタールの農地が維持されていないと、食料自給率、これ今政府は四五%と言っていますけれども、これが維持できないんじゃないかというふうにも言われております。
 ですから、こういうことも、今これ食料安全保障大変に大きな問題でありますので、しっかりとどこか頭の片隅に置いていただきながら、数字とにらみ合いながら、これからこの太陽光発電施設というのを拡大していくということをお願いを申し上げたいというふうに思います。
 それから、内外無差別の原則でありますから、結局外資も参入できるということになるわけでありますけれども、日本の企業ですら事業から撤退した後そのソーラーパネルの撤去とかどうなるんだという懸念があるんですけれども、これ外資となると余計厄介になると思います。
 この辺も是非大臣には御留意いただきたいと思いますけれども、大臣、その点いかがでしょうか。御感想だけで結構でございます。

#13
○国務大臣(小泉進次郎君) やはり大前提は、その地域が再エネを歓迎するような環境を、また案件を一つ一つ積み上げて、再エネに対する理解そして信頼、これを上げていく以外にないだろうと思います。
 現実は既に再エネが迷惑施設のような捉えられ方をしてしまって、条例が規制型で入ってしまうような自治体が数多く出てきていることは現実ですから、その現実を何とか、再エネ主力電源化、そして脱炭素化、これに資する一つのツールとしてこの法案を我々としては提出をしていますので、これを契機に、そういった迷惑施設だというふうな認識が改められるようなきっかけとしたいと考えております。

#14
○徳永エリ君 是非ともしっかりお願い申し上げたいと思います。
 こういう問題もあるので、農地や森林を守る観点から、市町村が地域脱炭素化促進事業の対象となる区域である促進区域を定める際に、促進区域だけではなくて保護する区域、これも定めるべきだということを私たちは申し上げております。大臣はネガティブゾーニングというふうに先日おっしゃっておりましたけれども、私は、こういった保護する地区、このゾーニングは絶対に必要だというふうに思っています。
 法案では、促進区域について、環境の保全に支障を及ぼすおそれがないものとして定めるとしていますけれども、具体的には環境の保全に支障を及ぼすおそれのないものというのはどういうことなのか、御説明いただきたいと思います。

#15
○政府参考人(小野洋君) お答え申し上げます。
 委員お問合せの件でございますけれども、具体的には、再エネの種類ごとの特性を踏まえまして、自然環境や生活環境への影響等を考慮して、既存の法制度との整合も図りつつ、まず法律に基づく保全区域等を促進区域から除外すること、それから促進区域で事業を実施する場合の環境配慮の考え方を示すことというのをこの環境省令の基準の内容として想定しております。
 更に具体的に申し上げますと、例えば自然公園法に基づく国立・国定公園の特別保護地区は除外する、騒音について住宅等との距離を適切に考慮する、それから希少な動植物に対する考え方を示すといった内容を想定してございます。

#16
○徳永エリ君 具体的にお示しをいただきまして、ありがとうございました。
 これまで、大臣の環境保全や生物多様性の確保に関する御答弁では配慮という言葉にとどまっていて、この区域では再エネ施設は造れないという保護区域を定めるのがなかなか難しいということであれば、法案の第二十一条第六項に基づく環境省令、今お話がありましたけれども、国等が定める促進区域の設定基準、これが大変に重要になってくると思います。
 今お話しいただいた具体的な中身でありますけれども、今後、環境省として、どのような検討プロセスの下、どういう方を巻き込みながら何に考慮して設定基準を定めていくのかということもお伺いしたいと思います。

#17
○政府参考人(小野洋君) お答え申し上げます。
 環境省令で定める基準でございますけれども、この法律が成立するということを前提といたしまして、その具体的な内容につきましては、内容は先ほど申し上げたとおりでございますが、施行までに十分な周知期間が確保できるように、専門家の意見聴取などを慎重に行いながら検討を進めていく予定でございます。

#18
○徳永エリ君 環境団体の方から御要請がありまして、是非ともこれお願いしてほしいというふうに言われました。環境の保全の支障を防止するために配慮するべき対象、この中に、希少野生動植物の生息地、鳥類の繁殖地、渡り鳥の集中経路、騒音や景観、シャドーフリッカーなど、多岐にわたる項目について是非とも配慮していただきたいと。そして、促進区域を定める際には、計画を策定する地方自治体が配慮書手続と同等の検討を行う必要があるのではないかという御意見もありましたが、これに関してはいかがでしょうか。

#19
○政府参考人(小野洋君) お答え申し上げます。
 委員から御指摘ございましたけれども、この検討に当たりましては、騒音あるいはシャドーフリッカーなどの生活環境への配慮に係る住宅との離隔距離の設定、あるいは希少な動植物の考え方とその生息・生育地の扱いや、広域を移動する鳥類などに係る自然環境への配慮に係る事項の考え方などについてよく、十分に検討してお示ししたいと考えております。
 また、これと同時に、都道府県につきましても基準を定める、地域の実情に応じて基準を定めることができるというふうにしておりますので、その都道府県の基準の考え方、その配慮書手続との関係等についてもお示ししていきたいと考えております。

#20
○徳永エリ君 この御質問も前回の委員会でもございましたけれども、是非とも地域の自然環境に詳しい専門家や地域の未来を担う若い世代、大臣も若い世代大事だというふうにおっしゃっておりましたけれども、こういう方々が参加して促進区域の検討を行う体制づくり、これもう必須だというふうに思います。
 実行計画の策定及び実施のための協議会は設置できる規定となっておりますが、改めて伺いたいと思います、なぜ設置できる規定にしたのか。これ、地域の理解の促進とか後のトラブルを避けるためにも、どう考えても協議会の設置というのは必要だというふうに思いますし、代表質問でも申し上げましたけれども、議事録の作成や公開ということも大変に重要だと思っております。
 私は、今回、この地域の再エネを促進するためには、この協議会の設置というのはもう肝だというふうに思っております。構成員誰が入るかということも非常に重要でございますので、重ねて自治体にはこの協議会を設置できるように促していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

#21
○国務大臣(小泉進次郎君) 設置できる規定としている理由は、合意形成の手法は地域の実情に応じて様々だというふうに考えているからです。例えば、公共施設や公有地を促進区域として設定する場合で、合意形成を行うべき対象がごく限られている場合などにおいては、必ずしも協議会に諮るプロセスを経ずとも促進区域の設定を行うことは可能だというふうに考えています。
 促進区域の設定に当たっては、地域の合意形成のプロセスとして、住民も含めた地域の様々な主体に参画いただくことが目的でありますので、協議会の設置自体が目的というわけではありません。このため、本制度では実行計画の策定に当たって、住民を含む利害関係者や関係地方公共団体の意見聴取を行うこととする規定を置きつつ、市町村が協議会を組織しているときは協議会における協議を必要とする規定を設け、地域の実情に応じた合意形成を図ることとしています。
 また、資料や議事録の公開、これについても、地域の円滑な合意形成のためには協議会の透明性の確保に関する仕組み、これも重要だと考えています。ですので、今後、具体的な制度の運用に向けて、省令や実行計画のガイドラインについても検討していきたいというふうに思います。

#22
○徳永エリ君 協議会設置されなくても地域の合意形成ができるというケースも確かにあるんだと思います。ただ、やっぱり地域のほとんどの皆さんが、どこの事業者がどのくらいの規模でその再エネ事業をやるんだろう、できてから、いや随分大きな太陽光発電施設できちゃったよねって、もう経緯を何も知らない、どこが事業をやっているのかも分からないということではやっぱり駄目だと思うんですよ。
 先ほど申し上げたように、事業を撤退した後のトラブルとかいろんなことも考えられるわけですから、協議会設置しないまでも、やっぱり地域の皆さんがしっかりその事業について理解している、分かっているということも重要だと思いますので、地域の皆さんにしっかりお知らせする、そういう仕組みも自治体には是非とも検討していただきたいということも、是非ともお願い申し上げたいというふうに思います。
 国立・国定公園についてお伺いをいたします。
 昨年の十月二十八日の日本経済新聞のインタビューで、小泉大臣は、国立公園内で再エネ発電所の設置を促す規制緩和をするというふうに表明されました。具体的にはどのような規制緩和を国立・国定公園の中でなさるのか、御説明をいただきたいと思います。

#23
○国務大臣(小泉進次郎君) まず、よく報道というのは見出し用の言葉をつくるので、私は正確にこの表現で話したというつもりはありませんが、別に抗議するものでもないです。なぜなら、国立公園、国定公園の中でも再エネの発電所の設置を可能とするようなところは是非活用すべきだという思いは全くそのとおりでありますから。
 ただ、これはよく全国各地、様々な団体や方々からも言われるのは、国立公園、国定公園は環境省はびた一文手を触れさせないようなものだという現実とは違う認識を持たれていることで、結果、環境に対したり景観に対するより良い取組や、むしろそこは活用した方が環境も害することなく再エネだって活用できるのではないかと言われるようなところも全く活用されないことは、それはもったいないという思いもありますので、多くの方に、別に環境省は、国立公園、国定公園の中の再エネの案件だって否定しているものではないというふうな思いを伝えたい、そういった形でこういうふうに報道にもつながったのではないかなと思います。
 私よく地熱の話もしていますけど、現実、地熱は、国立公園、国定公園が阻害をしているんだろう、ブロックしているんだろうとよく思われがちな案件です。しかし、現実、今六十件以上が国立公園、国定公園の中の案件です。こういった認識も改めていただいて、国立公園の中でも環境と調和する形の再エネであれば、私は活用されるべきだというふうに思っています。
 一方で、もちろん、わざわざほかのところが使えるのに国立公園の中にあえて造るというものでもないと思います。ですから、私が屋根置きの太陽光とか大事だと言っているのは、この東京も含めて未利用の屋根とかいっぱいあるわけですから、都市が電力を消費する都市の在り方ではなくて、自らがエネルギーを生産をしていくという新たな都市の在り方に変わっていかなければ、守るべき自然も守れないと思います。

#24
○徳永エリ君 衆議院の環境委員会の質疑で、我が党の近藤昭一議員の、環境大臣は、国立・国定公園の核心部での大規模な再エネ施設の建設についてどのように考えているのか、積極的に開放していくおつもりなのかというふうに質問がありました。それに対して大臣が、国立公園などの核心部において、大規模な再エネ施設によって自然のダメージが大きいものを進める気は全くありませんという御答弁をされたんですね。
 聞いた御本人が、核心部って何を指しているんだろうと、あるいは、大規模な再エネ施設にということをあえておっしゃったので、じゃ、中小だったら大丈夫なのかと、こういう疑問を持たれておりまして、確認をしなければいけないなと思ってお聞きさせていただきますけれども、まず、国立・国定公園の地種区分に沿ってお伺いをしたいと思いますが、特別保護地区では、大規模な発電施設も中小の発電施設もこれはできないということでよろしいでしょうか。

#25
○政府参考人(鳥居敏男君) お答えいたします。
 国立・国定公園の特別保護地区は、国立・国定公園の中で特に優れた自然景観、原生的な状態を保持している地区であり、特に厳重に景観の維持を図る必要があるため、再エネ施設は原則として許可されないものと思っております。

#26
○徳永エリ君 再エネ施設は原則として許可されないということですね。
 それでは、もう既にこれ施設が、地熱ですけれども、ありますけれども、第一種特別地域、これに関してはいかがでしょうか。

#27
○政府参考人(鳥居敏男君) 議員御指摘の第一種特別地域でございますけれども、この第一種特別地域も特別保護地区に準ずる景観を有し、現在の景観を極力保護する必要がある地区であり、再エネ施設は原則として許可されません。ただし、地熱発電につきましては、第一種特別地域の地上の開発は認めておりませんけれども、区域外から地下への傾斜掘削のみ認めているというものでございます。

#28
○徳永エリ君 第一種特別地域、地上の施設は認められないけれども、地下は地熱等でその地域につながっているということですね。
 第二種、それから第三種特別地域、これもう既に再エネ施設があって、大規模発電施設、いわゆるメガソーラーも設置されているということがこれまでの御答弁でも分かりました。
 改めて確認いたしますけれども、この国立・国定公園での再生可能エネルギーの促進、これから施設を造っていくのは、この第二種、第三種、それから普通地域、こういったところで進めていくということになるんでしょうか。

#29
○政府参考人(鳥居敏男君) お答えいたします。
 基本的にはそういうことでございますが、一方で、第二種、第三種特別地域においては、行為の種別に、主要な展望地からの展望の著しい妨げにならない、あるいは野生動植物の生息又は生育上、その他の風致又は景観の維持上重大な支障を及ぼすおそれがないなどの一定の基準を満たした場合に許可されるというものでございます。

#30
○徳永エリ君 経産省と環境省の違いは、経産省はもうどんどん進めると、でも、環境省はやっぱり規制官庁ですから慎重に、できれば前に進めながらも抑制的に、これが環境省の役割だというふうに思っております。
 特に、国立・国定公園、この自然環境の保全と生物多様性の確保、これは本当に大事にしなければいけないと思いますので、是非とも、先ほど原則というお話もありましたけれども、これ以上緩めることがないようにしっかりお願いを申し上げたいというふうに思います。
 それから、国立・国定公園が位置する地域はポテンシャルが高いとして、先ほどもお話がありました地熱開発について、これまで、平成二十四年と平成二十七年に二段階で国立・国定公園の規制を緩和し、特別地域でも地熱開発が可能となっているわけであります。
 四月二十七日、環境大臣は会見で地熱開発加速化プランを発表されました。それを見てみますと、自然公園法や温泉法の運用の見直し等を進めつつ、環境省自ら率先して行動していくと、強い決意を述べております。現在ある六十を超える地熱施設の全国での倍増を目指すと、地熱リードタイムの十数年を最短で八年にすると、それから、温泉モニタリング等によって温泉事業者の不安を払拭していく、地域と共生できる地熱ポテンシャルの特定、それから、改正温対法による促進区域の指定、景観への影響を最小化して、地域の魅力創出につながるビジネスプロセスを促進していくと。
 しっかり前に進めるぞというところと、こういうところはきちんと丁寧にやっていきますよということを表明なさったわけでありますけれども、大臣のところにも届いていると思いますが、日本温泉協会から要望書が出されております。
 国策として脱炭素社会への移行を目指すことに異論はございませんが、補助金ありきで迅速な議論により更なる規制緩和を促すことは、自然公園法の下、長年維持されてきた自然環境を破壊することにつながり、将来に禍根を残すことになるのではないでしょうか。温泉地は温泉とその周辺の優れた自然環境と一体となって地域の資源となり、多くの観光客を呼び込むことで地域経済に大きく貢献しています。温泉地の保護と活用の観点からも、地熱開発のための自然公園法、温泉法の規制緩和に関しましては慎重な議論を積み重ねられますことを要望するものでありますというふうに要望書が出ております。
 みんな心配しているんですよね、この温対法の成立で一気にいろんなことが変わるんじゃないかと。心配して当たり前だと思います。こういった心配する気持ちに丁寧にやはり応えていかなければいけないと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。

#31
○国務大臣(小泉進次郎君) 特に地熱は、やはり温泉業界の皆さんの不安、懸念にしっかりとお応えをしていく、このことは大事だろうと思っています。
 私も、温泉協会の方とも意見交換をさせていただきましたが、ただ、お会いをして感じたことは、よく、地熱は温泉業界全体としてもう断固として駄目だということは全くないんだなと、そこはお会いしてよく分かりました。ただ、しっかりとその地熱の開発をするのであれば、それがどのような影響を温泉に与えるのかはしっかりちゃんと見てもらいたい、こういったことを要望されています。ですので、我々は温泉モニタリングをしっかりとやって、その変化も含めてちゃんとデータを公表して御理解を得ていくことは不可欠だろうというふうに思っています。
 ですので、大きなところで、これ地熱が地域で自立分散型で賄えた場合、その地域にとっての収益や、また、温泉旅館などホテルも含めてコストの削減、そして、地域に対する様々な収益による地域の活性化に対する貢献にもつながる話ですから、もしもそういう形で地熱ができるんであればそれは是非やりましょうという思いも持たれているので、そういう望ましい形で進められるように、我々としてもしっかり必要な対策は講じた上で、地熱をこの加速化プランに基づいて進めていけるように、環境省自らも汗をかいてまいりたいと考えております。

#32
○徳永エリ君 これからもしっかりと関係者とコミュニケーションを図っていただきたいと思います。
 先ほど、森林の話をさせていただきましたけれども、再エネタスクフォースでは、風力発電と地熱について、保安林についても開放を求めております。林野庁に対して具体的にどのような要求があったのか、また、林野庁としてその要求にどのように対応していくのか、御説明ください。

#33
○政府参考人(小坂善太郎君) お答えいたします。
 内閣府に設置された再生可能エネルギー等に関する規制等の総点検タスクフォースにおきまして、本年三月二十三日に保安林制度が点検の対象として取り上げられました。議論を行い、実は、昨日、五月二十四日に検討状況の報告を行ったところでございます。
 タスクフォースにおきましては、再生可能エネルギー施設のうち風力、地熱の施設を対象として、保安林の指定解除の手続に時間を要することから、手続の迅速化等に向けた取組を進めること、また、森林における再生可能エネルギーの導入に係る数値目標の設定などが求められたところでございます。
 農林水産省におきましては、森林の公益的機能の発揮と調和する形で再生可能エネルギーの施設整備を進める、こういった考えの下、一つは、保安林解除の事前相談、手続内容等を明確化するため対象項目ごとの必要書類を明らかにして周知すること、また、保安林の解除手続の迅速化や情報公開の改善、徹底につきましては、手続の流れ、必要書類、留意事項等を具体的に記載したマニュアルを作成し周知するとともに、保安林の解除要件に係る情報や関係通知類等を一元的に閲覧できるホームページを整備すること、手続のデジタル化を進めること、さらには、保安林の作業許可基準の解釈を整理、明確化し通知を発出すること、そういったことにより保安林の解除手続の迅速化に取り組むこととしており、昨日、この内容を報告したところでございます。
 また、数値目標につきましては、今後、エネルギー基本計画の策定を待って検討することとしております。農林水産省が定める農山漁村全体としての数値目標と併せて森林分野に係る数値目標を示す方向で検討することとしているところでございます。

#34
○徳永エリ君 ちょっとショックなんですけど、解除手続の迅速化を図ると今おっしゃいました。昨日、林野庁の方とお話しさせていただいたら、原則として解除は行わないというお話でございましたけれども、もうちょっと確認させていただいてよろしいですか。

#35
○政府参考人(小坂善太郎君) 議論の結果、議論の中でもそうなんですけど、解除の基準、そういったものを緩和するということではなく、手続が、例えば事前相談というのをやっているんですけど、事前相談と本審査で例えば同じような書類を二回出さなきゃいけないとか、非常に手続が煩雑な面があると、そういうような御指摘がございますので、そういうところはきっちりと改善して迅速化する。ただし、きっちりと公益的機能と調和を図るという意味では要件の緩和ということは行わない、そういった整理で進めているところでございます。

#36
○徳永エリ君 手続の迅速化、簡素化ということで、要件に合わないものは駄目だと、ここは変わらないということですね。はい、分かりました。
 それで、保安林には種類別の指定目的がありまして、それぞれ重要な役割に沿って森林の機能を確保するため、立木の伐採や土地の形質の変更等が規制されているわけでありますが、保安林の指定目的によっては再エネ施設を建設、設置するべきではないというものを明確にする必要があるんじゃないかという御意見を、これも環境団体の方々からいただいております。これに関してはいかがでしょうか。

#37
○政府参考人(小坂善太郎君) お答えいたします。
 保安林を森林以外の用途に転用する場合は指定の解除を行うことが必要なわけでございますけど、この場合、例えば傾斜が急な箇所、地形、地質から崩壊する可能性が高い箇所、また人家等保全対象に近接する箇所、こういった箇所につきましては原則解除しないというようなこととしております。
 これらの区域は、なかなか、個別の事案ごとに定まるものでございますので、あらかじめ示すことは困難でありますけど、こういった原則解除しない保安林の具体的な考え方を先ほどお話ししたマニュアルの中に示すであるとか、さらには個別の検討に必要となる保安林の位置とか傾斜等、判読可能となる地図情報を提供することとか、そういうことを進めてまいります。これによって、あらかじめおおよその判断ができるようにして保安林制度の適切な運用につなげていきたいというふうに考えているところでございます。

#38
○徳永エリ君 しっかりとよろしくお願い申し上げたいと思います。
 特に森林は、先ほどから申し上げておりますけれども、吸収源対策、吸収源になるわけでありますから、やはり森林の保全管理、非常に重要だと思いますし、開放することになれば結局伐採してそこに再エネ施設を造っていくわけですから、やっぱり大きなリスクになると思いますので、本当に慎重に対応していただきたいということをお願いを申し上げておきたいと思います。
 それから、大臣、こだわるようで申し訳ないんですが、私、どうしてもため池が納得できないんですよ。それで、大臣とため池の上に浮かべるソーラーパネルのお話をしてから、結構いろんな自民党の先生とか、農水関係の先生も含めて、いろんな方と話をしたら、みんな知らないんですよ。香川県とか兵庫県とか瀬戸内海沿岸の先生方は目にしておられるかもしれませんけれども、特に北海道なんかため池がそもそも余りないですから。しかも、一回水抜かなきゃいけないんで、ため池に北海道は例えばソーラーパネルを浮かべたら、それ一回撤去しなきゃいけないということもあるから、北海道ではまずできないんですよ、ため池に浮かべるということは。そんなこともあって、皆さんにインターネットで写真を確認してもらったら、ええって、いつの間にこんなことになっていたのという声が非常に上がりまして、同僚に農水委員会でも質問してもらったという経緯もありますけれども。
 二〇一三年に、日本では埼玉県の桶川市で、総発電量千百五十六キロワット、この水上メガソーラー発電所が造られた、これが初めてなんですよね。今は、申し上げましたように、瀬戸内海沿岸を中心に香川県などで建設ラッシュということを伺っております。
 ため池には、(発言する者あり)埼玉ですか、埼玉もですか、あっ、そうですか。
 ため池には多くの絶滅危惧種が生育しているわけであります。ため池は淡水域の生物多様性の宝庫、それから、絶滅危惧種の最後のとりでというふうにも言われているのを御存じでしょうか。せっかく、昨年、ため池の保全管理を強化する超党派の議員立法というものが成立をいたしました。附帯決議にも、この生物多様性、こういったものもしっかりと保全してほしいということも書かれましたけれども。ソーラーパネルを浮かべることによってため池に生息する生物に影響が出るということは、これ私、否めないと思うんですよ。(発言する者あり)ですよね。ありがとうございます。
 また、昨年、防災重点農業用ため池に係る防災工事等の推進に関する特別措置法、これが制定されましたけれども、台風などで風が強いと、パネルがめくれ上がるとか、パネル同士がぶつかって火災が起きたとか、そういうこともありますし、また、大雨が降ると、ため池の水があふれてパネルが流されるという、そういった堤体への影響、安全、こういったことも私は大変懸念をいたしております。
 農林水産大臣も、全国的な設置状況や活用に当たっての課題等について、本年度調査を行って安全な設置方法を検討していきたいというふうにおっしゃっていただきましたが、地上型のように、いまだこのため池に浮かべる形のソーラーパネルはガイドラインもないということなんですけれども、なぜこれガイドラインを作らないんでしょうか。お伺いいたします。

#39
○政府参考人(後藤雄三君) お答え申し上げます。
 御質問のありました、ため池等を利用した水上設置型の太陽発電設備でございますけれども、確かに近年急速に拡大しつつある設備類型の一つでございまして、設備事故などが散見されることでございますので、その安全性の確保は急務だというふうに考えております。
 例えば二年前、令和元年九月の台風十五号では、千葉県市原市のダムの水上設置太陽発電所が、台風により約五万枚のパネルが流され、また、フロートと呼ばれる浮体が破損し、設備の一部が発火するという事故が発生しております。
 そこで、公衆災害の防止のため、令和二年六月に電気設備に係る技術基準を改正いたしまして、水上設置用の太陽発電設備の技術要件を明確化いたしました。具体的には、波によるフロートの揺れや水位上昇、水流に対して係留するためのアンカーの引っ張り耐力を規定するなど、水上特有の現象について設備の設計時に考慮することを定めております。
 再生可能エネルギーの普及拡大のためには、設備の安全性確保のほか、周辺地域との共生なども必要でございますので、こうした観点から、引き続き必要な検討は行ってまいりたいと考えております。

#40
○徳永エリ君 安全性確保のための基準を定め、引き続き検討を行っていくということでございますので、しっかりやっていただきたいと思います。
 それともう一つは、生物、このため池の中の生息している生物、これをしっかりと守っていくということにおいては、生態系のやっぱり専門家の皆さんにしっかり調査をしていただいて、御意見をいただいて、例えばため池の水面の何割ぐらいまでは設置してもそんなにため池で生息している生物に影響がないとか、そういうこともきちんと調査をした上で定めていただく必要があるんじゃないかと思います。
 これ、今規制が何もないので、土地改良区にため池でパネルを設置したいといって許可を受ければ設置できるという状況でありますから、今御指摘いただいた安全性の観点、それから生物多様性の確保の観点、この点から、大臣が積極的に進めたいお気持ちはよく分かりますけれども、何かあってからでは大変ですので、ここも是非とも今後丁寧にやっていただきたいなということをお願い申し上げておきたいと思います。
 何かありますか、大臣。

#41
○国務大臣(小泉進次郎君) ありがとうございます。
 ため池は、先ほど埼玉県って話がありましたけど、私、埼玉の所沢に視察に行って調整池を活用している例を見ましたが、そこは、まさに徳永先生が言うように、鳥がふだんから飛んできていた、その池にですね。ですから、地域の住民の皆さんや所沢市の行政の方が話をして、鳥がこれからも羽を休める、そういったエリアもちゃんと確保した上で太陽光を水面に浮かべましょうということで、その水面にどれぐらい置くかを決めた上で、かつ、豪雨のときのその水の調整機能も維持した上で、太陽光発電を水面でやって、そこで生まれた収益が所沢市民の皆さんの環境の取組などの原資、それに使われている非常にいい例ですね。
 ですから、ため池イコール太陽光駄目だという、そういう発想にとらわれず、課題をあげつらって可能性を見ないようなことはやめて、徹底的に使えるところは使っていくという発想がなければ再エネ主力電源化はできません。よく、我々忘れてはいけないのは原子力の事故です。あれだけの事故がありながらですよ、進めたい人はとにかく前に進めようとやっていますよね。再エネばかり課題を言わずに、時には事故はありますが、それをどれだけ減らしていけるか、何とか可能性を追求しようという姿勢は再エネにこそ必要なんじゃないですか。それ、強く訴えていきたいと思います。

#42
○徳永エリ君 大臣、誤解しないでくださいね、否定しているわけではありませんから。
 それはもう、適地と見たらどんどんやっていく必要があるんでしょう。もう二〇五〇年カーボンニュートラル、国際公約ですから、そこに向かってあらゆる努力をしていかなければいけないことはよく分かります。でも、目標は達成できたけれども、振り返ってみたらいろんなものを失っていたと、取り返しが付かないと。心配し過ぎかもしれませんけれども、今こういう議論をしておく、その必要があるから申し上げているんだということを受け止めていただきたいと思います。
 何度も申し上げますけれども、環境大臣、旗振り役でありながら、しかし環境省は規制官庁でありますから、そのことも是非とも忘れないでやっていただきたいということを申し上げたいと思います。
 時間がなくなりましたので、最後に、言いっ放しになるかもしれませんけれども、国立環境研究所の研究チームが、太陽光発電施設による土地の改変の実態を明らかにするための調査を行い、三月に発表いたしております。その中で、再エネの発電施設は、その場所の生物、生態系、水循環などの自然環境への影響を通して自然資本の損失を招くおそれがあり、再生可能エネルギー発電施設の立地適正化、これは今後の日本と世界にとって重要な課題だとしています。
 調査では、中規模以上の太陽光発電施設が二次林、人工林や農地で多く建設されてきたことが分かって、これまでと同様の立地条件で今後も設置場所が選択された場合、樹林や農地が更に失われることが予測されるということであります。一方で、施設面積を二倍にする場合でも、自然保護区での設置を制限し、都会での建設に誘導することで、樹林や農地の生態系の損失は一・三から三・五%程度抑制できるということが分かったということであります。
 私、大臣がおっしゃったこのビルの屋上とか家の屋根の上とか、そういうところにパネルをどんどん設置していく、都会でもっともっと利用できるところを利用していくべきだというふうに思います。
 とにかく、地方はポテンシャルは確かに高いです。でも、もうしつこいようですけれども、自然とか生物とか、そういったことを考えたときに、やはり影響が大きいということは否めないわけでありますから、国立環境研究所もこう言っておりますので、いわゆる環境省の研究機関でありますから、この意見は大事に受け止めていただきたいということを今日の総括として申し上げたいと思いますが、最後に一言いただいて終わりたいと思います。

#43
○国務大臣(小泉進次郎君) 徳永先生の、自然をしっかりと調和させた上での再エネ導入が必要だというのは、全くそのとおり、同感であります。
 国環研のこの提言、これも私は大事なことだと思っているので、今経産省、国交省と一緒になって、いかに、この太陽光の義務化も含めて議論をしていただいているところは、まさに、都市部が使えるところは使うということは、私は都市で生活をする者の責任もあると思っています。
 今まで、福島から原発を電力の供給源としてこの首都圏は電力を賄っていたわけです。そういった田舎から電気を生んでもらって消費をする都市という都市と地方の在り方から、それぞれ自前で、地域の中でできる限り使える資源は使う、そういう形に変えていく、まさに国家を再設計をしていくような、こういった取組が不可欠だと思っていますので、同じような思いで都市の在り方も変えていけるように頑張りたいと思います。

#44
○徳永エリ君 終わります。ありがとうございました。

#45
○竹谷とし子君 公明党の竹谷とし子でございます。
 温対法に基づく算定・報告・公表制度について、今回の改正でデジタル化、オープン化が進んで活用しやすくなるとともに、役所の業務の効率化が進むことを期待しております。現在は、事業所別の情報や業態別に分析できるデータは請求によってのみ入手可能で、煩雑な手続が必要です。
 制度発足時にオープンデータ化しなかった理由、また、今回の法改正でオープンデータ化することにした理由を立法事実として確認しておきたいと思います。

#46
○政府参考人(小野洋君) お答えいたします。
 委員から御指摘ございましたように、現行の制度におきましては、事業所ごとの排出量の情報でございますとか、事業者の従業員数、業種コード等の基礎的な情報については、開示請求に応じて開示をしてきたところでございます。
 これらの情報につきましては、二〇〇六年の制度発足時に、全国展開する企業については、生産設備の状況によって事業所間の生産調整を行うというような実態が全国展開している企業についてはございまして、個別の事業所ごとの排出量の増減によって、必ずしも増えているからといって悪いというわけでもないということで、公表までを求める必要はないといった意見がございました。こういったことも踏まえて公表の対象とはしないこととされたものでございます。
 しかし、制度開始から十年以上が経過いたしまして、事業所ごとの排出量の公表に対する事業者側の理解が広がってきたと、また、政府全体としてのそのオープンデータ化の方針がございまして、こういったものを踏まえまして、例えば地方公共団体等関係者によるデータの活用の可能性、それから利便性の向上といったことを達成するために本法案で開示請求の仕組みを廃止いたしまして、事業所ごとの排出量情報なども公表するということとしたものでございます。

#47
○竹谷とし子君 温暖化対策につきまして、国の官庁施設において実行状況を見える化して範を示すことが重要であると考えております。
 政府実行計画には、二〇五〇年ネットゼロ目標、二〇三〇年四六%目標、早期に反映して、目に見える進捗を示すことで、政府自身が地方自治体、事業者、国民に対して模範となるべきであると考えます。
 例えば、実行計画の中にある用紙使用量、資料をお付けしておりますけれども、これはデジタル化方針でこれまで以上に減らせるものであると思います。環境省がリーダーシップを取って、省庁別の用紙の使用量や廃棄物の排出量など、実行計画に基づく措置の内容も見える化していただきたいと思います。実効性を高めるために、各府省の事業所の単位でも現在取っていると思いますので、これ排出量の削減量、見える化をして、職員が自分事として取り組むように促し、政府が結果を出すことで地方自治体に範を示していただきたいと思います。いかがでしょうか。

#48
○大臣政務官(宮崎勝君) お答え申し上げます。
 二〇五〇年カーボンニュートラルや、二〇三〇年度四六%削減目標の実現のためには、政府が先頭に立って地球温暖化対策に率先して取り組むことが重要であると認識しております。
 このため、政府といたしましては、まず隗より始めよの精神で政府実行計画を策定し、LEDの導入や電動車の調達の推進など、自らの事務事業における排出削減に積極的に取り組んでいるところでございます。また、計画の進捗状況につきましては、毎年度、環境省が各府省庁の協力を得まして温室効果ガスの排出量等のデータを把握した上で、中央環境審議会の小委員会において公開でフォローアップを行っているところでございます。
 竹谷先生御指摘の用紙使用量や廃棄物排出量等の省庁別での見える化でありますとか、温室効果ガス排出量の省庁の事業所別での見える化につきましても大変重要なことだと認識しております。
 今後、環境省として、二〇三〇年度四六%削減目標に向けた政府実行計画の見直しを行う予定でございまして、計画の実効的かつ効率的なフォローアップの在り方を検討する中で、各府省庁の実情を踏まえつつ、しっかりと検討してまいりたいと考えております。

#49
○竹谷とし子君 現在でも集計をされているものと思いますので、それを見える化する、そのお取組、是非よろしくお願い申し上げます。
 続きまして、国の官庁施設における太陽光の発電導入ポテンシャル、これは現在把握をされていますでしょうか。個別に把握をして、まず環境省、そしてほかの省庁も可能なところは速やかに導入をして、国民や地方自治体に範を示すべきではないでしょうか。いかがでしょうか。

#50
○大臣政務官(宮崎勝君) 現行の政府実行計画におきましても、国の省庁への、あっ、失礼しました、国の庁舎への太陽光発電の導入を位置付けているところでございます。
 先生御指摘の、国の施設における太陽光発電の導入ポテンシャルにつきましては、現時点で施設ごとに把握しているものではありませんが、御指摘のとおり、政府自らが庁舎等における再エネ導入を率先実行していくことは重要というふうに認識しております。
 竹谷先生の御指摘を踏まえまして、今後、環境省として、政府実行計画の見直しの中で、政府の庁舎等における太陽光発電設備の設置可能性の検討、把握や、設置可能な庁舎等への太陽光発電の率先導入をどのように促していくか、しっかりと検討した上で調整していきたいというふうに考えております。

#51
○竹谷とし子君 今回、地方自治体に計画を作って進めてくださいということを法律の中でお願いをするわけでございますので、国こそが率先してまずは取組を進めるべきと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 続きまして、廃棄物や資源循環、下水に関する脱炭素化に関してお伺いいたします。二つ続けて伺いたいと思います。
 国連気候変動枠組条約事務局に提出をしております温室効果ガスインベントリーでは、日本の廃棄物資源循環、また下水分野の排出量はそれぞれ何トンで全体の何%になりますでしょうか。また、温対法に基づく算定・報告・公表制度で報告をされている廃棄物資源循環、下水事業者の温室効果ガス排出量の合計はそれぞれ何トンになりますでしょうか。

#52
○政府参考人(小野洋君) お答えいたします。
 まず、インベントリー、温室効果ガスインベントリーの方でございますけれども、二〇一九年度の値でございますが、エネルギー回収を伴う廃棄物焼却からも含めた廃棄物関係の総排出量は二酸化炭素換算で三千九百六十七万トンでございまして、我が国の温室効果ガス総排出量の約三・三%でございます。下水の処理、処分に係る排出量は、そのインベントリー上、この内数になっておりまして、二百九万トン、総排出量の約〇・二%でございます。
 一方、算定・報告・公表制度の方でございますけれども、これも、これ二〇一七年度が最新でございますが、この集計結果によりますと、廃棄物処理業に伴う温室効果ガス排出量は二酸化炭素換算で約千九百万トンでございます。また、同じく下水道業でございますが、こちらは水道業の内数として把握しております。水道業については約八百四十万トンという値でございます。

#53
○竹谷とし子君 ありがとうございます。
 廃棄物の関係の総排出量、インベントリーによりますと我が国の温室効果ガス総排出量の約三・三%を占めるということで、これ大変大きなものだと思います。ここをネットゼロにしていくことによって四六%目標に近づくと思いますし、この廃棄物の所管は環境省でありますので、ここ是非率先して取り組んでいただきたいと思っております。
 また、下水分野につきましては、これは国土交通省の所管になりますけれども、温室効果ガスのインベントリーの方では〇・二%ということでありますが、算定・報告制度の方では水道業全体で八百四十万トン、全体の一・三%ということで、インベントリーとこの算定・報告制度、対象が異なりますので、算定・報告制度の方が全業種で大体半分ぐらいをカバーしているという御説明を受けましたので、小さくなるんだろうというふうには思うんですけれども、これで水道業、まあ上水道も入るんだと思いますが、全業種排出量の一・三%というのがこちらでは出ているわけでございます。これを考えますと、やはり水道に関してもそれなりに大きな排出量があるということで、この分野にしっかりと取り組んでいくということも重要であるというふうに考えております。
 そこで、お伺いいたしますけれども、廃棄物資源循環施設、下水処理施設の再エネ導入、これは、地方公共団体実行計画、今回の法改正でもこの地方公共団体の実行計画の重要性が高まるわけでありますが、この中に計画として位置付けられるべきものでありますでしょうか。

#54
○政府参考人(和田篤也君) お答え申し上げます。
 地方公共団体が、自らの庁舎などに加えまして、御指摘のような廃棄物処理施設、それから下水道処理施設などを対象に率先して脱炭素化の取組を進めることは重要であると考えておりまして、国の温暖化対策計画におきましても、廃棄物処理事業、それから御指摘のありました下水道、さらには上水道もでございますけれども、実行計画の対象になるというところを明示しているところでございます。
 これまで環境省としては、地方公共団体の施策例として、廃棄物発電設備の導入、下水熱の有効利用などの取組につきまして、実行計画のマニュアルを用いて周知を図ってきたところでございまして、引き続き、このような先進事例の情報収集を行うとともに、地方公共団体実行計画のマニュアルなどを活用して周知していくことで、地方公共団体の取組を促してまいりたいと考えております。

#55
○竹谷とし子君 廃棄物の資源循環の施設、また下水施設、そうしたところで脱炭素に取り組むのがもう当たり前なんだというふうに現場で思ってもらえるように後押しをしていくことが重要であるというふうに思っております。
 廃棄物の資源循環施設数、施設の総数、また太陽光エネルギーや消化ガスエネルギー、ほかの再エネの導入箇所数を教えていただきたいと思います。こちら、事前に資料も頂戴をしているところでございますが、御説明をお願いいたします。
 また、廃棄物処理施設の脱炭素ポテンシャルについて、現在分かる範囲、推計で定量的に御教示いただきたいと思います。

#56
○政府参考人(松澤裕君) お答え申し上げます。
 先生のお手元の資料にもございますけど、一般廃棄物、産業廃棄物併せて御説明いたしますと、まず焼却施設というジャンルがございます。全国で二千四百二十六施設ございまして、そのうち廃棄物発電あるいは蒸気利用という形で余熱利用しているものが全体の約五四%、一千三百十一施設ございます。このうち、廃棄物発電については出力規模を取っておりまして、その合計が約三百四十万キロワットになっております。
 それから、し尿処理施設ですとか、それから生ごみの一部について、先生御指摘の消化ガス、これメタンガスでございますけれども、これをエネルギー利用している施設がございます。し尿処理施設九百七のうちメタン化施設は二十八、生ごみなどの一般廃棄物のメタン化施設は二十二ございます。
 それから、最終処分場でございますけれども、全体三千四百十二施設のうち、現在把握している範囲では八十施設で太陽光発電設備が最終処分場の土地に設置されておりまして、その出力規模の合計が約二十一万キロワットになってございます。
 脱炭素ポテンシャル、再生可能エネルギーどれぐらい導入できるかというポテンシャルについて申し上げますと、先ほど申し上げました廃棄物発電について申し上げますと、熱利用が全体の施設の約半分ぐらい今来ているという状況でございます。一方、最終処分場につきましては、その面積から、太陽光発電の設置ポテンシャル、六百七十一万キロワットというふうに環境省の方で推定しております。

#57
○竹谷とし子君 最終処分場の太陽光のポテンシャル、六百七十一万キロワットの設備容量ということで環境省は推計をしておられるわけですが、現在導入をしているのはその三%程度にすぎないということでございますので、まず環境省所管のところでそのポテンシャルを実現するということに力を入れていただきたいというふうに思っております。
 次に、国交省の参考人も来ていただいております。下水処理施設数、及びその中で、太陽光エネルギーや消化ガスエネルギー、ほかの再エネを導入している施設数を御教示いただきたいと思います。

#58
○政府参考人(植松龍二君) お答えいたします。
 令和元年度末現在、全国の下水処理場約二千二百か所のうち、太陽光発電は百十か所、消化ガス発電は百十八か所において導入されるなど、約二百四十の処理施設で再エネ整備が、再エネ設備が導入されておりますが、更なる導入拡大の余地があると考えております。
 二〇三〇年に向けた対応を進めるためには再エネ導入の加速化が必要であり、国土交通省といたしましては、消化ガス発電などの再エネ導入の費用対効果を算定するガイドラインの充実や高効率、低コストの技術開発などを行うなどして、再エネ設備を導入しようとする下水道管理者への支援を進めてまいります。

#59
○竹谷とし子君 下水関係の現場も、私も全国で数か所見させていただきました。非常に再エネに積極的に取り組んでおられるところもございました。しっかりと予算を確保して、そういったことにも取り組めるようにしていっていただきたいというふうに思います。
 次に、未利用の熱、これを活用するべきであるということをお話をさせていただきたいと思います。
 再生可能エネルギーを導入をしていくということによって、約十七兆円、年間十七兆円と言われる化石燃料の輸入を減らしていく、そして脱炭素していく、国内に資金を還流をさせていくということが非常に重要だと思っておりますけれども、一方で、この熱というものも今使わずに日本の中で廃熱されてしまっていると、一方で、熱の需要というのも相当あるわけでございます。
 こうしたことを、供給と需要をしっかり結び付けていく技術が重要でありますけれども、経産省の方でも未利用熱エネルギーの活用についてこれまで取組を進めてこられました。環境省でも、地方自治体などがそういった取組をするときに支援をする、熱の利用をするときに支援をするという取組もやっていただいております。実際活用した自治体もございました。
 これ、熱を供給元から需要先に持っていくというのが非常に難しくて、パイプを通じて蒸気や温水で持っていくということが、スウェーデンに調査に行ったときに、そういう取組を国を挙げてやっているということで進んでいましたけれども、非常に、日本の中でパイプを通すということは、地中にパイプを通すということは難しい面もあるというふうにも伺っております。
 そこで、経産省の事業の中で、このパイプを使わないで、物質、ハスクレイという蓄熱材を産総研で開発をされたそうであります。資料もお付けしておりますけれども、それを利用するとトラックで運ぶことができるという、簡単に言うとそういうようなお話かと思いますけれども、羽村市で、民間事業者と、また羽村市のスイミングプールの加温にそれを使うという実証実験をやったということがプレスリリースをされております。
 この一つの事例でございますけれども、このハスクレイを活用した熱利用のシステム導入による省エネ効果として、事業者にとって電気やガス料金等のコスト削減効果はどれくらいあるのかということと、CO2削減効果の想定をお示しいただきたいと思います。また、そのシステムは国内で製造可能なものか、そして省エネ効果によって何年くらいで投資を回収できる見込みなのか、現時点の想定を経産省に御説明いただきたいと思います。

#60
○政府参考人(茂木正君) 今御紹介いただきましたハスクレイでございますが、これ、非晶質アルミニウムケイ酸塩と低結晶性粘土の複合体ということで、こういう結晶状の固体の蓄熱材ということになります。これ、大変蓄熱性に優れた材料であります。産業のプロセスでは、通常大体二百度よりも低い温度帯の廃熱というのの回収が一般的には非常に難しいフィールドなんですが、このハスクレイは大体八十度から百二十度ぐらいの温度帯の廃熱を吸収して熱として保持できるという材料でございまして、大変そういう意味では効果的であります。それからもう一つは、今御紹介ありましたとおり、固体の蓄熱材ですので、断熱をされた蓄熱槽に入れることによってある地点からある地点へ運ぶことができるということで、熱が移動できるというメリットがあるということであります。
 二〇一八年から一九年度にかけまして、経産省においても、NEDOの実証事業で省エネ効果について検証しています。これは、ある化学工場での乾燥工程で出てくる八十度から百二十度ぐらいの熱なんですが、これをハスクレイを活用した熱利用システムに導入しました。これは、元々これを活用しないで燃料ボイラーでたいた場合と比較しますと、大体省エネ効果がCO2排出量で約七割から八割減というその実証結果が出ています。
 それから、費用の削減効果という意味でいいますと、大体一億円ぐらいの設備投資で年間の光熱費が二千万円ぐらい削減できると。ほかのケース、別の実証でも、九千万円ぐらいの設備投資で千二百万円ぐらいのエネルギー削減効果ありますので、大体、投資回収年数としては五年から八年ぐらい、これはケース・バイ・ケースということになりますが、そのぐらいの効果が出ているということであります。
 それから、もう一つは、主要なシステム、これ蓄熱材も含めまして、国内メーカーが複数のメーカーで連携して製造をしておりますので、国内製造が可能ということでございます。現在、国内メーカーが連携して商用化に向けた調整を行っているというふうに聞いております。
 こうした熱利用のシステムの普及、これは廃熱の回収というのは非常に重要ですので、経産省としても、省エネ補助金などの活用も含めてしっかり今後も支援を取り組んでいきたいというふうに考えています。

#61
○竹谷とし子君 ありがとうございます。
 最後に、環境大臣に伺います。
 今質疑させていただきましたように、地方自治体が再エネ、省エネに取り組む多様なポテンシャルがあると思います。国交省、経産省など他省庁と連携をして、ワンストップで地方自治体に有用な情報提供や財政的、技術的支援を行い、後押しをお願いしたいと思います。

#62
○国務大臣(小泉進次郎君) 今日の竹谷先生のこの質疑を全国の自治体の皆さんに聞いていただきたいと思いますね。廃棄物処理施設、そして下水、そして熱利用、再エネ、これだけ自治体ができることがあるということ、そして、それを後押しすべく、今環境省は、国・地方脱炭素実現会議の中で、経産省、国交省、そして関係省庁と連携をして、現場で各省の地方支分部局、この横のつながりも大事にして、行政ができることを実現に向けて後押しをしていきたいと思います。
 ありがとうございます。

#63
○竹谷とし子君 是非しっかり、地方自治体を応援するとともに、国が率先をして取り組んでいただきたいと思います。
 以上で終わります。

#64
○片山大介君 日本維新の会の片山大介です。
 私は、まず、自治体で増えてきている再エネ設備の導入を規制する条例について聞きたいと思います。
 条例を制定している自治体は、これ民間の調査ですか、だと大体百四十九自治体に上るというんですね。まず、条例はどのような内容のものが多いのか、そして、条例がこうして増えてきている要因についてはどのように分析しているのか、教えていただけますか。

#65
○国務大臣(小泉進次郎君) まず、このような条例が増えてきている原因ということでありますが、例えば周辺住民などとの合意形成を経ない形で再エネを導入をしたことによって、景観悪化や騒音などの環境トラブル、そして地すべりなどの災害への懸念や、こうしたトラブルの結果、再エネが土地に依存する事業であるにもかかわらず地域のメリットになっていないと、こういう認識などに起因するものだということも考えられます。
 そういうことがあるので、これら全国で今作られている条例というのは、共通して自然環境や地域と再エネとの調和を図ろうとする観点から作られたというふうに認識をしています。
 もっとあれですか、内容を具体的に言った方がいいですか。(発言する者あり)
 条例の内容として、例えば、太陽光発電だけを対象とするものや、太陽光発電だけではなくて風力、バイオマス、地熱などの発電事業も対象とするものもあります。また、自治体全域を対象とするものや禁止、抑制区域を設定するものも条例の中ではあります。そして、再エネ設備の設置を許可制や届出制などにするもの、そして地域への事前説明や地域との協定の締結を求めるもの、こういった百四十九の中でも様々な条例の中身になっているというふうに認識しています。

#66
○片山大介君 その理由は今まさに大臣が全部言ってくれたなと思うんですけど、やっぱり景観だとか騒音のトラブルがありますねと。あともう一つ、やっぱり現場にどのような、地元にどのような恩恵があるのか見えづらいという、先ほど外資のお話を徳永委員もおっしゃいましたけど、そういう問題もあるという感じなんですね。
 それで、大臣は、先ほどの答弁でも、成長産業の育成というようなことも言われたんですけど、その観点は大切だし、やっぱり再エネこれから増やさなきゃいけないのは分かるんですけれども、やっぱり地元の合意というか同意がなければ前に進んでいかないのは確かだと思うんですね。
 ただ、こういう条例があると、それで今回この新しい法律が成立して施行になっていくというんで、この条例と法案とのバランスというか関係性、どのように保って併存させていくと、両立させていくというんでしょうか、そこはどのようにお考えでしょうかね。

#67
○国務大臣(小泉進次郎君) 実際に条例を動いた自治体の首長さんとも意見交換をしたことがありますが、その首長さんや議会の方も再エネ自体を否定しているわけではありません。ただ、残念ながら、そのメリットが見えづらかったり、事業者、信頼の置けない事業者の存在と、それと結び付く地元の一部の方との様々な地域のトラブルなどもあり、本当は再エネをもっと入れたいのにこういう対応をせざるを得なかったというような一部の声も私は聞いていますので、今回の法案をきっかけに、そういった再エネが地域に報われる形で導入をしたいと思われる方がより積極的に実現をできるツールとして、仮に条例を制定をしたような、その規制型の条例を導入したような自治体であってもこの促進区域を使えますから、そういった中で地域から歓迎されるような促進区域再エネが生まれていくことを期待をしています。

#68
○片山大介君 そういうふうに思ってもらえる自治体ばかりでもないかもしれないですし、これ結構、実はかなり難しい問題なんだなというふうに思います。やっぱり我々が議論する場、政策レベルでの議論だとかというのはありますけれども、実は現場レベルでのそういう課題というのが一番何か大切になってくると思うので、これを是非忘れないでやっていただきたいというふうに思います。
 それで、ちょっと改正のもう一つの柱で、先ほど竹谷委員も少し質問されたと思うんですけれども、この企業の温室効果ガスの排出量を算定して報告して公表する制度、ちょっとこれもやっぱり私、興味があるのでかなり聞きたいと思うんですけど、これ、事業者自らが削減量を、排出量を算定することによって自主的な取組を促そうというような制度なんですけど、これ平成十八年度から実施されてきたというんですね。でも、これまではその事業者に紙で環境省は報告を求めていたというんですね。その紙でもらったデータというのを環境省側でデータ入力をするので、その報告をしてから公表するまで二年掛かっていたというんですね。
 それで、このデジタルの時代の今にこういったことの何かアナログ的なことをずっとやってきたと、結構これ最初聞いたとき驚いたんですけど、大臣、驚きませんでしたか。

#69
○国務大臣(小泉進次郎君) 驚くところがそれだけじゃないので、余りに驚くことがあり過ぎるのがこの行政の現実だと正直思います。特に、入省したての若者は、霞が関に入ってきて、今まで生活の中で当たり前に使えていたSNSとかアプリとか、役人になった瞬間から全部便利なツールは使わずにやれと言われる。そして、使ったことのないような一太郎とかも使えと言われる。
 驚くことがあり過ぎるので、これはその一部だと思っていますが、今回のことを契機に、これからはデジタルが原則だというふうに変わります。しっかりと、驚かなくてもいいような環境をつくっていく一助になると私は確信をしています。まだまだやらなければいけないことがあるのが現実でもあります。

#70
○片山大介君 決意はよく分かったんですが、それで、じゃ、これまで、この制度、平成十八年ですからもう十何年行われてきたんですけど、じゃ、どれほどこれが地球温暖化対策に役立ってきたのかというのをちょっと分析をしたいなと思っているんですけど。
 この集計結果を、何というのか、活用している自治体、これゼロカーボンシティって今三百六十、四百近くありますけど、そのうちの一八%の自治体しか使っていないというんですね。事業者自身も、無作為抽出された事業者のうち一八%しか使っていないと、二割以下なんですよね。
 それで、これ、先ほどもちょっと竹谷委員おっしゃっていましたけど、企業の、事業所ごとの何というか排出量情報というのは、これ開示請求しなきゃ出てこないんですけれども、じゃ、その開示請求の数といったら、ちょっと聞いて驚いたんですけど、一応改めて聞きたいと思いますが、どれぐらいですか。

#71
○政府参考人(小野洋君) お答えいたします。
 事業所ごとの情報について開示請求の件数でございますけれども、直近の令和二年度で年間八十一件ということでございます。

#72
○片山大介君 そうなんです。年間二桁ぐらいだっていうんですよ。だけど、これ算定・報告で出している企業って一万以上あるんですよ、たしかね。一万以上の企業で、まあ、ただそれは企業単位ですから、その中で事業所ごとってもっとたくさん分かれていくんですけど、それでその二桁しか請求がないというのだと、これの目的で自主的な取組、それから他業種、同じ同業種の他者がどのようにやっているかということを参考にしてもらうといって公表するんですけど、ほとんどこれ使われていないということですよね。だから、これに、今回の改正に合わせてというのも分かるんですけれども、やっぱりこれはもっとできる範囲でやっていった方がよかったと思いますよ。
 それで、今回の改正で、じゃ、せめてこれデジタル化しようと当たり前のことをやるんですが、その上で、企業が報告を出してからそして公表するまで、これまで二年掛かっていたのを半減化しようといっても、一年だというんですよね。まあこれ、技術的に一年でも何かなかなか大変なのかもしれないんですけど、ただ、今、二〇一三年度比四六%削減というのを三〇年目標で訴えているわけです。企業にもいろいろやってもらおうというんで、企業はもう日進月歩の技術の中でいろんなことを排出削減どんどんやっていこうとやっているわけですよね。だけど、それ出してから一年たってから公表されるといったら、その時間との乖離というか実態との乖離を生んでしまって、企業が本当に正当な評価を受けられないんじゃないかと思うんですけど、これかなり改善の余地あると思いますが、どうでしょうか。

#73
○政府参考人(小野洋君) まず、状況でございますけれども、一年、今二年掛かっているということでございます。
 この制度でございますけれども、まず正確で公的な排出量データが入手できるという特徴があるということでございますので、やはり国による一定のチェックは必要かと思っております。そのために報告事項に誤りがないか確認をするということをやる必要が電子化してもあると思っておりまして、とはいえ、委員御指摘のとおり、これはできるだけ早くというのは当然でございますので、一年未満の公表を目指して制度の運用に努めてまいりたいと考えております。

#74
○片山大介君 是非、企業にそういったことを求めるんだったら、やっぱり環境省側もそこは頑張っていただきたいというふうに思いますし。
 それで、これまだちょっとこの続きというかあるんですけどね、それで、事業者が算定して報告する項目というのは数十ぐらいあるんだというんですよね。だけど、それも、平成十八年度の制度開始以来その項目内容変わっていないというんですよ。それで、聞いてみたら、例えば、今、脱炭素に欠かせなくて、もう毎日のようにニュースで出ている水素がありますよね。水素の取扱いとかこの項目の中入っていないとかというんですよ。さすがにやっぱりこれももうちょっと時代に合わなくなってきていると思うので、こういう報告させる項目というのもちょっとこれきちんと見直した方がいいと思います。
 今回の法改正では、実はこの項目内容を見直すと入っていないんです。これ聞いたら、これは政令マターだというんですよね。政令についてはまだ見直すかどうか余り決めていないとかというんですけど、これ、やっぱりせっかくだから政令を見直した方がいいと思いますけど、どうでしょうか。

#75
○国務大臣(小泉進次郎君) 必要な見直しを最新の今の動向を踏まえた上でやるということは、何らちゅうちょするものではありません。
 一方で、これやはり誰が使うのかと、この制度に基づいたデータをと。そうすると、一人はやっぱり投資家とかの存在もありますよね。そのときにこの算定・報告・公表制度に基づいたデータだけを投資家サイドなどは使っているわけではなくて、ほかのあらゆる企業情報の中でその投資行動というのを決めていく中の一助としてこの国の制度なども活用いただければと思っていますので、これだけで全ての排出の努力とかを測れるものではありませんが、一助となるべく、頑張っている、排出抑制、削減を頑張っている企業が報われる形のこの制度、この在り方は今後も不断の見直しをしていきたいと考えております。

#76
○片山大介君 だけど、水素の取扱いぐらいは入れてもいいかなと思いますよね。それで、今の中で入れられないんなら、じゃ、任意の報告みたいなもので求めさせれば十分かなというふうに思いますけどね。
 それで、活用という意味では大臣そのとおりで、私、前、一般質問のときにESG投資についての質問をさせていただいたんですが、そのときにも、ちょうどこの後温対法の改正が控えているから、そこに、改正法がそのESG投資への活用に使えるようにちょっとそれは検討した方がいいんじゃないかという話もしたんですね。幅広い活用ですよね、まさに投資家に対する。それで、今、そのESG投資というのはいろんな基準が国際的に乱立しちゃっている状況なんですから、どうせだったらこの法改正に合わせてこれもやるべきだと思うんですけど、これも何か聞いたら、そんなにまだ具体的なところまで考えていないんですけど、これはやっぱり検討の余地あるんじゃないかと思いますけど、そこら辺どうでしょうか。

#77
○国務大臣(小泉進次郎君) すごく重要な視点だと思います。
 やはり、この脱炭素を前向きに取り組む一つのインセンティブになっているのは、頑張ると投資が付いてくる、これが大事で、世界的になぜこれまでここまで急速な脱炭素の流れができているかといえば、やはり金融の動きは不可欠です。ですので、今回の法改正を機に、日本の企業の取組の可視化につながり、そのことが投資家から、頑張っている企業が埋もれていたものが、より投資が促進をされるような効果に結果としてつながることは期待をしています。
 なお、先生が御指摘されたように、今の制度の報告される義務を付されている公表のポイントだけではなくて、任意として自ら報告をしたいこと、そういったことについても報告をできるようになっています。
 あとは、今後、中小企業を含めて事業者の皆さんにもいかにこういった取組を参加いただくことができるのが大事ですから、この中小企業の任意報告の充実、こういったことも含めて在り方を検討を深めていきたいと考えています。

#78
○片山大介君 それで、あと、この地域地球温暖化防止活動推進センターですか、これも柱に一応なっているんですけど、一応念のため聞こうかなと思うんですけど。これ、新たに法的位置付けで事業者向けの啓発、広報活動を入れたというんですけど、わざわざこれをその法的位置付け入れる必要があるのかなと、まずこれ思ったんですけど。
 それで、実際、私、こういうセンターがあるということを全く知らなかったんですけど、知らない方の方が多いかと思うんですけど、これ結構そのこと自体がやっぱり課題だなと思うんですが、どうしていったらいいと思いますかね。

#79
○政府参考人(小野洋君) お答えいたします。
 まず、この地域の地球温暖化防止活動推進センターでございますけれども、現状、地域の住民向けの啓発、広報活動を行うということでやってきております。委員御指摘の事業者向けでございますけれども、これについては約半数の地域センターで既に事業者向けの取組を、任意といいますか、法律に必ずしも明確な位置付けがない中で行っているということでございます。
 ただ、半数にとどまっているということでございまして、やはり今後、地域の中小企業も含めた取組というのは非常に重要だと考えておりますので、今回、事業者向けの取組を制度的に位置付けるということでその取組を後押しして、全国に漏れなくその事業者向けの啓発普及、広報活動を展開していくというために今回盛り込んだものということでございます。

#80
○片山大介君 法に位置付ける以上は、是非やっていただきたいというふうには思います。
 それで、最後に、私、本会議の質疑のときにも聞いたんですが、基本法の必要性、ちょっと簡単に議論しながら最後終わりたいと思っているんですけど。やっぱり今回のこの温対法の議論、この委員会でしてきてやっぱり改めて思うのは、やっぱりこの法律って環境省の足下でできることだけしか書いていないんだなというのを思いましたね。
 それで、やっぱりこれ、温暖化対策というのは政府の柱に掲げているし、各省庁にまたがるというか、各省庁の気候変動に資する施策ってあるんですけど、やっぱりそういうものが議論できないことの、何というのか、何かストレスというか、そういうのは皆さん感じると思うんですけど、そこら辺、大臣、どのようにお考えですか。

#81
○国務大臣(小泉進次郎君) もちろん、脱炭素は全省庁関わるので、考えてみるとこれをもっと進めるべきだけどこれはどこどこ省の所管だなというふうに思うことは、あらゆる分野においてあります。
 ただ、一方で、今回のこの日本のカーボンニュートラルがここまで急速に進んだ背景にはやはり総理のリーダーシップというものがあって、その総理のカーボンニュートラル宣言以降から、各省が自主的にやらなければいけないというマインドが相当強くなってきたことも事実です。
 ですので、昨日官邸で有識者会議が行われたときに有識者の方から評価のあった一つは、例えば農水省がやっているみどりの食料戦略システム、これなんかも国際社会からの評価も高いと、そしてまた、国交省も今グリーンチャレンジということで脱炭素の取組をやっている、そして今我々もこのようにやっていて、経産省もやっている。
 これをあとは、課題は、国際的に評価がより高まるような各省の戦略などをいかに一つの日本の戦略としてしっかりと統合的、体系的に位置付けて、発信もして、日本の国内でも取組を加速させていくかなので、今後政府内でとにかく連携協力をしっかりと踏まえて進めていくようなその体制というのは、より良いものがあればそういったことも考えなければいけない、その必要性というものは私自身も感じております。特に、再エネについては関係省庁との連携が今以上に必要だろうなと感じています。

#82
○片山大介君 なかなか簡単ではないですけど、例えば、今の会議とかはやっぱり永続的なものではないですよね。今回、温対法で二〇五〇年というのを明記したわけだし、だから、そうすると、やっぱり政策も、基本法みたいなものを作って緩和と適応を一緒にやっていくような、そういったものをやっぱりやることが、それこそ、それが大臣の言っているやっぱり社会変革に資する法律なんだと思いますし、それを環境省、是非検討としては、今回改正法が通るとは思いますけれども、その後の検討課題として考えていただきたいと思います。
 最後に、じゃ、それだけ聞いて終わります。

#83
○国務大臣(小泉進次郎君) ありがとうございます。
 緩和と適応を網羅してしっかり統合的に進めていけるように、環境省、正直申し上げて、これだけ課題が大きくなってきた脱炭素を進める上では、より環境省の組織の体制、そしてまた定員、こういったことについても抜本的に強化をしなければ、今ある業務だけでも、職員一人一人の健康、そして働き方改革、そういった関係でもかなり伸び切っているなと。正直、大臣として、私が健康を崩した立場で言うのは全く説得力ありませんが、この部分も考えると、体制づくり、しっかりと政府の中で御理解得られるように、そこにも心を砕いていきたいと思います。

#84
○片山大介君 終わります。

#85
○柳田稔君 今日も質問をさせてもらいます。
 先週の木曜日から考えると大分声に張りが出てきたようで、さすが若いから回復力早いなと思って、これからも健康に留意されて頑張っていただきたいと思います。
 今朝新聞読んでいたら、水素で走る車が耐久レースを完走したと、ほう、ここまで進んだんだなと、そういう感を受けました。もう一つは、川崎重工さんが水素を運ぶ船を運航し始めたと、ほう、相当頑張っているなという気がしています。民間も、今の温暖化を見据えて、できることはやる、それ以上のことも頑張ってやるという姿勢が見れるのかなと感心いたしております。
 ただ、その中で気になるのが二点あって、水素を輸入する気なのかなと、今後も、じゃ、水素というのは海外から輸入して日本で消費をしていくと、そういうスタンスがあるのかなというのが一点。もう一つは、その水素を持ってくるのがオーストラリアで、質の悪い石炭に熱を加えて水素を発生させて作るという。一体どういうことだろうかと。元のもくあみで、二酸化炭素を出して、新聞見ていたら、その二酸化炭素は地中に埋めるとか書いてありましたけれども、ああ、いいこともあればなかなか難しいこともあるなと。
 一概にしてみんな頑張っているなという気がするんですが、どうでしょう、感想は。

#86
○国務大臣(小泉進次郎君) 結論から申し上げれば、とにかく再エネをつくるだけつくって、余った部分で水素をやる、これが基本だと思います。なので、私は、水素社会を実現をしたいという、自民党の議連もありますし、与野党含めて思いを持っている方には常に言うんですけど、水素を本当に社会実装するためには、とにかく再エネ増やさなきゃ駄目ですよと。さらに、カーボンプライシングも必要ですよと。
 世界の水素戦略見れば、基本はやはりそこです。最初から、コストが今は安いからといって輸入をする水素を前提に考えるというのは、今はまだコストが乗りませんから、輸入でコストを下げて持ってくるというのはあっても、長い先を見た場合は再エネ由来の水素じゃなければ勝負ができないフィールドが出てくるわけですから、そこを考えて、日本は、いかに再エネを生めるだけ生んでいくか、これを第一義的に考えることが不可欠だと考えています。

#87
○柳田稔君 先ほど来からの質問で、再エネに相当力を入れていますし、これからも入れるんだなという感じを持ったんですね。
 電源構成の話が時々政府から出てきますけれども、再エネを更に増やすということを聞いたんですが、それでよろしいんでしょうか。どこまで増やすつもりなんだろうか。

#88
○国務大臣(小泉進次郎君) 総理の言葉で明らかだと思います。総理は、まずは再エネですと。この再エネを主力電源化にする、増やす方向は間違いありません。

#89
○柳田稔君 私は決して再エネ否定している立場じゃありませんのでね。ただ、そういうことが実現できるために何をしなきゃならないのかなというのが主眼なんです。
 再エネというと太陽光ですよね、メーンが。その次が風力ですかね。これが大方を占めてしまいますよね、二つで。この太陽光というのは欠点もありますね。例えば、今の時期でいうと、今日は晴れているからいいけれども、今日以外の日は全部曇っていましたよね、これじゃ発電になりませんよね、という不安定さですね、出力の。また、季節によっても大分違いますね。梅雨時期は曇り、雨ですし、冬場になると曇りが多いですよね。これも季節によって相当増減がありますよね。
 つい最近、各電力会社の電力の供給の予想が出ていまして、冬場でしたかね、東京電力が、需要供給のバランスが崩れて、場合によっては東京大停電が起きるかもしれないと。その理由は何だろうと。要するに、再エネを進めていって、そういったふうに発電ができなくなったときにどこで供給を補うんだろうか。これは瞬時にやらないといけないですよね、時間を掛けてやるわけにはいかない。そうすると、火力に求めるしかない。ところが、今の電力会社は石炭火力を大分止めていますよね、廃止していますね。ということもあって、需要に供給が追い付かない状態が出てきて、一月ぐらいには電力がショートして、場合によっては大停電が起きるかもしれない。
 これは、北海道で地震があって火力発電所が停止したときに、北海道の大部分が停電をしましたね。それも、一日、二日じゃなくて、長期間にわたって停電をしましたよね。そのことを考えたときに、やらなきゃならないことが山ほどあるなと。この再生エネルギーに力を入れることについてはいいんですけれども、それまでにやらなきゃならないことが山ほどある。それも、直近に来ている。
 本当に来年の一月に電力がショートして大停電が起きるかどうか分かりませんけれども、そのバックアップが相当ないということで予想されているわけですが、どう思われます。どっちでもいいですよ、局長でも大臣でも。

#90
○国務大臣(小泉進次郎君) よく再エネにありがちなのは、課題ばかりを言われてその可能性を言われないと、そして原子力推進論者は課題を言わずに必要性を語るという、そして、再エネはコストが高いと言われながら、原子力推進側は見えないコストについては触れないと。私は、そろそろそういうのやめませんかと思いますね。
 ですから、もう再エネ必要なことは間違いなくて、何が変わってきたかというと、電力を供給することだけが必要じゃなくて、需要家がどの電力を欲しいかということを、需要家が電力を選ぶ時代に変わってきているんですよ。だから、電力だけを生んだところで、再エネじゃなかったら事業を運営したって売れないんだと、ビジネス、土俵に立てないんだというこの認識がまだまだ御理解されていない方が多くて、私はそこが、まあ形を変えた再エネに対するネガティブキャンペーンがひどいなというふうに思っていますので、しっかり政府の中でもそういったことを意見申し上げながら、万能な電源はありませんから、再エネの課題もあれば、ほかの電源全てだって課題ありますから、そこがフェアに議論されるようにしっかりしていきたいと思います。

#91
○柳田稔君 何も反論するつもりないんですよ、それでいいんですけど。電力を使う立場からいうと、極力安定してほしいわけですよ。もう停電なんてとんでもないわけですね。企業にとっても大問題ですもんね。そんな不安定な供給では駄目だと、安定してほしいと。その次、安くしてほしい、安価な電力であってほしい。これが使う側の希望なんですよ。そっちサイドから物事を考えて申し上げているんですけれども。
 そういうことなので、この一月に大停電なんて起こしてほしくないなと。まあ起きなくても、今後大きな課題になりますよね。これ以上に再エネ、特に太陽光を増やしていきました、石炭始め火力による発電所を減らしていきました、なくしましたといったときに、可能性どんどん膨れ上がってきますよね。再エネが安定してくれればいいんですよ。ところが、これが安定しないもので、これはもう天に聞くしかないですよね。
 その中で、そういったバックアップ電源と言われていますけれども、この辺も相当やっていかないといけないなという気がしているんですよ。これができるだけ早くやらないといけない。相当なことを早くやらないといけないという気がするんですが、どう思われます。

#92
○国務大臣(小泉進次郎君) 再エネの普及と併せて調整力が必要だということはそのとおりです。その調整力として使うものもいかにCO2排出をなくしていけるか。ですので、最近、石炭火力にアンモニアや水素、こういったものを加える中で、最終的には、火力だけれどもCO2排出がゼロというこのゼロエミッション火力、この開発、そして普及、しっかり後押しをする必要は、私もそのとおりだと思います。
 あわせて、その不安定なものをいかに安定化をさせていくかという技術や社会に変えていく、このライフスタイルの変化は不可欠です。日本と海外で議論がずれているのは、ベースロードということばかりを言って、フレキシビリティーという柔軟性の議論が欠けていることです。もう先進国は不安定なものを安定化させるためにどうするかをやっているんです。ですから、電気自動車だってそうです。蓄電池もそうです。そして、仮想発電所と言われるものもそうです。
 こういった需要と供給を、不安定なものを需要サイドで反応させて対応していくというような新たな社会に対しての努力も積み重ねなければ、私は日本の産業構造が次世代化が進まないと思います。

#93
○柳田稔君 局長が手を挙げていましたけど、多分蓄電池の話をされるのかなと思ったりもしているんですけれども。一つの解決策ではあるんですよね。その研究も進んでいるのを聞いています。ただ、容量がそう多くないんですよね、現在では。この容量をどれほど大きくできるのか、これも大変な課題だなというふうに聞いています。
 更に言うと、電力なんですが、これ、太陽光発電等は、実は電圧がばらばらなんですよ。百ボルト一定じゃないんですね。これをどう百ボルトにして、出荷とは言いませんけど、送電するか、大きな課題なんです。今でも各電力会社が相当努力しているようですけど、この量が更に増えてきて地域がどんどん広がると、更に大変になってくるらしいです。
 で、今度は周波数なんですよ。これも一定しないらしいです。この周波数が一定しないとコンピューター止まりますからね。といったような弊害があるので、この問題も早くしないといけないと。ちなみに、東日本大震災で電力が不足したときに、西の方から電力を東に送る。いやあ、周波数が違うので、相当なエネルギーと期間と予算を掛けて大きなもの造りましたよね。そういうことを聞くと、周波数を一定するのも、ああ、なかなか難しいのかなという気がしているんです。
 あと、いろんな問題が出てくると思うんですが、こういった問題についてどういうふうにするんだろうかと、されるんだろうか、いつまでにされるんだろうか、官と民の協力関係はどうなんだろうと思ったりもしているんですが、いかがでしょうか。

#94
○政府参考人(小野洋君) お答えいたします。
 一部先ほどの大臣の答弁と重複いたしますけれども、やはり再エネの大量導入を行っていくに当たりましては、委員御指摘のような課題があるということは十分認識しておりますし、適切な調整力の確保というのが必要であるということでございます。例えば、委員御指摘ございました蓄電池の開発も進めておりますし、動く蓄電池としての電気自動車を活用していく、さらに水素をどう活用していくのかといったことなど、調整力の脱炭素化も進めていきつつ、その変動をカバーし、需給調整は行っていくということが必要であろうと思っております。
 環境省といたしましても、脱炭素社会の実現に向けまして、遠隔制御が可能な蓄電池でございますとか電気自動車の導入促進などの調整力の脱炭素化に資する取組、あるいは先ほど委員から御指摘がございましたような取組を進めてございます。また、政府全体としては、二兆円のグリーンイノベーション基金の活用によって様々なイノベーションもこれから進めていくということでございます。
 こういったことで、再エネの最大限の導入を進めつつ、水素、アンモニア、CCS等による火力発電のゼロエミッション化というのも進めてまいりたいと考えております。

#95
○柳田稔君 そうですねと、じゃ、大丈夫ですかと聞きたくなるんですが、今日はそれを聞くことはしません。しかし、やってもらわないと、CO2削減四六%ですからね、十年で、やってもらわないと達成できませんよ、まず。先日、大臣は何としてもやる数字だとおっしゃいましたからね、そのための具体的な裏付けを早急につくっていかないといけないんじゃないかと、当然予算も付けてね、と思います。しっかり頑張っていただきたいと。
 まあ、応援団ですからね、非難しているわけじゃ全然ないので、応援団としてやらなきゃならない。かといって、何かもう本当にやる気があるのかなと、気がせぬでもないんですよ、遅れているんじゃないかと。まあ、冒頭言いましたように、水素運ぶ船とか車とか大分民間も頑張っているので、官と民と一緒になってしっかりした対応して実現してほしいと、そう思います。
 あと五分ですので、次は地方自治体について、ダブるかもしれませんけれども。
 広島県の方は、水害が何回か起きました。そのたんびに道路が壊れて修繕しないといけないということがあったんです。道路も国から市町までありますけれども、市町の方はその道路の補修の図面を描く能力が実はないんです、市町には。中核都市にはありますよ。ところが、そうではない市町にはないんですよ。何をしているかというと、全部民間への外注でやっているんです。それが現実なんです。
 なぜそうなのかというと、相当行革やっちゃって人材が大分少なくなってきたというのが現実だろうと思うんですね。そうすると、この法案が成立した後、環境省からこうしてくれああしてくれっていろんな要望を出したときに、本当に地方自治体が動けるのかなと。その辺はどう思われます。

#96
○政府参考人(和田篤也君) お答え申し上げます。
 まさに先生御指摘のように、カーボンニュートラルの実現に向けては、地方自治体の役割が非常に重要ということである一方で、御指摘のように、例えば小規模な自治体ですと、マンパワー、パワーそのものも問題でもあるかもしれませんし、専門知識の問題だったり、それから組織の機構の問題だったりというような課題があるかと思います。いかに環境省としてもこのような課題を克服すべき、後押ししていくのかというところは非常に重要な点だと思っています。
 これまでも、具体的には予算のスキームで、バックアップ・アンド・サポートという形で再エネ強化支援パッケージなどゼロカーボンシティを中心にして対応してきたところでございますけれども、自治体の計画策定や合意形成、設備導入などの取組をこのようなスキームでバックアップしてまいりたいというふうに考えております。
 また、現在、官邸の会議であります国・地方脱炭素実現会議においても、先生御指摘のような課題点というところが非常に浮き彫りになっているところでもございますので、地域脱炭素ロードマップというもののフレームワークの実施、実現を通じて、小規模自治体のバックアップにもしっかりとつながるような取組を進めてまいりたいと考えております。

#97
○柳田稔君 時間ですからまた次回にしようかと思いますけれども、地方自治体本当に大変なんですよ、思った以上に。ちなみに、水害のときは、道路、図面は民間出すんですけれども、民間も手いっぱいなんです。そうすると、何を民間し出すかというと、県の方から取ってくるんですよ。県の道路の図面から。それが終わったらやっと市町へ下りてくる。そのように長期化しちゃうわけですよ。これが現実なんです。となったら、今、局長の方から答弁ありましたけれども、本当にそれだけで足りるのかなという気がしますので、頑張ってやりましょう。
 以上です。

#98
○委員長(長浜博行君) 午後一時四十五分に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時五十八分休憩
     ─────・─────
   午後一時四十五分開会

#99
○委員長(長浜博行君) ただいまから環境委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。

#100
○山下芳生君 日本共産党の山下芳生です。
 五月の二十日、二十一日、G7気候・環境大臣会合がオンラインで行われました。小泉環境大臣も参加をされております。聞きますと、G7の大臣会合が気候・環境大臣でセットされたのは今回が初めてだということであります。G7の議長国がイギリスということで、六月のですね、今度十一月に開かれるCOP26の議長国もイギリスということもあってこういうテーマが設定されたのではないかと思いますが、G7のCO2排出量は世界全体の約三割ということですので、極めて意義深い会合だったと思います。
 この気候・環境大臣会合で採択された共同声明、ちょっと私も政府の仮訳いただきましたけど、これ読みますと、冒頭のところに、我々は気温上昇を一・五度に抑えることを射程に入れ続けるという文言、これ繰り返し出てまいります、こういう表現が。目指すところは二度未満ではなくて一・五度であることが明確にされました。これは大事な認識だと思います。
 ケリー米大統領特使気候変動問題担当大臣は、米国は一・五度目標に徹底してのっとると保証する、一・五度目標は今後十年間に行われなければならない選択を規定するもの、どの決定もその枠組みで行われなければならないと述べたと報じられております。
 極めて意欲的、積極的な発言だと思いますが、私、いただいた、小泉環境大臣と梶山経産大臣のG7での発言の、これが全部じゃないですけど、メモというのをいただきました。これ、ぱらっと全部見たんですけど、この中に一・五度という言葉がないんですね、見当たらなかったんです。両大臣から、G7として一・五度を目指すべきだとか、あるいは日本として一・五度を目指すという発言はされなかったんでしょうか。

#101
○国務大臣(小泉進次郎君) 私からは、一・五度という言及はありませんが、日本の二〇五〇年ネットゼロ、そして二〇三〇年の目標、そして今進めている政策の方向性、こういったことについてしっかりと国際社会に打ち込めたと思います。そして、大事なことは、その一・五度については、先月の日米気候パートナーシップ、この中でも一・五度は入っています。そして、今回のも入っているということで、改めて、世界、先進国、特にG7においてその一・五度というものを認識をして、各国一丸となって前向きなところでワンボイスをつくることができたことは、このG7、画期的だったと思います。

#102
○山下芳生君 この共同声明で各国国内の石炭火力について述べたパラグラフ、三十二パラグラフを見ますと、ここの冒頭に、我々は、石炭火力発電が世界の気温上昇の唯一最大の原因であることを認識しというのがあるんですね。石炭火力が唯一最大の気温上昇の原因だと、これは非常に明快にすぱっと言い切っています。それから、その結論として、二〇三〇年代の電力システムの最大限の脱炭素化に今コミットするという結論になっております。
 こうなりますと、当然、ここから導き出される行動目標は、石炭火力発電は全廃するということに当然なってしかるべきだと思うのですが、残念ながらこの共同声明にその文言はありません。石炭火力を全廃するという文言はないんです。その代わりに入ったのが、排出削減対策が講じられていない石炭火力発電設備からの移行云々ということになっております。
 認識と行動計画がねじれているんじゃないかなと私はこれを見て感じたんですが、海外の報道を見ますと、日本の報道から紹介しましょう、日本の報道では、政府関係者によると、事前の協議で国内も含む石炭火力の全廃を声明に盛り込む案が示されたが、日本が反対したというふうに、これ毎日新聞、五月二十二日ですけど、こうあります。それから、海外の報道でも、これアメリカの有力ネットメディア、ポリティコ、五月二十一日ですけれども、日本政府は英国主導による二〇三〇年までに石炭火力を廃止するという提案も妨害したというふうに書かれております。
 そういうことを日本はやっちゃったんでしょうか。

#103
○政府参考人(小野洋太君) お答え申し上げます。
 閣僚声明に関する交渉過程や会議における議論の詳細につきましては、お答えを控えさせていただきたいと存じます。

#104
○山下芳生君 まあ、そういうふうに言われるんでしょうけど、そう言われるんじゃないかなと思って、資料一に、これはG7加盟国の石炭火力の方針を示した、イギリスのシンクタンク、E3Gの報告書などから作成した、これ朝日新聞の一面に載っていた図ですけれども、これによりますと、フランスは二〇二二年、英国は二〇二四年、イタリアは二〇二五年、カナダは二〇三〇年、ドイツは二〇三八年までに石炭火力を廃止する方針になっています。米国も二〇三五年までに発電部門の脱炭素化ですから、これ石炭だけではなくてガスも含めてやめようという方針なんです。
 このG7の中で日本だけが石炭火力の期限を切った廃止方針がないと、高効率の施設を使い続けるという方針ですけれども、こういうことから、客観的にすればですよ、G7の共同声明に石炭火力全廃の表現が盛り込まれることに反対する必然性があるのは日本だけじゃないかとなるんですが、やっぱり日本が反対したんじゃないんですか。

#105
○政府参考人(小野洋太君) お答え申し上げます。
 繰り返しで恐縮でございますけれども、閣僚声明に関する交渉過程につきましてはお答えを控えさせていただきたいと存じます。

#106
○山下芳生君 それではこの疑念というか、この報道を否定はできないんですよね、残念ながら。
 それでちょっと中身に踏み込んでいきたいと思うんですけれども、この共同声明は、三十二パラグラフの中でさっき紹介した、排出削減対策が講じられていない石炭火力発電設備からの移行というふうに言っているわけですね、全廃じゃなくてね。この排出削減対策が講じられていないというのは、G7で統一した見解はあるんでしょうか。

#107
○政府参考人(小野洋太君) お答え申し上げます。
 この共同声明にありますとおり、排出削減対策が講じられていない、この一言でございます。

#108
○山下芳生君 要するに、これ各国がそれぞれ自由に理解しても構わないという曖昧な文言になるんですね。
 では、聞きますけど、日本政府としては、これはどういう認識なんですか。

#109
○政府参考人(小野洋太君) 排出、CO2の排出を実質的に低減させる、そのような措置が講じられているというふうに理解しているところでございます。

#110
○山下芳生君 もうちょっと具体的に聞きますけど、その中に超超臨界、USC、これは講じられているという認識ですか。

#111
○政府参考人(小野洋太君) これは、その時々のエネルギーの情勢や、それから技術開発の状況等によりますけれども、排出削減措置、排出削減に係る技術、そのような措置が講じられているものが含まれるという理解でございます。

#112
○山下芳生君 含まれるという御認識なんですね。
 それで、よくそういうことをおっしゃるんですよ。超超臨界、USCは排出削減講じられているんだというんですが、じゃ、その超超臨界とは何かというと、発電効率がいいんだというんですね。発電効率というのは、石炭一キログラム当たり得られるエネルギー量のことであって、CO2の排出量に直接結び付くものではありません。
 ですから、超超臨界になったからといってCO2の排出量が大きく変わるわけではありません。一キロワットアワーの発電当たりCO2をどれだけ排出するか、これは排出係数で見る必要がありますけれども、この排出係数で見ますと、再エネはゼロです。それから、LNGは〇・四キログラムです。で、石炭火力は〇・八キログラムです。ですから、これが超超臨界になろうが、LNGの倍、〇・四から〇・八ですから、石炭は、これはほとんど変わらないんですね。これで排出削減の措置が講じられたというふうにみなすのは私は無理があると思いますけれども、いかがですか。

#113
○政府参考人(小野洋太君) 先ほど御答弁申し上げましたとおり、この排出削減措置を講じられたというところの解釈でございますけれども、そのときのエネルギー情勢や、各国のですね、それから技術開発の状況等を踏まえて実質的に排出削減が講じられていると、このようなものを指すという理解でございます。

#114
○山下芳生君 いや、だから、実質的に排出削減が講じられるという意味は、超超臨界の場合は発電効率が他の石炭火力よりはいいということでしょう。だけど、それはエネルギーの取り出しが効率がいいだけであって、CO2の排出を抑えるということとはまた違うわけですよね。それをそういうふうに強弁するのはいかがかなと思わざるを得ません。まあ、そういう認識だということはよく分かりました。
 それから、共同声明は、続いて三十二パラグラフで国際的な支援の在り方について述べています。ちょっと読みますと、我々は、途上国におけるクリーンエネルギーへの移行を支援するため、官民の国際的な資本の流れを、パリ協定にのっとった投資に向け、高炭素な発電から離れていくことを促進することにコミットするというふうに書かれてあります。これはいいことです。ただ、その下のところに、それぞれの国の裁量による限られた状況以外では、炭素密度の高い化石燃料エネルギーに対する政府の新たな国際的な直接支援をフェーズアウトしていくと。つまり、それぞれの国の裁量による限られた状況以外ではという条件が付いて、炭素密度の高い化石燃料エネルギーに対する支援をフェーズアウトしていく、もうやめていくということなんですが、ここに条件が付いているんですね。この、それぞれの国の裁量における限られた状況以外ではというのは、これ、G7の統一見解はあるのか、あるいは日本政府の認識はいかがなものか、どうですか。

#115
○政府参考人(南亮君) これ、先生おっしゃるとおり、今回のG7の閣僚レベルの合意のパラグラフ三十三では、それぞれの国の裁量による限られた状況以外ではというふうに定められておるところでございまして、ここについては、まさにそれぞれの国がそれぞれの国の状況、また支援する途上国の状況、またその国が有している技術など、そういったことも含めてこの以外の場合というのは検討していくという、そのような理解になっております。

#116
○山下芳生君 日本の場合はどういう状況なんですか、条件なんですか。

#117
○政府参考人(南亮君) これ、今現在、昨年、日本の政府でこの途上国に対するプラント輸出の方策、これ定めておりまして、これ昨年末に発表しておりますが、その中で、途上国の、幾つかの要件掛かっておりますが、途上国の脱炭素に実質的に貢献していくかどうかというところで、途上国の脱炭素に実質的に貢献しているようなものを支援していこうと、このようになっております。

#118
○山下芳生君 今の条件、厳格化の中にもやはり日本の高効率石炭火力の要請があった場合と、さっきと同じなんですよ、高効率石炭と。
 それから、その同じ海外への支援の問題、パラグラフの中にやはりさっきと同じ表現があるんです。排出削減対策が講じられていない石炭火力発電への政府による新規の国際的な直接支援の全面的な終了に向かっていく具体的なステップを二〇二一年中に取ることをコミットすると。今年中に石炭火力発電への支援を全面的に終了させていこうというのはいいんですよ。やっぱり条件が付いていて、排出削減対策が講じられていないと。日本の場合は超超臨界だったらオッケーというふうになっているんで、これは例外になっちゃっているんですね。日本はこれからも輸出しようということに残念ながらなってしまうわけですね。
 私は、もうこういう条件を付けて、例外を設けて、国内でも造るし輸出もするというのはやめた方がいいと思うんですよ。これは、高効率という名の下で脱炭素というのは、こんなごまかしはやめた方がいいと思いますよ。
 ちょっとこれ、ここからは大臣にも認識伺いたいんですけど、日本が途上国に輸出しないと中国が進出し、より効率の悪い石炭火力が造られるという声を昨日も経産省から聞きました、そういうことをね。これはそうなんだろうかと。私は違うと思うんですよ。こんな抜け穴つくっちゃったら、中国だって抜け穴、じゃ、石炭火力輸出しますよ。やっぱりG7が一致結束して石炭火力の輸出はもうやめようとなってこそ、中国に対する圧力が強まる、強めることができるんじゃないかと思いますが、いかがですか。

#119
○国務大臣(小泉進次郎君) いや、だからこそ、G7は今回、前向きな点で一致を見てコミュニケをまとめることができたと。そして、その中で、他の主要排出国に対しても同じようなものを求めるという、そういった文言も入っているわけですから、今回、様々な各国の事情も勘案したような要素も含めてまとめなければいけないのが外交交渉の現実ですから、そういった中でいえば、何が画期的だったかといえば、G7が化石燃料依存型の経済から新たな産業構造への変革を推し進めていくことで合意ができたこと、これは非常に歴史的なG7じゃないでしょうか。
 ちなみに、中国がこれやるんじゃないかという話ありましたけど、まあ中国、何言ったって、やるものはやると思います、そういう国ですから。ただ、大事なことは、G7一致結束して、排出を世界最大でするような国々に対して、パリ協定の下にいるわけですから、協調した対策を求めていく上で、まずG7という先進国が模範となるような姿勢と政策を進めていく決意を示していくことは非常に重要ですし、このコミュニケはそういった意味で高い評価を受けてしかるべきだと思っております。

#120
○山下芳生君 まあ残念ながら、アメリカのさっきのポリティコはそうは評価していないんですよね。日本が抵抗したと、会議を通じて日本は、日本の石炭資金、石炭技術の輸出を抑えようとするG7の努力に抵抗した、日本は世界第三位の石炭資金供給国であると、日本が難色を示すようであれば中国政府へのメッセージを薄めることになりかねないと。やっぱり私と同じ認識しているんですね、海外メディアは。
 やはり小泉大臣、中国へのプレッシャー、G7以外の国々へのね、なるというんだったら、私は一致結束して、本当にもう、一・五度以下に抑える必要があるということに認識するんだったら、これ脱石炭しなければできないということは、小泉大臣も繰り返しおっしゃっていることですよ。せっかくのそういう、日本が二〇五〇年カーボンニュートラル、二〇三〇年四六%削減というふうに一歩大きく踏み出したときに、直後にまだこういう、残念ながら過去の認識に引きずられるような対応をしているのでは非常にまずいと思います。
 それから最後に、私は、途上国支援というんだったら、再エネ支援こそ途上国の発展を資するものだと思うんですよね。再エネというのは、石炭火力等に必要な大規模な送電網が要りません。地域分散型の電力で、燃料の輸入も要らずに、途上国にこそ向いているのが再エネだと思います。逆に、石炭火力というのは、石炭火力は安いとされていますけれども、初期投資が膨大で、建設すれば四十年、五十年と動かさなければ採算、投資を回収できません。
 途上国に長く石炭火力の稼働を迫ることになるのが石炭火力の輸出ですよ。逆に、再エネをちゃんと促進する、支援することこそ、途上国にふさわしい発展があるんじゃないかと思います。この点は大臣、どうですか。

#121
○国務大臣(小泉進次郎君) 全く同感です。それは、日米の気候パートナーシップにも、インド太平洋地域にも含めて再エネをしっかり支援をする、こういったことも位置付けておりますので、そこをしっかり進めたいと思います。
 なお、さっき山下先生が、日本が高効率なものをやらないと中国がやっちゃうという、それは違うんじゃないかというその理屈は、私も同じことを申し上げていました。日本がどうであろうと、そんなに他国が言ったからといって行動を変えるような幻想は抱いていません、私は。
 だけれども、やはり日本としての責任を考えたときに今後どうあるべきかという中で、私は大臣就任直後から、この石炭の海外に対する公的支援の在り方を変えるべく訴えてまいりました。その最大のポイントは、原則と例外を転換させるべきだということをずっと言っていました。今回、このコミュニケは、私はそれが反映されていると思っています。

#122
○山下芳生君 国際的な見方が残念ながらそうはなっていないということを私は紹介したんですが、逆に、やっぱり再エネをうんと支援するという、次にシフトするためにも、石炭火力の国外への支援はやめた方がいいということを申し上げて、終わります。

#123
○寺田静君 寺田と申します。本日もよろしくお願いいたします。
 冒頭、ちょっと通告が間に合っておりませんけれども、都立の代々木公園で計画されておりますオリンピック、パラリンピックのライブサイト、パブリックビューイングの会場の設営のための樹木の剪定のことに関してお伺いをしたいと思います。
 今、このことに、我が家も含めてですけれども、関心を持っております。今、代々木公園は、コロナ対策、人が集まるのがいけないということで芝生のエリアが封鎖をされています。そもそも、一か月半のイベントのために、その成長に何十年も掛かるような樹木の姿を変えるようなことはどうなのかという御意見や、また、コロナでパブリックビューイングがそもそも行われるのかどうかということも内々都議会の方に確認をしましたところ、その実施の有無であるとか規模、やり方についてもこれから検討するということで、ただ、間に合わないといけないから伐採はしておくということだそうで、進んでいるということのようでした。
 今日ちょっとお手元に資料も配らせていただきましたけれども、今、我が家も週末に行ってまいりましたけれども、この樹木の剪定のお知らせということで木々にお知らせが掲載をされています。大きな木も印が付けてあって、このエリアの中から何メートル以下の枝を伐採しますというようなことが書かれています。
 見晴らしがいいところをつくるためというのではなくて、実はこの会場の設営のために車両が入るようにするために枝を切らなきゃいけないということなんだそうです。やっぱり地域の公園利用者にしてみますと、人が集まるのがいけないからといって制限を掛けておきながら、今度は人を集めるための会場づくりのためにこの木を切るというのはどうなんだろうというふうに、ちょっと理解が苦しむなとか、何となく嫌悪感があるというような声が上がっております。今、署名運動も始まりまして、また都議の方もアンケートなどを取られております。
 隣にすごく忙しくしておられる橋本先生がいらっしゃるところ、ちょっと心苦しいところもあるんですけれども、私は、この開催を誰もが喜べるような状況にするために、こうしたところ何とかならないものかなと、せめて本当にこれが行われるということが分かるまでこの樹木の剪定が止まらないものかなというふうに思うんですが、大臣、いかがでしょうか。環境や自然を所管するというところから御感想をお聞かせいただければと思います。

#124
○国務大臣(小泉進次郎君) この樹木の剪定が話題になっていることは承知をしています。
 ただ、この関係の詳細のところは把握をしていないという前提で申し上げれば、仮に使うか使わないかは分からないけど、仮に使った場合に切りますというその理屈であれば、理解を得ることは難しいんじゃないかというふうに思っています。そして、その理解を得るために最大限尽くす責任は、オリンピックを開催に対して務めている側にあると思います。

#125
○寺田静君 ありがとうございます。
 私も、自然の中で何かを楽しむということに関しては物すごくポジティブな方なんです。フジロックフェスティバルとかビッグビーチとか我が家も大好きですし、自然を楽しむとか自然の中で何かを楽しむということに関しては私は全然いいことだなと思いますし、仮にコロナがなくて予定していた形でパブリックビューイングが行われるというならば、私はある程度仕方がないことなのかなというふうに思います。
 先日、参考人質疑の中でノー・ネット・ロスという言葉も教えていただきました。自然をもし破壊することになるんであれば、失われるものと同等かそれ以上の価値を創造する必要があるということでした。その観点からも、何とか詳細を御確認いただきまして、必要のない剪定が行われることがないように御意見をいただけたらなというふうに思っております。
 法案の質疑の方に移らせていただきたいと思います。
 最初に、経産省の方にお伺いをしたいと思います。
 私も、若者団体、小泉大臣も度々若者団体の方々と意見交換をされていますけれども、私も若者の方々と意見交換をさせていただいたときに、小泉大臣とはお話をできているけれども経産大臣にまだお話し直接できたことないんだよなということを、要望しているけれどもかなっていないというようなお話を聞きました。
 そこで、お伺いをしますけれども、フライデーズ・フォー・フューチャーを含む若者団体と、エネルギー問題に関して、経産大臣は対話の場を設けられたことがあるでしょうか。

#126
○政府参考人(小野洋太君) お答え申し上げます。
 気候変動・エネルギー政策の推進に当たりましては、将来社会を担う若い世代の御意見を踏まえながら議論していくというのは委員御指摘のとおりだというふうに思います。
 経済産業省といたしましては、審議会、シンポジウム、説明会など様々な場を設定して、若者団体からの御意見を伺うことに努めているところでございます。例えば、地球温暖化対策の検討を行っている産業構造審議会、中央環境審議会の合同会合で、クライメート・ユース・ジャパンやフライデーズ・フォー・フューチャー・ジャパン等、若者団体からの意見を聞いているところでございます。また、梶山大臣自身も、昨年十二月に行われたカーボンニュートラル・全国フォーラムで、クライメート・ユース・ジャパンの意見を聞く機会があったところでございます。
 今後も、経済産業省全体といたしまして、様々な機会を捉えて若者の意見を聞きながらエネルギー政策の議論を進めていきたいと考えているところでございます。

#127
○寺田静君 ありがとうございます。
 事前にお伺いした限りでは直接の機会はなかったというような話でしたけれども、今お伺いをしたところではあるという。で、私が若者からあくまで聞いたところでは、インタラクティブに話せるような機会がなかったということなのかなというふうに感じます。
 経産省のお客さんって経済界とか産業界だけではなくて、エネルギーを所管しているのであれば若者はその大事なステークホルダーなんだと私は思っていますので、是非大臣とインタラクティブに会話ができるような機会を、若者団体との機会を設けていただければというふうに要望して、経産省さんの質問を終わらせていただきます。
 法案の方ですけれども、次は環境省さんの方にお伺いをしていきたいと思います。
 参考人質疑の中で、地方をきちんと巻き込むためには地方六団体に意見をちゃんと聞いて一緒にやっていく必要があるのではないかというようなお話がありました。
 本法案の作成に当たって、六団体等に意見聴取を行ったかどうかということを教えていただければと思います。

#128
○政府参考人(小野洋君) お答えいたします。
 本法案につきましては、閣議決定に先立ちまして、地方自治法第二百六十三条の三の規定に基づきまして、地方六団体への公式な情報提供手続というのを行っております。また、本法案の作成段階から、全国知事会、全国市長会、全国町村会との意見交換や、都道府県や市町村に対するヒアリングなどを順次実施してきたところであります。
 また、本法案が成立した暁には、引き続き、自治体の意見を丁寧に伺いつつ、具体的な運用の検討を進めてまいりたいと考えております。

#129
○寺田静君 ありがとうございます。
 その意見交換やヒアリングを経て、この法改正案、どこか変更になったところというのはあるんでしょうか。

#130
○政府参考人(小野洋君) お答えいたします。
 地方自治法に基づく先ほどの六団体への公式な情報提供手続におきまして、全国知事会、全国市長会、全国町村会から、制度運用の面、それから国からの支援に係る地方自治体の実情を踏まえた御意見をいただいております。特に制度を変えるべきというよりも、その運用に係る意見というのをいただいております。
 環境省といたしましては、こういう御意見踏まえつつ、具体的な制度運用に係るガイドラインの整備やきめ細やかな支援策について、この御意見に沿った形で検討を進めてまいりたいと考えております。

#131
○寺田静君 ありがとうございます。
 では、ちょっとお伺いの仕方を変えて、そもそもですけれども、自治体というのはどうしてその環境政策とか温暖化対策というものに積極的になれないのかというところをどういうふうに環境省として捉えられているのかどうか、教えていただければと思います。

#132
○国務大臣(小泉進次郎君) 一つは、やはりマンパワーが足りないというところの中で、もしかしたらマンパワーが足りないなら限られた人材を最初に環境に配置すればいいじゃないかという御指摘もあるかもしれませんが、やはり行政、抱えている課題が幅広く、そして地域住民の皆さんのニーズがあるところでその行政のリソースも優先的に割かれていくということを考えたときに、今までの日本の中で、まず最初に経済があり、そしてその経済があった後に環境だという、その経済と環境の好循環ではなかったと思うんですね。それがようやく経済と環境は好循環をさせなければいけないというマインドになってきて、まさに今この数年の動きがそのスタートになっていると思います。
 ですので、地域の防災とか経済活性化とか、安心して暮らせる環境をつくるためには、まず環境、気候変動に取り組まなければいけないという自治体が増えてきたことが、ゼロカーボンシティの急速な増加であると捉えています。まさにその認識を広げていけるように、環境省の役割、関係省庁との連携、非常に重要だと考えています。

#133
○寺田静君 ありがとうございます。
 私も同じように感じております。やっぱりこの環境のこととかというのは、今日明日のことではないというふうに思われがちで、また恐らく進んでいる自治体というのはやっぱり首長さんにやる気があるところかなというふうに感じますけれども、そうした声の大きい人とか、ふだん市町村長の周りにいない、その声の大きい人たちのものというのはその経済とかのところのことが大きくて、ふだん市町村長とか議員の方たちの周りにいるような方の環境というのがその方たちの重大な関心事ではないというところも大きいのかなというふうに感じます。
 ただ、大臣も何度も強調されているとおりに、結局この温暖化が進んでしまえば、その経済活動とか生活の基盤、そもそもその根底が全部崩れてしまうんだというところで、まさに危機なんだというところで対策を取っていかなければいけないんだというふうに思いますけれども。
 ちょっと温暖化とは違いますけれども、私は上勝町のところにすごく注目をして、ちょっとまだ視察には行けていないんですけれども、三木先生の御地元ですけれども、一度見に行きたいなと思っているんです。
 ここが、ちょっと私、メモ忘れてきてしまいましたけれども、ゼロウェイストにすごく取り組んでいるということで、町民の皆さんのところに一切このごみの回収が行かないと。全て、その何十種類ものごみを全て住民の皆さんが分別をして、最後、どうしてもこれだけは分別できないというようなものを捨てるときには、本当にそれはもう使えないのかと、どこにも分別ができないのかというようなことが書いて貼ってあって、そこに捨てるようになっていると。それはリデュースのところですけれども、そもそもリユースのところもくるくるショップというものだったと思いますけれども、それがあって、まだ使えそうなものはそこに置いておけば、誰か町民の人が、使う方が取っていくんだと。恐らく、私が想像するところですけれども、ベビーバスとかベビーチェアとか、その手のある程度使ったけれどもまだ使えるというものがそこに置かれて、どなたかの手に渡ってリユースされていくというところで、物すごくこのリデュースもリユースもリサイクルも進んでいるんだということでした。
 そこにホテルも併設をされておりまして、ここに一度泊まりたいと思っているんですけれども、レセプションのところには自分で使う分の石けん、その滞在中に使う分の石けんを切って、使う分だけ取って切って持っていくと。最後チェックアウトをするときには、その滞在中に出したごみを木の籠か何かに入れて、それでまた分別も体験をできるということでした。
 こういう自治体、何であそこまで進んだのかなと思うんです。どうしてこういうふうなことができる、自治体が、そもそもなかなか積極的じゃない自治体が多い中で、こういうことが上勝町とかでできているのはなぜなのかということをどういうふうに捉えていらっしゃいますでしょうか。

#134
○国務大臣(小泉進次郎君) 必要は発明の母の部分もあるなというのは率直に思うところなんですよね。東京って、よく炉がいいから何でもごみをそこまで分別せずに捨てても大丈夫だって思っている人結構いるじゃないですか。そして、東京二十三区って、残念ながらごみ袋の有料化は全くやっていないんですよね。一方で、上勝町とか、そしてリサイクル率の高い鹿児島の大崎とか、こういったところは分別を首都圏の人間からすると考えられないほど努力をされて、そしてごみ袋の有料化も住民の皆さんの理解を求めながらやっている。やはり便利な生活の都市部の裏側には何かを犠牲にしているところがあると感じざるを得ませんね。
 ですから、上勝のような取組が、上勝だからできるんでしょうというところに終わらせないような、そういった教訓を導き出して、それを横展開をできるようにしていくことが環境省としてすごく大事なことだと思っています。
 今、国・地方脱炭素実現会議では、自治体のそういったそれぞれの光る取組をどのように後押しをして先行的なカーボンニュートラルの地域にできるかということを考えて取りまとめに向けて進んでいますので、上勝の例なども含め後押しできるようにしていきたいと考えています。
 なお、私も上勝に行きたいと思って、ゴールデンウイーク中の視察にもそのホテルに泊まろうかなと考えたんですけど、緊急事態ということもあって断念せざるを得ませんでした。機会があれば是非、三木先生にも御案内いただきながら行きたいなと思っております。

#135
○寺田静君 ありがとうございます。
 私も行こうと思ったときに、何か月も前から計画をしていたんですけれども、やはりぎりぎりになって先方から、やっぱりPCRを受けて来ていただくとか何かはないでしょうかと言われて、ああ、やっぱり今は控えた方がいいのかなと思ってやめたという経緯がありました。
 上勝だけではなくて、例えばニセコも、生ごみなんですけれども、それをそのまま再利用できるように生ごみだけを入れるごみ袋を作って、この袋ごと実は分解されるもので、その袋ごとそのまま出せるというようなことがあって、努力をしなくても楽に処分をすることができると、協力がしやすいような体制をつくることも一方で大事なのかなというふうに考えております。
 済みません、これも通告をしておりませんですけれども、ナッジチームというものがあるというふうに教えていただいていまして、努力をしなくてもできるようなことをこのチームの中で考えられているのかなと思うんですけれども、このチームでもしこういうことをやられているとかというのがあれば少し教えていただければと思いますけれども、いかがでしょうか。

#136
○国務大臣(小泉進次郎君) 環境省の中にはナッジのユニットというのがありまして、これは関係の省庁などとも連携をして、また専門家の方にもこういう協力を仰いで、ナッジというのは行動経済学のアプローチですから、いかに気付かないうちに自然とより良い行動が促されるような仕組みをこの行政の施策の中にも位置付けていけるかという発想でやっています。
 例えば新宿御苑で試みたことは、スターバックスがありますと、だけどコロナになってしまって中のエリアを飲食では使えないで、どうやって密を防いでそのスタバを利用いただくかというときに、ナッジチームなども考えたのは、行列のところにここに立ってくださいというそのマークや、あとは自治体の取組でいうと、入口のところで消毒液を置いてあるだけだと残念ながら消毒をしない方がいるんですね。それをどうやって減らすかというナッジのアプローチの一つが、地面に矢印のシールなどを貼って、その矢印が消毒液に向かっている形にすると消毒液を使う方の確率がぐっとアップするんです。
 そういったアプローチがナッジの一つの手法なので、我々環境省も、実際に実践をしていることに加え、自治体の好事例なども紹介をして後押しをすることをやっています。

#137
○寺田静君 ありがとうございます。
 参考人質疑の中でも、努力せずに変えられる社会の仕組みをつくることがすごく大事だというようなお話がありまして、私もそういうことなのかなというふうに思っています。
 とある企業の方とお話をさせていただいたときに、やっぱりそのエフォートレスでできるのが大事なんだと言われてびっくりしたことがあったんですけど、その方は元ファッション業界にいらして、今は化粧品の会社にいらっしゃると。元ファッション業界だから言いますけれども、エフォートレス、努力をせずにできるということが第一なんですと、そうしなければなかなか、やっぱり遠くまでそれを求めて買いに行こうとかという、買うほどの変化をさせるのはすごく難しいので、例えばその方がおっしゃるには、オーガニックのショップを増やすのではなくて、コンビニに売っている三割のものをオーガニックに変えることが自分の目標ですみたいにおっしゃっていて、そういうふうに社会の仕組みを変えることが大事なんだろうなというふうに思っております。
 この温暖化対策もそうですけれども、この社会の仕組みを、その意識喚起というところももちろんですけれども、またこの後のプラスチックのところも同じことだと思いますけれども、意識喚起はもちろん大切だと思いながら、この社会の仕組みを変えていくというところにこれからも一緒に努力をしていけたらというふうに思っています。
 どうもありがとうございました。

#138
○平山佐知子君 無所属の平山佐知子です。よろしくお願いいたします。
 二〇五〇年カーボンニュートラル、そして二〇三〇年四六%の削減に向けて、やっぱり最も重要なのがエネルギー分野でのCO2の排出の削減だと私も思っています。
 日本の二酸化炭素排出量はおよそ十一億八百万トン。そのうち、電気・熱配分前においてはエネルギー転換部門からの排出が最も多く、およそ四割を占めています。一方で、我が国のGDPに占める製造業の割合はおよそ二割。さらには、製造業の他産業への経済波及効果、これも大きいということからも、製造業を支える電力の安定供給守っていくということは、これ大変重要だと思います。
 確認のためにまずちょっと伺いたいんですが、世界に誇る我が国の物づくり技術を守るためにもこの電力の安定供給死守すべきだと思っているんですが、これは大臣も同じ認識でいらっしゃるということでよろしいでしょうか。

#139
○国務大臣(小泉進次郎君) それは、もちろんそのとおりです。
 ただ、今までの単純な安定供給と変わってきた状況は、再生可能エネルギーを安定的に供給をしていく、そういった環境が需要家サイド、製造業者の中からも求められてきているということであります。

#140
○平山佐知子君 ありがとうございます、しっかりと認識を言っていただきまして。
 午前中の柳田先生の議論でもありましたけれども、やはりこの電力を使う側、需要サイドも変わってきたという話もありましたけれども、その側に立ってやはり話もしっかりとしていかなくてはいけないと私も思っていまして、先ほども少しありましたが、昨年末から今年初めにかけては電力需給が逼迫するという状況になりました。これは、断続的な寒波の影響で電力需要が想定を上回って、さらには大雪などの悪天候のためにこの太陽光発電の電力発電量が低下したことなどによって起きたということです。
 業界全体での緊急融通ですとか需要家への節電協力などあらゆる対策を講じたことによって、停電、これは回避されましたけれども、需給逼迫が続いたことで電力の市場価格高騰して、一部の新電力では経産大臣へ救済要望も出されているということを伺っています。
 今回の電力需要逼迫ですが、発電設備の出力が足りなくなって起きたわけではなくて、太陽光発電の出力低下やLNGが足りなくなり、需要に見合う十分な発電電力の総量が足りなくなって起きたものだと聞きました。つまり、再エネの導入拡大に伴って調整力としての火力の重要性が増して、特にLNG火力への依存度が増大する中で、オイルショックのときと同様に燃料調達と確保ができなかったことがその理由の一つだということです。
 このことからも、改めて、このエネルギー政策の基本であります3EプラスSの重要性、そしてその同時達成に向けては、エネルギー自給率の低い我が国にとっては、多種多様なエネルギーをバランスよく組み合わせていくエネルギーミックス、これがやはり改めて必要なんだなというふうに認識をいたしました。
 経産省は新しい電源構成を今検討中だと思います。午前中、小泉大臣からも、再エネを増す方向だというお話がありましたけれども、現在この電源構成、示すことができる数字があれば教えていただきたいということと、また、二〇三〇年度において特にどれだけの電力総量があれば安定供給できると想定されているのか、具体的な数字を教えてください。

#141
○政府参考人(小野洋太君) お答え申し上げます。
 二〇三〇年のエネルギーミックスにつきましては今検討中でございまして、今総量についても御質問ございましたけれども、ミックスとともに今その数字をお示しすることはできません。御容赦ください。

#142
○平山佐知子君 まだお示しすることができないというお話がありましたけれども、やはり私が申し上げているのは、以前からも申し上げていますけれども、やっぱり電力の我が国の安定供給、そして安全保障を守るためにはどうするのかという、絵に描いた餅にならないように具体的にやはり示していかなくてはいけないということは以前から申し上げているところでございまして、今議論中だとは思いますけれども、温暖化防止を進めながらも、このベースロード電源の底上げも含めて、この電力の安定供給、これは絶対に死守するんだという方向で是非お願いをしたいというふうに申し上げておきます。
 さらに、新しい電源構成や二〇三〇年度目標の四六%削減におきまして、本法律案で創設された地域脱炭素促進事業の果たす役割について、環境省の御見解を伺います。

#143
○大臣政務官(宮崎勝君) お答え申し上げます。
 二〇五〇年カーボンニュートラルや二〇三〇年度四六%削減の達成のためには、再エネの最大、大量導入が必要であり、特に、環境省といたしましては、地域における再エネポテンシャルの最大限の活用に取り組むことが重要であるというふうに考えております。その一方で、午前中の質疑でもございましたけれども、近年は再エネをめぐる地域トラブルも見られまして、再エネ設備の導入を条例で制限する自治体も増えているということでございます。
 こうした状況を踏まえまして、本改正案におきましては、まず、市町村が実行計画において再エネ利用促進等の施策の実施目標を定めるよう努めることとしておるところでございます。その上で、市町村に地域の再エネポテンシャルを踏まえた意欲的な再エネ目標の設定を促していくと。また、その達成に向け、地域の円滑な合意形成を図りながら、再エネ事業の促進区域であるとか地域の環境保全や地域貢献の取組を実行計画に定めていただくと。さらに、これらに適合する事業を認定する仕組みを導入して、地域と共生する再エネ事業を促進していくということでございます。
 こうした仕組みの導入によりまして、二〇三〇年度目標の達成にも資するというふうに考えているところでございます。

#144
○平山佐知子君 おっしゃっていただいたように、やはり地域の理解をしっかりと得ながら、再エネ拡大どんどん進めていかなくてはいけないと私も思っております。
 ただ、やっぱり現実を見ると、再生可能エネルギーはやはり天候に大きく左右されるということで、当然、太陽光発電だと夜には発電はしませんけれども、天候の良い日中はその発電量を一〇〇%使い切れない場合もあります。それを考えますと、再生可能エネルギーは余った電力を賢くためてしっかり利用する、活用するその技術が必要だと思います。
 エネルギーをためるといいますと、一般的には蓄電ですけれども、福岡県の豊前蓄電池変電所を見ても、実にサッカー場二面分もの広さで出力五万キロワット、容量三十万キロワットという規模ですので、現在の蓄電設備では余剰電力を全て蓄電するというのは不可能だと思います。
 現在、特に再エネの余剰電力に特化した国内の蓄電設備の状況どうなっているのか、そして、今後の計画について伺うとともに、蓄電池の果たす役割についても考えを教えていただければと思います。

#145
○政府参考人(茂木正君) ただいま委員から御指摘ございましたとおり、再生可能エネルギーの発電量が増えますと当然出力制御のようなことが増えてまいります。今ちょっと御指摘ありました九州ですと、大体ピーク時の出力制御量、一番多いときで三百万キロワットぐらい出力制御しておりまして、今ちょっと御指摘あった豊前の蓄電池が大体五万キロワットでございますから、当然これで全部吸収できるということではございませんので、この辺をどう拡大していくかというのは一つ重要な課題です。
 それで、現状におきまして、余剰電力の吸収ですとか、あるいはその周波数の調整ですね、こうしたことを目的としていわゆる送配電会社が所有している大型の蓄電池というのは、これは過去の技術実証予算で導入したものでございますが、九州を含めまして全国に四か所のみでございます。この大型の蓄電池、現時点では非常に揚水発電などと比べてもコストが高いということもありまして、利用が限定的になっているということでございます。
 他方、今後ですが、再エネの導入量が更に拡大してきまして、当然その調整力そのものも脱炭素化をしていかなきゃいけないということになってまいります。そうなりますと、今申し上げた蓄電池の一層の普及の拡大と同時に、例えば水素の電解によって電気を吸収するといったような水素の活用というのも非常に重要になってくるというふうに考えています。
 また、蓄電池については、したがいまして、引き続きコストを低減を図っていくとともに、これ電気事業の中でこの蓄電池をどう位置付けるかと明確にすることで保安規程をはっきりさせるとか、こうした事業場の位置付けをはっきりさせると同時に、そのためた電気をどこで販売するのかと。例えば、調整力市場といったような市場がありますが、こういった市場をしっかりつくって環境整備をすることで普及を進めていきたいというふうに考えています。

#146
○平山佐知子君 ありがとうございます。
 今おっしゃっていただいた水素の話も伺っていきたいと思っていますが、再生可能エネルギーを利用して水の分解などによって水素を発生させて、水素を含有するエネルギーの貯蔵媒体、エネルギーキャリアに化学的に転換することで再生可能エネルギーの貯蔵、輸送を容易にするための技術開発が、おっしゃっていただいたように精力的に進められていると思います。
 日本は水素の研究開発で世界でもトップを走ってきたと。政府は二〇一七年十二月に水素基本戦略を策定して、脱炭素エネルギーの新たな選択肢として水素を明示しています。一方、EUは、二〇二〇年七月に水素戦略を打ち出し、CO2フリー水素、いわゆるグリーン水素の導入目標量を示しています。太陽光パネルや大型風力発電施設の整備、それから電気自動車などで中国勢が世界を席巻している今、我が国としてもこの水素分野は譲れないものだと考えています。
 政府は、日本の年間水素導入目標を現在の二百万トンから二〇五〇年に二千万トンにするとしていますが、導入される水素はグリーン水素であることが重要だと私は考えています。二千万トンのうち、自国生産、つまり国内での再生可能エネルギーによって生み出されるグリーン水素はどの程度を見込んでいらっしゃるのか、また、海外から輸入する水素も含めてグリーン水素ではないものの導入、これはどの程度見込んでいるのか、これも併せて教えてください。

#147
○政府参考人(茂木正君) 水素につきましては、今、国内の水素導入量二百万トンぐらいでございまして、これは化石燃料から分離をしますので、いわゆるグレー水素と言われるものになります。これを将来やはり二千万トンまで増やし、これをブルー化、グリーン化していくというのが大きな目標になります。当然、その際には大規模にかつ安定的に供給できる体制を組むということが必要になってまいります。
 その上で、まず国内での水素の生産ということにつきましては、これはいわゆる再エネの有効利用という観点からも、またエネルギーの安全保障の強化という観点からも大変重要だというふうに私ども考えています。
 現在、福島県の浪江町で、世界最大級の水電解装置を活用した水素製造技術の実証をやっております。こちらの実証を通じてコストダウンを図るとともに、これ、系統の入ってきました電力と需給バランスをうまく取りながら水素量を調整するといったような、こういう運用システムの確立の実証も進めているところです。
 加えて、やはり国内の再エネ水素と併せまして、海外からの安価で豊富なエネルギーで製造される水素の活用というのも重要だと考えています。
 今、実証事業としては、例えばオーストラリアで、石炭から水素を分離してCO2は地中に埋めて持って帰ってくるという、そういう水素の実証をやっておりますけれども、それだけではなくて、将来的には、これ海外で例えば再エネが安価で豊富な国があれば、そこで作ったグリーン水素というのも、これを液化して運んでくるというのも重要な選択肢になるというふうに考えています。
 水素の調達先については、先ほど二千万トンの内訳がございましたけれども、これはいわゆるブルー水素、グリーン水素、それから国内、海外も含めた多様な選択肢の中から、これは経済合理性、安定供給を勘案して決めていきたいというふうに考えています。
 引き続き、再エネを活用した水素の国内製造基盤の構築と、海外からの水素の調達に向けたサプライチェーンの構築をしっかり取り組んでまいりたいというふうに考えています。

#148
○平山佐知子君 おっしゃっていただいたように、当面は輸入の安価なブルー水素になるのかなと思いますけれども、やっぱり自国生産ですね。それもCO2フリーのグリーン水素の自国生産は、もうまさにおっしゃっていただいたように、エネルギーの自給率の低い我が国にとっては安全保障という意味でもしっかりとこれから重要になってくるなと、私も同じ認識だなと思って伺わせていただきました。
 水素は、蓄電池ではやはり賄い切れない運輸部門、トラックやタクシーとか船舶、航空機での動力源としても今後飛躍的に増加することが見込まれていますから、やはり自国生産が可能になれば我が国のエネルギー安全保障にも貢献すると大変期待しているところでもございます。
 しかし、先ほども述べましたが、脱炭素シフトを進めるために二酸化炭素を排出しながら水素を製造するというのは余り意味がないと。もしこの方法で水素を利用するならば、CCSとセットにする必要があると思います。
 小泉大臣は、去年三月の委員会において、CCUSのうちのCCについて、二〇二〇年度をめどに確立をしたいと御答弁をいただきました。この二酸化炭素の回収技術は、現在、電力の多くを火力発電に頼らざるを得ない状況の日本において最も先に確立、普及すべき技術だと思いますが、その現在の状況と、また今後の見通しを教えてください。

#149
○国務大臣(小泉進次郎君) まず、平山先生は水素社会を実現を後押しをしたいという思いでこのCCUSについても今御質問いただいたと思うんですけど、今までのやり取りを聞きながら、まず前提として、水素社会を本当に実現をするためには、とにかく再エネを生み出しただけ入っていくというルールを社会に作らなければ水素社会は実現をしないと思います。ですから、ベースロード、ベースロードという話があるんですけど、ベースロードは、まさにそのベースロード分だけ生み出したものは全部入れるという発想ですよね。一方で、例えば九州などで予想以上に入った再エネは抑制をされる。このままだったら水素社会は実現しないと思いますよ。
 それに、日本は水素社会のために基本計画を世界で最初に作った国ですけど、計画を作っても社会の実装が進まなければ意味がないわけで、その観点からいえば、今この水素の覇権を握る、この中で日本は負けかねない、その岐路に立っていると思っています、世界の動きが急速ですから。
 ですから、まず何よりも、その水素社会の実現を求める方、与野党でも多いんですけど、その大前提として、水素は、再エネをとにかく生み出すだけ生み出して、それで余ったもので水素をやるという発想を持ってもらわなかったら、私は、結果的に自立したエネルギー安全保障にも資することはなく、コストは高く、さらにそれでカーボンプライシングも否定をされたら、私は動きようがないと思いますね。
 で、CCUSについては、いずれにしても、この火力をどうやってゼロエミッションにするか。その上で必要な実証を環境省は福岡県の大牟田市でやっていますし、それは当初の計画どおり、一日当たり五百トンのCO2を回収できることを既に確認をしています。こういったことを通じて技術の確立を図って、最終的にCCUSの二〇三〇年以降の本格的な社会実装を目指していくと、そういった中で環境省はできることをしっかりやっていきたいと思います。

#150
○平山佐知子君 もちろん、やっぱり再エネを進めていって、将来像としての社会をしっかりと見据えていかなくてはいけないと思っていまして、そのためにあらゆることを考えていく中で、やはり電力の安定供給というのは私は重要視しているというお話で今日は進めさせていただいていますけれども、そのCCS進めるに当たっても、やはり貯留するための地層をしっかりと見付けるということが必要になってくると思います。
 公益財団法人地球環境産業技術研究機構によりますと、我が国の海域におけるCO2貯留の可能性は千四百六十一億トンと推定されていますけれども、環境省と経産省では、二〇一四年度より共同でCO2の貯留に適した地層の調査事業を行っています。現在、その貯留適地の選定どこまで進んでいるのか、また、適地とされる場合も、その地域の皆様との理解と納得、これが必要だと思いますが、地域における合意形成についてどのように考えていらっしゃるのか、具体的に環境影響などをどのように発表して理解を得ていくつもりなのか、教えていただきたいと思います。

#151
○国務大臣(小泉進次郎君) 先生言うとおり、地元の合意、地域の合意を得ることは非常に重要なことだと考えていますし、今実施している調査に当たっても、地元の関係者とも調整をした上で行っております。
 今後、候補地点を絞り込んで更に詳細な調査を進める予定でありますが、その際には、調査結果の公表の仕方、地域における合意形成の進め方などについて、経産省とも連携をしてしっかり検討して進めていきたいと考えております。

#152
○平山佐知子君 ありがとうございます。
 時間が来ました。しっかりと着実に進めるために一歩ずつ積み上げていくということが必要だと思いますので、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございます。

#153
○委員長(長浜博行君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕

#154
○委員長(長浜博行君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、徳永君から発言を求められておりますので、これを許します。徳永エリ君。

#155
○徳永エリ君 私は、ただいま可決されました地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・国民の声、立憲民主・社民、公明党、日本維新の会、国民民主党・新緑風会及び日本共産党の各派並びに各派に属しない議員寺田静さん、橋本聖子さん及び平山佐知子さんの共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずべきである。
 一、地域脱炭素化促進事業の実施に当たっては、水力、自然界に存する熱等の再生可能エネルギーも積極的に活用すること。また、エネルギーの使用の合理化や地域環境の整備に留意するとともに、地域の特性をいかした事業の展開及びその利益の地域の経済活動への還元等に配慮しつつ行われるよう努めること。
 二、地球温暖化対策の推進に当たっては、科学的知見の充実に努めつつ、地球温暖化の予防的な取組方法の考え方に基づき早期に対応すること。また、地域住民その他の多様な主体の参加と協力を得るとともに、透明性を確保しながら行うこと。あわせて、将来の国民の過大な負担とならないよう迅速かつ適切に行うほか、我が国に蓄積された知識、技術、経験等をいかすとともに、国際社会における我が国の占める地位に応じて、国際的協調の下に積極的に推進すること。
 三、国は、温室効果ガス排出量の削減等の施策の推進に当たり、国民の意見を国の施策に反映させるため、情報の提供及び幅広い世代や分野からの意見聴取等の必要な措置を講ずるよう努めること。また、地方公共団体に対し、住民の意見を施策に反映させるための情報の提供や意見聴取等に努めるよう促すとともに、事業者に対しては、その事業者が講じた措置等についての情報の公開に努めるよう協力を求めること。
 四、国は、その設置する施設について省エネルギー・再生可能エネルギー利用改修を計画的に実施し、エネルギーの使用合理化の促進や温室効果ガスの排出量削減等を図ること。効率的な二酸化炭素吸収源としての適正な森林対策、気候変動への適応策を関係省庁の連携の下、推進すること。
 五、市町村による地方公共団体実行計画(区域施策編)の策定及び地域脱炭素化促進事業計画の認定に当たっては、市町村に過重な負担が生じないよう、必要な情報提供、助言及び専門家の派遣その他の援助による、きめ細やかな支援を行うこと。
 六、地域脱炭素化促進事業については、住民その他利害関係者の意見が十分に反映できるよう、地方公共団体実行計画を定めるに当たっては地域における公聴会の開催等が、また、地方公共団体実行計画協議会の構成員の選定に当たっては当該区域の住民及び専門家等の参画が確保されるよう地方公共団体に対し促すこと。さらに、地域脱炭素化促進事業に関する地域の設定の在り方について引き続き検討を行い、その結果に基づき、環境の保全等のため所要の措置を講ずること。
 七、促進区域に関する基準については、自然公園や鳥獣保護区等の保護地域及び絶滅のおそれのある野生動植物種の生育・生息地等の保護地域への環境保全上の支障を及ぼさないよう、慎重に検討すること。特に、大規模な再生可能エネルギー施設を誘致する促進区域の設定を行う場合には、再生可能エネルギーの種類ごとの特性等を踏まえつつ、原則としてこれらの地域が回避されるような基準を設けること。
 八、都道府県が促進区域に関する基準を定める場合には、認定地域脱炭素化促進事業計画に基づく施設整備について環境影響評価法の計画段階配慮書の手続が適用されないことを考慮し、環境への影響が回避されるよう適切な助言等を行うとともに、広く住民の意見が反映されるよう促すこと。
 九、市町村が促進区域を設定するに当たっては、環境省による風力発電における鳥類のセンシティビティマップ等を活用し脆弱な自然環境の把握に努めること及び土砂の崩壊等の発生を防止し、水源かん養の機能を有する保安林の取扱いについて、住民生活に支障を及ぼさないよう検討をすることを市町村に対し促すこと。
 十、地域脱炭素化促進施設が発電施設としての用途を終了した際には、地域脱炭素化促進事業計画の認定の取消しや事業者の倒産の場合も含め、設備の撤去及び撤去後の自然環境の復元等について適切な取扱いがなされるよう、関係省庁と連携して対応すること。
 十一、温室効果ガス排出量算定・報告・公表制度については、事業者の削減取組の促進やESG金融の観点から、報告事項の在り方等を含め、脱炭素社会の実現に資する制度の在り方の検討を引き続き進めること。
 十二、地球温暖化に伴う気候変動に起因する影響が危機的な水準にあることに鑑み、温室効果ガス排出量削減等のための施策の在り方、パリ協定に対応した法体系その他の気候変動に関する法制度の在り方について検討を行い、その結果に基づき、法制の整備その他の所要の措置を講ずること。
 十三、温室効果ガス削減に関する二〇三〇年度及び二〇五〇年目標を達成するため省庁横断の実効性のある統合的な施策の推進体制や客観的評価を検討すること。
 十四、地球温暖化対策の推進に当たっては、国際的にも生物多様性の確保が喫緊の課題であることに鑑み、本法に基づく施策も含め、地域への再生可能エネルギー導入拡大により地域の自然環境及び生物多様性の価値を損なうことがないよう十分留意すること。
 十五、ため池を利用した太陽光発電施設の設置については、農業用水の安定的な供給、災害発生の防止に加えて、ため池の有する生物多様性の保全を始めとする多面的機能に支障が生じることのないよう、国としてガイドラインを作成するなど、地方公共団体の取組を支援すること。
 十六、農地への再生可能エネルギー導入拡大に当たっては、設置要件の緩和により荒廃農地を活用することとしているが、食の安全保障の確保に加えて、一般企業や外国資本の参入などにより農地本来の役割に支障が生じることのないよう配慮すること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をよろしくお願い申し上げます。

#156
○委員長(長浜博行君) ただいま徳永君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕

#157
○委員長(長浜博行君) 全会一致と認めます。よって、徳永君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、小泉環境大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。小泉環境大臣。

#158
○国務大臣(小泉進次郎君) ただいまの附帯決議につきましては、その趣旨を十分に尊重いたしまして、関係省庁とも連携を図りつつ努力してまいる所存でございます。
 ありがとうございました。

#159
○委員長(長浜博行君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#160
○委員長(長浜博行君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時五十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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